JP2021512600A - 呼吸器合胞体ウイルスに対して使用するための核酸抗体構築物 - Google Patents

呼吸器合胞体ウイルスに対して使用するための核酸抗体構築物 Download PDF

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Abstract

呼吸器合胞体ウイルス抗原に対する抗体をコードする組換え核酸配列を含む組成物が本明細書に開示される。この組成物を対象に投与することによって、対象において合成抗体を生成する方法もまた本明細書に開示される。本開示はまた、当該組成物および生成の方法を使用して、対象における呼吸器合胞体ウイルス感染症を予防および/または治療する方法を提供する。

Description

本発明は、1つ以上の合成抗体およびその機能的断片をインビボで生成するための組換え核酸配列を含む組成物、ならびに当該組成物を投与することによって対象におけるウイルス感染症を予防および/または治療する方法に関する。
関連出願の相互参照
この出願は、2018年1月31日に出願された米国仮出願第62/624,320号、および2018年10月23日に出願された米国仮出願第62/749,580号に対する優先権の権利があり、それらの各々は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、若年小児および高齢者の健康にとって大きな脅威であり、下気道感染症に関わる合併症は入院につながり得、一部の患者は疾患により死亡し得る。ほぼ全集団が生後数年の間にウイルスに感染するが、多くの場合、免疫が持続せず、その後の感染症に対しても完全に保護されない。ワクチンのニーズは満たされていないままであるが、免疫予防抗RSV−F抗体(パビリズマブ)による受動免疫は、脆弱な患者の入院を低減させることに成功している。しかしながら、このモノクローナル抗体(mAb)の使用は、高資リソース設定に限定され、世界的な高リスク集団の大部分が利用できない。
mAbは、多くの感染症疾患に対する保護を提供するのに有効であることが示されているが、一方で、それらの広範な使用は限定されている。限られたインビボ半減期とは、免疫を維持するために複数の用量が必要であることを意味し、開発、製造、および流通に伴う高い費用および複雑さもまた、それらの世界的な使用を妨げる。これに応じて、抗体遺伝子のインビボ送達に基づく新たな戦略が開発されている。そのようなプラットフォームの1つは、dMAbであり、インビボで電気遺伝子導入によって送達され、体自身の筋肉細胞を利用してタンパク質免疫グロブリンを生成および分泌する合成DNAコードmAbである。タンパク質系薬物以外では、プラスミドDNAは製造が安価であり、その温度安定性のため、コールドチェーンを必要とせず、それにより世界的な流通に理想的となる。原理証明研究では、このプラットフォームは、臨床前動物モデルにおけるインフルエンザ、緑膿菌、およびエボラを含む様々な感染症疾患に対する保護を提供した。
したがって、当該技術分野には、RSV感染症を予防および/または治療する改善された治療薬のニーズが存在する。本発明は、このニーズを満たす。
本発明は、1つ以上の合成抗体をコードする核酸分子を対象とし、核酸分子は、a)抗呼吸器合胞体ウイルス(RSV)合成抗体をコードするヌクレオチド配列、b)抗RSV合成抗体の断片をコードするヌクレオチド配列、c)ScFv抗RSV合成抗体をコードするヌクレオチド配列、およびd)ScFv抗RSV合成抗体の断片をコードするヌクレオチド配列からなる群から選択される少なくとも1つを含む。一実施形態では、本発明は、ScFv抗RSV DMAbまたはその断片もしくはバリアントをコードする核酸分子に関する。一実施形態では、本発明は、抗RSV抗体またはその断片もしくはバリアントをコードする核酸分子に関する。
一実施形態では、合成抗体は、RSV抗原と結合する。一実施形態では、合成抗体は、RSV−F、RSV−G、RSV−Ga、RSV−Gb、RSV−M2−1、RSV M2−2、およびそれらの任意の組み合わせから選択される1つ以上のRSV抗原と結合する。
一実施形態では、核酸分子は、切断ドメインをコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、核酸分子は、配列番号7および配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%相同であるアミノ酸配列、または配列番号7および配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%相同であるアミノ酸配列の断片をコードするヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、核酸分子は、配列番号1〜6と少なくとも90%相同であるヌクレオチド配列、または配列番号1〜6と少なくとも90%相同であるヌクレオチド配列の断片を含む。
一実施形態では、ヌクレオチド配列は、リーダー配列をコードする。
一実施形態では、核酸分子は、発現ベクターを含む。
一実施形態では、本発明は、本発明の核酸分子を含む組成物を提供する。一実施形態では、組成物は、薬学的に許容される賦形剤を含む。一実施形態では、組成物は、ヒアルロニダーゼを含む。
一実施形態では、本発明は、抗RSVモノクローナル抗体を提供する。一実施形態では、抗RSVモノクローナル抗体は、配列番号7および配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%相同であるアミノ酸配列、または配列番号7および配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%相同であるアミノ酸配列の断片を含む。
一実施形態では、本発明は、本発明の核酸分子を含む製剤を提供する。一実施形態では、製剤は、ヒアルロニダーゼを含む。
一実施形態では、本発明は、対象における疾患を予防または治療する方法を提供する。一実施形態では、方法は、核酸分子、組成物、製剤、または抗RSVモノクローナル抗体を対象に投与することを含む。一実施形態では、疾患は、呼吸器合胞体ウイルス感染症である。
図1A〜図1Dを含めて、sc−Fv−Fc RSV−FdMAb構築物の設計およびインビトロ試験を示す。図1Aは、ヒトIgG1およびscFv−Fc形式の図を示す。分子の完全なヒンジ部分およびFc部分は、scFv−Fc形式で保持される。図1Bは、RSV−F dMAbのプラスミドマップを示す。図1Cは、RSV−F dMAbのインビトロ発現を示す。トランスフェクションの3日後に293T細胞に対して免疫蛍光染色を行った(DAPI−青色、RSV−F dMAb−赤色)。図1Cは、3日後に採取したRSV−F dMAbのインビトロトランスフェクションHEK293T細胞の細胞培養上清のウエスタンブロット分析を示す(レーン1:IgG−RSV dMAb、レーン2:sc−Fv−Fc RSV−F dMAb)。 同上。 図2A〜図2Cを含めて、RSV−F dMAbのインビボ送達プラットフォームを示す。図2Aは、インビボエレクトロポレーションが、dMAbの筋肉組織への送達を容易にし、筋細胞がコード化MAbを発現および分泌することを示す。MAbは全身性に分布している。図2Bは、マウスTA筋肉へのdMAb送達後の筋細胞におけるdMAbの発現の例を示す(DAPI−青色、dMAb−緑色)。図2Cは、ELISAによって測定されたdMAb送達後のヒトIgGの血清濃度を示す(+/−SEM、n=7)。 同上。 同上。 図3A〜図3Dを含めて、Balb/cマウスにおけるRSV−F dMAbのインビボ発現を示す。RSV−F dMAb プラスミドは、Balb/cマウスの脚筋に投与された。血清試料は、処置の7日後に採取した。図3Aは、RSV−F dmAbの血清発現を示す。Sc−Fv−Fc構築物(+/−SEM、n=5〜8)図3Bは、dMAbのRSV−F抗原結合を示す。血清試料のRSV−F結合シグナル(+/−SEM、n=4)図3Cは、RSV−Aウイルスの中和を示す。中和力価(プラーク形成の60%低減のlog2血清希釈;+/−SEM、n=3〜11、点線は1/20の血清希釈時のLODを示す)図3Dは、RSV−dMAb pDNA送達の7日後のBAL試料中のsc−Fv−Fc RSV−F dMAbの濃度を示す(洗浄試料中の総タンパク質1グラム当たりのmol sc−Fv−Fc dMAb)。 図4A〜図4Dを含めて、コットンラットにおけるRSV−F dMAbの特徴付けを示す。図4Aは、RSV−F dMAb pDNAの組織部位への送達から7日後のコットンラットTA筋肉組織におけるRSV−F dMAbの免疫蛍光染色によって示されるdMAbの局所発現を示す(DAPI−青色;RSV−F dMAb−緑色;筋細胞に垂直に切片化される)。図4Bは、800μgのdMAb−プラスミド(+/−SEM、n=5)のIM投与後39日間、RSV−F dMAb(ng/ml)のレベルが測定されたことを示す。図4Cは、インビボ発現RSV−F dMAbのウイルス中和機能を示す。血清試料を採取し、2.4mgのsc−Fv−Fc dMAb−pDNA:中和力価(+/−SEM、点線は、1/20の血清希釈時のLODを示す)の送達から7日後に試験した。図4Dは、処置されたコットンラットからのBAL試料中のRSV−F dMAbの濃度を示す。 図5A〜図5Dを含めて、RSV−F dMAbがコットンラットの生ウイルスチャレンジにおける下気道疾患に対する保護を付与することを示す実験結果を示す。図5Aは、コットンラットチャレンジ研究の概略図を示す。動物を、チャレンジの7日前に2.4mgのRSV−dMAb、チャレンジの1日前に15mg/kgのパリビズマブのIM注射で処置した。図5Bは、RSV/A/長(+/−SEM n=4〜5)による鼻腔内生ウイルスチャレンジの5日後に採取されたコットンラット肺組織(pfu/g)のウイルス負荷を示す。図5Cは、RSV/A/長(+/−SEM、n=4〜5、マン・ホイットニーのノンパラメトリックt検定:p(未処置対RSV−dMAb)=0.0159;p(未処置対パリビズマブ)=0.0079)による鼻腔内生ウイルスチャレンジの5日後のコットンラット肺組織のRSV mRNAレベル(log2およびβアクチンに正規化)を示す。図5Dは、チャレンジの日(7日目)およびチャレンジの5日後(+/−SEM、n=4〜5)のコットンラットにおけるパリビズマブおよびsc−Fv−Fc RSV−F dMAbの血清レベルを示す。 同上。 RSV DMAbの発現動態を示す実験結果を示す。 RSV−DMAbのピーク発現を示す実験結果を示す。 気管支肺胞洗浄(BAL)試料中のDMAbの量を示す実験結果を示す。 RSV−F結合を示す実験結果を示す。 中和を示す実験結果を示す。 コットンラットにおけるRSV−DMAbを示す実験結果を示す。 免疫適格マウスにおけるヒトsc−Fv抗RSVのピーク発現および機能性を示す実験結果を示す。マウスに、balb/cマウスの脚筋に送達された200μgのヒトsc−Fv抗RSV dMAbを投与した。CELLECTRA−3P(登録商標)によって送達を補助した。13200ng/mlのタンパク質ヒトsc−Fvの平均血清レベル発現が、処置の7日後に達成された。インビボで発現したヒトsc−Fvは、処置されたマウスのRSV−F抗原血清と結合し、インビトロプラーク還元アッセイによって示されるように、生RSV−Aウイルス中和活性を呈し、平均6.9logの相互中和力価をもたらす。ヒトsc−Fvは、気管支肺胞洗浄(BAL)における総タンパク質のμg当たり平均濃度1.1ngのヒトsc−Fvを有する処置されたマウスの肺に存在する。 コットンラットにおけるヒトsc−Fvの維持された発現を示す実験結果を示す。100μg(青色)および800μg(緑色)のヒトsc−Fvは、コットンラットのTA筋肉に送達された。CELLECTRA−3P(登録商標)で送達を補助した。血清中のピーク発現は、7日後に達する(それぞれ226ng/mlおよび1353ng/ml)。 コットンラットにおけるヒトsc−Fvのピーク発現および機能性を示す実験結果を示す。コットンラットの脚筋における2.4mgのヒトsc−Fvの送達を補助したCELLECTRA−3P(登録商標)は、7日目で7030ng/mlの平均血清発現をもたらす。処置されたコットンラットの血清は、インビトロプラーク還元アッセイで中和し、平均5.4logの相互中和力価をもたらす。 RSV−dMAbプラットフォームを示す。 RSV dMAbが、RSV/Aチャレンジ後のLRIからコットンラットを保護することを示す実験結果を示す。
本発明は、抗体、その断片、そのバリアント、またはその組み合わせをコードする組換え核酸配列を含む組成物に関する。組成物は、合成抗体のインビボ発現および形成を容易にするために、それを必要とする対象に投与され得る。
特に、組換え核酸配列から発現される重鎖および軽鎖ポリペプチドは、合成抗体に組み立てることができる。重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドは、組み立てが、抗原と結合することができ、本明細書に記載されるように組み立てられていない抗体と比較してより免疫原性が高く、抗原に対する免疫応答を誘発または誘導することができる合成抗体をもたらすように互いに相互作用することができる。
加えて、これらの合成抗体は、抗原誘導性免疫応答に応答して産生される抗体よりも、対象においてより迅速に生成される。合成抗体は、ある範囲の抗原と効果的に結合し、中和することができる。合成抗体はまた、疾患に対して効果的に保護することができ、かつ/または疾患の生存期間を促進することができる。
1.定義
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先するであろう。本発明の実施または試験において本明細書に記載されるものと類似または同等の方法および材料を使用することができるが、好ましい方法および材料が以下に記載される。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、それらの全体において参照により組み込まれる。本明細書に開示される材料、方法、および例は、例示的のみであり、限定的であることを意図しない。
「含む(comprise(s))」、「含む(include(s))」、「有すること」、「有する」、「できる」、「含有する」という用語およびそれらの変形は、本明細書で使用される場合、追加の行為または構造の可能性を妨げない、オープンエンドな移行句、用語、または語であることを意図する。「a」、「an」、および「the」という単数形は、文脈が別段に明示しない限り、複数の参照物を含む。本開示はまた、明示的に記載されるか否かにかかわらず、本明細書で提示される実施形態またはエレメント「を含む」、「からなる」、および「から本質的になる」他の実施形態を企図する。
「抗体」とは、クラスIgG、IgM、IgA、IgD、もしくはIgEの抗体、または断片、Fab、F(ab’)2、Fdを含む、その断片もしくは誘導体、ならびに一本鎖抗体、およびそれらの誘導体を意味し得る。抗体は、哺乳動物の血清試料から単離された抗体、ポリクローナル抗体、親和性精製抗体、またはそれらの混合物であり得、これは、所望のエピトープまたはそれに由来する配列に対する十分な結合特異性を示す。
本明細書で互換的に使用される「抗体断片」または「抗体の断片」とは、抗原結合部位または可変領域を含む無傷の抗体の一部分を指す。部分は、無傷の抗体のFc領域の定常重鎖ドメイン(すなわち、抗体アイソタイプに応じて、CH2、CH3、またはCH4)を含まない。抗体断片の例は、これらに限定されないが、Fab断片、Fab’断片、Fab’−SH断片、F(ab’)2断片、Fd断片、Fv断片、ダイアボディ、一本鎖Fv(scFv)分子、1つの軽鎖可変ドメインのみを含む一本鎖ポリペプチド、軽鎖可変ドメインの3つのCDRを含む一本鎖ポリペプチド、1つの重鎖可変領域のみを含む一本鎖ポリペプチド、および重鎖可変領域の3つのCDRを含む一本鎖ポリペプチドを含む。
「抗原」とは、宿主において免疫応答を生成する能力を有するタンパク質を指す。抗原は、抗体によって認識され、結合され得る。抗原は、体内から、または外部環境が起源であり得る。
「CDR」は、免疫グロブリン重鎖および軽鎖の超可変領域である抗体の相補性決定領域アミノ酸配列として定義される。例えば、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,4th Ed.,U.S.Department of Health and Human Services,National Institutes of Health(1987)を参照されたい。免疫グロブリンの可変部分に3つの重鎖および3つの軽鎖CDR(またはCDR領域)がある。したがって、本明細書で使用される「CDR」は、3つ全ての重鎖CDR、または3つ全ての軽鎖CDR(または適切な場合、全ての重鎖CDRおよび全ての軽鎖CDRの両方)を指す。抗体の構造およびタンパク質折り畳みは、他の残基が抗原結合領域の一部と見なされ、当業者によってそうであると理解されることを意味し得る。例えば、Chothia et al.,(1989)Conformations of immunoglobulin hypervariable regions;Nature 342,p877−883を参照されたい。
本明細書で使用される「コード配列」または「コード核酸」とは、本明細書に示されるように、抗体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸(RNAまたはDNA分子)を指すことを意味し得る。コード配列はまた、RNA配列をコードするDNA配列を含み得る。コード配列は、プロモーターを含む制御エレメントに作動可能に連結した開始および終結シグナル、ならびに核酸を投与される個体または哺乳動物の細胞における発現を誘導することができるポリアデニル化シグナルをさらに含み得る。コード配列は、シグナルペプチドをコードする配列をさらに含み得る。
本明細書で使用される「補体」または「相補的」とは、核酸が核酸分子のヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体間のワトソン−クリック(例えば、A−T/UおよびC−G)またはフーグスティーン塩基対合を意味し得ることを意味し得る。
本明細書で使用される「定電流」とは、組織、または当該組織を画定する細胞が、電気パルスが同組織に送達される期間にわたって受けるか、または経験する電流を定義する。電気パルスは、本明細書に記載されるエレクトロポレーションデバイスから送達される。本明細書で提供されるエレクトロポレーションデバイスは、好ましくは、即時フィードバックを有する、フィードバックエレメントを有するので、この電流は、電気パルスの寿命にわたって当該組織において定アンペア数に留まる。フィードバックエレメントは、パルスの持続期間を通して組織(または細胞)の抵抗を測定し、エレクトロポレーションデバイスにその電気エネルギー出力を変更させる(例えば、電圧を増加させる)ことができ、したがって同じ組織における電流は、電気パルス(マイクロ秒台)を通して、およびパルス間で一定のままである。いくつかの実施形態では、フィードバックエレメントは、コントローラを含む。
本明細書で使用される「電流フィードバック」または「フィードバック」とは、互換的に使用され得、提供されたエレクトロポレーションデバイスの活性応答を意味し得、これは、電流を一定のレベルで維持するために、電極間の組織における電流を測定し、適宜にEPデバイスによって送達されるエネルギー出力を変更することを含む。この一定のレベルは、パルス配列または電気処理の開始前にユーザーによって予め設定される。その中の電気回路が、電極間の組織における電流を連続的に監視し、その監視された電流(または組織内の電流)を予め設定された電流と比較し、エネルギー出力調節を連続的に行って、監視される電流を予め設定されたレベルに維持することができるように、フィードバックは、エレクトロポレーションデバイスのエレクトロポレーションコンポーネント、例えば、コントローラによって達成され得る。フィードバックループは、アナログ閉ループフィードバックであるので、即時であり得る。
本明細書で使用される「分散電流」とは、本明細書に記載されるエレクトロポレーションデバイスの様々な針電極アレイから送達される電流のパターンを意味し得、パターンは、エレクトロポレートされる組織の任意の領域上でのエレクトロポレーション関連熱ストレスの発生を最小化するか、または好ましくは排除する。
本明細書で互換的に使用される「エレクトロポレーション」、「電気透過化」、または「電気運動向上」(「EP」)とは、生体膜において微視的経路(細孔)を誘導するための膜貫通電場パルスの使用を指し得、それらの存在は、プラスミド、オリゴヌクレオチド、siRNA、薬物、イオン、および水などの生体分子が細胞膜の一方の側から他方へと通過することを可能にする。
本明細書で使用される「内因性抗体」とは、体液性免疫応答の誘導のために有効用量の抗原が投与される対象において生み出された抗体を指し得る。
本明細書で使用される「フィードバックメカニズム」とは、ソフトウェアまたはハードウェア(ファームウェア)のいずれかによって行われるプロセスを指し得、そのプロセスは、(エネルギーのパルスの送達の前、その間、および/またはその後)所望の組織のインピーダンスを受け、現在値、好ましくは電流と比較し、予め設定された値を達成するために送達されるエネルギーのパルスを調節する。フィードバックメカニズムは、アナログ閉ループ回路によって行われ得る。
「断片」は、機能している、すなわち、所望の標的と結合することができ、完全長抗体と同じ意図される効果を有する抗体のポリペプチド断片を意味し得る。抗体の断片は、N末端および/またはC末端から少なくとも1つのアミノ酸が欠損している場合を除いて、完全長と100%同一であってもよく、各場合において、1位にシグナルペプチドおよび/またはメチオニンが存在するかまたは存在しない。断片は、追加される任意の異種シグナルペプチドを除く、特定の完全長抗体の長さの20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上のパーセントを含み得る。断片は、抗体と95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上同一であるポリペプチドの断片を含み得、さらに、同一性パーセントを計算するときに含まれないN末端メチオニンまたは異種シグナルペプチドを含み得る。断片は、N末端メチオニンおよび/または免疫グロブリンシグナルペプチド、例えば、IgEもしくはIgGシグナルペプチドなどのシグナルペプチドをさらに含み得る。N末端メチオニンおよび/またはシグナルペプチドは、抗体の断片に連結され得る。
