この出願の実施形態は、指示オーバーヘッドを減らすことを助けるチャネル推定方法及び装置を提供する。
第1の態様によれば、この出願の一実施形態はチャネル推定方法を提供する。当該方法は、指示情報を生成し、該指示情報は、M個のN次元プリコーディングベクトルを指し示すために使用され、各プリコーディングベクトルが、M個の周波数帯域のうちの1つに適用されるものであり、M個のN次元プリコーディングベクトルは、N×M又はM×Nの空間−周波数行列を形成し、該空間−周波数行列は、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成され、ただし、M≧1、N≧2であり、M及びNはどちらも整数であり、そして、指示情報を送信する、ことを含み得る。M個のN次元プリコーディングベクトルで空間−周波数行列を形成することができ、該空間−周波数行列は、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成されるので、プリコーディングベクトルの指示オーバーヘッドを減らすための条件を作り出すことができる。例えば、M個のN次元プリコーディングベクトルは、空間−周波数行列を指し示すことによって指し示されることができる。また、空間−周波数行列は、複数の空間−周波数成分行列を指し示すことによって指し示されてもよい。従って、各周波数帯域に対応するプリコーディングベクトルが独立に指し示される従来技術における技術的ソリューションと比較して、この出願のこの実施形態にて提供される技術的ソリューションは、指示オーバーヘッドを減らす助けとなる。
M個のN次元プリコーディングベクトルは、N×M又はM×Nの空間−周波数行列を形成し、換言すれば、M個のN次元プリコーディングベクトルは、X×Yの空間−周波数行列を形成し、ただし、X及びYは、M及びNの一方及び他方である。
第2の態様によれば、この出願の一実施形態はチャネル推定方法を提供する。当該方法は、指示情報を受信し、該指示情報は、M個のN次元プリコーディングベクトルを指し示すために使用され、各プリコーディングベクトルが、M個の周波数帯域のうちの1つに適用されるものであり、M個のN次元プリコーディングベクトルは、N×M又はM×Nの空間−周波数行列を形成し、該空間−周波数行列は、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成され、ただし、M≧1、N≧2であり、M及びNはどちらも整数であり、そして、指示情報に基づいてM個のN次元プリコーディングベクトルを決定する、ことを含み得る。
なお、第1の態様又は第2の態様のいずれか、及び第1の態様又は第2の態様の以下の取り得る設計のいずれかにおいて、空間−周波数行列は具体的に、以下に記載される狭義の空間−周波数行列である。
第1の態様又は第2の態様に基づき:
取り得る一設計において、各空間−周波数成分行列は、空間−周波数成分行列セットから選択され、又は空間−周波数基底行列セットから選択された複数の空間−周波数基底行列について重み付け結合を実行することによって生成される。
取り得る一設計において、各空間−周波数成分行列が空間−周波数成分行列セットから選択される場合に、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分行列と、複数の空間−周波数成分行列の各々の重みと、を指し示すために使用される。
取り得る一設計において、各空間−周波数成分行列が、空間−周波数基底行列セットから選択された複数の空間−周波数基底行列について重み付け結合を実行することによって生成される場合に、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分行列の各々に対応する複数の空間−周波数基底行列と、重み情報と、を指し示すために使用される。重み情報は、複数の空間−周波数基底行列の重み及び空間−周波数成分行列の重みを含む。あるいは、重み情報は、複数の空間−周波数基底行列の重みに別々に空間−周波数成分行列の重みを乗算することによって得られた重みを含む。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。
取り得る一設計において、複数の空間−周波数成分行列の各々は、2つのベクトルに基づいて構築され、2つのベクトルのうちの一方は、N次元の空間ドメイン成分ベクトルに基づいて構築され、他方は、M次元の周波数ドメイン成分ベクトルに基づいて構築される。例えば、空間−周波数行列がM×N空間−周波数行列であるとき、複数の空間−周波数成分行列の各々は、N次元空間ドメイン成分ベクトルと、M次元周波数ドメイン成分ベクトルの共役転置ベクトルとの積である。例えば、空間−周波数行列がM×N空間−周波数行列であるとき、複数の空間−周波数成分行列の各々は、M次元周波数ドメイン成分ベクトルと、N次元空間ドメイン成分ベクトルの共役転置ベクトルとの積である。明らかなことには、この出願はこれに限定されるものではない。
取り得る一設計において、各空間ドメイン成分ベクトルが、空間ドメイン成分ベクトルセットから選択され、又は空間ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される。
取り得る一設計において、各周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン成分ベクトルセットから選択され、又は周波数ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される。
取り得る一設計において、各空間ドメイン成分ベクトルが、空間ドメイン成分ベクトルセットから選択され、且つ各周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン成分ベクトルセットから選択される場合に、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分行列の各々に対応する空間ドメイン成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルと、空間−周波数成分行列の重みと、を指し示すために使用される。
取り得る一設計において、各空間ドメイン成分ベクトルが、空間ドメイン成分ベクトルセットから選択され、且つ各周波数ドメイン成分ベクトルが、複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合に、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分行列の各々に対応する空間ドメイン成分ベクトル及び複数の周波数ドメイン基底ベクトルと、重み情報と、を指し示すために使用される。該重み情報は、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みと、空間−周波数成分行列の重みとを含む。あるいは、該重み情報は、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みに別々に空間−周波数成分行列の重みを乗算することによって得られた重みを含む。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。
取り得る一設計において、各空間ドメイン成分ベクトルが、複数の空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、且つ各周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン成分ベクトルセットから選択される場合に、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分行列の各々に対応する周波数ドメイン成分ベクトル及び複数の空間ドメイン基底ベクトルと、重み情報と、を指し示すために使用される。該重み情報は、複数の空間ドメイン基底ベクトルの重みと、空間−周波数成分行列の重みとを含む。あるいは、該重み情報は、複数の空間ドメイン基底ベクトルの重みに別々に空間−周波数成分行列の重みを乗算することによって得られた重みを含む。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。
取り得る一設計において、各空間ドメイン成分ベクトルが、複数の空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、且つ各周波数ドメイン成分ベクトルが、複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合に、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分行列の各々に対応する複数の空間ドメイン基底ベクトル及び複数の周波数ドメイン基底ベクトルと、重み情報と、を指し示すために使用される。該重み情報は、複数の空間ドメイン基底ベクトルの重みと、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みと、空間−周波数成分行列の重みとを含む。あるいは、該重み情報は、複数の空間ドメイン基底ベクトルの重みに別々に空間−周波数成分行列の重みを乗算することによって得られた重みと、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みとを含む。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。あるいは、該重み情報は、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みに別々に空間−周波数成分行列の重みを乗算することによって得られた重みと、複数の空間ドメイン基底ベクトルの重みとを含む。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。
取り得る一設計において、以上の指示情報のうちのいずれか1つは、少なくとも1つのサブ情報を含み、少なくとも1つのサブ情報の各々が、いずれかの指示情報によって指し示される情報のうちの少なくとも1つを指し示すために使用され、そして、少なくとも2つのサブ情報の送信周期が相異なり、又は全てのサブ情報の送信周期が同じである。
取り得る一設計において、各空間ドメイン成分ベクトルが、複数の空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成されるとき、複数の空間−周波数成分行列の各々が、同一グループの空間ドメイン基底ベクトルに対応する。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。
取り得る一設計において、各周波数ドメイン成分ベクトルが、複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成されるとき、複数の空間−周波数成分行列の各々が、同一グループの周波数ドメイン基底ベクトルに対応する。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。
取り得る一設計において、周波数ドメイン基底ベクトルセット内の周波数ドメイン基底ベクトルは、DFT行列の列ベクトル、又はSVDユニタリ行列の列ベクトルである。DFT行列は、一次元DFT行列、又はオーバーサンプリングされた一次元DFT行列とし得る。
第3の態様によれば、この出願の一実施形態はチャネル推定方法を提供する。当該方法は、指示情報を生成し、該指示情報は、M個のN次元プリコーディングベクトルを指し示すために使用され、各プリコーディングベクトルが、M個の周波数帯域のうちの1つに適用されるものであり、M個のN次元プリコーディングベクトルは、M×N次元空間−周波数ベクトルを形成し、該空間−周波数ベクトルは、複数の空間−周波数成分ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、ただし、M≧1、N≧2であり、M及びNはどちらも整数であり、そして、指示情報を送信する、ことを含み得る。
第4の態様によれば、この出願の一実施形態はチャネル推定方法を提供する。当該方法は、指示情報を受信し、該指示情報は、M個のN次元プリコーディングベクトルを指し示すために使用され、各プリコーディングベクトルが、M個の周波数帯域のうちの1つに適用されるものであり、M個のN次元プリコーディングベクトルは、M×N次元空間−周波数ベクトルを形成し、該空間−周波数ベクトルは、複数の空間−周波数成分ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、ただし、M≧1、N≧2であり、M及びNはどちらも整数であり、そして、指示情報に基づいてM個のN次元プリコーディングベクトルを決定する、ことを含み得る。
第3の態様又は第4の態様に基づき:
取り得る一設計において、各空間−周波数成分ベクトルは、空間−周波数成分ベクトルセットから選択され、又は空間−周波数基底ベクトルセットから選択された複数の空間−周波数基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される。
取り得る一設計において、各空間−周波数成分ベクトルが空間−周波数成分ベクトルセットから選択される場合に、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分ベクトルと、複数の空間−周波数成分ベクトルの各々の重みと、を指し示すために使用される。
取り得る一設計において、各空間−周波数成分ベクトルが、空間−周波数基底ベクトルセットから選択された複数の空間−周波数基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合に、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分ベクトルの各々に対応する複数の空間−周波数基底ベクトルと、重み情報と、を指し示すために使用される。重み情報は、複数の空間−周波数基底ベクトルの重み及び空間−周波数成分ベクトルの重みを含む。あるいは、重み情報は、複数の空間−周波数基底ベクトルの重みに別々に空間−周波数成分ベクトルの重みを乗算することによって得られた重みを含む。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。
取り得る一設計において、空間−周波数成分ベクトルは、2つのベクトルのクロネッカー積を用いることによって構築される。2つのベクトルのうちの一方は、N次元の空間ドメイン成分ベクトルに基づいて構築され、他方は、M次元の周波数ドメイン成分ベクトルに基づいて構築される。例えば、空間−周波数成分ベクトルは、N次元空間ドメイン成分ベクトルと、M次元周波数ドメイン成分ベクトルとのクロネッカー積である。例えば、空間−周波数成分ベクトルは、M次元周波数ドメイン成分ベクトルと、N次元空間ドメイン成分ベクトルとのクロネッカー積である。明らかなことには、この出願はこれに限定されるものではない。
取り得る一設計において、各空間ドメイン成分ベクトルが、空間ドメイン成分ベクトルセットから選択され、又は空間ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される。
取り得る一設計において、各周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン成分ベクトルセットから選択され、又は周波数ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される。
取り得る一設計において、各空間ドメイン成分ベクトルが、空間ドメイン成分ベクトルセットから選択され、且つ各周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン成分ベクトルセットから選択される場合に、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分ベクトルの各々に対応する空間ドメイン成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルと、空間−周波数成分ベクトルの重みと、を指し示すために使用される。
取り得る一設計において、各空間ドメイン成分ベクトルが、空間ドメイン成分ベクトルセットから選択され、且つ各周波数ドメイン成分ベクトルが、複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合に、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分ベクトルの各々に対応する空間ドメイン成分ベクトル及び複数の周波数ドメイン基底ベクトルと、重み情報と、を指し示すために使用される。該重み情報は、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みと、空間−周波数成分ベクトルの重みとを含む。あるいは、該重み情報は、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みに別々に空間−周波数成分ベクトルの重みを乗算することによって得られた重みを含む。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。
取り得る一設計において、各空間ドメイン成分ベクトルが、複数の空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、且つ各周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン成分ベクトルセットから選択される場合に、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分ベクトルの各々に対応する周波数ドメイン成分ベクトル及び複数の空間ドメイン基底ベクトルと、重み情報と、を指し示すために使用される。該重み情報は、複数の空間ドメイン基底ベクトルの重みと、空間−周波数成分ベクトルの重みとを含む。あるいは、該重み情報は、複数の空間ドメイン基底ベクトルの重みに別々に空間−周波数成分ベクトルの重みを乗算することによって得られた重みを含む。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。
取り得る一設計において、各空間ドメイン成分ベクトルが、複数の空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、且つ各周波数ドメイン成分ベクトルが、複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合に、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分ベクトルの各々に対応する複数の空間ドメイン基底ベクトル及び複数の周波数ドメイン基底ベクトルと、重み情報と、を指し示すために使用される。該重み情報は、複数の空間ドメイン基底ベクトルの重みと、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みと、空間−周波数成分ベクトルの重みとを含む。あるいは、該重み情報は、複数の空間ドメイン基底ベクトルの重みに別々に空間−周波数成分ベクトルの重みを乗算することによって得られた重みと、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みとを含む。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。あるいは、該重み情報は、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みに別々に空間−周波数成分ベクトルの重みを乗算することによって得られた重みと、複数の空間ドメイン基底ベクトルの重みとを含む。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。
取り得る一設計において、以上の指示情報のうちのいずれか1つは、少なくとも1つのサブ情報を含み、少なくとも1つのサブ情報の各々が、いずれかの指示情報によって指し示される情報のうちの少なくとも1つを指し示すために使用され、そして、少なくとも2つのサブ情報の送信周期が相異なり、又は全てのサブ情報の送信周期が同じである。
