JP2021524991A - イオン移動度分光計と質量分析計の連結 - Google Patents

イオン移動度分光計と質量分析計の連結 Download PDF

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Abstract

イオンカルーセルが、第1の表面と、第1の表面に隣接する第2の表面とを含む。第1および第2の表面は、イオン閉じ込め体積を画成する。第2の表面は、第1の経路に沿って配置され、第1の経路上の第1の位置で、第1のイオンパケットを受け取るように構成された第1の内側アレイの電極を含む。第1の内側アレイの電極は、第1のポテンシャル井戸および第2のポテンシャル井戸を含む複数のポテンシャル井戸を生成するように構成される。第1のイオンパケットは、第1の移動度を有する第1のサブパケットのイオンと、第2の移動度を有する第2のサブパケットのイオンとを含み、第2のイオンパケットは、第1の移動度を有する第3のサブパケットのイオンと、第2の移動度を有する第4のサブパケットのイオンとを含む。【選択図】図1

Description

関連出願
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、内容全体を参照によって本明細書に組み入れる2018年5月14日出願の米国特許仮出願第62/671,126号の優先権の利益を主張するものである。
イオン移動度分光法(IMS)は、気相中のイオンを移動度に基づいて分離および識別する技法である。たとえば、IMSを用いて、異なる移動度を有する構造異性体および高分子を分離することができる。IMSは、イオンの混合物に一定のまたは経時変動する電界を印加することに依拠する。この電界の影響下で、より大きい移動度(または、より小さい衝突断面積[CCS])を有するイオンは、より小さい移動度(または、より大きいCCS)を有するイオンと比較すると、より速く移動する。IMSデバイスの分離距離(たとえば、ドリフト管内)にわたって電界を印加することによって、イオン混合物からのイオンを移動度に基づいて空間的に分離することができる。異なる移動度を有するイオンは、異なる時間にドリフト管の端部に到達するため(時間的分離)、ドリフト管の端部での検出器による検出時間に基づいて識別することができる。移動度分離の分解能は、分離距離を変化させることによって変動させることができる。
質量分析法(MS)は、質量電荷比に基づいて化学種の混合物を分離することができる分析技法である。MSは、化学種の混合物をイオン化し、それに続いて電界および/または磁界の存在下でイオン混合物を加速させることを伴う。いくつかの質量分析計では、同じ質量電荷比を有するイオンは同じ偏向を受ける。異なる質量電荷比を有するイオンは、異なる偏向を受ける可能性があり、検出器による空間的な検出位置に基づいて識別することができる(たとえば、電子増倍管)。
IMSとMSを組み合わせることで、メタボロミクス、グライコミクス、およびプロテオミクスを含む広範囲の応用例で使用することができるIMS−MSスペクトルを生成することができる。IMS−MSイオン分離は、イオン移動度分光計を質量分析計に連結することによって実行することができる。たとえば、イオン移動度分光計はまず、移動度に基づいてイオンを分離することができる。異なる移動度を有するイオンは、異なる時間に質量分析計に到達することができ、次いで質量電荷比に基づいて分離される。IM分光計の一例は、最小のイオン損失を有するIMSスペクトルを生成することができる無損失イオン操作のための構造(structures for lossless ion manipulations)(SLIM)のデバイスである。
概して、本開示の実施形態は、イオン移動度分光計を質量分析計に連結するシステムおよび対応する方法を提供する。
イオンカルーセルが、第1の表面と、第1の表面に隣接する第2の表面とを含む。第1および第2の表面は、イオン閉じ込め体積を画成する。第2の表面は、第1の経路に沿って配置され、第1の経路上の第1の位置で、第1のイオンパケットを受け取るように構成された第1の内側アレイの電極を含む。第1の内側アレイの電極は、第1の経路上を第1の方向に沿って進行するように構成された複数のポテンシャル井戸を生成するように構成される。複数のポテンシャル井戸は、第1のポテンシャル井戸および第2のポテンシャル井戸を含む。第1のイオンパケットは、第1の移動度を有する第1のサブパケットのイオンと、第2の移動度を有する第2のサブパケットのイオンとを含み、第2のイオンパケットは、第1の移動度を有する第3のサブパケットのイオンと、第2の移動度を有する第4のサブパケットのイオンとを含む。第1のポテンシャル井戸は、第1のサブパケットのイオンおよび第3のサブパケットのイオンを受け取るように構成され、第2のポテンシャル井戸は、第2のサブパケットのイオンおよび第4のサブパケットのイオンを受け取るように構成される。第2の表面は、第1のポテンシャル井戸および第2のポテンシャル井戸のうちの1つまたはそれ以上でイオンカルーセルからイオンを選択的に排出するように構成された出力スイッチをさらに含む。
一実装形態では、出力スイッチは、第1の経路に沿って第2の位置の近位にある。出力スイッチは、第1の排出周期中に第1の排出電位を生成するように構成される。第1の排出電位は、第2の位置でイオンカルーセルからイオンを駆動するように構成される。出力スイッチは、第1の閉じ込め周期中に第1の閉じ込め電位を生成するようにさらに構成される。第1の閉じ込め電位は、イオンカルーセル内のイオンが第2の位置でイオンカルーセルを退出することを防止するように構成される。別の実装形態では、出力スイッチは、第1の排出周期を第2の位置への第1のポテンシャル井戸の第1の到達時間に同期させることによって、第1のポテンシャル井戸内のイオンをイオンカルーセルから選択的に伝達するように構成される。さらに別の実装形態では、出力スイッチは、第2の排出周期中に第2の排出電位を生成するように構成される。第2の排出電位は、第2の位置でイオンカルーセルからイオンを駆動するように構成される。
一実装形態では、出力スイッチは、第2の排出周期を第2の位置への第2のポテンシャル井戸の第2の到達時間に同期させることによって、第2のポテンシャル井戸内のイオンをイオンカルーセルから選択的に伝達するように構成される。別の実装形態では、出力スイッチは、第1の閉じ込め周期を第2の位置への第2のポテンシャル井戸の第2の到達時間に同期させることによって、第2のポテンシャル井戸内のイオンがイオンカルーセルを退出することを防止するように構成される。さらに別の実装形態では、第1のイオンパケットは、第3の移動度を有する第5のサブパケットのイオンを含み、第2のイオンパケットは、第3の移動度を有する第6のサブパケットのイオンを含む。複数のポテンシャル井戸は、第5のサブパケットおよび第6のサブパケットを受け取るように構成された第3のポテンシャル井戸を含む。
一実装形態では、出力スイッチは、第2の排出周期を第2の位置への第3のポテンシャル井戸の第3の到達時間に同期させることによって、第3のポテンシャル井戸内のイオンをイオンカルーセルから選択的に伝達するように構成される。別の実装形態では、第1の内側アレイの電極は、第2のポテンシャル井戸の第1の進行方向を逆にし、第2のポテンシャル井戸を第2の位置へ誘導するように構成される。さらに別の実装形態では、出力スイッチは、第3の排出周期を第2の位置への第2のポテンシャル井戸の第4の到達時間に同期させることによって、第2のポテンシャル井戸内のイオンをイオンカルーセルから選択的に伝達するように構成される。出力スイッチは、第3の排出周期中に第3の排出電位を生成するように構成され、第3の排出電位は、第2の位置で第2のポテンシャル井戸からイオンを駆動するように構成される。
一実装形態では、イオンカルーセルは、コントローラをさらに含む。コントローラは、それぞれ第1の排出周期および第1の閉じ込め周期中に第1の排出電圧および第1の閉じ込め電圧を出力スイッチに印加するように構成されたDC制御回路を含む。コントローラは、第2の排出周期中に第2の排出電圧を出力スイッチに印加するようにさらに構成される。別の実装形態では、コントローラは、第1のDC制御回路に通信可能に連結されたマスタ制御回路を含む。マスタ制御回路は、第1の排出周期、第1の閉じ込め周期、および第2の排出周期のうちの1つまたはそれ以上を決定するように構成される。マスタ制御回路はまた、第1の制御信号をDC制御スイッチに提供するように構成される。DC制御スイッチは、第1の排出周期中の第1の排出電圧、第1の閉じ込め周期中の第1の閉じ込め電圧、および第2の排出周期中の第2の排出電圧のうちの1つまたはそれ以上を生成するように構成される。
一実装形態では、第1のポテンシャル井戸、第2のポテンシャル井戸、および第3のポテンシャル井戸内のイオンは、第2の位置で第1のイオン操作デバイス(ion manipulation device)へ伝達される。第1のイオン操作デバイスの第1の端部は、イオンカルーセルに連結され、第1のイオン操作デバイスの第2の端部は、質量分析計(またはイオン検出器)に連結される。別の実装形態では、イオンカルーセルは、第1の電極および第2の電極を含む第2のアレイの電極をさらに含む。第1の内側アレイの電極は、第1の電極と第2の電極との間に位置する。さらに別の実装形態では、第1の電極および第2の電極は、1つまたはそれ以上のRF電圧を受け取り、イオン閉じ込め体積内のイオンが第2の表面に接近することを抑制するように構成された擬ポテンシャルを生成するように構成される。
イオンカルーセルが、第1の表面と、第1の表面に隣接する第2の表面とを含む。第1および第2の表面は、イオン閉じ込め体積を画成する。第2の表面は、第1の経路に沿って配置され、第1の経路上の第1の位置で、第1の移動度を有する第1のサブパケットのイオンを含む第1のイオンパケットを受け取るように構成された第1の内側アレイの電極を含む。第1の内側アレイの電極は、第1のサブパケットを受け取るように構成された第1のポテンシャル井戸を生成し、第1のサブパケットが受け取られた後に第2のサブパケットを受け取るように構成された第2のポテンシャル井戸を生成し、第2のサブパケットが受け取られた後に第3のサブパケットを受け取るように構成された第3のポテンシャル井戸を生成するように構成される。第1、第2、および第3のポテンシャル井戸は、第1の経路上を第1の方向に沿って進行するように構成される。第2の表面は、第1の経路に沿って第2の位置の近位に出力スイッチをさらに含む。出力スイッチは、第1の排出周期中に、第1のポテンシャル井戸内のイオンを排出するように構成された第1の排出電位を生成するように構成される。出力スイッチはまた、第1の排出周期後の第1の閉じ込め周期中に、第2のポテンシャル井戸内のイオンがイオンカルーセルを退出することを防止するように構成された第1の閉じ込め電位を生成するように構成される。出力スイッチは、第1の閉じ込め周期後の第2の排出周期中に、第3のポテンシャル井戸内のイオンを排出するように構成された第2の排出電位を生成するようにさらに構成される。
