以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1には、開き戸装置の全体正面図が示され、この開き戸装置は、開き戸1がドア枠2にヒンジ3を中心に回動自在に取り付けられて構成され、ドア枠2は、建物の壁4に形成された開口部4Aの内側に配置されている。図2には、開き戸1が取り付けられる以前のドア枠2が示されている。この図2に示されているように、ドア枠2は、内側が開き戸1により開閉される出入口11となっている開口枠であり、本実施形態のドア枠2は四方枠となっているため、このドア枠2は、左右の側枠部材2A,2Bと、上枠部材2Cと、沓摺部材である下枠部材2Dとからなり、これらの枠部材2A,2B,2C,2Dは予め工場で溶接接合されて、開き装置が設置施工される建物等の構築物の建築現場に搬送されるものとなっている。
なお、ドア枠2は、下枠部材2Dが存在しない三方枠でもよい。
図3には、図1及び図2で示されている壁4へのドア枠2の配置状態が示されており、図4は、図3のS4−S4線断面である。図1及び図2で示されている壁4は、図4に示されているように、芯部材5の表裏両面に石膏ボード等の面材6を止着することにより形成され、この壁4に設けられた図1及び図2の開口部4Aの内側にドア枠2が配置されている。図3には、壁4の内部に多数設けられている芯部材5のうち、ドア枠2の左右の側枠部材2A,2Bと左右方向に対向する箇所において、縦方向が長さ方向となって配置されている芯部材5A,5Bと、ドア枠2の上枠部材2Cと上下方向に対向する箇所において、左右方向が長さ方向となって配置されている芯部材5Cとが示されている。
壁4の開口部4Aの内側にドア枠2を配置する作業を行う以前において、芯部材5A,5B,5Cには、図3及び図4で示す補強部材7が予め結合されており、また、これらの補強部材7ごとに補助部材8が図4の結合具9により取り付けられている。この補助部材8は、2個の板状部となっている突片部8A,8Bが直角をなすアングル材で形成されており、これらの突片部8A,8Bのうち、一方の突片部8Aが補強部材7に結合具9により結合され、他方の突片部8Bは、ドア枠2側へ突出している。
以上において、芯部材5、補強部材7及び補助部材8は、壁4側の部材となっているため、これらの芯部材5、補強部材7及び補助部材8は、壁側建材である。これに対して開き戸1及びドア枠2は、壁4に設置される開き戸装置側の部材であるため、これらの開き戸1及びドア枠2は、開き戸装置側建材となっている。
図3には、壁4の開口部4Aの内側にドア枠2を配置する作業を行った後に、ドア枠2を連結具10により補助部材8を介して補強部材7に連結した状態が示されている。このようにドア枠2を補助部材8を介して補強部材7に連結するための連結具10は、ドア枠2の左右の側枠部材2A,2Bと上枠部材2Cのそれぞれについて、複数個設けられている。これらの連結具10には、第1連結具10Aと第2連結具10Bとがあり、図4と、図4の正面図である図5には、第1連結具10Aが示され、図6には、第2連結具10Bが示されている。図3に示されているように、第1連結具10Aは、ドア枠2の左右の側枠部材2A,2Bと、これらの側枠部材2A,2Bと左右方向に対向して芯部材5A,5Bに取り付けられている補強部材7とを、補助部材8を介して連結するものとなっており、また、第1連結具10Aは、ドア枠2の上枠部材2Cと、この上枠部材2Cと上下方向に対向して芯部材5Cに取り付けられている補強部材7とを、補助部材8を介して連結するものにもなっている。また、第2連結具10Bは、ドア枠2の左右の側枠部材2A,2Bと、これらの側枠部材2A,2Bと左右方向に対向して芯部材5A,5Bに取り付けられている補強部材7とを、補助部材8を介して連結するものとなっている。
図3に示されているように、第1連結具10Aは、左右の側枠部材2A,2Bの長さ方向である上下方向に複数個配置されているとともに、上枠部材2Cの長さ方向である左右方向にも複数個配置され、第2連結具10Bは、左右の側枠部材2A,2Bのそれぞれの下端部近くにおいて、1個ずつ配置されている。なお、第2連結具10Bは省略してもよい。
図4及び図5に示されているように、第1連結具10Aは、ドア枠2に配置された基礎部材20と、板状となっているこの基礎部材20に、基礎部材20の厚さ方向に重ね合わせられて配置された連結部材21とからなり、この連結部材21は、基礎部材20に重ね合わせられているベース部21Aと、このベース部21Aから補助部材8側へ互いに逆方向の斜めに延びている2個の連結部21B,21Cとからなる。これらの連結部21B,21Cの先端部は、図5に示されているように、ドリルねじである結合具24により補助部材8の板状の突片部8Bに結合されている。また、図6に示されているように、第2連結部材10Bも、ドア枠2に配置された基礎部材22と、板状となっているこの基礎部材22に、基礎部材22の厚さ方向に重ね合わせられて配置された連結部材23とからなり、この連結部材23は、基礎部材22に重ね合わせられているベース部23Aと、このベース部23Aから補助部材8側へ斜めに延びている1個の連結部23Bとからなり、この連結部23Bの先端部は、ドリルねじである結合具25により補助部材8の板状の突片部8Bに結合されている。
