JP2021526062A - ビーム型弾性体及び成形不織布層を有する伸縮性積層体 - Google Patents

Abstract

伸縮性積層体が開示される。伸張性積層体は、フィラメントの集積体を含み、外側表面と内側表面とを有する不織布材料の層を含み、外側表面はゾーンの秩序配列を有し、各ゾーンは、ビルドアップ領域に隣接する薄化領域を有し、薄化領域は第１の坪量を有し、ビルドアップ領域は、第１の坪量よりも大きい第２の坪量を有し、この坪量の差は、秩序配列に従うフィラメントの堆積に対応する。伸縮性積層体は、股部伸縮方向に互いに離間した複数の弾性ストランドを含んでもよい。いくつかの実施例では、弾性ストランドは、３ｍｍ以下の平均ストランド間隔、及び／又は３００以下の平均デシテックス、及び／又は２５０パーセント以下の平均予歪みを有し得る。

Description

本開示は、不織布ウェブ材料構成要素から形成された伸縮性積層体、及びそのような伸縮性積層体が構成要素を形成し得る着用可能な物品に関する。

使い捨て吸収性パンツ及び使い捨ておむつなどの着用可能な吸収性物品は時として、弾性材料に接合された不織布ウェブ材料の１つ以上の層を有する伸縮性ラミネート又は「伸縮性積層体」を含む。弾性材料は、弾性フィルム、複数の弾性ストリップ、弾性スクリム、複数の離間した弾性ストランド、又はこれらの組み合わせを含む様々な形態を取り得る。

非限定的な例として、子供用及び成人用の現在市販されている多数の使い捨て吸収性パンツは、着用者の胴体下部を取り囲むベルト構造体を含んでおり、ベルト構造体は、横方向に沿って弾性的に伸縮可能である伸縮性積層体から形成されている。このタイプのパンツ構造は、フィット感及び着用者の快適性、並びに製造効率に関する属性のために好まれている。典型的なベルト構造体は、第１の不織布ウェブ材料から形成された外側に面する層と、第２の不織布ウェブ材料から形成された着用者に面する層と、外側に面する層と着用者に面する層との間に挟まれた弾性材料と、を有する。弾性材料は、典型的には、エラストマーポリマーから作製されたフィルム、又はエラストマーポリマーから作製された、長手方向に離間された側方配向の複数のストランドである。多くの例では、弾性材料は、製造プロセス中に伸縮方向に沿って予歪みを与えられ、予歪み状態にある間に層間に挟まれ、付着される。製造完了後、弾性材料は、その弛緩寸法に向かって収縮し、サンドイッチ層を伸縮方向に沿ってギャザリングさせる。サンドイッチ層のギャザーは、物品が装着及び着用されたときに、積層体の伸縮に適応する役割を果たす一方で、弾性材料の弾性は、横方向の引張収縮力を与えて、着用者の胴体下部の周りにぴったりと、快適に適合するフィット感を提供する。

エラストマーポリマー材料は比較的高価であるため、挟まれた弾性材料が弾性フィルムである伸縮性積層体は、弾性材料が複数の弾性ストランドである伸縮性積層体よりも高価であり、かつ費用競争力も低くなる傾向がある。加えて、弾性フィルムは膜様であり、皮膚の快適性を目的として所望され得るよりも比較的通気性の低いものとなる。あるいは、弾性材料が、複数の長手方向に離間された側方配向の弾性ストランドの形態をなす場合、積層体は、より安価にかつより高いコスト競争力で作製され、また比較的より高い通気性を有し得る。しかしながら、この後者のタイプの積層体の１つの特徴は、その構造が比較的大きくなり得るサンドイッチ材料のギャザー又はラッフルを結果として形成し、いくつかの状況では望ましくなくかつ／又は不快であると見なされ得る、嵩高で、斑点状で、ひだ付きの外観を材料に付与することである。伸縮性積層体材料の外観それ自体とは別に、装飾要素（典型的には、サンドイッチ層のうちの１つの表面に印刷された１つ以上のデザイン要素）は、ギャザー内で折り畳まれる傾向があり、それらの認知性及び視覚的インパクトを相当に低減させるか若しくはそれらに悪影響を及ぼすことになるため、比較的大きなひだは、積層体上に装飾要素を含めることを困難にする。

「ビーム型」弾性体の使用は、本明細書で企図されるタイプの伸縮性積層体の作製に使用するために実現可能であり、各種の材料の使用にそれぞれ伴う利点の実現と共に、フィルム弾性層及び従来の弾性ストランドをそれぞれ使用することの上述の不利益を相当に緩和することを含む多数の利点を提供し得ることが、最近になって発見された。

これらの種類の製品の製造業者は、コスト競争力を得ながらも消費者にとって喜ばしい方式で、製品の機能性及び外観を改善するために絶えず努力している。したがって、外観及び／又は機能性を向上させる役割を果たす、伸縮性積層体に対するあらゆる費用効果的な改善が、市場での競争上の利点をその製造業者に提供することになる。

パンツの形態をなす着用可能な使い捨て吸収性物品の概略正面図である。 パンツの形態をなす着用可能な使い捨て吸収性物品の概略側面図である。 伸縮性積層体を製造するための構成要素の外形の概略側面図である。 伸縮性積層体の一区画の構成要素の概略分解図である。 ゾーンの秩序配列の一例を有する、伸縮性積層体の層構成要素を形成する成形不織布ウェブ材料の一部分の平面図である。 成形不織布ウェブ材料を製造するための構成要素の外形の概略側面図である。 成形ベルトの一部分の外側受容側面の平面図である。 図６において「７」として識別される成形ベルトの一部分の拡大平面図である。 図７の線８−８に沿った、図７に示される成形ベルトの一部分の概略断面図である。 図７の線８−８に沿った、図７に示される成形ベルトの一部分の概略断面図であり、矢印は、使用時の図示の成形ベルトの一部分を通る空気流を概略的に示す。 図７の線８−８に沿った、図７に示される成形ベルトの一部分の概略断面図であり、上に堆積された紡糸フィラメントの集積体の概略断面図と共に示されている。 成形ベルトとは別に示された、図９に示された紡糸フィラメントの集積体の概略断面図である。 堆積されたフィラメントの第１及び第２の異なる層を含む、成形ベルトとは別に示された、図９に示されるものと同様の紡糸フィラメントの集積体の概略断面図である。 図６において「７」として識別される成形ベルトの一部分の中の、図６に示される成形ベルト上に形成され得るような紡糸フィラメントの集積体の一部分の概略拡大平面図である。 製造に続くものであるが内部の弾性材料の弾性収縮の前のものとして示された、図４に示される不織布ウェブ材料がその層構成要素を形成している伸縮性積層体の一部分の概略平面図である。 製造に続くものであるが内部の弾性材料の弾性収縮の後のものとして示された、図１１に示される伸縮性積層体の一部分の概略平面図である。 図４に示された成形不織布ウェブ材料の一部分の概略平面図であり、ゾーンの秩序配列における機械／伸縮方向繰り返し間隔の測定を示す。 パンツ型物品の前側ベルト部分の層として使用するのに好適なゾーンの秩序配列の別の例を反映する、成形不織布材料の一部分の平面図である。 パンツ型物品の前側ベルト部分の層として使用するのに好適なゾーンの秩序配列の別の例を反映する、成形不織布材料の一部分の平面図である。 パンツ型物品の前側ベルト部分の層として使用するのに好適なゾーンの秩序配列の別の例を反映する、成形不織布材料の一部分の平面図である。

定義
部分的又は全体的に繊維及び／又はフィラメントから形成された不織布ウェブ材料に関して、「結合部」とは、材料に塗布された接着剤の堆積、材料に加熱エネルギーを局所的に加えることによる熱融着（例えば、加熱された結合ローラー上の既定の結合用突出部からの熱、又は規定の結合用突出部を備えた結合ローラーと組み合わされたソノトロードからの超音波振動エネルギー）、又はｚ方向に圧力を（例えば、規定の結合用突出部を備えた結合ローラーによって）材料に局所的に加えることによって発生する塑性変形及び絡み合い若しくは噛み合い、のうちの１つ又はそれらの組合せによって生じる、複数の繊維及び／又はフィラメントが単一の塊として互いに保持される材料内の３次元ボリューム又は形状である。結合部は、ウェブ材料の大きな表面、並びにｚ方向寸法によって近似される、ｘ−ｙ平面に沿った二次元プロファイルを有する。結合部が、規定の結合用突出部を有する結合ローラーの使用によって形成されるとき、結合部の二次元プロファイルは、結合用突出部の形状をほぼ反映したものとなる。

本明細書で用いられるとき、「繊維」は、５．０８ｃｍ（２インチ）未満の長さを有する細長い粒子を意味する。不織布ウェブ製造の分野では、繊維は通常、本質的に不連続であると考えられる。繊維の非限定的な例としては、木材パルプ、綿及び竹の繊維などの天然繊維、並びに、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、これらのコポリマー、レーヨン、リオセル、ガラス繊維、及びポリビニルアルコール繊維などの合成短繊維（フィラメントをチョッピングすることによって製造され得る）が挙げられる。

本明細書で用いられるとき、「フィラメント」は、５．０８ｃｍ（２インチ）以上の長さを有する細長い粒子を意味する。不織布ウェブ製造の分野では、フィラメントは通常、不織布ウェブ材料に対して不定の長さであり、かつ／又は実質的に連続的であると考えられ、不織布材料においては、繊維とは対照的に、フィラメントは無限長をなし得ないことが認識されている。フィラメントの非限定的な例としては、メルトブローンフィラメント及び／又はスパンボンドフィラメントが挙げられる。フィラメントに紡糸され得るポリマーの非限定的な例としては、例えば、デンプン、デンプン誘導体、セルロース（レーヨン及び／又はリヨセルなど）、セルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体などの天然ポリマーと、限定するものではないが、ポリビニルアルコールフィラメント及び／又はポリビニルアルコール誘導体フィラメント、並びに、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン（ポリプロピレント、ポリエチレン）、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリエステルアミド、及びポリカプロラクトンなど）などの熱可塑性ポリマーを含む合成ポリマーと、が挙げられる。紡糸フィラメントは、単成分又は多成分、例えば、二成分であってもよい。

不織布ウェブ材料の一区分の領域の「領域坪量」は、本明細書に記載される局所坪量測定法を含むが必ずしもそれに限定されない任意の適切な測定技術によって測定された、材料の片側の表面積で対象の領域を除算したグラム単位の重量を意味する。

不織布ウェブ材料の領域の「強度特性」は、坪量、ｘ−ｙ平面に沿って存在する材料の単位表面積当たりに存在する全ての繊維及び／又はフィラメントの長さの総計（本明細書では繊維及び／又はフィラメント「領域密度」と称される）、Ｚ方向のキャリパー／厚さ、並びに密度（単位体積当たりの質量）を含む。

パンツに関して「横方向」とは、着用者の視点から、長手方向に対して垂直な方向、及び物品の側方から側方への方向を指す。

パンツに関して「長手方向」とは、着用者の視点から、物品の前方から後方又は後方から前方の方向を指す。

「不織布」とは、編まれたり織られたりされず、むしろ敷かれ、芯に集積され、次いで、交絡加工によって、分散した結合剤によって、接着剤の局所的堆積によって形成された個別の結合部のパターンによって、又は局所結合（局所的な熱融着、局所的な塑性変形、及び／又は局所的な圧力適用によって引き起こされる繊維若しくはフィラメント間の交絡）によって、あるいはそれらの組合せによって、一体に圧密化され保持されて、密着した材料の布ウェブとされた、主として繊維、フィラメント、又はそれらの組み合わせから形成されたウェブ材料を意味する。

材料の表面に沿って、種々の示強性の隣接する領域を各々が含むゾーンの規則的（反復的）パターン若しくは構成、又は、種々の示強性の隣接する領域を各々が含むゾーンの不規則的（非反復的）パターン若しくは構成を有する不織布ウェブ材料の一区分に関する「秩序配列」とは、フィラメント及び／又は繊維のランダムな無秩序的集積及び分布とは対照的に、秩序的な非ランダムの配列又はパターンとして、不織布ウェブ製造の当業者に認知可能であるようなゾーンの配列を意味する。本開示に関連する当業者に認識されるように、このようなゾーンの秩序配列は、不織布ウェブ材料内の秩序配列を反復的に実現するように構成された、不織布ウェブ材料の製造に用いられるプロセス工程及び設備から得られるものである。不織布ウェブ材料内のゾーンの秩序配列は、成形ベルト上の特徴部の秩序配列など、成形装置の特徴部の秩序配列を反映したものであり得る。

「視覚的に識別可能」とは、印刷されたテキストメディアを読むのに適切と見なされる室内オフィス照明の条件下で、２０／２０視力を有する通常の観察者の裸眼に対して、約０．５メートル以上の距離から視認可能及び視覚的に検出可能であることを意味する。

「ゾーン」とは、少なくとも第１及び第２の隣接領域を含む不織布ウェブ材料のエリアの一部分であり、第１及び第２の隣接領域は、坪量、キャリパー、密度（質量／体積）、並びに／又は繊維及び／若しくはフィラメントエリア密度のうちの１つ又はそれらの組み合わせにおいて違いを有する。

ｘ−ｙ平面に沿って広げられたウェブ材料又はその一部分に対する「ｚ方向」とは、ｘ−ｙ平面に直交する方向を意味する。ｘ−ｙ平面に沿って横たわるベルト移動の作業位置を通って移動する不織布ウェブ材料を製造するために使用される成形ベルトに対する「ｚ方向」とは、ｘ−ｙ平面に直交する方向を意味する。

「着用者に面する」及び「外側に面する」とは、それぞれ、要素、又は要素の表面、又は要素の群の相対位置を指す。「着用者に面する」とは、要素又は表面が、何らかのその他の要素又は表面よりも、着用中に着用者により近いことを意味する。「外側に面する」とは、要素又は表面が、何らかのその他の要素又は表面よりも、着用中に着用者からより遠く離れている（すなわち、要素又は表面が、使い捨て吸収性物品の上に着用され得る着用者の衣類に対して近位にある）ことを意味する。

「接合される」とは、ある要素を別の要素に直接付着させることにより、その要素がその別の要素に直接固定される構成と、ある要素を中間部材（複数可）に付着させ、次にその中間部材を別の要素に付着させることにより、その要素がその別の要素に間接的に固定される構成と、を包含する。

「液体透過性」及び「液体不透過性」とは、使い捨て吸収性物品の意図される使用との関連において、材料の浸透性を指す。具体的には、用語「液体透過性」とは、層又は層状構造体が、押し付け圧力がない状態でその厚さを水、尿、又は合成尿などの水性液が通過できるような孔、開口部、及び／又は相互に接続された空隙を有していることを指す。逆に、用語「液体不透過性」とは、層又は層状構造体の厚さが、（重力などの自然の力の他に）押し付け圧力がない状態では、水、尿、又は合成尿などの水性液が通過できないようなものであることを指す。この定義による液体不透過性の層又は層状構造体は、液体蒸気に対して透過性であってよく、即ち、「蒸気透過性」であってよい。

「弾性」、「エラストマー」又は「エラストマー性」は、引張力がその弛緩した初期長さに適用されると、材料又は材料の組み合わせがその初期長さよりも１０％超長い延伸長さまで伸長又は延伸することができ、そのような延伸後及び適用された引張力の解放時に、延伸の少なくとも５０％だけその初期長さに向かって収縮する弾性特性を呈する材料又は材料の組み合わせを指す。エラストマー材料としては、エラストマーフィルム、スクリム、不織布、リボン、ストランド、他のシート状構造体、及び伸縮性積層体を挙げることができる。

「予歪み」とは、エラストマー積層体又は吸収性物品の別の要素と組み合わされる前に、弾性材料又はエラストマー材料に課される歪みを指す。予歪みは、次式によって決定される。

「ｄｔｅｘ」としても知られる「デシテックス」は、繊維及び糸の線形質量密度を表現するために織物工業において用いられる単位である。１デシテックス＝１０，０００メートル当たり１グラム。例えば、糸又はフィラメントの１０，０００リニアメーターが５００グラムの重さである場合、５００デシテックスである。

「機械方向」（ＭＤ）とは、本明細書では、プロセスを実現するために使用される装置の中の材料の移動方向を指す。加えて、材料の相対的配置及び移動は、プロセスの上流からプロセスの下流に向かって装置を通る機械方向に移動するものとして述べられ得る。予歪みを付与された弾性材料をその製造中に伸縮性積層体に組み込むことに関して言えば、伸縮性積層体製品の予歪みの方向、及び結果として生じる伸縮方向は、ほとんどの場合、機械方向と実質的に一致する。

「横断方向」（ＣＤ）は、本明細書では、機械方向に対して概ね垂直な方向を指すために使用される。

本明細書では、「パンツ」（「トレーニングパンツ」、「事前に閉じられたおむつ」、「おむつパンツ」、「パンツ型おむつ」、及び「プルオンおむつ」とも称する）とは、幼児又は成人の着用者用に設計された、連続した外縁の腰部開口部及び連続した外縁の脚部開口部を有する使い捨て吸収性物品を指す。パンツは、物品が着用者に適用される前に、連続した又は閉じた腰部開口部及び少なくとも１つの連続した閉じた脚部開口部を有して構成されてもよい。パンツは、任意の再締結可能な閉じ部材及び／又は永久的な閉じ部材（例えば、シーム、熱的接着部、圧接部、接着剤、凝集性結合部（cohesive bond）、機械的締結具など）を使用して物品の一部を互いに接合することを含むがこれらに限定されない、様々な技法で、事前形成又は事前締結され得る。パンツは、腰部領域内の物品の外周部に沿った任意の場所で事前形成され得る（例えば、側部の締結又は縫着、前側腰部の締結又は縫着、背面側腰部の締結又は縫着）。様々な構成のおむつパンツの例が、米国特許第４，９４０，４６４号、同第５，０９２，８６１号、同第５，２４６，４３３号、同第５，５６９，２３４号、同第５，８９７，５４５号、同第５，９５７，９０８号、同第６，１２０，４８７号、同第６，１２０，４８９号、同第７，５６９，０３９号、並びに、米国特許出願公開第２００３／０２３３０８２（Ａ１）号、同第２００５／０１０７７６４（Ａ１）号、同第２０１２／００６１０１６（Ａ１）号、同第２０１２／００６１０１５（Ａ１）号、同第２０１３／０２５５８６１（Ａ１）号、同第２０１３／０２５５８６２（Ａ１）号、同第２０１３／０２５５８６３（Ａ１）号、同第２０１３／０２５５８６４（Ａ１）号、及び同第２０１３／０２５５８６５（Ａ１）号に開示されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。

本明細書では、「弾性ストランド」又は「ストランド」とは、それぞれがエラストマー性材料から紡績又は押出しされた複数の個々のフィラメントの、事実上の一体型構造へと組み合わされた糸状の束を指す。フィラメントは、撚り合わされた多繊維及び／又はマルチフィラメント糸の繊維又はフィラメント構成要素と同様に、互いに撚り合わされていても、撚り合わされていなくてもよい。ビームド弾性ストランドとして本明細書で使用が企図される低デシテックス弾性ストランドは、１つのストランド当たり、３０本以下のフィラメント、２０本以下のフィラメント、１５本以下のフィラメント、又は更には１０本以下のフィラメントを有してもよい。

伸縮性積層体内の複数の弾性ストランドの「平均予歪み」は、本明細書に記載される平均予歪み測定法に従って決定される。

伸縮性積層体内の複数の弾性ストランドの「平均デシテックス」又は「平均Ｄｔｅｘ」は、本明細書に記載される平均デシテックス測定法に従って決定される。

伸縮性積層体内の複数の弾性ストランドの「平均ストランド間隔」は、本明細書に記載される平均ストランド間隔測定法に従って決定される。

「製造予歪み」とは、物品又は伸縮性積層体構成要素の製造業者によって指定される平均量を意味するが、これは、伸縮性バンドの複数の弾性ストランドが、伸縮性積層体を形成するプロセスにおいて最初に１つ以上のウェブ材料に接合される際、それらの弛緩長から、単一のワープビーム、スプール、又は他の貯蔵装置から巻き出されるときに、伸縮性バンドの複数の弾性ストランドが一緒に延伸される平均量である。製造予歪みは直接指定されてもよく、あるいは、例えば、ストランドがウェブ材料と接合される際にストランドが受ける引張力によって間接的に指定されてもよい。直接指定されない場合、製造予歪みは、例えば、製造デシテックス、材料弾性率、ストランドの数、及びラミネートを製造するために製造業者によって指定された適用引張力に基づいて計算及び／又は決定され得る。

「製造デシテックス」又は「製造Ｄｔｅｘ」は、単一のワープビーム、スプール、又は他の貯蔵装置に供給され、それらから巻き出され、１つ以上のウェブ材料に接合されて伸縮性積層体を形成する、物品又はその伸縮性積層体構成要素の製造業者によって指定される複数の弾性ストランドの平均デシテックスを意味する。

「製造ストランド間隔」は、１つ以上の材料に最初に接合される時点で、単一のワープビーム、スプール、又は他の貯蔵装置から巻き出され、１つ以上のウェブ材料に接合されて伸縮性積層体を形成する、物品又はその伸縮性積層体構成要素の製造業者によって指定される複数の弾性ストランドの間の平均中心間隔を意味する。

着用可能物品
本明細書で企図される着用可能物品は、伸縮性積層体の一部分又は区分を含んだ任意の着用可能物品を含む。伸縮性積層体とは、不織布ウェブ材料などのウェブ材料の１つ以上の比較的より低弾性又は比較的非弾性の層と共に積層された、ストリップ、ストランド、又はフィルム／シートの形態をなす弾性／エラストマー材料の組み合わせである。典型的な伸縮性積層体は、間に弾性材料が挟まれた及び積層された、２層の比較的非弾性の不織布ウェブ材料を含んでもよい。いくつかの実施例では、伸縮性積層体は、弾性材料が、他の層との積層中に機械／伸縮方向に歪みを受けるプロセスで製造される。製造が完了すると、弾性材料の弾性収縮により、他の層が機械／伸縮方向に沿ってギャザリングしてラッフルをなす。ギャザリングされた材料を有する積層体は、装着の容易さ、ガスケッティング、確実でかつ快適なフィット性、及び着用者の快適感などの目的のために、弾性伸縮及び収縮が望ましくあり得る着用可能物品の様々な構成要素を形成するのに有用である。

