JP2021501164A - インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼのモジュレーター - Google Patents

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Abstract

式(I)のIDO1阻害剤化合物及び薬学的に許容されるその塩、それらの医薬組成物、それらの調製方法、並びに疾患の予防及び/又は治療におけるそれらの使用方法が提供される。【選択図】なし

Description

ある特定のインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ化合物を治療有効量で投与することによる全身(general)免疫抑制及びAIDSの進行の予防を含む、HIVの予防及び/又は治療のための、化合物、方法及び医薬組成物が開示される。そのような化合物を調製する方法並びに化合物及びその医薬組成物を使用する方法も開示される。
インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1)は、キヌレニン(Kyn)及び一連の下流代謝物に迅速且つ構成的に変換されるN-ホルミルキヌレニンを生成するための、トリプトファンのインドール環の酸化を触媒するヘム含有酵素である。IDO1は、トリプトファン代謝のこのキヌレニン経路の律速段階であり、IDO1の発現は、炎症という観点から誘導性である。IDO1を誘導する刺激は、感染症、腫瘍若しくは無菌組織損傷に関連する炎症性サイトカイン又はウイルス若しくは細菌の生成物を含む。Kyn及びいくつかの下流代謝物は、免疫抑制性であり、Kynは、T細胞及びNK細胞に対して抗増殖性及びアポトーシス促進性であり(Munn、Shafizadehら、1999、Frumento、Rotondoら、2002)、一方、3-ヒドロキシアントラニル酸(3-HAA)又は3-HAA酸化的二量化生成物シンナバリン酸(cinnabarinic acid)(CA)等の代謝物は、食細胞機能を阻害し(Sekkai、Guittetら、1997)、腸保護IL-17又はIL-22産生CD4+ T細胞(Th17及びTh22)の分化を阻害しながら、免疫抑制調節T細胞(Treg)の分化を誘導する(Favre、Moldら、2010)。IDO1誘導は、数ある機序の中でも、活性免疫応答の間の免疫病理学を限定する際、免疫応答の収束を促進する際、及び胎児耐性を促進する際に重要となる可能性がある。しかしながら、がん又は慢性ウイルス若しくは細菌感染症等の慢性的状況において、IDO1活性は、腫瘍又は病原体のクリアランスを妨げ、活性が全身的である場合、IDO1活性は、全身性免疫機能不全をもたらし得る(Boasso及びShearer 2008、Li, Huangら、2012)。これらの免疫調節作用に加えて、Kyn及びキノリン酸等のIDO1の代謝物は、神経毒性であることも公知であり、神経機能不全及び鬱病のいくつかの状態において、上昇していることが観察される。そのため、IDO1は、腫瘍クリアランスを促進するため、難治性ウイルス又は細菌感染症のクリアランスを可能にするため、HIV感染症中の持続性の炎症又は敗血症中の免疫抑制として現れる全身性免疫機能不全を減少させるため、及び神経学的状態を予防する又は逆転させるため等、幅広い適応症における阻害のための治療標的である。
IDO1及びHIV感染症における持続性の炎症:
HIV複製の抑制及びAIDS関連状態の発生の減少における抗レトロウイルス療法(ART)の成功にもかかわらず、ARTを受けているHIV感染患者は、非感染の同等者(peer)よりも高い非AIDS罹患及び死亡の発生率を有する。これらの非AIDS状態としては、がん、心臓血管疾患、骨粗しょう症、肝疾患、腎疾患、衰弱及び神経認知機能不全が挙げられる(Deeks 2011)。いくつかの研究では、非AIDS罹患率/死亡率は、持続性の炎症に関連し、これが、同等者と比較して、ARTを受けているHIV感染患者において上昇したままであることを示す(Deeks 2011)。そのため、ARTによるウイルス学的抑制にもかかわらず、持続性の炎症及び免疫機能不全が、これらの非AIDS指標事象(non-AIDS-defining event、NADE)の原因であるという仮説が立てられる。
HIVは、CD4+ T細胞、特に優先的には粘膜表面のリンパ組織内にあるCD4+ T細胞のような細胞に感染して死滅させる(Mattapallil、Douekら、2005)。感染症に対する炎症応答と組み合わせたこれらの細胞の喪失は、宿主と、HIV自体を含むが、皮膚及び粘膜表面における、既往性又は後天性のウイルス感染症、真菌感染症及び常在細菌にまで及ぶすべての病原体との間に混乱した関係をもたらす。この機能不全の宿主と病原体の関係は、典型的には小さな問題であろう宿主の過剰反応をもたらし、且つ微生物叢内での病原体の増生を可能にする。したがって、機能不全の宿主と病原体の相互作用は、炎症の増大をもたらし、これが今度はより深刻な機能不全につながり、悪循環を起こす。炎症は、非AIDS罹患率/死亡率を促進すると考えられているため、変化した宿主と病原体の相互作用を支配する機序は、治療標的である。
IDO1の発現及び活性は、未治療及び既治療のHIV感染症中、並びにSIV感染症の霊長類モデルにおいて増大する(Boasso、Vaccariら、2007、Favre、Ledererら、2009、Byakwaga、Boumら、2014、Hunt、Sinclairら、2014、Tenorio、Zhengら、2014)。IDO1活性は、酵素基質と生成物との血漿レベルの比(Kyn/Tryp又はK:T比)によって示される通り、炎症の他のマーカーに関連し、非AIDS罹患率/死亡率の最強の予測因子の1つである(Byakwaga、Boumら、2014、Hunt、Sinclairら、2014、Tenorio、Zhengら、2014)。加えて、免疫システムに対するIDO1活性増大の予測される影響と一致する特色は、抗原に対するT細胞増殖応答減少並びに全身性及び腸コンパートメントにおけるTreg:Th17の不均衡等、HIV及びSIV誘導性免疫機能不全の主要な特色である(Favre、Ledererら、2009、Favre、Moldら、2010)。そのため、本発明者ら及びその他の研究者は、IDO1が、非AIDS罹患率/死亡率に関連する免疫機能不全及び炎症の悪循環を引き起こす際に役割を果たすという仮説を立てている。故に、本発明者らは、IDO1を阻害することが、ART抑制HIV感染者において、炎症を低減させ、NADEのリスクを減少させるであろうと提案する。
IDO1及びHIVを超える持続性の炎症
上述した通り、既治療慢性HIV感染症に関連する炎症は、複数の末梢臓器疾患を起こす可能性がある[Deeks 2011]。しかしながら、これらの末梢臓器疾患は、HIV感染症に特有のものではなく、実際には、HIV感染集団においてはより早い年齢で出現する一般的な加齢(aging)に伴う疾患である。未感染の一般集団において、病因不明の炎症は、罹患率及び死亡率の主要な相関要因である[Pinti、2016 88号]。実際に、炎症のマーカーの多くは、IL-6及びCRP等、共通している。上記で仮説を立てた通り、IDO1が、消化管又は全身組織において免疫機能不全を誘導することにより、HIV感染集団における持続性の炎症に寄与する場合、IDO1は、より広い集団における炎症及びしたがって末梢臓器疾患にも寄与し得る。これらの炎症関連末梢臓器疾患は、心臓血管疾患、代謝症候群、肝疾患(NAFLD、NASH)、腎疾患、骨粗しょう症及び神経認知機能障害によって例示される。実際に、IDO1経路は、文献において、肝疾患(Vivoli abstracts at Italian Assoc. for the Study of the Liver Conference 2015]、糖尿病[Baban、2010 89号]、慢性腎疾患[Schefold、2009 90号]、心臓血管疾患[Mangge、2014 92号;Mangge、2014 91号]、並びに一般加齢及び全死因死亡率[Pertovaara、2006 93号]との関連を有している。そのため、IDO1の阻害は、炎症及び加齢に関連する具体的な末梢臓器疾患の発生を減少させるための、一般集団における炎症を減少させることにおいて用途を有し得る。
IDO1及び腫瘍学
IDO発現は、いくつかのヒトがん(例えば、メラノーマ、膵臓、卵巣、AML、CRC、前立腺及び子宮内膜のがん)において検出することができ、予後不良と相関している(Munn 2011)。複数の免疫抑制性の役割は、Treg分化及び過活性化の誘導、Teff免疫応答の抑制並びにDC機能減少を含むIDOの作用とされてきたものであり、それらはすべて、免疫認識を損ない、腫瘍成長を促進する(Munn 2011)。ヒト脳腫瘍におけるIDO発現は、生存率低減と相関している。同所性(orthotropic)及びトランスジェニック神経膠腫マウスモデルは、IDO発現低減及びTreg浸潤低減及び長期生存増大の間の相関を実証している(Wainwright、Balyasnikovaら、2012)。ヒトメラノーマにおいて、高い割合の腫瘍(36症例のうち33)がIDO上昇を示し、MDSCの拡大、活性化及び動員を特徴とする免疫抑制性腫瘍微小環境(TME)をTreg依存性様式で確立する際の重要な役割を示唆している(Holmgaard、Zamarinら、2015)。加えて、宿主IDO発現免疫細胞は、流入領域リンパ節において及び腫瘍自体において同定されている(Mellor及びMunn 2004)。それ故、腫瘍及び宿主由来のIDOの両方が、TMEの免疫抑制状態に寄与すると信じられている。