一実装形態では、出力スイッチは、第1の排出周期を第2の位置への第1のポテンシャル井戸の第1の到達時間に同期させることによって、第1のポテンシャル井戸内のイオンをイオンカルーセルから伝達するように構成される。別の実装形態では、出力スイッチは、第1の閉じ込め周期を第2の位置への第2のポテンシャル井戸の第2の到達時間に同期させることによって、第2のポテンシャル井戸内のイオンがイオンカルーセルを退出することを防止するように構成される。さらに別の実装形態では、出力スイッチは、第2の排出周期を第2の位置への第3のポテンシャル井戸の第3の到達時間に同期させることによって、第3のポテンシャル井戸内のイオンをイオンカルーセルから伝達するように構成される。
一実装形態では、第1の内側アレイの電極は、第2のポテンシャル井戸の第1の進行方向を逆にし、第2のポテンシャル井戸を第2の位置へ誘導するように構成される。別の実装形態では、出力スイッチは、第3の排出周期を第2の位置への第2のポテンシャル井戸の第4の到達時間に同期させることによって、第2のポテンシャル井戸内のイオンをイオンカルーセルから選択的に伝達するように構成される。
一実装形態では、イオンカルーセルが、第1の平坦面と、第2の平坦面と、第1の経路に沿って配置され、第1および第2の平坦面に連結された第1の内側アレイの電極とを含むことができる。第1の内側アレイの電極は、第1のイオンパケットと、第1のイオンパケットから分離時間だけ時間的に分離された第2のイオンパケットとを受け取るように構成される。第1の内側アレイの電極は、第1の経路に沿って進行するように構成された複数のポテンシャル井戸を生成するように構成される。複数のポテンシャル井戸は、第1のポテンシャル井戸および第2のポテンシャル井戸を含む。第1のイオンパケットは、第1の移動度を有する第1のサブパケットのイオンと、第2の移動度を有する第2のサブパケットのイオンとを含み、第2のイオンパケットは、第1の移動度を有する第3のサブパケットのイオンと、第2の移動度を有する第4のサブパケットのイオンとを含む。第1のポテンシャル井戸は、第1のサブパケットのイオンおよび第3のサブパケットのイオンを受け取るように構成され、第2のポテンシャル井戸は、第2のサブパケットのイオンおよび第4のサブパケットのイオンを受け取るように構成される。蓄積デバイスはまた、内側アレイの電極に連結され、第1のポテンシャル井戸および第2のポテンシャル井戸内のイオンをイオンカルーセルから排出するように構成された出力スイッチを含むことができる。
一実装形態では、出力スイッチは、第1の平坦面および第2の平坦面に連結された複数の電極を含む。複数の電極は、排出電圧を受け取り、排出電位を生成するように構成される。排出電位は、第1の排出周期中に第1のポテンシャル井戸内のイオンを質量分析システムへ駆動するように構成される。排出電位は、第2の排出周期中に第2のポテンシャル井戸内のイオンを質量分析システムへ駆動するように構成される。
別の実装形態では、出力スイッチの複数の電極は、閉じ込め電圧を受け取り、閉じ込め電位を生成するように構成される。閉じ込め電位は、排出されたイオンパケットの質量分析計走査周期中に複数のポテンシャル井戸内のイオンが質量分析システムに入ることを防止するように構成される。
一実装形態では、質量分析システムは、出力スイッチに連結された第1のイオン操作デバイスと、イオン操作デバイスに連結された質量分析計とを含む。第1のイオン操作デバイスは、第1のポテンシャル井戸内のイオンおよび第2のポテンシャル井戸内のイオンを質量分析計へ案内するように構成される。
一実装形態では、第1のイオン操作デバイスは、第1および第2の平坦面に連結され、第2の経路に沿って配置された第2の内側アレイの電極を含む。第2の内側アレイの電極は、第2の擬ポテンシャルを生成する第2のRF電圧を受け取り、第3のDC電位を生成する第3のDC電圧を受け取るように構成される。生成された第2の擬ポテンシャルは、第1および第2のポテンシャル井戸内のイオンが第1および第2の平坦面に接近することを抑制する。第3のDC電圧は、第1および第2のポテンシャル井戸内のイオンを第2の経路に沿って案内するように構成される。別の実装形態では、第2の経路は、質量分析計の方へ誘導される。
一実装形態では、第1のイオンパケットは、第3の移動度を有する第5のサブパケットのイオンを含み、第2のイオンパケットは、第3の移動度を有する第6のサブパケットのイオンを含む。複数のポテンシャル井戸は、第5のサブパケットおよび第6のサブパケットを受け取るように構成された第3のポテンシャル井戸を含む。別の実装形態では、出力スイッチは、第1の排出周期中に第3のポテンシャル井戸内のイオンを排出するように構成される。さらに別の実装形態では、第1の経路は閉ループである。
一実装形態では、複数のポテンシャル井戸は、サーフィン時間(surfing time)内に閉ループの長さを横切るように構成される。サーフィン時間は、分離時間に実質上類似している。別の実装形態では、第1の内側アレイの電極は、第1の経路に沿って分割される。さらに別の実装形態では、第1の内側アレイの電極は、イオンが第1の平坦面および第2の平坦面のいずれかに接近することを抑制する擬ポテンシャルを生成する第1のRF電圧を受け取るように構成される。第1の内側アレイの電極は、複数のポテンシャル井戸を生成する第1のDC電圧を受け取るように構成される。
一実装形態では、第1の内側アレイの電極のうちの第1の内側電極によって受け取られたRF電圧が、第1の内側アレイの電極のうちの第2の内側電極によって受け取られたRF電圧から位相偏移される。第1の内側電極および第2の内側電極は、隣接して位置する。別の実装形態では、蓄積デバイスは、第1および第2の平坦面に連結された外側アレイの電極をさらに含む。外側アレイの電極は、第1の内側アレイの電極にわたって横方向にイオンを閉じ込めるように構成された電位を生成する第2のDC電圧を受け取るように構成される。横方向は、第1の経路に対して横断方向である。
一実装形態では、外側アレイの電極は、第1の外側アレイの電極および第2の外側アレイの電極を含む。第1の外側アレイの電極は、第1の内側アレイの電極の第1の側に位置し、第2の外側アレイの電極は、第1の内側アレイの電極の第2の側に位置する。別の実装形態では、閉経路は、矩形および円形のうちの1つである。別の実装形態では、イオンカルーセルは、蓄積周期中に第1のイオンパケットおよび第2のイオンパケットを第1の内側アレイの電極へ誘導するように構成された入力スイッチをさらに含む。
一実装形態では、方法が、第1のイオンパケットをイオンカルーセル内へ注入することを含む。第1のイオンパケットは、第1の移動度を有する第1のサブパケットのイオンと、第2の移動度を有する第2のサブパケットのイオンとを含む。この方法はまた、第2のイオンパケットをイオンカルーセル内へ注入することを含む。第2のイオンパケットは、第1の移動度を有する第3のサブパケットのイオンと、第2の移動度を有する第4のサブパケットのイオンとを含む。第2のイオンパケットは、第1のイオンパケットから分離時間だけ分離される。この方法はまた、DC電圧および/または進行AC電圧をイオンカルーセルの内側アレイの電極に印加して、第1のポテンシャル井戸および第2のポテンシャル井戸を含む複数のポテンシャル井戸を生成することを含み、内側アレイの電極は、第1の経路に沿って配置される。第1のポテンシャル井戸および第2のポテンシャル井戸は、第1の経路に沿って進行するように構成される。第1のサブパケットのイオンおよび第3のサブパケットのイオンは、第1のポテンシャル井戸内に注入され、第2のサブパケットのイオンおよび第4のサブパケットのイオンは、第2のポテンシャル井戸内に注入される。
別の実装形態では、この方法は、排出電圧を出力スイッチに印加して、排出電位を生成することを含む。出力スイッチは、内側アレイの電極に連結することができる。排出電位は、第1の排出周期中に第1のポテンシャル井戸内のイオンを質量分析システムへ駆動するように構成される。排出電位は、第2の排出周期中に第2のポテンシャル井戸内のイオンを質量分析システムへ駆動するように構成される。さらに別の実装形態では、この方法は、閉じ込め電圧を出力スイッチに印加して、閉じ込め電位を生成することをさらに含み、閉じ込め電位は、排出されたイオンパケットの質量分析計走査周期中に複数のポテンシャル井戸内のイオンが質量分析システムに入ることを防止するように構成される。
上記その他の構成は、添付の図面に関連する以下の詳細な説明からより容易に理解されよう。
SLIMデバイスおよび質量分析計の走査速度に依存しない例示的なSLIMデバイス−質量分析計(SLIM−MS)の連結の概略図である。 例示的な入力SLIMデバイスおよび例示的な出力SLIMデバイスに連結された例示的なイオンカルーセルの上面断面図である。 例示的なSLIMデバイスの断面図である。 別の例示的なSLIMデバイスの断面図である。 例示的なイオンカルーセルの断面図である。 図4の蓄積デバイス内で進行する波形内のイオンの例示的な移動度に基づく蓄積の概略図である。 図4の蓄積デバイス内で進行する波形内のイオンの例示的な移動度に基づく蓄積の概略図である。 図4の蓄積デバイス内から出力SLIMデバイスへのイオンの例示的な移動度に基づく排出の概略図である。 図8A〜図8Eは、様々なポテンシャル井戸内の異なる移動度のイオンの解放時間の例示的な再分類を示す図である。 図8−1の続き。 図8−2の続き。 図9Aは、入力SLIMデバイスからイオンカルーセルへの図8Aのイオンパケットの到達時間を示す図である。図9Bは、イオンカルーセルから入力SLIMデバイスへの図8Aのイオンパケットの排出を示す図である。
本明細書に開示するシステム、デバイス、および方法の構造、機能、製造、および使用の原理の全体的な理解を提供するために、特定の例示的な実施形態について次に説明する。