図１Ａ及び図１Ｂは、ベルト型又はバルーン型の使い捨て吸収性パンツ１１０の形態をなす着用可能吸収性物品の正面図及び側面図を概略的に示す。このようなパンツは、腰部囲繞ベルト構造体及び中央シャーシ１１３から形成されてもよい。ベルト構造体は、前側ベルト部分１１４と後側ベルト部分１１５とを有し得る。シャーシ１１３の前側部分は、前側ベルト部分１１４の内側（着用者に面する側）に接合されてもよく、シャーシ１１３の後側部分は、後側ベルト部分１１５の内側（着用者に面する側）に接合されてもよく、シャーシ１１３の股部分は、前側ベルト部分と後側ベルト部分とを橋渡ししてもよい。中央シャーシ１１３は、着用者に面する液体透過性トップシート（図示せず）、外側に面する液体不透過性バックシート１３０、トップシートとバックシートとの間に配設された吸収性構造体（図示せず）、一対の伸縮性外側レッグカフ１１７、及び一対の伸縮性内側バリアカフ１１８など、使い捨ておむつ及び使い捨て吸収性パンツなどの物品に典型的な構成要素を含んでもよい。前側ベルト部分１１４及び後側ベルト部分１１５の一方又は両方は、少なくとも側方伸縮方向に沿って弾性的に伸縮可能及び収縮可能となるように製造された伸縮性積層体材料から形成されてもよい。前側ベルト部分１１４と後側ベルト部分１１５は、２つのサイド／ヒップシーム１１６において互いに接合され、それによって腰部囲繞ベルト構造体を形成してもよい。パンツがこのように組み立てられるとき、前側ベルト部分は、パンツの前側腰部開口縁部１１４ａを、また部分的に前側脚部開口縁部１１４ｂを形成してもよく、後側ベルト部分は、パンツの後側腰部開口縁部１１５ａを、また部分的に後側脚部開口縁部１１５ｂを形成してもよい。図１Ａ及び図１Ｂにおいて示唆されるように、いくつかの非限定的な例では、後側ベルト部分１１５は、着用者の臀部エリアのより大きな被覆を目的として、前側ベルト部分１１４よりも大きい長手方向寸法を有してもよい。いくつかの実施例では、より長い後側ベルト部分１１５の下側後方の角部は、より調整された外観を脚部開口縁部に付与するためにトリミングされてもよく、他の例では、サイドシーム１１６において前側ベルト部分に取り付けられていない、より長い後側ベルト部分の下側角部は、後側ベルト部分における弾性材料の収縮によって横方向内向きに効果的に引っ張られて、同じ目的を果たすことができる。

本明細書に記載される伸縮性積層体は、このようなパンツの前側及び後側ベルト部分１１４及び１１５の一方又は両方を形成するだけでなく、用途を見出され得るか若しくはその用途に望ましくなり得る、着用可能物品のための任意の他の構成要素を形成するためにも使用され得る。

伸縮性積層体を製造するためのプロセスが図２に概略的に示されている。弾性材料６３０は、１つ以上のスプール、ビーム、又は供給ロール５１から一対の積層ローラー６０ａ、６０ｂの間のニップに引き込まれてもよい。積層ローラーはまた、弾性材料６３０が第１のウェブ層材料と第２のウェブ層材料との間に挟まれるように、第１のウェブ層材料６１０及び第２のウェブ層材料６２０をそれらの間のニップの中へと同時に引き込んでもよい。システム及び／又は積層ローラーの装置は、粘着性の伸縮性積層体６００を製造するために、層６１０、６２０を互いにかつ／又は弾性材料に結合するか、あるいは別様に固着するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、接着剤６２は、接着剤アプリケータ６１によって一方又は両方のウェブ層の対向表面に塗布され得るが、それにより、層がニップ６０ｃ内で一緒に圧縮されるときに粘着性の積層体が接着結合される。いくつかの実施例では、接着剤は、弾性材料６３０がニップに入る前に、アプリケータによって弾性材料に塗布されてもよい。他の実施例では、積層ローラーは、層がニップを通過する際に、ある結合のパターンをなして層の機械的／圧縮／熱結合を実現する特徴部及び装置を備えて構成されてもよい。いくつかの実施例では、積層ローラーは、ある超音波結合のパターンを実現するように構成されてもよく、またいくつかの実施例では、ソノトロードが積層ローラーのうちの１つと置換されてもよい。伸縮性積層体を形成するための様々なプロセス及び層の結合のタイプの例が、本願の出願日と同日に出願された同時係属出願の、発明者ＬａＶｏｎらによる、Ｐｒｏｃｔｅｒ＆Ｇａｍｂｌｅ代理人整理番号１５２７３Ｐ、名称「ＢＥＡＭＥＤ ＥＬＡＳＴＯＭＥＲＩＣ ＬＡＭＩＮＡＴＥ ＳＴＲＵＣＴＵＲＥ ＡＮＤ ＴＥＸＴＵＲＥ」に記載されている。

本明細書に記載の成形不織布ウェブ材料は、伸縮性積層体材料の１つ以上の層を形成するために有利に使用され得ることが分かっている。より具体的な例では、成形不織布ウェブ材料は、伸縮性積層体材料の外側に面する層を形成するために使用されてもよい。本明細書に記載される成形不織布ウェブ材料は、装着／適用を支援するため、前側／後側の視覚的違い、魅力的な質感、及び／又は視覚的及び審美的効果を提供するため、知覚される実際の通気性の改善（特に、以下で説明される薄化領域の存在による）、並びに、ビルドアップ領域と薄化領域のゾーンの秩序配列の任意数の多様な設計構成を含めて、従来の不織布ウェブ材料に勝る利点をもたらす。

ここで図１Ａ、図１Ｂ、図３、図４及び図１１を参照するが、成形不織布ウェブ材料６１０は、伸縮性積層体の比較的非弾性のサンドイッチウェブ層のうちの１つ以上を形成するために使用され得る。伸縮性積層体は、次に、例えば、パンツ、使い捨ておむつ又は他の着用可能物品の前側ベルト部分１１４及び後側ベルト部分１１５の一方若しくは両方、又は他の構成要素（例えば、伸縮性サイドパネル、耳又は締結部材パネル、ウエストバンド、脚部バンドなど）を形成するために使用されてもよい。本明細書に記載されるプロセスに従って製造される場合、不織布ウェブ材料構成要素は、それぞれが第１の領域１６３（本明細書において薄化領域２７２とも呼ばれる）及び第２の領域１６６（本明細書ではビルドアップ領域２７１とも呼ばれる）を含む、ゾーン１６０の秩序配列１６１を有するように形成され得る。ゾーンの秩序配列は、以下に記載される成形ベルト２６０上の空気流遮断構造体の秩序配列を反映している。以下で説明されるように、空気流遮断構造体は、事実上、無制限の多様な機能的でかつ審美的に快適なデザインレイアウトを反映するように、事実上、無制限の方式で成形ベルト上に形成及び構成され得るが、このことは次いで、ゾーン１６０の構成が所望の秩序配列を反映する不織布ウェブ材料の形態を実現するために用いられ得る。図４及び図１１に示される非限定的な例では、ゾーン１６０の秩序配列１６１は、スカラップ形状内にハート形状を画定するパターンとして構成されている。

成形不織布ウェブ材料を製造するためのプロセス
成形不織布ウェブ材料は、例えば、米国特許出願公開第２０１７／０１９１１９８号、同第２０１７／００２９９９４号、同第２０１７／００２９９９３号及び同第２０１７／００２７７７４号、並びに米国特許出願第１５／８４０，４５５号、同第１５／８７９，４７４号、同第１５／８７９，４７７号、同第１５／８８１，９１０号、同第６２／５２７，２１６号、及び同第６２／５２７，２２４号のいずれかに記載されている装置、プロセス及び材料を使用して製造され得る。

成形不織布ウェブ材料は、特別に適合された成形ベルトを利用して、スパンボンドプロセスに従って１つ以上のポリマー成分樹脂から不織布フィラメントを紡糸するように適合された装置の構成を使用して製造され得る。例えば、図５を参照するが、二成分フィラメントの不織布ウェブを製造するためのプロセスライン５００は、第１のポリマー成分樹脂と第２のポリマー成分樹脂を別々に溶融及び押出しするために、押出機駆動部５３１及び５３３によってそれぞれ駆動される一対の溶融押出機５３２及び５３４を含んでもよい。第１のポリマー成分樹脂は第１のホッパー５３６から対応する押出機５３２に供給されてよく、第２のポリマー成分樹脂は第２のホッパー５３８から対応する押出機５３４に供給されてよい。第１及び第２のポリマー成分樹脂は、それぞれのポリマー導管５４０及び５４２を通じ、次いでフィルタ５４４及び５４５を通じて、溶融ポンプ５４６及び５４７へと、押出機５３２及び５３４によって溶融及び駆動され得るが、このことは、スピンパック５４８の中へ、またスピンパック５４８を通じてポリマーをポンプ圧送するのに役立つ。二成分フィラメントの紡糸に使用される紡糸口金を有する紡糸パックは、当該技術分野において既知であり、したがって、本明細書では詳細には記載されていない。

一般的に言えば、紡糸パック５４８はハウジングを含み得るが、そのハウジングは、溶融した第１及び第２のポリマー成分樹脂を紡糸口金を通じて別々に案内するための流路を形成するように配列された所定のパターンの開口部を有する、互いに積み重ねられた複数のプレートを含む。紡糸パック５４８は、１つ以上の列に配列された紡糸口金開口部を有してもよい。溶融したポリマー樹脂がそれらに押し通されると、紡糸口金開口部は、個々の溶融ポリマー流１２２ａの下向きのカーテンを放出する。本開示の目的のために、紡糸口金は、シース／コア又は並列二成分フィラメント用の流れを形成するように配列されてもよい。二成分フィラメントは、それらの特定の特性が故に、いくつかの状況において好まれ得る。並列又は偏心又は非対称のコア／シース二成分フィラメントは、紡糸フィラメントが異なる構成要素の異なる冷却収縮速度によって誘発される螺旋又はカールを有することが望まれる場合に好ましくなる可能性があり、紡糸フィラメント内の螺旋又はカールは、不織布ウェブ材料の嵩高性及び嵩の向上に寄与し得る。コア／シースの二成分フィラメントは、それぞれの構成要素が有利にバランスを取られ得る異なる属性又は特性を有することが望ましい場合に好ましくなる可能性がある。そのような属性又は特性としては、原材料（樹脂）コスト、又は紡糸引張強度、又は表面感触若しくは表面摩擦を挙げることができる。一例では、コア構成要素が主にポリプロピレンであり、シース構成要素が主にポリエチレンであるコア／シースフィラメントが好ましい場合があり、この場合、コア構成要素については、比較的コストが低く、フィラメント引張強度に寄与することから、ポリプロピレンが選択され、シース構成要素については、比較的融点が低く（フィラメント間の熱接着の目的のため）、比較的低摩擦性であり、フィラメント表面に絹の感触を付与することから、ポリエチレンが選択される。

上記の説明は紡糸二成分フィラメントを企図しているが、供給される装置及び材料は、一成分フィラメント、又は３つ以上の構成要素を有する多成分フィラメントを紡糸するように適合、選択、及び構成されてもよいことが理解されるであろう。

紡糸口金は、概ね円形の断面を有する流れを形成するように（概ね丸形／円形の断面を有するフィラメントを形成するように）、あるいは、非対称的な多葉形、例えば、三葉形の断面などの概ね非丸形の断面を有する流れを形成するように（非対称の葉形、例えば三葉形のフィラメントを形成するように）構成及び適合されてもよい。葉形フィラメントは、それらの表面に沿った流体の流れへの影響から、フィラメント及び不織布の不透明度に対するそれらの効果から、繊維及び不織布の感触に対するそれらの効果から、あるいはこれらの効果の組み合わせから、状況によっては望まれ得る。一般に、三葉形フィラメントなどの葉形フィラメントから形成された不織布ウェブ材料は、三葉形フィラメントを通じた光の屈折及び／又は拡散の結果として、丸形フィラメントから形成された他の同等の不織布ウェブ材料よりも高い不透明度を有する。フィラメント表面に沿った流体の流れは、フィラメントの表面がそれぞれ親水性であるか疎水性であるかに応じて、葉形断面によって、より高度に向上又は阻害され得る。

プロセスライン５３０はまた、ポリマー流１２２ａが紡糸口金から抜け出す位置の下／隣に位置付けられた急冷ブロワ５５０を含んでもよい。急冷用送風機５５０からの空気の温度、速度、及び方向は、ポリマー流を急冷し、それらを部分的に凝固させるように好適に制御され得る。急冷空気は、カーテンの一方（上流又は下流）の側又はカーテンの両側に提供され、方向付けられてよい。

急冷されたポリマー流１２２ａを受容するために、アテニュエータ５５２が紡糸口金の下に位置付けられてもよい。ポリマーの溶融紡糸においてアテニュエータとして使用される繊維ドローユニット又は吸引機は、当該技術分野において知られている。本開示のプロセスで使用するのに適した繊維ドローユニットとしては、米国特許第３，８０２，８１７号に示されるタイプの線状繊維アテニュエータ、又は、米国特許第３，６９２，６１８号及び同第３，４２３，２６６号に示されるタイプのエダクティブガン（eductive gun）が挙げられ、これらの特許の開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。

一般に、アテニュエータ５５２は、ポリマー流１２２ａが下向きの空気流に取り込まれ、下方に引き込まれ、延伸され、断面を縮小されてフィラメント１２２を形成し得る、細長い垂直通路を含んでもよく、またこれを画定してもよい。成形された少なくとも部分的に小孔性の成形ベルト２６０がアテニュエータ５５２の下に位置付けられ、アテニュエータ５５２の出口開口部から、下降する連続フィラメントを受容する。成形ベルト２６０は、外側受容側面２６０ａと内側面２６０ｂとを有する連続ベルトであり、ガイドローラー５６２の周りで循環するが、ガイドローラーのうちの１つ以上は、ｘ−ｙ平面に沿って、また機械方向ＭＤに沿って、アテニュエータ下方の作業位置５６１を通じてベルトを並進移動させるように、制御された速度で駆動され得る。ベルトを通じて空気流の空気を引き込み、それによってベルト表面に向かって、またベルト表面に抗して、取り込まれたフィラメントを引き込むために、フィラメントが堆積する場所であるベルト２６０の作業位置５６１の下方に、成形真空システム５５５が位置付けられてもよい。成形ベルト２６０は、本明細書ではベルトとして図示及び説明されているが、好適な成形表面を有する成形デバイスはまた、好適な円筒形成形表面を有する回転式ドラムなどの他の形態を有し得ることが理解されるであろう。付形された成形ベルトの例の特徴について以下に説明する。

プロセスライン５００の動作において、ホッパー５３６及び５３８は、それぞれ所望の第１及び第２のポリマー構成成分樹脂（複数可）を供給され得る。第１及び第２のポリマー構成成分樹脂（複数可）は、それぞれの押出機５３２及び５３４によって溶融され、スピンパック５４８へと、溶融状態でポリマー導管５４０及び５４２に押し通され得る。ラインは、溶融した樹脂から固体不純物を除去するためのフィルタ５４４、５４５を含んでもよく、ラインはまた、導管内の圧力を増加させ、それによってポリマー構成成分をスピンパック５４８へと、またスピンパック５４８を通じて駆動するのを補助するために、補助的な溶融ポンプ５４６、５４７を含んでもよい。溶融したポリマー樹脂の温度は、使用されるポリマー及び所望のプロセス条件に合わせて制御及び変化され得るが、ポリエチレン及びポリプロピレンの一方又は両方が主だった構成成分樹脂である場合、溶融したポリマー樹脂の温度は、約１９０℃〜約２４０℃の範囲内に収まるように制御され得る。

本明細書で企図される二成分フィラメントを紡糸するための特に好適なポリマー樹脂の非限定的な例としては、ＬｙｏｎｄｅｌｌＢａｓｅｌｌ（Ｒｏｔｔｅｒｄａｍ，Ｎｅｔｈｅｒｌａｎｄｓ）から入手されるＰＨ−８３５ポリプロピレン、及びＤｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｍｐａｎｙ（Ｍｉｄｌａｎｄ，Ｍｉｃｈｉｇａｎ，ＵＳＡ）から入手されるＡｓｐｕｎ−６８５０−Ａポリエチレンが挙げられる。いくつかの実施例では、二成分フィラメントは、それぞれポリプロピレンに基づくが、異なる溶融温度及び／又は冷却収縮率を有する各構成成分ごとに、異なる樹脂配合物から紡糸されてもよい。

いくつかの実施例では、全てのフィラメント形成層６１０及び／又は６２０が、合成高分子樹脂材料から紡糸されてもよい。合成の石油由来のポリプロピレン及びポリエチレンは、フィラメントを紡糸するための最も選択される可能性が高い主たるポリマー樹脂成分として企図されるが、それらの熱力学的及び機械的属性及び現時点でのコストにより、多種多様なポリマーが本開示の範囲内で使用するのに好適であり得る。他の潜在的に好適な合成ポリマーの非限定的な例としては、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン（ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリブチレンなど）、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム（吸収性ゲル材料）などの熱可塑性ポリマー、並びにプロピレンとエチレンとのモノマーブレンドを含むポリエチレン−オクテン又はポリマーなどのポリオレフィンと、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、及びポリカプロラクトンなどの生分解性又は堆肥化可能な熱可塑性ポリマーとのコポリマーが挙げられる。潜在的に好適な天然ポリマーとしては、デンプン、デンプン誘導体、セルロース及びセルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、キチン、キトサン、ポリイソプレン（ｃｉｓ及びｔｒａｎｓ）、ペプチド及びポリヒドロキシアルカノエートが挙げられる。一例では、フィラメントを紡糸するための主たるポリマー構成成分は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン、スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー、スチレンイソプレンスチレンブロックコポリマー、ポリウレタン、及びこれらの混合物からなる群から選択される熱可塑性ポリマーであり得る。別の例では、熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。あるいは、ポリマーは、バイオポリエチレン又はバイオポリプロピレンなど、生物学的プロセスによって部分的に生成されたモノマーから誘導されたものを含んでもよい。

いくつかの状況では、紡糸フィラメントの色、不透明度、柔軟性、親水性／疎水性、及び／又は表面感触（例えば、表面摩擦係数）などの特徴を操作及び／又は強化することが望まれ得る。このような状況では、１種類以上の溶融添加剤が、押出機（複数可）に供給されるポリマー構成成分樹脂（複数可）と共に含まれてもよい。

マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、及びチタンの酸化物などの無機充填剤が、白色染料、乳白剤、充填剤又は加工助剤としてポリマー樹脂に添加されてもよい。これらの目的のうちの１つ以上に役立ち得るその他の無機材料には、水和ケイ酸マグネシウム、二酸化チタン、炭酸カルシウム、粘土、白亜、窒化ホウ素、石灰石、珪藻土、雲母、ガラス、石英、及びセラミックを挙げることができる。

スリップ剤の溶融添加物は、所望の触覚特性に影響を及ぼし、かつ／又は強化する（例えば、柔らかな／絹のような／滑らかな感触を付与する）のに十分な量でフィラメントに含められてもよい。いくつかのスリップ剤は、ポリマー構成成分樹脂と溶融ブレンドされた場合、冷却中又は冷却後にフィラメント表面に徐々に移動し、潤滑効果を有する薄いコーティングをフィラメント表面上に形成する。スリップ剤は、好ましくは即効性のある（fast-bloom）スリップ剤であってよく、ヒドロキシド、アリール及び置換アリール、ハロゲン、アルコキシ、カルボキシレート、エステル、飽和炭素、アクリレート、酸素、窒素、カルボキシル、サルフェート、及びホスフェートから選択された１つ以上の官能基を有する炭化水素であり得ることが望まれ得る。１つの特定の形態では、スリップ剤は、芳香族又は脂肪族炭化水素油の塩誘導体、特に、カルボン酸、硫酸、及びリン酸の、７〜２６個の炭素原子、好ましくは、１０〜２２個の炭素原子の鎖長を有する脂肪族飽和又は不飽和酸の金属塩を含む脂肪酸の金属塩である。好適な脂肪酸の例としては、モノカルボン酸、ラウリル酸、ステアリン酸、コハク酸、ステアリル乳酸、乳酸、フタル酸、安息香酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、ナフテン酸、オレイン酸、パルミチン酸、エルカ酸等、並びに対応する硫酸及びリン酸が挙げられる。好適な金属としては、Ｌｉ、Ｎａ、Ｍｇ、Ｃａ、Ｓｒ、Ｂａ、Ｚｎ、Ｃｄ、Ａｌ、Ｓｎ、Ｐｂ等が挙げられる。代表的な塩としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム等、並びに対応する金属高級硫酸塩及び高級アルキルリン酸の金属エステルが挙げられる。

