JP2021522309A - ヒアルロナンを可視化する為の可視化剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ポリオキサゾリン分子及び1以上の標識化合物を含む可視化剤に向けられている。該可視化剤は、硝子体を着色する為に使用されることが出来る眼の着色組成物であることが出来る。
【選択図】なし

Description

本発明は、ヒアルロナン組織(特に、眼の硝子体)を可視化する為の分子複合体、ヒアルロナン組織を可視化する為の組成物、該複合体及び該組成物を調製する為の方法、並びに外科手術、診断、治療及び化粧品における該複合体及び該組成物の使用に向けられている。
ヒアルロン酸とも称されるヒアルロナンは、二糖の繰り返し単位からなる多糖である。ヒアルロナンの該二糖単位は、グリコシド結合を介して結合されたD−グルクロン酸及びN−アセチル−D−グルコサミンから構成される。ヒアルロナンは、ムコ多糖の群に属する。ヒアルロナンは、水性環境で、負に荷電した基の存在に起因して非常に極性が高い。
ヒアルロナンは、ヒト及び動物の身体の特定の組織に存在する。眼の後眼部に位置する硝子体は、多量のヒアルロナンを含む。ヒアルロナンはまた、関節軟骨(及び、特にヒアリン軟骨)の重要な成分であり、軟骨細胞の外面に存在する。ヒアルロナンはまた、口内の特定の組織に存在する。ほとんどの歯周組織がヒアルロナンを含み、特に歯肉(歯茎)は多量のヒアルロナンからなる。さらに、ヒアルロナンは、皮膚、毛包及び結合組織に有意な量で存在する。
可視化剤、例えば色素及び造影剤、は、或る組織を他の組織と識別する為に、該或る組織を可視化して使用される。当技術分野において、可視化剤をヒアルロナン組織に選択的に施与する必要性がある。例えば、周囲の組織を着色しないまま歯肉を色素で着色することができれば、歯科外科手術が容易になりうる。同様に、或る疾病を診断及び/又はモニタリングする為に、可視化剤、例えば造影剤、をヒアリン軟骨に選択的に施与することが有用である。さらに、種々の外科的手技の間に又は後にヒアリン「注射剤」が可視化されて、それらの存在を突き止める(ヒアリン注射剤が治療的ツールとして使用される場合)又はそれらの非存在を確認する(手術が行われた組織からヒアリン注射剤が再度除去されなければならない場合)ことが出来る場合に、それは様々な外科的処置を助けうる。
特に、眼の外科手術において、ヒアルロナン組織を可視化することが出来るようにする為の強い必要性がある。特定の眼の構造体に色素を施与して、外科医が、様々な眼の組織を可視化し且つ識別することを支援することは、眼の外科手術において一般的な実務である。例えば、水晶体前嚢(前眼部に位置する)を色素で着色して、嚢切開の実施を容易にすることは一般的な実務である。この手技は、例えば、国際公開第99/58160号パンフレットに記載されている。国際公開第99/58160号パンフレットに記載の方法は、組織を通して拡散することなく該組織を着色することが出来る生体着色色素を使用する。その上、網膜の膜(後眼部に位置する)を着色し、硝子体網膜外科手術を容易にすることは既知である。そのような膜の例は、内境界膜及び網膜上膜である。容易になりうる硝子体網膜外科手術の例は、網膜剥離外科手術、黄斑ひだ除去及び黄斑円孔外科手術である。この種の着色は、国際公開第99/58159号パンフレットに記載されている。
国際公開第99/58159号パンフレット及び国際公開第99/58160号パンフレットの手技の欠点は、それらの中に記載されている着色方法及び色素組成物が、硝子体を着色することが出来ないことである。
該硝子体は、清澄な透明の半固体ゲルからなる組織であり、それは水晶体と眼の後眼部にある網膜との間に位置する。該硝子体は、眼の後眼部で空間保持体として働く。該硝子体は主に、ヒアルロナンと、非常に少量のみの線維状構造体、例えばコラーゲン及びビトロシン、グルコース並びに微量の要素から構成される。その屈折率が、水晶体、並びに外科手術の際の水性溶液及び平衡塩類溶液のものとほぼ同等であるため、該硝子体又はその要素を可視化し、周囲の液体要素と区別することは、高倍率の外科用顕微鏡を通しても実質的に不可能である。人生の最初の数十年の間、該硝子体は網膜に付着しており、このことは、これらの解剖学的構造体の判別をさらに妨げうる。
従って、該硝子体を可視化することが出来る色素組成物の必要性がある。
本発明は、外科手術中の硝子体又はその一部の不十分な可視性に関連付けられた上述の問題を克服することを試みる。
本発明の目的は、ヒアルロナンを含む組織を可視化することが出来る化合物又は組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、眼の外科手術中の別個の眼の組織の可視化を向上させることが出来る化合物又は組成物を提供することである。特に、本発明の目的は、硝子体を可視化し、並びに、外科医が、外科手術中に、周囲の二次的に形成された線維組織の眼の構造体と硝子体とを識別出来るようにし、且つ硝子質要素の選択的な除去を容易にするのに十分なコントラストをもたらすことを可能とすることである。
本発明のさらなる目的は、硝子体を着色することが出来る化合物又は組成物を提供することである。
これらの目的のうちの1つは、ポリオキサゾリン分子及び1以上の標識化合物を含む可視化剤を提供することによって達成された。従って、第1の観点において、本発明は、ポリオキサゾリン分子に分子的に結合された1以上の標識化合物を含む可視化剤であって、該ポリオキサゾリン分子が、下記の式
Figure 2021522309
ここで、Rはアルキル基又はフェニル基であり、該アルキル基又はフェニル基は任意的に、ハロゲン、アミノ(−NH)、ニトロ(−NO)、カルボキシル(−COOH)、アルコキシ(−OR)、スルホネート(−SO )、ヒドロキシル(−OH)及びスルフヒドリル(−SH)からなる群から選択される1以上の置換基で置換されていてもよく、及び、上記フェニル基はまた任意的に、追加的に又は代替的に、1以上のアルキル基で置換されていてもよく、並びに、
及びRはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル、フェニル、ハロゲン、アミノ(−NH)、ニトロ(−NO)、カルボキシル(−COOH)、アルコキシ(−O−R)、スルホネート(−SO )、ヒドロキシル(−OH)、イミノ(=N−H)及びスルフヒドリル(−SH)からなる群から選択される、
に従う繰り返し単位を有する、上記可視化剤に向けられている。
本発明者等は、本発明に従う可視化剤が、周囲の眼の組織又は構造体に影響を及ぼすことなしに又は着色することなしに、硝子体を着色することが出来ることを見出した。これは、硝子体と周囲の眼の組織、例えば網膜、との間のコントラストを向上することを可能にする。本発明者等の知る限り、該可視化剤が、硝子体を有効に着色することが出来る、最初の既知の薬剤である。
しかしながら、本発明は、硝子体を着色することに限定されない。本発明者等は、可視化剤に存在するポリオキサゾリン分子が、硝子体におけるヒアルロナンの存在によってこの組織を着色することが出来ることを見出した。従って、本発明の複合体は、一般に、ヒアルロナンを可視化することがまた出来ることが期待される。従って、本発明は、眼の外科手術だけでなく、組織の可視化が有用である他の領域においても可視化の機会を開く。該可視化剤は、ヒアルロナンを含む組織、並びに合成ヒアルロナンを可視化する為に使用されることが出来る。例えば、該可視化剤は、外科手術又は診断において組織を可視化する為に使用されることが出来る。該可視化剤はまた、診断組成物(例えば、着色組成物又は造影媒体)、医薬組成物(例えば、注射剤)及び化粧組成物(例えば、皮膚への注射剤)において使用されることが出来る。該可視化剤は例えば、歯科外科手術における着色化合物として、又は放射線撮影、X線、ポジトロン断層撮影(PET)若しくは磁気共鳴画像法(MRI)における造影媒体として、使用されうる。その上、ポリオキサゾリンとヒアルロナンとの間に形成される複合体は、結合されていないヒアルロナンを含む医薬組成物であって、体内への注射に好適な該医薬組成物に組み込まれることが出来る。
いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、該可視化剤に存在するポリオキサゾリンは、非共有結合的結合を介してヒアルロナンに結合することが出来ると考えられる。該結合は、ポリオキサゾリンとヒアルロナンとの間のファンデルワールス力によって、特に水素結合及び疎水性相互作用によって、もたらされることが予想される。従って、該ポリオキサゾリンは、標識化合物の担体として機能することが出来る。これは、該可視化剤がヒアルロナン組織を可視化することを提供にする。該可視化剤とヒアルロナン組織との間に形成される結合は可逆的である。本発明者等の知る限り、ポリオキサゾリンとヒアルロナンとの間のそのような相互作用が当技術分野で記載されるのはこれが初めてである。
本明細書で使用される場合、語「可視化剤」は、ヒアルロナン組織を可視化する為に適している薬剤を云う。特に、該薬剤は、該組織と接触させられる場合に、ヒアルロナン組織を可視化することが出来る。該可視化剤によって達成される可視化の種類は、該薬剤に存在する標識化合物の種類に依存する。該可視化剤は、分子複合体(1以上の標識化合物が該ポリオキサゾリンに非共有結合的に結合されている)、又は化合物(1以上の標識化合物が該ポリオキサゾリンに共有結合的に結合されている)でありうる。
本明細書で使用される場合、語「ヒアルロナン組織」は、ヒアルロナンを含む組織を云う。該語は、ヒアルロナンをその成分の1つとして含む組織、並びにヒアルロナンで覆われた組織も包含する。該組織は、固体、ゲル(例えば、硝子体(vitreous))、又は流体(例えば、体液)でありうる。該組織は結合組織であることが出来る。ヒアルロナン組織の例は、硝子体、歯肉(歯茎)及びヒアリン軟骨(例えば、関節軟骨)である。該組織は、動物組織、特に哺乳動物組織、好ましくはヒト組織、でありうる。ヒアルロナンはまた、文献においてヒアルロン酸と称される。2つの名称は同じ化合物を云い、且つ互換可能に使用されうる。
図1は、好適な標識化合物の分子構造を示す。図示される化学構造は、シカゴスカイブルー6B(Chicago Sky Blue 6B)である。 図2は、好適な標識化合物の分子構造を示す。図示される化学構造は、2−ナフトールオレンジ(2-naphtol orange)である。 図3は、好適な標識化合物の分子構造を示す。図示される化学構造は、アルラレッドAC(Allura Red AC)である。 図4は、好適な標識化合物の分子構造を示す。図示される化学構造は、ジアミングリーンB(Diamine Green B)である。 図5は、好適な標識化合物の分子構造を示す。図示される化学構造は、ファストイエローAB(Fast Yellow AB)である。 図6は、好適な標識化合物の分子構造を示す。図示される化学構造は、ヤヌスグリーンB(Janus Green B)である。 図7は、シカゴスカイブルー及びポリオキサゾリンを用いて実行された吸光度試験の結果を示す。 図8は、シカゴスカイブルー及びポリオキサゾリンを用いて実行された吸光度試験の結果を示す。 図9は、様々なアゾ化合物を使用した、硝子体の着色実験の結果を示す。 図10は、様々な長さのポリオキサゾリンを使用した、硝子体の着色実験の結果を示す。
該可視化剤は、1以上の標識化合物と、式(I)に従う繰り返し単位を有するポリオキサゾリンとを含む。該標識化合物は、ヒアルロナン組織を可視化する為のものである。該標識化合物は、該ポリオキサゾリンに分子的に結合される。1以上の該標識化合物は、ポリオキサゾリンに非共有結合的に結合されうる。例えば、1以上の該標識化合物及び該ポリオキサゾリンは、例えばファンデルワールス力によって、特に水素結合及び疎水性相互作用によって、分子複合体を形成しうる。代替的には、1以上の該標識化合物は、該ポリオキサゾリンに共有結合的に結合されることがまた可能である。これらの場合の両方について、該可視化剤のポリオキサゾリン部分は、ヒアルロナン組織に結合することが出来るであろうことが予想される。
本発明の可視化剤は典型的に、ポリオキサゾリン1個当たり複数の標識化合物を含む。該可視化剤における各標識化合物は、該ポリオキサゾリンに共有結合的に又は非共有結合的に結合されうる。該可視化剤は、複数の標識化合物を含みうる。この場合、該可視化剤は、ポリオキサゾリンモノマー1個当たり0.01〜1個、好ましくは0.1〜0.75個、より好ましくは0.25〜0.5個、の標識化合物を含みうる。該ポリオキサゾリンにおけるポリオキサゾリンモノマーの数は、パラメーターnによって表されうる。該可視化剤は、ポリオキサゾリン1個当たり少なくとも2個、好ましくは少なくとも5個、より好ましくは少なくとも10個、の標識化合物を含みうる。例えば、約5,000の分子量(すなわち、nは約50)を有するポリオキサゾリンの場合、典型的に、約20個のアゾ色素分子がポリオキサゾリン分子1個当たりに結合される。該可視化剤は、単一又は複数のポリオキサゾリン分子を含みうる。
該可視化剤は、1以上の該標識化合物及び該ポリオキサゾリン以外の成分を必要としない。従って、その最も簡潔な形態の該可視化剤は、1以上の該標識化合物及び該ポリオキサゾリンからなる。
式(I)に従うと、Rはアルキル基又はフェニル基であってもよく、ここで、該アルキル基又はフェニル基は任意的に、フルオロ、クロロ、ブロモ、アミノ(−NH)、ニトロ(−NO)、カルボキシル(−COOH)、メトキシ(−O−CH)、エトキシ(−O−CH−CH)、スルホネート(−SO )、ヒドロキシル(−OH)及びスルフヒドリル(−SH)からなる群から選択される1以上の置換基で置換される。追加的に又は代替的に、上記フェニル基はまた任意的に、1以上のメチル基又はエチル基で置換されていてもよい。
好ましくは、Rは、上述の通り任意的に置換されていてもよいアルキルである。Rは1〜8個の炭素原子を有してもよく、好ましくは1〜5個の炭素原子、を有する。より好ましくは、該アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピルから選択される。最も好ましくは、Rはメチル又はエチルである。そのような小さいアルキル基を有するポリオキサゾリンは、水への良好な溶解性を有する。
式(I)に従うと、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル、フェニル、ハロゲン、アミノ(−NH)、ニトロ(−NO)、カルボキシル(−COOH)、アルコキシ(−O−R)、スルホネート(−SO )、ヒドロキシル(−OH)、イミノ(=N−H)及びスルフヒドリル(−SH)からなる群から選択される。好ましくは、R及びRのうちの少なくとも1つは水素原子である。R又はRがアルキル基である場合、該アルキル基は、R(前段落の定義を参照されたい)と同じように定義される。R及び/又はRが式−ORのアルコキシ基である場合、この式のR基がまた、Rと同じように定義される。R及び/又はRがハロゲンである場合、該ハロゲンは、F、Cl、Br、好ましくはCl、でありうる。イミノの場合、R及びRは一緒になって該イミノ基を表す。
好ましくは、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、メチル及びエチルからなる群から選択される。好ましくは、R及びRのうちの少なくとも1つは水素原子である。さらにより好ましくは、R及びRはいずれも水素原子である。
ポリオキサゾリンは好ましくは、ポリ(2−アルキル)(2−オキサゾリン)である。この場合、式(I)のR及びRはいずれも水素原子である。優れた可視化の結果は、実施例にまた例示されている通り、この種のポリオキサゾリンを使用して達成された。好ましくは、ポリオキサゾリンは、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリ(2−n−プロピル−2−オキサゾリン)及びポリ(2−イソプロピル−2−オキサゾリン)からなる群から選択される。最も好ましくは、ポリオキサゾリンは、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)である。
該ポリマーは、分子量によって又はパラメーターnによって表される通り、特定の長さのものでありうる。パラメーターnは、該ポリマーにおけるオキサゾリン部分の数を表す。従って、該ポリオキサゾリンは、下記の式(Ib):
Figure 2021522309
によって表されることが出来る。
、R及びRは上で定義された通りであり、nは典型的には、少なくとも5の整数である。該ポリマーの長さは、主に、ヒアルロナンとの相互作用によって決定される。長すぎるポリオキサゾリンは、ヒアルロナンにもはや適切に結合し得ない可能性がある。さらに、非常に小さいポリオキサゾリン分子は、比較的少数の標識化合物にしか結合することが出来ないという欠点を有する。従って、パラメーターnは典型的には、10〜5,000、好ましくは20〜1,000、例えば20〜500、の範囲である。
