JP2021523379A - 血清バイオマーカー - Google Patents

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Abstract

本開示は、がんバイオマーカー及び治療の分野に関し、より詳細には、がん治療に対する感受性を予測する方法、特に、Axl阻害剤による治療に関する。また、開示された方法を実施する場合に、有用であるキット等の製品もまた、開示される。

Description

〔先の出願〕
本出願は、2018年5月14日に出願された英国特許出願第1807789.1号、2018年10月19日に出願された英国特許出願第1817024.1号、及び2018年10月15日に出願された英国出願GB1816764.3号の優先権を主張する。当該3つの優先権書類の開示は、あらゆる目的のため、参照により本出願に援用される。
〔開示の分野〕
本開示は、がん治療の分野に関する。特に、本開示は、がんバイオマーカー及び治療の分野に関し、より詳細には、がん治療に対する感受性を予測する方法、並びに当該方法を実施するキット等の製品に関する。
不均一な患者集団
がんは、異常な細胞増殖を特徴とし、身体の他の部位に侵入又は拡散しうる疾患の大きなファミリーである。がんは広範な特徴を共有するクラスに分類されるが、当該クラスのいくつかは特に不均一である。その結果、当該不均一集団の患者の薬物反応は不均一性を示しうる。すなわち、不均一ながん群の患者は、同じがん治療に対して異なる反応を示しうる。一例として、急性骨髄性白血病(AML)は、異なる被験体が同じがん治療に対して異なる反応を示しうる不均一ながんである(非特許文献1)。
当該バイオマーカーを用いて、治療に反応した被験体又は治療から利益を得た被験体とそうでない被験体を確実に識別するバイオマーカーを同定すれば、当該患者の臨床転帰を予測しうるはずである。
予測方法
予測方法は、特定の治療計画の転帰の見込みに関する情報を提供し、かつ、個別化治療法の使用を導く威力がある。当該方法は、例えば、被験体が治療に反応する見込み、個人の特定の治療計画内における精力的な治療方法、及び/又は個人の放射線/化学療法等の従来の治療方法における精力的治療方法、に関する情報を提供し得る。
国際公開第2015/193428号 国際公開第2015/193430号 国際公開第2016/097370号 国際公開第2016/102672号 国際公開第2016/166296号
De Kouchkovsky et al,2016,Blood Cancer J.,6(7):e441 Ben−Batalla et al,2013,Blood,122(14):2443−52 Burnett et al.,2011,J Clin Oncol.29(5):487−94 Haferlach,2008,Hematology Am Soc Hematol Educ Program,1:400−11 Ma et al,2018,Medicine(Baltimore),97(16):e0434 Hsueh et al,2016,Exp Hematol Oncol.,5:23 Jhan et al,2017,Pharmacogenomics,18(17):1595−1609. Herbst et al,2018,Nature,553(7689):446−454. Zappa et al,2016,Transl Lung Cancer Res.5(3):288−300
予測的バイオマーカー及び方法の分野の進歩にもかかわらず、多くの不均一がんにおけるがん治療に対する患者の反応を予測する高感度、効率的、及び迅速な非侵襲的方法が依然として望まれている。
本開示は、上記の考察に照らして考案された。
本開示は、被験体における又は前記被験体に由来する試料における、バイオマーカーを評価することにより、がんである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体におけるがん治療の感受性を予測する方法の必要性に対処する。特に、本開示は、当該被験体由来の血清試料中の本明細書に記載されたバイオマーカーの1又はそれ以上を評価する当該予測方法を提供する。
本発明者らは、本明細書において、がん患者の臨床転帰の予測において有意な価値がある、バイオマーカー及びその組み合わせ、当該方法で用いる方法及び製品を記載する。特に、本発明者らは、がん治療に対する被験体の反応予測において有意な価値があるバイオマーカー及びその組み合わせを評価し、同定し;特に興味深い臨床結果は、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤に対する被験体の反応、特にBGB324等のAxlキナーゼ阻害剤に対する被験体の反応の予測である。
従って、本開示の一側面では、発明者らは、急性骨髄性白血病(AML)である、の疑いがある、又はと診断された被験体に対するがん治療に対する反応予測において著しい価値のあるバイオマーカー及びその組み合わせを同定した。
本側面の第1態様では、本開示は、被験体における又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む、前記被験体におけるがん関連転帰を予測する方法であって;ここで、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lからなる群より選択され;かつ、ここで、前記被験体が、急性骨髄性白血病(AML)である、であると疑われる、又はと診断されていた、方法を提供する。
ある実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。
いくつかの実施形態では、前記予測は、前記試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。いくつかの当該実施形態では、前記試料プロファイルは、前記被験体が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤との接触、又は、投与前に得られる。
前記試料プロファイルが、前記被験体が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤との接触、又は、投与前に得られる実施形態では、対照プロファイルは、(i)AMLである対照被験体集団から得られた;又は
(ii)AMLであり、かつ、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた対照被験体又は対照被験体集団から得られた;
(iii)AMLであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の「平均、中央値又は平均」又は値の「標準範囲」の所定のプロファイル;
(iv)AMLであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団を示すバイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均」を有する対照試料から得られた;
(v)AMLであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体の集団から得られたバイオマーカーの発現、活性、又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、
(vi)AMLであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体の集団を示すバイオマーカーの既知の「閾値」を有する対照試料から得られた;である。
前記試料プロファイルが、前記被験体が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤との接触、又は、投与前に得られる態様では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lのうちの少なくとも1つを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す。他の態様では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、及び/又はLHのうちの少なくとも1つを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す。
前記試料プロファイルが、前記被験体が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤との接触、又は、投与前に得られるいくつかの態様では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axlを含み得る。他の実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、及び以下の:FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−L、から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のバイオマーカーを含み得る。
ある実施形態では、前記試料プロファイルが、前記被験体を、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させた後に得られる。いくつかの当該実施形態では、前記対照プロファイルが、前記被験体を、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させる前に、同一被験体から得られる。
前記試料プロファイルが、前記被験体を、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させた後に得られるいくつかの態様では、前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。いくつかの当該実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともAxlを含む。
ある実施形態では、前記方法が、被験体における又は前記被験体に由来する試料における、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の前記バイオマーカーの量を測定することを含む。いくつかの実施形態では、被験体における又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:前記試料又は前記試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質に選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質により形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程を含む。ある態様では、前記特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含む。
ある実施形態では、前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤である。好ましくは、前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、又は特許文献1〜3、又は5に記載の抗Axl抗体である。
ある実施形態では、前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤は、さらなるがん治療と組み合わされて投与される。いくつかの好ましい態様では、前記さらなるがん治療が、シタラビン又はデシタビンである。
好ましい態様では、前記被験体が哺乳類であり、より好ましくはヒトである。好ましい態様では、試料は、血液、血清、又は血漿試料、最も好ましくは血清試料である。
ある態様では、前記方法は、インビトロ又はエクスビボで行われる。
本側面の他の態様では、本開示は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために、急性骨髄性白血病(AML)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:上記予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、当該同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法を提供する。ある実施形態では、本方法は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による継続治療のために、急性骨髄性白血病(AML)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:上記予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を継続治療のために選択する工程;を含む、方法である。
本開示の本側面のさらなる態様は、以下の:各々が、以下の:Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバー;かつ、前記1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する、1若しくはそれ以上の試薬、又は前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカーによって形成された複合体を検出及び/又は定量化する、1又はそれ以上の試薬;を含む、診断キット又は試験装置に関する。ある実施形態では、当該診断キット又はテスト装置は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法に用いられる。ある態様では、前記方法は、上記予測方法である。
本開示の本側面のさらなる態様は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性があるかを判定するバイオマーカーとしての、以下の:Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−L;の1又はそれ以上を使用に関する。ある実施形態では、前記使用が、上記予測方法におけるバイオマーカーとしての使用である。
本開示のさらなる側面は、骨髄異形成症候群(MDS)、メラノーマ、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、及び肺腺がんである、これらが疑われる、又はこれらと診断された、被験体に対する臨床転帰の予測において有意な価値がある、バイオマーカー及びその組み合わせ、当該方法で用いる方法及び製品に関する。
特に、本発明者らは、がん患者の臨床転帰の予測において有意な価値がある、バイオマーカー及びその組み合わせ、当該方法で用いる方法及び製品を記載する。特に、本発明者らは、がん治療に対する上記がんの反応のうちの1つがある被験体の予測において有意な価値があるバイオマーカー及びその組み合わせを評価し、同定し;特に興味深い臨床結果は、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤に対する被験体の反応、特にBGB324等のAxlキナーゼ阻害剤に対する被験体の反応の予測である。当該側面の各々は、AMLについて上記に対応する実施形態があり、当該及び他の態様は、以下により詳細に開示される。
本開示は、当該組み合わせが明らかに許容されない、又は明示的に回避される場合を除き、記載された態様及び好ましい特徴の組み合わせを含む。
治療前のLDH値並びにBGB324及びペムブロリズマブによる治療後の腫瘍サイズの変化の相関関係の分析結果を示すグラフである。
ここで、添付の図面を参照して、本開示の側面、態様及び実施形態を説明する。さらなる態様及び実施形態は、当業者に明らかであろう。本開示で言及されている全ての文書は、参照により本明細書に援用される。
本発明者らは、本明細書において、バイオマーカー及びその組み合わせ、並びにがん関連転帰の予測に有意な価値がある当該方法で用いる方法及び製品を記載する。特に、本発明者らは、がん治療に対する被験体の反応の予測に有意な価値がある血清系マーカー、及びその組み合わせを同定し、評価した。ある実施形態では、がん治療は、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤、例えば、Axl阻害剤又はAkt3阻害剤である。
予測方法におけるバイオマーカー
[不均一な患者集団]
がんは広範な特徴を共有するクラスに分類されるが、当該クラスは不均一な亜集団で構成される場合がある。異なる亜集団の患者が同じがん治療に対して示す反応は、異なりうる。
例えば、急性骨髄性白血病(AML)は、BGB324等のAxl阻害剤に対するIC50が低いMOLM13及びMv4−11等の既存の細胞系(すなわち、Axl阻害剤、いわゆる「応答性(responder)」細胞系)、及びKasumi、OCI−M1及びOCI−AML5等の、BGB324等のAxl阻害剤に対するIC50が高い細胞(すなわち、Axl阻害剤、いわゆる「非応答性」細胞系、いわゆる「非応答性(non-responder)」細胞系、非特許文献2)を有する異種性がんであることが知られている。同様に、本発明者らは、ヒトのAMLには、BGB324等のAxl阻害剤に反応する被験体(いわゆる「応答性」被験体)又はBGB324等のAxl阻害剤に反応しない被験体(いわゆる「非応答性」の被験体)がいることを見出した。
当該応答性と非応答性を確実に識別するバイオマーカーを同定することで、当該バイオマーカーを被験体の臨床転帰の予測に用いうる。
〔予測方法〕
本明細書中で用いられる用語「予測方法」は、被験体が特定の薬剤/計画による治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうる方法を意味する。当該予測方法は、特定の治療計画の予想される転帰に関する情報、例えば、被験体が前記治療に反応する見込み、個人の特定の治療計画内における積極的治療方法、及び/又は個人の放射線/化学療法等の従来の治療方法における積極的治療方法、に関する情報を提供する。従って、本明細書に記載された予測方法は、個別化医薬の分野における適用として有力である。
本明細書に記載された予測方法は、疾患と診断されたヒト又は動物の被験体の、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する、感受性を予測しうる。より具体的には、被験体となる疾患は、がんであり得、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)、乳がん、肺がん、前立腺がん、卵巣がん、結腸直腸がん、神経膠腫、メラノーマ、胃がん、頭頸部がん、腎がん、膵がん、子宮がん、肝がん、膀胱がん、子宮内膜がん、並びに他の白血病を含む。非小細胞肺がん、特に肺腺がん等の肺がんと同様に、AML及びMDSは特に関連がある。
本発明者らは、本明細書において、がん患者の臨床転帰の予測に有意な価値がある、バイオマーカー及びその組み合わせを記載する。特に、本発明者らは、がん治療に対する被験体の反応の予測に有意な価値がある、血清系マーカーを評価し、同定した。また、2又はそれ以上のバイオマーカーを含むパネルは、がん関連転帰の感度及び信頼性、例えばEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の予測を向上させることが意図される。
〔固形及び液体の腫瘍〕
腫瘍は、体内における増殖部位により、「固形」又は「液体」という場合がある。がんの大部分は、特定の臓器又は組織に存在する細胞の塊として存在する固形腫瘍が原因である。一般的な「固形」腫瘍としては、乳がん、肺がん、前立腺がん、及び結腸がんがあげられる。液体腫瘍は、血液又は骨髄に生じ、例えば白血病又は骨髄腫等、身体のどの部位にも転移しうる。「液体」腫瘍は、「血液がん」ともいう。
本発明者らは、液体腫瘍がんと比較して、異なるマーカーが固形がん治療に対する被験体の反応を予測することを見出した。
従って、本開示は、固形腫瘍がんである、の疑いがある、又は固形腫瘍がんと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体における又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。
本開示はまた、液体腫瘍がんである、である疑いがある、又は液体腫瘍がんと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体における又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。
ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。いくつかの好ましい態様では、がん関連転帰は、Axl阻害剤による治療に対する感受性である。
固形腫瘍がんとしては、例えば、乳がん、腎臓がん、子宮内膜がん、卵巣がん、甲状腺がん、及び非小細胞肺がん、メラノーマ、前立腺がん、肉腫、胃がん、及びブドウ膜メラノーマが挙げられる。液体腫瘍がんとしては、例えば、白血病(特に骨髄性白血病)及びリンパ腫があげられる。
《第1側面:急性骨髄性白血病(AML)》
急性骨髄性白血病(AML)は、細胞の増殖、分化及び細胞死の正常なメカニズムを変化させる多数の不均一な遺伝的変化を特徴とする造血前駆細胞のクローン性疾患である(非特許文献3)。現在、ほとんどのAML患者はシタラビン等の化学療法で治療されている。慢性骨髄性白血病(CML)の治療用BCR−Abl標的薬であるグリベック及び急性骨髄球性白血病(APL)の治療用分化誘導薬であるATRAを除き、これまで、白血病の分野では標的療法が広く欠如している。これは、AMLが治療の標的となりうるいくつかの変異したがん遺伝子がある十分に特徴づけられた疾患であるにもかかわらずである(非特許文献4)。
従って、被験体におけるがん関連転帰、例えば、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性、を予測する安定したバイオマーカー、は、特定の薬剤/計画による治療に反応するか又は利益を受ける見込みが最も高い被験体を同定するのに有用であろう。
「応答性」AML細胞株は、Axl阻害剤に対するIC50が低い細胞株であり、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブ;例として、MOLM13及びMv4−11細胞株が挙げられ、IC50は各々0.45μM及び0.14μMである。これに対応する、「非応答性」AML細胞株は、Axl阻害剤に対するIC50が高い細胞株であり、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブ;例として、Kasumi及びOCI−M1細胞株が挙げられ、IC50は各々1.2μM及び1.8μMである。
本明細書で記載される「応答性」被験体とは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが高い、又は反応する(又は治療から利益を受ける)被験体である。
これに対応する、本明細書で記載される「非応答性」被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが低い(又は反応しない)被験体である。
本明細書中で用いられる「治療に反応する」又は「治療から利益を得る」とは、治療からの全体的な臨床的利益を経験することをいう。この全体的な臨床的利益とは、生存期間の延長、疾患の部分寛解又は完全寛解(例えば、骨髄中の骨髄芽球%及び/又は細胞系の正常な成熟により評価される)、疾患の進行の遅延又は非進行(例えば、骨髄中の骨髄芽球%及び/又は細胞系の正常な成熟により評価される)、生活の質の改善(例えば、がん治療の機能的評価(FACT)質問票等の健康関連QOL質問票を用いて評価される)、無増悪生存率、血液学的改善(例えば、血中ヘモグロビン、血小板数、及び/又は好中球数の増加)、骨髄反応(例えば、骨髄芽球が5%以下の骨髄の場合、骨髄芽球の30%、40%、50%以上の減少;循環骨髄芽球及びアウエル小体を伴う骨髄芽球の欠如;髄外疾患の欠如)、血液学的回復(例えば、ヘモグロビン≧11g/dL、血小板≧100×10/L、及び/又は末梢血中の好中球≧1×10/L)、遺伝学的マーカー(例えば、CEBPA、NPM1、又はFLT3)に対する負の反応、又はその他の正の患者転帰;のいずれかである。
〔バイオマーカー〕
本明細書における用語「マーカー」又は「バイオマーカー」は、被験体又は前記被験体に由来する試料における発現が、がんにおいて、例えば上方又は下方調節されて改変又は変調される遺伝子又はタンパク質を示すのに用いられる。当該バイオマーカーがタンパク質である場合、発現の変調又は改変は、異なる翻訳後修飾を介する変調を包含する。
本開示の当該側面のいかなる態様でも、本明細書に記載されるバイオマーカーは、以下の:
Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版(entry version)196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
線維芽細胞増殖因子21(FGF−21)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q9NSA1(登録版145)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
進行性グリコシル化最終生成物の受容体(RAGE)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q15109−1、Q15109−2、Q15109−3、Q15109−4、Q15109−5、Q15109−6、Q15109−7、Q15109−8、Q15109−9、Q15109−10(登録版189)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
がん胎児性抗原(CEA)バイオマーカーは、UniProt受託番号P06731−1又はP06731−2(登録版179)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
卵胞刺激ホルモン(FSH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01225(登録版189)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
マトリクスメタロプロテイナーゼ−10(MMP−10)バイオマーカーは、UniProt受託番号P09238(登録版185)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
オメンチンバイオマーカーは、UniProt受託番号Q8WWA0(登録版127)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
がん抗原19−9(CA−19−9)のバイオマーカーは、UniProt受託番号Q9BXJ9−1又はQ9BXJ9−2(登録版160)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
黄体形成ホルモン(LH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01229(登録版179)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
ハプトグロビン(HP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00738−1若しくはP00738−2(登録版200)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
好中球活性化ペプチド2(NAP−2)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02775(登録版191)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
免疫グロブリンE(IgE)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01854(登録版162)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;及び/又は、
CD40リガンド(CD40−L)バイオマーカーは、UniProt受託番号P29965(登録版199)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;ように特定されうる。
本明細書に記載されるバイオマーカーはまた、上記アミノ酸配列のいずれかをコードする全長核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)として特定され得る。
同一性FASTA及びFASTP(Pearson&Lipman,1988.Methods in Enzymology 183:63-98を参照)を用いた配列比較を用いて特定しうる。パラメータは、以下の:Gapopen(ギャップの最初の残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−12/DNAに対する−16;Gapext(ギャップの追加残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−2/DNAに対する−4;KTUPワード長:タンパク質に対する2/DNAに対する6の、デフォルトのマトリクスを用いて設定するのが好ましい。
〔治療前予測のバイオマーカー及び方法〕
発明者らは、臨床試験BGBC003(NCT0248408)から得られた患者データを解析して、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、AML患者の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した(実施例1を参照)。同様に、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価すれば、被験体が、当該薬剤による治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうる。
従って、第1態様では、本開示は、急性骨髄性白血病(AML)である、の疑いがある、又は固形腫瘍がんと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。
ある実施形態では、1つ又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、線維芽細胞増殖因子21(FGF−21)、進行性グリコシル化最終産物の受容体(RAGE)、がん胎児性抗原(CEA)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、マトリクスメタロプロテイナーゼ−10(MMP−10)、オメンチン、がん抗原19−9(CA−19−9)、黄体形成ホルモン(LH)、ハプトグロビン(HP)、好中球活性化ペプチド2(NAP−2)、免疫グロブリンE、及び/又はCD40リガンド(CD40−L)からなる群から選択される。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axlであるか、又はAxlを含む。
本明細書に記載される「がん関連転帰」は、がんと関連する臨床的予測又は予後である。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書中に記載された、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。
本明細書中で用いる「試料プロファイル」は、被験体又は被験体に由来する試料において決定された各バイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。適当な対照プロファイルは、以下で詳細に説明される。
本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「応答性」被験体の血清よりも高いレベルで存在することが見出された。同様に、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「非応答性」の被験体の血清よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清に存在することが見出された。
この「応答性」と「非応答性」の間の発現レベルの差は、逆の方法で表現しうる。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、被験体の治療前に「非応答性」の被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。同様に、被験体の治療前に、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「非応答性」の被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。
当該異なる発現パターンの発見は、被験体が薬剤での治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することで、当該被験体が、当該薬剤での治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうることを意味する。従って、特に好ましい態様では、当該試料プロファイルは、被験体へのEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の接触又は投与前に得られる。
EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で「治療に感受性がある」被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療(又は治療からの利益)に反応する見込みが高い、又は応答する被験体である。すなわち、薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、上記で特定したように、当該薬剤について「応答性」である。「感受性を示す」予測とは、被験体が治療に反応したり、治療から利益を得たりする見込みを示唆又は指摘するものである。
いくつかの態様では、本開示の予測方法は、被験体又は被験体に由来する試料において本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程と、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルに基づいて予測を行う工程を含む。本方法のいくつかの態様では、当該予測は、対照プロファイルと試料プロファイルの比較により行われ、対照プロファイルは、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同じバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
ある実施形態では、対照プロファイルは、AMLである対照被験体の集団から獲得しうる。ある実施形態では、対照プロファイルは、AMLでない対照被験体の集団から獲得しうる。他の実施形態では、対照プロファイルは、AMLであり、かつ以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤(すなわち、非応答性被験体)による治療に対する感受性の欠如が見いだされた対照被験体又は対照被験体の集団から獲得しうる。
ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の所定のプロファイル、例えば、値の「平均」値、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、AMLである対照被験体又は対照被験体の集団、AMLでない対照被験体又はAMLである対照被験体又は対照被験体の集団であって、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されたもの(すなわち、非応答性被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、AMLであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団から獲得しうる。ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の所定のプロファイル、例えば、値の「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、AMLであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団(すなわち、反応被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、試料プロファイルで決定されるのと同じバイオマーカーの既知の量(例えば、「閾値」量)を備えるコントロール試料から獲得しうる。この閾値量は、例えば、上記のように、非応答性又は応答性被験体から獲得しうる。
当業者であれば、特定のバイオマーカーの適当な「平均」、「閾値」又は値の「標準範囲」を容易に決定しうる。
例えば、「平均」値は、AMLである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;及び「平均」値の決定に測定されたバイオマーカー活性、発現、又は量を平均して、決定しうる。
例えば、「平均」値は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中のバイオマーカー活性、発現、又は決定された量の平均による、「平均」値の決定により、決定され得る。
例えば、「閾値」は被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中の最高又は最低のバイオマーカー活性、発現、又は量の「閾値」としての適宜選択により決定され得る。
例えば、値の「標準範囲」は、AMLである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価、及びこの評価に基づいて値の「標準範囲」を決定することで、決定しうる。
例えば、値の「標準範囲」は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び当該評価に基づき、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが判明した被験体に対する値の「標準範囲」を決定することで、決定され得る。
対照プロファイルがバイオマーカー発現、活性、又は量の値の所定のプロファイルである場合、これは「ルックアップテーブル」又はデータレコードとして提供され得る。当該所定の対照プロファイルは、複数の対照被験体(例えば、上記の非応答性又は応答性被験体)において決定された各バイオマーカーの中心傾向(平均、中央値又は平均)量の尺度に対応する数値又は数値範囲のプロファイルであり得る。当業者であれば、標準的なタンパク質定量化技術及び適当な統計的ツールを用いて、集団内の中心傾向の尺度及び変動の尺度をともに容易に決定しうる。
従って、いくつかの実施形態では、対照プロファイルは、以下の:AMLである対照被験体の集団から得られたもの;AMLでない対照被験体の集団から得られたもの;AMLであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が以前に見出されている対照被験体の集団から得られたもの(非応答性被験体である);非応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の所定のプロファイル(例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル又は値の「標準範囲」);非応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均値」を備える対照試料から得られたもの;応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「閾値」を備える対照試料から得られたもの;次いで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイルにおける、本明細書中に記載された、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうるもの;である。同様に、対照プロファイルと比較して、本明細書中に記載された試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が高い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、及び/又はLHから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、試料プロファイルにおいて、対照プロファイルと比較して、:Axlの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、FGF−21の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、RAGEの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、CEAの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、FSHの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、オメンチンの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、CA−19−9の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、LHの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、ハプトグロビンの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、NAP−2の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、免疫グロブリンEの活性、発現、又は量がより高く;CD40−Lの活性、発現、又は量がより高い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、AMLである対照被験体又は対照被験体の集団から得られ、かつ、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された場合(すなわち、反応被験体)、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、AMLである被験体、及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された被験体)に典型的な「閾値」を上回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、AMLである被験体、及び、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された被験体)に典型的な「閾値」を下回る場合は、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対する感受性がないことを示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、応答性被験体(すなわち、AMLである被験体であって、EMTを阻害又は逆転させることができる物質又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる物質による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、応答性被験体(すなわち、AMLである被験体であって、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる物質による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる物質による治療に対する感受性の欠如を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、非応答性被験体から得られたバイオマーカー発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、非応答性被験体(すなわち、AMLであり、かつ、EMTを阻害又は逆転させることができる物質又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出された被験体)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる物質による治療に対する感受性の欠如を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、非応答性被験体(すなわち、AMLであり、かつ、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる物質による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されている被験体)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる物質による治療に対する感受性の欠如を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、AMLでない対照被験体の集団から得られたものであり、かつ、試料プロファイルの発現、活性又は量が、AMLでない被験体に典型的な値の「標準範囲」外である場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性又は量が、AMLでない被験体に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。この場合、発現、活性又は量は、所与のバイオマーカーについて正常の上限を上回るか又は正常の下限を下回るかのいずれかである場合に、値の「標準範囲」外にあってよい。正常値の上限及び下限は、AMLでない対照被験体集団の所定のバイオマーカーの正常分布の限界である。
当業者であれば、適当な統計的ツール及び適当な対照との比較を用いて、試料プロファイルが、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示すか又は感受性の欠如を示すかを容易に決定しうる。
いくつかの実施形態では、試料プロファイルは、上記のように2又はそれ以上の対照プロファイルと比較され得る。
本明細書中で用いられる場合、用語「1又はそれ以上」とは、本明細書中に記載されるバイオマーカーの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20をいう。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはFGF−21である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはRAGEである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCEAである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはFSHである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはMMP−10である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはオメンチンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCA−19−9である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはLHである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはハプトグロビンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはNAP−2である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは免疫グロブリンEである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCD40−Lである。
いくつかの当該実施形態では、方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、当該バイオマーカーの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、本方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、Axl及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、被験体がAMLの治療中又は治療コース前に実施される。他の実施形態では、当該予測方法は、AMLに対する治療中又は治療コース後に実施される。ある実施形態では、AMLの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤である。他の実施形態では、AMLの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤ではない化学療法剤による治療である。
本明細書に記載の予測方法のいくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている。ある実施形態では、被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている。
本明細書に記載された予測方法のいくつかの態様では、当該被験体は、被験体の反応が予測されている、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる物質とは異なる物質で既に治療されている。すなわち、被験体は、予測方法が被験体の感受性を決定する薬剤ではない薬剤で既に治療されている。従って、いくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で予め治療されていない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、以前にAxl阻害剤で治療されていない。他の好ましい態様では、被験体は、Akt3阻害剤で予め治療されていない。
〔バイオマーカーの治療後の変化〕
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、予測方法は、さらに、被験体又は被験体に由来する試料において、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤を治療又は治療コース後に、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価するその後の工程を含み、本明細書に記載の1又はそれ以上のバイオマーカーの第2試料プロファイルを得る。
すなわち、いくつかの実施形態では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することで、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:
(a)被験体が、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを決定する工程であって、1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lからなる群より選択される;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの好ましい態様では、当該方法は、その後、被験体又は被験体に由来する試料中の、Axlの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、第2試料プロファイルにおけるAxlの活性、発現、又は量が増えた場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより感受性が高いことを示す。いくつかの好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療前に、同じ被験体から得られる。
〔治療後予測のバイオマーカー及び方法〕
臨床試験BGBC003(NCT0248408)から得られた患者データを解析することにより、発明者らは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤によるAML患者の治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で上昇するが、「非応答性」の被験体の血清中では上昇しないことを発見した(実施例1参照)。同様に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で低下するが、「非応答性」の被験体の血清中では低下しない。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療の前後に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価することで、被験体が前記薬剤による治療に感受性又は応答性であることを決定又は確認しうる。
従って、当該側面の第2態様では、本開示は、急性骨髄性白血病(AML)である、の疑いがある、又は急性骨髄性白血病(AML)と診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触した後に、被験体又は前記被験体に由来する試料における、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本開示のこの態様の好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療する前に、同じ被験体から得られる。ある実施形態では、対照プロファイルは、AMLである対照被験体の集団から得られる。他の態様では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」又は値の「標準範囲」のプロファイルである。
従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、対照プロファイルが同一の被験体から得られる態様では、被験体をEMT又はがん治療剤を阻害又は逆転しうる薬剤と接触させた後の、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。当該態様では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともAxlを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイルの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、被験体は、上記本開示の第1態様による予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために選択された。
〔EMTを阻害又は逆転しうる薬剤〕
本開示は、急性骨髄性白血病(AML)である、の疑いがある、又はと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測するための方法を提供する。「がん関連転帰」は、がんと関連する臨床的予測又は予後である。
ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。本明細書で用いられる用語「EMTを阻害しうる薬剤」(用語「EMT阻害剤」と交換可能に用いられる)は、上皮−間葉転換(EMT)の変化を阻害又は低下させる薬剤を意味する。本明細書で用いられる用語「EMTを逆転しうる薬剤」は、EMTの逆転を促進、すなわち、間葉−上皮転換(MET)を促進する薬剤を意味する。
EMTを阻害又は逆転しうる薬剤としては、Axlキナーゼの阻害剤(Axl阻害剤)及びAkt3キナーゼの阻害剤(Akt3阻害剤)が挙げられる。従って、ある実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である。最も好ましい態様では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤である。
Axl阻害剤としては、例えば、小分子Axl阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブ、並びにカボザンチニブ、TP−0903、fretinib、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、及びUNC2025があげられる。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい態様では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい態様では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
好ましい態様では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Akt3阻害剤である。Akt3阻害剤は、例えば、特許文献4に記載される。従って、いくつかの態様では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、特許文献4に記載されたAkt3阻害剤である。
ある実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤はAkt3阻害剤でない。ある実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤はSlfn11阻害剤でない。ある実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤はPHGDH阻害剤でない。
本明細書に記載された予測方法のいくつかの態様では、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤は、単剤として投与される。いくつかの他の態様では、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。
適当なさらなるがん治療には、以下が含まれるが、これらに限定されない:
(i)ブスルファン等のアルキルスルホン酸塩を含むアルキル化剤;
(ii)クロラムブシル、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン及びウラムスチン等のナイトロジェンマスタード;
(iii)チオテパ等のエチレンイミン誘導体;
(iv)カルムスチン、ロムスチン及びストレプトゾシン等のニトロソウレア;
(v)ダカルバジン、プロカルバジン、及びテモゾラミド等のトリアゼン;
(vi)シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチンオンナプラチン、テトラプラチン、スプロプラチン、イプロプラチン、クロロ(ジエチレンジアミノ)−白金(II)塩化物、ジクロロ(エチレンジアミノ)−白金(II)、ジアミノ(2−エチルマロナト)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナトプラチン(II)、(4−カルボキシフタロ)−(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラート)白金(II)及び(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(ピルバト)白金(II)等の白金化合物;
(vii)メトトレキサート、パーメトレキセート、ラルチトレキセート及びトリメトレキセート等の抗葉酸薬を含む代謝拮抗薬;
(viii)アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン及びトロキサシタビン等のピリミジン類似物質;
(ix)クラドリビン、クロロデオキシアデノシン、クロロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン及びチオグアニン等のプリン類似物質;
(x)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ミスラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ポルフィロマイシン等の抗腫瘍抗生物質を含む天然産物;
(xi)ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、及びバルビシン等のアントラサイクリン系薬剤;
(xii)ビンカアルカロイド系のビンブラスチン、ビンベシル、ビンクリスチン、ビンデシン、及びビノレルビン等の有糸分裂阻害剤;
(xiii)L−アスパラギナーゼ及びPEG−L−アスパラギナーゼ等の酵素;
(xiv)タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;
(xv)カンプトテシン、イリノテカン及びトポテカン等のトポイソメラーゼI阻害剤;
(xvi)ポドフィロトキシン、アムサクリン、エトポシド、テニポシド、ロソキサントロン及びアクチノマイシン等のトポイソメラーゼII阻害剤;
(xvii)以下のホルモン及びホルモン拮抗剤:
−フルオキシメステロン及びテストラクトン等のアンドロゲン;
−ビカルタミド、シプロテロン、フルタミド及びニルタミド等の抗アンドロゲン剤;
−デキサメタゾン及びプレドニゾン等のコルチコステロイド薬;
−アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタン及びレトロゾール等のアロマターゼ阻害剤;
−ジエチルスチルベストロール等のエストロゲン;
−フルベストラント、ラロキシフェン、タモキシフェン及びトレミフィン等の抗エストロゲン剤;
−アバレリックス、ブセレリン、ゴセレリン、リュープロリド、ヒストレリン、デソレリン、酢酸ナファレリン及びトリプトレリン等の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)作用薬と拮抗薬;
−酢酸メドロキシプロゲステロン及び酢酸メゲストロール等のプロゲスチン;
−レボチロキシン及びリオチロニン等の甲状腺ホルモン;
(xviii)ペリホシン、エンザスタウリン塩酸塩及びトリシリビン等のPKB経路阻害剤;
(xix)セマフォア及びSF1126等のP13K阻害剤並びにラパマイシン及びその類似物質等のMTOR阻害剤;
(xx)セリシクリブ、アルボシジブ及び7−ヒドロキシスタウロスポリン等のCDK阻害剤;
(xxi)セレコキシブを含むCOX−2阻害剤;
(xxii)トリコスタチンA、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、及びクラミドシンを含むHDAC阻害剤;
(xxiii)DNAメチラーゼ阻害剤(テモゾロミドを含む)及びその他の薬剤(アルトレタミン、三酸化ヒ素、サリドマイド、レナリドミド、硝酸ガリウム、レバミゾール、ミトタン、ヒドロキシ尿素、オクトレオチド、プロカルバジン、スラミン、メトキサレン及びナトリウムポルフィマー等の光力学的化合物);
(xxiv)ボルテゾミブ等のプロテアソーム阻害剤;
(xxv)遺伝子治療薬及びアンチセンス治療薬等の機能的治療薬を含む分子標的治療薬;
(xxvi)塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤;
(xxvii)ソラフェニブ等のRaf阻害剤、並びにレチノイド及びレキシノイド等の遺伝子発現調節剤、例えばアダパレン、ベキサロテン、trans−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸、及びN−(4−ヒドロキシフェニル)レチナミド;
(xxviii)表現型標的治療薬である、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、リツキシマブ、トラスツズマブ等のモノクローナル抗体、ゲムツズマブ・オゾガミシン等の免疫毒素、I−トシツモバブ等の放射性免疫複合体;
(xxix)がんワクチン;
(xxx)生物学的療法剤である、インターフェロン−[α]2a及びインターフェロン−[α]2b等のインターフェロン、及びアルデスロイキン、デニロイキンジフチトクス及びオプレルベキン等のインターロイキン;
(xxxi)予防薬又は補助薬の使用を含む抗がん療法:アミフォスチン及びデクスラゾキサン等の細胞保護薬、パミドロネート及びゾレドロン酸等のホスホネート、並びにエポエチン、ダルベペチン、フィルグラスチム、PEG−フィルグラスチム及びサルグラモスチム等の刺激因子;
(xxxii)Axl阻害剤である、1−(6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジン−3−イル)−N3−((7−(S)−ピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン等;及び/又は、
(xxxiii)さらなる併用化学療法計画である、カルボプラチン/パクリタキセル、カペシタビン/ドセタキセル、フルオラウラシル/レバミゾール、フルオラウラシル/ロイコボリン、メトトレキサート/ロイコボリン、及びトラスツズマブ/パクリタキセルの単独又はさらなるカルボプラチンとの併用等、である。
いくつかの好ましい態様では、さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである。いくつかの特に好ましい態様では、さらなるがん治療はシタラビンである。他の特に好ましい態様では、さらなるがん治療はデシタビンである。
〔バイオマーカーの活性、発現、量の評価〕
本明細書に記載される予測方法のいくつかの態様では、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価は、試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と接触させる工程;及び検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程を含む。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量の評価は、被験体又は被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定を含む。好ましくは、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、タンパク質発現のレベルの測定により、評価される。特に好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、血清中のタンパク質発現のレベルの測定により、評価される。
用語「発現」とは、対応するmRNAを生成する遺伝子のDNA鋳型の転写、及び対応する遺伝子産物(すなわち、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質)を生成する当該mRNAの翻訳、並びに翻訳後修飾がされたかもしれない1又はそれ以上の形態のタンパク質の「発現」を意味する。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定工程は、試料又は試料由来の抽出物を、各々がそれぞれのバイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーと接触させる工程と、当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出及び/又は定量の工程とを含む。ある態様では、特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
タンパク質及びmRNA発現レベルを決定する一連の適当な技術、例えばマイクロアレイ分析、ウェスタンブロット法、及びQPCR等のPCR技術は、当該分野で周知である。いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量の決定は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用を含み得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される。その場合、各バイオマーカータンパク質又はmRNAは、試料中で定量され得、当該量は、試料の尺度、例えば、試料の容積、質量、又は総タンパク質量として表され得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、ここで、当該相対量は、試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定される。このように、バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量を決定することで、正規化が可能となり、例えば、総タンパク質濃度の差異を考慮して、試料間のバイアスを除去しうる。
好ましくは、参照タンパク質又はmRNAは、その発現又は量が、がんである、特にAMLである被験体とがんでない被験体との間で有意に変化しない。すなわち、参照タンパク質又はmRNAは、好ましくは、その発現又は量がAMLによって変化しない。従って、参照タンパク質又はmRNAは、本明細書に記載されるバイオマーカーの1つではない1又はそれ以上のタンパク質又はmRNAを含み得る。当該1又はそれ以上のバイオマーカーの発現量又は量を相対量として表す場合、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量を、試料中の参照タンパク質又はmRNAの絶対量で除算しうる。
〔RNAレベルでのバイオマーカー発現の評価〕
遺伝子発現はRNAレベルで検出しうる。RNAは、例えば、酸性フェノール/グアニジンイソチオシアネート抽出(RNAzol B;Biogenesis)、RNeasyRNA調製キット(Qiagen)又はPAXgene(PreAnalytix、スイス)を用いることを含むRNA抽出技術を用いて細胞から抽出され得る。リボ核酸ハイブリダイゼーションを利用する通常の分析フォーマットとしては、核ランオンアッセイ、RT−PCR、RNase保護アッセイ(Melton et al., Nuc. Acids Res. 12:7035)、ノーザンブロット法及びInSituハイブリダイゼーションがあげられる。遺伝子発現はまた、以下に記載するマイクロアレイ分析によって検出され得る。
〔タンパク質レベルでのバイオマーカー発現の評価〕
好ましくは、バイオマーカーレベルは、タンパク質発現の測定により評価される。改変された遺伝子又はタンパク質の発現は、遺伝子によりコードされるポリペプチドの測定によっても検出しうる。これは、バイオマーカー遺伝子によりコードされるポリペプチドに結合する分子を用いることにより達成され得る。タンパク質の存在の検出のためにポリペプチドに直接的又は間接的に結合する適当な分子/剤は、天然に存在する分子、例えば、ペプチド及びタンパク質、例えば、抗体を含むか、又はそれらは合成分子であってよい。
抗体は、市販の供給源から、又は当業者に周知の技術を介して獲得しうる。一の実施形態では、改変された発現が、タンパク質バイオマーカーの翻訳後改変された形態の改変の発現を介して現れる場合、当該異なる形態に特異的な抗体が用いられ得る。本開示の目的のため、「抗体」という用語は、別段の規定がない限り、標的抗原に対するそれらの結合活性を保持する全抗体又は全抗体の断片を含む。当該断片としては、Fv、F(ab')及びF(ab')2断片、並びに単鎖抗体(scFv)があげられる。さらに、抗体及びその断片は、例えば、欧州特許公開第239400号に記載されているヒト化抗体であり得る。例えば、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体、組換え抗体、抗体のタンパク質分解断片及び組換え断片(Fab、Fv、scFv、ジアボディ)、単一ドメイン抗体(VHH、sdAb、ナノボディ、IgNAR、VNAR)、及び抗体様特異的結合を有するように操作された、抗体とは無関係のタンパク質である。抗体は、固体支持体に結合され、及び/又は適当な試薬、対照、指示書等と共に適当な容器中のキットにパッケージされ得る。
〔アレイ〕
アレイ技術及びそれに関連する様々な技術及び適用は、当技術分野で周知である。アレイ技術は一般に「1の実験で1の遺伝子」に基づいて機能し、その結果、スループットが低下し、遺伝子機能の「全体像」が理解できないという、分子生物学における従来の方法の欠点を克服する。本開示の産物及び方法の文脈では、アレイ技術は、例えば、バイオマーカータンパク質又はmRNAの発現の分析で用いられうる。
一般に、いかなるライブラリ又は試料群は、ライブラリ又は群のメンバーを空間的に分離して、アレイに秩序正しく配列しうる。アレイ化に適したライブラリの例としては、核酸ライブラリ(DNA、cDNA、オリゴヌクレオチド等のライブラリを含む)、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質ライブラリ、並びにリガンドライブラリ等のいかなる分子をも含むライブラリが挙げられる。従って、本明細書で「ライブラリ」を参照する場合は、文脈上別段の指示がない限り、当該参照は、アレイの形態のライブラリを参照することを含むものと解釈されるべきである。
タンパク質、ポリペプチド等もまた、アレイで固定化しうる。例えば、抗体は、タンパク質チップ(Borrebaeck CA, 2000, Immunol Today 21(8):379-82)を用いたプロテオームのマイクロアレイ分析に用いられる。ポリペプチドアレイは、例えば、MacBeath and Schreiber, 2000, Science, 289(5485):1760-1763に概説がある。
〔試料〕
適当な試料としては、組織生検、血液、尿、頬側擦過物等の組織試料、並びに血清、血漿、又は組織培養上清試料が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中のタンパク質発現のレベルの測定により評価される。いくつかの好ましい態様では、試料は、血液、血清又は血漿試料である。いくつかの特に好ましい態様では、試料は血清試料である。
被験体由来の血清又は血漿試料中の1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量を評価する場合、試料を除去し、フローサイトメトリー、マスサイトメトリー(CyTOF)、ELISA、PET、及びSELDI−TOF MS等の分析技術に供する。いくつかの他の態様では、遺伝子発現は、例えばウェスタンブロットによってタンパク質産物を検出することによって検出しうる。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現レベルは、1又はそれ以上のバイオマーカーをコードする遺伝子のコピー数を決定することによって評価される。コピー数(すなわち、遺伝子重複事象)は、例えば、Jiang et al. (Jiang Q, Ho YY, Hao L, Nichols Berrios C, Chakravarti A. 候補遺伝子におけるコピー数変異体は、ヒルシュスプルング病の遺伝的修飾因子である。PLoS One; 6(6))に記載されているようなDNAチップを用いて、当該技術分野で公知の標準的な技術を用いて決定しうる。
本明細書に記載される予測方法のいくつかの好ましい実施形態であり、該方法はインビトロ又はエクスビボで実施される。
〔治療被験体の選択方法〕
本開示の本側面の第3態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために、急性骨髄性白血病(AML)を有する、有すると疑われる、又は診断される被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、上記開示の第1及び第2態様に従って定義された予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定すること;及び、そのように同定された被験体を治療のために選択することを含む。
ある実施形態では、この態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療を継続するために、急性骨髄性白血病(AML)を有している、有していると疑われる、若しくは診断される被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、上記の開示の第2態様に従って定義された予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定し、そしてそのようにして同定された被験体を治療のために選択することを含む。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、治療は、本明細書に記載されるように、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤を被験体に投与することを含む。従って、ある実施形態では、治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。いくつかの好ましい態様では、処置は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤には、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体が含まれる。いくつかの好ましい態様では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3又は5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい態様では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい態様では、処理は、Akt3阻害剤を含む。ある態様では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されているAkt3阻害剤である。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、治療は、単剤として投与される。他の態様では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説されている。ある態様では、さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、又はトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである。いくつかの特に好ましい態様では、さらなるがん治療はシタラビンである。他の特に好ましい態様では、さらなるがん治療はデシタビンである。
〔キット〕
本開示の本側面の第4態様は、診断キット及び試験装置に関する。いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む診断キットを提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。ある実施形態では、検出するための試薬の各々は、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lからなる群より選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
他の態様では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む試験装置を提供し、当該試薬の各々は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。ある実施形態では、検出するための試薬の各々は、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lからなる群より選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は本明細書に記載されたバイオマーカーの1つに選択的に結合する;かつ、当該1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する1又はそれ以上の試薬、又は当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカーにより形成された複合体の検出及び/又は定量化のための、1又はそれ以上の試薬を含む。ある実施形態では、各特異的結合メンバーは、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE及び/又はCD40−Lからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、Axlに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、診断キット又は試験装置は、基板上にアレイの形態で提供されるか、又はビーズ又はマイクロスフェア等の複数の粒子に結合された、複数の前記特異的結合メンバーを含む。当該粒子は、検出可能な標識でコードしうる。ある実施形態では、当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含む。
当該特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出する診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、以下の:ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ;から選択される技術を用いて行われる。
当該診断キット又は検査装置のいくつかの実施形態では、キット又は検査装置は、検出用の試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む。当該診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、当該キット又は試験装置は、15、20、25、30、40、又は50以下の特異的結合メンバーを含む。
本開示はまた、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における当該診断キット及び試験装置の使用を提供する。好ましい実施形態では、がん関連転帰は、本明細書に記載される、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
ある実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、若しくはPHGDH阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
当該予測方法に用いられる診断キット又はテスト装置のいくつかの実施形態では、被験体は、AMLであり、であると疑われる、又はAMLと診断されている。
いくつかの実施形態では、当該方法は、上記開示の第1及び第2態様により特定される通りであり得る。
本開示の本側面の第5態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用に関する。
本開示の本側面の第6態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々が、Ax、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、バイオマーカーの、活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上試薬の使用に関する。ある実施形態では、検出用の当該試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む。当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
いくつかの実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される通りであり得る。
〔使用〕
本開示の本側面の第7態様は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとしての、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、IgE、及び/又はCD40−Lの1又はそれ以上の使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとしての、Axl、並びに、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の以下の:FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lの使用に関する。
いくつかの態様では、当該使用は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される方法におけるバイオマーカーとしての使用である。
〔被験体の治療方法〕
本開示の本側面の第8態様は、急性骨髄性白血病(AML)である、の疑いがある、又はと診断された被験体の治療方法に関する。ある実施形態では、本方法は、開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、治療用被験体を同定する工程;及びEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療的有効量を前記被験体に投与する工程を含む。
すなわち、いくつかの態様では、当該方法は、以下の:(a)当該被験体から試料を得る工程;(b)本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に前記被験体が、感受性があるかどうかを判定する工程;(c)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程を含む。
ある実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、当該治療に感受性であると同定された被験体に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を投与する工程を含む。
他の実施形態では、当該方法は、以下の:(a)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び(b)本開示の第2側面の上記第2態様に従って定義された予測方法を用いて、前記被験体が前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程を含む。ある実施形態では、本方法はさらに、(c)前記被験体が前記治療に感受性であると同定される場合、EMTを阻害若しくは逆転させることができる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤を、前記被験体に投与することを含む。
本開示の本側面の第9態様は、急性骨髄性白血病(AML)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
本開示の本側面の第10態様は、急性骨髄性白血病(AML)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。いくつかの好ましい態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025である。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該治療は単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。いくつかの実施形態では、さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はシタラビンである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はデシタビンである。
〔開示に関する記載〕
以下の番号つきの記載は、本開示の本側面に関し、記載の部分を構成する:
101.被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む、前記被験体におけるがん関連転帰を予測する方法であって;
ここで、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、からなる群より選択され;かつ、
Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、IgE、及び/又はCD40−L
ここで、前記被験体が、急性骨髄性白血病(AML)である、であると疑われる、又はと診断されていた、方法。
102.以下の:前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む、101に記載の方法。
103.前記予測は、前記試料プロファイルを制御プロファイルと比較して行われる、102に記載の方法。
104.前記試料プロファイルが、前記被験体が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤との接触、又は、投与前に得られる、103に記載の方法。
105.前記対照プロファイルは、以下の:
(i)AMLである対照被験体集団から得られた;又は
(ii)AMLであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)から得られた;
(iii)バイオマーカーの発現、活性又は量の値の所定のプロファイルであって、例えば、AMLであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非反応被験体)から得られた、例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル、又は値の「標準範囲」;
(iv)AMLであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均」値である対照試料由来であり;
(v)AMLであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)から得られた、バイオマーカー発現、活性、又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、
(vi)AMLであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「閾値」である対照試料由来である、104に記載の方法。
106.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
107.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
108.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lのうちの少なくとも1つを含み、かつ、前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105〜107のいずれか一項に記載の方法。
109.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、及び/又はLHのうちの少なくとも1つを含み、かつ、前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105〜108のいずれか一項に記載の方法。
110.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおいて、以下の:
Axlの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
FGF−21の活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
RAGEの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
CEAの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
FSHの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
MMP−10の活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
オメンチンの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
CA−19−9の活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
LHの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
ハプトグロビンの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
NAP−2の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
免疫グロブリンEの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
CD40−Lの活性、発現、又は量が高い;
場合に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105〜109のいずれか一項に記載の方法。
111.前記1又はそれ以上のバイオマーカーがAxlを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、及び以下の:FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、IgE、及び/又はCD40−L;から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
112.:以下の:
前記Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版(entry version)196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;
前記線維芽細胞増殖因子21(FGF−21)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q9NSA1(登録版145)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;
前記進行性グリコシル化最終生成物の受容体(RAGE)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q15109−1、Q15109−2、Q15109−3、Q15109−4、Q15109−5、Q15109−6、Q15109−7、Q15109−8、Q15109−9、Q15109−10(登録版189)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;
前記がん胎児性抗原(CEA)バイオマーカーは、UniProt受託番号P06731−1若しくはP06731−2(登録版179)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;
前記卵胞刺激ホルモン(FSH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01225(登録版189)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;
前記マトリクスメタロプロテイナーゼ−10(MMP−10)バイオマーカーは、UniProt受託番号P09238(登録版185)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;
前記オメンチンバイオマーカーは、UniProt受託番号Q8WWA0(登録版127)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;
前記がん抗原19−9(CA−19−9)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q9BXJ9−1又はQ9BXJ9−2(登録版160)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;
前記黄体形成ホルモン(LH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01229(登録版179)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;
前記ハプトグロビン(HP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00738−1若しくはP00738−2(登録版200)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;
前記好中球活性化ペプチド2(NAP−2)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02775(登録版191)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;
前記免疫グロブリンE(IgE)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01854(登録版162)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;及び/若しくは、
前記CD40リガンド(CD40−L)バイオマーカーは、UniProt受託番号P29965(登録版199)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;
又は、前記アミノ酸配列をコードする全長の核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)である、101〜111のいずれか一項に記載の方法。
113.前記方法が、前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の前記バイオマーカーの量を測定することを含む、101〜112のいずれか一項に記載の方法。
114.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、
検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;
を含む、104〜113のうちのいずれか一項に記載の方法。
115.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、114に記載の方法。
116.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、115に記載の方法。
117.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術を用いて行われる、115又は116に記載の方法。
118.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、115〜117のいずれか一項に記載の方法。
119.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はAMLによって変化しない、115〜117のいずれか一項に記載の方法。
120.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、101〜119のいずれか一項に記載の方法。
121.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、120に記載の方法。
122.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、121に記載の方法。
123.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、122に記載の方法。
124.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、123に記載の方法。
125.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、123に記載の方法。
126.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、121記載の方法。
127.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、126に記載の方法。
128.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、120〜127のいずれか一項に記載の方法。
129.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、120〜127のいずれか一項に記載の方法。
130.前記さらなるがん治療は、以下の:
(i)ブスルファン等のアルキルスルホン酸塩を含むアルキル化剤;
(ii)クロラムブシル、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン及びウラムスチン等のナイトロジェンマスタード;
(iii)チオテパ等のエチレンイミン誘導体;
(iv)カルムスチン、ロムスチン及びストレプトゾシン等のニトロソウレア;
(v)ダカルバジン、プロカルバジン、及びテモゾラミド等のトリアゼン;
(vi)シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチンオンナプラチン、テトラプラチン、スプロプラチン、イプロプラチン、クロロ(ジエチレンジアミノ)−白金(II)塩化物、ジクロロ(エチレンジアミノ)−白金(II)、ジアミノ(2−エチルマロナト)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナトプラチン(II)、(4−カルボキシフタロ)−(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラート)白金(II)及び(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(ピルバト)白金(II)等の白金化合物;
(vii)メトトレキサート、パーメトレキセート、ラルチトレキセート及びトリメトレキセート等の抗葉酸薬を含む代謝拮抗薬;
(viii)アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン及びトロキサシタビン等のピリミジン類似物質;
(ix)クラドリビン、クロロデオキシアデノシン、クロロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン及びチオグアニン等のプリン類似物質;
(x)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ミスラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ポルフィロマイシン等の抗腫瘍抗生物質を含む天然産物;
(xi)ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、及びバルビシン等のアントラサイクリン系薬剤;
(xii)ビンカアルカロイド系のビンブラスチン、ビンベシル、ビンクリスチン、ビンデシン、及びビノレルビン等の有糸分裂阻害剤;
(xiii)L−アスパラギナーゼ及びPEG−L−アスパラギナーゼ等の酵素;
(xiv)タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;
(xv)カンプトテシン、イリノテカン及びトポテカン等のトポイソメラーゼI阻害剤;
(xvi)ポドフィロトキシン、アムサクリン、エトポシド、テニポシド、ロソキサントロン及びアクチノマイシン等のトポイソメラーゼII阻害剤;
(xvii)以下のホルモン及びホルモン拮抗剤:
−フルオキシメステロン及びテストラクトン等のアンドロゲン;
−ビカルタミド、シプロテロン、フルタミド及びニルタミド等の抗アンドロゲン剤;
−デキサメタゾン及びプレドニゾン等のコルチコステロイド薬;
−アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタン及びレトロゾール等のアロマターゼ阻害剤;
−ジエチルスチルベストロール等のエストロゲン類;
−フルベストラント、ラロキシフェン、タモキシフェン及びトレミフィン等の抗エストロゲン剤;
−アバレリックス、ブセレリン、ゴセレリン、リュープロリド、ヒストレリン、デソレリン、酢酸ナファレリン及びトリプトレリン等の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)作用薬と拮抗薬;
−酢酸メドロキシプロゲステロン及び酢酸メゲストロール等のプロゲスチン;
−レボチロキシン及びリオチロニン等の甲状腺ホルモン;
(xviii)ペリホシン、エンザスタウリン塩酸塩及びトリシリビン等のPKB経路阻害剤;
(xix)セマフォア及びSF1126等のP13K阻害剤並びにラパマイシン及びその類似物質等のMTOR阻害剤;
(xx)セリシクリブ、アルボシジブ及び7−ヒドロキシスタウロスポリン等のCDK阻害剤;
(xxi)セレコキシブを含むCOX−2阻害剤;
(xxii)トリコスタチンA、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、及びクラミドシンを含むHDAC阻害剤;
(xxiii)DNAメチラーゼ阻害剤(テモゾロミドを含む)及びその他の薬剤(アルトレタミン、三酸化ヒ素、サリドマイド、レナリドミド、硝酸ガリウム、レバミゾール、ミトタン、ヒドロキシ尿素、オクトレオチド、プロカルバジン、スラミン、メトキサレン及びナトリウムポルフィマー等の光力学的化合物);
(xxiv)ボルテゾミブ等のプロテアソーム阻害剤;
(Xxv)遺伝子治療薬及びアンチセンス治療薬等の機能的治療薬を含む分子標的治療薬;
(xxvi)塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤;
(xxvii)ソラフェニブ等のRaf阻害剤、並びにレチノイド及びレキシノイド等の遺伝子発現調節剤、例えばアダパレン、ベキサロテン、trans−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸、及びN−(4−ヒドロキシフェニル)レチナミド;
(xxviii)表現型標的治療薬である、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、リツキシマブ、トラスツズマブ等のモノクローナル抗体、ゲムツズマブ・オゾガミシン等の免疫毒素、I−トシツモバブ等の放射性免疫複合体;
(xxix)がんワクチン;
(xxx)生物学的療法剤である、インターフェロン−[α]2a及びインターフェロン−[α]2b等のインターフェロン、及びアルデスロイキン、デニロイキンジフチトクス及びオプレルベキン等のインターロイキン;
(xxxi)予防薬又は補助薬の使用を含む抗がん療法:アミフォスチン及びデクスラゾキサン等の細胞保護薬、パミドロネート及びゾレドロン酸等のホスホネート、並びにエポエチン、ダルベペチン、フィルグラスチム、PEG−フィルグラスチム及びサルグラモスチム等の刺激因子;
(xxxii)Axl阻害剤である、1−(6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジン−3−イル)−N3−((7−(S)−ピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン等;及び/又は、
(xxxiii)さらなる併用化学療法計画である、カルボプラチン/パクリタキセル、カペシタビン/ドセタキセル、フルオラウラシル/レバミゾール、フルオラウラシル/ロイコボリン、メトトレキサート/ロイコボリン、及びトラスツズマブ/パクリタキセルの単独又はさらなるカルボプラチンとの併用等;
中から選択される、129に記載の方法。
131.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、129記載の方法。
132.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、131に記載の方法。
133.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、131に記載の方法。
134.前記被験体が哺乳動物である、101〜133のいずれか一項に記載の方法。
135.前記被験体がヒトである、134に記載の方法。
136.前記予測方法は、前記被験体がAMLの治療又は治療コースを受ける前に実施される、101〜135のいずれか一項に記載の方法。
137.前記予測方法は、AMLの治療中又は治療コース後に実施される、101〜136のいずれか一項に記載の方法。
138.前記被験体が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている、101〜135又は137のいずれか一項に記載の方法。
139.前記被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている、138に記載の方法。
140.前記被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている、138又は139に記載の方法。
141.前記被験体が、以前EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療されていない、101〜136のいずれか一項に記載の方法。
142.前記被験体が、以前Axl阻害剤で治療されていない、141に記載の方法。
143.前記被験体が、以前Akt3阻害剤で治療されていない、141に記載の方法。
144.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、101〜143のいずれか一項に記載の方法。
145.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、144に記載の方法。
146.前記試料は、血清試料である、145に記載の方法。
147.前記方法が、前記被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現、又は量を評価する後工程をさらに含み、試料プロファイルは、前記被験体を、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる剤と、接触させた後に得られる、104〜146のいずれか一項に記載の方法。
148.前記試料プロファイルは、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させた後に得られる、103に記載の方法。
149.前記対照プロファイルが、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させる前に、同一被験体から得られる、147又は148に記載の方法。
150.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、149に記載の方法。
151.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、149に記載の方法。
152.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、149に記載の方法。
153.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、149に記載の方法。
154.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともAxlを含む、150に記載の方法。
155.前記被験体又は前記被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、147〜154のいずれか一項に記載の方法:
156.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、155に記載の方法。
157.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、156に記載の方法。
158.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ;から選択される技術を用いて行われる、156又は157に記載の方法。
159.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、156〜158のいずれか一項に記載の方法。
160.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はAMLによって変化しない、156〜158のいずれか一項に記載の方法。
161.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、148〜160のいずれか一項に記載の方法。
162.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、161に記載の方法。
163.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、162に記載の方法。
164.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、163に記載の方法。
165.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、163に記載の方法。
166.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、161記載の方法。
167.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、166に記載の方法。
168.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、161〜167のいずれか一項に記載の方法。
169.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、161〜167のいずれか一項に記載の方法。
170.前記さらなるがん治療は、上記130に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、169に記載の方法。
171.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、169記載の方法。
172.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、171に記載の方法。
173.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、171に記載の方法。
174.前記被験体が哺乳動物である、148〜173のいずれか一項に記載の方法。
175.前記被験体がヒトである、174に記載の方法。
176.前記被験体が、上記101〜147のいずれか1つの予測方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる前記薬剤又は化学療法剤による治療に選択される、148〜175のいずれか一項に記載の方法。
177.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、148〜176のいずれか一項に記載の方法。
178.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、177に記載の方法。
179.前記試料は、血清試料である、178に記載の方法。
180.前記方法が、インビトロ又はエクスビボで行われる、1〜179のいずれか一項に記載の方法。
201.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために、急性骨髄性白血病(AML)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
202.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による継続治療のために、急性骨髄性白血病(AML)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:148〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
203.前記治療が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転させることができる治療有効量の薬剤を被験体に投与することを含む、201又は202に記載の方法。
204.前記治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、203に記載の方法。
205.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204に記載の方法。
206.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、205に記載の方法。
207.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、206に記載の方法。
208.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、206に記載の方法。
209.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204に記載の方法。
210.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、209に記載の方法。
211.前記治療が、単剤として投与される、203〜210のいずれか一項に記載の方法。
212.前記治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、203〜211のいずれか一項に記載の方法。
213.前記さらなるがん治療は、上記130に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、212に記載の方法。
214.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、212に記載の方法。
215.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、214に記載の方法。
216.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、214に記載の方法。
301.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、その各々は、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む診断キット。
302.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための、その各々は、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む試験装置。
303.以下の:Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、IgE、及び/又はCD40−Lからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバー;かつ、前記1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する、1若しくはそれ以上の試薬、又は前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカーによって形成された複合体を検出及び/又は定量化する、1又はそれ以上の試薬;を含む、301又は302に記載の診断キット又は検査装置。
304.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、303に記載の診断キット又は検査装置。
305.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出が、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用によって行われる、303又は304に記載の診断キット又は検査装置。
306.前記キット又は検査装置は、検出用試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む、301〜305のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
307.被験体のがん関連転帰を予測する方法に用いられる、301〜306のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
308.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、307に記載の診断キット又は検査装置。
309.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
310.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
311.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、310に記載の診断キット又は検査装置。
312.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、311に記載の診断キット又は検査装置。
313.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、311に記載の診断キット又は検査装置。
314.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤がAkt3阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
315.前記被験体が、急性骨髄性白血病(AML)である、であると疑われる、又はと診断されていた、307〜310のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
316.前記方法は、101〜180のいずれか一項に記載の方法である、307〜315のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
317.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
318.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々が、Ax、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、バイオマーカーの、活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上試薬の使用。
319.前記検出用試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む、317又は318に記載の使用。
320.被験体におけるがん関連の転帰を予測する方法は、101〜180のいずれか1つに基づく方法である、317又は318に記載の使用。
401.被験体がEMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に感受性があるかを判定するバイオマーカーとしての、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、IgE、及び/又はCD40−Lの1又はそれ以上の使用。
402.(i)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示し;又は、(ii)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す;401の使用。
403.(i)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が増えた場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;か、又は、(ii)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が減少した場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;401の使用。
404.前記方法は、101〜180のいずれか一項に記載の方法である、401〜403のいずれか一項に記載の使用。
501.急性骨髄性白血病(AML)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:上記101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;を含む、方法。
502.急性骨髄性白血病(AML)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:(a)被験体からの試料の採取工程;(b)前記被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤、又は上記101〜180のいずれか一項に記載された方法を用いた化学療法剤による治療に感受性があるかどうかの判定工程;(c)前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量の前記被験体への投与工程;を含む、方法。
503.急性骨髄性白血病(AML)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤を、上記101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記治療に感受性であると同定された被験体に投与する工程を含む、方法。
504.急性骨髄性白血病(AML)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;及び前記被験体が、上記148〜180のいずれかに記載の方法を用いて、前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程;を含む、方法。
505.前記方法が、前記被験体が前記治療に対して感受性であると同定される場合、EMTを阻害又は逆転しうる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤又は化学療法剤を前記被験体に投与することを含む、504に記載の方法。
506.急性骨髄性白血病(AML)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤。
507.急性骨髄性白血病(AML)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用。
508.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、501〜507のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
509.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
510.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、509に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
511.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤を含む、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
513.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、512に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
514.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、単剤として投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
515.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
516.上記130に列挙されたさらなるがん治療の中からさらなるがん治療が選択される、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
517.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
518.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
519.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
《第2側面:骨髄異形成症候群(MDS)》
骨髄異形成症候群(MDS)は、造血不良、その結果として生じる末梢血球減少症、及び急性骨髄性白血病への進行リスク亢進を特徴とするクローン性及び悪性骨髄性疾患の多様な群である。MDSに対する化学療法剤療法には、レナリドミド、抗胸腺細胞グロブリン、アザシチジン、及びデシタビンがある。しかしながら、現在の治療法の効能は限られ、MDS治療には併用療法及び標的療法が依然として必要である(非特許文献5)。
従って、MDSである被験体におけるがん関連転帰、例えば、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性、を予測する安定したバイオマーカー、は、特定の薬剤/計画による治療に反応するか又は利益を受ける見込みが最も高い被験体を同定するのに有用であろう。
本明細書で記載される「対照被験体集団性」被験体とは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤、又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが高い、又は反応する(又は治療から利益を受ける)被験体である。
これに対応する、本明細書で記載される「非応答性」被験体は、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤、又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが低い(又は反応しない)被験体である。
本明細書中で用いられる「治療に反応する」又は「治療から利益を得る」とは、治療からの全体的な臨床的利益を経験することをいう。この全体的な臨床的利益とは、生存期間の延長、疾患の部分寛解又は完全寛解(例えば、骨髄中の骨髄芽球%及び/又は細胞系の正常な成熟により評価される)、疾患の進行の遅延又は非進行(例えば、骨髄中の骨髄芽球%及び/又は細胞系の正常な成熟により評価される)、生活の質の改善(例えば、がん治療の機能的評価(FACT)質問票等の健康関連QOL質問票を用いて評価される)、無増悪生存率、血液学的改善(例えば、血中ヘモグロビン、血小板数、及び/又は好中球数の増加)、骨髄反応(例えば、骨髄芽球が5%以下の骨髄の場合、骨髄芽球の30%、40%、50%以上の減少;循環骨髄芽球及びアウエル小体を伴う骨髄芽球の欠如;髄外疾患の欠如)、血液学的回復(例えば、ヘモグロビン≧11g/dL、血小板≧100×10/L、及び/又は末梢血中の好中球≧1×10/L)、遺伝学的マーカー(例えば、CEBPA、NPM1、又はFLT3)に対する負の反応、又はその他の正の患者転帰;のいずれかである。
〔バイオマーカー〕
本明細書における用語「マーカー」又は「バイオマーカー」は、被験体又は前記被験体に由来する試料における発現が、がんにおいて、例えば上方又は下方調節されて改変又は変調される遺伝子又はタンパク質を示すのに用いられる。
当該バイオマーカーがタンパク質である場合、発現の変調又は改変は、異なる翻訳後修飾を介する変調を包含する。
本開示の当該側面のいかなる態様でも、本明細書に記載されるバイオマーカーは、以下の:
Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
トランスフェリン受容体タンパク質1(TFR1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02786(登録版222)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
FASLG受容体(FAS)バイオマーカーは、UniProt受託番号P25445−1、P25445−2、P25445−3、P25445−4、P25445−5、P25445−6、又はP25445−7(登録版227)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
インターロイキン−8(IL−8)バイオマーカーは、UniProt受託番号P10145(登録版210)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
Tamm−Horsfall尿中糖タンパク質(THP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07911−1、P07911−2、P07911−3、P07911−4、又はP07911−5(登録版182)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
TNF関連アポトーシス誘導性リガンド受容体3(TRAIL−R3)バイオマーカーは、UniProt受託番号O14798(登録版152)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
マクロファージ由来ケモカイン(MDC)バイオマーカーは、UniProt受託番号O00626(登録版153)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
抗ロイコプロテイナーゼ(ALP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P03973(登録版184)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
トレフォイル因子3(TFF3)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q07654(登録版161)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
脂肪酸結合タンパク質、脂肪細胞(FABP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P15090(登録版183)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
フォンウィルブランド因子(vWF)バイオマーカーは、UniProt受託番号P04275−1又はP04275−2(登録版233)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
ビタミンD結合タンパク質(VDBP)バイオマーカーバイオマーカーは、UniProt受託番号P02774−1、P02774−2、又はP02774−3(登録版201)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
シスタチン−Bバイオマーカーは、UniProt受託番号P04080(登録版201)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
ウテログロビンバイオマーカーは、UniProt受託番号P11684(登録版163)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
フィブリノーゲンバイオマーカーは、UniProt受託番号P02671−1若しくはP02671−2(登録版227)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
上皮成長因子受容体(EGFR)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q504U8(登録版138)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;及び/又は、
レプチンバイオマーカーは、UniProt受託番号P41159(登録版176)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;と、特定されうる。
本明細書に記載されるバイオマーカーはまた、上記アミノ酸配列のいずれかをコードする全長核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)として特定され得る。
同一性FASTA及びFASTP(Pearson&Lipman,1988.Methods in Enzymology 183:63-98を参照)を用いた配列比較を用いて特定しうる。パラメータは、以下の:Gapopen(ギャップの最初の残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−12/DNAに対する−16;Gapext(ギャップの追加残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−2/DNAに対する;KTUPワード長:タンパク質に対する2/DNAに対する6;のように、デフォルトのマトリクスを用いて設定するのが好ましい。
〔治療前予測のバイオマーカー及び方法〕
発明者らは、臨床試験BGBC003(NCT0248408)から得られた患者データを解析して、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、MDS患者の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した(実施例1を参照)。同様に、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価すれば、被験体が、当該薬剤による治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうる。
従って、本側面の第1態様では、本開示は、骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又は骨髄異形成症候群(MDS)と診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、トランスフェリン受容体タンパク質1(TFR1)、FASLG受容体(FAS)、インターロイキン−8(IL−8)、Tamm−Horsfall尿中糖タンパク質(THP)、TNF関連アポトーシス誘導性リガンド受容体3(TRAIL−R3)、マクロファージ由来ケモカイン(MDC)、抗白血球タンパク質(ALP)、トレフォイル因子3(TFF3)、脂肪酸結合タンパク質、脂肪細胞(FABP)、フォンウィルブランド因子(vWF)、ビタミンD結合タンパク質(VDBP)、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、上皮成長因子受容体(EGFR)、及び/又はレプチンからなる群から選択される。
本明細書に記載される「がん関連転帰」は、がんと関連する臨床的予測又は予後である。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。
本明細書中で用いる「試料プロファイル」は、被験体又は被験体に由来する試料において決定された各バイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。適当な対照プロファイルは、以下で詳細に説明される。
本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「応答性」被験体の血清よりも高いレベルで存在することが見出された。同様に、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「非応答性」の被験体の血清よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清に存在することが見出された。
この「応答性」と「非応答性」の間の発現レベルの差は、逆の方法で表現しうる。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、被験体の治療前に「非応答性」の被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。同様に、被験体の治療前に、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「非応答性」の被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。
当該異なる発現パターンの発見は、被験体が薬剤での治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することで、当該被験体が、当該薬剤での治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうることを意味する。従って、特に好ましい態様では、当該試料プロファイルは、被験体へのEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の接触又は投与前に得られる。
EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療(又は治療からの利益)に反応する見込みが高い、又は応答する被験体である。すなわち、薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、上記で特定したように、当該薬剤について「応答性」である。「感受性を示す」予測とは、被験体が治療に反応したり、治療から利益を得たりする見込みを示唆又は指摘するものである。
いくつかの態様では、本開示の予測方法は、被験体又は被験体に由来する試料において本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程と、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルに基づいて予測を行う工程を含む。本方法のいくつかの態様では、当該予測は、対照プロファイルと試料プロファイルの比較により行われ、対照プロファイルは、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同じバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
ある実施形態では、対照プロファイルは、MDSである対照被験体の集団から得ることができる。ある実施形態では、対照プロファイルは、MDSでない対照被験体の集団から得ることができる。他の実施形態では、対照プロファイルは、MDSであり、かつ以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤(すなわち、非応答性被験体)による治療に対する感受性の欠如が見いだされた対照被験体又は対照被験体の集団から得ることができる。
ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「平均」値、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、MDSである対照被験体又は対照被験体の集団、MDSでない対照被験体又はMDSである対照被験体又は対照被験体の集団であって、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されたもの(すなわち、非応答性被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、MDSであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団から獲得しうる。ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、値の「閾値」、又は「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、MDSであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団(すなわち、反応被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、試料プロファイルで決定されるのと同じバイオマーカーの既知の量(例えば、「閾値」量)を備えるコントロール試料から獲得しうる。この閾値量は、例えば、上記のように、非応答性又は応答性の被験体から獲得しうる。
当業者であれば、特定のバイオマーカーの適当な「平均」、「閾値」又は値の「標準範囲」を容易に決定しうる。
例えば、「平均」値は、MDSである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;及び「平均」値の決定に測定されたバイオマーカー活性、発現、又は量を平均して、決定しうる。
例えば、「平均」値は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中のバイオマーカー活性、発現、又は決定された量の平均による、「平均」値の決定により、決定され得る。
例えば、「閾値」は被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中の最高又は最低のバイオマーカー活性、発現、又は量の「閾値」としての適宜選択により決定され得る。
例えば、値の「標準範囲」は、MDSである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価、及びこの評価に基づいて値の「標準範囲」を決定することで、決定しうる。
例えば、値の「標準範囲」は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び当該評価に基づき、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが判明した被験体に対する値の「標準範囲」を決定することで、決定され得る。
対照プロファイルがバイオマーカー発現、活性、又は量の値の所定のプロファイルである場合、これは「ルックアップテーブル」又はデータレコードとして提供され得る。当該所定の対照プロファイルは、複数の対照被験体(例えば、上記の非応答性又は応答性被験体)において決定された各バイオマーカーの中心傾向(平均、中央値又は平均)量の尺度に対応する数値又は数値範囲のプロファイルであり得る。当業者であれば、標準的なタンパク質定量化技術及び適当な統計的ツールを用いて、集団内の中心傾向の尺度及び変動の尺度をともに容易に決定しうる。