IDOの阻害は、がんに対する免疫原性応答の回復のために提案された最初の小分子薬戦略の1つであった(Mellor及びMunn 2004)。1-メチルトリプトファンのd-エナンチオマー(D-1MT又はインドキシモド)は、臨床試験に入った最初のIDO阻害剤であった。この化合物は、明らかにIDOの活性を阻害するが、これは、単離された酵素の非常に弱い阻害剤であり、この化合物についての作用のインビボ機序は依然として解明中である。Incyteの研究者は、スクリーニングプロセスから取得したヒット化合物を、十分な経口曝露で強力且つ選択的な阻害剤に最適化して、マウスメラノーマモデルにおける腫瘍成長の遅延を実証した(Yue、Doutyら、2009)。このシリーズのさらなる開発は、ヒト又はマウス酵素のいずれかを一過性にトランスフェクトした細胞株において、IDO-2及びTDOよりもIDO-1の阻害に対して高度に選択的である、INCB204360をもたらした(Liu、Shinら、2010)。IDO1を内因的に発現する細胞株及び原発性ヒト腫瘍について、同様の効力が見られた(IC50約3〜20nM)。DC及びナイーブCD4+CD25- T細胞の共培養において試験した場合、INCB204360は、これらのT細胞からCD4+FoxP3+ Tregへの変換を遮断した。最後に、免疫適格マウスのシンジェニックモデル(PAN02膵臓細胞)において試験した場合、経口投薬されたINCB204360は、腫瘍成長の有意な用量依存性阻害を呈したが、免疫不全マウスに移植された同じ腫瘍に対しては効果がなかった。同じ研究者による追加の研究は、免疫適格マウスでの追加のシンジェニック腫瘍モデルにおける腫瘍成長の阻害及び全身キヌレニンレベルの抑制と、IDO1の阻害との相関を示した。これらの前臨床研究に基づき、INCB24360は、転移性メラノーマの治療のための臨床試験に入った(Beatty、O'Dwyerら、2013)。
免疫抑制の維持におけるトリプトファンの異化の重要性に照らして、複数の固形腫瘍(例えば、膀胱及び肝臓のがん、メラノーマ)による第2のトリプトファン代謝酵素TDO2の過剰発現も検出されたことは、驚くに当たらない。104種のヒト細胞株の調査は、20/104のTDO発現、17/104のIDO1及び16/104の両方発現を明らかにした(Pilotte、Larrieuら、2012)。IDO1の阻害と同様に、TDO2の選択的阻害は、TDO2を過剰発現している腫瘍において免疫抵抗を逆転させる際に有効である(Pilotte、Larrieuら、2012)。これらの結果は、免疫機能を改善するための実行可能な治療戦略としてTDO2阻害及び/又はデュアルTDO2/IDO1阻害を支持する。
複数の前臨床研究が、CTLA-4、PD-1及びGITRに対するmAbをモジュレートするT細胞チェックポイントとの組み合わせでIDO-1阻害剤を組み合わせることにおいて、有意な、さらには相乗的な、価値を実証している。各事例において、改善された免疫活性/機能の効能及び関連PD態様の両方が、これらの研究において様々なネズミモデルにわたって観察された(Balachandran、Cavnarら、2011、Holmgaard、Zamarinら、2013、M. Mautino 2014、Wainwright、Changら、2014)。Incyte IDO1阻害剤(INCB204360、エパカドスタット)は、CTLA4ブロッカー(イピリムマブ)と組み合わせて臨床的に試験されてきたが、組合せにより見られる用量制限有害事象により、有効用量が実現されたかどうかは不明確である。対照的に、エパカドスタットとMerckのPD-1 mAb(ペンブロリズマブ)とを組み合わせた進行中の試験についての最近公表されたデータは、より高用量のIDO1阻害剤を可能にする組合せの忍容性改善を実証した。有望な種々の腫瘍型にわたっていくつかの臨床応答があった。しかしながら、この組合せがペンブロリズマブの単剤活性を上回る改善であるか否かは未だ不明である(Gangadhar、Hamidら、2015)。同様に、Roche/Genentechは、進行腫瘍患者における第1a相の安全性及びPK/PDの研究の最近の完了後、PD-L1(MPDL3280A、Atezo)及びOX-40について両方のmAbと組み合わせて、NGL919/GDC-0919を進展させている。
IDO1及び慢性感染症
IDO1活性は、少なくともT細胞、NK細胞及びマクロファージ活性を損なう、Kyn及び3-HAA等のキヌレニン経路代謝物を生み出す(Munn、Shafizadehら、1999、Frumento、Rotondoら、2002)(Sekkai、Guittetら、1997、Favre、Moldら、2010)。Kynレベル又はKyn/Tryp比は、慢性HIV感染症(Byakwaga、Boumら、2014、Hunt、Sinclairら、2014、Tenorio、Zhengら、2014)、HBV感染症(Chen、Liら、2009)、HCV感染症(Larrea、Riezu-Bojら、2007、Asghar、Ashiqら、2015)及びTB感染症(Suzuki、Sudaら、2012)の状況において上昇し、抗原特異的T細胞機能不全に関連する(Boasso、Herbeuvalら、2007、Boasso、Hardyら、2008、Loughman及びHunstad 2012、Ito、Andoら、2014、Lepiller、Soulierら、2015)。そのため、これらの慢性感染症の症例において、病原体特異的T細胞応答のIDO1媒介性阻害は、感染症の持続において役割を果たし、IDO1の阻害は、感染症のクリアランス及び解消を促進する際に利益を有し得ると考えられる。
IDO1及び敗血症
IDO1発現及び活性は、敗血症中に上昇することが観察され、Kyn又はKyn/Tryp上昇の程度は、死亡率を含む疾患の重症度増大に対応した(Tattevin、Monnierら、2010、Darcy、Davisら、2011)。動物モデルにおいて、IDO1遺伝子ノックアウト又はIDO1の遮断は、盲腸結紮/穿刺モデルにおける、死亡から又は致死用量のLPSからマウスを保護した(Jung、Leeら、2009、Hoshi、Osawaら、2014)。敗血症は、重症例における免疫抑制段階を特徴とし(Hotchkiss、Monneretら、2013)、IDO1について免疫機能不全のメディエーターとしての役割を潜在的に示し、IDO1の薬理学的阻害が敗血症において臨床的利益を提供し得ることを示す。
IDO1及び神経学的障害
免疫学的状況に加えて、IDO1活性は、神経学的状況における疾患とも関連している(Lovelace Neuropharmacology 2016(Lovelace、Varneyら、2016)において総説されている)。3-ヒドロキシキヌレニン及びキノリン酸等のキヌレニン経路代謝物は、神経毒性であるが、神経保護性である代替代謝物、キヌレン酸又はピコリン酸によって均衡されている。キヌレニン経路代謝物が疾患に関連することが実証されている神経変性及び精神障害としては、多発性硬化症、運動ニューロン障害、例えば、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、大鬱病性障害、統合失調症、拒食症が挙げられる(Lovelace、Varneyら、2016)。神経学的疾患の動物モデルは、疾患に対する1-メチルトリプトファン等の弱いIDO1阻害剤の若干の影響を示し、IDO1阻害が、神経学的及び精神障害の予防又は治療において臨床的利益を提供し得ることを示している。
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したがって、慢性HIV感染症において非AIDS罹患率/死亡率の発生を減少させるための疾患修飾療法;並びに/又は敗血症における死亡を予防するための疾患修飾療法;並びに/又はHIV、HBV、HCV及び他の慢性ウイルス感染症、慢性細菌感染症、慢性真菌感染症に対する及び腫瘍に対する免疫応答を強化するための免疫療法として;並びに/又は鬱病若しくは他の神経学的/精神神経障害の治療のために、前述の特性の均衡をもたらすIDO阻害剤を発見することは、当技術分野における進展であろう。
簡潔に述べると、一態様において、本発明は、式Iの化合物
Figure 2021501164
又は薬学的に許容されるその塩
(式中、
各nは、独立して、2、1、又は0(すなわち存在しない)であり;
Q1は、-C(O)NH-、NHC(O)-、又は5〜9員の複素環であり、前記複素環は、O、S、及びNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、且つ前記複素環は、ハロゲン、OH、C1-3アルキル、OC1-3アルキル、C1-3フルオロアルキル、CN、及びNH2から独立して選択される1〜4個の置換基によって場合により置換されていてもよく;
Ar1は、C5-9アリール、又は5〜9員のヘテロアリールであり、ここでアリール及びヘテロアリールは二環(bicycle)を包含し、ヘテロアリールはO、S、及びNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、且つAr1は、ハロゲン、OH、C1-3アルキル、OC1-3アルキル、C1-3フルオロアルキル、CN、及びNH2から独立して選択される1〜4個の置換基によって場合により置換されていてもよく;
Ar2は、C5-9アリール、又は5〜9員のヘテロアリールであり、ここでヘテロアリールは、O、S、及びNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、且つAr1は、ハロゲン、OH、C1-3アルキル、OC1-3アルキル、C1-3フルオロアルキル、CN、及びNH2から独立して選択される1〜4個の置換基によって場合により置換されていてもよい)
を開示する。
別の態様において、本発明は、IDOの阻害から利益を得るであろう疾患又は状態を治療する方法を開示する。例としては、HIV感染に関連する炎症;B型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイルスを含む慢性ウイルス感染;癌;又は敗血症などが挙げられる。