抗体をコードする核酸配列の断片は、5’末端および/または3’末端から少なくとも1つのヌクレオチドを欠損している場合を除いて、完全長と100%同一であり得、各場合において、1位にシグナルペプチドおよび/またはメチオニンをコードする配列が存在するかまたは存在しない。断片は、追加される任意の異種シグナルペプチドを除く、特定の完全長コード配列の長さの20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上のパーセントを含み得る。断片は、抗体と95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上同一であるポリペプチドをコードする断片を含み得、さらに、任意に、同一性パーセントを計算するときに含まれないN末端メチオニンまたは異種シグナルペプチドをコードする配列を含み得る。断片は、N末端メチオニンおよび/または免疫グロブリンシグナルペプチド、例えば、IgEもしくはIgGシグナルペプチドなどのシグナルペプチドのコード配列をさらに含み得る。N末端メチオニンおよび/またはシグナルペプチドをコードするコード配列は、コード配列の断片に連結され得る。
本明細書で使用される「遺伝子構築物」は、抗体などのタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むDNAまたはRNA分子を指す。遺伝子構築物はまた、RNAを転写するDNA分子を指し得る。コード配列は、プロモーターを含む制御エレメントに作動可能に連結した開始および終結シグナル、ならびに核酸分子を投与される個体の細胞における発現を誘導することができるポリアデニル化シグナルを含む。本明細書で使用される場合、「発現可能な形態」という用語は、個体の細胞に存在する場合、コード配列が発現されるように、タンパク質をコードするコード配列に作動可能に連結した必要な制御エレメントを含む遺伝子構築物を指す。
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈において本明細書で使用される「同一」または「同一性」は、配列が特定された領域にわたって同じである残基の特定されたパーセントを有することを意味し得る。パーセンテージは、2つの配列を最適に整列し、2つの配列を特定された領域にわたって比較し、両方の配列において同一の残基が発生する位置の数を決定して一致した位置の数をもたらし、一致した位置の数を特定された領域における位置の総数で割り、結果に100を掛けて配列同一性のパーセンテージをもたらすことによって、計算され得る。2つの配列が異なる長さであるか、または整列が1つ以上の千鳥状末端を生み出し、比較の特定された領域が単一の配列のみを含む場合、単一の配列の残基は、計算の分母には含まれるが、分子には含まれない。DNAおよびRNAを比較する場合、チミン(T)およびウラシル(U)は、同等物とみなされ得る。同一性は、手動で、またはBLASTもしくはBLAST2.0などのコンピュータ配列アルゴリズムを用いることによって実施され得る。
本明細書で使用される「インピーダンス」とは、フィードバックメカニズムを議論する場合に使用され得、オームの法則に従って電流値に変換することができ、したがって、予め設定された電流との比較を可能にする。
本明細書で使用される「免疫応答」は、1つ以上の核酸および/またはペプチドの導入に応答した、宿主の免疫系、例えば、哺乳動物の免疫系の活性化を意味し得る。免疫応答は、細胞性もしくは体液性応答、または両方の形態であり得る。
本明細書で使用される「核酸」または「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」は、一緒に共有結合した少なくとも2つのヌクレオチドを意味し得る。一本鎖の描写はまた、相補鎖の配列を定義する。よって、核酸はまた、描写された一本鎖の相補鎖を包含する。核酸の多くのバリアントは、所与の核酸と同じ目的のために使用され得る。よって、核酸はまた、実質的に同一の核酸およびその補体を包含する。一本鎖は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的配列にハイブリダイズし得るプローブを提供する。よって、核酸はまた、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするプローブを包含する。
核酸は、一本鎖もしくは二本鎖であり得るか、または二本鎖および一本鎖配列の両方の部分を含み得る。核酸は、DNA、ゲノムおよびcDNAの両方、RNA、またはハイブリッドであり得、核酸は、デオキシリボ−およびリボ−ヌクレオチドの組み合わせ、ならびにウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、イソシトシン、およびイソグアニンを含む塩基の組み合わせを含み得る。核酸は、化学合成方法によって、または組換え方法によって得られ得る。
本明細書で使用される「作動可能に連結」とは、遺伝子の発現が、これによって空間的に接続される、プロモーターの制御下にあることを意味し得る。プロモーターは、その制御下で遺伝子の5’(上流)または3’(下流)に配置され得る。プロモーターと遺伝子との間の距離は、プロモーターが由来する遺伝子においてそれが制御するプロモーターと遺伝子との間の距離とおよそ同じであり得る。当該技術分野で知られているように、この距離における変動は、プロモーター機能の喪失なしに順応され得る。
本明細書で使用される「ペプチド」、「タンパク質」、または「ポリペプチド」は、アミノ酸の連結配列を意味することができ、天然、合成、または天然および合成の修飾もしくは組み合わせであり得る。
本明細書で使用される「プロモーター」は、細胞における核酸の発現を与え、活性化し、または向上させることができる合成または天然由来分子を意味し得る。プロモーターは、その発現をさらに向上させるため、ならびに/または空間的発現および/もしくは時間的発現を変更するために、1つ以上の特異的転写制御配列を含み得る。プロモーターはまた、転写の開始部位から数千塩基対ほどに配置することができる、遠位エンハンサーまたはリプレッサーエレメントを含み得る。プロモーターは、ウイルス、細菌、真菌、植物、昆虫、および動物を含む源に由来し得る。プロモーターは、構成的に、あるいは細胞、発現が起こる組織もしくは器官に対して、または発現が起こる発生段階に対して、または生理学的ストレス、病原体、金属イオン、もしくは誘導剤などの外部刺激に応答して差別的に、遺伝子構成要素の発現を制御し得る。プロモーターの代表的な例には、バクテリオファージT7プロモーター、バクテリオファージT3プロモーター、SP6プロモーター、lacオペレーター−プロモーター、tacプロモーター、SV40後期プロモーター、SV40初期プロモーター、RSV−LTRプロモーター、CMV IEプロモーター、SV40初期プロモーターまたはSV40後期プロモーター、およびCMV IEプロモーターが挙げられる。
「シグナルペプチド」および「リーダー配列」は、本明細書で互換的に使用され、本明細書に記載されるタンパク質のアミノ末端で連結することができるアミノ酸配列を指す。シグナルペプチド/リーダー配列は、典型的には、タンパク質の局在化を誘導する。本明細書で使用されるシグナルペプチド/リーダー配列は、好ましくは、それが産生される細胞からのタンパク質の分泌を容易にする。シグナルペプチド/リーダー配列は、多くの場合、タンパク質の残部から開裂され、多くの場合、細胞からの分泌後、成熟タンパク質と称される。シグナルペプチド/リーダー配列は、タンパク質のN末端で連結される。
本明細書で使用される「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、第1の核酸配列(例えば、プローブ)が第2の核酸配列(例えば、標的)に、核酸の複合体混合物のようにハイブリダイズするであろう平均条件を意味し得る。ストリンジェントな条件は、配列依存的であり、異なる状況では異なるであろう。ストリンジェントな条件は、定義されたイオン強度pHでの特定の配列についての熱融解点(T)よりも約5〜10℃低くなるように選択され得る。Tは、標的に相補的なプローブの50%が平衡状態で標的配列にハイブリダイズする温度(定義されたイオン強度、pH、および核酸濃度下)であり得る(標的配列が過剰に存在するので、Tでは、プローブの50%は平衡状態で占有される)。ストリンジェントな条件は、塩濃度が、pH7.0〜8.3で約0.01〜1.0Mナトリウムイオン濃度(または他の塩)などの、約1.0Mナトリウムイオン未満であり、温度が、短いプローブ(例えば、約10〜50ヌクレオチド)について少なくとも約30℃および長いプローブ(例えば、約50ヌクレオチド超)について少なくとも約60℃であるものであり得る。ストリンジェントな条件はまた、ホルムアミドなどの不安定化剤の添加で達成され得る。選択的または特異的ハイブリダイゼーションについて、正のシグナルは、バックグラウンドハイブリダイゼーションの少なくとも2〜10倍であり得る。例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、以下を含む:50%ホルムアミド、5×SSC、および1%SDS、42℃でインキュベート、または5×SSC、1%SDS、65℃でインキュベート、0.2×SSCおよび0.1%SDS中で65℃で洗浄。
本明細書で使用される「対象」および「患者」は、これらに限定されないが、哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラット、およびマウス、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザルまたはアカゲザルなどのサル、チンパンジーなど)、ならびにヒト)を含む、任意の脊椎動物を互換的に指す。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトまたは非ヒトであり得る。対象または患者は、他の形態の治療を受けていてもよい。
本明細書で使用される「実質的に相補的」とは、第1の配列が、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、またはそれ以上のヌクレオチドもしくはアミノ酸の領域にわたって、第2の配列の補体に少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であること、または2つの配列がストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを意味し得る。
本明細書で使用される「実質的に同一」とは、第1の配列が、第2の配列の補体に実質的に相補的である場合、第1および第2の配列が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、またはそれ以上のヌクレオチドもしくはアミノ酸の領域にわたって、または核酸に対して、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%であることを意味し得る。
本明細書で使用される「合成抗体」は、本明細書に記載される組換え核酸配列によってコードされ、かつ対象において生成される抗体を指す。
本明細書で使用される「治療」または「治療すること」は、疾患を予防、抑制、抑圧、または完全に排除する手段を通した疾患からの対象の保護を意味し得る。疾患を予防することは、本発明のワクチンを、疾患の発症前に対象に投与することを含む。疾患を抑制することは、本発明のワクチンを、疾患の誘導後であるがその臨床的出現前に対象に投与することを含む。疾患を抑圧することは、本発明のワクチンを、疾患の臨床的出現後に対象に投与することを含む。
核酸に関して本明細書で使用される「バリアント」は、(i)参照されたヌクレオチド配列の部分もしくは断片、(ii)参照されたヌクレオチド配列もしくはその部分の補体、(iii)参照された核酸もしくはその補体に実質的に同一である核酸、または(iv)参照された核酸、その補体、もしくはそれに実質的に同一である配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸を意味し得る。
アミノ酸の挿入、欠失、または保存的置換によってアミノ酸配列が異なるペプチドまたはポリペプチドに対する「バリアント」は、少なくとも1つの生物学的活性を保持する。バリアントはまた、少なくとも1つの生物学的活性を保持するアミノ酸配列を有する参照されたタンパク質と実質的に同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質を意味し得る。アミノ酸の保存的置換、すなわち、アミノ酸を類似の特性(例えば、親水性、荷電領域の程度および分布)の異なるアミノ酸で置き換えることは、典型的には小さな変更を含むものとして当該技術分野で認識される。これらの小さな変更は、当該技術分野で理解されるように、部分的に、アミノ酸のハイドロパシーインデックスを考慮することによって特定することができる。Kyte et al.,J.Mol.Biol.157:105−132(1982)。アミノ酸のハイドロパシーインデックスは、その疎水性および電荷の考慮に基づく。類似のハイドロパシーインデックスのアミノ酸は、置換され、依然としてタンパク質機能を保持し得ることが当該技術分野で知られている。一態様では、±2のハイドロパシーインデックスを有するアミノ酸が置換される。アミノ酸の親水性はまた、生物学的機能を保持するタンパク質をもたらすであろう置換を明らかにするために使用することができる。ペプチドの文脈におけるアミノ酸の親水性の考慮は、そのペプチドの最も大きな局所平均親水性、抗原性および免疫原性と十分に相関することが報告されている有用な尺度の計算を可能にする。米国特許第4,554,101号は、参照によって本明細書に完全に組み込まれる。類似の親水性値を有するアミノ酸の置換は、当該技術分野で理解されるように、生物学的活性、例えば、免疫原性を保持するペプチドをもたらすことができる。置換は、互いに±2以内の親水性値を有するアミノ酸で行われ得る。アミノ酸の疎水性インデックスおよび親水性値の両方は、そのアミノ酸の特定の側鎖によって影響される。その観察と一貫して、生物学的機能と適合性であるアミノ酸置換は、疎水性、親水性、電荷、サイズ、および他の特性によって明らかになるように、アミノ酸、および特にそれらのアミノ酸の側鎖の相対類似性に依存することが理解される。
バリアントは、完全遺伝子配列またはその断片の完全長にわたって実質的に同一である核酸配列であり得る。核酸配列は、遺伝子配列またはその断片の完全長にわたって80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であり得る。バリアントは、アミノ酸配列またはその断片の完全長にわたって実質的に同一であるアミノ酸配列であり得る。アミノ酸配列は、アミノ酸配列またはその断片の完全長にわたって80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であり得る。
本明細書で使用される「ベクター」は、複製起点を含む核酸配列を意味し得る。ベクターは、プラスミド、バクテリオファージ、細菌人工染色体、または酵母人工染色体であり得る。ベクターは、DNAまたはRNAベクターであり得る。ベクターは、自己複製染色体外ベクターまたは宿主ゲノムに統合するベクターのいずれかであり得る。
本明細書における数値範囲の列挙について、同じ精度でその間に介在する各数が明示的に企図される。例えば、6〜9の範囲について、6および9に加えて数7および8が企図され、6.0〜7.0の範囲について、数6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、および7.0が明示的に企図される。
2.組成物
本発明は、抗体、その断片、そのバリアント、またはその組み合わせをコードする組換え核酸配列を含む組成物に関する。組成物は、それを必要とする対象に投与される場合、対象における合成抗体の生成をもたらすことができる。合成抗体は、対象に存在する標的分子(すなわち、抗原)と結合することができる。そのような結合は、抗原を中和し、別の分子、例えば、タンパク質または核酸による抗原の認識をブロックし、抗原に対する免疫応答を誘発または誘導することができる。
一実施形態では、組成物は、合成抗体をコードするヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、組成物は、第1の合成抗体をコードする第1のヌクレオチド配列および第2の合成抗体をコードする第2のヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。一実施形態では、核酸分子は、切断ドメインをコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、核酸分子は、抗呼吸器合胞体ウイルス(抗RSV)抗体をコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、抗RSV抗体をコードするヌクレオチド配列は、配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列と少なくとも90%相同であるアミノ酸配列、または配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列と少なくとも90%相同であるアミノ酸配列の断片をコードする1つ以上のコドン最適化核酸配列を含む。一実施形態では、抗RSV抗体をコードするヌクレオチド配列は、配列番号7に少なくとも90%相同であるアミノ酸配列、または配列番号7に少なくとも90%相同であるアミノ酸配列の断片をコードする1つ以上のコドン最適化核酸配列を含む。一実施形態では、抗RSV抗体をコードするヌクレオチド配列は、配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列、または配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列の断片をコードする1つ以上の核酸配列を含む。一実施形態では、抗RSV抗体をコードするヌクレオチド配列は、配列番号7、または断片配列番号7をコードする1つ以上の核酸配列を含む。
一実施形態では、抗RSV抗体をコードするヌクレオチド配列は、配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列と少なくとも90%相同であるアミノ酸配列、または配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列と少なくとも90%相同であるアミノ酸配列の断片をコードする1つ以上のDNA配列から転写される1つ以上のRNA配列を含む。一実施形態では、抗RSV抗体をコードするヌクレオチド配列は、配列番号7または配列番号7の断片に少なくとも90%相同であるアミノ酸配列をコードする1つ以上のDNA配列から転写される1つ以上のRNA配列を含む。一実施形態では、抗RSV抗体をコードするヌクレオチド配列は、配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列、または配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列の断片をコードする1つ以上のDNA配列から転写される1つ以上のRNA配列を含む。一実施形態では、抗RSV抗体をコードするヌクレオチド配列は、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7の断片をコードする1つ以上のDNA配列から転写される1つ以上のRNA配列を含む。
一実施形態では、抗RSV抗体をコードするヌクレオチド配列は、配列番号1〜6に少なくとも90%相同である1つ以上のコドン最適化核酸配列、または配列番号1〜6に少なくとも90%相同である核酸配列の断片を含む。一実施形態では、抗RSV抗体をコードするヌクレオチド配列は、配列番号1〜6に記載される1つ以上のコドン最適化核酸配列、または配列番号1〜6に記載される核酸配列の断片を含む。
一実施形態では、抗RSV抗体をコードするヌクレオチド配列は、配列番号1〜6に少なくとも90%相同である1つ以上のDNA配列、または配列番号1〜6に少なくとも90%相同であるDNA配列の断片から転写される1つ以上のRNA配列を含む。一実施形態では、抗RSV抗体をコードするヌクレオチド配列は、配列番号1〜6に記載される1つ以上のDNA配列、または配列番号1〜6に記載されるDNA配列の断片から転写される1つ以上のRNA配列を含む。
一実施形態では、組成物は、合成RSV重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、組成物は、合成RSV軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、組成物は、合成RSV抗体をコードするヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、合成RSV抗体をコードする配列は、合成RSV重鎖をコードする第1の配列、および合成RSV軽鎖をコードする第2の配列を含む。
本発明の組成物は、呼吸器合胞体ウイルス感染症に関連する任意の疾患、障害、または状態に対して治療、予防、および/または保護することができる。ある特定の実施形態では、組成物は、ウイルス感染症を治療、予防、および/または保護することができる。ある特定の実施形態では、組成物は、呼吸器合胞体ウイルス感染症に関連する状態に対して治療、予防、および/または保護することができる。
