JP2021517945A - スライダ弁及びスライダ弁の使用 - Google Patents

Abstract

特に、円型、楕円型、又は平型スライダ構造の、化学設備及び／又は石油化学設備のためのスライダ弁であって、スライダロッド（１２）によって開位置及び閉位置へ動かすことができる遮断装置（１１）と、スライダロッド（１２）を移動調節するための電動モータ（１３）を有する駆動装置と、を備えており、遮断装置（１１）は、２つの遮断プレート（１４，１５）であって、２つの遮断プレートの間に、スライダ弁のハウジングシール座部（１７）に遮断プレート（１４，１５）を圧着するための楔装置（１６）が配置されると共に、スライダロッド（１２）と連結されている２つの遮断プレート（１４，１５）を有しており、駆動装置は、スライダロッド（１２）と並んでいると共に、調節力を伝達するためにスライダロッドと連結されているスピンドル駆動装置（１８）を有する。

Description

本発明は、請求項１の上位概念に記載された化学設備及び／又は石油化学設備のためのスライダ弁に関する。このような種類のスライダ弁は例えば特許文献１に基づき公知である。

化学及び／又は石油化学業界における気体流及び固体流を制御するために、スライダ弁が使用される。スライダ弁は、ハウジング内で摺動可能に支承された遮断装置を有している。遮断装置は行程運動によってハウジング内の弁開口を解除又は閉鎖する。このような弁は、高い運転温度、大きい公称幅、及び、高い切り換え頻度において、長いメンテナンス不要の運転時間を可能にすることを意図している。

周知のスライダ弁は、コーカスライダ（Cokerschieber）であって、そのスライダロッドがヨークを介してダブルスピンドル駆動装置に連結されているものである。ダブルスピンドル駆動装置によって、大きい駆動力をスライダロッドに伝達することができる。しかしながら、２つのダブルスピンドルを均一に前に送るためには、特別な措置を講じなければならない。

独国特許出願公開第１０２０１１００１１８６号明細書

本発明の根底を成す課題は、単純な、そして、メンテナンスができる限り少なくて済む、スライダロッドの操作を可能にする化学設備及び／又は石油化学設備のためのスライダ弁を提供することである。本発明の根底を成す課題はまた、スライダ弁の使用を提供することである。

本発明によれば、課題は請求項１の特徴を有するスライダ弁によって解決される。

具体的に述べるならば、この課題は、特に円型、楕円型、又は平型スライダ構造の、化学設備及び／又は石油化学設備のためのスライダ弁であって、スライダロッドによって開位置及び閉位置へ動かすことができる遮断装置を有している、スライダ弁によって解決される。スライダ弁は、さらに、スライダロッドを移動調節するための電動モータを備えた駆動装置を有している。遮断装置は、２つの遮断プレートを有しており、遮断プレートの間に、スライダ弁のハウジングシール座部に遮断プレートを圧着するための楔装置が配置されている。楔装置は、スライダロッドと連結されている。駆動装置は、スライダロッドと並んでおり、調節力を伝達するためにスライダロッドと連結されているスピンドル駆動装置を有している。

本発明の利点は、油圧油が省かれることである。これにより、液圧式の駆動時に必要な現場配管（Feldverrohung）、漏れリスク、導管の洗浄、及び、設備の比較的徹底したメンテナンスも省かれる。同時に、スライダ弁は、ロバストに構成されており、過酷な条件下での使用に適している。

スピンドル駆動装置の利点は、遮断プレートの行程を達成するために、より高い送り速度及び正確な調節運動を有することである。楔装置は、閉位置において遮断プレートが拡張されるため、遮断プレートはスライダ弁のハウジングシール座部に圧着される。これによって、スライダ弁の運転中に信頼性の高いシールが形成される。スライダ弁を開くためには、楔装置が緩められ、拡張が取り消されるので、圧着力が低下する。これにより、遮断プレートの摩耗は、スライダ弁の開放時に低減される。

スライダロッドを介してスピンドル駆動装置と楔装置とをカップリングすることの利点は、楔装置によってもたらされる、ハウジングシール座部に作用する遮断プレートの圧着力を正確に調節し得ることである。駆動トルクをスライダロッドに電気機械的に伝達するために、電気的駆動装置とスピンドル駆動装置とが協働することは、有利である。

本発明の有利な実施形態は、従属請求項に示されている。

例えば、スピンドル駆動装置は、スピンドルと、スピンドルナットと、を有することができる。このような構成では、スピンドルは並進運動されるが、回転運動されない。電動モータの回転運動は、スピンドルナットによってスピンドルの並進運動へ変換される。スピンドルナットは、並進方向において固定されている。

