JP2021502357A - 高弾性率の歯科用組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、樹脂マトリックスと、歯科用組成物の重量に対して少なくとも25重量%の量の充填剤マトリックスと、開始剤系とを含む歯科用組成物であって、樹脂マトリックスが、臭素化レゾルシノール、カテコール、チロソール、安息香酸又はフェノール部分に接続された2つの(メタ)アクリレート部分を含む重合性モノマーを含む、歯科用組成物に関する。本発明はまた、硬化段階のこの組成物を含む歯科用ミリングブロックに関する。

Description

本発明は、修復目的に特に有用であり、歯科用ミリングブロックを製造するのに特に有用な、高弾性率の歯科用組成物に関する。
組成物は、臭素化レゾルシノール、カテコール、チロソール、安息香酸、又はフェノール部分に接続された2つの(メタ)アクリレート部分を含む重合性モノマーを含む樹脂マトリックスと、充填剤マトリックスと、開始剤系とを含み、良好な物理的特性を示す。
歯科修復材料は、典型的には、樹脂マトリックス及び充填剤マトリックスからなり、2〜3つの異なる特性を達成する必要がある。
歯科修復材料は、無毒である要件に加えて、長年にわたって咀嚼力に耐えることができるように十分に堅くなければならず、理想的には、審美的にも許容可能でなければならない。
したがって、歯科修復材料は、硬度と弾性のバランスを満たすべきである。
剛性を決定するために使用されることがある1つの物理的パラメータは、弾性係数(弾性率)である。
歯科修復物又は修復材料の弾性率は、典型的には、樹脂マトリックスに使用されるモノマー及び組成物中に含有される充填剤の量によって影響される。歯科修復材料の弾性率を改善するための様々な試みがある。
米国特許第2015/0231041(A1)号(Bublewitzら)は、a)1種の脂肪族及び/若しくは脂環式ビス(メタ)アクリレート並びに/又は脂肪族及び/若しくは脂環式ビス(メタ)アクリルアミドを含有する少なくとも1つの硬化性脂肪族及び/又は脂環式モノマー系と、b)特定の充填剤と、を含有する重合性歯科材料を記載している。7〜8GPaの範囲の弾性率を有する組成物が報告されている。
国際公開第2016/142118(A1)号(Ivoclar Vivadent)は、硬化後に優れた機械的特性を有すると言われるハイブリッドモノマーをベースとした歯科材料を記載している。6〜8GPaの範囲の弾性率を有する組成物が報告されている。
米国特許第2008/0187499(A1)号(Wolterら)は、−O−CO−NH−部分を有するケイ酸重縮合物と、ナノ微粒子充填剤とを含むマトリックスを含有する歯科用コンポジットに関する。8〜11GPaの範囲の弾性率を有する組成物が報告されている。
国際公開第2012/106083(A1)号(3M)は、特定の化合物(A)と、充填剤(B)と、開始剤(C)とを含む歯科用組成物であって、化合物(A)が、特定の骨格単位と、特定の構造を有する1つ又は2つのスペーサー単位とを含む、歯科用組成物に関する。
国際公開第2015/126862(A1)号(3M)は、重合性モノマー(1)、開始剤成分、充填剤成分(2)を約20重量%を超える量で含む歯科用組成物であって、モノマー(1)が、(メタ)アクリレート反応性部分間の連結部として非対称主鎖を有する2つの(メタ)アクリレート反応性部分を有することを特徴とし、2つの(メタ)アクリレート反応性部分が、非対称モノマー主鎖にアルキルエステルとして結合し、非対称主鎖が、フェノール型の1つの芳香族部分を含み、重合性モノマー(1)が、酸性部分、炭素、水素、及び酸素以外の原子、ビスフェノール部分を含有しない、歯科用組成物を記載している。
米国特許第9,675,529(B2)号(Abuelymanら)は、少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含む少なくとも1種の歯科用樹脂と、高屈折率モノマーと、付加開裂剤と、任意選択的に無機酸化物充填剤と、を含む、硬化性歯科用組成物に関する。
好適な又は改善された機械的特性又は物理的特性を有する硬化性歯科用組成物が、依然として必要とされている。特に、十分に高い弾性率を有する歯科用組成物が必要とされている。歯科用組成物はまた、貯蔵安定性であるべきである。
理想的には、歯科用組成物は、十分に高い弾性率を有し、貯蔵安定性であり、周囲条件下で重合することができる。
硬化性歯科用組成物は、歯科修復材料として、及び歯科用ミルブランクを製造するのに有用であるべきである。
これらの目的のうちの少なくとも1つは、本発明によって対処される。
一実施形態では、本発明は、
樹脂マトリックスと、
歯科用組成物の重量に対して少なくとも25重量%の量の充填剤マトリックスと、
開始剤系と、
を含み、樹脂マトリックスが、臭素化レゾルシノール、カテコール、チロソール、安息香酸又はフェノール部分に接続された2つの重合性部分を有する重合性モノマー及びこれらのモノマーの混合物を含む、歯科用組成物を特徴とする。
特に、式(I)による臭素化重合性モノマーは、有用であることが判明した。
Figure 2021502357
式中、
B−O−A−[−O−B’−]は、反応性(メタ)アクリレート部分間の連結部であるモノマー主鎖を表し、
a=0又は1であり、
Aは、
Figure 2021502357
から選択され、
Aは、常にアリール−アルキルエーテルとしてB及び/又はB’に結合しており、
Bは、
−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
Figure 2021502357
から選択され、
Bは、常にアルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
b=2〜6であり、
B’は、−(CHb’−(CH−CH−O−CH−CH)−
Figure 2021502357
から選択され、
B’は、常にアルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
b’=2〜6であり、
R=H、メチルであり、
Xは、H、メチル、エチル、ヘキシル、tert−ブチル、Brから選択され、
Y=H、Brであり、
」は、本明細書及び特許請求の範囲に記載の通りに、モノマーの部分が、モノマーの別の部分に結合している部位を表す。
別の実施形態では、本発明は、本明細書及び特許請求の範囲に記載の歯科修復材料として使用するための歯科用組成物に関する。
本発明の更なる実施形態は、本明細書及び特許請求の範囲に記載の歯科用組成物を含む歯科用ミリングブロックを対象とする。
別段の定義のない限り、本明細書では、以下の用語は、以下に記載の意味を有する。
用語「化合物」又は「構成成分」は、特定の分子的同一性を有する化学物質であるか、又はそのような物質、例えば、ポリマー性物質の混合物から作製される化学物質である。
「誘導体」又は「構造類似化合物」は、対応する参照化合物に密接に関連した化学構造を示し、対応する参照化合物が特徴とする全ての構造的要素を含むが、対応する参照化合物と比較して、例えば、アルキル部分、Br、Cl、若しくはFのような追加の化学基を更に有するか、又は、例えばアルキル部分のような化学基を有しないような軽微な変更を有する化学化合物である。すなわち、誘導体は、参照化合物の構造類似化合物である。化学化合物の誘導体は、前述の化学化合物の化学構造を含む化合物である。
「歯科用組成物」又は「歯科使用のための組成物」又は「歯科分野において使用される組成物」は、歯科分野において使用でき、使用される、任意の組成物である。この点において、組成物は、患者の健康にとって有害であってはならず、したがって、組成物から出て移動することができる有害及び有毒な成分を含まない。歯科用組成物の例としては、永久的及び一時的なクラウン及びブリッジ材料、人工クラウン、前歯又は後方歯用充填材、歯科用ミルブランク、並びに歯科矯正装置が挙げられる。
歯科用組成物は、典型的には硬化性組成物である。口腔内で硬化するための歯科用組成物は、30分又は20分又は10分の時間枠内で、15〜50℃又は20〜40℃の範囲の温度を含む周囲条件において硬化され得る。これよりも高い温度は、患者に痛みをもたらすことがあり、患者の健康に有害な場合があるため、推奨されない。歯科用組成物は、典型的に、同程度の小容量、すなわち、0.1〜100mL、又は0.5〜50mL、又は1〜30mLの範囲の容量で、施術者に提供される。したがって、有用なパッケージング用デバイスの貯蔵容量は、典型的には、これらの範囲内である。
「歯科用充填材料」は、欠損歯構造を復元するように設計された硬化性材料であり、特に歯牙硬組織内の空洞を充填するように設計された硬化性材料である。
本発明の意味内の「クラウン及びブリッジ材料」は、歯科用クラウン及びブリッジを作製するために使用される硬化性材料である。これらの材料は、典型的には、歯の技術者が、クラウン又はブリッジ等の永久的な補綴製品を作り出すために必要とする期間中に使用される。これらの期間は、数日(1〜約6日)、数週間(1〜約4週間)、又は数ヶ月(1〜約6ヶ月)継続し得る。長期クラウン及びブリッジ材料は、典型的には、約6〜24ヶ月の期間にわたって使用される。
「歯科用ミリングブロック」又は「歯科用ミルブランク」とは、歯科用物品を機械加工することができる材料の固体ブロック(三次元物品)を意味する。歯科用ミリングブロックは、典型的には、幾何学的に画定された形状を有する。歯科用ミリングブロックは、二次元において20mm〜30mmのサイズを有してもよく、例えば、この範囲の直径を有してもよく、第3の次元においてある一定の長さを有してもよい。単一のクラウンを作製するためのブロック又はブランクは、15mm〜30mmの長さを有してもよく、ブリッジを作製するためのブロック又はブランクは、40mm〜80mmの長さを有してもよい。単一のクラウンを作製するために使用されるときのブロック又はブランクの典型的なサイズは、約24mmの直径及び約19mmの長さを有する。更に、ブリッジを作製するために使用されるときのブロック又はブランクの典型的なサイズは、約24mmの直径及び約58mmの長さを有する。上記の寸法以外にも、歯科用ミリングブロックは、立方体、円筒、又は直方体の形状をも有してよい。より大きなミリングブロックは、複数のクラウン又はブリッジを1つのブランクから製造しなくてはならない場合に有益であり得る。このような場合には、円筒状又は立方体様形状のミルブランクの直径又は長さは、80〜200mmの範囲であってもよく、厚さは10〜30mmの範囲であってもよい。
「機械加工」は、機械による材料のミリング加工、研削、切断、カービング、又は成形を意味する。ミリング加工は、通常、研削よりも速く、費用対効果が高い。
「開始剤系」又は「開始剤」は、本明細書において、「硬化性成分を硬化させる」としても記載される、硬化性成分の硬化プロセスを始めるか、又は開始することができる、歯科用組成物の構成成分を含む。
「樹脂マトリックス」は、存在する場合、硬化性成分及び有機希釈剤から構成される歯科用組成物の有機部分を意味する。
「硬化性成分又は材料」(例えば、「重合性成分」又は「架橋性成分」)は、例えば、重合、化学的架橋、放射線誘発性重合、又はレドックス開始剤の使用による架橋を引き起こす加熱によって硬化又は固化し得る、任意の構成成分である。硬化性成分は、例えば、1つのみ、2つ、3つ、又はそれ以上の重合性基を含有していてもよい。重合性基の典型例としては、例えば、(メタ)アクリレート基中に存在するビニル基等の不飽和炭素基が挙げられる。
「硬化性組成物」は、2種以上の成分の混合物であり、この混合物は、例えば、化学的架橋、放射線誘発性重合又はレドックス開始剤の使用による架橋を引き起こす加熱によって硬化又は固化させることができる。硬化性組成物は、有利には、硬化性成分を含み得る。
「モノマー」は、オリゴマー又はポリマーに重合させることにより分子量を増加させることのできる、1つ以上の重合性基((メタ)アクリレート基を含む)を有する化学式により特徴付けられ得る任意の化学物質である。通常、モノマーの分子量は、与えられた化学式に基づいて単純に算出することができる。
本明細書で使用される「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を指す短縮語である。例えば、「(メタ)アクリルオキシ」基は、アクリルオキシ基(すなわち、CH=CH−C(O)−O−)及び/又はメタクリルオキシ基(すなわち、CH=C(CH)−C(O)−O−)のうちいずれかを指す短縮語である。同様に、(メタ)アクリレートは、「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を指す短縮語である。「ウレタン基」は、構造「−NH−CO−O−」を有する基である。「レゾルシノール部分を有する成分」とは、ベンゼン−1,3−ジオイル構造単位を含む成分を意味する。
「カテコール部分を有する成分」とは、ベンゼン−1,2−ジオイル構造単位を含む成分を意味する。
「チロソール部分を有する成分」とは、4−(エチレン−1,2−ジイル)フェノキシ構造単位を含む成分を意味する。
「溶媒」は、周囲条件(例えば、23℃)で、成分が少なくとも部分的に分散又は溶解可能な液体を意味する。溶媒は、典型的には、5Pas未満、又は1Pas未満、又は0.1Pas未満の粘度を有する。
「硬化(curing)」、「硬化(hardening)」、及び「凝固(setting)反応」は、互換的に使用され、組成物の粘度及び硬度等の物性が、個々の成分間の化学反応によって経時的に変化する(例えば、上昇する)反応を指す。
「酸性部分を有する重合性モノマー」は、エチレン性不飽和官能基並びに酸及び/又は酸前駆体官能基を有する、モノマー、オリゴマー、及びポリマーを含むことを意図する。酸性前駆体官能基としては、例えば、無水物、酸ハロゲン化物、及びピロリン酸塩が挙げられる。酸性基は、好ましくは、−COOH又は−CO−O−CO−等の1つ以上のカルボン酸残基、−O−P(O)(OH)OH等のリン酸残基、C−P(O)(OH)OH等のホスホン酸残基、−SOH等のスルホン酸残基、又は−SOH等のスルフィン酸残基を含む。
「フェノール型」部分は、一般的に、芳香族残基に直接結合した少なくとも1個の酸素原子を有する芳香族部分、より正確には、構造的要素[CO](式中、xは1、2、3、4、5又は6であり、Rは、H、アルキル(例えば、C〜C)、−O−、−CO−又は−C(O)O−であり、Cは、芳香環を形成する)を含む部分として理解される。例えば、「CO−」(フェノキシ)は、最も単純な「フェノール型」部分を表す。