組成物は、対象への組成物の投与の少なくとも約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、20時間、25時間、30時間、35時間、40時間、45時間、50時間、または60時間以内に、対象における合成抗体の生成をもたらすことができる。組成物は、対象への組成物の投与の少なくとも約1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、または10日以内に、対象における合成抗体の生成をもたらすことができる。組成物は、対象への組成物の投与の約1時間〜約6日、約1時間〜約5日、約1時間〜約4日、約1時間〜約3日、約1時間〜約2日、約1時間〜約1日、約1時間〜約72時間、約1時間〜約60時間、約1時間〜約48時間、約1時間〜約36時間、約1時間〜約24時間、約1時間〜約12時間、または約1時間〜約6時間以内に、対象における合成抗体の生成をもたらすことができる。
組成物は、それを必要とする対象に投与される場合、体液性免疫応答を誘導するために抗原を投与される対象における内因性抗体の生成よりも、対象における合成抗体の生成をより迅速にもたらすことができる。組成物は、体液性免疫応答を誘導するために抗原を投与された対象における内因性抗体の生成の少なくとも約1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、または10日前に合成抗体の生成をもたらすことができる。
本発明の組成物は、組成物が病気または死を引き起こさないように安全である、病気に対して保護的である、ならびに投与の容易さ、少ない副作用、生物学的安定性、および用量あたりの費用の低さを提供するなどの、有効な組成物に必要な特徴を有し得る。
3.組換え核酸配列
上に記載されるように、組成物は、組換え核酸配列を含み得る。組換え核酸配列は、抗体、その断片、そのバリアント、またはその組み合わせをコードし得る。抗体は、以下でより詳細に記載される。
組換え核酸配列は、異種核酸配列であり得る。組換え核酸配列は、1つ以上の異種核酸配列を含み得る。
組換え核酸配列は、最適化核酸配列であり得る。そのような最適化は、抗体の免疫原性を増加または変化させることができる。最適化はまた、転写および/または翻訳を改善することができる。最適化は、以下:転写を増加させるための低GC含量リーダー配列、mRNA安定性およびコドン最適化、増加した翻訳のためのkozak配列(例えば、GCC ACC)の付加、シグナルペプチドをコードする免疫グロブリン(Ig)リーダー配列の付加、内部IRES配列の付加、ならびに可能な限りのシス作用配列モチーフ(すなわち、内部TATAボックス)の排除のうちの1つ以上を含み得る。
組換え核酸配列構築物
組換え核酸配列は、1つ以上の組換え核酸配列構築物を含み得る。組換え核酸配列構築物は、以下でより詳細に記載される1つ以上の構成要素を含み得る。
組換え核酸配列構築物は、重鎖ポリペプチド、その断片、そのバリアント、またはその組み合わせをコードする異種核酸配列を含み得る。組換え核酸配列構築物は、軽鎖ポリペプチド、その断片、そのバリアント、またはその組み合わせをコードする異種核酸配列を含み得る。組換え核酸配列構築物はまた、プロテアーゼまたはペプチダーゼ切断部位をコードする異種核酸配列も含み得る。組換え核酸配列構築物はまた、内部リボソーム進入部位(IRES)をコードする異種核酸配列も含み得る。IRESは、ウイルスIRESまたは真核IRESのいずれかであり得る。組換え核酸配列構築物は、各リーダー配列がシグナルペプチドをコードする1つ以上のリーダー配列を含み得る。組換え核酸配列構築物は、1つ以上のプロモーター、1つ以上のイントロン、1つ以上の転写終結領域、1つ以上の開始コドン、1つ以上の終結もしくは停止コドン、および/または1つ以上のポリアデニル化シグナルを含み得る。組換え核酸配列構築物はまた、1つ以上のリンカーまたはタグ配列を含み得る。タグ配列は、ヘマグルチニン(HA)タグをコードすることができる。
(1)重鎖ポリペプチド
組換え核酸配列構築物は、重鎖ポリペプチド、その断片、そのバリアント、またはその組み合わせをコードする異種核酸を含み得る。重鎖ポリペプチドは、可変重鎖(VH)領域および/または少なくとも1つの定常重鎖(CH)領域を含み得る。少なくとも1つの定常重鎖領域は、定常重鎖領域1(CH1)、定常重鎖領域2(CH2)、および定常重鎖領域3(CH3)、ならびに/またはヒンジ領域を含み得る。
いくつかの実施形態では、重鎖ポリペプチドは、VH領域およびCH1領域を含み得る。他の実施形態では、重鎖ポリペプチドは、VH領域、CH1領域、ヒンジ領域、CH2領域、およびCH3領域を含み得る。
重鎖ポリペプチドは、相補性決定領域(「CDR」)セットを含み得る。CDRセットは、VH領域の3つの超可変領域を含み得る。重鎖ポリペプチドのN末端から進行すると、これらのCDRはそれぞれ、「CDR1」、「CDR2」、および「CDR3」と表される。重鎖ポリペプチドのCDR1、CDR2、およびCDR3は、抗原の結合または認識に寄与し得る。
(2)軽鎖ポリペプチド
組換え核酸配列構築物は、軽鎖ポリペプチド、その断片、そのバリアント、またはその組み合わせをコードする異種核酸配列を含み得る。軽鎖ポリペプチドは、可変軽鎖(VL)領域および/または定常軽鎖(CL)領域を含み得る。
軽鎖ポリペプチドは、相補性決定領域(「CDR」)セットを含み得る。CDRセットは、VL領域の3つの超可変領域を含み得る。軽鎖ポリペプチドのN末端から進行すると、これらのCDRはそれぞれ、「CDR1」、「CDR2」、および「CDR3」と表される。軽鎖ポリペプチドのCDR1、CDR2、およびCDR3は、抗原の結合または認識に寄与し得る。
(3)プロテアーゼ切断部位
組換え核酸配列構築物は、プロテアーゼ切断部位をコードする異種核酸配列を含み得る。プロテアーゼ切断部位は、プロテアーゼまたはペプチダーゼによって認識され得る。プロテアーゼは、エンドペプチダーゼまたはエンドプロテアーゼ、例えば、これらに限定されないが、フリン、エラスターゼ、HtrA、カルパイン、トリプシン、キモトリプシン、トリプシン、およびペプシンであり得る。プロテアーゼは、フリンであり得る。他の実施形態では、プロテアーゼは、セリンプロテアーゼ、トレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、または内部ペプチド結合を切断する(すなわち、N末端またはC末端ペプチド結合を切断しない)任意のプロテアーゼであり得る。
プロテアーゼ切断部位は、切断の効率を促進または増加させる1つ以上のアミノ酸配列を含み得る。1つ以上のアミノ酸配列は、別個のポリペプチドを形成または生成する効率を促進または増加させることができる。1つ以上のアミノ酸配列は、2Aペプチド配列を含み得る。
(4)リンカー配列
組換え核酸配列構築物は、1つ以上のリンカー配列を含み得る。リンカー配列は、本明細書に記載される1つ以上の構成要素を空間的に分離または連結することができる。他の実施形態では、リンカー配列は、2つ以上のポリペプチドを空間的に分離または連結するアミノ酸配列をコードすることができる。
(5)プロモーター
組換え核酸配列構築物は、1つ以上のプロモーターを含み得る。1つ以上のプロモーターは、遺伝子発現を駆動し、かつ遺伝子発現を調節することができる任意のプロモーターであり得る。そのようなプロモーターは、DNA依存性RNAポリメラーゼを介した転写に必要なシス作用配列エレメントである。遺伝子発現を誘導するために使用されるプロモーターの選択は、特定の用途に依存する。プロモーターは、組換え核酸配列構築物における転写開始から、その天然設定における転写開始部位からのほぼ同じ距離に配置され得る。しかしながら、この距離における変動は、プロモーター機能の喪失なしに順応され得る。
プロモーターは、重鎖ポリペプチドおよび/または軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列に作動可能に連結され得る。プロモーターは、真核細胞における発現に有効であると示されるプロモーターであり得る。コード配列に作動可能に連結されたプロモーターは、CMVプロモーター、SV40早期プロモーターおよびSV40後期プロモーターなどのシミアウイルス40(SV40)由来のプロモーター、マウス乳がんウイルス(MMTV)プロモーター、ウシ免疫不全ウイルス(BIV)長鎖末端反復(LTR)プロモーターなどのヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロモーター、モロニーウイルスプロモーター、鳥白血病ウイルス(ALV)プロモーター、CMV即時早期プロモーターなどのサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、エプスタインバーウイルス(EBV)プロモーター、またはラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーターであり得る。プロモーターはまた、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、ヒトポリヘドリン、またはヒトメタロチオニンなどのヒト遺伝子由来のプロモーターであり得る。
プロモーターは、構成的プロモーターまたは宿主細胞が何らかの特定の外部刺激に曝露されたときにのみ転写を開始する誘導性プロモーターであり得る。多細胞生物の場合、プロモーターはまた、特定の組織または器官または発達段階に特異的であり得る。プロモーターはまた、天然または合成の筋肉または皮膚特異的プロモーターなどの組織特異的プロモーターであってもよい。そのようなプロモーターの例は、米国特許出願公開第2004/0175727号に記載されており、その内容は、その全体において本明細書に組み込まれる。
プロモーターは、エンハンサーと関連し得る。エンハンサーは、コード配列の上流に位置することができる。エンハンサーは、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、またはCMV、FMDV、RSV、またはEBVからの1つなどのウイルスエンハンサーであり得る。ポリヌクレオチド機能増強は、米国特許第5,593,972号、第5,962,428号、およびW094/016737に記載されており、各々の内容は、参照により完全に組み込まれる。
(6)イントロン
組換え核酸配列構築物は、1つ以上のイントロンを含み得る。各イントロンは、機能性スプライスドナー部位および受容部位を含み得る。イントロンは、スプライシングのエンハンサーを含み得る。イントロンは、効率的なスプライシングに必要な1つ以上のシグナルを含み得る。
(7)転写終結領域
組換え核酸配列構築物は、1つ以上の転写終結領域を含み得る。転写終端領域は、効率的な終結を提供するために、コード配列の下流にあり得る。転写終結領域は、上に記載されるプロモーターと同じ遺伝子から得ることができるか、または1つ以上の異なる遺伝子から得ることができる。
(8)開始コドン
組換え核酸配列構築物は、1つ以上の開始コドンを含み得る。開始コドンは、コード配列の上流に位置することができる。開始コドンは、コード配列とフレーム内にあり得る。開始コドンは、効率的な翻訳開始に必要な1つ以上のシグナル、例えば、これらに限定されないが、リボソーム結合部位と関連し得る。
(9)終結コドン
組換え核酸配列構築物は、1つ以上の終結または停止コドンを含み得る。終結コドンは、コード配列の下流であり得る。終結コドンは、コード配列とフレーム内にあり得る。終結コドンは、効率的な翻訳終結に必要な1つ以上のシグナルと関連し得る。
(10)ポリアデニル化シグナル
組換え核酸配列構築物は、1つ以上のポリアデニル化シグナルを含み得る。ポリアデニル化シグナルは、転写産物の効率的なポリアデニル化に必要な1つ以上のシグナルを含み得る。ポリアデニル化シグナルは、コード配列の下流に位置することができる。ポリアデニル化シグナルは、SV40ポリアデニル化シグナル、LTRポリアデニル化シグナル、ウシ成長ホルモン(bGH)ポリアデニル化シグナル、ヒト成長ホルモン(hGH)ポリアデニル化シグナル、またはヒトβ−グロビンポリアデニル化シグナルであり得る。SV40ポリアデニル化シグナルは、pCEP4プラスミド(Invitrogen、San Diego,CA)からのポリアデニル化シグナルであり得る。
(11)リーダー配列
組換え核酸配列構築物は、1つ以上のリーダー配列を含み得る。リーダー配列は、シグナルペプチドをコードし得る。シグナルペプチドは、免疫グロブリン(Ig)シグナルペプチド、例えば、これらに限定されないが、IgGシグナルペプチドおよびIgEシグナルペプチドであり得る。
組換え核酸配列構築物の配置
上に記載されるように、組換え核酸配列は、1つ以上の組換え核酸配列構築物を含み得、各組換え核酸配列構築物は、1つ以上の構成要素を含み得る。1つ以上の構成要素は、上に詳細に記載される。1つ以上の構成要素は、組換え核酸配列構築物に含まれるとき、互いに対して任意の順序で配置され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の構成要素は、以下に記載されるように、組換え核酸配列構築物中に配置され得る。
(12)配置1
1つの配置では、第1の組換え核酸配列構築物は、重鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含み得、第2の組換え核酸配列構築物は、軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含み得る。例えば、一実施形態では、第1の組換え核酸配列は、重鎖ポリペプチドをコードする。一実施形態では、第2の組換え核酸配列は、軽鎖ポリペプチドをコードする。
第1の組換え核酸配列構築物は、ベクターに配置され得る。第2の組換え核酸配列構築物は、第2のベクターまたは別個のベクターに配置され得る。組換え核酸配列構築物のベクターへの配置は、以下でより詳細に記載される。
第1の組換え核酸配列構築物はまた、プロモーター、イントロン、転写終結領域、開始コドン、終結コドン、および/またはポリアデニル化シグナルを含み得る。第1の組換え核酸配列構築物は、リーダー配列をさらに含み得、リーダー配列は、重鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列の上流(または5’)に位置する。したがって、リーダー配列によってコードされるシグナルペプチドは、重鎖ポリペプチドにペプチド結合によって連結され得る。
第2の組換え核酸配列構築物はまた、プロモーター、開始コドン、終結コドン、およびポリアデニル化シグナルを含み得る。第2の組換え核酸配列構築物は、リーダー配列をさらに含み得、リーダー配列は、軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列の上流(または5’)に位置する。したがって、リーダー配列によってコードされるシグナルペプチドは、軽鎖ポリペプチドにペプチド結合によって連結され得る。
したがって、配置1の一例は、VHおよびCH1を含む重鎖ポリペプチドをコードする第1のベクター(およびしたがって、第1の組換え核酸配列構築物)、ならびにVLおよびCLを含む軽鎖ポリペプチドをコードする第2のベクター(およびしたがって、第2の組換え核酸配列構築物)を含み得る。配置1の2つ目の例は、VH、CH1、ヒンジ領域、CH2、およびCH3を含む重鎖ポリペプチドをコードする第1のベクター(およびしたがって、第1の組換え核酸配列構築物)、ならびにVLおよびCLを含む軽鎖ポリペプチドをコードする第2のベクター(およびしたがって、第2の組換え核酸配列構築物)を含み得る。
(13)配置2
2つ目の配置では、組換え核酸配列構築物は、重鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列および軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含み得る。重鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列は、軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列の上流(または5’)に位置することができる。あるいは、軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列は、重鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列の上流(または5’)に位置することができる。
組換え核酸配列構築物は、以下でより詳細に記載されるように、ベクターに配置され得る。
組換え核酸配列構築物は、プロテアーゼ切断部位および/またはリンカー配列をコードする異種核酸配列を含み得る。組換え核酸配列構築物に含まれる場合、プロテアーゼ切断部位をコードする異種核酸配列は、重鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列と、軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列との間に位置することができる。したがって、プロテアーゼ切断部位は、発現時に重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドを別個のポリペプチドに分離することを可能にする。他の実施形態では、リンカー配列が組換え核酸配列構築物に含まれる場合、リンカー配列は、重鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列と、軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列との間に位置することができる。
組換え核酸配列構築物はまた、プロモーター、イントロン、転写終結領域、開始コドン、終結コドン、および/またはポリアデニル化シグナルを含み得る。組換え核酸配列構築物は、1つ以上のプロモーターを含み得る。組換え核酸配列構築物は、1つのプロモーターが重鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列と会合することができ、第2のプロモーターが軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列と会合することができるように、2つのプロモーターを含み得る。さらに他の実施形態では、組換え核酸配列構築物は、重鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列、および軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列と関連する1つのプロモーターを含み得る。
組換え核酸配列構築物は、2つのリーダー配列をさらに含み得、第1のリーダー配列は、重鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列の上流(または5’)に位置し、第2のリーダー配列は、軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列の上流(または5’)に位置する。したがって、第1のリーダー配列によってコードされる第1のシグナルペプチドは、重鎖ポリペプチドへのペプチド結合によって連結することができ、第2のリーダー配列によってコードされる第2のシグナルペプチドは、軽鎖ポリペプチドへのペプチド結合によって連結することができる。
したがって、配置2の一例は、VHおよびCH1を含む重鎖ポリペプチド、ならびにVLおよびCLを含む軽鎖ポリペプチドをコードするベクター(およびしたがって組換え核酸配列構築物)を含み得、リンカー配列は、重鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列と、軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列との間に配置される。
2の配置の2つ目の例は、VHおよびCH1を含む重鎖ポリペプチド、ならびにVLおよびCLを含む軽鎖ポリペプチドをコードするベクター(およびしたがって組換え核酸配列構築物)含み得、プロテアーゼ切断部位をコードする異種核酸配列は、重鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列と、軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列との間に配置される。
配置2の3つ目の例は、VH、CH1、ヒンジ領域、CH2、およびCH3を含む重鎖ポリペプチド、ならびにVLおよびCLを含む軽鎖ポリペプチドをコードするベクター(およびしたがって組換え核酸配列構築物)を含み得、リンカー配列は、重鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列と、軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列との間に配置される。
2の配置の4つ目の例は、VH、CH1、ヒンジ領域、CH2、およびCH3を含む重鎖ポリペプチド、ならびにVLおよびCLを含む軽鎖ポリペプチドをコードするベクター(およびしたがって組換え核酸配列構築物)を含み得、ここで、プロテアーゼ切断部位をコードする異種核酸配列は、重鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列と、軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列との間に配置される。
(14)ScFv配置
ScFv配置では、組換え核酸配列は、重鎖ポリペプチドのVHドメイン、および軽鎖ポリペプチドのVLドメインをコードする配列と、任意に、VHドメインおよびVLドメインをコードする異種核酸配列の間に位置するリンカー配列とをさらに含み得る。