該ポリオキサゾリンは好ましくは、200〜500,000g/モル、好ましくは500〜100,000g/モル、例えば1,000〜50,000g/モル、の分子量(Mw)を有する。
該標識化合物は、可視化される機能を有する可視化剤を提供する。ポリオキサゾリンそれ自体は、独特の色、X線又は赤外線によって検出可能ではない。該標識化合物は、色素、放射線造影剤、MRI造影剤、蛍光化合物、同位体標識された化合物及び化粧品着色剤からなる群から選択されうる。色素は、組織を目視検査によって直接可視化する為に使用されることが出来る。この種の可視化は、本明細書において着色(staining)とも云われる。該放射線造影剤は、組織(及びそれに結合された薬剤)をX線に付した場合に、該組織を可視化する為に使用されることが出来る。該蛍光化合物は、組織(及びそれに結合された薬剤)を紫外光に付した場合に、該組織を可視化する為に使用されることが出来る。MRI造影剤は、組織(及びそれに結合された薬剤)を磁気共鳴に付した場合に、該組織を可視化する為に使用されることが出来る。同位体標識された化合物は、組織(及びそれに結合された薬剤)を赤外光若しくは核磁気共鳴に付した場合に、又はポジトロンの放出を観察することによって、該組織を可視化する為に使用されることが出来る。
好ましくは、該標識化合物は、アゾ化合物である。好ましくは、該アゾ化合物は、下記の式
Figure 2021522309
ここで、Ar及びArは、同じ芳香環又は異なる芳香環である、
に従う部分を有する。該芳香環は、単環式環(例えば、ベンゼン)、複素環式環(例えば、ナフタレン)又は多環式環(例えば、フェナジン)であることが出来る。単環式環の場合、該環は好ましくは、5又は6員芳香環である。複素環式環の場合、該環は好ましくは、2つの縮合した6員環、又は6員環と縮合した5員環からなる。該芳香環は、単素環式環又は複素環式環でありうる。複素環式環の場合、該環員のうちの1以上は好ましくは、窒素原子(N)、酸素原子(O)及び硫黄原子(S)から選択される元素である。該芳香環は、水素原子以外の1以上の基で置換されていてもよく、該1以上の基はそれぞれ独立して、好ましくは、メチル、エチル、フェニル、メトキシ、ニトロ、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ヒドロキシル及びスルホネートから選択される。そのような芳香環は、置換された芳香環と云われる。
Arは好ましくは、置換されたフェニル部分、置換されたナフチル部分、置換されたピラゾール部分、置換されたベンゾチアゾール又は置換されたフェナジン部分である。同様に、Arは好ましくは、置換されたフェニル部分、置換されたナフチル部分、置換されたピラゾール部分、置換されたベンゾチアゾール又は置換されたフェナジン部分である。Ar及びArはそれぞれ独立して、好ましくは、フェニル部分、ナフチル部分、ピラゾール部分、ベンゾチアゾール部分及びフェナジン部分から選択され、該部分は任意的に、メチル、エチル、フェニル、メトキシ、ニトロ、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ヒドロキシル及びスルホネートから選択される1以上の基で置換されていてもよい。本発明者等は、そのようなアゾ化合物が、ポリオキサゾリンと非常に安定した複合体を形成することが出来たことを見出した。この結合は、非共有結合的結合であり、ここで該アゾ官能基が該ポリオキサゾリンのアミド基と相互作用しうること、が予想される。さらに、該アリール基は、該ポリオキサゾリンの疎水性鎖及び基と相互作用しうる。
好ましくは、Ar及びArはそれぞれ独立して、フェニル部分及びナフチル部分から選択され、ここで、上記フェニル部分及びナフチル部分は任意的に、メチル、エチル、メトキシ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル及びスルホネートから選択される1以上の基で置換されていてもよい。より好ましくは、Ar及びArのうちの少なくとも1つは、任意的にメチル、エチル、メトキシ、アミノ、ヒドロキシル及びスルホネートから選択される1以上の基で置換されていてもよいフェニル部分である。
式(II)に従う部分を有する化合物の例は、シカゴスカイブルー6B、2−ナフトールオレンジ、アルラレッドAC、ジアミングリーンB、ファストイエローAB、ヤヌスグリーンB、ナフトールブルーブラック(Naphtol Blue Black)、タートラジン(Tartrazine)、スカーレットレッド(Scarlet Red)、チアゾールイエローG(Thiazole Yellow G)及びスーダンブラックB(Sudan Black B)である。これらの化合物のうちの幾つかの構造が、図1〜図6に見付けられる。
該標識化合物は好ましくは、下記の式
Figure 2021522309
ここで、Ar及びArは、同じ又は異なる(ヘテロ)アリール基である、
を有するアゾ化合物である。語「(ヘテロ)アリール基」は、アリール基及びヘテロアリール基からなる群を云う。(ヘテロ)アリールは、単環式基(例えば、ベンゼン)、複素環式基(例えば、ナフタレン)又は多環式基(例えば、フェナジン)であることが出来る。単環式(ヘテロ)アリール基の場合、該基は好ましくは、5又は6員アリール基である。複素環式(ヘテロ)アリール基の場合、該基は好ましくは、2つの縮合した6員環、又は6員環と縮合した5員環からなる。ヘテロアリール基の場合、該基の環員のうちの1以上は好ましくは、窒素原子(N)、酸素原子(O)及び硫黄原子(S)から選択される元素である。(ヘテロ)アリール基は、水素原子以外の1以上の基で置換されていてもよく、1以上の基はそれぞれ独立して、好ましくは、メチル、エチル、フェニル、メトキシ、ニトロ、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ヒドロキシル、スルホネート、スルフヒドリル及び−N=N−Arから選択される。−N=N−Ar基はアゾ基であり、ここで、Arは、(ヘテロ)アリール基でありであり、好ましくはフェニル及びナフチルから選択される(ヘテロ)アリール基であり、ここで、該(ヘテロ)アリール基は任意的に、メチル、エチル、メトキシ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホネート及びスルフヒドリルから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
Ar及びArはそれぞれ独立して、好ましくは、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ピラゾール、ベンゾチアゾール及びフェナジンから選択され、該フェニル、ビフェニル、ナフチル、ピラゾール、ベンゾチアゾール及びフェナジンは任意的に、メチル、エチル、フェニル、メトキシ、ニトロ、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ヒドロキシル、スルホネート、スルフヒドリル及び−N=N−Arから選択される1以上の基で置換されていてもよい。
式(III)の化合物の例は、シカゴスカイブルー6B、2−ナフトールオレンジ、アルラレッドAC、ジアミングリーンB、ファストイエローAB及びヤヌスグリーンBである。これらの色素はまた、眼用着色組成物に使用する為の候補である可能性が高く、なぜならば、それらが、非常に少ない量で明瞭な可視着色を提供するためである。また、それらは、20年超にわたる臨床使用により、有利な毒性プロファイルを有することが示されてきている。最も好ましくは、該標識化合物は、シカゴスカイブルー6Bである。
好ましい実施態様において、Ar及びArはそれぞれ独立して、フェニル及びナフチルから選択され、ここで、上記フェニル及びナフチルは任意的に、メチル、エチル、メトキシ、アミノ、ヒドロキシル及びスルホネートから選択される1以上の基で置換されていてもよい。より好ましくは、Ar及びArのうちの少なくとも1つはフェニルであり、該フェニルは任意的に、メチル、エチル、メトキシ、アミノ、ヒドロキシル及びスルホネートから選択される1以上の基で置換される。そのような化合物の例は、2−ナフトールオレンジ、アルラレッドAC及びファストイエローABである。
さらにより好ましくは、該標識化合物は、下記の式