従って、いくつかの実施形態では、対照プロファイルは、以下の:MDSである対照被験体の集団から得られたもの;MDSでない対照被験体の集団から得られたもの;MDSであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が以前に見出されている対照被験体の集団から得られたもの(非応答性被験体である);非応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の所定のプロファイル(例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル又は値の「標準範囲」);非応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均値」を備える対照試料から得られたもの;応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「閾値」を備える対照試料から得られたもの;次いで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイルにおける、本明細書中に記載された、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうるもの;である。同様に、対照プロファイルと比較して、本明細書中に記載された試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、Axl、TFR1、FAS、及び/又はIL−8から選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、試料プロファイルにおいて、対照プロファイルと比較して、:Axlの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、TFR1の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、FASの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、IL−8の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、THPの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、TRAIL−R3の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、MDCの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、ALPの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、TFF3の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、FABPの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、vWFの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、VDBPの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、シスタチン−Bの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、ウテログロビンの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、フィブリノーゲンの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、EGFRの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、レプチンの活性、発現、又は量がより高く場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、MDSである対照被験体又は対照被験体の集団から得られ、かつ、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された場合(すなわち、反応被験体)、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、MDSである被験体、及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された被験体)に典型的な「閾値」を上回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、MDSである被験体、及び、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された被験体)に典型的な「閾値」を下回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がないことを示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、応答性被験体(すなわち、MDSである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、応答性被験体(すなわち、MDSである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、非応答性被験体から得られたバイオマーカー発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、非応答性被験体(すなわち、MDSであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出された被験体)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、非応答性被験体(すなわち、MDSであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されている被験体)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、MDSでない対照被験体の集団から得られたものであり、かつ、試料プロファイルの発現、活性又は量が、MDSでない被験体に典型的な値の「標準範囲」外である場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性又は量が、MDSでない被験体に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。この場合、発現、活性又は量は、所与のバイオマーカーについて正常の上限を上回るか又は正常の下限を下回るかのいずれかである場合に、値の「標準範囲」外にあってよい。正常値の上限及び下限は、MDSでない対照被験体集団の所定のバイオマーカーの正常分布の限界である。
当業者であれば、適当な統計的ツール及び適当な対照との比較を用いて、試料プロファイルが、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示すか又は感受性の欠如を示すかを容易に決定しうる。
いくつかの実施形態では、試料プロファイルは、上記のように2又はそれ以上の対照プロファイルと比較され得る。
本明細書中で用いられる場合、用語「1又はそれ以上」とは、本明細書中に記載されるバイオマーカーの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20をいう。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTFR1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはFASである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはIL−8である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTHPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTRAIL−R3である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはMDCである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはALPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTFF3である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはFABPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはvWFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはVDBPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはシスタチン−Bである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはウテログロビンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはフィブリノーゲンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはEGFRである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはレプチンである。
いくつかの当該実施形態では、方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、当該バイオマーカーの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、本方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、Axl及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、被験体がMDSの治療中又は治療コース前に実施される。他の実施形態では、当該予測方法は、MDSに対する治療中又は治療コース後に実施される。ある実施形態では、MDSの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤である。他の実施形態では、MDSの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤ではない化学療法剤による治療である。
本明細書に記載の予測方法のいくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている。ある実施形態では、被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている。
本明細書に記載された予測方法のいくつかの態様では、当該被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている。すなわち、被験体は、予測方法が被験体の感受性を決定する薬剤ではない薬剤で既に治療されている。従って、いくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で予め治療されていない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、以前にAxl阻害剤で治療されていない。他の好ましい態様では、被験体は、Akt3阻害剤で予め治療されていない。
〔バイオマーカーの治療後の変化〕
本開示のこの態様のいくつかの態様では、予測方法は、さらに、被験体又は被験体に由来する試料において、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤を治療又は治療コース後に、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価するその後の工程を含み、本明細書に記載の1又はそれ以上のバイオマーカーの第2試料プロファイルを得る。
すなわち、いくつかの実施形態では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程;を含む。
いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程であって、ここで、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFP、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンからなる群から選択される;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程;を含む。
いくつかの好ましい態様では、当該方法は、その後、被験体又は被験体に由来する試料中の、Axlの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、第2試料プロファイルにおけるAxlの活性、発現、又は量が増えた場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより感受性が高いことを示す。いくつかの好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療前に、同じ被験体から得られる。
〔治療後予測のバイオマーカー及び方法〕
臨床試験BGBC003(NCT0248408)から得られた患者データを解析することにより、発明者らは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤によるMDS患者の治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で上昇するが、「非応答性」の被験体の血清中では上昇しないことを発見した(実施例1参照)。同様に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で低下するが、「非応答性」の被験体の血清中では低下しない。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療の前後に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価することで、被験体が前記薬剤による治療に感受性又は応答性であることを決定又は確認しうる。
従って、当該側面の第2態様では、本開示は、骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又は骨髄異形成症候群(MDS)と診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触した後に、被験体又は前記被験体に由来する試料における、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。好ましい態様では、試料プロファイルは、被験体を、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させた後に得られる。
本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本開示のこの態様の好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療する前に、同じ被験体から得られる。ある実施形態では、対照プロファイルは、MDSである対照被験体の集団から得られる。他の態様では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」又は値の「標準範囲」のプロファイルである。
従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、対照プロファイルが同一の被験体から得られる態様では、被験体をEMT又はがん治療剤を阻害又は逆転しうる薬剤と接触させた後の、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。当該態様では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともAxlを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルの活性、発現、又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。本開示の本態様のいくつかの実施形態では、被験体は、上記本開示の本側面の第1態様による予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために選択された。
〔EMTを阻害又は逆転しうる薬剤〕
本開示は、骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測するための方法を提供する。「がん関連転帰」とは、がんと関連する臨床的予測又は予後である。
本開示の当該MDS側面で用いる、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤は、上記のAML側面の記載のように特定される(上記と同項目、第14頁第19行目〜第17頁第7行目参照)。
〔バイオマーカーの活性、発現、量の評価〕
本明細書に記載される予測方法のいくつかの態様では、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価は、試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と接触させる工程;及び検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程を含む。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量の評価は、被験体又は被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定を含む。好ましくは、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、タンパク質発現のレベルの測定により、評価される。特に好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、血清中のタンパク質発現のレベルの測定により、評価される。
用語「発現」とは、対応するmRNAを生成する遺伝子のDNA鋳型の転写、及び対応する遺伝子産物(すなわち、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質)を生成する当該mRNAの翻訳、並びに翻訳後修飾がされたかもしれない1又はそれ以上の形態のタンパク質の「発現」を意味する。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定工程は、試料又は試料由来の抽出物を、各々がそれぞれのバイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーと接触させる工程と、当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出及び/又は定量の工程とを含む。ある態様では、特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
タンパク質及びmRNA発現レベルを決定する一連の適当な技術、例えばマイクロアレイ分析、ウェスタンブロット法、及びQPCR等のPCR技術は、当該分野で周知である。いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量の決定は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用を含み得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される。その場合、各バイオマーカータンパク質又はmRNAは、試料中で定量され得、当該量は、試料の尺度、例えば、試料の容積、質量、又は総タンパク質量として表され得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、ここで、当該相対量は、試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定される。このように、バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量を決定することで、正規化が可能となり、例えば、総タンパク質濃度の差異を考慮して、試料間のバイアスを除去しうる。
好ましくは、参照タンパク質又はmRNAは、その発現又は量が、がんである、特にMDSである被験体とがんでない被験体との間で有意に変化しない。すなわち、参照タンパク質又はmRNAは、好ましくは、その発現又は量がMDSによって変化しない。従って、参照タンパク質又はmRNAは、本明細書に記載されるバイオマーカーの1つではない1又はそれ以上のタンパク質又はmRNAを含み得る。当該1又はそれ以上のバイオマーカーの発現量又は量を相対量として表す場合、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量を、試料中の参照タンパク質又はmRNAの絶対量で除算しうる。
〔RNAレベルでのバイオマーカー発現の評価〕
遺伝子発現はRNAレベルで検出しうる。RNAは、例えば、酸性フェノール/グアニジンイソチオシアネート抽出(RNAzol B;Biogenesis)、RNeasyRNA調製キット(Qiagen)又はPAXgene(PreAnalytix、スイス)を用いることを含むRNA抽出技術を用いて細胞から抽出され得る。リボ核酸ハイブリダイゼーションを利用する通常の分析フォーマットとしては、核ランオンアッセイ、RT−PCR、RNase保護アッセイ(Melton et al., Nuc. Acids Res. 12:7035)、ノーザンブロット法及びInSituハイブリダイゼーションがあげられる。遺伝子発現はまた、以下に記載するマイクロアレイ分析によって検出され得る。
〔タンパク質レベルでのバイオマーカー発現の評価〕
好ましくは、バイオマーカーレベルは、タンパク質発現の測定により評価される。改変された遺伝子又はタンパク質の発現は、遺伝子によりコードされるポリペプチドの測定によっても検出しうる。これは、バイオマーカー遺伝子によりコードされるポリペプチドに結合する分子を用いることにより達成され得る。タンパク質の存在の検出のためにポリペプチドに直接的又は間接的に結合する適当な分子/剤は、天然に存在する分子、例えば、ペプチド及びタンパク質、例えば、抗体を含むか、又はそれらは合成分子であってよい。
抗体は、市販の供給源から、又は当業者に周知の技術を介して獲得しうる。一の実施形態では、改変された発現が、タンパク質バイオマーカーの翻訳後改変された形態の改変の発現を介して現れる場合、当該異なる形態に特異的な抗体が用いられ得る。本開示の目的のため、「抗体」という用語は、別段の規定がない限り、標的抗原に対するそれらの結合活性を保持する全抗体又は全抗体の断片を含む。当該断片としては、Fv、F(ab')及びF(ab')2断片、並びに単鎖抗体(scFv)があげられる。さらに、抗体及びその断片は、例えば、欧州特許公開第239400号に記載されているヒト化抗体であり得る。例えば、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体、組換え抗体、抗体のタンパク質分解断片及び組換え断片(Fab、Fv、scFv、ジアボディ)、単一ドメイン抗体(VHH、sdAb、ナノボディ、IgNAR、VNAR)、及び抗体様特異的結合を有するように操作された、抗体とは無関係のタンパク質である。抗体は、固体支持体に結合され、及び/又は適当な試薬、対照、指示書等と共に適当な容器中のキットにパッケージされ得る。
〔アレイ〕
アレイ技術及びそれに関連する様々な技術及び適用は、当技術分野で周知である。アレイ技術は一般に「1の実験で1の遺伝子」に基づいて機能し、その結果、スループットが低下し、遺伝子機能の「全体像」が理解できないという、分子生物学における従来の方法の欠点を克服する。本開示の産物及び方法の文脈では、アレイ技術は、例えば、バイオマーカータンパク質又はmRNAの発現の分析で用いられうる。
一般に、いかなるライブラリ又は試料群は、ライブラリ又は群のメンバーを空間的に分離して、アレイに秩序正しく配列しうる。アレイ化に適したライブラリの例としては、核酸ライブラリ(DNA、cDNA、オリゴヌクレオチド等のライブラリを含む)、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質ライブラリ、並びにリガンドライブラリ等のいかなる分子をも含むライブラリが挙げられる。従って、本明細書で「ライブラリ」を参照する場合は、文脈上別段の指示がない限り、当該参照は、アレイの形態のライブラリを参照することを含むものと解釈されるべきである。
タンパク質、ポリペプチド等もまた、アレイで固定化しうる。例えば、抗体は、タンパク質チップ(Borrebaeck CA, 2000, Immunol Today 21(8):379−82)を用いたプロテオームのマイクロアレイ分析に用いられる。ポリペプチドアレイは、例えば、MacBeath and Schreiber, 2000, Science, 289(5485):1760−1763に概説がある。
〔試料〕
適当な試料としては、組織生検、血液、尿、頬側擦過物等の組織試料、並びに血清、血漿、又は組織培養上清試料が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中のタンパク質発現のレベルの測定により評価される。いくつかの好ましい態様では、試料は、血液、血清又は血漿試料である。いくつかの特に好ましい態様では、試料は血清試料である。
被験体由来の血清又は血漿試料中の1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量を評価する場合、試料を除去し、フローサイトメトリー、マスサイトメトリー(CyTOF)、ELISA、PET、及びSELDI−TOF MS等の分析技術に供する。いくつかの実施形態では、当該方法は、当該試料からRNAを抽出し、QPCRによる遺伝子発現の検出を含みうる。いくつかの他の実施形態では、遺伝子発現は、例えばウェスタンブロットでタンパク質産物を検出することで検出しうる。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現レベルは、1又はそれ以上のバイオマーカーをコードする遺伝子のコピー数の決定により評価される。コピー数(すなわち、遺伝子重複事象)は、例えば、Jiangら(Jiang Q, Ho YY, Hao L, Nichols Berrios C, Chakravarti A. Copy number variants in candidate genes are genetic modifiers of Hirschsprung disease. PLoS One. 2011;6(6))に記載されるDNAチップを用いて、当該技術分野で公知の標準技術を用いて決定しうる。
本明細書に記載される予測方法のいくつかの好ましい実施形態では、当該方法はインビトロ又はエクスビボで行われる。
〔治療被験体の選択方法〕
本開示のこの側面の第3態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のため、骨髄異形成症候群(MDS)である、その疑いがある、又は骨髄異形成症候群と診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、上記本明細書の本側面の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体の同定工程;及び、当該同定された被験体の治療のための選択工程を含む。
ある実施形態では、この態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療を継続するために、骨髄異形成症候群(MDS)である、その疑いがある、又は骨髄異形成症候群と診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、本開示のこの側面の上記第2態様により特定された予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定し、かつ、当該同定された被験体の治療のための選択を含む。
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、治療は、本明細書に記載される、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤の被験体への投与を含む。従って、ある実施形態では、治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。
いくつかの好ましい実施形態では、治療は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、当該治療は、単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。いくつかの実施形態では、さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はシタラビンである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はデシタビンである。
〔キット〕
本開示の本側面の第4態様は、診断キット及び試験装置に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は以上の試薬を含む診断キットを提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、Axl、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
他の実施形態では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は以上の試薬を含む診断装置を提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、Axl、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は本明細書に記載されたバイオマーカーの1つに選択的に結合する;かつ、当該1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する1又はそれ以上の試薬、又は当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカーにより形成された複合体の検出及び/又は定量化のための、1又はそれ以上の試薬を含む。いくつかの実施形態では、各特異的結合メンバーは、Axlと選択的に結合する特異的結合メンバー、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、Axlと選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーと選択的に結合する特異的結合メンバーを含み、その各々は、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、診断キット又は試験装置は、基板上にアレイの形態で提供されるか、又はビーズ又はマイクロスフェア等の複数の粒子に結合された、複数の前記特異的結合メンバーを含む。当該粒子は、検出可能な標識でコードしうる。ある実施形態では、当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含む。
当該特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出する診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ、から選択される技術を用いて行われる。
当該診断キット又は検査装置のいくつかの実施形態では、キット又は検査装置は、検出用の試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む。当該診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、当該キット又は試験装置は、15、20、25、30、40、又は50以下の特異的結合メンバーを含む。
本開示はまた、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における当該診断キット及び試験装置の使用を提供する。好ましい実施形態では、がん関連転帰は、本明細書に記載される、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
ある実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、若しくはPHGDH阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
当該予測方法に用いられる診断キット又はテスト装置のいくつかの実施形態では、被験体は、MDSであり、であると疑われる、又は、と診断されている。
いくつかの実施形態では、本方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定され得る。
本開示の本側面の第5態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法において、Axl、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための試薬の使用に関する。
本開示の本側面の第6態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々が、Axl、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、バイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上試薬の使用に関する。ある実施形態では、検出用の当該試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む。当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
いくつかの実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される通りであり得る。
〔使用〕
本開示の本側面の第7態様は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとしての、Axl、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンの1又はそれ以上の使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、Axl、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のTFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンの使用に関する。
いくつかの態様では、当該使用は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される方法におけるバイオマーカーとしての使用である。
〔被験体の治療方法〕
本開示の本側面の第8態様は、骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された、被験体の治療方法に関する。ある実施形態では、本方法は、開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、治療用被験体を同定する工程;及びEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療的有効量を前記被験体に投与する工程を含む。
すなわち、いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:(a)当該被験体から試料を得る工程;(b)本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に前記被験体が、感受性があるかどうかを判定する工程;(c)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;を含む。
ある実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、当該治療に感受性であると同定された被験体に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を投与する工程を含む。
他の実施形態では、当該方法は、以下の:(a)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び(b)本開示の第2側面の上記第2側面に従って定義された予測方法を用いて、前記被験体が前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程を含む。ある実施形態では、本方法はさらに、(c)前記被験体が前記治療に感受性であると同定される場合、EMTを阻害若しくは逆転させることができる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤を、前記被験体に投与することを含む。
本開示の本側面の第9態様は、骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
本開示の本側面の第10態様は、骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。いくつかの好ましい態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025である。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該治療は単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。いくつかの実施形態では、さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はシタラビンである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はデシタビンである。
〔開示に関する記載〕
以下の番号つきの記載は、本開示の本側面に関し、記載の部分を構成する:
101.被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む、前記被験体におけるがん関連転帰を予測する方法であって;
ここで、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンからなる群より選択され;かつ、
ここで、前記被験体が、骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、方法。
102.以下の:
前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、
前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測をする工程;を含む、請求項101に記載の方法。
103.前記予測は、前記試料プロファイルを制御プロファイルと比較して行われる、102に記載の方法。
104.前記試料プロファイルが、前記被験体が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤との接触、又は、投与前に得られる、103に記載の方法。
105.前記対照プロファイルは、以下の:
(i)MDSである対照被験体集団から得られた;又は
(ii)MDSであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)から得られた;
(iii)バイオマーカーの発現、活性又は量の値の所定のプロファイルであって、例えば、MDSであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非反応被験体)から得られた、例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル、又は値の「標準範囲」;
(iv)MDSであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均」値である対照試料由来であり、
(v)MDSであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)から得られた、バイオマーカー発現、活性、又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、
(vi)MDSであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「閾値」である対照試料由来である、である、104に記載の方法。
106.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
107.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
108.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンのうちの少なくとも1つを含み、ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜107のいずれか一項に記載の方法。
109.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、TFR1、FAS、及び/又はIL−8のうちの少なくとも1つを含み、
対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜108のうちのいずれか一項に記載の方法。
110.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおいて、以下の:
Axlの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
TFR1の活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
FASの活性、発現、又は量が;及び/又は、
IL−8の活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
THPの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
TRAIL−R3の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
MDCの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
ALPの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
TFF3の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
FABPの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
vWFの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
VDBPの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
シスタチン−Bの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
ウテログロビンの活性、発現又は量が高く;及び/又は、
vWFの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
EGFRの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
レプチンの活性、発現、又は量が高い;
場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜109のいずれか一項に記載の方法。
111.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axlを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、及び以下の:Axl、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
112.以下の:
Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版(entry version)196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
トランスフェリン受容体タンパク質1(TFR1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02786(登録版222)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
FASLG受容体(FAS)バイオマーカーは、UniProt受託番号P25445−1、P25445−2、P25445−3、P25445−4、P25445−5、P25445−6、又はP25445−7(登録版227)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;
インターロイキン−8(IL−8)バイオマーカーは、UniProt受託番号P10145(登録版210)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
Tamm−Horsfall尿中糖タンパク質(THP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07911−1、P07911−2、P07911−3、P07911−4、又はP07911−5(登録版182)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
TNF関連アポトーシス誘導性リガンド受容体3(TRAIL−R3)バイオマーカーは、UniProt受託番号O14798(登録版152)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
マクロファージ由来ケモカイン(MDC)バイオマーカーは、UniProt受託番号O00626(登録版153)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
抗ロイコプロテイナーゼ(ALP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P03973(登録版184)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
トレフォイル因子3(TFF3)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q07654(登録版161)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
脂肪酸結合タンパク質、脂肪細胞(FABP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P15090(登録版183)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
フォンウィルブランド因子(vWF)バイオマーカーは、UniProt受託番号P04275−1又はP04275−2(登録版233)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
ビタミンD結合タンパク質(VDBP)バイオマーカーバイオマーカーは、UniProt受託番号P02774−1、P02774−2、又はP02774−3(登録版201)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
シスタチン−Bバイオマーカーは、UniProt受託番号P04080(登録版201)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
ウテログロビンバイオマーカーは、UniProt受託番号P11684(登録版163)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
フィブリノーゲンバイオマーカーは、UniProt受託番号P02671−1若しくはP02671−2(登録版227)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
上皮成長因子受容体(EGFR)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q504U8(登録版138)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;及び/又は
レプチンバイオマーカーは、UniProt受託番号P41159(登録版176)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;又は、
前記アミノ酸配列をコードする全長の核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)である、
101〜111のいずれか一項に記載の方法。
113.前記方法が、前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の前記バイオマーカーの量を測定することを含む、101〜112のいずれか一項に記載の方法。
114.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、
検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、104〜113のいずれか一項に記載の方法。
115.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、
前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、114に記載の方法。
116.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、115に記載の方法。
117.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ選択される技術を用いて行われる、115又は116に記載の方法。
118.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、115〜117のいずれか一項に記載の方法。
119.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はMDSによって変化しない、115〜117のいずれか一項に記載の方法。
120.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、101〜119のいずれか一項に記載の方法。
121.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、120に記載の方法。
122.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、121に記載の方法。
123.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、122に記載の方法。
124.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、123に記載の方法。
125.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、123に記載の方法。
126.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、121記載の方法。
127.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、126に記載の方法。
128.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、120〜127のいずれか一項に記載の方法。
129.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、120〜127のいずれか一項に記載の方法。
130.前記さらなるがん治療は、以下の:
(i)ブスルファン等のアルキルスルホン酸塩を含むアルキル化剤;
(ii)クロラムブシル、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン及びウラムスチン等のナイトロジェンマスタード;
(iii)チオテパ等のエチレンイミン誘導体;
(iv)カルムスチン、ロムスチン及びストレプトゾシン等のニトロソウレア;
(v)ダカルバジン、プロカルバジン、及びテモゾラミド等のトリアゼン;
(vi)シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチンオンナプラチン、テトラプラチン、スプロプラチン、イプロプラチン、クロロ(ジエチレンジアミノ)−白金(II)塩化物、ジクロロ(エチレンジアミノ)−白金(II)、ジアミノ(2−エチルマロナト)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナトプラチン(II)、(4−カルボキシフタロ)−(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラート)白金(II)及び(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(ピルバト)白金(II)等の白金化合物;
(vii)メトトレキサート、パーメトレキセート、ラルチトレキセート及びトリメトレキセート等の抗葉酸薬を含む代謝拮抗薬;
(viii)アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン及びトロキサシタビン等のピリミジン類似物質;
(ix)クラドリビン、クロロデオキシアデノシン、クロロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン及びチオグアニン等のプリン類似物質;
(x)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ミスラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ポルフィロマイシン等の抗腫瘍抗生物質を含む天然産物;
(xi)ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、及びバルビシン等のアントラサイクリン系薬剤;
(xii)ビンカアルカロイド系のビンブラスチン、ビンベシル、ビンクリスチン、ビンデシン、及びビノレルビン等の有糸分裂阻害剤;
(xiii)L−アスパラギナーゼ及びPEG−L−アスパラギナーゼ等の酵素;
(xiv)タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;
(xv)カンプトテシン、イリノテカン及びトポテカン等のトポイソメラーゼI阻害剤;
(xvi)ポドフィロトキシン、アムサクリン、エトポシド、テニポシド、ロソキサントロン及びアクチノマイシン等のトポイソメラーゼII阻害剤;
(xvii)以下のホルモン及びホルモン拮抗剤:
−フルオキシメステロン及びテストラクトン等のアンドロゲン;
−ビカルタミド、シプロテロン、フルタミド及びニルタミド等の抗アンドロゲン剤;
−デキサメタゾン及びプレドニゾン等のコルチコステロイド薬;
−アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタン及びレトロゾール等のアロマターゼ阻害剤;
−ジエチルスチルベストロール等のエストロゲン類;
−フルベストラント、ラロキシフェン、タモキシフェン及びトレミフィン等の抗エストロゲン剤;
−アバレリックス、ブセレリン、ゴセレリン、リュープロリド、ヒストレリン、デソレリン、酢酸ナファレリン及びトリプトレリン等の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)作用薬と拮抗薬;
−酢酸メドロキシプロゲステロン及び酢酸メゲストロール等のプロゲスチン;
−レボチロキシン及びリオチロニン等の甲状腺ホルモン;
(xviii)ペリホシン、エンザスタウリン塩酸塩及びトリシリビン等のPKB経路阻害剤;
(xix)セマフォア及びSF1126等のP13K阻害剤並びにラパマイシン及びその類似物質等のMTOR阻害剤;
(xx)セリシクリブ、アルボシジブ及び7−ヒドロキシスタウロスポリン等のCDK阻害剤;
(xxi)セレコキシブを含むCOX−2阻害剤;
(xxii)トリコスタチンA、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、及びクラミドシンを含むHDAC阻害剤;
(xxiii)DNAメチラーゼ阻害剤(テモゾロミドを含む)及びその他の薬剤(アルトレタミン、三酸化ヒ素、サリドマイド、レナリドミド、硝酸ガリウム、レバミゾール、ミトタン、ヒドロキシ尿素、オクトレオチド、プロカルバジン、スラミン、メトキサレン及びナトリウムポルフィマー等の光力学的化合物);
(xxiv)ボルテゾミブ等のプロテアソーム阻害剤;
(Xxv)遺伝子治療薬及びアンチセンス治療薬等の機能的治療薬を含む分子標的治療薬;
(xxvi)塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤;
(xxvii)ソラフェニブ等のRaf阻害剤、並びにレチノイド及びレキシノイド等の遺伝子発現調節剤、例えばアダパレン、ベキサロテン、trans−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸、及びN−(4−ヒドロキシフェニル)レチナミド;
(xxviii)表現型標的治療薬である、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、リツキシマブ、トラスツズマブ等のモノクローナル抗体、ゲムツズマブ・オゾガミシン等の免疫毒素、I−トシツモバブ等の放射性免疫複合体;
(xxix)がんワクチン;
(xxx)生物学的療法剤である、インターフェロン−[α]2a及びインターフェロン−[α]2b等のインターフェロン、及びアルデスロイキン、デニロイキンジフチトクス及びオプレルベキン等のインターロイキン;
(xxxi)予防薬又は補助薬の使用を含む抗がん療法:アミフォスチン及びデクスラゾキサン等の細胞保護薬、パミドロネート及びゾレドロン酸等のホスホネート、並びにエポエチン、ダルベペチン、フィルグラスチム、PEG−フィルグラスチム及びサルグラモスチム等の刺激因子;
(xxxii)Axl阻害剤である、1−(6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジン−3−イル)−N3−((7−(S)−ピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン等;及び/又は、
(xxxiii)さらなる併用化学療法計画である、カルボプラチン/パクリタキセル、カペシタビン/ドセタキセル、フルオラウラシル/レバミゾール、フルオラウラシル/ロイコボリン、メトトレキサート/ロイコボリン、及びトラスツズマブ/パクリタキセルの単独又はさらなるカルボプラチンとの併用等;
中から選択される、129に記載の方法。
131.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、129記載の方法。
132.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、131に記載の方法。
133.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、131に記載の方法。
134.前記被験体が哺乳動物である、101〜133のいずれか一項に記載の方法。
135.前記被験体がヒトである、134に記載の方法。
136.前記予測方法は、MDSの治療又は治療コース前に実施される、101〜135のいずれか一項に記載の方法。
137.前記予測方法は、MDSの治療中又は治療コース後に実施される、101〜136のいずれか一項に記載の方法。
138.前記被験体が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている、101〜135又は137のいずれか一項に記載の方法。
139.前記被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている、138に記載の方法。
140.前記被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている、138又は139に記載の方法。
141.前記被験体が、以前EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療されていない、101〜136のいずれか一項に記載の方法。
142.前記被験体が、以前Axl阻害剤で治療されていない、141に記載の方法。
143.前記被験体が、以前Akt3阻害剤で治療されていない、141に記載の方法。
144.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、101〜143のいずれか一項に記載の方法。
145.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、144に記載の方法。
146.前記試料は、血清試料である、145に記載の方法。
147.前記方法が、前記被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現、又は量を評価する後工程をさらに含み、試料プロファイルは、前記被験体を、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる剤と、接触させた後に得られる、104〜146のいずれか一項に記載の方法。
148.前記試料プロファイルは、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させた後に得られる、103に記載の方法。
149.前記対照プロファイルが、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させる前に、同一被験体から得られる、147又は148に記載の方法。
150.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、149に記載の方法。
151.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、149に記載の方法。
152.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、149に記載の方法。
153.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、149に記載の方法。
154.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともAxlを含む、150に記載の方法。
155.前記被験体又は前記被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、147〜154のいずれか一項に記載の方法:
156.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、155に記載の方法。
157.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、156に記載の方法。
158.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ;から選択される技術を用いて行われる、156又は157に記載の方法。
159.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、156〜158のいずれか一項に記載の方法。
160.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はMDSによって変化しない、156〜158のいずれか一項に記載の方法。
161.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、148〜160のいずれか一項に記載の方法。
162.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、161に記載の方法。
163.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、162に記載の方法。
164.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、163に記載の方法。
165.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、163に記載の方法。
166.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、161記載の方法。
167.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、166に記載の方法。
168.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、161〜167のいずれか一項に記載の方法。
169.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、161〜167のいずれか一項に記載の方法。
170.前記さらなるがん治療は、上記130に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、169に記載の方法。
171.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、169記載の方法。
172.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、171に記載の方法。
173.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、171に記載の方法。
174.前記被験体が哺乳動物である、148〜173のいずれか一項に記載の方法。
175.前記被験体がヒトである、174に記載の方法。
176.前記被験体が、上記101〜147のいずれか1つの予測方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる前記薬剤又は化学療法剤による治療に選択される、148〜175のいずれか一項に記載の方法。
177.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、148〜176のいずれか一項に記載の方法。
178.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、177に記載の方法。
179.前記試料は、血清試料である、178に記載の方法。
180.前記方法が、インビトロ又はエクスビボで行われる、1〜179のいずれか一項に記載の方法。
201.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために、骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
202.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による継続治療のために、骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:148〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
203.前記治療が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転させることができる治療有効量の薬剤を被験体に投与することを含む、201又は202に記載の方法。
204.前記治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、203に記載の方法。
205.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204に記載の方法。
206.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、205に記載の方法。
207.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、206に記載の方法。
208.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、206に記載の方法。
209.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204に記載の方法。
210.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、209に記載の方法。
211.前記治療が、単剤として投与される、203〜210のいずれか一項に記載の方法。
212.前記治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、203〜211のいずれか一項に記載の方法。
213.前記さらなるがん治療は、上記130に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、212に記載の方法。
214.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、212に記載の方法。
215.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、214に記載の方法。
216.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、214に記載の方法。
301.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、その各々は、前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む診断キット。
302.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための、その各々は前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む試験装置。
303.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、以下の:Axl、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンからなる群より選択されからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバー;かつ、前記1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する、1若しくはそれ以上の試薬、又は前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカーによって形成された複合体を検出及び/又は定量化する、1又はそれ以上の試薬;を含む、301又は302に記載の診断キット又は検査装置。
304.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、303に記載の診断キット又は検査装置。
305.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出が、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用によって行われる、303又は304に記載の診断キット又は検査装置。
306.前記キット又は検査装置は、検出用試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む、301〜305のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
307.被験体のがん関連転帰を予測する方法に用いられる、301〜306のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
308.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、307に記載の診断キット又は検査装置。
309.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
310.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
311.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、310に記載の診断キット又は検査装置。
312.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、311に記載の診断キット又は検査装置。
313.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、311に記載の診断キット又は検査装置。
314.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤がAkt3阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
315.前記被験体が、骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、307〜310のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
316.前記方法は、101〜180のいずれか一項に記載の方法である、307〜315のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
317.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における、Axl、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
318.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々が、Axl、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、バイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
319.前記検出用試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む、317又は318に記載の使用。
320.被験体におけるがん関連の転帰を予測する方法は、101〜180のいずれか1つに基づく方法である、317又は318に記載の使用。
401.被験体がEMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に感受性があるかを判定するバイオマーカーとしての、Axl、TFR1、FAS、IL−8、THP、TRAIL−R3、MDC、ALP、TFF3、FABP、vWF、VDBP、シスタチン−B、ウテログロビン、フィブリノーゲン、EGFR、及び/又はレプチンの1又はそれ以上の使用。
402.(i)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示し;又は、(ii)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す;401の使用。
403.(i)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が増えた場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;か、又は、(ii)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が減少した場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;401の使用。
404.前記方法は、101〜180のいずれか一項に記載の方法である、401〜403のいずれか一項に記載の使用。
501.骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:上記101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;を含む、方法。
502.骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:(a)被験体からの試料の採取工程;(b)前記被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤、又は上記101〜180のいずれか一項に記載された方法を用いた化学療法剤による治療に感受性があるかどうかの判定工程;(c)前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量の前記被験体への投与工程;を含む、方法。
503.骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤を、上記101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記治療に感受性であると同定された被験体に投与する工程を含む、方法。
504.骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;及び前記被験体が、上記148〜180のいずれかに記載の方法を用いて、前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程;を含む、方法。
505.前記方法が、前記被験体が前記治療に対して感受性であると同定される場合、EMTを阻害又は逆転しうる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤又は化学療法剤を前記被験体に投与することを含む、504に記載の方法。
506.骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤。
507.骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用。
508.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、501〜507のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
509.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
510.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、509に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
511.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤を含む、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
513.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、512に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
514.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、単剤として投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
515.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
516.上記130に列挙されたさらなるがん治療の中からさらなるがん治療が選択される、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
517.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
518.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
519.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
《第3側面:急性骨髄性白血病(AML)及び骨髄異形成症候群(MDS)》
〔バイオマーカー〕
本明細書における用語「マーカー」又は「バイオマーカー」は、被験体又は前記被験体に由来する試料における発現が、がんにおいて、例えば上方又は下方調節されて改変又は変調される遺伝子又はタンパク質を示すのに用いられる。当該バイオマーカーがタンパク質である場合、発現の変調又は改変は、異なる翻訳後修飾を介する変調を包含する。
本開示の当該側面のいかなる態様でも、本明細書に記載されるバイオマーカーは、以下の:
Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版(entry version)196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
線維芽細胞増殖因子21(FGF−21)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q9NSA1(登録版145)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
マトリクスメタロプロテイナーゼ−10(MMP−10)バイオマーカーは、UniProt受託番号P09238(登録版185)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
トランスフェリン受容体タンパク質1(TFR1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02786(登録版222)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
Tamm−Horsfall尿中糖タンパク質(THP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07911−1、P07911−2、P07911−3、P07911−4、又はP07911−5(登録版182で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
ヘモペキシンバイオマーカーは、UniProt受託番号P02790(登録版179)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
ハプトグロビンバイオマーカーは、UniProt受託番号P00738−1若しくはP00738−2(登録版200)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;及び/又は
免疫グロブリンM(IgM)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01871−1若しくはP01871−2(登録版180)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;ように特定され得る。
本明細書に記載されるバイオマーカーはまた、上記アミノ酸配列のいずれかをコードする全長核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)として定義され得る。
同一性FASTA及びFASTP(Pearson&Lipman,1988.Methods in Enzymology 183:63-98を参照)を用いた配列比較を用いて特定しうる。パラメータは、以下の:Gapopen(ギャップの最初の残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−12/DNAに対する−16;Gapext(ギャップの追加残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−2/DNAに対する−4;KTUPワード長:タンパク質に対する2/DNAに対する6の、デフォルトのマトリクスを用いて設定するのが好ましい。
〔治療前予測のバイオマーカー及び方法〕
発明者らは、臨床試験BGBC003(NCT0248408)から得られた患者データを解析して、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、AML又はMDSである被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した(実施例1を参照)。同様に、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価すれば、被験体が、当該薬剤による治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうる。
従って、本側面の第1態様では、本開示は、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又は骨髄異形成症候群(MDS)と診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、線維芽細胞増殖因子21(FGF−21)、マトリクスメタロプロテイナーゼ−10(MMP−10)、トランスフェリン受容体タンパク質1(TFR1)、Tamm−Horsfall尿中糖タンパク質(THP)、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンM(IgM)からなる群より選択される。
本明細書に記載される「がん関連転帰」は、がんと関連する臨床的予測又は予後である。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。
本明細書中で用いる「試料プロファイル」は、被験体又は被験体に由来する試料において決定された各バイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。適当な対照プロファイルは、以下で詳細に説明される。
本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「応答性」被験体の血清よりも高いレベルで存在することが見出された。同様に、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「非応答性」の被験体の血清よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清に存在することが見出された。
この「応答性」と「非応答性」の間の発現レベルの差は、逆の方法で表現しうる。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、被験体の治療前に「非応答性」の被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。同様に、被験体の治療前に、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「非応答性」の被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。
当該異なる発現パターンの発見は、被験体が薬剤での治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することで、当該被験体が、当該薬剤での治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうることを意味する。従って、特に好ましい態様では、当該試料プロファイルは、被験体へのEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の接触又は投与前に得られる。
EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療(又は治療からの利益)に反応する見込みが高い、又は応答する被験体である。すなわち、薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、上記で特定したように、当該薬剤について「応答性」である。「感受性を示す」予測とは、被験体が治療に反応したり、治療から利益を得たりする見込みを示唆又は指摘するものである。
いくつかの態様では、本開示の予測方法は、被験体又は被験体に由来する試料において本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程と、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルに基づいて予測を行う工程を含む。本方法のいくつかの態様では、当該予測は、対照プロファイルと試料プロファイルの比較により行われ、対照プロファイルは、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同じバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
ある実施形態では、対照プロファイルは、AML又はMDSである対照被験体の集団から得ることができる。ある実施形態では、対照プロファイルは、AML又はMDSでない対照被験体の集団から得ることができる。他の実施形態では、対照プロファイルは、AML又はMDSであり、かつ以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤(すなわち、非応答性被験体)による治療に対する感受性の欠如が見いだされた対照被験体又は対照被験体の集団から得ることができる。
ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「平均」値、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、AML又はMDSである対照被験体又は対照被験体の集団、AML又はMDSでない対照被験体又はAML又はMDSである対照被験体又は対照被験体の集団であって、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されたもの(すなわち、非応答性被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、AML又はMDSであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団から獲得しうる。ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、値の「閾値」、又は「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、AML又はMDSであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団(すなわち、反応被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、試料プロファイルで決定されるのと同じバイオマーカーの既知の量(例えば、「閾値」量)を備えるコントロール試料から獲得しうる。この閾値量は、例えば、上記のように、非応答性又は応答性の被験体から獲得しうる。
当業者であれば、特定のバイオマーカーの適当な「平均」、「閾値」又は値の「標準範囲」を容易に決定しうる。
例えば、「平均」値は、AML又はMDSである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;及び「平均」値の決定に測定されたバイオマーカー活性、発現、又は量を平均して、決定しうる。
例えば、「平均」値は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中のバイオマーカー活性、発現、又は決定された量の平均による、「平均」値の決定により、決定され得る。
例えば、「閾値」は被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中の最高又は最低のバイオマーカー活性、発現、又は量の「閾値」としての適宜選択により決定され得る。
例えば、値の「標準範囲」は、AML又はMDSである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価、及びこの評価に基づいて値の「標準範囲」を決定することで、決定しうる。
例えば、値の「標準範囲」は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び当該評価に基づき、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが判明した被験体に対する値の「標準範囲」を決定することで、決定され得る。
対照プロファイルがバイオマーカー発現、活性、又は量の値の所定のプロファイルである場合、これは「ルックアップテーブル」又はデータレコードとして提供され得る。当該所定の対照プロファイルは、複数の対照被験体(例えば、上記の非応答性又は応答性被験体)において決定された各バイオマーカーの中心傾向(平均、中央値又は平均)量の尺度に対応する数値又は数値範囲のプロファイルであり得る。当業者であれば、標準的なタンパク質定量化技術及び適当な統計的ツールを用いて、集団内の中心傾向の尺度及び変動の尺度をともに容易に決定しうる。
従って、いくつかの実施形態では、対照プロファイルは、以下の:AML又はMDSである対照被験体の集団から得られたもの;AML又はMDSでない対照被験体の集団から得られたもの;AML又はMDSであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が以前に見出されている対照被験体の集団から得られたもの(非応答性被験体である);非応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の所定のプロファイル(例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル又は値の「標準範囲」);非応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均値」を備える対照試料から得られたもの;応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「閾値」を備える対照試料から得られたもの;次いで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイルにおける、本明細書中に記載された、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうるもの;である。同様に、対照プロファイルと比較して、本明細書中に記載された試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が高い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、Axl、FGF−21、MMP−10、及び/又はTFR1から選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が低い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、試料プロファイルにおいて、対照プロファイルと比較して:Axlの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、FGF−21の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、MMP−10の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、TFR1の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、THPの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、ヘモペキシンの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、ハプトグロビンの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、免疫グロブリンMの活性、発現、又は量がより高い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、AML又はMDSである対照被験体又は対照被験体の集団から得られ、かつ、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された場合(すなわち、反応被験体)、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、AML又はMDSである被験体、及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された被験体)に典型的な「閾値」を上回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、AML又はMDSである被験体、及び、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された被験体)に典型的な「閾値」を下回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がないことを示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、応答性被験体(すなわち、AML又はMDSである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、応答性被験体(すなわち、AML又はMDSである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、非応答性被験体から得られたバイオマーカー発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、非応答性被験体(すなわち、AML又はMDSであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出された被験体)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、非応答性被験体(すなわち、AML又はMDSであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されている被験体)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、AML又はMDSでない対照被験体の集団から得られたものであり、かつ、試料プロファイルの発現、活性又は量が、AML又はMDSでない被験体に典型的な値の「標準範囲」外である場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性又は量が、AML又はMDSでない被験体に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。この場合、発現、活性又は量は、所与のバイオマーカーについて正常の上限を上回るか又は正常の下限を下回るかのいずれかである場合に、値の「標準範囲」外にあってよい。正常値の上限及び下限は、AML又はMDSでない対照被験体集団の所定のバイオマーカーの正常分布の限界である。
当業者であれば、適当な統計的ツール及び適当な対照との比較を用いて、試料プロファイルが、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示すか又は感受性の欠如を示すかを容易に決定しうる。
いくつかの実施形態では、試料プロファイルは、上記のように2又はそれ以上の対照プロファイルと比較され得る。
本明細書中で用いられる場合、用語「1又はそれ以上」とは、本明細書中に記載されるバイオマーカーの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20をいう。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはFGF−21である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはMMP−10である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTFR1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTHPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはヘモペキシンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはハプトグロビンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは免疫グロブリンMである。
いくつかの当該実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、当該バイオマーカーの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、Axl及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、被験体がAML又はMDSの治療中又は治療コース前に実施される。他の実施形態では、当該予測方法は、AML又はMDSに対する治療中又は治療コース後に実施される。ある実施形態では、AML又はMDSの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤である。他の実施形態では、AML又はMDSの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤ではない化学療法剤による治療である。
本明細書に記載の予測方法のいくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている。ある実施形態では、被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている。
本明細書に記載された予測方法のいくつかの態様では、当該被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている。すなわち、被験体は、予測方法が被験体の感受性を決定する薬剤ではない薬剤で既に治療されている。従って、いくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で予め治療されていない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、以前にAxl阻害剤で治療されていない。他の好ましい態様では、被験体は、Akt3阻害剤で予め治療されていない。
〔バイオマーカーの治療後の変化〕
本開示のこの態様のいくつかの態様では、予測方法は、さらに、被験体又は被験体に由来する試料において、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤を治療又は治療コース後に、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価するその後の工程を含み、本明細書に記載の1又はそれ以上のバイオマーカーの第2試料プロファイルを得る。
すなわち、いくつかの実施形態では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程であって、ここで、当該1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群から選択される;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの好ましい態様では、当該方法は、その後、被験体又は被験体に由来する試料中の、Axlの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、第2試料プロファイルにおけるAxlの活性、発現、又は量が増えた場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより感受性が高いことを示す。いくつかの好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療前に、同じ被験体から得られる。
〔治療後予測のバイオマーカー及び方法〕
臨床試験BGBC003(NCT0248408)から得られた患者データを解析することにより、発明者らは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤によるAML又はMDS患者の治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で上昇するが、「非応答性」の被験体の血清中では上昇しないことを発見した(実施例1参照)。同様に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で低下するが、「非応答性」の被験体の血清中では低下しない。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療の前後に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価することで、被験体が前記薬剤による治療に感受性又は応答性であることを決定又は確認しうる。
従って、当該側面の第2態様では、本開示は、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又は急性骨髄性白血病(AML)と診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触した後に、被験体又は前記被験体に由来する試料における、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本開示のこの態様の好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療する前に、同じ被験体から得られる。ある実施形態では、対照プロファイルは、AML又はMDSである対照被験体の集団から得られる。他の態様では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」又は値の「標準範囲」のプロファイルである。
従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、対照プロファイルが同一の被験体から得られる態様では、被験体をEMT又はがん治療剤を阻害又は逆転しうる薬剤と接触させた後の、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。当該態様では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともAxlを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイルの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、上記開示の本側面の第1態様による予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために選択された。
〔EMTを阻害又は逆転しうる薬剤〕
本開示は、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測するための方法を提供する。「がん関連転帰」とは、がんと関連する臨床的予測又は予後である。
本開示の当該AML又はMDS側面で用いる、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤は、上記のAML側面の記載のように特定される(上記と同項目、第14頁第19行目〜第17頁第7行目参照)。
〔バイオマーカーの活性、発現、量の評価〕
本明細書に記載される予測方法のいくつかの態様では、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価は、試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と接触させる工程;及び検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程を含む。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量の評価は、被験体又は被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定を含む。好ましくは、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、タンパク質発現のレベルの測定により、評価される。特に好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、血清中のタンパク質発現のレベルの測定により、評価される。
用語「発現」とは、対応するmRNAを生成する遺伝子のDNA鋳型の転写、及び対応する遺伝子産物(すなわち、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質)を生成する当該mRNAの翻訳、並びに翻訳後修飾がされたかもしれない1又はそれ以上の形態のタンパク質の「発現」を意味する。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定工程は、試料又は試料由来の抽出物を、各々がそれぞれのバイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーと接触させる工程と、当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出及び/又は定量の工程とを含む。ある態様では、特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
タンパク質及びmRNA発現レベルを決定する一連の適当な技術、例えばマイクロアレイ分析、ウェスタンブロット法、及びQPCR等のPCR技術は、当該分野で周知である。いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量の決定は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用を含み得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される。その場合、各バイオマーカータンパク質又はmRNAは、試料中で定量され得、当該量は、試料の尺度、例えば、試料の容積、質量、又は総タンパク質量として表され得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、ここで、当該相対量は、試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定される。このように、バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量を決定することで、正規化が可能となり、例えば、総タンパク質濃度の差異を考慮して、試料間のバイアスを除去しうる。
好ましくは、参照タンパク質又はmRNAは、その発現又は量が、がんである、特にAML又はMDSである被験体とがんでない被験体との間で有意に変化しない。すなわち、参照タンパク質又はmRNAは、好ましくは、その発現又は量がAML又はMDSによって変化しない。従って、参照タンパク質又はmRNAは、本明細書に記載されるバイオマーカーの1つではない1又はそれ以上のタンパク質又はmRNAを含み得る。当該1又はそれ以上のバイオマーカーの発現量又は量を相対量として表す場合、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量を、試料中の参照タンパク質又はmRNAの絶対量で除算しうる。
〔RNAレベルでのバイオマーカー発現の評価〕
遺伝子発現はRNAレベルで検出しうる。RNAは、例えば、酸性フェノール/グアニジンイソチオシアネート抽出(RNAzol B;Biogenesis)、RNeasyRNA調製キット(Qiagen)又はPAXgene(PreAnalytix、スイス)を用いることを含むRNA抽出技術を用いて細胞から抽出され得る。リボ核酸ハイブリダイゼーションを利用する通常の分析フォーマットとしては、核ランオンアッセイ、RT−PCR、RNase保護アッセイ(Melton et al., Nuc. Acids Res. 12:7035)、ノーザンブロット法及びInSituハイブリダイゼーションがあげられる。遺伝子発現はまた、以下に記載するマイクロアレイ分析によって検出され得る。
〔タンパク質レベルでのバイオマーカー発現の評価〕
好ましくは、バイオマーカーレベルは、タンパク質発現の測定により評価される。改変された遺伝子又はタンパク質の発現は、遺伝子によりコードされるポリペプチドの測定によっても検出しうる。これは、バイオマーカー遺伝子によりコードされるポリペプチドに結合する分子を用いることにより達成され得る。タンパク質の存在の検出のためにポリペプチドに直接的又は間接的に結合する適当な分子/剤は、天然に存在する分子、例えば、ペプチド及びタンパク質、例えば、抗体を含むか、又はそれらは合成分子であってよい。
抗体は、市販の供給源から、又は当業者に周知の技術を介して獲得しうる。一の実施形態では、改変された発現が、タンパク質バイオマーカーの翻訳後改変された形態の改変の発現を介して現れる場合、当該異なる形態に特異的な抗体が用いられ得る。本開示の目的のため、「抗体」という用語は、別段の規定がない限り、標的抗原に対するそれらの結合活性を保持する全抗体又は全抗体の断片を含む。当該断片としては、Fv、F(ab')及びF(ab')2断片、並びに単鎖抗体(scFv)があげられる。さらに、抗体及びその断片は、例えば、欧州特許公開第239400号に記載されているヒト化抗体であり得る。例えば、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体、組換え抗体、抗体のタンパク質分解断片及び組換え断片(Fab、Fv、scFv、ジアボディ)、単一ドメイン抗体(VHH、sdAb、ナノボディ、IgNAR、VNAR)、及び抗体様特異的結合を有するように操作された、抗体とは無関係のタンパク質である。抗体は、固体支持体に結合され、及び/又は適当な試薬、対照、指示書等と共に適当な容器中のキットにパッケージされ得る。
〔アレイ〕
アレイ技術及びそれに関連する様々な技術及び適用は、当技術分野で周知である。アレイ技術は一般に「1の実験で1の遺伝子」に基づいて機能し、その結果、スループットが低下し、遺伝子機能の「全体像」が理解できないという、分子生物学における従来の方法の欠点を克服する。本開示の産物及び方法の文脈では、アレイ技術は、例えば、バイオマーカータンパク質又はmRNAの発現の分析で用いられうる。
一般に、いかなるライブラリ又は試料群は、ライブラリ又は群のメンバーを空間的に分離して、アレイに秩序正しく配列しうる。アレイ化に適したライブラリの例としては、核酸ライブラリ(DNA、cDNA、オリゴヌクレオチド等のライブラリを含む)、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質ライブラリ、並びにリガンドライブラリ等のいかなる分子をも含むライブラリが挙げられる。従って、本明細書で「ライブラリ」を参照する場合は、文脈上別段の指示がない限り、当該参照は、アレイの形態のライブラリを参照することを含むものと解釈されるべきである。
タンパク質、ポリペプチド等もまた、アレイで固定化しうる。例えば、抗体は、タンパク質チップ(Borrebaeck CA, 2000, Immunol Today 21(8):379−82)を用いたプロテオームのマイクロアレイ分析に用いられる。ポリペプチドアレイは、例えば、MacBeath and Schreiber, 2000, Science, 289(5485):1760−1763に概説がある。
〔試料〕
適当な試料としては、組織生検、血液、尿、頬側擦過物等の組織試料、並びに血清、血漿、又は組織培養上清試料が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中のタンパク質発現のレベルの測定により評価される。いくつかの好ましい態様では、試料は、血液、血清又は血漿試料である。いくつかの特に好ましい態様では、試料は血清試料である。
被験体由来の血清又は血漿試料中の1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量を評価する場合、試料を除去し、フローサイトメトリー、マスサイトメトリー(CyTOF)、ELISA、PET、及びSELDI−TOF MS等の分析技術に供する。いくつかの実施形態では、当該方法は、当該試料からRNAを抽出し、QPCRによる遺伝子発現の検出を含みうる。いくつかの他の実施形態では、遺伝子発現は、例えばウェスタンブロットでタンパク質産物を検出することで検出しうる。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現レベルは、1又はそれ以上のバイオマーカーをコードする遺伝子のコピー数の決定により評価される。コピー数(すなわち、遺伝子重複事象)は、例えば、Jiangら(Jiang Q, Ho YY, Hao L, Nichols Berrios C, Chakravarti A. Copy number variants in candidate genes are genetic modifiers of Hirschsprung disease. PLoS One. 2011;6(6))に記載されるDNAチップを用いて、当該技術分野で公知の標準技術を用いて決定しうる。
本明細書に記載される予測方法のいくつかの好ましい実施形態では、当該方法はインビトロ又はエクスビボで行われる。
〔治療被験体の選択方法〕
本開示のこの側面の第3態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のため、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、その疑いがある、又は骨髄異形成症候群と診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、上記本明細書の本側面の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体の同定工程;及び、当該同定された被験体の治療のための選択工程を含む。
ある実施形態では、この態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療を継続するために、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、その疑いがある、又は骨髄異形成症候群と診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、本開示のこの側面の上記第2態様により特定された予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定し、かつ、当該同定された被験体の治療のための選択を含む。
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、治療は、本明細書に記載される、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤の被験体への投与を含む。従って、ある実施形態では、治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。
いくつかの好ましい実施形態では、治療は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、当該治療は、単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。いくつかの実施形態では、さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はシタラビンである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はデシタビンである。
〔キット〕
本開示の本側面の第4態様は、診断キット及び試験装置に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は以上の試薬を含む診断キットを提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
他の実施形態では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は以上の試薬を含む診断装置を提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は本明細書に記載されたバイオマーカーの1つに選択的に結合する;かつ、当該1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する1又はそれ以上の試薬、又は当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカーにより形成された複合体の検出及び/又は定量化のための、1又はそれ以上の試薬を含む。いくつかの実施形態では、各特異的結合メンバーは、Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、Axlに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、診断キット又は試験装置は、基板上にアレイの形態で提供されるか、又はビーズ又はマイクロスフェア等の複数の粒子に結合された、複数の前記特異的結合メンバーを含む。当該粒子は、検出可能な標識でコードしうる。ある実施形態では、当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含む。
当該特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出する診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ、から選択される技術を用いて行われる。
当該診断キット又は検査装置のいくつかの実施形態では、キット又は検査装置は、検出用の試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む。当該診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、当該キット又は試験装置は、15、20、25、30、40、又は50以下の特異的結合メンバーを含む。
本開示はまた、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における当該診断キット及び試験装置の使用を提供する。好ましい実施形態では、がん関連転帰は、本明細書に記載される、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
ある実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、若しくはPHGDH阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
当該予測方法に用いられる診断キット又はテスト装置のいくつかの実施形態では、被験体は、AML又はMDSであり、であると疑われる、又は、と診断されている。
いくつかの実施形態では、本方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定され得る。
本開示の本側面の第5態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法において、Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための試薬の使用に関する。
本開示の本側面の第6態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々が、Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、バイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上試薬の使用に関する。ある実施形態では、検出用の当該試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む。当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
いくつかの実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される通りであり得る。
〔使用〕
本開示の本側面の第7態様は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとしての、Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMの1又はそれ以上の使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、Axl、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のFGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンの使用に関する。
いくつかの態様では、当該使用は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される方法におけるバイオマーカーとしての使用である。
〔被験体の治療方法〕
本開示の本側面の第8態様は、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された、被験体の治療方法に関する。ある実施形態では、本方法は、開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、治療用被験体を同定する工程;及びEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療的有効量を前記被験体に投与する工程を含む。
すなわち、いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:(a)当該被験体から試料を得る工程;(b)本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に前記被験体が、感受性があるかどうかを判定する工程;(c)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;を含む。
ある実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、当該治療に感受性であると同定された被験体に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を投与する工程を含む。
他の実施形態では、当該方法は、以下の:(a)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び(b)本開示の第2側面の上記第2側面に従って定義された予測方法を用いて、前記被験体が前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程を含む。ある実施形態では、本方法はさらに、(c)前記被験体が前記治療に感受性であると同定される場合、EMTを阻害若しくは逆転させることができる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤を、前記被験体に投与することを含む。
本開示の本側面の第9態様は、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
本開示の本側面の第10態様は、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。いくつかの好ましい態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025である。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該治療は単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。いくつかの実施形態では、さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はシタラビンである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はデシタビンである。
〔開示に関する記載〕
以下の番号つきの記載は、本開示の本側面に関し、記載の部分を構成する:
101.被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む、前記被験体におけるがん関連転帰を予測する方法であって;
ここで、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群より選択され;かつ、
ここで、前記被験体が、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、方法。
102.以下の:
前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、
前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測をする工程;を含む、101に記載の方法。
103.前記予測は、前記試料プロファイルを制御プロファイルと比較して行われる、102に記載の方法。
104.前記試料プロファイルが、前記被験体が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤との接触、又は、投与前に得られる、103に記載の方法。
105.前記対照プロファイルは、以下の:
(i)AML又はMDSである対照被験体集団から得られた;又は
(ii)AML又はMDSであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)から得られた;
(iii)バイオマーカーの発現、活性又は量の値の所定のプロファイルであって、例えば、AML又はMDSであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非反応被験体)から得られた、例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル、又は値の「標準範囲」;
(iv)AML又はMDSであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均」値である対照試料由来であり、
(v)AML又はMDSであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)から得られた、バイオマーカー発現、活性、又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、
(vi)AML又はMDSであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「閾値」である対照試料由来である、である、104に記載の方法。
106.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
107.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
108.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMのうちの少なくとも1つを含み、ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜107のいずれか一項に記載の方法。
109.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、FGF−21、MMP−10、及び/又はTFR1のうちの少なくとも1つを含み、
対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜108のうちのいずれか一項に記載の方法。
110.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおいて、以下の:
Axlの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
FGF−21の活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
MMP−10の活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
TFR1の活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
THPの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
ヘモペキシンの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
ハプトグロビンMの活性、発現、又は量が高い;
場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜109のいずれか一項に記載の方法。
111.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axlを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、及び以下のFGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンM:から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
112.以下の:
前記Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記線維芽細胞増殖因子21(FGF−21)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q9NSA1(登録版145)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
前記マトリクスメタロプロテイナーゼ−10(MMP−10)バイオマーカーは、UniProt受託番号P09238(登録版185)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;
前記トランスフェリン受容体タンパク質1(TFR1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02786(登録版222)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
前記Tamm−Horsfall尿中糖タンパク質(THP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07911−1、P07911−2、P07911−3、P07911−4、又はP07911−5(登録版182)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
前記ヘモペキシンバイオマーカーは、UniProt受託番号P02790(登録版179)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
前記ハプトグロビンバイオマーカーは、UniProt受託番号P00738−1若しくはP00738−2(登録版200)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
前記免疫グロブリンM(IgM)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01871−1若しくはP01871−2(登録版180)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;又は、
前記アミノ酸配列をコードする全長の核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)である、
101〜111のいずれか一項に記載の方法。
113.前記方法が、前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の前記バイオマーカーの量を測定することを含む、101〜112のいずれか一項に記載の方法。
114.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、
検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、104〜113のいずれか一項に記載の方法。
115.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、
前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、114に記載の方法。
116.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、115に記載の方法。
117.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ選択される技術を用いて行われる、115又は116に記載の方法。
118.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、115〜117のいずれか一項に記載の方法。
119.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はAML又はMDSによって変化しない、115〜117のいずれか一項に記載の方法。
120.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、101〜119のいずれか一項に記載の方法。
121.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、120に記載の方法。
122.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、121に記載の方法。
123.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、122に記載の方法。
124.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、123に記載の方法。
125.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、123に記載の方法。
126.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、121記載の方法。
127.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、126に記載の方法。
128.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、120〜127のいずれか一項に記載の方法。
129.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、120〜127のいずれか一項に記載の方法。
130.前記さらなるがん治療は、以下の:
(i)ブスルファン等のアルキルスルホン酸塩を含むアルキル化剤;
(ii)クロラムブシル、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン及びウラムスチン等のナイトロジェンマスタード;
(iii)チオテパ等のエチレンイミン誘導体;
(iv)カルムスチン、ロムスチン及びストレプトゾシン等のニトロソウレア;
(v)ダカルバジン、プロカルバジン、及びテモゾラミド等のトリアゼン;
(vi)シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチンオンナプラチン、テトラプラチン、スプロプラチン、イプロプラチン、クロロ(ジエチレンジアミノ)−白金(II)塩化物、ジクロロ(エチレンジアミノ)−白金(II)、ジアミノ(2−エチルマロナト)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナトプラチン(II)、(4−カルボキシフタロ)−(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラート)白金(II)及び(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(ピルバト)白金(II)等の白金化合物;
(vii)メトトレキサート、パーメトレキセート、ラルチトレキセート及びトリメトレキセート等の抗葉酸薬を含む代謝拮抗薬;
(viii)アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン及びトロキサシタビン等のピリミジン類似物質;
(ix)クラドリビン、クロロデオキシアデノシン、クロロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン及びチオグアニン等のプリン類似物質;
(x)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ミスラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ポルフィロマイシン等の抗腫瘍抗生物質を含む天然産物;
(xi)ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、及びバルビシン等のアントラサイクリン系薬剤;
(xii)ビンカアルカロイド系のビンブラスチン、ビンベシル、ビンクリスチン、ビンデシン、及びビノレルビン等の有糸分裂阻害剤;
(xiii)L−アスパラギナーゼ及びPEG−L−アスパラギナーゼ等の酵素;
(xiv)タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;
(xv)カンプトテシン、イリノテカン及びトポテカン等のトポイソメラーゼI阻害剤;
(xvi)ポドフィロトキシン、アムサクリン、エトポシド、テニポシド、ロソキサントロン及びアクチノマイシン等のトポイソメラーゼII阻害剤;
(xvii)以下のホルモン及びホルモン拮抗剤:
−フルオキシメステロン及びテストラクトン等のアンドロゲン;
−ビカルタミド、シプロテロン、フルタミド及びニルタミド等の抗アンドロゲン剤;
−デキサメタゾン及びプレドニゾン等のコルチコステロイド薬;
−アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタン及びレトロゾール等のアロマターゼ阻害剤;
−ジエチルスチルベストロール等のエストロゲン類;
−フルベストラント、ラロキシフェン、タモキシフェン及びトレミフィン等の抗エストロゲン剤;
−アバレリックス、ブセレリン、ゴセレリン、リュープロリド、ヒストレリン、デソレリン、酢酸ナファレリン及びトリプトレリン等の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)作用薬と拮抗薬;
−酢酸メドロキシプロゲステロン及び酢酸メゲストロール等のプロゲスチン;
−レボチロキシン及びリオチロニン等の甲状腺ホルモン;
(xviii)ペリホシン、エンザスタウリン塩酸塩及びトリシリビン等のPKB経路阻害剤;
(xix)セマフォア及びSF1126等のP13K阻害剤並びにラパマイシン及びその類似物質等のMTOR阻害剤;
(xx)セリシクリブ、アルボシジブ及び7−ヒドロキシスタウロスポリン等のCDK阻害剤;
(xxi)セレコキシブを含むCOX−2阻害剤;
(xxii)トリコスタチンA、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、及びクラミドシンを含むHDAC阻害剤;
(xxiii)DNAメチラーゼ阻害剤(テモゾロミドを含む)及びその他の薬剤(アルトレタミン、三酸化ヒ素、サリドマイド、レナリドミド、硝酸ガリウム、レバミゾール、ミトタン、ヒドロキシ尿素、オクトレオチド、プロカルバジン、スラミン、メトキサレン及びナトリウムポルフィマー等の光力学的化合物);
(xxiv)ボルテゾミブ等のプロテアソーム阻害剤;
(Xxv)遺伝子治療薬及びアンチセンス治療薬等の機能的治療薬を含む分子標的治療薬;
(xxvi)塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤;
(xxvii)ソラフェニブ等のRaf阻害剤、並びにレチノイド及びレキシノイド等の遺伝子発現調節剤、例えばアダパレン、ベキサロテン、trans−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸、及びN−(4−ヒドロキシフェニル)レチナミド;
(xxviii)表現型標的治療薬である、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、リツキシマブ、トラスツズマブ等のモノクローナル抗体、ゲムツズマブ・オゾガミシン等の免疫毒素、I−トシツモバブ等の放射性免疫複合体;
(xxix)がんワクチン;
(xxx)生物学的療法剤である、インターフェロン−[α]2a及びインターフェロン−[α]2b等のインターフェロン、及びアルデスロイキン、デニロイキンジフチトクス及びオプレルベキン等のインターロイキン;
(xxxi)予防薬又は補助薬の使用を含む抗がん療法:アミフォスチン及びデクスラゾキサン等の細胞保護薬、パミドロネート及びゾレドロン酸等のホスホネート、並びにエポエチン、ダルベペチン、フィルグラスチム、PEG−フィルグラスチム及びサルグラモスチム等の刺激因子;
(xxxii)Axl阻害剤である、1−(6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジン−3−イル)−N3−((7−(S)−ピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン等;及び/又は、
(xxxiii)さらなる併用化学療法計画である、カルボプラチン/パクリタキセル、カペシタビン/ドセタキセル、フルオラウラシル/レバミゾール、フルオラウラシル/ロイコボリン、メトトレキサート/ロイコボリン、及びトラスツズマブ/パクリタキセルの単独又はさらなるカルボプラチンとの併用等;
中から選択される、129に記載の方法。
131.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、129記載の方法。
132.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、131に記載の方法。
133.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、131に記載の方法。
134.前記被験体が哺乳動物である、101〜133のいずれか一項に記載の方法。
135.前記被験体がヒトである、134に記載の方法。
136.前記予測方法は、AML又はMDSの治療前に実施される、101〜135のいずれか一項に記載の方法。
137.前記予測方法は、AML又はMDSの治療中又は治療コース後に実施される、101〜136のいずれか一項に記載の方法。