別の態様において、本発明は、式Iの化合物又は薬学的に許容されるその塩を含む、医薬組成物を開示する。
別の態様において、本発明は、療法において使用するための、式Iの化合物又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
別の態様において、本発明は、IDOの阻害から利益を得るであろう疾患又は状態を治療する際に使用するための、式Iの化合物又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
別の態様において、本発明は、IDOの阻害から利益を得るであろう疾患又は状態を治療する際に使用する医薬の製造における、式Iの化合物又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、ウイルスのレトロウイルスファミリー中のウイルスによって少なくとも部分的に媒介される患者におけるウイルス感染症を治療する方法であって、前記患者に、式Iの化合物又は薬学的に許容されるその塩を含む組成物を投与するステップを含む、方法を開示する。一部の実施形態において、ウイルス感染症は、HIVウイルスによって媒介される。
別の態様において、本発明の特定の実施形態は、HIVに感染した対象を治療する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
また別の態様において、本発明の特定の実施形態は、HIVの感染のリスクがある対象においてHIV感染症の進行を阻害する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。それら及び他の実施形態を、以下の文章においてさらに記述する。
実施例1の、絶食した雄SDラットにおける1mg/kgのIV投与及び5mg/kgのPO投与(N=6)後の平均血漿濃度-時間プロファイルを示す図である。 経口投与から得られた平均ラット血漿プロファイル(実施例4)を示す図である。
好ましくは、Ar1は、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、インドール、アザインドール、ベンゾジアゾール、フェニル、ピリジル、ジアゾール又はピリミジンであり、ここでAr1は、ハロゲン、OH、C1-3アルキル、OC1-3アルキル、C1-3フルオロアルキル、CN、及びNH2から選択される置換基によって場合により置換されていてもよい。より好ましくは、Ar1は、キノリン、イソキノリン、又はインドールであり、ハロゲン、OH、C1-3アルキル、OC1-3アルキル、C1-3フルオロアルキル、CN、及びNH2から選択される置換基によって場合により置換されていてもよい。最も好ましくは、Ar1は、ハロゲンによって場合により置換されているキノリンである。
好ましくは、Ar2は、ハロゲンによって場合により置換されている、フェニル又はチオフェンである。
好ましい医薬組成物は単位剤形を含む。好ましい単位剤形は錠剤を含む。
特に、本発明の化合物及び組成物は、AIDSの進行及び全身免疫抑制の予防を含むHIVの予防及び/又は治療に有用となることが予測される。多くの事例において、そのような予防及び/又は治療は、そのような予防及び/又は治療に有用であると考えられる少なくとも1つの他の薬物と組み合わせた本発明の化合物で治療することを伴うことが予測される。例えば、本発明のIDO阻害剤は、他の免疫療法、例えば免疫チェックポイント(PD1、CTLA4、ICOS等)と組み合わせて、及びおそらく成長因子又はサイトカイン療法(IL21、IL-7等)と組み合わせて、使用されてよい。
HIVの治療において、1つを超える有効作用物質を用いることは、慣例である。したがって、本発明の別の実施形態に従い、ウイルスのレトロウイルスファミリー中のウイルスによって少なくとも部分的に媒介される哺乳動物におけるウイルス感染症を予防する又は治療する方法であって、前記ウイルス感染症と診断された又は前記ウイルス感染症を発病するリスクがある哺乳動物に、式Iで定義されている通りの化合物を投与するステップを含み、ここで、前記ウイルスは、HIVウイルスであり、HIVウイルスに対して活性な治療有効量の1つ以上の作用物質の投与をさらに含み、ここで、HIVウイルスに対して活性な前記作用物質は、ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、侵入、結合及び融合阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、熟成阻害剤、CXCR4阻害剤、並びにCCR5阻害剤からなる群から選択される、方法が提供される。そのようなさらなる作用物質の例は、ドルテグラビル、ビクテグラビル及びカボテグラビルである。
「薬学的に許容される塩」は、当該技術分野において周知である様々な有機及び無機対イオンに由来する薬学的に許容される塩を指し、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム及びテトラアルキルアンモニウムが挙げられ、分子が塩基性官能基を含有する場合、有機又は無機酸の塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩及びシュウ酸塩が挙げられる。好適な塩としては、P. Heinrich Stahl、Camille G. Wermuth(編)、Handbook of Pharmaceutical Salts Properties, Selection, and Use、2002において記述されているものが挙げられる。
本発明は、本明細書において記述されている化合物の薬学的に許容される塩も含む。本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、親化合物が、既存の酸又は塩基の部分をその塩形態に変換することによって修飾されている、開示化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例としては、これらに限定されないが、アミン等の塩基性残基の鉱物又は有機酸塩、カルボン酸等の酸性残基のアルカリ又は有機塩等が挙げられる。本発明の薬学的に許容される塩は、例えば非毒性無機又は有機酸から形成された親化合物の従来の非毒性塩を含む。本発明の薬学的に許容される塩は、塩基性又は酸性の部分を含有する親化合物から、従来の化学的方法によって合成することができる。概して、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸又は塩基形態と、化学量論量の適切な塩基又は酸とを、水中若しくは有機溶媒中、又は2つの混合物中で反応させることによって調製することができ、概して、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はACNのような非水性媒体が好ましい。
語句「薬学的に許容される」は、本明細書において、妥当な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、又は他の問題若しくは合併症なしに、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに好適であり、合理的なベネフィット/リスク比に見合った、化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指すために用いられる。
一実施形態において、式Iの化合物又はその塩を含有する医薬製剤は、経口又は非経口投与に適応している製剤である。別の実施形態において、製剤は、長時間作用型非経口製剤である。さらなる実施形態において、製剤は、ナノ粒子製剤である。
本発明は、免疫抑制のための新規治療としての実用性を有する、化合物、組成物及び医薬組成物に関する。特定の理論に縛られることは望まないが、本発明の化合物は、分子状酸素又は反応性酸素種を利用して、l-TrpのN-ホルミルキヌレニンへの酸化的ピロール環開裂反応を触媒する酵素を阻害することができると考えられる。
したがって、本発明の別の実施形態において、AIDSの進行及び全身免疫抑制の予防を含む、HIVの予防及び/又は治療の方法が提供される。
下記の実施例は、上述した発明を作製及び使用する様式をより十分に記述するために役立つ。これらの実施例は、本発明の真の範囲を限定するために何ら役立つものではなく、むしろ例証を目的として提示されることと理解される。以下の実施例及び合成スキームにおいて、下記の略語は下記の意味を有する。略語が定義されていない場合、それは、その一般に認められている意味を有する。
Figure 2021501164
Figure 2021501164
機器記述
1H NMRスペクトルは、Bruker Ascend 400分析計又はVarian 400分析計で記録した。化学シフトは、パーツ・パー・ミリオン(ppm、単位δ)で表現される。カップリング定数は、ヘルツ(Hz)の単位である。分裂パターンは、見掛けの多重度を記述し、s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、quint(五重線)、m(多重線)、br(広域)と指定される。
分析用低分解能質量スペクトル(MS)は、Waters BEH C18、2.1×50mm、1.7μmを使用するSQ検出器付きのWaters ACQUITY UPLCで、勾配溶離法を使用して記録した。
溶媒A:水中0.1%ギ酸(FA)、
溶媒B:アセトニトリル中0.1%FA、
0.5分間にわたって30%B、続いて、2.5分間かけて30〜100%B。
実施例1及び実施例2
Figure 2021501164
エチル2-(1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-イリデン)アセテートの調製
Figure 2021501164
