以下の説明は、本発明の一般的な原理を示すために書かれたものであり、本明細書に記載された発明の思想を限定することを意味するものではない。また、本明細書に記載された特定の特徴は、さまざまな可能なそれぞれの組合せおよび変更において、記載された他の特徴と組み合わせて使用することができる。
本明細書において特に定義されていない限り、全ての用語には、本明細書から暗示される意味ならびに当業者によって理解される意味もしくは辞書、学術論文などに定義された意味またはその両方を含む、その可能な最も幅広い解釈が与えられる。
特に明記されていない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されているとき、単数形「a」、「an」および「the」は複数の指示物を含むことが留意されなければならない。
以下の説明は、磁気テープ記録システムと磁気テープ製品の両方を改良するための磁気ストレージ・システム、および該磁気ストレージ・システムの動作もしくは構成部分またはその両方のいくつかの好ましい実施形態を開示する。本明細書に記載されたさまざまな手法におけるサーボ・パターン間の数および相対的間隔、ならびに本明細書に記載されたさまざまな手法におけるサーボ・リーダ間の数および相対的間隔は、対応する磁気テープ・ヘッドおよびテープ・ドライブが性能の向上を達成することを可能にし、さまざまなスタイル(例えば世代)の磁気テープの後方互換性も可能にする。その結果、上述の技術的特徴のうちのさまざまな特徴を実装することによって、従来の磁気テープ製品および従来のテープ・ドライブで経験される欠点が解決される。
一般的な一実施形態において、テープ・ドライブ実装方法は、磁気テープ上のサーボ・バンドのサーボ・バンド構成を決定すること、磁気テープ・ヘッド上のサーボ・リーダを使用して、サーボ・バンドのうちの1つまたは複数のサーボ・バンドを、決定されたサーボ・バンド構成に基づいて読み取ること、およびサーボ・バンドのうちのその1つまたは複数のサーボ・バンドから読み取った情報を使用して、磁気テープ・ヘッドを磁気テープに対して位置決めすることを含む。磁気テープ・ヘッドに沿ってデータ変換器のアレイが配置されており、このアレイは、磁気テープの走行方向に対して垂直に延びている。さらに、データ変換器のアレイのそれぞれの端部にサーボ・リーダのグループが配置されており、サーボ・リーダのそれぞれのグループの直接に隣り合うそれぞれのサーボ・リーダ間の距離は、それぞれのサーボ・バンドの予め指定された幅の1/3の以下である。それぞれのグループのそれぞれのサーボ・リーダ間の距離と予め指定された幅はともに、磁気テープの走行方向に対して垂直な方向に測定されたものである。
別の一般的な実施形態において、製品は、複数のサーボ・バンドを有する磁気テープを含み、それぞれのサーボ・バンドは、高密度サーボ・パターンおよび少なくとも1つのタイミング・ベースのサーボ・パターンを含む。所与のサーボ・バンドの高密度サーボ・パターンと少なくとも1つのタイミング・ベースのサーボ・パターンとを合わせた幅は、それぞれのサーボ・バンドの予め指定された幅の2/3以下である。さらに、この合わせた幅および予め指定された幅はそれぞれ、磁気テープの長手軸に対して垂直な方向に測定されたものである。
さらに別の一般的な実施形態において、製品は、複数のサーボ・バンドを有する磁気テープを含み、それぞれのサーボ・バンドは、高密度サーボ・パターンおよび2つのタイミング・ベースのサーボ・パターンを含む。それぞれの2つのタイミング・ベースのサーボ・パターンの長手軸は高密度サーボ・パターンの長手軸と平行である。さらに、この2つのタイミング・ベースのサーボ・パターンは、磁気テープの長手軸に対して垂直な方向に沿って高密度サーボ・パターンの両側に配置されている。所与のサーボ・バンドの高密度サーボ・パターンと2つのタイミング・ベースのサーボ・パターンのうちの一方のタイミング・ベースのサーボ・パターンとを合わせた幅は、それぞれのサーボ・バンドの指定された幅の2/3以下であり、さらに、この合わせた幅および予め指定された幅はそれぞれ、磁気テープの長手軸に対して垂直な方向に測定されたものである。
次に図1を参照すると、一実施形態によるネットワーク・ストレージ・システム10の概略図が示されている。このネットワーク・ストレージ・システム10は適当なストレージ・システムの一例に過ぎず、このネットワーク・ストレージ・システム10が、本明細書に記載された本発明の実施形態の使用または機能の範囲に関する限定を示唆することは意図されていない。とは言うものの、ネットワーク・ストレージ・システム10は、本明細書に記載された機能を実装もしくは実行すること、またはその両方を実施することができる。
ネットワーク・ストレージ・システム10内にはコンピュータ・システム/サーバ12が存在し、コンピュータ・システム/サーバ12は、他の多数の汎用または専用コンピューティング・システム環境または構成とともに動作可能である。コンピュータ・システム/サーバ12とともに使用するのに適していることがある、よく知られたコンピューティング・システム、環境もしくは構成またはこれらの組合せの例は、限定はされないが、パーソナル・コンピュータ・システム、サーバ・コンピュータ・システム、シン・クライアント、シック・クライアント、ハンドヘルドまたはラップトップ・デバイス、マルチプロセッサ・システム、マイクロプロセッサ・ベースのシステム、セット・トップ・ボックス、プログラム可能なコンシューマ電子機器、ネットワークPC、ミニコンピュータ・システム、メインフレーム・コンピュータ・システム、および上記のいずれかのシステムまたはデバイスを含む分散型クラウド・コンピューティング環境などを含む。
コンピュータ・システム/サーバ12は、コンピュータ・システムによって実行されているプログラム・モジュールなどのコンピュータ・システム実行可能命令の一般的な文脈で説明されることがある。一般に、プログラム・モジュールは、特定のタスクを実行する、または特定の抽象データ型を実装した、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、ロジック、データ構造などを含むことができる。コンピュータ・システム/サーバ12は、通信ネットワークを介してリンクされた遠隔処理デバイスによってタスクが実行される分散型クラウド・コンピューティング環境で使用することができる。分散型クラウド・コンピューティング環境では、ローカル・コンピュータ・システム・ストレージ媒体と遠隔コンピュータ・システム・ストレージ媒体の両方にプログラム・モジュールを置くことができる。このストレージ媒体にはメモリ・ストレージ・デバイスが含まれる。
図1に示されているとおり、ネットワーク・ストレージ・システム10のコンピュータ・システム/サーバ12は汎用コンピューティング・デバイスの形態で示されている。コンピュータ・システム/サーバ12の構成要素は、限定はされないが、1つまたは複数のプロセッサまたは処理ユニット16、システム・メモリ28およびバス18を含むことができる。バス18は、プロセッサ16に結合された、システム・メモリ28を含むさまざまなシステム構成要素を結合する。
バス18は、メモリ・バスまたはメモリ・コントローラ、周辺バス、加速グラフィクス・ポート、プロセッサ・バスまたはローカル・バスなどを含む、さまざまなバス・アーキテクチャを使用したいくつかのタイプのバス構造体のうちの1つまたは複数の任意のバス構造体を表す。本発明を限定することは全く意図されていない例として、このようなアーキテクチャは、インダストリ・スタンダード・アーキテクチャ(Industry Standard Architecture:ISA)バス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(Micro Channel Architecture:MCA)バス、エンハンスト(Enhanced)ISA(EISA)バス、ビデオ・エレクトロニクス・スタンダーズ・アソシエーション(Video Electronics Standards Association:VESA)ローカル・バス、およびペリフェラル・コンポーネント・インターコネクツ(Peripheral Component Interconnects:PCI)バスを含む。
コンピュータ・システム/サーバ12は通常、さまざまなコンピュータ・システム可読媒体を含む。このような媒体は、コンピュータ・システム/サーバ12がアクセス可能な利用可能な任意の媒体とすることができ、揮発性媒体と不揮発性媒体の両方、取外し可能媒体と非取外し可能媒体の両方を含むことができる。
システム・メモリ28は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)30もしくはキャッシュ・メモリ32またはその両方など、揮発性メモリの形態のコンピュータ・システム可読媒体を含むことができる。コンピュータ・システム/サーバ12はさらに、他の取外し可能/非取外し可能な揮発性/不揮発性のコンピュータ・システム・ストレージ媒体を含むことができる。単なる例として、ストレージ・システム34は、非取外し可能な不揮発性の磁気媒体からの読出し用および非取外し可能な不揮発性の磁気媒体への書込み用に提供することができる。この非取外し可能な不揮発性の磁気媒体は図示されておらず、通常は「ハード・ディスク」と呼ばれる。ハード・ディスクは、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)内で動作させることができる。図示されてはいないが、取外し可能な不揮発性の磁気ディスク(例えば「フロッピー・ディスク」)からの読出し用および取外し可能な不揮発性の磁気ディスクへの書込み用の磁気ディスク・ドライブ、ならびにコンパクト・ディスク・リードオンリー・メモリ(CD−ROM)、ディジタル・バーサタイル・ディスク−リードオンリー・メモリ(DVD−ROM)または他の光学式媒体などの取外し可能な不揮発性光ディスクからの読出し用および取外し可能な不揮発性の光ディスクへの書込み用の光ディスク・ドライブを提供することもできる。そのような場合には、それぞれのディスク・ドライブを、1つまたは複数のデータ媒体インタフェースによってバス18に接続することができる。後にさらに示し、説明するが、メモリ28は、本明細書に記載された実施形態の機能を実行するように構成された一組の(例えば少なくとも1つの)プログラム・モジュールを有する少なくとも1つのプログラム製品を含むことができる。
一組の(少なくとも1つの)プログラム・モジュール42、および、例えば、限定はされないが、オペレーティング・システム、1つまたは複数のアプリケーション・プログラム、他のプログラム・モジュール、プログラム・データなどを有するプログラム/ユーティリティ40を、メモリ28に記憶することができる。このオペレーティング・システム、1つまたは複数のアプリケーション・プログラム、他のプログラム・モジュールおよびプログラム・データまたはこれらのある組合せはそれぞれ、ネットワーキング環境の実施態様を含むことができる。プログラム・モジュール42を使用して、本明細書に記載された本発明の実施形態の機能もしくは方法またはその両方を実行することができることにも留意すべきである。
コンピュータ・システム/サーバ12はさらに、キーボード、ポインティング・デバイス、ディスプレイ24など;ユーザがコンピュータ・システム/サーバ12と対話することを可能にする1つもしくは複数のデバイス;またはコンピュータ・システム/サーバ12が1つもしくは複数の他のコンピューティング・デバイスと通信することを可能にする任意のデバイス(例えばネットワーク・カード、モデムなど)、あるいはこれらの組合せなどの、1つまたは複数の外部デバイス14と通信することができる。このような通信は、入力/出力(I/O)インタフェース22を介して実施することができる。さらに、コンピュータ・システム/サーバ12は、ネットワーク・アダプタ20を介して、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、一般的なワイド・エリア・ネットワーク(WAN)もしくは公衆ネットワーク(例えばインターネット)あるいはこれらの組合せなどの1つまたは複数のネットワークと通信することができる。図示されているように、ネットワーク・アダプタ20は、バス18を介してコンピュータ・システム/サーバ12の他の構成要素と通信する。示されてはいないが、他のハードウェア構成要素もしくはソフトウェア構成要素またはその両方を、コンピュータ・システム/サーバ12とともに使用することができることを理解すべきである。このような構成要素の例は、限定はされないが、マイクロコード、デバイス・ドライバ、冗長処理ユニット、外部ディスク・ドライブ・アレイ、独立ディスクの冗長アレイ(redundant array of independent disks:RAID)システム、テープ・ドライブ、データ・アーカイバル(archival)ストレージ・システムなどを含む。
次に図2を参照すると、磁気テープ122を支持するためのテープ供給カートリッジ120および巻取りリール121が示されている。これらのリールのうちの1つまたは複数のリールは、取外し可能カートリッジの一部を構成するものであってもよく、必ずしもテープ・ドライブ100の一部でなければならないというわけではない。図2に示されたテープ・ドライブなどのテープ・ドライブはさらに、任意のタイプのテープ・ヘッド126を横切って磁気テープ122を移動させるためにテープ供給カートリッジ120および巻取りリール121を駆動するドライブ・モータを含むことができる。このようなヘッドは、リーダ、ライタまたはその両方のアレイを含むことができる。
ガイド125は、テープ・ヘッド126を横切って磁気テープ122を導く。このようなテープ・ヘッド126は、ケーブル130を介してコントローラ128に結合されている。コントローラ128は、ドライブ100のサブシステムを制御するためのプロセッサもしくはロジックまたはその両方とすることができ、あるいはそのようなプロセッサもしくはロジックまたはその両方を含むことができる。例えば、コントローラ128は、サーボ・フォローイング、データ書込み、データ読取りなどのヘッド機能を制御することができる。コントローラ128は、少なくとも1つのサーボ・チャネルおよび少なくとも1つのデータ・チャネルを含むことができ、それらのチャネルはそれぞれ、磁気テープ122に書き込む情報もしくは磁気テープ122から読み取る情報またはその両方を処理もしくは記憶し、またはその両方を実行するように構成されたデータ・フロー処理ロジックを含む。コントローラ128は、当技術分野で知られているロジックおよび本明細書に開示されたロジックの下で動作するものとすることができ、したがって、コントローラ128を、本明細書に含まれるさまざまな実施形態によるテープ・ドライブを説明するためのプロセッサと考えてもよい。コントローラ128は、知られている任意のタイプのメモリ136に結合されていてもよく、メモリ136は、コントローラ128が実行可能な命令を記憶していてもよい。さらに、コントローラ128は、本明細書に提示された方法の一部または全部を実行または制御するように構成されていてもよく、もしくはそれらを実行または制御するようにプログラム可能であってもよく、またはその両方であってもよい。したがって、コントローラ128は、1つもしくは複数のチップ、モジュールもしくはブロックまたはこれらの組合せの中;1つもしくは複数のプロセッサが利用可能なソフトウェア、ファームウェアもしくは他の命令またはこれらの組合せの中;など、およびこれらの組合せの中にプログラムされたロジックによってさまざまな動作を実行するように構成されていると考えることができる。
ケーブル130は、磁気テープ122に記録するデータをヘッド126に送信し、ヘッド126が読み取った磁気テープ122からのデータを受信するための読取り/書込み回路を含むことができる。アクチュエータ132は、磁気テープ122に対するヘッド126の位置を制御する。
さらに、データを送受信するためのテープ・ドライブ100と(内部または外部)ホストとの間の通信用に、およびテープ・ドライブ100の動作を制御し、テープ・ドライブ100のステータスをホストに通信するために、インタフェース134を提供することができる。これらの目的は全て当業者によって理解されるであろう。
図3を短く参照すると、一実施形態による例示的なテープ・レイアウトが示されている。示されているとおり、磁気テープ300は、LTOフォーマットおよびIBM Enterpriseフォーマットに規定されている、5つのサーボ・バンド、すなわちサーボ・バンド0〜サーボ・バンド4および4つのデータ・バンド、すなわちデータ・バンド0〜データ・バンド3を実装したテープ・レイアウトを有する。それぞれのサーボ・バンドの高さHは、磁気テープ300の長さLに対して概ね直角なトラック横断方向304に測定される。一例によれば、それぞれのサーボ・バンドの高さHは、第1〜第5世代のLTOフォーマットによって約186ミクロンとすることができる。さらに、図示されているサーボ・バンド間のピッチβは、やはり第1〜第5世代のLTOフォーマットによって約2859ミクロンとすることができる。
2つのモジュールを有し、磁気テープ300の一部分の上に配置された一手法による例示的なテープ・ヘッド302も示されている。本明細書に記載されたいずれかの手法によってテープ・ヘッド302のいずれかのモジュールに読取り変換器もしくは書込み変換器またはその両方を配置することができ、それらの読取り変換器もしくは書込み変換器またはその両方を使用して、データ・バンドからのデータの読取りもしくはデータ・バンドへのデータの書込みまたはその両方を実行することができる。さらに、本明細書に記載されたいずれかの手法によって、テープ・ヘッド302はサーボ・リーダを含むことができ、それらのサーボ・リーダを使用して、サーボ・バンドのサーボ・パターンを読み取ることができる。図3に含まれるさまざまな構成要素の寸法は単なる例として示したものであり、それらの寸法が本発明を限定することは全く意図されていないことにも留意すべきである。
一部のテープ・ドライブは、低いテープ速度でもしくはナノメートル・ヘッド位置設定で動作するように、またはその両方で動作するように構成されている。それらのテープ・ドライブは、磁気テープ媒体、4つまたは8つのデータ・バンド、32または64のデータ・チャネル動作をターゲットとし、非常に低速の動作を可能にし、大帯域幅アクチュエータ動作をサポートし、位置誤差信号(PES)の標準偏差を最小化するためのパラメータ推定を改良し、それによって100TB以上のテープ・カートリッジ容量に対するトラック密度スケーリングを可能にする、サーボ・フォーマットを使用することができる。
しかしながら、いくつかの実施形態によれば、追加の機能を提供する追加の特徴によって磁気テープがさらに増強される。したがって、例えば図3に示されているような標準TBSサーボ・パターンの代わりに、HDサーボ・パターンを実装することができる。このHDサーボ・パターンを使用して、トラック・フォローイング性能を向上させることができる。
