JP2021196850A - リアルタイム内水氾濫浸水予測システム、リアルタイム内水氾濫浸水予測装置、リアルタイム内水氾濫浸水予測方法、リアルタイム内水氾濫浸水予測プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記憶した機器 - Google Patents

リアルタイム内水氾濫浸水予測システム、リアルタイム内水氾濫浸水予測装置、リアルタイム内水氾濫浸水予測方法、リアルタイム内水氾濫浸水予測プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記憶した機器 Download PDF

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Abstract

【課題】降雨量の予測を反映させた浸水予測をリアルタイムで行う。【解決手段】浸水の発生していない浸水深分布図A0から、想定最大規模となる浸水深分布図Anまでの浸水深分布群を保存する浸水深分布群保存部21と、浸水深分布群の内、所定の時刻における浸水深分布図を初期条件に、j[mm/hr]の雨量強度の降雨量がk[hr]間降った場合に、浸水深分布群A群(浸水深分布)の何番に相当する浸水深分布に該当するかを示す降雨強度別データベースから作成された、降雨強度と浸水深分布図の相関性を示す事前計算グラフを保存する事前計算グラフ保存部22と、雨量データ取得部10で取得された観測された雨量と、予測された雨量に基づいて、将来の浸水深分布図を、浸水深分布群保存部21に保存された複数の浸水深分布図中から、事前計算グラフ保存部22に保存された事前計算グラフで規定された対応関係に基づいて選択する浸水深予測部を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、リアルタイム内水氾濫浸水予測システム、リアルタイム内水氾濫浸水予測装置、リアルタイム内水氾濫浸水予測方法、リアルタイム内水氾濫浸水予測プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記憶した機器に関する。
近年の地球温暖化や異常気象等に起因すると思われる超大型台風やゲリラ豪雨が各地で発生し、浸水や冠水が懸念されている。そこで、安全な避難経路の提供などを目的に浸水マップなどが提供されている。特に近年はビッグデータの活用が様々な分野で叫ばれており、その有効な一例として気象データに基づいた水位のリアルタイム予測の研究が進められている。
例えば、観測された降雨量に基づいて浸水の予測を行うリアルタイム動的氾濫シミュレーションシステムが提案されている(特許文献1)。しかしながら、このリアルタイム動的氾濫シミュレーションシステムでは、あくまでも過去に降った降雨量に基づく予測に止まり、例えば雨量が激しくなったり、逆に弱まったりするなど、降雨量が過去から変化することで、予測の誤差が大きくなるという問題があった。一方で、降雨量の予測を考慮して、浸水予測を変化させることも考えられるが、この場合は地域毎の複雑な地形に応じた演算量が膨大となって、リアルタイムの浸水予測を行うことが困難であり、仮にリアルタイム浸水予測を行おうとすれば相当高レベルの演算能力が必要となって、計算コストが高騰するという問題があった。
特開2004−197554号公報
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、その目的の一は、降雨量の予測を反映させた正確な浸水予測をリアルタイムで行うことを可能としたリアルタイム内水氾濫浸水予測システム、リアルタイム内水氾濫浸水予測装置、リアルタイム内水氾濫浸水予測方法、リアルタイム内水氾濫浸水予測プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記憶した機器を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の第1の形態に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測システムによれば、予測地域に一様な雨が降ると仮定し、かつ予測地域に含まれる各位置において一定の順序で浸水が生じると仮定した条件下で、降雨によって生じる内水氾濫をリアルタイムに予測するリアルタイム内水氾濫浸水予測システムであって、特定の時刻tiにおける予測地域の浸水状況を示す浸水深分布図Aiの集合として、浸水開始時刻t0における、予測地域で浸水の発生していない浸水深分布図A0から、所定の時間刻みで、想定最大規模となる時刻tnにおける浸水深分布図Anまでの浸水深分布群を保存する浸水深分布群保存部と、前記浸水深分布群保存部に保存された浸水深分布群の内、所定の時刻における浸水深分布図を初期条件に、j[mm/hr]の雨量強度の降雨量がk[hr]間降った場合に、浸水深分布群A群(浸水深分布)の何番に相当する浸水深分布に該当するかを示す降雨強度別データベースから作成された、降雨強度と浸水深分布図の相関性を示す事前計算グラフを保存する事前計算グラフ保存部と、観測された雨量と、予測された雨量を取得する雨量データ取得部と、前記雨量データ取得部で取得された観測された雨量と、予測された雨量に基づいて、将来の浸水深分布図を、前記浸水深分布群保存部に保存された複数の浸水深分布図中から、前記事前計算グラフ保存部に保存された事前計算グラフで規定された対応関係に基づいて選択する浸水深予測部と、前記浸水深予測部で選択された浸水深分布図を表示する表示部とを備えることができる。上記構成により、将来の浸水深分布図をその都度演算して作成するのでなく、予め演算しておいた複数の浸水深分布図の集合から、対応関係に従って選択して表示させることで、軽負荷で浸水深分布図を表示させることが可能となり、演算性能を高めずともリアルタイムで内水氾濫浸水予測を実現できる。
また、第2の形態に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測システムによれば、上記構成に加えて、前記浸水深予測部が、初期条件とする所定の時刻における浸水深分布図を、浸水のない時刻t0における浸水深分布図A0とすることができる。
さらに、第3の形態に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測システムによれば、上記いずれかの構成に加えて、さらに、予測地域内に設定された複数の水位観測箇所にそれぞれ設置された、水位を検出するための水位計と、前記浸水深分布群保存部に保存された複数の浸水深分布図A0〜Anと、前記複数の水位観測箇所Cxに設置された各水位計がそれぞれ反応する水位計反応時刻tpを、関連付けた水位計浸水深データベースを保存する水位計浸水深データベース保存部とを備えており、前記浸水深予測部が、初期条件とする所定の時刻における浸水深分布図を、前記複数の水位計のいずれかが反応した水位計反応時刻tpにおける、対応する浸水深分布図Apとするように、前記水位計浸水深データベースから特定することができる。上記構成により、内水氾濫浸水予測の初期条件を、浸水を検出した水位観測箇所と対応する浸水深分布図Apとすることで、直近の浸水状況に基づいたより正確な内水氾濫浸水予測を行うことが可能となる。
さらにまた、第4の形態に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測システムによれば、上記いずれかの構成に加えて、前記浸水深予測部は、複数の水位計が同時に反応した際に、検出された水位がより高い方の水位計の反応を採用して前記浸水深分布図を選択するよう構成できる。上記構成により、より高いの水位を採用することで、高めの水位を予測して安全性を高められる。
さらにまた、第5の形態に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測システムによれば、上記いずれかの構成に加えて、前記降雨強度別データベース保存部に保存された前記降雨強度別データベースを、横軸を経過時間、縦軸を湛水量とするグラフとすることができる。
さらにまた、第6の形態に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測システムによれば、上記いずれかの構成に加えて、前記事前計算グラフ保存部は、降雨外力が予測地域における排水能力よりも大きい浸水増大期と、降雨外力が予測地域における排水能力よりも小さい浸水減少期の、それぞれについて前記降雨強度別データベースを保存する降雨強度別データベース保存部を備えることができる。
さらにまた、第7の形態に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測システムによれば、上記いずれかの構成に加えて、前記事前計算グラフ保存部に保存された前記事前計算グラフを、前記降雨強度別データベースの縦軸を、湛水量から浸水深分布群A0〜Anに変換したグラフとすることができる。
さらにまた、第8の形態に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測システムによれば、上記いずれかの構成に加えて、前記事前計算グラフ保存部が、さらに、横軸に、降雨強度別データベースにおいて雨量強度j[mm/hr]がk時間継続した場合の、浸水深分布群A0-nを浸水深分布番号順にとり、縦軸を適中率とした適中率グラフを保存する適中率グラフ保存部を含み、前記事前計算グラフ保存部に保存される前記事前計算グラフは、前記適中率グラフ保存部に保存された前記適中率グラフから、前記降雨強度別データベースの縦軸を、湛水量から、前記浸水深分布図の浸水深分布番号に変換したものとできる。
さらにまた、第9の形態に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測システムによれば、上記いずれかの構成に加えて、さらに、前記浸水深分布群を作成する浸水深分布群作成部と、前記事前計算グラフを作成する事前計算グラフ作成部を備えることができる。
さらにまた、第10の形態に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測装置によれば、予測地域に一様な雨が降ると仮定し、かつ予測地域に含まれる各位置において一定の順序で浸水が生じると仮定した条件下で、降雨によって生じる内水氾濫をリアルタイムに予測するリアルタイム内水氾濫浸水予測装置であって、特定の時刻tiにおける予測地域の浸水状況を示す浸水深分布図Aiの集合として、浸水開始時刻t0における、予測地域で浸水の発生していない浸水深分布図A0から、所定の時間刻みで、想定最大規模となる時刻tnにおける浸水深分布図Anまでの浸水深分布群を保存した浸水深分布群保存部と、前記浸水深分布群保存部に保存された浸水深分布群の内、所定の時刻における浸水深分布図を初期条件に、j[mm/hr]の雨量強度の降雨量がk[hr]間降った場合に、浸水深分布群A群(浸水深分布)の何番に相当する浸水深分布に該当するかを示す降雨強度別データベースから作成された、降雨強度と浸水深分布図の相関性を示す事前計算グラフを保存する事前計算グラフ保存部と、にアクセス可能なデータベースアクセス部と、観測された雨量と、予測された雨量を取得する雨量データ取得部と、前記雨量データ取得部で取得された観測された雨量と、予測された雨量に基づいて、将来の浸水深分布図を、前記浸水深分布群保存部に保存された複数の浸水深分布図中から、前記事前計算グラフ保存部に保存された事前計算グラフで規定された対応関係に基づいて選択して出力可能な浸水深予測部と、を備えることができる。上記構成により、将来の浸水深分布図をその都度演算して作成するのでなく、予め演算しておいた複数の浸水深分布図の集合から、対応関係に従って選択して表示させることで、軽負荷で浸水深分布図を表示させることが可能となり、演算性能を高めずともリアルタイムで内水氾濫浸水予測を実現できる。