0℃において、窒素下で勢いよく撹拌されている無水THF(650mL)中のNaH(油中60%)(6.92g、288mmol)の懸濁液に、トリエチルホスホノアセテート(52.5g、288mmol)を滴下添加した。0℃で30分間撹拌した後、THF(150mL)中の1,4-シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(41g、260mmol)を滴下添加した。得られた混合物を室温に温め、一晩撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液(aq.)中に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。有機物を水とブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜30%EtOAc)により精製し、表題化合物を得た(56g、収率95%)。(ESI) m/z C12H18O4の計算値:226.12. 実測値:227.33 (M+1)+.
エチル7,10-ジオキサジスピロ[2.2.46.23]ドデカン-1-カルボキシレートの調製
Figure 2021501164
0℃において、窒素下で勢いよく撹拌されている無水DMF(120mL)中のNaH(油中60%)(2.82g、70.4mmol)の懸濁液に、トリメチルスルホキソニウムヨージド(15.5g、70.4mmol)を少しずつ添加した。0℃で30分間撹拌した後、DMF(30mL)中のエチル2-(1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-イリデン)アセテート(8.76g、38.7mmol)を滴下添加した。得られた混合物を室温に温め、さらに3時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液中に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。有機物を水とブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中10〜30%EtOAc)により精製し、表題化合物を得た(5.2g、収率56%)。(ESI) m/z C13H20O4の計算値:240.14. 実測値:241.56 (M+1)+.
エチル6-オキソスピロ[2.5]オクタン-1-カルボキシレートの調製
Figure 2021501164
アセトン(50mL)中のエチル7,10-ジオキサジスピロ[2.2.46.23]ドデカン-1-カルボキシレート(5.0g、20.8mmol)の溶液に、6N HCl(20mL、120mmol)を滴下添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、水及びEtOAcを添加し、層を分離した。有機物を水とブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜20%EtOAc)により精製し、表題化合物を得た(2.6g、収率64%)。(ESI) m/z C11H16O3の計算値:196.11. 実測値:197.26 (M+1)+.
エチル6-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)スピロ[2.5]オクタ-5-エン-1-カルボキシレートの調製
Figure 2021501164
-78℃において、THF中のエチル6-オキソスピロ[2.5]オクタン-1-カルボキシレート(2.57g、13.11mmol)の溶液に、LiHMDS(13.77mL、13.mmol)を30分間滴下添加し、反応混合物を同じ温度でさらに1時間撹拌した。次いで、THF(20mL)中のN-フェニルビス-(トリフルオロメタンスルホンアミド)(4.92g、13.77mmol)の溶液を、反応混合物に滴下添加した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物をNH4Cl水溶液でクエンチし、得られた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水とブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜20%EtOAc)により精製し、表題化合物を得た(2.36g、収率55%)。(ESI) m/z C12H15F3O5Sの計算値:328.06. 実測値:329.42 (M+1)+.
エチル6-(キノリン-4-イル)スピロ[2.5]オクタ-5-エン-1-カルボキシレートの調製
Figure 2021501164
ジオキサン(20mL)及び水(2mL)中のエチル6-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)スピロ[2.5]オクタ-5-エン-1-カルボキシレート(2.26g、6.89mmol)、キノリン-4-イルボロン酸(1.79g、10.34mmol)、Pd(PPh3)4(796mg、0.689mmol)、Na2CO3 (1.83g、11.23mmol)、KBr(902mg、7.58mmol)の懸濁液を、窒素雰囲気下、100℃で14時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した後、これを水とEtOAcとの間で分配し、層を分離した。有機物を水とブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(1.01g、収率48%)。(ESI) m/z C20H21NO2の計算値:307.16. 実測値:308.26 (M+1)+.
エチル6-(キノリン-4-イル)スピロ[2.5]オクタン-1-カルボキシレートの調製
Figure 2021501164
MeOH(10mL)中のエチル6-(キノリン-4-イル)スピロ[2.5]オクタ-5-エン-1-カルボキシレート(500mg、1.63mmol)と10%Pd/C(0.2g)との混合物を、H2雰囲気(15psi)下、室温で一晩撹拌した。得られた混合物をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜30%EtOAc)により精製し、表題化合物を茶色の油状物として得た(0.4g、収率79%)。(ESI) m/z C20H23NO2の計算値:309.41. 実測値:310.68 (M+1)+.
6-(キノリン-4-イル)スピロ[2.5]オクタン-1-カルボン酸の調製
Figure 2021501164
MeOH(6mL)中の6-(キノリン-4-イル)スピロ[2.5]オクタン-1-カルボキシレート(0.20g、0.65mmol)の溶液に、1N NaOH水溶液(2.6mL、2.6mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、得られた混合物を1N HClで中和し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して濃縮し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、残留物を分取TLC(DCM中5%MeOH)により精製し、表題化合物を得た。cis異性体(80mg、収率44%):1H NMR (400MHz, MeOD) δ 8.77 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 8.28 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.03 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.80 - 7.73 (m, 1H), 7.69 - 7.62 (m, 1H), 7.45 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 3.62 - 3.51 (m, 1H), 2.23 (td, J = 13.2, 3.5 Hz, 1H), 2.08 - 1.91 (m, 4H), 1.90 - 1.81 (m, 1H), 1.64 - 1.50 (m, 2H), 1.22 - 1.12 (m, 2H), 1.04 - 0.97 (m, 1H). LCMS (ESI) m/z C18H19NO2の計算値:281.14. 実測値:282.30 (M+1)+. trans異性体(30mg、収率16%):1H NMR (400MHz, MeOD) δ 8.77 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.26 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.76 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.65 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 3.60 - 3.49 (m, J = 11.6 Hz, 1H), 2.31 - 2.20 (m, J = 13.0, 11.4 Hz, 1H), 2.10 - 1.96 (m, J = 21.7, 13.7 Hz, 2H), 1.94 - 1.73 (m, 4H), 1.66 - 1.58 (m, J = 7.5, 5.6 Hz, 1H), 1.17 - 1.08 (m, J = 16.0, 10.5 Hz, 2H), 1.00 - 0.93 (m, J = 7.7, 4.0 Hz, 1H). LCMS (ESI) m/z C18H19NO2の計算値:281.14. 実測値:282.34 (M+1)+.
