JP2021510074A - ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼの改変体およびその使用 - Google Patents

ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼの改変体およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、(i)残基C302または機能的に等価な残基に相当する位置において少なくとも1つのアミノ酸置換を有する、配列番号2に示されるアミノ酸配列または機能的に等価な配列を含み、ここで上記位置は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を参照することによって番号付けされる、(ii)テンプレートなしに核酸フラグメントを合成し得る、および(iii)上記核酸フラグメントに改変ヌクレオチドを組み込み得る、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)の改変体に関する。

Description

発明の分野
本発明は、テンプレートなしで核酸配列を酵素的に合成するための、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)の改変体およびその使用に関する。より詳細には、本発明は、決定されたおよび制御された配列を有する核酸分子を合成するための、改変ヌクレオチドの組み込みに適したそのような改変体に関する。
背景
固相ホスホルアミダイト化学に基づく核酸のデノボ化学合成のための方法は、過去40年間にわたって、主に使用されかつ改良されてきた。その技術は、固体支持体マトリクスに結合された、成長しているオリゴヌクレオチド鎖上に、1サイクルあたり1個の塩基を付加する、4工程の鎖伸長サイクルからなる。その技術は、過去数十年間の間に核酸を合成する一般に好まれる方法であったが、この技術は、いくつかの顕著な限界がある:それは、多数の溶媒および試薬の使用を要求し、化学反応効率における限界に起因して、合成オリゴヌクレオチドの長さは、代表的には、150〜200塩基を超えない。さらに、これらの短いフラグメントは、所望のDNA配列を提供するためにさらにアセンブリされる必要がある。
化学合成に代わる1つの代替手段は、可逆的ターミネーター改変ヌクレオチドを、成長している核酸の一本鎖の鎖に付加するテンプレート非依存性DNAポリメラーゼを使用することにある。これは、制御された様式で、1サイクルあたり1つのタイプのヌクレオチドを付加することを可能にする。
いくつかの天然酵素は、テンプレートの非存在下で天然のヌクレオチドに対して作用し得るので、制御されていない様式で核酸の合成を触媒し得る。しかし、それらは、改変ヌクレオチドを、およびより詳細には、可逆的ターミネーター改変ヌクレオチドを組み込むためには特に非効率的である。改変ヌクレオチドに対して作用し得る新たなDNAポリメラーゼを開発する努力がなされてきたが、その得られた酵素は、任意のタイプの核酸の合成に対する性能に関しては、十分に満足のいくものではない。
これまでは、1本鎖DNAに対して(テンプレートの使用なしで)効率的に作用し得るごくわずかなDNAポリメラーゼが同定されている。このようなテンプレート非依存性活性を有するその最も特徴づけられたポリメラーゼは、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)である。TdT酵素は、1本鎖DNAを、バイオテクノロジー、生物医学研究および合成生物学を含む種々のタイプの適用のために改変するために広範に使用されてきた。しかし、天然のTdTは、改変ヌクレオチドを不十分にしか使用できない。
改変ヌクレオチドの組み込みの許容可能な性能を有する改変TdTを開発しようとするいくつかの試みが、行われてきた。しかし、このような改変ヌクレオチドの組み込みの性能は、なお制限因子である。組み込み効率は、全体の純度および合成収量を駆動する重要なパラメーターである。その合成プロセスのこれらの2つの特性は、核酸生成物の品質、所要時間およびコストに重大な影響を与える。
従って核酸合成のための効率的かつ費用効果のある方法を開発するために、テンプレートの非存在下で改変ヌクレオチドを使用し得る改善されたTdTを開発する必要性が存在する。
発明の要旨
制御された配列を有するポリヌクレオチドのデノボ合成のための、テンプレートを使用しないTdTに関して研究することによって、本発明者らは、上記TdTの触媒ドメインのいくつかの標的としたアミノ酸残基を具体的に改変して、このような改変TdTの能力をポリヌクレオチドの合成のために改善し得ることを発見した。より詳細には、本発明者らは、改変ヌクレオチドを用いるとしても、特注の核酸を合成する全体的なコストを低減するようにもたらす、標的としたアミノ酸置換(複数可)を有する改変TdTを開発した。上記改変TdTは、野生型TdTと比較して、1個またはこれより多くの標的としたアミノ酸置換を示し得る。より詳細には、上記改変TdTは、少なくとも、1個またはこれより多くの標的としたアミノ酸置換(複数可)を有する触媒ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)を示す。本発明のテンプレート非依存性ポリメラーゼは、ポリヌクレオチドを、より速く、より安価に、および/またはより良好な品質で合成することを可能にする。
従って、本発明の目的は、(i)残基C302または機能的に等価な残基に相当する位置で少なくとも1つのアミノ酸置換を有する、配列番号2に示されるアミノ酸配列または機能的に等価な配列を含み、ここで上記位置は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を参照することによって番号付けされる、(ii)テンプレートなしに核酸フラグメントを合成し得る、および(iii)上記核酸フラグメントに改変ヌクレオチドを組み込み得る、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)の改変体を提供することである。
特定の実施形態において、上記置換は、C302G/R/P/A/V/S/N/Q/Dから、好ましくはC302G/Rから選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、対照標準すなわち配列番号1の野生型TdT配列と少なくとも80%同一性を有するTdT改変体を含む組成物に関し、ここで(i)このようなTdT改変体は、C302G/R/P/A/V/S/N/Q/D、より好ましくはC302G/Rからの変異、またはその機能的等価物を有する、および(ii)このようなTdT改変体は、3’−O−改変ヌクレオシド三リン酸を、上記対照標準すなわち野生型TdTより高い効率で組み込む。
また、本発明の目的は、(i)M192R/Q、L260P、C302G/R、R336L/N、D379V、R454P/NおよびE457N/L/T/S、または機能的に等価な残基から選択される少なくとも2個のアミノ酸置換、好ましくは少なくとも3個のアミノ酸置換を有する、配列番号2に示されるアミノ酸配列または機能的に等価な配列を含み、ここでその位置は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を参照することによって番号付けされる、(ii)テンプレートなしに核酸フラグメントを合成し得る、ならびに(iii)上記核酸フラグメントに改変ヌクレオチドを組み込み得る、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)の改変体を提供することである。
本発明の別の目的は、上記で定義したとおりのTdTの改変体をコードする核酸分子および/またはこのような核酸分子を含む発現ベクター、および/またはこのような核酸分子もしくは発現ベクターを含む宿主細胞を提供することである。
本発明のさらなる目的は、本発明に従うTdTの改変体を生成するためのプロセスであって、ここで上記に定義されるとおりの宿主細胞が、上記改変体をコードする核酸の発現を可能にする培養条件下で培養され、上記改変体は、必要に応じて回収されるプロセスを提供することである。
本発明はさらに、1種またはこれより多くの3’O−改変ヌクレオチドを用いて、テンプレートなしで核酸分子を合成するための、TdTの改変体の使用に関する。いくつかの実施形態において、このような方法は、(a)遊離3’−ヒドロキシルを有するオリゴヌクレオチドを含む開始フラグメントを提供する工程;(b)酵素的伸長条件下で、本発明のTdT改変体と、上記開始フラグメントまたは伸長した開始フラグメントとを、3’−O−可逆的ブロックヌクレオチドの存在下で反応させる工程を包含する。いくつかの実施形態において、このような方法は、(c)上記伸長した開始フラグメントを脱ブロックして、遊離3’−ヒドロキシルを有する伸長した開始フラグメントを形成する工程、および(d)工程(b)および(c)を、所定の配列の核酸分子が合成されるまで反復する工程、をさらに包含する。
また、本発明の目的は、核酸プライマーと、少なくとも1個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも1個の3’O−改変ヌクレオチド、および本発明に従うTdTの改変体の両方とを接触させる工程を包含する、テンプレートなしで核酸分子を合成するためのプロセスを提供することである。
本発明はさらに、本発明に従うTdTの改変体、および1種またはこれより多くのヌクレオチド、好ましくは、1種またはこれより多くの3’O−改変ヌクレオチド、ならびに必要に応じて少なくとも1種の核酸プライマーを含む、ヌクレオチド組み込み反応を行うためのキットを提供する。
野生型(wt)TdTおよび本発明の種々のTdT改変体の精製アッセイ。タンパク質サンプルを、SDS−PAGE分析ゲル上に載せ、電気泳動を通じて移動させた。
wt TdTおよび本発明のTdT改変体を使用する伸長アッセイの成績の比較結果。そのアッセイは、蛍光標識プライマーおよび3’−O−アミノ可逆的ターミネーター改変ヌクレオチドを含む。その結果は、各酵素についてn=3の実験の平均値を表す。
本発明の種々のTdT改変体での伸長アッセイに関して得た結果の質量スペクトル分析。質量スペクトルの関連部分のみが示される。矢印は、予測される伸長したプライマーのピーク(質量)を示す。
発明の説明
DNAポリメラーゼファミリーは、それらの配列相同性および結晶構造に基づいて7つのファミリーに分けられる。それらの中で、PolXファミリーのポリメラーゼは、複製ポリメラーゼからターミナルトランスフェラーゼ酵素までの広く種々のポリメラーゼを代表する。PolXファミリーのポリメラーゼは、非常に広い範囲の真核生物にわたって存在する。PolXファミリーのポリメラーゼは、多種多様な生物学的プロセスに、特に、DNA損傷修復機構またはエラー修正機構に関わっている。そのPolXファミリーは、ポリメラーゼβ(Pol β)、μ(Pol μ)、λ(Pol λ)、酵母由来のIV(Pol IV)およびターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)に再編成する。TdTは、DNA修復および維持機構に天然に関わっている。特に、TdTは、テンプレート鎖の非存在下ですら、ヌクレオチド重合活性を保存する特有の能力を有する。特異的条件においてかつ天然のヌクレオチドを用いると、TdTは、数百ヌクレオチドを有するDNAフラグメントを、いかなる相補鎖の非存在下でも伸長できる。しかし、野生型TdTは、糖−改変ヌクレオチドを効率的に組み込むことが完全にできない。
