JP2021515742A - ニトロアルケン非ステロイド性抗炎症薬(na−nsaid)および炎症関連症状を治療する方法 - Google Patents

ニトロアルケン非ステロイド性抗炎症薬(na−nsaid)および炎症関連症状を治療する方法 Download PDF

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Abstract

ニトロアルケン非ステロイド性抗炎症化合物、それの医薬組成物、および炎症関連症状を治療する方法。

Description

本発明は、ニトロアルケン非ステロイド性抗炎症薬(NA−NSAID)および炎症関連症状を治療する方法に関する。
一般的な慢性炎症性疾患(「CID」)、とりわけアテローム性動脈硬化症、2型糖尿病、喘息、痛風性関節炎、腎臓病、狼瘡、および中枢神経系(「CNS」)の炎症性疾患などは、死亡率の増加と高い医療費とをもたらす長期的な衰弱性の疾病であるため、罹患した患者に大きなリスクと負担とをもたらす。CIDは、しばしば、炎症誘発性転写因子NF−κBおよびインフラマソーム(インターロイキン(IL)1βおよび18(IL−1β、IL−18)の産生を担う細胞質の超分子プラットフォーム)の活性化によって生じる軽度の制御された、慢性的な全身性炎症症状を伴う。しかしながら、病気を克服するための即時の治癒対応を掻き立てる短期間の急性の炎症または感染症とは対照的に、CIDの遅い全身性の進行は、しばしば適合した治癒対応を妨げ、慢性疾患の後遺症につながる。鎮痛(痛みを抑える)効果と解熱(熱を低減する)効果とを提供し、高用量では抗炎症効果を提供する従来のNSAIDは、これらの疾患の治療には現在のところ推奨されていない。
したがって、本発明の範囲は、ニトロアルケンNSAID化合物およびほとんどの非伝染性のCIDの根底にある軽度の慢性的炎症などの炎症関連症状の治療方法を含む。
本発明の範囲内の一実施形態は、
Figure 2021515742
式中、Rは、水素もしくはC1−11のアルキルである式Iの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩である。
本発明の別の実施形態は、
Figure 2021515742
式中、Rは、水素もしくはC1−11のアルキルである式IIの化合物、または薬学的に許容される塩である。
本発明の範囲内の一実施形態は、
Figure 2021515742
式中、Rは、水素もしくはC1−11のアルキルである式IIIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩である。
本発明の範囲内の別の実施形態は、
Figure 2021515742
式中、Rは、水素もしくはC1−11のアルキルである式IVの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩である。
本発明の範囲内の別の実施形態は、
Figure 2021515742
式中、Rは、水素もしくはC1−11のアルキルである式Vの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩である。
本発明の範囲内の一実施形態は、炎症関連症状の治療を必要とする対象へ治療有効量のニトロアルケン非ステロイド性抗炎症薬を投与することを含む炎症関連症状の治療方法である。
リン酸緩衝液100mM pH7.4中でのPARANA(30μM)とベータメルカプトエタノール(30μM)との反応の分光測光法に従ったスペクトログラフを示す図(各スペクトルは60秒毎)。 リン酸緩衝液100mM pH7.4中でのIBUNA(50μM)とベータメルカプトエタノール(250μM)との反応の分光測光法に従ったスペクトログラフを示す図(各スペクトルは60秒毎)。 リン酸緩衝液100mM pH7.4中でのFluFENA(12.5μM)とベータメルカプトエタノール(125μM)との反応の分光測光法に従ったスペクトログラフを示す図(各スペクトルは60秒毎)。 リン酸緩衝液100mM pH7.4中でのBANA(10μM)とベータメルカプトエタノール(30μM)との反応の分光測光法に従ったスペクトログラフを示す図(各スペクトルは60秒毎)。 リン酸緩衝液100mM pH7.4中でのPheNA(50μM)とベータメルカプトエタノール(500μM)との反応の分光測光法に従ったスペクトログラフを示す図(各スペクトルは60秒毎)。 LPS(第1シグナル)による刺激後のBANAによるインフラマソーム調節を示す図。 ATP(第2シグナル)による刺激後のBANAによるインフラマソーム調節を示す図。 LPS(第1シグナル)による刺激後のFluFENAによるインフラマソーム調節を示す図。 ATP(第2シグナル)による刺激後のFluFENAによるインフラマソーム調節を示す図。 LPS(第1シグナル)による刺激後のIBUNAによるインフラマソーム調節を示す図。 ATP(第2シグナル)による刺激後のIBUNAによるインフラマソーム調節を示す図。 BANAによるLPS誘導性炎症反応におけるIL−1β放出のインビボ阻害を実証する図。
本化合物および方法を説明する前に、本発明は記載された特定のプロセス、組成物、または方法論に限定されないことが理解されるべきである。なぜなら、それらは変更されうるからである。また、本明細書で使用される用語が特定のバージョンや実施形態を説明することのみを目的としたものにすぎず、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図したものではないことも理解されるべきである。特に定義しない限り、本明細書に使用されるすべての技術的および科学的用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の任意の方法および材料を本発明の実施形態の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法、装置および材料を以下に記載する。本明細書において言及されうるすべての出版物は、参照により、それらの全体が援用される。本明細書中のいかなるものも、先行発明によって、本発明がそのような開示に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。
本明細書および添付の特許請求の範囲に使用されるとき、単数形の「1つの(“a”、“an”)」および「その(“the”)」は、文脈が特に明示しない限り、複数の参照を含む。したがって、例えば、1つの「細胞」(a“cell”)への言及は、当業者に知られる1つ以上の細胞およびその均等物への言及であり、以下同様である。
本明細書に使用されるとき、用語「約」は、それが使用されている数の数値のプラスまたはマイナス5%を意味する。したがって、約50%は45%〜55%の範囲を意味する。
治療薬とともに使用される場合、「投与すること」は、治療薬を対象に直接投与することを意味し、それによって、薬剤が標的に積極的に影響を与える。組成物を「投与すること」は、例えば、注射、経口投与、局所投与、または他の公知の技術と組み合わせたこれらの方法によって成し遂げられうる。そのような組み合わされた技術は、加熱、放射線、超音波および送達剤の使用を含む。化合物が1つ以上の他の活性剤(例えばスタチン類のような他の抗アテローム性動脈硬化剤)と組み合わせて提供される場合、「投与」およびその変形はいずれも、その化合物または塩および他の薬剤の同時および逐次提供を含むと理解される。
「薬学的に許容される」によって、担体、希釈剤、補助剤、または賦形剤が製剤の他の成分と適合性でなければならず、そのレシピエントに有害であってはならないことが意味される。
本明細書に使用されるとき、「組成物」は、特定の量の特定の成分からなる製品だけではなく、特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的または間接的に生じる任意の製品を包含することが意図される。「医薬組成物」に関連するこのような用語は、担体を構成する活性成分および不活性成分を含む製品だけではなく、成分のうちの任意の2つ以上の組み合わせ、錯体形成、もしくは凝集から、または成分のうちの1つ以上の分離から、または成分のうちの1つ以上の他のタイプの反応もしくは相互作用から、直接的または間接的に生じる任意の製品を包含することを意図している。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を混合することによって作られる任意の組成物を包含する。