138.前記被験体が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている、101〜135又は137のいずれか一項に記載の方法。
139.前記被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている、138に記載の方法。
140.前記被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている、138又は139に記載の方法。
141.前記被験体が、以前EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療されていない、101〜136のいずれか一項に記載の方法。
142.前記被験体が、以前Axl阻害剤で治療されていない、141に記載の方法。
143.前記被験体が、以前Akt3阻害剤で治療されていない、141に記載の方法。
144.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、101〜143のいずれか一項に記載の方法。
145.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、144に記載の方法。
146.前記試料は、血清試料である、145に記載の方法。
147.前記方法が、前記被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現、又は量を評価する後工程をさらに含み、試料プロファイルは、前記被験体を、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる剤と、接触させた後に得られる、104〜146のいずれか一項に記載の方法。
148.前記試料プロファイルは、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させた後に得られる、103に記載の方法。
149.前記対照プロファイルが、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させる前に、同一被験体から得られる、147又は148に記載の方法。
150.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、149に記載の方法。
151.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、149に記載の方法。
152.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、149に記載の方法。
153.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、149に記載の方法。
154.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともAxlを含む、150に記載の方法。
155.前記被験体又は前記被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、147〜154のいずれか一項に記載の方法:
156.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、155に記載の方法。
157.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、156に記載の方法。
158.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ;から選択される技術を用いて行われる、156又は157に記載の方法。
159.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、156〜158のいずれか一項に記載の方法。
160.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はAML又はMDSによって変化しない、156〜158のいずれか一項に記載の方法。
161.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、148〜160のいずれか一項に記載の方法。
162.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、161に記載の方法。
163.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、162に記載の方法。
164.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、163に記載の方法。
165.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、163に記載の方法。
166.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、161記載の方法。
167.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、166に記載の方法。
168.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、161〜167のいずれか一項に記載の方法。
169.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、161〜167のいずれか一項に記載の方法。
170.前記さらなるがん治療は、上記130に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、169に記載の方法。
171.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、169記載の方法。
172.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、171に記載の方法。
173.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、171に記載の方法。
174.前記被験体が哺乳動物である、148〜173のいずれか一項に記載の方法。
175.前記被験体がヒトである、174に記載の方法。
176.前記被験体が、上記101〜147のいずれか1つの予測方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる前記薬剤又は化学療法剤による治療に選択される、148〜175のいずれか一項に記載の方法。
177.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、148〜176のいずれか一項に記載の方法。
178.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、177に記載の方法。
179.前記試料は、血清試料である、178に記載の方法。
180.前記方法が、インビトロ又はエクスビボで行われる、1〜179のいずれか一項に記載の方法。
201.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
202.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による継続治療のために、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:148〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
203.前記治療が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転させることができる治療有効量の薬剤を被験体に投与することを含む、201又は202に記載の方法。
204.前記治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、203に記載の方法。
205.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204に記載の方法。
206.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、205に記載の方法。
207.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、206に記載の方法。
208.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、206に記載の方法。
209.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204に記載の方法。
210.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、209に記載の方法。
211.前記治療が、単剤として投与される、203〜210のいずれか一項に記載の方法。
212.前記治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、203〜211のいずれか一項に記載の方法。
213.前記さらなるがん治療は、上記130に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、212に記載の方法。
214.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、212に記載の方法。
215.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、214に記載の方法。
216.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、214に記載の方法。
301.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、その各々は、前記1又はそれ以上のバイオマーカーがAxl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む診断キット。
302.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための、その各々は前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む試験装置。
303.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、以下の:Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群より選択されからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバー;かつ、前記1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する、1若しくはそれ以上の試薬、又は前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカーによって形成された複合体を検出及び/又は定量化する、1又はそれ以上の試薬;を含む、301又は302に記載の診断キット又は検査装置。
304.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、303に記載の診断キット又は検査装置。
305.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出が、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用によって行われる、303又は304に記載の診断キット又は検査装置。
306.前記キット又は検査装置は、検出用試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む、301〜305のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
307.被験体のがん関連転帰を予測する方法に用いられる、301〜306のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
308.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、307に記載の診断キット又は検査装置。
309.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
310.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
311.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、310に記載の診断キット又は検査装置。
312.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、311に記載の診断キット又は検査装置。
313.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、311に記載の診断キット又は検査装置。
314.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤がAkt3阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
315.前記被験体が、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、307〜310のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
316.前記方法は、101〜180のいずれか一項に記載の方法である、307〜315のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
317.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における、Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
318.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々が、Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、バイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上試薬の使用。
319.前記検出用試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む、317又は318に記載の使用。
320.被験体におけるがん関連の転帰を予測する方法は、101〜180のいずれか1つに基づく方法である、317又は318に記載の使用。
401.被験体がEMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に感受性があるかを判定するバイオマーカーとしての、Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMの1又はそれ以上の使用。
402.(i)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示し;又は、(ii)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す;401の使用。
403.(i)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が増えた場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;か、又は、(ii)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が減少した場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;401の使用。
404.前記方法は、101〜180のいずれか一項に記載の方法である、401〜403のいずれか一項に記載の使用。
501.急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:上記101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;を含む、方法。
502.急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:(a)被験体からの試料の採取工程;(b)前記被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤、又は上記101〜180のいずれか一項に記載された方法を用いた化学療法剤による治療に感受性があるかどうかの判定工程;(c)前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量の前記被験体への投与工程;を含む、方法。
503.急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤を、上記101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記治療に感受性であると同定された被験体に投与する工程を含む、方法。
504.急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;及び前記被験体が、上記148〜180のいずれかに記載の方法を用いて、前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程;を含む、方法。
505.前記方法が、前記被験体が前記治療に対して感受性であると同定される場合、EMTを阻害又は逆転しうる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤又は化学療法剤を前記被験体に投与することを含む、504に記載の方法。
506.急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤。
507.急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用。
508.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、501〜507のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
509.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
510.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、509に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
511.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤を含む、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
513.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、512に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
514.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、単剤として投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
515.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
516.上記130に列挙されたさらなるがん治療の中からさらなるがん治療が選択される、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
517.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
518.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
519.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
《側面3a:急性骨髄性白血病(AML)及び骨髄異形成症候群(MDS)》
〔バイオマーカー〕
本明細書における用語「マーカー」又は「バイオマーカー」は、被験体又は前記被験体に由来する試料における発現が、がんにおいて、例えば上方又は下方調節されて改変又は変調される遺伝子又はタンパク質を示すのに用いられる。当該バイオマーカーがタンパク質である場合、発現の変調又は改変は、異なる翻訳後修飾を介する変調を包含する。
本開示の当該側面のいかなる態様でも、本明細書に記載されるバイオマーカーは、以下の:
Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版(entry version)196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
Tamm−Horsfall尿中糖タンパク質(THP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07911−1、P07911−2、P07911−3、P07911−4、又はP07911−5(登録版182で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
ビタミンD結合タンパク質(VDBP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02774−1、P02774−2、又はP02774−3(登録版201)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
上皮細胞接着分子(EpCam)バイオマーカーは、UniProt受託番号P16422−1(登録版186)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
上皮成長因子受容体(EGFR)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q504U8(登録版138)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
フェチュイン(Fetuin)−Aバイオマーカーは、UniProt受託番号P02765−1(登録版205)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
インターロイキン−6受容体サブユニットβ(IL−6Rβ)バイオマーカーは、UniProt受託番号P08887−1若しくはP08887−2(登録版210)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
補体H因子−関連タンパク質1(CFHR1)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q03591−1(登録版163)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
成長/分化因子15(GDF−15)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q99988−1(登録版166)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
マクロファージ刺激タンパク質(MSP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P26927(登録版179)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
パラオキソナーゼ−1(PON−1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P27169−1(登録版202)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
インシュリン(C−ペプチド)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01308−1(登録版245)、F8WCM5−1(登録版57)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;及び/又は
アポリポタンパク質A−II(ApoA−II)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02652−1(登録版217)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;ように特定され得る。
本明細書に記載されるバイオマーカーはまた、上記アミノ酸配列のいずれかをコードする全長核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)として定義され得る。
同一性FASTA及びFASTP(Pearson&Lipman,1988.Methods in Enzymology 183:63-98を参照)を用いた配列比較を用いて特定しうる。パラメータは、以下の:Gapopen(ギャップの最初の残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−12/DNAに対する−16;Gapext(ギャップの追加残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−2/DNAに対する−4;KTUPワード長:タンパク質に対する2/DNAに対する6の、デフォルトのマトリクスを用いて設定するのが好ましい。
〔治療前予測のバイオマーカー及び方法〕
発明者らは、臨床試験BGBC003(NCT0248408)から得られた患者データを解析して、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、AML又はMDSである被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した(実施例1を参照)。同様に、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価すれば、被験体が、当該薬剤による治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうる。
従って、本側面の第1態様では、本開示は、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又は骨髄異形成症候群(MDS)と診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、VDBP、THP、EpCam、EGFR、Fetuin−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIからなる群より選択される。
本明細書に記載される「がん関連転帰」は、がんと関連する臨床的予測又は予後である。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。
本明細書中で用いる「試料プロファイル」は、被験体又は被験体に由来する試料において決定された各バイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。適当な対照プロファイルは、以下で詳細に説明される。
本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「応答性」被験体の血清よりも高いレベルで存在することが見出された。同様に、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「非応答性」の被験体の血清よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清に存在することが見出された。
この「応答性」と「非応答性」の間の発現レベルの差は、逆の方法で表現しうる。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、被験体の治療前に「非応答性」の被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。同様に、被験体の治療前に、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「非応答性」の被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。
当該異なる発現パターンの発見は、被験体が薬剤での治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することで、当該被験体が、当該薬剤での治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうることを意味する。従って、特に好ましい態様では、当該試料プロファイルは、被験体へのEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の接触又は投与前に得られる。
EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療(又は治療からの利益)に反応する見込みが高い、又は応答する被験体である。すなわち、薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、上記で特定したように、当該薬剤について「応答性」である。「感受性を示す」予測とは、被験体が治療に反応したり、治療から利益を得たりする見込みを示唆又は指摘するものである。
いくつかの態様では、本開示の予測方法は、被験体又は被験体に由来する試料において本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程と、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルに基づいて予測を行う工程を含む。本方法のいくつかの態様では、当該予測は、対照プロファイルと試料プロファイルの比較により行われ、対照プロファイルは、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同じバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
ある実施形態では、対照プロファイルは、AML又はMDSである対照被験体の集団から得ることができる。ある実施形態では、対照プロファイルは、AML又はMDSでない対照被験体の集団から得ることができる。他の実施形態では、対照プロファイルは、AML又はMDSであり、かつ以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤(すなわち、非応答性被験体)による治療に対する感受性の欠如が見いだされた対照被験体又は対照被験体の集団から得ることができる。
ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「平均」値、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、AML又はMDSである対照被験体又は対照被験体の集団、AML又はMDSでない対照被験体又はAML又はMDSである対照被験体又は対照被験体の集団であって、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されたもの(すなわち、非応答性被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、AML又はMDSであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団から獲得しうる。ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、AML又はMDSであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団(すなわち、反応被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、試料プロファイルで決定されるのと同じバイオマーカーの既知の量(例えば、「閾値」量)を備えるコントロール試料から獲得しうる。この閾値量は、例えば、上記のように、非応答性又は応答性の被験体から獲得しうる。
当業者であれば、特定のバイオマーカーの適当な「平均」、「閾値」又は値の「標準範囲」を容易に決定しうる。
例えば、「平均」値は、AML又はMDSである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;及び「平均」値の決定に測定されたバイオマーカー活性、発現、又は量を平均して、決定しうる。
例えば、「平均」値は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中のバイオマーカー活性、発現、又は決定された量の平均による、「平均」値の決定により、決定され得る。
例えば、「閾値」は被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中の最高又は最低のバイオマーカー活性、発現、又は量の「閾値」としての適宜選択により決定され得る。
例えば、値の「標準範囲」は、AML又はMDSである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価、及びこの評価に基づいて値の「標準範囲」を決定することで、決定しうる。
例えば、値の「標準範囲」は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び当該評価に基づき、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが判明した被験体に対する値の「標準範囲」を決定することで、決定され得る。
対照プロファイルがバイオマーカー発現、活性、又は量の値の所定のプロファイルである場合、これは「ルックアップテーブル」又はデータレコードとして提供され得る。当該所定の対照プロファイルは、複数の対照被験体(例えば、上記の非応答性又は応答性被験体)において決定された各バイオマーカーの中心傾向(平均、中央値又は平均)量の尺度に対応する数値又は数値範囲のプロファイルであり得る。当業者であれば、標準的なタンパク質定量化技術及び適当な統計的ツールを用いて、集団内の中心傾向の尺度及び変動の尺度をともに容易に決定しうる。
従って、いくつかの実施形態では、対照プロファイルは、以下の:AML又はMDSである対照被験体の集団から得られたもの;AML又はMDSでない対照被験体の集団から得られたもの;AML又はMDSであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が以前に見出されている対照被験体の集団から得られたもの(非応答性被験体である);非応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の所定のプロファイル(例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル又は値の「標準範囲」);非応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均値」を備える対照試料から得られたもの;応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「閾値」を備える対照試料から得られたもの;次いで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイルにおける、本明細書中に記載された、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうるもの;である。同様に、対照プロファイルと比較して、本明細書中に記載された試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、VDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、MSP、PON−1、及び/又はApoA−IIから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が高い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、Axl、GDF−15、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はCFHR1から選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が低い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、試料プロファイルにおいて、対照プロファイルと比較して:Axlの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、GDF−15の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、インシュリン(c−ペプチド)の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、CFHR1の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、VDBPの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、THPの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、EpCamの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、EGFRの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、フェチュイン−Aの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、IL−6Rβの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、MSPの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、PON−1の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、ApoA−IIの活性、発現、又は量がより高い;場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、AML又はMDSである対照被験体又は対照被験体の集団から得られ、かつ、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された場合(すなわち、反応被験体)、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、AML又はMDSである被験体、及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された被験体)に典型的な「閾値」を上回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、AML又はMDSである被験体、及び、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された被験体)に典型的な「閾値」を下回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がないことを示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、応答性被験体(すなわち、AML又はMDSである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、応答性被験体(すなわち、AML又はMDSである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、非応答性被験体から得られたバイオマーカー発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、非応答性被験体(すなわち、AML又はMDSであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出された被験体)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、非応答性被験体(すなわち、AML又はMDSであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されている被験体)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、AML又はMDSでない対照被験体の集団から得られたものであり、かつ、試料プロファイルの発現、活性又は量が、AML又はMDSでない被験体に典型的な値の「標準範囲」外である場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性又は量が、AML又はMDSでない被験体に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。この場合、発現、活性又は量は、所与のバイオマーカーについて正常の上限を上回るか又は正常の下限を下回るかのいずれかである場合に、値の「標準範囲」外にあってよい。正常値の上限及び下限は、AML又はMDSでない対照被験体集団の所定のバイオマーカーの正常分布の限界である。
当業者であれば、適当な統計的ツール及び適当な対照との比較を用いて、試料プロファイルが、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示すか又は感受性の欠如を示すかを容易に決定しうる。
いくつかの実施形態では、試料プロファイルは、上記のように2又はそれ以上の対照プロファイルと比較され得る。
本明細書中で用いられる場合、用語「1又はそれ以上」とは、本明細書中に記載されるバイオマーカーの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20をいう。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはVDBPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTHPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはEpCamである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはEGFRである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはフェチュイン−Aである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはIL−6Rβである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは免疫グロブリンMである。
いくつかの当該実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、当該バイオマーカーの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、Axl及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、被験体がAML又はMDSの治療中又は治療コース前に実施される。他の実施形態では、当該予測方法は、AML又はMDSに対する治療中又は治療コース後に実施される。ある実施形態では、AML又はMDSの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤である。他の実施形態では、AML又はMDSの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤ではない化学療法剤による治療である。
本明細書に記載の予測方法のいくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている。ある実施形態では、被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている。
本明細書に記載された予測方法のいくつかの態様では、当該被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている。すなわち、被験体は、予測方法が被験体の感受性を決定する薬剤ではない薬剤で既に治療されている。従って、いくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で予め治療されていない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、以前にAxl阻害剤で治療されていない。他の好ましい態様では、被験体は、Akt3阻害剤で予め治療されていない。
〔バイオマーカーの治療後の変化〕
本開示のこの態様のいくつかの態様では、予測方法は、さらに、被験体又は被験体に由来する試料において、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤を治療又は治療コース後に、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価するその後の工程を含み、本明細書に記載の1又はそれ以上のバイオマーカーの第2試料プロファイルを得る。
すなわち、いくつかの実施形態では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程であって、ここで、当該1又はそれ以上のバイオマーカーは、VDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIからなる群から選択される;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの好ましい態様では、当該方法は、その後、被験体又は被験体に由来する試料中の、Axlの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、第2試料プロファイルにおけるAxlの活性、発現、又は量が増えた場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより感受性が高いことを示す。いくつかの好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療前に、同じ被験体から得られる。
いくつかの好ましい態様では、当該方法は、その後、被験体又は被験体に由来する試料中の、VDBPの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、第2試料プロファイルにおけるVDBPの活性、発現、又は量が増えた場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより感受性が高いことを示す。いくつかの好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療前に、同じ被験体から得られる。
いくつかの好ましい態様では、当該方法は、その後、被験体又は被験体に由来する試料中の、THPの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、第2試料プロファイルにおけるTHPの活性、発現、又は量が増えた場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより感受性が高いことを示す。いくつかの好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療前に、同じ被験体から得られる。
いくつかの好ましい態様では、当該方法は、その後、被験体又は被験体に由来する試料中の、EpCamの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、第2試料プロファイルにおけるEpCamの活性、発現、又は量が増えた場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより感受性が高いことを示す。いくつかの好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療前に、同じ被験体から得られる。
〔治療後予測のバイオマーカー及び方法〕
臨床試験BGBC003(NCT0248408)から得られた患者データを解析することにより、発明者らは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤によるAML又はMDS患者の治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で上昇するが、「非応答性」の被験体の血清中では上昇しないことを発見した(実施例1参照)。同様に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で低下するが、「非応答性」の被験体の血清中では低下しない。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療の前後に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価することで、被験体が前記薬剤による治療に感受性又は応答性であることを決定又は確認しうる。
従って、当該側面の第2態様では、本開示は、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又は急性骨髄性白血病(AML)と診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触した後に、被験体又は前記被験体に由来する試料における、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本開示のこの態様の好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療する前に、同じ被験体から得られる。ある実施形態では、対照プロファイルは、AML又はMDSである対照被験体の集団から得られる。他の態様では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」又は値の「標準範囲」のプロファイルである。
従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、対照プロファイルが同一の被験体から得られる態様では、被験体をEMT又はがん治療剤を阻害又は逆転しうる薬剤と接触させた後の、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。当該態様では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともAxlを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイルの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともVDBPを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはVDBPである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイルの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともTHPを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTHPである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイルの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともEpCamを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはEpCamである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイルの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、上記開示の本側面の第1態様による予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために選択された。
〔EMTを阻害又は逆転しうる薬剤〕
本開示は、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測するための方法を提供する。「がん関連転帰」とは、がんと関連する臨床的予測又は予後である。
本開示の当該AML又はMDS側面で用いる、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤は、上記のAML側面の記載のように特定される(上記と同項目、第14頁第19行目〜第17頁第7行目参照)。
〔バイオマーカーの活性、発現、量の評価〕
本明細書に記載される予測方法のいくつかの態様では、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価は、試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と接触させる工程;及び検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程を含む。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量の評価は、被験体又は被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定を含む。好ましくは、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、タンパク質発現のレベルの測定により、評価される。特に好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、血清中のタンパク質発現のレベルの測定により、評価される。
用語「発現」とは、対応するmRNAを生成する遺伝子のDNA鋳型の転写、及び対応する遺伝子産物(すなわち、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質)を生成する当該mRNAの翻訳、並びに翻訳後修飾がされたかもしれない1又はそれ以上の形態のタンパク質の「発現」を意味する。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定工程は、試料又は試料由来の抽出物を、各々がそれぞれのバイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーと接触させる工程と、当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出及び/又は定量の工程とを含む。ある態様では、特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
タンパク質及びmRNA発現レベルを決定する一連の適当な技術、例えばマイクロアレイ分析、ウェスタンブロット法、及びQPCR等のPCR技術は、当該分野で周知である。いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量の決定は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用を含み得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される。その場合、各バイオマーカータンパク質又はmRNAは、試料中で定量され得、当該量は、試料の尺度、例えば、試料の容積、質量、又は総タンパク質量として表され得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、ここで、当該相対量は、試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定される。このように、バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量を決定することで、正規化が可能となり、例えば、総タンパク質濃度の差異を考慮して、試料間のバイアスを除去しうる。
好ましくは、参照タンパク質又はmRNAは、その発現又は量が、がんである、特にAML又はMDSである被験体とがんでない被験体との間で有意に変化しない。すなわち、参照タンパク質又はmRNAは、好ましくは、その発現又は量がAML又はMDSによって変化しない。従って、参照タンパク質又はmRNAは、本明細書に記載されるバイオマーカーの1つではない1又はそれ以上のタンパク質又はmRNAを含み得る。当該1又はそれ以上のバイオマーカーの発現量又は量を相対量として表す場合、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量を、試料中の参照タンパク質又はmRNAの絶対量で除算しうる。
〔RNAレベルでのバイオマーカー発現の評価〕
遺伝子発現はRNAレベルで検出しうる。RNAは、例えば、酸性フェノール/グアニジンイソチオシアネート抽出(RNAzol B;Biogenesis)、RNeasyRNA調製キット(Qiagen)又はPAXgene(PreAnalytix、スイス)を用いることを含むRNA抽出技術を用いて細胞から抽出され得る。リボ核酸ハイブリダイゼーションを利用する通常の分析フォーマットとしては、核ランオンアッセイ、RT−PCR、RNase保護アッセイ(Melton et al., Nuc. Acids Res. 12:7035)、ノーザンブロット法及びInSituハイブリダイゼーションがあげられる。遺伝子発現はまた、以下に記載するマイクロアレイ分析によって検出され得る。
〔タンパク質レベルでのバイオマーカー発現の評価〕
好ましくは、バイオマーカーレベルは、タンパク質発現の測定により評価される。改変された遺伝子又はタンパク質の発現は、遺伝子によりコードされるポリペプチドの測定によっても検出しうる。これは、バイオマーカー遺伝子によりコードされるポリペプチドに結合する分子を用いることにより達成され得る。タンパク質の存在の検出のためにポリペプチドに直接的又は間接的に結合する適当な分子/剤は、天然に存在する分子、例えば、ペプチド及びタンパク質、例えば、抗体を含むか、又はそれらは合成分子であってよい。
抗体は、市販の供給源から、又は当業者に周知の技術を介して獲得しうる。一の実施形態では、改変された発現が、タンパク質バイオマーカーの翻訳後改変された形態の改変の発現を介して現れる場合、当該異なる形態に特異的な抗体が用いられ得る。本開示の目的のため、「抗体」という用語は、別段の規定がない限り、標的抗原に対するそれらの結合活性を保持する全抗体又は全抗体の断片を含む。当該断片としては、Fv、F(ab')及びF(ab')2断片、並びに単鎖抗体(scFv)があげられる。さらに、抗体及びその断片は、例えば、欧州特許公開第239400号に記載されているヒト化抗体であり得る。例えば、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体、組換え抗体、抗体のタンパク質分解断片及び組換え断片(Fab、Fv、scFv、ジアボディ)、単一ドメイン抗体(VHH、sdAb、ナノボディ、IgNAR、VNAR)、及び抗体様特異的結合を有するように操作された、抗体とは無関係のタンパク質である。抗体は、固体支持体に結合され、及び/又は適当な試薬、対照、指示書等と共に適当な容器中のキットにパッケージされ得る。
〔アレイ〕
アレイ技術及びそれに関連する様々な技術及び適用は、当技術分野で周知である。アレイ技術は一般に「1の実験で1の遺伝子」に基づいて機能し、その結果、スループットが低下し、遺伝子機能の「全体像」が理解できないという、分子生物学における従来の方法の欠点を克服する。本開示の産物及び方法の文脈では、アレイ技術は、例えば、バイオマーカータンパク質又はmRNAの発現の分析で用いられうる。
一般に、いかなるライブラリ又は試料群は、ライブラリ又は群のメンバーを空間的に分離して、アレイに秩序正しく配列しうる。アレイ化に適したライブラリの例としては、核酸ライブラリ(DNA、cDNA、オリゴヌクレオチド等のライブラリを含む)、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質ライブラリ、並びにリガンドライブラリ等のいかなる分子をも含むライブラリが挙げられる。従って、本明細書で「ライブラリ」を参照する場合は、文脈上別段の指示がない限り、当該参照は、アレイの形態のライブラリを参照することを含むものと解釈されるべきである。
タンパク質、ポリペプチド等もまた、アレイで固定化しうる。例えば、抗体は、タンパク質チップ(Borrebaeck CA, 2000, Immunol Today 21(8):379−82)を用いたプロテオームのマイクロアレイ分析に用いられる。ポリペプチドアレイは、例えば、MacBeath and Schreiber, 2000, Science, 289(5485):1760−1763に概説がある。
〔試料〕
適当な試料としては、組織生検、血液、尿、頬側擦過物等の組織試料、並びに血清、血漿、又は組織培養上清試料が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中のタンパク質発現のレベルの測定により評価される。いくつかの好ましい態様では、試料は、血液、血清又は血漿試料である。いくつかの特に好ましい態様では、試料は血清試料である。
被験体由来の血清又は血漿試料中の1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量を評価する場合、試料を除去し、フローサイトメトリー、マスサイトメトリー(CyTOF)、ELISA、PET、及びSELDI−TOF MS等の分析技術に供する。いくつかの実施形態では、当該方法は、当該試料からRNAを抽出し、QPCRによる遺伝子発現の検出を含みうる。いくつかの他の実施形態では、遺伝子発現は、例えばウェスタンブロットでタンパク質産物を検出することで検出しうる。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現レベルは、1又はそれ以上のバイオマーカーをコードする遺伝子のコピー数の決定により評価される。コピー数(すなわち、遺伝子重複事象)は、例えば、Jiangら(Jiang Q, Ho YY, Hao L, Nichols Berrios C, Chakravarti A. Copy number variants in candidate genes are genetic modifiers of Hirschsprung disease. PLoS One. 2011;6(6))に記載されるDNAチップを用いて、当該技術分野で公知の標準技術を用いて決定しうる。
本明細書に記載される予測方法のいくつかの好ましい実施形態では、当該方法はインビトロ又はエクスビボで行われる。
〔治療被験体の選択方法〕
本開示のこの側面の第3態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のため、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、その疑いがある、又は骨髄異形成症候群と診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、上記本明細書の本側面の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体の同定工程;及び、当該同定された被験体の治療のための選択工程を含む。
ある実施形態では、この態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療を継続するために、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、その疑いがある、又は骨髄異形成症候群と診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、本開示のこの側面の上記第2態様により特定された予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定し、かつ、当該同定された被験体の治療のための選択を含む。
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、治療は、本明細書に記載される、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤の被験体への投与を含む。従って、ある実施形態では、治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。
いくつかの好ましい実施形態では、治療は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、当該治療は、単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。いくつかの実施形態では、さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はシタラビンである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はデシタビンである。
〔キット〕
本開示の本側面の第4態様は、診断キット及び試験装置に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は以上の試薬を含む診断キットを提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、VDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
他の実施形態では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は以上の試薬を含む診断装置を提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、VDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は本明細書に記載されたバイオマーカーの1つに選択的に結合する;かつ、当該1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する1又はそれ以上の試薬、又は当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカーにより形成された複合体の検出及び/又は定量化のための、1又はそれ以上の試薬を含む。いくつかの実施形態では、各特異的結合メンバーは、VDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、Axlに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、VDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、診断キット又は試験装置は、基板上にアレイの形態で提供されるか、又はビーズ又はマイクロスフェア等の複数の粒子に結合された、複数の前記特異的結合メンバーを含む。当該粒子は、検出可能な標識でコードしうる。ある実施形態では、当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含む。
当該特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出する診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ、から選択される技術を用いて行われる。
当該診断キット又は検査装置のいくつかの実施形態では、キット又は検査装置は、検出用の試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む。当該診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、当該キット又は試験装置は、15、20、25、30、40、又は50以下の特異的結合メンバーを含む。
本開示はまた、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における当該診断キット及び試験装置の使用を提供する。好ましい実施形態では、がん関連転帰は、本明細書に記載される、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
ある実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、若しくはPHGDH阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
当該予測方法に用いられる診断キット又はテスト装置のいくつかの実施形態では、被験体は、AML又はMDSであり、であると疑われる、又は、と診断されている。
いくつかの実施形態では、本方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定され得る。
本開示の本側面の第5態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法において、VDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための試薬の使用に関する。
本開示の本側面の第6態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々が、VDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、バイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上試薬の使用に関する。ある実施形態では、検出用の当該試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む。当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
いくつかの実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される通りであり得る。
〔使用〕
本開示の本側面の第7態様は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとしての、VDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIの1又はそれ以上の使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、Axl、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のVDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIの使用に関する。
いくつかの態様では、当該使用は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される方法におけるバイオマーカーとしての使用である。
〔被験体の治療方法〕
本開示の本側面の第8態様は、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された、被験体の治療方法に関する。ある実施形態では、本方法は、開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、治療用被験体を同定する工程;及びEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療的有効量を前記被験体に投与する工程を含む。
すなわち、いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:(a)当該被験体から試料を得る工程;(b)本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に前記被験体が、感受性があるかどうかを判定する工程;(c)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;を含む。
ある実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、当該治療に感受性であると同定された被験体に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を投与する工程を含む。
他の実施形態では、当該方法は、以下の:(a)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び(b)本開示の第2側面の上記第2側面に従って定義された予測方法を用いて、前記被験体が前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程を含む。ある実施形態では、本方法はさらに、(c)前記被験体が前記治療に感受性であると同定される場合、EMTを阻害若しくは逆転させることができる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤を、前記被験体に投与することを含む。
本開示の本側面の第9態様は、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
本開示の本側面の第10態様は、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。いくつかの好ましい態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025である。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該治療は単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。いくつかの実施形態では、さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はシタラビンである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はデシタビンである。
〔開示に関する記載〕
以下の番号つきの記載は、本開示の本側面に関し、記載の部分を構成する:
101.被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む、前記被験体におけるがん関連転帰を予測する方法であって;
ここで、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群より選択され;かつ、
ここで、前記被験体が、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、方法。
102.以下の:
前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、
前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測をする工程;を含む、101に記載の方法。
103.前記予測は、前記試料プロファイルを制御プロファイルと比較して行われる、102に記載の方法。
104.前記試料プロファイルが、前記被験体が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤との接触、又は、投与前に得られる、103に記載の方法。
105.前記対照プロファイルは、以下の:
(i)AML又はMDSである対照被験体集団から得られた;又は
(ii)AML又はMDSであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)から得られた;
(iii)バイオマーカーの発現、活性又は量の値の所定のプロファイルであって、例えば、AML又はMDSであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非反応被験体)から得られた、例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル、又は値の「標準範囲」;
(iv)AML又はMDSであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均」値である対照試料由来であり、
(v)AML又はMDSであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)から得られた、バイオマーカー発現、活性、又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、
(vi)AML又はMDSであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「閾値」である対照試料由来である、である、104に記載の方法。
106.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
107.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
108.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、VDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、MSP、PON−1、及び/又はApoA−IIのうちの少なくとも1つを含み、ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜107のいずれか一項に記載の方法。
109.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、GDF−15、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はCFHR1、のうちの少なくとも1つを含み、
対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜108のうちのいずれか一項に記載の方法。
110.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおいて、以下の:Axlの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、GDF−15の活性、発現、又は量が低く;及び/又は、インシュリン(C−ペプチド)の活性、発現、又は量が低く;及び/又は、CFHR1の活性、発現、又は量が低く;及び/又は、THPの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、VDBPの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、EpCamの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、EGFRの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、フェチュイン−Aの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、IL−6Rβの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、MSPの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、PON−1の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、ApoA−IIの活性、発現、又は量が高い;場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜109のいずれか一項に記載の方法。
111.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axlを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、及び以下のVDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−II:から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
112.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、VDBPを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、VDBP、及び以下の、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−II:から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
113.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、THPを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、THP、及び以下の:VDBP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
114.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、EpCamを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、EpCam、及び以下の:VDBP、THP、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
115.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、VDBP及びTHPを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、VDBP及びTHP、並びに以下の:EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
116.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、VDBP及びEpCamを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、VDBP及びEpCam、及び以下の:THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
117.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、EpCam及びTHPを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、EpCam及びTHP、並びに以下の:VDBP、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
118.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、VDBP、THP及びEpCamを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、VDBP、THP及びEpCam、並びに以下の:EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。

119.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらにAxlを含む、112〜118のいずれか一項に記載の方法。
120.以下の:
前記Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記Tamm−Horsfall尿中糖タンパク質(THP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07911−1、P07911−2、P07911−3、P07911−4、又はP07911−5(登録版182)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
前記ビタミンD結合タンパク質(VDBP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02774−1、P02774−2、又はP02774−3(登録版201)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含み;
前記上皮細胞接着分子(EpCam)バイオマーカーは、UniProt受託番号P16422−1(登録版186)は、UniProt受託番号P02786(登録版222)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
前記上皮成長因子受容体(EGFR)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q504U8(登録版138)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
前記フェチュイン−Aバイオマーカーは、UniProt受託番号P02765−1(登録版205)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
前記インターロイキン−6受容体サブユニットβ(IL−6Rβ)バイオマーカーは、UniProt受託番号P08887−1又はP08887−2(登録版210)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
前記補体H因子−関連タンパク質1(CFHR1)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q03591−1(登録版162)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
前記増殖/分化因子15(GDF−15)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q03591−1(登録版165)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
前記マクロファージ刺激タンパク質(MSP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P26927(登録版179)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
前記パラオキソナーゼ−1(PON−1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P27169−1(登録版202)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;
前記インシュリン(C−ペプチド)バイオマーカーが、UniProt受託番号P01308−1(登録版245)、F8WCM5−1(登録版57)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;及び/又は
前記アポリポタンパク質A−II(ApoA−II)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01871−1又はP01871−2(登録版180)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列又はその断片を含む;又は、
前記アミノ酸配列をコードする全長の核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)である、
101〜119のいずれか一項に記載の方法。
121.前記方法が、前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の前記バイオマーカーの量を測定することを含む、101〜120のいずれか一項に記載の方法。
122.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、
検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、104〜121のいずれか一項に記載の方法。
123.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、
前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、122に記載の方法。
124.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、123に記載の方法。
125.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ選択される技術を用いて行われる、123又は124に記載の方法。
126.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、123〜125のいずれか一項に記載の方法。
127.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はAML又はMDSによって変化しない、123〜125のいずれか一項に記載の方法。
128.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、101〜127のいずれか一項に記載の方法。
129.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、128に記載の方法。
130.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、129に記載の方法。
131.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、130に記載の方法。
132.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、131に記載の方法。
133.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、131に記載の方法。
134.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、129記載の方法。
135.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、134に記載の方法。
136.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、128〜135のいずれか一項に記載の方法。
137.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、128〜135のいずれか一項に記載の方法。
138.前記さらなるがん治療は、以下の:
(i)ブスルファン等のアルキルスルホン酸塩を含むアルキル化剤;
(ii)クロラムブシル、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン及びウラムスチン等のナイトロジェンマスタード;
(iii)チオテパ等のエチレンイミン誘導体;
(iv)カルムスチン、ロムスチン及びストレプトゾシン等のニトロソウレア;
(v)ダカルバジン、プロカルバジン、及びテモゾラミド等のトリアゼン;
(vi)シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチンオンナプラチン、テトラプラチン、スプロプラチン、イプロプラチン、クロロ(ジエチレンジアミノ)−白金(II)塩化物、ジクロロ(エチレンジアミノ)−白金(II)、ジアミノ(2−エチルマロナト)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナトプラチン(II)、(4−カルボキシフタロ)−(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラート)白金(II)及び(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(ピルバト)白金(II)等の白金化合物;
(vii)メトトレキサート、パーメトレキセート、ラルチトレキセート及びトリメトレキセート等の抗葉酸薬を含む代謝拮抗薬;
(viii)アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン及びトロキサシタビン等のピリミジン類似物質;
(ix)クラドリビン、クロロデオキシアデノシン、クロロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン及びチオグアニン等のプリン類似物質;
(x)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ミスラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ポルフィロマイシン等の抗腫瘍抗生物質を含む天然産物;
(xi)ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、及びバルビシン等のアントラサイクリン系薬剤;
(xii)ビンカアルカロイド系のビンブラスチン、ビンベシル、ビンクリスチン、ビンデシン、及びビノレルビン等の有糸分裂阻害剤;
(xiii)L−アスパラギナーゼ及びPEG−L−アスパラギナーゼ等の酵素;
(xiv)タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;
(xv)カンプトテシン、イリノテカン及びトポテカン等のトポイソメラーゼI阻害剤;
(xvi)ポドフィロトキシン、アムサクリン、エトポシド、テニポシド、ロソキサントロン及びアクチノマイシン等のトポイソメラーゼII阻害剤;
(xvii)以下のホルモン及びホルモン拮抗剤:
−フルオキシメステロン及びテストラクトン等のアンドロゲン;
−ビカルタミド、シプロテロン、フルタミド及びニルタミド等の抗アンドロゲン剤;
−デキサメタゾン及びプレドニゾン等のコルチコステロイド薬;
−アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタン及びレトロゾール等のアロマターゼ阻害剤;
−ジエチルスチルベストロール等のエストロゲン類;
−フルベストラント、ラロキシフェン、タモキシフェン及びトレミフィン等の抗エストロゲン剤;
−アバレリックス、ブセレリン、ゴセレリン、リュープロリド、ヒストレリン、デソレリン、酢酸ナファレリン及びトリプトレリン等の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)作用薬と拮抗薬;
−酢酸メドロキシプロゲステロン及び酢酸メゲストロール等のプロゲスチン;
−レボチロキシン及びリオチロニン等の甲状腺ホルモン;
(xviii)ペリホシン、エンザスタウリン塩酸塩及びトリシリビン等のPKB経路阻害剤;
(xix)セマフォア及びSF1126等のP13K阻害剤並びにラパマイシン及びその類似物質等のMTOR阻害剤;
(xx)セリシクリブ、アルボシジブ及び7−ヒドロキシスタウロスポリン等のCDK阻害剤;
(xxi)セレコキシブを含むCOX−2阻害剤;
(xxii)トリコスタチンA、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、及びクラミドシンを含むHDAC阻害剤;
(xxiii)DNAメチラーゼ阻害剤(テモゾロミドを含む)及びその他の薬剤(アルトレタミン、三酸化ヒ素、サリドマイド、レナリドミド、硝酸ガリウム、レバミゾール、ミトタン、ヒドロキシ尿素、オクトレオチド、プロカルバジン、スラミン、メトキサレン及びナトリウムポルフィマー等の光力学的化合物);
(xxiv)ボルテゾミブ等のプロテアソーム阻害剤;
(Xxv)遺伝子治療薬及びアンチセンス治療薬等の機能的治療薬を含む分子標的治療薬;
(xxvi)塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤;
(xxvii)ソラフェニブ等のRaf阻害剤、並びにレチノイド及びレキシノイド等の遺伝子発現調節剤、例えばアダパレン、ベキサロテン、trans−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸、及びN−(4−ヒドロキシフェニル)レチナミド;
(xxviii)表現型標的治療薬である、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、リツキシマブ、トラスツズマブ等のモノクローナル抗体、ゲムツズマブ・オゾガミシン等の免疫毒素、I−トシツモバブ等の放射性免疫複合体;
(xxix)がんワクチン;
(xxx)生物学的療法剤である、インターフェロン−[α]2a及びインターフェロン−[α]2b等のインターフェロン、及びアルデスロイキン、デニロイキンジフチトクス及びオプレルベキン等のインターロイキン;
(xxxi)予防薬又は補助薬の使用を含む抗がん療法:アミフォスチン及びデクスラゾキサン等の細胞保護薬、パミドロネート及びゾレドロン酸等のホスホネート、並びにエポエチン、ダルベペチン、フィルグラスチム、PEG−フィルグラスチム及びサルグラモスチム等の刺激因子;
(xxxii)Axl阻害剤である、1−(6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジン−3−イル)−N3−((7−(S)−ピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン等;及び/又は、
(xxxiii)さらなる併用化学療法計画である、カルボプラチン/パクリタキセル、カペシタビン/ドセタキセル、フルオラウラシル/レバミゾール、フルオラウラシル/ロイコボリン、メトトレキサート/ロイコボリン、及びトラスツズマブ/パクリタキセルの単独又はさらなるカルボプラチンとの併用等;
中から選択される、137に記載の方法。
139.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、137記載の方法。
140.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、139に記載の方法。
141.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、139に記載の方法。
142.前記被験体が哺乳動物である、101〜141のいずれか一項に記載の方法。
143.前記被験体がヒトである、142に記載の方法。
144.前記予測方法は、AML又はMDSの治療前に実施される、101〜143のいずれか一項に記載の方法。
145.前記予測方法は、AML又はMDSの治療中又は治療コース後に実施される、101〜144のいずれか一項に記載の方法。
146.前記被験体が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている、101〜143又は145のいずれか一項に記載の方法。
147.前記被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている、146に記載の方法。
148.前記被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている、146又は147に記載の方法。
149.前記被験体が、以前EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療されていない、101〜144のいずれか一項に記載の方法。
150.前記被験体が、以前Axl阻害剤で治療されていない、149に記載の方法。
151.前記被験体が、以前Akt3阻害剤で治療されていない、149に記載の方法。
152.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、101〜151のいずれか一項に記載の方法。
153.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、152に記載の方法。
154.前記試料は、血清試料である、153に記載の方法。
155.前記方法が、前記被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現、又は量を評価する後工程をさらに含み、試料プロファイルは、前記被験体を、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる剤と、接触させた後に得られる、104〜154のいずれか一項に記載の方法。
156.前記試料プロファイルは、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させた後に得られる、103に記載の方法。
157.前記対照プロファイルが、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させる前に、同一被験体から得られる、155又は156に記載の方法。
158.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、157に記載の方法。
159.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、157に記載の方法。
160.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、157に記載の方法。
161.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、157に記載の方法。
162.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともAxlを含む、158に記載の方法。
163.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともVDBPを含む、158に記載の方法。
164.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともTHPを含む、158に記載の方法。
165.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともEpCamを含む、158に記載の方法。
166.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともVDBP及びTHPを含む、158に記載の方法。
167.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともVDBP及びEpCamを含む、158に記載の方法。
168.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともTHP及びEpCamを含む、158に記載の方法。
169.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともVDBP、THP及びEpCamを含む、158に記載の方法。
170.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、さらに、Axlを含む、163〜169のいずれか一項に記載の方法。
171.前記被験体又は前記被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、147〜155〜170のいずれか一項に記載の方法:
172.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、171に記載の方法。
173.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、172に記載の方法。
174.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ;から選択される技術を用いて行われる、172又は173に記載の方法。
175.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、172〜174のいずれか一項に記載の方法。
176.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はAML又はMDSによって変化しない、172〜174のいずれか一項に記載の方法。
177.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、156〜176のいずれか一項に記載の方法。
178.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、177に記載の方法。
179.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、178に記載の方法。
180.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、179に記載の方法。
181.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、179に記載の方法。
182.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、177記載の方法。
183.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、182に記載の方法。
184.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、177〜183のいずれか一項に記載の方法。
185.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、177〜183のいずれか一項に記載の方法。
186.前記さらなるがん治療は、上記138に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、185に記載の方法。
187.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、185記載の方法。
188.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、187に記載の方法。
189.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、187に記載の方法。
190.前記被験体が哺乳動物である、156〜189のいずれか一項に記載の方法。
191.前記被験体がヒトである、190に記載の方法。
192.前記被験体が、上記101〜155のいずれか1つの予測方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる前記薬剤又は化学療法剤による治療に選択される、156〜191のいずれか一項に記載の方法。
193.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、156〜192のいずれか一項に記載の方法。
194.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、193に記載の方法。
195.前記試料は、血清試料である、194に記載の方法。
196.前記方法が、インビトロ又はエクスビボで行われる、1〜195のいずれか一項に記載の方法。
201.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:101〜196のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
202.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による継続治療のために、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:156〜196のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
203.前記治療が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転させることができる治療有効量の薬剤を被験体に投与することを含む、201又は202に記載の方法。
204.前記治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、203に記載の方法。
205.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204に記載の方法。
206.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、205に記載の方法。
207.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、206に記載の方法。
208.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、206に記載の方法。
209.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204に記載の方法。
210.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、209に記載の方法。
211.前記治療が、単剤として投与される、203〜210のいずれか一項に記載の方法。
212.前記治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、203〜211のいずれか一項に記載の方法。
213.前記さらなるがん治療は、上記130に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、212に記載の方法。
214.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、212に記載の方法。
215.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、214に記載の方法。
216.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、214に記載の方法。
301.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、その各々は、前記1又はそれ以上のバイオマーカーがVDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む診断キット。
302.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための、その各々は前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、VDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む試験装置。
303.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、以下の:VDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIからなる群より選択されからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバー;かつ、前記1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する、1若しくはそれ以上の試薬、又は前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカーによって形成された複合体を検出及び/又は定量化する、1又はそれ以上の試薬;を含む、301又は302に記載の診断キット又は検査装置。
304.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、303に記載の診断キット又は検査装置。
305.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出が、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用によって行われる、303又は304に記載の診断キット又は検査装置。
306.前記キット又は検査装置は、検出用試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む、301〜305のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
307.被験体のがん関連転帰を予測する方法に用いられる、301〜306のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
308.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、307に記載の診断キット又は検査装置。
309.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
310.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
311.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、310に記載の診断キット又は検査装置。
312.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、311に記載の診断キット又は検査装置。
313.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、311に記載の診断キット又は検査装置。
314.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤がAkt3阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
315.前記被験体が、急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、307〜310のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
316.前記方法は、101〜196のいずれか一項に記載の方法である、307〜315のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
317.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における、Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
318.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々が、Axl、FGF−21、MMP−10、TFR1、THP、ヘモペキシン、ハプトグロビン、及び/又は免疫グロブリンMからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、バイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
319.前記検出用試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む、317又は318に記載の使用。
320.被験体におけるがん関連の転帰を予測する方法は、101〜196のいずれか1つに基づく方法である、317又は318に記載の使用。
401.被験体がEMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に感受性があるかを判定するバイオマーカーとしてのVDBP、THP、EpCam、EGFR、フェチュイン−A、IL−6Rβ、Axl、CFHR1、GDF−15、MSP、PON−1、インシュリン(C−ペプチド)、及び/又はApoA−IIの1又はそれ以上の使用。
402.(i)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示し;又は、(ii)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す;401の使用。
403.(i)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が増えた場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;か、又は、(ii)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が減少した場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;401の使用。
404.前記方法は、101〜196のいずれか一項に記載の方法である、401〜403のいずれか一項に記載の使用。
501.急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:上記101〜196のいずれか一項に記載の方法を用いて、治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;を含む、方法。
502.急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:(a)被験体からの試料の採取工程;(b)前記被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤、又は上記101〜196のいずれか一項に記載された方法を用いた化学療法剤による治療に感受性があるかどうかの判定工程;(c)前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量の前記被験体への投与工程;を含む、方法。
503.急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤を、上記101〜196のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記治療に感受性であると同定された被験体に投与する工程を含む、方法。
504.急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;及び前記被験体が、上記156〜196のいずれかに記載の方法を用いて、前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程;を含む、方法。
505.前記方法が、前記被験体が前記治療に対して感受性であると同定される場合、EMTを阻害又は逆転しうる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤又は化学療法剤を前記被験体に投与することを含む、504に記載の方法。
506.急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤。
507.急性骨髄性白血病(AML)又は骨髄異形成症候群(MDS)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用。
508.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、501〜507のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
509.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
510.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、509に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
511.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤を含む、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
513.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、512に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
514.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、単剤として投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
515.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
516.上記130に列挙されたさらなるがん治療の中からさらなるがん治療が選択される、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
517.前記さらなるがん治療は、ピリミジン類似物質、例えば、アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン若しくはトロキサシタビン、又はシチジン類似物質、例えば、デシタビンである、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
518.前記さらなるがん治療は、シタラビンである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
519.前記さらなるがん治療は、デシタビンである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
《第4側面:メラノーマ》
悪性メラノーマとしても知られるメラノーマは、メラニン形成細胞から発生するがんの一種である。当該がんは、通常、皮膚に生じるが、口腔、腸、又は眼にもおこりうる。メラノーマに対する化学療法剤療法としては、例えば、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、及びニボルマブがあげられる。転移性メラノーマに対する当該治療の成功率には未だ総じて限界があり、この種のがんに対する標的療法が未だに必要である(非特許文献6)。
従って、メラノーマである被験体におけるがん関連転帰、例えば、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性、を予測する安定したバイオマーカーは、特定の薬剤/計画による治療に反応するか又は利益を受ける見込みが最も高い被験体を同定するのに有用であろう。
本明細書で記載される「応答性」被験体とは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤、又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが高い、又は反応する(又は治療から利益を受ける)被験体である。
これに対応する、本明細書で記載される「非応答性」被験体は、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤、又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが低い(又は反応しない)被験体である。
本明細書中で用いられる「治療に反応する」又は「治療から利益を得る」とは、治療からの全体的な臨床的利益を経験することをいう。この全体的な臨床的利益とは、生存期間の延長、疾患の部分寛解又は完全寛解、疾患の進行の遅延又は非進行、腫瘍の縮小(例えば、腫瘍体積の5、10、20、30、40%又はそれ以上の減少)、腫瘍体積の減少(例えば、腫瘍体積の5、10、20、30、40%又はそれ以上の減少)、腫瘍増大の遅延又は非増大、腫瘍体積増加の遅延又は非進行、生活の質の改善、無増悪生存、全体生存、又はその他の正の患者転帰;のいずれかである。腫瘍体積/負荷を決定する適当な方法は、当業者に周知であり、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)又は磁気共鳴画像(MRI)画像技術;X線画像、例えば、マンモグラフィ;超音波画像;核画像、例えば、陽電子放出断層撮影(PET)、PET/CTスキャン、骨スキャン、ガリウムスキャン、又はメタヨードベンジルグアニジン(MIBG)スキャン;生物発光画像(BLI);蛍光画像(FLI);BD ToF(赤外線系3D飛行時間カメラ画像技術である。
〔バイオマーカー〕
本明細書における用語「マーカー」又は「バイオマーカー」は、被験体又は前記被験体に由来する試料における発現が、がんにおいて、例えば上方又は下方調節されて改変又は変調される遺伝子又はタンパク質を示すのに用いられる。当該バイオマーカーがタンパク質である場合、発現の変調又は改変は、異なる翻訳後修飾を介する変調を包含する。
本開示の当該側面のいかなる態様でも、本明細書に記載されるバイオマーカーは、以下の:
Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版(entry version)196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
インターロイキン−6受容体(IL−6r)バイオマーカーは、UniProt受託番号P08887−1又はP08887−2(登録版210)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ケモカインCC−4(HCC−4)バイオマーカーは、UniProt受託番号O15467(登録版146)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
メタロプロテイナーゼ1の組織阻害剤(TIMP−1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01033(登録版202)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ヘパリン結合EGF様成長因子(HB−EGF)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q99075(登録版171)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
抗ロイコプロテイナーゼ(ALP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P03973(登録版184)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
トランスフォーミング増殖因子β1の潜伏関連ペプチド(LAP TGF−b1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01137(登録版235)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
上皮成長因子(EGF)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01133−1、P01133−2、又はP01133−3(登録版204)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
血小板由来成長因子BB(PDGF−BB)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01127−1又はP01127−2(登録版217)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
オステオプロテゲリン(OPG)バイオマーカーは、UniProt受託番号O00300(登録版155)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
好中球活性化ペプチド2(NAP−2)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02775(登録版191)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ST2バイオマーカーが、UniProt受託番号Q01638−1、Q01638−2、Q01638−3又はQ01638−4(登録版179)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
腫瘍壊死因子受容体I(TNF RI)バイオマーカーは、UniProt受託番号P19438−1、P19438−2、P19438−3、P19438−4、又はP19438−5(登録版225)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
血管内皮増殖因子(VEGF)バイオマーカーは、UniProt受託番号P15692−1、P15692−2、P15692−3、P15692−4、P15692−5、P15692−6、P15692−7、P15692−8、P15692−9、P15692−10、P15692−11、P15692−12、P15692−13、P15692−14、P15692−15、P15692−16、P15692−17、又はP15692−18(登録版230)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
成長調節αタンパク質(GRO−α)バイオマーカーは、UniProt受託番号P09341(登録版183)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00338−1、P00338−2、P00338−3、P00338−4、又はP00338−5(登録版224)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;及び/又は
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07195−1(登録版218)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;と特定されうる。
本明細書に記載されるバイオマーカーはまた、上記アミノ酸配列のいずれかをコードする全長核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)として特定され得る。
同一性FASTA及びFASTP(Pearson&Lipman,1988.Methods in Enzymology 183:63-98を参照)を用いた配列比較を用いて特定しうる。パラメータは、以下の:Gapopen(ギャップの最初の残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−12/DNAに対する−16;Gapext(ギャップの追加残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−2/DNAに対する−4;KTUPワード長:タンパク質に対する2/DNAに対する6の、デフォルトのマトリクスを用いて設定するのが好ましい。
〔治療前予測のバイオマーカー及び方法〕
発明者らは、臨床試験BGBIL006(NCT02872259)から得られた患者データを解析して、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、メラノーマである被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した(実施例2及び7を参照)。同様に、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価すれば、被験体が、当該薬剤による治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうる。
従って、本側面の第1態様では、本開示は、メラノーマである、の疑いがある、又はメラノーマと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、インターロイキン−6受容体(IL−6r)、ケモカインCC−4(HCC−4)、メタロプロテイナーゼ1の組織阻害剤(TIMP−1)、ヘパリン結合EGF様成長因子(HB−EGF)、抗ロイコプロテイナーゼ(ALP)、トランスフォーミング増殖因子β1の潜伏関連ペプチド(LAP TGF−b1)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来増殖因子BB(PDGF−BB)、オステオプロテゲリン(OPG)、好中球活性化ペプチド2(NAP−2)、ST2、腫瘍壊死因子受容体I(TNF RI)、血管内皮増殖因子(VEGF)、増殖調節αタンパク質(GRO−α)及び/又は乳酸脱水素酵素(LDH)からなる群より選択される。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、インターロイキン−6受容体(IL−6r)、ケモカインCC−4(HCC−4)、メタロプロテイナーゼ1の組織阻害剤(TIMP−1)、ヘパリン結合EGF様成長因子(HB−EGF)、抗ロイコプロテイナーゼ(ALP)、トランスフォーミング増殖因子β1の潜伏関連ペプチド(LAP TGF−b1)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来増殖因子BB(PDGF−BB)、オステオプロテゲリン(OPG)、好中球活性化ペプチド2(NAP−2)、ST2、腫瘍壊死因子受容体I(TNF RI)、血管内皮増殖因子(VEGF)、及び/又は増殖調節αタンパク質(GRO−α)からなる群より選択される。
本明細書に記載される「がん関連転帰」は、がんと関連する臨床的予測又は予後である。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。
本明細書中で用いる「試料プロファイル」は、被験体又は被験体に由来する試料において決定された各バイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。適当な対照プロファイルは、以下で詳細に説明される。
本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「応答性」被験体の血清よりも高いレベルで存在することが見出された。同様に、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「非応答性」の被験体の血清よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清に存在することが見出された。
この「応答性」と「非応答性」の間の発現レベルの差は、逆の方法で表現しうる。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、被験体の治療前に「非応答性」の被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。同様に、被験体の治療前に、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「非応答性」の被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。
当該異なる発現パターンの発見は、被験体が薬剤での治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することで、当該被験体が、当該薬剤での治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうることを意味する。従って、特に好ましい態様では、当該試料プロファイルは、被験体へのEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の接触又は投与前に得られる。
EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療(又は治療からの利益)に反応する見込みが高い、又は応答する被験体である。すなわち、薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、上記で特定したように、当該薬剤について「応答性」である。「感受性を示す」予測とは、被験体が治療に反応したり、治療から利益を得たりする見込みを示唆又は指摘するものである。
いくつかの態様では、本開示の予測方法は、被験体又は被験体に由来する試料において本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程と、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルに基づいて予測を行う工程を含む。本方法のいくつかの態様では、当該予測は、対照プロファイルと試料プロファイルの比較により行われ、対照プロファイルは、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同じバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
ある実施形態では、対照プロファイルは、メラノーマである対照被験体の集団から得ることができる。ある実施形態では、対照プロファイルは、メラノーマでない対照被験体の集団から得ることができる。他の実施形態では、対照プロファイルは、メラノーマであり、かつ以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤(すなわち、非応答性被験体)による治療に対する感受性の欠如が見いだされた対照被験体又は対照被験体の集団から得ることができる。
ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「平均」値、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、メラノーマである対照被験体又は対照被験体の集団、メラノーマでない対照被験体又はメラノーマである対照被験体又は対照被験体の集団であって、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されたもの(すなわち、非応答性被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、メラノーマであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団から獲得しうる。ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、メラノーマであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団(すなわち、反応被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、試料プロファイルで決定されるのと同じバイオマーカーの既知の量(例えば、「閾値」量)を備えるコントロール試料から獲得しうる。この閾値量は、例えば、上記のように、非応答性又は応答性の被験体から獲得しうる。
当業者であれば、特定のバイオマーカーの適当な「平均」、「閾値」又は値の「標準範囲」を容易に決定しうる。
例えば、「平均」値は、メラノーマである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;及び「平均」値の決定に測定されたバイオマーカー活性、発現、又は量を平均して、決定しうる。
例えば、「平均」値は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中のバイオマーカー活性、発現、又は決定された量の平均による、「平均」値の決定により、決定され得る。
例えば、「閾値」は被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中の最高又は最低のバイオマーカー活性、発現、又は量の「閾値」としての適宜選択により決定され得る。
例えば、値の「標準範囲」は、メラノーマである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価、及びこの評価に基づいて値の「標準範囲」を決定することで、決定しうる。
例えば、値の「標準範囲」は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び当該評価に基づき、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが判明した被験体に対する値の「標準範囲」を決定することで、決定され得る。
対照プロファイルがバイオマーカー発現、活性、又は量の値の所定のプロファイルである場合、これは「ルックアップテーブル」又はデータレコードとして提供され得る。当該所定の対照プロファイルは、複数の対照被験体(例えば、上記の非応答性又は応答性被験体)において決定された各バイオマーカーの中心傾向(平均、中央値又は平均)量の尺度に対応する数値又は数値範囲のプロファイルであり得る。当業者であれば、標準的なタンパク質定量化技術及び適当な統計的ツールを用いて、集団内の中心傾向の尺度及び変動の尺度をともに容易に決定しうる。
従って、いくつかの実施形態では、対照プロファイルは、以下の:メラノーマである対照被験体の集団から得られたもの;メラノーマでない対照被験体の集団から得られたもの;メラノーマであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が以前に見出されている対照被験体の集団から得られたもの(非応答性被験体である);非応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の所定のプロファイル(例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル又は値の「標準範囲」);非応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均値」を備える対照試料から得られたもの;応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「閾値」を備える対照試料から得られたもの;次いで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイルにおける、本明細書中に記載された、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうるもの;である。同様に、対照プロファイルと比較して、本明細書中に記載された試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が高い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、Axl、IL−6r、及び/又はHCC−4から選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が低い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、試料プロファイルにおいて、対照プロファイルと比較して:Axlの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、IL−6rの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、HCC−4の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、TIMP−1の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、HB−EGFの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、ALPの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、LAP TGF−b1の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、EGFの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、PDGF−BBの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、OPGの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、NAP−2の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、ST2の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、TNF RIの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、VEGFの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、GRO−αの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、LDHの活性、発現、又は量がより高い;場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、メラノーマである対照被験体又は対照被験体の集団から得られ、かつ、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された場合(すなわち、反応被験体)、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、メラノーマである被験体、及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された被験体)に典型的な「閾値」を上回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、メラノーマである被験体、及び、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された被験体)に典型的な「閾値」を下回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がないことを示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、応答性被験体(すなわち、メラノーマである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、応答性被験体(すなわち、メラノーマである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、非応答性被験体から得られたバイオマーカー発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、非応答性被験体(すなわち、メラノーマであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出された被験体)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、非応答性被験体(すなわち、メラノーマであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されている被験体)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、メラノーマでない対照被験体の集団から得られたものであり、かつ、試料プロファイルの発現、活性又は量が、メラノーマでない被験体に典型的な値の「標準範囲」外である場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性又は量が、メラノーマでない被験体に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。この場合、発現、活性又は量は、所与のバイオマーカーについて正常の上限を上回るか又は正常の下限を下回るかのいずれかである場合に、値の「標準範囲」外にあってよい。正常値の上限及び下限は、メラノーマでない対照被験体集団の所定のバイオマーカーの正常分布の限界である。