ScFv配置の例には、VH、リンカー、VL、ヒンジ領域、CH2、およびCH3をコードするベクター(およびしたがって組換え核酸配列構築物)が含まれ得る。VH領域は、リンカーを介してVL領域にN末端またはC末端に連結され得る。
組換え核酸配列構築物からの発現
上に記載されるように、組換え核酸配列構築物は、1つ以上の構成要素の中に、重鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列および/または軽鎖ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含み得る。したがって、組換え核酸配列構築物は、重鎖ポリペプチドおよび/または軽鎖ポリペプチドの発現を容易にすることができる。
上に記載されるような配置1が利用されるとき、第1の組換え核酸配列構築物は、重鎖ポリペプチドの発現を容易にすることができ、第2の組換え核酸配列構築物は、軽鎖ポリペプチドの発現を容易にすることができる。上に記載されるような配置2が利用されるとき、組換え核酸配列構築物は、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの発現を容易にすることができる。
発現すると、例えば、これらに限定されないが、細胞、生物、または哺乳動物において、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドは、合成抗体に組み立てることができる。特に、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドは、組み立てによって抗原に結合することができる合成抗体がもたらされるように互いに相互作用することができる。他の実施形態では、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドは、組み立てによって、本明細書に記載されるように組み立てられていない抗体と比較してより免疫原性である合成抗体がもたらされるように互いに相互作用することができる。さらに他の実施形態では、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドは、組み立てによって抗原に対する免疫応答を誘発または誘導することができる合成抗体がもたらされるように互いに相互作用することができる。
ベクター
上に記載される組換え核酸配列構築物は、1つ以上のベクターに配置することができる。1つ以上のベクターは、複製起点を含み得る。1つ以上のベクターは、プラスミド、バクテリオファージ、細菌人工染色体、または酵母人工染色体であり得る。1つ以上のベクターは、自己複製染色体外ベクター、または宿主ゲノムに統合するベクターのいずれかであり得る。
ベクターは、これらに限定されないが、プラスミド、発現ベクター、組換えウイルス、組換え「裸DNA」ベクターの任意の形態などを含む。「ベクター」は、細胞に感染、トランスフェクト、一時的または永久的に形質導入することができる核酸を含む。ベクターは、裸の核酸、またはタンパク質もしくは脂質と複合体化された核酸であり得ることが認識されるであろう。ベクターは任意に、ウイルスもしくは細菌核酸および/もしくはタンパク質、ならびに/または膜(例えば、細胞膜、ウイルス脂質エンベロープなど)を含む。ベクターは、これに限定されないが、DNAの断片が付着し、複製され得る、レプリコン(例えば、RNAレプリコン、バクテリオファージ)を含む。ベクターはよって、これらに限定されないが、RNA、自律自己複製環状または線状DNAまたはRNA(例えば、プラスミド、ウイルスなど、例えば、米国特許第5,217,879号を参照されたい)を含み、発現および非発現プラスミドの両方を含む。いくつかの実施形態では、ベクターは、直鎖DNA、酵素DNA、または合成DNAを含む。組換え微生物または細胞培養物が「発現ベクター」の宿主となるものとして記載される場合、これは、染色体外環状および線状DNAならびに宿主染色体(複数可)に組み込まれたDNAの両方を含む。ベクターが宿主細胞によって維持されている場合、ベクターは、自律構造として有糸分裂中に細胞によって安定に複製され得るか、または宿主のゲノム内に組み込まれるかのいずれかである。
1つ以上のベクターは、異種発現構築物であり得、これは一般的には、特定の遺伝子を標的細胞に導入するために使用されるプラスミドである。発現ベクターが細胞内に入ると、組換え核酸配列構築物によってコードされる重鎖ポリペプチドおよび/または軽鎖ポリペプチドが、細胞転写および翻訳機構リボソーム複合体によって産生される。1つ以上のベクターは、多量の安定したメッセンジャーRNA、およびしたがってタンパク質を発現することができる。
(15)発現ベクター
1つ以上のベクターは、環状プラスミドまたは線状核酸であり得る。環状プラスミドおよび線状核酸は、適切な対象細胞における特定のヌクレオチド配列の発現を誘導することができる。組換え核酸配列構築物を含む1つ以上のベクターは、キメラであり得、その構成要素のうちの少なくとも1つが、その他の構成要素のうちの少なくとも1つに対して異種であることを意味する。
(16)プラスミド
1つ以上のベクターは、プラスミドであり得る。プラスミドは、細胞を組換え核酸配列構築物でトランスフェクトするために有用であり得る。プラスミドは、組換え核酸配列構築物を対象に導入するために有用であり得る。プラスミドはまた、プラスミドが投与される細胞における遺伝子発現に十分に適し得る、制御配列を含み得る。
プラスミドはまた、プラスミドを染色体外に維持し、細胞においてプラスミドの複数のコピーを産生するために、哺乳動物の複製起点を含み得る。プラスミドは、Invitrogen(San Diego,CA)からのpVAX1、pCEP4、またはpREP4であり得、これは、Epstein Barrウイルス複製起点および核抗原EBNA−1コード領域を含み得、これは、統合なしに高コピーエピソーム複製を産生し得る。プラスミドの骨格は、pAV0242であり得る。プラスミドは、複製欠損アデノウイルス5型(Ad5)プラスミドであり得る。
プラスミドは、Escherichia coli(E.coli)におけるタンパク質産生に使用され得る、pSE420(Invitrogen、San Diego,Calif.)であり得る。プラスミドはまた、酵母のSaccharomyces cerevisiae株におけるタンパク質産生に使用され得る、pYES2(Invitrogen、San Diego,Calif.)であり得る。プラスミドは、昆虫細胞におけるタンパク質産生に使用され得る、MAXBAC(商標)完全バキュロウイルス発現システム(Invitrogen、San Diego,Calif.)のものであり得る。プラスミドはまた、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞などの哺乳動物細胞におけるタンパク質産生に使用され得る、pcDNAIまたはpcDNA3(Invitrogen、San Diego,Calif.)であり得る。
(17)RNA
一実施形態では、核酸は、RNA分子である。一実施形態では、RNA分子は、本明細書に記載されるDNA配列から転写される。例えば、いくつかの実施形態では、RNA分子は、配列番号1〜6のうちの1つに少なくとも90%相同であるDNA配列、または配列番号1〜6のうちの1つに少なくとも90%相同であるDNA配列の断片によってコードされる。別の実施形態では、ヌクレオチド配列は、配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列のうちの1つに少なくとも90%相同であるポリペプチド配列、配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列に少なくとも90%相同であるアミノ酸配列の断片、またはそのバリアントもしくはその断片をコードするDNA配列によって転写されるRNA配列を含む。一実施形態では、ヌクレオチド配列は、配列番号7に少なくとも90%相同であるポリペプチド配列、配列番号7に少なくとも90%相同であるアミノ酸配列の断片、またはそのバリアントもしくはその断片をコードするDNA配列によって転写されるRNA配列を含む。したがって、一実施形態では、本発明は、MAbまたはDMAbのうちの1つ以上をコードするRNA分子を提供する。RNAは、プラス鎖であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、RNA分子は、逆転写などの任意の介在複製ステップを必要とすることなく細胞によって翻訳することができる。本発明で有用なRNA分子は、5′キャップ(例えば、7−メチルグアノシン)を有し得る。このキャップは、RNAのインビボ翻訳を向上させることができる。本発明で有用なRNA分子の5′ヌクレオチドは、5′三リン酸基を有し得る。キャップRNAでは、これは、5′−5′架橋を介して7−メチルグアノシンに連結され得る。RNA分子は、3′ポリ−Aテールを有し得る。それはまた、その3′末端近くにポリ−Aポリメラーゼ認識配列(例えば、AAUAAA)を含み得る。本発明で有用なRNA分子は、一本鎖であり得る。本発明で有用なRNA分子は、合成RNAを含み得る。いくつかの実施形態では、RNA分子は、裸RNA分子である。一実施形態では、RNA分子は、ベクター内に含まれる。
一実施形態では、RNAは、5’および3’UTRを有する。一実施形態では、5’UTRは、0〜3000ヌクレオチド長である。コード領域に付加される5’および3’UTR配列の長さは、これらに限定されないが、UTRの異なる領域にアニールするPCRのプライマーを設計することを含む、異なる方法によって変更することができる。このアプローチを用いて、当業者は、転写RNAのトランスフェクション後の最適な翻訳効率を達成するために必要な5’および3’UTR長を修飾することができる。
5’および3’UTRは、目的の遺伝子についての天然発生型、内因性5’および3’UTRであり得る。あるいは、目的の遺伝子に内因性ではないUTR配列は、UTR配列をフォワードおよびリバースプライマーに組み込むことによって、またはテンプレートの任意の他の修飾によって付加することができる。目的の遺伝子に内因性ではないUTR配列の使用は、RNAの安定性および/または翻訳効率を修飾するために有用であり得る。例えば、3’UTR配列におけるAU富化エレメントは、RNAの安定性を増加させることができることが知られている。したがって、3’UTRは、当該技術分野において周知であるUTRの特性に基づいて転写されたRNAの安定性を増加させるように選択または設計することができる。
一実施形態では、5’UTRは、内因性遺伝子のKozak配列を含み得る。あるいは、目的の遺伝子に内因性ではない5’UTRが、上記のPCRによって付加されている場合、コンセンサスKozak配列は、5’UTR配列を付加することによって再設計することができる。Kozak配列は、いくつかのRNA転写物の翻訳の効率を増加させることができるが、全てのRNAについて効率的な転写を可能にするために必要とされるわけではないようである。多くのRNAのKozak配列の要件は、当該技術分野において知られている。他の実施形態では、5’UTRは、RNAウイルスに由来し得、このRNAゲノムは、細胞において安定である。他の実施形態では、様々なヌクレオチド類似体は、RNAのエキソヌクレアーゼ分解を妨げるために3’または5’UTRにおいて使用することができる。
一実施形態では、RNAは、5’末端および3’ポリ(A)テールの両方にキャップを有し、これは、リボソーム結合、翻訳の開始、および細胞におけるRNAの安定性を決定する。
一実施形態では、RNAは、ヌクレオシド修飾RNAである。ヌクレオシド修飾RNAは、例えば、安定性の増加、自然免疫原性の低さまたは不在、および翻訳の向上を含む、非修飾RNAに対する特定の利点を有する。
(18)環状および線状ベクター
1つ以上のベクターは、細胞ゲノムへの統合によって標的細胞を形質転換するか、または染色体外に存在し得る、環状プラスミド(例えば、複製起点を有する自律複製プラスミド)であり得る。ベクターは、pVAX、pcDNA3.0、もしくはprovaxであるか、または組換え核酸配列構築物によってコードされる重鎖ポリペプチドおよび/もしくは軽鎖ポリペプチドを発現することができる任意の他の発現ベクターであり得る。
エレクトロポレーションを介して対象に効率的に送達し、かつ組換え核酸配列構築物によってコードされる重鎖ポリペプチドおよび/または軽鎖ポリペプチドを発現することができる、線状核酸、または線状発現カセット(「LEC」)もまた本明細書に提供される。LECは、リン酸骨格が全くない任意の線状DNAであり得る。LECは、任意の抗生物質耐性遺伝子および/またはリン酸骨格を含まない場合がある。LECは、所望の遺伝子発現に関連していない他の核酸配列を含まない場合がある。
LECは、線状化することができる任意のプラスミドに由来し得る。プラスミドは、組換え核酸構築物によってコードされる重鎖ポリペプチドおよび/または軽鎖ポリペプチドを発現することができる場合がある。プラスミドは、pNP(Puerto Rico/34)またはpM2(New Caledonia/99)であり得る。プラスミドは、WLV009、pVAX、pcDNA3.0、もしくはprovaxであるか、または組換え核酸配列構築物によってコードされる重鎖ポリペプチドおよび/もしくは軽鎖ポリペプチドを発現することができる任意の他の発現ベクターであり得る。
LECは、pcrM2であり得る。LECは、pcrNPであり得る。pcrNPおよびpcrMRは、それぞれ、pNP(Puerto Rico/34)およびpM2(New Caledonia/99)に由来し得る。
(19)ウイルスベクター
一実施形態では、本発明の核酸を細胞に送達することができるウイルスベクターが本明細書において提供される。発現ベクターは、ウイルスベクターの形態で細胞に提供され得る。ウイルスベクター技術は、当該技術分野において周知であり、例えば、Sambrook et al.(2001)、およびAusubel et al.(1997)、ならびに他のウイルス学および分子生物学マニュアルに記載される。ベクターとして有用であるウイルスは、これらに限定されないが、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ヘルペスウイルス、およびレンチウイルスを含む。一般に、適切なベクターは、少なくとも1つの生物において機能的な複製起点、プロモーター配列、便利な制限エンドヌクレアーゼ部位、および1つ以上の選択可能なマーカーを含有する。(例えば、WO01/96584、WO01/29058、および米国特許第6,326,193号を参照されたい。)ウイルスベクター、および特にレトロウイルスベクターは、哺乳動物、例えば、ヒト細胞に遺伝子を挿入するための最も広く使用される方法となっている。他のウイルスベクターは、レンチウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルスI、アデノウイルスおよびアデノ関連ウイルスなどに由来することができる。例えば、米国特許第5,350,674号および5,585,362号を参照されたい。
(20)ベクターを調製する方法
組換え核酸配列構築物が配置されている1つ以上のベクターを調製するための方法が本明細書に提供される。最終サブクローニングステップ後、ベクターは、当該技術分野で既知の方法を用いて、大規模発酵タンクにおける細胞培養物を接種するために使用することができる。
他の実施形態では、最終サブクローニングステップ後、ベクターは、1つ以上のエレクトロポレーション(EP)デバイスで使用することができる。EPデバイスは、以下でより詳細に記載される。
1つ以上のベクターは、既知のデバイスおよび技法の組み合わせを用いて製剤化または製造することができるが、好ましくは、それらは、2007年5月23日に出願された、許諾され、同時係属中の米国仮特許出願第60/939,792号に記載されるプラスミド製造技法を用いて製造される。いくつかの例では、本明細書に記載されるDNAプラスミドは、10mg/mL以上の濃度で製剤化することができる。製造技術はまた、2007年7月3日に発行された許諾対象特許である米国特許第7,238,522号に記載されるものを含む、米国特許出願第60/939792号に記載されるものに加えて、当業者に一般に知られている様々なデバイスおよびプロトコルを含むか、または組み込む。上記の出願および特許、それぞれ米国特許出願第60/939,792号および米国特許第7,238,522号は、それらの全体において本明細書に組み込まれる。
4.抗体
上に記載されるように、組換え核酸配列は、抗体、その断片、そのバリアント、またはその組み合わせをコードし得る。抗体は、以下でより詳細に記載される抗原と結合または反応し得る。
抗体は、重鎖および軽鎖の相補性決定領域(「CDR」)セットを含み得、これらはそれぞれ、CDRに支持を提供し、互いに対してCDRの空間関係を画定する重鎖および軽鎖フレームワーク(「FR」)セットの間に挿入されている。CDRセットは、重鎖V領域または軽鎖V領域の3つの超可変領域を含み得る。重鎖または軽鎖のN末端から進行すると、これらの領域は、それぞれ、「CDR1」、「CDR2」、および「CDR3」と表される。したがって、抗原結合部位は、重鎖V領域および軽鎖V領域の各々からのCDRセットを含む6つのCDRを含み得る。
タンパク質分解酵素パパインは、IgG分子を優先的に切断していくつかの断片を得、そのうちの2つ(F(ab)断片)はそれぞれ、無傷の抗原結合部位を含む共有ヘテロ二量体を含む。酵素ペプシンは、IgG分子を切断して、両方の抗原結合部位を含むF(ab’)断片を含むいくつかの断片を提供することができる。したがって、抗体は、FabまたはF(ab’)であり得る。Fabは、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドを含み得る。Fabの重鎖ポリペプチドは、VH領域およびCH1領域を含み得る。Fabの軽鎖は、VL領域およびCL領域を含み得る。
抗体は、免疫グロブリン(Ig)であり得る。Igは、例えば、IgA、IgM、IgD、IgE、およびIgGであり得る。免疫グロブリンは、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドを含み得る。免疫グロブリンの重鎖ポリペプチドは、VH領域、CH1領域、ヒンジ領域、CH2領域、およびCH3領域を含み得る。免疫グロブリンの軽鎖ポリペプチドは、VL領域およびCL領域を含み得る。
抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であり得る。抗体は、キメラ抗体、一本鎖抗体、親和性成熟抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、または完全ヒト抗体であり得る。ヒト化抗体は、非ヒト種由来の1つ以上の相補性決定領域(CDR)およびヒト免疫グロブリン分子由来のフレームワーク領域を有する所望の抗原と結合する非ヒト種由来の抗体であり得る。
抗体は、以下でより詳細に記載される二重特異性抗体であり得る。抗体は、また以下でより詳細に記載される二機能性抗体であり得る。
上に記載されるように、抗体は、組成物を対象に投与すると、対象において生成され得る。抗体は、対象内で半減期を有し得る。いくつかの実施形態では、抗体は、対象内のその半減期を延長または短縮するように修飾されてもよい。そのような修飾は、以下でより詳細に記載される。
抗体は、以下でより詳細に記載されるように脱フコシル化され得る。
抗体は、以下でより詳細に記載されるように、抗原に関連する疾患の抗体依存性増強(ADE)を低減または予防するために修飾され得る。
ScFv抗体
一実施形態では、本発明のDMAbは、ScFv DMAbである。一実施形態では、ScFv DMAbは、CH1およびCL領域のものを含まないFab断片に関する。したがって、一実施形態では、ScFv DMAbは、VHおよびVLを含むFab断片DMAbに関する。一実施形態では、ScFv DMAbは、VHとVLとの間にリンカーを含む。一実施形態では、ScFv DMAbは、ScFv−Fc DMAbである。一実施形態では、ScFv−Fc DMAbは、VH、VL、ならびにCH2およびCH3領域を含む。一実施形態では、ScFv−Fc DMAbは、VHとVLとの間にリンカーを含む。一実施形態では、本発明のScFv DMAbは、親DMAbと比較して、修飾発現、安定性、半減期、抗原結合、重鎖−軽鎖対合、組織浸透、またはそれらの組み合わせを有する。
一実施形態では、本発明のScFv DMAbは、親DMAbより、少なくとも1.1倍、少なくとも1.2倍、倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.4倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.6倍、少なくとも2.7倍、少なくとも2.8倍、少なくとも2.9倍、少なくとも3倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9倍、少なくとも9.5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、または50倍超高い発現を有する。
一実施形態では、本発明のScFv DMAbは、親DMAbより、少なくとも1.1倍、少なくとも1.2倍、倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.4倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.6倍、少なくとも2.7倍、少なくとも2.8倍、少なくとも2.9倍、少なくとも3倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9倍、少なくとも9.5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、または50倍超高い抗原結合を有する。
