JP2021519273A - 脂質およびコレステロール代謝を上昇させるための方法 - Google Patents

脂質およびコレステロール代謝を上昇させるための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021519273A
JP2021519273A JP2020551356A JP2020551356A JP2021519273A JP 2021519273 A JP2021519273 A JP 2021519273A JP 2020551356 A JP2020551356 A JP 2020551356A JP 2020551356 A JP2020551356 A JP 2020551356A JP 2021519273 A JP2021519273 A JP 2021519273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mitochondria
composition
mitochondrial
cholesterol
subject
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020551356A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019186553A5 (ja
Inventor
オハナ,ナタリエ イヴギ
オハナ,ナタリエ イヴギ
ハラヴィー,ウリエル
ブクスファン,シュムエル
Original Assignee
ミノヴィア セラピューティクス リミテッド
ミノヴィア セラピューティクス リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ミノヴィア セラピューティクス リミテッド, ミノヴィア セラピューティクス リミテッド filed Critical ミノヴィア セラピューティクス リミテッド
Publication of JP2021519273A publication Critical patent/JP2021519273A/ja
Publication of JPWO2019186553A5 publication Critical patent/JPWO2019186553A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/12Materials from mammals; Compositions comprising non-specified tissues or cells; Compositions comprising non-embryonic stem cells; Genetically modified cells
    • A61K35/48Reproductive organs
    • A61K35/50Placenta; Placental stem cells; Amniotic fluid; Amnion; Amniotic stem cells
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/04Anorexiants; Antiobesity agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/06Antihyperlipidemics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0019Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0053Mouth and digestive tract, i.e. intraoral and peroral administration

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Developmental Biology & Embryology (AREA)
  • Reproductive Health (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Pregnancy & Childbirth (AREA)
  • Child & Adolescent Psychology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

本発明は、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を使用して、細胞内の脂質代謝を上昇させる方法に関する。本発明は、脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患を治療するための方法、ならびに体重減少を誘発するための方法または体重増加を低減するための方法であって、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を、組成物を必要とする対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。