従って、本発明の目的は、ヌクレオチドフラグメントの合成の間に、そのヌクレオチドフラグメントへと改変ヌクレオチドを組み込むことを可能にする、標的とした変異(複数可)を有するTdTの改変体を提供することである。より詳細には、本発明者らは、有利には、単独でまたは組み合わせにおいて置換されて、改変ヌクレオチドを使用することによることを含め、酵素が種々の長さのおよび所定の配列を有する核酸フラグメントを合成する能力を改善し得る特定のアミノ酸残基を同定した。
定義
本明細書で使用される場合、用語「変異体(mutant)」および「改変体(variant)」とは、配列番号2に由来し、かつ改変または変更、すなわち、1個またはこれより多くの(例えば、数個の)位置において置換、挿入、および/または欠失を含みかつテンプレートなしのポリメラーゼ活性および1種またはこれより多くの改変ターミネーターヌクレオチドを組み込む能力の両方を有するポリペプチドをいうために、交換可能に使用され得る。その改変体は、当該分野で周知の種々の技術によって得られ得る。特に、野生型タンパク質をコードするDNA配列を変更するための技術の例としては、部位特異的変異誘発、ランダム変異誘発および合成オリゴヌクレオチド構築が挙げられるが、これらに限定されない。変異誘発活性は、タンパク質の、または本発明の場合には、ポリメラーゼの配列中の1または数個のアミノ酸を欠失、挿入、または置換することにある。標的としたアミノ酸は、そのポリメラーゼの配列全体に沿って付随または分布され得る。例えば、特異的モチーフまたは構造的特徴は、標的とされ得る。
用語「改変」または「変更」とは、位置またはアミノ酸に関して本明細書で使用される場合、その特定の位置にあるアミノ酸が、野生型タンパク質のアミノ酸と比較して改変されていることを意味する。
「置換」とは、アミノ酸残基が、別のアミノ酸残基によって置き換えられていることを意味する。好ましくは、用語「置換」とは、あるアミノ酸残基を、天然に存在する標準の20種のアミノ酸残基、希な天然に存在するアミノ酸残基(例えば、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、アロヒドロキシリジン、6−N−メチルリジン(6−N−methylysine)、N−エチルグリシン、N−メチルグリシン、N−エチルアスパラギン、アロ−イソロイシン、N−メチルイソロイシン、N−メチルバリン、ピログルタミン、アミノ酪酸、オルニチン、ノルロイシン、ノルバリン)、および天然に存在しないアミノ酸残基(しばしば合成して作製される(例えば、シクロヘキシル−アラニン))から選択される別のものによって置き換えることをいう。好ましくは、用語「置換」とは、あるアミノ酸残基を、その天然に存在する標準の20種のアミノ酸残基から選択される別のものによって置き換えることをいう。記号「+」は、置換の組み合わせを示す。
アミノ酸は、以下の命名法に従って、それらの1文字記号または3文字記号によって本明細書で表される: A:アラニン(Ala); C:システイン(Cys); D:アスパラギン酸(Asp); E:グルタミン酸(Glu); F:フェニルアラニン(Phe); G:グリシン(Gly); H:ヒスチジン(His); I:イソロイシン(Ile); K:リジン(Lys); L:ロイシン(Leu); M:メチオニン(Met); N:アスパラギン(Asn); P:プロリン(Pro); Q:グルタミン(Gln); R:アルギニン(Arg); S:セリン(Ser); T:スレオニン(Thr); V:バリン(Val); W:トリプトファン(Trp)およびY:チロシン(Tyr)。
本文書において、以下の用語法が、置換を指定するために使用される: L238Aは、親配列の238位におけるアミノ酸残基(ロイシン,L)が、アラニン(A)に変えられていることを示す。A132V/I/Mは、親配列の132位におけるアミノ酸残基(アラニン,A)が、以下のアミノ酸のうちの1つ:バリン(V)、イソロイシン(I)、またはメチオニン(M)によって置換されていることを示す。その置換は、保存的置換または非保存的置換であり得る。保存的置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジンおよびヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸およびアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミン、アスパラギンおよびスレオニン)、疎水性アミノ酸(メチオニン、ロイシン、イソロイシン、システインおよびバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシン)、および小さいアミノ酸(グリシン、アラニンおよびセリン)のグループ内である。
本明細書で使用される場合、用語「配列同一性」または「同一性」とは、2つのポリペプチド配列間のマッチ(同一のアミノ酸残基)の数(またはパーセンテージ%として表される割合)を指す。その配列同一性は、配列ギャップを最小にしながら重複および同一性を最大にするように整列させた場合に、その配列を比較することによって決定される。特に、配列同一性は、その2つの配列の長さに依存して、多くの数学的な全体または局所のアラインメントアルゴリズムのうちのいずれかを使用して決定され得る。類似の長さの配列は、好ましくは、その配列を全体の長さにわたって最適に整列させるグローバルアラインメントアルゴリズム(例えば、Needleman and Wunschアルゴリズム; Needleman and Wunsch, 1970)を使用して整列されるが、実質的に異なる長さの配列は、好ましくは、局所アラインメントアルゴリズム(例えば、Smith and Watermanアルゴリズム(Smith and Waterman, 1981)またはAltschulアルゴリズム(Altschul et al., 1997; Altschul et al., 2005))を使用して整列される。%アミノ酸配列同一性を決定する目的のための整列は、当該分野の技術範囲内である種々の方法によって、例えば、インターネットウェブサイト(例えば、http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/ or http://www.ebi.ac.uk/Tools/emboss/)上で入手可能な公に利用可能なコンピューターソフトウェアを使用して、達成され得る。当業者は、比較されている配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含め、アラインメントを測定するための適切なパラメーターを決定し得る。本明細書での目的のために、% アミノ酸配列同一性の値は、Needleman−Wunschアルゴリズムを使用して2つの配列の最適な全体アラインメントを作り出す、ペアワイズ配列アラインメントプログラムEMBOSS Needleを使用して生成された値に言及し、ここで全ての検索パラメーターは、デフォルト値に設定される(すなわず、スコアリングマトリクス=BLOSUM62、ギャップオープン=10、ギャップ伸長=0.5、エンドギャップペナルティ=偽、エンドギャップオープン=10およびエンドギャップ伸長=0.5)。
本明細書では、用語「ペプチド」、「ポリペプチド」、「タンパク質」、「酵素」とは、その鎖を形成するアミノ酸の数に拘わらず、ペプチド結合によって連結されたアミノ酸の鎖を指す。
別段特定されなければ、本出願において開示される位置は、マウスTdTのアミノ酸配列に相当する、配列番号1に示されるアミノ酸配列を参照することによって番号付けされる。
TdTの改変体
本発明は、所定の配列のポリヌクレオチド(例えば、DNAまたはRNA)を、テンプレート鎖を使用せずに合成するために使用され得るTdT酵素の改変体を提供する。本発明のTdT改変体は、改変ヌクレオチド、およびより詳細には、3’O−改変ヌクレオチドが、ポリヌクレオチド合成の酵素媒介性方法において使用されることを可能にする。
本発明の状況において、「改変ターミナルデスオキシリボヌクレオチジルトランスフェラーゼ」、「改変TdT」、「ターミナルデスオキシリボヌクレオチジルトランスフェラーゼの改変体」および「TdTの改変体(variant of TdT)」とは、TdTのアミノ酸配列と少なくとも25% 同一性を共有し、少なくとも1個のアミノ酸残基置換を除いて、少なくとも、配列番号2に示されるアミノ酸配列、または任意の機能的に等価なフラグメントを含む酵素を指す。好ましくは、TdTの改変体は、配列番号1と少なくとも40% 同一性を共有する。
TdTがN末端からC末端に、それぞれ、核局在ドメイン(NLS)、BRCT様ドメインおよび触媒ドメイン(C−TdT)に相当する異なるドメインから構成されることは公知である。その触媒ドメイン(配列番号2)は、ポリメラーゼ活性を示す。
本発明の改変体は、特定の残基上のそれらの変異に従って記載され、その残基の位置は、マウスTdTのアミノ酸配列に相当する酵素配列 配列番号1とのアラインメントまたは配列番号1を参照することによって決定される。より詳細には、本発明の改変体は少なくとも、TdTの触媒ドメインを含む。本開示において、その残基は、マウスTdTの触媒ドメイン(配列番号2)の残基に相当する。しかし、本発明の状況において、配列番号2および/または配列番号1に機能的に等価な配列を有する任意の改変体はまた、本発明の一部である。同様に、機能的に等価な残基上で同じ変異を有する任意の改変体はまた、本発明の一部である。
本発明の状況において、「機能的に等価な配列」とは、配列番号1または配列番号2に相同なTdTの配列を指す。「機能的に等価な残基」とは、配列番号1に相同であり、かつ同一の機能的役割を有する配列のTdTの配列中の残基を意味する。機能的に等価な残基は、配列アラインメントを使用する、例えば、Mutalinラインアラインメントソフトウェア(http://multalin.toulouse.inra.fr/multalin/multalin.html; 1988, Nucl. Acids Res., 16 (22), 10881−10890)を使用することによって、同定される。アラインメントの後、その機能的に等価な残基は、考慮される異なる配列上の相同な位置にある。配列アラインメントおよび機能的に等価な残基の同定は、種間を含め、任意のTdTとそれらの天然の改変体との間で行われ得る。
