JP2021196227A - 診断薬用ラテックス粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラテックス凝集法を用いた検査において、低濃度の被検物質を測定する場合であっても、高感度な測定を可能にする診断薬用ラテックス粒子を提供する。【解決手段】芳香族基を有する構造単位と加水分解性シリル基を有する構造単位とを含み、ケイ素の含有量が、0.001〜10質量%である診断薬用ラテックス粒子。【選択図】なし

Description

本発明は、診断薬用ラテックス粒子及びその製造方法、並びに測定試薬に関する。
臨床検査をはじめとする種々の分野において、測定試薬中の微量な被検物質を定量する方法として、抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法が広く使用されている。なかでもラテックス粒子を抗原又は抗体の担体として用いたラテックス凝集法は、操作が簡便で、且つ、測定に要する時間が短い。そこで、測定方法としてラテックス凝集法を採用する微量被検物質の種類が更に増加している。
ラテックス凝集法による測定試料中の抗原又は抗体等の被検物質の定量は、抗原又は抗体を担持したラテックス粒子(以下、感作ラテックス粒子ともいう。)の凝集により生ずる吸光度の変化を光学的に検出することにより行われる。この吸光度の変化は、感作ラテックス粒子の凝集によって形成される凝集塊に由来する見かけの粒子径の変化に基づくものである。
従来、ラテックス凝集法において担体として用いられるラテックス粒子には、抗原又は抗体の感作(固定化)が容易であり、比較的安価で、且つ重合反応も制御しやすいことから、ポリスチレンを主成分とするポリスチレン系ラテックス粒子が用いられてきた。しかし、ポリスチレン系ラテックス粒子をラテックス凝集法における担体として用いた場合、測定試料中の被検物質の濃度が希薄であると、形成される凝集塊の数が少なくなり、また、凝集塊の見かけの粒子径もラテックス粒子数に対する被検物質の濃度が適当な範囲である場合に比べ小さくなることから、十分な感度が得られないという問題があった。このため、感度を向上させるための種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1〜4)。
特開2008−215816号公報 国際公開第2012/133771号 国際公開第2018/216784号 特開2006−266970号公報
感度を上げる方法としては、大きく三つある。(1)一つ目は、ラテックス粒子の粒径を大きくすることである。粒径が大きいと、吸光係数が大きくなるため、希薄濃度でも、凝集の変化の差が検出しやすくなる。(2)二つ目は、ラテックス粒子の屈折率を上げ、結果として、吸光係数を上げることである。同じ粒径であれば、屈折率が高いラテックス粒子の方が、吸光係数が高いため、より希薄な環境でも検出感度を維持できるためである。(2)三つ目は、固定化した抗原又は抗体の配向性を制御することである。固定化した抗原又は抗体の被検物質と特異的に結合する部分(以下、活性部位ともいう)が、粒子に対して外側、即ち、溶液中の被検物質側に位置していると、被検物質との反応確率が向上し、測定時間内で大きな凝集塊を形成することができるためである。
しかしながら、これら(1)〜(3)をすべて満足できるレベルで達成できるラテックス粒子は未だに得られていない。
本発明は、ラテックス凝集法を用いた検査において、低濃度の被検物質を測定する場合であっても、高感度な測定を可能にする診断薬用ラテックス粒子を提供することを目的とする。また、上記粒子を用いた測定試薬を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
[1]芳香族基を有する構造単位と加水分解性シリル基を有する構造単位とを含み、ケイ素の含有量が、0.001〜10質量%である診断薬用ラテックス粒子。
[2]前記芳香族基を有する構造単位が、屈折率1.5以上の重合性化合物に由来する[1]に記載の診断薬用ラテックス粒子。
[3]前記粒子の平均粒径が、50〜1000nmであり、平均粒径の変動係数が、1〜15%である[1]又は[2]に記載の診断薬用ラテックス粒子。
[4]芳香族基を有する重合性化合物とシランカップリング剤を水系媒体中で共重合して粒子を形成させる工程を含む[1]〜[3]のいずれかに記載の診断薬用ラテックス粒子の製造方法。
[5][1]〜[3]のいずれかに記載の診断薬用ラテックス粒子と、当該診断薬用ラテックス粒子に担持され、且つ、被検物質に特異的に結合する物質と、を含む測定試薬。
本発明によれば、ラテックス凝集法を用いた検査において、低濃度の被検物質を測定する場合であっても、高感度な測定を可能にする診断薬用ラテックス粒子を提供することができる。
以下に、実施形態を挙げて本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の診断薬用ラテックス粒子は、芳香族基を有する構造単位と加水分解性シリル基を有する構造単位とを含み、ケイ素の含有量が0.001〜10質量%の粒子である。
