JP2021500367A - 操作された細胞外小胞の親和性精製 - Google Patents

操作された細胞外小胞の親和性精製 Download PDF

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Abstract

本発明は、細胞外小胞(EV)の親和性クロマトグラフィー単離及び精製に関する。本発明のEVは、例えば、クロマトグラフィーマトリックスへの高度に特異的な結合を可能にするように操作され、これは細胞培養培地又は生物学的流体のような複雑な生物学的流体からのEVの親和性に基づく単離及び精製に非常に有用である。

Description

本発明は、細胞外小胞(EV)治療薬の親和性クロマトグラフィー単離及び精製に関し、ここで、EVは、例えば、クロマトグラフィーマトリックスへの高度に特異的な結合、及び場合によりその後の溶出を可能にするように操作される。
細胞外小胞(EV)は、EV産生細胞によって細胞外環境に放出されるナノサイズの小胞(一般に、流体力学的直径が1000nm未満)である。EV及び特にエキソソーム(これは、異なるパラメーター、例えば、30〜120nmの流体力学的半径及びそれらの膜中の種々のテトラスパニンタンパク質の存在によってしばしば規定される)は、タンパク質生物学(例えば、抗体及びデコイ受容体)を標的細胞中に輸送し得、組換えタンパク質の特異性と組み合わせてEVの特性を利用する、全く新規な形態の進歩した生物学的治療を可能にすることが示されている。
EV(例えば、エキソソーム)を調製及び単離するための従来の方法は、EV産生細胞によってEVが放出される培養培地中に存在する細胞又は細胞残屑から小胞を分離するための一連の示差遠心分離工程を含む。典型的には、例えば300g、10,000g及び70,000g又は100,000gでの一連の遠心分離が適用され、その上に、チューブの底部で得られるペレットが、濃縮されたEV又はエキソソーム溶液を構成するために、生理食塩水溶液でその元の容量の画分に再懸濁される。しかしながら、これらの方法は、多くの理由:(1)プロセス全体に必要とされる延長された時間、(2)GMP環境におけるスケールアップ及び検証に関する問題、(3)細胞残屑による汚染の有意なリスク、(4)操作者の変動性による不十分な再現性、(5)小胞のペレット化から生じるEV/エキソソームの凝集、(6)処理の終わりにおける低い回収率、及び(7)小胞の形態及びそれによる生体内分布及び活性に対する負の影響のために、臨床適用に本質的に不適切である。従って、工業的制約に適し、治療品質の小胞調製物の製造を可能にする、膜小胞を調製する改善された方法が必要とされている。その目的のために、PCT出願国際公開第2000/044389号は、陰イオン交換クロマトグラフィー及び/又はゲル浸透クロマトグラフィーのようなクロマトグラフィー技術によって生物学的サンプルから膜小胞を調製するための方法を開示している。国際公開第2014/168548号は、EVのための有意に改善された単離及び精製方法、即ち、濾過及び種々の形態の液体クロマトグラフィーの連続的な組み合わせ(例えば、限外濾過及びサイズ排除液体クロマトグラフィーの組み合わせ)の使用を開示している。しかしながら、特にEV治療分野がEVベースの治療の臨床応用及び影響に向かって進歩することにつれて、前述の開示を超える有意な改善の余地がある。
従って、本発明の目的は、EVの単離及び精製に関連する上記の問題を克服することである。さらに、本発明は、当該技術分野における他の既存の必要性を満たすこと、例えば、高収率及び高特異性でのEV精製のための一般的に適用可能な親和性精製戦略を開発することを目的とする。特に、エキソソームを精製するための従来公知の方法は、EV治療薬の商業的生産に必要とされる大規模生産及びスケールアップに理想的に適していない。本発明は、従来公知の方法で達成可能であるよりも、高い親和性を有する操作されたエキソソームのはるかに大規模な精製を可能にする。
本発明は、Fc結合ポリペプチドを含むように操作されたEVが付着される、Fcドメインを含むクロマトグラフィーマトリックスを利用することによって、これら及び他の目的を達成する。従って、本発明は、EVを単離及び/又は精製するためのプロセスを取り巻く種々の態様及び実施形態に関し、これらの態様及び実施形態は、典型的には、(i)EVを含む培地を、Fcドメインを含むクロマトグラフィーマトリックスと接触させる工程と、(ii)EVをFcドメインに吸着させる工程と、(iii)FcドメインからEVを放出する培地をクロマトグラフィーマトリックス全体に通過させることによってEVを溶出する工程とを含む。上記のように、本発明のEVは、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G、Zドメイン、ZZドメイン(Zドメインの2つの作動可能に連結されたコピー)、ヒトFCGRI、ヒトFCGRIIA、ヒトFCGRIIB、ヒトFCGRIIC、ヒトFCGRIIIA、ヒトFCGR3B、ヒトFCAMR、ヒトFCERA、ヒトFCAR、マウスFCGRI、マウスFCGRIIB、マウスFCGRIII、マウスFCGRIV、マウスFCGRn、及びそれらの種々の組み合わせ、誘導体、又は代替物などのFc結合ポリペプチドを含み及び典型的にはそれらの表面上に提示するように操作される。
さらなる態様において、本発明は、EVに結合するためのクロマトグラフィーマトリックスの使用に関し、ここでクロマトグラフィーマトリックスは、Fcドメインを含む。なおさらなる態様において、本発明は、少なくとも1つのFc結合ポリペプチドを含むEVに関し、ここで前述のEVは、本発明の精製/単離方法を使用する捕捉又は単離を介して得ることができる。さらに、本発明はまた、少なくとも1つの融合タンパク質を含むEVに関し、ここで少なくとも1つの融合タンパク質は、少なくとも1つのエキソソームポリペプチドに融合された少なくとも1つのFc結合ポリペプチドを含み、これは例えば、治療適用のためのEVの精製を可能にするためのプラットフォームとして非常に有用である。
最後に、本発明はまた、少なくとも1つのFc結合ポリペプチド(Fcバインダーとも呼ばれる)及び少なくとも1つのエキソソームポリペプチドを含む融合タンパク質、並びにこのような融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド構築物、並びにこのような構築物を含むベクター、EV及び細胞に関する。
図1。Fc結合ポリペプチド(即ち、Fcバインダードメイン)に融合したエキソソームタンパク質を含む融合タンパク質を含むEVの概略図。Fcバインダーは、例えば、抗体及び/又はFcドメインを含む任意の他のタンパク質と結合することができ、それによって、EVをタンパク質治療のための多価送達ビヒクルに変える。 図2。Fc結合ポリペプチドを含むEV(A)の電子顕微鏡写真は、ナノ金標識抗体(即ち、Fc含有タンパク質)で装飾され、一方、Fc結合ポリペプチドを欠く対照EV(B)は、それらの表面に結合した抗体を全く有さない。 図3。Fc結合ポリペプチドを含むEVが、目的のFc含有タンパク質に結合することを示すフローサイトメトリーデータ(この場合、液体クロマトグラフィー精製カラムにおいて一般的に使用されるヒトIgGで例示される)。結合は、非特異的/アイソタイプ/陰性対照ビーズ集団を含む、キットに含まれる全てのビーズ集団に対して非常に効率的である。 同上。 同上。 図4。親和性クロマトグラフィーを用いて2回精製した抗体コートEVは、UF−SEC精製抗体−EVよりも高い生物活性で細胞内抗NFkB抗体をもたらし、これはシグナル伝達経路のダウンレギュレーションにおける大きな差異により示される。
本発明は、EVの親和性精製及び/又は単離に関し、EV操作戦略を利用して、典型的にはEVベース治療の範囲内で、種々の用途のためのEVの純粋なバッチの特異的な高スループット単離を可能にする。
便宜上及び明確にするために、本明細書で使用される特定の用語を収集し、以下に記載する。別途定義されないかぎり、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。
本発明の特徴、態様、実施形態、又は代替物がマーカッシュ群に関して記載されている場合、当業者は、本発明がそれによって、マーカッシュ群の任意の個々のメンバー又はメンバーのサブグループに関しても記載されていることを認識するであろう。当業者はさらに、本発明がそれによって、マーカッシュ群の個々のメンバー又はメンバーのサブグループの任意の組み合わせに関しても記載されることを認識するであろう。さらに、本発明の態様及び/又は実施形態のうちの1つに関連して説明される実施形態及び特徴は、本発明の他の全ての態様及び/又は実施形態にも必要な変更を加えて適用されることに留意するべきである。例えば、本明細書に記載されるFcドメインは、このようなFcドメインを含む任意のタイプの抗体の一部としても開示されると理解される。さらに、本明細書に記載されるようなFc結合ポリペプチドを含むEVは、核酸ベースの薬剤、タンパク質及び/又はペプチドベースの薬剤、小分子薬剤、並びにそれらの任意の組み合わせなどの種々の治療剤をさらに含むと理解されるべきである。さらに、本明細書で特定される全てのポリペプチド及びタンパク質は、ポリペプチドを融合するための従来の戦略を使用して、融合タンパク質において自由に組み合わされ得る。非限定的な例として、本明細書に記載される全てのFc結合ポリペプチドは、1つ以上のエキソソームポリペプチドと任意の組み合わせで自由に組み合わされ得る。また、Fc結合ポリペプチドを互いに組み合わせて、2つ以上のFc結合ポリペプチドを含む構築物を生成してもよい。さらに、任意の及び全ての特徴(例えば、マーカッシュ群の任意の及び全てのメンバー)は、任意の及び全ての他の特徴(例えば、任意の他のマーカッシュ群の任意の及び全てのメンバー)と自由に組み合わせることができ、例えば、Fc結合タンパク質を含む任意のEVは、任意の抗体又は他のFcドメイン含有タンパク質などの任意のFcドメイン含有タンパク質を使用して精製及び/又は単離することができる。さらに、本明細書の教示が単数のEV(及び/又はFc結合ポリペプチドを含むEV)及び/又は別個の天然ナノ粒子様小胞としてのEVに言及する場合、そのような教示は、全て、複数のEV及びEVの集団に等しく関連し、適用可能であることを理解するべきである。一般的な注釈として、本発明によるFc結合ポリペプチド、抗体などのFcドメイン含有タンパク質、EV産生細胞供給源、エキソソームタンパク質、並びに全ての他の態様、実施形態、及び代替物は、本発明の範囲及び要旨から逸脱することなく、任意の及び全ての可能な組み合わせで自由に組み合わされ得る。さらに、本発明の任意のポリペプチド又はポリヌクレオチド又は任意のポリペプチド若しくはポリヌクレオチド配列(それぞれアミノ酸配列又はヌクレオチド配列)は、任意の所定の分子がそれに関連する所望の技術的効果を実行する能力を保持する限り、元のポリペプチド、ポリヌクレオチド及び配列からかなり逸脱し得る。