JP2021521146A - アルファ−,ベータ−ジヒドロキシカルボニル化合物の乳酸及び他の生成物への脱水及び分解 - Google Patents

アルファ−,ベータ−ジヒドロキシカルボニル化合物の乳酸及び他の生成物への脱水及び分解 Download PDF

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Abstract

カルボニル官能基(C=O)を有し、カルボニル官能基に対するα位及びβ位の炭素原子がヒドロキシ置換されている出発基質から分解生成物を合成するためのプロセスを開示する。一実施形態においては、α−,β−ジヒドロキシカルボン酸又はカルボキシレートを脱水して、α−ヒドロキシ基を第2カルボニル基に変換すると共にβ−ヒドロキシ基を除去することにより、ジカルボニル中間体が生成する。このジカルボニル中間体を分解することにより、第1及び第2カルボニル基を保存している分解生成物が生成する。ジカルボニル中間体の炭素−炭素結合を切断することにより生成する(i)分解生成物及び(ii)第2の分解生成物の一方又は両方を水素化することにより追加的な生成物を生成してもよい。

Description

発明の分野
[01] 本発明は、多くの高価値な最終生成物の前駆体となるピルビン酸やグリセルアルデヒドを含む分解生成物を合成するための方法であって、この分解生成物及び最終生成物は、出発物質であるα−,β−ジヒドロキシカルボニル化合物(グルコースから得られる生成物等のα−,β−ジヒドロキシカルボン酸及びカルボキシレートを含む)に対して炭素原子数が少ない、方法に関する。
背景技術
[02] 化石燃料の枯渇が大きな契機となり、石油系炭素の代替として、プロピレングリコール及びその他の炭素数3(C)の製品をはじめとする、炭素原子数の少ない、いわゆる「プラットフォーム」分子の製造に使用するための供給源が探索されてきた。現在、バイオマスは、この種の公知の高価値な石油系化学物質の多くを誘導することができる有望な代替品と捉えられているが、この種の化学物質を再生可能資源から製造するための持続可能技術を発展させることは依然として大きな難題である。近年、バイオディーゼル産業から、植物性油及び動物性脂肪中のトリグリセリドを精製する際の副産物として、多量の粗生成グリセロールが生成されている。このグリセロールも同じく、プロピレングリコール等のより炭素数の少ない高価値な化学物質を製造するための供給原料としての役割を果たすことができる。しかしながら、グリセロールをこの目的で十分に精製するために必要な工程にかかる費用は相当なものであり、バイオディーゼル産業は、採算を取るために税額控除及び他の形の政府補助金に大きく依存している。
[03] 本発明の最新技術は、容易に入手可能又は取得可能な基質、特に、再生可能な炭水化物系供給源から誘導される基質からピルビン酸やグリセルアルデヒド等の高価値な中間体を合成する経路によって、及び/又は下流の転化生成物である乳酸、グリセロール、プロピレングリコール等によって、多大な利益をもたらすであろう。
発明の概要
[04] 本発明の態様は、例えば、グルコースを酸化することによって容易に得られるグルコン酸やグルカル酸等を基質として利用することができる合成方法を見出したことに関連する。この種の基質は、高温条件下においてはその前駆体であるアルデヒド(例えば、グルコース)と比べてより高い安定性を示す傾向にあり、それにより、1種又は複数種の決められた生成物を得るための所望の反応順に沿って反応選択性及び収率を向上させることが可能になる。したがって、望ましくない副反応に起因する生成物の損失が低減される。特に関心が寄せられている生成物としては、炭素−炭素結合の切断により生成し、したがって使用された基質よりも炭素原子数の少ない「分解(cracked)」生成物が挙げられる。アルデヒド前駆体を酸化してカルボキシレートにすることにより好適な基質を得ることは簡潔且つ低コストであり、一般に、酸化剤として空気が必要となるのみである。特定の態様は、カルボキシレートアニオンを含む基質が、溶液中で一連の反応段階に進み、ピルビン酸やグリセルアルデヒド等の炭素原子数3の望ましい分解生成物の生成に導くことができる能力が関与するものであり、これらは更に、同一反応条件(例えば水素化/還元)で望ましい最終生成物、例えば、乳酸、グリセロール、更にはプロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)にさえも転化することができる。
[05] 特定の態様は、出発物質であるα−,β−ジヒドロキシカルボニル化合物からジカルボニル中間体を生成することに続いて、分解ステップを利用する合成経路に関する。分解は、本明細書に記載する反応条件下で分解触媒を使用することにより促進することができる。炭素原子数がより少ない分解生成物としては、例えば、上に記載したものなどの、炭素原子数が4、5、又は6である任意の基質又は出発化合物から合成することができる、炭素原子数3の化合物が挙げられる。この種の基質は、例えば、分解生成物として、一般にピルビン酸を生成することができる。より具体的な態様は、この種の合成経路又はこの種の経路の個々の反応ステップを、非酵素的に、つまり、反応混合物中に酵素(例えば、ポリペプチド)を使用することなく実施することができることを見出したことに関連する。本明細書に記載する、生物学的触媒とは異なる1種又は複数種の化学的触媒のみを使用する方法等の非酵素的に実施される方法の場合、その利点は、可能な反応条件の範囲を、例えば、生物学的薬剤に不利益をもたらすであろう(例えば、酵素等のタンパク質を変性させるであろう)温度及び/又はpH条件まで広げることができるにも拘らず、所望の中間体及び/又は最終生成物の生産性を高くすることができるという点にある。他の利点は、運転コストが低減されること、特に、酵素を生成物から分離することに付随するコストと比較して、不均一又は均一化学的触媒の分離に付随するコストが抑えられることによって得ることができる。幾つかの実施形態によれば、本明細書に記載する合成ステップである(i)出発化合物を、ジカルボニル中間体を生成するために脱水するステップ、(ii)ジカルボニル中間体を、分解生成物を生成するために分解するステップ、(iii)分解生成物を、最終生成物を生成するために水素化するステップ、及び(iv)第2の分解生成物を、追加量の最終生成物にするために転化するステップ、の少なくとも1つは、非酵素的反応ステップである(即ち、酵素触媒作用を用いない)。好ましくは、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)の少なくとも2つは非酵素的反応ステップであり、より好ましくは、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)の少なくとも3つは非酵素的反応ステップであり、更により好ましくは、(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)は全て非酵素的反応ステップである。
[06] 本発明の実施形態は、出発化合物よりも炭素原子数が少ない分解生成物を合成するための方法に関する。出発化合物又は基質はカルボニル官能基(C=O)を含み、このカルボニル官能基に対しアルファ(α)及びベータ(β)位に位置する炭素原子がヒドロキシ置換されている。1つの反応ステップによれば、この出発化合物、即ち、α−,β−ジヒドロキシカルボニル化合物(即ち、α−,β−ジヒドロキシカルボン酸及びカルボキシレートを包含する化合物の一般的な分類)を脱水すると、α−ヒドロキシ基が第2のカルボニル基(出発化合物のカルボニル基に隣接する)に変換され、β−ヒドロキシ基が除去されることにより、ジカルボニル中間体が生成する。次いでこのジカルボニル中間体を分解すると、それ自体がジカルボニル化合物であるが、炭素原子数がジカルボニル中間体よりも少なく、第1及び第2カルボニル基が保存されている、分解生成物が生成する。一般に、この分解により、分解(ジカルボニル)生成物とは異なる、アルデヒドやカルボキシレート等の第2の分解生成物が生成する。多くの場合、炭素原子数6の基質では、分解(ジカルボニル)生成物及び第2の分解(例えば、アルデヒド又はカルボキシレート)生成物はいずれも、グリセルアルデヒドや2−ヒドロキシ−3−オキソプロパン酸等の炭素原子数3の生成物となり得る。炭素原子数5の基質では、分解(ジカルボニル)生成物は炭素原子数3の生成物となり得、第2の分解(例えば、アルデヒド又はカルボキシレート)生成物は2−ヒドロキシアセトアルデヒドや2−オキソ酢酸等の炭素原子数2の生成物となり得る。炭素原子数4の基質では、分解(ジカルボニル)生成物は、炭素原子数3の生成物となり得、第2の分解(例えば、アルデヒド又はカルボキシレート)生成物は、ホルムアルデヒドやギ酸等の炭素原子数1の生成物となり得る。