本発明によれば、低濃度の被検物質を測定する場合であっても、高感度な測定が可能となる。
更に説明すれば、本発明者らは、鋭意検討した結果、芳香族基を有する構造単位による疎水性の粒子表面と加水分解性シリル基を有する構造単位とを粒子表面に備え、粒子におけるケイ素量を調整することによって、固定化する抗原又は抗体と粒子表面との静電相互作用と、疎水性相互作用とのバランスを調整できることを見出した。
この知見に基づき、従来のラテックス粒子と同等の粒径、抗原又は抗体の固定化量にもかかわらず、抗体の活性部位を被検物質側に配向させることができ、抗原抗体反応の反応確率を向上させることができる。この結果、被検物質の濃度が希薄な測定試料を測定する場合であっても高感度な測定が可能となる。また、従来のポリスチレン系ラテックス粒子に対して、平均粒径や平均粒径の変動係数は同程度のまま、粒子表面における被検物質と特異的に結合する物質の固定化量を低下させることなく、被検物質の測定感度を向上させることができる。
<診断薬用ラテックス粒子>
[ラテックス粒子]
本発明に係るラテックス粒子は、芳香族基を有する構造単位と加水分解性シリル基を有する構造単位とを含み、ケイ素の含有量が0.001〜10質量%の粒子である。本明細書では、「芳香族基を有する構造単位」を構造単位Aと称し、「加水分解性シリル基を有する構造単位」を構造単位Bと称することがある。
本ラテックス粒子中のケイ素の含有量は、走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型分光法(SEM−EDX)を用いた元素分析によって得られた値とする。元素分析は、走査型電子顕微鏡(SEM)の観察領域一面に粒子が敷き詰められた部分を測定する。測定用サンプルは、試料台に粒子分散液を滴下し、試料台を斜めに傾けた状態で室温乾燥することで作製できる。観察倍率に特に指定はないが、観察領域の粒子の割合を多くするため、5万〜100万倍が好ましい。
SEM−EDXを用いた元素分析によるケイ素の含有量は、0.001〜10質量%、0.005〜8質量%、又は0.01〜5質量%とすることができる。
本開示にかかるラテックス粒子は、芳香族基を有する構造単位Aと加水分解性シリル基を有する構造単位Bとを含む。本ラテックス粒子は、芳香族基を有する構造単位Aと加水分解性シリル基を有する構造単位Bを有するものであれば、どのような方法で得られたものであってよく、例えば、芳香族基を有する重合性化合物とシランカップリング剤とを含むモノマーを共重合により得ることができる。この場合、本開示にかかるラテックス粒子は、芳香族基を有する重合性化合物に由来する構造単位Aと、シランカップリング剤に由来する構造単位Bを含む。
[芳香族基を有する重合性化合物]
本ラテックス粒子を得るために用いられる芳香族基を有する重合性化合物としては、一種又は二種以上の芳香族基と重合性官能基を有する化合物を挙げることができる。このような重合性化合物を含む組成物であれば、組成物に光照射、加熱等の重合処理を施すことにより粒子を得ることができる。
芳香族基を有する重合性化合物、重合性官能基を1分子中に1つ含む単官能重合性化合物であっても、重合性官能基を1分子中に2つ以上含む多官能重合性化合物であってもよい。また、重合性化合物は、モノマーであっても、オリゴマー、プレポリマー等の多量体であってもよい。
上記重合性化合物は、一種単独であってもよく、二種以上の任意の割合の組み合わせでもよい。また、二種以上の重合性化合物を用いる場合、二種以上の重合性化合物の組み合わせは、二種以上の単官能重合性化合物の組み合わせ、二種以上の多官能重合性化合物の組み合わせ、一種以上の単官能重合性化合物と一種以上の多官能重合性化合物との組み合わせ、のいずれであってもよい。
[芳香族基]
上記芳香族基としては、例えば、フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、4−t−ブチルフェニル、ベンジル、ジフェニルメチル、ジフェニルエチル、トリフェニルメチル、シンナミル、ナフチル、アントラニル等の基が好適なものとして挙げられる。これについても、構成する炭素原子に結合する水素原子の少なくとも一部を、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子等で置き換えた置換芳香族炭化水素基であってもよい。
芳香族環の置換基としてはアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン基(例えば、フッ素基、塩素基、臭素基、ヨウ素基)等が挙げられる。上記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、1,2−ジメチル−n−プロピル基、2,2−ジメチル−n−プロピル基、1−エチル−n−プロピル基、n−ヘキシル基、1−メチル−n−ペンチル基、2−メチル−n−ペンチル基、3−メチル−n−ペンチル基、4−メチル−n−ペンチル基、1,1−ジメチル−n−ブチル基、1,2−ジメチル−n−ブチル基、1,3−ジメチル−n−ブチル基、2,2−ジメチル−n−ブチル基、2,3−ジメチル−n−ブチル基、3,3−ジメチル−n−ブチル基、1−エチル−n−ブチル基、2−エチル−n−ブチル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、1,2,2−トリメチル−n−プロピル基、1−エチル−1−メチル−n−プロピル基及び1−エチル−2−メチル−n−プロピル基等が挙げられる。