本発明は、摺動式ドアのほぞ穴に設置するためのアセンブリ、特に摺動式ドアのラッチ機構と共に使用するための彫込錠アセンブリに関する。
摺動式ドアは多くの場合、ドアを所定の位置に保持するためのラッチ機構を備える。例えばラッチ機構は、ドアを所定の位置に保持するためにドア枠のわき柱の受座内へと延在するラッチを含んでよい。このラッチは選択的に伸長させたり引き込んだりすることができる。
場合によっては、更なる安全性のために、摺動式ドアにロック機構を更に設けることが望ましい。摺動式ドアに好適な錠機構を設けるための試みは過去に複数行われているが、これらのアプローチは特定の用途には適さない場合がある。
第1の態様では、錠アセンブリが提供され、上記錠アセンブリは:解錠位置、施錠位置、及び本締位置を有する、回転式の錠シリンダと;第1の位置及び第2の位置を有する連結部材であって、上記錠シリンダが上記解錠位置にあるとき、上記連結部材は上記第1の位置にあり、上記錠シリンダが上記施錠位置にあるとき、上記連結部材は上記第2の位置にあり、上記錠シリンダが上記本締位置にあるとき、上記連結部材は上記第2の位置でロックされる、連結部材とを備え、上記錠アセンブリは、摺動式ドアのほぞ穴に設置されるように構成され、上記摺動式ドアはラッチ機構を有し、これにより、上記連結部材は上記ラッチ機構と連通する。
このような彫込錠アセンブリは、摺動式ドア内の本締錠を選択的に使用するための機構を提供する。即ち、シリンダ錠が別個の第1のロック位置及び第2のロック位置を有することにより、摺動式ドアは、本締錠を係合させる必要なしに、シリンダ錠の操作によって摺動式ドアを係留及び係留解除できる。更に、ドアは、ドアが本締状態である場合のモードにおいて、ラッチ機構を介した係留及び係留解除を不可能とすることができるように構成できる。
これにより、ドアの構成可能性が強化され、従って利便性及び安全性が改善される。
上記錠シリンダはカムを備えてよく、上記連結部材は、上記カムと相互作用するように構成されたフォロワを備えてよい。上記錠シリンダの回転は、同一軸の周りでの上記カムの回転に対応していてよい。これにより、上記錠シリンダの回転運動を上記連結部材の直線運動に変換できる便利な方法が提供される。
上記錠アセンブリは更に、本締位置及び自由位置を有するロックアームを備えてよく、上記錠シリンダが上記施錠位置にあるとき、上記ロックアームは上記自由位置にあり、かつ上記連結部材は上記第1の位置又は上記第2の位置にあり、上記錠シリンダが上記本締位置にあるとき、上記ロックアームは上記本締位置にあり、これによって上記連結部材を上記第2の位置にロックする。このようにして、上記ロックアームは、上記シリンダ錠の移動によって係合可能な、便利な本締機能を提供する。
上記ロックアームは、上記本締位置に向かって付勢でき、上記錠シリンダが上記解錠位置又は上記施錠位置にあるとき、上記カムは上記ロックアームを上記自由位置に保持できる。このようにして、上記本締錠は、上記シリンダ錠を適切に回転させたときに自動的に係合される。
いくつかの実施形態では、上記ロックアームは突出部を備え、上記フォロワは溝を備え、上記ロックアームが上記本締位置にあるとき、上記突出部は上記連結部材に係合して、上記連結部材を上記第2の位置でロックし、上記ロックアームが上記自由位置にあるとき、上記突出部は上記溝と整列して、上記連結部材を、上記第1の位置と上記第2の位置との間で移動できるようにする。これにより、上記連結部材を選択的に保持することによって、上記本締錠を係合させるための、信頼性の高い機構が提供される。
上記フォロワは1対の指状部を備えてよく、上記カムは、一方又は両方の上記指状部に作用して、上記連結部材を上記第1の位置と上記第2の位置との間で作動させる。例えば、上記カムは上記指状部の間に静置されていてよく、上記カムは各上記指状部の内面を押す。このようにして、1対の指状部が設けられていることによって、いずれの方向の上記カムの運動が上記フォロワを係合させ、これによって上記連結部材へと伝達される。
上記フォロワは、上記錠シリンダの回転軸を横断する軸に沿って、直線状に移動できる。上記ラッチ機構は、概ね同一の横断方向軸に沿って配向され得るため、上記フォロワの運動を上記ラッチ機構に統合できる。
上記錠アセンブリは更に、上記連結部材に接続されるよう構成された駆動プレートを備えてよく、上記錠アセンブリを設置するとき、上記駆動プレートは、上記摺動式ドアの掛け金の運動を上記連結部材の運動に変換できる。これにより、上記錠アセンブリを、多種多様な掛け金及びラッチ機構と統合できる。というのは、上記ラッチ機構は上記駆動プレートと単純な境界面しか有しなくてよいためである。
上記連結部材は、上記掛け金の運動によって、上記第1の位置と上記第2の位置との間で移動できる。これによりユーザは、掛け金を用いて上記錠シリンダを上記解錠位置と上記施錠位置との間で便利に作動させることができる。
上記錠シリンダは、ユーロ規格シリンダ錠の錠シリンダであってよい。このようなユーロ規格シリンダ錠は、高レベルの安全性を提供するため、上記錠アセンブリ及び上記摺動式ドアの安全性を全体的に向上させる。
上記錠アセンブリは錠本体を更に備えてよく、上記錠本体内には上記連結部材及び上記錠シリンダが位置決めされ、上記錠本体は、中に上記ラッチ機構が位置決めされるラッチ本体と噛合するように構成できる。これにより、上記錠アセンブリの設置時のフットプリントが削減され、これによって上記ほぞ穴内への設置をより容易にすることができ、また既存のラッチ機構を簡単に改造できる。
第2の態様では、ロック可能なラッチアセンブリが提供され、上記ロック可能なラッチアセンブリは:上記第1の態様の錠アセンブリと;ラッチを備えるラッチ機構とを備え、上記ラッチ機構は、上記ラッチ機構のラッチを伸長させた係留モードと、上記ラッチ機構のラッチを引き込んだ係留解除モードとを有し、上記錠アセンブリの上記錠シリンダが上記解錠位置にあるとき、上記ラッチ機構は上記係留解除モードであり、上記錠アセンブリの上記錠シリンダが上記施錠位置又は上記本締位置にあるとき、上記ラッチ機構は上記係留モードである。
このようなロック可能なほぞ穴ラッチアセンブリは、摺動式ドアにラッチ及び選択的に使用可能な本締錠を設けるための便利な機構を提供する。これにより、ドアの構成可能性が強化され、従って利便性及び安全性が改善される。
上記ラッチアセンブリは更に、上記錠アセンブリ及び上記ラッチ機構が中に配置された本体を備えてよい。上記錠アセンブリ及び上記ラッチ機構を単一の本体内で一体に統合することにより、設置が容易になり、また上記ロック可能なラッチアセンブリ全体のフットプリントが削減される。
第3の態様では、ロック可能なマルチラッチアセンブリが提供され、上記ロック可能なマルチラッチアセンブリは:上記第1の態様の錠アセンブリと;上記錠アセンブリと連通する2つ以上のラッチ機構とを備え、各上記ラッチ機構は1つのラッチを備え、また上記ラッチ機構のラッチを伸長させた係留モードと、上記ラッチ機構のラッチを引き込んだ係留解除モードとを有し、上記錠アセンブリの上記錠シリンダが上記解錠位置にあるとき、各上記ラッチ機構は上記係留解除モードであり、上記錠アセンブリの上記錠シリンダが上記施錠位置又は上記本締位置にあるとき、各上記ラッチ機構は上記係留モードである。
このようなロック可能なマルチラッチアセンブリは、複数のラッチが有益となる摺動式ドアに上記第1の態様の錠アセンブリの利点を含めるための便利な方法を提供する。例えば特に背の高い摺動式ドアは、その高さに沿った多数のラッチから利益を得ることができる。
マルチラッチアセンブリは更に、上記錠アセンブリ及び各上記ラッチ機構が接続される前端プレートを備えてよい。これにより、これらの構成部品が、設置が容易な単一のシステムに統合される。更に、上記前端プレートが上記ほぞ穴の外縁部を覆う場合、これは、構成部品が上記摺動式ドアの縁部から容易にアクセスされるのを回避し、安全性を改善する。
第4の態様では、1つ以上のほぞ穴を有する摺動式ドアが提供され、上記ほぞ穴のうちの1つ以上には、上記第1の態様の上記錠アセンブリ、上記第2の態様の上記ラッチアセンブリ、又は上記第3の態様のマルチラッチアセンブリが設置される。例えば、摺動式ドアの特定の構成及び構成部品の所望の位置に応じて、各上記アセンブリの異なる構成部品を異なるほぞ穴に設置してよく、又は全ての構成部品を同一のほぞ穴に設置してよい。
本発明の好ましい実施形態を示す図面を参照して、本発明を例として説明する。しかしながら、これらの実施例は単なる例として提供されており、本発明は図面及び対応する説明の特定の細部に限定されない。
図1は、本発明のある実施形態による錠アセンブリを含むことができる、例示的な摺動式ドアを示す。
図2、3、4は、錠アセンブリのカムがそれぞれ解錠位置、施錠位置、及び本締位置にある、連通状態の錠アセンブリ‐ラッチアセンブリを示す。
図5は、部分的に分解された形態の、錠アセンブリの等角図を示す。
図6、7、8は、錠アセンブリのカムがそれぞれ解錠位置、施錠位置、及び本締位置にある、錠アセンブリを示す。
図9、10、11は、錠アセンブリのカムがそれぞれ解錠位置、施錠位置、及び本締位置にある、ロック可能なラッチアセンブリを示す。
図12、13、14は、錠アセンブリのカムがそれぞれ解錠位置、施錠位置、及び本締位置にある、連通状態の錠アセンブリ‐ラッチアセンブリ‐ラッチ機構を示す。
図15、16、17は、錠アセンブリのカムがそれぞれ解錠位置、施錠位置、及び本締位置にある、ロック可能なマルチラッチアセンブリを示す。
図1は摺動式ドア90のある例示的実施形態を示し、これは、枠91、固定ガラスパネル93、及び摺動式ガラスパネル92を含む。摺動式ガラスパネル92は、左側の閉鎖位置から右側の開放位置へと摺動する。閉鎖位置では、摺動式ガラスパネル92の戸先框922は枠91のわき柱912に当接し、錠を係合できる。摺動式ガラスパネル92の戸尻框921と固定ガラスパネルの框とも相互に係合して、密閉状態の閉鎖を提供する。
固定されたハンドル925が摺動式ガラスパネル92の内側に取り付けられ、これによってユーザは、ドアを摺動させて開閉できる。摺動式ガラスパネル92は、下側レール内のトラック上を走行する又は上側レールから懸架されるホイール又はローラ上に支持されてその上を摺動でき、これによってユーザは最小限の力で摺動式ガラスパネル92を摺動させることができる。開放位置では、摺動式ガラスパネル92の戸尻框921は、枠91上の停止部材又は当接部材913に当接して、摺動式ガラスパネル92が枠91に当たるのを防止する。