TdTは、多くの他の生物または微生物において見出され得る。全てのそれらTdTは、本発明を行うための良好な候補である。特に、特定のTdT配列を変更して、改変ヌクレオチドを組み込む増大した能力を上記ポリメラーゼに与える改変は、任意の他のTdT配列を標的とし得る。よって、配列番号1を参照することによって、およびより詳細には、配列番号1のアミノ酸残基130〜510に相当する配列番号2を参照することによって本明細書で記載される変異または組み合わせは、任意の他のTdT配列に転置され得る。
本発明の第1の局面によれば、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)の改変体は、(i)残基C302または機能的に等価な残基に相当する位置において少なくとも1つのアミノ酸置換を有する、配列番号2に示されるアミノ酸配列または機能的に等価な配列を含み、ここでその位置は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を参照することによって番号付けされる、(ii)テンプレートなしに核酸フラグメントを合成し得る、および(iii)その核酸フラグメントに可逆的改変ターミネーターヌクレオチドを組み込み得る。実際に、本発明者らは、アミノ酸残基C302または任意の機能的に等価な残基上の置換が、核酸配列における3’O−改変ヌクレオチドの組み込みを可能にし得る、表面特性およびその酵素とヌクレオチドとの相互作用特性の両方に大きな影響を有することを発見した。
有利なことには、その置換は、C302G/R/P/A/V/S/N/Q/Dから、好ましくはC302G/Rから選択される。
特定の実施形態において、その改変体は、M192、L260、R336、D379、R454およびE457から選択される残基、または機能的に等価な残基に相当する位置において少なくとも1個のアミノ酸置換をさらに含む。興味深いことに、残基M192、R336、R454および/またはE457に対する置換(複数可)は、その触媒ポケットのサイズおよび形状の両方に影響を有し、残基L260および/またはD379に対する置換(複数可)は、その成長している核酸鎖との相互作用ドメインに影響を有する。
特定の実施形態において、その改変体は、配列番号2に示されるアミノ酸配列、または任意の機能的に等価な配列、およびC302およびR336、または機能的に等価な残基の両方の位置に少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。
代わりに、または加えて、その改変体は、M192、L260、R336、D379、R454およびE457から選択される残基、または機能的に等価な残基に相当する位置において、少なくとも2個のアミノ酸置換、好ましくは少なくとも3個、より好ましくは少なくとも4個、さらにより好ましくは少なくとも5個、およびより好ましくは6個のアミノ酸置換をさらに含む。
好ましくは、その置換は、M192R/Q/G/A/V/D/N/H/E、L260P/M/E/N/F/K/D/A/G、R336N/L/K/H/G/D/A/P、D379V/A/G/N/E/R/H/K/T、R454P/N/A/L/K/H/G/D、およびE457N/T/S/L/V/K/H/G/Dから選択され、好ましくは、M192R/Q、L260P、R336L/N、D379V、R454P/NおよびE457N/L/T/Sから選択される。
代わりにまたは加えて、その改変体は、T340、G413、H416、E418、W450、およびA510から選択される残基、または機能的に等価な残基、好ましくは、T340S/N/Q/C/G/M/K/D、G413L/S/P/R、H416D、E418A/V、W450Y/F/P/L/I/V/A/G/E、およびA510V/T/Gから選択される残基に相当する位置において少なくとも1個の置換をさらに含む。残基T340、W450および/またはA510に対する置換(複数可)は、触媒ポケットのサイズおよび形状の両方に対して影響を有する。残基G413、H416および/またはE418に対する置換(複数可)は、タンパク質ループ二次構造に影響を有する。残基A510に対する置換は、触媒ポケットのサイズおよび形状の両方に対して影響を有する。
興味深いことに、本発明者らは、その改変体が、有利なことには、置換の組み合わせL181F+A237V+R480Kおよび/またはG413L/S+H416D+E418Aを含み得、これら置換は、本明細書中以降、定常変異として示され、それがタンパク質安定性に対して大きな影響を有することを発見した。
特定の実施形態において、その改変体は、以下から選択される2個のアミノ酸置換の組み合わせを含む:M192R+C302R、M192R+C302G、M192Q+C302R、M192Q+C302G、L260P+C302R、L260P+C302G、C302R+R336L、C302R+R336N、C302R+D379V、C302R+R454P、C302R+R454A、C302R+E457L、C302R+E457N、C302G+R336L、C302G+R336N、C302G+D379V、C302G+R454P、C302G+R454A、C302G+E457LおよびC302G+E457N、好ましくはC302R+R336LまたはC302R+R336N。
特定の実施形態において、その改変体は、以下から選択される3個のアミノ酸置換の組み合わせを含む:M192R+L260P+C302R、M192R+L260P+C302G、M192R+C302R+R336L、M192R+C302R+R336N、M192R+C302R+D379V、M192R+C302R+R454P、M192R+C302R+R454A、M192R+C302R+E457L、M192R+C302R+E457N、M192R+C302G+R336L、M192R+C302G+R336N、M192R+C302G+D379V、M192R+C302G+R454P、M192R+C302G+R454A、M192R+C302G+E457N、M192Q+L260P+C302R、M192Q+L260P+C302G、M192Q+C302R+R336L、M192Q+C302R+R336N、M192Q+C302R+D379V、M192Q+C302R+R454P、M192Q+C302R+R454A、M192Q+C302R+E457L、M192Q+C302R+E457N、M192Q+C302G+R336L、M192Q+C302G+R336N、M192Q+C302G+D379V、M192Q+C302G+R454P、M192Q+C302G+R454A、M192Q+C302G+E457L、M192Q+C302G+E457N、L260P+C302R+R336L、L260P+C302R+R336N、L260P+C302R+D379V、L260P+C302R+R454P、L260P+C302R+R454A、L260P+C302R+E457L、L260P+C302R+E457N、L260P+C302G+R336L、L260P+C302G+R336N、L260P+C302G+D379V、L260P+C302G+R454P、L260P+C302G+R454A、L260P+C302G+E457L、L260P+C302G+E457N、C302R+R336L+D379V、C302R+R336L+R454P、C302R+R336L+R454A、C302R+R336L+E457L、C302R+R336L+E457N、C302R+R336N+D379V、C302R+R336N+R454P、C302R+R336N+R454A、C302R+R336N+E457L、C302R+R336N+E457N、C302R+D379V+R454P、C302R+D379V+R454A、C302R+D379V+E457L、C302R+D379V+E457N、C302R+R454P+E457L、C302R+R454P+E457N、C302R+R454A+E457L、C302R+R454A+E457N、C302G+R336L+D379V、C302G+R336L+R454P、C302G+R336L+R454A、C302G+R336L+E457L、C302G+R336L+E457N、C302G+R336N+D379V、C302G+R336N+R454P、C302G+R336N+R454A、C302G+R336N+E457L、C302G+R336N+E457N、C302G+D379V+R454A、C302G+D379V+E457L、C302G+D379V+E457N、C302G+R454P+E457L、C302G+R454P+E457N、C302G+R454A+E457LおよびC302G+R454A+E457N、好ましくはM192R+C302R+R336L、M192R+C302R+R336N、M192R+C302G+R336L、M192R+C302G+R336N、M192Q+C302R+R336L、M192Q+C302R+R336N、M192Q+C302G+R336L、M192Q+C302G+R336N、L260P+C302R+R336L、L260P+C302R+R336N、L260P+C302G+R336L、L260P+C302G+R336N、C302R+R336L+D379V、C302R+R336L+R454P、C302R+R336L+R454A、C302R+R336L+E457L、C302R+R336L+E457N、C302R+R336N+D379V、C302R+R336N+R454P、C302R+R336N+R454A、C302R+R336N+E457L、C302R+R336N+E457N、C302G+R336L+D379V、C302G+R336L+R454P、C302G+R336L+R454A、C302G+R336L+E457L、C302G+R336L+E457N、C302G+R336N+D379V、C302G+R336N+R454P、C302G+R336N+R454A、C302G+R336N+E457LおよびC302G+R336N+E457N。
特定の実施形態において、TdTの改変体は、置換の組み合わせM192R+L260P+C302R+R336L+R454P+E457N(DS11)、または機能的に等価な残基を有する、配列番号2のアミノ酸配列、または機能的に等価な配列を含む。
特定の実施形態において、TdTの改変体は、置換の組み合わせM192R+L260P+C302R+R336N+R454P+E457N(DS29)、または機能的に等価な残基を有する、配列番号2のアミノ酸配列、または機能的に等価な配列を含む。
特定の実施形態において、TdTの改変体は、置換の組み合わせM192R+C302R+R336L+R454P+E457N(DS173)、または機能的に等価な残基を有する、配列番号2のアミノ酸配列、または機能的に等価な配列を含む。
特定の実施形態において、TdTの改変体は、置換の組み合わせL260P+C302R+R336L+R454P+E457N(DS659)、または機能的に等価な残基を有する、配列番号2のアミノ酸配列、または機能的に等価な配列を含む。
特定の実施形態において、TdTの改変体は、置換の組み合わせC302G+R336L+R454P+E457L(DS874)、または機能的に等価な残基を有する、配列番号2のアミノ酸配列、または機能的に等価な配列を含む。
