JP2021508058A - 流動下のナノ懸濁液のインプロセス粒径測定のための方法および装置 - Google Patents

流動下のナノ懸濁液のインプロセス粒径測定のための方法および装置 Download PDF

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Abstract

流動懸濁液中のナノ粒子の特性を監視するための方法は、流動懸濁液を含む試料を準備するステップを含む。本方法は、フーリエドメイン低コヒーレンス干渉法、FDLCI、を使用して流動懸濁液のナノ粒子の粒径分布を非侵襲的に監視するステップであって、干渉の時間分解LCI波長スペクトルから時間および光路長分解LCI光散乱信号I(t,z)を導出する工程と、時空間FDLCI信号の光路長分解時間的自己相関関数または光路長分解周波数パワースペクトルを使用して、前記時間および光路長分解LCI光散乱信号に基づいて試料中の粒子の粒径を示す情報を導出する工程とを含み、ステップをさらに含む。【選択図】 図1

Description

本発明は、コロイド懸濁液の粒径の測定に関する。より具体的には、本発明は、光路長分解光子相関分光法による、流動コロイド懸濁液の粒径分布、流動および物理的特性の非侵襲的なリアルタイムのインプロセス測定のための方法および装置に関する。
ナノ粒子(nanoparticle(NP))製品および製剤が提供できる独自の利点により、(おおよそ1〜1000nmの粒径範囲の)ナノ粒子/コロイドの合成および処理が、ここ数十年間にわたって様々な産業で普及している。例えば、製薬業界では、NPとして処方された治療法は、より優れた薬物動態特性、徐放性および標的指向性を提供し得る。食品および化粧品では、自然発生するか、または製剤によって存在するコロイドも豊富である。NP製品開発および製造努力の増加、ならびに、例えば、開発におけるプロセス変動の影響を特性化するためや通常の生産中の品質を保証するための、NPが関与するプロセスの監視を求める要求の高まりにより、これらのプロセス中のNP、特に懸濁状態のNPを特性化するインラインの非侵襲的方法がますます必要とされている。多くの場合、NPの粒径および粒径分布(particle size distribution(PSD))が、決定的ではないとしても、主要な品質属性である。したがって、処理中のNP懸濁液のインライン粒径特性化のための方法が強く求められている。
プロセスにおいてNP粒径またはPSDを監視するための現在の一般的な方法は、手作業での懸濁液の試料採取に続いてオフライン分析を行うことを含む。これには、プロセス調整のための過剰なフィードバック時間、製品品質の低下やバッチ廃棄のリスク、試料採取後の懸濁安定性の低下による、かつ/または試料調製による測定の代表性の点での不確実性などの重大な不都合点がある。不安定な懸濁液では、オフライン分析が完全に実行不可能な場合さえある。試料採取には汚染または製品の無菌性、製品損失および高コストのリスクも伴う可能性があり、非侵襲的なインラインNP粒径特性化の必要がさらに高まる。
NP懸濁液の粒径およびPSDのオフライン(試料)分析に現在利用可能な方法は非常に多様であるが、それらの方法を懸濁液の合成または処理中に非侵襲的に使用する機会は限られているかまたはまったくない。例としては、分析用遠心分離/沈降光透過法(photosedimentation)、単一粒子質量分析またはサイズ排除クロマトグラフィーのようなその他の分離ベースの方法が挙げられ、これらは本質的に侵襲的である。最も頻繁に使用されるオフラインのNP測定技術は懸濁したコロイドのブラウン運動の光検出を用い、そこから、ストークス・アインシュタイン関係により粒径特性を取得することができる。これらの技術の間で最もよく知られているのが、光子相関分光法(Photon Correlation Spectroscopy(PCS))(Berne,B&RPecora,2000.Dynamic Light Scattering:With Applications to Chemistry,Biology,and Physics,Dover Publications)であり、懸濁したNPの集団のブラウン運動、よって粒径が、懸濁液から散乱された光の時間変動および相関の測定によって特性化される様々な方法をカバーする。他のそのような方法は、デジタルビデオ顕微鏡法技術を用いて多くの個々の懸濁したNPのブラウン運動を追跡する、ナノ粒子トラッキング解析(Nanoparticle tracking analysis(NTA)、米国特許第7,751,053号、米国特許第9,341,559号などを参照)や、もっと最近になって開発された、微分動的顕微鏡法(Differential Dynamic Microscopy)(R Cerbino,2008.Phys Rev Lett 100:188102)、コロイドの集団拡散を探るビデオ顕微鏡法に基づく集団散乱方法である。
ブラウン動力学の代わりに平均散乱信号(濁度など)または平均角度分解散乱信号を検出する他の光学的方法も存在するが、これらは通常、コロイド粒径範囲のPSDの測定には準最適である(米国特許第5,377,005号、米国特許第6,831,741号、および米国特許第5,438,408号などを参照)。例えば、これらの方法は間接的であり、参照法による較正を必要とし、主に平均粒径情報を提供する。この文脈では、実際には、適切な較正材料(異なる公知の粒径のNPを含む懸濁液)の調製は非常に複雑であるか、または不可能であり得ることが強調されるべきである。別の方法が、光子密度変調(Photon Density Modulation)(米国特許第5,818,583号および米国特許第6,480,276号)であり、これにも同様の不都合点が当てはまる。
ブラウン運動の特性化に基づく上述の方法は、次の理由により本質的にオフライン分析に制限される。(i)これらの方法は、工業プロセスで通常発生する濁度レベルと異なる、低濁度レベル(多重散乱を防ぐために散乱係数μ<<1mm−1)の懸濁液を必要とし、(ii)これらの方法は、インライン分析の大きな障害である、懸濁液中に流動がないことを必要とし、(iii)これらの方法の分析時間は、せいぜい分単位であり、プロセスの監視および制御には遅すぎる。
懸濁液の濁度に関する限界を克服するためにいくつかの方法が考案されている。一例が相互相関PCSであり、これは高濁度の媒質の測定から生じる多重散乱光を抑制するが、この方法はインライン測定には不適である。別の例が、拡散波分光法(Diffusing Wave Spectroscopy(DWS)、例えば、米国特許第6,831,741号およびPine,DJ et al.,1990 Diffusing−wave spectroscopy:dynamic light scattering in the multiple scattering limit Journal de Physique,51(18),pp.2101−2127参照)であり、これは一方で多重散乱を利用する。DWSは、インプロセス測定のために構成され得るが、平均粒径情報のみを提供し、処理条件下の非静止(流動)懸濁液を扱うことができない。
他の発明は、混濁媒質のためのPCSの異なる拡張に基づくものである。米国特許第5,094,532号には、試料から後方散乱された光を測定プローブの先端から反射された光と混合することによって形成された‘ヘテロダイン’信号を使用してPCSを行うことが開示されている。この‘ヘテロダイン後方散乱PCS’は、標準的なPCSと比較してより高濃度の懸濁液の特性化を可能にするが、やはり処理条件下の非静止(流動)懸濁液には不適である。欧州特許第2270449号には、PCSにおける低コヒーレンス干渉法(Low Coherence Interferometry(LCI))の使用が開示されている。LCI‐PCSもヘテロダイン干渉信号を測定するが、照明としてコヒーレンス長ξの低コヒーレンス光を用い、後方散乱光は参照光路内で制御された光路長を進んだ参照光と混合される。LCIは、試料から散乱された光の検出を制御された経路長±〜ξに等しい光路長の光に制限するための‘コヒーレンスゲート’を提供する。単一散乱が当てはまる、短い固定された光路長でのLCI‐PCS変動・相関分析は、濃縮試料におけるPSD測定をさらに改善するが、やはり流動NP懸濁液へのインライン適用には適さない。
米国特許第6,738,144号には、LCIを使用した、約2〜5μmより大きい直径の、非コロイド粒径範囲の粒子についての多重散乱のレジームにおける光子光路長分布の測定が開示されている。
これまでは、プロセス関連の時間スケールでの流動のある動的プロセス環境におけるサブミクロン(コロイド)粒径のレジームの粒径分布のリアルタイム直接測定のための方法はなかった。
本発明の一目的は、懸濁液中のコロイド粒子特性の改善された検出を実現することである。この目的は、フーリエドメイン低コヒーレンス干渉法、FDLCI、を使用して流動懸濁液のコロイド粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方を非侵襲的に監視するステップであって、監視するステップが、干渉の時間分解LCI波長スペクトルから時間および光路長分解LCI光散乱信号I(t,z)を導出する工程と、時間および光路長分解LCI光散乱信号I(t,z)の光路長、z、分解時間的自己相関関数G(τ,z)ならびに時間および光路長分解LCI光散乱信号I(t,z)の光路長分解周波数パワースペクトル