他の例では、スリップ剤は、非イオン性官能化化合物であってもよい。好適な官能化化合物としては、（ａ）例えば、鉱油、ナフテン油、パラフィン油などの芳香族又は脂肪族炭化水素油を含む油類；ひまし、トウモロコシ、綿実、オリーブ、ナタネ、ダイズ、ヒマワリ、他の植物及び動物油などの天然油を含むエステル、アミド、アルコール、及び酸が挙げられる。これらの油類の代表的な官能化誘導体としては、例えば、グリセロールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノオレエートなどのモノカルボン酸のポリオールエステル、オレアミド、エルカミド、リノレアミド、及びこれらの混合物などの飽和及び不飽和脂肪酸アミド又はエチレンビス（アミド）、グリコール、Ｃａｒｂｗａｘのようなポリエーテルポリオール、並びにアジピン酸、セバシン酸等、（ｂ）カルナバワックス、微結晶ワックス、ポリオレフィンワックスなどのワックス、例えば、ポリエチレンワックス、（ｃ）ポリテトラフルオロエチレン、フッ素油、フッ素ワックスなどのフルオロ含有ポリマー、並びに（ｄ）シリコーン油、ポリジメチルシロキサン、アミノ改変ポリジメチルシロキサンを含むシラン及びシリコーンポリマーなどのケイ素化合物など、が挙げられる。

本開示の目的に有用となり得る脂肪酸アミドは、式：ＲＣ（Ｏ）ＮＨＲ^１で表現され、式中、Ｒは、７〜２６個の炭素原子、好ましくは、１０〜２２個の炭素原子を有する飽和又は不飽和アルキル基であり、Ｒ^１は、独立して、水素、又は、７〜２６個の炭素原子、好ましくは、１０〜２２個の炭素原子を有する飽和若しくは不飽和アルキル基である。この構造による化合物としては、例えば、パルミトアミド、ステアルアミド、アラキドアミド、ベヘンアミド、オレアミド、エルカミド、リノレアミド、ステアリル、ステアルアミド、パルミチルパルミトアミド、ステアリルアラキドアミド、及びこれらの混合物が挙げられる。

本開示の目的に有用であり得るエチレンビス（アミド）は、以下の式によって表される。
ＲＣ（Ｏ）ＮＨＣＨ_２ＣＨ_２ＮＨＣ（Ｏ）Ｒ
式中、それぞれのＲは、独立して、７〜２６個の炭素原子、好ましくは、１０〜２２個の炭素原子を有する飽和又は不飽和アルキル基である。この構造による化合物としては、例えば、ステアルアミドエチルステアルアミド、ステアルアミドエチルパルミトアミド、パルミトアミドエチルステアルアミド、エチレンビスステアルアミド、エチレンビスオレアミド、ステアリルエルカミド、エルカミドエチルエルカミド、オレアミドエチルオレアミド、エルカミドエチルオレアミド、オレアミドエチルエルカミド、ステアルアミドエチルエルカミド、エルカミドエチルパルミトアミド、パルミトアミドエチルオレアミド、及びこれらの混合物が挙げられる。

場合によっては好適となる脂肪酸アミドを含有する生成物の市販例としては、ポリエチレンにおけるエルカ酸及びステアリン酸の一級アミドの５０：５０混合物を５％含むＡＭＰＡＣＥＴ１００６１（Ａｍｐａｃｅｔ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ，Ｗｈｉｔｅ Ｐｌａｉｎｓ，Ｎｅｗ Ｙｏｒｋ，ＵＳＡ）、１８％酢酸ビニル樹脂と８２％ポリエチレンとのブレンドにおけるエルカ酸及びステアリン酸のアミドの類似するブレンドを含むＥＬＶＡＸ３１７０（Ｅ．Ｉ．ｄｕ Ｐｏｎｔ ｄｅ Ｎｅｍｏｕｒｓ ａｎｄ Ｃｏｍｐａｎｙ／ＤｕＰｏｎｔ ＵＳＡ，Ｗｉｌｍｉｎｇｔｏｎ，Ｄｅｌａｗａｒｅ，ＵＳＡ）が挙げられる。スリップ剤はまた、ＣＲＯＤＡＭＩＤＥ ＯＲ（Ｃｒｏｄａｍｉｄｅ ＯＲ（オレアミド）、ＣＲＯＤＡＭＩＤＥ ＳＲ（ステアルアミド）、ＣＲＯＤＡＭＩＤＥ ＥＲ（エルカミド）、及びＣＲＯＤＡＭＩＤＥ ＢＲ（ベヘンアミド））を含めて、Ｃｒｏｄａ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｐｌｃ（Ｙｏｒｋｓｈｉｒｅ，Ｕｎｉｔｅｄ Ｋｉｎｇｄｏｍ）から入手可能であり、また、ＫＥＭＡＭＩＤＥ Ｓ（ステアルアミド）、ＫＥＭＡＭＩＤＥ Ｂ（ベヘンアミド）、ＫＥＭＡＭＩＤＥ Ｏ（オレアミド）、ＫＥＭＡＭＩＤＥ Ｅ（エルカミド）、及びＫＥＭＡＭＩＤＥｅ（Ｎ，Ｎ’−エチレンビスステアルアミド）を含めて、Ｃｒｏｍｐｔｏｎからも入手可能である。他の市販のスリップ剤としては、ＥＲＵＣＡＭＩＤＥ ＥＲエルカミドが挙げられる。

柔軟性／充填剤表面の摩擦係数の低下のための他の好適な溶融添加剤としては、エルカミド、ステアルアミド、オレアミド、及びシリコーン、例えば、ポリジメチルシロキサンが挙げられる。いくつかの具体的な例としては、Ｃｒｏｄａ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｐｌｃ（Ｙｏｒｋｓｈｉｒｅ，Ｕｎｉｔｅｄ Ｋｉｎｇｄｏｍ）によるＣＲＯＤＡＭＩＤＥスリップ＆抗ブロック剤、及びＡｍｐａｃｅｔ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（Ｗｈｉｔｅ Ｐｌａｉｎｓ，Ｎｅｗ Ｙｏｒｋ，ＵＳＡ）によるスリップＢＯＰＰ剤が挙げられる。Ｔｅｃｈｍｅｒ ＰＭ社（Ｃｌｉｎｔｏｎ，Ｔｅｎｎｅｓｓｅｅ，ＵＳＡ）から入手可能なポリプロピレン用に特別に製造された柔軟性／摩擦係数低下用の溶融添加剤のいくつかの更なる具体的な例には、商品名ＰＰＭ１６３６８、ＰＰＭ１６１４１、ＰＰＭ１１７９０、ＰＰＭ１５７１０、ＰＰＭ１１１７６７、ＰＰＭ１１１７７１、及びＰＰＭ１２４８４で販売されている添加剤が挙げられる。Ｔｅｃｈｍｅｒ ＰＭから入手可能なポリエチレン用に特別に製造された添加剤のいくつかの具体的な例には、商品名ＰＭ１１１７６５、ＰＭ１１１７７０、及びＰＭ１１１７６８として販売されている添加剤が挙げられる。

本開示の意図の範囲内の不織布ウェブ材料としては、表面エネルギー（親水性／疎水性）に影響を及ぼす他の添加剤とは独立した若しくはそれを伴う、あるいは、限定するものではないが、フィラメントのサイズ、フィラメントの断面形状、フィラメントの断面構成、及び／又は巻いたフィラメントの変形形態を含む他のフィラメントの特徴の変形形態を伴う、スリップ剤／柔軟溶融添加剤を挙げることができる。２つ以上のウェブ層、又は異なるフィラメントの２つ以上の堆積層を含む不織布ウェブ材料の例では、添加剤は、１つの層のフィラメントに含められ、他の層のフィラメントには含められなくてもよく、あるいは、異なる添加剤が異なる層のフィラメントに含められてもよい。

溶融紡糸されるポリマー構成成分樹脂はまた、色味剤若しくは顔料化剤などの着色剤、並びに／又は白化剤及び／若しくは乳白剤を含んでもよい。いくつかの実施例では、不織布ウェブ材料を形成するフィラメント及び／又は繊維の全てが、色付け又は着色されてもよい。あるいは、図１０Ｂを参照すると、不織布材料又は堆積された紡糸フィラメント及び／若しくは繊維の第２の層２８１はまた、第１の層２８０ａ内のフィラメント及び／又は繊維の色と対照的な色をフィラメント及び／又は繊維に付与するために、色味剤及び／又は顔料化剤とブレンドされたポリマー樹脂から紡糸されたフィラメント及び／又は繊維を含んでもよい。これは、ゾーン、すなわち、ウェブ材料の薄化領域２７２及びビルドアップ領域２７１（以下の説明を参照）の秩序配列の視覚的影響を強化するために望まれ得る。１つの非限定的な例では、第１の層２８０ａのフィラメント及び／又は繊維は色味剤又は顔料化剤を含まなくてもよく、第２の層２８１のフィラメント及び／又は繊維は、１種類以上の色味剤又は顔料化剤を含んでもよい。別の非限定的な例では、第１の層２８０ａのフィラメント及び／又は繊維は、白化剤及び／又は乳白剤（例えば、ＴｉＯ_２など）を含んでもよく、第２の層のフィラメント及び／又は繊維は、非白色顔料化剤又は色味剤などの着色剤を含んでもよい。色味剤、白化剤、乳白剤、及び／又は顔料化剤のこれらの組み合わせ及び他の組み合わせが、ウェブ材料を形成する第１の層と第２の層との間に視認可能な色対比を付与するために使用され得ることが理解されるであろう。更に他の例では、伸縮性積層体の弾性材料６３０及び／又は対向するサンドイッチ層などの下層材料は、伸縮性積層体の成形不織布ウェブ材料層との視覚的な対比を与えるように選択された白化剤、色味剤、又は顔料化剤を含んでもよい。

顔料化剤、白化剤、及び／又は乳白剤は、押出機（複数可）への導入前又は導入中に、フィラメント構成成分樹脂（複数可）とブレンドするのに好適なカラーマスターバッチ製品中のキャリア樹脂に予め分散させて入手されてもよい。選択される剤（複数可）は好ましくは、通常の溶融紡糸プロセス条件下でフィラメントに溶融、押出、及び紡糸される際に、ポリマー樹脂中に溶解されたり、ポリマー樹脂と化学的に反応しない固体粉末組成物である。好適な顔料化剤としては、固体無機又は有機組成物が挙げられ、いくつかの実施例では、固体有機金属組成物であってもよい。

好適な白色顔料マスターバッチ製品としては、典型的には、固体金属及び／又は有機金属組成物、例えば、アンチモンホワイト、硫酸バリウム、リトポン、クレムニッツホワイト（Cremnitz White）、チタンホワイト（ＴｉＯ_２）、及び亜鉛華（ＺｎＯ）が挙げられる。

いくつかの実施例では、完成した不織布ウェブ２８０又はその少なくとも第１の層２８０ａを形成するフィラメントは、青色顔料化剤が添加されたポリマー樹脂（複数可）から紡糸されてもよい。本発明者らは、フィラメント構成成分樹脂に添加される青色顔料の適切な濃度は、秩序配列におけるそのゾーン及びその領域の視認性に劇的な影響を及ぼし、ｚ方向深さ及び全体的な三次元構造の外観を向上させ得ると考えている。理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、重量％濃度を選択するためにフィラメント樹脂（複数可）と混合された他の単一の顔料又は顔料の組み合わせが、不織布ウェブ２８０の三次元構造特徴部の見かけの深さの視認性及び／又は可視性を向上させることに対して、同様の効果を有するように選択され得ると考えている。

好適な青色顔料マスターバッチ製品としては、典型的には、固体金属及び／又は有機金属組成物、例えば、ウルトラマリン、ペルシアンブルー、コバルトブルー、セルリアンブルー、エジプシャンブルー、ハンブルー（Han Blue）、アジュライト、プルシアンブルー、インミン（YImMn）ブルー及びマンガンブルーも挙げられる。特定の例では、青色のマスターバッチ製品は、ポリプロピレンフィラメント紡糸樹脂の総重量の約０．２５％の濃度に混合されてもよく、マスターバッチ製品は、約３６重量％の青色顔料組成物を含む。上記のように、不織布ウェブ２８０の三次元構造特徴部の見かけの深さの視認性及び／又は可視性を高める目的で、全紡糸樹脂ブレンド内の青色顔料材料の有効重量パーセント濃度は、約０．０３パーセント〜約０．１５パーセント、より好ましくは約０．０６パーセント〜０．１２パーセントであってよいと考えられる。

更に別のアプローチでは、非白色の色又は紡糸されたフィラメントの色と対照的な色のインクは、上述のように視覚的影響を高めるために、伸縮性積層体層の可視表面となる不織布ウェブ材料の表面に、任意の好適な技術を用いて塗布され得る。

他の例では、一方又は両方のサンドイッチ層のフィラメントを紡糸するために使用される成分樹脂に、顔料及び／又は白化剤及び／又は乳白剤を実質的に添加しないことが好ましい場合がある。いくつかの状況では、フィラメント中の顔料化剤、白化剤、又は乳白剤の有効濃度は、フィラメントから形成された不織布ウェブ材料が体熱などの熱を伝達する／移動させる能力を低下させ得る。いくつかの状況では、このことは、不織布ウェブ材料をより効果的な断熱材として機能させ、それにより、体熱を保持させ、本明細書で企図される伸縮性積層体を構成要素として有するパンツ又は他の物品の着用者にとって、不快な暖かさを感じさせることになり得る。

図５を再び参照すると、製造中若しくは後処理中、更にはその両方において、本明細書で企図される成分樹脂、紡糸フィラメント、又は不織布ウェブ材料は、所望され得るようにフィラメント表面を親水性又は疎水性にする表面エネルギー特性をフィラメント表面に付与するために、界面活性剤又は他の剤で処理されてもよい。これは、吸収性物品の構成要素を作製するために使用される不織布ウェブ材料の製造及び加工の分野において一般的に知られている。

ポリマー流１２２ａが紡糸口金を抜け出すと、急冷ブロワ５５０からの急冷空気の流れは、流れを形成するポリマーを少なくとも部分的に急冷し、また特定のポリマーについては、ポリマー中で結晶化を誘発する。所望であれば結晶化／凝固速度を増加させるために、急冷ブロワ（複数可）は、流れの長さ方向に対してほぼ垂直な方向に急冷空気を誘導するように構成されてもよい。急冷空気は、適切と考えられるとき、約０℃から約３５℃の温度となり、ポリマー流と接触するときに１分間当たり約１００フィートから４００フィートの速度となるように冷却又は加熱され得る。これらの流れは、それらが成形ベルト２６０へと移動し、その上に堆積及び集積される際に、それらが任意の望ましくない程度まで互いに付着又は融着するのを防止するために、それらの表面粘着性を低減するように十分に急冷され得る。

急冷後、ポリマー流１２２ａは、アテニュエータ５５２の垂直通路内に引き込まれ、アテニュエータ５５２によって生成された下向きの空気流によって取り込まれ得る。アテニュエータは、いくつかの実施例では、紡糸口金の底部の下方３０〜６０インチに位置付けられ得る。アテニュエータによって生成された空気流は、進入する急冷ポリマー流の速度よりも高い下向き速度で移動する。減衰空気流は、ポリマー流を取り込み、それらを下方に引き寄せ、それによってそれらを延伸させ、それらの断面のサイズを減少させ、それによってフィラメント１２２を形成する。

フィラメント１２２は、アテニュエータ５５２から抜け出し、アテニュエータ５５２の下の作業位置５６１を通って機械方向ＭＤに沿って移動する循環成形ベルト２６０に対して実質的にｚ方向に下方に移動する。アテニュエータを抜け出した取り込み空気は、成形真空システム５５５によって成形ベルト２６０の空気透過性部分を通じて引き込まれてもよく、フィラメント１２２は、そのｚ方向の移動を成形ベルト２６０の外側受容側面２６０ａによって停止され、その上に堆積及び集積され、次いで成形ベルト２６０によって及び成形ベルト２６０と共に機械方向に移動する。成形ベルト２６０上へのフィラメントの堆積及び集積の速度は、成形ベルトが循環される速度、フィラメントが紡糸される速度、又はこれらの組み合わせを制御することによって制御され得ることが理解されるであろう。以下で更に説明されるように、成形ベルト２６０は、フィラメント２７０の芯及びその後の完成した不織布ウェブ材料２８０が結果的に、異なる坪量並びに／又は繊維及び／若しくはフィラメントの面密度、並びに／又は厚さ若しくはキャリパーの領域を有するゾーンの所望の秩序配列で形成されるように、ｘ−ｙ平面内のその全体的な表面積にわたるフィラメントの集積の局所的な速度及び深さに影響を及ぼす特徴部を備えて構成されてもよい。

いくつかの状況では、不織布ウェブ材料中に異なる組成の個別のフィラメントを含むことが望ましい場合がある。これは、スピンパックと、急冷装置と、フィラメントを紡糸して成形ベルトに方向付けるように構成された減衰装置との１つ以上の組み合わせに並列又は直列／連続的に配置された、異なるポリマー樹脂を運搬する機器を構成することによって達成され得ることが理解されるであろう。１つの非限定的な例では、不織布ウェブ材料は、例えば、異なる呈色、異なる半透明性、異なる触覚特性（例えば、異なる摩擦係数）、異なるレベルの親水性／疎水性などを有する異なる組成物のフィラメントの層状堆積を有することが望ましい場合がある。特定の実施例では、図１０Ｂを参照すると、視覚効果のために、白色フィラメントは伸縮性積層体材料の外側に面する層の外側表面１２４に近接して主に存在し、非白色の着色フィラメントは主に内側表面１２３に近接して存在することが望ましい場合がある。このような構成を製造するために、フィラメント紡糸機器は、移動する成形ベルト上で芯が機械方向に沿って移動する際に、成形ベルト上に白色フィラメントの第１の層２８０ａを紡糸及び堆積させ、またそれに続いてプロセスの下流で、白色フィラメントの上に異なる非白色フィラメントの第２の層２８１を紡糸及び堆積させるように構成されてもよいことが理解されるであろう。

プロセスライン５００は、芯２７０が圧縮され得るニップ５７０ａを形成する圧縮ロール５７０及び５７２などの１つ以上の圧密化装置を更に含んでもよい。任意選択的に、一方又は両方の圧縮ロール５７０、５７２を加熱して、フィラメントの部分的な軟化及び塑性変形を促進することができる。更に、ニップ５７０ａを通って移動する相互噛合／交差フィラメント間の何らかの結合を誘発するのに十分な熱と圧力との組み合わせを、ニップ５７０ａ内のフィラメントに適用することが望ましい場合がある。

圧縮は、成形ベルト２６０から芯２７０を巧みに取り除くことを容易にし、いくつかの結合部は、この効果を向上させるだけでなく、付加的な機械及び／又は横断方向の引張強度を最終材料に付与し得る。圧縮ロール５７０、５７２は、独立した加熱制御部を有する１対の平滑表面のステンレス鋼ロールであってもよい。一方又は両方の圧縮ロールが、電気素子又は高温のオイルの循環によって加熱されてよい。圧密ロール間の間隙は、芯がニップ５７０ａを通過する際に芯に所望の圧力を加えるように、例えば、油圧的に制御されてもよい。一例では、成形ベルトのキャリパーが１．４ｍｍであり、スパンボンド不織布が３０ｇｓｍの坪量を有する場合、圧縮ロール５７０と５７２との間のニップ隙間は約１．３５ｍｍ〜１．５０ｍｍとすることができる。

一例では、上部の圧縮ロール５７０は、一体性を失うことなく成形ベルト２６０からのその除去を容易にし得る凝集力及び強度を芯に付与するために、芯２７０の上部表面上の結合フィラメントの融解を誘発するのに十分な温度まで加熱されてよい。図５に示されるように、例えば、ロール５７０及び５７２が回転すると、上に芯を敷かれた成形ベルト２６０がロール５７０と５７２との間のニップ５７０ａに進入する。加熱ロール５７０は、芯２７０の上部表面（すなわちアテニュエータ側）表面に近接するフィラメントを所望の程度まで変形及び／又は平坦化及び／又は結合するために、成形ベルト２６０（以下に記載されている）上の空気流遮断構造体２６２のランド表面２６２ａによって、不織布１０のうちの最も密接に押圧される部分を加熱し得る。本明細書の説明によって理解され得るように、フィラメントがそのように変形される領域は、成形ベルト２６０上の空気流遮断構造体２６１のパターンを反映する。

圧縮後、圧縮された芯は、成形ベルト２６０から持ち上げられるか又は分離されてもよく、またカレンダーロール５７１、５７３によって形成された第２のニップ５７１ａを通じて方向付けられてもよい。カレンダーロール５７１、５７３は、ステンレス鋼ロールであってもよく、その一方は、その円筒表面（接合ローラー）の周りに、隆起した結合突出部の彫刻された若しくは別様に形成されたパターンを有し、他方は平滑ロール（アンビルローラー）である。フィラメントを加熱し部分的に溶融させて、結合突出部の径方向最外表面とアンビルロールとの間で、フィラメントをニップ内で互いに融着させるように、結合ローラー又は結合ローラーとアンビルローラーとの両方が加熱されてもよい。結合ローラー上の結合突出部は、完成したウェブ材料２８０内に結合の同様のパターンを実現する、結合「ピン」の任意の好適な規則的パターンをなして構成されてもよい。結合突出部の径方向最外表面は、結合突出部とアンビルローラーとの間で、ニップ５７１ａ内における芯の局所的な上昇圧縮を実現する。これらの表面は、全円筒表面積のうちの結合ローラーの作業部分の割合（結合面積の割合）に相当する累積表面積を有してもよく、これは、結合されるウェブ材料のｘ−ｙ平面における表面積の割合（結合面積の割合）にほぼ反映される。結合ローラーの結合面積の割合、及び得られたウェブ材料の結合面積の割合は、約３％〜３０％、６％〜２０％、又は７％〜１５％であってもよい。熱カレンダー点結合のパターンは、ウェブの凝集性を改善し、下流の加工及び最終製品へのウェブ材料の組み込みに有用な機械方向及び横断方向の引張強度及び寸法安定性を向上させるように機能し得る。

