JP2021511553A - メタサーフェスを用いる偏光状態の生成方法 - Google Patents

メタサーフェスを用いる偏光状態の生成方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、(a)基板と、(b)偏光入射光で照射されると、2以上の有限数の回折次数の各々について別個の偏光状態を有する回折光ビームを生成するように、該基板上にテッセレーションされている、サブ波長間隔の位相シフトエレメントのアレイとを含む、メタサーフェス格子であり得る光学コンポーネントを提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年1月24日に提出された米国仮出願第62/621,453号明細書の恩典および該仮出願に対する優先権を主張するものであり、該仮出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
分野
本開示は、光学分野に関し、より具体的には、メタサーフェスを用いる偏光状態の生成に関する。
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
本発明は、国立科学財団の助成金第DGE1144152号および空軍科学研究局(MURI、助成金第FA9550-14-1-0389号および第FA9550-16-1-0156号)による政府支援で行われた。政府は、本発明における所定の権利を有する。
概要
ある態様は、(a)基板と、(b)偏光入射光で照射されると、2以上の有限数の回折次数の各々について別個の偏光状態を有する回折光ビームを生成するように、該基板上にテッセレーションされている、サブ波長間隔の位相シフトエレメントのアレイとを含む光学コンポーネントを提供する。
別の態様は、(A)(a)基板と、(b)偏光入射光で照射されると、2以上の有限数の回折次数の各々について別個の偏光状態を有する回折光ビームを生成するように、該基板上にテッセレーションされている、サブ波長間隔の位相シフトエレメントのアレイとを含む光学コンポーネント、ならびに(B)回折次数のうちの1つについての回折光ビームを検出するように各々構成されている1つまたは複数の検出エレメントを含む光学機器を提供する。
さらに別の態様は、上述の光学コンポーネントを試験光で照射することと、有限数の回折次数の各々について、光学コンポーネントから回折されたビームの光強度を測定することとを含む偏光試験方法を提供する。
(図1)偏光測定は、入射ストークスベクトル
Figure 2021511553
の、幾つかの分析ストークスベクトル
Figure 2021511553
に対する幾つかの射影測定に相当する。解析ベクトルが公知かつ線形独立であれば、
Figure 2021511553
が復元され得る。
(図2a)例示的な略図:メタサーフェス回折格子は、その回折次数で任意に指定される偏光状態を生成するように設計され得る。これと同じデバイスは、平行するポラリメータとしても作用し得る。
(図2b)このようなメタサーフェスは、2つの直交する鏡面対称軸を有する(たとえば、長方形)柱状の位相シフトエレメントで構成され得、その直交する大きさwxおよびwyは、xおよびy偏光における独立した、かつ調整可能な位相遅延
Figure 2021511553
を可能にするように調整され得る。
(図2c)このように大きさが変わるN個のエレメントが、
Figure 2021511553
方向に沿って周期的な単位セルに配置される場合、1Dメタサーフェス回折格子が形成され得る。単位セル内の各点において、xおよびy偏光に定位相が与えられる。次に、これらの偏光に発生する、Nベクトル
Figure 2021511553
形式の位相プロファイルについて述べる。
(図2d)格子の各回折次数は、各々がx/yに沿って配向されるディアテニュエータおよび位相リターダのバルク光カスケードに対応する。これらのエレメントは、所与の偏光が入射されると、その次数時に幾分かの偏光を生成する偏光変換を起こす。
(図2e)ポアンカレ球は、一般的な入力偏光の回折次数の挙動を理解する手助けとなり得る。標準的なポアンカレ球(左上)は、考えられる全ての入射偏光の集合を表す。ディアテニュエータを通過後、球体は、S1軸に沿って、ディアテニュエータの消光比に依存する度合いまで歪められる(右上)。最後に、位相リターダは、S1軸に沿って、その遅延特性δ(m)に等しい角度で球の歳差運動を起こす(下)。各球体において、赤い矢印および青い点は、(図2d)に描かれている偏光楕円を示す。出力ビームのパワーは、偏光に依存する(不図示)。
(図2f)概して、単一のメタサーフェス(c)に含まれる機能には、格子の他に、各次数において、半波長板および1/4波長板、すなわち2P複屈折板がある。
(図3a)メタサーフェス偏光格子を設計するために使用される最適化ルーチンの例示的な略図。位相プロファイル
Figure 2021511553
の初期推定値は、望ましい偏光状態の制約下で勾配降下法を用いて、可能な限り多くの光を関心対象の回折次数へ方向づけるように最適化される。この推定は、使用される位相シフタのシミュレートされた特性を説明する勾配フリー法によって改良され得、最終的なジオメトリが生成される。これらのジオメトリは、λ=532nmで作用するTiO2において実現される。
(図3b)(図3a)のスキームを用いて2つの格子、すなわち一方の、一般的な関心対象である4つの偏光(上)、およびもう一方の、偏光状態の四面体形状(下)、が生成されている。各格子は、4つの偏光状態を生成し、各格子次数での標的楕円、FDTDシミュレーションによる期待値、および実験的に観察された偏光楕円が示されている。
(図3c)「4つの偏光」(上)および「四面体」(下)の格子の設計(黒)、および作製後の電子顕微鏡写真。四面体格子では、過度に小さい柱は、製造に耐えなかった。
(図3d)ポアンカレ球上の(図3b)の結果を表す。破線は、設計上の偏光を表し、実線形状は、実験による測定値を示す。
(図4a)各回折次数は、ディアテニュエータおよびリターダ(図2d)のカスケードとして考えられ得ることから、公知の偏光源(この場合、45°の直線偏光)からの光が入射すると、ある特徴的な偏光
Figure 2021511553
が生成される。未知の偏光
Figure 2021511553
が逆方向に入射し、かつ光源が検出器に置換された場合、測定される強度
Figure 2021511553
は、時間反転対称性によって得られる。
(図4b)この事実により、メタ格子を、平行するポラリメータとして機能させることができるようになる。四面体格子の4つの回折次数は、各々、別々の解析器として使用され得る。四面体格子メタサーフェスに入射する光は、45°の直線偏光子を通過して、光電流が増幅されかつアナログ-デジタル変換器(ADC)によりデジタル化される4つのフォトダイオード上へ回折する。試験および較正を目的として、光は、メタ格子の前の様々な偏光光学系を通過する。ボックスで囲んだコンポーネント(i)および(ii)の役割については、本文で説明する。
(図4c)直線偏光子が、レーザのコヒーレンス長Lcohより光路長差が大きい偏光マッハ-ツェンダ干渉計((図4b)における(i))の前で回転されるにつれて、偏光度(DOP)が変化する。プロットされているDOPは、メタ格子ポラリメータの報告によるものであり、理論上の期待値とほぼ同一の曲線を辿っている。光が最大限にデコヒーレントされる45°で(挿入図)、p=.2±0.176%のDOPが測定されている。
(図5a)図5:各列において、メタサーフェス格子ポラリメータ(メタサーフェス)と市販の回転波長板ポラリメータ(RWP)が、異なる偏光量を用いて比較されている。最上行のグラフでは、各ポラリメータにより報告された値が相互的にプロットされている(完全一致の場合、全ての値が1:1の線に沿って存在することになる)。各プロットで挿入図が示されている。市販のRWPの精度は不明であることから、メタサーフェス値にはエラーバーが付されている。最下行のプロットでは、各ポラリメータにより報告された値の差が計算され、ヒストグラムでプロットされている。各分布に正規分布が当てはめられ、各々に平均値μおよび分散量σが与えられている。調査されている量は、偏光度(DOP)、方位2倍角2θ、および楕円率2倍角
Figure 2021511553
である。後者の2つは、ポアンカレ球上に偏光状態の球座標を与える偏光楕円のパラメータである。
(図5b)図5aの説明を参照のこと。
(図6)反復64回にわたるメリット基準の評価。本図は、メリット基準の総和、たとえば関心対象の次数へと方向づけられるxおよびy偏光の各々の総量、を示す。この場合、入射偏光が45°であることから、ηx=ηyである。効率は、ピーク値ηsum=1.4639に収束していて、全体的効率が、
Figure 2021511553
であることを意味する。
(図7)反復64回にわたるテキスト内4偏光格子の制約収束結果。
(図8)最適化された位相プロファイル
Figure 2021511553
の直接フーリエ変換から4つの回折次数において得た偏光楕円。
(図9)Lumerical FDTD(登録商標)における設計された格子のFDTDシミュレーションの略図。
(図10)設計された回折格子のFDTDシミュレーションから予測された回折次数における偏光楕円。
(図11)4偏光格子のm=-2、-1、+1、+2で生成された偏光楕円上の、電子ビームシステムに与えられた公称ファブリケーションCAD変更の効果。
(図12)四面体格子のm=-2、-1、+1、+2で生成された偏光楕円上の、電子ビームシステムに与えられた公称ファブリケーションCAD変更の効果。
(図13)メタサーフェス格子ポラリメータの較正の第1段階の間に使用される光学設定の略図。
(図14)可視化:直線偏光子が回転されるにつれて、入射レーザビームは、メタサーフェス上に円形経路を描く。
(図15)メタサーフェス格子ポラリメータの較正の第2段階の間に使用される光学設定の略図。
(図16)ポラリメータをRCP光およびLCP光に曝露して得られた較正データ。各チャネルで得た値を平均すると、
Figure 2021511553
になる。設計された偏光状態から予想されるように、一方の円偏光では、フォトダイオード1がほぼ消滅するが、もう一方では、これが最大であることに留意されたい。
(図17)最終的な機器行列Aで決定された、較正中に使用された直線偏光状態のDOP。これらのDOPの差が約0.5%以下であるという事実は、較正が自己整合的であったこと、および、結果的に生じる機器行列Aが信頼し得るものであることを示している。
(図18)メタサーフェス格子ポラリメータで部分偏光を生成しかつ定量化するために使用される設定の略図。
(図19)部分偏光用に提示された完全なデータセット。データポイントは、0.25°おきに取り、部分的に理論上の適合を不明確にして示されている。
(図20)同じ実験の異なる反復において得られた少数のまれな結果。こうした傾向の考えられる原因について考察する。
(図21)偏光ビームスプリッタ干渉計からの2つのビームは、異なる量で拡散して現出する。これらのビーム(aおよびbで示す)は、直交して直線偏光され、互いの位相メモリを持たない。全体の強度が等しいこれらのビームが重なると、DOPは、ビームプロファイルに渡って変わり、意図されたような至る所で0とはならない。DOPは、両者の強度が等しい点において0であり、一方のビームが優勢である点では、ほぼ1である。この場合、2つのビームは、同じ波長であること、および図中の色は、例示を目的として使用されていることに留意されたい。図中におけるビームのサイズの違いは、誇張されている。
(図22)4×4の機器行列。最左の3列におけるエレメントは、較正の直線偏光子のみの部分から決定され、実線ボックスで囲まれている。第4の列は、較正の直線偏光子および1/4波長板部分から決定され、点線ボックスで囲まれている。同じボックス内のエレメント間の共分散について、推定値を求めることができる。ボックス間のエレメントの共分散は、容易に推定することができない。したがって、Aの16×16共分散行列が対角であるものと仮定する。
(図23)ポラリメータ間の偏光度測定値(DOP)の比較に使用される設定。
(図24)ポラリメータ間の方位角および楕円率の比較に使用される設定。
(図25)部分的な偏光状態を生成するための偏光マッハ-ツェンダ干渉計を含む図23の設定を用いて取得された全ての偏光パラメータの全結果。本図における、図4aに包含される部分が点線で囲まれている。
(図26)LPおよびQWPを含むがマッハ-ツェンダ干渉計のない図19の設定を用いて取得された全ての偏光パラメータの全結果。本図における、図4aに包含される部分が点線で囲まれている。この場合、マッハ-ツェンダ干渉計が存在しないことから、全てのDOP測定値が(予想通り)1.0の周りに集中していることに留意されたい。この場合の方位角および楕円率の差の標準偏差は、図25のサイズの約半分である。
(図27)偏光状態生成の角度依存性を特徴づける実験。2つのミラーでテーブルに位置合わせされたレーザは、45°で直線偏光子に入射する。光は、角度θで回転できるようにマウント上にあるメタ格子に当たる。回転波長板ポラリメータ(RWP)は、各次数の前に連続して置かれ、偏光データが記録される。
(図28)ストークスベクトルの四面体を生成するように設計されたメタ格子の入射角依存の研究。(図28a)では、各回折次数について、偏光楕円を決定づける3つのストークスパラメータ{S1,S2,S3}がθの関数としてプロットされている。(図28b)において、結果的に生じた偏光楕円は、調査した全ての入射角に対するものである。
(図29)+45°/RCP/LCP/-45°を生成するように設計されたメタ格子の入射角依存の研究。(図29a)では、各回折次数について、偏光楕円を決定づける3つのストークスパラメータ{S1,S2,S3}がθの関数としてプロットされている。(図29b)において、結果的に生じた偏光楕円は、調査した全ての入射角に対するものである。
(図30)このプロットは、図28および図29と同じ結果をポアンカレ球表現で示している。点が透明になるほど、入射角が大きい。
(図31)ポラリメータから報告されたストークスベクトルに対する、入射角誤差の効果、またはより一般的には、機器行列誤差に寄与する効果、の分析に使用される手順の略図。
(図32a)図32a〜c:角度依存の偏光測定研究の結果。DOP誤差は、絶対項で表されている(たとえば、%表示ではない)ことに留意されたい。
(図32b)図32aの説明を参照のこと。
(図32c)図32aの説明を参照のこと。
(図33)図33a〜d:各位置における-xおよび-y(上)、ならびにtxおよびty(下)、振幅透過、のプロット。使用された構造ライブラリは、各点におけるx偏光およびy偏光の望ましい最適化された位相を高度に均一な振幅透過で実現するに足る自由を与えていないことが分かる。
(図34)6つの回折次数の偏光状態を同時に制御する格子設計。その目的は、最も内側の6つの回折次数においてLCP、x、135、45、yおよびRCP光を生成することにあった。上の行には、純粋に数学的なフーリエ変換位相プロファイル最適化の結果による偏光楕円が示されている。下の行は、先に述べた2段階最適化(パターン検索段階を含む)を用いて設計された格子のシミュレーション結果を示す。偏光楕円の歪みは、顕著である。
詳細な説明
別段の指摘のない限り、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、1つまたは複数を指す。
本明細書で使用する「ほぼ」、「実質的に」、「実質的」および「約」という用語は、僅かな変動を記述しかつ説明するために使用される。事象または状況と併せて使用される場合、これらの用語は、その事象または状況が正確に発生する実例、ならびに、その事象または状況が近接近似で発生する実例を指し得る。たとえば、数値と併せて使用される場合、これらの用語は、±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下または±0.05%以下などの、その数値の±10%以下の変動範囲を指し得る。たとえば、数値間の差が、これらの値の平均の±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下または±0.05%以下などの、±10%以下である場合、これらの2数値を「実質的に」同じであると見なすことができる。
