JP2021194450A - X線画像の生成方法、学習モデルの学習方法、および、x線位相画像撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定部位とその他の部位とを識別することが可能なX線画像の生成方法を提供する。【解決手段】このX線画像の生成方法は、検出されたX線に基づいて生成された吸収像20を取得するステップと、複数の格子を通過した後に検出されたX線に基づいて生成された位相コントラスト画像21を取得するステップと、第1学習済みモデル51を用いて、吸収像20および位相コントラスト画像21のうちの一方画像から他方画像を推定することにより推定画像22を生成するステップと、他方画像と推定画像22とに基づいて被写体90の特定部位40を抽出するステップと、を備える。【選択図】図1
Description
この発明は、X線画像の生成方法、学習モデルの学習方法、および、X線位相画像撮影装置に関する。
従来、X線画像から画像処理により被写体の特定部位を検出する技術が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。
上記非特許文献1では、マンモグラフィによるX線画像を学習させたAI(artificial intelligence)を用いて、X線画像中の早期がんを同定する技術が開示されている。マンモグラフィによって取得されるX線画像は、被写体のX線吸収量の違いによって画像化された画像である。
McKinney,S.M., Sieniek,M., Godbole,V. et al.、「International evaluation of an AI system for breast cancer screening」、Nature、Vol. 577, 89-94 (2020)、https://doi.org/10.1038/s41586-019-1799-6
上記非特許文献1に用いられるX線画像は、被写体のX線吸収量に応じてコントラストが生じる。そのため、被写体中の特定部位と、特定部位以外の他の部位とでX線吸収量の差異が小さい場合、画像処理による特定部位の検出を精度良く行うことが困難になる。この問題は、他の部位と特定部位とがX線画像において重なって写る場合に特に顕著になる。
また、画像処理による特定部位の検出を精度良く行うことが困難になるという問題は、上記非特許文献1のようにがんを検出する用途のみならず、たとえば非破壊検査における試料中の特定部位とその他の部位との間で、X線吸収量の差異が小さい場合などでも生じる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、X線吸収量の差異が小さい特定部位とその他の部位とであっても、特定部位とその他の部位とを識別することが可能なX線画像の生成方法、学習モデルの学習方法、および、X線位相画像撮影装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本願発明者らは、複数の格子を透過したX線の干渉(いわゆるタルボ効果)を利用したX線位相イメージング装置によれば、被写体によるX線の吸収だけでなく、被写体によるX線の屈折や、被写体によるX線の散乱といった、異なる物理現象に基づく各種の画像を生成できることに着目した。本願発明者らが鋭意検討した結果、このような複数種類の画像を用いた特有の機械学習により、他の部位とのX線吸収量の差異が小さい特定部位が含まれる画像から、特定部位が含まれていない画像を用いて学習させた学習モデルにて推定した画像を用いて、特定部位とその他の部位とを識別することができる発明をするに至った。すなわち、この発明の第1の局面によるX線画像の生成方法は、X線源から照射されたX線を受ける複数の格子を通過したX線に基づくX線画像の生成方法であって、検出されたX線に基づいて生成された吸収像を取得するステップと、複数の格子を通過した後に検出されたX線に基づいて生成された位相コントラスト画像を取得するステップと、学習済みモデルを用いて、吸収像および位相コントラスト画像のうちの一方画像から他方画像を推定することにより推定画像を生成するステップと、他方画像と推定画像とに基づいて被写体の特定部位を抽出するステップと、を備える。
また、上記目的を達成するために、この発明の第2の局面による学習モデルの学習方法は、X線源から照射されたX線を受ける複数の格子を通過したX線に基づいて生成されたX線画像を用いた学習モデルの学習方法であって、X線を検出する検出器に到達したX線に基づいて生成された被写体の吸収像を取得するステップと、複数の格子を通過した後に検出器に到達したX線に基づいて生成された被写体の位相コントラスト画像を取得するステップと、吸収像と位相コントラスト画像とを教師データとして、吸収像から推定することにより位相コントラスト推定画像を生成するか、または、位相コントラスト画像から推定することにより吸収推定像を生成するように学習モデルを学習させるステップと、を含む。
また、上記目的を達成するために、この発明の第3の局面によるX線位相画像撮影装置は、X線源と、X線源から照射されたX線を受ける複数の格子と、X線源から照射されたX線を検出する検出器と、検出器によって検出されたX線に基づいて被写体の吸収像を生成するとともに、複数の格子を通過した後に検出器によって検出されたX線に基づいて被写体の位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、を備え、画像処理部は、教師用吸収像と教師用位相コントラスト画像とを教師データとして学習した学習済みモデルを用いて、吸収像および位相コントラスト画像の一方画像から他方画像を推定し推定画像を生成するとともに、他方画像と推定画像とに基づいて被写体の特定部位を抽出するように構成されている。
上記第1の局面におけるX線画像撮影装置では、上記のように、吸収像および位相コントラスト画像のうちの一方画像から他方画像を推定することにより推定画像を生成するステップと、他方画像と推定画像とに基づいて被写体の特定部位を抽出するステップと、を備える。これにより、位相コントラスト画像および推定画像によって特定部位が抽出されることによって、吸収像では識別が困難である特定部位と非特定部位とを識別することができる。その結果、X線吸収量の差異が小さい特定部位とその他の部位とであっても、特定部位とその他の部位とを識別することが可能なX線画像の生成方法を提供することができる。
また、上記第2の局面における学習モデルの学習方法では、上記のように、吸収像と位相コントラスト画像とを教師データとして、吸収像から推定することにより位相コントラスト推定画像を生成するか、または、位相コントラスト画像から推定することにより吸収推定像を生成するように学習モデルを学習させるステップと、を含む。これにより、吸収像から推定することにより位相コントラスト推定画像を生成するように学習された学習モデルを用いることにより、被写体に特定部位が含まれる場合であっても、特定部位が識別できない位相コントラスト推定画像が生成される。また、位相コントラスト画像から推定することにより吸収推定像を生成するように学習された学習モデルを用いることにより、特定部位が識別可能な吸収像が生成される。そのため、上記学習方法によって学習された学習済みモデルを用いて推定された推定画像と、実際に撮像した画像とにおいて、特定部位にコントラストの差がついた特定部位抽出画像を生成することができる。その結果、学習済みモデルを用いて推定された推定画像と、実際に撮像した画像とに基づいて、特定部位とその他の部位とを識別可能なX線画像を生成することができる。
