JP2021511380A - 腫瘍増殖を抑制するためのミナプリンの使用 - Google Patents

腫瘍増殖を抑制するためのミナプリンの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、がん患者に投与した場合に腫瘍増殖を抑制するための、ミナプリン二塩酸塩およびそのアナログの使用に関する。

Description

本発明は、がん患者に投与する場合に腫瘍増殖を抑制するための、ミナプリン二塩酸塩およびそのアナログの使用に関する。
放射線療法は、がん処置に使用される最も一般的な抗腫瘍戦略の1つである。がん患者の半数以上が放射線療法で処置される。放射線療法(単独または手術および化学療法との併用)の使用は、頭頸部、乳房、肺、前立腺、消化器および子宮頸がんの腫瘍の管理の中心である(非特許文献1)。腫瘍組織に電離放射線(IR)が曝露することによって、アポトーシス、オートファジー細胞死、分裂期細胞死または老化などの様々な致死プロセスが引き起こされる。これらのメカニズムは、照射組織のがん細胞の破壊に寄与するだけでなく、照射腫瘍細胞の免疫原性を誘導し(非特許文献2、3)、腫瘍の微小環境を変更し、そして危険信号(アデノシン三リン酸およびHMGB1タンパク質)の放出に関与する抗腫瘍免疫応答の発達(非特許文献4,5)や、プリン受容体(特にP2X7およびP2Y2)(非特許文献4)、TLR4受容体(非特許文献2、3)およびNLRP3インフラマソーム(非特許文献4)の活性化も可能にする。局所的な腫瘍応答と免疫系の刺激との関係は、未照射がん細胞に対する遠隔効果を説明することによって示される。未照射部位への効果としても知られているこの逆説的な効果は、様々なマウス腫瘍モデルおよび患者において長年研究されている(非特許文献6〜9)。
その検出は、インターフェロン(IFN)γ産生T細胞の大量の炎症性サイトカイン(TNFαなど)の存在とプラスに相関しており、効果的な免疫応答の発達を観察する必要がある(非特許文献10、11)。この効果は、免疫調節剤(イピリムマブやインターロイキン−2など)と組み合わせて放射線療法で処置されている患者においても観察される。未照射部位への効果の説明は、免疫系の様々な成分が放射線療法に対する応答に主として寄与する多くの動物モデルについての最近の説明を補強するものである。免疫細胞(腫瘍関連マクロファージ、Tリンパ球様細胞および樹状細胞など)の中心的な役割が最近研究され、免疫チェックポイントのモジュレーター(CTLA4またはPD1に対するモノクローナル抗体の使用など)またはマクロファージ活性化(CSF1Rに対するモノクローナル抗体)を用いたそれらの治療的調節の影響によって強調されている。抗腫瘍治療手段では放射線療法は中心的な役割を果たすが、腫瘍細胞の減少に関与する生物学的プロセスはまだ部分的にしか分かっておらず、議論の余地あるものである。放射線誘導性の腫瘍細胞死に関する初期の研究は、新しい細胞死プロセスや照射後の腫瘍細胞の減少における免疫系の中心的な役割の最近の発見の前のものであり、比較的古い。
近年の科学的および技術的進歩によって、細胞死のいくつかのプロセスの存在が明らかになった。主に形態学的および機能的基準に基づいて構築された細胞死モダリティの分類が提案され(非特許文献13)、致死プロセスは、I型細胞死(アポトーシスとしても知られている)、II型細胞死(またはオートファジー)およびIII型細胞死(またはネクローシス(壊死))の3つの異なる型に細分化されている。I型およびIII型細胞死モダリティ間、調節されるもしくは偶発的誘導されるプロセス間、または無症候性もしくは寛容原性であると思える致死プロセスに対するインビボでのバイスタンダー炎症反応の誘導に関連する細胞死を区別することによって、最初に系統立てられた明らかな区別である、II型細胞死をオートファジー(これは主に細胞の恒常性の維持に必要な細胞内生存メカニズムである)と依然として誤った名称で呼ばれるこの分類は、ネクローシス死の能力を遺伝的に制御もしくは免疫原性に反映しておらず(非特許文献14、15)、このことは、最近のネクロプトーシスの分子特性化によって明らかにされた。さらに、珍しくない形態学的、代謝的および生化学的な変化(有糸分裂死および角質化など)を示さないかまたは部分的にしか示さない細胞死サブルーチンはあまり研究されておらず、異形細胞死サブグループとしても知られている、はっきりと定義されていない細胞死モダリティのサブグループに分類された(非特許文献13)。
近年、いくつかの新しい細胞死のメカニズム(エントーシスやエンペリトーシスなど)が報告され、無視された細胞死モダリティのサブグループに関連付けられている(非特許文献16、17)。これらの異形死モダリティの特徴付けによって、典型的な細胞死モダリティのように細胞自律的に達成されないが、隣接する細胞による生存細胞の貪食後に誘発される細胞死プロセスの存在が強調された。数十年の間、非細胞自律死(NCAD)が時折観察され、研究されてきた。これらのプロセスは、もともとはファゴトーシス(非特許文献18、19)またはエンペリポレシス(非特許文献20)と呼ばれ、赤血球、好中球、血小板またはT細胞の恒常性の制御に関与しており(非特許文献18、21、22)、従って体内での細胞死における主要な生理学的形態として提案されている(非特許文献18)。
セル-イン-セル(cell-in-cell、細胞内細胞)構造として検出されたNCADは、初代細胞のエクスビボ(ex vivo)培養中(非特許文献23)、または生理学的プロセス(胚着床(非特許文献24)および自己反応性T細胞の肝内枯渇(非特許文献25)など)の組織学的分析中、またはヒト疾患(がん(非特許文献23)、炎症性症候群(非特許文献23)、感染症疾患中(非特許文献26、27)など)においても観察されている。NCADは、ヒト腫瘍(乳がん、子宮頸がん、結腸がんまたは黒色腫など)の悪性細胞間の同型相互作用の後に主に、検出され、また腫瘍細胞および間質細胞(非特許文献28)、腫瘍細胞および免疫エフェクター(リンパ球(非特許文献29)およびNK細胞(非特許文献30)など)間の異型相互作用の後にも検出されるが、さらに免疫エフェクターおよび上皮細胞間の相互作用(胸腺ナース細胞のT細胞(非特許文献31)または肝臓の自己反応性T細胞(非特許文献25)の破壊によって明らかにされる)の後にも観察することができる。最近になって、NCADは感染症疾患とも関連していた。非感染細胞によるヒト免疫不全ウイルス1(HIV−1)またはエプスタインバーウイルス(EBV)感染細胞の貪食は、感染細胞および宿主細胞間のウイルス伝播の新しい細胞内細胞モードの最初の工程として提案された内在化感染細胞のインビトロ共培養および分解中に検出され(非特許文献26、27)、このことは、NCADが微生物病原性にも寄与する能力を強調するものである。
非細胞自律死プログラムの最初の工程は、膜付着受容体(E−もしくはP−カドヘリンなど)またはストレス受容体(リポタンパク質受容体関連タンパク質など)を介した2つの細胞パートナーの相互作用で始まり、それに続いて、両方の相互作用細胞でシグナル伝達経路を活性化し、小さなGTPaseおよびROCKキナーゼが関与し得る、相互作用細胞間の接着結合が形成される(非特許文献16)。次に、「標的」細胞のレベルでのアクトミオシン収縮性の調節とアクチン細胞骨格の再編成は、宿主細胞への侵入を促進することが示された(非特許文献32、34)。このプロセスは、宿主細胞上の特定のシグナル伝達経路(細胞骨格再構築細胞分裂周期42(CDC42)、ケモカイン(CXCモチーフ)リガンド1(CXCL1)もしくはケモカイン(CXCモチーフ)リガンド6を含むファゴサイトーシス関連のシグナル伝達経路など)の活性化を通じてNCADも引き起こし、標的細胞の活発な貪食に至る細胞共食いとは異なる(非特許文献33)。ひとたび内在化されると、貪食された細胞は、「宿主」リソソーム酵素(カテプシンやグランザイムなど)の標的にされ、典型的な細胞死のいくつかのモジュレーター(サイトクロームc、カスパーゼ、オートファジー関連(ATG)タンパク質など)と関わり得る明確な致死メカニズムによって排除され得る。乳がん細胞間の同型相互作用の後に最初に説明された非細胞自律死であるエントーシスは、貪食された細胞を排除するためにカスパーゼの活性化を必要としないセル-イン-セル侵入メカニズムである(非特許文献16)。逆に、腫瘍細胞によるナチュラルキラー(NK)の貪食は、カスパーゼ3の活性化およびDNAの断片化を必要とするプログラムされたセル-イン-セル死であるエンペリトーシスを開始する(非特許文献30)ので、貪食された細胞が、カスパーゼ依存プロセスまたはカスパーゼ非依存プロセスによって排除できることを明らかにしている。
抗がん処置に関連する細胞および生化学的プロセスをよりよく特徴付けるために実施される集中した生物学的および薬学的研究にもかかわらず、診療所で最も頻繁に使用される抗がん処置の1つである放射線療法の治療効果に寄与する致死メカニズムは、未だ不明である。電離放射線に反応して検出された致死プロセス(アポトーシスおよび分裂期細胞死など)は、処置効率に直接的に関係しておらず(非特許文献35)、これは、未だに知られていない更なる細胞死モダリティが放射線療法の治療効果に寄与していることを示唆している。
上記のことから、がん患者における腫瘍増殖を抑制するための新しい処置を同定する必要が常にある。
