JP2021518374A - メラノーマを治療するための方法 - Google Patents

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Abstract

本発明はメラノーマ、例えば表在拡大型黒色腫、結節性メラノーマ、悪性黒子由来黒色腫、及び末端黒子型黒色腫を予防する及び/又は治療するための方法を対象にする。前記方法はダパンストリルの有効量をそれを必要とする対象へ投与することを含む。前記方法は抗PD−1抗体とダパンストリルとを同時投与することを任意に含む。好ましい投与経路は経口投与である。

Description

本発明はダパンストリルの有効量を投与することによりメラノーマを治療するための方法に関する。
腫瘍発生は点変異、遺伝子欠失、細胞の形質変換に繋がる染色体再構築、増殖の自己充足、抗増殖シグナルへの非感受性、アポトーシスの回避及び無制限の複製能力を含むゲノム変化により引き起こされ、最終的に組織の浸潤及び転移に繋がる。しかしながら、腫瘍細胞の増殖は癌細胞及び非癌化細胞の両方を含む複雑な事象のネットワークと関係がある。慢性炎症は斯かる複雑な事象のネットワークを促進する条件の典型例である(1、2)。
前炎症促進性のサイトカインIL−1βは多くの慢性炎症性疾患の強力なメディエーターである(3)。慢性炎症への癌の関連性と一致して、IL−1βはいくつかの腫瘍において過剰発現し、そして血管新生、免疫抑制、腫瘍関連マクロファージ(TAMs)の動員及び転移を含む機構を促進する癌の誘導因子としての役割を果たすことが示された(4−6)。
メラノーマは皮膚細胞への未修復のデオキシリボ核酸(「DNA」)の損傷が皮膚細胞を増殖させ、最終的に悪性腫瘍を形成させる変異を引き起こす場合に発生する。これらの腫瘍は表皮の基底膜内に局在するメラニン形成細胞に由来する。メラノーマは往々にして紫外線(UV)照射により引き起こされ、そして米国において年間70,000人以上の人々の死亡原因である。
四種類のメラノーマがある:表在拡大型黒色腫、悪性黒子由来黒色腫、末端黒子型黒色腫及び結節性メラノーマ。表在拡大型黒色腫は最も一般的であり、そして皮膚内により深く侵入する前に皮膚の最上層に沿って増殖する。悪性黒子由来黒色腫は表在拡大型黒色腫に類似し、ほとんどの場合高齢者に発生し、慢性的に日光にさらされた、損傷した皮膚に生じる。末端黒子型黒色腫はまた、より深く侵入する前に表面的に広がり、表在拡大型黒色腫及び悪性黒子由来黒色腫よりもより頻繁に悪性腫瘍に進展する傾向がある。結節性メラノーマはほとんどの場合に最初に診断された時に浸潤している。
メラノーマは複数のステージに分類され、それらは厚さ、侵入の深さ、及びメラノーマが広がる程度を意味する。早期のメラノーマ(0及びIステージ)は一般的に局在的である。0ステージの腫瘍は一般的に非浸潤であり、往々にして表皮下に侵入していない。Iステージの腫瘍は往々にして真皮に侵入し、小さく、そして転移について低リスクである。IIステージの腫瘍は局在的であり、大きく、そして転移について高リスクである。一旦メラノーマ腫瘍が転移すると、転移の程度に依存してIII又はIVステージのメラノーマとして分類される。
NLRP3(NOD様受容体ファミリー、ピリンドメイン含有タンパク質3)は、NALP3又はクリオピリンとしても知られ、インターロイキン−1β(IL−1β)及びIL−18のプロセシングに含まれる巨大分子構造であるインフラマソームのセンサー分子の一つである。NLRP3は細胞内感染(微生物及びウイルスのタンパク質)又は組織の損傷(虚血)の間の細胞内の危険を感知する。NLRP3の活性化はASC(CARD含有アポトーシス関連スペック様タンパク質)(apoptosis−associated speck−like protein containing carboxyterminal caspase recruitment domain)及びカスパーゼ1の動員を導き、インフラマソーム形成及び最終的な細胞死に繋がる。
メラノーマを治療する方法のニーズがある。その方法は効果的で重要な副作用を有すべきでない。
OLT1177(商標)(ダパンストリル)が腫瘍の体積及びメラノーマに関連する炎症を減少させることを示す。(1A)標準食又はOLT1177(商標)食を与えたマウスの腫瘍の大きさ(N=15)。(1B)標準食又はOLT1177(商標)食を与えた担癌マウスの血漿中IL−6量の平均±SEM(1グループあたりN=6)。(1C)標準食又はOLT1177(商標)食を与えたマウスの血漿中G−CSF量の平均±SEM(1グループあたりN=4〜5)。(1D)標準食又はOLT1177(商標)食を与えたマウスの脾臓由来細胞からのIL−22に対する細胞内サイトカイン染色。(1E)標準食又はOLT1177(商標)食を与えたマウスの脾臓由来細胞からのIL−17に対する細胞内サイトカイン染色。**p<0.01、*p<0.05。 図1Aと同じ。 図1Aと同じ。 図1Aと同じ。 図1Aと同じ。