の少なくとも一方から試料中のコロイド粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方を示す情報を導出する工程と、を含む、ステップを含む、流動懸濁液中のコロイド粒子の特性を監視するための方法を提供することによって対処される。
FDLCIから得られる時間および光路長分解信号I(t,z)は、懸濁液における異なる光路長で事実上同時に分解されたLCI信号の時間変動の差を考慮に入れることを可能にする。これらの異なる光路長は、光子がそこから散乱される懸濁液における異なる深さと平均して符合し得る。したがって、懸濁液中の粒径およびPSDを計算するときにそのような異なる深さで異なり得る流動の影響が、ブラウン運動による時間変動から分離され、補正され得る。よって本方法は、工業用途における、例えば、(懸濁液がプロセス中に循環され得る)バッチ反応容器における合成中や連続プロセスにおける流動コロイド懸濁液の非侵襲的なインラインの粒径およびPSD特性化を提供し得る。さらに、インラインの粒径およびPSD特性化は、参照法による較正なしで、コロイド粒子の濃度と無関係に行われ得る。加えて、光路長分解データの高速処理と同時にFDLCIによって可能になる高速取得により、特性化をプロセス関連の時間スケールで行うことも可能になる。
コロイド粒子の粒径分布を示す情報は、τが時間および光路長分解LCI散乱信号I(t,z)の遅延時間を表す、少なくとも1つの光路長(z)分解時間的自己相関関数G(τ,z)から、または、同等に、ωが時間および光路長分解LCI散乱信号I(t,z)の周波数を表す、少なくとも1つのパワースペクトル

から取得され得る。自己相関関数またはパワースペクトルは、懸濁した粒子の流動とブラウン運動によって同時に引き起こされたI(t,z)の時間変動を特性化する。本発明の一目的は、ブラウン運動と関連付けられた信号変動を分離および特性化し、それによって流動懸濁液の粒径特性を抽出する方法を提供することである。
上記の特徴は有用とみなされる任意の方法で組み合わされ得ることを当業者は理解するであろう。さらに、システムに関して記載される改変および変形は方法およびコンピュータプログラム製品に対しても同様に適用され、方法に関して記載される改変および変形はシステムおよびコンピュータプログラム製品に対しても同様に適用され得る。
以下で、本発明の態様を、図面を参照して、例によって説明する。図面は概略であり、縮尺通りに描かれていない場合もある。図面全体を通して、同様の項目が同じ参照番号で記されている。
フーリエドメイン低コヒーレンス干渉法の取得装置および処理装置を示す図である。 フローセルに適用された低コヒーレンス干渉法の取得装置および処理装置を示す図である。 反応容器に適用された低コヒーレンス干渉法の取得装置および処理装置を示す図である。 干渉法データを分析する方法を示す流れ図である。 例示的な構成における粒径分布を示すグラフである。 撹拌速度を上げながら反応容器中で測定された流体力学半径対時間を示すグラフである。 フローセル中で測定された例示的な粒径分布を示す図である。
添付の図面を参照して、特定の例示的な実施形態をさらに詳細に説明する。
詳細な構造や要素などの本明細書で開示される問題は、例示的な実施形態の包括的な理解を支援するために提供されている。したがって、例示的な実施形態は、それら具体的に定義される問題なしでも実行され得ることが明らかであろう。また、周知の操作または構造は、不要な詳細で説明を曖昧にすることになるので、詳述しない。
本明細書では、光路長分解低コヒーレンス光子相関分光法の方法および装置のいくつかの例および実施形態が開示される。これらの方法および装置は、コロイド懸濁液の粒径分布、流動、および光学的特性のうちの少なくとも1つを非侵襲的に、例えば、それらの合成および/または処理中にリアルタイムで同時に監視することを可能にし得る。さらに、本方法および装置は、参照法による較正を必要とせずに設計および使用され得る。
特定の実施形態では、平均粒径および粒径分布が、事前の懸濁液特性(コロイド粒子の濃度など)の較正または知識なしで取得され得る。加えて、高濃度でかつ流動中に測定することが可能なので、本方法は工業用懸濁液およびインライン用途に適する。本方法は、高速FDLCIを用いて、時間tごとに高試料採取頻度で事実上瞬時に分解された、流体中の散乱粒子からの光路長分解散乱信号I(t,z)を取得し得る。これは、FD低コヒーレンス干渉計から、反射された参照光と懸濁液から後方散乱された光との混合の時間tおよび波長λにおけるスペクトルI(t,λ)を取得する公知の技法と、複素光路長分解FDLCI信号I(t,z)をもたらす逆フーリエ変換を含むいくつかの信号処理ステップとを含む。本方法は本明細書では複素光路長分解FDLCI信号I(t,z)を使用して説明されるが、同じ結果を、モジュラス(modulus)を使用して達成することも可能である。そのような場合には、本方法の残りの部分は同様に行われることになる。本開示によれば、本方法は、I(t,z)から、相関関数G(τ,z)またはパワースペクトル