さらに、本明細書において、量、割合および他の数値は、範囲形式で提示されることがある。こうした範囲形式は、便宜的かつ簡潔さを期して使用されるものであり、よって、範囲の限界として明示的に指定される数値を含むだけでなく、その範囲に含まれる全ての個々の数値または部分的範囲を、各数値および部分的範囲が明示的に指定されているかのように含むべく柔軟に理解されるべきである点は、理解されたい。
メタサーフェス格子とも称される光学コンポーネントは、偏光が公知である入射光ビームで照射されると、少なくとも2である有限数(または有限集合)の回折次数の各々について別個の偏光状態を有する回折ビームを生成するように開発される。
光学コンポーネントは、基板と、基板上に特定の様式で位置合わせされた位相シフトエレメントのアレイとを含み得る。アレイは、一次元アレイであっても、二次元アレイであってもよい。各位相エレメントは、波長以下の値、たとえば入射光の波長以下または以上の値、を有する、その横方向寸法の各々、たとえば基板表面に平行なその寸法、を有してもよい。基板表面に垂直な位相シフトの寸法は、少なくとも入射光の波長と同じであっても、それより大きくてもよい。アレイ内の位相シフトエレメントの数は、変わってもよい。態様によっては、位相シフトエレメントの数は、8〜100、または10〜60、または10〜40、またはこれらの範囲内の任意の整数または部分範囲であってもよい。好ましくは、個々の位相シフトエレメント間の横方向スペーシングは、波長以下の値を有し、たとえば、入射光の波長以下または以上である。
基板は、幾つかの材料で製造されてもよい。態様によっては、基板は、ガラス基板であっても、石英基板であってもよい。
基板は、比較的小さい横方向寸法を有してもよい。態様によっては、基板の各横方向寸法は、2mm以下、または1.5mm以下、または1mm以下、または0.75mm以下、または0.5mm以下、または0.4mm以下、または0.3mm以下、または0.2mm以下、または0.15mm以下、または0.1mm以下であってもよい。
位相シフトエレメントは、特定の波長で空気などの周囲媒体との十分に強い対比を提供するがその波長で光を吸収しない材料、で製造される。したがって、材料の選択は、光学エレメントが使用される特定の波長値または波長範囲に依存し得る。ある特定の波長における十分に強い対比とは、位相シフトエレメントの材料が、空気などの周囲媒体の屈折率よりはるかに大きい屈折率値を有することを意味し得る。したがって、位相シフトエレメントの材料は、ある特定の波長に対して、少なくとも2.0の屈折率、または少なくとも2.1、または少なくとも2.2、または少なくとも2.3、または少なくとも2.4、または少なくとも2.5、または少なくとも2.6、または少なくとも2.7、または少なくとも2.8、または少なくとも2.9、または少なくとも3.0、または少なくとも3.1、または少なくとも3.2、または少なくとも3.3、または少なくとも3.4、または少なくとも3.5の屈折率を有してもよい。好ましくは、位相シフトエレメントの材料は、入射光の波長で吸収しない。
態様によっては、位相シフトエレメントは、二酸化チタン、窒化ケイ素、酸化物、窒化物、硫化物、純元素、またはこれらのうちの2つ以上の組合せを含んでもよい。
態様によっては、位相シフトエレメントは、アルミナ(たとえば、Al2O3)、シリカ(たとえば、SiO2)、酸化ハフニウム(たとえば、HfO2)、酸化亜鉛(たとえば、ZnO)、酸化マグネシウム(たとえば、MgO)、チタニア(たとえば、TiO2)などの金属または非金属酸化物、シリコン(たとえば、Si3N4)、ホウ素(たとえば、BN)またはタングステン(たとえば、WN)の窒化物などの金属または非金属窒化物、金属または非金属硫化物、純元素(たとえば、SiまたはGe、近赤外または中赤外波長などのより長い波長用に使用され得る)を含んでもよい。
メタサーフェスを製造する所定の比較方法は、R.C.Devlinらの、Proc.Natl.Acad.Sci.113,10473(2016)に記載されている。
回折次数の数は、予め選択される任意の数であってもよい。たとえば、回折次数の数は、2〜20、または2〜12、または2〜8の任意の整数であってもよい。2、3、4、5または6などのより少ない回折次数を有する光学コンポーネントは、より多くの用途を有し得る。
位相シフトエレメントは、入射偏光で照射されると、予め選択された回折次数(有限数の回折次数)の各々に対しては光強度が互いにほぼ等しくなるが、他の可能な回折次数に対する光強度は、予め選択された回折次数に対する光強度よりはるかに小さく、好ましくは少なくとも1桁または数桁小さく、より好ましくは検出エレメントの検出限界を下回るように構成される(たとえば、基板上に位置合わせされる)。
態様によっては、位相シフトエレメントは、4つの別個の偏光状態を生成するように構成される。
たとえば、態様によっては、位相シフトエレメントは、位相シフトエレメントが(基板表面に対する)+45°の直線偏光で照射されると、格子が、-2、-1、+1、および+2の回折次数において、各々+45°直線偏光状態、右円偏光状態、左円偏光状態、および-45°直線偏光状態を有する回折ビームを生成するように構成される。
態様によっては、位相シフトエレメントは、基板表面に対して+45°直線偏光された入射光で照射されると、-2、-1、+1、および+2の回折次数において、ポアンカレ球に内接する四面体の頂点に対応する4つの偏光状態を生成するように構成される。
態様によっては、異なる回折次数の偏光状態は、線形独立であってもよい。
さらに、態様によっては、異なる回折次数の偏光状態のうちの2つ以上は、線形従属であってもよい。
光学コンポーネント(メタサーフェス格子)は、格子の回折次数のうちの1つについての回折光ビームを検出するように各々構成されている1つまたは複数の検出エレメントをさらに備え得る光学機器において使用されてもよい。該光学機器は、ポラリメータであってもよい。
回折次数が有限数であることに起因して、光学機器は、回折次数の数に相当し得る有限数の検出エレメントを含んでもよい。
態様によっては、光学機器において使用される検出エレメントは、単一波検出器、たとえば特定の単一波長において光強度を測定するように構成されている検出器、であってもよい。態様によっては、単一波長検出器は、入射光の波長において光強度に対する直線的応答を有する検出器であってよい。単一波長検出器は、DC検出器であっても、AC検出器であってもよい。
態様によっては、光学機器における検出エレメントは、多波長検出器、たとえばある波長範囲において光強度を測定するように構成される検出器、であってもよい。多波長検出器を装備した光学機器は、分光ポラリメータとして機能してもよい。
態様によっては、光学機器において使用される検出エレメントは、イメージングセンサであってもよい。イメージングセンサを装備した光学機器は、偏光イメージング機器として機能してもよい。
好ましくは、光学機器は、複屈折光学エレメントを含まない。
好ましくは、メタサーフェス格子は、光学機器の唯一のメタサーフェスコンポーネントであり、たとえば、光学機器は、メタサーフェス格子以外の如何なるメタサーフェスコンポーネントも含まない。
態様によっては、光学機器は、光学コンポーネントに向かう入射試験光の光路上に位置合わせされた第1の偏光子を備えてもよい。第1の偏光子は、1000〜200000、または5000〜150000、または5000〜120000、またはこれらの範囲内の任意の値もしくは部分範囲の吸光係数を有してもよい。
態様によっては、光学機器は、検出エレメントに向かう回折ビームの光路上に位置合わせされた第2の偏光子を備えてもよい。第2の偏光子は、500〜200000、または1000〜150000、または5000〜120000、またはこれらの範囲内の任意の値もしくは部分範囲の吸光係数を有してもよい。所定の態様において、第2の偏光子は、500〜20000、または5000〜12000、または600〜8000、または600〜5000、または600〜4000、または600〜3000、またはこれらの範囲内の任意の値もしくは部分範囲などの、より低い吸光係数を有してもよい。
態様によっては、光学機器は、検出エレメントに向かう回折ビームの光路上に位置合わせされたレンズを備えてもよい。レンズは、光学機器のサイズ縮小を可能にし得る。
メタサーフェス格子は、未知の偏光による試験光の偏光を試験するために使用されてもよい。たとえば、メタサーフェス格子は、試験光で照射されてもよく、次に、有限数の回折次数の各々について、メタサーフェス格子から回折されたビームの光強度が測定されてもよい。態様によっては、試験光は、部分偏光であっても、非偏光であってもよい。
態様によっては、ポラリメータにおいてメタサーフェス格子が使用される場合、格子は、較正入射偏光の特定の入射角について較正されてもよい。態様によっては、メタサーフェス格子は、ポラリメータにおいて、未知の偏光を有する試験光の偏光を、試験光の入射角が較正入射偏光の較正入射角と僅かに異なる場合でも試験するために使用されてもよい。たとえば、態様によっては、試験光の入射角は、較正入射偏光の較正入射角の±7°、または±6°、または±5°、または±4°以内であってもよい。
本明細書に記述する態様を、如何なる場合も限定ではなく、以下の実施例によってさらに例示する。
単一のメタサーフェスと並行する偏光状態の生成および測定
メタサーフェスの構成要素は、明示的な偏光依存性によって設計され得、メタサーフェスを新しい偏光光学系のプラットフォームにする。本開示は、入射ビームの偏光が公知である場合、規定された回折次数セットにおいて任意に指定される偏光状態を生成するメタサーフェス格子の設計が可能であることを示す。また、逆構成で使用される場合、この同じ格子が、最小限のバルク偏光光学系を含む並行スナップショットポラリメータとして使用され得ることも実証する。本開示は、部分偏光の測定におけるその使用を実証し、かつ、これが市販のポラリメータに劣らずよく機能することを示す。本開示の結果は、軽量、小型かつ低コストの偏光光学、偏光測定、または偏光イメージングを含み得る幾つかの用途で使用され得る。
序論
偏光は、数多くの科学および技術分野において、すなわち原子物理学および基本的な光/物質相互作用から光ファイバ電気通信および偏光分解イメージングに至る多様な分野において、重要な役割を担っている。後者は、リモートセンシング、エアロゾルの特性評価、非侵襲的癌病理学および天体物理学において用途を見出している。よって、偏光の生成、測定および操作方法は、科学的および技術的な重大関心事である。自由空間における偏光光学の基本ユニットは、通常、偏光子および/または位相リターダ(波長板)を含む。偏光子技術は、ワイヤグリッド、二色性結晶、複屈折結晶プリズム、偏光シートを含む、様々なものが存在する。位相リターダは、一般に、バルク二軸/一軸結晶で形成される。その複屈折特性は、偏光変換を可能にし、光の偏光の最初の発見に繋がった。しかしながら、こうしたプレートは、製造および/または加工が困難であり得、特にミニチュア化された光学系との統合は、難易度が高いものとなり得る。
偏光の測定は、通常、偏光測定と称される[12]。ストークス偏光測定は、具体的には、完全4成分偏光ストークスベクトル
Figure 2021511553
の決定を指し、これは、偏光楕円の形状、向き、強度および偏光度を定量化する、偏光の生成および分析は、共役であり、偏光状態生成器として機能する偏光光学素子の構成はいずれも、逆に使用される場合であっても分析器であり得る。分析器へ未知のストークスベクトル
Figure 2021511553
が入射すれば、検出器は、この対称性の結果として
Figure 2021511553
を観察することになり、ここで、
Figure 2021511553
は、それが発生器として使用される場合、分析器により生成される偏光特性である。偏光測定は、事実上、ストークスベクトルの幾つかのこうした射影測定に等しい(図1)。これは、行列方程式で形式化され得る。
Figure 2021511553
Aは、機器行列として公知であるN×4行列であり、
Figure 2021511553
は、入射ストークスベクトルであり、
Figure 2021511553
は、N個の測定強度のリストである。Aは、ストークスベクトルのパラメータを、N個の分析器チャネル上のN個の測定強度
Figure 2021511553
とリンクさせる。N=4である特殊なケースでは、ストークスベクトルを直に
Figure 2021511553
と書くことができる(N>4である優決定系では、
Figure 2021511553
の最小二乗解を求める)[12]。
ストークスポラリメータには、N個の望ましい射影測定の実装方法が異なる幾つかの幅広いカテゴリが存在する。時分割アプローチでは、偏光光学の構成変化に伴って、N個の測定値が時間的に連続して入手される。これにより、必要なコンポーネントの数は減るが、偏光光学系を再調整し得る速度によって時間分解能が制限される。機械的回転の場合、これは、重大なハンディキャップとなり得る。液晶可変リターダなどのアクティブな偏光光学系は、この問題を幾分か改善し得るが、この場合も、時間分解能はmsレンジに限定され、代償が大きい[5]。一方で、振幅分割(平行、またはスナップショット、偏光測定、としても公知である)アプローチでは、波面が、その各々が異なる分析器を含むN個の平行チャネル間で分割される。これは、たとえば、複屈折(たとえば、ウォラストン)プリズムおよびビームスプリッタの使用により達成されても[13]、固有の偏光光学系および検出器を含む回折格子を使用してビームをN個の次数に分割することにより達成されてもよい[14,15]。振幅分割は、偏光決定の時間分解能が検出エレクトロニクスによってのみ制限され得るという理由で、望ましいものであり得る。しかしながら、振幅分割アプローチの主たる欠点は、各チャネル上に別個の偏光光学が必要であることにあり得、これにより、複雑さおよびかさが増大する。
(少なくとも自由空間における)これらの偏光光学の基本ユニットは、偏光子および位相リターダ(波長板)であってもよい。リターダは、一般に、その複屈折特性が偏光変換を可能にするバルク二軸/一軸結晶から形成され、このことが、光の偏光の最初の発見に繋がった。しかしながら、これらのプレートは、製造および加工が困難であり、統合の難易度は高い[2,16]。
一方で、サブ波長間隔のナノフォトニック位相シフトエレメント・アレイとして定義され得るメタサーフェス[17]は、多大な関心を集めていて、様々なバルク光学の小型化を期待し得る。メタサーフェスのエレメントは、必要に合わせた構造複屈折を有し得る[18,19]。
本開示は、偏光が公知である光が入射すると、その回折次数において任意に指定される偏光状態を並行して生成し得るメタサーフェス格子を設計するためのスキームを提示する(図2a)。本開示は、このスキームで設計される2つの格子を実験的に特徴づける。この格子は、先に述べた対称性により、バルク複屈折光学を必要としない平行なフルストークスポラリメータとして機能し得る。本開示は、こうしたポラリメータを特徴づけ、かつその性能を市販の回転波長板機器と比較する。本開示の結果は、軽量、小型かつ低コストの偏光光学、偏光測定、または偏光イメージングを含み得る幾つかの用途で使用され得る。
動作原理
直交する2つの対称軸を有する波長以下のメタサーフェスエレメント[20](たとえば、長方形、ただし、他の考えられる実施例も含まれる)は、波長板状の位相シフタとして機能することができ、x偏光およびy偏光上へ独立した位相シフト
Figure 2021511553
を与える[18,19]。
Figure 2021511553
の値は、垂直寸法wxおよびwy(図2b)を変更することにより、0〜2πの間で任意に調整されてもよい。1D周期格子単位セル内に、Q個のこうした複屈折位相シフタが波長以下のスペーシングで配置される場合(図2c)、単位セル内のq番目のポジションにおいてx偏光が受ける位相シフトを