なお、第1及び第2連結具10A,10Bの連結部材21,23における連結部21B,21C,23Bは、ベース部21A,23Aに対して折り曲げられることにより、これらのベース部21A,23Aから補助部材8側へ斜めに延びている。図8(A)〜(D)には、ベース部21A,23Aに対する連結部21B,21C,23Bの折り曲げが行われる以前におけるドア枠2の平面図、右側面図、正面図及び左側面図が示されている。これらの図8(A)〜(D)から分かるように、ドア枠2の側枠部材2A,2Bと上枠部材2Cに配置されている第1及び第2連結具10A,10Bの基礎部材20,22は、それぞれが長方形の金属板によって形成された同一形状及び同一寸法のものとなっている。
基礎部材20,22は、ドア枠2を製造する工場において、ドア枠2の構成部材となっている左右の側枠部材2A,2Bと上枠部材2Cとに溶接で固定されている。すなわち、図7に示されているように、ドア枠2の左右の側枠部材2A,2Bと上枠部材2Cのうち、それぞれの側枠部材2A,2Bには、複数個の基礎部材20と1個の基礎部材22とが工場で溶接により固定され、上枠部材2Cには、複数個の基礎部材20が工場で溶接により固定されている。
ドア枠2の平面図、右側面図、正面図及び左側面図である図7(A)〜(D)から分かるように、それぞれの側枠部材2A,2Bに複数個の基礎部材20と1個の基礎部材22とを溶接で固定する作業は、これらの基礎部材20,22を、側枠部材2A,2Bと壁4の芯部材5A,5B側の補助部材8との間の間隔の方向と、ドア枠2の厚さ方向とに直交する方向、すなわち、側枠部材2A,2Bの長さ方向である上下方向へ傾けるとともに、上下方向に対するこれらの基礎部材20,22の傾き方向を順番に逆にし、かつこれらの基礎部材20,22の絶対傾き角度(上下の傾き方向を除外した基礎部材20,22の傾き角度)を同じに行われる。また、上枠部材2Cに複数個の基礎部材20を溶接で固定する作業は、これらの基礎部材20を、上枠部材2Cと壁4の芯部材5C側の補助部材8との間の間隔の方向と、ドア枠2の厚さ方向とに直交する方向、すなわち、上枠部材2Cの長さ方向である左右方向へ傾けるとともに、左右方向に対するこれらの基礎部材20の傾き方向を逆にし、かつこれらの基礎部材20の絶対傾き角度(左右の傾き方向を除外した基礎部材20,22の傾き角度)を同じに行われる。
図9には、図8で示されている第1連結具10Aと第2連結具10Bのうち、第1連結具10Aの部分が拡大されて示され、図10及び図11には、第1連結具10Aの構成部材となっている基礎部材20と連結部材21のうち、連結部材21だけが示されている。図10(A)(B)は、連結部材21の側面図と正面図であり、図11は、連結部材21の斜視図である。これらの図10及び図11から分かるように、連結部材21は、金属板に打ち抜き加工と折り曲げ加工とカール加工等を行って製造されたものであり、前述したベース部21Aから2個の連結部21B,21Cが互いに反対方向に延出している。図10(A)における左右方向は、連結部材21の幅方向であり、この幅方向は、前述したドア枠2の厚さ方向である。
連結部材21のうち、2個の連結部21B,21Cは、同じ幅寸法を有するものとなっているとともに、ベース部21Aからの同じ延出長さ寸法を有するものとなっており、また、2個の連結部21B,21Cの幅寸法は、連結部材21の本体ともなっているベース部21Aの幅寸法よりも小さくなっている。このため、ベース部21Aと2個の連結部21B,21Cとの間の境界部には、これらの幅寸法の差による幅方向の段差部26が設けられている。また、これらの境界部の近傍である連結部21B,21Cにおけるベース部21A側の基部には、幅方向に長い長孔27が形成されており、これらの長孔27は、連結部材21の厚さ方向に貫通した貫通孔である。
さらに、ベース部21Aの幅方向両側の側部における2個の連結部21B,21C側の端部には、連結部材21の幅方向と連結部21B,21Cの延出方向とに直交する方向へ、すなわち、連結部材21の厚さ方向へ突出した4個の跨ぎ部28がベース部21Aと接続されて形成されており、これらの跨ぎ部28は、図12に示されているように、連結部材21のベース部21Aを基礎部材20に重ね合わせて配置したときに、板状の部材となっている基礎部材20の外側を跨ぐものとなっている。そして、それぞれの跨ぎ部28におけるベース部21A側とは反対側の端部となっている先端部には、外れ防止部29が形成されている。これらの外れ防止部29のうち、2個の連結部21B,21C側に分かれて設けられているそれぞれ2個ずつの外れ防止部29は、跨ぎ部28から互い反対側であるベース部21Aの内側へ突出したものとなっており、このため、これらの外れ防止部29は、互いに向かい合う方向に突出している。
これらの外れ防止部29が突出する方向は、ドア枠2の側枠部材2A,2Bに配置される基礎部材20に、この基礎部材20の厚さ方向にベース部21Aが重ね合わせられる連結部材21については、側枠部材2A,2Bと壁4の芯部材5A,5B側の補助部材8の間の間隔の方向と、ドア枠2の厚さ方向とに直交する方向となっている上下方向であり、上枠部材2Cに配置される基礎部材20に、この基礎部材20の厚さ方向にベース部21Aが重ね合わせられる連結部材21については、上枠部材2Cと壁4の芯部材5C側の補助部材8の間の間隔の方向と、ドア枠2の厚さ方向とに直交する方向となっている左右方向である。
これにより、ドア枠2の側枠部材2A,2B及び上枠部材2Cに固定配置されている第1連結具10Aの基礎部材20に連結部材21のベース部21Aを重ね合わせて配置したときには、これらの外れ防止部29のうち、ベース部21Aの対角線方向に配置されている2個の外れ防止部29が、これらの外れ防止部29が先端に設けられている跨ぎ部28が基礎部材20の外側を跨ぐことにより、基礎部材20の裏側において、この基礎部材20と対面することになる。