[07] 反応環境中に存在し得る分解生成物及び第2の分解生成物の一方又は両方を、例えば、還元条件(例えば、高水素分圧)下で水素化/還元することにより更に転化して、水素化された最終生成物とすることもできる。この種の水素化された最終生成物は、分解(ジカルボニル)生成物がピルビン酸の場合は、乳酸を含み得、第2の分解(例えば、アルデヒド又はカルボキシレート)生成物がグリセルアルデヒド又は2−ヒドロキシ−3−オキソプロパン酸である場合は、それぞれグリセロール又はグリセリン酸を含み得る。他の有益な最終生成物としては、1,2−水素移動又は水素転位(カニッツァロ反応)が関与する反応を介してグリセルアルデヒドから生成する乳酸を挙げることができる。
[08] 上記及び他の態様、実施形態、及び付随する利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
図面の簡単な説明
[09]本明細書に記載する合成方法に従う分解生成物及び最終生成物を合成するためのステップを含む一般的な反応機構を例示するものである。 [10]グルコン酸を出発物質又は基質とする特定の反応機構を例示するものである。
[11] この図面は、基本原理及び関与する反応の化学的性質の理解を助けることを目的として本発明の実施形態を示すものであるが、添付の特許請求の範囲に定義する本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。本発明の他の様々な実施形態による合成方法が、(少なくともその一部が)具体的な目的に応じて決定された特定の試薬及び反応条件を利用するであろうことは、本開示に関する知識を有する当業者に明らかであろう。
実施形態の詳細な説明
[12] 本明細書において用いられる「基質」という語又は代替的な「出発化合物」という語は、「脱水」、「分解」、及び任意選択的な「水素化」等の1つ又は好ましくは一連の転化ステップに付されることにより1種又は複数種の分解生成物及び/又は最終生成物を生成する初期化合物を指す。これらの転化ステップは、先行する転化ステップ、例えば、分解生成物及び/又は最終生成物の生成に使用されるものと同一反応条件下で(例えば、同一反応器内で)又は異なる反応条件下で(例えば、別個の反応器内で)行われる転化ステップの利用を除外しない。そのような先行する転化ステップとしては、グルコース等の容易に入手可能な前駆体を、酸化等によって出発化合物であるグルコン酸又はグルカル酸に転化することを挙げることができる。同様に、「分解生成物を生成するために」又は「最終生成物を生成するために」実施されるステップは、1種又は複数種の他の所望の最終生成物を得ることを目的とする後続の転化ステップ、例えば、分解生成物及び/又は最終生成物の生成に使用されるものと同一反応条件下で(例えば、同一反応器内で)又は異なる反応条件下で(例えば、別個の反応器内で)行われる転化ステップの利用を除外しない。例えば、水素化された最終生成物としての乳酸は、プロピレングリコール又はアクリル酸へと更に転化することができる。水素化された最終生成物としてのグリセリン酸は更にグリセロールに転化することができる。
[13] 「mol%」及び「wt%」という語は、それぞれモルによるパーセント及び重量によるパーセントという意味での量又は濃度を表すために使用される。「mol%」に換算して与えられる生成物の収率は、使用された基質の(反応器に投入(introduce)又は供給(feed)された)モル数を基準とする、得られた所与の生成物(例えば、ピルビン酸等の分解生成物)のモル数を指す。
[14] 単独で又は他の部分(moiety)と組み合わせて使用される、例えば、「アルコキシ」、「アルコキシアルキル」、「ヒドロキシアルキル」、「カルボキシアルキル」、「アルカノイル」、及び「アルカノイルアルキル」と組み合わせて使用される「アルキル」という語は、アルカンから誘導された炭化水素部分を表す。したがって、単独で使用される場合の「アルキル」は、「メチル」(CH−)、「エチル」(C−)等を包含する。組み合わせて使用される場合の「アルコキシ」部分のアルキル部(alkyl portion)は、例えば、「メトキシ」(CH−O−)、「エトキシ」(C−O−)(これらの語は「アルコキシ」に包含される)の場合のように、該部分の末端が、分子の残りに、酸素結合−O−を介在させて結合している。「アルカノイル」部分のアルキル部は、該部分の末端が、分子の残りに、カルボニル結合−(C=O)−を介在させて結合しており、「メタノイル」(HC=O−)は末端アルデヒド部分を表し、「エタノイル」(CH−(C=O)−)は、カルボニル結合を介して結合しているメチルを表し、他も同様である(これらの語は「アルカノイルに包含される)。
[15] 「ヒドロキシ」という語は−OH部分を表し、「カルボキシ」という語は−(C=O)OH部分を表す。「ヒドロキシアルキル」という語は、「ヒドロキシメチル」(HO−CH−)、「ヒドロキシエチル」(HO−C−)等(これらの語は「ヒドロキシアルキル」に包含される)の場合のように、該部分の末端が、分子の残りに、2価のアルキル部を介在させて結合しているヒドロキシを表す。「カルボキシアルキル」という語は、例えば、「カルボキシメチル」(HO−(C=O)−CH−)、「カルボキシエチル」(HO−(C=O)−C−)(これらの語は「カルボキシアルキル」に包含される)の場合のように、該部分の末端が、分子の残りに、2価のアルキル部を介在させて結合しているカルボキシを表す。「アルコキシアルキル」という語は、上に定義した「アルコキシ」という呼称で表される末端アルコキシ部(即ち、該部分の末端に結合している)、及び介在している2価のアルキル部(「アルコキシ」がそれを介して分子の残りに結合している)の両方を含む。したがって、「アルコキシアルキル」には、「メトキシメチル」(CH−O−CH−)、「メトキシエチル」(CH−O−C−)、「エトキシメチル」(C−O−CH−)、「エトキシエチル」(C−O−C−)等が包含される。「アルカノイルアルキル」という語は、上に定義した「アルカノイル」という呼称で表される末端アルカノイル部(即ち、該部分の末端に結合している)、及び介在している2価のアルキル部(「アルカノイル」がそれを介して分子の残りに結合している)の両方を含む。したがって、「アルカノイルアルキル」には、「メタノイルメチル」(H(C=O)−CH−)、「メタノイルエチル」(H(C=O)−C−)、「エタノイルメチル」(CH−(C=O)−CH−)、「エタノイルエチル」(CH−(C=O)−C−)等が包含される。
[16] 「アルキル」に関する、又は上に定義した部分の末端若しくは介在アルキル部のいずれかに関する、「任意選択的に置換された」という語は、アルキル又はアルキル部の1又は複数の炭素−水素結合の水素置換基が、指定された置換基で置換されていることを包含することを意味する。ヒドロキシ(−OH)又はメチル(−CH)置換基の場合、末端アルキルの炭素原子の炭素−水素結合の1、2、又は3個の水素置換基が、それぞれ−OH及び/又は−CH置換基で置換されていてもよく、介在している(アルキレン)アルキルの炭素原子の炭素−水素結合の1又は2個の水素置換基が、それぞれ−OH及び/又は−CH置換基で置換されていてもよい。例えば、末端アルキル部の場合、その末端炭素原子は、2個の−CH置換基で置換されて末端イソプロピル部分となっていてもよいし、又は3個の−CH置換基で置換されて末端t−ブチル部分となっていてもよい。介在しているアルキル部、又は末端アルキル部の介在している炭素原子の場合、アルキレンの炭素原子の炭素−水素結合の1又は2個の水素置換基が−CH置換基で置換されて、対応するメチル置換又はジメチル置換誘導体となっていてもよい。本記載から、末端アルキルの炭素原子又は介在アルキルの炭素原子の、1又は複数の−OH置換基による同様の置換も理解することができる。カルボニル(=O)の置換基の場合、末端アルキルの炭素原子又は介在(アルキレン)アルキルの炭素原子のいずれかの2個の炭素−水素結合の水素置換基が=Oで置換されて、それぞれ末端アルデヒド部分(又は基)又はカルボニル部分(又は基)となっていてもよい。
[17] 部分の定義には、可能性のある部分及びそれらが置換されていてもよい様式を鑑みると、重複があり得ることが認識される。例えば「メタノイル」及び=Oで置換された末端「メチル」の場合、どちらも末端アルデヒド部分(又は基)を表す。しかしながら、所与の化合物にそれらが確実に包含されることを強調することを目的として、特定の部分について述べる。加えて、「アルキル」又は「アルキル部」を、その対応する炭素原子数に関し更に定義する場合(例えば、「1〜5個の炭素原子を有する」アルキル又はアルキル部)、任意選択的な−CH置換基(存在する場合)は、この炭素原子数には含まない。即ち、「1〜5個の炭素原子を有する」という句及びアルキル炭素原子数を定義する他の句は、所与の具体的な定義に従い−CH置換基又は他の置換基で更に置換されていてもよい、アルキル炭素原子の主鎖(backbone)の数字を表す。