取り得る一設計において、各空間ドメイン成分ベクトルが、複数の空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成されるとき、複数の空間−周波数成分ベクトルの各々が、同一グループの空間ドメイン基底ベクトルに対応する。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。
取り得る一設計において、各周波数ドメイン成分ベクトルが、複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成されるとき、複数の空間−周波数成分ベクトルの各々が、同一グループの周波数ドメイン基底ベクトルに対応する。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。
取り得る一設計において、周波数ドメイン基底ベクトルセット内の周波数ドメイン基底ベクトルは、DFT行列の列ベクトル、又はSVDユニタリ行列の列ベクトルである。DFT行列は、一次元DFT行列、又はオーバーサンプリングされた一次元DFT行列とし得る。
第5の態様によれば、この出願の一実施形態はチャネル推定装置を提供する。当該チャネル推定装置は、第1の態様又は第3の態様に従ったいずれかの方法を実行するように構成され得る。当該チャネル推定装置は具体的に、受信側装置、例えば、ネットワーク装置又は端末とし得る。
取り得る一設計において、当該チャネル推定装置は、第1の態様又は第3の態様にて提供される方法に従って機能モジュールに分割され得る。例えば、機能モジュールは、各機能に対応する分割によって得られてもよいし、2つ以上の機能が1つのプロセッシングモジュールへと統合されてもよい。
取り得る他の一設計において、当該チャネル推定装置はメモリ及びプロセッサを含み得る。メモリは、コンピュータプログラムを格納するように構成され、そして、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、第1の態様又は第3の態様にて提供されるいずれかの方法が実行される。
第6の態様によれば、この出願の一実施形態はチャネル推定装置を提供する。当該チャネル推定装置は、第2の態様又は第4の態様に従ったいずれかの方法を実行するように構成され得る。当該チャネル推定装置は具体的に、送信側装置、例えば、端末又はネットワーク装置とし得る。
取り得る一設計において、当該チャネル推定装置は、第2の態様又は第4の態様にて提供される方法に従って機能モジュールに分割され得る。例えば、機能モジュールは、各機能に対応する分割によって得られてもよいし、2つ以上の機能が1つのプロセッシングモジュールへと統合されてもよい。
取り得る他の一設計において、当該チャネル推定装置はメモリ及びプロセッサを含み得る。メモリは、コンピュータプログラムを格納するように構成され、そして、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、第2の態様又は第4の態様にて提供されるいずれかの方法が実行される。
なお、この出願の実施形態にて説明されるメモリ及びプロセッサは、1つのチップへと集積されてもよいし、あるいは異なるチップに別々に配置されてもよい。メモリのタイプ並びにメモリ及びプロセッサの配置方法は、この出願の実施形態において限定されることではない。
第7の態様によれば、この出願の一実施形態はプロセッサを提供し、当該プロセッサは、
指示情報を生成するように構成された少なくとも1つの回路であり、該指示情報は、M個のN次元プリコーディングベクトルを指し示すために使用され、各プリコーディングベクトルが、M個の周波数帯域のうちの1つに適用されるものであり、M個のN次元プリコーディングベクトルは、N×Mの空間−周波数行列又はM×Nの空間−周波数行列を形成し、該空間−周波数行列は、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成され、あるいは、M個のN次元プリコーディングベクトルは、M×N次元空間−周波数ベクトルを形成し、該空間−周波数ベクトルは、複数の空間−周波数成分ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、ただし、M≧1、N≧2であり、M及びNはどちらも整数である、少なくとも1つの回路、
を含み得る。
上記少なくとも1つの回路は、送信器を用いて指示情報を送信するように構成される。
第8の態様によれば、この出願の一実施形態はプロセッサを提供し、当該プロセッサは、
受信器を用いることによって指示情報を受信するように構成された少なくとも1つの回路であり、該指示情報は、M個のN次元プリコーディングベクトルを指し示すために使用され、各プリコーディングベクトルが、M個の周波数帯域のうちの1つに適用されるものであり、M個のN次元プリコーディングベクトルは、N×Mの空間−周波数行列又はM×Nの空間−周波数行列を形成し、該空間−周波数行列は、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成され、あるいは、M個のN次元プリコーディングベクトルは、M×N次元空間−周波数ベクトルを形成し、該空間−周波数ベクトルは、複数の空間−周波数成分ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、ただし、M≧1、N≧2であり、M及びNはどちらも整数である、少なくとも1つの回路、
を含み得る。
上記少なくとも1つの回路は、指示情報に基づいてM個のN次元プリコーディングベクトルを決定するように構成される。
第9の態様によれば、この出願の一実施形態は、送信器及びプロセッサを含むプロセッシング装置を提供する。該プロセッサは、指示情報を生成し、そして、送信器を用いることによって指示情報を送信するように構成される。M個のN次元プリコーディングベクトルが、N×Mの空間−周波数行列又はM×Nの空間−周波数行列を形成し、該空間−周波数行列は、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成される。M個のN次元プリコーディングベクトルは、M×N次元空間−周波数ベクトルを形成し、該空間−周波数ベクトルは、複数の空間−周波数成分ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、ただし、M≧1、N≧2であり、M及びNはどちらも整数である。
第10の態様によれば、この出願の一実施形態は、受信器及びプロセッサを含むプロセッシング装置を提供する。該プロセッサは、受信器を用いることによって指示情報を受信するように構成され、M個のN次元プリコーディングベクトルが、N×Mの空間−周波数行列又はM×Nの空間−周波数行列を形成し、該空間−周波数行列は、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成される。あるいは、M個のN次元プリコーディングベクトルは、M×N次元空間−周波数ベクトルを形成し、該空間−周波数ベクトルは、複数の空間−周波数成分ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、ただし、M≧1、N≧2であり、M及びNはどちらも整数である。該プロセッサは更に、指示情報に基づいてM個のN次元プリコーディングベクトルを決定するように構成され得る。
特定の実装プロセスにおいて、プロセッサは、以下に限定されるものではないが例えば、ベースバンド関連処理を実行するように構成されることができ、受信器及び送信器は、以下に限定されるものではないが例えば、無線周波数送信及び受信を実行するように構成されることができる。前述のコンポーネントは、互いに独立に複数のチップ上に別々に配置されてもよいし、あるいは、それらコンポーネントの少なくとも一部又は全てが同一チップ上に配置されてもよい。例えば、受信器及び送信器は、互いに独立した受信器チップ及び送信器チップの上に配置されてもよいし、あるいは、トランシーバへと統合されてトランシーバチップ上に配置されてもよい。例えば、プロセッサは更に、アナログベースバンドプロセッサとデジタルベースバンドプロセッサとに分類され得る。アナログベースバンドプロセッサとトランシーバとが同一チップへと集積され得るとともに、デジタルベースバンドプロセッサは独立したチップ上に配置され得る。集積回路技術の絶え間ない開発により、より多くのコンポーネントを同一チップへと集積することができる。例えば、デジタルベースバンドプロセッサ及び複数のタイプのアプリケーションプロセッサ(例えば、以下に限られないが、グラフィックスプロセッシングユニット、マルチメディアプロセッサ、及びこれらに類するもの)が同一チップへと集積され得る。このようなチップは、システム・オン・チップ(System on Chip)と称されることがある。全てのコンポーネントが異なるチップ上に別々に配置されるのか、それとも1つ又は複数のチップ上に集積されて配置されるのかは、通常、製品設計の具体的要求に依存する。コンポーネントの具体的実装は、この出願の実施態様において限定されることではない。
この出願の一実施形態は更に、コンピュータ読み取り可能記憶媒体を提供し、当該コンピュータ読み取り可能記憶媒体はコンピュータプログラムを格納し、該コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、該コンピュータが、第1の態様から第4の態様にて提供される取り得る方法のうちのいずれか1つを実行することを可能にされる。
この出願の一実施形態は更に、コンピュータプログラムプロダクトを提供し、当該コンピュータプログラムプロダクトがコンピュータ上で実行されるときに、第1の態様から第4の態様にて提供される方法のうちのいずれか1つが実行される。
この出願は更に通信チップを提供し、当該通信チップは命令を格納し、該命令がネットワーク装置上又は端末上で実行されるときに、該ネットワーク装置又は該端末が、第1の態様から第4の態様のいずれかに従った方法を実行することを可能にされる。
理解され得ることには、上で提供されたチャネルプロセッシング装置、又はプロセッサ、又はプロセッシング装置、又はコンピュータ読み取り可能記憶媒体、又はコンピュータプログラムプロダクトは、上で提供された対応する方法を実行するように構成される。従って、チャネルプロセッシング装置、プロセッサ、プロセッシング装置、コンピュータ読み取り可能記憶媒体、コンピュータプログラムプロダクトによって達成され得る有益な効果については、対応する方法の有益な効果を参照されたく、詳細をここで説明することはしない。
なお、この出願の実施形態にて提供され、コンピュータ命令又はコンピュータプログラムを格納するように構成される前述の装置、例えば、以下に限られないが、前述のメモリ、コンピュータ読み取り可能記憶媒体、及び通信チップは、全て非一時的(non-transitory)なものである。
この出願にて提供される技術的ソリューションは、様々な通信システムに適用されることができる。この出願にて提供される技術的ソリューションは、5G通信システム、将来の発展システム、複数の集中型通信システム、又はこれらに類するものに適用されてもよいし、あるいは、既存の通信システム、又はそれに類するものに適用されてもよい。この出願にて提供される技術的ソリューションは、例えばマシン・ツー・マシン(machine to machine,M2M)、マクロ−ミクロ通信、拡張モバイルインターネット(enhanced mobile broadband,eMBB)、超高信頼低遅延通信(ultra reliable & low latency communication,URLLC)、及びマッシブマシン型通信(massive machine type communication,mMTC)などの、複数のアプリケーションシナリオに適用され得る。これらのシナリオは、以下に限られないが、端末間での通信のシナリオ、ネットワーク装置間での通信のシナリオ、ネットワーク装置と端末との間での通信のシナリオ、及びこれらに類するものを含み得る。以下では、一例として、ネットワーク装置と端末との間での通信に使用されるシナリオを説明する。
図1は、この出願にて提供される技術的ソリューションが適用可能な通信システムの概略図である。この通信システムは、1つ以上のネットワーク装置100(1つのネットワーク装置のみを示している)と、各ネットワーク装置100に接続される1つ以上の端末200とを含み得る。図1は、単なる概略図であり、この出願にて提供される技術的ソリューションの適用可能シナリオについての限定を構成するものではない。
ネットワーク装置100は、送信受信ポイント(transmission reception point,TRP)、基地局、中継ノード、アクセスポイント、又はこれらに類するものとし得る。ネットワーク装置100は、5G通信システムにおけるネットワーク装置、又は将来の発展ネットワークにおけるネットワーク装置とすることができ、また、ウェアラブル装置、車載装置、又はこれらに類するものとすることができる。また、ネットワーク装置100は、代わりに、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(global system of mobile communication,GSM)若しくは符号分割多元接続(code division multiple access,CDMA)ネットワークにおけるベーストランシーバ基地局(base transceiver station,BTS)、広帯域符号分割多元接続(wideband code division multiple access,WCDMA)におけるNB(NodeB)、又はロングタームエボリューション(long term evolution,LTE)におけるeNB若しくはeNodeB(evolutional NodeB)であってもよい。ネットワーク装置100は、代わりに、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio access network,CRAN)シナリオにおける無線コントローラであってもよい。
端末200は、ユーザ装置(user equipment,UE)、アクセス端末、UEユニット、UE局、モバイル局、リモート局、リモート端末、モバイル装置、UE端末、端末、無線通信装置、UEエージェント、UE機器、又はこれらに類するものとし得る。アクセス端末は、携帯電話、コードレス電話、セッション初期化プロトコル(session initiation protocol,SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(wireless local loop,WLL)局、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant,PDA)、無線通信機能を有するハンドヘルド装置、コンピューティング装置、無線モデムに接続された他のプロセッシング装置、車載装置、ウェアラブル装置、5Gネットワーク内の端末、将来発展する地上波公共移動通信ネットワーク(public land mobile network,PLMN)内の端末、又はこれらに類するものとし得る。
オプションで、図1のネットワーク要素(例えば、ネットワーク装置100及び端末200)は、1つの装置によって実装されてもよく、あるいは、複数の装置によって共同で実装されてもよく、あるいは、1つの装置内の機能モジュールによって実装されてもよい。これは、この出願のこの実施態様において特に限定されることではない。理解され得ることには、前述の機能は、ハードウェア装置内のネットワーク要素であってもよいし、あるいは、専用のハードウェア上で動作するソフトウェア機能であってもよいし、あるいは、プラットフォーム(例えば、クラウドプラットフォーム)上でインスタンス化された仮想化機能であってもよい。
例えば、図1の各ネットワーク要素は、図2の通信装置400によって実装され得る。図2は、この出願の一実施形態に従った通信装置のハードウェアの概略構成図である。通信装置400は、少なくとも1つのプロセッサ401、通信ライン402、メモリ403、及び少なくとも1つの通信インタフェース404を含んでいる。
プロセッサ401は、汎用の中央演算処理ユニット(central processing unit,CPU)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit,ASIC)、又はこの出願のソリューションにおけるプログラム実行を制御するように構成された1つ以上の集積回路とし得る。
通信ライン402は、前述のコンポーネント間で情報を伝送するための経路を含み得る。
通信インタフェース404は、例えばトランシーバなどの何らかのタイプの装置を使用するものであり、他の装置又は例えばイーサネット、RAN、及び無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area networks,WLAN)などの通信ネットワークと通信するように構成される。
メモリ403は、静的な情報及び命令を格納することができる読み出し専用メモリ(read-only memory,ROM)若しくは他のタイプの静的ストレージ装置、情報及び命令を格納することができるランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)若しくは他のタイプの動的ストレージ装置とすることができ、あるいは、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory,EEPROM)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(compact disc read-only memory,CD−ROM)若しくは他のコンパクトディスクストレージ、光ディスクストレージ(圧縮光ディスク、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク、ブルーレイ光ディスク、及びこれらに類するものを含む)、磁気ディスク記憶媒体若しくは他の磁気ストレージ装置、又は期待されるプログラムコードを命令若しくはデータ構造の形態で担持若しくは格納することができ且つコンピュータによってアクセスされることができる他の媒体とし得るが、これらに限定されるものではない。メモリは、独立に存在してもよく、通信ライン402を用いることによってプロセッサに接続される。それに代えて、メモリは、プロセッサとともに集積されてもよい。この出願のこの実施形態にて提供されるメモリは、通常、不揮発性とし得る。メモリ403は、この出願におけるソリューションを実行するためのコンピュータ実行可能命令を格納するように構成され、プロセッサ401が実行を制御する。プロセッサ401は、メモリ403に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行し、この出願の以下の実施形態にて提供される方法を実装するように構成される。
オプションで、この出願のこの実施形態におけるコンピュータ実行可能命令は、アプリケーションプログラムコードとしても参照され得る。これは、この出願のこの実施態様において特に限定されることではない。
特定の実装では、一実施形態において、プロセッサ401は、例えば図2のCPU0及びCPU1といった、1つ以上のCPUを含み得る。
特定の実装では、一実施形態において、通信装置400は、例えば図2のプロセッサ401及びプロセッサ408といった、複数のプロセッサを含み得る。それらのプロセッサは各々、シングルコア(single-CPU)プロセッサであってもよいし、マルチコア(multi-CPU)プロセッサであってもよい。ここでのプロセッサは、データ(例えば、コンピュータプログラム命令)を処理するように構成された1つ以上のデバイス、回路、及び/又はプロセッシングコアを指し得る。
特定の実装では、一実施形態において、通信装置400は更に、出力装置405及び入力装置406を含み得る。出力装置405は、プロセッサ401と通信し、複数のやり方で情報を表示し得る。例えば、出力装置405は、液晶ディスプレイ(liquid crystal display,LCD)、発光ダイオード(light emitting diode,LED)表示装置、陰極線管(cathode ray tube,CRT)表示装置、プロジェクタ(projector)、又はこれらに類するものとし得る。入力装置406は、プロセッサ401と通信し、複数のやり方でユーザ入力を受け取り得る。例えば、入力装置406は、マウス、キーボード、タッチスクリーン装置、センシング装置、又はこれらに類するものとし得る。