錠は、わき柱912にボルトで係留された受座915、受座915に係合する(戸先框922内に設置された)ほぞ穴ラッチ923、並びにラッチ923を作動させる彫込錠シリンダ及び/又は掛け金924を含む。ラッチ923は2つの突起を含んでよく、これらは反対方向に回転して受座915のアパーチャ916内に着座することにより、摺動式ガラスパネル92の水平運動を防止し(即ちドアを施錠し)、また摺動式ガラスパネル92の垂直運動を防止する(即ち持ち上げ防止機能を提供する)。ユーザはドアの内側から掛け金924を回転させて、ラッチを施錠位置又は解錠位置から操作できる。ラッチは、わき柱912に対して係合しない限りラッチ923が施錠されないようにする、偶発的施錠防止(anti‐slam)機構を含んでよい。
シリンダ錠926は二重選択構成として構成されていてよい。これにより、適合する鍵が挿入される3つの位置を実現できる。第1の解錠位置は掛け金924の解錠位置に対応し、ここでは突起が係合していない。第2の施錠位置では、掛け金924は、突起を施錠位置と解錠位置との間で移動させるために依然として操作可能である。第3の本締位置では、突起は受座915と係合し、掛け金924は無効化されて所定の位置にロックされ、掛け金924を用いて突起を施錠位置と解錠位置との間で移動させることはできない。錠は、ドアの内側及び外側にシリンダを含んでよい。
これより上記二重選択構成について、ラッチアセンブリ20と並んで設置された錠アセンブリ10を示す図2を参照して、更に詳細に説明する。
錠アセンブリ10は、シリンダ錠12、フォロワ13、及びロックアーム14を含む。
シリンダ錠12は、軸の周りで回転可能な錠シリンダ121と、鍵穴122に好適な鍵を挿入したときに同一の軸の周りで回転可能なカム123とを含む。カム123は、錠シリンダ121とは別個に形成され、好適な締結具で錠シリンダ121に接続されていても、又は錠シリンダ121と一体として形成されていてもよい。カム123は、解錠位置、施錠位置、及び本締位置の間で回転する。
フォロワ13は、直線軸に沿って、カム123を収容するように移動する。フォロワ13の運動はカム123の運動に対応する。カム123が解錠位置にあるとき、フォロワ13は第1の位置にあり、カム123が施錠位置にあるとき、フォロワ13は第2の位置にある。カム123が本締位置にあるとき、カム123はもはやフォロワ13内になく、フォロワ13は第2の位置へとロックされる。
ロックアーム14は本締位置及び自由位置を有し、本締位置に向かって付勢される。カム123が解錠位置又は施錠位置にあるとき、カム123はロックアーム14の表面に当接し、これによってロックアームは自由位置に保持される。カム123が本締位置にあるとき、カム123はロックアーム14に接触することなく回転し、これによってロックアーム14は本締位置へと移動する。ロックアーム14が本締位置にあるとき、ロックアーム14はフォロワ13を第2の位置にロックする。
錠アセンブリ10は、摺動式ドアの戸先框のほぞ穴に設置される。場合によっては、これは、錠本体11が比較的平坦なプロファイルであり、摺動式ドアの深さより小さな深さを有することを意味し得る。
ラッチアセンブリ20は、掛け金21と、アクチュエータハブ22と、1対の反対方向に回転可能な突起24と連通した1対のアクチュエータアーム23の形態のラッチ機構とを含む。アクチュエータハブ22及びアクチュエータアーム23はラッチ本体25内に位置する。ラッチアセンブリ20は、突起24がラッチ本体25から突出するように伸長している係留モードと、突起24が引き込まれておりラッチ本体25から突出しない係留解除モードとを有する。
掛け金は、正方形のプロファイルを有するスピンドル212と連通したハンドル211を含む。スピンドル212はアクチュエータハブ22のアパーチャに挿入され、従ってスピンドル212の回転は、アクチュエータハブ22の同等の回転を引き起こす。ユーザがハンドル211を押して又は引いてハンドル211の回転を発生させると、スピンドル212は回転し、これによってアクチュエータハブ22が対応して回転する。
アクチュエータハブ22は、各アクチュエータアーム23の歯ざおと噛合するピニオンを有する。アクチュエータハブ22が回転すると、アクチュエータアーム23は直線状に移動する。
各突起24は、ピン26によってラッチ本体25に接続され、このピン26は、突起24の回転を可能とする突起24用の枢動点として機能する。各突起は、各アクチュエータアーム23と相互作用する切り欠き部241を備える。
各アクチュエータアーム23は、スロット231と、スロット231の各側のノブ232とを有する。ノブ232は、各突起24の切り欠き部241と係合する。係留解除モードでは、ノブ232は切り欠き部241の外側に着座して、突起24をラッチ本体25内に保持する役割を果たす。ラッチアセンブリが係留解除モードから係留モードに移動すると、ノブ232はアクチュエータアーム23に呼応して移動し、切り欠き部241に入って切り欠き部241の一端を押す。これにより突起24はピン26の周りで回転し、これにより突起24は、スロット231を通過してラッチ本体25から突出する。ラッチアセンブリ20が係留モードから係留解除モードに移動すると、ノブ232はアクチュエータアーム23に呼応して移動することにより、ノブ232は各突起24の切り欠き部241の他端を押す。これにより突起24はピン26の周りで回転し、ラッチ本体25内に引き込まれる。ラッチアセンブリ20が係留モードであるとき、各アクチュエータアーム23は、ノブ232が依然として切り欠き部241と係合しているものの、切り欠き部241の形状によって突起24がピン26の周りで回転して錠本体25の外へと突出したり中へと引き込まれたりするように、位置決めされる。係留モードにあるときは、ノブ232と切り欠き部241との係合によって突起24が所定の位置にロックされ、突起24の突出した端部に負荷を印加しても(即ち突起が錠本体から突き出ているときに突起を錠本体内に戻そうとしても)、突起24はラッチ本体25内に引き戻されない(突起はアクチュエータ23の運動によってのみ、錠本体内に引き戻すことができる)。ノブ232と切り欠き部241との間の相互作用により、突起24の端部がスロット231を通過してラッチ本体25から突出するように、突起24がピン26の周りで回転する。
掛け金21の運動は、ラッチアセンブリを、突起24が伸長した係留モードと突起24が引き込まれた係留解除モードとの間で移動させる。
駆動プレート30は、一端がアクチュエータアーム23に、他端がフォロワ13に接続される。駆動プレート30は、アクチュエータアーム23のうちの一方の(従ってアクチュエータハブ22、他方のアクチュエータアーム23、及び掛け金21の)運動を、フォロワ13の(従ってカム123の)運動に変換する。駆動プレートはアパーチャ31を備え、ねじの頭がこれを通過できる。これにより駆動プレート30は、ねじと干渉することなく直線運動で移動できる。いくつかの実施形態では、駆動プレート30を省略してよく、アクチュエータアーム23のうちの一方はフォロワ13を組み込むことができ、従ってカム123及びロックアーム14と直接相互作用できる。このような実施形態では、駆動プレート30に関する言及は、対応するアクチュエータアーム23に関する言及として解釈されるものとする。
図2では、カム123は解錠位置で示されている。これは、フォロワ13が第1の位置にあり、ロックアーム14が自由位置にある状態に対応している。フォロワ13が第1の位置にあるとき、駆動プレート30は、ラッチアセンブリが係留解除モードとなるように位置決めされる。即ち、フォロワ13が第1の位置にあるため、駆動プレート30は、駆動プレート30に接続されたアクチュエータアーム23が係留解除モードに対応する位置となるように位置決めされる。更に、アクチュエータアーム23及びアクチュエータハブを介した歯ざお‐ピニオン間の連通、各アクチュエータアーム23のノブ232と各突起24の切り欠き部241との間の係合、並びにアクチュエータハブ22とスピンドル212との間の噛合により、他方のアクチュエータアーム23、1対の突起24、アクチュエータハブ22、及び掛け金21も同様に、係留解除モードに対応する位置となる。
図3は、図2の錠アセンブリ10及びラッチアセンブリ20を示し、ここではカム123が施錠位置にある。これは、フォロワ13が第2の位置にあり、ロックアーム14が自由位置にある状態に対応している。フォロワ13が第2の位置にあるとき、駆動プレート30は、ラッチアセンブリが係留モードとなるように位置決めされる。即ち、フォロワ13が第2の位置にあるため、駆動プレート30は、駆動プレート30に接続されたアクチュエータアーム23が係留モードに対応する位置となるように位置決めされる。アクチュエータアーム23及びアクチュエータハブを介した歯ざお‐ピニオン間の連通、並びにアクチュエータハブ22とスピンドル212との間の噛合により、他方のアクチュエータアーム23、アクチュエータハブ22、及び掛け金21も同様に、係留モードに対応する位置となる。
係留モードと係留解除モードとの間の移動は、ユーザが掛け金21を作動させることによって発生させることができる。これにより、アクチュエータハブ22、アクチュエータアーム23、駆動プレート30、フォロワ13、及びカム123の対応する移動が引き起こされる。更に、係留モードと係留解除モードとの間の移動は、ユーザが、鍵穴122に挿入された好適な鍵を回転させることによって発生させることができる。これにより、カム123、フォロワ13、駆動プレート30、アクチュエータアーム23、アクチュエータハブ22、及び掛け金21の対応する移動が引き起こされる。このようにして、シリンダ錠12及び掛け金21それぞれを用いて、ラッチアセンブリを係留モードと係留解除モードとの間で移動させることができる。
図4は、図2の錠アセンブリ10及びラッチアセンブリ20を示し、ここではカム123は本締位置にある。これは、フォロワ13を第2の位置にロックするために、ロックアーム14が本締位置にある状態に対応している。カム123が本締位置にあるとき、ラッチアセンブリは図3に示したものと同様に係留モードとなる。