特定の実施形態において、TdTの改変体は、置換の組み合わせM192R+C302G+R336L+R454P+E457L(DS226)、または機能的に等価な残基を有する、配列番号2のアミノ酸配列、または機能的に等価な配列を含む。
特定の実施形態において、TdTの改変体は、置換の組み合わせM192Q+C302G+R336L+E457N(DS557)、または機能的に等価な残基を有する、配列番号2のアミノ酸配列、または機能的に等価な配列を含む。
本発明はより詳細には、表1に列挙されるとおりの少なくとも1個の置換または置換の組み合わせを有する、配列番号2に示されるアミノ酸配列または機能的に等価な配列を有するTdTの改変体を提供する。本発明の改変体は少なくとも、左列に列挙され「変動性の変異(Variable Mutation)」と称されるアミノ酸置換もしくは機能的に等価な残基、および必要に応じて右列に列挙され「必要に応じた定常変異(Optional Constant Mutation)」と称される置換のうち、一方もしくは両方の組み合わせ、または機能的に等価な配列を含む。
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特定の実施形態において、本発明の改変体は、配列番号2のアミノ酸配列(または機能的に等価な配列)および必要に応じてそのC末端またはN末端にさらなるアミノ酸フラグメントを含む。別の実施形態において、本発明の改変体は、配列番号1のアミノ酸配列(または機能的に等価な配列)および必要に応じてそのC末端またはN末端にさらなるアミノ酸フラグメントを含む。別の実施形態において、本発明の改変体は、配列番号2のアミノ酸配列(または機能的に等価な配列)のみからなる。より詳細には、特定の実施形態において、本発明の改変体は、BRTC様ドメイン(これは、配列番号1の残基1〜129に相当する)を欠く。
本発明の第2の局面によれば、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)の改変体は、(i)M192R/Q、 L260P、 C302G/R、 R336L/N、 D379V、 R454P/NおよびE457N/L/T/Sから選択される少なくとも3個のアミノ酸置換、または機能的に等価な残基を有する、配列番号2に示されるアミノ酸配列または機能的に等価な配列を含み、ここでその位置は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を参照することによって番号付けされる、(ii)テンプレートなしに核酸フラグメントを合成し得る、および(iii)その核酸フラグメントに改変ヌクレオチドを組み込み得る。
例えば、TdTの改変体は、以下から選択される置換の組み合わせを含む:M192R+L260P+R336L、M192R+L260P+R336N、M192R+L260P+D379V、M192R+L260P+R454P、M192R+L260P+R454A、M192R+L260P+E457L、M192R+L260P+E457N、M192R+R336L+D379V、M192R+R336L+R454P、M192R+R336L+R454A、M192R+R336L+E457L、M192R+R336L+E457N、M192R+R336N+D379V、M192R+R336N+R454P、M192R+R336N+R454A、M192R+R336N+E457L、M192R+R336N+E457N、M192R+D379V+R454P、M192R+D379V+R454A、M192R+R454P+E457L、M192R+R454P+E457N、M192R+R454A+E457L、M192R+R454A+E457N、M192Q+L260P+R336L、M192Q+L260P+R336N、M192Q+L260P+D379V、M192Q+L260P+R454P、M192Q+L260P+R454A、M192Q+L260P+E457L、M192Q+L260P+E457N、 M192Q+R336L+D379V、M192Q+R336L+R454P、M192Q+R336L+R454A、M192Q+R336L+E457L、M192Q+R336L+E457N、M192Q+D379V+R454P、M192Q+D379V+R454A、M192Q+D379V+E457L、M192Q+D379V+E457N、M192Q+R454P+E457L、M192Q+R454P+E457N、M192Q+R454A+E457L、M192Q+R454A+E457N、L260P+R336L+D379V、L260P+R336L+R454A、L260P+R336L+E457L、L260P+R336L+E457N、L260P+R336N+D379V、L260P+R336N+R454P、L260P+R336N+R454A、L260P+R336N+E457L、L260P+R336N+E457N、L260P+D379V+R454P、L260P+D379V+R454A、L260P+D379V+E457L、L260P+D379V+E457N、L260P+R454P+E457L、L260P+R454P+E457N、L260P+R454A+E457L、L260P+R454A+E457N、R336L+D379V+R454P、R336L+D379V+R454A、R336L+D379V+E457L、R336L+D379V+E457N、R336L+R454P+E457L、R336L+R454P+E457N、R336L+R454A+E457L、R336L+R454A+E457N、R336N+D379V+R454P、R336N+D379V+R454A、R336N+D379V+E457L、R336N+D379V+E457N、R336N+R454P+E457L、R336N+R454P+E457N、R336N+R454A+E457L、R336N+R454A+E457N、D379V+R454P+E457L、D379V+R454P+E457N、D379V+R454A+E457L、D379V+R454A+E457NおよびR336L+D379V+R454P、または機能的に等価な残基(複数可)。
特定の実施形態において、TdTの改変体は、置換の組み合わせR336L+R454P+E457L(DS928)、または機能的に等価な残基を有する、配列番号2のアミノ酸配列、または機能的に等価な配列を含む。
特定の実施形態において、TdTの改変体は、置換の組み合わせR336N+R454A+E457N(DS950)、または機能的に等価な残基を有する、配列番号2のアミノ酸配列、または機能的に等価な配列を含む。
このような改変体は、L181、A237、L260、T340、G413、H416、E418、W450、R480およびA510から選択される残基、または機能的に等価な残基(複数可)に相当する位置において少なくとも1個の置換をさらに含み得る。
上記で曝されるように、上記改変体はまた、定常変異の組み合わせL181F+A237V+R480Kおよび/もしくはG413L/S+H416D+E418A、または機能的に等価な残基(複数可)を含み得る。
さらなる局面によれば、本発明は、(i)M192R、M192Q、L260P、R336L、R336N、D379V、R454P、R454A、E457L、E457Nから選択される少なくとも1個のアミノ酸置換、または機能的に等価な残基(複数可)を有する、配列番号2に示されるアミノ酸配列または機能的に等価な配列を含み、ここでその位置は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を参照することによって番号付けされる、(ii)テンプレートなしに核酸フラグメントを合成し得る、および(iii)その核酸フラグメントに改変ヌクレオチドを組み込み得る、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)の改変体を提供する。
別の局面において、本発明は、(i)少なくとも、M192R+L260P、M192R+R336L、M192R+R336N、M192R+D379V、M192R+R454P、M192R+R454A、M192R+E457L、M192R+E457N、M192Q+L260P、M192Q+R336L、M192Q+R336N、M192Q+D379V、M192Q+R454P、M192Q+R454A、M192Q+E457L、M192Q+E457N、L260P+R336L、L260P+R336N、L260P+D379V、L260P+R454P、L260P+R454A、L260P+E457L、L260P+E457N、R336L+D379V、R336L+R454P、R336L+R454A、R336L+E457L、R336L+E457N、R336N+D379V、R336N+R454P、R336N+R454A、R336N+E457L、R336N+E457N、D379V+R454P、D379V+R454A、D379V+E457L、D379V+E457N、R454P+E457L、R454P+E457N、R454A+E457LおよびR454A+E457Nから選択される置換の組み合わせ、または機能的に等価な残基(複数可)を有する、配列番号2に示されるアミノ酸配列または機能的に等価な配列を含み、ここでその位置は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を参照することによって番号付けされる、(ii)テンプレートなしに核酸フラグメントを合成し得る、および(iii)その核酸フラグメントに改変ヌクレオチドを組み込み得る、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)の改変体を提供する。
従って、本発明の目的は、表2に列挙され、「変動性の変異」として列挙される任意の置換もしくは置換の組み合わせ、または機能的に等価な残基(複数可)、および必要に応じて定常変異L181F+A237V+R480K、G413L/S+H416D+E418Aのうちの一方または両方の組み合わせ、もしくは機能的に等価な残基(複数可)を有する、配列番号2に示されるアミノ酸配列、または機能的に等価な配列を有するTdT改変体を提供することである。
特定の実施形態によれば、その改変体は、表2に列挙されるとおりの少なくとも1個の置換または置換の組み合わせ、および必要に応じて1個またはこれより多くのさらなる変異を含む。
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本発明によれば、TdTの改変体は、上記で記載される置換または置換の組み合わせ、および配列番号1と少なくとも80% 同一性もしくは機能的に等価な配列、好ましくは配列番号1と少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99% 同一性または機能的に等価な配列を有する。