本明細書に使用されるとき、用語「薬剤(agent)」「活性剤(active agent)」「治療剤(therapeutic agent)」または「治療薬(therapeutic)」は、患者の望ましくない症状または疾患を治療する、闘う、良くする、予防するまたは改善するために利用される化合物または組成物を意味する。さらにまた、用語「薬剤」「活性剤」「治療剤」または「治療薬」は、本発明の化合物のうちの1つ以上の組み合わせを包含する。
組成物の「治療有効量」または「有効量」は、所望の効果、すなわち細胞の機能の活性化、移動、増殖、変化を阻害、遮断または逆転、および細胞の正常な機能の維持を達成するために計算された所定の量である。本明細書に記載されている方法によって企図されている活性は、適切な場合には、医学的治療的および/または予防的処置の両方を含み、本発明の組成物は、記載されている任意の症状の改善を提供するために使用されてもよい。本明細書に記載される組成物は、症状を示さないが特定の病気を発症するリスクがありうる健康な対象または個体に投与されてもよいことも企図される。治療および/または予防的効果を得るために本発明にしたがって投与される化合物の特定の用量は、もちろん、例えば、投与される化合物、投与経路、および治療される症状を含めた患者を取り巻く特定の状況によって決定される。しかしながら、選択された投与量の範囲は、決して本発明の範囲を制限することを意図したものではないことが理解されるだろう。本発明の化合物の治療有効量は、典型的には、それが生理学的に許容できる賦形剤組成物中で投与される場合、有効な全身濃度または組織内の局所濃度を達成するのに十分であるような量である。
本明細書に使用されるとき、用語「治療する」、「治療された」、または「治療すること」は、治療的処置および予防的または防止的手段の両方を表し、目的は、望ましくない生理学的症状、病気、もしくは疾患を防止もしくは進行を遅らせる(軽減する)こと、または、有益なもしくは望ましい臨床結果を得ることである。本発明の目的のために、有益なまたは望ましい結果には、症状の緩和;症状、病気、または疾患の程度の減少;症状、病気、または疾患の状態の安定化(すなわち悪化しない);症状、病気、もしくは疾患の発病の遅延または進行の緩徐化;症状、病気、または病状の良くなること;症状、病気、または疾患の(部分的であろうと全体的であろうと)寛解、検出可能であろうと検出不可能であろうと向上または改善が含まれるが、これに限定されない。
本明細書に使用されるとき、「対象(subject)」という用語は、本開示による組成物および化合物の投与による治療を行いうる、哺乳動物を含む生物を表す。開示された方法から恩恵を受けることができる哺乳動物種には、類人猿、チンパンジー、オランウータン、ヒト、サル、および、犬、猫、馬、牛、豚、羊、山羊、鶏、マウス、ラット、モルモット、ハムスターなどの他の動物が含まれるが、これらに限定されない。典型的には、対象はヒトである。
本発明の範囲の光学異性体は、例えば、光学活性塩基での処理によるジアステレオマー塩の形成、その後、結晶化によるジアステレオマーの混合物の分離、続いてこれらの塩からの光学活性塩基の遊離などの、従来のプロセスによるラセミ混合物の分割により得ることができる。別の方法は、エナンチオマーの分離を最大化するように最適化されたキラルクロマトグラフィーカラムを使用するエナンチオマーのキラル分離を必要とする。キラル分割のクロマトグラフィー法の最適化は、当業者にとって常套手段である。光学異性体を分離するためのさらに別の方法は、エナンチオマーの物理的性質が異なる場合、蒸留、結晶化または昇華による。本発明の範囲内の光学活性化合物は、光学活性出発物質を利用することによっても得ることができる。異性体は、遊離酸、遊離塩基、エステルまたは塩の形態でありうる。
また、本発明の範囲内の化合物およびその立体異性体には、その薬学的に許容される塩も含まれる。用語「薬学的に許容される塩」は、アルカリ金属塩を形成するため、および遊離酸または遊離塩基の付加塩を形成するために一般的に使用される塩を包含する。塩の性質は、それが薬学的に許容されるのであれば、決定的要因ではない。本発明の範囲内の化合物の好適な薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸から、または、有機酸から調製されうる。そのような無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸、およびリン酸である。適切な有機酸には、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、カルボン酸、およびスルホン酸類の有機酸が含まれてもよい。そのような有機酸の例には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、サリチル酸、4−ヒドロ安息香酸、フィラセティック酸(phylacetic acid)、マンデル酸、エンボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヒエキシルアミノスフロン酸(cyclohyexylaminosuflonic acid)、ステアリン酸、アルゲン酸(algenic acid)、β−ヒドロ酪酸、ガラクタル酸、ガラクツル酸(galacturnoic acid)が含まれる。本発明の範囲内の化合物の好適な薬学的に許容される塩基付加塩には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛から作られる塩などの金属塩、または第一級、第二級および第三級アミン、カフェイン、アルギニン、ジエチルアミン、N−エチルピペリジン、ヒスチジン、グルカミン、イソプロピルアミン、リジン、モルホリン、N−エチルモルホリン、ピペラジン、トリエチルアミン、トリメチルアミンなどの環状アミンを含む置換アミンから作られる塩が含まれる。本発明の対応する化合物の列挙された塩はすべて、当業者に知られている従来の手段によって調製することができる。従来の塩形成方法の一例は、適切な酸または塩基を、様々なモル比で本発明の範囲内の化合物と反応させることによるものである。別の方法は、様々な溶媒系において適切な酸または塩基の異なるモル比を使用することにより、本発明の範囲内の化合物の解離種の濃度を制御し、塩形成を最大化する。本発明はまた、本明細書に記載される塩の結晶形態を企図する。
本発明の範囲内の化合物の結晶形態はまた、水和物、溶媒和物、および共結晶を含みうるが、これらに限定されない。結晶性溶媒和物は、以下を含むがこれらに限定されない:MeOH、EtOH、AcOH、EtOEt、AcOEt、アセトン、DMSO、DMF、MeCN、CHCl、CHCl、CCl、ジオキサン、THF、ベンゼン、トルエン、p−キシレン、およびヘキサン。
結晶性水和物および溶媒和物は、水または有機溶媒分子の化合物またはその塩に対するモル比に応じて、化学量論的でありうる。結晶性水和物はまた、熱力学的にまたは速度論的に安定な結晶をもたらす単位胞の条件に応じて、非化学量論的であり得る。結晶塩および共結晶はまた、上記の理由により、化学量論的または非化学量論的であり得る。結晶学の当業者は、結晶の単位胞内の成分が、結晶を安定化させる条件に応じて化学量論的であってもなくてもよいことを理解する。
投与および組成
化合物およびその薬学的に許容される塩は、活性剤とこの活性剤の作用部位との接触をもたらす手段によって投与することができる。それらは、医薬品と組み合わせて使用するために利用可能な従来の手段により、1日あたり0.001〜1000mg/哺乳動物(例えば、ヒト)の体重1kgの投与量範囲内で、単回投与または分割投与で投与することができる。1つの投与量範囲は、単回投与または分割投与で経口的に1日あたり0.01〜500mg/kg体重である。投与は、個々の治療剤として、または治療剤の組み合わせで送達され得る。それらは単独で投与することができるが、典型的には、選択された投与経路および標準的な薬学的な実施に基づいて選択された薬学的に許容される賦形剤と共に投与される。