ダパンストリルが内皮機能及び血管形成を減少させることを示す。(2A)標準食又はOLT1177(商標)食を与えられた担癌マウスの血漿中VEGF量の平均±SEM(1グループあたりN=4〜5)。(2B)標準食又はOLT1177(商標)食を与えられたマウス由来の新規血管の形成を示す(矢印で示した)フォン・ウィルブランド因子について染色したマトリゲルプラグにおける内皮細胞活性化の代表的な画像(各写真は単一のマウスを表す)。(2C)OLT1177(商標)の存在及び非存在下におけるメラノーマ馴化培地(MCM)による刺激後のHUVECsによる管状構造の平均±SEM。*p<0.05。 図2Aと同じ。 図2Aと同じ。
ダパンストリルが肺及び肝臓内の組織浸潤及び転移を減少させることを示す(3A)。盲検の顕微鏡学者により評価された、標準食又はOLT1177(商標)食を与えた担癌マウス由来の肺内のB16F10−GFP+細胞数/視野領域(フルチップ領域)の平均±SEM(1グループあたりN=3)。****p<0.0001、**p<0.01、*p<0.05。(3B)標準食又はOLT1177(商標)食を与えた担癌マウス由来の肝臓内の盲検のGFP+細胞数の平均±SEM(1グループあたりN=3)。****P<0.0001。 図3Aと同じ。
ダパンストリルがMDSCsの増殖を減少させることを示す。標準食(スタンダード)又はOLT1177(商標)食のいずれかを与えた担癌マウスと比較した非担癌マウス(腫瘍なし)の(4A)骨髄、(4B)脾臓、及び(4C)リンパ節のPMN−MDSCのレベル(CD11b+Ly6G+Ly6Clo)。標準食(スタンダード)又はOLT1177(商標)食のいずれかを与えられた担癌マウスと比較した非担癌マウス(腫瘍なし)の(4D)骨髄、(4E)脾臓、及び(4F)リンパ節のM−MDSCのレベル(CD11b+Ly6G-Ly6Chi)。データを非担癌マウス(腫瘍なし)を100に設定した場合のMDSCsの変化率として示した(1グループあたりN=8〜10)。***p<0.001、*p<0.05。 図4Aと同じ。 図4Aと同じ。 図4Aと同じ。 図4Aと同じ。 図4Aと同じ。
ダパンストリルが抗PD1阻害の効果を増強することを示す。(5A)ビヒクル、抗PD−1及び抗PD−1+OLT1177(商標)食を処置した担癌マウスの腫瘍の大きさ(N=13)。(5B)Aに示す担癌マウスの血漿中IL−6量の平均±SEM(N=8〜9)。(5C)Aに示す担癌マウスのMPOについて全血ライセートの平均±SEM(N=11)。(5D)Aに示すマウスの原発腫瘍におけるNKT細胞(CD3+CD8-CD161+CD335+)の浸潤(N=5)。****p<0.0001、***p<0.001、**p<0.01、*p<0.05。 図5Aと同じ。 図5Aと同じ。 図5Aと同じ。
NLRP3インフラマソームの活性化により組織の損傷への炎症反応が増大し、そしてさらなる損傷が媒介される。ダパンストリルは選択的なNLRP3インフラマソーム阻害剤であり;ダパンストリルはNLRP3インフラマソームの活性化を予防することにより炎症を減少させる。ダパンストリルはin vitroのマウス及びヒトの細胞においての成熟したIL−1β及びIL−18の産生を阻害する。この作用機序を通じて、ダパンストリルはIL−1βの産生及び/又は放出を妨げ、そして動物及びヒトの対象のNLRP3インフラマソームの形成を阻害する。
本発明では、IL−1βの産生を妨げることにより、ダパンストリルが次の効果を提供することを発見した:血管新生を減少させ、IL−1依存的な血管内皮増殖因子(VEGF)産生を減少させ、骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSCs)の発生を制限し、IL−8レベルの上昇を妨げ、腫瘍内への内皮前駆細胞の移動を阻害し、IL−6、及び他のストロマ因子のレベルを減少させ、腫瘍部位の好中球の集積を減少させ、増殖因子例えば、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、FGF、及びIL−1の産生を減少させ、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の発現及びシクロオキシゲナーゼ産生を減少させる。IL−1β産生を減少させることにより、ダパンストリルはIL−1により誘導される効果を減少させる。
MDSCsは骨髄細胞系列(骨髄幹細胞に由来する細胞のファミリー)由来の免疫細胞の不均一な群である。MDSCsは慢性感染症及び癌のような病的状態において、変化した造血から生じ、幅広く増殖する。MDSCsは免疫賦活性の特徴よりもむしろ強力な免疫抑制活性を有する他の骨髄細胞型から区別される。骨髄由来細胞(MDSCs)の増殖は一般的に慢性炎症と関連があり(10、11)、そしてMDSCsは癌の仲介する免疫抑制において主要な役割を示している(12)。メラノーマの患者における、高いレベルのMDSCs(PMN−及びM−MDSCsの両方)は、これらの細胞の数が少ない対象と比較して、ステージ、転移及び予後不良と相関する。
本発明はダパンストリルがマウスのメラノーマ腫瘍体積を減少させ、腫瘍を有していない野生型に見られたMDSCレベルと比較してメラノーマを有するマウスにおいてMDSCレベルを維持することを実証した。これは、ダパンストリルがMDSC増殖を妨げ、そしてこれらの細胞の生理学的なレベルを回復する理由で発生する。
本発明はダパンストリル含有試料を与えたメラノーマ担癌マウスが標準食を与えた担癌マウスと比較してIL−6、G−CSF、及びVEGFの減少した血液レベルを示すことを実証した。