一実施形態では、本発明のScFv DMAbは、親DMAbより、少なくとも1.1倍、少なくとも1.2倍、倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.4倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.6倍、少なくとも2.7倍、少なくとも2.8倍、少なくとも2.9倍、少なくとも3倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9倍、少なくとも9.5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、または50倍超長い半減期を有する。
一実施形態では、本発明のScFv DMAbは、親DMAbより、少なくとも1.1倍、少なくとも1.2倍、倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.4倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.6倍、少なくとも2.7倍、少なくとも2.8倍、少なくとも2.9倍、少なくとも3倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9倍、少なくとも9.5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、または50倍超高い安定性を有する。
一実施形態では、本発明のScFv DMAbは、親DMAbより、少なくとも1.1倍、少なくとも1.2倍、倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.4倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.6倍、少なくとも2.7倍、少なくとも2.8倍、少なくとも2.9倍、少なくとも3倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9倍、少なくとも9.5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、または50倍超の組織透過率を有する。
一実施形態では、本発明のScFv DMAbは、親DMAbより、少なくとも1.1倍、少なくとも1.2倍、倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.4倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.6倍、少なくとも2.7倍、少なくとも2.8倍、少なくとも2.9倍、少なくとも3倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9倍、少なくとも9.5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、または50倍超の重鎖−軽鎖対合を有する。
二重特異性抗体
組換え核酸配列は、二重特異性抗体、その断片、そのバリアント、またはその組み合わせをコードし得る。二重特異性抗体は、2つの抗原、例えば、以下でより詳細に記載される2つの抗原と結合または反応することができる。二重特異性抗体は、本明細書に記載される抗体のうちの2つの断片から構成され得、それによって、二重特異性抗体が、以下でより詳細に記載される抗原、受容体のためのリガンドを含むリガンド、受容体上のリガンド結合部位を含む受容体、リガンド受容体複合体、およびマーカーを含み得る2つの所望の標的分子と結合または反応することを可能にする。
本発明は、第1の標的に特異的に結合する第1の抗原結合部位と、第2の標的に特異的に結合する第2の抗原結合部位とを含む新規の二重特異性抗体を提供し、生産性、安定性、結合親和性、生物学的活性、ある特定のT細胞の特異的標的化、標的化効率、および毒性の低減などの特に有利な特性を有する。いくつかの例では、二重特異性抗体があり、二重特異性抗体は、高親和性で第1の標的と結合し、低親和性で第2の標的と結合する。他の例では、二重特異性抗体があり、二重特異性抗体は、低親和性で第1の標的と結合し、高親和性で第2の標的と結合する。他の例では、二重特異性抗体があり、二重特異性抗体は、所望の親和性で第1の標的と結合し、所望の親和性で第2の標的と結合する。
一実施形態では、二重特異性抗体は、a)第1の抗原と特異的に結合する抗体の第1の軽鎖および第1の重鎖、ならびにb)第2の抗原と特異的に結合する抗体の第2の軽鎖および第2の重鎖を含む二価抗体である。
本発明による二重特異性抗体分子は、任意の所望の特異性の2つの結合部位を有し得る。いくつかの実施形態では、結合部位のうちの1つは、RSV抗原を可能とする。いくつかの実施形態では、Fab断片に含まれる結合部位は、RSV抗原に特異的な結合部位である。いくつかの実施形態では、一本鎖Fv断片に含まれる結合部位は、RSVキャプシド抗原またはRSVエンベロープ抗原、例えば、RSV−F、RSV−G、RSV−Ga、RSV−Gb、RSV−M2−1、またはRSV M2−2などのRSV抗原に特異的な結合部位である。
いくつかの実施形態では、本発明による抗体分子の結合部位のうちの1つは、T細胞特異的受容体分子および/またはナチュラルキラー細胞(NK細胞)特異的受容体分子と結合することができる。T細胞特異的受容体は、T細胞が、抗原提示細胞またはAPCと称される別の細胞によって提示されるエピトープ/抗原に結合し、追加のシグナルが存在する場合、それによって活性化され、かつそれに応答することを可能にする、いわゆる「T細胞受容体」(TCR)である。T細胞受容体は、天然発生型免疫グロブリンのFab断片に似ていることが知られている。一般に、アルファ鎖およびベータ鎖を包含する一価であり、いくつかの実施形態では、ガンマ鎖およびデルタ鎖(上記参照)を包含する。したがって、いくつかの実施形態では、TCRは、TCR(アルファ/ベータ)であり、いくつかの実施形態では、TCR(ガンマ/デルタ)である。T細胞受容体は、CD3 T細胞共受容体と複合体を形成する。CD3は、タンパク質複合体であり、4つの異なる鎖からなる。哺乳動物において、複合体は、CD3γ鎖、CD36鎖、および2つのCD3E鎖を含む。これらの鎖は、T細胞受容体(TCR)およびζ鎖として知られる分子と会合して、Tリンパ球内で活性化シグナルを生成する。したがって、いくつかの実施形態では、T細胞特異的受容体は、CD3 T細胞共受容体である。いくつかの実施形態では、T細胞特異的受容体は、T細胞上でも発現されるタンパク質CD28である。CD28は、T細胞活性化に必要とされる共刺激シグナルを提供することができる。CD28は、T細胞増殖および生存、サイトカイン産生、ならびに2型Tヘルパー発生において重要な役割を果たす。T細胞特異的受容体のさらなる例は、Ox40とも称されるCD134である。CD134/OX40は、活性化後24〜72時間後に発現しており、二次共刺激分子を画定するために取ることができる。T細胞受容体の別の例は、抗原提示細胞(APC)上の4−1 BB−リガンドと結合することができる4−1 BBであり、それによってT細胞の共刺激シグナルが生成される。主にT細胞上に見出される受容体の別の例は、CD5であり、CD5は、B細胞上にも低レベルで見出される。T細胞機能を修飾する受容体のさらなる例は、他の細胞の表面に発現するFas−リガンドによるアポトーシスシグナル伝達を媒介する、Fas受容体としても知られるCD95である。CD95は、休止Tリンパ球におけるTCR/CD3駆動シグナル伝達経路を調節することが報告されている。
NK細胞特異的受容体分子の一例は、CD16、低親和性Fc受容体、およびNKG2Dである。T細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞の両方の表面に存在する受容体分子の一例は、CD2およびCD2−スーパーファミリーのさらなるメンバーである。CD2は、T細胞およびNK細胞上で共刺激分子として作用することができる。
いくつかの実施形態では、抗体分子の第1の結合部位は、RSV抗原と結合し、第2の結合部位は、T細胞特異的受容体分子および/またはナチュラルキラー(NK)細胞特異的受容体分子と結合する。
いくつかの実施形態では、抗体分子の第1の結合部位は、RSV−F、RSV−G、RSV−Ga、RSV−Gb、RSV−M2−1、もしくはRSV M2−2、またはそれらの任意の組み合わせを含むポリタンパク質から選択されるRSV抗原のうちの1つと結合し、第2の結合部位は、T細胞特異的受容体分子および/またはナチュラルキラー(NK)細胞特異的受容体分子と結合する。いくつかの実施形態では、抗体分子の第1の結合部位は、RSV抗原と結合し、第2の結合部位は、CD3、T細胞受容体(TCR)、CD28、CD16、NKG2D、Ox40、4−1BB、CD2、CD5、およびCD95のうちの1つと結合する。
いくつかの実施形態では、抗体分子の第1の結合部位は、T細胞特異的受容体分子および/またはナチュラルキラー(NK)細胞特異的受容体分子と結合し、第2の結合部位は、RSV抗原と結合する。いくつかの実施形態では、抗体の第1の結合部位は、T細胞特異的受容体分子および/またはナチュラルキラー(NK)細胞特異的受容体分子と結合し、第2の結合部位は、RSV−F、RSV−G、RSV−Ga、RSV−Gb、RSV−M2−1、もしくはRSV M2−2、またはそれらの任意の組み合わせを含むポリタンパク質のうちの1つと結合する。いくつかの実施形態では、抗体の第1の結合部位は、CD3、T細胞受容体(TCR)、CD28、CD16、NKG2D、Ox40、4−1BB、CD2、CD5、およびCD95のうちの1つと結合し、第2の結合部位は、RSV抗原と結合する。
二機能性抗体
組換え核酸配列は、二機能性抗体、その断片、そのバリアント、またはその組み合わせをコードし得る。二機能性抗体は、以下に記載される抗原と結合または反応し得る。二機能性抗体はまた、抗原の認識および抗原への結合を超えて抗体に追加の機能性を付与するように修飾され得る。そのような修飾は、これらに限定されないが、第H因子またはその断片に結合することを含み得る。第H因子は、補体活性化の可溶性調節因子であり、したがって、補体媒介性溶解(CML)を介して免疫応答に寄与し得る。
抗体半減期の延長
上に記載されるように、抗体は、対象における抗体の半減期を延長または短縮するように修飾され得る。修飾は、対象の血清中の抗体の半減期を延長または短縮し得る。
修飾は、抗体の定常領域に存在し得る。修飾は、1つ以上のアミノ酸置換を含まない抗体の半減期と比較して、抗体の半減期を延長する抗体の定常領域内の1つ以上のアミノ酸置換であり得る。修飾は、1つ以上のアミノ酸置換を含まない抗体の半減期と比較して、抗体の半減期を延長する抗体のCH2ドメイン内の1つ以上のアミノ酸置換であり得る。
いくつかの実施形態では、定常領域内の1つ以上のアミノ酸置換は、定常領域内のメチオニン残基をチロシン残基で、定常領域内のセリン残基をトレオニン残基で、定常領域内のトレオニン残基をグルタミン残基で、またはこれらの任意の組み合わせで置き換え、それによって抗体の半減期を延長することを含み得る。
他の実施形態では、定常領域内の1つ以上のアミノ酸置換は、CH2ドメイン内のメチオニン残基をチロシン残基で、CH2ドメイン内のセリン残基をトレオニン残基で、CH2ドメイン内のトレオニン残基をグルタミン残基で、またはこれらの任意の組み合わせで置き換え、それによって抗体の半減期を延長することを含み得る。
脱フコシル化
組換え核酸配列は、フコシル化されていない抗体(すなわち、脱フコシル化抗体または非フコシル化抗体)、その断片、そのバリアント、またはそれらの組み合わせをコードし得る。フコシル化は、分子への糖フコースの添加、例えば、N−グリカン、O−グリカン、および糖脂質へのフコースの結合を含む。したがって、脱フコシル化抗体において、フコースは、定常領域の炭水化物鎖に結合されない。次いで、このフコシル化の欠如は、フコシル化抗体と比較して、抗体によるFcγRIIIa結合および抗体指向性細胞傷害性(ADCC)活性を改善し得る。したがって、いくつかの実施形態では、非フコシル化抗体は、フコシル化抗体と比較して増加したADCC活性を呈し得る。
抗体は、抗体のフコシル化を防止または阻害するように修飾され得る。いくつかの実施形態では、そのような修飾抗体は、非修飾抗体と比較して増加したADCC活性を呈し得る。修飾は、重鎖、軽鎖、またはこれらの組み合わせであり得る。修飾は、重鎖における1つ以上のアミノ酸置換、軽鎖における1つ以上のアミノ酸置換、またはこれらの組み合わせであり得る。
ADE応答の低下
抗体は、抗原に関連する疾患の抗体依存性増強(ADE)を低減または予防するように修飾されてもよいが、それでも抗原を中和する。
いくつかの実施形態では、抗体は、抗体のFcγR1aへの結合を低減または防止する1つ以上のアミノ酸置換を含むように修飾されてもよい。1つ以上のアミノ酸置換は、抗体の定常領域にあり得る。1つ以上のアミノ酸置換は、抗体の定常領域内でロイシン残基をアラニン残基で置き換える、すなわち、本明細書でLA、LA変異またはLA置換としても知られるものを含み得る。1つ以上のアミノ酸置換は、抗体の定常領域内で2つのロイシン残基をそれぞれアラニン残基で置き換える、本明細書ではLALA、LALA変異、またはLALA置換としても知られるものを含み得る。LALA置換の存在は、抗体がFcγR1aと結合することを予防またはブロックしてもよく、したがって、修飾抗体は、抗原に関連する疾患のADEを増強または引き起こさないが、それでも抗原を中和する。
モノクローナル抗体
一実施形態では、本発明は、抗RSV抗体を提供する。抗体は、無傷のモノクローナル抗体、および免疫学的に活性な断片(例えば、Fabまたは(Fab)断片)、モノクローナル抗体重鎖、またはモノクローナル抗体軽鎖であり得る。
抗体は、重鎖および軽鎖相補性決定領域(「CDR」)セットを含み得、それぞれ、CDRに支持を提供し、互いに対してCDRの空間関係を画定する重鎖および軽鎖フレームワーク(「FR」)セットの間に挿入される。CDRセットは、重鎖V領域または軽鎖V領域の3つの超可変領域を含み得る。重鎖または軽鎖のN末端から進行すると、これらの領域は、それぞれ、「CDR1」、「CDR2」、および「CDR3」と表される。したがって、抗原結合部位は、重鎖V領域および軽鎖V領域の各々からのCDRセットを含む6つのCDRを含み得る。
抗体は、免疫グロブリン(Ig)であり得る。Igは、例えば、IgA、IgM、IgD、IgE、およびIgGであり得る。免疫グロブリンは、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドを含み得る。免疫グロブリンの重鎖ポリペプチドは、VH領域、CH1領域、ヒンジ領域、CH2領域、およびCH3領域を含み得る。免疫グロブリンの軽鎖ポリペプチドは、VL領域およびCL領域を含み得る。
一実施形態では、抗RSV抗体は、配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列と少なくとも90%相同であるアミノ酸配列、または配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列と少なくとも90%相同であるアミノ酸配列の断片を含む。一実施形態では、抗RSV抗体は、配列番号7に少なくとも90%相同であるアミノ酸配列、または配列番号7に少なくとも90%相同であるアミノ酸配列の断片を含む。一実施形態では、抗RSV抗体は、配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列、または配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列の断片を含む。一実施形態では、抗RSV抗体は、配列番号7に示されるアミノ酸配列、または配列番号7に示されるアミノ酸配列の断片を含む。
5.抗原
合成抗体は、抗原またはその断片またはバリアントを対象とする。抗原は、核酸配列、アミノ酸配列、多糖類、またはこれらの組み合わせであり得る。核酸配列は、DNA、RNA、cDNA、それらのバリアント、それらの断片、またはそれらの組み合わせであり得る。アミノ酸配列は、タンパク質、ペプチド、それらのバリアント、それらの断片、またはそれらの組み合わせであり得る。多糖類は、核酸コード多糖類であり得る。
抗原は、ウイルス由来であり得る。抗原は、ウイルス感染症と関連し得る。一実施形態では、抗原は、呼吸器合胞体ウイルス感染症に関連し得る。一実施形態では、抗原は、RSV糖タンパク質またはRSV構造タンパク質であり得る。一実施形態において、RSV抗原は、RSV−F、RSV−G、RSV−Ga、RSV−Gb、RSV−M2−1、またはRSV M2−2であり得る。
一実施形態では、抗原は、RSVタンパク質の断片であり得る。一実施形態では、抗原は、RSV糖タンパク質またはRSV構造タンパク質の断片であり得る。
一実施形態では、本発明の合成抗体は、2つ以上の抗原を標的とする。一実施形態では、二重特異性抗体の少なくとも1つの抗原は、本明細書に記載される抗原から選択される。一実施形態では、2つ以上の抗原は、本明細書に記載される抗原から選択される。
ウイルス抗原
ウイルス抗原は、ウイルス抗原またはその断片もしくはバリアントであり得る。ウイルスは、疾患を引き起こすウイルスであり得る。ウイルスは呼吸器合胞体ウイルスであり得る。
抗原は、RSV抗原、またはその断片、またはそのバリアントであり得る。RSV抗原は、ウイルスが複製、感染、または生存することを可能にする因子由来であり得る。RSVが複製または生存を可能にする因子は、これらに限定されないが、構造タンパク質および非構造タンパク質を含む。そのようなタンパク質は、糖タンパク質、構造タンパク質、または非構造タンパク質であり得る。一実施形態では、RSV抗原は、RSV−G、RSV−F、RSV−SH、RSV−N、RSV−P、RSV−M、およびRSV−Lを含み得る。
6.組成物の賦形剤および他の構成成分
組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含み得る。薬学的に許容される賦形剤は、ビヒクル、担体、または希釈剤などの機能的分子であり得る。薬学的に許容される賦形剤は、トランスフェクション促進剤であり得、これは、免疫刺激複合体(ISCOMS)などの表面活性剤、フロイント不完全アジュバント、モノホスホリル脂質Aを含むLPS類似体、ムラミルペプチド、キノン類似体、スクアレンおよびスクアレンなどの小胞、ヒアルロン酸、脂質、リポソーム、カルシウムイオン、ウイルスタンパク質、ポリアニオン、ポリカチオン、もしくはナノ粒子、または他の既知のトランスフェクション促進剤を含み得る。
トランスフェクション促進剤は、ポリ−L−グルタミン酸(LGS)を含む、ポリアニオン、ポリカチオン、または脂質である。トランスフェクション促進剤は、ポリ−L−グルタミン酸であり、ポリ−L−グルタミン酸は、組成物中に6mg/ml未満の濃度で存在し得る。トランスフェクション促進剤はまた、免疫刺激複合体(ISCOMS)などの表面活性剤、フロイント不完全アジュバント、モノホスホリル脂質Aを含むLPS類似体、ムラミルペプチド、キノン類似体およびスクアレンおよびスクアレンなどの小胞を含み得、ヒアルロン酸はまた、組成物と共に投与されて使用され得る。組成物はまた、脂質などのトランスフェクション促進剤、レシチンリポソームもしくは、DNA−リポソーム混合物(例えば、W09324640を参照されたい)として、当該技術分野で知られている他のリポソームを含む、リポソーム、カルシウムイオン、ウイルスタンパク質、ポリアニオン、ポリカチオン、もしくはナノ粒子、または他の既知のトランスフェクション促進剤を含み得る。トランスフェクション促進剤は、ポリ−L−グルタミン酸(LGS)を含む、ポリアニオン、ポリカチオン、または脂質である。ワクチン中のトランスフェクション剤の濃度は、4mg/ml未満、2mg/ml未満、1mg/ml未満、0.750mg/ml未満、0.500mg/ml未満、0.250mg/ml未満、0.100mg/ml未満、0.050mg/ml未満、または0.010mg/ml未満である。
組成物は、参照により完全に組み込まれる、1994年4月1日に出願された米国特許出願第021,579号に記載される遺伝子促進剤をさらに含み得る。
組成物は、DNAを約1ナノグラム〜100ミリグラム、約1マイクログラム〜約10ミリグラム、または好ましくは約0.1マイクログラム〜約10ミリグラム、またはより好ましくは約1ミリグラム〜約2ミリグラムの量で含み得る。いくつかの好ましい実施形態では、本発明による組成物は、約5ナノグラム〜約1000マイクログラムのDNAを含む。いくつかの好ましい実施形態では、組成物は、約10ナノグラム〜約800マイクログラムのDNAを含み得る。いくつかの好ましい実施形態では、組成物は、約0.1〜約500マイクログラムのDNAを含み得る。いくつかの好ましい実施形態では、組成物は、約1〜約350マイクログラムのDNAを含み得る。いくつかの好ましい実施形態では、組成物は、約25〜約250マイクログラム、約100〜約200マイクログラム、約1ナノグラム〜100ミリグラム、約1マイクログラム〜約10ミリグラム、約0.1マイクログラム〜約10ミリグラム、約1ミリグラム〜約2ミリグラム、約5ナノグラム〜約1000マイクログラム、約10ナノグラム〜約800マイクログラム、約0.1〜約500マイクログラム、約1〜約350マイクログラム、約25〜約250マイクログラム、約100〜約200マイクログラムのDNAを含み得る。
組成物は、使用される投与の様式に従って製剤化され得る。注射可能な薬学的組成物は、滅菌、パイロジェンフリー、および無粒子であり得る。等張性製剤または溶液が使用され得る。等張性のための添加剤は、塩化物、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、およびラクトースを含み得る。組成物は、血管収縮剤を含み得る。等張性溶液は、リン酸緩衝生理食塩水を含み得る。組成物は、ゼラチンおよびアルブミンを含む安定化剤をさらに含み得る。安定化剤は、LGSまたはポリカチオンもしくはポリアニオンを含む製剤が室温または周囲温度で長時間にわたって安定であることを可能にし得る。