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本発明は、これまで他の誰にも見つけられなかった、RIまたは他の抗がん処置後の新しい細胞死メカニズム(細胞共食い)の発見を開示する。通常は、腫瘍ワクチン接種実験では、がん細胞の70%が細胞膜の外葉にあるホスファチジルセリンを暴露するまで、細胞をインビトロで細胞傷害性抗がん処置に曝露した(非特許文献48)。興味深いことに、本結果は、IR媒介性の細胞共食い(IRCCE)を強化する能力に基づいて選択された化合物が、がん細胞を、抗腫瘍免疫応答を刺激するワクチンに変換することを明らかにしている。より詳細には、本結果は、IRCCEおよびIRを組み合わせることによって、処理および照射細胞の死が有意に増加することなくIR媒介性の抗がん免疫応答を誘発することを初めて明らかにし(図5A)、これは、細胞共食いまたは細胞共食いに関連するシグナル伝達経路が照射後の腫瘍免疫原性の誘導に寄与することを示唆している。
照射は一般にがんを処置するために使用される。たいてい化学療法および/または手術と併用されるので、照射療法は局所および全身投与の両方、ならびに放射免疫療法を含む多くの新しい進歩を網羅している。新生細胞に対する照射の細胞傷害性効果は、細胞内部のDNA分子の一方または両方の鎖に切断を引き起こす照射能力から生じる。細胞周期のすべての段階の細胞は、この効果の影響を受けやすい。しかし、DNA損傷を修復する能力が低いため、DNA損傷はがん細胞では致命的となる可能性が高くなる。細胞周期チェックポイントタンパク質および修復酵素が機能している健康な細胞は、放射線損傷を修復し、処置後に正常に機能することができる可能性がはるかに高くなる。それにもかかわらず、照射は患者にとって負担となる副作用をもたらす。
照射の副作用は化学療法の副作用と似ており、同じ理由、すなわち健康な組織の損傷のために生じる。照射は通常、化学療法よりも局所的であるが、この処置はこれまで健康であった組織への損傷を伴う。副作用の多くは不快であり、放射線照射は化学療法と同様に、独立して変異原性、発がん性、催奇性という欠点が共通している。通常、正常な細胞は処置後2時間以内に処置から回復し始めるが、正常な細胞の遺伝子に変異が誘発され得る。これらのリスクは、生殖器系などの特定の組織で高くなる。また、人によって照射への耐性が異なることがわかっている。ある個人では新しいがんにつながらないかもしれない線量が、実際には別の個人でさらなるがんを発生させ得る。これは、細胞周期チェックポイントタンパク質または修復酵素の既存の変異が原因である可能性があるが、現在の実務では、特定の個人がどのような用量でリスクがあるかを予測することはできない。放射線治療の一般的な副作用としては、膀胱刺激、疲労、下痢、低血球数、口内刺激、味覚変化、食欲不振、脱毛症、皮膚刺激、肺機能の変化、腸炎、睡眠障害などが挙げられる。
照射との相乗効果を引き起こす増強剤を患者に提供することは非常に有利であり、それによって患者の放射線療法への曝露を少なくできる。これによって確実に改善された有益な結果を達成しながら、上記の副作用を低減する。
まとめると、照射がん細胞の排除に対する細胞共食いの重要性が強調され、照射に対する腫瘍応答における免疫応答の重要性の増加を考慮すると、照射がん細胞を効率的に排除するために、細胞共食いはがん処置中に促進されるべき「望ましい」死であることが開示されている。このことは、本発明者らによって以下の実験部分で実証するように、細胞共食いエンハンサーを患者に投与することによって達成できる。
図の凡例
図1(図1−1および図1−2)は、定量的イメージングフローサイトメトリーによる細胞死プロファイリングを示す。(A)定量的フローイメージングによる細胞死プロファイリングの原理を示す。(B)γ線照射によって誘導される定量的イメージングフローサイトメトリーによる細胞死モダリティのマルチパラメーターおよび同時検出の検証である。共培養の前に、処理HCT116細胞および無処理HCT116細胞を、それぞれCMFDA(緑色/淡灰色)またはCMTMR(赤/濃灰色)蛍光生体プローブで標識した。24時間の共培養の後、HCT116細胞を、非細胞自律死(NCAD)について(CMTMRまたはCMFDA標識HCT116細胞の貪食を検出することにより)、ホスファチジルセリン(PS)暴露について(ビオチン−アネキシンVおよびBV786−ストレプトアビジンを使用して)、原形質の完全性の喪失について(DRAQ7の取り込みを追跡することにより)、およびDNA含有量について(ヘキスト 33342を使用して)分析した。定量的フローサイトメトリーを用い、未処理および処理HCT116細胞の両方でNCA死と典型的な細胞死(タイプI、IIおよびIII)とを同時検出することによって、がん処理後に得られる細胞死のプロファイリングを決定する。代表的な画像を表示する(スケール、20μm)。
図2(図2−1、図2−2、図2−3)は、定量的イメージングフローサイトメトリーによるγ線照射誘発性細胞自律死モダリティの検出を示す。(A〜E)未処理(赤色/濃灰色)CMTMR標識HCT116細胞および未処理(緑色/淡灰色)CMFDA標識HCT116細胞(A,C〜E)、即時混合された未処理(赤色/濃灰色)CMTMR標識HCT116細胞および未処理(緑色/淡灰色)CMFDA標識HCT116細胞を24時間共培養後に(C〜E)、または未処理(赤色/濃灰色)HCT116細胞と4グレイのγ−電離放射線を照射した(緑色/淡灰色)CMFDA標識HCT116細胞(緑色)との24時間共培養後(B〜E)に観察された原形質膜の完全性の喪失およびPS暴露の検出と定量を示す。共培養は、指示された薬理学的死エフェクター阻害剤の存在下または不存在下で行った。原形質膜の完全性(DRAQ7を用いた)およびPS暴露(BV786−ストレプトアビジン/アネキシンVビオチンを用いた)の検出を、未処理(赤色/濃灰色)CMTMRHCT116細胞、未処理(緑色/淡灰色)CMFDAHCT116細胞、処理(緑色/淡灰色)CMFDAHCT116細胞、および全細胞集団(CMTMRHCT116またはCMFDAHCT116細胞)について分析した。代表的なドットプロット(A、B)および定量データ(C〜E)を示す(平均±標準誤差、n=3)。(F、G)未処理(赤色/濃灰色)CMTMRHCT116細胞、未処理(緑色/淡灰色)CMFDAHCT116細胞、処理(緑色/淡灰色)CMFDAHCT116細胞および未処理(赤色/濃灰色)CMTMR標識HCT116細胞と未処理(緑色/淡灰色)CMFDA標識HCT116細胞との24時間共培養後に得られた総細胞集団(CMTMRHCT116またはCMFDAHCT116細胞)、即時混合した未処理(赤色/濃灰色)CMTMR標識HCT116細胞および未処理(緑色/淡灰色)CMFDA標識HCT116細胞(H〜J)または未処理(赤色/濃灰色)CMTMR標識HCT116細胞と4グレイのγ−電離放射線を照射した未処理(緑色/淡灰色)CMFDA標識HCT116細胞(緑色)との24時間共培養後(G〜J)の代表的な細胞周期分布を示す。細胞周期分析の定量的データを(H〜J)に示す(平均±標準誤差、n=3)。*もしくは#もしくは$は、p<0.05、##もしくは$$はp<0.01、***もしくは###はp<0.001を表す。
図3(図3−1、図3−2)は、定量的イメージングフローサイトメトリーおよび共焦点蛍光顕微鏡法によるγ線照射誘発性非細胞自律死モダリティの検出を示す。(A〜G)未処理(赤色/濃灰色)CMTM標識HCT116細胞と4グレイのγ−電離放射線を照射した(緑色/淡灰色)CMFDA標識HCT116細胞との24時間共培養後(A)、未処理(赤色/濃灰色)CMTMR標識HCT116細胞と未処理(緑色/淡灰色)CMFDA標識HCT116細胞との共培養(B、C)後、もしくはCMTMR標識(赤色/濃灰色)HCT116細胞と4グレイのγ−電離放射線を照射した(緑色/淡灰色)CMFDA標識HCT116細胞を即時混合時(B、C)の定量的イメージング(A〜C)および共焦点蛍光顕微鏡法(D〜G)によって、セル-イン-セル構造および標的細胞の分解を、決定した。前述のように、BV786−ストレプトアビジン−アネキシンVビオチン、DRAQ7およびヘキスト33342などの特定の蛍光プローブを用い、共培養後、細胞を順次標識した。次に、(緑色/淡灰色)CMFDA標識HCT116細胞を内在化する(赤色/濃灰色)CMTMR標識HCT116細胞(R(G)と表記)、および(赤色/濃灰色)CMTMR標識細胞を内在化する(緑色/淡灰色)CMTMR標識HCT116細胞(G(R)と表記)を検出した。代表的な画像を(A)に示す(スケール、20μm)。セル-イン-セル構造(B)および標的細胞の分解(C)の頻度を報告する(平均±標準誤差、n=3)。未処理(赤色)CMTMR標識HCT116細胞と未処理もしくはγ線照射(緑色)CMFDA標識HCT116細胞との共培養中に検出されたセル-イン-セル構造(白い矢印)(D)および標的細胞分解(白い破線矢印)(E)の代表的な共焦点画像を示す(スケールバー=10μm)。(F〜G)(緑色/淡灰色)CMFDA標識細胞を内在化する(赤色/濃灰色)CMFDA標識細胞(R(G)と表記)、および(赤色/濃灰色)CMTMR標識細胞を内在化する(緑色/淡灰色)CMFDA標識細胞(G(R)と表記)を示すセル-イン-セル構造(F)、および標的細胞分解(G)の頻度を決定した(平均±標準誤差、n=3)。#もしくは$は、p<0.05、##もしくは$$はp<0.01、***もしくは###はp<0.001を表す。