本発明によれば、上記で開示されるとおりのTdTの全ての改変体は、テンプレートなしで核酸フラグメントを合成し得、かつ改変ヌクレオチドをその核酸フラグメントへと組み込み得る。有利なことには、上記改変体は、配列番号1または配列番号2のTdTと比較して、改変ヌクレオチド、好ましくは3’O−改変ヌクレオチドを、核酸フラグメントに組み込む増大した能力を有する。
上記の実施形態のうちのいくつかにおいて、3’O−改変ヌクレオシド三リン酸を組み込むことにおける改変体TdTの効率は、配列番号1の配列の野生型TdTの効率の少なくとも110%であり;他の実施形態においては、3’O−改変ヌクレオシド三リン酸を組み込むことにおける改変体TdTの効率は、配列番号1の配列の野生型TdTの効率の少なくとも150%である;他の実施形態においては、3’O−改変ヌクレオシド三リン酸を組み込むことにおける改変体TdTの効率は、配列番号1の配列の野生型TdTの効率の少なくとも少なくとも200%である。
さらなる改変
1つの実施形態において、TdTの改変体は、そのN末端、C末端または両方の末端に任意のタイプのタグ化ペプチド(例えば、His−タグ配列)をさらに含む。上記タグ化ペプチドは、精製、同定、発現の増大、分泌性または触媒活性の増大のために使用され得る。このような種々のタグが、文献中に広範に記載され、従って、当業者に公知の全てのタグが、本発明によって網羅されることは、理解される。
本発明の改変体はまた、例えば、組換えポリメラーゼの精製における使用のための、そのタンパク質のN末端および/またはC末端領域において1またはこれより多くの外因性もしくは異種の特徴を含み得る。
本発明の改変体は、配列番号3のPolμポリメラーゼ配列の残基H363〜C390(ここでその位置は、配列番号3に示されるアミノ酸配列を参照することによって番号付けられる)または機能的に等価な残基による、C378位〜L406位の間の残基(ここでその位置は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を参照することによって番号付けされる)または機能的に等価な残基の置換をさらに含み得る。
有利なことには、TdTの改変体は、その開示された置換(複数可)を有する、少なくとも、配列番号2のアミノ酸配列または機能的に等価な配列を含む。特定の実施形態において、TdTの改変体は、その開示された置換(複数可)を有する、配列番号2のアミノ酸配列(または機能的に等価な配列)のみで構成される。別の特定の実施形態において、TdTの改変体は、配列番号2においてその開示された置換(複数可)を有する、少なくとも、配列番号1のアミノ酸配列または機能的に等価な配列を含む。好ましくは、その改変体は、配列番号1の残基1〜130に相当するBRTC様ドメインのうちの全てまたは一部を除いて、配列番号1に示されるアミノ酸配列、または機能的に等価な配列を有する。
改変ヌクレオチド
本発明によれば、TdTの改変体は、改変ヌクレオチド、好ましくは改変3’O−ヌクレオチドおよびより好ましくは3’O−ブロックヌクレオチドを組み込み得る。
本発明の状況において、表現「改変ヌクレオチド」とは、その末端のうちの1つ:2’、3’、5’または塩基に少なくとも1個のさらなる基を有する3個のリン酸基に結合したヌクレオシド(すなわち、デオキシリボースまたはリボース糖分子に結合した塩基)を含む分子をいう。上記さらなる基は、いかなるホスホジエステル結合(3’O−改変、2’または2’O改変)の形成をも防止することによって、またはそのポリメラーゼが、その3’末端上でこのような改変ヌクレオチド(5’または塩基改変)を含む任意の核酸フラグメントに結合することを立体的に防止することによって、ヌクレオチドのさらなる付加をブロックする。さらには、上記さらなる基は、有利なことには、その基が特異的切断反応を通じて除去されることを可能にする可逆的性質を有する。
ヌクレオシドまたはヌクレオチド三リン酸としては、デオキシリボースを含むヌクレオチドの例については、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)またはデオキシチミジン三リン酸(dTTP)が挙げられる。アデノシン三リン酸(ATP)、グアノシン三リン酸(GTP)、シチジン三リン酸(CTP)またはウリジン三リン酸(UTP)は、リボースを含むヌクレオチド三リン酸のさらなる例である。ヌクレオシドの他のタイプは、ヌクレオチド三リン酸を形成するために3個のリン酸に結合され得る(例えば、天然に存在する改変ヌクレオシドおよび人工ヌクレオシド)。
特定の実施形態において、その改変ヌクレオチドは、3’O−ブロックヌクレオチドであり、これは、さらなるヌクレオチド付加を防止するために、そのヌクレオチド三リン酸の3’末端に可逆的に結合した基を含む。上記基は、多様な化学的性質を有し得る(例えば、アジドメチル、アミノキシ、およびアリル)。
いくつかの実施形態において、その改変ヌクレオチドは、プリンまたはピリミジン塩基およびそこに共有結合した除去可能な3’−OHブロッキング基を有するリボースまたはデオキシリボース糖部分を含む改変ヌクレオチドまたはヌクレオシド分子を含み、その結果、その3’炭素原子は、以下の構造の基:
−O−Z
を結合しており、
ここで−Zは、−C(R’)2−O−R”、−C(R’)2−N(R”)2、−C(R’)2−N(H)R”、−C(R’)2−S−R”および−C(R’)2−Fのうちのいずれかであり、ここで各R”は、除去可能な保護基であるか、その保護基の一部であり;各R’は独立して、is 水素原子、アルキル、置換されたアルキル、アリールアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式、アシル、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシもしくはアミド基、または連結基を通じて結合された検出可能な標識であり;ただし、いくつかの実施形態において、このような置換基は、10個までの炭素原子および/または5個までの酸素もしくは窒素ヘテロ原子を有するか;または(R’)2は、式=C(R”’)2のアルキリデン基を表し、ここで各R”’は、同じであっても異なっていてもよく、水素およびハロゲン原子を含む基ならびにアルキル基から選択されるが、ただしいくつかの実施形態において、各R’”のアルキルは、1〜3個の炭素原子を有し;ここでその分子が反応して、各R”がHに交換される中間体を生じ得るか、あるいはZは、−(R’)2−Fであり、そのFは、OH、SHまたはNH2、好ましくはOHに交換され、その中間体は、水性条件下で解離して、遊離3’−OHを有する分子を生じる;ただしここでZは、−C(R’)2−S−R”であり、両方のR’基は、Hではない。ある種の実施形態において、その改変ヌクレオチドまたはヌクレオシドのR’は、アルキルまたは置換されたアルキルであるが、ただしこのようなアルキルまたは置換されたアルキルは、1〜10個の炭素原子および0〜4個の酸素または窒素ヘテロ原子を有する。ある種の実施形態において、その改変ヌクレオチドまたはヌクレオシドの−Zは、式−C(R’)2−N3のものである。ある種の実施形態において、Zは、アジドメチル基である。
いくつかの実施形態において、Zは、200またはこれより小さい分子量を有するヘテロ原子ありまたはなしの切断可能な有機部分である。他の実施形態において、Zは、100またはこれより小さい分子量を有するヘテロ原子ありまたはなしの切断可能な有機部分である。他の実施形態において、Zは、50またはこれより小さい分子量を有するヘテロ原子ありまたはなしの切断可能な有機部分である。
さらに特定の実施形態において、「3’O改変ヌクレオチド」とは、3’末端に3’−O−メチル、3’−アジド、3’−O−アジドメチル、3’−O−アミノ、3’−アミノキシまたは3’−O−アリル基のいずれかを有するヌクレオチド三リン酸を指す。さらなる実施形態において、その3’−ブロックヌクレオチド三リン酸は、3’−O−アジドメチル、3’−アミノキシまたは3’−O−アリル基のいずれかによってブロックされる。他の実施形態において、「3’O改変ヌクレオチド」とは、3’末端にエステル、エーテル、カルボニトリル、ホスフェート、カーボネート、カルバメート、ヒドロキシルアミン、ボレート、ニトレート、糖、ホスホルアミド、ホスホルアミデート、フェニルスルホネート(phenylsulfenate)、スルフェート、スルホンまたはアミノ酸のいずれかを有するヌクレオチド三リン酸を指す。いくつかの実施形態において、前述の3’−O−ブロッキング基は、100またはこれより小さい分子量を有する。
なお他の実施形態において、本発明の3’−O−ブロッキング基は、メチル、3’−O−(2−ニトロベンジル)、アリル、アミン、アジドメチル、tert−ブトキシエトキシ、またはプロパルギルを含む。
さらに特定の実施形態において、「3’O改変ヌクレオチド」とは、WO2016034807に記載されるもののようなターミネーターエフェクター改変基を有するヌクレオチド三リン酸を指す。
興味深いことに、本発明の改変体は、野生型TdTと比較した場合、改変ヌクレオチドに対して増大した親和性、およびそれによって、このような改変ヌクレオチドを、核酸合成の間に核酸配列の中に組み込む増大した能力を示す。より詳細には、本発明の改変体は、改変3’O−ヌクレオチド(およびより詳細には、3’O−ブロックヌクレオチド)を使用し、核酸配列の中に組み込むことができる。このことは、野生型TdTでは不可能である(Knapp et al. Chem. Eur. J., 2011, 17:2903を参照のこと)。
特定の局面によれば、本発明は、核酸の酵素による合成プロセスにおいて改変ヌクレオチドで、特に、3’O−改変ヌクレオチド(例えば、3’O−ブロックヌクレオチド)で機能し得、長い核酸分子または核酸分子の誘導体を生成する能力を有するTdTの改変体に関する。
核酸の酵素による合成
本発明の目的は、Ybert et al, WO2015/159023; Jensen et al, Biochemistry, 57: 1821−1832 (2018); Hiatt et al, 米国特許第5808045号に記載されるような、核酸の合成のために使用され得るTdTの改変体を提供することである。より詳細には、本発明の目的は、改変ヌクレオチドを開始核酸鎖に付加するために適したTdTの改変体を提供することである。次いで、そのブロッキング基は、改変ヌクレオチドの新たな付加を可能にするために除去され得る。
本発明によれば、本発明の改変体を使用することによって、付加および脱保護を含む連続サイクルを実行することが可能である。このプロセスは、従って、可逆的改変ヌクレオチドの付加およびそのブロッキング基のさらなる除去の多数のサイクルによって、開始核酸鎖の、規定された配列への制御された伸長を可能にする。
本発明は、任意の酵素による核酸合成プロセスにおいて、本発明に従う改変TdTの使用を企図する。
また、本発明の目的は、テンプレートなしで核酸分子を合成するためのプロセスであって、核酸プライマーと、少なくとも1個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも1個の3’O−改変ヌクレオチド、および本発明の改変体の両方とを接触させる工程を包含するプロセスを提供することである。
