JP2021513627A

JP2021513627A - 弾性ピストンおよび高圧ポンピングシステム

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Publication number: JP2021513627A
Application number: JP2020543788A
Authority: JP
Inventors: 羅鳳玲
Original assignee: Huizhou Hydro Caresys Medical Co Ltd
Current assignee: Huizhou Hydro Caresys Medical Co Ltd
Priority date: 2018-02-12
Filing date: 2018-12-28
Publication date: 2021-05-27
Anticipated expiration: 2038-12-28
Also published as: JP7082675B2; US20210025384A1; EP3754195A4; WO2019153955A1; EP3754195A1

Abstract

本発明は、医療用機器の技術分野に関し、特に、弾性ピストン及び高圧ポンピングシステムに関する。本発明は、ピストン本体を備え、ピストン本体の後側端部には、径方向外側に向けて延出する突出部が形成され、突出部の最大直径は、ピストンチャンバー壁の直径よりも大きい。本発明の弾性ピストンは、ピストン本体における突出部がピストンチャンバー壁の壁面に弾性的に当接することができ、弾性力により、突出部が適応して常にピストンチャンバー壁に密着し、ピストンの往復移動の過程において隙間を形成する可能性をなくし、これにより、効果的な密封接続を形成し、ピストンが引っ張られて移動する過程において、空気がピストン内チャンバーに混入することを防止し、ポンプ本体の運転安定性を向上させ、ポンプ本体の耐用年数を延長し、使用中に不具合が生じるリスクを低減させる。【選択図】図１

Description

本発明は、医療用機器の技術分野に関し、特に、弾性ピストン及び高圧ポンピングシステム（high-pressure pumping system）に関する。

従来の医療用高圧ポンピングシステムにおいて、ピストンは、通常、円筒形のものであり、ピストンチャンバー壁内に収容されてピストンチャンバー壁に摺動接続され、ピストンが往復移動することにより、動力を提供し、ポンプ室内に流体を給排する。ピストンは、正方向及び逆方向の２つの方向へ往復移動し、ピストンが正方向へ移動すると、流体がポンプ室から送出され、ピストンが逆方向へ移動すると、流体がポンプ室に吸入され、また、ピストンが逆方向へ移動する場合、ポンプ室内は、外部に対して負圧となり、流体が負圧の作用によってポンプ室に進入する。ピストンとピストンチャンバー壁との間に僅かな隙間が存在する場合、空気が負圧の作用により隙間を介してポンプ室内に進入することがあり、これにより、空気が高圧水配管内に進入し、気泡が形成されてしまう。高圧の状態で空気が大きな圧縮性を有するため、空気がポンプ本体の給水弁又は排水弁の周囲に溜まると、高圧水が配管の最も弱い部分に衝撃を与え、ポンプ本体全体の圧力特性が変化し、予期しない事故が発生する恐れがある。

本発明の目的は、気密性に優れた弾性ピストン及び該弾性ピストンを備える医療用高圧ポンピングシステムを提供することである。

上記目的を達成するために、本発明は、ピストン本体を備え、前記ピストン本体の後側端部には、径方向外側に向けて延出する突出部が形成され、前記突出部の最大直径は、ピストンチャンバー壁の直径よりも大きい弾性ピストンを提供する。

任意選択で、前記ピストン本体の前側側壁には、ピストンチャンバー壁に弾性的に当接する前側傾斜壁が形成され、前記前側傾斜壁は、径方向外側且つ軸方向前方へ傾斜し、前記前側傾斜壁の最大直径は、ピストンチャンバー壁の直径よりも大きく、前記前側傾斜壁、突出部及びピストンチャンバー壁の間には、隙間部が形成されてもよい。

任意選択で、ピストン本体の円周側壁の中央部に凹部を形成するように、前記ピストン本体の前側側壁に前側傾斜壁が形成され、後側側壁に後側傾斜壁が形成され、前記前側傾斜壁は、後側傾斜壁と第１角をなし、ピストン本体の中心軸線と第２角をなし、前記前側傾斜壁の最大直径は、ピストンチャンバー壁の直径よりも大きいであってもよい。