また上記アルキル基として環状アルキル基を用いることもでき、例えば炭素原子数1〜10の環状アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、1−メチル−シクロプロピル基、2−メチル−シクロプロピル基、シクロペンチル基、1−メチル−シクロブチル基、2−メチル−シクロブチル基、3−メチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロプロピル基、2,3−ジメチル−シクロプロピル基、1−エチル−シクロプロピル基、2−エチル−シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1−メチル−シクロペンチル基、2−メチル−シクロペンチル基、3−メチル−シクロペンチル基、1−エチル−シクロブチル基、2−エチル−シクロブチル基、3−エチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロブチル基、1,3−ジメチル−シクロブチル基、2,2−ジメチル−シクロブチル基、2,3−ジメチル−シクロブチル基、2,4−ジメチル−シクロブチル基、3,3−ジメチル−シクロブチル基、1−n−プロピル−シクロプロピル基、2−n−プロピル−シクロプロピル基、1−i−プロピル−シクロプロピル基、2−i−プロピル−シクロプロピル基、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル基、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル基及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピル基等が挙げられる。
[重合性官能基]
上記重合性官能基は、ラジカル重合性官能基、イオン重合性官能基、配位重合性官能基であってもよく、ラジカル重合性官能基が好ましい。重合反応の反応性の観点からは、エチレン性不飽和結合含有基、エポキシ基、オキセタン基、メチロール基等の重合性基を挙げることができ、エチレン性不飽和結合含有基がより好ましい。エチレン性不飽和結合含有基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基を挙げることができ、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基がより好ましい。なお、本発明及び本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」との記載は、アクリロイル基、とメタクリロイル基の少なくともいずれかの意味で用いるものとする。「(メタ)アクリロイルオキシ基」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル」等も同様である。多官能重合性化合物については、化合物に含まれる重合性基の数は1分子中に2つ以上である。
上記芳香族基を有する単官能重合性化合物の具体例としては、特に限定されず、例えば、ビニル化合物として、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系単量体;1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン等のナフタレン系化合物;2−ビニルアントラセン、9−ビニルアントラセン等のアントラセニル化合物;3−ビニルフェナントレン、9−ビニルフェナントレン等のフェナントレン化合物;6−ビニルジナフトチオフェン、6−ビニルエーテルジナフトチオフェン等のジナフトチオフェン系化合物;9−ビニルカルバゾール等のカルバゾール化合物;(メタ)アクリル化合物として、(メタ)アクリル酸ベンジル等の芳香族(メタ)アクリレート化合物;2−(1−ナフチル)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸フェナンチル、6−(メタ)アクリロイルオキシメチルジナフトチオフェン、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルジナフトチオフェン等の多環芳香族(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