図4(図4−1、図4−2、図4−3、図4−4)は、電離放射線によって生じた共食いモジュレーターの同定を示す。プレストウィック(A)およびCEA(F)ライブラリーの化合物を、電離放射線後の細胞共食いを誘導する能力について試験した。10μMのPrestwick(A)およびCEA(E)ライブラリー化合物の存在下または不存在下において、8グレイγ線照射HCT116細胞の同型培養後に、共食い細胞を検出した。各ドットは1つの化合物を表す。代表的な画像を(B、G)に示す。(C、H)HCT116細胞を指示された薬剤で処理した。処理の24時間後、3,3ジヘキシルオキサカルボシアニン・イオダイド(DiOC(3))およびPIで染色することによって細胞死をモニターし、死にかかっている細胞(DiOC(3)lowPI、白棒)および死亡した細胞(DiOC(3)lowPI、黒棒)のパーセンテージをサイトフルオロメトリーによって測定した。蛍光顕微鏡法による共食い誘導剤の検証。代表的な画像(D、I)および定量化(E、J)を示す。結果は、3回測定した値の平均±標準誤差である。
図5(図5−1、図5−2、図5−3)は、免疫原性細胞死誘導剤としての共食いモジュレーターの同定を示す。MCA205(A)またはCT26(E、I、M、Q)細胞を指示された薬剤で処理した。指示された処理で24時間共培養した後、DiOC(3)とPIで染色することによって細胞死をモニターし、死にかかっている細胞(DiOC(3)lowPI、白棒)および死亡した細胞(DiOC(3)lowPI、黒棒)のパーセンテージをサイトフルオロメトリーによって測定した。X線照射後に指示された化合物と共培養した(B〜D)MCA205細胞または(F〜H、J〜L、N〜P、R〜T)CT26細胞を、それぞれC56BL/6またはBALB/cマウスの右脇腹に皮下接種した。7日後、マウスの反対側の腹部に生細胞を注射してマウスを再チャレンジし、腫瘍増殖をモニターした(1グループあたり5匹のマウス)。
図6(図6−1、図6−2)は、腫瘍ワクチン接種実験を示す。CT26細胞を24時間、10μM VP331(A、F、K)、10μMミナプリン(B、G、L)、10μM Lopa87(C、H、M)、10μM SG6163F(D、I、N)、10μMアザグアニン−8(8−aza)(E、J、O)を単独で、または8グレイの電離放射線と組み合わせて処理し、免疫適格性のBALB/cマウスに接種(皮下)し、7日後、反対側の脇腹に同じがん細胞を再チャレンジした。腫瘍のないマウスの割合を、次の38日間、週3回評価した。合計した腫瘍のないマウス(A〜E)、初回の注射部位(F〜J、P)または2回目の注射部位(K〜O、Q)に腫瘍のないマウスのパーセンテージを示す。(*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、二元配置分散分析)。
図7は、ミナプリンが腫瘍内または腹腔内注射後に免疫適格性のマウスの腫瘍増殖を抑制することを示している。(A〜C)3×10個のCT26細胞を免疫適格性のBALB/cマウスに移植した。6日後、触知可能な腫瘍に10μMのミナプリン(または対照)を注射した。次の38日間、腫瘍増殖の体積を週3回測定した(AおよびB)。マウスの生存率も測定した(C)。(D−I)5×10個のCT26細胞を免疫適格性のBALB/cマウスに移植した。12日後、腫瘍を担持するマウス(腫瘍担持マウス)に対照(DおよびI)、0.3mg/kg(EおよびI)、1mg/kg(FおよびI)、3mg/kg(GおよびI)または10mg/kg(HおよびI)のミナプリンを腹腔内注射した。腹腔内注射後の腫瘍増殖体積(A〜J)および腫瘍体積のフォールド変化(D〜I)を分析した。次の38日間、腫瘍増殖体積を週3回測定した。
定義
「放射線療法」という用語は、当技術分野で一般的に使用され、内部および外部放射線療法、放射線免疫療法を含む複数のタイプの放射線療法を意味し、そしてX線、γ線、アルファ粒子、ベータ粒子、光子、電子、中性子、放射性同位元素、およびその他の電離放射線を含む様々なタイプの放射線の使用を意味する。本明細書で使用されるとき、「放射線療法(irradiation therapy)」、「放射療法(radiation therapy)」、「放射線治療(radiotherapy)」、「照射(radiation)」および「放射(irradiation)」という用語は、特別の定めがない限り、これらのタイプの放射療法のすべてを含む。放射線治療装置には、わずかに異なる方法で作動する様々なタイプがある。放射線療法の回数と期間は、がんの種類と体内のどこにあるかに依存する。表在性皮膚がんの場合、数回の短時間の処置を要するのみである場合があり、体の奥深くにあるがんの場合は、より長期にわたる処置が必要となる場合がある。
「腫瘍増殖を抑制する」、「腫瘍増殖を処置する」、および「がんを処置する」などの用語は、腫瘍の増殖速度を低下させる、腫瘍増殖を完全に停止させる、存在する腫瘍の大きさの退縮を引き起こす、存在する腫瘍を根絶する、および/または、本明細書に開示する組成物、キットまたは方法を用いた処置により、追加の腫瘍の発生を予防することを指す。腫瘍細胞増殖を「抑制する」とは以下のいずれかまたはすべての状態を意味する:腫瘍増殖を緩やかにすること、遅らせること、および停止させること、ならびに腫瘍を縮小させること。腫瘍の「発達を遅らせる」とは、疾患の発達を先送りする、妨げる、穏やかにする、遅らせる、安定させる、および/または延期することを意味する。この遅らせることは、疾患の病歴および/または処置を受けている個体に応じて、様々な長さの時間であり得る。腫瘍細胞の増殖は、当技術分野で既知の任意の手段、例えば腫瘍の大きさの測定、H−チミジン取り込みアッセイを使用した腫瘍細胞が増殖しているかどうかの判定、または腫瘍細胞の計数などによって評価できるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、放射線と組み合わせた本開示の化合物の併用投与を指す場合の「相乗作用」または「相乗効果」は、化合物および放射線投与のみと比較して組み合わせの効果が相加的以上であることを意味する。
「増強する」とは、本出願に関連して、例えば、放射線療法処置の効果を高めるまたは増加させること、または例えば、生化学的または生理学的作用もしくは効果を促進もしくは増強することを意味する。
「有効量」とは、本開示に関連するがんを処置するために治療的に有効であり得る、本明細書に記載される化合物の量を指す。必要とされるこれらの化合物の正確な量は、使用される特定の化合物または誘導体、処置を受ける対象の年齢および状態、ならびに状態の性質および重症度によって異なる。しかしながら、有効量は、通常の実験のみで当業者により決定できる。放射線の有効量は、当業者が過度の実験をすることなく決定できる。線量および頻度などの放射線パラメーターは、当技術分野でよく知られている。
「薬学的に許容される」とは、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または妥当な利益/リスク比に見合った他の問題の合併症なしに人や動物の組織との接触に適した化合物、材料、組成物、および/または剤形を指す。
「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその酸塩または塩基塩を作ることによって修飾されている、開示された化合物の誘導体を指す。本開示の化合物は、多種多様な有機および無機の酸および塩基と酸および塩基付加塩を形成し、薬化学でよく使用される生理学的に許容される塩を含む。こうした塩も本開示の一部である。こうした塩を形成するために使用される典型的な無機酸には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、次リン酸などが挙げられる。脂肪族モノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルコン酸、ヒドロキシアルカン酸およびヒドロキシアルカン二酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸などの有機酸に由来する塩も使用できる。従って、こうした薬学的に許容される塩には、酢酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリル酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、安息香酸メチル、o−アセトキシ安息香酸塩、ナフタレン−2−安息香酸塩、臭化物、イソ酪酸塩、フェニル酪酸塩、β-ヒドロキシ酪酸塩、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,4−ジオエート、カブラート、カプリル酸塩、塩化物、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、プロピオル酸塩、プロピオン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸、硫酸塩、重硫酸塩、ピロ硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−ブロモベンゼンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、酒石酸塩などが挙げられる。塩の形成に一般的に使用される塩基としては、水酸化アンモニウムおよびアルカリおよびアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、ならびに脂肪族および第一級、第二級および第三級アミン、脂肪族ジアミンが挙げられる。付加塩の調製に特に有用な塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、メチルアミン、ジエチルアミン、およびエチレンジアミンが挙げられる。