また、上記第3の局面におけるX線位相画像撮影装置では、学習済みモデルを用いて、吸収像および位相コントラスト画像の一方画像から他方画像を推定し推定画像を生成するとともに、他方画像と推定画像とに基づいて被写体の特定部位を抽出するように構成された画像処理部を備える。これにより、上記第1の局面によるX線画像の生成方法と同様に、X線吸収量の差異が小さい特定部位とその他の部位とであっても、特定部位とその他の部位とを識別することが可能なX線位相画像撮影装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2を参照して、一実施形態によるX線画像撮影装置100の構成について説明する。なお、X線画像撮影装置100は、マンモグラフィにおける乳がんの診断に用いることが可能な撮影装置である。また、X線画像撮影装置100は、乳がん以外の医用検査における診断や非破壊検査における評価等にも用いることが可能な撮影装置である。
(X線画像撮影装置の構成)
X線画像撮影装置100は、図1に示すように、X線源1と、検出器2と、複数の格子と、画像処理部3と、制御部4と、記憶部5と、相対位置移動部6と、コリメータ13と、を備える。
X線画像撮影装置100は、図1に示すように、X線源1と、検出器2と、複数の格子と、画像処理部3と、制御部4と、記憶部5と、相対位置移動部6と、コリメータ13と、を備える。
X線画像撮影装置100では、X線源1と、コリメータ13と、複数の格子と、検出器2とが、X線の照射軸70方向(光軸方向、Z方向)に、この順に並んで配置されている。なお、本明細書において、X線の光軸方向(Z方向)は、水平方向である。また、X線の光軸方向と直交する水平方向および鉛直方向を、それぞれ、X方向およびY方向とする。
X線源1は、高電圧が印加されることにより、X線を発生させる。X線源1で発生されたX線は、検出器2が配置された方向(Z2方向)に照射されるように構成されている。図1に示す例では、X線源1は、直線71および直線72で囲まれた領域にX線を照射する。
検出器2は、X線源1から照射されたX線を検出するとともに、検出されたX線を電気信号に変換する。検出器2は、複数の格子を通過して到達したX線を検出する第1検出領域76と、複数の格子を通過せずに到達したX線を検出する第2検出領域77と、を含む。図1に示すように、第1検出領域76と第2検出領域77とは、X線の照射軸70方向と交差する所定の方向に並んで配置されている。本実施形態では、所定の方向は、X方向である。検出器2は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。検出器2は、X線源1側(Z1側)の検出面上に配置された複数の変換素子(図示せず)と、複数の変換素子上に配置された画素電極(図示せず)とにより構成されている。複数の変換素子および画素電極は、所定の周期(画素ピッチ)で、X方向およびY方向に並んで配置されている。検出器2の検出信号(画像信号)は、画像処理部3へと送られる。
画像処理部3は、検出器2から送られた検出信号に基づいて、吸収像20(図3参照)および位相コントラスト画像21(図5参照)を生成するように構成されている。画像処理部3は、たとえば、GPU(Graphics Processing Unit)、または、画像処理用に構成されたFPGA(Field−Programmable Gate Array)などのプロセッサを含む。画像処理部3が、吸収像20、および、位相コントラスト画像21を生成する構成の詳細については、後述する。
制御部4は、相対位置移動部6の動作を制御するように構成されている。制御部4は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含む。
記憶部5は、第1学習済みモデル51が記憶されている。記憶部5は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、または、不揮発性メモリなどを含む。第1学習済みモデル51を生成する方法の詳細については、後述する。
複数の格子は、第1格子群と、第2格子群とを含む。第1格子群は、第1格子7と第2格子8と線源格子9とを含む。第2格子群は、第3格子10と、第4格子11と、線源格子12とを含む。第1格子群では、各格子は、X線源1から検出器2に向かう方向(Z1側からZ2側に向かう方向)において、線源格子9、第1格子7、および、第2格子8の順で並んでいる。また、第2格子群では、各格子は、X線源1から検出器2に向かう方向において、線源格子12、第3格子10、および、第4格子11の順で並んでいる。各格子の構成の詳細については、後述する。
相対位置移動部6は、被写体90に対する第1検出領域76および第2検出領域77の相対位置を移動させるように構成されている。本実施形態では、相対位置移動部6は、図1の太線矢印で示すように、制御部4の制御の下、被写体90を所定の方向(X方向)に移動させるように構成されている。すなわち、本実施形態では、相対位置移動部6は、被写体90を移動させることにより、被写体90に対する第1検出領域76および第2検出領域77の相対位置を移動させるように構成されている。
コリメータ13は、第1格子7および第3格子10と線源格子9および線源格子12との間に配置されている。コリメータ13は、X線を遮蔽する遮蔽部材により構成されており、開閉自在に構成されたコリメータ孔13aおよびコリメータ孔13bが形成されている。コリメータ孔13aを通過したX線は、直線73および直線74で囲まれた領域に照射される。コリメータ孔13aは、X線源1から照射されたX線の内、第1格子群および第2格子群を通過して検出器2に照射されるX線の照射範囲を調整することが可能である。コリメータ孔13bを通過したX線は、直線75および直線76で囲まれた領域に照射される。コリメータ孔13bは、第1格子群および第2格子群を通過せずに検出器2に照射されるX線の範囲を調整することが可能である。図1に示すように、コリメータ孔13aを通過して検出器2に到達したX線が検出される領域が、第1検出領域76である。また、コリメータ孔13bを通過して検出器2に到達したX線が検出される領域が、第2検出領域77である。
(複数の格子の構成)
図2に示すように、第1格子7は、X線源1から照射されたX線を回折、または、照射されたX線の一部を遮蔽するように第1格子パターンが形成されている。本実施形態では、第1格子7は、X線源1から照射されたX線を回折するように格子パターンが形成されている。具体的には、第1格子7は、通過するX線の位相を変化させる回折格子(位相格子)として構成されている。第1格子7は、図2に示すように、略Y方向に所定の周期(格子ピッチ)7cで配列されるスリット7aおよびX線吸収部7bを有している。各スリット7aおよびX線吸収部7bは、略X方向に延びるように形成されている。
図2に示すように、第1格子7は、X線源1から照射されたX線を回折、または、照射されたX線の一部を遮蔽するように第1格子パターンが形成されている。本実施形態では、第1格子7は、X線源1から照射されたX線を回折するように格子パターンが形成されている。具体的には、第1格子7は、通過するX線の位相を変化させる回折格子(位相格子)として構成されている。第1格子7は、図2に示すように、略Y方向に所定の周期(格子ピッチ)7cで配列されるスリット7aおよびX線吸収部7bを有している。各スリット7aおよびX線吸収部7bは、略X方向に延びるように形成されている。