を取得し、この情報から、懸濁液における関連光路長のデータの分析からのプロセス関連の時間スケールでの平均粒径分布、流動および散乱特性を取得し得る。z分解データから、その単一散乱特性が当てはまる懸濁液における最大光路長が自動的に分析され、それによって、単一散乱分析に適した光路長の範囲が拡張され、それに応じて信号レベルが改善され得る。よって、低濃度から高濃度までの正確な粒径特性化が数秒以内に達成され得る。後方散乱光を測定するさらなる利点は、他の角度では信号を支配し、PSD分解を制限し得る、大きな粒子からの相対的な散乱強度を低減させること、であり得る。インラインPSD分析に関して、本開示は、動的なプロセス条件でさえも測定または試料採取のために流動を停止することなくPSD分析を実現する、z依存散乱信号変動に対する流動の影響を測定および説明するための装置および分析方法を提供する。
図1に、FDLCI装置の概略図を示す。本装置は、以下の構成要素を備え得る。光源1は、低時間コヒーレンス(広帯域)高空間コヒーレンス光を提供する。光源1は、中心波長λおよび帯域幅(通常はΔλの半値全幅(Full Width Half Maximum FWHM)とみなされる)によって特性化されるスーパーコンティニューム光源またはスーパールミネッセントダイオードであり得る。光源の低時間コヒーレンスは、最終的な後方散乱光を特定の光路長について分解するためのLCIの空間的‘コヒーレンスゲート’を作り出すために好ましい。中心波長λ(非対称な光源スペクトルの最大強度波長と異なり得る)は、300〜2000nm、好ましくは、500〜1500nmの範囲内とすることができる。帯域幅Δλは、最終光路長分解信号に十分な分解能を実現するために、数百nm、典型的には少なくとも50nmであり得る。具体的な実装例では、光源の中心波長は、λ=1300nmであり、帯域幅は、FWHM=170nmであり得る。
光源1の光は、ファイバ16aに結合され、方向要素6を通して誘導され得る。この方向要素6は、光サーキュレータまたはアイソレータを備えてもよく、戻り光を分光計ユニット2に誘導し、光源1に再入射するのを防ぐように働く。光源光は続いて、干渉計ユニット17のファイバコリメータまたはファイバフォーカサ7に結合される。
分光計2は、方向要素6を介して後方散乱光と反射光の混合光を受け取り、検出する。典型的な構成では、ファイバ16bからの光が平行化されてビームとされ、このビームは、回折格子その他の分散体上に、適切な取得頻度でリニアカメラ/ダイオードアレイ検出器(電荷結合デバイス、CCDや相補形金属酸化膜半導体、CMOSなど)上に向けられた適切な光学系を使用して誘導される。最大取得頻度は(特に光学系および試料散乱特性と共に)、確実に測定できる最小粒径および最大流動を決定する。取得頻度は、特定の実施態様では、約50kHzであり得る。あるいは、例えば、広帯域スーパールミネッセントダイオード(SLD)光源の代わりに掃引(swept)波長光源を使用する場合には、分散体/アレイ検出器の代わりに単一のバランス検出器が使用されてもよい。
データ取得および処理ユニット4は、標準的な取得ハードウェア(例えば、フレームグラバ、データ取得カードなど)と、CPU、GPU(グラフィックス処理ユニット)またはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などの少なくとも1つの公知のデータ処理ユニットとを備え得る。少なくとも1つの処理ユニットは、分光計ユニット2から取得されたスペクトル干渉データを受け取り、特に、データに対する1次および/または2次処理を行うように構成され得る。データ処理は、各生のLCI干渉スペクトル(すなわち、時間tにおける波長ごとのLCI信号強度)が対応する光路長分解複素LCI信号I(t,z)に変換される、DCバックグラウンド除去と逆フーリエ変換を含む標準的な処理ステップとを伴う一次処理を含み得る。
2次データ処理ステップは、I(t,z)の光路長(z)分解自己相関関数G(τ,z)または同等にパワースペクトル

