JP2021525717A - 治療用化合物 - Google Patents

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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D487/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00
    • C07D487/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D487/04Ortho-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Abstract

本開示は、式(I):の化合物およびその薬学的に許容される塩(式中、R1〜R3は、本明細書に定義した値のうちのいずれかを有する)、ならびにその組成物および使用に関する。該化合物は、YAP:TEADタンパク質間相互作用の阻害剤として有用である。また、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物、ならびに癌を含む種々のYAP:TEAD性障害の処置においてこのような化合物および塩を使用する方法も含まれる。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年5月31日に出願された米国仮出願第62/678,567号に対する優先権を主張するものであり、該出願はその全体が本明細書に参照により組み込まれる。
Hippo経路は、細胞増殖および細胞死を調節するシグナル伝達経路であり、器官の大きさを決定する。該経路は、哺乳動物における腫瘍抑制因子としての役割を担っていると考えられており、該経路の障害はしばしば、ヒトの癌において検出される。該経路は、幹細胞および前駆細胞の自己複製および分化に関与しており、ならびに/または該自己複製および分化を調節する可能性がある。加えて、Hippo経路は、創傷治癒および組織再生に関与する可能性がある。さらに、Hippo経路は、Wnt、Notch、Hedgehog、およびMAPK/ERKなどの他のシグナル伝達経路に相互干渉し、このことは、広範な種々の生物学的事象に影響を及ぼす可能性があり、Hippo経路の機能不全が癌に加えて多くのヒト疾患に関与することができたと考えられている。
Hippoシグナル伝達経路の中心は、2つの転写コアクチベータ(Yes−関連タンパク質)およびTAZ(PDZ結合モチーフまたはタファジンとの転写コアクチベータ)のリン酸化をもたらすキナーゼのカスケード(HippoーMST1〜2は、Lats1〜2およびNDRI−2の上流にある)からなる。非リン酸化型活性YAPは、細胞核内へと移行し、細胞核内においてその主要標的転写因子は、TEADドメイン含有ファミリー(TEAD1〜TEAD4、総じて「TEAD」)のうちの4つのタンパク質である。YAPは、TEAD(またはSmad1、RUNX、ErbB4およびp73などの他の転写因子)とともに、結合組織成長因子(CTGF)、Gli2、Birc5、Birc2、線維芽細胞成長因子1(FGF1)、およびアンフィレギュリン(AREG)を含む種々の遺伝子の発現を誘導することが示されてきた。YAPと同様、非リン酸化型TAZは、細胞核内へと移動し、細胞核内において、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARγ)、甲状腺転写因子1(TTF−1)、Pax3、TBX5、RUNX、TEAD1およびSmad2/3/4などの複数のDNA結合転写因子と相互作用する。YAP/TAZ転写因子複合体によって活性化される遺伝子のうちの多くは、細胞の生存および増殖を媒介する。それゆえ、いくつかの条件下で、YAPおよび/またはTAZは癌遺伝子として作用し、Hippo経路は腫瘍抑制因子として作用する。
Hippoシグナル伝達経路は、動物の発生、器官の大きさの制御および幹細胞の調節の調節因子であるので、該シグナル伝達経路は、癌の発生に関係づけられてきた。インビトロでは、哺乳動物上皮細胞におけるYAPまたはTAZの過剰発現は、両タンパク質と転写因子のTEADファミリーとの相互作用を経て、細胞の形質転換を誘導する。YAP/TAZ転写活性の上昇は、上皮間葉転換などの発癌性特性を誘導するので、乳癌細胞に幹細胞特性を与えることも示された。インビボでは、マウス肝臓において、YAPの過剰発現またはその上流調節因子MST1〜2の遺伝子ノックアウトは、肝細胞癌の発生を惹起する。さらに、腫瘍抑制因子NF2がマウス肝臓において不活性であるとき、肝細胞癌の発生は、YAPの共不活性化によって完全に遮断することができる。
Hippo腫瘍抑制因子経路の調節解除は、広範囲の癌の種類および悪性腫瘍の発生における主要事象であると考えられている。
この故に、YAP、TAZ、TEAD、および/またはYAP:TEADタンパク質間相互作用の阻害を経たHippoカスケードの薬理学的ターゲティングは、この経路の機能的変化を有する癌の処置のための大切なアプローチであろう。
いくつかの実施形態において、式(I)
Figure 2021525717
の化合物、その立体異性体、その互変異性体、ならびにその塩であって、式中、
が、水素、ハロゲン、C1〜10アルキル、およびC1〜10ハロアルキルからなる群から選択され、
が、C5〜10アリールまたはC5〜10ヘテロアリールであり、
が、ORまたはNR1011であり、
の化合物、その立体異性体、その互変異性体、ならびにその塩であって、式中、
がC5〜10ヘテロアリールでありかつRがNR1011であるとき、R10およびR11の各々は水素ではなく、かつ
がORであるとき、Rはピリジルではなく、
が、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、および非置換または置換C5〜10ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、
10およびR11が各々独立して、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜6シクロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、非置換または置換CR −C6〜10アリール、および3〜8個の環員を有する非置換または置換の環を形成するよう環化したR10およびR11からなる群から選択され、ここで、各R10、R11、および3〜8個の環員を有する環は、1〜5個のR基で場合により置換されており、
が、ハロゲン、OH、C1〜10アルキル、O−C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10ハロアルキル、シアノ、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリール、およびNRからなる群から選択され、
が、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、かつ、
およびRが各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択される、式(I)の化合物、その立体異性体、その互変異性体、ならびにその塩、
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態において、Rは、
Figure 2021525717
であり、式中、
、R、R、およびRは各々独立して、水素、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10アルキル、およびNRからなる群から選択され、RおよびRは各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択され、
は、非置換または置換C1〜10アルキル、置換または非置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換O−C1〜10アルキル、非置換または置換O−C1〜10ハロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換O−C6〜10アリール、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C2〜7ヘテロシクロアルキル、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、および非置換または置換NRからなる群から選択され、ここで、RおよびRは各々独立して、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択され、ここで、各RおよびRは、1〜5個のR基で場合により置換されており、およびここで、各Rは、ハロゲン、OH、C1〜10アルキル、O−C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10ハロアルキル、シアノ、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリール、およびNRからなる群から選択された1〜5個のR基で場合により置換されており、ここで、RおよびRは各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、式(I)
Figure 2021525717
の化合物、その立体異性体、その互変異性体、ならびにその塩であって、式中、
が、水素、C1〜10アルキル、およびC1〜10ハロアルキルからなる群から選択され、
が、
Figure 2021525717
であり、
が、ORまたはNR1011であり、
、R、R、およびRが各々独立して、水素、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10アルキル、およびNRからなる群から選択され、
が、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換O−C1〜10アルキル、非置換または置換O−C1〜10ハロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換O−C6〜10アリール、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C2〜7ヘテロシクロアルキル、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、および非置換または置換NRからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、
が、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、および非置換または置換C5〜10ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、
10およびR11が各々独立して、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜6シクロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、非置換または置換CR −C6〜10アリール、および3〜8個の環員を有する非置換または置換の環を形成するよう環化したR10およびR11からなる群から選択され、ここで、各R10、R11、および3〜8個の環員を有する環は、1〜5個のR基で場合により置換されており、
およびRが各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択され、
およびRが各々独立して、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択され、ここで、各RおよびRは、1〜5個のR基で場合により置換されており、
が、ハロゲン、OH、C1〜10アルキル、O−C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10ハロアルキル、シアノ、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリール、およびNRからなる群から選択され、
が、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、かつ、
およびRが各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から各々独立して選択される、式(I)の化合物、その立体異性体、その互変異性体、ならびにその塩、
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
いくつかの他の実施形態は、先に説明した化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
いくつかの他の実施形態は、先に説明した化合物と、治療上不活性である担体とを含む医薬組成物を提供する。
いくつかの他の実施形態は、先に説明したような化合物、またはその薬学的に許容される塩を、医療における使用のために提供する。
いくつかの他の実施形態は、先に説明したような化合物、またはその薬学的に許容される塩を、治療活性のある物質としての使用のために提供する。
いくつかの他の実施形態は、先に説明したような化合物、またはその薬学的に許容される塩を、癌の処置または予防のために提供する。
いくつかの他の実施形態は、先に説明したような化合物、またはその薬学的に許容される塩を、癌の処置または予防のための薬剤の調製のために提供する。
いくつかの他の実施形態は、治療有効量の先に説明したような化合物、またはその薬学的に許容される塩を、癌を処置することを必要とする哺乳動物へ投与することを含む、該哺乳動物における癌を処置するための方法を提供する。
いくつかの他の実施形態は、先に説明したような化合物、またはその薬学的に許容される塩を、YAP:TEADタンパク質間相互作用を変調するために提供する。
いくつかの他の実施形態は、先に説明したような化合物、またはその薬学的に許容される塩を、YAP:TEAD活性によって媒介された疾患または容態の処置または予防のために提供する。
いくつかの他の実施形態は、先に説明したような化合物、またはその薬学的に許容される塩を、YAP:TEAD活性によって媒介される疾患または容態の処置または予防のための薬剤の調製のために提供する。
いくつかの他の実施形態は、YAP:TEADを、先に説明したような化合物、またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む、YAP:TEAD活性を変調するための方法を提供する。
いくつかの他の実施形態は、治療有効量の先に説明したような化合物、またはその薬学的に許容される塩を、哺乳動物へ投与することを含む、哺乳動物におけるYAP:TEAD活性によって媒介される疾患または容態を処置するための方法を提供する。
I.定義
別段に示されない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される以下の具体的な語句は、次のように定義される。
「部分」および「置換基」という用語は、1つ以上の化学結合によって別の原子または分子へ付着し、それにより分子の一部を形成する原子または化学的に結合した原子の基を指す。
「置換された」という用語は、化合物または部分の水素原子のうちの少なくとも1つと別の置換基または部分との置き換えを指す。このような置換基の例としては、ハロゲン、−OH、−CN、オキソ、アルコキシ、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキル、および複素環が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、「ハロゲンによって置換されたアルキル」という用語は、(後で定義するような)アルキルの1つ以上の水素原子が、1つ以上のハロゲン原子によって置き換えられた事実を指す(例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、クロロメチルなど)。
「アルキル」という用語は、別段に提供されない限り、1〜20個の炭素原子を有する脂肪族直鎖または分枝鎖飽和炭化水素部分を指す。例えば、詳細な実施形態において、該アルキルは、1〜10個の炭素原子を有する。詳細な実施形態において、該アルキルは、1〜6個の炭素原子を有する。アルキル基は、場合により、本明細書に説明する1つ以上の置換基で、独立して置換されてもよい。
「アルコキシ」という用語は、式−O−R’の基を示し、式中、R’は、アルキル基である。アルコキシ基は、場合により、本明細書に説明する1つ以上の置換基で、独立して置換されてもよい。アルコキシ部分の例としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、およびtert−ブトキシが挙げられる。
「アリール」は、別段に提供されない限り、単環式、二環式または三環式芳香環を有する、5〜16個の炭素環原子の環状芳香族炭化水素部分を意味する。例えば、詳細な実施形態において、該アリールは、6〜10個の炭素原子を有する。二環式アリール環系には、2個の縮合5員アリール環を有する縮合二環(5−5と示す)、5員アリール環および縮合6員アリール環を有する縮合二環(5−6および6−5と示す)、ならびに2個の縮合6員アリール環を有する二環(6−6と示す)が含まれる。該アリール基は、場合により、本明細書に定義するように置換されることができる。アリール部分の例としては、フェニル、ナフチル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、およびこれらに類するものが挙げられるが、それらに限定されない。「アリール」という用語にはまた、環状芳香族炭化水素部分の部分的に水素化した誘導体も含まれるが、ただし、該環状芳香族炭化水素部分の少なくとも1つの環が芳香族であり、各々が場合により置換されることを条件とする。
「ヘテロアリール」という用語は、別段に提供されない限り、N、O、およびSから選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、5〜16個の環原子の芳香族複素環式単環系、二環系、または三環系を示す。例えば、いくつかの態様において、単環式ヘテロアリール環は、5〜6員であってよい。いくつかの態様において、ヘテロアリール環は、5〜10個の炭素原子を含有してよい。二環式ヘテロアリール環系には、2個の縮合5員ヘテロアリール環を有する縮合二環(5−5と示す)、5員アリール環および縮合6員ヘテロアリール環を有する縮合二環(5−6および6−5と示す)、ならびに2個の縮合6員アリール環を有する二環(6−6と示す)が含まれる。該ヘテロアリール基は、場合により、本明細書に定義するように置換されることができる。ヘテロアリールの例としては、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、イソキサゾリル、ベンゾフラニル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、イソベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、またはキノキサリニルが挙げられる。
相互交換可能に使用することができる「ハロ」、「ハロゲン」および「ハロゲン化物」という用語は、置換基フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを指す。
「ハロアルキル」という用語は、アルキル基の水素原子のうちの1個以上が、同じまたは異なるハロゲン原子、特にフルオロ原子によって置き換えられたアルキル基を示す。ハロアルキルの例としては、モノフルオロ−、ジフルオロ−またはトリフルオロ−メチル、−エチルまたは−プロピル、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルが挙げられる。
「シクロアルキル」は、別段に提供されない限り、環中に、単環、二環(架橋した二環を含む)、または三環、および3〜10個の炭素原子を有する飽和したまたは部分的に飽和した炭素環式部分的を意味する。例えば、詳細な実施形態において、シクロアルキルは、3〜8個の炭素原子を含有する(すなわち、(C〜C)シクロアルキル)。他の詳細な実施形態において、シクロアルキルは、3〜6個の炭素原子を含有する(すなわち、(C〜C)シクロアルキル)。シクロアルキル部分の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびこれらの部分的に飽和した(シクロアルケニル)誘導体(例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、およびシクロヘプテニル)、ビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、ビシクロ[3.1.0]ヘキセニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、およびビシクロ[3.1.1]ヘプテニルが挙げられるが、それらに限定されない。該シクロアルキル部分は、「スピロシクロプロピル」
Figure 2021525717
などの「スピロシクロアルキル」様式で付着することができる。該シクロアルキル部分は、場合により、1つ以上の置換基で置換されることができる。
「複素環」または「ヘテロシクリル」は、別段に提供されない限り、環中に酸素、窒素、および硫黄から選択される1個以上(例えば、1個、2個、3個または4個のヘテロ環員を有し、かつ残りの環員が炭素である、3員、4員、5員、6員および7員の単環式複素環部分、7員、8員、9員および10員の二環式(架橋した二環式を含む)複素環部分、または10員、11員、12員、13員、14員および15員の三環式複素環部分を指す。例えば、詳細な実施形態において、複素環またはヘテロシクリルは、4員、5員、6員または7員の複素環を指す。いくつかの態様において、該複素環は、ヘテロシクロアルキルである。複素環の環原子に関して使用されるとき、窒素または硫黄はまた、酸化された形態にあってもよく、窒素は、C〜Cアルキルなどの1個以上の基で置換されてもよい。該複素環は、結果として安定した構造を生じるいかなるヘテロ原子または炭素原子においても、該複素環の付属基へ付着することができる。複素環原子のいずれもが、場合により、本明細書に説明する1つ以上の置換基で置換されることができる。このような飽和または部分的に不飽和の複素環の例としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、およびキヌクリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。複素環という用語という用語にはまた、インドリニル、3H−インドリル、クロマニル、アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、オクタヒドロインドリル、またはテトラヒドロキノリニルなど、複素環が1個以上のアリール環、ヘテロアリール環、またはシクロアルキル環に縮合した基も含まれる。
「縮合二環式」という用語は、本明細書の他所に定義したような架橋したシクロアルキルおよび架橋したヘテロシクロアルキルを含む、2個の縮合環を含む環系を示す。該環は各々独立して、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、および複素環である。いくつかの態様において、該環は各々独立して、C5〜6アリール、5〜6員のヘテロアリール、C3〜6シクロアルキル、および4〜6員の複素環である。縮合二環式環系の非限定例としては、C5〜6アリール−C5〜6アリール、C5〜6アリール−4〜6員のヘテロアリール、およびC5〜6アリール−C5〜6シクロアルキルが挙げられる。
別段に示されない限り、「水素」または「ヒドロ」という用語は、水素原子(−H)の部分を指すのであって、Hを指すのではない。
本明細書の説明において、構造または構造の部分の立体化学的性質が、例えば、太字のくさび形、または破線で示されていない場合、該構造または該構造の部分は、その立体異性体全てを包含するものとして解釈されるべきである。しかしながら、1つを超えるキラル中心が存在するいくつかの場合において、該構造および名称は、相対的な立体化学的性質を説明するのを助けるために、単一の鏡像異性体として表されることができる。
別段に示されない限り、「式の化合物(a compound of the formula)」または「式の化合物(a compound of formula)」または「式の化合物(compounds of the formula)」または「式の化合物(compounds of formula)」という用語は、該式によって定義されるような化合物の属から選択される何らかの化合物を指す(別段の記載がない場合、このような何らかの化合物の何らかの薬学的に許容される塩またはエステルを含む)。
「薬学的に許容される塩」という用語は、生物学的にまたは別様に望ましくないものではない、遊離塩基または遊離酸の生物学的有効性および特性を保有する塩を指す。本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」は、製剤の他の成分と適合性がありかつ、その受容個体にとって有害ではない担体、希釈剤または賦形剤を指す。塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸およびこれらに類するものなどの無機酸、好ましくは塩酸、ならびに酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、サリチル酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、N−アセチルシステインおよびこれらに類するものなどの有機酸とともに形成されることができる。加えて、塩は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に添加することによって調製されることができる。無機塩基から得られる塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩ならびにこれらに類するものが含まれるが、それらに限定されない。有機塩基から得られる塩には、第一級アミン、第二級アミン、および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、ならびにイソプロピルアミン樹脂、トリメチルアミン樹脂、ジエチルアミン樹脂、トリエチルアミン樹脂、トリプロピルアミン樹脂、エタノールアミン樹脂、リジン樹脂、アルギニン樹脂、N−エチルピペリジン樹脂、ピペリジン樹脂、ポリアミン樹脂およびこれらに類するものなどの塩基性イオン交換樹脂が含まれるが、それらに限定されない。
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で存在することができる。別の実施形態は、式(I)の化合物の非薬学的に許容される塩を提供し、これは、式(I)の化合物を単離または精製するための中間体として有用であることができる。本発明の化合物はまた、薬学的に許容されるエステル(例えば、プロドラッグとして使用されることになる式(I)の酸のメチルエステルおよびエチルエステル)の形態でも存在することができる。本発明の化合物はまた、溶媒和、例えば水和することもできる。溶媒和は、製造加工の経過においてもたらされることができ、または、例えば、式(I)の初期的に無水の化合物の吸湿特性の結果として生じることができる。
同じ分子式を有するが、その原子の結合の性質もしくは配列、または空間内におけるその原子の配置が異なる化合物は、「異性体」と称される。空間内におけるその原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と称される。ジアステレオマーとは、鏡像異性体ではない、1個以上のキラル中心において逆の立体配置を有する立体異性体である。互いの重ね合わせることができない鏡像である1個以上の不斉中心を保有する立体異性体は、「鏡像異性体」と称される。化合物が不斉中心を有するとき、例えば、炭素原子が4個の異なる基に結合している場合、1対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、その1つまたは複数の不斉中心の絶対配置を特徴とすることができ、Cahn、Ingold、およびPrelogのRおよびS配列決定則(sequencing rules)によって、または該分子が偏光面を回転させる様式によって説明され、右旋性または左旋性(すなわち、それぞれ(+)異性体または(−)異性体)と表される。キラル化合物は、いずれかの個々の鏡像異性体として、またはその混合物として存在することができる。等しい割合の鏡像異性体を含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。ある特定の実施態様において、該化合物は、単一のジアステレオマーまたは鏡像異性体を用いて少なくとも約90重量%だけ濃厚にされる。他の実施態様において、該化合物は、単一のジアステレオマーまたは鏡像異性体を用いて少なくとも約95、98、または99重量%だけ濃厚にされる。
本発明のある特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有し、ラセミ化合物、ジアステレオマー、位置異性体および個々の異性体(例えば、別個の鏡像異性体)は全て、本発明の範囲内に包含されるよう意図される。
本発明の化合物は、不斉中心またはキラル中心を含有してもよく、それゆえ、異なる立体異性体形態で存在する。ジアステレオマー、鏡像異性体およびアトロプ異性体を含むがこれらに限定されない、本発明の化合物の全ての立体異性体形態、ならびにラセミ混合物などのそれらの混合物は、本発明の一部を形成することが意図される。いくつかの場合において、その立体化学的性質は、決定されてきておらず、または暫定的に割り当てられてきた。多くの有機化合物は、光学活性形態で存在し、すなわち、該有機化合物は、平面偏光の面を回転させる能力を有する。光学活性化合物について説明する際、接頭辞DおよびL、またはRおよびSは、そのキラル中心(複数可)の周りの分子の絶対配置を示すために使用される。接頭辞dおよびlまたは(+)および(−)は、該化合物による平面偏光の回転の表示を指定するために採用され、(−)または1は、該化合物が左旋性であることを意味する。(+)またはdの接頭辞が付いた化合物は、右旋性である。所与の化学構造について、これらの立体異性体は、互いの鏡像であることを除き、同一である。特定の立体異性体はまた、鏡像異性体とも称されることがあり、このような異性体の混合物は、鏡像異性体混合物としばしば呼ばれる。鏡像異性体の50:50混合物は、ラセミ混合物またはラセミ化合物と称され、これらは、化学的な反応またはプロセスにおいて立体選択または立体特異性がなかった場合に生じることができる。「ラセミ混合物」および「ラセミ化合物」という用語は、光学活性がない2つの鏡像異性体種の等モル混合物を指す。鏡像異性体は、超臨界液体クロマトグラフィー(SFC)など、キラル分離法によってラセミ混合物から分離されることができる。分離された鏡像異性体におけるキラル中心での立体配置の割り当ては、試案であってよく、説明目的のために化合物(l)、(m)および(n)において図示されることができるのに対し、立体化学的性質は、X線結晶学データなどから定義上確立されている。