Description

本発明は、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を使用して、細胞内の脂質代謝を上昇させる方法に関する。本発明は、脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患を治療するための方法、ならびに体重減少を誘発するための方法または体重増加を低減するための方法であって、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を、組成物を必要とする対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。
ミトコンドリアは、ピルビン酸酸化、クレブス回路、ならびにアミノ酸、脂肪酸、およびステロイドの代謝などの、真核細胞内の多数の重要な課題を実行する。ミトコンドリアの主な機能は、電子伝達鎖および酸化的リン酸化系(「呼吸鎖」)によるアデノシン三リン酸(ATP)としてのエネルギーの生成である。ミトコンドリアが関与する追加のプロセスには、熱産生、カルシウムイオンの貯蔵、カルシウムシグナリング、プログラム細胞死(アポトーシス)、および細胞増殖が含まれる。
ミトコンドリアは、ほぼ全ての真核生物に見出され、細胞型に応じて数および位置が異なる。ミトコンドリアは、それら独自のDNA(mtDNA)、ならびにRNAおよびタンパク質を合成するためのそれら独自の機構を含有する。mtDNAは、37個しか遺伝子を有しないため、哺乳動物の体内の遺伝子産物のほとんどは、核DNAによってコードされている。
本発明者らに対するWO2013/035101は、ミトコンドリア組成物およびそれを使用する治療方法に関し、部分的に精製された機能的なミトコンドリアの組成物、および組成物を使用して、組成物を必要とする対象に組成物を投与することによってミトコンドリア機能の増加から恩恵を受ける病態を治療する方法を開示する。
脂質の貯蔵、分解、および腸管吸収に影響を与える病態は、いわゆる「脂質代謝障害」の幅広いカテゴリに含まれる。脂質代謝障害には、食事性および定型的高コレステロール血症、無ベータリポタンパク血症、ならびに低ベータリポタンパク血症が含まれる。アンダーソン病およびアテローム動脈硬化症を含む、いくつかの他の原因不明の脂質代謝障害もまた、確認されている。脂質代謝障害の一般的な症状には、慢性下痢、不十分な体重増加または体重減少、肥満、および過剰体重の減少不能が含まれるが、これらに限定されない。
米国特許第6,616,926号は、脂質代謝および貯蔵を調節する方法を対象とする。
米国特許第6,929,806号は、脂質代謝を改善し、高血圧を低減するための薬剤を対象とする。牛乳由来の塩基性タンパク質画分および塩基性ペプチド画分が、脂質代謝を改善し、高血圧を低減するための薬剤の有効構成成分として使用するために提供されている。
米国特許第7,238,727号は、脂質代謝を改善するための組成物、高脂血症を予防または治療するための組成物、肥満を予防または治療するための組成物、ならびに高脂血症および肥満を予防または緩和するための食品を提供し、これらは、有効成分としてバリンを含有する。
中村ら(Journal of food science and technology,53(1),581−590;2016)は、5種類の市販のもやしにおける生理活性薬剤の特性評価、ならびにフルクトースを負荷した自然発症高血圧ラット(SHR)におけるそれらの降圧、抗高脂血症、および抗糖尿病効果の比較を提供する。
脂質およびコレステロールのレベルの低減を必要とする対象における脂質およびコレステロールのレベルを低減するための新たな治療方法、ならびに肥満の効果的な治療方法であって、安全で費用効果が高く、副作用が最小で、かつ侵襲性が低〜中程度である、治療方法に対する満たされていない医学的必要性が依然として存在する。
本発明は、その実施形態において、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を、組成物を必要とする対象に投与することによる、脂質およびコレステロール代謝を上昇させるための方法を初めて開示する。具体的には、本発明は、細胞内の脂質含有量を減少させ、それにより体脂肪の低減を必要とする対象における体脂肪の低減を誘発する方法を開示する。いくつかの実施形態によれば、本発明は、総コレステロールおよび/または低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールのレベルの低減を必要とする対象における総コレステロールおよび/または低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールのレベルを低減する方法を開示する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
本発明は、脂肪細胞をミトコンドリアとともにインキュベートすると、本明細書で以下に例示されるように、細胞脂質蓄積中に有意な減少がもたらされるという予想外の発見に一部基づいている。
一態様によれば、本発明は、脂質およびコレステロール代謝の上昇を必要とする対象における脂質およびコレステロール代謝の上昇に使用するための、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供する。
別の態様によれば、本発明は、体重減少の誘発または体重増加の減弱もしくは低減を必要とする対象における、体重減少の誘発または体重増加の減弱もしくは低減に使用するための、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供する。
別の態様によれば、本発明は、脂質およびコレステロール代謝の上昇を必要とする対象における脂質およびコレステロール代謝を上昇させるための方法であって、
(a)無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供することと、
(b)対象に治療上有効量の組成物を投与し、それにより脂質またはコレステロール代謝を上昇させることと、を含む、方法を提供する。
さらに別の態様によれば、本発明は、体重減少の誘発または体重増加の減弱もしくは低減を必要とする対象における、体重減少を誘発するための方法または体重増加を減弱もしくは低減するための方法であって、
(a)無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供することと、
(b)該対象に治療有効量の組成物を投与することと、を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態によれば、破裂ミトコンドリアを含む組成物は、破裂ミトコンドリアから放出された少なくとも1つのミトコンドリア構成物をさらに含む。いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのミトコンドリア構成物は、ミトコンドリアタンパク質、ミトコンドリア核酸、ミトコンドリア脂質、ミトコンドリアペプチド、ミトコンドリア糖、ミトコンドリア構造、ミトコンドリアマトリックスの少なくとも一部、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
いくつかの実施形態によれば、無傷ミトコンドリアを含む組成物は、高張液をさらに含む。さらなる実施形態によれば、高張液は、糖を含む。またさらなる実施形態によれば、高張液は、スクロースを含む。
いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリアは、単離されたミトコンドリアであり、単離されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内細胞タンパク質の合計重量の80%超を構成する。
他の実施形態によれば、ミトコンドリアは、部分的に精製されたミトコンドリアであり、部分的に精製されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の10%〜80%を構成する。特定の実施形態によれば、部分的に精製されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の20%〜40%を構成する。
いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリアは、凍結融解サイクルを受けている。
いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリアは、胎盤、培養物中で成長した胎盤細胞、血液細胞、植物組織、植物細胞、または培養物中で成長した植物細胞からなる群から選択される細胞または組織に由来する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。特定の実施形態によれば、ミトコンドリアは、リョクトウもやしに由来する。
いくつかの実施形態によれば、脂質およびコレステロール代謝を上昇させることは、総コレステロールの血中濃度、LDLコレステロールの血中濃度、トリグリセリドの血中濃度、脂肪細胞中の脂肪酸および/もしくはトリグリセリドの濃度、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのパラメータを低下させることを含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
いくつかの実施形態によれば、組成物は、経腸、非経口、静脈内、動脈内、皮下、経口、および組織または器官への直接注射からなる群から選択される経路によって、組成物を必要とする対象に投与される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。特定の実施形態によれば、組成物は、経口投与によって投与される。他の実施形態によれば、組成物は、対象の脂肪組織に投与される。
いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物および方法は、脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患の治療または予防に使用することができる。
いくつかの実施形態によれば、脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患は、肥満、腹腔内脂肪組織の増加に関連する疾患、内臓肥満、内臓脂肪組織症候群、脂肪肝疾患、およびセルライトからなる群から選択される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。特定の実施形態によれば、脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける該疾患は、肥満である。
いくつかの実施形態によれば、本発明の方法は、薬物療法を投与することをさらに含み、該薬物療法は、脂肪吸収を低減する薬物、満腹を制御する薬物、総コレステロールおよびLDLコレステロールのレベルを低減するための薬物、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
本発明のさらなる実施形態、特徴、利点、および適用可能性の全範囲は、本明細書で以下に与えられる発明を実施するための形態および図面から明らかになるであろう。しかしながら、本発明の趣旨および範囲内の様々な変更および修正は、この発明を実施するための形態から当業者に明らかになるため、発明を実施するための形態は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、単に例示として与えられているにすぎないことを理解されたい。
オイルレッド染色を使用して評価した、脂肪細胞に分化し、増加する量のミトコンドリア(「ミト」)とともにインキュベートした3T3−L1細胞の脂質含有量を示す棒グラフである。対照=未分化3T3−L1細胞、C+50μlのM=50μlのミトコンドリアとともにインキュベートした未分化3T3−L1細胞。 ミトコンドリアとともに(BS+ミト)またはミトコンドリアなしで(BS)インキュベートしたウシ血清中のコレステロール含有量を比較する棒グラフである。 新鮮なミトコンドリア(「新鮮」)対凍結したミトコンドリア(「N2/−70」、液体窒素中で瞬間凍結し、−70℃で30分間保持)中の経時的なO消費を示すドットプロットである。S=25mMのコハク酸塩の存在、S+ADP=25mMのコハク酸塩および1.65mMのADPの存在。 単離緩衝液(4A)またはPBS(4B)中でインキュベートしたミトコンドリアの酸素消費を比較するドットプロットを示す。 単離緩衝液(4A)またはPBS(4B)中でインキュベートしたミトコンドリアの酸素消費を比較するドットプロットを示す。 単離緩衝液またはPBS中でインキュベートしたミトコンドリアからのクエン酸合成酵素放出(%)を比較する棒グラフである。 単離緩衝液またはOptiMEM培地(Gibco)中でインキュベートしたミトコンドリアの酸素消費を比較するドットプロットを示す。 単離緩衝液またはOptiMEM培地(Gibco)中でインキュベートしたミトコンドリアからのクエン酸合成酵素放出を比較する棒グラフである。 20mMのスクロース(MP)または200mMのスクロース(M)を含むミトコンドリア組成物中の経時的なO消費を示すドットプロットである。 単離緩衝液(IB)またはPBS(PBS)中に懸濁したミトコンドリアで処理したマウス3T3細胞内の経時的なO消費を示すドットプロットである。 PBS中に懸濁したミトコンドリア(PBS)、または処理前に凍結および解凍したPBS中に懸濁したミトコンドリア(PBS凍結)で処理したヒト143B細胞のクエン酸合成酵素活性を比較する棒グラフである。 コハク酸塩(S)またはコハク酸塩+ADP(S+A)の存在下で、単離緩衝液(「IB」)中またはPBS中のいずれかに懸濁したマウス胎盤ミトコンドリアの経時的なミトコンドリアO消費を比較するドットプロットである。 PBS中または単離緩衝液(IB)中に懸濁したミトコンドリアのクエン酸合成酵素放出を比較する棒グラフである。 単離緩衝液(IB)中またはPBS中に懸濁したミトコンドリアとともにインキュベートしたヒト143B細胞内のクエン酸合成酵素活性を比較した棒グラフである。NT=対照、未処理細胞。 低用量または高用量のミトコンドリアで治療した後の、高脂肪食(HFD)または通常食(通常)のいずれかを給餌したC57BLマウスの体重の変化を示すドットプロットである。 HFD群対高用量ミトコンドリアHFD群におけるコレステロールレベルを比較する棒グラフである。
本発明は、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物の投与を通した、脂質およびコレステロールの代謝の上昇を必要とする対象における脂質およびコレステロールの代謝を上昇させるための組成物および方法に関する。本発明は、体重減少を誘発または体重増加を減弱/低減するための組成物および方法、ならびに脂質およびコレステロール代謝の上昇から利益を得る可能性がある疾患の治療または予防のための組成物および方法をさらに提供する。
一態様によれば、本発明は、脂質およびコレステロール代謝の上昇を必要とする対象における脂質およびコレステロール代謝を上昇させるための方法であって、
(a)無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供することと、
(b)組成物を必要とする対象に治療有効量の組成物を投与し、それにより脂質またはコレステロール代謝を上昇させることと、を含む、方法を提供する。
別の態様によれば、本発明は、脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患を治療または予防するための方法であって、
(a)無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供することと、
(b)対象に治療有効量の組成物を投与することと、を含む、方法を提供する。
さらに別の態様によれば、本発明は、体重減少の誘発または体重増加の減弱もしくは低減を必要とする対象における体重減少を誘発するための方法または体重増加を減弱もしくは低減するための方法であって、
(a)無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供することと、
(b)組成物を必要とする対象に治療有効量の組成物を投与し、それにより対象における体重減少を誘発または体重増加を減弱/低減することと、を含む、方法を提供する。
別の態様によれば、本発明は、体重減少の誘発を必要とする対象における体重減少を誘発するための方法であって、
(a)無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供することと、
(b)組成物を必要とする対象に治療有効量の組成物を投与し、それにより対象における体重減少を誘発することと、を含む、方法を提供する。
別の態様によれば、本発明は、体重増加の減弱または低減を必要とする対象における体重増加を減弱または低減するための方法であって、
(a)無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供することと、
(b)組成物を必要とする対象に治療有効量の組成物を投与し、それにより対象における体重増加を減弱/低減することと、を含む、方法を提供する。
一態様によれば、本発明は、脂質およびコレステロール代謝の上昇を必要とする対象における脂質およびコレステロール代謝の上昇に使用するための、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供する。
別の態様によれば、本発明は、脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患の治療または予防に使用するための、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供する。
さらに別の態様によれば、本発明は、体重減少の誘発または体重増加の減弱もしくは減少を必要とする対象における体重減少の誘発または体重増加の減弱もしくは減少に使用するための、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供する。
別の態様によれば、本発明は、体重減少の誘発を必要とする対象における体重減少の誘発に使用するための、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供する。
さらに別の態様によれば、本発明は、体重増加の減弱または減少を必要とする対象における体重増加の減弱または減少に使用するための、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供する。いくつかの態様によれば、本発明は、体重増加の減弱を必要とする対象における体重増加の減弱に使用するための、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供する。他の態様によれば、本発明は、体重増加の低減を必要とする対象における体重増加の低減に使用するための、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供する。
いくつかの実施形態によれば、破裂ミトコンドリアを含む組成物は、破裂ミトコンドリアから放出される少なくとも1つのミトコンドリア構成物をさらに含む。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリア構成物は、ミトコンドリアタンパク質、ミトコンドリア核酸、ミトコンドリア脂質、ミトコンドリア糖、ミトコンドリア構造、ミトコンドリアマトリックスの少なくとも一部、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
いくつかの実施形態によれば、無傷ミトコンドリアを含む組成物は、高張液をさらに含む。いくつかの実施形態によれば、高張液は、糖を含む。いくつかの実施形態によれば、高張液は、スクロースを含む。
別の実施形態によれば、ミトコンドリアは、凍結融解サイクルを受けている。
別の実施形態によれば、組成物は、経腸、非経口、静脈内、動脈内、皮下、経口、および組織または器官への直接注射からなる群から選択される経路によって、組成物を必要とする対象に投与される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
別の実施形態によれば、組成物は、対象の脂肪組織に投与される。
さらに別の実施形態によれば、組成物は、経口投与によって投与されてもよい。別の実施形態によれば、組成物は、食品添加物として経口投与されてもよい。別の実施形態によれば、組成物は、栄養補助食品として経口投与されてもよい。さらなる実施形態によれば、組成物は、飲み物または飲料への添加物として投与されてもよい。
別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、胎盤、培養物中で成長した胎盤細胞、および血液細胞からなる群から選択される細胞または組織に由来する。別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、ヒト胎盤、培養物中で成長したヒト胎盤細胞、およびヒト血液細胞からなる群から選択される細胞または組織に由来する。さらに別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、植物に由来する。いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、植物組織、植物細胞、または培養物中で成長した植物細胞に由来する。いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、マメに由来する。特定の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、リョクトウに由来する。さらなる特定の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、リョクトウもやしに由来する。
別の実施形態によれば、脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患は、肥満、腹腔内脂肪組織の増加に関連する疾患、内臓肥満、内臓脂肪組織症候群、脂肪肝疾患、およびセルライトからなる群から選択される。別の実施形態によれば、脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患は、肥満である。
別の実施形態によれば、本発明の方法は、追加の療法を施すことをさらに含む。別の実施形態によれば、追加の療法は、食事療法、身体活動、行動療法、薬物療法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
別の実施形態によれば、薬物療法は、脂肪吸収を低減する薬物、満腹を制御する薬物、総コレステロールおよびLDLコレステロールのレベルを低減するための薬物、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
別の実施形態によれば、総コレステロールおよびLDLコレステロールのレベルを低減するための薬物は、HMG CoA還元酵素阻害剤、ニコチン酸、フィブリン酸誘導体、胆汁酸捕捉剤、コレステロール吸収阻害剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
「脂質およびコレステロール代謝を上昇させること」という用語は、以下の選択肢、脂質代謝を上昇させること、コレステロール代謝を上昇させること、およびそれらの組み合わせのいずれかを指すことを理解されたい。
いくつかの実施形態によれば、本発明は、脂質およびコレステロール代謝を上昇させるための方法を提供する。いくつかの実施形態によれば、本発明は、脂質代謝を上昇させるための方法を提供する。いくつかの実施形態によれば、本発明は、コレステロール代謝を上昇させるための方法を提供する。いくつかの実施形態によれば、本発明は、脂質代謝およびコレステロール代謝のうちの少なくとも1つを上昇させるための方法を提供する。
いくつかの実施形態によれば、本発明は、脂質代謝の上昇を必要とする対象における脂質代謝を上昇させるための方法であって、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供することと、組成物を必要とする対象に治療有効量の組成物を投与することと、を含む、方法を提供する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
いくつかの実施形態によれば、本発明は、脂質代謝の上昇から恩恵を受ける疾患を治療するための方法であって、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供することと、組成物を必要とする対象に治療有効量の組成物を投与することと、を含む、方法を提供する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
本明細書で使用される場合、「脂質代謝を上昇させること」という用語は、脂質代謝の増加を指す。いくつかの実施形態によれば、脂質代謝は、細胞内の脂質代謝を指す。いくつかの実施形態によれば、脂質代謝を上昇させることには、脂質含有量の低減が含まれるが、これに限定されない。いくつかの実施形態によれば、脂質代謝を上昇させることは、脂質酸化の増加である。