さらにまた、第11の形態に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測方法によれば、予測地域に一様な雨が降ると仮定し、かつ予測地域に含まれる各位置において一定の順序で浸水が生じると仮定した条件下で、降雨によって生じる内水氾濫をリアルタイムに予測するリアルタイム内水氾濫浸水予測方法であって、特定の時刻tiにおける予測地域の浸水状況を示す浸水深分布図Aiの集合として、浸水開始時刻t0における、予測地域で浸水の発生していない浸水深分布図A0から、所定の時間刻みで、想定最大規模となる時刻tnにおける浸水深分布図Anまでの浸水深分布群を作成し、浸水深分布群保存部に保存する工程と、前記浸水深分布群保存部に保存された浸水深分布群の内、所定の時刻における浸水深分布図を初期条件に、j[mm/hr]の雨量強度の降雨量がk[hr]間降った場合に、浸水深分布群A群(浸水深分布)の何番に相当する浸水深分布に該当するかを示す降雨強度別データベースから作成された、降雨強度と浸水深分布図の相関性を示す事前計算グラフを作成し、事前計算グラフ保存部に保存する工程と、観測された雨量と、予測された雨量を雨量データ取得部で取得する工程と、前記雨量データ取得部で取得された観測された雨量と、予測された雨量に基づいて、前記浸水深分布群保存部に保存された複数の浸水深分布図中からいずれかを、将来の浸水深分布図として、前記事前計算グラフ保存部に保存された事前計算グラフで規定された対応関係に基づいて、浸水深予測部で選択する工程と、前記浸水深予測部で選択された浸水深分布図を表示部に表示させる工程と、を含むことができる。これにより、将来の浸水深分布図をその都度演算して作成するのでなく、予め演算しておいた複数の浸水深分布図の集合から、対応関係に従って選択して表示させることで、軽負荷で浸水深分布図を表示させることが可能となり、演算性能を高めずともリアルタイムで内水氾濫浸水予測を実現できる。
さらにまた、第12の形態に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測プログラムによれば、予測地域に一様な雨が降ると仮定し、かつ予測地域に含まれる各位置において一定の順序で浸水が生じると仮定した条件下で、降雨によって生じる内水氾濫をリアルタイムに予測するリアルタイム内水氾濫浸水予測プログラムであって、特定の時刻tiにおける予測地域の浸水状況を示す浸水深分布図Aiの集合として、浸水開始時刻t0における、予測地域で浸水の発生していない浸水深分布図A0から、所定の時間刻みで、想定最大規模となる時刻tnにおける浸水深分布図Anまでの浸水深分布群を作成し、浸水深分布群保存部に保存する機能と、前記浸水深分布群保存部に保存された浸水深分布群の内、所定の時刻における浸水深分布図を初期条件に、j[mm/hr]の雨量強度の降雨量がk[hr]間降った場合に、浸水深分布群A群(浸水深分布)の何番に相当する浸水深分布に該当するかを示す降雨強度別データベースから作成された、降雨強度と浸水深分布図の相関性を示す事前計算グラフを作成し、事前計算グラフ保存部に保存する機能と、観測された雨量と、予測された雨量を雨量データ取得部で取得する機能と、前記雨量データ取得部で取得された観測された雨量と、予測された雨量に基づいて、前記浸水深分布群保存部に保存された複数の浸水深分布図中からいずれかを、将来の浸水深分布図として、前記事前計算グラフ保存部に保存された事前計算グラフで規定された対応関係に基づいて、浸水深予測部で選択する機能と、前記浸水深予測部で選択された浸水深分布図を表示部に表示させる機能と、をコンピュータに実現させることができる。上記構成により、将来の浸水深分布図をその都度演算して作成するのでなく、予め演算しておいた複数の浸水深分布図の集合から、対応関係に従って選択して表示させることで、軽負荷で浸水深分布図を表示させることが可能となり、演算性能を高めずともリアルタイムで内水氾濫浸水予測を実現できる。
さらにまた、第13の形態に係るコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記憶した機器は、上記プログラムを格納するものである。記録媒体には、CD−ROM、CD−R、CD−RWやフレキシブルディスク、磁気テープ、MO、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、Blu−ray(登録商標)、HD DVD(AOD)等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリその他のプログラムを格納可能な媒体が含まれる。またプログラムには、上記記録媒体に格納されて配布されるものの他、インターネット等のネットワーク回線を通じてダウンロードによって配布される形態のものも含まれる。さらに記憶した機器には、上記プログラムがソフトウェアやファームウェア等の形態で実行可能な状態に実装された汎用もしくは専用機器を含む。さらにまたプログラムに含まれる各処理や機能は、コンピュータで実行可能なプログラムソフトウェアにより実行してもよいし、各部の処理を所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC)等のハードウェア、又はプログラムソフトウェアとハードウェアの一部の要素を実現する部分的ハードウェアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。
実施形態1に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測システムを示すブロックである。 ネットワーク接続されたリアルタイム内水氾濫浸水予測システムを示すブロックである。 図3Aは氾濫解析の計算地盤高を示す模式断面図、図3Bは現地地盤高を示す模式断面図である。 原単位計算によって得られた浸水深分布群A0〜Anを示す模式図である。 浸水増大期における降雨強度別データベースを示すグラフである。 浸水減少期における降雨強度別データベースを示すグラフである。 浸水増大期における降雨強度別データベースの他の例を示すグラフである。 浸水減少期における降雨強度別データベースの他の例を示すグラフである。 適中率を説明する模式図である。 浸水増大期における適中率グラフの一例を示す図である。 適中率グラフの他の例を示す図である。 浸水増大期における事前計算グラフの一例を示す図である。 浸水減少期における適中率グラフの一例を示す図である。 浸水減少期における事前計算グラフの一例を示す図である。 リアルタイム内水氾濫浸水予測の実運用時の手順を示すフローチャートである。 水位計を利用しない場合の降り始めからの降雨波形を示すグラフである。 浸水増大期における事前計算グラフの他の例を示すグラフである。 浸水減少期における事前計算グラフの他の例を示すグラフである。 水位計の規定水位と、浸水深分布図Ap-1、Apの水位の関係を示す模式図である。 水位計を利用する場合の降り始めからの降雨波形を示すグラフである。 降雨波形の他の例を示すグラフである。 図22A〜図22Eは実施形態1に係るリアルタイム浸水予測において、浸水深分布の表示を切り替える様子を示す模式図である。 図23A〜図23Bは実施形態2に係るリアルタイム浸水予測において、浸水深分布の表示を切り替える様子を示す模式図である。 更新された降雨波形の例を示すグラフである。 図25A〜図25Bは実施形態2に係るリアルタイム浸水予測において、更新された条件下で浸水深分布の表示を切り替える様子を示す模式図である。 実施形態3に係る内水氾濫浸水予測方法で対象とする地域を示す模式図である。 原単位計算の外力として与えた降雨波形を示すグラフである。 図27の降雨波形を与えた際の湛水量を示すグラフである。 図27の降雨波形を与えた際の水位を示すグラフである。 水位増大期における水位の時間変化を示すグラフである。 水位減少期における水位の時間変化を示すグラフである。 水位増大期における浸水深分布群の時間変化を示すグラフである。 水位減少期における浸水深分布群の時間変化を示すグラフである。 外力として与えた降雨波形を示すグラフである。 水位計を利用しない場合に出力される浸水深分布群の時間変化を示すグラフである。 水位計を利用する場合に出力される浸水深分布群の時間変化を示すグラフである。 表示部に表示される浸水深分布図の一例を示すイメージ図である。 同じ箇所における浸水深分布図の浸水深をプロットしたグラフである。 同じ箇所における浸水深分布図の浸水深の差をプロットしたグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下のものに特定されない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
本発明の実施例において使用されるリアルタイム内水氾濫浸水予測装置とこれに接続される操作、制御、表示、その他の処理等のためのコンピュータ、プリンタ、外部記憶装置その他の周辺機器との接続は、例えばIEEE1394、RS−232xやRS−422、RS−423、RS−485、USB等のシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−T等のネットワークを介して電気的、あるいは磁気的、光学的に接続して通信を行う。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、IEEE802.1x等の無線LANやBluetooth(登録商標)、その他のNFC等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続等でもよい。さらにデータの交換や設定の保存等を行うための記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が利用できる。なお本明細書においてリアルタイム内水氾濫浸水予測装置とは、リアルタイム内水氾濫浸水予測装置本体のみならず、これにコンピュータ、外部記憶装置等の周辺機器を組み合わせた内水氾濫浸水予測システムも含む意味で使用する。
[実施形態1]