任意選択で、前記突出部は、三角形突出部であり、前記ピストン本体の後側端壁は、径方向外側に向けて延出して三角形突出部の側壁を形成してもよい。

任意選択で、前記三角形突出部の幅は、０.０１ｍｍよりも大きいであってもよい。

任意選択で、前記第１角の角度は６０度よりも大きく１８０度よりも小さく、前記第２角の角度は５度よりも大きく９０度よりも小さいであってもよい。

任意選択で、前記ピストン本体の前側端壁が内側へ凹んで圧力室が形成され、前記圧力室の円周側壁には、室傾斜壁を有してもよい。

任意選択で、前記室傾斜壁は、前側傾斜壁と傾斜方向が同じであってもよい。

任意選択で、前記室傾斜壁と前側傾斜壁とで構成される壁の肉厚は、０.１ｍｍよりも大きいであってもよい。

本発明のもう一つの目的は、ピストンチャンバー壁内に弾性的に収容され且つピストンチャンバー壁内で往復移動可能な弾性ピストンを備える高圧ポンピングシステムを提供することである。

本発明によれば、以下の効果を奏する。

本発明の弾性ピストンは、ピストン本体における突出部がピストンチャンバー壁の壁面に弾性的に当接することができ、弾性力により、突出部が適応して常にピストンチャンバー壁に密着し、ピストンの往復移動の過程において隙間を形成する可能性をなくし、これにより、効果的な密封接続を形成し、ピストンが引っ張られて移動する過程において、空気がピストン内チャンバーに混入することを防止し、ポンプ本体の運転安定性を向上させ、ポンプ本体の耐用年数を延長し、使用中に不具合が生じるリスクを低減させる。

本発明の好適な実施例１のピストン本体がピストンチャンバー壁に弾性的に接触することを示す局部断面構成図である。本発明の好適な実施例２のピストン本体の構成図である。本発明の好適な実施例２のピストン本体がピストンチャンバー壁に弾性的に接触することを示す局部断面構成図である。本発明の好適な実施例２のピストン本体の局部断面構成図である。

以下、図面及び実施例を組み合わせて、本発明の具体的な実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。

実施例１
図１に示すように、本実施例に係る弾性ピストンは、ピストン本体１を備え、ピストン本体１は、動力システムによりピストンチャンバー壁３内で往復移動可能であり、ピストン本体１の後側端部には、径方向外側に向けて延出する突出部２が形成され、突出部２の最大直径は、ピストンチャンバー壁３の直径よりも大きいである。これにより、突出部２は、常にピストンチャンバー壁３に弾性的に密着し、効果的な密封接続が形成される。好ましくは、ピストン本体１の前側側壁に前側傾斜壁４が形成され、前側傾斜壁４は、径方向外側且つ軸方向前方へ傾斜し、前側傾斜壁４のピストン本体１の前側に向く端部の直径である前側傾斜壁４の最大直径は、ピストンチャンバー壁３の直径よりも大きく、それにより、ピストン本体１がピストンチャンバー壁３内に収容され、前側傾斜壁４がピストンチャンバー壁３の壁面に弾性的に当接することができ、これにより、効果的な密封が形成される。前側傾斜壁４のうち前側部のみがピストンチャンバー壁３に弾性的に密着し、本実施例では、前側傾斜壁４が直壁５を介して突出部２と接続され、これにより、突出部２、前側傾斜壁４及び直壁５は、ピストンチャンバー壁３との間に隙間部６が形成され、ピストンチャンバー壁３と接触しないため、ピストン本体１が往復移動する際の摩擦抵抗を低減し得る。

従来の円筒形ピストンの場合では、ピストンとピストンチャンバー壁３との間の良好な密封を実現するために、円筒形ピストンのピストンチャンバー壁３との一致性、円筒度及び直径寸法等が所定の要件を満たす必要があり、両者に対して非常に高い加工精度が要求され、しかし、実際の製造過程において、加工誤差の存在により、円筒形ピストンとピストンチャンバー壁３との間に接触密着不良が生じ、特に、円筒形ピストン前側端部または後側端部はいずれもピストンチャンバー３に接触できず、その結果、ピストンが密封不良になる可能性がある。

本発明の弾性ピストンの密封構造は、主に突出部２及び前側傾斜壁４がピストンチャンバー壁３に弾性的に当接することにより良好な密封を実現し、加工精度に対する要求が低く、且つ、隙間部６の存在により、前側傾斜壁４が径方向においてより大きな弾性変形量を有し、ピストンチャンバー壁３との密着がより容易になる。また、ピストン本体１の突出部２及び前側傾斜壁４は、ピストンチャンバー壁３に弾性的に当接する時に、さらに、センタリングガイド作用を果たすことができ、これにより、ピストン本体１の中心軸線とピストンチャンバー壁３の軸線とが自動的に位置合わせされる。