さらに別の実施形態では、(例えば図3に示されているような)標準的なTBSサーボ・パターンが、1つまたは複数のHDサーボ・パターンとの組合せで実装される(例えば下図4参照)。1つの実施態様は、標準TBSパターンが保持され、磁気テープ媒体の専用エリア、好ましくは現在使用されていないエリアに追加のHDパターンが提供された、ハイブリッド・サーボ・パターン・スキームを含む。いくつかの手法では、データ・チャネルの数を16から32に増やし、TBSパターンの幅を186ミクロンから93ミクロンに減らすことによって、このタイプのパターンを実装することができる。
図4には、磁気テープ媒体408のサーボ・バンドに書き込まれた標準TBSパターン402とHDバンド(例えば専用エリア)に書き込まれたHDパターン404とを含むハイブリッド・サーボ・パターン410が示されている。さらに、それぞれのHDパターン404はいくつかのHDトラックを含み、それぞれのHDトラックは、例えば下図6、図8および図23に示されているような、対応するそれぞれの周期的波形を有する。いくつかの手法では、いくつかのサーボ・ストライプを含み、隣り合うサーボ・バーストのサーボ・ストライプが交番する方位角で書き込まれた4つのサーボ・バーストからなるサーボ・フレーム構造など、本来のTBSパターン402の重要な特徴が保持される。サーボ・パターンの高さおよび他の幾何学的寸法ならびに1バースト当たりのサーボ・ストライプの数など、従来のサーボ・パターンの他のパラメータは、希望に応じて変更することができる。
HDパターン404は、磁気テープの長手軸に沿って長さ方向Lに交互に書き込まれたさまざまな周波数の周期的波形を含むことができる。標準TBSパターン402を使用して、(例えばサーボ・バンドIDを提供することによる)サーボ・バンドの最初の識別;適切なサーボ位置へのヘッド406の最初の位置決め;テープ速度、ヘッド横方向位置、ヘッド−テープ・スキュー、長手方向位置(LPOS)などの最初のサーボ・チャネル・パラメータの取得;などを提供することができる。さらに、HDパターン404は、サーボ・チャネル・パラメータのより正確でより頻繁な推定を可能にすることができ、それによって、はるかに幅広いテープ速度範囲での改良されたヘッド位置決め、およびより大きな帯域幅のヘッド作動に対するサポートを達成することができる。そのため、非常に大きなカートリッジ容量に対するトラック密度スケーリングを可能にすることができ、さらに、より幅広い速度範囲のサポートによって、ホスト・コンピュータ要件でのデータ・レート・スケーリングを改良することができる。
例えば離散的フーリエ変換(DFT)、高速フーリエ変換(FFT)などの複雑なアルゴリズム変換を実装した検出器によって、HDパターンを形成する周期的波形の検出を達成することができる。しかしながら、この実装の複雑さは、サーボ・リーダ横方向位置推定値の生成速度と推定誤差の標準偏差との間のトレードオフの柔軟性を低減させる可能性がある。したがって、HDパターンから導出された信号の処理時間を短縮するためには、高いスループットを有する構成要素(例えばコントローラ)を使用してこの信号を処理することが望ましいことがある。
一実施形態では、TBSパターンとHDパターンのハイブリッドを読み取ることができる検出器が実装される。このハイブリッド検出器を、DFTまたはFFTを適用することなしに、HDパターンからのリードバック信号の関連スペクトル周波数成分のエネルギーの推定値を取得し、さらに、それらのエネルギーに基づいてヘッドの横方向位置の推定値を計算するように構成することができる。
スペクトル推定を実行する構成要素の入力に提供するサンプルは、アナログ−ディジタル(A/D)コンバータからのリードバックHDサーボ信号サンプル列を、一実施形態では固定クロック周波数でまたは別の実施形態では可変クロック周波数で補間することによって、適当なサンプリング時に取得することができる。いくつかの実施形態では、補間器の時間基準が、後により詳細に説明するように、HD検出器と並列に動作しているTBSチャネルによって提供されるテープ速度の推定値から導き出される。
サーボ・リーダ横方向位置推定値の元となるスペクトル推定値の生成速度と推定誤差の標準偏差との間のさまざまなトレードオフが可能である。しかしながら、DFTベースまたはFFTベースの実装に比べて複雑さがかなり低減した、適当で好ましい実装を達成することができる。具体的には、一実施形態では、少数の一組のスペクトル推定値だけが計算される。それに対して、DFTまたはFFTは、固定された一組の等間隔のスペクトル成分を計算する。さらに、積分区間を自由に調整することができる。一方、DFT/FFTベースの解決策では積分区間がDFT/FFTサイズの倍数である。
HDサーボ・パターンが多数のトーン周波数を使用するときでも、常に、提案の検出器が計算するスペクトル推定値の最大数が、HDサーボ・リーダが同時に読み取るトラックの最大数に一致するようにすることができる。さらに、TBSチャネルからの粗い位置決め情報に基づいて現在読み取られているトラックに対応するスペクトル推定値を提供するように、提案の検出器を構成しなおすこともできる。
一実施形態に基づくハイブリッド・サーボ・パターン410を有するテープ・レイアウト400を示す図4を再び参照すると、ハイブリッド・サーボ・パターン410内では、標準TBSパターン402の隣りのスペースにHDパターン404が書き込まれている。この実施形態によれば、TBSパターン402が使用されているため、直角位相シーケンス(quadrature sequence)が含まれない。これは、ハード・ディスク・ドライブにサーボ機能を実装した製品とは逆である。
次に図5を短く参照すると、例示的な実施形態によるTBSパターン402(例えばTBSフレーム)の部分詳細図が示されている。示されているとおり、複数のサーボ・ストライプ412がサーボ・バースト414を形成しており、サーボ・バースト414の対応する対がサーボ・サブフレームを形成している。この実施形態では、左のサーボ・サブフレームに含まれるサーボ・バースト414がそれぞれ5本のサーボ・ストライプ412を有し、右のサーボ・サブフレームに含まれるサーボ・バースト414がそれぞれ4本のサーボ・ストライプ412を有する。しかしながら、いくつかの手法では、それぞれのサーボ・サブフレームが同じ数のサーボ・ストライプ412を含む。所与のサーボ・バースト414に含まれるサーボ・ストライプ412は、角度αによって表されるサーボ・ストライプ412の方位勾配が同じになるように配向される。隣り合うサーボ・バースト414の左端のサーボ・ストライプ412を隔てる距離d/2は手法によって異なる。さらに、サーボ・バースト414の対応する対は反対向きの方位勾配を有し、それによってシェブロン型パターンを形成する。サーボ・ストライプ412の高さHおよび太さtは、TBSパターン402を書き込むのに使用されるサーボ・ライタによって異なることがある。それぞれのサーボ・ストライプ412間の間隔Sもしくは同じ方位勾配を有するサーボ・バースト414間のサブフレーム長SFLまたはその両方も、所望の手法によって異なることがある。
下表1は、図5に示された寸法のうちのさまざまな寸法の、異なる2つの手法による例示的ないくつかの値を示す。例えば当業者には理解されることだが、それらの手法はそれぞれ、異なる数のデータ・チャネルを有する磁気テープに対応する。さらに、下表1のさまざまな寸法値は単なる例として示されたものであり、それらの値が本発明を限定することは全く意図されていないことに留意すべきである。したがって、他のさまざまな手法によって所望の寸法値を実装することができる。
本発明を限定することは全く意図されていない例示的な1つの手法によれば、高さHは約186μm、角度αは約6°、太さtは約2.1μmである。本発明を限定することは全く意図されていない例示的な1つの手法によれば、間隔Sは約5μm、サブフレーム長SFLは約100μmである。上述のとおり、図5に示されたものなどのパターンによる遷移は、ヘッドの横方向位置の推定値を決定することを可能にし、このヘッドの横方向位置の推定値の決定は、サーボ・バースト414のサーボ・ストライプ412がサーボ・リーダの上を通ったときにそれらのサーボ・ストライプ412を読み取ったサーボ・リーダが生成したパルスの相対的なタイミングを評価することによってなされる。
再び図4を参照すると、HDパターン404は、隣り合うトラックに書き込まれた周期的波形、例えば2つの異なる空間周波数、すなわちf2>f1である低周波数f1および高周波数f2によって特徴づけられる2つの周期的波形を含むことができる。しかしながら、より幅広い範囲のヘッド横方向変位が望まれる。したがって、異なる構成のHDパターンを使用して、横方向変位を決定する際の曖昧さを回避することができる。
HDサーボ・パターンは、横(トラック横断)方向に交互に書き込まれた異なる周波数の周期的波形を含むことが好ましい。したがって、HDサーボ・パターンを、サーボ・チャネル・パラメータのより正確な推定値もしくはより頻繁な推定値またはより正確でより頻繁な推定値を本明細書に記載されたさまざまな実施形態によって望ましく提供することができるものとすることができる。次に図6〜図9を参照すると、2つの異なる空間周波数によって特徴づけられる2つの周期的波形だけを有するHDパターンに関連したヘッド横方向変位の限定された範囲の問題を解決するHDパターン500が示されている。図6および図8に示されているように、隣り合うトラックのHDパターン500に対して、HDパターンが書き込まれたバンドを横切って周期的に繰り返す少なくとも3つの周波数が使用される。図6および図8の実施形態では、サーボ・リーダ(「R」と標識されたブロックによって示されている)がHDパターン500と重なっているときにはどのような読取り条件下でも所与の時点で少なくとも2つのトーンが検出されるように、サーボ・リーダRが、トラック横断方向502に単一のトラックよりも広い幅を有する。特に図6を参照すると、リーダRは、HDパターン500の下部508と中央部506の両方にまたがっている。図8は、サーボ・リーダRの代替位置を示し、この位置では、リーダRが、HDパターン500の上部504と中央部506にまたがっている。
周期的波形の3つの部分508、506、504はそれぞれ、異なる3つの周波数f1、f2およびf3によって特徴づけられている。ここでf3>f2>f1である。さまざまな手法により、それぞれの波形は、所定の間隔内に約25から約200の周期、例えば30、50、75、100などのいくつかの周期を有する波形として特徴づけることができる。より好ましくは、この所定の間隔を、約50μmから約150μmの範囲、例えば手法に応じて約60μm、約75μm、約100μmなどの範囲とすることができる。さらに、シンボル長は、約0.5μmから約3.0μmの範囲、例えば約1.0μm、約1.5μm、約2.0μmなどの範囲とすることができる。
したがって、続けて図6〜図9を参照すると、HDパターン500の部分のうちの1つの部分の縁を部分のうちの別の1つの部分の縁から区別することができる。特に図6を参照すると、両方の部分506、508と重なったサーボ・リーダRが読み取った信号を評価することによって、中央部506の縁を下部508の縁から識別することができる。図7のグラフ510は、サーボ・リーダRからのリードバック信号のさまざまな周波数、および図6に示されたサーボ・リーダRの位置に対するそれぞれの周波数に対応するエネルギー・レベルを識別する。いくつかの手法では、所与の時間(または磁気テープに沿った距離)にわたって積分することによってエネルギー値が決定される。グラフ510に示されているように、サーボ・リーダRのリードバック信号には中央部の周波数f2に加えて、下部の周波数f1が存在し、それにより下部の周波数f1をスペクトル解析によって検出することができる。さらに、スペクトル成分f1およびf2のエネルギー値は、サーボ・リーダRと重なった中央部および下部506、508との関係を表す。周波数f1のスペクトル成分のエネルギー値の方が第2の周波数f2のスペクトル成分のエネルギー値よりも小さいとすると、それは、サーボ・リーダRと中央部506との重なりの方が、サーボ・リーダRと下部508との重なりよりも大きいと決定できる。さらに、対応するエネルギーの比較を使用して、磁気テープに対するサーボ・リーダRの細かい位置を決定することもできる。
同様に、図9のグラフ520は、図8に示されているように配置されたサーボ・リーダRからのリードバック信号の周波数、およびそれぞれの周波数に対応するエネルギー・レベルを識別する。示されているとおり、サーボ・リーダRのリードバック信号には周波数f2およびf3が存在し、スペクトル解析によって周波数f2およびf3を検出することができる。この場合も、周波数f2およびf3に対するスペクトル成分のエネルギーは、上部および中央部504、506の上方にサーボ・リーダRが配置されていることを示している。周波数f3のスペクトル成分のエネルギーの方が周波数f2のスペクトル成分のエネルギーより小さいとすると、それは、サーボ・リーダRと中央部506との重なりの方がサーボ・リーダRと上部504との重なりよりも大きいことを示す。さらに、対応するエネルギー値の比較を使用して、磁気テープに対するサーボ・リーダRの細かい位置を決定することもできる。
所与の積分区間に対して最小数のスペクトル・ビンを用いたDFT/FFTベースの検出器によるスペクトル推定が採用されたときに、これらの3つの周波数の波形周期は、最も高い空間周波数に対応する例えばT=241.3nmである周期Tの整数倍とすることができ、それらの波形周期は1/Tに比例することに留意されたい。
図10は、周期的波形を含むHDサーボ・パターンからPESを計算するように構成されたDFT/FFTベースの検出器600のブロック図を示す。サーボ・リーダ602からのサーボ信号は、サーボ信号補間器604を使用して、同期サーボ・チャネル606からのタイミング情報を用いて補間される。補間された信号サンプルは次いで、周波数f1およびf2における信号エネルギー値を推定するDFTベースまたはFFTベース(DFT/FFTベース)の検出器608によって処理される。DFT/FFTベースの検出器608の出力はPES計算ユニット610に入力され、PES計算ユニット610は、それらの信号エネルギー値の差をとることによってPES推定値を決定する。
DFT/FFTベースの検出器608がエネルギーを推定する対象の2つの周期的波形は、周波数f1およびf2において正弦波形であることが理想である。しかしながら、DFT/FFTベースの検出器608は、HDパターンに対して使用されたときに固有の欠点を有する。すなわち、エネルギーの推定値を求めるスペクトル成分の数がDFT(またはFFT)計算の積分区間に依存し、積分区間が基本周波数のいくつかの周期にわたるときにはこの数が非常に大きくなることがあり、これは、低ノイズ推定プロセスが使用されるときに典型的である。
HDパターンのリードバック信号を形成する周期的波形成分の数は普通、所与の横方向位置に対して2つまたは3つに限定されるため、検出器の低複雑さの実施態様に頼ることは有利であり、それによって、HDパターンのリードバック信号の2つまたは3つの周波数における関連スペクトル成分のエネルギーの推定値だけが効率的に計算される。
次に図11を参照すると、一実施形態によるHDパターンの検出器700が示されている。検出器700は、一実施形態による例えば図6〜図7に示された常に3つの周波数によって特徴づけられるHDパターンのリードバック信号の成分に対応する周期的波形によって動作するように構成されている。続けて図11を参照すると、検出器700は、特定の周波数におけるリードバックHDサーボ信号のエネルギーをゲーツェル(Goertzel)アルゴリズムによって推定するために、低い実装複雑さを有する3つのディジタル・フィルタ702、704、706を含み、それらのディジタル・フィルタはそれぞれ、2次(second−order)無限インパルス応答(infinite impulse response:IIR)段およびそれに続く2タップ(two−tap)有限インパルス応答(finite impulse response:FIR)段を含む。本明細書の説明を読んだ後の当業者には理解されるであろうが、これらの3つのディジタル・フィルタ702、704、706に対して他の配置および構成要素を使用することもできる。これらの3つの周波数に対応する波形周期(単位はnm)は基本周期Tの整数倍であると仮定することができる。
有限積分区間におけるこれら3つの周期的波形成分のエネルギーを正確に推定するため、周期的波形成分の周波数は、それぞれω0/2π、ω1/2πおよびω2/2πで示された3つのディジタル・フィルタ702、704、706の特性周波数と整合することが好ましい。整合が可能でないときには、それらの周波数が、3つのディジタル・フィルタ702、704、706の周波数セットの約0.001%から約1.0%以内であることが好ましく、より好ましくは約0.1%未満の差であることがより好ましい。これは、アナログ−ディジタル変換器(ADC)708の出力列を適切な時点で再サンプリングすることによって達成することができ、これは、図11に示されているように、補間器710によって、テープ速度および所与の補間距離ΔxHDから得られる時間基準で提供することができる。クロック718の周波数fsは、検出器700のADC708、カウンタ720およびディジタル回路への入力として使用される。さらに、クロック718の周波数fsは固定周波数または可変周波数とすることができる。
一実施形態では、補間器710が、線形補間器よりも小さな信号歪みを達成するキュービック・ラグランジュ補間器である。当業者には理解されるであろうが、当然ながら、適当な任意の補間器を使用することができる。テープ速度とは無関係に、ΔxHDに等しいステップ補間距離だけ隔てられた磁気テープ上の点でとられたHDサーボ信号サンプルと対応する、補間器710の出力信号サンプルが得られる。ΔxHDは、テープ速度とは無関係に、条件T/ΔxHD=Kが満たされるように選択されることが好ましい。ここでKは正の整数である。補間時間計算ユニット712によって、補間器出力サンプルの生成のための時間基準を提供することができ、補間時間計算ユニット712は、ADC出力列の再サンプリングが実行される時点{tn}のシーケンスを与える。時点{tn}はさらに循環バッファ722に提供することができる。
図11に示された検出器700を、クロック間隔Ts=1/fsのうちに補間器710によって所与の数のサンプルが計算されるように構成することができる。しかしながら、そうすることによって、検出器700が動作することができる最大テープ速度が制限される可能性がある。最大テープ速度は2ΔxHD/Tsによって表される。検出器700がサポートする最大テープ速度は、単一のクロック間隔のうちに補間器710がより多くのサンプルを計算することができるようにすることによって増大させることができるが、そうすると計算の複雑さも増大する。