使用時、ロックアーム14の突出部144がフォロワ13の肩部135と整列するように位置決めされているため、掛け金21を移動させようとする試行は有意な抵抗を受ける。即ち、掛け金21を移動させようとする試行は、アクチュエータハブ22、アクチュエータアーム23、及び駆動プレート30を介して、フォロワ13を移動させようとする試行につながり、これはフォロワ13の肩部135をロックアーム14の突出部144に当接させる。このようにして、カム123が本締位置にあるとき、ラッチ機構は係留モードへとロックされる。
図5は、図2〜4に示されているような錠アセンブリ10を更に詳細に示す。図示されている錠アセンブリ10は、錠本体11、シリンダ錠12、フォロワ13、及びロックアーム14を含む。
シリンダ錠12は、鍵穴122に好適な鍵を挿入したときに軸の周りで回転可能な、錠シリンダ121を含む。カム123は同一の軸の周りで回転する。カム123は、錠シリンダ121とは別個に形成され、好適な締結具で錠シリンダ121に接続されていても、又は錠シリンダ121と一体として形成されていてもよい。シリンダ錠12を所定の位置に締結できるよう、ねじ穴124が設けられる。
図示されている実施形態では、シリンダ錠12は、摺動式ドアの片側からアクセスできる単一のバレル、又は摺動式ドアの各側からアクセスできる1対の対向するバレルを含む、ユーロ規格シリンダ錠であってよい。鍵穴は各バレルの端部に設けられ、これによって鍵を用いて錠シリンダをドアの両側から回転させることができる。シリンダ錠12はカム123内に「フロート(float)」を有してよく、これにより、カム123は時には錠シリンダ121に対して独立して移動できる。これにより、カム123は、錠シリンダ121が移動しないままで、複数の位置の間(例えば解錠位置と施錠位置との間)で移動できる。しかしながら、代替実施形態では、カム123及び錠シリンダ121を互いに対して固定でき、従って一方の運動が他方の同等の運動を引き起こす。場合によっては、シリンダ錠は、カムタイプの、又はカム123の代わりにテールバーを使用できるテールバータイプの、ピンシリンダであってよい。
カム123は、解錠位置、施錠位置、及び本締位置の間で回転する。図示されている実施形態では、解錠位置及び施錠位置は、本締位置からそれぞれ約120°及び約60°の回転に対応する。
錠本体11は、孔113、114を通るねじ又はリベットによって一体に締結された前側本体部分111及び後側本体部分112を含む。後側本体部分112の一端は、錠本体11をラッチ本体等の別の構成部品と噛合させることができるよう、全体として凹状の半円筒部分1122を有する。後側本体部分112の他端は、全体として凸状の半円筒部分1123を有する。これは、スロット状プロファイルのほぞ穴を可能にするため、錠アセンブリ10の設置を補助できる。
ロック用アパーチャ115が前側本体部分111及び後側本体部分112に形成され、これにより、シリンダ錠12の一部分を錠本体11内に着座させることができる。後側本体部分112は、本体11内へと伸長してロックアーム14に接続されるピン1121を有する。ばね15を受承するためのばね用チャネル116が錠本体11内に形成され、これは、ばね15の一端を圧迫できる壁1161と、ばねを概ね所定の位置に保持するための一連の架台1162とを含む。前側本体部分111と後側本体部分112とを接続すると、ねじを受承するためのねじ経路117が錠本体11に形成される。シリンダ錠12を設置する際、ねじ経路117がねじ孔124と整列することによって、シリンダ錠12を錠本体11に締結できる。更に、フォロワ13のために、フォロワ用アパーチャ118が前側本体部分111及び後側本体部分112によって形成される。
錠アセンブリ10は、カム123を収容する凹部132を画定する1対の指状部131を有するフォロワ13の形態の、連結部材を有する。凹部132は、全体として丸みを帯びた長方形状の断面を有してよい。凹部は、カム123を様々な角度において収容するため、及びカム123が第2の施錠位置へと移動する際にカム123の係合を解除するために、カム123の幅の約1.5倍〜約2.0倍の幅(第1の位置と第2の位置との間のフォロワ13の移動の軸に沿った寸法)を有することができる。更に凹部は、カム123の高さの約1.5倍〜約2倍の深さ(幅の軸に対して垂直な軸に沿った寸法)を有してよい。
フォロワ13は、前側本体部分111の内面上の突出部に係合する第1の溝133を有する。これにより、フォロワ13の運動は、フォロワ用アパーチャ118の長さに沿った直線軸内に維持される。また、フォロワ13の面137がアパーチャ118の周囲の縁部に当接して、フォロワ13を軸に沿って更に整列させる。この直線軸は、カム123の回転軸を横断する。フォロワ用アパーチャ118の各端部には当接部材119が存在し、従ってフォロワ13は一般に、第1の位置又は第2の位置を超えて進むことができない。
フォロワ13は、第2の溝134と、上記溝の片側の、ロックアーム14と相互作用するための肩部135と、フォロワ13をラッチアセンブリ等の別のアセンブリと相互作用させるための突出部136とを有する。
錠アセンブリ10はロックアーム14を含む。ロックアーム14は、ピン1121と噛合するように設計されたアパーチャ141を有し、これによってロックアーム14に枢動点を提供する。ロックアーム14は本締位置及び自由位置を有し、これらは枢動点の周りでの異なる回転角度に対応する。ばね15はロックアームのピン142に接続される。ばね15は張力下にあり、壁1161を押圧して、ロックアームを、ピン142の周りで本締位置へと回転するように付勢する。
ロックアーム14はカムガイド143を有し、カム123は、カム123が回転するに従って、これに沿って摺動できる。カムガイド143は、施錠位置と解錠位置との間のカム123の位置に対応する弓状部分1431と、カム123が解錠位置にあるときのカム123の位置に対応する平坦部分1432と、カム123を解錠位置を超えて更に時計回りに回転させようとした場合にカム123が当接する保護部材(boot)1433とを有する。このようにして、いくつかの実施形態では、ロックアーム14はカム123の一方向への過剰な回転を防止できる。
ロックアーム14はまた、概ねL字型の突出部144を含み、これは第1の部分1441及び第2の部分1442を有する。ロックアーム14が自由位置にあるとき、ロックアーム14は、第1の部分1441及び第2の部分1442のうちの一方又は両方が第2の溝134内に着座するように整列される。更に、第1の部分1441は、第2の溝134の一方の面に当接することで、ロックアーム14がカム123から離れるように移動するのを防止できる。これにより、カム123は回転中に多少の抵抗を有することができる。ロックアーム14が本締位置にあり、従ってフォロワ13が第2の位置にあるとき、フォロワ13の肩部135は突出部144の第2の部分1442に当接してよい。これにより、第1の位置に向かうフォロワ13の移動を防止できる。
突出部144を収容するために、第2の溝134は、第2の部分1442と少なくとも同等の幅、好ましくは少なくとも5mm大きい幅を有してよく、これにより、ロックアーム14が自由位置にあるときに、突出部144は第2の溝134に沿って阻害されることなく移動できる。
錠アセンブリ10は、摺動式ドアの戸先框のほぞ穴に設置される。これは、錠本体11が比較的平坦なプロファイルを有し、摺動式ドアの深さより小さな深さを有することを意味し得る。
図6は、カム123が解錠位置にあり、フォロワ13が第1の位置にあり、ロックアーム14が自由位置にあるときの、錠アセンブリ10を示す。シリンダ錠12のカム123は、ロックアーム14のカムガイド143と係合する。これはばね15の付勢に抵抗し、従ってロックアーム14は自由位置のままとなる。ロックアーム14が自由位置にあるため、ロックアーム14の突出部144はフォロワ13の第2の溝134と整列し、これによりフォロワ13は、ロックアーム14に干渉されることなく、第1の位置と第2の位置との間で自由に移動できる。
図7は、カム123が施錠位置にあるときの錠アセンブリ10を示す。解錠位置から施錠位置へのカム123の移動は、ユーザが鍵穴122内の好適な鍵を回転させて、錠シリンダ121に反時計回り方向の回転力を印加することによって発生させることができる。この場合、錠シリンダ121の回転は結果として、カム123の回転をもたらす。指状部131内のカム123の位置により、フォロワ13は第2の位置へと付勢される。あるいは、解錠位置から施錠位置への移動は、フォロワ13に印加される力によって発生させることができる。例えばこれは、フォロワ13の突出部136に接続された駆動プレートを介してフォロワ13と連通している掛け金をユーザが作動させるのに応答して、発生し得る。この場合、フォロワ13の直線運動によって、指状部131はカム123を、施錠位置へと回転するように付勢する。
いずれの場合においても、カム123はロックアーム14のカムガイド143に沿って摺動する。従ってカム123は、ロックアーム14に対するばね15の付勢に抵抗し、従ってロックアーム14は自由位置のままとなる。ロックアーム14が自由位置にあるため、ロックアーム14の突出部144はフォロワ13の第2の溝134と整列し、これによりフォロワ13は、ロックアーム14に干渉されることなく、第1の位置と第2の位置との間で自由に移動できる。
施錠位置から解錠位置への移動も同様の方法で発生させることができる。即ちこれは、ユーザが鍵穴122内の好適な鍵を回転させて、錠シリンダ121に時計回り方向の回転力を印加することによって発生させることができる。これは結果として、カム123の回転を発生させる。カム123は指状部131と係合して、カムの回転運動を、第2の位置から第1の位置へのフォロワ13の直線運動に変換する。あるいはこの移動は、フォロワ13に直線状の力を印加することによって発生させることができる。指状部131はカム123と係合して、施錠位置から解錠位置へと回転移動させる。