第1格子7は、X線源1と第2格子8との間に配置されており、X線源1から照射されたX線により(タルボ効果によって)自己像を形成するために設けられている。なお、タルボ効果とは、可干渉性を有するX線が、スリットが形成された格子を通過すると、格子から所定の距離(タルボ距離)離れた位置に、格子の像(自己像)が形成されることを意味する。
第2格子8は、第1格子7と同様に、略Y方向に所定の周期(格子ピッチ)8cで配列される複数のスリット8aおよびX線吸収部8bを有している。各スリット8aおよびX線吸収部8bは、略X方向に延びるように形成されている。
第2格子8は、第1格子7と検出器2との間に配置されており、第1格子7により形成された自己像と干渉させるために設けられている。第2格子8は、自己像と第2格子8とを干渉させるために、第1格子7からタルボ距離だけ離れた位置に配置されている。なお、第1格子7により形成された自己像と第2格子8とが干渉することにより、検出面上には、自己像の格子ピッチよりも大きい周期を有するモアレ(図示せず)が形成される。
線源格子9は、X線源1と第1格子7との間に配置されている。線源格子9は、略Y方向に所定の周期(格子ピッチ)9cで配列される複数のスリット9aおよびX線吸収部9bを有している。各スリット9aおよびX線吸収部9bは、略X方向に延びるように形成されている。線源格子9は、X線源1から照射されたX線を微小焦点化することが可能な格子(マルチスリット)として構成されている。言い換えると、線源格子9は、X線源1から照射されるX線の可干渉性を向上させるように構成されている。
また、図2に示すように、第3格子10は、X線源1から照射されたX線を回折、または、照射されたX線の一部を遮蔽するように第2格子パターンが形成されている。本実施形態では、第3格子10は、X線源1から照射されたX線を回折するように格子パターンが形成されている。具体的には、第3格子10は、通過するX線の位相を変化させる回折格子(位相格子)として構成されている。第3格子10は、図2に示すように、略X方向に所定の周期(格子ピッチ)10cで配列されるスリット10aおよびX線吸収部10bを有している。各スリット10aおよびX線吸収部10bは、略Y方向に延びるように形成されている。すなわち、第3格子10は、第2格子パターンの方向が、第1格子パターンの方向と直交する方向となるように配置されている。
第3格子10は、X線源1と第4格子11との間に配置されており、X線源1から照射されたX線により(タルボ効果によって)自己像を形成するために設けられている。
第4格子11は、第3格子10と同様に、略X方向に所定の周期(格子ピッチ)11cで配列される複数のスリット11aおよびX線吸収部11bを有している。各スリット11aおよびX線吸収部11bは、略Y方向に延びるように形成されている。
第4格子11は、第3格子10と検出器2との間に配置されており、第3格子10により形成された自己像と干渉させるために設けられている。第4格子11は、自己像と第4格子11とを干渉させるために、第3格子10からタルボ距離だけ離れた位置に配置されている。なお、第3格子10により形成された自己像と第4格子11とが干渉することにより、検出面上には、自己像の格子ピッチよりも大きい周期を有するモアレ(図示せず)が形成される。
線源格子12は、X線源1と第3格子10との間に配置されている。線源格子12は、略Y方向に所定の周期(格子ピッチ)12cで配列される複数のスリット12aおよびX線吸収部12bを有している。各スリット12aおよびX線吸収部12bは、略X方向に延びるように形成されている。線源格子12は、X線源1から照射されたX線を微小焦点化することが可能な格子(マルチスリット)として構成されている。言い換えると、線源格子12は、X線源1から照射されるX線の可干渉性を向上させるように構成されている。
ここで、位相コントラスト画像21では、格子パターンと直交する方向におけるX線の変化に対して感度を有しているため、被写体90のうち、格子パターンと直交する方向に延びる部分が画像化され、格子パターンに沿った方向に延びる部分は画像化されない。そこで、本実施形態では、第1格子群における格子パターンの方向と、第2格子群における格子パターンの方向とが、互いに直交する方向となるように、第1格子群に含まれる各格子、および、第2格子群に含まれる各格子を配置する。
(画像処理部が生成する画像)
次に、図3〜図6を参照して、画像処理部3が生成する画像について説明する。
次に、図3〜図6を参照して、画像処理部3が生成する画像について説明する。
本実施形態では、図3に示すように、画像処理部3は、検出器2によって検出されたX線に基づいて、吸収像20を生成する。具体的には、画像処理部3は、複数の格子を通過せずに検出されたX線に基づいて、吸収像20を生成する。本実施形態では、画像処理部3は、被写体90と、X線を検出する検出器2のうちの複数の格子を通過せずに到達したX線を検出する領域である第1検出領域76との相対位置を変化させて取得された複数の第1X線画像24に基づいて、吸収像20を生成する。本実施形態では、画像処理部3は、複数の第1X線画像24として、第1X線画像24a〜第1X線画像24dの4枚の画像を用いて、吸収像20を生成する。第1検出領域76のX方向における大きさが被写体90のX方向における大きさよりも小さい場合、各第1X線画像24には、被写体90の全体が写らない。そこで、画像処理部3は、各第1X線画像24を合成することにより、被写体90の全体が写る吸収像20を生成する。なお、図3に示す例では、便宜上、画像処理部3が4枚の第1X線画像24を用いて吸収像20を生成する例を示しているが、実際には、4枚以上の第1X線画像24を用いて、吸収像20を生成する。たとえば、画像処理部3は、600枚程度の第1X線画像24を用いて、吸収像20を生成する。
被写体90には、特定部位40と、非特定部位41とが含まれる。特定部位40と、非特定部位41とは、互いにX線の吸収特性が略等しい場合、吸収像20において識別することが困難である。なお、図3に示す例では、特定部位40および非特定部位41が互いにX線の吸収感度が略等しい場合であり、互いに破線で図示することにより、識別が困難な状況を示している。本実施形態では、被写体90は、被験者の乳房であり、特定部位40は、乳がんである。また、非特定部位41は、乳腺である。
また、本実施形態では、図4に示すように、画像処理部3は、複数の第1X線画像24に基づいて第1断層画像25を生成する。複数の第1X線画像24は、第1検出領域76において、被写体90をX方向に移動させながら撮影された画像である。そのため、画像処理部3は、複数の第1X線画像24を用いることにより、いわゆるトモシンセシスによる手法と同様に、第1断層画像25を生成する。
また、図5に示すように、画像処理部3は、被写体90と、検出器2のうちの複数の格子を通過して到達したX線を検出する領域である第2検出領域77との相対位置を変化させて取得された複数の第2X線画像26に基づいて、位相コントラスト画像21を生成する。具体的には、画像処理部3は、複数の第2X線画像26と、第2検出領域77において、被写体90を配置していない状態で撮影された複数の第3X線画像27とに基づいて、位相コントラスト画像21を生成する。
図5に示すように、複数の第2X線画像26は、第2X線画像26a〜第2X線画像26dを含む。また、複数の第3X線画像27は、第3X線画像27a〜第3X線画像27dを含む。画像処理部3は、第2X線画像26a〜第2X線画像26dに基づいて、第1強度信号曲線を取得する。また、画像処理部3は、第3X線画像27a〜第3X線画像27dに基づいて、第2強度信号曲線を取得する。画像処理部3は、第1強度信号曲線と第2強度信号曲線とに基づいて、位相コントラスト画像21を生成する。