追加的に又は代替的に、いくつかの実施例では、芯は、熱風結合プロセスによって結合されてもよい。空気通過熱結合は、いくつかの状況において望ましくなり得る、より嵩高の不織布構造を形成するための別の手法となり得る。空気通過熱結合は、フィラメント芯の表面に高温空気を適用することを伴う。高温の空気は、不織布の真上に配置されたプレナムの穴を通って流れる。しかしながら、空気は、一般的な熱風オーブンにおけるのと同様に、不織布に押し通されない。陰圧又は吸引によって、不織布がオーブンを通過する際に不織布を支持する開放コンベヤエプロンを通って空気が引き込まれる。不織布を通って空気が引き込まれることにより、より迅速かつ均一な熱の伝達が可能となり、布の歪みが最小限に抑えられる。従来の通気結合ユニットの使用の代替として、真空がベルトの下で操作されて芯を通して熱風を引き込む一方で、結合ユニットを成形ベルト２６０の上に配置し、従来の通気結合ユニットによって実現されるものと同様のプロセスを実現することが企図される。

成形ベルト２６０は、それぞれ、スパンボンド不織布ウェブを作製するために本明細書に開示される改善された特徴及びパターンを有する米国特許第６，６１０，１７３号、同第５，５１４，５２３号、同第６，３９８，９１０号、又は米国特許出願公開第２０１３／０１９９７４１号に記載されている方法及びプロセスに従って作製され得る。’１７３号、’５２３号、’９１０号及び’７４１号は、ベルト基板部材上に硬化樹脂で作製された製紙用ベルトに代表されるベルトについて説明しているが、これらのベルトは、改良と適切な構成を加えることで本明細書に記載されるように利用され得る。

スパンボンド不織布ウェブを製造するための三次元特徴部及びパターンを有する成形ベルト２６０はまた、以下の方法及びプロセスによって、かつ／又は、本明細書に教示される構造に望ましい改変を有するものを含む、以下の装置で作製されてもよく、その改変とは、米国特許第７，７９９，３８２号に教示されているようなロータリースクリーンプロセス、米国特許出願公開第２００７／０１７０６１０号に教示されているようなポリマー押出、米国特許第７，１０５，４６５号に教示されているような樹脂系グラフト、米国特許第８，８１５，０５７号に教示されているような穿孔フィルム、米国特許出願公開第２００６／００１９５６７号に教示されているような連続層処理、米国特許第７，００５，０４４号に教示されているような高分子液滴堆積、米国特許第７，０１４，７３５号に教示されているような犠牲材料を用いた高分子液滴堆積、米国特許第８，４５４，８００号又は同第８，８２２，００９号に教示されているような空気透過性フィルム技術、米国特許出願公開第２０１６／００９０６９２号に教示されているような多層ベルト構造、米国特許第８，７５８，５６９号又は同第８，３６６，８７８号に教示されているようなレーザーエッチング、米国特許出願公開第２０１４／０２７２２６９号に教示されているような押出メッシュ技術、米国特許出願公開第２００８／０１９９６５５号に記載されているような不織布ベルト、及び米国特許出願公開第２０１５／０１０２５２６（Ａ１）号、又は米国特許出願公開第２０１６／０１５９００７号、又は国際公開第２０１６／０８５７０４号、又は米国特許出願公開第２０１６／０１８５０４１号に教示されているようなプロセスである。

本開示の目的に有用なタイプのものであり、米国特許第５，５１４，５２３号の開示に従って作製され得る成形ベルト２６０の一部分の一例が、図６、図７及び図８Ａに示されている。’５２３号特許に教示されるように、基材ベルト材料２６１の平坦なシートが、予め選択された厚さまで液体感光性ポリマー樹脂で完全にコーティングされる。基材ベルト材料２６１（’５２３号特許において「補強構造体」と呼ばれる）は、空気透過性ワイヤメッシュ若しくはスクリーン材料、織布マット若しくはシート材料、有孔金属若しくはポリマーシート材料、又は本明細書で企図される使用条件下で好適なプロセス寸法安定性及び耐久性、並びに、相対的に小さい間隔及び空気通路のサイズと組み合わされたｚ方向における比較的高度な空気透過度を提供する任意の他の材料であってもよく、その結果、ベルトに打ち付ける紡糸フィラメントは、空気がｚ方向に通り抜けて移動することによって、相当な程度に、空気通路を通じて吹き飛ばされたり引き込まれたりするのではなく、ベルトの上に集積することになる。所望の空気流遮断構造体２６２のための所望のパターン、配列、サイズ、及び形状（複数可）を画定する不透明部分を印刷されるか、あるいはその不透明部分を逆の凹凸で反映する透明フィルム又はマスクが、液体感光性樹脂上に敷設される。樹脂は次いで、紫外線硬化性樹脂のための紫外線など、適切な波長の光にフィルムを通じて暴露される。この光への曝露は、マスクの透明部分（例えば、非印刷部分）の下方で樹脂を硬化させる。次いで、未硬化の樹脂（マスク内の不透明部分の下方）が基材から除去されて（例えば、溶媒の使用によって）、基板上に形成された硬化樹脂から形成された中実の空気流遮断構造体が、所望のパターン及び形状、例えば、図１２に示される空気流遮断構造体２６２のパターンに配列された状態に残され得る。任意の所望の装飾的又は機能的特徴を不織布ウェブ材料に付与するための、空気流遮断構造体の他のパターンも形成され得る。空気流遮断構造体２６２は、ベルトを通過するｚ方向空気流が遮断される成形ベルト２６０の空気遮断領域２６４を形成及び画定する。基材ベルト材料２６１のうちの、樹脂が未硬化のまま残され、その樹脂がそこから除去される部分は、ベルトを通過するｚ方向空気の流れが許容される成形ベルト２６０の空気透過性領域２６３を形成及び画定する。樹脂は、空気流遮断構造体２６２が所望のｚ方向深さを有し、平坦なランド表面２６２ａが概ねｘ−ｙ平面に沿って形成されるような様式で、ベルト上である深さまで形成及び硬化され得る。空気流遮断構造体の形成に続いて、その上に空気流遮断構造体が形成された基材ベルト材料のシートの端部が、連続的な成形ベルト２６０を形成するために、任意の好適な様式で結合され得る。

図８Ｂ〜図１１は、紡糸フィラメントが成形ベルト２６０上に集積され得る様式を概略的に示しており、フィラメント集積の位置及び深さは、成形ベルト上の空気流遮断構造体２６２の配列及び深さの影響を受ける。フィラメントは、成形真空システム５５５（図５を参照）によって下方に追いやられ、ベルトを通ってｚ方向に引き込まれる減衰空気に取り込まれるため、それらは、遮断構造体２６２を周り、それを越える通路を見出す空気に追従し、主として成形ベルトの空気透過性領域２６３の上／上方に堆積される。したがって、フィラメントは、空気流透過性領域２６３の上方で、より大きな深さ、繊維及び／又はフィラメント面密度及び重量に蓄積して、ベルト上に集積されたフィラメントの芯２７０のビルドアップ領域２７１を形成する。成形ベルト上のフィラメントの集積の程度は、一般に、ベルトの循環速度及びフィラメントの紡糸速度、又はこれらの組み合わせを制御することによって制御され得る。ベルトに接近する際の空気流の乱れとその結果として生じるランダム性、及びベルトの機械方向の移動は、交差するフィラメントの集積をより小さくし（紡糸されると概ね連続的である）、それにより、空気流遮断構造体２６２のランド表面２６２ａ上ではより少ない程度で集積させて、集積したフィラメントの芯２７０内に薄化領域２７２を形成することになる。この効果が図９〜図１１に概略的に示されているが、これらは、適切に構成された空気流遮断構造体によって形成され得るので、薄化領域２７２を横断するフィラメント１２２の比較的小さい集積を示す。

図１０Ａに示されるように、圧縮ローラー５７１、５７２（図５に示される）の間における圧縮とその後の成形ベルトからの除去に続いて、芯２７０は、成形ベルト上の空気流遮断構造体の配列に実質的に対応するビルドアップ領域２７１と薄化領域２７２とを備えた構造を有することになる。上述のように、薄化領域２７１を占有するフィラメント及び／又はその一部分は、圧縮ローラー５７０と空気流遮断構造体２６２のランド表面２６２ａとの間の圧縮の結果として、幾分か塑性変形（例えば、平坦化）され得る。それに対応して、ビルドアップ領域２７１を占有するフィラメント及び／又はその一部分は、一般に、圧縮によって変形されないか、あるいは相当により小さな程度で変形され得るが、これは、圧縮中に空気流遮断構造体間の空間内に配置され、したがって、芯が圧縮ニップ２７０ａを通過する際に緊密に圧迫されないためである。

上記のような成形ベルト２６０及びプロセスを使用して、ビルドアップ領域対薄化領域の芯の繊維及び／又はフィラメント面密度、及び／又は坪量の間の差は、２：１、３：１、更には４：１以上のレベルとなるように達成され得る。

上記の説明及び図から、記載されるプロセスに従って製造された成形不織布ウェブ材料は、その反対側の主表面の特徴との差を意味する「側方性」を示すことも理解されよう。例えば、図９及び図１０Ａを参照すると、時間において最初に成形ベルトに到達したフィラメントによって形成された芯（及び後続の不織布ウェブ材料）の表面（第１の成形表面）は、秩序配列に従って、反対側の表面、すなわち、芯の圧縮に先立って時間において最後に成形ベルトに到達したフィラメントによって形成された表面（最終成形表面）のいかなるトポグラフィー的特徴及び／又はテクスチャと比べても相当に大きなｚ方向深さを有するトポグラフィー的特徴及び／又はテクスチャを呈することが理解されるであろう。このような側方性の結果として、秩序配列を反映するゾーンの視覚的識別性は、第１の成形表面上で相当に大きくなり得る（いくつかの実施例では、伸縮性積層体の外側に面する層の外側表面を形成し得る）。したがって、ゾーン及び得られるトポグラフィー／テクスチャ特徴部の視覚的影響は、対向する最終成形表面上よりも、第１の成形表面上でより劇的となり得る。これと併せて、また製造方法と併せて、薄化領域を占有するフィラメントの部分は概して、ｚ方向において最後に成形された表面に近い。

成形ベルト上へのフィラメントの溶融紡糸／スパンボンドプロセス及び堆積については上述されているが、例えば、米国特許第９，９４４，０４７号、同第８，０１７，５３４号、同第５，５０８，１０２号、同第４，１００，３２４号、及び米国特許出願公開第２００３／０２１１８０２号、国際公開第２０１８／０６４５９５（Ａ１）号、及び米国特許出願公開第２０１８／００２８４８号、同第２０１７／００２４８６号、同第２０１７／０００６９５号、同第２０１７／０３４２６１７号、同第２０１６／０３５５９５０号に記載されているいわゆる共成形プロセスを含む他のフィラメント及び／又は繊維堆積及び坪量分布の技術及びプロセス、並びに、エアレイド繊維（天然及び／又は合成／ポリマー繊維を含む）から形成されたウェブが、制御された秩序的ハイドロエンハンスメント（hydroenhancement）／水流交絡によって改質されたウェブ材料内に繊維位置及び分布を有し、本明細書で企図される薄化領域及びビルドアップ領域の秩序配列を形成するスパンレース形成などの他の技法が採用され得ることも企図される。

上述の成形ベルト製造技術によって提供される利点、及び参照により本開示に組み込まれる参考文献において提供される利点は、空気流遮断構造体２６２が、上述のように、樹脂硬化光を選択的に遮断するために使用されるマスク上に所望の構成の凹凸を反転したものを単純に印刷することによって、天然物若しくは人工物、人、動物、架空の文字、人型文字、装飾要素、英数字、単語、数字、フレーズ、商標、ロゴ、機能的特徴、デザイン、パターン、サイズ、間隔などの認識可能で視覚的に識別可能な形状、画像の任意の数の所望の組み合わせに従って、成形ベルト２６０上に形成及び構成され得るということである。したがって、図４に示される形状のパターンを付与するように空気流遮断構造体を形成することに加えて、空気流遮断構造体は、所望され得るように上記に列挙された任意の種類の特徴、又はこれらの任意の組み合わせを不織布ウェブ材料に付与するように設計され、成形ベルト上に含められ得ることが理解されよう。

図１５〜図１７は、考えられる３つの非限定的な例を示す。図１５〜図１７はそれぞれ、本明細書に記載されるプロセスに従って形成され、例えば、パンツの前側ベルト部分を形成するために使用され得る伸縮性積層体材料の一区分の、外側に面する層などの層を形成するために使用され得る、成形不織布ウェブ材料の一区分を示す。一例では、図１５に示されるように、腰部縁部１１４ａ及び脚部縁部１１４ｂは、成形不織布ウェブ材料の区分の他の場所に現れる装飾パターン及び特徴部から変化する形成された特徴部によって視覚的に強調されてもよい。図１６及び図１７に示される別の一対の例では、第１のエリア７１０はゾーン１６０の秩序配列によって占有されてもよく、１つ以上の第２のエリア７２０は、ゾーン１６０によって占有されなくてもよく、実質的に均一な坪量及び／又はキャリパーを有して、空気流遮断構造体によって占有されていない同様のエリアを有する成形ベルト上におけるその製造を反映してもよい。図１６に示される例では、非占有領域７２０は、例えばパンツの前側ベルト部分の外側層を形成するために使用される、伸縮性積層体の外側層を形成する不織布ウェブ材料の区分の腰部縁部１１４ａ及び／又は脚部縁部１１４ｂを視覚的に強調するように機能し得る。図１７に示される例では、非占有エリア７２０は、着用者の腹部を視覚的に抱いたり抱えたりするように機能し得る（例えば、乳児用パンツの前側ベルト部分を形成する伸縮性積層体材料の外側層として使用される場合）。

いくつかの実施例では、着用可能物品の構成要素を形成する伸縮性積層体上の占有エリア７１０又は非占有エリア７２０は、積層体の端縁部又は側縁部に沿って延在してもよく、また、隣接する構成要素の端縁部又は側縁部に沿って占有エリア７１０又は非占有エリア７２０と実質的に整列されてもよく、隣接する構成要素はまた、本明細書に記載されるように成形不織布ウェブ材料から形成される。隣接する構成要素上のゾーンのそれぞれの秩序配列は、構成要素全体にわたって実質的に連続的するように見えるように実質的に整列されてもよく、その結果、具体化された装飾パターン、デザイン、画像などが、それぞれの構成要素が会合する継目、接合部などにわたって連続するように見える。したがって、このような例では、非占有エリア７２０は、それぞれの隣接する構成要素にわたって連続するように見え得るが、それらのそれぞれの外周又は境界７３０は、隣接する構成要素が会合する場所で実質的に整列され、かつ／又は、占有エリア７１０に反映された、具体化された装飾的デザイン、パターン、画像などは、継ぎ目、接合部などにわたって実質的に途切れなく連続するように見える。

本明細書の目的のために、「非占有エリア」は、ギャザリングされていない状態で成形不織布ウェブ材料の連続表面エリアにわたって薄化領域２７０が存在せず、約４ｃｍ^２以上であり、約１ｃｍより小さい寸法をｘ−ｙ平面内に持たないことによって、「占有エリア」と区別される。非占有エリアは、ゾーン１６０の配列における不連続性又は断絶の境界を画す周囲又は境界７３０によって占有エリアから線引きされる。非占有エリアが特定のサイズ以上である場合、その局所坪量は、占有エリア内の近接薄化領域の局所坪量とビルドアップ領域の局所坪量との間の平均に向かう傾向があることが理解され得る。このことは、成形不織布材料を製造するために使用される、関連する成形ベルト２６０上に堆積されたフィラメントは、材料の製造中に、空気流遮断領域２６４から離れて空気を取り込むことによって迂回されておらず、それによって、空気流遮断領域の上ではより薄く集積し、成形ベルト２６０（図８Ｂ及び９を参照）の空気流透過性領域２６３の上ではより厚く集積し、薄化領域２７２及びビルドアップ領域２７１を形成することによって、非占有エリアにおいて発生する。したがって、成形不織布材料の非占有領域７２０が特定のサイズに達すると、非占有領域７２０は、近接する薄化領域の坪量よりも大きく、かつ近接するビルドアップ領域の坪量よりも小さい局所坪量を有する。この状態が存在し始める非占有エリアの最小サイズは、使用される成形ベルト内に設計及び具体化される成形不織布材料の特定の秩序配列、並びに、フィラメントサイズ、紡糸速度、成形ベルト速度などの製造プロセス条件に依存する。

ビーム型弾性体を備えた伸縮性積層体
上述のような成形不織布ウェブ材料のサンドイッチ層を有する伸縮性積層体は、任意の好適な形態の弾性材料６３０を含み得る。例えば、弾性材料６３０は、伸縮方向と実質的に整列された弾性フィルム、弾性スクリム材料、又は複数の実質的に平行な離間した弾性ストランドであってもよい。いくつかの実施例では、弾性材料６３０は、４７０〜９４０のデシテックスを有し、約４ｍｍ〜約１０ｍｍ（中心間）以上の長手方向（横断方向、又は横断伸縮方向）間隔を有し、１５０％より大きい（典型的にはそれよりも相当に大きい）製造予歪みを有する、伸縮方向と平行かつ実質的に整列して配列された複数の弾性ストランドであってもよい。

しかしながら、他の実施例では、図２及び図３を参照すると、伸縮性積層体の弾性化要素として使用される弾性材料６３０は、ビーム型弾性ストランドであってもよく、供給ロール５１は１つ以上のワープビームであってもよい。

上述したように、弾性ストランドの従来の配列が弾性化機構として機能する伸縮性積層体は、積層体が部分的又は完全に収縮した状態にあるときに、サンドイッチ材料層の比較的大きな嵩高のギャザー又はラッフルによって象徴される。これらの比較的大きな嵩高のギャザー又はラッフルは、着用者の皮膚に対して圧力下で接触するように、積層体の（外側に面する及び着用者に面する）表面の両方に存在することになり、このことは、積層体が着用者の皮膚に接触する構成要素を形成する実施例では、皮膚の跡及び着用者の不快感を生じる機会の増加につながり得る。印刷される図形要素などの、含められ得る任意の装飾要素は、ギャザー又はラッフル内で折り畳まれ、したがって、歪んだり、部分的に隠されたり、あるいは別様に視覚的影響を相当に低減されたりしがちである。これは、伸縮性積層体のサンドイッチ層として使用されるときの、上記のように製造された成形不織布材料の特徴を含んでいる。

しかしながら、本明細書に記載されるビーム型弾性体を含めること及び使用することは、寸法及び大きさが大幅に低減し、伸縮方向に沿った伸縮性積層体の単位寸法当たりの数又は出現率を大幅に増加させる、サンドイッチ材料層のギャザーを提供することが分かっている。結果として、印刷されるか若しくは別の方法で形成され、伸縮性積層体上に含められた任意の装飾要素の視認性及び視覚的影響は、ビーム型弾性体で作製された伸縮性積層体が収縮状態にあるときにも、実質的に損なわれないことが分かった。

本明細書で使用されるとき、「ビーム型弾性体」は、個々のストランドごとに個々のスプール上には提供されないが、比較的狭い間隔の配列で、単一のスプール又は「ビーム」に比較的低いデシテックスの複数のストランドとして提供される弾性ストランドを指す。ビームから巻き出されるとき、それらは、好適な処理機器及び条件を用いて、このような比較的緊密に離間配置された配列でウェブ製品に組み込まれ得る。ビーム型弾性体は、長年にわたって織物及び衣類製造における様々な用途で使用されてきたが、着用可能な使い捨て吸収性物品のための弾性化構成要素を製造するためのそれらの潜在的な有用性は、最近になって認識されたばかりである。ビーム型弾性体を含めること及び使用することによって改善された伸縮性積層体は、着用者の腰部、脚部、股部、及び側部の周囲で、フィット感、快適性、外観、及び／又はガスケット機能を相当に改善するための構成要素を形成するために用いられてもよい。

パンツ１１０の形態をなす着用可能な使い捨て吸収性物品が、概して図１Ａ及び図１Ｂに示されている。パンツ１１０は、一対の耐久性パンツと同様の様式で着用者によって装着されるように設計されてもよい。パンツ１１０は、前側腰部領域及び後側腰部領域にそれぞれ別個の前側ベルト部分１１４及び後側ベルト部分１１５を含んでもよい。

パンツ１１０が前側及び後側ベルト部分１１４、１１５を含むとき、前側及び後側ベルト部分の側縁部は、互いに恒久的にあるいは再締結可能に接合されて、腰部開口縁部１１４ａ、１１５ａを有する腰部開口部、並びに脚部開口縁部１１４ｂ、１１５ｂをそれぞれ有する一対の脚部開口部を形成してもよい。伸縮性ベルト部分は、パンツの腰部囲繞部分が伸縮することを可能にするので、伸縮性積層体材料から形成された前側及び後側ベルト部分１１４、１１５は、パンツ１１０を着用者に最初に適合可能にフィットさせ、着用時にこのフィットを維持することによって、パンツが身体排出物で充填されている間も、快適かつ適合するフィット性を提供する弾性伸展性特徴部を提供する。更に、エラストマーベルト部分は、装着を容易にし、着用者の所定の位置にパンツを維持し、そのフィット性を向上させるのに役立つ横方向／フープ張力を発生及び維持する。

前側及び後側ベルト部分１１４、１１５を含むパンツ１１０は、第１及び第２のサイドシーム１１６を含んでもよい。一方又は両方のサイドシーム１１６は、恒久的（すなわち、非破壊的に分離可能ではない）であってもよく、機械的結合、熱結合、又は接着剤結合によって、前側ベルト部分１１４の側縁部に沿った表面を後側ベルト部分１１４の側縁部に沿った表面に接合することによって形成されてもよい。あるいは、一方又は両方のサイドシームは分離可能及び再締結可能（すなわち、例えば、フックアンドループ締結システムによって達成される、分離後に非破壊的に分離可能かつ再締結可能）であってもよい。