7.合成抗体の生成方法
本発明はまた、合成抗体の生成方法に関する。方法は、組成物を、それを必要とする対象に、以下でより詳細に記載される送達方法を使用することによって投与することを含み得る。したがって、合成抗体は、対象に組成物を投与すると、対象においてまたはインビボで生成される。
方法はまた、組成物を1つ以上の細胞に導入することを含み得、したがって、合成抗体は、1つ以上の細胞内で生成または産生され得る。方法は、組成物を1つ以上の組織、例えば、これらに限定されないが、皮膚および筋肉に導入することをさらに含み得、したがって、合成抗体は、1つ以上の組織において生成または産生され得る。
8.抗体の識別またはスクリーニング方法
本発明は、上に記載される抗原に反応性であるか、またはそれと結合する、上に記載される抗体の識別またはスクリーニング方法に関する。抗体の識別またはスクリーニング方法は、当業者に既知の方法論で抗原を使用して、抗体を識別またはスクリーニングすることができる。そのような方法論は、これらに限定されないが、ライブラリからの抗体の選択(例えば、ファージディスプレイ)、および動物の免疫、続いて抗体の単離および/または精製を含み得る。
9.組成物の送達方法
本発明はまた、組成物をそれを必要とする対象に送達する方法に関する。送達方法は、組成物を対象に投与することを含み得る。投与は、これらに限定されないが、インビボエレクトロポレーションを伴う、および伴わないDNA注入、リポソーム媒介送達、ならびにナノ粒子促進送達を含み得る。
組成物の送達を受ける哺乳動物は、ヒト、霊長類、非ヒト霊長類、ウシ(cow)、ウシ(cattle)、ヒツジ、ヤギ、アンテロープ、バイソン、スイギュウ、バイソン、ウシ(bovid)、シカ、ハリネズミ、ゾウ、ラマ、アルパカ、マウス、ラット、およびニワトリであり得る。
組成物は、経口、非経口、舌下、経皮、直腸、経粘膜、局所、吸入を介した、口腔内投与を介した、胸腔内、静脈内、動脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、鼻腔内、鼻腔内、髄腔内、および関節内、またはそれらの組み合わせを含む、異なる経路によって投与され得る。獣医学的使用のために、組成物は、通常の獣医学的診療に従って、適切に許容される製剤として投与され得る。獣医は、特定の動物に最も適切な投与レジメンおよび投与経路を容易に決定することができる。組成物は、従来のシリンジ、無針注射デバイス、「微粒子衝撃遺伝子銃(microprojectile bombardment gone gun)」、またはエレクトロポレーション(「EP」)、「流体力学的方法」、または超音波などの他の物理的方法によって投与されてもよい。
エレクトロポレーション
エレクトロポレーションを介した組成物の投与は、可逆的な孔を細胞膜内に形成させるのに有効なエネルギーパルスを、哺乳動物の所望の組織に送達するように構成され得るエレクトロポレーションデバイスを使用して達成することができ、好ましくは、エネルギーパルスは、使用者による予め設定された電流入力と同様の定電流である。エレクトロポレーションデバイスは、エレクトロポレーション構成要素および電極アセンブリまたはハンドルアセンブリを備え得る。エレクトロポレーション構成要素は、コントローラ、電流波形発生器、インピーダンステスタ、波形ロガー、入力エレメント、状態報告エレメント、通信ポート、メモリ構成要素、電源、および電源スイッチを含む、エレクトロポレーションデバイスの様々なエレメントのうちの1つ以上を含み、組み込み得る。エレクトロポレーションは、プラスミドによる細胞のトランスフェクションを容易にするために、インビボエレクトロポレーションデバイス、例えば、CELLECTRA EPシステム(Inovio Pharmaceuticals、Plymouth Meeting,PA)またはElgenエレクトロポレータ(Inovio Pharmaceuticals、Plymouth Meeting,PA)を使用して達成され得る。
エレクトロポレーション構成要素は、エレクトロポレーションデバイスの1つのエレメントとして機能し得、他のエレメントは、エレクトロポレーション構成要素と通信する別個のエレメント(または構成要素)である。エレクトロポレーション構成要素は、エレクトロポレーションデバイスの2つ以上のエレメントとして機能し得、エレクトロポレーション構成要素とは別個のエレクトロポレーションデバイスのさらに他のエレメントと通信し得る。1つの電気機械デバイスまたは機械デバイスの一部として存在するエレクトロポレーションデバイスのエレメントは、エレメントが1つのデバイスとして、または互いに通信する別個のエレメントとして機能することができるため、限定されなくてもよい。エレクトロポレーション構成要素は、所望の組織内に定電流を生成するエネルギーパルスを送達することが可能であってもよく、フィードバックメカニズムを含む。電極アセンブリは、空間的に配置された複数の電極を有する電極配列を含んでよく、電極アセンブリは、エレクトロポレーション構成要素からエネルギーパルスを受信し、電極を通じて所望の組織にそれを送達する。複数の電極のうちの少なくとも1つは、エネルギーパルスの送達中に中性であり、所望の組織内のインピーダンスを測定し、インピーダンスをエレクトロポレーション構成要素に伝達する。フィードバックメカニズムは、測定されたインピーダンスを受信し得、エレクトロポレーション構成要素によって送達されるエネルギーパルスを調節して、定電流を維持することができる。
複数の電極は、分散パターンでエネルギーのパルスを送達し得る。複数の電極は、プログラムされたシーケンス下で電極の制御を通じて分散パターンのエネルギーパルスを送達し得、プログラムされたシーケンスは、使用者によってエレクトロポレーション構成要素に入力される。プログラムされた配列は、配列中に送達される複数のパルスを含んでもよく、複数のパルスの各パルスは、インピーダンスを測定する1つの中性電極を有する少なくとも2つの活性電極によって送達され、複数のパルスのその後のパルスは、インピーダンスを測定する1つの中性電極を有する少なくとも2つの活性電極のうちの異なる1つによって送達される。
フィードバックメカニズムは、ハードウェアまたはソフトウェアのいずれかによって実行され得る。フィードバックメカニズムは、アナログ閉ループ回路によって実行され得る。フィードバックは、50μs、20μs、10μs、または1μs毎に発生するが、好ましくは、リアルタイムフィードバックまたは即時(すなわち、応答時間を決定するための利用可能な技法によって決定されるように実質的に即時)である。中性電極は、所望の組織内のインピーダンスを測定し、フィードバックメカニズムにインピーダンスを伝達し得、フィードバックメカニズムは、インピーダンスに応答し、定電流を予め設定された電流と同様の値に維持するためにエネルギーパルスを調節する。フィードバックメカニズムは、エネルギーのパルスの送達中に連続的かつ即時的に定電流を維持し得る。
本発明の組成物の送達を促進し得るエレクトロポレーションデバイスおよびエレクトロポレーション方法の例には、Draghia−Akliらによる米国特許第7,245,963号、Smithらによって提出された米国特許公開第2005/0052630号に記載されるものを含み、それらの内容は、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。組成物の送達を促進するために使用され得る他のエレクトロポレーションデバイスおよびエレクトロポレーション方法は、米国特許法第119条(e)下で、2006年10月17年に出願された、米国仮特許出願第60/852,149号、および2007年10月10日に出願された、同第60/978,982号の優先権を主張する、2007年10月17日に出願された、同時係属中の、共同所有される米国特許出願第11/874072号に提供されるものを含み、これらの全ては、それらの全体において本明細書に組み込まれる。
Draghia−Akliらによる米国特許第7,245,963号は、モジュラー電極システム、および体または植物における選択された組織の細胞への生体分子の導入を促進するためのそれらの使用を記載している。モジュラー電極システムは、複数の針電極、皮下針、プログラム可能な定電流パルスコントローラから複数の針電極までの導電リンクを提供する電気コネクタ、および電源を含み得る。操作者は、支持構造上に取り付けられた複数の針電極を把握し、それらを体内または植物内の選択された組織に確実に挿入することができる。次いで、生体分子は、皮下針を介して選択された組織に送達される。プログラム可能な定電流パルスコントローラが作動し、定電流電気パルスが複数の針電極に印加される。印加される定電流電気パルスは、複数の電極間の細胞への生体分子の導入を容易にする。米国特許第7,245,963号の全ての内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
Smithらによって提出された米国特許公開第2005/0052630号は、体内または植物内の選択された組織の細胞への生物分子の導入を効果的に容易にするために使用され得るエレクトロポレーションデバイスを記載している。エレクトロポレーションデバイスは、ソフトウェアまたはファームウェアによって動作が指定される界面動電デバイス(「EKDデバイス」)を備える。EKDデバイスは、使用者による制御およびパルスパラメータの入力に基づいてアレイ内の電極間の一連のプログラム可能な定電流パルスパターンを生成し、電流波形データの保存および取得を可能にする。エレクトロポレーションデバイスはまた、針電極の配列を有する交換可能な電極ディスク、注射針のための中央注射チャネル、および取り外し可能なガイドディスクを備える。米国特許公開第2005/0052630号の全体の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
米国特許第7,245,963号および米国特許公開第2005/0052630号に記載される電極配列および方法は、筋肉などの組織だけでなく、他の組織または器官への深部浸透のために適合され得る。電極アレイの構成のため、注射針(選択した生体分子を送達するため)も標的器官中に完全に挿入され、注射は、電極によって予め線引きされた領域で標的組織に垂直に投与される。米国特許第7,245,963号および米国特許第2005/005263号に記載される電極は、好ましくは長さ20mmおよび21ゲージである。
加えて、エレクトロポレーションデバイスおよびその使用を組み込むいくつかの実施形態で企図されるものには、以下の特許に記載されるものであるエレクトロポレーションデバイスがある:1993年12月28日に発行された米国特許第5,273,525号、2000年8月29日に発行された米国特許第6,110,161号、2001年7月17日に発行された米国特許第6,261,281号、および2005年10月25日に発行された米国特許第6,958,060号、および2005年9月6日に発行された米国特許第6,939,862号。さらに、様々なデバイスのうちのいずれかを用いるDNAの送達に関する、2004年2月24日に発行された米国特許第6,697,669号、およびDNAを注射する方法に注目した、2008年2月5日に発行された米国特許第7,328,064号で提供される主題を包含する特許が、本明細書において企図される。上記の特許は、それらの全体が参照により組み込まれる。
10.治療方法
対象における合成抗体を生成することによって、疾患を治療、保護、および/または予防することを必要とする対象においてそれらを行う方法もまた本明細書に提供される。方法は、組成物を対象に投与することを含み得る。対象への組成物の投与は、上に記載される送達方法を使用して行われ得る。
ある特定の実施形態では、本発明は、RSV感染症を治療、保護、および/または予防する方法を提供する。一実施形態では、方法は、RSVに関連する疾患を治療、保護、および/または予防する。
対象における合成抗体の生成時、合成抗体は、抗原と結合するか、または抗原と反応することができる。そのような結合は、抗原を中和し、別の分子、例えば、タンパク質または核酸による抗原の認識をブロックし、抗原に対する免疫応答を誘発または誘導し、それによって対象における抗原に関連する疾患を治療、保護、および/または予防することができる。
合成抗体は、組成物を投与された対象において疾患に対し治療、予防、および/または保護することができる。抗原と結合することによる合成抗体は、組成物を投与された対象において疾患に対し治療、予防、および/または保護することができる。合成抗体は、組成物を投与された対象において疾患の生存期間を促進することができる。一実施形態では、合成抗体は、合成抗体を投与されていない疾患を有する対象の予想される生存期間よりも、対象における疾患の増加した生存期間を提供することができる。様々な実施形態では、合成抗体は、組成物の不在下で予想される生存期間よりも、組成物を投与された対象における疾患の生存期間に少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%増加を提供することができる。一実施形態では、合成抗体は、合成抗体を投与されていない対象の予想される保護よりも、対象における疾患に対して増加した保護を提供することができる。様々な実施形態では、合成抗体は、組成物の不在下で予想される保護よりも、組成物を投与された対象の少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%における疾患に対して保護することができる。
組成物用量は、1μg〜10mgの活性成分/kg体重/回であり得、20μg〜10mgの成分/kg体重/回であり得る。組成物は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、または31日ごとに投与され得る。有効な治療のための組成物用量の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり得る。
11.抗生物質と組み合わせた使用
本発明はまた、合成抗体および治療用抗生物質剤との組み合わせを投与することによって、疾患の治療、保護、および/または予防を必要とする対象においてそれらを行う方法を提供する。
合成抗体および抗生物質剤は、合成抗体および抗生物質剤の組み合わせが両方とも対象に存在するように、任意の好適な方法を使用して投与されてもよい。一実施形態では、方法は、上に詳細に記載される方法のうちのいずれかによる本発明の合成抗体を含む第1の組成物の投与と、合成抗体の投与後1日未満、2日未満、3日未満、4日未満、5日未満、6日未満、7日未満、8日未満、9日未満、または10日未満の抗生物質剤を含む第2の組成物の投与とを含み得る。一実施形態では、方法は、上に詳細に記載される方法のうちのいずれかによる本発明の合成抗体を含む第1の組成物の投与と、合成抗体の投与後1日超、2日超、3日超、4日超、5日超、6日超、7日超、8日超、9日超、または10日超の抗生物質剤を含む第2の組成物の投与とを含み得る。一実施形態では、方法は、抗生物質剤を含む第1の組成物の投与と、抗生物質剤の投与後1日未満、2日未満、3日未満、4日未満、5日未満、6日未満、7日未満、8日未満、9日未満、または10日未満の上に詳細に記載される方法のうちのいずれかによる本発明の合成抗体を含む第2の組成物の投与とを含み得る。一実施形態では、方法は、抗生物質剤を含む第1の組成物の投与と、抗生物質の投与後1日超、2日超、3日超、4日超、5日超、6日超、7日超、8日超、9日超、または10日超の上に詳細に記載される方法のうちのいずれかによる本発明の合成抗体を含む第2の組成物の投与とを含み得る。一実施形態では、方法は、上に詳細に記載される方法のうちのいずれかによる本発明の合成抗体を含む第1の組成物、および抗生物質剤を含む第2の組成物の投与を同時に含み得る。一実施形態では、方法は、上に詳細に記載される方法のうちのいずれかによる本発明の合成抗体を含む第1の組成物、および抗生物質剤を含む第2の組成物の投与を同時に含み得る。一実施形態では、方法は、本発明の合成抗体および抗生物質剤を含む単一の組成物の投与を含み得る。
本発明の合成抗体と組み合わせて使用することができる抗生物質の非限定的な例としては、アミノグリコシド(例えば、ゲンタミシン、アミカシン、トブラマイシン)、キノロン(例えば、シプロフロキサシン、レボフロキサシン)、セファロスポリン(例えば、セフタジジム、セフェピム、セフォペラゾン、セフピロム、セフトビプロール)、抗緑膿菌ペニシリン:カルボキシペニシリン(例えば、カルベニシリンおよびチカルシリン)およびウレイドペニシリン(例えば、メズロシリン、アズロシリン、およびピペラシリン)、カルバペネム(例えば、メロペネム、イミペネム、ドリペネム)、ポリミキシン(例えば、ポリミキシンBおよびコリスチン)、ならびにモノバクタム(例えば、アズトレオナム)が挙げられる。
12.インビトロおよびエクスビボでの合成抗体の生成
一実施形態では、合成抗体は、インビトロまたはエクスビボで生成される。例えば、一実施形態では、合成抗体をコードする核酸は、インビトロまたはエクスビボ細胞において導入および発現することができる。遺伝子を細胞に導入および発現するための方法は、当該技術分野で知られている。発現ベクターの文脈において、ベクターは、当該技術分野における任意の方法によって、宿主細胞、例えば、哺乳動物、細菌、酵母、または昆虫細胞に容易に導入され得る。例えば、発現ベクターは、物理的、化学的、または生物学的手段によって宿主細胞に導入され得る。
宿主細胞にポリヌクレオチドを導入するための物理的方法としては、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクション、パーティクルボンバードメント、マイクロインジェクション、エレクトロポレーションなどが挙げられる。ベクターおよび/または外来性核酸を含む細胞を産生するための方法は当該技術分野において周知である。例えば、Sambrook et al.(2012,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York)を参照されたい。ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための好ましい方法は、リン酸カルシウムトランスフェクションである。
目的のポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための生物学的方法としては、DNAベクターおよびRNAベクターの使用が挙げられる。ウイルスベクター、および特にレトロウイルスベクターは、哺乳動物、例えば、ヒト細胞に遺伝子を挿入するための最も広く使用される方法となっている。他のウイルスベクターは、レンチウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルスI、アデノウイルスおよびアデノ関連ウイルスなどに由来し得る。例えば、米国特許第5,350,674号および5,585,362号を参照されたい。
ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための化学的手段としては、巨大分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフィア、ビーズ、ならびに水中油型乳剤、ミセル、混合ミセル、およびリポソームを含む脂質系などのコロイド分散系が挙げられる。インビトロおよびインビボで送達ビヒクルとして使用するための例示的なコロイド系は、リポソーム(例えば、人工膜小胞)である。
非ウイルス送達系が利用される場合では、例示的な送達ビヒクルはリポソームである。脂質製剤の使用は、(インビトロ、エクスビボ、またはインビボでの)宿主細胞への核酸の導入のために企図される。別の態様では、核酸は、脂質と関連し得る。脂質に関連する核酸は、リポソームの水性内部に封入され、リポソームの脂質二重層内に分散され、リポソームおよびオリゴヌクレオチドの両方に関連する連結分子を介してリポソームに結合され、リポソームに捕捉され、リポソームと複合体形成され、脂質を含有する溶液中に分散され、脂質と混合され、脂質と組み合わされ、脂質中に懸濁液として含有され、ミセルに含有されるか、またはミセルと複合体形成され、またはそれ以外の方法で脂質と関連し得る。脂質、脂質/DNA、または脂質/発現ベクター関連組成物は、溶液中で任意の特定の構造に限定されない。例えば、それらは、ミセルとして二層構造に存在し得るか、または「崩壊」構造を有し得る。これらはまた、溶液中に単純に分散されてもよく、サイズまたは形状が均一ではない凝集体を形成する可能性もある。脂質は、天然発生型または合成脂質であり得る脂肪物質である。例えば、脂質としては、細胞質内で天然に発生する脂肪滴、ならびに長鎖脂肪族炭化水素およびそれらの誘導体、例えば、脂肪酸、アルコール、アミン、アミノアルコール、およびアルデヒドを含む化合物のクラスが挙げられる。
13.実施例
本発明は、以下の実施例においてさらに示される。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示しながら、例示としてのみ与えられることが理解されるべきである。上記議論およびこれらの実施例から、当業者は、本発明の本質的な特徴を確認することができ、その趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な使用および条件に適合するように本発明の様々な変更および修飾を行うことができる。したがって、本明細書に示され、記載されるものに加えて、本発明の様々な修飾は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような修飾はまた、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。
実施例1