代替の実施形態は、説明したように、活性成分を制御された非瞬間的な方法で、時間依存的な方法で周囲に放出できる「徐放性製剤」の投与を含む放射線療法がん処置を強化する方法を提供する。この徐放性製剤は、例えば乳酸のホモポリマー;グリコール酸のホモポリマー;ポリ−D,L−乳酸とグリコール酸のコポリマー;黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アナログ(類似体)の水不溶性ペプチド塩;ポリ(ホスホエステル);セバシン酸とビス(p−カルボキシフェノキシ)プロパン(CPP)のコポリマー;ポリ無水物ポリマー;ポリ(ラクチド)−co−グリコリド)ポリエチレングリコールコポリマー;およびエチレン−酢酸ビニルコポリマーからなる群から選択される生分解性ポリマーを含み得る。
本方法のいくつかの特定の実施形態では、徐放性製剤は、4週間以上、あるいは1週間以上、あるいは数時間以上の期間にわたってIRCCE薬剤を放出する。
本明細書に記載の方法、組成物、製剤および使用は、ヒトおよび動物の両方、好ましくは哺乳動物に適している。
従って、本明細書で使用するとき、「対象」という用語は、マウス、ラット、ブタ、サル、およびウマなどの任意の哺乳動物に関する。特定の実施形態では、それはヒトを指す。本発明に関連する「それを必要とする対象」または「患者」は、本発明の方法および医薬組成物から恩恵を受ける、または恩恵を受ける可能性が高い任意の対象を含むことを意図する。対象は、早期非侵襲性がんであり得るか、すでに進行して体内に転移を形成している後期がんであり得るようなあらゆる段階のがんに罹患している可能性がある。
本明細書における「患者」は、哺乳動物、好ましくはヒトを含む動物を指す。
本明細書で使用される「がん」という用語は、任意の形態のがんまたは腫瘍を含むことを意図する。がんの非限定的な例としては、脳がん(例えば、神経膠腫)、胃がん、頭頸部がん、膵臓がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、前立腺がん、結腸がん、非ホジキンリンパ腫、肉腫、精巣がん、急性非リンパ性白血病および乳がんが挙げられる。特定の実施形態では、脳がんは星状細胞腫であり、より具体的には多形性膠芽腫である。肺がんは、小細胞肺がんまたは非小細胞肺がんのいずれかである。頭頸部がんは扁平上皮がんまたは腺がんである。
本発明は、既知および未知の薬剤が、腫瘍を担持する動物においてインビトロおよびインビボでIR媒介性の細胞共食いを強化できることを開示する。
本明細書で使用されるとき、「細胞共食い誘導薬剤」、「細胞共食い誘導物質」、「細胞共食い誘導化合物」および「細胞共食いエンハンサー」という用語は、放射線照射における細胞共食いを引き起こす能力を強化できる化合物を指す。これらの用語の下では、IR媒介性細胞共食いを強化できる化合物を意味する(以下、IRCCEと呼ぶ)。選択される細胞共食いモジュレーターの化学構造を表1および表2に示す。
表1
Figure 2021511380
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表2
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本発明者らは、合計で16個の効率的な細胞共食いエンハンサー化合物、すなわち、8−アザグアニン、メブヒドロリン1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、フルルビプロフェン、ミナプリン二塩酸塩、ミリセチン、ジゴキシン、ディジトキシン、ラナトシド、ドキソルビシン塩酸塩、LOPA87、VP331、RN−1−026、SG6163F、VP450、VP43を発見した。多くの興味深い化合物も同定されている。これらは、例えば、LOPA87のアナログ(LOPA90、LOPA93、LOPA 94、LOPA 101、LOPA104、LOPA105、LOPA106)およびSG6143Fのアナログ(SG6144、SG6146、SG6149)である。
ミナプリン二塩酸塩(C1722O、アミノフェニルピリダジン抗うつ薬)。
ミナプリン二塩酸塩は、様々なうつ状態の処置に有効であることが証明されている向精神薬である。ミナプリンは、ほとんどの抗うつ薬と同様に、行動絶望に拮抗する。ミナプリンは、心毒性、眠気、および体重増加が比較的少ないと報告されているアミノ−フェニルピリダジン抗うつ薬である。より詳細には、ミナプリンは、心毒性、眠気、および体重増加が比較的少ないと報告されているアミノ−フェニルピリダジン抗うつ薬である。他の抗うつ薬処置と同様に、ミナプリンはβ-アドレナリン受容体機能を減衰させる。研究によって、ミナプリンは記憶の固定を改善し、この効果は繰り返して薬剤投与することで増強されることも示されている。さらに、記憶の固定に対するミナプリンの効果は、そのドーパミン作用に関連している。ミナプリンはセロトニン2型受容体とドーパミンD1およびD2型受容体に結合する。それはまた、セロトニン再取り込みポンプにも結合する。従って、ミナプリンはドーパミンおよびセロトニン両方の再取り込みを阻害する。それはまた、僅かではあるが、コリン様作用もある。よって、ミナプリンは気分を明るくするおよび脳の認知力を高める特性の両方を示し得る。また、MAO−A(RIMA)の可逆的阻害剤としても作用する。また、アセチルコリンエステラーゼを阻害することもわかっている。この化合物の調製は、米国特許第4,169,158号明細書に説明されており、これは、引用によって本明細書に包含される。
スクリーニングしたライブラリーから得られた化学的化合物
LOPA87、VP331、RN−1026、SG6163F、VP450およびVP43は、CEAライブラリーから得られている。LOPA87の7つのアナログ(LOPA90、LOPA93、LOPA 94、LOPA 101、LOPA104、LOPA105、LOPA106)およびSG6163Fの3つのアナログ(SG6144、SG6146および5 SG6149)も同定された。
ミナプリン二塩酸塩のアナログ
本発明の組成物に使用できるミナプリン二塩酸塩のアナログは、式:
Figure 2021511380
[式中、
R1は水素原子または低級アルキル基であり;
R2はアリールまたは置換アリール基であり;
Nは2または3であり;および
YおよびZは同じまたは異なる低級アルキル基であり、または式:
Figure 2021511380
で示される基は複素環式基であり、ここで、ZおよびYは、環化した低級アルキレン基であって環を形成し、該環は、アルキレン基の間をつなぐ酸素原子および各アルキレン基の反対側の末端に結合する窒素原子を含む基である。]
で示される3−アミノアルキルアミノ−4−アルキル−6−アリール−ピリダジン類である。
式(I)において、低級アルキル基は、適当には1〜3個の炭素原子を含むことができ、低級アルキレン基は、それぞれ2個の炭素を含みことができ;およびR1が低級アルキル基である場合、それは好ましくはメチル基である。基R2は、フェニル、置換フェニルまたはナフチル基であり得る。式:
Figure 2021511380
で示される基が複素環式基である場合、それは適当にはモルホリノ、ピペリジノまたはピロリジノ基であり得る。
アナログとしては、式(I)の化合物の酸付加塩も含まれ、それは、塩基と、例えば酒石酸または塩酸(この群の周知の2つの代表的な酸である)など適当な有機酸または無機酸との反応により形成される。
モノアミンオキシダーゼAの他の阻害剤は、ミナプリン塩酸塩のアナログとして使用できる。それらは、例えばモクロベミドまたはトロキサトンである。非選択的IMAO:イソカルボキサジド、ニアラミド、フェネルジン、トラニルシプロミン、イプロニアジド、またはイプロクロジドも使用できる。
本発明の実施態様
本発明は、がん細胞のIR媒介性の細胞共食い(IRCCE)を強化するための、上記同定した化合物(特に表1および2で強調)のインビトロでの使用を開示する。
本発明のこの部分は、インビトロで行われる。本明細書に開示したように、用語「インビトロ」および「エクスビボ」は同意義であり、通常の宿主生物(例えば、動物またはヒト)から単離された生物学的成分(例えば、細胞または細胞集団)を使用して行われる研究または実験を指す。こうした単離された細胞は、さらに精製、培養でき、または変異タンパク質の存在を評価するために直接分析できる。これらの実験は、例えば、チューブ、フラスコ、ウェル、エッペンドルフなどの実験室の材料によって実施できる。それに対して、「インビボ」という用語は、生物全体で行われる研究を指す。
Alternatively, it can be assessed by measuring, in said cell, the expression level of a protein selected from the group consisting of: p53, p53β, p53γ, and N-terminal isoforms of p53 that lack the N-terminal transactivating domain, such as Δ40TP53 and Δ133TP53, or by measuring the expression level or the activity of the purinergic P2Y2 receptor, and/or by measuring the extracellular ATP secreted by said cells, as disclosed in WO2014/006227 which is incorporated herein by reference.