1又はそれ以上のバイオマーカーがLDHを含む実施形態では、287ユニット/リットル(U/L)を超えるLDHの発現又は量は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。
当業者であれば、適当な統計的ツール及び適当な対照との比較を用いて、試料プロファイルが、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示すか又は感受性の欠如を示すかを容易に決定しうる。
いくつかの実施形態では、試料プロファイルは、上記のように2又はそれ以上の対照プロファイルと比較され得る。
本明細書中で用いられる場合、用語「1又はそれ以上」とは、本明細書中に記載されるバイオマーカーの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20をいう。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはIL−6rである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHCC−4である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTIMP−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはALPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはPDGF−BBである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはOPGである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはNAP−2である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはST2である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTNF RIである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはVEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはGRO−αである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはLDHである。ある好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはLDHである。その他の好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxl及びLDHである。
いくつかの当該実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、当該バイオマーカーの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、Axl及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、LDH及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、Axl及びLDH並びに、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、被験体がメラノーマの治療中又は治療コース前に実施される。他の実施形態では、当該予測方法は、メラノーマに対する治療中又は治療コース後に実施される。ある実施形態では、メラノーマの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤である。他の実施形態では、メラノーマの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤ではない化学療法剤による治療である。
本明細書に記載の予測方法のいくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている。ある実施形態では、被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている。
本明細書に記載された予測方法のいくつかの態様では、当該被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている。すなわち、被験体は、予測方法が被験体の感受性を決定する薬剤ではない薬剤で既に治療されている。従って、いくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で予め治療されていない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、以前にAxl阻害剤で治療されていない。他の好ましい態様では、被験体は、Akt3阻害剤で予め治療されていない。
〔バイオマーカーの治療後の変化〕
本開示のこの態様のいくつかの態様では、予測方法は、さらに、被験体又は被験体に由来する試料において、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤を治療又は治療コース後に、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価するその後の工程を含み、本明細書に記載の1又はそれ以上のバイオマーカーの第2試料プロファイルを得る。
すなわち、いくつかの実施形態では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程であって、ここで、当該1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHからなる群から選択される;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程であって、ここで、当該1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、及び/又はGRO−αからなる群から選択される;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの好ましい態様では、当該方法は、その後、被験体又は被験体に由来する試料中の、Axlの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、第2試料プロファイルにおけるAxlの活性、発現、又は量が増えた場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより感受性が高いことを示す。いくつかの好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療前に、同じ被験体から得られる。
〔治療後予測のバイオマーカー及び方法〕
臨床試験BGBIL006(NCT02872259)から得られた患者データを解析することにより、発明者らは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤によるメラノーマ患者の治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で上昇するが、「非応答性」の被験体の血清中では上昇しないことを発見した。同様に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で低下するが、「非応答性」の被験体の血清中では低下しない。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療の前後に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価することで、被験体が前記薬剤による治療に感受性又は応答性であることを決定又は確認しうる。
従って、当該側面の第2態様では、本開示は、メラノーマである、の疑いがある、又はメラノーマと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触した後に、被験体又は前記被験体に由来する試料における、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本開示のこの態様の好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療する前に、同じ被験体から得られる。ある実施形態では、対照プロファイルは、メラノーマである対照被験体の集団から得られる。他の態様では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」又は値の「標準範囲」のプロファイルである。
従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、対照プロファイルが同一の被験体から得られる態様では、被験体をEMT又はがん治療剤を阻害又は逆転しうる薬剤と接触させた後の、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。当該態様では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともAxlを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイルの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、上記開示の本側面の第1態様による予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために選択された。
〔EMTを阻害又は逆転しうる薬剤〕
本開示は、メラノーマである、の疑いがある、又はと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測するための方法を提供する。「がん関連転帰」とは、がんと関連する臨床的予測又は予後である。
本開示の当該メラノーマ側面で用いる、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤は、以下の好ましい実施形態以外は、上記のAML側面の記載のように特定される(上記と同項目、第14頁第19行目〜第17頁第2行目参照)。
いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はペムブロリズマブである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である。
〔バイオマーカーの活性、発現、量の評価〕
本明細書に記載される予測方法のいくつかの態様では、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価は、試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と接触させる工程;及び検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程を含む。
いくつかの実施形態では、LDHの活性を評価する工程を含み、LDHの活性評価は、被験体又は被験体に由来する試料におけるLDHの酵素活性の測定工程を含む。好ましくは、当該酵素活性は、被験体又は被験体に由来する試料中のLDHにより触媒される酵素反応の基質又は生成物のレベル又は量を測定して評価される。特に好ましい実施形態では、当該酵素活性は、被験体又は被験体由来の試料中の還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)のレベル又は量の測定により評価される。ある実施形態では、これは、比色アッセイ、例えば、Sigma-Aldrich製カタログ番号MAK066の比色アッセイを用いて測定しうる。LDH活性評価の他の適当なアッセイは、当業者に周知である。特に好ましい態様では、LDH活性は、血液又は血清中のLDHの酵素活性の測定により評価される。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量の評価は、被験体又は被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定を含む。好ましくは、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、タンパク質発現のレベルの測定により、評価される。特に好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、血清中のタンパク質発現のレベルの測定により、評価される。
用語「発現」とは、対応するmRNAを生成する遺伝子のDNA鋳型の転写、及び対応する遺伝子産物(すなわち、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質)を生成する当該mRNAの翻訳、並びに翻訳後修飾がされたかもしれない1又はそれ以上の形態のタンパク質の「発現」を意味する。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定工程は、試料又は試料由来の抽出物を、各々がそれぞれのバイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーと接触させる工程と、当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出及び/又は定量の工程とを含む。ある態様では、特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
タンパク質及びmRNA発現レベルを決定する一連の適当な技術、例えばマイクロアレイ分析、ウェスタンブロット法、及びQPCR等のPCR技術は、当該分野で周知である。いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量の決定は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用を含み得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される。その場合、各バイオマーカータンパク質又はmRNAは、試料中で定量され得、当該量は、試料の尺度、例えば、試料の容積、質量、又は総タンパク質量として表され得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、ここで、当該相対量は、試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定される。このように、バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量を決定することで、正規化が可能となり、例えば、総タンパク質濃度の差異を考慮して、試料間のバイアスを除去しうる。
好ましくは、参照タンパク質又はmRNAは、その発現又は量が、がんである、特にメラノーマである被験体とがんでない被験体との間で有意に変化しない。すなわち、参照タンパク質又はmRNAは、好ましくは、その発現又は量がメラノーマによって変化しない。従って、参照タンパク質又はmRNAは、本明細書に記載されるバイオマーカーの1つではない1又はそれ以上のタンパク質又はmRNAを含み得る。当該1又はそれ以上のバイオマーカーの発現量又は量を相対量として表す場合、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量を、試料中の参照タンパク質又はmRNAの絶対量で除算しうる。
〔RNAレベルでのバイオマーカー発現の評価〕
遺伝子発現はRNAレベルで検出しうる。RNAは、例えば、酸性フェノール/グアニジンイソチオシアネート抽出(RNAzol B;Biogenesis)、RNeasyRNA調製キット(Qiagen)又はPAXgene(PreAnalytix、スイス)を用いることを含むRNA抽出技術を用いて細胞から抽出され得る。リボ核酸ハイブリダイゼーションを利用する通常の分析フォーマットとしては、核ランオンアッセイ、RT−PCR、RNase保護アッセイ(Melton et al., Nuc. Acids Res. 12:7035)、ノーザンブロット法及びInSituハイブリダイゼーションがあげられる。遺伝子発現はまた、以下に記載するマイクロアレイ分析によって検出され得る。
〔タンパク質レベルでのバイオマーカー発現の評価〕
好ましくは、バイオマーカーレベルは、タンパク質発現の測定により評価される。改変された遺伝子又はタンパク質の発現は、遺伝子によりコードされるポリペプチドの測定によっても検出しうる。これは、バイオマーカー遺伝子によりコードされるポリペプチドに結合する分子を用いることにより達成され得る。タンパク質の存在の検出のためにポリペプチドに直接的又は間接的に結合する適当な分子/剤は、天然に存在する分子、例えば、ペプチド及びタンパク質、例えば、抗体を含むか、又はそれらは合成分子であってよい。
抗体は、市販の供給源から、又は当業者に周知の技術を介して獲得しうる。一の実施形態では、改変された発現が、タンパク質バイオマーカーの翻訳後改変された形態の改変の発現を介して現れる場合、当該異なる形態に特異的な抗体が用いられ得る。本開示の目的のため、「抗体」という用語は、別段の規定がない限り、標的抗原に対するそれらの結合活性を保持する全抗体又は全抗体の断片を含む。当該断片としては、Fv、F(ab')及びF(ab')2断片、並びに単鎖抗体(scFv)があげられる。さらに、抗体及びその断片は、例えば、欧州特許公開第239400号に記載されているヒト化抗体であり得る。例えば、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体、組換え抗体、抗体のタンパク質分解断片及び組換え断片(Fab、Fv、scFv、ジアボディ)、単一ドメイン抗体(VHH、sdAb、ナノボディ、IgNAR、VNAR)、及び抗体様特異的結合を有するように操作された、抗体とは無関係のタンパク質である。抗体は、固体支持体に結合され、及び/又は適当な試薬、対照、指示書等と共に適当な容器中のキットにパッケージされ得る。
〔アレイ〕
アレイ技術及びそれに関連する様々な技術及び適用は、当技術分野で周知である。アレイ技術は一般に「1の実験で1の遺伝子」に基づいて機能し、その結果、スループットが低下し、遺伝子機能の「全体像」が理解できないという、分子生物学における従来の方法の欠点を克服する。本開示の産物及び方法の文脈では、アレイ技術は、例えば、バイオマーカータンパク質又はmRNAの発現の分析で用いられうる。
一般に、いかなるライブラリ又は試料群は、ライブラリ又は群のメンバーを空間的に分離して、アレイに秩序正しく配列しうる。アレイ化に適したライブラリの例としては、核酸ライブラリ(DNA、cDNA、オリゴヌクレオチド等のライブラリを含む)、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質ライブラリ、並びにリガンドライブラリ等のいかなる分子をも含むライブラリが挙げられる。従って、本明細書で「ライブラリ」を参照する場合は、文脈上別段の指示がない限り、当該参照は、アレイの形態のライブラリを参照することを含むものと解釈されるべきである。
タンパク質、ポリペプチド等もまた、アレイで固定化しうる。例えば、抗体は、タンパク質チップ(Borrebaeck CA, 2000, Immunol Today 21(8):379−82)を用いたプロテオームのマイクロアレイ分析に用いられる。ポリペプチドアレイは、例えば、MacBeath and Schreiber, 2000, Science, 289(5485):1760−1763に概説がある。
〔試料〕
適当な試料としては、組織生検、血液、尿、頬側擦過物等の組織試料、並びに血清、血漿、又は組織培養上清試料が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中のタンパク質発現のレベルの測定により評価される。いくつかの好ましい態様では、試料は、血液、血清又は血漿試料である。いくつかの特に好ましい態様では、試料は血清試料である。
被験体由来の血清又は血漿試料中の1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量を評価する場合、試料を除去し、フローサイトメトリー、マスサイトメトリー(CyTOF)、ELISA、PET、及びSELDI−TOF MS等の分析技術に供する。いくつかの実施形態では、当該方法は、当該試料からRNAを抽出し、QPCRによる遺伝子発現の検出を含みうる。いくつかの他の実施形態では、遺伝子発現は、例えばウェスタンブロットでタンパク質産物を検出することで検出しうる。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現レベルは、1又はそれ以上のバイオマーカーをコードする遺伝子のコピー数の決定により評価される。コピー数(すなわち、遺伝子重複事象)は、例えば、Jiangら(Jiang Q, Ho YY, Hao L, Nichols Berrios C, Chakravarti A. Copy number variants in candidate genes are genetic modifiers of Hirschsprung disease. PLoS One. 2011;6(6))に記載されるDNAチップを用いて、当該技術分野で公知の標準技術を用いて決定しうる。
本明細書に記載される予測方法のいくつかの好ましい実施形態では、当該方法はインビトロ又はエクスビボで行われる。
〔治療被験体の選択方法〕
本開示のこの側面の第3態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のため、メラノーマである、その疑いがある、又はメラノーマと診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、上記本明細書の本側面の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体の同定工程;及び、当該同定された被験体の治療のための選択工程を含む。
ある実施形態では、この態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療を継続するために、メラノーマである、その疑いがある、又はメラノーマと診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、本開示のこの側面の上記第2態様により特定された予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定し、かつ、当該同定された被験体の治療のための選択を含む。
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、治療は、本明細書に記載される、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤の被験体への投与を含む。従って、ある実施形態では、治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。
いくつかの好ましい実施形態では、治療は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、当該治療は、単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はペムブロリズマブである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である。
〔キット〕
本開示の本側面の第4態様は、診断キット及び試験装置に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は以上の試薬を含む診断キットを提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、及び/又はGRO−αからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
他の実施形態では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は以上の試薬を含む診断装置を提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、及び/又はGRO−αからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は本明細書に記載されたバイオマーカーの1つに選択的に結合する;かつ、当該1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する1又はそれ以上の試薬、又は当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカーにより形成された複合体の検出及び/又は定量化のための、1又はそれ以上の試薬を含む。いくつかの実施形態では、各特異的結合メンバーは、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、及び/又はGRO−αからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、Axlに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、LDHに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、及び/又はGRO−αからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、Axlに選択的に結合する特異的結合メンバー、LDHに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、及び/又はGRO−αからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、診断キット又は試験装置は、基板上にアレイの形態で提供されるか、又はビーズ又はマイクロスフェア等の複数の粒子に結合された、複数の前記特異的結合メンバーを含む。当該粒子は、検出可能な標識でコードしうる。ある実施形態では、当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含む。
当該特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出する診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ、から選択される技術を用いて行われる。
当該診断キット又は検査装置のいくつかの実施形態では、キット又は検査装置は、検出用の試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む。当該診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、当該キット又は試験装置は、15、20、25、30、40、又は50以下の特異的結合メンバーを含む。
本開示はまた、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における当該診断キット及び試験装置の使用を提供する。好ましい実施形態では、がん関連転帰は、本明細書に記載される、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
ある実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、若しくはPHGDH阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
当該予測方法に用いられる診断キット又はテスト装置のいくつかの実施形態では、被験体は、メラノーマであり、であると疑われる、又は、と診断されている。
いくつかの実施形態では、本方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定され得る。
本開示の本側面の第5態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法においてAxl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための試薬の使用に関する。
本開示の本側面の第6態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々が、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的であるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上試薬の使用に関する。ある実施形態では、検出用の当該試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む。当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
いくつかの実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される通りであり得る。
〔使用〕
本開示の本側面の第7態様は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとしての、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHの1又はそれ以上の使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、Axl、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のIL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHの使用に関する。ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、LDH、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のAxl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、及び/又はGRO−αの使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、Axl、LDH、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、及び/又はGRO−αの使用に関する。
いくつかの態様では、当該使用は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される方法におけるバイオマーカーとしての使用である。
〔被験体の治療方法〕
本開示の本側面の第8態様は、メラノーマである、の疑いがある、又はと診断された、被験体の治療方法に関する。ある実施形態では、本方法は、開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、治療用被験体を同定する工程;及びEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療的有効量を前記被験体に投与する工程を含む。
すなわち、いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:(a)当該被験体から試料を得る工程;(b)本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に前記被験体が、感受性があるかどうかを判定する工程;(c)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;を含む。
ある実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、当該治療に感受性であると同定された被験体に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を投与する工程を含む。
他の実施形態では、当該方法は、以下の:(a)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び(b)本開示の第2側面の上記第2側面に従って定義された予測方法を用いて、前記被験体が前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程を含む。ある実施形態では、本方法はさらに、(c)前記被験体が前記治療に感受性であると同定される場合、EMTを阻害若しくは逆転させることができる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤を、前記被験体に投与することを含む。
本開示の本側面の第9態様は、メラノーマである、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
本開示の本側面の第10態様は、メラノーマである、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。いくつかの好ましい態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025である。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該治療は単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はペムブロリズマブである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である。
〔開示に関する記載〕
以下の番号つきの記載は、本開示の本側面に関し、記載の部分を構成する:
101.被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む、前記被験体におけるがん関連転帰を予測する方法であって;
ここで、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHからなる群より選択され;かつ、
ここで、前記被験体が、メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、方法。
102.以下の:
前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、
前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測をする工程;を含む、101に記載の方法。
103.前記予測は、前記試料プロファイルを制御プロファイルと比較して行われる、102に記載の方法。
104.前記試料プロファイルが、前記被験体が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤との接触、又は、投与前に得られる、103に記載の方法。
105.前記対照プロファイルは、以下の:
(i)メラノーマである対照被験体集団から得られた;又は
(ii)メラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)から得られた;
(iii)バイオマーカーの発現、活性又は量の値の所定のプロファイルであって、例えば、メラノーマであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非反応被験体)から得られた、例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル、又は値の「標準範囲」;
(iv)メラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均」値である対照試料由来であり、
(v)メラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)から得られた、バイオマーカー発現、活性、又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、
(vi)メラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「閾値」である対照試料由来である、である、104に記載の方法。
106.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
107.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
108.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHのうちの少なくとも1つを含み、ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜107のいずれか一項に記載の方法。
109.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、IL−6r、及び/又はHCC−4のうちの少なくとも1つを含み、
対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜108のうちのいずれか一項に記載の方法。
110.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおいて、以下の:
Axlの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
IL−6rの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
HCC−4の活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
TIMP−1の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
HB−EGFの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
ALPの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
LAP TGF−b1の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
EGFの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
PDGF−BBの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
OPGの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
NAP−2の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
ST2の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
TNF RIの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
VEGFの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
GRO−αの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
LDHの活性、発現、又は量が高い;場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜109のいずれか一項に記載の方法。
111.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axlを及び/又はLDH含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、及び以下の:IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
112.以下の:
前記Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
インターロイキン−6受容体(IL−6r)バイオマーカーは、UniProt受託番号P08887−1又はP08887−2(登録版210)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ケモカインCC−4(HCC−4)バイオマーカーは、UniProt受託番号O15467(登録版146)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
メタロプロテイナーゼ1の組織阻害剤(TIMP−1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01033(登録版202)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ヘパリン結合EGF様成長因子(HB−EGF)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q99075(登録版171)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
抗ロイコプロテイナーゼ(ALP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P03973(登録版184)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
トランスフォーミング増殖因子β1の潜伏関連ペプチド(LAP TGF−b1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01137(登録版235)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
上皮成長因子(EGF)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01133−1、P01133−2、又はP01133−3(登録版204)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
血小板由来成長因子BB(PDGF−BB)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01127−1又はP01127−2(登録版217)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
オステオプロテゲリン(OPG)バイオマーカーは、UniProt受託番号O00300(登録版155)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
好中球活性化ペプチド2(NAP−2)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02775(登録版191)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ST2バイオマーカーが、UniProt受託番号Q01638−1、Q01638−2、Q01638−3又はQ01638−4(登録版179)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
腫瘍壊死因子受容体I(TNF RI)バイオマーカーは、UniProt受託番号P19438−1、P19438−2、P19438−3、P19438−4、又はP19438−5(登録版225)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
血管内皮増殖因子(VEGF)バイオマーカーは、UniProt受託番号P15692−1、P15692−2、P15692−3、P15692−4、P15692−5、P15692−6、P15692−7、P15692−8、P15692−9、P15692−10、P15692−11、P15692−12、P15692−13、P15692−14、P15692−15、P15692−16、P15692−17、又はP15692−18(登録版230)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
成長調節αタンパク質(GRO−α)バイオマーカーは、UniProt受託番号P09341(登録版183)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00338−1、P00338−2、P00338−3、P00338−4、又はP00338−5(登録版224)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;及び/又は
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07195−1(登録版218)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;又は、
前記アミノ酸配列をコードする全長の核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)である、
101〜111のいずれか一項に記載の方法。
113.前記方法が、前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の前記バイオマーカーの量を測定することを含む、101〜112のいずれか一項に記載の方法。
114.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、
検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、104〜113のいずれか一項に記載の方法。
115.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、
前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、114に記載の方法。
116.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、115に記載の方法。
117.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ選択される技術を用いて行われる、115又は116に記載の方法。
118.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、115〜117のいずれか一項に記載の方法。
119.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はメラノーマによって変化しない、115〜117のいずれか一項に記載の方法。
120.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、101〜119のいずれか一項に記載の方法。
121.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、120に記載の方法。
122.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、121に記載の方法。
123.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、122に記載の方法。
124.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、123に記載の方法。
125.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、123に記載の方法。
126.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、121記載の方法。
127.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、126に記載の方法。
128.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、120〜127のいずれか一項に記載の方法。
129.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、120〜127のいずれか一項に記載の方法。
130.前記さらなるがん治療は、以下の:
(i)ブスルファン等のアルキルスルホン酸塩を含むアルキル化剤;
(ii)クロラムブシル、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン及びウラムスチン等のナイトロジェンマスタード;
(iii)チオテパ等のエチレンイミン誘導体;
(iv)カルムスチン、ロムスチン及びストレプトゾシン等のニトロソウレア;
(v)ダカルバジン、プロカルバジン、及びテモゾラミド等のトリアゼン;
(vi)シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチンオンナプラチン、テトラプラチン、スプロプラチン、イプロプラチン、クロロ(ジエチレンジアミノ)−白金(II)塩化物、ジクロロ(エチレンジアミノ)−白金(II)、ジアミノ(2−エチルマロナト)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナトプラチン(II)、(4−カルボキシフタロ)−(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラート)白金(II)及び(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(ピルバト)白金(II)等の白金化合物;
(vii)メトトレキサート、パーメトレキセート、ラルチトレキセート及びトリメトレキセート等の抗葉酸薬を含む代謝拮抗薬;
(viii)アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン及びトロキサシタビン等のピリミジン類似物質;
(ix)クラドリビン、クロロデオキシアデノシン、クロロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン及びチオグアニン等のプリン類似物質;
(x)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ミスラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ポルフィロマイシン等の抗腫瘍抗生物質を含む天然産物;
(xi)ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、及びバルビシン等のアントラサイクリン系薬剤;
(xii)ビンカアルカロイド系のビンブラスチン、ビンベシル、ビンクリスチン、ビンデシン、及びビノレルビン等の有糸分裂阻害剤;
(xiii)L−アスパラギナーゼ及びPEG−L−アスパラギナーゼ等の酵素;
(xiv)タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;
(xv)カンプトテシン、イリノテカン及びトポテカン等のトポイソメラーゼI阻害剤;
(xvi)ポドフィロトキシン、アムサクリン、エトポシド、テニポシド、ロソキサントロン及びアクチノマイシン等のトポイソメラーゼII阻害剤;
(xvii)以下のホルモン及びホルモン拮抗剤:
−フルオキシメステロン及びテストラクトン等のアンドロゲン;
−ビカルタミド、シプロテロン、フルタミド及びニルタミド等の抗アンドロゲン剤;
−デキサメタゾン及びプレドニゾン等のコルチコステロイド薬;
−アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタン及びレトロゾール等のアロマターゼ阻害剤;
−ジエチルスチルベストロール等のエストロゲン類;
−フルベストラント、ラロキシフェン、タモキシフェン及びトレミフィン等の抗エストロゲン剤;
−アバレリックス、ブセレリン、ゴセレリン、リュープロリド、ヒストレリン、デソレリン、酢酸ナファレリン及びトリプトレリン等の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)作用薬と拮抗薬;
−酢酸メドロキシプロゲステロン及び酢酸メゲストロール等のプロゲスチン;
−レボチロキシン及びリオチロニン等の甲状腺ホルモン;
(xviii)ペリホシン、エンザスタウリン塩酸塩及びトリシリビン等のPKB経路阻害剤;
(xix)セマフォア及びSF1126等のP13K阻害剤並びにラパマイシン及びその類似物質等のMTOR阻害剤;
(xx)セリシクリブ、アルボシジブ及び7−ヒドロキシスタウロスポリン等のCDK阻害剤;
(xxi)セレコキシブを含むCOX−2阻害剤;
(xxii)トリコスタチンA、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、及びクラミドシンを含むHDAC阻害剤;
(xxiii)DNAメチラーゼ阻害剤(テモゾロミドを含む)及びその他の薬剤(アルトレタミン、三酸化ヒ素、サリドマイド、レナリドミド、硝酸ガリウム、レバミゾール、ミトタン、ヒドロキシ尿素、オクトレオチド、プロカルバジン、スラミン、メトキサレン及びナトリウムポルフィマー等の光力学的化合物);
(xxiv)ボルテゾミブ等のプロテアソーム阻害剤;
(Xxv)遺伝子治療薬及びアンチセンス治療薬等の機能的治療薬を含む分子標的治療薬;
(xxvi)塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤;
(xxvii)ソラフェニブ等のRaf阻害剤、並びにレチノイド及びレキシノイド等の遺伝子発現調節剤、例えばアダパレン、ベキサロテン、trans−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸、及びN−(4−ヒドロキシフェニル)レチナミド;
(xxviii)表現型標的治療薬である、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、リツキシマブ、トラスツズマブ等のモノクローナル抗体、ゲムツズマブ・オゾガミシン等の免疫毒素、I−トシツモバブ等の放射性免疫複合体;
(xxix)がんワクチン;
(xxx)生物学的療法剤である、インターフェロン−[α]2a及びインターフェロン−[α]2b等のインターフェロン、及びアルデスロイキン、デニロイキンジフチトクス及びオプレルベキン等のインターロイキン;
(xxxi)予防薬又は補助薬の使用を含む抗がん療法:アミフォスチン及びデクスラゾキサン等の細胞保護薬、パミドロネート及びゾレドロン酸等のホスホネート、並びにエポエチン、ダルベペチン、フィルグラスチム、PEG−フィルグラスチム及びサルグラモスチム等の刺激因子;
(xxxii)Axl阻害剤である、1−(6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジン−3−イル)−N3−((7−(S)−ピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン等;及び/又は、
(xxxiii)さらなる併用化学療法計画である、カルボプラチン/パクリタキセル、カペシタビン/ドセタキセル、フルオラウラシル/レバミゾール、フルオラウラシル/ロイコボリン、メトトレキサート/ロイコボリン、及びトラスツズマブ/パクリタキセルの単独又はさらなるカルボプラチンとの併用等;
中から選択される、129に記載の方法。
131.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である、129に記載の方法。
132.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、131に記載の方法。
133.前記さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である、131に記載の方法。
134.前記被験体が哺乳動物である、101〜133のいずれか一項に記載の方法。
135.前記被験体がヒトである、134に記載の方法。
136.前記予測方法は、メラノーマの治療前に実施される、101〜135のいずれか一項に記載の方法。
137.前記予測方法は、メラノーマの治療中又は治療コース後に実施される、101〜136のいずれか一項に記載の方法。
138.前記被験体が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている、101〜135又は137のいずれか一項に記載の方法。
139.前記被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている、138に記載の方法。
140.前記被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている、138又は139に記載の方法。
141.前記被験体が、以前EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療されていない、101〜136のいずれか一項に記載の方法。
142.前記被験体が、以前Axl阻害剤で治療されていない、141に記載の方法。
143.前記被験体が、以前Akt3阻害剤で治療されていない、141に記載の方法。
144.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、101〜143のいずれか一項に記載の方法。
145.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、144に記載の方法。
146.前記試料は、血清試料である、145に記載の方法。
147.前記方法が、前記被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現、又は量を評価する後工程をさらに含み、試料プロファイルは、前記被験体を、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる剤と、接触させた後に得られる、104〜146のいずれか一項に記載の方法。
148.前記試料プロファイルは、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させた後に得られる、103に記載の方法。
149.前記対照プロファイルが、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させる前に、同一被験体から得られる、147又は148に記載の方法。
150.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、149に記載の方法。
151.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、149に記載の方法。
152.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、149に記載の方法。
153.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、149に記載の方法。
154.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともAxlを含む、150に記載の方法。
155.前記被験体又は前記被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、147〜154のいずれか一項に記載の方法:
156.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、155に記載の方法。
157.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、156に記載の方法。
158.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ;から選択される技術を用いて行われる、156又は157に記載の方法。
159.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、156〜158のいずれか一項に記載の方法。
160.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はメラノーマによって変化しない、156〜158のいずれか一項に記載の方法。
161.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、148〜160のいずれか一項に記載の方法。
162.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、161に記載の方法。
163.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、162に記載の方法。
164.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、163に記載の方法。
165.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、163に記載の方法。
166.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、161記載の方法。
167.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、166に記載の方法。
168.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、161〜167のいずれか一項に記載の方法。
169.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、161〜167のいずれか一項に記載の方法。
170.前記さらなるがん治療は、上記130に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、169に記載の方法。
171.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である、169記載の方法。
172.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、171に記載の方法。
173.前記さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である、171に記載の方法。
174.前記被験体が哺乳動物である、148〜173のいずれか一項に記載の方法。
175.前記被験体がヒトである、174に記載の方法。
176.前記被験体が、上記101〜147のいずれか1つの予測方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる前記薬剤又は化学療法剤による治療に選択される、148〜175のいずれか一項に記載の方法。
177.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、148〜176のいずれか一項に記載の方法。
178.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、177に記載の方法。
179.前記試料は、血清試料である、178に記載の方法。
180.前記方法が、インビトロ又はエクスビボで行われる、1〜179のいずれか一項に記載の方法。
201.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために、メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
202.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による継続治療のために、メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:148〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
203.前記治療が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転させることができる治療有効量の薬剤を被験体に投与することを含む、201又は202に記載の方法。
204.前記治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、203に記載の方法。
205.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204に記載の方法。
206.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、205に記載の方法。
207.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、206に記載の方法。
208.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、206に記載の方法。
209.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204に記載の方法。
210.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、209に記載の方法。
211.前記治療が、単剤として投与される、203〜210のいずれか一項に記載の方法。
212.前記治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、203〜211のいずれか一項に記載の方法。
213.前記さらなるがん治療は、上記130に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、212に記載の方法。
214.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である、212に記載の方法。
215.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、214に記載の方法。
216.前記さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である、214に記載の方法。
301.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、その各々は、前記1又はそれ以上のバイオマーカーがAxl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む診断キット。
302.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための、その各々は前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む試験装置。
303.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、以下の:Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHからなる群より選択されからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバー;かつ、前記1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する、1若しくはそれ以上の試薬、又は前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカーによって形成された複合体を検出及び/又は定量化する、1又はそれ以上の試薬;を含む、301又は302に記載の診断キット又は検査装置。
304.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、303に記載の診断キット又は検査装置。
305.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出が、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用によって行われる、303又は304に記載の診断キット又は検査装置。
306.前記キット又は検査装置は、検出用試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む、301〜305のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
307.被験体のがん関連転帰を予測する方法に用いられる、301〜306のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
308.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、307に記載の診断キット又は検査装置。
309.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
310.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
311.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、310に記載の診断キット又は検査装置。
312.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、311に記載の診断キット又は検査装置。
313.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、311に記載の診断キット又は検査装置。
314.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤がAkt3阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
315.前記被験体が、メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、307〜310のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
316.前記方法は、101〜180のいずれか一項に記載の方法である、307〜315のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
317.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
318.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々が、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、バイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上試薬の使用。
319.前記検出用試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む、317又は318に記載の使用。
320.被験体におけるがん関連の転帰を予測する方法は、101〜180のいずれか1つに基づく方法である、317又は318に記載の使用。
401.被験体がEMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に感受性があるかを判定するバイオマーカーとしての、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHの1又はそれ以上の使用。
402.(i)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示し;又は、(ii)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す;401の使用。
403.(i)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が増えた場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;か、又は、(ii)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が減少した場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;401の使用。
404.前記方法は、101〜180のいずれか一項に記載の方法である、401〜403のいずれか一項に記載の使用。
501.メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:上記101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;を含む、方法。
502.メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:(a)被験体からの試料の採取工程;(b)前記被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤、又は上記101〜180のいずれか一項に記載された方法を用いた化学療法剤による治療に感受性があるかどうかの判定工程;(c)前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量の前記被験体への投与工程;を含む、方法。
503.メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤を、上記101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記治療に感受性であると同定された被験体に投与する工程を含む、方法。
504.メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;及び前記被験体が、上記148〜180のいずれかに記載の方法を用いて、前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程;を含む、方法。
505.前記方法が、前記被験体が前記治療に対して感受性であると同定される場合、EMTを阻害又は逆転しうる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤又は化学療法剤を前記被験体に投与することを含む、504に記載の方法。
506.メラノーマである、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤。
507.メラノーマである、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用。
508.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、501〜507のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
509.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
510.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、509に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
511.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤を含む、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
513.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、512に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
514.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、単剤として投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
515.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
516.上記130に列挙されたさらなるがん治療の中からさらなるがん治療が選択される、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
517.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
518.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
519.前記さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である、である、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
《第4側面4a:メラノーマ》
悪性メラノーマとしても知られるメラノーマは、メラニン形成細胞から発生するがんの一種である。当該がんは、通常、皮膚に生じるが、口腔、腸、又は眼にもおこりうる。メラノーマに対する化学療法剤療法としては、例えば、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、及びニボルマブがあげられる。転移性メラノーマに対する当該治療の成功率には未だ総じて限界があり、この種のがんに対する標的療法が未だに必要である(非特許文献6)。
従って、メラノーマである被験体におけるがん関連転帰、例えば、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性、を予測する安定したバイオマーカーは、特定の薬剤/計画による治療に反応するか又は利益を受ける見込みが最も高い被験体を同定するのに有用であろう。
本明細書で記載される「応答性」被験体とは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤、又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが高い、又は反応する(又は治療から利益を受ける)被験体である。
これに対応する、本明細書で記載される「非応答性」被験体は、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤、又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが低い(又は反応しない)被験体である。
本明細書中で用いられる「治療に反応する」又は「治療から利益を得る」とは、治療からの全体的な臨床的利益を経験することをいう。この全体的な臨床的利益とは、生存期間の延長、疾患の部分寛解又は完全寛解、疾患の進行の遅延又は非進行、腫瘍の縮小(例えば、腫瘍体積の5、10、20、30、40%又はそれ以上の減少)、腫瘍体積の減少(例えば、腫瘍体積の5、10、20、30、40%又はそれ以上の減少)、腫瘍増大の遅延又は非増大、腫瘍体積増加の遅延又は非進行、生活の質の改善、無増悪生存、全体生存、又はその他の正の患者転帰;のいずれかである。腫瘍体積/負荷を決定する適当な方法は、当業者に周知であり、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)又は磁気共鳴画像(MRI)画像技術;X線画像、例えば、マンモグラフィ;超音波画像;核画像、例えば、陽電子放出断層撮影(PET)、PET/CTスキャン、骨スキャン、ガリウムスキャン、又はメタヨードベンジルグアニジン(MIBG)スキャン;生物発光画像(BLI);蛍光画像(FLI);BD ToF(赤外線系3D飛行時間カメラ画像技術である。
〔バイオマーカー〕
本明細書における用語「マーカー」又は「バイオマーカー」は、被験体又は前記被験体に由来する試料における発現が、がんにおいて、例えば上方又は下方調節されて改変又は変調される遺伝子又はタンパク質を示すのに用いられる。当該バイオマーカーがタンパク質である場合、発現の変調又は改変は、異なる翻訳後修飾を介する変調を包含する。
本開示の当該側面のいかなる態様でも、本明細書に記載されるバイオマーカーは、以下の:
Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版(entry version)196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
α−フェトプロテイン(AFP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02771−1(登録版192)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ヘパリン結合EGF様成長因子(HB−EGF)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q99075(登録版171)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
神経細胞接着分子(Nr−CAM)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q92823−1、Q92823−2、Q92823−3、Q92823−4、Q92823−5、又はQ92823−6(登録版172)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
腎障害分子−1(KIM−1)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q96D42−1(登録版141)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
CD40抗原(CD40)は、UniProt受託番号P25942−1若しくはP25942−2(登録版221)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
クロモグラニン−A(CgA)バイオマーカーは、UniProt受託番号P10645−1(登録版200)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
インターロイキン−2受容体α(IL−2受容体α)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01589−1(登録版200)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンβ(hCG)は、UniProt受託番号P0DN86−1若しくはP0DN86−2(登録版26)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
トランスフォーミング増殖因子β1の潜伏関連ペプチド(LAP TGF−b1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01137(登録版235)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
胸腺及び活性化調節ケモカイン(TARC)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q92583−1(登録版163)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
CD40リガンド(CD40−L)バイオマーカーは、UniProt受託番号P29965(登録版199)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
上皮成長因子(EGF)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01133−1、P01133−2、又はP01133−3(登録版204)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
血管内皮増殖因子受容体3(VEGFR−3)バイオマーカーは、UniProt受託番号P35916−1、P35916−2、又はP35916−3(登録版206)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
膵分泌トリプシン阻害剤(TATI)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00995−1(登録版193)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
マトリクスメタロプロテイナーゼ−7(MMP−7)バイオマーカーは、UniProt受託番号P09237−1(登録版197)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
レプチンバイオマーカーは、UniProt受託番号P41159(登録版176)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
アポリポタンパク質A−I(ApoA−I)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02647−1(登録版241)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ペリオスチンバイオマーカーは、UniProt受託番号Q15063−1、Q15063−2、Q15063−3、Q15063−4、Q15063−5、Q15063−6、Q15063−7(登録版160)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
アンジオポイエチン−2(ANG−2)バイオマーカーは、UniProt受託番号O15123−1、O15123−2、又はO15123−3(登録版163)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
シスタチン−Cバイオマーカーは、UniProt受託番号P01034−1(登録版213)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ヘプシンバイオマーカーは、UniProt受託番号P05981−1(登録版183)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
アポリポタンパク質C−I(ApoC−I)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02654(登録版175)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
インターロイキン−1受容体1型(IL−1RI)バイオマーカーは、UniProt受託番号P14778−1(登録版215)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
エオタキシン−2バイオマーカーは、UniProt受託番号O00175−1(登録版162)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)バイオマーカーは、UniProt受託番号P05164−1、P05164−2、又はP05164−3(登録版217)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
フェリチン(FRTN)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02794(登録版213)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00338−1、P00338−2、P00338−3、P00338−4、又はP00338−5(登録版224)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07195−1(登録版218)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;と特定されうる。
本明細書に記載されるバイオマーカーはまた、上記アミノ酸配列のいずれかをコードする全長核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)として特定され得る。
同一性FASTA及びFASTP(Pearson&Lipman,1988.Methods in Enzymology 183:63-98を参照)を用いた配列比較を用いて特定しうる。パラメータは、以下の:Gapopen(ギャップの最初の残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−12/DNAに対する−16;Gapext(ギャップの追加残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−2/DNAに対する−4;KTUPワード長:タンパク質に対する2/DNAに対する6の、デフォルトのマトリクスを用いて設定するのが好ましい。
〔治療前予測のバイオマーカー及び方法〕
発明者らは、臨床試験BGBIL006(NCT02872259)から得られた患者データを解析して、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、メラノーマである被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した(実施例2及び7を参照)。同様に、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価すれば、被験体が、当該薬剤による治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうる。
従って、本側面の第1態様では、本開示は、メラノーマである、の疑いがある、又はメラノーマと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、前記被験体における又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群より選択される。
本明細書に記載される「がん関連転帰」は、がんと関連する臨床的予測又は予後である。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。
本明細書中で用いる「試料プロファイル」は、被験体又は被験体に由来する試料において決定された各バイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。適当な対照プロファイルは、以下で詳細に説明される。
本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「応答性」被験体の血清よりも高いレベルで存在することが見出された。同様に、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「非応答性」の被験体の血清よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清に存在することが見出された。
この「応答性」と「非応答性」の間の発現レベルの差は、逆の方法で表現しうる。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、被験体の治療前に「非応答性」の被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。同様に、被験体の治療前に、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「非応答性」の被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。
当該異なる発現パターンの発見は、被験体が薬剤での治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することで、当該被験体が、当該薬剤での治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうることを意味する。従って、特に好ましい態様では、当該試料プロファイルは、被験体へのEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の接触又は投与前に得られる。
EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療(又は治療からの利益)に反応する見込みが高い、又は応答する被験体である。すなわち、薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、上記で特定したように、当該薬剤について「応答性」である。「感受性を示す」予測とは、被験体が治療に反応したり、治療から利益を得たりする見込みを示唆又は指摘するものである。
いくつかの態様では、本開示の予測方法は、被験体又は被験体に由来する試料において本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程と、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルに基づいて予測を行う工程を含む。本方法のいくつかの態様では、当該予測は、対照プロファイルと試料プロファイルの比較により行われ、対照プロファイルは、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同じバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
ある実施形態では、対照プロファイルは、メラノーマである対照被験体の集団から得ることができる。ある実施形態では、対照プロファイルは、メラノーマでない対照被験体の集団から得ることができる。他の実施形態では、対照プロファイルは、メラノーマであり、かつ以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤(すなわち、非応答性被験体)による治療に対する感受性の欠如が見いだされた対照被験体又は対照被験体の集団から得ることができる。
ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「平均」値、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、メラノーマである対照被験体又は対照被験体の集団、メラノーマでない対照被験体又はメラノーマである対照被験体又は対照被験体の集団であって、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されたもの(すなわち、非応答性被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、メラノーマであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団から獲得しうる。ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、メラノーマであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団(すなわち、反応被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、試料プロファイルで決定されるのと同じバイオマーカーの既知の量(例えば、「閾値」量)を備えるコントロール試料から獲得しうる。この閾値量は、例えば、上記のように、非応答性又は応答性の被験体から獲得しうる。
当業者であれば、特定のバイオマーカーの適当な「平均」、「閾値」又は値の「標準範囲」を容易に決定しうる。
例えば、「平均」値は、メラノーマである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;及び「平均」値の決定に測定されたバイオマーカー活性、発現、又は量を平均して、決定しうる。
例えば、「平均」値は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中のバイオマーカー活性、発現、又は決定された量の平均による、「平均」値の決定により、決定され得る。
例えば、「閾値」は被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中の最高又は最低のバイオマーカー活性、発現、又は量の「閾値」としての適宜選択により決定され得る。
例えば、値の「標準範囲」は、メラノーマである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価、及びこの評価に基づいて値の「標準範囲」を決定することで、決定しうる。
例えば、値の「標準範囲」は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び当該評価に基づき、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが判明した被験体に対する値の「標準範囲」を決定することで、決定され得る。
対照プロファイルがバイオマーカー発現、活性、又は量の値の所定のプロファイルである場合、これは「ルックアップテーブル」又はデータレコードとして提供され得る。当該所定の対照プロファイルは、複数の対照被験体(例えば、上記の非応答性又は応答性被験体)において決定された各バイオマーカーの中心傾向(平均、中央値又は平均)量の尺度に対応する数値又は数値範囲のプロファイルであり得る。当業者であれば、標準的なタンパク質定量化技術及び適当な統計的ツールを用いて、集団内の中心傾向の尺度及び変動の尺度をともに容易に決定しうる。
従って、いくつかの実施形態では、対照プロファイルは、以下の:メラノーマである対照被験体の集団から得られたもの;メラノーマでない対照被験体の集団から得られたもの;メラノーマであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が以前に見出されている対照被験体の集団から得られたもの(非応答性被験体である);非応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の所定のプロファイル(例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル又は値の「標準範囲」);非応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均値」を備える対照試料から得られたもの;応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「閾値」を備える対照試料から得られたもの;次いで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイルにおける、本明細書中に記載された、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうるもの;である。同様に、対照プロファイルと比較して、本明細書中に記載された試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、HB−EGF、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、Axl、及び/又はLDHから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が高い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、AFP、ペリオスチン、hCG、エオタキシン−2、MPO、及び/又はFRTNから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が低い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、試料プロファイルにおいて、対照プロファイルと比較して:AFPの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、ペリオスチンの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、hCGの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、エオタキシン−2の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、MPOの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、FRTNの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、HB−EGFの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、CgAの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、Nr−CAMの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、KIM−1の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、CD40の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、LAP TGF−b1の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、EGFの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、IL−2受容体αの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、TARCの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、CD40−Lの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、VEGFR−3の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、TATIの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、MMP−7の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、レプチンの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、ApoA−Iの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、ANG−2の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、シスタチン−Cの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、ヘプシンの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、ApoC−Iの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、IL−1RIの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、Axlの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、LDHの活性、発現、又は量がより高い;場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、メラノーマである対照被験体又は対照被験体の集団から得られ、かつ、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された場合(すなわち、反応被験体)、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、メラノーマである被験体、及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された被験体)に典型的な「閾値」を上回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、メラノーマである被験体、及び、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された被験体)に典型的な「閾値」を下回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がないことを示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、応答性被験体(すなわち、メラノーマである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、応答性被験体(すなわち、メラノーマである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、非応答性被験体から得られたバイオマーカー発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、非応答性被験体(すなわち、メラノーマであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出された被験体)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、非応答性被験体(すなわち、メラノーマであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されている被験体)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、メラノーマでない対照被験体の集団から得られたものであり、かつ、試料プロファイルの発現、活性又は量が、メラノーマでない被験体に典型的な値の「標準範囲」外である場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性又は量が、メラノーマでない被験体に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。この場合、発現、活性又は量は、所与のバイオマーカーについて正常の上限を上回るか又は正常の下限を下回るかのいずれかである場合に、値の「標準範囲」外にあってよい。正常値の上限及び下限は、メラノーマでない対照被験体集団の所定のバイオマーカーの正常分布の限界である。
1又はそれ以上のバイオマーカーがLDHを含む実施形態では、287ユニット/リットル(U/L)を超えるLDHの発現又は量は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。
当業者であれば、適当な統計的ツール及び適当な対照との比較を用いて、試料プロファイルが、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示すか又は感受性の欠如を示すかを容易に決定しうる。
いくつかの実施形態では、試料プロファイルは、上記のように2又はそれ以上の対照プロファイルと比較され得る。
本明細書中で用いられる場合、用語「1又はそれ以上」とは、本明細書中に記載されるバイオマーカーの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20をいう。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgAである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはNr−CAMである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはIL−2受容体αである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはhCGである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTARCである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCD40−Lである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはVEGFR−3である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTATIである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはMMP−7である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはレプチンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはApoA−Iである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはペリオスチンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはANG−2である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはシスタチン−Cである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはヘプシンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはApoC−Iである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはIL−1RIである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはエオタキシン−2であり、ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはMPOである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはFRTNである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはLDHである。
いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGFである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFPである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgAである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはNr−CAMである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはKIM−1である。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCD40である。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、LAP TGF−b1である。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはEGFである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTATIである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF及びAFPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGF及びCgAである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGF及びNr−CAMである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF及びTATIである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGF及びKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGF及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGF及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGF及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGF及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP及びCgAである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP及びNr−CAMである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP及びTATIである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP及びKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA及びNr−CAMである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA及びTATIである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA及びKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA及びCD40である。ある態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはNr−CAM及びTATIである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはNr−CAM及びKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはNr−CAM及びCD40である。ある態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはNr−CAM及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはNr−CAM及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTATI及びKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTATI及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTATI及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTATI及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTATI及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはKIM−1及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはKIM−1及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはKIM−1及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはKIM−1及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCD40及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCD40及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCD40及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはEGF及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはEGF及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl及びLAP TGF−b1である。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、HB−EGF及びAFPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA、HB−EGF及びNr−CAMである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、HB−EGF及びTATIである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、HB−EGF及びKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、HB−EGF及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA、HB−EGF及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA、HB−EGF及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、HB−EGF及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、AFP及びNr−CAMである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、AFP及びTATIである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、AFP及びKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、AFP及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA、AFP及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、AFP及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、AFP及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA、Nr−CAM及びTATIである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA、Nr−CAM及びKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、Nr−CAM及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA、Nr−CAM及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA、Nr−CAM及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA、Nr−CAM及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、TATI及びKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、TATI及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA、TATI及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA、TATI及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、TATI及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、KIM−1及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA、KIM−1及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA、KIM−1及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、KIM−1及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、CD40及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、CD40及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、CD40及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA、EGF及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgA、EGF及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgA、Axl、及びLAP TGF−b1である
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF及びAFPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGF及びCgAである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGF及びNr−CAMである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF及びTATIである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGF及びKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGF及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGF及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGF及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGF及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、Nr−CAM及びTATIである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、Nr−CAM及びKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはNr−CAM及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、Nr−CAM及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、AFP、Nr−CAM及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、Nr−CAM及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、TATI及びKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、TATI及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、AFP、TATI及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、TATI及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、TATI及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、KIM−1及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、KIM−1及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、KIM−1及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、KIM−1及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、CD40及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、CD40及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、CD40及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、EGF及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFP、EGF及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、AFP、Axl及びLAP TGF−b1である。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、Nr−CAM及びTATIである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、Nr−CAM及びKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、Nr−CAM及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、Nr−CAM及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、Nr−CAM及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、Nr−CAM及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、TATI及びKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、TATI及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、TATI及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、TATI及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、TATI及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、KIM−1及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、KIM−1及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、KIM−1及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、KIM−1及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、CD40及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、CD40及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、CD40及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、EGF及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、EGF及びAxlである。
ある態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、Axl及びLAP TGF−b1である。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM、TATI及びKIM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM、TATI及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM、TATI及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM、TATI及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM、TATI及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM、KIM−1及びCD40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM、KIM−1及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM、Nr−CAM、KIM−1及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM、KIM−1及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM、CD40及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM、CD40及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM、CD40及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM、EGF及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM、EGF及びAxlである。
ある態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAM、Axl及びLAP TGF−b1である。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTATI、KIM−1及びCD40である。ある態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、TATI、KIM−1及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTATI、KIM−1及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTATI、KIM−1及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTATI、CD40及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTATI、CD40及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTATI、CD40及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTATI、EGF及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTATI、EGF及びAxlである。
ある態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、TATI、Axl及びLAP TGF−b1である。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、KIM−1、CD40及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはKIM−1、CD40及びEGFである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはKIM−1、CD40及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、KIM−1、EGF及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはKIM−1、EGF及びAxlである。
ある態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、KIM−1、Axl及びLAP TGF−b1である。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CD40、EGF及びLAP TGF−b1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCD40、EGF及びAxlである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCD40、Axl及びLAP TGF−b1である。
ある態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、EGF、Axl及びLAP TGF−b1である。
いくつかの当該実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、当該バイオマーカーの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、Axl及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、LDH及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、Axl及びLDH並びに、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、被験体がメラノーマの治療中又は治療コース前に実施される。他の実施形態では、当該予測方法は、メラノーマに対する治療中又は治療コース後に実施される。ある実施形態では、メラノーマの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤である。他の実施形態では、メラノーマの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤ではない化学療法剤による治療である。
本明細書に記載の予測方法のいくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている。ある実施形態では、被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている。
本明細書に記載された予測方法のいくつかの態様では、当該被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている。すなわち、被験体は、予測方法が被験体の感受性を決定する薬剤ではない薬剤で既に治療されている。従って、いくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で予め治療されていない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、以前にAxl阻害剤で治療されていない。他の好ましい態様では、被験体は、Akt3阻害剤で予め治療されていない。
〔バイオマーカーの治療後の変化〕
本開示のこの態様のいくつかの態様では、予測方法は、さらに、被験体又は被験体に由来する試料において、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤を治療又は治療コース後に、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価するその後の工程を含み、本明細書に記載の1又はそれ以上のバイオマーカーの第2試料プロファイルを得る。
すなわち、いくつかの実施形態では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程であって、ここで、当該1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群から選択される;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。

いくつかの好ましい態様では、当該方法は、その後、被験体又は被験体に由来する試料中の、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、Axl、及び/又はLDHの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、第2試料プロファイルにおけるHB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、Axl、及び/又はLDHの活性、発現、又は量が増えた場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより感受性が高いことを示す。いくつかの好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療前に、同じ被験体から得られる。
〔治療後予測のバイオマーカー及び方法〕
臨床試験BGBIL006(NCT02872259)から得られた患者データを解析することにより、発明者らは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤によるメラノーマ患者の治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で上昇するが、「非応答性」の被験体の血清中では上昇しないことを発見した。同様に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で低下するが、「非応答性」の被験体の血清中では低下しない。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療の前後に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価することで、被験体が前記薬剤による治療に感受性又は応答性であることを決定又は確認しうる。
従って、当該側面の第2態様では、本開示は、メラノーマである、の疑いがある、又は急性骨髄性白血病(AML)と診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触した後に、被験体又は前記被験体に由来する試料における、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本開示のこの態様の好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療する前に、同じ被験体から得られる。ある実施形態では、対照プロファイルは、メラノーマである対照被験体の集団から得られる。他の態様では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」又は値の「標準範囲」のプロファイルである。
従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、対照プロファイルが同一の被験体から得られる態様では、被験体をEMT又はがん治療剤を阻害又は逆転しうる薬剤と接触させた後の、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。当該態様では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともHB−EGFを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはHB−EGFである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中のHB−EGFの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともAFPを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAFPである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中のAFPの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともCgAを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgAである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中のCgAの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともNr−CAMを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはNr−CAMである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中のNr−CAMの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともKIM−1を含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはKIM−1である。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中のKIM−1の活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともCD40を含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCD40である。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中のCD40の活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともLAP TGF−b1を含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはLAP TGF−b1である。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中のLAP TGF−b1の活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともEGFを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはEGFである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中のEGFの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともAxlを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、上記開示の本側面の第1態様による予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために選択された。
〔EMTを阻害又は逆転しうる薬剤〕
本開示は、メラノーマである、の疑いがある、又はと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測するための方法を提供する。「がん関連転帰」とは、がんと関連する臨床的予測又は予後である。
本開示の当該メラノーマ側面で用いる、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤は、以下の好ましい実施形態以外は、上記のAML側面の記載のように特定される(上記と同項目、第14頁第19行目〜第17頁第7行目参照)。
いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はペムブロリズマブである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である。
〔バイオマーカーの活性、発現、量の評価〕
本明細書に記載される予測方法のいくつかの態様では、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価は、試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と接触させる工程;及び検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程を含む。
いくつかの実施形態では、LDHの活性を評価する工程を含み、LDHの活性評価は、被験体又は被験体に由来する試料におけるLDHの酵素活性の測定工程を含む。好ましくは、当該酵素活性は、被験体又は被験体に由来する試料中のLDHにより触媒される酵素反応の基質又は生成物のレベル又は量を測定して評価される。特に好ましい実施形態では、当該酵素活性は、被験体又は被験体由来の試料中の還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)のレベル又は量の測定により評価される。ある実施形態では、これは、比色アッセイ、例えば、Sigma-Aldrich製カタログ番号MAK066の比色アッセイを用いて測定しうる。LDH活性評価の他の適当なアッセイは、当業者に周知である。特に好ましい態様では、LDH活性は、血液又は血清中のLDHの酵素活性の測定により評価される。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量の評価は、被験体又は被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定を含む。好ましくは、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、タンパク質発現のレベルの測定により、評価される。特に好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、血清中のタンパク質発現のレベルの測定により、評価される。
用語「発現」とは、対応するmRNAを生成する遺伝子のDNA鋳型の転写、及び対応する遺伝子産物(すなわち、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質)を生成する当該mRNAの翻訳、並びに翻訳後修飾がされたかもしれない1又はそれ以上の形態のタンパク質の「発現」を意味する。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定工程は、試料又は試料由来の抽出物を、各々がそれぞれのバイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーと接触させる工程と、当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出及び/又は定量の工程とを含む。ある態様では、特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