本発明は、酵素による核酸合成プロセスの概念を企図する。このようなプロセスにおいて、核酸分子は、いかなるテンプレート鎖の非存在下でも、デノボ合成される。よって、ヌクレオチドの規則正しい配列は、本発明の改変体の助けを借りて、開始核酸フラグメントにカップリングされる。定量的カップリングおよびより一般には、成長している核酸鎖への各ヌクレオチドの高カップリング効率は、非常に重要であることは、理解される。非ターミネーターヌクレオチド(例えば、天然のヌクレオチドまたは永久的に標識されたヌクレオチド)が、その合成された配列に対するいかなる制御をも許容せず、例えば、制御されないおよび望ましくないポリ付加を生じることはまた、理解される。
特定の実施形態によれば、その酵素による核酸合成プロセスは、
a.固体支持体に連結された核酸分子を提供する工程;
b.以前の核酸分子と、可逆的ターミネーター改変ヌクレオチドおよび本発明に従うTdTの改変体とを反応させる工程;
を包含する。
別の特定の実施形態によれば、その酵素による核酸プロセスは、
a.固体支持体に連結された核酸分子を提供する工程;
b.可逆的改変ヌクレオチドおよび本発明に従うTdTの改変体を添加する工程;
c.その固体支持体からの1またはいくつかの試薬の第1の除去工程;
d.その可逆的改変ヌクレオチドの可逆的部分を、さらなるその後の伸長のために、その可逆的部分を脱保護するために反応させる工程;
e.その固体支持体からの1またはいくつかの試薬の第2の除去工程;
f.必要に応じておよび最後に、その核酸分子をその固体支持体から切断する工程、
を包含する。
別の特定の実施形態によれば、その酵素による核酸プロセスは、以下の方法において細分されたサイクル:
a. 上記フラグメントの一方の末端へXiヌクレオチドを伸長させる段階であって、Xは、1〜5の間、好ましくは1〜3の間であることが可能であり、iは、そのサイクル数であり、n+Xiのヌクレオチドを含むフラグメントを得ることを可能にし(第1段階として公知)であり、以下のステージを含む段階:
− 第1の支持体に、開始核酸フラグメントまたは伸長の過程にある核酸フラグメント(n個のヌクレオチドを含む)の第1の末端を結合させる第1のステージ、
− TdTの改変体に必要な試薬を添加するステージ、
− TdTの改変体が上記核酸フラグメントの第2の末端にXiヌクレオチドを付加するステージであって、Xは、1〜5の間、好ましくは1〜3の間であり、iは、そのサイクル数であるステージ、
− その反応媒体から望ましくない試薬を除去する必要に応じたステージ、
− 上記第1の支持体から、n+Xiヌクレオチドを含む上記フラグメントを解離させるステージ、
− n+Xiヌクレオチドを含む上記フラグメントを移動させる第1のステージ、
b. n+Xiヌクレオチドを含む正確な配列を有するフラグメントを精製する段階(第2段階として公知)であって、以下の連続するステージを含む段階:
− 第2の支持体に、n+Xiヌクレオチドを含む上記フラグメントを、その第1段階の間に付加されたXiヌクレオチドを有するそれらの末端によって結合させる第2のステージ、
− その第2の支持体に結合していなかったフラグメントを除去するステージ、
− n+Xiヌクレオチドを含む上記フラグメントを上記第2の支持体から解離させるステージ、
− 上記反応媒体から、望ましくない残留試薬を除去する必要に応じたステージ;
c. n+Xiヌクレオチドを含む正確な配列を有するフラグメントを増幅する、好ましくは酵素により増幅する(例えば、PCRによって)必要に応じた段階(第3段階として公知)であって、以下の連続するステージを含む段階:
− 増幅に必要な試薬を添加するステージ、
− n+Xiヌクレオチドを含むフラグメントの乗算係数(multiplication factor)Yiによる乗算のステージ(必要に応じて、そのプロセスを可能にするサブステージから構成される)であって、iは、サイクル数であり、Yは1〜4×1010の間、好ましくは1〜1×10の間であることが可能であるステージ、
− n+Xiヌクレオチドを含むフラグメントを移動させるステージ、
を含み、各サイクルは、酵素による付加および酵素による増幅と適合性の反応媒体(例えば、水性媒体)中で行われ、その合成プロセスはまた、そのi回の伸長サイクルの全ての最後に、乗算係数Yfによる、最終増幅するステージを含む。
いくつかの実施形態において、そのポリヌクレオチドを合成する方法は、(a)遊離3’−ヒドロキシルを有する開始フラグメントを提供する工程;(b)その開始フラグメントまたは遊離3’−ヒドロキシルを有する伸長中間体を、本発明の改変体TdTと、3’−O−ブロックヌクレオシド三リン酸の存在下で、伸長条件下で反応させて、3’−O−ブロック伸長中間体を生成する工程;(c)その伸長中間体を脱ブロックして、遊離3’−ヒドロキシルを有する伸長中間体を生成する工程;ならびに(d)工程(b)および(c)を、そのポリヌクレオチドが合成されるまで反復する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、そのポリヌクレオチドを合成する方法は、(a)固体支持体に結合した開始フラグメントを提供する工程であって、そのイニシエーター(iniator)は、遊離3’−ヒドロキシルを有するオリゴヌクレオチドである工程;(b)その開始フラグメントまたは遊離3’−ヒドロキシルを有する伸長中間体と、本発明の改変体TdTとを、3’−O−ブロックヌクレオシド三リン酸の存在下で、伸長条件下で反応させて、3’−O−ブロック伸長中間体を生成する工程;(c)その固体支持体を洗浄して、組み込まれていない3’−O−ブロックヌクレオシド三リン酸を除去する工程;(d)その固体支持体を脱ブロック剤に曝すことによってその伸長中間体を脱ブロックして、遊離3’−ヒドロキシルを有する伸長中間体を生成する工程;ならびに(e)工程(b)および(d)を、そのポリヌクレオチドが合成されるまで反復する工程を包含する。その方法は、その完成したポリヌクレオチドをその固体支持体から切断するさらなる工程を包含し得る。
いくつかの実施形態において、工程(b)のTdT触媒付加反応に関しては、酵素条件は、3’−ヒドロキシルを保護する除去可能なブロッキング部分を有する約0.20〜約200μMのヌクレオチドおよびその開始基質に由来する遊離かつ改変されていない約0.20〜200μMの3’−ヒドロキシルを含み得る。いくつかの実施形態において、その反応緩衝液は、約10〜約500mM カコジル酸カリウム緩衝液(6.5〜7.5の間のpH)、および約0.01〜約10mMの二価カチオン(例えば、CoClまたはMnCl)を含む。他の緩衝液組成および構成要素は、本発明の特定の望ましい実施形態に適切であり得る。
本発明の状況において、表現「切断反応(cleaving reaction)」とは、可逆的改変ヌクレオチドに対して先に記載されるさらなる基を切断し得る、物質の任意の作用または物理的条件を指す。当業者は、任意の先に列挙した基のための切断反応を決定し得る。
一実施形態において、その切断剤は、化学的切断剤である。代替の実施形態において、その切断剤は、酵素切断剤である。
切断剤の選択が、使用される3’−ヌクレオチドブロッキング基のタイプに依存することは、当業者によって理解される。例えば、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)は、3’O−アジドメチル基を切断するために使用され得るか、パラジウム錯体は、3’O−アリル基を切断するために使用され得るか、または亜硝酸ナトリウムは、3’O−アミノ基を切断するために使用され得る。特定の実施形態において、その切断反応は、TCEP、パラジウム錯体または亜硝酸ナトリウムが関わる。
特定の実施形態において、その切断反応は、さらなる構成要素(例えば、変性剤(例えば、尿素、塩化グアニジウム、ホルムアミドまたはベタイン))の存在下で行われる。さらなる実施形態において、その切断反応は、1種またはこれより多くの緩衝液を用いて行われる。緩衝液の選択が、その正確な反応機構に依存することは、当業者によって理解される。
本発明は、定量的様式で、改変ヌクレオチドを組み込む能力を有するTdTの改変体に関する。「定量的様式(quantitative way)」または「定量的反応」とは、完了に至る反応(すなわち、この場合、反応物は、生成物に完全に変換される)を意味する。定量的様式で可逆的改変ヌクレオチドを組み込むポリメラーゼは、利用可能なヌクレオチド全てを用いて核酸のあらゆるフラグメントを伸長することができ、長さnの開始フラグメントの全てを長さn+1のフラグメントへの変換をもたらすポリメラーゼである。
本明細書で使用される場合、「開始フラグメント(initiating fragment)」とは、遊離3’末端を有する短い、さらに伸長され得るオリゴヌクレオチド配列を指す。一実施形態において、その開始フラグメントは、DNA開始フラグメントである。代替の実施形態において、その開始フラグメントは、RNA開始フラグメントである。
一実施形態において、その開始フラグメントは、3〜100個の間、特に、3〜20個の間のヌクレオチドを有する。
一実施形態において、その開始フラグメントは1本鎖である。代替の実施形態において、その開始フラグメントは2本鎖である。
一実施形態において、その開始フラグメントは、固体支持体に固定される。その開始フラグメントは、固体支持体に種々の方法で結合され得、そのフラグメントが受ける種々の酵素反応または合成反応の条件下で安定をもたらす。
一実施形態において、その開始フラグメントは、可逆的相互作用部分(例えば、化学的に切断可能なリンカー)、抗体/免疫原性エピトープ、ビオチン/ビオチン結合タンパク質またはグルタチオン−GSTタグを介して、固体支持体に固定される。さらなる実施形態において、その開始フラグメントは、化学的に切断可能なリンカー(例えば、ジスルフィド、アリル、またはアジドでマスクされたヘミアミナールエーテルリンカー)を介して固体支持体に固定される。
開始フラグメントにおいて、その固定された部分は、少なくとも1個の制限部位を含む。制限酵素および制限部位を使用して、特異的部位で核酸鎖を選択的に加水分解することは、文献中で記載されている。いずれの当業者も、開始フラグメント切断部位配列にマッチする適切な制限酵素を選択し得る。
代替の実施形態において、その開始フラグメントは、少なくとも1個のウリジンを含む。ウラシル−DNAグリコシラーゼ(UDG)での処理は、無塩基部位を生成する。無プリン/無ピリミジン(AP)部位エンドヌクレアーゼでの適切な基質に対する処理により、核酸鎖が得られる。
核酸分子
また、本発明の目的は、本発明の改変体をコードする核酸分子を提供することである。本明細書で使用される場合、「核酸分子」とは、ヌクレオシドのポリマーを指す。一実施形態において、その核酸はDNAである。代替の実施形態において、その核酸はRNAである。代替の実施形態において、その核酸はXNAである。
先に列挙した核酸分子の各々が、ポリマー分子を構成するヌクレオチドの塩基上に改変を有し得ることは、当業者によって理解される。このような改変は、天然の改変(例えば、エピジェネティック改変)または天然でない改変(例えば、標識)であり得る。