IR媒介性の細胞共食いは、任意の従来の手段によって評価できる。具体的には、この活性は、顕微鏡下で細胞を研究することによって(免疫蛍光または免疫組織化学によって)、および細胞の貪食事象またはセル-イン-セルシステムを視覚的に検出することによって評価できる。あるいは、それは、前記細胞の、p53、p53β、p53γ、およびΔ40TP53およびΔ133TP53などのN末端トランス活性化ドメインを欠くp53のN末端アイソフォームからなる群から選択されるタンパク質の発現レベルを測定することにより、またはプリン作動性P2Y2受容体の発現レベルまたは活性を測定することにより、および/または前記細胞によって分泌される細胞外ATPを測定することにより評価でき、これは国際公開第2014/006227号に記載され、後者は引用により本明細書に包含される。
本発明の化合物はまた、インビボでも使用できる。
この場合、本発明の化合物は、薬学的に許容されるアジュバントをさらに含有する医薬組成物として、患者に投与することができる。従って、「本発明の医薬組成物」は、本発明の化合物(上記の表1および2、例えばミナプリン二塩酸塩など)またはそのアナログの少なくとも1つの有効量、および薬学的に許容されるアジュバントまたは担体を含有する。非水性アジュバントの例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。他の薬学的に許容されるアジュバントとしては、水溶液および塩、防腐剤、バッファーなどの非毒性賦形剤が挙げられる。静脈内ビヒクルとしては、液体および栄養補給剤が挙げられる。組成物はまた、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤および不活性ガスなどの防腐剤を含み得る。医薬組成物の様々な成分のpHおよび正確な濃度は、よく知られたパラメーターに従って調整できる。
本発明の化合物(その中でミナプリン二塩酸塩)または本発明の組成物(ミナプリン二塩酸塩を含有する)のインビボ投与は、がんに罹患している対象の腫瘍増殖を抑制することを目的としている。
本発明はまた、放射線療法処置を受ける予定であるか、または受けたことがある対象の腫瘍免疫原性を強化することができる。特定の理論に縛られるものではないが、上記の化合物は、細胞共食いを促進し、それによって有意な防御的抗がん免疫応答を誘導する特定のエピトープを暴露させることによって放射線療法と相乗的に作用すると考えられる。
本開示は医薬組成物を製造するための、それを必要とする対象に投与することを目的とする上記の表1および2に開示された化合物(その中でミナプリン二塩酸塩)またはそれらのアナログの使用を目的とする。
本開示はまた、医薬組成物を製造するための、それを必要とする対象を処置することを目的とする上記の表1および2に開示された化合物(その中でミナプリン二塩酸塩)またはそれらのアナログの使用にも関する。
本発明はさらに:
・IR媒介性の細胞共食いの強化のための、がんに罹患している患者における使用のため
・腫瘍免疫原性の強化のための、放射線療法処置を受ける予定である、または受けたことがある対象における使用のため
・有意な防御的抗がん免疫応答の誘導のための、放射線療法処置を受ける予定である、または受けたことがある対象における使用のため
・放射線療法処置の増強のための、それを必要とする対象における使用のため
・放射線療法と組み合わせたがんの処置のための、それを必要とする対象における使用のための、上記の表1および2中の化合物(その中でミナプリン二塩酸塩)もしくはそれらのアナログ、またはそれらを含有する任意の医薬組成物を開示する。
重要なことには、本発明の組成物を投与することにより、照射線量を低減することが可能になり、そのため、放射線処置によって生じる副作用が軽減される。
ミナプリン二塩酸塩を含有する本発明の医薬組成物は、液体組成物または懸濁液のいずれかとして、注射可能な組成物の形態(例えば、静脈内、筋肉内、皮下および関節内)で投与できる。注射の前に液体への溶解または懸濁に適した固体形態も調製できる。これらの製剤は乳化されていてもよい。
前記医薬組成物は、経口、経鼻、経直腸、局所、腫瘍内、静脈内、筋肉内、皮下、舌下、髄腔内、腹腔内、関節内または皮内などの他の経路で投与することもできる。好ましくは、投与経路は、静脈内、動脈内または経口である。好ましくは、医薬組成物は、静脈内または動脈内に投与される。より好ましくは、それらは腫瘍内に投与される。
特定の実施形態では、本発明の組成物が経口投与用である場合、本発明の組成物は、錠剤、溶液、または例えばソフトゲルカプセルのようなカプセルである。他の特定の実施形態では、本発明の組成物が経口投与用である場合、それは腸溶コーティングを有する。他の特定の実施形態では、本発明の組成物が経口投与用である場合、それはオイルをベースとするシロップである。
特定の実施形態では、本発明の化合物は、徐放性製剤の形態で投与される。
本発明の組成物は、がんを処置するのに十分な量および頻度で投与される。対象の進行状況は、がんマーカーの濃度の変化を測定および観察することによって、時間の経過とともに腫瘍の実際の大きさを測定することによって、および/または当技術分野でよく知られている他の関連する臨床マーカーを判定することによって決定することができる。臨床的進行に関連するこうした特徴およびマーカーの決定、測定、および評価は、当業者によく知られている。
図6および7に示すように、本発明者らは、ミナプリン二塩酸塩のみの投与が腫瘍発達に対して本質的な防御効果を有することを観察した。その結果、ミナプリン二塩酸塩は放射線治療処置と組み合わせる必要がなく、それ自体で効率的である。ミナプリン二塩酸塩は抗うつ薬として知られており、この薬に関する抗腫瘍効果がこれまでに報告されていないため、これは非常に驚くべき結果である。
第3の態様では、本発明は従って、
・がんに罹患している患者の処置に使用するため、
・がん患者における有意な防御的抗がん免疫応答の誘導に使用するための
ミナプリン二塩酸塩、またはそれを含有する任意の医薬組成物を提供するものである。
本発明はまた、がんを予防または処置することをそれを必要とする対象において目的としている医薬を調製するための、ミナプリン二塩酸塩の使用にも関する。
この第3の態様では、ミナプリン二塩酸塩は、(第3のタイプの抗がん処置の有無にかかわらず)放射線療法療処置と組み合わせて使用しないことが好ましい。ミナプリン二塩酸塩は、放射線療法を使用しないという条件で、放射線療法以外の1つもしくはそれ以上の抗がん処置(化学療法や免疫療法など)と組み合わせて使用してもよい。一実施形態では、しかしながら、ミナプリン二塩酸塩は、他の抗がん処置と組み合わせて使用されないので、がんに罹患している患者に投与される抗がん効能を有する唯一の化合物である。
経口投与した場合にヒトに安全に投与できるミナプリン二塩酸塩の有効用量は、1日あたり50mg〜500mg、好ましくは1日あたり100mg〜400mgの範囲であり、より好ましくは1日あたり約200mgである。
腫瘍内投与した場合にヒトに安全に投与できるミナプリン二塩酸塩の有効用量は、0.3mg/kg〜30mg/kgの範囲である。
医薬組成物について上に開示されたすべての実施形態は、この特定の用途に転置できる。
処置方法
本発明はまた、がん患者を処置するための方法を対象とし、前記患者に有効量のミナプリン二塩酸塩またはそれを含有する任意の医薬組成物を投与することを含む。実際のところ、前記抗うつ薬は、それ自体で有意な防御的抗がん免疫応答を有することが本発明者らによって示された。
上記方法は、(第3のタイプの抗がん処置が存在するか否かにかかわらず)放射線治療処置と組み合わせてミナプリン二塩酸塩を使用しないことが好ましいので、放射線治療工程を含まない。本方法は、放射線療法を使用しないという条件で、ミナプリン二塩酸塩を放射線療法以外の1つもしくはそれ以上の抗がん治療(例えば、化学療法および/または免疫療法)と組み合わせることができる。しかしながら、上記の方法のいくつかの実施形態において、ミナプリン二塩酸塩は、他の抗がん処置と組み合わせて使用されないので、この方法は、ミナプリン二塩酸塩以外の別の抗がん処置を施す工程を含まない。従って、こうした方法において、ミナプリン二塩酸塩は、がんに罹患している患者に投与される抗がん効能を有する唯一の化合物となる。
I.材料および方法
化学物質、細胞株および培養条件
特に明記しない限り、化学物質はSigma-Aldrichから購入した。抗生物質、培地、細胞培養用の補足物はLife Technologiesから入手した。ベンジルオキシカルボニル−Val−Ala−Asp(OMe)−フルオロメチルケトン(Z−VAD−fmk)はBachemからのもので、組換えマウスTNF−アルファはR&Dシステムからのものである。ヒト結腸がんHCT116細胞は、マッコイの5A培地で培養し、マウス線維肉腫細胞株L929は、ダルベッコの改変イーグル培地で培養した。すべての培地に、10%熱不活化ウシ胎仔血清(FBS)、10mM HEPESバッファー、2mM L−グルタミン、10U/mLペニシリンナトリウム、および10μg/mL硫酸ストレプトマイシンを添加した。
照射
細胞を6ウェルプレート、12ウェルプレート、または25cmのフラスコに播種し、γ線照射装置IBL−637(Cs137、1グレイ/min、ガンマ CIS-Biointernational、IBA、サクレイ、フランス)を用いて指示された線量で照射した。
セルトラッカーTM蛍光プローブ標識