固定テープ速度では、時点{tn}の間隔をTI秒の等間隔とすることができる。TIは、磁気テープがステップ補間距離ΔxHDに等しい距離だけ移動するのにかかる時間間隔を示す。時間間隔TIの推定はステップ補間時間計算ユニット714によって実行され、ステップ補間時間計算ユニット714は、TI=ΔxHD/vest、すなわちΔxHDと瞬間的なテープ速度の推定値vestとの比を計算する。1つの手法ではこれがTBSチャネルから得られる。一実施形態によれば、TBSチャネルは同期TBSチャネルとして動作する。1ADCクロック間隔当たりに生成される補間された信号サンプルの平均数は比TI/Tsによって与えられる。Ts=1/fsはクロック間隔を表す。ADCクロック周波数fsは、1つの手法では固定周波数であり、または別の手法では可変周波数である。
一実施形態では、磁気テープ媒体のサーボ・バンド上に書き込まれたTBSパターンを処理するように構成されたテープ・ドライブのTBSチャネルの出力に基づくフィルタリング要素が利用可能でないときに、ゲーツェル・アルゴリズムに入力する補間された信号サンプルを得る時点を決定するためにテープ速度を推定するように、HD検出器700が構成されている。
別の実施形態では、テープ・ドライブのTBSチャネルの出力に基づいて、サーボ・リーダの粗い位置決めのためのヘッドの横方向位置の推定値を計算するようにHD検出器700が構成されている。さらに、ヘッドの横方向位置の推定値に基づいて推定されたHDサーボ信号の波形周波数成分に従って少なくとも1つのディジタル・フィルタの設定を調整するように、HD検出器700を構成することもできる。例えば、粗い位置推定値および推定されたその(粗い)横方向位置にあるHDパターンの既知の周波数ωi=2πfiに基づいて、i番目のディジタル・フィルタの設定ωiを調整することができる。別の例では、粗い位置推定値、および推定されたその(粗い)横方向位置にあるHDパターンのシンボル長、積分間隔などの組合せに基づいて、i番目のディジタル・フィルタの設定が調整される。
HD検出器700は、ディジタル・フィルタ702、704、706の係数をそこから得る3つの特性周波数の値{ω0,ω1,ω2}を入力として受け取る。ωi=2πfiである。一実施形態では、上述のとおり、これらの周波数が、TBSチャネルによって提供されるサーボ・リーダの横方向位置に関する知識から得られる。数「Q」が、周期的波形のエネルギーの推定値を計算するサンプルの数を表すと仮定すると、Qは、積分区間の長さを決定することができ、したがって空間周波数分解能も決定することができる。Qの値が偶数であると仮定すると、Q/2は、Q個のサンプルにわたって動作するDFT/FFTベースのHD検出器によってエネルギー推定値が提供される周波数の数を表す。一実施形態では、Qが、テープ・ドライブ・メモリから得られる。さらに、Qは通常、約100以上である。
リードバックHDサーボ信号が異なる周波数において経験する可能性がある異なる減衰を補償するため、i=0,1,2である利得係数giによる3つのエネルギー推定値の乗算が提供される。ここでは正規化g1=1を仮定することができる。したがって、HDサーボ・リーダ716の横方向位置の推定値、したがってターゲット・ヘッド位置についての知識からの位置誤差信号を、これらの3つのエネルギー推定値の線形結合によって得ることができる。任意の時刻に計算されるスペクトル推定値の最大数は、3よりも大きいことがあるHDサーボ・パターンのトーンの総数によってではなく、いくつかの手法では3に等しい、HDサーボ・リーダ716が読み取ることができるトラックの最大数によって決定されることに留意されたい。トーンの数が3よりも大きい場合には、上述のとおり、TBSチャネルから得られた横方向位置推定値についての知識から、HD検出器700に提供される3つの特性周波数の値{ω0,ω1,ω2}を導き出すことができる。
別の実施形態では、補間器710なしでHD検出器700が実装され、磁気テープ媒体から読み取ったHDサーボ信号の波形空間周波数成分およびテープ速度によってその設定を調整するように構成可能なディジタル・フィルタが追加される。このディジタル・フィルタ設定の調整は、テープ・ドライブのTBSチャネルの出力に基づいて計算された粗いヘッド横方向位置推定値もしくはテープ速度推定値またはその両方に基づくものとすることができる。
代替実施形態では、HDサーボ・リーダ716によって同時に読み取られているトラック上に書き込まれたパターンに対応する周波数でエネルギーを推定するために使用されるディジタル・フィルタに対する超過として、HD検出器が追加のディジタル・フィルタを実装する。この1つまたは複数の超過のディジタル・フィルタを使用して、ターゲット横方向位置が変化するとき、したがって周波数の入力値{ωx}が動的に変化するときの検出器の再構成を単純にすることができる。
別の実施形態では、この1つまたは複数の超過のディジタル・フィルタを使用して、少数のスペクトル成分/線によって特徴づけられるHDパターンを、広帯域ノイズもしくはデータ信号またはその両方から区別することができる。これは、HDパターンによって使用されていない周波数で超過のディジタル・フィルタがスペクトル成分を測定するように超過のディジタル・フィルタの特性周波数ωIを選択することによって達成することができる。
これらの3つのディジタル・フィルタ702、704、706からの出力|Xi,t|2はPES計算ユニット724に提供され、PES計算ユニット724は、所与の時刻tにおける位置誤差推定値(εt)を提供する。
HD検出器700の他の構成要素は、当業者に知られているとおりに動作することができる。記載された実施形態を明瞭にするため、ここではそれらの構成要素を省略する。
上述のとおり、過去には、テープ・スキュー測定値およびTDS測定値が、ヘッド・モジュールの両側のサーボ・バンドからの情報または多数のヘッド・モジュール上のサーボ・リーダからの情報から決定された。言い換えると、スキューもしくはTDSまたはその両方を計算するために、従来の製品は、2つ以上のサーボ・バンドもしくは2つ以上のヘッド・モジュールまたはその両方から有効なサーボ情報を得る必要があった。このことは、このような従来のヘッド・モジュールを、サーボ欠陥、磁気テープの表面の凹凸に起因する擦り傷などによって性能低下を特に受けやすいものとし、もしくは完全に無用のものとし、またはその両方とする。
ハイブリッド・サーボ・パターンは、トラック・フォローイング性能を向上させるために使用することができるいくつかの追加情報を提供するが、従来の製品は、このようなハイブリッド・サーボ・パターンを実装し、同時に後方互換性も達成することができなかった。後方互換性は、磁気テープなどの取外し可能なストレージ媒体にとって非常に望ましい。例えば、後方互換性は、所与のテープ・ドライブが異なる多くの世代の磁気テープをサポートすることを可能にする。したがって、後方互換性は、ユーザが、ユーザが利用可能なテープ媒体リソース配置の柔軟性を最大にすることを可能にする。
多くの世代の磁気テープ間で後方互換性を達成するためには、サーボ・バンドに対するデータ・バンドの数が標準的な比率を維持し、同時に、磁気テープのデータ容量のさらなる増大を達成するために使用されるデータ変換器構成にも従うことが望ましい。さらに、単一のヘッド・モジュール上のサーボ・リーダがさまざまな異なるサーボ・バンド・フォーマットと互換性を持つことも望ましい。しかしながら、このことは、今までのところ、従来の製品の重大な課題となっている。したがって、データ容量を増大させ続けることができる磁気テープ製品もしくはシステムまたはその両方を達成し、同時に、データ・トラック・フォローイング性能を向上させ、サーボ・バンドに対するデータ・バンドの標準的な比率を維持することが大いに望まれている。
図12を短く参照すると、従来のサーボ・バンド800の部分図が示されている。従来のサーボ・バンド800は、トラック横断方向804に延びる幅WCを有するTBSパターン802を含む。従来のTBSパターン802の幅WCは、図12に示されるようにサーボ・バンド800自体の幅Wの約2/3である。したがって、サーボ・バンド800の一部(約1/3)は使用されずに残っている。さらに、図13は、従来のサーボ・バンド800の上に配置された従来のヘッド・モジュール850の一部分を示す。示されているとおり、モジュール850は、従来のTBSパターン802の上に配置された単一のサーボ・リーダ852を含む。モジュール850はさらに、トラック横断方向804に沿って延びる32個のデータ変換器854(その全ては示されていない)を含む。
前述のとおり、例えば図12〜図13に示されたものなどの従来のサーボ・バンドおよび従来のヘッド・モジュールを実装した従来の製品は、テープ・スキュー測定値およびTDS測定値を、ヘッド・モジュールの両側のサーボ・バンドから読み取った情報または多数のヘッド・モジュール上のサーボ・リーダから読み取った情報から決定する。言い換えると、スキューもしくはTDSまたはその両方を計算するために、従来の製品は、2つ以上のサーボ・バンドもしくは2つ以上のヘッド・モジュールまたはその両方から有効なサーボ情報を得る必要があった。このことは、このような従来のヘッド・モジュールを、サーボ欠陥、磁気テープの表面の凹凸に起因する擦り傷などによって性能低下を特に受けやすいものとし、もしくは完全に無用のものとし、またはその両方とする。例えば、図13の単一のサーボ・リーダ852がもはや従来のTBSパターン802を読み取ることができない場合、従来のヘッド・モジュール850は事実上、使いものにならない。
図12〜図13に示された実施形態は単純に、従来の製品を例示するために示したものであり、それらの実施形態が本発明を限定することは全く意図されていないことに留意すべきである。図12〜図13に示された上述の従来の製品とは明らかに対照的に、本明細書で説明もしくは示唆されたさまざまな実施形態または本明細書で説明され示唆されたさまざまな実施形態は、後にさらに詳細に説明するように、トラック・フォローイング性能のかなりの向上、データ容量の増大、後方互換性などを達成する。
次に図14を参照すると、一実施形態による製品900が示されている。オプションとして、この製品900は、図1〜図11などの他の図を参照して説明した特徴など、本明細書に記載された他の実施形態の特徴とともに実装することができる。しかしながら、このような製品900および本明細書に提示されたその他の製品は、さまざまな用途で、または本明細書に記載された例示的な実施形態において特に説明されたもしくは説明されていない変更を加えて、もしくはその両方で使用することができる。さらに、本明細書に提示された製品900は所望の任意の環境で使用することができる。したがって、図14(およびその他の図)は可能な任意の変更を含むとみなすことができる。
示されているとおり、図14の製品900は磁気テープ902を含み、磁気テープ902は、磁気テープ902の長手軸908に沿って互いに平行に走る(延びる)複数のサーボ・バンド904およびデータ・バンド906を有する。この手法によれば、磁気テープ902は、5つのサーボ・バンド904および4つのデータ・バンド906を含むが、所望の手法に応じた所望の数のサーボ・バンドもしくはデータ・バンドまたはその両方を含むことができる。
製造されたときに、サーボ・バンド904もしくはデータ・バンド906またはそれらの両方のバンドの範囲(図14では磁気テープ902の長手軸908に平行に走る破線によって示されている)は、磁気テープ902自体の長さに沿って実際に形成された(例えば書き込まれた)何らかのものによって画定されていなくてもよい。サーボ・バンド904もしくはデータ・バンド906またはそれらの両方のバンドの範囲はむしろ、磁気テープ902が対応するフォーマットによって画定することができる。例えば、図14に対応するフォーマットは、磁気テープ902が、図示された5つのサーボ・バンド904および4つのデータ・バンド906を含むことを指定している。さらに、このフォーマットは、磁気テープ902の長手軸908(および磁気テープ911の走行方向に沿って)に対して垂直なトラック横断方向910に測定された、5つのそれぞれのサーボ・バンド904の予め指定された幅Wを含む。いくつかの手法では、このフォーマットがさらに、トラック横断方向910に測定されたものであることが好ましい4つのそれぞれのデータ・バンド906の予め指定された幅(図示せず)を含む。さらに、予め指定された幅Wは、磁気テープ902上の5つのそれぞれのサーボ・バンド904に関して同じであることが好ましいことに留意すべきである。本発明を限定することは全く意図されていない一例によれば、予め指定された幅Wが約93μmである。別の例によれば、予め指定された幅Wが約140μmである。
サーボ・バンド904の予め指定された幅Wは、サーボ・バンド自体の外側側方縁を事実上画定する。したがって、いくつかの手法では、サーボ・バンド904の外側範囲のトラック横断方向910に沿ったすぐ隣りにデータが書き込まれる。別の手法では、磁気テープ902が、トラック横断方向910に沿ってサーボ・バンド904をデータ・バンド906から分離する保護バンドを実装している。図15を短く参照すると、磁気テープ902の長さに沿って延びる保護バンド912によってデータ・バンド0およびデータ・バンド2から分離されたサーボ・バンド3が示されている。さらに、前述のとおり、サーボ・バンド904の予め指定された幅は、保護バンド912によって占有された磁気テープ902の側方範囲を含まないことが好ましい。
再び図14を参照すると、示されているように、最も外側のサーボ・バンド904も同様に、磁気テープ902の外側側方範囲から側方オフセット914の分だけ後退していてもよい。側方オフセット914は、テープ・ガイド(例えば図2の125参照)のフランジに沿って磁気テープ902が走行することによって生じるテープ・ドライブ性能の低下を防ぐことができる。しかしながら、サーボ・バンド904の予め指定された幅は、オフセット914によって占有された磁気テープ902の側方範囲を含まないことが好ましい。
異なる手法では、磁気テープのフォーマットが異なった方式で記憶されていることがある。いくつかの手法では、図14の磁気テープ902に対応するフォーマットが、磁気テープ902の製造中に磁気テープ自体のヘッダに書き込まれ、それによって、磁気テープ・ヘッドが磁気テープ902にアクセスすることによってそのフォーマットが読み取られる。別の手法では、磁気テープ902に対応するフォーマットが、磁気テープ902を収容したカートリッジに結合されたメモリに記憶されている。例えば、図35を短く参照すると、データ・ストレージ・カートリッジ1500は、図35の破断部に示されたカートリッジ・メモリ1504を含む。このことが本発明を限定することは全く意図されていない。さらに、別の手法では、磁気テープに対応するフォーマットが、磁気テープ・カートリッジに結合されたバーコードに記憶されている。したがって、上述のとおり、所与の磁気テープのサーボ・バンドの予め指定された幅は、上記の潜在的なストレージ位置のいずれかにある、磁気テープに対応するフォーマットにアクセスすることによって決定することができる。さらに、フォーマット情報は一般に、所与の磁気テープ・タイプ(例えば世代、スタイルなど)に対応する特定のフォーマット寸法を検索するために使用することができる。
サーボ・バンド904もしくはデータ・バンド906またはそれらの両方のバンドの側方範囲が実際には磁気テープ902上に形成されていないことがあるが、磁気テープ902は、磁気テープ902の長さに沿ってサーボ・バンド904に形成されたサーボ・パターン(図14には示されていない)を有することが好ましい。サーボ・パターンはサーボ・ライタによって書き込むことができ、異なる形態を有することができ、それによって、サーボ・バンドは、例えばすぐに明らかになるように、手法に応じた異なる構成を有することができる。
次に図16〜図19を参照すると、図14に示された製品の異なる手法によるいくつかの異なるサーボ・バンド構成920、930、940、950が示されている。図16〜図19に示された異なるサーボ・バンド構成920、930、940、950はいずれも、図14の磁気テープ902のサーボ・バンド904に実装することができることに留意すべきである。さらに、図16〜図19に示されたサーボ・バンド構成920、930、940、950は所望の任意の環境で使用することができる。
図16〜図19に示されたそれぞれのサーボ・バンド構成920、930、940、950は、HDサーボ・パターンおよび少なくとも1つのTBSサーボ・パターンを含む。2つのサーボ・バンド構成920、940は第2のTBSパターンを含む。このことが本発明を限定することは全く意図されていない。さらに、後により詳細に説明するように、所与のサーボ・バンドのHDサーボ・パターンと少なくとも1つのTBSサーボ・パターンのうちの1つのTBSサーボ・パターンとを合わせた幅は、その所与のサーボ・バンドの予め指定された幅の2/3以下であることが好ましい。
特に図16を参照すると、サーボ・バンド構成920は第2のタイプのサーボ・バンド構成であり、第1のTBSサーボ・パターン924および第2のTBSサーボ・パターン926とともにHDサーボ・パターン922を含む。示されているとおり、HDサーボ・パターン922は、2つのTBSパターン924、926がトラック横断方向910にHDサーボ・パターン922の両側に配置されるように、トラック横断方向910に沿って、第1のTBSサーボ・パターン924と第2のTBSサーボ・パターン926との間に挟まれている。さらに、2つのそれぞれのTBSパターン924、926の長手軸はHDサーボ・パターン922の長手軸と平行である。
(トラック横断方向910に測定された)HDサーボ・パターン922の幅WHD2は、所与のサーボ・バンドであるサーボ・バンド4の予め指定された幅Wの1/3以下とすることができる。さらに、(ともにトラック横断方向910に測定された)第1のTBSサーボ・パターン924の幅WTBS2および第2のTBSサーボ・パターン926の幅WTBS2’はそれぞれ、所与のサーボ・バンドであるサーボ・バンド4の予め指定された幅Wの1/3以下である。したがって、HDサーボ・パターン922とTBSサーボ・パターン924、926のうちの一方のTBSサーボ・パターンとを合わせた幅は、サーボ・バンドの予め指定された幅Wの2/3以下とすることができる。上側のTBSパターン926は、他の場合には不使用領域として予約されるサーボ・バンドの領域に配置することができる。したがって、サーボ・バンド構成920は、サーボ・バンドの予め指定された幅Wの全体にわたって広がることができる。磁気テープが保護バンドを含まない手法に関しては、TBSパターン924、926のうちの一方または両方のTBSパターンが、隣り合うデータ・バンドの第1のデータ・トラックが書き込まれる可能性がある位置に接する(例えば直接に隣り合う)ことがある。しかしながら、データ・バンドが存在する手法に関しては、例えば本明細書の説明を読んだ後の当業者には理解されるとおり、TBSパターン924、926のうちの一方または両方のTBSパターンを、第1のデータ・トラックが書き込まれる可能性がある位置から保護バンドによって分離することができる。