図10(A)に示されているように、2個の連結部21B,21Cの先端部には、板状となっている連結部21B,21Cをカール加工することによって形成された筒状部30が設けられている。また、それぞれの連結部21B,21Cには、これらの連結部21B,21Cの幅方向中央部において、これらの連結部21B,21Cの先端側からベース部21A側へ切り込まれた切り込み部31が形成され、この切り込み部31により、それぞれの筒状部30は、2個の分割筒状部30Aに分割されている。
図13には、図8で示されている第1連結具10Aと第2連結具10Bのうち、第2連結具10Bの部分が拡大されて示されており、図14には、第2連結具10Bの構成部材となっている基礎部材22と連結部材23のうち、連結部材23だけの斜視図が示されている。図14から分かるように、この連結部材23も、金属板に打ち抜き加工と折り曲げ加工とカール加工等を行うことにより製造され、前述したベース部23Aから1個の連結部23Bが延出している。この連結部材23における幅方向は、第1連結具10Aの連結部材21における幅方向と同じ方向であり、この幅方向は、前述したドア枠2の厚さ方向でもある。
第2連結具10Bの連結部材23は、第1連結具10Aの連結部材21に設けられている2個の連結部21B,21Cのうち、1個の連結部21Cを省略したものと同じである。このため、連結部材23のベース部23A及び連結部23Bは、連結部材21のベース部21A及び連結部21Bに相当し、連結部23Bの幅寸法は、この連結部材23の本体ともなっているベース部23Aの幅寸法よりも小さくなっているため、ベース部23Aと連結部23Bとの間の境界部には、これらの幅寸法の差による幅方向の段差部36が設けられており、この境界部の近傍である連結部23Bにおけるベース部23A側の基部には、連結部材23の厚さ方向に貫通し、連結部材23の幅方向に長くなっている長孔37が形成されている。また、ベース部23Aの幅方向両側の側部における連結部23B側の端部と、この端部とは反対側の端部には、第1連結具10Aの連結部材21における跨ぎ部28と同様に、ベース部23Aと接続された4個の跨ぎ部38が、連結部材23の幅方向と連結部23Bの延出方向とに直交する方向へ、すなわち、連結部材23の厚さ方向へ突出して形成されている。これらの跨ぎ部38は、図18に示されているように、連結部材23のベース部23Aを、ドア枠2の側枠部材2A,2Bに固定配置されている第2連結具10Bの基礎部材22に重ね合わせて配置したときに、板状の部材となっている基礎部材22の外側を跨ぐものとなっている。
それぞれの跨ぎ部38におけるベース部23A側とは反対側の端部となっている先端部には、外れ防止部39が形成され、これらの外れ防止部39のうち、連結部23B側の端部と、この端部とは反対側の端部とに分かれて設けられているそれぞれ2個ずつの外れ防止部39は、跨ぎ部38から互い反対側であるベース部23Aの内側へ突出したものとなっていて、これらの外れ防止部39は、互いに向かい合う方向に突出している。このため、ドア枠2の側枠部材2A,2Bに固定配置されている基礎部材22に、連結部材23のベース部23Aを重ね合わせることによって連結部材23を配置したときには、これらの外れ防止部39のうち、ベース部23Aの対角線方向に配置されている2個の外れ防止部39が、これらの外れ防止部39が先端に設けられている跨ぎ部38が基礎部材22の外側を跨ぐことにより、この基礎部材22の裏側において、この基礎部材22と対面することになる。
また、図14に示されているように、連結部23Bの先端部には、板状となっている連結部21B,21Cのカール加工による筒状部40が設けられ、連結部23Bには、この連結部23Bの幅方向中央部において、連結部23Bの先端側からベース部23A側へ切り込まれた切り込み部41が形成されているため、この切り込み部41により、筒状部40は、2個の分割筒状部40Aに分割されている。
前述したように第1連結具10Aの連結部材21に設けられた4個の外れ防止部29のうち、ベース部21Aの対角線方向に配置されている2個の外れ防止部29を、ドア枠2の側枠部材2A,2Bと上枠部材2Cに固定配置された基礎部材20の裏側において、これらの基礎部材20と対面させて、連結部材21のベース部21Aを基礎部材20にこの基礎部材20の厚さ方向に重ね合わせる作業、及び第2連結具10Bの連結部材23に設けられた4個の外れ防止部39のうち、ベース部23Aの対角線方向に配置されている2個の外れ防止部39を、ドア枠2の側枠部材2A,2Bに固定配置された基礎部材22の裏側において、これらの基礎部材22と対面させて、連結部材23のベース部23Aを基礎部材22にこの基礎部材22の厚さ方向に重ね合わせる作業は、ドア枠2を工場から図1で示されている開き装置の設置施工現場に搬入した後に実施される。これらの作業は、第1及び第2連結具10A,10Bの連結部材21,23の姿勢を、ドア枠2の側枠部材2A,2Bや上枠部材2Cに対して傾いた状態となっている基礎部材20,22に対し、直角をなす姿勢とし、この後に、連結部材21,23の姿勢を、ドア枠2の側枠部材2A,2Bや上枠部材2Cの長さ方向と平行になる姿勢に変更することによって行われる。
なお、それぞれの跨ぎ部28,38からの外れ防止部29,39の突出量を充分大きくし、基礎部材20,22を工場でドア枠2の側枠部材2A,2Bや上枠部材2Cに溶接で固定配置する以前において、基礎部材20,22を横方向から連結部材21,23のベース部21A,23Aと外れ防止部29,39との間に挿入し、これにより、基礎部材20,22から連結部材21,23が外れ防止部29,39により脱落しないようにすることにより、上述した作業を、ドア枠2を工場から図1の開き装置の設置施工現場に搬入する以前において、実施してもよい。