いくつかの実施形態によれば、「脂質」という用語は、脂肪細胞内に存在する任意の種類の脂質を指す。いくつかの実施形態によれば、「脂質」という用語は、脂肪酸、トリグリセリド、およびそれらの組み合わせを指す。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。本明細書で使用される場合、「脂質含有量の低減」という用語は、脂肪細胞(adipose cell)(本明細書では脂肪細胞(adipocytes)とも称される)内に位置する脂肪酸および/またはトリグリセリドの量/濃度の減少、故に脂肪細胞内の脂質レベル(本明細書では脂質貯蔵とも称される)の低減を指す。
いくつかの実施形態によれば、「脂質代謝を上昇させること」という用語は、脂肪細胞内および/または血中に位置する脂肪酸および/またはトリグリセリドの量/濃度を、治療前の量/濃度と比較して、少なくとも2%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、または100%の割合だけ低減することを指す。脂肪酸および/またはトリグリセリドの量は、当該技術分野で既知の方法、例えば、オイルレッドO染色、全脂質の滴定手順、および酵素分光光度手順によって測定することができる。
いくつかの実施形態によれば、本発明は、脂質含有量の低減を必要とする対象における脂質含有量を低減するための方法であって、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供することと、組成物を必要とする対象に治療有効量の組成物を投与することと、を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態によれば、本明細書で使用される場合、「コレステロール代謝を上昇させること」という用語には、総コレステロールおよび/または低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールの血中濃度を低下させることが含まれるが、これらに限定されない。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。特定の実施形態によれば、「コレステロール代謝を上昇させること」という用語は、総コレステロールおよび/もしくは低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールの血中濃度、または総コレステロールを、治療前の濃度と比較して、少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、または100%の割合だけ低下させることを指す。いくつかの実施形態によれば、「コレステロール」という用語は、総コレステロールを指す。いくつかの実施形態によれば、「コレステロール」という用語は、LDLコレステロールを指す。いくつかの実施形態によれば、「コレステロール」という用語は、総コレステロールおよび/またはLDLコレステロールを指す。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、本発明の方法に従ってコレステロール代謝を上昇させることは、高血清コレステロールを治療および/または緩和する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
「高血清コレステロール」または「高総コレステロールおよびLDLコレステロール」という用語は、本明細書では互換的に使用され、健康な対象に存在する正常なレベルを超える、対象におけるコレステロール血清レベルを指す。高血清コレステロールは、血清中の高コレステロールに関連する疾患の発症につながる可能性がある。コレステロールの正常なレベルは、人種および年齢群によって異なる。典型的には、コレステロールは、対象において、総血漿コレステロール、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール、およびそれらの組み合わせのいずれかとして測定される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
コレステロールレベルに関して「正常を超える」および「正常よりも高い」という用語は、本明細書では互換的に使用される。正常なコレステロール値は、様々な要因に依存し、医療提供者の基準に従って決定することができる。典型的には、成人では、高血清コレステロール濃度は一般に、総血漿コレステロールでは約5.2〜約6.18mmol/L(200〜239mg/dL)を超えるもの、および/またはLDLコレステロールでは約3.36〜約4.11mmol/L(130〜159mg/dL)を超えるものと見なされる。コレステロールレベルの下限は、年齢および性別などの様々な要因に応じて、対象にとって健康なものと見なされる。子供または青年の場合、健康なコレステロールレベルは、総血漿コレステロールでは約120mg/dL〜約170mg/dLである。いくつかの実施形態では、ヒト対象における正常よりも高いコレステロールレベルは、総血漿コレステロールでは約240mg/dL超、約220mg/dL超、約200mg/dL超、約190mg/dL超、約180mg/dL超、または約170mg/dL超である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
いくつかの実施形態によれば、本発明は、総コレステロールおよび/またはLDLコレステロールの代謝の上昇を必要とする対象における総コレステロールおよび/またはLDLコレステロールの代謝を上昇させるための方法であって、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供することと、組成物を必要とする対象に治療有効量の組成物を投与することと、を含む、方法を提供する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、本発明は、高総コレステロールおよび高LDLコレステロールを患っている対象における総コレステロールおよび/またはLDLコレステロールの代謝を上昇させるための方法を提供する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、本発明は、健康な対象における総コレステロールおよび/またはLDLコレステロールの代謝を上昇させるための方法を提供する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
いくつかの実施形態によれば、本発明は、総コレステロールおよび/またはLDLコレステロールの血清レベルの低減を必要とする対象における総コレステロールおよび/またはLDLコレステロールの血清レベルを低減するための方法であって、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供することと、組成物を必要とする対象に治療有効量の組成物を投与することと、を含む、方法を提供する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、本発明は、高総コレステロールおよび高LDLコレステロールを患っている対象における総コレステロールおよび/またはLDLコレステロールの血清レベルを低下させるための方法を提供する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、本発明は、健康な対象における総コレステロールおよび/またはLDLコレステロールの血清レベルを低減するための方法を提供する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
いくつかの実施形態によれば、本発明の方法は、脂質および/またはコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患の治療または予防に使用される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。本明細書で使用される場合、「脂質および/またはコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患」は、正常よりも高い脂質および/もしくはコレステロールのレベルをもたらす疾患、または正常よりも高い脂質および/もしくはコレステロールのレベルによって悪化する可能性がある疾患を指す。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態によれば、脂質および/またはコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患は、過剰な脂質貯蔵に関連する疾患である。脂質および/またはコレステロールの正常なレベルは、性別および年齢などであるがこれらに限定されない、患者のパラメータに関連していることに留意されたい。いくつかの実施形態によれば、脂質および/またはコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患は、セルライトである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。本明細書で使用される場合、「セルライト」という用語は、線維性結合組織内からの皮下脂質のヘルニア形成を指す。
別の実施形態によれば、脂質および/またはコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患は、肥満、腹腔内脂肪組織の増加に関連する疾患、内臓肥満、内臓脂肪組織症候群、脂肪肝疾患、およびセルライトからなる群から選択される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態によれば、脂質および/またはコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患は、肥満である。いかなる理論または機構によっても拘束されることを望むものではないが、脂質および/またはコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患に苦しむ対象への本発明の組成物の投与は、脂質および/またはコレステロールレベルの低減、ならびに故に疾患の治療または緩和をもたらす。本発明の方法は、脂質および/もしくはコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患を患っている対象、または脂質および/もしくはコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患に罹患しやすいか、もしくはそれを有する疑いのある対象を治療することができることを理解されたい。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
本明細書で使用される場合、別段明記しない限り、「疾患を予防すること」という用語には、特定の疾患または障害に関連する症状の阻害または防止が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、別段明記しない限り、「治療すること」という用語は、疾患または障害の症状の発症後の組成物の投与を指す一方で、「予防すること」は、特に疾患または障害のリスクがある患者への、症状の発症前の投与を指す。
いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物および方法を使用して、対象における体重減少を誘発する。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物および方法を使用して、対象における体脂肪の低減を誘発する。いかなる理論または機構によっても拘束されることを望むものではないが、本発明の組成物の投与は、脂質および/またはコレステロール代謝の上昇をもたらし、故に対象における体脂肪を低減し、体重減少を誘発する。
いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物および方法は、同様の条件(すなわち、同じ生活習慣、食事、または身体活動)下で他の方法では体重の減少または体重増加の減弱もしくは低減がないであろう対象における体重減少を誘発すること、または体重増加を減弱もしくは低減することができる。
いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物および方法を使用して、対象における体重増加を減弱または低減する。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物および方法を使用して、対象における体重増加を予防する。他の実施形態によれば、本発明の組成物および方法を使用して、対象における体重再増加を予防、減弱、または低減する。さらなる実施形態によれば、本発明の組成物および方法を使用して、過体重/肥満になりやすい対象における体重増加を予防、減弱、または低減する。特定の実施形態によれば、本発明の組成物および方法を使用して、2型糖尿病、薬物治療、禁煙などに関連する体重増加を予防、減弱、または低減する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
本明細書で使用される場合、「体重増加を減弱または低減する」および「体重増加を減弱または低減すること」という用語は、患者の体重増加を減少させることを指す。「体重再増加を減弱または減少させる」および「体重再増加を減弱または減少させること」という用語は、減量後に体重の回復を経験している患者の体重増加を減少させることを指す。体重再増加は、食事、運動、行動修正、または承認された療法を介して達成された体重減少の中止後のリバウンド効果によるものであり得る。
本発明の組成物および方法を用いて、過体重/肥満の個体を治療すること、および/または過体重/肥満になりやすい対象を治療することができることを理解されたい。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物および方法は、肥満または過体重の定義に該当しない局所脂質貯蔵障害(リピドーシスとしても知られる)を有する対象を治療することをさらに対象とする。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物および方法は、医学的体重減少および非医学的体重減少に使用することができる。
本明細書で使用される場合、「それを必要とする対象」という用語は、脂質および/またはコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患に罹患しているか、またはそれに罹患するリスクがある対象を指す。いくつかの実施形態によれば、それを必要とする対象は、体重減少を必要とするかもしくは望む対象、またはより低い脂質および/またはコレステロールレベルを必要とする対象である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、「それを必要とする対象」という用語は、肥満、過体重、内臓肥満、過剰な脂質貯蔵に関連する疾患または障害、腹腔内脂肪組織の増加に関連する疾患、内臓脂肪組織症候群、脂肪肝疾患、セルライト、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される病態のうちの少なくとも1つを患っている対象を指す。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、任意のヒトまたは非ヒト対象を指し得る。一実施形態では、対象は、哺乳動物対象である。特定の実施形態では、哺乳動物対象は、ヒト対象である。
いくつかの実施形態では、対象は、脂質および/もしくはコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患に罹患しているか、またはそれに罹患するリスクがあるヒト対象、あるいは体重減少を必要とするか、もしくは望んでいるヒト対象、またはより低い脂質および/またはコレステロールレベルを必要とするヒト対象であり得る。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。他の実施形態では、対象は、肥満、過体重、内臓肥満、過剰な脂質貯蔵に関連する疾患または障害、腹腔内脂肪組織の増加に関連する疾患、内臓脂肪組織症候群、脂肪肝疾患、セルライト、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される病態のうちの少なくとも1つを患っているヒト対象である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
本明細書で使用される場合、「過体重」という用語は、25〜29.9kg/mの肥満度指数(BMI)を指す。本明細書で使用される場合、「肥満」という用語は、30kg/m以上のBMIを指す。「過体重」および「肥満」という用語の範囲は、当該技術分野で既知の任意の体重評価方法によって評価することができ、肥満度指数に基づく評価に限定されないことに留意されたい。
本明細書で使用される場合、「内臓肥満」という用語は、皮下ではなく、腹部内臓および網に脂肪が過剰に沈着することによる肥満の形態を指す。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、脂質および/またはコレステロール代謝を上昇させるのに有効な本発明の組成物の量を指す。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、脂質および/またはコレステロール代謝を、脂質および/またはコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患の治療または予防を可能にするレベルまで上昇させるのに有効な本発明の組成物の量を指す。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。他の実施形態によれば、本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、脂質および/またはコレステロール代謝を、対象における体重減少の達成または体重増加の低減/予防/減弱を可能にするレベルまで上昇させるのに有効な本発明の組成物の量を指す。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
コレステロール代謝に特に言及する「治療有効量」という用語は、総コレステロールおよび/またはLDLコレステロールの低減を必要とする対象の血中の総コレステロールおよび/またはLDLコレステロールを、高レベルとは見なされないレベルまで低減するのに有効な組成物の量を指す。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
別の実施形態によれば、本発明の方法は、追加の療法を施すことをさらに含む。別の実施形態によれば、追加の療法は、食事療法、身体活動、行動療法、薬物療法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態によれば、薬物療法は、脂肪吸収を低減する薬物、満腹を制御する薬物、総コレステロールおよびLDLコレステロールのレベルを低減する薬物、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
本明細書で使用される場合、「総コレステロールおよびLDLコレステロールを低減するための薬物療法」ならびに「総コレステロールおよびLDLコレステロールのレベルを低減するための薬物」という用語は、互換的に使用される。別の実施形態によれば、総コレステロールおよびLDLコレステロールを低減するための薬物療法は、3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリル−CoAレダクターゼ(HMG CoA還元酵素)阻害剤、ニコチン酸、フィブリン酸誘導体、胆汁酸捕捉剤、コレステロール吸収阻害剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
本明細書で使用される場合、「組成物」および「本発明の組成物」という用語は、互換的に使用される。いくつかの実施形態によれば、本明細書で使用される場合、「本発明の組成物」という用語は、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を指す。いくつかの実施形態によれば、本明細書で使用される場合、「本発明の組成物」という用語は、無傷ミトコンドリアおよび破裂ミトコンドリアからなる群から選択されるミトコンドリアを指す。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、破裂ミトコンドリアを含む。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、無傷ミトコンドリアを含む。他の実施形態によれば、本発明の組成物は、無傷ミトコンドリアおよび破裂ミトコンドリアを含む。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、少なくとも1つのミトコンドリア構成物を含む。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、破裂ミトコンドリアおよび少なくとも1つのミトコンドリア構成物を含む。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、破裂ミトコンドリア、ならびに破裂ミトコンドリアから放出および/または分泌される少なくとも1つのミトコンドリア構成物を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、部分的に精製されたミトコンドリアを含む。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、単離されたミトコンドリアを含む。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、ミトコンドリアによって馴化された培地を含む。他の実施形態によれば、本発明の組成物は、破裂ミトコンドリア、少なくとも1つのミトコンドリア構成物、単離されたミトコンドリア、部分的に精製されたミトコンドリア、無傷ミトコンドリア、ミトコンドリアによって馴化された培地、およびそれらの組み合わせからなる群の少なくとも1つを含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。本明細書で使用される場合、「ミトコンドリアによって馴化された培地」という用語は、ミトコンドリアがインキュベートされ、ミトコンドリア構成物および/またはミトコンドリアから分泌される要素を含む培地を指す。
本明細書で使用される場合、「無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物」、「無傷ミトコンドリアおよび破裂ミトコンドリアからなる群から選択されるミトコンドリアを含む組成物」、ならびに「ミトコンドリアを含む組成物」という用語は、互換的に使用され得る。これらの用語は、無傷ミトコンドリア、破裂ミトコンドリア、または無傷ミトコンドリアおよび破裂ミトコンドリアの両方を含む組成物を対象とする。
ミトコンドリアには、16,569塩基対からなる環状二本鎖分子であるミトコンドリアゲノムが含まれる。それは、13個のタンパク質をコードする遺伝子、22個の転移RNA(tRNA)遺伝子、および2つのリボソームRNA(rRNA)遺伝子を含む、37個の遺伝子を含有する。13個のタンパク質をコードする遺伝子は、ミトコンドリア呼吸鎖の構成要素である。野生型(wt)−mtDNA分子には、配列多型も含まれ得るが、それは、依然として完全に機能的である。構造的に、ミトコンドリアのオルガネラは、直径または幅が0.5μm〜1μmの範囲であり、4つの区画、外膜、内膜、膜間腔、およびマトリックスを有する。
本明細書で使用される場合、「ミトコンドリア」または「本発明のミトコンドリア」という用語は、互換的であり、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを指す。いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、無傷ミトコンドリアを指す。いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、破裂ミトコンドリアを指す。いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、破裂ミトコンドリア、およびミトコンドリアから分泌または放出される少なくとも1つのミトコンドリア構成物を指す。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、本発明に従って少なくとも1つのミトコンドリア構成物が放出されるミトコンドリアを指す。
本発明によるミトコンドリアは、本明細書に開示される方法によって、または当該技術分野で既知の任意の他の方法によって得ることができる。市販のミトコンドリア単離キットには、例えば、ミトコンドリア分離キット、MITOISO1(Sigma−Aldrich)などが含まれる。
いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、機能的なミトコンドリアである。別の実施形態によれば、部分的に精製されたミトコンドリアは、機能的なミトコンドリアである。別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、機能的ではない。別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、単離されたミトコンドリアである。別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、無傷ミトコンドリアである。別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、部分的に機能的である。本明細書で使用される場合、部分的に機能的なミトコンドリアは、酸素消費などであるがこれに限定されない、ミトコンドリアの少なくとも1つの機能的特性を欠くミトコンドリアを指す。いくつかの実施形態によれば、破裂ミトコンドリアは、非機能的なミトコンドリアである。いくつかの実施形態によれば、破裂ミトコンドリアは、部分的に機能的なミトコンドリアである。
いくつかの実施形態によれば、「機能的なミトコンドリア」という用語は、酸素を消費するミトコンドリアを指す。別の実施形態によれば、機能的なミトコンドリアは、無傷の外膜を有する。いくつかの実施形態によれば、機能的なミトコンドリアは、無傷ミトコンドリアである。いくつかの実施形態によれば、機能的なミトコンドリアは、経時的に増加する速度で酸素を消費する。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリアの機能性は、酸素消費によって測定される。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリアの酸素消費は、MitoXpress蛍光プローブ(Luxcel)などであるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の方法によって測定することができる。いくつかの実施形態によれば、機能的なミトコンドリアは、ADP、およびグルタミン酸、リンゴ酸、またはコハク酸などであるがこれらに限定されない基質の存在下で、酸素消費速度の増加を示すミトコンドリアである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、機能的なミトコンドリアは、ATPを産生するミトコンドリアである。いくつかの実施形態によれば、機能的なミトコンドリアは、それら自体のRNAおよびタンパク質を製造することができるミトコンドリアであり、自己複製構造である。いくつかの実施形態によれば、機能的なミトコンドリアは、ミトコンドリアリボソーム分子およびミトコンドリアtRNA分子を産生する。
当該技術分野で既知であるように、機能的な胎盤ミトコンドリアは、プロゲステロンの産生に関与する(例えば、Tuckey RC,Placenta,2005,26(4):273−81を参照されたい)。いくつかの実施形態によれば、機能的なミトコンドリアは、プロゲステロンまたはプレグネノロンを産生するミトコンドリアである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、機能的なミトコンドリアは、プロゲステロンを分泌するミトコンドリアである。非限定的な例では、培養物中で成長した胎盤または胎盤細胞に由来するミトコンドリアは、プロゲステロンまたはプレグネノロンを産生する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、培養物中で成長した胎盤または胎盤細胞に由来し、ミトコンドリアは、プロゲステロンまたはプレグネノロンを産生する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、本発明の無傷ミトコンドリアにおけるプロゲステロンまたはプレグネノロンの産生は、凍結融解サイクル後に損なわれない。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリアの機能性は、ミトコンドリアプロゲステロン産生、またはプレゲネノロンなどであるがこれに限定されない、プロゲステロン前駆体のミトコンドリア産生を測定することによって測定される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。プロゲステロン産生は、ラジオイムノアッセイ(RIA)などであるがこれに限定されない、当該技術分野で既知の任意のアッセイによって測定することができる。
本明細書で使用される場合、ミトコンドリアに関して「由来する」という用語は、ミトコンドリアが得られた源に関する。例えば、源は、胎盤、培養物中で成長した胎盤細胞、血液細胞、植物組織、植物細胞、および培養物中で成長した植物細胞からなる群から選択される細胞または組織であり得る。
本明細書で使用される場合、「部分的に精製されたミトコンドリア」という用語は、他の細胞構成成分から分離されたミトコンドリアを指し、ミトコンドリアの重量は、(Hartwig et al.,Proteomics,2009,(9):3209−3214に例示されるように)ミトコンドリアおよび他の細胞内画分の合計重量の10〜80%、20〜80%、20〜70%、40〜70%、20〜40%、または20〜30%を構成する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態によれば、部分的に精製されたミトコンドリアは、無傷細胞を含有しない。
別の実施形態によれば、部分的に精製されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の少なくとも10%を構成する。別の実施形態によれば、部分的に精製されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の少なくとも20%を構成する。別の実施形態によれば、部分的に精製されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の10%〜80%を構成する。別の実施形態によれば、部分的に精製されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の20%〜80%を構成する。別の実施形態によれば、部分的に精製されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の20%〜40%を構成する。さらに別の実施形態によれば、部分的に精製されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の20%〜30%を構成する。別の実施形態によれば、部分的に精製されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の40%〜80%を構成する。別の実施形態によれば、部分的に精製されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の30%〜70%を構成する。別の実施形態によれば、部分的に精製されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の50%〜70%を構成する。別の実施形態によれば、部分的に精製されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の60%〜70%を構成する。別の実施形態によれば、部分的に精製されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の80%未満を構成する。
本明細書で使用される場合、「ミトコンドリアタンパク質」という用語は、ゲノムDNAまたはmtDNAによってコードされるミトコンドリアタンパク質を含む、ミトコンドリアに起源を持つタンパク質を指す。本明細書で使用される場合、「細胞内タンパク質」という用語は、ミトコンドリアが産生される細胞または組織に起源を持つ全てのタンパク質を指す。
本明細書で使用される場合、「単離されたミトコンドリア」という用語は、他の細胞構成成分から分離されたミトコンドリアを指し、ミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内細胞タンパク質の合計重量の80%超を構成する。単離されたミトコンドリアの調製は、緩衝液組成の変更、または部分的に精製されたミトコンドリアの調製には不要な追加の洗浄ステップ、浄化サイクル、遠心分離サイクル、および超音波処理サイクルを必要とする場合がある。いかなる理論または機構によっても拘束されることを望むものではないが、そのような追加のステップおよびサイクルは、単離されたミトコンドリアの機能性を損なう場合がある。
一実施形態によれば、単離されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内細胞タンパク質の合計重量の80%超を構成する。別の実施形態によれば、単離されたミトコンドリア中のミトコンドリアタンパク質の重量は、ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の90%超を構成する。単離されたミトコンドリアを得るための方法の非限定的な例は、MACS(登録商標)技術(Miltenyi Biotec)である。いかなる理論または機構によっても拘束されることを望むものではないが、ミトコンドリアの重量がミトコンドリアおよび他の細胞内画分の合計重量の95%超を構成する単離されたミトコンドリアは、機能的なミトコンドリアではない。別の実施形態によれば、単離されたミトコンドリアは、無傷細胞を含有しない。いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、単離されたミトコンドリアである。
本明細書で使用される場合、「無傷ミトコンドリア」という用語は、外膜、内膜、(内膜によって形成される)クリステ、およびマトリックスを含むミトコンドリアを指す。いくつかの実施形態によれば、無傷ミトコンドリアは、ミトコンドリアDNAを含む。本明細書で使用される場合、「マイトプラスト」という用語は、外膜を欠くミトコンドリアを指す。別の実施形態によれば、ミトコンドリア膜の無傷性は、当該技術分野で既知の任意の方法によって決定することができる。非限定的な例では、ミトコンドリア膜の無傷性は、テトラメチルローダミンメチルエステル(TMRM)またはテトラメチルローダミンエチルエステル(TMRE)蛍光プローブを使用して測定される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。顕微鏡下で観察され、TMRMまたはTMRE染色を示すミトコンドリアには、無傷ミトコンドリア外膜を有する。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリア膜の無傷性は、ミトコンドリア外のクエン酸合成酵素の存在をアッセイすることによって測定される。いくつかの実施形態によれば、クエン酸合成酵素を放出するミトコンドリアは、ミトコンドリアの無傷性が損なわれている。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリア膜の無傷性は、ADPの存在に結合した酸素消費のミトコンドリア速度を測定することによって決定される。いくつかの実施形態によれば、ADPの存在下でのミトコンドリアの酸素消費の増加は、無傷ミトコンドリア膜を示す。いくつかの実施形態によれば、本発明による無傷ミトコンドリアは、部分的に精製されたミトコンドリアである。いくつかの実施形態によれば、本発明による無傷ミトコンドリアは、単離されたミトコンドリアである。いくつかの実施形態によれば、機能的なミトコンドリアは、無傷ミトコンドリアである。
本明細書で使用される場合、「ミトコンドリア膜」という用語は、ミトコンドリア内膜、ミトコンドリア外膜、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるミトコンドリア膜を指す。
本明細書で使用される場合、「破裂ミトコンドリア」という用語は、内ミトコンドリア膜および外ミトコンドリア膜が剪断された(引き裂かれた)もの、穿孔されたもの、穿刺されたものなどのミトコンドリアを指す。いくつかの実施形態によれば、破裂ミトコンドリアは、2つ以上の部分/部分に剪断されたミトコンドリアである。破裂ミトコンドリアは、本明細書に記載の方法または当該技術分野で既知の任意の他の方法によって破裂させた無傷ミトコンドリアであることを理解されたい。
いくつかの実施形態によれば、破裂ミトコンドリアは、ミトコンドリアから少なくとも1つのミトコンドリア構成物を放出したミトコンドリアである。いくつかの実施形態によれば、破裂ミトコンドリアは、内ミトコンドリア膜および外ミトコンドリア膜が引き裂かれる、穿孔される、穿刺されるなどし、少なくとも1つのミトコンドリア構成物を放出したミトコンドリアを対象とする。いくつかの実施形態によれば、無傷ミトコンドリアの破裂は、少なくとも1つのミトコンドリア構成物の放出をもたらす。いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのミトコンドリア構成物を放出した破裂ミトコンドリアが、放出された構成物とともに投与されることが理解されるべきである。
本明細書で使用される場合、「ミトコンドリア構成物」という用語は、ミトコンドリアに含まれる任意の要素を指す。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリア構成物は、ミトコンドリアタンパク質、ミトコンドリアペプチド、ミトコンドリア核酸、ミトコンドリア脂質、ミトコンドリア糖、ミトコンドリア構造、ミトコンドリアマトリックスの少なくとも一部、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの要素である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
本明細書で使用される場合、「ミトコンドリア構造」という用語は、マトリックス顆粒、ATP−合成酵素粒子、ミトコンドリアリボソーム、およびクリステなどであるがこれらに限定されない、ミトコンドリアに存在する構造および/またはオルガネラを指す。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリア構成物は、無傷の機能的なミトコンドリアの少なくとも1つの機能を維持する。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリア構成物は、単一の種類のミトコンドリアタンパク質、ミトコンドリアペプチド(例えば、ヒューマニン)、ミトコンドリア核酸、ミトコンドリア脂質、ミトコンドリア構造、またはミトコンドリア糖を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリア構成物は、少なくとも1つの機能タンパク質を含む。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリア構成物は、ミトコンドリアマトリックスの少なくとも一部を含む。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリア構成物は、ミトコンドリアマトリックス全体を含む。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリア構成物は、ミトコンドリアマトリックスの少なくとも一部、およびタンパク質、アデノシン三リン酸(ATP)、またはイオンなどであるがこれらに限定されない、その中に含まれる要素の少なくとも一部を含む。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリア構成物は、ミトコンドリアマトリックスの少なくとも一部、ならびにその中に含まれる以下の要素、ミトコンドリアタンパク質、ミトコンドリア核酸、ミトコンドリア脂質、ミトコンドリア糖、およびミトコンドリア構造のうちの少なくとも1つを含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。本明細書で使用される場合、「ミトコンドリアマトリックス」という用語は、ミトコンドリア内膜内の粘性材料を指す。
本発明のいくつかの実施形態によるミトコンドリア構成物は、ミトコンドリアタンパク質などであるがこれに限定されない、ミトコンドリアから分泌または放出される要素であることを理解されたい。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリアから分泌または放出されるミトコンドリア構成物は、ミトコンドリアがインキュベートされた馴化培地からミトコンドリア構成物を回収することなどであるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の方法によって回収することができる。
いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリア構成物は、細胞からミトコンドリア画分を単離するための当該技術分野で既知の任意の方法、例えば、Thermo Fisher Scientific(Rockford,IL,USA)の培養細胞用ミトコンドリア単離キットを使用することによって実行される方法によって得ることができる。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリア画分または構成物は、ミトコンドリアの単離または部分精製の副産物として産生される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
いくつかの実施形態によれば、本発明は、脂質およびコレステロール代謝の上昇を必要とする対象における脂質およびコレステロール代謝を上昇させるための方法であって、少なくとも1つのミトコンドリア構成物を含む組成物を提供することと、組成物を必要とする対象に治療有効量の組成物を投与することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態によれば、本発明は、脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患を治療または予防するための方法であって、少なくとも1つのミトコンドリア構成物を含む組成物を提供することと、対象に治療有効量の組成物を投与することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態によれば、本発明は、体重減少の誘発を必要とする対象における体重減少を誘発するための方法であって、少なくとも1つのミトコンドリア構成物を含む組成物を提供することと、組成物を必要とする対象に治療有効量の組成物を投与することと、を含む、方法を提供する。他の実施形態によれば、本発明は、体重増加の予防、減弱、または低減を必要とする対象における体重増加を予防、減弱、または低減するための方法であって、少なくとも1つのミトコンドリア構成物を含む組成物を提供することと、組成物を必要とする対象に治療有効量の組成物を投与することと、を含む、方法を提供する。さらなる実施形態によれば、本発明は、体重再増加の防止、減弱、または低減を必要とする対象における体重再増加を防止、減弱、または低減する方法であって、少なくとも1つのミトコンドリア構成物を含む組成物を提供することと、組成物を必要とする対象に治療有効量の組成物を投与することと、を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態によれば、本発明は、脂質およびコレステロール代謝の上昇を必要とする対象における脂質およびコレステロール代謝の上昇に使用するための、少なくとも1つのミトコンドリア構成物を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態によれば、本発明は、脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患の治療または予防に使用するための、少なくとも1つのミトコンドリア構成物を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態によれば、本発明は、体重減少の誘発を必要とする対象における体重減少の誘発に使用するための、少なくとも1つのミトコンドリア構成物を含む組成物を提供する。他の実施形態によれば、本発明は、体重増加の減弱または低減を必要とする対象における体重増加の減弱または低減に使用するための、少なくとも1つのミトコンドリア構成物を含む組成物を提供する。他の実施形態によれば、本発明は、体重再増加の減弱または低減を必要とする対象における体重再増加の減弱または低減に使用するための、少なくとも1つのミトコンドリア構成物を含む組成物を提供する。
本発明のいくつかの実施形態による破裂ミトコンドリアおよび/またはミトコンドリア構成物は、無傷ミトコンドリアおよび/または単離されたミトコンドリアおよび/または部分的に精製されたミトコンドリアから得られることを理解されたい。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。本発明の好ましい実施形態によるミトコンドリア構成物は、当該技術分野で既知の任意の方法によって無傷ミトコンドリアから得られることをさらに理解されたい。いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリア構成物は、無傷ミトコンドリアを高張液から低張液に移動させることによって得られる。いくつかの実施形態によれば、無傷ミトコンドリアを高張液から低張液に移動させることは、少なくとも1つのミトコンドリア構成物の放出をもたらす。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
本明細書で使用される場合、「低張」、「等張」、および「高張」という用語は、無傷ミトコンドリア内の溶質濃度に対する濃度に関する。
他の実施形態によれば、破裂ミトコンドリアは、無傷ミトコンドリアを、低張リン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液などであるがこれに限定されない、低張液に曝露することによって得られる。いかなる理論または機構によっても拘束されることを望むものではないが、無傷ミトコンドリアを低張液に曝露することは、ミトコンドリアの爆発または穿孔をもたらし、ミトコンドリアマトリックスの少なくとも一部などであるがこれに限定されない、ミトコンドリア構成物を放出する可能性がある、破裂ミトコンドリアが得られる。
いくつかの実施形態によれば、破裂ミトコンドリアは、ミトコンドリアを高張液から低張液に移動させることによって得られる。いかなる理論または機構によっても拘束されることを望むものではないが、無傷ミトコンドリアを高張液に移動させることは、ミトコンドリアの爆発、破裂、または穿孔をもたらし、故にミトコンドリアマトリックスの少なくとも一部などであるがこれに限定されない、ミトコンドリア構成物を放出する可能性がある、破裂ミトコンドリアが得られる。非限定的な例では、無傷ミトコンドリアの爆発、破裂、または穿孔は、クエン酸合成酵素などのミトコンドリアタンパク質の放出をもたらす場合がある。いくつかの実施形態によれば、クエン酸合成酵素の放出は、破裂ミトコンドリアの指標として使用される。いくつかの実施形態によれば、本発明によるミトコンドリア構成物は、無傷ミトコンドリア内の浸透圧を増加させることによって無傷ミトコンドリアから放出される。いかなる理論または機構によっても拘束されることを望むものではないが、ミトコンドリア膜が穿孔される、かつ/または引き裂かれるように無傷ミトコンドリア内の浸透圧を増加させることは、破裂ミトコンドリアをもたらし、本発明によるミトコンドリア構成物の放出をもたらす可能性がある。
いくつかの実施形態によれば、本発明による無傷ミトコンドリアを含む組成物は、高張液として製剤化される。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、高張液を含む。いくつかの実施形態によれば、本発明による高張液は、糖を含む。本明細書で使用される場合、「糖」という用語は、糖、オリゴ糖、または多糖を指し得る。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、糖は、スクロースである。いくつかの実施形態によれば、本発明による高張液中の糖の濃度は、単離緩衝液中の糖の濃度と同様である。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリア機能を保存するように作用する十分な糖濃度は、ミトコンドリアを無傷で保存するのに十分である。いくつかの実施形態によれば、単離緩衝液は、高張である。他の実施形態によれば、本発明による高張液中の糖濃度は、ミトコンドリアを無傷で保存するのに十分な糖濃度である。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、ミトコンドリアを無傷で保存するのに十分な糖濃度をさらに含む。