通信装置400は、汎用装置であってもよいし、専用装置であってもよい。特定の実装において、通信装置400は、デスクトップコンピュータ、ポータブルコンピュータ、ネットワークサーバ、携帯情報端末(personal digital assistant,PDA)、携帯電話、タブレットコンピュータ、無線端末装置、埋め込み装置、又は図2の構成と同様の構成を持つ装置とし得る。通信装置400のタイプは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
以下、図1及び図2を参照して、この出願にて提供される技術的ソリューションを説明する。
なお、記述の容易さのため、特に断らない限り、以下の、用語の説明、関連する実施形態の記述、及びこれらに類するものは、一例として単一の偏波方向を使用して提供される。特に断らない限り、以下の、用語の説明、関連する実施形態の記述、及びこれらに類するものは、レイヤの数が1(すなわち、1つの空間フロー)である一例に基づいて提供される。統一的な説明がここで提供され、詳細について以下で再び説明することはしない。
以下にて、この出願における関連用語及び技術を説明及び記述する。
(1).受信側装置及び送信側装置
受信側装置は図1の端末200であるとすることができ、送信側装置は図1のネットワーク装置100であるとすることができる。それに代えて、受信側装置は図1のネットワーク装置100であってもよく、送信側装置は図1の端末200であってもよい。以下の具体例は全て、送信側装置がネットワーク装置であり、受信側装置が端末である例を用いて記述される。
(2).周波数帯域
システム帯域幅(又はキャリア帯域幅)が、複数の周波数帯域に分割され得る。システム帯域幅を分割することによって得られる周波数帯域の数は、この出願において限定されることではなく、換言すれば、周波数帯域への分割において使用される周波数ドメインの粒度は限定されない。例えば、周波数ドメインの粒度は、1つ以上のリソースブロック(resource block,RB)であってもよいし、1つ以上のサブキャリアであってもよい。また、システム帯域幅を複数の周波数帯域へと分割することの実装については、従来技術を参照されたい。例えば、周波数帯域を理解するためにLTE規格におけるサブバンドを参照されたい。
以下では、システム帯域幅を分割して得られる周波数帯域の数をNreとして表記し、指し示される必要があって、送信側装置によって受信側装置に指し示されるチャネル情報に対応する周波数帯域の数をNsbとして表記する。1≦Nsb≦Nreであり、Nre
及びNsbはどちらも整数である。
(3).空間ドメイン基底ベクトルセット及び空間ドメイン基底ベクトル
空間ドメイン基底ベクトルセットは、一連の空間ドメイン基底ベクトルの集合である。空間ドメイン基底ベクトルセットは、通常、行列の形態で表現され得る。空間ドメイン基底ベクトルは、該行列の列ベクトルとし得る。各空間ドメイン基底ベクトルが、送信側装置の1つの送信ビーム(beam)に対応し得る。理解され得ることには、空間ドメイン基底ベクトルセット内の幾つかの空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行して、空間ドメイン結合ベクトルを得ることができ、該空間ドメイン結合ベクトルが、新たな送信ビームに対応し得る。重み付け結合を通して新たな送信ビームを得る方法は、ビーム結合技術として参照されることもある。この技術は、高分解能プリコーディング(すなわち、タイプIIプリコーディング)技術の基礎技術として、新無線(new radio,NR)規格に採用されている。
例えば、空間ドメイン基底ベクトルセットは、以下に限られないが、二次元離散フーリエ変換(discrete fourier transform,DFT)行列又はオーバーサンプリングされた二次元DFT行列とし得る。具体的には、空間ドメイン基底ベクトルは、二次元DFT行列の列ベクトル、又はオーバーサンプリングされた二次元DFT行列の列ベクトルとし得る。換言すれば、空間ドメイン基底ベクトルは、二次元DFTベクトルとし得る。二次元DFTベクトルは、通常、水平方向のビームと垂直方向のビームとを重ね合わせることによって形成されるビームを記述するために使用され得る。明らかなことには、この出願はそれに限定されるものではない。空間ドメイン基底ベクトルセットの設計手法は、従来技術にて詳細に記述されており、詳細をここで説明することはしない。
特定の実装プロセスにおいて、空間ドメイン基底ベクトルセットは、受信側装置及び送信側装置の双方によって予め定められることができ、例えば、プロトコルに従って予め定められ得る。明らかなことには、この出願はそれに限定されるものではない。
なお、この明細書の記載においては、特に断わらない限り、あるいは、それ以外で、関連する記載におけるベクトルの実際の機能又は内部ロジックと矛盾しない限り、この明細書に記載されるベクトルは、例えば行ベクトル又は列ベクトルといった、同じ形態のベクトルとして理解され得る。
空間ドメイン基底ベクトルの次元数は、プリコーディングベクトルの次元数と同じであり、どちらもNである。換言すれば、空間ドメイン基底ベクトル及びプリコーディングベクトルはどちらも、N個の要素を含む。Nは、1つの偏波方向における送信側装置の送信アンテナポートの数とすることができ、ただし、N≧2であり、Nは整数である。
(4).周波数ドメイン基底ベクトルセット及び周波数ドメイン基底ベクトル
周波数ドメイン基底ベクトルセットは、一連の周波数ドメイン基底ベクトルの集合である。周波数ドメイン基底ベクトルセットは、通常、行列の形態で表現され得る。周波数ドメイン基底ベクトルは、該行列の列ベクトルとし得る。各周波数ドメイン基底ベクトルが、チャネルの1つの周波数帯域変動パターンに対応し得る。簡単に言えば、各周波数帯域が、周波数ドメイン基底ベクトル内の該周波数帯域に対応する要素によって表され得る。斯くして、周波数ドメイン基底ベクトル内の全ての周波数帯域に対応する要素が、1つの周波数帯域変動パターンを反映することができる。理解され得ることには、周波数ドメイン基底ベクトルセット内の幾つかの周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行して、周波数ドメイン結合ベクトルを得ることができ、該周波数ドメイン結合ベクトルが、新たな周波数帯域変動パターンに対応し得る。周波数ドメイン結合ベクトルの実装原理については、以下に限られないが、例えば、ビーム結合技術を用いることによって空間ドメイン結合ベクトルを得ることの実装原理を参照されたい。
周波数帯域変動パターンは、例えば全ての周波数帯域を含め、周波数帯域全体内の各周波数帯域におけるチャネルの変動規則性を指し示すために使用され得る。周波数帯域変動パターンは、全ての周波数帯域におけるチャネルの変動規則性を指し示す。例えば、周波数ドメイン基底ベクトル又は周波数ドメイン結合ベクトルの要素同士が等しい場合、その周波数ドメイン基底ベクトルは、チャネルが全ての周波数帯域において変化しないような周波数帯域変動パターンを指し示し得る。例えば、周波数ドメイン基底ベクトルの隣接し合う要素が互いに大きく異なる場合、その周波数ドメイン基底ベクトルは、チャネルが全ての周波数帯域において大きく変化するような周波数帯域変動パターンを指し示し得る。
例えば、周波数ドメイン基底ベクトルセットは、以下に限られないが、一次元DFT行列、オーバーサンプリングされた一次元DFT行列、又は特異値分解(singular value decomposition,SVD)ユニタリ行列とし得る。具体的には、周波数ドメイン基底ベクトルは、一次元DFT行列の列ベクトル、オーバーサンプリングされた一次元DFT行列の列ベクトル、又はSVDユニタリ行列の列ベクトルとし得る。周波数ドメイン基底ベクトルセット内の各周波数ドメイン基底ベクトルを得ることの原理については、従来技術における空間ドメイン基底ベクトルセット内の各空間ドメイン基底ベクトルを得ることの原理を参照されたい。
なお、例えば、周波数ドメイン基底ベクトルセットは一次元DFT行列である。DFTポイントの数は、予め定められてもよいし、受信側装置のための送信側装置によって設定されてもよく、また、ポイントの数は、周波数帯域の数であってもよい。DFTポイントの数が受信側装置のための送信側装置によって設定される場合、送信側装置は、明示的な指示手法で設定を行ってもよいし、あるいは、暗示的な指示手法で設定を行ってもよい。例えば、明示的な指示手法で設定が行われる場合、送信側装置は、無線リソース制御(radio resource control,RRC)シグナリング、媒体アクセス制御(medium access control,MAC)シグナリング、及びダウンリンク制御情報(downlink control information,DCI)のうちの少なくとも1つを使用することによって設定を行い得る。例えば、暗示的な指示手法で設定が行われる場合、具体的には、Nre又はNsbを設定することによってDFTポイントの数が暗示的に指し示され得る。
一例において、周波数ドメイン基底ベクトルは、次式:
のように表され得る。f
2,jは、周波数ドメイン基底ベクトルセット内のj番目の列ベクトル(すなわち、j番目の周波数ドメイン基底ベクトル)である。ω
A=e
−2πi/Aであり、iは虚数単位であり、0≦j≦A−1であり、j及びAはどちらも整数である。AはNre又はNsbとし得る。明らかなことには、周波数ドメイン基底ベクトルの表現形態はこれに限定されるものではない。
特定の実装プロセスにおいて、周波数ドメイン基底ベクトルセットは、受信側装置及び送信側装置の双方によって予め定められることができ、例えば、プロトコルに従って予め定められ得る。明らかなことには、この出願はそれに限定されるものではない。
周波数ドメイン基底ベクトルの次元数はMであり、換言すれば、このベクトルはM個の要素を含む。Mは、例えば、プリコーディングベクトルがフィードバックされる必要がある周波数帯域の数とすることができ、M≧1であり且つMは整数である。
(5).空間−周波数基底行列セット及び空間−周波数基底行列
空間−周波数基底行列セットは一連の空間−周波数基底行列の集合である。空間−周波数基底行列セットは、テンソルの形態で表現され得る。明らかなことには、この出願はそれに限定されるものではない。空間−周波数基底行列セットの各要素が、空間−周波数基底行列であるとし得る。各空間−周波数基底行列は、送信側装置の1つの送信ビーム及び1つの周波数帯域変動パターンに対応し得る。空間−周波数基底行列セット内の幾つかの空間−周波数基底行列について重み付け結合を実行して、空間−周波数結合行列を得ることができる。空間−周波数結合行列の実装原理については、以下に限られないが、例えば、ビーム結合技術を用いることによって空間ドメイン結合ベクトルを得ることの実装原理を参照されたい。
空間−周波数基底行列は、2つのベクトルに基づいて構築されることができ、それら2つのベクトルのうち一方が空間ドメイン基底ベクトルに基づいて構築され得るとともに、もう一方が周波数ドメイン基底ベクトルに基づいて構築され得る。具体的には、2つのベクトルのうち一方は、空間ドメイン基底ベクトル及び周波数ドメイン基底ベクトルのうちの一方又はその変形とすることができ、2つのベクトルのうちもう一方は、空間ドメイン基底ベクトル及び周波数ドメイン基底ベクトルのうちのもう一方又はその変形とすることができる。前述の変形は、以下に限られないが、例えば、転置、共役、共役転置、及びこれらに類するものとし得る。例えば、空間−周波数基底行列は、空間ドメイン基底ベクトルと周波数ドメイン基底ベクトルの共役転置ベクトルとの積であってもよいし、空間ドメイン基底ベクトルと周波数ドメイン基底ベクトルの転置ベクトルとの積であってもよいし、周波数ドメイン基底ベクトルと空間ドメイン基底ベクトルの共役転置ベクトルとの積であってもよいし、あるいは、周波数ドメイン基底ベクトルと空間ドメイン基底ベクトルの転置ベクトルとの積であってもよい。明らかなことには、この出願はそれに限定されるものではない。特定の実装プロセスにおいて、空間−周波数基底行列を構築するための2つのベクトルは、行ベクトル及び列ベクトルとして整えられ得る。この場合、空間−周波数基底行列は、列ベクトルと行ベクトルとの積とし得る。
記述の容易さのため、以下の説明では、空間−周波数基底行列が、空間ドメイン基底ベクトルと周波数ドメイン基底ベクトルの共役転置ベクトルとの積、又は周波数ドメイン基底ベクトルと空間ドメイン基底ベクトルの共役転置ベクトルとの積であるとし得る例を用いる。しかしながら、当業者が理解するはずのことには、空間−周波数基底行列を構築する手法はそれに限定されるものではなく、空間−周波数基底行列はそれに代えて別の手法で構築されてもよい。空間−周波数基底行列は、空間ドメイン基底ベクトル及び周波数ドメイン基底ベクトルを、以下に限られないが、例えば、上述した様々な手法又は他の手法で用いることによって構築され得る。
特定の実装プロセスにおいて、空間−周波数基底行列セットは、受信側装置及び送信側装置の双方によって予め定められることができ、例えば、プロトコルに従って予め定められ得る。明らかなことには、この出願はそれに限定されるものではない。
空間−周波数基底行列の次元数は、N×M又はM×Nであり、換言すれば、この行列はN個の行及びM個の列を含み、あるいはM個の行及びN個の列を含む。
(6).空間−周波数基底ベクトルセット及び空間−周波数基底ベクトル
空間−周波数基底ベクトルセットは、一連の空間−周波数基底ベクトルの集合である。空間−周波数基底ベクトルセットは、通常、行列の形態で表現され得る。空間−周波数基底ベクトルは、該行列の列ベクトルとし得る。各空間−周波数基底ベクトルが、送信側装置の1つの送信ビーム及び1つの周波数帯域変動パターンに対応し得る。空間−周波数基底ベクトルセット内の幾つかの空間−周波数基底ベクトルについて重み付け結合を実行して、空間−周波数結合ベクトルを得ることができる。空間−周波数結合ベクトルの実装原理については、以下に限られないが、例えば、ビーム結合技術を用いることによって空間ドメイン結合ベクトルを得ることの実装原理を参照されたい。
空間−周波数基底ベクトルは、2つのベクトルのクロネッカー積とし得る。それら2つのベクトルのうち一方は空間ドメイン基底ベクトルに基づいて構築され、もう一方は周波数ドメイン基底ベクトルに基づいて構築される。具体的には、2つのベクトルのうち一方は、空間ドメイン基底ベクトル及びその変形とすることができ、2つのベクトルのうちもう一方は、周波数ドメイン基底ベクトル又はその変形とすることができる。前述の変形は、以下に限られないが、例えば、転置、共役、共役転置、及びこれらに類するものとし得る。例えば、空間−周波数基底ベクトルは、空間ドメイン基底ベクトルと周波数ドメイン基底ベクトルとのクロネッカー積とすることができ、具体的には、次式:
のように表され得る。それに代えて、空間−周波数基底ベクトルは、空間ドメイン基底ベクトルと周波数ドメイン基底ベクトルの共役ベクトルとのクロネッカー積であってもよく、具体的には、次式:
のように表され得る。それに代えて、空間−周波数基底ベクトルは、空間ドメイン基底ベクトルの共役ベクトルと周波数ドメイン基底ベクトルとのクロネッカー積であってもよく、具体的には、次式:
のように表され得る。それに代えて、空間−周波数基底ベクトルは、周波数ドメイン基底ベクトルと空間ドメイン基底ベクトルとのクロネッカー積であってもよく、具体的には、次式:
のように表され得る。それに代えて、空間−周波数基底ベクトルは、周波数ドメイン基底ベクトルの共役ベクトルと空間ドメイン基底ベクトルとのクロネッカー積であってもよく、具体的には、次式:
のように表され得る。それに代えて、空間−周波数基底ベクトルは、周波数ドメイン基底ベクトルと空間ドメイン基底ベクトルの共役ベクトルとのクロネッカー積であってもよく、具体的には、次式:
のように表され得る。vは空間−周波数基底ベクトルである。u
1は、空間ドメイン基底ベクトルであり、u
2は周波数ドメイン基底ベクトルである。
は、u
1の共役ベクトルであり、
は、u
2の共役ベクトルである。明らかなことには、この出願はこれに限定されるものではない。
特定の実装プロセスにおいて、空間−周波数基底ベクトルを構築するための2つのベクトルは、どちらも行ベクトルとして整えられることができ、あるいは、どちらも列ベクトルとして整えられることができる。この場合、空間−周波数基底ベクトルは、2つの列ベクトルのクロネッカー積、又は2つの行ベクトルのクロネッカー積とし得る。
記述の容易さのため、以下の説明では、空間−周波数基底ベクトルが、空間ドメイン基底ベクトルと周波数ドメイン基底ベクトルとのクロネッカー積、又は周波数ドメイン基底ベクトルと空間ドメイン基底ベクトルとのクロネッカー積であるとし得る例を用いる。しかしながら、当業者が理解するはずのことには、空間−周波数基底ベクトルを構築する手法はそれに限定されるものではなく、空間−周波数基底ベクトルはそれに代えて別の手法で構築されてもよい。空間−周波数基底ベクトルは、空間ドメイン基底ベクトル及び周波数ドメイン基底ベクトルを、以下に限られないが、例えば、上述した様々な手法又は他の手法で用いることによって構築され得る。
特定の実装プロセスにおいて、空間−周波数基底ベクトルセットは、受信側装置及び送信側装置の双方によって予め定められることができ、例えば、プロトコルに従って予め定められ得る。明らかなことには、この出願はそれに限定されるものではない。
空間−周波数基底ベクトルの次元数はM×Nであり、換言すれば、このベクトルはM×N個の要素を含む。
(7).空間ドメイン成分ベクトル及び空間ドメイン成分ベクトルセット
この出願の一部の実施形態では、空間ドメイン成分ベクトルが、空間ドメイン成分ベクトルセットから選択され得る。空間ドメイン成分ベクトルセットは、一連の空間ドメイン成分ベクトルの集合である。空間ドメイン成分ベクトルセットは、通常、行列の形態で表現され得る。空間ドメイン成分ベクトルは、該行列の列ベクトルとし得る。各空間ドメイン成分ベクトルが、送信側装置の1つの送信ビームに対応し得る。選択を介して空間ドメイン成分ベクトルを得る方法は、ビーム選択技術として参照されることもある。この技術は、低分解能プリコーディング(すなわち、タイプIプリコーディング)技術の基礎技術として、NR規格に採用されている。
特定の実装プロセスにおいて、空間ドメイン成分ベクトルセットは、受信側装置及び送信側装置の双方によって予め定められることができ、例えば、プロトコルに従って予め定められ得る。明らかなことには、この出願はそれに限定されるものではない。
この出願の一部の他の実施形態において、空間ドメイン成分ベクトルは、空間ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成されてもよく、換言すれば、空間ドメイン成分ベクトルは、ビーム結合技術を用いることによって複数の空間ドメイン基底ベクトルに基づいて構築される。この場合、空間ドメイン成分ベクトルは空間ドメイン結合ベクトルである。
空間ドメイン成分ベクトルの次元数はNであり、換言すれば、このベクトルはN個の要素を含む。
(8).周波数ドメイン成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルセット
この出願の一部の実施形態では、周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン成分ベクトルセットから選択され得る。周波数ドメイン成分ベクトルセットは、一連の周波数ドメイン成分ベクトルの集合である。周波数ドメイン成分ベクトルセットは、通常、行列の形態で表現され得る。周波数ドメイン成分ベクトルは、該行列の列ベクトルとし得る。各周波数ドメイン成分ベクトルが、送信側装置の1つの周波数帯域変動パターンに対応し得る。選択手法にて周波数ドメイン成分ベクトルを得る方法の実装原理については、以下に限られないが、例えば、ビーム選択技術を用いることによって空間ドメイン成分ベクトルを得ることの実装原理を参照されたい。
特定の実装プロセスにおいて、周波数ドメイン成分ベクトルセットは、受信側装置及び送信側装置の双方によって予め定められることができ、例えば、プロトコルに従って予め定められ得る。明らかなことには、この出願はそれに限定されるものではない。
この出願の一部の他の実施形態において、周波数ドメイン成分ベクトルは、周波数ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成されてもよい。この場合、周波数ドメイン成分ベクトルは周波数ドメイン結合ベクトルである。
周波数ドメイン成分ベクトルの次元数はMであり、換言すれば、このベクトルはM個の要素を含む。
(9).空間−周波数成分行列、及び空間−周波数成分行列セット
