JP2021521462A - 抗体または抗体の組み合わせおよび対象の尿試料中のマイコバクテリウム関連抗原の検出のためのその使用 - Google Patents

抗体または抗体の組み合わせおよび対象の尿試料中のマイコバクテリウム関連抗原の検出のためのその使用 Download PDF

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Abstract

対象のインビトロ尿試料中のマイコバクテリアに関連する抗原の検出のための抗体であって、前記抗原が、ManLAM(マンノースキャップ型リポアラビノマンナン)を含み、前記抗体が、前記尿由来の前記ManLAM分子に特異的に結合し、前記抗体が、3x10−8M以下のKDの親和性で前記ManLAMに結合し、前記抗体が、イノシトールリン酸でキャップされていないまたはキャップされているLAM分子に、10−3M以上のKDの親和性で結合する抗体、およびその使用のための抗体。【選択図】図1A、1C

Description

本発明は、抗体または抗体の組み合わせおよび対象の尿試料中のマイコバクテリウム関連抗原の検出のためのその使用方法、特に、このような抗体または抗体の組み合わせおよび病原性マイコバクテリウムと細菌種を高精度で識別できる方法に関する。
結核(TB)は、第1級の感染症の殺し屋である。2016年には、1040万人の人がTBを発病し、170万人がこの疾患で死亡しており、このことが、この疾患を世界中の主要な死亡の9番目の原因および感染病原体が引き起こす主要な原因にしている(世界保健機関2017)。TBはまた、HIVを抱えて生きる人(PLHIV)の死亡率の最も多い原因でもあり、2016年に374,000人が死亡したと推定されている(世界保健機関2017)。PLHIVの人では、HIVでない人よりTB発症のリスクが約30倍大きいと推定されている(Getahun & Ford 2016)。TBによる死亡のほとんどは、早期診断で防止できたはずであるが、しかし、TBは多くの場合、診断されないままになっている。世界全体では、推定発生症例と報告TB症例の間に、推定で410万件の症例の相違があった(世界保健機関2017)。この相違は、TBが蔓延している低中所得国(LMIC)における典型的な一次診療環境に好適な確立された検査および正確、安価で迅速な試験の制約に起因する。
従来の診断法は、遅い(喀痰培養)または感度が悪い(喀痰スメア顕微鏡)。最近の技術、例えば、塩基配列決定またはXpert(登録商標)MTB/RIFリアルタイムPCR検査は、より利用しやすくなってきたが、専用設備を必要とし、高価であるか、または別の理由で、TBと接触するリスクの最も高いLMICの集団の多くにとって利用し難い(Pai et al.2016)。既存のTB診断法の制約は、PLHIVの人にとっては、この集団での未治療TBに関連する高い死亡率のため、特に深刻である。加えて、ほとんどの検査は喀痰試料の分析に基づくが、多くのTBのPLHIVの人は、肺外結核TB(約25%)であるか、またはその他の理由で喀痰試料を生成できない。Xpert臨床性能試験(Steingart et al.2014)のメタアナリシスは、HIV陽性患者の統合感度がHIV陰性患者に比べて低いことを示した(99%対86%)。この結果は、スメア陽性喀痰に比べてスメア陰性喀痰でのXpert検査の低い統合感度(67%対98%)と合わせたHIV陽性患者中のスメア陰性のより高い比率により、少なくとも部分的に説明された。一引用研究では、Xpertは、HIV陽性患者におけるスメア陰性TBについて検出感度が43%に過ぎなかった(Lawn et al.2011)。最近開発されたXpert Ultraの感度は、HIV患者でのXpertの感度より優れており、改善された感度は、特異性の低下の犠牲により達成された(Dorman et al.2017)。
全てのTB患者の早期発見と治療は、WHOの世界結核終息戦略および3番目の持続可能な開発目標(Uplekar et al.2015)に適合する要件の重要な要素であるが、これを達成することは、患者が最初に治療を求める地域ヘルスポストまたは医院などの環境で活動性結核を診断するための新規高感度ポイント・オブ・ケア(POC)手法を必要とするであろう。治療判断を素早く告知できる正確なPOC検査の欠如は、ケアカスケードの初期段階での顕著な患者喪失に繋がり、これは罹患率および死亡率の増加をもたらす(Cazabon et al.2017)。従って、WHOは、「TBを検出するためのバイオマーカーに基く、非喀痰ベースの迅速な検査」を、優先度の高い目標製品プロファイル(TPP)レポートにおいて重要な未充足ニーズとして記載している(World Health Organization 2014)。
活動性結核の患者の血清または尿中に存在するマイコバクテリア抗原の特定には大きな関心が示されている。これらの抗原は、喀痰試料の採取の必要がなく、かつイムノアッセイベース迅速検査形式で開発し得る診断検査のための潜在的標的である。結核菌(Mtb)細胞壁リポ多糖類で病原性因子である、リポアラビノマンナン(LAM)は、TBのための診断バイオマーカーとして最も注目を集めている。LAMは、バイオマーカーとして多くの魅力的な特徴を有する:細菌由来である、Mtbの細胞壁中の豊富に存在する、熱安定性がある、およびMtbに特有の構造エピトープを有する。LAMは多くのTB患者の尿中で見つけることができるという多くの証拠があり(Sarkar et al.2014)ならびに初期段階の調査は、それが喀痰中(Pereira Arias−Bouda et al.2000;Cho et al.1990)および血液中(Crawford et al.2017;Sada et al.1992)で見つかる場合もあるということを示唆する。
1990年に喀痰中での(Cho et al.1990)、1992年に血液中での(Sada et al.1992)および1997年に尿中での(Svenson 1997)LAMの最初の報告以来、診断標的としてのLAMの魅力的な特徴は、四半世紀にわたり、市販ELISAおよび迅速(ラテラルフロー)検査の開発を含むLAMベース診断法に対する研究に刺激を与えた。TBの臨床診断のためにAbbott Diagnosticsから最近上市された唯一のLAM検査である、Alere Determine TB LAM(登録商標)検査(LF−LAM)は、ウサギポリクローナル抗体を用いる尿中のLAMを測定するためのラテラルフロー検査である。別の検査である、喀痰中のLAMを測定するための大塚製薬からのELISA検査は最近、ヨーロッパでの使用のためのCEマークを受けたが、TB薬物試験での治療に対する応答を評価するツールとして使用されているに過ぎない(Kawasaki et al.2018)。
尿中のLAMを測定するためのキットの導入およびそれらの性能を評価する多数の臨床試験後の初期の大きな興奮にも関わらず、これらの検査の採用は限定的であった。採用が少ない大きな理由は、発生TB症例のスペクトルを介した試験の相対的に低い臨床的感度であった。PLHIVでのTBを診断するアリーアLF−LAM検査を評価する研究の総合的なメタアナリシスは、検査が、限られた診断精度:3037人の患者において、92%の統合特異性で、HIV+症例でのTB診断に対し44%統合感度、であることを明らかにした(世界保健機関2015)。 この分析は、CD4カウント≦100細胞/μlで、TB症状を有するHIV/AIDSを抱えて生きる免疫無防備状態の人々(PLHIV)においてTBを診断するためのアリーアLF−LAMの使用に対する極めて限られたWHO推奨のベースとなった(世界保健機関2015)。その低い感度にもかかわらず、アリーアLF−LAMによる検査とその後の即時治療は、HIV+10カ所のアフリカの病院の入院患者における、大きな、実用的ランダム化並行群多施設試験での8週死亡率を有意に減少させることが示された(Peter et al.2016)が、これまで、中央アフリカ共和国とジンバブエのみが、診断検査でアリーアLF−LAMを組み込む方法に関するガイドラインを有し、LMICの取り込みは極めて限られていた(MSF & Stop−TB Partnership 2017)。
LF−LAM検査および以前のELISA検査で実施された多数の試験にもかかわらず、LAM検査の臨床性能を改善する道があるかどうかを理解するのに不可欠な、TBバイオマーカーとしての尿中LAMについての多くの未解決の疑問が存在する。最も重要なのは、LF−LAM陰性TB患者−特にHIV−患者および高いCD4カウントを有するHIV+患者の尿中LAMレベルが、単に、低すぎて現在の検査で測定できないが、改善された検出限界を有する検査により測定可能であるのかどうかがわからないことである。第2に、尿中の最も重要でMtbに特有なLAMエピトープの利用可能性と存在量が十分に理解されていないことである。
尿中のマイコバクテリアリポアラビノマンナン(LAM)の測定に基づく結核(TB)のための現在の診断検査は、低中所得国における使用のために、低コストおよび使いやすさなどの多くの望ましい特性を有するが、感度が不十分である。しかし、より高い精度を有する(すなわち、より高い臨床的感度を有する)尿ベース検査は、明らかに望ましいであろう。
本発明は、抗体または抗体の組み合わせおよび対象の尿試料中のマイコバクテリウム関連抗原の検出のためのその使用方法を提供することにより、背景技術のこれらの欠点を克服する。抗体または抗体の組み合わせおよび方法は、高精度で病原性マイコバクテリウムと他の細菌種を識別できる。
少なくともいくつかの実施形態では、対象のインビトロ尿試料中のマイコバクテリアに関連する抗原の検出のための抗体が提供され、上記抗原は、ManLAM(マンノースキャップ型リポアラビノマンナン)を含み、上記抗体は、上記尿由来の上記ManLAM分子に特異的に結合し、上記抗体は、3x10−8M以下のKDの親和性で上記ManLAMに結合し、上記抗体は、イノシトールリン酸でキャップされていないまたはキャップされているLAM分子に、10−3M以上のKDの親和性で結合する。
任意選択で、ManLAMは、MTXキャップ型ManLAMを含み、マンノシドキャップが5−デオキシ−5−メチルチオ−キシロ部分の結合によりさらに修飾されることを特徴とする。
任意選択で、MTXキャップ型ManLAMは、アルファ1−4結合メチルキシロース残基でさらに置換される2つのアルファ1−2−Manp結合残基を特徴とするMTX−Man2キャップ型ManLAMを含む。
任意選択で、抗体は、Manpの特徴を含む上記ManLAMのエピトープに結合する。
任意選択で、抗体は、グリカン7、グリカン8、グリカン9、グリカン10、およびグリカン11からなる群より選択されるモチーフを特徴とする上記ManLAMのエピトープに結合する。
任意選択で、エピトープは、MTX−ジマンノース部分を備えることをさらに特徴とする。
任意選択で、抗体は、対象由来の尿試料を用いて対象中の成長が遅いマイコバクテリアの存在を検出するのに好適である。
任意選択で、抗体は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)またはウシ型結核菌(M.bovis)に関連する抗原を検出するのに好適である。
少なくともいくつかの実施形態では、抗体は、病原性マイコバクテリアに関連する抗原を特異的に検出して、このような細菌に関連するマーカーを他の型の細菌から識別できる。
任意選択で、抗体は、対象の尿中の急速成長マイコバクテリア由来のマーカーと交差反応しない。
任意選択で、抗体は、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(M.fortuitum)、スメグマ菌(M.smegmatis)、マイコバクテリウム・アブセサス(M.abscessus)またはマイコバクテリウム・ケロネー(M.chelonae)に関連するマーカーと交差反応しない。
任意選択で、抗体は、マイコバクテリウム・ゴルドナエ、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ、およびマイコバクテリウム・アビウムからなる群より選択される成長が遅いマイコバクテリアに関連するマーカーに対し少なくとも10倍低い反応性を示す。
任意選択で、抗体は、非マイコバクテリア細菌種の検出に比べて、上記結核菌またはウシ型結核菌に関連する抗原を少なくとも1500倍大きな反応性で検出する。
任意選択で、非マイコバクテリウム細菌種は、ゴルドニア・ブロンキアリス(Gordonia bronchialis)、ノカルジア・アステロイデス菌種(Nocardia asteroides)、ツカムレラ・パウロメタボルム(Tsukamurella paurometabolum)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、コリネバクテリウム・ウレアリティカム(Corynebacterium urealyticum)、大腸菌(Escherichia coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、腐性ブドウ球菌(Staphylococcus saprophyticus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、プロテウス・ミラビリス (Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenza)、エンテロコッカス・フィカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、またはトラコーマ病原体(Chlamydia trachomatis)の1種または複数を含む。
少なくともいくつかの実施形態では、抗体は、好ましくはイムノアッセイで使用される、複数の抗体または抗体の組み合わせを含み得る。より好ましくは、イムノアッセイはサンドイッチイムノアッセイであり、1個の抗体が抗原を「捕捉」し、一方、第2の抗体が、捕捉された抗体の存在を検出する。各抗体は、抗原上の異なるエピトープに結合して、抗原からの相互の競合を回避する。検出抗体は、抗原に対し、捕捉抗体より低い親和性を有し得る。
少なくともいくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体は、抗原検出のためのサンドイッチイムノアッセイにおいて捕捉抗体としての使用に適する。
任意選択で、抗体は、抗原検出のためのサンドイッチイムノアッセイにおいて検出抗体としての使用に適する。
少なくともいくつかの実施形態では、対象中の病原性マイコバクテリアの存在を差次的に検出するための方法が提供され、方法は、上記請求項のいずれか1項に記載の抗体を対象の尿と接触させること;尿中の上記抗原に対する抗体の結合を検出すること;上記抗体が3x10−8M以下のKDの親和性で尿中の上記抗原に特異的に結合する場合には、上記ManLAM分子を特徴とする上記病原性マイコバクテリアが対象の身体中に存在すると決定することを含む。
任意選択で、抗体は、非病原性マイコバクテリアの抗原に対する場合よりも少なくとも3倍大きいシグナルで尿中の上記病原性マイコバクテリアの抗原に結合する。
任意選択で、方法は、第1の抗体を尿に適用して上記抗原に結合させること、および第2の抗体を尿に適用して、第2の抗原に結合させることをさらに含み、上記第1の抗体は、上記請求項のいずれか1項の記載を特徴とし、上記第2の抗体は、第1の抗体と同じ抗原には結合せず、第1と第2の抗原は、上記ManLAM分子を含み、上記第1と第2の抗体の片方は捕捉抗体であり、上記第1と第2の抗体のもう一方はイムノアッセイにおける検出抗体である。