「粉末」は、振盪される又は傾けられる際に自由に流動することができる、きわめて微細な多数の粒子からなる乾燥したバルク固体を意味する。
「粒子」は、幾何学的に決定され得る形状を有する固体である物質を意味する。粒子は、典型的には、例えば粒径(particle size or diameter)に関して解析できる。粒子は、非晶質又は結晶質であってもよい。
用語「会合した(associated)」は、凝集した(aggregated)及び/又は集塊化した(agglomerated)2個以上の一次粒子の集合を指す。
同様に、用語「非会合の(non-associated)」は、凝集(aggregation)及び/若しくは集塊化(agglomeration)していないか又は実質的にしていない、2個以上の一次粒子を指す。
本明細書で使用するとき、「凝集した」は、例えば、残留化学物質処理又は部分的焼結によって一緒に結合されることが多い粒子の強い会合を記述している。凝集粒子の比表面積は、典型的には、一次粒子の特定の比表面積よりも小さく、凝集体が作製される(DIN 53206;1972を参照)。
凝集体のより小さい実体への更なる破壊は、凝集充填剤を含有する組成物の表面に適用される研磨ステップ中に生じ得るが、凝集粒子を樹脂中に分散させる間には生じない。
凝集充填剤並びにその製造及び表面処理のためのプロセスは、例えば、米国特許第6,730,156号(Windischら)に記載されている。これらの参考文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
「集塊化した」は、電荷又は極性によってまとまる場合があり、かつより小さい実体に分解され得る、粒子の弱い会合を記述している。
集塊化した充填剤は、例えば、Degussa,Cabot Corp又はWackerから商品名Aerosil(商標)、CAB−O−SIL(商標)及びHDKで市販されている。
「非集塊化充填剤」は、充填剤粒子が、離散した、会合していない(すなわち、非集塊化及び非凝集で)段階で樹脂中に存在することを意味する。それが望ましい場合には、TEM顕微鏡法によりこれを証明できる。
非集塊化ナノサイズシリカは、例えば、Nalco Chemical Co.(Naperville,Ill.)からNALCO(商標)COLLOIDAL SILICAS、例えばNALCO製品#1040、1042、1050、1060、2327及び2329の商品名で市販されている。
非集塊化充填剤は、例えば、欧州特許第2167013(B1)号(3M)において使用及び記載されている。この参考文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
用語「一次粒径」は、一次粒子であるとみなされる、非会合の単結晶ジルコニア粒子のサイズを指す。X線回折(XRD)は、一次粒径の測定に典型的に用いられる。
粉末の平均粒径は、粒径分布の積算曲線から得られ、ある特定の粉末混合物の測定粒径の算術平均と定義される。それぞれの測定は、市販の粒度計(例えばCILAS Laser Diffraction Particle Size Analysis Instrument)を使用して実行できる。
「ナノ充填剤」は、その個々の粒子が、例えば、平均粒径約200nm未満、又は約100nm未満、又は約50nm未満のナノメートル範囲の大きさを有する充填剤である。有用な例は、米国特許第6,899,948号(Zhangら)及び同第6,572,693号(Wuら)に記載されている。ナノサイズシリカ粒子に関する内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
好ましくは、ナノ粒子の粒度の測定を、TEM(透過型電子顕微鏡検査)法で行うことができ、これによって集合が分析され、平均粒径が得られる。粒径測定の好ましい方法は、下記のように説明することができる。
厚さ80nmを超えない試料を、炭素安定化フォルムバール基板(Structure Probe,Inc.,West Chester,PAの一部門であるSPI Supplies)付き200メッシュの銅グリッド上に配置する。透過型電子顕微鏡写真(TEM)を、200KVでJEOL 200CX(JEOL,Ltd.of Akishima,Japan、及びJEOL USA,Inc.により販売)を使用して得る。約50〜100粒子の集合の大きさを測定することができ、平均径を求める。
「放射線硬化性」は、構成成分(又は場合によっては、組成物)が、放射線の適用、好ましくは、周囲条件下及び適切な時間内(例えば、約15、10、又は5分以内)で、可視光スペクトルの波長の電磁放射線の適用によって硬化させることができることを意味するものとする。
用語「可視光」は、400〜700ナノメートル(nm)の波長を有する光を指すために使用される。「歯牙硬組織」は、象牙質及びエナメル質を意味する。
「積層造形(additive manufacturing)」は、3次元物品を作製するのに用いられる方法を意味する。積層造形技術の例は、コンピュータ制御下で材料の連続層が形成され、その後放射線によって硬化される、ステレオリソグラフィ(SLA)である。物品はほとんど全ての形状又は外形とすることができ、3次元モデル又は他の電子データソースから製造される。積層造形プロセス又は技術の他の例としては、3Dプリンティングが挙げられる。
「周囲条件」は、本明細書に記載の組成物が、貯蔵及び取扱い中に通常さらされる条件を意味する。周囲条件は、例えば、圧力900〜1100mbar、温度10〜40℃及び相対湿度10〜100%としてもよい。実験室では、周囲条件は、典型的には、20〜25℃及び1000〜1025mbarに調整される。
組成物が特定の成分を本質的な特徴として含まない場合、この組成物はこの成分を「本質的に又は実質的に含まない」。したがって、この成分は、それ自体で、又は他成分若しくは他成分の含有物質との組み合わせでのいずれによっても、組成物に意図的に添加されない。特定の成分を本質的に含まない組成物は、通常、その成分を全く含有しない。しかしながら、時には、例えば用いる原料中に含まれる不純物のために、この成分が少量存在するのを避けることができないこともある。
本明細書で使用される「1つの(a)」、「1つの(an)」、「1つの(the)」、「少なくとも1つの(at least one)」、及び「1つ以上の(one or more)」は、互換的に使用される。また、本明細書において、端点による数値範囲の記載は、その範囲内に包含される全ての数を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
用語に「(s)」を付加することは、その用語が単数形及び複数形を含むべきであることを意味する。例えば、「添加剤(additive(s))」という用語は、1種の添加剤及び複数種(例えば2種、3種、4種等)の添加剤を意味する。
特に指示のない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用されている、例えば下に記載するもの等の含有物質(ingredient)の量、物性の測定値を表す全ての数は、全ての例で「約」という用語により修飾されていると理解されるべきである。
「含む(comprise)」又は「含有する(contain)」という用語及びそれらの変化形は、これらの用語が本明細書及び特許請求の範囲で記載される場合、限定的な意味を有さない。用語「含む(comprise)」は、用語「本質的に〜からなる(consist essentially of)」及び「〜からなる(consist of)」を含むものとする。
「及び/又は」は、一方又は両方を意味する。例えば、成分A及び/又は成分Bという表現は、成分Aのみ、成分Bのみ、又は成分A及び成分Bの両方を指す。
本明細書及び特許請求の範囲に記載の歯科用組成物は、2〜3つの有利な特性を有する。
本明細書に記載の臭素化重合性モノマーを含む硬化した歯科用組成物は、良好な物性を示す。
本明細書に記載の臭素化重合性モノマーは、典型的には、室温で固化せず、低粘度を有する。
これは、歯科用充填材料、クラウン及びブリッジ材料、又は歯科用ミルブロックの配合又は製造に好適な量の、十分に多量の充填剤の組み込みを容易にし得る。
驚くべきことに、非臭素化モノマーの代わりに臭素化重合性モノマーを使用することにより、それぞれの歯科用組成物の弾性率を改善できることが判明した。
本明細書の臭素化重合性モノマーはまた、典型的には、歯科分野において典型的に使用される充填剤の屈折率と一致する屈折率を有する。
これは、審美的に許容可能な歯科用組成物、例えば、好適な透明性を有する歯科用組成物の配合を可能にする。この特性はまた、硬化性組成物の十分な硬化深度にも寄与し得る。
加えて、重合性モノマー中に臭素原子が存在することにより、それぞれの歯科用組成物のX線可視性を改善することができる。
したがって、本発明は、モノマーを含有するビスフェノール部分を使用することなく、有利な機械的特性を有する歯科用組成物の配合を可能にする。
特定の実施形態では、本明細書に記載の歯科用組成物は、(硬化前に)以下の特徴:
a)粘度:ペーストであること、例えば、剪断速度100 1/sにおいて23℃で測定して5〜200Pas又は10〜100Pasの粘度を有する、
b)水と接触させた場合のpH値:2〜8、中性(例えば、6〜8)又は酸性(例えば、2〜5)、
c)放射線及び/又はレドックス硬化性、
d)少なくとも3ヶ月間の貯蔵安定性、
e)1又は2成分系として提供されること、
のうちの単独で又はそれらを組み合わせて特徴付けられる。
以下の特性の組み合わせ:a)、b)及びc);a)、b)、c)及びd)が、時には好ましい。
所望であれば、粘度は、Physica MCR 301 Rheometer(Anton Paar GmbH,Graz,Austria)を使用して、以下の条件:23℃、剪断速度:100 1/s下でコーン/プレート形状のCP25−1を使用して測定して決定することができる。
水に溶解又は分散した場合(例えば、10mLの水中に1gの組成物)、歯科用組成物は、典型的には、6〜8の範囲又は約7のpH値を示す。すなわち、全体としての歯科用組成物は、本質的に、水と接触させた場合に中性のpHを有する、又はわずかに酸性である。
本明細書に記載の歯科用組成物は、許容可能な時間枠内、例えば、300、180又は120秒未満内で硬化できる。これは、歯科医院で既に利用可能な可視光源装置を使用することによって行うことができる。
特定の実施形態では、(硬化後の)歯科用組成物は、以下の特性:
a)曲げ強度:ISO 4049:2009(E)に従って少なくとも100、又は100〜180MPa;
b)弾性率:ISO 4049:2009(E)に従って決定して少なくとも10、11、若しくは12、又は10〜20、若しくは11〜15
のうちの単独又はそれらの組み合わせを満たす。
本明細書に記載の歯科用組成物は、樹脂マトリックスを含む。
樹脂マトリックスは、ビスフェノールとは異なる芳香族部分、特に臭素化レゾルシノール、カテコール、チロソール、安息香酸、又はフェノール部分を含有する臭素化重合性モノマーを含む。
重合性モノマーは、対称若しくは非対称モノマー又はこれらの混合物を含み得る。
重合性モノマーは、以下の式(I)によって説明することができる:
Figure 2021502357
式中、
B−O−A−[−O−B’−]は、反応性(メタ)アクリレート部分間の連結部であるモノマー主鎖を表し、
a=0又は1であり、
Aは、
Figure 2021502357
から選択され、
Aは、常にアリール−アルキルエーテルとしてB及び/又はB’に結合しており、
Bは、
−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
Figure 2021502357
から選択され、
Bは、常にアルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
b=2〜6であり、
B’は、−(CHb’−(CH−CH−O−CH−CH)−
Figure 2021502357
から選択され、
B’は、常にアルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
b’=2〜6であり、
R=H、メチルであり、
Xは、H、メチル、エチル、ヘキシル、tert−ブチル、Brから選択され、
Y=H、Brであり、
」は、モノマーの部分が、モノマーの別の部分に結合している部位を表す。
特に、臭素化レゾルシノール又はカテコール又はチロソール部分を含む重合性モノマーが有用であることが判明した。
一実施形態によれば、臭素化重合性モノマーは、以下の式による臭素化レゾルシノール部分を含む。
Figure 2021502357
式中、
B−O−A−[−O−B’−]は、反応性(メタ)アクリレート部分間の連結部であるモノマー主鎖を表し、
a=0又は1であり、
Aは、以下であり、
Figure 2021502357
Aは、アリール−アルキルエーテルとしてB及び/又はB’に結合しており、
Bは、
−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
Figure 2021502357
から選択され、
Bは、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
b=2〜6であり、
B’は、−(CHb’−(CH−CH−O−CH−CH)−
Figure 2021502357
から選択され、
B’は、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
b’=2〜6であり、
R=H、メチルであり、
Xは、H、メチル、エチル、ヘキシル、tert−ブチル、Brから選択され、
Y=H、Brであり、
」は、モノマーの部分が、モノマーの別の部分に結合している部位を表す。
その具体例としては、以下のモノマー又はこれらの混合物が挙げられ:
Figure 2021502357
Rは、独立して、H及びCHから選択される。
一実施形態によれば、臭素化重合性モノマーは、以下の式による臭素化カテコール部分を含み、
Figure 2021502357
式中、
B−O−A−[−O−B’−]は、反応性(メタ)アクリレート部分間の連結部であるモノマー主鎖を表し、
a=0又は1であり、
Aは、以下から選択され、
Figure 2021502357
Aは、常にアリール−アルキルエーテルとしてB及び/又はB’に結合しており、