それらの生物学的特性が維持される限り、本出願によるポリペプチド及び/又はポリヌクレオチド配列は、天然配列と比較して50%(例えば、BLAST又はClustalWを使用して計算して)ほど逸脱し得るが、可能な限り高い配列同一性が好ましい(例えば、60%、70%、80%、又は例えば、90%以上)。例えば、少なくとも1つのFc結合ポリペプチド及び少なくとも1つのエキソソームタンパク質の組み合わせ(融合)は、それぞれのポリペプチドの特定のセグメントが置換及び/若しくは改変され得ること、並びに/又は配列が他のアミノ酸ストレッチの挿入によって中断され得ることを示唆し、これは重要な特性(例えば、Fc結合特性、エキソソームの表面への搬送、治療活性など)が保存される限り、天然の配列からの逸脱が相当であり得ることを意味する。従って、同様の推論は、このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列にも当然適用される。ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質に関連して本明細書で言及される全ての受託番号及び配列番号は、単に例として、及び情報のみのために見られるべきであり、全てのペプチド、ポリペプチド及びタンパク質は、それらを当業者が理解するように、それらの通常の意味を与えられるべきである。従って、上記のように、当業者はまた、本発明が、本明細書で言及され得る特定の配列番号及び/又は受託番号のみならず、その改変体及び誘導体もまた包含することを理解するであろう。本明細書で言及される全ての受託番号は、データベースの2017年10月24日バージョンによるUniProtKB受託番号であり、本明細書で言及される全てのタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、ヌクレオチド及びポリヌクレオチドは、当業者によって理解されるそれらの従来の意味に従って解釈されるべきである。
用語「細胞外小胞」又は「EV」又は「エキソソーム」は、本明細書において互換的に使用され、任意の形態の細胞から得ることができる任意のタイプの小胞、例えば、微小胞(例えば、細胞の原形質膜から放出される任意の小胞)、エキソソーム(例えば、エンドリソソーム経路由来の任意の小胞)、アポトーシス体(例えば、アポトーシス細胞から得ることができる)、微粒子(例えば血小板に由来し得る)、エクトソーム(例えば、血清中の好中球及び単球に由来することができる)、前立腺腫(例えば、前立腺癌細胞から得ることができる)、又は心臓腫(例えば、心臓細胞に由来することができる)などに関連すると理解されるべきである。EVのサイズは、かなり変化し得るが、EVは、典型的には、ナノサイズの流体力学的半径、即ち、1000nm未満の半径を有する。エキソソームは、EVの特に有利なカテゴリーであり、典型的には、約30〜150nmの流体力学的半径を有する。明らかに、EVは、インビボ、エクスビボの両方、及びインビトロの任意の細胞型に由来し得る。さらに、前述の用語はまた、細胞外小胞模倣物、例えば、膜押出、超音波処理、又は他の技術などによって得られる細胞膜ベースの小胞に関連すると理解されるべきである。好ましい実施形態において、本発明のEVは、真核生物起源、さらにより好ましくは、哺乳動物起源であり、これは本発明のEVが真核生物及び/又は哺乳動物細胞供給源から得られることを意味する。EVの医学的及び科学的使用及び適用を記載する場合、本発明は通常、複数のEV、即ち、数千、数百万、数十億、又はさらには数兆のEVを含み得るEVの集団に関することは、当業者には明らかであろう。以下の実験セクションから分かるように、EVは、単位体積当たり(例えば、ml当たり)10、10、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1018、1025、1030EV(しばしば「粒子」と呼ばれる)、又はより大きい、より小さい、若しくはその間の任意の他の数などの濃度で存在し得る。同様に、例えば、エキソソームポリペプチドとFc結合ポリペプチドとの間の特定の融合タンパク質を含み、次いで、目的のFc含有タンパク質(クロマトグラフィーマトリックス上に存在し得る)に結合され得るEVに関連し得る「集団」という用語は、このような集団を構成する複数の実体を包含すると理解されるべきである。言い換えれば、個々のEVは、複数存在する場合、EV集団を構成する。従って、当然ながら、本発明は、当業者に明らかなように、個々のEV及びEVを含む集団の両方に関する。EVの投与量は、インビボで適用される場合、治療される疾患、投与経路、EV上に存在する任意の標的化部分、医薬製剤などに依存して当然ながらかなり変動し得る。さらに、本発明のEVはまた、さらなる治療剤を含み得る。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、少なくとも1つの治療用小分子薬であってもよい。いくつかの実施形態では、治療用小分子薬物は、DNA損傷剤、DNA合成を阻害する薬剤、微小管及びチューブリン結合剤、抗代謝物質、酸化損傷の誘導物質、抗血管新生薬、内分泌療法、抗エストロゲン、Toll様受容体アゴニスト又はアンタゴニストなどの免疫調節物質、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤などのシグナル伝達阻害剤、熱ショックタンパク質の阻害剤、レチノイド、成長因子受容体の阻害剤、抗有糸分裂化合物、抗炎症薬、細胞周期調節剤、転写因子阻害剤、並びにアポトーシス誘導剤、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されてもよい。さらなる実施形態では、さらなる治療剤は、治療的核酸ベースの薬剤であってもよい。このような核酸ベースの治療剤は、一本鎖RNA又はDNA、二本鎖RNA又はDNA、siRNAなどのオリゴヌクレオチド、スプライススイッチングRNA、CRISPRガイド鎖、ショートヘアピンRNA(shRNA)、miRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、mRNAなどのポリヌクレオチド、プラスミド、又は任意の他のRNA若しくはDNAベクターを含む群から選択され得る。特に興味深いのは、化学的に合成され、及び/又は化学的に修飾されたヌクレオチド、例えば、2’−O−Me、2’−O−アリル、2’−O−MOE、2’−F、2’−CE、2’−EA2’−FANA、LNA、CLNA、ENA、PNA、ホスホロチオエート、トリシクロ−DNAなどを含む核酸ベースの薬剤である。なおさらなる実施形態において、本発明によるEVは、タンパク質及び/又はペプチドであり得るさらなる治療剤を含み得る。そのようなタンパク質及び/又はペプチドは、EVの内側に存在し、EV膜に挿入され、又はEV膜と関連して存在し、EVから小胞外環境に突出し、及び/又はEV表面上にコーティングされ得る。このような治療用タンパク質及び/又はペプチド剤は、モノクローナル又はポリクローナル抗体、イントラボディ、一本鎖可変断片(scFv)、アフィボディ、二重特異性及び多重特異性抗体又はバインダー、アフィボディ、ダルピン、受容体、リガンド、例えば酵素補充療法又は遺伝子編集のための酵素、腫瘍抑制因子、ウイルス又は細菌の抑制因子、細胞成分タンパク質、DNA及び/又はRNA結合タンパク質、DNA修復阻害剤、ヌクレアーゼ、プロテイナーゼ、インテグラーゼ、転写因子、成長因子、アポトーシス抑制因子及び誘導因子、毒素(例えば、シュードモナス外毒素)、構造タンパク質、NT3/4などの神経栄養因子、脳由来神経栄養因子(BDNF)及び神経成長因子(NGF)及び2.5Sβサブユニットなどのその個々のサブユニット、イオンチャネル、膜輸送体、プロテオスタシス因子、細胞シグナル伝達に関与するタンパク質、翻訳及び転写関連タンパク質、ヌクレオチド結合タンパク質、タンパク質結合タンパク質、脂質結合タンパク質、グリコサミノグリカン(GAG)及びGAG結合タンパク質、代謝タンパク質、細胞ストレス調節タンパク質、炎症及び免疫系調節タンパク質、ミトコンドリアタンパク質、並びに熱ショックタンパク質などを含む非限定的な例の群から選択され得る。好ましい実施形態では、治療剤は、EVによって送達されると、Casポリペプチドが標的細胞においてそのヌクレアーゼ活性を実行することを可能にするRNA鎖に関連する(即ち、それと共に運ぶ)無傷のヌクレアーゼ活性を有するCRISPR関連(Cas)ポリペプチド(例えば、Cas9(非限定的な例として、受託番号Q99ZW2))であってもよい。あるいは、別の好ましい実施形態では、Casポリペプチドは、標的化された遺伝子操作を可能にするために、触媒的に不活性であり得る。さらに別の代替物は、任意の他のタイプのCRISPRエフェクター、例えば、単一RNA誘導エンドヌクレアーゼCpf1(アシダミノコッカス(Acidaminococcus)又はラクノスピラ科(Lachnospiraceae)などの種由来)(非限定的な例として、受託番号U2UMQ6及びA0Q7Q2)であり得る。さらなる好ましい実施形態は、リソソーム貯蔵障害のための酵素、例えば、イミグルセラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、α−L−イズロニダーゼ、イズロネート−2−スルファターゼ及びイデュルスルファーゼ、アリールスルファターゼ、ガルスルファーゼ、酸−αグルコシダーゼ、スフィンゴミエリナーゼ、ガラクトセレブロシダーゼ、ガラクトシルセラミダーゼ、グルコシルセラミダーゼ(受託番号P04062の非限定的な例として)セラミダーゼ、α−N−アセチルガラクトサミニダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、リソソーム酸リパーゼ、酸スフィンゴミエリナーゼ、NPC1(受託番号015118の非限定的な例として)、NPC2(受託番号P61916の非限定的な例として)、ヘパランスルファミダーゼ、N−アセチルグルコサミニダーゼ、ヘパラン−a−グルコサミニド−N−アセチルトランスフェラーゼ、N−アセチルグルコサミン−6−スルファターゼ、ガラクトース−6−硫酸スルファターゼ、ガラクトース−6−硫酸スルファターゼ、ヒアルロニダーゼ、α−N−アセチルノイラミニダーゼ、GlcNAcホスホトランスフェラーゼ、ムコリピン1、パルミトイル−タンパク質チオエステラーゼ1、トリペプチジルペプチダーゼ1、バテニン、リンクリン、α−D−マンノシダーゼ、β−マンノシダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、α−L−フコシダーゼ、シスチノシン、カテプシンK、シアリン、LAMP2、及びヘキソアミニダーゼを含む群から選択される治療用タンパク質を含む。他の好ましい実施形態では、治療用タンパク質は、例えば、炎症応答を修飾する細胞内タンパク質、例えば、メチラーゼ及びブロモドメインなどの後成的タンパク質、又は筋機能を修飾する細胞内タンパク質、例えば、MyoD(受託番号P15172の非限定的な例として)若しくはMyf5などの転写因子、筋収縮性を調節するタンパク質、例えば、ミオシン、アクチン、トロポニンなどのカルシウム/結合タンパク質、又はジストロフィン(受託番号P11532の非限定的な例として)、ミニジストロフィン(受託番号P15172の非限定的な例として)、ウトロフィン、チチン、ネブリン、ジストロブレビン、シントロフィン、シンコイリン、デスミン、サルコグリカン、ジストログリカン、サルコスパン、アグリン、及び/若しくはフクチンなどの構造タンパク質であってもよい。EV送達治療剤の細胞内生物活性を改善するために利用され得るさらに別の非限定的な戦略は、エンドソーム逃避ペプチド又はタンパク質(例えば、HA2)、細胞浸透ペプチド(CPP)(例えば、TATペプチド、トランスポータン、ペネラチン、ポリリジン、又はgp41)、コレラ毒素、Shiga毒素、サポリン、ジフテリア毒素ペプチドなどを含むEVを設計することを含む。EVの表面上にこのようなエンドソーム逃避ドメインを提示することは、標的細胞への内在化及びその後のエンドソーム逃避の両方を増強し得る。