化合物は、1つ以上の方法によって投与され得る。例えば、以下の経路:経口、非経口(皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射または注入技術を含む)、吸入、頬、舌下、または直腸が使用されてもよく、有効量の化合物を含み、任意選択により安定剤、抗酸化剤、潤滑剤、増量剤、充填剤、担体、補助剤、ビヒクル、希釈剤、および標準的な薬学的な実施におけるその他の容易に知られている賦形剤などの1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて、医薬組成物の単位投与量の形態で投与され得る。
経口投与に好適な液体製剤(例えば、懸濁液、シロップ、エリキシル剤および他の同様の液体)は、水、グリコール、油、アルコールなどの媒体を用いることができる。経口投与に好適な固体製剤(例えば、粉末、丸薬、カプセル、および錠剤)は、デンプン、糖、カオリン、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、抗酸化剤などの固体賦形剤を用いることができる。
非経口組成物は、典型的には、担体として滅菌水を使用し、任意選択により溶解補助剤などの他の成分を用いる。注射可能な溶液は、例えば、生理食塩水、グルコース溶液、または生理食塩水とグルコースの混合物を含む溶液を含む担体を使用して調製され得る。医薬組成物を調製する際に使用するのに好適な方法のさらなるガイダンスは、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第21版(Lippincott Williams&Wilkins、2006)に記載されている。
治療用化合物は、1日あたり0.001〜1000mg/哺乳動物(例えば、ヒト)の体重1kgの投与量範囲内で、単回投与または分割投与で経口投与することができる。1つの投与量範囲は、単回投与または分割投与で経口的に1日あたり0.01〜500mg/kg体重である。経口投与の場合、組成物は、約1.0〜500mgの有効成分、とりわけ治療される患者への投与量の症状に基づく調製のための約1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、および750mgの有効成分を含む錠剤またはカプセルの形態で提供することができる。特定の患者のための特定の用量レベルと投与頻度はさまざまであってもよく、用いる特定の化合物の活性、その化合物の代謝の安定性および作用の長さ、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食生活、投与の様式と時間、排出速度、薬の組み合わせ、特定の症状の重症度および治療下のホストを含むさまざまな要因に依存するであろう。特定の用量レベルおよび頻度に影響を与える要因を考慮して、投与頻度は毎日複数回の投与から毎月の投与の範囲まであり得ることが企図される。好ましい投与頻度は、1日2回から2週ごとまでの範囲である。より好ましい投与頻度は、1日2回から毎週の範囲である。最も好ましい投与頻度は、1日2回から週に2回までの範囲である。
様々な実施形態の方法において、活性剤を含む医薬組成物が「有効量」で対象に投与され得る。有効量は、患者に有益な効果をもたらす任意の量であってもよく、特定の実施形態においては、有効量は、CIDなどであるがこれに限定されない炎症関連症状を治療しうる量である。
本発明の化合物および好適な担体を含む医薬製剤は、本発明の活性剤を有効量含む固体、溶液、粉末、液体乳濁液、液体懸濁液、半固体、および乾燥粉末を含むがこれらに限定されない様々な形態であり得る。また、当技術分野において、有効成分は、薬学的に許容される希釈剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、界面活性剤、疎水性ビヒクル、水溶性ビヒクル、乳化剤、緩衝剤、湿潤剤、保湿剤、可溶化剤、抗酸化剤、防腐剤などを含むそのような製剤に含まれ得ることも知られている。投与の手段と方法は、当技術分野において知られており、当業者はガイダンスのために様々な薬理学的参考文献を参照することができる。たとえば、両方とも参照することによりその全体が本明細書に援用されるModern Pharmaceutics,Banker&Rhodes,Marcel Dekker,Inc.(1979);およびGoodman&Gilman's、The Pharmaceutical Basis of Therapeutics、第6版、MacMillan Publishing Co.、ニューヨーク(1980)を参考にすることができる。
本発明の他の実施形態は、カプセル、錠剤、丸薬、粉末、および顆粒を含む経口投与用の固体剤形として調合される、上記のように調製された活性剤を含む。そのような実施形態においては、活性化合物は、スクロース、ラクトースまたはデンプンなどの1つ以上の不活性希釈剤と混合されてもよい。そのような剤形は、また、通常の慣行のように、不活性希釈剤以外の付加的な物質、例えばステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤を含んでもよい。カプセル、錠剤、および丸薬の場合、剤形は、また、緩衝剤を含んでもよく、付加的に腸溶性コーティングを伴って調製することができる。
別の例示的な実施形態においては、上記のように調製された活性剤の油状製剤は、錠剤を形成するために1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、担体または希釈剤と混合可能な固体を形成するよう凍結乾燥されてもよく、さらに別の実施形態においては、活性剤は、錠剤を形成するために薬学的に許容される賦形剤、担体または希釈剤と組み合わせ可能な固体を形成するように結晶化されてもよい。
錠剤化するための手段および方法は当技術分野で知られており、当業者はガイダンスのために様々な参考文献を参照することができる。例えば、参照によりその全体が本明細書に援用される、Pharmaceutical Manufacturing Handbook:Production and Processes、Shayne Cox Gad、John Wiley&Sons、Inc.、Hoboken、ニュージャージー(2008)を参考にすることができる。
活性剤の経口投与に有用でありうるさらなる実施形態は、液体剤形を含む。そのような実施形態において、液剤は、薬学的に許容される乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、および水などの当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤を含むエリキシル剤を含んでもよい。そのような組成物は、また、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、ならびに甘味剤、香味剤および芳香剤などの補助剤を含んでもよい。したがって、例えば、化合物は、好適なポリマー材料もしくは疎水性材料(例えば許容される油中の乳濁液として)もしくはイオン交換樹脂とともに、または難溶性誘導体として、例えば、難溶性塩として調合することができる。他の好適な希釈剤は、以下に記載されるものが含まれるが、これらに限定されない。