の評価と、G(τ,z)または

へのz依存の流動誘起寄与を定量化し、それによって懸濁液流動プロファイルを定量化するための反復データ適合と、G(τ,z)または

に対する流動補正の実行と、ブラウン運動を表す自己相関g(τ,z)または周波数パワースペクトル

の抽出と、g(τ,z)の適切な光路長平均値<g(τ)>、または



に基づく粒径分布の分析とを含み得る。1次処理ステップと2次処理ステップはどちらも、より短い時間スケールで(実装およびハードウェアに応じて、例えば、約5〜60秒の範囲内で)測定された特性を提供するためにCPU、GPUまたはFPGAベースの計算を使用して行われ得る。これらの時間スケールをさらに短縮するために並列計算および/またはマルチスレッドが使用されてもよい。
制御ユニット5は、データ処理の出力(例えば、散乱強度、粒径および多分散指数、PDI)を2つの電気信号セットに変換し得る。一方のセットは、データ取得設定(頻度など)および干渉計の測定設定(参照アーム光の強度など)を制御し得る。他方のセットは、懸濁液の測定された物理的特性、または、例えばこれらの特性がターゲットからそれないように懸濁液を合成または処理するための動作パラメータを制御および/または調整するための、測定された特性とターゲット特性との差、特にPS、PDIおよびPSDを表し得る。動作パラメータには、温度、反応物濃度、バッチプロセスでの撹拌速度、または流動連続プロセスにおける様々な上流/下流プロセスパラメータのうちの任意の1つまたは複数が含まれ得る。
干渉計ユニット17は、測定プローブ18に実装され得る。干渉計ユニット17は、ファイバコリメータまたはフォーカサ7を備え得る。加えて、干渉計ユニット17は、ビームスプリッタ8、減衰器9、分散補正または集束レンズ10、反射体11、制御可能シャッタ12、集束レンズ13などの様々な他の構成要素も備え得る。例えば、干渉計ユニット17は、ファイバコリメータ7、ビームスプリッタ8、集束レンズ10、反射体11、制御可能シャッタ12および集束レンズ13を、あるいは、ファイバフォーカサ7、ビームスプリッタ8、反射体11および制御可能シャッタ12を備え得る。ビームスプリッタを備えたマイケルソン構成(測定プローブ18の主要部)が用いられる典型的な例では、低コヒーレンス照明は、ファイバコリメータ7によって平行化された後、ビームスプリッタ8によって参照光路と試料光路とに分割される。参照光路内のビームは、反射体11(反射鏡や逆反射プリズムなど)によって部分的に反射され、ビームスプリッタ8で試料中の後方散乱または反射から生じる、試料アーム内の戻り光と再結合される。結果として得られる反射参照光路と試料光路光との間の干渉が、NPのブラウン動力学に関する情報を提供し、試料特性の分析に使用され得る。参照光路は、粒径および光学的/散乱特性が発達する懸濁液流に対してインプロセス測定が行われるときに信号検出を最適化するために試料ビームの強度に対して参照ビーム強度を制御する調整可能な減衰器9を含み得る。参照アームは、参照ビームを反射鏡11などに集束するレンズ、または試料アームで発生する分散に適合する分散補正要素もしくは集束レンズ10も含み得る。
干渉計17の試料アームは、光および参照光路から戻る光源スペクトルのみの測定を可能にするために、制御可能シャッタ12や、試料から光をそらすガルボミラー(galvo−mirror)などの手段を含み得る。同様に、減衰器9も、試料からの散乱光のスペクトルのみが測定されるように参照ビームを打ち消し得る。これらの別々のスペクトルは、1次データ処理におけるバックグラウンド除去に周期的に用いられ得る。
さらに、試料アームは、ビームを試料中に集束するレンズ13も含み得る。焦点位置は、信号対雑音比を最適化するように設定でき、プログラムによって制御されてもよく、前記プログラムは、例えば、制御ユニット5によって実行され得る。干渉計17の参照アーム光路長は、光路長よりも若干短く、試料窓15と懸濁液19との間の界面まで設定され得る。
あるいは、固定光路長を有する参照光は、試料窓15と懸濁液との間の界面またはレンズ13と懸濁液19との間に位置決めされた別の固定の部分的に反射する面から反射される光も含み得る。そのような配置では、反射される参照光と試料からの散乱光の生成と混合がどちらも試料アームで行われるため、従来の別個の参照アームと、ビームスプリッタ8およびシャッタ12とが省かれ得る。
光ファイバ16a〜cは、プロセス状況において構成要素1、2、4および5を測定プローブ18から離して配置することができるように数メートルまでの長さであり得る。
この例では、マイケルソン干渉計を用いた干渉計ユニットを説明しているが、マッハ・ツェンダなどの他のタイプの干渉計実施態様も使用され得る。
焦点制御および接続14と試料窓15とは、レンズ13と懸濁液19との間の光の界面を形成し得る。この界面は、干渉計ユニット17の焦点制御機構と懸濁液境界を提供する透明窓15との間の固定接続を実現し得る。この位置合わせは、試料アームの光軸が流動の方向に対して垂直であるようなものであり得る。フローセルには、分析で使用される、流動装置内の懸濁液の局所温度を提供するために温度センサ20が含まれ得る。
図2に、連続プロセスにおける非侵襲的なリアルタイムの懸濁液監視およびプロセス制御のための装置のインプロセス実現形態を示す。図には、懸濁液19が矢印で指示された方向に流動するフローセル201(管によって実装され得る)が示されている。フローセル201は、干渉計17がフローセル201の壁を通して懸濁液19に光を伝送し、懸濁液19から光を受光することを可能にするために、少なくとも一部は透明材料でてきているか、または透明材料でできた窓を有する。また、図2には、制御ユニット5が上流プロセスパラメータ203および下流プロセスパラメータ204を制御できることも示されている。
図2に示される実現形態では、干渉計17は、フローセル201を含む、焦点制御装置などの装置21に結合されてもよい。フローセルの寸法は、PSD分析のためのアクセス可能な速度範囲内の測定に対応するために特定の範囲のスループットに設計され得る。装置21は、フローセル201に対して干渉計から出る光の焦点の深さを調整するために含まれ得る。さらに、光軸とセル内面との間の角度φは、強い表面反射を回避するために90度に、または異なって設定され得る。フローセルには、分析で使用される、流動装置内の懸濁液の局所温度を提供するために温度センサ20が含まれ得る。
図3に、バッチ処理操作における非侵襲的なリアルタイムの懸濁液監視およびプロセス制御のための装置の概略図を示す。図示のように、干渉計17は、反応容器の内壁と面一の、懸濁液が強乱流中での測定を可能にするように制御された方向に層状に移動することができる溝の形の局所流動の誘導/位置合わせの手段が取り付けられている光アクセスのための窓305を含む反応容器301のアダプタ304に結合されている。温度センサ20が窓305と一体化されてもよい。反応容器301は、図示のように容器を含み、撹拌機などのかき混ぜる手段を有し得る。撹拌機は、例えば、窓305から流動懸濁液が見えるように、懸濁液19を反応容器301内で、矢印303によって示される方向に循環させ得る回転翼302を備え得る。焦点位置を設定し、窓と光軸との角度を調整する手段も設けられ得る。
図3と同様の実施形態では、干渉計ユニット17と、流動誘導装置、温度センサ20およびアダプタ304のうちの少なくとも1つが取り付けられ得る窓305とは、反応容器壁から離れた容器のより奥で懸濁液流の測定を行うように反応容器301に挿入できるプローブを形成するコンパクトなユニットにおいて実装され得る。
本装置の異なる実現形態は、懸濁液合成/処理装置における直接統合を実現するために使用され、例えば、並列計算方法を使用して行われるデータ分析とともに、‘リアルタイム’の粒径分布データを提供し得る。当業者には、やはり本発明の範囲内に該当する、様々な代替構造が明らかであろう。
LCIデータの分析については、I Popov,A S Weatherbee,and I A Vitkin,“Dynamic light scattering arising from flowing Brownian particles:analytical model in optical coherence tomography conditions,” J Biomed Opt.,vol 19,no 12,p 127004,2014、およびJ Lee,W Wu,J Y Jiang,B Zhu,and D A Boas,“Dynamic light scattering optical coherence tomography,” Optics Express,vol 20,no 20 p 22262,2012に、単一粒径の粒子の流動およびブラウン拡散の存在下でのLCI信号に関する理論が開示されている。この理論は、多分散懸濁液を説明していない。本開示は、(工業)用途の視点から見て最も重要かつ一般的な懸濁液である多分散懸濁液への拡張を実現する。
FDLCIでは、光源の波長λごとの検出器における信号I(t,λ)(すなわち、時間tにおけるスペクトル)は、反射参照ビームの電磁界の干渉および懸濁液中のNPの集団から散乱された光から生じる。NPのブラウン運動その他の運動により、信号I(t,λ)は、NP動力学に特徴的な時間変動を有する。FDLCIの実際の光路長分解信号I(t,z)は、I(t,k)の複素フーリエ変換であり、k=2π/λ、kは波数である。単一散乱では、特定の光路長zが懸濁液中の特定の深さを表し、I(t,z)の時間変動がその深さでのコヒーレンス体積におけるNP運動を反映する。この場合、ある粒径分布を有するNPの懸濁液について、(下付き文字‘B’で表記された)NPのブラウン運動のみがI(t,z)の時間変動を生じさせる静止条件における相関関数G(τ,z)=<|(0,z)|(τ,z)>、(τは遅延時間を表し、‘*’は複素共役を表し、<>は時間平均を表す)は、次式によって厳密に近似され得ることを示すことができる。

および

式(1)は、低開口数の光学系(レンズ13など)およびコヒーレンス体積における多くの非相互作用NPを仮定している。振幅因子γ(z)は、光学系の検出器特性および試料散乱特性によって設定され、g(τ,z)は、ブラウン運動を反映し、ストークス・アインシュタイン関係と式(1)の右辺とによって局所粒径分布を特性化する。式(1)の右辺において、Γ=D(4πn/λは、流体力学半径rでNPから散乱されたLCI信号の非相関率である(Dは拡散係数、nは溶媒屈折率、λは真空中の光源中心波長である)。さらに、F(Γ)は、Γが範囲[Γ,Γ+dΓ]内にあり、よってPSDを表す半径でNPから散乱された信号I(z)の割合である。K(Γτ,ξ)の形は、単一粒径の自己相関の減衰を記述する。式(2の)パラメータαξ、Lp,ξ(pは整数)は、コヒーレンス長ξに依存し、[Popov]の結果から導出することができる。ξ>〜4μmでは、αξ、L±1,ξは、K(Γτ,ξ)=exp(−Γτ)になるように無視できるほどになり、式(1)の右辺は、F(Γ)の標準ラプラス変換になる。
流動下の懸濁液では、FDLCI信号I(t,z)は、通常は懸濁液における深さに依存するNPの平均流動により追加的な時間変動を有する。計算が示すところよれば、光軸に直角なz依存の流速v(z)および光軸に沿ったv(z)について、Gは次式によって厳密に近似され得る。