Figure 2021522309
ここで、Ar及びArは同じ又は異なる(ヘテロ)アリール基であり、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、メチル、エチル、メトキシ、アミノ、ヒドロキシル、スルフヒドリル及びスルホネートから選択される、
を有するアゾ化合物である。Ar及びArは、上述のAr及びArと同じ定義を有する。
Ar及びArはそれぞれ独立して、好ましくは、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ベンゾチアゾール及びフェナジンから選択され、ここで、該フェニル、ビフェニル、ナフチル、ベンゾチアゾール及びフェナジンは任意的に、メチル、エチル、フェニル、メトキシ、ニトロ、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ヒドロキシル、スルホネート、スルフヒドリル及び−N=N−Arから選択される1以上の基で置換されていてもよい。−N=N−Ar基は、上で定義された通りである。式(IV)の化合物の例は、シカゴスカイブルー6B及びジアミングリーンBである。
式(IV)の化合物の好ましい実施態様において、Ar及びArはそれぞれ独立して、フェニル及びナフチルから選択され、ここで、該フェニル及びナフチルは任意的に、メチル、エチル、メトキシ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル及びスルホネートから選択される1以上の基で置換されていてもよい。より好ましくは、Ar及びArのうちの少なくとも1つはナフチルであり、該ナフチルは任意的に、メチル、エチル、メトキシ、アミノ、ヒドロキシル及びスルホネートから選択される1以上の基で置換される。そのような化合物の例は、2−ナフトールオレンジ、アルラレッドAC及びファストイエローABである。そのような化合物の例は、シカゴスカイブルー6Bである。
上記の化合物は中性形態であることが出来、又はその塩、例えばナトリウム塩、として用意されることが出来る。
該可視化剤が色素又はアゾ色素である場合、該可視化剤は好ましくは、生体着色色素(vital dye)である。本明細書で使用される場合、語「生体着色色素」は、生理学的及び毒物学的に許容される(例えば、細胞代謝に臨床的に有意に干渉しない)濃度で、十分な着色又は着色能を有する色素を云う。従って、そのような色素は、生細胞及び生組織の(イン・ビボ(in vivo))環境で使用されることが出来る。言い換えれば、可視化されるのに有用な着色の為に十分な着色を提供する為に必要である色素の最小量は、有害毒性効果を生じない、又はほとんど生じない程度に低くなければならない。
本発明はさらに、可視化剤とヒアルロナンとの複合体に向けられている。上述されている通り、該可視化剤はヒアルロナンに結合する。これら2つの複合体は、診断、治療、外科手術及び化粧品に使用されうる。特に、そのような複合体は、以下に記載されている「注射剤」の形態で使用されうる。
第2の観点において、本発明は、式(I)に従うポリオキサゾリン及び1以上の標識化合物を含む可視化組成物に向けられている。該ポリオキサゾリン及び該標識化合物は、上述の通りである。
該組成物中に存在する標識化合物のモル量とポリオキサゾリンのモル量との比は好ましくは、100/1〜1/1、より好ましくは50/1〜2/1、さらにより好ましくは30/1〜10/1、である。複数の標識化合物が1つのポリオキサゾリン分子に結合することが出来る故に、上記モル量は低すぎてはならない。該ポリオキサゾリンの長さに依存して、より高い又はより低い量の標識化合物が使用されうる。
該可視化組成物は好ましくは、液体組成物、より好ましくは水性組成物、さらにより好ましくは水性溶液、である。本発明者等は、該標識化合物及び該ポリオキサゾリンが、水に溶解される場合に、本発明に従う可視化剤を自発的に形成しうることを見出した。これは、例えば、該標識化合物がアゾ化合物である場合に当てはまる。アゾ化合物は、水中で該ポリオキサゾリンに自発的に結合する。
該ポリオキサゾリンは、0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらにより好ましくは1.0〜5.0重量%、の量で液体組成物に存在しうる。該組成物の粘度を考慮すると、高い濃度は望ましくない場合がありうる。該ポリオキサゾリンの高い濃度は、高い粘度に起因して、取扱い及び施与が難しい場合がありうる。
該標識化合物は、0.001〜5重量%、好ましくは0.001〜1.0重量%、さらにより好ましくは0.01〜0.5重量%、さらにより好ましくは0.02〜0.2、の量で液体組成物に存在しうる。
本発明に従う可視化剤は、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらにより好ましくは1.0〜5.0重量%、の量で液体組成物に存在しうる。
該液体組成物の粘度は好ましくは、少なくとも2.0mPa.s、より好ましくは少なくとも5mPa.s、さらにより好ましくは10mPa.s、である。さらに、着色組成物の粘度は好ましくは50mPa.s未満、より好ましくは20mPa.s未満、である。粘度値は、298Kの温度でレオメーターを使用して決定されることが出来る。必要に応じて、該粘度は、粘度を高める化合物、例えばポリエチレングリコール(PEG)、を含むことによって増大されることが出来る。該粘弾性組成物の場合、粘度は典型的により高いであろう。
該可視化組成物のポリオキサゾリンは好ましくは架橋されない、又は少なくとも有意な程度まで架橋されない。架橋は、ヒアルロナンへの結合に干渉しうる。
該可視化組成物はまた、固体形態で提供されうる。そのような組成物に、液体、例えば水性溶液、を後で添加して、新鮮な液体組成物を調製することが出来る。
本発明に従う組成物において、該アゾ化合物は、中性形態で、又は化合物の塩若しくは水和物、例えばナトリウム塩、として用意されうる。
該可視化組成物は、硝子体(vitreous)を可視化する為の眼科用組成物でありうる。この場合、該標識化合物は色素化合物である。
該可視化組成物は、歯肉を可視化する為の歯科用組成物でありうる。この場合、該標識化合物は色素化合物又は造影剤でありうる。
該可視化組成物は、ヒアルロナンを含む組織を可視化する為の造影媒体でありうる。この場合、該標識化合物は、同位体標識化合物(例えば、111Inを含む)又はMRI造影剤(例えば、Gdを含む)でありうる。
該可視化組成物は、合成ヒアルロナン組織を着色する為の化粧品着色剤でありうる。この場合、該標識化合物は、皮膚を着色する為に適した顔料でありうる。
好ましい実施態様において、本発明に従う可視化組成物は、ヒアルロナンをさらに含む。そのような組成物は、該組成物が典型的には注射によって対象に投与されるので、本明細書において「注射剤」と云われうる。ヒアルロナンを含む可視化組成物は、対象がヒアルロナンを投与される用途に使用されることが出来る。ヒアルロナンを含むそのような注射剤は当技術分野で既知であり、当業者はそれらを調製する方法を理解する。本発明に従う可視化剤をそのような組成物に含むことにより、患者へのヒアルロナンの投与がモニタリングされることが出来る。上述されている通り可視化剤に存在するポリオキサゾリンはヒアルロナンに結合する。従って、ヒアルロナンを含む可視化組成物は、可視化剤とヒアルロナンとの複合体を含む。該組成物中に存在するヒアルロナンの量は、該可視化剤の量よりも相当に多くてもよい。従って、該組成物は、そのような場合、該可視化剤に結合されたヒアルロナンと、該可視化剤に結合されていないヒアルロナンとの両方を含みうる。該注射剤は例えば、外科的用途に使用されうる。そのような注射剤の例は、例えば、前房を安定化させる為の眼の外科手術(例えば、白内障外科手術、緑内障外科手術、角膜移植、硝子体網膜外科手術)に使用されうる粘弾性組成物である。該注射剤はまた、治療的又は診断的用途に使用されうる。例えば、本発明の注射剤は、ヒアルロナンを関節内のヒアリン軟骨に投与する為に使用されうる。該注射剤はまた、化粧品用途に使用されうる。例えば、ヒアルロナンを含む可視化組成物は、皮膚を着色する為の標識化合物として色素を含みうる。そのような組成物は、皮膚に注射されることが出来る。
本発明の可視化組成物に存在するヒアルロナンは、任意の好適な分子量のものでありうる。ヒアルロナンの分子量は一般的に、50,000〜8,000,000g/モルの範囲内であるが、供給源、単離方法及び決定方法に依存して、13,000,000もの高い分子量が報告されている。