Figure 2021511553
で表すことができる。すなわち、単位セル内の各ポジションにおいて波面により獲得される位相シフトの近似値は、定数にすることができる。x偏光が経験する、空間座標
Figure 2021511553
(x偏光と混同しないこと)の関数としてのこの離散位相関数
Figure 2021511553
は、ベクトル、
Figure 2021511553
と書くことができ、
Figure 2021511553
は、y偏光について同様の意味を持つ。周期的単位セルがテッセレーションされる場合、直交するx偏光およびy偏光の独立した任意の周期的位相プロファイルを実装するメタサーフェス位相格子が形成される。
周期的であることにより、格子の角スペクトルは、離散的である。位相プロファイル
Figure 2021511553
(これは
Figure 2021511553
に含まれる)を所与として、
Figure 2021511553
によって与えられる、m番目の格子次数の各位相格子のフーリエ分解を計算することができ、ここで、dは、周期的単位セルの長さであり、
Figure 2021511553
は、各々、x偏光およびy偏光が経験する格子のフーリエ係数である。
各係数は、概して複素数であり、よって、
Figure 2021511553
と書き得る。すると、ジョーンズ行列J(m):
Figure 2021511553
を各次数に帰することができる。
J(m)に含まれる次数mの偏光特性は、2つのバルク光学エレメントのカスケードに対応するものと見うけられ得(図2d)、製品における第1のジョーンズ行列は、ディアテニュエータのそれ、すなわち、xおよびy方向に沿って光を選択的に減衰させる不完全な偏光エレメントであり、一方で、第2のジョーンズ行列は、リターダンス
Figure 2021511553
を有する位相リターダのそれ(波長板)である。どちらも、xおよびyに沿って相互に配向される固有軸を有する(図2d)。
たとえば、電界振幅E0を有する、45°で直線偏光されているビームが格子に入射する場合、m番目の格子次数の電界は、
Figure 2021511553
になる。
よって、45°偏光の特殊ケースにおいて、複素格子係数
Figure 2021511553
は、直にm次の偏光状態を産出する。一般的な入力偏光の場合、各次数における出力偏光状態は、ポアンカレ球を用いて理解することができる(図2e、キャプション参照)。
最適化
公知の
Figure 2021511553
を有する格子、および偏光が公知である入射ビームを所与として、各回折次数mにおける偏光状態およびパワーは、フーリエ光学によって計算され得る。逆に、所与の入射偏光について、指定された偏光状態を有する回折次数を生成する
Figure 2021511553
を推測することはできるであろうか?これは、単一のメタサーフェス内に、そうでなければ最も一般的な事例において2P個の半結晶および4分の1結晶波長板を有する一般的な回折格子を包含することになる機能性を埋め込む、こうした格子の直接的なエンジニアリングを可能にする。ここで、Pは、制御されるべき回折次数の数である(図2f)。
集合
Figure 2021511553
における回折次数毎に、望ましい出力偏光状態を指定できるものと仮定する。これらの偏光は、フーリエ係数である
Figure 2021511553
を直に決定づける。格子は、単にフーリエ変換を反転することによって求めることも可能である。45°で偏光されている入射光の場合、ホログラフィックマスクは、
Figure 2021511553
によって与えられる。
しかしながら、式6は、格子の多くの空間調和関数の和であって、振幅変調および位相変調の双方を包含する。メタサーフェスの分野では、これは、望ましくないことがある。一般的には、0〜2πの範囲の位相シフトを産生する、振幅透過がほぼ均一な位相シフタジオメトリ範囲を得ることが望まれ得る[18]。概して、(少なくとも、流線型設計の可能なジオメトリの有限集合から引いて)任意に形状可変な位相シフトおよび透過を同時に産生する構造のライブラリを組み立てることは、困難である。この場合は、これを、x偏光およびy偏光の双方について同時に、かつ互いに独立して達成可能であることが望ましい。これは、膨大な範囲のシミュレーションされたジオメトリに頼らずには、受け入れられない。
よって、位相限定格子が望ましい。しかしながら、位相限定格子は、1または無限大の回折次数を有し得、よって、厳密解(式6)が概して位相限定でないことは、実証可能である[21]。したがって、望ましい目標偏光状態を呈しながら、関心対象の次数において多くの回折光を集中させるために、最適化が必要であることがある。
より正式には、45°で直線偏光されている光が入射すると、格子次数の集合
Figure 2021511553
において望ましい偏光状態を生成する格子、を設計することが望ましい。各次数
Figure 2021511553
上の標的ジョーンズベクトルは、
Figure 2021511553
で与えられる。
光は、概して、単に
Figure 2021511553
内の次数だけでなく、全ての次数に回折される。これらの望ましい次数へと可能な限り多くの入射パワーを方向づけるために、
Figure 2021511553
を、制約
Figure 2021511553
および
Figure 2021511553
の下で最大化することが求められる。
制約は、各次数において望ましい偏光をもたらし、位相プロファイルベクトル
Figure 2021511553
は、最適化されるべき量である。格子がQ個の構成エレメントを有する場合、最適化は、2Q個のパラメータを包含する。Qおよびエレメント間分離は、動作波長λと共に格子次数の角度分離を指定する格子周期dを決定づける。最適化された
Figure 2021511553
を得ると、望ましい次数におけるパワー、および標的偏光との対応づけを数学的に評価することができる(式8、9および10参照)。
上記制約の下で、
Figure 2021511553
の勾配降下最適化を、ランダムに生成される初期条件を用いて実行する(図3a)。これは、純粋に数学的な演習であって、特定の材料の実装または波長とは無関係である。最適化された
Figure 2021511553
を求めると、関心対象材料における適切な位相シフトジオメトリが推測され得る。
材料実装の選択(本明細書にて詳述している)との関連理由により、最適化には、本開示において波長λ=532nmで使用されるTiO2ピラー位相シフタのシミュレートされた特性を明示的に用いる勾配フリー法の使用により勾配降下法による結果が改善される、第2の段階が追加されてもよい(図3a)。
偏光状態の生成
この2段階の最適化戦略を用いて、可視範囲の科学的および技術的ユビキタス性に起因して選択されたλ=532nmで動作するための2つの格子が設計された。最適化された
Figure 2021511553
における各エレメント毎に、その寸法がxおよびy偏光に望ましい位相を最もよく与える高さ600nmの長方形のTiO2ピラーが、シミュレーションされた構造のライブラリから選択される。次に、設計された格子が、ガラス基板上に作製される。
第1の格子は、45°の直線偏光が入射すると、回折次数m=-2、-1、+1、および+2上で各々+45°直線偏光、右円偏光、左円偏光、および-45°直線偏光を全て等化強度で生成するように設計される。これらは、光学実験において一般に遭遇される偏光集合を表し、よって、一般的な関心対象である。これは、「4偏光」格子と称される。第2の格子は、同じ入射偏光に対し、同じ次数において、ポアンカレ球に内接する四面体の頂点に対応する4つの偏光状態を等化強度で生成するように設計される。この偏光集合は、偏光測定において重要である(後述する)[23,24]。これは、「四面体格子」と称される。
これらの格子はいずれも、Q=20個の個別エレメントを含み、よって、各々が2Q=40個のパラメータの最適化を包含していた。発見的に、このQは、数学的にかつFDTDシミュレーションからも、高効率ηおよび望ましい偏光楕円との優れた対応の双方を達成し、一方で最適化パラメータの数を最小限に抑えるという結果を生み出すことが分かった。しかしながら、より多い、またはより少ない数のエレメントも使用され得る。
図3cは、各格子の、最適化された位相プロファイルを実装する単位セルのジオメトリを、対応する電子顕微鏡写真と共に示す。各単位セルは、各々250×250μmサイズのバルクメタサーフェス格子にテッセレーションされた。
各格子は、格子の軸に対し45°で直線偏光されているλ=532nmのレーザ光で照射された。次に、関心対象の各回折次数における光の偏光状態が、市販の回転波長板ポラリメータで測定された(この測定の詳細は、補足に記す)。
図3bには、各格子について、各次数で測定された偏光楕円が、望ましい標的楕円、ならびに格子ジオメトリのFDTDシミュレーションにより予測された楕円と共にプロットされている。望ましい標的、シミュレーション、および観察された偏光状態の間の質的に密接な対応づけが観察されている。
メタサーフェスの偏光測定
メタサーフェス偏光格子の各次数は、各々x/yに沿って配向される、位相リターダと直列のディアテニュエータと考えられてもよい(式4および図3d)。光源からの光が45°で配向された偏光子を通過すると、格子次数において、理想的には何らかの標的状態に近い偏光状態が生成される(図4a、上側)。格子が逆に使用されると、すなわち、格子の後に45°で配向された直線偏光子が続く場合、各回折次数は、その特性ストークスベクトルの偏光状態分析器と見され得る(図4a、下側)。
次に、格子は、偏光光学系のない並列フルストークスポラリメータとして使用されてもよい(たとえば、格子上部に統合され得る単一偏光子を除く。態様によっては、ストークスベクトルの決定に偏光子を要することがある)。これは、任意に指定され得る、分析器状態の適切な選択に依存し得る。態様によっては、4偏光格子は、理想的な状況におけるその状態が線形独立ではないことから、フルストークス偏光測定には不十分である場合がある。態様によっては、4偏光格子の不完全性がこれを違えて、理想的ではないが偏光測定に使用可能にされることがある。N=4回の測定を行うポラリメータの場合、較正誤差がなければ[24]、その特性ストークスベクトルがポアンカレ球に内接する(任意の)四面体に対応する分析器の形状が、ストークスベクトルの決定における最大の信号対雑音比を産生する[23]。
これを確認した上で、上述の四面体格子のより大きいバージョン(1.5mm×1.5mm)が作製された。レーザ光が入射すると、関心対象の4つの回折次数は、45°で配向された偏光子を通過して発散する。幾分かの距離(cm)を隔てたところで、各ビームは、標準的なシリコンフォトダイオードに当たって光電流を生成し、これが増幅されてデジタル形式に変換される(図4c、右側)。
機器行列Aは、較正により決定されてもよい。したがって、本開示は、不完全な1/4波長板の明らかな主要因である4つの強度チャネル(N=4)を有する任意のポラリメータに適用可能な、Azzamの4検出器フォトポラリメータ[26]用に開発された較正スキーム[25]を実行した。この較正の実装については、以下の開示に記録する。結果的に得られる機器行列Aの各成分には、任意の計算されたストークスベクトルのフル共分散行列を提供する誤り限界が割り当てられてもよく[27]、メタサーフェス格子ポラリメータにより予測される任意のストークスベクトル上へ不確定性限界を配置することが可能にされる。
部分偏光の定量化
メタサーフェス格子ポラリメータが較正されると、Aおよびフォトダイオード上の測定強度から、任意の入射ビームのストークスベクトルが決定されてもよい。興味深い事例は、部分偏光の場合であり得る。生得的に時間コヒーレンス現象の結果である、部分および非偏光[2,28]は、全ての非レーザ光源に共通である。光の非偏光度は、偏光度(DOP)によって定量化され、
Figure 2021511553
で定義される。ここで、Siは、ストークスベクトルのi番目の要素を表す。完全偏光は、p=1に対応し、完全な非偏光は、p=0に対応する。中間の場合、pは、偏光されていないビームのパワーに対する、偏光されているビームのパワーの割合を表す。
メタサーフェス格子ポラリメータの、可変DOPに対する応答を調査するためには、部分偏光を生成する決定論的手段が包含されてもよい。本開示は、2つの偏光ビームスプリッタを備えるマッハ-ツェンダ様のセットアップを利用する[2,29]。これは、図4bに示されていて、図4bでは、(i)におけるボックスで囲まれたコンポーネントが包含され、(ii)が省かれている(ただし、理論的には、(ii)の存在がDOPに影響することはない)。直線偏光子が干渉計の前で回転するにつれて、入射光の異なる画分が各アームへと方向づけられる。ビームの等しい部分が各経路(θLP=45°の場合)に沿って進み、かつ干渉計の経路長さの差がレーザ源の多くのコヒーレンス長さLcohになるように調整される場合、再結合ビームは、完全に非偏光となるはずであり、すなわち、ビームは、半分x偏光および半分y偏光で構成され、もはや位相コヒーレンスはなくなる。一方で、θLP=0°または90°である場合、全ての光が1つの経路に沿って進むことから、ビームは、完全に偏光される。中間角度では、p=|cosθLP|である[29]。
直線偏光子は、メタ格子により報告されるストークスベクトルが計算されている間、干渉計の前で回転された。図4eは、対応するDOP(式11)をプロットしたものである。挿入図に示すように、最小DOP 1.2%が0.176%の不確定性で観察される。
市販の回転波長板ポラリメータとの比較
最後に、本開示は、メタサーフェス格子ポラリメータの性能を、広く使用されている市販の可視範囲回転波長板ポラリメータ(ThorLabsモデルPAX5710VIS-T)と比較する。回転波長板ポラリメータ(RWP)において、波長板は、直線偏光子および検出器の前で機械的に回転し、時変信号のフーリエ係数から、入射するストークスベクトルを決定することができる[12,30]。
実験は、図4bに示す、ボックスで囲まれたコンポーネント(i)および(ii)を含む設定を用いて実行された。ランダムに選択される直線偏光子(LP)および1/4波長板(QWP)の角度セット、θLPおよびθQWPが選択されている。自動測定では、LPおよびQWPを保持するマウントがこれらの予め決められた角度まで移動し、これらの構成の各々において生成される偏光状態が、メタ格子ポラリメータを用いて推測される。次に、メタサーフェス格子ポラリメータに代えて、市販の回転波長板ポラリメータ(RWP)がビーム経路内に配置される。QWPおよびLPは、同じポジションを巡り、RWPにより報告される偏光が記録される。
図5は、偏光楕円の方位角および楕円率(プロットは、ポアンカレ球上の角座標であるという理由で、方位角および楕円率角の2倍角、2θおよび
Figure 2021511553
で作成されている)およびDOPの量に関する比較をまとめたものである。図5における上の行のグラフは、縦軸に沿ってメタサーフェス格子ポラリメータが報告した値、横軸にRWPが報告した値をプロットしている(双方の値が正確に一致すれば、全てのデータポイントが黒い1:1の対応線に沿って存在することになる)。
各々の量について、2つのポラリメータが報告した値の差が計算され、図5の下の行のヒストグラムにプロットされている。各々に正規分布が当てはめられ、その平均差(μ)および標準偏差(σ)が示されている。
考察
平行偏光状態の生成
図3に示すように、4つの偏光格子および四面体格子の双方で、回折次数において実験により観察された偏光楕円は、望ましい標的楕円およびFDTDシミュレーションから予期された楕円の双方に否応なく一致する。本明細書では、この比較のより定量的検討を行っていて、具体的には、標的と測定値との間に、各々4.37%および3.57%という方位角および楕円率の平均偏差が観察された。さらに、本明細書に示すように、この差の多くは、おそらくは製造欠陥および正確なエレメントサイズの予測不可能性に帰し得る。製造時のジオメトリの公称寸法は、この効果をためすように調整されることから、偏光楕円の測定値は、滑らかに変わることが観察されている(補足)。完璧な製造であったとしても、最適化による完全さの達成はあり得ないことから、楕円が標的状態と完全に一致することはない。偏光測定の観点からすると、少なくとも、四面体格子の性能の不完全さは、較正によって説明され得る(Aの条件数は、幾分増加することがある)。以下の開示では、スキームの限界および改善の提案について考察する。