本明細書に記載される用語「抗体」及び「mAb」及び「Ab」は、それらの全体における抗体(即ち、抗体全体)及びそれらの任意の誘導体の両方を含むと理解されるべきである。従来、抗体は、ジスルフィド結合によって相互接続された少なくとも2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖を含む糖タンパク質、又はその抗原結合部分を指す。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書では、VHと略される)及び重鎖定常領域からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書では、VLと略される)及び軽鎖定常領域からなる。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。VH及びVL領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性の領域にさらに細分することができ、これはフレームワーク領域(FR)と呼ばれる、より保存された領域が点在する。重要なことに、本発明の目的のために、目的の抗体は、EVの結合及び/又は捕捉を可能にするために、本発明のFc結合ポリペプチドが結合し得るFcドメイン又はその誘導体を有することが好ましい。本発明において使用される抗体は、モノクローナル抗体(mAb)又はポリクローナル抗体であり得る。本発明において特に有用な抗体は、本発明によるFc結合ポリペプチドEVの精製/単離を可能にするために、Fc結合ポリペプチドによって結合され得る限り、キメラ抗体、CDR移植抗体、ナノボディ、ヒト若しくはヒト化抗体、又はそれらの任意の誘導体であり得る。抗体の産生は、一般に本発明の範囲外であるが、典型的には、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の両方がヤギ、ウサギ、ラマ、ラクダ科動物、ラット又はマウスのような実験的非ヒト哺乳動物で産生されるが、適切な抗体はまた、他の産生方法論、例えばKohler及びMilsteinの標準的な体細胞ハイブリダイゼーション技術の結果であり得る。例えば、マウスにおけるハイブリドーマ産生は、非常によく確立された手順であり、当該技術分野で周知の技術を使用して達成され得る。本発明において使用される抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、及び/又は任意のタイプのキメラ抗体であり得る。本明細書で使用される「ヒト抗体」という用語は、フレームワーク及びCDR領域の両方がヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する抗体を含むことを意図する。本発明において使用されるヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされていないアミノ酸残基(例えば、インビトロでのランダム若しくは部位特異的変異誘発又はインビボでの体細胞突然変異によって導入される突然変異)を含むことができる。「抗体誘導体」という用語は、抗体の任意の修飾形態、例えば、任意の方法で修飾されたアミノ酸配列を有する抗体、又は抗体と別の薬剤若しくは抗体とのコンジュゲート、二重特異性抗体、多重特異性抗体、抗体ドメイン、一本鎖可変断片(scFV)、単一ドメイン抗体、ナノボディ、アルファボディなどを指す。「ヒト化抗体」という用語は、マウス、ラクダ、ラマなどの別の哺乳動物種由来のCDR配列がヒトフレームワーク配列上に移植された抗体を指す。さらなるフレームワーク領域修飾を、ヒトフレームワーク配列内で行うことができる。本発明による抗体は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG2a、IgG2d、及びIgG2c)、IgA、IgM、IgM、IgDなどのような全てのアイソタイプ及びサブタイプ、並びにそれらのモノマー、ダイマー及びオリゴマーを含み得る。
用語「Fc含有タンパク質」及び「Fcドメインを含むタンパク質」及び「Fcドメイン含有タンパク質」及び「Fcドメインタンパク質」並びに同様の用語は、本明細書で互換的に使用され、任意のタンパク質、ポリペプチド又はペプチド(即ち、アミノ酸の配列を含む任意の分子)に関連すると理解されるべきであり、これは天然に、又はFcドメインを導入するための問題のタンパク質の操作の結果として、少なくとも1つのFcドメインを含む。Fcは、「結晶化可能な断片」の略であり、抗体のテール領域の名称である。しかしながら、Fcドメインはまた、抗体のみならず他のタンパク質上で作製及び使用され得る。そのようなFcドメイン含有タンパク質の非限定的な例としては、抗体及び抗体誘導体、Fcドメイン含有二重特異性及び多重特異性バインダー、任意のタイプのFcドメイン含有受容体又はリガンドなどが挙げられる。適切なFcドメイン(Fcドメインを天然に欠く目的のタンパク質と融合され得る)は、以下の非限定的な例を含む:ヒトIGHM、ヒトIGHA1、ヒトIGHA2、ヒトIGKC、ヒトIGHG1、ヒトIGHG2、ヒトIGHG3、ヒトIGHG4、ヒトIGHD、ヒトIGHE、及びそれらの任意のドメイン、誘導体、又はこれらの組み合わせ。本質的に、EVのFc結合ポリペプチドとFcドメインとの間の結合が、例えば、細胞培養培地のような生物学的流体からのEVの精製及び/又は単離を可能にするのに十分に強力及び/又は特異的である限り、任意の目的のタンパク質は、Fcドメインを組み込むように改変され得る。
Fc含有タンパク質(例えば、IgG抗体)は、分離装置においてクロマトグラフィーマトリックス及び/又は任意の他のタイプのいわゆる固相に「付着」されていると本明細書に度々記載される。あるいは、EVは、Fc含有タンパク質、例えば抗体のFcドメインを「それらの表面に結合」又は「それらの表面に付着」されていると言及されることがある。これらの表現は、Fc結合ポリペプチドとFcドメインとの間の従来の相互作用、即ち、2つのポリペプチドが、Fc結合ポリペプチドとFcドメインとの間に形成される化学結合(典型的には、非共有結合)を生じるように互いに相互作用しているという状況において理解されるべきである。従って、これは通常、Fc結合ポリペプチドを含むEVがそのような結合のおかげで、Fc含有タンパク質のFcドメインに付着していることを意味する。当業者によって理解されるように、EVは、結果的に、それに結合(付着)された複数のこのようなFc含有タンパク質を有し得、化学的相互作用が、生物学的流体又は細胞培養培地のような培地からのEVの親和性精製のための基礎として役立つことを可能にする。
「Fc結合ポリペプチド」及び「Fc結合タンパク質」及び「Fcバインダー」及び「バインダー」という用語は、本明細書で互換的に使用され、例えば抗体など、本質的に任意の目的のタンパク質のFcドメインに結合できる任意のタンパク質、ポリペプチド又はペプチド(即ち、アミノ酸の配列を含む任意の分子)に関連すると理解されるべきである。典型的には、本発明のFc結合ポリペプチドは、ヒト又は非ヒト(例えば、哺乳動物供給源、細菌など)のいずれかである種々の供給源に由来し得、それらは種々の抗体アイソタイプ、サブタイプ及び種(例えば、IgG(IgGの場合の非限定的な例として、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG2a、IgG2d、及び/又はIgG2c)、IgA、IgM、IgM、IgDなど)のFcドメインに対して高い親和性を有し、それらは場合によりEVタンパク質に融合され得る。本発明によるFc結合ポリペプチドの非限定的な例としては、本出願を通して言及される他のFc結合ポリペプチドに加えて、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G、Zドメイン、ZZドメイン(Zドメインの2つの作動可能に連結されたコピー)、ヒトFCGRI、ヒトFCGRIIA、ヒトFCGRIIB、ヒトFCGRIIC、ヒトFCGRIIIA、ヒトFCGR3B、ヒトFCAMR、ヒトFCERA、ヒトFCAR、マウスFCGRI、マウスFCGRIIB、マウスFCGRIII、マウスFCGRIV、マウスFCGRn、及びそれらの種々の組み合わせ、誘導体又は代替物が挙げられる。重要なことに、Fc結合ポリペプチドは、少なくとも1つのpH感受性切断部位を含むリンカーの助けを借りて、エキソソームポリペプチドに融合され得る。この戦略を使用することによって、Fcドメインを含むクロマトグラフィーマトリックスを使用してEVを含むFc結合ポリペプチドを捕捉し、次いで、Fc結合ポリペプチド自体なしでFcドメインマトリックスからEVを放出することが可能である。これは精製部分を欠くエキソソーム、即ち、いかなるFc結合タグにも結合しないエキソソームの精製を必要とする状況に有利である。このようなpH感受性部位の例としては、Val−Val−Val−His−Asn及びVal−Val−Val−His−Asn−Cysが挙げられる。さらなるpH感受性切断部位は、当業者によって容易に設計することができる。例えば、タンパク質GのC2ドメインは、pH感受性部位としても使用することができ、これはこの場合、pH感受性ドメイン自体がFc結合ポリペプチドの一部を形成することを意味する。