Bは、
−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
Figure 2021502357
から選択され、
Bは、常にアルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
b=2〜6であり、
B’は、−(CHb’−(CH−CH−O−CH−CH)−
Figure 2021502357
から選択され、
B’は、常にアルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
b’=2〜6であり、
R=H、メチルであり、
Xは、H、メチル、エチル、ヘキシル、tert−ブチル、Brから選択され、
Y=H、Brであり、
」は、モノマーの部分が、モノマーの別の部分に結合している部位を表す。
その具体例としては、以下のモノマー又はこれらの混合物が挙げられ:
Figure 2021502357
Rは、独立して、H及びCHから選択される。
一実施形態によれば、臭素化重合性モノマーは、以下の式による臭素化チロソール部分を含み、
Figure 2021502357
式中、
B−O−A−[−O−B’−]は、反応性(メタ)アクリレート部分間の連結部であるモノマー主鎖を表し、
a=0又は1であり、
Aは、
であり、
Figure 2021502357
Aは、常にアリール−アルキルエーテルとしてB及び/又はB’に結合しており、
Bは、
−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
Figure 2021502357
から選択され、
Bは、常にアルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
b=2〜6であり、
B’は、−(CHb’−(CH−CH−O−CH−CH)−
Figure 2021502357
から選択され、
B’は、常にアルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
b’=2〜6であり、
R=H、メチルであり、
Xは、H、メチル、エチル、ヘキシル、tert−ブチル、Brから選択され、
Y=H、Brであり、
」は、モノマーの部分が、モノマーの別の部分に結合している部位を表す。
その具体例としては、以下のモノマー又はこれらの混合物が挙げられ:
Figure 2021502357
Rは、独立して、H及びCHから選択される。
この式による異なる成分の混合物も同様に使用できる。
特に有用であることが判明した異なる成分の混合物は、対称的に置換された分子及び非対称的に置換された分子を含有する。
本明細書に記載の重合性モノマーは、例えば、以下の実施例の項に記載されるように合成することができる。
そうする場合には、当業者であれば、合成中の重合性モノマーに応じて、単一の非対称化合物が得られ、かつ、異なる非対称成分を含有する混合物、又は、主な非対称化合物以外の副次的な対称成分を含有する混合物が得られることを理解するであろう。
非対称的に置換された芳香族部分をベースとした非対称骨格を含有する重合性モノマーの場合、合成は、単一の非対称化合物又は100mol%の非対称成分を含有する組成物のいずれかを生じる。
更に精製しない限り、対称的に置換された芳香族部分をベースとした非対称骨格を含有する重合性モノマーの合成は、通常、統計により、約50mol%の非対称化合物を主成分として含み、それに加えて、副次的成分として約25mol%の各対称化合物を含有する組成物を生じる。所望される場合、2種、3種又はそれ以上の重合性モノマーの混合物を使用することが可能である。
一実施形態によれば、臭素化重合性モノマーは、以下の特性:
a)400〜800g/mol、又は450〜700g/molの分子量を有すること;
b)23℃で固化しないこと;
c)粘度:23℃及び剪断速度100 1/sで0.2〜3Pas;
d)1.52〜1.56、又は1.53〜1.55の範囲の屈折率を有すること
のうちの単独で又はそれらを組み合わせて更に特徴付けられ得る。
以下の特性の組み合わせ:a)及びb);b)及びc);b)及びd);a)、c)及びd)が、時には、好ましい。
十分に高い分子量は、環境における歯科用組成物からの未重合モノマーの望ましくない移動の危険性を低減するので、有益であり得る。
モノマーの混合物が低粘度を有するため、追加の溶媒が存在しない場合であっても、充填剤を容易に取り込むことができる。
モノマーの屈折率及び色も、審美的な歯科用組成物の配合を可能にするために、有益である。
更に、臭素化モノマーは、X線不透過性である。したがって、これらのモノマーを含有する歯科用組成物もX線不透過性であり、余分なX線不透過性充填剤を追加で取り込むことを可能にする。
臭素化重合性モノマーは、典型的には、下記の量:
下限量:少なくとも1、又は少なくとも5、又は少なくとも10重量%;
上限量:最大で70、又は最大で65、又は最大で60重量%;
範囲:1〜70、又は5〜65、又は10〜60重量%で存在し、
重量%は組成物全体の重量に対するものである。
樹脂マトリックスはまた、臭素化されず、酸性部分を含まない更なる重合性モノマーを含有してもよい。
所望であれば、このような重合性モノマーは、以下の式:
BA
によって特徴付けることができ、
式中、Aは、(メタ)アクリロイル部分等のエチレン性不飽和基であり、
Bは、(i)他の官能基(例えば、ハロゲン化物(Cl、Br、Iを含む)、OH、若しくはこれらの混合物)で任意選択的に置換された直鎖若しくは分枝鎖C〜C12アルキル若しくはアルキリデン、(ii)他の官能基(例えば、ハロゲン化物、OH、若しくはこれらの混合物)で任意選択的に置換されたC〜C12アリール、又は(iii)1つ以上のエーテル、チオエーテル、エステル、チオエステル、チオカルボニル、アミド、ウレタン、カルボニル、及び/又はスルホニル結合によって互いに結合している4〜20個の炭素原子を有する有機基から選択され、
m、nは、独立して、0、1、2、3、4、5、又は6から選択されるが、ただしn+mは0より大きく、つまり少なくとも1つのA基が存在する。
このような重合性材料としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(hydroxyethyl methacrylate、HEMA)と2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(trimethylhexamethylene diisocyanate、TMDI)との反応生成物であるUDMAと呼ばれるジウレタンジメタクリレート(異性体の混合物、例えば、Rohm Plex6661−0)、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビス[1−(2−(メタ)アクリルオキシ)]−p−エトキシ−フェニルジメチルメタン、及びトリス−ヒドロキシ−エチル−イソシアヌレートトリメタクリレート等の、モノ−、ジ−、若しくはポリ−アクリレート及びメタクリレート;分子量200〜500のポリエチレングリコールのビス−アクリレート及びビス−メタクリレート、アクリル化モノマーの共重合性混合物(例えば、米国特許第4,652,274号(Boettcherら)を参照)、並びにアクリル化オリゴマー(例えば、米国特許第4,642,126号(Zadorら)を参照);並びにスチレン、ジビニルスクシネート、ジビニルアジペート、及びジビニルフタレート等のビニル化合物;ウレタン、尿素、又はアミド基を含む多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。所望により、これらのフリーラジカル重合性材料の2つ以上の混合物を使用することができる。
米国特許第4,795,823号(Schmittら)に記載のメタクリルエステル、例えば、ビス[3[4]−メタクリル−オキシメチル−8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチルトリグリコレート等を使用することも可能である。2,2−ビス−4(3−メタクリルオキシプロポキシ)フェニルプロパン、ウレタン(メタ)アクリレート、及びビスヒドロキシメチルトリシクロ−(5.2.1.02,6)デカンのジ(メタ)アクリレートが好適である。
酸性部分を有しない重合性成分の更なる例は、トリシクロデカン−ジメタノールから誘導されるジメタクリレート及びジアクリレート(異性体の混合物)、トリシクロデカン−ジメタノールとイソシアナトエチル(メタ)アクリレートとの反応生成物、トリシクロデカン−ジイソシアネートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとの反応生成物である。所望であれば、ヒドロキシル部分を含むモノマーを添加することもできる。
好適な化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA)、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、ジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、更に、1,2−又は1,3−及び2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−1,3−ジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル−1,2−ジ(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイル−1,2−ジヒドロキシプロピルアミン、N−(メタ)アクリロイル−1,3−ジヒドロキシプロピルアミン、フェノール及びグリシジル(メタ)アクリレートの付加物、例えば、1−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ナフトキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
これらのエチレン性不飽和モノマーは、単独で又は他のエチレン性不飽和モノマーと組み合わせてのいずれかで歯科用組成物中に使用することができる。所望により、これらの構成成分のうちの1つ以上の混合物を用いてもよい。所望であれば、ウレタン部分を含むモノマーを添加することもできる。
ウレタン部分を有する好適な重合性モノマーとしては、構造A(−S1−U−S2−MA)を有するものが挙げられ、式中、
Aは、少なくとも1つの単位を含むコネクタ要素であり、
S1は、互いに接続された少なくとも4つの単位を含むスペーサー基であり、
S2は、互いに接続された少なくとも4つの単位を含むスペーサー基であり、
A、S1及びS2の単位は、独立して、−CH−、−O−、−S−、−NR−、−CO−、−CR=、
Figure 2021502357
−N=、−CR−から選択され、
ここで、R及びRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールアルキル、アリール又は置換アリールから選択され、これらの単位は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、エステル基、ウレタン基、又はアミド基などの直鎖、分岐鎖又は環状構造を形成することができ、
Uは、スペーサー基S1及びS2を接続するウレタン、尿素、又はアミド基であり、
MAは、アクリレート基又はメタクリレート基であり、
nは、3〜6である。
ウレタン部分を有する重合性モノマーの具体例としては、
が挙げられる。
Figure 2021502357
更なる例は、米国特許第8,329,776(B2)号(Hechtら)に記載されている。この参考文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
それらの成分に加えて又はそれらの成分のほかに添加できる他の重合性成分としては、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート、ポリカーボネートウレタン(メタ)アクリレート、及びポリ(メタ)アクリレートウレタン(メタ)アクリレートなどのオリゴマー性又はポリマー性化合物が挙げられる。これらの化合物の分子量は、典型的には、20,000g/mol未満、特に15,000g/mol未満、とりわけ10,000g/mol未満である。これらの成分の添加は、レオロジー特性を調整するために使用してもよい。
所望により、これらの非臭素化重合性モノマーのうちの2つ、3つ、又はそれ以上の混合物を使用することができる。
存在する場合、非臭素化非酸性重合性モノマーは、典型的には、以下の量:
下限量:少なくとも1、又は少なくとも5、又は少なくとも10重量%;
上限量:最大で65、又は最大で60、又は最大で55重量%;
範囲:1〜65、又は5〜60、又は10〜55重量%で存在し、
重量%は組成物全体の量に対するものである。
樹脂マトリックスは、酸性基を含まない重合性モノマー以外にも、樹脂マトリックスの一部として酸性部分を有する非臭素化重合性モノマーも含み得る。
したがって、本明細書に記載の組成物は、酸性部分を有する重合性モノマーを更に含んでもよい。
存在する場合、重合性モノマーの性質も構造も、所望の結果が達成不能でない限り、特に限定されない。
重合性モノマーの存在は、所望の酸性度を有する組成物を生成することができるため、有益であり得る。
酸部分を有する重合性成分は、典型的には、以下の式
BC
で表すことができ、
式中、Aは、(メタ)アクリロイル部分等のエチレン性不飽和基であり、
Bは、(i)他の官能基(例えば、ハロゲン化物(Cl、Br、Iを含む)、OH、又はこれらの混合物)で任意選択的に置換された直鎖又は分枝鎖C〜C12アルキル、(ii)他の官能基(例えば、ハロゲン化物、OH、又はこれらの混合物)で任意選択的に置換されたC〜C12アリール、(iii)1つ以上のエーテル、チオエーテル、エステル、チオエステル、チオカルボニル、アミド、ウレタン、カルボニル、及び/又はスルホニル結合によって互いに結合している4〜20個の炭素原子を有する有機基等のスペーサー基であり、
Cは、酸性基であり、
m、nは、独立して、1、2、3、4、5、又は6から選択され、
酸性基は、−COOH若しくは−CO−O−CO−等の1つ以上のカルボン酸若しくは無水物残基、−O−P(O)(OH)OH等のリン酸残基、C−P(O)(OH)(OH)等のホスホン酸残基、−SOH等のスルホン酸残基、又は−SOH等のスルフィン酸残基を含む。