リアルタイム内水氾濫浸水予測システムは、浸水予測を行う対象となる予測地域における内水氾濫の浸水予測を行う。本発明の実施形態1に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測システム1000を図1に示す。この図に示すリアルタイム内水氾濫浸水予測システム1000は、ある予測地域内の雨量データに基づいて、予測地域の浸水深分布図を予測して、表示部40に表示する。ここで予測地域とはリアルタイム内水氾濫浸水予測システム1000により、浸水の有無や浸水危険度等を予測する地域全体のことを指す。この予測地域の範囲等は、特に特定しない。予測地域の範囲はシステム利用者が対象地域内で任意に決定することができ、例えば、特定の市町村単位とすることができる。また浸水深分布図は、地図に重ねて、浸水の発生している箇所とその水深を表示させたものである。
リアルタイム内水氾濫浸水予測システム1000は、リアルタイム内水氾濫浸水予測装置100を含む。リアルタイム内水氾濫浸水予測装置100は、専用のハードウェアで構成する他、内水氾濫浸水予測プログラムを汎用あるいは専用のコンピュータにインストールして構成できる。このリアルタイム内水氾濫浸水予測システム1000は、雨量データ取得部10と、データ記憶部20と、演算部30と、表示部40と、操作部50を備える。
(雨量データ取得部10)
雨量データ取得部10は、外部からのデータを取得するための部材である。ここでは、雨量データを取得する部材として機能する。雨量データは、典型的には単位時間当たりの降雨量である。降雨量は、過去に観測された観測雨量(過去の雨量)と、将来の雨量を予測した予測雨量(将来の雨量)を含む。また雨量データはネットワークを介して取得する。これによって、逐次最新の情報に更新することが容易となる。このため雨量データ取得部10は、インターネットなどの汎用ネットワーク回線、あるいは専用線等を介した特定のネットワークに接続するための通信機能を備えている。
雨量データには、予測地域の解析雨量と短時間降水予報が含まれる。ここで解析雨量とは、現在時刻から過去、所定の時間内に実際に降雨した雨量である。また短時間降水予報とは、現在時刻から今後、所定の時間内に降雨すると予想される雨量である。本実施形態において、この所定時間は1時間毎としている。ただ、30分毎とする等、任意の時間単位としてもよい。
例えば気象業務支援センターが配信する雨量データは、解析雨量と短時間降水予報を、地形データを1kmメッシュで区切った範囲の6時間先までの予測雨量が30分毎に更新されて配信される。よって雨量データ取得部10は、このようなデータを逐次取得して、演算部30に送出する。また、雨量データ取得部10で取り込んだ雨量データを、データ記憶部20に保持することもできる。例えばデータ記憶部20に、雨量データを保持する雨量データ記憶部21を設けてもよい。
雨量データの収集先は特に特定せず、例えば気象庁や気象業務支援センターが配信する雨量データを利用する他、独自の雨量観測装置等を設置して直接収集してもよい。また、所定時間は、1時間に限らず、これよりも短い時間(例えば30分)、あるいはこれよりも長い時間(例えば2時間)としてもよい。
(データ記憶部20)
データ記憶部20は、各種データを保持するための部材である。このデータ記憶部20は、浸水深分布群保存部21と、事前計算グラフ保存部22を含む。
浸水深分布群保存部21は、浸水深分布群を保存する。浸水深分布群は、特定の時刻tiにおける予測地域の浸水状況を示す浸水深分布図Aiの集合として、浸水開始時刻t0における、予測地域で浸水の発生していない浸水深分布図A0から、所定の時間刻みで、想定最大規模となる時刻tnにおける浸水深分布図Anまでの集合である。この浸水深分布群は、浸水深分布群作成部33で予め生成されて、浸水深分布群保存部21に保存される。
事前計算グラフ保存部22は、事前計算グラフを保存するための部材である。事前計算グラフは、浸水深分布群保存部21に保存された浸水深分布群の内、所定の時刻における浸水深分布図を初期条件に、j[mm/hr]の雨量強度の降雨量がk[hr]間降った場合に、浸水深分布群A群(浸水深分布)の何番に相当する浸水深分布に該当するかを示す降雨強度別データベースから作成された、降雨強度と浸水深分布図の相関性を示すグラフである。この事前計算グラフは、事前計算グラフ作成部34で予め生成されて、事前計算グラフ保存部22に保存される。
事前計算グラフ保存部22は、降雨強度別データベース保存部23と、適中率グラフ保存部24を含む。
降雨強度別データベース保存部23は、降雨強度別データベースを保存する。降雨強度別データベースは、横軸を経過時間、縦軸を湛水量とするグラフである。また降雨強度別データベースは、降雨外力が予測地域における排水能力よりも大きい浸水増大期と、降雨外力が予測地域における排水能力よりも小さい浸水減少期の、それぞれについて作成され、降雨強度別データベースに保存されている。
適中率グラフ保存部24は、適中率グラフを保存する。適中率グラフは、横軸に、降雨強度別データベースにおいて降雨量j[mm/hr]の雨量強度がk時間継続した場合の、浸水深分布群A0-nを浸水深分布番号順にとり、縦軸を適中率としたグラフである。
また事前計算グラフは、降雨強度別データベースの縦軸を、湛水量から、浸水深分布群A0〜An、すなわち浸水深分布図の浸水深分布番号に変換したグラフである。
さらにデータ記憶部20は、水位計浸水深データベース保存部25を備えていてもよい。水位計浸水深データベース保存部25は、水位計浸水深データベースを保存する。水位計浸水深データベースは、浸水深分布群保存部21に保存された複数の浸水深分布図A0〜Anと、複数の水位観測箇所Cxに設置された各水位計がそれぞれ反応する水位計反応時刻tp(又はAiにおいて何分目か)を関連付けた浸水深データベースである。
(演算部30)
演算部30は、各種の演算を行うための部材であり、ここでは浸水深予測部31の機能を果たす。浸水深予測部31は、雨量データ取得部10で取得された観測された雨量と、予測された雨量に基づいて、将来の浸水深分布図を、複数の浸水深分布図中から、事前計算グラフで規定された対応関係に基づいて選択するための部材である。
また演算部30は、データ記憶部20にアクセスするためのデータベースアクセス部32を備えている。データベースアクセス部32は、浸水深分布群保存部21や、事前計算グラフ保存部22等にアクセスするためのインターフェースである。またデータベースアクセス部32は、リアルタイム内水氾濫浸水予測装置100に含まれるハードディスクや半導体メモリ等の記憶媒体にアクセスする構成の他、リアルタイム内水氾濫浸水予測装置100の外部に接続されたデータベースにアクセスする構成としてもよい。例えばネットワーク回線を通じて接続されたNASやファイルサーバ等の外部ストレージをデータ記憶部20として利用することでも、リアルタイム内水氾濫浸水予測装置100やリアルタイム内水氾濫浸水予測システム1000を構築できる。
さらに演算部30は、図2のリアルタイム内水氾濫浸水予測システム1000’に示すように、浸水深分布群を作成する浸水深分布群作成部33や、事前計算グラフを作成する事前計算グラフ作成部34の機能を果たすこともできる。ただ、浸水深分布群や事前計算グラフは、事前に作成して、データ記録部20に保存しておけば足りるので、必ずしもリアルタイム内水氾濫浸水予測装置100で作成する必要はない。例えば、外部のコンピュータやサーバなどの演算器で作成して、それぞれデータ記憶部20や他のデータベースに登録しておけば足りる。この場合は、リアルタイム内水氾濫浸水予測装置100に、浸水深分布群作成部33や事前計算グラフ作成部34を設ける必要はない。図1はこのような構成例を示している。
このような浸水深予測部31には、例えばCPUを用いることができる。またCPUに限らず、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(Graphics Processing Unit:GPU)を利用してもよい。このようなGPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)を利用することにより、CPUの負荷を低減しつつ、演算速度を向上させ、予測結果をより高精度なものとしながらも、後述する表示部40によりシステム利用者が予測結果を簡単に確認できるようにしている。GPGPUには、例えばCUDA(商品名)が利用できる。
(表示部40)
表示部40は、浸水深予測部で選択された浸水深分布図等を表示するための部材である。表示部40は、将来の浸水域予測や、過去の浸水深分布を表示させることができる。このような表示部40には、液晶ディスプレイや有機EL、CRTなどのディスプレイが利用できる。またタッチパネルとして表示部と入力部を兼用してもよい。表示部40に表示される浸水深分布図の一例を図37に示す。
表示部40は、予測地域の地図を表示させる地図表示領域41を有する。地図表示領域41では、地図が所定の倍率で表示される。地図の倍率は、地図表示領域41の隅部に設けられた拡大縮小ボタンを操作して、拡大、縮小することができる。あるいは、操作部50を構成するマウスのスクロールボタンを操作して、拡大、縮小させてもよい。またデータの管理上、所定の幅で縦横に格子状のラインを表示させており、ラインで区画されたブロック状に表示される。以下、ラインで区画された領域をブロック(基準地域メッシュ)と呼ぶ。また地図の表示倍率は、適宜変更できる。
(操作部50)
操作部50は、各種の操作を行うための部材であり、例えばキーボードやマウス等のポインティングデバイス、コンソール等で構成される。また、タッチパネルを使用することで、操作部50と表示部40と共通化することもできる。
(サーバ・クライアント)
また演算部をサーバ機器とし、表示部40をこのサーバ機器に接続されたクライアント機器の表示画面とすることで、ユーザはクライアント機器を用いて外部からサーバ機器にアクセスし、演算部により得られた予測結果等を閲覧することができる。このような例を図2に示す。この場合、操作部50はネットワークを介してサーバ機器SVと接続されたクライアント機器CLの操作、例えばタッチパネルやマウス等を利用できる。
表示部40には、内水氾濫浸水予測プログラムのユーザインターフェース画面が表示される。上述の通り、内水氾濫浸水予測プログラムのユーザインターフェース画面は、スタンドアロンのコンピュータに接続された表示部40の他、図2に示したような、内水氾濫浸水予測プログラムをインストールしたサーバ機器にアクセスしたクライアント機器の表示画面も含まれる。描画はwebベースとすることにより、汎用性を持たせることができる。クライアント機器には、サーバ機器にアクセスする通信機能を備えたスマートフォン、携帯電話、パーソナルコンピュータ等が利用できる。