位相コントラスト画像21は、X線の位相差を画像化した画像である。そのため、X線の吸収感度が略等しい特定部位40と、非特定部位41とにおいて、X線の位相差が異なる場合、図5に示すように、位相コントラスト画像21において、特定部位40と、非特定部位41とが識別可能に写る。
また、図6に示すように、画像処理部3は、複数の第1X線画像24とは異なる相対位置において撮像された複数の第2X線画像26に基づいて第2断層画像28を生成する。画像処理部3は、第2断層画像28についても、いわゆるトモシンセシスと同様の手法で、第2断層画像28を生成する。
(特定部位抽出画像生成)
次に、図7を参照して、本実施形態による画像処理部3、特定部位抽出画像23を生成する構成について説明する。
次に、図7を参照して、本実施形態による画像処理部3、特定部位抽出画像23を生成する構成について説明する。
本実施形態では、画像処理部3は、第1学習済みモデル51(図1参照)を用いて、吸収像20および位相コントラスト画像21の一方画像から他方画像を推定し推定画像22を生成する。第1学習済みモデル51は、第1学習モデル50を、教師用吸収像30(図9参照)と教師用位相コントラスト画像31(図9参照)とを教師データとして学習することにより取得される。また、画像処理部3は、他方画像と推定画像22とに基づいて被写体90の特定部位40を抽出する。また、画像処理部3は、特定部位40が識別可能に表示された特定部位抽出画像23を生成するように構成されている。本実施形態では、画像処理部3は、吸収像20から位相コントラスト画像21を推定することにより、推定画像22を生成する。すなわち、本実施形態では、一方画像は、吸収像20であり、他方画像は、位相コントラスト画像21である。一方画像が吸収像20である場合、推定画像22は、被写体90に特定部位40が含まれている場合でも、推定画像22においては、特定部位40が画像化されない。すなわち、特定部位40が画像化されない点が推定画像22と位相コントラスト画像21との相違点である。その他の部位(非特定部位41)に関しては、推定画像22においても位相コントラスト画像21においても画像化される。
本実施形態では、画像処理部3は、他方画像と推定画像22とにおける、特定部位40のコントラストの差異に基づいて、特定部位40を抽出する。具体的には、画像処理部3は、位相コントラスト画像21と推定画像22とに基づいて、特定部位抽出画像23を生成する。
なお、吸収像20および位相コントラスト画像21には、生成する際のノイズが生じる場合がある。そこで、本実施形態では、画像処理部3は、吸収像20および位相コントラスト画像21のノイズを除去するように構成されている。また、画像処理部3は、ノイズを除去した後の吸収像20に基づいて推定画像22を生成するように構成されていている。また、画像処理部3は、ノイズを除去した後の位相コントラスト画像21と、ノイズを除去した後の吸収像20に基づいて生成された推定画像22とに基づいて特定部位40を抽出するように構成されていている。
また、本実施形態では、画像処理部3は、被写体90を移動させながら撮影された複数の第1X線画像24に基づいて生成された吸収像20と、被写体90を移動させながら撮影された複数の第2X線画像26に基づいて生成された位相コントラスト画像21とに基づいて、特定部位抽出画像23を生成する。被写体90を移動させながら撮影するため、複数の第1X線画像24および複数の第2X線画像26の各々が撮影された際の、被写体90とX線源1との相対位置が異なる。そのため、第1X線画像24に写る被写体90の形状と、第2X線画像26に写る被写体90の形状とが、互いに異なる場合がある。
そこで、本実施形態では、画像処理部3は、第1断層画像25および第2断層画像28に基づいて、吸収像20に写る被写体90の形状と、位相コントラスト画像21に写る被写体90の形状とのうち、いずれかの画像に写る被写体90の形状を、他方の画像に写る被写体90の形状に整合させる補正を行うように構成されている。本実施形態では、画像処理部3は、位相コントラスト画像21に写る被写体90の形状を、吸収像20に写る被写体90の形状と整合させる補正を行う。具体的には、画像処理部3は、第1断層画像25のスライス画像を取得する。また、画像処理部3は、第2断層画像28のスライス画像を取得する。そして、画像処理部3は、第1断層画像25のスライス画像と、第2断層画像28のスライス画像とを比較し、吸収像20に写る被写体90の形状と位相コントラスト画像21に写る被写体90の形状との差異を取得する。画像処理部3は、取得した被写体90の形状の差異に基づいて、位相コントラスト画像21に写る被写体90の形状を補正する。
本実施形態では、図7に示すように、画像処理部3は、ノイズが除去された吸収像20から推定された推定画像22と、被写体90の形状が補正された補正後の位相コントラスト画像21aとに基づいて、特定部位抽出画像23を生成する。本実施形態では、画像処理部3は、たとえば、補正後の位相コントラスト画像21aを推定画像22によって除算することにより、特定部位抽出画像23を生成する。
推定画像22においては、特定部位40が画像化されない。一方、補正後の位相コントラスト画像21aでは、特定部位40が画像化されている。したがって、補正後の位相コントラスト画像21aを推定画像22によって除算することにより、特定部位40のコントラストが鮮明となるため、特定部位抽出画像23において、特定部位40を非特定部位41と識別することができる。
図7に示すように、特定部位抽出画像23では、特定部位40と、非特定部位41とが、互いに識別可能に表示されている。なお、図7に示す例では、特定部位40を実線で図示し、非特定部位41を破線で図示することにより、特定部位40と、非特定部位41とが、互いに識別可能な状態であることを示している。
次に、図8を参照して、X線画像の生成方法101の処理について説明する。
図8に示すように、X線画像の生成方法101は、第1学習モデル50を教師用吸収像30と教師用位相コントラスト画像31とを教師データとして学習することにより、第1学習済みモデル51を取得するステップ101aと、吸収像20を取得するステップ101bと、位相コントラスト画像21を取得するステップ101cと、第1断層画像25を取得するステップ101dと、第2断層画像28を取得するステップ101eと、被写体90の形状を整合させるステップ101fと、吸収像20および位相コントラスト画像21のノイズを除去するステップ101gと、被写体90の表面形状の情報60を取得するステップ101hと、推定画像22を生成するステップ101iと、特定部位40を抽出するステップ101jと、特定部位抽出画像23を生成するステップ101kとを含む。
ステップ101aにおいて、画像処理部3は、第1学習済みモデル51を取得する。なお、ステップ101aの処理は、特定部位抽出画像23を生成する前に、予め行われている。第1学習済みモデル51を取得する構成の詳細については、後述する。
ステップ101bにおいて、画像処理部3は、複数の格子を通過せずに検出されたX線に基づいて生成された吸収像20を取得する。
ステップ101cにおいて、画像処理部3は、複数の格子を通過した後に検出されたX線に基づいて生成された位相コントラスト画像21を取得する。