イオン移動度分光法と質量分析法の連結(IMS−MS連結)は、イオン移動度および質量電荷比の両方に基づくイオンの分離を可能にすることができる。移動度および質量電荷比の両方に基づいてイオンを分離することで、複雑な生物学的混合物の特性評価を可能にすることができる。IMS−MS連結は、IMS−MSスペクトルを生じさせることができる。IMS−MSスペクトルは、2次元のグラフによって表すことができ、第1の軸が、移動度に基づく分離を表し、第2の軸が、質量電荷比に基づく分離を表す。無損失イオン操作のための構造(SLIM)などのIM分光計は、短い走査時間(たとえば、数ミリ秒程度の走査時間)を有することができる。言い換えれば、SLIMデバイスは、イオン混合物のイオン移動度分離(たとえば、イオン化源から)を実行し、短い時間(たとえば、数ミリ秒)内でイオンパケットを生成することができる。イオンパケットは、時間的に分離された異なる移動度のイオンを有する複数のイオンサブパケットを含むことができる。たとえば、隣接するイオンサブパケット間の分離は、ミリ秒の範囲内とすることができる。他方では、質量分析計は、長い走査時間を有する可能性がある。たとえば、4重極質量分析計は、質量電荷比に基づいてイオンを分離するのに数ミリ秒を要する可能性がある。
SLIMデバイスと質量分析計との間の走査時間の不整合は、IMS−MSデバイスのイオン分離の分解能に影響を及ぼす可能性がある。たとえば、隣接するイオンサブパケット間の時間的分離より大きい走査時間を有する質量分析計は、隣接するイオンサブパケットの質量電荷スペクトルを分解することができない可能性がある。飛行時間(TOF)分析計などの質量分析計は、より短い走査時間(たとえば、マイクロ秒の範囲内)を有することができる。しかし、TOF分析計は、SLIMデバイスからのいくつかのイオンパケットの測定を繰り返す必要があることがある。たとえば、これは、複数のイオンパケットの質量およびイオン移動度スペクトルを加算(「共加算」と呼ばれる)して許容できる信号対雑音比を実現するために必要とされることがある。しかし、質量およびイオン移動度スペクトルの加算は、慎重に同期させる必要がある。たとえば、類似の移動度を有するイオンサブパケットの質量スペクトルが加算されることが望ましい。たとえば異なる時間にTOF分析計に到達する多数のイオンサブパケットの質量スペクトルを加算する必要があるとき、これは困難な可能性がある。加えて、複数のイオンサブパケットの質量スペクトルの加算には、TOF内にデジタイザを必要とする可能性があり、これはTOFのコストおよび複雑さを増大させ、TOFの効率を減少させる可能性がある。
したがって、異なる走査速度を有する質量分析計にSLIMデバイスを連結するシステムおよび方法を開発することが望ましい。本出願に記載する主題は、SLIMデバイスと質量分析計との間の連係を担うことができるイオンカルーセルを提供する。イオンカルーセルは、入力SLIMデバイスからイオンパケットを受け取り、類似の移動度を有するイオンサブパケットを所与のポテンシャル井戸に入れることができる。イオンカルーセルは、類似の移動度のイオンを質量分析計内へ選択的に排出することができる。さらに、質量分析計の走査速度に基づいて、異なる移動度のイオンの排出間の時間的分離を決定することができる。これにより、異なる移動度の質量スペクトルの重複を防止することができる。加えて、質量分析計への排出前に蓄積デバイス内で複数のイオンパケットを加算することで、改善された信号対雑音比のために質量スペクトルを加算する必要をなくすことができる。
図1は、例示的な連結式SLIMデバイス−質量分析計(SLIM−MS)100の概略図である。連結式SLIM−MS100は、イオン(たとえば、様々な移動度および質量電荷比を有するイオン)を生成し、それらのイオンを入力SLIMデバイス104内へ注入することができるイオン化源102を含む。これは、複数の時間インスタンスで(たとえば、周期的に)行うことができる。イオン分離イベント中、入力SLIMデバイス104は、イオン化源102からイオンを受け取り、イオンパケットを生成することができ、イオンパケット内で、イオンは移動度に基づいて複数のイオンサブパケットに(たとえば、時間的および空間的に)分離されている。いくつかの実装形態では、イオンファネルトラップを使用して、イオンパケットを生成することができる。
入力SLIMデバイス104は、蓄積周期中にイオンパケットをイオンカルーセル106内へ注入することができる。たとえば、異なる移動度を有するイオンサブパケットは、異なる時間にイオンカルーセル106に到達することができる。イオンカルーセル106は、イオンがイオンカルーセル106の表面に接近することを抑制することができる擬ポテンシャルを生成し、ポテンシャル井戸を含む進行波形を生成することができる(たとえば、RFおよび/またはACおよび/またはDC電圧のうちの1つまたはそれ以上をイオンカルーセル内の電極に印加することによる)。進行波形は、類似の移動度(たとえば、所与の移動度範囲内の移動度)を有する異なるイオンパケットからのイオンサブパケットが1つまたはそれ以上の所定のポテンシャル井戸内へ注入されるように、イオンカルーセル内で移動するように構成することができる。ポテンシャル井戸は、1つのポテンシャル井戸から隣接するポテンシャル井戸へのイオンの拡散を防止することができる。これにより、イオンカルーセル106内で異なる移動度のイオンが混合することを防止することができる。
排出周期中、イオンカルーセル106内の波形の1つまたはそれ以上のポテンシャル井戸内で捕捉されたイオンは、出力SLIMデバイス108内へ排出される。イオンは、移動度に基づいて異なる時間に排出することができる。たとえば、1つまたはそれ以上のポテンシャル井戸(たとえば、隣接するポテンシャル井戸)内で捕捉された望ましい範囲の移動度を有するイオンは、出力SLIMデバイス108内へ解放することができる。出力SLIMデバイス108は、解放されたイオンを質量分析計110へ案内することができ、質量分析計110は、質量スペクトルを検出することができる。出力SLIMデバイス108内への連続するイオン排出間の解放時間間隔は、質量分析計110の走査速度に基づいて決定することができる。たとえば、解放時間間隔は、質量分析計が質量スペクトルを測定するために要する時間より長くなるように選択することができる。これにより、連続するイオン排出の質量スペクトル間の重複を防止することができる。
コントローラ150は、イオン化源102、入力SLIMデバイス104、イオンカルーセル106、出力SLIMデバイス108、および質量分析計110の動作を制御することができる。コントローラ150は、イオン分離イベント(たとえば、蓄積時間、イオン化源102による入力SLIMデバイス104内へのイオンの注入速度、入力SLIMデバイス104の動作など)を制御することができる。コントローラ150はまた、イオンカルーセル106内の電位波形の特性および運動を制御することができる。たとえば、コントローラ150は、イオンサブパケットの(イオン分離イベントからの)到達時間を、イオンカルーセル106内でそのイオンサブパケットを受け取るように指定されたポテンシャル井戸の軌道に同期させることができる。コントローラ150はまた、イオンカルーセル106内の波形のポテンシャル井戸内で捕捉されたイオンの排出を制御することができる。たとえば、コントローラ150は、イオンカルーセル内の出力スイッチを制御することができ、出力スイッチは、イオンカルーセル106内でイオンを閉じ込めるように、閉じ込め状態に起動することができる。出力スイッチは、イオンカルーセル106内の電位波形内で捕捉されたイオンを出力SLIMデバイス108へ排出するように、排出状態に起動することができる。コントローラ150はまた、排出状態の持続時間を(たとえば、IMS−MSスペクトルの所望のイオン移動度分解能に基づいて)決定することができる。さらに、コントローラは、連続するイオン排出間の遅延時間を決定することができる。コントローラ150は、たとえば質量分析計110の走査速度、イオンの質量、イオンの電荷などに基づいて、遅延時間を決定することができる。コントローラ150は、連結式SLIMデバイス−質量分析計(SLIM−MS)100にわたって分散された複数のコントローラモジュールを含むことができる。
コントローラ150は、連結式SLIM−MS100内の電極を駆動する様々な電圧(または電流)信号を生成する複数の電源モジュール(たとえば、電流/電圧供給回路)を含むことができる。たとえば、コントローラ150は、RF電圧信号を生成するRF制御回路、進行波電圧信号を生成する進行波制御回路、DC電圧信号を生成するDC制御回路などを含むことができる。RF電圧信号、進行波電圧信号、DC電圧信号は、入力SLIMデバイス104、イオンカルーセル106、出力SLIMデバイス108、および様々な入出力スイッチ内の電極に印加することができる。コントローラ150はまた、RF/進行波/DC制御回路の動作を制御することができるマスタ制御回路を含むことができる。たとえば、マスタ制御回路は、連結式SLIM−MS100の望ましい動作を実現するように、RF/進行波/DC制御回路によって生成された電圧(または電流)信号の振幅および/または位相を制御することができる。
いくつかの実装形態では、連結式SLIM−MS100の1つまたはそれ以上の構成要素(たとえば、入力SLIMデバイス104、イオンカルーセル106、出力SLIMデバイス108など)は、進行電位波形(たとえば、連結式SLIM−MS100の構成要素内の複数の電極によって生成される電位から得られる)を生成することができる。電位波形は、たとえば電極に印加される電圧信号の周波数に基づいて、所定の速度で進行することができる。いくつかの実装形態では、電位波形の速度は、移動度に基づく分離を行うか否かを決定することができる。たとえば、イオンカルーセル106内の電位波形の速度は、最も低い移動度を有するイオンに関連する速度を下回る値に設定することができる。これにより、イオン移動度分離を防止することができ、この進行波形は、イオンの輸送(たとえば、別個のポテンシャル井戸内)に使用することができる。追加または別法として、入力SLIMデバイス104(または出力SLIMデバイス108)内の電位波形の速度は、上述した例より大きい値に設定することができる。この結果、移動度に基づく分離(たとえば、入力SLIMデバイス104内)を行うことができる。