酸部分を有する重合性成分の例としては、グリセロールホスフェートモノ(メタ)アクリレート、グリセロールホスフェートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(例えば、HEMA)ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシエチル)ホスフェート、(メタ)アクリルオキシプロピルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシプロピル)ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシ)プロピルオキシホスフェート、(メタ)アクリルオキシヘキシルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシヘキシル)ホスフェート、(メタ)アクリルオキシオクチルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシオクチル)ホスフェート、(メタ)アクリルオキシデシルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシデシル)ホスフェート、カプロラクトンメタクリレートホスフェート、クエン酸ジ−又はトリ−メタクリレート、ポリ(メタ)アクリル化オリゴマレイン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリマレイン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリカルボキシル−ポリホスホン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリクロロリン酸、ポリ(メタ)アクリル化ポリスルホネート、ポリ(メタ)アクリル化ポリホウ酸等が挙げられるが、これらに限定されない。例えば水と容易に反応して、酸ハロゲン化物又は無水物等の上述の特定の例を形成することができる酸部分を有するこれらの硬化性成分の誘導体もまた、企図される。
また、(メタ)アクリル酸、芳香族の(メタ)アクリル化された酸(例えば、メタクリレート化されたトリメリット酸)などの不飽和カルボン酸のモノマー、オリゴマー、及びポリマー、並びにこれらの無水物を使用することもできる。
これらの化合物の一部は、例えば、イソシアナトアルキル(メタ)アクリレートとカルボン酸との間の反応生成物として得ることができる。酸官能性成分及びエチレン性不飽和成分の両方を有するこの種の追加の化合物は、米国特許第4,872,936号(Engelbrecht)及び同第5,130,347号(Mitra)に記載されている。エチレン性不飽和部分及び酸部分の両方を含有する多種多様のこのような化合物を使用することができる。所望により、このような化合物の混合物を使用することができる。
(メタ)アクリレート官能化ポリアルケン酸の使用は、それらの構成成分が歯牙硬組織への接着、均質な層の形成、粘度、又は水分耐性等の特性を改善させるのに有用であることが見出されているため、多くの場合好ましい。
一実施形態によれば、組成物は、(メタ)アクリレート官能化ポリアルケン酸、例えば、AA:ITA:IEM(ペンダントメタクリレートを有するアクリル酸:イタコン酸のコポリマー)である。
これらの構成成分は、例えば、AA:ITAコポリマーを、2−イソシアナトエチルメタクリレートと反応させて、コポリマーの酸基の少なくとも一部をペンダントメタクリレート基に変換させることにより、作製することができる。これらの構成成分の製造方法は、例えば、米国特許第5,130,347号の実施例11に記載されており;かつ、米国特許第4,259,075号(Yamauchiら)、同第4,499,251号(Omuraら)、同第4,537,940号(Omuraら)、同第4,539,382号(Omuraら)、同第5,530,038号(Yamamotoら)、同第6,458,868号(Okadaら)、並びに欧州特許出願公開第0712622(A1)号(Tokuyama Corp.)、及び同第1051961(A1)号(Kuraray Co.,Ltd.)に説明されているものがある。これらの参考文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
所望であれば、酸性部分を有する重合性モノマーのうちの2つ、3つ、又はそれ以上の混合物を使用することができる。
存在する場合、酸性部分を有する非臭素化重合性モノマーは、以下の量:
下限量:少なくとも1、又は少なくとも5、又は少なくとも10重量%;
上限量:最大50、又は最大40、又は最大30重量%;
範囲:1〜50、又は5〜40、又は10〜30重量%で存在することができ、
重量%は組成物全体の量に対するものである。
本明細書に記載の歯科用組成物は、開始剤系を含む。
開始剤系は、樹脂マトリックス中に含有される重合性モノマーの硬化を開始するのに好適である。開始剤系は、1つ以上の開始剤を含むことができる。
開始剤の性質は、所望の結果が達成不能でない限り、特に限定されない。
開始剤系は、放射線(すなわち、放射線硬化)、熱(すなわち、熱硬化)、レドックス反応(すなわち、レドックス硬化)又はこれらの組み合わせにより重合を開始することができる系を含み得る。
フリーラジカル活性官能基を含有する樹脂マトリックスの硬化性成分の重合を開始することができる開始剤の部類としては、任意選択的に光増感剤又は促進剤と組み合わせられた、フリーラジカル生成光開始剤が挙げられる。
そのような開始剤は、典型的には、約200〜約700nmの波長を有する光エネルギーへ曝露した際、付加重合するためのフリーラジカルを生成できるものであり得る。α−開裂を経ることができる開始剤成分が、時として好ましい場合がある。
開始剤又は開始剤系の一部としてアシルホスフィンオキシドを使用することは、特に有用であることが判明した。
好適なアシルホスフィンオキシドは、以下の式:
(R−P(=O)−C(=O)−R10
によって特徴付けることができ、
式中、各Rは個々に、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びアラルキル等のヒドロカルビル基であってもよく、そのいずれもがハロ−、アルキル−、若しくはアルコキシ基で置換されていてもよく、又は2つのR基が結合してリン原子と共に環を形成することができ、R10はヒドロカルビル基、S−、O−、若しくはN−含有の5若しくは6員複素環基、又は−Z−C(=O)−P(=O)−(R基であり、式中、Zは2〜6個の炭素原子を有するアルキレン又はフェニレン等の二価のヒドロカルビル基を表す。
好適な系については、例えば、米国特許第4,737,593号(Ellrichら)にも記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明において有用な好ましいアシルホスフィンオキシドは、R及びR10基が、フェニル、又は低級アルキル−若しくは低級アルコキシ−置換フェニルであるものである。「低級アルキル」及び「低級アルコキシ」とは、1〜4個の炭素原子を有するこのような基を意味する。最も好ましくは、アシルホスフィンオキシドは、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(Lucirin(商標)TPO、BASF)である。
好適なビスアシルホスフィンオキシドはまた、以下の式によって記述することができ、
Figure 2021502357
式中、nは1又は2であり、R、R、R、及びRは、H、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシル、F、Cl又はBrであり、R及びRは、同一であり又は異なっており、シクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル、又はビフェニリル基を表し、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、又はビフェニリル基は、F、Cl、Br、I、C1〜4アルキル及び/若しくはC1〜4アルコキシ、又はS若しくはN−含有5員若しくは6員複素環で置換され;あるいはR及びRは結合して、4〜10個の炭素原子を含有し、1〜6つのC1〜4アルキル基で任意選択的に置換された環を形成する。
更なる具体例としては、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−ビフェニリルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−クロロフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)デシルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−4−ビフェニリルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルホスフィンオキシド、ビス−(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−ビフェニリルホスフィンオキシド、ビス−(2−メトキシ−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキシド及びビス−(2−クロロ−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシドが挙げられる。
アシルホスフィンオキシドビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(以前はIRGACURE(商標)819、Ciba Specialty Chemicals,Tarrytown,NYとして知られていた)が時として好ましい。
第三級アミン還元剤を、アシルホスフィンオキシドと組み合わせて使用してもよい。本発明で有用な例示な第三級アミンとしては、エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート(EDMAB)及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)が挙げられる。
400nmを超え、1200nmまでの波長で照射されたときにフリーラジカル開始が可能な市販のホスフィンオキシド光開始剤としては、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの25:75重量混合物(以前はIRGACURE(商標)1700,Ciba Specialty Chemicalsとして知られていた)、2−ベンジル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(以前はIRGACURE(商標)369,Ciba Specialty Chemicalsとして知られていた)、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタン(以前はIRGACURE(商標)784 DC,Ciba Specialty Chemicalsとして知られていた)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの1:1重量混合物(以前はDAROCUR(商標)4265,Ciba Specialty Chemicalsとして知られていた)、及びエチル−2,4,6−トリメチルベンジルフェニルホスフィネート(LUCIRIN(商標)LR8893X,BASF Corp.,Charlotte,NC)が挙げられる。
様々な可視光又は近赤外光開始剤系を、フリーラジカル重合性材料の光重合のために使用することもできる。
例えば、アミン及びα−ジケトンの二成分系を介して重合を開始する系から選択される光開始系を使用することができる。αこのような系は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,071,424号(Dartら)及び国際公開第2009/151957号に記載されている。
あるいは、樹脂を、三成分又は三元光開始剤系と組み合わせてもよい。好適な系は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,545,676号(Palazzottoら)及び国際公開第2009151957号に記載されている。
三元光開始剤系では、第1の構成成分は、ヨードニウム塩、すなわち、ジアリールヨードニウム塩である。ヨードニウム塩は、増感剤及び供与体の存在下でモノマー中に溶解されるとき、好ましくはモノマー中に可溶性であり、また貯蔵安定性がある(すなわち、自発的には重合を促進しない)。それ故に、特定のヨードニウム塩の選択は、選択された特定のモノマー、ポリマー又はオリゴマー、増感剤及び供与体によってある程度異なってもよい。好適なヨードニウム塩は、米国特許第3,729,313号(Smith)、同第3,741,769号(Smith)、同第3,808,006号(Smith)、同第4,250,053号(Smith)、及び同第4,394,403号(Smith)に記載されており、この特許のヨードニウム塩に関する開示は、参照により本明細書に援用される。ヨードニウム塩は、単塩(例えば、Cl、Br、I、又はCSO 等のアニオンを含有する)又は金属錯塩(例えば、SbFOH又はAsF を含有する)であり得る。所望により、ヨードニウム塩の混合物を使用することができる。好ましいヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウム塩、例えば、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、及びジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレートが挙げられる。
三元光開始剤系の第2の構成成分は、増感剤である。増感剤は、望ましくは、モノマー中に可溶性であり、かつ400超〜1200ナノメートル、より好ましくは400超〜700nm、最も好ましくは400超〜600ナノメートルの波長範囲内のいずれかで光吸収することができる。増感剤はまた、参照により本明細書に援用される、米国特許第3,729,313号(Smith)に記載の試験手順を用いて、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンを増感することが可能であり得る。