図8は、カム123が本締位置にあるときの錠アセンブリ10を示す。施錠位置から本締位置への移動は、ユーザが鍵穴122内の好適な鍵を回転させて、錠シリンダ121に反時計回り方向の回転力を印加することによって発生させることができる。錠シリンダ121の回転は結果として、カム123の回転をもたらし、これによりカム123はシリンダ錠12から突出しなくなる。その結果、カム123はフォロワ13の指状部131内に着座せず、ロックアーム14のカムガイド143と接触しなくなる。これにより、ばね15の付勢はカム123による抵抗を受ける。従ってロックアーム14はピン1121の周りで回転して、本締位置へと移動する。
ロックアーム14が本締位置にあるとき、ロックアームの突出部144は、フォロワ13の肩部135と整列される。従ってフォロワ13は第2の位置にロックされ、フォロワ13が第1の位置へと移動しようとすることによって、フォロワ13の肩部135はロックアーム14の突出部144に当接し、従って第1の位置へのフォロワ13の移動に対してかなりの抵抗が発生する。
本締位置から施錠位置への錠シリンダ121の移動は、ユーザが鍵穴122内の好適な鍵を回転させて、錠シリンダ121に時計回り方向の回転力を印加することによって発生させることができる。その結果、カム123の回転が発生し、カム123はロックアーム14のカムガイド143に接触する。これによってロックアーム14は自由位置へと動かされ、ロックアームの突出部144はフォロワの第2の溝134と整列する。更に、カム123の回転により、カム123は、フォロワ13の指状部131によって形成された凹部132に再び入り、カム123とフォロワ13とを連通させる。
図9は、ロック可能なラッチアセンブリ40のある実施形態を示し、これは、図6〜8に示されているような錠アセンブリ10及びラッチアセンブリ20を含む。錠アセンブリ10は、錠本体11が設置された状態で示されており、ラッチアセンブリは、ラッチ本体25が設置された状態で示されている。シリンダ錠12及び掛け金21はそれぞれ、錠本体11及びラッチ本体25が設置されているときにアクセス可能なままである。
錠本体11は、ラッチ本体25と噛合するように成形される。例えば錠本体11の上部の形状は、ラッチ本体25の概ね凹状の底部に着座するよう、概ね凸状である。
前端プレート41は、ねじ411によって、錠アセンブリ10及びラッチアセンブリ20の片側に接続される。更に前端プレートはアパーチャ412を有し、これは、ラッチアセンブリが係留モードであるときに、突起24がアパーチャ412を通って突出できるように、スロット231と整列されている。前端プレート41により、前端プレート41が設置されているときでも駆動プレート30の移動が可能となる。例えば前端プレート71は、駆動プレート30を収容するための凹部を含んでよい。
ロック可能なラッチアセンブリ40は、摺動式ドアの戸先框のほぞ穴内に、錠本体11及びラッチ本体25が全体としてほぞ穴内に位置決めされるように設置される。この目的のために、錠本体11、ラッチ本体25、及び前端プレート41の深さのプロファイルは比較的スリムであり、摺動式ドアの深さより浅い。前端プレートにはねじ孔413が設けられ、これを通してねじを用いて、ロック可能なラッチアセンブリ40を摺動式ドアに締結できる。更に、ロック用アパーチャ115及びアクチュエータハブ22は、摺動式ドアの対応するアパーチャと整列するように位置決めされる。これにより、シリンダ錠12及び掛け金21は、摺動式ドアの一方の側部からアクセス可能となる。
図10及び11は、ロック可能なラッチアセンブリ40を示し、ここではラッチアセンブリ20は係留モードであり、カム123はそれぞれ施錠位置及び本締位置にある。この目的のために、突起24は、伸長して、前端プレート41のアパーチャ412を通って突出した状態で示されている。使用時、伸長した突起はドア枠のわき柱の受座に係合して、ラッチアセンブリが係留解除モードへと移動するまで、摺動式ドアを所定の位置に保持できる。
図12は、図6〜11に示されているような錠アセンブリ10及びラッチアセンブリ20を、二次ラッチ構造50と連通した状態で示す。
二次ラッチ機構50は、アクチュエータアーム51及び突起52を含む。二次ラッチ機構50は、突起52がラッチ本体53から突出するように伸長した係留モードと、突起52が引き込まれてラッチ本体53から突出しない係留解除モードとを有する。
突起52はピン54によってラッチ本体53に接続され、このピン54は、突起52の回転を可能とする突起52用の枢動点として機能する。突起は、アクチュエータアーム51と相互作用する切り欠き部521を備える。
アクチュエータアーム51は、スロット511と、スロット511の各側のノブ512とを有する。ノブ512は、突起52の切り欠き部521と係合する。係留解除モードでは、ノブ512は切り欠き部521に係合して、突起52をラッチ本体503内に保持する役割を果たす。二次ラッチ機構が係留解除モードから係留モードに移動すると、ノブ512はアクチュエータアーム51に呼応して移動し、切り欠き部521内で移動して切り欠き部521の一端を押す。これにより突起52はピン54の周りで回転し、これにより突起52は、スロット511を通過してラッチ本体503から突出する。
駆動バー60は、ラッチアセンブリのアクチュエータアーム23、錠機構のフォロワ13、及び二次ラッチ機構のアクチュエータアーム51に接続される。駆動バー60は、ラッチアセンブリのアクチュエータアーム23、錠アセンブリ10のフォロワ13、及び二次ラッチ機構50のアクチュエータアーム51の運動を変換する。これにより、ラッチアセンブリ20が係留モード又は係留解除モードであるとき、二次ラッチ機構50は対応する係留モード又は係留解除モードとなる。
ラッチアセンブリ20の他のアクチュエータアーム23を別の二次ラッチ機構50に接続するために、更なる駆動バー61を設けてよい。これにより、同時に係留モード又は係留解除モードとなる複数の二次ラッチ機構を設けることができる。
場合によっては、駆動バー60、61は、錠アセンブリ10、ラッチアセンブリ20、及び二次ラッチ機構50の異なる面に沿って移動してよい。例えばこれらは、背面(即ちほぞ穴内の最も遠い端部)に沿って移動してよい。更に、駆動バー60、61はチューブ等であってよい。
図12では、錠アセンブリ10のカム123は解錠位置にある。駆動バー60を部分的な要因として、これは、ラッチアセンブリ20が係留解除モードであり、かつ二次ラッチ機構50が係留解除モードである状態に対応する。
図13は、カム123が施錠位置にある状態の図12の構成を示す。駆動バー60を部分的な要因として、これは、ラッチアセンブリ20が、突起24が伸長している係留モードであり、かつ二次ラッチ機構50が、突起52が伸長している係留モードである状態に対応する。
図14は、カム123が本締位置にある状態の図12の構成を示す。これは、ラッチアセンブリ20が、突起24が伸長している係留モードであり、かつ二次ラッチ機構50が、突起52が伸長している係留モードである状態に対応する。更に、ロックアームの突出部144がフォロワ13の肩部135と整列するように位置決めされているため、フォロワ13は所定の位置にロックされる。その結果、ラッチアセンブリのアクチュエータアーム23及び二次ラッチ機構のアクチュエータアーム51は係留モードへとロックされる。
図15は、ロック可能なマルチラッチアセンブリ70のある実施形態を示し、これは、図12〜14に示されているもののような錠アセンブリ10、ラッチアセンブリ20、二次ラッチ機構50、及び駆動バー60を含む。
前端プレート71は、ねじ711によって、錠アセンブリ10、ラッチアセンブリ20、及び二次ラッチ機構50の一方の側部に接続される。更に前端プレートは、スロット231と整列したアパーチャ712を含み、これにより、ラッチアセンブリが係留モードであるときに突起24がアパーチャ712を通って突出できる。
前端プレート71により、前端プレート71が設置されているときでも駆動バー60の移動が可能となる。例えば前端プレート71は、駆動バー60を収容するための凹部を含んでよい。
ロック可能なマルチラッチアセンブリ70は、摺動式ドアの戸先框の少なくとも1つのほぞ穴に設置される。例えば単一のほぞ穴を設けることができ、錠本体11、ラッチアセンブリのラッチ本体25、及び二次ラッチ機構のラッチ本体が全て、上記ほぞ穴内に位置決めされる。あるいは複数のほぞ穴を設けることもでき、第1のほぞ穴は錠本体11及びラッチアセンブリのラッチ本体25を収容してよく、第2のほぞ穴は、二次ラッチ機構のラッチ本体を収容できる。いずれの場合においても、錠本体11、ラッチ本体25、二次ラッチ機構のラッチ本体、及び前端プレート71の深さのプロファイルは比較的スリムであり、摺動式ドアの深さより浅い。前端プレート71にはねじ孔713が設けられ、これを通してねじを用いて、ロック可能なマルチラッチアセンブリ70を摺動式ドアに締結できる。更に、ロック用アパーチャ115及びアクチュエータハブ22は、摺動式ドアの対応するアパーチャと整列するように位置決めされる。これにより、シリンダ錠12及び掛け金21は、摺動式ドアの一方の側部からアクセス可能となる。
図16は、カム123が施錠位置にある状態の図15の構成を示す。駆動バー60を部分的な要因として、これは、ラッチアセンブリ20が、突起24が伸長している係留モードであり、かつ二次ラッチ機構50が、突起52が伸長している係留モードである状態に対応する。
図17は、カム123が本締位置にある状態の図15の構成を示す。これは、ラッチアセンブリ20が、突起24が伸長している係留モードであり、かつ二次ラッチ機構50が、突起52が伸長している係留モードである状態に対応する。更に、ロックアームの突出部144がフォロワ13の肩部135と整列するように位置決めされているため、フォロワ13は所定の位置にロックされる。その結果、ラッチアセンブリのアクチュエータアーム23及び二次ラッチ機構のアクチュエータアーム51は係留モードへとロックされる。
用語「…を備える(comprise)」及びその変形は包括的な意味で使用されており、即ち、当該文脈においてこの用語の排他的解釈が要求されている場合を除いて、言及されている対象物を含むものの、他のものを排除しないものとして使用されている。
上述の実施形態は単なる例示であり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、修正及び変更が可能であることは明らかであろう。