別の実施形態によれば、ミトコンドリアを無傷で保存するのに十分な糖濃度は、100mM〜400mM、好ましくは100mM〜250mM、最も好ましくは200mM〜250mMの濃度である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態によれば、ミトコンドリアを無傷で保存するのに十分な糖濃度は、100mM〜150mMである。別の実施形態によれば、ミトコンドリアを無傷で保存するのに十分な糖濃度は、150mM〜200mMである。別の実施形態によれば、ミトコンドリアを無傷で保存するのに十分な糖濃度は、100mM〜200mMである。別の実施形態によれば、ミトコンドリアを無傷で保存するのに十分な糖濃度は、100mM〜400mMである。別の実施形態によれば、ミトコンドリアを無傷で保存するのに十分な糖濃度は、150mM〜400mMである。別の実施形態によれば、ミトコンドリアを無傷で保存するのに十分な糖濃度は、200mM〜400mMである。別の実施形態によれば、ミトコンドリアを無傷で保存するのに十分な糖濃度は、少なくとも100mMである。いかなる理論または作用機構によっても拘束されることを望むものではないが、100mM未満の糖濃度は、ミトコンドリアを無傷で保存するのに十分ではない場合がある。いくつかの実施形態によれば、100mM超の糖濃度は、高張である。
いくつかの実施形態によれば、本発明による破裂ミトコンドリアを含む組成物は、低張液として製剤化される。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、低張液を含む。低張溶液の非限定的な例は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)である。いくつかの実施形態によれば、PBS中のミトコンドリアは、破裂ミトコンドリアである。他の実施形態によれば、単離緩衝液中のミトコンドリアは、無傷ミトコンドリアである。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリアを無傷で保存するのに十分な糖濃度を含む単離緩衝液中のミトコンドリアは、無傷ミトコンドリアである。
いくつかの実施形態によれば、本発明の無傷ミトコンドリアは、イオン交換阻害剤に曝露される。いくつかの実施形態によれば、本発明の無傷ミトコンドリアは、イオン交換阻害剤への曝露によってサイズが低減する。別の実施形態によれば、本発明の無傷ミトコンドリアは、イオン交換阻害剤への曝露によってサイズが低減した。いくつかの実施形態によれば、本発明の無傷ミトコンドリアは、部分精製または単離後に、イオン交換阻害剤に曝露される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、本発明の無傷ミトコンドリアは、部分精製または単離中にイオン交換体阻害剤に曝露される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。他の実施形態によれば、本発明の無傷ミトコンドリアが由来する細胞または組織は、ミトコンドリアの部分精製または単離前に、イオン交換阻害剤に曝露される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態によれば、イオン交換阻害剤は、CGP37157である。本明細書で使用される場合、「CGP」および「CGP37157」という用語は、互換的に使用される。いかなる理論または機構によっても拘束されることを望むものではないが、ミトコンドリアNa/Ca2+交換体を遮断する薬剤(CGP37157など)は、ミトコンドリア分裂を誘発し、ミトコンドリアATP産生を増加させ、ミトコンドリアサイズを低減する。ミトコンドリア分裂は、自然発生的な分裂またはCGP37157などの適切な薬剤によって誘発される分裂を指す。別の実施形態によれば、本発明の最終組成物は、遊離イオン交換阻害剤を欠く。本明細書で使用される場合、イオン交換阻害剤を欠く組成物は、本発明のミトコンドリアに結合していないイオン交換阻害剤を欠く組成物を指す。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、本発明のミトコンドリアに結合したイオン交換阻害剤を含む。いくつかの実施形態によれば、イオン交換阻害剤を欠く組成物は、1μM未満、好ましくは0.5μM未満、最も好ましくは0.1μM未満の濃度のイオン交換阻害剤を含む。
いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、それらが投与される対象とは異なる対象に由来する。いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、それらが投与されるのと同じ対象に由来する。別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、同種および異種から選択される源に由来する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、同系、同種、および異種から選択される源に由来する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、同種および異種から選択される源に由来する細胞または組織に由来する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、同系、同種、および異種から選択される源に由来する細胞または組織に由来する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
本明細書で使用される場合、同種源のミトコンドリアは、同じ種に由来する、治療される対象とは異なる対象に由来するミトコンドリアを指す。本明細書で使用される場合、異種源のミトコンドリアは、異なる種に由来する、治療される対象とは異なる対象に由来するミトコンドリアを指す。本明細書で使用される場合、「同系」という用語は、遺伝的に同一であることを指す。いくつかの実施形態によれば、自己細胞は、同系細胞である。
いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、哺乳動物対象に由来する。別の実施形態によれば、哺乳動物対象は、ヒト対象である。別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、哺乳動物細胞に由来する。別の実施形態によれば、哺乳動物細胞は、ヒト細胞である。別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、培養物中の細胞に由来する。別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、培養物中のヒト細胞に由来する。別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、組織に由来する。
いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、ヒト胎盤、培養物中で成長したヒト胎盤細胞、およびヒト血液細胞からなる群から選択される細胞または組織に由来する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、胎盤、培養物中で成長した胎盤細胞、および血液細胞からなる群から選択される細胞または組織に由来する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、植物に由来する。いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、植物組織、植物細胞、または培養物中で成長した植物細胞に由来する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、本発明に従って、植物組織、植物細胞、または培養物中で成長した植物細胞からミトコンドリアを導出することは、植物プロトプラストからミトコンドリアを導出することを指す。本発明による植物ミトコンドリアは、ミトコンドリアを構成することが当該技術分野で既知である、任意の植物種、植物器官、植物細胞、または培養物中で成長した植物細胞に由来し得る。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。非限定的な例では、本発明による植物ミトコンドリアは、貯蔵器官(ジャガイモ、糖質、もしくはテンサイなど)、緑色の葉(タバコ、エンドウマメ、もしくはペチュニアなど)、または黄化した実生(コムギ、トウモロコシ、またはリョクトウなど)に由来し得る。特定の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、リョクトウに由来する。いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、リョクトウもやしに由来する。いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、ジャガイモに由来する。いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、ドナリエラなどであるがこれに限定されない、藻類に由来する。他の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、動物対象、好ましくは哺乳動物対象、最も好ましくはヒト対象または培養物中で成長したヒト細胞から得られる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、細胞壁を欠く細胞、好ましくは哺乳動物細胞、最も好ましくはヒト細胞から得られる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
いくつかの実施形態によれば、本発明による破裂ミトコンドリアは、無傷ミトコンドリアに由来する。いくつかの実施形態によれば、本発明による破裂ミトコンドリアは、無傷の部分的に精製されたミトコンドリアに由来する。いくつかの実施形態によれば、本発明による破裂ミトコンドリアは、無傷の単離されたミトコンドリアに由来する。
いくつかの実施形態によれば、本発明の無傷および/または破裂ミトコンドリアは、ヒト胎盤、培養物中で成長したヒト胎盤細胞、およびヒト血液細胞からなる群から選択される細胞または組織に由来する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態によれば、本発明の無傷および/または破裂ミトコンドリアは、胎盤、培養物中で成長した胎盤細胞、および血液細胞からなる群から選択される細胞または組織に由来する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
いくつかの実施形態によれば、本発明によるミトコンドリア構成物は、胎盤、培養物中で成長した胎盤細胞、および血液細胞からなる群から選択される細胞または組織に由来するミトコンドリアから産生される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、本発明によるミトコンドリア構成物は、ヒト胎盤、培養物中で成長したヒト胎盤細胞、およびヒト血液細胞からなる群から選択される細胞または組織に由来するミトコンドリアから産生される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
本明細書で使用される場合、「培養物中で成長した細胞」または「培養物中で成長した組織」という語句はそれぞれ、細胞または組織が由来する生物外にある、液体、半固体、または固体の培地中で成長した多数の細胞または組織を指す。いくつかの実施形態によれば、培養物中で成長した細胞は、バイオリアクター内で成長した細胞である。非限定的な例によれば、細胞は、(WO2008/152640に開示されるバイオリアクターなどであるがこれに限定されない)バイオリアクター内で成長させ、その後細胞から部分的に精製された機能的なミトコンドリアを単離することができる。
別の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、凍結融解サイクルを受けている。いくつかの実施形態によれば、本発明の無傷ミトコンドリアは、凍結融解サイクルを受けている。いかなる理論または機構によっても拘束されることを望むものではないが、凍結融解サイクルを受けた無傷ミトコンドリアは、凍結融解サイクルを受けていない対照無傷ミトコンドリアと比較して、解凍後に少なくとも同等の酸素消費速度を示す。したがって、凍結融解サイクルを受けた無傷ミトコンドリアは、凍結融解サイクルを受けていない対照ミトコンドリアと少なくとも同程度に機能的である。
本明細書で使用される場合、「凍結融解サイクル」という用語は、本発明のミトコンドリアを0℃未満の温度に凍結し、ミトコンドリアを0℃未満の温度で所定の期間維持し、ミトコンドリアを室温または体温または本発明の方法による投与を可能にする0℃超の任意の温度まで解凍することを指す。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。本明細書で使用される場合、「室温」という用語は、18℃〜25℃の温度を指す。本明細書で使用される場合、「体温」という用語は、35.5℃〜37.5℃、好ましくは37℃の温度を指す。
特定の実施形態によれば、本発明のミトコンドリアは、凍結乾燥を受けている。さらなる実施形態によれば、本発明の無傷ミトコンドリアは、凍結乾燥を受けている。
本明細書で使用される場合、「凍結乾燥」という用語は、本発明のミトコンドリアを凍結し、その後溶媒、好ましくは水混和性溶媒のうちの1つの濃度を、昇華および脱着によって生物学的反応または化学反応を支持しなくなるレベルまで低減することを伴う凍結乾燥または脱水技術として定義される。これは通常、高真空での乾燥ステップによって行われる。
いくつかの実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けたミトコンドリアは、少なくとも−196℃の温度で凍結された。いくつかの実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けたミトコンドリアは、少なくとも−70℃の温度で凍結された。いくつかの実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けたミトコンドリアは、少なくとも−20℃の温度で凍結された。いくつかの実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けたミトコンドリアは、少なくとも−4℃の温度で凍結された。いくつかの実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けたミトコンドリアは、少なくとも0℃の温度で凍結された。別の実施形態によれば、ミトコンドリアの凍結は、漸進的である。いくつかの実施形態によれば、ミトコンドリアの凍結は、瞬間凍結による。本明細書で使用される場合、「瞬間凍結」という用語は、ミトコンドリアを低温貯蔵温度に供することによって急速に凍結することを指す。非限定的な例では、瞬間凍結には、液体窒素を使用して凍結することが含まれ得る。
いくつかの実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けたミトコンドリアは、解凍前に少なくとも30分間凍結された。別の実施形態によれば、凍結融解サイクルは、ミトコンドリアを解凍前に少なくとも30、60、90、120、180、210分間凍結することを含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けたミトコンドリアは、解凍前に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、24、48、72、96、120時間凍結された。各凍結時間は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けたミトコンドリアは、解凍前に少なくとも4、5、6、7、30、60、120、365日間凍結された。各凍結時間は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態によれば、凍結融解サイクルは、ミトコンドリアを解凍前に少なくとも1、2、3週間凍結することを含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態によれば、凍結融解サイクルは、ミトコンドリアを解凍前に少なくとも1、2、3、4、5、6ヶ月間凍結することを含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
いくつかの実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けたミトコンドリアは、−70℃で解凍前に少なくとも30分間凍結された。いかなる理論または機構によっても拘束されることを望むものではないが、ミトコンドリアを凍結し、それらを長期間後に解凍する可能性は、長期間の貯蔵後でも再現性のある結果をもって、ミトコンドリアの容易な貯蔵および使用を可能にする。いくつかの実施形態によれば、本発明による破裂ミトコンドリアは、凍結融解サイクルを受けた無傷ミトコンドリアから調製/産生される。
別の実施形態によれば、解凍は、室温である。いくつかの実施形態によれば、解凍は、体温である。別の実施形態によれば、解凍は、本発明の方法による投与を可能にする温度である。別の実施形態によれば、解凍は、漸進的に実行される。
本明細書で使用される場合、「単離緩衝液」という用語は、本発明のミトコンドリアが部分的に精製または単離されている緩衝液を指す。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。本発明による無傷ミトコンドリアは、単離緩衝液中で単離または部分的に精製されるが、破裂ミトコンドリアは、本明細書に記載の方法または当該技術分野で既知の任意の他の方法によって、単離/部分的に精製された無傷ミトコンドリアから産生されることを理解されたい。非限定的な例では、単離緩衝液は、200mMのスクロース、10mMのTris−MOPS、および1mMのEGTAを含む。いくつかの実施形態によれば、BSA(ウシ血清アルブミン)が、部分精製または単離中に単離緩衝液に添加される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、0.2%のBSAが、部分精製または単離中に単離緩衝液に添加される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、HSA(ヒト血清アルブミン)が、部分精製または単離中に単離緩衝液に添加される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態によれば、0.2%のHSAが、部分精製または単離中に単離緩衝液に添加される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。他の実施形態によれば、HSAまたはBSAは、部分精製または単離後に本発明のミトコンドリアから洗浄される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いかなる機構または理論によっても拘束されることを望むものではないが、単離緩衝液中でミトコンドリアを凍結すると、凍結前に単離緩衝液を凍結緩衝液に交換したり、解凍時に凍結緩衝液を交換したりする必要がないため、時間および単離ステップが省ける。
別の実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けたミトコンドリアは、凍結緩衝液中で凍結された。別の実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けた無傷ミトコンドリアは、単離緩衝液中で凍結された。別の実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けた無傷ミトコンドリアは、単離緩衝液と同じ構成物を含む緩衝液中で凍結された。
別の実施形態によれば、凍結緩衝液は、抗凍結剤を含む。いくつかの実施形態によれば、抗凍結剤は、糖、オリゴ糖、または多糖である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態によれば、凍結緩衝液中の糖濃度は、ミトコンドリア機能を保存するように作用する十分な糖濃度である。別の実施形態によれば、単離緩衝液は、糖を含む。別の実施形態によれば、単離緩衝液中の糖濃度は、ミトコンドリア機能を保存するように作用する十分な糖濃度である。別の実施形態によれば、単離緩衝液中の糖濃度は、ミトコンドリアを無傷で維持するように作用する十分な糖濃度である。別の実施形態によれば、凍結緩衝液中の糖濃度は、ミトコンドリアを無傷で維持するように作用する十分な糖濃度である。別の実施形態によれば、糖は、スクロースである。いかなる理論または機構によっても拘束されることを望むものではないが、スクロースを含む凍結緩衝液または単離緩衝液中で凍結された無傷ミトコンドリアは、凍結融解サイクルを受けていない対照ミトコンドリア、またはスクロースを有しない凍結緩衝液もしくは単離緩衝液中で凍結された対照ミトコンドリアと比較して、解凍後に少なくとも同等の酸素消費速度を示す。
いくつかの実施形態によれば、破裂ミトコンドリアは、凍結融解サイクルを受けた。いくつかの実施形態によれば、本発明によるミトコンドリア構成物は、凍結融解サイクルを受けた。いくつかの実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けた破裂ミトコンドリアは、凍結緩衝液中で凍結された。いくつかの実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けたミトコンドリア構成物は、凍結緩衝液中で凍結された。いくつかの実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けた破裂ミトコンドリアは、PBSなどであるが限定されない、低張液中で凍結された。いくつかの実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けたミトコンドリア構成物は、PBSなどであるが限定されない、低張液中で凍結された。
いくつかの実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けた破裂ミトコンドリアは、単離緩衝液中で凍結された。別の実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けた破裂ミトコンドリアは、単離緩衝液と同じ構成物を含む緩衝液中で凍結された。いくつかの実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けたミトコンドリア構成物は、単離緩衝液中で凍結された。別の実施形態によれば、凍結融解サイクルを受けたミトコンドリア構成物は、単離緩衝液と同じ構成物を含む緩衝液中で凍結された。
いくつかの実施形態によれば、破裂ミトコンドリアは、凍結乾燥を受けている。他の実施形態によれば、本発明によるミトコンドリア構成物は、凍結乾燥を受けた。
局所および全身経路を含むがこれらに限定されない、対象への任意の好適な投与経路が、本発明の組成物に使用され得る。いくつかの実施形態によれば、投与することは、全身投与することである。いくつかの実施形態によれば、組成物は、全身投与のために製剤化される。いくつかの実施形態によれば、投与することは、局所投与することである。いくつかの実施形態によれば、組成物は、局所投与のために製剤化される。
別の実施形態によれば、全身投与は、非経口経路による。別の実施形態によれば、局所投与は、非経口経路による。いくつかの実施形態によれば、非経口投与のための本発明の組成物の調製物は、各々が本発明の別個の実施形態を表す、無菌水溶液または非水溶液、懸濁液、または乳濁液を含む。非水性溶媒またはビヒクルの非限定的な例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油およびトウモロコシ油などの植物油、ゼラチン、ならびにオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。
いくつかの実施形態によれば、非経口投与は、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、皮内、経皮、または皮下投与である。上記の投与経路の各々は、本発明の別個の実施形態を表す。別の実施形態によれば、非経口投与は、ボーラス注射によって実行される。別の実施形態によれば、非経口投与は、持続注入によって実行される。好ましい投与様式は、治療される特定の適応症に依存し、当業者には明らかであろう。
別の実施形態によれば、組成物の全身投与は、注射による。別の実施形態によれば、組成物の局所投与は、注射による。注射による投与では、組成物は、水溶液中、例えば、ハンクス液、リンガー液、または生理食塩緩衝液を含むがこれらに限定されない、生理学的に適合性のある緩衝液中に製剤化され得る。注射用の製剤は、単位剤形、例えば、アンプル、または任意で保存剤が添加された複数容量容器で提示することができる。別の実施形態によれば、投与は、対流促進送達(CED)による。