平行偏光測定
上記では、メタ格子のポラリメータ機能、特に部分偏光を測定するその機能、および市販のRWPと比較したその偏光性能の特性決定について提示した。ポラリメータの較正は、幾分か技術的な問題であり得る。以下の開示では、ポラリメータの精度を損なう可能性もある幾つかの較正関連問題について考察し、その改善手段を提案する。
メタ格子ポラリメータは、偏光マッハ-ツェンダ干渉計により生成される部分偏光を検出することができる。DOPの直線偏光子角度に対する依存性は、予測される理論的傾向に準じる。45°では、最小DOP 1.2%が、不確定性0.176%で測定された。DOPは、理想的には0%であるべきであるが、4つのストークス成分全てからの誤差を集計し、よって、達成可能な最小値は、ある意味で、偏光システム全体の精度に対する解説となる。本開示で後述するように、出力ビームのプロファイルに渡って変化するDOPを含む、偏光マッハ-ツェンダ干渉計による部分偏光の生成には、幾つかの巧妙な点があり得る。45°で観察された非ゼロのDOPは、ポラリメータにおける誤差、ビームDOPのゼロからの実偏差、またはおそらくはこれら2つの何かの組合せの結果である可能性もある。しかしながら、この結果は、提示されたデバイスのフレキシブルさの証と見なされるべきであり、完全に平行な測定における単一の光学エレメントは、光のコヒーレンス特性であるDOPに関する情報を提供することができる。
最後に、メタ格子ポラリメータの性能を市販の回転波長板デバイスのそれと比較した。一般的な関心対象たる偏光パラメータ、DOP、方位角および楕円率の量について、本開示は、2つのポラリメータにより報告された値の差を調べ、これらを統計量として処理した。DOPの場合、本開示は、標準偏差σ=1.6%、および平均差μ=0.6%を観察した。単一のポラリメータへと容易に帰される可能性もある系統的誤差は、整合が僅かにずれている。方位角χおよび楕円率εでは、各々、σ=0.023ラド=1.32°、およびσ=0.0075ラド=0.43°、が観察された。これは、RWPが絶対偏光参照であると黙示的に想定するものであり得、これが真でない度合いはいずれも、メタ格子ポラリメータの知覚誤差を増加させる。さらに、誤差は、それ自体が偏光依存性である(以下の開示参照)。全ての可能な偏光に渡って誤差を多かれ少なかれ一様にサンプリングすることにより、各パラメータのσの値は、最悪の場合の性能を表す。既に、これらは、使用されたRWPに対して見積もられた誤差に近い(以下の開示参照)。なお、RWPの性能は、可動部がなく、バルク複屈折偏光光学系がなく、かつ検出器限界時間分解能を有するデバイスと整合されてもよい。
以下の開示は、入射角のポラリメータに対する効果について報告し、かつ、約±5°までの偶発的ミスアラインメントで、ポラリメータがなおも適度な精度で使用される可能性もあると結論する。
技術的視点
本開示において、偏光測定の機能性は、2つの位相プロファイルが同一平面にあてがわれ得る単一の平坦なメタサーフェス内に埋め込まれていて、広範な用途に向けた見通しを著しく高める。単に(たとえば、デバイス上部にワイヤグリッドとして容易に統合され得る)直線偏光子だけを用いて、単一のデバイスは、バルク複屈折光学系と平行することなく偏光を生成/測定してもよく、容易な統合を可能にする。該デバイスは、検出器の直線アレイが使用されれば分光偏光測定に、または、検出器がイメージングセンサに置き換えられれば偏光イメージングに拡張されてもよい。これは、フルストークスポラリメータおよび偏光カメラの統合に対する、焦点面アレイ上部に二色性または複屈折材料のバルク・リトグラフ・パターニングを包含することのない、はるかに単純なソリューションを表し得る[5,48,49]。
これまでの開示の簡単な概要
本開示は、次数の偏光状態を任意に指定し得るメタサーフェス回折格子を設計するための方法を提供する。回折次数の偏光状態が特徴づけられている、こうした回折格子を2つ設計しかつ製造し、望ましい標的偏光状態にかなり一致していることを見出した。格子は、対称性により、偏光の平行分析器としても機能し得、かつスナップショットフルストークス偏光測定を可能にし得る。部分偏光を測定する格子の能力を実証した。さらに、格子の性能を市販のRWPと比較した。統計分析は、格子の精度が市販のRWPのうちの1つに匹敵することを示した。メタサーフェスベースのポラリメータは、必ずしも可動部またはバルク複屈折光学系のいずれかを含むものではなく、これにより、その積分可能性が促進され得、よって、偏光技術の著しい簡素化が提示され得る。格子の使用は、検出器アレイが代わりに使用されれば、偏光イメージングに拡張されてもよい。格子であることにより、次数の波長分散は、分光偏光測定で使用するために利用されてもよい。
平行偏光状態の生成
最適化手順
本開示では、最適化手順の概略を述べているが、ここで、再度まとめておく。入力は、以下の通りである。
- その偏光状態がメタサーフェスによって制御される、長さPの回折次数の集合
Figure 2021511553

- P個の次数の各々の、次数
Figure 2021511553
上の望ましい偏光を指定するジョーンズベクトル
Figure 2021511553
。ジョーンズベクトル
Figure 2021511553
は、量
Figure 2021511553
により、
Figure 2021511553
としてパラメータ化される;
- 各回折次数におけるビームの相対強度;
- 入射偏光のジョーンズベクトル
Figure 2021511553
;および
- 格子内に包含されるべき位相シフトエレメントの数Q。
勾配降下最適化
相対的大きさおよび望ましい偏光状態は、最終的な位相格子のフーリエ係数に対する制約集合を形成する。
xおよびy偏光は、どちらも、独立した位相格子に出合う。これらの格子係数は、空間座標
Figure 2021511553
の関数としての、格子の位相プロファイル
Figure 2021511553
の関数である。
Figure 2021511553
各回折次数における偏光およびエネルギーは、汎関数
Figure 2021511553
によって決定づけられ、その目的は、可能な限り多くのエネルギーを関心対象である回折次数、たとえば集合
Figure 2021511553
内へ方向づけることにある。したがって、最適化は、制約
Figure 2021511553
の下での量
Figure 2021511553
で作られる。
これは、本開示からの一例である、各々回折次数m=-2、-1、+1、+2上で-45°直線偏光、右円偏光、左円偏光、および45°直線偏光を生成する格子によって最もよく示される。本開示における所定の格子の設計は、同様に、関心対象の4次数間でパワーを等しく分配しようとするものでもあった。
本開示における所定の設計は、格子係数
Figure 2021511553
を、
Figure 2021511553
のように実数部と虚数部とに分割した。
入射光が偏光
Figure 2021511553
を有するものと仮定すると、制約は、以下の通りである。
Figure 2021511553
最後の制約は、(入射偏光が45°で直線偏光され、cxおよびcyにおける重みが等しいことから)光パワーが異なる回折次数間で等しく分配されるべきものであることを示している点に留意されたい。
次には、関心対象の次数におけるパワー(式3)を、標準的な数値パッケージを用いるこれらの制約の下、勾配降下法を用いて最適化することができる。
この勾配降下最適化の結果を、図6および図7に示す。図6では、位相格子ηの理論上の効率がピーク値73.1%に達することが分かる。
最適化された位相格子により生成される偏光楕円の数理解析
上述の最適化手順から、回折次数において望ましい偏光状態を生成する最適化されたxおよびy偏光位相格子が得られた。
これらの位相プロファイルは、フーリエ変換に通すことができ、結果として生じる偏光楕円を調べることができる。結果を、図8に示す。
意外ではなく、最適化された位相プロファイルから数学的に導出される偏光楕円は、望ましいものと完全に一致する。これは、制約がほぼ完全に一致するという理由で、図7から推断することができたはずである。
材料の実装
こうして得た最適化された位相プロファイル
Figure 2021511553
を用いて、各格子位置におけるx偏光およびy偏光の各々に正しい位相を実装する構造が設計され得る。
これについては、たとえば、[1および2、本参照および他の参照については、後述する文献の項目を参照されたい]で考察されている。本項においても、このアプローチの概要を簡単に述べる。
平面波照射および周期的境界条件を仮定し、有限差分時間領域法(FDTD)を用いて、可変性の直交する横方向の大きさwxおよびwyの広範な矩形ピラー構造をシミュレーションする。遠視野投影を用いて、各偏光(txおよびty)の透過振幅、および各偏光上の固有位相シフト
Figure 2021511553
を決定する。すなわち、wxおよびwyが分かれば、シミュレーションを介してエレメントの位相シフトおよび透過特性が明示される。
ここでの関心対象は、反対に、明示された
Figure 2021511553
を最も良く実装するwx/wyを知ろうとする問題である。最良のエレメントは、(可能な限り1に近い)振幅透過を有するエレメントを見出し、一方で、実装される位相の望ましい位相からの偏差を最小限に抑えることによって、特定することができる。このことに関するより完全な説明は、[50]の補遺を参照されたい。
これにより、最適化された格子位相プロファイル
Figure 2021511553
の集合を、関心対象の材料(本事例では、TiO2)内で製造されるべき実際のジオメトリへ直に変換できるようになる。
設計された格子のFDTDシミュレーション
格子を規定する周期性は、シミュレーションの観点からは幸運であり得、かつ、20のエレメントから成る最適化された格子は、当然シミュレーションに適する。したがって、最適化された格子は、直にシミュレーションされ、かつ偏光楕円が調査され得る。
これを、図9に示すジオメトリを使用し、平面波照射および周期的境界条件を用いて実行した。
図10に、4偏光格子の、シミュレーションから予期された偏光楕円を示す。
シミュレーションと標的との不一致
先に述べたように、位相プロファイル
Figure 2021511553
は、格子に沿った各ポイントで振幅透過が一様であるという仮定の下で最適化されて求められる。これらの位相プロファイルを実装するためのエレメントの選択においては、振幅透過が可能な限り1に近い各ポジションで必要条件
Figure 2021511553
を実装するエレメントを見出すための最良の試みがなされる。
FDTDシミュレーションを用いて、位相シフトのジオメトリ(たとえば、wxおよびwy)が位相シフトおよび振幅透過に関連づけられる、位相シフト構造のライブラリを組み立てることができる。ほぼ1の透過を有する望ましい位相集合
Figure 2021511553
を実現できる度合いは、望ましい材料実装において利用可能な構造の多様性に依存する。望ましい位相プロファイルがこうした「最良適合」の格子ジオメトリに変換されると、ライブラリから選択された構造の位相シフトおよび振幅透過を評価することができる。
図33は、これを示す。xおよびy偏光位相格子に沿った幾つかのポイントでは、透過率が70%まで下がるが、他のポジションでは、事実上1に近いことが分かる。よって、最適化アルゴリズムによる透過1の仮定は、結果が実際の格子設計に変換される時点で破られる。
振幅透過における所定の非一様性は、フーリエ変換およびメリット関数、式3、の計算に容易に組み込むことができる。
最適化プロセスの任意の段階での位相プロファイル集合は、悉く、関連する「最良適合」ジオメトリを有する。この問題に対する我々の当初のソリューションは、この「最良適合」の格子ジオメトリの透過および位相プロファイルの調査を、最適化プロセスおよび良度指数計算の一部として包含することであった。しかしながら、最適化は、収束しないことが多い。代わりに、具体的な材料実装に関わりなく、勾配降下法に基づく純粋に数学的な手順を用いて
Figure 2021511553
を取得する。次に、この結果は、最適化プロセスの各段階で「最良適合」の格子ジオメトリを計算することにより構造ライブラリの制約を明示的に考慮してこの結果を改善する勾配フリーのスキーム(すなわち、パターン検索)の初期条件として使用される。
一般に、制御することを希望する回折次数が多いほど、最適化の成功率は下がり、よって、最適化の制約が過度になる所定の状況が存在する。
本開示の態様によっては、調製されかつ制御された偏光状態を4つの回折次数が有する格子が注目される。その理由は、ストークスベクトル自体が4つのエレメントを有し、よって、フルストークスポラリメータを構築するには、これらの4つの回折次数を解析すれば足りることにある。しかしながら、最適化スキームの限界を例示するものとして、6つの回折次数を制御する格子が設計されている点は、留意されるべきである。具体的には、内側の6つの回折次数がポアンカレ球上の基本方位(すなわち、RCP、LCP、45°、135°、x、y)を含むことになるメタサーフェス偏光格子を作成することが求められる。
図34は、その結果を示す。まず、最適化された位相プロファイル
Figure 2021511553
を、勾配降下法のみを用いて、実際の位相シフト構造の特性を参照することなく求める。よって、数学的には、この場合の望ましい偏光楕円を生成する位相プロファイルを求めることが可能である。
しかしながら、最適化が2段階で(先に述べたように、パターン検索と実際の位相シフタ特性とを用いて)実行され、結果として生じる格子がシミュレーションされる場合、楕円は、概して大きな歪みを伴って生成される。図34の下段は、これを示す。利用可能な構造のライブラリを拡張し、かつ最適化スキームを改善することにより、さらに多くの回折次数の制御へと拡張することは、可能であり得る。
構造物の製造
格子自体は、可視周波数のメタサーフェス用に開発された二酸化チタンプロセスを用いて作製される。ここでは、これをごく簡単に概説する。
ポジ型電子ビームレジストがガラス基板上で回され、電子ビームリソグラフィを用いて格子パターンが露光される。レジストが現像され、原子層堆積(ALD)を用いてボイド内にアモルファスTiO2膜が堆積される。過剰なTiO2は、反応性イオンエッチングを用いてエッチバックされ、最後に、溶媒を用いて電子ビームレジストが除去され、自立型のTiO2ピラーが産生される。
ALDプロセスのコンフォーマリティ、ならびにパターンのテンプレートとしてのレジストの使用により、側壁が垂直に近い高アスペクト比の構造体が産生される。
偏光楕円の測定
製造された格子を平行移動マウントに取り付け、格子およびピラーエレメントのデカルト軸に対して45°で直線偏光されている緑色のレーザ光ビームで照射する。光は、多数の格子次数へと分散し、その各々は、市販のポラリメータ(本開示で比較に用いるものと同じポラリメータ)による特徴づけが可能である。
入射光が格子のx/y座標系に対して45°で偏光されることは、全体的な設計手順がこの偏光を有する入射光に基づいて予測されるという理由で、特に重要である。よって、この直線偏光のミスアラインメントは、過度の実験誤差をもたらすことになる。格子と入射偏光とを相互にアラインするために、2段階の手順が実行される。
光学テーブルに対する直線偏光子のアラインメント:グラン-トムソン直線偏光子を用いて、レーザ光を直線偏光した。光学テーブルの平面を、実験の基準座標系として用いた。おそらくは、それが取り付けられるテーブルに対してそれ自体が十分に較正されている、実験に用いた同じ市販の回転波長板ポラリメータを用いて、直線偏光子を、ポラリメータが45°における偏光を示すまで回した。