一実施形態において、核酸分子は、天然に存在するエピジェネティック改変(例えば、メチル化、ヒドロキシメチル化、ホルミル化または5−カルボキシル化)を有する、DNA、RNAまたはXNAである。
一実施形態において、核酸分子は、天然に存在しない改変(例えば、蛍光タグ、蛍光標識、相互作用基)を有する、DNA、RNAまたはXNAである。
一実施形態において、核酸分子は、以下より大きい長さを有するポリマー分子である:50ヌクレオチド、100ヌクレオチド、200ヌクレオチド、300ヌクレオチド、400ヌクレオチド、500ヌクレオチド、600ヌクレオチド、700ヌクレオチド、800ヌクレオチド、900ヌクレオチド、1000ヌクレオチド、2000ヌクレオチド、3000ヌクレオチド、4000ヌクレオチド、5000ヌクレオチド、6000ヌクレオチド、7000ヌクレオチド、8000ヌクレオチド、9000ヌクレオチド、10000ヌクレオチド、15000ヌクレオチド、20000ヌクレオチド、30000ヌクレオチド、40000ヌクレオチド、50000ヌクレオチド、または100000ヌクレオチド。
適用
核酸合成、オリゴヌクレオチド合成、プローブ合成、タグ化、核酸増幅、アプタマー、治療用核酸分子、創薬ターゲットおよび検証、疾患診断、代謝工学、データ格納、収穫物改良、ライブラリーデザイン、シーケンシングプール、核酸標識もしくは結合、または核酸分子が関わる任意の他の適用のために使用されるべきTdTの改変体の使用が、本明細書で記載される。
改変体TdTの生成
本発明の改変体は、公知の対照標準すなわち野生型TdTをコードするポリヌクレオチドを変異させ、次いで、これを従来の分子生物学技術を使用して発現させることによって、生成され得る。例えば、マウスTdT遺伝子(配列番号1)は、従来の分子生物学技術を使用して、例えば、Stemmer et al, Gene, 164: 49−53 (1995); Kodumal et al, Proc. Natl. Acad. Sci., 101: 15573−15578 (2004)などによって記載されるプロトコールを使用して、合成フラグメントからアセンブリされ得るか、またはそれは、Boule et al, Mol. Biotechnology, 10: 199−208 (1998)、もしくはBentolila et al, EMBO J., 14: 4221−4229 (1995)などによって記載されるプロトコールを使用して、マウス細胞から直接クローニングされ得る。
例えば、単離されたTdT遺伝子は、発現ベクター(例えば、pET32(Novagen))へと挿入されて、ベクターpCTdTを与え得、このベクターは次いで、改変体TdTタンパク質を従来のプロトコールを使用して作製および発現するために使用され得る。正確な配列を有するベクターは、E.coliプロデューサー株において形質転換され得る。
形質転換された株は、従来の技術を使用して培養されて、ペレットを形成し、そのペレットから、TdTタンパク質が抽出される。例えば、以前に調製したペレットを30〜37℃のウォーターバスの中で解凍する。いったん完全に解凍すると、ペレットを、50mM tris−HCL(Sigma) pH7.5、150mM NaCl(Sigma)、0.5mM メルカプトエタノール(Sigma)、5% グリセロール(Sigma)、20mM イミダゾール(Sigma)およびプロテアーゼカクテルインヒビターの100mLのための1錠(Thermofisher)から構成される溶解緩衝液中に再懸濁する。早過ぎる溶解および凝集物の残留を回避するために、再懸濁を注意深く行う。再懸濁した細胞を、完全な色の均一性が得られるまで数サイクルのフレンチプレスによって溶解する。使用される通常の圧力は、14,000psiである。次いで、溶解物を1時間〜1時間30分、10,000rpmにおいて遠心分離する。遠心分離物(centrifugate)を、0.2μmフィルタに通して、カラム精製の前にいかなるデブリをも除去する。
TdTタンパク質を、その遠心分離物から1工程アフィニティ手順で精製し得る。例えば、Ni−NTAアフィニティカラム(GE Healthcare)を使用して、そのポリメラーゼを結合させる。最初に、そのカラムを15カラム容積の50mM tris−HCL(Sigma) pH7.5、150mM NaCl(Sigma)および20mM イミダゾール(Sigma)で洗浄および平衡化している。平衡化した後に、ポリメラーゼをそのカラムに結合させる。次いで、洗浄緩衝液(50mM tris−HCL(Sigma) pH7.5、500mM NaCl(Sigma)および20mM イミダゾール(Sigma)から構成される)を、15カラム容積にわたってそのカラムに適用する。洗浄後、そのポリメラーゼを、50mM tris−HCL(Sigma) pH7.5、500mM NaCl(Sigma)および0.5M イミダゾール(Sigma)で溶離する。目的のポリメラーゼの最高濃度に相当する画分を集め、1つのサンプルにプールする。そのプールした画分を、透析緩衝液(20mM Tris−HCl,pH6.8、200mM NaCl、50mM MgOAc、100mM [NH4]2SO4)に対して透析する。その透析物を、その後、濃縮フィルタ(Amicon Ultra−30, Merk Millipore)の助けを借りて濃縮する。濃縮した酵素を、最終50% グリセロールを添加した小さなアリコートで分配し、次いで、それらアリコートを−20℃で凍結し、長期間貯蔵した。その精製した酵素の5μLの種々の画分を、SDSPAGEゲルで分析する。
キット、酵素およびヌクレオチド組成物
本発明の特定の局面は、必要に応じて、開始フラグメント、1種またはこれより多くの可逆的ターミネーターヌクレオチド、さらなる酵素および切断反応において使用される試薬から選択される1種またはこれより多くの構成要素の任意の組み合わせとともに、本発明にまたは本発明の任意の特定の局面に従うTdTの改変体を含む組成物およびTdTの改変体を含むキットの使用に関する。上記キットは、酵素による核酸合成の方法において使用され得る。
本発明は、適切な緩衝液および比率濃度(ratio concentration)を有する混合物中の可逆的改変ヌクレオチドとともに、本発明にまたは本発明の任意の特定の局面に従うTdTの改変体を含む組成物(composition of matter)を網羅する。
実施例1 − 本発明に従うTdTの改変体の生成、発現および精製
発現株生成
TdTマウス遺伝子を、[Boule et al., 1998, Mol. Biotechnol. 10, 199−208]に記載されるpET28プラスミドから生成した。配列番号4の配列(Tag TdT)を、標準的な分子生物学技術を通じて、以下のプライマーを使用することによって増幅した:
Figure 2021510074
次いで、その配列をプラスミドpET32骨格へとクローニングして、新たなpCTdTプラスミドを得た。
配列決定の後に、pCTdTを、市販のE.coli細胞BL21(DE3, Novagenから)に形質転換した。カナマイシンを含むプレート上で成長しているコロニーを単離し、Ec−CTdTと称した。
ポリメラーゼ改変体生成
そのpCTdTベクターを、出発ベクターとして使用する。1またはいくつかの点変異を含む特異的プライマーを、Agilentオンラインソフトウェアから生成した(http://www.genomics.agilent.com:80/primerDesignProgram.jsp)。市販のキットQuickChange II(Agilent)を使用して、標的とした変異を含む所望の改変ポリメラーゼを生成した。実験手順は、供給者のプロトコールに従った。そのDSiまたはDSi’改変体をコードする得られたプラスミドを、pDSiまたはpDSi’と称する(ここでiは、表1または表2に示される改変体の番号である)。その異なるpDSiまたはpDSi’ベクターの生成後に、それらの各々を配列決定した。正確な配列を有するベクターを、E.coliプロデューサー株(先に記載されるとおり)において形質転換した。カナマイシンLB−アガープレート上で成長し得るコロニーを単離し、Ec−DSiまたはEc−DSi’と称する。
発現
Ec−CTdTおよびEc−DSiまたはEc−DSi’株を使用して、適切な量のカナマイシンを補充した50mLのLB培地を含む250mL フラスコ(erlen)に接種した。37℃で一晩成長させた後、適切な容積のこれら前培養物を使用して、カナマイシンを有する2L LB培地を含む5L フラスコに接種した。その5L培養物の初期ODは、0.01であるように選択する。そのフラスコを強力な撹拌下で37℃に置き、その異なる培養物のODを、定期的にチェックする。0.6〜0.9の間で構成されるODに達した後に、各フラスコに、1mLの1M IPTG(イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド, Sigma)を添加することによって補充する。そのフラスコを、撹拌へと戻して37℃の制御された温度の下に置く。一晩の発現後に、その細胞を、いくつかのペレットで採取する。その同じ改変体を発現するペレットをプールし、−20℃で、最終的には数カ月間貯蔵する。
抽出
以前に調製したペレットを、30〜37℃ ウォーターバス中で解凍する。いったん完全に解凍すると、ペレットを、50mM tris−HCL(Sigma) pH7.5、150mM NaCl(Sigma)、0.5mM メルカプトエタノール(Sigma)、5% グリセロール(Sigma)、20mM イミダゾール(Sigma)およびプロテアーゼカクテルインヒビターの100mLのための1錠(Thermofisher)から構成される溶解緩衝液中に再懸濁する。早過ぎる溶解および凝集物の残留を回避するために、再懸濁を注意深く行う。再懸濁した細胞を、完全な色の均一性が得られるまで数サイクルのフレンチプレスによって溶解する。使用される通常の圧力は、14,000psiである。次いで、溶解物を1時間〜1時間30分、10,000rpmにおいて遠心分離する。遠心分離物を、0.2μmフィルタに通して、カラム精製の前にいかなるデブリをも除去する。
精製
1工程アフィニティ手順を使用して、その生成し、抽出したポリメラーゼ酵素を精製する。Ni−NTAアフィニティカラム(GE Healthcare)を使用して、そのポリメラーゼを結合させる。最初に、そのカラムを15カラム容積の50mM tris−HCL(Sigma) pH7.5、150mM NaCl Sigma)および20mM イミダゾール(Sigma)で洗浄および平衡化している。平衡化した後に、ポリメラーゼをそのカラムに結合させる。次いで、洗浄緩衝液(50mM tris−HCL(Sigma) pH7.5、500mM NaCl(Sigma)および20mM イミダゾール(Sigma)から構成される)を、15カラム容積にわたってそのカラムに適用する。洗浄後、そのポリメラーゼを、50mM tris−HCL(Sigma) pH7.5、500mM NaCl(Sigma)および0.5M イミダゾール(Sigma)で溶離する。目的のポリメラーゼの最高濃度に相当する画分を集め、1つのサンプルにプールする。そのプールした画分を、透析緩衝液(20mM Tris−HCl, pH6.8、200mM NaCl、50mM MgOAc、100mM [NHSO)に対して透析する。その透析物を、その後、濃縮フィルタ(Amicon Ultra−30, Merk Millipore)の助けを借りて濃縮する。濃縮した酵素を、最終50% グリセロールを添加した小さなアリコートで分配し、次いで、それらアリコートを−20℃で凍結し、長期間貯蔵する。その精製した酵素の5μLの種々の画分を、SDS−PAGEゲルで分析する。