上記芳香族基を有する多官能重合性化合物の具体例としては、特に限定されず、例えば、ビニル化合物として、ジビニルベンゼン、2,12−ジビニルジナフトチオフェン、3,11−ジビニルジナフトチオフェン、5,9−ジビニルジナフトチオフェン、2,12−ジビニルオキシメチルジナフトチオフェン、3,11−ジビニルオキシジナフトチオフェン、1,4−ジビニロキシブタン、ジビニルスルホン等のビニル系単量体;(メタ)アクリル化合物として、2,12−ジ(メタ)アクリロイルオキシメチルジナフトチオフェン、3,11−ジ(メタ)アクリロイルオキシメチルジナフトチオフェン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシメトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン;アリル化合物として、9,9’−ビス(4−アリルオキシフェニル)フルオレン等が挙げられる。
[屈折率1.5以上の重合性化合物]
本重合性化合物としては、屈折率1.5以上の高屈折率の重合性化合物を挙げることができる。高屈折率の重合性化合物としては特に限定されないが、スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルフェナントレン、ビニルジナフトチオフェン、ビニルカルバゾール等の多環芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリル酸ベンジル、ジ(メタ)アクリル酸フルオレン、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸フェナンチル等の芳香族若しくは多環芳香族骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
[芳香族基を有する構造単位Aの含有率]
ラテックス粒子における芳香族基を有する構造単位Aの割合は、粒子におけるケイ素の含有量の範囲及び本ラテックス粒子の作用効果を損なわない範囲で選択可能であり、ラテックス粒子の製造方法にモノマーとして用いられる芳香族基を有する重合性化合物の量によって調整することができる。
[シランカップリング剤]
本ラテックス粒子を得るために用いられるシランカップリング剤としては、加水分解性シリル基と重合性官能基とを有する化合物を挙げることができる。この場合には、重合反応により加水分解性シリル基が加水分解してシラノール基が生成する。このシラノール基は、相互に反応することによって架橋構造が形成可能となる。したがって、芳香族基を有する重合性化合物と共重合することによって、加水分解性シリル基のうち少なくとも一部が加水分解して共重合体が架橋され、ラテックス粒子が生成可能となる。
重合性官能基及び加水分解性シリル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、下記式(I)で表される化合物を挙げることができる。式中、Rは、メチル基又は水素原子を示し、R及びRは、それぞれ独立にアルキル基を示し、mは、1〜3の整数を示し、nは1以上の整数を示す。R及びRの炭素数は好ましくは1〜3である。nは好ましくは1〜5の整数である。
Figure 2021196227
上記シランカップリング剤は、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を2個又は3個有することが好ましい。即ち、式(I)において、mが2又は3であることが好ましい。これにより重合反応中での架橋の効果がより顕著に奏される。
重合性官能基及び加水分解性シリル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン及び3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
[加水分解性シリル基を有する構造単位Bの含有率]
ラテックス粒子における加水分解性シリル基を有する構造単位Bの割合は、粒子におけるケイ素の含有量の範囲及び本ラテックス粒子の作用効果を損なわない範囲で選択可能であり、ラテックス粒子の製造方法にモノマーとして用いられるシランカップリング剤の量によって調整することができる。
本ラテックス粒子には、粒子におけるケイ素の含有量の範囲及び本ラテックス粒子の作用効果を損なわない範囲で他のモノマーに由来する構造単位を含むことができる。
[製造方法]
本発明の診断薬用ラテックス粒子の製造方法は特に限定されず、乳化重合法、ミニエマルション重合法、懸濁重合法、マイクロサスペンション重合法、ソープフリー乳化重合法、シード重合法、液中乾燥法、転相乳化法、及び、これらの組み合わせ等、公知の方法が使用可能である。
本発明の一実施形態における診断薬用ラテックス粒子の製造方法としては、芳香族基を有する重合性化合物とシランカップリング剤とを含むモノマーを水系媒体中で共重合して粒子を形成させる工程を含む方法とすることができる。中でも、粒径制御性に優れ、乳化剤(界面活性剤)を使用しない、ソープフリー乳化重合法が好適に用いられる。
上記ソープフリー乳化重合の方法としては特に限定されず、公知の方法を用いることができるが、本発明では、反応容器にイオン交換水、例えば、モノマー、重合開始剤を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した後、65〜80℃で12〜42時間反応を行うことにより製造することができる。得られた粒子は、低い粒径C.V.及び優れた分散安定性を有する。