このような構成により、将来の浸水深分布図をその都度演算して作成するのでなく、予め演算しておいた複数の浸水深分布図の集合から、対応関係に従って選択して表示させることで、軽負荷で浸水深分布図を表示させることが可能となり、演算性能を高めずともリアルタイムで内水氾濫浸水予測を実現できる。特に従来は、観測された降雨量という過去のデータに基づいた将来予測。雨量が激しくなる、あるいは収まる等変化することで誤差が大きくなる。
(水位計WG)
リアルタイム内水氾濫浸水予測システムで浸水予測を行う予測地域内に、水位計を設置している場合は、この水位計のデータを活用して、リアルタイム内水氾濫浸水予測の精度を高めることができる。図1、図2の例では、予測地域内に水位計WGが複数、設置されている様子を示している。
水位計WGは、冠水センサー等とも呼ばれる、水位を観測する機器である。また水位計WGは、水位が幾らであるかを数値として測定する機器の他、水位が予め設定された規定水位に達したことを検出する機器としてもよい。例えば規定水位を、冠水と判定される水位に設定しておき、この規定水位に水位が至ると作動するように設定された冠水センサーを、水位計WGとして利用できる。
このような水位計WGは、浸水予測を行う予測地域内の複数箇所に設置されている。例えば市街地の幹線道路等の道路や、指定避難場所、市役所などの公共施設、池、河川等が挙げられる。また水位計WGを設置した場所を、水位観測箇所と呼ぶ。
水位計WGは、水位を示す水位信号を浸水予測装置に出力する。水位計WGは、浸水予測装置と有線または無線で接続されている。各水位計WGは、図1に示すように、直接、浸水予測装置と接続する他、中継器を介して接続してもよい。図2の例では、複数の水位計WGは中継器RTを介して浸水予測装置と無線で接続されている。例えば複数の水位計WGと中継器RTとは、WiFiやBLE等のBluetooth、ZigBee(いずれも商品またはサービス名)等の規格化された通信方式で接続され、中継器RTと浸水予測装置とは電話回線や光ファイバなどの公衆回線で、それぞれ接続されている。
(水位計WGの規定水位)
水位観測箇所に設置される水位計WGで規定水位を設定する例を、図3A及び図3Bに基づいて説明する。これらの図において、図3Aは計算地盤高、すなわち計算上のメッシュにおける地表面と水位を示す模式断面図、図3Bは現地地盤高、すなわち実際の水位観測箇所における水位計WGで検出される水位を示す模式断面図を、それぞれ示している。ここでは設置標高の例として、T.P.(Tokyo Peil:日本水準原点の東京湾平均海面)1.4mに水位計WGを設置する例を考える。ここで、氾濫解析の計算地盤高は図3Aに示すようにT.P.1.2mであるが、現地地盤高は図3Bに示すようにT.P.1.0mの場合がある。この場合に、現地地盤高より0.4m高い位置を検出するように水位計WGを設置又は設定することで、氾濫解析において20cmの水深に達した際の到達時間を、この水位観測箇所での到達時間とすることができる。すなわち、図3Aに示すように、氾濫解析計算メッシュの標高(T.P.)が1.2mであり、一方で図3Bに示すように、実際の設置地点の標高(T.P.)が1.0mの場合は、この水位観測箇所に設置する水位計WGの規定水位は、(T.P.)1.4mとなる。
本発明の実施形態1に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測方法は、氾濫解析フェイズと統計解析フェイズを含む。氾濫解析フェイズとしては、原単位計算と、降雨強度別データベースの作成が挙げられる。また統計解析フェイズとしては、適中率の特定と、実運用時における浸水深分布図の特定が挙げられる。このリアルタイム浸水予測方法では、現在の浸水域を推定と、将来の浸水域を予測が可能である。
(現在の浸水域推定)
現在の浸水域の推定は、観測降雨量と水位計の観測水位に基づいて行う。浸水域の予測は、氾濫解析を行ったシミュレーション結果(浸水深分布)の中から、最も相関が高いものを選択することで行う。
現在の浸水域推定は、事前氾濫解析のデータベース作成工程と、適中率の特定工程を含む。また、領域内に水位計を設置している場合は、現在の浸水域推定はさらに、水位観測箇所における原単位計算の浸水開始時刻の特定工程を含む。
氾濫解析において、該当地域のメッシュが冠水時、雨の降り始めから水位が規定水位に到達するまでの時間を到達時間と規定する。事前に氾濫解析により水位観測箇所の到達時間を算定する。
これら事前氾濫解析のデータベース作成工程(原単位計算工程と、降雨強度別データベースの作成工程)と、水位計浸水深データベースの作成工程と、適中率の特定工程を、事前に行っておくことで、実運用時にはこれらの演算結果を参酌することで容易に将来の浸水域予測を行うことが可能となり、演算のの負荷を少なくしてリアルタイム内水氾濫浸水予測が可能となる。
(将来の浸水域予測)
得られた現在の浸水域推定に基づいて、将来の浸水域を予測する。ここでは、気象庁より入手した雨量の将来予測を外力として、上述の方法で得られた現在の水位から、浸水域の増減を予測する。現在の浸水域予測と同様、将来の浸水域の予測は、事前に計算した氾濫解析のシミュレーション結果の中から、最も相関が高いものを選択することで行う。
以下、リアルタイム内水氾濫浸水予測システムの詳細を説明する。
(事前氾濫解析によるデータベース作成)
事前氾濫解析によるデータベース作成工程は、原単位計算工程と、降雨強度別データベース作成を含む。
(原単位計算)
内水氾濫は、リアルタイム内水氾濫浸水予測の対象となる地域に、空間的に一様な雨が降ると仮定して、かつ浸水順序も同箇所から同順序で浸水すると仮定して行う。このような仮定の下で、氾濫解析を行って、浸水開始から想定最大規模までの浸水深分布図を、それぞれ作成する。ここでの氾濫解析は、降雨外力を、既往指針に則って作成する。既往指針とは、国土交通省水管理・国土保全局「浸水想定(洪水、内水)の作成等のための想定最大外力の設定手法」(平成27年7月)である。一例として、これに従えば既往指針を想定最大外力と仮定し、浸水予測を行う地域において、既往降雨に対して想定最大降雨まで引き延ばした外力の氾濫解析を行う。これは、ここで計算した以上の浸水は発生しないことを前提とするものである。例えば既往降雨すなわち過去に生じた降雨量を1.3倍したものを想定最大降雨とする。
このようにして図4に示すように、浸水開始から想定最大規模までの浸水深分布図Aを各分毎に作成する。なお初期値の0分における浸水深分布図A0では、浸水が生じていないものとする。このようにして得られた0分目からn分目までの浸水深分布図A0〜Anの集合を、浸水深分布群(A群)と呼ぶ。また浸水深分布群を演算する処理を、原単位計算と呼び、得られた結果を原単位計算結果と呼ぶ。このような原単位計算により、最大の被害エリアの予測や、降雨時間に対してどの程度のエリアが浸水するかのデータベースが、事前に作成される。
まとめると、浸水深分布群は、特定の時刻tiにおける予測地域の浸水状況を示す浸水深分布図Aiの集合である。この浸水深分布群は、浸水開始時刻t0における、予測地域で浸水の発生していない浸水深分布図A0から、想定最大規模となる時刻tnにおける浸水深分布図Anまでの0〜n枚を含む。なおこの例では、1分ごとに浸水深分布図を作成する例を説明したが、本発明は浸水深分布図を作成する時間幅を1分に限定せず、例えば5分おき、30分おき、1時間おき等、任意の時間幅とすることができる。時間幅を短くするほど、高精度なリアルタイム内水氾濫浸水予測が可能となる。ただし演算量も多くなる。このようにして作成された浸水深分布群は、浸水深分布群保存部21に保存される。
(降雨強度別データベース作成)
次に、降雨強度別データベースを作成して、降雨強度別データベース保存部23に保存する。降雨強度別データベースを作成する目的は、j[mm/hr]の雨量強度の降雨量がk[hr]の時間幅で降った場合に、浸水深分布群のどの、すなわち何番目の浸水深分布図に該当するのか、その対応関係を特定することである。ここでは雨量強度jを複数の異なる値として、それぞれについて演算される。好ましくは、降雨量の下限値を、浸水予測を行う予測地域において、これ以上の降雨量でないと浸水が発生しない雨量とする。また上限値を、想定最大規模の雨量とする。さらに初期条件は、浸水深分布図Aiに相当する浸水深分布とする。(詳細は後述)
降雨強度別データベースは、浸水増大期と浸水減少期に分けて作成される。得られた降雨強度別データベースのグラフを、図5、図6に示す。これらの図に示すように、横軸を経過時間k[hr]、縦軸を湛水量とする。
浸水増大期においては、降雨外力を、雨量強度がj[mm/hr]の雨が降り続く降雨波形とする。ただし、j>drである(dr:排水能力[mm/hr])。また初期条件は、浸水がない状況の浸水深分布図A0である。このようにして得られた浸水増大期の降雨強度別データベースは、図5のようになり、経過時間と共に浸水深分布が大きくなる傾向を示す。
一方、浸水減少期の降雨強度別データベースの作成においても、同じく降雨外力を雨量強度j[mm/hr]が降り続く降雨波形とする。ただし、ここではj<drである(dr:排水能力[mm/hr])。また初期条件は、想定最大規模の浸水深分布図Anとする。このようにして得られた浸水減少期の降雨強度別データベースは、図6に示すように経過時間と共に浸水深分布が小さくなる傾向を示す。
なお図5、図6の例では、降雨強度別データベースの縦軸を湛水量としたが、他のパラメータ、例えば浸水域の広さ(メッシュ数)等としてもよい。このような例を図7、図8に示す。これらの図において、図7は15mm/hr,20mm/hr,・・・・,想定最大雨量[mm/hr]が継続して降った場合の計算結果を示している。ここでは、浸水予測を行う予測地域において、排水能力drを10mm/hrとしているため、10mm/hrの降雨を上回らないと浸水が発生しない状況と仮定している。また図8は想定最大規模の豪雨の浸水深分布を初期条件にし、10mm/hr以下の雨量が継続して降った場合の降雨波形を外力とする氾濫解析結果を示している。ここでは10mm/hr以下であるため、雨量よりも当該地区の排水能力が上回り、浸水は時間と共に減少することを示している。なお図7、図8においては、便宜上直線で示しているが、実際のグラフは直線にはならないと想定される。
(降雨強度と原単位計算の相関性)
次に、氾濫解析フェイズで得た原単位計算及び降雨強度別データベースに基づいて、統計解析フェイズとして、降雨強度と原単位計算の相関性を求める。具体的には、降雨の経過時間と、浸水深分布図の対応関係を求める。より具体的には、図5、図6の降雨強度別データベースの縦軸を、湛水量から、浸水深分布図Aの何番目かを示す浸水深分布番号(0〜n)に変換する。
ここでは、まず適中率を算出し、次にこの適中率の最大値を浸水増大期と浸水減少期でそれぞれ算出する。さらに、降雨強度別データベース作成の縦軸を、原単位計算において最大相関が得られた時刻、すなわち原単位計算の何分目に最大相関を得られたかに置き換える。
(適中率の算出)