以上の作業により第1及び第2連結具10A,10Bをドア枠2に配置した後に、図4で示されている壁4の面材6を芯部材5に止着する以前において、ドア枠2を図2等で説明した壁4の開口部4Aの内側に挿入する作業が行われる。この作業が行われるときには、第1及び第2連結具10A,10Bの連結部材21,23における連結部21B,21C,23Bは、まだ折り曲げられていないため、ベース部21A,23Aに対して平坦の状態となっていて、これらのベース部21A,23Aから側枠部材2A,2Bや上枠部材2Cの長さ方向に延出している。このため、第1及び第2連結具10A,10Bにより連結される2つの建材となっているドア枠2の側枠部材2A,2Bと壁4の芯部材5A,5B側の補助部材8との間の左右方向のすき間が小さく、また、上枠部材2Cと壁4の芯部材5C側の補助部材8との間の上下方向のすき間が小さくても、ドア枠2を壁4の開口部4Aに容易に挿入することができる。
この後に、それぞれの第1及び第2連結具10A,10Bの連結部材21,23を、基礎部材20,21をガイド部材にしてドア枠2の厚さ方向へ移動させることにより、これらの連結部材21,23についての基礎部材20,22における配置位置を調整する作業が行われる。この調整作業は、側枠部材2A,2Bと壁4の芯部材5A,5B側の補助部材8とが第1及び第2連結具10A,10Bにより連結され、上枠部材2Cと壁4の芯部材5C側の補助部材8とが第1連結具10Aにより連結されたときに、例えば、ドア枠2の厚さ方向の中心と壁4の厚さ方向の中心とが一致するように、壁4の厚さ方向におけるドア枠2の配置位置を所定位置とするための位置決め作業である。
それぞれの第1及び第2連結具10A,10Bの連結部材21,23を、基礎部材20,22をガイド部材にしてドア枠2の厚さ方向へ移動させることは、図9及び図13に示されているように、基礎部材20,22が横長の長方形の板材により形成されているため、ドア枠2の側枠部材2A,2Bに配置された基礎部材20,22については、側枠部材2A,2Bの長さ方向に離れて互いに平行となっている外縁部20A,20B,22A,22Bをガイド部としながら、また、上枠部材2Cに配置された基礎部材20については、上枠部材2Cの長さ方向に離れて互いに平行となっている外縁部20A,20Bをガイド部としながら、それぞれ行われる。このときには、連結部材21,23の本体となっているベース部21A,23Aと接続されている跨ぎ部28,38の端部に設けられている4個の外れ防止部29,39のうち、ベース部21A,23Aの対角線方向に設けられている2個の外れ防止部29,39が基礎部材20,22の裏側と対面しているため、これらの外れ防止部29,39とベース部21A,23Aの間に挿入された外縁部20A,20B,22A,22Bから連結部材21,23が外れることを防止することができる。
また、基礎部材20,22は全体が平板状のものであるために、外縁部20A,20B,22A,22Bによる上記ガイド部は、連結部材21,23を移動させる方向に厚さ寸法が一定となっている基礎部材20,22における平板状の部分に形成されていることになり、このため、ガイド部により案内させて行う連結部材21,23の移動を円滑に行うことができる。
前述したように、ドア枠2の側枠部材2A,2Bに固定配置されている第1及び第2連結具10A,10Bの基礎部材20,22は、側枠部材2A,2Bと壁4の芯部材5A,5B側の補助部材8との間の間隔の方向と、ドア枠2の厚さ方向とに直交する方向である上下方向へ傾けられているため、基礎部材20,22の互いに平行となっている外縁部20A,20B,22A,22Bによる上記ガイド部は、ドア枠2の厚さ方向の成分と、この厚さ方向と直交する上下方向の成分とを有するものになっている。また、ドア枠2の上枠部材2Cに固定配置されている第1連結具10Aの基礎部材20は、上枠部材2Cと壁4の芯部材5C側の補助部材8との間の間隔の方向と、ドア枠2の厚さ方向とに直交する方向である左右方向へ傾けられているため、基礎部材20の互いに平行となっている外縁部20A,20Bによる上記ガイド部は、ドア枠2の厚さ方向の成分と、この厚さ方向と直交する左右方向の成分とを有するものになっている。
このため、上述したようにそれぞれの第1及び第2連結具10A,10Bの連結部材21,23を、基礎部材20,22をガイド部材にしてドア枠2の厚さ方向へ移動させると、これらの連結部材21,23のうち、ドア枠2の側枠部材2A,2Bに配置された基礎部材20,22のガイド部により案内される連結部材21,23は、ドア枠2の厚さ方向の成分と上下方向の成分とを有する方向へ移動し、また、上枠部材2Cに配置された基礎部材20のガイド部により案内される連結部材21は、ドア枠2の厚さ方向の成分と左右方向の成分とを有する方向へ移動する。
このようにして基礎部材20,22における連結部材21,23の配置位置を調整する作業を実施した後に、壁4の開口部4A内におけるドア枠2の配置位置を、図3で示されている側枠部材2A,2Bと壁4の芯部材5A,5B側の補助部材8との間の間隔の方向である左右方向に移動させて、ドア枠2の配置位置を左右方向の適正位置とする作業が行われる。