ソープフリー乳化重合に用いられる重合開始剤としては、水溶性の過硫酸化物、過酸化物、アゾ化合物が用いられる。具体的には、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)、2,2′−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、キュメンヒドロパ−オキサイド、t−ブチルヒドロパ−オキサイドが例示される。
モノマーとしての芳香族基を有する重合性化合物の量としては、得られる共重合体の質量に対して50質量%以上含まれることが好ましい。50質量%以上であれば、粒子分散液の吸光度が低下して、感度も低下するといったことを回避することができる。より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上とすることができる。また、より好ましくは99.9質量以下、更に好ましくは99質量%以下、特に好ましくは95質量%以下とすることができる。
モノマーとしてのシランカップリング剤の量としては、得られる共重合体の質量に対して、0.01〜50質量%であることが好ましい。50質量%以下であれば、ラテックス粒子の単分散性と真球度を良好なものにすることができる。より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、特に好ましくは5質量%以上とすることができる。また、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下とすることができる。これにより、感度に関する本発明の効果がより一層顕著に奏される。
モノマーとしては、芳香族基を有する重合性化合物とシランカップリング剤による作用を損なわない範囲で、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ナトリウム、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、グリシジルメタクリレート等の他の重合性化合物を含むことができる。
[診断薬用ラテックス粒子の平均粒径等]
本発明のラテックス粒子の平均粒径は、ラテックス凝集法の具体的な方法や用いる測定機器の仕様等によって適宜選択すればよいが、好ましい下限は50nm、好ましい上限は1000nmである。平均粒径が50nmであれば、凝集による光学的変化量が小さすぎることはなく測定に必要な感度を十分に得ることができる。平均粒径が1000nm以下であれば、測定試薬中の被検物質が高濃度であっても感作ラテックス粒子の凝集による光学的変化量が光学的測定機器の測定可能領域を超えることを回避でき、被検物質の量に応じた光学的変化量を得ることができる。より好ましい下限は100nm、より好ましい上限は800nmである。特に好ましい下限は150nm、特に好ましい上限は600nmである。
本発明のラテックス粒子の平均粒径の変動係数(粒径C.V.)は特に限定はされず、ラテックス免疫比濁法の具体的な方法や用いる測定機器の仕様等によって適宜選択すればよいが、好ましくは15%以下である。粒径C.V.が15%以下であれば、感作ラテックス粒子の調製時の製造再現性が低下することがなく、測定試薬の性能(測定再現性)の低下を回避することができる
なお、平均粒径は、ラテックス粒子の乾燥物を走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテク製、SU5000)により観察した画像上で、200個の粒子の粒径を計測した平均値である。また、粒径C.V.は、平均粒径を用いて下記式(1)により算出される。
式(1):平均粒径の変動係数(粒径C.V.)=平均粒径の標準偏差/平均粒径
本発明の診断薬用ラテックス粒子としては、前記粒子の平均粒径が50〜1000nmであり、且つ、平均粒径の変動係数が1〜15%である粒子とすることができ、平均粒径が50〜1000nm、平均粒径の変動係数(粒径C.V.)が15%以下の、屈折率1.5以上の芳香族基を有する重合性化合物を含む診断薬用ラテックス粒子とすることができる。
<感作ラテックス粒子/測定試薬>
本発明に係るラテックス粒子を担体として、被検物質と特異的に結合する物質を担持させて、感作ラテックス粒子を製造することができる。本発明に係るラテックス粒子に、被検物質と特異的に結合する物質を担持させた感作ラテックス粒子もまた、本発明の1つである。感作ラテックス粒子は緩衝液中に分散していることが好ましい。即ち、本発明の測定試薬は、上述したラテックス粒子と、このラテックス粒子に担持され、且つ、被検物質に特異的に結合する物質とを含む。
上記被検物質と特異的に結合する物質としては、免疫血清学的測定試薬(免疫学的凝集反応及び凝集阻止反応において使用されるもの)、生化学測定法として通常使用される生理活性物質であれば特に限定されない。中でも、抗原抗体反応に利用できる物質が好適である。