「治療有効量」の化合物という用語は、疾患の症状を予防し、緩和しもしくは寛解するために、処置中の対象の生存を長期化するために有効である化合物の量を意味する。治療有効量の決定は、当技術分野における技術の内である。本発明による化合物の治療有効量または治療有効薬用量は、広範な限界値内で変動することができ、当技術分野で公知の様式で決定することができる。このような薬用量は、投与中の具体的な化合物(複数可)、投与経路、処置中の容態、および処置中の患者を含む各特定の症例において、個々の必要条件に対して調整されることになる。概して、体重およそ70Kgの成人への経口投与または非経口投与の場合において、約0.1mg〜約5,000mg、1mg〜約1,000mg、または1mg〜100mgの1日薬用量が適切であるかもしれないが、下限値および上限値は、示されるときに超過していてもよい。1日薬用量は、単回用量として、または分割用量で、または非経口投与のために投与することができ、持続注入として付与してもよい。
「薬学的に許容される担体」、「薬学的に許容される担体、アジュバント、もしくはビヒクル」、または「治療上不活性である担体」という用語は、全体を通して相互交換可能に使用することができ、溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌薬および抗真菌薬、等張剤および吸収遅延剤、ならびに医薬の投与と適合性のある他の材料および化合物を含む、医薬の投与と適合性のあるいかなる全ての材料も含むよう意図される。いずれかの従来の媒体または薬剤が該活性のある化合物と不適合である限りは例外として、本発明の組成物におけるその使用は考慮されている。補助的な活性のある化合物はまた、該組成物中に組み込むことができる。
本明細書の組成物の調製に有用な薬学的に許容される担体は、固体、液体または気体であることができ、したがって、該組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、坐剤、散剤、腸溶コーティングされたまたは他の保護された製剤(例えば、イオン交換樹脂上での結合または脂質−タンパク質ベシクル内での包装)、徐放性製剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、エアゾール剤、およびこれらに類するものの形態をとることができる。該担体は、石油起源、動物起源、植物起源または合成起源のものを含む種々の油、例えば、ラッカセイ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油、およびこれらに類するものから選択することができる。水、塩類溶液、デキストロース水溶液、およびグリコールは、特に(血液と等張性であるとき)液剤注射剤にとって好ましい液状担体である。例えば、静脈内投与のための製剤は、水溶液を製造するために水中で固体有効成分(複数可)を溶解し、該溶液を滅菌することによって調製された、有効成分(複数可)の滅菌水溶液を含む。適切な医薬賦形剤には、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、タルク、ゼラチン、麦芽、コメ、粉類、チョーク、シリカ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール、およびこれらに類するものが含まれる。該組成物は、防腐剤、安定剤、湿潤剤または乳化剤、浸透圧を調整するための塩、緩衝剤およびこれらに類するものなど、従来の医薬添加物に供してもよい。適切な医薬担体およびその製剤は、E.W.MartinによるRemington’s Pharmaceutical Sciencesにおいて説明されている。このような組成物は、いかなる事象においても、受容個体への適切な投与のために適切な薬用量を調製するように、適切な担体と一緒に、有効量の活性化合物を含有することになる。
本明細書で使用される場合の「患者」または「個体」という用語は、ヒトなどの哺乳動物などの動物を指す。一実施形態では、患者または個体は、ヒトを指す。
本発明の方法の実施において、治療有効量の本発明の化合物のいずれか1つ、または本発明の化合物のいずれかの組み合わせ、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくはエステルは、当技術分野において公知の有用なかつ許容され得る方法のうちのいずれかを介して、単一または併用のいずれかにおいて投与される。該化合物または組成物はしたがって、経口的に(例えば、口腔前庭)、舌下に、非経口的に(例えば、筋肉内、静脈内、または皮下)、直腸に(例えば、坐剤または洗浄剤による)、経皮的に(例えば、皮膚電気穿孔)または吸入によって(例えば、エアゾールによって)、錠剤および懸濁剤を含む固体、液体または気体の薬用量の形態で投与することができる。該投与は、持続的な療法を用いてまたは単回用量療法において任意に、単一の単位剤形で実施することができる。治療用組成物はまた、パモ酸などの親油性塩とともに油エマルションもしくは油分散剤の形態で、または皮下投与もしくは筋肉内投与のための生分解性徐放性組成物の形態であることもできる。
II.開示された化合物の一般式および下位一般式
式(I)
Figure 2021525717
の化合物、その立体異性体、その互変異性体、ならびにその塩であって、式中、
が、水素、ハロゲン、C1〜10アルキル、およびC1〜10ハロアルキルからなる群から選択され、
が、C5〜10アリールまたはC5〜10ヘテロアリールであり、
が、ORまたはNR1011であり、
の化合物、その立体異性体、その互変異性体、ならびにその塩であって、式中、
がC5〜10ヘテロアリールでありかつRがNR1011であるとき、R10およびR11の各々は水素ではなく、かつ
がORであるとき、Rはピリジルではなく、
が、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、および非置換または置換C5〜10ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、
10およびR11が各々独立して、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜6シクロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、非置換または置換CR −C6〜10アリール、および3〜8個の環員を有する非置換または置換の環を形成するよう環化したR10およびR11からなる群から選択され、ここで、各R10、R11、および3〜8個の環員を有する環は、1〜5個のR基で場合により置換されており、
が、ハロゲン、OH、C1〜10アルキル、O−C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10ハロアルキル、シアノ、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリール、およびNRからなる群から選択され、
が、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、かつ、
およびRが各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から各々独立して選択される、式(I)の化合物、その立体異性体、その互変異性体、ならびにその塩、
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態において、Rは、
Figure 2021525717
であり、式中、
、R、R、およびRは各々独立して、水素、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10アルキル、およびNRからなる群から選択され、RおよびRは各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択され、
は、非置換または置換C1〜10アルキル、置換または非置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換O−C1〜10アルキル、非置換または置換O−C1〜10ハロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換O−C6〜10アリール、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C2〜7ヘテロシクロアルキル、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、および非置換または置換NRからなる群から選択され、ここで、RおよびRは各々独立して、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択され、ここで、各RおよびRは、1〜5個のR基で場合により置換されており、ならびにここで、各Rは、ハロゲン、OH、C1〜10アルキル、O−C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10ハロアルキル、シアノ、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリール、およびNRからなる群から選択された1〜5個のR基で場合により置換されており、ここで、RおよびRは各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択される。
式(I)
Figure 2021525717
の化合物、その立体異性体、その互変異性体、ならびにその塩であって、式中、
が、水素、ハロゲン、C1〜10アルキル、およびC1〜10ハロアルキルからなる群から選択され、
が、
Figure 2021525717
であり、
が、ORまたはNR1011であり、
、R、R、およびRが各々独立して、水素、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10アルキル、およびNRからなる群から選択され、
が、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換O−C1〜10アルキル、非置換または置換O−C1〜10ハロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換O−C6〜10アリール、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C2〜7ヘテロシクロアルキル、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、および非置換または置換NRからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、
が、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、および非置換または置換C5〜10ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、
10およびR11が各々独立して、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜10シクロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、非置換または置換CR −C6〜10アリール、および3〜8個の環員を有する非置換または置換の環を形成するよう環化したR10およびR11からなる群から選択され、ここで、各R10、R11、および3〜8個の環員を有する環は、1〜5個のR基で場合により置換されており、
およびRが各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択され、
およびRが各々独立して、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択され、ここで、各RおよびRは、1〜5個のR基で場合により置換されており、
が、ハロゲン、OH、C1〜10アルキル、O−C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10ハロアルキル、シアノ、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリール、およびNRからなる群から選択され、
が、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、かつ、
およびRが各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から各々独立して選択される、式(I)の化合物、
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、異なる原子質量または原子質量数を有する原子によって置き換えられた式(I)中の1個以上の原子を有することによって同位体標識される。このような同位体標識された(例えば、放射性標識された)式(I)の化合物は、本開示の範囲内であるとみなされる。式(I)の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、それぞれ、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I、および125Iだがこれらに限定されない水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体が挙げられる。ある特定の同位体標識された式(I)の化合物、例えば、放射性同位体を組み込んでいる該化合物は、薬物および/または基質の組織分布試験において有用である。放射性同位体であるトリチウム、すなわち、H、および炭素−14、すなわち、14Cは、これらの組み込みやすさおよび即時的な検出手段に関して、本目的にとって特に有用である。例えば、式(I)の化合物は、1、2、5、10、25、50、75、90、95、または99パーセントの所与の同位体で濃厚にすることができる。
重水素、すなわちHなど、より重い同位体による置換によって、代謝安定性がより高くなり、結果としてある特定の治療上の利点、例えば、インビボでの半減期の長期化または薬用量必要条件の低減を生じるかもしれない。
11C、18F、15Oおよび13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、基質受容体占有を検討するための陽電子放出断層撮影法(PET)試験において有用である可能性がある。同位体標識した式(I)の化合物は、概して、当業者に既知の従来技術によって、または以前に採用された同位体標識していない試薬の代わりに適切な同位体標識した試薬を使用する、後述の実施例において説明するものに類似するプロセスによって調製することができる。
別の実施形態において、本開示は、治療有効量の式(I)による化合物と薬学的に許容される担体、希釈剤および/または賦形剤とを含む、医薬組成物を準備する。
塩形態に加えて、本開示は、プロドラッグ形態にある化合物を提供する。本明細書で使用する場合、「プロドラッグ」という用語は、生理学的条件下で化学的変化を容易に受けて、本開示の化合物を提供する化合物を指す。加えて、プロドラッグは、エクスビボ環境において化学的方法または生化学的方法によって本開示の化合物に変換することができる。例えば、プロドラッグは、適切な酵素または化学試薬とともに経皮パッチリザーバ内にあるとき、本開示の化合物に緩徐に変換することができる。
本開示のプロドラッグは、リン酸塩、リン酸エステル、アルキルリン酸塩、アルキルリン酸エステル、アシルエーテル、または後に考察するような他のプロドラッグ部分を含むことができる。いくつかの実施形態において、該プロドラッグ部分は、
Figure 2021525717
追加の種類のプロドラッグもまた、包含される。例えば、1個のアミノ酸残基、または2個以上(例えば、2個、3個または4個)のアミノ酸残基は、アミド結合またはエステル結合を経て、本開示の化合物の遊離アミノ基、ヒドロキシ基またはカルボン酸基に共有結合する。該アミノ酸残基には、三文字記号によって通常表記される20個の天然アミノ酸が含まれるが、これらに限定されず、また、ホスホセリン、ホスホトレオニン、ホスホチロシン、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デモシン、イソデモシン、ガンマ−カルボキシグルタマート、馬尿酸、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、スタチン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、ペニシラミン、オルニチン、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、ベータ−アラニン、ガンマ−アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、メチルアラニン、パラ−ベンゾイルフェニルアラニン、フェニルグリシン、プロパルギルグリシン、サルコシン、メチオニンスルホンおよびtert−ブチルグリシンも含まれる。
追加の種類のプロドラッグもまた、包含される。例えば、本開示の化合物の遊離カルボキシル基は、アミドまたはアルキルエステルとして誘導体化されることができる。別の例として、遊離ヒドロキシ基を含む本開示の化合物は、Fleisher,D.ら,(1996)Improved oral drug delivery:solubility limitations overcome by the use of prodrugs Advanced Drug Delivery Reviews,19:115に概略されているように、ヒドロキシ基を、リン酸エステル、ヘミスクシナート、ジメチルアミノアセタート、またはホスホリルオキシメチルオキシカルボニル基などだがこれらに限定されない基に変換することによって、プロドラッグとして誘導体化されることができる。ヒドロキシ基およびアミノ基のカルバマートプロドラッグもまた、ヒドロキシル基のカルボナートプロドラッグ、スルホン酸エステルおよび硫酸エステルと同様、含まれる。アシル基が、場合により、エーテル、アミンおよびカルボン酸官能基を含むが、これらに限定されない基で置換されるアルキルエステルであることができるか、またはアシル基が上述のようにアミノ酸エステルである場合の、(アシルオキシ)メチルエーテルおよび(アシルオキシ)エチルエーテルとしてのヒドロキシ基の誘導体化も包含される。この種のプロドラッグは、J.Med.Chem.,(1996),39:10に説明されている。より具体的な例としては、アルコール基の水素原子を、(C1〜6)アルカノイルオキシメチル、1−((C1〜6)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1((C1〜6)アルカノイルオキシ)エチル、(C1〜6)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C1〜6)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C1〜6)アルカノイル、α−アミノ(C1〜4)アルカノイル、アリールアシルおよびα−アミノアシル、またはα−アミノアシル−α−アミノアシル(各α−アミノアシル基は、天然のL−アミノ酸から独立して選択される)、P(O)(OH)、−P(O)(O(C1〜6)アルキル)、またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形態のヒドロキシル基を除去することにより生じるラジカル)などの基で置き換えることが挙げられる。
プロドラッグ誘導体の追加例については、例えば、a)Design of Prodrugs,H.Bundgaard編,(Elsevier,1985)およびMethods in Enzymology,Vol.42,p.309−396,Widder,ら.編(Academic Press,1985)、b)A Textbook of Drug Design and Development,Krogsgaard−Larsen and H.Bundgaard,Chapter 5 “Design and Application of Prodrugs”,H.Bungaard著 p.113−191(1991)、c)H.Bungaard,Advanced Drug Delivery Reviews,8:1−38(1992)、d)H.Bungaard,ら,Journal of Pharmaceutical Sciences,77:285(1988)、およびe)N.Kakeya,ら,Chem.Pharm.Bull.32:692(1984)を参照されたく、これらの各々は、参照により本明細書に具体的に組み込まれる。
加えて、本開示は、本開示の化合物の代謝産物を準備する。本明細書で使用する場合、「代謝産物」は、説明された化合物またはその塩の体内での代謝を経て生成された生成物を指す。このような生成物は、例えば、投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、酵素による開裂、およびこれらに類するものから生じることができる。
代謝生成物は典型的には、本開示の化合物の放射性標識した(例えば、14CまたはH)同位体を調製し、該同位体を検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kg超)でラット、マウス、モルモット、サルなどの動物、またはヒトに非経口投与し、代謝を十分な時間(典型的には、約30秒〜30時間)発生させておき、その変換生成物を尿、血液、または他の生理学的試料から単離することによって特定される。これらの生成物は、標識されているので、容易に単離される(他は、代謝産物中で生存しているエピトープを結合することが可能な抗体の使用により単離される)。代謝産物の構造は、従来の様式、例えば、MS分析、LC/MS分析、またはNMR分析によって決定される。概して、代謝物の分析は、当業者に周知の従来の薬物代謝試験と同じ方法で行われる。代謝生成物は、それがインビボでは別途認められない限り、本開示の化合物の治療投薬のための診断アッセイにおいて有用である。
本開示のある特定の化合物は、非溶媒和形態、および水和形態を含む溶媒和形態で存在することができる。概して、該溶媒和形態は、非溶媒和形態と等価であり、本開示の範囲内に包含されることが意図される。本開示のある特定の化合物は、複数の結晶形態または非晶質形態で存在することができる。概して、全ての物理的形態は、本開示によって企図される用途について等価であり、本開示の範囲内にあることが意図される。
ある特定の実施形態において、本開示化合物は、TEADに結合し、YAP:TEADタンパク質間相互作用を崩壊させる、YAP:TEADタンパク質間相互作用の阻害剤(「YAP:TEAD阻害剤」)である。実施形態において、本開示化合物は、該化合物の能力を経て、YAP:TEADタンパク質間相互作用を阻害する、固形腫瘍を特徴とする癌を含む癌の処置に有用である。
開示化合物は、以下の数値を付けられた実施形態において示すように提供される。
実施形態1
実施形態1には、式(I)
Figure 2021525717
の化合物、その立体異性体、その互変異性体、ならびにその塩であって、式中、
が、水素、ハロゲン、C1〜10アルキル、およびC1〜10ハロアルキルからなる群から選択され、
が、C5〜10アリールまたは
Figure 2021525717
であり、
が、ORまたはNR1011であり、
の化合物、その立体異性体、その互変異性体、ならびにその塩であって、式中、
がC5〜10ヘテロアリールでありかつRがNR1011であるとき、R10およびR11の各々は水素ではなく、かつ
がORであるとき、Rはピリジルではなく、
、R、R、およびRが各々独立して、水素、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10アルキル、およびNRからなる群から選択され、
が、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換O−C1〜10アルキル、非置換または置換O−C1〜10ハロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換O−C6〜10アリール、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C2〜7ヘテロシクロアルキル、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、および非置換または置換NRからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、
が、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、および非置換または置換C5〜10ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、
10およびR11が各々独立して、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜10シクロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、非置換または置換CR −C6〜10アリール、および3〜8個の環員を有する非置換または置換の環を形成するよう環化したR10およびR11からなる群から選択され、ここで、各R10、R11、および3〜8個の環員を有する環は、1〜5個のR基で場合により置換されており、
およびRが各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択され、
およびRが各々独立して、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択され、ここで、各RおよびRは、1〜5個のR基で場合により置換されており、
が、ハロゲン、OH、C1〜10アルキル、O−C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10ハロアルキル、シアノ、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリール、およびNRからなる群から選択され、
が、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、かつ、
およびRが各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から各々独立して選択される、式(I)の化合物、
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態2
実施形態1のある特定の変化形またはその薬学的に許容される塩において、
は、水素、ハロゲン、およびC1〜10アルキルからなる群から選択され、
は、
Figure 2021525717
であり、
は、ORまたはNR1011であり、
、R、R、およびRは各々独立して、水素およびC1〜10アルキルからなる群から選択され、
は、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換O−C1〜10アルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換O−C6〜10アリール、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C2〜7ヘテロシクロアルキル、および非置換または置換NRからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、
は、非置換または置換C1〜10アルキルであり、ここで各C1〜10アルキルは、1〜5個のR基で場合により置換されており、
10およびR11は各々独立して、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、および3〜8個の環員を有する非置換または置換の環を形成するよう環化したR10およびR11からなる群から選択され、ここで、各R10、R11、および3〜8個の環員を有する環は、1〜5個のR基で場合により置換されており、
およびRは各々独立して、非置換または置換C1〜10アルキルであり、ここで各RおよびRは、1〜5個のR基で場合により置換されており、かつ
は、ハロゲン、OH、C1〜10アルキル、シアノおよびC3〜8シクロアルキルからなる群から選択される
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態3
実施形態1もしくは2のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、Rは、ORである。
実施形態4
実施形態3のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、Rは、非置換エチルである。
実施形態5
実施形態3もしくは4のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、Rは、C5〜10ヘテロアリールである。
実施形態6
実施形態3もしくは4のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、Rは、
Figure 2021525717
からなる群から選択される。
実施形態7
実施形態3もしくは4のある特定の変化形またはその薬学的に許容される塩において、Rは、
Figure 2021525717
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態8
実施形態7のある特定の変化形またはその薬学的に許容される塩において、R、R、R、およびRは各々水素であり、かつRは、
Figure 2021525717
からなる群から選択される。
実施形態9
実施形態7のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、Rは、
Figure 2021525717
からなる群から選択される。
実施形態10
実施形態1もしくは2のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、式(I)の化合物には、式(IIc)
Figure 2021525717
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態11
実施形態10のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、式(IIc)の化合物は、
Figure 2021525717
からなる群から選択される
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態12
実施形態1もしくは2のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、Rは、NR1011である。
実施形態13
実施形態12のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、R10およびR11は各々独立して、水素、メチル、エチル、シクロプロピル、および−エチル−OHからなる群から選択され、またはR10およびR11は、環化して、窒素を含有する4員環または5員環を形成し、該環は、メチル、エチル、OH、シアノ、CH−F、CHFおよびCFからなる群から各々独立して選択される1〜2個のR基で場合により置換される。
実施形態14
実施形態12もしくは13のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、Rは、C5〜10ヘテロアリールである。