本発明は、摺動式ドアのほぞ穴に設置するためのアセンブリ、特に摺動式ドアのラッチ機構と共に使用するための彫込錠アセンブリに関する。
摺動式ドアは多くの場合、ドアを所定の位置に保持するためのラッチ機構を備える。例えばラッチ機構は、ドアを所定の位置に保持するためにドア枠のわき柱の受座内へと延在するラッチを含んでよい。このラッチは選択的に伸長させたり引き込んだりすることができる。
場合によっては、更なる安全性のために、摺動式ドアにロック機構を更に設けることが望ましい。摺動式ドアに好適な錠機構を設けるための試みは過去に複数行われているが、これらのアプローチは特定の用途には適さない場合がある。
第1の態様では、錠アセンブリが提供され、上記錠アセンブリは:錠本体と;上記錠本体内で移動可能であり、解錠位置、施錠位置、本締位置の間で構成可能な部分を備える、回転式の錠シリンダと;第1の位置及び第2の位置を有する連結部材であって、上記部分が上記解錠位置にあるとき、上記連結部材は上記第1の位置にあり、上記部分が上記施錠位置にあるとき、上記連結部材は上記第2の位置にあり、上記部分が上記本締位置にあるとき、上記連結部材は上記第2の位置でロックされる、連結部材とを備え、上記錠アセンブリは、摺動式ドアのほぞ穴に設置されるように構成され、上記摺動式ドアは、上記錠本体とは別個のラッチ本体内にラッチ機構を有し、これにより、上記連結部材は駆動プレート、駆動バー又はアクチュエータアームを介して上記ラッチ機構と連通し、上記駆動プレート、上記駆動バー又は上記アクチュエータアームは、上記連結部材に接続されるよう構成され、かつ上記錠本体及び上記ラッチ本体の外側に位置決めされる。
このような彫込錠アセンブリは、摺動式ドア内の本締錠を選択的に使用するための機構を提供する。即ち、シリンダ錠が別個の第1のロック位置及び第2のロック位置を有することにより、摺動式ドアは、本締錠を係合させる必要なしに、シリンダ錠の操作によって摺動式ドアを係留及び係留解除できる。更に、ドアは、ドアが本締状態である場合のモードにおいて、ラッチ機構を介した係留及び係留解除を不可能とすることができるように構成できる。これにより、ドアの構成可能性が強化され、従って利便性及び安全性が改善される。
上記錠シリンダはカムを備えてよく、上記連結部材は、上記カムと相互作用するように構成されたフォロワを備えてよい。上記錠シリンダの回転は、同一軸の周りでの上記カムの回転に対応していてよい。これにより、上記錠シリンダの回転運動を上記連結部材の直線運動に変換できる便利な方法が提供される。
上記錠アセンブリは更に、本締位置及び自由位置を有するロックアームを備えてよく、上記錠シリンダが上記施錠位置にあるとき、上記ロックアームは上記自由位置にあり、かつ上記連結部材は上記第1の位置又は上記第2の位置にあり、上記錠シリンダが上記本締位置にあるとき、上記ロックアームは上記本締位置にあり、これによって上記連結部材を上記第2の位置にロックする。このようにして、上記ロックアームは、上記シリンダ錠の移動によって係合可能な、便利な本締機能を提供する。
上記ロックアームは、上記本締位置に向かって付勢でき、上記錠シリンダが上記解錠位置又は上記施錠位置にあるとき、上記カムは上記ロックアームを上記自由位置に保持できる。このようにして、上記本締錠は、上記シリンダ錠を適切に回転させたときに自動的に係合される。
いくつかの実施形態では、上記ロックアームは突出部を備え、上記フォロワは溝を備え、上記ロックアームが上記本締位置にあるとき、上記突出部は上記連結部材に係合して、上記連結部材を上記第2の位置でロックし、上記ロックアームが上記自由位置にあるとき、上記突出部は上記溝と整列して、上記連結部材を、上記第1の位置と上記第2の位置との間で移動できるようにする。これにより、上記連結部材を選択的に保持することによって、上記本締錠を係合させるための、信頼性の高い機構が提供される。
上記フォロワは1対の指状部を備えてよく、上記カムは、一方又は両方の上記指状部に作用して、上記連結部材を上記第1の位置と上記第2の位置との間で作動させる。例えば、上記カムは上記指状部の間に静置されていてよく、上記カムは各上記指状部の内面を押す。このようにして、1対の指状部が設けられていることによって、いずれの方向の上記カムの運動が上記フォロワを係合させ、これによって上記連結部材へと伝達される。
上記フォロワは、上記錠シリンダの回転軸を横断する軸に沿って、直線状に移動できる。上記ラッチ機構は、概ね同一の横断方向軸に沿って配向され得るため、上記フォロワの運動を上記ラッチ機構に統合できる。
上記錠アセンブリを設置するとき、上記駆動プレート、駆動バー又はアクチュエータアームは、上記摺動式ドアの掛け金の運動を上記連結部材の運動に変換できる。これにより、上記錠アセンブリを、多種多様な掛け金及びラッチ機構と統合できる。というのは、上記ラッチ機構は上記駆動プレートと単純な境界面しか有しなくてよいためである。
上記連結部材は、上記掛け金の運動によって、上記第1の位置と上記第2の位置との間で移動できる。これによりユーザは、掛け金を用いて上記錠シリンダを上記解錠位置と上記施錠位置との間で便利に作動させることができる。
上記錠シリンダは、ユーロ規格シリンダ錠の錠シリンダであってよい。このようなユーロ規格シリンダ錠は、高レベルの安全性を提供するため、上記錠アセンブリ及び上記摺動式ドアの安全性を全体的に向上させる。
上記錠本体は、上記ラッチ本体と噛合するように構成できる。これにより、上記錠アセンブリの設置時のフットプリントが削減され、これによって上記ほぞ穴内への設置をより容易にすることができ、また既存のラッチ機構を簡単に改造できる。
第2の態様では、ロック可能なラッチアセンブリが提供され、上記ロック可能なラッチアセンブリは:上記第1の態様の錠アセンブリと;ラッチを備えるラッチ機構とを備え、上記ラッチ機構は、上記ラッチ機構のラッチを伸長させた係留モードと、上記ラッチ機構のラッチを引き込んだ係留解除モードとを有し、上記錠アセンブリの上記錠シリンダが上記解錠位置にあるとき、上記ラッチ機構は上記係留解除モードであり、上記錠アセンブリの上記錠シリンダが上記施錠位置又は上記本締位置にあるとき、上記ラッチ機構は上記係留モードである。
このようなロック可能なほぞ穴ラッチアセンブリは、摺動式ドアにラッチ及び選択的に使用可能な本締錠を設けるための便利な機構を提供する。これにより、ドアの構成可能性が強化され、従って利便性及び安全性が改善される。
第3の態様では、ロック可能なマルチラッチアセンブリが提供され、上記ロック可能なマルチラッチアセンブリは:上記第1の態様の錠アセンブリと;上記錠アセンブリと連通する2つ以上のラッチ機構とを備え、各上記ラッチ機構は1つのラッチを備え、また上記ラッチ機構のラッチを伸長させた係留モードと、上記ラッチ機構のラッチを引き込んだ係留解除モードとを有し、上記錠アセンブリの上記錠シリンダが上記解錠位置にあるとき、各上記ラッチ機構は上記係留解除モードであり、上記錠アセンブリの上記錠シリンダが上記施錠位置又は上記本締位置にあるとき、各上記ラッチ機構は上記係留モードである。
このようなロック可能なマルチラッチアセンブリは、複数のラッチが有益となる摺動式ドアに上記第1の態様の錠アセンブリの利点を含めるための便利な方法を提供する。例えば特に背の高い摺動式ドアは、その高さに沿った多数のラッチから利益を得ることができる。
マルチラッチアセンブリは更に、上記錠アセンブリ及び各上記ラッチ機構が接続される前端プレートを備えてよい。これにより、これらの構成部品が、設置が容易な単一のシステムに統合される。更に、上記前端プレートが上記ほぞ穴の外縁部を覆う場合、これは、構成部品が上記摺動式ドアの縁部から容易にアクセスされるのを回避し、安全性を改善する。
第4の態様では、1つ以上のほぞ穴を有する摺動式ドアが提供され、上記ほぞ穴のうちの1つ以上には、上記第1の態様の上記錠アセンブリ、上記第2の態様の上記ラッチアセンブリ、又は上記第3の態様のマルチラッチアセンブリが設置される。例えば、摺動式ドアの特定の構成及び構成部品の所望の位置に応じて、各上記アセンブリの異なる構成部品を異なるほぞ穴に設置してよく、又は全ての構成部品を同一のほぞ穴に設置してよい。
本発明の好ましい実施形態を示す図面を参照して、本発明を例として説明する。しかしながら、これらの実施例は単なる例として提供されており、本発明は図面及び対応する説明の特定の細部に限定されない。
図1は、本発明のある実施形態による錠アセンブリを含むことができる、例示的な摺動式ドアを示す。
図2、3、4は、錠アセンブリのカムがそれぞれ解錠位置、施錠位置、及び本締位置にある、連通状態の錠アセンブリ‐ラッチアセンブリを示す。
図5は、部分的に分解された形態の、錠アセンブリの等角図を示す。
図6、7、8は、錠アセンブリのカムがそれぞれ解錠位置、施錠位置、及び本締位置にある、錠アセンブリを示す。
図9、10、11は、錠アセンブリのカムがそれぞれ解錠位置、施錠位置、及び本締位置にある、ロック可能なラッチアセンブリを示す。
図12、13、14は、錠アセンブリのカムがそれぞれ解錠位置、施錠位置、及び本締位置にある、連通状態の錠アセンブリ‐ラッチアセンブリ‐ラッチ機構を示す。
図15、16、17は、錠アセンブリのカムがそれぞれ解錠位置、施錠位置、及び本締位置にある、ロック可能なマルチラッチアセンブリを示す。
図1は摺動式ドア90のある例示的実施形態を示し、これは、枠91、固定ガラスパネル93、及び摺動式ガラスパネル92を含む。摺動式ガラスパネル92は、左側の閉鎖位置から右側の開放位置へと摺動する。閉鎖位置では、摺動式ガラスパネル92の戸先框922は枠91のわき柱912に当接し、錠を係合できる。摺動式ガラスパネル92の戸尻框921と固定ガラスパネルの框とも相互に係合して、密閉状態の閉鎖を提供する。
固定されたハンドル925が摺動式ガラスパネル92の内側に取り付けられ、これによってユーザは、ドアを摺動させて開閉できる。摺動式ガラスパネル92は、下側レール内のトラック上を走行する又は上側レールから懸架されるホイール又はローラ上に支持されてその上を摺動でき、これによってユーザは最小限の力で摺動式ガラスパネル92を摺動させることができる。開放位置では、摺動式ガラスパネル92の戸尻框921は、枠91上の停止部材又は当接部材913に当接して、摺動式ガラスパネル92が枠91に当たるのを防止する。