培養培地を除去後、HCT116細胞を、10μMの5−クロロメチルフルオレセインジアセテート(CMFDA、緑色蛍光)または5−(および−6)−(((4−クロロメチル)ベンゾイル)アミノ)テトラメチルローダミン(CMTMR、赤色蛍光)(Molecular Probes-Life Technologie)を含む予め温めた培地で、37℃で45分間インキュベートした。その後、HCT116細胞を予め温めた培地で2回すすぎ、37℃で1時間インキュベートした。染色細胞を指示通りに処理し、細胞死のプロファイリング分析のために培養した。
定量的フローイメージングによる細胞死のプロファイリング
未処理HCT116細胞をCMFDA(緑色蛍光、CMFDA)またはCMTMR(赤色蛍光、CMTMR)で標識し、処理HCT116細胞をCMFDA(緑色蛍光、CMFDA)で標識した。以下の細胞混合を行った。未処理CMTMRHCT116細胞を未処理CMFDAHCT116細胞と混合した、または未処理CMTMRHCT116細胞を処理CMFDAHCT116細胞と混合した。次に、細胞をROCKの薬理学的阻害剤、Y27632(30μM)、汎カスパーゼ阻害剤、Z−VAD−fmk(ZVAD、100μM)、カスパーゼ1の阻害剤、Ac−YVAD−cmk(YVAD、100μM)、ネクロプトーシス阻害剤、ネクロスタチン−1(NEC1、30μM)、オートファジーを阻害する液胞型H(+)−ATPアーゼ(V−ATPase)の阻害剤、バフィロマイシンA1(BafA1、50nM)、抗有糸分裂活性を有するCdksの阻害剤、ロスコビチン(Rosco、10μM)の存在下または不存在下で24時間共培養した。24時間共培養した後、剥離した細胞と付着した細胞の両方を採取し、ヘキスト33345(10μg/mL)で1時間、37℃の温めた完全培地で染色した。ホスファチジルセリン(PS)暴露および原形質膜透過性を検出するために、標識HCT116細胞を製造業者の推奨に従って、ビオチン−アネキシンV(BD Pharmingen)、0.5μgBV786−ストレプトアビジン(BD Biosciences)および3μDRAQ7(BioStatus)を用いて25℃で15分間連続的にインキュベートした。PBS溶液で洗浄後、イメージングフローサイトメーターFlowSight(登録商標)(Amnis(登録商標)、EMD Milliporeの一部)を使用して試料を直ちに分析した。INSPIREソフトウェアを使用して、20倍の倍率でデータを取得した。
405nm、488nm、および561nmのレーザーを励起に使用した。420〜480nm、745〜800nm、642〜745nm、480〜560nm、595〜642nmおよび430〜505nmのチャネルを使用して、ブライトフィールド、アネキシンV−BV786、DRAQ7、CMFDA、CMTMRおよびヘキスト33345染色をそれぞれ検出した。1試料あたり1000以上の細胞事象を分析した。追加の単一標識の対照を異なるチャネル間で蛍光信号を正規化するために調製した。取得したデータを、IDEAS分析ソフトウェア(v6.1; Merck-Millipore)を使用して分析した。ゲーティング戦略は次のとおりであった。勾配RMS特徴を使用して、焦点を合わせた細胞をゲーティングした。アスペクト比および面積特徴を使用して、単一細胞をゲーティングした。共食い検出のために、細胞を二重陽性CMFDAおよびCMTMR染色によってゲーティングした。
フローサイトメトリーおよび共焦点蛍光顕微鏡検査法
PSの暴露、原形質膜の透過性および細胞周期進行を検出するために、特定の蛍光プローブ(FITC共役型アネキシンV、ヨウ化プロピジウム、およびヘキスト33342など)で順次標識した共培養後の細胞をフローサイトメトリーによって分析した。剥離した細胞と付着した細胞の両方を採取し、ヘキスト33345(10ug/mL)で1時間、37℃の温めた完全培地で染色した。PBSで洗浄後、HCT116細胞を製造業者の指示のとおりフルオレセインイソチオシアネート(FITC)結合アネキシンV(BD Biosciences)およびヨウ化プロピジウム(PI、1μg/mL)(Sigma)を追加した1×結合バッファーに懸濁した。次に、LSRIIフローサイトメーター(Becton Dickinson)およびFlowJoソフトウェアv10を使用して試料を分析した。共焦点蛍光顕微鏡法では、HCT116細胞を3.7%パラホルムアルデヒド−PBSで15分間共培養した後に固定し、1μg/mLヘキスト33342(Invitrogen)で15分間対比染色した。次に、細胞をアポクロマート63×1.3 NAおよび63×1.15 NA油浸対物レンズを備えた共焦点SPE顕微鏡で分析した。Leica Aplication Suite(LAS)ソフトウェア(Leica Microsystems)を使用した。
ウエスタンブロット法
全細胞タンパク質を溶解バッファー(1%NP40、20mmol/L HEPES、10mmol/KCl、1mmol/L EDTA、10%グリセロール、プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤錠剤を含有する)で抽出した。タンパク質抽出物(30μg)を4〜12%NuPAGE(登録商標)Novex(登録商標)ビス−トリスゲル(Life Technologies)上で泳動させ、4℃でイモビロンポリビニルジフルオリド(PVDF)膜(Thermo Scientific)に転写した。ブロッキング後、Cell Signaling Technologyから入手したカスパーゼ−3(#9662)、切断されたカスパーゼ−3(Asp175)(#9661)、ミオシン軽鎖2(MLC2)(#3672)、ホスホ−MLC2(Ser19)(#3675)、LC3 A/B(#4108)、p−(S)−CDK基質(#9477)に特異的な一次抗体と共に膜を4℃で一晩インキュベートした。GAPDHに対する抗体(#MAB374)はMilliporeから購入した。次に、ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウスまたは抗ウサギ(Southern Biotechnology)抗体を1時間インキュベートし、スーパーシグナルウエストピコ(登録商標)試薬(Thermo Fisher Scientific)またはImageQuant LAS 4000ソフトウェア支援イメージャー(GE Healthcare)を使用したECLTMプライムウエスタンブロッティング検出システム(GE Healthcare)で明らかにした。
統計分析
各実験は少なくとも3回繰り返しており、同様の結果を得ている。特に明記しない限り、図は1つの代表的な実験からの定量的データを示している(平均±標準誤差、n = 3)。データをPrism v.5.03(GraphPad Software、La Jolla、CA、USA)によって分析した。統計的有意性を、両側スチューデントのt検定によって評価した。すべての実験で、p値<0.05を統計的に有意であると見なした。
II.結果
マルチスペクトルイメージングフローサイトメトリーを用いた細胞死のプロファイリング分析により、非細胞自律および細胞自律死モダリティの同時検出が可能になる。細胞がNCAプロセスを経て死ぬ能力によって、我々が概念的な観点から細胞死プロセスを検討するための方法論的アプローチを再考することにつながった。実際、考慮すべき形態学的および/または生化学的パラメーターの選択、ならびに事前に事前定義された細胞死、予想される結果を検出するために使用される技術的アプローチでは、細胞共食いまたはエントーシスなどの新しい致死プロセスを特定することができないか、またはめったにできない。放射線治療の分野もこの問題に直面している。確かに別個の研究において、照射によってアポトーシス、オートファジー細胞死、壊死、または有糸分裂死などの多くの致死プロセスの開始を引き起こすことができることが明らかになった(非特許文献35、36)。最近別個の研究において、同じ細胞タイプを同じ線量で照射するとアポトーシスを引き起こす可能性があり(非特許文献37)、有糸分裂死を引き起こす可能性もあることが明らかになった(非特許文献38)。以前の研究では、照射後に非常に速やかに観察されたアポトーシスおよび有糸分裂死の発生は、より長期的に観察されたクローン原性生存と相関しないことが明らかになった(非特許文献35)。これらの研究は照射細胞の排除に関与する未知の致死プロセスの存在を浮き彫りにした。さらに、腫瘍増殖の制御および転移細胞の排除における細胞共食いおよびエントーシスの影響を明らかにする出版物の数が増加しているため、NCADのこのプロセスの開始を追跡することが求められている。