次に図17を参照すると、サーボ・バンド構成930は第3のタイプのサーボ・バンド構成であり、TBSサーボ・パターン934とともにHDサーボ・パターン932を含む。示されているとおり、HDサーボ・パターン932は、TBSサーボ・パターン934の、サーボ・バースト936の端部どうしが接近した側に直接に隣り合って配置されている。しかしながら、別の手法では、HDサーボ・パターン932が、TBSサーボ・パターン934の反対側(サーボ・バースト936の端部どうしが最も離れた側)に配置される。さらに、TBSパターン934の長手軸はHDサーボ・パターン932の長手軸と平行である。
(トラック横断方向910に測定された)HDサーボ・パターン932の幅WHD3は、所与のサーボ・バンドであるサーボ・バンド4の予め指定された幅Wの1/3以下とすることができる。さらに、TBSサーボ・パターン934の幅WTBS3も、所与のサーボ・バンドであるサーボ・バンド4の予め指定された幅Wの1/3以下である。したがって、HDサーボ・パターン932とTBSサーボ・パターン934とを合わせた幅は、サーボ・バンドの予め指定された幅Wの2/3以下とすることができる。
特に図18を参照すると、サーボ・バンド構成940は第4のタイプのサーボ・バンド構成であり、第1のTBSサーボ・パターン944および第2のTBSサーボ・パターン946とともにHDサーボ・パターン942を含む。示されているとおり、HDサーボ・パターン942は、2つのTBSパターン944、946がトラック横断方向910にHDサーボ・パターン942の両側に配置されるように、トラック横断方向910に沿って、第1のTBSサーボ・パターン944と第2のTBSサーボ・パターン946との間に挟まれている。さらに、2つのそれぞれのTBSパターン944、946の長手軸はHDサーボ・パターン942の長手軸と平行である。
(トラック横断方向910に測定された)HDサーボ・パターン932の幅WHD3は、所与のサーボ・バンドであるサーボ・バンド4の予め指定された幅Wの1/3以下とすることができる。さらに、TBSサーボ・パターン934の幅WTBS3も、所与のサーボ・バンドであるサーボ・バンド4の予め指定された幅Wの1/3以下とすることができる。HDサーボ・パターン932の幅WHD3およびTBSサーボ・パターン934の幅WTBS3はそれぞれ、所与のサーボ・バンドであるサーボ・バンド4の予め指定された幅Wの1/6以下であることが好ましい。したがって、HDサーボ・パターン932とTBSサーボ・パターン934とを合わせた幅は、サーボ・バンドの予め指定された幅Wの2/3以下とすることができ、サーボ・パターン932および934の幅はそれぞれサーボ・バンドの予め指定された幅Wの1/3以下であることが好ましい。
(トラック横断方向910に測定された)HDサーボ・パターン942の幅WHD4は、所与のサーボ・バンドであるサーボ・バンド4の予め指定された幅Wの1/3以下とすることができる。さらに、(ともにトラック横断方向910に測定された)第1のTBSサーボ・パターン944の幅WTBS4および第2のTBSサーボ・パターン946の幅WTBS4’はそれぞれ、所与のサーボ・バンドであるサーボ・バンド4の予め指定された幅Wの1/3以下とすることができる。しかしながら、HDサーボ・パターン942の幅WHD4、およびTBSサーボ・パターン944、946のうちのそれぞれのTBSサーボ・パターンの幅WTBS4、WTBS4’はそれぞれ、所与のサーボ・バンドであるサーボ・バンド4の予め指定された幅Wの1/6であることが好ましい。したがって、HDサーボ・パターン942とTBSサーボ・パターン944、946のうちの一方のTBSサーボ・パターンとを合わせた幅は、サーボ・バンドの予め指定された幅Wの2/3以下、好ましくは1/3以下とすることができる。
次に図19を参照すると、サーボ・バンド構成950は第5のタイプのサーボ・バンド構成であり、TBSサーボ・パターン954とともにHDサーボ・パターン952を含む。示されているとおり、HDサーボ・パターン952は、TBSサーボ・パターン954の、サーボ・バースト956の端部どうしが接近した側に直接に隣り合って配置されている。しかしながら、別の手法では、HDサーボ・パターン952が、TBSサーボ・パターン954の反対側(サーボ・バースト956の端部どうしが最も離れた側)に配置される。さらに、TBSパターン954の長手軸はHDサーボ・パターン952の長手軸と平行である。
(トラック横断方向910に測定された)HDサーボ・パターン952の幅WHD5は、所与のサーボ・バンドであるサーボ・バンド4の予め指定された幅Wの1/3以下とすることができる。さらに、TBSサーボ・パターン954の幅WTBS5も、所与のサーボ・バンドであるサーボ・バンド4の予め指定された幅Wの1/3以下である。HDサーボ・パターン952の幅WHD5およびTBSサーボ・パターン954の幅WTBS5はそれぞれ、所与のサーボ・バンドであるサーボ・バンド4の予め指定された幅Wの1/6以下であることが好ましい。したがって、HDサーボ・パターン952とTBSサーボ・パターン954とを合わせた幅は、サーボ・バンドの予め指定された幅Wの2/3以下、好ましくは1/3以下とすることができる。
図16〜図19の異なる手法に示されたさまざまなサーボ・バンド構成は、サーボ・バンドの一方の側にシフトした、サーボ・バンドの一方の側に接した対応するサーボ・パターンを示しているが、サーボ・パターンは、サーボ・バンド内において所望の任意の配置を有することができることに留意すべきである。例えば、いくつかの手法では、サーボ・バンドが、トラック横断方向に沿ってサーボ・バンドの反対側にシフトしており、トラック横断方向に沿ってサーボ・バンドの反対側に接している。別の手法では、サーボ・パターンが、横断方向に沿ってサーボ・バンドの中央に配置されている。
再び図14を参照すると、磁気テープ902の上に配置された磁気テープ・ヘッド916が示されている。磁気テープ・ヘッド916は、サーボ・バンド904に書き込まれたサーボ・パターンの読取り、データ・バンド906へのデータの書込み、データ・バンド906に書き込まれたデータの読取りなどを実行するように構成された、例えば上で説明した図2のテープ・ドライブ100などのテープ・ドライブの一部とすることができる。したがって、すぐに明らかになるように、磁気テープ・ヘッド916は、異なる構成、例えば磁気テープ902のサーボ・バンド構成に応じた異なる構成で配向されたデータ変換器(図示せず)もしくはサーボ・リーダまたはその両方を有することができる。
次に図20〜図21を参照すると、図14に示された磁気テープ・ヘッド916の異なる手法による2つの異なるサーボ・リーダ構成960、970が示されている。図20〜図21に示された異なるサーボ・リーダ構成960、970はいずれも、図14の磁気テープ・ヘッド916内に実装することができることに留意すべきである。さらに、図20〜図21に示されたサーボ・リーダ構成960、970は任意の所望の環境で使用することができる。
図20〜図21に示されたそれぞれのサーボ・リーダ構成960、970は、データ変換器のアレイのそれぞれの反対端に配置されたサーボ・リーダ(例えば少なくとも2つのサーボ・リーダ)のグループを含む。データ変換器のアレイは、磁気テープ911の走行方向に対して垂直なトラック横断方向910にデータ変換器のアレイが延びるように、磁気テープ・ヘッドに沿って配置されている。さらに、サーボ・リーダのそれぞれのグループの直接に隣り合うそれぞれのサーボ・リーダ間の距離は、後にさらに詳細に説明するように、それぞれのサーボ・バンドの予め指定された幅Wの1/3以下であることが好ましい。
次に特に図20を参照すると、サーボ・リーダ構成960はサーボ・リーダのグループ962、964を有し、サーボ・リーダのグループ962、964はそれぞれ、2つの別個のサーボ・リーダ980、982および984、986を含む。示されているとおり、サーボ・リーダのグループ962、964はそれぞれ、トラック横断方向910に沿ってデータ変換器968のアレイ967の反対端に配置されている。さらに、サーボ・リーダのそれぞれのグループ962、964の長手軸はデータ変換器968のアレイ967の長手軸と平行である。データ変換器968のアレイ967は、データ・リーダもしくはデータ・ライタまたはその両方を含む。さらに、所望の手法に応じて、データ変換器968のアレイ967は、32個の別個のデータ変換器、64個の別個のデータ変換器もしくは128個の別個のデータ変換器などを含むことができ、または他の所望の数の別個のデータ変換器を含むことができる。さらに、これらのサーボ・リーダのうちの1つまたは複数のサーボ・リーダは、(磁気テープ・ヘッドの長手軸に沿って測定された)約1.75μmである高さを有することができるが、所望の手法によってはそれらをこれよりも高くまたは低くすることもできる。
それぞれのグループ962、964の直接に隣り合うそれぞれのサーボ・リーダ980、982および984、986間の(トラック横断方向910に測定された)距離D1は、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅Wの1/3以下とすることができる。所与のサーボ・バンドの予め指定された幅Wの1/3以下である距離D1だけ分離された直接に隣り合うサーボ・リーダを有する磁気テープ・ヘッドは非常に望ましい。これは、それによってサーボ・リーダが、追加の粒度でサーボ・パターンを読み取ることができ、異なるさまざまなタイプ(例えば世代)の磁気テープについてトラック・フォローイング効率の向上を達成することができるためである。例えば、図23〜図26を短く参照すると、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅Wの1/3以下である距離D1だけ分離された2つのサーボ・リーダを有する磁気テープ・ヘッドは、両方のサーボ・リーダが同時に、所与のサーボ・バンドの1つまたは複数のサーボ・パターンからサーボ情報を読み取ることができるように、磁気テープに対して位置決め可能である。したがって、磁気テープ・ヘッドに結合されたサーボ・リーダの一部を冗長サーボ・リーダとすることができ、それによって、サーボ・リーダ・エラーに起因する性能低下に対するレジリエンスを向上させることができる。例えば、グループ962、964のうちの第1のグループのサーボ・リーダを使用して、対応するサーボ・バンドのサーボ・パターンからサーボ情報を読み取り、その間、グループ962、964のうちのもう一方のグループのバックアップ容量は非活動状態にしておき、同時に、(例えばグループ962、964のうちの第1のグループが読み取ったサーボ情報と比較するために)別のサーボ・バンドに対応するサーボ・パターンからサーボ情報を読み取ることなどができる。
次に図21を参照すると、サーボ・リーダ構成970はサーボ・リーダのグループ972、974を有し、サーボ・リーダのグループ972、974はそれぞれ、3つの別個のサーボ・リーダ988、990、992および994、996、998を含む。示されているとおり、サーボ・リーダのグループ972、974はそれぞれ、トラック横断方向910に沿ってデータ変換器978のアレイ977の反対端に配置されている。さらに、サーボ・リーダのそれぞれのグループ972、974の長手軸はデータ変換器978のアレイ977の長手軸と平行である。データ変換器978のアレイ977は、データ・リーダもしくはデータ・ライタまたはその両方を含む。さらに、所望の手法に応じて、データ変換器978のアレイ977は、32個の別個のデータ変換器、64個の別個のデータ変換器もしくは128個の別個のデータ変換器などを含むことができ、または他の所望の数の別個のデータ変換器を含むことができる。さらに、これらのサーボ・リーダのうちの1つまたは複数のサーボ・リーダは、(磁気テープ・ヘッドの長手軸に沿って測定された)約1.75μmである高さを有することができるが、所望の手法によってはそれらをこれよりも高くまたは低くすることもできる。
それぞれのグループ972、974の直接に隣り合うそれぞれのサーボ・リーダ988、990、992および994、996、998の中心間の(トラック横断方向910に測定された)距離D2は、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅Wの1/3以下、好ましくは1/6以下とすることができる。所与のサーボ・バンドの予め指定された幅Wの1/6以下である距離D2だけ分離された直接に隣り合うサーボ・リーダを有する磁気テープ・ヘッドは非常に望ましい。これは、それによってサーボ・リーダが、追加の粒度でサーボ・パターンを読み取ることができ、異なるさまざまなタイプ(例えば世代)の磁気テープについてトラック・フォローイング効率の向上を達成することができるためである。例えば、図27〜図32を短く参照すると、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅Wの1/6以下である距離D2だけ分離された3つのサーボ・リーダを有する磁気テープ・ヘッドは、3つの全てのサーボ・リーダが同時に、所与のサーボ・バンドの1つまたは複数のサーボ・パターンからサーボ情報を読み取ることができるように、磁気テープに対して位置決め可能である。したがって、磁気テープ・ヘッドに結合されたサーボ・リーダの一部を冗長サーボ・リーダとすることができ、それによって、サーボ・リーダ・エラーに起因する性能低下に対するレジリエンスを向上させることができる。例えば、グループ972、974のうちの第1のグループのサーボ・リーダを使用して、対応するサーボ・バンドのサーボ・パターンからサーボ情報を読み取り、その間、グループ972、974のうちのもう一方のグループのバックアップ容量は非活動状態にしておき、同時に、(例えばグループ972、974のうちの第1のグループが読み取ったサーボ情報と比較するために)別のサーボ・バンドに対応するサーボ・パターンからサーボ情報を読み取ることなどができる。
したがって、磁気テープは、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅の1/3以下である幅をそれぞれが有するサーボ・パターンを含むハイブリッド・サーボ・バンド構成を有することができる。さらに、磁気テープ・ヘッドは、少なくとも2つの別個のサーボ・リーダをそれぞれのグループが有するサーボ・リーダの2つのグループを有することができる。1つのグループの直接に隣り合うそれぞれのサーボ・リーダは、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅の1/3以下である距離だけ分離されており、それによって、単一のグループのサーボ・リーダのうちの2つ以上のサーボ・リーダが同時に、所与のサーボ・バンドの1つまたは複数のサーボ・パターンからサーボ情報を読み取ることができるように、磁気テープ・ヘッドが磁気テープに対して配置可能であることが可能になる。図16〜図19において上で説明したさまざまな手法におけるサーボ・パターン間の数および相対的間隔、ならびに図20〜図21において上で説明したさまざまな手法におけるサーボ・リーダ間の数および相対的間隔は、対応する磁気テープ・ヘッドおよびテープ・ドライブが性能の向上を達成することを可能にし、さまざまなスタイル(例えば世代)の磁気テープの後方互換性も可能にする。その結果、上述の手法を実装することによって、従来の製品で経験される欠点が解決される。したがって、次に図22を参照すると、一実施形態に基づくテープ・ドライブ実装方法1000の流れ図が示されている。方法1000は、さまざまな実施形態において、本発明に従って実行することができ、とりわけ図1〜図11および図14〜図21に示されたどの環境でも実行することができる。本明細書の説明を読んだ後の当業者には理解されるであろうが、当然ながら、方法1000には、図22に明確に記載された操作よりも多数の操作または少数の操作が含まれることがある。
方法1000のそれぞれのステップは、その操作環境の適当な任意の構成要素によって実行することができる。例えば、さまざまな実施形態において、方法1000は、コントローラ、プロセッサなどによって、または1つもしくは複数のプロセッサをその中に有する他の何らかのデバイスによって、その一部または全体が実行される。このプロセッサ、例えば、ハードウェアもしくはソフトウェアまたはその両方として実装された、好ましくは少なくとも1つのハードウェア構成要素を有する、処理回路、チップもしくはモジュールまたはこれらの組合せを任意のデバイスの中で利用して、方法1000の1つまたは複数のステップを実行することができる。例示的なプロセッサは、限定はされないが、中央処理ユニット(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)など、もしくはこれらの組合せ、または当技術分野で知られている他の適当なコンピューティング・デバイスを含む。例示的な1つの手法によれば、方法1000に関して後に説明するプロセスのうちの1つまたは複数のプロセスを実行するように構成されたロジックが、図2のテープ・ドライブ100のコントローラ128と統合され、もしくはこのようなロジックによって図2のテープ・ドライブ100のコントローラ128が実行可能であり、またはその両方である。
図22に示されているように、方法1000の操作1002は、磁気テープ上のサーボ・バンドのサーボ・バンド構成を決定することを含む。磁気テープ上のサーボ・バンドの構成は、いくつかの異なるやり方で決定することができる。好ましい手法では、サーボ・バンド構成が、その磁気テープに関連したフォーマットによって決定される。前述のとおり、磁気テープのフォーマットは例えば、磁気テープ自体のヘッダに書き込まれていたり、磁気テープと一緒にテープ・カートリッジの中に位置するメモリに記憶されていたり、磁気テープが格納されたテープ・カートリッジに結合されたバーコードにコード化されていたりする。磁気テープのフォーマットはサーボ・バンド構成自体を含むことがある。しかしながら、実際のサーボ・バンド構成を、例えばルックアップ・テーブルからサーボ・バンド構成を検索することによって決定するために、磁気テープのフォーマットがさらに使用されることもある。
別の手法では、磁気テープ上のサーボ・バンド構成が、サーボ・バンドの予想される位置(例えば磁気テープの外側側方縁に近い位置)の上でサーボ・リーダをスイープし、サーボ・パターンを読み取ることによって決定される。さらに、読み取った信号から集めたサーボ情報を使用して、磁気テープ上のサーボ・バンドのサーボ・バンド構成を決定することができる。さらに別の手法では、磁気テープ上のサーボ・バンドのサーボ・バンド構成が、磁気テープ上のサーボ・バンドを目視検査することによって、または本明細書の説明を読んだ後の当業者には明白であろう他の任意のプロセスによって決定される。