錠は、わき柱912にボルトで係留された受座915、受座915に係合する(戸先框922内に設置された)ほぞ穴ラッチ923、並びにラッチ923を作動させる彫込錠シリンダ及び/又は掛け金924を含む。ラッチ923は2つの突起を含んでよく、これらは反対方向に回転して受座915のアパーチャ916内に着座することにより、摺動式ガラスパネル92の水平運動を防止し(即ちドアを施錠し)、また摺動式ガラスパネル92の垂直運動を防止する(即ち持ち上げ防止機能を提供する)。ユーザはドアの内側から掛け金924を回転させて、ラッチを施錠位置又は解錠位置から操作できる。ラッチは、わき柱912に対して係合しない限りラッチ923が施錠されないようにする、偶発的施錠防止(anti‐slam)機構を含んでよい。
シリンダ錠926は二重選択構成として構成されていてよい。これにより、適合する鍵が挿入される3つの位置を実現できる。第1の解錠位置は掛け金924の解錠位置に対応し、ここでは突起が係合していない。第2の施錠位置では、掛け金924は、突起を施錠位置と解錠位置との間で移動させるために依然として操作可能である。第3の本締位置では、突起は受座915と係合し、掛け金924は無効化されて所定の位置にロックされ、掛け金924を用いて突起を施錠位置と解錠位置との間で移動させることはできない。錠は、ドアの内側及び外側にシリンダを含んでよい。
これより上記二重選択構成について、ラッチアセンブリ20と並んで設置された錠アセンブリ10を示す図2を参照して、更に詳細に説明する。
錠アセンブリ10は、シリンダ錠12、フォロワ13、及びロックアーム14を含む。
シリンダ錠12は、軸の周りで回転可能な錠シリンダ121と、鍵穴122に好適な鍵を挿入したときに同一の軸の周りで回転可能なカム123とを含む。カム123は、錠シリンダ121とは別個に形成され、好適な締結具で錠シリンダ121に接続されていても、又は錠シリンダ121と一体として形成されていてもよい。カム123は、解錠位置、施錠位置、及び本締位置の間で回転する。
フォロワ13は、直線軸に沿って、カム123を収容するように移動する。フォロワ13の運動はカム123の運動に対応する。カム123が解錠位置にあるとき、フォロワ13は第1の位置にあり、カム123が施錠位置にあるとき、フォロワ13は第2の位置にある。カム123が本締位置にあるとき、カム123はもはやフォロワ13内になく、フォロワ13は第2の位置へとロックされる。
ロックアーム14は本締位置及び自由位置を有し、本締位置に向かって付勢される。カム123が解錠位置又は施錠位置にあるとき、カム123はロックアーム14の表面に当接し、これによってロックアームは自由位置に保持される。カム123が本締位置にあるとき、カム123はロックアーム14に接触することなく回転し、これによってロックアーム14は本締位置へと移動する。ロックアーム14が本締位置にあるとき、ロックアーム14はフォロワ13を第2の位置にロックする。
錠アセンブリ10は、摺動式ドアの戸先框のほぞ穴に設置される。場合によっては、これは、錠本体11が比較的平坦なプロファイルであり、摺動式ドアの深さより小さな深さを有することを意味し得る。
ラッチアセンブリ20は、掛け金21と、アクチュエータハブ22と、1対の反対方向に回転可能な突起24と連通した1対のアクチュエータアーム23の形態のラッチ機構とを含む。アクチュエータハブ22及びアクチュエータアーム23はラッチ本体25内に位置する。ラッチアセンブリ20は、突起24がラッチ本体25から突出するように伸長している係留モードと、突起24が引き込まれておりラッチ本体25から突出しない係留解除モードとを有する。
掛け金は、正方形のプロファイルを有するスピンドル212と連通したハンドル211を含む。スピンドル212はアクチュエータハブ22のアパーチャに挿入され、従ってスピンドル212の回転は、アクチュエータハブ22の同等の回転を引き起こす。ユーザがハンドル211を押して又は引いてハンドル211の回転を発生させると、スピンドル212は回転し、これによってアクチュエータハブ22が対応して回転する。
アクチュエータハブ22は、各アクチュエータアーム23の歯ざおと噛合するピニオンを有する。アクチュエータハブ22が回転すると、アクチュエータアーム23は直線状に移動する。
各突起24は、ピン26によってラッチ本体25に接続され、このピン26は、突起24の回転を可能とする突起24用の枢動点として機能する。各突起は、各アクチュエータアーム23と相互作用する切り欠き部241を備える。
各アクチュエータアーム23は、スロット231と、スロット231の各側のノブ232とを有する。ノブ232は、各突起24の切り欠き部241と係合する。係留解除モードでは、ノブ232は切り欠き部241の外側に着座して、突起24をラッチ本体25内に保持する役割を果たす。ラッチアセンブリが係留解除モードから係留モードに移動すると、ノブ232はアクチュエータアーム23に呼応して移動し、切り欠き部241に入って切り欠き部241の一端を押す。これにより突起24はピン26の周りで回転し、これにより突起24は、スロット231を通過してラッチ本体25から突出する。ラッチアセンブリ20が係留モードから係留解除モードに移動すると、ノブ232はアクチュエータアーム23に呼応して移動することにより、ノブ232は各突起24の切り欠き部241の他端を押す。これにより突起24はピン26の周りで回転し、ラッチ本体25内に引き込まれる。ラッチアセンブリ20が係留モードであるとき、各アクチュエータアーム23は、ノブ232が依然として切り欠き部241と係合しているものの、切り欠き部241の形状によって突起24がピン26の周りで回転して錠本体25の外へと突出したり中へと引き込まれたりするように、位置決めされる。係留モードにあるときは、ノブ232と切り欠き部241との係合によって突起24が所定の位置にロックされ、突起24の突出した端部に負荷を印加しても(即ち突起が錠本体から突き出ているときに突起を錠本体内に戻そうとしても)、突起24はラッチ本体25内に引き戻されない(突起はアクチュエータ23の運動によってのみ、錠本体内に引き戻すことができる)。ノブ232と切り欠き部241との間の相互作用により、突起24の端部がスロット231を通過してラッチ本体25から突出するように、突起24がピン26の周りで回転する。
掛け金21の運動は、ラッチアセンブリを、突起24が伸長した係留モードと突起24が引き込まれた係留解除モードとの間で移動させる。
駆動プレート30は、一端がアクチュエータアーム23に、他端がフォロワ13に接続される。駆動プレート30は、アクチュエータアーム23のうちの一方の(従ってアクチュエータハブ22、他方のアクチュエータアーム23、及び掛け金21の)運動を、フォロワ13の(従ってカム123の)運動に変換する。駆動プレートはアパーチャ31を備え、ねじの頭がこれを通過できる。これにより駆動プレート30は、ねじと干渉することなく直線運動で移動できる。いくつかの実施形態では、駆動プレート30を省略してよく、アクチュエータアーム23のうちの一方はフォロワ13を組み込むことができ、従ってカム123及びロックアーム14と直接相互作用できる。このような実施形態では、駆動プレート30に関する言及は、対応するアクチュエータアーム23に関する言及として解釈されるものとする。
図2では、カム123は解錠位置で示されている。これは、フォロワ13が第1の位置にあり、ロックアーム14が自由位置にある状態に対応している。フォロワ13が第1の位置にあるとき、駆動プレート30は、ラッチアセンブリが係留解除モードとなるように位置決めされる。即ち、フォロワ13が第1の位置にあるため、駆動プレート30は、駆動プレート30に接続されたアクチュエータアーム23が係留解除モードに対応する位置となるように位置決めされる。更に、アクチュエータアーム23とアクチュエータハブ22との間における歯ざお‐ピニオン間の連通、各アクチュエータアーム23のノブ232と各突起24の切り欠き部241との間の係合、並びにアクチュエータハブ22とスピンドル212との間の噛合により、他方のアクチュエータアーム23、1対の突起24、アクチュエータハブ22、及び掛け金21も同様に、係留解除モードに対応する位置となる。
図3は、図2の錠アセンブリ10及びラッチアセンブリ20を示し、ここではカム123が施錠位置にある。これは、フォロワ13が第2の位置にあり、ロックアーム14が自由位置にある状態に対応している。フォロワ13が第2の位置にあるとき、駆動プレート30は、ラッチアセンブリが係留モードとなるように位置決めされる。即ち、フォロワ13が第2の位置にあるため、駆動プレート30は、駆動プレート30に接続されたアクチュエータアーム23が係留モードに対応する位置となるように位置決めされる。アクチュエータアーム23とアクチュエータハブ22との間における歯ざお‐ピニオン間の連通、並びにアクチュエータハブ22とスピンドル212との間の噛合により、他方のアクチュエータアーム23、アクチュエータハブ22、及び掛け金21も同様に、係留モードに対応する位置となる。
係留モードと係留解除モードとの間の移動は、ユーザが掛け金21を作動させることによって発生させることができる。これにより、アクチュエータハブ22、アクチュエータアーム23、駆動プレート30、フォロワ13、及びカム123の対応する移動が引き起こされる。更に、係留モードと係留解除モードとの間の移動は、ユーザが、鍵穴122に挿入された好適な鍵を回転させることによって発生させることができる。これにより、カム123、フォロワ13、駆動プレート30、アクチュエータアーム23、アクチュエータハブ22、及び掛け金21の対応する移動が引き起こされる。このようにして、シリンダ錠12及び掛け金21それぞれを用いて、ラッチアセンブリを係留モードと係留解除モードとの間で移動させることができる。
図4は、図2の錠アセンブリ10及びラッチアセンブリ20を示し、ここではカム123は本締位置にある。これは、フォロワ13を第2の位置にロックするために、ロックアーム14が本締位置にある状態に対応している。カム123が本締位置にあるとき、ラッチアセンブリは図3に示したものと同様に係留モードとなる。