次に、それぞれの第1及び第2連結具10A,10Bにおける連結部材21,23の連結部21B,21C,23Bをベース部21A,23Aに対して折り曲げるための作業が行われる。図15には、これらの作業のうち、ドア枠2の側枠部材2Aに配置された第1連結具10Aについての折り曲げ作業が代表例として示されており、また、図19には、それぞれの第2連結具10Bにおける連結部材23の連結部23Bをベース部23Aに対して折り曲げるための作業のうち、ドア枠2の側枠部材2Aに配置された第2連結具10Bについての折り曲げ作業が、代表例として示されている。
第1連結具10Aにおける連結部材21の2個の連結部21B,21Cをベース部21Aに対して折り曲げるための作業は、図15で示されている操作工具50を用いて行われる。この操作工具50は、作業者が手で把持する把持部51と、この把持部51から2個の枝部52A,52Bが分岐して延出している二股部52と、この二股部52の基部に取り付けられた緩衝部材53とを備えたものとなっている。それぞれの枝部52A,52Bを連結部材21の2個の連結部21B,21Cの裏側に挿入して、緩衝部材53をドア枠2の外面に当接させた後に、作業者が、緩衝部材53の箇所を支点にして把持部51を矢印の方向に回動操作すると、これらの連結部21B,21Cを、図16に示されているように、ベース部21Aに対して折り曲げることができ、これにより、連結部21B,21Cを、壁4側へ斜めに向いた向きとすることができる。
また、図19で示されている第2連結具10Bにおける連結部材23の連結部23Bを折り曲げるための作業も操作工具50を用いて行われ、この折り曲げ作業は、2個の枝部52A,52Bのうち、一方の枝部52Aを連結部23Bの裏側に挿入して、第1連結部10Aのときと同様にして、緩衝部材53をドア枠2の外面に当接させた後に、作業者が、緩衝部材53の箇所を支点にして把持部51を矢印の方向に回動操作して行われ、これにより、連結部23Bは、図20に示されているように、ベース部23Aに対して折り曲げられ、連結部23Bを、壁4側へ斜めに向いた向きとすることができる。
なお、第2連結具10Bにおける連結部材23の連結部を、第1連結具10Aにおける連結部材21の2個の連結部21B,21Cと異なり、1個の連結部23Bだけとしている理由は、この第2連結部10Bは、前述したように、ドア枠2の側枠部材2A,2Bの下端部の近傍に配置されるものであるため、この配置を、開き戸装置が設置される床等と干渉することなく行えるようにするためである。
以上のようにして、第1及び第2連結具10A,10Bにおける連結部材21,23の連結部21B,21C,23Bをベース部21A,23Aに対して折り曲げると、側枠部材2Aに配置された第1連結具10Aの連結部材21における連結部21Bについて示している図4から分かるように、第1連結具10Aの連結部材21に2個設けられている連結部21B,21Cと、第2連結具10Bの連結部材23に設けられている連結部23Bは、壁4の前述した補強部材7に取り付けられている補助部材8に近づくことになり、さらに、折り曲げを行うと、この補助部材8のうち、ドア枠2側へ突出している板状の突片部8Bを、連結部21B,21C,23Bに形成されている切り込み部31,41の内部に挿入させることができる。
この後、図17及び図21に示されているように、連結部21B,21C,23Bの先端部に形成されている筒状部30,40の内部に前述したドリルねじとなっている結合具24,25の軸部24A,25Aを挿入して、結合具24,25を電動工具等で回転させることにより、これらの軸部24A,25Aの先端により、補助部材8の板状となっている突片部8Bをねじ切り孔加工しながら、連結部21B,21C,23Bの先端部を結合具24,25によりそれぞれの補助部材8に結合する。これにより、ドア枠2は、このドア枠2の側枠部材2A,2Bと上枠部材2Cとに対向して壁4に設けられているそれぞれの補強部材7に、第1及び第2連結具10A,10Bによって補助部材8を介して連結されることになる。
なお、結合具24,25の軸部24A,25Aの先端により、補助部材8の突片部8Bをねじ切り孔加工しながら、連結部21B,21C,23Bの先端部を結合具24,25によりそれぞれの補助部材8に結合する際には、図17及び図21に示されているように、操作工具50の枝部52A,52Bにより連結部21B,21C,23Bを押し続けることにより、これらの連結部21B,21C,23Bの先端部を補助部材8の突片部8Aの表面に押圧することが好ましい。これによると、ねじ切り孔加工時において、連結部21B,21C,23Bが振動等の微動することを防止して、このねじ切り孔加工を容易に行える。
以上説明した本実施形態に係る第1及び第2連結具10A,10Bによると、連結部材21,23のうち、2つの建材となっているドア枠2と壁4の補助部材8とを連結するための連結部21B,21C,23Bは、連結部材21,23のベース部21A,23Aに対して折り曲げ可能となっており、この折り曲げを行うことにより、連結部材21,23の先端部を補助部材8に結合具24,25により結合することができるため、連結部材21,23の構造の簡単化を図ることができ、延いては、第1及び第2連結具10A,10B全体の構造の簡単化も図ることができる。
また、前述した作業により、結合具24,25によって連結部21B,21C,23Bの先端部をそれぞれの補助部材8に結合したときには、ドア枠2の側枠部材2A,2Bと壁4の芯部材5A,5B側の補助部材8とを連結している第1連結具10Aでは、図17に示されているように、この第1連結具10Aの連結部材21に2個設けられている連結部21B,21Cのうち、一方の連結部21Bは、上向きの傾斜状態となって壁4の芯部材5A,5B側の補助部材8に連結され、他方の連結部21Cは、下向きの傾斜状態となって壁4の芯部材5A,5B側の補助部材8に連結されている。このため、これらの連結部21B,21Cが、ドア枠2と壁4の芯部材5A,5B側の補助部材8との間の間隔の方向となっている左右方向に対してなす角度は異なっていて、2個の連結部21B,21Cは角度をなしており、このため、ドア枠2を、連結部21B,21Cにより、側枠部材2A,2Bと壁4の芯部材5A,5B側の補助部材8との間の間隔の方向と、ドア枠2の厚さ方向とに直交する方向になっている上下方向に不動状態とさせることができる。