任意選択で、第2の抗体は、3x10−5M以下のKDの親和性での上記ManLAM分子のポリアラビノース構造体への結合を特徴とする。
任意選択で、抗体は、ara4および/またはara6に特異的に結合する。
任意選択で、方法は、尿をMoAb1、13H3、27D2およびA194−01抗体からなる群より選択される抗体と接触させることをさらに含む。MoAb1抗体は、米国特許第9512206号に記載されている。この特許は、本明細書で完全に記載されるかのように、特許請求の範囲を裏付けるのに必要な程度に、参照により組み込まれる。A194−01抗体は、米国特許出願公開第2017016058号に記載されている。この特許は、本明細書で完全に記載されるかのように、特許請求の範囲を裏付けるのに必要な程度に、参照により組み込まれる。
任意選択で、方法は、サンドイッチイムノアッセイにおいて、尿をMoAb1、13H3、27D2またはA194−1抗体の内の複数の組み合わせと接触させることをさらに含む。
任意選択で、方法は、サンドイッチイムノアッセイにおいて、尿をMoAb1およびA194−1抗体の組み合わせと接触させることをさらに含む。
任意選択で、方法は、MoAb1抗体を好適な第2の抗体と共に試料に適用して、対象の分類のための好適な参照標準診断を用いて結核でない対象由来の試料に比較して結核に罹患している対象由来の試料の中央値シグナル間で、3倍またはそれより大きい倍率変化を達成することをさらに含む。
任意選択で、参照標準診断は、対象を分類するために、マイコバクテリア培養法またはPCRベース法を基準にする。
任意選択で、方法は、MoAb1抗体を試料に適用して、好適な比較標準アッセイを用いて、結核でない対象由来の試料に比較して、結核に罹患している少なくとも20%多い対象を検出することをさらに含み、上記好適な比較標準アッセイは、アリーアLF−LAMを含む。
任意選択で、結核でない対象由来の尿試料中の検出されるManLAM抗原特異的サンドイッチイムノアッセイシグナルは、集団中の少なくとも70%の試料に対し、11pgManLAM/ml未満である。
任意選択で、シグナルは、集団中の少なくとも80%の試料に対し、検出限界より小さい。
任意選択で、シグナルは、集団中の少なくとも90%の試料に対し、検出限界より小さい。
任意選択で、シグナルは、集団中の少なくとも95%の試料に対し、検出限界より小さい。
任意選択で、シグナルは、集団中の少なくとも97%の試料に対し、検出限界より小さい。
任意選択で、結核の対象由来の尿試料中の検出されるManLAM抗原特異的サンドイッチイムノアッセイシグナルは、集団中の少なくとも40%の試料に対し、11pgManLAM/mlを超える。
任意選択で、シグナルは、集団中の少なくとも50%の試料に対し、検出限界より大きい。
任意選択で、シグナルは、集団中の少なくとも60%の試料に対し、検出限界より大きい。
任意選択で、シグナルは、集団中の少なくとも75%の試料に対し、検出限界より大きい。
任意選択で、シグナルは、集団中の少なくとも90%の試料に対し、検出限界より大きい。
任意選択で、方法は、HIVウイルスの非存在下で対象中のTB病原性マイコバクテリアを検出することをさらに含む。
任意選択で、結核を罹患している対象対結核のない対照の二項診断分類に対する、上記抗体の上記抗原への結合に基づくイムノアッセイのAUC(曲線下面積)は、少なくとも0.70である。
任意選択で、AUCは少なくとも0.80である。
任意選択で、AUCは少なくとも0.85である。
任意選択で、AUCは少なくとも0.90である。
任意選択で、AUCは少なくとも0.95である。
任意選択で、AUCは少なくとも0.98である。
任意選択で、方法は、MoAb1抗体または13H3抗体の第1の抗体としての組み合わせ、およびA194−01抗体または27D2抗体の第2の抗体としての組み合わせを適用して、イムノアッセイにおいて対象由来のインビトロ尿試料中のマイコバクテリアに関連する抗原を検出することをさらに含み、このイムノアッセイでは、第1と第2の抗体の片方は、捕捉抗体であり、第1と第2の抗体のもう一方は、検出抗体である。
任意選択で、検出は、イムノアッセイを用いて実施され、組み合わせは、アリーアLF−LAM検査より、少なくとも20%高い臨床的感度を有する。
任意選択で、方法は、対象の身体中の上記病原性マイコバクテリアの存在に従って結核の対象を診断することをさらに含む。
任意選択で、診断は、対象中の活動性結核感染の存在を検出することをさらに含む。
任意選択で、方法は、上記病原性マイコバクテリアの存在に従って結核に対する対象の治療の有効性をモニターすることをさらに含む。
任意選択で、方法は、臨床的感度をさらに高めるために、イムノアッセイでの検出の前に、試料中のManLAMを含む上記抗原を濃縮することをさらに含む。
任意選択で、上記抗原の濃縮は、磁気ビーズまたは限外濾過を試料に適用することを含む。
任意選択で、方法は、対象中の病原性マイコバクテリアの存在と、対象中の非病原性マイコバクテリアの存在を鑑別することをさらに含む。
任意選択で、方法は、対象の環境由来の混入細菌の存在下で、対象中の病原性マイコバクテリアの存在を特異的に検出することをさらに含む。
任意選択で、混入細菌は、ゴルドニア・ブロンキアリス(Gordonia bronchialis)、ノカルジア・アステロイデス菌種(Nocardia asteroides)、ツカムレラ・パウロメタボルム(Tsukamurella paurometabolum)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、コリネバクテリウム・ウレアリティカム(Corynebacterium urealyticum)、大腸菌(Escherichia coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、腐性ブドウ球菌(Staphylococcus saprophyticus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、プロテウス・ミラビリス (Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenza)、エンテロコッカス・フィカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、トラコーマ病原体(Chlamydia trachomatis)、または非結核性抗酸菌(Nontuberculous mycobacteria)の1種または複数を含む。
任意選択で、方法は、上記抗体と接触させる前に、尿を加熱することをさらに含む。
少なくともいくつかの実施形態では、対象のHIV状態は、対象が病原性マイコバクテリアに感染しているかどうかを決定する抗体の組み合わせおよび方法の能力に対し、大きな影響を与えない。リポアラビノマンナン(LAM)を含む抗原は、HIV陽性およびHIV陰性結核(TB)対象の尿中で検出可能である。
単に例示を目的として、以降で添付の図面を参照しながら本発明を説明する。ここで、詳細な図面への具体的言及と共に、示された詳細事項は、一例として本発明の好ましい実施形態の説明を記述することのみを目的とするものであり、本発明の原理と概念的側面の最も有用で容易に理解される説明であると考えられる内容を提供するために呈示されていることが強調される。その際、本発明の基本的理解に必要である以上に詳細には本発明の構造的詳細を示す試みは行わなかったが、図で行われた説明により、本発明のいくつかの形態を実際に実施し得る方法が当業者に明らかにされている。図面は次の通りである。
図1A〜1Cは、LAMを検出する抗体対を特定するための選別結果を示す。(A)スクリーニングおよび測定のために使用されるサンドイッチイムノアッセイの模式図。(B)捕捉(行)および検出(列)抗体のそれぞれの対での組み合わせの、10ng/mLの培養Mtb由来の精製LAM(左ヒートマップ)およびTB陽性、HIV陽性個体由来の尿中のLAM(右ヒートマップ)を検出する能力を示す。ヒートマップは、シグナル対ブランク(S/B)比を示す。尿中LAMヒートマップ中の値は、2人の個体由来の尿試料に対する最大値を表す。抗体名は、グリカンアレイへの結合により決定された、それらが標的とするLAMエピトープを基準に色分けされており、エピトープは、捕捉抗体名の隣に列記されている(エピトープマッピング結果の詳細については、図2Bおよび図7を参照)。精製LAMおよびTB陽性、HIV陽性個体由来の尿中のLAMと高い反応性を示す抗体の組み合わせは、赤色ボックスで示されている。(C)ヒートマップ中に列挙された種々のエピトープを示すLAMの模式図である。図1D〜1Eは、抗体エピトープマッピングに使用した61種のオリゴ糖構造体の構造を示す。選択オリゴ糖(Gly16、Gly22、およびGly44)は、さらに、ウサギモノクローナル抗体の開発に使用された。凡例は、図1Fに示されている。 図2Aは、捕捉抗体としてのMoAb1を検出抗体としてのA194−01と組み合わせた、最高性能の抗LAM抗体に対する、LAM濃度の関数としてのイムノアッセイシグナルを示す。点は、ブランク試料(n=10)および7種のレベルのLAM(n=4/レベル)を試験した場合の、測定イムノアッセイシグナルを示す。実線は、データに対する4PLフィットを示す。破線は、1.375のS/B比および両対に対するフィッティング曲線から計算した関連LAM検出限界(LOD)を与えるシグナルを示す。図2Bは、グリカンアレイを用いたエピトープマッピングの結果を示す。オリゴ糖構造体を選択するための、0.039μg/mLの濃度でのモノクローナル抗体の反応性。暗緑色領域は、強力結合を表し、白色領域は、結合がないか、または低い結合を表す。図は、少なくとも1種の抗体に対しバックグラウンドを超える反応性が示された、全てのグリカンを含む。列1中の命名は、図1D〜1Eによる。 図3Aは、A194−01検出抗体と対にした5種の捕捉抗体に対し、全ての試験した尿試料(表の列)の測定LAM濃度を示すヒートマップである。試料は、ドナーのTBおよびHIV状態によりグループ分けされる。表の最下段の行は、比較のための、各試料のアリーアLF−LAM試験グレードを示す(陽性アリーアLF−LAM試験結果の試料のみを色付けしている)。(B)図3AのMoAb1捕捉抗体/A194−01検出抗体対を用いたサンドイッチイムノアッセイの結果を、散布図形式で再プロットする。このプロットは、各尿試料に対して測定したシグナル対ブランク(S/B)比(左軸)およびLAM濃度(右軸)を、ドナーのTBおよびHIV状態の関数として示す。オレンジ色の点線は、アッセイ閾値(S/B=1.375)を示す。濃度値は、アッセイ閾値を超える点についてのみ意味がある。点は、同じ試料のアリーアLF−LAM試験の結果により着色される。検出抗体としてのA194−01と組み合わせた他の3種の捕捉抗体の散布図は、図3Cで見つけることができる。図3Cは、各尿試料に対して測定したシグナル対ブランク(S/B)比(左軸)およびLAM濃度(右軸)を、ドナーのTBおよびHIV状態の関数として示す。各プロットは、A194−01検出抗体と対をなす捕捉抗体パネル中の3種の捕捉抗体の1種に対する結果を示す。オレンジ色の点線は、アッセイ閾値(S/B=1.375)を示す。濃度値は、アッセイ閾値を超える点についてのみ意味がある。点は、同じ試料のアリーアLF−LAM試験の結果により着色される。 MoAb1捕捉抗体/A194−01検出抗体の組み合わせを用いた、TB+HIV+患者由来の4組の尿試料に対する測定LAM濃度のプロットを示す。右バーは、試料が前処理無しで試験された場合の測定濃度であった。暗色バーは、試料が試験前に熱処理(85℃で10分間)された場合の結果を示す。 図5AおよびBは、(b)HIV状態およびCD4カウント(μL当たりの細胞数)および(C)アリーアLF−LAM試験として分けて示した、TB+対象のアッセイシグナルを示す。アスタリスクは、最も左の条件からの有意差を示した(マン・ホイットニー検定、p<0.05)。 プロットは、A194−01検出抗体と対をなす各候補捕捉抗体に対して観察された臨床的感度および特異性を示す(95%信頼区間と共に)。このプロットはまた、2つの異なる使用症例シナリオ:(i)TBの確定検出/診断(紫色の記号)または(ii)TBのためのさらなる確証試験を受けるべき患者を特定するための優先順位づけ(緑色の記号)、に対して使用されるPOC TB試験のための目標製品プロファイル(TPP)要件資料中でWHOにより設定された、最小(三角形)および最適(菱形)標的感度および特異性要件を示す。アッセイの性能を表すマーカーは理想的には、使用症例に対するに要件を表すマーカーの上側で、かつ左側になるはずである(関心領域が強調される)。95%ウィルソンの信頼区間が示される。 グリカンアレイを用いたエピトープマッピングの結果を示す。6種の異なる抗体濃度のモノクローナル抗体の、図1D〜1F由来の全61種の構造体ならびに3つのネガティブコントロールスポット(BSA2回、および緩衝液)および1つのポジティブコントロールスポット(LS)に対する反応性を示す。 微生物学的および複合参照基準に対する試験下の抗体とアリーアLF−LAMの間の感度および特異性のフォレストプロットならびに差異を示す。(A)分析のために2変量ランダム効果モデルを用いて合算した全コホート、(B)別々に3つのコホートについて、および(C)3つのCD4層中の2変量ランダム効果モデルを用いた統合解析について。2変量ランダム効果を用いる解析に基づく感度および特異性推定値は、アスタリスクで示される。MRSは微生物学的参照基準、CRSは複合参照基準、ΔSnは感度差異、ΔSpは特異性差異、HIVはヒト免疫不全ウイルス、およびCIは信頼区間を意味する。 ベン図。(A)全ての微生物学的に確証されたTB診断法(n=141)、および(B)CD4≦100細胞/μl(n=74)の患者において微生物学的に確認されたTB診断法の比率。これは、コホート2について入院の24時間以内に得られた試料に対して、尿試験下の抗体測定、尿アリーアLF−LAM、尿Xpert、喀痰Xpertまたは喀痰スメア顕微鏡試験を個別に実施することにより、作製され得る。ベン図の下の表は、試験方法毎の診断収率を示す。「上記方法で見逃されたTB症例」は、患者入院中にいずれかの時点で収集されたいずれかの試験体に対する陽性マイコバクテリア培養により作製されたもの、および/または最初の24時間後に収集されたいずれかの試験体に対するXpert試験に基づいて行われた診断を含む。ベン図内に挿入された数値は、所与のアッセイ(単一または複数)により診断されたTB症例の数を表す。
(少なくともいくつかの実施形態の記述)
対象の尿中の病原性マイコバクテリアに関連する抗原の検出のためのLAMアッセイは、極めて望ましく、なぜならこのような試験は、難易度の高い医学的、臨床的条件下であっても安価で、実施が容易であるからである。本発明は、少なくともいくつかの実施形態では、種々のLAMエピトープを標的とする抗体を用いるLAMのための高感度イムノアッセイを提供するための、改善されたアッセイ試薬および方法に関する。
種々の手法を用いて開発され、かつ種々のLAMモチーフを標的とする、全体で8種のLAM用の候補抗体を、評価した。これらの抗体を、サンドイッチフォーマットでLAMに対する最良の分析感度をもたらす抗体対を特定するためにスクリーニングした。最良の候補対を次いで、一次診療施設でTBの臨床症状を示すHIV+およびHIV−の成人由来の75種の尿試料のレトロスペクティブ症例対照研究において評価した。候補対の交差反応性も、非TB細菌と微生物の可能な干渉について評価した。