好ましくは、この試験に合格することに加えて、増感剤はまた、貯蔵安定性をある程度考慮して選択される。したがって、特定の増感剤の選択は、選択された特定のモノマー、オリゴマー又はポリマー、ヨードニウム塩及び供与体によってある程度異なってもよい。
好適な増感剤としては、以下の範疇の化合物:ケトン、クマリン染料(例えば、ケトクマリン)、キサンテン染料、アクリジン染料、チアゾール染料、チアジン染料、オキサジン染料、アジン染料、アミノケトン染料、ポルフィリン、芳香族多環式炭化水素、p−置換アミノスチリルケトン化合物、アミノトリアリルメタン、メロシアニン、スクアリリウム染料及びピリジニウム染料を挙げることができる。ケトン(例えば、モノケトン又はα−ジケトン)、ケトクマリン、アミノアリールケトン、及びp−置換アミノスチリルケトン化合物が、好ましい増感剤である。高い感度を必要とする用途においては、ジュロリジニル部分を含有する増感剤を使用するのが好ましい。高度の硬化(例えば、高度充填コンポジットの硬化)を必要とする用途の場合、光重合に望ましい照射波長で、1000未満、より好ましくは100未満の減衰係数を有する増感剤を使用するのが好ましい。
あるいは、照射の際の励起波長において光吸収の低減を呈する染料を使用することができる。
例えば、ケトン増感剤の好ましい部類は、式:ACO(X)Bを有し、式中、XはCO又はCRであり、R及びRは同一か又は異なってもよく、かつ水素、アルキル、アルカリール、又はアラルキルであってもよく、bは0又は1であり、A及びBは、同一若しくは異なる置換(1つ以上の非干渉置換基を有する)若しくは非置換のアリール基、アルキル基、アルカリール基、若しくはアラルキル基であってよく、又はA及びBは共に、置換若しくは非置換の脂環式、芳香族、複素芳香族、若しくは縮合芳香族環であり得る環状構造を形成することができる。
上記式の好適なケトンとしては、モノケトン(b=0)、例えば、2,2−、4,4−又は2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ジ−2−ピリジルケトン、ジ−2−フラニルケトン、ジ−2−チオフェニルケトン、ベンゾイン、フルオレノン、カルコン、ミヒラーケトン、2−フルオロ−9−フルオレノン、2−クロロチオキサントン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、1−又は2−アセトナフトン、9−アセチルアントラセン、2−、3−又は9−アセチルフェナントレン、4−アセチルビフェニル、プロピオフェノン、n−ブチロフェノン、バレロフェノン、2−、3−又は4−アセチルピリジン、3−アセチルクマリン等が挙げられる。好適なジケトンとしては、アントラキノン、フェナントレンキノン、o−、m−及びp−ジアセチルベンゼン、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−、1,7−及び1,8−ジアセチルナフタレン、1,5−、1,8−及び9,10−ジアセチルアントラセン等のアラルキルジケトンが挙げられる。
好適なα−ジケトン(b=1及びX=CO)としては、2,3−ブタンジオン、2,3−ペンタンジオン、2,3−ヘキサンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,3−ヘプタンジオン、3,4−ヘプタンジオン、2,3−オクタンジオン、4,5−オクタンジオン、ベンジル、2,2’−3,3’−及び4,4’−ジヒドロキシルベンジル、フリル、ジ−3,3’−インドリルエタンジオン、2,3−ボルナンジオン(カンファーキノン)、ビアセチル、1,2−シクロヘキサンジオン、1,2−ナフタキノン、アセナフタキノン等が挙げられる。
三元開始剤系の第3の構成成分は、供与体である。好ましい供与体としては、例えば、アミン(アミノアルデヒド及びアミノシランを含む)、アミド(ホスホルアミドを含む)、エーテル(チオエーテルを含む)、尿素(チオ尿素を含む)、フェロセン、スルフィン酸及びそれらの塩、フェロシアン酸塩、アスコルビン酸及びその塩、ジチオカルバミン酸及びその塩、キサントゲン酸塩、エチレンジアミン四酢酸の塩、並びにテトラフェニルボロン酸の塩が挙げられる。供与体は、非置換であってもよく、又は1つ以上の非干渉置換基により置換されていてもよい。特に好ましい供与体は、窒素、酸素、リン、又は硫黄原子のような電子供与体原子、及び電子供与体原子に対してα位置にある炭素又はケイ素原子に結合した引抜き可能な水素原子を含有する。様々な種類の供与体が、参照により本明細書に援用される米国特許第5,545,676号(Palazzottoら)に開示されている。
本明細書に記載の歯科用組成物中に代替的に使用することができる別のフリーラジカル開始剤系は、ボレートアニオン及び相補的カチオン性染料を含むイオン性染料対イオン錯体開始剤の部類である。
ホウ酸塩光開始剤は、例えば、米国特許第4,772,530号(Gottschalkら)、同第4,954,414号(Adairら)、同第4,874,450号(Gottschalk)、同第5,055,372号(Shanklnら)、及び同第5,057,393号(Shanklinら)に記載されている。これらの参考文献の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
これらの光開始剤において有用なボレートアニオンは、一般的に、式Rで表すことができ、式中、R、R、R、及びRは、独立して、アルキル、アリール、アルカリール、アリル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、脂環式、及び飽和又は不飽和複素環式基であってもよい。好ましくは、R、R、及びRはアリール基であり、より好ましくはフェニル基であり、Rはアルキル基であり、より好ましくは第二級アルキル基である。
カチオン性対イオンは、カチオン性染料、第四級アンモニウム基、遷移金属配位錯体等であってもよい。対イオンとして有用なカチオン性染料は、カチオン性メチン、ポリメチン、トリアリールメチン、インドリン、チアジン、キサンテン、オキサジン、又はアクリジン染料であり得る。より具体的には、染料は、カチオン性シアニン、カルボシアニン、ヘミシアニン、ローダミン、及びアゾメチン染料であってもよい。有用なカチオン性染料の具体例としては、メチレンブルー、サフラニンO、及びマラカイトグリーンが挙げられる。対イオンとして有用な第四級アンモニウム基は、トリメチルセチルアンモニウム、セチルピリジニウム、及びテトラメチルアンモニウムであり得る。他の有機親和性カチオンとしては、ピリジニウム、ホスホニウム、及びスルホニウムを挙げることができる。
使用することができる感光性遷移金属配位錯体としては、コバルト、ルテニウム、オスミウム、亜鉛、鉄、及びイリジウムと、ピリジン、2,2’−ビピリジン、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、3,4,7,8−テトラメチル−フェナントロリン、2,4,6−トリ(2−ピリジル−s−トリアジン)及び関連配位子等の配位子との錯体が挙げられる。
フリーラジカル活性官能基の重合を開始することができる、更に別の代替的な部類の開始剤としては、過酸化物とアミン等の活性化剤との組み合わせ等の従来の化学反応開始剤系が挙げられる。
熱レドックス反応に依存するこれらの開始剤は、多くの場合、「自動硬化触媒」と呼ばれる。これらは、典型的には、反応物質が互いに離れて保管され、次いで使用直前に組み合わされる二成分系として供給される。
特に、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、並びに過酸化p−クロロベンゾイル及び過酸化p−メチルベンゾイル等の化合物は、有機過酸化物化合物と見なすことができる。
活性化剤として好適なのは、例えば、米国特許第3,541,068号(Taylor)から既知のN,N−ビス−(ヒドロキシアルキル)−3,5−キシリジン、並びにN,N−ビス−(ヒドロキシアルキル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、特にN,N−ビス−([β]−オキシブチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、並びにN,N−ビス−(ヒドロキシアルキル)−3,4,5−トリメチルアニリンである。
非常に適した活性化剤はまた、米国特許第2003/008967号(Hechtら)、米国特許第3,347,954号(Bredereckら)に記載のバルビツール酸及びバルビツール酸誘導体、並びに米国特許第4,544,742号(Schmittら)に記載されているマロニルスルファミドでもある。好ましいマロニルスルファミドは、2,6−ジメチル−4−イソブチルマロニルスルファミド、2,6−ジイソブチル−4−プロピルマロニルスルファミド、2,6−ジブチル4−プロピルマロニルスルファミド、2,6−ジメチル4−エチルマロニルスルファミド、及び2,6−ジオクチル4−イソブチルマロニルスルファミドである。
更なる加速のために、この場合の重合は、好ましくは、重金属化合物及びイオノゲンハロゲン又は擬ハロゲンの存在下で実施される。重金属は、可溶性有機化合物の形態で好適に使用される。同様に、ハロゲン化物及び疑ハロゲン化物イオンは、可溶性塩の形態で好適に使用され、例として、可溶性アミン塩酸塩並びに塩化第4級アンモニウム化合物を挙げることができる。好適な促進剤は、特に鉄又は銅基、好ましくは銅錯体及び鉄錯体、特に銅錯体からの金属である。重金属は、好ましくは、可溶性有機化合物の形態で使用される。好適なものは、例えば、カルボン酸鉄、カルボン酸銅、プロセトネート鉄、プロセトネート銅、ナフテン酸銅、酢酸銅、及びナフテン酸鉄である。
更なる代替例では、フリーラジカル活性基の硬化又は重合を開始するために熱が使用されてもよい。本明細書に記載の歯科材料に好適な熱源の例としては、誘導性、対流性、及び放射性が挙げられる。熱源は、少なくとも40℃から15℃の温度を発生することができるべきである。この手順は、口腔環境外で生じる材料の重合を開始させるために、時として好ましい。
本明細書に記載の歯科材料に有用なフリーラジカル活性官能基の重合を開始させることができる、更に別の代替の部類の開始剤は、フリーラジカル発生熱開始剤を含むものである。例としては、例えば、過酸化ベンゾイル及び過酸化ラウリル等の過酸化物、並びに、例えば、2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(AIBN)等のアゾ化合物が挙げられる。
硬化した組成物の色が問題となる場合、望ましくない変色をもたらさない開始剤系を使用する必要がある。以下の成分:モノアシルホスフィンオキシド及び/又はビスアシルホスフィンオキシドを含む開始剤系が、特に有用であることが判明した。
開始剤又は開始剤系は、典型的には、以下の量:
下限量:少なくとも0.1、又は少なくとも0.2、又は少なくとも0.3重量%;
上限量:最大で10、又は最大で8、又は最大で6重量%;
範囲:0.1〜10、又は0.2〜8、又は0.3〜6重量%で含まれ、
重量%は組成物全体の重量に対するものである。
本明細書に記載の歯科用組成物は、充填剤系を含む。
充填剤系は、歯科用組成物の重量の少なくとも25重量%を占める。
充填剤系は、1種の充填剤又は異なる種類の充填剤を含み得る。時には、異なる充填剤の混合物を使用することが好ましい場合がある。
充填剤の添加は、例えば、粘度のようなレオロジー特性を調整するのに有益であり得る。充填剤の含有量もまた、典型的には、硬度又は曲げ強度のような、硬化後の組成物の物性に影響する。
充填剤の化学的性質は、意図した目的が達成不能とならない限り、特に限定されない。
充填剤粒子の大きさは、樹脂マトリックスを形成する重合性成分との均質混合物を得ることができる程度とすべきである。
充填剤粒子の粒径は、0.001〜10μmの範囲であってもよい。
所望であれば、平均粒径は、例えば、Malvern Instrumentsから入手可能なMalvern Mastersizer 2000装置を使用して、光散乱によって求めることができる。
充填剤は、典型的に非酸反応性充填剤を含む。非酸反応性充填剤は、酸と酸/塩基反応をしない充填剤である。
有用な非酸反応性充填剤としては、石英、クリストバライト、粉砕ガラス、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、非水溶性フッ化物、例えばCaF、シリカゲル、ヒュームドシリカ、特に発熱性ケイ酸及びこれらの粒状物が挙げられる。
充填剤系は、典型的には、以下の量:
下限量:少なくとも25、又は少なくとも30、又は少なくとも35重量%;
上限量:最大で90、又は最大で85、又は最大で80重量%;
範囲:25〜90、又は30〜85、又は35〜80重量%で存在し、
重量%は組成物全体の重量に対するものである。
更に使用できる充填剤には、ナノサイズシリカ等のナノ充填剤も挙げられる。
ナノ充填剤は、凝集した、集塊化した、又は離散した(すなわち、非凝集、非集塊化)ナノサイズ粒子、又はこれらの混合物から選択することができる。
ナノ充填剤を使用することは、他の充填剤と比較して、優れた機械的特性、例えば、研磨性又は摩耗、及びより高い審美性をもたらす高充填剤添加量の組成物の配合を可能にするため、有益であり得ることが判明した。
一実施形態によれば、ナノ充填剤は、凝集したナノサイズ粒子を含む。
凝集したナノサイズ粒子を含むナノ充填剤は、典型的には、以下の特徴:
比表面積(ブルナウアー−エメット−テラー(BET)):30〜400、又は60〜300、又は80〜250m/g;
SiO、ZrO、Al、及びこれらの混合物の粒子を含むこと、のうちの少なくとも1つ又は全てによって、特徴付けることができる。
所望であれば、比表面積は、例えばQuantachromeから入手可能なMonosorb(商標)のような装置を使用することにより、ブルナウアー−エメット−テラー(BET)の式に従って求めることができる。
凝集ナノサイズ粒子を含む好適なナノ充填剤は、例えば、米国特許第6,730,156号(Windischら)(調製例A)に記載のプロセスに従って製造することができる。