この出願の一部の実施形態では、空間−周波数成分行列が、空間−周波数成分行列セットから選択され得る。空間−周波数成分行列セットは、一連の空間−周波数成分行列の集合である。空間−周波数成分行列セットは、テンソルの形態で表現され得る。明らかなことには、この出願はそれに限定されるものではない。空間−周波数成分行列セットの各要素が、空間−周波数成分行列であるとし得る。各空間−周波数成分行列が、送信側装置の1つの送信ビーム及び1つの周波数帯域変動パターンに対応し得る。選択手法にて空間−周波数成分行列を得る方法の実装原理については、以下に限られないが、例えば、ビーム選択技術を用いることによって空間ドメイン成分ベクトルを得ることの実装原理を参照されたい。
この出願の一部の他の実施形態において、空間−周波数成分行列は、空間−周波数基底行列セットから選択された複数の空間−周波数基底行列について重み付け結合を実行することによって生成されてもよい。この場合、空間−周波数成分行列は空間−周波数結合行列である。
この出願の一部の他の実施形態において、空間−周波数成分行列は、2つのベクトルに基づいて構築されることができ、それら2つのベクトルは、それぞれ、空間ドメイン成分ベクトル、及び周波数ドメイン成分ベクトルに基づいて構築され得る。具体的には、2つのベクトルのうち一方は、空間ドメイン成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルのうちの一方又はその変形とすることができ、2つのベクトルのうちもう一方は、空間ドメイン成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルのうちのもう一方又はその変形とすることができる。前述の変形は、以下に限られないが、例えば、転置、共役、共役転置、及びこれらに類するものとし得る。例えば、空間−周波数成分行列は、空間ドメイン成分ベクトルと周波数ドメイン成分ベクトルの共役転置ベクトルとの積であってもよいし、空間ドメイン成分ベクトルと周波数ドメイン成分ベクトルの転置ベクトルとの積であってもよいし、周波数ドメイン成分ベクトルと空間ドメイン成分ベクトルの共役転置ベクトルとの積であってもよいし、あるいは、周波数ドメイン成分ベクトルと空間ドメイン成分ベクトルの転置ベクトルとの積であってもよい。特定の実装プロセスにおいて、空間−周波数成分行列を構築するための2つのベクトルは、行ベクトル及び列ベクトルとして整えられ得る。この場合、空間−周波数成分行列は、列ベクトルと行ベクトルとの積とし得る。
以下の説明では、空間ドメイン成分行列が、空間ドメイン成分ベクトルと周波数ドメイン成分ベクトルの共役転置ベクトルとの積、又は周波数ドメイン成分ベクトルと空間ドメイン成分ベクトルの共役転置ベクトルとの積であるとし得る例を用いる。しかしながら、当業者が理解するはずのことには、空間ドメイン成分行列を構築する手法はそれに限定されるものではなく、空間ドメイン成分行列はそれに代えて別の手法で構築されてもよい。空間−成分行列は、空間ドメイン成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルを、以下に限られないが、例えば、上述した様々な手法又は他の手法で用いることによって構築され得る。
空間−周波数成分行列の次元数は、N×M又はM×Nであり、換言すれば、この行列はN個の行及びM個の列を含み、あるいはM個の行及びN個の列を含む。
(10).空間−周波数成分ベクトル及び空間−周波数成分ベクトルセット
この出願の一部の実施形態では、空間−周波数成分ベクトルが、空間−周波数成分ベクトルセットから選択され得る。空間−周波数成分ベクトルセットは、一連の空間−周波数成分ベクトルの集合である。空間−周波数成分ベクトルセットは、通常、行列の形態で表現され得る。空間−周波数成分ベクトルは、該行列の列ベクトルとし得る。各空間−周波数成分ベクトルが、送信側装置の1つの送信ビーム及び1つの周波数帯域変動パターンに対応し得る。選択手法にて空間−周波数成分ベクトルを得る方法の実装原理については、以下に限られないが、例えば、ビーム選択技術を用いることによって空間ドメイン成分ベクトルを得ることの実装原理を参照されたい。
この出願の一部の他の実施形態において、空間−周波数成分ベクトルは、空間−周波数基底ベクトルセットから選択された複数の空間−周波数基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成されてもよい。この場合、空間−周波数成分ベクトルは空間−周波数結合ベクトルである。
この出願の一部の他の実施形態において、空間−周波数成分ベクトルは、2つのベクトルのクロネッカー積とし得る。それら2つのベクトルのうち一方は空間ドメイン成分ベクトルに基づいて構築され、それら2つのベクトルのうちもう一方は周波数ドメイン成分ベクトルに基づいて構築される。具体的には、2つのベクトルのうち一方は、空間ドメイン成分ベクトル及びその変形とすることができ、2つのベクトルのうちもう一方は、周波数ドメイン成分ベクトル又はその変形とすることができる。前述の変形は、以下に限られないが、例えば、転置、共役、共役転置、及びこれらに類するものとし得る。具体例については、上述の空間−周波数基底ベクトルを構築することの例を参照されたい。
空間−周波数成分ベクトルの次元数はM×Nであり、換言すれば、このベクトルはM×N個の要素を含む。
(11).広義の空間−周波数行列
広義の空間−周波数行列は、M個のプリコーディングベクトルによって形成される行列である。各プリコーディングベクトルが、M個の周波数帯域のうちの1つに適用され、M個の周波数帯域は、それについてチャネル情報(以下に限られないが、例えば、プリコーディングベクトル)がフィードバックされる必要がある周波数帯域とし得る。M≧1であり、且つMは整数である。プリコーディングベクトルは、通常、周波数帯域内の空間フローに対応するチャネル情報を表すために使用される。プリコーディングベクトルの次元数はNであり、Nは、ある偏波方向における送信側装置の送信アンテナポートの数とし得る。N≧2であり、且つNは整数である。広義の空間−周波数行列は、狭義の空間−周波数行列と空間−周波数ベクトルとを含む。
狭義の空間−周波数行列は、M個のプリコーディングベクトルによって形成されるN×M行列(すなわち、N行及びM列の行列)又はM×N行列(すなわち、M行及びN列の行列)である。関連する説明については、後述の(12)を参照されたい。
空間−周波数ベクトルは、M×N次元ベクトル(これはM×N個の要素を含む)であり、すなわち、その列数が1である広義の空間−周波数行列とし得る。関連する説明については、後述の(13)を参照されたい。
(12).狭義の空間−周波数行列
狭義の空間−周波数行列は、複数の空間−周波数成分行列の重み付け結合の形態で表現され得る。なお、記述の容易さのため、特に断らない限り、あるいは、それ以外で、表現される意味と明らかに矛盾しない限り、以下の説明における空間−周波数行列は狭義の空間−周波数行列である。統一的な説明がここで提供され、詳細について以下で再び説明することはしない。
受信側装置で、チャネル行列に基づいて空間−周波数行列が取得され得る。チャネル行列とは、チャネル情報を反映するために使用される行列であって、送信側装置によって送られる基準信号に基づいて受信側装置によって得られる行列であるとし得る。チャネル行列に基づいて受信側装置によって空間−周波数行列を得ることの実装は、この出願において限定されることではない。幾つかの実装を以下に列挙する。
一実装において、受信側装置は、チャネル行列に基づいて理想的な空間−周波数行列H’を取得し、次いで、その理想的な空間−周波数行列を複数の空間−周波数成分行列の加重和の形態で近似的に表現し得る。複数の空間−周波数成分行列の加重和が、空間−周波数行列Hであり、従って、空間−周波数行列Hは、理想的な空間−周波数行列H’の近似であることがわかる。例えば、H’は、次の形態:
で表され得る。Wは、空間−周波数成分行列の数である。h
wは、w番目の空間−周波数成分行列である。1≦w≦W、W≧2であり、W及びwはどちらも整数である。h^
wは、h
wの重みである。理想的な空間−周波数行列H’は、M個の理想的なプリコーディングベクトルによって形成され得る。例えば、理想的なプリコーディングベクトルが各々、理想的な空間−周波数行列H’の列ベクトルとして使用されてもよいし、理想的なプリコーディングベクトル各々の共役転置ベクトルが、理想的な空間−周波数行列H’の行ベクトルとして使用されてもよい。理想的なプリコーディングベクトルは各々、M個の周波数帯域のうちの1つに対応し、ただし、1≦M≦Nsbであり、且つMは整数である。理想的なプリコーディングベクトルは、チャネル行列上で又はチャネル行列の関連行列上で固有値分解を実行することによって取得されることができ、周波数帯域内の空間フローに対応するチャネル情報を表すために使用される。理想的なプリコーディングベクトルの関連説明は、従来技術にて詳細に記述されており、詳細をここで再び説明することはしない。また、理想的な空間−周波数行列は、空間−周波数成分行列として近似的に表されることもできる。特定の一実装プロセスにおいて、理想的な空間−周波数行列H’は、様々な手法で取得され得る。具体的手法は、この出願のこの実施態様において限定されることではない。例えば、M個の周波数帯域の各々におけるプリコーディング行列を行方向又は列方向に配列して、M個の周波数帯域の全体のプリコーディング行列を得ることができ、そのプリコーディング行列が理想的な空間−周波数行列H’として使用される。例えば、各周波数帯域におけるプリコーディング行列が8×2行列(そのランク(rank)が2、すなわち、トランスポート層の数が2)である場合、各トランスポート層に対応する8×1行列について、10個の周波数帯域の各々におけるプリコーディング行列を列方向に配列して、8×10行列(そのランクが1、すなわち、トランスポート層の数が1)を取得し得る。他の一例では、各周波数帯域におけるプリコーディング行列が8×2行列(そのランクが2、すなわち、トランスポート層の数が2)である場合、各トランスポート層に対応する8×1行列について、10個の周波数帯域の各々におけるプリコーディング行列を行方向に配列して、80×1行列(そのランクが1、すなわち、トランスポート層の数が1)を取得し得る。また、空間−周波数成分行列及びその重みを決定することの技術的詳細については、ビーム結合技術に基づいてプリコーディングベクトルを決定するプロセスにおいてプリコーディングベクトルを形成するビーム成分及びそれらの重みを決定することの内容を参照されたい。関連する内容は従来技術にて見出すことができ、この明細書にて詳細を説明することはしない。
理解され得ることには、理想的なプリコーディングベクトルが理想的な空間−周波数行列H’の列ベクトルとして用いられる場合、理想的な空間−周波数行列H’はN×M行列であり、空間−周波数行列HはN×M行列であり、そして、各空間−周波数成分行列はN×M行列である。理想的なプリコーディングベクトル各々の共役転置ベクトルが理想的な空間−周波数行列H’の行ベクトルとして用いられる場合には、理想的な空間−周波数行列H’はM×N行列であり、空間−周波数行列HはM×N行列であり、そして、各空間−周波数成分行列はM×N行列である。
他の一実装において、複数の組み合わせを得るために、受信側装置は、一群の候補重みを予め設定することができ、受信側装置は、各候補空間−周波数成分行列及び各候補重みを横断して結合することができる。各組み合わせが、1つ以上の候補空間−周波数成分行列と、該1つ以上の候補空間−周波数成分行列の各々の候補重みとを含み得る。候補空間−周波数行列を得るために、各組み合わせについて、該組み合わせ内の幾つかの候補空間−周波数成分行列及びそれら候補空間−周波数成分行列の各々の候補重みに対して、重み付け加算が実行され得る。候補空間−周波数行列は、N×M行列又はM×N行列である。候補空間−周波数成分行列は、上述の空間−周波数成分行列を得るいずれかの手法に基づいて取得され得る。次いで、M個の周波数帯域に対応するチャネル行列及び複数の候補空間−周波数行列に基づいて、M個の周波数帯域に対応する複数の候補プリコーデッドチャネル行列が取得される。それら複数の候補プリコーデッドチャネル行列の中で最大のチャネル容量を持つ候補プリコーデッドチャネル行列に対応する候補空間−周波数行列が、空間−周波数行列Hとして使用される。その空間−周波数行列Hに対応する組み合わせ内のw番目の候補空間−周波数成分行列がhwに相当し得るとともに、該w番目の候補空間−周波数成分行列の候補重みがh^wに相当し得る。
候補空間−周波数行列がN×M行列である場合、M個の周波数帯域に対応するチャネル行列及び複数の候補空間−周波数行列に基づいて、M個の周波数帯域に対応する複数の候補プリコーデッドチャネル行列を取得することは、M個の周波数帯域内のm番目の周波数帯域に対応するチャネル行列と、候補空間−周波数行列のm番目の列ベクトルとの積を、候補プリコーデッドチャネル行列のm番目の列ベクトルとして用いて、m番目の周波数帯域に対応する候補プリコーデッドチャネル行列を取得することを含み得る。M個の周波数帯域の各々に対応する候補プリコーデッドチャネル行列が計算された後に、M個の周波数帯域に対応する候補プリコーデッドチャネル行列を計算することができる。1≦m≦Mであり、且つmは整数である。例えば、送信アンテナの数が8であり、且つ受信アンテナの数が4であると仮定すると、N=8であり、チャネル行列は4×8行列となる。M=10と仮定すると、候補空間−周波数行列は8×10行列となる。候補空間−周波数行列の各列が、1つの周波数帯域に対応する。M個の周波数帯域内のm番目の周波数帯域について、M個の周波数帯域内のm番目の周波数帯域に対応する4×8チャネル行列に、候補空間−周波数行列内のm番目の列ベクトル(すなわち、8×1次元ベクトル)が乗算されて、4×1次元ベクトルが得られ、すると、10個の周波数帯域に対応する10個の4×1次元ベクトルが4×10行列を形成し、そして、この行列が、10個の周波数帯域に対応する候補プリコーデッドチャネル行列となる。
候補空間−周波数行列がM×N行列である場合、M個の周波数帯域に対応するチャネル行列及び複数の候補空間−周波数行列に基づいて、M個の周波数帯域に対応する複数の候補プリコーデッドチャネル行列を取得することは、M個の周波数帯域内のm番目の周波数帯域に対応するチャネル行列と、候補空間−周波数行列のm番目の行ベクトルとの積を、候補プリコーデッドチャネル行列のm番目の行ベクトルとして用いて、m番目の周波数帯域に対応する候補プリコーデッドチャネル行列を取得することを含み得る。M個の周波数帯域の各々に対応する候補プリコーデッドチャネル行列が計算された後に、M個の周波数帯域に対応する候補プリコーデッドチャネル行列を計算することができる。
理解され得ることには、前述の例は、チャネル行列に基づいて空間−周波数行列Hを得ることの一例であり、チャネル行列に基づいて空間−周波数行列Hを得ることについての限定を構成するものではない。
空間−周波数行列Hを決定した後、受信側装置は、空間−周波数行列Hの関連情報を送信側装置に指し示し得る。関連情報を受信した後、送信側装置は、式:
に基づいて空間−周波数行列Hを決定し、次いで、決定した空間−周波数行列Hに基づいてM個のプリコーディングベクトルを決定し得る。空間−周波数行列Hの各列がプリコーディングベクトルであり、被送信データがM個のプリコーディングベクトルに基づいてプリコーディングされて、プリコーディングされたデータが送信される。関連情報の具体的な実装については、以下の説明を参照されたい。
(13).空間−周波数ベクトル
受信側装置で、チャネル行列に基づいて空間−周波数ベクトルが取得され得る。チャネル行列に基づいて受信側装置によって空間−周波数ベクトルを得ることの実装は、この出願において限定されることではない。幾つかの実装を以下に列挙する。
一実装において、受信側装置は、チャネル行列に基づいて理想的な空間−周波数ベクトルV’を取得し、次いで、その理想的な空間−周波数ベクトルを複数の空間−周波数成分ベクトルの加重和の形態で表現し得る。複数の空間−周波数成分ベクトルの加重和が、空間−周波数ベクトルVであり、従って、空間−周波数ベクトルVは、理想的な空間−周波数ベクトルV’の近似であることがわかる。例えば、V’は、次の形態:
で近似的に表され得る。Zは、空間−周波数成分ベクトルの数である。v
zは、z番目の空間−周波数成分ベクトルである。1≦z≦Z、Z≧2であり、Z及びzはどちらも整数である。g^
zは、v
zの重みである。理想的な空間−周波数ベクトルV’は、M個の理想的なプリコーディングベクトルによって形成され得る。例えば、理想的な空間−周波数ベクトルは、N×Mの理想的な空間−周波数行列を行ごとに展開することによって配列されるM×N次元の行ベクトル(すなわち、第1の行ベクトル)としてもよいし、N×Mの理想的な空間−周波数行列を列ごとに展開することによって配列されたM×N次元の列ベクトル(すなわち、第1の列ベクトル)としてもよいし、M×Nの理想的な空間−周波数行列を列ごとに展開することによって配列されたM×N次元の列ベクトル(すなわち、第2の列ベクトル)としてもよいし、あるいは、M×Nの理想的な空間−周波数行列を行ごとに展開することによって配列されたM×N次元の行ベクトル(すなわち、第2の行ベクトル)としてもよい。理解され得ることには、第1の行ベクトルの共役転置ベクトルは第2の列ベクトルである。第2の行ベクトルの共役転置ベクトルは第1の列ベクトルである。また、理想的な空間−周波数ベクトルは、空間−周波数成分ベクトルとして近似的に表されることもできる。
他の一実装において、複数の組み合わせを得るために、受信側装置は、一群の候補重みを予め設定することができ、受信側装置は、各候補空間−周波数成分ベクトル及び各候補重みを横断して結合することができる。各組み合わせが、1つ以上の候補空間−周波数成分ベクトルと、該1つ以上の候補空間−周波数成分ベクトルの各々の候補重みとを含み得る。候補空間−周波数ベクトルを得るために、各組み合わせについて、該組み合わせ内の幾つかの候補空間−周波数成分ベクトル及びそれら候補空間−周波数成分ベクトルの各々の候補重みに対して、重み付け加算が実行され得る。候補空間−周波数ベクトルは、M×N行列である。候補空間−周波数成分ベクトルは、上述の空間−周波数成分ベクトルを得るいずれかの手法に基づいて取得され得る。次いで、M個の周波数帯域に対応するチャネル行列及び複数の候補空間−周波数ベクトルに基づいて、M個の周波数帯域に対応する複数の候補プリコーデッドチャネル行列が取得される。それら複数の候補プリコーデッドチャネル行列の中で最大のチャネル容量を持つ候補プリコーデッドチャネル行列に対応する候補空間−周波数ベクトルが、空間−周波数ベクトルVとして使用される。その空間−周波数ベクトルVに対応する組み合わせ内のz番目の候補空間−周波数成分ベクトルがvzに相当し得るとともに、該z番目の候補空間−周波数成分ベクトルの候補重みがg^zに相当し得る。
一例において、空間−周波数成分ベクトルが、空間ドメイン成分ベクトルと周波数ドメイン成分ベクトルとのクロネッカー積である場合、又は、空間−周波数成分ベクトルが、空間−周波数基底ベクトルセット内の複数の空間−周波数基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、且つ空間−周波数基底ベクトルが、空間ドメイン基底ベクトルと周波数ドメイン基底ベクトルとのクロネッカー積である場合、M個の周波数帯域に対応するチャネル行列及び複数の候補空間−周波数ベクトルに基づいて、M個の周波数帯域に対応する複数の候補プリコーデッドチャネル行列を取得することは、M個の周波数帯域内のm番目の周波数帯域に対応するチャネル行列と、候補空間−周波数ベクトルに対応するN×M候補空間−周波数行列のm番目の列ベクトルとの積を、候補プリコーデッドチャネル行列のm番目の列ベクトルとして用いて、M個の周波数帯域に対応する候補プリコーデッドチャネル行列を取得することを含み得る。1≦m≦Mであり、且つmは整数である。なお、特定の一実装プロセスでは、最初に候補空間−周波数ベクトルをN×M候補空間−周波数行列に変換する必要はないとすることができ、すると、M個の周波数帯域内のm番目の周波数帯域に対応するチャネル行列に、N×M候補空間−周波数行列のm番目の列ベクトルを乗算する必要はない。それに代えて、候補空間−周波数ベクトル内でのm番目の列ベクトルの位置に基づいて、候補空間−周波数ベクトルから直接的にm番目の列ベクトルが捕捉されてもよく、次いで、M個の周波数帯域内のm番目の周波数帯域に対応するチャネル行列に、m番目の列ベクトルが乗算される。