光学テーブルに対する格子のアラインメント:格子の軸は、それ自体が光学テーブルの平面に対してアラインされるべきものである。空間で扇状に広がる格子次数の平面は、メタサーフェス格子の向きに対する参照となる。格子を自由回転マウントに置き、アイリスを用いて全ての格子次数がテーブル上の整合した高さにあることを保証する。
生産された偏光楕円に対する製造欠陥の効果
電子ビームリソグラフィには、(CADレイアウトファイルの場合のような)望ましい構造と実際に実現されるものとのサイズ不一致を引き起こす、固有の複雑さが伴う。概して、製造された構造は、意図されたものより大きい。本開示における構造により与えられる位相は、サイズに依存し、よって、製造欠陥は、設計と比較して、回折次数において観察される偏光楕円に大きく影響することが予想される。
この影響を考慮して、各格子設計毎に、幾つかのサンプルをCADにおける固定サイズのオフセット(望ましいものより10、20または30nm小さいサイズ)または固定サイズのスケーリング係数(全サイズを85、75または70%でスケーリング)で製造した。こうした格子の全てから、回折次数における偏光状態を記録した。
図11および図12は、各々、4偏光格子および四面体格子に関する、異なるサイズオフセットおよびスケーリングの格子から記録された偏光楕円を示す。
製造される構造の公称サイズの変更は、予期されるべき観察される偏光楕円に大きく影響することが分かる。本文に提示するデータは、4偏光格子の場合は-20nmのオフセット、四面体格子の場合は-30nmのサイズオフセットのサンプルに関するものであり、これらのサンプルが生成した楕円が標的偏光に最も近かった。
拡張結果
回折次数におけるパワー
偏光楕円測定値の表形式データ
Figure 2021511553
Figure 2021511553
メタサーフェス偏光測定
本項では、メタサーフェス偏光格子の、フルストークスポラリメータとしての使用、すなわち、4チャネルの各々で測定される強度に基づいて入射偏光状態を検出できるようにするセンサとしての使用、について考察する。これらのチャネルは、45°で配向される直線偏光子を通過した後に、m=-2、-1、+1、および+2の回折次数へと回折されるビームである。
光学設定の詳細
偏光測定において特に重要なものは、較正に使用される偏光光学系の品質である。結局のところ、較正に使用される偏光についての不確定性は、較正されるポラリメータの最終精度を下げる。当然ながら、絶対偏光参照は、極めてまれである[53]。おそらくは、存在する絶対偏光状態参照は、所定の偏光状態を獲得するために量子力学的選択則により制約される原子遷移のそれである。したがって、偏光測定の分野において、ポラリメータは、事前に確立されたポラリメータとの比較によって評価されることが多い。
それでもなお、使用される偏光光学系については、ある程度の確実性が確立されている。
偏光子
フィルムベースの偏光子は、最も安価な選択肢であって、大量生産に向くものであり得る。たとえば、販売者ThorLabsから市販されるフィルム偏光子(品番LPVISE100-A)の場合、部品仕様は、約8000の強度消光比を主張している。このため、当初、これらは、このプロジェクトの仕様に足りるものと考えられた。しかしながら、試験をすると、これらのフィルム偏光子の強度消光比は、1000をはるかに下回ることが多く、時には、およそ数百であることが分かった。偏光測定にとって、特に、本開示で考察しているメタサーフェスベースのポラリメータにとって、これは、重大な問題であり得る。基本的な量は、電界であって、強度の平方根として動作する。強度消光比がおよそ数百である場合、電界消光比は、およそ数十になる。これは、許容不可であり得る。
フィルム偏光子は、固有の材料二色性に依存するのに対して、第2の偏光子技術は、複屈折結晶材料に依存する。たとえば、グラン-トムソン(およびグラン-テイラ)偏光子は、2つの複屈折結晶を互いにビームスプリッタ様の構成で挟む。これらの2つは、一方の直線偏光がさほど減衰せずに透過し、もう一方が完全に内部反射するようにカットされる。この場合の偏光メカニズムは、人工媒質に依存する何らかの特性ではなく、全内部反射を用いることから、消光比は、はるかに高くなり得る。たとえば、全ての偏光測定および偏光状態測定において使用される主偏光子(ThorLabs品番GTH5M-A)は、指定の強度消光比100000を有する。本ユニットの消光比は、これを下回るものであるが、その性能は、同等のフィルム偏光子よりはるかに優れていた。
直線偏光子が回転される、本文における任意の測定において、ならびに、メタサーフェスの偏光状態発生能力を試験する全ての測定において、上述のグラン-トムソン偏光子を用いた。
1/4波長板
光学系のテキストにおいて、1/4(および半)波長板は、通常、数学的オブジェクトとして提示され、正確に
Figure 2021511553
(またはπ)リターダンスという特性を有する。光学実務家の多くが見落としがちな巧妙さは、これがほとんど当てはまらないことにある。波長板の製造には、波長級精度のバルク複屈折結晶の研磨が含まれる。
広義には、波長板は、ゼロ次または多次のいずれかに分類され得る。結晶が波長板のカットにおいて製造される際に[54]、結晶軸の1つは、波長板の意図された伝搬軸とアラインされる。次に、平面内では、結晶の複屈折に起因して、直交する軸に屈折率の差Δnが生じる。ゼロ次波長板では、結晶の厚さが
Figure 2021511553
で与えられ、ここで、δは、望ましいリターダンスであり、λは、設計波長である。すなわち、厚さは、波面になおも正しい位相遅延を与える最小のものであってもよい。一方で、多次波長板の場合、結晶厚さは
Figure 2021511553
で与えられ、ここで、Nは、波長板の「次数」である。
より高次の波長板は、精度が下がる傾向があり、よって当然ながら、波長に伴うリターダンスδの分散が大きくなる。ゼロ次波長板の不正確さの一部は、その製造手段を調べることによって認識することができ、多くの場合、結晶波長板の研磨は、リターダンスを偏光計器で監視できるように、周期的に停止かつ開始されるべきである[54]。
必然的に、多次の1/4波長板は、通常、望ましいリターダンスから10度以上外れる。広帯域上で動作しようとする波長板では、これがさらに悪化する。経験から、ゼロ次波長板であっても、望ましいリターダンスから最大3°〜4°外れる。
使用されている偏光光学系の特性の正確な認識は、特に較正の間に望まれ得る。本開示の場合、90°のリターダンスからのずれが小さいものに限って、1/4波長板の欠陥を許容する技術を採用している[55]。関心対象の波長(λ=532nm)用に設計されたゼロ次波長板は、この基準に適合し、よって、ThorLabs社製のゼロ次波長板(品番WPQ10M-532)を用いた。1/4波長板の回転を含むいずれの測定も、具体的には、本開示における較正およびRWPとの比較は、この波長板を用いて行われる。
他の偏光光学系
最も重要な偏光光学系は、較正中に使用される主たる直線偏光子および1/4波長板であり得る。
本開示の設定には、他の偏光光学系も幾つか包含されている。その第1は、レーザ出力直後の1/4波長板である。レーザ源は、選好的な直線偏光を有し、よって、ソース偏光を(おおまかな)円形にするために波長板を挿入した。この方法では、直線偏光子の偏光に伴いパワーの変動が最小限に抑えられる。この円形化は何としても正確である必要はなく、ほとんど全ての1/4波長板を使用することができる。ThorLabsの品番AQWP05M-600は、可視領域のアクロマティック波長板であって容易に入手した。そのリターダンスは、粗な手段によりλ=532nmで約75°と概算されている。
最後に、偏光子をメタサーフェス格子の後で用いた。この偏光子を、メタサーフェス格子に対して45°で配向した(ただし、実際には、この角度は、不正である可能性もあり、その効果たる潜在的誤差は、較正により除くことができる)。この偏光子の完全性は、較正に使用される偏光子の完全性に比べれば全く重要でない。態様によっては、後述するように、格子をポラリメータとして機能させるために偏光子様のエレメントを有することが必要な場合がある。しかしながら、こうした偏光子様エレメントの消光比がさほど高くない場合、これは、この偏光子が較正および実際の測定の間の双方でメタサーフェスの後に置かれれば、偏光子による効果が補償され得るという理由で、なおも使用され得る。
したがって、ThorLabsのシート偏光子、品番LPVISE100-A、をそのために用いた。格子次数は、かなり高速で角度発散し、よって、まずレンズを用いて回折次数をコリメートすることなく厚いグラン-トムソン偏光子を用いれば、技術的難題を提示することになる。したがって、4次数の全てが1’’開口を通過し得るという理由で、フィルム偏光子が理想的である。当然ながら、各々は、非垂直角度で通過するが、これらの角度は、一定であって、その効果も較正に吸収され得る。
検出エレクトロニクス
実際の実験では、λ=532nmなどの設計波長において強度に関して直線的である検出器またはセンサを用いることが好ましい場合がある。さらに、高速偏光変調が包含されない場合、DCの強度を監視すれば足りることがある。たとえば、本開示では、任意選択の増幅スキームを備えるシリコンフォトダイオードで足りる可能性もある。態様によっては、1mm2を超える、または2mm2を超える、または5mm2を超える、または7mm2を超える、または10mm2を超える、などの、より大きな検出面積を有する検出器を用いることが好ましい場合がある。より大きい検出面積を有する検出器の使用は、たとえば、光学エレメントのアラインメントを単純にし得る。
具体的には、本開示では、その広い面積がアラインメント上の制約を緩和する、活性面積3.6mm×3.6mmのシリコンフォトダイオードであるHamamatsu製品番S1223-01を用いた。
4つのフォトダイオードの各々からの光電流を、標準的なトランスインピーダンス増幅器を用いて増幅した。増幅された値を、National Instruments社製の14ビットアナログ-デジタル変換(ADC)で読み取り、USBを介して順次送信し、次いでPCに記録する。測定の時間スケールが遅いこと(本質的にDC)を考えれば、この構成の詳細に特に重要なものはない。
ビームリサイジング光学系
本開示では描写または言及していないが、メタサーフェスを照射する前にビームウエストを収縮させるための、焦点距離が約50および25mmである2つの従来的なレンズ。当然ながら、電子ビームリソグラフィの場合、最終的に製造可能なメタサーフェスのサイズには制約がある。偏光測定に使用される格子は、1.5mm×1.5mmであることから、ビームを、その全体的な広がりが、製造されるメタサーフェスの内側に入るように収縮させた。好ましくは、ビームは、偏光光学系の回転に伴って動き回るとしても、メタサーフェスの内側に留まる。
ビームリサイジングレンズを、意図的に、ビームの偏光を修正する偏光光学系の前に配置した。レンズは、固有の偏光修正性の応力複屈折を有する場合がある。これは、存在するにしても、レンズを最終的な偏光光学系より前に配置することによって無視し得る。
格子に続く偏光子
本開示は、規定の偏光状態で照射されると、その回折次数において望ましい偏光状態を生成し得るメタサーフェス偏光格子の設計スキームを提示する。偏光発生器および解析器の相互性により、格子が逆転して使用される(すなわち、光が格子を、次に偏光子を通過する)場合、格子は、ポラリメータとしても使用され得る。
直線偏光子を含まない格子自体は、ポラリメータとしてのみ機能する可能性があるようにも思われ得る。結局のところ、本開示で詳述しているように、各格子次数は、直列のディアテニュエータおよび波長板として考えることができる。しかしながら、こうしたことだけで、フルストークスポラリメータを直線偏光子なしに形成することはできない。
本文で詳述しているように、回折次数mは、次式
Figure 2021511553
で与えられる固有の特徴的なジョーンズ行列を有するものと考えられ得る。
回折次数の、部分偏光および非偏光に対するその応答を含む挙動をより一般的に考察するために、ミュラー計算法、すなわち、(ジョーンズではなく)ストークスベクトル上の4×4行列演算子の理論、に注目する[5,7]。
x/y座標系に対して0°に配向されるディアテニュエータのミュラー行列は、
Figure 2021511553
によって与えられる。
ここで、
Figure 2021511553
は、xおよびyに沿った振幅透過係数である。同じくこうして配向される波長板のミュラー行列は、
Figure 2021511553
によって与えられる。
ここで、
Figure 2021511553
は、波長板のリターダンスである。
よって、回折次数mの複合的なミュラー行列が、上述の2行列の積であるMm
Figure 2021511553
によって与えられる。
Mmは、回折次数mにおける、ディアテニュエータと波長板との組合せによる全偏光感受性挙動を生じさせる。真の関心対象は、第1行であって、所与の入射ストークスベクトルについて解析器出力でどんなパワーが測定されるかを決定づけるものが、この行である。4つのこうした解析器が、ここで比較されるポラリメータと同様に4つの回折次数、たとえば、m=-2、-1、+1、および+2上に置かれる場合は、即時、機器行列
Figure 2021511553
を書くことができる。
調査により、Aの行空間は、
Figure 2021511553
に及ばないことが明らかであり、よって、det A=0と即結論づけることができる。反転は不可能であり、よって、この構成は、フルストークスポラリメータとして機能することができない。
代わりに、偏光子がディアテニュエータ/波長板構成の後に置かれる状況について考察してみる。偏光子は、x/yに対して一般的な配向角を取ることができ、これをθで示す。そのミュラー行列は、
Figure 2021511553
である。
θで配向された偏光子のミュラー行列を用いて上述のMmに前乗算が実行される場合、ミュラー行列
Figure 2021511553
が得られる。
なお、この行列の第1行は、その4つのエントリ全てに、概して非ゼロである成分を有する。こうした4つの解析器からの機器行列は、全て、同じ配向θにおいて同じ偏光子を共有する。
Figure 2021511553
Figure 2021511553
には、A’が可逆になるような適切な選択肢が存在する。
較正手順、段階的
本項では、メタサーフェスポラリメータを極めて意図的な方法で較正するために使用される較正手順について詳述する。ここで用いるプロセスは、[55]に提示されているプロセスの修正と見なされ得る。
直線偏光子
[55]に続いて、機器行列を、その列に関連して決定されるべく書いてもよい。
Figure 2021511553
この第1の較正段階では、メタ格子ポラリメータに入射する偏光を、単一の直線偏光子によって設定する(グラン-トムソン)。直線偏光子が角θで配向される場合、これは、入射ビームのパワーが1であると仮定して、
Figure 2021511553
で与えられるストークスベクトルを生成する。すると、強度ベクトル(すなわち、4つのフォトダイオード上で測定された強度のリスト)が、
Figure 2021511553
で与えられる。
入射直線偏光の変化に伴って、4チャネルの各々における値を記録することができる。これらの値は、入射ビームパワーiθによる正規化、およびθに対するプロットが可能である。
これにより、4つの正弦曲線が産生される。これらの曲線を式15の関数形式に当てはめれば、機器行列の最初の3列(すなわち、
Figure 2021511553
)が得られる。
図18は、較正のこの第1の段階の間の光学設定を示す。λ=532nmのレーザ源からの光は、レーザ源の好ましい直線偏光を補償するために、2つのアラインメントミラーに当たって跳ね返り、1/4波長板を通過する(先に論じた通り)。光は、その空間広がりが、1.5mm×1.5mmのメタサーフェス偏光格子の正方形境界の内側に収まる得るように、2つのビーム縮小レンズを通過する。グラン-トムソン直線偏光子によって偏光された後、光は、メタサーフェス回折格子を通過して多くの回折次数に分割され、そのうちの真ん中の4つは、45°の固定直線偏光子を通過し、次いで、4つのフォトダイオードに当たり、その値が増幅されてコンピュータに記録される。