いくつかの実装形態では、進行電位波形は、空間的周期性を有することができ、空間的周期性は、隣接する電極対に印加される電圧信号間の位相差に依存することができる。いくつかの実装形態では、位相差は、電位波形の伝播方向を決定することができる。マスタ制御回路は、進行電位波形が望ましい(たとえば、所定の)空間的周期性および/または速度を有するように、RF/進行波制御回路の電圧出力の周波数および/または位相を制御することができる。
いくつかの実装形態では、コントローラ150は、コンピューティングデバイス160に通信可能に連結することができる。たとえば、コンピューティングデバイス160は、マスタ制御回路への制御信号を介して、連結式SLIM−MS100の動作パラメータを提供することができる。いくつかの実装形態では、使用者は、コンピューティングデバイス160に動作パラメータを(たとえば、ユーザインターフェースを介して)提供することができる。制御信号を介して受け取った動作パラメータに基づいて、マスタ制御回路は、RF/AC/DC制御回路の動作を制御することができ、RF/AC/DC制御回路は、連結式SLIM−MS100の動作を決定することができる。いくつかの実装形態では、RF/AC/DC制御回路は、連結式SLIM−MS100にわたって物理的に分散させることができる。たとえば、RF/AC/DC制御回路のうちの1つまたはそれ以上が連結式SLIM−MS100上に位置することができる。コントローラ150は、電源170(たとえば、コントローラ150へDC電圧を提供するDC電源)から電力を受け取ることができる。様々なRF/AC/DC制御回路は、電源170からの電力に基づいて動作することができる。
図2は、入力SLIMデバイス204および出力SLIMデバイス208に連結された例示的なイオンカルーセル206の上面断面図である。イオンカルーセル206は、入力SLIMデバイス204からイオンを受け取り、質量分析計による検出のために出力SLIMデバイス208内へイオンを排出するように構成される。図2に示すように、イオンカルーセル206、入力SLIMデバイス204、および出力SLIMデバイス208は、電圧源から電圧信号を受け取り、イオンを操作することができる電位を生成する電極のアレイを含む。たとえば、入力SLIMデバイス204内の電極によって生成される電位は、イオン化源(たとえば、イオン化源102)からの混合気体に対してイオン移動度分離を実行し、移動度分離から得られたイオンパケットを入力経路220に沿ってイオンカルーセル206へ案内することができる。イオンカルーセル206内の電極は、閉経路222に沿って進行するように構成することができる電位波形を生成することができる。進行ポテンシャル井戸は、入力SLIMデバイス204からのイオンを捕捉し、それらのイオンを閉経路222に沿って輸送することができる。出力SLIMデバイス208は、イオンカルーセル206から排出されたイオンを出力経路224に沿って質量分析計へ誘導することができる
イオンカルーセル206は、入力スイッチ212および出力スイッチ214を含むことができる。入力スイッチ212は、入力SLIMデバイス204からイオンカルーセル206内へのイオンの注入を調節することができる。入力スイッチ212は、電圧信号を(たとえば、コントローラ150内のDC制御回路から)受け取り、入力SLIMデバイス204内のイオンパケットがイオンカルーセル206に入ることを防止することができる入力スイッチング電位(switching potential)(スイッチオン状態)を生成することができる複数の電極を含むことができる。蓄積周期中、入力スイッチ212は、入力SLIMデバイス204からのイオンパケットがイオンカルーセル206に入ることを可能にすることができる(スイッチオフ状態)。一実装形態では、入力スイッチは、イオンパケットをイオンカルーセル206内へ押し込むことができる第2の入力スイッチング電位を生成することができる。
出力スイッチ214は、イオンカルーセル206から出力SLIMデバイス208へのイオンの排出を調節することができる。出力スイッチ214は、電圧信号を(たとえば、コントローラ150内のDC制御回路から)受け取り、イオンカルーセル206内のイオンパケットが出力SLIMデバイス208に入ることを防止することができる出力スイッチング電位(出力スイッチ214の閉じ込め状態)を生成することができる複数の電極を含むことができる。排出周期中、出力スイッチ214は、イオンカルーセルのポテンシャル井戸内で捕捉されたイオンを出力SLIMデバイス208内へ誘導して質量分析計に入れることができる(出力スイッチ214の排出状態)。出力スイッチは、ポテンシャル井戸内で捕捉されたイオンを出力SLIMデバイス208内へ押し込むことができる第2の出力スイッチング電位を生成することができる。
イオンカルーセル206、入力SLIMデバイス204、出力SLIMデバイス208、入力スイッチ212、および出力スイッチ214の各々は、図2に示す表面からz方向に沿って変位した第2の表面(たとえば、xy平面に平行)を含む。イオンの移動(たとえば、入力SLIMデバイス204からイオンカルーセル206へ、イオンカルーセル206から出力SLIMデバイス208へ)は、2つの表面間に閉じ込められる。いくつかの実装形態では、イオンカルーセル206、入力SLIMデバイス204、出力SLIMデバイス208、入力スイッチ212、および出力スイッチ214は、複数の表面対を含むことができる。
図3Aは、第1の表面または第2の表面(たとえば、xy平面に平行であり、図3Aに示す表面からz方向に沿って変位している)上に位置する例示的な電極配置300の断面図である。連結式SLIM−MS200の様々な構成要素(たとえば、イオンカルーセル206、入力SLIMデバイス204、出力SLIMデバイス208の表面など)は、電極配置300を含むことができる。電極配置300は、第1および/または第2の表面の両方に連結され、長手方向軸306に沿って配置された内側アレイの電極302を含む。内側アレイの電極302は、RF電圧を受け取り、イオンが第1(または第2)の表面に接近することを抑制する擬ポテンシャルを生成するように構成される。内側アレイの電極のうちの隣接する電極に印加されるRF電圧は、位相偏移させることができる(たとえば、45度、90度、135度、180度など)。擬ポテンシャルは、z方向に第1および第2の表面間にイオンを閉じ込めることができる。内側アレイの電極302は、DC電圧を受け取り、移動度に基づいてイオンを分離することができる進行DCまたはAC電位をx軸(長手方向軸306)に沿って生成することができる。たとえば、電極配置300は、イオンの混合物を(たとえば、イオン化源から第1の端部316で)受け取り、移動度に基づいてイオンが分離されたイオンパケットを(たとえば、第2の端部318で)生じさせることができる。電極配置300はまた、第2のDC電圧を受け取り、y軸(横方向)に沿って閉じ込め電位を生成することができる外側電極304および305を含む。閉じ込め電位は、内側アレイの電極302にわたってイオンが横方向に逃げることを防止することができる。
第1のDC電圧、第2のDC電圧、およびRF電圧の印加は、コントローラ(たとえば、コントローラ150)によって制御することができる。たとえば、上述した電圧は、1つまたはそれ以上の電圧源によって生じさせることができる。コントローラはまた、これらの電圧源の動作パラメータ(たとえば、電圧の振幅、RF電圧の周波数、第1のDC電圧の進行速度など)を制御することができる。
図3Bは、別の例示的な電極配置350の断面図である。連結式SLIM−MS200の様々な構成要素(たとえば、イオンカルーセル206、入力SLIMデバイス204、出力SLIMデバイス208の表面など)は、電極配置350を含むことができる。電極配置350は、進行波(TW)SLIMデバイスとすることができ、DC電圧を受け取ることができる第1の外側アレイの電極310(ガード電極310とも呼ばれる)および第2の外側アレイの電極315(ガード電極315とも呼ばれる)を含むことができる。外側アレイの電極310および315は、横方向308に沿って電極を閉じ込めることができるDC電位を生成することができる。電極配置350は、隣接する1対の第2の内側アレイのRF電極320(RF−)および325(RF+)間に位置する第1の内側アレイの電極330を含むことができる。
第1の内側アレイの電極330は、伝播軸に沿って(または平行に)分割/配置された複数の電極を含むことができる。第1の内側アレイの電極330は、第2の電圧信号を受け取り、長手方向軸306に沿ってイオンを駆動することができる駆動電位(または進行電位波形)を生成することができる。駆動電位は、正弦波形、矩形波形、鋸歯状波形、バイアス正弦波形などのうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。駆動電位は、イオンが長手方向軸306に沿って移動する移動度に基づくイオンの分離をもたらすことができる。駆動電位の速度が、最も低い移動度を有するイオンに関連する速度より小さい場合、駆動電位は、イオン移動度分離を行わず、イオンを輸送することができる。
いくつかの実装形態では、第1の内側アレイの電極のうちの隣接する電極は、位相偏移されたAC電圧を受け取ることができる。第2の内側アレイのRF電極320および325に、RF電圧波形を印加することができる。電極320のアレイに印加されるRF電圧波形は、隣接する内側アレイの電極325に印加されるRF電圧波形に対して位相をずらすことができる(たとえば、180度)。第2の内側アレイの電極は、RF電圧波形が印加されたとき、擬ポテンシャルを生成することができる。擬ポテンシャルは、イオンを電極配置350に寄せ付けないことができる。
電極配置350は、第1/第2の複数の電極の最も外側に隣接して位置するガード電極310および315を含むことができる。たとえば、ガード電極310および315は、電極配置300の縁部に横方向に沿って位置することができる。ガード電極310および315は、電圧信号(たとえば、DC制御回路からのDC電圧信号)を受け取り、横方向308に沿ってガード電極間のイオンチャネル内にイオンを閉じ込めることができるガード電位を生成することができる。
第1の内側アレイの電極、第1の内側アレイのRF電極、およびガード電極は、1つまたはそれ以上の電圧制御回路(たとえば、コントローラ150内の電圧制御回路)に連結することができる。いくつかの実装形態では、電極320および325は、互いに対して位相偏移された無線周波(RF)信号を受け取ることができる。いくつかの実装形態では、マスタ制御回路は、互いからから位相偏移(たとえば、0度、15度、30度、45度、60度、75度、90度、105度、120度、135度、150度、165度、180度など)された2つのRF電圧信号を生成するように、2つのRF制御回路の動作を制御することができる。