一例において、空間−周波数成分ベクトルが、周波数ドメイン成分ベクトルと空間ドメイン成分ベクトルとのクロネッカー積である場合、又は、空間−周波数成分ベクトルが、空間−周波数基底ベクトルセット内の複数の空間−周波数基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、且つ空間−周波数基底ベクトルが、周波数ドメイン基底ベクトルと空間ドメイン基底ベクトルとのクロネッカー積である場合、M個の周波数帯域に対応するチャネル行列及び各候補空間−周波数ベクトルに基づいて、M個の周波数帯域に対応する候補プリコーデッドチャネル行列を取得することは、M個の周波数帯域内のm番目の周波数帯域に対応するチャネル行列と、候補空間−周波数ベクトルに対応するM×N候補空間−周波数行列のm番目の行ベクトルとの積を、候補プリコーデッドチャネル行列のm番目の行ベクトルとして用いて、M個の周波数帯域に対応する候補プリコーデッドチャネル行列を取得することを含み得る。関連する技術的詳細は、上での説明から推論され得るものであり、詳細をここで再び説明することはしない。
理解され得ることには、前述の例は、チャネル行列に基づいて空間−周波数ベクトルVを得ることの一例であり、チャネル行列に基づいて空間−周波数ベクトルVを得ることについての限定を構成するものではない。
空間−周波数ベクトルVを決定した後、受信側装置は、空間−周波数ベクトルVの関連情報を送信側装置に指し示し得る。関連情報を受信した後、送信側装置は、式:
に基づいて空間−周波数ベクトルVを決定し、次いで、決定した空間−周波数ベクトルVに基づいてM個のプリコーディングベクトルを決定し、被送信データをM個のプリコーディングベクトルに基づいてプリコーディングすることができ、例えば、前述のM個のプリコーディングベクトルを用いることによってプリコーディングを実行し、あるいは、前述のMプリコーディングベクトルを調整し、調整を介して得られたM個のプリコーディングベクトルを用いることによってプリコーディングを実行し、プリコーディング後に得られたデータが送信される。関連情報の具体的な実装については、以下の説明を参照されたい。空間−周波数ベクトルVに基づいてM個のプリコーディングベクトルを決定することの具体的な実装は、Vを決定することの逆プロセスとして理解され得る。
理解され得ることには、空間−周波数ベクトルが列ベクトルである場合、空間−周波数成分ベクトルは列ベクトルである。空間−周波数ベクトルが行ベクトルである場合には、空間−周波数成分ベクトルは行ベクトルである。
また、この出願における用語“複数の”は、2つ以上を意味する。この出願における用語“及び/又は”は、関連するオブジェクトを記述するための関連関係のみを記述するものであり、3つの関係が存在し得ることを表す。例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在する、A及びBの双方が存在する、Bのみが存在する、という3つのケースを表し得る。また、この明細書中の文字“/”は概して、関連するオブジェクト間の“又は”関係を指し示す。文字“/”が数式中で使用されるときには、その文字は通常、関連するオブジェクト間の“除算”関係を指し示す。例えば、A/Bなる数式は、AがBで割られることを指し示す。この出願において、用語“第1”、“第2”などは、異なるオブジェクト間で区別を行うことを意図しており、それらのオブジェクトの特定の順序を指し示すものではない。
なお、記述の容易さのため、以下の説明では、ベクトル(例えば、空間ドメイン基底ベクトル、周波数ドメイン基底ベクトル、空間ドメイン成分ベクトル、周波数ドメイン成分ベクトル、空間−周波数ベクトル、空間−周波数基底ベクトル、又はプリコーディングベクトルなど)が列ベクトルである例を使用する。統一的な説明がここで提供され、詳細について以下で再び説明することはしない。理解され得ることには、特定の一実装プロセスにおいて、ベクトルは代わりに行ベクトルであってもよい。当業者は、この出願にて提供される技術的ソリューションに基づいて、創作努力なしで、ベクトルが行ベクトルであるときの対応する技術的ソリューションを適切に推論することができるはずである。詳細についてこの明細書中で説明することはしない。また、特定の一実装プロセスにおいて、この明細書中で使用されるベクトル及び行列の形態は、具体的なの要求に基づいて調整され得る。例えば、ベクトル及び行列が転置され、あるいは、ベクトル及び/又は行列が、そのベクトル及び/又は行列の共役形態、前述の形態の組み合わせ、別の形態、又はこれらに類するもので表される。従って、前述の推論及び調整はこの出願の実施形態の範囲内にあるとして理解されるべきである。
以下、添付の図面を参照して、この出願にて提供される技術的ソリューションを詳細に説明する。
図3は、この出願の一実施形態に従ったチャネル推定方法の概略フローチャートである。図3に示す方法は、以下のステップを含み得る。
S101:受信側装置が指示情報を生成し、該指示情報は、M個のN次元プリコーディングベクトルを指し示すために使用され、各プリコーディングベクトルが、M個の周波数帯域のうちの1つに適用されるものであり、M個のN次元プリコーディングベクトルは、N×M空間−周波数行列又はM×N空間−周波数行列を形成する。この空間−周波数行列は、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成され、ただし、M≧1、N≧2であり、M及びNはどちらも整数である。
M個のN次元プリコーディングベクトルは、M個の周波数帯域の各々においてそれに基づいて単一の空間フローが送られるプリコーディングベクトルであるとし得る。Mは、送信側装置によって命令されて受信側装置によってフィードバックされるチャネル情報に対応する周波数帯域の数Nsb以下とし得る。
特定の一実装プロセスにおいて、単一の空間フローが各周波数帯域で送信される場合、1つ以上の空間−周波数行列が、当該1つ以上の空間−周波数行列の列ベクトルの合計がNsbに等しいという条件で、実際の要求に基づいて設計され得る。例えば、単一の空間フローに対し、幾つかの連続した周波数帯域に対応するプリコーディングベクトルが空間−周波数行列を形成し得る。例えば、システム帯域幅が周波数帯域1から10に分割され、且つ送信側装置が受信側装置に、単一の空間フローに関して、周波数帯域1から5、すなわちNsb=5、のチャネル情報をフィードバックするように命令する場合、M個のプリコーディングベクトルは、周波数帯域1から5に対応するプリコーディングベクトルとし得る。この場合、M=5である。例えば、システム帯域幅が周波数帯域1から10に分割され、送信側装置が受信側装置に、いずれかの空間フローに関して、周波数帯域1、2、3、8、及び9、すなわちNsb=5、のチャネル情報をフィードバックするように命令する場合、周波数帯域1、2、及び3に対応するプリコーディングベクトルがN×3又は3×Nの空間−周波数行列を形成し得るとともに、周波数帯域8及び9に対応するプリコーディングベクトルがN×2又は2×Nの空間−周波数行列を形成し得る。明らかなことには、周波数帯域1、2、3、8、及び9に対応するプリコーディングベクトルが代わりにN×5又は5×Nの空間−周波数行列を形成してもよい。
空間−周波数行列は、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成される。従って、空間−周波数行列Hは、次式:
のように表され得る。
Wは、空間−周波数成分行列の数である。hwは、w番目の空間−周波数成分行列である。h^wは、hwの重みである。
指示情報の具体的な実装及びそれに類するものについては、以下の説明を参照されたい。
S102:受信側装置が指示情報を送信する。
指示情報によって指し示される情報を被指示情報として参照する。具体的な一実装プロセスにおいて、被指示情報を指し示すことには複数の手法が存在する。それらの手法は例えば、以下に限られないが、例えば被指示情報又は被指示情報のインデックスを指し示すなど、被指示情報を直接的に指し示すものである。代わりに、被指示情報は、他の情報を指し示すことによって間接的に指し示されてもよく、該他の情報とその被指示情報との間には連関関係が存在する。代わりに、被指示情報の一部のみが指し示されてもよく、被指示情報のその他の部分は既知である又は事前に合意されている。例えば、指示オーバーヘッドをある程度減らすために、特定の情報が代わりに、事前に合意された(例えば、プロトコルに規定された)情報の配列順序に基づいて指し示されてもよい。また、代わりに、同じ情報を別々に指し示すことによって生じる指示オーバーヘッドを減らすために、情報の普遍的部分が特定されて統合的に指し示されてもよい。例えば、6つの空間−周波数成分ベクトルが指し示されるときに、それら6つの空間−周波数成分ベクトルが、3つの空間ドメイン成分ベクトル及び2つの周波数ドメイン成分ベクトルを横断し、それら3つの空間ドメイン成分ベクトル及び2つの周波数ドメイン成分ベクトルのクロネッカー積を計算することによって得られた結果である場合、各空間−周波数成分ベクトルの空間ドメイン成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルを指し示す必要はない。それに代えて、3つの空間ドメイン成分ベクトル及び2つの周波数ドメイン成分ベクトルが統合的に指し示され、別の手法を参照して6つの空間−周波数成分ベクトルがまとめて指し示されることで、指示オーバーヘッドが減少される。他の一例では、当業者が理解するはずのことには、プリコーディング行列は複数のプリコーディングベクトルによって形成され、プリコーディング行列内のそれらプリコーディングベクトルは、組成又は他の属性に関して同じ部分を持っていることがある。例えば、ビーム結合技術を用いることによってプリコーディングベクトルを構築するプロセスにおいてプリコーディングベクトルを形成する複数の成分ベクトルが同じであることがある。従って、前述の属性は、プリコーディング行列の属性としても使用されることができ、プリコーディング行列の属性を指し示すインジケーションが、各プリコーディングベクトルの属性を指し示すインジケーションとなる。
また、具体的な指示手法は、例えば、以下に限られないが前述の指示手法及びそれらの様々な組み合わせといった、様々な既存の指示手法とし得る。それら様々な指示手法の具体的詳細については従来技術を参照されたく、詳細をこの明細書中で説明することはしない。以上の説明から分かることには、例えば、同じタイプの複数の情報を指し示す必要があるとき、異なる情報を異なる手法で指し示してもよい。特定の一実装プロセスにおいて、具体的な要求に基づいて、要求される指示手法が選択され得る。選択される指示手法は、この出願のこの実施形態において限定されるものではない。このように、この出願のこの実施形態における指示手法は、それを用いることによって被指示側の者に被指示情報が分かる様々な方法に及ぶものとして理解されるべきである。
また、被指示情報は、別の等価な形態を有してもよい。例えば、行ベクトルは列ベクトルとして表現されてもよく、行列はその行列の転置行列を用いることによって表現されてもよく、2つのベクトルのクロネッカー積は、1つのベクトルと別のベクトルの転置ベクトルとの積の形態で表現されてもよく、等々である。この出願のこの実施形態にて提供される技術的ソリューションは、様々な形態に及ぶものとして理解されるべきである。例えば、この出願のこの実施形態における機構の一部又は全部は、それらの機構の様々な表現形態に及ぶものとして理解されるべきである。例えば、空間−周波数成分行列は、空間−周波数行列を表すことができる様々な表現形態に及ぶものとして理解されるべきである。それら様々な表現形態は、以下に限られないが、例えば、空間ドメイン成分ベクトルと周波数ドメイン成分ベクトルとのクロネッカー積、空間ドメイン成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルのうちの一方と空間ドメイン成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルのうちのもう一方の共役転置ベクトルとの積、前述のクロネッカー積及び生成結果中の要素を含むアレイ、及びこれらに類するものである。
被指示情報は、全体として一緒に送られてもよいし、複数のサブ情報に分割されて別々に送られてもよい。また、サブ情報の送信周期及び/又は送信機会は、同じであってもよいし、異なってもよい。具体的な送信手法は、この出願において限定されることではない。サブ情報の送信周期及び/又は送信機会は、例えばプロトコルに従って予め定められるなど、予め定められていてもよいし、あるいは、受信側装置に設定情報を送信することによって送信側装置によって設定されてもよい。設定情報は、以下に限られないが、例えば、RRCシグナリング、MACシグナリング、及びDCIのうちの1つ、又はこれらのうちの少なくとも2つの組み合わせを含み得る。
指示情報は、プリコーディングベクトルインジケータ(precoding matrix indicator,PMI)であってもよいし、あるいは、他の指示情報であってもよい。指示情報は、従来技術における1つ以上のメッセージ内で搬送されて受信側装置によって送信側装置に送信されてもよいし、あるいは、この出願にて新たに設計された1つ以上のメッセージ内で搬送されて受信側装置によって送信側装置に送信されてもよい。
また、理解されるべきことには、図3に示す方法は、単一の偏波方向にて各サブバンド内で単一の空間フロー(例えば、レイヤマッピングを通じて得られたデータ層)が送信されるケースに基づいて説明されている。しかしながら、当業者が理解するはずのことには、この出願のこの実施形態にて提供される技術的ソリューションはそれに限定されるものではない。この出願のこの実施形態にて提供される技術的ソリューションは、複数の偏波方向にて各サブバンド内で複数の空間フローが送信されるケースに拡張され得る。その場合に、指示情報が、複数の偏波方向の各々における、M個のサブバンドの各々における、複数の空間フローの各々の、関連するプリコーディングベクトルのインジケーションを含むことを理解するのは容易なことである。分かることには、この出願のこの実施形態にて言及される指示情報は、以下のケースを除外するものではない。すなわち、指示情報は、S101に記載されるように、M個のN次元プリコーディングベクトルを指し示し、さらに、別の1つ以上のグループのM個のN次元プリコーディングベクトルを指し示す。これらのグループのM個のN次元プリコーディングベクトルは、異なる偏波方向、異なる空間フロー、又はこれらに類するものに対応し得る。さらに、指示情報は、複数の偏波方向の各々における、M個のサブバンドの各々における、複数の空間フローの各々の、関連するプリコーディングベクトルのインジケーションを含む。理解されるべきことには、具体的な指示方法は、例えば上述の様々な指示手法を参照することによって、具体的な要求に基づいて設定され得る。
簡単に言えば、この出願のこの実施形態にて提供される空間−周波数成分行列では、基本となる空間−周波数フィーチャを得るために、基本となる空間ドメインフィーチャと基本となる周波数ドメインフィーチャとが組み合わされる。基本となる空間ドメインフィーチャは、基本となる空間方向を記述するものとして理解されることができ、基本となる周波数ドメインフィーチャは、複数の周波数帯域におけるチャネルの変動パターンとして理解されることができる。この場合、空間−周波数成分行列は、基本となる空間−周波数フィーチャを記述するものとして理解されることができる。これに基づいて、複数の空間−周波数成分行列について重み付けた足し合わせを実行することによって、より多くの空間−周波数フィーチャを記述することができる。
S103:送信側装置が指示情報を受信する。
S104:送信側装置が、指示情報に基づいてM個のN次元のプリコーディングベクトルを決定する。
M個のN次元プリコーディングベクトルで空間−周波数行列を形成することができ、該空間−周波数行列は、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成されるので、プリコーディングベクトルの指示オーバーヘッドを減らすための条件を作り出すことができる。例えば、M個のN次元プリコーディングベクトルは、空間−周波数行列を指し示すことによって指し示されることができる。また、空間−周波数行列は、複数の空間−周波数成分行列を指し示すことによって指し示されてもよい。従って、各周波数帯域に対応するプリコーディングベクトルが独立に指し示される従来技術における技術的ソリューションと比較して、この出願のこの実施形態にて提供される技術的ソリューションは、指示オーバーヘッドを減らす助けとなる。
図3に示した技術的ソリューションにおける指示情報について、以下、実施形態1から実施形態4にて具体的に説明する。
実施形態1
この実施形態では、M個のN次元プリコーディングベクトルが、N×M個の空間−周波数行列Hを形成する。各N次元プリコーディングベクトルが、空間−周波数行列Hの列ベクトルとして使用される。空間−周波数行列Hは、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成される。各空間−周波数成分行列は、空間ドメイン成分ベクトルと周波数ドメイン成分ベクトルの共役転置ベクトルとの積である。
これに基づき、この実施形態では、空間−周波数行列Hは、次式:
のように表され得る。
Wは、空間−周波数成分行列の数である。u1wは、w番目の空間−周波数成分行列に対応する空間ドメイン成分ベクトルである。u2wは、w番目の空間−周波数成分行列に対応する周波数ドメイン成分ベクトルであり、u* 2wは、u2wの共役転置ベクトルである。h^wは、w番目の空間−周波数成分行列u1wu* 2wの重みであり、u1wu* 2wは、式1中のhwと等価である。
実施形態2
この実施形態では、M個のN次元プリコーディングベクトルが、M×N空間−周波数行列Hを形成する。各N次元プリコーディングベクトルの共役転置ベクトルが、空間−周波数行列Hの行ベクトルとして使用される。空間−周波数行列Hは、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成される。各空間−周波数成分行列は、周波数ドメイン成分ベクトルと空間ドメイン成分ベクトルの共役転置ベクトルとの積である。
これに基づき、この実施形態では、空間−周波数行列Hは、次式:
のように表され得る。
u* 1wは、u1wの共役転置ベクトルである。他のパラメータの説明については、前述の説明を参照されたく、詳細をここで再び説明することはしない。
実施形態1又は実施形態2のいずれかに基づき、異なる空間−周波数成分行列に対応する空間ドメイン成分ベクトルは、同じであってもよいし、異なってもよい。異なる空間−周波数成分行列に対応する周波数ドメイン成分ベクトルは、同じであってもよいし、異なってもよい。
オプションで、空間ドメイン成分ベクトルは、空間ドメイン成分ベクトルセットから選択され、あるいは、空間ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される。
空間ドメイン成分ベクトルが、空間ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合、異なる空間ドメイン成分ベクトルに対応する空間ドメイン基底ベクトルの数は、同じであってもよいし、異なってもよい。異なる空間ドメイン成分ベクトルは、同一グループの空間ドメイン基底ベクトルに対応してもよいし、あるいは、異なるグループの空間ドメイン基底ベクトルに対応してもよい。換言すれば、異なる空間−周波数成分行列に対応する空間ドメイン基底ベクトルの数は、同じであってもよいし、異なってもよい。異なる空間−周波数成分行列は、同一グループの空間ドメイン基底ベクトルに対応してもよいし、あるいは、異なるグループの空間ドメイン基底ベクトルに対応してもよい。
特定の一実装プロセスにおいて、例えば、空間ドメイン成分ベクトルを実装するために選択された手法(すなわち、空間ドメイン成分ベクトルが、空間ドメイン成分ベクトルセットから選択されるのか、それとも、複数の空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成されるか)、異なる空間−周波数成分行列に対応する空間ドメイン基底ベクトルの数が同じであるか、各空間−周波数成分行列に対応する空間−周波数基底ベクトルの数、及び、異なる空間−周波数成分行列に対応する空間ドメイン基底ベクトルが同一グループの空間ドメイン基底ベクトルであるか、などの、1つ以上の情報は、例えばプロトコルに従って予め定められるなど、予め定められてもよいし、あるいは、受信側装置のために送信側装置によって設定されてもよい。送信側装置は、RRCシグナリング、MACシグナリング、及びDCIのうちの少なくとも1つを使用することによって、受信側装置のための前述の情報のうちの1つ以上を設定し得る。