何らかの限定を受けることを望むものではないが、本発明の一態様は、全試料セットを通して、イムノアッセイフォーマットで、優れた感度[93%(CI:80%〜97%)]および特異性[97%(CI:85%〜100%)]を示した抗体対に関する(図5)。重要なことに、アッセイは、分析をHIV−対象に限定した場合でも、高感度[80%(CI:55%〜93%)]を示した。対照的に、LAMに対する市販のアリーアLF−LAMストリップ検査は、全体感度33%(CI:20%〜48%)およびHIV−亜集団に対してわずか13%(CI:4%〜38%)の感度を示した。選択対は、メチルチオ−d−キシロース(MTX)構造を標的とする捕捉抗体を使用した。これは、TBを引き起こすマイコバクテリア由来のLAMに比較的特異的であり、交差反応性は、急成長マイコバクテリアまたはLAM産生非マイコバクテリア放線菌類、その他の一般的尿路感染症または潜在的交差反応細に対し観察されなかった(表2A)。別のTB特異性の小さい捕捉抗体はより高い分析感度を与えたが、臨床的特異性は劣ったので、この特異性は重要であるように見える。
実施例1−尿中の病原性マイコバクテリアに関連する抗原の検出のためのLAMベースアッセイ
この実施例は、病原性マイコバクテリアに関連する尿中の1種または複数の抗原の検出のためのLAMベースアッセイの実例に関する。
材料および方法
抗体およびコントロール材料
Mtb株Aoyama−B由来の精製LAMを、Nacalai USA,Inc.(San Diego,USA)から得た。スメグマ菌由来のホスホイノシトールキャップ型LAM(PILAM)ならびにMtbおよびウシ型結核菌の不活性全細胞ライセートを、Biodefense and Emerging Infections Research Resources Repository(BEI,Manassas,USA)から得た。交差反応性試験のために、多くの異なる細菌および真菌株の生ホールセルストックを、凍結乾燥細胞またはグリセロール中の凍結細胞懸濁液のバイアルとしてATCCから得た。凍結乾燥細胞を、0.5mLのリン酸緩衝食塩水(PBS)中の2%ウシ血清アルブミン(BSA)に懸濁した。その後、ストック細胞懸濁液を同じ緩衝液中で系列希釈して、試験試料を生成した。
多くの既存のモノクローナルおよびポリクローナル抗LAM抗体を、Dr.Abe Pinter/Rutgers(A194−01)を含む共同研究の大学および民間のグループから快く提供を受けた(Choudhary et al.2018;Kaur et al.2002;米国特許出願公開第2017016058号)。市販の抗LAMウサギポリクローナル抗体(Viro Poly)を、Virostat,Inc.(Westbrook,USA)から購入した。
MoAb1、MoAb2、MoAb3は、BCGで免疫し、ManLAMに対しパニングしたニワトリ(MoAb2)およびウサギ(MoAb1およびMoAb3)から生成したscFvライブラリーのファージディスプレイにより大塚製薬で単離された組換え抗体である(米国特許第9512206号)。可変領域配列を合成し、それらを標準的IgG1ベクターに挿入し、プラスミドをExpi293細胞に遺伝子導入することにより、これらの抗体を発現させた。
加えて、2つの組換えウサギモノクローナル抗体(13H3および27D2)およびウサギポリクローナル抗体(Imm Poly)を、新しく産生した。モノクローナル抗体を、ウシ血清アルブミン(Dr.Todd Lowary,University of Albertaにより提供された)に結合した合成LAMオリゴ糖フラグメントを免疫原として用いて生成した。手短に説明すると、ウサギを65μgのBSA−Ara6(ID44)、65μgのBSA−Ara7(ID16)および65μgのBSA−Ara22(ID22)で免役し、7日目と14日目に同じ混合物で追加免役した(オリゴ糖構造の記載については図1D参照)。末梢血単核球(PBMC)を28日目に収集し、96ウェルプレートで培養した。上清を、LAMに対する結合およびBSAに対する低交差反応性について間接ELISAにより試験した。所望の活性を有するウェル由来の抗体遺伝子を、クローニングし、HEK293細胞中で発現させ、間接ELISAで試験して、精製LAMおよび熱殺菌したMtb H37Raに対する最大の反応性を有する抗体(13H3および27D2)を特定した。ポリクローナル抗体(Imm Poly)を、ウサギを250μgの精製LAM、200μgの熱殺菌Mtb H37Raおよびフロイント不完全アジュバント(ICFA)の混合物で免疫し28、47および67日目に同じ免疫原で追加免役することにより、産生した。76日目に収集した血清を、プロテインAカラムによる親和性クロマトグラフィーにより精製した。
13H3は、次の翻訳可変領域配列を有する:
13H3重鎖(下線の配列は、定常領域の開始を示す):
METGLRWLLLVAVLKGVQCQSVEESGGRLVTPGTPLTLTCTASGSDIFTYYMNWVRQARGKGLEWIGYINTGGSAWYSSWAKGRFTISRTSTTVTLKMTSPTTEDTATYFCARAIGGGAAGGDLWGQGTLVTVSSGOPKAPSVFPLAP
13H3カッパ鎖(下線の配列は、定常領域の開始を示す):
MDTRAPTQLLGLLLLWLPGATFAIVMTQTPSSKSVPVGDTVTINCQASESVANNNDLAWYQQKPGHSPKLLIYFASTLASGVPSRFKGSGFGTQFTLTISGAQCDDAATYYCTGYKGFNTDGMAFGGGTEVWKGDPVAPTVLIFPPAA
27D2は、次の翻訳可変領域配列を有する:11H3/11K2
27D2重鎖(下線の配列は、定常領域の開始を示す):
METGLRWLLLVAVLKGVQCQSVEEFGGRLVTPGTPLTLTCTVSGFSLSRKWMSWVRQAPGKGLEWIGIITDSGSTYYASWVNGRFTISKTSTTVTLKITSPSTEDTATYFCGKDDYIYGDLWGSGTLVTVSSGQPKAPSVFPLAP
27D2カッパ鎖(下線の配列は、定常領域の開始を示す):
MDTRAPTQLLGLLLLWLPGATFAQVLTQTPASVSAAVGGTVTISCQSSQSVYNNNWLAWYQQKPGQPLKQLIYAASSLASGVPSRFKGSGSGTQFTLTISDLECDDAATYYCQGGYTTHARAFGGGTEVWKGDPVAPTVLIFPPAA
全ての抗体を、それらの結合部位により認識されるオリゴ糖エピトープを特定するために分析した。エピトープ特定を、(Choudhary et al.2018)に記載の一連の多様な61種のオリゴ糖構造を示すグリカンアレイに対する抗体の結合を測定することにより実施した。一連の構造を、図1D〜1Fに示す。手短に説明すると、オリゴ糖フラグメントを、以前記載したように(Gadikota et al.2003;Joe et al.2006;Joe et al.2007;Sahloul & Lowary 2015)合成し、BSAに結合させ、マイクロアレイを生成するために使用した。段階希釈した抗体を、スライド上で、37℃で30分間インキュベートし、洗浄後、蛍光標識二次抗種抗体で40分間染色した。蛍光シグナルを、GenePix 4000Bスキャナー(Molecular Devices,Sunnyvale,USA)を用いて測定し、各スポットの強度を、ProMicroarray Image Analysis Software 6.1を用いて定量化した。
LAMイムノアッセイ
多重化サンドイッチイムノアッセイフォーマット(図1A)および電気化学発光(ECL)検出を用いたLAMのイムノアッセイを、市販の計測装置とMeso Scale Diagnostics,LLC.(MSD)のマルチウェルプレート消耗品を使って実施した(Debad et al.2004)。アッセイを、MSD U−PLEX(登録商標)の96ウェルプレートで実施した。プレートの各ウェルの底部には、一体型のスクリーン印刷カーボンインク電極上に固定された結合試薬の10プレックスアレイが存在する。10種の結合試薬はそれぞれ、一連の10個の自社開発のリンカーの1個に結合する。U−PLEXアッセイでは、異なる捕捉試薬を異なるリンカーに結合する。プレート中の捕捉試薬のアレイを、捕捉抗体−リンカー複合体の混合物をウェルに添加し、リンカーにそれらの相補的なアレイ要素(または「スポット」)上に自己集合させることにより、必要に応じ形成する。抗LAM抗体のアレイを用いて、単一多重測定における複数の捕捉抗体の性能を比較した。
抗体を、U−PLEX添付文書中の手順によるアッセイで使用するために作製した。捕捉試薬を、スルホ−NHS−LC−ビオチン(Thermo Fisher Scientific)でビオチン化し、ビオチン−ストレプトアビジン結合を介してU−PLEXリンカー結合した。検出抗体を、MSDスルホ−タグ(商標)ECL標識で標識した。捕捉抗体アレイを作製するために、最大10個の抗体−リンカー複合体を、U−PLEX Stop Buffer中で、抗体当たり2.9μg/mLの濃度で混合し、50μLのこの混合物を、U−PLEXプレートの各ウェルに加えた。プレートを、振盪を加えながら1時間インキュベートして、抗体アレイを形成させ、その後、洗浄した。プレートを直ぐに使用するか、または必要になるまで乾燥ポーチに入れて4℃で貯蔵した。
特に指示がない限り、アッセイは、ヒト抗マウス抗体(HAMA)または他の非特異的抗体結合からの非特異的シグナルを防ぐためにブロッキング成分を含むMSDの市販の希釈剤を用いて、次のプロトコルに従って実施した。捕捉抗体アレイを、上述のようにU−PLEXプレート中で予備形成した。MSD希釈剤22(25μL)を、U−PLEXプレートの各ウェル中で25μLの試料と混合し、混合物を、浸透しながら室温で1時間インキュベートして、試料中のLAMをウェル中の捕捉抗体アレイに結合させた。非結合試料を除去するためにウェルを洗浄後、2μg/mLのスルホ−タグ標識検出抗体(カゼインを補充したMSD希釈剤3中の)の25μLを加え、追加の1時間にわたり、震盪しながらインキュベートし、イムノアッセイサンドイッチを完成した。非結合検出抗体を除去するためにウェルを洗浄後、ウェルを、150uLの2xMSDリードバッファT細胞で満たし、ECLを、MSD Sector(登録商標)S600ECLプレートリーダーで測定した。プレートリーダーは、MSDプレート中の電極に電圧を加えて、結合検出抗体からのECLを誘導し、冷却CCDカメラを用いて、各アレイスポットからの発光を定量化する(Debad et al.2004)。抗体対のスクリーニングの間、捕捉抗体と検出抗体A194−01、27D2、13H3、MoAb1、MoAb2、MoAb3、Imm Poly、Viro Polyの全ての可能な組み合わせを、MtB培養由来の精製LAMおよびTB+/HIV+個体由来の尿を用いて評価した(図1B)。より詳細なアッセイ評価を、捕捉抗体(MoAb1、13H3、27D2、MoAb3)およびA194−01または27D2検出抗体のアレイを組み合わせた特殊なパネルで実施した(図3A)。
LAM定量化
LAM濃度を計算するために、精製LAM(MSD希釈剤100中で希釈)を用いて8点較正曲線を各アッセイプレート中で二重に実施した。ECLシグナルのLAM濃度に対する関連性を4−パラメーターロジステック(4−PL)関数にフィッティングした。試験試料のLAM濃度を、ECLシグナルを4−PLフィッティングにバックフィッティングすることにより計算した。代表的較正曲線を、図2Aに示す。
尿試料作製
全ての抗LAM抗体を不活化するために、試料を、分析の前に85℃で10分間の熱処理により前処理した。
試料収集および診断検査
このレトロスペクティブ症例対照試験のために、合計75個の尿試料をFIND(Geneva,Switzerland)バイオバンクから選択した。これらの試料は、バングラデシュ(n=5)、ペルー(n=19)、南アフリカ(n=15)およびベトナム(n=36)の一次診療施設にて試料収集時点でTBの臨床症状を示しているが、TB治療を受けていない、成人由来の試験で以前に収集された。患者登録の前に、施設内倫理委員会により承認され、患者インフォームドコンセントを得たが、個人を特定できる情報は、FINDまたは研究者に利用可能でなかった。
FINDは、試料の収集および処理用に規格化されたプロトコルを使用する。手短に説明すると、尿を、患者との最初の接触時に収集し、同日に処理して一定分量を分割採取し、凍結(−80℃)した(通常4時間以内)。WHOにより事前に選定されたIVDを、HIV血清学的試験およびCD4カウントに使用した。患者分類で使用するために、喀痰試料(通常、最初の24時間で2回)も全参加者について同様に収集し、混入物を除去し、液体培養(MGIT,BD,Franklin Lakes,USA)および固体培養(Loewenstein−Jensen media)を用いて最大で6回培養した。培養物中のMtb錯体の存在を、Ziehl−Neelson or Auramine−O蛍光顕微鏡により確認し、迅速種決定アッセイ(Capilia TB test,TAUNS,Japan、のような)または分子法を用いて、抗酸性桿菌、MPT64抗原検出を確認した。
患者の分類および複合参照基準
患者を、別に記載のように(Broger et al.2017)、臨床的および検査所見に基づき複合参照基準を用いて分類した。TB陽性(TB+)は、少なくとも1つの陽性培養物を有する患者であった。全てのTB+患者は、陽性顕微鏡結果を有した。全ての喀痰試料でスメア陰性および4つ以上の培養物陰性であった参加者、および結核治療なしに症状回復および2ヶ月追跡調査来診で陰性喀痰培養物結果を示した参加者を、TB−に分類した。被験者を、HIV迅速検査でHIV+またはHIV−としてさらに分類した(表3A、下記参照)。
LAMの迅速検査
尿試料を、製造業者の説明書に従って実施されるアリーアLF−LAM検査を用いて試験した。ストリップを3人の異なる技術者により独立に読み取り、技術者たちは製造業者により提供された参照カードと試験ラインの強度を比較し、結果を等級分類した。文書化のために、全てのストリップをスキャンした。
結果
抗体生成および選択
サンドイッチイムノアッセイでの使用におそらく有用な抗体対を特定するために、既存の抗体ライブラリーを、全ての可能な捕捉および検出抗体対の組み合わせで試験した(A194−01、27D2、13H3、MoAb1、MoAb2、MoAb3、Imm Poly、Viro Poly)。その後、各対を試験して、ブランク試料に対するそのバックグラウンドシグナル、培養したMtb由来の精製LAMに対するその特異的シグナル、および高レベルのLAMを含むと知られる(アリーアLF−LAM検査での陽性に基づいて)2人のTB陽性HIV陽性ヒト被験者由来の尿中LAMに対するその特異的シグナルを評価した。試料を保存するために、各検査ウェルは、捕捉抗体のアレイを有したが、単一検出抗体を用いて発色させた。このマルチプレクシング手法は、単一ウェルで最大10対の捕捉および検出抗体を同時に評価することを可能にした。