特に、図３を参照して、伸縮性積層体材料のうちの前側ベルト部分１１４及び後側ベルト部分１１５の一方又は両方を形成するために用いられる区域に特に関連して言えば、第１のウェブ層６１０及び第２のウェブ層６２０は、伸縮性積層体材料のそれぞれ外側に面する層及び着用者に面する層を形成し得る。第１及び第２のウェブ層６１０、６２０の一方又は両方は、不織布ウェブ材料からで形成されてもよく、また第１及び第２のウェブ層６１０、６２０の一方又は両方、例えば、外側に面する層は、上述のように成形不織布ウェブ材料で形成されてもよい。第１及び第２のウェブ層６１０、６２０は、伸縮性積層体を形成するように弾性材料６３０の周囲に積層されてもよく、弾性材料６３０はビーム型弾性体である。図１Ａ及び図１Ｂに示唆されるように、パンツの後側ベルト部分１１５は、前側ベルト部分１１４よりも大きい長手方向寸法を有してもよい。この長さの違いは、前側により高い脚部開口縁部１１４ｂを設けて、股関節における大腿部のより快適な前方屈曲に対応する一方で、後側により低い脚部開口縁部１１５ｂを設けて、着用者の臀部のより大きな被覆、及びパンツ１１０のより下着に似た外観を提供する目的で望ましいものとなり得る。いくつかの実施例では、層６１０又は６２０のうちの一方は、積層体の端縁部を形成するように、対向する表面の周囲及びその上に、折り目を中心として折り畳まれてもよい。積層体が伸縮方向に延在する弾性材料６３０として弾性ストランドを含み、パンツのベルト部分を形成するために使用されるいくつかの実施例では、ウェブ層６１０は、例えば、ベルト部分の腰部縁部を形成するように、弾性ストランドに実質的に平行な折り目を中心として、ウェブ層６２０の周りでその上に折り返され得る。

弾性ストランドを弾性化要素として使用し、典型的には現在市販されているパンツ製品に見られる弾力性ベルト部分を形成するために使用される伸縮性積層体は、典型的には、４７０〜９４０又は更にはそれ以上のデシテックスを有する弾性ストランドを含み、約４ｍｍ〜１０ｍｍ（中心間）以上の長手方向（横断方向、又は横断伸縮方向）間隔、及び１５０％を超える（及び典型的にはそれよりも相当に大きい）製造予歪みを有する。これらの範囲内の値の典型的な組み合わせにおいて、伸縮性積層体の非弾性ウェブ材料構成要素は、ストランドに固定されたウェブ材料の相対的に大きい自由なラッフル又はギャザー（「しわ」又は「波形」と呼ばれる場合もある）を形成し、それらは、（伸縮方向に沿って）出現率が相当に低く、ｚ方向の広がり又は高さが相当に高度なものであり、したがって、それらは視認性が高く、また積層体に、粗い斑紋状の嵩張った外観を付与することになる。更に、材料のラッフルが弾性ストランド内の引張力によって着用者の皮膚に対して押し付けられると、それらのラッフルは、内側／着用者に面するラッフルが圧点に位置する状態で、弾性ストランドの下方の不均一な圧力分布に皮膚をさらし、それによって望ましくない皮膚のマーキングが、また更には皮膚刺激が促進され得る。

パンツの前側ベルト部分又は後側ベルト部分を形成するために使用される伸縮性積層体の弾性化要素として、ビーム型弾性ストランドで代用することにより、より布に似た皮膚接触材料を形成するために、横断方向の寸法当たりに相当により多数のより微細な弾性ストランドを含めることが可能となり、劇的により小さいラッフルは、非ビーム型弾性ストランド技術を用いて実際に利用可能であるよりも、機械方向の出現率が相当により高く、ｚ方向の広がりが相当により小さいものとなる。弾性ストランドを伸縮性積層体製造プロセスに供給するための供給機構としてワープビームを使用することによってこれが可能となる。ビーム型弾性ストランドは、この目的のために、従来の弾性ストランド技術を使用して形成された、類似の累積引張特性、伸縮特性を示す従来の伸縮性積層体のものよりも、デシテックスが相当に低く、予歪みが相当に小さくなるよう選択され得る。

いくつかの実施例では、弾性材料６３０は、２．０ｍｍ以下、１．５ｍｍ以下、１．０ｍｍ以下、０．８ｍｍ以下、０．５ｍｍ以下、又は更には０．２５ｍｍ以下の製造ストランド間隔で積層体に組み込まれたビーム型弾性体であってよい。ビーム型弾性体は、２．０ｍｍ、１．５ｍｍ、１．０ｍｍ、０．８ｍｍ、０．５ｍｍ以下、又は更には０．２５ｍｍ以下の平均ストランド間隔をもたらすように、積層体内に配設されてもよい。

ビーム型弾性体は、本明細書に開示されるスパンデックス及び同様の材料などのエラストマー材料から形成されてもよい。着用者の皮膚に対して不快な程度の圧力を及ぼさない一方で、ガスケット機能を提供するのに好適な総引張力を積層体内に与えるために、また、通気性が維持されるようにストランドの間隔を保つために、ストランドは、ある製造デシテックスを有するように、かつ／又は、結果として４００以下、より好ましくは３００、２００、１５０以下、又は最も好ましくは１００以下の平均デシテックスを得るように選択され得る。

比較的近接した間隔と低いデシテックスとの組み合わせでは、構造体内への組み込み中に、３００％以下、２００％以下、１５０％以下、１００％以下、又は更には７５％以下の製造予歪みをビーム型弾性体に付与すること、あるいは、これらの範囲内の平均予歪みを有する積層体を生じる量の予歪みをストランドに付与することが望ましくあり得る。

ビーム型弾性ストランドの間隔及びデシテックス、並びにカフ構造に組み込まれる際にストランドに付与される予歪みの量を適切に選択することにより、パンツの前側及び／又は後側ベルト部分を形成し、適切に伸長されたときに、従来のパンツベルト構造体に匹敵する横方向引張力を呈する伸縮性積層体構造は、相当により少数の圧点又は局所化、すなわち、着用者の皮膚に対してより均一に分布した圧力をもたらすことができ、結果として、皮膚のマーキングが生じる可能性を相当に低減し、また着用者の快適性を高める。

改善された外観及び着用者の快適性を提供することに加えて、ビーム型弾性体を使用することによって可能となる、サンドイッチ層内の比較的小さい、近接したギャザーは、装飾要素を含めるための改善された基材を提供する。これは、装飾的要素が、比較的小さなギャザーによって実質的に折り畳まれず、そのため隠れず、かつ／又は視覚的に損なわれないためである。これは、装飾的特徴を具現化するゾーンの秩序配列を有する成形不織布ウェブ材料層との組み合わせのために、ビーム型弾性体を利用したものである。図１２及び図１３を参照すると、成形不織布ウェブ材料層上に、スカラップ形状内のハート形状の装飾的繰り返しパターンを具現化するゾーンの秩序配列の例が示されている。図１２は、積層の直後に現れ得るように、伸張状態の積層体６００の一部分（依然として歪み状態にある弾性材料６３０）を示す。図１３は、弾性材料６３０の製造及び弾性収縮後に現れ得るように、弛緩した横方向に収縮した位置にある積層体の同じ部分を示す。弾性材料６３０が、好適に近接した間隔、微細デシテックス、及び低予歪みのビーム型弾性体である場合、成形不織布ウェブ材料層を含むサンドイッチ層内のギャザーは、ゾーンの装飾パターンを折り畳んで隠すことがないように十分に小さく、微細である。むしろ、積層体は、本明細書に記載されるように、パターンが視覚的に横方向にのみ収縮し、依然として視認可能であり、それにより、パターンの比率が視覚的に変化するように構成され得る。

しかしながら、成形不織布ウェブ材料上のゾーンの秩序配列は、ビーム型弾性体のかかる弾性収縮の後も依然として視認可能／視覚的に識別可能となるように十分に大きな寸法を有することが望ましい場合があることが理解されるであろう。したがって、図１４を参照すると、いくつかの実施例において、成形不織布ウェブ材料層上のパターン（非収縮状態において）は、伸縮性積層体の形成の機械方向において、伸縮性積層体が弛緩し、積層体の機械／伸縮方向に沿って完全に収縮したときに約０．５ｍｍ以上となるように十分に大きな最小反復間隔ＭＤＲを有することが望ましい場合がある。

層６１０、６２０を形成するために使用されるウェブ材料は、容易に屈曲し、本明細書に記載される伸縮性積層体を形成するために使用されるビーム型弾性体によって可能となる、本明細書で企図される、比較的微細で出現率が高く、広がりの小さいラッフル又はギャザーを形成し得るように、十分にキャリパーが低く、相当に十分な柔軟性（曲げ剛性に影響を及ぼす）を有するものとなるように選択されることが望ましい場合がある。したがって、層６１０、６２０の一方又は両方を形成するために使用される不織布ウェブ材料（複数可）は、３０ｇｓｍ以下、より好ましくは２０ｇｓｍ以下、更により好ましくは１５ｇｓｍ以下の平均坪量、又は６０ｇｓｍ以下、より好ましくは４０ｇｓｍ以下、更により好ましくは３０ｇｓｍ以下の組み合わせ坪量を有することが望ましい場合がある。（本明細書において「ｇｓｍ」は、１平方メートル当たりの材料のグラムを意味する。不織布ウェブ材料の場合、その坪量はｇｓｍで表される。不織布ウェブ材料に適用される接着剤などの添加材料の場合、適用される量はｇｓｍで表され、これは、ウェブ材料の１平方メートル当たりに適用される添加材料のグラムを意味する。）

いくつかの実施例では、伸張性積層体の第１の層６１０は、本明細書に記載されるように製造された成形不織布材料から形成され、ビルドアップ領域と薄化領域の任意の所望の秩序配列が任意の所望の装飾的及び／又は機能的な構造的特徴を第１の層に付与してもよく、伸縮性積層体の第２の層６２０は、実質的に不規則的な繊維及び／又はフィラメント分布を有する従来の不織布ウェブ材料であってもよい。第１の層６１０は、例えば、パンツの前側又は後側ベルト部分の外側に面する層を形成してもよく、第２の層６２０は、着用者に面する層を形成してもよい。本明細書に記載される組み込まれた弾性化機構として予歪みされたビーム型弾性体と組み合わされると、比較的構造化されていない着用者に面する層は、着用者の皮膚全体にわたって圧力を均等に分配するのに役立つ非常に微細で均一に分布したギャザーを形成する一方で、劇的な質感及び視認可能な構造的特徴部が外側に面する層に形成され得る。これらの層は、形成されたテクスチャを有する外側に面する層の外側表面が、わずか約２０パーセント〜約４０パーセント（概して、相当なテクスチャを反映する）の外掛百分率接触面積を呈し得る一方で、着用者に面する層は、外掛百分率接触面積の少なくとも１．２５倍（１．２５Ｘ）、より好ましくは少なくとも約１．５０倍（１．５Ｘ）、更に好ましくは少なくとも１．７５倍（１．７５Ｘ）、更により好ましくは少なくとも約２．０倍（２．０Ｘ）の内掛百分率接触面積を呈する（比較的テクスチャが少なく、圧力分布がより均等であることを反映する）ように、選択及び／又は構成され得る。

層６１０、６２０を形成するために使用される不織布ウェブ材料（複数可）は、任意の好適な機構によってビーム型弾性体の周りに積層体構造を形成するように互いに結合され得る。いくつかの実施例では、これらの層は、一方又は両方のサンドイッチ層のストランド対向表面に接着剤を適用し、次いで、一対のローラー間のニップにおいて、それらの層を一緒にし、それらをビーム型弾性体の周囲で圧縮することによって互いに結合されて、積層体構造を形成する（例えば、図２を参照されたい）。接着剤は、積層構造体を一緒に保持するのに十分な任意の好適な量で適用されてもよいが、ビーム型弾性体及び伸縮性積層体構造の弾性収縮性を著しく損なわせる程度に接着剤が適用されることを回避することが望ましい場合がある。したがって、伸縮性積層体構造を一緒に保持する接着剤が、約３ｇｓｍ〜約１５ｇｓｍ、又は約６ｇｓｍ〜約１２ｇｓｍ、又は更には約７ｇｓｍ〜約１０ｇｓｍの坪量に適用されることが望ましい場合がある。接着剤は、スロットコーティングプロセスなどの任意の好適な方法によって、サンドイッチ層６１０、６２０の一方又は両方に適用されてもよい。接着剤は、弾性特性を有し、使い捨ておむつ及び使い捨て吸収性パンツの製造における使用で知られている任意のホットメルト接着剤など、着用可能吸収性物品の構成要素の組み立てに好適であると見なされる、任意の接着剤配合物であってよい。

それに代わってあるいはそれに加えて、層６１０、６２０を形成する材料は、機械的結合のパターンによってビーム型弾性体の周りに積層体構造を形成するように互いに結合されてもよい。本明細書では、「機械的結合」は、適用される熱又は加熱エネルギーの有無にかかわらず圧力を加えることによって形成された結合であり、この結合は、変形によって、またいくつかの実施例では、それぞれの層の構成要素を互いに融合させることによって、材料層の間に形成されるものである。いくつかの実施例では、層６１０、６２０を形成する材料は、米国特許出願第１５／８３２，９２９号又は同第１５／８３３，０５７号に記載されている方法によって、積層体構造を形成するように互いに結合されてもよい。図２を参照すると、積層ロール６０ａ、６０ｂは、一対のカレンダー結合ローラーであってもよく、ロールのうちの少なくとも１つ、すなわち結合ローラーは、その円筒表面上に、任意の所望のパターンで配列された、複数の半径方向に突出する結合突出部を有し、他のロールは滑らかな円筒形表面を有し、それによってアンビルローラーを構成する。結合ローラー上の結合突出部のパターンは、積層体構成要素上に局所的な圧力を及ぼし、結合突出部はニップ６０ｃ内のアンビルローラーに接近する。これと共に、一方又は両方のロール６０ａ、６０ｂが加熱されてもよい。カレンダーローラー上の結合突出部のパターンに対応する機械的結合部のパターンをなして、層６１０、６２０のフィラメントを成形する材料を一緒に溶融するために、局所的な圧力と熱との組み合わせが用いられ得る。いくつかの実施例では、超音波振動エネルギーを伝達してニップ内の結合突出部の下方でフィラメントを加熱し、直熱に代わるものとして超音波エネルギーを用いて溶融を実現するために、ソノトロードがアンビルローラーの代わりとされてもよい。伸縮性積層体を結合するための様々な方法はまた、本願の出願日と同日に出願された同時係属出願の、発明者ＬａＶｏｎらによる、Ｐｒｏｃｔｅｒ＆Ｇａｍｂｌｅ代理人整理番号１５２７３Ｐ、名称「ＢＥＡＭＥＤ ＥＬＡＳＴＯＭＥＲＩＣ ＬＡＭＩＮＡＴＥ ＳＴＲＵＣＴＵＲＥ ＡＮＤ ＴＥＸＴＵＲＥ」に記載されている。

伸縮性積層体材料の一方又は両方のサンドイッチ層６１０、６２０が、本明細書に記載されるような成形不織布ウェブ材料から形成される場合、いくつかの状況では、積層体が接着剤の使用によって組み立てられ、積層されることが好ましい場合がある。機械的結合のパターンではなく接着剤の使用は、いくつかの理由により、本明細書で企図されるような積層体を結合するために好ましい場合がある。１つの理由は、カレンダー結合ローラー上の相当な数の結合突出部が、成形不織布ウェブ層において、ゾーン１６０の秩序配列内の薄化領域２７２に遭遇する場合、層間に機械的結合部の均一なパターンを形成する試みは困難となり得るということである。成形不織布ウェブ材料の薄化領域内のフィラメント材料は、弾性ストランドの周りのそれぞれの層６１０、６２０の間に堅牢な結合を形成するには量において不十分であり得、結果として、結合は生じないか、若しくは、最小応力への曝露で破損する可能性が高い、非常に脆くて弱い結合が生じることになり、個々の結合が意図された成形不織布ウェブ材料層内のラグホールの生成が危うくなる。特にビーム型弾性体を弾性材料６３０として使用する第２の理由は、機械的結合プロセス及び意図される結合パターンが、いくつかの状況では、ビーム型弾性体の配列内の相当な数の個々のストランドを切断するか、ないしは別様に著しく変形させたり弱化させたりする可能性があり得るということである。得られる伸縮性積層体は、実質的な数の切断された又は損傷したストランドを破損せずには相当な歪みに耐えることができず、伸縮性積層体がビーム型弾性体の歪みのない長さに向かって伸縮する能力を相当に低下させることになり得る。

したがって、いくつかの状況において、接着剤が、ビーム型弾性体を含む伸縮性積層体と成形不織布ウェブ材料層とを一緒に保持する機構であることが好ましい場合がある。そのような状況には、成形不織布層の表面積の大部分又は全てが、秩序配列内のゾーンによって占有されるか、あるいはゾーンの薄化領域が結合パターンの間隔に対して密接に離間している状況が含まれてもよい。

しかしながら、他の実施例では、機械的結合のパターンは、弾性材料の周囲で層６１０、６２０を結合するのに好適であると見なされ得る。そのような状況には、例えば、成形不織布層の表面積の比較的大きい割合が、秩序配列にある薄化領域によって占有されず、かつ／又は、薄化領域が、結合パターンにおける機械的結合のパターン、寸法、及び間隔に対して広く離間されている状況が含まれてもよい。これらの状況では、上記のような積層体の実質的な欠陥が、より起こりにくくなるか、あるいは相当に多数となる可能性が低くなり得る。

本開示はまた、ハイブリッド構成、すなわち、機械的結合、例えば、超音波結合のパターンと、接着剤（同様にパターン化されてもよい）の適用との両方が、その異なるエリアにおいて積層体を結合するために使用されることをも企図する。図２、図３、図１１、図１６及び図１７を参照すると、例えば、成形された材料層上の秩序配列のゾーン１６０によって占有されるエリア７１０における接着剤結合を実現するために層６１０、６２０及び／又は弾性材料６３０の構成要素の一部分に接着剤を適用するように、また、秩序配列のゾーン１６０によって占有されていない成形不織布ウェブ材料のエリア７２０に対応する／その下にある伸縮性積層体のエリアにおいて層６１０、６２０間の機械的結合を実現するように、プロセス機器を構成することが望ましい場合がある。機械的結合のパターンは、任意の所望の配置及びパターンを実現するように（カレンダー結合ローラーの設計によって）設計されてもよく、また、例えば、伸縮性積層体にキルト様の外観を付与するように、比較的広く離間された結合部を有してもよく、その場合、成形不織布ウェブ層を結合するための、及び、伸縮性積層体が収縮されるときに、成形不織布ウェブが結合部の間でｚ方向に膨張することを防止するための接着剤は適用されない。

更に、いくつかの状況では、接着剤は、比較的微細なデシテックのビーム型弾性体の弾性収縮性を損なう場合がある。この欠陥は、単に、微細弾性ストランドが接着剤によって物理的に妨害される結果である。したがって、接着剤を含まない結合は、収縮性をより良好に維持するのに役立ち得る。本出願の出願と同日に出願された同時係属出願の、発明者ＬａＶｏｎらによる、Ｐｒｏｃｔｅｒ＆Ｇａｍｂｌｅ代理人整理番号１５２７３Ｐ、名称「ＢＥＡＭＥＤ ＥＬＡＳＴＯＭＥＲＩＣ ＬＡＭＩＮＡＴＥ ＳＴＲＵＣＴＵＲＥ ＡＮＤ ＴＥＸＴＵＲＥ」に記載されている、あるパターン及び深さでの超音波結合は、伸縮性積層体内のビーム型弾性体の弾性収縮性を維持するために特に有用となり得る。

図１６及び図１７に示される例では、上述のように、成形不織布ウェブ材料層の非占有エリア７２０において層６１０、６２０を弾性材料６３０の周囲に結合するために、接着剤結合ではなく機械的結合が使用されてもよい。上記で説明された理由から、この構成は、選択されたエリアに沿って、概ね横方向に沿って相対的により良好な弾性収縮性を提供することができる。図１６に示される実施例では、接着剤結合ではなく機械的結合が、腰部開口縁部１１４ａ及び脚部開口縁部１１４ｂに沿ってエリア７２０内に設けられて、これらのエリアに沿って相対的により良好な弾性収縮性が提供され、このような相対的により良好な収縮性によって区別される腰部バンド様構造体及び脚部バンド様構造体が形成され得る。図１７に示される実施例では、相対的に良好な弾性収縮性をもたらすために、接着剤結合ではなく機械的結合が腹部の湾曲に沿ったエリア７２０に設けられ、そのような相対的に良好な収縮性によって差別化される体形適合性の身体抱合構造が形成され得る。図において示唆されるように、伸縮性積層体のうちの、成形不織布ウェブ材料層の非占有エリア７２０に対応し、接着剤ではなく機械的結合のパターンで結合される領域は、パンツの前側又は後側ベルト部分の横方向幅の大部分又は全てに沿って延在してもよい。

図２を参照すると、複数のビーム型弾性体６３０ｂ（約１０〜約５００のデシテックスを有する約１０ストランド〜約１５００のストランド）が、機械方向ＭＤにビーム５１ｂ（第１の計量装置５２である）から巻き出され、ビーム５１ｂから第２の計量装置５３（ニップ６０ｃを形成する第１のローラー６０ａと第２のローラー６０ｂとを含む）に移送され得る。複数のビーム型弾性体６３０ｂは、弾性体に予歪みを与えるために（約５０％〜約４００％）、第１の計量装置５２と第２の計量装置５３との間で機械方向ＭＤに沿って伸張されてもよい。伸張された弾性ストランド６３０ｂは、接着剤アプリケータ６１からの接着剤６２によって、第２の計量装置５３において第１の層６１０及び第２の層６２０と接合されて伸縮性積層体６００を生産し得るが、これにより、ビーム型弾性ストランドのそれぞれは、約０．２５ｍｍ〜約５ｍｍ（中心間）、積層体において（横断方向に）離間される。本明細書に記載される利益を提供するために、着用可能吸収性物品又はその構成要素に更に組み込まれ得るのは、この積層体６００である。使い捨て吸収性物品に使用するためのビーム型弾性積層体を作製するプロセスの更なる詳細は、２０１６年１２月２０日に出願された米国特許出願第６２／４３６，５８９号に開示されている。積層体６００は、吸収性物品製造ラインの一部として生産されてもよく、あるいはオフラインで生産されてもよく、また吸収性物品製造ラインに供給される弾性積層体として巻き出されてもよい。