本明細書に示されるデータは、感染性疾患を標的とする予防薬として組換えモノクローナル抗体(mAb)の世界的な使用を制限している多くの障害を克服することができる、操作された抗RSV−F DNAコードモノクローナル抗体(dMAb)を用いる抗体遺伝子送達プラットフォームを示す。この抗体構築物遺伝子のインビボ送達は、実験動物モデルにおける血清中の抗体のロバストな体系的レベルをもたらした。RSV感染症をモデルとするゴールドスタンダード動物であるコットンラットにおいて、dMAbの持続された血清発現および肺洗浄試料中の抗体の存在が観察され、長期間の免疫および有効な生体内分布の可能性を示した。さらに、RSV−F dMAbを有する動物からの血清は、抗原結合および生ウイルスの中和に関して機能的に活性であり、RSV−F dMAbは、疾患チャレンジに対する保護を付与した。重要なことに、このRSV−F dMAbは、コットンラットであるヒトRSV感染症をモデル化するためのゴールドスタンダード動物サロゲートにおける生ウイルスチャレンジ研究において、下気道疾患からの保護を提供した。これらの所見は、モノクローナル抗体ベースの免疫予防剤への世界的なアクセスを広げ、感染性疾患の負担に取り組む潜在的なプラットフォーム技術としてのdMAbの意義を支持する。
材料および方法をここで説明する。
動物
雌の4〜6週齢のBalb/cマウスおよび6〜8週齢のコットンラットを、飼料および水への適宜なアクセスと共にグループ収容した。
動物処置
マウスおよびコットンラットの後ろ脚の筋肉にわたって剃毛した。RSV−F dMAbプラスミドDNAを、117.8〜128.5U/mlのヒト組換えヒアルロニダーゼ(Hylenex(登録商標)、Halozyme、San Diego,CA)で製剤化した。マウスは30μlおよびコットンラットは200μlの製剤の筋肉内(IM)注射を受けた。注射深度をマウスで2mm、コットンラットで5mmに調整した。EPを、CELLECTRA−3P(登録商標)と共に注射部位で送達した。マウスには挿入深度3mm、コットンラットには深度6mmで、3本の針電極の配列を使用した。EP処置は、0.1アンプ定電流を有するパルスの2つのセットからなる。2回目のパルスセットは3秒遅れる。各セット内には、パルス間に198msの遅延を有する2つの52msのパルスが存在する。
免疫蛍光染色
pDNAのIM送達から7日後、コットンラットおよびマウスの筋肉組織を採取し、10%中性緩衝ホルマリン(BBC Biochemical、Stanford,MA)中で固定し、dMAb発現のインビボ染色のためにDI水中30%の(w/v)ショ糖(Sigma、Saint Louis,MO)中に浸漬した。次いで、組織をO.C.T.化合物(Sakura Finetek、Torrance,CA)に埋め込み、瞬間凍結した。凍結組織ブロックを18μmの厚さに切片化した。
dMAb発現のインビトロ染色のために、トランスフェクションされた293T細胞をチャンバースライド上で培養し、10%中性緩衝ホルマリン(BBC Biochemical)でトランスフェクションした3日後、室温で10分間固定し、次いで、PBSで洗浄した。
スライドを、ブロッキング緩衝液(PBS中0.3%(v/v)Triton−X(Sigma)、2%(v/v)ロバ血清)で30分間インキュベートし、パラフィルムで覆った。ヤギ抗ヒトIgG−Fc断片抗体(Bethyl、Montgomery,TX)を、インキュベーション緩衝液(PBS中1%(w/v)BSA(Sigma)、2%(v/v)ロバ血清、0.3%(v/v)Triton−X(Sigma)、および0.025%(v/v)1g/mlアジドナトリウム(Sigma))中で1:100に希釈した。各スライドに150μlの染色溶液を添加し、2時間インキュベートした。スライドを1×PBS中で5分間3回洗浄した。ロバ抗ヤギIgG AF488(Abcam、Cambridge,UK)を、インキュベーション緩衝液中で1:200に希釈し、50μlを各切片に添加した。スライドを1時間のインキュベーション後に洗浄し、DAPI−フルオロマウント(SouthernBiotech、Birmingham,AL)を取り付けて覆った。
dMAb構築物のインビボおよびインビトロ発現を、Retiga3000単色カメラ(QImaging、Surrey,Canada)を備えたBX51蛍光顕微鏡(Olympus、Center Valley,PA)で撮像した。
SDS−PAGEおよびウエスタンブロット
リポフェクタミン3000トランスフェクションキット(ThermoFisher、Waltham,MA)を使用して、接着HEK 293T細胞(ATCC(登録商標)CRL11268(商標))を、ヒトRSV IgGおよびsc−Fv−Fc RSV−dMAbをコードするプラスミドでトランスフェクションした。培地をトランスフェクションの72時間後に採取し、0.22μmのステリカップ−GP真空濾過システム(Millipore、Burlington,MA)を使用して濾過した。sc−Fv−Fc RSV dMAbトランスフェクト細胞からの上清を、製造業者の説明書によるプロテインAスピンカラム(ThermoFisher)を使用して精製した。溶出されたタンパク質をアミコンウルトラ−15遠心濾過ユニット(30kDa)によって濃縮し、ナノドロップによって定量化した。ヒトRSV IgGトランスフェクト細胞からの上清を、製造業者の説明書によるプロテインG GraviTrap(GE Healthcare、Chicago,IL)を使用して精製した。溶出されたタンパク質を、アミコンウルトラ−15遠心濾過ユニット(30kDa)によって濃縮した。10μgの各試料を、NuPAGE(商標)4〜12%ビス−トリスゲル(ThermoFisher)上に充填した。プレシジョンPlusカレイドスコーププレステインドプロテインスタンダード(Bio−Rad、Hercules,CA)を標準マーカーとして使用した。ゲルを、iBlot(商標)2トランスファーデバイス(Invitrogen、Waltham,MA)を使用してPVDF膜に転写した。膜を、ヤギ組織学緩衝液(PBS中1%(w/v)BSA(Sigma)、2%(v/v)ヤギ血清(Sigma)、0.3%(v/v)Triton−X(Sigma)、および0.025%(v/v)1g/mlアジドナトリウム(Sigma))で、室温で30分間ブロックした。ヤギ組織学緩衝液中1:5000希釈液中のヤギ抗ヒトIgG−重鎖および軽鎖サル吸着抗体HRP複合体(A80−319P、Bethyl)を添加し、室温で1時間インキュベートした。ブロットを1×DPBS(HyClone、Logan,UT)中で5分間3回洗浄した後、ヤギ組織学緩衝液中1:5000希釈液中のヤギ抗ヒトIgG−Fc断片抗体HRP(A80−104P、Bethyl)を添加し、室温で1時間インキュベートした。ブロットを1×DPBS中で5分間3回洗浄した後、ECL(商標)プライムウエスタンブロッティングシステム(GE Healthcare)を使用して膜を開発し、プロテインシンプルFluorChemシステムを使用して撮像した。
動物の血清およびBAL中のヒトRSV−F dMAbの定量化
96ウェルアッセイプレート(Thermo Scientific)を、4℃で一晩、1×DPBS(ThermoFisher)中1ug/ウェルのヤギ抗huIgG Fc断片抗体(Bethyl)でコーティングした。翌日、プレートを1×PBS洗浄緩衝液中0.2%(v/v)TWEENで洗浄し、1×DPBS中10%(v/v)FBSで、室温で1時間ブロックした。血清試料を、0.2%(v/v)TWEEN−1×PBS中1%(v/v)FBS中に希釈し、100μlのこの混合物を洗浄アッセイプレートに添加した。さらに、精製されたヒト一本鎖抗体の標準希釈液を、希釈緩衝液中、500ng/mlから開始する1:2の連続希釈液として調製し、各アッセイプレートに2つ組で添加した。試料および標準を室温で1時間インキュベートした。洗浄後、プレートを1:10,000希釈ヤギ抗ヒトIgG−Fc断片抗体HRP(Bethyl、A80−104P)と共に室温で1時間インキュベートした。検出のために、SureBlue基質溶液(Seracare、Milford,MA)を洗浄プレートに添加した。6分後、TMB停止溶液(Seracare、Milford,MA)をアッセイプレートに添加することによって反応を停止した。ODを450nmで読み取った。血清レベルの発現を、濃度の対数のシグモイド4パラメータロジスティック曲線適合を使用して標準曲線から補間した。
抗原結合ELISA
アッセイプレートを、4℃で一晩、1×DPBS(ThermoFisher)中に希釈した1μg/ウェルのヒト呼吸器合胞体ウイルス(RSV)(A2)融合糖タンパク質(Sino Biological、Wayne,PA)でコーティングした。プレートを0.05%TWEENを含む1×PBS緩衝液で洗浄した。250μl/ウェルの0.05%TWEENを有する1×PBS中3%(w/v)BSAを添加し、室温で1時間インキュベートした。血清試料を、0.05%TWEENで1×PBS中1%(w/v)BSA中に希釈した。アッセイプレートを洗浄した後、3倍連続希釈液中に血清試料を添加した。プレートを室温で1時間インキュベートした。洗浄した後、100μlの1:10000希釈ヤギ抗ヒトIgG−Fc断片抗体HRP(Bethyl、A80−104P)を添加し、室温で1時間インキュベートした。開発のために、SureBlue/TMB停止溶液(Seracare、Milford,MA)を使用し、ODを450nmで記録した。
RSV中和抗体アッセイ(60%還元)
熱処理された血清試料を、EMEMで1:10に希釈し、さらに1:4に連続希釈した。希釈した血清試料を、室温で1時間、RSV(25〜50PFU)と共にインキュベートし、24ウェルプレート中のコンフルエントHEp−2単層上に2つ組で接種した。5%COインキュベーター中37℃で1時間インキュベーションした後、ウェルを0.75%メチルセルロース培地で重ねた。4日間のインキュベーション後、オーバーレイを除去し、細胞を0.1%結晶バイオレット染色で1時間固定し、次いで、すすぎ、空気乾燥させた。対応する相互中和抗体力価を、統計プログラムを使用してウイルス対照の60%還元エンドポイントで決定した。グループ内の全ての動物の幾何平均±標準誤差を計算した。
コットンラットチャレンジ研究
動物:
6〜8週齢の15匹の近親交配雌Sigmodon hispidusコットンラット(出典:Sigmovir Biosystems,Inc.、Rockville MD)を、国立衛生研究所ガイドラインおよびSigmovir動物実験委員会の承認された動物試験により承認された動物研究プロトコルに従って、獣医学的監督の下で維持し、処置した。コットンラットを、透明なポリカーボネートケージに個別に収容し、標準的なげっ歯類用飼料(Harlan #7004)および水道水を適宜に提供した。
チャレンジウイルス:
RSV/A(ATCC、Manassas,VA)のプロトタイプ長株を、連続プラーク精製後にHEp−2細胞内で繁殖させ、欠陥干渉粒子を低減した。hRSV/A/長ロット#021413として指定され、ショ糖安定化培地で調製され、約2×10pfu/mlを含むウイルスのプールを、このインビボ実験に使用した。このウイルスストックは−80℃の条件下で保管され、上下気道複製のためのコットンラットモデルを使用してインビボで特徴付けられている。
手順:
15匹の成体雌コットンラット(6〜8週齢)を、それぞれ5匹の動物の3グループに分けた。RSV−dMAbグループの動物を、実験の0日目に上に記載されるように処置した。パリビズマブ対照グループの動物に、実験の6日目に0.1mlの15mg/kgパリビズマブをIM注射した。3つ目のグループの動物は未処置のままであった。7日目に、全ての動物を0.1mL体積で10pfuのRSV/A/長(IN)でチャレンジした。12日目に全ての動物を屠殺した。肺をひとまとめにして採取し、左切片をウイルス滴定に使用し、舌葉をqPCRに使用した。
肺ウイルス滴定
肺ホモジネートを遠心分離によって清澄化し、EMEM中で希釈する。コンフルエントHEp−2単層を、24ウェルプレート中で希釈されたホモジネートと2つ組で感染させる。5%COインキュベーター中37℃で1時間インキュベーションした後、ウェルを0.75%メチルセルロース培地で重ねる。4日間のインキュベーション後、オーバーレイを除去し、細胞を0.1%結晶バイオレット染色で1時間固定し、次いで、すすぎ、空気乾燥させる。プラークを計数し、ウイルス力価を組織1グラムあたりのプラーク形成単位として表す。ウイルス力価を、所与の時間でのグループ内の全ての動物の幾何平均+標準誤差として計算する。
肺組織のリアルタイムPCR
総RNAを、RNeasy精製キット(QIAGEN、Valencia,CA)を使用してホモジナイズされた肺組織から抽出する。1μgの総RNAを使用して、スーパースクリプトII RT(Invitrogen)およびオリゴdTプライマー(1μl、Invitrogen)を使用してcDNAを調製する。リアルタイムPCR反応の場合、Bio−Rad iQ(商標)SYBR Green Supermixを、0.5μMの最終プライマー濃度で、25μlの最終体積で使用する。反応を96ウェルトレイに2つ組で実行する。増幅を、3分間95℃の1サイクル、続いて10秒間95℃、10秒間60℃、および15秒間72℃の40サイクルでBio−Rad iCycler上で行う。ベースラインサイクルおよびサイクル閾値(Ct)を、PCRベースライン減算曲線適合モードでiQ5ソフトウェアによって計算する。DNAの相対定量を全ての試料に適用する。標準曲線を、目的の転写産物(例えば、原発性RSV感染後4日目からの肺)で最も濃縮された連続希釈cDNA試料を使用して発展させる。Ct値を、log10 cDNA希釈因子に対してプロットする。これらの曲線を使用して、異なる試料について得られたCt値を相対発現単位に変換する。次いで、これらの相対発現単位を、対応する試料中に発現されるb−アクチンmRNA(「ハウスキーピング遺伝子」)のレベルに正規化する。動物研究では、mRNAレベルを、所与の時間でのグループ内の全ての動物の幾何平均±SEMとして表す。
統計学
ノンパラメトリック両側マン・ホイットニーのt検定を用いて、GraphPad Prism v.7で統計学的分析を行った。
結果はここで記載される。
RSV−F−dMAb構築物設計
抗RSV−F dMAbは、FDAに承認された抗RSV mAb、パリビズマブに基づいた。分子設計を補助するために、ディスカバリースタジオ4.5(Biovia、San Diego,CA)を使用して、可変断片(Fv)および一本鎖可変断片(scFv)形式の両方のdMAbのモデルを生成した。scFvを、(G4S)3リンカーを使用してVH−VLおよびVL−VH配向の両方でモデル化した。モデリング結果に基づいて、scFv可変ドメインに最小の摂動を引き起こすと予測されたため、VL−VH配向を選択した(図1A)。Sc−Fv−Fc RSV−F dMAb(RSV−F dMAb)の遺伝子を、pVAX骨格にクローニングし、ヒトCMVプロモーターの制御下にある(図1B)。RSV−F dMAb発現を、RSV−F dMAb pDNAによるインビトロトランスフェクト293T細胞の免疫蛍光染色によって確認した(図1C)。染色は、RSV−F−dMAbの細胞質基質発現を示す。293T細胞によるRSV−F dMAbの分泌を、細胞培養上清のウエスタンブロット分析によって確認した(図1D)。予想通り、重鎖(57kDa)および軽鎖(26kDa)を表すパリビズマブ−IgGについて2個のバンドが観察され、一本鎖RSV−F dMAb構築物について単一のバンド(60kDa)が検出された。
dMAbインビボ発現モデル
dMAbの最適なインビボ発現のために、増強されたpDNA送達プロトコルを開発した。dMAb pDNAを、細胞外マトリックス(ECM)破壊酵素、ヒアルロニダーゼと共に製剤化し、インビボエレクトロポレーションで筋肉に送達する。図2Aに表される概略図は、送達およびインビボ発現を強調するdMAbプラットフォームを概説する。簡潔には、dMAb pDNAを、エレクトロポレーションの補助と共に骨格筋に送達する。IM送達部位におけるdMAb発現は、筋細胞におけるヒトIgGについて染色することによって可視化することができる(図2B)。dMAbの産生時、筋細胞は、抗体構築物を循環血液量中に分泌する。DMAbは、血清中で測定され得る(図2C)。DMAbの発現は、数ヶ月間持続され得る。
BALB/cマウスにおけるRSV−F dMAbのインビボ発現
機能的RSV−F dMAbの発現をインビボで評価した。BALB/cマウスに、TA筋肉に投与した50μgのRSV−F dMAb pDNAを投与した。RSV−F dMAbの7日目の血清濃度は平均7500ng/mlであった(図3A)。異種ヒト抗体構築物に対して上昇した宿主抗薬物抗体(ADA)応答と関連した7日目の後の血清濃度の低下があった(データは図示せず)。発現したRSV−F dMAbのRSV−F抗原に結合する能力を、未処置動物と比較して処置動物からの血清試料のELISAによって確認した(図3B)。RSV−dMAb構築物で処置した動物からの血清は、強力な血清希釈依存性結合シグナルを示し、より高い血清濃度で「フック効果」を呈している。インビボで発現したRSV−F dMAbのRSV−F結合能力は、ウイルス中和機能性に変換される。RSV−F−dMAbを有する血清は、7logのロバストなRSV/Aウイルス中和力価に達する(図3C)。RSV−F dMAbのRSV感染部位への生体内分布を、肺洗浄試料において確認した。TA筋肉へのRSV−F dMAbの投与の7日後、気管支肺胞洗浄(BAL)試料中のdMAbを、11.25mol mAb/g総タンパク質+/−SEM2.65で正常に測定した(図3D)。要約すると、RSV−F dMAbのIM送達は、全身性循環および自然RSV感染の生理学的に関連する部位に存在した機能性抗RSV−F抗体構築物の産生をもたらした。
コットンラットにおけるRSV−F dMAbのインビボ発現
コットンラットは、RSV感染症および薬物介入をモデルとするゴールドスタンダードモデルと考えられる。コットンラットは、非適応ヒトRSVを受けやすく、マウスより100倍も感染を許容する。また、それらはヒト疾患病理学21、22の多くの特徴を示す。
最初に、コットンラット筋細胞がdMAb構築物を発現する能力を、RSV−F dMAb pDNAの脚筋への送達後に評価した(図4A)。次に、局所dMAb発現が全身性の発現につながるかどうかを試験した。コットンラットの血清におけるRSV−F dMAbの持続(5週間超)レベル(1,000ng/ml超)を測定した(図4B)。発現したdMAbの機能性をRSV/A中和アッセイで試験した。プラーク還元アッセイでは、5.4の平均中和力価を測定した(図4C)。dMAbのRSV感染部位への生体内分布をBAL液中で評価した。
これらの動物からのBAL試料中のRSV−F dMAbの平均レベルは、10.8mol/gの総タンパク質であった(図4D)。要約すると、RSV−F−dMAb pDNAのコットンラットの筋肉への送達は、RSVウイルスを中和し、かつ肺に存在した機能性抗体の全身性産生をもたらした。
インビボで発現したRSV−dMAbは、下気道疾患からの保護を与える。
コットンラットにおいて機能性抗RSV−F dMAbを達成する能力は、活性免疫予防研究においてプラットフォームの有効性を試験することにつながった(図5A)。コットンラットの別個のグループに、RSV−F−dMAb(グループ1)もしくはパリビズマブ(グループ2)を投与したか、または未処置のままのいずれかであった。全てのグループを、0日目に10pfuのRSV/A/長で鼻腔内にチャレンジした。チャレンジの5日後、肺組織を採取し、ウイルス負荷を測定した。グループ1およびグループ2の両方は、RSV感染症に関連する下気道疾患から保護された。dMAb処置したコットンラットの肺は、鼻腔内チャレンジの5日後に250pfuの平均ウイルス負荷(SEM=50)を含んだ。パリビズマブ処置したコットンラットの肺について同様のウイルス負荷を測定した:200pfu(SEM=0)。比較して、未処置のコットンラットの肺は、27,520pfuの高ウイルス負荷を含んだ(SEM=8408.9)(図5B)。RSVの非構造タンパク質1(NS1)を標的とするプライマーを用いて、下気道組織における著しく低減したウイルスゲノムコピー数をリアルタイムPCRで測定した。dMAb(平均RSV mRNA=0.181、SEM=0.050)およびパリビズマブ(平均RSV mRNA=0.032、SEM=0.004)で処置したコットンラットにおける平均RSV−mRNAレベルは、未処置の動物(平均RSV mRNA=1.175、SEM=0.306)と比較して低減された(図5C)。注目すべきことに、dMAb処置されたコットンラットは、下気道疾患から保護されたが、RSV−F dMAb血清レベルは、パリビズマブについて測定されたものよりも約10倍より低かった(図5D)。要約すると、これらのデータは、抗RSV−F dMAbを使用して、ゴールドスタンダード疾患モデルにおけるウイルスチャレンジから保護するAIPプラットフォームの能力を示した。
生ウイルスチャレンジにおける下気道疾患から保護されたDMAb
予防的および治療的モノクローナル抗体への患者のアクセスを増加させるために用いることができるプラットフォーム技術の開発の差し迫った必要性がある。ここで表される作業は、これを達成するための抗体遺伝子送達プラットフォーム、dMAbの可能性を強調する。これは、FDAに承認されたmAb、パリビズマブに基づくdMAb構築物を使用してRSV標的に適用される技術である。データは、複数の臨床前モデルにおけるdMAb構築物の成功したインビボ発現、およびウイルスチャレンジに対する宿主保護を付与する能力を示す(図5)。ここで表されるデータおよび他の最近の報告10〜13、23データは、数多くの感染症に対する予防的選択肢としてのdMAbプラットフォームの特徴および有効性を強調する。