転移の機構は、原発腫瘍部位からの脱離、循環系内への侵入、循環系内での生存、循環系からの漏出、二次部位での吸着、及び二次腫瘍部位での発育の複雑な多段階工程を含み、各工程はIL−1βにより誘導される仲介物を含む(23、24)。本発明は、ダパンストリルにより処置した担癌マウスが肺及び肝臓の両方において減少した転移を示すことを実証した。
腫瘍増殖の特徴である血管新生は、大量の免疫細胞の浸潤及びVEGFのような血管新生促進因子の誘導と関連し、それゆえ慢性炎症と血管新生とを関連づける。本発明ではダパンストリルが血管新生と関連する炎症事象を減少させ、血中のVEGFの血漿レベルを減少させ、そして腫瘍の血管新生を減少させることを実証した。
免疫療法はメラノーマの進行期の治療において劇的な進歩を提供し、そして標準的治療になっている。抗PD1(ニボルマブ)とCTLA−4(イピリムマブ)との併用免疫療法は50%以上の奏効率で腫瘍の退縮をもたらす。にもかかわらず、免疫療法は往々にして毒性例えば免疫関連有害事象(irAEs)(8)及び不応当者の数を伴い、そして再発例は、メラノーマ治療における重要及び未だ対処されていない臨床的なニーズであり続ける。本発明者は腫瘍増殖の減少において、抗PD−1抗体とダパンストリルとの併用療法が抗PD−1単剤療法と比較して、増強された効果を提供することを実証した。
本発明者はダパンストリルがNLRP3インフラマソームの会合を阻止すること及びIL−1βの産生及び/又は放出を防止することによりメラノーマ増殖を妨げることに有効であると考えている。メラノーマ細胞内でIL−1βプロセシングを防止することにより、ダパンストリルがメラノーマ及び免疫療法抵抗性の癌に対する新たな治療法を提供する。ダパンストリルは癌の多くの特徴を減少させる:腫瘍増殖、免疫抑制、炎症、転移及び血管新生、そしてそれゆえ新たながんの治療法を提供する。
本発明はメラノーマ、例えば表在拡大型黒色腫、結節性メラノーマ、悪性黒子由来黒色腫、及び末端黒子型黒色腫を治療するための方法を対象にする。
化合物
本発明は、ダパンストリルの精製された化合物(3−メタンスルホニルプロピオニトリル)、又は医薬的に許容可能な塩又はその溶媒和化合物を使用する:
Figure 2021518374
ダパンストリルはNLRP3インフラマソームを選択的に阻害することが実証され、健康な対象に経口的に投与される場合に安全である、小さい、β−スルホニルニトリルの合成分子である(9)。
本明細書に記載の「医薬的に許容可能な塩」は、親化合物の所望される生物活性を保持し、所望されない毒性効果を与えない塩である。医薬的に許容可能な塩の形状はさまざまな結晶多形及び異なる塩の無定形を含む。医薬的に許容可能な塩は金属又は有機対イオンにより形成されうり、これらに限定されるものではないが、アルカリ金属、例えばナトリウム又はカリウム;アルカリ土類金属、例えばマグネシウム又はカルシウム;及びアンモニウム又はテトラアルキルアンモニウム塩、すなわちNX4+(ここでXはC1-4である)を含みうる。
本明細書に記載の「溶媒和化合物」は、化合物が許容可能な共溶媒と一定の割合で組み合わされている付加錯体である。共溶媒は、これらに限定されるものではないが、水、酢酸、エタノール、及び他の適当な有機溶媒を含む。
医薬組成物
一般的に、医薬組成物における活性化合物ダパンストリル、又はその医薬的に許容可能な塩又はその溶媒和化合物は注射製剤について約0.1〜5%、錠剤について約1〜90%、カプセル剤について約1〜100%、外用剤について0.01〜20%、0.05〜20%、0.1〜20%、0.2〜15%、0.5〜10%、又は1〜5%(w/w)、及びパッチ製剤について約0.1〜5%の量である。
本願において用いられる「約」は、言及する値の±10%を意味する。
不活化の成分である、医薬的に許容可能な担体は、慣習の基準を用いて当業者により選択されうる。医薬的に許容可能な担体は、これらに限られるものではないが、非水性基剤の溶液、懸濁液、乳剤、マイクロエマルション、ミセル溶液、ゲル及び軟膏を含む。その医薬的に許容可能な担体はまた、これらに限られるものではないが、生理食塩水及び水性の電解質溶液;イオン及び非イオン浸透性薬剤、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセロール、及びブドウ糖;pH調整剤及び緩衝液、例えば水酸化物、ホスフェート、クエン酸、アセテート、ホウ酸の塩;及びトロラミン;抗酸化剤、例えば亜硫酸水素、亜硫酸、メタ重亜硫酸、チオ亜硫酸、アスコルビン酸、アセチルシステイン、システイン、グルタチオン、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、及びパルミチン酸アスコルビルの塩、酸及び/又は塩基;界面活性剤、例えばレシチン、リン脂質、これらに限られるものではないが、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、及びホスファチジルイノシトールを含む;ポロクサマー及びポロキサミン、ポリソルベート、例えばポリソルベート80、ポリソルベート60、及びポリソルベート20、ポリエーテル、例えばポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール;ポリビニル、例えばポリビニルアルコール及びポビドン;セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロール、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース並びにそれらの塩;石油誘導体、例えば、ミネラルオイル、及び白色ワセリン;脂肪、例えばラノリン、ピーナッツ油、パーム油、大豆油;モノ−、ジ−、及びトリグリセリド;アクリル酸重合体、例えばカルボキシポリエチレンゲル、及び疎水的に修飾された架橋のアクリレート共重合体;デキストランのような多糖類及びヒアルロン酸ナトリウムのようなグリコサミノグリカンを含む成分を含みうる。そのような医薬的に許容可能な担体は十分に知られた保存剤、これらに限られるものではないが、塩化ベンザルコニウム、エチレンジアミン四酢酸及びその塩、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、メチルパラベン、チメロサール、及びフェニルエチルアルコールを用いて微生物の混入に対して保存されてもよく、又は単回若しくは多数回使用のいずれかの保存剤のない製剤として処方されてもよい。
例えば、ダパンストリルの錠剤又はカプセル剤は生物活性を有さない及び活性化合物と反応を有さない他の添加物を含みうる。錠剤の添加剤は、賦形剤、結合剤、潤滑剤及び流動促進剤、崩壊薬、湿潤剤、及び放出率調整剤を含みうる。結合剤は製剤の粒子の接着を促進し、錠剤について重要である。結合剤の例は、これらに限られるものではないが、カルボキシメチルセルロース、セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カラヤガム、デンプン、デンプン、及びトラガカント・ゴム、ポリ(アクリル酸)、及びポリビニルピロリドンを含む。
例えば、ダパンストリルのパッチ製剤はいくつかの不活化成分、例えば1,3−ブチレングリコール、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、エデト酸二ナトリウム、D−ソルビトール、ゼラチン、カオリン、メチルパラベン、ポリソルベート80、ポビドン、プロピレングリコール、プロピルパラベン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、酒石酸、二酸化チタン、及び精製水を含みうる。パッチ製剤はまた、皮膚透過促進剤、例えば乳酸エステル(例えば乳酸ラウリル)又はジエチレングリコールモノエチルエーテルを含みうる。
ダパンストリルを含む外用剤はゲル、クリーム、ローション剤、液剤、乳剤、軟膏剤、噴霧剤、溶液、及び懸濁液の形状であってよい。外用剤の不活化成分は例えば、これらに限られるものではないが、乳酸ラウリル(皮膚軟化薬/透過促進剤)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(皮膚軟化薬/透過促進剤)、DMSO(溶解性促進剤)、シリコンエラストマー(レオロジー/触感調整剤)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(皮膚軟化薬)、オクチサレート(皮膚軟化薬/UVフィルター)、シリコン溶液(皮膚軟化薬/希釈剤)、スクアレン(皮膚軟化薬)、サンフラワーオイル(皮膚軟化薬)、及び二酸化ケイ素(増粘剤)を含む。一の態様において、ジエチレングリコールモノエチルエーテルは、外用のゲル製剤に含まれる。
使用方法
NLRP3インフラマソームの会合を阻害することにより、ダパンストリルは炎症性サイトカインIL−1β及びIL−22の産生及び/又は放出を妨げ、そして最終的にはマウスにおいてメラノーマの増殖を減少させる。
加えて、ダパンストリルはIL−1β及びIL−18のプロセシング及び放出を阻害するが、IL−1β前駆体及びNLRP3及びASCを含む他のインフラマソーム成分の合成は阻害しない。ダパンストリルはまた、カスパーゼ1活性を阻害する。さらに、ダパンストリルは他のインフラマソーム、例えばNLRC4及びAIM2、構成的サイトカインを抑制することなく、且つ細胞死から保護することによって、体の免疫監視機構を保護する。
本発明はメラノーマ、例えば表在拡大型黒色腫、結節性メラノーマ、悪性黒子由来黒色腫、末端黒子型黒色腫を予防する及び/又は治療する方法を対象にする。メラノーマの上記の型は疾病の原因として又は発症の結果としてのいずれかの炎症性成分を有する。前記方法は、その治療を必要とする対象へのダパンストリルの有効量を投与するステップを含む。本明細書で用いられる「有効量」は、病態から回復すること、及び/又は疾病の徴候を減少させること、改善すること、及び/又は排除することによる疾病を治療するための効果的な量である。例えば、有効量はメラノーマの増殖を減少させる量である(腫瘍の大きさを減少させること)。
