JP2021194797A - インクジェット印刷装置 - Google Patents

Abstract

【課題】簡易な構成で適切に搬送ベルトをクリーニングする。【解決手段】インクジェットヘッド３１から用紙にインクを吐出することにより印刷処理を実行するインクジェット印刷装置において、インクジェットヘッド３１のパージ処理の際にインクジェットヘッド３１から排出されたインクを廃液として回収するメンテナンス位置と、パージ処理により回収したインクを排出するために、印刷処理と干渉することのない場所に退避する退避位置とを移動するインクパン４１と、インクパン４１の先端部に設けられ、インクパン４１が退避位置にあるときに、搬送ベルト２１に付着したインクをインクパン４１に回収するように、搬送ベルト２１に接触するベルトクリーニング部材４２とを備える。【選択図】図２

Description

本発明は、搬送ベルトをクリーニングするインクジェット印刷装置に関する。

ライン型のインクジェット印刷装置においては、環状に形成された搬送ベルトが用紙を吸引搬送し、この吸引搬送される用紙に対してインクジェットヘッドからインクを吐出して画像を印刷する。

この印刷中、浮遊したインクやインクと共に紙粉などの埃が搬送ベルト上に付着し、付着した搬送ベルトに用紙が吸引されると、付着したインクや埃で用紙を汚してしまう場合があった。

特許文献１には、搬送手段の搬送面を払拭可能に配置されたクリーナー部と、清掃時にはクリーナー部をヘッド面と搬送手段との間の第１位置とし、印刷時には第１位置から離隔した待機位置としての第２位置とする作動機構とを有するインクジェット記録装置が開示されている。

特開２０００−２６３８０１号公報

ここで、特許文献１に記載の技術では、印刷時には第１位置から離隔した待機位置としての第２位置とするので、クリーナー部によりクリーニングした時点から次にクリーニングするまで相当の時間間隔が空くことになっていた。そのため、次にクリーニングするときには、インクが乾燥・硬化してしまい十分なクリーニング効果を得ることが困難であった。

また、クリーナー部を駆動させる作動機構を専用に用意する必要があり、装置構成が複雑となっていた。

本発明は、上記に鑑みてなされたもので、簡易な構成で適切に搬送ベルトをクリーニングするインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット印刷装置の第１の特徴は、
搬送ベルトにより搬送される記録媒体に対して、インクジェットヘッドからインクを吐出することにより印刷処理を実行するインクジェット印刷装置において、
前記インクジェットヘッドのパージ処理の際に前記インクジェットヘッドから排出されたインクを廃液として回収するメンテナンス位置と、前記パージ処理により回収したインクを排出するために、前記印刷処理と干渉することのない場所に退避する退避位置とを移動するインクパンと、
前記インクパンの先端部に設けられ、前記インクパンが前記退避位置にあるときに、前記搬送ベルトに付着したインクを前記インクパンに回収するように、前記搬送ベルトに接触するベルトクリーニング部材と、
を備えたことにある。

本発明に係るインクジェット印刷装置の第１の特徴によれば、簡易な構成で適切に搬送ベルトをクリーニングすることができる。

本発明の実施例１に係るインクジェット印刷装置の概略構成図である。 本発明の実施例１に係るインクジェット印刷装置のメンテナンスユニットが退避位置に配置されているときの斜視図である。 本発明の実施例１に係るインクジェット印刷装置のメンテナンスユニットがメンテナンス位置に配置されているときの斜視図である。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。

また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。

＜インクジェット印刷装置の構成＞
図１は、本発明の実施例１に係るインクジェット印刷装置の概略構成図である。以下の説明において、ユーザが位置する図１の紙面表方向を前方とする。また、図１に示すように、ユーザから見て、上下左右を上下左右方向とする。

図１に示すように、本発明の実施例１に係るインクジェット印刷装置１は、搬送部２と、ヘッドユニット３と、メンテナンスユニット４とを備える。メンテナンスユニット４は形状を簡略化しており、正確には後述する図２及び図３に示した形状となる。