および
式中、g(τ,z)は、式(1)に記載されるように、ブラウン運動およびPSDを表す項である。項gF,x(τ,v(z))は、減衰率Γ(z)=v(z)/wのガウシアンによって特性化される横断流から生じ、v(z)は局所横方向速度、wは(光学系固有の)焦点における実効ビームウエストである。最後の項gF,z(τ,z)は、光軸に沿った流動の影響を表す。z分解FDLCI−PCSデータを式(3)と組み合わせることにより、インライン測定中に散乱光が取得される深さにわたって典型的に発生する局所的な流動および速度変動を特性化することが可能になる。流動およびブラウン運動の影響が混合され平均化される標準PCSと対照的に、粒径測定に必要とされる寄与g(τ,z)はよって、流動を考慮することによりG(τ,z)から抽出され得る。
あるいは、I(t,z)のモジュラス|I(t,z)|が使用される類似の方法では、対応する強度相関G(2)(τ,z)=<|I(0,z)||I(τ,z)|>/<|I(z)|>は、標準的なジーゲルト(Siegert)関係によって式(1)および式(3)においてG(τ>0,z)に関連付けられ得る。
原則として、懸濁液・閉じ込め窓境界(略ゼロ流動v(zBound)=0が当てはまり、gFx,z=1である、z=zBoundに位置する)G(τ,z)の分析により、G(τ,z)の関連するブラウン寄与g(τ)の、よって粒径およびPSDの尺度がすでに得られている。しかしながら、信号対雑音比は、(流動の影響について補正された)z>zBoundからの情報が含まれる場合、大幅に改善され得る。任意の流動において、多分散懸濁液のg(τ,z)の分析は非常に困難であるが、LCIビームと直交し得る頻繁に発生する準定常の局所的な層流では、自己相関へのブラウンと横断流両方の寄与を式(3)によってG(τ,z)から抽出することができる。光学的構成と流動との適切な界面接続の他に、流動中の粒径測定のための本開示は、例えば式(3)および

によるg(τ,z)の平均化を使用してG(τ,z)から平均ブラウン寄与<g(τ)>を抽出する、データ分析方式を提供する。
静止懸濁液では、懸濁液における光路長(z−zBound)が単一散乱の最大光路長Zss特性を超える場合、多重散乱によってg(τ,z)のz依存が生じる。光子平均自由行程(MFP、典型的にはZss〜5〜10×MFP)に関連した特性的光路長Zssは、それ自体が重要な懸濁液特性であり、よって、測定されたFDLCI時間変動の光路長依存性から決定することができる。流動下の懸濁液では、Zssを反復データ分析/適合方式から取得することができ、よって、<g(τ)>が式(4)と同様にz−zBound<Zssについて決定され、これにより、<g(τ)>が単一散乱光のみを表し、よって(式(1)によって(<F(Γ)>として表される)平均PSDの分析に使用され得ることが保証される。実際には、zBound≒0の場合、自己相関g(τ,z)はz<Zssのときの光路長zと無関係である。
図4に、干渉法データの取得および分析の方法の流れ図を示す。図に示される全体的な方式は、NP合成/処理操作の監視中の連続モードの測定のための、後続のデータブロックiの取得および分析の連続反復サイクルを記述している。しかしながら、単一のデータブロックの取得および分析を行って、情報を一度だけ取得することも可能である。図4に示されるように、ステップ401で時間間隔ΔtにわたるFDLCIスペクトルのブロックを取得した後、ステップ402で標準処理が行われ、この処理は、逆フーリエ変換を行うこと、時間間隔内の取得された時点tごと、測定された光路長の範囲内の関連光路長zごとに光路長分解LCI散乱信号I(t,z)を提供することを含み得る。ステップ403で、z分解自己相関関数G(τ,z)、あるいは、z分解周波数パワースペクトル

が計算される。
ステップ404で、‘τ=0切片’γ(z)のG(τ,z)、雑音レベル<G(τ−>οο,z>および信号が消失する深さzからの分析、ならびに、信号の定常特性を評価するために間隔Δt内のデータサブブロックにわたって評価されるG(τ,z)の統計的分析、が行われ得る。言い換えると、G(τ,z)の振幅および雑音の特性化が行われる。
ステップ405で、ゼロ速度条件v(z=zBound)=0が当てはまるzBoundにおける懸濁液境界の狭い範囲内の光路長zのG(τ,z)の初期分析が行われ得る。これにより、自己相関G(τ,z)へのブラウン寄与の初期推定値gB,init(τ)が提供される。
ステップ406で、z依存の流動誘起寄与gF,x(τ,Γ(z))、よって流動プロファイルの適合が、例えば、入力として、スペクトルG(τ,z<z)、‘τ=0切片’γ(z<z)と共に式(2)を使用し、g(τ,z)=gB,init(τ)(初期スペクトル)を設定して、行われ得る。残差が限界を超える遅延時間τ’(z)が記録され得る。取得されたΓ(z<z)の低次多項式適合により、流動の分析的記述v fit(z<z)および流動による非相関G(τ,z<z)への寄与gF,x fit(τ,z<z)の関連付けられた分析形式が得られ得る。
ステップ407で、自己相関のブラウン部分の補正された形式g cor(τ,z<z)が、γ(z<z)および分析的流動補正gF,x fit(t,z<z)を使用して式(3)から取得される。決定された遅延時間限界τ’(z)内の例えば式(4)と同様のg(τ<τ’(z),z<z)の後続の重み付き部分平均化により、自己相関関数の平均ブラウン部分<g(τ)>の中間結果が提供され得る。
ステップ408で、Gfit(τ,z)=<g(τ)>γ(z)gF,x fit(τ,z)での残差ε(τ,z)=G(τ,z<z*)−Gfit(τ,z<z*)の分析が行われ得る。ε(z)が系統的変動を示すと判断された場合、結果g cor(τ,z<z)は、深さ依存である(例えば、多重散乱を示す)とみなされ得る。408に示されるように、その場合、例えば、z=Zssで深さ非依存性が達成されるまで、減らしたzでステップ406〜ステップ408が繰り換えされ得る。
ステップ409で、<g(τ)>からの平均粒径、多分散性および/または粒径分布の評価が行われ得る。この評価は、例えば、キュムラント分析、CONTINラプラス逆変換、または式(1)により<g(τ)>から<F(Γ)>に関する情報を抽出するための他の公知の方法に基づくものであり得る。加えて、数に基づく粒径分布n(r)も、標準ミー(Mie)理論を使用して1次分布<F(Γ)>から抽出され得る。ブロックiからの測定散乱長Zssおよび‘生データ’G(τ,z)または

を含み得る、結果として得られるデータは、監視中の統計的プロセス制御のために格納され得る。
分析方式の上述した実施形態は、FDLCI信号の自己相関G(τ,z)を用いる。しかしながら、代わりに、そこから変動FDLCI信号へのブラウン寄与の平均パワースペクトル、