また、ドア枠2の上枠部材2Cと壁4の芯部材5C側の補助部材8とを連結している第1連結具10Aでは、図面では示されていないが、この第1連結具10Aの連結部材21に2個設けられている連結部21B,21Cのうち、一方の連結部21Bは、左右方向の一方側へ傾いた傾斜状態となって壁4の芯部材5C側の補助部材8に連結され、他方の連結部21Cは、左右方向の他方側へ傾いた傾斜状態となって壁4の芯部材5C側の補助部材8に連結されている。このため、これらの連結部21B,21Cが、ドア枠2と壁4の芯部材5C側の補助部材8との間の間隔の方向となっている上下方向に対してなす角度は異なっていて、2個の連結部21B,21Cは角度をなしており、これにより、ドア枠2を、連結部21B,21Cにより、上枠部材2Cと壁4の芯部材5C側の補助部材8との間の間隔の方向と、ドア枠2の厚さ方向とに直交する方向になっている左右方向に不動状態とさせることができる。
さらに、側枠部材2A,2Bに複数個が配置されている第1連結具10Aのそれぞれの基礎部材20は、前述したように、これらの基礎部材20を、側枠部材2A,2Bと壁4の芯部材5A,5B側の補助部材8との間の間隔の方向と、ドア枠2の厚さ方向とに直交する方向である上下方向へ傾けるとともに、上下方向に対するこれらの基礎部材20の傾き方向を順番に逆とし、かつこれらの基礎部材20の絶対傾き角度を同じにして、側枠部材2A,2Bに配置されているため、基礎部材20の互いに平行となっている外縁部20A,20Bによって形成されている前述のガイド部も、これらの基礎部材20と同じ傾き方向及び同じ傾き角度を有するものとなっている。
このため、これらの基礎部材20に設けられているガイド部には、上下方向に対する傾き方向が異なるものが存在することになる。
また、上枠部材2Cに複数配置されている第1連結具10Aのそれぞれの基礎部材20は、これらの基礎部材20を、上枠部材2Cと壁4の芯部材5C側の補助部材8との間の間隔の方向と、ドア枠2の厚さ方向とに直交する方向である左右方向へ傾けるとともに、左右方向に対するこれらの基礎部材20の傾き方向を逆とし、かつこれらの基礎部材20の絶対傾き角度を同じにして、上枠部材2Cに配置されているため、基礎部材20の互いに平行となっている外縁部20A,20Bによって形成されている前述のガイド部も、これらの基礎部材20と同じ傾き方向及び同じ傾き角度を有するものとなっている。
このため、これらの基礎部材20に設けられているガイド部には、左右方向に対する傾き方向が異なるものが存在することになる。
このため、それぞれの連結部材21の先端部を結合具24,25により補助部材8に結合した後は、第1及び第2連結具10A,10Bにより壁4のそれぞれの補強部材7に補助部材8を介して連結されたドア枠2は、これらの第1及び第2連結具10A,10Bに対してドア枠2の厚さ方向に移動できないため、このドア枠2の厚さ方向に移動不能の不動状態となる。これにより、それぞれの連結部材21の先端部を結合具24,25により補助部材8に結合する以前において、基礎部材20のガイド部に案内させて連結部材21を移動させることにより実施する、例えば、前述のようにドア枠2の厚さ方向の中心と壁4の厚さ方向の中心とを一致させて、壁4の厚さ方向における所定位置にドア枠2を配置した場合には、このドア枠2を、ドア枠2の厚さ方向の所定の位置で位置決め状態にして壁4の補強部材7に補助部材8を介して第1及び第2連結具10A,10Bにより連結することができる。
したがって、本実施形態によると、2つの建材となっているドア枠2と壁4側の補助部材8とを、複数の第1及び第2連結具10A,10Bにより、ドア枠2をこのドア枠2の厚さ方向に位置決めして連結することは、側枠部材2A,2Bや上枠部材2Cに配置されるそれぞれ複数の基礎部材20を配置する際に、これらの基礎部材20を異なる傾きにして配置することにより実現することができるため、第1連結具10Aの構造の簡単化を図ることができる。
なお、本実施形態では、上述のようにそれぞれの第1連結具10Aの連結部材21の先端部を結合具24,25により補助部材8に結合した後に、ドア枠2を、このドア枠2の厚さ方向に位置決めして移動不能の不動状態とすることは、ドア枠2の側枠部材2A,2Bに複数配置される基礎部材20については、これらの基礎部材20を、側枠部材2A,2Bと壁4の芯部材5A,5B側の補助部材8との間の間隔の方向と、ドア枠2の厚さ方向とに直交する方向である上下方向へ傾けるとともに、上下方向に対するこれらの基礎部材20の傾き方向を順番に逆とし、かつこれらの基礎部材20の絶対傾き角度を同じにすることにより行い、また、上枠部材2Cに配置される複数の基礎部材20については、これらの基礎部材20を、上枠部材2Cと壁4の芯部材5C側の補助部材8との間の間隔の方向と、ドア枠2の厚さ方向とに直交する方向である左右方向へ傾けるとともに、左右方向に対するこれらの基礎部材20の傾き方向を逆とし、かつこれらの基礎部材20の絶対傾き角度を同じにすることにより行うようにしているが、側枠部材2A,2Bに複数配置される基礎部材20については、上下方向に対するこれらの基礎部材20の傾き方向を同じにするとともに、傾き角度を異ならせ、また、上枠部材2Cに複数配置される基礎部材20については、左右方向に対するこれらの基礎部材20の傾き方向を同じにするとともに、傾き角度を異ならせることによっても、ドア枠2を、このドア枠2の厚さ方向に移動不能の不動状態とすることができる。