搬送部２は、ヘッドユニット３に対向して設けられた搬送ベルト２１と、搬送ベルト２１を周回駆動させる駆動ローラ２２と、駆動ローラ２２に従動する従動ローラ２３，２４，２５とを備える。

搬送ベルト２１は、駆動ローラ２２および従動ローラ２３，２４，２５に掛け渡され、印刷時において、駆動ローラ２２の駆動により無端移動し、左側に設けられた図示しない給紙台から供給される用紙を保持して搬送する。

搬送部２は、図示しない上下モータ等によって、印刷時に用紙の搬送処理を行う印刷位置と、印刷位置よりも下方に下がった位置でその上にメンテナンスユニット４を移動させる退避位置と、メンテナンスユニット４とともに退避位置よりも上昇してメンテナンスユニット４にヘッドユニット３のメンテナンスを実行させるメンテナンス位置との間を移動可能に構成されている。搬送部２の退避位置への移動は、ヘッドユニット３のメンテナンスを行う際に、メンテナンスユニット４を搬送部２とヘッドユニット３との間に移動させるために行われる。

ヘッドユニット３は、ライン型のインクジェットヘッド３１Ｃ，３１Ｋ，３１Ｍ，３１Ｙを有し、印刷ジョブに基づいて、搬送ベルト２１により左から右方向に搬送される用紙に対してインクを吐出して画像を印刷するものである。インクジェットヘッド３１Ｃ，３１Ｋ，３１Ｍ，３１Ｙは、搬送部２の上方において、左右方向に所定間隔で配列される。インクジェットヘッド３１Ｃ，３１Ｋ，３１Ｍ，３１Ｙは、それぞれ、Ｃ（シアン）、Ｋ（ブラック）、Ｍ（マゼンタ）、Ｙ（イエロー）の色の異なる種類のインクを各単位ヘッドのノズルから吐出する。

例えば、インクジェットヘッド３１Ｃ，３１Ｋ，３１Ｍ，３１Ｙは、それぞれ２列×３行の千鳥型のマトリックス状に配置された６個の単位ヘッドから構成されている。

なお、色の区別が必要ない場合等に、符号における色を示すアルファベットの添え字（Ｃ，Ｋ，Ｍ，Ｙ）を省略して、例えば、インクジェットヘッドの符号を「３１」のように表記する。

メンテナンスユニット４は、単位ヘッドのインク吐出面のメンテナンスを行うものである。メンテナンスユニット４は、印刷時には、図１（ａ）に示す退避位置に配置される。退避位置は、搬送部２の右側の下方にある。

メンテナンスユニット４が退避位置にある状態で、ヘッドユニット３は、印刷ジョブに基づいて、搬送ベルト２１により左から右方向に搬送される用紙に対して、インクジェットヘッド３１Ｃ，３１Ｋ，３１Ｍ，３１Ｙからそれぞれインクを吐出して画像を印刷する。

この印刷を継続していると、インクジェットヘッドの吐出面にゴミ等が付着して、吐出不良などが発生する場合がある。そのため、インクジェットヘッド３１の正常な吐出状態を維持するため、定期的にメンテナンスユニット４を用いてインクジェットヘッド３１の吐出面を、インクを用いて洗浄するメンテナンスを行う必要がある。

メンテナンスユニット４は、メンテナンスを行う際には、搬送部２が下方の退避位置へ移動した後、搬送部２の上にメンテナンスユニット４が移動され搬送部２と共に上方へ移動することにより図１（ｂ）に示すメンテナンス位置に移動される。メンテナンス位置は、搬送部２とインクジェットヘッド３１との間にある。

メンテナンスユニット４のメンテナンス位置への移動が終了すると、インクジェットヘッド３１Ｃ，３１Ｋ，３１Ｍ，３１Ｙからパージ処理によりそれぞれインクを排出する。これにより、単位ヘッドのインク吐出面（ノズル形成面）に形成された複数のノズルからインクが押し出され、インク吐出面にインク液滴が形成される。そして、後述するワイパブレード４３ａ〜４３ｄで、インク吐出面に形成されたインク液滴を払拭することにより、インク吐出面に付着したゴミ等とともに除去することができる。