植物油:本明細書に使用されるとき、用語「植物油」は、植物油のエトキシル化から形成され、ポリエチレングリコールの少なくとも1つ鎖が植物油に共有結合している化合物または化合物の混合物を表す。いくつかの実施形態においては、脂肪酸は、約12個〜約18個の炭素を有してもよい。いくつかの実施形態においては、エトキシル化の量は、約2〜約200、約5〜100、約10〜約80、約20〜約60、または約12〜約18のエチレングリコール繰り返し単位で異なり得る。植物油は水素化されていても水素化されていなくてもよい。好適な植物油は、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ゴマ油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、オリーブ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、大豆油、安息香酸ベンジル、ゴマ油、綿実油、パーム油を含むがこれらに限定されない。他の好適な植物油は、市販のMiglyol(商標)810および812(スウェーデンのDynamit Nobel Chemicalsから入手可能)、Neobee(商標)M5(Drew Chemical Corp.から入手可能)、Alofine(商標)(Jarchem Industriesから入手可能)、Lubritab(商標)シリーズ(JRS Pharmaから入手可能)、Sterotex(商標)(Abitec Corp.から入手可能)、Softisan(商標)154(Sasolから入手可能)、Croduret(商標)(Crodaから入手可能)、Fancol(商標)(Fanning Corp.から入手可能)、Cutina(商標)HR(Cognisから入手可能)、Simulsol(商標)(CJ Petrowから入手可能)、EmCon(商標)CO(Amisol Co.から入手可能)、Lipvol(商標)CO、SES、およびHS−K(Lipoから入手可能)、およびSterotex(商標)HM(Abitec Corp.から入手可能)などの合成油を含むがこれらに限定されない。他の好適なゴマ油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油を含む植物油は、その全体が参照により本明細書に援用される、R.C.RoweおよびP.J.Shesky、Handbook of Pharmaceutical Excipients、(2006)、第5版に記載されているものを含む。好適なポリエトキシル化植物油には、Cremaphor(商標)ELまたはRHシリーズ(BASFから入手可能)、Emulphor(商標)EL−719(Stepan productsから入手可能)、およびEmulphor(商標)EL−620P(GAFから入手可能)が含まれるが、これらに限定されない。
鉱油:本明細書に使用されるとき、用語「鉱油」は、未精製鉱油と精製(軽質)鉱油の両方を表す。好適な鉱油は、Avatech(商標)等級(Avatar Corp.から入手可能)、Drakeol(商標)等級(Penrecoから入手可能)、Sirius(商標)等級(Shellから入手可能)、およびCitation(商標)等級(Avater Corp.から入手可能)を含むが、これらに限定されない。
ヒマシ油:本明細書に使用されるとき、用語「ヒマシ油」は、ヒマシ油のエトキシル化から形成され、少なくとも1つのポリエチレングリコール鎖がヒマシ油に共有結合している化合物を表す。ヒマシ油は水素化されていても水素化されていなくてもよい。ポリエトキシル化ヒマシ油の類似物には、ポリオキシルヒマシ油、硬化ポリオキシルヒマシ油、ムクロゴールグリセロリリシノレアス(mcrogolglyceroli ricinoleas)、マクロゴールグリセロリヒドロキシステアラス(macrogolglyceroli hydroxystearas)、ポリオキシル35ヒマシ油、およびポリオキシル40硬化ヒマシ油が含まれるが、これらに限定されない。好適なポリエトキシル化ヒマシ油には、Nikkol(商標)HCOシリーズ(Nikko Chemicals Co.Ltd.から入手可能)、例えばNikkol HCO−30、HC−40、HC−50、およびHC−60(ポリエチレングリコール−30硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール−40硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール50硬化ヒマシ油、およびポリエチレングリコール60硬化ヒマシ油)、Emulphor(商標)EL−719(ヒマシ油40モル−エトキシレート、Stepan Productsから入手可能)、Cremophore REMO、RH60、およびEL35(それぞれポリエチレングリコール−40硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール−60硬化ヒマシ油、およびポリエチレングリコール−35硬化ヒマシ油)を含むCremophore(商標)シリーズ(BASFから入手可能)、およびEmulgin(登録商標)ROおよびHREシリーズ(Cognis PharmaLineから入手可能)が含まれるが、これらに限定されない。他の好適なポリオキシエチレンヒマシ油誘導体には、その全体が参照によって本明細書に援用されるR.C.RoweおよびP.J.Shesky,Handbook of Pharmaceutical Excipients、(2006)、第5版に列挙されている当該誘導体が含まれる。
ステロール:本明細書に使用されるとき、用語「ステロール」は、ステロール分子のエトキシル化から誘導された化合物、または化合物の混合物を表す。好適なポリエトキシル化ステロールには、PEG−24コレステロールエーテル、Solulan(商標)C−24(Amercholから入手可能)、PEG−30コレスタノール、Nikkol(商標)DHC(Nikkoから入手可能)、フィトステロール、GENEROL(商標)シリーズ(Henkelから入手可能)、PEG−25フィトステロール、Nikkol(商標)BPSH−25(Nikkoから入手可能)、PEG−5ソヤステロール(soya sterol)、Nikkol(商標)BPS−5(Nikkoから入手可能)、PEG−10ソヤステロール、Nikkol(商標)BPS−10(Nikkoから入手可能)、PEG−20ソヤステロール、Nikkol(商標)BPS−20(Nikkoから入手可能)、およびPEG−30ソヤステロール、Nikkol(商標)BPS−30(Nikkoから入手可能)が含まれるが、これらに限定されない。
ポリエチレングリコール:本明細書に使用されるとき、用語「ポリエチレングリコール」又は「PEG」は、式−O−CH−CH−のエチレングリコールモノマー単位を含むポリマーを表す。好適なポリエチレングリコールは、ポリマー分子の各末端に遊離ヒドロキシル基を有してよく、または低級アルキル、例えばメチル基でエーテル化された1つ以上のヒドロキシル基を有してよい。また、エステル形成能のある(esterifiable)カルボキシ基を有するポリエチレングリコールの誘導体も好適である。本発明において有用なポリエチレングリコールは、任意の鎖長または分子量のポリマーであり得、分枝を含み得る。いくつかの実施形態において、ポリエチレングリコールの平均分子量は、約200〜約9000である。いくつかの実施形態において、ポリエチレングリコールの平均分子量は、約200〜約5000である。いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコールの平均分子量は、約200〜約900である。いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコールの平均分子量は、約400である。好適なポリエチレングリコールには、ポリエチレングリコール−200、ポリエチレングリコール−300、ポリエチレングリコール−400、ポリエチレングリコール−600、およびポリエチレングリコール−900が含まれるが、これらに限定されない。名称のダッシュ(−)の後の数字は、ポリマーの平均分子量を表す。いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコールは、ポリエチレングリコール−400である。好適なポリエチレングリコールには、Carbowax(商標)およびCarbowax(商標)Sentryシリーズ(Dowから入手可能)、Lipoxol(商標)シリーズ(Brenntagから入手可能)、Lutrol(商標)シリーズ(BASFから入手可能)、およびPluriol(商標)シリーズ(BASFから入手可能)が含まれるが、これらに限定されない。