さらに、操作1004は、磁気テープ・ヘッド上のサーボ・リーダを使用して、サーボ・バンドのうちの1つまたは複数を、決定されたサーボ・バンド構成に基づいて読み取ることを含む。この場合も、サーボ・バンドのうちの1つまたは複数を読み取ることは、サーボ・バンド構成、もしくは磁気テープ・ヘッド上に含まれるサーボ・リーダの配置、またはその両方に応じて、(例えば図23〜図32を参照して後により詳細に説明する)異なるいくつかの下位プロセスを含むことができる。
続けて方法1000を参照すると、操作1006は、サーボ・バンドのうちのこの1つまたは複数から読み取ったサーボ情報を使用して、磁気テープ・ヘッドを磁気テープに対して位置決めすることを含む。この1つまたは複数のサーボ・バンドから読み取ったサーボ情報を使用して、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドの位置決め情報を決定することができる。磁気テープが磁気テープ・ヘッドの上を通るときには、磁気テープの向きに対する磁気テープ・ヘッドの相対位置が絶えず変化する。例えば、磁気テープを読み取っている間、もしくは磁気テープに書き込んでいる間、またはその両方の間には、テープ・スキュー、テープの横方向運動、TDSなどが変化する。さらに、磁気テープが磁気テープ・ヘッドの上を通る速度も変化する。したがって、サーボ・バンドのうちの1つまたは複数から読み取ったサーボ情報を使用して、テープ・スキュー、テープの横方向運動、TDS、テープ速度などを決定することができ、決定されたそれらを使用して、磁気テープ・ヘッドを、例えば後により詳細に説明するようにして、従来の製品に比べてかなり向上した効率で、磁気テープに対する所望の位置に維持することにより、性能を向上させることができる。
操作1002で決定したサーボ・バンド構成、もしくは磁気テープ・ヘッド上に含まれるサーボ・リーダの配置(例えば数)、またはその両方に応じて、方法1000に含まれる操作は、特定の手法、例えば磁気テープ・ヘッドに対応するサーボ・リーダ構成が与えられたときに、さまざまな下位プロセスを含むことができる。したがって、下図23〜図26は、磁気テープ・ヘッドがサーボ・リーダの2つのグループを有し、それぞれのグループが2つの別個のサーボ・リーダを有する手法に従って示されている。磁気テープ・ヘッドに沿ってトラック横断方向に配置されたデータ変換器のアレイのそれぞれの端に、サーボ・リーダのこれらのグループのうちの1つのグループが配置されている。さらに、1つのグループのそれぞれのサーボ・リーダは、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅Wの1/3以下である距離D1だけ分離されており、それによって、両方のサーボ・リーダが同時に、所与のサーボ・バンドの1つまたは複数のサーボ・パターンからサーボ情報を読み取ることができるように、磁気テープ・ヘッドが磁気テープに対して位置決め可能であることが可能になる。同様に、下図27〜図32は、磁気テープ・ヘッドがサーボ・リーダの2つのグループを有し、それぞれのグループが3つの別個のサーボ・リーダを有する手法に従って示されている。磁気テープ・ヘッドに沿ってトラック横断方向に配置されたデータ変換器のアレイのそれぞれの端に、サーボ・リーダのこれらのグループのうちの1つのグループが配置されている。さらに、1つのグループの直接に隣り合うそれぞれのサーボ・リーダは、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅Wの1/6以下である距離D2だけ分離されており、それによって、3つの全てのサーボ・リーダが同時に、所与のサーボ・バンドの1つまたは複数のサーボ・パターンからサーボ情報を読み取ることができるように、磁気テープ・ヘッドが磁気テープに対して位置決め可能であることが可能になる。
図23〜図26を参照すると、磁気テープ・ヘッドがサーボ・リーダの2つのグループを含み、それぞれのグループが2つの別個のサーボ・リーダを含む1つの手法(例えば図20参照)に従って、サーボ情報を読み取る例示的な下位プロセス、およびそのサーボ情報を使用して磁気テープ・ヘッドを位置決めする例示的な下位プロセスが示されている。これらの下位プロセスうちの1つまたは複数の下位プロセスを使用して、図22の操作1004もしくは1006またはその両方を実行することができる。したがって、図23〜図26に含まれるそれぞれの下位プロセスはそれぞれ、操作1004および1006の一部として示されている。しかしながら、図23〜図26の下位プロセスは、本発明を限定することは全く意図されていない1つの手法に従って示されていることに留意すべきである。
特に図23を参照すると、図23に示された下位プロセスは、操作1002で、磁気テープ上のそれぞれのサーボ・バンドが、上図17に示されたサーボ・バンド構成930と同様の構成を有すると決定されたことに応答して実行することができる。言い換えると、図23に示された下位プロセスは、操作1002で、磁気テープ上のそれぞれのサーボ・バンドが第3のタイプの構成を有すると決定されたことに応答して実行することができる。本発明を限定することは全く意図されていないが、「第3のタイプの構成」は、HDサーボ・パターンおよびTBSパターンを含むサーボ・バンド構成であり、それらのHDサーボ・パターンおよびTBSパターンがそれぞれ、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅の1/3である幅を有するサーボ・バンド構成に対応することが意図されている。例えば、図17を再び短く参照すると、図17に示されたサーボ・バンド構成930は第3のタイプのサーボ・バンド構成である。
続けて図23を参照すると、下位操作1102は、サーボ・リーダのグループのうちの1つのグループの第1のサーボ・リーダを用いてTBSパターンから情報を読み取ることを含み、下位操作1104は、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第2のサーボ・リーダを用いてHDサーボ・パターンから情報を読み取ることを含む。繰り返しになるが、この手法の磁気テープ・ヘッドはサーボ・リーダの2つのグループを含み、それぞれのグループは2つの別個のサーボ・リーダを含む。したがって、サーボ・リーダのグループのうちのどちらか(または両方)のグループのサーボ・リーダを用いて、TBSパターンとHDパターンから同時に情報を読み取ることができる。さらに、TBSパターンに対するHDサーボ・パターンの向きに応じて、「第1のサーボ・リーダ」は、1つのグループの中で、磁気テープ・ヘッドの長手軸に沿って磁気テープ・ヘッドの指定された第1の端部に近い方のサーボ・リーダであることがあり、「第2のサーボ・リーダ」は、1つのグループの中で、磁気テープ・ヘッドの指定された第1の端部から遠い方のサーボ・リーダであることがあり、またはこの逆であることもある。
本明細書に記載された手法による所与の磁気テープ・ヘッド上のサーボ・リーダの1つのグループのそれぞれのサーボ・リーダは、そのそれぞれのサーボ・リーダが、動作中(例えば電源が入っている間)にサーボ・パターンの上を通ったときに、そのそれぞれのサーボ・パターンに対応するリードバック信号を生成することができるという意味において、HDサーボ・パターンおよびTBSサーボ・パターンを読み取ることができることがあることに留意すべきである。しかしながら、特定のリードバック信号がどちらのタイプのサーボ・パターンに対応するのか(例えばTBSなのかまたはHDなのか)に応じて、それらのサーボ・リーダが対応する磁気テープ・ヘッドに電気的に結合された回路は、そのリードバック信号の元となったサーボ・パターンのタイプに基づいて、そのリードバック信号をデコードし、リードバック情報を生成することができる構成要素の組合せ(例えば回路)に、そのリードバック信号をルーティングすることができる。例えば上図10および図11を参照されたい。
さらに、サーボ・バンドのサーボ・パターンから導き出したこれらのサーボ情報を、磁気テープ・ヘッドもしくは他のさまざまな構成要素またはその両方によってさらに使用することができる。例えば、下位操作1106は、TBSパターンから読み取った情報およびHDサーボ・パターンから読み取った情報を使用して、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドの横方向位置を決定すること(例えばデコードすること、計算することなど)を含む。さらに、下位操作1108は、TBSパターンから読み取った情報およびHDサーボ・パターンから読み取った情報を使用して、磁気テープの速度を決定すること(例えばデコードすること、計算することなど)を含む。磁気テープ・ヘッドの横方向位置もしくは磁気テープの速度またはその両方は、本明細書の説明を読んだ後の当業者には明白であろう任意のプロセスを使用して決定することができる。
磁気テープ・ヘッド上のデータ変換器が、対応するデータ・バンドのデータ・トラックの上に望ましく位置決めされるように、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドの横方向位置を使用して、磁気テープ・ヘッドを位置決めしなおすことができる。さらに、いくつかの手法では、どのくらい速くまたはどのくらい遅く磁気テープにデータ・トラックを書き込むべきかを決定するために、テープの速度が使用される。したがって、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドの横方向位置および磁気テープの速度を使用して、磁気テープ・ヘッドを磁気テープに対して望ましく位置決めすることができる。
図23に記載されたさまざまなプロセスを実装すると、その結果として、望ましいことに、トラック・フォローイング情報を決定することができ、同時に、本明細書に記載された磁気テープなどの取外し可能なストレージ媒体にとっては非常に望ましい後方互換性も可能になる。本発明を限定することは全く意図されていない例示のための例によれば、上図12に示されたサーボ・パターンなどのサーボ・パターンを読み取るために、図23に含まれるプロセスのうちのさまざまなプロセスを実装することができる。これとは明らかに対照的に、従来の製品は、異なる形態を有する磁気テープからの読取りもしくはそのような磁気テープへの書込みまたはその両方に関して、異なる複数のテープ・ドライブに依存しており、このことは、データ処理効率の低下、システム・リソース利用効率の低下などにつながる。
次に図24を参照すると、図24に示された下位プロセスは、操作1002で、磁気テープ上のそれぞれのサーボ・バンドが、上図16に示されたサーボ・バンド構成920と同様の構成を有すると決定されたことに応答して実行することができる。言い換えると、図24に示された下位プロセスは、操作1002で、磁気テープ上のそれぞれのサーボ・バンドが第2のタイプの構成を有すると決定されたことに応答して実行することができる。本発明を限定することは全く意図されていないが、「第2のタイプの構成」は、2つのTBSパターンと、それらの2つのTBSパターンに挟まれたHDサーボ・パターンとを含むサーボ・バンド構成に対応することが意図されている。さらに、それぞれのTBSパターンおよびHDサーボ・パターンはそれぞれ、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅の1/3である幅を有する。例えば、図16を再び短く参照すると、図16に示されたサーボ・バンド構成920は第2のタイプのサーボ・バンド構成である。
続けて図24を参照すると、判断1120は、磁気テープが順方向に走行しているかどうかを決定することを含む。本明細書の説明によれば、「順方向に」は、(例えばテープ・カートリッジ内の)供給リールから(例えばテープ・ドライブ内の)巻取りリールに磁気テープが移行している場合を表すことが意図されている。例えば、図2を短く参照すると、供給カートリッジ120から巻取りリール121に磁気テープ122が移行している間、磁気テープ122は順方向に走行していると決定することができる。言い換えると、磁気テープが磁気ヘッドの上を通ってテープの始端からテープの終端に向かって走行しているとき、テープは順方向に走行している。同様に、巻取りリール121から供給カートリッジ120に磁気テープ122が移行している間、磁気テープ122は順方向には走行していない(むしろ逆方向に走行している)と決定することができる。しかしながら、他の実施形態では、「順方向に」が、巻取りリールから供給リールに磁気テープが移行している場合を表すことがあることに留意すべきである。
再び図24を参照すると、磁気テープが順方向に走行していると決定されたことに応答して、この流れ図は下位操作1122に進むと示されている。そこでは、下位操作1122は、サーボ・リーダのグループのうちの1つのグループの第1のサーボ・リーダ(例えば図20の986参照)を用いて、2つのTBSパターンのうちの第1のTBSパターン(例えば図16の924参照)から情報を読み取ることを含む。さらに、下位操作1124は、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第2のサーボ・リーダ(例えば図20の984参照)を用いて、HDサーボ・パターン(例えば図16の922参照)から情報を読み取ることを含む。この流れ図はさらに、磁気テープが順方向に走行していないと決定されたことに応答して下位操作1126に進む。そこでは、下位操作1126は、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第2のサーボ・リーダを用いて、2つのTBSパターンのうちの第2のTBSパターン(例えば図16の926参照)から情報を読み取ることを含む。さらに、下位操作1128は、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第1のサーボ・リーダを用いて、HDサーボ・パターン(例えば図16の922参照)から情報を読み取ることを含む。
したがって、好ましいことに、磁気テープが走行している方向に応じて、ある1つのサーボ・リーダを用いてある1つのサーボ・パターンからサーボ情報を読み取ることができる。例えば、図16および図20を再び短く参照すると、本発明を限定することは全く意図されていない使用中の例によれば、磁気テープが順方向に走行している間、サーボ・リーダ964の第1の(例えば下側の)グループ内のサーボ・リーダ986のうちの第1の(例えば下側の)サーボ・リーダを使用して第1の(例えば下側の)TBSサーボ・パターン924を読み取り、同時に、サーボ・リーダ964の第1の(例えば下側の)グループ内のサーボ・リーダ984のうちの第2の(例えば上側の)サーボ・リーダを使用してHDサーボ・パターン922を読み取ることができる。しかしながら、磁気テープが順方向とは反対の方向に走行しているときには、サーボ・リーダ964の第1の(例えば下側の)グループ内の第2の(例えば上側の)サーボ・リーダ984を使用して第2の(例えば上側の)TBSパターン926を読み取り、同時に、サーボ・リーダ964の第1の(例えば下側の)グループ内の第1の(例えば下側の)サーボ・リーダ986を使用してHDサーボ・パターン922を読み取ることができる。この場合も、この使用中の例は例示のためだけに示されたものであり、この例が本発明を限定することは全く意図されていない。さらに、用語「上側」および「下側」は単に、これらの複数のサーボ・パターンもしくは複数のサーボ・リーダまたはその両方の互いに対する相対的な配置をこの使用中の例に従って表すために使用された相対語である。したがって、磁気テープ・ヘッド、磁気テープ、サーボ・リーダ、サーボ・パターンなどの向きによって、サーボ・リーダもしくはサーボ・パターンまたはその両方の対応関係は異なることがある。
再び図24を参照すると、この流れ図は下位操作1130に進む。下位操作1130は、2つのTBSパターンのうちの(テープの走行方向に応じた)第1または第2のTBSパターンから読み取った情報、およびHDサーボ・パターンから読み取った情報を使用して、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドの横方向位置を決定すること(例えばデコードすること)を含む。さらに、下位操作1132は、2つのTBSパターンのうちの第1または第2のTBSパターンから読み取った情報、およびHDサーボ・パターンから読み取った情報を使用して、磁気テープの速度を決定すること(例えばデコードすること)を含む。繰り返しになるが、この手法の磁気テープ・ヘッドはサーボ・リーダの2つのグループを含み、それぞれのグループは2つの別個のサーボ・リーダを含む。したがって、サーボ・リーダのグループのうちのどちらか(または両方)のグループのサーボ・リーダを用いて、TBSパターンおよびHDパターンから情報を読み取ることができる。さらに、磁気テープ・ヘッドの横方向位置もしくは磁気テープの速度またはその両方は、本明細書の説明を読んだ後の当業者には明白であろう任意のプロセスを使用して決定することができる。
図24に記載されたさまざまなプロセスを実装すると、その結果として、望ましいことに、トラック・フォローイング情報を決定することができ、同時に、本明細書に記載された磁気テープなどの取外し可能なストレージ媒体にとっては非常に望ましい後方互換性も可能になる。これとは明らかに対照的に、従来の製品は、異なる形態を有する磁気テープからの読取りもしくはそのような磁気テープへの書込みまたはその両方に関して、異なる複数のテープ・ドライブに依存しており、このことは、データ処理効率の低下、システム・リソース利用効率の低下などにつながる。
図25〜図26に移ると、図25〜図26に示された下位プロセスは、操作1002で、磁気テープ上のそれぞれのサーボ・バンドが、上図12〜図13のTBSパターン802の構成と同様の構成を有すると決定されたことに応答して実行することができる。言い換えると、図25〜図26に示された下位プロセスは、操作1002で、磁気テープ上のそれぞれのサーボ・バンドが第1のタイプの構成を有すると決定されたことに応答して実行することができる。本発明を限定することは全く意図されていないが、「第1のタイプの構成」は、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅の2/3である幅を有する単一のTBSパターンを含むサーボ・バンド構成に対応することが意図されている。例えば、図12〜図13を再び短く参照すると、図12〜図13に示されたTBSパターン802は第1のタイプのTBSパターンである。
続けて図25を参照すると、下位操作1140は、サーボ・リーダのグループのうちの1つのグループの第1のサーボ・リーダを用いてTBSパターンから情報を読み取ることを含む。さらに、判断1142は、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第2のサーボ・リーダが現在、TBSパターンの上に向けられているかどうかを決定することを含む。言い換えると、判断1142は、サーボ・リーダのグループのうちの1つのグループの両方のサーボ・リーダがサーボ・バンドのTBSパターンの上に向けられているかどうかを決定する。
サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第2のサーボ・リーダが現在、TBSパターンの上に向けられていないと決定されたことに応答して、この流れ図は下位操作1144に進む。そこでは、下位操作1144は、第1のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報を使用して、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドの横方向位置を決定すること(例えばデコードすること)を含む。さらに、下位操作1146は、第1のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報を使用して、磁気テープの速度を決定すること(例えばデコードすること)を含む。磁気テープ・ヘッドの横方向位置もしくは磁気テープの速度またはその両方は、本明細書の説明を読んだ後の当業者には明白であろう任意のプロセスを使用して決定することができる。
判断1142に戻る。サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第2のサーボ・リーダが現在、TBSパターンの上に向けられていると決定されたことに応答して、この流れ図は下位操作1148に進むことができる。そこでは、下位操作1148は、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第2のサーボ・リーダを用いてTBSパターンから情報を読み取ることを含む。
図25〜図26の流れ図はさらに下位操作1150に進む。下位操作1150は、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第1のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報を使用することに加えて、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第2のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報を使用して、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドの横方向位置を決定すること(例えばデコードすること)を含む。さらに、下位操作1152は、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第1のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報に加えて、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第2のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報を使用して、磁気テープの速度を決定すること(例えばデコードすること)を含む。下位操作1150、1152において、磁気テープ・ヘッドの横方向位置もしくは磁気テープの速度またはその両方は、本明細書の説明を読んだ後の当業者には明白であろう任意のプロセスを使用して決定することができる。下位操作1150では、第2のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報および第1のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報を使用して、単一の横方向位置が決定されるが、別の手法では、第2のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報から1つの横方向位置が決定され、同時に、第1のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報から別の横方向位置が決定され、それらの横方向位置が例えば平均されることにも留意すべきである。同様に、下位操作1152では、第2のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報および第1のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報を使用して、単一のテープ速度が決定されるが、別の手法では、第2のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報から1つのテープ速度が決定され、同時に、第1のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報から別のテープ速度が決定され、それらのテープ速度が例えば平均される。
さらに、下位操作1154は、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドのスキューを決定すること(例えば計算すること)を含み、下位操作1156は、磁気テープに対応するTDS情報を決定すること(例えば計算すること)を含む。前述のとおり、例示的な手法によれば、磁気テープ・ヘッドのスキューは、同じグループのサーボ・リーダが読み取ったサーボ情報を使用して決定することができる。したがって、磁気テープ・ヘッドの一端において2つ以上のサーボ・リーダが同じTBSパターンを読み取ることができるときには、例えば図33A〜図33Dを参照して後に説明するようにして、磁気テープ・ヘッドと磁気テープの相対的な向き間のスキューを決定することができる。例えば、式1もしくは式2またはその両方を使用して、磁気テープ・ヘッドのスキューを決定することができる。単一の磁気テープ・ヘッド上の多数のサーボ・リーダを用いた単一のサーボ・バンド検出は、他のサーボ・バンド情報が無効または取得不能である場合であってもスキュー測定値もしくはTDS測定値またはその両方の決定を可能にするため、これが可能であることは非常に望ましい。さらに、この機能向上が達成されると同時に、本明細書に記載された磁気テープなどの取外し可能なストレージ媒体にとっては非常に望ましい後方互換性も可能になる。これとは明らかに対照的に、従来の製品は、テープ・スキュー測定値およびTDS測定値を、ヘッド・モジュールの両側のサーボ・バンドから集められた情報または多数のヘッド・モジュール上のサーボ・リーダからの情報から決定している。言い換えると、スキューもしくはTDSまたはその両方を計算するために、従来の製品は、2つ以上のサーボ・バンドもしくは2つ以上のヘッド・モジュールまたはその両方から有効なサーボ情報を得る必要があった。このことは、このような従来のヘッド・モジュールを、サーボ欠陥、磁気テープの表面の凹凸に起因する擦り傷などによって性能低下を特に受けやすいものとし、もしくは完全に無用のものとし、またはその両方とする。
その結果、図22〜図26に記載されたさまざまなプロセスのうちの1つまたは複数のプロセスを実行することができる磁気テープ・ヘッドを実装することは、望ましいことに、テープ・ドライブ性能を向上させること、リードバック誤差を低減させることなどを達成する。
いくつかの手法によれば、スキューは、図33A〜図33Dを参照して後に説明するいずれかのプロセスを使用することによって決定される。前述のとおり、式1もしくは式2またはその両方を使用して、磁気テープ・ヘッドのスキューを決定することができる。しかしながら、図25〜図26を再び参照すると、下位操作1154、1156において、磁気テープ・ヘッドのスキューもしくは磁気テープに対応するTDS情報またはその両方は、本明細書の説明を読んだ後の当業者には明白であろう任意のプロセスを使用して決定することができる。
磁気テープ・ヘッド上のデータ変換器が、対応するデータ・バンドのデータ・トラックに対して望ましく位置決めされるように、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドのスキューを使用して、磁気テープ・ヘッドを位置決めしなおすこと(例えば回転させること)ができる。さらに、いくつかの手法では、磁気テープに対して磁気テープ・ヘッドを位置決めしなおすため(例えば横方向の調整のため)に、磁気テープに対応するTDS情報が使用される。したがって、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドのスキューおよび磁気テープに対応するTDS情報を使用して、磁気テープ・ヘッドを磁気テープに対して望ましく位置決めすることができる。
次に図27〜図32を参照すると、磁気テープ・ヘッドがサーボ・リーダの2つのグループを含み、それぞれのグループが3つの別個のサーボ・リーダを含む1つの手法(例えば図21参照)に従って、サーボ情報を読み取る例示的な下位プロセス、およびそのサーボ情報を使用して磁気テープ・ヘッドを位置決めする例示的な下位プロセスが示されている。これらの下位プロセスうちの1つまたは複数の下位プロセスを使用して、図22の操作1004もしくは1006またはその両方を実行することができる。しかしながら、図27〜図32の下位プロセスは、本発明を限定することは全く意図されていない1つの手法に従って示されていることに留意すべきである。
特に図27を参照すると、図27に示された下位プロセスは、操作1002で、磁気テープ上のそれぞれのサーボ・バンドが、上図19に示されたサーボ・バンド構成950と同様の構成を有すると決定されたことに応答して実行することができる。言い換えると、図27に示された下位プロセスは、操作1002で、磁気テープ上のそれぞれのサーボ・バンドが第5のタイプの構成を有すると決定されたことに応答して実行することができる。本発明を限定することは全く意図されていないが、「第5のタイプの構成」は、HDサーボ・パターンおよびTBSパターンを含むサーボ・バンド構成であり、それらのHDサーボ・パターンおよびTBSパターンがそれぞれ、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅の1/6である幅を有するサーボ・バンド構成に対応することが意図されている。
続けて図27を参照すると、下位操作1202は、サーボ・リーダのグループのうちの1つのグループの第1のサーボ・リーダを用いてTBSパターンから情報を読み取ることを含み、下位操作1204は、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第2のサーボ・リーダを用いてHDサーボ・パターンから情報を読み取ることを含む。繰り返しになるが、この手法の磁気テープ・ヘッドはサーボ・リーダの2つのグループを含み、それぞれのグループは3つの別個のサーボ・リーダを含む。したがって、サーボ・リーダのグループのうちのどちらか(または両方)のグループのサーボ・リーダを用いて、TBSパターンとHDパターンから同時に情報を読み取ることができる。さらに、TBSパターンに対するHDサーボ・パターンの向きに応じて、「第1のサーボ・リーダ」は、1つのグループの中で、磁気テープ・ヘッドの長手軸に沿って磁気テープ・ヘッドの指定された第1の端部に近い方のサーボ・リーダであることがあり、「第2のサーボ・リーダ」は、1つのグループの中で、磁気テープ・ヘッドの指定された第1の端部から遠い方のサーボ・リーダであることがあり、またはこの逆であることもある。さらに、例えば手法によっては、「第1のサーボ・リーダ」がグループの中央のサーボ・リーダであることもあり、「第2のサーボ・リーダ」が、そのグループの外側のサーボ・リーダのうちの一方のサーボ・リーダであることもある。
さらに、この場合も、本明細書に記載された手法による所与の磁気テープ・ヘッド上のサーボ・リーダの1つのグループのそれぞれのサーボ・リーダは、そのそれぞれのサーボ・リーダが、動作中(例えば電源が入っている間)にサーボ・パターンの上を通ったときに、そのそれぞれのサーボ・パターンに対応するリードバック信号を生成することができるという意味において、HDサーボ・パターンおよびTBSサーボ・パターンを読み取ることができることがあることに留意すべきである。しかしながら、特定のリードバック信号がどちらのタイプのサーボ・パターンに対応するのか(例えばTBSなのかまたはHDなのか)に応じて、磁気テープ・ヘッドおよび磁気テープ・ヘッドに対応するサーボ・リーダに電気的に結合された回路は、そのリードバック信号の元となったサーボ・パターンのタイプに基づいて、そのリードバック信号をデコードし、リードバック情報を生成することができる構成要素の組合せ(例えば回路)に、そのリードバック信号をルーティングすることができる。例えば上図10および図11を参照されたい。
さらに、サーボ・バンドのサーボ・パターンから導き出したこれらのサーボ情報を、磁気テープ・ヘッドもしくは他のさまざまな構成要素またはその両方によってさらに使用することができる。例えば、下位操作1206は、TBSパターンから読み取った情報およびHDサーボ・パターンから読み取った情報を使用して、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドの横方向位置を決定すること(例えばデコードすること、計算することなど)を含む。さらに、下位操作1208は、TBSパターンから読み取った情報およびHDサーボ・パターンから読み取った情報を使用して、磁気テープの速度を決定すること(例えばデコードすること、計算することなど)を含む。磁気テープ・ヘッドの横方向位置もしくは磁気テープの速度またはその両方は、本明細書の説明を読んだ後の当業者には明白であろう任意のプロセスを使用して決定することができる。テープの横方向位置もしくは速度またはその両方は、所望の任意の手法に従って使用することができる。
図27に記載されたさまざまなプロセスを実装すると、その結果として、望ましいことに、トラック・フォローイング情報を決定することができ、同時に、本明細書に記載された磁気テープなどの取外し可能なストレージ媒体にとっては非常に望ましい後方互換性も可能になる。これとは明らかに対照的に、従来の製品は、異なる形態を有する磁気テープからの読取りもしくはそのような磁気テープへの書込みまたはその両方に関して、異なる複数のテープ・ドライブに依存しており、このことは、データ処理効率の低下、システム・リソース利用効率の低下などにつながる。
次に図28〜図30を参照すると、図28〜図30に示された下位プロセスは、操作1002で、磁気テープ上のそれぞれのサーボ・バンドが、上図18に示されたサーボ・バンド構成940と同様の構成を有すると決定されたことに応答して実行することができる。言い換えると、図28〜図30に示された下位プロセスは、操作1002で、磁気テープ上のそれぞれのサーボ・バンドが第4のタイプの構成を有すると決定されたことに応答して実行することができる。本発明を限定することは全く意図されていないが、「第4のタイプの構成」は、2つのTBSパターンと、それらの2つのTBSパターンに挟まれたHDサーボ・パターンとを含むサーボ・バンド構成に対応することが意図されている。さらに、それぞれのTBSパターンおよびHDサーボ・パターンはそれぞれ、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅の1/6である幅を有する。
続けて図28〜図30を参照すると、判断1220は、磁気テープが順方向に走行しているかどうかを決定することを含む。上述のとおり、「順方向に」は、(例えばテープ・カートリッジ内の)供給リールから(例えばテープ・ドライブ内の)巻取りリールに磁気テープが移行している場合を表すことが意図されている。例えば、図2を短く参照すると、供給カートリッジ120から巻取りリール121に磁気テープ122が移行している間、磁気テープ122は順方向に走行していると決定することができる。言い換えると、磁気テープが磁気ヘッドの上を通ってテープの始端からテープの終端に向かって走行しているとき、テープは順方向に走行している。同様に、巻取りリール121から供給カートリッジ120に磁気テープ122が移行している間、磁気テープ122は順方向には走行していない(むしろ逆方向に走行している)と決定することができる。しかしながら、他の実施形態では、「順方向に」が、巻取りリールから供給リールに磁気テープが移行している場合を表すことがあることに留意すべきである。
再び図28〜図30を参照すると、磁気テープが逆方向に走行していると決定されたことに応答して、この流れ図は下位操作1222に進むと示されている。下位操作1222は、サーボ・リーダのグループのうちの1つのグループの第1のサーボ・リーダを用いて、2つのTBSパターンのうちの第1のTBSパターンから情報を読み取ることを含む。さらに、下位操作1224は、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第2のサーボ・リーダを用いて、HDサーボ・パターンから情報を読み取ることを含む。
この流れ図はさらに、磁気テープが順方向に走行していると決定されたことに応答して下位操作1226に進む。そこでは、下位操作1226は、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第2のサーボ・リーダ(例えば図21の998参照)を用いて、2つのTBSパターンのうちの第2のTBSパターンから情報を読み取ることを含む。さらに、下位操作1228は、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第1のサーボ・リーダ(例えば図21の996参照)を用いて、HDサーボ・パターンから情報を読み取ることを含み、下位操作1230は、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループに隣り合って配置された第3のサーボ・リーダ(例えば図21の994参照)を用いて、2つのTBSパターンのうちの第1のTBSパターンから情報を読み取ることを含む。