図4は、第1の表面上に位置する例示的なイオンカルーセル206の上面断面図である。イオンカルーセル206は、図4に示す表面からz方向に沿って変位した第2の表面(たとえば、xy平面に平行)を含む。イオンカルーセル206は、第1の表面および第2の表面に連結された内側アレイの電極402、第1の外側電極404、および第2の外側電極406を含む。内側アレイの電極402は、RF電圧を受け取り、イオンがイオンカルーセル206の2つの表面に接近することを抑制する擬ポテンシャルを生成するように構成される。内側アレイの電極のうちの隣接する電極に印加されるRF電圧は、位相偏移させることができる(たとえば、45度、90度、135度、180度など)。擬ポテンシャルは、z方向にイオンカルーセル206の2つの表面間にイオンを閉じ込めることができる。
内側アレイの電極402は、第1のDC電圧波形を受け取り、閉経路222に沿って進行することができる複数のポテンシャル井戸を有する電位波形420を生成することができる。閉経路222は、矩形、円形などとすることができる。電位波形420は、内側アレイの電極402の分割された電極(たとえば、閉経路222に沿って分割される)に複数のDCおよび/またはAC電圧を印加することによって生成することができる。電位波形420は、動作パラメータ、たとえば電位波形420のポテンシャル井戸の深さ、幅、および進行速度によって特性評価することができる。電位波形420は、入力SLIMデバイス(たとえば、電極配置300、電極配置350など)からのイオンを受け取って捕捉し、これらのイオンを閉経路222に沿って(たとえば、電位波形420の運動に基づいて)移動させることができる。外側電極404および406は、第2のDC電圧を受け取り、横方向に沿って(たとえば、閉経路222に直交して)閉じ込め電位を生成することができる。閉じ込め電位は、内側アレイの電極402にわたってイオンが横方向に逃げることを防止することができる。
入力スイッチ212および出力スイッチ214は、第1および第2の表面に連結された複数の電極を含むことができる。入力スイッチの電極は、電圧信号を受け取り、入力SLIMデバイス内のイオンパケットがイオンカルーセル206に入ることを防止することができる入力スイッチング電位(スイッチオン状態)を生成することができる。蓄積周期中、入力スイッチ212は、入力SLIMデバイスからのイオンパケットがイオンカルーセル206に入り、電位波形420の1つまたはそれ以上のポテンシャル井戸内に捕捉されることを可能にすることができる(スイッチオフ状態)。
電位波形420(たとえば、ポテンシャル井戸の一部分)の運動を入力SLIMデバイス204からのイオンパケットの到達時間に同期させることによって、イオンパケット内のイオンを電位波形420の異なるポテンシャル井戸に入れることができる。たとえば、入力SLIMデバイスから出てくるイオンパケットは、入力SLIMにおいて移動度に基づく分離を受けている。その結果、異なる移動度範囲を有するイオンを含むイオンサブパケットは、異なる時間にイオンカルーセル206に到達することができる。移動度に基づいてイオンパケットをイオンサブパケットに時間的に分離することで、電位波形420の異なるポテンシャル井戸内へ様々なイオンサブパケットを捕捉することを容易にすることができる。
いくつかの実装形態では、内側アレイの電極402は、第1の内側アレイの電極330と、隣接する1対の第2の内側アレイの電極320および325とを含むことができる。図3Bを参照して説明したように、第1の内側アレイの電極330は、AC電圧波形を受け取ることができ、閉経路222に沿って進行することができる複数のポテンシャル井戸を有する電位波形(たとえば、電位波形420)を生成することができる。1対の第2の内側アレイの電極320および325は、RF電圧を受け取り(たとえば、電極320に印加されるRF電圧は、電極325に印加されるRF電圧から位相偏移させることができる)、擬ポテンシャルを生成することができる。擬ポテンシャルは、イオンが第1および第2の表面に接近することを抑制することができる。
図5は、イオンカルーセル206内で進行する波形520内のイオンの例示的な移動度に基づく蓄積の概略図である。入力SLIMデバイス204によって生じたイオンパケット510は、蓄積周期(入力スイッチ212がスイッチオフ状態にある)中にイオンカルーセル206に入ることができる。イオンパケット510は、異なる範囲の移動度を有するイオンを含むイオンサブパケット512、514、および516を含む。たとえば、イオンサブパケット512は、時間T1にイオンカルーセル206に入り、イオンサブパケット514は、時間T2にイオンカルーセルに入り、イオンサブパケット516は、時間T3にイオンカルーセルに入る。イオンサブパケット512は、イオンサブパケット514より高い移動度を有し、イオンサブパケット514は、イオンサブパケット516より高い移動度を有する。言い換えれば、イオンサブパケット512は、イオンサブパケット514より前に到達し、イオンサブパケット514は、イオンサブパケット516より前に到達する(T1<T2<T3)。時間T1で、ポテンシャル井戸522は、入力スイッチ212に隣接して位置することができ、イオンサブパケット512を受け取ることができる。時間T2で、電位波形520は、閉経路222に沿って進行しており、したがってポテンシャル井戸524は、入力スイッチ212に隣接して位置し、イオンサブパケット514を受け取ることができる。時間T3で、電位波形520は、閉経路222に沿ってさらに進行しており、したがってポテンシャル井戸526は、入力スイッチ212に隣接して位置することができ、イオンサブパケット516を受け取ることができる。
入力SLIMデバイス204は、複数のイオン分離イベントを連続して実行し、時間的に(たとえば、イオンカルーセル206への到達時間で)分離された複数のイオンパケットを生成することができる。たとえば、入力SLIMデバイス204は、イオンパケット510から分離時間(T_sep)だけ時間的に分離することができる第2のイオンパケット530を生成することができる。2つのイオンパケットのイオン移動度プロファイルは類似することができる(たとえば、入力SLIMデバイス204の動作パラメータが2つのイオン分離イベント間で実質上変化しないとき)。第2のイオンパケットは、それぞれイオンサブパケット512、514、および516のものに類似のイオン移動度範囲を有するイオンサブパケット532、534、および536を含むことができる。
イオンサブパケット512、514、および516内のイオンが、それぞれポテンシャル井戸522、524、および526内に受け取られて捕捉された後、電位波形520は、閉経路222に沿って進行し、再び入力スイッチ212へ戻ることができる。ポテンシャル井戸522、524、および526が閉経路222の周りを完全に1周するために要する時間が、イオンパケット510と後続のイオンパケット530との間の時間的分離T_sepに類似する(たとえば、等しい)場合、ポテンシャル井戸522、524、および526は、それぞれイオンサブパケット532、534、および536を受け取ることができる。いくつかの実装形態では、ポテンシャル井戸522、524、および526は、時間的分離T_sep中に閉経路222の周りを完全に数周する。いくつかの実装形態では、ポテンシャル井戸522、524、および526は発振し(たとえば、x方向に沿って)、それぞれイオンサブパケット532、534、および536を捕捉することができる。このプロセスを繰り返すことができ、その結果、類似の移動度を有するイオンが、電位波形520の同じポテンシャル井戸内に捕捉される。このイオン蓄積プロセスは、実質上無損失とすることができる。たとえば、入力SLIMデバイス204からイオンカルーセル206によって受け取られたすべてのイオンを、出力SLIMデバイス208へ排出することができる。
図6は、イオンカルーセル206内で進行する電位波形620内のイオンの別の例示的な移動度に基づく蓄積の概略図である。入力SLIMデバイス204によって生じたイオンパケット610は、蓄積周期(入力スイッチ212がスイッチオフ状態にある周期)中にイオンカルーセル206に入ることができる。イオンパケット610は、異なる移動度範囲を有するイオンを含むイオンサブパケット612、614、および616を含む。イオンサブパケットは、異なる時間にイオンカルーセルに入ることができる。たとえば、イオンサブパケット612、614、および616は、連続して到達し、それぞれ三角形のポテンシャル井戸622、624、および626内に捕捉される。ポテンシャル井戸622、624、および626は、閉経路222に沿って進行(サーフ)し、入力スイッチ212に戻ることができる。閉経路222の周りのポテンシャル井戸622、624、および626の進行時間(サーフィン時間)を、イオンパケット610と後続のイオンパケット630との間の時間的分離T_sepに類似する(たとえば、等しい)ように設定することによって、ポテンシャル井戸622、624、および626は、それぞれイオンサブパケット632、634、および636を受け取ることができる。これにより、類似の移動度を有するイオンを別個のポテンシャル井戸内に捕捉することを可能にすることができる。たとえば、イオンサブパケット612および632は、ポテンシャル井戸622内に捕捉され、イオンサブパケット614および634は、ポテンシャル井戸624内に捕捉され、イオンサブパケット616および636は、ポテンシャル井戸626内に捕捉される。
いくつかの実装形態では、電位波形420、520、および620は、方形波形、正弦波形、三角波形、正の勾配を有する傾斜、負の勾配を有する傾斜などのうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。電位波形420、520、および620は、内側アレイの電極402(たとえば、電極配置300および/または350を含む内側アレイの電極)にDCおよび/またはAC電圧波形を印加することによって生成することができる。