図1Bは、各抗体対で得られたシグナル対ブランク(S/B)の比を示すヒートマップである。図はまた、グリカンアレイを用いて特徴付けされる、異なるLAMエピトープ(図1C)に対する特異性に基づいて、抗体をグループ分けおよび色分けする((Choudhary et al.2018)および図2B)。多くの抗体対は、精製LAMに対し高い反応性を示したが、尿中LAMの検出では比較的劣っていた。特に、2種の抗体(A194−01および27D2)のみが、尿中のLAMの検出用の検出抗体として有用であった。A194−01抗体は、2種の内でより感度が高く、患者尿中で2〜5倍高いシグナルを生成した。これらの抗体の両方は、LAMのアラビナンドメイン中の直鎖テトラアラビノシド(Ara4)または分岐部ヘキサアラビノシド(Ara6)構造を標的とする。27D2のAra6に対する特異性は、所定のLAMエピトープに対する特異性を有する抗体の開発のための免疫原としての、BSAに結合された合成LAMグリカンフラグメントの有用性を立証した。驚くべきことに、1種の抗体(MoAb2)は、培養Mtb由来の精製LAMを測定するための検出抗体として使用した場合に、極めて高いシグナルをもたらしたが、尿中LAMの測定の場合ではもたらさなかった。グリカンアレイ試験は、この抗体が、MtBに対し比較的特異的な、LAMエピトープ、ジ−もしくはトリ−マンノシドキャップ(Man2またはMan3)を標的にすることを示した(Mishra et al.2011;Chan et al.2015)。単一の仮説に限定することを望むものではないが、MTXのないManp(Man1、Man2、Man3)キャップは、尿中で安定でない可能性がある。理由は、例えば、それらは、分解され(例えば、酵素または別の機構により)、従って、これらのエピトープは、ほとんどの尿試料中で利用できないためである。
培養物および尿由来のLAMに対する相対反応性の差異も、捕捉抗体について観察された。分岐部Ara4およびAra6構造(A194−01、27D2、13H3)、Man2またはMan3キャップ(MoAb3およびMoAb2)およびMan2またはMan3を標的とする抗体を含む、ほぼ全ての捕捉抗体は、検出抗体としてA194−01と組み合わせた場合、培養Mtb由来の精製LAMに対し、高いシグナルをもたらした。検出抗体としてのその挙動と一致して、MoAb2(これは主にMan2およびMan3キャップを標的とする)は捕捉抗体として使用される場合、それは、尿中LAMに対し、シグナルを生成しないか、または極めて低いシグナルを生成した。Manp−MTXを標的とするMoAb1は、TB+/HIV−個体由来の尿で最も高いシグナルを生成した。単一の仮説に限定されることを望むものではないが、MTXモチーフはManpを分解から保護し、患者尿中にこれらのエピトープの存在をもたらす可能性がある。その結果、MoAb1は、魅力的で、極めて反応性の高い、特異的捕捉抗体である。これらの結合試薬の臨床的潜在力を効率的に比較するため、および尿中のLAM構造体の存在量の理解を高めるために、8組の対を開発し、一連のエピトープ特異性を含む4種の捕捉抗体(13H3、27D2、MoAb1、MoAb3)および2種の検出抗体(A194−01および27D2)の多重パネルを用いて評価した。
分析アッセイ性能
図2Aは、最高性能の抗体対(捕捉抗体としてのMoAb1と検出抗体としてのA194−01の組み合わせ)に対して8種のレベルの精製LAMを用いて作成した較正曲線を示す。曲線は、アッセイシグナルをLAM濃度の関数としてプロットする。ブランク(LAMなし)試料に対するプレート内変動係数(CV)は、A194−01検出抗体と組み合わせた4種全ての捕捉抗体について≦15%であった(表1A)。
Figure 2021521462
表1Aは、A194−01検出抗体と組み合わせた場合の、4種の異なる抗LAM捕捉抗体の分析性能をまとめる。この結果は、図2Aに記載の8点較正曲線から測定した。最初の2つのデータ列は、ブランク試料についての平均シグナルおよびCVを示す(n=14)。3つめの列は、ブランクシグナルより1.375倍高い検出閾値を上回るシグナルを与える較正標準についての平均CVを示す(LAM濃度当たり4回の反復実験による)。最後の列は、較正曲線に対し最良の4−PLフィッティングにバックフィッティングすることにより計算した、検出閾値に等しいシグナルを与えることが予測されるLAM濃度によるLODの推定値を示す。
これらの結果に基づいて、ブランク(S/B=1.375)を37.5%上回るシグナルを、シグナル閾値と定義した。この閾値は、全てのアッセイについて、ブランクシグナルを2.5標準偏差上回る。ブランクシグナルに対するCVは、システムの電子ノイズ(±30カウント)により支配された;ブランクシグナルを上回ってシグナルが増大するに伴い、CVがかなり減少した。平均して、この閾値を上回るLAMレベルに対するCVは、12対全てについて、3〜4%であった。表1Aおよび図2Aはまた、シグナル閾値に基づく検出限界(LOD)も提供する。MoAb1捕捉抗体によりもたらされるより高いシグナル対バックグラウンド比率により、この捕捉抗体は、精製LAM標準物質および11pg/mlのLODのより高感度の検出をもたらした。検出抗体として使用した場合、27D2は、A194−01を用いて得られた結果と高く相関した結果をもたらした(データは示さず)が、より低いシグナルおよびより高い検出限界をもたらす傾向があった。この2種の抗体の高い相関および類似のエピトープ特異性のため、分析は、より高感度のA194−01検出抗体を用いて得た結果に注力される。しかし、27D2は、検出器側でA194−01の代替として使用できる。
試料作製
アッセイで試験する前に、尿試料を、試料中に存在し得る全ての抗LAM抗体を不活化するために、85℃で10分間熱処理した。シグナルは通常熱処理により変化しないか、またはわずかに増加したのみであったので、抗体の干渉がこれらの試料中に存在するという証拠はほとんど見つからなかった(図4)。しかし、熱処理はLAM検出に対し何らかの悪い影響を有するように見えなかったので、その後の実験でも熱処理ステップを保持することが決定された。
アッセイ性能に対するマトリックス効果を評価するために、次の実験を実施した:(i)臨床的尿試料中に添加したLAMが、合成標準物質希釈剤中のLAM較正標準を用いて生成した較正曲線(図2Aでのような)と比較して、予測した測定LAMレベルを与えることを示すための、添加回収率(spike recovery)実験および(ii)尿試料中の測定レベルが、尿の標準物質希釈剤中への希釈に伴い直線的に減少することを示すための、希釈直線性(dilution linearity)実験。添加および希釈実験について、平均回収率は、27D2を除く全ての捕捉抗体に対し、80%〜120%の受け入れられる範囲であった(表1B)。27D2は、一貫して低添加回収率を有し、それが、試料の加熱により修正できなかった、ある程度のマトリックス干渉を受けやすい可能性があることを示している。
Figure 2021521462
表1Bは、A194−01検出抗体と対形成した場合の4種の捕捉抗体のそれぞれについての添加回収率および希釈直線性を示す。添加回収率は、理論的予測値に対する、尿試料中に添加された精製LAMの測定LAM濃度である。各記載は、試料中に添加された3種のLAM濃度(300、3,000および30,000pg/ml)に対する平均回収率である。希釈時の回収は、未希釈試料(未希釈試料中のLAMレベルは約1,000〜約200,000pg/mlの範囲である)中の測定尿中LAMに基づく予測値に対する希釈したLAM陽性尿試料の測定LAM濃度である。各値は、1:2〜1:16の4種の希釈範囲についての平均回収率である。この表はまた、全ての試験試料の平均値も示す。
交差反応性
LAMアッセイを、尿試料中に存在する可能性がある10種の異なるマイコバクテリウム種および20種の異なる非マイコバクテリア微生物のパネルに対する交差反応性について行った。表2Aは、A194−01検出抗体と対形成した場合の各捕捉抗体で測定したシグナル対ブランク比を与える。
Figure 2021521462
表2Aは、一連の微生物についてのLAMアッセイの交差反応性を示す。結果を、A194−01検出抗体と対形成した場合の示した4種の捕捉抗体に対して与える。記載シグナル対ブランク(S/B)比を、ATCCまたはBEIから得たストック調製物の1:10,000希釈(マイコバクテリア試料)または1:100希釈(非マイコバクテリア試料)で測定した。データを、記載希釈で少なくとも1種の捕捉抗体に対しアッセイ閾値(1.375)より大きいS/B比を与える微生物に対してのみ示した。
全てのアッセイについて、この閾値を基準にして検出不能交差反応性を有する微生物を、表の最下段に列記する。全ての試験した調製物は、MtBおよびウシ型結核菌(M.bovis)(死滅させた全細胞ライセート)およびスメグマ菌(M.smegmatis)(細胞ライセートから精製したPILAM)を除いて、全生細胞であった。ND(検出不能)は、(i)測定S/B比率が1.375より小さい、または(ii)特異的捕捉抗体スポット上のシグナルが他のスポット上のシグナルに比べて低すぎる(<0.2%)ので交差反応性を正確に測定できない、ことを示す。成長が遅いマイコバクテリアを、アスタリスクで示す。
試験した最大の濃度(ストックATCCまたはBEI材料の1:100希釈)で、4種の非マイコバクテリア種のみが、少なくとも1種の捕捉抗体に対して、アッセイ閾値の1.375より大きいS/B値をもたらした(ノカルジア・アステロイデス(Nocardia asteroides)、ゴルドニア・ブロンキアリス(Gordonia bronchialis)(Tsukamura)、ロドコッカス菌種(Rhodococcus sp.)、ツカムレラ・パウロメタボルム(Tsukamurella paurometabolum))。これらの4種の種の交差反応性の強度は、異なる捕捉抗体間でかなり変動した。27D2およびMoAb3は、4種全ての種に対し最強の交差反応性を示した。13H3もまた、4種の種と交差反応したが、1〜2桁小さいシグナルを有した。MoAb1は、試験した濃度で最良の区別をもたらし、いずれの非マイコバクテリア種に対しても測定できる交差反応性を示さなかった。
予想通り、全ての捕捉抗体は、TBを引き起こすマイコバクテリア種Mtbおよびウシ型結核菌(M.bovis)に対して強力なシグナルをもたらした;これらの細菌性調製物の1:1,000希釈物の試験は、アッセイの飽和レベルを上回るシグナルを与えた。しかし、大きな差異が、この希釈で試験したマイコバクテリア種に対する異なる捕捉抗体の交差反応性において観察された。MoAb1を除く全ての捕捉抗体は、急成長マイコバクテリウム・フォーチュイタム(M.fortuitum)およびスメグマ菌(M.smegmatis)種に対し極めて高い交差反応性を与え、1:1000希釈で飽和シグナルをもたらした。対照的に、MoAb1が捕捉抗体として使用された場合、これらの2種の種に対する交差反応性は、他の捕捉抗体より少なくとも3桁低く、検出限界より低かった。マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(M.intracellulare)を除いて、MoAb1はまた、他のマイコバクテリウム種に対してより低い交差反応性を有する傾向があったが、これらの種に対するシグナルはより低い傾向を示し、かつ捕捉抗体間の差異はより小さい傾向を示した。全体として、捕捉MoAb1/検出A194−01の組み合わせは優れた特異性を示し、全ての非マイコバクテリア微生物に対して交差反応性がなく、急速成長マイコバクテリアに対して交差反応性がなく、成長が遅い非結核性抗酸菌に対して低レベルの交差反応性のみを有する(Mtbに比べて少なくとも10倍低い反応性)。
臨床試料の試験
表3Aは、試験集団の特性を示す。
Figure 2021521462
表3Aは、TBおよびHIV状態で分けて示した試験集団の特性を示す。NAは、指定された特性に対する情報が試験被験者について入手できなかったことを示す。CD4細胞カウントは、TB/HIV+被験者についてのみ入手できた。
試料は、TB臨床試料のFIND(Geneva,Switzerland)リポジトリ由来であり、地理的位置(アジア、アフリカおよび南アメリカ)の範囲を含むように、かつTBおよびHIV状態の異なる組み合わせを含むように選択した。CD4カウントはほとんどのTB+/HIV+被験者について入手でき、アリーアLF−LAM検査から最も利益を得る可能性が高い免疫無防備状態の患者を特定するためのWHOアルゴリズムで使用される100細胞/uLの閾値を上回るおよび下回る被験者を含んだ。アリーア検査の臨床性能の臨床試験に従い、この尿試料のパネルに対するアリーア検査の感度は、HIV+被験者で44%(11/25)であったが、HIV−被験者では13%(2/15)に過ぎなかった。
図3Aは、TBおよびHIV状態の関数としての完全試料セットについての測定LAM濃度のヒートマップを示す。ヒートマップは、A194−01を検出抗体として使用した場合の4種の捕捉抗体で測定した濃度を比較する。全ての捕捉は、HIV+/TB+被験者由来のほとんどの尿試料中でLAMの測定可能な濃度を示したが、MoAb1および13H3のみが、かなりの比率のHIV−/TB+被験者由来の尿中でLAMを検出した。これらの2種のうち、13H3が多くのTB−被験者由来の尿中のLAMまたはLAM関連構造を検出したので、MoAb1のみが、TB+およびTB−被験者の良好な区別をもたらした。MoAb1および他の3種の捕捉抗体(13H3、27D2、MoAb3)についての性能の差異を、図3Bおよび3Cの散布図でより明確に示す。定性的には、TB+ドナー由来の試料に対する13H3およびMoAb1由来のシグナルは、アッセイ閾値から十分に分離していた。しかし、これらの2種の抗体のTB−試料に伴う挙動は、かなり異なっていた。13H3は、TB−試料に対し広いシグナル分布を与えた。対照的に、さらにTB特異的なMoAb1捕捉抗体を使いるTB−試料に対するシグナルは、ブランクシグナルの近くで密に詰まっており、TB−試料に対する最高のシグナルは約1.8のS/B値を有し、全ての他の試料は、11pg/mlのLODより小さいシグナルを生成する。アリーアLF−LAM検査結果による色分けは、アリーア検査で検出可能なLAMシグナルは、MoAb1捕捉抗体を用いたイムノアッセイの検出限界を1〜2桁上回ること、およびイムノアッセイで検出できるTB+被験者由来の多数の試料が存在したが、アリーア検査ではそうではなく、捕捉MoAb1/検出剤A194−01ベースのイムノアッセイの感度の劇的な増大をもたらしたことを示す。
表4は、試験試料セットに対するLAMアッセイの測定感度および特異性を示す。TB−とTB+群のアッセイシグナル間の分離の指標として、表4はまた、受診者動作特性曲線(ROC)曲線分析からの曲線下面積(AUC)値を与える。
Figure 2021521462
表4は、同じ試料セットでのアリーアLF−LAMに比較して、4種の捕捉抗体(Ab)および検出抗体としてのA194−01の選択パネルを用いるLAMアッセイの精度を示す。この表は、それぞれ4種の捕捉抗体に対する測定感度(正確に分類されたTB+試料/TB+試料の合計数)および特異性(正確に分類されたTB−試料/TB−試料の合計数)を与える。値を、完全試料セット(全)またはHIV−およびHIV+被験者由来試料のサブセットについて計算した。この比率に対する95%信頼区間(CI)を、ウィルソン法を用いて計算した。この表はまた、ブートストラッピングにより決定された信頼限界を含むROC分析からのAUC値も与える。比較のために、下部の3行は、同じ試料セットに対するアリーアLF−LAM検査による類似の性能測定基準を示す。
TB+試料(HIV−被験者由来の試料を含む)に対する高いシグナルおよびTB−試料に対するLODより低いシグナルの密接な分布の組み合わせに起因して、MoAb1捕捉抗体を用いるアッセイに対するAUC値[0.98(0.95〜1.00)]は、他の捕捉抗体に対するAUCよりかなり良好であった。HIV−試料のみを試験すると、MoAb1[0.95(0.87〜1.00)]と13H3[0.60(0.40〜0.80)]の間の差異は、さらに大きかった。