したがって、好ましいことに、磁気テープが走行している方向に応じて、ある1つのサーボ・リーダを用いてある1つのサーボ・パターンからサーボ情報を読み取ることができる。例えば、図18および図21を再び短く参照すると、本発明を限定することは全く意図されていない使用中の例によれば、磁気テープが順方向に走行している間、サーボ・リーダ974の第1の(例えば下側の)グループ内のサーボ・リーダ996のうちの第1の(例えば中央の)サーボ・リーダを使用して、HDパターン942を読み取り、同時に、サーボ・リーダ974の第1の(例えば下側の)グループ内のサーボ・リーダ998のうちの第2の(例えば一番下の)サーボ・リーダを使用して、第2の(例えば一番下の)TBSサーボ・パターン944を読み取ることができ、サーボ・リーダ974の第1の(例えば下側の)グループ内の第3の(例えば一番上の)サーボ・リーダ994を使用して、第1の(例えば上側の)TBSパターン946を読み取ることができる。しかしながら、磁気テープが順方向とは反対の方向に走行しているときには、サーボ・リーダ974の第1の(例えば下側の)グループ内のサーボ・リーダ998のうちの第2の(例えば一番下の)サーボ・リーダを使用して、HDサーボ・パターン942を読み取り、同時に、サーボ・リーダ974の第1の(例えば下側の)グループ内の第1の(例えば中央の)サーボ・リーダ996が使用して、第1の(例えば上側の)TBSサーボ・パターン946を読み取る。この場合も、この使用中の例は例示のためだけに示されたものであり、この例が本発明を限定することは全く意図されていない。さらに、用語「一番上」、「中央」および「一番下」は単に、これらの複数のサーボ・パターンもしくは複数のサーボ・リーダまたはその両方の互いに対する相対的な配置をこの使用中の例によって表すために使用された相対語である。したがって、磁気テープ・ヘッド、磁気テープ、サーボ・リーダ、サーボ・パターンなどの向きによって、サーボ・リーダもしくはサーボ・パターンまたはその両方の対応関係は異なることがある。
再び図28〜図30を参照すると、この流れ図は、下位操作1224から下位操作1232に進む。下位操作1232は、第1のサーボ・リーダが2つのTBSパターンのうちの第1のTBSパターンから読み取った情報、およびHDサーボ・パターンから読み取った情報を使用して、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドの横方向位置を決定すること(例えばデコードすること)を含む。さらに、下位操作1234は、第1のサーボ・リーダが2つのTBSパターンのうちの第1のTBSパターンから読み取った情報、およびHDサーボ・パターンから読み取った情報を使用して、磁気テープの速度を決定すること(例えばデコードすること)を含む。
この流れ図はさらに、下位操作1230から下位操作1236に進むと示されている。下位操作1236は、第2のサーボ・リーダが2つのTBSパターンのうちの第2のTBSパターンから読み取った情報、および第1のサーボ・リーダがHDサーボ・パターンから読み取った情報を使用して、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドの横方向位置を決定すること(例えばデコードすること)を含む。さらに、下位操作1238は、第2のサーボ・リーダが2つのTBSパターンのうちの第2のTBSパターンから読み取った情報、および第1のサーボ・リーダがHDサーボ・パターンから読み取った情報を使用して、磁気テープの速度を決定する(例えばデコードする)ことを含む。
さらに、2つのTBSパターンのうちの第1のTBSパターンから読み取った情報から読み取ったサーボ情報から、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドの横方向位置およびテープ速度が決定される。したがって、下位操作1240は、第3のサーボ・リーダが2つのTBSパターンのうちの第1のTBSパターンから読み取った情報を使用して、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドの横方向位置を決定すること(例えばデコードすること)を含む。さらに、下位操作1242は、第3のサーボ・リーダが2つのTBSパターンのうちの第1のTBSパターンから読み取った情報を使用して、磁気テープの速度を決定する(例えばデコードする)ことを含む。
さらに、下位操作1244は、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドのスキューを決定すること(例えば計算すること)を含み、下位操作1246は、磁気テープに対応するTDS情報を決定すること(例えば計算すること)を含む。この場合も、例示的な手法によれば、磁気テープ・ヘッドのスキューは、同じグループのサーボ・リーダが読み取ったサーボ情報を使用して決定することができる。したがって、磁気テープ・ヘッドの一端において2つ以上のサーボ・リーダが2つのそれぞれのTBSパターンを読み取ることができるときには、磁気テープ・ヘッドと磁気テープの相対的な向き間のスキューを決定することができる。単一の磁気テープ・ヘッド上の多数のサーボ・リーダを用いた単一のサーボ・バンド検出は、他のサーボ・バンド情報が無効または取得不能である場合であってもスキュー測定値もしくはTDS測定値またはその両方の決定を可能にするため、これが可能であることは非常に望ましい。さらに、この向上はさらに、スキュー情報が同じサーボ・フレームからデコードされることを保証するために、2つの異なるサーボ・バンド上の2つの異なるサーボ・パターンから識別子を検出するタイミングを照合しなければならない従来の製品と対比したときに例証される。その結果、図22〜図30に記載されたさまざまなプロセスのうちの1つまたは複数のプロセスを実行することができる磁気テープ・ヘッドを実装することは、望ましいことに、テープ・ドライブ性能を向上させること、リードバック誤差を低減させることなどを達成する。
いくつかの手法によれば、磁気テープ・ヘッドのスキューは、図34A〜図34Dを参照して後に説明するいずれかのプロセスを使用して決定される。例えば、式3もしくは式4またはその両方を使用して、磁気テープ・ヘッドのスキューを決定することができる。しかしながら、図30を再び参照すると、下位操作1244、1246において、磁気テープ・ヘッドのスキューもしくは磁気テープに対応するTDS情報またはその両方は、本明細書の説明を読んだ後の当業者には明白であろう任意のプロセスを使用して決定することができる。
この場合も、磁気テープ・ヘッド上のデータ変換器が、対応するデータ・バンドのデータ・トラックに対して望ましく位置決めされるように、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドのスキューを使用して、磁気テープ・ヘッドを位置決めしなおすこと(例えば回転させること)ができる。さらに、いくつかの手法では、磁気テープに対して磁気テープ・ヘッドを位置決めしなおすため(例えば横方向のシフトのため)に、磁気テープに対応するTDS情報が使用される。したがって、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドのスキューおよび磁気テープに対応するTDS情報を使用して、磁気テープ・ヘッドを磁気テープに対して望ましく位置決めすることができる。
図28〜図30に記載されたさまざまなプロセスを実装すると、その結果として、望ましいことに、少なくとも2つのサーボ・リーダがTBSパターンの上方に位置する(TBSパターンを読み取ることができる)間に、磁気テープとTDSの相対的なスキューを決定することができる。このことは、特に従来の製品と比べたときに、読取りエラーの頻度をかなり減らすこと、磁気テープ・ヘッドの劣化を低減させること、トラック・フォローイングを向上させることなどを達成する。さらに、この機能向上が達成されると同時に、本明細書に記載された磁気テープなどの取外し可能なストレージ媒体にとっては非常に望ましい後方互換性も可能になる。これとは明らかに対照的に、従来の製品は、テープ・スキュー測定値およびTDS測定値を、ヘッド・モジュールの両側のサーボ・バンドから集められた情報または多数のヘッド・モジュール上のサーボ・リーダからの情報から決定している。言い換えると、スキューもしくはTDSまたはその両方を計算するために、従来の製品は、2つ以上のサーボ・バンドもしくは2つ以上のヘッド・モジュールまたはその両方から有効なサーボ情報を得る必要があった。このことは、このような従来のヘッド・モジュールを、サーボ欠陥、磁気テープの表面の凹凸に起因する擦り傷などによって性能低下を特に受けやすいものとし、もしくは完全に無用のものとし、またはその両方とする。
図31〜図32に移ると、図31〜図32に示された下位プロセスは、操作1002で、磁気テープ上のそれぞれのサーボ・バンドが、上図17に示されたサーボ・バンド構成930と同様の構成を有すると決定されたことに応答して実行することができる。言い換えると、図31〜図32に示された下位プロセスは、操作1002で、磁気テープ上のそれぞれのサーボ・バンドが第3のタイプの構成を有すると決定されたことに応答して実行することができる。本発明を限定することは全く意図されていないが、「第3のタイプの構成」は、HDサーボ・パターンおよびTBSパターンを含むサーボ・バンド構成であり、それらのHDサーボ・パターンおよびTBSパターンがそれぞれ、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅の1/3である幅を有するサーボ・バンド構成に対応することが意図されている。例えば、図17を再び短く参照すると、図17に示されたサーボ・バンド構成930は第3のタイプのサーボ・バンド構成である。
続けて図31〜図32を参照すると、下位操作1250は、サーボ・リーダのグループのうちの1つのグループの第2のサーボ・リーダを用いてTBSパターンから情報を読み取ることを含み、下位操作1252は、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループの第3のサーボ・リーダを用いてHDサーボ・パターンから情報を読み取ることを含む。さらに、判断1254は、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループに隣り合って配置された第2のサーボ・リーダも現在、TBSパターンの下半分の上に向けられているかどうかを決定する。上述のとおり、この手法の磁気テープ・ヘッドはサーボ・リーダの2つのグループを含み、それぞれのグループは3つの別個のサーボ・リーダを含む(例えば図21参照)。したがって、いくつかの場合には、3つの全てのサーボ・リーダが所与のサーボ・バンドのサーボ・パターンの上に配置される。
サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループに隣り合って配置された第2のサーボ・リーダは現在、TBSパターンの下半分の上に向けられていないと決定されたことに応答して、この流れ図は下位操作1256に進む。そこでは、下位操作1256は、第2のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報、および第1のサーボ・リーダがHDサーボ・パターンから読み取った情報を使用して、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドの横方向位置を決定すること(例えばデコードすること)を含む。さらに、下位操作1258は、第2のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報、および第1のサーボ・リーダがHDサーボ・パターンから読み取った情報を使用して、磁気テープの速度を決定すること(例えばデコードすること)を含む。
しかしながら、判断1254に戻ると、サーボ・リーダのグループのうちの同じ1つのグループに隣り合って配置された第1のサーボ・リーダも現在、TBSパターンの上に向けられていると決定されたことに応答して、この流れ図は下位操作1260に進む。そこでは、下位操作1260は、第1のサーボ・リーダを用いて同様にTBSパターンから情報を読み取ることを含む。
さらに、下位操作1262は、第2のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報、および第3のサーボ・リーダがHDサーボ・パターンから読み取った情報を使用して、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドの横方向位置を決定すること(例えばデコードすること)を含み、下位操作1264は、第2のサーボ・リーダがTBSパターンから読み取った情報、および第3のサーボ・リーダがHDサーボ・パターンから読み取った情報を使用して、磁気テープの速度を決定すること(例えばデコードすること)を含む。さらに、下位操作1266は、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドのスキューを決定すること(例えば計算すること)を含み、下位操作1268は、磁気テープに対応するTDS情報を決定すること(例えば計算すること)を含む。
例示的な1つの手法によれば、磁気テープ・ヘッドのスキューは、図34A〜図34Dを参照して後に説明するいずれかのプロセスを使用して決定される。例えば、式3もしくは式4またはその両方を使用して、磁気テープ・ヘッドのスキューを決定することができる。しかしながら、図32を再び参照すると、下位操作1266、1268において、磁気テープ・ヘッドのスキューもしくは磁気テープに対応するTDS情報またはその両方は、本明細書の説明を読んだ後の当業者には明白であろう任意のプロセスを使用して決定することができる。
図31〜図32に記載されたさまざまなプロセスを実装すると、その結果として、望ましいことに、少なくとも2つのサーボ・リーダがTBSパターンの上方に位置する(TBSパターンを読み取ることができる)間に、磁気テープとTDSの相対的なスキューを決定することができる。このことは、特に従来の製品と比べたときに、読取りエラーの頻度をかなり減らすこと、磁気テープ・ヘッドの劣化を低減させること、トラック・フォローイングを向上させることなどを達成する。さらに、この機能向上が達成されると同時に、本明細書に記載された磁気テープなどの取外し可能なストレージ媒体にとっては非常に望ましい後方互換性も可能になる。これとは明らかに対照的に、従来の製品は、テープ・スキュー測定値およびTDS測定値を、ヘッド・モジュールの両側のサーボ・バンドから集められた情報または多数のヘッド・モジュール上のサーボ・リーダからの情報から決定している。言い換えると、スキューもしくはTDSまたはその両方を計算するために、従来の製品は、2つ以上のサーボ・バンドもしくは2つ以上のヘッド・モジュールまたはその両方から有効なサーボ情報を得る必要があった。このことは、このような従来のヘッド・モジュールを、サーボ欠陥、磁気テープの表面の凹凸に起因する擦り傷などによって性能低下を特に受けやすいものとし、もしくは完全に無用のものとし、またはその両方とする。
次に図33A〜図34Dを参照すると、磁気ヘッドを横切って通っている磁気テープに対する磁気ヘッドのスキューを決定する、異なる実施形態による例示的なプロセスが示されている。オプションとして、磁気ヘッドを横切って通っている磁気テープに対する磁気ヘッドのスキューを決定するこれらのプロセスのうちの任意のプロセスを、図25〜図26および図31〜図32などの他の図を参照して説明した実施形態のなどの本明細書に記載された他の実施形態の特徴とともに、例えば上述のとおりに実装することができる。
特に図33A〜図33Dを参照すると、図33Aおよび図33Bの詳細図に示されているように、これらの対応するプロセスは、直接に隣り合う2つのサーボ・リーダ1300、1301が同じTBSパターン1302の上に配置されている(例えば同じTBSパターン1302を読み取ることができる)場合に関する。磁気テープ1304は、テープの走行方向が磁気テープ・ヘッド1306の長手軸に対して垂直になるように配向されていることが好ましい。したがって、磁気テープ1304と磁気テープ・ヘッド1306の相対的な角度向きを見ると、磁気テープ1304は、磁気テープ・ヘッド1306に対する理想的な向きから角度θで示されたスキューを有する。さらに、直接に隣り合うサーボ・リーダ1300、1301は、磁気テープ・ヘッド1306の長手軸に沿った(平行な)方向に測定される距離D3だけ分離されている。さらに、第3のサーボ・リーダ1308がHDサーボ・パターン1310の上に配置されており、HDサーボ・パターン1310からサーボ情報を読み取っていることが好ましい。
図33C〜図33Dのグラフ1320、1330はそれぞれ、中央サーボ・リーダ1300および下側サーボ・リーダ1301から受け取ったリードバック信号に対応するサーボ相関器の出力を示す。グラフ1320、1330のプロットに示されたタイミング・オフセットτ2−τ1は、部分的には、磁気テープ1304に対する磁気テープ・ヘッド1306の相対的な角度向き間のスキュー角θに起因する。さらに、オフセットΔ1およびΔ2は、対応するそれぞれのサーボ・リーダ1300、1301のグラフのプロットに見られた、計算された(例えば推定される)ピーク到達時刻値EstvalidFlagと実際のピーク到達時刻値との間のタイミング・エラーの量を表す。例えば本明細書の説明を読んだ後の当業者には理解されるとおり、計算された(例えば推定される)ピーク到達時刻値EstvalidFlagは、テープの既知の(または知ることができる)速度に加えて、磁気テープを読み取るために使用されているテープ・ドライブの同期サーボ・チャネルに関する既知の情報を使用して決定することができる。
以下の式1および式2は、磁気テープ・ヘッド1306と磁気テープ1304の相対的な向きの相互関係を表している。したがって、式1もしくは式2またはその両方を使用して、スキューに関する情報を、所望の手法に応じて以下のように決定する(計算する)ことができる。
φ=v(τ2−τ1+Δ1−Δ2) 式1
上式で、vは、磁気テープの速度(例えばテープ・スピード)である。
上式で、αは、磁気テープのタイプに応じたサーボ・パターンのサーボ・バーストの方位角である(例えば上図5に関する表1を参照されたい)。
同様に、次に図34A〜図34Dを参照すると、図34Aおよび図34Bの詳細図に示されているように、これらの対応するプロセスは、直接に隣り合う2つのサーボ・リーダ1400、1401が2つの異なるTBSパターン1402、1403の上に配置されている(例えば2つの異なるTBSパターン1402、1403を読み取ることができる)場合に関する。磁気テープ1404は、テープの走行方向が磁気テープ・ヘッド1406の長手軸に対して垂直になるように配向されていることが好ましい。したがって、磁気テープ1404と磁気テープ・ヘッド1406の相対的な角度向きを見ると、磁気テープ1404は、磁気テープ・ヘッド1406に対する理想的な向きから角度θ2で示されたスキューを有する。さらに、直接に隣り合うサーボ・リーダ1400、1401は、磁気テープ・ヘッド1406の長手軸に沿った(平行な)方向に測定される中心間距離D4だけ分離されている。さらに、第3のサーボ・リーダ1408がHDサーボ・パターン1410の上に配置されており、HDサーボ・パターン1410からサーボ情報を読み取っていることが好ましい。