図4に戻ると、出力スイッチ214は、ポテンシャル井戸(たとえば、ポテンシャル井戸522〜526、622〜626など)内に捕捉されたイオンを出力SLIMデバイス208へ排出することを調節することができる。出力スイッチ214は、第1および第2の表面に連結された複数の電極を含むことができる。出力スイッチ214の電極は、電圧信号を受け取り、イオンカルーセル206内のイオン(たとえば、電位波形420、520、620のポテンシャル井戸内に捕捉されたイオンなど)が出力SLIMデバイス208に入ることを防止することができる出力スイッチング電位(閉じ込め状態)を生成することができる。たとえば、出力スイッチ214の電極に印加される電圧信号は、第1の外側電極404に印加される電圧信号に類似することができる。これにより、イオンカルーセル206内のイオンが出力SLIMデバイス208に入ることを防止することができる。
排出周期中、出力スイッチ214は、イオンカルーセル206のポテンシャル井戸内で捕捉されたイオンを出力SLIMデバイス208内へ誘導することができる(排出状態)。出力スイッチ214は、イオンカルーセル206内で捕捉されたイオンを出力SLIMデバイス208内へ押し込むことができる第2の出力スイッチング電位を生成することができる。たとえば、出力スイッチ214に印加されるスイッチング電位(たとえば、ACおよび/またはDC電位)と、内側アレイの電極の電極416に印加される電位(たとえば、ACおよび/またはDC電位)との間の電位差の結果、出力経路224に沿って出力SLIMデバイス208の方へイオンを押し込むことができる電界をもたらすことができる。追加または別法として、内側アレイの電極の電極418に障壁電位を印加することができ、それによりポテンシャル井戸内で捕捉されたイオンが出力スイッチ214から離れる方へ(たとえば、閉経路222に沿って)移動することを防止することができる。第2の出力スイッチ218は、イオン/イオンパケットが出力SLIMデバイス208から出力経路224に沿って(たとえば、質量分析計へ)退出することを制御することができる。たとえば、第2の出力スイッチ218は、DCおよび/またはAC電圧を受け取ることができ、それにより出力SLIMデバイス208内のイオンが質量分析計へ退出することを防止することができる障壁電位を生成することができる。障壁電位は、周期的に生成することができ、それにより質量分析計内へ排出されるイオンパケットの周期性を決定することができる。
図7は、イオンカルーセル206から出力SLIMデバイス208への波形720内のイオンの例示的な移動度に基づく排出の概略図である。第1の排出周期(T1_eject)中、ポテンシャル井戸722〜725内で捕捉されたイオンが、出力SLIMデバイス208内へ排出される。第2の排出周期(T2_eject)中、ポテンシャル井戸726〜728内で捕捉されたイオンが、出力SLIMデバイス208内へ排出される。これは、たとえば、時間周期T1_ejectにわたって出力スイッチング電位を出力スイッチ214に印加することおよび/または障壁電位を電極418に印加することによって行うことができる。T1_eject中、ポテンシャル井戸722〜725は、出力スイッチ214に接近することができ、出力スイッチング電位は、ポテンシャル井戸722〜725内で捕捉されたイオンを出力SLIMデバイス208内へ駆動することができる。T2_eject中、ポテンシャル井戸726〜728は、出力スイッチ214に接近することができ、出力スイッチング電位は、ポテンシャル井戸726〜728内で捕捉されたイオンを出力SLIMデバイス208内へ駆動することができる。
排出時間周期T1_ejectおよびT2_ejectは、遅延時間だけ分離することができる。遅延時間は、質量分析計710の走査時間に基づいて(たとえば、コントローラ150によって)決定することができる。たとえば、波形720内で捕捉されたイオンの特性(たとえば、イオンの質量、イオンの電荷など)および/または質量分析計710の動作パラメータは、波形720内で捕捉されたイオン(たとえば、ポテンシャル井戸722〜725内のイオン、ポテンシャル井戸726〜728内のイオンなど)の質量スペクトル(走査時間)を検出するために質量分析計710が必要とする時間を決定することができる。遅延時間は、走査時間より大きい値に設定することができる。これにより、時間T1_ejectおよびT2_ejectに解放されたイオンの質量スペクトルの重複を防止することができる。
前述したように、IMS−MS連結(たとえば、イオンカルーセル206と質量分析計710との間の連結)は、イオン移動度および質量電荷比に基づくイオンの2次元分離を示すIMS−MSスペクトルを生成することができる。イオン移動度分解能は、隣接するイオン移動度ピーク間の移動度分離に基づいて決定することができる。たとえば、イオンカルーセル206のイオン移動度分解能は、隣接するポテンシャル井戸内のイオンパケット間のイオン移動度分離に基づいて決定することができる。排出されたイオンの質量スペクトル(質量分析計710によって生成される)は、上述した移動度範囲を有するイオンを表す。
排出周期中に排出されたイオンの移動度範囲は、排出周期の持続時間を変化させることによって変動させることができる。たとえば、排出周期(たとえば、T1_eject、T2_ejectなど)の持続時間を増大させることで、排出されたイオンの移動度範囲を増大させ、イオン移動度分解能を減少させることができ、逆も同様である。いくつかの実装形態では、排出周期中に排出されるイオンの移動度範囲は、1つまたはそれ以上のポテンシャル井戸(たとえば、ポテンシャル井戸722〜728)内で捕捉されたイオンの移動度範囲を変化させることによって変動させることができる。ポテンシャル井戸内のイオンの移動度範囲は、入力SLIMデバイス204内で実現される移動度に基づくイオン分離イベントによって決定することができる。入力SLIMデバイス204内のイオンパケットの移動度分離を増大させることで(たとえば、204の長さを増大させることなどによる)、イオンカルーセル206内の波形(たとえば、520、620、720など)のポテンシャル井戸内で捕捉されたイオンの移動度範囲を減少させることができる。
いくつかの実装形態では、望ましい移動度分解能は、内側アレイの電極402によって生成される電位波形420、520、および/または620の形状、速度、および高さのうちの1つまたはそれ以上を変動させることによって実現することができる。内側アレイの電極402に印加されるRF電圧の振幅および/または周波数を変化させることで、イオンカルーセル206を通るイオンの伝送効率を変動させ、様々な質量電荷(m/z)比のイオンの伝送を変動させることができる。
第1のDC電圧、第2のDC電圧、およびRF電圧の印加は、コントローラ(たとえば、コントローラ150)によって制御することができる。たとえば、コントローラは、ポテンシャル井戸の高さおよび幅を変動させることができる。コントローラはまた、ポテンシャル井戸の進行速度を(たとえば、閉経路222に沿って)制御することができる。たとえば、コントローラは、ポテンシャル井戸の速度を変動させる(たとえば、速度を増大または減少させる)こと、静的ポテンシャル井戸を生成することなどができる。
いくつかの実装形態では、イオンカルーセル(たとえば、イオンカルーセル206)からのイオンは、移動度に基づいて出力SLIMデバイス(たとえば、出力SLIMデバイス208)へ選択的に排出することができる。いくつかの実装形態では、イオンのイオン移動度および質量電荷比は、相関させることができる。たとえば、イオンのイオン移動度(たとえば、イオンの構造を示す)は、質量電荷比に依存することができる(たとえば、約15%になるように定量化される)。例示的な標的分析では、所与の質量電荷比のイオンが現れる移動度範囲は、事前に知られている。第1の入力SLIM内のイオンの移動度に基づく分離後、イオンカルーセル内の様々なポテンシャル井戸にイオンの質量電荷比をマッピングすることができる。その結果、対応するポテンシャル井戸からイオンを選択的に解放することによって、所与の質量電荷比(または、質量電荷比範囲)のイオンを質量分析計へ(出力SLIMデバイスを介して)選択的に伝達することができる。これにより、質量分析計の性能を改善することができる(たとえば、質量分析測定を実行するために必要とされる時間を低減させる)。
いくつかの実装形態では、イオンカルーセル内の様々なポテンシャル井戸から出力SLIMデバイスへのイオンの解放時間を再分類する(たとえば、移動度、質量電荷比に基づいて再分類する)ことができる。図8A〜図8Eは、様々なポテンシャル井戸内のイオンの解放時間の例示的な再分類を示す。図8Aは、入力SLIMデバイス804による移動度に基づくイオンの例示的な分離を示す。この分離の結果、イオンパケット816がイオンカルーセル806に到達し、それに続いてイオンパケット814が到達し、それに続いてイオンパケット812が到達する(816のイオン移動度>814のイオン移動度>812のイオン移動度)。図8Bは、イオンカルーセル806内で進行する異なるポテンシャル井戸(図示せず)内で捕捉されたイオンパケット812〜816を示す。図8Cは、イオンパケット816の排出を示す。イオンパケット816は、イオンカルーセル806および出力SLIM808の交差点に到達する第1のイオンパケットであり、イオンカルーセル806から出力SLIM808へ排出される。いくつかの実装形態では、出力スイッチによる排出電位の生成(第1の排出周期中)は、交差点へのイオンパケット816の到達時間に同期させることができる。
図8Dは、イオンパケット812の排出を示す。イオンパケット814は、イオンパケット816の後に交差点に到達しており、出力SLIM808へ排出されるのではなく、イオンカルーセル806に沿って進行し続ける。いくつかの実装形態では、出力スイッチによる閉じ込め電位の生成(第1の閉じ込め周期中)は、交差点へのイオンパケット814の到達時間に同期させることができる。イオンパケット812は、イオンパケット814の後に交差点に到達し、イオンカルーセル806から出力SLIM808へ排出される。いくつかの実装形態では、出力スイッチによる排出電位の生成(第2の排出周期中)は、交差点へのイオンパケット812の到達時間に同期させることができる。イオンパケット812の排出後、イオンパケット814の進行方向を逆にすることができる。イオンパケット814は、再び交差点に到達することができ、イオンカルーセル806から出力SLIM808へ排出される。いくつかの実装形態では、出力スイッチによる排出電位の生成(第3の排出周期中)は、交差点へのイオンパケット814の第2の到達時間に同期させることができる。