用語「EVタンパク質」及び「EVポリペプチド」及び「エキソソームポリペプチド」及び「エキソソームタンパク質」は、本明細書で互換的に使用され、ポリペプチド構築物(これは典型的には、EVタンパク質に加えて、Fc結合ポリペプチドを含む)を適切な小胞構造、即ち適切なEVに輸送するために利用され得る任意のポリペプチドに関連すると理解されるべきである。より具体的には、これらの用語は、融合タンパク質構築物の小胞構造(例えばEV)への輸送、搬送又は往復を可能にする任意のポリペプチドを含むと理解されるべきである。このようなエキソソームポリペプチドの例は、例えば、CD9、CD53、CD63、CD81、CD54、CD50、FLOT1、FLOT2、CD49d、CD71(トランスフェリン受容体としても知られる)及びそのエンドソーム選別ドメイン、すなわちトランスフェリン受容体エンドソーム選別ドメイン、CD133、CD138(シンデカン−1)、CD235a、ALIX、ARRDC1、シンテニン−1、シンテニン−2、Lamp2b、シンデカン−2、シンデカン−3、シンデカン−4、TSPAN8、TSPAN14、CD37、CD82、CD151、CD231、CD102、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、DLL1、DLL4、JAG1、JAG2、CD49d/ITGA4、ITGB5、ITGB6、ITGB7、CD11a、CD11b、CD11c、CD18/ITGB2、CD41、CD49b、CD49c、CD49e、CD51、CD61、CD104、Fc受容体、インターロイキン受容体、免疫グロブリン、MHC−I又はMHC−II成分、CD2、CD3ε、CD3ζ、CD13、CD18、CD19、CD30、TSG101、CD34、CD36、CD40、CD40L、CD44、CD45、CD45RA、CD47、CD86、CD110、CD111、CD115、CD117、CD125、CD135、CD184、CD200、CD279、CD273、CD274、CD362、COL6A1、AGRN、EGFR、GAPDH、GLUR2、GLUR3、HLA−DM、HSPG2、L1CAM、LAMB1、LAMC1、LFA−1、LGALS3BP、Mac−1α、Mac−1β、MFGE8、SLIT2、STX3、TCRA、TCRB、TCRD、TCRG、VTI1A、VTI1B、他のエキソソームポリペプチド、及びそれらの任意の組み合わせであるが、EVにポリペプチド構築物を輸送することができる多数の他のポリペプチドは、本発明の範囲内に含まれる。典型的には、本発明の多くの実施形態において、EV中に存在する融合タンパク質を形成するために、少なくとも1つのエキソソームポリペプチドが少なくとも1つのFc結合ポリペプチドに融合される。このような融合タンパク質はまた、リンカー、膜貫通ドメイン、サイトゾルドメイン、多量体化ドメインなどを含む、それらの機能を最適化するための種々の他の成分を含み得る。
用語「供給源細胞」又は「EV供給源細胞」又は「親細胞」又は「細胞供給源」又は「EV産生細胞」又は任意の他の類似の用語は、適切な条件下、例えば懸濁培養又は接着培養又は任意の他のタイプの培養系においてEVを産生することができる任意のタイプの細胞に関連すると理解されるべきである。本発明による供給源細胞はまた、インビボでエキソソームを産生する細胞を含み得る。本発明による供給源細胞は、広範囲の細胞及び細胞株、例えば、間葉幹細胞又は間質細胞又は線維芽細胞(例えば、骨髄、脂肪組織、Whartonゼリー、周産期組織、歯芽、臍帯血、皮膚組織などから入手可能)、羊膜細胞、より具体的には、場合により種々の初期マーカーを発現する羊膜上皮細胞、骨髄抑制細胞、M2分極マクロファージ、脂肪細胞、内皮細胞、線維芽細胞などから選択され得る。特に興味深い細胞株には、ヒト臍帯内皮細胞(HUVEC)、ヒト胚性腎臓(HEK)細胞、微小血管又はリンパ管内皮細胞などの内皮細胞株、軟骨細胞、異なる起源のMSC、気道又は肺胞上皮細胞、線維芽細胞、内皮細胞などが含まれる。また、免疫細胞(例えば、B細胞、T細胞、NK細胞、マクロファージ、単球、樹状細胞(DC))もまた、本発明の範囲内であり、本質的に、EVを産生し得る任意のタイプの細胞もまた、本明細書に含まれる。一般に、EVは、本質的に任意の細胞供給源(一次細胞供給源又は不死化細胞株である)に由来し得る。EV供給源細胞は、誘導多能性幹細胞(iPSC)及び任意の方法によって誘導された他の幹細胞を含む、任意の胚性、胎児性、及び成体体性幹細胞型であってもよい。非常に好ましい実施形態において、本発明の供給源細胞は、真核生物起源、好ましくは哺乳動物起源、最も好ましくはヒト起源のものである。供給源細胞の選択は、意図される用途に応じてさらに変化し得、例えば、神経疾患を治療する場合、供給源細胞として、例えば、ニューロン(例えば、一次ニューロン)、星状細胞、乏突起膠細胞、ミクログリア、及び/又は神経前駆細胞を利用することが意図され得、一方、変性疾患の治療の状況では、羊膜上皮細胞、間葉間質細胞などの細胞供給源が利用され得る。供給源細胞は、治療される患者にとって同種異系、自己由来、又は本質的に異種のいずれであってもよく、即ち、細胞は、患者自身からのものであってもよく、又は無関係の、一致した、若しくは一致しないドナーからのものであってもよい。特定の状況では、同種異系細胞は、特定の適応症に罹患している患者の自己細胞からは得ることができない可能性がある免疫調節効果を提供することができるので、医学的観点から好ましい場合がある。例えば、全身性、末梢性、及び/又は神経性炎症を治療する状況において、同種異系MSCは、そのような細胞から得ることができるEVが、例えば、マクロファージ及び/又は好中球表現型の切り替え(それぞれ、炎症誘発性M1又はN1表現型から抗炎症性M2又はN2表現型へ)を介する免疫調節を可能にし得るので、好ましい場合がある。従来、治療用途のためのEVを産生する場合、EV産生細胞は細胞培養物中で維持され、目的のEVは細胞培養培地中に分泌され、そこから目的のEVは、例えば本発明の方法を使用して精製及び/又は単離される必要がある。このような培養培地は、既定されていても、既定されていなくてもよく、外因性ヒトタンパク質、又はウシ胎仔(ウシ)血清などの非ヒトタンパク質さえも含んでよく、また本質的に任意のタイプの従来の細胞培養添加物を含んでもよい。重要なことに、本発明は、Fc結合ポリペプチドと、クロマトグラフィーマトリックス(即ち、クロマトグラフィーシステムにおける任意のいわゆる固定相)に付着したFcドメインとの間の相互作用を利用して、このような複雑な流体からのEVの分離を可能にする。
第1の態様において、本発明は、少なくとも1つのFc結合ポリペプチドを含むEVを捕捉する(即ち、結合する)ためのプロセスに関する。前述のプロセスは、典型的には、(i)EVを含む培地を、Fcドメインを含むクロマトグラフィーマトリックスと接触させる工程と、(ii)EVをFcドメインに吸着させる工程とを含む。さらなる態様において、本発明は、例えば、このようなFc結合EVを含む培地から精製及び/又は単離するためのプロセスに関し、このプロセスは、(iii)FcドメインからEVを放出する培地をクロマトグラフィーマトリックス全体に通過させることによってEVを溶出する、さらなる場合による工程を含む。このプロセスの原理は、親和性精製及び/又は親和性クロマトグラフィー、即ち、一般的なリガンドと一般的な対応する受容体(この場合、FcドメインとFc結合ポリペプチド)との間の特異的相互作用に基づく、種々のタイプの溶質を含む複雑な生物学的流体からの特定の標的溶質(この場合、エキソソームなどのEV)の精製として知られるものである。従って、Fcドメインは固定相に付着するが、Fc結合ポリペプチドは、液相(例えば、細胞培養培地)に含まれるEV中/上に存在する。本発明のプロセス及び方法は、接着細胞及び懸濁細胞の両方に使用される任意のタイプの細胞培養培地及び種々の細胞培養培地に容易に適用され、例えば、RPMI、EMEM、DMEM、MEM、PMEM、PEM、Opti−MEM、IMDM、Advanced DMEM、McCoy培地、血清、抗生物質、栄養剤などの添加物を含む又は含まない培地などが、本発明の親和性クロマトグラフィー法で試験されている。
有利な実施形態において、Fcドメインは、クロマトグラフィーマトリックスに付着した抗体の一部である。このような抗体は、好ましくは、EVのFc結合ポリペプチドとFcドメインとの間の結合が妨害されないことを確実にするために、そのFcドメイン以外の任意の部分を使用して、(いわゆる固定)クロマトグラフィーマトリックスに付着される。有利な実施形態において、抗体(即ち、Fcドメインを含むタンパク質)は、IgG抗体、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgG2a、IgG2d、及び/又はIgG2cである。しかしながら、定常領域がEVに含まれるFc結合ポリペプチドと特異的に相互作用することができる限り、他のアイソタイプの抗体もまた、本発明のために利用され得る。このような他のアイソタイプは、IgA、IgM、IgM、及びIgDなどを含み得る。本発明による抗体は、ヒト、動物、及び/又は合成起源のものであってもよい。
さらなる実施形態において、このプロセスは、Fcドメイン−Fc結合ポリペプチド結合を適切なpHを有する培地に曝露することによって、FcドメインからのEVの放出を誘発することを含み得る。これはEV含有培地(即ち、液相)を、例えば、固定相として、Fcドメインが付着したクロマトグラフィーマトリックスを含むクロマトグラフィーカラムに通し、EVのFc結合ポリペプチドをマトリックスのFcドメインに吸着させ、次いで、適切なpHを有する溶液をクロマトグラフィーカラムに通すことによって達成される。好ましくは、カラムからのEVの放出を誘発することが意図される溶液のpHは、pH8未満、好ましくはpH7未満、さらにより好ましくはpH6未満である。EVを捕捉するプロセス及びEVを放出するプロセスの両方は、複数回、例えば、1回繰り返しから、例えば500回繰り返しまでの範囲で繰り返されてもよい。
さらなる態様において、クロマトグラフィーマトリックス(クロマトグラフィー分野において固定相としても知られる)は、アガロース、デキストラン、レクチン、ヘパリン、セルロース、デンプン、デキストラン、寒天、アガロース、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド、ポリスルホン、ポリビニルポリマー、ポリスチレン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、多糖−ミネラル構造、多糖−合成ポリマー、合成ポリマー−ミネラル構造、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上からなり得る。マトリックスは、ビーズ、繊維、不規則な形状の粒子、膜、平坦な構造、多孔質ミネラル材料、又は本質的に任意のタイプの適切な固定相の形態で存在し得る。もちろん、Fcドメインは、化学結合及びリンカーを用いて種々の表面に直接付着させることもできる。これは例えば表面プラズモン共鳴のような方法に特に有用であり得る。
さらなる実施形態において、Fcドメインは、異なるタイプの化学的及び生化学的結合(linkage)及び結合(bond)を介してクロマトグラフィーマトリックスに付着され得る。マトリックスとFcドメインを含むタンパク質、例えば抗体との間の共有結合は、従来のアミド結合、ジスルフィド結合、エーテル結合、エステル結合、チオ−エーテル結合、チオ−エステル結合、グルタチオン−GST相互作用、ストレプトアビジン−ビオチン相互作用などであり得る。マトリックスは、当業者に周知のように、NHS(NHC−EDC/EDACカップリングのための)、チオール、CNBr、エポキシ、チオプロピル、第一級アミン、スルフヒドリル、カルボン酸、アルデヒド、ヨードアセチル、アズラクトン、CDI、マレイミドなどのような化学的コンジュゲーション部分を使用して、Fcドメイン含有タンパク質への結合を容易にするために化学的に活性化され得る。さらに、種々の分子も特定のFcドメイン含有タンパク質(例えば、IgG抗体)との特異的相互作用を媒介し得る。例えば、プリン関連分子をクロマトグラフィーマトリックスに付着させて、FcドメインをFc結合ポリペプチドEVとの相互作用のための遊離かつ接近可能な状態に維持しながら、マトリックスへのIgG結合を可能にすることができる。