伸縮性積層体は、同じ又は異なるデシテックス、間隔、エラストマー組成物及び／又は予歪みレベルを有するビーム型弾性体を平行（並列）に送達するように構成された複数のビーム５１ｂを使用して、異なる側方伸縮及び／又は引張力特性のバンドを有する伸縮性積層体を作製するように構成されてもよい。

ビーム型弾性ストランド及び組成物（スパンデックスと押出ストランド）
ビーム型弾性体は、スパンデックス繊維を含んでもよい。１つのタイプのスパンデックス繊維は、「ポリウレタン尿素」エラストマー又は「高ハードセグメントレベルポリウレタン」エラストマーであり、溶液（溶媒）紡糸プロセスを使用して繊維に形成しなければならない（溶融状態で処理可能でない）。ポリウレタン尿素における尿素結合は、夜間を含むおむつの着用に対応する時間尺度において体温付近の温度で良好な応力緩和性能を可能にする「固着」を提供するのに重要な強い化学相互作用を提供する。このタイプの固着は、多くの熱可塑性ポリウレタン（２００℃を下回るとハードセグメント溶融を伴うポリウレタン）又は熱可塑性スチレンブロックコポリマーに比べて、より良好な力の緩和を可能にする（すなわち、伸張された状態で体温で保持されたとき、経時的な力の減衰がほとんどない）。

対照的に、押出ストランド及びスクリムは、典型的には、溶融状態で従来の押出プロセスによって形成することができるスチレンブロックコポリマー又は熱可塑性エラストマーから作られる。熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン、ポリウレタン（２００度未満で溶融する硬質セグメントを有するポリウレタン）のエラストマーなどのような組成物が挙げられる。ポリウレタン（２００度未満で溶融する硬質セグメントを有するポリウレタン）のようなこれらの熱可塑性エラストマーは、溶融／再溶融されて押出成形されることができ、それらを使用の際により高い応力緩和（主要な欠点である）を受けやすい。押出ストランドで使用されるスチレンブロックコポリマーは、比較的短い端部ブロック同士の間に位置する比較的長いゴム状の中間ブロックを含む。良好な流れの従来の押出プロセスを可能にする程度に十分に短い末端ブロックは、多くの場合、応力緩和に対する傾向が大きく、経時的な力緩和を受けることが多い。

スパンデックス中に存在する尿素結合は、紡糸プロセスによって作る必要がある。スパンデックスは、スチレンブロックコポリマーのようには溶融／再溶融され得ない。スパンデックスプレポリマーを、溶媒及び添加物と組み合わせて、溶液を紡糸して固体のスパンデックス繊維を作る。次いで、複数の繊維を共に形成し、１本のスパンデックスストランドを作る。スパンデックスストランドは、ブロッキングを防いでスプールに巻き付くように、表面仕上げを有することができる。１本のスパンデックス繊維のデシテックスは約１５とすることができ、したがって５００デシテックスのストランドは、１本のストランドを作るように共に巻かれた公称で３３本の繊維を有することができる。ビーム手法に使用するデシテックスに応じて、１５本の繊維（若しくはフィラメント）、８本の繊維、５本の繊維、３本の繊維、又は更に２本までの繊維を有することができる。スパンデックス繊維は、単成分又は二成分とすることができる（ＷＯ２０１０４５６３７（Ａ２）号に開示されている）。

更にビーム型弾性体の化学的性質に関係して、約１０％、約７％、約５％、約３％、又は約１％のそのような油を含むシリコーン油、鉱油などの油でビーム型弾性体を被覆することが望ましい。このような油でビーム型弾性体を処理することは、ストランドがスプール又はビームに巻かれる際のブロッキング（架橋）を防止するのに役立ち、また、ストランドの摩擦係数を低下させることにもなり、このことは、いくつかの状況において、加工装置を通るストランドの移動に関連して望ましい場合がある。

市販のスパンデックスストランドはまた、ＬＹＣＲＡ（ＩＮＶＩＳＴＡ（Ｗｉｃｈｉｔａ，ＫＳ）の製品）、ＣＲＥＯＲＡ（（Ｈｙｏｓｕｎｇ（Ｓｅｏｕｌ，Ｋｏｒｅａ）の製品）、又はＤＯＲＬＡＳＴＡＮ（Ａｓａｈｉ Ｋａｓｅｉ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（Ｔｏｋｙｏ，Ｊａｐａｎ）の製品）としても知られ得る。スパンデックスは、エラステーン繊維又はポリウレタン繊維と呼ばれることが多い。

消費者相互作用及び研究により、皮膚に跡の付かない快適な着用体験を提供するために（今日のストランド状の製品に対して）低い弾性圧力を有する物品を提供しながら、適用及び取り外し容易性並びに移動の自由のために弾性率のバランスのとれた吸収性物品を提供するという長年にわたり満たされない消費者ニーズが存在することが示されている。約２ｇｆ／ｍｍ〜１５ｇｆ／ｍｍ、あるいは約４ｇｆ／ｍｍ〜約１０ｇｆ／ｍｍの断面計数を有する弾性積層体構造が、適用の容易さ、取り外しの容易さ、適合フィット性、及び移動の自由に最も望ましいことが判明した。これらの構造における弾性構成に応じて、これらの構造体は、例えば、弾性ストランドなどの非常に高いストランド下圧力を呈して、皮膚の跡の増加及び快適性の低減をもたらす場合がある。皮膚に対する弾性体の圧力を低減する１つのアプローチは、所与の領域の弾性体の数を増加させることである。所与の領域内だけの弾性体の数を増加させることにより、ストランド下圧力を低減することができるが、それが唯一の変化である場合は、弾性積層体構造の全体的な弾性率も大幅に増加させることができる。弾性率及び皮膚に対する圧力の正しいバランスを達成するために、弾性体間の間隔が低減されるとき、弾性デシテックス及び／又は弾性歪みを低減し、それによって、弾性率及び皮膚に対する圧力を均衡させ、消費者に好ましい範囲内にこれらのパラメータを維持するために弾性体数を増加させることが必要である。この重要な発見は、非常に低い歪みレベルで、かつこれまで使い捨て吸収性物品に全く見られなかった非常に狭い弾性体間隔で、非常に低いデシテックス弾性を送達することにより、可能になった。低歪みかつ狭い間隔でのこのような低デシテックス弾性の送達は、織物整経ビーム技術アプローチから生み出された吸収性物品には初めての技術を介して可能になる。以下の実施例は、そのようなエラストマー構造のいくつかの実施形態である。

実施例−ベルト型パンツ
実施例１は、ベルト付きパンツ吸収性物品である。パンツは、前側腰部領域と後側腰部領域の両方に配置されたベルト積層体を備え、以下の材料及び構造を備える。

本発明のエラストマー積層体は、約０．１ｐｓｉ〜約１．０ｐｓｉのストランド下圧力を有することが望ましい場合がある。特定の実施形態では、ストランド下圧力は、約０．２ｐｓｉ〜約０．８ｐｓｉであってよい。

試験及び測定方法
一般的な試験片調製
一般的な試験片調製は、方法自体内に特定の試験片調製指示を有さない方法に使用されることを意図している。

試験のために試料を採取するとき、試料は、複数の弾性ストランド及び／又は弾性材料、フィルム、弾性スクリム、弾性フォーム、弾性リボン、弾性ストリップなどを含まなければならない。弾性材料及び／又は弾性ストランドがサンプル内に完全に固定されていない状況では、試験試料は、試料の試験領域内の弾性材料及び／又は弾性ストランドが意図されたまま、試料の採取の結果として変更されていないような方法で得られなければならない。弾性材料又は任意の弾性ストランドが積層体内で若しくは積層体から脱離する、クリープする、又は分離した状態になる場合は、試料を廃棄し、新しい試料を調製する。

パンツについては、サイドパネルをこれらがシャーシに取り付けられているところで取り外し、サイドシームのところでサイドパネル同士を分離する。パネルの全幅を横断する弾性材料を特定する。弾性材料又は弾性ストランドの長手方向に最も遠位の縁部（腰部縁部に最も近い）、及び、弾性材料又は弾性ストランドの長手方向に最も近位の縁部（脚部縁部に最も近い）を特定し、最も遠位の弾性ストランド又は弾性材料縁部と最も近位の弾性ストランド又は弾性材料縁部との間の中点を決定する。幅４０ｍｍのストリップを、中点を中心としてパネル全体にわたって横方向に切断する。弾性材料及び／又は弾性ストランドを含む前側サイドパネル及び背面側サイドパネルの各々について繰り返す。

テープ式おむつについては、耳部パネルをこれらがシャーシに取り付けられているところで取り外す。パネルの全幅を横断する弾性材料を特定する。最も遠位の弾性材料縁部又は弾性ストランド（腰部縁部に最も近い）、及び、最も近位の弾性材料縁部又は弾性ストランド（脚部縁部に最も近い）を特定し、最も遠位の弾性ストランド又は弾性材料縁部と最も近位の弾性ストランド又は弾性材料縁部との間の中点を決定する。幅４０ｍｍのストリップを、中点を中心として耳部パネル全体にわたって横方向に切断する。弾性材料及び／又は弾性ストランドを含む前側耳部パネル及び背面側耳部パネルの各々について繰り返す。

ベルト付き物品については、コアの側部に沿ったところから腰部縁部まで線を延ばして、製品の前側及び後側にマークを付ける。ベルトが薄層へと分離しないように又は弾性体が脱離しないように注意しながら、適切な手段（例えば凍結スプレー）を使用して、物品からベルトを取り外す。前側ベルトを任意のシームに沿って後側ベルトから分離する。最も遠位の弾性材料縁部又は弾性ストランド（腰部縁部に最も近い）、及び、最も近位の弾性材料縁部又はストランド（脚部縁部に最も近い）を特定し、最も遠位の弾性ストランド又は弾性材料縁部と最も近位の弾性ストランド又は弾性材料縁部との間の中点を決定する。直線状である場合には腰部縁部と、又は直線状でありかつ中点を中心としている場合には弾性ストランドと平行に、幅４０ｍｍのストリップを、ベルト部分全体にわたって切断する。ストリップが弾性ストランド又は弾性材料を含まない領域（例えば、コアと重なった部分など）を有する場合、弾性ストランド／弾性材料の端部に沿って切断を行って非弾性領域を除去し、２つの試料として処理する。

ウエストバンドについては、これらを単一の材料片として試験する。ベルトが薄層へと分離しないように又は弾性体が脱離しないように注意しながら、適切な手段（例えば凍結スプレー）を使用して、物品からベルトを取り外す。

レッグカフについては、レッグカフの各々を単一の材料片として試験する。内側レッグカフの試験片は、内側レッグカフの最も近位の縁部から内側レッグカフの最も遠位の弾性部まで延びておりかつこの弾性部を含み、シャーシの前側腰部縁部及び後側腰部縁部まで長手方向に延びている、内側レッグカフの部分であると考えられる。外側レッグカフの試験片は、外側レッグカフの最も遠位の縁部から外側レッグカフの最も近位の弾性部まで延びておりかつこの弾性部を含み、シャーシの前側腰部縁部及び後側腰部縁部まで長手方向に延びている、外側レッグカフの部分であると考えられる。

全ての試料ストリップについて、スパン補正幅（Span Corrected Width、ＳＣＷ）を以下のように計算する：

式中、ｄは２つの遠位のストランドの間の距離（ｍｍ）であり、ｎはストランドの数であり、ｎ＞１である。各端部でストリップをクランプし、クランプ間の長さを１ｍｍ単位で測定する。３ｇ／ｍｍのＳＣＷに等しい重量を与える。１０秒後、最終の重量を１ｍｍ単位で測定する。延伸を（最終の長さ−初期の長さ）／初期の長さとして計算する。

平均ストランド間隔
認定されたＮＩＳＴ定規に対して較正された０．５ｍｍ単位まで正確な定規を使用して、あるセクション内の２つの遠位のストランドの間の距離を０．５ｍｍ単位で測定し、次いでそのセクション内のストランドの数−１で割る。
平均ストランド間隔＝ｄ／（ｎ−１）（式中、ｎ＞１）
０．１ｍｍ単位で報告する。

平均デシテックス（平均Ｄｔｅｘ）
平均デシテックス法を使用して、完全な物品中に又は物品から抽出された対象の試料中に存在する弾性ストランドについての平均Ｄｔｅｘを、長さ加重ベースで計算する。デシテックス値は、弛緩状態のその材料１０，０００メートル中に存在するストランドの、グラム単位の質量である。弾性ストランド又は弾性ストランドを含有する弾性積層体のデシテックス値は、弾性ストランド又は弾性ストランドを含む弾性積層体の仕様の一部として製造業者によって報告されることが多い。平均Ｄｔｅｘは、入手可能であればこれらの仕様から計算することができる。あるいは、これらの指定される値が知られていない場合は、個々の弾性ストランドのデシテックス値は、走査電子顕微鏡（scanning electron microscopy、ＳＥＭ）などの好適な顕微鏡技法を介して弛緩状態のストランドの断面積を決定し、フーリエ変換赤外（Fourier Transform Infrared、ＦＴ−ＩＲ）分光法を介してストランドの組成を決定し、次いで組成物の密度に関する文献値を使用して、１０，０００メートルのストランド中に存在するストランドのグラム単位の質量を計算することによって、測定される。製造業者が提供する又は実験によって測定される、完全な物品又は物品から抽出された試料から取り外された個々の弾性ストランドについてのデシテックス値を、後述の式において使用し、この式において、存在する弾性ストランド間のデシテックス値の長さ加重平均が決定される。

物品又は物品から抽出された試料中に存在する弾性ストランドの長さはそれぞれ、既知であれば、構成要素を有する物品の構成要素又は試料の全体寸法と、構成要素を有する物品の構成要素又は試料と関連付けられた弾性ストランド予歪み比と、から計算される。あるいは、寸法及び／又は弾性ストランド予歪み比は既知ではなく、吸収性物品又は吸収性物品から抽出された試料は分解され、全ての弾性ストランドが取り外される。この分解は、例えば、接着剤を軟化させるために穏やかに加熱して、低温スプレー（例えばＱｕｉｃｋ−Ｆｒｅｅｚｅ、Ｍｉｌｌｅｒ−Ｓｔｅｐｈｅｎｓｏｎ Ｃｏｍｐａｎｙ、Ｄａｎｂｕｒｙ，ＣＴ）を用いて、又は、接着剤を除去するが弾性ストランドを膨張、改変、若しくは破壊しない適切な溶剤を用いて、行うことができる。弛緩状態の各弾性ストランドの長さを測定し、ミリメートル（ｍｍ）単位で最も近いｍｍまで記録する。

平均Ｄｔｅｘの計算
吸収性物品又は吸収性物品から抽出された試料中に存在する、弛緩長さＬ_ｉ及びストランドデシテックス値ｄ_ｉ（製造者の仕様から取得するか実験によって測定するかのいずれか）である個々の弾性ストランドｆ_ｉの各々について、その吸収性物品又は吸収性物品から抽出された試料の平均Ｄｔｅｘは、以下のように定義される：

式中ｎは、吸収性物品又は吸収性物品から抽出された試料中に存在する弾性ストランドの総数である。平均Ｄｔｅｘは、デシテックスの最も近い整数値（グラム／１００００ｍ）として報告される。

任意の個々のストランドのデシテックス値が仕様から知られていない場合は、以下に記載するように実験によって決定し、結果として得られるストランドデシテックス値（複数可）を上式で使用して、平均Ｄｔｅｘを決定する。

実験によるストランドのデシテックス値の決定
上記の手順に従って吸収性物品又は吸収性物品から抽出された試料から取り出された弾性ストランドのそれぞれについて、各弾性ストランドＬ_ｋの弛緩状態の長さを測定し、ミリメートル（ｍｍ）で最も近いｍｍまで記録する。各弾性ストランドは、その組成を決定するために、ＦＴ−ＩＲ分光法を介して分析され、その密度ρ_ｋは利用可能な文献値から決定される。最後に、各ストランドをＳＥＭによって分析する。ストランドを、鋭い刃を用いてその長さに沿って垂直に３つのほぼ等しい位置で切断して、ＳＥＭ分析のためのきれいな断面を作り出す。これらの断面が露出した３つのストランド切片を、ＳＥＭ試験片ホルダー上に弛緩状態で装着し、金でスパッタコーティングし、ＳＥＭ内に導入して分析し、ストランド断面を明確に解明するのに十分な解像度で撮像する。測定された断面における何らかの斜めの歪みを最小限にするために、ストランド断面を検出器に対して可能な限り垂直に向ける。ストランド断面の形状は様々であり得、ストランドによっては複数の個々のフィラメントから成るものもあり得る。いずれにせよ、３つのストランド断面の各々の面積が（例えば、円形ストランドの直径、楕円形ストランドの長軸及び短軸、及びより複雑な形状の画像分析を使用して）決定され、弾性ストランドの３つの面積ａ_ｋの平均が、平方マイクロメートル（μｍ^２）を単位として、０．１μｍ^２単位で記録される。測定されたｋ番目の弾性ストランドのデシテックスｄ_ｋは以下によって計算される：
ｄ_ｋ＝１００００ｍ×ａ_ｋ×ρ_ｋ×１０^−６
式中、ｄ_ｋの単位は（計算された１０，０００メートル長さ当たりの）グラムであり、ａ_ｋの単位はμｍ^２であり、ρ_ｋの単位はグラム／立方センチメートル（ｇ／ｃｍ^３）である。分析された任意の弾性ストランドについて、実験によって決定されたＬ_ｋ値及びｄ_ｋ値は、後から上記の平均Ｄｔｅｘに関する式において使用される。

表面トポグラフィー（パーセント接触面積、しわ頻度、しわ波長、及び２〜９８％高さ値）
表面トポグラフィー法では、吸収性物品から弾性積層体試料を取り出し、これを透明な水平円筒管セグメントの凸面にわたって接触させて延ばし、光学プロフィロメトリーを使用して、この透明な管セグメントを通して測定される積層体の着用者に面する側の面状表面トポロジーを測定する。次いで、３Ｄ表面データをサンプリングし、処理して、弾性積層体試料表面のパーセント接触面積及び高さ、並びにその関連するしわの頻度及び波長を記述する、いくつかのパラメータを抽出する。全ての試験片調製及び試験は、約２３±２℃及び約５０±２％の相対湿度に維持した調整した室内で実施し、試験に先立って少なくとも２４時間、試験片をこの環境内で平衡化させる。

試料の調製
物品から抽出された各弾性積層体試料を、以下に記載するように水平管セグメント上に装着する。管セグメントは、８．０インチ（２０３ｍｍ）の外径及び０．１８７５インチ（４．７６ｍｍ）の壁厚さを有する、十分な長さの光学的に透明な無色のキャストアクリル円筒管から切断される。このセグメントは、親管の円筒中心軸線と平行な軸線に沿った４．０インチ（１０２ｍｍ）の寸法と、５．５インチ（１４０ｍｍ）の円周外弧長さと、を有する。

弾性積層体試料は、３ｇ／ｍｍでのその伸展に対応する比（直線幅当たりの質量）に合わせてその主要延伸方向に伸展され、この場合、その幅はキャリパー試験法で定義されているスパン補正幅測定法によって決定され、伸展は、静的荷重下でそれが適用される間の最初の１０秒間に測定された平均比である。この伸展状態では、伸展させた弾性積層体試料は、その着用者に面する表面が管セグメントの凸面と接触するように、及び、伸展の軸線が管セグメントの周縁に沿う向きになるように、向きを決められる。伸展させた積層体の両端部を、積層体の着用者に面する表面が透明な管セグメントの凹面を通して視認可能となるように、透明な管セグメントに固定する。

５つの同等の吸収性物品から５つの複製弾性積層体試料をこのように分離及び調製して、分析する。

３Ｄ表面画像取得
ＤＬＰベースの構造光３Ｄ表面トポグラフィー測定システムを使用して、伸長させた弾性積層体試料の着用者に面する表面の三次元（３Ｄ）表面トポグラフィー画像を取得する（好適な表面トポグラフィー測定システムは、ＬＭＩ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓ Ｉｎｃ．（Ｖａｎｃｏｕｖｅｒ，Ｃａｎａｄａ）から市販されている、ＭｉｋｒｏＣＡＤ Ｐｒｅｍｉｕｍの計器、又は同等のものである）。このシステムは、以下の主要部品を含む：ａ）直接デジタル制御マイクロミラーを備えるデジタル光処理（Digital Light Processing、ＤＬＰ）投影装置、ｂ）少なくとも１６００×１２００ピクセルの解像度を有するＣＣＤカメラ、ｃ）少なくとも６０ｍｍ×４５ｍｍの測定エリアに適合された投影光学系、ｄ）６０ｍｍ×４５ｍｍの測定エリアに適合された記録光学系、ｅ）小さな硬石プレートに基づく三脚台、ｆ）青色ＬＥＤ光源、ｇ）測定、制御、及び評価コンピュータ実行表面テクスチャ分析ソフトウェア（好適なソフトウェアは、Ｍｏｕｎｔａｉｎ Ｍａｐ技術を備えたＭｉｋｒｏＣＡＤソフトウェア、又は同等のものである）、並びに、ｈ）供給メーカーから入手可能な、横方向（ＸＹ）較正及び垂直方向（Ｚ）較正用の較正プレート。

光学３Ｄ表面トポグラフィー測定システムは、デジタルマイクロミラーパターンフリンジ投影技法を使用して、試験片の表面高さを測定する。このパターン投影技法の性質により、透明な材料を通して試料の表面トポグラフィーを精査することが可能になる。測定の結果は、水平（Ｘ−Ｙ）平面における変位に対する表面高さ（Ｚ軸として定義される）の３Ｄデータセットである。この３Ｄデータセットは、画像内の全ての画素がＸ−Ｙ変位に関連付けられており、画素の値は記録されたＺ軸高さ値である、画像と考えることもできる。このシステムは、約３７マイクロメートルのＸ−Ｙピクセル解像度及び０．５マイクロメートルの高さ解像度を有する、６０×４５ｍｍの視野を有し、可能な合計高さ範囲は３２ｍｍである。