水性注射用懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの、懸濁液の粘度を増加させる物質を含有してもよい。任意で、懸濁液はまた、活性成分の溶解度を増加させて、高濃度の溶液の調製を可能にする、好適な安定剤または薬剤も含有してもよい。
別の実施形態によれば、注射用に製剤化された組成物は、油性または水性ビヒクル中の溶液、懸濁液、分散液、または乳濁液の形態であってもよく、懸濁剤、安定剤、および/または分散剤などの製剤化剤を含有してもよい。好適な親油性溶媒またはビヒクルの非限定的な例には、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステルが含まれる。
別の実施形態によれば、組成物は、静脈内投与されるため、静脈内投与に好適な形態で製剤化される。別の実施形態によれば、組成物は、動脈内投与されるため、動脈内投与に好適な形態で製剤化される。別の実施形態によれば、組成物は、筋肉内投与されるため、筋肉内投与に好適な形態で製剤化される。
別の実施形態によれば、全身投与は、経腸経路による。別の実施形態によれば、経腸経路による投与は、経口投与である。いくつかの実施形態によれば、組成物は、経口投与用に製剤化される。
いくつかの実施形態によれば、組成物は、硬質または軟質ゼラチンカプセル、ピル、カプセル、粉末、コーティングされた錠剤を含む錠剤、糖衣錠、エリキシル、懸濁液、液体、ゲル、スラリー、シロップ、または吸入の形態、およびそれらの徐放形態で経口投与用に製剤化される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
経口投与に好適な担体は、当該技術分野で周知である。経口使用のための組成物は、固体賦形剤を使用して作製し、任意で得られた混合物を粉砕し、必要に応じて好適な助剤を添加した後に顆粒の混合物を加工して、錠剤または糖衣錠コアを得ることができる。好適な賦形剤の非限定的な例には、ラクトース、スクロース、マンニトール、もしくはソルビトールを含む糖などの充填剤、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、およびカルボメチルセルロースナトリウムなどのセルロース調製物、ならびに/またはポリビニルピロリドン(PVP)などの生理学的に許容されるポリマーが挙げられる。
必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩(アルギン酸ナトリウムなど)などの崩壊剤が添加されてもよい。調剤機で使用するための、例えば、ゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、本発明の組成物と、ラクトースまたはデンプンなどの好適な粉末基剤との粉末混合物を含有して製剤化することができる。
経口投与用の固体剤形には、カプセル、錠剤、ピル、粉末、および顆粒が含まれる。そのような固体剤形では、本発明の組成物は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなどの少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される担体と混合される。そのような剤形はまた、通常の慣行として、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も含むことができる。カプセル、錠剤、およびピルの場合、剤形はまた、緩衝剤も含み得る。錠剤およびピルはさらに、腸溶コーティングとともに調製することができる。
経口投与用の液体製剤には、溶液、乳濁液、懸濁液、シロップなどが含まれ、それらは、水および液体パラフィンなどの従来の希釈剤を含んでもよい。
経口投与用の液体剤形は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、ならびに甘味剤、香味剤および芳香剤、ならびに保存剤などのアジュバントをさらに含有してもよい。いくつかの実施形態によれば、組成物の腸溶コーティングが、経口または頬側投与のためにさらに使用される。本明細書で使用される場合、「腸溶コーティング」という用語は、消化器系内の組成物吸収の位置を制御するコーティングを指す。腸溶コーティングに使用される材料の非限定的な例は、脂肪酸、ワックス、植物繊維、またはプラスチックである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、食品または飲料に含まれてもよい。これらは、例えば、ヨーグルト、ケフィア、味噌、納豆、テンペ、キムチ、ザワークラウト、水、牛乳、フルーツジュース、野菜ジュース、炭酸清涼飲料、非炭酸清涼飲料、コーヒー、お茶、ビール、ワイン、酒、アルコール混合飲料、パン、ケーキ、クッキー、クラッカー、押し出しスナック、スープ、冷凍デザート、揚げ物、パスタ製品、ジャガイモ製品、コメ製品、トウモロコシ製品、コムギ製品、乳製品、菓子、ハードキャンディー、栄養バー、朝食シリアル、パン生地、パン生地ミックス、ソース、加工肉、およびチーズである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、プロバイオティクスをさらに含み得る。特定の実施形態によれば、本発明の組成物は、プロバイオティクスと混合される。プロバイオティクスの好適な例には、LactobacillusおよびBifidobacteriumが含まれるが、これらに限定されない。さらなる実施形態によれば、本発明の組成物は、プロバイオティクスをさらに含み、該組成物は、ヨーグルト、ケフィア、味噌、納豆、テンペ、キムチ、ザワークラウト、水、牛乳、フルーツジュース、野菜ジュース、炭酸清涼飲料、非炭酸清涼飲料、コーヒー、お茶、ビール、ワイン、酒、アルコール混合ドリンク、パン、ケーキ、クッキー、クラッカー、押し出しスナック、スープ、冷凍デザート、揚げ物、パスタ製品、ジャガイモ製品、コメ製品、トウモロコシ製品、コムギ製品、乳製品、菓子、ハードキャンディー、栄養バー、朝食シリアル、パン生地、パン生地ミックス、ソース、加工肉、およびチーズからなる群から選択される食品または飲料に含まれる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
「プロバイオティクス」という用語は、潜在的に有益な細菌または酵母を含有する栄養補助食品を指す。FAO/WHOによって現在採用されている定義によれば、プロバイオティクスは、「適切な量で投与した時に宿主に対して健康上の利益を付与する生きた微生物」である。
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、静脈内、動脈内、皮下、経口、および組織または器官への直接注射からなる群から選択される経路によって、組成物を必要とする対象に投与される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。胃腸障害または疾患の治療などの特定の用途では、経腸投与が実行可能であり得る。
いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、組成物を必要とする対象の脂肪組織に投与される。別の実施形態によれば、本発明の組成物は、組成物を必要とする対象の脂肪組織に局所投与される。いくつかの実施形態によれば、本発明の組成物は、組成物を必要とする対象の脂肪組織への注射により投与される。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、量、時間的持続期間などの測定可能な値を指す場合、指定された値から+/−10%、または+/−5%、+/−1%、または+/−0.1%の変動さえも包含することが意図される。
以下の実施例は、本発明のより完全な理解を提供するために提示される。本発明の原理を例示するために記載された特定の技術、条件、材料、割合、および報告されたデータは、例示であり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1:ウシ胎盤ミトコンドリアは、3T3−L1細胞内の脂質蓄積を減少させる
ミトコンドリアを、400mgのウシ妊娠末期胎盤から以下のプロトコルに従って調製した。
1.胎盤を、氷冷IB緩衝液(単離緩衝液:200mMのスクロース、1mMのEGTA、および10mMのTris−MOPS)+0.2%のBSAを使用して、血液がなくなるまで濯いだ。
2.胎盤を、はさみを使用して、5mlのIB+0.2%のBSA中で小片に細かく刻んだ。
3.懸濁液を(10ml)ガラスポッターに移動させ、Dounceガラスホモジナイザーを使用して、2回の完全な上下サイクルによって均質化した。
4.ホモジネートを15mlのチューブに移動させ、4℃で、600gで10分間遠心分離した。
5.上清を清潔な遠心チューブに移動させ、ペレットをIB中に再懸濁し、第2の遠心ステップに供した。
6.上清を回収し、7,000×gで15分間遠心分離した。
7.上清を捨て、ペレットを10mlの氷冷IB中に再懸濁し、その後4℃で、600gで10分間遠心分離した。
8.4℃で、7,000×gで15分間遠心分離することによって、ミトコンドリアを上清から回収した。
9.上清を捨て、ペレットを再懸濁し、200ulのIB中にミトコンドリアを含んでいた。
10.タンパク質含有量を、ブラッドフォードアッセイによって決定した。
3T3−L1細胞を、脂肪生成キット(Chemicon)の指示に従って、DMEM+10%のウシ胎児血清、デキサメタゾン、インスリン、およびIBMXとともに、コンフルエントになるまで24ウェルプレートで培養した。細胞を、200μlの分化培地中の増加する量のミトコンドリアとともに24時間インキュベートした。その後、細胞をPBS中で洗浄し、維持培地中でさらに5日間維持した。最後に、細胞をオイルレッドOで染色し、溶解させ、各群のプレートリーダー(520nm)を使用して、脂質蓄積のレベルを評価した。脂肪生成キットで処理されなかった(すなわち、該細胞内で脂肪生成が誘発されなかった)3T3−L1細胞を、対照として使用した。加えて、オイルレッドOの定量化を、未分化の3T3−L1細胞内で測定し、50μlのミトコンドリアとともにインキュベートし、これは、追加の対照として機能した。図1に提示される結果は、ミトコンドリア調製物の量の増加が細胞内のオイルレッドOの定量化の減少と相関したことを示し、これは、細胞内の脂質蓄積の減少を示している。両方の対照試料は、低レベルのオイルレッドO染色を示した。
実施例2:ウシ胎盤ミトコンドリアは、ウシ血清中のコレステロールを減少させる
ウシ胎盤ミトコンドリアを、実施例1に記載のように調製した。30μgのミトコンドリアを、200μlのウシ血清(Biological Industries、Israel)とともに37℃で24時間インキュベートした。インキュベーション後、血清中の総コレステロールのレベルを決定した。図2に示されるように、胎盤ミトコンドリアとともにインキュベートすることにより、血清コレステロールレベルの約10%の減少が誘発された。
実施例3:凍結および解凍したミトコンドリアは、凍結されていないミトコンドリアの酸素消費と同等の酸素消費を示す
ミトコンドリアを、以下のプロトコルに従ってマウス妊娠末期胎盤から単離した。
1.胎盤を、氷冷IB緩衝液(単離緩衝液:200mMのスクロース、1mMのEGTA、および10mMのTris−MOPS)+0.2%のBSAを使用して、血液がなくなるまで濯いだ。
2.胎盤を、はさみを使用して、5mlのIB+0.2%のBSA中で小片に細かく刻んだ。
3.懸濁液を10mlのガラスポッターに移動させ、Dounceガラスホモジナイザーを使用して、5回の完全な上下サイクルによって均質化した。
4.ホモジネートを15mlチューブに移動させ、4℃で、600gで10分間遠心した。
5.上清を清潔な遠心チューブに移動させ、ペレットをIB緩衝液中に再懸濁し、第2の遠心ステップに供した。
6.ステップ4および5の上清を5μmのフィルターで濾過して、いかなる細胞または大きな細胞片も除去した。
7.上清を回収し、7,000×gで15分間遠心分離した。
8.ミトコンドリアペレットを10mlの氷冷IB緩衝液中で洗浄し、4℃で、7,000×gで15分間の遠心分離によって、ミトコンドリアを回収した。
9.上清を捨て、ペレットを再懸濁し、200μlのIB緩衝液中にミトコンドリアを含有していた。
10.タンパク質含有量を、ブラッドフォードアッセイによって決定した。
凍結ミトコンドリアおよび非凍結ミトコンドリアの活性を比較するために、ミトコンドリアを、1.5mlのエッペンドルフチューブ内でIB中の液体窒素(200mMのスクロース、1mMのEGTA、および10mMのTris−MOPS)を使用して瞬間凍結し、−70℃で30分間保持した。ミトコンドリアを手で急速に解凍し、MitoXpress蛍光プローブ(Luxcel)およびTecanプレートリーダーを使用して、100μgのミトコンドリアによるO消費を測定した。酸素消費を、25mMのコハク酸塩(S)の存在下、または25mMのコハク酸塩および1.65mMのADP(S+ADP)の存在下で測定した。蛍光の変化を、時間0における蛍光のレベルに対して計算した。図3は、O消費およびO消費の速度が、凍結されていないミトコンドリア(「新鮮」と印付け)と比較して、凍結および解凍したミトコンドリア(「凍結」と印付け)について同等であったことを示した。
凍結したミトコンドリアとは対照的に、冷却(4℃で4日間保持)したマウス胎盤ミトコンドリアは、新鮮なミトコンドリアよりもATPの産生が少なかった(表1)。
Figure 2021519273
実施例4:単離緩衝液中でインキュベートしたミトコンドリアおよびPBS中でインキュベートしたミトコンドリアの酸素消費および膜完全性の比較
ミトコンドリアを、単離緩衝液(IB)(200mMのスクロース、1mMのEGTA/Tris pH7.4、0.2%の脂肪酸を含まないBSAで補助した10mMのTris/Mops pH7.4)を使用して、マウス妊娠末期胎盤から単離した。ミトコンドリアペレットを、IB中に懸濁し、氷上でインキュベートするか、またはPBS中に懸濁し、37℃で10分間インキュベートするかのいずれかにした。MitoXpress蛍光プローブ(Luxcel)を使用して、コハク酸塩(S)またはコハク酸塩+ADP(S+A)の存在下でインキュベートした50μgのミトコンドリアについて、酸素消費を測定した。図4Aおよび4Bに見ることができるように、PBSとともにインキュベートしたミトコンドリア(4B)は、非結合ミトコンドリアに対応する酸素消費を示す一方で、IBとともにインキュベートしたミトコンドリア(4A)は、結合ミトコンドリアに対応する酸素消費を示す。
CS0720キット(Sigma)を使用してクエン酸合成酵素放出を測定することによって、IB中でインキュベートしたミトコンドリアのミトコンドリア内膜完全性を、PBS中でインキュベートしたミトコンドリアのミトコンドリア内膜完全性と比較した。図4Cは、PBS中でインキュベートしたミトコンドリアでは、クエン酸合成酵素放出が証拠となっているように、膜完全性が減少していることを示す。
実施例5:単離緩衝液中でインキュベートしたミトコンドリア対細胞培養培地中でインキュベートしたミトコンドリアの酸素消費および膜完全性の比較
ミトコンドリアを、単離緩衝液(IB)(200mMのスクロース、1mMのEGTA/Tris pH7.4、0.2%の脂肪酸を含まないBSAで補助した10mMのTris/Mops pH7.4)を使用して、マウス妊娠末期胎盤から単離した。ミトコンドリアペレットを、IB中またはOptiMEM培地(Gibco)中のいずれかで37℃で1時間懸濁した。
MitoXpress蛍光プローブ(Luxcel)を使用して、コハク酸+ADP(S+ADP)の存在下でインキュベートした50μgのミトコンドリアについて、酸素消費を測定した。図5Aは、OptiMEM培地中でインキュベートしたミトコンドリアが、IB中でインキュベートしたミトコンドリアと比較して、酸素消費速度の低減を示すことを示す。
CS0720キット(Sigma)を使用してクエン酸合成酵素放出を測定することによって、IB中でインキュベートしたミトコンドリアのミトコンドリア内膜完全性を、OptiMEM培地中でインキュベートしたミトコンドリアのミトコンドリア内膜完全性と比較した。図5Bは、OptiMEM培地中でインキュベートしたミトコンドリアでは、クエン酸合成酵素放出が証拠となっているように、膜完全性が減少していることを示す。
実施例6:高スクロース濃度を含有する緩衝液中に懸濁したミトコンドリアは、より高い酸素消費を示す
ミトコンドリアを、以下のプロトコルに従って、ヒト妊娠末期胎盤から単離した。
1.胎盤を、氷冷IB緩衝液(単離緩衝液:200mMのスクロース、1mMのEGTA、および10mMのTris−MOPS)+0.2%のBSAを使用することによって、血液がなくなるまで濯いだ。
2.胎盤を、はさみを使用して、5mlのIB+0.2%のBSA中で小片に細かく刻んだ。
3.懸濁液を10mlのガラスポッターに移動させ、Dounceガラスホモジナイザーを使用して、5回の完全な上下サイクルによって均質化した。
4.ホモジネートを15mlチューブに移動させ、4℃で、600gで10分間遠心した。
5.上清を清潔な遠心チューブに移動させ、ペレットをIB緩衝液中に再懸濁し、第2の遠心ステップに供した。
6.ステップ4および5の上清を5μmのフィルターで濾過して、いかなる細胞または大きな細胞片も除去した。
7.上清を回収し、7,000×gで15分間遠心分離した。
8.ミトコンドリアペレットを10mlの氷冷IB緩衝液中で洗浄し、4℃で、7,000×gで15分間の遠心分離によって、ミトコンドリアを回収した。
9.上清を捨て、ペレットを再懸濁し、200μlのIB緩衝液中にミトコンドリアを含有していた。
10.タンパク質含有量を、ブラッドフォードアッセイによって決定した。
最終単離ステップ(MP)で10倍に希釈したIB(20mMのスクロース、0.1mMのEGTA、1mMのTris−MOPS)を使用することによって、マイトプラスト(外膜を欠くミトコンドリア、Murthy and Pande,1987による)を調製した。MitoXpress蛍光プローブ(Luxcel)およびTecanプレートリーダーを使用して、25μgのミトコンドリアまたはマイトプラストの経時的な酸素消費を測定した。蛍光の変化のパーセンテージを、時間0での蛍光のレベルに対して計算した。近似曲線をプロットして、O消費速度(線の勾配)を表す経時的な蛍光の平均変化を決定した。
図6に見ることができるように、200mMのスクロースを含有する緩衝液中に懸濁したミトコンドリアでは、酸素消費速度がより高かった。
実施例7:マウス3T3細胞は、ミトコンドリアまたはミトコンドリア構成物での処理後に酸素消費の増加を示す
約450,000個のマウス3T3細胞を、5.5mMのD−ガラクトースを含有する無グルコース培地で24時間飢餓させた。次に、細胞を、未処理のままにするか(NT)、または単離緩衝液中に懸濁し、氷上でインキュベートした12.5μg/mlのミトコンドリア(IB)、もしくはPBS中に懸濁し、37℃で10分間インキュベートし、2回凍結および解凍し、25ゲージの針を通過させて、ミトコンドリア膜を完全に破壊した12.5μg/mlのミトコンドリア(PBS)のいずれかとともに3時間インキュベートした。
マウス3T3細胞の酸素消費を、MitoXpress蛍光プローブ(Luxcel)を使用して測定した。図7に見ることができるように、単離緩衝液中でインキュベートしたミトコンドリアおよびミトコンドリア構成物のいずれかでの処理は、マウス3T3細胞の酸素消費の増加をもたらした。
実施例8:ヒト143B細胞は、新鮮なミトコンドリアまたは凍結したミトコンドリアに由来するミトコンドリア構成物での処理後に、クエン酸合成酵素活性のレベルの増加を示す
約60,000のヒト143B細胞を、5.5mMのD−ガラクトースを含有する無グルコース培地中で72時間飢餓させ、24ウェルプレートに播種した。次に、細胞を、PBS(NT)、PBS中に懸濁した12.5μg/mlのミトコンドリア(PBS)、または−80℃で30分間凍結し、インキュベーション前に解凍した、PBS中に懸濁した12.5μg/mlのミトコンドリア(PBS凍結)のいずれかとともに3時間インキュベートした。ヒト143B細胞のクエン酸合成酵素活性を、クエン酸合成酵素アッセイキット(Sigma)を使用して測定した。
図8に見ることができるように、ヒト143Bのクエン酸合成酵素活性は、ミトコンドリア構成物(PBS)または凍結および解凍を受けたミトコンドリア構成物(PBS凍結)で処理した後に増加した。
実施例9:PBS対単離緩衝液中に懸濁したマウス胎盤ミトコンドリアは、酸素消費の減少およびクエン酸合成酵素放出の増加を示す
ミトコンドリアを、単離緩衝液(IB)(200mMのスクロース、1mMのEGTA/Tris pH7.4、0.2%の脂肪酸を含まないBSAで補助した10mMのTris/Mops pH7.4)を使用して、マウス妊娠末期胎盤から単離した。ミトコンドリアペレットを、IB中に懸濁し、氷上でインキュベートするか、PBS中に懸濁し、37℃で10分間インキュベートするかのいずれかにした。PBSに懸濁したミトコンドリアは、2サイクルの凍結/解凍を受け、そして25ゲージの針を通過して、ミトコンドリア膜を完全に破壊した。MitoXpress蛍光プローブ(Luxcel)を使用して、コハク酸塩(S)またはコハク酸+ADP(S+A)の存在下で、ミトコンドリアの酸素消費のレベルを、50μgミトコンドリア中で測定した。CS0720キット(Sigma)を使用してミトコンドリアからのクエン酸合成酵素放出のレベルを測定することによって、ミトコンドリア内膜完全性を評価した。
図9Aに見ることができるように、PBS中に懸濁したミトコンドリアは、酸素消費速度のより少ない変化を示す。図9Bに見ることができるように、PBS中に懸濁したミトコンドリアは、IB中に懸濁したミトコンドリアと比較して、クエン酸合成酵素のより高い放出を示す。
実施例10:ヒト143B細胞は、単離緩衝液中またはPBS中のいずれかに懸濁したミトコンドリアとともにインキュベートした後に、クエン酸合成酵素活性のレベルの増加を示す
約60,000のヒト143B細胞を、5.5mMのD−ガラクトースを含有する無グルコース培地で72時間飢餓させ、24ウェルプレートに播種した。次に、細胞を、未処理のままにするか、または単離緩衝液中に懸濁し、氷上でインキュベートした12.5μg/mlのミトコンドリア(IB)、もしくはPBS中に懸濁し、37℃で10分間インキュベートし、2回凍結および解凍し、25ゲージの針を通過させて、ミトコンドリア膜を完全に破壊した12.5μg/mlのミトコンドリア(PBS)のいずれかとともに3時間インキュベートした。ヒト143B細胞のクエン酸合成酵素活性を、クエン酸合成酵素アッセイキット(Sigma)を使用して測定した。
図10に見ることができるように、単離緩衝液中またはPBS中のいずれかに懸濁したミトコンドリアで処理した細胞は、細胞のクエン酸合成酵素活性の増加を誘発した。
実施例11:C57BLマウスは、リョクトウもやしから単離したミトコンドリアの経口投与後に、より少ない体重およびコレステロールレベルの減少を示す
ミトコンドリアを、以下のプロトコルに従って、リョクトウもやしから単離した。
1.400グラムのVigna Radiataのもやしを洗浄し、細かく刻んだ。
2.2Lのスクロース緩衝液(250mMのスクロース、10MmのTris/HCl、1mMのEDTA、pH7.4)中での均質化。
3.4℃で600gでの遠心分離。
4.5μmのカットオフによって濾過する。
5.4℃で8000gでの遠心分離。
6.ペレット洗浄、および4℃で8000gでの遠心分離。
4週齢のオスのC57BLマウスに、高脂肪食(HFD、60%の脂肪)または通常食を2ヶ月間給餌した。その後、マウスを、経口強制飼養により、リョクトウもやしから単離した低用量(350μl、0.13μg/μl/日)または高用量(350μl、1.3μg/μl/日)のミトコンドリアで毎日治療した(1群あたりn=10匹)。対照マウス(n=10)を、プラセボとしてスクロース緩衝液で治療した。マウスの体重を、治療後27日間、異なる時点で記録した。実験の終了時にミトコンドリアで処理(高用量)したかまたは未処理のHFDグループのマウスから血液を採取して、コレステロールレベルを評価した。
図11Aに見ることができるように、高脂肪食を給餌したマウスでは、低用量および高用量の両方のミトコンドリア治療(「低」および「高」と印付け)が、対照群(非)と比較して、体重増加の低減をもたらした。通常食を給餌したマウスでは、体重への有意な影響は観察されず、対照マウス(通常)と比較して、高用量のミトコンドリアで治療したマウス(通常+ミト)は、同様の体重増加を有した。加えて、図11Bに見ることができるように、HFD群のマウスは、高用量のミトコンドリア(HFD+ミト)での治療後に、より低いコレステロールレベルを示した。
特定の実施形態の前述の説明は、本発明の一般的な性質を完全に明らかにするので、他の人は、現在の知識を適用することによって、過度の実験なしに、および一般的な概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態の様々な用途に容易に修正および/または適合することができ、したがって、そのような適合および変更は、本開示の実施形態の均等物の意味および範囲内で理解されるべきであり、そのように意図されている。本明細書で用いられる表現または用語は、説明を目的としたものであり、限定を目的としたものではないことを理解されたい。様々な本開示の機能を実施するための手段、材料、およびステップは、本発明から逸脱することなく、様々な代替形態をとることができる。