直線偏光子は、電動回転マウントに置かれ、その向きは、5°で段階的に変えられる。各段階において、フォトダイオードは、ビームの前で揺動し(ビームをブロックする)、ビームパワーを記録し、次いで、自動的に揺れ戻って入射ビームパワーiθを取得する。さらに、全てのθについて、メタサーフェス直後の4つのフォトダイオードにより報告されるパワーが測定される。
この第1の較正段階がポラリメータに座標系を導入し、直線偏光子の点θ=0°が、ポラリメータの角座標系の原点となることは、留意されるべきである。これは、必ずしも光学テーブルまたは任意の外部の座標フレームと十分にアラインされる必要はない。
直線偏光子が回転するにつれて、メタサーフェスサンプル上のその軌跡は、ある種の円軌道で動き回ることが発見された(図19参照)。時として、入射ビームは、サンプルの縁に近づく。この「周回」効果は、測定を危うくし、較正正弦曲線を大きく歪めるものであった。この効果を自由に補正できるように、グラン-トムソン偏光子を、チップ/チルトマウントに取り付けた後に電動回転マウントに配置した。次に、回転マウントを一定の角速度で回転するように設定し、前述の「軌道」効果を観察して、偏光子のチップ/チルトを、それがなくなるまで補正した。
この効果の原因は、確実に同定されていない。グラン-トムソンは、プリズム偏光子であって、2つのプリズムによる相互的なミスアラインメントに陥る可能性もあり得る。その結果、真ん中の界面で屈折も発生する。
直線偏光子および1/4波長板
機器行列の最初の3列は、直線偏光子だけで容易に決定される。最後の列は、何かのキラリティを有する試験偏光状態を含む。
円偏光は、
Figure 2021511553
で与えられるストークスベクトルを有し、ここで、±は、左右円偏光間を区別する。[55]に示すように、機器行列の最後の列は、
Figure 2021511553
と書かれてもよい。
4つのフォトダイオード全てにおける(入射強度が正規化された)読取り値は、各円偏光に曝露された時点で取得されるものとする。しかしながら、これには問題があって、先に詳述したように、(少なくとも市販の波長板による)完全な円偏光の生成は、ほぼ不可能である。
Azzamは、波長板のリターダンスがほぼ1/4波長である場合に限って、すなわち、90°からのずれが小さい角度ある場合に限って、ソリューションを提示している[55]。互いに対して45°で配向される直線偏光および1/4波長板は、ほぼ円偏光を生成する。偏光子および波長板の双方が共に90°回転されると、同じほぼ円形の楕円偏光が、90°回転されて生成される。第1の次数に対しては、双方の構成に曝露された時点でポラリメータ読取り値を平均する効果は、完全な円偏光が利用可能であった場合と同じである。
Azzamの原初のスキームでは、この平均に0°および90°における2つのデータポイントが含まれている。本開示では、誤差を低減するために、こうしたデータポイントを0°〜360°で多く取られ得る。
実験では、図15に示すように、直線偏光子および1/4波長板の双方を、メタサーフェス格子ポラリメータの前のビーム経路内に置いている。どちらも、自動回転マウントで制御される。1/4波長板を挿入するときは、その速軸の角度位置を決定すべきである。第2のグラン-トムソン偏光子を第1の偏光子の前に置き、第1の偏光子を、ビーム強度がゼロになる(偏光子が交差する)まで回転させる。次に、1/4波長板を両者の間に、偏光子-波長板-偏光子の構成を介して透過される強度が最大になる角度位置で挿入する。これは、速軸が、第1の偏光子に対して45°となる場所であるべきである。このポジションは、透過強度を多くの角度位置で試験し、三角関数を当てはめて最大位置を求めることにより決定する。
次に、第2の偏光子を取り外し、45°の相対角度で配向された第1の偏光子と波長板とを残す。偏光子/波長板の組合せを5°の増分でタンデム式に回転し、各構成において、4つのフォトダイオード上の強度を記録する。さらに、各構成では、ビームに出入りするフォトダイオードによって入射ビームのパワーiθも記録する。
4つのフォトダイオードの各々について、各θで測定される正規化された強度を計算する。これらを全て平均し、ベクトル
Figure 2021511553
を形成する。次に、1/4波長板を90°回転させ、上述の全プロセスを繰り返してベクトル
Figure 2021511553
を取得する。
図16は、このデータを示す。入射RCP光では、PD#4における強度が極めて低いが、LCPでは事態が逆転することに注目されたい。これは、実際に、回折次数のうちの1つが所望される通りにほぼ円形の偏光を生成することを追認するものである。第2に、各フォトダイオード上の値は、直線偏光子/QWPの組合せが回転するにつれて変わることに注目されたい。偏光は、完全な円形ではないことから、これは、ある程度予期されるべきことである。しかしながら、この変動は、元来正弦的であることが予期される。最善の努力にも関わらず、これらの曲線の歪んだ形状を説明することができず、図14の周回効果との関係もあり得る。
機器行列のコンパイル
最後に、機器行列を組み立てることができる。最初の3列は、直線偏光のみの測定から引き出すことができ、最後の列は、
Figure 2021511553
(式16参照)から計算することができる。
整合性チェック
機器行列Aが決定されると、それが著しく不正確であり得るかどうかを確認する、一種のサニティチェックである整合性チェックを実行してもよい。
直線偏光による第1の段階からの、直線偏光子の回転に伴って観測された、4チャネルの各々に記録された正規化されていない生の強度データを含む、手持ちの較正からのデータを全て用いる。直線偏光子の配向θの各々について、較正の間の強度ベクトル
Figure 2021511553
を記録する。理想的にはDOP=1の直線偏光状態であるべき、
Figure 2021511553
の計算を実行する。
図17には、較正の間に用いた直線偏光状態のDOP計算値がプロットされている。これらの計算値は、1との差分が絶対に約0.5%を超えないことが分かる。これは、較正の2つの部分(直線偏光子のみを用いる部分、および直線偏光子および1/4波長板を合わせて用いる部分)が、ある程度自己整合的であったことを意味する。DOPが物理学的でなければ、取得した機器行列Aを信頼し得ないことがある。
部分偏光の生成
概念的基盤
フルストークス偏光測定は、その名が暗示するように、ストークスベクトル全体の決定を提供する。特に、これは、その偏光度pが1未満であり得る光の部分偏光ビームの解析を可能にする。
部分偏光は、次のような2つの広範なカテゴリに分類され得る[54]。
コヒーレントに偏光解消されるもの。この場合、ビームは、多くの周波数で構成され、その各々が固有の時間に依存しないジョーンズベクトルを有する。全ての周波数成分のジョーンズベクトルがアラインしていれば、p=1であるが、異なっていれば、概して、p<1である。
非コヒーレントに偏光解消されるもの。この場合、ビームは、1つの周波数で構成されているとしても、ジョーンズベクトルのパラメータが経時的に変われば、p<1を有し得る。
我々の実験において、部分偏光は、本文の場合のように、マッハ-ツェンダ構成における2つの偏光ビームスプリッタを用いて確定的に生成される[57]。この場合の偏光解消メカニズムは、後者のカテゴリに該当し、ビーム(λ=532nmのレーザ光)は、単色性に極めて近い。干渉計の2つのアームにおけるパワーの分布を変えることにより、光は、2つのビームの互いの位相メモリなしの組合せで非コヒーレントに偏光解消される。この構成は、光ファイバにおいて使用される、空隙偏光依存遅延線として公知のデバイスに対応する[54]。
この干渉計の構築における1つの重要な考慮事項は、経路長さの差が使用される光源の時間コヒーレンス長さLcohより長く、よって、これらのアームが真に互いに位相コヒーレンスを欠き得ることにある。我々のレーザ源は、λ=532nmの比較的安価なダイオード励起固体(DPSS)レーザであった。Lcohを試験するために、光源から光を単純なマイケルソン干渉計に通し、干渉縞が見えなくなるまでアーム間の光路長さの差を変えた[58]。この迅速な定性的測定から、Lcohが約1cmまでであったことが結論づけられる。
本開示で説明しかつ図18に示すように、第1の偏光ビームスプリッタの前での直線偏光子の回転に伴って、マッハ-ツェンダ干渉計のアーム間で分配される光の量が変わり、偏光度は、関数関係|cos2θ|で決定づけられるように、p=0から1に変わる。ここで、θは、偏光ビームスプリッタの軸に対する直線偏光子の角度である。
マッハ-ツェンダ干渉計の前で直線偏光子が回転するにつれて、メタサーフェス格子ポラリメータの後の4つのフォトダイオードの各々における値が記録される。先に得た機器行列Aを用いて、入射ストークスベクトル
Figure 2021511553
およびしたがってその偏光度pが決定され得る。本文では、直線偏光子の角度が0°から90°に変わると、DOP測定値が1から45°における値1.2%まで広がることが示される。
Figure 2021511553
であることから、DOPは、あらゆる個々のストークス成分による誤差を含む。0に近いpの測定は、特に厳密な仕様を提示し、p=0を測定するためには、全てのチャネル上の強度読取り値が等しくなければならない(各チャネルの効率の差の調整)。すなわち、任意の解析器ベクトル上への非偏光の投影は、等しい。よって、本開示において報告する低いDOPは、メタサーフェス格子ポラリメータの精度を物語る。
実験解説
ここでは、この測定の巧妙さ、ならびに遭遇した困難について述べる。
完全なデータセット:完全を期すために、図3dに提示している部分的なDOPデータが、0°〜90°の直線偏光子の配向データ、およびこの範囲内で取り込んだデータポイントの一部を示していることは、留意される。実際に、LP角度は、0.25°の増分で変化し、測定は、0°〜360°のLP角度全範囲で行った。図19は、この完全なデータセットを示す。
アラインメントの感受性:図18に示す各偏光ビームスプリッタ(PBS)の前面が、入射レーザビームに対して垂直であることを保証する。さらに、(共にチップ/チルトマウント上にある)干渉計の2つのミラーの位置合わせを、双方のアームが組み合わされて単一の共線的に伝搬する出力ビームとなることを保証するように、細心の注意を払って行った。
ビーム発散:明らかに、図18に示すビームスプリッタ構成は、アーム間に光路長さの違いがあり、まさにこの効果により、この構成は、偏光解消子として機能することができる。しかしながら、望遠鏡から到来するビームの小さいサイズ(1.5mm×1.5mmの格子構造の空間広がりの内部に完全に収まるような小さいものでなければならない)と、不完全なビームの再コリメーション(レンズの位置が手動調整される)との組合せに起因して、ビームは、干渉計の2つのアームを通り抜ける際に異なる量で発散する。この効果の結果として、干渉計の2アームから到来するビームのサイズは、等しくない。
この効果は、最小限に抑えられるものの、真に排除されるわけではない。この効果が、偏光度の決定における誤差の主たる原因であることは、理論づけられている。ゼロに近いDOPを観察するためには、2つのアームからの等しい強度のビームが干渉して、非コヒーレントに偏光解消されたビームが生成されなければならない。しかしながら、2つのビームが互いに異なる空間プロファイルを有する場合、偏光度は、結果として生じるビームの領域に渡って変わり、偏光度の測定値は、何らかの空間平均値、すなわち概して非ゼロ、になる。図21は、この効果を示す。これは、DOPの最小測定値を制限する主たる誘因である可能性もある。
これらの効果の全てが完全には説明されない場合、一部のずれの結果が測定される。図20は、その一部を示す。(aなどの)所定の事例では、DOPの変動が、45°を中心とする対称ではなかった。他の事例(b)では、DOPは、正しい角度傾向を辿るが、正しい境界線内には留まらない。bのDOPは、期待値1に戻らないことが観察され得、他の角度では、これを超えていて、非物理的である。これらの誤った曲線は、先に詳述した効果の組合せに由来することが理論づけられる。
誤差伝搬およびエラーバー
目的は、メタ格子ベースのポラリメータで計算されるストークスベクトルの各要素上に不確定性限界を配置できるようにすることにある。ストークスベクトルは、式、
Figure 2021511553
から決定されることを想起されたい。
Aおよび
Figure 2021511553
の要素に対する不確定性が公知である場合、4つ全てのストークス座標に不確定性限界を決定するために、式17を介してこの不確定性を伝搬することが可能である。
まず、Aおよび
Figure 2021511553
に対する不確定性がどのようにして決定されるかについて考察する。
強度測定値の不確定性限界
4ベクトルであることから、
Figure 2021511553
における不確定性は、最も一般的には、各エントリの自己分散だけでなく、要素分散間の相関をも特徴づける対称性の4×4共分散行列によって記述される。
本開示では、各フォトダイオード上の強度を、約0.5秒の持続時間に渡ってサンプリングする。よって、この時間間隔の間の電圧測定値の統計的分布が存在する。
各フォトダイオードiについて、この分布の標準偏差σiを計算する。これを、チャネルiの自己分散と考える。単純さを期して、共分散を0と見なすが、これは正当化されない可能性もある仮定である。よって、共分散行列
Figure 2021511553
を対角と考える。たとえば、予期せずモードホッピングするレーザ源の場合を除き、
Figure 2021511553
の変動は、概して極めて小さく、エラーバーは、おそらくは、
Figure 2021511553
における誤差の完全無視によってさほど影響されないと思われる。
機器行列の不確定性
機器行列Aは、ストークスベクトル
Figure 2021511553
を確定するために使用されるものの、それ自体が測定量でもある。4×4機器行列の要素自体は、較正手順によって決定される。この行列は、16統計量のリストであって、その不確定性を定量化する関連の16×16対称共分散行列を有する。
最初の3列、すなわち機器行列最左の12要素は、直線偏光子のみが関わる較正段階から決定される。各フォトダイオードについて、正規化された強度が直線偏光子角度の関数として記録される。理論的には、結果としてのデータは、各フォトダイオードの3パラメータ三角曲線に準じる。機器行列の行iの最初の3要素は、フォトダイオードiからのデータへのフィッティングパラメータに由来する。
曲線には、最適化されたフィッティングパラメータと共にフィッティングパラメータの共分散行列を推定する、非線形最小二乗回帰が当てはめられる。この行列の対角線の平方根は、フィッティングパラメータの分散量を提供する。非対角要素は、フォトダイオードiのフィッティングパラメータの共分散を提供する。
個々の曲線適合毎の共分散行列を取得できるものの、この技術は、異なる曲線のフィッティングパラメータ間の共分散の測度を提供しない。したがって、異なるフィッティングパラメータ間の共分散は無視され、各フィッティングパラメータの自己分散(たとえば、標準偏差)が保持される。
よって、Aの共分散行列が対角である近似が行われる。
次に、機器行列の最右列に不確定性限界が置かれる。この部分は、較正における、1/4波長板および直線偏光子の双方を用いる段階から取得される。この手順は、公称LCPおよびRCP光の双方について行われる。図16参照。LCPおよびRCPの平均値の差は、機器行列の第4列になる。角度を有する各フォトダイオードの電圧の変動は、統計量であると見なされ、第4列の各要素の不確定性は、図16におけるこれらの変動の標準偏差と見なされる。第4列の要素の最終的な不確定性は、両曲線における平均値の差であり、よって、各曲線の誤差は、適切に伝搬されなければならない。なお、この場合、共分散は無視される。第4列の共分散行列の選択的生成は可能ではあるが、行列の残りを用いて第4列の要素の共分散を推定する明確な方法はない。さらに、これは、これらの要素の分散の最良推定ではない可能性がある。図16に現出している強度変動は、ある意味で予期されるものであり、ランダムな変動の結果ではない。おそらくは、より良い測度は、曲線の、その予期される理論上の形式である正弦曲線からの偏差であると思われる。