凝集ナノサイズ粒子を含む有用なナノ充填剤は、好適なゾル、及び塩、ゾル、溶液又はナノサイズ粒子であり得る1つ以上の酸素含有重金属化合物溶液前駆体から調製することができ、これらのうちで、ゾルが好ましい。本明細書の目的のために、ゾルは、液体中のコロイド状固体粒子の安定した分散体として定義される。固体粒子は、典型的には、周囲の液体よりも密度が高く、分散力が重力よりも大きくなるように十分小さい。加えて、粒子は、可視光を概ね屈折させないように十分に小さいサイズである。前駆体ゾルの賢明な選択は、所望の程度の視覚的不透明度、強度などをもたらす。ゾルの選択を導く要因は、以下の特性の組み合わせに依存する:a)個々の粒子の平均サイズ(好ましくは直径100nm未満、b)酸性度:ゾルのpHが、好ましくは6未満、より好ましくは4未満であるべきであること、及びc)ゾルが、噴霧乾燥又は焼成などのその後の工程中に、容易に分散又は整流することができず、したがって、このようなナノ粒子を含むコンポジットから作製された歯科修復物の半透明性及び研磨性を低下させることができないより大きなサイズの粒子への、個々の離散した粒子の過度の凝集(充填剤調製プロセス中)を生じさせる不純物を含まない必要があること。
出発ゾルが塩基性である場合、pHを低下させるために、例えば、硝酸又は他の好適な酸を添加することによって、酸性化されるべきである。しかしながら、塩基性出発ゾルを選択することは、追加のステップを必要とし、望ましくない不純物の導入につながる場合があるため、望ましくない。好ましくは回避される典型的な不純物は、金属塩、特にアルカリ金属の塩、例えばナトリウムの塩である。
非重金属ゾル及び重金属酸化物前駆体は、好ましくは硬化性樹脂の屈折率と一致するようなモル比で、一緒に混合される。これは、低くかつ望ましい視覚的不透明度を付与する。好ましくは、非HMO:HMOとして表される、非重金属酸化物(「非HMO」)の重金属酸化物(「HMO」)に対するモル比範囲は、0.5:1〜10:1、より好ましくは3:1〜9:1、最も好ましくは4:1〜7:1である。
凝集ナノサイズ粒子がシリカ及びジルコニウム含有化合物を含有する好ましい実施形態では、調製方法は、シリカゾルと酢酸ジルコニルとの約5.5:1のモル比の混合物で開始する。
非重金属酸化物ゾルを重金属酸化物前駆体と混合する前に、非重金属酸化物ゾルのpHを低下させて、1.5〜4.0のpHを有する酸性溶液を提供することが好ましい。
次いで、非重金属酸化物ゾルを、重金属酸化物前駆体を含有する溶液とゆっくり混合し、激しく攪拌する。強力な攪拌は、好ましくは、ブレンドプロセス全体にわたって実施される。次いで、溶液を乾燥させて、水及び他の揮発性成分を除去する。乾燥は、例えば、トレー乾燥、流動床、及び噴霧乾燥を含む様々な方法で達成することができる。酢酸ジルコニルが使用される好ましい方法では、噴霧乾燥によって乾燥させる。
得られた乾燥した材料は、好ましくは、小さな実質的に球状の粒子及び破断した中空球で構成される。次いで、これらの断片をバッチ焼成して、残留有機物を更に除去する。残留有機物の除去により、充填剤がより脆くなり、より効率的な粒径の低減がもたらされる。焼成中、浸漬温度は、好ましくは200℃〜800℃、より好ましくは300℃〜600℃に設定される。焼成される材料の量に応じて、0.5時間〜8時間浸漬を実施する。焼成工程の浸漬時間は、平坦な表面積が得られるような時間であることが好ましい。目視検査によって決定したときに得られた充填剤が黒色、灰色又は琥珀色の粒子を含まず白色であるように、時間及び温度が選択されることが好ましい。
次いで、焼成された材料は、好ましくは、Sedigraph 5100(Micrometrics,Norcross,Ga.)を使用して測定することができる場合に、5μm未満、好ましくは2μm未満(体積基準で)のメジアン粒径まで粉砕される。粒径決定は、先ず始めにAccuracy 1330 Pycometer(Micrometrics,Norcross,Ga.)を使用して充填剤の特定の密度を得ることによって実施することができる。ミリングは、例えば、攪拌ミリング、振動ミリング、流体エネルギーミリング、ジェットミリング及びボールミリングを含む様々な方法によって達成することができる。ボールミリングが、好ましい方法である。
得られた充填剤は、凝集ナノサイズ粒子を含む、凝集ナノサイズ粒子を含有する、凝集ナノサイズ粒子から本質的になるか、又は凝集ナノサイズ粒子からなる。所望であれば、透過型電子顕微鏡法(TEM)によりこれを証明できる。
所望であれば、充填剤粒子の表面を表面処理することができる。表面処理は、米国特許第6,730,156号(Windischら)(例えば、調製例B)に記載のプロセスに従って達成することができる。
樹脂中に分散されると、充填剤は凝集段階で留まる。すなわち、分散工程中、粒子は、離散した(すなわち、個々の)粒子及び非会合(すなわち非凝集)粒子へと破壊されない。
存在する場合、凝集ナノサイズ粒子を含むナノ充填剤は、典型的には、以下の量:
少なくとも20、又は少なくとも30、又は少なくとも40重量%;
最大で70、又は最大で60、又は最大で50重量%;
20〜70、又は30〜60、又は40〜50重量%
のいずれかで存在し、
重量%は歯科用組成物の重量に対するものである。
一実施形態によれば、ナノ充填剤は、凝集ナノサイズ粒子を含む。
凝集ナノサイズ粒子を含むナノ充填剤は、典型的には、以下の特徴:
比表面積(ブルナウアー−エメット−テラー(BET)):30〜400、又は50〜300、又は70〜250m/g;
SiO、ZrO、Al、及びこれらの混合物の粒子を含むこと、のうちの少なくとも1つ又は全てによって、特徴付けられる。
所望であれば、比表面積は、上記のように決定することができる。
好適な集塊化ナノ粒子としては、Degussa AG(Hanau,Germany)から入手可能な、Aerosil(商標)、例えばAerosil(商標)OX−130、−150、及び−200、Aerosil(商標)R8200の商標名で販売されている製品、Cabot Corp(Tuscola,Ill.)から入手可能なCAB−O−SIL(商標)M5、並びにWacker Companyから入手可能なHDK(商標)、例えばHDK−H 2000、HDK H15、HDK H18、HDK H20、及びHDK H30が挙げられる。
充填剤粒子の表面は、樹脂相溶化表面処理剤で処理することができる。
特に好ましい表面処理剤又は表面改質剤には、樹脂と重合できるシラン処理剤が挙げられる。好ましいシラン処理剤には、Witco OSi Specialties(Danbury、Conn.)から商品名A−174で市販されているγ−メタクリルオキシルプロピルトリメトキシシラン、及びUnited Chemical Technologies(Bristol,Pa.)から商品名G6720で入手可能な製品であるγ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
あるいは、表面改質剤の組み合わせが有用である場合があり、表面改質剤の少なくとも1つは、硬化性樹脂と共重合可能な官能基を有する。例えば、重合性基は、エチレン性不飽和官能基、又は開環重合を起こす環式官能基にすることができる。エチレン性不飽和重合性基は、例えば、アクリレート基若しくはメタクリレート基、又はビニル基であり得る。開環重合を起こす環式官能基は、一般的に、酸素、硫黄、又は窒素等のヘテロ原子を含有しており、好ましくは、エポキシドのように酸素を含有する3員環である。硬化性樹脂とは一般的に反応しない他の表面改質剤が、分散性又はレオロジー特性を強化するために含まれてもよい。この種のシランの例としては、例えば、アルキル若しくはアリールポリエーテルシラン、アルキルシラン、シクロアルキルシラン、ヒドロキシアルキルシラン、アリールシラン、ヒドロキシアリールシラン、又はアミノアルキル官能性シランが挙げられる。
存在する場合、集塊化ナノサイズ粒子を含むナノ充填剤は、典型的には、以下の量:
少なくとも1、又は少なくとも3、又は少なくとも5重量%;
最大で20、又は最大で15、又は最大で10重量%;
1〜20、又は3〜15、又は5〜10重量%
のいずれかで存在し、
重量%は歯科用組成物の重量に対するものである。
一実施形態によれば、ナノ充填剤は、非集塊化した、すなわち離散したナノサイズ粒子を含む。
使用することができる離散したナノサイズ粒子は、好ましくは実質的に球状であり、実質的に非多孔質である。
離散したナノサイズ粒子を含むナノ充填剤は、典型的には、以下の特徴:
平均粒径:200nm未満、又は100nm未満;
SiO、ZrO、及びこれらの混合物の粒子を含むこと、のうちの少なくとも1つ又は全てによって特徴付けられる。
好ましいナノサイズのシリカは、Nalco Chemical Co.(Naperville,IL)から製品名NALCO(商標)COLLOIDAL SILICASで市販されている。例えば、好ましいシリカ粒子は、NALCO(商標)製品1040、1042、1050、1060、2327及び2329を使用することで得ることができる。
所望により、ナノ充填剤粒子の粒径の測定を、TEM(透過型電子顕微鏡検査)法で行うことができ、これによって集合が分析され、平均粒径が得られる。粒径測定の好ましい方法は、下記のように説明することができる。
厚さ約80nmの試料を、炭素安定化フォルムバール基板(Structure Probe,Inc.,West Chester,PAの一部門であるSPI Supplies)付き200メッシュの銅グリッド上に配置する。透過型電子顕微鏡写真(TEM)を、200KvでJEOL 200CX(JEOL,Ltd.of Akishima,Japan、及びJEOL USA,Inc.により販売)を使用して得る。約50〜100粒子の集合の大きさを測定することができ、平均径を求める。
存在する場合、離散したナノサイズ粒子は、典型的には、以下の量:
少なくとも1、又は少なくとも3、又は少なくとも5重量%;
最大で30、又は最大で25、又は最大で20重量%;
1〜30、又は3〜25、又は5〜20重量%
のいずれかで存在し、
重量%は歯科用組成物の重量に対するものである。
一実施形態によれば、歯科用組成物は、
20〜70重量%の量の凝集ナノサイズ粒子と、
1〜20重量%の量の集塊化ナノサイズ粒子と、
1〜30重量%の量の離散したナノサイズ粒子と、を含み、
重量%は組成物全体の重量に対するものである。
無機材料の他に、充填剤はまた、有機材料を含んでもよい。
好適な有機充填剤粒子の例としては、充填又は非充填粉砕ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエポキシド等が挙げられる。
充填剤マトリックス中に使用される充填剤の量は、通常、組成物が使用されるべき目的によって異なる。
本明細書に記載の歯科用組成物はまた、添加剤を含んでもよい。
存在し得る添加剤としては、顔料、光退色性着色剤、フッ化物放出剤、安定剤、遅延剤、可塑剤、風味剤、抗菌剤、芳香剤、蛍光及び/又は乳光を付与する作用剤、並びにフッ化物放出材料、並びにこれらの混合物が挙げられる。
使用できる顔料の例としては、二酸化チタン又は硫化亜鉛(リトポン)、赤色酸化鉄3395、Bayferrox(商標)920 Z Yellow、Neazopon(商標)Blue 807(銅フタロシアニン系染料)又はHelio(商標)Fast Yellow ERが挙げられる。これらの添加剤は、歯科用組成物の個々の着色剤として使用することができる。
存在し得る光退色性着色剤の例としては、ローズベンガル、メチレンバイオレット、メチレンブルー、フルオレセイン、エオシンイエロー、エオシンY、エチルエオシン、エオシンブルーイッシュ、エオシンB、エリトロシンB、エリトロシンイエローイッシュブレンド、トルイジンブルー、4’,5’−ジブロモフルオレセイン、及びこれらのブレンドが挙げられる。光退色性着色剤の更なる例は、米国特許第6,444,725号(Tromら)に見出すことができる。
存在し得るフッ化物放出剤の例としては、天然又は合成フッ化物鉱物が挙げられる。これらフッ化物源は、任意選択的に表面処理剤で処理することができる。
添加できる更なる添加剤としては、安定剤、口腔ケア用フリーラジカルスカベンジャー、例えば、置換及び/又は非置換のヒドロキシ芳香族化合物(例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エトキシフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(ジメチルアミノ)メチルフェノール又は2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(UV−9)、2−(2’−ヒドロキシ−4’,6’−ジ−tert−ペンチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、フェノチアジン、及びHALS(ヒンダードアミン光安定剤)が挙げられる。
添加することのできる更なる添加剤には、抑制剤(例えば1,2−ジフェニルエチレン)、可塑剤(ポリエチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール、低分子量ポリエステル、ジブチル、ジオクチル、ジノニル及びジフェニルフタレート、ジ(イソノニルアジぺート)、リン酸トリクレシル、パラフィン油、三酢酸グリセロール、並びにシリコーン油を含む)、風味料、抗菌剤、芳香剤、蛍光及び/又は乳光を付与する作用剤、並びにフッ化物放出材料が挙げられる。
添加剤が存在する必要はない。添加剤は、以下の量:
下限量:少なくとも0、又は少なくとも0.1、又は少なくとも1重量%;
上限量:最大で10、又は最大で8、又は最大で5重量%;
範囲:0〜10、又は0.1〜8、又は1〜5重量%で存在していてもよく、
重量%は組成物全体の重量に対するものである。
一実施形態によれば、歯科用組成物は、
樹脂マトリックス:5〜70重量%、又は10〜70重量%、
充填剤マトリックス:25〜90重量%、又は30〜80重量%、
開始剤系:0.1〜10重量%、又は0.5〜8重量%を
含むことによって特徴付けられ、
重量%は組成物全体の重量に対するものである。
別の実施形態によれば、歯科用組成物は、
− 樹脂マトリックス:5〜70重量%であって、
1〜50重量%の量の、上記式(I)の臭素化重合性モノマー;
好ましくは1〜50重量%の量の、非臭素化非酸性重合性モノマー;
好ましくは1〜50重量%の量の、非臭素化酸性重合性モノマー
を含む、樹脂マトリックス、
− 充填剤マトリックス:30〜90重量%、
− 開始剤系:0.1〜10重量%
を含むことによって特徴付けられる。
更なる実施形態によれば、歯科用組成物は、