[18] カルボン酸化合物は、それらの対応する塩形態を包含する。カルボン酸官能基を有する出発化合物又は基質の場合、塩形態は、通常、本明細書に記載する合成方法を実施するための水溶液中で使用される。カルボン酸の対応する塩形態としては、例えば、アルカリ金属の塩(例えば、ナトリウム塩形態)、アルカリ土類金属の塩(例えば、カルシウム塩形態)、及びアンモニウム塩が挙げられる。したがって、「グルコン酸」、「グルカル酸」、「酒石酸」、「ピルビン酸」、「乳酸」、「2−ヒドロキシ−3−オキソプロパン酸」、「グリセリン酸」等の化合物は、「グルコン酸塩」、「グルカル酸塩」、「酒石酸塩」、「ピルビン酸塩」、「乳酸塩」、「2−ヒドロキシ−3−オキソプロパン酸塩」、「グリセリン酸塩」等の塩形態を包含することを意味する。同様に、カルボン酸化合物を例示する一般構造及び具体的な構造は、両方共、それらの塩形態又はイオン化形態を包含することを意味し、それにより、例えばグルコン酸がそのカルボキシル基がイオン化されていない構造で示されている場合は、そのカルボキシル基がイオン化されている構造も包含することを意味し、その逆も同様である。この化合物の等価な構造であるイオン化されていないカルボキシル基及びイオン化されたカルボキシル基を次に示す。
Figure 2021521146
[19] 化合物は1個又は複数個の不斉中心を有することができ、構造は、特定の立体化学配置(stereochemistry)を考慮せずに例示しており、同様に、その命名法に従えば特定の立体化学配置で表示される「グルコン酸」、「グルカル酸」、及び「エリスロン酸」等の基質に関し記載する反応は、それぞれの非立体特異的基質である「2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキサン酸」、「2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン二酸」、及び「2,3,4−トリヒドロキシブタン酸」、並びにこの種の化合物のあらゆる立体異性体に関しても類似の様式で実施することができることが理解される。したがって、特段の指定がない限り、「グルコン酸」は、「グルコン酸及びその立体異性体」を包含することを意図しており、これは、特定の立体化学配置を指定している他の化合物に関しても同様のことが意図されている。本明細書に記載する一般的及び具体的な化合物は、純粋な若しくは精製された(富化された(enriched))光学異性体の形態、又はそうでない場合はそのラセミ混合物の形態で使用又は取得することができる。光学活性な基質又は出発化合物を使用すると、本明細書に記載する合成方法を用いることにより、当業者が本開示から得られる知識と併せて理解するように、光学活性な生成物が生成し得る。所望により、特定の光学異性体の精製、又は一方の光学異性体の他方の異性体に対する富化を、例えば、光学活性な酸又は塩基で処理してジアステレオマー塩を形成することにより達成することができる。適切な酸の例は、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、及びカンファースルホン酸である。適切な塩基の例は、植物由来のキラルアルカロイドである。次いでジアステレオマーの混合物を結晶化させた後、光学活性な塩基又は酸をこれらの塩から遊離させることにより分離する。光学異性体を分離するための他のプロセスは、エナンチオマーの分離を最大にするように選択されたキラルクロマトグラフィーカラムを使用することを含むものである。更なる他の利用可能な方法は、活性化形態にある光学的に純粋な酸又は光学的に純粋なイソシアナートと反応させることにより、共有結合性ジアステレオマー分子を合成することを含む。合成されたジアステレオマーは、クロマトグラフィー、蒸留、結晶化、又は昇華等の従来の手段で分離することができ、次いで加水分解することにより、鏡像異性的に純粋な化合物が得られる。
[20] 図1に、分解生成物及び最終生成物を合成するための一般的な反応機構を例示する。ここに示すように、一般式Iの出発物質は幅広いα−,β−ジヒドロキシカルボニル化合物であり、これは、好ましい種類の化合物、即ち、Rがヒドロキシ(−OH)であり、例示した化合物の左側に末端カルボキシル基を与える場合は、α−,β−ジヒドロキシカルボキシレートを包含する。図1の一般式Iの出発物質は、図示されたカルボニル(C=O)基に対するα−炭素原子を置換しているα−ヒドロキシ基と、このカルボニル基に対するβ−炭素原子を置換しているβ−ヒドロキシ基とを含む。例示した合成機構によれば、第1ステップの脱水(水の除去)によりβ−ヒドロキシ基が除去されると共に、α−炭素原子及びβ−炭素原子の間に不飽和部位、即ち、炭素−炭素二重結合が形成される。結果として得られる、化合物Aとして示すエチレン性不飽和性の脱水された化合物は、一般式IIAを有するものとして示すジカルボニル中間体と互変異性平衡を維持する傾向にある。したがってこの脱水ステップは、一般式Iの出発化合物又は基質内で、β−ヒドロキシ基とα−ヒドロキシ基の水素とが化合することにより、水を形成することを含むことができる。
[21] 次いで一般式IIAのジカルボニル中間体化合物は、分解されて一般式IIBの分解生成物を生成することができる。分解の結果として、この分解生成物のR2Bで表される部分は、一般式IIAのジカルボニル中間体のR2Aで表される部分よりも炭素原子数が少なくなる。したがって、概して分解生成物は、このジカルボニル中間体よりも炭素原子数が少なくなる。次いでこの分解生成物を任意選択的に水素化することにより最終生成物を生成することができ、この場合は、図1に示すように、対応する水素化最終生成物は一般式IIIBを有する。分解によって分解生成物を形成することにより、更に一般式IICを有する、したがってアルデヒド基を有する、第2の分解生成物が形成される。この第2の分解生成物は、基質又は出発化合物に応じて、カルボン酸官能基等の他の官能基を、アルデヒド官能基に結合しているR2Cで表される部分として含むか、又はそれ以外の場合はこの部分の末端部に含むことができる。この種の第2分解生成物は、例えば、一般式IIAのジカルボニル中間体のR2Aで表される部分が、ヒドロキシで置換された炭素原子を介して結合している場合に生成することができる。即ち、出発化合物は、第1カルボニル基に対するガンマ位の炭素原子を置換しているガンマヒドロキシ基を更に含むことができ、それにより、分解を行うことによって、第1(ジカルボニル)分解生成物が形成されることに加えて、ジカルボニル中間体のベータ炭素原子及びガンマ炭素原子(出発化合物のベータ炭素原子及びガンマ炭素原子に対応する)の間が切断された結果として生じるアルデヒド基を有する第2の分解生成物が形成される。特定の実施形態において、R2A又は少なくともR2Aの末端部が:
Figure 2021521146
の部分を表す場合に、一般式IICの第2分解生成物が生成することができ、その場合、分解生成物は、ジカルボニル中間体及び基質の両方よりも炭素原子数が少なくなるであろう。次いでこの分解生成物を任意選択的に水素化に付すことができる。一方、第2分解生成物を更に転化する(例えば、同じく水素化による)ことにより、図2に示すより具体的な実施形態に関し記載されているような他の望ましい化合物を生成することができる。一部の方法によれば、一般式IICを有する第2分解生成物のR2Cで表される部分は、R2Aで表される部分よりも炭素原子数が1少なくなり得、この第2分解生成物は、R2Aから形成される、R2Aと炭素原子数の等しい対応するアルデヒド又は対応するカルボン酸を表すことができる。この場合、分解生成物はピルビン酸となることができ、これは水素化されて乳酸となることができる。したがって、ジカルボニル中間体を分解してピルビン酸を形成することを介する乳酸への合成経路は、少なくとも4個の炭素原子を有するα−,β−ジヒドロキシカルボン酸及びカルボキシレートを含む様々なα−,β−ジヒドロキシカルボニル化合物を基質として使用することにより実施することができることを理解することができる。