ステップ101dにおいて、画像処理部3は、複数の第1X線画像24に基づいて第1断層画像25を取得する。
ステップ101eにおいて、画像処理部3は、複数の第1X線画像24とは異なる相対位置において撮像された複数の第2X線画像26に基づいて第2断層画像28を取得する。
ステップ101fにおいて、画像処理部3は、第1断層画像25および第2断層画像28に基づいて、吸収像20に写る被写体90の形状と、位相コントラスト画像21に写る被写体90の形状とのうち、いずれかの画像に写る被写体90の形状を、他方の画像に写る被写体90の形状に整合させる補正を行う。
ステップ101gにおいて、画像処理部3は、吸収像20および位相コントラスト画像21のノイズを除去する。
ステップ101hにおいて、画像処理部3は、被写体90の表面形状の情報60を取得する。
ステップ101iでは、教師用吸収像30と教師用位相コントラスト画像31とを教師データとして学習した第1学習済みモデル51を用いて、吸収像20および位相コントラスト画像21のうちの一方画像から他方画像を推定することにより推定画像22を生成する。具体的には、画像処理部3は、吸収像20を第1学習済みモデル51に入力し、吸収像20から位相コントラスト画像21を推定することにより、推定画像22を生成する。また、画像処理部3は、特定部位抽出画像23を生成する際には、予めノイズを除去した後の吸収像20に基づいて推定画像22を生成する。
ステップ101jにおいて、画像処理部3は、他方画像と推定画像22とに基づいて被写体90の特定部位40を抽出する。具体的には、画像処理部3は、他方画像と推定画像22とにおける、特定部位40のコントラストの差異に基づいて、特定部位40を抽出する。また、画像処理部3は、特定部位40を抽出する際には、ノイズを除去した後の位相コントラスト画像21と、ノイズを除去した後の吸収像20に基づいて生成された推定画像22とに基づいて特定部位40を抽出する。また、画像処理部3は、特定部位40を抽出する際には、被写体90の形状を整合させる補正を行った後の位相コントラスト画像21aと推定画像22とに基づいて特定部位40を抽出する。
ステップ101kにおいて、画像処理部3は特定部位40が識別可能に表示された特定部位抽出画像23を生成する。具体的には、画像処理部3は、位相コントラスト画像21と推定画像22とに基づいて、特定部位抽出画像23を生成する。
本実施形態におけるX線画像の生成方法101は、ステップ101b〜ステップ101jの処理を行うことにより、吸収像20および位相コントラスト画像21から、特定部位抽出画像23を生成する。
(画像処理方法)
図9は、本実施形態による画像処理方法の流れを示したブロック図である。図9に示すように、本実施形態では、画像処理方法は、大きく分けて、X線画像の生成方法101と、第1学習モデル50の学習方法201と、を含む。
図9は、本実施形態による画像処理方法の流れを示したブロック図である。図9に示すように、本実施形態では、画像処理方法は、大きく分けて、X線画像の生成方法101と、第1学習モデル50の学習方法201と、を含む。
図9に示すように、本実施形態によるX線画像の生成方法101では、吸収像20、位相コントラスト画像21と、第1学習済みモデル51とを用いて、特定部位抽出画像23を生成する。
また、図9に示すように、本実施形態による第1学習モデル50の学習方法201では、教師用吸収像30と、教師用位相コントラスト画像31と、被写体90の表面形状の情報60とに基づいて、教師用吸収像30から、推定画像32を推定する方法を、第1学習モデル50に学習させることにより、第1学習済みモデル51を生成する。なお、教師用吸収像30は、吸収像20と同様の方法で生成された画像である。また、教師用位相コントラスト画像31は、位相コントラスト画像21と同様の方法で生成された画像である。第1学習モデル50の種類は特に限定されない。第1学習モデル50は、たとえば、図9に示す畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional neural network;CNN)であるか、畳み込みニューラルネットワークを一部に含む。
(学習済みモデル生成)
図10に示すように、本実施形態による第1学習モデル50の学習方法201は、X線源1から照射されたX線を受ける複数の格子を通過したX線に基づいて生成されたX線画像を用いた学習モデルの学習方法である。
図10に示すように、本実施形態による第1学習モデル50の学習方法201は、X線源1から照射されたX線を受ける複数の格子を通過したX線に基づいて生成されたX線画像を用いた学習モデルの学習方法である。
具体的には、第1学習モデル50の学習方法201において、教師用吸収像30と教師用位相コントラスト画像31とを教師データとして、第1学習モデル50に学習させる。本実施形態では、教師用吸収像30から推定することにより位相コントラスト推定画像を生成するか、または、教師用位相コントラスト画像31から推定することにより吸収推定像を生成することを、第1学習モデル50に学習させる。すなわち、本実施形態では、第1学習モデル50の学習方法201では、教師用吸収像30が入力された際に、教師用位相コントラスト画像31を出力するように、第1学習モデル50を学習させる。教師用吸収像30および教師用位相コントラスト画像31の生成方法は、上記吸収像20および上記位相コントラスト画像21の生成方法と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図10に示す例では、教師用吸収像30から、位相コントラスト推定画像(教師用位相コントラスト画像31)を生成することを第1学習モデル50に学習させる。
また、本実施形態では、図10に示すように、教師データとして、検出部位42および検出部位42の周辺部分を含む範囲を撮像した、吸収像20および/または位相コントラスト画像21を用いて、第1学習モデル50を学習させる。なお、本実施形態では、吸収像20および位相コントラスト画像21を用いて、第1学習モデル50を学習させる。検出部位42は、乳腺である。また、教師用吸収像30および教師用位相コントラスト画像31は、被写体90として、被験者の乳房が写る画像である。また、検出部位42の周辺部分を含む範囲とは、検出部位42の周囲にある組織などを含む範囲である。本実施形態では、被写体90が乳房であるため、検出部位42の周辺部分を含む範囲とは、乳房全体が写る範囲である。
なお、教師用吸収像30および教師用位相コントラスト画像31は、特定部位40が含まれていない被写体90を撮影することにより得られた画像である。したがって、教師用吸収像30および教師用位相コントラスト画像31には、特定部位40は写っておらず、検出部位42が写っている。本実施形態では、特定部位40が写っていない教師用データを用いて第1学習モデル50を学習させた第1学習済みモデル51を用いて、吸収像20から推定画像22を生成する。したがって、吸収像20に特定部位40が含まれている場合でも、推定画像22には、特定部位40が写らない。
本実施形態では、位相コントラスト画像21に写る特定部位40と、推定画像22に写らない特定部位40とに基づいて、特定部位40が識別可能な特定部位抽出画像23を生成する。したがって、第1学習モデル50を学習させるために用いる教師用データには、特定部位40が写っていなくてもよい。すなわち、第1学習モデル50を学習させるために、特定部位40が写る教師用データを入力しなくてもよい。また、第1学習モデル50を学習させるために、特定部位40のラベル画像を準備する必要もないため、大量の教師用データを容易に準備することができる。