なお、突出部２の形状は、三角形、四角形、半円形又は楕円形等であってもよく、好ましくは、突出部２が三角形突出部２であり、ピストン本体１の後側端壁が径方向外側へ延出して三角形突出部２の側壁を形成する。突出部２を設置することにより、さらに、ピストン本体１の往復移動の過程での気密性を確保でき、ピストン本体１が引っ張られて移動する場合、ピストン内チャンバーが負圧となるが、突出部２が適応してピストンチャンバー壁３に弾性的に当接して密着し続けるため、遮断が形成され、空気がピストン内チャンバーにおける流体内に混入することを防止し、ポンプ本体の運転安定性を向上させ、ポンプ本体の耐用年数を延長する。

更に、ピストン本体１の前側端壁が内側へ凹んで圧力室９が形成され、圧力室９は、椀状であり、前側傾斜壁４と傾斜方向が同じである室傾斜壁１０を有し、ピストン本体１が加圧移動する場合、圧力室９内にある高圧流体が径方向外側に向けて室傾斜壁１０を押し、前側傾斜壁４をピストンチャンバー壁３に対してより緊密に密着させ、即ち、高圧流体が作用する圧力が大きければ大きいほど、前側傾斜壁４による密封性能がよくなる。

実施例２
図２〜図４に示すように、本実施例に係る弾性ピストンは、ピストン本体１を備え、ピストン本体１の前側側壁には前側傾斜壁４が形成され、後側側壁には後側傾斜壁７が形成され、好ましくは、前側傾斜壁４と後側傾斜壁７とが直接交差し、当然ながら、連結壁を介して前側傾斜壁４と後側傾斜壁７とを接続してもよく、前側傾斜壁４および後側傾斜壁７を設置することにより、ピストン本体１の円周側壁の中央部に凹部８が形成され、図３に示すように、ピストン１がピストンチャンバー壁３内に収容されている場合、ピストン本体１の中央部は、ピストンチャンバー壁３と接触せず、ピストンチャンバー壁３との間に隙間部６が形成される。

図４に示すように、前側傾斜壁４が後側傾斜壁７と第１角Ｃをなし、第１角Ｃの角度は６０度よりも大きく１８０度よりも小さいことが好ましい。当然ながら、前側傾斜壁４が他の連結壁を介して後側傾斜壁７と接続している場合、前側傾斜壁４から後側傾斜壁７まで複数の角が形成され、前側傾斜壁４がピストン本体１の中心軸線Ｌと第２角Ｇをなし、第２角Ｇの角度が５度よりも大きく９０度より小さいことが好ましい。

ここで、前側傾斜壁４のピストン本体１の前側に向く端部の直径である前側傾斜壁４の最大直径は、ピストンチャンバー壁３の直径よりも大きく、これにより、ピストン本体１がピストンチャンバー壁３内に収容され、前側傾斜壁４がピストンチャンバー壁３の壁面に弾性的に当接することができ、これにより、効果的な密封が形成される。このように、ピストン本体１の前側及び後側両方には効果的な密封接続を形成し得る。

本実施例に係る弾性ピストンは、主に前側傾斜壁４及び後側傾斜壁７における突出部２がピストンチャンバー壁３に弾性的に当接することにより良好な密封を実現し、加工精度に対する要求が低く、且つ、凹部８の存在により、前側傾斜壁４および後側傾斜壁７がいずれも径方向においてより大きな弾性変形量を有し、ピストンチャンバー壁３との密着がより容易になる。また、ピストン本体１の前側傾斜壁４及び後側傾斜壁７における突出部２がピストンチャンバー壁３に弾性的に当接する時に、さらに、センタリングガイド作用を果たすことができ、これにより、ピストン本体１の中心軸線とピストンチャンバー壁３の軸線とが自動的に位置合わせされる。

図４に示すように、突出部２の形状は、三角形、四角形、半円形又は楕円形等であってもよく、突出部２の幅Ｂは、後側傾斜壁７の全幅を占めることができないが、０．０１ｍｍよりも大きい必要がある。好ましくは、突出部２が三角形突出部２であり、ピストン本体１の後側側壁は外向きに延出して三角形突出部２の側壁を形成し、三角形突出部２の傾斜壁がピストン本体１の後側側壁と第３角Ａをなし、第３角Ａの角度は、１５度よりも大きく７５度よりも小さいである。突出部２を設置することにより、さらに、ピストン本体１の往復移動の過程での気密性を確保でき、具体的には、ピストン本体１が引っ張られて移動する場合、ピストン内チャンバーが負圧となるが、突出部２がピストンチャンバー壁３に弾性的に当接して密着し続けるため、遮断が形成され、空気がピストン内チャンバーにおける流体内に混入することを防止し、ポンプ本体の運転安定性を向上させ、ポンプ本体の耐用年数を延長し、使用中に不具合が生じるリスクを低減させる。