要するに、4×4の機器行列Aの完全な16×16共分散行列の形式は、対角的であることが想定される。これは、おそらくは制限的な仮説である。しかしながら、全体として、これは、単にポラリメータの精度の指標としての推定値を提供しようとするものである。(注:A-1の共分散行列は、行列反転プロセスを介して伝搬されると、概して対角的ではなくなる[59]。)
図22は、上記情報をまとめたものである。
ストークスベクトル測定値の誤差
Figure 2021511553
のk番目およびl番目の要素間の共分散cov(Ik,Il)、およびAにおけるij番目およびqp番目のエントリ間の共分散cov(Aij,Aqp)の推定値(いずれも対角行列と見なされる)を求める。cov(Si,Sj)、またはより一般的には、推定されたストークスベクトルの共分散行列を計算することが望ましい。
この問題に対する、偏光測定のコンテキストにおける明確な解は、当初[59]で提示された。ここでは、それを再現する。
Figure 2021511553
の共分散行列は、
Figure 2021511553
で与えられる。
α,β総和は、α=[1,4]およびβ=[1,4]の全ての組合せにおよび、k,l総和についても同じである。ここで、D=A-1である。その共分散行列は、正方行列の場合、[59]
Figure 2021511553
で与えられ、ここで、
Figure 2021511553
は、Aのij番目の要素の自己分散である(Aは、対角共分散行列を有するものとする)。
ストークスパラメータの計算値には、式18の対角要素を調べることにより、エラーバーを置くことができる。求めたフル共分散行列は、誤差を、ストークスパラメータから導出される量へ伝搬するために使用可能である。
導出量誤差
本開示では、ストークスベクトル
Figure 2021511553
から導出される幾つかの量に関するデータを提示している。ここでは、完全を期して、ストークスベクトルのフル共分散行列の知識に基づく誤差伝搬公式を提示する。
偏光度:
Figure 2021511553
であり、よって、偏光度の分散量は、
Figure 2021511553
である。
最後の和は、全ての一意の組i、jから、i≠jであるiおよびjの値1〜3について取得する。
Figure 2021511553
方位角:偏光楕円の方位角θは、
Figure 2021511553
で与えられる。すると、分散が、
Figure 2021511553
として得られる。
楕円率:偏光楕円の楕円率角
Figure 2021511553
は、
Figure 2021511553
で与えられる。その分散量は、
Figure 2021511553
として得られる。
この式は、偏導関数および誤差解析から直接導出される。これらの値は、これらの量にエラーバーを設定し、かつ
Figure 2021511553
のフル共分散行列を利用する。
まさにこれらの式の特質により、誤差は、一部の値の近くで他より大きいことは留意されるべきである。これは、本開示における方位角および楕円率のグラフで分かる。S1が0に極めて近い領域では、方位角θが45°に極めて近く、この場合の方位角上のエラーバーは、誤差のある少量で割ることに起因して大きくなる。45°に近い楕円率についても、同じことが言える。
市販の回転波長板ポラリメータ(RWP)との比較
実験の概要
本開示では、メタ格子ベースのポラリメータの性能を、市販の回転波長板ポラリメータのそれと比較している。具体的には、可視周波数の自由空間回転波長板ポラリメータであるThorLabs社製#PAX5710VIS-Tを利用する。
実験では、レーザ光が2つのアラインメントミラーに当たって跳ね返り、レーザの選好的偏光を補償するために低品質の1/4波長板を通過し、次に、前述のビームリサイジング光学系を通過して、レーザビームが1.5mm×1.5mmメタサーフェス格子の内側に収まるサイズに縮小される。これらの特徴は、図23および図24に共通である。しかしながら、後に詳述するように、セットアップは、様々な比較局面に合わせて僅かに変更される。
偏光度の比較
まず、DOP読取り値をポラリメータ間で比較する。図23に示すように、セットアップは、前述のマッハ-ツェンダセットアップの前の電動回転マウント上に回転式(グラン-トムソン)直線偏光子(LP)を含む。メタサーフェス格子ポラリメータ(i)を、ビーム経路内に置き、ランダムなLP角度配向のリストを生成して保存する。4つのフォトダイオード全てにおいて強度測定値を記録し、先に決定された機器行列Aを用いて、結果的なストークスベクトルおよびそのDOPを計算する。
メタサーフェス格子ポラリメータを、RWPに置き換える(ii)。同じLP角度配向に同じ順序でアクセスする。RWPは、DOP測定値を含むフルストークスベクトルを決定し、これがコンピュータに格納される。
本開示では、双方のポラリメータにより測定されるDOPの差を計算し、差の分布が平均値μ=0.6%、および標準偏差σ=1.6%を有することを求める。比較プロットには、|cos2θLP|曲線の形状に起因して、高いDOPへ向かう付勢が存在することに留意されたい。
楕円率および方位角の比較
次に、双方のポラリメータにより報告される偏光楕円の特性を比較する。利用する図24の設定は、電動回転マウント上のマッハ-ツェンダ干渉計がゼロ次1/4波長板(QWP)に代わることを除いて、図23の設定とほぼ同じである。メタサーフェス格子ポラリメータ(i)を、ビーム経路内に置き、ランダムなLPおよびQWP角度配向のセットを生成して保存する。移動時間を最適化するために、配向のリストを並べ替える。次に、LPおよびQWPがこれらの角度配向の各々にアクセスし、4つのフォトダイオード全てにおける電圧が計算され、Aを用いてストークスベクトルに変換される。次に、方位角および楕円率2倍角
Figure 2021511553
が計算される。
2θおよび
Figure 2021511553
を考慮する理由は、これらがポアンカレ球からの角座標であって、実際の楕円のパラメータの2倍であることにある。
メタサーフェス格子ポラリメータを取り外し、代わりにRWPを置く(ii)。同じ角度セットに再度アクセスし、RWPにより報告される偏光パラメータをコンピュータに保存する。
本開示では、双方のポラリメータにより測定されるこれらの量の差を計算し、これを統計的分布として調べる。方位角2θの場合、平均差は、μ=0.004ラドであり、標準偏差は、σ=0.046ラドであることが分かる。楕円率
Figure 2021511553
の場合、平均差μ=0ラド、σ=0.015ラドである。これらの量を
Figure 2021511553
で乗算し、単独のθおよび∈の値を求める。
設定変更の理由
最も一般的な事例において、DOP、方位角および楕円率は、全て、同時に変わり得る。したがって、ポラリメータ間の最も一般的な比較の場合、LP/マッハ-ツェンダ構成の後に第2のLPおよびQWPが配置される。このようにして、LPおよびQWPの双方の角度を変えることにより、全体的強度、DOP、方位角および楕円率の変化に伴う任意の偏光状態が生成され、比較される。
しかしながら、任意のDOPを生成するためにマッハ-ツェンダ干渉計を包含すると、決定される偏光楕円に著しいノイズが加わることは留意される。読取り値が、何の動作もしなくても秒単位で大幅に変化し得ることは留意される。マッハ-ツェンダのミラーを、たとえば指先で軽く掠っただけでも、偏光楕円は、劇的に変化する。
この効果は、メタサーフェス格子ポラリメータおよび市販のRWP双方の読取り値において確認され、特に、低いDOPで顕著であった。結局のところ、DOP pは、完全な偏光と見なされ得るビームの、完全な非偏光である部分に対する割合を定量化する。したがって、低いDOPにおいて偏光楕円のパラメータを決定しようとする場合、こうした測定値を知らせるパワーは、入射ビームのパワーのごく一部である。非偏光のバックグラウンドに比較すると、これは、必然的に測定がより困難であり、また、測定ノイズから受ける影響もより大きい。
したがって、2つのポラリメータ間の全く任意の偏光状態の比較は、メタサーフェス格子ポラリメータの性能を不正に評価するものとなる。偏光楕円パラメータは、双方のポラリメータで特に過敏であったことから、RWPが絶対偏光参照と見なされることで、この効果が2度生じ得る。したがって、比較は、別々のデータセットからのDOPおよび楕円率/方位角で行う。このようなデータセットの双方(マッハ-ツェンダを用いる場合と用いない場合)からの完全なパラメータを、各々図25および図26に示す。これらの図の、本開示の図4aで使用されている部分は、点線で囲んだボックスで強調されている。図25における方位角/楕円率の標準偏差は、事実上、図26のそれの約2倍であり、図26におけるDOP測定値は、予期された通り全て約1.0である。
データの後処理
ここでは、本開示の図4に提示する前にポラリメータの比較データセットに対して行った後処理について記す。
方位角オフセット:メタサーフェス格子ポラリメータの較正の間、「0」でラベリングされる直線偏光子の配向は、ポラリメータの座標系の原点となる。同様に、RWPの較正に際しても、RWPに座標系が組み込まれる。これらの座標系は、概して、方位角オフセットと呼ばれる、互いに対してある角度だけ回転される。これは、2つのポラリメータにより報告されるデータ間の一定の方位角オフセットである。単純さを期して、全てのメタサーフェス方位角データから、双方のポラリメータにより報告される方位角の平均差を減算する。これは、おそらくは最良のスキームではなく、基本的に、これは、メタサーフェスの方位角データが、ポラリメータ間の方位角値の平均差が0であることを保証するようにシフトされることを意味する。したがって、方位角ヒストグラムの平均に意味はない。より優れた、不偏の戦略は、0°においてLPで生成される状態をRWPで測定し、その方位角を方位角オフセットとして用いることであると思われる。しかしながら、多くの較正が実行され、この追加の段階は省略される。これは、メタサーフェス格子ポラリメータの完全な誤差特性を提示する他の実装において使用されることがある。なお、この手順が、ポラリメータ間の楕円率の比較に影響を与えることはない。
RCPとLCPとの区別:円偏光のどちらの掌性を「右」または「左」と呼ぶかは、最終的には主観的な違いである。メタサーフェス格子ポラリメータがどちらを右(または、左)と呼ぶかは、LPおよびQWPの双方を包含する較正段階で設定され、どちらが「右」とされても、それがポラリメータにとっての右となる。この規則は、2つのポラリメータで異なることがあり、正ではなく負の楕円相関として現れる。これが存在する場合、データの傾向は、任意の区別を補正するために逆転される。
エラーバーが特に高いデータのプルーニング:実験で用いた(極めて基本的で安価な)λ=532nmレーザ源の特異性は、時としてモードをホップし、出力パワーに急激な変動を生じさせる傾向があることにある。メタサーフェス格子ポラリメータによる測定値は、0.5秒の積分時間に渡って平均されたが、これが発生すれば、結果として得られる偏光測定値が歪められる。測定は、完全に自動化されていて、これを測定時点で識別してこれらのデータポイントを破棄する手段は存在しなかった。代わりに、これらのポイントは、その特に大きいエラーバーによって識別することができる。測定中の変動は、
Figure 2021511553
に大きな誤差を生じさせ、これが測定量に伝搬される。具体的には、3つの量(DOP、方位角、楕円率)のいずれかにおけるその誤差がデータセットの誤差の平均値の3倍を超えるポイントは、データから除去される。
結果の解説
本開示の図4aが提示するヒストグラムは、正確には何を意味するか?測定精度を定量化するものは、個々のデータポイントにおけるエラーバーである(たとえば、同じ入射偏光による測定の多くの後続反復で予期される測定値の範囲)。しかしながら、所定のレジームでは、これらのエラーバーは、(先の考察の通り)他のバーより大きいこと、すなわち、たとえば方位角または楕円率のエラーバーのサイズは、部分的に、方位角または楕円率自体の関数であること、が予期され得る。ヒストグラムでは、測定値と真の値(とされるもの)との差の統計的分布が考察される。試験ポイントの偏光状態に依存して、これらの分布は、人工的に広げたり、狭めたりすることも可能である。すなわち、たとえば、その方位角が、方位角の精度が結果的に高まる領域に含まれる偏光状態に傾注すれば、分布は狭まる。測定が、たとえば方位角の精度が低い領域に傾注すれば、分布は人工的に広げられ、よって、ポラリメータの精度が低いと言われる。偏りをなくすためには、測定ポイントを所与のパラメータの範囲全体に一様に分布して、最良のケースおよび最悪のケースを全て一様に表すべきである。これが実行されれば、測定値と参照との差の分布の標準偏差は、その特定の量におけるポラリメータの精度を示すことができ、平均は、ポラリメータが参照から一定量ずれる原因となる何らかの系統的誤差を示す。
(表I)ポラリメータの比較による精度結果の比較
Figure 2021511553
本開示では、絶対偏光参照として扱われるもの、RWP、に関連して、DOP、方位角および楕円率の全ての可能値を(ある程度一様に)探索する。よって、適切な近似として、これらの差のσを精度の尺度として扱うことができる。
この結果を表Iに示す。RWPの値は、仕様シート(現時点でThorLabsのウェブページに記載されているもの)から得た。値の比較に際しては、RWPの精度の取得方法が不明であり、よって、それとそのまま比較できるかどうかは不明であることに留意すべきである。さらに、RWPは、絶対偏光参照として扱われる。そうでない場合は(そうでないことが確かであれば)、メタサーフェス格子ポラリメータの知覚誤差が増加する。
ここでの要点の概要は、可動部品やバルク偏光光学系を備えていないデバイスであるにも関わらず、メタサーフェス格子ポラリメータの精度がRWPのそれとだいたい同じ範囲であることである。さらなる最適化およびエンジニアリングにより、2つのポラリメータが比肩し得るものとなる可能性もあることは疑いがない。
偏光生成および偏光測定の角度依存性
新しい回折光学エレメントで発生する実際的な問題は、その角度依存性である。本開示では、公知の偏光状態が入射すると特定の偏光状態を生成し得るメタサーフェス偏光格子を提示している。さらに、本格子は、ポラリメータとして機能し得る。本項では、これらの両用途に対する入射角の効果について検討する。
最も厳密には、個々のメタサーフェスサブ波長エレメントにより生成される位相シフトは、所定の角度に対して有効である。しかしながら、以下で分かるように、メタサーフェスは、角度に関して驚くほどロバストである。
生成された偏光楕円に対する垂直外入射の効果
メタサーフェスは、45°の直線偏光で照射されると、回折次数において望ましい偏光状態が生成されるように設計される。この効果を調査するために、図27に略示する実験を行う。光は、回折格子の座標系に対して45°に配向される直線偏光子(LP)を通過する。格子を、その中心部を中心にしてビームに対し角度θで回し、回折次数における光の偏光楕円を市販のRWPで測定する。
この測定を、偏光楕円の四面体を生成する格子、および+45°/RCP/LCP/-45°を生成する格子について、-40°〜+40°のθで実行する。結果を、図28、図29、図30に様々な形式で示す。
ポラリメータの較正およびストークスベクトルの決定に対する垂直外入射の効果
誤差解析スキームの説明
ポラリメータを、1つの入射角で入射するビームで較正する。これを次に、異なる入射角で用いる場合、決定されるストークスベクトルは、結果的に誤差を含む。これは、回転するQWPでの入射角が観察されるリターダンスに疑いなく影響する回転波長板ポラリメータを含む、全てのポラリメータに関連する効果である。
メタサーフェス格子ポラリメータについて、角度依存効果に対するその感受性を決定する小規模な調査を行う。ポラリメータが0°の入射角で較正される場合、エンドユーザは、誤ってデバイスをどの程度傾けても、適度に正確な結果が得られると期待することができるであろうか?