タンパク質及びmRNA発現レベルを決定する一連の適当な技術、例えばマイクロアレイ分析、ウェスタンブロット法、及びQPCR等のPCR技術は、当該分野で周知である。いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量の決定は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用を含み得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される。その場合、各バイオマーカータンパク質又はmRNAは、試料中で定量され得、当該量は、試料の尺度、例えば、試料の容積、質量、又は総タンパク質量として表され得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、ここで、当該相対量は、試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定される。このように、バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量を決定することで、正規化が可能となり、例えば、総タンパク質濃度の差異を考慮して、試料間のバイアスを除去しうる。
好ましくは、参照タンパク質又はmRNAは、その発現又は量が、がんである、特にメラノーマである被験体とがんでない被験体との間で有意に変化しない。すなわち、参照タンパク質又はmRNAは、好ましくは、その発現又は量がメラノーマによって変化しない。従って、参照タンパク質又はmRNAは、本明細書に記載されるバイオマーカーの1つではない1又はそれ以上のタンパク質又はmRNAを含み得る。当該1又はそれ以上のバイオマーカーの発現量又は量を相対量として表す場合、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量を、試料中の参照タンパク質又はmRNAの絶対量で除算しうる。
〔RNAレベルでのバイオマーカー発現の評価〕
遺伝子発現はRNAレベルで検出しうる。RNAは、例えば、酸性フェノール/グアニジンイソチオシアネート抽出(RNAzol B;Biogenesis)、RNeasyRNA調製キット(Qiagen)又はPAXgene(PreAnalytix、スイス)を用いることを含むRNA抽出技術を用いて細胞から抽出され得る。リボ核酸ハイブリダイゼーションを利用する通常の分析フォーマットとしては、核ランオンアッセイ、RT−PCR、RNase保護アッセイ(Melton et al., Nuc. Acids Res. 12:7035)、ノーザンブロット法及びInSituハイブリダイゼーションがあげられる。遺伝子発現はまた、以下に記載するマイクロアレイ分析によって検出され得る。
〔タンパク質レベルでのバイオマーカー発現の評価〕
好ましくは、バイオマーカーレベルは、タンパク質発現の測定により評価される。改変された遺伝子又はタンパク質の発現は、遺伝子によりコードされるポリペプチドの測定によっても検出しうる。これは、バイオマーカー遺伝子によりコードされるポリペプチドに結合する分子を用いることにより達成され得る。タンパク質の存在の検出のためにポリペプチドに直接的又は間接的に結合する適当な分子/剤は、天然に存在する分子、例えば、ペプチド及びタンパク質、例えば、抗体を含むか、又はそれらは合成分子であってよい。
抗体は、市販の供給源から、又は当業者に周知の技術を介して獲得しうる。一の実施形態では、改変された発現が、タンパク質バイオマーカーの翻訳後改変された形態の改変の発現を介して現れる場合、当該異なる形態に特異的な抗体が用いられ得る。本開示の目的のため、「抗体」という用語は、別段の規定がない限り、標的抗原に対するそれらの結合活性を保持する全抗体又は全抗体の断片を含む。当該断片としては、Fv、F(ab')及びF(ab')2断片、並びに単鎖抗体(scFv)があげられる。さらに、抗体及びその断片は、例えば、欧州特許公開第239400号に記載されているヒト化抗体であり得る。例えば、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体、組換え抗体、抗体のタンパク質分解断片及び組換え断片(Fab、Fv、scFv、ジアボディ)、単一ドメイン抗体(VHH、sdAb、ナノボディ、IgNAR、VNAR)、及び抗体様特異的結合を有するように操作された、抗体とは無関係のタンパク質である。抗体は、固体支持体に結合され、及び/又は適当な試薬、対照、指示書等と共に適当な容器中のキットにパッケージされ得る。
〔アレイ〕
アレイ技術及びそれに関連する様々な技術及び適用は、当技術分野で周知である。アレイ技術は一般に「1の実験で1の遺伝子」に基づいて機能し、その結果、スループットが低下し、遺伝子機能の「全体像」が理解できないという、分子生物学における従来の方法の欠点を克服する。本開示の産物及び方法の文脈では、アレイ技術は、例えば、バイオマーカータンパク質又はmRNAの発現の分析で用いられうる。
一般に、いかなるライブラリ又は試料群は、ライブラリ又は群のメンバーを空間的に分離して、アレイに秩序正しく配列しうる。アレイ化に適したライブラリの例としては、核酸ライブラリ(DNA、cDNA、オリゴヌクレオチド等のライブラリを含む)、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質ライブラリ、並びにリガンドライブラリ等のいかなる分子をも含むライブラリが挙げられる。従って、本明細書で「ライブラリ」を参照する場合は、文脈上別段の指示がない限り、当該参照は、アレイの形態のライブラリを参照することを含むものと解釈されるべきである。
タンパク質、ポリペプチド等もまた、アレイで固定化しうる。例えば、抗体は、タンパク質チップ(Borrebaeck CA, 2000, Immunol Today 21(8):379−82)を用いたプロテオームのマイクロアレイ分析に用いられる。ポリペプチドアレイは、例えば、MacBeath and Schreiber, 2000, Science, 289(5485):1760−1763に概説がある。
〔試料〕
適当な試料としては、組織生検、血液、尿、頬側擦過物等の組織試料、並びに血清、血漿、又は組織培養上清試料が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中のタンパク質発現のレベルの測定により評価される。いくつかの好ましい態様では、試料は、血液、血清又は血漿試料である。いくつかの特に好ましい態様では、試料は血清試料である。
被験体由来の血清又は血漿試料中の1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量を評価する場合、試料を除去し、フローサイトメトリー、マスサイトメトリー(CyTOF)、ELISA、PET、及びSELDI−TOF MS等の分析技術に供する。いくつかの実施形態では、当該方法は、当該試料からRNAを抽出し、QPCRによる遺伝子発現の検出を含みうる。いくつかの他の実施形態では、遺伝子発現は、例えばウェスタンブロットでタンパク質産物を検出することで検出しうる。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現レベルは、1又はそれ以上のバイオマーカーをコードする遺伝子のコピー数の決定により評価される。コピー数(すなわち、遺伝子重複事象)は、例えば、Jiangら(Jiang Q, Ho YY, Hao L, Nichols Berrios C, Chakravarti A. Copy number variants in candidate genes are genetic modifiers of Hirschsprung disease. PLoS One. 2011;6(6))に記載されるDNAチップを用いて、当該技術分野で公知の標準技術を用いて決定しうる。
本明細書に記載される予測方法のいくつかの好ましい実施形態では、当該方法はインビトロ又はエクスビボで行われる。
〔治療被験体の選択方法〕
本開示のこの側面の第3態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のため、メラノーマである、その疑いがある、又はメラノーマと診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、上記本明細書の本側面の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体の同定工程;及び、当該同定された被験体の治療のための選択工程を含む。
ある実施形態では、この態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療を継続するために、メラノーマである、その疑いがある、又はメラノーマと診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、本開示のこの側面の上記第2態様により特定された予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定し、かつ、当該同定された被験体の治療のための選択を含む。
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、治療は、本明細書に記載される、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤の被験体への投与を含む。従って、ある実施形態では、治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。
いくつかの好ましい実施形態では、治療は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、当該治療は、単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はペムブロリズマブである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である。
〔キット〕
本開示の本側面の第4態様は、診断キット及び試験装置に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は以上の試薬を含む診断キットを提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
他の実施形態では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は以上の試薬を含む診断装置を提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は本明細書に記載されたバイオマーカーの1つに選択的に結合する;かつ、当該1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する1又はそれ以上の試薬、又は当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカーにより形成された複合体の検出及び/又は定量化のための、1又はそれ以上の試薬を含む。いくつかの実施形態では、各特異的結合メンバーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、Axlに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、及び/又はLDHからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、LDHに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、及び/又はAxlからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、HB−EGFに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl及び/又はLDHからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、AFPに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、HB−EGF、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、CgAに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、HB−EGF、AFP、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、Nr−CAMに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、HB−EGF、AFP、CgA、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、KIM−1に選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、CD40に選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、LAP TGF−b1に選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、EGFに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、TATIに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、HB−EGFに選択的に結合する特異的結合メンバー、AFPに選択的に結合する特異的結合メンバー、CgAに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、診断キット又は試験装置は、基板上にアレイの形態で提供されるか、又はビーズ又はマイクロスフェア等の複数の粒子に結合された、複数の前記特異的結合メンバーを含む。当該粒子は、検出可能な標識でコードしうる。ある実施形態では、当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含む。
当該特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出する診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ、から選択される技術を用いて行われる。
当該診断キット又は検査装置のいくつかの実施形態では、キット又は検査装置は、検出用の試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む。当該診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、当該キット又は試験装置は、15、20、25、30、40、又は50以下の特異的結合メンバーを含む。
本開示はまた、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における当該診断キット及び試験装置の使用を提供する。好ましい実施形態では、がん関連転帰は、本明細書に記載される、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
ある実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、若しくはPHGDH阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
当該予測方法に用いられる診断キット又はテスト装置のいくつかの実施形態では、被験体は、メラノーマであり、であると疑われる、又は、と診断されている。
いくつかの実施形態では、本方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定され得る。
本開示の本側面の第5態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法においてHB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための試薬の使用に関する。
本開示の本側面の第6態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々が、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、バイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上試薬の使用に関する。ある実施形態では、検出用の当該試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む。当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
いくつかの実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される通りであり得る。
〔使用〕
本開示の本側面の第7態様は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとしての、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHの1又はそれ以上の使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、TATI、Axl、及び/又はLDH、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のIL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTNの使用に関する。ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、HB−EGF、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のAFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHの使用に関する。ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、AFP、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のHB−EGF、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHの使用に関する。ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、CgA、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のHB−EGF、AFP、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHの使用に関する。ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、Nr−CAM、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のHB−EGF、AFP、CgA、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHの使用に関する。ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、KIM−1、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のHB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHの使用に関する。ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、CD40、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のHB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHの使用に関する。ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、LAP TGF−b1、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のHB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHの使用に関する。ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、EGF、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のHB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHの使用に関する。ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、TATI、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のHB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHの使用に関する。
いくつかの態様では、当該使用は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される方法におけるバイオマーカーとしての使用である。
〔被験体の治療方法〕
本開示の本側面の第8態様は、メラノーマである、の疑いがある、又はと診断された、被験体の治療方法に関する。ある実施形態では、本方法は、開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、治療用被験体を同定する工程;及びEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療的有効量を前記被験体に投与する工程を含む。
すなわち、いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:(a)当該被験体から試料を得る工程;(b)本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に前記被験体が、感受性があるかどうかを判定する工程;(c)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;を含む。
ある実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、当該治療に感受性であると同定された被験体に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を投与する工程を含む。
他の実施形態では、当該方法は、以下の:(a)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び(b)本開示の第2側面の上記第2側面に従って定義された予測方法を用いて、前記被験体が前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程を含む。ある実施形態では、本方法はさらに、(c)前記被験体が前記治療に感受性であると同定される場合、EMTを阻害若しくは逆転させることができる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤を、前記被験体に投与することを含む。
本開示の本側面の第9態様は、メラノーマである、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
本開示の本側面の第10態様は、メラノーマである、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。いくつかの好ましい態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025である。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該治療は単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はペムブロリズマブである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である。
〔開示に関する記載〕
以下の番号つきの記載は、本開示の本側面に関し、記載の部分を構成する:
101.被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む、前記被験体におけるがん関連転帰を予測する方法であって;
ここで、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群より選択され;かつ、
ここで、前記被験体が、メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、方法。
102.以下の:
前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、
前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測をする工程;を含む、101に記載の方法。
103.前記予測は、前記試料プロファイルを制御プロファイルと比較して行われる、102に記載の方法。
104.前記試料プロファイルが、前記被験体が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤との接触、又は、投与前に得られる、103に記載の方法。
105.前記対照プロファイルは、以下の:
(i)メラノーマである対照被験体集団から得られた;又は
(ii)メラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)から得られた;
(iii)バイオマーカーの発現、活性又は量の値の所定のプロファイルであって、例えば、メラノーマであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非反応被験体)から得られた、例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル、又は値の「標準範囲」;
(iv)メラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均」値である対照試料由来であり、
(v)メラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)から得られた、バイオマーカー発現、活性、又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、
(vi)メラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「閾値」である対照試料由来である、である、104に記載の方法。
106.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
107.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
108.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHのうちの少なくとも1つを含み、ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜107のいずれか一項に記載の方法。
109.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、AFP、ペリオスチン、hCG、エオタキシン−2、MPO、及び/又はFRTNのうちの少なくとも1つを含み、
対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜108のうちのいずれか一項に記載の方法。
110.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおいて、以下の:
AFPの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
ペリオスチンの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
hCGの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
エオタキシン−2の活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
MPOの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
FRTNの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
CgAの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
HB−EGFの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
Nr−CAMの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
KIM−1の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
CD40の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
LAP TGF−b1の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
EGFの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
IL−2ra(IL−2受容体α)の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
TARCの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
CD40−Lの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
VEGFR−3の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
TATIの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
MMP−7の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
レプチンの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
ApoA−Iの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
ANG−2の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
シスタチン−Cの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
ヘプシンの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
ApoC−Iの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
IL−1RIの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
Axlの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
LDHの活性、発現、又は量が高い;場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜109のいずれか一項に記載の方法。
111.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGFを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
112.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、AFPを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
113.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgAを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
114.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Nr−CAMを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
115.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、KIM−1を含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
116.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、CD40を含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
117.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、LAP TGF−b1を含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
118.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、EGFを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
119.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、IL−2raを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
120.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、hCGを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
121.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、TARCを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
122.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、CD40−Lを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
123.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、VEGFR−3を含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
124.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、TATIを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
125.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、MMP−7を含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
126.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、レプチンを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
127.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、ApoA−Iを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
128.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、ペリオスチンを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
129.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、ANG−2を含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
130.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、シスタチン−Cを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
131.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、ヘプシンを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
132.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、ApoC−Iを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
133.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、IL−1RIを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
134.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGFを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
135.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、エオタキシン−2を含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
136.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、MPOを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、FRTN、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
137.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、FRTNを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、Axl、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
138.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axlを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
139.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、LDHを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
140.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、AFPを含む、111〜139のいずれか一項に記載の方法。
141.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、CgAを含む、111〜140のいずれか一項に記載の方法。
142.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、Nr−CAMを含む、111〜141のいずれか一項に記載の方法。
143.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、KIM−1を含む、111〜142のいずれか一項に記載の方法。
144.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、CD40を含む、111〜143いずれか一項に記載の方法。
145.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、LAP TGF−b1を含む、111〜144のいずれか一項に記載の方法。
146.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、EGFを含む、111〜145のいずれか一項に記載の方法。
147.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、TATIを含む、111〜146のいずれか一項に記載の方法。
148.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、Axlを含む、111〜147のいずれか一項に記載の方法。
149.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、LDHを含む、111〜148のいずれか一項に記載の方法。
150.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、IL−2raを含む、111〜149のいずれか一項に記載の方法。
151.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、hCGを含む、111〜150のいずれか一項に記載の方法。
152.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、TARCを含む、111〜151のいずれか一項に記載の方法。
153.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、CD40−Lを含む、111〜152のいずれか一項に記載の方法。
154.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、VEGFR−3を含む、111〜153のいずれか一項に記載の方法。
155.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、MMP−7を含む、111〜154のいずれか一項に記載の方法。
156.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、レプチンを含む、111〜155のいずれか一項に記載の方法。
157.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、ApoA−Iを含む、111〜156のいずれか一項に記載の方法。
158.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、ペリオスチンを含む、111〜157のいずれか一項に記載の方法。
159.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、ANG−2を含む、111〜158のいずれか一項に記載の方法。
160.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、シスタチン−Cを含む、111〜159のいずれか一項に記載の方法。
161.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、ヘプシンを含む、111〜160のいずれか一項に記載の方法。
162.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、ApoC−Iを含む、111〜161のいずれか一項に記載の方法。
163.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、IL−1RIを含む、111〜162のいずれか一項に記載の方法。
164.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、エオタキシン−2を含む、111〜163のいずれか一項に記載の方法。
165.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、MPOを含む、111〜164のいずれか一項に記載の方法。
166.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、FRTNを含む、111〜165のいずれか一項に記載の方法。
167.以下の:
前記Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記α−フェトプロテイン(AFP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02771−1(登録版192)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記ヘパリン結合EGF様成長因子(HB−EGF)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q99075(登録版171)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記神経細胞接着分子(Nr−CAM)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q92823−1、Q92823−2、Q92823−3、Q92823−4、Q92823−5、又はQ92823−6(登録版172)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記腎障害分子−1(KIM−1)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q96D42−1(登録版141)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記CD40抗原(CD40)は、UniProt受託番号P25942−1若しくはP25942−2(登録版221)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記クロモグラニン−A(CgA)バイオマーカーは、UniProt受託番号P10645−1(登録版200)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記インターロイキン−2受容体α(IL−2受容体α)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01589−1(登録版200)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンβ(hCG)は、UniProt受託番号P0DN86−1若しくはP0DN86−2(登録版26)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記トランスフォーミング増殖因子β1の潜伏関連ペプチド(LAP TGF−b1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01137(登録版235)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記胸腺及び活性化調節ケモカイン(TARC)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q92583−1(登録版163)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記CD40リガンド(CD40−L)バイオマーカーは、UniProt受託番号P29965(登録版199)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記上皮成長因子(EGF)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01133−1、P01133−2、又はP01133−3(登録版204)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記血管内皮増殖因子受容体3(VEGFR−3)バイオマーカーは、UniProt受託番号P35916−1、P35916−2、又はP35916−3(登録版206)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記膵分泌トリプシン阻害剤(TATI)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00995−1(登録版193)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記マトリクスメタロプロテイナーゼ−7(MMP−7)バイオマーカーは、UniProt受託番号P09237−1(登録版197)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記レプチンバイオマーカーは、UniProt受託番号P41159(登録版176)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記アポリポタンパク質A−I(ApoA−I)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02647−1(登録版241)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記ペリオスチンバイオマーカーは、UniProt受託番号Q15063−1、Q15063−2、Q15063−3、Q15063−4、Q15063−5、Q15063−6、Q15063−7(登録版160)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記アンジオポイエチン−2(ANG−2)バイオマーカーは、UniProt受託番号O15123−1、O15123−2、又はO15123−3(登録版163)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記シスタチン−Cバイオマーカーは、UniProt受託番号P01034−1(登録版213)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記ヘプシンバイオマーカーは、UniProt受託番号P05981−1(登録版183)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記アポリポタンパク質C−I(ApoC−I)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02654(登録版175)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記インターロイキン−1受容体1型(IL−1RI)バイオマーカーは、UniProt受託番号P14778−1(登録版215)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記エオタキシン−2バイオマーカーは、UniProt受託番号O00175−1(登録版162)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記ミエロペルオキシダーゼ(MPO)バイオマーカーは、UniProt受託番号P05164−1、P05164−2、又はP05164−3(登録版217)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記フェリチン(FRTN)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02794(登録版213)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00338−1、P00338−2、P00338−3、P00338−4、又はP00338−5(登録版224)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;及び/又は
前記乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07195−1(登録版218)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;又は
上記アミノ酸配列のいずれかをコードする全長核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)である、101〜166のいずれか一項に記載の方法。
168.前記方法が、前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の前記バイオマーカーの量を測定することを含む、101〜167のいずれか一項に記載の方法。
169.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、
検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、104〜168のいずれか一項に記載の方法。
170.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、
前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、169に記載の方法。
171.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、170に記載の方法。
172.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ選択される技術を用いて行われる、170又は171に記載の方法。
173.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、170〜172のいずれか一項に記載の方法。
174.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はメラノーマによって変化しない、170〜172のいずれか一項に記載の方法。
175.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、101〜174のいずれか一項に記載の方法。
176.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、174に記載の方法。
177.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、176に記載の方法。
178.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、177に記載の方法。
179.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、178に記載の方法。
180.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、178に記載の方法。
181.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、176記載の方法。
182.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、181に記載の方法。
183.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、175〜182のいずれか一項に記載の方法。
184.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、175〜182のいずれか一項に記載の方法。
185.前記さらなるがん治療は、以下の:
(i)ブスルファン等のアルキルスルホン酸塩を含むアルキル化剤;
(ii)クロラムブシル、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン及びウラムスチン等のナイトロジェンマスタード;
(iii)チオテパ等のエチレンイミン誘導体;
(iv)カルムスチン、ロムスチン及びストレプトゾシン等のニトロソウレア;
(v)ダカルバジン、プロカルバジン、及びテモゾラミド等のトリアゼン;
(vi)シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチンオンナプラチン、テトラプラチン、スプロプラチン、イプロプラチン、クロロ(ジエチレンジアミノ)−白金(II)塩化物、ジクロロ(エチレンジアミノ)−白金(II)、ジアミノ(2−エチルマロナト)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナトプラチン(II)、(4−カルボキシフタロ)−(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラート)白金(II)及び(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(ピルバト)白金(II)等の白金化合物;
(vii)メトトレキサート、パーメトレキセート、ラルチトレキセート及びトリメトレキセート等の抗葉酸薬を含む代謝拮抗薬;
(viii)アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン及びトロキサシタビン等のピリミジン類似物質;
(ix)クラドリビン、クロロデオキシアデノシン、クロロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン及びチオグアニン等のプリン類似物質;
(x)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ミスラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ポルフィロマイシン等の抗腫瘍抗生物質を含む天然産物;
(xi)ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、及びバルビシン等のアントラサイクリン系薬剤;
(xii)ビンカアルカロイド系のビンブラスチン、ビンベシル、ビンクリスチン、ビンデシン、及びビノレルビン等の有糸分裂阻害剤;
(xiii)L−アスパラギナーゼ及びPEG−L−アスパラギナーゼ等の酵素;
(xiv)タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;
(xv)カンプトテシン、イリノテカン及びトポテカン等のトポイソメラーゼI阻害剤;
(xvi)ポドフィロトキシン、アムサクリン、エトポシド、テニポシド、ロソキサントロン及びアクチノマイシン等のトポイソメラーゼII阻害剤;
(xvii)以下のホルモン及びホルモン拮抗剤:
−フルオキシメステロン及びテストラクトン等のアンドロゲン;
−ビカルタミド、シプロテロン、フルタミド及びニルタミド等の抗アンドロゲン剤;
−デキサメタゾン及びプレドニゾン等のコルチコステロイド薬;
−アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタン及びレトロゾール等のアロマターゼ阻害剤;
−ジエチルスチルベストロール等のエストロゲン類;
−フルベストラント、ラロキシフェン、タモキシフェン及びトレミフィン等の抗エストロゲン剤;
−アバレリックス、ブセレリン、ゴセレリン、リュープロリド、ヒストレリン、デソレリン、酢酸ナファレリン及びトリプトレリン等の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)作用薬と拮抗薬;
−酢酸メドロキシプロゲステロン及び酢酸メゲストロール等のプロゲスチン;
−レボチロキシン及びリオチロニン等の甲状腺ホルモン;
(xviii)ペリホシン、エンザスタウリン塩酸塩及びトリシリビン等のPKB経路阻害剤;
(xix)セマフォア及びSF1126等のP13K阻害剤並びにラパマイシン及びその類似物質等のMTOR阻害剤;
(xx)セリシクリブ、アルボシジブ及び7−ヒドロキシスタウロスポリン等のCDK阻害剤;
(xxi)セレコキシブを含むCOX−2阻害剤;
(xxii)トリコスタチンA、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、及びクラミドシンを含むHDAC阻害剤;
(xxiii)DNAメチラーゼ阻害剤(テモゾロミドを含む)及びその他の薬剤(アルトレタミン、三酸化ヒ素、サリドマイド、レナリドミド、硝酸ガリウム、レバミゾール、ミトタン、ヒドロキシ尿素、オクトレオチド、プロカルバジン、スラミン、メトキサレン及びナトリウムポルフィマー等の光力学的化合物);
(xxiv)ボルテゾミブ等のプロテアソーム阻害剤;
(Xxv)遺伝子治療薬及びアンチセンス治療薬等の機能的治療薬を含む分子標的治療薬;
(xxvi)塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤;
(xxvii)ソラフェニブ等のRaf阻害剤、並びにレチノイド及びレキシノイド等の遺伝子発現調節剤、例えばアダパレン、ベキサロテン、trans−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸、及びN−(4−ヒドロキシフェニル)レチナミド;
(xxviii)表現型標的治療薬である、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、リツキシマブ、トラスツズマブ等のモノクローナル抗体、ゲムツズマブ・オゾガミシン等の免疫毒素、I−トシツモバブ等の放射性免疫複合体;
(xxix)がんワクチン;
(xxx)生物学的療法剤である、インターフェロン−[α]2a及びインターフェロン−[α]2b等のインターフェロン、及びアルデスロイキン、デニロイキンジフチトクス及びオプレルベキン等のインターロイキン;
(xxxi)予防薬又は補助薬の使用を含む抗がん療法:アミフォスチン及びデクスラゾキサン等の細胞保護薬、パミドロネート及びゾレドロン酸等のホスホネート、並びにエポエチン、ダルベペチン、フィルグラスチム、PEG−フィルグラスチム及びサルグラモスチム等の刺激因子;
(xxxii)Axl阻害剤である、1−(6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジン−3−イル)−N3−((7−(S)−ピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン等;及び/又は、
(xxxiii)さらなる併用化学療法計画である、カルボプラチン/パクリタキセル、カペシタビン/ドセタキセル、フルオラウラシル/レバミゾール、フルオラウラシル/ロイコボリン、メトトレキサート/ロイコボリン、及びトラスツズマブ/パクリタキセルの単独又はさらなるカルボプラチンとの併用等;
中から選択される、184に記載の方法。
186.前記さらなるがん治療は、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である、184に記載の方法。
187.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、186に記載の方法。
188.前記さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である、186に記載の方法。
189.前記被験体が哺乳動物である、101〜186のいずれか一項に記載の方法。
190.前記被験体がヒトである、189に記載の方法。
191.前記予測方法は、メラノーマの治療前に実施される、101〜190のいずれか一項に記載の方法。
192.前記予測方法は、メラノーマの治療中又は治療コース後に実施される、101〜191のいずれか一項に記載の方法。
193.前記被験体が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている、101〜190又は192のいずれか一項に記載の方法。
194.前記被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている、193に記載の方法。
195.前記被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている、193又は195に記載の方法。
196.前記被験体が、以前EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療されていない、101〜191のいずれか一項に記載の方法。
197.前記被験体が、以前Axl阻害剤で治療されていない、196に記載の方法。
198.前記被験体が、以前Akt3阻害剤で治療されていない、196に記載の方法。
199.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、101〜198のいずれか一項に記載の方法。
200.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、199に記載の方法。
201.前記試料は、血清試料である、200に記載の方法。
202.前記方法が、前記被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現、又は量を評価する後工程をさらに含み、試料プロファイルは、前記被験体を、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる剤と、接触させた後に得られる、104〜201のいずれか一項に記載の方法。
203.前記試料プロファイルは、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させた後に得られる、103に記載の方法。
204.前記対照プロファイルが、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させる前に、同一被験体から得られる、202又は203に記載の方法。
205.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、204に記載の方法。
206.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、204に記載の方法。
207.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、204に記載の方法。
208.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、204に記載の方法。
209.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともHB−EGFを含む、205に記載の方法。
210.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともCgAを含む、205に記載の方法。
211.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともNr−CAMを含む、205に記載の方法。
212.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともKIM−1を含む、205に記載の方法。
213.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともCD40を含む、205に記載の方法。
214.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともLAP TGF−b1を含む、205に記載の方法。
215.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともEGFを含む、205に記載の方法。
216.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともTATIを含む、205に記載の方法。
217.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともAxlを含む、205に記載の方法。
218.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともLDHを含む、205に記載の方法。
219.前記被験体又は前記被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、202〜218のいずれか一項に記載の方法:
220.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、219に記載の方法。
221.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、220に記載の方法。
222.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ;から選択される技術を用いて行われる、220又は221に記載の方法。
223.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、220〜222のいずれか一項に記載の方法。
224.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はメラノーマによって変化しない、220〜222のいずれか一項に記載の方法。
225.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、203〜224のいずれか一項に記載の方法。
226.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、225に記載の方法。
227.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、226に記載の方法。
228.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、227に記載の方法。
229.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、227に記載の方法。
230.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、225記載の方法。
231.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、230に記載の方法。
232.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、225〜231のいずれか一項に記載の方法。
233.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、225〜231のいずれか一項に記載の方法。
234.前記さらなるがん治療は、上記185に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、233に記載の方法。
235.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である、233記載の方法。
236.前記さらなるがん治療がペムブロリズマブである、235に記載の方法。
237.前記さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である、235に記載の方法。
238.前記被験体が哺乳動物である、203〜237のいずれか一項に記載の方法。
239.前記被験体がヒトである、238に記載の方法。
240.前記被験体が、上記101〜202のいずれか1つの予測方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる前記薬剤又は化学療法剤による治療に選択される、203〜239のいずれか一項に記載の方法。
241.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、203〜240のいずれか一項に記載の方法。
242.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、241に記載の方法。
243.前記試料は、血清試料である、242に記載の方法。
244.前記方法が、インビトロ又はエクスビボで行われる、1〜243のいずれか一項に記載の方法。
201a.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために、メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:101〜244のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
202a.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による継続治療のために、メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:203〜244のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
203a.前記治療が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転させることができる治療有効量の薬剤を被験体に投与することを含む、201a又は202aに記載の方法。
204a.前記治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、203aに記載の方法。
205a.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204aに記載の方法。
206a.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、205aに記載の方法。
207a.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、206aに記載の方法。
208a.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、206aに記載の方法。
209a.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204aに記載の方法。
210a.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、209aに記載の方法。
211a.前記治療が、単剤として投与される、203a〜210aのいずれか一項に記載の方法。
212a.前記治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、203a〜211aのいずれか一項に記載の方法。
213a.前記さらなるがん治療は、上記130に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、212に記載の方法。
214a.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である、212aに記載の方法。
215a.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、214aに記載の方法。
216a.前記さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である、214aに記載の方法。
301.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、その各々は、前記1又はそれ以上のバイオマーカーがHB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む診断キット。
302.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための、その各々は前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む試験装置。
303.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、以下の:HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群より選択されからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバー;かつ、前記1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する、1若しくはそれ以上の試薬、又は前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカーによって形成された複合体を検出及び/又は定量化する、1又はそれ以上の試薬;を含む、301又は302に記載の診断キット又は検査装置。
304.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、303に記載の診断キット又は検査装置。
305.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出が、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用によって行われる、303又は304に記載の診断キット又は検査装置。
306.前記キット又は検査装置は、検出用試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む、301〜305のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
307.被験体のがん関連転帰を予測する方法に用いられる、301〜306のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
308.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、307に記載の診断キット又は検査装置。
309.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
310.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
311.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、310に記載の診断キット又は検査装置。
312.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、311に記載の診断キット又は検査装置。
313.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、311に記載の診断キット又は検査装置。
314.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤がAkt3阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
315.前記被験体が、メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、307〜310のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
316.前記方法は、101〜180のいずれか一項に記載の方法である、307〜315のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
317.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
318.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々が、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、バイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
319.前記検出用試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む、317又は318に記載の使用。
320.被験体におけるがん関連の転帰を予測する方法は、101〜244のいずれか1つに基づく方法である、317又は318に記載の使用。
401.被験体がEMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に感受性があるかを判定するバイオマーカーとしての、HB−EGF、AFP、CgA、Nr−CAM、KIM−1、CD40、LAP TGF−b1、EGF、IL−2受容体α、hCG、TARC、CD40−L、VEGFR−3、TATI、MMP−7、レプチン、ApoA−I、ペリオスチン、ANG−2、シスタチン−C、ヘプシン、ApoC−I、IL−1RI、エオタキシン−2、MPO、FRTN、Axl、及び/又はLDHの1又はそれ以上の使用。
402.(i)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示し;又は、(ii)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す;401の使用。
403.(i)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が増えた場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;か、又は、(ii)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が減少した場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;401の使用。
404.前記方法は、101〜244のいずれか一項に記載の方法である、401〜403のいずれか一項に記載の使用。
501.メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:上記101〜244のいずれか一項に記載の方法を用いて、治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;を含む、方法。
502.メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:(a)被験体からの試料の採取工程;(b)前記被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤、又は上記101〜244のいずれか一項に記載された方法を用いた化学療法剤による治療に感受性があるかどうかの判定工程;(c)前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量の前記被験体への投与工程;を含む、方法。
503.メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤を、上記101〜244のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記治療に感受性であると同定された被験体に投与する工程を含む、方法。
504.メラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;及び前記被験体が、上記203〜244のいずれかに記載の方法を用いて、前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程;を含む、方法。
505.前記方法が、前記被験体が前記治療に対して感受性であると同定される場合、EMTを阻害又は逆転しうる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤又は化学療法剤を前記被験体に投与することを含む、504に記載の方法。
506.メラノーマである、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤。
507.メラノーマである、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用。
508.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、501〜507のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
509.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
510.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、509に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
511.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤を含む、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
513.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、512に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
514.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、単剤として投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
515.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
516.上記130に列挙されたさらなるがん治療の中からさらなるがん治療が選択される、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
517.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
518.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
519.前記さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である、である、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
《第5側面:トリプルネガティブ乳がん(TNBC)》
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)及びHer2/neuに対する遺伝子を発現しない不均一な乳がん群である。ほとんどのホルモン療法は当該受容体の1つを標的とするため、トリプルネガティブ乳がんは最も治療が困難であり、通常は併用療法が必要である。トリプルネガティブ乳がんにおける有意な不均一性及び薬物療法に対する患者の反応を考慮すると、トリプルネガティブ乳がんに対する標的療法が依然として必要である(非特許文献7)。
従って、トリプルネガティブ乳がんである被験体におけるがん関連転帰を予測する安定したバイオマーカー、例えば、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性、を予測する安定したバイオマーカーは、特定の薬剤/計画による治療に反応するか又は利益を受ける見込みが最も高い被験体を同定するのに有用であろう。
本明細書で記載される「応答性」被験体とは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤、又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが高い、又は反応する(又は治療から利益を受ける)被験体である。
これに対応する、本明細書で記載される「非応答性」被験体は、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤、又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが低い(又は反応しない)被験体である。
本明細書中で用いられる「治療に反応する」又は「治療から利益を得る」とは、治療からの全体的な臨床的利益を経験することをいう。この全体的な臨床的利益とは、生存期間の延長、疾患の部分寛解又は完全寛解、疾患の進行の遅延又は非進行、腫瘍の縮小(例えば、腫瘍体積の5、10、20、30、40%又はそれ以上の減少)、腫瘍体積の減少(例えば、腫瘍体積の5、10、20、30、40%又はそれ以上の減少)、腫瘍増大の遅延又は非増大、腫瘍体積増加の遅延又は非進行、生活の質の改善、無増悪生存、全体生存、又はその他の正の患者転帰;のいずれかである。腫瘍体積/負荷を決定する適当な方法は、当業者に周知であり、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)又は磁気共鳴画像(MRI)画像技術;X線画像、例えば、マンモグラフィ;超音波画像;核画像、例えば、陽電子放出断層撮影(PET)、PET/CTスキャン、骨スキャン、ガリウムスキャン、又はメタヨードベンジルグアニジン(MIBG)スキャン;生物発光画像(BLI);蛍光画像(FLI);BD ToF(赤外線系3D飛行時間カメラ画像技術である。
〔バイオマーカー〕
本明細書における用語「マーカー」又は「バイオマーカー」は、被験体又は前記被験体に由来する試料における発現が、がんにおいて、例えば上方又は下方調節されて改変又は変調される遺伝子又はタンパク質を示すのに用いられる。当該バイオマーカーがタンパク質である場合、発現の変調又は改変は、異なる翻訳後修飾を介する変調を包含する。
本開示の当該側面のいかなる態様でも、本明細書に記載されるバイオマーカーは、以下の:
Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
インターロイキン−6受容体サブユニットβ(IL−6Rβ)バイオマーカーは、UniProt受託番号P40189−1若しくはP40189−2(登録版209)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
細胞間接着分子1(ICAM−1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P05362(登録版221)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
マクロファージ炎症性タンパク質−1β(MIP−1β)バイオマーカーは、UniProt受託番号P13236(登録版187)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ペリオスチンバイオマーカーは、UniProt受託番号Q15063−1、Q15063−2、Q15063−3、Q15063−4、Q15063−5、Q15063−6、Q15063−7(登録版160)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
インターロイキン−23(IL−23)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q9NPF7(登録版133)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
葉酸受容体γ(FOLR3)バイオマーカーは、UniProt受託番号P41439−1、P41439−2、又はP41439−3(登録版127)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
クラステリン(CLU)バイオマーカーは、UniProt受託番号 P10909−1、P10909−2、P10909−3、P10909−4、又はP10909−5(登録版209)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
Fasリガンド(FasL)バイオマーカーは、UniProt受託番号P48023−1又はP48023−2(登録版197)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;と特定されうる。
本明細書に記載されるバイオマーカーはまた、上記アミノ酸配列のいずれかをコードする全長核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)として特定され得る。
同一性FASTA及びFASTP(Pearson&Lipman,1988.Methods in Enzymology 183:63-98を参照)を用いた配列比較を用いて特定しうる。パラメータは、以下の:Gapopen(ギャップの最初の残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−12/DNAに対する−16;Gapext(ギャップの追加残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−2/DNAに対する−4;KTUPワード長:タンパク質に対する2/DNAに対する6の、デフォルトのマトリクスを用いて設定するのが好ましい。
〔治療前予測のバイオマーカー及び方法〕
発明者らは、臨床試験BGBC007(NCT03184558)から得られた患者データを解析して、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、TNBCである被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した(実施例3を参照)。同様に、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価すれば、被験体が、当該薬剤による治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうる。
従って、本側面の第1態様では、本開示は、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、の疑いがある、又はTNBCと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、前記被験体における又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、インターロイキン−6受容体サブユニットβ(IL−6Rβ)、細胞間接着分子1(ICAM−1)、マクロファージ炎症性タンパク質−1β(MIP−1β)、ペリオスチン、インターロイキン−23(IL−23)、葉酸受容体γ(FOLR3)、クラステリン(CLU)、及び/又はFasリガンド(FasL)からなる群より選択される。

本明細書に記載される「がん関連転帰」は、がんと関連する臨床的予測又は予後である。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。
本明細書中で用いる「試料プロファイル」は、被験体又は被験体に由来する試料において決定された各バイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。適当な対照プロファイルは、以下で詳細に説明される。
本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「応答性」被験体の血清よりも高いレベルで存在することが見出された。同様に、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「非応答性」の被験体の血清よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清に存在することが見出された。
この「応答性」と「非応答性」の間の発現レベルの差は、逆の方法で表現しうる。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、被験体の治療前に「非応答性」の被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。同様に、被験体の治療前に、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「非応答性」の被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。
当該異なる発現パターンの発見は、被験体が薬剤での治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することで、当該被験体が、当該薬剤での治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうることを意味する。従って、特に好ましい態様では、当該試料プロファイルは、被験体へのEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の接触又は投与前に得られる。
EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療(又は治療からの利益)に反応する見込みが高い、又は応答する被験体である。すなわち、薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、上記で特定したように、当該薬剤について「応答性」である。「感受性を示す」予測とは、被験体が治療に反応したり、治療から利益を得たりする見込みを示唆又は指摘するものである。
いくつかの態様では、本開示の予測方法は、被験体又は被験体に由来する試料において本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程と、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルに基づいて予測を行う工程を含む。本方法のいくつかの態様では、当該予測は、対照プロファイルと試料プロファイルの比較により行われ、対照プロファイルは、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同じバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
ある実施形態では、対照プロファイルは、TNBCである対照被験体の集団から得ることができる。ある実施形態では、対照プロファイルは、TNBCでない対照被験体の集団から得ることができる。他の実施形態では、対照プロファイルは、TNBCであり、かつ以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤(すなわち、非応答性被験体)による治療に対する感受性の欠如が見いだされた対照被験体又は対照被験体の集団から得ることができる。
ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「平均」値、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、TNBCである対照被験体又は対照被験体の集団、TNBCでない対照被験体又はTNBCである対照被験体又は対照被験体の集団であって、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されたもの(すなわち、非応答性被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、TNBCであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団から獲得しうる。ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、TNBCであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団(すなわち、反応被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、試料プロファイルで決定されるのと同じバイオマーカーの既知の量(例えば、「閾値」量)を備えるコントロール試料から獲得しうる。この閾値量は、例えば、上記のように、非応答性又は応答性の被験体から獲得しうる。
当業者であれば、特定のバイオマーカーの適当な「平均」、「閾値」又は値の「標準範囲」を容易に決定しうる。
例えば、「平均」値は、TNBCである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;及び「平均」値の決定に測定されたバイオマーカー活性、発現、又は量を平均して、決定しうる。
例えば、「平均」値は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中のバイオマーカー活性、発現、又は決定された量の平均による、「平均」値の決定により、決定され得る。
例えば、「閾値」は被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中の最高又は最低のバイオマーカー活性、発現、又は量の「閾値」としての適宜選択により決定され得る。
例えば、値の「標準範囲」は、TNBCである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価、及びこの評価に基づいて値の「標準範囲」を決定することで、決定しうる。
例えば、値の「標準範囲」は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び当該評価に基づき、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが判明した被験体に対する値の「標準範囲」を決定することで、決定され得る。
対照プロファイルがバイオマーカー発現、活性、又は量の値の所定のプロファイルである場合、これは「ルックアップテーブル」又はデータレコードとして提供され得る。当該所定の対照プロファイルは、複数の対照被験体(例えば、上記の非応答性又は応答性被験体)において決定された各バイオマーカーの中心傾向(平均、中央値又は平均)量の尺度に対応する数値又は数値範囲のプロファイルであり得る。当業者であれば、標準的なタンパク質定量化技術及び適当な統計的ツールを用いて、集団内の中心傾向の尺度及び変動の尺度をともに容易に決定しうる。
従って、いくつかの実施形態では、対照プロファイルは、以下の:TNBCである対照被験体の集団から得られたもの;TNBCでない対照被験体の集団から得られたもの;TNBCであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が以前に見出されている対照被験体の集団から得られたもの(非応答性被験体である);非応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の所定のプロファイル(例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル又は値の「標準範囲」);非応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均値」を備える対照試料から得られたもの;応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「閾値」を備える対照試料から得られたもの;次いで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイルにおける、本明細書中に記載された、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうるもの;である。同様に、対照プロファイルと比較して、本明細書中に記載された試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、IL−23、FOLR3、CLU及び/又はFasLから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が高い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、Axl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、及び/又はペリオスチンから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が低い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、試料プロファイルにおいて、対照プロファイルと比較して:Axlの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、IL−6Rβの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、ICAM−1の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、MIP−1βの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、ペリオスチンの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、IL−23の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、FOLR3の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、CLUの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、FasLの活性、発現、又は量がより高い;場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、TNBCである対照被験体又は対照被験体の集団から得られ、かつ、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された場合(すなわち、反応被験体)、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、TNBCである被験体、及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された被験体)に典型的な「閾値」を上回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、TNBCである被験体、及び、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された被験体)に典型的な「閾値」を下回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がないことを示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、応答性被験体(すなわち、TNBCである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、応答性被験体(すなわち、TNBCである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、非応答性被験体から得られたバイオマーカー発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、非応答性被験体(すなわち、TNBCであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出された被験体)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、非応答性被験体(すなわち、TNBCであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されている被験体)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、TNBCでない対照被験体の集団から得られたものであり、かつ、試料プロファイルの発現、活性又は量が、TNBCでない被験体に典型的な値の「標準範囲」外である場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性又は量が、TNBCでない被験体に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。この場合、発現、活性又は量は、所与のバイオマーカーについて正常の上限を上回るか又は正常の下限を下回るかのいずれかである場合に、値の「標準範囲」外にあってよい。正常値の上限及び下限は、TNBCでない対照被験体集団の所定のバイオマーカーの正常分布の限界である。
当業者であれば、適当な統計的ツール及び適当な対照との比較を用いて、試料プロファイルが、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示すか又は感受性の欠如を示すかを容易に決定しうる。
いくつかの実施形態では、試料プロファイルは、上記のように2又はそれ以上の対照プロファイルと比較され得る。
本明細書中で用いられる場合、用語「1又はそれ以上」とは、本明細書中に記載されるバイオマーカーの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20をいう。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはIL−6Rβである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはICAM−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはMIP−1βである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはペリオスチンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはIL−23である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはFOLR3である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCLUである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはFasLである。
いくつかの当該実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、当該バイオマーカーの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、Axl及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、被験体がTNBCの治療中又は治療コース前に実施される。他の実施形態では、当該予測方法は、TNBCに対する治療中又は治療コース後に実施される。ある実施形態では、TNBCの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤である。他の実施形態では、TNBCの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤ではない化学療法剤による治療である。
本明細書に記載の予測方法のいくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている。ある実施形態では、被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている。
本明細書に記載された予測方法のいくつかの態様では、当該被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている。すなわち、被験体は、予測方法が被験体の感受性を決定する薬剤ではない薬剤で既に治療されている。従って、いくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で予め治療されていない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、以前にAxl阻害剤で治療されていない。他の好ましい態様では、被験体は、Akt3阻害剤で予め治療されていない。
〔バイオマーカーの治療後の変化〕
本開示のこの態様のいくつかの態様では、予測方法は、さらに、被験体又は被験体に由来する試料において、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤を治療又は治療コース後に、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価するその後の工程を含み、本明細書に記載の1又はそれ以上のバイオマーカーの第2試料プロファイルを得る。
すなわち、いくつかの実施形態では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程であって、ここで、当該1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、GRO−α、及び/又はLDHからなる群から選択される;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程であって、ここで、当該1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLからなる群から選択される;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの好ましい態様では、当該方法は、その後、被験体又は被験体に由来する試料中の、Axlの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、第2試料プロファイルにおけるAxlの活性、発現、又は量が増えた場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより感受性が高いことを示す。いくつかの好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療前に、同じ被験体から得られる。
〔治療後予測のバイオマーカー及び方法〕
臨床試験BGBC007(NCT03184558)から得られた患者データを解析することにより、発明者らは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤によるTNBC患者の治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で上昇するが、「非応答性」の被験体の血清中では上昇しないことを発見した。同様に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で低下するが、「非応答性」の被験体の血清中では低下しない。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療の前後に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価することで、被験体が前記薬剤による治療に感受性又は応答性であることを決定又は確認しうる。
従って、当該側面の第2態様では、本開示は、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、の疑いがある、又はTNBCと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触した後に、被験体又は前記被験体に由来する試料における、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本開示のこの態様の好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療する前に、同じ被験体から得られる。ある実施形態では、対照プロファイルは、TNBCである対照被験体の集団から得られる。他の態様では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」又は値の「標準範囲」のプロファイルである。
従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、対照プロファイルが同一の被験体から得られる態様では、被験体をEMT又はがん治療剤を阻害又は逆転しうる薬剤と接触させた後の、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。当該態様では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともAxlを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイルの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、上記開示の本側面の第1態様による予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために選択された。
〔EMTを阻害又は逆転しうる薬剤〕
本開示は、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、の疑いがある、又はと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測するための方法を提供する。「がん関連転帰」とは、がんと関連する臨床的予測又は予後である。
本開示の当該TNBC側面で用いる、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤は、以下の好ましい実施形態以外は、上記のAML側面の記載のように特定される(上記と同項目、第14頁第19行目〜第17頁第2行目参照)。
いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、又はリツキシマブ等のモノクローナル抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はペムブロリズマブである。
〔バイオマーカーの活性、発現、量の評価〕
本明細書に記載される予測方法のいくつかの態様では、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価は、試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と接触させる工程;及び検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程を含む。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量の評価は、被験体又は被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定を含む。好ましくは、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、タンパク質発現のレベルの測定により、評価される。特に好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、血清中のタンパク質発現のレベルの測定により、評価される。
用語「発現」とは、対応するmRNAを生成する遺伝子のDNA鋳型の転写、及び対応する遺伝子産物(すなわち、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質)を生成する当該mRNAの翻訳、並びに翻訳後修飾がされたかもしれない1又はそれ以上の形態のタンパク質の「発現」を意味する。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定工程は、試料又は試料由来の抽出物を、各々がそれぞれのバイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーと接触させる工程と、当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出及び/又は定量の工程とを含む。ある態様では、特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
タンパク質及びmRNA発現レベルを決定する一連の適当な技術、例えばマイクロアレイ分析、ウェスタンブロット法、及びQPCR等のPCR技術は、当該分野で周知である。いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量の決定は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用を含み得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される。その場合、各バイオマーカータンパク質又はmRNAは、試料中で定量され得、当該量は、試料の尺度、例えば、試料の容積、質量、又は総タンパク質量として表され得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、ここで、当該相対量は、試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定される。このように、バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量を決定することで、正規化が可能となり、例えば、総タンパク質濃度の差異を考慮して、試料間のバイアスを除去しうる。
好ましくは、参照タンパク質又はmRNAは、その発現又は量が、がんである、特にTNBCである被験体とがんでない被験体との間で有意に変化しない。すなわち、参照タンパク質又はmRNAは、好ましくは、その発現又は量がTNBCによって変化しない。従って、参照タンパク質又はmRNAは、本明細書に記載されるバイオマーカーの1つではない1又はそれ以上のタンパク質又はmRNAを含み得る。当該1又はそれ以上のバイオマーカーの発現量又は量を相対量として表す場合、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量を、試料中の参照タンパク質又はmRNAの絶対量で除算しうる。
〔RNAレベルでのバイオマーカー発現の評価〕
遺伝子発現はRNAレベルで検出しうる。RNAは、例えば、酸性フェノール/グアニジンイソチオシアネート抽出(RNAzol B;Biogenesis)、RNeasyRNA調製キット(Qiagen)又はPAXgene(PreAnalytix、スイス)を用いることを含むRNA抽出技術を用いて細胞から抽出され得る。リボ核酸ハイブリダイゼーションを利用する通常の分析フォーマットとしては、核ランオンアッセイ、RT−PCR、RNase保護アッセイ(Melton et al., Nuc. Acids Res. 12:7035)、ノーザンブロット法及びInSituハイブリダイゼーションがあげられる。遺伝子発現はまた、以下に記載するマイクロアレイ分析によって検出され得る。
〔タンパク質レベルでのバイオマーカー発現の評価〕
好ましくは、バイオマーカーレベルは、タンパク質発現の測定により評価される。改変された遺伝子又はタンパク質の発現は、遺伝子によりコードされるポリペプチドの測定によっても検出しうる。これは、バイオマーカー遺伝子によりコードされるポリペプチドに結合する分子を用いることにより達成され得る。タンパク質の存在の検出のためにポリペプチドに直接的又は間接的に結合する適当な分子/剤は、天然に存在する分子、例えば、ペプチド及びタンパク質、例えば、抗体を含むか、又はそれらは合成分子であってよい。
抗体は、市販の供給源から、又は当業者に周知の技術を介して獲得しうる。一の実施形態では、改変された発現が、タンパク質バイオマーカーの翻訳後改変された形態の改変の発現を介して現れる場合、当該異なる形態に特異的な抗体が用いられ得る。本開示の目的のため、「抗体」という用語は、別段の規定がない限り、標的抗原に対するそれらの結合活性を保持する全抗体又は全抗体の断片を含む。当該断片としては、Fv、F(ab')及びF(ab')2断片、並びに単鎖抗体(scFv)があげられる。さらに、抗体及びその断片は、例えば、欧州特許公開第239400号に記載されているヒト化抗体であり得る。例えば、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体、組換え抗体、抗体のタンパク質分解断片及び組換え断片(Fab、Fv、scFv、ジアボディ)、単一ドメイン抗体(VHH、sdAb、ナノボディ、IgNAR、VNAR)、及び抗体様特異的結合を有するように操作された、抗体とは無関係のタンパク質である。抗体は、固体支持体に結合され、及び/又は適当な試薬、対照、指示書等と共に適当な容器中のキットにパッケージされ得る。
〔アレイ〕
アレイ技術及びそれに関連する様々な技術及び適用は、当技術分野で周知である。アレイ技術は一般に「1の実験で1の遺伝子」に基づいて機能し、その結果、スループットが低下し、遺伝子機能の「全体像」が理解できないという、分子生物学における従来の方法の欠点を克服する。本開示の産物及び方法の文脈では、アレイ技術は、例えば、バイオマーカータンパク質又はmRNAの発現の分析で用いられうる。
一般に、いかなるライブラリ又は試料群は、ライブラリ又は群のメンバーを空間的に分離して、アレイに秩序正しく配列しうる。アレイ化に適したライブラリの例としては、核酸ライブラリ(DNA、cDNA、オリゴヌクレオチド等のライブラリを含む)、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質ライブラリ、並びにリガンドライブラリ等のいかなる分子をも含むライブラリが挙げられる。従って、本明細書で「ライブラリ」を参照する場合は、文脈上別段の指示がない限り、当該参照は、アレイの形態のライブラリを参照することを含むものと解釈されるべきである。
タンパク質、ポリペプチド等もまた、アレイで固定化しうる。例えば、抗体は、タンパク質チップ(Borrebaeck CA, 2000, Immunol Today 21(8):379−82)を用いたプロテオームのマイクロアレイ分析に用いられる。ポリペプチドアレイは、例えば、MacBeath and Schreiber, 2000, Science, 289(5485):1760−1763に概説がある。
〔試料〕
適当な試料としては、組織生検、血液、尿、頬側擦過物等の組織試料、並びに血清、血漿、又は組織培養上清試料が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中のタンパク質発現のレベルの測定により評価される。いくつかの好ましい態様では、試料は、血液、血清又は血漿試料である。いくつかの特に好ましい態様では、試料は血清試料である。
被験体由来の血清又は血漿試料中の1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量を評価する場合、試料を除去し、フローサイトメトリー、マスサイトメトリー(CyTOF)、ELISA、PET、及びSELDI−TOF MS等の分析技術に供する。いくつかの実施形態では、当該方法は、当該試料からRNAを抽出し、QPCRによる遺伝子発現の検出を含みうる。いくつかの他の実施形態では、遺伝子発現は、例えばウェスタンブロットでタンパク質産物を検出することで検出しうる。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現レベルは、1又はそれ以上のバイオマーカーをコードする遺伝子のコピー数の決定により評価される。コピー数(すなわち、遺伝子重複事象)は、例えば、Jiangら(Jiang Q, Ho YY, Hao L, Nichols Berrios C, Chakravarti A. Copy number variants in candidate genes are genetic modifiers of Hirschsprung disease. PLoS One. 2011;6(6))に記載されるDNAチップを用いて、当該技術分野で公知の標準技術を用いて決定しうる。
本明細書に記載される予測方法のいくつかの好ましい実施形態では、当該方法はインビトロ又はエクスビボで行われる。
〔治療被験体の選択方法〕
本開示のこの側面の第3態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のため、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、その疑いがある、又はTNBCと診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、上記本明細書の本側面の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体の同定工程;及び、当該同定された被験体の治療のための選択工程を含む。
ある実施形態では、この態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療を継続するために、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、その疑いがある、又はTNBCと診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、本開示のこの側面の上記第2態様により特定された予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定し、かつ、当該同定された被験体の治療のための選択を含む。
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、治療は、本明細書に記載される、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤の被験体への投与を含む。従って、ある実施形態では、治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。
いくつかの好ましい実施形態では、治療は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、当該治療は、単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はペムブロリズマブである。
〔キット〕
本開示の本側面の第4態様は、診断キット及び試験装置に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は以上の試薬を含む診断キットを提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、Axl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
他の実施形態では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は以上の試薬を含む診断装置を提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、Axl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は本明細書に記載されたバイオマーカーの1つに選択的に結合する;かつ、当該1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する1又はそれ以上の試薬、又は当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカーにより形成された複合体の検出及び/又は定量化のための、1又はそれ以上の試薬を含む。いくつかの実施形態では、各特異的結合メンバーは、Axl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、Axlに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、診断キット又は試験装置は、基板上にアレイの形態で提供されるか、又はビーズ又はマイクロスフェア等の複数の粒子に結合された、複数の前記特異的結合メンバーを含む。当該粒子は、検出可能な標識でコードしうる。ある実施形態では、当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含む。
当該特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出する診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ、から選択される技術を用いて行われる。
当該診断キット又は検査装置のいくつかの実施形態では、キット又は検査装置は、検出用の試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む。当該診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、当該キット又は試験装置は、15、20、25、30、40、又は50以下の特異的結合メンバーを含む。
本開示はまた、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における当該診断キット及び試験装置の使用を提供する。好ましい実施形態では、がん関連転帰は、本明細書に記載される、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
ある実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、若しくはPHGDH阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
当該予測方法に用いられる診断キット又はテスト装置のいくつかの実施形態では、被験体は、TNBCであり、であると疑われる、又は、と診断されている。
いくつかの実施形態では、本方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定され得る。
本開示の本側面の第5態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法においてAxl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための試薬の使用に関する。
本開示の本側面の第6態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々がAxl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、バイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上試薬の使用に関する。ある実施形態では、検出用の当該試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む。当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
いくつかの実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される通りであり得る。
〔使用〕
本開示の本側面の第7態様は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとしての、Axl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLの1又はそれ以上の使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、Axl、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のIL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLの使用に関する。
いくつかの態様では、当該使用は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される方法におけるバイオマーカーとしての使用である。
〔被験体の治療方法〕
本開示の本側面の第8態様は、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、の疑いがある、又はと診断された、被験体の治療方法に関する。ある実施形態では、本方法は、開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、治療用被験体を同定する工程;及びEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療的有効量を前記被験体に投与する工程を含む。
すなわち、いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:(a)当該被験体から試料を得る工程;(b)本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に前記被験体が、感受性があるかどうかを判定する工程;(c)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;を含む。
ある実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、当該治療に感受性であると同定された被験体に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を投与する工程を含む。
他の実施形態では、当該方法は、以下の:(a)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び(b)本開示の第2側面の上記第2側面に従って定義された予測方法を用いて、前記被験体が前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程を含む。ある実施形態では、本方法はさらに、(c)前記被験体が前記治療に感受性であると同定される場合、EMTを阻害若しくは逆転させることができる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤を、前記被験体に投与することを含む。
本開示の本側面の第9態様は、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
本開示の本側面の第10態様は、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。いくつかの好ましい態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025である。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該治療は単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はペムブロリズマブである。
〔開示に関する記載〕
以下の番号つきの記載は、本開示の本側面に関し、記載の部分を構成する:
101.被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む、前記被験体におけるがん関連転帰を予測する方法であって;
ここで、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLからなる群より選択され;かつ、
ここで、前記被験体が、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、方法。
102.以下の:
前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、
前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測をする工程;を含む、101に記載の方法。
103.前記予測は、前記試料プロファイルを制御プロファイルと比較して行われる、102に記載の方法。
104.前記試料プロファイルが、前記被験体が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤との接触、又は、投与前に得られる、103に記載の方法。
105.前記対照プロファイルは、以下の:
(i)TNBCである対照被験体集団から得られた;又は
(ii)TNBCであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)から得られた;
(iii)バイオマーカーの発現、活性又は量の値の所定のプロファイルであって、例えば、TNBCであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非反応被験体)から得られた、例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル、又は値の「標準範囲」;
(iv)TNBCであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均」値である対照試料由来であり、
(v)TNBCであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)から得られた、バイオマーカー発現、活性、又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、
(vi)TNBCであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「閾値」である対照試料由来である、である、104に記載の方法。
106.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
107.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
108.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLのうちの少なくとも1つを含み、ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜107のいずれか一項に記載の方法。
109.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、及び/又はペリオスチン、のうちの少なくとも1つを含み、
対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜108のうちのいずれか一項に記載の方法。
110.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおいて、以下の:
Axlの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
IL−6Rβの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
ICAM−1の活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
MIP−1βの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
ペリオスチンの活性、発現、又は量が低く;及び/又は、
IL−23の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
FOLR3の活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
CLUの活性、発現、又は量が高く;及び/又は、
FasLの活性、発現、又は量が高い;場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜109のいずれか一項に記載の方法。
111.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axlを含み、
場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、及び以下の:IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
112.以下の:
前記Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記インターロイキン−6受容体サブユニットβ(IL−6Rβ)バイオマーカーは、UniProt受託番号P40189−1若しくはP40189−2(登録版209)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記細胞間接着分子1(ICAM−1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P05362(登録版221)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記マクロファージ炎症性タンパク質−1β(MIP−1β)バイオマーカーは、UniProt受託番号P13236(登録版187)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記ペリオスチンバイオマーカーは、UniProt受託番号Q15063−1、Q15063−2、Q15063−3、Q15063−4、Q15063−5、Q15063−6、Q15063−7(登録版160)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記インターロイキン−23(IL−23)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q9NPF7(登録版133)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記葉酸受容体γ(FOLR3)バイオマーカーは、UniProt受託番号P41439−1、P41439−2、又はP41439−3(登録版127)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記クラステリン(CLU)バイオマーカーは、UniProt受託番号 P10909−1、P10909−2、P10909−3、P10909−4、又はP10909−5(登録版209)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記Fasリガンド(FasL)バイオマーカーは、UniProt受託番号P48023−1又はP48023−2(登録版197)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;又は、
前記アミノ酸配列をコードする全長の核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)である、101〜111のいずれか一項に記載の方法。
113.前記方法が、前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の前記バイオマーカーの量を測定することを含む、101〜112のいずれか一項に記載の方法。
114.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、
検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、104〜113のいずれか一項に記載の方法。
115.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、
前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、114に記載の方法。
116.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、115に記載の方法。
117.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ選択される技術を用いて行われる、115又は116に記載の方法。
118.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、115〜117のいずれか一項に記載の方法。
119.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はTNBCによって変化しない、115〜117のいずれか一項に記載の方法。
120.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、101〜119のいずれか一項に記載の方法。
121.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、120に記載の方法。
122.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、121に記載の方法。