本発明における抗原抗体反応に利用できる物質としては、例えば、たんぱく質、核酸、核たんぱく質、エストロゲン等のホルモン、脂質等の抗原又は抗体が挙げられる。上記抗原としては、例えば、各種抗原、レセプター、酵素等が挙げられる。より具体的には、例えば、β2マイクログロブリン、C−反応性タンパク(CRP)、ヒトフィブリノーゲン、フェリチン、リウマチ因子(RA)、α−フェトプロテイン(AFP)、マイコプラズマ抗原、HBs抗原等が挙げられる。
上記抗体としては、例えば、各種の毒素や病原菌等に対する抗体が挙げられる。より具体的には、例えば、抗ストレプトリジンO抗体、抗エストロゲン抗体、β2マイクログロブリン抗体、梅毒トレポネーマ抗体、梅毒脂質抗原に対する抗体、抗HBs抗体、抗HBc抗体、抗Hbe抗体、抗PSA抗体、抗CRP抗体等が挙げられる。
感作ラテックス粒子を作製するため測定試薬用ラテックス粒子に担持させる抗体としては、免疫グロブリン分子自体の他、例えば、F(ab’)のような断片であってもよい。また、上記抗体は、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体のどちらを用いてもかまわない。上記抗体の取得方法も通常使用される方法を用いることができる。本明細書において「抗原抗体反応」、「抗原」、「抗体」の語を用いる場合、通常の意味に加え、特異的な結合反応により感作ラテックス粒子を凝集させることができる上記の概念・形態のいずれをも含む場合があり、限定的に解釈してはならない。
本発明においてラテックス粒子に被検物質と特異的に結合する物質を担持させて、感作ラテックス粒子を製造する方法としては特に限定されず、従来公知の物理的及び/又は化学的結合により担持させる方法を用いることができる。本発明において感作ラテックス粒子における被検物質と特異的に結合する物質の担持量は、用いられる被検物質と特異的に結合する物質の種類により異なり、実験的に最適な量を適宜設定することができる。
なお、本明細書において「担持」、「感作」、「固定化」の語は、通常の意味を有し、同義に使用している。
このような方法により得られた本発明における感作ラテックス粒子は、必要に応じてウシ血清アルブミン等で被覆(ブロッキング)処理を施し、適当な緩衝液に分散して感作ラテックス粒子分散液として用いる。感作ラテックス粒子分散液は、免疫比濁法用測定試薬として用いることができる。本発明における感作ラテックス粒子が緩衝液中に分散している免疫比濁法用測定試薬もまた、本発明の1つである。本発明に係る免疫比濁法用測定試薬は、測定に用いる希釈液(緩衝液)や標準物質等を組み合わせて、測定試薬キットとして用いることができる。
上記希釈液は、測定試料等を希釈するのに用いられる。上記希釈液としては、pH5.0〜9.0の緩衝液であればどのようなものでも用いることができる。具体的には、例えば、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリス緩衝液、ホウ酸緩衝液、クエン酸緩衝液、グッド緩衝液等が挙げられる。
本発明における免疫比濁法用測定試薬や希釈液は、測定感度の向上や抗原抗体反応の促進のために、種々の増感剤を含有してもよい。上記増感剤としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース等のアルキル化多糖類や、プルラン、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
本発明における免疫比濁法用測定試薬や希釈液は、測定試料中に存在する被検物質以外の物質により起こる非特異的凝集反応を抑制するため、又は測定試薬の安定性を高めるために、アルブミン(牛血清アルブミン、卵性アルブミン)、カゼイン、ゼラチン等のタンパク質やその分解物、アミノ酸又は界面活性剤等を含有してもよい。
本発明にかかる免疫比濁法用測定試薬を用いれば、測定試料中の被検物質と感作ラテックス粒子に担持された被検物質に特異的に結合する物質との反応により生じる感作ラテックス粒子の凝集の度合いを光学的に測定することにより、測定試料中の被検物質の量を測定することができる。上記光学的測定には、散乱光強度、透過光強度、吸光度等を検出できる光学機器、又は、これらの検出方法を複数備えた光学機器等を用いることができる。代表的には、臨床検査で広く使用されている生化学自動分析機であればいずれも使用することができる。
上記凝集の度合いを光学的に測定する方法としては従来公知の方法が用いられ、例えば、凝集の形成を濁度の増加としてとらえる比濁法、凝集の形成を粒度分布又は平均粒径の変化としてとらえる方法、凝集の形成による前方散乱光の変化を積分球を用いて測定し透過光強度との比を比較する積分球濁度法等が挙げられる。また、測定法としては、例えば、異なる時点で少なくとも2つの測定値を得て、これらの時点間における測定値の増加分(増加速度)に基づき凝集の程度を求める速度試験(レートアッセイ)や、ある時点(通常は反応の終点と考えられる時点)で1つの測定値を得て、この測定値に基づき凝集の程度を求める終点試験(エンドポイントアッセイ)等が挙げられる。なかでも、測定の簡便性、迅速性の点から比濁法による終点試験が好適である。本明細書において「免疫比濁」、「免疫比濁法」の語を用いる場合、上記の概念・形態のいずれも含むものとし、限定的に解釈してはならない。