が取得され得る光路長分解周波数パワースペクトル

を使用した分析も行われ得る。流動寄与の分析は、流動境界の近くの光路長の初期ブラウンパワースペクトル

から開始し、

からの

の逆畳み込みに続いて、

の対応するガウス形式を使用してΓを適合し、Γ(z)への低次多項式適合からv(z)を決定し、

を再分析し、(時間領域分析の場合と同様に取得されたZssを平均して

を得て、そこから標準的な方法を使用してPSDを取得することを含み得る。
本発明の分析の主目的は、G(τ,z)または

からの粒径およびPSDの直接測定であるが、G(τ,z)または

の他の特性、例えば、経験的適合によって取得されたそれらの時間(周波数)および光路長依存性を記述するパラメータも、プロセス監視または制御のための流動懸濁液の特性化に使用され得る。
特定の実施形態は、FDLCI機器の取得設定を自動制御し、測定信号に応答してこれら(基準強度比、取得頻度など)を適応させて、コロイド懸濁液の時間依存特性を監視し得る、コンピュータ、制御ユニット、またはプロセッサを制御するために使用され得るコンピュータプログラムを含み得る。加えて、プログラムは、記載の相関分析を行い、データ適合を行い、関連特性を取得するようにも構成され得る。プログラムは、これらの計算をリアルタイムで行うための並列処理を組み込んでいてもよく、これは、関連するプロセスについて、データブロックの分析が約5〜60秒間の範囲内になることを意味し得る。測定された粒径もしくはPSDの情報またはLCI信号から取得された他の特性を使用して、1つまたは複数の関連プロセスパラメータを決定する制御信号が設定され得る。特に、信号は、例えば、分布の平均粒径または幅が特定の限界を超えることを示すトリガ信号であり得る。
プログラムを、任意の適切なプログラミング言語のコンピュータ可読コマンドコードとして実施することができる。プログラム要素は、CD ROM、DVD、ブルーレイディスク、リムーバブルドライブ、揮発性および不揮発性メモリなどのコンピュータ可読媒体上に格納され得る。さらに、プログラム要素は、ネットワーク、例えばインターネットで提供され、ユーザからオンデマンドでダウンロードされてもよい。
本明細書で開示される技術は、例えばナノ加工プロセスにおいて適用され得る。ナノ加工プロセスは、比較的大きな粒子が規定の粒径および分布のナノ粒子に加工される連続加工プロセスである。インライン測定システムは、本開示の別の箇所で開示された測定および計算を使用して、粒径および分布に関する連続したリアルタイム情報を提供することができるフローセルアダプタを装備し得る。この情報をフィードバックまたはフィードフォワード制御として使用して、例えば、加工速度を調整し、プロセスを停止し、または目標仕様に(まだ)到達していない場合には続行することができる。インライン監視の可能な方法がない場合、プロセスを停止して試料を採取することによって、または可能な場合には、再循環チャンバから試料を引き出してオフラインで試料を測定することしかできない。そのような場合には、オフライン試料は外部で分析されなければならず、分析の前に試料調製が必要になるので、プロセスへのフィードバックが著しく遅延することになる。目標仕様に近づくと、連続監視データによりプロセスをノンストップで行い、必要に応じてプロセスを停止することができる。
第2のプロセス制御例が、押し出しによる製薬プロセスのためのリポソーム形成の監視である。リポソームは、特定の脂質押し出しフィルタに通すことによって形成され得る。同様のサイズのリポソームを得るために、数回の押し出しサイクルが適用され得る。そのようなプロセスに本発明を統合することにより、実際の粒径、多分散性およびPSDをリアルタイムで評価することができ、この情報に基づいてプロセスを調整、続行、または停止することができる。
本発明の非侵襲的特性および高速分析能力の両方が好適に適用される第3のプロセス制御例が、充填および閉栓プロセス中のバイアルまたはシリンジ内の最終製品としてのナノ懸濁液の監視である。試料のバイアルまたはシリンジを通した測定により最終製品の直接の品質管理が可能になる。得られたデータは、プロセス調整に、または最終製品の品質確認およびリアルタイムのリリースに使用することができる。
本発明の一部または全部の態様は、ソフトウェア、特にコンピュータプログラム製品の形での実施に適し得る。コンピュータプログラム製品は、非一時的なコンピュータ可読媒体上に格納されたコンピュータプログラムを含み得る。また、コンピュータプログラムは、光ファイバケーブルや空気などの伝送媒体によって搬送される、光信号や電磁信号などの信号でも表され得る。コンピュータプログラムは、部分的にまたは全体として、コンピュータシステムによる実行に適した、ソースコード、オブジェクトコード、または疑似コードの形を有し得る。例えば、コードは、1つまたは複数のプロセッサによって実行可能であり得る。そのようなプロセッサは制御ユニットの一例である。
本明細書に記載される例および実施形態は、本発明を限定するのではなく例示する役割を果たす。当業者であれば、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって規定される、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、代替の実施形態を設計することができるであろう。特許請求の範囲で括弧内に記載される参照符号は、特許請求の範囲を限定すると解釈されるものではない。特許請求の範囲または本明細書において別々のエンティティとして記載される品目は、記載の品目の特徴が組み合わさった単一のハードウェアまたはソフトウェア品目として実施され得る。
次に本発明を、様々なレベルの流動を有する異なるインライン条件においてナノ粒子懸濁液を特性化したいくつかの実施例によってさらに詳細に説明する。この目的でKisker Biotechから購入した較正済みポリスチレン(PS)ナノ粒子の懸濁液を使用した。
図5Aおよび図5Bを参照して第1の実施例を説明する。図5Aに、反応容器内で静止(0rpm)条件と撹拌条件とで測定された、48.5nmの流体力学半径のPS粒子の1.25mg/ml懸濁液中の粒径分布を示す。測定構成および光学系を、流動誘導装置なしの4mm厚のガラス窓を有する直径15cmの反応容器を使用して図3と同様に作成し、懸濁液を、50〜250rpmの速度で磁気的に撹拌した。レイノルズ数はRe〜400〜1700(層流から弱いバルク乱流まで)の範囲であった。図5Aにおいて、実線の曲線は0rpmでの粒径分布を示し、破線の曲線は、100rpmの撹拌速度の撹拌条件でのPSDを示し、点線の曲線は、250rpmの撹拌速度の撹拌条件でのPSDを示す。結果として得られた<g(τ)>のCONTIN分析からデータを取得した。開示の分析を使用してG(τ,z)から取得した懸濁液流動に関するデータは、懸濁液における1mmの光路長内の層流境界層を示している。層内の最大せん断速度は、250rpmの最大撹拌速度の〜75s−1に対応する。図5Bのデータは、(上のパネルに示される)容器内での撹拌速度の段階的増加中に、4秒間隔で測定され、時間の関数として(<g(τ)>のキュムラント分析を使用して)図4の流れ図に記載される方法で分析された平均(Z平均)流体力学半径(下のパネル)示している。流動補正を含むこの分析方法は、用いられた撹拌速度範囲にわたる粒径およびPSDをロバストに特性化する。
図6を参照して第2の実施例を説明する。図6に、流動構成において流動下で測定された、小さい粒子対大きい粒子の2つの濃度比、A:(1.25mg/0.07mg)/mlおよびB:(1.25mg/0.22mg)/mlの、流体力学半径49nm/191nmのポリスチレン粒子の二元混合物の粒径分布を示す。測定構成および光学系を、一定の加圧上流によって生成された〜0.9リットル/時の流動を運ぶ小規模なフローセル(光軸に沿って2mm)を用いて図2と同様に作成した。図6において、太い破線は濃度比Aの粒径分布を示し、細い破線は対応する累積分布を示す。太い実線は濃度比Bの粒径分布を示し、細い実線は対応する累積分布を示す。濃度比Aと濃度比Bの両方について、独立して、g(τ,z)の分析から、流速を測定し、ピーク速度〜23mm/s、毛細管/懸濁液境界付近の最大せん断速度〜46s−1のポアズイユ流れプロファイルを得た。2つの異なる相対濃度AおよびBについての<g(τ)>のCONTIN分析から結果としての図6のPSDを得た。データ(ピーク幅、ピーク位置およびピーク面積比)は、散乱強度を説明するためにミー理論を考慮に入れると、使用した粒径、個々の多分散性(種ごとの変動係数〜<7%)および使用した濃度に基づく予期される分布と一致している。
以下の各項に例を開示する。
1.流動コロイド懸濁液中のコロイド粒子の特性を監視するための方法であって、
流動コロイド懸濁液を含む試料を準備するステップと、
フーリエドメイン、FD、低コヒーレンス干渉法、LCIを使用して流動コロイド懸濁液のコロイド粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方を非侵襲的に監視するステップであって、監視するステップが、時間、t、および光路長、z、分解LCI光散乱信号I(t,z)を干渉のt分解LCI波長スペクトルから導出する工程と、τが遅延時間を表す、I(t,z)のz分解時間的自己相関関数G(τ,z)およびωが周波数を表す、I(t,z)のz分解周波数パワースペクトル