可視化組成物が眼の外科手術の為の粘弾性組成物である場合、可視化組成物の特性は、眼用着色組成物について以下に記載されるものと同様でありうる。ヒアルロナンは、粘弾性物質である。従って、当業者は、粘弾性可視化組成物を調製する方法を知っているであろう。ヒアルロナンのゼロせん断粘度は一般的に、50,000〜10,000,000センチポアズで変動する。ゼロせん断粘度値は、298Kの温度でレオメーターを使用して決定されることが出来る。
特に好ましい実施態様において、該可視化組成物は、硝子体を着色するのに好適である。そのような組成物は、本明細書において眼用着色組成物と云われうる。
眼用着色組成物は好ましくは水性組成物、好ましくは水性溶液、である。該ポリオキサゾリン及び該標識化合物の量及び比は、特に詳細に言及されない限り、本発明の一般的組成物について上で定義された通りである。該液体組成物について上で言及された粘度はまた、眼用着色組成物に適用される。
眼用着色組成物の標識化合物は好ましくは、上で定義されたアゾ色素である。アゾ色素は好ましくは、生体着色色素である。特に、上で定義された式(III)又は(IV)に従うアゾ色素が眼用着色組成物に好適である。これらの色素は、網膜を着色することなく硝子体周辺部を着色することにより、硝子体を可視化することが出来る。
該着色組成物は、塩をさらに含みうる。該眼用着色組成物は好ましくは、眼の流体と等張性である。この目的の為に、該眼用着色組成物は、そのモル浸透圧濃度を好適な値に調整する為の塩を含みうる。本発明の着色組成物は好ましくは、250〜400mosmol/L、好ましくは300〜330mosmol/L、例えば315mosmol/L、のモル浸透圧濃度を有する。当業者は、これを達成する為に必要とされる塩の量を計算することが出来るであろう。
該塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム又はこれらの組み合わせからなる群から選択されうる。塩を含む着色組成物を提供する為に、該着色組成物は塩類溶液を含みうる。好適な例は、平衡塩類溶液又はハルトマン乳酸リンゲル溶液である(Nuijts RMMA, Edelhauser HF, Holley GP, "Intraocular irrigating solutions: a comparison of Hartmann's lactated Ringer's solution, BSS and BSS plus", Clin. Exp. Ophtamol., vol. 233 (1995), pp. 655-661をまた参照されたい)。
該液体着色組成物は、中性又はわずかに塩基性のpH、すなわち、6.5〜8のpH、を有することがさらに好ましい。好ましくは、該組成物は7.2〜7.7のpHを有する。安定したpHを維持する為に、該着色組成物は、眼科用用途に好適な緩衝液、好ましくは塩類緩衝液、を含みうる。好適な緩衝液の例は、リン酸緩衝NaClである。
該眼用着色組成物の色素の濃度は、該着色組成物の総重量に基づいて、好ましくは0.001〜2重量%、より好ましくは0.01〜1重量%、さらにより好ましくは0.05〜0.5重量%、さらにより好ましくは0.1〜0.5重量%、である。この範囲内で、該濃度は、使用される色素の毒性及び着色特性に適合されうる。最適な着色効果が達成されると同時に、色素の毒性による眼又はその一部に対する考えられる損傷リスクが最小化されるような量が選択されることが好ましい。
該眼用着色組成物は、ポリオキサゾリンに結合されていない第2の色素化合物を含みうる。該第2の色素は好ましくは、アゾ色素以外の色素である。好ましくは、該第2の色素はポリオキサゾリンに結合することが出来ない。そのような第2の色素は、硝子体以外の眼の組織を着色する為に使用されることが出来る。該第2の色素は、ブリリアントブルーG、メチレンブルー、パテントブルーV、インドシアニングリーン、クリスタルバイオレット、サフラニン、フルオレセイン及びローズベンガルからなる群から選択されうる。
該眼用着色組成物の各成分は好ましくは、生理学的及び毒物学的に許容される着色組成物中の濃度を有する。言い換えれば、該着色組成物の各成分の最小量は、有害毒性効果が生じない、又はほとんど生じないように十分低くあるべきである。好ましくは、該着色組成物の各成分は、網膜及び隣接構造体に対して毒性ではない、又は少なくともほとんど毒性ではない。眼の外科手術の直後に眼に存在する着色組成物の各成分の含有量が、患者が、該着色組成物の使用による副作用を経験するリスクをほとんどもたらさないことがさらに好ましい。
該眼用着色組成物は、眼の組織又は眼の組織の一部、特に硝子体、の着色処置に使用されうる。該着色処置は、眼の外科手術の一部でありうる。上でも述べられている通り、外科医が1つの眼の組織を他の組織と容易に視覚的に識別するようにすることによって外科医の作業を容易にする為に、眼の外科手術において、眼の組織の少なくとも一部の着色が使用されうる。該着色組成物は典型的に、着色される眼の組織の表面に施与される。その後、該着色組成物は、例えば重力下で組織に染み込ませる又は浸透させることにより、この組織の上及び/又は組織を通して広げられうる。硝子体の着色の場合、該眼用着色組成物は、硝子体の外層及び/又は外面を特に着色する。これは、網膜を着色することなく達成されることが出来る。この施与はさらに、本発明の第5及び第6の観点に関して以下で考察される。
第3の観点において、本発明は、本発明に従う可視化剤を含む可視化組成物に向けられている。また、ポリオキサゾリン分子に分子的に結合された1以上の標識化合物を含む可視化剤、及び該ポリオキサゾリン分子に結合されたヒアルロナンを含む可視化組成物であって、該ポリオキサゾリン化合物が、本明細書で定義される下記の式
Figure 2021522309
に従う繰り返し単位を有する、上記可視化組成物が提供される。1つの実施態様において、該可視化組成物はさらに、該可視化剤に結合されていないヒアルロナンを含む。該組成物はさらに、第2の観点の可視化組成物と組成が同様でありうる。
第4の観点において、本発明は、可視化剤を調製する為の方法に向けられている。該方法は、式(I)のポリオキサゾリン及び標識化合物を用意すること、並びに該ポリオキサゾリン及び該標識化合物を水中で混合して、水性混合物を形成することの工程を含む。該標識化合物は、中性形態で、又はその塩若しくは水和物として用意されうる。該標識化合物が式(II)、(III)及び(IV)のうちのいずれか1つに従うアゾ化合物である場合、混合することによって本発明に従う可視化剤が形成する。非常に安定した分子複合体をもたらした式(III)に従うアゾ化合物を使用して、特に良好な結果が得られた。
混合は、0〜100℃、好ましくは1〜50℃、さらにより好ましくは5〜30℃、の温度、例えば室温、で実行されうる。
アゾ色素とポリオキサゾリンとの結合が確立するのに要する時間は、ストップトフロー速度論(stopped flow kinetics)を使用して決定された場合に、3ミリ秒(ms)未満であった。それにもかかわらず、混合は好ましくは、該アゾ化合物が溶解することが出来るのに十分に長時間実行されるべきである。
該ポリオキサゾリンは好ましくは、水性溶液の形態で用意される。該アゾ化合物がまた、水性溶液の形態で用意されうる。
1つのポリオキサゾリン分子に複数の標識化合物が結合することが出来る故に、過剰の標識化合物が使用されるべきである。好ましくは、該方法で使用される標識化合物のモル量は、ポリオキサゾリンのモル量の1〜100倍、好ましくは2〜50倍、さらにより好ましくは10〜30倍、でありうる。
結果として生じる水性混合物は好ましくは、該可視化組成物について上で定義された、ポリオキサゾリン及び標識化合物の濃度を有する。
結果として生じる水性混合物は、5〜9、好ましくは6.5〜8、より好ましくは7.2〜7.8、のpHを有しうる。このpHは、式(II)、(III)又は(IV)に従うアゾ化合物が使用される場合に、安定した分子複合体の形成を可能とする。
上述の方法はまた、本発明に従う可視化組成物を調製する為に、特に、眼用着色組成物を調製する為に、好適に使用されることが出来る。
該方法は、混合の前、その間又はその後に、追加の成分を水中に加える工程をさらに含みうる。例えば、塩又は塩類緩衝液がこの様式で添加されうる。該方法はまた、水性混合物に第2の色素化合物を加える工程を含みうる。