Claims (52)

  1. 脂質およびコレステロール代謝の上昇を必要とする対象における脂質およびコレステロール代謝の上昇に使用するための、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む、組成物。
  2. 前記破裂ミトコンドリアを含む前記組成物が、前記破裂ミトコンドリアから放出される少なくとも1つのミトコンドリア構成物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記構成物が、ミトコンドリアタンパク質、ミトコンドリア核酸、ミトコンドリア脂質、ミトコンドリアペプチド、ミトコンドリア糖、ミトコンドリア構造、ミトコンドリアマトリックスの少なくとも一部、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記無傷ミトコンドリアを含む前記組成物が、高張液をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記ミトコンドリアが、単離されたミトコンドリアであり、前記単離されたミトコンドリア中の前記ミトコンドリアタンパク質の重量が、前記ミトコンドリアおよび他の細胞内細胞タンパク質の合計重量の80%超を構成する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記ミトコンドリアが、部分的に精製されたミトコンドリアであり、前記部分的に精製されたミトコンドリア中の前記ミトコンドリアタンパク質の重量が、前記ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の10%〜80%を構成する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記部分的に精製されたミトコンドリア中の前記ミトコンドリアタンパク質の重量が、前記ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の20%〜40%を構成する、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記ミトコンドリアが、凍結融解サイクルを受けている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記ミトコンドリアが、胎盤、培養物中で成長した胎盤細胞、血液細胞、植物組織、植物細胞、または培養物中で成長した植物細胞からなる群から選択される細胞または組織に由来する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記ミトコンドリアが、リョクトウもやしに由来する、請求項9に記載の組成物。
  11. 脂質およびコレステロール代謝を上昇させることが、総コレステロールの血中濃度、LDLコレステロールの血中濃度、トリグリセリドの血中濃度、脂肪細胞中の脂肪酸および/もしくはトリグリセリドの濃度、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのパラメータを低下させることを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記組成物が、経腸、非経口、静脈内、動脈内、皮下、経口、および組織または器官への直接注射からなる群から選択される経路によって、前記組成物を必要とする前記対象に投与される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患の治療または予防に使用するための、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける前記疾患が、肥満、腹腔内脂肪組織の増加に関連する疾患、内臓肥満、内臓脂肪組織症候群、脂肪肝疾患、およびセルライトからなる群から選択される、請求項13に記載の組成物。
  15. 脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける前記疾患が、肥満である、請求項13または14に記載の組成物。
  16. 体重減少の誘発または体重増加の減弱もしくは低減を必要とする対象における、体重減少の誘発または体重増加の減弱もしくは低減に使用するための、無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む、組成物。
  17. 前記破裂ミトコンドリアを含む前記組成物が、前記破裂ミトコンドリアから放出される少なくとも1つのミトコンドリア構成物をさらに含む、請求項16に記載の組成物。
  18. 前記構成物が、ミトコンドリアタンパク質、ミトコンドリア核酸、ミトコンドリア脂質、ミトコンドリアペプチド、ミトコンドリア糖、ミトコンドリア構造、ミトコンドリアマトリックスの少なくとも一部、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項17に記載の組成物。
  19. 前記無傷ミトコンドリアを含む前記組成物が、高張液をさらに含む、請求項16に記載の組成物。
  20. 前記ミトコンドリアが、単離されたミトコンドリアであり、前記単離されたミトコンドリア中の前記ミトコンドリアタンパク質の重量が、前記ミトコンドリアおよび他の細胞内細胞タンパク質の合計重量の80%超を構成する、請求項16〜19のいずれか一項に記載の組成物。
  21. 前記ミトコンドリアが、部分的に精製されたミトコンドリアであり、前記部分的に精製されたミトコンドリア中の前記ミトコンドリアタンパク質の重量が、前記ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の10%〜80%を構成する、請求項16〜19のいずれか一項に記載の組成物。
  22. 前記部分的に精製されたミトコンドリア中の前記ミトコンドリアタンパク質の重量が、前記ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の20%〜40%を構成する、請求項21に記載の組成物。
  23. 前記ミトコンドリアが、凍結融解サイクルを受けている、請求項16〜22のいずれか一項に記載の組成物。
  24. 前記ミトコンドリアが、胎盤、培養物中で成長した胎盤細胞、血液細胞、植物組織、植物細胞、または培養物中で成長した植物細胞からなる群から選択される細胞または組織に由来する、請求項16〜23のいずれか一項に記載の組成物。
  25. 前記ミトコンドリアが、リョクトウもやしに由来する、請求項24に記載の組成物。
  26. 前記組成物が、経腸、非経口、静脈内、動脈内、皮下、経口、および組織または器官への直接注射からなる群から選択される経路によって、前記組成物を必要とする前記対象に投与される、請求項16〜25のいずれか一項に記載の組成物。
  27. 脂質およびコレステロール代謝の上昇を必要とする対象における脂質およびコレステロール代謝を上昇させるための方法であって、
    (a)無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供することと、
    (b)前記対象に治療有効量の前記組成物を投与し、それにより脂質またはコレステロール代謝を上昇させることと、を含む、方法。
  28. 前記破裂ミトコンドリアを含む前記組成物が、前記破裂ミトコンドリアから放出される少なくとも1つのミトコンドリア構成物をさらに含む、請求項27に記載の方法。
  29. 前記無傷ミトコンドリアを含む前記組成物が、高張液をさらに含む、請求項27に記載の方法。
  30. 前記ミトコンドリアが、単離されたミトコンドリアであり、前記単離されたミトコンドリア中の前記ミトコンドリアタンパク質の重量が、前記ミトコンドリアおよび他の細胞内細胞タンパク質の合計重量の80%超を構成する、請求項27〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記ミトコンドリアが、部分的に精製されたミトコンドリアであり、前記部分的に精製されたミトコンドリア中の前記ミトコンドリアタンパク質の重量が、前記ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の10%〜80%を構成する、請求項27〜29のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記ミトコンドリアが、凍結融解サイクルを受けている、請求項27〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記ミトコンドリアが、胎盤、培養物中で成長した胎盤細胞、血液細胞、植物組織、植物細胞、または培養物中で成長した植物細胞からなる群から選択される細胞または組織に由来する、請求項27〜32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記組成物が、経腸、非経口、静脈内、動脈内、皮下、経口、および組織または器官への直接注射からなる群から選択される経路によって、前記組成物を必要とする前記対象に投与される、請求項27〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記組成物が、経口投与によって投与される、請求項34に記載の方法。
  36. 前記組成物が、前記対象の脂肪組織に投与される、請求項34に記載の方法。
  37. 脂質およびコレステロール代謝を上昇させることが、総コレステロールの血中濃度、LDLコレステロールの血中濃度、トリグリセリドの血中濃度、脂肪細胞中の脂肪酸および/もしくはトリグリセリドの濃度、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのパラメータを低下させることを含む、請求項27〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける疾患を治療または予防するための、請求項27〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける前記疾患が、肥満、腹腔内脂肪組織の増加に関連する疾患、内臓肥満、内臓脂肪組織症候群、脂肪肝疾患、およびセルライトからなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
  40. 脂質およびコレステロール代謝の上昇から恩恵を受ける前記疾患が、肥満である、請求項38または39に記載の方法。
  41. 前記方法が、薬物療法を投与することをさらに含み、前記薬物療法が、脂肪吸収を低減する薬物、満腹を制御する薬物、総コレステロールおよびLDLコレステロールのレベルを低減するための薬物、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項38〜40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 体重減少の誘発または体重増加の減弱もしくは低減を必要とする対象における、体重減少を誘発するための方法または体重増加を減弱もしくは低減するための方法であって、
    (a)無傷ミトコンドリアおよび/または破裂ミトコンドリアを含む組成物を提供することと、
    (b)前記対象に治療有効量の前記組成物を投与することと、を含む、方法。
  43. 前記破裂ミトコンドリアを含む前記組成物が、前記破裂ミトコンドリアから放出される少なくとも1つのミトコンドリア構成物をさらに含む、請求項42に記載の方法。
  44. 前記無傷ミトコンドリアを含む前記組成物が、高張液をさらに含む、請求項42に記載の方法。
  45. 前記ミトコンドリアが、単離されたミトコンドリアであり、前記単離されたミトコンドリア中の前記ミトコンドリアタンパク質の重量が、前記ミトコンドリアおよび他の細胞内細胞タンパク質の合計重量の80%超を構成する、請求項42〜44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記ミトコンドリアが、部分的に精製されたミトコンドリアであり、前記部分的に精製されたミトコンドリア中の前記ミトコンドリアタンパク質の重量が、前記ミトコンドリアおよび他の細胞内タンパク質の合計重量の10%〜80%を構成する、請求項42〜44のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記ミトコンドリアが、凍結融解サイクルを受けている、請求項42〜46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記ミトコンドリアが、胎盤、培養物中で成長した胎盤細胞、血液細胞、植物組織、植物細胞、または培養物中で成長した植物細胞からなる群から選択される細胞または組織に由来する、請求項42〜47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記組成物が、経腸、非経口、静脈内、動脈内、皮下、経口、および組織または器官への直接注射からなる群から選択される経路によって、前記組成物を必要とする前記対象に投与される、請求項42〜48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記組成物が、経口投与によって投与される、請求項49に記載の方法。
  51. 前記組成物が、前記対象の前記脂肪組織に投与される、請求項49に記載の方法。
  52. 前記方法が、薬物療法を投与することをさらに含み、前記薬物療法が、脂肪吸収を低減する薬物、満腹を制御する薬物、総コレステロールおよびLDLコレステロールのレベルを低減するための薬物、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項42〜51のいずれか一項に記載の方法。