の少なくとも一方からコロイド粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方を示す情報を導出する工程とを含む、ステップと
を含む方法。
2.G(τ,z)から、コロイド懸濁液の流動に関連したzおよびτ依存の非相関因子g(τ,z)を決定するステップと、
G(τ,z)から、コロイド粒子のブラウン運動を表す、zおよびτ依存の自己相関g(τ,z)を決定するステップと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
3.G(τ,z)から、コロイド懸濁液におけるz<Zssのg(τ,z)が測定雑音内のzと無関係である、流動コロイド懸濁液における光子平均自由行程を表す、特性的光路長、Zss、を決定するステップ
をさらに含む、項目2に記載の方法。
4.流動コロイド懸濁液におけるz<Zssのg(τ,z)に基づき、単一散乱光を表す平均自己相関関数、<g(τ)>、を決定し、<g(τ)>を使用して、コロイド粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方に関する情報を抽出する光子相関分光法、PCS、分析を行うステップ、をさらに含む、項目1〜3のいずれか一項に記載の方法。
5.

から、流動誘起LCI信号変動に関連した、z分解パワースペクトル

およびブラウン運動誘起変動を表す、関連付けられたz分解パワースペクトル

を導出するステップと、

から、z平均パワースペクトル

を導出するステップと、を含む、項目1に記載の方法。
6.

から、粒径および粒径分布の少なくとも一方に関連した情報を導出するステップをさらに含む、項目5に記載の方法。
7.約300nm〜3000nmの中心波長を有する低コヒーレンス光を使用し、掃引光源法またはスペクトル領域法を使用してFDLCIを行うステップであって、掃引光源法が波長掃引光源を用いる、ステップをさらに含む、項目1〜6のいずれか一項に記載の方法。
8.コロイド懸濁液を、測定窓から約3mmの光路長以内で最大で約40mm/sの速度で、または測定窓から約1mm以内で最大で約80s−1のせん断速度で流すステップをさらに含む、項目1〜7のいずれか一項に記載の方法。
9.コロイド粒子の粒径または最大寸法が約10nm〜3μm、好ましくは約15nm1000nmであり、方法が、この粒径範囲内の粒径および粒径分布の少なくとも一方を決定するステップを含む、項目1〜8のいずれか一項に記載の方法。
10.コロイド懸濁液が、約10nm〜3μm、好ましくは約15nm〜1000nmの範囲内の少なくとも2つの粒径のコロイド粒子を含む多分散懸濁液である、項目1〜9のいずれか一項に記載の方法。
11.I(t,z)を導出するステップ、およびI(t,z)に基づいてコロイド粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方を示す情報を取得するステップが、周期的または連続的に繰り返される、項目1〜10のいずれか一項に記載の方法。
12.コロイド粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方を示す情報を導出する工程が、懸濁液中の前記コロイド粒子の濃度と無関係に行われる、項目1〜11のいずれか一項に記載の方法。
13.決定されたコロイド粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方を示す情報に基づいてプロセスを制御するステップをさらに含む、項目1〜12のいずれか一項に記載の方法。
14.コロイド粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方に関する情報に基づいて懸濁液を分類するステップと、コロイド粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方を示す情報に基づいてFDLCI機器および監視するステップを制御するステップとをさらに含む、項目1〜13のいずれか一項に記載の方法。
15.プロセスにおいて流動コロイド懸濁液中のコロイド粒子の特性を監視するためのフーリエドメイン、FD、低コヒーレンス干渉法、LCI装置であって、
参照光路と流動コロイド懸濁液を含む試料とを同時に照明するように構成された低コヒーレンス光源と、
参照光路から反射された光と流動懸濁液から散乱された光を混合して干渉信号を取得する手段と、
参照光路から反射された光と流動懸濁液を含む試料から散乱された光との間の干渉の時間分解LCI波長スペクトルを検出するように構成された検出器と、
取得された干渉のLSI波長スペクトルから、時間、t、および光路長、z、分解LCI光散乱信号、I(t,z)、を導出し、τが遅延時間である、I(t,z)のz分解時間的自己相関関数G(τ,z)から、またはωが周波数である、I(t,z)の周波数パワースペクトル

からコロイド粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方を示す情報を導出するように構成されたデータ取得および処理ユニットと
を備え、低コヒーレンス光源が広帯域光源または掃引光源であり、掃引光源が波長掃引光源である、FDLCI装置。
16.流動コロイド懸濁液中のコロイド粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方を非侵襲的に監視するように構成された制御ユニットであって、データ取得および処理ユニットならびに少なくとも1つのプロセスパラメータのうちの少なくとも1つを制御するようにさらに構成される、制御ユニットをさらに備える、項目15に記載のFDLCI装置。
17.コンピュータによって実行されると、コンピュータに項目1〜14のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体。

Claims (14)

  1. 流動ナノ懸濁液中のナノ粒子の特性を決定するための方法であって、
    流動ナノ懸濁液を含む試料を準備するステップと、
    フーリエドメイン、FD、低コヒーレンス干渉法、LCIを使用して前記流動ナノ懸濁液のナノ粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方を非侵襲的に決定するステップであって、前記監視するステップが、時間、t、および光路長、z、分解LCI光散乱信号I(t,z)を干渉のt分解LCI波長スペクトルから導出する工程と、τが遅延時間を表す、I(t,z)のz分解時間的自己相関関数G(τ,z)から前記ナノ粒子の前記粒径および前記粒径分布の前記少なくとも一方を示す情報を導出する工程とを含む、ステップと、
    G(τ,z)から、前記ナノ懸濁液の前記流動に関連したzおよびτ依存の非相関因子g(τ,z)を決定するステップと、
    G(τ,z)から、前記ナノ粒子のブラウン運動を表すzおよびτ依存の自己相関、g(τ,z)を決定するステップと、
    G(τ,z)から、前記ナノ懸濁液におけるz<Zssのg(τ,z)が測定雑音内のzと無関係である、前記流動ナノ懸濁液における光子平均自由行程を表す、特性的光路長、Zss、を決定するステップと、
    前記流動ナノ懸濁液におけるz<Zssのg(τ,z)に基づき、単一散乱光を表す平均自己相関関数、<g(τ)>、を決定し、<g(τ)>を使用して、前記ナノ粒子の前記粒径および前記粒径分布の前記少なくとも一方に関する前記情報を抽出する光子相関分光法、PCS、分析を行うステップと、
    を含む、方法。
  2. 流動ナノ懸濁液中のナノ粒子の特性を決定するための方法であって、
    流動ナノ懸濁液を含む試料を準備するステップと、
    フーリエドメイン、FD、低コヒーレンス干渉法、LCIを使用して前記流動ナノ懸濁液のナノ粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方を非侵襲的に決定するステップであって、前記監視するステップが、時間、t、および光路長、z、分解LCI光散乱信号I(t,z)を干渉のt分解LCI波長スペクトルから導出する工程と、ωが周波数を表す、I(t,z)のz分解時間的周波数パワースペクトル、