[22] したがって、代表的な方法は、ジカルボニル化合物である分解生成物の製造のみならず、この分解生成物の一部又は全部を水素化することによる、出発化合物及びジカルボニル中間体の第1カルボニル基を保存しているのみならず、分解生成物の第2のカルボニル基の水素化により生成する隣接するヒドロキシ基も更に含む、最終生成物の製造も含むことができる。一般式IIBの分解生成物が水素化されることにより消費されると、分解反応が正方向に進行し、最終的に、互変異性平衡がこの方向にシフトすることにより化合物Aからジカルボニル化合物が更に生成する。分解された(ジカルボニル)生成物が水素化される速度は、本明細書に記載するように、任意選択的な分解触媒の使用及び反応条件により調整することができる。分解ステップを行うことにより、出発化合物としての利用可能な、炭素原子数が4、5、又は6のα−,β−ジヒドロキシカルボン酸及びカルボキシレート、例えば、エリスロン酸(又は一般に2,3,4−トリヒドロキシブタン酸);2,3−ジヒドロキシ−4−オキソブタン酸;酒石酸;2,3,4,5−テトラヒドロキシペンタン酸;2,3,4−トリヒドロキシ−5−オキソペンタン酸;2,3,4−トリヒドロキシペンタン二酸;グルコン酸(又は一般に2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキサン酸);2,3,4,5−テトラヒドロキシ−6−オキソヘキサン酸、及びグルカル酸(又は一般に2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン二酸)から、ピルビン酸等の炭素原子数3の分解生成物を製造することができる。したがって、代表的な合成方法は、容易に入手可能な炭水化物等の利用可能なC〜C基質を転化させることにより、分解生成物及び最終生成物としてC化合物を生成することを含むことができる。この種の実施形態において、基質が炭素原子数6の化合物(C基質)である場合、本合成方法の第2の分解生成物も同様にC化合物である。例えば、炭素原子数が6の基質であるグルコン酸及びグルカル酸は、それぞれ分解生成物としてのピルビン酸と、乳酸を水素化することによる最終生成物としての乳酸とを生成することができる。グルコン酸の場合、第2分解生成物はグリセルアルデヒドとなり得、これは、水素化により最終生成物としてのグリセロールを生成することができる。グルカル酸の場合、第2分解生成物は2−ヒドロキシ−3−オキソプロパン酸となり得、これは水素化により最終生成物としてのグリセリン酸を生成することができる。
[23] 図1における一般式I、IIA、IIB、及びIIIBを有する化合物に加えて、化合物Aに関し与えられる一般式を有する化合物に関して、Rは、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、及びヒドロキシアルキルからなる群から選択することができ、アルキル並びにアルコキシ、アルコキシアルキル、及びヒドロキシアルキルのアルキル部は、−OH、−CH、及び=Oからなる群から選択される1種又は複数種の置換基で任意選択的に置換されている(即ち、任意選択的に、炭素−水素結合上の水素置換基が、本明細書に記載するように1種又は複数種の置換基で置換されていてもよい)1〜5個の炭素原子を有する。特定の実施形態によれば、一般式Iの出発化合物、それぞれ一般式IIA及びIIBで表されるジカルボニル中間体及び分解生成物、及び/又は一般式IIIBの最終生成物を含む、これらのそれぞれの化合物において、Rはアルキルとすることができ(例えば、1〜3個のアルキル炭素原子を有する)、それにより各化合物において末端ケトン官能基となることができ;Rはアルコキシ(例えば、1〜3個のアルキル炭素原子を有する)とすることができ、それにより各化合物において末端エステル官能基となることができ;又はRはヒドロキシとすることができ、それにより各化合物において末端カルボキシル官能基となることができる。好ましくは、Rはヒドロキシであり、それにより、出発化合物及びジカルボニル中間体はカルボン酸となる。例えば、本明細書に使用する語に関し上に一般的に説明したように、出発化合物、ジカルボニル中間体、分解生成物、及び/又は最終生成物は、カルボキシレートの形態とする(例えば、反応混合物中にカルボキシレートとして存在する)ことができ、これは、化合物がカルボキシレートアニオンを含み、本明細書に記載する合成方法の実施に使用される水性反応混合物中において塩形態(例えば、それらの対応するアンモニウム塩形態)で存在する可能性もあることを意味する。
[24] 図1において、一般式I及びIIAを有する化合物に加えて、化合物Aに関し与えられる一般式を有する化合物に関し、R2Aは、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルからなる群から選択することができ、アルキル並びにアルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルのアルキル部は、−OH、−CH、及び=Oからなる群から選択される1種又は複数種の置換基で任意選択的に置換されている1〜5個の炭素原子を有する。特定の実施形態によれば、R2Aは、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルからなる群から選択することができ、アルキル並びにアルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルのアルキル部は、1若しくは複数の−OH及び/又は1若しくは複数の−CHで任意選択的に置換されている1〜3個の炭素原子を有する。より具体的な実施形態によれば、R2Aは、アルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルカノイル、又はアルカノイルアルキルであってもよく、アルキル並びにカルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルのアルキル部は、1又は複数の−OHで任意選択的に置換されている1〜3個の炭素原子を有する。4〜6個の炭素原子を有する特定の基質としては、エリスロン酸(又は一般に2,3,4−トリヒドロキシブタン酸);2,3−ジヒドロキシ−4−オキソブタン酸;酒石酸;2,3,4,5−テトラヒドロキシペンタン酸;2,3,4−トリヒドロキシ−5−オキソペンタン酸;2,3,4−トリヒドロキシペンタン二酸;グルコン酸(又は一般に2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキサン酸);2,3,4,5−テトラヒドロキシ−6−オキソヘキサン酸、及びグルカル酸(又は一般に2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン二酸)が挙げられる。
[25] 炭素原子数4の特定の基質において、RがヒドロキシでありR2Aがヒドロキシメチルである場合、出発化合物はエリスロン酸(又は一般に2,3,4−トリヒドロキシブタン酸)である。したがってこの場合、分解ステップにより、ピルビン酸に加えてホルムアルデヒド等の炭素原子数1の第2分解生成物を生成し得る。したがって、この分解生成物を水素化することにより、それぞれ乳酸及びメタノールが得られることになる。次の表1に、炭素数4及び5の基質並びにそれらの対応する分解生成物、第2分解生成物、及び水素化生成物のこの例及び他の例を示す。
Figure 2021521146
炭素数6の基質並びにそれらの対応する分解生成物、第2分解生成物、及び水素化生成物の特定の例を、式Iの範囲に包含される特定の構造を有する式IV及びVIの基質に関連させて以下に説明する。
[26] 一般式IIB及びIIIBを有する化合物に関して、R2Bは、水素置換基、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルからなる群から選択することができ、アルキル並びにアルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルのアルキル部は、−OH、−CH、及び=Oからなる群から選択される1種又は複数種の置換基で任意選択的に置換されている1〜4個の炭素原子を有する。特定の実施形態によれば、R2Bは、水素置換基、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルからなる群から選択することができ、アルキル並びにアルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルのアルキル部は、1若しくは複数の−OH及び/又は1若しくは複数の−CHで任意選択的に置換されている1〜3個の炭素原子を有する。より具体的な実施形態によれば、R2Bは、水素置換基、アルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルカノイル、又はアルカノイルアルキルであってもよく、アルキル並びにカルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルのアルキル部は、1又は複数の−OHで任意選択的に置換されている1又は2個の炭素原子を有する。他の特定の実施形態によれば、R2Bは、水素置換基又は1若しくは複数の−OHで任意選択的に置換されている1〜3個の炭素原子を有するアルキルであってもよい。