AUCの差異は、13H3[全体感度=70%(55%〜82%、28/40)、特異性=86%(71%〜94%);210pg/mlのカットオフで30/35)]に比較して、MoAb1[全体感度=93%(80%〜97%;37/40)、特異性=97%(85%〜100%;11pg/mlのカットオフで34/35)]を用いるアッセイのより高い観察精度に反映された。MoAb1捕捉抗体を用いるアッセイは、高い特異性を維持しつつ、アリーアLF−LAMアッセイ[全体感度=33%(20%〜48%、13/40)、特異性=100%(90%〜100%;35/35)]より約3倍高い感度であった。MoAb1捕捉抗体を用いるアッセイは、TB+/HIV+試料の特定において完璧であった[MoAb1感度=100%(87%〜100%);25/25]。
図5は、アッセイシグナル(MoAb1捕捉抗体およびA194−01検出抗体を用いたアッセイについて)とCD4カウントおよびアリーアLF−LAM試験結果との関連性を示す。強く免疫抑制された(CD4<100細胞/μl)HIV+被験者は、HIV−被験者より有意に高いレベルのLAMを有した(図5B)。100細胞/μLより大きいCD4カウントのHIV+被験者とHIV−被験者の間で有意な差異が存在しなかったため、増大したLAMレベルは、免疫抑制と相関するように見えた。図3Bからの定性的イメージを裏付けて、図5Aは、高アリーアLF−LAMグレードが極めて高いアッセイシグナルと関連することを示す。この図はまた、イムノアッセイによる低いが検出可能なシグナルを有するが、アリーア検査では検出されない、かなりの数のTB+被験者を強調する。
MoAb1捕捉抗体の特異性に対する追加の裏付け
MoAb1/A194−01抗体対の観察された感度および特異性は優れていたが、TB+/HIV−被験者で観察されたシグナルは、低く、アッセイ閾値近傍である傾向を示し、TB+/HIV−被験者由来の尿は、中央S/B値は2.1にすぎなかった。追加の実験は、これらのシグナルが、非特異的アッセイバックグラウンドの変動の結果ではなく、特異的結合イベントの結果を反映するより大きな信頼性を生じさせることであった。
第1セットの実験では、尿試料中のLAMの濃縮が、アッセイシグナルにおける対応する増大を生じたことが確認された。表2Bは、低レベルのLAMを有する7種の尿試料を、10kDの分画分子量を有する遠心限外濾過装置(Amicon)を用いてそれらの元の体積の1/5に濃縮する効果を示す。
Figure 2021521462
表2Bは、検出可能でないLAM(TB−HIV−被験者由来)または低レベルの検出可能なLAM(TB+HIV−およびTB+HIV+被験者)を有する尿試料を、MoAb1−A194−01抗体対を用いてLAMについてアッセイした後の結果を示す。試料を、濃縮なし(1X試料)または10kDカットオフを有する遠心限外濾過装置を用いて5倍に濃縮(5X濃縮)後に測定した。試料の予備処理ステップ(85℃、10分)を、濃縮前に実施した。「ND」は、アッセイシグナルがアッセイの検出閾値未満であったことを示す。比率の列は、5X濃縮物対1X試料中のLAMの測定濃度の比率を与える。
試料の濃縮は、測定されるLAM濃度の3.2倍〜4.9倍の増大をもたらし、これは、予測した理論値の5倍増大に近づく。対照的に、検出不能なLAMレベルを有するTB−ドナー由来の試料が、同じ濃縮工程を経た場合、レベルは検出不能のままであり、従って、陰性尿の単純な濃縮は、この効果を生成するのに十分ではなかった。類似の実験を、100kDカットオフを有する装置を用いてLAM陽性試料のサブセットで実施し、凡そ90%のLAMが濾液中に通過したことを明らかにした(データは示さず)。この結果は、測定された種が10〜100kDの分子量であり、MtB由来のLAMの分子量を特徴付ける以前の調査と一致することを示す(Venisse et al.1993)。
加えて、尿試料からLAMを枯渇させるために固定化MoAb1を使用し得ることが確認された。枯渇実験を、抗体の大きい表面積を得るためにビオチン標識MoAb1でコートしたMSDの大型スポットストレプトアビジンプレートで実施した。熱処理試料をこれらのウェル中でインキュベートした(振盪しながら室温で1時間)後、LAMアッセイプレートに試料を移し、残存するLAMレベルを測定した。表3Bに示すように、この枯渇プロトコルを、広範囲のLAMレベルを有するTB+被験者由来の10種の尿試料に適用することは、枯渇を実施しなかった試料に比べて、56%のLAMレベルの中央値の増加(IQR:47%〜61%)をもたらした。
Figure 2021521462
表3Bは、一連のLAMレベル(TB+/HIV−被験者およびTB+/HIV+被験者の両方由来)を有する熱処理尿試料を、ビオチン標識したMoAb1でコートしたMSD大型スポットストレプトアビジンプレートのウェル中で室温下1時間、振盪しながらインキュベートして、試料からのLAMの枯渇を試みた後の結果を示す。コントロールとして、試料を、抗体でコートしていないウェル中でもインキュベートした(「シャム」条件)。その後、検出抗体としてA194−01を用いるマルチプレックスLAMアッセイにより、枯渇試料中の、ならびに非枯渇試料中のLAMレベルを測定した。報告LAM濃度は、非枯渇試料についてである。この表はまた、MoAb1を用いて、またはシャム条件を用いて枯渇させた試料について測定されたLAM濃度のパーセント減少率(%枯渇)も記載している。
枯渇プロトコルが抗体の非存在下で実施されたシャム条件は、LAMレベルの中央減少値2%(IQR:1%〜3%)を与えたに過ぎなかったので、枯渇ステップでのMoAb1の存在は必要であった。
考察
この症例対照研究は、フェムトモル(fM)の範囲でLODを有する高感度ECLイムノアッセイを使用してHIV−/TB+およびHIV+/TB+患者の尿中でLAMが検出可能かどうかを決定しようとした。研究は、多重化フォーマットを採用して、異なる特異性の複数の抗体の同時評価を可能にし、どのように抗体特異性が臨床性能に影響するかを特徴付けた。
最高性能のモノクローナル抗体対(捕捉MoAb1/検出器A194−01)を用いたECLアッセイの結果は、推定TBを有する4つの国からのよく特徴付けられた患者由来の75種の尿試料の小さいセットにおいて、結核症例検出に対し、アリーアLF−LAMに比較して、ほぼ3倍高い感度および統計的に識別不能な特異性を示した。全てのHIV+およびかなりの割合のHIV−患者は、11pg/ml(0.6pM)のアッセイ検出限界を超える検出可能なLAM濃度を有した。このアッセイの検出限界は、アリーアLF−LAM検査のカットオフより25〜50倍低かった。アリーアLF−LAM検査は、250〜500pg/mlの範囲にあり(Nakiyingi et al.2014;Savolainen et al.2013)、より低いLAM濃度を有するTB患者を検出できない。この結果は、LAM検出の分析感度の向上は、TB診断のための臨床的感度の向上に直接つながることを示唆する。
イムノアッセイに対するほぼ完全な特異性での診断感度の向上のための重要な要素は、TB患者の尿中に存在する性質の異なるLAMエピトープに対する結合特異性を有する明確なモノクローナル抗体のユニーク対の特定であった。異なる起源由来の一連の抗LAM抗体のそれぞれの可能な対での組み合わせのスクリーニングでは、多くの対が、Mtb培養物由来の精製LAMを検出できることが見出されたが、一部のみが患者尿中のLAMまたはLAM関連構造の検出について良好な感度を示した。検出抗体の選択は、尿中のLAMの高感度検出にとって特に重要であるように思われ、検出抗体として他の候補よりかなり良好な性能をもたらす2種の抗体(A194−01および、より低い程度で27D2)が特定された。これらの抗体のエピトープマッピングは、これらの抗体の両方が、直鎖Ara4および分岐部Ara6(ヘキサAraf)モチーフの両方を含むLAMのアラビナンドメインを標的とすることを示し、これらの構造がTB患者の尿中に比較的豊富であることを示している。A194−01の抗体工学研究は、単量体Fab構造への変換が結合活性の大きな損失を生じることを示し(Pinter 2017)、LAM分子内の完全IgGの2つのアラビナンモチーフへの多価性の結合が結合に重要であり得ることを示唆している。多価性の結合を介して結合力を増大させる能力は、次に、この抗体の検出抗体としてのユニークな有用性に関与し得る。
ほとんどの候補抗体が尿中LAM検出用の捕捉抗体として適度に良好に機能したので、最適捕捉抗体の選択は、主として、抗体特異性により推進される。直鎖Ara4および分岐部Ara6モチーフの両方を標的とする抗体(A194−01、Imm 27D2)は、A194−01と対形成した場合、全て、少なくともいくつかの尿試料中のLAMを検出できた。このアラビナン特異的捕捉抗体セットのうち、13H3は、TB+被験者由来の尿に対し最も高いシグナルを有する傾向があったが、ブランクシグナルを上回る高いシグナルを与えるいくつかのTB−試料で比較的低特異性(86%)を示した。13H3/A194−01対を用いてLAMアッセイを開発することは可能であるが、この結果は、非TB特異的アラビナンエピトープを標的とする抗体のみを用いる尿中LAMアッセイの性能が、非TBマイコバクテリア(NTB)または放線菌目の関連微生物などの他の起源由来の尿中LAMとの交差反応性により制限され得ることを示唆する。特に、Ara6構造は、MtB LAMに特有ではなく、交差反応性研究は、13H3/A194−01対は、非マイコバクテリア放線菌類ノカルジア属(Nocardia)、ゴルドニア属(Goronia)、ロドコッカス属(Rhodococcus)およびツカムレラ属(Tsukamurella)(これらは全て、Ara6構造を有するLAMを産生することが既知である)と交差反応することを確認した(Mishra et al.2011;Briken et al.2004)。アリーアLF−LAM検査および以前の市販のELISA検査で使用されるポリクローナル抗体は、類似の制限を有する可能性がある。古い市販のELISA検査であるクリアビューTB検査を、分析前に尿を濃縮することにより改善する試みは、感度は顕著に改善され得ることを明らかにしたが、特異性が対応して低下することも明らかにした(Savolainen 2013)。同様に、アリーアLF−LAM検査から擬陽性の結果を減らす必要性は、2014年に検査の参照カードをより高いアッセイカットオフの方向に改訂するように製造業者を導き、これは、特異性を高めたが、感度を低下させた。さらに、アリーアLF−LAM検査の口腔内在住アクチノミセス属(Actinomyces)およびノカルジア属(Nocardia)に対する交差反応性はおそらく、アッセイが喀痰中のLAM検出に十分に特異的でない理由であろう(Dheda et al.2010)。また、アリーアLF−LAM検査は、プレートウオッシャーの配管中のバイオフルムなどのLAMの環境要因からの交差反応性を受けやすいことも明らかになり、非TB特異的抗体を使う場合の抗体特異性の重要性ならびに環境干渉物質に対する保護の必要性の両方を強調する。
比較的非特異的LAMエピトープを標的とする13H3のような抗体に加えて、Man2およびMan3モチーフ(MoAb2)、ならびにMTX−Man2およびMTX−Man3モチーフ(MoAb1)などの、よりTB特異的構造を標的とする捕捉抗体を評価した。どちらもMtB培養物由来の精製LAMに対し強力なシグナルをもたらしたが、MoAb1のみがTB患者由来の尿試料中のLAMを検出し、尿中LAM中のいずれかのMan2またはMan3キャップモチーフの大部分は、MTX修飾として存在する必要があることを示している。驚くべきことに、試験は、MoAb1のA194−01検出抗体との対形成が、13H3/A194−01対と同様なTB+群中の類似の反応性をもたらすが、MoAb1捕捉抗体は、高い臨床的特異性を達成できたことを示した。異なる抗体対の観察臨床的感度および特異性の図表による比較で示されるように(図6)、MoAb1/A194−01対は、最良の全体臨床的感度(93%)および特異性(97%)をもたらした。高い全体感度は、TB+HIV−被験者由来の尿中LAM検出についての、この対の優れた感度をほぼ反映した(80%)。図6はまた、この対の観察性能と、POC TB検査のためのWHO精度目標とを比較し、このアッセイが、追跡調査TB試験、ならびに診断で使用するより厳密な要件に対し患者を特定するための優先順位づけに使用するPOC TB検査の目標基準値に適合する可能性があるという励ましを与える。
単一の仮説に限定されるのを望むものではないが、MoAb1/A194−01対の交差反応性試験の結果により裏付けられるように、MoAb1捕捉抗体のエピトープ特異性は、同時に臨床的特異性を維持しつつ高感度検出をもたらすその能力に関与する。尿路感染症に関与する最も一般的な微生物に対し交差反応性がないことが観察され、また、13H3を採用するアッセイと対照的に、LAM産生非マイコバクテリア放線菌類ノカルジア属(Nocardia)、ゴルドニア属(Goronia)、ロドコッカス属(Rhodococcus)およびツカムレラ属(Tsukamurella)に対する検出可能な交差反応性は観察されなかった。MoAb1捕捉はまた、TB産生マイコバクテリア(MtBおよびウシ型結核菌)の、他のほとんどのマイコバクテリア種からのより良好な区別を提供した。特に、急成長マイコバクテリアのマイコバクテリウム・フォーチュイタム(M.fortuitum)、スメグマ菌(M.smegmatis)、マイコバクテリウム・アブセサス(M.abscessus)およびマイコバクテリウム・ケロネー(M.chelonae)との検出可能な交差反応性は、観察されなかった。これらのマイコバクテリアは、あったとしてもごくわずかなMTX修飾を有するLAMを産生する(Joe et al.2006)。対照的に、13H3捕捉は、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(M.fortuitum)およびスメグマ菌(M.smegmatis)の試験濃度に対し、飽和または飽和に近いシグナルを生成した。MoAb1に対する低レベルの交差反応性が、成長が遅いNTMのマイコバクテリウム・ゴルドナエ(M.gordonae)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(M.intracellulare)、マイコバクテリウム・アビウム(M.avium)およびカンサシ菌(M.kansasii)で観察されたが、これらの種で観察されたシグナルは、TBを引き起こす株で測定されたものよりかなり低かった。また、この対は、アリーアLF−LAM検査でシグナルを生成したプレートウオッシャーからの未知の環境的LAM様混入物の影響を受けないことも明らかになった。MoAb1抗体のTB特異性はまた、Otsukaにより開発された喀痰中のLAM検出用のELISAでも採用されており、これは、アリーアLF−LAM検査とは対照的に、蔓延する口腔放線菌類種により産生されるLAMと交差反応しない(Kawasaki et al.2018)。