dMAb技術の成功は、宿主へのpDNAの効果的な送達に依存する。インビボdMAb送達は、複数の因子の合成および分泌において非常に熟達した内分泌器官と見なされる骨格筋における宿主筋細胞を標的とする24。さらに、筋細胞は極めて長寿命であり、これらの特徴を合わせると、筋肉は高レベルの導入遺伝子発現のための理想的な生物学的工場であり、最大数ヶ月の送達まで持続することができる25、26。しかしながら、mAb産生生物学的工場としての筋肉部位の完全な可能性を利用するには、dMAb pDNAの筋細胞への非常に効率的な送達を必要とする。dMAb pDNAの筋肉への送達を最適化するために、EP、およびECM修飾酵素、ヒアルロニダーゼを使用する。これは、この送達プロトコルが、送達部位の筋細胞におけるロバストなdMAb発現をどのように達成するかを強調し(図2b)、これは、循環において分泌されるdMAbの高いレベルをもたらす(図2c)。重要なことに、それはこのロバストな発現が持続していることを示す。異種遺伝子dMAbに対する適応宿主免疫応答の不在下で、23週間にわたる発現を示した(図2C)。野生型コットンラットにおける機能性免疫系の存在下であっても、39日間の発現を示した(図4B)。持続された発現は、免疫予防モダリティにとって極めて重要な構成要素であり、従来の組換えmAbで欠如している特徴である。例えば、パリビズマブの投与は、典型的には、地域別偏差を含めて11月から4月にかけて続くRSVシーズン発症前に開始されることが理想的である27。それは15mg/kgで投与され、RSVシーズン中、筋肉内注射によって毎月投与されなければならない。血清半減期は、20日と報告されている28、29。一方、パリビズマブのdMAb対応物は、連続的に発現および分泌され、有効な循環レベルのmAbが維持され得る。dMAbの単一の送達は、RSVシーズン中、患者の血清中に保護mAbを提供する。これを支持するために、薬物動態(pK)研究では、コットンラットにおいて最大6週間安定したままにするための循環ヒトRSV−F dMAbレベルが観察され(図4B)、T細胞枯渇マウスについては数ヶ月間であった(図2C)。
sc−Fv抗体の特徴は、それらの優れた生体内分布である。それらの小さなサイズに起因して、それらは効率よく組織に浸透する。しかしながら、わずか数時間の血清半減期によって有効性が制限される。Fcタンパク質への融合は、得られたsc−Fv−Fc分子の血清半減期を数時間から数日30に増加させる。それは完全長IgG分子の半減期を超えないが、そのより小さなサイズ31のために優れた生体内分布を依然として呈する。RSV−dMAbを、マウスおよびコットンラットの肺において正常に検出した(図3Dおよび4D)。RSV感染部位に存在するより小さなsc−Fv−Fc分子の増加された能力は、パリビズマブと比較して10倍より低い血清濃度(図5D)にもかかわらず、下気道疾患からの同様のレベルの保護(図5Bおよび図5C)を説明し得る。2つの分子およびそれらの生体内分布のより正確な比較を可能にするために、今後の実験は、両方のmAb構築物が、ウイルスチャレンジ時に動物の血清中で等しい濃度であるように設計されるであろう。RSVチャレンジ後のLRDの予防におけるmAbの生体内分布の重要性は、以前に報告された。Wuらは、乏しい生体内分布のために高いインビトロ中和能力にもかかわらず、パリビズマブバリアントに対するインビボ有効性がより低いことを報告する32。Tiwariらは、mRNAコードRSV−Abの発現のために肺組織を直接標的化することによって、有望な結果を報告した33
抗体遺伝子を送達するために他のプラットフォームが用いられているが、一方で、dMAbは、ウイルスベクターおよびmRNAベースの抗体送達を含む、他の核酸ベースのモノクローナル抗体技術よりも複数の利点を有する。まず、dMAbは裸pDNAプラットフォームであり、したがって、それはアデノウイルスまたは組換えアデノ関連ウイルスベースの遺伝子送達の使用を制限する抗ベクター免疫を回避し、潜在的に毒性のある化学送達プラットフォームビヒクルは必要とされない。mRNAベースのmAbは概して、脂質ナノ粒子製剤34〜36を必要とする。上で議論され、この研究で表されるデータで強調されるように、dMAbについて持続的であるが、限定的な発現プロファイルがある。mRNAコード抗体は、組み換え抗体のものとより密接に一致する有意なより短い血清半減期を有し、一方、抗体遺伝子のアデノウイルスまたは組み換えアデノ関連ウイルス送達は、無限発現をもたらし得、体細胞DNAへの組み込みおよび導入遺伝子37の潜在的に制限されない発現から生じる安全性の懸念を有する。加えて、IVで送達され、患者に投与するために適切な重要なインフラストラクチャを必要とする多くの組換えおよびmRNAベースの抗体候補とは異なり、dMAbは、その分野でIM投与することができる。プラスミドDNAは、比較的簡単に製造され、非常に費用対効果の高い生産を可能にする。製剤化されたプラスミドDNAは、凍結乾燥の必要なしに温度が安定しており、その貯蔵および分布は、コールドチェーンを必要としない。
要約すると、確立された疾患モデルにおける感染性疾患RSVを標的とするためにdMAbプラットフォームを適用すると、このデータは、動物の血清および肺におけるRSV抗体構築物のロバストな循環レベルを示す。さらに、インビボで発現した抗体構築物は、機能的に活性であり、生ウイルスチャレンジ研究において、下気道疾患からの保護を提供した(図5)。これらの所見は、dMAb技術の意義と、感染性疾患によって引き起こされる世界的死亡と戦うその可能性を支持する。
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実施例2
ここで、操作された一本鎖抗RSV−F可変断片(scFv)DMAbが記載される(表1)。この抗体構築物遺伝子のインビボ送達は、マウスの血清中の抗体のロバストな体系的レベルをもたらした。同等のレベルは、RSV感染症からの下気道疾患からの保護と関連付けられている。RSV感染後のヒト疾患をモデル化するゴールドスタンダードであるコットンラットでは、送達後最大60日間DMAbの維持された血清発現が観察される。抗体もまた肺洗浄試料中で検出され、有効な生体内分布を示した。さらに、RSV−F scFv DMAbを有する動物からの血清は、抗原結合および生ウイルスの中和に関して機能的に活性であった。これらの所見は、モノクローナル抗体ベースの免疫予防薬を、感染性疾患に取り組むための経済的かつ有効的な選択肢としてもたらすための実行可能なプラットフォーム技術としてのdMAbの意義を支持する。
Figure 2021512600
実施例3
ここで、データは、操作された抗RSV−F dMAbおよび最適化された送達プロトコルを表す。dMAbの全身性の発現の動態および大きさを、動物の血清中のsc−FV IgG dMAbの濃度として測定する。生体内分布を、処置された動物の肺洗浄試料を測定することによって検査する。インビボで発現したdMAbもまた、結合および中和機能性について試験した。
本明細書に表されるデータは、完全長ヒトIgGと比較して改善されたインビボ発現プロファイルを有するDNAプラスミドをコードする抗RSV sc−Fvの操作を示す。全身性の発現をさらに増強するために、最適化された送達プロトコルを用いた。最適化された製剤は、標的組織の細胞外マトリックスの修飾によりプラスミドDNAの分散を増強する。エレクトロポレーションは、標的細胞によるDNA分子の細胞取り込みを増加させる。RSV融合タンパク質(RSV−F)抗原と結合し、生RSV−Aウイルスを中和するために処置されたマウスの血清からインビボで発現したヒトsc−Fb\vの機能性を、インビトロで確認した。血清レベルの発現に加えて、インビボで発現したヒトsc−Fvもまた、自然RSV感染の位置である肺内で検出された。次いで、投与および送達方法を、RSV−プロフィラキシス開発のための標準臨床前モデルであるコットンラットに適用した。
このdMAbのインビボ送達は、マウスの血清中の抗体のロバストな体系的レベルをもたらした(図12)。適合レベルの組み換えパビリズマブは、RSV感染後の下気道疾患からの保護を提供する。RSV感染後のヒト疾患をモデル化するゴールドスタンダードであるコットンラットでは、dMAbの持続された血清発現が、送達後最大60日間観察された(図13)。抗体もまた肺洗浄試料中で検出され、有効な生体内分布を示した(図12)。さらに、RSV−F dMAbを有する動物からの血清は、抗原結合および生ウイルスの中和に関して機能的に活性であった(図12および14)。
これらの結果は、抗RSVヒトsc−Fv dMAbが、RSVシーズン中のタンパク質−mAbの反復注射に代わる有効な代替物であり得ることを提案する。RSV−dMAbは、受動免疫に関連するいくつかの障害を克服する可能性を有する。
実施例4
本明細書に表されるデータは、ヒトRSV感染症に対するコットンラットモデルにおけるRSV dMAbの有効性を示す。
材料および方法を説明する。
筋肉内pDNA送達
マウスおよびコットンラットの後ろ脚の筋肉にわたって剃毛した。RSV−F dMAbプラスミドDNAを、1×SSC中、マウスの場合128.5U/mlのヒアルロニダーゼ、またはコットンラットの場合117.8U/mlと共配合した。
マウスは筋肉内注射30ulを受け、コットンラットは200ulを受けた(図15)。注射深さをマウスで2mm、コットンラットで5mmに調節した。pDNA注射から60秒後、CELLECTRA−3P(登録商標)と共に注入部位でEPが送達された。マウスには挿入深さ3mm、コットンラットには深さ6mmで、3本の針電極の配列を使用した。
動物の血清中のヒトFc RSV−F dMAbの定量化
96ウェルアッセイプレート(Thermo Scientific(商標)Nunc(商標))を、4℃で一晩、1×DPBS(Thermofischer、MA)中1μg/ウェルのヤギ抗huIgG Fc断片抗体(Bethyl、TX)でコーティングした。翌日、プレートを1×PBS洗浄緩衝液中0.2%(v/v)TWEENで洗浄し、1×DPBS中10%(v/v)FBSで、室温で1時間ブロックした。
血清試料を、0.2%(v/v)TWEEN−1×PBS中1%(v/v)FBS中に希釈し、別の洗浄ステップ後、100μlのこの混合物をアッセイプレートに添加した。加えて、精製されたヒトカッパ軽鎖(Bethyl、TX)の標準希釈液を、希釈緩衝液中で調製し、各アッセイプレートに添加した。試料および標準を室温で1時間インキュベートした。洗浄後、プレートを、1:10,000希釈のヤギ抗ヒトIgGカッパ軽鎖HRP(Bethyl、TX)と共に室温で1時間インキュベートした。検出のため、SureBlue基質溶液(KPL、MD)を洗浄プレートに添加した。6分後、TMB停止溶液(KPL、MD)をアッセイプレートに添加することによって反応を停止した。ODを450nmで読み取った。血清レベルの発現を、濃度の対数のシグモイド4パラメータロジスティック曲線適合を使用して標準曲線から補間した。
コットンラットチャレンジ研究
動物:
6〜8週齢の15匹の近親交配雌Sigmodon hispidusコットンラット(出典:Sigmovir Biosystems,Inc.、Rockville MD)を維持し、獣医学的監督の下で処置した。コットンラットを、透明なポリカーボネートケージに個別に収容し、標準的なげっ歯類用飼料(Harlan #7004)および水道水を適宜に提供した。
チャレンジウイルス:
RSV/A(ATCC、Manassas,VA)のプロトタイプ長株を、連続プラーク精製後にHEp−2細胞内で繁殖させ、欠陥干渉粒子を低減した。hRSV/A/長ロット#021413として指定され、ショ糖安定化培地で調製され、約2×10pfu/mlを含むウイルスのプールを、このインビボ実験に使用した。このウイルスストックは−80℃の条件下で保管され、上下気道複製のためのコットンラットモデルを使用してインビボで特徴付けられている。
手順:
15匹の成体雌コットンラット(6〜8週齢)を、それぞれ5匹の動物の3グループに分けた。RSV−dMAbグループの動物を、実験の0日目に上に記載されるように処置した。パリビズマブ対照グループの動物に、実験の6日目に0.1mlの15mg/kgパリビズマブをIM注射した。3つ目のグループの動物は未処置のままであった。
7日目に、全ての動物を0.1mL体積で10pfuのRSV/A/長(IN)でチャレンジした。12日目に全ての動物を屠殺した。鼻をウイルス滴定のために採取した。肺をひとまとめにして採取し、左切片をウイルス滴定に使用し、舌葉をqPCRに使用した。
肺および鼻のウイルス滴定
肺および肺ホモジネートを遠心分離に清澄化よってし、EMEM中で希釈する。コンフルエントHEp−2単層を、24ウェルプレート中で希釈されたホモジネートと2つ組で感染させる。5%COインキュベーター中37℃で1時間インキュベーションした後、ウェルを0.75%メチルセルロース培地で重ねる。4日間のインキュベーション後、オーバーレイを除去し、細胞を0.1%結晶バイオレット染色で1時間固定し、次いで、すすぎ、空気乾燥させる。プラークを計数し、ウイルス力価を組織1グラムあたりのプラーク形成単位として表す。ウイルス力価を、所与の時間でのグループ内の全ての動物の幾何平均+標準誤差として計算する。
リアルタイムPCR
総RNAを、RNeasy精製キット(QIAGEN)を使用して、ホモジナイズされた肺組織から抽出する。1μgの総RNAを使用して、スーパースクリプトII RT(Invitrogen)およびオリゴdTプライマー(1μl、Invitrogen)を使用してcDNAを調製する。リアルタイムPCR反応の場合、Bio−Rad iQ(商標)SYBR Green Supermixを、0.5μMの最終プライマー濃度で、25μlの最終体積で使用する。反応を96ウェルトレイに2つ組で実行する。増幅を、3分間95℃の1サイクル、続いて10秒間95℃、10秒間60℃、および15秒間72℃の40サイクル、Bio−Rad iCycler上で行う。ベースラインサイクルおよびサイクル閾値(Ct)を、PCRベースライン減算曲線適合モードでiQ5ソフトウェアによって計算する。DNAの相対定量を全ての試料に適用する。標準曲線を、目的の転写産物(例えば、原発性RSV感染後4日目からの肺)で最も濃縮された連続希釈cDNA試料を使用して発展させる。Ct値を、log10 cDNA希釈因子に対してプロットする。これらの曲線を使用して、異なる試料について得られたCt値を相対発現単位に変換する。次いで、これらの相対発現単位を、対応する試料中に発現されるb−アクチンmRNA(「ハウスキーピング遺伝子」)のレベルに正規化する。動物研究では、mRNAレベルを、所与の時間でのグループ内の全ての動物の幾何平均±SEMとして表す。
結果はここで記載される。
コットンラットにおけるRSV−F dMAbのインビボ発現
コットンラットは、マウスの約4〜5倍の大きさおよび重量である。これらのより大きなげっ歯類を収容するために、治療プロトコルを、以前のRSV−Fコットンラットワクチン研究(Smith et al.,2017,Vaccine 35(21):2840−47)に記載されているように、200μlのより大きな注射体積およびより深い注射深さおよびエレクトロポレーション電極の浸透に修飾した。
より高い体系的レベルのRSV−dMAbを達成するために、治療部位の数を動物1匹当たり6個に増加させ、総用量2.4mgのdMAb pDNAを送達することができた。この最適用量の送達および生ウイルスチャレンジの日から7日後、1384.5ng/mlの平均dMAb血清レベル(SD=189.1、n=4)を測定した。RSV−dMAb発現は、チャレンジ実験の終了まで安定したままであった。処置後12日目のコットンラット血清は、1455.5ng/mlの平均dMAb濃度(SD=345.7、n=4)を含んだ(図15)。
比較して、15mg/kgのパリビズマブの注射の1日後のヒトIgGの平均血清レベルは、15290.3ng/ml(SD=6486.7、n=4)であり、注射の5日後、10096.6ng/mlの平均血清濃度(SD=2110.7、n=5)に低下した。
インビボで発現したRSV−dMAbは、下気道の病気からの保護を与える。
生RSV−Aウイルスでチャレンジしたとき、dMAb処置したコットンラットは同様に、下気道の病気から保護されたが、RSV−dMAb発現レベルは、パリビズマブ注射後の血清レベルよりもほぼ10倍より低かった(図16)。dMAb処置したコットンラットの肺は、鼻腔内チャレンジの5日後に250pfuの平均ウイルス負荷(SEM=50、n=4)を含んだ。パリビズマブ処置したコットンラットの肺について同様のウイルス負荷を測定した:200pfu(SEM=0、n=5)。比較して、非保護コットンラットの肺は、27520pfuの高ウイルス負荷を含んだ(SEM=8408.9、n=5)。
RSVの非構造タンパク質1(NS1)を標的とするプライマーを用いて、ウイルスゲノムコピー数をリアルタイムPCRで測定したときに、下気道組織の感染の低減への同じ傾向が見出された。dMAb(平均RSV mRNA=0.181、SEM=0.050、n=4)およびパリビズマブ(平均RSV mRNA=0.032、SEM=0.004、n=5)で保護したコットンラットにおける平均RSV−mRNAレベルは、非保護動物(平均RSV mRNA=1.175、SEM=0.306、n=5)と比較して低減された。
結論
コットンラットは、ヒトRSV感染症のゴールドスタンダードモデルである。これらの動物は、非適応ヒトRSVに影響を受けやすく、1960年代のホルマリン不活性化RSVワクチンによる免疫化後のワクチン増強疾患(VED)の症状を含む、ウイルス特異的ヒト病理の多くの特徴を示す。
パリビズマブ(Synagis)は、現在、RSV関連LRIおよび入院からリスクの高い乳児を保護する唯一のFDAに承認された予防的選択肢である。ほとんどのモノクローナル抗体ベース療法として、パリビズマブによる治療は高価であり、温度感受性安定性のため、その使用はほとんどが高度に発達したインフラストラクチャを有する設定に制限されている。
タンパク質−パリビズマブおよびパリビズマブベースの最適化dMAb構築物は、最も関連する臨床前モデルにおいて、RSV感染後のLRIからの同様の保護を示した。概して、dMAb構築物の製造は費用対効果が高く、DNAプラスミドは温度が安定している。
最適化された送達プロトコルと組み合わせたDNAベースのモノクローナル抗体は、タンパク質モノクローナル抗体の有利な代替として現れる。
前述の詳細な説明および添付の例は、単に例示的であり、本発明の範囲に対する限定として解釈されるものではなく、これは、単独で添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物によって定義されることが理解される。
開示される実施形態に対する様々な変更および修飾は、当業者には明らかであろう。限定なしに、化学構造、置換分、誘導体、中間体、合成物、組成物、製剤、または本発明の使用方法に関連するもの含む、そのような変更および修飾は、その趣旨および範囲から逸脱することなく行われ得る。

Claims (17)

  1. 1つ以上の合成抗体をコードする核酸分子であって、
    a)抗呼吸器合胞体ウイルス(RSV)合成抗体をコードするヌクレオチド配列、
    b)抗RSV合成抗体の断片をコードするヌクレオチド配列、
    c)ScFv抗RSV合成抗体をコードするヌクレオチド配列、および
    d)ScFv抗RSV合成抗体の断片をコードするヌクレオチド配列からなる群から選択される少なくとも1つを含む、核酸分子。
  2. 前記1つ以上の合成抗体が、RSV抗原と結合する、請求項1に記載の核酸分子。
  3. 前記抗原が、RSV−F、RSV−G、RSV−Ga、RSV−Gb、RSV−M2−1、RSV M2−2、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の核酸分子。
  4. 切断ドメインをコードするヌクレオチド配列をさらに含む、請求項1に記載の核酸分子。
  5. 抗RSV抗体をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の核酸分子。
  6. 配列番号7および配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%相同であるアミノ酸配列、または配列番号7および配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%相同であるアミノ酸配列の断片をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項5に記載の核酸分子。
  7. 前記核酸分子が、配列番号1〜6と少なくとも90%相同であるヌクレオチド配列、または配列番号1〜6と少なくとも90%相同であるヌクレオチド配列の断片を含む、請求項6に記載の核酸分子。
  8. 前記ヌクレオチド配列が、リーダー配列をコードする、請求項1に記載の核酸分子。
  9. 前記核酸分子が、発現ベクターを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の核酸分子。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の核酸分子を含む組成物。
  11. 薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項10に記載の組成物。
  12. ヒアルロニダーゼをさらに含む、請求項10に記載の組成物。
  13. 抗RSVモノクローナル抗体であって、配列番号7および配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%相同であるアミノ酸配列、または配列番号7および配列番号1〜6のうちの1つによってコードされるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%相同であるアミノ酸配列の断片を含む、抗RSVモノクローナル抗体。
  14. 対象における疾患を予防または治療する方法であって、請求項1〜9のいずれかに記載の核酸分子または請求項10〜12のいずれかに記載の組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  15. 前記疾患が、呼吸器合胞体ウイルス感染症である、請求項13に記載の方法。
  16. 請求項1に記載の核酸分子を含む製剤。
  17. 前記製剤が、ヒアルロニダーゼをさらに含む、請求項16に記載の製剤。
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