代替的には、本発明に従う可視化剤は、標識化合物がポリオキサゾリンに共有結合的に付着される方法で調製されうる。該可視化剤はまた、標識化合物がオキサゾリンモノマーに共有結合的に付着され、引き続き、結果として生じる可視化モノマーが重合反応に使用されて、可視化剤を得る方法で調製されうる。
第5の観点において、本発明は、ヒアルロナンを可視化する為の、本発明に従う可視化剤又は可視化組成物の使用に向けられている。該ヒアルロナンは、合成ヒアルロナン又はヒアルロナン組織でありうる。該使用は、該可視化剤又は可視化組成物を、紫外線、MRI、X線(レントゲン線)、NMR、PET又は赤外線に供することを包含しうる。該使用は好ましくは、該可視化剤を眼及び/又は硝子体に投与することを含む。本発明に従う可視化剤を眼及び/又は硝子体に投与することを含む、ヒアルロナンを可視化する為の方法がまた提供される。例えば、本発明は、ヒアルロナン組織又はその一部を可視化する為の使用又は方法であって、本発明に従う可視化組成物又は本発明に従う可視化剤をヒアルロナン組織と接触させる工程を含む、上記方法を提供する。該使用又は該方法はさらに、例えば、接触された組織を紫外線、MRI、X線(レントゲン線)、NMR、PET又は赤外線に付すことによって、該可視化剤を活性化させることを含みうる。
該可視化剤は、本発明の可視化組成物をヒアルロナン組織の表面に施与することによってヒアルロナン組織と接触させられうる。該可視化剤はまた、ヒアルロナン組織の上又はその中に注射されうる。眼用着色組成物の場合、ヒアルロナン組織又はその一部(すなわち、硝子体)を可視化する為の方法は、本発明の着色組成物を硝子体の表面に施与する工程を含む。
第6の観点において、本発明は、診断、治療、外科手術及び化粧品における、本発明に従う可視化剤又は可視化組成物の使用に向けられている。該可視化剤又は該可視化組成物は、第5の観点について上述された通り、ヒアルロナンを可視化する為にこれらの用途において使用されうる。該可視化剤又は該可視化組成物のそのような使用の例が、以下でさらに詳細に記載されている。
該可視化剤又は可視化組成物の1つの特定の好ましい使用は、眼の外科手術においてであり、ここで、上記剤又は組成物は、硝子体又はその一部を着色する為に使用されることが出来る。この点に関して、本発明は特に、硝子体又はその一部を着色すること、及び着色された硝子体又はその周囲の組織に外科手術を実施することを含む、眼の外科手術の方法における使用の為の、本発明に従う眼用着色組成物に向けられている。該眼用着色組成物及びその中に存在する可視化剤の詳細は、上述の通りである。該眼用着色組成物は、外科手術中に硝子体を周囲の眼の組織と識別する為に、硝子体を着色する為に使用されうる。特に、硝子体の外面又は周辺部が着色される。該着色は典型的には、硝子体の周囲の眼の組織に影響を及ぼさないか又は着色しない。該着色は例えば、本発明の第5の観点について上述された通り、硝子体を可視化剤又は眼用着色組成物と接触させることによって達成されることが出来る。
眼の外科手術は典型的には、硝子体の少なくとも一部(ただし、好ましくは全部)又は硝子体の周囲の組織の少なくとも一部の除去を含む。硝子体の周囲の組織は例えば、網膜及び網膜の膜である。
硝子体切除の為の外科的介入は通常、硝子体の全ての残留物を完全に除去することを目的としている。これは典型的に、細胞を瘢痕形成(線維化)に関与させ易くすると考えられる足場を除去することを包含する。種々の技術及び器具が「硝子体索の除去」に使用されうるが、これらの手法の全てに共通する問題は、硝子体又はその一部が外科医によって明瞭に特定されることが出来ないことである。それ故に、硝子体除去は現在のところ、種々の周囲の解剖学的構造体の組織応答(刺激に応じて組織の動きがないこと)を判断することによって、解剖学的組織構造体を着色する生体着色色素を用いてネガティブ着色すること(着色の非存在下、硝子体残留物が存在しうる)によって実施されている。本発明は、硝子体を着色する方策を提供することによって、該問題を解決する。
眼用着色組成物が使用される外科手術は、硝子体網膜外科手術でありうる。そのような外科手術は一般的に、硝子体切除又は網膜の外科手術又はその両方を含む。硝子体切除において、硝子体の少なくとも一部が操作及び/又は除去される。網膜の外科手術において、網膜又は網膜の膜の少なくとも一部が操作及び/又は除去される。網膜の膜の例は、網膜上膜及び内境界膜である。
硝子体切除において、外科手術が実施される組織は硝子体である。該硝子体切除において、硝子体の少なくとも一部又は全てが操作及び/又は除去される。最も一般的な例は、経毛様体扁平部硝子体切除である。この種の硝子体切除は、周囲の眼の構造体の操作及び/又は除去(例えば、網膜の膜の除去)を伴って、又は伴わずに実行されることが出来る。硝子体切除の別の例は、前眼部硝子体切除である。前眼部硝子体切除は、眼の前眼部から硝子体のごく一部を除去することを含む。
従って、1つの好ましい実施態様において、眼の外科手術は嚢切開を含むか、又は嚢切開である。
該着色組成物は、硝子体とともに目から除去されうる。
硝子体網膜外科手術、特に硝子体切除、で処置されることが出来る状態は、網膜剥離、黄斑ひだ、糖尿病性網膜症、黄斑円孔、硝子体出血及び硝子体浮遊物を含む。
着色する工程は、本発明の着色組成物を硝子体の外面に施与することによって実行されうる。これは、カニューレ又はシリンジ、好ましくは鈍端カニューレ、を使用することによって行われることが出来る。該カニューレ又はシリンジは、該着色組成物を施与する為に水晶体嚢外面に配置されることが出来る。
該硝子体を着色する為に使用される着色溶液の量は、0.01〜1.0mLの範囲、好ましくは0.1〜0.3mLの範囲、でありうる。同じ外科手術期間中、着色溶液の繰り返しの施与が使用されうる。
眼の外科手術における可視化剤又は可視化組成物の別の好ましい使用は、粘弾性組成物としての用途である。眼の外科手術中に粘弾性組成物を前房に注射して、上記房を安定化させることが既知である。粘弾性組成物は、スペーサー保持体として働く、すなわち、該組成物は、外科手術中に前房に十分に広い空間を維持する為のものである。このように、眼の外科手術が容易にされることが出来る。例は、嚢切開の実施である。粘弾性組成物の前房での注射は、白内障外科手術中の水晶体嚢での円形開口の創出を容易にする。さらに、該粘弾性組成物は、水晶体嚢と周囲の組織との間のコントラストを向上させる為に、眼の前房に注射されることが出来る。そのような用途は、例えば欧州特許出願公開第1132065号明細書に記載されている。上述の手技はまた、本発明の眼用着色組成物を用いて実行されることが出来る。この場合、該組成物はヒアルロナンを含み、該粘弾性組成物の形態である。従って、本発明は、眼の前房に粘弾性眼用着色組成物を注射すること、及び注射された粘弾性眼用着色組成物の周囲の眼の構造体に外科手術を実施することを含む、眼の外科手術の方法における使用の為の粘弾性眼用着色組成物を提供する。この用途における可視化剤は好ましくは、粘弾性組成物のみを着色するが、眼の組織を着色しない。該外科手術は、白内障外科手術、緑内障外科手術、角膜移植又は硝子体網膜外科手術でありうる。特に、白内障外科手術は、粘弾性眼用着色組成物を使用することによって容易にされうる。この種の外科手術において、外科手術中に外科医によって、該水晶体嚢が操作される。外科手術の最後に、例えば塩溶液を用いてすすぐことによって、該粘弾性液体が除去されることが出来る。
本発明に従う粘弾性眼用着色組成物は、ヒアルロナンを含む。ヒアルロナンは、該組成物に粘弾特性を与える。該粘弾性眼用着色組成物は、眼用着色組成物について上述されたものと同様の特性を有しうる。該粘弾性眼用着色組成物は、第2の色素を含みうる。そのような色素は、眼の組織を着色しうる。この用途における可視化剤は、粘弾性眼用着色組成物を着色する為のみのものであるため、このことは有利である。診断、治療、外科手術及び化粧品における本発明に従う可視化剤又は可視化組成物の使用のさらなる例が、以下に記載されている。
該可視化剤又は該可視化組成物は、外科手術、例えば眼の外科手術(上述された通り)又は歯科外科手術、に使用する為のものでありうる。例えば、本発明は、歯肉(歯茎)を上記可視化剤又は組成物で着色することを含む歯科外科手術に使用する為の、本発明に従う可視化剤又は本発明に従う可視化組成物を提供する。例えば、外科医の視覚性を向上させる為の着色に色素が使用されうる。可視化はまた、X線によって検出可能な標識化合物を使用することによって達成されうる。