図34C〜図34Dのグラフ1420、1430はそれぞれ、最上位サーボ・リーダ1400および下側サーボ・リーダ1401から受け取ったリードバック信号に対応するサーボ相関器の出力を示す。グラフ1420、1430のプロットに表されたタイミング・オフセットτ4−τ3は、部分的には、磁気テープ1404に対する磁気テープ・ヘッド1406の相対的な角度向き間のスキュー角θ2に起因する。さらに、Δ3およびΔ4は、対応するそれぞれのサーボ・リーダ1400、1401のグラフのプロットに見られた、計算された(例えば推定される)ピーク到達時刻値EstvalidFlagと実際のピーク到達時刻値との間のタイミング・エラーの量を表す。例えば本明細書の説明を読んだ後の当業者には理解されるとおり、計算された(例えば推定される)ピーク到達時刻値EstvalidFlagは、テープの既知の(または知ることができる)速度に加えて、磁気テープを読み取るために使用されているテープ・ドライブの同期サーボ・チャネルに関する既知の情報を使用して決定することができる。
以下の式3および式4は、磁気テープ・ヘッド1406と磁気テープ1404の相対的な向きの相互関係を表している。したがって、式3もしくは式4またはその両方を使用して、スキューに関する情報を、所望の手法に応じて以下のように決定する(計算する)ことができる。
φ=v2(τ4−τ3+Δ3−Δ4) 式3
上式で、v2は、磁気テープの速度である。
この場合もやはり、磁気ヘッドを横切って通っている磁気テープに対する磁気ヘッドのスキューを決定する図33A〜図34Dに関して説明したプロセスのうちの任意のプロセスを、図25〜図26および図31〜図32などの他の図を参照して説明した実施形態のなどの本明細書に記載された他の実施形態の特徴とともに実装することができる。例えば、式1もしくは式2またはその両方を少なくとも部分的に使用して、図25〜図26の下位操作1154において磁気テープ・ヘッドのスキューを決定することができる。さらに、式3もしくは式4またはその両方を少なくとも部分的に使用して、図31〜図32の下位操作1266において磁気テープ・ヘッドのスキューを決定することができる。磁気テープ・ヘッドのスキューを例えば下位操作1154および1266に示されているように決定する際に、図33A〜図34Dに関して説明したプロセスのうちの1つまたは複数のプロセスを実装することは、その結果得られるスキュー測定値の正確さがタイミング・オフセットによって低下しないため有利である。その結果、磁気テープに対する磁気テープ・ヘッドの横方向位置もしくは角位置またはその両方に対してなされる調整が、データの読取り効率もしくは書込み効率またはその両方の増大につながる可能性がある。
前述のとおり、図14〜図19に示された磁気テープ902は、データ・ストレージ・カートリッジに格納することができる。次に図35を参照すると、一実施形態によるデータ・ストレージ・カートリッジ1500が示されている。オプションとして、このデータ・ストレージ・カートリッジ1500は、他の図を参照して説明した実施形態など、本明細書に記載された他の実施形態の特徴とともに実装することができる。しかしながら、このようなデータ・ストレージ・カートリッジ1500および本明細書に提示された他のデータ・ストレージ・カートリッジは、さまざまな用途で、または本明細書に記載された例示的な実施形態において特に説明されたもしくは説明されていない変更を加えて、もしくはその両方で使用することができる。さらに、本明細書に提示されたデータ・ストレージ・カートリッジ1500は所望の任意の環境で使用することができる。したがって、図35(およびその他の図)は可能な任意の変更を含むとみなすことができる。
データ・ストレージ・カートリッジ1500は、外側ハウジング1502を有するものとして示されており、外側ハウジング1502は、プラスチック、金属もしくはゴムなどまたはこれらの組合せを含むことができる。外側ハウジング1502は、磁気媒体を格納するのに十分な大きさを有する内側領域(この図では遮られていて見えない)を画定することが好ましい。したがって、データ・ストレージ・カートリッジ1500の内側領域は磁気テープを含むことができる。磁気テープは、所望の方式でデータ・ストレージ・カートリッジ1500に格納することができるが、磁気テープは、データ・ストレージ・カートリッジ1500の内側領域に格納されたフランジ付きのまたはフランジのないスプールに巻かれていることが好ましい。
本発明を限定することは全く意図されていないが、データ・ストレージ・カートリッジ1500はさらに、データ・ストレージ・カートリッジ1500の内側領域に格納されたカートリッジ・メモリ1504を含み、カートリッジ・メモリ1504は図35の破断部に示されている。したがって、データ・ストレージ・カートリッジ1500に格納された磁気媒体に対応するある種の情報をカートリッジ・メモリ1504に保存することができる。例えば、カートリッジ1500内の磁気テープが製造された際のフォーマットをカートリッジ・メモリ1504に記憶することができる。したがって、カートリッジ・メモリ1504に記憶された情報から、磁気テープに含まれるそれぞれのサーボ・バンドの予め指定された幅を決定することができる。
しかしながら、データ・ストレージ・カートリッジがカートリッジ・メモリ1504を含むのか否かに関わらず、データ・ストレージ・カートリッジの任意の構成を使用することができる。いくつかの手法によれば、カートリッジ・メモリ1504の代わりに、またはカートリッジ・メモリ1504に加えて、データ・ストレージ・カートリッジ1500は、データ・ストレージ・カートリッジ1500内の磁気媒体に対応する追加情報を記憶するために使用される、外側ハウジング1502の外面に結合されたバーコード、外側ハウジング1502に結合された無線周波識別(RFID)タグなどを含むことができる。
したがって、本明細書で説明もしくは示唆されたさまざまな手法または本明細書で説明され示唆されたさまざまな手法は、テープ・ドライブ性能を首尾よく向上させることができる。上述のとおり、磁気テープは、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅の1/3以下である幅をそれぞれが有するサーボ・パターンを含むハイブリッド・サーボ・バンド構成を有することが好ましい。さらに、磁気テープ・ヘッドは、少なくとも2つの別個のサーボ・リーダをそれぞれのグループが有するサーボ・リーダの2つのグループを含むことが好ましい。1つのグループの直接に隣り合うそれぞれのサーボ・リーダは、所与のサーボ・バンドの予め指定された幅の1/3以下である距離だけ分離されており、それによって、単一のグループの2つ以上のサーボ・リーダが同時に、所与のサーボ・バンドの1つまたは複数のサーボ・パターンからサーボ情報を読み取ることができるように、磁気テープ・ヘッドが磁気テープに対して位置決め可能であることが可能になる。したがって、本明細書に記載されたさまざまな手法におけるサーボ・パターン間の数および相対的間隔、ならびに本明細書に記載されたさまざまな手法におけるサーボ・リーダ間の数および相対的間隔は、対応する磁気テープ・ヘッドおよびテープ・ドライブが性能の向上を達成することを可能にし、さまざまなスタイル(例えば世代)の磁気テープの後方互換性も可能にする。その結果、上述の技術的特徴を実装することによって、従来の製品で経験される欠点が解決される。
本発明は、システム、方法もしくはコンピュータ・プログラム製品、またはこれらの組合せとすることができる。このコンピュータ・プログラム製品は、本発明の諸態様をプロセッサに実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をその上に有するコンピュータ可読ストレージ媒体を含むことができる。
このコンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行デバイスが使用するための命令を保持および記憶することができる有形のデバイスとすることができる。このコンピュータ可読ストレージ媒体は例えば、限定はされないが、電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光学ストレージ・デバイス、電磁気ストレージ・デバイス、半導体ストレージ・デバイスまたはこれらの適当な組合せとすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリー・メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル・リードオンリー・メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブルCD−ROM、ディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー(R)・ディスク、機械的にコード化されたデバイス、例えばパンチカードまたはその上に命令が記録された溝の中の一段高くなった構造体、およびこれらの適当な組合せを含む。本明細書で使用されるコンピュータ可読ストレージ媒体は、それ自体が一過性の信号、例えば電波もしくは他の自由に伝搬する電磁波、ウェーブガイドもしくは他の伝送媒体を伝搬する電磁波(例えば光ファイバ・ケーブル内を通る光パルス)、または電線を通して伝送される電気信号であると解釈されるべきではない。
本明細書に記載されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読ストレージ媒体から対応するそれぞれのコンピューティング/処理デバイスにダウンロードすることができ、あるいはネットワーク、例えばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークもしくは無線ネットワークまたはそれらの組合せを介して外部コンピュータまたは外部ストレージ・デバイスにダウンロードすることができる。このネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータもしくエッジ・サーバ、またはこれらの組合せを含んでもよい。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インタフェースは、コンピュータ可読プログラム命令をネットワークから受け取り、それらのコンピュータ可読プログラム命令を、対応するそれぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読ストレージ媒体に記憶するために転送する。
本発明の操作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、機械語命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令もしくは状態設定データであってもよく、またはSmalltalk、C++もしくは他の同種のものなどのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語もしくは同種のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つもしくは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれた、ソース・コードもしくはオブジェクト・コードであってもよい。このコンピュータ可読プログラム命令は、全体がユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、一部がユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、独立型ソフトウェア・パッケージとして実行されてもよく、一部がユーザのコンピュータ上で、一部が遠隔コンピュータ上で実行されてもよく、または全体が遠隔コンピュータもしくはサーバ上で実行されてもよい。上記の最後のシナリオでは、遠隔コンピュータが、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)もしくはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、またはこの接続が、外部コンピュータに対して(例えばインターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを介して)実施されてもよい。いくつかの実施形態では、本発明の諸態様を実施するために、例えばプログラム可能論理回路、フィールド・プログラム可能ゲート・アレイ(FPGA)またはプログラム可能論理アレイ(PLA)を含む電子回路が、このコンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用してその電子回路をパーソナライズすることにより、このコンピュータ可読プログラム命令を実行してもよい。
本明細書では、本発明の諸態様が、本発明の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータ・プログラム製品の流れ図もしくはブロック図またはその両方の図を参照して説明される。それらの流れ図もしくはブロック図またはそれらの両方の図の各ブロック、およびそれらの流れ図もしくはブロック図またはその両方の図のブロックの組合せは、このコンピュータ可読プログラム命令によって実施することができることが理解される。
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、機械を形成する汎用コンピュータ、専用コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに、それらのコンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行されるこれらの命令が、これらの流れ図もしくはブロック図またはその両方の図のブロックに指定された機能/行為を実施する手段を生成するような態様で提供することができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令はさらに、特定の方式で機能するようにコンピュータ、プログラム可能データ処理装置もしくは他のデバイスまたはこれらの組合せに指図することができるコンピュータ可読ストレージ媒体に、その中に命令が記憶されたコンピュータ可読ストレージ媒体が、これらの流れ図もしくはブロック図またはその両方の図のブロックに指定された機能/行為の態様を実施する命令を含む製造物品を含むような態様で記憶することができる。
コンピュータ可読プログラム命令はさらに、コンピュータ、他のプログラム可能装置または他のデバイス上で一連の操作ステップを実行させて、コンピュータによって実施されるプロセスを生み出すために、このコンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置または他のデバイス上に、このコンピュータ、他のプログラム可能装置または他のデバイス上で実行されるこれらの命令が、これらの流れ図もしくはブロック図またはその両方の図のブロックに指定された機能/行為を実施するような態様でロードすることができる。
添付図中の流れ図およびブロック図は、本発明のさまざまな実施形態によるシステム、方法およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能および操作を示す。この点に関して、それらの流れ図またはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実施する1つまたは複数の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメントまたは部分を表すことがある。いくつかの代替的実施態様では、これらのブロックに示された機能が、図に示された順序とは異なる順序で実施される。例えば、連続して示された2つのブロックが、実際は、実質的に同時に実行されることがあり、または、含まれる機能によってはそれらのブロックが逆の順序で実行されることもある。それらのブロック図もしくは流れ図またはその両方の図の各ブロック、ならびにそれらのブロック図もしくは流れ図またはその両方の図のブロックの組合せを、指定された機能もしくは行為を実行しまたは専用ハードウェアとコンピュータ命令の組合せを実施するハードウェアベースの専用システムによって実施することができることにも留意すべきである。
さらに、さまざまな実施形態によるシステムは、プロセッサと、このプロセッサと統合されたロジック、またはこのプロセッサによって実行可能なロジック、またはこのプロセッサと統合されこのプロセッサによって実行可能なロジックとを含むことができ、このロジックは、本明細書に記載された処理ステップのうちの1つまたは複数の処理ステップを実行するように構成されている。統合されているとは、このプロセッサが、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)などのハードウェア・ロジックとしてプロセッサに埋め込まれたロジックを有することを意味する。プロセッサによって実行可能とは、そのロジックが、ハードウェア・ロジック、もしくはファームウェア、オペレーティング・システムの一部、アプリケーション・プログラムの一部などのソフトウェア・ロジックなどであること、または、そのロジックが、プロセッサがアクセス可能なハードウェア・ロジックとソフトウェア・ロジックのある組合せであり、プロセッサによって実行されたときにある機能をプロセッサに実行させるように構成されたハードウェア・ロジックとソフトウェア・ロジックのある組合せであることを意味する。当技術分野で知られているとおり、ソフトウェア・ロジックは、任意のメモリ型のローカル・メモリもしくはリモート・メモリまたはその両方に記憶されていることがある。ソフトウェア・プロセッサ・モジュールもしくはハードウェア・プロセッサ、またはその両方などの当技術分野で知られている任意のプロセッサを使用することができる。ハードウェア・プロセッサは例えばASIC、FPGA、中央処理ユニット(CPU)、集積回路(IC)などである。
上記のシステムもしくは方法またはその両方のさまざまな特徴をさまざまに組み合わせて、以上の説明から、複数の組合せを生み出すことができることは明白である。
顧客のために展開されるサービスの形態で本発明の実施形態を提供することができることも理解される。
本明細書に開示された本発明の思想は、その無数の特徴を、複数の例示的なシナリオ、実施形態もしくは実施態様またはそれらの組合せとして示すために、例として提示したものである。概略的に開示されたそれらの思想はモジュールとみなされるべきであり、その任意の組合せ、置換または合成として実施することができることを理解すべきである。加えて、本明細書の説明を読んだ当業者には理解されるであろう本明細書に開示された特徴、機能および思想の変更、改変または等価物も、本開示の範囲に含まれると考えるべきである。
以上に、さまざまな実施形態を記載したが、それらの実施形態は単なる例であり、限定を意図したものではないことを理解すべきである。したがって、本発明の実施形態の範囲は、上述の例示的な実施形態によっては限定されず、以下の特許請求の範囲およびその等価物のみによって定義される。