123.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、122に記載の方法。
124.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、123に記載の方法。
125.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、123に記載の方法。
126.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、121記載の方法。
127.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、126に記載の方法。
128.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、120〜127のいずれか一項に記載の方法。
129.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、120〜127のいずれか一項に記載の方法。
130.前記さらなるがん治療は、以下の:
(i)ブスルファン等のアルキルスルホン酸塩を含むアルキル化剤;
(ii)クロラムブシル、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン及びウラムスチン等のナイトロジェンマスタード;
(iii)チオテパ等のエチレンイミン誘導体;
(iv)カルムスチン、ロムスチン及びストレプトゾシン等のニトロソウレア;
(v)ダカルバジン、プロカルバジン、及びテモゾラミド等のトリアゼン;
(vi)シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチンオンナプラチン、テトラプラチン、スプロプラチン、イプロプラチン、クロロ(ジエチレンジアミノ)−白金(II)塩化物、ジクロロ(エチレンジアミノ)−白金(II)、ジアミノ(2−エチルマロナト)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナトプラチン(II)、(4−カルボキシフタロ)−(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラート)白金(II)及び(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(ピルバト)白金(II)等の白金化合物;
(vii)メトトレキサート、パーメトレキセート、ラルチトレキセート及びトリメトレキセート等の抗葉酸薬を含む代謝拮抗薬;
(viii)アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン及びトロキサシタビン等のピリミジン類似物質;
(ix)クラドリビン、クロロデオキシアデノシン、クロロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン及びチオグアニン等のプリン類似物質;
(x)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ミスラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ポルフィロマイシン等の抗腫瘍抗生物質を含む天然産物;
(xi)ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、及びバルビシン等のアントラサイクリン系薬剤;
(xii)ビンカアルカロイド系のビンブラスチン、ビンベシル、ビンクリスチン、ビンデシン、及びビノレルビン等の有糸分裂阻害剤;
(xiii)L−アスパラギナーゼ及びPEG−L−アスパラギナーゼ等の酵素;
(xiv)タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;
(xv)カンプトテシン、イリノテカン及びトポテカン等のトポイソメラーゼI阻害剤;
(xvi)ポドフィロトキシン、アムサクリン、エトポシド、テニポシド、ロソキサントロン及びアクチノマイシン等のトポイソメラーゼII阻害剤;
(xvii)以下のホルモン及びホルモン拮抗剤:
−フルオキシメステロン及びテストラクトン等のアンドロゲン;
−ビカルタミド、シプロテロン、フルタミド及びニルタミド等の抗アンドロゲン剤;
−デキサメタゾン及びプレドニゾン等のコルチコステロイド薬;
−アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタン及びレトロゾール等のアロマターゼ阻害剤;
−ジエチルスチルベストロール等のエストロゲン類;
−フルベストラント、ラロキシフェン、タモキシフェン及びトレミフィン等の抗エストロゲン剤;
−アバレリックス、ブセレリン、ゴセレリン、リュープロリド、ヒストレリン、デソレリン、酢酸ナファレリン及びトリプトレリン等の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)作用薬と拮抗薬;
−酢酸メドロキシプロゲステロン及び酢酸メゲストロール等のプロゲスチン;
−レボチロキシン及びリオチロニン等の甲状腺ホルモン;
(xviii)ペリホシン、エンザスタウリン塩酸塩及びトリシリビン等のPKB経路阻害剤;
(xix)セマフォア及びSF1126等のP13K阻害剤並びにラパマイシン及びその類似物質等のMTOR阻害剤;
(xx)セリシクリブ、アルボシジブ及び7−ヒドロキシスタウロスポリン等のCDK阻害剤;
(xxi)セレコキシブを含むCOX−2阻害剤;
(xxii)トリコスタチンA、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、及びクラミドシンを含むHDAC阻害剤;
(xxiii)DNAメチラーゼ阻害剤(テモゾロミドを含む)及びその他の薬剤(アルトレタミン、三酸化ヒ素、サリドマイド、レナリドミド、硝酸ガリウム、レバミゾール、ミトタン、ヒドロキシ尿素、オクトレオチド、プロカルバジン、スラミン、メトキサレン及びナトリウムポルフィマー等の光力学的化合物);
(xxiv)ボルテゾミブ等のプロテアソーム阻害剤;
(Xxv)遺伝子治療薬及びアンチセンス治療薬等の機能的治療薬を含む分子標的治療薬;
(xxvi)塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤;
(xxvii)ソラフェニブ等のRaf阻害剤、並びにレチノイド及びレキシノイド等の遺伝子発現調節剤、例えばアダパレン、ベキサロテン、trans−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸、及びN−(4−ヒドロキシフェニル)レチナミド;
(xxviii)表現型標的治療薬である、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、リツキシマブ、トラスツズマブ等のモノクローナル抗体、ゲムツズマブ・オゾガミシン等の免疫毒素、I−トシツモバブ等の放射性免疫複合体;
(xxix)がんワクチン;
(xxx)生物学的療法剤である、インターフェロン−[α]2a及びインターフェロン−[α]2b等のインターフェロン、及びアルデスロイキン、デニロイキンジフチトクス及びオプレルベキン等のインターロイキン;
(xxxi)予防薬又は補助薬の使用を含む抗がん療法:アミフォスチン及びデクスラゾキサン等の細胞保護薬、パミドロネート及びゾレドロン酸等のホスホネート、並びにエポエチン、ダルベペチン、フィルグラスチム、PEG−フィルグラスチム及びサルグラモスチム等の刺激因子;
(xxxii)Axl阻害剤である、1−(6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジン−3−イル)−N3−((7−(S)−ピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン等;及び/又は、
(xxxiii)さらなる併用化学療法計画である、カルボプラチン/パクリタキセル、カペシタビン/ドセタキセル、フルオラウラシル/レバミゾール、フルオラウラシル/ロイコボリン、メトトレキサート/ロイコボリン、及びトラスツズマブ/パクリタキセルの単独又はさらなるカルボプラチンとの併用等;
中から選択される、129に記載の方法。
131.前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である、129に記載の方法。
132.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体である、129に記載の方法。
133.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、131に記載の方法。
134.前記被験体が哺乳動物である、101〜133のいずれか一項に記載の方法。
135.前記被験体がヒトである、134に記載の方法。
136.前記予測方法は、TNBCの治療前に実施される、101〜135のいずれか一項に記載の方法。
137.前記予測方法は、TNBCの治療中又は治療コース後に実施される、101〜136のいずれか一項に記載の方法。
138.前記被験体が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている、101〜135又は137のいずれか一項に記載の方法。
139.前記被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている、138に記載の方法。
140.前記被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている、138又は139に記載の方法。
141.前記被験体が、以前EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療されていない、101〜136のいずれか一項に記載の方法。
142.前記被験体が、以前Axl阻害剤で治療されていない、141に記載の方法。
143.前記被験体が、以前Akt3阻害剤で治療されていない、141に記載の方法。
144.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、101〜143のいずれか一項に記載の方法。
145.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、144に記載の方法。
146.前記試料は、血清試料である、145に記載の方法。
147.前記方法が、前記被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現、又は量を評価する後工程をさらに含み、試料プロファイルは、前記被験体を、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる剤と、接触させた後に得られる、104〜146のいずれか一項に記載の方法。
148.前記試料プロファイルは、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させた後に得られる、103に記載の方法。
149.前記対照プロファイルが、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させる前に、同一被験体から得られる、147又は148に記載の方法。
150.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、149に記載の方法。
151.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、149に記載の方法。
152.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、149に記載の方法。
153.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、149に記載の方法。
154.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともAxlを含む、150に記載の方法。
155.前記被験体又は前記被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、147〜154のいずれか一項に記載の方法:
156.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、155に記載の方法。
157.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、156に記載の方法。
158.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ;から選択される技術を用いて行われる、156又は157に記載の方法。
159.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、156〜158のいずれか一項に記載の方法。
160.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はTNBCによって変化しない、156〜158のいずれか一項に記載の方法。
161.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、148〜160のいずれか一項に記載の方法。
162.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、161に記載の方法。
163.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、162に記載の方法。
164.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、163に記載の方法。
165.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、163に記載の方法。
166.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、161記載の方法。
167.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、166に記載の方法。
168.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、161〜167のいずれか一項に記載の方法。
169.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、161〜167のいずれか一項に記載の方法。
170.前記さらなるがん治療は、上記130に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、169に記載の方法。
171.前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である、169記載の方法。
172.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体である、169記載の方法。
173.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、171に記載の方法。
174.前記被験体が哺乳動物である、148〜173のいずれか一項に記載の方法。
175.前記被験体がヒトである、174に記載の方法。
176.前記被験体が、上記101〜147のいずれか1つの予測方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる前記薬剤又は化学療法剤による治療に選択される、148〜175のいずれか一項に記載の方法。
177.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、148〜176のいずれか一項に記載の方法。
178.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、177に記載の方法。
179.前記試料は、血清試料である、178に記載の方法。
180.前記方法が、インビトロ又はエクスビボで行われる、1〜179のいずれか一項に記載の方法。
201.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
202.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による継続治療のために、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:148〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
203.前記治療が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転させることができる治療有効量の薬剤を被験体に投与することを含む、201又は202に記載の方法。
204.前記治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、203に記載の方法。
205.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204に記載の方法。
206.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、205に記載の方法。
207.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、206に記載の方法。
208.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、206に記載の方法。
209.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204に記載の方法。
210.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、209に記載の方法。
211.前記治療が、単剤として投与される、203〜210のいずれか一項に記載の方法。
212.前記治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、203〜211のいずれか一項に記載の方法。
213.前記さらなるがん治療は、上記130に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、212に記載の方法。
214.前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である、212に記載の方法。
215.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体である、212に記載の方法。
216.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、214に記載の方法。
301.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、その各々は、前記1又はそれ以上のバイオマーカーがAxl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む診断キット。
302.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための、その各々は前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む試験装置。
303.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、以下の:Axl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLからなる群より選択されからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバー;かつ、前記1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する、1若しくはそれ以上の試薬、又は前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカーによって形成された複合体を検出及び/又は定量化する、1又はそれ以上の試薬;を含む、301又は302に記載の診断キット又は検査装置。
304.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、303に記載の診断キット又は検査装置。
305.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出が、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用によって行われる、303又は304に記載の診断キット又は検査装置。
306.前記キット又は検査装置は、検出用試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む、301〜305のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
307.被験体のがん関連転帰を予測する方法に用いられる、301〜306のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
308.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、307に記載の診断キット又は検査装置。
309.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
310.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
311.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、310に記載の診断キット又は検査装置。
312.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、311に記載の診断キット又は検査装置。
313.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、311に記載の診断キット又は検査装置。
314.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤がAkt3阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
315.前記被験体が、TNBCである、であると疑われる、又はと診断されていた、307〜310のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
316.前記方法は、101〜180のいずれか一項に記載の方法である、307〜315のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
317.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における、Axl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
318.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々が、Axl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、バイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
319.前記検出用試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む、317又は318に記載の使用。
320.被験体におけるがん関連の転帰を予測する方法は、101〜180のいずれか1つに基づく方法である、317又は318に記載の使用。
401.被験体がEMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に感受性があるかを判定するバイオマーカーとしての、Axl、IL−6Rβ、ICAM−1、MIP−1β、ペリオスチン、IL−23、FOLR3、CLU、及び/又はFasLの1又はそれ以上の使用。
402.(i)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示し;又は、(ii)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す;401の使用。
403.(i)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が増えた場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;か、又は、(ii)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が減少した場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;401の使用。
404.前記方法は、101〜180のいずれか一項に記載の方法である、401〜403のいずれか一項に記載の使用。
501.トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:上記101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;を含む、方法。
502.トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:(a)被験体からの試料の採取工程;(b)前記被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤、又は上記101〜180のいずれか一項に記載された方法を用いた化学療法剤による治療に感受性があるかどうかの判定工程;(c)前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量の前記被験体への投与工程;を含む、方法。
503.トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤を、上記101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記治療に感受性であると同定された被験体に投与する工程を含む、方法。
504.トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;及び前記被験体が、上記148〜180のいずれかに記載の方法を用いて、前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程;を含む、方法。
505.前記方法が、前記被験体が前記治療に対して感受性であると同定される場合、EMTを阻害又は逆転しうる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤又は化学療法剤を前記被験体に投与することを含む、504に記載の方法。
506.トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤。
507.トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用。
508.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、501〜507のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
509.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
510.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、509に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
511.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤を含む、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
513.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、512に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
514.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、単剤として投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
515.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
516.上記130に列挙されたさらなるがん治療の中からさらなるがん治療が選択される、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
517.前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
518.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体である、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
519.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
《第6側面:非小細胞肺がん(NSCLC)》
非小細胞肺がん(NSCLC)は、小細胞肺がん(SCLC)以外のあらゆる種類の上皮性肺がんであり、全肺がんの大部分を占める。非小細胞肺がんは予後とマネジメントが類似する、扁平上皮がん、腺がん、大細胞肺がんの3つと、組織学的分類に分類される。腺がんは、肺がんの最も一般的な組織型である。非小細胞肺がんはしばしば、シスプラチン又はカルボプラチンを、ゲムシタビン、パクリタキセル、ドセタキセル、エトポシド又はビノレルビンと併用して治療される。NSCLCに対する標的療法が依然として必要である(非特許文献8〜9)。
従って、NSCLCである被験体である被験体におけるがん関連転帰を予測する安定したバイオマーカー、例えば、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性、を予測する安定したバイオマーカーは、特定の薬剤/計画による治療に反応するか又は利益を受ける見込みが最も高い被験体を同定するのに有用であろう。
本明細書で記載される「応答性」被験体とは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤、又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが高い、又は反応する(又は治療から利益を受ける)被験体である。
これに対応する、本明細書で記載される「非応答性」被験体は、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤、又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが低い(又は反応しない)被験体である。
本明細書中で用いられる「治療に反応する」又は「治療から利益を得る」とは、治療からの全体的な臨床的利益を経験することをいう。この全体的な臨床的利益とは、生存期間の延長、疾患の部分寛解又は完全寛解、疾患の進行の遅延又は非進行、腫瘍の縮小(例えば、腫瘍体積の5、10、20、30、40%又はそれ以上の減少)、腫瘍体積の減少(例えば、腫瘍体積の5、10、20、30、40%又はそれ以上の減少)、腫瘍増大の遅延又は非増大、腫瘍体積増加の遅延又は非進行、生活の質の改善、無増悪生存、全体生存、又はその他の正の患者転帰;のいずれかである。腫瘍体積を決定する適当な方法は、当業者に周知であり、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)又は磁気共鳴画像(MRI)画像技術;X線画像、例えば、マンモグラフィ;超音波画像;核画像、例えば、陽電子放出断層撮影(PET)、PET/CTスキャン、骨スキャン、ガリウムスキャン、又はメタヨードベンジルグアニジン(MIBG)スキャン;生物発光画像(BLI);蛍光画像(FLI);BD ToF(赤外線系3D飛行時間カメラ画像技術である。
〔バイオマーカー〕
本明細書における用語「マーカー」又は「バイオマーカー」は、被験体又は前記被験体に由来する試料における発現が、がんにおいて、例えば上方又は下方調節されて改変又は変調される遺伝子又はタンパク質を示すのに用いられる。当該バイオマーカーがタンパク質である場合、発現の変調又は改変は、異なる翻訳後修飾を介する変調を包含する。
本開示の当該側面のいかなる態様でも、本明細書に記載されるバイオマーカーは、以下の:
Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
βアミロイド1−40(AB−40)バイオマーカーは、UniProt受託番号:P05067−1、P05067−2、P05067−3、P05067−4、P05067−5、P05067−6、P05067−7、P05067−8、P05067−9、P05067−10、又はP05067−11(登録版271)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
アグレカンコアタンパク質(アグレカン)バイオマーカーは、UniProt受託番号P16112−1、P16112−2、又はP16112−3(登録版197)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
フェリチン(FRTN)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02794(登録版213)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
進行性グリコシル化最終生成物の受容体(RAGE)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q15109−1、Q15109−2、Q15109−3、Q15109−4、Q15109−5、Q15109−6、Q15109−7、Q15109−8、Q15109−9、Q15109−10(登録版189)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
神経細胞接着分子(Nr−CAM)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q92823−1、Q92823−2、Q92823−3、Q92823−4、Q92823−5、又はQ92823−6(登録版172)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
スクレロスチンバイオマーカーは、UniProt受託番号Q9BQB4−1又はQ9BQB4−2(登録版145)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前立腺特異的抗原フリー(PSA−f)バイオマーカーは、P07288−1、P07288−2、P07288−3、P07288−4、又はP07288−5(登録版197)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
上皮成長因子受容体(EGFR)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q504U8(登録版138)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
神経線維重鎖ポリペプチド(NF−H)バイオマーカーは、UniProt受託番号P12036−1又はP12036−2(登録版177)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ドーパミンβ−ヒドロキシラーゼ(DBH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P09172(登録版194)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
フィブリン−1C(Fib−1C)バイオマーカーは、UniProt受託番号P23142−1、P23142−2、P23142−3、又はP23142−4(登録版217)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ミオグロビンバイオマーカーは、UniProt受託番号P02144(登録版178)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00749−1又はP00749−2(登録版230)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
内臓脂肪組織由来セルピンA12(Vaspin)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q8IW75(登録版122)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
インターロイキン−23(IL−23)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q9NPF7(登録版133)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
α−2−マクログロブリン(A2Macro)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01023(登録版206)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
メタロプロテイナーゼ2の組織阻害剤(TIMP−2)バイオマーカーは、UniProt受託番号P16035(登録版187)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00338−1、P00338−2、P00338−3、P00338−4、又はP00338−5(登録版224)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;及び/又は
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07195−1(登録版218)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;と特定されうる。
本開示の当該側面のいかなる態様でも、本明細書に記載されるバイオマーカーは、以下の:
Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
甲状腺刺激ホルモン(TSH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01222−1又はP01222−2(登録版161)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
テトラネクチンバイオマーカーは、UniProt受託番号P05452(登録版177)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
骨髄前駆細胞抑制因子1(MPIF−1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P55773−1又はP55773−2(登録版162)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
膵臓ポリペプチド(PPP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01298−1若しくはP01298−2(登録版175)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
内臓脂肪組織由来セルピンA12(Vaspin)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q8IW75(登録版122)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
インターロイキン−7(IL−7)バイオマーカーは、UniProt受託番号P13232−1、P13232−2、又はP13232−3(登録版170)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
肺及び活性化調節ケモカイン(PARC)バイオマーカーは、UniProt受託番号P55774(登録版152)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
がん抗原15−3(CA−15−3)バイオマーカーは、UniProt受託番号P15941−1、P15941−2、P15941−3、P15941−4、P15941−5、P15941−6、P15941−7、P15941−8、P15941−9、P15941−10、P15941−11、P15941−12、P15941−13、P15941−14、P15941−15、P15941−16、又はP15941−17(登録版204)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00338−1、P00338−2、P00338−3、P00338−4、又はP00338−5(登録版224)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;及び/又は
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07195−1(登録版218)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;と特定されうる。
本開示の当該側面のいかなる態様でも、本明細書に記載されるバイオマーカーは、以下の:
Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ペプシノーゲンI(PGI)バイオマーカーは、UniProt受託番号P0DJD8(登録版50)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
アポリポタンパク質E(ApoE)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02649(登録版230)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
アポリポタンパク質C−I(ApoC−I)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02654(登録版175)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
マクロファージ刺激タンパク質(MSP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P26927(登録版179)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
C−Cモチーフケモカイン15(CCL15)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q16663(登録版161)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
プログラニュリンバイオマーカーは、UniProt受託番号P28799−1、P28799−2、又はP28799−3(登録版197)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
がん胎児性抗原関連細胞接着分子1(CEACAM1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P13688−1、P13688−2、P13688−3、P13688−4、P13688−5、P13688−6、P13688−7、P13688−8、P13688−9、P13688−10、又はP13688−11(登録版197)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ビタミンD結合タンパク質(VDBP)バイオマーカーバイオマーカーは、UniProt受託番号P02774−1、P02774−2、又はP02774−3(登録版201)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
炭酸脱水酵素9(CA−9)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q16790(登録版171)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00338−1、P00338−2、P00338−3、P00338−4、又はP00338−5(登録版224)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;及び/又は
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07195−1(登録版218)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;と特定されうる。
本明細書に記載されるバイオマーカーはまた、上記アミノ酸配列のいずれかをコードする全長核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)として特定され得る。
同一性FASTA及びFASTP(Pearson&Lipman,1988.Methods in Enzymology 183:63-98を参照)を用いた配列比較を用いて特定しうる。パラメータは、以下の:Gapopen(ギャップの最初の残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−12/DNAに対する−16;Gapext(ギャップの追加残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−2/DNAに対する−4;KTUPワード長:タンパク質に対する2/DNAに対する6の、デフォルトのマトリクスを用いて設定するのが好ましい。
〔治療前予測のバイオマーカー及び方法〕
発明者らは、臨床試験BGBC008(NCT03184571)、BGBIL005(NCT02922777)、及びBGBC004(NCT02424617)から得られた患者データを解析して、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、NSCLCである被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した(実施例4、5、6、及び7参照)。同様に、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価すれば、被験体が、当該薬剤による治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうる。
従って、本側面の第1態様では、本開示は、非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はNSCLCと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、前記被験体における又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、βアミロイド1−40(AB−40)、アグレカンコアタンパク質(アグレカン)、フェリチン(FRTN)、進行性グリコシル化最終産物の受容体(RAGE)、神経細胞接着分子(Nr−CAM)、スクレロスチン、前立腺特異的抗原、フリー(PSA−f)、上皮成長因子受容体(EGFR)神経線維重鎖ポリペプチド(NF−H)、ドーパミンβ−ヒドロキシラーゼ(DBH)、フィブリン−1C(Fib−1C)、ミオグロビン、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、内臓脂肪組織由来セルピンA12(Vaspin)、インターロイキン−23(IL−23)、α−2−マクログロブリン(A2Macro)、メタロプロテイナーゼ2の組織阻害剤(TIMP−2)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、テトラネクチン、骨髄前駆細胞抑制因子1(MPIF−1)、膵臓ポリペプチド(PPP)、インターロイキン−7(IL−7)、肺及び活性化調節ケモカイン(PARC)、がん抗原15−3(CA−15−3)、ペプシノーゲンI(PGI)、アポリポタンパク質E(ApoE)、アポリポタンパク質C−I(ApoC−I)、マクロファージ刺激タンパク質(MSP)、C−Cモチーフケモカイン15(CCL15)、プログラニュリン、がん胎児性抗原関連細胞接着分子1(CEACAM1)、ビタミンD結合タンパク質(VDBP)、炭酸脱水酵素9(CA−9)、及び/又は乳酸脱水素酵素(LDH)からなる群より選択される。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、βアミロイド1−40(AB−40)、アグレカンコアタンパク質(アグレカン)、フェリチン(FRTN)、進行性グリコシル化最終産物の受容体(RAGE)、神経細胞接着分子(Nr−CAM)、スクレロスチン、前立腺特異的抗原、フリー(PSA−f)、上皮成長因子受容体(EGFR)、神経線維重鎖ポリペプチド(NF−H)、ドーパミンβ−ヒドロキシラーゼ(DBH)、フィブリン−1C(Fib−1C)、ミオグロビン、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、内臓脂肪組織由来セルピンA12(Vaspin)、インターロイキン−23(IL−23)、α−2−マクログロブリン(A2Macro)、メタロプロテイナーゼ2の組織阻害剤(TIMP−2)、及び/又は乳酸脱水素酵素(LDH)からなる群より選択される。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、βアミロイド1−40(AB−40)、アグレカンコアタンパク質(アグレカン)、フェリチン(FRTN)、進行性グリコシル化最終産物の受容体(RAGE)、神経細胞接着分子(Nr−CAM)、スクレロスチン、前立腺特異的抗原、フリー(PSA−f)、上皮成長因子受容体(EGFR)、神経線維重鎖ポリペプチド(NF−H)、ドーパミンβ−ヒドロキシラーゼ(DBH)、フィブリン−1C(Fib−1C)、ミオグロビン、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、内臓脂肪組織由来セルピンA12(Vaspin)、インターロイキン−23(IL−23)、α−2−マクログロブリン(A2Macro)、及び/又はメタロプロテイナーゼ2の組織阻害剤(TIMP−2)からなる群より選択される。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、テトラネクチン、骨髄前駆細胞抑制因子1(MPIF−1)、膵臓ポリペプチド(PPP)、内臓脂肪組織由来セルピンA12(Vaspin)、インターロイキン−7(IL−7)、肺及び活性化調節ケモカイン(PARC)、がん抗原15−3(CA−15−3)、及び/又は乳酸脱水素酵素(LDH)からなる群より選択される。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、テトラネクチン、骨髄前駆細胞抑制因子1(MPIF−1)、膵臓ポリペプチド(PPP)、内臓脂肪組織由来セルピンA12(Vaspin)、インターロイキン−7(IL−7)、肺及び活性化調節ケモカイン(PARC)、及び/又はがん抗原15−3(CA−15−3)からなる群より選択される。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、ペプシノーゲンI(PGI)、アポリポタンパク質E(ApoE)、アポリポタンパク質C−I(ApoC−I)、マクロファージ刺激タンパク質(MSP)、C−Cモチーフケモカイン15(CCL15)、プログラニュリン、がん胎児性抗原関連細胞接着分子1(CEACAM1)、ビタミンD結合タンパク質(VDBP)、炭酸脱水酵素9(CA−9)、及び/又は乳酸脱水素酵素(LDH)からなる群より選択される。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、ペプシノーゲンI(PGI)、アポリポタンパク質E(ApoE)、アポリポタンパク質C−I(ApoC−I)、マクロファージ刺激タンパク質(MSP)、C−Cモチーフケモカイン15(CCL15)、プログラニュリン、がん胎児性抗原関連細胞接着分子1(CEACAM1)、ビタミンD結合タンパク質(VDBP)、及び/又は炭酸脱水酵素9(CA−9)からなる群より選択される。
本明細書に記載される「がん関連転帰」は、がんと関連する臨床的予測又は予後である。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。
本明細書中で用いる「試料プロファイル」は、被験体又は被験体に由来する試料において決定された各バイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。適当な対照プロファイルは、以下で詳細に説明される。
本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「応答性」被験体の血清よりも高いレベルで存在することが見出された。同様に、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「非応答性」の被験体の血清よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清に存在することが見出された。
この「応答性」と「非応答性」の間の発現レベルの差は、逆の方法で表現しうる。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、被験体の治療前に「非応答性」の被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。同様に、被験体の治療前に、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「非応答性」の被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。
当該異なる発現パターンの発見は、被験体が薬剤での治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することで、当該被験体が、当該薬剤での治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうることを意味する。従って、特に好ましい態様では、当該試料プロファイルは、被験体へのEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の接触又は投与前に得られる。
EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療(又は治療からの利益)に反応する見込みが高い、又は応答する被験体である。すなわち、薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、上記で特定したように、当該薬剤について「応答性」である。「感受性を示す」予測とは、被験体が治療に反応したり、治療から利益を得たりする見込みを示唆又は指摘するものである。
いくつかの態様では、本開示の予測方法は、被験体又は被験体に由来する試料において本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程と、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルに基づいて予測を行う工程を含む。本方法のいくつかの態様では、当該予測は、対照プロファイルと試料プロファイルの比較により行われ、対照プロファイルは、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同じバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
ある実施形態では、対照プロファイルは、NSCLCである対照被験体の集団から得ることができる。ある実施形態では、対照プロファイルは、NSCLCでない対照被験体の集団から得ることができる。他の実施形態では、対照プロファイルは、NSCLCであり、かつ以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤(すなわち、非応答性被験体)による治療に対する感受性の欠如が見いだされた対照被験体又は対照被験体の集団から得ることができる。
ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「平均」値、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、NSCLCである対照被験体又は対照被験体の集団、NSCLCでない対照被験体又はNSCLCである対照被験体又は対照被験体の集団であって、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されたもの(すなわち、非応答性被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、NSCLCであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団から獲得しうる。ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、NSCLCであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団(すなわち、反応被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、試料プロファイルで決定されるのと同じバイオマーカーの既知の量(例えば、「閾値」量)を備えるコントロール試料から獲得しうる。この閾値量は、例えば、上記のように、非応答性又は応答性の被験体から獲得しうる。
当業者であれば、特定のバイオマーカーの適当な「平均」、「閾値」又は値の「標準範囲」を容易に決定しうる。
例えば、「平均」値は、NSCLCである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;及び「平均」値の決定に測定されたバイオマーカー活性、発現、又は量を平均して、決定しうる。
例えば、「平均」値は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中のバイオマーカー活性、発現、又は決定された量の平均による、「平均」値の決定により、決定され得る。
例えば、「閾値」は被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中の最高又は最低のバイオマーカー活性、発現、又は量の「閾値」としての適宜選択により決定され得る。
例えば、値の「標準範囲」は、NSCLCである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価、及びこの評価に基づいて値の「標準範囲」を決定することで、決定しうる。
例えば、値の「標準範囲」は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び当該評価に基づき、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが判明した被験体に対する値の「標準範囲」を決定することで、決定され得る。
対照プロファイルがバイオマーカー発現、活性、又は量の値の所定のプロファイルである場合、これは「ルックアップテーブル」又はデータレコードとして提供され得る。当該所定の対照プロファイルは、複数の対照被験体(例えば、上記の非応答性又は応答性被験体)において決定された各バイオマーカーの中心傾向(平均、中央値又は平均)量の尺度に対応する数値又は数値範囲のプロファイルであり得る。当業者であれば、標準的なタンパク質定量化技術及び適当な統計的ツールを用いて、集団内の中心傾向の尺度及び変動の尺度をともに容易に決定しうる。
従って、いくつかの実施形態では、対照プロファイルは、以下の:NSCLCである対照被験体の集団から得られたもの;NSCLCでない対照被験体の集団から得られたもの;NSCLCであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が以前に見出されている対照被験体の集団から得られたもの(非応答性被験体である);非応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の所定のプロファイル(例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル又は値の「標準範囲」);非応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均値」を備える対照試料から得られたもの;応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「閾値」を備える対照試料から得られたもの;次いで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイルにおける、本明細書中に記載された、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうるもの;である。同様に、対照プロファイルと比較して、本明細書中に記載された試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、及び/又はLDHから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が高い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、及び/又はRAGEから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が低い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、試料プロファイルにおいて、対照プロファイルと比較して:Axlの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、AB−40の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、アグレカンの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、FRTNの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、RAGEの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、Nr−CAMの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、スクレロスチンの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、PSA−fの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、EGFRの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、NF−Hの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、DBHの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、Fib−1Cの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、ミオグロビンの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、uPAの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、Vaspinの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、IL−23の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、A2Macroの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、TIMPの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、LDHの活性、発現、又は量がより高い;場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、CA−15−3、及び/又はLDHから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が高い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、Axl、TSH、及び/又はテトラネクチンから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が低い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、試料プロファイルにおいて、対照プロファイルと比較して:Axlの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、TSHの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、テトラネクチンの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、MPIF−1の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、PPPの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、Vaspinの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、IL−7の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、PARCの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、CA−15−3の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、LDHの活性、発現、又は量がより高い;場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、VDBP、CA−9、及び/又はLDHから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が高い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、及び/又はCEACAM1から選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が低い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、試料プロファイルにおいて、対照プロファイルと比較して:Axlの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、PGIの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、ApoEの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、ApoC−Iの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、MSPの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、CCL15の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、プログラニュリンの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、CEACAM1の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、VDBPの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、CA−9の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、LDHの活性、発現、又は量がより高い;場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、NSCLCである対照被験体又は対照被験体の集団から得られ、かつ、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された場合(すなわち、反応被験体)、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、NSCLCである被験体、及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された被験体)に典型的な「閾値」を上回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、NSCLCである被験体、及び、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された被験体)に典型的な「閾値」を下回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がないことを示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、応答性被験体(すなわち、NSCLCである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、応答性被験体(すなわち、NSCLCである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、非応答性被験体から得られたバイオマーカー発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、非応答性被験体(すなわち、NSCLCであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出された被験体)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、非応答性被験体(すなわち、NSCLCであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されている被験体)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、NSCLCでない対照被験体の集団から得られたものであり、かつ、試料プロファイルの発現、活性又は量が、NSCLCでない被験体に典型的な値の「標準範囲」外である場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性又は量が、NSCLCでない被験体に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。この場合、発現、活性又は量は、所与のバイオマーカーについて正常の上限を上回るか又は正常の下限を下回るかのいずれかである場合に、値の「標準範囲」外にあってよい。正常値の上限及び下限は、NSCLCでない対照被験体集団の所定のバイオマーカーの正常分布の限界である。
1又はそれ以上のバイオマーカーがLDHを含む実施形態では、287ユニット/リットル(U/L)を超えるLDHの発現又は量は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。
当業者であれば、適当な統計的ツール及び適当な対照との比較を用いて、試料プロファイルが、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示すか又は感受性の欠如を示すかを容易に決定しうる。
いくつかの実施形態では、試料プロファイルは、上記のように2又はそれ以上の対照プロファイルと比較され得る。
本明細書中で用いられる場合、用語「1又はそれ以上」とは、本明細書中に記載されるバイオマーカーの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20をいう。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAB−40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはアグレカンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはFRTNである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはNr−CAMである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはスクレロスチンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはPSA−fである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはEGFRである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはNF−Hである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはDBHである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはFib−1Cである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはミオグロビンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはuPAである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはVaspinである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはIL−23である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはA2Macroである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTIMP−2である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはLDHである。ある好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはLDHである。他の好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxl及びLDHである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはTSHである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはテトラネクチンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはMPIF−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはPPPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはVaspinである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはIL−7である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはPARCである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCA−15−3である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはLDHである。ある好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはLDHである。他の好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxl及びLDHである。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはPGIである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはApoEである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはApoC−Iである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはMSPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCCL15である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはプログラニュリンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCEACAM1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはVDBPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCA−9である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはLDHである。ある好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCA−9である。ある好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはLDHである。他の好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxl及びCA−9である。他の好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxl及びLDHである。他の好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCA−9及びLDHである。他の好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxl、CA−9及びLDHである。
いくつかの当該実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、当該バイオマーカーの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、Axl及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、LDH及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、CA−9及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、Axl、LDH及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、Axl、CA−9及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、CA−9、LDH及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、Axl、CA−9、LDH及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、被験体がNSCLCの治療中又は治療コース前に実施される。他の実施形態では、当該予測方法は、NSCLCに対する治療中又は治療コース後に実施される。ある実施形態では、NSCLCの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤である。他の実施形態では、NSCLCの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤ではない化学療法剤による治療である。
本明細書に記載の予測方法のいくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている。ある実施形態では、被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている。
本明細書に記載された予測方法のいくつかの態様では、当該被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている。すなわち、被験体は、予測方法が被験体の感受性を決定する薬剤ではない薬剤で既に治療されている。従って、いくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で予め治療されていない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、以前にAxl阻害剤で治療されていない。他の好ましい態様では、被験体は、Akt3阻害剤で予め治療されていない。
〔バイオマーカーの治療後の変化〕
本開示のこの態様のいくつかの態様では、予測方法は、さらに、被験体又は被験体に由来する試料において、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤を治療又は治療コース後に、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価するその後の工程を含み、本明細書に記載の1又はそれ以上のバイオマーカーの第2試料プロファイルを得る。
すなわち、いくつかの実施形態では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程であって、ここで、当該1又はそれ以上のバイオマーカーは、以下の:
(i) Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、及び/又はLDH;
(ii) Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、及び/又はTIMP−2;
(iii) Axl、TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、CA−15−3、及び/又はLDH;
(iv) Axl、TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、及び/又はCA−15−3;
(v) Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、CA−9及び/又はLDH
(vi) Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、及び/又はCA−9;
からなる群から選択される;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの好ましい態様では、当該方法は、その後、被験体又は被験体に由来する試料中の、Axlの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、第2試料プロファイルにおけるAxlの活性、発現、又は量が増えた場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより感受性が高いことを示す。いくつかの好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療前に、同じ被験体から得られる。
〔治療後予測のバイオマーカー及び方法〕
臨床試験BGBC008(NCT03184571)、BGBIL005(NCT02922777)及びBGBC004(NCT02424617)から得られた患者データを解析することにより、発明者らは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤によるNSCLC患者の治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で上昇するが、「非応答性」の被験体の血清中では上昇しないことを発見した。同様に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で低下するが、「非応答性」の被験体の血清中では低下しない。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療の前後に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価することで、被験体が前記薬剤による治療に感受性又は応答性であることを決定又は確認しうる。
従って、当該側面の第2態様では、本開示は、非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はNSCLCと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触した後に、被験体又は前記被験体に由来する試料における、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本開示のこの態様の好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療する前に、同じ被験体から得られる。ある実施形態では、対照プロファイルは、NSCLCである対照被験体の集団から得られる。他の態様では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」又は値の「標準範囲」のプロファイルである。
従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、対照プロファイルが同一の被験体から得られる態様では、被験体をEMT又はがん治療剤を阻害又は逆転しうる薬剤と接触させた後の、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。当該態様では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともAxlを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイルの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、上記開示の本側面の第1態様による予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために選択された。
〔EMTを阻害又は逆転しうる薬剤〕
本開示は、非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測するための方法を提供する。「がん関連転帰」とは、がんと関連する臨床的予測又は予後である。
本開示の当該NSCLC側面で用いる、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤は、以下の好ましい実施形態以外は、上記のAML側面の記載のように特定される(上記と同項目、第14頁第19行目〜第17頁第2行目参照)。
いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、又はリツキシマブ等のモノクローナル抗体である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、タキサン類のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤である。いくつかの好ましい態様では、さらなるがん治療は、塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ、及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ドセタキセルである。さらに他の特に好ましい態様では、さらなるがん治療はエルロチニブである。
〔バイオマーカーの活性、発現、量の評価〕
本明細書に記載される予測方法のいくつかの態様では、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価は、試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と接触させる工程;及び検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程を含む。
いくつかの実施形態では、LDHの活性を評価する工程を含み、LDHの活性評価は、被験体又は被験体に由来する試料におけるLDHの酵素活性の測定工程を含む。好ましくは、当該酵素活性は、被験体又は被験体に由来する試料中のLDHにより触媒される酵素反応の基質又は生成物のレベル又は量を測定して評価される。特に好ましい実施形態では、当該酵素活性は、被験体又は被験体由来の試料中の還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)のレベル又は量の測定により評価される。ある実施形態では、これは、比色アッセイ、例えば、Sigma-Aldrich製カタログ番号MAK066の比色アッセイを用いて測定しうる。LDH活性評価の他の適当なアッセイは、当業者に周知である。特に好ましい態様では、LDH活性は、血液又は血清中のLDHの酵素活性の測定により評価される。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量の評価は、被験体又は被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定を含む。好ましくは、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、タンパク質発現のレベルの測定により、評価される。特に好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、血清中のタンパク質発現のレベルの測定により、評価される。
用語「発現」とは、対応するmRNAを生成する遺伝子のDNA鋳型の転写、及び対応する遺伝子産物(すなわち、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質)を生成する当該mRNAの翻訳、並びに翻訳後修飾がされたかもしれない1又はそれ以上の形態のタンパク質の「発現」を意味する。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定工程は、試料又は試料由来の抽出物を、各々がそれぞれのバイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーと接触させる工程と、当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出及び/又は定量の工程とを含む。ある態様では、特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
タンパク質及びmRNA発現レベルを決定する一連の適当な技術、例えばマイクロアレイ分析、ウェスタンブロット法、及びQPCR等のPCR技術は、当該分野で周知である。いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量の決定は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用を含み得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される。その場合、各バイオマーカータンパク質又はmRNAは、試料中で定量され得、当該量は、試料の尺度、例えば、試料の容積、質量、又は総タンパク質量として表され得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、ここで、当該相対量は、試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定される。このように、バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量を決定することで、正規化が可能となり、例えば、総タンパク質濃度の差異を考慮して、試料間のバイアスを除去しうる。
好ましくは、参照タンパク質又はmRNAは、その発現又は量が、がんである、特にNSCLCである被験体とがんでない被験体との間で有意に変化しない。すなわち、参照タンパク質又はmRNAは、好ましくは、その発現又は量がNSCLCによって変化しない。従って、参照タンパク質又はmRNAは、本明細書に記載されるバイオマーカーの1つではない1又はそれ以上のタンパク質又はmRNAを含み得る。当該1又はそれ以上のバイオマーカーの発現量又は量を相対量として表す場合、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量を、試料中の参照タンパク質又はmRNAの絶対量で除算しうる。
〔RNAレベルでのバイオマーカー発現の評価〕
遺伝子発現はRNAレベルで検出しうる。RNAは、例えば、酸性フェノール/グアニジンイソチオシアネート抽出(RNAzol B;Biogenesis)、RNeasyRNA調製キット(Qiagen)又はPAXgene(PreAnalytix、スイス)を用いることを含むRNA抽出技術を用いて細胞から抽出され得る。リボ核酸ハイブリダイゼーションを利用する通常の分析フォーマットとしては、核ランオンアッセイ、RT−PCR、RNase保護アッセイ(Melton et al., Nuc. Acids Res. 12:7035)、ノーザンブロット法及びInSituハイブリダイゼーションがあげられる。遺伝子発現はまた、以下に記載するマイクロアレイ分析によって検出され得る。
〔タンパク質レベルでのバイオマーカー発現の評価〕
好ましくは、バイオマーカーレベルは、タンパク質発現の測定により評価される。改変された遺伝子又はタンパク質の発現は、遺伝子によりコードされるポリペプチドの測定によっても検出しうる。これは、バイオマーカー遺伝子によりコードされるポリペプチドに結合する分子を用いることにより達成され得る。タンパク質の存在の検出のためにポリペプチドに直接的又は間接的に結合する適当な分子/剤は、天然に存在する分子、例えば、ペプチド及びタンパク質、例えば、抗体を含むか、又はそれらは合成分子であってよい。
抗体は、市販の供給源から、又は当業者に周知の技術を介して獲得しうる。一の実施形態では、改変された発現が、タンパク質バイオマーカーの翻訳後改変された形態の改変の発現を介して現れる場合、当該異なる形態に特異的な抗体が用いられ得る。本開示の目的のため、「抗体」という用語は、別段の規定がない限り、標的抗原に対するそれらの結合活性を保持する全抗体又は全抗体の断片を含む。当該断片としては、Fv、F(ab')及びF(ab')2断片、並びに単鎖抗体(scFv)があげられる。さらに、抗体及びその断片は、例えば、欧州特許公開第239400号に記載されているヒト化抗体であり得る。例えば、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体、組換え抗体、抗体のタンパク質分解断片及び組換え断片(Fab、Fv、scFv、ジアボディ)、単一ドメイン抗体(VHH、sdAb、ナノボディ、IgNAR、VNAR)、及び抗体様特異的結合を有するように操作された、抗体とは無関係のタンパク質である。抗体は、固体支持体に結合され、及び/又は適当な試薬、対照、指示書等と共に適当な容器中のキットにパッケージされ得る。
〔アレイ〕
アレイ技術及びそれに関連する様々な技術及び適用は、当技術分野で周知である。アレイ技術は一般に「1の実験で1の遺伝子」に基づいて機能し、その結果、スループットが低下し、遺伝子機能の「全体像」が理解できないという、分子生物学における従来の方法の欠点を克服する。本開示の産物及び方法の文脈では、アレイ技術は、例えば、バイオマーカータンパク質又はmRNAの発現の分析で用いられうる。
一般に、いかなるライブラリ又は試料群は、ライブラリ又は群のメンバーを空間的に分離して、アレイに秩序正しく配列しうる。アレイ化に適したライブラリの例としては、核酸ライブラリ(DNA、cDNA、オリゴヌクレオチド等のライブラリを含む)、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質ライブラリ、並びにリガンドライブラリ等のいかなる分子をも含むライブラリが挙げられる。従って、本明細書で「ライブラリ」を参照する場合は、文脈上別段の指示がない限り、当該参照は、アレイの形態のライブラリを参照することを含むものと解釈されるべきである。
タンパク質、ポリペプチド等もまた、アレイで固定化しうる。例えば、抗体は、タンパク質チップ(Borrebaeck CA, 2000, Immunol Today 21(8):379−82)を用いたプロテオームのマイクロアレイ分析に用いられる。ポリペプチドアレイは、例えば、MacBeath and Schreiber, 2000, Science, 289(5485):1760−1763に概説がある。
〔試料〕
適当な試料としては、組織生検、血液、尿、頬側擦過物等の組織試料、並びに血清、血漿、又は組織培養上清試料が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中のタンパク質発現のレベルの測定により評価される。いくつかの好ましい態様では、試料は、血液、血清又は血漿試料である。いくつかの特に好ましい態様では、試料は血清試料である。
被験体由来の血清又は血漿試料中の1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量を評価する場合、試料を除去し、フローサイトメトリー、マスサイトメトリー(CyTOF)、ELISA、PET、及びSELDI−TOF MS等の分析技術に供する。いくつかの実施形態では、当該方法は、当該試料からRNAを抽出し、QPCRによる遺伝子発現の検出を含みうる。いくつかの他の実施形態では、遺伝子発現は、例えばウェスタンブロットでタンパク質産物を検出することで検出しうる。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現レベルは、1又はそれ以上のバイオマーカーをコードする遺伝子のコピー数の決定により評価される。コピー数(すなわち、遺伝子重複事象)は、例えば、Jiangら(Jiang Q, Ho YY, Hao L, Nichols Berrios C, Chakravarti A. Copy number variants in candidate genes are genetic modifiers of Hirschsprung disease. PLoS One. 2011;6(6))に記載されるDNAチップを用いて、当該技術分野で公知の標準技術を用いて決定しうる。
本明細書に記載される予測方法のいくつかの好ましい実施形態では、当該方法はインビトロ又はエクスビボで行われる。
〔治療被験体の選択方法〕
本開示のこの側面の第3態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のため、非小細胞肺がん(NSCLC)である、その疑いがある、又はNSCLCと診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、上記本明細書の本側面の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体の同定工程;及び、当該同定された被験体の治療のための選択工程を含む。
ある実施形態では、この態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療を継続するために、非小細胞肺がん(NSCLC)である、その疑いがある、又はNSCLCと診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、本開示のこの側面の上記第2態様により特定された予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定し、かつ、当該同定された被験体の治療のための選択を含む。
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、治療は、本明細書に記載される、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤の被験体への投与を含む。従って、ある実施形態では、治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。
いくつかの好ましい実施形態では、治療は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、又はリツキシマブ等のモノクローナル抗体である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、タキサン類のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤である。いくつかの好ましい態様では、さらなるがん治療は、塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ、及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ドセタキセルである。さらに他の特に好ましい態様では、さらなるがん治療はエルロチニブである。
〔キット〕
本開示の本側面の第4態様は、診断キット及び試験装置に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は以上の試薬を含む診断キットを提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、CA−9、及び/又はLDHからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、及び/又はCA−9からなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
他の実施形態では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は以上の試薬を含む診断装置を提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、CA−9、及び/又はLDHからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、及び/又はCA−9からなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は本明細書に記載されたバイオマーカーの1つに選択的に結合する;かつ、当該1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する1又はそれ以上の試薬、又は当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカーにより形成された複合体の検出及び/又は定量化のための、1又はそれ以上の試薬を含む。いくつかの実施形態では、各特異的結合メンバーは、Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、CA−9、及び/又はLDHからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。いくつかの実施形態では、各特異的結合メンバーは、Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、及び/又はCA−9からなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、検出用試薬又は特異的結合メンバーは、以下の:
(i) Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、及び/又はLDH;
(ii) Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、及び/又はTIMP−2;
(iii) Axl、TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、CA−15−3、及び/又はLDH;
(iv) Axl、TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、及び/又はCA−15−3;
(v) Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、CA−9及び/又はLDH
(vi) Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、及び/又はCA−9;
の群から選択されるバイオマーカーに選択的である。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、Axlに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:
(i) Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、及び/又はLDH;
(ii) Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、及び/又はTIMP−2;
(iii) Axl、TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、CA−15−3、及び/又はLDH;
(iv) Axl、TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、及び/又はCA−15−3;
(v) Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、CA−9及び/又はLDH
(vi) Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、及び/又はCA−9;
からなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、LDHに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:
(i) Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、及び/又はTIMP−2;
(ii) Axl、TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、及び/又はCA−15−3;又は、
(iii) Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、及び/又はCA−9;
からなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、Axlに選択的に結合する特異的結合メンバー、LDHに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:
(i) AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro及び/又はTIMP−2;
(ii) TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、及び/又はCA−15−3;又は、
(iii) PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、及び/又はCA−9;
からなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、CA−9に選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、及び/又はLDHからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、CA−9に選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、及び/又はVDBPからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、Axlに選択的に結合する特異的結合メンバー、CA−9に選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、及び/又はLDHからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、Axlに選択的に結合する特異的結合メンバー、CA−9に選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、及び/又はVDBPからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、CA−9に選択的に結合する特異的結合メンバー、LDHに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、Progranulin、CEACAM1、及び/又はVDBPからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、Axlに選択的に結合する特異的結合メンバー、CA−9に選択的に結合する特異的結合メンバー、LDHに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、及び/又はVDBPからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、診断キット又は試験装置は、基板上にアレイの形態で提供されるか、又はビーズ又はマイクロスフェア等の複数の粒子に結合された、複数の前記特異的結合メンバーを含む。当該粒子は、検出可能な標識でコードしうる。ある実施形態では、当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含む。
当該特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出する診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ、から選択される技術を用いて行われる。
当該診断キット又は検査装置のいくつかの実施形態では、キット又は検査装置は、検出用の試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む。当該診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、当該キット又は試験装置は、15、20、25、30、40、又は50以下の特異的結合メンバーを含む。
本開示はまた、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における当該診断キット及び試験装置の使用を提供する。好ましい実施形態では、がん関連転帰は、本明細書に記載される、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
ある実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、若しくはPHGDH阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
当該予測方法に用いられる診断キット又はテスト装置のいくつかの実施形態では、被験体は、NSCLCであり、であると疑われる、又は、と診断されている。
いくつかの実施形態では、本方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定され得る。
本開示の本側面の第5態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法においてAxl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、CA−9、及び/又はLDHからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための試薬の使用に関する。
本開示の本側面の第6態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々がAxl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、Progranulin、CEACAM1、VDBP、CA−9、及び/又はLDHからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、バイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上試薬の使用に関する。ある実施形態では、検出用の当該試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む。当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
ある実施形態では、検出用の当該試薬又は特異的結合メンバーは、以下の:
(i) Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、及び/又はLDH;
(ii) Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、及び/又はTIMP−2;
(iii) Axl、TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、CA−15−3、及び/又はLDH;
(iv) Axl、TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、及び/又はCA−15−3;
(v) Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、CA−9及び/又はLDH
(vi) Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、及び/又はCA−9;
からなるp群から選択されうる。
いくつかの実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される通りであり得る。
〔使用〕
本開示の本側面の第7態様は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとしての、Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、CA−9、及び/又はLDHの1又はそれ以上の使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、Axl、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のAb−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、CA−9、及び/又はLDHの使用に関する。ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、LDH、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のAxl、AB−40、Aggrecan、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEAM1、VDBP、及び/又はCA−9の使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、Axl、LDH、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のAB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEAM1、VDBP、及び/又はCA−9の使用に関する。
ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、以下の:
(i) Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、及び/又はLDH;
(ii) Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、及び/又はTIMP−2;
(iii) Axl、TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、CA−15−3、及び/又はLDH;
(iv) Axl、TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、及び/又はCA−15−3;
(v) Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、CA−9及び/又はLDH
(vi) Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、及び/又はCA−9;
からなる群から選択されうる。
いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axlである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CA−9である。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、LDHである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl及びCA−9である。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl及びLDHである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CA−9及びLDHである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、CA−9、及びLDHである。
他の好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、及び、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の本明細書に記載されるさらなるバイオマーカーである。他の好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CA−9及び、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の本明細書に記載されるさらなるバイオマーカーである。他の好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、LDH及び、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の本明細書に記載されるさらなるバイオマーカーである。他の好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、CA−9及び、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の本明細書に記載されるさらなるバイオマーカーである。他の好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、LDH及び、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の本明細書に記載されるさらなるバイオマーカーである。他の好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CA−9、LDH及び、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の本明細書に記載されるさらなるバイオマーカーである。他の好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、CA−9、LDHであり、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の本明細書に記載されるさらなるバイオマーカーである。
いくつかの態様では、当該使用は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される方法におけるバイオマーカーとしての使用である。
〔被験体の治療方法〕
本開示の本側面の第8態様は、非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はと診断された、被験体の治療方法に関する。ある実施形態では、本方法は、開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、治療用被験体を同定する工程;及びEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療的有効量を前記被験体に投与する工程を含む。
すなわち、いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:(a)当該被験体から試料を得る工程;(b)本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に前記被験体が、感受性があるかどうかを判定する工程;(c)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;を含む。
ある実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、当該治療に感受性であると同定された被験体に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を投与する工程を含む。
他の実施形態では、当該方法は、以下の:(a)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び(b)本開示の第2側面の上記第2側面に従って定義された予測方法を用いて、前記被験体が前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程を含む。ある実施形態では、本方法はさらに、(c)前記被験体が前記治療に感受性であると同定される場合、EMTを阻害若しくは逆転させることができる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤を、前記被験体に投与することを含む。
本開示の本側面の第9態様は、非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
本開示の本側面の第10態様は、非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。いくつかの好ましい態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025である。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該治療は単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。
いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、又はリツキシマブ等のモノクローナル抗体である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、タキサン類のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤である。いくつかの好ましい態様では、さらなるがん治療は、塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ、及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ドセタキセルである。さらに他の特に好ましい態様では、さらなるがん治療はエルロチニブである。
〔開示に関する記載〕
以下の番号つきの記載は、本開示の本側面に関し、記載の部分を構成する:
101.被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む、前記被験体におけるがん関連転帰を予測する方法であって;
ここで、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、CA−9、及び/又はLDHからなる群より選択され;かつ、
ここで、前記被験体が、非小細胞肺がん(NSCLC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、方法。
102.以下の:
前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、
前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測をする工程;を含む、101に記載の方法。
103.前記予測は、前記試料プロファイルを制御プロファイルと比較して行われる、102に記載の方法。
104.前記試料プロファイルが、前記被験体が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤との接触、又は、投与前に得られる、103に記載の方法。
105.前記対照プロファイルは、以下の:
(i)NSCLCである対照被験体集団から得られた;又は
(ii)NSCLCであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)から得られた;
(iii)バイオマーカーの発現、活性又は量の値の所定のプロファイルであって、例えば、NSCLCであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非反応被験体)から得られた、例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル、又は値の「標準範囲」;
(iv)NSCLCであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均」値である対照試料由来であり、
(v)NSCLCであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)から得られた、バイオマーカー発現、活性、又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、
(vi)NSCLCであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「閾値」である対照試料由来である、である、104に記載の方法。
106.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
107.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
108.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、VDBP、CA−9、及び/又はLDHのうちの少なくとも1つを含み、ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜107のいずれか一項に記載の方法。
109.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、TSH、テトラネクチン、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、及び/又はLDH、のうちの少なくとも1つを含み、
対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜108のうちのいずれか一項に記載の方法。
110.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、以下の:
(i) Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、及び/又はLDH;
(ii) Axl、TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、CA−15−3、及び/又はLDH;又は、
(iii) Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、CA−9及び/又はLDH;から選択される群を含む、101〜109のいずれか一項に記載の方法。
111.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、及び/又はCA−9、及び/又はLDH、を含み、場合によっては、
(a)前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の以下の:
(i) AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、及び/又はLDH;
(ii) TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、CA−15−3、及び/又はLDH;又は
(iii) PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、CA−9、及び/又はLDH;
から選択されるバイオマーカーを含み;
(b)前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、CA−9、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の以下の:PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、及び/又はVDBPから選択されるバイオマーカーを含み;又は、
(c)前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、CA−9、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の以下の:PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、及び/又はVDBPから選択される、バイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
112.以下の:
前記Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記βアミロイド1−40(AB−40)バイオマーカーは、UniProt受託番号P05067−1、P05067−2、P05067−3、P05067−4、P05067−5、P05067−6、P05067−7、P05067−8、P05067−9、P05067−10、又はP05067−11(登録版271)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記アグレカンコアタンパク質(アグレカン)バイオマーカーは、UniProt受託番号P16112−1、P16112−2、又はP16112−3(登録版197)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記フェリチン(FRTN)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02794(登録版213)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記進行性グリコシル化最終生成物の受容体(RAGE)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q15109−1、Q15109−2、Q15109−3、Q15109−4、Q15109−5、Q15109−6、Q15109−7、Q15109−8、Q15109−9、Q15109−10(登録版189)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記神経細胞接着分子(Nr−CAM)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q92823−1、Q92823−2、Q92823−3、Q92823−4、Q92823−5、又はQ92823−6(登録版172)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記スクレロスチンバイオマーカーは、UniProt受託番号Q9BQB4−1若しくはQ9BQB4−2(登録版145)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記前立腺特異的抗原フリー(PSA−f)バイオマーカーは、P07288−1、P07288−2、P07288−3、P07288−4、又はP07288−5(登録版197)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記上皮成長因子受容体(EGFR)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q504U8(登録版138)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記神経線維重鎖ポリペプチド(NF−H)バイオマーカーは、UniProt受託番号P12036−1又はP12036−2(登録版177)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記ドーパミンβ−ヒドロキシラーゼ(DBH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P09172(登録版194)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記フィブリン−1C(Fib−1C)バイオマーカーは、UniProt受託番号P23142−1、P23142−2、P23142−3、又はP23142−4(登録版217)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記ミオグロビンバイオマーカーは、UniProt受託番号P02144(登録版178)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00749−1又はP00749−2(登録版230)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記内臓脂肪組織由来セルピンA12(Vaspin)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q8IW75(登録版122)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記インターロイキン−23(IL−23)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q9NPF7(登録版133)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記α−2−マクログロブリン(A2Macro)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01023(登録版206)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記メタロプロテイナーゼ2の組織阻害剤(TIMP−2)バイオマーカーは、UniProt受託番号P16035(登録版187)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記甲状腺刺激ホルモン(TSH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01222−1又はP01222−2(登録版161)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記テトラネクチンバイオマーカーは、UniProt受託番号P05452(登録版177)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記骨髄前駆細胞抑制因子1(MPIF−1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P55773−1又はP55773−2(登録版162)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記膵臓ポリペプチド(PPP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P01298−1若しくはP01298−2(登録版175)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記インターロイキン−7(IL−7)バイオマーカーは、UniProt受託番号P13232−1、P13232−2、又はP13232−3(登録版170)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記肺及び活性化調節ケモカイン(PARC)バイオマーカーは、UniProt受託番号P55774(登録版152)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記がん抗原15−3(CA−15−3)バイオマーカーは、UniProt受託番号P15941−1、P15941−2、P15941−3、P15941−4、P15941−5、P15941−6、P15941−7、P15941−8、P15941−9、P15941−10、P15941−11、P15941−12、P15941−13、P15941−14、P15941−15、P15941−16、又はP15941−17(登録版204)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記ペプシノーゲンI(PGI)バイオマーカーは、UniProt受託番号P0DJD8(登録版50)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記アポリポタンパク質E(ApoE)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02649(登録版230)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記アポリポタンパク質C−I(ApoC−I)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02654(登録版175)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記マクロファージ刺激タンパク質(MSP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P26927(登録版179)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記C−Cモチーフケモカイン15(CCL15)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q16663(登録版161)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記プログラニュリンバイオマーカーは、UniProt受託番号P28799−1、P28799−2、又はP28799−3(登録版197)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記がん胎児性抗原関連細胞接着分子1(CEACAM1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P13688−1、P13688−2、P13688−3、P13688−4、P13688−5、P13688−6、P13688−7、P13688−8、P13688−9、P13688−10、又はP13688−11(登録版197)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記ビタミンD結合タンパク質(VDBP)バイオマーカーバイオマーカーは、UniProt受託番号P02774−1、P02774−2、又はP02774−3(登録版201)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00338−1、P00338−2、P00338−3、P00338−4、又はP00338−5(登録版224)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;及び/又は、
前記乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07195−1(登録版218)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
又は、前記アミノ酸配列をコードする全長の核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)である、101〜111のいずれか一項に記載の方法。
113.前記方法が、前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の前記バイオマーカーの量を測定することを含む、101〜112のいずれか一項に記載の方法。
114.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、
検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、104〜113のいずれか一項に記載の方法。
115.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、
前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、114に記載の方法。
116.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、115に記載の方法。
117.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ選択される技術を用いて行われる、115又は116に記載の方法。
118.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、115〜117のいずれか一項に記載の方法。
119.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はNSCLCによって変化しない、115〜117のいずれか一項に記載の方法。
120.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、101〜119のいずれか一項に記載の方法。
121.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、120に記載の方法。
122.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、121に記載の方法。
123.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、122に記載の方法。
124.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、123に記載の方法。
125.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、123に記載の方法。
126.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、121記載の方法。
127.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、126に記載の方法。
128.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、120〜127のいずれか一項に記載の方法。
129.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、120〜127のいずれか一項に記載の方法。
130.前記さらなるがん治療は、以下の:
(i)ブスルファン等のアルキルスルホン酸塩を含むアルキル化剤;
(ii)クロラムブシル、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン及びウラムスチン等のナイトロジェンマスタード;
(iii)チオテパ等のエチレンイミン誘導体;
(iv)カルムスチン、ロムスチン及びストレプトゾシン等のニトロソウレア;
(v)ダカルバジン、プロカルバジン、及びテモゾラミド等のトリアゼン;
(vi)シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチンオンナプラチン、テトラプラチン、スプロプラチン、イプロプラチン、クロロ(ジエチレンジアミノ)−白金(II)塩化物、ジクロロ(エチレンジアミノ)−白金(II)、ジアミノ(2−エチルマロナト)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナトプラチン(II)、(4−カルボキシフタロ)−(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラート)白金(II)及び(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(ピルバト)白金(II)等の白金化合物;
(vii)メトトレキサート、パーメトレキセート、ラルチトレキセート及びトリメトレキセート等の抗葉酸薬を含む代謝拮抗薬;
(viii)アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン及びトロキサシタビン等のピリミジン類似物質;
(ix)クラドリビン、クロロデオキシアデノシン、クロロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン及びチオグアニン等のプリン類似物質;
(x)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ミスラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ポルフィロマイシン等の抗腫瘍抗生物質を含む天然産物;
(xi)ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、及びバルビシン等のアントラサイクリン系薬剤;
(xii)ビンカアルカロイド系のビンブラスチン、ビンベシル、ビンクリスチン、ビンデシン、及びビノレルビン等の有糸分裂阻害剤;
(xiii)L−アスパラギナーゼ及びPEG−L−アスパラギナーゼ等の酵素;
(xiv)タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;
(xv)カンプトテシン、イリノテカン及びトポテカン等のトポイソメラーゼI阻害剤;
(xvi)ポドフィロトキシン、アムサクリン、エトポシド、テニポシド、ロソキサントロン及びアクチノマイシン等のトポイソメラーゼII阻害剤;