[27] 本開示から、Rがヒドロキシであり、R2Bが水素置換基である場合、分解生成物は、水素化されて乳酸を形成することができるピルビン酸であり、このピルビン酸は、上に述べたように、可能性のある様々なα−,β−ヒドロキシカルボキシレート基質から得ることができることを更に理解することができる。更に、一般式IICの第2分解生成物は、R2A又は少なくともR2Aの末端部が:
Figure 2021521146
の部分を表す場合に生成し得る。したがって、一般式IICの化合物のR2Cは、R2Aに関し定義した部分を表すことができるが、炭素原子数が少なくとも1少ない。したがってR2Cは、水素置換基、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルからなる群から選択することができ、アルキル並びにアルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルのアルキル部は、−OH、−CH、及び=Oからなる群から選択される1種又は複数種の置換基で任意選択的に置換されている1〜4個の炭素原子を有する。特定の実施形態によれば、R2Cは、水素置換基、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルからなる群から選択することができ、アルキル並びにアルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルのアルキル部は、1若しくは複数の−OH及び/又は1若しくは複数の−CHで任意選択的に置換されている1又は2個の炭素原子を有する。より具体的な実施形態によれば、R2Cは、水素置換基又は1若しくは複数の−OHで任意選択的に置換されている1若しくは2個の炭素原子を有するアルキルであってもよい。
[28] より具体的な実施形態において、図1の化合物のR2A部分は:
Figure 2021521146
を表すことができ、それにより、出発化合物及びジカルボニル中間体化合物は、それぞれ、一般式IV及び一般式VA:
Figure 2021521146
を有することになり、この化合物は、任意選択的に、上に述べたようにそれぞれの塩形態にあってもよい。これらの化合物に関し、Rは上述した通りとすることができる。R3Aは、水素置換基、アルコキシ、ヒドロキシ、及びカルボキシからなる群から選択することができ、アルコキシのアルキル部は、OH、CH、及び=Oからなる群から選択される1種又は複数種の置換基で任意選択的に置換されていてもよい1〜5個の炭素原子を有する。好ましくは、R3Aは、水素置換基、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、又はカルボキシである。R4Aは、水素置換基、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルからなる群から選択することができ、アルキル並びにアルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルのアルキル部は、OH、CH、及び=Oからなる群から選択される1種又は複数種の置換基で任意選択的に置換されていてもよい1〜5個の炭素原子を有する。好ましくは、R4Aは、水素置換基、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、又はカルボキシである。
[29] 炭素原子数6の特定の基質の場合、R及びR3Aを両方共ヒドロキシとすることができ、R4Aをカルボキシとすることができ、その結果として、一般式IVの基質はグルカル酸(又は一般に2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン二酸)となり、一般式VAのジカルボニル中間体は2−ケト−3−デオキシグルカル酸(2,3−ジヒドロキシ−5−オキソヘキサン二酸)となる。この場合、一般式IIBの分解生成物はピルビン酸となり得、これは上に述べたように、水素化されて一般式IIIBの最終生成物としての乳酸を生成することができる。一般式IICの第2分解生成物は、2−ヒドロキシ−3−オキソプロパン酸となり得、これは上に述べたように水素化されてグリセリン酸を生成することができる。他の特定の炭素原子数6の基質の場合、R及びR3Aを両方共ヒドロキシとすることができ、R4Aをメタノイルとすることができ、その結果として、一般式IVの基質は2,3,4,5−テトラヒドロキシ−6−オキソヘキサン酸となり、一般式VAのジカルボニル中間体は4,5−ジヒドロキシ−2,6−ジオキソヘキサン酸となる。この場合、一般式IIBの分解生成物はピルビン酸となり得、これは上に述べたように水素化されて一般式IIIBの最終生成物としての乳酸を生成することができる。一般式IICの第2分解生成物は2−ヒドロキシマロンアルデヒドとなり得、これは水素化されてグリセルアルデヒドを生成することができる。
[30] よりさらに具体的な実施形態によれば、図1の化合物のR2A部分は:
Figure 2021521146
で表すことができ、これは、上の一般式IVの化合物において、R4Aがメチレン(−CH−)炭素原子を含む場合に得られ、その場合、R4Aは、アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、及びアルカノイルアルキルからなる群から選択することができる。この種の実施形態によれば、一般式IVの出発化合物及び一般式VAのジカルボニル中間体化合物は、それぞれ一般式VI及び一般式VIIA:
Figure 2021521146
に対応するより具体的な構造を有し得る。R及びR3A部分は上に定義した通りとすることができ、R5A部分は、水素置換基、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルからなる群から選択することができ、アルキル並びにアルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルのアルキル部は、OH、CH、及び=Oからなる群から選択される1種又は複数種の置換基で任意選択的に置換されていてもよい1〜4個の炭素原子を有する。好ましくは、R5Aは、水素置換基、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、又はカルボキシである。
[31] 炭素原子数6の特定の基質の他の実施例において、R、R3A、及びR5Aはヒドロキシとすることができ、それにより、一般式VIの基質はグルコン酸(又は一般に2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキサン酸)となり、一般式VIIAのジカルボニル中間体は2−ケト−3−デオキシグルコン酸(4,5,6−トリヒドロキシ−2−オキソヘキサン酸)となる。この場合、一般式IIBの分解生成物はピルビン酸となり得、これは上に述べたように、水素化されて一般式IIIBの最終生成物としての乳酸を生成することができる。一般式IICの第2分解生成物はグリセルアルデヒドとなり得、これは上に述べたように水素化されてグリセロールを生成することができる。
[32] 本明細書に記載する方法による分解生成物及び/又は最終生成物の合成に関連する典型的な反応環境としては、高水素分圧、例えば、少なくとも3メガパスカル(MPa)(435psi)の水素分圧を、任意選択的に水素化触媒と組み合わせるものが挙げられる。この水素化/還元環境において、一般式IICの第2分解生成物の末端アルデヒド基は、末端アルコール即ちヒドロキシ(−OH)基に転化され得る。分解生成物及び第2分解生成物は、図2に示すより具体的な実施形態に関し以下により詳細に説明するように、他の可能な転化生成物となることもできる。
[33] 図2に、グルコン酸を出発化合物、即ち式Iの化合物として使用し、R2Aが:
Figure 2021521146
の部分を表す、図1に示す合成方法を例示する。この実施形態においては、図に示すように、式IIAのジカルボニル中間体は2−ケト−3−デオキシグルコン酸(2−ケト−4,5,6−トリヒドロキシヘキサン酸)である。次いでこのジカルボニル中間体を分解することにより、式IIBの分解生成物を生成することができ、これは図2に例示する実施形態においてはピルビン酸である。更に、式IICの第2分解生成物も生成し、これは、この実施形態においてはグリセルアルデヒドであり、それに従えば、図1に示すこの化合物の一般式のR2Cは:
Figure 2021521146
の部分であり、これは、上に示したR2Aの部分に対応するが、炭素原子数が1少ない。