実施形態15
実施形態12もしくは13のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、Rは、
Figure 2021525717
からなる群から選択される。
実施形態16
実施形態12もしくは13のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、Rは、
Figure 2021525717
からなる群から選択される。
実施形態17
実施形態12もしくは13のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、Rは、
Figure 2021525717
である
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態18
実施形態17のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、R、R、R、およびRは各々水素であり、かつRは、
Figure 2021525717
からなる群から選択される。
実施形態19
実施形態1もしくは2のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、式(I)の化合物には、式(IIe)
Figure 2021525717
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態20
実施形態19のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、式(IIe)の化合物は、
Figure 2021525717
Figure 2021525717
からなる群から選択される。
実施形態21
実施形態1、2および12〜19のある特定の変化形、またはそれらの薬学的に許容される塩において、R10およびR11は各々、非置換または置換C1〜10アルキルであり、ここで、各R10およびR11は、1〜5個のR基で場合により置換されてもよい。
実施形態22
実施形態1、2および12〜19のある特定の変化形、またはそれらの薬学的に許容される塩において、R10およびR11は環化して、3〜8個の環員を有する非置換または置換の環を形成し、ここで3〜8個の環員を有する環は、1〜5個のR基で場合により置換されてもよい。
実施形態23
実施形態1、2および12〜19のある特定の変化形、またはそれらの薬学的に許容される塩において、R10およびR11は環化して、3〜8個の環員を有する非置換または置換の環を形成する。
実施形態24
実施形態1、2および12〜19のある特定の変化形、またはそれらの薬学的に許容される塩において、R10およびR11は環化して、3〜8個の環員を有する置換環を形成し、ここで3〜8個の環員を有する環は、1〜5個のR基で置換される。
実施形態25
実施形態1、2および12〜13および15〜19のある特定の変化形、またはそれらの薬学的に許容される塩において、R10およびR11は各々、非置換または置換C1〜10アルキルであり、ここで、各R10およびR11は、ハロゲン、OH、C1〜10アルキル、シアノ、およびC3〜8シクロアルキルからなる群から選択される1〜2個のR基で場合により置換されており、かつ
は、
Figure 2021525717
であり、式中、
、R、R、およびRは各々独立して、水素およびC1〜3アルキルからなる群から選択され、かつ
は、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換O−C1〜10アルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換O−C6〜10アリール、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C2〜7ヘテロシクロアルキル、および非置換または置換NRからなる群から選択され、ここで、各RおよびRは各々独立して、非置換または置換C1〜4アルキルおよび非置換または置換C3〜6シクロアルキルからなる群から選択され、かつ各Rは、メチル、ハロゲン、C3〜4シクロアルキル、およびフェニルからなる群から独立して選択される1〜2個のR基で場合により置換されてもよい
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態26
実施形態1、2、12〜13および15〜19のある特定の変化形、またはそれらの薬学的に許容される塩において、R10およびR11は、3〜8個の環員を有する非置換または置換の環を形成し、3〜8個の環員を有する環は、ハロゲン、OH、C1〜10アルキル、シアノ、およびC3〜8シクロアルキルからなる群から選択される1〜2個のR基で場合により置換されており、かつ
は、
Figure 2021525717
であり、式中、
、R、R、およびRは各々独立して、水素およびC1〜3アルキルからなる群から選択され、かつ
は、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換O−C1〜10アルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換O−C6〜10アリール、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C2〜7ヘテロシクロアルキル、および非置換または置換NRからなる群から選択され、ここで、各RおよびRは各々独立して、非置換または置換C1〜4アルキルおよび非置換または置換C3〜6シクロアルキルからなる群から選択され、かつ各Rは、メチル、ハロゲン、C3〜4シクロアルキル、およびフェニルからなる群から独立して選択される1〜2個のR基で場合により置換されてもよい
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態27
実施形態1〜27のある特定の変化形において、Rは、水素、ハロゲン、C1〜10アルキル、およびC1〜10ハロアルキルである。実施形態1〜27の他の変化形において、Rは、水素である。実施形態1〜27の他の変化形において、Rは、ハロゲンである。実施形態1〜27の他の変化形において、Rは、フルオロである。実施形態1〜27の他の変化形において、Rは、C1〜10アルキルである。実施形態1〜27の他の変化形において、Rは、CHである。
実施形態28
実施形態において、式(I)の化合物には、式(II)
Figure 2021525717
の化合物であって、式中、
が、水素、ハロゲン、C1〜10アルキル、およびC1〜10ハロアルキルからなる群から選択され、
が、ORまたはNR1011であり、ここで、
が、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、および非置換または置換C5〜10ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、
10およびR11が各々独立して、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜10シクロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、非置換または置換CR −C6〜10アリール、および3〜8個の環員を有する非置換または置換の環を形成するようNと環化したR10およびR11からなる群から選択され、ここで、各R10、R11、および3〜8個の環員を有する環は、1〜5個のR基で場合により置換されており、ここで、
がが、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換され、
、R、R、およびRが各々独立して、水素、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10アルキル、およびNRからなる群から選択され、
およびRが各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択され、かつ
が、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換O−C1〜10アルキル、非置換または置換O−C1〜10ハロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換O−C6〜10アリール、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C2〜7ヘテロシクロアルキル、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、および非置換または置換NRからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で場合により置換されており、ここで、
およびRが各々独立して、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択され、ここで、各RおよびRは、1〜5個のR基で場合により置換されており、
が、水素、ハロゲン、OH,C1〜10アルキル、O−C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10ハロアルキル、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリール、およびNRからなる群から選択され、RおよびRが各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択される、式(II)の化合物、
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態29
実施形態28のある特定の変化形またはその薬学的に許容される塩において、
は、水素またはC1〜3アルキルであり、
は、ORまたはNR1011であり、ここで、
は、C1〜2アルキルであり、かつ
10およびR11は各々独立して、水素、非置換もしくは置換C1〜2アルキル、およびC3〜6シクロアルキルであり、ここで、R10およびR11は各々独立して、OHおよびC1〜3アルキルからなる群から選択される1個もしくは2個のR置換基で場合により置換され、または
10およびR11は、Nで環化して、4個の環員を有する非置換または置換の環を形成し、ここで、該4員環は、ハロゲン、OHおよびC1〜3アルキルからなる群から選択される1個もしくは2個のR置換基で場合により置換され、
、R、R、およびRは各々水素またはC1〜2アルキルであり、かつ
は、非置換または置換C1〜4アルキル、非置換または置換O−C1〜3アルキル、非置換または置換Cアリール、非置換または置換O−Cアリール、非置換または置換C3〜6シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜6シクロアルキル、非置換または置換C5〜6ヘテロシクロアルキル、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、および非置換または置換NRからなる群から選択され、ここで、各RおよびRは独立して水素またはC1〜2アルキルであり、各Rは、ハロゲン、C1〜2アルキル、Cシクロアルキル、およびCアリールからなる群から選択される1〜5個のR基で場合により置換される
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態30
実施形態28〜29のある特定の変化形またはその薬学的に許容される塩において、
は、水素であり、
は、ORまたはNR1011であり、ここで、
は、C1〜2アルキルであり、かつ
10およびR11は各々独立して、水素、非置換もしくは置換C1〜2アルキル、およびC3〜6シクロアルキルであり、ここで、R10およびR11は各々独立して、OHおよびC1〜3アルキルからなる群から選択される1個もしくは2個のR置換基で場合により置換され、または
10およびR11は、Nで環化して、4個の環員を有する非置換または置換の環を形成し、ここで、該4員環は、ハロゲン、OHおよびC1〜3アルキルからなる群から選択される1個もしくは2個のR置換基で場合により置換され、
、R、R、およびRは各々水素またはC1〜2アルキルであり、かつ
は、1個または2個のハロゲンで場合により置換されたシクロヘキシルである
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態31
実施形態28〜29のある特定の変化形またはその薬学的に許容される塩において、
は、水素であり、
は、ORまたはNR1011であり、ここで、
は、C1〜2アルキルであり、かつ
10およびR11は各々独立して、水素、非置換もしくは置換C1〜2アルキル、およびC3〜6シクロアルキルであり、ここで、R10およびR11は各々独立して、OHおよびC1〜3アルキルからなる群から選択される1個もしくは2個のR置換基で場合により置換され、または
10およびR11は、Nで環化して、4個の環員を有する非置換または置換の環を形成し、ここで、該4員環は、ハロゲン、OHおよびC1〜3アルキルからなる群から選択される1個もしくは2個のR置換基で場合により置換され、
、R、R、およびRは各々水素またはC1〜2アルキルであり、かつ
は、1個または2個のC1〜2アルキルで場合により置換されたシクロヘキシルである
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態32
実施形態28〜29のある特定の変化形またはその薬学的に許容される塩において、
は、水素であり、
は、ORまたはNR1011であり、ここで、
は、C1〜2アルキルであり、かつ
10およびR11は各々独立して、水素、非置換もしくは置換C1〜2アルキル、およびC3〜6シクロアルキルであり、ここで、R10およびR11は各々独立して、OHおよびC1〜3アルキルからなる群から選択される1個もしくは2個のR置換基で場合により置換され、または
10およびR11は、Nで環化して、4個の環員を有する非置換または置換の環を形成し、ここで、該4員環は、ハロゲン、OHおよびC1〜3アルキルからなる群から選択される1個もしくは2個のR置換基で場合により置換され、
、R、R、およびRは各々水素またはC1〜2アルキルであり、かつ
は、O−フェニルである
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態33
実施形態28〜29のある特定の変化形またはその薬学的に許容される塩において、
は、水素であり、
は、ORまたはNR1011であり、ここで、
は、C1〜2アルキルであり、かつ
10およびR11は各々独立して、水素、非置換もしくは置換C1〜2アルキル、およびC3〜6シクロアルキルであり、ここで、R10およびR11は各々独立して、OHおよびC1〜3アルキルからなる群から選択される1個もしくは2個のR置換基で場合により置換され、または
10およびR11は、Nで環化して、4個の環員を有する非置換または置換の環を形成し、ここで、該4員環は、ハロゲン、OHおよびC1〜3アルキルからなる群から選択される1個もしくは2個のR置換基で場合により置換され、
、R、R、およびRは各々水素またはC1〜2アルキルであり、かつ
は、1〜3個のハロゲン、C1〜2アルキルで場合により置換されたC1〜4アルキルである
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態34
実施形態28〜29のある特定の変化形またはその薬学的に許容される塩において、
は、水素であり、
は、ORまたはNR1011であり、ここで、
は、C1〜2アルキルであり、かつ
10およびR11は各々独立して、水素、非置換もしくは置換C1〜2アルキル、およびC3〜6シクロアルキルであり、ここで、R10およびR11は各々独立して、OHおよびC1〜3アルキルからなる群から選択される1個もしくは2個のR置換基で場合により置換され、または
10およびR11は、Nで環化して、4個の環員を有する非置換または置換の環を形成し、ここで、該4員環は、ハロゲン、OHおよびC1〜3アルキルからなる群から選択される1個もしくは2個のR置換基で場合により置換され、
、R、R、およびRは各々水素またはC1〜2アルキルであり、かつ
は、フェニルである
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態35
実施形態28〜29のある特定の変化形またはその薬学的に許容される塩において、
は、水素であり、
は、ORであり、ここで、Rは、C1〜2アルキルであり、
、R、R、およびRは各々水素またはC1〜2アルキルであり、かつ
は、非置換または置換C1〜4アルキル、非置換または置換O−C1〜3アルキル、非置換または置換Cアリール、非置換または置換O−Cアリール、非置換または置換C3〜6シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜6シクロアルキル、非置換または置換C5〜6ヘテロシクロアルキル、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、および非置換または置換NRからなる群から選択され、ここで、各RおよびRは独立して水素またはC1〜2アルキルであり、各Rは、ハロゲン、C1〜2アルキル、Cシクロアルキル、およびCアリールからなる群から選択される1〜5個のR基で場合により置換される
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態36
実施形態28〜29のある特定の変化形またはその薬学的に許容される塩において、
は、水素であり、
は、NR1011であり、ここで、
10およびR11は各々独立して、水素、非置換もしくは置換C1〜2アルキル、およびC3〜6シクロアルキルであり、ここで、R10およびR11は各々独立して、OHおよびC1〜3アルキルからなる群から選択される1個もしくは2個のR置換基で場合により置換され、または
10およびR11は、Nで環化して、4個の環員を有する非置換または置換の環を形成し、ここで、該4員環は、ハロゲン、OHおよびC1〜3アルキルからなる群から選択される1個もしくは2個のR置換基で場合により置換され、
、R、R、およびRは各々水素またはC1〜2アルキルであり、かつ
は、非置換または置換C1〜4アルキル、非置換または置換O−C1〜3アルキル、非置換または置換Cアリール、非置換または置換O−Cアリール、非置換または置換C3〜6シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜6シクロアルキル、非置換または置換C5〜6ヘテロシクロアルキル、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、および非置換または置換NRからなる群から選択され、ここで、各RおよびRは独立して水素またはC1〜2アルキルであり、各Rは、ハロゲン、C1〜2アルキル、Cシクロアルキル、およびCアリールからなる群から選択される1〜5個のR基で場合により置換される
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態37
実施形態28〜29のある特定の変化形またはその薬学的に許容される塩において、
は、水素であり、
は、NR1011であり、ここで、R10およびR11は、Nで環化して、ハロゲン、OH、C1〜10アルキル、O−C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10ハロアルキル、シアノ、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリール、およびNRからなる群から選択される1個または2個のR基で各々場合により置換された3〜8個の環員を有する非置換または置換の環を形成し、
、R、R、およびRは各々水素であり、かつ
は、ハロゲン、OH、C1〜10アルキル、O−C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10ハロアルキル、シアノ、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリール、およびNRからなる群から選択される1〜5個のR基で場合により置換されたC3〜8シクロアルキルであり、ここで、RおよびRは各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択される
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態38
実施形態37のある特定の変化形またはその薬学的に許容される塩において、
10およびR11は、Nで環化して、4〜5個の環員を有する非置換または置換の環を形成し、ここで、少なくとも1つの環員は、ハロゲン、C1〜2アルキル、C1〜2ハロアルキル、およびシアノからなる群から選択される1個または2個のR置換基で置換され、
は、シクロヘキシルである
あるいはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
実施形態39
実施形態28もしくは29のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、Rは、ORである。
実施形態40
実施形態39のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、Rは、非置換エチルである。
実施形態41
実施形態39もしくは40のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、R、R、R、およびRは各々、水素であり、ならびに非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換O−C1〜10アルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換O−C6〜10アリール、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C2〜7ヘテロシクロアルキル、および非置換または置換NRからなる群から選択されるRであって、ここで、各RおよびRは各々独立して、非置換または置換C1〜4アルキルおよび非置換または置換C3〜6シクロアルキルからなる群から選択され、かつ各Rは、メチル、ハロゲン、C3〜4シクロアルキル、およびフェニルからなる群から独立して選択される1〜2個のR基で場合により置換されてもよい
実施形態42
実施形態39もしくは40のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、R、R、R、およびRは各々水素であり、かつRは、
Figure 2021525717
からなる群から選択される。
実施形態43
実施形態41のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、Rは、
Figure 2021525717
からなる群から選択される。
実施形態44
実施形態28もしくは29のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、Rは、NR1011である。
実施形態45
実施形態44のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、R10およびR11は各々独立して、水素、メチル、エチル、シクロプロピル、および−エチル−OHからなる群から選択され、またはR10およびR11は、環化して、窒素を含有する4員環または5員環を形成し、該環は、メチル、エチル、OH、シアノ、CH−F、CHFおよびCFからなる群から各々独立して選択される1〜2個のR基で場合により置換される。
実施形態46
実施形態39もしくは40のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、R、R、R、およびRは各々、水素であり、ならびに非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換O−C1〜10アルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換O−C6〜10アリール、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C2〜7ヘテロシクロアルキル、および非置換または置換NRからなる群から選択されるRであって、ここで、各RおよびRは各々独立して、非置換または置換C1〜4アルキルおよび非置換または置換C3〜6シクロアルキルからなる群から選択され、かつ各Rは、メチル、ハロゲン、C3〜4シクロアルキル、およびフェニルからなる群から独立して選択される1〜2個のR基で場合により置換されてもよい
実施形態47
実施形態44もしくは45のある特定の変化形、またはその薬学的に許容される塩において、R、R、R、およびRは各々水素であり、かつRは、
Figure 2021525717
からなる群から選択される。
実施形態48
実施形態44もしくは45のある特定の変化形、またはそれらの薬学的に許容される塩において、R10およびR11は各々、非置換または置換C1〜10アルキルであり、ここで、各R10およびR11は、1〜5個のR基で場合により置換されてもよい。
実施形態49
実施形態44もしくは45のある特定の変化形、またはそれらの薬学的に許容される塩において、R10およびR11は環化して、3〜8個の環員を有する非置換または置換の環を形成し、ここで、3〜8個の環員を有する環は、1〜5個のR基で場合により置換されてもよい。
実施形態50
実施形態44または45のある特定の変化形において、R10およびR11は、ハロゲン、OH、C1〜10アルキル、シアノ、およびC3〜8シクロアルキルからなる群から選択される1〜2個のR基で場合により置換されている。
実施形態において、式(I)の化合物には、表3に列挙する化合物、およびその立体異性体、その互変異性体、ならびにそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。
III.医薬組成物および投与
別の態様には、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が含まれる。一実施形態において、本組成物は、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルをさらに含む。別の実施形態において、本組成物は、治療上不活性である担体をさらに含む。別の実施形態において、本組成物は、YAP:TEADタンパク質間相互作用を測定できるような方法で崩壊させるのに有効な量の化合物をさらに含む。ある特定の実施形態において、本組成物は、それを必要とする患者への投与のために製剤される。
本発明の組成物において使用することができる薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルには、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、プロタミンスルファート、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウムなどの塩もしくは電解質、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリラート、蝋、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれるが、これらに限定されない。
式(I)の化合物またはその塩を含む組成物は、経口で、非経口で、吸入スプレーによって、局所的に、経皮的に、直腸に、鼻腔に、頬側に、舌下に、膣内に、腹腔内、肺内、皮内、硬膜内のまたは植え込まれた貯蔵器を介して投与することができる。本明細書で使用する場合の「非経口的な」という用語には、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内および頭蓋内への注射または注入の技術が含まれる。
一実施形態において、式(I)の化合物またはその塩を含む組成物は、経口投与のための固体剤形として製剤される。経口投与のための固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が含まれる。ある特定の実施形態において、式(I)の化合物またはその塩を含む固体剤形は、(i)クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの不活性で薬学的に許容される賦形剤または担体、(ii)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、またはシリル酸などの充填剤または増量剤、(iii)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースまたはアカシアなどの結合剤、(iv)グリセロールなどの湿潤剤、(v)アガー、炭酸カルシウム、ジャガイモでんぷんもしくはタピオカでんぷん、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩または炭酸ナトリウム、(vi)パラフィンなどの溶液遅延剤、(vii)第四級アンモニウム塩などの吸収加速剤、(viii)セチルアルコールまたはグリセロールモノステアラートなどの湿潤剤、(ix)カオリンまたはベントナイトクレイなどの吸収剤、および(x)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコールまたはラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤のうちの1つ以上をさらに含む。ある特定の実施形態において、該固体経口剤形は、カプセル剤、錠剤または丸剤として製剤される。ある特定の実施形態において、該固体経口剤形は、緩衝剤をさらに含む。ある特定の実施形態において、固体経口剤形のためのこのような組成物は、ラクトースまたは乳糖などの1つ以上の賦形剤、ポリエチレングリコール、およびこれらに類するものなど、1つ以上の賦形剤を含む1つ以上の賦形剤を含む軟質および硬質ゼラチン充填カプセル内で充填剤として製剤されてもよい。
ある特定の実施形態において、式(I)の化合物またはその塩を含む組成物の錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤は、腸溶コーティングなどのコーティングまたはシェルを場合により含む。該錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤は、乳白剤を場合により含んでもよく、また、有効成分(複数可)のみを、または優先的には腸管のある特定の部分において、場合により遅延様式で放出する組成物のものでもあることができる。組成物を包埋する例としては、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールおよびそれに類するなどの賦形剤を用いて、軟質および硬質ゼラチン充填カプセルにおける充填剤としても採用することができるポリマー物質および蝋が挙げられる。
別の実施形態において、組成物は、式(I)の微量封入化合物またはその塩を含み、1つ以上の賦形剤をさらに含む。
別の実施形態において、組成物は、式(I)の化合物またはその塩を含む、経口投与のための液状薬用量製剤を含み、薬学的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルのうちの1つ以上を場合によりさらに含む。ある特定の実施形態において、液状剤形は場合により、水または他の溶媒、可溶化剤、およびエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールまたはソルビタンの脂肪酸エステルなどの乳化剤、ならびに該可溶化剤および該乳化剤の混合物などの不活性希釈剤のうちの1つ以上をさらに含む。ある特定の実施形態において、液状経口組成物は、湿潤剤、懸濁剤、甘味料、着香料および香料などの1つ以上のアジュバントを場合によりさらに含む。