オプションで、周波数ドメイン成分ベクトルは、周波数ドメイン成分ベクトルセットから選択され、あるいは、周波数ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される。
周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合、異なる周波数ドメイン成分ベクトルに対応する周波数ドメイン基底ベクトルの数は、同じであってもよいし、異なってもよい。異なる周波数ドメイン成分ベクトルは、同一グループの周波数ドメイン基底ベクトルに対応してもよいし、あるいは、異なるグループの周波数ドメイン基底ベクトルに対応してもよい。換言すれば、異なる空間−周波数成分行列に対応する周波数ドメイン基底ベクトルの数は、同じであってもよいし、異なってもよい。異なる空間−周波数成分行列は、同一グループの周波数ドメイン基底ベクトルに対応してもよいし、あるいは、異なるグループの周波数ドメイン基底ベクトルに対応してもよい。
特定の一実装プロセスにおいて、例えば、周波数ドメイン成分ベクトルを実装するために選択された手法(すなわち、周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン成分ベクトルセットから選択されるのか、それとも、複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成されるか)、異なる空間−周波数成分行列に対応する周波数ドメイン基底ベクトルの数が同じであるか、各空間−周波数成分行列に対応する周波数ドメイン基底ベクトルの数、及び、異なる空間−周波数成分行列に対応する周波数ドメイン基底ベクトルが同一グループの周波数ドメイン基底ベクトルであるか、などの、1つ以上の情報は、例えばプロトコルに従って予め定められるなど、予め定められてもよいし、あるいは、受信側装置のために送信側装置によって設定されてもよい。送信側装置は、RRCシグナリング、MACシグナリング、及びDCIのうちの少なくとも1つを使用することによって、受信側装置のための前述の情報のうちの1つ以上を設定し得る。
式2又は式3に基づき、特定の一実装プロセスにおいて、例えば、空間ドメイン成分ベクトルが、空間ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成されるとともに、周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される。受信側装置は、空間−周波数行列に対応する空間ドメイン基底ベクトル及び周波数ドメイン基底ベクトルを、これに限られないが、例えば、以下の手法で決定し得る。
最初に理想的な空間−周波数行列H’を決定し、次いで空間−周波数行列Hを決定するという、上述の技術的ソリューションを一例として用いる。先ず、理想的な空間−周波数行列H’に、左側で行列B1の共役転置行列を乗算し、且つ右側で行列B2を乗算して、行列Cを得る。B1は、空間ドメイン基底ベクトルセット内の一部又は全ての空間ドメイン基底ベクトルによって形成される行列である。この行列の各列が空間ドメイン基底ベクトルである。B2は、周波数ドメイン基底ベクトルセット内の一部又は全ての周波数ドメイン基底ベクトルによって形成される行列である。この行列の各列が周波数ドメイン基底ベクトルである。次いで、例えば、行列Cの全ての要素の係数又は振幅の降順に並べた最初のW個の要素といった、行列CのW個の要素を得る。W個の要素内のw番目の要素が、h^wとして使用され得る。理解され得ることには、行列Cの各要素が、1つの空間ドメイン基底ベクトル及び1つの周波数ドメイン基底ベクトルに対応し、W個の要素内のw番目の要素に対応する空間ドメイン基底ベクトルがu1wとして使用され得るとともに、w番目の要素に対応する周波数ドメイン基底ベクトルがu2wとして使用され得る。
最初にM個の周波数帯域に対応するプリコーデッドチャネル行列を決定し、次いで空間−周波数行列Hを決定するという、上述の技術的ソリューションを一例として用い、空間−周波数行列Hに対応する組み合わせ内のw番目の空間−周波数成分行列の重みが、h^ wとして使用され得る。w番目の空間−周波数成分行列に対応する空間ドメイン基底ベクトルがu1wとして使用されるとともに、w番目の空間−周波数成分行列に対応する周波数ドメイン基底ベクトルがu2wとして使用される。
明らかなことには、具体的な実装においては、別の実装が存在し得る。これは、この出願において限定されることではない。
オプションで、指示オーバーヘッドを減らすために、空間−周波数成分行列を生成する手法が、この出願にて設計される。具体的には、複数の空間−周波数成分行列が、同一グループの空間ドメイン成分ベクトル及び同一グループの周波数ドメイン成分ベクトルを共有する。この場合、以下である。
実施形態1に基づき、式2が、次式:
のように表され得る。
u1,kは、空間−周波数行列Hに対応するk番目の空間ドメイン成分ベクトルである。u2,lは、空間−周波数行列Hに対応するl番目の周波数ドメイン成分ベクトルである。u* 2,lは、u2,lの共役転置ベクトルである。h^k,lは、(k,l)番目の空間−周波数成分行列の重みである。(k,l)番目の空間−周波数成分行列は、u1,kにu* 2,lを乗算することによって得られる行列である。1≦k≦K、且つ1≦l≦Lである。Kは、空間−周波数行列Hに対応する空間ドメイン成分ベクトルの数であり、Lは、空間−周波数行列Hに対応する周波数ドメイン成分ベクトルの数であり、k、K、l、及びLは整数である。この実装では、K×L個の空間−周波数成分行列が存在する。
実施形態2に基づき、式3が、次式:
のように表され得る。
u* 1,kは、u1,kの共役転置ベクトルである。(k,l)番目の空間−周波数成分行列は、u2,lにu* 1,kを乗算することによって得られる行列である。他のパラメータの説明については、前述の説明を参照されたく。詳細をここで再び説明することはしない。
オプションで、式4又は式5に基づき、K≦N、且つL≦Mである。K<N且つ/或いはL<Mである場合、従来技術においては各周波数帯域に対応するプリコーディングベクトルの関連情報が独立に指し示されるので、N×M(又はM×N)行列を構築するための関連情報が指し示される必要がある。しかしながら、このオプション実装では、K×L(又はL×K)行列を構築するための関連情報のみが指し示されればよい。従って、指示オーバーヘッドを減らすことができる。
以下にて、式4又は式5に基づいてu1,k及びu2,lを説明する。
空間ドメイン成分ベクトルが空間ドメイン成分ベクトルセットから選択される場合、u
1,kは、
のように表され得る。
{b1,p}p=1,2,…Pは、空間ドメイン成分ベクトルセット内の一部又は全ての空間ドメイン成分ベクトルによって形成される集合である。{b1,p}p=1,2,…Pは、合計でP個の空間ドメイン成分ベクトルを含み、b1,pは、{b1,p}p=1,2,…P内のp番目の空間ドメイン成分ベクトルである。1≦p≦Pであり、p及びPはどちらも整数である。
空間ドメイン成分ベクトルが、空間ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合、u
1,kは、
のように表され得る。
Ikは、空間ドメイン基底ベクトルセットから選択された空間ドメイン成分ベクトルu1,kに対応する空間ドメイン基底ベクトルの数であり、b1,k,iは、Ik個の空間ドメイン基底ベクトル内のi番目の空間ドメイン基底ベクトルである。1≦i≦Ik、Ik≧2であり、i及びIkはどちらも整数である。c1,k,iは、b1,k,iの重みである。
理解され得ることには、異なる空間ドメイン成分ベクトルに対応する空間ドメイン基底ベクトルの数が同じである場合、式:
は、
のように表され得る。Iは、空間ドメイン基底ベクトルセットから選択された空間ドメイン基底ベクトルの数である。この場合、受信側装置は、送信側装置に対して、各空間ドメイン成分ベクトルに対応する空間ドメイン基底ベクトルの数を指し示す必要はなく、空間ドメイン基底ベクトルの数Iを具体的に指し示し得る。
理解され得ることには、異なる空間−周波数成分行列が同一グループの空間ドメイン基底ベクトルに対応する場合、式:
は、
のように表され得る。b
1,iは、I個の空間ドメイン基底ベクトル内のi番目の空間ドメイン基底ベクトルである。この場合、受信側装置は、送信側装置に対して、各空間−周波数成分行列に対応する空間ドメイン基底ベクトルを指し示す必要はなく、空間ドメイン基底ベクトルのグループを具体的に指し示し得る。
一般的表現に関し、以下の説明では、空間ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の空間ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって空間ドメイン成分ベクトルが生成されるときに、
である例を使用する。
周波数ドメイン成分ベクトルが周波数ドメイン成分ベクトルセットから選択される場合、u
2,lは、
のように表され得る。
{f2,q}q=1,2,…Qは、周波数ドメイン成分ベクトルセット内の一部又は全ての周波数ドメイン成分ベクトルによって形成される集合である。{f2,q}q=1,2,…Qは、合計でQ個の周波数ドメイン成分ベクトルを含み、f2,qは、{f2,q}q=1,2,…Q内のq番目の周波数ドメイン成分ベクトルである。1≦q≦Qであり、q及びQはどちらも整数である。
周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合、u
2,lは、
のように表され得る。
Jlは、周波数ドメイン基底ベクトルセットから選択された周波数ドメイン成分ベクトルu2,lに対応する周波数ドメイン基底ベクトルの数であり、f2,l,jは、Jl個の周波数ドメイン基底ベクトル内のj番目の周波数ドメイン基底ベクトルである。1≦j≦Jl、Jl≧2であり、j及びJlはどちらも整数である。c2,l,jは、f2,l,jの重みである。
理解され得ることには、異なる周波数ドメイン成分ベクトルが同数の周波数ドメイン基底ベクトルに対応する場合、次式:
は、
のように表され得る。Jは、周波数ドメイン基底ベクトルセットから選択された周波数ドメイン基底ベクトルの数である。この場合、受信側装置は、送信側装置に対して、各周波数ドメイン成分ベクトルに対応する周波数ドメイン基底ベクトルの数を指し示す必要はなく、周波数ドメイン基底ベクトルの数Jを具体的に指し示し得る。
理解され得ることには、異なる空間−周波数成分行列が同一グループの周波数ドメイン基底ベクトルに対応する場合、前述の式:
は、
のように表され得る。f
2,jは、J個の周波数ドメイン基底ベクトル内のj番目の周波数ドメイン基底ベクトルである。この場合、受信側装置は、送信側装置に対して、各空間−周波数成分行列に対応する周波数ドメイン基底ベクトルを指し示す必要はなく、周波数ドメイン基底ベクトルのグループを具体的に指し示し得る。
一般的表現に関し、以下の説明では、周波数ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって周波数ドメイン成分ベクトルが生成されるときに、
である例を使用する。
式4又は式5に基づき、特定の一実装プロセスにおいて、空間−周波数行列に対応する空間ドメイン基底ベクトル及び周波数ドメイン基底ベクトルを式2又は式3に基づいて決定することの実装と同様に、行列CのK個の行及びL個の列の要素が取得され、そして、K個の行及びL個の列の要素内のk番目の行及びl番目の列の要素が、h^k,lとして使用され得る。K個の行及びL個の列の要素内のk番目の行及びl番目の列の要素に対応する空間ドメイン基底ベクトルがu1,kとして使用され得るとともに、k番目の行及びl番目の列の要素に対応する周波数ドメイン基底ベクトルがu2,lとして使用され得る。
以下にて、式4又は式5に基づき、空間ドメイン成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルの実装が異なるときの指示情報の具体的な実装を説明する。
(1).空間成分ベクトルが空間成分ベクトルセットから選択され、且つ周波数ドメイン成分ベクトルが周波数ドメイン成分ベクトルセットから選択される場合、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分行列の各々に対応する空間成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルと、該空間−周波数成分行列の重みとを指し示すために使用される。
この場合、前述の説明を参照して、u
1,k及びu
2,lが、それぞれ、次の条件:
を満たすことが分かる。空間−周波数行列Hが式4又は式5に基づいて決定されるとき、指示情報は具体的に、次の情報、すなわち、u
1,k、u
2,l、及びh^
k,lを指し示すために使用され得る。
(2).空間成分ベクトルが空間成分ベクトルセットから選択され、且つ周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン基底ベクトルセットからの複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分行列の各々に対応する空間成分ベクトル及び複数の周波数ドメイン基底ベクトルと、重み情報とを指し示すために使用される。
例えば、前述の説明を参照して、u
1,k及びu
2,lが、それぞれ、次の条件:
を満たすことが分かる。
これに基づき、式4は次式6のように表されることができ、式5は次式7のように表されることができる。
ここで、
は、h^
k,lの共役である。
実装1:重み情報は、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みと、空間−周波数成分行列の重みとを含み得る。
例えば、空間−周波数行列Hが式4又は式5に基づいて決定されるとき、指示情報は具体的に、次の情報、すなわち、u1,k、f2,l,j、c2,l,j、及びh^k,lを指し示すために使用され得る。
実装2:重み情報は、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みに空間−周波数成分行列の重みを乗算することによって得られた重みを含む。
なお、特定の一実装プロセスにおいて、空間−周波数成分行列を構築することの異なる実装に基づいて、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みに別々に空間−周波数成分行列の重みを乗算することによって得られた重みは、具体的に、複数の周波数ドメイン基底ベクトル又はそれらの変形の重みと、空間−周波数成分行列又はその変形の重みとの積として表され得る。例えば、得られる重みは具体的に、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みに空間−周波数成分行列の重みの共役を乗算することによって得られた重みとして表され得る。例えば、空間−周波数行列Hが式6又は式7に基づいて決定されるとき、指示情報は具体的に、以下の情報、すなわち、u
1,k、f
2,l,j、及び
を指し示すために使用され得る。明らかなことには、この出願はそれに限定されるものではない。以下の説明においては、同様の実装原理を上の説明から推論することができ、以下の説明において詳細を説明することはしない。
(3).空間成分ベクトルが、空間基底ベクトルセットからの複数の空間基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、且つ周波数ドメイン成分ベクトルが周波数ドメイン成分ベクトルセットから選択される場合、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分行列の各々に対応する周波数ドメイン成分ベクトル及び複数の空間基底ベクトルと、重み情報とを指し示すために使用される。
例えば、前述の説明を参照して、u
1,k及びu
2,lが、それぞれ、次の条件:
を満たすことが分かる。これに基づき、式4は次式8のように表されることができ、式5は次式9のように表されることができる。
実装1:重み情報は、複数の空間基底ベクトルの重みと、空間−周波数成分行列の重みとを含み得る。
例えば、空間−周波数行列Hが式4又は式5に基づいて決定されるとき、指示情報は具体的に、次の情報、すなわち、u2,l、b1,k,i、及びh^k,lを指し示すために使用され得る。
実装2:重み情報は、複数の空間基底ベクトルの重みに空間−周波数成分行列の重みを乗算することによって得られた重みを含み得る。
なお、特定の一実装プロセスにおいて、空間−周波数成分行列を構築することの異なる実装に基づいて、複数の空間基底ベクトルの重みに別々に空間−周波数成分行列の重みを乗算することによって得られた重みは、具体的に、複数の空間ドメイン基底ベクトル又はそれらの変形の重みと、空間−周波数成分行列又はその変形の重みとの積として表され得る。例えば、重みは具体的に、複数の空間基底ベクトルの重みに空間−周波数成分行列の重みの共役を乗算することによって得られた重みとして表され得る。例えば、空間−周波数行列Hが式8又は式9に基づいて決定されるとき、指示情報は具体的に、以下の情報、すなわち、u
2,l、b
1,k,i、及び
を指し示すために使用され得る。明らかなことには、この出願はそれに限定されるものではない。以下の説明においては、同様の実装原理を上の説明から推論することができ、以下の説明において詳細を説明することはしない。
(4).空間成分ベクトルが、空間基底ベクトルセットからの複数の空間基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、且つ周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン基底ベクトルセットからの複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分行列の各々に対応する複数の空間基底ベクトル及び複数の周波数ドメイン基底ベクトルと、重み情報とを指し示すために使用される。
例えば、前述の説明を参照して、u
1,k及びu
2,lが、それぞれ、次の条件:
を満たすことが分かる。これに基づき、式4は次式10又は11のように表されることができ、式5は次式12又は13のように表されることができる。
実装1:重み情報は、複数の空間基底ベクトルの重みと、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みと、空間−周波数成分行列の重みとを含み得る。
例えば、空間−周波数行列Hが式4又は式5に基づいて決定されるとき、指示情報は具体的に、次の情報、すなわち、b1,k,i、f2,l,j、c1,k,i、c2,l,j、及びh^k,lを指し示すために使用され得る。
実装2:重み情報は、複数の空間基底ベクトルの重みに空間−周波数成分行列の重みを乗算することによって得られた重みと、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みとを含む。
例えば、空間−周波数行列Hが式10又は式12に基づいて決定されるとき、指示情報は具体的に、次の情報、すなわち、b
1,k,i、f
2,l,j、c
2,l,j、及び
を指し示すために使用され得る。
実装3:重み情報は、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みに空間−周波数成分行列の重みを乗算することによって得られた重みと、複数の空間基底ベクトルの重みとを含む。
例えば、空間−周波数行列Hが式11又は式13に基づいて決定されるとき、指示情報は具体的に、次の情報、すなわち、b
1,k,i、f
2,l,j、c
1,k,i、及び
を指し示すために使用され得る。
なお、特定の一実装プロセスにおいて、理想的な空間−周波数行列を決定した後、送信側装置は、理想的な空間−周波数行列をこれらの式のうちのいずれか1つ(式2から式13のいずれか1つを含む)へと近似することができ、故に、指示情報を用いることによって、式中の関連情報が受信側装置に指し示される。受信側装置は、式に基づいて空間−周波数行列を取得し得る。また、空間−周波数行列が別の手法で取得されてもよいことを理解するのは容易なことである。
実施形態3