5〜75重量%の量の樹脂マトリックスであって、
式(I)による臭素化重合性モノマー
Figure 2021502357
[式中、
B−O−A−O−B’は、反応性(メタ)アクリレート部分間の連結部であるモノマー主鎖を表し、
Aは、以下から選択され、
Figure 2021502357
Aは、アリール−アルキルエーテルとしてB及びB’に結合しており、
Bは、独立して、
−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
Figure 2021502357
から選択され、
Bは、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
b=2〜6であり、
B’は、独立して、
−(CHb’−(CH−CH−O−CH−CH)−
Figure 2021502357
から選択され、
B’は、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
b’=2〜6であり、
R=H、メチルであり、
Xは、独立して、H、C1〜6アルキル、Brから選択され、
Y=H、Brであり、
」は、モノマーの部分が、モノマーの別の部分に結合している部位を表す]、
非臭素化非酸性重合性モノマー
を含む、樹脂マトリックスと、
25〜90重量%の量の充填剤マトリックスであって、
凝集したナノ充填剤、集塊化したナノ充填剤、離散したナノ充填剤、及びこれらの混合物から選択されるナノ充填剤を含む、充填剤マトリックスと、
放射線硬化開始剤、レドックス硬化開始剤及びこれらの組み合わせを含む、開始剤系と、
を含み、重量%は組成物全体の重量に対するものであり、成分は本明細書及び特許請求の範囲に記載の通りである。
本明細書に記載の歯科用組成物中で使用される全ての成分は、十分に生体適合性とされるべきであり、すなわち、この歯科用組成物は、生体組織内で、有毒反応、有害反応、又は免疫反応を引き起こさない必要がある。
一実施形態によれば、本明細書に記載の歯科用組成物は、以下の成分:
5又は10重量%を超える量の、水若しくはアルコール(例えば、エタノール等のC〜Cアルコール)又はこれらの組み合わせから選択される溶媒;
5又は10重量%を超える量のビスフェノールA−グリシジルメタクリレート
を含有しないか、又は本質的に含まず、
重量%は組成物全体の重量に対するものである。
本明細書に記載の歯科用組成物は、以下の工程:
a)各構成成分を準備することと、
b)構成成分を混合することと、
で製造することができる。
混合は、施術者に既知の任意の手段を使用することによって達成することができる。すなわち、接着剤組成物は、それぞれの成分を一緒にして混合するだけのワンポット合成で調製することができる。
所望であれば、製造プロセスは、組成物の望ましくない重合を回避するために、節約された光の条件下で実施される。
使用される温度は、標準圧力(1013mbar)で組成物の沸点未満であるべきである。通常、方法は、5℃〜100℃の範囲、又は10℃〜80℃の範囲の温度で実施することができる。周囲温度(例えば、約23℃)下でプロセスを実施することも可能であることが判明している。
本発明のプロセスを実施することができる雰囲気は、特にいずれかに限定されない。
通常、プロセスは周囲条件下で実施される。使用される成分に応じて、不活性条件下でプロセスを実施することが推奨されることもある。この点において、窒素又はアルゴン雰囲気が有用であり得る。
本発明のプロセスを実施することができる圧力は、特にいずれかに限定されない。しかしながら、このプロセスは、典型的には、周囲圧力(約1013mbar)下で実施される。
本明細書に記載の歯科用組成物は、典型的には、使用時まで容器内に貯蔵される。配合及び硬化状態に応じて、様々な容器を使用することができる。
組成物は、一成分系の形態で、又は二成分系として提供することができる。これは、典型的には、選択される開始剤系によって決まる。組成物がレドックス硬化性又は硬化性である場合、通常、二成分系として提供される。
歯科用組成物が一成分系として提供される場合、それは、コンピュール又はスクリューチューブ等の一室のみを有する容器内に貯蔵することができる。
コンピュールは、典型的には、前端及び後端を有する円筒形筐体と、ノズルとを有する。筐体の後端は、通常、可動ピストンで封止される。典型的には、歯科用組成物は、可動プランジャ(例えば、コーキングガンの形状を有する適用デバイス)を有するアプリケータを使用して、コンピュール又は容器から分注される。好適なコンピュール又は容器の例は、米国特許第5,624,260号(Wilcoxら)、欧州特許第1340472(A1)号(Centrix)、米国特許第2007/0172789(A1)号、米国特許第5,893,714号(Arnoldら)、及び米国特許第5,865,803号(Major)に記載されている。コンピュール又は容器の説明に関するこれら文献の内容は、参照により本明細書に援用される。
貯蔵に適した二成分系としては、デュアルバレルカートリッジが挙げられる。
好適な二成分系は、例えば、米国特許第2007/0090079号(Keller)又は米国特許第5,918,772号(Kellerら)に記載されている。バイアル又は瓶の説明に関するこれらの文書の内容は、参照により本明細書に援用される。使用できるカートリッジは、SulzerMixpac AG(Switzerland)からも市販されている。
デュアルバレルカートリッジの各コンパートメントの体積は、典型的には、0.1〜100mL、又は0.5〜50mL、又は1〜30mLの範囲である。
コンパートメント(II)に対するコンパートメント(I)の体積比は、典型的には、1:1から約10:1の範囲内である。
コンパートメントに含まれる組成物を混合するために使用できる静的混合チップは、例えば、米国特許第2006/0187752号(Keller)又は米国特許第5,944,419号(Streif)に記載されている。これらの特許文献の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。更に使用できる混合チップは、SulzerMixpac AG(Switzerland)から市販されている。
歯科用組成物が歯科用ミルブランクの形態で提供される場合、典型的には、フレーム又はマンドレルを含む保持装置に固定される。
本明細書に記載の本発明はまた、部材のキットも対象とする。
このようなキットは、典型的には、本明細書に記載の歯科用組成物と、歯科用接着剤及び/又は歯科用セメントと、任意選択的にアプリケータと、任意選択的に使用説明書と、を含む。
使用説明書は、典型的には、施術者への、接着剤組成物が歯牙硬組織の表面に適用されるべき方法及びその条件のヒントを含む。
歯科用組成物は、歯科修復材料、歯科用セメント、歯科用クラウン若しくはブリッジ材料、又は歯科用ミルブランクとして使用することができる、又はこれらを製造するために使用することができる。
歯科用組成物は、典型的には、患者の口腔内で使用され、天然歯に隣接して配置される。本明細書で使用する場合、成句「隣接して配置される」は、歯科用材料を天然歯と、一時的又は永久的に接触させるため(例えば、咬合又は近位側に)に配置することを指す。
用語「コンポジット」は、歯科用材料の文脈で本明細書で使用する場合、充填歯科用材料を指す。用語「修復物」は、本明細書で使用する場合、歯に隣接して配置された後に重合される歯科用コンポジットを指す。本明細書で使用する場合、用語「プロテーゼ」は、歯に隣接して配置される前に、その最終用途(例えば、クラウン、ブリッジ、ベニヤ、インレー、アンレー等)に応じて成形及び重合されるコンポジットを指す。
修復コンポジットとして使用される本明細書に記載の組成物のための典型的な適用方法は、典型的には、所望の順序での下記の工程:
歯科用組成物を準備する工程と、
歯牙硬組織、特にその表面と接触させて歯科用組成物を配置する工程と、
重合プロセスを開始させるのに十分な時間(例えば、5〜20秒間)、歯科用組成物に、例えば放射線(例えば、可視光)を適用することによって、組成物を硬化させる工程と、を含む。
放射線を提供するのに好適なツールには、歯科用硬化光が挙げられる。好適な歯科用硬化光は、例えば、米国特許第2005/0236586号(Hartung)に記載されている。この文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。好適な歯科用硬化光は、例えば、Elipar(商標)S10(3M Oral Care)の商品名で市販もされている。
本明細書に記載の歯科用組成物はまた、患者の口腔外で歯科用クラウン、ブリッジ、アンレー、又はインレーを製造するために使用することができる。
製造は、いわゆる建設的な手法(すなわち、ビルドアップ手法)、又はいわゆる破壊的な手法(すなわち、機械加工若しくはミリング加工による手法)のいずれかによって行うことができる。
ビルドアップ手法は、ラピッドプロトタイピング技術を含む当業者に既知の任意の手段によって実施することができる。
ラピッドプロトタイピング技術には、インクジェット印刷、3d印刷、ロボキャスティング、薄膜積層法(laminated object manufacturing)、ステレオリソグラフィ、フォトステレオリソグラフィ、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
機械加工手法はまた、歯科用ミルブランクからの所望の歯科修復物のミリングを含む、当業者に既知の任意の手段によって実施され得る。
所望であれば、歯科用ミルブランクを保持装置に取り付けることができる。
好適な保持装置は、フレーム及びスタブ又はマンドレルを含む。歯科用ミルブランクが、貯蔵又は機械加工のためのいずれかでマガジン内に置かれる場合、これが時には望ましい場合がある。保持装置は、典型的には、例えば機械加工又はミリング加工装置を使用することによって、歯科用物品の機械加工を容易にする。
保持装置の例は、米国特許第2003/0132539号(Althoffら)、同第6,769,912号(Beuschelら)、及び欧州特許第0455854(B1)号(Pfeifferら)に示されている。保持装置(例えば、フレーム及びスタブ又は支持体)に関するこれらの文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれ、本発明の本文部分に関連する。
例えば接着によって、歯科用ミルブランクを保持装置に固定することを達成することができる。固定は、歯科用ミリングブランクが、フライス盤で加工され得るようなものであるべきである。
接着以外の保持装置を取り付けるための他の手段には、ボンディング、ねじ止め、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
歯科用ミルブランクは、以下の工程:
a)本明細書に記載の歯科用組成物を準備する工程であって、歯科用組成物が未硬化状態にある、工程と、
b)歯科用組成物を硬化(hardening)又は硬化(curing)させて、硬化(hardened)又は硬化(cured)した歯科用組成物を得る工程と、
c)任意選択的に、硬化した歯科用組成物を保持装置に固定する工程であって、
歯科用組成物を、歯科用ミルブランクの形状で生成する工程と、によって製造することができる。
歯科用ミルブランクは、硬化性歯科用組成物を型内に入れ、後続して硬化工程を行うことによって製造することができる。
歯科用ミルブランクを製造するための別の選択肢は、ビルドアップ又は積層技術を適用することである。その場合、歯科用組成物は、典型的には、平らな層の形態で生成され、層は硬化され、歯科用組成物の更なる硬化性層が前の層の上に適用され、後続して更なる硬化工程が行われる。これらの工程は、物体が所望の寸法を有するまで繰り返される。
歯科修復物は、以下:
a)本明細書に記載の歯科用ミルブランクを準備する工程であって、歯科用ミルブランクが、硬化状態の、本明細書に記載の歯科用組成物を含む、工程と、
b)歯科用ミルブランクを機械加工して歯科修復物を得る工程であって、歯科修復物が、典型的には、歯科用クラウン、ブリッジ、インレー、又はベニヤの形状を有する工程と、によって製造することができる。
本明細書に引用した特許、特許文献、及び刊行物の全開示は、それぞれが個別に組み込まれたかのごとく、それらの全体が参照により組み込まれる。本発明に対する様々な改変及び変更が、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかとなるであろう。上記の明細書、例及びデータは、本発明の組成物の製造及び使用並びに方法の説明を提供する。本発明は、本明細書に開示されている実施形態に限定されない。当業者であれば、本発明の多くの代替的実施形態が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく実施できることを理解するであろう。以下の実施例は、本発明を例解するために与えられる。
特に指定がない限り、全ての部及び百分率は重量基準であり、全ての水は脱イオン水であり、全ての分子量は重量平均分子量である。更に、特に指示のない限り、全ての実験は、周囲条件(23℃、1013mbar)で実施した。更に、ほとんど全てのプロセス工程は、乾燥空気の雰囲気下で実施される。
方法
粘度
所望であれば、粘度は、Physica MCR 301 Rheometer(Anton Paar GmbH,Graz,Austria)を使用して、以下の条件:23℃、剪断速度:100 1/s下でコーン/プレート形状のCP25−1を使用して測定して決定することができる。
屈折率(n 20
所望であれば、屈折率は、Kruess AR 4D装置(アッベの測定原理による屈折計)で測定することができる。屈折率は、典型的には、589nmの波長で、20.0℃で測定される。
貯蔵安定性
組成物の成分が、3ヶ月間の貯蔵中に沈殿しない場合、及び、硬化後の組成物の物理的機械特性が、組成物の調製直後に測定された物理的機械特性と比較して、3ヶ月後に20%を超えて変化しない場合、組成物は貯蔵安定性であると考えられる。
曲げ強度(FS)
所望であれば、曲げ強度の測定は、万能試験機(Zwick Z 010、クロスヘッド速度1mm/分)を使用して、ISO 4049に従って実施することができる。曲げ強度は、典型的には、MPaで与えられる。
弾性率(E−M)
所望であれば、E−M(I)は、ISO 4049:2009(E)に従って決定することができ、[GPa]で与えられる。
略語