注射用調製物、例えば、滅菌済み注射用水性または油性懸濁剤は、公知の技術によって、適切な分散剤または湿潤剤と懸濁剤とを用いて製剤することができる。滅菌注射用調製物はまた、非毒性の非経口的に許容され得る希釈剤または溶剤中の、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液としての、滅菌済み注射用溶液、懸濁液、またはエマルションでもあることができる。採用することができるビヒクルおよびび溶媒には、水、リンゲル液、米国薬局方、および等張性塩化ナトリウム溶液がある。加えて、減菌済みの不揮発性油が、溶媒または懸濁媒として従来通り採用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含むいかなる無刺激の不揮発性油も採用することができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製において使用される。
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルタによる濾過によって、または滅菌水もしくは他の滅菌済み注射媒中に溶解もしくは分散することができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。
式(I)の化合物の効果を長期化するために、皮下注射または筋肉内注射からの化合物の吸収を遅延させることはしばしば望まれる。このことは、水難溶性の結晶質または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成することができる。次に、該化合物の吸収速度は、該化合物の溶解速度に依存しており、該溶解速度は順に、結晶の大きさおよび結晶形態によることができる。あるいは、非経口投与された化合物形態の吸収遅延は、油ビヒクル中に該化合物を溶解または懸濁することによって達成される。注射用デポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性重合体中に該化合物の微量封入マトリックスを形成することによって生成される。化合物と重合体との比および採用される特定の重合体の性質によって、化合物放出速度は制御することができる。他の生分解性重合体の例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤はまた、身体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルションの中に該化合物を捕捉することによっても調製される。
ある特定の実施形態において、直腸投与または膣内投与のための組成物は、式(I)の化合物またはその塩を、ココアバター、ポリエチレングリコール、または坐剤用蝋などの適切な非刺激性賦形剤または担体、例えば、大気温では固体だが体温では液体でありそれゆえ直腸内または膣内で融解し、式(I)の化合物を放出するものと混合することによって調製することができる坐剤として製剤される。
式(I)の化合物の局所投与または経皮投与のための例となる剤形には、軟膏、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ジェル剤、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤またはパッチ剤が含まれる。式(I)の化合物またはその塩は、滅菌条件下で薬学的に許容される担体、および場合により防腐剤または緩衝剤と混合される。追加の製剤例としては、眼科用製剤、点耳剤、点眼剤、および経皮パッチが挙げられる。経皮剤形は、式(I)の化合物またはその塩を媒体、例えば、エタノールまたはジメチルスルホキシド中に溶解するまたは分散させることによって生成することができる吸収増強剤はまた、皮膚を通過する化合物の流れを上昇させるために使用することもできる。該速度は、速度制御膜を提供することによってかまたは重合体マトリックスまたはジェル中に該化合物を分散させることによって制御することができる。
式(I)の化合物またはその塩の鼻内のエアゾール製剤または吸入製剤は、ベンジルアルコールもしくは他の適切な防腐剤、生物学的利用率を増強するための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を採用する、塩類溶液中の溶液として調製することができる。
ある特定の実施形態において、医薬組成物は、食品とともにまたは食品なしで投与することができる。ある特定の実施形態において、薬学的に許容される組成物は、食品なしで投与される。ある特定の実施形態において、本発明の薬学的に許容される組成物は、食品とともに投与される。
いかなる特定の患者に対する具体的な薬用量および処置投与計画も、年齢、体重、全身の健康状態、性別、喫食、投与回数、排泄率、薬物の組み合わせ、担当医の判断、および処置される特定の疾患の重症度を含む、種々の因子によることになる。該組成物中に提供される式(I)の化合物またはその塩の量はまた、該組成物中の特定の化合物にもよることになる。
一実施形態において、1回の投与当たり非経口投与される本発明の化合物の治療有効量は、1日当たり患者の体重の約0.01〜100mg/kg、あるいは約0.1〜20mg/kgの範囲であることになり、使用される化合物の典型的な初期範囲は、0.3〜15mg/kg/日であることになる。別の実施形態において、錠剤およびカプセル剤などの経口単位剤形は、約5〜約100mgの本発明の化合物を含有する。
例となる錠剤経口剤形は、約2mg、5mg、25mg、50mg、100mg、250mgまたは500mgの式(I)の化合物またはその塩を含み、約5〜30mgの無水ラクトース、約5〜40mgのクロスカルメロースナトリウム、約5〜30mgのポリビニルピロリドン(PVP)K30および約1〜10mgのステアリン酸マグネシウムをさらに含む。該錠剤を製剤するプロセスは、粉状成分を一緒に混合することと、PVPの溶液とさらに混合することとを含む。得られた組成物を乾燥させ、顆粒化し、ステアリン酸マグネシウムと混合し、従来の装置を使用して、錠剤形態に圧縮することができる。エアゾール製剤の例は、約2〜500mgの式(I)の化合物またはその塩を適切な緩衝剤溶液、例えば、リン酸緩衝液中に溶解し、所望の場合、浸透圧付与剤、例えば、塩化ナトリウムのような塩を添加することによって調製することができる。溶液は、例えば、0.2ミクロンフィルタを用いてフィルタにかけて、不純物および汚染物を除去することができる。
IV.適応症および併用療法
本開示の化合物は、小分子YAP:TEAD阻害剤である。小分子YAP:TEAD阻害剤は、例えば、肺癌、乳癌、頭頚部癌、結腸癌、卵巣癌、肝癌、脳癌および前立腺癌、中皮腫ならびに/または白血病を含むがこれらに限定されない癌の診断または処置に有用である。他の実施形態において、小分子YAP:TEAD阻害剤は、肺癌、肝癌、卵巣癌、乳癌および/または扁平癌を含むがこれらに限定されない固形腫瘍を特徴とする癌の診断または処置に有用である。いくつかの実施形態において、該固形腫瘍は、YAP/TAZ増幅またはNf2欠失/突然変異を有する。
いくつかの実施形態において、本開示には、癌の治療および/または予防処置のための、本明細書に開示する式(I)の化合物のうちのいずれかの使用が含まれる。他の実施形態において、本開示には、癌の治療および/または予防処置のための薬剤の調製のための、本明細書に開示する式(I)の化合物のうちのいずれかの使用が含まれる。他の実施形態において、本開示には、癌の治療および/または予防処置のための、本明細書に開示する式(I)の化合物が含まれる。
いくつかの実施形態において、本開示には、癌の治療および/または予防処置のための方法が含まれ、該方法には、有効量の本明細書に開示する式(I)の化合物を投与することが含まれる。
乳癌
本開示の化合物は、単独で投与することができ、または、該化合物は、乳癌の処置のための併用療法において使用することができる。例えば、該併用療法には、本開示の化合物を投与することと、乳癌の処置のために少なくとも1種類の追加の治療薬(例えば、1種類、2種類、3種類、4種類、5種類、または6種類の追加の治療薬)を投与することとが含まれる。
乳癌についての標準治療は、疾患の特徴(腫瘍、病期、疾患のペースなど)および患者の特徴(年齢、生体マーカー発現および内在性表現型による)処置の選択肢に関する一般的な手引きは、NCCNガイドライン(例えば、NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology,Breast Cancer,第2版,2016、National Comprehensive Cancer Network,2016,pp.1−202)において、およびESMOガイドライン(Senkus,E.,ら.Primary Breast Cancer:ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis,treatment and follow−up.Annals of Oncology 2015;26(付録5):v8−V30、およびCardoso F.,ら.Locally recurrent or metastatic breast cancer:ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis,treatment and follow−up.Annals of Oncology 2012;23(付録7):vii11−vii19.))において説明されている。
いくつかの態様において、該化合物は、1種類以上の他の治療薬と組み合わせた乳癌の処置のための併用療法における使用のためにある。さらなる態様において、該化合物は、早期乳癌または局所的進行乳癌の処置のための併用療法における使用のためにある。さらなる態様において、該化合物は、進行乳癌または転移性乳癌の処置のための併用療法における使用のためにある。
特に、本開示の化合物は、単独で、または手術、全身化学療法(術前または術後のいずれか)および/もしくは放射線療法を概して含む、乳癌のための標準治療処置選択肢との組み合わせにおいてのいずれかで使用することができる。腫瘍および患者の特徴により、全身化学療法は、アジュバント(術後)療法として、またはネオアジュバント(術前)療法として投与することができる。
したがって、一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ドキソルビシン、エピルビシン、シクロホスファミド、ドセタキセル、パクリタキセル、メトトレキサート、および/または5−フルオロウラシルなどの少なくとも1種類の追加の治療薬を投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ドキソルビシンおよびシクロホスファミドを投与すること(AC化学療法)とを含む。一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ドセタキセル、ドキソルビシンおよびシクロホスファミドを投与すること(TAC化学療法)とを含む。一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、シクロホスファミド、メトトレキサートおよび5−フルオロウラシルを投与すること(CMF化学療法)とを含む。一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、エピルビシンおよびシクロホスファミドを投与すること(EC化学療法)とを含む。一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、5−フルオロウラシル、エピルビシンおよびシクロホスファミドを投与すること(FEC化学療法)とを含む。一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、5−フルオロウラシル、ドキソルビシンおよびシクロホスファミドを投与すること(FAC化学療法)とを含む。一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、タキサン、特にドセタキセルまたはパクリタキセルを投与することとを含む。
一実施形態において、本開示の化合物が転移性乳癌の処置における使用のためであるとき、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、エピルビシン、シクロホスファミド、カルボプラチン、シスプラチン、ドセタキセル、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、カペシタビン、ゲムシタビン、ビノレルビン、エルブリン、イキサベピロン、メトトレキサート、および/または5−フルオロウラシル(5−FU)などの少なくとも1種類の追加の治療薬を投与することとを含む。一実施形態において、該併用療法は、転移性乳癌の処置における使用のために、本開示の化合物を投与することと、ドセタキセルおよびカペシタビンを投与することとを含む。一実施形態において、該併用療法は、転移性乳癌の処置における使用のために、本開示の化合物を投与することと、ゲムシタビンおよびパクリタキセルを投与することとを含む。
乳癌−ホルモン受容体陽性(ER+および/またはPR+)
さらなる態様において、本開示は、有効量の本開示の化合物を投与することによって、ホルモン受容体陽性(HR+)乳癌(エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌またはエストロゲン受容体陽性および/もしくはプロゲステロン受容体陽性(PR+)乳癌とも呼ぶ)を処置するための方法を提供する。該実施形態のさらなる態様において、該乳癌は、早期ER+乳癌または局所的進行ER+乳癌とも称される早期ホルモン受容体陽性(HR+)乳癌または局所的進行HR+乳癌である。さらなる態様において、該乳癌は、進行性ER+乳癌または転移性ER+乳癌とも称される進行性ホルモン受容体陽性(HR+)乳癌または転移性ホルモン受容体陽性(HR+)乳癌である。
いくつかの態様において、該化合物は、ホルモン受容体陽性(HR+)乳癌またはエストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌の処置のための併用療法における使用のためにある。さらなる態様において、該化合物は、早期ER+乳癌または局所的進行ER+乳癌とも称される早期ホルモン受容体陽性(HR+)乳癌または局所的進行HR+乳癌の処置のための併用療法における使用のためにある。該実施形態のさらなる態様において、該化合物は、進行性ER+乳癌または転移性ER+乳癌とも称される進行性ホルモン受容体陽性(HR+)乳癌または転移性ホルモン受容体陽性(HR+)乳癌の処置のための併用療法における使用のためにある。一実施形態において、該方法は、ホルモン受容体陽性(HR)乳癌またはエストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌に罹患している個体に、有効量の本開示の化合物を、1種類以上の他の治療薬と組み合わせて投与することを含む。
特に、本開示の化合物は、ホルモン受容体陽性(HR+)乳癌またはエストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌のために、単独で、または手術、全身化学療法(術前または術後のいずれか)および/もしくは放射線療法を概して含む標準治療の処置選択肢との組み合わせのいずれかで使用することができる。腫瘍および患者の特徴により、全身化学療法は、アジュバント(術後)療法として、またはネオアジュバント(術前)療法として投与することができる。
一実施形態において、本開示の化合物は、内分泌療法との組み合わせにおけるホルモン受容体陽性(HR+)乳癌またはエストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌の処置における使用のためにある。一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、タモキシフェンを投与することとを含む。一実施形態において、該併用療法は、ホルモン受容体陽性(HR+)乳癌またはエストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌の処置における使用のために、本開示の化合物を投与することと、アナストロゾール、レトロゾールまたはエキセメスタンなどのアロマターゼ阻害剤を投与することとを含む。一実施形態において、該併用療法は、ホルモン受容体陽性(HR+)乳癌またはエストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌の処置における使用のために、本開示の化合物を投与することと、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタンおよびエベロリムス、パルボシクリブおよびレトロゾール、フルベストラント、タモキシフェン、トレミフェン、酢酸メゲストロール、フルオキセメステロン、ならびに/またはエチニルエストラジオールなどの少なくとも1種類の追加の治療薬を投与することとを含む。
一実施形態において、本開示の化合物は、1種類以上の化学療法薬との組み合わせにおける、ホルモン受容体陽性(HR+)乳癌またはエストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌の処置における使用のためにある。一実施形態において、該併用療法は、ホルモン受容体陽性(HR+)乳癌またはエストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌の処置における使用のために、本開示の化合物を投与することと、ドキソルビシン、エピルビシン、シクロホスファミド、ドセタキセル、パクリタキセル、メトトレキサート、および/または5−フルオロウラシルなどの少なくとも1種類の追加の治療薬を投与することとを含む。
一態様において、本開示の化合物は、ドキソルビシンおよびシクロホスファミドとの組み合わせ(AC化学療法)における使用のためにある。一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ドセタキセル、ドキソルビシンおよびシクロホスファミドを投与すること(TAC化学療法)とを含む。一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、シクロホスファミド、メトトレキサートおよび5−フルオロウラシルを投与すること(CMF化学療法)とを含む。一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、エピルビシンおよびシクロホスファミドを投与すること(EC化学療法)とを含む。一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、5−フルオロウラシル、エピルビシンおよびシクロホスファミドを投与すること(FEC化学療法)とを含む。一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、5−フルオロウラシル、ドキソルビシンおよびシクロホスファミドを投与すること(FAC化学療法)とを含む。一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ドセタキセルまたはパクリタキセルなどのタキサンを投与することとを含む。
一実施形態において、本開示の化合物は、転移性乳癌の処置における使用のためにある。一実施形態において、該併用療法は、転移性乳癌の処置における使用のために、本開示の化合物を投与することと、ドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、エピルビシン、シクロホスファミド、カルボプラチン、シスプラチン、ドセタキセル、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、カペシタビン、ゲムシタビン、ビノレルビン、エルブリン、イキサベピロン、メトトレキサート、および5−フルオロウラシル(5−FU)を投与することとを含む。一実施形態において、該併用療法は、転移性乳癌の処置における使用のために、本開示の化合物を投与することと、ドセタキセルおよびカペシタビンを投与することとを含む。一実施形態において、該併用療法は、転移性乳癌の処置における使用のために、本開示の化合物を投与することと、ゲムシタビンおよびパクリタキセルを投与することとを含む。
乳癌−HER2+
さらなる態様において、本開示は、有効量の本開示の化合物を投与することによって、Her2+陽性乳癌を処置するための方法を提供する。該実施形態のさらなる態様において、該乳癌は、早期Her2+乳癌または局所的進行Her2+乳癌とも称される早期Her2+乳癌または局所的進行Her2+乳癌である。さらなる態様において、該乳癌は、進行Her2+陽性乳癌または転移性ER+乳癌とも称される進行乳癌である。
いくつかの態様において、該化合物は、Her2+陽性乳癌の処置のための併用療法における使用のためにある。さらなる態様において、該化合物は、早期ER+乳癌または局所的進行ER+乳癌とも称される早期ホルモン受容体陽性(HR+)乳癌または局所的進行HR+乳癌の処置のための併用療法における使用のためにある。該実施形態のさらなる態様において、該化合物は、進行Her2+陽性乳癌または転移性ER+乳癌とも称される進行Her2+陽性乳癌の処置のための併用療法における使用のためにある。一実施形態において、該方法は、Her2+陽性乳癌に罹患している個体に、有効量の本開示の化合物を、1種類以上の他の治療薬と組み合わせて投与することを含む。
特に、本開示の化合物は、単独で、または手術、全身化学療法(術前または術後のいずれか)および/もしくは放射線療法を概して含む、Her2+陽性乳癌のための標準治療の処置選択肢との組み合わせで使用することができる。腫瘍および患者の特徴により、全身化学療法は、アジュバント(術後)療法として、またはネオアジュバント(術前)療法として投与することができる。
一実施形態において、該併用療法は、Her2+陽性乳癌を処置するために、本開示の化合物を投与することと、Her2抗体を投与することとを含む。一態様において、該併用療法は、Her2+陽性乳癌を処置するために、本開示の化合物を投与することと、トラスツズマブまたはペルツズマブを投与することとを含む。
別の態様において、該併用療法は、Her2+陽性乳癌を処置するために、本開示の化合物を投与することと、化学療法を投与することとを含む。一実施形態において、該併用療法は、Her2+陽性乳癌を処置するために、本開示の化合物を投与することと、ドキソルビシンおよびシクロホスファミドに続いてトラスツズマブを投与することとを含む。さらなる実施形態において、本開示の化合物は、Her2+陽性乳癌を処置するための、化学療法に続いてタキサンおよびトラスツズマブとの組み合わせにおけるHer2+陽性乳癌の処置における使用のためにある。別の態様において、本開示の化合物は、Her2+陽性乳癌を処置するための、トラスツズマブ(ハーセプチン)およびペルツズマブ(パージェタ)との組み合わせにおけるHer2+陽性乳癌の処置における使用のためにある。
別の態様において、本開示の化合物は、ドセタキセル、カルボプラチンおよびトラスツズマブ(TCH化学療法)との組み合わせにおいて使用される。さらなる態様において、本開示の化合物は、ドセタキセル、カルボプラチン、トラスツズマブおよびペルツズマブとの組み合わせにおいて投与される。さらなる態様において、本開示の化合物は、5−フルオロウラシル、エピルビシンおよびシクロホスファミド(FEC化学療法ならびにペルツズマブ、トラスツズマブおよびドセタキセルまたはパクリタキセルとの組み合わせにおいて投与される。別の態様において、本開示の化合物は、パクリタキセルおよびトラスツズマブとの組み合わせにおいて使用される。さらなる態様において、本開示の化合物は、ペルツズマブおよびトラスツズマブおよびパクリタキセルまたはドセタキセルとの組み合わせにおいて投与される。
本開示の化合物が、転移性Her2+陽性乳癌の処置における使用のためにある場合、該化合物はまた、ドキソルビシン(A)(アドリアマイシン)、ペグ化リポソームドキソルビシン(Doxil)、エピルビシン(E)(エレンス)、シクロホスファミド(C)(シトキサン)、カルボプラチン(プラチノール)、シスプラチン(パラプラチン)、ドセタキセル(T)(タキソテル)、パクリタキセル(タキソール)、アルブミン結合パクリタキセル(アブラキサン)、カペシタビン(ゼローダ)、ゲムシタビン(シンザー(Cynzar))、ビノレルビン(ナベルビン)、エリブリン(ハラベン)、およびイキサベピロン(イクセンプラ)からなる群から選択される1種類以上の化学療法薬との組み合わせにおいて使用することもでき、一態様において、本開示の化合物は、アド−トラスツズマブエムタンシン(T−DM1)との組み合わせにおける転移性Her2+陽性乳癌の処置における使用のためにある。
詳細な態様において、本開示の化合物は、トラスツズマブおよびペルツズマブおよびタキサンとの組み合わせにおける、転移性Her2+陽性乳癌の処置における使用のためにある。一態様において、タキサンは、ドセタキセルである。別の態様において、タキサンは、パクリタキセルである。
乳癌−三重陰性
本開示の化合物は、単独で、または手術、全身化学療法(術前または術後のいずれか)および/もしくは放射線療法を概して含む、三重陰性乳癌(TNBC)のための標準治療の処置選択肢との併用療法で使用することができる。
TNBCのための標準治療は、疾患(病期、疾患のペースなど)および患者(年齢、共存疾患、症状など)の両方の特徴によって決定される。処置の選択肢に関する一般的な手引きは、NCCNガイドライン(例えば、NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology,Breast Cancer,第2版,2016、National Comprehensive Cancer Network,2016,pp.1−202)において、およびESMOガイドライン(Senkus,E.,ら.Primary Breast Cancer:ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis,treatment and follow−up.Annals of Oncology 2015;26(付録5):v8−V30、およびCardoso F.,ら.Locally recurrent or metastatic breast cancer:ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis,treatment and follow−up.Annals of Oncology 2012;23(付録7):vii11−vii19.))において説明されている。Rodler,E,ら.Breast Disease.2010/2011;32:99−122も参照されたい。
転移性TNBC
全身化学療法は、転移性TNBCに罹患している患者のための標準的な処置であるが、標準的な投与計画または順序は存在しない。表1に示すような単剤の細胞毒性化学療法薬は概して、転移性TNBCに罹患している患者のための主要選択肢とみなされるが、表2に示すものなどの併用化学療法投与計画は、例えば、侵襲性疾患および内臓への関与があるときに使用することができる。利用することができる化学療法の組み合わせに関する追加の詳細は、早期および局所的進行処置選択肢に関する節において後に提供される。処置はまた、異なる単剤処置の逐次回も包含することができる。姑息的手術および放射線は、局所的合併症を管理するために適宜利用することができる。
本明細書に提供する方法には、本開示の化合物を転移性TNBCに罹患している患者に、表1に列挙する単剤化学療法薬のうちの1つとの組み合わせで、または表1に列挙する異なる化学療法薬の逐次回との組み合わせで投与することを含む。このような方法は、場合により、手術および/または放射線処置と組み合わせることができる。
Figure 2021525717
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、またはエピルビシンなどのアントラサイクリンを投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、パクリタキセル、ドセタキセルまたはアルブミン結合パクリタキセル(例えば、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル)などのタキサンを投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、例えば、カペシタビンまたはゲムシタビンを含む代謝拮抗薬を投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ビノレルビン、エリブリンまたはイキサベピロンなどの非タキサン微小管阻害剤を投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、カルボプラチンまたはシスプラチンなどの白金化合物を投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、シクロホスファミドなどのアルキル化薬を投与することとを含む。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、後の表2に要約するような化学療法薬の組み合わせとともに投与される。
転移性TNBCを処置するための追加の手引きは、Jones,SE,ら.J Clin Concol.2006;24:5381−5387、Heemskerk−Gerritsen BAM,ら.Ann Surg.Oncol.2007;14:3335−3344、およびKell MR,ら.MBJ.2007;334:437−438において提供される。
早期および局所的進行TNBC
早期および潜在的に切除可能な局所的進行TNBCに罹患している(すなわち遠隔転移疾患に罹患していない)患者は、全身化学療法を用いるまたは用いない局所領域療法(放射線療法を用いるまたは用いない外科的切除)で管理される。
外科的処置は、乳房温存(例えば、余白のある原発腫瘍を除去することに焦点を当てる腫瘍切除)であることができ、またはより広範であること(例えば、乳房組織の全部を完全に除去することを目的とする乳房切除術)ができる。放射線療法は、術後に残存している顕微レベルの癌細胞を殺滅する目的で、典型的には、乳房/胸壁および/または所属リンパ節に術後投与される。乳房温存手術の場合、放射線は、残存している乳房組織に、および時には所属リンパ節(腋窩リンパ節を含む)に投与される。乳房切除術の場合、局所再発の危険性がより高いと予測する因子が存在する場合、放射線をなおも投与することができる。
一実施形態において、本開示の化合物は、手術処置との組み合わせで、ネオアジュバント療法またはアジュバント療法のいずれかとして投与される。別の実施形態において、本開示の化合物は、放射線処置の前または後に投与される。なおも別の実施形態において、本開示の化合物は、手術処置および放射線処置との組み合わせで投与される。
腫瘍および患者の特徴により、化学療法は、アジュバント(術後)設定またはネオアジュバント(術前)設定において投与することができる。現行の指針によって推奨される、TNBCを処置するために使用されるアジュバント/ネオアジュバント化学療法投与計画の例を表2に示す。本開示の化合物は、表2に示す投与計画のうちのいずれかと組み合わせることができる。