次に、図11を参照して、第1学習モデル50を学習させる処理について説明する。
図11に示すように、第1学習モデル50の学習方法201は、教師用吸収像30を取得するステップ201aと、教師用位相コントラスト画像31を取得するステップ201bと、被写体90の表面形状の情報60を取得するステップ201cと、第1学習モデル50を学習させるステップ201dとを含む。
ステップ201aでは、X線を検出する検出器2に到達したX線に基づいて生成された被写体90の教師用吸収像30を取得する。具体的には、ステップ201aでは、複数の格子を通過せずにX線を検出する検出器2に到達したX線に基づいて生成された被写体90の教師用吸収像30を取得する。
ステップ201bでは、複数の格子を通過した後に検出器2に到達したX線に基づいて生成された被写体90の教師用位相コントラスト画像31を取得する。
ステップ201dでは、教師用吸収像30と教師用位相コントラスト画像31とを教師データとして、教師用吸収像30から推定することにより位相コントラスト推定画像を生成するか、または、位相コントラスト画像21から推定することにより吸収推定像を生成するように第1学習モデル50を学習させる。また、ステップ201dにおいて第1学習モデル50を学習させる際には、教師データとして、検出部位42および検出部位42の周辺部分を含む範囲を撮像した、教師用吸収像30および教師用位相コントラスト画像31を用いて、第1学習モデル50を学習させる。また、ステップ201dにおいて第1学習モデル50を学習させる際には、教師データとして、教師用吸収像30および教師用位相コントラスト画像31とともに、被写体90の表面形状の情報60を用いて、第1学習モデル50を学習させる。
ステップ201a〜ステップ201dの処理が繰り返し行うことにより、第1学習モデル50を学習させ、第1学習済みモデル51を生成する。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、X線画像の生成方法は、X線源1から照射されたX線を受ける複数の格子を通過したX線に基づくX線画像の生成方法であって、検出されたX線に基づいて生成された吸収像20を取得するステップと、複数の格子を通過した後に検出されたX線に基づいて生成された位相コントラスト画像21を取得するステップと、第1学習済みモデル51を用いて、吸収像20および位相コントラスト画像21のうちの一方画像から他方画像を推定することにより推定画像22を生成するステップと、他方画像と推定画像22とに基づいて被写体90の特定部位40を抽出するステップと、を備える。
これにより、位相コントラスト画像21および推定画像22によって特定部位40が抽出されることによって、吸収像20では識別が困難である特定部位40と非特定部位41とを識別することができる。その結果、X線吸収量の差異が小さい特定部位40とその他の部位とであっても、特定部位40とその他の部位とを識別することが可能なX線画像(特定部位抽出画像23)の生成方法を提供することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1学習モデル50の学習方法は、X線源1から照射されたX線を受ける複数の格子を通過したX線に基づいて生成されたX線画像を用いた学習モデルの学習方法であって、X線を検出する検出器2に到達したX線に基づいて生成された被写体90の吸収像20を取得するステップと、複数の格子を通過した後に検出器2に到達したX線に基づいて生成された被写体90の位相コントラスト画像21を取得するステップと、吸収像20と位相コントラスト画像21とを教師データとして、吸収像20から推定することにより位相コントラスト推定画像を生成するか、または、位相コントラスト画像21から推定することにより吸収推定像を生成するように第1学習モデル50を学習させるステップと、を含む。
これにより、吸収像(教師用吸収像30)から推定することにより位相コントラスト推定画像(教師用位相コントラスト画像31)を生成するように学習された学習モデル(第1学習モデル50)を用いることにより、被写体90に特定部位40が含まれる場合であっても、特定部位40が識別できない位相コントラスト推定画像(位相コントラスト画像21)が生成される。また、位相コントラスト画像(教師用位相コントラスト画像31)から推定することにより吸収推定像(教師用吸収像30)を生成するように学習された学習モデルを用いることにより、特定部位40が識別可能な吸収像が生成される。そのため、上記学習方法によって学習された学習済みモデル(第1学習済みモデル51)を用いて推定された推定画像22と、実際に撮像した画像(位相コントラスト画像21)とにおいて、特定部位40にコントラストの差がついた特定部位抽出画像23を生成することができる。その結果、学習済みモデルを用いて推定された推定画像22と、実際に撮像した画像とに基づいて、特定部位40とその他の部位(非特定部位41)とを識別することが可能なX線画像(特定部位抽出画像23)を生成することができる。
また、本実施形態では、上記のように、X線位相画像撮影装置100は、X線源1と、X線源1から照射されたX線を受ける複数の格子と、X線源1から照射されたX線を検出する検出器2と、検出器2によって検出されたX線に基づいて被写体90の吸収像20を生成するとともに、複数の格子を通過した後に検出器2によって検出されたX線に基づいて被写体90の位相コントラスト画像21を生成する画像処理部3と、を備え、画像処理部3は、教師用吸収像30と教師用位相コントラスト画像31とを教師データとして学習した第1学習済みモデル51を用いて、吸収像20および位相コントラスト画像21の一方画像から他方画像を推定し推定画像22を生成するとともに、他方画像と推定画像22とに基づいて被写体90の特定部位40を抽出するように構成されている。
これにより、上記第1の局面によるX線画像の生成方法と同様に、X線吸収量の差異が小さい特定部位とその他の部位とであっても、特定部位とその他の部位とを識別することが可能なX線位相画像撮影装置を提供することができる。
また、上記実施形態では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
すなわち、本実施形態では、上記のように、第1学習モデル50を教師用吸収像30と教師用位相コントラスト画像31とを教師データとして学習することにより、第1学習済みモデル51を取得するステップを含む。これにより、教師用吸収像30と教師用位相コントラスト画像31とによって学習された第1学習済みモデル51を用いて吸収像20および位相コントラスト画像21の一方画像から他方画像を容易に推定することができる。
また、特定部位40を抽出するステップにおいて、他方画像と推定画像22とにおける、特定部位40のコントラストの差異に基づいて、特定部位40を抽出する。これにより、他方画像と推定画像22とに基づいて、容易に特定部位40を抽出することができる。その結果、特定部位40を抽出した特定部位抽出画像23を容易に生成することができる。