使用した成分の名称及び/又は構造を表1に示す。
Figure 2021502357
Figure 2021502357
一般手順A:ジヒドロキシベンゼン(例えば、レゾルシノール、カテコール、又はtert−ブチルカテコール)とハロゲン化アルコール(例えば、3−クロロ−1−プロパノール及び/又は2−(2−クロロエトキシ)エタノール)とのエーテル化によるジオール前駆体(例えば、OR)の合成
対応するジヒドロキシベンゼン及び対応するハロゲン化アルコールの水溶液に、水酸化アルカリ水溶液(例えば、NaOH)又は炭酸アルカリ(例えばNaCO)又はアンモニアの水溶液を還流させながら添加する。任意選択的に、保護ガス雰囲気(例えば、窒素)下で合成を行うことができる。
還流下で一晩撹拌した後、反応混合物を室温まで冷却し、水を溶媒として使用した場合、反応混合物を抽出する(例えば、MTBE又はEA又はMEK)。任意選択的に、反応混合物は、そのまま抽出することができ、又は有機相を分離して、水相のみを抽出することができ、その後、有機相を抽出物と組み合わせる。任意選択的に、合わせた有機相を、アルカリ水溶液(例えば、NaOH)及び/又は酸性(例えば、HSO)水溶液及び/又は水で抽出することができる。
IPA又はtBuOHを溶媒として使用した場合、先ず反応混合物を濾過して沈殿物を除去し、次いで溶媒を真空下で除去し、次いで残留物を上記のように水に対して抽出する。
一般手順B:過硫酸塩(例えば、KHSO5)及び臭化物塩(例えば、NHBr)の混合物を使用した、ジオール前駆体(例えば、OR)のin situの臭素化
Synthesis 2010、10、1629〜1632に従い、臭素化試薬1当量を使用して、ジオール前駆体(例えば、OR)をモノ臭素化して、対応するモノ臭素化ジオール前駆体(例えば、BrOR)を得るか、又は2当量の臭素化試薬を使用してジ臭素化して、対応するジ臭素化ジオール前駆体(例えば、DiBrOR)を得る。この臭素化試薬は、過硫酸塩(例えば、Oxone(登録商標)、Na又は(NH)と臭化物塩(例えば、NaBr、KBr、又はNH4Br)との混合物である。水又はメタノール又はメタノール/水混合物を溶媒として使用することができる。
水溶液中で臭素化した後、反応混合物を抽出する(例えば、MTBE又はEA又はMEK)。そうでなければ、抽出前に溶媒を除去しなければならない。
一般手順C:臭素化ジオール前駆体(例えば、BrOR又はDiBrOR)の不飽和酸(例えばMA)による、酸触媒(例えば、MSA)エステル化
例えばシクロヘキサン又はヘキサン/トルエン混合物又はシクロヘキサン/トルエン混合物中の対応する臭素化ジオール前駆体に、BHT、HQME、任意選択的にメチレンブルー及び/又はHQ、触媒(例えばMSA)並びに不飽和酸(例えばMA)を添加する。Dean Starck装置を使用して還流水を除去する。反応完了後、未精製反応混合物を、4N NaOH溶液又は2N NaOH溶液で少なくとも2回抽出し、次いで水で少なくとも1回洗浄し、次いで無水NaSO上で乾燥させる。次いで、未精製試料に空気を気泡で通しながら、溶媒を真空下で除去する。
E4R−MA(比較例1)
一般手順Aに従って、51.0gのレゾルシノール、47.7gのNaOH、及び138.5gの2−(2−クロロエトキシ)−エタノールを200mLの水中で反応させて、104.1gのE4Rを得た。一般手順Cに従って、190.0gのE4R、12.3gのMSA、及び171.4gのMAを反応させて、238.9gのE4R−MAを得た。
OR−MA(比較例2)
一般手順Aに従って、51.0gのレゾルシノール、47.7gのNaOH、69.2gの2−(2−クロロエトキシ)−エタノール、及び51.5gの3−クロロ−1−プロパノールを200mLの水中で反応させて、93.5gのORを得た。一般手順Cに従って、55.0gのOR、3.80gのMSA、及び55.4gのMAを反応させて、71.4gのOR−MAを得た。
DiBrE4R−MA(実施例1)
一般手順Aに従って、51.0gのレゾルシノール、47.7gのNaOH、69.2gの2−(2−クロロエトキシ)−エタノール、及び51.5gの3−クロロ−1−プロパノールを200mLの水中で反応させて、93.5gのE4Rを得た。一般手順Bに従って、64.8gのE4R、51.0gのNHBr、及び181.5gのOxone(登録商標)を反応させて、97.4gのDiBrE4Rを得た。一般手順Cに従って、51.2gのDiBrE4R、3.30gのMSA、及び27.2gのMAを反応させて、50.3gのDiBrE4R−MAを得た。
DiBrOR−MA(実施例2)
一般手順Aに従って、51.0gのレゾルシノール、47.7gのNaOH、69.2gの2−(2−クロロエトキシ)−エタノール、及び51.5gの3−クロロ−1−プロパノールを200mLの水中で反応させて、93.5gのORを得た。一般手順Bに従って、64.8gのOR、51.0gのNHBr、及び181.5gのOxone(登録商標)を反応させて、97.4gのDiBrORを得た。一般手順Cに従って、51.2gのDiBrOR、3.30gのMSA、及び31.9gのMAを反応させて、57.9gのDiBrOR−MAを得た。
一成分組成物の光硬化の合成
合成した化合物の一部を、(歯科用)組成物を製造するために使用した。製造し、その機械的特性に関して試験した組成物を、以下の表2に示す。表2では、成分の値は、対応する歯科用配合物中の個々の成分の重量%を表す。
一般的手順I
磁気撹拌及び光排除下で、開始剤系成分を、50℃以下の温度で(使用されるモノマーの固有粘度に応じて)モノマー中に溶解した。
一般的手順II
一般手順Iに従い、開始剤系成分をモノマー中に溶解させた。光排除下で、二軸アーム式混練機を使用して、充填剤を、開始剤系とモノマーとの混合物と、部分的に混合した。充填剤の量は、歯科用組成物の所望の取り扱い特性に応じて手動で決定された。次いで、800mWのハロゲン硬化光(Elipar(商標)Trilight;3M Oral Care)を使用して、歯科用組成物を光硬化し、上記の対応する測定に従って試験した。各値を表2に示す。
歯科用組成物A及びBは、成分CE1又はCE2のいずれかを含有するが、本発明による化合物(A)を含有しない。以下の表2において、化合物(A)は、成分IE1及びIE2によって表される。
したがって、歯科用組成物A及びBは、比較例と見なすことができるのに対し、歯科用組成物C及びDは、本発明の実施例と見なすことができる。
Figure 2021502357
見て分かるように、本明細書に記載の臭素化重合性モノマーを含有する組成物は、従来技術の重合性モノマーを含有する組成物と比較して、弾性率が優れている。

Claims (14)

  1. 樹脂マトリックスと、
    歯科用組成物の重量に対して少なくとも25重量%の量の充填剤マトリックスと、
    開始剤系と
    を含む歯科用組成物であって、前記樹脂マトリックスが、式(I)によって特徴付けられる臭素化重合性モノマー
    Figure 2021502357
    [式中、B−O−A−[−O−B’−]は、反応性(メタ)アクリレート部分間の連結部であるモノマー主鎖を表し、
    a=0又は1であり、
    Aは、
    Figure 2021502357
    から選択され、
    Aは、アリール−アルキルエーテルとしてB及び/又はB’に結合しており、
    Bは、−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
    Figure 2021502357
    から選択され、
    Bは、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
    b=2〜6であり、
    B’は、−(CHb’−(CH−CH−O−CH−CH)−
    Figure 2021502357
    から選択され、
    B’は、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
    b’=2〜6であり、
    R=H、メチルであり、
    Xは、H、メチル、エチル、ヘキシル、tert−ブチル、Brから選択され、
    Y=H、Brであり、
    」は、前記モノマーの部分が、前記モノマーの別の部分に結合している部位を表す]
    を含む、歯科用組成物。
  2. 前記臭素化重合性モノマーが、以下の特徴:
    分子量400〜800g/mol;
    23℃で固化しないこと;
    粘度:23℃で0.2〜3Pas;
    1.52〜1.56の範囲の屈折率
    のうちの単独で又はそれらを組み合わせて特徴付けられる、請求項1に記載の歯科用組成物。
  3. 前記臭素化重合性モノマーが、以下:
    Figure 2021502357
    Figure 2021502357
    及びこれらの混合物から選択され、
    Rが、独立して、H及びCHから選択される、請求項1又は2に記載の歯科用組成物。
  4. 前記開始剤系が、放射線硬化、レドックス硬化又は熱硬化開始剤、及びこれらの組み合わせを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  5. 前記充填剤系が、
    凝集したナノ充填剤、
    集塊化したナノ充填剤、
    離散したナノ充填剤、
    又はこれらの混合物
    を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  6. 以下の量の成分:
    樹脂マトリックス:5〜70重量%、
    充填剤マトリックス:25〜90重量%、
    開始剤系:0.1〜10重量%
    を含み、重量%は組成物全体の重量に対するものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  7. 加えて、以下の成分:
    好ましくは1〜50重量%の量の、非臭素化非酸性重合性モノマー;
    好ましくは1〜50重量%の量の、非臭素化酸性重合性モノマー;
    好ましくは0.1〜5重量%の量の、添加剤
    のうちの単独、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  8. 硬化前に、以下の特徴:
    粘度:23℃で測定して5〜200Pas;
    pH値:湿らせたpH試験紙と接触させた場合に2〜8;
    少なくとも3ヶ月間の貯蔵安定性
    のうちの単独で又はそれらを組み合わせて特徴付けられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  9. 硬化後に、以下の特徴:
    曲げ強度:ISO 4049−2009(E)に従った試験で少なくとも100MPa;
    弾性率:ISO 4049−2009(E)に従った試験で少なくとも10MPa;
    形状:歯科用クラウン、ブリッジ、インレー、アンレー、又はベニヤ
    のうちの単独で又はそれらを組み合わせて特徴付けられる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  10. 以下の成分:
    10重量%を超える量の、水又はC〜Cアルコールから選択される溶媒;
    10重量%を超える量のビスフェノールA−グリシジルメタクリレート;
    のうちの単独、又はそれらの組み合わせを含まず、
    重量%は組成物全体に対するものである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  11. 以下:
    5〜75重量%の量の樹脂マトリックスであって、
    式(I)による臭素化重合性モノマー
    Figure 2021502357
    [式中、
    B−O−A−O−B’は、反応性(メタ)アクリレート部分間の連結部であるモノマー主鎖を表し、
    Aは、以下から選択され、
    Figure 2021502357
    Aは、アリール−アルキルエーテルとしてB及びB’に結合しており、
    Bは、独立して、−(CH−(CH−CH−O−CH−CH)−−(CH−CH−O−CH−CH−CH)−−(CH−CH−CH−O−CH−CH−CH)−
    Figure 2021502357
    から選択され、
    Bは、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
    b=2〜6であり、
    B’は、独立して、−(CHb’−(CH−CH−O−CH−CH)−
    Figure 2021502357
    から選択され、
    B’は、アルキルエステルとして(メタ)アクリレート反応性部分に結合しており、
    b’=2〜6であり、
    R=H、メチルであり、
    Xは、独立して、H、C1〜6アルキル、Brから選択され、
    Y=H、Brであり、
    」は、前記モノマーの部分が、前記モノマーの別の部分に結合している部位を表す]、及び
    非臭素化非酸性重合性モノマー
    を含む、樹脂マトリックスと、
    25〜90重量%の量の充填剤マトリックスであって、
    凝集したナノ充填剤、集塊化したナノ充填剤、離散したナノ充填剤、及びこれらの混合物から選択されるナノ充填剤を含む、充填剤マトリックスと、
    放射線硬化開始剤、レドックス硬化開始剤及びこれらの組み合わせを含む、開始剤系と
    によって特徴付けられ、重量%は組成物全体の重量に対するものである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  12. 歯科用充填材料、インレー、アンレー、ベニヤ、ビルドアップ材料、又はクラウン及びブリッジ材料としての使用又はこれらの製造を含めた、歯科修復材料として使用するための、又は歯科修復材料を製造するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の歯科用組成物と、以下の部材:
    歯科用接着剤;
    歯科用セメント;
    アプリケータ;
    使用説明書
    のうちの単独又はそれらの組み合わせと
    を含む、部材のキット。
  14. 硬化状態の、請求項1〜11のいずれか一項に記載の歯科用組成物を含む、歯科用ミリングブロック。
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