Figure 2021525717
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、アントラサイクリンおよびアルキル化薬、場合により続いてタキサンを投与することとを含む。1つのこのような実施形態において、本開示の化合物は、ドキソルビシンおよびシクロホスファミドに続いてタキサン(例えば、ドセタキセルまたはパクリタキセル)とともに投与され、これは、AC→Tと指定される化学療法投与計画である。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、アントラサイクリンおよびアルキル化薬を投与することとを含む。例えば、一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ACと呼ばれるドキソルビシンまたはリポソームドキソルビシンおよびシクロホスファミドを投与することとを含む。別の実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ECと呼ばれる化学療法投与計画であるエピルビシンおよびシクロホスファミドを投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、タキサン、アントラサイクリンおよびアルキル化薬を投与することとを含む。例えば、一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、TACと示される化学療法投与計画であるドセタキセル、ドキソルビシンおよびシクロホスファミドを投与することとを含む。
別の実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、タキサンおよびアルキル化薬を投与することとを含む。1つのこのような実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、TCと呼ばれる化学療法投与計画であるドセタキセルおよびシクロホスファミドを投与することとを含む。
なおも別の実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、タキサンおよびアルキル化薬を投与することとを含む。例えば、一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、TCと呼ばれる化学療法投与計画であるドセタキセルおよびシクロホスファミドを投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、アルキル化薬、メトトレキサート、および代謝拮抗薬を投与することとを含む。一例として、一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、アルキル化薬、メトトレキサート、および代謝拮抗薬を投与することとを含む。1つのこのような実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、CMFと呼ばれる化学療法投与計画であるシクロホスファミド、メトトレキサートおよびフルオロウラシルを投与することとを含む。
別の実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、代謝拮抗薬、アントラサイクリン、およびアルキル化薬を投与することとを含む。1つのこのような実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、FACと示される化学療法投与計画であるフルオロウラシル、ドキソルビシンおよびシクロホスファミドを投与することとを含む。別のこのような実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、FECと呼ばれる化学療法投与計画であるフルオロウラシル、エピルビシンおよびシクロホスファミドを投与することとを含む。
なおも別の実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、代謝拮抗薬、アントラサイクリン、およびアルキル化薬に続いてタキサンを投与することとを含む。例として、一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、FEC(またはCEF)→Tと呼ばれる化学療法投与計画であるフルオロウラシル、エピルビシンおよびシクロホスファミドに続いてドセタキセルまたはパクリタキセルを投与することとを含む。別の実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、FAC→Tと呼ばれる化学療法投与計画であるフルオロウラシル、ドキソルビシンおよびシクロホスファミドに続いてパクリタキセルを投与することとを含む。
さらに別の実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、タキサンおよび代謝拮抗薬を投与することとを含む。例として、一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ドセタキセルおよびカペシタビンを投与することとを含む。別の実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、GTと呼ばれる化学療法投与計画であるパクリタキセルおよびゲムシタビンを投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、代謝拮抗薬および白金化合物を投与することとを含む。例えば、一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ゲムシタビンおよびカルボプラチンを投与することとを含む。
別の実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、代謝拮抗薬および非タキサン微小管阻害剤を投与することとを含む。1つのこのような実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、カペシチビン(capecitibine)およびビノレルビンを投与することとを含む。1つのこのような実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ゲムシタビンおよびビノレルビンを投与することとを含む。
なおも別の実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、タキサンおよびVEGF阻害剤(例えば、抗VEGF抗体)を投与することとを含む。例えば、一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、パクリタキセルおよびベバシズマブを投与することとを含む。
早期および局所的進行TNBCを処置するための追加の手引きは、Solin LJ.,Clin Br Cancer.2009;9:96−100、Freedman GM,ら.Cancer.2009;115:946−951、Heemskerk−Gerritsen BAM,ら.Ann Surg Oncol.2007;14:3335−3344、およびKell MR,ら.MBJ.2007;334:437−438において提供されている。
非小細胞肺癌(NSCLC)
本開示の化合物は、単独で投与することができ、または、該化合物は、併用療法において使用することができる。例えば、該併用療法には、本開示の化合物を投与することと、少なくとも1種類の追加の治療薬(例えば、1種類、2種類、3種類、4種類、5種類、または6種類の追加の治療薬)を投与することとが含まれる。
いくつかの態様において、該化合物は、扁平上皮癌、腺癌、大細胞癌、腺扁平上皮癌、未分化癌、またはこれらの組み合わせなどの非小細胞肺癌NSCLCの処置のための併用療法における使用のためにある。
一実施形態において、該NSCLCは、潜伏期、0期、I期、II期、III期、またはIV期にある。
一実施形態において、該NSCLCは、潜伏期、0期、IA期、IB期、IIA期、IIB期、IIIA期、IIIB期、またはIV期にある。
本開示は、アジュバント処置またはネオアジュバント処置のための開示化合物の使用に向けられる。
本開示は、第1の選択処置、第2の選択処置、または第3の選択処置のための開示化合物の使用に向けられる。
本開示は、単剤処置のための開示化合物の使用に向けられる。
本開示は、IV期または再発疾患の処置のための開示化合物の使用に向けられる。
本開示は、手術、放射線療法、またはこれらの組み合わせと組み合わされた処置のための開示化合物の使用に向けられる。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルタンパク質結合型、ドセタキセル、ゲムシタビン、ビノレルビン、エトポシド、ニンテダニブ、ビンブラスチン、および/またはペメトレキセドなどの少なくとも1種類の追加の治療薬を投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、アファチニブ、ベバシズマブ、カボザンチニブ、セリチニブ、クリゾチニブ、塩酸エルロチニブ、オシメルチニブ、ラムシルマブ、ゲフィチニブ、アレクチニブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、イピリムマブ、トラメチニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、ダコミチニブ、チバンチニブ、および/またはオナルツズマブなどの少なくとも1種類の追加の治療薬を投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、アファチニブ、クリゾチニブ、塩酸エルロチニブ、および/またはゲフィチニブなどの少なくとも1種類の追加の治療薬を投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、および/またはニボルマブなどのチェックポイント阻害薬を投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルタンパク質結合型、ドセタキセル、ゲムシタビン、ビノレルビン、エトポシド、ニンテダニブ、ビンブラスチン、ペメトレキセド、アファチニブ、ベバシズマブ、カボザンチニブ、セリチニブ、クリゾチニブ、塩酸エルロチニブ、オシメルチニブ、ラムシルマブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、アレクチニブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、イピリムマブ、トラメチニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、ダコミチニブ、チバンチニブ、オナルツズマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、および/またはニボルマブなどの少なくとも1種類の追加の治療薬を投与することとを含む。
小細胞肺癌(SCLC)
本開示の化合物は、単独で投与することができ、または、該化合物は、併用療法において使用することができる。例えば、該併用療法には、本開示の化合物を投与することと、少なくとも1種類の追加の治療薬(例えば、1種類、2種類、3種類、4種類、5種類、または6種類の追加の治療薬)を投与することとが含まれる。
いくつかの態様において、該化合物は、小細胞肺癌(SCLC)の処置のための併用療法における使用のためにある。
一実施形態において、該SCLCは、小細胞癌(燕麦細胞癌)、混合型小細胞/大細胞癌または組み合わされた小細胞癌である。
一実施形態において、該SCLCは、潜伏期、0期、I期、II期、III期、またはIV期にある。
一実施形態において、該SCLCは、潜伏期、0期、IA期、IB期、IIA期、IIB期、IIIA期、IIIB期、またはIV期にある。
一実施形態において、該SCLCは、I〜III期(限定された病期)にある。
本開示は、IV期(重症期)の第1の選択処置のための開示化合物の使用に向けられる。
本開示は、IV期(再発した疾患または難治性疾患)の第2の選択処置のための開示化合物の使用に向けられる。
本開示は、IV期(再発した疾患または難治性疾患)の第3の選択処置のための開示化合物の使用に向けられる。
一実施形態において、本開示の化合物は、エトポシド、白金化合物、イリノテカン、トポテカン、ビンカアルカロイド、アルキル化薬、ドキソルビシン、タキサン、およびゲムシタビンから選択される1種類以上の追加の治療薬とともに投与される。別の実施形態において、該白金化合物は、シスプラチンまたはカルボプラチンである。別の実施形態において、該ビンカアルカロイドは、ビンブラスチン、ビンクリスチン、またはビノレルビンである。別の実施形態において、該アルキル化薬は、シクロホスファミドまたはイホスファミドである。別の実施形態において、該タキサンは、ドセタキセルまたはパクリタキセルである。
卵巣癌
さらなる態様において、本開示は、有効量の本開示の化合物を投与することによって、卵巣癌(卵巣上皮癌(EOC)、卵巣胚細胞腫瘍、または卵巣間質腫瘍など)を処置するための方法を提供する。該実施形態のさらなる態様において、該卵巣癌は、卵巣上皮癌(EOC)である。該実施形態のさらなる態様において、該卵巣癌は、卵巣胚細胞腫瘍である。該実施形態のさらなる態様において、該卵巣癌は、卵巣間質細胞腫瘍である。一実施形態において、本方法は、卵巣癌に罹患している個体に、有効量の本開示の化合物を投与することを含む。
本開示の化合物は、卵巣癌を処置するために、単独で投与することができ、または該化合物は、併用療法において使用することができる。例えば、該併用療法には、本開示の化合物を投与することと、少なくとも1種類の追加の治療薬(例えば、1種類、2種類、3種類、4種類、5種類、または6種類の追加の治療薬)を投与することとが含まれる。
いくつかの態様において、該化合物は、卵巣癌(卵巣上皮癌(EOC)、卵巣胚細胞腫瘍、または卵巣間質腫瘍など)の処置のための併用療法における使用のためにある一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、白金化合物(カルボプラチン、シスプラチン、あまり頻用されないオキサリプラチンまたはイプロプラチンなど)、および/またはタキサン(パクリタキセルもしくはドセタキセル、またはアルブミン結合パクリタキセル(ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル))などの少なくとも1種類の追加の治療薬を投与することとを含む。一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、カルボプラチンおよびタキサン(パクリタキセルもしくはドセタキセルまたはアルブミン結合パクリタキセル(ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル)など)を投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、アルブミン結合パクリタキセル(ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル)、アルトレタミン、カペシタビン、シクロホスファミド、エトポシド、ゲムシタビン、イホスファミド、イリノテカン、リポソームドキソルビシン、メルファラン、ペメトレキセド、トポテカン、ビノレルビン、ベバシズマブ、白金化合物(カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチンまたはイプロプラチンなど)、および/またはタキサン(パクリタキセルもしくはドセタキセル、またはアルブミン結合パクリタキセル(ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル))などの少なくとも1種類の追加の治療薬を投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ベバシズマブおよびタキサン(パクリタキセルもしくはドセタキセルまたはアルブミン結合パクリタキセル(ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル)など)を投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、シスプラチン、エトポシド、および/またはブレオマイシンなどの少なくとも1種類の追加の治療薬を投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、シスプラチン(プラチノール)、エトポシド、およびブレオマイシン(PEB(またはBEP))を投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、パクリタキセル(タキソール)、イホスファミド、およびシスプラチン(TIP)を投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、ビンブラスチン、イホスファミド、およびシスプラチン(VelP)を投与することとを含む。
一実施形態において、該併用療法は、本開示の化合物を投与することと、エトポシド(VP−16)、イホスファミド、およびシスプラチン(VIP)を投与することとを含む。
V.製造方法
別の実施形態において、対象化合物を生成するためのプロセスが提供される。スキームIに関して、本開示の化合物を生成するための一般的な合成手順が示されている。
Figure 2021525717
スキームIのステップ1において、ハロゲン化アリール化合物を化合物IIaと反応させて、化合物IIbを生じる。該反応を、酢酸などの溶媒中で、約120〜150℃の温度で約10〜20時間行ってもよい。いくつかの実施形態において、該温度は約130℃であり、この反応時間は約16時間である。
スキームIのステップ2において、化合物IIbを適切なR−ボロラン試薬およびPd触媒と反応させることによってPd触媒カップリング反応を行い、化合物IIcを製造する。いくつかの実施形態において、該Pd触媒は、Pd(dppf)Clである。該反応は、NaCOなどの塩基の存在下で、水および1,4−ジオキサンなどの溶媒中で、約80〜120℃の温度で約10〜20時間行う。いくつかの実施形態において、該温度は約100℃であり、この反応時間は約16時間である。
本開示には、スキームIにおいて概略される先のプロセスにより製造されるときの化合物が含まれる。スキームIにおいて概略されるプロセスによって製造することができる例示的な構造および化合物は、実施形態3〜11に含まれている。
別の実施形態において、対象化合物を生成するためのプロセスは、スキームIIにおいて示すように提供される。
Figure 2021525717
スキームIIのステップ1において、化合物IIcを化合物IIdに加水分解する。いくつかの実施形態において、該加水分解は、塩基の存在下で、エタノールおよび水などの溶媒中で、約50〜100℃の温度で、約10〜20時間の反応時間で行う。いくつかの詳細な実施形態において、該塩基は、水酸化リチウム一水和物であり、該反応の温度は、75℃であり、該反応時間は、約16時間である。
スキームIIのステップ2において、化合物IIdを塩基の存在下で、DMFなどの溶媒中で、約10〜30℃の温度で、約10〜20時間の反応時間で適切なアミン、NHR1011と反応させて、化合物IIeを製造する。いくつかの実施形態において、該反応の温度は20℃であり、該反応時間は16時間である。
本開示には、スキームIIにおいて概略される先のプロセスにより製造される化合物が含まれる。スキームIIにおいて概略されるプロセスによって製造することができる例示的な構造および化合物は、実施形態12〜19に含まれている。
VI.実施例
以下は、本開示の方法および組成物の実施例である。先に提供した一般的な説明を考慮すると、種々の他の実施形態が実施されてもよいことは理解される。本開示は、以下の実施例を参照することによってより完全に理解されることになる。しかしながら、特許請求の範囲は、実施例の範囲に限定されるものと解釈されるべきではない。
中間体および最終化合物は、フラッシュクロマトグラフィーによって、および/または逆相分取HPLC(高速液体クロマトグラフィー)によって、および/または超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によって精製した。別段の記載がない限り、フラッシュクロマトグラフィーは、ISCO CombiFlashRクロマトグラフィー機器(Teledyne Isco,Inc.製)上でISCOまたはSiliCycleのいずれかからの事前充填シリカゲルカートリッジを用いて行った。
液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)は、(1)ESI+モードにおけるAgilentテクノロジー6110/6120/G1946/G1925B四重極、または(2)ESI+モードにおける島津液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)2010質量分析計を用いて実施した。質量スペクトルデータは概して、別段の記述がない限り、親イオンを示すに過ぎない。(MSデータまたはHRMSデータは、示す場合、特定の中間体または化合物が準備される。)
核磁気共鳴分光法(NMR)は、(1)Bruker 400 NMR分光計、または(2)Varian 400 NMR分光計を用いて実施し、テトラメチルシランに対して言及された。NMRデータは、示す場合、詳細な中間体または化合物が準備される。)
実施例1
エチル5−(4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
この反応スキームは、次のとおりであった。
Figure 2021525717
ステップ1:エチル5−(4−ブロモフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
AcOH(10mL)中のエチル3−(4−ブロモフェニル)−3−オキソ−プロパノアート(2g、7.38mmol)およびエチル5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(1g、6.64mmol)の混合物を130℃で16時間撹拌した。この反応溶液をHO(100mL)中に注ぎ、pH8へ飽和NaHCO水溶液で調整し、DCM(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮した。結果として得られた粗生成物をMeOH(20mL)で摩砕して、エチル5−(4−ブロモフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートを白色の固形物(0.8g、29%収率)として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)□11.85(s,1H)、8.23(s,1H)、7.77(s,4H)、6.25(s,1H)、4.29(q,J=6.8Hz,2H)、1.33(q,J=6.8Hz,3H)、LCMS(ESI+)m/z362(M+H)
ステップ2:エチル5−(4’,4’−ジフルオロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
O(2mL)および1,4−ジオキサン(10mL)中のエチル5−(4−ブロモフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート(200mg、0.55mmol)、Pd(dppf)Cl(40mg、0.06mmol)、NaCO(175mg、1.66mmol)および2−(4,4−ジフルオロシクロヘキセン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(160mg、0.66mmol)の混合物を100℃で16時間、N下で撹拌した。この反応混合物をHCl水溶液(1N、10mL)中に希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この残渣を逆相分取HPLCによって精製して、エチル5−(4’,4’−ジフルオロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートを白色の固形物(110mg、50%収率)として得た。LCMS(ESI+)m/z400(M+H)
ステップ3:エチル5−(4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
EtOH(50mL)中のエチル5−(4’,4’−ジフルオロ−2’,3’,4’,5’−テトラヒドロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート(110mg、0.28mmol)および10%Pd炭素(30mg、0.28mmol)の混合物を15℃で16時間、H(1気圧)の下で撹拌した。この反応混合物をフィルタにかけ、減圧下で濃縮して、表題化合物を白色の固形物(39.4mg、35%収率)として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)□8.12(s,1H)、7.92(d,J=8.0Hz,2H)、7.38(d,J=8.0Hz,2H)、6.20(s,1H)、4.24(q,J=7.2Hz,2H)、2.81−2.75(m,1H)、2.16−2.07(m,2H)、2.07−1.81(m,4H)、1.79−1.62(m,2H)、1.32(t,J=7.2Hz,3H)、LCMS(ESI+)m/z 402.2(M+H)
実施例2
エチル5−(4−シクロペンチルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
Figure 2021525717
表題化合物を実施例1の手順により、2−シクロペンテニル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(24.6mg、14%収率)を調製した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.61(s,1H)、8.26(s,1H)、7.70(d,J=8.0Hz,2H)、7.47(d,J=8.0Hz,2H)、6.25(s,1H)、4.31(q,J=7.2Hz,2H)、3.12−3.02(m,1H)、2.10−2.01(m,2H)、1.84−1.54(m,6H)、1.34(t,J=7.2Hz,3H)、LCMS(ESI+)m/z 352.2(M+H)
実施例3
5−(4−シクロペンチルフェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
この反応スキームは、次のとおりであった。
Figure 2021525717
ステップ1:5−(4−シクロペンチルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸
O(3mL)およびEtOH(3mL)中の実施例2由来のエチル5−(4−シクロペンチルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、(180mg、0.51mmol)、および水酸化リチウム一水和物(76mg、1.8mmol)の混合物を75℃で16時間撹拌した。この揮発性溶媒を減圧下で除去し、この反応混合物をpH7に2NのHClで調整した。得られた沈殿物をフィルタにかけて、5−(4−シクロペンチルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸を白色の固形物(150mg、90%収率)として得、LCMS(ESI+)m/z 324(M+H)であった。
ステップ2:5−(4−シクロペンチルフェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
DMF(5mL)中の5−(4−シクロペンチルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(150mg、0.46mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.23mL、1.39mmol)およびN,N−ジメチルアミンヒドロクロリド(57mg、0.70mmol)の溶液に、HATU(0.26g、0.70mmol)を添加し、この反応混合物を20℃で16時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、粗物を逆相分取HPLCによって精製して、表題化合物を白色の固形物(84mg、50%収率)として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.80(s,1H)、8.27(s,1H)、7.74(d,J=8.0Hz,2H)、7.48(d,J=8.0Hz,2H)、6.27(s,1H)、3.28−3.02(m,7H)、2.12−2.01(m,2H)、1.85−1.80(m,2H)、1.71−1.64(m,2H)、1.63−1.54(m,2H)、LCMS(ESI+)m/z 351.0(M+H)
実施例4
エチル5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
Figure 2021525717
表題化合物を実施例1の手順により、2−シクロヘキセン−1−ボロン酸ピナコールエステル(63.2mg、32%収率)を調製した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ7.99(s,1H)、7.98(d,J=8.0Hz,2H)、7.27(d,J=8.0Hz,2H)、6.09(s,1H)、4.18(q,J=7.2Hz,2H)、2.54−2.49(m,1H)、1.82−1.73(m,4H)、1.70−1.69(m,1H)、1.46−1.36(m,5H)、1.29(t,J=7.2Hz,3H)、LCMS(ESI+)m/z 366.2(M+H)
実施例5
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
この反応スキームは、次のとおりであった。
Figure 2021525717
ステップ1:5−(4−シクロペンチルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸を実施例3、ステップ1の手順により、実施例4由来のエチル5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートを用いて調製して、黄色の固形物(850mg、97%収率)を得た。LCMS(ESI+)m/z 338.1(M+H)
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
表題化合物を、実施例3、ステップ2の手順により、5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸および2−(メチルアミノ)エタノールを用いて調製して、白色の固形物(7.3mg、4%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.10(s,1H)、7.81(d,J=8.0Hz,2H)、7.37(d,J=8.0Hz,2H)、6.19(s,1H)、3.65−3.55(m,4H)、3.15(s,3H)、2.59−2.56(m,1H)、1.82−1.79(m,4H)、1.73−1.70(m,1H)、1.49−1.36(m,4H)、1.31−1.20(m,1H)、LCMS(ESI+)m/z 395.2(M+H)