また、ドア枠2を、このドア枠2の厚さ方向に移動不能の不動状態とすることは、側枠部材2A,2Bに複数配置される基礎部材20については、これらの基礎部材20のうち、一部の基礎部材20を上下方向に傾けないとともに、他の基礎部材20を上下方向へ傾け、上枠部材2Cに複数配置される基礎部材20については、これらの基礎部材20のうち、一部の基礎部材20を左右方向に傾けないとともに、他の基礎部材20左右方向へ傾けることによっても実現することができる。
また、本実施形態によると、第1及び第2連結具10A,10Bにおけるそれぞれの基礎部材20,22は、同一形状及び同一寸法のものとなっているため、これらの第1及び第2連結具10A,10Bを、基礎部材20,22を共通化して生産することができる。
また、複数の第1連結具10Aの基礎部材20を、ドア枠2の側枠部材2A,2Bについては上下方向に対する方向や傾き角度を異ならせ、上枠部材2Cについては左右方向に対する方向や傾き角度を異ならせることにより、側枠部材2A,2Bと上枠部材2Cとに配置しても、連結部材21には、この連結部材21の幅方向の両側において、外れ防止部29が、側枠部材2A,2Bに配置される連結部材21については側枠部材2A,2Bの長さ方向における同じ位置に、上枠部材2Cに配置される連結部材21については上枠部材2Cの長さ方向における同じ位置に、それぞれ設けられているため、4個の外れ防止部29のうち、対角線方向に配置されている2個の外れ防止部29が、基礎部材20の裏側において、この基礎部材20と対面することになり、このため、これらの基礎部材20に対して連結部材21を共通化することができる。
さらに、本実施形態に係る第2連結具10Bの連結部材23は、第1連結具10Aの連結部材21に2個設けられている連結部21B,21Cのうち、連結部21Cを省略したものと同じになっているため、この連結部材23は、連結部材21から連結部21Cを削除する加工を行うことにより容易に生産することができる。
また、第1及び第2連結具10A,10Bの連結部材21,23における連結部21B,21C,23Bの先端部を結合具24,25により補助部材8に結合することは、補助部材8の板状となっている突片部8Bをドリルねじとなっている結合具24,25により行われるため、この結合作業に先立って、前述したように、壁4の開口部4A内におけるドア枠2の配置位置を、図3で示されている側枠部材2A,2Bと壁4の芯部材5A,5B側の補助部材8との間の間隔の方向である左右方向に移動させて、ドア枠2の配置位置を左右方向の適正位置とする作業を行っても、側枠部材2A,2Bに配置されている第1及び第2連結具10A,10Bのうち、第1連結具10Aの連結部材21の2個の連結部21B,21Cがなす角度や、第2連結具10Bの連結部材23の連結部23Bが補助部材8に対してなす角度が変化して、連結部21B,21C,23Bの先端部を結合具24,25により所定どおりに補助部材8に結合することができる。
また、壁4の開口部4A内におけるドア枠2の配置位置を、上下方向の適正位置とするために、ドア枠2の配置位置を上下方向に変更させた場合には、上枠部材2Cに配置されている第1連結具10Aの連結部材21の2個の連結部21B,21Cがなす角度が変化することにより、これらの連結部21B,21Cの先端部を、上枠部材2Cと対向した壁4の芯部材5Cに取り付けられている補助部材8に所定どおりに結合することができる。
さらに、連結部21B,21C,23Bの先端部を結合具24,25により補助部材8に結合する作業は、図17及び図21で示したように、連結部21B,21C,23Bの先端部に設けた筒状部30,40に結合具24,25の軸部24A,25Aを挿入して行うため、これらの軸部24A,25Aを筒状部30,40により案内させながら、軸部24A,25Aにより、補助部材8の板状となっている突片部8Bをねじ切り孔加工することができる。
また、連結部21B,21C,23Bには、筒状部30,40をそれぞれ2個の分割筒状部30A,40Aに分割する切り込み部31,41が設けられ、これらの切り込み部31,41に補助部材8の突片部8Bが挿入されて、結合具24,25の軸部24A,25Aにより突片部8Bがねじ切り孔加工されるため、結合具24,25の軸部24A,25Aにより突片部8Bをねじ切り孔加工する直前とねじ切り孔加工された直後との両方において、これらの軸部24A,25Aを筒状部30,40により案内させることができる。
さらに、結合具24,25により連結部21B,21C,23Bの先端部を補助部材8の突片部8Bに結合した後は、板状となっているこの突片部8Bは、2個の分割筒状部30A,40Aによって挟まれることになるため、連結部21B,21C,23Bが設けられている連結部材21,23が筒状部30,40の長さ方向、すわなち、ドア枠2の厚さ方向に移動することを阻止できる。
また、筒状部30,40は、板状となっている連結部材21,23の先端部をカール加工することによって形成されたものであるため、筒状部30,40を、連結部材21,23の先端部に筒状部材を溶接等で結合して設ける場合よりも、連結部材21,23に筒状部30,40を容易に設けることができる。