非細胞自律および細胞自律細胞死の両方のモダリティを開始できる可能性のある致死刺激の多様性と、両方のプロセスを制御するシグナル伝達経路(カスパーゼ、カテプシンまたはグランザイムが関与する(または関与しない))の複雑さを考慮して、IRによって誘発される非細胞自律および細胞自律死モダリティの両方を同時に検出することにした。致命的な損傷後、細胞集団が細胞自律または非細胞自律的な方法で実行され得る直接および/またはバイスタンダー殺傷を同時に受ける可能性があるかどうかを決定するために、細胞死のプロファイリング分析は、5−クロロメチルフルオレセインジアセテート(CMFDA、緑色)蛍光バイタルプローブで標識し、電離放射線(γ線)で処理したHCT116細胞と5−(および−6)−((((4−クロロメチル)ベンゾイル)アミノ)テトラメチルローダミン(CMTMR、赤色)蛍光バイタルプローブで標識した同質遺伝子のHCT116細胞との共培養に基づいて設計した。24時間共培養後、処理CMFDA細胞、未処理CMTMR細胞、および全(CMFDA細胞およびCMTMR細胞)細胞集団をホスファチジルセリン(PS)暴露、原形質膜完全性の喪失、およびDNA含有量について分析し、処理細胞と(未処理の)隣接細胞の両方の細胞死誘導を同時に検出した。検出された細胞死モダリティの実行に関与する分子メカニズムを特徴付けるために、それぞれ細胞貪食(エントーシス(非特許文献16)、エンペリトーシス(非特許文献17)および細胞共食い(非特許文献16)を開始するプロセス)を阻害することが知られている細胞死のモジュレーター(ROCK1阻害剤(Y27632)、汎カスパーゼ阻害剤(ZVAD−fmk)、カスパーゼ1阻害剤(YVAD−fmk)、ネクロスタチン(NEC1)、バフィロマイシンA1(BafA1)およびロスコビチン(Rosco))、カスパーゼ3もしくはカスパーゼ7のタンパク質分解的切断(アポトーシス(非特許文献39)、有糸分裂死(非特許文献38、40)もしくはエンペリトーシス(非特許文献17)もしくはカスパーゼ−1(ピロトーシスに必要である(非特許文献41))、ネクロプトーシスに寄与するプロネクロプトティックキナーゼRIP1(RIPK1)の活性化(非特許文献42)、オートファジーおよびオートファジー関連の細胞死(非特許文献43)の間にオートファジー液胞の成熟を障害するオートファゴソームとリソソームとの融合、最後にサイクリン依存性キナーゼ1(Cdk1)−サイクリンB活性、有糸分裂死(非特許文献40、44)などの有糸分裂関連死に必要な有糸分裂の進行の存在下で共培養を行った。PS暴露、原形質膜完全性の喪失、細胞死モジュレーターの薬理学的阻害と組み合わせた細胞パートナーのDNA含有量の同時検出により、我々は標的細胞および隣接細胞に対してマルチスペクトルイメージングフローサイトメトリーによって共培養中に少なくとも9個の細胞死モダリティ(アポトーシス、有糸分裂死、ピロトーシス、オートファジー細胞死、ネクローシス、ネクロプトーシス、エントーシス、エンペリトーシス、および細胞共食いを含む)を実行することができ(図1、A〜B)、これによって非細胞自律死および細胞自律死、ならびに直接細胞殺傷およびバイスタンダー致死効果の区別が可能になった。この方法論により、IR誘発性細胞死のプロファイリングを定義することができた。
電離放射線誘発性細胞死プロファイリングによって照射がんおよび非照射がん細胞の両方での細胞死の誘導が浮き彫りになる。抗がん処置に関連する細胞および生化学的プロセスをよりよく特徴付けるために実施された集中的な生物学的および薬学的研究にもかかわらず、診療所で最も頻繁に使用される抗がん処置の1つである放射線療法の治療効果の原因となる致死メカニズムはなお不明である。電離放射線に反応して検出された致死プロセス(アポトーシスや分裂期細胞死など)は、治療効率に直接関わっておらず(非特許文献35)、未だ不明なさらなる細胞死モダリティが放射線療法の治療効果に寄与し得ることを示唆している。これに関連して、照射がん細胞の細胞死のプロファイリングを決定した。上記方法論によれば、CMFDA標識細胞に4グレイを照射するまたは照射しない、24時間後にCMTMR標識細胞と1:1の比率で混合し、各阻害剤の存在下で24時間培養した(補足図1A−1E)。次に、PS暴露、原形質膜完全性、各細胞パートナーのDNA含有量を、アネキシンV−BV786、DRAQ7、ヘキスト33342染色を用いてそれぞれ測定した。隣接する細胞集団(CMTMR細胞)(図2A、2Bおよび2D)および未処理の対照細胞集団(図2A、2D、2E)でアポトーシスおよびネクローシスの細胞死の有意な増加は(アネキシンVDRAQ7およびDRAQ7細胞の分析で明らかにされているように)観察されなかったが、(CMFDAおよびCMTMR細胞集団を考慮することで明らかにされているように)細胞集団全体(図2A〜2C)および照射細胞集団(CMFDA細胞)(図2Bおよび2E)におけるこれらの両方のタイプの死の大幅な増加が24時間の共培養後に検出され、本方法論によって非照射細胞と照射細胞の両方の細胞死モダリティの検出が可能になることを示している。また、汎カスパーゼ阻害剤Z−VAD−fmkおよび薬理学的サイクリン依存性キナーゼ阻害剤ロスコビチン(Rosco)が、照射CMFDA細胞の外側原形質膜へのPS暴露を阻害することも観察された(図2E)、以前に発表されたように(非特許文献45、46)、照射CMFDA細胞は死ぬために、カスパーゼ活性化および有糸分裂の進行の両方が必要であることを裏付けた。さらに、バフィロマイシンA1(BafA1)によるオートファジーフラックスの障害により、全細胞集団(CMFDAおよびCMTMR細胞)(図2C)、
非照射CMTMR細胞(図2D)および照射CMFDA細胞(図2E)で、死にかかっているの細胞(アネキシンVDRAQ7およびDRAQ7細胞)の頻度が増したので、オートファジーが、非照射および照射細胞の両方を死から救うのに寄与する電離放射線によって誘発される生存細胞メカニズムであることを明らかにした。さらに、処理細胞および未処理細胞の細胞周期の進行の同時分析により、細胞死の誘導は、照射CMFDA細胞のG1停止からのエスケープに関連し、SおよびG2/M期での蓄積につながることを示した(図2F、2Gおよび2J)。全体のまたはCMTMR細胞集団では細胞周期の変化は検出されず、細胞周期の変化は照射細胞でのみ検出されることを明確に示している(図2F、2G、および2I)。古典的なフローサイトメトリー分析(補足図2A〜2B)でも確かめられたこれらの結果は、電離放射線照射後、照射および非照射がん細胞の両方がカスパーゼ1依存性細胞死を受けることを示している。まとめると、これらの結果は、直接的な細胞殺傷およびバイスタンダー効果によって同時にがん細胞を排除する抗がん剤の能力を浮き彫りにした。
電離放射線誘発細胞死プロファイリングは、非細胞自律死モダリティの誘導も明らかにする。並行して、同じ共培養で、照射CMFDA細胞が隣接する細胞を貪食するまたは侵入する能力、細胞共食いに関連する細胞死(細胞共食い、エンペリトーシスもしくはファゴトーシスなど)またはセル-イン-セル侵入誘発性細胞死(エントーシスなど)の誘導に必要な2つの細胞プロセスを決定した。マルチスペクトルイメージングフローサイトメトリー分析により、γ線照射CMFDA細胞は隣接する細胞の貪食を引き起こすことが(γ線照射CMFDA細胞による「標的」CMTMR細胞の内在化によって)明らかになった(図3Aおよび3B)。汎カスパーゼ阻害剤Z−VAD−fmkの影響を受けなかったこのプロセスは、ROCK1の阻害剤(Y27632)によって抑制される(図3B)ので、検出されたセル-イン-セル内在化は、アポトーシス細胞の食細胞性取り込みとは異なり、ROCK1活性が生じる必要があることを明らかにしている。γ線照射細胞の共食い活性も共焦点顕微鏡法によって確認された(図3D〜3F)。興味深いことに、細胞死プロファイリング分析によって、生細胞による貪食と、バフィロマイシンA1での処理によるアポトーシスの誘導に続く生存アポトーシスCMFDA細胞の食作用とを区別することも可能になった(図3B)。次に、貪食されたCMTMR細胞および貪食する照射CMFDA細胞の細胞運命を評価した。貪食されたほぼすべてのCMTMR細胞が細胞分解の兆候を示すことを(マルチスペクトルイメージングフローサイトメトリー(図3A)および共焦点顕微鏡法(図3Dおよび3E)で検出した内在化細胞のDNA含有量の損失で明らかにされているように)観察した。このプロセスは汎カスパーゼ阻害剤Z−VAD−fmkおよびカスパーゼ1阻害剤YVAD−fmkの存在下で大幅に減少し、IR照射媒介性の貪食された細胞の死はカスパーゼの発生を必要とし、カスパーゼ1依存性アポトーシスによって実行され得ることを明らかにしており、これはピロトーシスとしても知られている。さらに、共食い細胞の90%はPSを暴露していない、またはそれらの原形質膜の完全性の損失を示さないことも明らかになり(補足図2C)、IR媒介性の細胞貪食後、内在化した細胞は共食い細胞の生存能力を調節することなく沈殿して死ぬことを浮き彫りにした。まとめると、これらの結果は、電離放射線が直接的な細胞殺傷、バイスタンダー致死効果、および細胞共食いに関連する細胞死を組み合わせた効果によって同時にがん細胞を排除することを示した。これらの結果は、致死プロセス中の非細胞自律および細胞自律死サブルーチンの誘導を同時に測定する緊急の必要性を浮き彫りにしている。
化学ライブラリーのスクリーニングはIR媒介性の細胞共食いエンハンサーの同定につながる。次に、IR媒介性の細胞共食いを誘導することができる化合物を同定するために、化学物質のライブラリーのスクリーニングを展開した。従って、8グレイの放射線量で処理したHCT116細胞をオレンジ色のCMTMRセルトラッカーまたは緑色のCMFDAセルトラッカーで染色し、10μMの化合物の存在下で培養した。24時間の培養後、細胞を核染料(5μg/mLのヘキスト33342、37℃で1時間)で染色し、フローサイト(登録商標)イメージングフローサイトメーターを使用して細胞共食いを分析した。これらの各化合物をZ値に従って分類し(非特許文献47)、それぞれ13個および11個の候補化合物を同定した(図4A、4B、4F、および4G)。次に、フローサイトメトリーアプローチ(処理細胞の内部ミトコンドリア膜の脱分極および原形質膜の透過性を同時にモニターして細胞毒性化合物を除外するため)と共焦点顕微鏡アプローチ(候補化合物によるIR誘導性細胞共食いの調節を確認するため)とを組み合わせて、同定した化合物を検証した(図4C−Eおよび4H−J)。3つの独立した実験の終了後、効果の無い化合物(フェンベンダゾールもしくはカルビマゾールなど)または高い細胞毒性を示す化合物(RN−1−183など)を除外した。最後に、IRが細胞共食いを引き起こす能力を高めることができる16の化合物を同定した(図4Eおよび4J、表1および2)。