LAMは、MoAb1/A194−01抗体対を用いて、ほぼ全てのHIV陽性およびHIV陰性患者で検出可能であったが、試験は、低CD4カウントのHIV陽性患者でLAM濃度が増大するという以前の知見を確認した。≦100細胞/μlの低CD4カウントを有するTB/HIV同時感染患者由来の試料は、有意により高いLAM濃度であり、選択した試料は、>10ng/mlのLAMを有した。>100細胞/μlの高いCD4カウントを有するTB/HIV同時感染患者およびTB/HIV陰性免疫正常者由来試料中の濃度は、11〜1000pg/mlの範囲およびそれより低い範囲であった(図5および図3B)。この効果は、アリーアLF−LAMを用いた大きなコホート試験からよく知られている(Shah et al.2016)。腎臓TB感染症は、低CD4カウントを有するTB/HIV同時感染患者における高いLAM濃度に対する説明として提案されてきた(Cox et al.2015;Wood et al.2012)。この試験の免疫正常およびHIV陰性患者の根底にあるLAM抗原尿をもたらす機序は、不明確なままである。LAMが感染肺胞マクロファージから活発に分泌されていることを示唆するいくつかの証拠が存在する(Strohmeier & Fenton 1999)。このような活発なプロセスは、インビボでのTBの生存に好都合な可能性があるLAMの重要な免疫調節特性と一致するであろう(Lawn 2012)。このプロセスはまた、血流中に無細胞のLAMまたはLAMフラグメントを生じ、これは、糸球体濾過を介して尿中におそらく通過できるであろう。血清中のLAMレベルおよび尿中レベルとのそれらの相関の調査は、現在進行中である。
知見の要約
アッセイの向上した性能は、全HIV陽性の免疫正常患者中の、しかし、おそらくHIV陰性の場合でも、その免疫正常患者中のTB診断およびスクリーニングのための高められたLAM検出アッセイの開発が十分に実施可能であることを示す。しかし、低ピコモルあるいはフェムトモル範囲のLODおよび極めて特異的な抗体によるアッセイが必要である。開発されたアッセイは、高感度で、検査室設定で有用なツールを提供し得るが、これは、検査室施設および訓練されたスタッフを利用できない低および中所得設定において典型的な一次診療環境で使用されるポイント・オブ・ケア検査用としては設計されていない。いくつかの最も高感度のラテラルフローアッセイは、低pM範囲に達する;例えば、最近開発されたマラリア抗原検出アッセイは、2.5pM HRP−2(=80pg/ml)のLODを報告し、これは、必要とされる分析感度に近い(Das et al.2017)。他の研究は、抗原濃縮ステップを提案したが、アッセイの複雑さおよびコストが課題であろう。FINDおよびパートナーは、この試験からの知見を簡単かつ高感度のPOC検出プラットフォームに移すことを計画している。
実施例2−抗体を用いて実施したエピトープマッピング
MoAb1、MoAb2およびMoAb3を用いてエピトープマッピングを実施した。
表5は、抗体の説明である。
Figure 2021521462
2.材料および方法

3種の抗体(MoAb1、MoAb2、MoAb3)を、それらの結合部位により認識されるオリゴ糖エピトープを特定するために分析した。エピトープ特定を、一連の多様な61種のオリゴ糖構造を示すグリカンアレイに対する抗体の結合を測定することにより実施した(図1D〜1F)。手短に説明すると、オリゴ糖フラグメントを、以前記載したように合成した(Joe,M.et al.The 5−deoxy−5−methylthio−xylofuranose residue in mycobacterial lipoarabinomannan.Absolute stereochemistry,linkage position,conformation,and immunomodulatory activity.J.Am.Chem.Soc.128,5059−5072(2006);Gadikota,R.R.,Callam,C.S.,Appelmelk,B.J.& Lowary,T.L.Synthesis of Oligosaccharide Fragments of Mannosylated Lipoarabinomannan Appropriately Functionalized for Neoglycoconjugate Preparation.J.Carbohydr.Chem.22,149−170(2003);Joe,M.,Bai,Y.,Nacario,R.C.& Lowary,T.L.Synthesis of the docosanasaccharide arabinan domain of mycobacterial arabinogalactan and a proposed octadecasaccharide biosynthetic precursor.J.Am.Chem.Soc.129,9885−9901(2007);Sahloul,K.& Lowary,T.L.Development of an Orthogonal Protection Strategy for the Synthesis of Mycobacterial Arabinomannan Fragments.J.Org.Chem.80,11417−11434(2015);Zheng,R.B.et al.Insights into Interactions of Mycobacteria with the Host Innate Immune System from a Novel Array of Synthetic Mycobacterial Glycans.ACS Chem.Biol.12,2990−3002(2017))。
その後、フラグメントをBSAに結合させ、マイクロアレイ生成に使用した。抗体の8種の段階希釈物(0.6ng/ml、2.4ng/ml、9.8ng/ml、39ng/ml、156ng/ml、625ng/ml、2.5μg/ml、および10μg/ml)をスライド上で、37℃で30分間インキュベートし、洗浄後、蛍光標識二次抗種抗体(Jackson ImmunoResearchのCy(商標)3 AffiniPureヤギ抗ウサギIgG)で40分間染色した。洗浄と乾燥を繰り返した後、蛍光シグナルをGenePix 4000Bスキャナー(Molecular Devices,Sunnyvale,USA)を用いて測定し、各スポットのバックグラウンドを上回る強度を、ProMicroarray Image Analysis Software 6.1を用いて定量化した。
結果および考察
図7は、全61種のオリゴ糖構造、3つのネガティブコントロールおよび1つのポジティブコントロールスポットに対する8種の異なる濃度での、3種のモノクローナル抗体の反応性を示す。
MoAb2は、ジマンノースキャップ型LAMを選択的に認識し、モノおよびトリ置換構造に対しては低い反応性であった。これは、この抗体のMtbに対する特異性、およびスメグマ菌(M.smegmatis)PILAMに対する反応性の欠如と一致した(Glycan49)。ジマンノースキャップ型LAMに対する反応性は、MTXの付加により強く阻害され(グリカン3のグリカン7に対する反応性と比較されたい)、MoAb2が非修飾ジマンノースグリカンを優先的に認識したことを示す。マイクロアレイ分析は、MoAb2が、Araf糖を何ら含まないいくつかのManp含有複合多糖と強く反応することをさらに示した。これらのエピトープは、マンノース構造の末端もしくは中央のManpにα−(1→2)またはα−(1→3)結合のいずれかにより連結された追加のManp残基を有する構造を共有し、従って、マンナン骨格およびキャッピング構造の両方と類似していた。MoAb2はまた、グリカン59、Manp−(1→3)−α−Manp結合を分子の両端に含む五糖類構造ともかなり良く反応した。これらの結果は、この抗体はManp含有成分のみに依存し、隣接Araf残基のいずれかを認識のために必要としないことを明確に示している。Manpは、Mtbおよび他の成長が遅いマイコバクテリア中の保存された特徴であるが、スメグマ菌(M.smegmatis)などのキャッピング急速成長種では発生しない。しかし、尿中の試験由来の実施例1は、非修飾Manp(すなわち、非修飾ジマンノースグリカン)は、ほとんどのTB患者の尿中の結合には利用できないことを示唆している。単一の仮説により限定されることを望むものではないが、可能な理由は、MTXの非存在下でのこのエピトープの分解である(例えば、1,2−マンノシダーゼのようなヒト酵素による)。従って、非修飾Manpモチーフを標的とする抗体は、患者の尿中のManLAMを検出するのに診断的に有用でないであろう。
対照的に、MoAb1は、α−(1→4)結合メチルチオキシロース(MTX)残基でさらに置換されたManpキャップ型構造に対し特有の特異性を有した。MoAb1は、MTX修飾ジマンノース(グリカン7)およびトリマンノース(グリカン9)キャップ型構造と最大の反応性を有し、MTX修飾モノマンノース構造(グリカン8、グリカン10、グリカン11)とより小さい反応性を有した。MoAb1は、MTX−Manモチーフが、Ara6のα−(1→5)結合(グリカン10)またはα−(1→3)結合(グリカン11)アーム上に存在する構造を認識し、ポリAraf構造は、認識に重要ではないこと、および結合が主にMTX−ジマンノース部分で起こることを示唆している。MTX置換は、現在までに分析された全てのMtb単離物中で特定され、最近のレポートは、Mtb LAMのMTXキャッピングモチーフの生合成専用の5つの遺伝子クラスターについて記載している(Angala et al.2017)。スメグマ菌(M.smegmatis)はまた、これらの全ての遺伝子を有し、そのため、MoAb1のスメグマ菌(M.smegmatis)および他の急速成長マイコバクテリアとの反応の欠如は、おそらく、このエピトープの形成を排除する、PILAM中のManpキャッピングの非存在に関連している。MoAb2とは対照的に、MTX−Manp構造は、TB患者の尿中の結合に利用できると思われる。単一の仮説により限定されるのを望むものではないが、可能な説明は、MTXが、酵素またはTB患者の身体中で起こり得る他の分解機序による分解からManpユニットを保護するということである。
MoAb3は、非キャップ型Ara4およびAra6構造を低い親和性で認識し、Ara4−Man1(グリカン2)、ジマンノースキャップ型Ara4およびAra6構造(グリカン3およびグリカン6)と、およびMTX修飾Ara4−Man2構造(グリカン7)と最も強力に反応した。MTX修飾モノおよびトリマンノースキャップ型構造(グリカン8およびグリカン9)との反応性は低かった。MoAb2とは対照的に、MoAb3は、ポリマンノース構造(グリカン17、グリカン50、グリカン59)のいずれも認識せず、Ara構造の存在がMoAb3の結合のために重要であることを示唆している。他の2種の抗体と対照的に、MoAb3は、ホスホミオイノシトールキャップ型Ara4(グリカン49)に対する弱い結合を含む広範な反応性を有した。
表6は、抗体結合結果の要約である。
Figure 2021521462
結果のまとめ
MoAb2およびMoAb1の両方は、MtBおよびその他の成長が遅いマイコバクテリア中のみに存在するがスメグマ菌(M.smegmatis)またはマイコバクテリウム・フォーチュイタム(M.fortuitum)などの急速成長マイコバクテリアでは発生しないエピトープに特異的であり、これは、低成長から急速成長マイコバクテリアを区別する抗体の能力を説明する。これは、これらの抗体をベースにしたアッセイの優れた分析能力をさらに説明する。患者の尿中の非修飾Man2キャップ非存在に起因して、MoAb2は、尿中のLAMの検出に基づく診断イムノアッセイのために重要な抗体ではないように見える。対照的に、MoAb1は、尿中に存在し安定であると思われるMTXキャップ型Manp構造を検出する。MoAb3は、2種の捕捉抗体に対しても重要なグリカンに対し重なり合う反応性を示し、Ara構造の存在は、MoAb3にとって重要であるように見え、この抗体がわずかに異なるエピトープを結合することを示唆している。
実施例3−MoAb1捕捉用抗体およびA194−01検出抗体用抗体を用いた追加のデータ(図中の「試験下の抗体(Antibodies Under Test)」または「試験下の抗体(Antibodies U.Test)」)
この抗体の組み合わせを使用して、さらなる臨床データを取得し、尿中のLAMの検出に対するこの抗体対の有効性を示した。
方法
試験デザインおよび試験集団
2カ所の南アフリカの地方病院での3つの独立した前向きコホート試験で収集された、HIVを抱えて生きる入院患者(>18歳)由来の生体バンクに貯蔵された尿試料を評価した。コホートの選択基準は、TB風土病設定での入院PLHIVの全コホートについての凍結尿試料の入手可能性であった。この集団で、包括的精密検査を実施して、TBまたは代替診断法を特定した。TBおよびHIV管理のための標準的な国のガイドラインを3つ全てのコホートに使用した。第1のコホート(「コホート1」)については、TB症状があり喀痰を生成できる成人をCD4カウントとは無関係に、2016年2月〜2017年8月に、Khayelitsha病院(KH)への入院の時点で登録した。コホート1は、肺外疾患のみの患者を除外した。第2コホート(「コホート2」)は、CD4カウントとは無関係に、2012年6月〜2013年10月にGF Jooste Hospitalの成人内科病棟に入院した成人を、喀痰を生成する能力に関係なく、またはTBを報告したがどうかに関わらず、登録した。コホート2については、試験スタッフが組織的に、入院の24時間以内に試験するために、尿、血液および2回の喀痰を収集することを試みた。第3のコホート(「コホート3」)は、KHへ入院した、CD4≦350細胞/μlのPLHIVを登録した。この集団では、TBは、2014年1月〜2016年10月の間の診察時に最も可能性の高い診断と考えられた。
全てのコホートは、抗TB療法をすでに受けている患者を除外した。コホート1および2では、登録を連続して行った。コホート3は、全ての潜在的適格患者を毎日特定した後にランダム選択法を使用した。全てのコホートでは、患者を、入院時に登録した。M.tb参照標準検査用の喀痰、血液および尿検体を登録時に収集し、追加の臨床試料を、入院および追跡調査中に得た。全コホートにわたる喀痰収集を、経験豊かな看護師または訓練された臨床研究作業者により行い、以前に記載のように、必要に応じ喀痰誘導を実施した。
全ての試験関連業務は、University of Cape Town(UCT)のヒト研究倫理委員会(HREC)により承認された。試験プロトコルに従って、書面でのインフォームドコンセントを患者から取得した。試験参加は、標準治療に影響を与えなかった。報告は、STARDガイドラインに従った。レトロスペクティブ尿LAM試験を、スポンサー、FINDにより監督し、2018年4月にUCTで実施した。
検査室手法
未処理尿の凍結尿分割量を周囲温度に解凍し、マニュアルで混合した。すぐに試験に使用しない試料を、4℃で最大4時間保存した。アリーアLF−LAM試験を、製造業者の説明書に従って実施した。上述の試験下の抗体対(MoAb1捕捉用抗体およびA194−01検出抗体用抗体)を、以下のように試験した。手短に説明すると、尿を、金標識A194−01を含む試薬チューブに指標線まで加え(約200μl)、混合し、周囲温度で40分間インキュベートした。再度混合後、チューブからの尿/試薬の2滴を、「検査」ライン上に固定されたMoAb1捕捉抗体を有するラテラルフローポイント・オブ・ケアイムノアッセイである、検査片に添加した。尿中に抗原が存在する場合には、MoAb1捕捉抗体は「検査」ライン上の抗原−A194−01−金錯体を捕捉して、サンドイッチフォーマットでMoAb1−抗原−A194−01−金錯体を形成する。結果を10分以内に読み取った。読み取り装置は必要なく、結果を、目視検査により解釈した。試験ライン上に認められるすべての線を、TB陽性とみなした。