この計器を、製造者の仕様に従って、供給メーカーから入手可能な横方向（Ｘ−Ｙ平面）及び垂直方向（Ｚ軸）用の較正プレートを用いて較正する。

透明な管セグメント上に装着された弾性積層体試料を、着用者に面する表面が上向きに面し、透明な材料を通して見えるように、管セグメント表面の凹面が上向きになるように配置する。管セグメントを、分析されるべき領域内の凸状の（下向きに面する）試料表面が自由に懸架され、表面上に静止しないようにして、スタンド上に設置する。管セグメントは、その周方向（積層体が延伸される方向又は軸線）が、カメラの視野の長軸（又は視野が正方形である場合は中心軸のいずれか）の中心に配置されてそれと垂直になるように向きを決められる。計器製造業者の推奨する測定手順に従って、弾性積層体試料の３Ｄ表面トポロジー画像を収集するが、この手順には、測定システムの焦点を合わせること、及び輝度調整を行うことが含まれ得る。プレフィルタリングオプションは使用されない。収集された高さ画像ファイルは、表面テクスチャ分析ソフトウェアを実行する評価用コンピュータに保存される。

３Ｄ表面トポグラフィー測定システムの視野が弾性積層体試料上の評価領域よりも大きい場合、分析を行う前に、Ｘ−Ｙ解像度を維持しながら無関係なエリアを除去し関連部分の矩形視野を保持するように、画像をトリミングしてもよい。

３Ｄ表面画像分析
３Ｄ表面トポグラフィー画像を、表面テクスチャ分析ソフトウェアで開く。次いで、各画像に対して以下のフィルタリング手順を実施する：１）無効な又は未測定の点の除去、２）ノイズを除去するための５×５ピクセルメジアンフィルタ、３）表面を平滑化するための５×５ピクセル平均フィルタ、及び、４）２次元の二次多項式（表面トポロジー画像の最小二乗適合を介して決定される）を減算して、一般的な形態を除去し、表面を平坦化する。二次多項式は以下の等式によって定義される：
ｆ（ｘ，ｙ）＝ｃ_１＋ｃ_２ｘ＋ｃ_３ｙ＋ｃ_４ｘ^２＋ｃ_５ｙ^２＋ｃ_６ｘｙ
この時点までに上記したように処理された各データセットは、「前処理された試料データセット」と称される。得られるトポロジー画像の最も高い点は管セグメントの凸状表面と接触するエリアに対応し、最も低い点は管セグメントの凸状表面よりも下の最も遠位の点である。

接触表面積及び２〜９８％高さ
５つの複製試料の３Ｄ表面トポグラフィー画像の各々について、前処理された試料データセットに対して以下の分析を行う。パーセント表面接触面積及び２〜９８％高さの測定値は、表面に対して外挿される、ＩＳＯ１３５６５−２：１９９６規格に記載されている面積式実体比（Areal Material Ratio）（アボット−ファイアストーン）曲線から導出される。この曲線は、測定した表面高さの範囲に対する表面高さ分布ヒストグラムの積算曲線である。実体比は、評価領域（視野面積）の断面積に対する、所与の高さ又は切断深さにある表面を通過する交差平面以上の高さを有する点に相当する面積の、パーセントとして表される比である。２％の実体比における高さを、最初に特定する。次いで、この高さより１００μｍ下の切断深さを特定し、この深さにおける実体比を、１００μｍにおけるパーセント表面接触面積として記録する。この手順を、２％の実体比における特定された高さよりも２００μｍ及び３００μｍ低い切断深さで繰り返し、これらの深さにおける実体比をそれぞれ、２００μｍにおけるパーセント表面接触面積及び３００μｍにおけるパーセント表面接触面積として記録する。全てのパーセント接触面積値を、０．１％単位で記録する。

試料表面の２〜９８％高さは、小さいパーセンテージの最高の山及び最低の谷を除外する、２つの実体比の間の高さの差として定義される。試料表面の２〜９８％高さは、２％の実体比値〜９８％の実体比に対応する２つの切断深さの間の高さであり、０．０１ｍｍ単位で記録される。

方法パラメータの報告
上記した３Ｄ表面画像分析を５つの試料複製全ての３Ｄ表面トポロジー画像上で行った後で、以下の出力パラメータを定義し、報告する。１００μｍでの５つのパーセント表面接触面積の測定値の全ての算術平均を、１００μｍにおける平均パーセント表面接触面積として定義し、０．１％単位で報告する。２００μｍでの５つのパーセント表面接触面積の測定値の全ての算術平均を、２００μｍにおける平均パーセント表面接触面積として定義し、０．１％単位で報告する。３００μｍでの５つのパーセント表面接触面積の測定値の全ての算術平均を、３００μｍにおける平均パーセント表面接触面積として定義し、０．１％単位で報告する。５つ全ての２〜９８％高さ測定値の算術平均を、平均２〜９８％高さとして定義し、ｍｍ単位で０．０１ｍｍ単位まで報告する。５つ全てのしわ周波数測定値の算術平均を平均しわ周波数として定義し、ｍｍ単位で０．００１ｍｍ^−１単位まで報告する。５つのしわ波長の測定値の全ての算術平均を、平均しわ波長として定義し、ｍｍを単位として０．０１ｍｍ単位で報告する。

平均予歪み
試料の平均予歪みを、測定される力がセルの限界の１％〜９０％以内となるロードセルを使用した、定速伸展の引張試験機で測定する（好適な計器は、ＭＴＳ Ｓｙｓｔｅｍｓ Ｃｏｒｐ．（Ｅｄｅｎ Ｐｒａｉｒｉｅ，ＭＮ）から入手可能な、Ｔｅｓｔｗｏｒｋｓ ４．０ Ｓｏｆｔｗａｒｅを使用したＭＴＳ Ｉｎｓｉｇｈｔである）。分析に先立ち、物品を２３℃±２℃及び５０％±２％の相対湿度で２時間調整し、その後同じ環境条件下で試験する。

初期ゲージ長の調整後、破断するまで伸長を実行するように引張試験機をプログラムする。まず、クロスヘッドを１０ｍｍ／分で０．０５Ｎの力まで上昇させる。この時点のゲージを調整したゲージ長に設定する。試料が破断するまで１００ｍｍ／分の速度でクロスヘッドを上昇させる（最大ピーク力の後で力は２０％降下する）。クロスヘッドをその元の位置に戻す。力及び伸展データは、実験全体を通して、１００Ｈｚの速度で得られる。

較正されたキャリパーブロックを使用して公称ゲージ長を４０ｍｍに設定し、クロスヘッドをゼロにする。試験ストリップの中央部が上側グリップの２０ｍｍ下方に位置付けられるように、試料をこのグリップに挿入する。試料を引張軸線に対して垂直に折り畳み、この位置を達成するようにグリップ内に設置してもよい。グリップを閉じた後で、余分な材料をトリミングすることができる。試料を下部把持部に挿入し、閉じる。もう一度、ストリップを折り畳むことができ、その後、グリップを閉じた後でトリミングすることができる。ロードセルをゼロに合わせる。試料は、たるみが最小限であるがロードセルに対する力が０．０５Ｎ未満であるべきである。試験プログラムを開始する。

データから、力（Ｎ）対伸展（ｍｍ）を算定する。平均予歪みを、弾性体中の不織布が係合されるときの伸展に対応する曲線の屈曲部から計算する。屈曲部よりも前の曲線の領域（主に弾性体）及び屈曲部よりも後の領域（主に不織布）に対応する、２つの線をプロットする。これら２つの線が交差するときの伸展を読み取り、この伸展及び補正したゲージ長から、％予歪みを計算する。％予歪み０．１％として記録する。各エラストマー積層体についての３つの複製試験片の算術平均と、０．１％単位の平均予歪みと、を計算する。

局所坪量
不織布の局所坪量は、いくつかの利用可能な手法によって決定することができるが、簡単な代表的な１つの手法では、不織布の全体面積から選択された領域を表すウェブの試料片を切り出す。次に試料片を秤量し、その面積で割ることによって、不織布の局所坪量をグラム毎平方メートル（ｇｓｍ）の単位で得る。結果を、選択された領域当たり２つの試料の平均として報告する。

マイクロＣＴによる示強的性質の測定方法
このマイクロＣＴによる示強的性質の測定方法では、不織布ウェブ材料の試料の視覚的に区別可能な領域内の坪量、厚さ、及び体積密度の値を測定する。この方法は、マイクロＣＴ器具（好適な器具は、Ｓｃａｎｃｏ Ｍｅｄｉｃａｌ ＡＧ（Ｓｗｉｔｚｅｒｌａｎｄ）から入手可能なＳｃａｎｃｏ μＣＴ ５０、又は同等のものである）で得られる３Ｄ Ｘ線試料画像の分析に基づいたものである。このマイクロＣＴ器具は、遮蔽キャビネットを備えた円錐ビームマイクロトモグラフである。メンテナンスフリーＸ線管を、焦点の直径が調節可能な線源として使用する。Ｘ線ビームは試料を通過し、Ｘ線の一部は試料によって減衰される。減衰の程度は、Ｘ線が通過しなければならない材料の質量と相関する。透過したＸ線は継続してデジタル検出器アレイに入射し、試料の２Ｄ投射像を生成する。回転させた試料の複数の個別の投射像を収集し、次いでこれらの投射像を単一の３Ｄ画像として再構成することによって、試料の３Ｄ画像が生成される。器具は、コンピュータで動作するソフトウェアと連動されることで画像の取得を制御し、生データを保存する。次いで、画像解析ソフトウェア（好適な画像解析ソフトウェアは、Ｔｈｅ Ｍａｔｈｗｏｒｋｓ，Ｉｎｃ．（Ｎａｔｉｃｋ，ＭＡ）から入手可能なＭＡＴＬＡＢ又は同等のものである）を使用して３Ｄ画像を分析して、試料内の領域の坪量、厚さ、及び体積密度の示強的性質を測定する。

試料の調製
測定用の試料を得るため、対象の不織布ウェブ材料の１枚の層を作業表面上に平らに広げて置き、直径３０ｍｍの円形片を打ち抜く。

基材材料が、例えば、トップシート、バックシート不織布、捕捉層、分配層、又は他の構成層などの吸収性物品の層である場合には、吸収性物品を固い平坦面にテープで貼り付けて平面状の形態とする。個々の基材層を吸収性物品から慎重に分離する。必要に応じて、（接着剤を実質的に不活性化するため）メス及び／又は低温スプレー（Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｃｏｍｐａｎｙ（Ｈｏｕｓｔｏｎ ＴＸ）製Ｃｙｔｏ−Ｆｒｅｅｚｅ）を使用して、更なる下層から基材層を除去することにより、材料の縦方向及び横方向の伸長を防止することができる。基材層が物品から除去されたら、上述したように試料の打ち抜きを行う。

試料は、分析されるゾーンを含む任意の位置から切断され得る。１つのゾーン内において、分析される領域は、本明細書で定義された秩序配列に関連付けられる領域である。ゾーンは、少なくとも２つの領域を含む。ゾーン及びその領域は、繊維及び／又はフィラメントの面密度、坪量、不透明度、キャリパー／厚さ、又はｚ方向の上昇により、視覚的に識別可能であるかあるいは別様に認識可能であってもよい。同じ基材材料から採取された異なる試料内の領域を分析し、互いに比較してもよい。試料を採取するために対象の不織布ウェブ材料上の位置を選択する場合、折れ目、しわ、又は破れを避けるように注意を払う必要がある。

画像の取得
製造業者の仕様書に従ってマイクロＣＴ装置を準備し、較正する。試料を、適切なホルダー内の、２５ｍｍの内径を有する低密度材料の２つのリングの間に配置する。これにより、試料の中央部分が水平に置かれ、その上面及び下面に直接隣接する任意の他の材料を有さずに走査することができる。測定値はこの領域で取られなければならない。３Ｄ画像の視野はＸ−Ｙ平面内で各辺が約３５ｍｍであり、約５０００×５０００ピクセルの解像度を有し、試料のＺ方向を完全に含むだけの充分な数の厚さ７マイクロメートルのスライスが集められる。再構成された３Ｄ画像解像度は、７マイクロメートルの等方性ボクセルを含む。画像は、更なる低エネルギーフィルタなしに４５ｋＶｐ及び１３３μＡの電源を用いて取得される。これらの電流及び電圧の設定値は、充分なＸ線が試料を透過して投射データのコントラストが最大となるように最適化することができるが、ひとたび最適化された後は全ての実質的に同様の試料について一定に維持される。積分時間１０００ｍｓ及び３つの平均で、合計１５００枚の投射画像が得られる。これらの投射画像は３Ｄ画像に再構成され、１６ビットのＲＡＷフォーマットで保存されることで、分析用の完全な検出器出力シグナルを保存する。

画像処理
画像解析ソフトウェアに３Ｄ画像をロードする。閾値３Ｄ画像は、空気によるバックグラウンドシグナルを分離及び除去するが、基材内の試料繊維からのシグナルは維持する。

閾値３Ｄ画像から２Ｄの示強的性質の画像が３つ生成される。第１は、坪量の画像である。この画像を生成するには、Ｘ−Ｙ平面のスライス内の各ボクセルの値を、試料からのシグナルを含む他のＺ方向のスライス内の対応するボクセルの値の全てと合計する。これにより２Ｄ画像が生成され、ここでこの各ピクセルは、試料全体を通じた累積シグナルに等しい値を有する。

坪量画像内の生データ値を実際の値に変換するために、坪量較正曲線が生成される。分析される試料と実質的に同様の組成を有し、均一な坪量を有する基材を得る。上記に述べた手順に従ってその較正曲線基材の少なくとも１０個の複製試料を得る。質量を０．０００１ｇ単位で測定し、試料の面積で割り、ｇ／平方メートル（ｇｓｍ）に変換することによって、単一層の較正試料のそれぞれの坪量を正確に測定し、平均を０．０１ｇｓｍ単位で計算する。上記に述べた手順に従って、単一層の較正用試料基材のマイクロＣＴ画像を取得する。上記に述べた手順に従って、マイクロＣＴ画像を処理し、生データ値を含む坪量画像を生成する。この試料の実際の坪量の値は、較正用試料で測定された平均の坪量の値である。次に、２層の較正用基材試料を互いの上に積み重ね、２層の較正用基材のマイクロＣＴ画像を取得する。両方の層を合わせた坪量の生データ画像を生成する。その実際の坪量の値は、較正用試料で測定した平均の坪量の値の２倍に等しい。単一層の較正用基材を積み重ね、全ての層のマイクロＣＴ画像を取得し、実際の坪量の値が層の数に較正用試料で測定した平均の坪量の値を掛けたものに等しい、全ての層の生データの坪量画像を生成する、この手順を繰り返す。合計で少なくとも４つの異なる坪量較正画像が得られる。正確な較正を確実にするには、較正用試料の坪量の値は、分析される元の試料の坪量の値の上下の値を含む必要がある。較正曲線は、４つの較正用試料について実際の坪量の値に対する生データの線形回帰を行うことによって生成される。この線形回帰は少なくとも０．９５のＲ２値を有していなければならず、そうでない場合には較正手順全体を繰り返す。次に、この較正曲線を用いて生データの値を実際の坪量に変換する。

第２の示強的性質の２Ｄ画像は厚さの画像である。この画像を生成するには、試料の上面と下面を特定し、これらの表面の間の距離を計算して試料の厚さを得る。試料の上面は、最も上のＺ方向のスライスから開始し、試料を通じて進みながら各スライスを評価していくことで、試料シグナルが最初に検出されたＸ−Ｙ平面内の全てのピクセル位置についてＺ方向のボクセルの位置を特定することによって特定される。試料の下面を特定するには、位置特定されるＺ方向のボクセルが全て、試料シグナルが最後に検出されたＸ−Ｙ平面内の位置である点を除いて同じ手順に従う。上面と下面が特定された時点で、これらを１５×１５のメディアンフィルタによって平滑化して逸脱繊維からのシグナルを除去する。次いで、Ｘ−Ｙ平面内のピクセル位置のそれぞれについて上面と下面との間に存在するボクセルの数をカウントすることによって２Ｄの厚さ画像を生成する。次いで、ボクセル数に７μｍスライスの厚さ解像度を掛けることにより、この生の厚さ値を、マイクロメートル単位の実際の距離に変換する。

第３の示強的性質の２Ｄ画像は、体積密度の画像である。この画像を生成するには、ｇｓｍ単位の坪量画像内のＸ−Ｙ平面のピクセル値のそれぞれを、マイクロメートル単位の厚さ画像内の対応するピクセルで割る。体積密度画像の単位はｇ／立方センチメートル（ｇ／ｃｃ）である。

マイクロＣＴによる坪量、厚さ、及び体積密度の示強的性質
分析を行う領域を特定することにより開始する。分析される領域は、ゾーンと関連付けられている。ゾーンは、少なくとも２つの領域を含む。ゾーン及びその領域は、繊維及び／又はフィラメントの面密度、坪量、不透明度、キャリパー／厚さ、又はｚ方向の上昇により、視覚的に識別可能であるかあるいは別様に認識可能であってもよい。次に、分析を行う領域の境界を特定する。領域の境界は、試料内の他の領域と比較した場合の示強的性質の差の視覚的な区別によって特定される。例えば、領域の境界は、試料の別の領域と比較した場合の厚さ／キャリパーの差を視覚的に区別することに基づいて特定することができる。いずれの示強的性質を用いても、マイクロＣＴによる示強的性質の画像のいずれかの物理的試料自体の領域の境界を区別することができる。領域の境界が特定された時点で、楕円形又は円形の「対象領域（region of interest、ＲＯＩ）」をその領域の内側に描く。ＲＯＩは、少なくとも０．１ｍｍ^２の面積を有し、特定された領域を表す示強的性質の値を有する面積を測定するように選択する必要がある。３つの示強的性質の画像のそれぞれから、ＲＯＩ内の平均の坪量、厚さ、及び体積密度を計算する。これらの値を、その領域の坪量として０．０１ｇｓｍ単位で、厚さとして０．１マイクロメートル単位で、更に体積密度として０．０００１ｇ／ｃｃ単位で記録する。