Figure 2021501164
cis-N-(4-クロロフェニル)-6-(キノリン-4-イル)スピロ[2.5]オクタン-1-カルボキサミドの調製(実施例1)
Figure 2021501164
DCM(5mL)中のcis-6-(キノリン-4-イル)スピロ[2.5]オクタン-1-カルボン酸(80mg、0.285mmol)及び4-クロロアニリン(44mg、0.342mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(56mg、0.427mmol)を添加し、その後HATU(162mg、0.427mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物をブラインでクエンチし、得られた混合物をDCM(x3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、残留物を分取HPLCにより精製し、表題化合物を得た(81mg、収率73%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.87 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.24 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.79 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.66 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.33 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 3.41 (t, J = 11.8 Hz, 1H), 2.22 - 2.14 (m, 1H), 2.13 - 2.05 (m, 1H), 1.98 - 1.85 (m, 2H), 1.84 - 1.77 (m, 1H), 1.57 - 1.45 (m, 2H), 1.41 - 1.31 (m, 2H), 1.00 - 0.91 (m, 2H). LCMS (ESI) m/z C24H23ClN2Oの計算値:390.15. 実測値:391.24/393.15 (M/M+2)+.
trans-N-(4-クロロフェニル)-6-(キノリン-4-イル)スピロ[2.5]オクタン-1-カルボキサミドの調製(実施例2)
Figure 2021501164
DCM(2mL)中のtrans-6-(キノリン-4-イル)スピロ[2.5]オクタン-1-カルボン酸 (30mg、0.107mmol)及び4-クロロアニリン(16mg、0.128mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(21mg、0.159mmol)を添加し、その後HATU(60mg、0.159mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物をブラインでクエンチし、得られた混合物をDCM(x3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、残留物を分取HPLCにより精製して、表題化合物を得た(21mg、収率50%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.87 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 8.12 (dd, J = 19.7, 8.4 Hz, 2H), 7.71 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.57 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.54 - 7.42 (m, 3H), 7.34 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 7.32 - 7.27 (m, 2H), 3.47 - 3.39 (m, 1H), 2.26 - 2.19 (m, 1H), 2.12 - 2.00 (m, 3H), 1.84 - 1.75 (m, 3H), 1.58 - 1.54 (m, 1H), 1.35 - 1.32 (m, 1H), 1.18 - 1.13 (m, 1H), 0.97 - 0.92 (m, 1H). LCMS (ESI) m/z C24H23ClN2Oの計算値:390.15. 実測値:391.24/393.15 (M/M+2)+.
実施例3
Figure 2021501164
8-メチレン-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカンの調製
Figure 2021501164
0℃において、THF(499mL、499mmol)中の1.0Mカリウムtert.-ブトキシドの溶液を、0℃のTHF(450mL)中のメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(178g、499mmol)の混合物にゆっくりと添加した。1時間撹拌した後、1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカン-8-オン(26g、166mmol)を添加した。得られた混合物を室温に温め、3時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液中に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。有機物を水とブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜30%EtOAc)により精製して表題化合物を得た(18g、収率70%)。(ESI) m/z C9H14O2の計算値:154.10. 実測値:155.16 (M+1)+.
8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-オンの調製
Figure 2021501164
Et2O(100mL)中の8-メチレン-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン(10g、64.8mmol)及び亜鉛-銅(12.7g、194mmol)の懸濁液に、トリクロロアセチルクロリド(8.66mL、77.8mmol)を室温で滴下添加した。室温で1時間撹拌した後、MeOH(30mL)を添加し、次いで混合物を-5℃に冷却し、亜鉛末(12.7g、194mmol)を-5℃で1時間かけて少しずつ添加した。反応混合物を室温に温め、セライトを添加した。得られた粘性の塊をセライトパッドで濾過し、そのケーキを過剰の酢酸エチルで洗浄した。合わせた溶液をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜30%EtOAc)により精製して、表題化合物を得た(4.4g、収率34%)。(ESI) m/z C11H16O3の計算値:196.11. 実測値:197.18 (M+1)+.
N,N-ジベンジル-8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-アミンの調製
Figure 2021501164
窒素雰囲気下で、MeOH(396mL)中の8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-オン(1.4g、7.14mmol)の溶液にジベンジルアミン(2.8g、14.3mmol)を添加し、得られた溶液を室温で2時間撹拌した。次いで、NaBH3CN(1.79g、28.5mmol)を少しずつ添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物をH2Oでクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水とブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜30%EtOAc)により精製し、表題化合物を得た(2.4g、収率89%)。(ESI) m/z C25H31NO2の計算値:377.24. 実測値:378.41 (M+1)+.
2-(ジベンジルアミノ)スピロ[3.5]ノナン-7-オンの調製
Figure 2021501164
アセトン(10mL)中のN,N-ジベンジル-8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-アミン(1.05g、2.8mmol)の溶液に、12N HCl (2mL、24mmol)を滴下添加した。反応混合物を2時間撹拌した後、水及びEtOAcを添加し、層を分離した。有機物を水とブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮し、表題化合物を得た(0.50g、収率91%)。(ESI) m/z C23H27NOの計算値:333.21. 実測値:334.37 (M+1)+.
2-(ジベンジルアミノ)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-7-イルトリフルオロメタンスルホネートの調製
Figure 2021501164
-78℃において、THF中のN,N-ジベンジル-8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-アミン(600mg、1.80mmol)及びN-フェニルビス-(トリフルオロメタンスルホンアミド)(964mg、2.70mmol)の溶液に、LiHMDS(2.7mL、2.70mmol)を30分間滴下添加し、反応混合物を室温に温め、一晩撹拌した。反応混合物をNH4Cl水溶液でクエンチし、得られた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水とブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜10%EtOAc)により精製し、表題化合物を得た(728mg、収率87%)。(ESI) m/z C24H26F3NO3Sの計算値:465.16. 実測値:466.24 (M+1)+.
N,N-ジベンジル-7-(キノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-2-アミンの調製
Figure 2021501164
ジオキサン(10mL)及び水(2mL)中の2-(ジベンジルアミノ)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-7-イルトリフルオロメタンスルホネート(728mg、1.56mmol)、キノリン-4-イルボロン酸(386mg、2.35mmol)、Pd(PPh3)4(180mg、0.156mmol)、NaBr(177mg、1.72mmol)の懸濁液を、窒素雰囲気下で100℃にて14時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した後、これを水とEtOAcとの間で分配し、層を分離した。有機物を水とブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(580mg、収率83%)。(ESI) m/z C32H32N2の計算値:444.26. 実測値:445.33 (M+1)+.
7-(1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-アミンの調製
Figure 2021501164
EtOAc(10mL)中のN,N-ジベンジル-7-(キノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-2-アミン(580mg、1.30mmol)及び10%Pd/C(290mg)の懸濁液を、H2雰囲気(15psi)下、室温で一晩撹拌した。得られた混合物をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜50%EtOAc)により精製し、表題化合物を茶色の油状物として得た(200mg、収率57%)。(ESI) m/z C18H26N2の計算値:270.21. 実測値:271.39 (M+1)+.
4-クロロ-N-(7-(1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-イル)ベンズアミド(U26883-059-1)の調製
Figure 2021501164
DCM(2mL)中の7-(1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-アミン(100mg、0.369mmol)及び4-クロロ安息香酸(86.8mg、0.555mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(143mg、1.107mmol)を添加し、その後HATU(211mg、0.555mmol)を添加した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物をブラインでクエンチし、得られた混合物をDCM(x3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE中0〜50%EA)により精製し、表題化合物を得た(43mg、収率29%)。LCMS (ESI) m/z C25H29ClN2Oの計算値:408.20. 実測値:409.43/411.41 (M/M+2)+.