    から前記ナノ粒子の前記粒径および前記粒径分布の前記少なくとも一方を示す情報を導出する工程とを含む、ステップと、

    から、前記ナノ懸濁液の前記流動に関連したz分解パワースペクトル、

    を決定するステップと、

    から、前記ナノ粒子のブラウン運動を表すz分解パワースペクトル、

    を決定するステップと、

    から、前記ナノ懸濁液におけるz<Zss

    が測定雑音内のzと無関係である、前記流動ナノ懸濁液における光子平均自由行程を表す、特性的光路長、Zss、を決定するステップと、
    前記流動ナノ懸濁液におけるz<Zss

    に基づき、単一散乱光を表す平均パワースペクトル、

    を決定し、

    から、前記ナノ粒子の前記粒径および前記粒径分布の前記少なくとも一方に関連した情報を導出するステップと、
    を含む、方法。
  3. 約300nm〜3000nmの中心波長を有する低コヒーレンス光を使用し、掃引光源法またはスペクトル領域法を使用して前記FDLCIを行うステップであって、前記掃引光源法が波長掃引光源を用いる、ステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ナノ懸濁液を、測定窓から約3mmの光路長以内で最大で約40mm/sの速度で、または前記測定窓から約1mm以内で最大で約80s−1のせん断速度で流すステップをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ナノ粒子の前記粒径または最大寸法が約10nm〜3μm、好ましくは約15nm〜1000nmであり、前記方法が、この粒径範囲内の前記粒径および前記粒径分布の少なくとも一方を決定するステップを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ナノ懸濁液が、約10nm〜3μm、好ましくは約15nm〜1000nmの範囲内の少なくとも2つの粒径のナノ粒子を含む多分散懸濁液である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. I(t,z)を導出する前記ステップ、およびI(t,z)に基づいて前記ナノ粒子の前記粒径および前記粒径分布の前記少なくとも一方を示す前記情報を取得する前記ステップが、周期的または連続的に繰り返される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ナノ粒子の前記粒径および前記粒径分布の前記少なくとも一方を示す前記情報を導出する前記工程が、前記懸濁液中の前記ナノ粒子の濃度と無関係に行われる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記ナノ粒子の前記粒径および前記粒径分布の前記少なくとも一方を示す前記決定された情報に基づいてプロセスを制御するステップをさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記ナノ粒子の前記粒径および前記粒径分布の前記少なくとも一方に関する前記情報に基づいて懸濁液を分類するステップと、前記ナノ粒子の前記粒径および前記粒径分布の前記少なくとも一方を示す前記情報に基づいてFDLCI機器および前記監視するステップを制御するステップとをさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. プロセスにおいて流動ナノ懸濁液中のナノ粒子の特性を決定するためのフーリエドメイン、FD、低コヒーレンス干渉法、LCI装置であって、
    参照光路と前記流動ナノ懸濁液を含む試料とを同時に照明するように構成された低コヒーレンス光源と、
    前記参照光路から反射された光と前記流動懸濁液から散乱された光を混合して干渉信号を取得する手段と、
    前記参照光路から反射された前記光と前記流動懸濁液を含む前記試料から散乱された前記光との間の干渉の時間分解LCI波長スペクトルを検出するように構成された検出器と、
    前記取得された干渉のLCI波長スペクトルから、時間、t、および光路長、z、分解LCI光散乱信号、I(t,z)、を導出し、τが遅延時間である、I(t,z)のz分解時間的自己相関関数、G(τ,z)、から前記ナノ粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方を示す情報を導出し、G(τ,z)から、前記ナノ懸濁液の前記流動に関連したzおよびτ依存の非相関因子g(τ,z)を決定し、G(τ,z)から、前記ナノ粒子のブラウン運動を表すzおよびτ依存の自己相関、g(τ,z)を決定し、G(τ,z)から、前記ナノ懸濁液におけるz<Zssのg(τ,z)が測定雑音内のzと無関係である、前記流動ナノ懸濁液における光子平均自由行程を表す、特性的光路長、Zss、を決定し、前記流動ナノ懸濁液におけるz<Zssのg(τ,z)に基づき、単一散乱光を表す平均自己相関関数、<g(τ)>、を決定し、<g(τ)>を使用して、前記ナノ粒子の前記粒径および前記粒径分布の前記少なくとも一方に関する前記情報を抽出する光子相関分光法、PCS、分析を行うように構成されたデータ取得および処理ユニットと、
    を備え、前記低コヒーレンス光源が広帯域光源または掃引光源であり、前記掃引光源が波長掃引光源である、FDLCI装置。
  12. プロセスにおいて流動ナノ懸濁液中のナノ粒子の特性を決定するためのフーリエドメイン、FD、低コヒーレンス干渉法、LCI装置であって、
    参照光路と前記流動ナノ懸濁液を含む試料とを同時に照明するように構成された低コヒーレンス光源と、
    前記参照光路から反射された光と前記流動懸濁液から散乱された光を混合して干渉信号を取得する手段と、
    前記参照光路から反射された前記光と前記流動懸濁液を含む前記試料から散乱された前記光との間の干渉の時間分解LCI波長スペクトルを検出するように構成された検出器と、
    前記取得された干渉のLCI波長スペクトルから、時間、t、および光路長、z、分解LCI光散乱信号、I(t,z)、を導出し、ωが周波数を表す、I(t,z)のz分解時間的周波数パワースペクトル、

    から前記ナノ粒子の粒径および粒径分布の少なくとも一方を示す情報を導出し、

    から、前記ナノ懸濁液の前記流動に関連したz分解パワースペクトル

    を決定し、

    から、前記ナノ粒子のブラウン運動を表すz分解パワースペクトル、

    (ω,z)
    を決定し、

    から、前記ナノ懸濁液におけるz<Zss

    が測定雑音内のzと無関係である、前記流動ナノ懸濁液における光子平均自由行程を表す、特性的光路長、Zss、を決定し、前記流動ナノ懸濁液におけるz<Zss

    に基づき、単一散乱光を表す平均パワースペクトル、

    を決定し、

    から、前記ナノ粒子の前記粒径および前記粒径分布の前記少なくとも一方に関連した情報を導出するように構成されたデータ取得および処理ユニットと、
    を備え、前記低コヒーレンス光源が広帯域光源または掃引光源であり、前記掃引光源が波長掃引光源である、FDLCI装置。
  13. 前記流動ナノ懸濁液中の前記ナノ粒子の前記粒径および前記粒径分布の前記少なくとも一方を非侵襲的に監視するように構成された制御ユニットであって、前記データ取得および処理ユニットならびに少なくとも1つのプロセスパラメータのうちの少なくとも1つを制御するようにさらに構成される、制御ユニットをさらに備える、請求項11または12に記載のFDLCI装置。
  14. コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体。
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