IRCCEおよびIRを組み合わせると、効率的な抗腫瘍免疫を誘導する。免疫原性細胞死(ICD)誘導剤(ジゴキシン、ジギトキシン、ラナトシドCまたはドキソルビシン塩酸塩など)(非特許文献3、4、48〜51)がIRCCEとして同定されたことを考慮して、これらの化合物が放射線療法後に抗腫瘍免疫を誘導する能力を評価した。最初に、がん(結腸CT26がんおよび線維肉腫MCA205)の2つのマウスモデルに対するIRCCEの免疫学的効果を研究するために、臨床前アプローチを展開した。最初に、特定の抗腫瘍免疫応答を引き起こすIRCCEおよびIRを組み合わせた能力が、免疫適格性のマウスを使用した抗腫瘍ワクチン接種アッセイによって認められた。以前に発表された研究(非特許文献52)によれば、免疫原性細胞死(ICD)に屈するがん細胞を免疫適格性のマウスに注射すると、腫瘍抗原に特異的な防御的免疫応答を誘発するに違いない。従って、3×10個のMCA205細胞を最初に10μMのSG6163Fで24時間処理した。次に、200μLのPBS中の処理細胞を8週齢の雌のC57BL/6マウスの下脇腹に皮下接種した。1週間後、3×10個の未処理の対照細胞をマウスの反対側の脇腹に接種した。腫瘍を一般的なキャリパーを使用して毎週評価した。体重の20〜25%を超える腫瘍担持動物は安楽死させた。IRまたはSG6163Fのみで処理したマウスは、インビトロでの細胞死の有意な増加を誘導することができないことが観察された(図5A)。実際、未処理細胞の接種後、それらは防御的応答を示さず、放射線量と使用したSG6163Fの濃度が抗がん免疫応答を刺激するのに十分ではなかったことを明らかにした(図5B)。これらの結果は、細胞の70%が原形質膜の外側の小葉にホスファチジルセリンを暴露するまで、がん細胞がインビトロで細胞毒性の抗がん処理に曝露される場合にのみ防御的応答が検出されることを示す以前に発表された結果と一致していた(非特許文献48)。驚くべきことに、MCA205細胞を8グレイのIRおよび10μMのSG6163Fと組み合わせて処理することによって、注射された5匹中3匹のマウスに防御的応答が誘導されることが観察された(図5B)。これらの結果は、IRCCEおよびIRの組み合わせによって、処理および照射細胞の有意な増加なしに、IR媒介性の抗がん免疫応答を誘発し得ることを初めて明らかにし(図5A)、細胞共食いまたは細胞共食い媒介性のシグナル経路は腫瘍の免疫原性の誘導に寄与し得ることを示唆している。次に、3×10個のCT26細胞に、10μMのSG6163F(図5Eおよび5F)、VP331(図5Iおよび5J)、ミナプリン二塩酸塩(図5Mおよび5N)またはLOPA87(図5Qおよび5R)の存在下、8グレイを24時間照射した。次に、前述のように200μLのPBS中の細胞を8週齢の雌BALB/cマウスの下脇腹に皮下接種した。1週間後、5×10個の未処理対照細胞をマウスの反対側の脇腹に接種し、腫瘍を一般的なキャリパーを使用して毎週評価した。前述のように、体重の20〜25%を超える腫瘍を担持する動物は安楽死させた。各条件で死にかかっているている細胞のパーセンテージは、DiOC(6)3/IP染色で測定することによって分かった(図5E、5I、5Mおよび5Q)。最後に、これらの化合物が、照射および処理がん細胞の注射の7日後に注射したがん細胞の増殖を抑制する能力が認められた。IRおよび化合物処理がん細胞の注射後に防御的応答を示すマウスの頻度の有意な増加が観察された(図5H、5L、5Pおよび5T)。
前述のように、がんのCT26マウスモデルに2度目の抗腫瘍ワクチン接種アッセイを行った。手短には、CT26細胞に、10μMのVP331(図6A、6F、6K)、ミナプリン二塩酸塩(図6B、6G、6L)、LOPA87(図6C、6H、6M)、SG6163F(図6D、6I、6N)、またはアザグアニン−8(8−aza)(図6E、6J、6O)の存在下8グレイを24時間照射した。次に、前述のとおり細胞を免疫適格性のBALB/cマウスに接種した。ついに、これらの化合物が、照射処理したがん細胞の注射の7日後に注射したがん細胞の増殖を抑制する能力が認められた。先の結果が裏付けられた。IRおよび化学化合物で処理したがん細胞の注射後に防御的応答を示すマウスの頻度の有意な増加が観察された(図6Pおよび6Q)。興味深いことに、ミナプリン二塩酸塩(図6B、6G、6L、6P、および6Q)とアザグアニン−8(図6E、6J、6O、6P、および6Q)のみで、がん細胞の注射後に防御的応答の増加を誘導する。
要するに、これらの結果によって、本プラットフォームで同定された化合物の防御的抗がん免疫応答を誘導する能力を明らかにした。
ミナプリン二塩酸塩自身における抗腫瘍効果の確認
我々は先にミナプリンが細胞共食いとしても知られているIV型細胞死モダリティの誘導を促進することを明らかにした。がん細胞をミナプリンで処理したときに検出されるこの非細胞自律死は、電離放射線(IR)の存在下で大幅に増加するため、従来の抗がん処理(放射線療法など)に反応して誘発される、非細胞自律がん細胞殺傷を強化するミナプリンの能力を明らかにしている。
ミナプリンは免疫原性も示し、抗腫瘍ワクチン接種アッセイによって明らかにされているように(上記参照)、インビボで特定の抗腫瘍応答を刺激する(上記参照)。
ミナプリンの免疫調節効果をさらに特徴付けるために、我々はマウスがん細胞の増殖に対するミナプリンの腫瘍内および腹腔内注射の影響を調べた。
材料および方法
化学物質、細胞株および培養条件
ミナプリンはJean-Christophe Cintratから入手した。CT26腫瘍細胞は、10%熱不活化ウシ胎児血清(FBS)、10mM HEPESバッファー、2mM L−グルタミン、10U/mLペニシリンナトリウムおよび10μg/mL硫酸ストレプトマイシンを添加したRPMI培地で培養した。
免疫適格性のマウスにおける腫瘍増殖
腫瘍内注射のために、3×10個のBalb/c由来のCT26腫瘍細胞を8週齢のBalb/cマウス(Janvier Laboratories)に皮下移植した。6日後、10μMのミナプリンまたは対照のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を腫瘍(20μL)内に注射し、腫瘍体積を週3回評価した。腹腔内注射のために、5×10個のBalb/c由来のCT26腫瘍細胞を8週齢のBalb/cマウス(Janvier Laboratories)に皮下移植した。12日後、腫瘍担持マウスに異なる濃度のミナプリン(0.3、1、3および10mg/kg)またはPBSを腹腔内注射した。腫瘍体積も週3回評価した。実験は無作為化し、EU指令63/2010に従って実施し、ギュスターブルーシーがんセンターの倫理委員会(CEEA IRCIV/IGR No.26)によって承認された。
統計および再現性
試料サイズを推定するもしくは試料を含める/除外するための統計的方法または基準を使用しなかった。研究者らは、実験および結果評価の間、グループの割り当てについて盲検ではなかった。結果を平均値±標準誤差として表す。統計的有意性を決定するために、P値の計算に2元配置分散分析(図7A)およびログランク(マンテルコックス)(図7I)検定を使用した。Prism 6ソフトウェアを生存グラフおよび統計的有意性の生成に用いた。統計的有意性を**p値<0.01または*p値<0.05として定めた。
結果
我々はまず、免疫適格性のBalb/cマウスに3×10個のBalb/c由来のCT26結腸がん細胞を皮下移植した。6日後、腫瘍担持マウスを無作為化し、10μMのミナプリン(3mg/kg)を腫瘍内に注射した。腫瘍増殖を38日間分析した。興味深いことに、ミナプリン3mg/kgを腫瘍内注射すると、腫瘍増殖が大幅に抑制することを我々は観察した(図7Aおよび7B)。このプロセスは、未処理の対照マウスと比較して、処理マウスの生存率の増加に関連しており(図7C)、従って、ミナプリンの腫瘍内注射による腫瘍増殖を抑制する能力を明らかにしている。
我々は次にミナプリンの腹腔内注射も腫瘍増殖に影響を与えることができるかどうかを調べた。従って、5×10個のBalb/c由来のCT26細胞を免疫適格性のBalb/cマウスに移植した。12日後、腫瘍担持マウスを無作為化し、対照(図7Dおよび7I)または異なる濃度のミナプリン(図7E−7I)を腹腔内注射した。ミナプリンの腫瘍内注射で観察されたように、我々は、1mg/kg、3mg/kg、および10mg/kgのミナプリンを腹腔内注射することによって、対照(図7Dおよび7I)または0.3mg/kgミナプリンで処理した腫瘍(図7Eおよび7I)と比較して、処理腫瘍の増殖を有意に抑制させることを観察し、ミナプリンの腫瘍内注射も腫瘍増殖に影響を与えることを示している。
要するに、これらの結果はミナプリンの腫瘍内および腹腔内注射の両方による腫瘍増殖を抑制させる能力を強調している。

Claims (6)

  1. がんの予防または処置に使用するための、それを必要とする対象におけるミナプリン二塩酸塩。
  2. 前記対象が脳がん、胃がん、頭頸部がん、膵臓がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、前立腺がん、結腸がん、非ホジキンスリンパ腫、肉腫、精巣がん、急性非リンパ性白血病または乳がんに罹患している、請求項1に記載の使用のためのミナプリン二塩酸塩。
  3. 注射可能な医薬組成物の形態である、請求項1または2に記載の使用のためのミナプリン二塩酸塩。
  4. 全身または腫瘍内に投与される注射可能な医薬組成物の形態である、請求項1〜3に記載の使用のためのミナプリン二塩酸塩。
  5. がんを予防または処置することを目的とする医薬品を調製するための、それを必要とする対象におけるミナプリン二塩酸塩の使用。
  6. がんに罹患している対象を予防または処置するための方法であって、ミナプリン二塩酸塩の有効量を含有する医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
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