使用時、ロックアーム14の突出部144がフォロワ13の肩部135と整列するように位置決めされているため、掛け金21を移動させようとする試行は有意な抵抗を受ける。即ち、掛け金21を移動させようとする試行は、アクチュエータハブ22、アクチュエータアーム23、及び駆動プレート30を介して、フォロワ13を移動させようとする試行につながり、これはフォロワ13の肩部135をロックアーム14の突出部144に当接させる。このようにして、カム123が本締位置にあるとき、ラッチ機構は係留モードへとロックされる。
図5は、図2〜4に示されているような錠アセンブリ10を更に詳細に示す。図示されている錠アセンブリ10は、錠本体11、シリンダ錠12、フォロワ13、及びロックアーム14を含む。
シリンダ錠12は、鍵穴122に好適な鍵を挿入したときに軸の周りで回転可能な、錠シリンダ121を含む。カム123は同一の軸の周りで回転する。カム123は、錠シリンダ121とは別個に形成され、好適な締結具で錠シリンダ121に接続されていても、又は錠シリンダ121と一体として形成されていてもよい。シリンダ錠12を所定の位置に締結できるよう、ねじ穴124が設けられる。
図示されている実施形態では、シリンダ錠12は、摺動式ドアの片側からアクセスできる単一のバレル、又は摺動式ドアの各側からアクセスできる1対の対向するバレルを含む、ユーロ規格シリンダ錠であってよい。鍵穴は各バレルの端部に設けられ、これによって鍵を用いて錠シリンダをドアの両側から回転させることができる。シリンダ錠12はカム123内に「フロート(float)」を有してよく、これにより、カム123は時には錠シリンダ121に対して独立して移動できる。これにより、カム123は、錠シリンダ121が移動しないままで、複数の位置の間(例えば解錠位置と施錠位置との間)で移動できる。しかしながら、代替実施形態では、カム123及び錠シリンダ121を互いに対して固定でき、従って一方の運動が他方の同等の運動を引き起こす。場合によっては、シリンダ錠は、カムタイプの、又はカム123の代わりにテールバーを使用できるテールバータイプの、ピンシリンダであってよい。
カム123は、解錠位置、施錠位置、及び本締位置の間で回転する。図示されている実施形態では、解錠位置及び施錠位置は、本締位置からそれぞれ約120°及び約60°の回転に対応する。
錠本体11は、孔113、114を通るねじ又はリベットによって一体に締結された前側本体部分111及び後側本体部分112を含む。後側本体部分112の一端は、錠本体11をラッチ本体等の別の構成部品と噛合させることができるよう、全体として凹状の半円筒部分1122を有する。後側本体部分112の他端は、全体として凸状の半円筒部分1123を有する。これは、スロット状プロファイルのほぞ穴を可能にするため、錠アセンブリ10の設置を補助できる。
ロック用アパーチャ115が前側本体部分111及び後側本体部分112に形成され、これにより、シリンダ錠12の一部分を錠本体11内に着座させることができる。後側本体部分112は、本体11内へと伸長してロックアーム14に接続されるピン1121を有する。ばね15を受承するためのばね用チャネル116が錠本体11内に形成され、これは、ばね15の一端を圧迫できる壁1161と、ばねを概ね所定の位置に保持するための一連の架台1162とを含む。前側本体部分111と後側本体部分112とを接続すると、ねじを受承するためのねじ経路117が錠本体11に形成される。シリンダ錠12を設置する際、ねじ経路117がねじ孔124と整列することによって、シリンダ錠12を錠本体11に締結できる。更に、フォロワ13のために、フォロワ用アパーチャ118が前側本体部分111及び後側本体部分112によって形成される。
錠アセンブリ10は、カム123を収容する凹部132を画定する1対の指状部131を有するフォロワ13の形態の、連結部材を有する。凹部132は、全体として丸みを帯びた長方形状の断面を有してよい。凹部は、カム123を様々な角度において収容するため、及びカム123が第2の施錠位置へと移動する際にカム123の係合を解除するために、カム123の幅の約1.5倍〜約2.0倍の幅(第1の位置と第2の位置との間のフォロワ13の移動の軸に沿った寸法)を有することができる。更に凹部は、カム123の高さの約1.5倍〜約2倍の深さ(幅の軸に対して垂直な軸に沿った寸法)を有してよい。
フォロワ13は、前側本体部分111の内面上の突出部に係合する第1の溝133を有する。これにより、フォロワ13の運動は、フォロワ用アパーチャ118の長さに沿った直線軸内に維持される。また、フォロワ13の面137がアパーチャ118の周囲の縁部に当接して、フォロワ13を軸に沿って更に整列させる。この直線軸は、カム123の回転軸を横断する。フォロワ用アパーチャ118の各端部には当接部材119が存在し、従ってフォロワ13は一般に、第1の位置又は第2の位置を超えて進むことができない。
フォロワ13は、第2の溝134と、上記溝の片側の、ロックアーム14と相互作用するための肩部135と、フォロワ13をラッチアセンブリ等の別のアセンブリと相互作用させるための突出部136とを有する。
錠アセンブリ10はロックアーム14を含む。ロックアーム14は、ピン1121と噛合するように設計されたアパーチャ141を有し、これによってロックアーム14に枢動点を提供する。ロックアーム14は本締位置及び自由位置を有し、これらは枢動点の周りでの異なる回転角度に対応する。ばね15はロックアームのピン142に接続される。ばね15は張力下にあり、壁1161を押圧して、ロックアームを、ピン142の周りで本締位置へと回転するように付勢する。
ロックアーム14はカムガイド143を有し、カム123は、カム123が回転するに従って、これに沿って摺動できる。カムガイド143は、施錠位置と解錠位置との間のカム123の位置に対応する弓状部分1431と、カム123が解錠位置にあるときのカム123の位置に対応する平坦部分1432と、カム123を解錠位置を超えて更に時計回りに回転させようとした場合にカム123が当接する保護部材(boot)1433とを有する。このようにして、いくつかの実施形態では、ロックアーム14はカム123の一方向への過剰な回転を防止できる。
ロックアーム14はまた、概ねL字型の突出部144を含み、これは第1の部分1441及び第2の部分1442を有する。ロックアーム14が自由位置にあるとき、ロックアーム14は、第1の部分1441及び第2の部分1442のうちの一方又は両方が第2の溝134内に着座するように整列される。更に、第1の部分1441は、第2の溝134の一方の面に当接することで、ロックアーム14がカム123から離れるように移動するのを防止できる。これにより、カム123は回転中に多少の抵抗を有することができる。ロックアーム14が本締位置にあり、従ってフォロワ13が第2の位置にあるとき、フォロワ13の肩部135は突出部144の第2の部分1442に当接してよい。これにより、第1の位置に向かうフォロワ13の移動を防止できる。
突出部144を収容するために、第2の溝134は、第2の部分1442と少なくとも同等の幅、好ましくは少なくとも5mm大きい幅を有してよく、これにより、ロックアーム14が自由位置にあるときに、突出部144は第2の溝134に沿って阻害されることなく移動できる。
錠アセンブリ10は、摺動式ドアの戸先框のほぞ穴に設置される。これは、錠本体11が比較的平坦なプロファイルを有し、摺動式ドアの深さより小さな深さを有することを意味し得る。
図6は、カム123が解錠位置にあり、フォロワ13が第1の位置にあり、ロックアーム14が自由位置にあるときの、錠アセンブリ10を示す。シリンダ錠12のカム123は、ロックアーム14のカムガイド143と係合する。これはばね15の付勢に抵抗し、従ってロックアーム14は自由位置のままとなる。ロックアーム14が自由位置にあるため、ロックアーム14の突出部144はフォロワ13の第2の溝134と整列し、これによりフォロワ13は、ロックアーム14に干渉されることなく、第1の位置と第2の位置との間で自由に移動できる。
図7は、カム123が施錠位置にあるときの錠アセンブリ10を示す。解錠位置から施錠位置へのカム123の移動は、ユーザが鍵穴122内の好適な鍵を回転させて、錠シリンダ121に反時計回り方向の回転力を印加することによって発生させることができる。この場合、錠シリンダ121の回転は結果として、カム123の回転をもたらす。指状部131内のカム123の位置により、フォロワ13は第2の位置へと付勢される。あるいは、解錠位置から施錠位置への移動は、フォロワ13に印加される力によって発生させることができる。例えばこれは、フォロワ13の突出部136に接続された駆動プレートを介してフォロワ13と連通している掛け金をユーザが作動させるのに応答して、発生し得る。この場合、フォロワ13の直線運動によって、指状部131はカム123を、施錠位置へと回転するように付勢する。
いずれの場合においても、カム123はロックアーム14のカムガイド143に沿って摺動する。従ってカム123は、ロックアーム14に対するばね15の付勢に抵抗し、従ってロックアーム14は自由位置のままとなる。ロックアーム14が自由位置にあるため、ロックアーム14の突出部144はフォロワ13の第2の溝134と整列し、これによりフォロワ13は、ロックアーム14に干渉されることなく、第1の位置と第2の位置との間で自由に移動できる。
施錠位置から解錠位置への移動も同様の方法で発生させることができる。即ちこれは、ユーザが鍵穴122内の好適な鍵を回転させて、錠シリンダ121に時計回り方向の回転力を印加することによって発生させることができる。これは結果として、カム123の回転を発生させる。カム123は指状部131と係合して、カムの回転運動を、第2の位置から第1の位置へのフォロワ13の直線運動に変換する。あるいはこの移動は、フォロワ13に直線状の力を印加することによって発生させることができる。指状部131はカム123と係合して、施錠位置から解錠位置へと回転移動させる。