プロピレングリコール脂肪酸エステル:本明細書に使用されるとき、用語「プロピレングリコール脂肪酸エステル」は、プロピレングリコールまたはポリプロピレングリコールと脂肪酸との間で形成されたモノエステルもしくはジエステルまたはそれらの混合物を表す。プロピレングリコール脂肪アルコールエーテルを誘導するために有用な脂肪酸には、本明細書で定義した当該脂肪酸が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態においては、モノエステルまたはジエステルがプロピレングリコールから誘導される。いくつかの実施形態においては、モノエステルまたはジエステルが約1〜約200個のオキシプロピレン単位を有する。いくつかの実施形態においては、分子のポリプロピレングリコール部分は、約2〜約100個のオキシプロピレン単位を有する。いくつかの実施形態においては、モノエステルまたはジエステルは、約4〜約50個のオキシプロピレン単位を有する。いくつかの実施形態においては、モノエステルまたはジエステルは、約4〜約30個のオキシプロピレン単位を有する。好適なプロピレングリコール脂肪酸エステルには、ラウリン酸プロピレングリコール:Lauroglycol(商標)FCCおよび90(Gattefosseから入手可能);カプリル酸プロピレングリコール:Capryol(商標)PGMCおよび90(Gatefosseから入手可能);およびプロピレングリコールジカプリロカプレート(propylene glycol dicaprylocaprates):Labrafac(商標)PG(Gatefosseから入手可能)が含まれるが、これらに限定されない。
ステアロイルマクロゴールグリセリド:ステアロイルマクロゴールグリセリドは、ステアリン酸から、または、主にステアリン酸から誘導された化合物から主に合成されたポリグリコール化グリセリドを表すが、本合成では、他の脂肪酸または他の脂肪酸から誘導された化合物をも使用してもよい。好適なステアロイルマクロゴールグリセリドには、Gelucire(登録商標)50/13(Gattefosseから入手可能)が含まれるが、これに限定されない。
いくつかの実施形態においては、希釈剤成分は、マンニトール、ラクトース、スクロース、マルトデキストリン、ソルビトール、キシリトール、粉末セルロース、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、アルファ化デンプン、リン酸カルシウム、金属炭酸塩、金属酸化物、または金属アルミノケイ酸塩のうちの1つ以上を含む。
固体および/または液体剤形に使用する例示的な賦形剤または担体には、以下のものが含まれるが、これらに限定されない。
ソルビトール:好適なソルビトールには、PharmSorbidex E420(Cargillから入手可能)、Liponic 70−NCおよび76−NC(Lipo Chemicalから入手可能)、Neosorb(Roquetteから入手可能)、Partech SI(Merckから入手可能)、およびSorbogem(SPI Polyolsから入手可能)が含まれるが、これらに限定されない。
デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、およびアルファ化デンプンには、その全体が参照によって本明細書に援用されるR.C.RoweおよびP.J.Shesky、Handbook of Pharmaceutical Excipients、(2006)、第5版に記載のものが含まれるが、これらに限定されない。
崩壊剤:崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスポビドン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、イオン交換樹脂、食物酸とアルカリ炭酸塩成分とに基づいた発泡システム、粘土、タルク、デンプン、アルファ化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、セルロースフロック、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ケイ酸カルシウム、金属炭酸塩、重炭酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、またはリン酸カルシウムのうちの1つ以上を含み得る。
本発明のなおさらなる実施形態は、そのような組み合わせが本明細書に記載の方法の所望の効果を達成するのに望ましいかまたは有利であると考えられる他の活性物、例えば補助剤、プロテアーゼ阻害剤、NSAID、ステロイド抗炎症薬(SAID)または他の適合性のある薬物もしくは化合物と組み合わせて投与される活性剤を含む。
本発明の他の実施形態は、有効量の活性剤および1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を含む。他の実施形態は、有効量の、活性剤の薬学的に許容される塩を含む。他の実施形態は、有効量の、活性剤の薬学的に許容される塩および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を含む。
さらに他の実施形態においては、活性剤は、1つ以上の二次治療剤と組み合わされてもよい。二次治療剤は、抗血小板剤、アンジオテンシンIIの阻害剤、ACE阻害剤、Ca++チャネル遮断薬、インスリン抵抗性改善薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、ベータ遮断薬、非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド性抗炎症薬、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)モジュレーター、およびそれらの組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。
本明細書に記載されるニトロアルケンNSAID組成物は、多くの急性および慢性の両方の炎症症状および代謝症状を治療するために対象に投与されうる。いくつかの実施形態においては、記載される本発明の範囲内の化合物および本明細書に記載されるそれらの医薬組成物は、自己免疫疾患、自己炎症性疾患、動脈狭窄、臓器移植の拒絶反応および火傷、ならびに慢性肺損傷および呼吸困難、糖尿病、高血圧、肥満、関節炎、アテローム性動脈硬化症、喘息、痛風性関節炎、腎臓病、狼瘡、中枢神経系(CNS)の炎症性疾患、神経変性疾患、およびさまざまな皮膚疾患などの慢性症状を含むがこれらに限定されない炎症関連症状を治療するために使用されうる。
しかしながら、他の実施形態においては、本明細書に記載されるニトロアルケンNSAID化合物およびそれらの医薬組成物は、例えば関節炎、狼瘡、ライム病、痛風、敗血症、高体温、潰瘍、腸炎、骨粗しょう症、ウイルス性または細菌性感染症、サイトメガロウイルス、歯周病、糸球体腎炎、サルコイドーシス、肺疾患、肺炎症、肺線維症、喘息、後天性呼吸窮迫症候群、タバコ誘発性肺疾患、肉芽腫形成、肝線維症、移植片対宿主病、術後炎症、血管形成術後の冠動脈および末梢血管の再狭窄、ステント留置またはバイパス移植、冠動脈バイパス移植(CABG)、急性および慢性白血病、Bリンパ球白血病、新生物疾患、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、心筋炎症、乾癬、免疫不全、播種性血管内凝固、全身性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳脊髄炎、浮腫、炎症性腸疾患、高IgE症候群、癌の転移または成長、養子免疫療法、再灌流症候群、放射線熱傷、脱毛症などの慢性または急性炎症を含む症状を有する任意の症状の治療に使用されうる。
記載される本発明の範囲内の化合物および本明細書に記載されるそれらの医薬組成物は、CIDを含むがこれに限定されない炎症関連症状を治療するために対象に投与されうる。
一般的な合成手順
一般的に、ニトロアルケンNSAIDを得る合成経路は、NSAIDの芳香環のホルミル化から始まり、調合されたアルデヒドとニトロアルカンの縮合反応が続く。
そのような合成経路の1つは、次のステップに従う:
Figure 2021515742