まず、適中率を算出する。ここでは、降雨強度別データベース作成工程で求めた降雨強度ごと浸水域が、原単位計算結果の何分目の浸水域と最も相関性が高いかを算出する。この様子を図9に示す。図9において、横方向は、降雨強度別データベースにおいて雨量強度j[mm/hr]の雨がk時間継続して降り続いた場合の浸水深分布において、浸水ありと浸水なしをとる。また縦方向において、原単位計算で得られた浸水深分布図Aiにおいて、浸水ありとなしをとる。このマトリックスから、相関性を示す式として、数1の適中率を求める。この適中率は、メッシュ数で換算する。また適中率は、各降雨量について算出する。
[数1]
Figure 2021196850

(適中率グラフの作成)
次に、このようにして得られた適中率の最大値を、降雨量毎に求める。また、このような適中率の最大値を、浸水増大期と浸水減少期でそれぞれ算出する。まず、浸水増大期における適中率の最大値を算出する。
(浸水増大期における適中率の最大値)
具体的には、図10に示すように、横軸に、降雨強度別データベースにおいて雨量強度j[mm/hr]がk時間継続した場合の、浸水深分布群A0-nを浸水深分布番号順にとり、縦軸を適中率とした適中率グラフを作成する。この適中率グラフを降雨量毎に作成する。
一例として、図11の適中率グラフは、降雨強度別データベースにおいて降雨量20mm/hrの雨が継続して降った場合の適中率を示している。この場合において、10分目の計算結果(浸水域)が、原単位計算結果の5分目の浸水域と相関が高いことを示しているこのようにして、それぞれの降雨強度の浸水域に対し、適中率の最も高い原単位計算結果の浸水域が選択される。
次に、適中率グラフから、降雨強度別データベースの縦軸を、湛水量から、浸水深分布図の浸水深分布番号(A群のいずれか)に変換する。内水氾濫は、同箇所から同順序に浸水するという仮定が成立するため、図5の降雨強度別データベースにおける●部は、A群(浸水開始から想定最大規模までの浸水深)のいずれかに相当する。このようにして、図12のグラフが得られる。この縦軸を変換したグラフを、事前計算グラフと呼ぶ。このような事前計算グラフを、降雨量毎に事前に作成して、事前計算グラフデータベースに登録する。なお、この例では事前計算グラフの縦軸を、浸水深分布群A0-nとしているが、本発明は縦軸を浸水深分布群に限定するものでなく、例えば浸水深分布番号0〜nとしたり、浸水深分布群を示す時刻t0〜tnとしてもよい。
(浸水減少期における適中率の最大値)
同様にして、浸水減少期における適中率の最大値を算出する。まず、図10と同様、横軸に、降雨強度別データベースにおいて雨量強度j[mm/hr]がk時間継続した場合の浸水深分布群A0-nを浸水深分布番号順にとり、縦軸を適中率とした適中率グラフを作成する。このようにして得られた図13に示すような適中率グラフを、降雨量毎に作成する。
次に、適中率グラフから、降雨強度別データベースの縦軸を、湛水量から、浸水深分布図の浸水深分布番号(A群のいずれか)に変換する。内水氾濫は、同箇所から同順序に浸水するという仮定が成立するため、図6の降雨強度別データベースにおける●部は、A群(浸水開始から想定最大規模までの浸水深)のいずれかに相当する。このようにして、図14の事前計算グラフが得られる。
このようにして、降雨強度別の結果と原単位計算結果の相関性が得られる。すなわち予め事前計算グラフを作成して、データベースに保存しておく。そして、リアルタイム内水氾濫浸水予測の実運用時には、これらの保存済みデータベースを参照して浸水域を予測する。ここでは、気象庁が発表する観測雨量(過去の雨量)と予測雨量(将来の雨量)をもとに、内水氾濫の浸水予測を行う。
(水位計を利用しない場合の実運用時の手順)
次に、実施形態1に係る内水氾濫浸水予測の実運用時において、現在の浸水域を推定して、将来の浸水域を予測する手順を、図15のフローチャートに基づいて説明する。なお実施形態1に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測では、上述の通り特定の領域内に水位計を設置していないケースを想定している。
(S1:降雨波形の取得)
まず、ステップS1において、入力データとして降雨波形を取得する。具体的には、雨量データを雨量データ取得部10から取得する。ここでは、気象庁より入手したリアルタイムの観測雨量および予測雨量を使用する。過去観測雨量と将来予測雨量を組み合わせて、降り始めからの降雨波形を得ることができる。このような降雨波形の例を、図16のグラフに示す。この降雨波形に基づいて、降り始め時刻からリアルタイム内水氾濫浸水予測を開始する。ここでは、現在時刻よりも将来の、任意の時刻twの浸水深分布に着目する。なお浸水深分布図の初期値であるAoldは、降り始めの浸水深分布図であり、浸水無し、すなわち原点(A0)とする。
(S2:浸水増大期か浸水減少期かの判定)
次に、ステップS2において、将来の雨量が浸水増大期にあるか浸水減少期にあるかを判定する。ここでは、任意の時刻twを基準として、時刻twから時刻tw+1まで間の雨量強度J[mm/hr]を、気象庁から取得する。そしてJ>drの場合は浸水増大期と判定してステップS3−1に進む。一方、J<drの場合は浸水減少期と判定してステップS3−2に進む。
ステップS3−1において、浸水増大期における氾濫解析を行い、将来の浸水深分布を取得する。ここでは、事前計算グラフに基づいて将来の時刻tw+1における浸水深分布としてAnewを推定する。例えば、事前計算グラフとしてJ[mm/hr]の雨量強度の降雨が降り続いた降雨波形を外力とする浸水増大期における氾濫解析の結果が図17のような波形として得られているものとする。このグラフにおいて、時刻twの浸水深分布図Aは、縦軸上に示す位置Awとなる。これをAoldとして、このときの経過時間(時刻tw)は、事前計算グラフ上で対応する横軸の位置となる。なお、最初のループにおいてはステップS1において述べたとおり、浸水深分布図の初期値であるAoldは、原点(A0)となる。
ここで、時刻twからw+1までΔw経過したとすると、横軸上をΔw左に移動させた位置に対応する、縦軸上の位置Aw+1が、次時刻tw+1における浸水深分布図Aw+1に該当すると推定される。このようにして予測された、将来の浸水深分布図Aw+1をAnewとして、ステップS4に進む。
一方で、ステップS2において、浸水減少期と判定された場合は、ステップS3−2に進み、浸水減少期における氾濫解析を行い、同様に将来の浸水深分布を取得する。ここでも、事前計算グラフに基づいて将来の時刻tw+1における浸水深分布としてAnewを推定する。例えば、事前計算グラフとしてJ[mm/hr]の雨量強度の降雨が降り続いた降雨波形を外力とする浸水減少期の氾濫解析の結果が図18のような波形として得られているものとする。このグラフにおいて、時刻twの浸水深分布図Aは、縦軸上に示す位置Awとなる。これをAoldとして、このときの経過時間(時刻tw)は、事前計算グラフ上で対応する横軸の位置となる。なお上述の通り、最初のループにおいてはAoldはA0であるところ、浸水無しのA0において、これ以上の浸水減少期は生じ得ないので、内水氾濫浸水予測の必要はない。
ここで、時刻twからw+1までΔw経過したとすると、横軸上をΔw左に移動させた位置に対応する、縦軸上の位置Aw+1が、次時刻tw+1における浸水深分布図Aw+1に該当すると推定される。このようにして予測された、将来の浸水深分布図Aw+1をAnewとして、ステップS4に進む。
そしてステップS4において、このようにして得られた時刻tw+1の浸水深分布図Aw+1を、将来の浸水深分布図Anewとして、表示部40に表示する。
さらにステップS5において、次の時刻に移行する。ここでは時刻twをさらにインクリメントしw+1とし、また浸水深分布図AnewをAoldとする。そしてステップS2に戻って、上記の工程を繰り返す。
このようにして、将来の浸水深分布図をリアルタイムで予測して、表示部40に順次表示させることが可能となる。特に、予め氾濫解析フェイズにおいて事前計算グラフを作成して記録しておき、実運用時においてはこれを参照することで、複雑な地形の氾濫解析結果を瞬時に呼び出すことが可能となり、少ない演算負荷でもリアルタイムに内水氾濫浸水予測を実現できる。
[実施形態2]
(水位計を設置した場合)
以上は、特定の領域内に水位計を設置しない例について説明した。ただ本発明は、水位計を設置しない構成に限らず、水位計を設置してもよい。水位計を設置することで、水位観測箇所における原単位計算の浸水開始時刻の特定可能な水位計浸水深データベースを参照して、より正確なリアルタイム内水氾濫浸水予測を実現できる。ここで、実施形態2として水位計を利用する場合のリアルタイム内水氾濫浸水予測について説明する。
まず氾濫解析フェイズとして、原単位計算と降雨強度別データベース作成を行う。また統計解析フェイズとして、氾濫解析フェイズで得た原単位計算及び降雨強度別データベースに基づいて、降雨強度と原単位計算の相関性を求める。具体的には、適中率グラフの作成、この適中率グラフに基づき降雨強度別データベースの縦軸を浸水深分布図の浸水深分布番号に変換した事前計算グラフの作成を行う。この手順は、上述した実施形態1と同様であり、詳細説明を省略する。
(水位観測箇所における浸水開始時刻の特定工程)
加えて実施形態2では、氾濫解析フェイズとして、水位観測箇所における浸水開始時刻を特定する。ここでは、浸水予測を行う予測地域(あるいは該当地域のメッシュ)が冠水時、雨の降り始めから水位が規定水位に到達するまでの時間を到達時間と規定する。そして氾濫解析により、水位観測箇所の到達時間を事前に算定する。また原単位計算において、水位観測箇所が浸水する時刻(浸水深分布群において何枚目)を、水位計と紐付ける。例えば図19に示すように、浸水予測を行う予測地域を区画するメッシュの水位観測箇所に、水位計Cxが設置されている場合において、この水位計で設定された規定水位よりも浸水深分布図Ap-1の水位が低く、浸水深分布図Apの水位が高い場合を考える。この場合、浸水深分布図Ap-1では、規定水位となるまで浸水は検出されない。そして次の浸水深分布図Apでは、浸水計で検出された検出水位が規定水位に達している。よって水位計Cxとp分目の浸水深分布図Apを紐付ける。このようにして対応関係を記録したテーブルを水位計浸水深データベースと呼び、水位計浸水深データベース保存部25に保存する。
(水位計を利用する場合の実運用時の手順)
次に、実施形態2に係る内水氾濫浸水予測の実運用時において、現在の浸水域を推定して、将来の浸水域を予測する手順を、実施形態1と同じく図15のフローチャートに基づいて説明する。実施形態2では、上述の通り氾濫解析を行う特定の領域内に水位計を設置しているので、水位計で観測された水位観測をもとに、内水氾濫の浸水予測を行う。
(S1:降雨波形の取得)
まずステップS1において、入力データとして降雨波形を取得する。ここでは、上述した実施形態1と同様、気象庁より入手したリアルタイムの観測雨量および予測雨量を組み合わせて、降り始めからの降雨波形を得る。このような降雨波形の例を、図20のグラフに示す。ここでは、実施形態1とは異なり、降り始め時刻からリアルタイム内水氾濫浸水予測を開始するのでなく、水位計Cxが反応した時刻である水位計反応時刻tpから開始する。また浸水深分布図の初期値であるAoldは、降り始めの浸水深分布図A0でなく、水位計反応時刻tpの浸水深分布図Apとする。