実施例6
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−N−エチル−N−メチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
Figure 2021525717
表題化合物を実施例5の手順により、N−メチルエタンアミンを用いて調製して、白色の固形物(32.1mg、19%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.89(s,1H)、8.19(s,1H)、7.76(d,J=8.0Hz,2H)、7.43(d,J=8.0Hz,2H)、6.25(s,1H)、3.55−3.50(m,2H)、3.07(s,3H)、2.62−2.57(m,1H)、1.82−1.79(m,4H)、1.73−1.70(m,1H)、1.51−1.36(m,4H)、1.23−1.16(m,4H)、LCMS(ESI+)m/z 379.1(M+H)
実施例7
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
Figure 2021525717
表題化合物を実施例5の手順により、ジメチルアミンヒドロクロリドを用いて調製して、白色の固形物(88.6mg、40%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.80(s,1H)、8.27(s,1H)、7.74(d,J=8.0Hz,2H)、7.46(d,J=8.0Hz,2H)、6.26(s,1H)、3.23(s,3H)、3.05(s,3H)、2.63−2.58(m,1H)、1.82−1.71(m,5H)、1.53−1.33(m,4H)、1.32−1.19(m,1H)、LCMS(ESI+)m/z 365.0(M+H)
実施例8
3−(アゼチジン−1−カルボニル)−5−(4−シクロヘキシルフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
表題化合物を実施例5の手順により、アゼチジンヒドロクロリドを用いて調製して、4.4mg(3%収率)の白色の固形物を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.31(s,1H)、8.16(s,1H)、7.76(d,J=8.0Hz,2H)、7.44(d,J=8.0Hz,2H)、6.29(s,1H)、4.49(s,2H)、4.06(s,2H)、2.63−2.60(m,1H)、2.33(s,2H)、1.82−1.79(m,4H)、1.73−1.70(m,1H)、1.49−1.33(m,4H)、1.28−1.23(m,1H)、LCMS(ESI+)m/z 377.1(M+H)
実施例9
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−ヒドロキシ−3−メチルアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
表題化合物を実施例5の手順により、3−メチルアゼチジン−3−オールヒドロクロリドを用いて調製して、白色の固形物(51.4mg、21%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.00(s,1H)、7.88(d,J=8.0Hz,2H)、7.34(d,J=8.0Hz,2H)、6.13(s,1H)、5.65(s,1H)、4.38−4.25(m,2H)、3.90−3.82(m,2H)、2.52−2.50(m,1H)、1.81−1.73(m,4H)、1.72−1.69(m,1H)、1.51−1.32(m,7H)、1.30−1.19(m,1H)、LCMS(ESI+)m/z 407.0(M+H)
実施例10
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
表題化合物を実施例5の手順により、アゼチジン−3−オールヒドロクロリドを用いて調製して、白色の固形物(44.5mg、19%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.14(s,1H)、7.78(d,J=8.0Hz,2H)、7.41(d,J=8.0Hz,2H)、6.24(s,1H)、5.80(s,1H)、4.67(s,1H)、4.56(s,1H)、4.22(s,2H)、3.78(s,1H)、2.65−2.54(m,1H)、1.82−1.74(m,4H)、1.73−1.70(m,1H)、1.51−1.32(m,4H)、1.31−1.19(m,1H)、LCMS(ESI+)m/z 393.0(M+H)
実施例11
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−メチルアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
表題化合物を実施例5の手順により、3−メチルアゼチジンヒドロクロリドを用いて調製して、白色の固形物(22.3mg、9%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.30(s,1H)、8.13(s,1H)、7.77(d,J=8.0Hz,2H)、7.42(d,J=8.0Hz,2H)、6.27(s,1H)、4.60−4.56(m,1H)、4.23−3.97(m,2H)、3.60−3.56(m,1H)、2.82−2.78(m,1H)、1.81−1.74(m,4H)、1.73−1.70(m,1H)、1.53−1.30(m,6H)、1.24(d,J=6.8Hz,3H)、LCMS(ESI+)m/z 391.1(M+H)
実施例12
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
表題化合物を実施例5の手順により、3,3−ジフルオロアゼチジンヒドロクロリドを用いて調製して、白色の固形物(10.1mg、3%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.34(s,1H)、8.22(s,1H)、7.73(d,J=8.0Hz,2H)、7.43(d,J=8.0Hz,2H)、6.31(s,1H)、4.75(br s,4H)、2.63−2.52(m,1H)、1.82−1.79(m,4H)、1.74−1.70(m,1H)、1.50−1.32(m,4H)、1.28−1.22(m,1H)、LCMS(ESI+)m/z 413.2(M+H)
実施例13
エチル5−(4−(シクロヘキシルオキシ)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
Figure 2021525717
実施例13aの調製:エチル5−クロロ−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
この反応スキームは、次のとおりであった。
Figure 2021525717
ステップ1:エチル5,7−ジオキソ−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
EtOH(200mL)中のナトリウム(22.2g、966mmol)の溶液に、エチル5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(30.0g、193mmol)およびマロン酸ジエチル(76.6g、580mmol)を室温で添加した。この反応溶液を100℃で16時間撹拌した。得られた沈殿物を回収し、HO(1L)中へ溶解し、pH6に1NのHClで調整した。この沈殿物をフィルタにかけ、真空下で乾燥させて、エチル5,7−ジオキソ−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートを白色の固形物(30g、69%収率)として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ9.02(s,1H)、7.78(s,1H)、4.25−4.20(m,4H)、1.27(t,J=7.2Hz,3H)。
ステップ2:エチル5,7−ジクロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
エチル5,7−ジオキソ−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート(30g、134mmol)、オキシ塩化リン(68mL、733mmol)、およびN,N−ジエチルアニリン(41mL、268mmol)を100℃で16時間撹拌した。この反応混合物を氷水(300mL)中に緩徐に注ぎ、pH8に飽和NaHCO溶液で調整した後、EtOAc(300mL×3)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(300mL×3)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0〜20%EtOAc)によって精製して、エチル5,7−ジクロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートを黄色の固形物(30g、85%収率)として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.75(s,1H)、7.93(s,1H)、4.32(q,J=7.2Hz,2H)、1.32(t,J=7.2Hz,3H)。
ステップ3:エチル5−クロロ−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
THF(200mL)中のエチル5,7−ジクロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート(30g、115mmol)の溶液に、25℃でNaOH水溶液(1M、140mL)を添加した。この反応混合物を、25℃で12時間撹拌した。得られた沈殿物をフィルタにかけた後、HO(50mL×2)およびTHF(20mL×2)でよくすすいで、13aを白色の固形物(6g、64%収率)として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.02(s,1H)、5.58(s,1H)、4.19(d,J=7.2Hz,2H)、1.25(t,J=7.2Hz,3H)、LCMS(ESI+)m/z 242(M+H)
この反応スキームは、次のとおりであった。
Figure 2021525717
ステップ1:1−ブロモ−4−(シクロヘキシルオキシ)ベンゼン
THF(6mL)中の4−ブロモフェノール(2g、11.56mmol)、シクロヘキサノール(1.4g、14mmol)、PPh(3.03g、11.56mmol)の溶液に、0℃でDIAD(2.11mL、11.56mmol)を添加し、この反応混合物を15℃で2時間撹拌した。この反応混合物をHO(40mL)で希釈し、EtOAcで洗浄した(40mL×2)。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0〜10%酢酸エチル)によって精製して、1−ブロモ−4−(シクロヘキシルオキシ)ベンゼンを白色の固形物(400mg、14%収率)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.40−7.32(m,2H)、6.86−6.74(m,2H)、4.30−4.15(m,1H)、2.01−1.90(m,2H)、1.80−1.76(m,2H)、1.58−153(m,1H)、1.55−1.43(m,2H)、1.40−1.22(m,3H)。
ステップ2:2−(4−(シクロヘキシルオキシ)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
1,4−ジオキサン(5mL)中に溶解した1−ブロモ−4−(シクロヘキシルオキシ)ベンゼン(300mg、1.18mmol)、KOAc(230mg、2.35mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(358mg、1.41mmol)の混合物に、Pd(dppf)Cl(86mg、0.12mmol)を添加し、この反応混合物を80℃で16時間、N下で撹拌した。この反応混合物をHO(50mL)中に希釈し、EtOAcで洗浄した(50mL×2)。合わせた有機層を鹹水(50mL×2)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0〜10%酢酸エチル)によって精製して、2−(4−(シクロヘキシルオキシ)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを白色の固形物(220mg、62%収率)として得、LCMS(ESI+)m/z 303.2(M+H)であった。
ステップ3:エチル5−(4−(シクロヘキシルオキシ)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
1,4−ジオキサン(10mL)およびHO(1mL)中に溶解した2−(4−(シクロヘキシルオキシ)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(0.22g、0.73mmol)、NaCO(0.2g、1.86mmol)、およびエチル5−クロロ−7−オキソ−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート(0.15g、0.62mmol)の混合物に、Pd(dppf)Cl(23mg、0.03mmol)を添加し、この反応物を100℃で16時間、N下で撹拌した。この反応混合物をHO(20mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(50mL×2)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗残渣を逆相分取HPLCによって精製して、表題化合物を白色の固形物(25.1mg、10%収率)として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.15(s,1H)、7.84(d,J=7.6Hz,2H)、7.07(d,J=8.8Hz,2H)、6.16(s,1H)、4.47(s,1H)、4.26(q,J=7.2Hz,2H)、2.01−1.95(m,2H)、1.73−1.65(m,2H)、1.54−1.52(m,1H)、1.51−1.37(m,4H)、1.33(t,J=7.2Hz,3H)、1.31−1.22(m,1H)、LCMS(ESI+)m/z 382.3(M+H)
実施例14
エチル5−(3−メチル−4−フェノキシフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
この反応スキームは、次のとおりであった。
Figure 2021525717
ステップ1:4−ブロモ−2−メチル−1−フェノキシベンゼン
DCM(100mL)中のフェニルボロン酸(3.91g、32mmol)、4−ブロモ−2−メチルフェノール(2g、10.69mmol)、酢酸銅(II)(2.14g、11.76mmol)およびトリエチルアミン(7.45mL、53.47mmol)の混合物を20℃で16時間撹拌した。この混合物をフィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。この粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル)によって精製して、4−ブロモ−2−メチル−1−フェノキシベンゼンを透明な液体(2.5g、88%収率)として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ7.53(d,J=2.4Hz,1H)、7.41−7.31(m,3H)、7.15−7.05(m,1H)、6.91(d,J=7.6Hz,2H)、6.82(d,J=8.8Hz,1H)、2.17(s,3H)。
ステップ2:4,4,5,5−テトラメチル−2−(3−メチル−4−フェノキシフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン
4,4,5,5−テトラメチル−2−(3−メチル−4−フェノキシフェニル)−1,3,2−ジオキサボロランを実施例13、ステップ2の手順により、4−ブロモ−2−メチル−1−フェノキシベンゼンを用いて調製して、黄色の油(900mg、76%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ7.62(s,1H)、7.49(d,J=7.6Hz,1H)、7.39−7.35(m,2H)、7.14−7.09(m,1H)、6.93(d,J=8.4Hz,2H)、6.80(d,J=8.4Hz,1H)、2.20(s,3H)、1.28(s,12H)。
ステップ3:エチル5−(3−メチル−4−フェノキシフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
表題化合物を実施例13、ステップ3の手順により、4,4,5,5−テトラメチル−2−(3−メチル−4−フェノキシフェニル)−1,3,2−ジオキサボロランを用いて調製して、白色の固形物(58mg、24%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.22(s,1H)、7.83(s,1H)、7.67(d,J=8.8Hz,1H)、7.44−7.39(m,2H)、7.19−7.17(m,1H)、7.03−6.99(m,2H)、6.96(d,J=8.4Hz,1H)、6.23(s,1H)、4.29(q,J=7.2Hz,2H)、2.31(s,3H)、1.33(t,J=7.2Hz,3H)、LCMS(ESI+)m/z 390.1(M+H)
実施例15
エチル7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
Figure 2021525717
表題化合物を実施例13、ステップ3の手順により、4,4,5,5−テトラメチル−2−(3−メチル−4−フェノキシフェニル)−1,3,2−ジオキサボロランを用いて調製して、白色の固形物(39.1mg、8%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.23(s,1H)、7.86(d,J=8.4Hz,2H)、7.55−7.36(m,2H)、7.30−7.20(m,1H)、7.14−7.10(m,4H)、6.25(s,1H)、4.30(q,J=7.2Hz,2H)、1.33(t,J=7.2Hz,3H)、LCMS(ESI+)m/z 376.1(M+H)
実施例16
N,N−ジメチル−7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
Figure 2021525717
表題化合物を、実施例3の手順により、実施例15由来のエチル7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートを用いて調製して、白色の固形物(197.5mg、91%収率)を得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ8.27(s,1H)、7.84(d,J=8.8Hz,2H)、7.51−7.37(m,2H)、7.28−7.19(m,1H)、7.15−7.09(m,4H)、6.27(s,1H)、3.35(s,3H)、3.14(s,3H)、LCMS(ESI+)m/z 375.2(M+H)
実施例17
N−エチル−7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
Figure 2021525717
表題化合物を実施例16の手順により、エチルアミンヒドロクロリドを用いて調製して、白色の固形物(186.7mg、86%収率)を得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ8.21(s,1H)、8.10−7.89(m,2H)、7.50−7.25(m,2H)、7.23−7.11(m,1H)、7.08−6.94(m,4H)、6.31(s,1H)、3.47(q,J=7.2Hz,2H)、1.29(t,J=7.2Hz,3H)、LCMS(ESI+)m/z 375.1(M+H)
実施例18
エチル7−オキソ−5−(4−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
Figure 2021525717
表題化合物を実施例13、ステップ3の手順により、1−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ピペリジンを用いて調製して、白色の固形物(1.7mg、2.2%収率)を得た。LCMS(ESI+)m/z 367.1(M+H)
実施例19および20
(S)−エチル5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートおよび
(R)−エチル5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートであって、任意に割り当てられている。
この反応スキームは、次のとおりであった。
Figure 2021525717
ステップ1:N−(2,2−ジメチルシクロペンチリデン)−4−メチルベンゼンスルホノヒドラジド
MeOH(50mL)中の2,2−ジメチルシクロペンタノン(2.36g、21mmol)の溶液に、25℃で4−メチルフェニルスルホノヒドラジド(3.92g、21mmol)を添加し、この反応混合物を80℃で16時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、粗N−(2,2−ジメチルシクロペンチリデン)−4−メチルベンゼンスルホノヒドラジド(5.6g、94%収率)を得、これをさらなる精製なしで直接使用した。LCMS(ESI+)m/z 281.0(M+H)
ステップ2:1−ブロモ−4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)ベンゼン
1,4−ジオキサン(200mL)中のN−(2,2−ジメチルシクロペンチリデン)−4−メチルベンゼンスルホノ−ヒドラジド(5.4g、19mmol)の溶液に、(4−ブロモフェニル)ボロン酸(5.8g、28mmol)およびCsCO(12.54g、38mmol)をN下で添加した。この反応混合物を110℃で16時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。この粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル)によって精製して、1−ブロモ−4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)ベンゼン(1g、20%収率)を無色の油として得た。
ステップ3:2−[4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン。
2−[4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを実施例13、ステップ2の手順により、1−ブロモ−4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)ベンゼンを用いて調製して、2−[4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(700mg、59%収率)を白色の固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.73(d,J=8.0Hz,2H)、7.21(d,J=8.0Hz,2H)、2.74−2.69(m,1H)、2.16−2.07(m,1H)、2.04−1.95(m,1H)、1.88−1.67(m,2H)、1.66−1.58(m,2H)、1.36(s,12H)、0.99(s,3H)、0.62(s,3H)。
ステップ4:エチル5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
エチル5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートを実施例13、ステップ3の手順により、2−[4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを用いて調製して、白色の固形物(300mg、59%収率)を得た。LCMS(ESI+)m/z 380.1(M+H)
ステップ5:エチル5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートのキラル分離
ラセミエチル5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート(60mg、0.16mmol)をSFC(YMCキラルアミロースc、0.1%NHOH含有イソクラティック55%EtOH、38℃、5.5分)によって分離して、20.3mg(33.8%収率)の鏡像異性体1を得た。キラルSFCピーク1(保持時間=4.598分)、%鏡像体過剰率=99、H NMR(400MHz,CDOD)δ8.25(s,1H)、7.78(d,J=8.4Hz,2H)、7.44(d,J=8.4Hz,2H)、6.29(s,1H)、4.39(q,J=7.2Hz,2H)、2.87−2.82(m,1H)、2.26−2.14(m,1H)、2.10−2.00(m,1H)、1.96−1.74(m,2H)、1.70−1.64(m,2H)、1.41(t,J=7.2Hz,3H)、1.04(s,3H)、0.68(s,3H)、LCMS(ESI+)m/z 380.1(M+H)
第2のピークを収集して、20.2mg(33.7%収率)の鏡像異性体2を得た。キラルSFCピーク2(保持時間=8.175分)、%鏡像体過剰率=99、H NMR(400MHz,CDOD)δ8.25(s,1H)、7.77(d,J=8.4Hz,2H)、7.44(d,J=8.4Hz,2H)、6.29(s,1H)、4.39(q,J=7.2Hz,2H)、2.89−2.81(m,1H)、2.26−2.14(m,1H)、2.10−2.00(m,1H)、1.96−1.85(m,1H)、1.83−1.73(m,1H)、1.70−1.63(m,2H)、1.41(t,J=7.2Hz,3H)、1.04(s,3H)、0.68(s,3H)、LCMS(ESI+)m/z 380.1(M+H)
実施例21および22
(R)−5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミドおよび
(S)−5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミドであって、任意に割り当てられている。
Figure 2021525717
ステップ1:5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
ラセミ5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミドを実施例3の手順により、エチル5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートを用いて調製して、40mg(2つのステップにわたって44.2%)の白色の固形物を得た。LCMS(ESI+)m/z 379.1(M+H)
ステップ2:5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミドのキラル分離
ラセミ5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド(40mg、0.11mmol)をSFC(YMCキラルアミロースc、0.1%NHOH含有イソクラティック55%EtOH、38℃、9.9分)によって分離して、5.1mg(12.8%収率)の鏡像異性体1を得た。キラルSFCピーク1(保持時間=4.390分)、%鏡像体過剰率=99、H NMR(400MHz,CDOD)δ8.27(s,1H)、7.79(d,J=7.6Hz,2H)、7.44(d,J=7.6Hz,2H)、6.31(s,1H)、3.37(s,3H)、3.15(s,3H)、2.89−2.80(m,1H)、2.27−2.14(m,1H)、2.11−2.00(m,1H)、1.94−1.84(m,1H)、1.83ー1.72(m,1H)、1.70−1.62(m,2H)、1.04(s,3H)、0.68(s,3H)、LCMS(ESI+)m/z 379.1(M+H)
第2のピークを収集して、5.1mg(12.8%収率)の鏡像異性体2を得た。キラルSFCピーク2(保持時間=7.343分)、%鏡像体過剰率=99、H NMR(400MHz,CDOD)δ8.24(s,1H)、7.81(d,J=8.0Hz,2H)、7.41(d,J=7.6Hz,2H)、6.31(s,1H)、3.36(s,3H)、3.15(s,3H)、2.87−2.81(m,1H)、2.26−2.13(m,1H)、2.10−2.00(m,1H)、1.96−1.84(m,1H)、1.82ー1.71(m,1H)、1.70−1.62(m,2H)、1.04(s,3H)、0.68(s,3H)、LCMS(ESI+)m/z 379.1(M+H)
実施例23
エチル7−オキソ−5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
この反応スキームは、次のとおりであった。
Figure 2021525717
ステップ1:エチル3−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノアート
トルエン(15mL)中の4’−(トリフルオロメチル)アセトフェノン(8.0g、43mmol)の溶液に、NaH(2.5g、64mmol、鉱油中の60%)を添加し、0℃で30分間撹拌した。炭酸ジエチル(10g、85mmol)を添加し、この反応混合物を15℃で3時間撹拌した。この反応混合物をHO(30mL)で希釈し、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮した。粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0〜10%EtOAc)によって精製して、エチル3−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノアートを黄色の油(5.7g、51%収率)として得、LCMS(ESI+):m/z 261(M+H)であった。
ステップ2:エチル7−オキソ−5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
AcOH(2mL)中のエチル3−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパノアート(200mg、0.77mmol)およびエチル5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(143mg、0.92mmol)の混合物を110℃で5時間撹拌した。この反応混合物をEtOAc(40mL)で希釈した。この有機層を水(40mL×2)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮した。この粗残渣を逆相分取HPLCによって精製して、表題化合物を白色の固形物(42.1mg、15%収率)として得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ8.29(s,1H)、8.21(d,J=7.2Hz,2H)、7.79(d,J=8.4Hz,2H)、6.44(s,1H)、4.36(q,J=7.2Hz,2H)、1.41(t,J=7.2Hz,3H)、LCMS(ESI+)m/z 352(M+H)
実施例24
N−エチル−7−オキソ−5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
Figure 2021525717
EtOH(3mL)中の実施例23由来のエチル7−オキソ−5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート(200mg、0.57mmol)およびエチルアミン(5mL、0.57mmol)の混合物を密封したチューブ内で100℃で36時間撹拌した。この溶液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を逆相分取HPLCによって精製して、表題化合物を白色の固形物(39mg、18%収率)として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.62(s,1H)、8.48(s,1H)、8.40(s,1H)、8.05−8.00(m,2H)、7.91(d,J=7.2Hz,2H)、6.32(s,1H)、3.32−3.30(m,2H)、1.15(t,J=7.2Hz,3H)、LCMS(ESI+)m/z 351.0(M+H)
実施例25
N−メチル−7−オキソ−5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
Figure 2021525717
表題化合物を実施例24の手順により、EtOH中のメタンアミンを用いて調製して、白色の固形物(23mg、24%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.59(s,1H)、8.43(d,J=4.4Hz,1H)、8.35(s,1H)、8.02(s,2H)、7.94(d,J=7.6Hz,2H)、6.31(s,1H)、2.81(d,J=4.4Hz,3H)、LCMS(ESI+)m/z 337.0(M+H)
実施例26
エチル5−(3−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
Figure 2021525717
表題化合物を実施例13、ステップ3の手順により、(3−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−ボロン酸を用いて調製して、白色の固形物(25.7mg、13%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.96(s,1H)、8.28(s,1H)、7.87(d,J=8.0Hz,2H)、7.77(d,J=8.0Hz,1H)、6.32(s,1H)、4.32(q,J=7.2Hz,2H)、2.55(s,3H)、1.34(t,J=7.2Hz,3H)、LCMS(ESI+)m/z 366.0(M+H)
実施例27
N−シクロプロピル−7−オキソ−5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
Figure 2021525717
表題化合物を実施例3の手順により、実施例23由来の7−オキソ−5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートをエチル5−(4−シクロペンチルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートの代わりに、およびシクロプロピルアミンをN,N−ジメチルアミンヒドロクロリドの代わりに用いて調製して、白色の固形物(8.1mg、2つのステップにわたって10%収率)を得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ8.26(s,1H)、8.18(d,J=8.0Hz,2H)、7.79(d,J=8.0Hz,2H)、6.39(s,1H)、2.92−2.87(m,1H)、0.91−0.86(m,2H)、0.68−0.64(m,2H)、LCMS(ESI+)m/z 362.9(M+H)、384.9(M+Na)
実施例28
エチル2−メチル−7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
Figure 2021525717
表題化合物を実施例23の手順により、1−(4−フェノキシフェニル)エタン−1−オンを4’−(トリフルオロメチル)アセトフェノンの代わりに、およびエチル5−アミノ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラートをエチル5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボキシラートの代わりに用いて調製して、白色の固形物(48.7mg、2つのステップにわたって2.4%収率)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.71−7.56(m,2H)、7.49−7.37(m,2H)、7.26−7.20(m,1H)、7.17−7.02(m,4H)、6.21(s,1H)、4.41(q,J=7.2Hz,2H)、2.61(s,3H)、1.44(t,J=7.2Hz,3H)、LCMS(ESI+)m/z 390.2(M+H)
実施例29
エチル2−イソプロピル−7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
この反応スキームは、次のとおりであった。
Figure 2021525717
ステップ1:エチル5−アミノ−3−ブロモ−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート
アセトニトリル(20mL)中のエチル5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(2.0g、12.9mmol)の溶液に、15℃でNBS(2.5g、14mmol)を緩徐に添加し、この反応混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を飽和NaSO水溶液(50mL)でクエンチし、EtOAc(50mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(50mL×2)で洗浄し、フィルタにかけ、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、エチル5−アミノ−3−ブロモ−1H−ピラゾール−4−カルボキシラートを黄色の固形物(2.7g、89%収率)として得た。LCMS(ESI+)m/z 234.0(M+H)
ステップ2:エチル2−ブロモ−7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
n−ブタノール(30mL)中のエチル3−オキソ−3−(4−フェノキシフェニル)プロパノアート(4.0g、13.9mmol)、p−TsOH HO(600mg、3.2mmol)およびエチル5−アミノ−3−ブロモ−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(2.7g、11.5mmol)の混合物を130℃で8時間撹拌した。この反応混合物をEtOAc(400mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(100mL×2)で洗浄した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮した。この粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0〜50%EtOAc)によって精製して、エチル2−ブロモ−7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートを黄色の固形物(0.8g、15%収率)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ9.95(s,1H)、7.61(d,J=8.8Hz,2H)、7.45−7.36(m,2H)、7.24−7.18(m,1H)、7.13−7.06(m,4H)、6.20(d,J=2.4Hz,1H)、4.44−4.38(q,J=7.2Hz,2H)、1.47−1.39(t,J=7.2Hz,3H)。
ステップ3:エチル7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−2−(プロパ−1−エン−2−イル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
1,4−ジオキサン(3mL)およびHO(0.30mL)中のエチル2−ブロモ−7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート(50mg、0.11mmol)、NaCO(35mg、0.33mmol)、イソプロペニルボロン酸ピナコールエステル(36mg、0.22mmol)およびPd(dppf)Cl(4mg、0.01mmol)の混合物を100℃で16時間、N下で撹拌した。この反応溶液をpH7に1NのHClで調整した後、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮して、固形物を得、これを次に分取TLC(石油エーテル中の50%EtOAc)によって精製して、エチル7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−2−(プロパ−1−エン−2−イル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートを白色の固形物(35mg、76%収率)として得た。LCMS(ESI+)m/z 415.9(M+H)
ステップ4:エチル2−イソプロピル−7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
MeOH(50mL)中のエチル7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−2−(プロパ−1−エン−2−イル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート(40mg、0.10mmol)および10%Pd炭素(10mg)の混合物を、H(1気圧)の下で6時間撹拌した。この反応溶液をフィルタにかけ、真空下で蒸発乾固させて、表題化合物を白色の固形物(17mg、41%収率)として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.12(s,1H)、7.84(d,J=8.4Hz,2H)、7.50−7.44(m,2H)、7.24(t,J=7.6Hz,1H)、7.16−7.11(m,4H)、6.22(s,1H)、4.30(q,J=7.2Hz,2H)、3.58−3.51(m,1H)、1.38−1.33(m,3H)、1.30−1.28(m,6H)、LCMS(ESI+)m/z 418.1(M+H)
実施例30
エチル5−(4−(tert−ブチル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
Figure 2021525717
表題化合物を実施例13、ステップ3の手順により、(4−(tert−ブチル)フェニル)−ボロン酸を用いて調製して、白色の固形物(29.0mg、41.3%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.67(s,1H)、8.21(s,1H)、7.78(d,J=7.8Hz,2H)、7.58(d,J=8.0Hz,2H)、6.22(s,1H)、4.28(q,J=7.0Hz,2H)、1.36−1.30(m,12H)、LCMS(ESI+)m/z 340.1(M+H)
実施例31
エチル5−(4−イソプロポキシフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
Figure 2021525717
表題化合物を実施例13、ステップ3の手順により、(4−イソプロポキシフェニル)−ボロン酸を用いて調製して、白色の固形物(34.4mg、48.7%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.52(s,1H)、8.24(s,1H)、7.79−7.70(m,2H)、7.20−7.05(m,2H)、6.22(s,1H)、4.82−4.71(m,1H)、4.31(q,J=7.1Hz,2H)、1.34(t,J=7.1Hz,3H)、1.30(d,J=6.0Hz,6H)。LCMS(ESI+)m/z 342.1(M+H)
実施例32
エチル5−(4−((シクロプロピルメチル)(メチル)アミノ)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
この反応スキームは、次のとおりであった。
Figure 2021525717
ステップ1:4−ブロモ−N−(シクロプロピルメチル)−N−メチルアニリン
DCE(15mL)中のN−(4−ブロモフェニル)−N−メチルアミン(500mg、2.69mmol)、シクロプロパンカルボキシアルデヒド(244mg、3.49mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.7g、8.06mmol)の混合物を20℃で16時間撹拌した。この反応混合物をHO(50mL)でクエンチし、EtOAcで希釈した。この有機層を鹹水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮した。粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0〜5%EtOAc)によって精製して、4−ブロモ−N−(シクロプロピルメチル)−N−メチルアニリンを油(600mg、93%)として得、LCMS(ESI+)m/z 239.9(M+H)であった。
ステップ2:N−(シクロプロピルメチル)−N−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン
表題化合物を実施例13,ステップ2の手順により、4−ブロモ−N−(シクロプロピルメチル)−N−メチルアニリン(500mg、48%収率)を用いて調製した。LCMS(ESI+)m/z 288.1(M+H)
ステップ3:エチル5−(4−((シクロプロピルメチル)(メチル)アミノ)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
表題化合物を実施例13,ステップ3の手順により、N−(シクロプロピルメチル)−N−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(19mg、16%収率)を用いて調製した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.10(s,1H)、8.20(s,1H)、7.66(d,J=8.8Hz,2H)、6.89(d,J=8.8Hz,2H)、6.18(s,1H)、4.31(q,J=6.8Hz,2H)、3.36(s,2H)、3.04(s,3H)、1.36(t,J=6.8Hz,3H)、1.02(s,1H)、0.48−0.44(m,2H)、0.29−0.27(m,2H)、LCMS(ESI+)m/z 367.1(M+H)
実施例33
エチル7−オキソ−5−(4−(1−フェニルシクロプロピル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
この反応スキームは、次のとおりであった。
Figure 2021525717
ステップ1:1−ブロモ−4−(1−フェニルビニル)ベンゼン
THF(20mL)中のメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(656mg、1.84mmol)の溶液に、−78℃でn−ブチルリチウム(2.5M、0.8mL、1.99mmol)を添加し、この反応混合物をこの温度で30分間撹拌した。4−ブロモベンゾフェノン(400mg、1.53mmol)を添加し、この反応混合物を2時間撹拌した。この反応混合物をHO(50mL)で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(50mL×2)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮した。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0%〜10%EtOAc)によって精製して、1−ブロモ−4−(1−フェニルビニル)ベンゼンを無色の油(100mg、25%収率)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.48−7.35(m,2H)、7.36−7.33(m,5H)、7.23−7.21(m,2H)、5.48−5.46(m,2H)。
ステップ2:1−ブロモ−4−(1−フェニルシクロプロピル)ベンゼン
ジメチルスルホキシド(5mL)中のトリメチルスルホキソニウムヨーダイド(340mg、1.54mmol)の溶液に、室温でナトリウムtert−ブトキシド(148mg、1.54mmol)を添加した。30分後、THF(5mL)中の1−ブロモ−4−(1−フェニルビニル)ベンゼン(200mg、0.77mmol)の溶液を添加した。この反応混合物を室温で1時間撹拌し、80℃に16時間加熱した。この反応混合物をHO(50mL)で希釈し、EtOAc(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮した。この粗残渣を分取TLC(石油エーテル)によって精製して、1−ブロモ−4−(1−フェニルシクロプロピル)ベンゼンを無色の油(80mg、37%収率)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.39(d,J=8.8Hz,2H)、7.30−7.26(m,2H)、7.21−7.19(m,3H)、7.10(d,J=8.4Hz,2H)、1.34−1.31(m,2H)、1.28−1.25(m,2H)。
ステップ3:4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(1−フェニルシクロプロピル)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン
4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(1−フェニルシクロプロピル)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロランを実施例13、ステップ2の手順により、1−ブロモ−4−(1−フェニルシクロプロピル)ベンゼンを用いて調製して、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(1−フェニルシクロプロピル)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロランを褐色の固形物(80mg、85%収率)として得、これをさらなる精製なしで直接使用した。
ステップ4:エチル7−オキソ−5−(4−(1−フェニルシクロプロピル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
表題化合物を実施例13、ステップ3の手順により、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(1−フェニルシクロプロピル)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロランを用いて調製して、白色の固形物(12.1mg、9%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.07(s,1H)、7.91−7.80(m,2H)、7.28−7.20(m,7H)、6.14(s,1H)、4.25−4.20(m,2H)、1.35−1.25(m,7H)、LCMS(ESI+)m/z 400(M+H)
実施例34
エチル5−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
Figure 2021525717
表題化合物を実施例1、ステップ1および2の手順により、フェニルボロン酸を用いて調製して、固形物(200mg、2つのステップにわたって67%収率)を得た。LCMS(ESI+)m/z 359.9(M+H)
実施例35
5−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(アゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
表題化合物を、実施例8の手順により、実施例34由来のエチル5−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートを用いて調製して、固形物(13.5mg、2つのステップにわたって11.6%収率)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.5(s,1H)、8.20(s,1H)、7.91(d,J=8.4Hz,4H)、7.78(d,J=7.2Hz,2H)、7.54−7.46(m,2H)、7.50−7.44(m,1H)、6.40(s,1H)、4.52−4.45(m,2H)、4.20−4.01(m,2H)、2.37−2.33(m,2H)、LCMS(ESI+)m/z 370.9(M+H)
実施例36
5−(4−シクロブチルフェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
この反応スキームは、次のとおりであった。
Figure 2021525717
ステップ1:エチル5−(4−シクロブチルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート
エチル5−(4−シクロブチルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートを、実施例13、ステップ3の手順により、(4−シクロヘキシルフェニル)ボロン酸を用いて調製して、白色の固形物(350mg、59%収率)を得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ8.25(s,1H)、7.74(d,J=8.4Hz,2H)、7.46(d,J=8.4Hz,2H)、6.26(s,1H)、4.40(q,J=7.2Hz,2H)、3.72−3.63(m,1H)、2.49−2.36(m,2H)、2.29−2.08(m,3H)、1.99−1.87(m,1H)、1.41(t,J=7.2Hz,3H)、LCMS(ESI+)m/z 337.9(M+H)
ステップ2:5−(4−シクロブチルフェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
表題化合物を、実施例3の手順により、エチル5−(4−シクロブチルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートを用いて調製して、白色の固形物(17.1mg、6.5%収率)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ11.24(s,1H)、8.13(s,1H)、7.66(d,J=8.0Hz,2H)、7.39(d,J=8.0Hz,2H)、6.28(s,1H)、3.68ー3.62(m,1H)、3.43(s,3H)、3.18(s,3H)、2.48−2.35(m,2H)、2.24−2.02(m,3H)、1.97−1.84(m,1H)、LCMS(ESI+)m/z 336.9(M+H)
実施例37
(R)−1−(5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニル)ピロリジン−3−カルボニトリル
Figure 2021525717
DMF(3mL)中の5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(200.0mg、0.59mmol)、HATU(338.1mg、0.89mmol)の混合物に、DIPEA(0.52mL、2.96mmol)を添加し、この混合物を20℃で30分間撹拌した。(3R)−ピロリジン−3−カルボニトリルヒドロクロリド(117.9mg、0.89mmol)を混合物中に添加し、該溶液を20℃でさらに2時間撹拌した。得られた溶液を分取HPLC(アセトニトリル55〜85/水中0.225%HCOOH)によって精製して、表題化合物(120.0mg、48%)を白色の固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ11.08(s,1H)、8.10(s,1H)、7.64(d,J=8.4Hz,2H)、7.39(d,J=8.4Hz,2H)、6.30(s,1H)、4.31−3.76(m,4H)、3.49−3.18(m,1H)、2.67−2.49(m,2H)、2.45−2.32(m,1H)、1.95−1.84(m,4H)、1.83−1.75(m,1H)、1.53−1.35(m,4H)、1.34−1.21(m,1H)、LCMS(ESI+)m/z 416.1(M+H)
実施例38
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−(ジフルオロメチル)アゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
実施例5について概略された手順に従って、5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(200mg、0.59mmol)および3−(ジフルオロメチル)アゼチジンヒドロクロリド(171mg、1.19mmol)から調製した表題化合物(25.2mg、10%)を白色の固形物として提供し、H NMR(400MHz,DMSO−d):δ11.30(s,1H)、8.11(s,1H)、7.88−7.85(m,2H)、7.38−7.35(m,2H)、6.55−6.15(m,2H)、4.72−4.36(m,2H)、4.23−3.89(m,2H)、3.21−3.18(m,1H)、2.59−2.56(m,1H)、1.83−1.69(m,5H)、1.47−1.26(m,5H)、LCMS(ESI):m/z 427.1(M+H)であった。
実施例39
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
実施例5について概略された手順に従って、5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(120mg、0.36mmol)および3−(トリフルオロメチル)アゼチジンヒドロクロリド(86.2mg、0.53mmol)から調製した表題化合物(95.2mg、59%)を白色の固形物として提供し、H NMR(400MHz,DMSO−d):δ11.29(s,1H)、8.28(s,1H)、7.73(d,J=8.4Hz,2H)、7.45(d,J=8.4Hz,2H)、6.32(s,1H)、4.80−4.47(m,2H)、4.41−3.95(m,2H)、3.86−3.66(m,1H)、2.63−2.58(m,1H)、1.84−1.76(m,4H)、1.72(m,1H)、1.53−1.32(m,4H)、1.31−1.21(m,1H)、LCMS(ESI):m/z 445.2(M+H)であった。
実施例40
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−フルオロ−3−メチルアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
実施例5について概略された手順に従って、5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(200mg、0.59mmol)および3−フルオロ−3−メチル−アゼチジンヒドロクロリド(149mg、1.19mmol)から調製した表題化合物(37.4mg、15%)を白色の固形物として提供した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.31(s,1H)、8.20(s,1H)、7.75(d,J=6.8Hz,2H)、7.45(d,J=6.8Hz,2H)、6.31(s,1H)、4.60−4.50(m,2H)、4.30−4.15(m,2H)、2.68−2.57(m,1H)、1.84−1.61(m,8H)、1.50−1.24(m,5H)、LCMS(ESI)m/z 409.1(M+H)
実施例41
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−(フルオロメチル)アゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
実施例5について概略された手順に従って、5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(120mg、0.36mmol)および3−(フルオロメチル)アゼチジンヒドロクロリド(67mg、0.53mmol)から調製した表題化合物(74.3mg、49%)を白色の固形物として提供した。H NMR(400MHz,CDCl)δ10.85(s,1H)、7.98(s,1H)、7.64(d,J=8.4Hz,2H)、7.39(d,J=8.4Hz,2H)、6.28(s,1H)、4.76−4.52(m,3H)、4.47−4.27(m,2H)、4.14−4.06(m,1H)、3.24−3.11(m,1H)、2.63−2.55(m,1H)、1.94−1.84(m,4H)、1.82−1.75(m,1H)、1.48−1.39(m,4H)、1.35−1.23(m,1H)、LCMS(ESI+)m/z 409.2(M+H)
実施例42
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
実施例5について概略された手順に従って、5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(100mg、0.300mmol)および3,3−ジフルオロピロリジンヒドロクロリド(64.4mg、0.45mmol)から調製した表題化合物(105.7mg、84%)を白色の固形物として提供した。LCMS(ESI+)m/z 427.2(M+H)
実施例43
(R)−5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(2−(フルオロメチル)アゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
実施例5について概略された手順に従って、5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(100mg、0.300mmol)および(2R)−2−(フルオロメチル)アゼチジンヒドロクロリド(56.3mg、0.45mmol)から調製した表題化合物(56.4mg、47%)を白色の固形物として提供し、LCMS(ESI):m/z 409.1(M+H)