[34] 図2に示すように、最終生成物及び更なる転化生成物も本明細書に記載する反応条件で生成することができる。例えば、式IIBの分解生成物であるピルビン酸を水素化/還元することにより乳酸を生成することができる。ここに示すように、式IICの第2分解生成物であるグリセルアルデヒドを水素化/還元することによりグリセロールを生成することができる。更に、図2に示すように、生成したグリセルアルデヒドを、1,2−水素移動又は水素転位(カニッツァロ反応)が関与するもの等の更なる反応に付すことにより、乳酸に転化させることができる。したがって、この乳酸の第1部はピルビン酸の水素化により得ることができ、このピルビン酸は、分解反応によりグリセルアルデヒドと等モル量で生成するにも関わらず、特定の実施形態によれば、乳酸は、生成するグリセルアルデヒドのモル量を超えるモル量で生成し得る。即ち、グリセルアルデヒドを転化して第2部の乳酸とすることができ、それにより、反応混合物は、第1部及び第2部を合わせた乳酸を含むことができ、この乳酸は、モル基準でグリセルアルデヒドの量を超える。例えば、乳酸の総(合計)モル量対正味の(net)グリセルアルデヒド(例えば、合成方法終了後の反応混合物中)のモル量の比は、少なくとも1.2、少なくとも1.5、又は少なくとも2.0となり得る。この過剰の少なくとも一部は、グリセルアルデヒドが乳酸に転化したことに起因し得る。さらに図2に示すように、乳酸は本明細書に記載する反応条件で更に反応して、プロピレングリコール及びアクリル酸を更なる転化生成物として生成することもできる。
[35] したがって、α−,β−ジヒドロキシカルボキシレート出発化合物よりも炭素原子数が少ないα−ヒドロキシカルボキシレート最終生成物を合成するための代表的な方法を本明細書に記載する。この方法は、α−,β−ジヒドロキシカルボキシレート出発化合物を、好ましくは分解触媒、即ち、図1及び2に「分解」として示す反応ステップの触媒又は促進剤(promoter)を含む反応混合物中で反応させることを含む。好ましい分解触媒は、反応混合物中で対応する塩の形態、例えば、タングステン酸塩、モリブデン酸塩、又はバナジン酸塩(メタタングステン酸塩、パラタングステン酸塩、メタモリブデン酸塩、パラモリブデン酸塩、メタバナジン酸塩、又はパラバナジン酸塩(paravanadate)を含む)で存在することができる、タングステン、モリブデン、及び/又はバナジウム等の1種又は複数種の分解活性を有する金属(cracking active metal)を含む。代表的なタングステン酸塩は、第1族(アルカリ)金属又は第2族(アルカリ土類)金属の塩、及びアンモニウム塩である。メタタングステン酸アンモニウム塩及びパラタングステン酸アンモニウム塩が代表的なものである。分解触媒(例えば、メタタングステン酸アンモニウム)は、反応混合物中に、基質のモル数、例えば回分式反応の場合は反応器初期投入物の組成に従う、又は連続式反応の場合は定常状態の組成に従う基質のモル数に対し、0.1mol%〜30mol%、0.5mol%〜10mol%、又は1mol%〜5mol%の量で存在することができる。分解触媒は、これに加えて、又はこれに替えて、反応混合物中に、分解活性を有する金属(例えば、タングステン、モリブデン、又はバナジウム)のモル数が基質のモル数に対し6mol%〜50mol%、又は10mol%〜35mol%を占めることができる量で存在することもできる。他の分解触媒としては、固体酸及び/又はルイス酸(例えば、有機スズ化合物等の有機金属化合物)を挙げることができる。
[36] これらの方法によれば、乳酸等のα−ヒドロキシカルボキシレート最終生成物は、分解及び水素化を組み合わせることにより生成する。本発明の更なる態様は、水酸化物等の塩基を使用することにより、分解により得られたグリセルアルデヒド等のアルデヒド生成物の少なくとも一部を転化して追加量の最終生成物にすることを促進することができることを見出したことに関連する。例えば、グリセルアルデヒドは、1,2−水素移動又は水素転位(カニッツァロ反応)が関与する反応等によって更に反応させることが可能であり、それにより、転化又は異性化させて追加量の乳酸とすることができる。この最終生成物の追加量は、塩基が存在しないか、そうでなくて存在する場合は微量(nominal amount)で存在する場合の基準量(baseline amount)に対し表すことができる。この最終生成物の追加量は、基準量に対し少なくとも10mol%、少なくとも20mol%、又は少なくとも50mol%の増加として表すことができる。したがって反応混合物は、このような追加量の最終生成物の生成を促進するために水酸化物等の塩基を含むことができる。代表的な水酸化物としては、水酸化アンモニウムに加えて、アルカリ及びアルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、水酸化リチウムが好ましい。
[37] 特定の方法は、3個を超える炭素原子を有するα−,β−ジヒドロキシカルボキシレート出発化合物、例えば、グルコン酸の塩(又は一般に2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキサン酸塩);2,3,4,5−テトラヒドロキシ−6−オキソヘキサン酸塩;グルカル酸塩(又は一般に2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン二酸塩);2,3,4,5−テトラヒドロキシペンタン酸塩;2,3,4−トリヒドロキシ−5−オキソペンタン酸塩;2,3,4−トリヒドロキシペンタン二酸塩;エリスロン酸塩(又は一般に2,3,4−トリヒドロキシブタン酸塩);2,3−ジヒドロキシ−4−オキソブタン酸塩;又は酒石酸塩からの乳酸の合成に関する。本明細書に記載するように、代表的な方法は、この出発化合物を脱水し、アルファヒドロキシ基を第2カルボニル基に変換すると共にベータヒドロキシ基を除去することによりジカルボニル中間体を生成することと、このジカルボニル中間体を、ジカルボニル中間体のベータ炭素原子及びガンマ炭素原子(出発化合物のカルボキシレート基に対するベータ炭素原子及びガンマ炭素原子に対応する)の間を切断することによって分解することによりピルベートを生成することと、を含む。更にこの方法は、ピルベートを水素化又は還元することにより乳酸を生成し、任意選択的に更にプロピレングリコール又はアクリル酸等の転化生成物を生成することを含む。
[38] 特定の実施形態によれば、本明細書に記載する分解生成物、第2分解生成物、又は任意の特定の最終生成物及び/又は更なる転化生成物の、本明細書にも記載する各経路に沿って進行した場合の理論収量に基づく総収率は、一般に、少なくとも25mol%(例えば、25mol%〜90mol%)、典型的には少なくとも35mol%(例えば、35mol%〜80mol%)、多くの場合、少なくとも50mol%(例えば、50mol%〜75mol%)とすることができる。これらの収率は、例えば、(i)ピルビン酸等の一般式IIBの任意の分解生成物若しくは本明細書に記載するこの一般式を有する任意の他の特定の分解生成物、(ii)グリセロール等の一般式IICの任意の第2分解生成物若しくは本明細書に記載するこの一般式を有する任意の他の特定の分解生成物、(iii)乳酸等の一般式IIIBの任意の最終生成物若しくは本明細書に記載するこの一般式を有する他の任意の特定の最終生成物、(iv)一般式IICの第2分解生成物を転化(例えば、水素化)することにより得られるグリセロール等の任意の最終生成物若しくは本明細書に記載する他の任意のこの種の特定の転化生成物、及び/又は(v)プロピレングリコール若しくはアクリル酸等の本明細書に記載する任意の更なる転化生成物、に適用することができる。
[39] 好ましくは水性反応混合物である反応混合物は、固体(不均一)触媒等の水素化触媒を更に含むことができる。代表的な水素化触媒は、周期律表の第8〜11族から選択される、例えば、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、又は金(Au)等の1種又は複数種の水素化活性金属を含むことができる。好ましい水素化活性金属はルテニウムである。触媒は水素化活性金属の固体担体を更に含むことができ、金属は、使用される具体的な触媒調製技法(例えば、水素化活性金属の溶液の蒸発含浸)に応じて、例えば、固体担体の外面付近に優先的に分布するように、又は多孔質固体担体全体に実質的に均一に分布するように、固体担体上に分散される。好ましくは、水素化活性金属又はこの種の金属の組合せは、水素化触媒の総重量を基準として、1wt%〜15wt%又は2wt%〜10wt%の量で存在する。