この実施形態では、M個のN次元プリコーディングベクトルが、N×M個の空間−周波数行列Hを形成する。各N次元プリコーディングベクトルが、空間−周波数行列Hの列ベクトルとして使用される。空間−周波数行列Hは、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成される。各空間−周波数成分行列は、空間−周波数成分行列セットから選択され、あるいは、空間−周波数基底行列から選択された複数の空間−周波数基底行列セットについて重み付け結合を実行することによって生成される。この実施形態では、空間−周波数基底行列はN×M行列である。空間−周波数成分行列セット内の各空間−周波数基底ベクトル又は各空間−周波数成分行列は、空間ドメイン基底ベクトルと、周波数ドメイン基底ベクトルの共役転置ベクトルとの積とし得る。
実施形態4
この実施形態では、M個のN次元プリコーディングベクトルが、M×N空間−周波数行列Hを形成する。各N次元プリコーディングベクトルが、空間−周波数行列Hの行ベクトルとして使用される。空間−周波数行列Hは、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成される。各空間−周波数成分行列は、空間−周波数成分行列セットから選択され、あるいは、空間−周波数基底行列から選択された複数の空間−周波数基底行列セットについて重み付け結合を実行することによって生成される。この実施形態では、空間−周波数基底行列はM×N行列である。空間−周波数成分行列セット内の各空間−周波数基底ベクトル又は各空間−周波数成分行列は、空間ドメイン基底ベクトルと周波数ドメイン基底ベクトルの共役転置ベクトルとの積とし得る。
実施形態3又は実施形態4に基づき、空間−周波数基底行列から選択された複数の空間−周波数基底行列セットについて重み付け結合を実行することによって空間−周波数成分行列が生成される例を使用する。特定の一実装プロセスにおいて、受信側装置は、空間−周波数行列に対応する空間−周波数基底行列を、これに限られないが、例えば、以下の手法で決定し得る。
最初に理想的な空間−周波数行列H’を決定し、次いで空間−周波数行列Hを決定するという、上述の技術的ソリューションを一例として用いる。先ず、理想的な空間−周波数行列H’を列ごとに展開して列ベクトルを取得し、各空間−周波数基底行列を列ごとに展開して列ベクトルを取得し、次いで、空間−周波数基底行列セット内の一部又は全ての空間−周波数基底行列内の各空間−周波数基底行列を列ごとに展開することによって取得された列ベクトルと、理想的な空間−周波数行列H’を列ごとに展開することによって取得された列ベクトルとの内積を計算して、複数の内積を取得し、これら複数の内積のうちのW個の内積、例えば、これら複数の内積を降順に並べた後に得られた最初のW個の内積、を取得し、そして、W個の内積に対応する空間−周波数基底行列が、空間−周波数行列Hに対応するW個の空間−周波数基底行列として使用される。
最初にM個の周波数帯域に対応するプリコーデッドチャネル行列を決定し、次いで空間−周波数行列Hを決定するという、上述の技術的ソリューションを一例として用い、空間−周波数行列Hに対応する組み合わせ内のw番目の空間−周波数成分行列の重みが、h^wとして使用され得る。w番目の空間−周波数成分行列に対応する空間−周波数基底行列がhwとして使用される。
明らかなことには、具体的な実装においては、別の実装が存在し得る。これは、この出願において限定されることではない。
実施形態3又は実施形態4に基づき、空間−周波数成分行列が空間−周波数成分行列セットから選択される場合、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分行列と、複数の空間−周波数成分行列の各々の重みとを指し示すために使用される。
実施形態3又は実施形態4に基づき、空間−周波数成分行列が、空間−周波数基底行列セットから選択された複数の空間−周波数基底行列について重み付け結合を実行することによって生成される場合、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分行列と、複数の空間−周波数成分行列の各々に対応する複数の空間−周波数基底行列と、重み情報とを指し示すために使用され得る。重み情報は、複数の空間−周波数基底行列の重みと、空間−周波数成分行列の重みとを含み得る。あるいは、重み情報は、複数の空間−周波数基底行列の重みに空間−周波数成分行列の重みを乗算することによって得られた重みを含む。
実施形態3又は実施形態4にて提供される技術的ソリューションの数式記述及び具体例は、上で提供された式から推論されることができ、詳細をここで再び説明することはしない。
図4は、この出願の一実施形態に従った他のチャネル推定方法の概略フローチャートである。図4に示す方法は、以下のステップを含み得る。
S201:受信側装置が指示情報を生成し、該指示情報は、M個のN次元プリコーディングベクトルを指し示すために使用され、各プリコーディングベクトルが、M個の周波数帯域のうちの1つに適用されるものであり、M個のN次元プリコーディングベクトルは、1つのN×M次元空間−周波数ベクトルを形成する。この空間−周波数ベクトルは、複数の空間−周波数成分ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、ただし、M≧1、N≧2であり、M及びNはどちらも整数である。
受信側装置によってM×N次元空間−周波数ベクトルを取得することの実装については、前述の説明を参照されたく、詳細をここで再び説明することはしない。
理解され得ることには、一形態において、M×N次元空間−周波数ベクトルは、N×M空間−周波数行列を行ごとに展開することによって得られるM×N次元行ベクトルと等価であってもよいし、N×M空間−周波数行列を列ごとに展開することによって得られるM×N次元列ベクトルと等価であってもよいし、あるいは、M×N次元空間−周波数ベクトルは、M×N空間−周波数行列を列ごとに展開することによって得られるM×N次元列ベクトルと等価であってもよい。あるいは、M×N次元空間−周波数ベクトルは、M×N次元空間−周波数行列を行ごとに展開することによって得られるM×N次元行ベクトルと等価であってもよい。明らかなことには、この出願はそれに限定されるものではない。
空間−周波数ベクトルは、複数の空間−周波数成分ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される。従って、空間−周波数ベクトルVは、次式:
のように表され得る。
Zは、空間−周波数成分ベクトルの数である。vzは、z番目の空間−周波数成分ベクトルである。g^zは、vzの重みである。
指示情報の具体的な実装及びそれに類するものについては、以下の説明を参照されたい。
S202:受信側装置が指示情報を送信する。
S203:送信側装置が指示情報を受信する。
S204:送信側装置が、指示情報に基づいてM個のN次元のプリコーディングベクトルを決定する。
この実施形態における関連内容の説明及び有益な効果の記述については、前述の説明を参照されたい。詳細をここで再び説明することはしない。
図4に示す技術的ソリューションの指示情報については、実施形態5から実施形態7にて具体的に後述する。
実施形態5
この実施形態では、各空間−周波数成分ベクトルは、空間成分ベクトルと周波数ドメイン成分ベクトルとのクロネッカー積である。
これに基づき、この実施形態では、空間−周波数ベクトルVが、次式:
のように表され得る。
Zは、空間−周波数成分ベクトルの数である。u
1zは、z番目の空間−周波数成分ベクトルに対応する空間成分ベクトルである。u
2zは、z番目の空間−周波数成分ベクトルに対応する周波数ドメイン成分ベクトルであり、g^
zは、z番目の空間−周波数成分ベクトルの重みであり、そして、z番目の空間−周波数成分ベクトルは、u
1zとu
2zとのクロネッカー積である。
は、式14中のv
zと等価である。
実施形態6
この実施形態では、各空間−周波数成分ベクトルは、周波数ドメイン成分ベクトルと空間成分ベクトルとのクロネッカー積である。
これに基づき、この実施形態では、空間−周波数ベクトルVが、次式:
のように表され得る。
z番目の空間−周波数成分ベクトルは、u
2zとu
1zとのクロネッカー積である。
は、式14中のv
zと等価である。他のパラメータの説明については、前述の説明を参照されたく、詳細をここで再び説明することはしない。
実施形態5又は実施形態6のいずれかに基づき、異なる空間−周波数成分ベクトルに対応する空間成分ベクトルは、同じであってもよいし、異なってもよい。異なる空間−周波数成分ベクトルに対応する周波数ドメイン成分ベクトルは、同じであってもよいし、異なってもよい。
空間ドメイン成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルの関連説明については、前述の説明を参照されたく、詳細をここで再び説明することはしない。
オプションで、指示オーバーヘッドを減らすために、空間−周波数成分ベクトルを生成する手法が、この出願にて設計される。具体的には、複数の空間−周波数成分ベクトルが、同一グループの空間成分ベクトル及び同一グループの周波数ドメイン成分ベクトルを共有する。この場合、以下である。
実施形態5に基づき、式15が、次式:
のように表され得る。
u1,cは、空間−周波数ベクトルVに対応するc番目の空間ドメイン成分ベクトルである。u2,dは、空間−周波数ベクトルVに対応するd番目の周波数ドメイン成分ベクトルである。g^c,dは、(c,d)番目の空間−周波数成分ベクトルの重みである。1≦c≦C、且つ1≦d≦Dである。Cは、空間−周波数ベクトルVに対応する空間ドメイン成分ベクトルの数であり、Dは、空間−周波数ベクトルVに対応する周波数ドメイン成分ベクトルの数であり、c、C、d、及びDは全て整数である。この実装では、C×D個の空間−周波数成分ベクトルVが存在する。
実施形態6に基づき、式16が、次式:
のように表され得る。
(c,d)番目の空間−周波数成分ベクトルは、u2,dとu1,cとのクロネッカー積である。他のパラメータの説明については、前述の説明を参照されたく。詳細をここで再び説明することはしない。
オプションで、式17又は式18に基づき、C≦N、且つD≦Mである。C<N且つ/或いはD<Mである場合、従来技術においては各周波数帯域に対応するプリコーディングベクトルの関連情報が独立に指し示されるので、N×M(又はM×N)行列を構築するための関連情報が指し示される必要がある。しかしながら、このオプション実装では、ほんのC×D次元ベクトルを構築するための関連情報が指し示されればよい。従って、指示オーバーヘッドを減らすことができる。
空間ドメイン成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルを取得する手法、各取得手法における対応する数式表現形態、及びこれらに類するものについては、前述の説明を参照されたく、詳細をここで再び説明することはしない。
以下にて、空間成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルの実装が異なるときの指示情報の具体的な実装を説明する。
(1).空間成分ベクトルが空間成分ベクトルセットから選択され、且つ周波数ドメイン成分ベクトルが周波数ドメイン成分ベクトルセットから選択される場合、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分ベクトルの各々に対応する空間成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルと、該空間−周波数成分ベクトルの重みとを指し示すために使用される。
(2).空間成分ベクトルが空間成分ベクトルセットから選択され、且つ周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン基底ベクトルセットからの複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分ベクトルの各々に対応する空間成分ベクトル及び複数の周波数ドメイン基底ベクトルと、重み情報とを指し示すために使用される。重み情報は、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みと、空間−周波数成分ベクトルの重みとを含み得る。それに代えて、重み情報は、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みに空間−周波数成分ベクトルの重みを乗算することによって得られた重みを含んでもよい。
(3).空間成分ベクトルが、空間基底ベクトルセットからの複数の空間基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、且つ周波数ドメイン成分ベクトルが周波数ドメイン成分ベクトルセットから選択される場合、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分ベクトルの各々に対応する周波数ドメイン成分ベクトル及び複数の空間基底ベクトルと、重み情報とを指し示すために使用される。重み情報は、複数の空間基底ベクトルの重みと、空間−周波数成分ベクトルの重みとを含み得る。それに代えて、重み情報は、複数の空間基底ベクトルの重みに空間−周波数成分ベクトルの重みを乗算することによって得られた重みを含んでもよい。
(4).空間成分ベクトルが、空間成分ベクトルセットからの複数の空間基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成され、且つ周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン基底ベクトルセットからの複数の周波数ドメイン基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分ベクトルの各々に対応する複数の空間基底ベクトル及び複数の周波数ドメイン基底ベクトルと、重み情報とを指し示すために使用される。重み情報は、複数の空間基底ベクトルの重みと、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みと、空間−周波数成分ベクトルの重みとを含み得る。それに代えて、重み情報は、複数の空間基底ベクトルの重みに空間−周波数成分ベクトルの重みを乗算することによって得られた重みと、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みとを含んでもよい。それに代えて、重み情報は、複数の周波数ドメイン基底ベクトルの重みに空間−周波数成分ベクトルの重みを乗算することによって得られた重みと、複数の空間基底ベクトルの重みとを含んでもよい。
実施形態7
この実施形態では、各空間−周波数成分ベクトルが、空間−周波数成分ベクトルセットから選択され、あるいは、空間−周波数基底ベクトルセットから選択された複数の空間−周波数基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される。
この実施形態では、空間−周波数基底ベクトルは、空間ドメイン基底ベクトルと周波数ドメイン基底ベクトルとのクロネッカー積とし得る。それに代えて、空間−周波数基底ベクトルは、周波数ドメイン基底ベクトルと空間基底ベクトルとのクロネッカー積であってもよい。
空間−周波数成分ベクトルが空間−周波数成分ベクトルセットから選択される場合、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分ベクトルと、複数の空間−周波数成分ベクトルの各々の重みとを指し示すために使用され得る。
空間−周波数成分ベクトルが、空間−周波数基底ベクトルから選択された複数の空間−周波数基底ベクトルセットについて重み付け結合を実行することによって生成される場合、指示情報は具体的に、複数の空間−周波数成分ベクトルの各々に対応する複数の空間−周波数基底ベクトルと、重み情報とを指し示すために使用され得る。重み情報は、複数の空間−周波数基底ベクトルの重みと、空間−周波数成分ベクトルの重みとを含み得る。あるいは、重み情報は、複数の空間−周波数基底ベクトルの重みに空間−周波数成分ベクトルの重みを乗算することによって得られた重みを含む。
実施形態7にて提供される技術的ソリューションの数式記述及び具体例は、以上の明細書にて提供された式から推論されることができ、詳細をここで再び説明することはしない。
実施形態5又は実施形態6の実装において、受信側装置がどのように空間ドメイン基底ベクトル及び周波数ドメイン基底ベクトルを決定するのかについて、又は実施形態7の実装において、受信側装置がどのように空間ドメイン基底ベクトルを決定するのかについては、実施形態1から実施形態4における対応する技術的ソリューションを参照されたく、詳細をここで説明することはしない。
前述の実施形態のいずれか1つの実装に基づき、指示情報は、少なくとも2つのサブ情報を含み得る。各サブ情報が、指示情報によって指し示される情報のうちの1つ以上を指し示すために使用され得る。
なお、以上では、指示情報によって具体的に指し示される具体的な情報を記述している。この出願は、指示情報の具体的な情報について限定を課すものではない。
例えば、空間ドメイン基底ベクトル(又は、周波数ドメイン基底ベクトル、空間−周波数基底行列、空間−周波数基底ベクトル、空間ドメイン成分ベクトル、周波数ドメイン成分ベクトル、空間−周波数成分行列、若しくは空間−周波数成分ベクトル)を指し示すために使用されるサブ情報は、空間ドメイン基底ベクトル(又は、周波数ドメイン基底ベクトル、空間−周波数基底行列、空間−周波数基底ベクトル、空間ドメイン成分ベクトル、周波数ドメイン成分ベクトル、空間−周波数成分行列、若しくは空間−周波数成分ベクトル)のインデックスとし得る。例えば、空間ドメイン基底ベクトルのインデックスは、例えばk又はcといった、空間ドメイン基底ベクトルの番号とし得る。
例えば、同一タイプの複数の重みを指し示すために使用される指示情報は、該同一タイプの複数の重み、又は該同一タイプの複数の重みのインデックスとし得る。また、一部の実装において、受信側装置は、複数の重みを正規化した後に重みを得てもよい。この場合、指示情報は更に、正規化された基準として使用される重みに対応する行列/ベクトルを指し示すために使用され得る。この場合、指示情報は、正規化された基準として使用される重みを担持しなくてもよい。同一タイプの重みは、空間ドメイン基底ベクトルの重み、周波数ドメイン基底ベクトルの重み、空間−周波数基底行列の重み、空間−周波数基底ベクトルの重み、空間−周波数成分行列の重み、空間−周波数成分ベクトルの重み、又は何らかの2つのタイプの重みを共に掛け合わせることによって得られる新たなタイプの重みとし得る。例えば、このタイプの重みが空間−周波数成分行列の重みである場合、指示情報は、正規化された基準として使用される空間−周波数成分行列を指し示すために使用され得る。例えば、空間−周波数成分行列を指し示すために、空間−周波数成分行列に対応した、空間ドメイン基底ベクトルの番号及び周波数ドメイン基底ベクトルの重みが用いられ得る。
理解され得ることには、特定の一実装プロセスにおいて、例えば、空間ドメイン基底ベクトルの重み、周波数ドメイン基底ベクトルの重み、及び空間−周波数成分行列の重みといった、異なるタイプの重みは、同一グループの候補重みから選択されてもよいし、あるいは、異なるグループの候補重みから選択されてもよい。これは、この出願において限定されることではない。候補重みは、受信側装置及び送信側装置の双方によって予め定められることができ、例えば、プロトコルに従って予め定められ得る。
なお、異なるサブ情報の送信周期は同じであってもよいし、異なってもよい。
空間ドメイン基底ベクトル(又は、空間ドメイン成分ベクトル)を指し示すサブ情報の送信周期を第1の周期と表記し、周波数ドメイン基底ベクトル(又は、周波数ドメイン成分ベクトル)を指し示すサブ情報の送信周期を第2の周期と表記し、空間−周波数成分行列の重みを指し示すサブ情報の送信周期を第3の周期と表記すると、第1の周期は、第2の周期より長い、短い、又は等しいとし得る。第3の周期は第1の周期以上であり、第4の周期は第2の周期以上である。
空間ドメイン基底ベクトルの重みを指し示すサブ情報の送信周期を第4の周期と表記すると、第4の周期は第1の周期以下とし得るとともに、第4の周期は第3の周期以上とし得る。理解され得ることには、第4の周期が第3の周期と同じである場合、一実装において、送信側装置によって受信側装置に指し示される空間ドメイン成分ベクトルが、空間ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合であっても、受信側装置は、空間ドメイン基底ベクトルの重みに空間−周波数成分行列の重みを乗算することによって得られる値を指し示すことができる。