メンテナンスユニット４は、インクパン４１を有しており、このインクパン４１によりインク液滴を払拭する際に滴下するインクを廃液として回収する。

また、メンテナンスユニット４は、廃液を貯留する廃液タンク５２を有しており、この廃液タンク５２は、廃液ホース５１でインクパン４１と接続されている。

そして、メンテナンスユニット４によりメンテナンスが終了すると、メンテナンスユニット４は、再度、図１（ａ）に示す退避位置に配置される。

また、印刷中にインクジェットヘッド３１からインクを吐出することによって発生する微小のインク液滴や、インク液滴と共に紙粉などの埃が搬送ベルト２１上に付着することがある。インク液滴や埃が付着した搬送ベルト２１に用紙が吸引されると、付着したインク液滴や埃で用紙を汚してしまう場合がある。そのため、搬送ベルト２１をクリーニングする必要がある。

そこで、本発明の実施例１に係るインクジェット印刷装置１では、印刷中に、メンテナンスユニット４により搬送ベルト２１をクリーニングし、クリーニングにより搬送ベルト２１から除去したインク液滴や埃をインクパン４１に回収する。インクパン４１に回収されたインク液滴や埃は、ヘッドユニット３のメンテナンスにより発生したインク液滴とともに、廃液として廃液タンク５２に回収される。

図２は、本発明の実施例１に係るインクジェット印刷装置１のメンテナンスユニット４が退避位置に配置されているときの斜視図であり、図３は、本発明の実施例１に係るインクジェット印刷装置１のメンテナンスユニット４がメンテナンス位置に配置されているときの斜視図である。

図２、図３に示すように、インクパン４１の先端部にはベルトクリーニング部材４２が設けられている。ベルトクリーニング部材４２は、例えばゴムやシリコン樹脂など弾性部材で構成され、平板状に形成されている。

また、ベルトクリーニング部材４２の下方には、インクを吸収するインク吸収部材４６が、ベルトクリーニング部材４２に沿って密着した状態で設けられている。インク吸収部材４６は、例えば、スポンジなどの表面および内部に細かな孔が無数に空いた多孔質の部材で構成されている。これにより、インク吐出面のメンテナンス中にベルトクリーニング部材４２に付着したインク液滴や埃が搬送ベルト２１上に落下することを防止する。

図２に示すように、メンテナンスユニット４が退避位置に配置されているとき、ベルトクリーニング部材４２の先端と駆動ローラ２２とで搬送ベルト２１を挟み込むように、ベルトクリーニング部材４２の先端が搬送ベルト２１に接触している。

搬送ベルト２１は駆動ローラ２２の駆動によりＡ方向に無端移動するため、ベルトクリーニング部材４２の先端が搬送ベルト２１表面を払拭することにより、搬送ベルト２１上に付着したインク液滴や埃を除去することができる。

そして、除去されたインク液滴や埃はインクパン４１に回収される。

図３に示すように、インクパン４１の内部にはガイド棒４４が備えられている。ガイド棒４４は、一方の先端がインクパン４１の内部前側に上下動可能に取り付けられ、他方の先端がインクパン４１の内部後側に上下動可能に取り付けられている。

また、インクパン４１の内側には、メンテナンス支持部材４３が、ガイド棒４４に沿って、前後方向に移動可能に設けられている。

メンテナンス支持部材４３の上部には、ガイドローラ４５と、ワイパブレード４３ａ〜４３ｄが設けられている。メンテナンス支持部材４３は、ガイドローラ４５が図示しないインクジェットヘッド３１Ｃ，３１Ｋ，３１Ｍ，３１Ｙを保持するヘッドホルダに接触した状態で、ガイド棒４４に沿って、前後方向に移動する。なお、ガイド棒４４の外周部にはネジ溝が形成され、メンテナンス支持部材４３にはガイド棒４４の外周部に螺合するナット部材４３ｅが取り付けられている。図示しない回転駆動部でガイド棒４４を正逆方向に回転駆動することにより、メンテナンス支持部材４３がガイド棒４４に沿って前後方向に移動可能となっている。