図8は、カム123が本締位置にあるときの錠アセンブリ10を示す。施錠位置から本締位置への移動は、ユーザが鍵穴122内の好適な鍵を回転させて、錠シリンダ121に反時計回り方向の回転力を印加することによって発生させることができる。錠シリンダ121の回転は結果として、カム123の回転をもたらし、これによりカム123はシリンダ錠12から突出しなくなる。その結果、カム123はフォロワ13の指状部131内に着座せず、ロックアーム14のカムガイド143と接触しなくなる。これにより、ばね15の付勢はカム123による抵抗を受ける。従ってロックアーム14はピン1121の周りで回転して、本締位置へと移動する。
ロックアーム14が本締位置にあるとき、ロックアームの突出部144は、フォロワ13の肩部135と整列される。従ってフォロワ13は第2の位置にロックされ、フォロワ13が第1の位置へと移動しようとすることによって、フォロワ13の肩部135はロックアーム14の突出部144に当接し、従って第1の位置へのフォロワ13の移動に対してかなりの抵抗が発生する。
本締位置から施錠位置への錠シリンダ121の移動は、ユーザが鍵穴122内の好適な鍵を回転させて、錠シリンダ121に時計回り方向の回転力を印加することによって発生させることができる。その結果、カム123の回転が発生し、カム123はロックアーム14のカムガイド143に接触する。これによってロックアーム14は自由位置へと動かされ、ロックアームの突出部144はフォロワの第2の溝134と整列する。更に、カム123の回転により、カム123は、フォロワ13の指状部131によって形成された凹部132に再び入り、カム123とフォロワ13とを連通させる。
図9は、ロック可能なラッチアセンブリ40のある実施形態を示し、これは、図6〜8に示されているような錠アセンブリ10及びラッチアセンブリ20を含む。錠アセンブリ10は、錠本体11が設置された状態で示されており、ラッチアセンブリは、ラッチ本体25が設置された状態で示されている。シリンダ錠12及び掛け金21はそれぞれ、錠本体11及びラッチ本体25が設置されているときにアクセス可能なままである。
錠本体11は、ラッチ本体25と噛合するように成形される。例えば錠本体11の上部の形状は、ラッチ本体25の概ね凹状の底部に着座するよう、概ね凸状である。
前端プレート41は、ねじ411によって、錠アセンブリ10及びラッチアセンブリ20の片側に接続される。更に前端プレートはアパーチャ412を有し、これは、ラッチアセンブリが係留モードであるときに、突起24がアパーチャ412を通って突出できるように、スロット231と整列されている。前端プレート41により、前端プレート41が設置されているときでも駆動プレート30の移動が可能となる。例えば前端プレート71は、駆動プレート30を収容するための凹部を含んでよい。
ロック可能なラッチアセンブリ40は、摺動式ドアの戸先框のほぞ穴内に、錠本体11及びラッチ本体25が全体としてほぞ穴内に位置決めされるように設置される。この目的のために、錠本体11、ラッチ本体25、及び前端プレート41の深さのプロファイルは比較的スリムであり、摺動式ドアの深さより浅い。前端プレートにはねじ孔413が設けられ、これを通してねじを用いて、ロック可能なラッチアセンブリ40を摺動式ドアに締結できる。更に、ロック用アパーチャ115及びアクチュエータハブ22は、摺動式ドアの対応するアパーチャと整列するように位置決めされる。これにより、シリンダ錠12及び掛け金21は、摺動式ドアの一方の側部からアクセス可能となる。
図10及び11は、ロック可能なラッチアセンブリ40を示し、ここではラッチアセンブリ20は係留モードであり、カム123はそれぞれ施錠位置及び本締位置にある。この目的のために、突起24は、伸長して、前端プレート41のアパーチャ412を通って突出した状態で示されている。使用時、伸長した突起はドア枠のわき柱の受座に係合して、ラッチアセンブリが係留解除モードへと移動するまで、摺動式ドアを所定の位置に保持できる。
図12は、図6〜11に示されているような錠アセンブリ10及びラッチアセンブリ20を、二次ラッチ構造50と連通した状態で示す。
二次ラッチ機構50は、アクチュエータアーム51及び突起52を含む。二次ラッチ機構50は、突起52がラッチ本体53から突出するように伸長した係留モードと、突起52が引き込まれてラッチ本体53から突出しない係留解除モードとを有する。
突起52はピン54によってラッチ本体53に接続され、このピン54は、突起52の回転を可能とする突起52用の枢動点として機能する。突起は、アクチュエータアーム51と相互作用する切り欠き部521を備える。
アクチュエータアーム51は、スロット511と、スロット511の各側のノブ512とを有する。ノブ512は、突起52の切り欠き部521と係合する。係留解除モードでは、ノブ512は切り欠き部521に係合して、突起52をラッチ本体503内に保持する役割を果たす。二次ラッチ機構が係留解除モードから係留モードに移動すると、ノブ512はアクチュエータアーム51に呼応して移動し、切り欠き部521内で移動して切り欠き部521の一端を押す。これにより突起52はピン54の周りで回転し、これにより突起52は、スロット511を通過してラッチ本体503から突出する。
駆動バー60は、ラッチアセンブリのアクチュエータアーム23、錠機構のフォロワ13、及び二次ラッチ機構のアクチュエータアーム51に接続される。駆動バー60は、ラッチアセンブリのアクチュエータアーム23、錠アセンブリ10のフォロワ13、及び二次ラッチ機構50のアクチュエータアーム51の運動を変換する。これにより、ラッチアセンブリ20が係留モード又は係留解除モードであるとき、二次ラッチ機構50は対応する係留モード又は係留解除モードとなる。
ラッチアセンブリ20の他のアクチュエータアーム23を別の二次ラッチ機構50に接続するために、更なる駆動バー61を設けてよい。これにより、同時に係留モード又は係留解除モードとなる複数の二次ラッチ機構を設けることができる。
場合によっては、駆動バー60、61は、錠アセンブリ10、ラッチアセンブリ20、及び二次ラッチ機構50の異なる面に沿って移動してよい。例えばこれらは、背面(即ちほぞ穴内の最も遠い端部)に沿って移動してよい。更に、駆動バー60、61はチューブ等であってよい。
図12では、錠アセンブリ10のカム123は解錠位置にある。駆動バー60を部分的な要因として、これは、ラッチアセンブリ20が係留解除モードであり、かつ二次ラッチ機構50が係留解除モードである状態に対応する。
図13は、カム123が施錠位置にある状態の図12の構成を示す。駆動バー60を部分的な要因として、これは、ラッチアセンブリ20が、突起24が伸長している係留モードであり、かつ二次ラッチ機構50が、突起52が伸長している係留モードである状態に対応する。
図14は、カム123が本締位置にある状態の図12の構成を示す。これは、ラッチアセンブリ20が、突起24が伸長している係留モードであり、かつ二次ラッチ機構50が、突起52が伸長している係留モードである状態に対応する。更に、ロックアームの突出部144がフォロワ13の肩部135と整列するように位置決めされているため、フォロワ13は所定の位置にロックされる。その結果、ラッチアセンブリのアクチュエータアーム23及び二次ラッチ機構のアクチュエータアーム51は係留モードへとロックされる。
図15は、ロック可能なマルチラッチアセンブリ70のある実施形態を示し、これは、図12〜14に示されているもののような錠アセンブリ10、ラッチアセンブリ20、二次ラッチ機構50、及び駆動バー60を含む。
前端プレート71は、ねじ711によって、錠アセンブリ10、ラッチアセンブリ20、及び二次ラッチ機構50の一方の側部に接続される。更に前端プレートは、スロット231と整列したアパーチャ712を含み、これにより、ラッチアセンブリが係留モードであるときに突起24がアパーチャ712を通って突出できる。
前端プレート71により、前端プレート71が設置されているときでも駆動バー60の移動が可能となる。例えば前端プレート71は、駆動バー60を収容するための凹部を含んでよい。
ロック可能なマルチラッチアセンブリ70は、摺動式ドアの戸先框の少なくとも1つのほぞ穴に設置される。例えば単一のほぞ穴を設けることができ、錠本体11、ラッチアセンブリのラッチ本体25、及び二次ラッチ機構のラッチ本体が全て、上記ほぞ穴内に位置決めされる。あるいは複数のほぞ穴を設けることもでき、第1のほぞ穴は錠本体11及びラッチアセンブリのラッチ本体25を収容してよく、第2のほぞ穴は、二次ラッチ機構のラッチ本体を収容できる。いずれの場合においても、錠本体11、ラッチ本体25、二次ラッチ機構のラッチ本体、及び前端プレート71の深さのプロファイルは比較的スリムであり、摺動式ドアの深さより浅い。前端プレート71にはねじ孔713が設けられ、これを通してねじを用いて、ロック可能なマルチラッチアセンブリ70を摺動式ドアに締結できる。更に、ロック用アパーチャ115及びアクチュエータハブ22は、摺動式ドアの対応するアパーチャと整列するように位置決めされる。これにより、シリンダ錠12及び掛け金21は、摺動式ドアの一方の側部からアクセス可能となる。
図16は、カム123が施錠位置にある状態の図15の構成を示す。駆動バー60を部分的な要因として、これは、ラッチアセンブリ20が、突起24が伸長している係留モードであり、かつ二次ラッチ機構50が、突起52が伸長している係留モードである状態に対応する。
図17は、カム123が本締位置にある状態の図15の構成を示す。これは、ラッチアセンブリ20が、突起24が伸長している係留モードであり、かつ二次ラッチ機構50が、突起52が伸長している係留モードである状態に対応する。更に、ロックアームの突出部144がフォロワ13の肩部135と整列するように位置決めされているため、フォロワ13は所定の位置にロックされる。その結果、ラッチアセンブリのアクチュエータアーム23及び二次ラッチ機構のアクチュエータアーム51は係留モードへとロックされる。
用語「…を備える(comprise)」及びその変形は包括的な意味で使用されており、即ち、当該文脈においてこの用語の排他的解釈が要求されている場合を除いて、言及されている対象物を含むものの、他のものを排除しないものとして使用されている。
上述の実施形態は単なる例示であり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、修正及び変更が可能であることは明らかであろう。