好ましい実施形態において、本発明のプロセスは、Fcドメイン及び/又はFcドメイン含有タンパク質を含むクロマトグラフィーマトリックスを含むクロマトグラフィーカラム中で実施される。
別の態様において、本発明は、EVに結合するためのクロマトグラフィーマトリックスの使用に関し、ここでクロマトグラフィーマトリックスは、Fcドメインを含む。上記のように、Fcドメインは、有利には、抗体、例えばIgGに含まれる。
Fc結合EVを捕捉する際に使用するためのクロマトグラフィーマトリックスは、固定クロマトグラフィー相として適切な本質的に任意のタイプの材料からなり得る。非限定的な例としては、アガロース、デキストラン、レクチン、ヘパリン、セルロース、デンプン、デキストラン、寒天、アガロース、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド、ポリスルホン、ポリビニルポリマー、ポリスチレン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、多糖−ミネラル構造、多糖−合成ポリマー、合成ポリマー−ミネラル構造、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上が挙げられる。マトリックスは、ビーズ、繊維、不規則な形状の粒子、膜、平坦な構造、多孔質ミネラル材料、又は本質的に任意のタイプの適切な固定相の形態であり得る。
さらなる態様において、本発明は、少なくとも1つのFc結合ポリペプチドを含むEVに関し、前述のEVは、本発明のプロセスのいずれかを使用する捕捉及び/又は単離によって得ることができる。本明細書の方法及びプロセスを使用して単離されたEVは、典型的には、他のより厳しい方法を使用して単離されたEVよりも、より少ない凝集、より低い分解、EVの形態への負の影響がないことなどの結果として、かなり生物学的に活性である。比較実験において、本発明による親和性クロマトグラフィーを用いて精製されたEVは、標的細胞中により効率的に内在化され、種々のカーゴ(例えば、タンパク質置換療法のためのsiRNA及びタンパク質生物学(例えば、NPC1タンパク質のNPC1低/欠損標的細胞への送達))のより高い生物活性送達を示す。
さらなる態様において、本発明は、少なくとも1つの融合タンパク質を含むEVに関し、ここで、少なくとも1つの融合タンパク質は、少なくとも1つのエキソソームポリペプチドに融合された少なくとも1つのFc結合ポリペプチドを含む。少なくとも1つのFc結合ポリペプチドは、好ましくは、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G、タンパク質L、タンパク質LG、Zドメイン、ZZドメイン、ヒトFCGRI、ヒトFCGR2A、ヒトFCGR2B、ヒトFCGR2C、ヒトFCGR3A、ヒトFCGR3B、ヒトFCGRB、ヒトFCAMR、ヒトFCERA、ヒトFCAR、マウスFCGRI、マウスFCGRIIB、マウスFCGRIII、マウスFCGRIV、マウスFCGRn、SPHペプチド、SPAペプチド、SPG2、SpA模倣物1、SpA模倣物2、SpA模倣物3、SpA模倣物4、SpA模倣物5、SpA模倣物6、SpA模倣物7、SpA模倣物8、SpA模倣物9、SpA模倣物10、Fey模倣物1、Fey模倣物2、及びそれらの任意の組み合わせを含む群から選択され得る。好ましくは、Fc結合ポリペプチドは、クロマトグラフィーマトリックスに付着したFcドメインとの相互作用を可能にするために、EVの外表面上に少なくとも部分的に提示される。
好ましい実施形態において、少なくとも1つのFc結合ポリペプチドは、2つ以上のFc結合領域を含み得る。さらに、Fc結合ポリペプチドをEVに輸送するために使用され得る少なくとも1つのエキソソームポリペプチドは、CD9、CD53、CD63、CD81、CD54、CD50、FLOT1、FLOT2、CD49d、CD71、CD133、CD138、CD235a、ALIX、ARRDC1、シンテニン−1、シンテニン−2、Lamp2b、TSPAN8、TSPAN14、CD37、CD82、CD151、CD231、CD102、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、DLL1、DLL4、JAG1、JAG2、CD49d/ITGA4、ITGB5、ITGB6、ITGB7、CD11a、CD11b、CD11c、CD18/ITGB2、CD41、CD49b、CD49c、CD49e、CD51、CD61、CD104、Fc受容体、インターロイキン受容体、免疫グロブリン、CD2、CD3ε、CD3ζ、CD13、CD18、CD19、CD30、CD34、CD36、CD40、CD40L、CD44、CD45、CD45RA、CD47、CD86、CD110、CD111、CD115、CD117、CD125、CD135、CD184、CD200、CD279、CD273、CD274、CD362、COL6A1、AGRN、EGFR、GAPDH、GLUR2、GLUR3、HLA−DM、HSPG2、L1CAM、LAMB1、LAMC1、LFA−1、LGALS3BP、Mac−1α、Mac−1β、MFGE8、SLIT2、STX3、TCRA、TCRB、TCRD、TCRG、VTI1A、VTI1B、他のエキソソームポリペプチド、及びそれらの任意の組み合わせを含む非限定的な例の群から選択され得る。好ましくは、上記のように、少なくとも1つのFc結合ポリペプチドは、例えば、抗体のようなタンパク質を含むFcドメイン中に存在する、少なくとも1つの、しかししばしば2つ以上のFcドメインへの結合を可能にするために、EVの外表面上に提示される。
エキソソームポリペプチドとの融合の結果として、Fc結合ポリペプチドは、EVの表面上に非常に高い数で効率的に提示され、Fc結合ポリペプチドによるEVの密なコーティング、従って、クロマトグラフィーマトリックスに付着したFcドメインとの相互作用の高い結合力を可能にする。例えば、EV上に提示されるFc結合ポリペプチドの数は
さらなる態様において、本発明は、本発明によるEV、及び薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物に関する。好ましくは、本発明によるEVは、それらの完全性、形態及び生物活性を維持するために、本発明のプロセスを用いて細胞培養培地から精製される。薬学的に許容され得る賦形剤は、任意の薬学的に許容され得る材料、組成物又はビヒクル、例えば、固体又は液体充填剤、希釈剤、賦形剤、担体、溶媒又はカプセル化材料を含む群から選択され得、これらは例えば、EV集団を懸濁し、その活性を維持し、又は1つの器官若しくは身体の部分から、別の器官若しくは身体の部分へ(例えば、血液から任意の組織及び/又は器官及び/又は目的の身体部分へ)運び若しくは輸送することに関与し得る。
さらなる態様において、本発明は、Fcドメインを含むタンパク質に結合し得るEVを産生するための方法に関する。そのような方法は、(i)少なくとも1つのFc結合ポリペプチド及び少なくとも1つのエキソソームポリペプチドを含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド構築物をEV供給源細胞に導入する工程と、(ii)EVプロデューサー細胞から分泌されるEVを収集する工程とを含み得、前述のEVは、目的の融合タンパク質を含む。
一般に、本明細書に記載されるようなFc結合ポリペプチドは、非ヒト起源であり得、それらは、例えば、細菌、ウイルス、又は任意の非ヒト哺乳動物から得られ得る。別の実施形態において、Fc結合ポリペプチドは、ヒト起源又は哺乳動物起源であり得る。本発明の好ましい実施形態において、Fc結合ポリペプチドは、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G、Zドメイン、ZZドメイン、タンパク質L、タンパク質LG、ヒトFCGRI、ヒトFCGR2A、ヒトFCGR2B、ヒトFCGR2C、ヒトFCGR3A、ヒトFCGR3B、ヒトFCGRB、ヒトFCAMR、ヒトFCERA、ヒトFCAR、マウスFCGRI、マウスFCGRIIB、マウスFCGRIII、マウスFCGRIV、マウスFCGRn、及び上記Fc結合ポリペプチドのいずれかの任意の組み合わせを含む群から選択され得る。例えばファージディスプレイスクリーニングから、及びバイオインフォマティクスを介して得られている他の適切なFc結合ポリペプチドは、Fc結合ペプチドSPH、SPA、SPG2、SpA模倣物1、SpA模倣物2、SpA模倣物3、SpA模倣物4、SpA模倣物5、SpA模倣物6、SpA模倣物7、SpA模倣物8、SpA模倣物9、SpA模倣物10、Fey模倣物1、及びFey模倣物2、並びにそれらの任意の組み合わせ又は誘導体を含む。特定の構築物のための最も適切なFc結合ポリペプチドの選択は、所望の結合特性、親和性、エキソソームポリペプチドに融合された場合のFc結合ポリペプチドの配向、及び種々の他の因子に大きく依存する。
タンパク質A/Gは、7つのFc結合ドメインEDABC−C1 C3からなる組換え遺伝子操作タンパク質であり、タンパク質A部分は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)セグメントE、D、A、B及びCから得られ、タンパク質G部分は、連鎖球菌(Streptococcus)セグメントC1及びC3から得られる。有利には、タンパク質A/Gはタンパク質A又はタンパク質G単独のいずれよりも幅広い結合能力を有し、種々の種由来の抗体に対して幅広い結合親和性を有する。タンパク質A/Gは、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、IgG4;マウスIgG2a、IgG2b、IgG3及びラットIgG2a、IgG2cなどの種々のヒト、マウス及びラットIgGサブクラスに結合する。さらに、タンパク質A/Gは、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ウサギ、モルモット、ブタ、イヌ及びネコ由来の総IgGに結合する。タンパク質A/Gは、細胞壁結合領域、細胞膜結合領域、及びアルブミン結合領域を除去して、固定相に付着した目的のタンパク質のFcドメインへの強力な結合を可能にするように操作されている。従って、本発明による有利な実施形態では、Fc結合ポリペプチドは、タンパク質A、タンパク質G、及びタンパク質A/Gの場合のように、2つ以上のFc結合領域を含むことができる。代替の実施形態では、Fc結合ポリペプチドは、目的の抗体の2つ以上のコピーへの結合を可能にするために増加され得る。例えば、短いZドメインFcバインダーは、2つ以上のFcドメインへの結合を可能にする操作的連結を介して、2つ以上のコピーのエキソソームポリペプチドとの融合タンパク質に含まれ得る。このようにして、クロマトグラフィーマトリックス及び他のFcドメイン含有タンパク質に含まれる複数のFcドメインへの結合を、別々の融合タンパク質間だけでなく、1つの単一融合タンパク質内でも可能にすることが可能である。例えば、テトラスパニンファミリーに属するエキソソームポリペプチド(CD63など)にFc結合ポリペプチドを導入する場合、あるFc結合ポリペプチドをCD63の一方のループに、別のFc結合ポリペプチド(同じ又は異なり得る)をタンパク質の別のループに挿入することが有利であり得る。本発明による、Fc結合ポリペプチドとエキソソームポリペプチドとの間の融合タンパク質のいくつかの非限定的な例は、以下のように概略的に記載され得る(以下の表記は任意のC及び/又はN末端方向を例示するものとして解釈されるべきではなく、単に例示目的を意図する):