(xvii)以下のホルモン及びホルモン拮抗剤:
−フルオキシメステロン及びテストラクトン等のアンドロゲン;
−ビカルタミド、シプロテロン、フルタミド及びニルタミド等の抗アンドロゲン剤;
−デキサメタゾン及びプレドニゾン等のコルチコステロイド薬;
−アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタン及びレトロゾール等のアロマターゼ阻害剤;
−ジエチルスチルベストロール等のエストロゲン類;
−フルベストラント、ラロキシフェン、タモキシフェン及びトレミフィン等の抗エストロゲン剤;
−アバレリックス、ブセレリン、ゴセレリン、リュープロリド、ヒストレリン、デソレリン、酢酸ナファレリン及びトリプトレリン等の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)作用薬と拮抗薬;
−酢酸メドロキシプロゲステロン及び酢酸メゲストロール等のプロゲスチン;
−レボチロキシン及びリオチロニン等の甲状腺ホルモン;
(xviii)ペリホシン、エンザスタウリン塩酸塩及びトリシリビン等のPKB経路阻害剤;
(xix)セマフォア及びSF1126等のP13K阻害剤並びにラパマイシン及びその類似物質等のMTOR阻害剤;
(xx)セリシクリブ、アルボシジブ及び7−ヒドロキシスタウロスポリン等のCDK阻害剤;
(xxi)セレコキシブを含むCOX−2阻害剤;
(xxii)トリコスタチンA、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、及びクラミドシンを含むHDAC阻害剤;
(xxiii)DNAメチラーゼ阻害剤(テモゾロミドを含む)及びその他の薬剤(アルトレタミン、三酸化ヒ素、サリドマイド、レナリドミド、硝酸ガリウム、レバミゾール、ミトタン、ヒドロキシ尿素、オクトレオチド、プロカルバジン、スラミン、メトキサレン及びナトリウムポルフィマー等の光力学的化合物);
(xxiv)ボルテゾミブ等のプロテアソーム阻害剤;
(Xxv)遺伝子治療薬及びアンチセンス治療薬等の機能的治療薬を含む分子標的治療薬;
(xxvi)塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤;
(xxvii)ソラフェニブ等のRaf阻害剤、並びにレチノイド及びレキシノイド等の遺伝子発現調節剤、例えばアダパレン、ベキサロテン、trans−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸、及びN−(4−ヒドロキシフェニル)レチナミド;
(xxviii)表現型標的治療薬である、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、リツキシマブ、トラスツズマブ等のモノクローナル抗体、ゲムツズマブ・オゾガミシン等の免疫毒素、I−トシツモバブ等の放射性免疫複合体;
(xxix)がんワクチン;
(xxx)生物学的療法剤である、インターフェロン−[α]2a及びインターフェロン−[α]2b等のインターフェロン、及びアルデスロイキン、デニロイキンジフチトクス及びオプレルベキン等のインターロイキン;
(xxxi)予防薬又は補助薬の使用を含む抗がん療法:アミフォスチン及びデクスラゾキサン等の細胞保護薬、パミドロネート及びゾレドロン酸等のホスホネート、並びにエポエチン、ダルベペチン、フィルグラスチム、PEG−フィルグラスチム及びサルグラモスチム等の刺激因子;
(xxxii)Axl阻害剤である、1−(6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジン−3−イル)−N3−((7−(S)−ピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン等;及び/又は、
(xxxiii)さらなる併用化学療法計画である、カルボプラチン/パクリタキセル、カペシタビン/ドセタキセル、フルオラウラシル/レバミゾール、フルオラウラシル/ロイコボリン、メトトレキサート/ロイコボリン、及びトラスツズマブ/パクリタキセルの単独又はさらなるカルボプラチンとの併用等;
中から選択される、129に記載の方法。
131.前記さらなるがん治療は、以下の:
(i) PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤;
(ii) ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、リツキシマブのモノクローナル抗体;
(iii) タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;及び/又は
(iv) 塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ、セマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤である、129に記載の方法。
132.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、131に記載の方法。
133.前記さらなるがん治療は、ドセタキセルである、131に記載の方法。
134.前記さらなるがん治療は、エルロチニブである、131に記載の方法。
135.前記被験体が哺乳動物、場合によっては、前記被験体がヒトである、101〜134のいずれか一項に記載の方法。
136.前記予測方法は、NSCLCの治療前に実施される、101〜135のいずれか一項に記載の方法。
137.前記予測方法は、NSCLCの治療中又は治療コース後に実施される、101〜136のいずれか一項に記載の方法。
138.前記被験体が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている、101〜135又は137のいずれか一項に記載の方法。
139.前記被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている、138に記載の方法。
140.前記被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている、138又は139に記載の方法。
141.前記被験体が、以前EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療されていない、101〜136のいずれか一項に記載の方法。
142.前記被験体が、以前Axl阻害剤で治療されていない、141に記載の方法。
143.前記被験体が、以前Akt3阻害剤で治療されていない、141に記載の方法。
144.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、101〜143のいずれか一項に記載の方法。
145.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、144に記載の方法。
146.前記試料は、血清試料である、145に記載の方法。
147.前記方法が、前記被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現、又は量を評価する後工程をさらに含み、試料プロファイルは、前記被験体を、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる剤と、接触させた後に得られる、104〜146のいずれか一項に記載の方法。
148.前記試料プロファイルは、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させた後に得られる、103に記載の方法。
149.前記対照プロファイルが、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させる前に、同一被験体から得られる、147又は148に記載の方法。
150.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、149に記載の方法。
151.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、149に記載の方法。
152.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、149に記載の方法。
153.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、149に記載の方法。
154.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともAxlを含む、150に記載の方法。
155.前記被験体又は前記被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、147〜154のいずれか一項に記載の方法:
156.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、155に記載の方法。
157.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、156に記載の方法。
158.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ;から選択される技術を用いて行われる、156又は157に記載の方法。
159.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、156〜158のいずれか一項に記載の方法。
160.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はNSCLCによって変化しない、156〜158のいずれか一項に記載の方法。
161.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、148〜160のいずれか一項に記載の方法。
162.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、161に記載の方法。
163.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、162に記載の方法。
164.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、163に記載の方法。
165.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、163に記載の方法。
166.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、161記載の方法。
167.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、166に記載の方法。
168.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、161〜167のいずれか一項に記載の方法。
169.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、161〜167のいずれか一項に記載の方法。
170.前記さらなるがん治療は、上記130に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、169に記載の方法。
171.前記さらなるがん治療は、(i) PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤;
(ii) ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、リツキシマブのモノクローナル抗体;
(iii) タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;及び/又は
(iv) 塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ、セマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤である、169記載の方法。
172.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブであるである、171記載の方法。
173.前記さらなるがん治療がドセタキセルである、171に記載の方法。
174.前記さらなるがん治療は、エルロチニブである、171に記載の方法。
175.前記被験体が哺乳動物、場合によっては、前記被験体がヒトである、148〜174のいずれか一項に記載の方法。
176.前記被験体が、上記101〜147のいずれか1つの予測方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる前記薬剤又は化学療法剤による治療に選択される、148〜175のいずれか一項に記載の方法。
177.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、148〜176のいずれか一項に記載の方法。
178.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、177に記載の方法。
179.前記試料は、血清試料である、178に記載の方法。
180.前記方法が、インビトロ又はエクスビボで行われる、1〜179のいずれか一項に記載の方法。
201.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために、非小細胞肺がん(NSCLC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
202.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による継続治療のために、非小細胞肺がん(NSCLC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:148〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
203.前記治療が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転させることができる治療有効量の薬剤を被験体に投与することを含む、201又は202に記載の方法。
204.前記治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、203に記載の方法。
205.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204に記載の方法。
206.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、205に記載の方法。
207.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、206に記載の方法。
208.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、206に記載の方法。
209.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204に記載の方法。
210.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、209に記載の方法。
211.前記治療が、単剤として投与される、203〜210のいずれか一項に記載の方法。
212.前記治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、203〜211のいずれか一項に記載の方法。
213.前記さらなるがん治療は、上記130に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、212に記載の方法。
214.前記さらなるがん治療は、(i) PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤;
(ii) ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、リツキシマブのモノクローナル抗体;
(iii) タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;及び/又は
(iv) 塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ、セマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤である、212に記載の方法。
215.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、212に記載の方法。
216.前記さらなるがん治療は、ドセタキセルである、214に記載の方法。
217.前記さらなるがん治療は、エルロチニブである、214に記載の方法。
301.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、その各々は、前記1又はそれ以上のバイオマーカーがAxl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、CA−9、及び/又はLDHからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む診断キット。
302.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための、その各々は前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、CA−9、及び/又はLDHからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む試験装置。
303.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、以下の:Axl、AB−40、Aggrecan、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEAM1、VDBP、CA−9、及び/又はLDHからなる群より選択されからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバー;かつ、前記1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する、1若しくはそれ以上の試薬、又は前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカーによって形成された複合体を検出及び/又は定量化する、1又はそれ以上の試薬;を含む、301又は302に記載の診断キット又は検査装置。
304.各検出試薬又は特異的結合メンバーが
(i) Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、及び/又はLDH;
(ii) Axl、TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、CA−15−3、及び/又はLDH
(iii) Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、CA−9及び/又はLDH;の群から選択されるバイオマーカーに選択的である、301〜303のいずれかに記載の診断キット又は検査装置。
305.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、303又は304に記載の診断キット又は検査装置。
306.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出が、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用によって行われる、303〜305のいずれかに記載の診断キット又は検査装置。
307.前記キット又は検査装置は、検出用試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む、301〜306のいずれかに記載の診断キット又は検査装置。
308.被験体のがん関連転帰を予測する方法に用いられる、301〜307のいずれかに記載の診断キット又は検査装置。
309.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、308に記載の診断キット又は検査装置。
310.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、309に記載の診断キット又は検査装置。
311.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、309に記載の診断キット又は検査装置。
312.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、311に記載の診断キット又は検査装置。
313.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、312に記載の診断キット又は検査装置。
314.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、312に記載の診断キット又は検査装置。
315.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤がAkt3阻害剤である、309に記載の診断キット又は検査装置。
316.前記被験体が、NSCLCである、であると疑われる、又はと診断されていた、308〜311のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
317.前記方法は、101〜180のいずれか一項に記載の方法である、308〜316のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
318.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における、Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、CA−9、及び/又はLDHからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
319.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々が、Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、CA−9、及び/又はLDHからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、バイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
320.前記各検出試薬が、以下の:
(i) Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、及び/又はLDH;
(ii) Axl、TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、CA−15−3、及び/又はLDH;又は、
(iii) Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、CA−9及び/又はLDH;の群から選択されるバイオマーカーに選択的である、318又は319の使用。
321.前記検出用試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む、318〜320のいずれか一項に記載の使用。
322.被験体におけるがん関連の転帰を予測する方法は、101〜180のいずれか1つに基づく方法である、318〜321のいずれか一項に記載の使用。
401.被験体がEMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に感受性があるかを判定するバイオマーカーとしての、Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、MPIF−1、PPP、IL−7、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラヌリン、CEACAM1、VDBP、CA−9、及び/又はLDHの1又はそれ以上の使用。
402.(i)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示し;又は、(ii)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す;401の使用。
403.(i)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が増えた場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;か、又は、(ii)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が減少した場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;401の使用。
404.1又はそれ以上のバイオマーカーが、以下の:
(i) Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、及び/又はLDH;
(ii) Axl、TSH、MPIF−1、PPP、Vaspin、IL−7、PARC、CA−15−3、及び/又はLDH
(iii) Axl、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、プログラニュリン、CEACAM1、VDBP、CA−9及び/又はLDH;からなる群から選択される、401〜403のいずれか一項に記載の使用。
405.前記方法は、101〜180のいずれか一項に記載の方法である、401〜404のいずれか一項に記載の使用。
501.非小細胞肺がん(NSCLC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:上記101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;を含む、方法。
502.非小細胞肺がん(NSCLC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:(a)被験体からの試料の採取工程;(b)前記被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤、又は上記101〜180のいずれか一項に記載された方法を用いた化学療法剤による治療に感受性があるかどうかの判定工程;(c)前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量の前記被験体への投与工程;を含む、方法。
503.非小細胞肺がん(NSCLC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤を、上記101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記治療に感受性であると同定された被験体に投与する工程を含む、方法。
504.非小細胞肺がん(NSCLC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;及び前記被験体が、上記148〜180のいずれかに記載の方法を用いて、前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程;を含む、方法。
505.前記方法が、前記被験体が前記治療に対して感受性であると同定される場合、EMTを阻害又は逆転しうる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤又は化学療法剤を前記被験体に投与することを含む、504に記載の方法。
506.非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤。
507.非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用。
508.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、501〜507のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
509.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
510.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、509に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
511.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤を含む、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
513.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、512に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
514.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、単剤として投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
515.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
516.上記130に列挙されたさらなるがん治療の中からさらなるがん治療が選択される、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
517.前記さらなるがん治療は、(i) PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤;
(ii) ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、リツキシマブのモノクローナル抗体;
(iii) タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;及び/又は
(iv) 塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ、セマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤である、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
518.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
519.前記さらなるがん治療は、ドセタキセルである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
520.前記さらなるがん治療は、エルロチニブである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
《第6a側面:非小細胞肺がん(NSCLC)》
非小細胞肺がん(NSCLC)は、小細胞肺がん(SCLC)以外のあらゆる種類の上皮性肺がんであり、全肺がんの大部分を占める。非小細胞肺がんは予後とマネジメントが類似する、扁平上皮がん、腺がん、大細胞肺がんの3つと、組織学的分類に分類される。腺がんは、肺がんの最も一般的な組織型である。非小細胞肺がんはしばしば、シスプラチン又はカルボプラチンを、ゲムシタビン、パクリタキセル、ドセタキセル、エトポシド又はビノレルビンと併用して治療される。NSCLCに対する標的療法が依然として必要である(非特許文献8〜9)。
従って、NSCLCである被験体である被験体におけるがん関連転帰を予測する安定したバイオマーカー、例えば、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性、を予測する安定したバイオマーカーは、特定の薬剤/計画による治療に反応するか又は利益を受ける見込みが最も高い被験体を同定するのに有用であろう。
本明細書で記載される「応答性」被験体とは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤、又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが高い、又は反応する(又は治療から利益を受ける)被験体である。
これに対応する、本明細書で記載される「非応答性」被験体は、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤、又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが低い(又は反応しない)被験体である。
本明細書中で用いられる「治療に反応する」又は「治療から利益を得る」とは、治療からの全体的な臨床的利益を経験することをいう。この全体的な臨床的利益とは、生存期間の延長、疾患の部分寛解又は完全寛解、疾患の進行の遅延又は非進行、腫瘍の縮小(例えば、腫瘍体積の5、10、20、30、40%又はそれ以上の減少)、腫瘍体積の減少(例えば、腫瘍体積の5、10、20、30、40%又はそれ以上の減少)、腫瘍増大の遅延又は非増大、腫瘍体積増加の遅延又は非進行、生活の質の改善、無増悪生存、全体生存、又はその他の正の患者転帰;のいずれかである。腫瘍体積を決定する適当な方法は、当業者に周知であり、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)又は磁気共鳴画像(MRI)画像技術;X線画像、例えば、マンモグラフィ;超音波画像;核画像、例えば、陽電子放出断層撮影(PET)、PET/CTスキャン、骨スキャン、ガリウムスキャン、又はメタヨードベンジルグアニジン(MIBG)スキャン;生物発光画像(BLI);蛍光画像(FLI);BD ToF(赤外線系3D飛行時間カメラ画像技術である。
〔バイオマーカー〕
本明細書における用語「マーカー」又は「バイオマーカー」は、被験体又は前記被験体に由来する試料における発現が、がんにおいて、例えば上方又は下方調節されて改変又は変調される遺伝子又はタンパク質を示すのに用いられる。当該バイオマーカーがタンパク質である場合、発現の変調又は改変は、異なる翻訳後修飾を介する変調を包含する。
本開示の当該側面のいかなる態様でも、本明細書に記載されるバイオマーカーは、以下の:
Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
脳性ナトリウム利尿ペプチド(NTproBNP)バイオマーカーのN末端プロホルモンは、UniProt受託番号P16860−1(登録版186)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
エンドスタチンバイオマーカーは、UniProt受託番号P39059−1(登録版170)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
インシュリン様成長因子結合タンパク質2(IGFBP−2)バイオマーカーは、UniProt受託番号P18065−1(登録版193)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
血管内皮増殖因子D(VEGF−D)バイオマーカーは、UniProt受託番号O43915−1(登録版159)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
成長/分化因子15(GDF−15)は、UniProt受託番号Q99988−1(登録版166)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
βアミロイド1−40(AB−40)バイオマーカーは、UniProt受託番号: P05067−1、P05067−2、P05067−3、P05067−4、P05067−5、P05067−6、P05067−7、P05067−8、P05067−9、P05067−10、又はP05067−11(登録版271)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
抗ロイコプロテイナーゼ(ALP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P03973(登録版184)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
単球走化性タンパク質3(MCP−3)は、UniProt受託番号P80098−1(登録版169)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
スーパーオキシドジスムターゼ1、可溶性(SOD−1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00441−1(登録版240)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
骨形成タンパク質9(BMP−9)のバイオマーカーは、UniProt受託番号Q9UK05−1(登録版162)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
インターロイキン−8(IL−8)バイオマーカーは、UniProt受託番号P10145(登録版210)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
マクロファージ炎症性タンパク質−1β(MIP−1β)バイオマーカーは、UniProt受託番号P13236(登録版187)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
進行性グリコシル化最終生成物の受容体(RAGE)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q15109−1、Q15109−2、Q15109−3、Q15109−4、Q15109−5、Q15109−6、Q15109−7、Q15109−8、Q15109−9、Q15109−10(登録版189)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)バイオマーカーは、UniProt受託番号P05164−1、P05164−2、又はP05164−3(登録版217)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
クロモグラニン−A(CgA)バイオマーカーは、UniProt受託番号P10645−1(登録版200)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
HE4バイオマーカーは、UniProt受託番号Q14508−1、Q14508−2、Q14508−3、Q14508−4、又はQ14508−5(登録版169)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
アドレノメデュリン(ADM)バイオマーカーは、UniProt受託番号P35318−1(登録版174)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
β−2−ミクログロブリン(B2M)バイオマーカーは、UniProt受託番号P61769−1(登録版181)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ビタミンD結合タンパク質(VDBP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02774−1、P02774−2、又はP02774−3(登録版201)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
シスタチン−Cバイオマーカーは、UniProt受託番号P01034−1(登録版213)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
ヘプシンバイオマーカーは、UniProt受託番号P05981−1(登録版183)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00338−1、P00338−2、P00338−3、P00338−4、又はP00338−5(登録版224)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;及び/又は
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07195−1(登録版218)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;と特定されうる。
本明細書に記載されるバイオマーカーはまた、上記アミノ酸配列のいずれかをコードする全長核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)として特定され得る。
同一性FASTA及びFASTP(Pearson&Lipman,1988.Methods in Enzymology 183:63-98を参照)を用いた配列比較を用いて特定しうる。パラメータは、以下の:Gapopen(ギャップの最初の残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−12/DNAに対する−16;Gapext(ギャップの追加残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−2/DNAに対する−4;KTUPワード長:タンパク質に対する2/DNAに対する6の、デフォルトのマトリクスを用いて設定するのが好ましい。
〔治療前予測のバイオマーカー及び方法〕
発明者らは、臨床試験BGBC008(NCT03184571)から得られたさらなる患者データを解析して、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、NSCLCである被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した(実施例4、5、6、及び7参照)。同様に、本明細書に記載の特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価すれば、被験体が、当該薬剤による治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうる。
従って、本側面の第1態様では、本開示は、非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はNSCLCと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、前記被験体における又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群より選択される。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、LDH、及び/又はAxlからなる群より選択される。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、及び/又はVEGF−Dからなる群より選択される。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、AB−40、RAGE、VDBP、LDH、及び/又はAxlからなる群より選択される。
ある実施形態では、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、AB−40、RAGE、及び/又はVDBPからなる群より選択される。
本明細書に記載される「がん関連転帰」は、がんと関連する臨床的予測又は予後である。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。
本明細書中で用いる「試料プロファイル」は、被験体又は被験体に由来する試料において決定された各バイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。適当な対照プロファイルは、以下で詳細に説明される。
本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「応答性」被験体の血清よりも高いレベルで存在することが見出された。同様に、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載される特定のバイオマーカーは、「非応答性」の被験体の血清よりも低いレベルで「応答性」被験体の血清に存在することが見出された。
この「応答性」と「非応答性」の間の発現レベルの差は、逆の方法で表現しうる。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、被験体の治療前に「非応答性」の被験体における発現が下方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。同様に、被験体の治療前に、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「非応答性」の被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、本明細書に記載されたバイオマーカーのあるものは、「応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。
当該異なる発現パターンの発見は、被験体が薬剤での治療前に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することで、当該被験体が、当該薬剤での治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうることを意味する。従って、特に好ましい態様では、当該試料プロファイルは、被験体へのEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の接触又は投与前に得られる。
EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療(又は治療からの利益)に反応する見込みが高い、又は応答する被験体である。すなわち、薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、上記で特定したように、当該薬剤について「応答性」である。「感受性を示す」予測とは、被験体が治療に反応したり、治療から利益を得たりする見込みを示唆又は指摘するものである。
いくつかの態様では、本開示の予測方法は、被験体又は被験体に由来する試料において本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程と、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルに基づいて予測を行う工程を含む。本方法のいくつかの態様では、当該予測は、対照プロファイルと試料プロファイルの比較により行われ、対照プロファイルは、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同じバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
ある実施形態では、対照プロファイルは、NSCLCである対照被験体の集団から得ることができる。ある実施形態では、対照プロファイルは、NSCLCでない対照被験体の集団から得ることができる。他の実施形態では、対照プロファイルは、NSCLCであり、かつ以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤(すなわち、非応答性被験体)による治療に対する感受性の欠如が見いだされた対照被験体又は対照被験体の集団から得ることができる。
ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「平均」値、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、NSCLCである対照被験体又は対照被験体の集団、NSCLCでない対照被験体又はNSCLCである対照被験体又は対照被験体の集団であって、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されたもの(すなわち、非応答性被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、NSCLCであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団から獲得しうる。ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、NSCLCであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団(すなわち、反応被験体)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、試料プロファイルで決定されるのと同じバイオマーカーの既知の量(例えば、「閾値」量)を備えるコントロール試料から獲得しうる。この閾値量は、例えば、上記のように、非応答性又は応答性の被験体から獲得しうる。
当業者であれば、特定のバイオマーカーの適当な「平均」、「閾値」又は値の「標準範囲」を容易に決定しうる。
例えば、「平均」値は、NSCLCである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;及び「平均」値の決定に測定されたバイオマーカー活性、発現、又は量を平均して、決定しうる。
例えば、「平均」値は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中のバイオマーカー活性、発現、又は決定された量の平均による、「平均」値の決定により、決定され得る。
例えば、「閾値」は被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中の最高又は最低のバイオマーカー活性、発現、又は量の「閾値」としての適宜選択により決定され得る。
例えば、値の「標準範囲」は、NSCLCである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価、及びこの評価に基づいて値の「標準範囲」を決定することで、決定しうる。
例えば、値の「標準範囲」は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び当該評価に基づき、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが判明した被験体に対する値の「標準範囲」を決定することで、決定され得る。
対照プロファイルがバイオマーカー発現、活性、又は量の値の所定のプロファイルである場合、これは「ルックアップテーブル」又はデータレコードとして提供され得る。当該所定の対照プロファイルは、複数の対照被験体(例えば、上記の非応答性又は応答性被験体)において決定された各バイオマーカーの中心傾向(平均、中央値又は平均)量の尺度に対応する数値又は数値範囲のプロファイルであり得る。当業者であれば、標準的なタンパク質定量化技術及び適当な統計的ツールを用いて、集団内の中心傾向の尺度及び変動の尺度をともに容易に決定しうる。
従って、いくつかの実施形態では、対照プロファイルは、以下の:NSCLCである対照被験体の集団から得られたもの;NSCLCでない対照被験体の集団から得られたもの;NSCLCであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が以前に見出されている対照被験体の集団から得られたもの(非応答性被験体である);非応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の所定のプロファイル(例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル又は値の「標準範囲」);非応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均値」を備える対照試料から得られたもの;応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、応答性被験体を示すバイオマーカーの既知の「閾値」を備える対照試料から得られたもの;次いで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイルにおける、本明細書中に記載された、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうるもの;である。同様に、対照プロファイルと比較して、本明細書中に記載された試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、MPO、VDBP及び/又はAxlから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が高い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、本方法は、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、RAGE、CgA、HE4、ADM、B2M、シスタチン−C、ヘプシン、及び/又はLDHから選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得;ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の該バイオマーカーの1又はそれ以上の活性、発現、又は量が低い場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、試料プロファイルにおいて、対照プロファイルと比較して:NTproBNPの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、エンドスタチンの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、IGFBP−2の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、VEGF−Dの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、GDF−15の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、ABDF−40の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、ALPの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、RAGEの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、CgAの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、HE4の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、ADMの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、B2Mの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、シスタチン−Cの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、ヘプシンの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、LDHの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、MCP−3の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、SOD−1の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、BMP−9の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、IL−8の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、MIP−1βの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、VDBPの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、Axlの活性、発現、又は量がより高い;場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、NSCLCである対照被験体又は対照被験体の集団から得られ、かつ、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された場合(すなわち、反応被験体)、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、NSCLCである被験体、及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された被験体)に典型的な「閾値」を上回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、NSCLCである被験体、及び、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された被験体)に典型的な「閾値」を下回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がないことを示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、応答性被験体から得られたバイオマーカーの発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、応答性被験体(すなわち、NSCLCである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、応答性被験体(すなわち、NSCLCである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、非応答性被験体から得られたバイオマーカー発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、非応答性被験体(すなわち、NSCLCであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出された被験体)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、非応答性被験体(すなわち、NSCLCであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されている被験体)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、NSCLCでない対照被験体の集団から得られたものであり、かつ、試料プロファイルの発現、活性又は量が、NSCLCでない被験体に典型的な値の「標準範囲」外である場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性又は量が、NSCLCでない被験体に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。この場合、発現、活性又は量は、所与のバイオマーカーについて正常の上限を上回るか又は正常の下限を下回るかのいずれかである場合に、値の「標準範囲」外にあってよい。正常値の上限及び下限は、NSCLCでない対照被験体集団の所定のバイオマーカーの正常分布の限界である。
1又はそれ以上のバイオマーカーがLDHを含む実施形態では、287ユニット/リットル(U/L)を超えるLDHの発現又は量は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。
当業者であれば、適当な統計的ツール及び適当な対照との比較を用いて、試料プロファイルが、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示すか又は感受性の欠如を示すかを容易に決定しうる。
いくつかの実施形態では、試料プロファイルは、上記のように2又はそれ以上の対照プロファイルと比較され得る。
本明細書中で用いられる場合、用語「1又はそれ以上」とは、本明細書中に記載されるバイオマーカーの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20をいう。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはNTproBNPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはエンドスタチンである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはIGFBP−2である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはVEGF−Dである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはGDF−15である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAB−40である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはALPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはMCP−3である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはSOD−1である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはBMP−9である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはIL−8である。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはMIP−1βである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはRAGEである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはMPOである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはCgAである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはVDBPである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはシスタチン−Cである。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはヘプシンである。ある好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはLDHである。
いくつかの当該実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、当該バイオマーカーの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、NTproBNP及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、エンドスタチン及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、IGFBP−2及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、VEGF−D及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、LDH及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、Axl及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。
ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、NTproBNP、エンドスタチン、及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、NTproBNP、IGFBP−2、及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、NTproBNP、VEGF−D、及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、エンドスタチン、IGFBP−2、及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。ある実施形態では、当該方法は、被験体又は被験体に由来する試料において、AB−40、RAGE、VDBP、及び、本明細書中に記載される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含み得る。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、被験体がNSCLCの治療中又は治療コース前に実施される。他の実施形態では、当該予測方法は、NSCLCに対する治療中又は治療コース後に実施される。ある実施形態では、NSCLCの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤である。他の実施形態では、NSCLCの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤ではない化学療法剤による治療である。
本明細書に記載の予測方法のいくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている。ある実施形態では、被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている。
本明細書に記載された予測方法のいくつかの態様では、当該被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている。すなわち、被験体は、予測方法が被験体の感受性を決定する薬剤ではない薬剤で既に治療されている。従って、いくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で予め治療されていない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、以前にAxl阻害剤で治療されていない。他の好ましい態様では、被験体は、Akt3阻害剤で予め治療されていない。
〔バイオマーカーの治療後の変化〕
本開示のこの態様のいくつかの態様では、予測方法は、さらに、被験体又は被験体に由来する試料において、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤を治療又は治療コース後に、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価するその後の工程を含み、本明細書に記載の1又はそれ以上のバイオマーカーの第2試料プロファイルを得る。
すなわち、いくつかの実施形態では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:
(a)上記のように、被験体が、被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することによって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であるかを判定する工程であって、ここで、当該1又はそれ以上のバイオマーカーは、以下の:NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxl;からなる群から選択される;
(b)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び、
(c)その後、被験体又は被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価する工程、を含む。
いくつかの好ましい態様では、当該方法は、その後、被験体又は被験体に由来する試料中の、Axlの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、第2試料プロファイルにおけるAxlの活性、発現、又は量が増えた場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより感受性が高いことを示す。いくつかの好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療前に、同じ被験体から得られる。
〔治療後予測のバイオマーカー及び方法〕
臨床試験BGBC008(NCT03184571)から得られたさらなる患者データを解析することにより、発明者らは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤によるNSCLC患者の治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で上昇するが、「非応答性」の被験体の血清中では上昇しないことを発見した。同様に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療後、本明細書に記載の特定のバイオマーカーのレベルは、「応答性」被験体の血清中で低下するが、「非応答性」の被験体の血清中では低下しない。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療の前後に、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を評価することで、被験体が前記薬剤による治療に感受性又は応答性であることを決定又は確認しうる。
従って、当該側面の第2態様では、本開示は、非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はNSCLCと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触した後に、被験体又は前記被験体に由来する試料における、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、試料プロファイルと同一のバイオマーカーの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本開示のこの態様の好ましい態様では、対照プロファイルは、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療する前に、同じ被験体から得られる。ある実施形態では、対照プロファイルは、NSCLCである対照被験体の集団から得られる。他の態様では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」又は値の「標準範囲」のプロファイルである。
従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、対照プロファイルが同一の被験体から得られる態様では、被験体をEMT又はがん治療剤を阻害又は逆転しうる薬剤と接触させた後の、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。当該態様では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の増加は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。いくつかの当該実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較した、試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の減少は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が低いことを示し得る。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、少なくともAxlを含む。ある実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーはAxlである。ある実施形態では、被験体をがん治療剤と接触させた後の対照プロファイルと比較して、試料プロファイルの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対するより高い感受性を示す。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、上記開示の本側面の第1態様による予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために選択された。
〔EMTを阻害又は逆転しうる薬剤〕
本開示は、非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測するための方法を提供する。「がん関連転帰」とは、がんと関連する臨床的予測又は予後である。
本開示の当該NSCLC側面で用いる、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤は、以下の好ましい実施形態以外は、上記のAML側面の記載のように特定される(上記と同項目、第14頁第19行目〜第17頁第2行目参照)。
いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、又はリツキシマブ等のモノクローナル抗体である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、タキサン類のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤である。いくつかの好ましい態様では、さらなるがん治療は、塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ、及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ドセタキセルである。さらに他の特に好ましい態様では、さらなるがん治療はエルロチニブである。
〔バイオマーカーの活性、発現、量の評価〕
本明細書に記載される予測方法のいくつかの態様では、被験体又は被験体に由来する試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価は、試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と接触させる工程;及び検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程を含む。
いくつかの実施形態では、LDHの活性を評価する工程を含み、LDHの活性評価は、被験体又は被験体に由来する試料におけるLDHの酵素活性の測定工程を含む。好ましくは、当該酵素活性は、被験体又は被験体に由来する試料中のLDHにより触媒される酵素反応の基質又は生成物のレベル又は量を測定して評価される。特に好ましい実施形態では、当該酵素活性は、被験体又は被験体由来の試料中の還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)のレベル又は量の測定により評価される。ある実施形態では、これは、比色アッセイ、例えば、Sigma-Aldrich製カタログ番号MAK066の比色アッセイを用いて測定しうる。LDH活性評価の他の適当なアッセイは、当業者に周知である。特に好ましい態様では、LDH活性は、血液又は血清中のLDHの酵素活性の測定により評価される。
いくつかの好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量の評価は、被験体又は被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定を含む。好ましくは、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、タンパク質発現のレベルの測定により、評価される。特に好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、血清中のタンパク質発現のレベルの測定により、評価される。
用語「発現」とは、対応するmRNAを生成する遺伝子のDNA鋳型の転写、及び対応する遺伝子産物(すなわち、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質)を生成する当該mRNAの翻訳、並びに翻訳後修飾がされたかもしれない1又はそれ以上の形態のタンパク質の「発現」を意味する。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAのレベルの決定工程は、試料又は試料由来の抽出物を、各々がそれぞれのバイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーと接触させる工程と、当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出及び/又は定量の工程とを含む。ある態様では、特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
タンパク質及びmRNA発現レベルを決定する一連の適当な技術、例えばマイクロアレイ分析、ウェスタンブロット法、及びQPCR等のPCR技術は、当該分野で周知である。いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量の決定は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用を含み得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される。その場合、各バイオマーカータンパク質又はmRNAは、試料中で定量され得、当該量は、試料の尺度、例えば、試料の容積、質量、又は総タンパク質量として表され得る。
いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、ここで、当該相対量は、試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定される。このように、バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量を決定することで、正規化が可能となり、例えば、総タンパク質濃度の差異を考慮して、試料間のバイアスを除去しうる。
好ましくは、参照タンパク質又はmRNAは、その発現又は量が、がんである、特にNSCLCである被験体とがんでない被験体との間で有意に変化しない。すなわち、参照タンパク質又はmRNAは、好ましくは、その発現又は量がNSCLCによって変化しない。従って、参照タンパク質又はmRNAは、本明細書に記載されるバイオマーカーの1つではない1又はそれ以上のタンパク質又はmRNAを含み得る。当該1又はそれ以上のバイオマーカーの発現量又は量を相対量として表す場合、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量を、試料中の参照タンパク質又はmRNAの絶対量で除算しうる。
〔RNAレベルでのバイオマーカー発現の評価〕
遺伝子発現はRNAレベルで検出しうる。RNAは、例えば、酸性フェノール/グアニジンイソチオシアネート抽出(RNAzol B;Biogenesis)、RNeasyRNA調製キット(Qiagen)又はPAXgene(PreAnalytix、スイス)を用いることを含むRNA抽出技術を用いて細胞から抽出され得る。リボ核酸ハイブリダイゼーションを利用する通常の分析フォーマットとしては、核ランオンアッセイ、RT−PCR、RNase保護アッセイ(Melton et al., Nuc. Acids Res. 12:7035)、ノーザンブロット法及びInSituハイブリダイゼーションがあげられる。遺伝子発現はまた、以下に記載するマイクロアレイ分析によって検出され得る。
〔タンパク質レベルでのバイオマーカー発現の評価〕
好ましくは、バイオマーカーレベルは、タンパク質発現の測定により評価される。改変された遺伝子又はタンパク質の発現は、遺伝子によりコードされるポリペプチドの測定によっても検出しうる。これは、バイオマーカー遺伝子によりコードされるポリペプチドに結合する分子を用いることにより達成され得る。タンパク質の存在の検出のためにポリペプチドに直接的又は間接的に結合する適当な分子/剤は、天然に存在する分子、例えば、ペプチド及びタンパク質、例えば、抗体を含むか、又はそれらは合成分子であってよい。
抗体は、市販の供給源から、又は当業者に周知の技術を介して獲得しうる。一の実施形態では、改変された発現が、タンパク質バイオマーカーの翻訳後改変された形態の改変の発現を介して現れる場合、当該異なる形態に特異的な抗体が用いられ得る。本開示の目的のため、「抗体」という用語は、別段の規定がない限り、標的抗原に対するそれらの結合活性を保持する全抗体又は全抗体の断片を含む。当該断片としては、Fv、F(ab')及びF(ab')2断片、並びに単鎖抗体(scFv)があげられる。さらに、抗体及びその断片は、例えば、欧州特許公開第239400号に記載されているヒト化抗体であり得る。例えば、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体、組換え抗体、抗体のタンパク質分解断片及び組換え断片(Fab、Fv、scFv、ジアボディ)、単一ドメイン抗体(VHH、sdAb、ナノボディ、IgNAR、VNAR)、及び抗体様特異的結合を有するように操作された、抗体とは無関係のタンパク質である。抗体は、固体支持体に結合され、及び/又は適当な試薬、対照、指示書等と共に適当な容器中のキットにパッケージされ得る。
〔アレイ〕
アレイ技術及びそれに関連する様々な技術及び適用は、当技術分野で周知である。アレイ技術は一般に「1の実験で1の遺伝子」に基づいて機能し、その結果、スループットが低下し、遺伝子機能の「全体像」が理解できないという、分子生物学における従来の方法の欠点を克服する。本開示の産物及び方法の文脈では、アレイ技術は、例えば、バイオマーカータンパク質又はmRNAの発現の分析で用いられうる。
一般に、いかなるライブラリ又は試料群は、ライブラリ又は群のメンバーを空間的に分離して、アレイに秩序正しく配列しうる。アレイ化に適したライブラリの例としては、核酸ライブラリ(DNA、cDNA、オリゴヌクレオチド等のライブラリを含む)、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質ライブラリ、並びにリガンドライブラリ等のいかなる分子をも含むライブラリが挙げられる。従って、本明細書で「ライブラリ」を参照する場合は、文脈上別段の指示がない限り、当該参照は、アレイの形態のライブラリを参照することを含むものと解釈されるべきである。
タンパク質、ポリペプチド等もまた、アレイで固定化しうる。例えば、抗体は、タンパク質チップ(Borrebaeck CA, 2000, Immunol Today 21(8):379−82)を用いたプロテオームのマイクロアレイ分析に用いられる。ポリペプチドアレイは、例えば、MacBeath and Schreiber, 2000, Science, 289(5485):1760−1763に概説がある。
〔試料〕
適当な試料としては、組織生検、血液、尿、頬側擦過物等の組織試料、並びに血清、血漿、又は組織培養上清試料が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい態様では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、試料中のタンパク質発現のレベルの測定により評価される。いくつかの好ましい態様では、試料は、血液、血清又は血漿試料である。いくつかの特に好ましい態様では、試料は血清試料である。
被験体由来の血清又は血漿試料中の1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量を評価する場合、試料を除去し、フローサイトメトリー、マスサイトメトリー(CyTOF)、ELISA、PET、及びSELDI−TOF MS等の分析技術に供する。いくつかの実施形態では、当該方法は、当該試料からRNAを抽出し、QPCRによる遺伝子発現の検出を含みうる。いくつかの他の実施形態では、遺伝子発現は、例えばウェスタンブロットでタンパク質産物を検出することで検出しうる。
いくつかの実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現レベルは、1又はそれ以上のバイオマーカーをコードする遺伝子のコピー数の決定により評価される。コピー数(すなわち、遺伝子重複事象)は、例えば、Jiangら(Jiang Q, Ho YY, Hao L, Nichols Berrios C, Chakravarti A. Copy number variants in candidate genes are genetic modifiers of Hirschsprung disease. PLoS One. 2011;6(6))に記載されるDNAチップを用いて、当該技術分野で公知の標準技術を用いて決定しうる。
本明細書に記載される予測方法のいくつかの好ましい実施形態では、当該方法はインビトロ又はエクスビボで行われる。
〔治療被験体の選択方法〕
本開示のこの側面の第3態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のため、非小細胞肺がん(NSCLC)である、その疑いがある、又はNSCLCと診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、上記本明細書の本側面の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体の同定工程;及び、当該同定された被験体の治療のための選択工程を含む。
ある実施形態では、この態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療を継続するために、非小細胞肺がん(NSCLC)である、その疑いがある、又はNSCLCと診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、本開示のこの側面の上記第2態様により特定された予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定し、かつ、当該同定された被験体の治療のための選択を含む。
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、治療は、本明細書に記載される、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤の被験体への投与を含む。従って、ある実施形態では、治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。
いくつかの好ましい実施形態では、治療は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、又はリツキシマブ等のモノクローナル抗体である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、タキサン類のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤である。いくつかの好ましい態様では、さらなるがん治療は、塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ、及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ドセタキセルである。さらに他の特に好ましい態様では、さらなるがん治療はエルロチニブである。
〔キット〕
本開示の本側面の第4態様は、診断キット及び試験装置に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載された1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は以上の試薬を含む診断キットを提供し、当該各試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的である。いくつかの実施形態では、当該検出用試薬は各々、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群から選択されるバイオマーカーに対して選択的である。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は本明細書に記載されたバイオマーカーの1つに選択的に結合する;かつ、当該1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する1又はそれ以上の試薬、又は当該特異的結合メンバー及び当該バイオマーカーにより形成された複合体の検出及び/又は定量化のための、1又はそれ以上の試薬を含む。いくつかの実施形態では、各特異的結合メンバーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、検出用試薬又は特異的結合メンバーは、以下の:NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択されるバイオマーカーに選択的である。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、NTproBNPに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、エンドスタチンに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:NTproBNP、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、VDBP、Cystatin−C、Hepsin、LDH、及び/又はAxlからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、IGFBP−2に選択的に結合する特異的結合メンバー、LDHに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:NTproBNP、エンドスタチン、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、VEGF−Dに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、GDF−15に選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、AB−40に選択的に結合する特異的結合メンバー及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、AB−40に選択的に結合する特異的結合メンバー、RAGEに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1β、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチンC、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、AB−40に選択的に結合する特異的結合メンバー、RAGEに選択的に結合する特異的結合メンバー、VDBPに選択的に結合する特異的結合メンバー、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上の特異的結合メンバーを含み、その各々は、以下の:NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1β、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群より選択されるバイオマーカーに選択的に結合する。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、診断キット又は試験装置は、基板上にアレイの形態で提供されるか、又はビーズ又はマイクロスフェア等の複数の粒子に結合された、複数の前記特異的結合メンバーを含む。当該粒子は、検出可能な標識でコードしうる。ある実施形態では、当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含む。
当該特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出する診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ、から選択される技術を用いて行われる。
当該診断キット又は検査装置のいくつかの実施形態では、キット又は検査装置は、検出用の試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む。当該診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、当該キット又は試験装置は、15、20、25、30、40、又は50以下の特異的結合メンバーを含む。
本開示はまた、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における当該診断キット及び試験装置の使用を提供する。好ましい実施形態では、がん関連転帰は、本明細書に記載される、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
ある実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、若しくはPHGDH阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
当該予測方法に用いられる診断キット又はテスト装置のいくつかの実施形態では、被験体は、NSCLCであり、であると疑われる、又は、と診断されている。
いくつかの実施形態では、本方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定され得る。
本開示の本側面の第5態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法においてNTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための試薬の使用に関する。
本開示の本側面の第6態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々がNTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチンC、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、バイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上試薬の使用に関する。ある実施形態では、検出用の当該試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む。当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
いくつかの実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される通りであり得る。
〔使用〕
本開示の本側面の第7態様は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとしての、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlの1又はそれ以上の使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、NTproBNP、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のエンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlの使用に関する。ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、エンドスタチン、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のNTproBNP、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlの使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、IGFBP−2、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のNTproBNP、エンドスタチン、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlの使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、VEGF−D、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のNTproBNP、IGFBP−2、エンドスタチン、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlの使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、GDF−15、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のNTproBNP、IGFBP−2、エンドスタチン、VEGF−D、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlの使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、AB−40、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上のNTproBNP、IGFBP−2、エンドスタチン、VEGF−D、GDF−15、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlの使用に関する。
いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNPである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、エンドスタチンである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、IGFBP−2である。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、VEGF−Dである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、GDF−15である。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、AB−40である。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、ALPである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、MCP−3である。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、SOD−1である。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、BMP−9である。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、IL−8である。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、MIP−1βである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、RAGEである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、MPOである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgAである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、HE4である。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、ADMである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、B2Mである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、VDBPである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、シスタチン−Cである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、ヘプシンである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、LDHである。いくつかの好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axlである。
いくつかの態様では、当該使用は、本開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される方法におけるバイオマーカーとしての使用である。
〔被験体の治療方法〕
本開示の本側面の第8態様は、非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はと診断された、被験体の治療方法に関する。ある実施形態では、本方法は、開示の本側面の上記開示の第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、治療用被験体を同定する工程;及びEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療的有効量を前記被験体に投与する工程を含む。
すなわち、いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:(a)当該被験体から試料を得る工程;(b)本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に前記被験体が、感受性があるかどうかを判定する工程;(c)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;を含む。
ある実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記第1及び第2態様により特定される予測方法を用いて、当該治療に感受性であると同定された被験体に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を投与する工程を含む。
他の実施形態では、当該方法は、以下の:(a)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;及び(b)本開示の第2側面の上記第2側面に従って定義された予測方法を用いて、前記被験体が前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程を含む。ある実施形態では、本方法はさらに、(c)前記被験体が前記治療に感受性であると同定される場合、EMTを阻害若しくは逆転させることができる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤を、前記被験体に投与することを含む。
本開示の本側面の第9態様は、非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
本開示の本側面の第10態様は、非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。いくつかの好ましい態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025である。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該治療は単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。
いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、又はリツキシマブ等のモノクローナル抗体である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、タキサン類のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤である。いくつかの好ましい態様では、さらなるがん治療は、塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ、及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ドセタキセルである。さらに他の特に好ましい態様では、さらなるがん治療はエルロチニブである。
〔開示に関する記載〕
以下の番号つきの記載は、本開示の本側面に関し、記載の部分を構成する:
101.被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む、前記被験体におけるがん関連転帰を予測する方法であって;
ここで、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群より選択され;かつ、
ここで、前記被験体が、非小細胞肺がん(NSCLC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、方法。
102.以下の:
前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、
前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測をする工程;を含む、101に記載の方法。
103.前記予測は、前記試料プロファイルを制御プロファイルと比較して行われる、102に記載の方法。
104.前記試料プロファイルが、前記被験体が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤との接触、又は、投与前に得られる、103に記載の方法。
105.前記対照プロファイルは、以下の:
(i)NSCLCである対照被験体集団から得られた;又は
(ii)NSCLCであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)から得られた;
(iii)バイオマーカーの発現、活性又は量の値の所定のプロファイルであって、例えば、NSCLCであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非反応被験体)から得られた、例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル、又は値の「標準範囲」;
(iv)NSCLCであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均」値である対照試料由来であり、
(v)NSCLCであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)から得られた、バイオマーカー発現、活性、又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、
(vi)NSCLCであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「閾値」である対照試料由来である、である、104に記載の方法。
106.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
107.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、105に記載の方法。
108.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、MPO、VDBP及び/又はAxlのうちの少なくとも1つを含み、ここで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜107のいずれか一項に記載の方法。
109.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、RAGE、CgA、HE4、ADM、B2M、シスタチン−C、ヘプシン、及び/又はLDH、のうちの少なくとも1つを含み、
対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、105〜108のうちのいずれか一項に記載の方法。
110.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおいて、以下の:
NTproBNPの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、
エンドスタチンの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、
IGFBP−2の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、
VEGF−Dの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、
GDF−15の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、
ABDF−40の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、
ALPの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、
RAGEの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、
CgAの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、
HE4の活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、
ADMの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、
B2Mの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、
シスタチン−Cの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、
ヘプシンの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、
LDHの活性、発現、又は量がより低く;及び/又は、
MCP−3の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、
SOD−1の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、
BMP−9の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、
IL−8の活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、
MIP−1βの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、
VDBPの活性、発現、又は量がより高く;及び/又は、
Axlの活性、発現、又は量がより高い;場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、104〜109のいずれか一項に記載の方法。
111.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNPを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
112.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、エンドスタチンを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
113.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、IGFBP−2を含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、Hepsin、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
114.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、VEGF−Dを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
115.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、GDF−15を含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
116.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、AB−40を含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
117.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、ALPを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
118.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、MCP−3を含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
119.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、SOD−1を含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
120.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、BMP−9を含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
121.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、IL−8を含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxl選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
122.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、MIP−1βを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
123.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、RAGEを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1β、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
124.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、MPOを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
125.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、CgAを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1β、RAGE、MPO、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
126.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、HE4を含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1β、RAGE、MPO、CgA、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
127.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、ADMを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
128.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、B2Mを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1β、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
129.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、VDBPを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
130.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、シスタチン−Cを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
131.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、ヘプシンを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1β、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、LDH、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
132.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、LDHを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1β、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、及び/又はAxlから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
133.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axlを含み、場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1β、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、及び/又はLDHから選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20のさらなるバイオマーカーを含む、101〜110のいずれか一項に記載の方法。
134.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、NTproBNPを含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
135.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、エンドスタチンを含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
136.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、IGFBP−2を含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
137.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、VEGF−Dを含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
138.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、GDF−15を含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
139.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、AB−40を含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
140.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、ALPを含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
141.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、MCP−3を含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
142.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、SOD−1を含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
143.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、BMP−9を含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
144.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、IL−8を含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
145.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、MIP−1βを含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
146.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、RAGEを含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
147.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、MPOを含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
148.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、CgAを含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
149.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、HE4を含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
150.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、ADMを含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
151.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、B2Mを含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
152.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、VDBPを含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
153.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、シスタチン−Cを含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
154.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、ヘプシンを含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
155.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、LDHを含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
156.前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、さらに、Axlを含む、111〜133のいずれか一項に記載の方法。
157.以下の:
前記Axlバイオマーカーは、UniProt受託番号P30530−1又はP30530−2(登録版196)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記脳性ナトリウム利尿ペプチド(NTproBNP)バイオマーカーのN末端プロホルモンは、UniProt受託番号P16860−1(登録版186)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記エンドスタチンバイオマーカーは、UniProt受託番号P39059−1(登録版170)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記インシュリン様成長因子結合タンパク質2(IGFBP−2)バイオマーカーは、UniProt受託番号P18065−1(登録版193)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記血管内皮増殖因子D(VEGF−D)バイオマーカーは、UniProt受託番号O43915−1(登録版159)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記成長/分化因子15(GDF−15)は、UniProt受託番号Q99988−1(登録版166)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記ベータアミロイド1−40(AB−40)バイオマーカーは、UniProt受託番号P05067−1、P05067−2、P05067−3、P05067−4、P05067−5、P05067−6、P05067−7、P05067−8、P05067−9、P05067−10、又はP05067−11(登録版271)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記抗ロイコプロテイナーゼ(ALP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P03973(登録版184)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記単球走化性タンパク質3(MCP−3)は、UniProt受託番号P80098−1(登録版169)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記スーパーオキシドジスムターゼ1、可溶性(SOD−1)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00441−1(登録版240)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記骨形成タンパク質9(BMP−9)のバイオマーカーは、UniProt受託番号Q9UK05−1(登録版162)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記インターロイキン−8(IL−8)バイオマーカーは、UniProt受託番号P10145(登録版210)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記マクロファージ炎症性タンパク質−1β(MIP−1β)バイオマーカーは、UniProt受託番号P13236(登録版187)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記進行性グリコシル化最終生成物の受容体(RAGE)バイオマーカーは、UniProt受託番号Q15109−1、Q15109−2、Q15109−3、Q15109−4、Q15109−5、Q15109−6、Q15109−7、Q15109−8、Q15109−9、Q15109−10(登録版189)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記ミエロペルオキシダーゼ(MPO)バイオマーカーは、UniProt受託番号P05164−1、P05164−2、又はP05164−3(登録版217)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記クロモグラニン−A(CgA)バイオマーカーは、UniProt受託番号P10645−1(登録版200)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記HE4バイオマーカーは、UniProt受託番号Q14508−1、Q14508−2、Q14508−3、Q14508−4、又はQ14508−5(登録版169)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記アドレノメデュリン(ADM)バイオマーカーは、UniProt受託番号P35318−1(登録版174)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記β−2−ミクログロブリン(B2M)バイオマーカーは、UniProt受託番号P61769−1(登録版181)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記ビタミンD結合タンパク質(VDBP)バイオマーカーは、UniProt受託番号P02774−1、P02774−2、又はP02774−3(登録版201)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記シスタチン−Cバイオマーカーは、UniProt受託番号P01034−1(登録版213)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記ヘプシンバイオマーカーは、UniProt受託番号P05981−1(登録版183)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、P00338−1、P00338−2、P00338−3、P00338−4、又はP00338−5(登録版224)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
前記乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07195−1(登録版218)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;
又は、前記アミノ酸配列をコードする全長の核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)である、101〜156のいずれか一項に記載の方法。
158.前記方法が、前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の前記バイオマーカーの量を測定することを含む、101〜157のいずれか一項に記載の方法。
159.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、
検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、104〜158のいずれか一項に記載の方法。
160.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:
試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、
前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、159に記載の方法。
161.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、160に記載の方法。
162.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ選択される技術を用いて行われる、160又は161に記載の方法。
163.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、160〜162のいずれか一項に記載の方法。
164.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はNSCLCによって変化しない、160〜162のいずれか一項に記載の方法。
165.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、101〜164のいずれか一項に記載の方法。
166.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、165に記載の方法。
167.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、166に記載の方法。
168.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、167に記載の方法。
169.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、168に記載の方法。
170.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、168に記載の方法。
171.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、166記載の方法。
172.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、171に記載の方法。
173.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、165〜172のいずれか一項に記載の方法。
174.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、165〜172のいずれか一項に記載の方法。
175.前記さらなるがん治療は、以下の:
(i)ブスルファン等のアルキルスルホン酸塩を含むアルキル化剤;
(ii)クロラムブシル、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン及びウラムスチン等のナイトロジェンマスタード;
(iii)チオテパ等のエチレンイミン誘導体;
(iv)カルムスチン、ロムスチン及びストレプトゾシン等のニトロソウレア;
(v)ダカルバジン、プロカルバジン、及びテモゾラミド等のトリアゼン;
(vi)シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチンオンナプラチン、テトラプラチン、スプロプラチン、イプロプラチン、クロロ(ジエチレンジアミノ)−白金(II)塩化物、ジクロロ(エチレンジアミノ)−白金(II)、ジアミノ(2−エチルマロナト)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナトプラチン(II)、(4−カルボキシフタロ)−(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラート)白金(II)及び(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(ピルバト)白金(II)等の白金化合物;
(vii)メトトレキサート、パーメトレキセート、ラルチトレキセート及びトリメトレキセート等の抗葉酸薬を含む代謝拮抗薬;
(viii)アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン及びトロキサシタビン等のピリミジン類似物質;
(ix)クラドリビン、クロロデオキシアデノシン、クロロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン及びチオグアニン等のプリン類似物質;
(x)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ミスラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ポルフィロマイシン等の抗腫瘍抗生物質を含む天然産物;
(xi)ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、及びバルビシン等のアントラサイクリン系薬剤;
(xii)ビンカアルカロイド系のビンブラスチン、ビンベシル、ビンクリスチン、ビンデシン、及びビノレルビン等の有糸分裂阻害剤;
(xiii)L−アスパラギナーゼ及びPEG−L−アスパラギナーゼ等の酵素;
(xiv)タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;
(xv)カンプトテシン、イリノテカン及びトポテカン等のトポイソメラーゼI阻害剤;
(xvi)ポドフィロトキシン、アムサクリン、エトポシド、テニポシド、ロソキサントロン及びアクチノマイシン等のトポイソメラーゼII阻害剤;
(xvii)以下のホルモン及びホルモン拮抗剤:
−フルオキシメステロン及びテストラクトン等のアンドロゲン;
−ビカルタミド、シプロテロン、フルタミド及びニルタミド等の抗アンドロゲン剤;
−デキサメタゾン及びプレドニゾン等のコルチコステロイド薬;
−アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタン及びレトロゾール等のアロマターゼ阻害剤;
−ジエチルスチルベストロール等のエストロゲン類;
−フルベストラント、ラロキシフェン、タモキシフェン及びトレミフィン等の抗エストロゲン剤;
−アバレリックス、ブセレリン、ゴセレリン、リュープロリド、ヒストレリン、デソレリン、酢酸ナファレリン及びトリプトレリン等の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)作用薬と拮抗薬;
−酢酸メドロキシプロゲステロン及び酢酸メゲストロール等のプロゲスチン;
−レボチロキシン及びリオチロニン等の甲状腺ホルモン;
(xviii)ペリホシン、エンザスタウリン塩酸塩及びトリシリビン等のPKB経路阻害剤;
(xix)セマフォア及びSF1126等のP13K阻害剤並びにラパマイシン及びその類似物質等のMTOR阻害剤;
(xx)セリシクリブ、アルボシジブ及び7−ヒドロキシスタウロスポリン等のCDK阻害剤;
(xxi)セレコキシブを含むCOX−2阻害剤;
(xxii)トリコスタチンA、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、及びクラミドシンを含むHDAC阻害剤;
(xxiii)DNAメチラーゼ阻害剤(テモゾロミドを含む)及びその他の薬剤(アルトレタミン、三酸化ヒ素、サリドマイド、レナリドミド、硝酸ガリウム、レバミゾール、ミトタン、ヒドロキシ尿素、オクトレオチド、プロカルバジン、スラミン、メトキサレン及びナトリウムポルフィマー等の光力学的化合物);
(xxiv)ボルテゾミブ等のプロテアソーム阻害剤;
(Xxv)遺伝子治療薬及びアンチセンス治療薬等の機能的治療薬を含む分子標的治療薬;
(xxvi)塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤;
(xxvii)ソラフェニブ等のRaf阻害剤、並びにレチノイド及びレキシノイド等の遺伝子発現調節剤、例えばアダパレン、ベキサロテン、trans−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸、及びN−(4−ヒドロキシフェニル)レチナミド;
(xxviii)表現型標的治療薬である、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、リツキシマブ、トラスツズマブ等のモノクローナル抗体、ゲムツズマブ・オゾガミシン等の免疫毒素、I−トシツモバブ等の放射性免疫複合体;
(xxix)がんワクチン;
(xxx)生物学的療法剤である、インターフェロン−[α]2a及びインターフェロン−[α]2b等のインターフェロン、及びアルデスロイキン、デニロイキンジフチトクス及びオプレルベキン等のインターロイキン;
(xxxi)予防薬又は補助薬の使用を含む抗がん療法:アミフォスチン及びデクスラゾキサン等の細胞保護薬、パミドロネート及びゾレドロン酸等のホスホネート、並びにエポエチン、ダルベペチン、フィルグラスチム、PEG−フィルグラスチム及びサルグラモスチム等の刺激因子;
(xxxii)Axl阻害剤である、1−(6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジン−3−イル)−N3−((7−(S)−ピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン等;及び/又は、
(xxxiii)さらなる併用化学療法計画である、カルボプラチン/パクリタキセル、カペシタビン/ドセタキセル、フルオラウラシル/レバミゾール、フルオラウラシル/ロイコボリン、メトトレキサート/ロイコボリン、及びトラスツズマブ/パクリタキセルの単独又はさらなるカルボプラチンとの併用等;
中から選択される、174に記載の方法。
176.前記さらなるがん治療は、以下の:
(i) PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤;
(ii) ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、リツキシマブのモノクローナル抗体;
(iii) タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;及び/又は
(iv) 塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ、セマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤である、129に記載の方法。
177.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、176に記載の方法。
178.前記さらなるがん治療は、ドセタキセルである、176に記載の方法。
179.前記さらなるがん治療は、エルロチニブである、176に記載の方法。
180.前記被験体が哺乳動物、場合によっては、前記被験体がヒトである、101〜179のいずれか一項に記載の方法。
181.前記予測方法は、NSCLCの治療前に実施される、101〜180のいずれか一項に記載の方法。
182.前記予測方法は、NSCLCの治療中又は治療コース後に実施される、101〜181のいずれか一項に記載の方法。
183.前記被験体が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている、101〜180又は182のいずれか一項に記載の方法。
184.前記被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている、183に記載の方法。
185.前記被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている、183又は184に記載の方法。
186.前記被験体が、以前EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療されていない、101〜181のいずれか一項に記載の方法。
187.前記被験体が、以前Axl阻害剤で治療されていない、186に記載の方法。
188.前記被験体が、以前Akt3阻害剤で治療されていない、186に記載の方法。
189.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、101〜188のいずれか一項に記載の方法。
190.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、189に記載の方法。
191.前記試料は、血清試料である、190に記載の方法。
192.前記方法が、前記被験体における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現、又は量を評価する後工程をさらに含み、試料プロファイルは、前記被験体を、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる剤と、接触させた後に得られる、104〜191のいずれか一項に記載の方法。
193.前記試料プロファイルは、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させた後に得られる、103に記載の方法。
194.前記対照プロファイルが、前記被験体を、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させる前に、同一被験体から得られる、192又は193に記載の方法。
195.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、194に記載の方法。
196.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、194に記載の方法。
197.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が増える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、194に記載の方法。
198.対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量が減る場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより低いことを示す、194に記載の方法。
199.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともAxlを含む、195に記載の方法。
200.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともNTproBNPを含む、195に記載の方法。