連結部品が、スピンドルとスライダロッドとを連結することは、有利である。連結部品は、例えば、クロスヘッドとして形成されてよい。別の連結部品も、可能である。連結部品によって、スピンドルとスライダロッドとを容易に連結することが可能である。連結部品は、メンテナンス目的で取り外すことができる。

スピンドル駆動装置は、ボール循環エレメント（Kugelumlaufelement）を有していると有利である。ボール循環エレメントは、ボール循環ナット（Kugelumlaufmutter）として形成されていてよい。これにより、高い精度の調節運動において大きい送りが達成される。

あるいは、スピンドル駆動装置は、遊星ローラスピンドルを有していてもよい。これにより、正確な前方への送りが達成される。駆動装置は、ほとんど遊びなしに作動する。

スピンドル駆動装置と電動モータとの間に、伝動装置、特にウォーム伝動装置が配置されていてよい。これにより、駆動トルクもしくは駆動回転数が伝達される。ウォーム伝動装置の利点は、自動ロック式であり負荷に耐え得ることである。

取り付けスペースを最適化するために、スピンドル駆動装置と電動モータとはＬ字形状に配置されていてよい。電動モータの別の位置も可能である。

電動モータが機械的ブレーキを備えたブレーキモータとして形成されていると、遮断装置の不測の移動に対する安全性が高められる。

ブレーキモータとして形成する代わりに、又は、これに加えて、電動モータは、トルク制限のためのカップリング（クラッチ、Kupplung）を有することができる。ここでもまた、遮断装置の不測の移動に対する安全性が高められる。電動モータが、周波数変換器に接続されていると、電動モータの回転数を可変的に調節することができる。

本発明の枠組みにおいて、プロパン脱水素化のための設備（ＰＤＨ設備）内の遮断スライダとしての、請求項１に記載のスライダ弁の使用が主張される。

一般に、酸化的触媒再生を用いて炭化水素を脱水素化することによって、オレフィン及び水素が製造される。軽質オレフィン（エチレン、プロペン、ブテン）は、ポリマー、塗料、ラッカー、及び他の化学物質を製造するために広範に使用される重要な工業用原料である。これらのオレフィンは、軽質粗油（ナフサ）を水蒸気分解することによって、又は重質油を流動接触分解（ＦＣＣ）することによって得られる。水蒸気分解及びＦＣＣ法の代わりの手段は、炭化水素、例えば、プロパン及びブタンの脱水素化である。ここでは、触媒を使用する非酸化的方法及び酸化的方法がある。

プロピレンを製造するためのプロパン脱水素化のさらなる例は、ＣＡＴＯＦＩＮ（登録商標）プロセスである。

ＣＡＴＯＦＩＮ（登録商標）脱水素化プロセスは、熱力学的動作特性に基づきパラフィンからオレフィンへの極めて高い変換率を保証する触媒技術である。例えば、プロセス中、イソブチレン、ｎ−ブテン、又はプロピレンをイソブタン、ｎ−ブタン、又は相応にプロパンから製造する。

このような関連において、Ｚ＆Ｊのスライダ弁は触媒プロセス並びに所要の再生段階の数多くのプロセス媒体を周期的に単離することを保証する。信頼性の高いウェッジ−イン−ウェッジ（楔内楔（Keil-in-Keil））機構が、互いに独立した２つのスライダプレートに連結していることにより、このような要求の高い触媒プロセスに使用するためのアーマチュア（Armature）に最大限必要なシール性及び耐久性を実現する。

本発明の枠組みにおいて、さらに、遅延コークスプラントのコークスバルブとしての、請求項１に記載のスライダ弁の使用が開示されると共に、請求される。さらに、エチレン設備の主移送ライン及びデコーキングライン内、又は流動接触分解ユニット（ＦＣＣＵ）内、特に、流動接触分解ユニットのオーバヘッド蒸気ライン及び精留塔ボトムライン内、又は、石炭ガス化設備内、又は、ビスブレーカ設備内、又は、エピクロルヒドリン設備内のダブルプレート誘導管スライダとしての、請求項１に記載のスライダ弁の使用が請求される。さらに、ＵＯＰ法に基づくイソシブ（Isosiv）／ＴＩＰ設備又はサイクリック・パワー・フォーマ・ユニット（Cyclic Power Former Unit）、又は、エチレン設備、又は、流動接触分解ユニット（ＦＣＣＵ）、又は、石炭ガス化設備、又は、キューポラ炉設備の、又は、亜鉛溶融炉、又は、廃熱ボイラの遮断スライダとしての、請求項１に記載のスライダ弁の使用が請求される。