図9Aは、入力SLIMデバイス804からイオンカルーセル806へのイオンパケット812〜816の到達時間を示す。上記で論じたように、イオンパケット816の到達時間は、イオンパケット814の到達時間より前であり、イオンパケット814の到達時間は、イオンパケット816の到達時間より前である。図9Bは、イオンカルーセル806から入力SLIMデバイス804へのイオンパケット812〜816の排出(たとえば、イオンパケットが走査される順序に関係する)を示す。上記で論じたように、イオンパケット816が排出され(質量分析計によって走査される)、それに続いてイオンパケット812が排出され、それに続いてイオンパケット814が排出される。
他の実施形態も、開示する主題の範囲および精神の範囲内である。これらの実施形態の1つまたはそれ以上の例は、添付の図面に示されている。本明細書に具体的に記載し、添付の図面に示すシステム、デバイス、および方法は非限定的で例示的な実施形態であり、本開示の範囲は特許請求の範囲によってのみ画成されることが、当業者には理解されよう。1つの例示的な実施形態に関連して図示または記載する構成は、他の実施形態の構成と組み合わせることができる。そのような修正形態および変形形態は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。さらに、本開示では、実施形態の同様の名称の構成要素は、概して類似の構成を有しており、したがって特定の実施形態内では、同様の名称の各構成要素の各構成について必ずしも詳細に説明しない。
本明細書に記載する主題は、本明細書に開示する構造的手段およびその構造的均等物を含むデジタル電子回路内、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェア内、またはこれらの組合せで実施することができる。本明細書に記載する主題は、1つまたはそれ以上のコンピュータプログラムなどの1つまたはそれ以上のコンピュータプログラム製品として実施することができ、そのようなコンピュータプログラム製品は、データ処理装置(たとえば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のコンピュータ)による実行、またはそのようなデータ処理装置の動作の制御のために、情報キャリア(たとえば、機械可読記憶デバイス)内で有形に実施され、または伝播信号内で実施される。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても知られる)は、コンパイル済みまたは解釈済みの言語を含むプログラミング言語の任意の形式で書くことができ、独立型プログラムを含む任意の形式で、またはモジュール、構成要素、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境での使用に好適な他のユニットとして導入することができる。1つのコンピュータプログラムは、必ずしも1つのファイルに対応しない。1つのプログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部分内に、当該プログラムに専用の単一のファイル内に、または複数の協働するファイル(たとえば、1つまたはそれ以上のモジュール、サブプログラム、またはコードの部分を記憶するファイル)内に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上または複数のコンピュータ上で実行されるように導入することができ、複数のコンピュータは、1箇所に位置し、または複数の箇所にわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続される。
本明細書に記載する主題の方法工程を含む本明細書に記載するプロセスおよび論理フローは、入力データの動作および出力の生成によって本明細書に記載する主題の機能を実施するために1つまたはそれ以上のコンピュータプログラムを実行する1つまたはそれ以上のプログラマブルプロセッサによって実施することができる。プロセスおよび論理フローはまた、特別目的論理回路、たとえばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって実施することができ、本明細書に記載する主題の装置は、そのような特別目的論理回路として実施することができる。
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサには、例として、汎用および特別目的両方のマイクロプロセッサ、ならびに任意の種類のデジタルコンピュータのいずれか1つまたはそれ以上のプロセッサが含まれる。概して、プロセッサは、読取り専用メモリもしくはランダムアクセスメモリまたは両方から命令およびデータを受け取ることができる。コンピュータの必須要素は、命令を実行するプロセッサ、ならびに命令およびデータを記憶する1つまたはそれ以上のメモリデバイスである。概して、コンピュータはまた、データを記憶する1つまたはそれ以上の大容量記憶デバイス、たとえば磁気、磁気光学ディスク、もしくは光学ディスクを含むことができ、またはそのような記憶デバイスとの間でデータの受信もしくはデータの転送もしくはその両方を行うように動作可能に連結することができる。コンピュータプログラム命令およびデータを実施するのに好適な情報キャリアには、例として半導体メモリデバイス(たとえば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス);磁気ディスク(たとえば、内部ハードディスクまたはリムーバブルディスク);磁気光学ディスク;および光学ディスク(たとえば、CDおよびDVDディスク)を含むあらゆる形態の不揮発性メモリが含まれる。プロセッサおよびメモリは、特別目的論理回路によって捕捉することができ、または特別目的論理回路内に組み込むことができる。
使用者との対話を提供するために、本明細書に記載する主題は、使用者に情報を表示するための表示デバイス、たとえばCRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ、ならびに使用者がコンピュータへの入力を提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス(たとえば、マウスまたはトラックボール)を有するコンピュータとして実施することができる。他の種類のデバイスを使用して、使用者との対話を同様に提供することもできる。たとえば、使用者へ提供されるフィードバックは、任意の形式の感覚フィードバック(たとえば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)とすることができ、使用者からの入力は、音響、発話、または触覚入力を含む任意の形式で受け取ることができる。
本明細書に記載する技法は、1つまたはそれ以上のモジュールを使用して実施することができる。本明細書では、「モジュール」という用語は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、および/またはこれらの様々な組合せを指す。しかし、少なくともモジュールは、ハードウェア、ファームウェア上で実施されていないまたは非一過性でプロセッサ可読の記録可能記憶媒体上に記録されていないソフトウェアであると解釈されるべきではない(すなわち、モジュールはソフトウェア自体ではない)。実際には、「モジュール」は、プロセッサまたはコンピュータの一部など、少なくとも何らかの物理的な非一過性ハードウェアを常に含むと解釈されるべきである。2つの異なるモジュールが、同じ物理的ハードウェアを共用することができる(たとえば、2つの異なるモジュールが、同じプロセッサおよびネットワークインターフェースを使用することができる)。本明細書に記載するモジュールは、様々な応用例に対応するために結合、統合、分離、および/または複製することができる。また、特定のモジュールで実施されるものとして本明細書に記載する機能は、特定のモジュールで実施される機能の代わりに、またはそれに加えて、1つもしくは複数の他のモジュールで実施することができ、かつ/または1つもしくは複数の他のデバイスによって実施することもできる。さらに、これらのモジュールは、互いに局所的なまたは遠隔の複数のデバイスおよび/または他の構成要素にわたって実施することができる。加えて、モジュールは、1つのデバイスから移動させて別のデバイスに追加することができ、かつ/または両方のデバイス内に含むことができる。
本明細書に記載する主題は、バックエンド構成要素(たとえば、データサーバ)、ミドルウェア構成要素(たとえば、アプリケーションサーバ)、もしくはフロントエンド構成要素(たとえば、使用者が本明細書に記載する主題の実装形態と対話することができるグラフィカルユーザインターフェースまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)、またはそのようなバックエンド、ミドルウェア、およびフロントエンド構成要素の任意の組合せを含むコンピューティングシステム内で実施することができる。システムの構成要素は、任意の形式または媒体のデジタルデータ通信、たとえば通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)およびワイドエリアネットワーク(「WAN」)、たとえばインターネットが含まれる。
本明細書および特許請求の範囲全体にわたって、近似を表す言語は、任意の定量的表現を修飾するために適用することができ、そのような定量的表現は、関連する基本機能の変化を生じさせないように許容範囲内で変動することができる。したがって、「約」および「実質上」などの1つまたはそれ以上の用語によって修飾される値は、指定の厳密な値に限定されるべきではない。少なくともいくつかの例では、近似を表す言語は、値を測定する計器の精度に対応することができる。本明細書および特許請求の範囲全体にわたって、文脈または言語が別途指示しない限り、範囲の限度を組み合わせることおよび/または入れ替えることができ、そのような範囲が識別され、そのような範囲は、その範囲内に包含されるすべての下位範囲を含む。

Claims (22)

  1. イオンカルーセルであって:
    第1の表面と;
    該第1の表面に隣接する第2の表面とを含み、第1および第2の表面は、イオン閉じ込め体積を画成し、第2の表面は:
    第1の経路に沿って配置され、第1の経路上の第1の位置で、第1のイオンパケットおよび第1のイオンパケットから分離時間だけ時間的に分離された第2のイオンパケットを受け取るように構成された第1の内側アレイの電極を含み;
    該第1の内側アレイの電極は、第1の経路上を第1の方向に沿って進行するように構成された複数のポテンシャル井戸を生成するように構成され、複数のポテンシャル井戸は、第1のポテンシャル井戸および第2のポテンシャル井戸を含み、
    第1のイオンパケットは、第1の移動度を有する第1のサブパケットのイオンと、第2の移動度を有する第2のサブパケットのイオンとを含み、第2のイオンパケットは、第1の移動度を有する第3のサブパケットのイオンと、第2の移動度を有する第4のサブパケットのイオンとを含み、
    第1のポテンシャル井戸は、第1のサブパケットのイオンおよび第3のサブパケットのイオンを受け取るように構成され、第2のポテンシャル井戸は、第2のサブパケットのイオンおよび第4のサブパケットのイオンを受け取るように構成され;
    第2の表面はさらに、
    第1のポテンシャル井戸および第2のポテンシャル井戸のうちの1つまたはそれ以上でイオンカルーセルからイオンを選択的に排出するように構成された出力スイッチを含む、前記イオンカルーセル。
  2. 出力スイッチは、第1の経路に沿って第2の位置の近位にあり、出力スイッチは:
    第1の排出周期中に、第2の位置でイオンカルーセルからイオンを駆動するように構成された第1の排出電位を生成し、
    第1の閉じ込め周期中に、イオンカルーセル内のイオンが第2の位置でイオンカルーセルを退出することを防止するように構成された第1の閉じ込め電位を生成するように構成される、請求項1に記載のイオンカルーセル。
  3. 出力スイッチは、第1の排出周期を第2の位置への第1のポテンシャル井戸の第1の到達時間に同期させることによって、第1のポテンシャル井戸内のイオンをイオンカルーセルから選択的に伝達するように構成される、請求項2に記載のイオンカルーセル。
  4. 出力スイッチは:
    第2の排出周期中に、第2の位置でイオンカルーセルからイオンを駆動するように構成された第2の排出電位を生成するように構成される、請求項3に記載のイオンカルーセル。
  5. 出力スイッチは、第2の排出周期を第2の位置への第2のポテンシャル井戸の第2の到達時間に同期させることによって、第2のポテンシャル井戸内のイオンをイオンカルーセルから選択的に伝達するように構成される、請求項4に記載のイオンカルーセル。
  6. 出力スイッチは、第1の閉じ込め周期を第2の位置への第2のポテンシャル井戸の第2の到達時間に同期させることによって、第2のポテンシャル井戸内のイオンがイオンカルーセルを退出することを防止するように構成される、請求項3に記載のイオンカルーセル。
  7. 第1のイオンパケットは、第3の移動度を有する第5のサブパケットのイオンを含み、第2のイオンパケットは、第3の移動度を有する第6のサブパケットのイオンを含み、複数のポテンシャル井戸は、第5のサブパケットおよび第6のサブパケットを受け取るように構成された第3のポテンシャル井戸を含む、請求項6に記載のイオンカルーセル。
  8. 出力スイッチは、第2の排出周期を第2の位置への第3のポテンシャル井戸の第3の到達時間に同期させることによって、第3のポテンシャル井戸内のイオンをイオンカルーセルから選択的に伝達するように構成される、請求項7に記載のイオンカルーセル。
  9. 第1の内側アレイの電極は、第2のポテンシャル井戸の第1の進行方向を逆にし、第2のポテンシャル井戸を第2の位置へ誘導するように構成される、請求項8に記載のイオンカルーセル。
  10. 出力スイッチは、第3の排出周期を第2の位置への第2のポテンシャル井戸の第4の到達時間に同期させることによって、第2のポテンシャル井戸内のイオンをイオンカルーセルから選択的に伝達するように構成され、出力スイッチは、第3の排出周期中に、第2の位置で第2のポテンシャル井戸からイオンを駆動するように構成された第3の排出電位を生成するように構成される、請求項9に記載のイオンカルーセル。
  11. コントローラをさらに含み、該コントローラは:
    それぞれ第1の排出周期および第1の閉じ込め周期中に第1の排出電圧および第1の閉じ込め電圧を出力スイッチに印加し;
    第2の排出周期中に第2の排出電圧を出力スイッチに印加するように構成された第1のDC制御回路を含む、請求項10に記載のイオンカルーセル。
  12. コントローラは、第1のDC制御回路に通信可能に連結されたマスタ制御回路を含み、該マスタ制御回路は:
    第1の排出周期、第1の閉じ込め周期、および第2の排出周期のうちの1つまたはそれ以上を決定し;
    第1の制御信号をDC制御スイッチに提供するように構成され、DC制御スイッチは、第1の排出周期中の第1の排出電圧、第1の閉じ込め周期中の第1の閉じ込め電圧、および第2の排出周期中の第2の排出電圧のうちの1つまたはそれ以上を生成するように構成される、請求項11に記載のイオンカルーセル。
  13. 第1のポテンシャル井戸、第2のポテンシャル井戸、および第3のポテンシャル井戸内のイオンは、第2の位置で第1のイオン操作デバイスへ伝達され、第1のイオン操作デバイスの第1の端部は、イオンカルーセルに連結され、第1のイオン操作デバイスの第2の端部は、質量分析計に連結される、請求項12に記載のイオンカルーセル。
  14. 第1の電極および第2の電極を含む第2のアレイの電極をさらに含み、第1の内側アレイの電極は、第1の電極と第2の電極との間に位置する、請求項13に記載のイオンカルーセル。
  15. 第1の電極および第2の電極は、1つまたはそれ以上のRF電圧を受け取り、イオン閉じ込め体積内のイオンが第2の表面に接近することを抑制するように構成された擬ポテンシャルを生成するように構成される、請求項14に記載のイオンカルーセル。
  16. イオンカルーセルであって:
    第1の表面と;
    該第1の表面に隣接する第2の表面とを含み、第1および第2の表面は、イオン閉じ込め体積を画成し、第2の表面は:
    第1の経路に沿って配置され、第1の経路上の第1の位置で、第1の移動度を有する第1のサブパケットのイオン、第2の移動度を有する第2のサブパケットのイオン、および第3の移動度を有する第3のサブパケットのイオンを含む第1のイオンパケットを受け取るように構成された第1の内側アレイの電極を含み、
    該第1の内側アレイの電極は、第1のサブパケットを受け取るように構成された第1のポテンシャル井戸を生成し、第1のサブパケットが受け取られた後に第2のサブパケットを受け取るように構成された第2のポテンシャル井戸を生成し、第2のサブパケットが受け取られた後に第3のサブパケットを受け取るように構成された第3のポテンシャル井戸を生成するように構成され、第1、第2、および第3のポテンシャル井戸は、第1の経路上を第1の方向に沿って進行するように構成され;
    第2の表面はさらに、
    第1の経路に沿って第2の位置の近位にある出力スイッチを含み、該出力スイッチは:
    第1の排出周期中に、第1のポテンシャル井戸内のイオンを排出するように構成された第1の排出電位を生成し、
    第1の排出周期後の第1の閉じ込め周期中に、第2のポテンシャル井戸内のイオンがイオンカルーセルを退出することを防止するように構成された第1の閉じ込め電位を生成し、
    第1の閉じ込め周期後の第2の排出周期中に、第3のポテンシャル井戸内のイオンを排出するように構成された第2の排出電位を生成するように構成される、前記イオンカルーセル。
  17. 前記出力スイッチは、第1の排出周期を第2の位置への第1のポテンシャル井戸の第1の到達時間に同期させることによって、第1のポテンシャル井戸内のイオンをイオンカルーセルから伝達するように構成される、請求項16に記載のイオンカルーセル。
  18. 出力スイッチは、第1の閉じ込め周期を第2の位置への第2のポテンシャル井戸の第2の到達時間に同期させることによって、第2のポテンシャル井戸内のイオンがイオンカルーセルを退出することを防止するように構成される、請求項17に記載のイオンカルーセル。
  19. 出力スイッチは、第2の排出周期を第2の位置への第3のポテンシャル井戸の第3の到達時間に同期させることによって、第3のポテンシャル井戸内のイオンをイオンカルーセルから伝達するように構成される、請求項18に記載のイオンカルーセル。
  20. 第1の内側アレイの電極は、第2のポテンシャル井戸の第1の進行方向を逆にし、第2のポテンシャル井戸を第2の位置へ誘導するように構成される、請求項19に記載のイオンカルーセル。
  21. 出力スイッチは、第3の排出周期を第2の位置への第2のポテンシャル井戸の第4の到達時間に同期させることによって、第2のポテンシャル井戸内のイオンをイオンカルーセルから選択的に伝達するように構成される、請求項20に記載のイオンカルーセル。
  22. イオンカルーセルであって:
    第1の表面と;
    該第1の表面に隣接する第2の表面とを含み、第1および第2の表面は、イオン閉じ込め体積を画成し、第2の表面は:
    第1の経路に沿って配置され、第1の経路上の第1の位置で、第1の移動度を有する第1のサブパケットのイオンおよび第2の移動度を有する第2のサブパケットのイオンを含む第1のイオンパケットを受け取るように構成された第1の内側アレイの電極を含み
    該第1の内側アレイの電極は、第1のサブパケットを受け取るように構成された第1のポテンシャル井戸を生成し、第1のサブパケットが受け取られた後に第2のサブパケットを受け取るように構成された第2のポテンシャル井戸を生成するように構成され、第1および第2のポテンシャル井戸は、第1の経路上を第1の方向に沿って進行するように構成され;
    第2の表面はさらに、
    第1の経路に沿って第2の位置の近位にある出力スイッチを含み、該出力スイッチは:
    第1の閉じ込め周期中に、第1のポテンシャル井戸内のイオンがイオンカルーセルを退出することを防止するように構成された第1の閉じ込め電位を生成し、
    第1の閉じ込め周期後の第2の排出周期中に、第2のポテンシャル井戸内のイオンを排出するように構成された第2の排出電位を生成するように構成される、前記イオンカルーセル。
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