201.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともエンドスタチンを含む、195に記載の方法。
202.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともIGFBP−2を含む、195に記載の方法。
203.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともVEGF−Dを含む、195に記載の方法。
204.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともGDF−15を含む、195に記載の方法。
205.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともAB−40を含む、195に記載の方法。
206.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともALPを含む、195に記載の方法。
207.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともMCP−3を含む、195に記載の方法。
208.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともSOD−1を含む、195に記載の方法。
209.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともBMP−9を含む、195に記載の方法。
210.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともIL−8を含む、195に記載の方法。
211.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともMIP−1βを含む、195に記載の方法。
212.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともRAGEを含む、195に記載の方法。
213.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともMPOを含む、195に記載の方法。
214.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともCgAを含む、195に記載の方法。
215.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともHE4を含む、195に記載の方法。
216.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともADMを含む、195に記載の方法。
217.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともB2Mを含む、195に記載の方法。
218.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともVDBPを含む、195に記載の方法。
219.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともシスタチン−Cを含む、195に記載の方法。
220.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともヘプシンを含む、195に記載の方法。
221.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともLDHを含む、195に記載の方法。
222.前記被験体又は前記被験体由来の試料における1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、各々が特定のバイオマーカーに対して選択的である、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量を検出する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬と、接触させる工程;かつ、検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程;を含む、192〜221のいずれか一項に記載の方法:
223.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中の1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:試料又は試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質又はmRNAに選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質又はmRNAにより形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、222に記載の方法。
224.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、223に記載の方法。
225.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ;から選択される技術を用いて行われる、223又は224に記載の方法。
226.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、223〜225のいずれか一項に記載の方法。
227.前記1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現はNSCLCによって変化しない、223〜225のいずれか一項に記載の方法。
228.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、196〜227のいずれか一項に記載の方法。
229.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、228に記載の方法。
230.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、229に記載の方法。
231.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、230に記載の方法。
232.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、230に記載の方法。
233.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、228記載の方法。
234.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、233に記載の方法。
235.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、228〜234のいずれか一項に記載の方法。
236.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、228〜234のいずれか一項に記載の方法。
237.前記さらなるがん治療は、上記175に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、236に記載の方法。
238.前記さらなるがん治療は、(i) PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤;
(ii) ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、リツキシマブのモノクローナル抗体;
(iii) タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;及び/又は
(iv) 塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ、セマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤である、236記載の方法。
239.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブであるである、238記載の方法。
240.前記さらなるがん治療がドセタキセルである、238に記載の方法。
241.前記さらなるがん治療は、エルロチニブである、238に記載の方法。
242.前記被験体が哺乳動物、場合によっては、前記被験体がヒトである、193〜241のいずれか一項に記載の方法。
243.前記被験体が、上記101〜192のいずれか1つの予測方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる前記薬剤又は化学療法剤による治療に選択される、193〜242のいずれか一項に記載の方法。
244.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、193〜243のいずれか一項に記載の方法。
245.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、244に記載の方法。
246.前記試料は、血清試料である、245に記載の方法。
247.前記方法が、インビトロ又はエクスビボで行われる、1〜246のいずれか一項に記載の方法。
201a.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために、非小細胞肺がん(NSCLC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:101〜180のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
202a.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による継続治療のために、非小細胞肺がん(NSCLC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、193〜247のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
203a.前記治療が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転させることができる治療有効量の薬剤を被験体に投与することを含む、201a又は202aに記載の方法。
204a.前記治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、203aに記載の方法。
205a.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204aに記載の方法。
206a.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、205aに記載の方法。
207a.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、206aに記載の方法。
208a.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、206aに記載の方法。
209a.前記治療が、Axl阻害剤を含む、204aに記載の方法。
210a.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、209aに記載の方法。
211a.前記治療が、単剤として投与される、203a〜210aのいずれか一項に記載の方法。
212a.前記治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、203a〜211aのいずれか一項に記載の方法。
213a.前記さらなるがん治療は、上記175に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、212aに記載の方法。
214a.前記さらなるがん治療は、(i) PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤;
(ii) ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、リツキシマブのモノクローナル抗体;
(iii) タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;及び/又は
(iv) 塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ、セマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤である、212aに記載の方法。
215a.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、212aに記載の方法。
216a.前記さらなるがん治療は、ドセタキセルである、214aに記載の方法。
217a.前記さらなるがん治療は、エルロチニブである、214aに記載の方法。
301.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する、その各々は、前記1又はそれ以上のバイオマーカーがNTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む診断キット。
302.1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出するための、その各々は前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群より選択されからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の試薬を含む試験装置。
303.前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、以下の:NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群より選択されからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバー;かつ、前記1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する、1若しくはそれ以上の試薬、又は前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカーによって形成された複合体を検出及び/又は定量化する、1又はそれ以上の試薬;を含む、301又は302に記載の診断キット又は検査装置。
304.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、303に記載の診断キット又は検査装置。
305.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出が、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用によって行われる、303又は304に記載の診断キット又は検査装置。
306.前記キット又は検査装置は、検出用試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む、301〜305のいずれかに記載の診断キット又は検査装置。
307.被験体のがん関連転帰を予測する方法に用いられる、301〜306のいずれかに記載の診断キット又は検査装置。
308.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、307に記載の診断キット又は検査装置。
309.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
310.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
311.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、310に記載の診断キット又は検査装置。
312.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、312に記載の診断キット又は検査装置。
313.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、311に記載の診断キット又は検査装置。
314.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤がAkt3阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
315.前記被験体が、NSCLCである、であると疑われる、又はと診断されていた、307〜310のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
316.前記方法は、101〜247のいずれか一項に記載の方法である、307〜315のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
317.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1β、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群から選択されるバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
318.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、各々が、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlからなる群から選択される特定のバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、バイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
319.前記検出用試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む、317又は318に記載の使用。
320.被験体におけるがん関連の転帰を予測する方法は、101〜247のいずれか1つに基づく方法である、317〜319のいずれか一項に記載の使用。
401.被験体がEMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に感受性があるかを判定するバイオマーカーとしての、NTproBNP、エンドスタチン、IGFBP−2、VEGF−D、GDF−15、AB−40、ALP、MCP−3、SOD−1、BMP−9、IL−8、MIP−1ベータ、RAGE、MPO、CgA、HE4、ADM、B2M、VDBP、シスタチン−C、ヘプシン、LDH、及び/又はAxlの1又はそれ以上の使用。
402.(i)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示し;又は、(ii)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する1又はそれ以上の前記バイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す;401の使用。
403.(i)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が増えた場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;か、又は、(ii)被験体をがん治療剤と接触させた後、各バイオマーカーの対照プロファイルに対する、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現又は量が減少した場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が高まったことを示す;401の使用。
404.前記方法は、101〜247のいずれか一項に記載の方法である、401〜403のいずれか一項に記載の使用。
501.非小細胞肺がん(NSCLC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:上記101〜247のいずれか一項に記載の方法を用いて、治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;を含む、方法。
502.非小細胞肺がん(NSCLC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:(a)被験体からの試料の採取工程;(b)前記被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤、又は上記101〜247のいずれか一項に記載された方法を用いた化学療法剤による治療に感受性があるかどうかの判定工程;(c)前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量の前記被験体への投与工程;を含む、方法。
503.非小細胞肺がん(NSCLC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤を、上記101〜247のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記治療に感受性であると同定された被験体に投与する工程を含む、方法。
504.非小細胞肺がん(NSCLC)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;及び前記被験体が、上記193〜247のいずれかに記載の方法を用いて、前記治療に感受性があるかどうかを判定する工程;を含む、方法。
505.前記方法が、前記被験体が前記治療に対して感受性であると同定される場合、EMTを阻害又は逆転しうる1又はそれ以上のさらなる治療有効量の薬剤又は化学療法剤を前記被験体に投与することを含む、504に記載の方法。
506.非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤。
507.非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜505のいずれか一項に記載の方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用。
508.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、501〜507のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
509.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
510.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、509に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
511.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、510に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤を含む、508に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
513.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、512に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
514.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、単剤として投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
515.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、501〜513のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
516.上記175に列挙されたさらなるがん治療の中からさらなるがん治療が選択される、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
517.前記さらなるがん治療は、(i) PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤;
(ii) ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、リツキシマブのモノクローナル抗体;
(iii) タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;及び/又は
(iv) 塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ、セマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤である、515に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
518.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
519.前記さらなるがん治療は、ドセタキセルである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
520.前記さらなるがん治療は、エルロチニブである、517に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
《第7側面:乳酸脱水素酵素(LDH)》
悪性メラノーマとしても知られるメラノーマは、メラニン形成細胞から発生するがんの一種である。当該がんは、通常、皮膚に生じるが、口腔、腸、又は眼にもおこりうる。メラノーマに対する化学療法剤療法としては、例えば、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、及びニボルマブがあげられる。転移性メラノーマに対する当該治療の成功率には未だ総じて限界があり、この種のがんに対する標的療法が未だに必要である(非特許文献6)。
非小細胞肺がん(NSCLC)は、小細胞肺がん(SCLC)以外のあらゆる種類の上皮性肺がんであり、全肺がんの大部分を占める。非小細胞肺がんは予後とマネジメントが類似する、扁平上皮がん、腺がん、大細胞肺がんの3つと、組織学的分類に分類される。腺がんは、肺がんの最も一般的な組織型である。非小細胞肺がんはしばしば、シスプラチン又はカルボプラチンを、ゲムシタビン、パクリタキセル、ドセタキセル、エトポシド又はビノレルビンと併用して治療される。NSCLCに対する標的療法が依然として必要である(非特許文献8〜9)。
従って、メラノーマ又はNSCLCである被験体におけるがん関連転帰、例えば、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性、を予測する安定したバイオマーカーは、特定の薬剤/計画による治療に反応するか又は利益を受ける見込みが最も高い被験体を同定するのに有用であろう。
本明細書で記載される「応答性」被験体とは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤、又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが高い、又は反応する(又は治療から利益を受ける)被験体である。
これに対応する、本明細書で記載される「非応答性」被験体は、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤、又は化学療法剤、例えば、小分子Axlキナーゼ阻害剤BGB324/R428/ベムセンチニブを用いて、単剤として又は別のがん治療と組み合わせて投与する場合に、治療に反応する見込みが低い(又は反応しない)被験体である。
本明細書中で用いられる「治療に反応する」又は「治療から利益を得る」とは、治療からの全体的な臨床的利益を経験することをいう。この全体的な臨床的利益とは、生存期間の延長、疾患の部分寛解又は完全寛解、疾患の進行の遅延又は非進行、腫瘍の縮小(例えば、腫瘍体積の5、10、20、30、40%又はそれ以上の減少)、腫瘍体積の減少(例えば、腫瘍体積の5、10、20、30、40%又はそれ以上の減少)、腫瘍増大の遅延又は非増大、腫瘍体積増加の遅延又は非進行、生活の質の改善、無増悪生存、全体生存、又はその他の正の患者転帰;のいずれかである。腫瘍体積/負荷を決定する適当な方法は、当業者に周知であり、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)又は磁気共鳴画像(MRI)画像技術;X線画像、例えば、マンモグラフィ;超音波画像;核画像、例えば、陽電子放出断層撮影(PET)、PET/CTスキャン、骨スキャン、ガリウムスキャン、又はメタヨードベンジルグアニジン(MIBG)スキャン;生物発光画像(BLI);蛍光画像(FLI);BD ToF(赤外線系3D飛行時間カメラ画像技術である。
〔バイオマーカー〕
本明細書における用語「マーカー」又は「バイオマーカー」は、被験体又は前記被験体に由来する試料における発現が、がんにおいて、例えば上方又は下方調節されて改変又は変調される遺伝子又はタンパク質を示すのに用いられる。当該バイオマーカーがタンパク質である場合、発現の変調又は改変は、異なる翻訳後修飾を介する変調を包含する。
本開示の当該側面のいかなる態様でも、本明細書に記載されるバイオマーカーは、以下の:
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00338−1、P00338−2、P00338−3、P00338−4、又はP00338−5(登録版224)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;及び/又は
乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07195−1(登録版218)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;と特定されうる。
本明細書に記載されるバイオマーカーはまた、上記アミノ酸配列のいずれかをコードする全長核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)として特定され得る。
同一性FASTA及びFASTP(Pearson&Lipman,1988.Methods in Enzymology 183:63-98を参照)を用いた配列比較を用いて特定しうる。パラメータは、以下の:Gapopen(ギャップの最初の残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−12/DNAに対する−16;Gapext(ギャップの追加残基に対するペナルティ):タンパク質に対する−2/DNAに対する−4;KTUPワード長:タンパク質に対する2/DNAに対する6の、デフォルトのマトリクスを用いて設定するのが好ましい。
〔治療前予測のバイオマーカー及び方法〕
発明者らは、臨床試験BGBIL006(NCT02872259)及びBGBC008(NCT03184571)から得られた患者データを解析して、乳酸脱水素酵素(LDH)が、NSCLC又はメラノーマである被験体の治療前に、「非応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで「応答性」被験体の血清中に存在することを発見した(実施例7を参照)。従って、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療前に、当該バイオマーカーの活性、発現又は量を評価すれば、被験体が、当該薬剤による治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうる。
従って、本側面の第1態様では、本開示は、非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、の疑いがある、又はNSCLC又はメラノーマと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測する方法を提供し、当該方法は、前記被験体における又は前記被験体に由来する試料におけるバイオマーカーLDHの活性、発現、又は量を評価することを含む。
非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はNSCLCと診断された実施形態では、当該方法は、当該バイオマーカーLDH、及び被験体又は被験体に由来する試料中に存在する、Axl、βアミロイド1−40(AB−40)、アグレカンコアタンパク質(アグレカン)、フェリチン(FRTN)、進行性グリコシル化最終産物の受容体(RAGE)、神経細胞接着分子(Nr−CAM)、スクレロスチン、前立腺特異的抗原、遊離(PSA−f)、上皮成長因子受容体(EGFR)、神経線維重鎖ポリペプチド(NF−H)、ドーパミンβ−ヒドロキシラーゼ(DBH)、フィブリン−1C(Fib−1C)、ミオグロビン、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、内臓脂肪組織−セルピンA12(Vaspin)、インターロイキン−23(IL−23)、アルファ−2−マクログロブリン(A2Macro)、組織メタロプロテイナーゼ阻害剤(TIMP−2)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、テトラネクチン、骨髄前駆細胞抑制因子1(MPIF−1)、膵臓ポリペプチド(PPP)、インターロイキン−7(IL−7)、肺及び活性化調節ケモカイン(PARC)、がん抗原15−3(CA−15−3)、ペプシノーゲンI(PGI)、アポリポタンパク質E(ApoE)、アポリポタンパク質C−I(ApoC−I)、マクロファージ刺激タンパク質(MSP)、C−Cモチーフケモカイン15(CCL15)、プログラニュリン、カルシノエンブリオン抗原関連細胞接着分子1(CEACAM1)、ビタミンD結合タンパク質(VDBP)、炭酸脱水酵素9(CA−9)、及び/又は乳酸脱水素酵素(LDH)からなる群から選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含んでよい。
メラノーマである、の疑いがある、又はメラノーマと診断された実施形態では、当該方法は、当該バイオマーカーLDH、及び被験体又は被験体に由来する試料中に存在する、Axl、インターロイキン−6受容体(IL−6r)、ケモカインCC−4(HCC−4)、メタロプロテイナーゼ1の組織阻害剤(TIMP−1)、ヘパリン結合EGF様成長因子(HB−EGF)、抗ロイコプロテイナーゼ(ALP)、トランスフォーミング増殖因子β1の潜伏関連ペプチド(LAP TGF−b1)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来増殖因子BB(PDGF−BB)、オステオプロテゲリン(OPG)、好中球活性化ペプチド2(NAP−2)、ST2、腫瘍壊死因子受容体I(TNF RI)、血管内皮増殖因子(VEGF)、及び/又は成長調節αタンパク質(GRO−α)からなる群から選択される1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含んでよい。
本明細書に記載される「がん関連転帰」は、がんと関連する臨床的予測又は予後である。ある実施形態では、がん関連転帰は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である。
いくつかの実施形態では、本方法は、前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、LDHの活性、発現、又は量を評価して、LDHの試料プロファイルを得る工程;かつ、前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含む。
本明細書中で用いる「試料プロファイル」は、被験体又は被験体に由来する試料において決定されたLDHの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
本方法のいくつかの実施形態では、予測は、試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる。本明細書で用いる「対照プロファイル」は、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、LDHの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。適当な対照プロファイルは、以下で詳細に説明される。
LDHは、被験体の治療前に、「応答性」被験体における発現が上方制御されたことが見出された。すなわち、LDHは、「応答性」被験体の血清よりも高いレベルで存在することが見出された。
この「応答性」と「非応答性」の間の発現レベルの差は、逆の方法で表現しうる。すなわちLDHは、被験体の治療前に「非応答性」の被験体における発現が下方制御されたこと、すなわち、LDHは、「応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで「非応答性」の被験体の血清中に存在することが見出された。
当該異なる発現パターンの発見は、被験体が薬剤での治療前に、LDHの活性、発現、又は量を評価することで、当該被験体が、当該薬剤での治療に感受性又は応答性である見込みを判定しうることを意味する。従って、特に好ましい態様では、当該試料プロファイルは、被験体へのEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の接触又は投与前に得られる。
EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療(又は治療からの利益)に反応する見込みが高い、又は応答する被験体であり、薬剤で「治療に感受性がある」被験体は、上記で特定したように、当該薬剤について「応答性」である。「感受性を示す」予測とは、被験体が治療に反応したり、治療から利益を得たりする見込みを示唆又は指摘するものである。
いくつかの態様では、本開示の予測方法は、被験体又は被験体に由来する試料においてLDHの活性、発現、又は量を評価して、LDHの試料プロファイルを得る工程と、1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルに基づいて予測を行う工程を含む。本方法のいくつかの態様では、当該予測は、対照プロファイルと試料プロファイルの比較により行われ、対照プロファイルは、対照被験体又は対照被験体の集団において決定された、LDHの活性、発現、又は量に対応する数値又は数値範囲のプロファイルである。
ある実施形態では、対照プロファイルは、NSCLCである対照被験体の集団及び/又はメラノーマである対照被験体の集団から得ることができる。ある実施形態では、対照プロファイルは、NSCLCでない対照被験体の集団及び/又はメラノーマでない対照被験体の集団から得ることができる。他の実施形態では、対照プロファイルは、NSCLCであり、かつ以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤(すなわち、非応答性被験体)による治療に対する感受性の欠如が見いだされた対照被験体又は対照被験体の集団、及び/又はメラノーマであり、かつ以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤(すなわち、非応答性被験体)による治療に対する感受性の欠如が見いだされた対照被験体又は対照被験体の集団から得ることができる。
ある実施形態では、対照プロファイルは、LDHの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「平均」値、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。LDHの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、NSCLCである対照被験体の集団及び/又はメラノーマである対照被験体の集団、NSCLCでない対照被験体の集団及び/又はメラノーマでない対照被験体の集団から獲得しうる。このLDH発現、活性、又は量の所定のプロファイルは、また、例えば、NSCLCであり、かつ以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤(すなわち、非応答性被験体)による治療に対する感受性の欠如が見いだされた対照被験体又は対照被験体の集団、及び/又はメラノーマであり、かつ以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤(すなわち、非応答性被験体)による治療に対する感受性の欠如が見いだされた対照被験体又は対照被験体の集団から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、NSCLCであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団(すなわち、「応答性被験体」)、及び/又はメラノーマであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団(すなわち、「応答性被験体」)から獲得しうる。ある実施形態では、対照プロファイルは、バイオマーカーの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイル、例えば、「閾値」、又は値の「標準範囲」のプロファイルであってよい。バイオマーカーの発現、活性、又は量のこの所定のプロファイルは、例えば、NSCLCであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団(すなわち、「応答性被験体」)、及び/又はメラノーマであり、かつEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された対照被験体又は対照被験体の集団(すなわち、「応答性被験体」)から獲得しうる。
いくつかの他の実施形態では、対照プロファイルは、LDHの既知の量(例えば、「閾値」量)を備えるコントロール試料から獲得しうる。この閾値量は、例えば、上記のように、非応答性又は応答性の被験体から獲得しうる。
当業者であれば、特定のバイオマーカーの適当な「平均」、「閾値」又は値の「標準範囲」を容易に決定しうる。
例えば、「平均」値は、NSCLCである(又はでない)被験体集団及び/又はメラノーマである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;及び「平均」値の決定に測定されたバイオマーカー活性、発現、又は量を平均して、決定しうる。
例えば、「平均」値は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中のバイオマーカー活性、発現、又は決定された量の平均による、「平均」値の決定により、決定され得る。
例えば、「閾値」は被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中の最高又は最低のバイオマーカー活性、発現、又は量の「閾値」としての適宜選択により決定され得る。
例えば、値の「標準範囲」は、NSCLCである(又はでない)被験体集団及び/又はメラノーマである(又はでない)被験体集団における特定のバイオマーカーの活性、発現又は量の評価、及びこの評価に基づいて値の「標準範囲」を決定することで、決定しうる。
例えば、値の「標準範囲」は、被験体の集団における特定のバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価;EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び当該評価に基づき、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが判明した被験体に対する値の「標準範囲」を決定することで、決定され得る。
対照プロファイルがLDHの発現、活性、又は量の値の所定のプロファイルである場合、これは「ルックアップテーブル」又はデータレコードとして提供され得る。当該所定の対照プロファイルは、複数の対照被験体(例えば、上記の非応答性又は応答性被験体)において決定されたLDHの中心傾向(平均、中央値又は平均)量の尺度に対応する数値又は数値範囲のプロファイルであり得る。当業者であれば、標準的なタンパク質定量化技術及び適当な統計的ツールを用いて、集団内の中心傾向の尺度及び変動の尺度をともに容易に決定しうる。
従って、いくつかの実施形態では、対照プロファイルは、以下の:NSCLCである対照被験体の集団及び/又はメラノーマである対照被験体の集団から得られたもの;NSCLCでない対照被験体の集団及び/又はメラノーマでない対照被験体の集団から得られたもの;NSCLCであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が以前に見出されている対照被験体の集団から得られたもの(非応答性被験体である)及び/又はメラノーマであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が以前に見出されている対照被験体の集団から得られたもの(非応答性被験体である);非応答性被験体から得られたLDHの発現、活性又は量の所定のプロファイル(例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル又は値の「標準範囲」);非応答性被験体を示すLDHの既知の「平均、中央値又は平均値」を備える対照試料から得られたもの;応答性被験体から得られたLDHの発現、活性又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、応答性被験体を示すLDHの既知の「閾値」を備える対照試料から得られたもの;次いで、対照プロファイルと比較して、試料プロファイルにおけるLDHの活性、発現、又は量がより高い場合には、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。同様に、対照プロファイルと比較して、試料プロファイルにおけるLDHの活性、発現、又は量がより低い場合には、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、NSCLCである対照被験体又は対照被験体の集団から得られ、かつ、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された場合(すなわち、反応被験体)、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、NSCLCである被験体、及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出された被験体)に典型的な「閾値」値を上回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイル中の発現、活性又は量が、反応被験体(すなわち、NSCLCである被験体、及び、以前に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見出された被験体)に典型的な「閾値」値を下回る場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がないことを示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、応答性被験体から得られたLDHの発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、応答性被験体(すなわち、NSCLC又はメラノーマである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、応答性被験体(すなわち、NSCLC又はメラノーマである被験体であって、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが以前に見出されたもの)に典型的な値の「標準範囲」外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、非応答性被験体から得られたLDHの発現、活性、又は量の「標準範囲」の所定のプロファイルであり、試料プロファイルの発現、活性、又は量が、非応答性被験体(すなわち、NSCLC又はメラノーマであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出された被験体)に典型的な値の「標準範囲」内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性、又は量の値が、非応答性被験体(すなわち、NSCLC又はメラノーマであり、かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が以前に見出されている被験体)に典型的な「標準範囲」値外にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示しうる。
いくつかの当該実施形態では、対照プロファイルが、NSCLCでない対照被験体の集団から得られたもの及び/又はメラノーマでない対照被験体の集団から得られたものであり、かつ、試料プロファイルの発現、活性又は量が、NSCLCでない被験体及び/又はメラノーマでない被験体に典型的な「標準範囲」値外である場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す。同様に、試料プロファイルの発現、活性又は量が、NSCLCでない被験体及び/又はメラノーマでない被験体に典型的な「標準範囲」値内にある場合は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如を示す。この場合、発現、活性又は量は、所与のバイオマーカーについて正常の上限を上回るか又は正常の下限を下回るかのいずれかである場合に、「標準範囲」値外にあってよい。正常値の上限及び下限は、NSCLCでない対照被験体集団及び/又はメラノーマでない対照被験体集団の所定のバイオマーカーの正常分布の限界である。
いくつかの好ましい態様では、対照プロファイルは、LDH発現、活性、又は量の値の所定のプロファイルである。いくつかの好ましい態様では、対照プロファイルは、以下の:被験体の集団におけるLDHの活性、発現、又は量の評価;EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して集団中のどの被験体が感受性であるかの決定;及び、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対して感受性であることが判明した被験体中の最低のLDHの活性、発現、又は量の「閾値」としての選択;により決定される「閾値」である。
いくつかの当該実施形態では、LDHの制御閾値は、287ユニット/リットル(U/L)である。すなわち、いくつかの実施形態では、試料プロファイル中の287ユニット/L(U/L)を超えるLDHバイオマーカーの活性は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示しうる。
他の好ましい実施形態では、対照プロファイルは、以下の:NSCLCでない被験体集団及び/又はメラノーマでない被験体集団における、LDHの活性、発現、又は量の評価;及び、当該評価に基づく値の標準範囲の決定;により決定される値の「標準範囲」である。当該実施形態では、値の「標準範囲」を超えるか又は当該範囲外の発現、活性又は量の値、例えば、LDHの正規の上限を超える場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療の感受性を示しうる。
当業者であれば、適当な統計的ツール及び適当な対照との比較を用いて、試料プロファイルが、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示すか又は感受性の欠如を示すかを容易に決定しうる。
いくつかの実施形態では、試料プロファイルは、上記のように2又はそれ以上の対照プロファイルと比較され得る。
〔被験体〕
本明細書に記載の「被験体」は、哺乳動物として分類されるいかなる種の動物であり、家畜、畜産動物、霊長類、及びヒトを含むが、これらに限定されない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、あらゆる性又は人種のヒトである。ある態様では、ヒトは、成人ヒトである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の予測方法は、被験体がNSCLC又はメラノーマの治療中又は治療コース前に実施される。他の実施形態では、当該予測方法は、NSCLC又はメラノーマに対する治療中又は治療コース後に実施される。ある実施形態では、NSCLC又はメラノーマの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤である。他の実施形態では、NSCLC又はメラノーマの治療又は治療コースは、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤ではない化学療法剤による治療である。
本明細書に記載の予測方法のいくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている。ある実施形態では、被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている。
本明細書に記載された予測方法のいくつかの態様では、当該被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている。すなわち、被験体は、予測方法が被験体の感受性を決定する薬剤ではない薬剤で既に治療されている。従って、いくつかの態様では、被験体は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で予め治療されていない。いくつかの好ましい態様では、被験体は、以前にAxl阻害剤で治療されていない。他の好ましい態様では、被験体は、Akt3阻害剤で予め治療されていない。
〔EMTを阻害又は逆転しうる薬剤〕
本開示は、非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、の疑いがある、又はと診断された被験体におけるがん関連転帰を予測するための方法を提供する。「がん関連転帰」とは、がんと関連する臨床的予測又は予後である。
本開示の当該NSCLC又はメラノーマ側面で用いる、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤は、以下の好ましい実施形態以外は、上記のAML側面の記載のように特定される(上記と同項目、第14頁第19行目〜第17頁第2行目参照)。
被験体が非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はと診断されたいくつかの実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体である。
被験体がメラノーマである、の疑いがある、又はと診断されたいくつかの実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はペムブロリズマブである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である。
〔バイオマーカーの活性、発現、量の評価〕
本明細書に記載される予測方法のいくつかの態様では、本明細書に記載される予測方法のいくつかの態様では、被験体又は被験体に由来する試料におけるLDHの活性、発現又は量の評価は、試料又は試料由来の抽出物を、LDHに対して選択的である、LDHの活性、発現又は量を検出する試薬と接触させる工程;及び検出用の前記試薬を検出及び/又は定量する工程を含む。
いくつかの好ましい実施形態では、LDHの活性評価は、被験体又は被験体に由来する試料におけるLDHの酵素活性の測定工程を含む。好ましくは、当該酵素活性は、被験体又は被験体に由来する試料中のLDHにより触媒される酵素反応の基質又は生成物のレベル又は量を測定して評価される。特に好ましい実施形態では、当該酵素活性は、被験体又は被験体由来の試料中の還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)のレベル又は量の測定により評価される。ある実施形態では、これは、比色アッセイ、例えば、Sigma-Aldrich製カタログ番号MAK066の比色アッセイを用いて測定しうる。LDH活性評価の他の適当なアッセイは、当業者に周知である。特に好ましい態様では、LDH活性は、血液又は血清中のLDHの酵素活性の測定により評価される。
いくつかの態様では、LDHの発現又は量の評価は、被験体又は被験体由来の試料におけるLDHのタンパク質又はmRNAのレベルの決定を含む。LDHの発現又は量は、タンパク質発現のレベルの測定により、評価される。特に好ましい実施形態では、1又はそれ以上のバイオマーカーの発現又は量は、血清中のタンパク質発現のレベルの測定により、評価される。
用語「発現」とは、対応するmRNAを生成する遺伝子のDNA鋳型の転写、及び対応する遺伝子産物(すなわち、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質)を生成する当該mRNAの翻訳、並びに翻訳後修飾がされたかもしれない1又はそれ以上の形態のタンパク質の「発現」を意味する。
いくつかの実施形態では、LDHのタンパク質又はmRNAのレベルの決定工程は、試料又は試料由来の抽出物を、LDHのタンパク質又はmRNAに選択的に結合する特異的結合メンバーと接触させる工程と、当該特異的結合メンバー及び当該LDHタンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出及び/又は定量の工程とを含む。ある態様では、特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
タンパク質及びmRNA発現レベルを決定する一連の適当な技術、例えばマイクロアレイ分析、ウェスタンブロット法、及びQPCR等のPCR技術は、当該分野で周知である。いくつかの態様では、1又はそれ以上のバイオマーカータンパク質又はmRNAの発現又は量の決定は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用を含み得る。
いくつかの態様では、LDHの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される。その場合、タンパク質又はmRNAは、試料中で定量され得、当該量は、試料の尺度、例えば、試料の容積、質量、又は総タンパク質量として表され得る。
いくつかの態様では、LDHの発現又は量は、試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、ここで、当該相対量は、試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定される。このように、LDHのタンパク質又はmRNAの相対量を決定することで、正規化が可能となり、例えば、総タンパク質濃度の差異を考慮して、試料間のバイアスを除去しうる。
好ましくは、参照タンパク質又はmRNAは、その発現又は量が、がんである、特にNSCLC又はメラノーマである被験体とがんでない被験体との間で有意に変化しない。すなわち、参照タンパク質又はmRNAは、好ましくは、その発現又は量がNSCLC又はメラノーマによって変化しない。従って、参照タンパク質又はmRNAは、本明細書に記載されるバイオマーカーの1つではない1又はそれ以上のタンパク質又はmRNAを含み得る。当該LDHの発現量又は量を相対量として表す場合、試料中のLDHタンパク質又はmRNAの絶対量を、試料中の参照タンパク質又はmRNAの絶対量で除算しうる。
〔RNAレベルでのバイオマーカー発現の評価〕
遺伝子発現はRNAレベルで検出しうる。RNAは、例えば、酸性フェノール/グアニジンイソチオシアネート抽出(RNAzol B;Biogenesis)、RNeasyRNA調製キット(Qiagen)又はPAXgene(PreAnalytix、スイス)を用いることを含むRNA抽出技術を用いて細胞から抽出され得る。リボ核酸ハイブリダイゼーションを利用する通常の分析フォーマットとしては、核ランオンアッセイ、RT−PCR、RNase保護アッセイ(Melton et al., Nuc. Acids Res. 12:7035)、ノーザンブロット法及びInSituハイブリダイゼーションがあげられる。遺伝子発現はまた、以下に記載するマイクロアレイ分析によって検出され得る。
〔タンパク質レベルでのバイオマーカー発現の評価〕
LDHレベルは、タンパク質発現の測定により評価される。改変された遺伝子又はタンパク質の発現は、遺伝子によりコードされるポリペプチドの測定によっても検出しうる。これは、バイオマーカー遺伝子によりコードされるポリペプチドに結合する分子を用いることにより達成され得る。タンパク質の存在の検出のためにポリペプチドに直接的又は間接的に結合する適当な分子/剤は、天然に存在する分子、例えば、ペプチド及びタンパク質、例えば、抗体を含むか、又はそれらは合成分子であってよい。
抗体は、市販の供給源から、又は当業者に周知の技術を介して獲得しうる。一の実施形態では、改変された発現が、タンパク質バイオマーカーの翻訳後改変された形態の改変の発現を介して現れる場合、当該異なる形態に特異的な抗体が用いられ得る。本開示の目的のため、「抗体」という用語は、別段の規定がない限り、標的抗原に対するそれらの結合活性を保持する全抗体又は全抗体の断片を含む。当該断片としては、Fv、F(ab')及びF(ab')2断片、並びに単鎖抗体(scFv)があげられる。さらに、抗体及びその断片は、例えば、欧州特許公開第239400号に記載されているヒト化抗体であり得る。例えば、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体、組換え抗体、抗体のタンパク質分解断片及び組換え断片(Fab、Fv、scFv、ジアボディ)、単一ドメイン抗体(VHH、sdAb、ナノボディ、IgNAR、VNAR)、及び抗体様特異的結合を有するように操作された、抗体とは無関係のタンパク質である。抗体は、固体支持体に結合され、及び/又は適当な試薬、対照、指示書等と共に適当な容器中のキットにパッケージされ得る。
〔アレイ〕
アレイ技術及びそれに関連する様々な技術及び適用は、当技術分野で周知である。アレイ技術は一般に「1の実験で1の遺伝子」に基づいて機能し、その結果、スループットが低下し、遺伝子機能の「全体像」が理解できないという、分子生物学における従来の方法の欠点を克服する。本開示の産物及び方法の文脈では、アレイ技術は、例えば、バイオマーカータンパク質又はmRNAの発現の分析で用いられうる。
一般に、いかなるライブラリ又は試料群は、ライブラリ又は群のメンバーを空間的に分離して、アレイに秩序正しく配列しうる。アレイ化に適したライブラリの例としては、核酸ライブラリ(DNA、cDNA、オリゴヌクレオチド等のライブラリを含む)、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質ライブラリ、並びにリガンドライブラリ等のいかなる分子をも含むライブラリが挙げられる。従って、本明細書で「ライブラリ」を参照する場合は、文脈上別段の指示がない限り、当該参照は、アレイの形態のライブラリを参照することを含むものと解釈されるべきである。
タンパク質、ポリペプチド等もまた、アレイで固定化しうる。例えば、抗体は、タンパク質チップ(Borrebaeck CA, 2000, Immunol Today 21(8):379−82)を用いたプロテオームのマイクロアレイ分析に用いられる。ポリペプチドアレイは、例えば、MacBeath and Schreiber, 2000, Science, 289(5485):1760−1763に概説がある。
〔試料〕
適当な試料としては、組織生検、血液、尿、頬側擦過物等の組織試料、並びに血清、血漿、又は組織培養上清試料が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい態様では、LDHの発現又は量は、試料中のタンパク質発現のレベルの決定により評価される。いくつかの好ましい態様では、試料は、血液、血清又は血漿試料である。いくつかの特に好ましい態様では、試料は血清試料である。
被験体由来の血清又は血漿試料中のLDHタンパク質又はmRNAの発現又は量を評価する場合、試料を除去し、フローサイトメトリー、マスサイトメトリー(CyTOF)、ELISA、PET、及びSELDI−TOF MS等の分析技術に供する。いくつかの実施形態では、当該方法は、当該試料からRNAを抽出し、QPCRによる遺伝子発現の検出を含みうる。いくつかの他の実施形態では、遺伝子発現は、例えばウェスタンブロットでタンパク質産物を検出することで検出しうる。
いくつかの実施形態では、LDHの発現レベルは、1又はそれ以上のバイオマーカーをコードする遺伝子のコピー数の決定により評価される。コピー数(すなわち、遺伝子重複事象)は、例えば、Jiangら(Jiang Q, Ho YY, Hao L, Nichols Berrios C, Chakravarti A. Copy number variants in candidate genes are genetic modifiers of Hirschsprung disease. PLoS One. 2011;6(6))に記載されるDNAチップを用いて、当該技術分野で公知の標準技術を用いて決定しうる。
本明細書に記載される予測方法のいくつかの好ましい実施形態では、当該方法はインビトロ又はエクスビボで行われる。
〔治療被験体の選択方法〕
本開示のこの側面の第2態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のため、非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、その疑いがある、又はNSCLC又はメラノーマと診断された被験体を選択する方法に関する。ある実施形態では、本方法は、上記本明細書の本側面の第1態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体の同定工程;及び、当該同定された被験体の治療のための選択工程を含む。
ある実施形態では、この態様は、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療を継続するために、非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、その疑いがある、又はNSCLC又はメラノーマと診断された被験体を選択する方法に関する。
本開示のこの態様のいくつかの実施形態では、治療は、本明細書に記載される、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤の被験体への投与を含む。従って、ある実施形態では、治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。いくつかの好ましい実施形態では、治療は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、当該治療は、単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。
被験体が非小細胞肺がん(NSCLC)である、の疑いがある、又はと診断されたいくつかの実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体である。
被験体がメラノーマである、の疑いがある、又はと診断されたいくつかの実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はペムブロリズマブである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である。
〔キット〕
本開示の本側面の第3態様は、診断キット及び試験装置に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、LDHの活性、発現、又は量を検出する試薬を含む診断キットを提供し、当該試薬は、LDHに対して選択的である。
他の実施形態では、本開示は、本開示は、LDHの活性、発現、又は量を検出する試薬を含む診断装置を提供し、当該試薬は、LDHに対して選択的である。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、LDHの酵素活性を測定する試薬を含む。ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、LDHにより触媒される酵素反応の基質又は産物の量のレベルを決定する試薬を含む。ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)のレベル又は量を測定する試薬を含む。ある実施形態では、診断キット又は試験装置はNADHに特異的なプローブを含む。ある態様では、プローブは、NADHと相互作用して、シグナル、例えば、色を生成する。
ある実施形態では、診断キット又は試験装置は、LDHに選択的に結合する特異的結合メンバー;かつ、当該特異的結合メンバーを検出する1又はそれ以上の試薬、又は当該特異的結合メンバー及びLDHにより形成された複合体の検出及び/又は定量化のための、1又はそれ以上の試薬を含む。
本開示の本態様のいくつかの実施形態では、診断キット又は試験装置は、基板上にアレイの形態で提供されるか、又はビーズ又はマイクロスフェア等の複数の粒子に結合された、複数の前記特異的結合メンバーを含む。当該粒子は、検出可能な標識でコードしうる。ある実施形態では、当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含む。
当該特異的結合メンバー及びLDHによって形成される複合体の形成を検出する診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ、から選択される技術を用いて行われる。
当該診断キット又は検査装置のいくつかの実施形態では、キット又は検査装置は、検出用の試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む。当該診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、当該キット又は試験装置は、15、20、25、30、40、又は50以下の特異的結合メンバーを含む。
ある実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、若しくはPHGDH阻害剤である。いくつかの好ましい実施形態では、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025を含む。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
当該予測方法に用いられる診断キット又はテスト装置のいくつかの実施形態では、被験体は、NSCLC又はメラノーマであり、であると疑われる、又は、と診断されている。当該予測方法に用いられる診断キット又は試験装置のいくつかの実施形態では、被験体は、NSCLCであり、であると疑われる、又は、と診断されている。当該予測方法に用いられる診断キット又はテスト装置のいくつかの実施形態では、被験体は、メラノーマであり、であると疑われる、又は、と診断されている。
いくつかの実施形態では、本方法は、本開示の本側面の上記第1態様により特定され得る。
本開示の本側面の第4態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法においてLDHの活性、発現、又は量を検出するための試薬の使用に関する。
本開示の本側面の第5態様は、被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、LDHの、活性、発現、又は量を検出する試薬の使用に関する。ある実施形態では、検出用の当該試薬は、特定のバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む。当該特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含み得る。
いくつかの実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記開示の第1態様により特定される通りであり得る。
〔使用〕
本開示の本側面の第6態様は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとしてのLDHの使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、LDH、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、Axl、AB−40、アグレカン、FRTN、RAGE、Nr−CAM、スクレロスチン、PSA−f、EGFR、NF−H、DBH、Fib−1C、ミオグロビン、uPA、Vaspin、IL−23、A2Macro、TIMP−2、TSH、テトラネクチン、MPIF−1、PP、IL−7、PARC、PARC、CA−15−3、PGI、ApoE、ApoC−I、MSP、CCL15、Progranulin、CEACAM1、VDBP、及び/又はCA−9の使用に関する。
ある実施形態では、本使用は、被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性があるかどうかを判定するバイオマーカーとして、LDH、及び少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、Axl、IL−6r、HCC−4、TIMP−1、HB−EGF、ALP、LAP TGF−b1、EGF、PDGF−BB、OPG、NAP−2、ST2、TNF RI、VEGF、及び/又はGRO−αの使用に関する。
いくつかの態様では、当該使用は、本開示の本側面の上記開示の第1態様により特定される方法におけるバイオマーカーとしての使用である。
〔被験体の治療方法〕
本開示の本側面の第7態様は、非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、の疑いがある、又はと診断された、被験体の治療方法に関する。ある実施形態では、本方法は、開示の本側面の上記開示の第1態様により特定される予測方法を用いて、治療用被験体を同定する工程;及びEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療的有効量を前記被験体に投与する工程を含む。
すなわち、いくつかの態様では、当該予測方法は、以下の:(a)当該被験体から試料を得る工程;(b)本開示の本側面の上記第1態様により特定される予測方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に前記被験体が、感受性があるかどうかを判定する工程;(c)EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を被験体に投与する工程;を含む。
ある実施形態では、当該方法は、本開示の本側面の上記第1態様により特定される予測方法を用いて、当該治療に感受性であると同定された被験体に、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を投与する工程を含む。
本開示の本側面の第8態様は、非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
本開示の本側面の第9態様は、非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用に関する。ある実施形態では、当該治療方法は上記のように特定された方法である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む。いくつかの好ましい態様では、当該EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤は、Axl阻害剤、例えば、Axl阻害剤、例えば、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、又はUNC2025である。他のAxl阻害剤としては、特許文献1〜3及び5に記載されている抗Axl抗体があげられる。いくつかの好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、特許文献1〜3及び5に記載された抗Axl抗体である。いくつかの特に好ましい実施形態では、Axl阻害剤は、BGB324/R428/ベムセンチニブである。
いくつかの他の好ましい実施形態では、当該治療は、Akt3阻害剤を含む。ある実施形態では、Akt3阻害剤は、特許文献4に開示されるAkt3阻害剤である。
当該方法、使用のための薬剤、又は使用のいくつかの態様では、当該治療は単剤として投与される。他の実施形態では、治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される。適当なさらなるがん治療は、上記で詳細に概説される。
いくつかの好ましい実施形態では、前記さらなるがん治療は、PD−1阻害剤又はPD−L1阻害剤である。いくつかの実施形態では、さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である。いくつかの特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療はペムブロリズマブである。他の特に好ましい実施形態では、さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である。
〔開示に関する記載〕
以下の番号つきの記載は、本開示の本側面に関し、記載の部分を構成する:
1.被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、LDHバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む、前記被験体におけるがん関連転帰を予測する方法であって;
ここで、前記被験体が、非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、方法。
2.以下の:
前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、LDHバイオマーカーの1の活性、発現、又は量を評価して、前記LDHバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、
前記LDHバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測をする工程;
場合によっては、前記予測は、前記試料プロファイルを制御プロファイルと比較して行われる、1に記載の方法。
3.前記試料プロファイルが、前記被験体が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤との接触、又は、投与前に得られる、2に記載の方法。
4.前記対照プロファイルは、以下の:
(i)非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである対照被験体集団から得られた;又は
(ii)非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマでない対照被験体集団から得られた
(iii)非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団から得られた;
(iv)非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団から得られた、バイオマーカー発現、活性、又は量の「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル、又は値の「標準範囲」の所定のプロファイル;
(v)非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団を示す、バイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均」値を有する対照試料由来であり;
(vi)非小細胞肺がん(NSCLC)はメラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団から得られた、バイオマーカー発現、活性、又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、
(vii)非小細胞肺がん(NSCLC)はメラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団を示す、バイオマーカー既知の「閾値」を有する対照試料由来である。
バイオマーカーの発現、活性又は量の値の所定のプロファイルであって、例えば、NSCLC又はメラノーマであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非反応被験体)から得られた、例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル、又は値の「標準範囲」;
(v)非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団から得られた、バイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均」値である対照試料由来であり、
(vi)非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「閾値」である対照試料由来である、である、3に記載の方法。
5.前記対照プロファイルは、以下の:
(i)被験体集団におけるLDHの活性、発現、又は量の評価;EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である当該集団における、被験体の決定;かつ、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見いだされた被験体において測定された最低LDH活性、発現、又は量の「閾値」として選択;により決定される「閾値」、又は
(ii)NSCLCでない被験体集団及び/又はメラノーマでない被験体集団におけるLDH活性、発現量又は量の評価;かつ、当該被験体におけるLDH活性、発現量又は量の「標準範囲」の決定によって決定される、値の「標準範囲」、
である、4に記載の方法。
6.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおけるLDHのバイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、3〜5のいずれか一項に記載の方法。
7.前記方法は、被験体中、又は被験体由来の試料における、以下の:
(i)Axl、βアミロイド1−40(AB−40)、アグレカンコアタンパク質(アグレカン)、フェリチン(FRTN)、進行性グリコシル化最終産物の受容体(RAGE)、神経細胞接着分子(Nr−CAM)、スクレロスチン、前立腺特異的抗原、遊離型(PSA−f)、上皮成長因子受容体(EGFR)、神経線維重鎖ポリペプチド(NF−H)、ドーパミンβ−ヒドロキシラーゼ(DBH)、フィブリン−1C(Fib−1C)、ミオグロビン、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、内臓脂肪組織由来のセルピンA12(バスピン)、インターロイキン−23(IL−23)、アルファ−2−マクログロブリン(A2Macro)、金属プロテイナーゼ2の組織阻害因子(TIMP)−2)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、テトラネクチン、骨髄前駆細胞抑制因子1(MPIF−1)、膵臓ポリペプチド(PPP)、インターロイキン−7(IL−7)、肺及び活性化調節ケモカイン(PARC)、がん抗原15−3(CA−15)3)ペプシノーゲンI(PGI)、アポリポタンパク質E(ApoE)、アポリポタンパク質C−I(ApoC−I)、マクロファージ刺激タンパク質(MSP)、C−Cモチーフケモカイン15(CCL15)、プログラニュリン、がん胎児性抗原関連細胞接着分子1(CEACAM1)、ビタミンD結合タンパク質(VDBP)、炭酸脱水酵素9(CA−9)、及び/又は乳酸脱水素酵素(LDH);又は、
(ii)Axl、インターロイキン−6受容体(IL−6r)、ケモカインCC−4(HCC−4)、メタロプロテイナーゼの組織阻害因子1(TIMP−1)、ヘパリン結合EGF様成長因子(HB−EGF)、抗ロイコプロテイナーゼ(ALP)、トランスフォーミング増殖因子β1の潜伏関連ペプチド(LAP TGF−b1)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来増殖因子BB(PDGF−BB)、オステオプロテゲリン(OPG)、好中球活性化ペプチド2(NAP−2)、ST2、腫瘍壊死因子受容体I(TNF RI)、血管内皮増殖因子(VEGF)、及び/又は成長調節αタンパク質(GRO−α);
からなる群から選択される1又はそれ以上のさらなるバイオマーカーの前記活性、発現、又は量を評価することを含む、1〜6のいずれか一項に記載の方法。
8.前記被験体又は前記被験体由来試料中のLDHバイオマーカーの前記活性、発現又は量の評価は、以下の:
試料、又は試料由来抽出物を、LDHバイオマーカーの活性、発現、又は量の検出試薬と接触させる工程;かつ、
前記検出試薬を検出及び/又は定量する工程;
を含む、1〜7のいずれか一項に記載の方法。
9.被験体又は被験体に由来する試料中のLDHバイオマーカーの活性の評価が、被験体又は被験体由来試料中のLDHの酵素活性を測定する工程を含み;
場合によっては、LDHにより触媒される酵素反応の基質又は生成物のレベル又は量の測定により、酵素活性が評価される、8に記載の方法。
10.前記被験体中、又は前記被験体由来試料中のLDHバイオマーカーの発現又は量の評価が、以下の:
前記試料又は前記試料由来の抽出物を、LDHタンパク質又はmRNAに選択的に結合する特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、
前記特異的結合メンバー及び前記LDHタンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含む、8に記載の方法であって、
場合によっては、前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、方法。
11.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、3〜10のいずれか一項に記載の方法。
12.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、11に記載の方法。
13.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、11に記載の方法。
14.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤は、さらなるがん治療と組み合わされて投与される、3〜13のいずれか一項に記載の方法。
15.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である、14に記載の方法。
16.前記がんのさらなる治療は、ペムブロリズマブである、15に記載の方法。
17.前記さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である、15に記載の方法。
18.前記被験体が哺乳動物、場合によっては、前記被験体がヒトである、1〜17に記載の方法。
19.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料、場合によっては、前記試料は、(a)血清試料;又は、(b)血液試料である、1〜18に記載の方法。
20.前記方法が、インビトロ又はエクスビボで行われる、1〜19のいずれか一項に記載の方法。
21.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために、非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:
上記1〜20のいずれかに記載された方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤を用いた治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、
このように同定された被験体を治療のために選択する工程;
を含む、方法。
22.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤であり:
場合によっては、EMTを阻害又は逆転しうる物質は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、21に記載の方法。
23.LDHバイオマーカーの活性、発現、又は量の検出試薬を含み、前記検出試薬がLDHに対して選択的である、診断キット又は試験装置。
24.被験体のがん関連転帰の予測方法に用いる、上記23に記載のキット又は試験装置であって、
場合によっては、前記方法は、上記1〜20のいずれか一項に記載の方法である、キット又は試験装置。
25.被験体が、前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性があるかを決定するバイオマーカーとしてのLDHの使用であって、
場合によっては、前記使用は、上記1〜20のいずれか一項に記載の方法におけるバイオマーカーとしての使用である、使用。
101.被験体における、又は前記被験体に由来する試料における、LDHバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む、前記被験体におけるがん関連転帰を予測する方法であって;
ここで、前記被験体が、NSCLC又はメラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、方法。
102.以下の:
前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、LDHバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記LDHバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、
前記LDHのバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測をする工程;を含む、101に記載の方法。
103.前記方法が、被験体中又は前記被験体由来試料における、以下の:
(i)Axl、βアミロイド1−40(AB−40)、アグレカンコアタンパク質(アグレカン)、フェリチン(FRTN)、進行性グリコシル化最終産物の受容体(RAGE)、神経細胞接着分子(Nr−CAM)、スクレロスチン、前立腺特異的抗原、遊離型(PSA−f)、上皮成長因子受容体(EGFR)、神経線維重鎖ポリペプチド(NF−H)、ドーパミンβ−ヒドロキシラーゼ(DBH)、フィブリン−1C(Fib−1C)、ミオグロビン、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)、内臓脂肪組織由来のセルピンA12(バスピン)、インターロイキン−23(IL−23)、アルファ−2−マクログロブリン(A2Macro)、金属プロテイナーゼ2の組織阻害因子(TIMP)−2)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、テトラネクチン、骨髄前駆細胞抑制因子1(MPIF−1)、膵臓ポリペプチド(PPP)、インターロイキン−7(IL−7)、肺及び活性化調節ケモカイン(PARC)、がん抗原15−3(CA−15)3)ペプシノーゲンI(PGI)、アポリポタンパク質E(ApoE)、アポリポタンパク質C−I(ApoC−I)、マクロファージ刺激タンパク質(MSP)、C−Cモチーフケモカイン15(CCL15)、プログラニュリン、がん胎児性抗原関連細胞接着分子1(CEACAM1)、ビタミンD結合タンパク質(VDBP)、炭酸脱水酵素9(CA−9)、及び/又は乳酸脱水素酵素(LDH);又は、
(ii)Axl、インターロイキン−6受容体(IL−6r)、ケモカインCC−4(HCC−4)、メタロプロテイナーゼの組織阻害因子1(TIMP−1)、ヘパリン結合EGF様成長因子(HB−EGF)、抗ロイコプロテイナーゼ(ALP)、トランスフォーミング増殖因子β1の潜伏関連ペプチド(LAP TGF−b1)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来増殖因子BB(PDGF−BB)、オステオプロテゲリン(OPG)、好中球活性化ペプチド2(NAP−2)、ST2、腫瘍壊死因子受容体I(TNF RI)、血管内皮増殖因子(VEGF)、及び/又は成長調節αタンパク質(GRO−α);
からなる群から選択される1又はそれ以上のさらなるバイオマーカーの前記活性、発現、又は量の評価を含む、101又は102に記載の方法。
104.前記予測は、前記試料プロファイルを制御プロファイルと比較して行われる、102又は103に記載の方法。
105.前記試料プロファイルが、前記被験体が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤との接触、又は、投与前に得られる、104に記載の方法。
106.前記対照プロファイルは、以下の:
(i)非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである対照被験体集団から得られた;又は
(ii)非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマでない対照被験体集団から得られた;
(iii)非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)から得られた;
(iv)LDHバイオマーカーの発現、活性又は量の値の所定のプロファイルであって、例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非反応被験体)から得られた、例えば、「平均(average)、中央値又は平均(mean)」のプロファイル、又は値の「標準範囲」;
(v)非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、非応答性被験体)を示す、バイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均」値である対照試料由来であり、
(vi)非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)から得られた、LDHバイオマーカーの発現、活性、又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、
(vii)非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマであり、かつ、以前にEMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団(すなわち、応答性被験体)を示す、LDHバイオマーカーの既知の「閾値」である対照試料由来である;である、105に記載の方法。
107.前記プロファイルは、以下の:
(i)被験体集団におけるLDH活性、発現、又は量の評価;EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である被験体の決定;かつ、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性であることが見いだされた被験体において測定された最低LDH活性、発現、又は量の「閾値」として選択;又は
(ii)NSCLCでない被験体集団及び/又はメラノーマでない被験体集団におけるLDH活性、発現量又は量の評価;かつ、当該被験体におけるLDH活性、発現量又は量の「標準範囲」の決定によって決定される、値の「標準範囲」、
である;105に記載の方法。
108.前記対照プロファイルと比較して、前記試料プロファイルにおけるLDHバイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す、106又は107に記載の方法。
109.前記乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P00338−1、P00338−2、P00338−3、P00338−4、又はP00338−5(登録版224)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;及び/又は
前記乳酸脱水素酵素(LDH)バイオマーカーは、UniProt受託番号P07195−1(登録版218)で開示されたアミノ酸配列の全長と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又はその断片を含む;又は、
前記アミノ酸配列をコードする全長の核酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%、99%又は100%の配列同一性を有する核酸(DNA又はRNAのいずれか)である、
101〜108のいずれか一項に記載の方法。
110.前記被験体又は前記被験体に由来する試料中のLDHバイオマーカーの活性、発現、又は量の評価が、以下の:
前記試料又は前記試料由来抽出物を、LDHバイオマーカーの活性、発現、又は量の検出試薬と接触させる工程;かつ、
前記検出試薬を検出及び/又は定量する工程;
を含む、105〜109のいずれか一項に記載の方法。
111.前記被験体又は前記被験体由来試料におけるLDHバイオマーカーの活性の評価工程が、前記被験体又は前記被験体由来試料におけるLDHの酵素活性の測定工程を含み、
場合によっては、LDHによって触媒される酵素反応の基質又は生成物のレベル又は量の測定により、酵素活性を評価する、110に記載の方法。
112.前記被験体又は前記被験体由来試料におけるLDHバイオマーカーの発現又は量の評価工程が、以下の:
前記試料又は前記試料抽出物を、LDHタンパク質又はmRNAに選択的に結合する特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、
前記特異的結合メンバー及び前記LDHタンパク質又はmRNAによって形成された複合体の形成の検出及び/又は定量工程;
を含む、110に記載の方法。
113.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、112に記載の方法。
114.前記特異的結合メンバー及びLDHバイオマーカータンパク質又はmRNAによって形成される複合体の形成の検出工程は、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイ選択される技術を用いて行われる、112又は113に記載の方法。
115.前記LDHバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中のLDHバイオマーカータンパク質又はmRNAの絶対量として決定される、112〜114のいずれか一項に記載の方法。
116.前記LDHバイオマーカーの発現又は量が、前記試料中の各バイオマーカータンパク質又はmRNAの相対量として決定され、
場合によっては、前記相対量は、前記試料中の参照タンパク質又はmRNAに対して決定され、その発現は非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマよって変化しない、112〜114のいずれか一項に記載の方法。
117.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、101〜116のいずれか一項に記載の方法。
118.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、117に記載の方法。
119.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、118記載の方法。
120.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、119に記載の方法。
121.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、119に記載の方法。
122.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、119に記載の方法。
123.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤である、118記載の方法。
124.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、123に記載の方法。
125.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤が、単剤として投与される、117〜124のいずれか一項に記載の方法。
126.前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤を、さらなるがん治療と組み合わせて投与する、117〜124のいずれか一項に記載の方法。
127.前記さらなるがん治療は、以下の:
(i)ブスルファン等のアルキルスルホン酸塩を含むアルキル化剤;
(ii)クロラムブシル、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン及びウラムスチン等のナイトロジェンマスタード;
(iii)チオテパ等のエチレンイミン誘導体;
(iv)カルムスチン、ロムスチン及びストレプトゾシン等のニトロソウレア;
(v)ダカルバジン、プロカルバジン、及びテモゾラミド等のトリアゼン;
(vi)シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチンオンナプラチン、テトラプラチン、スプロプラチン、イプロプラチン、クロロ(ジエチレンジアミノ)−白金(II)塩化物、ジクロロ(エチレンジアミノ)−白金(II)、ジアミノ(2−エチルマロナト)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナトプラチン(II)、(4−カルボキシフタロ)−(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)、(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラート)白金(II)及び(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(ピルバト)白金(II)等の白金化合物;
(vii)メトトレキサート、パーメトレキセート、ラルチトレキセート及びトリメトレキセート等の抗葉酸薬を含む代謝拮抗薬;
(viii)アザシチジン、カペシタビン、シタラビン、エダトレキセート、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン及びトロキサシタビン等のピリミジン類似物質;
(ix)クラドリビン、クロロデオキシアデノシン、クロロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン及びチオグアニン等のプリン類似物質;
(x)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ミスラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ポルフィロマイシン等の抗腫瘍抗生物質を含む天然産物;
(xi)ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、及びバルビシン等のアントラサイクリン系薬剤;
(xii)ビンカアルカロイド系のビンブラスチン、ビンベシル、ビンクリスチン、ビンデシン、及びビノレルビン等の有糸分裂阻害剤;
(xiii)L−アスパラギナーゼ及びPEG−L−アスパラギナーゼ等の酵素;
(xiv)タキサン系のパクリタキセル及びドセタキセル等の微小管ポリマー安定剤;
(xv)カンプトテシン、イリノテカン及びトポテカン等のトポイソメラーゼI阻害剤;
(xvi)ポドフィロトキシン、アムサクリン、エトポシド、テニポシド、ロソキサントロン及びアクチノマイシン等のトポイソメラーゼII阻害剤;
(xvii)以下のホルモン及びホルモン拮抗剤:
−フルオキシメステロン及びテストラクトン等のアンドロゲン;
−ビカルタミド、シプロテロン、フルタミド及びニルタミド等の抗アンドロゲン剤;
−デキサメタゾン及びプレドニゾン等のコルチコステロイド薬;
−アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ホルメスタン及びレトロゾール等のアロマターゼ阻害剤;
−ジエチルスチルベストロール等のエストロゲン類;
−フルベストラント、ラロキシフェン、タモキシフェン及びトレミフィン等の抗エストロゲン剤;
−アバレリックス、ブセレリン、ゴセレリン、リュープロリド、ヒストレリン、デソレリン、酢酸ナファレリン及びトリプトレリン等の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)作用薬と拮抗薬;
−酢酸メドロキシプロゲステロン及び酢酸メゲストロール等のプロゲスチン;
−レボチロキシン及びリオチロニン等の甲状腺ホルモン;
(xviii)ペリホシン、エンザスタウリン塩酸塩及びトリシリビン等のPKB経路阻害剤;
(xix)セマフォア及びSF1126等のP13K阻害剤並びにラパマイシン及びその類似物質等のMTOR阻害剤;
(xx)セリシクリブ、アルボシジブ及び7−ヒドロキシスタウロスポリン等のCDK阻害剤;
(xxi)セレコキシブを含むCOX−2阻害剤;
(xxii)トリコスタチンA、スベロイルアニリドヒドロキサム酸、及びクラミドシンを含むHDAC阻害剤;
(xxiii)DNAメチラーゼ阻害剤(テモゾロミドを含む)及びその他の薬剤(アルトレタミン、三酸化ヒ素、サリドマイド、レナリドミド、硝酸ガリウム、レバミゾール、ミトタン、ヒドロキシ尿素、オクトレオチド、プロカルバジン、スラミン、メトキサレン及びナトリウムポルフィマー等の光力学的化合物);
(xxiv)ボルテゾミブ等のプロテアソーム阻害剤;
(Xxv)遺伝子治療薬及びアンチセンス治療薬等の機能的治療薬を含む分子標的治療薬;
(xxvi)塩酸エルロチニブ、ゲフィチニブ、メシル酸イマチニブ及びセマキサニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤;
(xxvii)ソラフェニブ等のRaf阻害剤、並びにレチノイド及びレキシノイド等の遺伝子発現調節剤、例えばアダパレン、ベキサロテン、trans−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸、及びN−(4−ヒドロキシフェニル)レチナミド;
(xxviii)表現型標的治療薬である、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、リツキシマブ、トラスツズマブ等のモノクローナル抗体、ゲムツズマブ・オゾガミシン等の免疫毒素、I−トシツモバブ等の放射性免疫複合体;
(xxix)がんワクチン;
(xxx)生物学的療法剤である、インターフェロン−[α]2a及びインターフェロン−[α]2b等のインターフェロン、及びアルデスロイキン、デニロイキンジフチトクス及びオプレルベキン等のインターロイキン;
(xxxi)予防薬又は補助薬の使用を含む抗がん療法:アミフォスチン及びデクスラゾキサン等の細胞保護薬、パミドロネート及びゾレドロン酸等のホスホネート、並びにエポエチン、ダルベペチン、フィルグラスチム、PEG−フィルグラスチム及びサルグラモスチム等の刺激因子;
(xxxii)Axl阻害剤である、1−(6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジン−3−イル)−N3−((7−(S)−ピロリジン−1−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アヌレン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン等;及び/又は、
(xxxiii)さらなる併用化学療法計画である、カルボプラチン/パクリタキセル、カペシタビン/ドセタキセル、フルオラウラシル/レバミゾール、フルオラウラシル/ロイコボリン、メトトレキサート/ロイコボリン、及びトラスツズマブ/パクリタキセルの単独又はさらなるカルボプラチンとの併用等;
中から選択される、126に記載の方法。
128.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である、126に記載の方法。
129.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、128に記載の方法。
130.前記さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である、128に記載の方法。
131.前記被験体が哺乳動物である、101〜130のいずれか一項に記載の方法。
132.前記被験体がヒトである、131に記載の方法。
133.前記予測方法は、非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマの治療前に実施される、101〜132のいずれか一項に記載の方法。
134.前記予測方法は、非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマの治療中又は治療コース後に実施される、101〜133のいずれか一項に記載の方法。
135.前記被験体が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で既に治療されている、101〜132又は134のいずれか一項に記載の方法。
136.前記被験体は、PHGDH阻害剤、Slfn11阻害剤、Axl阻害剤、又はAkt3阻害剤から選択される薬剤で既に治療されている、135に記載の方法。
137.前記被験体は、被験体の反応が予測されている、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤とは異なる物質で既に治療されている、135又は136に記載の方法。
138.前記被験体が、以前EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤で治療されていない、101〜133のいずれか一項に記載の方法。
139.前記被験体が、以前Axl阻害剤で治療されていない、138に記載の方法。
140.前記被験体が、以前Akt3阻害剤で治療されていない、138に記載の方法。
141.前記試料が、血液、血清、血漿、組織生検、培養上清、又は尿から選択される、101〜140のいずれか一項に記載の方法。
142.前記試料は、血液、血清、又は血漿試料である、141に記載の方法。
143.前記試料は、血清試料である、142に記載の方法。
144.前記試料は、血液試料である、142に記載の方法。
201.EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために、非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:101〜144のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害又は逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、このように同定された被験体を治療のために選択する工程;を含む、方法。
202.前記治療が、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転させることができる治療有効量の薬剤を被験体に投与することを含む、201に記載の方法。
203.前記治療は、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、202に記載の方法。
204.前記治療が、Axl阻害剤を含む、203に記載の方法。
205.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、204に記載の方法。
206.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、205に記載の方法。
207.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、205に記載の方法。
208.前記治療が、Axl阻害剤を含む、203に記載の方法。
209.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、208に記載の方法。
210.前記治療が、単剤として投与される、202〜209のいずれか一項に記載の方法。
211.前記治療は、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、202〜209のいずれか一項に記載の方法。
212.前記さらなるがん治療は、上記126に列挙されるさらなるがん治療の中から選択される、211に記載の方法。
213.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である、211に記載の方法。
214.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、213に記載の方法。
215.前記さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である、213に記載の方法。
301.LDHバイオマーカーの活性、発現、又は量の検出試薬を含む、診断キットであって、前記検出試薬は、LDHバイオマーカーに対して選択的である、診断キット。
302.LDHバイオマーカーの活性、発現、又は量の検出試薬を含む、試験装置であって、前記検出試薬は、LDHバイオマーカーに対して選択的である、試験装置。
303.以下の:
LDHバイオマーカーに選択的に結合する特異的結合メンバー;かつ、
前記1特異的結合メンバーを検出する、1若しくはそれ以上の試薬、又は前記特異的結合メンバー及び前記LDHバイオマーカーによって形成された複合体を検出及び/又は定量化する、1又はそれ以上の試薬;を含む、301又は302に記載の診断キット又は検査装置。
304.前記特異的結合メンバーが抗体分子又はその結合断片を含む、303に記載の診断キット又は検査装置。
305.前記特異的結合メンバー及びバイオマーカーによって形成される複合体の形成を検出が、ウェスタンブロット;酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);競合的酵素免疫アッセイ;二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA);液体免疫アレイ技術;免疫細胞化学;免疫組織化学;抗体マイクロアレイ検出;コロイド金の沈殿;アフィニティークロマトグラフィー;リガンド結合アッセイ;及びレクチン結合アッセイから選択される技術の使用によって行われる、303又は304に記載の診断キット又は検査装置。
306.前記キット又は検査装置は、検出用試薬を、15、20、25、30、40又は50以下で含む、301〜305のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
307.被験体のがん関連転帰を予測する方法に用いられる、301〜306のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
308.前記がん関連の転帰が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性である、307に記載の診断キット又は検査装置。
309.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
310.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
311.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、310に記載の診断キット又は検査装置。
312.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、311に記載の診断キット又は検査装置。
313.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、311に記載の診断キット又は検査装置。
314.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤がAkt3阻害剤である、308に記載の診断キット又は検査装置。
315.前記被験体が、非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、307〜310のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
316.前記方法は、101〜180のいずれか一項に記載の方法である、307〜315のいずれか一項に記載の診断キット又は検査装置。
317.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法における、LDHバイオマーカーの活性、発現、又は量を検出する試薬の使用。
318.被験体におけるがん関連転帰を予測する方法で用いる診断キット又は試験装置の製造方法における、LDHバイオマーカーに対して選択的である、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、LDHバイオマーカーの活性、発現、又は量の検出試薬の使用。
319.前記検出用試薬は、LDHバイオマーカーに対して選択的な特異的結合メンバーを含む、317又は318に記載の使用。
320.被験体におけるがん関連の転帰を予測する方法は、101〜180のいずれか1つに基づく方法である、317又は318に記載の使用。
401.被験体がEMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる薬剤による治療に感受性があるかを判定するバイオマーカーとしての、LDHの使用。
402.(i)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来するLDHバイオマーカーの活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示し;又は、(ii)各バイオマーカーの対照プロファイルと比較して、被験体又は被験体に由来する前記LDHバイオマーカーの活性、発現、又は量が低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性を示す;401の使用。
403.前記方法は、101〜144のいずれか一項に記載の方法である、401又は402のいずれか一項に記載の使用。
501.非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:上記101〜144のいずれか一項に記載の方法を用いて、治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量を前記被験体に投与する工程;を含む、方法。
502.非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、以下の:(a)被験体からの試料の採取工程;(b)前記被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤、又は上記101〜144のいずれか一項に記載された方法を用いた化学療法剤による治療に感受性があるかどうかの判定工程;(c)前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の治療有効量の前記被験体への投与工程;を含む、方法。
503.非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を治療する方法であって、EMT又は化学療法剤を阻害又は逆転しうる治療有効量の薬剤を、上記101〜144のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記治療に感受性であると同定された被験体に投与する工程を含む、方法。
504.非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜503のいずれか一項に記載の方法において用いられる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤。
505.非小細胞肺がん(NSCLC)又はメラノーマである、の疑いがある、又はと診断された被験体を治療する、上記501〜503のいずれか一項に記載の方法で用いる医薬の製造方法で用られる、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤の使用。
506.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤、Akt3阻害剤、Slfn11阻害剤、又はPHGDH阻害剤を含む、501〜505のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
507.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、506に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
508.前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブ、カボザンチニブ、TP−0903、フォレチニブ、メレスチニブ、ボスチニブ、ギルタリティニブ、クリゾチニブ、アムバチニブ、スニチニブ、シトラバチニブ、LDC1267、UNC2025、又は特許文献1〜3若しくは5に記載の抗Axl抗体である、507に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
509.前記Axl阻害剤がBGB324/R428/ベムセンチニブである、507に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
510.前記Axl阻害剤が、特許文献1〜3又は5に記載の抗Axl抗体である、507に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
511.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Akt3阻害剤を含む、506に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
512.前記Akt3阻害剤が、特許文献4に開示されたAkt3阻害剤である、511に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
513.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、単剤として投与される、501〜512のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
514.前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、さらなるがん治療と組み合わせて投与される、501〜512のいずれか一項に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
515.上記126に列挙されたさらなるがん治療の中からさらなるがん治療が選択される、514に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
516.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、イブリツモマブ・チウキセタン、若しくはリツキシマブ等のモノクローナル抗体であるか、又はデブラフェニブ等のB−Raf阻害剤、トラメチニブ等のMEK阻害剤、又は当該薬剤の併用療法である、514に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
517.前記さらなるがん治療は、ペムブロリズマブである、516に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。
518.前記さらなるがん治療は、デブラフェニブ及びトラメチニブの併用療法である、である、516に記載の方法、使用のための薬剤、又は使用。

上記説明、特許請求の範囲、又は添付の図面に開示された特徴は、当該特定の形態で、又は開示された機能を実行する手段で表現されているか、又は開示された結果を得る方法又はプロセスで、適宜、別個に又は当該特徴のいかなる組み合わせで、本開示をその多様な形態で実現するために利用しうる。
本開示は、上記例示的な実施形態に関連して説明されたが、当業者には、多くの等価な修正及び変形が、本開示が与えられても明らかであろう。すなわち、上記開示の例示的な実施形態は、例示的であり、限定的でないと考えられる。記載された実施形態に対する様々な変更は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができる。
疑義を避けるため、本明細書で提供される理論的説明は、読者の理解を改善する目的で提供される。発明者らは、当該理論的説明のいずれにも拘束されることを望まない。
本明細書中で用いられるいかなる項目見出しは、構成上の目的のみを意図しており、記載される主題事項を制限するものと解釈されるべきではない。
文脈上他に要求されない限り、以下の特許請求の範囲を含め、本明細書全体において、用語「含むcomprise」及び「含むinclude」、その派生語「含む/comprises/comprising」、「含むincluding」等のバリエーションは、記載された整数又は工程又は整数又は工程の群の包含を意味するが、整数又は工程又は工程の他のいかなる整数又は工程又は群の除外も意味しないと理解される。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる、単数形の「a」、「an」及び「the」(原文)は、文脈上他を明確に指示しない限り、複数の基準を含むことに留意しなければならない。範囲は、本明細書中では、ある特定の値から「約」及び/又は別の特定の値へ「約」として表現しうる。当該範囲が表現される場合、別の実施形態は、ある特定の値及び/又は他の特定の値を含む。同様に、値が近似として表現される場合、前記「約」を用いて、特定の値が他の実施形態を形成することが理解されるであろう。数値に関する用語「about」は、任意であり、かつ、例えば+/10%を意味する。
《実施例》
がん患者へのAxl阻害剤の単独投与又は他の薬剤との併用投与の前かつ投与後すぐに、当該患者のコホートから血清試料を採取した。当該コホートの被験体を、投与した治療に対する反応に基づき、「応答性」又は「非応答性」のいずれかに分類した。
その後、当該血清試料を、DiscoveryMAP v3.3可溶性タンパク質パネルを用いて、受託研究機関(CRO)で分析し、血清試料中の可溶性タンパク質マーカー(総数281タンパク質)のレベルを測定し、かつ、当該タンパク質パネルデータの統計分析を行い、当該応答性群及び非応答性群において差次的に発現したタンパク質を同定した。
当該比較分析では、タンパク質パネルデータにおける治療前(C1D1)の以下の相違が、応答性群と非応答性群の間で確認された:治療前、特定のバイオマーカーが、「応答性」被験体の血清において「非応答性」被験体の血清中よりも高いレベルで存在していた。同様に、治療前、特定のバイオマーカーが、「応答性」被験体の血清において「非応答性」被験体の血清中よりも低いレベルで存在していた。
そこで、本研究の発明者らは、Axl阻害剤による治療後の患者の利益を予測する複数の血清系可溶性タンパク質バイオマーカーを同定した。
本実施例では、急性骨髄性白血病(AML)及び骨髄異形成症候群(MDS)と診断された患者由来の試料からなる試験BGBC003(NCT02488408)の解析結果を記載する。被験体には、Axl阻害剤BGB324を単独又はシタラビン若しくはデシタビンと併用して投与した。
タンパク質パネルデータセットを、AML試料のみのサブセットとMDS試料のみのサブセットの2つのサブセットに分けた。当該タンパク質パネルデータの統計解析により、タンパク質発現における前処理(C1D1)の相違を、応答群と非応答群の間で同定した。
第1解析では、Axl阻害剤による治療前、応答性被験体では、Axlが、非応答性被験体と比較して、有意に下方制御されたバイオマーカーとして同定され(p=0.006)、かつ、Axl阻害剤による治療後では、応答性被験体ではAxlレベルが上昇するが、非応答性では上昇しないことが見いだされた。
その後の解析では、AMLサブセット内のさらに12のタンパク質に、治療前試料における応答性被験体と非応答性被験体との間で有意差(p<0.05)が認められた(logFC=タンパク質のlog倍の変化;関心被験体の比較における正の値は上方制御を示し、負の値は下方制御を示す):
Figure 2021523379
MDSサブセットでは、16のタンパク質が、治療前試料の応答性と非応答性との間で有意差(p<0.05)が認められた(logFC=タンパク質のlog倍の変化;関心被験体の比較における正の値は上方制御を示し、負の値は下方制御を示す):
Figure 2021523379
併用(AML及びMDS)セットでは、7のタンパク質が、治療前試料の応答性と非応答性との間で有意差(p<0.05)が認められた(logFC=タンパク質のlog倍の変化;関心被験体の比較における正の値は上方制御を示し、負の値は下方制御を示す):
Figure 2021523379
本実施例では、メラノーマと診断された患者由来の試料からなる試験BGBIL006(NCT02872259)の解析結果を記載する。被験体には、Axl阻害剤BGB324をペムブロリズマブ又はダブラフェニブ及びトラメチニブと併用投与した。
治療前試料において、14のタンパク質は、応答性と非応答性との間で有意差(p<0.05)が認められた(logFC=タンパク質のlog倍の変化;関心被験体の比較における正の値は上方制御を示し、負の値は下方制御を示す):
Figure 2021523379
本実施例では、メラノーマと診断された患者由来の試料からなる試験BGBC007(NCT03184558)の解析結果を記載する。被験体には、Axl阻害剤BGB324をペムブロリズマブと併用投与した。
治療前試料において、8のタンパク質は、応答性と非応答性との間で有意差(p<0.05)が認められた(logFC=タンパク質のlog倍の変化;関心被験体の比較における正の値は上方制御を示し、負の値は下方制御を示す):
Figure 2021523379
本実施例では、NSCLCと診断された患者由来の試料からなる試験BGBC008(NCT03184571)の解析結果を記載する。被験体には、Axl阻害剤BGB324をペムブロリズマブと併用投与した。
治療前試料において、17のタンパク質は、応答性と非応答性との間で有意差(p<0.05)が認められた(logFC=タンパク質のlog倍の変化;関心被験体の比較における正の値は上方制御を示し、負の値は下方制御を示す):
Figure 2021523379
本実施例では、NSCLCと診断された患者由来の試料からなる試験BGBIL005(NCT02922777)の解析結果を記載する。被験体には、Axl阻害剤BGB324をドセタキセルと併用投与した。
治療前試料において、8のタンパク質は、応答性と非応答性との間で有意差(p<0.05)が認められた(logFC=タンパク質のlog倍の変化;関心被験体の比較における正の値は上方制御を示し、負の値は下方制御を示す):
Figure 2021523379
本実施例では、NSCLCと診断された患者由来の試料からなる試験BGBC004(NCT02424617)の解析結果を記載する。被験体には、Axl阻害剤BGB324をエルロチニブと併用投与した。
治療前試料において、9のタンパク質は、応答性と非応答性との間で有意差(p<0.05)が認められた(logFC=タンパク質のlog倍の変化;関心被験体の比較における正の値は上方制御を示し、負の値は下方制御を示す):
Figure 2021523379
本実施例では、メラノーマと診断された患者由来の試料からなる試験BGBIL006(NCT02872259)及びNSCLCと診断された患者由来の試料からなる試験BGBC008(NCT03184571)の解析結果を記載する。被験体には、Axl阻害剤BGB324をペムブロリズマブ又はダブラフェニブ及びトラメチニブのいずれか併用投与した。
計29例(NCT02872259から7例、NCT03184571から22例)の患者から試料を採取し、分析した。臨床試験のスクリーニングプロセスの一部として、血液系バイオマーカー乳酸脱水素酵素(LDH)の治療前濃度を、臨床検査室で測定し、電子症例報告書(eCRF)に入力した。被験体に、Axl阻害剤BGB324をペムブロリズマブ又はダブラフェニブとトラメチニブのいずれかと併用投与し、効果判定はRECIST(固形がんにおける効果判定規準)基準で評価した。
LDHタンパク質は、治療前試料において、応答性と非応答性との間で有意差が認められた。予備的カットオフ値287単位/L(U/L)を用いると、患者は、検査精度79%で応答性と非応答性に分類される。「正常」LDHレベルは115−255U/Lの間と考えられる:
Figure 2021523379
Figure 2021523379
Figure 2021523379
さらに、試験BGBIL006(NCT02872259)からのデータを分析し、治療前のLDH値と、BGB324及びペムブロリズマブによる治療後の腫瘍サイズの増加/減少と、の相関関係を検討した。この分析結果を図1に示す。
本実施例では、急性骨髄性白血病(AML)及び骨髄異形成症候群(MDS)と診断された患者由来の試料からなる試験BGBC003(NCT02488408)由来のデータのさらなる解析結果を記載する。被験体には、Axl阻害剤BGB324を単独又はシタラビン若しくはデシタビンと併用して投与した。
タンパク質パネルデータセットを、AML試料のみのサブセットとMDS試料のみのサブセットの2つのサブセットに分けた。当該タンパク質パネルデータの統計解析により、タンパク質発現における前処理(C1D1)の相違を、応答群と非応答群の間で同定した。
当該解析では、併用AML及びMDS単治療サブセットにおいて、10のタンパク質について、治療前試料の応答性と非応答性との間で有意差(p<0.05)が認められた(logFC=タンパク質のlog倍の変化;関心被験体の比較における正の値は上方制御を示し、負の値は下方制御を示す):
Figure 2021523379
当該解析では、併用AML及びMDS併用治療サブセットにおいて、5種類のタンパク質について、治療前試料の応答性と非応答性との間で有意差(p<0.05)が認められた(logFC=タンパク質のlog倍の変化;関心被験体の比較における正の値は上方制御を示し、負の値は下方制御を示す):
Figure 2021523379
本実施例では、メラノーマと診断された患者由来の試料からなる試験BGBIL006(NCT02872259)の解析結果を記載する。被験体には、Axl阻害剤BGB324をペムブロリズマブ又はダブラフェニブ及びトラメチニブのいずれかと併用投与した。
タンパク質パネルデータセットを、ペムブロリズマブのみの併用試料のサブセットとトラメチニブのみのサブセットの2つのサブセットに分けた。当該タンパク質パネルデータの統計解析により、タンパク質発現における前処理(C1D1)の相違を、応答群と非応答群の間で同定した。
当該解析では、ペムブロリズマブサブセットにおいて、19種類のタンパク質について、治療前試料の応答性と非応答性との間で有意差(p<0.05)が認められた(logFC=タンパク質のlog倍の変化;関心被験体の比較における正の値は上方制御を示し、負の値は下方制御を示す):
Figure 2021523379
当該解析では、全ての患者のデータセットにおいて、13種類のタンパク質について、治療前試料の応答性と非応答性との間で有意差(p<0.05)が認められた(logFC=タンパク質のlog倍の変化;関心被験体の比較における正の値は上方制御を示し、負の値は下方制御を示す):
Figure 2021523379
本実施例では、NSCLCと診断された患者由来の試料からなる試験BGBC008(NCT03184571)のさらなる解析結果を記載する。被験体には、Axl阻害剤BGB324をペムブロリズマブと併用投与した。
治療前試料において、21のタンパク質は、応答性と非応答性との間で有意差(p<0.05)が認められた(logFC=タンパク質のlog倍の変化;関心被験体の比較における正の値は上方制御を示し、負の値は下方制御を示す):
Figure 2021523379
〔参考文献〕
本開示及び本開示が関係する技術の現状をより完全に記載及び開示するために、多くの刊行物が上記に引用されている。当該参考文献の全文を以下に示す。当該参考文献の各々の全体が、本明細書に組み込まれる。
Figure 2021523379
標準的な分子生物学的技術については、Sambrook,J.,Russel,D.W.著「分子クローニング実験室マニュアル」第3版2001年,コールドスプリングハーバーニューヨーク、コールドスプリングハーバー研究所プレスを参照のこと。

Claims (25)

  1. 被験体における又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価することを含む、前記被験体におけるがん関連転帰を予測する方法であって;
    ここで、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lからなる群より選択され;かつ、
    ここで、前記被験体が、急性骨髄性白血病(AML)である、であると疑われる、又はと診断されていた、
    方法。
  2. 以下の:
    前記被験体又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量を評価して、前記1又はそれ以上のバイオマーカーの試料プロファイルを得る工程;かつ、
    前記1又はそれ以上のバイオマーカーの前記試料プロファイルに基づいた予測を行う工程;を含み、
    場合によっては、前記予測は、前記試料プロファイルを対照プロファイルと比較して行われる、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記試料プロファイルは、前記被験体が、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤との接触、又は、投与前に得られる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記対照プロファイルは、以下の:
    (i)AMLである対照被験体集団から得られた;又は
    (ii)AMLであり、かつ、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた対照被験体又は対照被験体集団から得られた;
    (iii)AMLであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団から得られたバイオマーカーの発現、活性又は量の値の「平均、中央値又は平均」又は「標準範囲」の所定のプロファイル;
    (iv)AMLであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性の欠如が見いだされた、対照被験体又は対照被験体集団を示すバイオマーカーの既知の「平均、中央値又は平均」を有する対照試料から得られた;
    (v)AMLであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体の集団から得られたバイオマーカーの発現、活性、又は量の「閾値」の所定のプロファイル;又は、
    (vi)AMLであって、以前にEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性が見いだされた、対照被験体又は対照被験体の集団を示すバイオマーカーの既知の「閾値」を有する対照試料から得られた;
    である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lのうちの少なくとも1つを含み;かつ、
    対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、
    請求項3〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、及び/又はLHのうちの少なくとも1つを含み、かつ、
    対照プロファイルと比較して、試料プロファイル中の前記1又はそれ以上のバイオマーカーの活性、発現、又は量がより低い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に対する感受性を示す、
    請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axlを含み、
    場合によっては、前記1又はそれ以上のバイオマーカーは、Axl、及び以下の:FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−L、から選択される、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上のバイオマーカーを含む、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記試料プロファイルが、前記被験体を、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させた後に得られ、
    場合によっては、前記対照プロファイルが、前記被験体を、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤と接触させる前に、同一被験体から得られる、
    請求項2に記載の方法。
  9. 前記対照プロファイルと比較した、前記試料プロファイルにおける1又はそれ以上のバイオマーカーの前記活性、発現、又は量が高い場合、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に対する感受性がより高いことを示す、請求項8に記載の方法。
  10. 前記1又はそれ以上のバイオマーカーが、少なくともAxlを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記方法が、前記被験体における又は前記被験体に由来する試料における、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20の前記バイオマーカーの量を測定することを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記被験体における又は前記被験体に由来する試料における、1又はそれ以上のバイオマーカーの前記発現又は量を評価する工程は、以下の:
    前記試料又は前記試料由来の抽出物を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の、各々が各バイオマーカータンパク質に選択的に結合する、特異的結合メンバーと接触させる工程;かつ、
    前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカータンパク質により形成された複合体の形成を検出及び/又は定量する工程;を含み、
    場合によっては、前記特異的結合メンバーは、抗体分子又はその結合断片を含む;
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤が、Axl阻害剤である、請求項3〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記Axl阻害剤が、BGB324/R428/ベムセンチニブである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記Axl阻害剤が、国際公開第2015/193428号、国際公開第2015/193430号、国際公開第2016/097370号、又は国際公開第2016/166296号に記載の抗Axl抗体である、請求項13に記載の方法。
  16. 前記EMTを阻害又は逆転しうる薬剤は、さらなるがん治療と組み合わされて投与される、請求項3〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記さらなるがん治療が、シタラビン又はデシタビンである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記被験体が哺乳類であり、
    場合によっては、前記被験体はヒトである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記試料が、血液、血清、又は血漿試料であり;
    場合によっては、前記試料は血清試料である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記方法が、インビトロ又はエクスビボで行われる、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療のために、急性骨髄性白血病(AML)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:
    請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、
    このように同定された被験体を治療のために選択する工程;
    を含む、方法。
  22. EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による継続治療のために、急性骨髄性白血病(AML)である、であると疑われる、又はと診断されていた、被験体を選択する方法であって、以下の:
    請求項8〜20のいずれか一項に記載の方法を用いて、EMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤での治療に感受性のある被験体を同定する工程;かつ、
    このように同定された被験体を継続治療のために選択する工程;
    を含む、方法。
  23. 以下の:
    各々が、以下の:Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−Lからなる群から選択されるバイオマーカーに選択的に結合する、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の特異的結合メンバー;かつ、
    前記1又はそれ以上の特異的結合メンバーを検出する、1若しくはそれ以上の試薬、又は前記特異的結合メンバー及び前記バイオマーカーによって形成された複合体を検出及び/又は定量化する、1又はそれ以上の試薬;
    含む、診断キット又は試験装置。
  24. 被験体におけるがん関連転帰を予測する方法に用いる;
    場合によっては、前記方法が、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法である、
    請求項23に記載の診断キット又は試験装置。
  25. 被験体がEMTを阻害若しくは逆転しうる薬剤又は化学療法剤による治療に感受性があるかを判定するバイオマーカーとしての、以下の:Axl、FGF−21、RAGE、CEA、FSH、MMP−10、オメンチン、CA−19−9、LH、ハプトグロビン、NAP−2、免疫グロブリンE、及び/又はCD40−L;の1又はそれ以上を使用であって、
    場合によっては、前記使用が、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法におけるバイオマーカーとしての使用である、使用。
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