本明細書で使用される場合、語「外科手術を実施する」は、典型的には外科医によって実行される、組織を操作及び/又は除去する外科手術の工程を云いうる。該組織は、眼の組織若しくは眼の構造体(例えば、眼の膜又は硝子体)又は歯肉を云いうる。
該可視化剤又は可視化組成物は、診断に使用されることが出来る。この場合、該標識化合物は、同位体標識化合物(例えば、111Inを含む)又はPET若しくはMRI造影剤(例えば、Gdを含む)でありうる。診断的用途の例は、歯肉に関連付けられた状態若しくは疾病(例えば、歯肉炎)又は関節におけるヒアリン軟骨に関連付けられた状態若しくは疾病の診断である。
該可視化剤又は可視化組成物は、化粧品に使用されることが出来る。該標識化合物は、皮膚を着色するのに好適な顔料でありうる。該可視化剤又は可視化組成物は例えば、皮膚中に注射によって投与されることが出来る。
該可視化剤又は可視化組成物は、治療において、例えば医薬において、使用されることが出来る。特に、可視化剤がヒアルロナンに結合された「注射剤」の使用が好ましい用途である。そのような組成物は、ヒアルロナンが投与される処置(ヒアルロナン欠損に関連付けられた状態又は疾病、例えばヒアリン軟骨に関連付けられた状態又は疾病)に使用されることが出来る。該可視化剤は、投与中又はその後に、該処置をモニタリングする可能性を提供する。
本発明はさらに、対象にX線、赤外線、PET又はMRI測定を実行する方法であって、該対象が、本発明に従う可視化剤又は本発明に従う可視化組成物と結合された、ヒアルロナンを含む組織を有する、上記方法に向けられている。該組織は、軟骨、関節軟骨又はヒアリン軟骨であってもよく、該対象の関節に位置してもよい。該組織はまた、歯肉でありうる。
本発明はさらに、アゾ色素を結合し、引き続き、着色された組織から該色素を除去する為の、上で定義されたポリオキサゾリンの使用に向けられている。従って、本発明は、アゾ色素で組織を着色すること、外科手術を実施すること、該アゾ色素を上記ポリオキサゾリンと接触させること、及び該アゾ色素と上記ポリオキサゾリンの間に形成される、得られる複合体を除去することを含む外科手術に使用する為の、上で定義された式(I)に従う繰り返し単位を有するポリオキサゾリンに向けられている。外科手術は、眼の組織が、典型的には1以上の色素を使用して着色される、眼の外科手術でありうる。眼の組織は例えば、網膜上膜、内境界膜又は水晶体嚢でありうる。ポリオキサゾリンは、組織に対するよりも強力にこれらの色素に結合し、それにより該組織から色素を有効に除去することが見出された。該除去は典型的には、外科手術中、眼の組織を操作及び/又は除去する工程の後に実行される。
本発明はさらに、薬物送達複合体に向けられている。該薬物送達複合体は、標識化合物の代わりに有効成分がポリオキサゾリン分子に結合されていることを除いて、上述の可視化剤と同じ複合体である。該有効成分は、上述の式(II)に従うアゾ部分を含みうる。
本発明はさらに、1以上の標識化合物と、式(I)に従う繰り返し単位を有するポリオキサゾリン分子とを含むパーツのキットに向けられている。
上記の用途に関して、身体は一般的に、腎臓を介して身体から可視化剤を除去することが出来る。
本発明は、ヒアルロナン及びヒアルロナンを含む組織に関して上に記載されたが、該可視化剤は、ムコ多糖全般を可視化することも出来ることが予想される。ムコ多糖(グリコサミノグリカンとも称される)は、二糖の繰り返し単位からなる多糖である。繰り返し単位は典型的には、アミノ糖(N−アセチルグルコサミン又はN−アセチルガラクトサミン)、ウロン糖(グルクロン酸又はイズロン酸)又はガラクトースからなる。ムコ多糖の例は、ヒアルロナン(ヒアルロン酸とも称される)、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸及びケラタン硫酸である。他のムコ多糖との構造における類似性を考慮すると、本発明に従う可視化剤は、ムコ多糖を含む組織を可視化する為に使用されることも出来ることが予想される。それ故に、ヒアルロナンの可視化に関して上述された様々な観点が、上述の他のムコ多糖の可視化にも適用されうる。
特徴が、明瞭且つ正確な記載の目的の為に、本発明の同じ観点若しくは実施態様の一部又は別個の観点若しくは実施態様として本明細書に記載されうる。当業者であれば、本発明の範囲は、同じ実施態様の一部又は別個の実施態様として本明細書に記載されている特徴の全て又は幾つかの組み合わせを有する実施態様を包含しうることを理解するであろう。
本発明は、下記の非限定的な実施例でより詳細に説明されるだろう。
実施例
実施例1:ポリオキサゾリンのアゾ化合物との結合:
ポリオキサゾリンとシカゴスカイブルー(アゾ化合物)との結合を確立する為に、吸光度試験が行われた。
リン酸緩衝生理食塩水(PBS:phosphate buffered saline)にシカゴスカイブルー(CSB:Chicago Sky Blue)を溶解することにより、第1の試料が調製された。
Mwが5,000g/モルの、5%ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(PEtOx)を含むリン酸緩衝生理食塩水にCSBを溶解することによって、第2の試料が調製された。
結果が図7に示されている。該第1の試料(PBS中のCSB)は、約610nmの波長(λmax)で最大吸光度(Amax)を有し、一方、該第2の試料(PBS+PEtOx中のCSB)は約640nmでAmaxを有した。Amaxのシフトは、CSBのPEtOxとの結合に起因すると考えることが出来る。
試料が1MのNaClを含むようにNaClが添加されたことを除き、第1及び第2の試料と同じ組成をそれぞれ有する第3及び第4の試料が調製された。該試料1及び試料3の形状及び(λmax)は同じであった。該試料2及び試料4の形状及び(λmax)がまた同じであった。この実験から、NaClの存在は、PEtOxとCSBとの結合にあまり影響を与えないことが結論付けられることが出来る。それ故に、該結合がイオン性である可能性は低い。
ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)の代わりにポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)が使用されたことを除き、該第2の試料と同じ組成を有する第5の試料が調製された。結果が図8に示されている。これら2種のポリオキサゾリンを使用する場合に、同様の結合が確立されることが結論付けられることが出来る。
実施例2:硝子体の着色
Mwが5,000g/モルの、1〜10%ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)を含むPBS(100ml)にアゾ化合物(100mg)を溶解することによって、眼用着色組成物が調製された。引き続き、これらの着色組成物が、外科的に除去されたヒトの眼の硝子体を着色する為に使用された。該組成物を硝子体の外面と接触させることによって、該組成物は施与された。
下記のアゾ化合物が、試験において使用された:
アルラレッド(図9a)
2−ナフトールオレンジ(図9b)
チアゾールイエロー(図9c)
ヤヌスグリーン(図9d)
シカゴスカイブルー(図9e)。
アゾ色素で硝子体を着色した結果の写真が撮影された。結果が図9に示されている。図で使用されるアゾ色素への参照が上に示されている。
試験された全てのアゾ色素が、2−エチル−2−オキサゾリンを含む水性溶液に存在する場合に硝子体を着色することが出来たことが結論付けられた。
実施例3:着色に対するポリオキサゾリンのMw及びNaClの効果
CSB及び様々なMwの2−エチル−2−オキサゾリン(PEtOx)を含む眼用着色溶液が調製された。PEtOxの分子量は、50,000g/モル(試料a)、25,000g/モル(試料b)及び5,000g/モル(試料d)であった。さらに、試料dと同様であるが、1Mの濃度までNaClが添加された眼用着色溶液(試料c)が調製された。
図10に示されている着色結果の写真が撮影された。図10におけるペトリ皿は、試料a(左)、試料b(中央左)、試料c(中央右)及び試料d(右)で着色された硝子体の結果物を含む。
全ての眼用着色溶液が硝子体を可視化することが出来たことが結論付けられた。着色の強度は、Mw50,000(試料a)で最も高いことが判った。NaClの存在は、溶液の着色能にあまり影響を与えないように思われた。