また、以上の本実施形態に係る第1及び第2連結具10A,10Bの連結部材21,23の全体は、金属板によって形成されているため、ベース部21A,23Aと連結部21B,21C,23Bとの間の境界部やこの境界部の近傍は、ベース部21A,23Aに対する連結部21B,21C,23Bの折り曲げ方向が厚さ方向となった平板状となっており、このため、操作工具50による連結部21B,21C,23Bの折り曲げ作業を容易に実施することができる。
また、ベース部21A,23Aと連結部21B,21C,23Bとの間の境界部には、前述したように、ベース部21A,23Aの幅寸法と連結部21B,21C,23Aの幅寸法との差による段差部26,36が設けられており、これらの段差部26,36は、ベース部21A,23Aに対する連結部21B,21C,23Bの折り曲げ強度を低下させるための強度低下部となっているため、この点でも、操作工具50による連結部21B,21C,23Aの折り曲げ作業を容易に実施することができる。
さらに、ベース部21A,23Aと連結部21B,21C,23Bとの間の境界部の近傍には、前述したように、ドア枠2の厚さ方向であって、連結部材21,23の幅方向ともなっている方向に長い長孔27,37が、連結部材21,23の厚さ方向に貫通して形成され、これらの長孔27,37も、ベース部21A,23Aに対する連結部21B,21C,23Bの折り曲げ強度を低下させるための強度低下部となっているため、この点でも、操作工具50による連結部21B,21C,23Aの折り曲げ作業を容易に実施することができる。
図22には、別実施形態に係る第1連結具60Aが示されている。この第1連結具60Aも、ドア枠2に固定配置された金属板による長方形の基礎部材70と、この基礎部材70に、基礎部材70の厚さ方向に重ね合わせられて配置された連結部材71とが構成部材となって構成されている。連結部材71は、前述した実施形態の第1連結具10Aと同様に、基礎部材70に、この基礎部材70の厚さ方向に重ね合わせられて配置されるベース部71Aと、このベース部71Aから互いに反対方向に延出している2個の連結部71B,71Cとを有している。また、連結部材71には、ベース部71Aに対する連結部71B,71Cの折り曲げ強度を低下させるための強度低下部となって段差部76と長孔77が形成されているとともに、連結部71B,71Cの先端部には、切り込み部81によって分割された2個の分割筒状部80Aによる筒状部80がカール加工により形成されている。
基礎部材70は、この基礎部材70の互いに平行となっている2個の外縁部70A,70Bと平行に長孔85が形成され、ドア枠2の厚さ方向の成分を有するこの長孔85のうち、互いに平行となっている2個の内面長辺部85A,85Bが、連結部材71の移動を案内するためのガイド部となっている。これらの内面長辺部85A,85Bは、ドア枠2の側枠部材2A,2Bに配置される基礎部材70については、側枠部材2A,2Bの長さ方向に離れており、上枠部材2Cに配置される基礎部材70については、上枠部材2Cの長さ方向に離れている。
図23(A)(B)には、連結部材71の側面図と正面図が示され、図24には、連結部材71の斜視図が示されている。これらの図23及び図24に示されているように、連結部材71のベース部71Aには、このベース部71Aの幅方向両側における2個の連結部71B,71Cの間の中央部において、ベース部23Aと接続された2個の跨ぎ部88が、連結部材71の厚さ方向へ突出して形成され、これらの跨ぎ部88は、図22から分かるように、連結部材71のベース部71Aを、ドア枠2の側枠部材2A,2Bや上枠部材2Cに固定配置されている基礎部材70に重ね合わせて配置したときに、板状の部材となっている基礎部材70に形成されている長孔85の2個の内面長辺部85A,85Bを、これらの内面長辺部85A,85Bの外側において、すなわち、長孔85の内側において、跨ぐものとなっており、2個の跨ぎ部88のそれぞれの先端部には、2個の外れ防止部89が互いに逆方向に突出して設けられている。
これらの外れ防止部89の突出方向は、ドア枠2の側枠部材2A,2Bに配置される基礎部材70に、この基礎部材70の厚さ方向にベース部71Aが重ね合わせられる連結部材71については、側枠部材2A,2Bと壁4の芯部材5A,5B側の補助部材8の間の間隔の方向と、ドア枠2の厚さ方向とに直交する方向となっている上下方向であり、上枠部材2Cに配置される基礎部材70に、この基礎部材70の厚さ方向にベース部71Aが重ね合わせられる連結部材71については、上枠部材2Cと壁4の芯部材5C側の補助部材8の間の間隔の方向と、ドア枠2の厚さ方向とに直交する方向となっている左右方向である。
ドア枠2の側枠部材2A,2Bに配置されるそれぞれ基礎部材70は、前述した実施形態の基礎部材20と同様に、側枠部材2A,2Bの長さ方向である上下方向へ傾けられて配置され、上枠部材2Cに配置されるそれぞれ基礎部材70は、上枠部材2Cの長さ方向である左右方向へ傾けられて配置される。このため、連結部材71に4個設けられている外れ防止部89のうち、対角線方向に配置されている2個の外れ防止部89を、基礎部材70の裏側において、この基礎部材70と対面させながら、連結部材71を基礎部材70の上記ガイド部により案内させて移動させることができ、これにより、前述した実施形態と同様の作用効果を得られる。
以上説明したこの実施形態の連結具は、連結部材71に2個の連結具71B,71Cが設けられた第1連結具60Aであるが、連結部材の移動を案内するガイド部を長孔の内面長辺部とすることは、連結部材に1個の連結部を設ける第2連結具についても実施できる。