(S2:浸水増大期か浸水減少期かの判定)
次にステップS2において、将来の雨量が浸水増大期にあるか浸水減少期にあるかを判定する。ここでも任意の時刻twを基準として、時刻twから時刻tw+1まで間の雨量強度J[mm/hr]を、気象庁から取得する。そしてJ>drの場合は浸水増大期と判定してステップS3−1に進む。一方、J<drの場合は浸水減少期と判定してステップS3−2に進む。
ステップS3−1において、浸水増大期における氾濫解析を行い、将来の浸水深分布を取得する。ここでは、事前計算グラフに基づいて将来の時刻tw+1における浸水深分布としてAnewを推定する。例えば、事前計算グラフとしてJ[mm/hr]の雨量強度の降雨が降り続いた降雨波形を外力とする浸水増大期における氾濫解析の結果が図17のような波形として得られているものとする。このグラフにおいて、時刻twの浸水深分布図Aは、縦軸上に示す位置Awとなる。これをAoldとして、このときの経過時間(時刻tw)は、事前計算グラフ上で対応する横軸の位置となる。なお実施形態1では、最初のループにおいてはAoldはA0であったが、上述の通り実施形態2においては最初のループにおけるAoldはApとなる。以降は、実施形態1と同様である。
なお水位計を用いる場合においても、水位計による観測水位が得られる前、すなわち水位計が反応する以前は、観測雨量の時間変化(ハイエトグラフ)により、現在の浸水域予測を行う。すなわち上述した実施形態1と同様の工程となる。また水位計の動作時は、水位計の動作状況から推定される現況の浸水域推定を行う。その後、将来の予測雨量を用いて、将来の浸水域予測を行う。さらに、一の水位計が反応した後、別の水位計位置に設置された他の水位計が新たに反応した場合は、この水位計で観測された水位観測をもとに、内水氾濫の浸水予測を行う。このように、最新の水位計の反応結果で更新することにより、直近の現実の浸水状況を反映させた、より正確な内水氾濫浸水予測が可能となる。この結果、誤差の少ない内水氾濫浸水予測結果を得ることが可能となる。
(実施形態1の氾濫解析の詳細)
ここで、水位計を設置しない実施形態1に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測における氾濫解析の詳細を説明する。今、降雨波形として図21のグラフが得られているものとする。この例では7時の際の状況を示している。そのため、4時から7時は過去観測雨量であり、図においてクロスハッチで示している。また7時から9時は将来予測雨量であり、図において片側ハッチで示している。さらにこの例では、4時に雨が降り始めたことを示している。
ここで、事前計算グラフと降り始めからの過去観測雨量・将来予測雨量を用い、原単位計算結果の浸水深分布を表示部40に表示させる様子を、図22A〜図22Eに基づいて説明する。
まず、4時の降り始めにおいて、4時の浸水深分布として、原単位計算における0分目の浸水深分布を、表示部40に表示させる。図22Aに示すように、降り始め(4時)は0分目に相当する。
次に、降り始めから1時間経過後の5時における浸水深分布を、表示部40に表示させる例について説明する。ここで、4時から5時における降雨量は、図21において15mm/hrであるから、事前計算グラフとして、降雨量15mm/hrの事前計算グラフが、事前計算グラフデータベースから抽出される。そして図22Aに示すように、15mm/hrの事前計算グラフにおいて、4時から5時に、すなわち横軸を原点から1時間スライドさせる。ここで1時間スライドさせた時点が、原単位計算において何分目の浸水域に相当するかを確認すると、縦軸の15分目に相当することが判る。これに従い、表示部40には原単位計算における15分目の浸水深分布を表示させる。いいかえると、5時における浸水深分布は、原単位計算における15分目に相当することが判る。
さらに、降り始めから2時間経過後の6時における浸水深分布を、表示部40に表示させる例を説明する。まず、5時から6時における降雨量は図21によれば20mm/hrであるから、降雨量20mm/hrの事前計算グラフが事前計算グラフデータベースから抽出される。そして図22Bに示すように、20mm/hrの事前計算グラフにおいて、上述した5時における浸水深分布に相当する位置、すなわち原単位計算における15分目の浸水域の位置を、縦軸において特定し、これに対応する経過時間を横軸において特定する。この位置が5時に相当するので、ここから1時間、横軸にスライドさせる。この位置で、対応する縦軸の位置は23分目となっている。すなわち、6時の浸水深分布は、原単位計算における23分目の浸水深分布に相当することが判る。よって、このときの浸水深分布を、表示部40に表示させることで、6時における浸水深分布を視覚的に確認できる。
さらにまた、降り始めから3時間経過後の7時における浸水深分布を、表示部40に表示させる例を説明する。まず、6時から7時における降雨量は図21によれば25mm/hrであるから、降雨量25mm/hrの事前計算グラフが事前計算グラフデータベースから抽出される。そして図22Cに示すように、25mm/hrの事前計算グラフにおいて、上述した6時における浸水深分布に相当する位置、すなわち原単位計算における23分目の浸水域の位置を、縦軸において特定し、これに対応する経過時間を横軸において特定する。この位置が6時に相当するので、ここから1時間、横軸にスライドさせる。この位置で、対応する縦軸の位置は34分目となっている。すなわち、7時の浸水深分布は、原単位計算における34分目の浸水深分布に相当することが判る。よって、このときの浸水深分布を、表示部40に表示させることで、7時における浸水深分布を視覚的に確認できる。
さらにまた、降り始めから4時間経過後の8時における浸水深分布を、表示部40に表示させる例を説明する。以上の例では、過去の浸水深分布を表示させる例を説明したが、以降は将来の浸水深分布、すなわち浸水域予測となる。まず、7時から8時における降雨量は図21によれば20mm/hrであるから、降雨量20mm/hrの事前計算グラフが事前計算グラフデータベースから抽出される。上述の例では降雨量が増加していたが、ここでは降雨量が減少している。図22Dに示すように、20mm/hrの事前計算グラフにおいて、上述した7時における浸水深分布に相当する位置、すなわち原単位計算における34分目の浸水域の位置を、縦軸において特定し、これに対応する経過時間を横軸において特定する。この位置が7時に相当するので、ここから1時間、横軸にスライドさせると、対応する縦軸の位置は37分目となっている。すなわち、8時の浸水深分布は、原単位計算における37分目の浸水深分布に相当することが判る。よって、このときの浸水深分布を、表示部40に表示させることで、8時における浸水深分布を視覚的に確認できる。
さらに、降り始めから5時間経過後の9時における浸水深分布を、表示部40に表示させる例を説明する。まず、8時から9時における降雨量は図21によれば5mm/hrであるから、降雨量5mm/hrの事前計算グラフが事前計算グラフデータベースから抽出される。降雨量がさらに減少していることが判る。そして図22Eに示すように、5mm/hrの事前計算グラフにおいて、上述した8時における浸水深分布に相当する位置、すなわち原単位計算における37分目の浸水域の位置を、縦軸において特定し、これに対応する経過時間を横軸において特定する。この位置が8時に相当するので、ここから1時間、横軸にスライドさせる。この位置で、対応する縦軸の位置は28分目となっている。すなわち、9時の浸水深分布は、原単位計算における28分目の浸水深分布に相当することが判る。よって、このときの浸水深分布を、表示部40に表示させることで、9時における浸水深分布を視覚的に確認できる。
以上のようにして、過去の浸水深分布の推定のみならず、将来の浸水域予測を、表示部40にリアルタイムで表示させることが可能となる。すなわち、複雑な地表面解析などの演算を経ることなく、予め演算して準備しておいた浸水深分布のどれに該当するかを特定するのみで、該当する浸水深分布を浸水深分布データベースから読み出して表示させるだけで足りるので、演算コストを大幅に低減して、軽負荷で正確な浸水深分布を表示させること可能となる。
(実施形態2の氾濫解析の詳細)
また、水位計を設置した実施形態2に係るリアルタイム内水氾濫浸水予測における氾濫解析の詳細を説明する。ここでも、上述した図21と同じ波形の過去観測雨量と将来予測雨量のグラフを、気象庁より入手したものとする。
図21において、現在時刻である7時に、水位計が反応して規定水位に達したとして、この時点での、すなわち現在の浸水深分布を表示させる例を説明する。各水位計について、当該水位計が設置された水位観測箇所における、水位が規定水位に達するまでの到達時間は、事前に判明している。すなわち、水位観測箇所における浸水開始時刻を特定する水位計浸水深データベースを、水位計浸水深データベース保存部25から参照することで、水位計Cxとp分目の浸水深分布Apとの対応関係を特定できる。例えば、反応した水位計Cxの水位観測箇所における到達時間が、原単位計算において42分であると仮定する。この場合、7時の浸水深分布として、原単位計算における42分目の浸水深分布A42を、表示部40に表示させる。
次に、将来の浸水域を予測する方法について説明する。まず、1時間後の8時の浸水深分布を表示させる例を説明する。まず7時から8時の降雨量は、図21の将来予測雨量によれば20mm/hrである。よって降雨量20mm/hrの事前計算グラフが事前計算グラフデータベースから抽出される。そして図23Aに示すように、20mm/hrの事前計算グラフにおいて、上述した7時における浸水深分布に相当する位置、すなわち原単位計算における42分目の浸水域の位置を、縦軸において特定し、これに対応する経過時間を横軸において特定する。この位置が7時に相当するので、ここから1時間後分、横軸上にスライドさせる。そして1時間後の位置で、対応する縦軸の位置は46分目となっている。すなわち、8時の浸水深分布は、原単位計算における46分目の浸水深分布に相当すると予想される。よって、このときの浸水深分布を、浸水深分布データベースから読み出して表示部40に表示させることで、8時における浸水深分布を視覚的に確認できる。
同様にして、2時間後の9時の浸水深分布を表示させる例を説明する。まず8時から9時の降雨量は、図21の将来予測雨量によれば5mm/hrであるから、降雨量5mm/hrの事前計算グラフが事前計算グラフデータベースから抽出される。そして図23Bに示すように、5mm/hrの事前計算グラフにおいて、上述した8時における浸水深分布に相当する位置、すなわち原単位計算における46分目の浸水域の位置を、縦軸において特定し、これに対応する経過時間を横軸において特定する。この位置が8時に相当するので、ここから1時間後分、横軸上にスライドさせる。そして1時間後の位置で、対応する縦軸の位置は31分目となっている。すなわち、9時の浸水深分布は、原単位計算における31分目の浸水深分布に相当すると予想される。よって、このときの浸水深分布を、浸水深分布データベースから読み出して表示部40に表示させることで、9時における浸水深分布を視覚的に確認できる。