Claims (20)

  1. ポリオキサゾリン分子に分子的に結合された1以上の標識化合物を含む、ヒアルロナンを可視化する為の可視化剤であって、該ポリオキサゾリン分子が、下記の式
    Figure 2021522309
    ここで、Rはアルキル基又はフェニル基であり、該アルキル基又はフェニル基は任意的に、ハロゲン、アミノ(−NH)、ニトロ(−NO)、カルボキシル(−COOH)、アルコキシ(−OR)、スルホネート(−SO )、ヒドロキシル(−OH)及びスルフヒドリル(−SH)からなる群から選択される1以上の置換基で置換されていてもよく、及び、上記アルキル基又はフェニル基はまた任意的に、追加的に又は代替的に、1以上のアルキル基で置換されていてもよく、並びに、
    及びRはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル、ハロゲン、アミノ(−NH)、ニトロ(−NO)、カルボキシル(−COOH)、アルコキシ(−O−R)、スルホネート(−SO )、ヒドロキシル(−OH)、イミノ(=N−H)及びスルフヒドリル(−SH)からなる群から選択される、
    に従う繰り返し単位を有する、前記可視化剤。
  2. 前記標識化合物がアゾ化合物であり、好ましくは下記の式
    Figure 2021522309
    ここで、Ar及びArは、同じ芳香環又は異なる芳香環である、
    に従うアゾ部分を有する、請求項1に記載の可視化剤。
  3. 前記標識化合物が、下記の式(III)に従うアゾ化合物
    Figure 2021522309
    ここで、Ar及びArは、同じ又は異なる(ヘテロ)アリール基であり、Ar及びArはそれぞれ独立して、フェニル、ビフェニル、ナフチル、及びフェナジンから選択され、該フェニル、ビフェニル、ナフチル、及びフェナジンは任意的に、メチル、エチル、フェニル、メトキシ、ニトロ、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ヒドロキシル、スルホネート、スルフヒドリル及び−N=N−Arから選択される1以上の基で置換されていてもよく、−N=N−Arはアゾ基であり、Arはフェニル及びナフチルから選択され、該フェニル及びナフチルは任意的に、メチル、エチル、メトキシ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、並びにスルホネート及びスルフヒドリルから選択される1つ以上の基で置換されていてもよい、
    又は、下記の式(IV)に従うアゾ化合物
    Figure 2021522309
    ここで、Ar及びArは同じ又は異なる(ヘテロ)アリール基であり、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、メチル、エチル、メトキシ、アミノ、ヒドロキシル、スルフヒドリル及びスルホネートから選択され、Ar及びArはそれぞれ独立して、好ましくは、フェニル、ビフェニル、ナフチル、及びフェナジンから選択され、該フェニル、ビフェニル、ナフチル、及びフェナジンは任意的に、メチル、エチル、フェニル、メトキシ、ニトロ、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ヒドロキシル、スルホネート、スルフヒドリル及び−N=N−Arから選択される1以上の基で置換されていてもよく、−N=N−Ar基は、上で定義された通りである、
    である、請求項2に記載の可視化剤。
  4. 前記標識化合物が、バイタル染料、放射線造影剤、MRI造影剤、蛍光化合物、同位体標識された化合物、及び化粧品着色剤から成る群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の可視化剤。
  5. 前記標識化合物が、トリパンブルー(Trypan Blue)、シカゴスカイブルー6B(Chicago Sky Blue 6B)、ヤヌスグリーンB(Janus Green B)、アルラレッド(Allura Red)、ファストイエローAB(Fast Yellow AB)、2−ナフトールオレンジ(2-naphtol orange)、ジアミングリーン(diamine green)、クマシーブルー(coomassie blue)、ナフトールブルーブラック(naphtol blue black)、タートラジン(tartrazine)、スカーレットレッド(scarlet red)、チアゾールイエローG(thiazole yellow G)、及びスーダンブラックB(sudan black B)から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可視化剤。
  6. 前記ポリオキサゾリンが、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)及びポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の可視化剤。
  7. 前記ポリオキサゾリンが、200〜500,000g/モル、好ましくは500〜100,000g/モル、の分子量を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の可視化剤。
  8. 前記剤が、ポリオキサゾリン1個当たり少なくとも5個の化合物を含み、各標識化合物が、ポリオキサゾリンに非共有的に結合されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の可視化剤。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の可視化剤を含む可視化組成物。
  10. 前記組成物が、硝子体を着色する為の眼科用組成物、歯茎を可視化する為の歯科用組成物、関節における組織を含むヒアルロナンを可視化する為の造影剤、又は化粧品組成物である、請求項9に記載の可視化組成物。
  11. 前記組成物が硝子体を着色する為の水性溶液であり、該組成物が、6.5〜8のpH且つ0.5〜10重量%の前記可視化剤の濃度を有する、請求項9又は10に記載の可視化組成物。
  12. 前記組成物がさらにヒアルロナンを含む、請求項9又は10に記載の可視化組成物。
  13. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の可視化剤又は請求項9〜11のいずれか1項に記載の可視化組成物を調製する方法であって、式(I)に従うポリオキサゾリン及び標識化合物を水中に溶解する工程を含む、前記方法。
  14. 眼科手術で使用する為の、請求項1〜8のいずれか1項に記載の可視化剤又は請求項9〜11のいずれか1項に記載の可視化組成物であって、前記眼科手術が、硝子体を前記可視化剤又は前記組成物で着色することを含む、前記可視化剤又は前記可視化組成物。
  15. 眼科手術中に前房を安定化させる為の粘弾性組成物として眼科手術で使用する為の、請求項1〜8のいずれか1項に記載の可視化剤又は請求項9〜11のいずれか1項に記載の可視化組成物。
  16. 歯肉(歯茎)を可視化剤又は組成物で着色することを含む歯科手術で使用する為の、請求項1〜8のいずれか1項に記載の可視化剤又は請求項9〜11のいずれか1項に記載の可視化組成物。
  17. 組織をアゾ染料で着色すること、手術を行うこと、該アゾ染料をポリオキサゾリンと接触させること、そして、該アゾ染料と該ポリオキサゾリンとの間に形成された複合体を除去することを含む手術で使用する為の、請求項1に記載の式(I)に従う繰り返し単位を有するポリオキサゾリン。
  18. 診断において、請求項1〜8のいずれか1項に記載の可視化剤又は請求項9〜11のいずれか1項に記載の可視化組成物を使用する方法。
  19. ヒアルロナンを可視化する為に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の可視化剤を使用する方法。
  20. ヒアルロナンを可視化する方法であって、ヒアルロナンを含む組織、好ましくは眼及び/又は硝子体、歯肉又は硝子軟骨、に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の可視化剤を投与することを含む、前記方法。
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