更に、ピストン本体１の前側側壁が内側へ凹んで圧力室９が形成され、圧力室９は、椀状であり、室傾斜壁１０を有し、ピストン本体１が加圧運動する場合、圧力室９内にある高圧流体が径方向外側に向けて室傾斜壁１０を押し、前側傾斜壁４をピストンチャンバー壁３に対してより緊密に密着させ、即ち、高圧流体が作用する圧力が大きければ大きいほど、前側傾斜壁４による密封性能がよくなる。

好ましくは、室傾斜壁１０は前側傾斜壁４と傾斜方向が同じであり、「傾斜方向が同じ」であることは、室傾斜壁１０が前側傾斜壁４と平行であることに限定されず、室傾斜壁１０が複数部分から形成されてもよく、室傾斜壁１０と前側傾斜壁４とで構成される壁の肉厚Ｈは０．１ｍｍよりも大きいである。

本実施例の移動型高圧ポンピングシステムは、上記実施例１または実施例２の弾性ピストンを備え、弾性ピストンがピストンチャンバー壁３内に弾性的に収容され、動力システムにより、ピストンチャンバー壁３内で軸方向に沿って往復移動し得る。

なお、本発明においては、「第１」、「第２」などの用語を採用して各要素を説明したが、これらの要素は、これらの用語に限定されるものではない。これらの用語は、同一類型の要素同士を互いに区別するためのものに過ぎない。例えば、本発明の範囲から逸脱しない限り、「第１」要素を「第２」要素と称すこともでき、同様に、「第２」要素を「第１」要素と称すこともできる。

以上の記載は、単に本発明の好ましい実施形態に過ぎない。当業者にとって、本発明の原理から逸脱しない限り、さらなる改善および変更が可能であり、これらの改善および変更も本発明の保護範囲と見なされるべきである。

１ピストン本体、２突出部、３ピストンチャンバー壁、４前側傾斜壁、５直壁、６隙間部、７後側傾斜壁、８凹部、９圧力室、１０室傾斜壁。

Claims

ピストン本体を備え、前記ピストン本体の後側端部には、径方向外側に向けて延出する突出部が形成され、前記突出部の最大直径は、ピストンチャンバー壁の直径よりも大きいことを特徴とする、弾性ピストン。
前記ピストン本体の前側側壁には、ピストンチャンバー壁に弾性的に当接する前側傾斜壁が形成され、前記前側傾斜壁は、径方向外側且つ軸方向前方へ傾斜し、前記前側傾斜壁の最大直径は、ピストンチャンバー壁の直径よりも大きく、前記前側傾斜壁、突出部及びピストンチャンバー壁の間には、隙間部が形成されることを特徴とする、請求項１に記載の弾性ピストン。
ピストン本体の円周側壁の中央部に凹部を形成するように、前記ピストン本体の前側側壁に前側傾斜壁が形成され、後側側壁に後側傾斜壁が形成され、前記前側傾斜壁は、後側傾斜壁と第１角をなし、ピストン本体の中心軸線と第２角をなし、前記前側傾斜壁の最大直径は、ピストンチャンバー壁の直径よりも大きいことを特徴とする、請求項１に記載の弾性ピストン。
前記突出部は、三角形突出部であり、前記ピストン本体の後側端壁は、径方向外側に向けて延出して三角形突出部の側壁を形成することを特徴とする、請求項１から３のいずれか一項に記載の弾性ピストン。
前記三角形突出部の幅は、０.０１ｍｍよりも大きいことを特徴とする、請求項４に記載の弾性ピストン。
前記第１角の角度は６０度よりも大きく１８０度よりも小さく、前記第２角の角度は５度よりも大きく９０度よりも小さいことを特徴とする、請求項３に記載の弾性ピストン。
前記ピストン本体の前側端壁が内側へ凹んで圧力室が形成され、前記圧力室の円周側壁には、室傾斜壁を有することを特徴とする、請求項２または３に記載の弾性ピストン。
前記室傾斜壁は、前側傾斜壁と傾斜方向が同じであることを特徴とする、請求項７に記載の弾性ピストン。
前記室傾斜壁と前側傾斜壁とで構成される壁の肉厚は、０.１ｍｍよりも大きいことを特徴とする、請求項８に記載の弾性ピストン。
請求項１から９のいずれか一項に記載の弾性ピストンを備え、前記弾性ピストンは、ピストンチャンバー壁内に弾性的に収容され且つピストンチャンバー壁内で往復移動可能であることを特徴とする、高圧ポンピングシステム。