[40] 水素化活性金属は、反応混合物中に、例えば回分式反応の場合は反応器初期投入物の組成に従い、又は連続式反応の場合は定常状態の組成に従い、基質のモル数に対する水素化活性金属(例えば、ルテニウム)のモル数が1mol%〜20mol%又は2mol%〜10mol%を表す量で存在することができる。固体担体は、好ましくは、本明細書に記載する反応混合物中及び合成反応条件下で反応しない(refractory)ものである。代表的な固体担体は、1種又は複数種の金属酸化物、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン(チタニア)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化ストロンチウム(ストロンチア)等を含む。好ましい固体担体は炭素である。特定の実施形態によれば、水素化触媒は炭素担体上のルテニウムを含み、ルテニウムは、触媒の総重量を基準とする上に与えた範囲の量で、及び/又は基質のモル数に対する上に与えた範囲の量で存在する。
[41] 分解生成物及び/又は最終生成物を合成する際に反応混合物を維持する反応条件には、高い圧力及び水素分圧が含まれる。反応器内の代表的な絶対圧は、一般には2.07MPa(300psi)〜24.1MPa(3500psi)の範囲、典型的には3.45MPa(500psi)〜20.7MPa(3000psi)の範囲、多くの場合10.3MPa(1500psi)〜17.2MPa(2500psi)の範囲にある。反応器圧力は主として又は実質的に水素により発生させることができ、それにより、これらの全圧の範囲が水素分圧の範囲にも相当し得る。しかしながら、反応混合物から揮発したアンモニア及び/又は水蒸気等の気体化学種の存在により、水素分圧がこれらの全圧よりも低くなる可能性もあり、その場合、例えば、水素分圧は、一般に1.38MPa(200psi)〜22.4MPa(3250psi)の範囲、典型的には2.41MPa(350psi)〜19.0MPa(2750psi)の範囲、多くの場合8.62MPa(1250psi)〜15.5MPa(2250psi)となり得る。
[42] 他の反応条件としては、100℃〜350℃、好ましくは130℃〜230℃の温度が挙げられる。反応時間、即ち、反応混合物が、任意の目標値の圧力及び温度条件下、又は上に与えた圧力及び温度範囲内の任意の目標の部分範囲にある条件下(例えば、目標全圧値13.8MPa(2000psi)、目標温度160℃)に維持されている時間は、回分式反応の場合は0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜5時間である。連続式反応の場合、これらの反応時間は反応器の滞留時間に相当する。連続運転は、例えば、上述の圧力及び温度条件下で、基質及び水素を連続的に供給し、分解生成物及び/又は最終生成物を含む反応混合物を連続的に抜き出しながら実施することができる。連続運転は、更に、分解生成物及び/又は最終生成物の連続的な精製、未転化の気体及び/又は液体生成物を含むプロセスストリームの連続的な分離、及び/又は1種若しくは複数種のこの種のプロセスストリームを、合成反応器内に維持されている反応混合物に戻す連続再循環を含むことができる。再循環運転の場合、分解生成物及び/又は最終生成物の収率は、上に述べたように、「1回通過(once-through)」又は「通過当たりの(per-pass)」収率に相当することになり、再循環させることにより全収率を向上させることが可能となる。
[43] 実施例1
[44] 450 cubic Hastelloy(登録商標)C2000 Parr高圧反応器内で、グルコン酸ナトリウム(10グラム)を、水100mL、市販の炭素上ルテニウム触媒をグルコン酸ナトリウム基質に対し2.5mol%、メタタングステン酸アンモニウム水和物形態のタングステン酸塩2.5グラム又は2mol%、及び水酸化リチウム1当量と混合した。反応器を6.9MPa(1000psi)の窒素で3回、次いで6.9MPa(1000psi)の水素で3回パージした。3回目の水素洗浄の後、反応器を水素で3.4MPa(500psi)に加圧し、700rpmで撹拌しながら180摂氏度までの加熱を開始した。反応温度に達したら、水素が9.0MPa(1300psi)になるように反応槽に水素を追加した。2時間後、反応器内容物を氷水浴で抑制することにより室温に冷却し、反応器を減圧し、内容物を濾過して触媒を回収し、次いで試料をGC/MS分析するために、ピリジン中N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(BSTFA)及びトリメチルクロロシラン(TMCS)を用いてシリル化した。分析により基質の99%超が転化したことが示され、乳酸14.1重量パーセント(収率38.4モルパーセント)、グリセロール1.6重量パーセント(収率4.3モルパーセント)、エチレングリコール3.4重量パーセント(収率13.5モルパーセント)、及びプロピレングリコール5.2重量パーセント(収率16.8モルパーセント)を得た。
[45] 実施例2
[46] 水素を13.8MPa(2000psi)で使用し、水酸化リチウムを添加しなかったことを除いて実施例1の装置及び手順に従った。基質の98パーセント超が転化し、乳酸0.6重量パーセント(収率1.6モルパーセント)、グリセロール3.3重量パーセント(収率8.8モルパーセント)、エチレングリコール1.2重量パーセント(収率4.8モルパーセント)、及びプロピレングリコール1.0重量パーセント(収率3.2モルパーセント)を含む生成物を得た。
[47] 実施例3
[48] タングステン酸塩を使用せず、反応器の加圧に水素に替えて窒素を使用したことを除いて実施例2の状況を繰り返した。基質のモル転化率は92.7パーセントに低下した。生成物は、乳酸4.97重量パーセント(収率13.1モルパーセント)、グリセロール5.3重量パーセント(収率13.7モルパーセント)、エチレングリコール1.5重量パーセント(収率5.7モルパーセント)、及びプロピレングリコール2.1重量パーセント(収率6.5モルパーセント)を含んでいた。
[49] 実施例4
[50] この実施例に関しては、タングステン酸塩も市販の炭素上ルテニウム触媒も使用せず、圧力1.0MPa(150psi)を除いて、再び水素に替えて窒素を使用した。基質は完全に転化し、生成物は、乳酸1.29重量パーセント(収率3.4モルパーセント)乳酸、ピルビン酸4.8重量パーセント(収率13.11モルパーセント)、及び5−ヒドロキシメチル−2−フランカルボン酸(HMFCA)0.3重量パーセント(収率4.7モルパーセント)を含んでいたが、グリセロール、エチレングリコール、及びプロピレングリコールは観測できなかった。
[51] 実施例5
[52] 本実施例の場合、エリスロン酸カルシウム10グラムを基質として使用し、再び水素13.8MPa(2000psi)を使用し、基質に対し2.5モルパーセントの市販の炭素上ルテニウム触媒及び2モルパーセントのタングステン酸塩も再び使用した。180摂氏度で2時間後、全ての基質が転化し、生成物は乳酸0.9重量パーセント(収率1.7モルパーセント)、グリセロール11.7重量パーセント(収率22.2モルパーセント)、エチレングリコール0.7重量パーセント(収率2.0モルパーセント)、及びプロピレングリコール1.8重量パーセント(収率4.1モルパーセント)を含んでいた。
[53] 概して本発明の態様は、容易に入手可能な又は容易に誘導される基質から分解生成物及び/又は最終生成物を生成するための、本明細書に記載する合成方法の使用に関する。本明細書に記載する最終生成物及び任意選択的な更なる転化生成物は、分解生成物(本明細書に記載する第2分解生成物を含む)を、その場で又は更なる別の反応段階においてのいずれかで更に転化させることにより生成することができる。分解生成物及び/又は最終生成物は、これらの生成物の生成に使用される基質よりも炭素原子数が少ない。この方法は、有利には、従来法の様々な欠点に対処することができる。当業者は、これらの及び他の利点を達成するに当たり、本開示から得た知識を用いて、これらのプロセスに本開示の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができることを認識するであろう。したがって、本開示の特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、修正及び/又は置き換えが行いやすいことを理解すべきである。本明細書に例示及び記載する特定の実施形態は例示のみを目的としており、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明を限定するものではない。

Claims (17)

  1. 出発化合物よりも炭素原子数が少ない分解生成物を合成するための方法であって:
    (a)第1カルボニル基に対するアルファ炭素原子を置換しているアルファヒドロキシ基と、前記第1カルボニル基に対するベータ炭素原子を置換しているベータヒドロキシ基と、を含む出発化合物を脱水することにより、前記アルファヒドロキシ基を第2カルボニル基に変換し、前記ベータヒドロキシ基を除去することにより、ジカルボニル中間体を生成することと;