免疫療法はメラノーマ患者への標準的治療を著しく改善した;しかしながら、不応答者及び再発患者の数はいまだにとても高い。それゆえ、チェックポイント阻害剤の効果を増加する併用療法は重要な臨床的な利点を示す。一の態様において、本発明はメラノーマを治療するためにダパンストリルとチェックポイント阻害剤、例えば抗PD−1抗体の併用療法を対象にする。その方法は、ダパンストリルの有効量及び抗PD−1抗体の有効量をそれを必要とする患者へ投与することを含む。ダパンストリル及び抗PD−1抗体は同時に又は連続して投与してもよい。ダパンストリルは抗PD−1の効果を改善し、且つダパンストリルは安全な薬剤プロファイルを有するので、ダパンストリルと抗PD−1抗体とを同時投与する利点がある。同時投与はまた、抗PD−1抗体の必要な投与量を減少してもよく、免疫関連有害事象を減少させる。
ダパンストリルと抗PD−1との併用療法は腫瘍誘導性の免疫抑制を阻害し、同時にT細胞の活性を増加する。さらに、IL−6のような炎症性サイトカインの増加は、irAEsの病態生理学と関連している。ダパンストリルは抗PD−1抗体の効果を増強し、さらにメラノーマの予後不良のマーカーである血中IL−6レベルを減少させる。併用療法はまた、腫瘍特異的なTh1応答を増強し、腫瘍誘導性の免疫抑制を少なくし、且つ強力な抗腫瘍応答を導くT細胞活性を高める。それゆえ、抗PD−1に加えてダパンストリルを用いた治療は単剤の治療の効果を増強し、治療耐性癌に対する代替法を創造した。
本発明の医薬組成物は全身投与又は局所投与により適応されうる。全身投与は、これらに限られるものではないが、経口、非経口(例えば静脈内、筋肉内、皮下又は直腸)、及び吸入投与を含む。全身投与において、活性化合物は初めに血漿に達し、そして続いて標的の組織内に分布する。経口投与は本発明の好まれうる投与経路である。局所投与は外用の投与を含む。
組成物の投与量は対象のメラノーマの程度及び各患者の個々の応答に基づいて変動してもよい。全身投与について、送達される活性化合物の血漿濃度は変動しうる;しかし、一般的に1×10-10〜1×10-4mol/Lであり、そして好ましくは1×10-8〜1×10-5mol/Lである。
一の態様において、医薬組成物は対象に経口で投与される。経口投与の投与量は一般的に0.1〜100、0.1〜20、又は1〜100mg/kg/日であり、対象の年齢及び状態に依存する。例えば、ヒトの対象について、経口投与の投与量は、0.1〜10、0.5〜10、1〜10、1〜5、5〜50、又は5〜100mg/kg/日である。一の態様において、活性化合物は、ヒトの対象に経口で10〜100、10〜500、20〜2000、50〜2000又は100〜2500mg/投与で、1日に1〜4回、患者の年齢及び状態に依存して適用されてもよい。
一の態様において、医薬組成物は対象に静脈内に投与される。静脈内ボーラス投与又は静脈内点滴について投与量は一般的に0.03〜5又は0.03〜1mg/kg/日である。
一の態様において、医薬組成物は対象に皮下に投与される。皮下投与の投与量は一般的に0.3〜20、0.3〜3、又は0.1〜1mg/kg/日である。
一の態様において、前記組成物は外用的に投与される。その組成物は1日に少なくとも1若しくは2回、又は3〜4回外用的に投与され、医療的な問題及び疾患病状に依存する。一般的に、外用組成物は約0.01〜20%、又は0.05〜20%、又は0.1〜20%、又は0.2〜15%、0.5〜10、又は1〜5%(w/w)の活性化合物を含む。典型的に、外用組成物の0.2〜10mLが投与あたり個人に適用される。
当業者は送達機構の幅広い多様性がまた本発明に適当であることを認識するだろう。
本発明は哺乳類、例えばヒト、ウマ、イヌ及びネコの対象を治療することに有用である。本発明は特にヒトを治療することに有用である。
以下の実施例は、さらに本発明を例示する。これらの実施例は単に本発明の例示として理解すべきであり、限定するものとして解釈されるべきでない。
本発明のプロトコールを以下に記載した試験に用いた。
略語。IL−1β(インターロイキン1ベータ)、IL−6(インターロイキン6)、G−CSF(顆粒球コロニー刺激因子)、VEGF(血管内皮増殖因子)、IL−22(インターロイキン22)、IL−17(インターロイキン17)、PMN−MDSC(多形核MDSC)、M−MDSC(単球性MDSC)、PD−1(プログラム細胞死タンパク質1)、MCM(メラノーマ馴化培地)、HUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)、PBMCs(末梢血単核球)、VWF(フォン・ウィルブランド因子)。
細胞培養。1205Luヒトメラノーマ細胞をRPMI培地で培養した。各培地に10%FBS、100ユニット/mLペニシリン、0.1 mg/mLストレプトマイシンを添加した。細胞を、37℃で加湿した5%CO2雰囲気下で維持した。ヒトの転移性メラノーマ細胞株1205Luを24穴プレートに1ウェルあたり2.5×105個でRPMI培地に播種し、一晩吸着させた。翌日、培地を、OLT1177(商標)(ダパンストリル)の有無にかかわらず、10%FBSを含む新しいRPMI培地に置き換えた。サイトカイン産生誘導のためにIL−1α(20ng/mL)を用いた。OLT1177(商標)を刺激の30分前に添加した。上清を、非刺激条件と刺激条件の両方で24時間で回収した。