周波数ドメイン基底ベクトルの重みを指し示すサブ情報の送信周期を第5の周期と表記すると、第5の周期は第2の周期以下とし得る。第5の周期は第3の周期以上とし得るとともに、第4の周期は、第5の周期より長い、短い、又は等しいとし得る。理解され得ることには、第5の周期が第3の周期と同じである場合、一実装において、送信側装置によって受信側装置に指し示される周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合であっても、受信側装置は、周波数ドメイン基底ベクトルの重みに空間−周波数成分行列の重みを乗算することによって指示を行うことができる。
空間−周波数成分行列の重みを指し示すサブ情報の送信周期が第3の周期であるとして、空間−周波数基底行列(又は空間−周波数成分行列)を指し示すサブ情報の送信周期を第6の周期と表記し、空間−周波数基底行列の重みを指し示すサブ情報の送信周期を第7の周期と表記すると、第6の周期は第7の周期以上とし得るとともに、第6の周期は第3の周期以上であり、第7の周期は第3の周期以上である。
空間−周波数成分ベクトルの重みを指し示すサブ情報の送信周期を第8の周期と表記すると、第8の周期は、第1の周期及び第2の周期の最小値以下とすることができ、第4の周期は第1の周期以下とすることができ、第4の周期は第8の周期以上とすることができ、第5の周期は第8の周期以上とすることができる。理解され得ることには、第4の周期が第8の周期と同じである場合、一実装において、送信側装置によって受信側装置に指し示される空間ドメイン成分ベクトルが、空間ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合であっても、受信側装置は、空間ドメイン基底ベクトルの重みに空間−周波数成分ベクトルの重みを乗算することによって得られる値を指し示すことができる。同様に、第5の周期が第8の周期と同じである場合、一実装において、送信側装置によって受信側装置に指し示される周波数ドメイン成分ベクトルが、周波数ドメイン基底ベクトルセットから選択された複数の基底ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される場合であっても、受信側装置は、周波数ドメイン基底ベクトルの重みに空間−周波数成分ベクトルの重みを乗算することによって得られる値を指し示すことができる。
空間−周波数基底ベクトルを指し示すサブ情報の送信周期を第9の周期と表記し、空間−周波数基底ベクトルの重みを指し示すサブ情報の送信周期を第10の周期と表記すると、第9の周期は第10の周期以上とすることができ、第9の周期は第8の周期以上であり、第10の周期は第8の周期以上である。
第1の周期から第10の周期までのいずれの1つも、シグナリング(例えば、RRCシグナリング、MACシグナリング、又はDCI)を介して受信側装置のために送信側装置によって設定されてもよいし、あるいは、例えばプロトコルに従って予め定められるなど、予め定められてもよい。
なお、指示情報が複数の空間−周波数成分行列(又は空間−周波数成分ベクトル)の重みを指し示すとき、指示情報は、非ゼロの重みのみを指し示してもよい。この場合、指示情報は更に、非ゼロの重みに対応する空間−周波数成分行列(又は空間−周波数成分ベクトル)を指し示すため使用され得る。また、指示情報が、複数の空間−周波数成分行列(又は空間−周波数成分ベクトル)の重みに空間ドメイン基底ベクトル(又は周波数ドメイン基底ベクトル)の重みを乗算することによって得られた重みを指し示すとき、指示情報は、乗算を通じて得られる非ゼロの重みのみを指し示してもよい。この場合、指示情報は更に、空間−周波数成分行列(又は空間−周波数成分ベクトル)及び/又は空間ドメイン基底ベクトル(又は周波数ドメイン基底ベクトル)を指し示すために使用され得る。
上の説明では、単一の偏波方向及び1つの空間フローを例として用いている。この出願がマルチ偏波方向シナリオに適用されるとき、指示情報は更に、1つ以上の他の偏波方向におけるM個のN次元プリコーディングベクトルを指し示すために使用され得る。この出願が複数の空間フローに適用されるとき、指示情報は更に、1つ以上の他の空間フローのM個のN次元プリコーディングベクトルを指し示すために使用され得る。以下にて、この出願がマルチ偏波方向シナリオ及び/又は複数の空間フローのシナリオに適用される幾つかの実装を提供する。
オプションで、異なる偏波方向及び/又は空間フローは、同一グループの空間−周波数成分行列(又は、空間−周波数成分ベクトル、空間ドメイン基底ベクトル、周波数ドメイン基底ベクトル、空間−周波数基底行列、若しくは空間−周波数基底ベクトル)に対応し得る。この場合、受信側装置は、各偏波方向及び/又は空間フローについて、空間−周波数成分行列(又は、空間−周波数成分ベクトル、空間ドメイン基底ベクトル、周波数ドメイン基底ベクトル、空間−周波数基底行列、若しくは空間−周波数基底ベクトル)のグループを指し示す必要はない。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。明らかなことには、異なる偏波方向及び/又は空間フローは代わりに、異なるグループの空間−周波数成分行列(又は、空間ドメイン成分ベクトル、空間ドメイン成分ベクトル、周波数ドメイン基底ベクトル、空間−周波数基底行列、若しくは空間−周波数基底ベクトル)に対応してもよい。
また、この出願が複数の空間フローに適用されるとき、オーバーヘッドを減らすために、この出願は以下の技術的ソリューションを提供する。なお、以下のオプション手法において、空間−周波数行列は広義の空間−周波数行列である。
オプションで、異なる空間フローの空間−周波数行列に対応する周波数ドメイン成分ベクトル(又は、空間ドメイン成分ベクトル、空間−周波数成分行列、空間−周波数成分ベクトル、周波数ドメイン基底ベクトル、空間ドメイン基底ベクトル、若しくは空間−周波数基底ベクトル)の数は同じである。例えば、式4又は式5に基づき、M個の周波数帯域を含む広帯域が、それぞれ空間フロー1、2、及び3と表記される3つの空間フローに対応する場合、空間フロー1、2、及び3の空間−周波数行列に対応する値Kは全て4である。
さらに、オプションで、より多数の空間フローは、空間−周波数行列に対応する周波数ドメイン成分ベクトル(又は、空間成分ベクトル、空間−周波数成分行列、空間−周波数成分ベクトル、周波数ドメイン基底ベクトル、空間基底ベクトル、若しくは空間−周波数基底ベクトル)の数がより少ないことを指し示す。例えば、式4又は式5に基づき、M個の周波数帯域を含む広帯域が、それぞれ空間フロー1、2、及び3と表記される3つの空間フローに対応する場合、空間フロー1、2、及び3の空間−周波数行列に対応する値Kは全て4である。M個の周波数帯域を含む広帯域が、それぞれ空間フロー1、2、3、及び4と表記される4つの空間フローに対応する場合には、空間フロー1、2、3、及び4の空間−周波数行列に対応する値Kは全て2である。
オプションで、より大きい番号の空間フローは、その空間フローの空間−周波数行列に対応する周波数ドメイン成分ベクトル(又は、空間成分ベクトル、空間−周波数成分行列、空間−周波数成分ベクトル、周波数ドメイン基底ベクトル、空間基底ベクトル、若しくは空間−周波数基底ベクトル)の数がより少ないことを指し示す。より小さい通し番号の空間フローは、その空間フローに対応するチャネル品質がより良好であることを指し示す。例えば、M個の周波数帯域を含む広帯域が、それぞれ空間フロー1、2、及び3と表記される3つの空間フローに対応する場合、空間フロー1に対応する値Kは6であり、空間フロー2に対応する値Kは4であり、そして、空間フロー3に対応する値Kは2である。
オプションで、異なる空間フローに関して、最初ではない空間フローに対応する空間ドメイン基底ベクトル(又は、周波数ドメイン基底ベクトル、空間−周波数基底行列、若しくは空間−周波数基底ベクトル)は、最初の空間フローに対応する幾つかの空間ドメイン基底ベクトル(又は、周波数ドメイン基底ベクトル、空間−周波数基底行列、若しくは空間−周波数基底ベクトル)から選択される。この場合、最初ではない空間フローに対応する空間ドメイン基底ベクトル(又は、周波数ドメイン基底ベクトル、空間−周波数基底行列、若しくは空間−周波数基底ベクトル)のインデックスは、最初の空間フローに対応する幾つかの空間ドメイン基底ベクトル(又は、周波数ドメイン基底ベクトル、空間−周波数基底行列、若しくは空間−周波数基底ベクトル)の相対インデックスとし得る。
以上では、主に、方法の視点から、この出願の実施態様にて提供されるソリューションを記載している。前述の機能を実装するために、それら機能を実行するための対応するハードウェア構造及び/又はソフトウェアモジュールが含められる。当業者が容易に認識するはずのことには、この明細書に開示された実施形態にて記述されたユニット及びアルゴリズムステップの例と組み合わせて、この出願は、ハードウェア、又はハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組み合わせによって実装され得る。機能がハードウェアによって実行されるのか、それともコンピュータソフトウェアによってハードウェア駆動されるのかは、技術的ソリューションの特定の用途及び設計制約に依存する。当業者は、特定の用途ごとに、記載された機能を実装するために異なる方法を用いることができるのであり、その実装がこの出願の範囲を超えるものであると考えるべきではない。
この出願の実施形態において、チャネル推定装置(受信側装置又は送信側装置を含む)は、これらの方法例に従って機能モジュールに分割され得る。例えば、機能モジュールは、各機能に対応する分割によって得られてもよいし、2つ以上の機能が1つのプロセッシングモジュールへと統合されてもよい。統合モジュールは、ハードウェアの形態で実装されてもよいし、あるいは、ソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてもよい。なお、この出願のこの実施形態において、モジュール分割は一例として用いられており、単なる論理的機能分割である。実際の実装においては、他の分割手法が使用されてもよい。
図5は、この出願の一実施形態に従ったチャネル推定装置の概略構成図である。図5に示すチャネル推定装置500は、図3に示したチャネル推定方法における受信側装置又は送信側装置によって実行されるステップを実行するように構成されてもよいし、あるいは、図4に示したチャネル推定方法における受信側装置又は送信側装置によって実行されるステップを実行するように構成されてもよい。チャネル推定装置500は、プロセッシングユニット501及びトランシーバユニット502を含み得る。
一実装においては、プロセッシングユニット501は、指示情報を生成するように構成されることができ、該指示情報は、M個のN次元プリコーディングベクトルを指し示すために使用され、各プリコーディングベクトルが、M個の周波数帯域のうちの1つに適用されるものであり、M個のN次元プリコーディングベクトルは、N×M又はM×N空間−周波数行列を形成し、該空間−周波数行列は、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成され、ただし、M≧1、N≧2であり、M及びNはどちらも整数である。トランシーバユニット502は、指示情報を送信するように構成され得る。例えば、図3を参照するに、この実装において、チャネル推定装置500は具体的に、図3の受信側装置とし得る。プロセッシングユニット501がS101を実行するように構成され得るとともに、トランシーバユニット502がS102を実行するように構成され得る。
他の一実装において、プロセッシングユニット501は、指示情報を生成するように構成されることができ、該指示情報は、M個のN次元プリコーディングベクトルを指し示すために使用され、各プリコーディングベクトルが、M個の周波数帯域のうちの1つに適用されるものであり、M個のN次元プリコーディングベクトルは、M×N次元空間−周波数ベクトルを形成し、該空間−周波数ベクトルは、複数の空間−周波数成分ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される。例えば、図4を参照するに、この実装において、チャネル推定装置500は具体的に、図4の受信側装置とし得る。プロセッシングユニット501がS201を実行するように構成され得るとともに、トランシーバユニット502がS202を実行するように構成され得る。
他の一実装において、トランシーバユニット502は、指示情報を受信するように構成されることができ、該指示情報は、M個のN次元プリコーディングベクトルを指し示すために使用され、各プリコーディングベクトルが、M個の周波数帯域のうちの1つに適用されるものであり、M個のN次元プリコーディングベクトルは、N×M又はM×N空間−周波数行列を形成し、この空間−周波数行列は、複数の空間−周波数成分行列について重み付け結合を実行することによって生成され、ただし、M≧1、N≧2であり、M及びNはどちらも整数である。プロセッシングユニット501は、指示情報に基づいてM個のN次元プリコーディングベクトルを決定するように構成され得る。例えば、図3を参照するに、この実装において、チャネル推定装置500は具体的に、図3の送信側装置とし得る。プロセッシングユニット501がS104を実行するように構成され得るとともに、トランシーバユニット502がS103を実行するように構成され得る。
他の一実装において、トランシーバユニット502は、指示情報を受信するように構成されることができ、該指示情報は、M個のN次元プリコーディングベクトルを指し示すために使用され、各プリコーディングベクトルが、M個の周波数帯域のうちの1つに適用されるものであり、M個のN次元プリコーディングベクトルは、M×N次元空間−周波数ベクトルを形成し、この空間−周波数ベクトルは、複数の空間−周波数成分ベクトルについて重み付け結合を実行することによって生成される。プロセッシングユニット501は、指示情報に基づいてM個のN次元プリコーディングベクトルを決定するように構成され得る。例えば、図4を参照するに、この実装において、チャネル推定装置500は具体的に、図4の送信側装置とし得る。プロセッシングユニット501がS204を実行するように構成され得るとともに、トランシーバユニット502がS203を実行するように構成され得る。
この実施形態における関連内容の説明、有益な効果の記述、及びこれらに類するものについては、前述の方法の実施形態を参照されたく、詳細をここで再び説明することはしない。一例において、図2に示した通信装置を参照するに、プロセッシングユニット501は、図2のプロセッサ401又はプロセッサ408に対応することができ、トランシーバユニット502は、図2の通信インタフェース404に対応することができる。
前述の実施形態の全て又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせを用いることによって実装され得る。実装のためにソフトウェアプログラムが使用されるとき、実施形態は完全に又は部分的にコンピュータプログラムプロダクトの形態で実装され得る。コンピュータプログラムプロダクトは、1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータ命令がコンピュータ上にロードされて実行されるとき、この出願の実施形態に従ったプロシージャ又はファンクションが全部又は部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラム可能な装置とし得る。コンピュータ命令は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶されることができ、あるいは、あるコンピュータ読み取り可能記憶媒体から別のコンピュータ読み取り可能記憶媒体へと伝送されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターから、別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターに、有線方式(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、又はデジタル加入者回線(digital subscriber line,DSL))又は無線方式(例えば、赤外線、無線、又はマイクロ波)で伝送され得る。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の使用可能な媒体、又は1つ以上の使用可能な媒体を統合する例えばサーバ若しくはデータセンターなどのデータストレージ装置とし得る。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、又は磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(solid state disk,SSD))、又はこれらに類するものとし得る。
この出願は、実施形態を参照して説明されているが、保護を請求するこの出願を実施する過程において、当業者は、添付の図面、開示された内容、及び添付の特許請求の範囲を見ることによって、開示された実施形態の別のバリエーションを理解して実施することができる。請求項において、“有する”(comprising)は、他のコンポーネント又は他のステップを除外するものではなく、“ある”又は“1つの”は、複数の意味を除外するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項に列挙される幾つかの機能を実装してもよい。一部の手段が互いに異なる従属請求項に示されるが、このことは、それらの手段がより良い効果を生み出すように組み合わされ得ないということを意味するものではない。
この出願は、特定の機構及びその実施形態を参照して説明されているが、この出願の精神及び範囲から逸脱することなく、それらに対して様々な変更及び組み合わせが為され得ることは明らかである。対応して、明細書及び添付の図面は、添付の特許請求の範囲によって定められるこの出願の、単なる記述例であり、この出願の範囲をカバーする全ての変更、バリエーション、組み合わせ又は均等物のいずれかとして考えられる。明らかなことには、当業者は、この出願の精神及び範囲から逸脱することなく、この出願に対する様々な変更及びバリエーションを作り出すことができる。この場合、この出願は、それらの変更及びバリエーションが以下の特許請求の範囲及びそれらの均等技術によって定められる保護の範囲に入るという条件のもとで、この出願のそれらの変更及びバリエーションに及ぶことを意図している。
また、被指示情報は、別の等価な形態を有してもよい。例えば、行ベクトルは列ベクトルとして表現されてもよく、行列はその行列の転置行列を用いることによって表現されてもよく、2つのベクトルのクロネッカー積は、1つのベクトルと別のベクトルの転置ベクトルとの積の形態で表現されてもよく、等々である。この出願のこの実施形態にて提供される技術的ソリューションは、様々な形態に及ぶものとして理解されるべきである。例えば、この出願のこの実施形態における機構の一部又は全部は、それらの機構の様々な表現形態に及ぶものとして理解されるべきである。例えば、空間−周波数成分行列は、空間−周波数成分行列を表すことができる様々な表現形態に及ぶものとして理解されるべきである。それら様々な表現形態は、以下に限られないが、例えば、空間ドメイン成分ベクトルと周波数ドメイン成分ベクトルとのクロネッカー積、空間ドメイン成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルのうちの一方と空間ドメイン成分ベクトル及び周波数ドメイン成分ベクトルのうちのもう一方の共役転置ベクトルとの積、前述のクロネッカー積及び生成結果中の要素を含むアレイ、及びこれらに類するものである。
オプションで、異なる偏波方向及び/又は空間フローは、同一グループの空間−周波数成分行列(又は、空間−周波数成分ベクトル、空間ドメイン基底ベクトル、周波数ドメイン基底ベクトル、空間−周波数基底行列、若しくは空間−周波数基底ベクトル)に対応し得る。この場合、受信側装置は、各偏波方向及び/又は空間フローについて、空間−周波数成分行列(又は、空間−周波数成分ベクトル、空間ドメイン基底ベクトル、周波数ドメイン基底ベクトル、空間−周波数基底行列、若しくは空間−周波数基底ベクトル)のグループを指し示す必要はない。斯くして、指示オーバーヘッドを減らすことができる。明らかなことには、異なる偏波方向及び/又は空間フローは代わりに、異なるグループの空間−周波数成分行列(又は、空間ドメイン成分ベクトル、周波数ドメイン成分ベクトル、周波数ドメイン基底ベクトル、空間−周波数基底行列、若しくは空間−周波数基底ベクトル)に対応してもよい。