以下に、実施例、比較例により本発明の詳細について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(ラテックス粒子の合成)
[実施例1]
本発明の診断薬用ラテックス粒子はソープフリー乳化重合法を用いて合成した。反応容器にイオン交換水400mL、モノマーとして、スチレン30g、ジビニルベンゼン3.0g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3.0g、を加え撹拌し、その後、反応容器内を窒素置換した。反応容器内の温度が70℃に達した後、重合開始剤として、1.0質量%の過硫酸カリウム水溶液10mLを滴下した。過硫酸カリウム水溶液の滴下から24時間後、粒子懸濁液の固形分濃度から重合転化率が99%となったことを確認し、反応を停止した。ろ過して粒子懸濁液を回収した。上記懸濁液をメタノールとイオン交換水を用いて遠心洗浄することで、シランカップリング剤を含有したラテックス粒子の分散液を得た。
[実施例2]
実施例1の3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量を0.3gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
[実施例3]
実施例1の3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量を30gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
[実施例4]
実施例1のモノマーにメタクリル酸ナトリウム3.0gを添加した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
[実施例5]
実施例1のモノマーの添加量をそれぞれ1/10倍に変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
[実施例6]
実施例1のモノマーの添加量をそれぞれ3倍に変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
[比較例1]
実施例1のモノマーから3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを取り除いた以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
[比較例2]
実施例1のモノマーから3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを取り除き、メタクリル酸ナトリウム3.0gを添加した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
(平均粒径及び平均粒径の変動係数の算出)
上記の実施例1〜6比較例1〜2で得られたラテックス粒子の各分散液について、ラテックス粒子の平均粒径及び平均粒径の変動係数(粒径C.V.)は、ラテックス粒子の乾燥物を走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテク製、SU5000)により観察し、画像上で観察された200個の粒子の粒径を計測する方法により、平均粒径及び平均粒径の変動係数を求めた。測定結果を表1に示す。
(ケイ素含有量の測定)
上記の実施例1〜6比較例1〜2で得られたラテックス粒子の各分散液について、ケイ素の含有量(Si量)は、走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型分光法(SEM:株式会社日立ハイテク製、SU5000/EDX検出器:株式会社堀場製作所製、X―Max N)を用いた元素分析により、ケイ素含有量を測定した。測定結果を表1に示す。
(官能基量の測定)
上記実施例4及び比較例2で合成した、化学結合タイプのラテックス粒子の官能基量は、コロイド滴定により測定した。粒子量が10mgとなるようにラテックス粒子の分散液を6mLスクリュー管に分取し、コロイド滴定用N/400 DADMAC溶液(富士フイルム和光純薬株式会社製)1.0mLと、コロイド滴定用トルイジンブルー指示薬溶液(富士フイルム和光純薬株式会社製)10μLを添加し、室温で1時間撹拌した。次に、コロイド滴定用N/400 PVSK溶液を(富士フイルム和光純薬株式会社製)を用いて粒子分散液を比色滴定した。溶液の色が青色から赤紫色に変化する点を終点とし、滴定量から官能基量を算出した。測定結果を表1に示す。
(抗体の物理吸着による固定化)