1205Lu NLRP3 siRNA。1205Lu細胞(2×105)をNLRP3を標的にするsiRNA又は非特異的な遺伝子のサイレンシングための組み替えたsiRNA(Santa Cruz Biotechnology)と培養した。二本鎖siRNAのトランスフェクション(2nM)をメーカーの説明に従いsiRNAトランスフェクション用培地を用いて実施した。24時間後、その培地を10%FBSを含むRPMI培地(500μL)に置き換え、そして細胞を追加で24時間培養した。上清を収集し、ELISAでIL−1βレベルを測定した。NLRP3サイレンシングの効率を細胞ライセートにおいてウエスタンブロットで決定した。
サイトカイン測定。上清及び細胞ライセートのサイトカインをメーカーの説明に従い特異的なELISAにより測定した(DuoSet,R&D Systems,Minneapolis,MN)。
メラノーマ馴化培地アッセイ。COMIRBに従い同意した健康なドナーからPBMCsを単離し、96穴プレートに(1ウェルあたり5×105個で)播種した。OLT1177(商標)により処理した1205Lu細胞の上清を、次にPBMCs(1:2)に加え、そして細胞を72時間培養した。NLRP3欠損THP−1細胞(1×105個)を96穴プレートに播種し、10μg/mLのLPSにより3時間活性化した。次に刺激としてウェルにMCM(1:2)を加えた。細胞を3日間培養し、そして上清をサイトカイン分泌についてアッセイした。
血管新生アッセイ(HUVEC)。HUVEC細胞を培地に増殖因子を加えずに播種し一晩培養した。細胞を24穴プレート内のマトリゲル(Corning)コートしたウェルに1ウェルあたり8×104細胞数で播種した。続けて細胞をHUVEC完全培地(コントロール)、MCM培地又は1205Lu細胞をOLT1177(商標)で処理したMCM培地の存在下で5時間インキュベートした。MCM培地を希釈なしで添加した。次に培地を取り除き、マトリゲルをPFA4%に保存した。顕微鏡写真を40倍で撮影し、枝分かれ部位をクロス法を用いてカウントした。
併用療法モデル。B16F10細胞を記載のように注射した。マトリゲルプラグの注入4日後、マウスにOLT1177(商標)食を開始し又は標準食を継続し、7日目に抗PD−1中和抗体(200μg/マウス;BioXCell,West Lebanon,NH)を腹膜に注射した。B16F10細胞注射から15日後、マウスを屠殺した。
腫瘍の血管新生モデル。マトリゲルとB16F10細胞(2×105個)との混合物を標準食又はOLT1177(商標)食のマウスの肩甲骨間の領域に皮下注射で接種した。移植後7日後、プラグを取り除き、4%パラホルムアルデヒドで固定し、パラフィンで包埋し、そして切片化した(4μm)。次に、その切片を脱パラフィン化、水和、そしてヘマトキシリン/エオジンにより染色した。分かれた切片を熱誘導抗原回復(10mM クエン酸0.05%ツイーン20 pH6.0)に95℃で15分間さらした。次に切片を加湿したスライドチャンバーに静置し、10%正常ロバ血清内で1時間封鎖(Jackson Immunologicals)し、フォン・ウィルブランド因子に対する抗体(1:100、Millipore−Sigma,Burlington,MA)を用いて4℃で一晩免疫染色し、新しい血管形成を同定した。抗ウサギホースラディッシュペルオキシダーゼ酵素(HRP)標識抗体(1:100、Jackson ImmunoReserch Laboratories,West Grove,PA)を二次抗体として2時間室温でインキュベートして用いた。次にメーカーの説明による指示のとおりに、切片をHRP基質を用いて5〜10分間インキュベートした(NovaRED substrate,Vector Laboratories,Burlingame,CA)。核の対比染色をマイヤーヘマトキシリン染色液を用いて行った(Thermo Fisher scientific Waltham,MA)。
転移モデル。標準食又はOLT1177(商標)食を与えたマウスの尾部へB16F10−GFP(1×106)細胞の静脈注射後に転移形成を特定した。注射前に、B16F10−GFP+細胞をフローサイトメトリーで分離し、最も明るい10%の細胞のみを注射した。マウスを細胞注射してから21日後に屠殺し、肺及び肝臓を単離し、組織学的検査のために準備した。単離の前に、0.5%低融点アガロースを含む溶液を用いて肺を膨張させ、組織を崩壊から回避した。担癌マウスの肺及び肝臓内のGFP−陽性細胞の存在の確認を蛍光顕微鏡により実施した。膜の検出についてWGAをコンジュゲートしたAlexa Fluorを用いて、そして各染色についてDAPIを用いて組織切片を染色した。画像を盲検的に、組織切片をランダムに横切って撮影し、1組織切片当たり7〜10枚の画像を得た。各画像においてGFP陽性細胞を数え、そして結果をGFP+細胞/視野領域の数として報告した(フルチップ領域)。
統計分析。統計的な有意差を両側のスチューデントt検定でPrism version7.0ソフトウェアを用いて評価した(GraphPad Software,La Jolla,CA,USA)。統計的な有意差はp<0.05で設定した。
実施例1 ダパンストリルは腫瘍の増殖及び腫瘍誘導炎症を減少させる