さらなる詳細を有する添付の唯一の概略図（klimatische Figur）を参照しながら、本発明を、１つの実施例に基づいて以下に詳述する。

ただ１つの図１は、電動モータを備えた駆動装置を、遮断スライダ（部分断面）と連結した状態で示す斜視図である。

スライダ弁１０は、フードリー（Houdry）法に基づいて働くＰＤＨ設備、特にＣＡＴＯＦＩＮ（登録商標）設備のための遮断スライダとして形成されている。スライダ弁は、遮断装置１１を有している。遮断装置１１は、スライダ弁１０の図示された閉位置では２つの管接続部２１，２２の間に配置されており、これらの管接続部２１，２２、又は、管接続部２１，２２に組み付け状態において接続された導管を遮断する。遮断装置１１を操作するために、遮断装置１１は、スライダロッド１２に連結されている。スライダロッド１２は、軸線方向に遮断装置１１と共に運動可能である。ここでは、図示されていない開位置では、遮断装置１１は、管貫通部（Rohrdurchgang）から出るように移動されて、これを解放する。

遮断装置１１は、同心的に配置された２つの遮断プレート１４，１５を有している。両遮断プレート１４，１５の間には、楔装置１６が位置している。楔装置１６は、２つの楔片を有している。これらの楔片は、部分片の間に配置された球体によってセンタリングされている。これらの楔片は、閉鎖時には、遮断プレート１４，１５の内側で相応に傾斜して形成された対向面に当て付けられ、これらの遮断プレート上でスライドする。これによって、スライダロッド１２の軸線方向の閉鎖力は、両遮断プレート１４，１５に対して垂直のシール力に変換される。両遮断プレート１４，１５は、楔装置１６によって閉位置で互いに離れるように拡張され、ハウジングシール座部１７に押し付けられる。開放のためには、楔装置１６は、対向面から引き込まれるので、拡張作用が低減される。これにより、遮断プレート１４，１５は僅かな圧着圧力を有して、ハウジングシール座部の傍らを通過することができる。これにより摩耗が低減される。

ただ１つの図面から判るように、スライダロッド１２は、楔装置１６に連結されている。スライダロッド１２はこのように、遮断装置１１の行程運動にとって必要な移動調節力及び両遮断プレート１４，１５の圧着力を、ハウジングシール座部１７に伝達することができる。

スライダロッド１２は、スライダロッド１２を移動調節するために、駆動装置の電動モータ１３に連結されている。駆動装置は、スピンドル駆動装置１８を有している。スピンドル駆動装置は、ただ１つの図から判るように、スライダロッド１２と並んでいる。換言すれば、スライダロッド１２に個別のスピンドル駆動装置１８が対応配置されている。このスピンドル駆動装置１８は、直線力を並進方向に伝達するために、スライダロッド１２と一列に位置している。

スピンドル駆動装置１８は、一方では、スライダロッド１２と、そして、他方では、電動モータ１３と、それぞれ機械的に連結されているため、電動モータ１３によってもたらされた駆動トルクは、スピンドル駆動装置１８を介してスライダロッド１２に伝達される。遮断装置１１を開位置又は閉位置に動かすために、電動モータ１３の回転方向が変えられる。

スピンドル駆動装置１８は、スピンドルナット（図示せず）と、スピンドル１９と、を有している。スピンドル１９は、スライダロッド１２と連結されている。ただ１つの図に示されているように、連結は、例えば、連結部品２０によって行うことができる。スピンドルナットは、スピンドル駆動装置１８の並進方向で定置に配置されており、回転運動によって電動モータの駆動トルクをスピンドル１９に伝達する。回転運動は、スピンドル１９の並進運動に変換される。スピンドルナットは、例えばボール循環ナットとして形成されていてよい。あるいは、スピンドル駆動装置１８は、遊星ローラスピンドルとして形成されていてもよい。電動モータ１３とスピンドル駆動装置１８との間には、図示の実施態様では、伝動装置が配置されている。伝動装置は、例えば、ウォーム伝動装置であってよい。他の種類の伝動装置も可能である。電動モータ１３とスピンドル駆動装置１８とはＬ字形状に配置されている。Ｌ字形状は、例えば、ウォーム伝動装置によって達成することができる。