また、本実施形態では、上記のように、推定画像22を生成するステップにおいて、吸収像20から位相コントラスト画像21を推定することにより、推定画像22を生成し、特定部位40を抽出するステップにおいて、位相コントラスト画像21と推定画像22とに基づいて、特定部位40を抽出する。これにより、特定部位40および非特定部位41の識別が困難な吸収像20から、位相コントラスト画像21を推定することにより、特定部位40および非特定部位41が識別されていない推定画像22を生成することができる。その結果、特定部位40および非特定部位41が識別されていない推定画像22と特定部位40および非特定部位41が識別されている位相コントラスト画像21とに基づいて、特定部位40を抽出することにより、特定部位40および非特定部位41の識別が困難な吸収像20から特定部位40を抽出することができる。
また、本実施形態では、上記のように、吸収像20および位相コントラスト画像21のノイズを除去するステップをさらに含み、推定画像22を生成するステップにおいて、ノイズを除去した後の吸収像20に基づいて推定画像22を生成し、特定部位40を抽出するステップにおいて、ノイズを除去した後の位相コントラスト画像21と、ノイズを除去した後の吸収像20に基づいて生成された推定画像22とに基づいて特定部位40を抽出する。これにより、推定画像22を生成する際に、吸収像20および位相コントラスト画像21のノイズによって、特定部位40の抽出精度が低下することを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、吸収像20を取得するステップは、複数の格子を通過せずに検出されたX線に基づいて、吸収像20を生成する。ここで、格子を通過せずに到達したX線を用いて生成された吸収像20は、格子を通過した後に到達したX線を用いて検出された吸収像よりも、コントラストが鮮明となる。したがって、上記のように構成することにより、特定部位40および非特定部位41のコントラストが向上した吸収像20を生成することができる。そのため、吸収像から位相コントラスト画像21を推定した推定画像22を生成する際に、特定部位40および非特定部位41のコントラストが向上した推定画像22を生成することができる。その結果、特定部位40および非特定部位41のコントラストが向上した推定画像22を用いて特定部位40を抽出することが可能となるため、特定部位40の抽出精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、吸収像20は、被写体90と、X線を検出する検出器2のうちの複数の格子を通過せずに到達したX線を検出する領域である第1検出領域76との相対位置を変化させて取得された複数の第1X線画像24に基づいて生成され、位相コントラスト画像21は、被写体90と、検出器2のうちの複数の格子を通過して到達したX線を検出する領域である第2検出領域77との相対位置を変化させて取得された複数の第2X線画像26に基づいて生成される。これにより、複数の格子を配置した状態のままで、被写体90と第1検出領域76との相対位置を変化させて行う撮影と、被写体90と第2検出領域77との相対位置を変化させて行う撮影とを行うことにより、複数の格子を配置した状態のままで、複数の第1X線画像24および複数の第2X線画像26を取得することができる。その結果、操作者が複数の格子を配置した状態において複数の第2X線画像26を撮影した後、操作者が複数の格子を退避させることにより複数の第1X線画像24を撮影する構成と比較して、操作者の負担が増加することを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の第1X線画像24に基づいて第1断層画像25を取得するステップと、複数の第1X線画像24とは異なる相対位置において撮像された複数の第2X線画像26に基づいて第2断層画像28を取得するステップと、第1断層画像25および第2断層画像28に基づいて、吸収像20に写る被写体90の形状と、位相コントラスト画像21に写る被写体90の形状とのうち、いずれかの画像に写る被写体90の形状を、他方の画像に写る被写体90の形状に整合させる補正を行うステップと、をさらに含み、特定部位抽出画像23を生成するステップにおいて、被写体90の形状を整合させる補正を行った後の位相コントラスト画像21aと推定画像22とに基づいて特定部位40を抽出する。これにより、吸収像20と位相コントラスト画像21とにおいて被写体90の形状が異なることを抑制することができるので、推定画像22を生成する際に、精度よく推定画像22を生成することができる。
また、本実施形態では、上記のように、特定部位40が識別可能に表示された特定部位抽出画像23を生成するステップをさらに含む。これにより、特定部位40が識別可能に表示された特定部位抽出画像23を表示させることが可能となるので、操作者が特定部位抽出画像23を確認することにより、特定部位40と非特定部位41とを容易に識別することができる。
また、本実施形態では、上記のように、被写体90は、被験者の乳房であり、特定部位40は、乳がんである。これにより、乳がんと乳房とを識別することが可能な特定部位抽出画像23を生成することができる。その結果、乳がんの診断制度を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1学習モデル50を学習させるステップにおいて、教師データとして、検出部位42および検出部位42の周辺部分を含む範囲を撮像した、吸収像(教師用吸収像30)および/または位相コントラスト画像(教師用位相コントラスト画像31)を用いて、第1学習モデル50を学習させる。これにより、教師データとして用いる吸収像および位相コントラスト画像において、検出部位42および検出部位42の周辺部分を含む範囲が写るので、検出部位42と、検出部位42以外の部位との位置関係を含めて第1学習モデル50を学習させることができる。その結果、第1学習モデル50に学習させる情報を増加させることが可能となるので、第1学習済みモデル51によって吸収像から位相コントラスト画像を推定する際の推定精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1学習モデル50を学習させるステップにおいて、教師データとして、吸収像(教師用吸収像30)および位相コントラスト画像(教師用位相コントラスト画像31)とともに、被写体90の表面形状の情報60を用いて、第1学習モデル50を学習させる。ここで、位相コントラスト画像21は、被写体90によるX線の位相の差に基づいて画像化された画像である。そのため、位相コントラスト画像21では、被写体90の特定部位40および非特定部位41のみならず、被写体90の表面においてもX線の位相差が生じる。そこで、上記のように構成することにより、第1学習モデル50に対して、被写体90の表面形状の情報60に基づいて、位相コントラスト画像21に写る被写体90の表面形状を併せて学習させることができる。その結果、被写体90における特定部位40、非特定部位41、および、被写体90と背景との境界部分を学習させることが可能となるので、第1学習済みモデル51によって吸収像から位相コントラスト画像を推定する際の推定精度を向上させることができるとともに、第1学習済みモデル51によって生成される特定部位抽出画像23における特定部位40の検出精度を向上させることができる。