C57BL/6Jオスのマウス、6〜8週齢(The Jackson Laboratory)を標準食又は、食餌1kgあたり7.5gの投与量でOLT−1177(商標)(ダパンストリル)を含む食餌のいずれかを用いて、マウスの臀部にマトリゲルとB16F10細胞(2×105)の混合物の皮下注射前1週間自由摂食にした。その投与量は7.5g/kgの餌の濃度及び4g/日の餌の消費量に基づき約100mg/kg/日である。これらの食餌を腫瘍の移植後継続した。プラグを注射してから15日後にマウスを屠殺した。接種後15日後に組織及び血漿を評価した。
OLT1177(商標)食を与えた担癌マウスは標準食を与えたマウスと比較した場合に腫瘍の体積の減少を示す(図1A)。
標準食を与えた担癌マウスは、非担癌マウスと比較してIL−6の有意に高い血漿レベルを示し(図1B)、そして顆粒球コロニー刺激因子の有意に高い血漿レベルを示した(G−CSF,図1C)。OLT1177(商標)食を与えたマウスにおいて、これらのレベルは有意に減少した(図1B、1C)。
in vivoで、非担癌マウスと比較してIL−6及びG−CSFの血中濃度の増加を担癌マウスで認め、そして炎症によるメラノーマの進展との関連を確認した。ダパンストリルによる治療はこれらの炎症性メディエーターを有意に制限した。全身の炎症の減少に一致して、OLT1177(商標)食による治療は腫瘍の体積の減少を示した。
脾臓由来のT細胞における細胞間サイトカイン染色(ICCS)において、標準食を与えたマウスと比較して、OLT1177(商標)食の担癌マウスではIL−22レベルの減少を示した(図1D)。IL−17について変化は認められなかった(図1E)。
これらのデータはダパンストリルによる経口治療が腫瘍の体積及びメラノーマ関連炎症の減少をもたらすことを示している。
実施例2 ダパンストリルは内皮機能及び血管新生を減少させる
我々は、血管新生、即ち、腫瘤に栄養を与える血液供給を維持する腫瘍細胞の獲得した能力の阻害におけるダパンストリルの能力を特定した。B16F10メラノーマ細胞を含むマトリゲルプラグを上記の食餌を与えたマウスに注射した。7日後、内皮細胞浸潤を認め、プラグを取り除き、そして血漿中のVEGFレベルを決定した。図2Aに示すように、OLT1177(商標)食を受けたマウスは、標準食を与えた担癌マウスと比較して有意に低い血中VEGFレベルを示した。
in vivoの血管新生に対するダパンストリルの阻害効果をさらに調査するために、マトリゲルプラグを収集し、そしてフォン・ウィルブランド因子(VWF)について免疫染色を実施し、新規の血管形成を特定した。図2Bに示すように、OLT1177(商標)食マウス由来のプラグは標準食を与えたマウスと比較して、VWF染色した内皮細胞の減少を明らかにした。
血管新生に対するダパンストリルの効果をin vitroでヒト臍帯血内皮細胞(HUVEC)を用いて決定した。コントロール条件と対比させたときにin vivoの血管新生を擬態する、マトリゲル上に播種されたHUVEC内の管状構造の形成をMCMは促進させた。OLT1177(商標)により処置した1205Lu細胞由来のMCMは(図2C枝分かれ点の減少した数に示されるように)有意にHUVECへの配向を減少させた。これらの研究は、内皮細胞の枝分かれを含む、マウスメラノーマモデルにおける血管新生の促進並びにVEGF及びVEGF受容体の発現におけるIL−1βの役割と一貫している。
腫瘍増殖の特徴である、血管新生は豊富な浸潤免疫細胞及びVEGFのような血管新生促進因子の誘導と関連し、それゆえ血管新生による慢性的な炎症へと繋がる。ここで我々はダパンストリルにより処置された1205Lu細胞から由来するMCMを有するマトリゲルに播種したHUVECsの刺激が、コントロールの細胞と比較して管状構造の数の減少をもたらすことを示した。さらに、ダパンストリル食を与えたマウスでは、標準食のマウスと比較して、循環VEGF量が減少すること示した。組織学的分析において、B16F10細胞の包埋された移植されたマトリゲルプラグがフォン・ウィルブランド因子の染色により従い新規血管の数の減少を示した。これらのデータは、ダパンストリルによる全身治療が血管新生と繋がり炎症事象を減少させ、そして血管新生の減少を提供することを示す。
実施例3 ダパンストリルは組織浸潤及び転移を減少させる
転移の機構は、原発腫瘍部位からの脱離、循環系内への侵入、循環系内での生存、循環系からの漏出、二次部位での吸着、及び二次腫瘍部位での発育の複雑な多段階工程を含む。
ダパンストリルが組織浸潤及び転移を減少させるかどうかを判定するために、B16F10GFPラベル化細胞を標準食又はOLT1177(商標)食を与えたマウスの静脈内に注射した。
肺及び肝臓の免疫蛍光分析は、標準食と比較してOLT1177(商標)食を受けたマウス内で減少した数のGFP+細胞を示した。図3Aにおいて、肺内のGFP+細胞の数はダパンストリル治療により66%減少した(p<0.0001)。GFP+B1610細胞の数において類似の減少(−60%;p<0.001)が肝臓内で見られた(図3B)。まとめると、肺及び肝臓内の転移細胞の数の減少は、ダパンストリルが組織浸潤を減少し、そして肝臓と肺との両方で転移を減少させることを示す。
実施例4 ダパンストリルはMDSCsの増殖を制限することにより腫瘍の進展を減少させる
腫瘍の進展及び免疫機構の回避は往々にして腫瘍誘導性のMDSCsの増殖に相関する(27、28)。二つの集団が特性決定された、即ち:PMN−MDSCs及びM−MDSCs(29)。