(将来の浸水域予測の更新)
また、図21の7時から1時間後の8時における降雨量データを図24に示す。ここでは、7時以前に観測した過去観測雨量はそのままで、新たに過去1時間分、すなわち7時から8時の過去観測雨量と、8時から9時の将来予測雨量が、図21から更新されている。ここで、8時現在において、過去の浸水深分布と、将来の浸水域予測を行う例を、図25A〜図25Bに基づいて説明する。
まず1時間前の7時における、過去の浸水深分布を表示させる例を説明する。ここでは、上述した方法と同様、1時間前の7時に反応した水位計が設置された水位観測箇所における到達時間が、原単位計算において42分であることから、7時の浸水深分布として、原単位計算における42分目の浸水深分布A42を、表示部40に表示させる。
次に、現在の8時における浸水深分布を表示させる方法について説明する。まず7時から8時の降雨量は、図24の過去観測雨量によれば25mm/hrである。よって降雨量25mm/hrの事前計算グラフが事前計算グラフデータベースから抽出される。そして図25Aに示すように、25mm/hrの事前計算グラフにおいて、上述した7時における浸水深分布に相当する位置、すなわち原単位計算における42分目の浸水域の位置を、縦軸において特定し、これに対応する経過時間を横軸において特定する。この位置が7時に相当するので、ここから1時間後分、横軸上にスライドさせる。そして1時間後の位置で、対応する縦軸の位置は49分目となっている。すなわち、8時の浸水深分布は、原単位計算における49分目の浸水深分布に相当すると推定される。よって、このときの浸水深分布を、浸水深分布データベースから読み出して表示部40に表示させることで、8時における浸水深分布を視覚的に確認できる。上述した図23Aと比較すると、7時の時点で予測していた雨量よりも多くの降雨があったため、より水位が高くなった浸水深分布に更新されていることが判る。このように本実施形態によれば、現在の浸水深分布の表示が、実際の降雨量を反映させたより正確な情報に修正されていることが理解できる。
次に、8時から1時間後の9時の浸水深分布を表示させる例を説明する。まず8時から9時の降雨量は、図24の将来予測雨量によれば8mm/hrであるから、降雨量8mm/hrの事前計算グラフが事前計算グラフデータベースから抽出される。そして図25Bに示すように、8mm/hrの事前計算グラフにおいて、上述した8時における浸水深分布に相当する位置、すなわち原単位計算における49分目の浸水域の位置を、縦軸において特定し、これに対応する経過時間を横軸において特定する。この位置が8時に相当するので、ここから1時間後分、横軸上にスライドさせる。そして1時間後の位置で、対応する縦軸の位置は35分目となっている。すなわち、9時の浸水深分布は、原単位計算における35分目の浸水深分布に相当すると予想される。よって、このときの浸水深分布を、浸水深分布データベースから読み出して表示部40に表示させることで、9時における浸水深分布を視覚的に確認できる。このように本実施形態によれば、将来の浸水深分布の予測も、より新しい将来予測雨量を反映させて、さらに正確な情報に修正されていることが理解できる。
このように、別の水位計が反応するまでは、最も最近に反応した水位計を初期条件として、浸水深分布を行うことができる。また、新たな水位計が反応した場合は、この水位計を基準とする浸水深分布の特定に更新する。これによって、最も最近の水位を基準とした浸水深分布の予測に更新でき、精度を高めることが可能となる。
なお、複数の水位計が同時に反応した場合は、A群の添え字の値が大きいもしくはtiの添え字の値が大きい水位計の水位を採用する。このように、より危険性の大きい浸水深分布図を採用することで、高めの水位を予測して安全性を高められる。
[実施形態3、4]
以上の例では、水面勾配を考慮しない氾濫解析であるポンドモデルを用いて、浸水深分布を求めた。ただ本発明は、浸水深分布を求める手法をポンドモデルに限定せず、既知の他の手法を適用することもできる。例えば、平面二次元不定流計算による氾濫解析から求められる、水面勾配のある浸水深分布を用いてもよい。本明細書においては、内水氾濫浸水予測の対象となる地域において、同箇所から同順序に浸水するという前提で予測を行っているところ、水面勾配を考慮しない氾濫解析を使用する場合には、標高の低いところから順に浸水するものとしている。一方で、水面勾配を考慮できる氾濫解析を適用する場合には、同箇所から同順序に浸水するという前提は、原単位計算の計算結果における浸水箇所から、その結果の順序で浸水するという意味となる。このように、本明細書において「同箇所から同順序に浸水する」という意味は、「原単位計算の計算結果における浸水箇所から、その結果の順序で浸水する」という意味となる。
ここで、ポンドモデルに代えて、平面二次元不定流計算による氾濫解析から求められる、水面勾配のある浸水深分布を用いて氾濫解析を行う例を、実施形態3、4に係る内水氾濫浸水予測方法として、以下説明する。ここでは水位計のある場合を実施形態3、ない場合を実施形態4として説明する。これら実施形態3、4に係る内水氾濫浸水予測方法では、図26に示す領域に降雨を与え、この領域から0.04m3/secに相当する排水量があると想定する。
(1:原単位計算)
原単位計算の外力(input)として与えた降雨波形を、図27のグラフに示す。また図27の降雨波形を与えた際の原単位計算の結果(output)である湛水量を図28に、水位を図29に、それぞれ示す。
(2:降雨強度別データベースの作成)
1)水位増大期
水位増大期における水位の時間変化を図30に示す。この図では、15mm/hrから100mm/hrの5mm/hr毎に、各降雨が時間変化することなく降り続けた場合の降雨波形を外力とした際の水位の時間変化を示している。
2)水位減少期
水位減少期における水位の時間変化を図31に示す。図31では0mm/hrから10mm/hrの5mm/hr毎に、それら降雨が時間変化することなく降り続けた降雨波形を外力とした際の水位の時間変化を示している。
(3:適中率)
次に適中率を求めるため、図30及び図31の縦軸をA群(浸水深分布群)に変換する。実施形態3、4では、低地から水面勾配が無い状況で浸水することを想定しているため、湛水量と水位の関係は数1で表される。このため、数2を用いて湛水量を水位に変換し、その水位より低地が浸水している浸水深分布を、リアルタイム浸水予測システムのoutputとして出力する。
[数2]
V=1/3(H−1)3
図30及び図31の縦軸をA群(浸水深分布群)にしたものを、図32及び図33にそれぞれ示す。なお実施形態3、4では、原単位計算を10minごとに出力した。そのため、AwからAw+1までの間は、原単位計算では10minに相当する。また原単位計算では、A120以降では、水位増加から水位減少に転じた。そのため、A120が想定最大規模の浸水深分布に相当すると考えられることから、A120より浸水規模の大きな浸水深分布はA120と同等とした。
(4:水位観測箇所における原単位計算の浸水開始時刻)
ここでは、水位が13.0[m]に達した際に、水位計が反応すると想定する。その際のApはA10に該当することが原単位計算において判明している。
(5:水位計を利用しない場合)
まず、水位計を利用しない場合の実時間の運用について検討する。ここでは、図34に示す降雨波形を外力として与えた場合の、浸水深分布の時間変化について検討する。このような降雨波形は、気象庁が提供するデータを利用できる。
出力される浸水深分布群(A群)の時間変化を、図35に示す。後述する水位計を利用する場合では、水位計が反応した時点から内水氾濫浸水予測を開始するのに対し、水位計を設置していない場合は、降雨開始時刻から開始される。図35から、ポンドモデルによる計算値と、実施形態3に係る内水氾濫浸水予測方法による計算における水位増加・減少の傾向は、概ね一致していることがわかる。図35に示すグラフの縦軸は、A群(浸水深分布群)の添え字の数値である。ポンドモデルによる浸水状況が、最大の際にはA12に相当する水位まで水位上昇があるに対し、実施形態3に係る内水氾濫浸水予測方法ではA13に相当する水位まで水位上昇があることがわかる。
(6:水位計を利用する場合)
次に、水位計を利用する場合に出力される浸水深分布群(A群)の時間変化を図36に示す。ここでは水位計が反応した時刻から内水氾濫浸水予測が開始される。図36から、ポンドモデルによる計算値と、実施形態4に係る計算における水位増加・減少の傾向は、概ね一致していることがわかる。ポンドモデルによる計算値と、実施形態4に係る計算は共に、浸水状況が最大の際にはA12に相当する水位まで水位上昇があることがわかる。水位観測値を考慮したことで、浸水規模の最大状況を正確に判定したと考えられる。
なお、本発明は適中率を用いた方法に限定するものでなく、適中率以外の方法で降雨強度別データベースにおける縦軸をA群(浸水深分布群)にする他の手法を適用することができる。ここでは、
(I)図5や図6で示した降雨強度別のデータベースにおいて雨量強度J[mm/hr]の雨がk時間降り続いた際(図において●で示す部位)の浸水深分布図
(II)Aiにおける浸水深分布図の集合である浸水深分布群A0〜An
とするとき、これら(I)と(II)の浸水深分布図における類似性、一致性、相関性、適合性等の程度を評価する既知の手法を適宜利用できる。
このような、適中率に代わる手法として、例えば図38のグラフに示すように、横軸に(I)の浸水深分布における浸水深[m]、縦軸に(II)の浸水深分布図における浸水深[m]を取って、同じ箇所における(I)、(II)の浸水深分布図の浸水深をプロットする。このようにして得られた各プロットと、傾き45°の直線との距離dの、各プロットの合計値Σdを算定し、Σdの最小であるAiをAmとする。これによって、降雨強度別データベースにおける縦軸を浸水深分布群A0〜Anに変換することができる。
また、適中率に代わる他の手法として、図39のグラフに示すように、同じ箇所における(I)、(II)の浸水深分布図の浸水深の差を調べる。ここでは、同じ箇所における(I)、(II)の浸水深分布図の浸水深の差[m]を調べて、メッシュ数を計数し、その分布を調べたグラフを作成する。そして平均値μを算出し、この平均値μが最も0に近いAiをAmとすることでも、降雨強度別データベースにおける縦軸を浸水深分布群A0〜Anに変換することができる。
このような(I)と(II)の相関度を示す既知の手法に従って、降雨強度別のデータベースの縦軸をA群に変換することができる。