実施例44
1−(5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニル)アゼチジン−3−カルボニトリル
Figure 2021525717
実施例5について概略された手順に従って、5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(600mg、1.78mmol)およびアゼチジン−3−カルボニトリルヒドロクロリド(0.38g、3.20mmol)から調製した表題化合物(320mg、45%)を白色の固形物として提供した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.34(s,1H)、8.21(s,1H)、7.73(d,J=8.0Hz,2H)、7.45(d,J=8.0Hz,2H)、6.31(s,1H)、4.80−4.14(m,4H)、3.99−3.90(m,1H)、2.64−2.58(m,1H)、1.82−1.78(m,4H)、1.73−1.70(m,1H)、1.47−1.36(m,4H)、1.30−1.22(m,1H)、LCMS(ESI):m/z 402.2(M+H)
実施例45および46
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−(フルオロメチル)−2−メチルアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−((2R,3R)−3−(フルオロメチル)−2−メチルアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−((2S,3S)−3−(フルオロメチル)−2−メチルアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
ステップ1:5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(シス−3−(フルオロメチル)−2−メチルアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
DMF(2.5mL)中の5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(250mg、0.74mmol)およびHATU(422mg、1.11mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.39mL,2.22mmol)を添加した。この反応混合物を、25℃で10分間撹拌した。次に、シス−3−(フルオロメチル)−2−メチル−アゼチジン2,2,2−トリフルオロアセタート(241mg、1.11mmol)を添加し、この溶液を25℃でさらに2時間撹拌した。鹹水(30mL)をこの反応物に添加した。得られた沈殿物をフィルタにかけた。フィルタケークを酢酸エチル(10mL)で洗浄し、分取TLC(ジクロロメタン中の2%メタノール)によってさらに精製して、表題化合物(200mg、63%収率)を白色の固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.27(br s,1H)、8.18(s,1H)、7.77−7.75(m,2H)、7.44−7.42(m,2H)、6.32(s,1H)、4.88−4.62(m,3H)、4.45−4.28(m,2H)、3.18−3.05(m,1H)、2.63−2.60(m,1H)、1.82−1.80(m,4H)、1.73−1.70(m,1H)、1.46−1.35(m,7H)、1.31−1.22(m,1H)、LCMS(ESI):m/z 423.1(M+H)
ステップ2:5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−((2R,3R)−3−(フルオロメチル)2−メチルアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−((2S,3S)−3−(フルオロメチル)−2−メチルアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン
Figure 2021525717
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−[シス−3−(フルオロメチル)−2−メチル−アゼチジン−1−カルボニル]−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オン(200mg、0.47mmol)を分取SFC(カラム:DAICEL CHIRALCEL OJ(250mm×30mm、10μm)、条件:0.1%NHO/EtOH)によって分割して、5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−[(2R,3R)−3−(フルオロメチル)−2−メチル−アゼチジン−1−カルボニル]−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オン(72mg、36%収率)を白色の固形物(SFC上のピーク2)および5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−[(2S,3S)−3−(フルオロメチル)−2−メチル−アゼチジン−1−カルボニル]−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オン(90mg、76%ジアステレオマー過剰率)(SFC上のピーク3)を白色の固形物として得た。
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−[(2R,3R)−3−(フルオロメチル)−2−メチル−アゼチジン−1−カルボニル]−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オン。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.29(br s,1H)、8.17(s,1H)、7.76(d,J=8.0Hz,2H)、7.43(d,J=8.0Hz,2H)、6.29(s,1H)、4.88−4.62(m,3H)、4.45−4.28(m,2H)、3.18−3.05(m,1H)、2.63−2.60(m,1H)、1.82−1.80(m,4H)、1.73−1.70(m,1H)、1.47−1.35(m,7H)、1.31−1.22(m,1H)、LCMS(ESI):m/z 423.1(M+H)
5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−[(2S,3S)−3−(フルオロメチル)−2−メチル−アゼチジン−1−カルボニル]−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オン(90mg、76%ジアステレオマー過剰率)を分取SFC(カラム:YMCキラルアミロースC(250mm×30mm、10um、条件:0.1%NHO/IPA)によってさらに精製して、表題化合物(52mg、26%収率)(SFC上のピーク1)を白色の固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ11.28(br s,1H)、8.19(s,1H)、7.74(d,J=8.0Hz,2H)、7.45(d,J=8.0Hz,2H)、6.31(s,1H)、4.88−4.61(m,3H)、4.54−4.10(m,2H)、3.15−3.12(m,1H)、2.63−2.58(m,1H)、1.82−1.79(m,4H)、1.72−1.70(m,1H)、1.47−1.36(m,7H)、1.31−1.23(m,1H)、LCMS(ESI):m/z 423.1(M+H)
略語
AcOH 酢酸
CsCO 炭酸セシウム
DCE 1,2−ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシラート
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HATU 1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスファート
HCl 塩酸
O 水
KOAc 酢酸カリウム
MeOH メタノール
NaH 水素化ナトリウム
NaHCO 重炭酸ナトリウム
NaCO 炭酸ナトリウム
NaSO亜硫酸ナトリウム
NaSO硫酸ナトリウム
NBS N−ブロモスクシンイミド
pーTsOH・HO p−トルエンスルホン酸一水和物
Pd(dppf))Cl 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド
PPh トリフェニルホスフィン
THF テトラヒドロフラン
実施例47
精製済みHisタグ付きTEADタンパク質(YAP結合ドメイン、アミノ酸217〜447)を、ユウロピウム標識した抗His抗体トレーサー(Perkin Elmerカタログ番号AD0110)とともにプレインキュベートする。次に、小分子阻害剤をTEAD−Euタンパク質複合体とともに30分間インキュベートして、TEADタンパク質に対する結合を可能にする。ストレプトアビジン−xl665アクセプター(CIS−Bioカタログ番号610SAXAC)とともにプレインキュベートしたビオチン化YAPペプチド(アミノ酸50〜100)をこの化合物−TEAD混合物に添加する。次に、このTEAD−YAP−阻害剤混合物を室温で60分間インキュベートする。全ての反応をポリスチレンプレート内で行う。60分後、該プレートをプレートリーダー上で、TR−FRETモードを用いて、665nm/615nmの波長で読み取る。YAPがTEADに期待通り結合する場合、TR−FRETシグナルは、結合後にYAPおよびTEADの近接から生じる。ペピチド17(Selleckchemカタログ番号S8164)などの阻害剤がYAP−TEAD結合に干渉する場合、このYAP:TEAD相互作用の崩壊は、TR−FRETシグナルの低下を生じる。YAP:TEADタンパク質間相互作用(PPi)阻害剤としての化合物の効力は、非線形4パラメータ曲線適合を用いて生じるIC50値またはEC50値によって決定される。開示化合物の代表例が、EC50データを生じるために均質的時間分解蛍光(HTFR)によって測定されるようなアミノ酸50〜100から切り詰められたTEAD2またはTEAD3とYAPとの間の相互作用を阻害することができる程度を以下の表3に提供する。
生物学的データ
Figure 2021525717
Figure 2021525717
Figure 2021525717
Figure 2021525717
Figure 2021525717
Figure 2021525717
Figure 2021525717
Figure 2021525717
Figure 2021525717

Claims (35)

  1. 式(I)の化合物であって:
    Figure 2021525717
    式中、
    が、水素、ハロゲン、C1〜10アルキル、およびC1〜10ハロアルキルからなる群から選択され、
    が、
    Figure 2021525717
    であり、
    が、ORまたはNR1011であり、
    がC5〜10ヘテロアリールでありかつRがNR1011であるとき、R10およびR11の各々は水素ではなく、かつ
    がORであるとき、Rはピリジルではなく、
    、R、R、およびRが各々独立して、水素、ハロゲン、C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10アルキル、およびNRからなる群から選択され、
    が、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換O−C1〜10アルキル、非置換または置換O−C1〜10ハロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換O−C6〜10アリール、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C2〜7ヘテロシクロアルキル、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、および非置換または置換NRからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で置換されていてもよく、
    が、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、および非置換または置換C5〜10ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で置換されていてもよく、
    10およびR11が各々独立して、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜10シクロアルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換C5〜10ヘテロアリール、非置換または置換CR −C6〜10アリール、ならびに3〜8個の環員を有する非置換または置換の環を形成するよう環化したR10およびR11からなる群から選択され、ここで、各R10、R11、および3〜8個の環員を有する環は、1〜5個のR基で置換されていてもよく、
    およびRが各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択され、
    およびRが各々独立して、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択され、ここで、各RおよびRは、1〜5個のR基で置換されていてもよく、
    が、ハロゲン、OH、C1〜10アルキル、O−C1〜10アルキル、C1〜10ハロアルキル、O−C1〜10ハロアルキル、シアノ、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリール、およびNRからなる群から選択され、
    が、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換C3〜8シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で置換されていてもよく、かつ、
    およびRが各々独立して、C1〜10アルキル、C3〜8シクロアルキル、およびC6〜10アリールからなる群から選択される、式(I)の化合物、
    あるいはその薬学的に許容される塩。
  2. 請求項1に記載の化合物であって、式中、
    が、水素、ハロゲン、およびC1〜10アルキルからなる群から選択され、
    が、ORまたはNR1011であり、
    、R、R、およびRが各々独立して、水素およびC1〜10アルキルからなる群から選択され、
    が、非置換または置換C1〜10アルキル、非置換または置換C1〜10ハロアルキル、非置換または置換O−C1〜10アルキル、非置換または置換C6〜10アリール、非置換または置換O−C6〜10アリール、非置換または置換C3〜8シクロアルキル、非置換または置換O−C3〜8シクロアルキル、非置換または置換C2〜7ヘテロシクロアルキル、および非置換または置換NRからなる群から選択され、ここで、各Rは、1〜5個のR基で置換されていてもよく、
    が、非置換または置換C1〜10アルキルであり、ここで各C1〜10アルキルは、1〜5個のR基で置換されていてもよく、
    10およびR11が各々独立して、水素、非置換または置換C1〜10アルキル、ならびに3〜8個の環員を有する非置換または置換の環を形成するよう環化したR10およびR11からなる群から選択され、ここで、各R10、R11、および3〜8個の環員を有する環は、1〜5個のR基で置換されていてもよく、
    およびRが各々独立して、非置換または置換C1〜10アルキルであり、ここで各RおよびRは、1〜5個のR基で置換されていてもよく、かつ
    が、ハロゲン、OH、C1〜10アルキル、シアノおよびC3〜8シクロアルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、
    あるいはその薬学的に許容される塩。
  3. が、ORである、請求項1もしくは2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  4. が、C5〜10ヘテロアリールである、請求項3に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  5. が、
    Figure 2021525717
    からなる群から選択される、請求項3に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  6. が、
    Figure 2021525717
    からなる群から選択される、請求項3に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  7. が、
    Figure 2021525717
    である、請求項3に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  8. が、
    Figure 2021525717
    からなる群から選択される、請求項7に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  9. が、
    Figure 2021525717
    からなる群から選択される、請求項7に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  10. 前記化合物が、式(IIc):
    Figure 2021525717
    の化合物である、請求項1もしくは2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  11. 式(IIc)の化合物が、
    Figure 2021525717
    からなる群から選択される、請求項10に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  12. が、NR1011である、請求項1もしくは2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  13. が、C5〜10ヘテロアリールである、請求項12に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  14. が、
    Figure 2021525717
    からなる群から選択される、請求項12に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  15. が、
    Figure 2021525717
    からなる群から選択される、請求項12に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  16. が、
    Figure 2021525717
    である、請求項12に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  17. が、
    Figure 2021525717
    からなる群から選択される、請求項16に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  18. 前記化合物が、式(IIe):
    Figure 2021525717
    の化合物である、請求項1もしくは2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  19. 式(IIe)の化合物が、
    Figure 2021525717
    Figure 2021525717
    からなる群から選択される、請求項18に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  20. 、R、R、およびRが、各々水素である、請求項10および18のいずれか一項に記載の化合物。
  21. が、ハロゲンおよびC1〜2アルキルからなる群から選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよいC5〜6シクロアルキルである、請求項10および18のいずれか一項に記載の化合物。
  22. 前記化合物が、
    エチル5−(4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    エチル5−(4−シクロペンチルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    5−(4−シクロペンチルフェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    エチル5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    5−(4−シクロヘキシルフェニル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    5−(4−シクロヘキシルフェニル)−N−エチル−N−メチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    5−(4−シクロヘキシルフェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    3−(アゼチジン−1−カルボニル)−5−(4−シクロヘキシルフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン、
    5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−ヒドロキシ−3−メチルアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン、
    5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン、
    5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−メチルアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン、
    5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン、
    エチル5−(4−(シクロヘキシルオキシ)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    エチル5−(3−メチル−4−フェノキシフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    エチル7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    N,N−ジメチル−7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    N−エチル−7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    エチル7−オキソ−5−(4−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    (S)−エチル5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    (R)−エチル5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    (R)−5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (S)−5−(4−(2,2−ジメチルシクロペンチル)フェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    エチル7−オキソ−5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    N−エチル−7−オキソ−5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    N−メチル−7−オキソ−5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    エチル5−(3−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    N−シクロプロピル−7−オキソ−5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    エチル2−メチル−7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    エチル2−イソプロピル−7−オキソ−5−(4−フェノキシフェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    エチル5−(4−(tert−ブチル)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    エチル5−(4−イソプロポキシフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    エチル5−(4−((シクロプロピルメチル)(メチル)アミノ)フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    エチル7−オキソ−5−(4−(1−フェニルシクロプロピル)フェニル)−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    エチル5−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラート、
    5−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(アゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン、
    5−(4−シクロブチルフェニル)−N,N−ジメチル−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (R)−1−(5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニル)ピロリジン−3−カルボニトリル、
    5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−(ジフルオロメチル)アゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン、
    5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン、
    5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−フルオロ−3−メチルアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン、
    5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−(フルオロメチル)アゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン、
    5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン、
    (R)−5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(2−(フルオロメチル)アゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン、
    1−(5−(4−シクロヘキシルフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニル)アゼチジン−3−カルボニトリル、
    5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−((2R,3R)−3−(フルオロメチル)−2−メチルアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン、
    5−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−((2S,3S)−3−(フルオロメチル)−2−メチルアゼチジン−1−カルボニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7(4H)−オン、からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、およびその薬学的に許容される塩。
  23. 治療的に活性な物質としての使用のための、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物。
  24. 請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物と治療的に不活性な担体とを含む、医薬組成物。
  25. 癌の治療的および/または予防的処置のための、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物または請求項24に記載の組成物の使用。
  26. 癌の治療的処置のための薬剤の調製のための、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  27. 癌の治療的処置における使用のための、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物。
  28. 対象へ、有効量の請求項1〜22のいずれか一項において定義されるような化合物を投与することを含む、前記対象における癌の治療的処置のための方法。
  29. 前記癌が、固形腫瘍である、請求項25または26に記載の使用。
  30. 前記癌が、固形腫瘍である、請求項27に記載の化合物。
  31. 前記癌が、固形腫瘍である、請求項28に記載の方法。
  32. 前記癌が、肺癌、肝癌、卵巣癌、乳癌および扁平上皮がんからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
  33. 先に説明したような本発明。
  34. 式(IIa)
    Figure 2021525717
    の構造を有する化合物であって、
    式中、
    が、水素であり、
    が、C1〜2アルキルであり、かつ
    、R、RおよびRが各々水素またはC1〜2アルキルである、化合物。
  35. 前記化合物が、エチル5−(4−ブロモフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキシラートである、請求項34に記載の化合物。
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