フローサイトメトリー分析を用いて、癌関連免疫抑制の重要なメディエーターである、MDSCsの活性化及び増殖のNLRP3阻害の効果を評価した。骨髄、脾臓、及びリンパ節由来細胞を単離し、そして2つの主要なMDSCsサブタイプについて分析した:CD11b+Ly6G+Ly6Cloを発現している多形核のMDSCs(PMN−MDSC)及びCD11b+Ly6G-Ly6Chiを発現している単球性MDSCs(M−MDSC)。担癌マウス由来の骨髄細胞は非担癌マウスと比較して減少したPMN−MDSCsを示した(図4A)。脾臓において、担癌マウスのPMN−MDSCsレベルは非担癌マウスと比較して増加した(図4B)。しかしながらダパンストリル食を与えたマウスにおいて、我々は非担癌マウス内で見られるレベルのPMN−MDSCs集団の回復を認めた(図4A〜4B)。リンパ節の分析は標準食と比較してダパンストリルを与えたマウス内のPMN−MDSCsの減少を明らかにした(図4C)。骨髄、脾臓、リンパ節中のM−MDSCs細胞集団の分析は、担癌マウスと非担癌マウスとのPMN−MDSCsを比較して逆のプロファイルを示した。図4D〜4Fに示す通り、標準食の担癌マウスは非担癌マウスと比較して、骨髄内の増加したM−MDSCs細胞、そして脾臓及びリンパ節の減少したレベルを示した。ダパンストリルによる治療は、M−MDSCsの増殖の腫瘍誘導の効果を妨げ、割合を非担癌マウスレベルに標準化する(図4D〜4F)。
ここで我々はダパンストリル食を与えたマウスのNLRP3インフラマソームの阻害がMDSCsの集団を、慢性的な又は腫瘍関連性の炎症を欠いている非担癌マウス内に存在する集団に戻すことを逆転させることを認めた。これらの知見はダパンストリルがメラノーマの腫瘍誘導免疫抑制を逆転させることに効果的であることを示す。さらに、我々は、非担癌マウスと比較してPMN−MDSCs及びM−MDSCsの増殖における異なる腫瘍誘導変化を認めた。M−MDSCsが骨髄での増殖を増加する場合に、PMN−MDSCsが骨髄から移動し、脾臓及びリンパ節のような末梢組織に浸潤することを明らかにする。ここで我々は、ダパンストリルにより治療した担癌マウスから得られる脾臓由来のT細胞の刺激が有意にIL−22レベルを下げることを示した。これらの結果は、ダパンストリルにより治療した担癌マウスに見られる腫瘍成長の減少と一致している。
実施例5 抗PD−1とOLT1177(商標)との併用療法は抗腫瘍効率の増加をもたらす
我々は、抗PD−1抗体を用いた、免疫療法の標準的治療と組み合わせたダパンストリルの効果を評価した。マウスに標準食を与え、そしてB16F10細胞(実験0日目)に皮下注射した。B16F10注入後4日間、マウスにOLT1177(商標)食を開始又は標準食を継続した。3日後(実験7日目)、マウスの腹腔内に抗PD−1抗体を注射した。図5Aに示すように、抗PD−1単剤投与と比較して抗PD−1投与前のOLT1177(商標)による治療は有意に腫瘍の大きさを減少した。抗PD−1を用いた腫瘍の体積の減少は、ビヒクルと比較して43%(p<0.05)であり、一方で併用療法は72%まで腫瘍の大きさを減らした(p<0.0001)。
また、我々は単剤治療と比較し併用療法において、血中IL−6量の減少の傾向を観察した(−25.3%、p=0.2、図5B)。全血ライセートは、単剤療法と比較し併用療法を受けていた担癌マウスのミエロペルオキシダーゼ(MPO)の劇的な減少を明らかにした(図5C)。OLT1177(商標)及び抗PD−1治療はまた、抗PD−1単剤投与と比較した際に、原発腫瘍においてNK細胞の増加させる傾向を示した。これらのデータは免疫療法単体と比較してダパンストリルの治療とチェックポイント阻害剤との併用療法が抗腫瘍反応を増加することを示している。
前述において本発明の好ましい実施形態を記述し、各請求項に説明する本発明の特許請求の範囲から逸脱することなく、その中に変更が行われうることを理解されたい。
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Claims (6)

  1. ダパンストリル、又はその医薬的に許容可能な溶媒和化合物の有効量をメラノーマを患う対象に投与することの工程を含む、対象のメラノーマを予防する及び/又は治療する方法。
  2. 前記メラノーマが表在拡大型黒色腫、結節性メラノーマ、悪性黒子由来黒色腫、及び末端黒子型黒色腫からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. ダパンストリルが全身投与により投与される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ダパンストリルが経口投与により投与される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記方法がメラノーマの大きさを減少することによりメラノーマを治療する、請求項1に記載の方法。
  6. 抗PD−1抗体を患者に投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
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