両方のアッセイを、インデックス検査または対照薬検査のそれぞれの検査結果、患者状態および全てのその他の試験結果を知らない2人のリーダーにより独立に読み取った。初期の独立した検査解釈後に、リーダーは、結果を比較し、不一致がある場合には、検査片を再検査し、分析に使用される最終統一見解(相互の合意により)を形成する。アッセイの失敗の場合には、検査を1回反復した。
参照標準検査では、検体を、南アフリカ国立臨床検査サービスの集中型公認試験室の規格化プロトコルを用いて処理した。参照標準検査は、全ての利用可能な喀痰検体で実施され、GeneXpert MTB/RIF(Xpert,Cepheid,Sunnyvale,USA;検査は、MTB/RIFを延ばす前に行う)、オーラミンO染色後のスメア蛍光顕微鏡法、MGIT液体培養(Becton Dickinson,Franklin Lakes,USA)およびLowenstein−Jensen(LJ)培地上での固体培養を含んだ。
固体および液体培養物中のMtb錯体の存在を、MPT64抗原検出および/またはMTBDRplusラインプローブアッセイ(Hain Lifesciences,Nehren,Germany)で確認した。全ての参加者由来の血液培養を、BACTEC(登録商標)Myco/F溶解培養バイアル(Becton Dickinson,Franklin Lakes,USA)中で実施し、WHO事前選定インビトロ診断検査を、HIV検査(急速診断検査)およびCD4細胞計数(フローサイトメトリー)のために使用した。尿中Xpert試験では、20〜40mlの尿を遠心分離し、上清を除去後、ペレットを残留物尿量中に再懸濁し、0.75mlを、Xpertを用いて検査した。コホート2および3については、臨床的に必要な場合には、胸水、脳脊髄液および組織細針吸引物などの追加の呼吸器および非呼吸器試料を得て、MGIT培養またはXpertを用いて検査した。臨床情報、試験下の抗体対の結果およびアリーアLF−LAM結果は、検査の時点では、参照基準の査定者には利用できなかった。
参照基準分類
患者を、臨床および検査所見の組み合わせを用いて、4つの診断分類に割り当てた。これを、データ分析の前にインデックス検査結果を知らなかった治験責任医師により実施した。「明確なTB」は、微生物学的に確認されたMtb(入院中に任意の培養物または任意のXpert MTB/RIF(「Xpert」)でMtb陽性)を有する患者を含んだ。「TBでない」は、顕微鏡、培養物およびXpert検査の全てでMtb陰性(および少なくとも1つの非汚染培養結果)を有し、抗TB治療を開始しておらず、3ヶ月追跡調査で生存または改善された患者であった。「TBの可能性」は、「明確なTB」の診断基準を満たさないが、TBを示唆する臨床的/放射線医学的特徴を有し、TB治療を開始した患者であった。これらの分類に入らない患者を、この診断精度試験について「分類不可能」であるとみなし、主要分析から除いた。感度解析では、「分類不可能」分類を、診断精度に対して除外された影響を評価するために含めた。
統計解析
試験下の抗体およびアリーアLF−LAMを用いたLFAの精度(感度、特異性、陽性的中率(PPV)、陰性適中率(NPV)、陽性尤度比(LR+)および陰性尤度比(LR−))を、微生物学的参照基準(MRS)ならびに複合参照基準(CRS)と比較することにより決定した。「明確なTB」対「TBでない」を、参照基準陽性対陰性群に患者を割り付けるために使用した。「TBの可能性」群を、MRS内で陰性あるが、CRS内では陽性であるとみなした。プロトコルに従って、診断精度を各コホートについて別々に決定した。不均一性を、コクランのQ検定を用いて評価した。
全てのコホートの統合感度および特異性およびCD4層を推定するために、我々は、ベイジアン2変量ランダム効果モデルを用いて事後分析を実施し、試験デザイン差異を説明した。結果を、ウィルソンのスコア法に基づいて、95%信頼区間(95%CI)で示す。差異(Δ)のパーセンテージによる95%CI(試験下の抗体対およびアリーアLF−LAMに対する)を、Tangoのスコア法を用いて計算した。2つの検査間の差異を、差異の95%CI中に0%が含まれない場合に有意であるとみなした。コーエンカッパ統計を用いて、LAM検査の2人の独立したリーダーの間で陽性および陰性の結果の一致を計算した。事後分析に加えて、微生物学的に確認されたTB患者(少なくとも1つの任意のタイプの臨床検体中の培養物またはXpertによるMtbの検出として定義された)の合計数を、受診の最初の24時間以内に収集した試料の、試験下の抗体、アリーアLF−LAM、喀痰Xpert(カートリッジバージョンG4)および喀痰スメア顕微鏡検査の単一検査の比較による診断収率を計算するための共通因子(分母)として使用した。この分析は、コホート2に限定された。理由は、このコホートが、入院の最初の24時間以内に全ての患者中のこれらの診断試料(可能な場合にはいつでも、血液、尿および2回の喀痰試料)を収集するように組織的に試みることにより、診断収率を評価するようにデザインされたためである。データ分析を、R(バージョン3.5.1)およびMatlabバージョン2017bを用いて実施した。
結果
患者
全体で、1188人の患者が適格であり、レトロスペクティブ検査を考慮した;220人の患者は、尿試料が利用できない(n=93)、試験下の抗体検査に失敗した(n=6)または分類不可能である(n=121)という理由で主分析から除外された。「分類不可能」に対する主要な理由は、診断実施前に死亡(n=62)および生命状態または臨床的状態の改善が診断には必要である場合の追跡不能(n=17)であった。主解析に含めた968人の患者のうち、600人(62%)が明確なTBとして、91人(9%)がTBの可能性として、および277人(29%)がTBでないとして分類された。TB診断のための微生物学的参照基準は、合計6,397件の培養物検査およびXpert検査(平均6.2件/患者)により情報提供され、ならびに3,261件の喀痰試料検査および3,136件の非喀痰検査を含んだ。合計236人の患者(24.4%)が、喀痰試料を提供できなかった。明確なTB診断は、19.5%の患者(117人/600人)の非喀痰試料由来の結果に基づいた。TB発生率は、コホート1、2および3に対し、それぞれ49%、38%、および82%であった。殆どの患者は、若い免疫無防備状態の成人(中間年齢:35歳)であり、中央値CD4カウントは、コホート1、2、および3に対しそれぞれ、113細胞/μl、153細胞/μl、および59細胞/μlであった。全コホートでは、45%が事前のTB治療歴を有し、コホート1および3の全ての患者および90%のコホート2が明確なWHOのTBのための症状選別を有した。
試験下の抗体およびアリーアLF−LAMの精度
分析は、MRSに対してアリーアLF−LAMの42.3%(95%CI:31.7〜51.8)の感度に比較して、試験下の抗体に対し、70.4%(53.0〜83.1)の感度を示し、2種の検査間の差異は28.1%(21.5〜34.4)であった(図8)。MRSに対する最大の試験下の抗体感度は、コホート2(65.9%)およびコホート1(59.6%)に比べて、より進行したHIV関連免疫抑制を有する患者を登録した(すなわち、より多くの患者が100細胞/μl未満のCD4カウントを有する)コホート3(81.0%)で観察された。患者をCD4カウントで層別化すると、増加する感度(両アッセイに対し)と減少するCD4カウントの間に半比例関係が存在する。100細胞/μl未満のCD4カウントを有する患者では、アリーアLF−LAMの57.3%(42.2〜69.6)の感度に比較して、試験下の抗体は、84.2%(71.4〜91.4)の感度を有し、2種の検査間の差異は26.9%(16.8〜36.7)であった(図8)。感度(31.8%;22.7〜40.3)の類似の差異は、より多くの免疫正常患者(CD4>200細胞/μl)で観察されたが、全体感度は、この集団では両アッセイでより低かった;試験下の抗体で44.0%(29.7〜58.5)およびアリーアLF−LAMで12.2%(4.6〜23.7)。CRSの使用により、両アッセイの感度がわずかに低下し、全体試験下の抗体の点推定は、64.9%(50.1〜76.7)およびアリーアLF−LAMの点推定は、38.2%(28.1〜47.3)であった。試験下の抗体とアリーアLF−LAMの間の感度の差異の95%信頼区間は、ゼロで重なり合わなかったので(3つのコホート、およびCD4層内の全体で)、試験下の抗体は統計的にアリーアLF−LAMより有意により高感度であると見なされた(図8)。MRSに対して、特異性の推定値は、試験下の抗体、およびアリーアLF−LAMで、それぞれ、90.8%(86.0〜94.4)および95.0%(87.7〜98.8)であり、統計的非有意差を表す(−4.2%;12.7〜4.4)。CRSを用いた、特異性の推定値は、試験下の抗体で95.7%(92.0〜98.0)、およびアリーアLF−LAMで98.2%(95.7〜99.6)に増大し、この場合も、統計的非有意差を表す(−2.5%;−11.2〜6.3)。試験下の抗体アッセイの特異性は、CD4>100細胞/μlを有するものに比べて、CD4≦100細胞/μlを有するものの中で、低かった(CRSを使って91.2%)(図8)。CRSを使って、11種の試験下の抗体の擬陽性の試料のうちの8種が、CD4カウント、≦100細胞/μlの患者由来であった。CRSを使って、3つの異なるコホートのPPVは、試験下の抗体およびアリーアLF−LAMに対しそれぞれ、90.6〜99.4%および93.8〜100.0%の範囲であった。NPVは、試験下の抗体およびアリーアLF−LAMに対しそれぞれ、24.8〜71.8%および13.7〜62.5%の範囲であった。陽性尤度比(LR+)は、試験下の抗体およびアリーアLF−LAMに対しそれぞれ、8.9〜18.5および13.8〜17.3の範囲であった。陰性尤度比(LR−)は、試験下の抗体およびアリーアLF−LAMに対しそれぞれ、0.3〜0.4および0.6〜0.7の範囲であった。
入院の24時間以内の診断収率
コホート2からの合計420人の患者が、診断収率の分析に適格であった。適格患者中、36.4%(153/420)のみが入院の最初の24時間内に喀痰試料を生成可能であり、一方、99.5%(418/420)が、このコホートに対し、前に説明のように尿試料を提供できた。合計141人の患者が、微生物学的に確認されたTBを有した。合計59.6%(84/141)のTB症例が、迅速検査を用いて入院の最初の24時間に収集した試料により診断可能であった:喀痰Xpertから26.2%(37.141)および1mlの投入体積を利用して尿Xpertから41.8%(59/141)。TB診断の残りの40.4%(57/141)は、最初の24時間に達成できず、患者の入院中の任意の時点で収集された任意の検体についてのマイコバクテリア培養物により達成され、20〜40mlの尿由来の濃縮試料に対してXpertにより診断、または最初の24時間後に収集された検体に対するXpert検査により診断された。培養およびXpert検査のために収集された追加の検体は、腹水、血液、尿、喀痰、脳脊髄液、胃洗浄液膿または胸水を含んだ。図9は、最初の24時間からの他の迅速診断法と比較した、試験下の抗体およびアリーアLF−LAMの診断収率を示す。試験下の抗体の導入で、アリーアLF−LAMの43.3%(61/141)に比べて、TB症例の64.5%(91/141)を、受診の数時間以内に臨床で迅速に診断できたであろう。入院の最初の24時間以内の喀痰Xpertと試験下の抗体の組み合わせは、微生物学的に確認された症例の72.3%(102/141)を診断できたであろう。喀痰スメア顕微鏡と試験下の抗体の組み合わせは、69.5%(98/141)の診断収率を有したであろう。
失敗率およびリーダーの一致
合計で、1.6%(18/1095)の試験下の抗体アッセイが最初の試みで失敗した。繰り返し得る15件のうち、3件が2回目の試みに失敗し、1.9%の合計の全体エラー率(21/1110検査)をもたらす。アリーアLF−LAMエラー率は、最初の試みで0.4%(4/1095)であり、全4件の反復検査は、第2の試みで結果が得られた。まとめると、試験下の抗体アッセイは、アリーアLF−LAMに類似の失敗率を有し、試験下の抗体アッセイの失敗率は、このようなアッセイの製造で一般に使用される標準的品質管理手段によりさらに減らすことができる。同じ検査の2人の独立の盲検下の目視読み取りの一致率は、試験下の抗体およびアリーアLF−LAMの両方に対し、高かった。試験下の抗体は、97.0%(938/967;カッパ係数0.94)の一致率を有し、一方、アリーアLF−LAMリーダー間の一致率は、96.7%(934/966;カッパ計数0.92)であった。
考察
高負荷環境中でのこの968人の入院PLHIVの評価では、試験下の抗体ポイント・オブ・ケアアッセイは、アリーアLF−LAMよりも有意により高い比率のTB患者を特定し、同時に、同等の特異性を維持した。全てのサブ解析では、試験下の抗体の感度は、アリーアLF−LAMより有意に高かった(22〜35%の範囲)。最大のリスクを有する患者(CD4≦100細胞/μlの患者)では、試験下の抗体は、84.2%の最高の感度を有し、これは、アリーアLF−LAMより26.9%高かった。喀痰Xpertとの組み合わせでは、試験下の抗体は、入院の最初の日に、微生物学的に確証されたTBのほぼ3/4を診断し得る。アリーアLF−LAMに対するWHO推奨に基づき形成したメタアナリシスは、PLHIV中の45%の全体感度を報告し、これは、この試験で見られるアリーアLF−LAMの感度42〜3%と類似であり、評価された集団がWHOメタアナリシスの集団と類似であることを示唆する。
まとめると、これらの結果は、臨床診療で実施され、かつ適切な治療と結びつけられる場合、試験下の抗体ポイント・オブ・ケアアッセイは、入院患者中の大きな比率のHIV関連TBの早期診断を可能にすることにより、多くの命を救うことができるであろう。試験下の抗体特異性の点推定は、アリーアLF−LAMに比べて低かった。試験下の抗体とアリーアLF−LAMの間の特異性の差異は有意ではないが、アリーアLF−LAMおよび試験下の抗体の両方の低減した特異性は、完全な感度を欠く不完全な参照基準により部分的に説明できるであろう。既存の参照基準は、これらの患者が少菌型の疾患および/または肺外結核を有する可能性がより高く、診断をより困難にするので、免疫無防備状態のPLHIV中のTBを特定するその能力に特に限界がある。
不完全な参照基準は、より高好感度の検査に不釣り合いに影響を与え、擬陽性を増大させ、すなわち、より高感度の試験下の抗体アッセイ場合に、より低い特異性を生じる可能性がある。この試験でのCD4カウントの低減に伴い認められる特異性の低減、およびMRSに比べてCRSで認められる改善された特異性は、この説明をさらに裏付ける。共通の尿路病原体および急成長非結核性マイコバクテリアに対する交差反応性は、試験下の抗体に対する以前の試験(実施例1、表2A)では除外された。
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明確にするため別個の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴が、単一の実施形態に組み合わせて提供され得ることも理解されよう。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態として説明されている本発明の種々の特徴は、別々にまたは任意の好適な副組み合わせで提供され得る。