ポラリメータが異なる角度で、たとえば0°の入射角での較正から得られる機器行列を想定して使用されるシナリオについて考察する。よって、この場合、ユーザが正しいと信じて適用する「知覚された」機器行列Apと、ポラリメータの真の挙動を反映する「実際の」機器行列Aaとが存在する。ユーザが強度ベクトル
Figure 2021511553
の形式の観察を行えば、ストークスベクトルの測定値
Figure 2021511553
が報告される。しかしながら、実際のストークスベクトルは、
Figure 2021511553
であり、ベクトル形式
Figure 2021511553
で表すことができる測定誤差が存在することを意味する。
なお、誤差
Figure 2021511553
自体は、強度測定値
Figure 2021511553
の関数である。これらの強度測定値は、実際の入射偏光状態
Figure 2021511553
の関数である。したがって、(たとえば、ポラリメータの角度傾斜に起因する)誤った機器行列の使用から自然に生じる誤差は、偏光依存性を有する。
上述の考察は、モンテカルロ様の誤差解析スキームを示唆する。図26は、このスキームを示す。まず、ポラリメータに入射する可能性もある実際のストークスベクトルの集合
Figure 2021511553
から始めることができる。計算は、デバイスの実際の機器行列(たとえば、所与の傾斜θの機器行列)を用いて、ユーザが実際に観察する強度ベクトル測定値の集合
Figure 2021511553
の実際のストークスベクトル毎に行うことができる。ユーザは、誤った、知覚された機器行列Apを利用することから、これらの強度測定値の解析に際して、知覚されたストークスベクトルの集合、
Figure 2021511553
を計算する。当然ながら、Ap=Aaであれば、ユーザは、実際のストークスベクトルを再現するが、概してそうはならず、
Figure 2021511553
の要素を
Figure 2021511553
の要素と比較することにより、ポラリメータの誤差を解析することができる(図26)。この誤差を定量化する可能性のある行列は、多く存在する。
この誤差解析スキームは、所与のストークスベクトルが、その較正条件外のポラリメータによってどのように測定されるかを示す。概して、ストークスベクトル全体は、変形され、よって、所与のビームを測定するユーザは、異なる偏光楕円を観察するだけでなく、異なるビームパワーまたは人工的に偏光または偏光解消されたように見えるビームを報告する場合もある。
メタ格子ポラリメータの入射角誤差解析
AaとApの違いは、任意の誤差源に由来する可能性もあるが、本事例の場合、入射角の効果を調べることが望ましい。この目的に沿って、本開示で広範に詳述している方法を用いて、ポラリメータの較正を垂直入射で行う。次いで、較正を他の幾つかの入射角で実行する(メタ格子は、図27に示す実験と同様に、回転マウントに取り付ける)。具体的には、5°、10°、15°および20°の入射角で較正を行う。
現実的な状況では、ユーザは、較正された機器行列を使用している、すなわちAp=Aである、ことを確信する。しかしながら、デバイスが角度θで傾いていれば、Aa=Aθである。先に詳述した解析を、ポラリメータの較正を行う全ての入射角について実行する。ポアンカレ球の表面上の点の一様なサンプリングである、シミュレーションされた入力偏光
Figure 2021511553
について考察する。(より一般的な解析では、部分偏光入力を説明するために球の全体体積も包含される)。
上述の解析を実行し、結果を図32a〜cに示す。多かれ少なかれポアンカレ球(図32a〜cの左側)の表面をサンプリングする入射ストークスベクトルの集合
Figure 2021511553
で解析を開始する。次に、各角度θにおいて、報告される「知覚された」ストークスベクトル
Figure 2021511553
を、図31に示すスキームを用いて計算する。図32a〜cのポアンカレ球に、各角度の集合
Figure 2021511553
をプロットし、幾つかの測定基準を用いて集合
Figure 2021511553
に対するその誤差を評価する。これらのうちの1つは、
Figure 2021511553
間の偏光度(DOP)の絶対誤差である。集合全体の最大および最小DOP誤差を含む、各角度毎の結果を図32a〜cに示す。ここで、DOP誤差は、緑と赤の間のカラースケールで示され、赤が最大の誤差を示す。
機器行列の行を構成するストークスベクトルは、強度測定値
Figure 2021511553
を生成するために任意の入射ストークスベクトルがアナライザに投影されることから、アナライザベクトルと呼ばれることが多い。図32a〜cには、角度θにおけるアナライザベクトル(機器行列Aθの行)も、理想の四面体と共に示されている。
考察/まとめ
表Iに結果が詳述されている先の研究から、垂直入射偏光測定の場合の、測定される偏光楕円のDOP、方位角および楕円率の不確定性が公知である。垂直外入射の、偏光性能に対する効果を評価するために、各量の誤差のσ(図32a〜cに表示)が精度(表III)と比較され得る。5°のミスアラインメントであっても、誤差は、垂直入射で測定される不確定性を超えるが、それほど大きくはない(DOPで6%対1.6%、方位角で2.96°対1.32°、楕円率で1.59°対0.43°)。定性的には、ポラリメータは、5°以下の偶発的なミスアラインメントを被り、なおも妥当な精度を提供する可能性もあるが、偏光状態の中には、特に高い誤差を産生するものもある(図32a〜cの赤い領域の周りに集中的に発生する)。
本開示を、その特定の態様を参照して説明しかつ図示してきたが、これらの説明および図示は、本開示を限定するものではない。当業者には、添付の特許請求の範囲により定義される本開示の真の精神および範囲を逸脱することなく、様々な変更が行われ得、かつ同等物で置換され得ることは、理解されるべきである。図解は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことがある。本開示における芸術的表現と実際の装置との間には、製造プロセスおよび許容誤差に起因して区別があり得る。本開示には、具体的に示されていない他の態様もあり得る。明細書および図面は、限定的ではなく、例示的と見なされるべきである。特定の状況、材料、物質の組成、方法、またはプロセスは、本開示の目的、精神および範囲に適合させるために変更されてもよい。このような変更は全て、添付の特許請求の範囲内にあることが意図されている。本明細書に開示する方法は、特定の順序で実行される特定の動作を参照して説明されているが、これらの動作が、同等の方法を形成するために、本開示の教示を逸脱することなく、結合され、細分され、または並べ替えられ得ることは、理解されるであろう。したがって、本明細書において具体的な指摘のない限り、動作の順序およびグルーピングは、本開示を限定するものではない。
本明細書で引用される刊行物、特許出願および特許は全て、参照によりその全体が開示に含まれる。

Claims (30)

  1. (a)基板と、
    (b)該基板上にテッセレーションされており、偏光入射光で照射されると、2以上の有限数の回折次数の各々について別個の偏光状態を有する回折光ビームを生成するように構成されている、サブ波長間隔の位相シフトエレメントのアレイと
    を含む、光学コンポーネント。
  2. 前記アレイが一次元アレイである、請求項1記載の光学コンポーネント。
  3. 前記位相シフトエレメントがピラーを含む、請求項1記載の光学コンポーネント。
  4. 前記ピラーが長方形の断面を有する、請求項3記載の光学コンポーネント。
  5. 前記位相シフトエレメントが、二酸化チタン、窒化ケイ素、酸化物、窒化物、硫化物、または純元素を含む、請求項1記載の光学コンポーネント。
  6. 前記サブ波長間隔の位相シフトエレメントが、前記基板上にテッセレーションされており、かつ、前記偏光入射光で照射されると、4つの別個の偏光状態を生成するように構成されている、請求項1記載の光学コンポーネント。
  7. 前記サブ波長間隔の位相シフトエレメントが、前記基板上にテッセレーションされており、かつ、前記基板の表面に対して+45°直線偏光された前記入射光で照射されると、-2、-1、+1、および+2の回折次数において、各々、+45°直線偏光状態、右円偏光状態、左円偏光状態、および-45°直線偏光状態を生成するように構成されている、請求項6記載の光学コンポーネント。
  8. 前記サブ波長間隔の位相シフトエレメントが、前記基板上にテッセレーションされており、かつ、前記基板の表面に対して+45°直線偏光された前記入射光で照射されると、-2、-1、+1、および+2の回折次数において、ポアンカレ球に内接する四面体の頂点に対応する4つの偏光状態を生成するように構成されている、請求項6記載の光学コンポーネント。
  9. 前記基板の表面に平行な前記基板の各寸法が、2ミリメートル(mm)以下である、請求項1記載の光学コンポーネント。
  10. 前記サブ波長間隔の位相シフトエレメントの数が、10〜40の範囲である、請求項1記載の光学コンポーネント。
  11. 前記回折次数の各々についての偏光状態が線形独立である、請求項1記載の光学コンポーネント。
  12. (a)請求項1記載の光学コンポーネントと、
    (b)前記回折次数のうちの1つについての回折光ビームを検出するように各々構成されている、1つまたは複数の検出エレメントと
    を含む、光学機器。
  13. 前記有限数の前記検出エレメントを含む、請求項12記載の光学機器。
  14. 前記検出エレメントが単一波長検出エレメントを含む、請求項12記載の光学機器。
  15. 前記単一波長検出エレメントが、前記入射光の波長において強度に関して直線的である、請求項14記載の光学機器。
  16. 前記検出エレメントが多波長検出エレメントである、請求項12記載の光学機器。
  17. 分光ポラリメータである、請求項16記載の光学機器。
  18. 前記検出エレメントがイメージングセンサである、請求項12記載の光学機器。
  19. 偏光イメージング機器である、請求項18記載の光学機器。
  20. ポラリメータである、請求項12記載の光学機器。
  21. 前記ポラリメータが、試験光における未知の偏光を決定するように構成されており、該試験光の入射角が、前記光学コンポーネントの較正入射角と±5°異なる、請求項20記載の光学機器。
  22. 前記光学コンポーネントに向かう入射光の光路上に位置合わせされた第1の直線偏光子をさらに含む、請求項12記載の光学機器。
  23. 複屈折光学エレメントを含まない、請求項12記載の光学機器。
  24. 前記検出エレメントに向かう前記回折ビームの光路上に第2の直線偏光子をさらに含む、請求項12記載の光学機器。
  25. 前記第2の直線偏光子の消光比が500〜200000の範囲である、請求項24記載の光学機器。
  26. 前記検出エレメントに向かう1つまたは複数の前記回折ビームの光路上に位置合わせされたレンズをさらに含む、請求項12記載の光学機器。
  27. 前記光学コンポーネント以外のメタサーフェスエレメントを含まない、請求項12記載の光学機器。
  28. 請求項1記載の前記光学コンポーネントを試験光で照射する段階、および
    前記有限数の回折次数の各々について、前記光学コンポーネントから回折されたビームの光強度を測定する段階
    を含む、偏光試験方法。
  29. 前記試験光が部分偏光または非偏光である、請求項28記載の方法。
  30. 前記試験光の入射角が、前記光学コンポーネントの較正入射角と±5°異なる、請求項28記載の方法。
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