本発明のリアルタイム内水氾濫浸水予測システム、リアルタイム内水氾濫浸水予測装置、リアルタイム内水氾濫浸水予測方法、リアルタイム内水氾濫浸水予測プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記憶した機器を使用して、内水氾濫浸水予測を行うことが可能となる。これにより、超大型台風やゲリラ豪雨などの発生時に、市街地などでの内水氾濫の発生を正確に予測でき、避難誘導路の作成などに役立てることが可能となる。
1000、1000’…リアルタイム内水氾濫浸水予測システム
100…リアルタイム内水氾濫浸水予測装置
10…入力部
20…データ記憶部
21…浸水深分布群保存部
22…事前計算グラフ保存部
23…降雨強度別データベース保存部
24…適中率グラフ保存部
25…水位計浸水深データベース保存部
30…演算部
31…浸水深予測部
32…データベースアクセス部
33…浸水深分布群作成部
34…事前計算グラフ作成部
40…表示部
41…地図表示領域
50…操作部
CL…クライアント機器
WG…水位計
RT…中継器

Claims (13)

  1. 予測地域に一様な雨が降ると仮定し、かつ予測地域に含まれる各位置において一定の順序で浸水が生じると仮定した条件下で、降雨によって生じる内水氾濫をリアルタイムに予測するリアルタイム内水氾濫浸水予測システムであって、
    特定の時刻tiにおける予測地域の浸水状況を示す浸水深分布図Aiの集合として、浸水開始時刻t0における、予測地域で浸水の発生していない浸水深分布図A0から、所定の時間刻みで、想定最大規模となる時刻tnにおける浸水深分布図Anまでの浸水深分布群を保存する浸水深分布群保存部と、
    前記浸水深分布群保存部に保存された浸水深分布群の内、所定の時刻における浸水深分布図を初期条件に、j[mm/hr]の雨量強度の降雨量がk[hr]間降った場合に、浸水深分布群A群(浸水深分布)の何番に相当する浸水深分布に該当するかを示す降雨強度別データベースから作成された、降雨強度と浸水深分布図の相関性を示す事前計算グラフを保存する事前計算グラフ保存部と、
    観測された雨量と、予測された雨量を取得する雨量データ取得部と、
    前記雨量データ取得部で取得された観測された雨量と、予測された雨量に基づいて、将来の浸水深分布図を、前記浸水深分布群保存部に保存された複数の浸水深分布図中から、前記事前計算グラフ保存部に保存された事前計算グラフで規定された対応関係に基づいて選択する浸水深予測部と、
    前記浸水深予測部で選択された浸水深分布図を表示する表示部と、
    を備えるリアルタイム内水氾濫浸水予測システム。
  2. 請求項1に記載のリアルタイム内水氾濫浸水予測システムであって、
    前記浸水深予測部が、初期条件とする所定の時刻における浸水深分布図を、浸水のない時刻t0における浸水深分布図A0としてなるリアルタイム内水氾濫浸水予測システム。
  3. 請求項1に記載のリアルタイム内水氾濫浸水予測システムであって、さらに、
    予測地域内に設定された複数の水位観測箇所にそれぞれ設置された、水位を検出するための水位計と、
    前記浸水深分布群保存部に保存された複数の浸水深分布図A0〜Anと、前記複数の水位観測箇所Cxに設置された各水位計がそれぞれ反応する水位計反応時刻tpを関連付けた水位計浸水深データベースを保存する水位計浸水深データベース保存部と、
    を備えており、
    前記浸水深予測部が、初期条件とする所定の時刻における浸水深分布図を、前記複数の水位計のいずれかが反応した水位計反応時刻tpにおける、対応する浸水深分布図Apとするように、前記水位計浸水深データベースから特定してなるリアルタイム内水氾濫浸水予測システム。
  4. 請求項3に記載のリアルタイム内水氾濫浸水予測システムであって、
    前記浸水深予測部は、複数の水位計が同時に反応した際に、検出された水位がより高い方の水位計の反応を採用して前記浸水深分布図を選択するよう構成してなるリアルタイム内水氾濫浸水予測システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のリアルタイム内水氾濫浸水予測システムであって、
    前記降雨強度別データベースが、横軸を経過時間、縦軸を湛水量とするグラフであるリアルタイム内水氾濫浸水予測システム。
  6. 請求項5に記載のリアルタイム内水氾濫浸水予測システムであって、
    前記事前計算グラフ保存部は、
    降雨外力が予測地域における排水能力よりも大きい浸水増大期と、
    降雨外力が予測地域における排水能力よりも小さい浸水減少期の、それぞれについて前記降雨強度別データベースを保存する降雨強度別データベース保存部を備えるリアルタイム内水氾濫浸水予測システム。
  7. 請求項5又は6に記載のリアルタイム内水氾濫浸水予測システムであって、
    前記事前計算グラフ保存部に保存された前記事前計算グラフが、前記降雨強度別データベースの縦軸を、湛水量から浸水深分布群A0〜Anに変換したグラフであるリアルタイム内水氾濫浸水予測システム。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のリアルタイム内水氾濫浸水予測システムであって、
    前記事前計算グラフ保存部が、さらに、
    横軸に、降雨強度別データベースにおいて雨量強度j[mm/hr]がk時間継続した場合の、浸水深分布群A0-nを浸水深分布番号順にとり、縦軸を適中率とした適中率グラフを保存する適中率グラフ保存部を含み、
    前記事前計算グラフ保存部に保存される前記事前計算グラフは、前記適中率グラフ保存部に保存された前記適中率グラフから、前記降雨強度別データベースの縦軸を、湛水量から、前記浸水深分布図の浸水深分布番号に変換したものであるリアルタイム内水氾濫浸水予測システム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のリアルタイム内水氾濫浸水予測システムであって、さらに、
    前記浸水深分布群を作成する浸水深分布群作成部と、
    前記事前計算グラフを作成する事前計算グラフ作成部と、
    を備えるリアルタイム内水氾濫浸水予測システム。
  10. 予測地域に一様な雨が降ると仮定し、かつ予測地域に含まれる各位置において一定の順序で浸水が生じると仮定した条件下で、降雨によって生じる内水氾濫をリアルタイムに予測するリアルタイム内水氾濫浸水予測装置であって、
    特定の時刻tiにおける予測地域の浸水状況を示す浸水深分布図Aiの集合として、浸水開始時刻t0における、予測地域で浸水の発生していない浸水深分布図A0から、所定の時間刻みで、想定最大規模となる時刻tnにおける浸水深分布図Anまでの浸水深分布群を保存した浸水深分布群保存部と、
    前記浸水深分布群保存部に保存された浸水深分布群の内、所定の時刻における浸水深分布図を初期条件に、j[mm/hr]の雨量強度の降雨量がk[hr]間降った場合に、浸水深分布群A群(浸水深分布)の何番に相当する浸水深分布に該当するかを示す降雨強度別データベースから作成された、降雨強度と浸水深分布図の相関性を示す事前計算グラフを保存する事前計算グラフ保存部と、
    にアクセス可能なデータベースアクセス部と、
    観測された雨量と、予測された雨量を取得する雨量データ取得部と、
    前記雨量データ取得部で取得された観測された雨量と、予測された雨量に基づいて、将来の浸水深分布図を、前記浸水深分布群保存部に保存された複数の浸水深分布図中から、前記事前計算グラフ保存部に保存された事前計算グラフで規定された対応関係に基づいて選択して出力可能な浸水深予測部と、
    を備えるリアルタイム内水氾濫浸水予測装置。
  11. 予測地域に一様な雨が降ると仮定し、かつ予測地域に含まれる各位置において一定の順序で浸水が生じると仮定した条件下で、降雨によって生じる内水氾濫をリアルタイムに予測するリアルタイム内水氾濫浸水予測方法であって、
    特定の時刻tiにおける予測地域の浸水状況を示す浸水深分布図Aiの集合として、浸水開始時刻t0における、予測地域で浸水の発生していない浸水深分布図A0から、所定の時間刻みで、想定最大規模となる時刻tnにおける浸水深分布図Anまでの浸水深分布群を作成し、浸水深分布群保存部に保存する工程と、
    前記浸水深分布群保存部に保存された浸水深分布群の内、所定の時刻における浸水深分布図を初期条件に、j[mm/hr]の雨量強度の降雨量がk[hr]間降った場合に、浸水深分布群A群(浸水深分布)の何番に相当する浸水深分布に該当するかを示す降雨強度別データベースから作成された、降雨強度と浸水深分布図の相関性を示す事前計算グラフを作成し、事前計算グラフ保存部に保存する工程と、
    観測された雨量と、予測された雨量を雨量データ取得部で取得する工程と、
    前記雨量データ取得部で取得された観測された雨量と、予測された雨量に基づいて、前記浸水深分布群保存部に保存された複数の浸水深分布図中からいずれかを、将来の浸水深分布図として、前記事前計算グラフ保存部に保存された事前計算グラフで規定された対応関係に基づいて、浸水深予測部で選択する工程と、
    前記浸水深予測部で選択された浸水深分布図を表示部に表示させる工程と、
    を含むリアルタイム内水氾濫浸水予測方法。
  12. 予測地域に一様な雨が降ると仮定し、かつ予測地域に含まれる各位置において一定の順序で浸水が生じると仮定した条件下で、降雨によって生じる内水氾濫をリアルタイムに予測するリアルタイム内水氾濫浸水予測プログラムであって、
    特定の時刻tiにおける予測地域の浸水状況を示す浸水深分布図Aiの集合として、浸水開始時刻t0における、予測地域で浸水の発生していない浸水深分布図A0から、所定の時間刻みで、想定最大規模となる時刻tnにおける浸水深分布図Anまでの浸水深分布群を作成し、浸水深分布群保存部に保存する機能と、
    前記浸水深分布群保存部に保存された浸水深分布群の内、所定の時刻における浸水深分布図を初期条件に、j[mm/hr]の雨量強度の降雨量がk[hr]間降った場合に、浸水深分布群A群(浸水深分布)の何番に相当する浸水深分布に該当するかを示す降雨強度別データベースから作成された、降雨強度と浸水深分布図の相関性を示す事前計算グラフを作成し、事前計算グラフ保存部に保存する機能と、
    観測された雨量と、予測された雨量を雨量データ取得部で取得する機能と、
    前記雨量データ取得部で取得された観測された雨量と、予測された雨量に基づいて、前記浸水深分布群保存部に保存された複数の浸水深分布図中からいずれかを、将来の浸水深分布図として、前記事前計算グラフ保存部に保存された事前計算グラフで規定された対応関係に基づいて、浸水深予測部で選択する機能と、
    前記浸水深予測部で選択された浸水深分布図を表示部に表示させる機能と、
    をコンピュータに実現させるためのリアルタイム内水氾濫浸水予測プログラム。
  13. 請求項12のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体または記憶した機器。
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