メンテナンス支持部材４３が移動する際、ワイパブレード４３ａ〜４３ｄの先端がインクジェットヘッド３１Ｃ，３１Ｋ，３１Ｍ，３１Ｙのインク吐出面に形成されたインク液滴を払拭する。これにより、インク吐出面に付着したゴミ等とともに除去することができる。除去されたインク液滴はインクパン４１に回収される。

また、メンテナンス支持部材４３には、ブレード清掃部材４７が設けられている。

メンテナンスユニット４がメンテナンス位置に配置されているとき、ガイドローラ４５がヘッドホルダに接触した状態で、インクパン４１とともにベルトクリーニング部材４２が上方に押し上げられる。これにより、ブレード清掃部材４７がベルトクリーニング部材４２に接触する。

この状態で、メンテナンス支持部材４３が、ガイド棒４４に沿って前後方向に移動すると、ブレード清掃部材４７がメンテナンス支持部材４３に付着したインク液滴や埃を払拭する。これにより、メンテナンス支持部材４３に付着したゴミ等とともに除去することができる。除去されたインク液滴はメンテナンス支持部材４３を伝ってインクパン４１に回収される。

（付記）
本出願は、以下の発明を開示する。

（付記１）
インクジェットヘッドから記録媒体にインクを吐出することにより印刷処理を実行するインクジェット印刷装置において、
前記インクジェットヘッドのパージ処理の際に前記インクジェットヘッドから排出されたインクを廃液として回収するメンテナンス位置と、前記パージ処理により回収したインクを排出するために、前記印刷処理と干渉することのない場所に退避する退避位置とを移動するインクパンと、
前記インクパンの先端部に設けられ、前記インクパンが前記退避位置にあるときに、前記搬送ベルトに付着したインクを前記インクパンに回収するように、前記搬送ベルトに接触するベルトクリーニング部材と、
を備えたことを特徴とするインクジェット印刷装置。

これにより、インクパンが退避位置にあるとき、すなわち、印刷中、ベルトクリーニング部材の先端が搬送ベルト表面を払拭することにより、搬送ベルト上に付着したインク液滴や埃を除去することができるので、簡易な構成で適切に搬送ベルトをクリーニングすることができる。

１ インクジェット印刷装置
２ 搬送部
３ ヘッドユニット
４ メンテナンスユニット
２１ 搬送ベルト
２２ 駆動ローラ
２３，２４，２５ 従動ローラ
３１Ｃ インクジェットヘッド
３１Ｋ インクジェットヘッド
３１Ｍ インクジェットヘッド
３１Ｙ インクジェットヘッド
４１ インクパン
４２ ベルトクリーニング部材
４３ メンテナンス支持部材
４３ａ，４３ｂ，４３ｃ，４３ｄ ワイパブレード
４３ｅ ナット部材
４４ ガイド棒
４５ ガイドローラ
４６ インク吸収部材
４７ ブレード清掃部材
５１ 廃液ホース
５２ 廃液タンク

Claims (1)

1. 搬送ベルトにより搬送される記録媒体に対して、インクジェットヘッドからインクを吐出することにより印刷処理を実行するインクジェット印刷装置において、
   前記インクジェットヘッドのパージ処理の際に前記インクジェットヘッドから排出されたインクを廃液として回収するメンテナンス位置と、前記パージ処理により回収したインクを排出するために、前記印刷処理と干渉することのない場所に退避する退避位置とを移動するインクパンと、
   前記インクパンの先端部に設けられ、前記インクパンが前記退避位置にあるときに、前記搬送ベルトに付着したインクを前記インクパンに回収するように、前記搬送ベルトに接触するベルトクリーニング部材と、
   を備えたことを特徴とするインクジェット印刷装置。

Images