エキソソームポリペプチド−Fc結合ポリペプチド−Fc結合ポリペプチド
エキソソームポリペプチドドメイン−Fc結合ポリペプチド−エキソソームポリペプチドドメイン−Fc結合ポリペプチド
エキソソームポリペプチドドメイン−Fc結合ポリペプチドA−エキソソームポリペプチドドメイン−Fc結合ポリペプチドB
好ましい実施形態において、少なくとも1つのFc結合ポリペプチドは、pH感受性切断部位を含むリンカーを介してエキソソームポリペプチドに連結される。エキソソームポリペプチド及びFc結合ポリペプチドを含む融合タンパク質に含まれるこのような切断部位の存在は、単にpHを変化させることによって、Fc結合EVの親和性捕捉のみならず、EV自体からのFc結合ポリペプチド全体の除去も可能にする。これはクロマトグラフィーマトリックスからの溶出プロセスの一部として、及び/又は別個の工程で行うことができる。エキソソームポリペプチドとFc結合ポリペプチドとの間に切断部位を挿入することは、マトリックス及びFc結合ポリペプチドの両方からのEVのきれいな切断除去を可能にするので、有利である。
有利な実施形態において、本発明によるEVは、クロマトグラフィーマトリックスの一部を形成するFcドメインへの結合を可能にするために、実質的に複数のFc結合ポリペプチドを含み得る。例えば、高度に発現されたEVタンパク質(例えば、CD63又はCD81又はシンテニン)を使用する場合、EVの表面の非常に密なコーティングを達成し得る。従って、本発明のEVは、Fc結合ポリペプチドを含む少なくとも10の融合ポリペプチドタンパク質、又はさらには、より好ましくは、少なくとも20、50、又は100を超える融合ポリペプチドを含み得る。このようなタンパク質は、同じ融合ポリペプチドのコピーであっても、異なるポリペプチドの複数のコピーであってもよい。
さらなる態様において、本発明の方法及びプロセスはまた、得られるEVの収率又は特性に影響を及ぼすために、EV供給源細胞を、血清飢餓、低酸素、バフィロマイシン、又はTNF−α及び/若しくはIFN−γなどのサイトカインに曝露することを含み得る。EV産生スケール及びタイムラインはEV産生細胞又は細胞株に大きく依存し、従って、当業者によって適応され得る。本発明による方法は、本発明の親和性捕捉工程の前に実施することができる追加のEV精製工程をさらに含むことができる。例えば、EVは、液体クロマトグラフィー(LC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ビーズ溶出クロマトグラフィー、スピン濾過、接線流濾過(TFF)、中空繊維濾過、遠心分離、免疫沈降、流動場分画、透析、マイクロ流体ベースの分離など、又はそれらの任意の組み合わせを含む技術の群から選択される方法を用いて精製され得る。有利な実施形態では、EVの精製は、濾過(好ましくは、限外濾過(UF)又は接線流濾過(TFF))及び親和性クロマトグラフィー(場合により、サイズ排除液体クロマトグラフィー(LC)又はビーズ溶出液LCも含む)の連続組み合わせを使用して実施される。精製工程を組み合わせることは、通常、得られるサンプルの純度を増強し、ひいては優れた治療活性をもたらす。
重要なことに、上記のように、Fc結合EVの親和性精製は、複数回、本質的に無制限であるが、少なくとも2〜500回の間のいずれかで実行され得る。本明細書に例示されるように、Fc結合EVの連続精製は、精製工程間の薬物負荷を可能にする。例えば、Fc結合EVは、EV産生細胞供給源の条件培地から直接精製し、続いて薬物負荷工程、さらに別のラウンドの精製を行うことができる。本発明のFc結合EVは、抗体のための送達ビヒクルとして非常に適切であり、上記の段階的精製プロトコールを忠実に実行することにより、抗体を運ぶEVの非常に効率的な負荷及び精製が可能となる。概略的には、これは以下のように例示することができる:
−EV産生細胞によるEVの細胞培養培地への分泌
−本発明のプロセス及び方法を用いたEVの親和性精製
−薬物負荷(例えば、EVの表面への抗体の負荷)
−本発明のプロセス及び方法を用いたEVの親和性精製
本発明は、EVの化粧品用途にも関する。従って、本発明は、乾燥した皮膚、しわ、ひだ、隆起、及び/又は皮膚のしわなどの症状及び問題を改善及び/又は軽減するために、適切なEVを含む、クリーム、ローション、ゲル、エマルジョン、軟膏、ペースト、粉末、リニメント、日焼け止め剤、シャンプーなどのスキンケア製品に関することができる。1つの実施形態において、EV(例えば、目的の抗体に結合した融合タンパク質を運ぶ)は、再生特性を有する適切なEV産生細胞供給源(例えば、MSC又は羊膜由来細胞供給源)から得られ、しわ、すじ、ひだ、隆起、及び/又は皮膚のしわの美容的又は治療的軽減に使用するための化粧用クリーム、ローション、又はゲルに含まれる。
さらに別の態様では、本発明は、医学で使用するための本発明によるEVに関する。もちろん、EVが医学において使用される場合、それは、実際には、通常、使用されているEVの集団である。患者に投与されるEVの用量は、治療又は軽減される疾患又は症状、投与経路、EV自体に含まれる及び/又はEVによって送達される治療薬の薬理作用、EVの固有の特性、任意の標的化実体の存在、並びに当業者に公知の様々な他の関連パラメーターに依存するであろう。
従って、本発明によるEV及びEV集団は、予防及び/又は治療目的、例えば、様々な疾患及び障害の予防及び/又は治療及び/又は軽減における使用に使用することができる。本発明によるEVが適用され得る疾患の非限定的なサンプルは、クローン病、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、関節リウマチ、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、サルコイドーシス、特発性肺線維症、乾癬、腫瘍壊死因子(TNF)受容体関連周期性症候群(TRAPS)、インターロイキン−1受容体アンタゴニストの欠損(DIRA)、子宮内膜症、自己免疫性肝炎、強皮症、筋炎、卒中、急性脊髄損傷、血管炎、ギラン−バレー症候群、急性心筋梗塞、ARDS、敗血症、髄膜炎、脳炎、肝不全、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、腎不全、心不全又は任意の急性若しくは慢性臓器不全及び関連する基礎疾患、移植片対宿主病、デュシェンヌ筋ジストロフィー及び他の筋ジストロフィー、リソソーム蓄積症、例えばゴーシェ病、ファブリー病、MPS I、II(ハンター症候群)、及びIII、ニーマンピック病、ニーマンピック病C型、Danon病、Pompe病など、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病及び他のトリヌクレオチド反復関連疾患を含む神経変性疾患、認知症、ALS、癌誘発性悪液質、拒食症、2型糖尿病、及び様々な癌を含む。実質的に全てのタイプの癌、例えば、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌腫、AIDS関連癌、AIDS関連リンパ腫、肛門癌、虫垂癌、星細胞腫、小脳又は大脳、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨腫瘍、脳幹グリア細胞腫、脳癌、脳腫瘍(小脳星細胞腫、大脳星細胞腫/悪性グリア細胞腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、視覚経路及び視床下部グリア細胞腫)、乳癌、気管支腺腫/カルチノイド、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍(小児期、胃腸)、原発不明の癌腫、中枢神経系リンパ腫、小脳星細胞腫、悪性グリア細胞腫、頸部癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性疾患、結腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、線維形成性小細胞腫瘍、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、頭蓋外胚細胞腫、性腺外胚細胞腫、肝外胆管癌、眼癌(眼内黒色腫、網膜芽細胞腫)、胆嚢癌、胃癌、胃腸カルチノイド腫瘍、胃腸間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍(頭蓋外、性腺外、又は卵巣)、妊娠性絨毛性腫瘍、グリア細胞腫(脳幹のグリア細胞腫、脳星細胞腫、視覚経路及び視床下部グリア細胞腫)、胃カルチノイド、毛様細胞白血病、頭部及び頸部癌、心臓癌、肝細胞(肝臓)癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼内黒色腫、膵島細胞癌(内分泌膵臓)、カポジ肉腫、腎臓癌(腎細胞癌)、喉頭癌、白血病(急性リンパ性(急性リンパ性白血病とも呼ばれる)、急性骨髄性(急性骨髄性白血病とも呼ばれる)、慢性リンパ性(慢性リンパ性白血病とも呼ばれる)、慢性骨髄性(慢性骨髄性白血病とも呼ばれる)、毛様細胞白血病))、口唇及び口腔、空洞癌、脂肪肉腫、肝癌(原発性)、肺癌(非小細胞、小細胞)、リンパ腫、エイズ関連リンパ腫、バーキットリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキン、髄芽腫、メルケル細胞癌腫、中皮腫、原発不明転移性扁平上皮頸部癌、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍、菌状息肉症、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病(急性、慢性)、骨髄腫、鼻腔及び副鼻腔癌、上咽頭癌、神経芽腫、口腔癌、中咽頭癌、骨の骨肉腫/悪性線維性組織球腫、卵巣癌、卵巣上皮癌(表面上皮間質腫瘍)、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、膵島細胞癌、副甲状腺癌、陰茎癌、松果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腺腫、胸膜肺芽細胞腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌(腎臓癌)、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫(腫瘍肉腫のユーイングファミリー、カポジ肉腫、軟部肉腫、子宮肉腫)、セザリー症候群、皮膚癌(非黒色腫、黒色腫)、小腸癌、扁平細胞、扁平上皮性頸部癌、胃癌、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、精巣癌、咽頭癌、胸腺癌(Thymoma and Thymic carcinoma)、甲状腺癌、腎盂及び尿管の移行細胞癌、尿道癌、子宮癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、並びに/又はウィルムス腫瘍は、本発明のための関連する疾患標的である。