結果を図1に示す。ゲルは、各TdT(改変体および野生型の両方)に関して、カラム素通り(FT)および種々の画分F1〜F4(その溶離ピークに相当)を示す。分子量マーカー(M)もまた、そのゲルに載せた。図1は、本発明に従うTdTの改変体は、TdT野生型と比較して、高純度レベル(約90%)および良好な発現を表すことを示す(カラムF2および/またはF3を参照のこと)。
実施例2 − 蛍光プライマーでのTdTの改変体の活性の評価
活性試験
実施例1に従って生成、発現および精製した表1からの改変体DS11、DS29、DS173、DS659、DS874の伸長成績を、以下のアッセイによって評価する。その結果は全て、互いとおよびその野生型TdT酵素(配列番号1)とおよびいかなるポリメラーゼ酵素をも欠くコントロールチューブと比較する。
Figure 2021510074
その活性緩衝液は、例えば、CoClを補充したTdT反応緩衝液(New England Biolabsから入手可能)を含む。使用したプライマーは、以下のとおりである:
Figure 2021510074
そのプライマーはまた、ATTO蛍光色素をその5’末端に有する。
使用したヌクレオチド(表3においてdNTPとして注記される)は、3’−O−アミノ−2’,3’−ジデオキシヌクレオチド−5’−トリホスフェート(ONH, Firebird Biosciences)(例えば、3’−O−アミノ−2’,3’−ジデオキシアデノシン−5’−トリホスフェートのような)である。
試験した各種々の改変体につき、1本のチューブを反応に使用する。その試薬を、水から始めて、次いで、表3の順序でそのチューブに添加する。37℃で30分後、反応を、ホルムアミド(Sigma)の添加によって停止させる。
分析
その分析は、ポリアクリルアミドゲル分析が関わっている。活性試験からのサンプルを、ポリアクリルアミド 16%(biorad)変性ゲルによって分析する。ゲルを、ガラスプレートの内部にポリアクリルアミドを注ぎ、それを重合させることによって、その分析直前に作製する。そのガラスプレート内部のゲルを、電気泳動工程のためにTBE緩衝液(Sigma)を満たした適合するタンクに取り付ける。その分析されるべきサンプルを、そのゲルの頂部に載せる。500〜2,000Vの電圧を、そのゲルの頂部と底部との間に、3〜6時間室温において印加する。そのサンプル標的サイズに従って一旦移動したら、システムを取り外し、ゲル蛍光を、Typhoon機器(GE Life Sciences)を使用してスキャンする。画像獲得の後に、ImageJソフトウェア(imagej.nih.gov/ij/)を使用して、その改変ヌクレオチドの組み込みのパーセンテージを分析する。
結果を図2に示す。x軸上の各改変体に関して、伸長パーセンテージを、そのゲルに載せたDNAの全量に対して、予測される伸長生成物の量として評価した。各実験を、三連で行った。そのバーの高さ(y軸)は、それらの3回の実験の平均値に相当する。本発明に従う改変体は全て、そのwt酵素と比較して、10倍より高い活性の増大を示す。このことから、これら改変体で核酸合成技術を開発する可能性が確認される。
実施例3 − 非標識プライマーでのTdTの改変体の活性の評価
活性試験
実施例1に従って生成、発現および精製した表2からの改変体DS928およびDS950の伸長成績を、以下のアッセイによって評価した。その結果は全て、以前の研究から得た参照改変体(配列番号9)とおよびいかなるポリメラーゼ酵素をも欠くコントロールチューブと比較した。
Figure 2021510074
使用したプライマーは、以下である:
5’−TTTTTTTTTTTTAAATAAGG−3’(配列番号8)。
使用したヌクレオチド(表4においてdNTPとして注記される)は、3’−O−アミノ−2’,3’−ジデオキシヌクレオチド−5’−トリホスフェート(ONH2, Firebird Biosciences)(例えば、3’−O−アミノ−2’,3’−ジデオキシアデノシン−5’−トリホスフェートのような)であった。
試験した各改変体につき、1本のチューブを反応に使用した。試薬を水から始めて、次いで、表4の順序でそのチューブに添加した。37℃で30分後、反応を、ホルムアミド(Sigma)の添加によって停止させた。
分析
分析には、液体クロマトグラフィーおよび質量分析計検出および定量(LC/MS)を使用した。活性試験からのサンプルを、LC/MSによって分析した。サンプルを、そのLC/MS機器に載せ、標準的なオリゴヌクレオチド分離法を行った。データの獲得に続いて、デコンボリューションおよびスペクトル計算を行った。
結果を図3に示す。そのスペクトルは、それぞれ、改変体DS928、DS950および対照標準の伸長分析に相当する。初期プライマー質量は、およそ6114であり、予測される伸長生成物質量は、およそ6447である(矢印で強調される)。シグナル強度(すなわち、そのピークの高さ)は、物質の量と直接的に相関し得る。改変体DS928、DS950の両方が、参照改変体と比較した場合に、出発プライマーの伸長において有意な改善を示す。これらの結果は、本発明に従う新たな改変体が、先行技術のTdTを超える明白な改善をもたらすことを確認する。

Claims (16)

  1. (i)残基C302または機能的に等価な残基に相当する位置において少なくとも1個のアミノ酸置換を有する、配列番号2に示されるアミノ酸配列または機能的に等価な配列を含み、ここで前記位置は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を参照することによって番号付けされる、(ii)テンプレートなしに核酸フラグメントを合成し得る、および(iii)前記核酸フラグメントに改変ヌクレオチドを組み込み得る、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)の改変体。
  2. 前記置換は、C302G/R/P/A/V/S/N/Q/Dから、好ましくはC302G/Rから選択される、請求項1に記載のTdTの改変体。
  3. 前記改変体は、M192、L260、R336、D379、R454およびE457から選択される残基、機能的に等価な残基に相当する位置で少なくとも1個のアミノ酸置換をさらに含む、請求項1または2に記載のTdTの改変体。
  4. 前記改変体は、M192、L260、R336、D379、R454およびE457から選択される残基に相当する位置で、少なくとも2個のアミノ酸置換、好ましくは少なくとも3個の、より好ましくは少なくとも4個の、さらにより好ましくは少なくとも5個の、およびより好ましくは6個のアミノ酸置換をさらに含む、請求項3に記載のTdTの改変体。
  5. 前記置換は、M192R/Q/G/A/V/D/N/H/E、L260P/M/E/N/F/K/D/A/G、R336N/L/K/H/G/D/A/P、D379V/A/G/N/E/R/H/K/T、R454P/N/A/L/K/H/G/D、およびE457N/T/S/L/V/K/H/G/Dから選択され、好ましくはM192R/Q、L260P、R336L/N、D379V、R454P/NおよびE457N/L/T/Sから選択される、請求項3または4に記載のTdTの改変体。
  6. 前記改変体は、T340、G413、H416、E418、W450、およびA510から選択される残基、または機能的に等価な残基に相当する位置で、好ましくはT340S/N/Q/C/G/M/K/D、G413L/S/P/R、H416D、E418A/V、W450Y/F/P/L/I/V/A/G/E、およびA510V/T/Gから選択される少なくとも1個の置換をさらに含む、前記請求項のいずれか1項に記載のTdTの改変体。
  7. 前記改変体は、L181、A237、L260、T340、G413、H416、E418、W450、R480およびA510から選択される残基、または機能的に等価な残基に相当する位置で少なくとも1個の置換を、好ましくは置換の組み合わせL181F+A237V+R480Kおよび/もしくはG413L/S+H416D+E418A、または機能的に等価な残基をさらに含む、前記請求項のいずれか1項に記載のTdTの改変体。
  8. 前記改変体は、配列番号2、または機能的に等価な配列のN末端および/またはC末端において、Hisタグ配列のようなタグ配列をさらに含む、前記請求項のいずれか1項に記載のTdTの改変体。
  9. 前記改変体は、少なくとも、表1で開示される置換の組み合わせから選択される置換の組み合わせ、または機能的に等価な残基を含む、前記請求項のいずれか1項に記載のTdTの改変体。
  10. 請求項1〜9のいずれかに定義されるとおりのTdTの改変体をコードする核酸分子。
  11. 請求項10に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
  12. 請求項10に記載の核酸分子または請求項11に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  13. 請求項1〜9のいずれかに定義されるとおりのTdTの改変体を生成するためのプロセスであって、ここで請求項12に記載の宿主細胞は、前記改変体をコードする前記核酸の発現を可能にする培養条件下で培養され、前記改変体は、必要に応じて回収される、プロセス。
  14. 3’O−改変ヌクレオチドを用いて、テンプレートなしに核酸分子を合成するための、請求項1〜9のいずれかに定義されるとおりのTdTの改変体の使用。
  15. テンプレートなしで核酸分子を合成するためのプロセスであって、前記プロセスは、核酸プライマーと、少なくとも1個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも1個の3’O−改変ヌクレオチド、および請求項1〜9のいずれかに定義されるとおりのTdTの改変体の両方とを接触させる工程を包含するプロセス。
  16. 請求項1〜9のいずれかに定義されるとおりのTdTの改変体、および1種またはこれより多くのヌクレオチド、好ましくは、1種またはこれより多くの3’O−改変ヌクレオチド、ならびに必要に応じて少なくとも1種の核酸プライマーを含む、ヌクレオチド組み込み反応を行うためのキット。
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