JP2020551356A 2018-03-27 2019-03-26 脂質およびコレステロール代謝を上昇させるための方法 Pending JP2021519273A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201862648398P 2018-03-27 2018-03-27
US62/648,398 2018-03-27
PCT/IL2019/050350 WO2019186553A1 (en) 2018-03-27 2019-03-26 Methods for elevation of lipid and cholesterol metabolism

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021519273A true JP2021519273A (ja) 2021-08-10
JPWO2019186553A5 JPWO2019186553A5 (ja) 2022-04-01

Family

ID=68057960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020551356A Pending JP2021519273A (ja) 2018-03-27 2019-03-26 脂質およびコレステロール代謝を上昇させるための方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20210023143A1 (ja)
EP (1) EP3773639A4 (ja)
JP (1) JP2021519273A (ja)
IL (1) IL277224A (ja)
WO (1) WO2019186553A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017095946A1 (en) * 2015-11-30 2017-06-08 Flagship Pioneering, Inc. Methods and compositions relating to chondrisomes

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008545779A (ja) * 2005-06-10 2008-12-18 ペル−オーケ・アルベルトソン 肥満治療用植物細胞膜の使用
US20170015287A1 (en) * 2014-03-11 2017-01-19 Autoliv Development Ab A Vehicle Braking Arrangement
US20180007913A1 (en) * 2015-01-14 2018-01-11 Calix Ltd Improved pathogen inhibitor

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013035101A1 (en) * 2011-09-11 2013-03-14 Minovia Therapeutics Ltd. Compositions of functional mitochondria and uses thereof
JP7015169B2 (ja) * 2015-02-26 2022-02-02 ミノヴィア セラピューティクス リミテッド 機能性ミトコンドリアで富化された哺乳動物細胞
WO2017095946A1 (en) * 2015-11-30 2017-06-08 Flagship Pioneering, Inc. Methods and compositions relating to chondrisomes
EP3735976A3 (en) * 2016-01-15 2021-01-27 The Children's Medical Center Corporation Therapeutic use of mitochondria and combined mitochondrial agents
JP7265992B2 (ja) * 2017-03-26 2023-04-27 ミノヴィア セラピューティクス リミテッド 皮膚および毛髪の治療のためのミトコンドリア組成物および方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008545779A (ja) * 2005-06-10 2008-12-18 ペル−オーケ・アルベルトソン 肥満治療用植物細胞膜の使用
US20170015287A1 (en) * 2014-03-11 2017-01-19 Autoliv Development Ab A Vehicle Braking Arrangement
US20180007913A1 (en) * 2015-01-14 2018-01-11 Calix Ltd Improved pathogen inhibitor

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ANTIOXI RED SIGNAL., 2013, VOL.19 NO.3, P.258-268, JPN6023004851, ISSN: 0005165032 *
BIOLOGIA PLANTARUM, 2005, VOL.49 NO.1, P.117-119, JPN6023004853, ISSN: 0005165034 *
FRONT PHARMACOL., 2017, VOL.8, ARTICLE241(P.1-8), JPN6023004852, ISSN: 0005165033 *
MITOCHONDRION, 2008, VOL.8, P.329-337, JPN6023004850, ISSN: 0005165031 *

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019186553A1 (en) 2019-10-03
EP3773639A4 (en) 2021-08-11
IL277224A (en) 2020-10-29
US20210023143A1 (en) 2021-01-28
EP3773639A1 (en) 2021-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6954563B2 (ja) 代謝障害を処置するための低温殺菌アッカーマンシアの使用
US11633437B2 (en) Compositions and methods for treating inflammatory related diseases or conditions using Pediococcus acidilactici probiotics
US9636366B2 (en) Bacteroides CECT 7771 and the use thereof in the prevention and treatment of excess weight, obesity and metabolic and immunological alterations
TWI572354B (zh) 抑制發炎之組成物
US11103539B2 (en) Pharmaceutical composition for preventing or treating metabolic diseases, comprising bacteroides acidifaciens as active ingredient
US20210252080A1 (en) Compositions comprising probiotics and methods of use thereof
WO2017095968A1 (en) Compositions comprising probiotics and methods of use thereof
Mitchell et al. Protection against hepatocyte mitochondrial dysfunction delays fibrosis progression in mice
KR101773067B1 (ko) 6'-시알릴락토오스 또는 이의 염을 유효성분으로 함유하는 퇴행성관절염의 예방 또는 치료용 조성물
KR102397916B1 (ko) 건강한 임산부 모유 유래 혐기성 인체 균주 및 이를 이용한 대사성 질환의 예방 또는 치료방법
JP2022551245A (ja) ラクトバチルスアシドフィルスkbl409菌株およびその用途
Rentea et al. Intestinal alkaline phosphatase administration in newborns decreases systemic inflammatory cytokine expression in a neonatal necrotizing enterocolitis rat model
JP2021519273A (ja) 脂質およびコレステロール代謝を上昇させるための方法
Im et al. Bacillus polyfermenticus ameliorates colonic inflammation by promoting cytoprotective effects in colitic mice
JP2020525425A (ja) 小胞体ストレスの治療管理のためのガルシノール組成物
JP6388635B2 (ja) 炎症の予防又は治療へのセドヘプツロースの使用
US10799477B2 (en) Pharmaceutical composition for preventing or treating LDL cholesterol-related diseases, containing ribosome-binding preparation
US9486425B2 (en) 4-oxo-2-pentenoic acid and liver disorders
JP2021091634A (ja) 脂質異常症の予防、改善又は治療用組成物
Chen Inhibitory Effects of Dietary Exosome-Like Nanoparticles on NLRP3 Inflammasome Activation
Pasinetti Elena L. Paleya, b
Zhao et al. Oxalate-degrading enzyme recombined lactic acid bacteria strains reduce
TW202409268A (zh) 新穎乳酸菌以及含有乳酸菌之組成物、飲食品及醫藥品
KR100691839B1 (ko) 비피도박테리움 비피둠의 공배양을 통한 담즙산 활성효소 증가 방법 및 이를 이용한 담즙산 활성효소 증가제
KR20160059088A (ko) 분지아미노산을 유효성분으로 함유하는 염증 개선 기능성 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220324

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230207

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230502

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231003

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240423