    (b)前記ジカルボニル中間体を分解することにより、前記ジカルボニル中間体よりも炭素原子数が少ない分解生成物を生成することと、
    を含む方法。
  2. (c)前記分解生成物を水素化することにより、前記第1カルボニル基と、前記第2カルボニル基を水素化した結果として得られる隣接するヒドロキシ基と、を有する最終生成物を生成すること、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記出発化合物及び前記ジカルボニル中間体は、それぞれ一般式I及び式IIA:
    Figure 2021521146
    (式中、Rは、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、及びヒドロキシアルキルからなる群から選択され、アルキル並びにアルコキシ、アルコキシアルキル、及びヒドロキシアルキルのアルキル部は、−OH、−CH、及び=Oからなる群から選択される1種又は複数種の置換基で任意選択的に置換されていてもよい1〜5個の炭素原子を有し、
    2Aは、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルからなる群から選択され、アルキル並びにアルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルのアルキル部は、−OH、−CH、及び=Oからなる群から選択される1種又は複数種の置換基で任意選択的に置換されていてもよい1〜5個の炭素原子を有する)を有する、請求項1〜2のいずれか一項に記載の方法。
  4. はヒドロキシであり、R2Aはヒドロキシメチルであり、それにより前記出発化合物はエリスロネートであり、更に、前記分解生成物はピルベートである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記分解生成物は、前記ジカルボニル中間体の前記第1及び第2カルボニル基を保存している、分解されたジカルボニル生成物である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記出発化合物は、前記第1カルボニル基に対するガンマ炭素原子を置換しているガンマヒドロキシ基を更に含み、分解ステップ(b)により、前記分解生成物に加えて、前記出発化合物の前記ベータ炭素原子及び前記ガンマ炭素原子に対応する前記ジカルボニル中間体のベータ炭素原子及びガンマ炭素原子の間を切断することにより生成するアルデヒド基を有する第2の分解生成物が生成する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記分解生成物の水素化により得られる最終生成物の追加量を生成するために、前記第2の分解生成物の少なくとも一部を転化することを更に含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記出発化合物及び前記ジカルボニル中間体化合物は、それぞれ一般式IV及び式VA:
    Figure 2021521146
    (式中、Rは、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、及びヒドロキシアルキルからなる群から選択され、アルキル並びにアルコキシ、アルコキシアルキル、及びヒドロキシアルキルのアルキル部は、−OH、−CH、及び=Oからなる群から選択される1種又は複数種の置換基で任意選択的に置換されていてもよい1〜5個の炭素原子を有し;
    3Aは、水素置換基、アルコキシ、ヒドロキシ、及びカルボキシからなる群から選択され、アルコキシのアルキル部は、−OH、−CH、及び=Oからなる群から選択される1種又は複数種の置換基で任意選択的に置換されていてもよい1〜5個の炭素原子を有し;
    4Aは、水素置換基、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルからなる群から選択され、アルキル並びにアルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルのアルキル部は、−OH、−CH、及び=Oからなる群から選択される1種又は複数種の置換基で任意選択的に置換されていてもよい1〜5個の炭素原子を有する)を有する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記分解生成物は、一般式IIB:
    Figure 2021521146
    を有し、前記方法は、式IIIB:
    Figure 2021521146
    を有する最終生成物を生成するために前記分解生成物を水素化することを更に含む、請求項8に記載の方法。
  10. 及びR3Aは、それぞれヒドロキシであり、R4Aはカルボキシであり、それにより前記出発化合物はグルカレートであり、前記ジカルボニル中間体は、2−ケト−3−デオキシグルカレート(4,5−ジヒドロキシ−2−オキソヘキサンジオエート)であり、前記分解生成物はピルベートであり、前記最終生成物はラクテートである、請求項9に記載の方法。
  11. 4Aは、アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、及びアルカノイルアルキルからなる群から選択され、更に、一般式IVの出発化合物及び一般式VAのジカルボニル中間体化合物は、それぞれ、式VA及び式VIIA:
    Figure 2021521146
    (式中、R5Aは、水素置換基、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルからなる群から選択され、アルキル並びにアルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アルカノイル、及びアルカノイルアルキルのアルキル部は、−OH、−CH、及び=Oからなる群から選択される1種又は複数種の置換基で任意選択的に置換されていてもよい1〜4個の炭素原子を有する)を有する、請求項9に記載の方法。
  12. 前記分解生成物は、一般式IIB:
    Figure 2021521146
    を有し、前記方法は、前記分解生成物を、式IIIB:
    Figure 2021521146
    を有する最終生成物を生成するために水素化することを更に含む、請求項11に記載の方法。
  13. 分解ステップ(b)は、一般式IIC:
    Figure 2021521146
    を有する第2分解生成物を追加的に生成する、請求項12に記載の方法。
  14. 、R3A、及びR5Aは、それぞれヒドロキシであり、それにより、前記出発化合物はグルコネートであり、前記ジカルボニル中間体は4,5,6−トリヒドロキシ−2−オキソヘキサノエートであり、前記分解生成物はピルベートであり、前記第2分解生成物はグリセルアルデヒドであり、前記最終生成物はラクテートであり、前記方法は、任意選択的に、ピルベートの水素化により得られる基準量を超える追加量のラクテートを生成するために、前記グリセルアルデヒドの少なくとも一部を異性化することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. α−,β−ジヒドロキシカルボキシレート出発化合物よりも炭素原子数が少ないα−ヒドロキシカルボキシレート最終生成物を合成するための方法であって:
    前記α−,β−ジヒドロキシカルボキシレート出発化合物を、水素圧力下にあり、分解触媒を含む反応混合物中で反応させることによって、前記α−ヒドロキシカルボキシレート最終生成物を生成させることを含む、方法。
  16. 前記反応混合物は、分解されたアルデヒド生成物の少なくとも一部の転化を促進することにより追加量の前記α−ヒドロキシカルボキシレート最終生成物を生成するための水酸化物を更に含む、請求項15に記載の方法。
  17. 乳酸の合成方法であって:
    (a)α−,β−ジヒドロキシカルボキシレート出発化合物を脱水することにより、前記出発物質のアルファヒドロキシ基をカルボニル基に変換し、前記出発物質の前記ベータヒドロキシ基を除去することによってジカルボニル中間体を生成することと;
    (b)前記ジカルボニル中間体を、前記出発化合物のカルボキシレート基に対するベータ炭素原子及びガンマ炭素原子に対応する前記ジカルボニル中間体のベータ炭素原子及びガンマ炭素原子の間を切断することによって分解することにより、ピルベートを生成することと;
    (c)前記ピルベートを水素化することにより、前記乳酸を生成することと;
    を含む方法。
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