本発明によるEVは、種々の異なる投与経路、例えば耳介(耳)、頬部、結膜、皮膚、歯、電気浸透、子宮頸管内、洞内、気管内、経腸、硬膜外(epidural)、羊膜外、体外、血液透析、浸潤、間質内、腹腔内、羊膜内、動脈内、関節内、胆管内、気管支内、嚢内、心臓内、軟骨内、仙骨内、空洞内、腔内(intracavitary)、脳内、大槽内、角膜内、歯冠内(歯)、冠内、陰核海綿体内(intracorporus cavernosum)、皮内、円板内、乳管内、十二指腸内、硬膜内、表皮内、食道内、胃内、歯肉内、回腸内、病巣内、腔内(intraluminal)、リンパ内、髄内、髄膜、筋肉内、眼内、鼻腔内、卵巣内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、副鼻腔内(intrasinal)、脊髄内、滑膜内、腱内、精巣内、髄腔内、胸腔内、管内、腫瘍内、中耳内、子宮内、血管内、静脈内、静脈内大量投与、点滴静注、脳室内、膀胱内、硝子体内、イオントフォレーシス、灌注、喉頭、経鼻、鼻腔胃、密封包帯法、眼、経口、中咽頭、その他、非経口、経皮、関節周囲、硬膜外(peridural)、神経周囲、歯周、直腸、呼吸(吸入)、球後、軟部組織、クモ膜下、結膜下、皮下、舌下、粘膜下、局所、経皮、経粘膜、経胎盤、経気管、鼓室内、尿管、尿道、及び/又は膣投与、及び/又は上記の投与経路の任意の組み合わせを介してヒト又は動物対象に投与することができ、投与経路は、典型的には、治療される疾患及び/又はEV集団自体の特徴に依存する。
上述の例示的な態様、実施形態、代替物、及び変形は、本発明の範囲から逸脱することなく修正できることが理解されるべきである。ここで、本発明を、本発明の範囲及び要旨から逸脱することなく、当然、かなり修正することもできる、添付の実施例を用いてさらに例示する。
材料及び方法
構築物設計及びクローニング:少なくとも1つのエキソソームポリペプチド及び少なくとも1つのFc結合ポリペプチドを含む種々の融合タンパク質が構築され、ベクターにクローニングされ、いくつかの異なるEV産生細胞供給源において産生されている。ORFは、典型的には、合成によって生成され、哺乳動物発現ベクターpSF−CAG−Ampにクローニングされた。簡単に述べると、合成したDNA及びベクタープラスミドを、製造業者の説明書(NEB)に従って、酵素Notl及びSailで消化した。制限され、精製されたDNA断片を、製造業者の説明書(NEB)に従って、T4リガーゼを用いて一緒に連結した。成功したライゲーション事象を、アンピシリン補充プレート上での細菌形質転換によって選択した。
トランスフェクションのためのプラスミドは、製造業者の説明書に従って「maxi−prep」によって生成した。
・細胞培養及びトランスフェクション
実験設計及びアッセイに依存して、ある場合には、非ウイルス一過性トランスフェクション及びエキソソーム産生を、従来の2D細胞培養において実施し、一方、他の場合には、ウイルス媒介形質導入を使用して、安定な細胞株を作製し、これは典型的には、異なるタイプのバイオリアクター中で培養した。簡潔にするために、ここでは、いくつかの例のみを挙げる。
HEK293T細胞を、典型的には、15cmの皿(1皿あたり9×10細胞)に播種し、ATCCによって推奨されるように、血清含有DMEM中で一晩放置した。翌日、細胞上に直接添加したリポプレックスしたDNAで細胞を一過性にトランスフェクトした。簡単に述べると、DNA及びポリエチレンイミン(PEI)を別々にOptiMEM中で5分間インキュベートした後、室温で20分間合わせた。リポプレックスしたDNA及び細胞を6時間共インキュベートし、その後、条件培地をOptiMEMに48時間交換した。皿、フラスコ及び他の細胞培養容器中で評価した他の細胞及び細胞株には、骨髄由来間葉間質細胞(BM−MSC)及びワートンゼリー由来MSC(WJ−MSC)、羊膜細胞、線維芽細胞、種々の内皮細胞及び上皮細胞、並びに種々の免疫細胞及び細胞株が含まれた。
目的のタンパク質を含む融合タンパク質及びFcの種々の組み合わせのための安定な細胞株のウイルス導入及び作製の場合、BM−MSC、WJ−MSC、線維芽細胞、羊膜組織由来細胞、線維芽細胞、種々の内皮及び上皮細胞などの細胞供給源を、典型的にはレンチウィルス(LV)を用いて、ウイルス導入した。典型的には、感染の24時間前に、100.000個の細胞(例えば、線維芽細胞、MSCなど)又は200.000個の細胞(例えば、HEK293T)を6ウェルプレートにプレーティングした。2uLのLV及び場合によりポリブレン(又はヘキサジメトリンブロミド、8ug/mLのウェル上の最終濃度)を添加し、形質導入の24時間後に、形質導入された細胞の細胞培地を新鮮な完全培地に交換する。形質導入の72時間後に、ピューロマイシン選択(4〜6μg/ml)を通常7日間行い、続いて、エキソソームポリペプチド及びFc結合ポリペプチドを含む融合タンパク質構築物の安定な発現の分析を行う。
安定な細胞を、2D培養物又はバイオリアクター(典型的には、中空繊維バイオリアクター又は撹拌ランクバイオリアクター)のいずれかにおいて培養し、次いで、条件培地をエキソソーム調製のために収集した。種々の調製及び精製工程を行った。標準的なワークフローは、上澄みの前清浄化、濾過ベースの濃縮、タンパク質汚染物質のクロマトグラフィーベースの除去、並びにインビトロ及び/又はインビボアッセイのための適切な緩衝液中での得られたエキソソーム組成物の場合による配合の工程を含む。
・アッセイ及び分析
ウエスタンブロットは、EVにおける融合タンパク質の富化を評価するための非常に便利な分析方法である。簡単に述べると、SDS−PAGEを製造業者の説明書(インビトロジェン、Novex PAGE 4〜12%ゲル)に従って実施し、これにより、1ウェルあたり1×1010エキソソーム及び20ug細胞溶解物をロードした。SDS−PAGEゲルからのタンパク質を、製造業者の説明書((Immobilon、インビトロジェン)に従ってPVDF膜に移した。膜をOdysseyブロッキング緩衝液(Licor)中でブロックし、供給者の説明書に従ってFc結合ポリペプチド及び/又はエキソソームタンパク質に対する抗体でプローブした(一次抗体−Abeam、二次抗体−Licor)。分子プローブを680及び800nmの波長で可視化した。
EVサイズ決定のために、ナノ粒子追跡分析(NTA)を、分析ソフトウェアを備えたNanoSight機器を用いて行った。全ての記録について、本発明者らは、13又は15のカメラレベル、及び全ての取得後設定についての自動機能を使用した。電子顕微鏡及び蛍光顕微鏡は、細胞内の位置及び放出を理解し、EVを定量及び分析するために頻繁に使用された。
実施例1:Fcドメイン含有クロマトグラフィーマトリックスへの結合の原理の証拠としての、IgGへのFc結合ポリペプチドを含むEVの結合
操作されたHEK293T細胞(タンパク質Aに融合されたTNF受容体由来の膜貫通ドメインに結合したシンテニンを安定に発現する対照対Fc結合構築物)から、300kd中空繊維カラムを用いた接線流濾過、続いて濃縮のための10kdスピンフィルターを用いた限外濾過を用いて、条件培地からEVを単離した。次いで、Fc結合EVによるIgGの結合能力を、電子顕微鏡及びフローサイトメトリーを用いて評価した。
電子顕微鏡法では、1×10^9EVを、金ナノ粒子と結合したウサギ抗ヤギ10nm抗体と共に37℃で2時間インキュベートした。図2に示すように、Fc結合EV(A)はナノ金標識抗体(即ち、Fc含有タンパク質)で修飾されているが、対照EV(B)は結合した抗体を全く有していない。
フローサイトメトリーでは、1×10^8個のEVを、MACSPlexエキソソームキット、ヒト(ミルテニーバイオテク、オーダー番号130−108−813)由来の15μlの抗体被覆捕捉ビーズを含む120μlのPBS中、450回転/分で16時間、オービタルシェーカー上で一晩インキュベートした。洗浄後、3μgのAlexaFluor647結合ヒトIgG Fc断片(ジャクソン研究所、カタログ009−600−008)を、EVを含まない対照(A)、対照EV(B)、又はFc結合EV(C)に添加した。室温で1時間インキュベートした後、結合していないFc断片を洗い流し、サンプルをフローサイトメトリーによって分析した。図3において、それぞれの左側のドットプロットは、B1−A(励起:488nm、発光フィルター:500〜550nm;面積)対B2−A(励起:488nm、発光フィルター:565〜605nm、面積)パラメーターを使用した、強く染色された捕捉ビーズ集団を示す。それぞれの右のプロットは、R1−A(励起:635nm、発光フィルター:655〜730nm、面積)対B2−Aパラメーターを示し、(C)においてのみ捕捉ビーズに結合したEVへのAlexaFluor647標識Fc断片の結合を実証する。図3は、Fc結合EVがAlexaFluor647標識Fc断片(ヒトIgG)と、2つのネガティブコントロールビーズ集団を含むキットに含まれる製造業者によって全ての捕捉ビーズ集団上にコーティングされた39の異なる全抗体のFcドメインとの両方に非常に効率的に結合することを示す。
実施例2:Fcドメイン親和性クロマトグラフィーを用いた、Fc結合ポリペプチドを含むEVの精製
中空繊維バイオリアクター中で増殖させた遺伝子操作されたMSCからEV含有培地を収集した。MSCは、CD63とZドメインとの間に融合ポリペプチドを含むエキソソームを分泌し、ここで、Zドメインは、CD63タンパク質の第1及び第2のループに挿入された。
バイオリアクターから得られた細胞培地を、AKTAprime plus又はAKTA Pure 25クロマトグラフィーシステム(GEヘルスケアライフサイエンス)に接続したIgGカラム(IgG Sepharose Fast Flow 6、GEヘルスケアライフサイエンス)にロードした。IgG Sepharose Fast Flow 6は、ヒトIgGが共有結合した剛性Sepharose 6 Fast Flowマトリックスに基づく。これはIgG、より具体的にはIgGのFcドメインに結合する迅速かつ効率的な精製標的溶質を可能にするために、比較的高い流速を可能にする。アガロースマトリックスは、高度に架橋された6%アガロースマトリックスであり、これは少なくとも2gのタンパク質A/ml培地に結合し得る。