上記実施例1、2、3、5、6及び比較例1で得られた粒子分散液を固形分濃度10質量%に調整し、100μLを1.5mL遠心チューブに分取した。その後、100mg/mLに調整した抗CRP抗体(抗C反応性蛋白抗体、富士フイルム和光純薬株式会社製)を200μL、反応バッファー(50mM PBS pH7.2)を1000μL添加し、25℃で2時間撹拌し、抗体を粒子に物理吸着させた。反応後溶液を15000gで10分遠心し、上澄液を回収した。沈降した粒子にブロッキングバッファー(1.0%ウシ血清アルブミン(BSA)/50mM Tris−HCl pH8.5)を1000μL添加し、超音波処理にて再分散させた。粒子分散液を25℃で1時間撹拌し、BSAによるブロッキング処理を実施した。その後、粒子分散液を洗浄バッファー(0.1%BSA/50mM Tris−HCl pH8.5)を用いて数回遠心洗浄し、抗CRP抗体を物理吸着したラテックス粒子の分散液を得た。
[抗体の化学結合による固定化]
上記実施例4及び比較例2で得られた粒子分散液を固形分濃度10質量%に調整し、100μLを1.5mL遠心チューブに分取した。その後、反応バッファー(50mM PBS pH7.2)を用いて10mg/mLに調整した1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)溶液300μLと、10mg/mLに調整したN−ヒドロキシスルホスクシンイミドナトリウム(Sulfo−NHS)溶液600μLを添加し、25℃で10分撹拌した。その後、100mg/mLに調整した抗CRP抗体を200μL追加添加し、25℃で1時間撹拌した。反応後溶液を15000gで10分遠心し、上澄液を回収した。沈降した粒子を洗浄バッファーA(1.0%Tween20/50mM Tris−HCl pH8.5)を用いて再分散させ、数回遠心洗浄した。更に、ブロッキングバッファー(1.0%BSA/50mM Tris−HCl pH8.5)を用いて、25℃で1時間撹拌し、BSAによるブロッキング処理を実施した。その後、粒子分散液を洗浄バッファーB(0.1%BSA/50mM Tris−HCl pH8.5)を用いて数回遠心洗浄し、抗CRP抗体を化学結合したラテックス粒子の分散液を得た。
(抗体固定化量の算出)
抗体の固定化量は、固定化反応時の上澄液をBCA法によるタンパク質アッセイキット(Thermo Fisher Scientific社製、PierceTM BCA Protein Assay Kit)を用いて測定した。測定結果を表1に示す。
(測定試薬の調製)
0.1%BSA/100mM PBS pH7.4溶液をR1試薬として用いた。R2試薬には、抗体を固定化した粒子分散液100μL、0.1%BSA/100mM PBS pH7.4溶液100μLを混合した溶液を用いた。
(試薬評価)
測定試料として、CRP抗原(富士フイルム和光純薬株式会社製)を用い、0.1%BSA/100mM PBS pH7.4溶液で、0、0.1、1.0、10、100、1000ng/mLの各濃度の標準希釈溶液を調整した。各標準希釈溶液10μLと、上記R1試薬140μLを混合して37℃で加温した後、上記R2試薬50μLを添加して撹拌する測定パラメータで測定した。なお、R2試薬添加後から1分後及び10分後の570nmにおける吸光度を測定し、両者の吸光度差(ΔAbs)を自動分析装置(株式会社日立ハイテク製、日立自動分析装置3500)で測定した。評価の指標として、ΔAbsが0.01以上検出されたサンプルには、測定可能と判断し、「+」と表記し、0.01以下であったサンプルには測定不可と判断し、「−」と表記した。測定結果を表1に示す。
Figure 2021196227
表1より、実施例1〜3は比較例1と比較して、平均粒径や抗体固定化量が同等にもかかわらず、抗原濃度が低くてもΔAbsを検出することができた。特に、実施例2では、Si量が少量にもかかわらず、抗原低濃度でもΔAbsが検出されたため、シランカップリング剤を少量含有させるだけでも増感効果が得られることが分かった。また、実施例4では比較例2より、抗原低濃度でΔAbsが検出されたため、化学結合タイプのラテックス粒子でも有効であることが分かった。実施例1、5、6から、いずれの平均粒径でも抗原低濃度でΔAbsが検出された。
以上より、本発明の診断薬用ラテックス粒子は、低濃度の被検物質を測定する場合であっても高感度な測定を可能にすることが確認された。

Claims (5)

  1. 芳香族基を有する構造単位と加水分解性シリル基を有する構造単位とを含み、ケイ素の含有量が、0.001〜10質量%である診断薬用ラテックス粒子。
  2. 前記芳香族基を有する構造単位が、屈折率1.5以上の重合性化合物に由来する請求項1に記載の診断薬用ラテックス粒子。
  3. 前記粒子の平均粒径が、50〜1000nmであり、平均粒径の変動係数が、1〜15%である請求項1又は請求項2に記載の診断薬用ラテックス粒子。
  4. 芳香族基を有する重合性化合物とシランカップリング剤とを含むモノマーを水系媒体中で共重合して粒子を形成させる工程を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の診断薬用ラテックス粒子の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の診断薬用ラテックス粒子と、当該診断薬用ラテックス粒子に担持され、且つ、被検物質に特異的に結合する物質と、を含む測定試薬。
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