上記のスキームは、芳香族化合物をヘキサメチレンテトラミン(「HMTA」)およびトリフルオロ酢酸(「TFA」)でホルミル化し、続いて、アルデヒド(「NSAID−CHO」)をニトロアルカン(「R−NO」)とともに氷酢酸(「AcOH」)中で塩基触媒によって縮合反応させ、所望のニトロアルケンNSAID(「NA−NSAID」)を生成させるプロセスを実証する。様々な弱塩基および様々な炭素長のニトロアルカンを使用することができるが、好ましいニトロアルカンおよび弱塩基は、下記に示すような、それぞれニトロメタンおよび酢酸アンモニウムである。対応するアルデヒドが市販されている場合、ステップ1を実行する必要はない。ニトロアルケンNSAIDの合成の別の手順は、以下の実施例2に示される。アルデヒドを調製し、その後の縮合反応を行ってニトロアルケンNSAIDを合成することは、十分に当業者の知識および技術の範囲内である。
実施例
以下の実施例は、本発明の範囲内の化合物を調製する詳細な方法を含む。これらの詳細な記載は、本発明の一部を形成する上記の一般的な合成スキームを例示するのに役立つ。これらの詳細な記載は、例示的な目的のためだけに示され、本発明の範囲を制限することを意図したものではない。特に示さない限り、すべての部は重量によるものであって、温度は摂氏度である。すべての化合物は、それらの帰属構造と一致するNMRスペクトルを示した。
実施例1
(E)−N−(4−ヒドロキシ−3−(2−ニトロビニル)フェニル)アセトアミド(PARANA)
Figure 2021515742
N−(3−ホルミル−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド。TFA(4mL)中のN−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(6.6mmol)の溶液に、氷浴中で、HMTA(26mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を70℃に5h加熱し、室温(rt)まで放冷し、水(20mL)に注ぐ。その後、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。集めた有機相抽出液を塩水(brine)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。この粗生成物を、シリカフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、1:1)により精製し、所望の生成物を得た(133mg,11%)。H NMR(400MHz,アセトン−d6)δ10.73(s,1H),10.01(s,1H),9.24(s,1H),8.16(d,J=2.7Hz,1H),7.70(dd,J=8.9,2.7Hz,1H),6.94(d,J=8.9Hz,1H),2.09(s,3H)。
(E)−N−(4−ヒドロキシ−3−(2−ニトロビニル)フェニル)アセトアミド。ニトロメタン(0.1mL)中のN−(3−ホルミル−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(0.18mmol)の溶液に、氷酢酸(0.1mL)および酢酸アンモニウム(0.11mmol)を加える。溶液を110℃で1時間加熱する。反応混合物に氷水を加え、その後酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、高純度の所望の産物が得られる(32mg、80%)。H NMR(400MHz,アセトン−d6)δ9.66(s,1H);9.14(s,1H);8.16(d,J=13.5Hz,1H);8.01(d,J=13.5Hz,1H);7.88(d,J=2.3Hz,1H);7.62(dd,J=2.3,8.8Hz,1H);7.00(d,J=8.8Hz,1H);2.06(s,3H)。13C NMR(100MHz,アセトン−d6)δ167.84,153.93,138.03,135.20,132.55,125.17,122.22,117.03,116.37,23.11。
実施例2
(E)−2−(4−イソブチル−3−(2−ニトロビニル)フェニル)プロパン酸(IBUNA)
Figure 2021515742
2−(3−ホルミル−4−イソブチルフェニル)プロパン酸。イブプロフェン(4.8mmol)を乾燥DCM(13mL)に溶解し、Nでパージし、氷浴で0℃まで冷却した。DCM(21.5mL)中のTiCl 1.0Mの溶液を少量ずつ加えた。反応混合物を1h撹拌した。その後、ジクロロメチルメチルエーテル(1mL)を加え、混合物を4h反応した。次に、40mLのNHClの飽和溶液を加え、2h撹拌した。有機層を分離し、0.1N HCl溶液(15mL)および塩水(15mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を蒸発させた。この粗生成物を、シリカフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン勾配)により精製し、所望の生成物を得た(123mg,11%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ10.30(s,1H),7.82(d,J=2.1Hz,1H),7.49(dd,J=7.9,2.1Hz,1H),7.23(d,J=7.9Hz,1H),3.82(q,J=7.2Hz,1H),2.89(d,J=7.2Hz,2H),1.90−1.80(m,1H),1.56(d,J=7.2Hz,3H),0.96(s,3H),0.94(s,3H)。13C NMR(100MHz,CDCl)δ191.97,179.21,143.80,138.18,134.12,132.73,132.31,129.88,44.66,40.86,31.17,22.36,18.03。
(E)−2−(4−イソブチル−3−(2−ニトロビニル)フェニル)プロパン酸。ニトロメタン(1mL)中の2−(3−ホルミル−4−イソブチルフェニル)プロパン酸(0.7mmol)の溶液に氷酢酸(3mL)および酢酸アンモニウム(2.1mmol)を加える。溶液を110℃で4.5時間加熱する。反応混合物に氷水を加え、その後酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。この粗生成物を、シリカフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン勾配)により精製して、所望の生成物を得た(97mg,48%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.32(d,J=13.5Hz,1H),7.54(d,J=13.5Hz,1H),7.48(d,J=1.8Hz,1H),7.39(dd,J=7.8,1.8Hz,1H),7.23(d,J=7.8Hz,1H),3.77(q,J=7.2Hz,1H),2.64(d,J=7.2Hz,2H),1.86−1.76(m,1H),1.56(d,J=7.2Hz,3H),0.96(s,3H),0.94(s,3H)。13C NMR(100MHz,CDCl)δ179.65,142.31,138.32,137.84,136.59,131.93,130.85,129.00,126.33,44.75,42.18,30.78,22.36,18.08。MS(EI,70eV):m/z(%)277(M+,6)。
実施例3
(E)−5−(2−ニトロビニル)−2−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)安息香酸(FluFENA)
Figure 2021515742
5−ホルミル−2−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)安息香酸。TFA(0.5mL)中のフルフェナム酸(18mmol)の溶液に、氷浴中で、HMTA(7mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を70℃に5h加熱し、rtまで放冷し、水(15mL)に注いだ。その後、酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。集めた有機相抽出液を、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。この粗生成物を、シリカフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、8:2)により精製し、所望の生成物を得た(298mg,54%)。H NMR(400MHz,アセトン−d6)δ10.41(s,1H),9.88(s,1H),8.59(d,J=1.8Hz,1H),7.95(dd,J=8.8,1.8Hz,1H),7.70(m,3H),7.57(m,1H),7.37(dd,J=8.8Hz,1H)。13C NMR(100MHz,アセトン−d6)δ189.36,169.08,151.90,140.26,135.86,134.12,130.69,127.29,127.01,121.41,121.37,119.99,119.95,113.61。