電動モータは、ブレーキモータとして形成されており、機械式ブレーキを有している。さらに、電動モータ１３は、手動式の緊急操作装置を有している。スピンドル駆動装置１８は、スピンドル駆動装置１８の位置信号を検出するための位置インジケータ及び相応のセンサを備えている。

電磁機械的に駆動される遮断スライダの利点は、従来のスライダと比較して油圧油が必要でないことである。これによって、漏れリスク及び現場配管もなくなる。所定の気候地域内で必要な、現場配管の加熱も必要でない。液圧導管の洗浄も省かれる。遮断スライダは、そのロバストな構成において傑出しており、また、メンテナンスの必要が少ない。

１０ スライダ弁
１１ 遮断装置
１２ スライダロッド
１３ 電動モータ
１４ 第１遮断プレート
１５ 第２遮断プレート
１６ 楔装置
１７ ハウジングシール座部
１８ スピンドル駆動装置
１９ スピンドル
２０ 連結部品

Claims (13)

1. 特に、円型、楕円型、又は、平型スライダ構造の、化学設備及び／又は石油化学設備のためのスライダ弁であって、
   スライダロッド（１２）によって、開位置及び閉位置へ動かすことができる遮断装置（１１）と、前記スライダロッド（１２）を移動調節するための電動モータを有する駆動装置（１３）とを備えている形式のものにおいて、
   前記遮断装置（１１）は、２つの遮断プレート（１４，１５）であって、前記２つの遮断プレートの間に、前記スライダ弁の前記ハウジングシール座部（１７）に前記遮断プレート（１４，１５）を圧着するための楔装置（１６）が配置されると共に、前記スライダロッド（１２）と連結されている、２つの遮断プレート（１４，１５）を有しており、
   前記駆動装置は、前記スライダロッド（１２）と並んでおり、調節力を伝達するために該スライダロッドと連結されている、スピンドル駆動装置（１８）を有している、
   ことを特徴とする、スライダ弁。
2. 前記スピンドル駆動装置（１８）は、スピンドル（１９）と、スピンドルナットと、を有しており、連結部品（２０）が、前記スピンドル（１９）と前記スライダロッド（１２）とを連結する、ことを特徴とする、請求項１に記載のスライダ弁。
3. 前記スピンドル駆動装置（１８）は、ボール循環エレメントを有している、ことを特徴とする、請求項１又は請求項２に記載のスライダ弁。
4. 前記スピンドル駆動装置（１８）は、遊星ローラスピンドルを有している、ことを特徴とする、請求項１又は請求項２に記載のスライダ弁。
5. 前記スピンドル駆動装置（１８）と前記電動モータ（１３）との間に、伝動装置、特に、ウォーム伝動装置が配置されている、ことを特徴とする、請求項１から請求項４までの何れか１項に記載のスライダ弁。
6. 前記スピンドル駆動装置（１８）と前記電動モータ（１３）とは、Ｌ字形状に配置されていることを特徴とする、請求項１から請求項５までの何れか１項に記載のスライダ弁。
7. 前記電動モータ（１３）は、機械的ブレーキを備えたブレーキモータとして形成されている、ことを特徴とする、請求項１から請求項６までの何れか１項に記載のスライダ弁。
8. 前記電動モータ（１３）は、トルク制限のためのカップリングを有している、ことを特徴とする、請求項１から請求項７までの何れか１項に記載のスライダ弁。
9. 前記電動モータ（１３）は、周波数変換器に接続されている、ことを特徴とする、請求項１から請求項８までの何れか１項に記載のスライダ弁。
10. プロパン脱水素化のための設備（ＰＤＨ設備）内の遮断スライダとしての、請求項１に記載のスライダ弁の使用。
11. 遅延コークスプラントのコークスバルブとしての、請求項１に記載のスライダ弁の使用。
12. エチレン設備の主移送ライン及びデコーキングライン内、又は流動接触分解ユニット（ＦＣＣＵ）内、特に、流動接触分解ユニットのオーバヘッド蒸気ライン及び精留塔ボトムライン内、又は、石炭ガス化設備内、又は、ビスブレーカ設備内、又は、エピクロルヒドリン設備内のダブルプレート誘導管スライダとしての、請求項１に記載のスライダ弁の使用。
13. ＵＯＰ法に基づくイソシブ／ＴＩＰ設備、又は、サイクリック・パワー・フォーマ・ユニット、又は、エチレン設備、又は、流動接触分解ユニット（ＦＣＣＵ）、又は、石炭ガス化設備、又は、キューポラ炉設備、又は、亜鉛溶融炉、又は、廃熱ボイラ内の遮断スライダとしての、請求項１に記載のスライダ弁の使用。

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