カラム平衡化、サンプルローディング、及び定位置での洗浄手順のための流量設定を、製造業者の説明書に従って選択した。pH3〜6の0.5M HAcを含む溶出緩衝液、又は0.1Mグリシン−HCl、pH3.0を含む緩衝液を利用して、EVに結合するIgG結合Fcを溶出した。ZZドメインを用いた競合溶出も別々に試験した。サンプルをUV吸光度クロマトグラムに従って収集し、Amicon Ultra−15 10kDa分子量カットオフスピンフィルター(ミリポア)を用いて100μlの最終体積まで濃縮し、フローサイトメトリー、電子顕微鏡、及び生物活性アッセイを用いたさらなるダウンストリーム解析のために−80℃で保存した。
実施例3:UF−SECと親和性クロマトグラフィーで精製したEVの生物活性の比較
限外濾過及びサイズ排除クロマトグラフィー(UF−SEC)又はIgGベースの親和性液体クロマトグラフィーを使用して、MSC(CD81−GFP又はCD81−zドメインのいずれかを安定に発現する)の条件培地からEVを単離した。Abの細胞内送達の差異を調べるために、1e10EVを2μgの抗NFkB抗体(抗NFkB−Ab)と共に室温で2時間インキュベートし、過剰のmAbを同じIgGベースの親和性精製工程を用いて洗浄除去した。EV精製ランとEV‐Ab精製ランの両者の溶出条件は、0.5M HAc、pH3〜6であったが、0.1Mグリシン−HCl、pH3.0も評価した。ZZドメインを用いた競合溶出も別々に試験した。
レポーター細胞株、NFkB−ルシフェラーゼを安定に発現するHEK細胞を、5ng/mlのhTNF−α及びEV−Ab−ミックス(EVはUF−SEC又は親和性クロマトグラフィーのいずれかから得られた)で処理した。6時間の処理後、ルシフェラーゼ活性を測定した。親和性クロマトグラフィーを用いて精製された抗体コートEVは、より高い生物活性で細胞内抗NFkB抗体を送達し、これはUF−SEC精製抗体コートEVと比較したシグナル経路のダウンレギュレーションの有意な差異により示される。

Claims (21)

  1. 少なくとも1つのFc結合ポリペプチドを含む細胞外小胞(EV)を捕捉するためのプロセスであって:
    (i)前記EVを含む培地を、Fcドメインを含むクロマトグラフィーマトリックスと接触させることと、
    (ii)前記EVを前記Fcドメインに吸着させることと、
    を含むプロセス。
  2. 少なくとも1つのFc結合ポリペプチドを含むEVを単離するためのプロセスであって:
    (i)前記EVを含む培地を、Fcドメインを含むクロマトグラフィーマトリックスと接触させることと、
    (ii)前記EVを前記Fcドメインに吸着させることと、
    (iii)前記Fcドメインから前記EVを放出する培地を前記クロマトグラフィーマトリックス全体に通過させることによって前記EVを溶出することと、
    を含むプロセス。
  3. 前記Fcドメインが、前記クロマトグラフィーマトリックスに付着した抗体の一部である、請求項1又は2に記載のプロセス。
  4. 前記抗体がIgG抗体である、請求項3に記載のプロセス。
  5. 前記抗体が、ヒト、動物、又は合成起源のものである、請求項3又は4に記載のプロセス。
  6. 前記Fcドメインからの前記EVの放出が、適切なpHを有する培地の曝露によって誘発される、請求項2〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 前記pHが8未満、好ましくは6未満、好ましくは4未満である、請求項6に記載のプロセス。
  8. 前記EVの前記少なくとも1つのFc結合ポリペプチドが融合タンパク質であり、前記融合タンパク質が少なくとも1つのエキソソームポリペプチドに融合された少なくとも1つのFc結合ポリペプチドを含み、場合により、前記少なくとも1つのエキソソームポリペプチドが、CD9、CD53、CD63、CD81、CD54、CD50、FLOT1、FLOT2、CD49d、CD71、CD133、CD138、CD235a、ALIX、ARRDC1、シンテニン−1、シンテニン−2、Lamp2b、TSPAN8、TSPAN14、CD37、CD82、CD151、CD231、CD102、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、DLL1、DLL4、JAG1、JAG2、CD49d/ITGA4、ITGB5、ITGB6、ITGB7、CD11a、CD11b、CD11c、CD18/ITGB2、CD41、CD49b、CD49c、CD49e、CD51、CD61、CD104、Fc受容体、インターロイキン受容体、免疫グロブリン、CD2、CD3ε、CD3ζ、CD13、CD18、CD19、CD30、CD34、CD36、CD40、CD40L、CD44、CD45、CD45RA、CD47、CD86、CD110、CD111、CD115、CD117、CD125、CD135、CD184、CD200、CD279、CD273、CD274、CD362、COL6A1、AGRN、EGFR、GAPDH、GLUR2、GLUR3、HLA−DM、HSPG2、L1CAM、LAMB1、LAMC1、LFA−1、LGALS3BP、Mac−1α、Mac−1β、MFGE8、SLIT2、STX3、TCRA、TCRB、TCRD、TCRG、VTI1A、VTI1B、他のエキソソームポリペプチド、及びそれらの任意の組み合わせを含む群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロセス。
  9. 前記クロマトグラフィーマトリックスが、アガロース、デキストラン、レクチン、ヘパリン、セルロース、デンプン、デキストラン、寒天、アガロース、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド、ポリスルホン、ポリビニルポリマー、ポリスチレン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、多糖−ミネラル構造、多糖−合成ポリマー、合成ポリマー−ミネラル構造、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上からなる、請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロセス。
  10. 前記クロマトグラフィーマトリックスが、ビーズ、繊維、不規則な形状の粒子、膜、平坦な構造又は多孔質ミネラル材料の形態である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のプロセス。
  11. 前記プロセスが、前記クロマトグラフィーマトリックスを含むクロマトグラフィーカラム中で実施される、請求項1〜10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. EVに結合するためのクロマトグラフィーマトリックスの使用であって、前記クロマトグラフィーマトリックスがFcドメインを含み、前記EVが少なくとも1つのFc結合ポリペプチドを含む使用。
  13. 前記Fcドメインが抗体に含まれる、請求項12に記載の使用。
  14. 前記抗体が、ヒト、動物、又は合成起源のものである、請求項12又は13に記載の使用。
  15. 前記クロマトグラフィーマトリックスが、アガロース、デキストラン、レクチン、ヘパリン、セルロース、デンプン、デキストラン、寒天、アガロース、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド、ポリスルホン、ポリビニルポリマー、ポリスチレン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、多糖−ミネラル構造、多糖−合成ポリマー、合成ポリマー−ミネラル構造、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上からなる、請求項12〜14のいずれか1項に記載の使用。
  16. 少なくとも1つのFc結合ポリペプチドを含むEVであって、前記EVが、請求項1〜15のいずれか1項に記載のプロセスを用いた捕捉又は単離によって得ることができるEV。
  17. 少なくとも1つの融合タンパク質を含むEVであって、前記少なくとも1つの融合タンパク質が、少なくとも1つのエキソソームポリペプチドに融合された少なくとも1つのFc結合ポリペプチドを含むEV。
  18. 前記少なくとも1つのFc結合ポリペプチドが、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G、タンパク質L、タンパク質LG、Zドメイン、ZZドメイン、ヒトFCGRI、ヒトFCGR2A、ヒトFCGR2B、ヒトFCGR2C、ヒトFCGR3A、ヒトFCGR3B、ヒトFCGRB、ヒトFCAMR、ヒトFCERA、ヒトFCAR、マウスFCGRI、マウスFCGRIIB、マウスFCGRIII、マウスFCGRIV、マウスFCGRn、SPHペプチド、SPAペプチド、SPG2、SpA模倣物1、SpA模倣物2、SpA模倣物3、SpA模倣物4、SpA模倣物5、SpA模倣物6、SpA模倣物7、SpA模倣物8、SpA模倣物9、SpA模倣物10、Fey模倣物1、Fey模倣物2、及びそれらの任意の組み合わせを含む群から選択される、請求項16又は17に記載のEV。
  19. 前記少なくとも1つのFc結合ポリペプチド及び前記エキソソームポリペプチドを含む前記融合ポリペプチドが、pH感受性切断部位を含むリンカーをさらに含む、請求項17又は18に記載のEV。
  20. 前記少なくとも1つのエキソソームポリペプチドが、CD9、CD53、CD63、CD81、CD54、CD50、FLOT1、FLOT2、CD49d、CD71、CD133、CD138、CD235a、ALIX、シンテニン−1、シンテニン−2、Lamp2b、TSPAN8、TSPAN14、CD37、CD82、CD151、CD231、CD102、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、DLL1、DLL4、JAG1、JAG2、CD49d/ITGA4、ITGB5、ITGB6、ITGB7、CD11a、CD11b、CD11c、CD18/ITGB2、CD41、CD49b、CD49c、CD49e、CD51、CD61、CD104、Fc受容体、インターロイキン受容体、免疫グロブリン、CD2、CD3ε、CD3ζ、CD13、CD18、CD19、CD30、CD34、CD36、CD40、CD40L、CD44、CD45、CD45RA、CD47、CD86、CD110、CD111、CD115、CD117、CD125、CD135、CD184、CD200、CD279、CD273、CD274、CD362、COL6A1、AGRN、EGFR、GAPDH、GLUR2、GLUR3、HLA−DM、HSPG2、L1CAM、LAMB1、LAMC1、LFA−1、LGALS3BP、Mac−1α、Mac−1β、MFGE8、SLIT2、STX3、TCRA、TCRB、TCRD、TCRG、VTI1A、VTI1B、他のエキソソームポリペプチド、及びそれらの任意の組み合わせを含む群から選択される、請求項17〜19のいずれか1項に記載のEV。
  21. 前記少なくとも1つのFc結合ポリペプチドが、前記EVの外表面上に提示される、請求項16〜20のいずれか1項に記載のEV。
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