(E)−5−(2−ニトロビニル)−2−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)安息香酸。ニトロメタン(1mL)中の5−ホルミル−2−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)安息香酸(1mmol)の溶液に氷酢酸(4mL)および酢酸アンモニウム(2.9mmol)を加える。溶液を110℃で3.5時間加熱し、rtまで放冷した。冷却時に現れた橙色の沈殿物を濾別し、水で洗浄し、乾燥して、高純度の所望の生成物が得られた(264mg,78%)。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ13.57(s,1H),10.22(s,1H),8.36(d,J=1.9Hz,1H),8.13(d,J=13.5Hz,1H),8.09(d,J=13.5Hz,1H),7.94(dd,J=8.9,1.9Hz,1H),7.64(m,3H),7.50(m,1H),7.23(d,J=8.9Hz,1H)。13C NMR(100MHz,DMSO−d6)δ169.62,149.54,140.71,139.55,136.23,135.72,134.86,131.19,131.00,130.69,126.62,125.75,123.04,121.09,120.43,119.37,114.83,114.00。MS(EI,70eV):m/z(%)352(M+,100)。
実施例4
(E)−4−(2−ニトロビニル)安息香酸(BANA)
Figure 2021515742
90℃の酢酸アンモニウム(32mmol),ニトロメタン(20mL)および氷酢酸(39mL)の撹拌溶液に、4−ホルミル安息香酸(26mmol)を少量ずつ加え、90℃で5時間維持した。その後、反応混合物をrtまで放冷した。冷却時に現れた黄色の沈殿物を濾別し、水で洗浄し、乾燥し、高純度の所望の生成物が得られた(3.93g,78%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.30(d,J=13.7Hz,1H),8.18(d,J=13.7Hz,1H),8.00(d,J=8.6Hz,2H),7.97(d,J=8.6Hz,2H)。13C NMR(100MHz,CDCl)δ167.07,140.12,138.30,134.88,133.80,130.30(2C),130.26(2C)。
実施例5
(E)−4−(2−ニトロビニル)フェノール(PheNA)
実施例4に示したものと類似の手順が4−ヒドロキシベンズアルデヒドを用いて行われ、(E)−4−(2−ニトロビニル)フェノールが黄色の固体として生成される(収率68%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ9.26(s,1H),8.04(d,J=13.5Hz,1H),7.84(d,J=13.5Hz,1H),7.72(d,J=8.6Hz,1H),6.97(d,J=8.6Hz,1H)。
生物活性
以下に記載される方法は、生物学的活性および治療的な使用を実証するために使用されるものであり、決して本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。理論に縛られないことを望まないが、CIDの根底にある軽度の、無菌の、慢性的な炎症症状の生成は、炎症誘発性転写因子NF−κBおよびインフラマソーム(インターロイキン(IL)1βおよび18(IL−1β、IL−18)の産生を担う細胞質の超分子プラットフォーム)の活性化である。以下の研究は、NF−κBおよびインフラマソームによって制御される炎症誘発性活性の低減におけるニトロアルケンNSAIDの役割を実証する。
インビトロ活性
理論に縛られることを望まないが、炎症中、NF−κBおよびインフラマソームなどの求核性分子との可逆的な反応は、炎症反応を改善することが示されている。生理的なpHでの求核性標的との反応を特定するための1つの方法は、ベータメルカプトエタノールでスクリーニングすることによる。図1〜4に示されるように、ニトロアルケンNSAIDは、ベータメルカプトエタノール(「BME」)と付加物を形成する。図1〜5によって示されるBMEへのニトロアルケンNSAID付加を実証する反応には、pH7.4の100mMリン酸緩衝液中で30μMのPARANAと30μMのBMEとを反応させること、pH7.4の100mMリン酸緩衝液中で50μMのIBUNAと250μMのBMEとを反応させること、pH7.4の100mMリン酸緩衝液中で12.5μM FluFENAと125μM BMEとを反応させること、pH7.4の100mMリン酸緩衝液中で10μMのBANAと30μMのBMEとを反応させること、およびpH7.4の100mMリン酸緩衝液中で50μMのPheNAと500μMのBMEとを反応させることを含む。すべての反応は、BMEとのニトロアルケンNSAID付加イオンを示す吸光度の増加を示した。したがって、本発明の範囲内のニトロアルケンNSAIDは、NF−κBおよびインフラマソームなどの求核性分子と反応し、炎症反応を改善する。
さらなるインビトロ研究は、炎症誘発性サイトカインの分泌を下方制御するための非ニトロアルケン化NSAIDに対するニトロアルケンNSAIDの予期しない利点を実証する。マクロファージにおけるNF−κBおよびインフラマソーム機能に対する安息香酸(BA)とニトロアルケン安息香酸(BANA)を比較するために、THP−l細胞をPMA(200nM、48時間)でマクロファージに分化した。その後、細胞を、LPS(250ng/mL)で、およびATP(5mM,45分)で刺激した。LPS(第1シグナル、図6)またはATP(第2シグナル、図7)とともに、細胞を安息香酸(30μM)またはBANA(30μM)で処理した。上清を集め、ELISAによって、IL−1β分泌を測定した。結果によると、LPSによって刺激された細胞のIL−1β分泌の阻害は、インフラマソームの生成に重要なステップであるNF−κBの核移行を防ぐというBANAの能力が実証された。ATPによって刺激された細胞のIL−1β分泌の阻害は、インフラマソームの直接の阻害を実証した。したがって、BANAは、インフラマソームの生成およびインフラマソーム自体の両方を阻害する。
さらなる例示的な研究はフルフェナム酸(FluFE)およびニトロアルケンフルフェナム酸(FluFENA)を用いて行われた。マクロファージにおけるNF−κBおよびインフラマソーム機能に対するフルフェナム酸(FluFE)およびFluFENAの影響を研究するために、THP−l細胞をPMA(200nM,48h)でマクロファージに分化した。細胞をLPS(250ng/mL)で刺激し、その後ATP(5mM,45分)で刺激した。LPS(第1シグナル、図8)またはATP(第2シグナル、図9)とともに、細胞を、FluFE(5μM)またはFluFENA(5μM)とともに処理した。上清を集め、IL−1βの分泌をELISAによって測定した。細胞生存率は、MTTアッセイによって評価された。この場合もまた、得られたデータは、ニトロアルケンNSAIDによって提供される予期しない利点を実証する。
図10および図11は、さらに非アルケン化NSAIDに対するニトロアルケンNSAIDの予期しない優位性を実証する。マクロファージにおけるNF−κBおよびインフラマソーム機能に対するイブプロフェンおよびIBUNAの影響を研究するために、THP−l細胞をPMA(200nM,48h)でマクロファージに分化した。細胞をLPS(250ng/mL)で、その後ATP(5mM,45分)で刺激した。LPS(第1シグナル、図10)またはATP(第2シグナル、図11)とともに、細胞をイブプロフェン(20μM)またはIBUNA(20μM)で処理した。上清を集め、IL−1β分泌をELISAによって測定した。