一般的な実施例
前述の説明を考慮すると、製品及び構成並びにこれらの組み合わせの以下の一般的な非限定的な例が想到される。
１．外側に面する層（６１０）と、着用者に面する層（６２０）と、外側に面する層と着用者に面する層との間に挟まれた弾性材料（６３０）と、を備える着用可能物品用の伸縮性積層体であって、
弾性材料は、積層体の製造の間に伸縮方向に沿って、ある予歪み率で予歪みを受けており、そのため、伸縮性積層体が弛緩状態にあるとき、外側に面する層及び着用者に面する層は、伸縮方向に沿ってギャザリングされ、
外側に面する層は、フィラメント（１２２）の集積体を含んだ不織布ウェブ材料の区分から形成され、内側表面（１２３）と外側表面（１２４）とを有し、外側表面は、ゾーン（１６０）の秩序配列を備え、各ゾーンは、ビルドアップ領域（２７１）に隣接する薄化領域（２７２）を備え、
薄化領域は第１の坪量を有し、ビルドアップ領域は第２の坪量を有し、第１の坪量は第２の坪量よりも小さく、坪量の差は、秩序配列に従うフィラメントの堆積量に対応する、伸縮性積層体。
２．外側に面する層（６１０）と、着用者に面する層（６２０）と、外側に面する層と着用者に面する層との間に挟まれた弾性材料（６３０）と、を備える着用可能物品用の伸縮性積層体であって、
弾性材料は、積層体の製造の間に伸縮方向に沿って、ある予歪み率で予歪みを受けており、そのため、伸縮性積層体が弛緩状態にあるとき、外側に面する層及び着用者に面する層は、伸縮方向に沿ってギャザリングされ、
外側に面する層は、フィラメントの集積体を含んだ不織布ウェブ材料の区分から形成され、内側表面（１２３）と外側表面（１２４）とを有し、
不織布ウェブ材料は、外側受容側面（２６０ａ）と内側面（２６０ｂ）とを有し、作業位置（５６１）を通じて機械方向に沿って移動する連続的な成形ベルト（２６０）の上に紡糸フィラメント（１２２）を連続的に堆積させて、成形ベルト（２６０）の受容側面（２６０ａ）上に堆積されたフィラメントの芯（２７０）を形成することによって形成されており、成形ベルト（２６０）は、空気流透過性基材ベルト（２６１）と、基材ベルト上に配設された空気流遮断構造体（２６２）の秩序配列とを備え、それによって、空気流透過性領域（２６３）と、空気流遮断構造体と同一の広がりを有する空気流遮断領域（２６４）と、の秩序配列が成形ベルトに付与され、空気流遮断構造体（２６２）は、基材ベルト（２６１）から外向きにｚ方向に延在し、したがって、成形ベルト（２６０）の受容側面（２６０ａ）上で、あるｚ方向深さを有する必要があり、
フィラメントが成形ベルトと接触する前及び接触する際、フィラメントは、概ねｚ方向に沿ってベルトに向かい、かつベルトを貫くように方向付けられた空気流に取り込まれ、それにより、フィラメントは、空気流透過性領域（２６３）の上ではより大きな重量で成形ベルト（２６０）上に集積し、空気流遮断領域（２６４）の上ではより小さい重量で成形ベルト（２６０）上に集積して、空気流透過性部分の上には芯のビルドアップ領域（２７１）を生成し、空気流遮断領域の上には芯の薄化領域（２７２）を生成するようになっており、
芯（２７０）は、成形ベルト上での成形の後に不織布ウェブ材料へと圧密化され、
それによって、薄化領域は、主として不織布ウェブ材料の区分の外側表面内に１つ以上のｚ方向凹部を形成する、伸縮性積層体。
３．ゾーンによって構成された薄化領域及びビルドアップ領域と、ゾーン自体とが、視覚的に区別可能である、実施例１又は２に記載の伸縮性積層体。
４．弾性材料は、横断伸縮方向に互いから離間された複数の弾性ストランドを備える、実施例１〜３のいずれかに記載の伸縮性積層体。
５．弾性ストランドは、３．０ｍｍ以下、より好ましくは２．０ｍｍ以下、更により好ましくは１．０ｍｍ以下、更により好ましくは０．８ｍｍ以下、更により好ましくは０．５ｍｍ以下の平均ストランド間隔を有する、実施例４に記載の伸縮性積層体。
６．弾性ストランドは、３００以下、より好ましくは２００以下、更により好ましくは１５０以下、更により好ましくは１００以下の平均デシテックスを有する、実施例４又は５に記載の伸縮性積層体。
７．予歪みの割合が平均予歪みであり、平均予歪みは、２５０パーセント以下、より好ましくは２００パーセント以下、更により好ましくは１５０パーセント以下、更により好ましくは１００パーセント以下である、実施例４〜６のいずれかに記載の伸縮性積層体。
８．弾性ストランドは、３．０ｍｍ以下、より好ましくは２．０ｍｍ以下、更により好ましくは１．０ｍｍ以下、更により好ましくは０．８ｍｍ以下の製造ストランド間隔を有する、実施例４に記載の伸縮性積層体。
９．予歪み率が製造予歪みであり、弾性ストランドは、２５０パーセント以下、より好ましくは２００パーセント以下、更により好ましくは１５０パーセント以下、更により好ましくは１００パーセント以下の製造予歪みで、外側に面する層と結合されている、実施例４〜８のいずれかに記載の伸縮性積層体。
１０．予歪みの割合が製造予歪みであり、弾性ストランドは、２５０パーセント以下、より好ましくは２００パーセント以下、更により好ましくは１５０パーセント以下、更により好ましくは１００パーセント以下の製造予歪みで、外側に面する層と結合されている、実施例４、８又は９のいずれかに記載の伸縮性積層体。
１１．積層体から離れて外側に面する層において、ゾーンのうちの少なくともいくつかは、繰り返し間隔で伸縮方向に沿って繰り返される、実施例１〜１０のいずれかに記載の伸張性積層体。
１２．繰り返し間隔は、少なくともゾーンのいくつかにわたって、弛緩した積層体において繰り返し間隔を５．０ｍｍ以上のギャザリング繰り返し間隔へとギャザリングさせるために、予歪率との組み合わせで十分である、実施例１０に記載の伸縮性積層体。
１３．外側に面する層は、秩序配列内のゾーンのいかなるパターンとも異なる、外側に面する層の結合のパターンを有する、実施例１〜１２のいずれかに記載の伸縮性積層体。
１４．外側に面する層は、少なくとも部分的に、ポリプロピレンと溶融添加剤とを含む樹脂から紡糸されたフィラメントから形成される、実施例１〜１３のいずれかに記載の伸縮性積層体。
１５．溶融添加剤は、エルカミド、ステアルアミド、オレアミド、シリコーン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施例１３に記載の伸縮性積層体。
１６．外側に面する層は、少なくとも部分的に、二成分フィラメントから形成される、実施例１〜１５のいずれかに記載の伸縮性積層体。
１７．二成分フィラメントはコアシース構成を有する、実施例１５に記載の伸縮性積層体。
１８．二成分フィラメントは並列構成を有する、実施例１５に記載の伸縮性積層体。
１９．二成分フィラメントは、ポリプロピレンを含む第１の構成成分と、ポリエチレンを含む第２の構成成分とを有する、実施例１５〜１７のいずれかに記載の伸縮性積層体。
２０．外側に面する層の外側表面は、約２０パーセント〜約４０パーセントの外掛百分率接触面積を呈し、着用者に面する層は、当該外掛百分率接触面積の少なくとも１．２５倍、より好ましくは少なくとも約１．５０倍、更に好ましくは少なくとも１．７５倍、更により好ましくは少なくとも約２．０倍の内掛百分率接触面積を呈する着用者に面する表面を有する、実施例１〜１９のいずれかに記載の伸縮性積層体。
２１．着用者に面する層は、着用者に面する不織布材料の区分を備える、実施例１〜２０のいずれかに記載の伸縮性積層体。
２２．着用者に面する不織布材料は、繊維又はフィラメントの主としてランダムな分布を有する、実施例２１に記載の伸縮性積層体。
２３．着用者に面する不織布材料は、第２の坪量よりも小さい全体的な第３の坪量を有する、実施例２１又は２２のいずれかに記載の伸縮性積層体。
２４．着用者に面する不織布材料は、着用者に面する層の結合のあるパターンを有する、実施例２１〜２３のいずれかに記載の伸縮性積層体。
２５．外側に面する層（６１０）、着用者に面する層（６２０）、及び弾性材料（６３０）のうちの１つ以上が、顔料化剤又は乳白化剤を含む、実施例１〜２４のいずれか１つに記載の伸縮性積層体。
２６．着用者に面する層（６２０）及び弾性材料（６３０）のいずれか又は両方が、非白色の顔料化剤を含む、実施例２５に記載の伸縮性積層体。
２７．外側に面する層（６１０）が、白色の顔料化剤及び／又は青色の顔料化剤を含むフィラメントを含む、実施例２５又は２６のいずれかに記載の伸縮性積層体。
２８．外側に面する層（６１０）は、第１の顔料化剤又は顔料化剤の第１の組み合わせを含んだフィラメントの第１の堆積と、第２の顔料化剤又は顔料化剤の第２の組み合わせを含んだフィラメントの第２の堆積と、を備え、第１の顔料化剤又は顔料化剤の第１の組み合わせは、含められる特定の顔料化剤及び重量濃度のうちの１つ以上において、第２の顔料化剤又は顔料化剤の第２の組み合わせとは異なる、実施例２５〜２７のいずれかに記載の伸縮性積層体。
２９．外側に面する層（６１０）と着用者に面する層（６２０）は、少なくとも部分的に接着剤によって弾性材料（６３０）の周囲で一緒に結合される、実施例１〜２８のいずれかに記載の伸縮性積層体。
３０．外側に面する層（６１０）と着用者に面する層（６２０）は、積層体のｘ−ｙ平面表面積の全体ではなく一部分に沿って、接着剤によって弾性材料（６３０）の周囲で一緒に結合される、実施例２９に記載の伸縮性積層体。
３１．外側に面する層（６１０）と着用者に面する層（６２０）は、少なくとも部分的に、外側に面する層及び着用者に面する層にそれぞれ含まれる材料が熱的に融着される積層体熱結合のパターンによって、弾性材料（６３０）の周囲で一緒に結合される、実施例１〜３０のいずれかに記載の伸縮性積層体。
３２．外側に面する層（６１０）と着用者に面する層（６２０）は、外側に面する層及び着用者に面する層にそれぞれ含まれる材料が熱的に融着される積層体熱結合のパターンによって、積層体のｘ−ｙ平面表面積の全体ではないが一部分に沿って、弾性材料（６３０）の周囲で一緒に結合される、実施例２９〜３１のいずれかに記載の伸縮性積層体。
３３．外側に面する層（６１０）と着用者に面する層（６２０）は、外側に面する層及び着用者に面する層にそれぞれ含まれる材料が熱的に融着される積層体熱結合のパターンによって、積層体のｘ−ｙ平面表面積の第１の部分に沿ってのみ、弾性材料（６３０）の周囲で一緒に結合され、外側に面する層（６１０）と着用者に面する層（６２０）は、積層体のｘ−ｙ平面表面積の第２の部分に沿ってのみ、接着剤によって弾性材料（６３０）の周りで一緒に結合される、実施例２９〜３２のいずれかに記載の伸縮性積層体。
３４．外側に面する層は、ゾーンの秩序配列によって占有される第１のエリア（７１０）と、第２のエリア（７２０）とを備え、第２のエリアは、ギャザリングされていない状態において、外側に面する層の連続表面エリアにわたって薄化領域が存在しないことによって、第１のエリアと区別可能であり、約４ｃｍ^２以上でありかつ約１ｃｍ未満のｘ−ｙ平面内の寸法を有さず、第２のエリアは、ゾーンの配列における不連続性又は断絶を画定する外周によって、第１のエリアから線引きされる、実施例１〜３３のいずれかに記載の伸縮性積層体。
３５．第２のエリアは、第２の坪量よりも小さく、第１の坪量よりも大きい平均坪量を有する、実施例３４に記載の伸縮性積層体。
３６．外側に面する層（６１０）と着用者に面する層（６２０）は、少なくとも部分的に、外側に面する層及び着用者に面する層にそれぞれ含まれる材料が熱的に融着される積層体熱結合部のパターンによって弾性材料（６３０）の周りで一緒に結合され、パターンの熱結合部は、第２のエリアにおいては、単位表面積当たりより多数の結合部数で存在し、第１のエリアにおいては、単位表面積当たりより少数の結合部数で存在するか、あるいは、熱結合部は第１のエリアには実質的に存在しない、実施例３４又は３５のいずれかに記載の伸縮性積層体。
３７．外側に面する層（６１０）と着用者に面する層（６２０）は、少なくとも部分的に第１のエリア内の接着剤によって弾性材料（６３０）の周囲で一緒に結合される、実施例３５又は３６のいずれかに記載の伸縮性積層体。
３８．少なくとも部分的に、前述の実施例のいずれかの伸縮性積層体から形成された腰部囲繞ベルト部分を有する使い捨て吸収性パンツ。
３９．少なくとも部分的に、実施例３４〜３７のいずれかに記載の伸縮性積層体から形成された腰部囲繞ベルト部分を有する使い捨て吸収性パンツであって、当該ベルト部分は、パンツの腰部開口縁部及び／又は脚部開口縁部を少なくとも部分的に形成し、第２のエリアは、腰部開口縁部及び／又は脚部開口縁部に沿って配設されている、使い捨て吸収性パンツ。
４０．実施例３５〜３８のいずれかに記載の伸縮性積層体から形成された前側及び後側ベルト部分を備えた腰部囲繞ベルト部分を有する使い捨て吸収性パンツであって、第２のエリアは、前側ベルト部分と後側ベルト部分の一方又は両方の幅の大部分又は実質的に全てにわたって連続的である、使い捨て吸収性パンツ。

加えて、以下の一般的かつ非限定的な方法の例が想到される。
１．着用可能物品の構成要素として有用な伸縮性積層体（６００）を製造するための方法であって、
１組のガイドローラー（５６２）の周りで循環する連続成形ベルト（２６０）を設ける工程であって、成形ベルト（２６０）は、外側受容側面（２６０ａ）と内側面（２６０ｂ）とを備え、また空気流遮断構造（２６２）の秩序配列がその上に配設された空気透過性基材ベルト（２６１）を備え、空気流遮断構造（２６２）は、基材ベルト（２６１）から外向きにｚ方向に突出し、最外方ランド表面（２６２ａ）及び成形ベルト（２６０）の受容側面（２６０ａ）上にｚ方向深さを有し、それにより、ベルトは、空気流遮断構造（２６２）の秩序配列に対応する、空気流透過性領域（２６３）と空気流遮断構造（２６４）との配列を有し、
成形ベルトの移動の作業位置（５６１）の下方に、かつその内側面（２６０ｂ）の近くに、成形真空システム（５５５）を設ける工程であって、成形ベルト（２６０）は、作業位置（５６１）を通って機械方向ＭＤに移動する、工程と、
成形ベルト（２６０）の作業領域（５６１）に対して概ねｚ方向に移動する空気流の中へと個々のポリマー流（１２２ａ）の流れを連続的に導入して取り込む工程と、
紡糸フィラメント（１２２）を形成するために、空気流を介してポリマー流（１２２ａ）を連続的に減衰させる工程と、
作業位置（５６１）に、空気流及び取り込まれた紡糸フィラメント（１２２）を連続的に方向付ける工程と、
成形ベルト（２６０）の空気流透過性領域（２６３）が作業位置（５６１）を通じて機械方向に沿って移動するときに、空気流透過性領域（２６３）を通じて空気流に空気を連続的に引き込むために、成形真空システム（５５５）を使用する工程であって、それによって、主として空気流透過性領域（２６３）に向かって、またその空気流透過領域の上へ、取り込まれたフィラメント（１２２）を引き込み、その結果、フィラメントは、空気流透過性領域（２６３）の上ではより大きな重量で集積し、空気流遮断領域（２６４）の上ではより小さい重量で集積して、成形ベルト（２６０）の受容側面（２６０ａ）上に、集積したフィラメント（１２２）の芯（２７０）を形成し、それにより、芯は、成形ベルト（２６０）上の空気流遮断構造（２６２）の秩序配列と対応する、ビルドアップ領域（２７１）と薄化領域（２７２）との配列を設けられる、工程と、
圧縮ローラー（５７０）を介して成形ベルト（２６０）に対して芯を圧縮する工程であって、薄化領域（２７２）内のフィラメントが、ランド表面（２６２ａ）と圧縮ローラー（５７０）との間の圧力によって変形される、工程と、
成形ベルト（２６０）から芯（２７０）を離して持ち上げる工程と、
成形ベルト（２６０）上の空気流遮断構造（２６２）の秩序配列に対応する、ビルドアップ領域（２７１）と薄化領域（２７２）との秩序配列を有する、圧密化された不織布ウェブ材料（２８０）を形成するために、芯（２７０）を更に圧密化する工程と、
伸縮性積層体を製造する工程であって、
伸縮性積層体の外側に面する層（６１０）を形成するために、圧密化された不織布ウェブ材料（２８０）を提供する工程と、
弾性材料（６３０）を提供し、伸長方向に沿って当該弾性材料に予歪みを与える工程と、
伸縮性積層体の着用者に面する層（６２０）を形成するために、第２のウェブ材料を提供する工程と、
外側に面する層（６１０）と着用者に面する層（６２０）との間に、予歪み状態にある弾性材料（６３０）を挟む工程と、
伸縮性積層体（６００）を形成するために、外側に面する層（６１０）と、弾性材料（６３０）と、着用者に面する層（６２０）とを互いに付着させる工程と、によって製造する工程と、を含む方法。
２．１対のカレンダー結合ローラー（５７１、５７３）の間のニップ（５７１ａ）を通じて芯を移送する工程であって、それによって、芯を圧密化し、圧密化されカレンダー結合された不織布ウェブ材料を形成するように、芯に結合部のパターンを付与する、工程、を更に含む、実施例１に記載の方法。
３．弾性材料はフィルムを含む、実施例１又は２のいずれかに記載の方法。
４．弾性材料は、伸縮方向と実質的に整列され、かつ横断伸縮方向に離間された複数の弾性ストランドを含む、実施例１又は２のいずれかに記載の方法。
５．弾性材料はビーム型弾性体を含む、実施例５に記載の方法。

本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「４０ｍｍ」と開示された寸法は、「約４０ｍｍ」を意味することが意図される。

相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献（単数又は複数）と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。

更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。

本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。

Claims (15)

1. 外側に面する層（６１０）と、着用者に面する層（６２０）と、前記外側に面する層と前記着用者に面する層との間に挟まれた弾性材料（６３０）と、を備える着用可能物品用の伸縮性積層体であって、前記弾性材料は、前記積層体の製造の間に伸縮方向に沿って、ある予歪み率で予歪みを受けており、そのため、前記伸縮性積層体が弛緩状態にあるとき、前記外側に面する層及び前記着用者に面する層は、前記伸縮方向に沿ってギャザリングされ、
   前記外側に面する層は、フィラメント（１２２）の集積体を含んだ不織布ウェブ材料の区分から形成され、内側表面（１２３）と外側表面（１２４）とを有し、前記外側表面は、ゾーン（１６０）の秩序配列を備え、各ゾーンは、ビルドアップ領域（２７１）に隣接する薄化領域（２７２）を備え、
   前記薄化領域は第１の坪量を有し、前記ビルドアップ領域は第２の坪量を有し、前記第１の坪量は前記第２の坪量よりも小さく、坪量の差は、前記秩序配列に従う前記フィラメントの堆積量に対応する、伸縮性積層体。
2. 前記不織布ウェブ材料は、外側受容側面（２６０ａ）と内側面（２６０ｂ）とを有し、作業位置（５６１）を通じて機械方向に沿って移動する連続的な成形ベルト（２６０）の上に紡糸フィラメント（１２２）を連続的に堆積させて、前記成形ベルト（２６０）の前記受容側面（２６０ａ）上に堆積されたフィラメントの芯（２７０）を形成することによって形成されており、前記成形ベルト（２６０）は、空気流透過性基材ベルト（２６１）と、前記基材ベルト上に配設された空気流遮断構造体（２６２）の秩序配列とを備え、それによって、空気流透過性領域（２６３）と、前記空気流遮断構造体と同一の広がりを有する空気流遮断領域（２６４）と、の秩序配列が前記成形ベルトに付与され、前記空気流遮断構造体（２６２）は、前記基材ベルト（２６１）から外向きにｚ方向に延在し、したがって、前記成形ベルト（２６０）の前記受容側面（２６０ａ）上で、あるｚ方向深さを有する必要があり、
   前記フィラメントが成形ベルトと接触する前及び接触する際、前記フィラメントは、概ねｚ方向に沿って前記ベルトに向かい、かつ前記ベルトを貫くように方向付けられた空気流に取り込まれ、それにより、前記フィラメントは、前記空気流透過性領域（２６３）の上ではより大きな重量で前記成形ベルト（２６０）上に集積し、前記空気流遮断領域（２６４）の上ではより小さい重量で前記成形ベルト（２６０）上に集積して、前記空気流透過性部分の上には前記芯のビルドアップ領域（２７１）を生成し、前記空気流遮断領域の上には前記芯の薄化領域（２７２）を生成するようになっており、
   前記芯（２７０）は、前記成形ベルト上でのその成形の後に不織布ウェブ材料へと圧密化され、
   それによって、前記薄化領域は、主として不織布ウェブ材料の前記区分の前記外側表面内に１つ以上のｚ方向凹部を形成する、請求項１に記載の伸縮性積層体。
3. 前記ゾーンによって構成された前記薄化領域及び前記ビルドアップ領域と、前記ゾーン自体とが、視覚的に区別可能である、請求項１又は２に記載の伸縮性積層体。
4. 前記弾性材料は、横断伸縮方向に互いから離間された複数の弾性ストランドを備える、請求項１〜３のいずれか一項に記載の伸縮性積層体。
5. 前記弾性ストランドは、３．０ｍｍ以下、より好ましくは２．０ｍｍ以下、更により好ましくは１．０ｍｍ以下、更により好ましくは０．８ｍｍ以下、更により好ましくは０．５ｍｍ以下の平均ストランド間隔を有する、請求項４に記載の伸縮性積層体。
6. 前記弾性ストランドは、３００以下、より好ましくは２００以下、更により好ましくは１５０以下、更により好ましくは１００以下の平均デシテックスを有する、請求項４又は５に記載の伸縮性積層体。
7. 前記予歪みの割合が平均予歪みであり、前記平均予歪みは、２５０パーセント以下、より好ましくは２００パーセント以下、更により好ましくは１５０パーセント以下、更により好ましくは１００パーセント以下である、請求項４〜６のいずれか一項に記載の伸縮性積層体。
8. 前記弾性ストランドは、３．０ｍｍ以下、より好ましくは２．０ｍｍ以下、更により好ましくは１．０ｍｍ以下、更により好ましくは０．８ｍｍ以下の製造ストランド間隔を有する、請求項４に記載の伸縮性積層体。
9. 前記予歪み率が製造予歪みであり、前記弾性ストランドは、２５０パーセント以下、より好ましくは２００パーセント以下、更により好ましくは１５０パーセント以下、更により好ましくは１００パーセント以下の製造予歪みで、前記外側に面する層と接合されている、請求項４〜８のいずれか一項に記載の伸縮性積層体。
10. 前記外側に面する層は、少なくとも部分的に、ポリプロピレンと溶融添加剤とを含む樹脂から紡糸されたフィラメントから形成される、請求項１〜９のいずれか一項に記載の伸縮性積層体。
11. 前記溶融添加剤は、エルカミド、ステアルアミド、オレアミド、シリコーン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項１０に記載の伸縮性積層体。
12. 前記外側に面する層は、少なくとも部分的に、二成分フィラメントから形成される、請求項１〜１１のいずれか一項に記載の伸縮性積層体。
13. 前記外側に面する層の前記外側表面は、約２０パーセント〜約４０パーセントの外掛百分率接触面積を呈し、前記着用者に面する層は、前記外掛百分率接触面積の少なくとも１．２５倍、より好ましくは少なくとも約１．５０倍、更に好ましくは少なくとも１．７５倍、更により好ましくは少なくとも約２．０倍の内掛百分率接触面積を呈する着用者に面する表面を有する、請求項１〜１２のいずれか一項に記載の伸縮性積層体。
14. 前記外側に面する層（６１０）と前記着用者に面する層（６２０）は、前記積層体の前記ｘ−ｙ平面表面積の全体ではなく一部分に沿って、接着剤によって前記弾性材料（６３０）の周囲で互いに結合される、請求項１〜１３のいずれか一項に記載の伸縮性積層体。
15. 前記外側に面する層は、ゾーンの前記秩序配列によって占有される第１のエリア（７１０）と、第２のエリア（７２０）とを備え、前記第２のエリアは、ギャザリングされていない状態において、前記外側に面する層の連続表面エリアにわたって薄化領域が存在しないことによって、前記第１のエリアと区別可能であり、約４ｃｍ^２以上でありかつ約１ｃｍ未満の前記ｘ−ｙ平面内の寸法を有さず、前記第２のエリアは、ゾーンの前記配列における不連続性又は断絶を画定する外周によって、前記第１のエリアから線引きされる、請求項１〜１４のいずれか一項に記載の伸縮性積層体。

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