本発明はその特定の実施形態と共に説明されてきたが、多くの代替物、修正物および変形物があることは当業者には明らかであろう。従って、本発明は、添付の請求項の趣旨と広い範囲に入るこのような代替物、修正物および変形物のすべてを包含することが意図されている。本明細書で挙げた刊行物、特許および特許出願はすべて、個々の刊行物、特許および特許出願のそれぞれがあたかも具体的に、個別に参照により組み込まれることが示されているのと同程度に、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、本出願における任意の文献の引用または特定が、このような文献が本発明の先行技術として利用できるということの承認と解釈されるべきではない。

Claims (54)

  1. 対象のインビトロ尿試料中のマイコバクテリアに関連する抗原の検出のための抗体であって、前記抗原が、ManLAM(マンノースキャップ型リポアラビノマンナン)を含み、前記抗体が、前記尿由来の前記ManLAM分子に特異的に結合し、前記抗体が、3x10−8M以下のKDを有する親和性で前記ManLAMに結合し、かつ前記抗体が、10−3M以上のKDの親和性でイノシトールリン酸でキャップされていないまたはキャップされているLAM分子に結合する、抗体。
  2. 前記ManLAMが、MTXキャップ型ManLAMを含み、マンノシドキャップが5−デオキシ−5−メチルチオ−キシロ部分の結合によりさらに修飾されることを特徴とする、請求項1に記載の抗体。
  3. 前記MTXキャップ型ManLAMが、アルファ1−4結合メチルキシロース残基でさらに置換される2つのアルファ1−2−Manp結合残基を特徴とするMTX−Man2キャップ型ManLAMを含む、請求項2に記載の抗体。
  4. 前記抗体が、Manpの特徴を含む前記ManLAMのエピトープに結合する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗体。
  5. 前記抗体が、グリカン7、グリカン8、グリカン9、グリカン10、およびグリカン11からなる群より選択されるモチーフを備えることを特徴とする前記ManLAMのエピトープに結合する、請求項4に記載の抗体。
  6. 前記エピトープが、MTX−ジマンノース部分を備えることをさらに特徴とする、請求項4または5に記載の抗体。
  7. 対象由来の尿試料を用いて前記対象中の成長が遅いマイコバクテリアの存在を検出するために好適な、請求項1〜6のいずれか1項に記載の抗体。
  8. 結核菌(Mycobacterium tuberculosis)またはウシ型結核菌(M.bovis)に関連する抗原を検出するために好適な、請求項7に記載の抗体。
  9. 前記抗体が、前記対象の尿中の急速成長マイコバクテリア由来のマーカーと交差反応しない、請求項7または8に記載の抗体。
  10. 前記抗体が、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(M.fortuitum)、スメグマ菌(M.smegmatis)、マイコバクテリウム・アブセサス(M.abscessus)、またはマイコバクテリウム・ケロネー(M.chelonae)に関連するマーカーと交差反応しない、請求項9に記載の抗体。
  11. 前記抗体が、マイコバクテリウム・ゴルドナエ(M.gordonae)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(M.intracellulare)、およびマイコバクテリウム・アビウム(M.avium)からなる群より選択される成長が遅いマイコバクテリアに関連するマーカーに対し少なくとも10倍低い反応性を示す、請求項7〜9のいずれか1項に記載の抗体。
  12. 前記抗体が、非マイコバクテリア細菌種の検出に比べて少なくとも1500倍大きな反応性で前記結核菌(Mycobacterium tuberculosis)またはウシ型結核菌(M.bovis)に関連する前記抗原を検出する、請求項7〜11のいずれか1項に記載の抗体。
  13. 前記非マイコバクテリウム細菌種が、ゴルドニア・ブロンキアリス(Gordonia bronchialis)、ノカルジア・アステロイデス菌種(Nocardia asteroides)、ロドコッカス菌種(Rhodococcus sp.),ツカムレラ・パウロメタボルム(Tsukamurella paurometabolum)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、コリネバクテリウム・ウレアリティカム(Corynebacterium urealyticum)、大腸菌(Escherichia coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、腐性ブドウ球菌(Staphylococcus saprophyticus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、プロテウス・ミラビリス (Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenza)、エンテロコッカス・フィカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、またはトラコーマ病原体(Chlamydia trachomatis)の1種または複数を含む、請求項12に記載の抗体。
  14. 前記抗原を検出するためのサンドイッチイムノアッセイにおいて捕捉抗体としての使用に好適な、請求項1〜13のいずれか1項に記載の抗体。
  15. 前記抗原を検出するためのサンドイッチイムノアッセイにおいて検出抗体としての使用に好適な、請求項1〜14のいずれか1項に記載の抗体。
  16. 対象中の病原性マイコバクテリアの存在を差次的に検出するための方法であって、前記対象の尿と請求項1〜15のいずれか1項に記載の抗体を接触させること;前記尿中の抗原への前記抗体の結合を検出すること;前記抗体が3x10−8M以下のKDを有する親和性で前記尿中の前記抗原に特異的に結合する場合、前記ManLAM分子を特徴とする前記病原性マイコバクテリアが前記対象の身体中に存在すると決定することを含む、方法。
  17. 前記抗体が、非病原性マイコバクテリアの抗原に対するよりも少なくとも3倍大きいシグナルで前記尿中の前記病原性マイコバクテリアの抗原に結合する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記尿に第1の抗体を適用して前記抗原に結合させること;および前記尿に第2の抗体を適用して第2の抗原に結合させることをさらに含み、前記第1の抗体は、請求項1〜17のいずれか1項に記載されるように特徴付けられ、前記第2の抗体は、前記第1の抗体と同じ抗原には結合せず、かつ前記第1と第2の抗原は、前記ManLAM分子を含み、前記第1と第2の抗体の片方は、捕捉抗体でありかつ前記第1と第2の抗体のもう一方は、イムノアッセイにおける検出抗体である、請求項16または17に記載の方法。
  19. 前記第2の抗体が、3x10−5M以下のKDを有する親和性で前記ManLAM分子のポリアラビノース構造に結合することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
  20. 前記抗体が、ara4および/またはara6に特異的に結合する、請求項19に記載の方法。
  21. MoAb1、13H3、27D2およびA194−01抗体からなる群より選択される抗体と前記尿を接触させるステップを含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. サンドイッチイムノアッセイにおいて前記MoAb1、13H3、27D2またはA194−1抗体の複数の組み合わせと前記尿を接触させるステップを含む、請求項21に記載の方法。
  23. サンドイッチイムノアッセイにおいて前記MoAb1およびA194−1抗体の組み合わせと前記尿を接触させるステップを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記対象の分類のための好適な参照標準診断を用いて結核でない対象由来の試料に比較して結核に罹患している対象由来の試料の中央値シグナル間で3倍またはそれより大きい倍率変化を達成するために好適な第2の抗体を有する試料に前記MoAb1抗体を適用することを含む、請求項21〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記参照標準診断が、対象を分類するためのマイコバクテリア培養物またはPCRベース法に基づく、請求項23に記載の方法。
  26. 好適な比較標準アッセイを用いて結核でない対象由来の試料に比較して結核に罹患している少なくとも20%多い対象を検出するために試料に前記MoAb1抗体を適用することを含み、前記好適な比較標準アッセイが、前記アリーアLF−LAMを含む、請求項21または22に記載の方法。
  27. 結核でない対象由来の尿試料中の検出されたManLAM抗原特異的サンドイッチイムノアッセイシグナルが、集団中の少なくとも70%の前記試料について11pgManLAM/ml未満である、請求項21〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記シグナルが、前記集団中の少なくとも80%の試料について検出限界より小さい、請求項27に記載の方法。
  29. 前記シグナルが、前記集団中の少なくとも90%の試料について検出限界より小さい、請求項28に記載の方法。
  30. 前記シグナルが、前記集団中の少なくとも95%の試料について検出限界より小さい、請求項29に記載の方法。
  31. 前記シグナルが、前記集団中の少なくとも97%の試料について検出限界より小さい、請求項30に記載の方法。
  32. 結核の対象由来の尿試料中の前記検出ManLAM抗原特異的サンドイッチイムノアッセイシグナルが、集団中の少なくとも40%の前記試料について11pgManLAM/mlを超える、請求項21〜31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記シグナルが、前記集団中の少なくとも50%の前記試料について前記検出限界を超える、請求項32に記載の方法。
  34. 前記シグナルが、前記集団中の少なくとも60%の前記試料について前記検出限界を超える、請求項33に記載の方法。
  35. 前記シグナルが、前記集団中の少なくとも75%の前記試料について前記検出限界を超える、請求項34に記載の方法。
  36. 前記シグナルが、前記集団中の少なくとも90%の前記試料について前記検出限界を超える、請求項35に記載の方法。
  37. HIVウイルスの非存在下で前記対象中のTB病原性マイコバクテリアを検出することをさらに含む、請求項1〜36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記抗体の前記抗原への結合に基づくイムノアッセイのAUC(曲線下面積)が、少なくとも0.70である、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 前記AUCが、少なくとも0.80である、請求項38に記載の方法。
  40. 前記AUCが、少なくとも0.85である、請求項39に記載の方法。
  41. 前記AUCが、少なくとも0.90である、請求項40に記載の方法。
  42. 前記AUCが、少なくとも0.95である、請求項41に記載の方法。
  43. 前記AUCが、少なくとも0.98である、請求項42に記載の方法。
  44. の前記第1と第2の抗体の片方が捕捉抗体でありかつ前記第1と第2の抗体のもう一方が検出抗体であるイムノアッセイにおいて、対象由来のインビトロ尿試料中のマイコバクテリアに関連する抗原を検出するために前記第1の抗体として前記MoAb1抗体または前記13H3抗体、および第2の抗体として前記A194−01抗体または前記27D2抗体の組み合わせを適用することを含む、請求項1〜43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 前記検出が、イムノアッセイを用いて実施され、前記組み合わせが、前記アリーアLF−LAM検査より少なくとも20%高い臨床的感度を有する、請求項44に記載の方法。
  46. 前記対象の身体中の前記病原性マイコバクテリアの存在に従い結核の前記対象を診断することをさらに含む、請求項1〜45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 前記診断が、前記対象中の活動性結核感染の存在を検出することをさらに含む、請求項46に記載の方法。
  48. 前記病原性マイコバクテリアの存在に従い結核に対する前記対象の治療の有効性をモニターすることをさらに含む、請求項47に記載の方法。
  49. 臨床的感度をさらに高めるために前記イムノアッセイでの検出の前に前記試料中のManLAMを含む前記抗原を濃縮することをさらに含む、請求項1〜48のいずれか1項に記載の方法。
  50. 前記抗原を濃縮することが、前記試料に磁気ビーズまたは限外濾過を適用することを含む、請求項49に記載の方法。
  51. 前記対象中の病原性マイコバクテリアの存在と前記対象中の非病原性マイコバクテリアの存在を鑑別することをさらに含む、請求項1〜50のいずれか1項に記載の方法。
  52. 前記対象の環境由来の混入細菌の存在下で前記対象中の病原性マイコバクテリアの存在を特異的に検出することをさらに含む、請求項1〜51のいずれか1項に記載の方法。
  53. 前記混入細菌が、ゴルドニア・ブロンキアリス(Gordonia bronchialis)、ノカルジア・アステロイデス菌種(Nocardia asteroides)、ロドコッカス菌種(Rhodococcus sp.),ツカムレラ・パウロメタボルム(Tsukamurella paurometabolum)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、コリネバクテリウム・ウレアリティカム(Corynebacterium urealyticum)、大腸菌(Escherichia coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、腐性ブドウ球菌(Staphylococcus saprophyticus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、プロテウス・ミラビリス (Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenza)、エンテロコッカス・フィカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、トラコーマ病原体(Chlamydia trachomatis)、または非結核性抗酸菌(Nontuberculous mycobacteria)の1種または複数を含む、請求項52に記載の方法。
  54. 前記抗体を接触させることの前に前記尿を加熱することをさらに含む、請求項1〜53のいずれか1項に記載の方法。

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