インビボ活性
ニトロアルケンNSAIDの予期しない優れた抗炎症効果を、インビボモデルによってさらに実証した。例えば、図12は、腹膜炎のインビボモデルにおけるBAまたはBANAの抗炎症効果を実証する。マウスは、BANA、安息香酸(50mg/kg,IP)または溶剤(100mMリン酸緩衝液 10%DMSO)で一時間処理された。その後、LPS(10mg/kg,IP)またはPBSを2時間かけて注入した。腹膜洗浄のためマウスを集め、血液サンプルを抽出した。腹膜洗浄液と血漿は、ELISAによってIL−1βを測定するために保存された。条件ごとの3匹のマウスからの値は、平均±SDとして示され、ボンフェローニ(Bonferroni)を使用した一元配置分散分析統計検定を使用した。図11は、血液血漿および腹膜洗浄液の両方において、BAとは対照的に、BANAで処理したマウスにおける炎症誘発性サイトカインIL−1β分泌レベルの顕著な減少を示す。

Claims (18)

  1. Figure 2021515742
    式中、Rは水素もしくはC1−11アルキルである式Iの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩。
  2. 式Iの前記化合物が
    Figure 2021515742
    である請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  3. 請求項1に記載の化合物および担体を含む医薬組成物。
  4. Figure 2021515742
    式中、Rは水素もしくはC1−11アルキルである式IIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩。
  5. 式IIの前記化合物が
    Figure 2021515742
    である請求項4に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  6. 請求項4に記載の化合物および担体を含む医薬組成物。
  7. Figure 2021515742
    式中、Rは水素もしくはC1−11アルキルである式IIIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩。
  8. 式IIIの前記化合物が
    Figure 2021515742
    である請求項7に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  9. 請求項7に記載の化合物および担体を含む医薬組成物。
  10. Figure 2021515742
    式中、Rは水素もしくはC1−11アルキルである式Vの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩。
  11. 式Vの前記化合物が
    Figure 2021515742
    である請求項10に記載の化合物、またはそれの薬学的に許容される塩。
  12. 請求項10に記載の化合物および担体を含む医薬組成物。
  13. 炎症関連症状を治療する方法であって、当該治療を必要とする対象に治療有効量のニトロアルケン非ステロイド性抗炎症薬(NA−NSAID)を投与することを含む方法。
  14. 前記ニトロアルケン非ステロイド性抗炎症薬が、
    Figure 2021515742
    式中、Rは水素もしくはC1−11アルキルである式Iの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    式中、Rは水素もしくはC1−11アルキルである式IIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    式中、Rは水素もしくはC1−11アルキルである式IIIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    式中、Rは水素もしくはC1−11アルキルである式IVの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    式中、Rは水素もしくはC1−11アルキルである式Vの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、
    および、それらの任意の組み合わせ
    からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ニトロアルケン非ステロイド性抗炎症薬が、
    Figure 2021515742
    または、その薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    または、その薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    または、その薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    または、その薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    または、その薬学的に許容される塩、
    および、それらの任意の組み合わせ
    からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  16. 炎症関連症状を治療する方法であって、当該治療を必要とする対象に治療有効量のニトロアルケン非ステロイド性抗炎症薬(NA−NSAID)および担体を含む医薬組成物を投与することを含む方法。
  17. 前記ニトロアルケン非ステロイド性抗炎症薬が、
    Figure 2021515742
    式中、Rは水素もしくはC1−11アルキルである式Iの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    式中、Rは水素もしくはC1−11アルキルである式IIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    式中、Rは水素もしくはC1−11アルキルである式IIIの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    式中、Rは水素もしくはC1−11アルキルである式IVの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    式中、Rは水素もしくはC1−11アルキルである式Vの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、
    および、それらの任意の組み合わせ
    からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記ニトロアルケン非ステロイド性抗炎症薬が、
    Figure 2021515742
    または、その薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    または、その薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    または、その薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    または、その薬学的に許容される塩、
    Figure 2021515742
    または、その薬学的に許容される塩、
    および、それらの任意の組み合わせ
    からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
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