4-クロロ-N-(7-(キノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-イル)ベンズアミドの調製(実施例3)
Figure 2021501164
DME(2mL)中の4-クロロ-N-(7-(1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-イル)ベンズアミド(43mg、0.105mmol)の撹拌溶液に、2,3,5,6-テトラクロロシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(21mg、0.084mmol)を添加し、得られた混合物をマイクロ波により80℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を分離し、Na2CO3及びブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、残留物を分取HPLCにより精製し、表題化合物を得た(12mg、収率28%)。1H NMR (400MHz, DMSO) δ 8.82 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 8.70 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 8.22 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.75 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.63 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.41 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 4.46 - 4.38 (m, 1H), 3.38 - 3.32 (m, 1H), 2.40 - 2.34 (m, 1H), 2.17 - 2.10 (m, 1H), 1.98 - 1.90 (m, 2H), 1.88 - 1.62 (m, 7H), 1.58 - 1.50 (m, 1H). LCMS (ESI) m/z C25H25ClN2Oの計算値:404.17. 実測値:405.38/407.35 (M/M+2)+.
実施例4
Figure 2021501164
5-クロロ-N-(7-(1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-イル)チオフェン-2-カルボキサミドの調製
Figure 2021501164
DCM(2mL)中の7-(1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-アミン(25mg、0.094mmol)及び5-クロロチオフェン-2-カルボン酸(15mg、0.094mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(36mg、0.28mmol)を添加し、その後HATU(36mg、0.094mmol)を添加した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物をブラインでクエンチし、得られた混合物をDCM(x3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(PE中0〜50%EA)により精製し、表題化合物を得た(23mg、収率59%)。LCMS (ESI) m/z C23H27ClN2OSの計算値:414.15. 実測値:415.36/417.32 (M/M+2)+.
5-クロロ-N-(7-(キノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-イル)チオフェン-2-カルボキサミドの調製(実施例4)
Figure 2021501164
DME(2mL)中の5-クロロ-N-(7-(1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(23mg、0.055mmol)の撹拌溶液に、2,3,5,6-テトラクロロシクロヘキサ-2,5-ジエン-1,4-ジオン(11mg、0.044mmol)を添加し、得られた混合物をマイクロ波により80℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を分離し、Na2CO3及びブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、残留物を分取HPLCにより精製し、表題化合物を得た(12mg、収率53%)。1H NMR (400MHz, DMSO) δ 8.82 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 8.70 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 8.22 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.75 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.63 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.36 (dd, J = 16.1, 8.2 Hz, 1H), 3.39 - 3.35 (m, 1H), 2.38 - 2.33 (m, 1H), 2.16 - 2.10 (m, 1H), 1.96 - 1.88 (m, 2H), 1.86 - 1.74 (m, 4H), 1.72 - 1.52 (m, 4H). LCMS (ESI) m/z C23H23ClN2OSの計算値:410.12. 実測値:411.30/413.25 (M/M+2)+.
実施例5
Figure 2021501164
エチル2-(8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-イリデン)アセテートの調製
Figure 2021501164
0℃において、窒素下で勢いよく撹拌されている無水THF(3mL)中のNaH(153mg、3.82mmol、油中60%)の懸濁液に、トリエチルホスホノアセテート(972mg、4.34mmol)を滴下添加した。0℃で30分間撹拌した後、THF(2mL)中の8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-オン(550mg、2.55mmol)を滴下添加した。得られた混合物を室温に温め、一晩撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液中に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。有機物を水とブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜30%EtOAc)により精製し、表題化合物を得た(600mg、収率88%)。LCMS (ESI) m/z C15H22O4の計算値:266.15. 実測値:267.27 (M+1)+.
エチル2-(8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-イル)アセテートの調製
Figure 2021501164
EtOH(10mL)中のエチル2-(8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-イリデン)アセテート(600mg、2.25mmol)及び10%Pd/C(300mg)の混合物を、H2雰囲気(15psi)下、室温で一晩撹拌した。得られた混合物をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、表題化合物を得(0.59g、収率86%)、これを精製することなく次のステップで使用した。LCMS (ESI) m/z C15H24O4の計算値:268.17. 実測値:269.43(M+1)+.
エチル2-(7-オキソスピロ[3.5]ノナン-2-イル)アセテートの調製
Figure 2021501164
アセトン(10mL)中のエチル2-(8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-イル)アセテート(0.59g、2.20mmol)の溶液に、1N HCl (11mL、11.0mmol)を滴下添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、水及びEtOAcを添加し、層を分離した。有機物を水とブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜30%EtOAc)により精製し、表題化合物を得た(468mg、収率95%)。LCMS (ESI) m/z C13H20O3の計算値:224.14. 実測値:225.28 (M+1)+.
エチル2-(7-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-2-イル)アセテートの調製
Figure 2021501164
-78℃において、THF(8mL)中のN,N-ジベンジル-8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-アミン(340mg、1.52mmol)及びN-フェニルビス-(トリフルオロメタンスルホンアミド)(704mg、1.97mmol)の溶液に、LiHMDS(1.97mL、1.97mmol)を30分間滴下添加し、反応混合物を室温に温めて一晩撹拌した。この反応混合物をNH4Cl水溶液でクエンチし、得られた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水とブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜10%EtOAc)により精製し、表題化合物を得た(220mg、収率41%)。LCMS (ESI) m/z C14H19F3O5Sの計算値:356.09. 実測値:357.40 (M+1)+.
エチル2-(7-(キノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-2-イル)アセテートの調製
Figure 2021501164
ジオキサン(4.0mL)及び水(1.0mL)中のエチル2-(7-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-2-イル)アセテート(220mg、0.62mmol)、キノリン-4-イルボロン酸(115mg、0.70mmol)、Pd(PPh3)4(54mg、0.047mmol)、NaBr(69mg、0.67mmol)及びNa2CO3(148mg、1.40mmol)の懸濁液を、窒素雰囲気下、100℃で14時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した後、これを水とEtOAcとの間で分配し、層を分離した。有機物を水とブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(71mg、収率34%)。LCMS (ESI) m/z C22H25NO2の計算値:335.19. 実測値:336.35 (M+1)+.
エチル2-(7-(キノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-イル)アセテートの調製
Figure 2021501164
EtOH(3.0mL)中のエチル2-(7-(キノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-2-イル)アセテート(71mg、0.21mmol)及び10%Pd/C(40mg)の混合物を、H2雰囲気(15psi)下、室温で一晩撹拌した。得られた混合物をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜50%EtOAc)により精製して、表題化合物を茶色の油状物として得た(63mg、収率89%)。LCMS (ESI) m/z C22H27NO2の計算値:337.20. 実測値:338.27(M+1)+.
2-(7-(キノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-イル)酢酸の調製
Figure 2021501164
MeOH(2mL)中のエチル2-(7-(キノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-イル)アセテート(63mg、0.19mmol)の溶液に、1N NaOH水溶液(0.5mL)を添加した。室温で2時間撹拌した後、得られた混合物を1N HClで中和し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して濃縮し、表題化合物を淡色の固体として得(41mg、収率70%)、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS (ESI) m/z C20H23NO2の計算値:309.17. 実測値:310.20 (M+1)+.
N-(4-クロロフェニル)-2-(7-(キノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-イル)アセトアミドの調製(実施例5)
Figure 2021501164
DCM(2mL)中の2-(7-(キノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-イル)酢酸(45mg、0.145mmol)及び4-クロロアニリン(18.5mg、0.145mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(75uL、0.435mmol)を添加し、その後HATU(55mg、0.145mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物をブラインでクエンチし、得られた混合物をDCM(x3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、残留物を分取HPLCにより精製し、表題化合物を得た(20mg、収率33%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 9.99 (s, 1H), 8.80 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 8.21 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.76 - 7.71 (m, 1H), 7.66 - 7.57 (m, 3H), 7.38 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 2.68 - 2.61 (m, 1H), 2.48 - 2.42 (m, 3H), 2.16 - 2.10 (m, 1H), 1.99 - 1.89 (m, 2H), 1.80 - 1.69 (m, 3H), 1.66 - 1.47 (m, 6H). LCMS (ESI) m/z C26H27ClN2Oの計算値:418.18. 実測値:419.32/421.27 (M/M+2)+.
実施例6
Figure 2021501164
8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-オールの調製
Figure 2021501164
MeOH(100mL)中の8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-オン(4g、20.4mmol)の溶液に、NaBH4(1.54g、40.8mmol)を少しずつ添加した。室温で30分間撹拌した後、混合物を酢酸エチルとNH4Cl水溶液との間で分配した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜30%EtOAc)により精製し、表題化合物を得た(3.6g、収率34%)。LCMS (ESI) m/z C11H18O3の計算値:198.13. 実測値:199.21(M+1)+.
8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-イルメタンスルホネートの調製
Figure 2021501164
0℃において、DCM(40mL)中の8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-オール(3.6g、18.2mmol)及びTEA(7.6mL、54.5mmol)の溶液に、MsCl(2.8mL、36.4mmol)を滴下添加した。室温で1時間撹拌した後、反応混合物をDCMと水との間で分配した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空中で濃縮して粗生成物を得、これを精製することなく次のステップで使用した(4.0g、収率80%)。LCMS (ESI) m/z C12H20O5Sの計算値:276.10. 実測値:277.36 (M+1)+.
8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-カルボニトリルの調製
Figure 2021501164
DMSO(15mL)中の8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-イルメタンスルホネート(1.56g、5.64mmol)、KCN(551mg、8.46mmol)、18-C-6(1.49g、5.64mmol)及びNaI(845mg、5.64mmol)の懸濁液を130℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空中で濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜30%EtOAc)により精製し、表題化合物を得た(500mg、収率43%)。LCMS (ESI) m/z C12H17NO2の計算値:207.13. 実測値:208.32(M+1)+.
7-オキソスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸の調製
Figure 2021501164
EtOH(2.4mL)中の8,11-ジオキサジスピロ[3.2.47.24]トリデカン-2-カルボニトリル(500mg、2.41mmol)の溶液に、1N LiOH(2.4mL、2.41mmol)を添加し、混合物を90℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を1N HClでpH3〜4まで酸性化し、酢酸エチルと水との間で分配した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空中で濃縮した。得られた粗生成物をTHF(5mL)中に溶解し、2NHCl水溶液(4mL)で処理した。室温で4時間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜50%EtOAc)により精製して、表題化合物を得た(360mg、収率69%)。LCMS (ESI) m/z C10H14O3の計算値:182.09. 実測値:183.30(M+1)+.
メチル7-オキソスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートの調製
Figure 2021501164
アセトン(4mL)中の7-オキソスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸(380mg、2.08mmol)、K2CO3(862mg、6.24mmol)の懸濁液に、メチルヨージド(1.48g、10.4mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物をセライトを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜30%EtOAc)により精製し、表題化合物を得た (360mg、収率88%)。LCMS (ESI) m/z C11H16O3の計算値:196.11. 実測値:197.28(M+1)+.
メチル7-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-2-カルボキシレートの調製
Figure 2021501164
-78℃において、THF中のメチル7-オキソスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレート(234mg、1.19mmol)及びN-フェニルビス-(トリフルオロメタンスルホンアミド)(639mg、1.79mmol)の溶液に、1M LiHMDS(1.79mL、1.79mmol)を30分かけて滴下添加した。この混合物を室温に温め、一晩撹拌した。反応混合物を、NH4Cl水溶液でクエンチし、得られた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水とブラインで連続的に洗浄し、Na2SO4で乾燥した。真空中で濾過及び濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜10%EtOAc)により精製し、表題化合物を得た(340mg、収率87%). LCMS (ESI) m/z C12H15F3O5Sの計算値:328.06. 実測値:329.27(M+1)+.
メチル7-(6-フルオロキノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-2-カルボキシレートの調製
Figure 2021501164
ジオキサン(4mL)及び水(1mL)中のメチル7-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-2-カルボキシレート(340mg、1.03mmol)、(6-フルオロキノリン-4-イル)ボロン酸(339mg、1.24mmol)、Pd(PPh3)4(239mg、0.21mmol)、KBr(112mg、1.03mmol)の懸濁液を、窒素雰囲気下、100℃で14時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を水とEtOAcとの間で分配し、層を分離した。この層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空中で濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(68mg、収率20%)。LCMS (ESI) m/z C20H20FNO2の計算値:325.15. 実測値:326.37 (M+1)+.
メチル7-(6-フルオロキノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートの調製
Figure 2021501164
MeOH(2mL)中のメチル7-(6-フルオロキノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナ-6-エン-2-カルボキシレート(68mg、0.207mmol)及び10%Pd/C(34mg)の懸濁液を、H2雰囲気(15psi)下、室温で30分間撹拌した。得られた混合物を、セライトのパッドを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE中0〜50%EtOAc)により精製し、表題化合物を無色の油状物として得た(40mg、収率59%)。LCMS (ESI) m/z C20H22FNO2の計算値:327.16. 実測値:328.34 (M+1)+.
7-(6-フルオロキノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸の調製
Figure 2021501164
MeOH(1mL)中の7-(6-フルオロキノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレート(40mg、0.122mmol)の溶液に、1NLiOH水溶液(0.3mL)を添加した。室温で一晩撹拌した後、得られた混合物を1N HClでpH6〜7に中和し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して濃縮し、表題化合物を淡色の固体として得(20mg、収率52%)、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS (ESI) m/z C19H20FNO2の計算値:313.15. 実測値:314.23 (M+1)+.
N-(4-クロロフェニル)-7-(6-フルオロキノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-カルボキサミドの調製(実施例6)
Figure 2021501164
DCM(1mL)中の7-(6-フルオロキノリン-4-イル)スピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸(16mg、0.051mmol)及び4-クロロアニリン(7.8mg、0.061mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(19uL、0.153mmol)を添加し、その後HATU(29mg、0.076mmol)を添加した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物をブラインでクエンチし、得られた混合物をDCM(x3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、残留物を分取HPLCにより精製し、表題化合物を得た(3mg、収率14%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.81 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 8.19 - 8.12 (m, 1H), 7.66 (dd, J = 10.5, 2.6 Hz, 1H), 7.56 - 7.43 (m, 3H), 7.31 - 7.27 (m, 3H), 7.07 (s, 1H), 3.17 - 3.06 (m, 2H), 2.23 - 2.19 (m, 2H), 2.05 (dd, J = 21.4, 9.3 Hz, 3H), 1.96 - 1.92 (m, 1H), 1.88 - 1.85 (m, 1H), 1.69 - 1.56 (m, 5H). LCMS (ESI) m/z C25H24ClFN2Oの計算値:422.16. 実測値:423.40/425.37 (M/M+2)+.
IDO1 PBMC RapidFire MSアッセイ
本発明の化合物を、質量分析を介するキヌレニン及びエンドポイントとしての細胞毒性の検出を利用するハイスループット細胞アッセイを介して試験した。質量分析及び細胞毒性アッセイのために、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)(PB003F、AllCells(登録商標)、Alameda、CA)を、ヒトインターフェロン-γ(IFN-γ)(Sigma-Aldrich Corporation、St. Louis、MO)及びサルモネラミネソタ(Salmonella minnesota)由来のリポ多糖(LPS)(Invivogen、San Diego、CA)で刺激して、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO1)の発現を誘導した。IDO1阻害特性を持つ化合物は、トリプトファン異化経路を介して細胞によって産生されるキヌレニンの量を減少させた。化合物治療の効果による細胞毒性は、代謝活性細胞のインジケーターであるATPの発光検出に基づく、CellTiter-Glo(登録商標)試薬(CTG)(Promega Corporation、Madison、WI)を使用して測定した。
アッセイのための準備において、試験化合物を、1mM又は5mMの典型的な最高濃度からDMSO中で3倍連続希釈し、蓋付きの384ウェルポリスチレン透明底組織培養処理プレート(Greiner Bio-One、Kremsmuenster、Austria)中0.5μLで平板培養して、11点用量応答曲線を作成した。低対照ウェル(0%キヌレニン又は100%細胞毒性)は、質量分析アッセイについて非刺激(-IFN-γ/-LPS)PBMCの存在下の0.5μLのDMSO、又は細胞毒性アッセイについて細胞の非存在下の0.5μLのDMSOのいずれかを含有しており、高対照ウェル(100%キヌレニン又は0%細胞毒性)は、質量分析及び細胞毒性アッセイの両方について刺激(+IFN-γ/+LPS)PBMCの存在下の0.5μLのDMSOを含有していた。
PBMCの凍結ストックを洗浄し、10%v/v熱失活ウシ胎児血清(FBS)(Thermo Fisher Scientific, Inc.、Waltham、MA)及び1×ペニシリン-ストレプトマイシン抗生物質溶液(Thermo Fisher Scientific, Inc.、Waltham、MA)を補充したRPMI1640培地(Thermo Fisher Scientific, Inc.、Waltham、MA)中に回収した。細胞を、補充したRPMI1640培地中で1,000,000細胞/mLに希釈した。50μLの、質量分析アッセイ用の細胞懸濁液又は細胞毒性アッセイ用の培地単独のいずれかを、予め調製した384ウェル化合物プレート上の低対照ウェルに添加して、それぞれ50,000細胞/ウェル又は0細胞/ウェルをもたらした。IFN-γ及びLPSを残りの細胞懸濁液にそれぞれ100ng/ml及び50ng/mlの最終濃度で添加し、50μLの刺激細胞を、384ウェル化合物プレート上の残りすべてのウェルに添加した。蓋付きプレートを、37℃、5%CO2加湿インキュベーター内で2日間にわたって平板培養した。
インキュベーション後、384ウェルプレートをインキュベーターから取り出し、室温に30分間にわたって平衡させた。細胞毒性アッセイのために、CellTiter-Glo(登録商標)を製造業者の説明書に従って調製し、40μLを各プレートウェルに添加した。室温で20分間のインキュベーション後、発光をEnVision(登録商標)マルチラベルリーダー(PerkinElmer Inc.、Waltham、MA)で読み取った。質量分析アッセイのために、化合物処理プレートの各ウェルから10μLの上清を、384ウェルポリプロピレンV底プレート(Greiner Bio-One、Kremsmuenster、Austria)中の、10μMの正規化のための内部標準を含有する40μLのアセトニトリルに添加して、有機被分析物を抽出した。2000rpmで10分間にわたる遠心分離の後、アセトニトリル抽出プレートの各ウェルから10μLを、RapidFire300(Agilent Technologies、Santa Clara、CA)及び4000QTRAP MS(SCIEX、Framingham、MA)でのキヌレニン及び内部標準の分析のために、384ウェルポリプロピレンV底プレート中の90μLの滅菌蒸留H2Oに添加した。Agilent TechnologiesのRapidFire Integratorソフトウェアを使用してMSデータを積分し、分析のためにキヌレニンと内部標準との比としてデータを正規化した。
質量分析アッセイにおける用量応答についてのデータを、式100-(100×((U-C2)/(C1-C2)))[式中、Uは、未知の値であり、C1は、高(100%キヌレニン、0%阻害)対照ウェルの平均であり、C2は、低(0%キヌレニン、100%阻害)対照ウェルの平均であった]を使用して、正規化後のIDO1阻害%対化合物濃度としてプロットした。細胞毒性アッセイにおける用量応答についてのデータを、式100-(100×((U-C2)/(C1-C2)))[式中、Uは、未知の値であり、C1は、高(0%細胞毒性)対照ウェルの平均であり、C2は、低(100%細胞毒性)対照ウェルの平均であった]を使用して、正規化後の細胞毒性%対化合物濃度としてプロットした。
曲線当てはめは、方程式y=A+((B-A)/(1+(10x/10C)D))[式中、Aは、最小応答であり、Bは、最大応答であり、Cは、log(XC50)であり、Dは、ヒル勾配であった]を用いて実施した。各試験化合物についての結果を、質量分析アッセイについてはpIC50値として、及び細胞毒性アッセイについてはpCC50値として(上記の方程式における-C)記録した。
Figure 2021501164
Figure 2021501164

Claims (14)

  1. 式I:
    Figure 2021501164
    の化合物又は薬学的に許容されるその塩
    (式中、
    各nは、独立して、2、1、又は0(すなわち存在しない)であり;
    Q1は、-C(O)NH-、NHC(O)-、又は5〜9員の複素環であり、前記複素環は、O、S、及びNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、且つ前記複素環は、ハロゲン、OH、C1-3アルキル、OC1-3アルキル、C1-3フルオロアルキル、CN、及びNH2から選択される1〜4個の置換基によって場合により置換されていてもよく;
    Ar1は、C5-9アリール、又は5〜9員のヘテロアリールであり、ここでアリール及びヘテロアリールは二環を包含し、ヘテロアリールはO、S、及びNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、且つAr1は、ハロゲン、OH、C1-3アルキル、OC1-3アルキル、C1-3フルオロアルキル、CN、及びNH2から選択される1〜4個の置換基によって場合により置換されていてもよく;
    Ar2は、C5-9アリール、又は5〜9員のヘテロアリールであり、ここでヘテロアリールは、O、S、及びNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、且つAr1は、ハロゲン、OH、C1-3アルキル、OC1-3アルキル、C1-3フルオロアルキル、CN、及びNH2から選択される1〜4個の置換基によって場合により置換されていてもよい)。
  2. Ar1が、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、インドール、アザインドール、ベンゾジアゾール、フェニル、ピリジル、ジアゾール、又はピリミジンであり、ここでAr1は、ハロゲン、OH、C1-3アルキル、OC1-3アルキル、C1-3フルオロアルキル、CN、及びNH2から選択される置換基によって場合により置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物又は塩。
  3. Ar1が、キノリン、イソキノリン、又はインドールであり、且つハロゲン、OH、C1-3アルキル、OC1-3アルキル、C1-3フルオロアルキル、CN、及びNH2から選択される置換基によって場合により置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物又は塩。
  4. Ar1が、ハロゲンによって場合により置換されているキノリンである、請求項1に記載の化合物又は塩。
  5. Ar2がハロゲンによって場合により置換されている、フェニル又はチオフェンである、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物又は塩。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又は塩を含む医薬組成物。
  7. IDO1の阻害から利益を得るであろう疾患又は状態を治療する方法であって、請求項6に記載の組成物の投与のステップを含む、方法。
  8. 前記疾患又は状態において、IDO活性のバイオマーカーが上昇している、請求項7に記載の方法。
  9. 前記バイオマーカーが、血漿キヌレニン又は血漿キヌレニン/トリプトファン比である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記疾患又は状態が、慢性ウイルス感染症、慢性細菌感染症、がん、敗血症又は神経学的障害である、請求項7に記載の方法。
  11. 前記慢性ウイルス感染症が、HIV、HBV又はHCVが関与するものであり、前記慢性細菌感染症が、結核又は人工関節感染症であり、前記神経学的障害が、大鬱病性障害、ハンチントン病又はパーキンソン病である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記疾患又は状態が、HIV感染症に関連する炎症、B型肝炎ウイルス若しくはC型肝炎ウイルスが関与する慢性ウイルス感染症、がん又は敗血症である、請求項11に記載の方法。
  13. IDO1の阻害から利益を得るであろう疾患又は状態を治療する際に使用するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又は塩。
  14. IDO1の阻害から利益を得るであろう疾患又は状態を治療する医薬の製造における、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又は塩の使用。
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