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、教師用データとして、検出部位42および検出部位42の周辺部分を含む範囲を撮像した、教師用吸収像30および教師用位相コントラスト画像31を用いて、第1学習モデル50を学習させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図12に示す第1変形例のように、教師データとして、教師用吸収像30の一部であり、かつ、少なくとも被写体90の検出部位42が写る第1領域80と、教師用位相コントラスト画像31の一部であり、かつ、第1領域80と同様に検出部位42が写る第2領域81とを用いて、第1学習モデル50を学習させてもよい。すなわち、上記実施形態における第1学習モデル50を学習させるステップ201dの代わりに、教師データとして、吸収像20の一部であり、かつ、少なくとも被写体90の検出部位42が写る第1領域80と、位相コントラスト画像21の一部であり、かつ、第1領域80と同様に検出部位42が写る第2領域81とを用いて、第1学習モデル50を学習させてもよい。
第1変形例では、上記のように、第1学習モデル50を学習させるステップにおいて、教師データとして、吸収像20(教師用吸収像30)の一部であり、かつ、少なくとも被写体90の検出部位42が写る第1領域80と、位相コントラスト画像(教師用位相コントラスト画像31)の一部であり、かつ、第1領域80と同様に検出部位42が写る第2領域81とを用いて、第1学習モデル50を学習させる。これにより、吸収像20(教師用吸収像30)の全体と、位相コントラスト画像(教師用位相コントラスト画像31)の全体とを用いて第1学習モデル50を学習させる場合と比較して、学習の際の処理負荷を低減することができる。
また、上記実施形態では、吸収像20と位相コントラスト画像21と被写体90の表面形状の情報60とを用いて、第1学習モデル50を学習させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2変形例では、吸収像20の代わりに、第1吸収像20a(図14参照)と、第2吸収像20b(図14参照)とを用いて、第1学習モデル50を学習させる。
図13に示すように、第2変形例による検出器2は、第1検出部2aと、第2検出部2bとを含む。第1検出部2aと第2検出部2bとは、X線の照射軸70方向(Z方向)に積層されている。第2吸収像20bは、第1検出部2aとはX線の吸収感度が異なる。第1検出部2aは、たとえば、CsI(ヨウ化セシウム)を含む。また、第2検出部2bは、たとえば、GOS(ガドリニウムオキサイドサルファ)を含む。
図14に示すように、第1吸収像20aは、検出器2の第1検出部2a(図13参照)に到達したX線に基づいて画像化された吸収像である。また、第2吸収像20bは、第1検出部2aとはX線の吸収感度が異なる第2検出部2b(図13参照)に到達したX線に基づいて画像化された吸収像である。
第1吸収像20aと、第2吸収像20bとは、X線の吸収感度が異なる検出部によって検出されたX線によって画像化されているため、第1吸収像20aでは、検出部位42および第2非特定部位43が写っているが、第2吸収像20bでは、検出部位42が写っておらず、第2非特定部位43が写っている。第2非特定部位43は、たとえば、乳腺が石灰化した部位である。乳腺の石灰化は、乳腺にカルシウムが沈着することにより生じる。また、乳腺の石灰化は、乳がんの初期においても生じる。本願発明者らが鋭意検討を行った結果、第1学習モデル50の学習方法では、石灰化した部分を除去した吸収像を用いて学習させることが好ましいという知見を得た。
そこで、第2変形例では、図15に示すように、第1吸収像20aと、第2吸収像20bとに基づいて、第1吸収像20aから第2非特定部位43を除去した第3吸収像20cを生成する。画像処理部3は、たとえば、第1吸収像20aを第2吸収像20bで除算することにより、第3吸収像20cを生成する。第2変形例では、第2非特定部位43を除去した第3吸収像20cを用いて、第1学習モデル50を学習させる。
具体的には、図16に示すように、教師用吸収像30a(第1吸収像20a)を、第2吸収像20bで補正することにより、補正後の教師用吸収像30b(第3吸収像20c)を生成する。そして、補正後の教師用吸収像30bと、教師用位相コントラスト画像31と、被写体90の表面形状の情報60とを用いて、第1学習モデル50を学習させる。教師用吸収像30の代わりに、補正後の教師用吸収像30bを用いること以外は、上記実施形態による第1学習モデル50の学習方法と同様であるため、詳細な説明は省略する。なお、第2変形例のその他の構成は、上記実施形態の構成と同様である。
第2変形例では、上記のように、第1学習モデル50を学習させるステップにおいて、教師データとしての吸収像20として、検出器2の第1検出部2aに到達したX線に基づいて画像化された第1吸収像20aと、第1検出部2aとはX線の吸収感度が異なる第2検出部2bに到達したX線に基づいて画像化された第2吸収像20bとを用いて、第1学習モデル50を学習させる。これにより、被写体90において、X線の吸収感度が異なる部位が写る第1吸収と第2吸収像とを用いることによって、特定部位40と似た性質を持つ部位(第2非特定部位43)を削除した吸収像を生成することができる。したがって、第1学習モデル50に学習させる際に、特定部位40と似た性質を持つ部位(第2非特定部位43)を削除した吸収像を用いて学習させることが可能となるので、第1学習済みモデル51によって生成した推定画像22において、特定部位40と似た性質を持つ部位も画像化されなくなる。その結果、第1学習済みモデル51によって特定部位抽出画像23を生成することにより、特定部位40とともに、特定部位40と似た性質を持つ部分も他の部位(非特定部位41)と識別可能な特定部位抽出画像23を生成することができる。なお、第2変形例のその他の効果は、上記実施形態の効果と同様である。
また、画像処理部3が位相コントラスト画像21を推定画像22によって除算することにより特定部位抽出画像23を生成する上記実施形態とは異なり、第3変形例では、図17に示すように、第2学習済みモデル53を用いて、位相コントラスト画像21と推定画像22とから、特定部位抽出画像23を生成するように構成されている。なお、第2学習済みモデル53は、上記実施形態において画像処理部3が行っていた推定画像22と位相コントラスト画像21とから、特定部位抽出画像23を生成することを学習させたモデルである。したがって、第2学習済みモデル53に対して推定画像22と位相コントラスト画像21とを入力することにより、特定部位抽出画像23が生成される。
図17に示すように、第3変形例による画像処理方法は、X線画像の生成方法102と、第2学習モデル52の学習方法202とを含む。
X線画像の生成方法102は、第2学習済みモデル53を用いて特定部位抽出画像23を生成する構成以外は、上記実施形態によるX線画像の生成方法101と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、図17に示すように、第3変形例では、第2学習モデル52の学習方法202は、第2学習モデル52を学習させることにより、第2学習済みモデル53を生成する。
図18に示すように、第3変形例による第2学習モデル52の学習方法202では、推定画像32を生成するステップ202aと、教師用位相コントラスト画像31を取得するステップ202bと、病理検査結果61を取得するステップ202cと、第2学習モデル52を学習させるステップ202dとを含む。
ステップ202aでは、学習済みの第1学習モデル50を用いて吸収像20から位相コントラスト画像21を推定することにより推定画像32を生成する。
ステップ202bでは、教師データとして、第2教師用位相コントラスト画像33を取得する。第2教師用位相コントラスト画像33は、上記実施形態による教師用位相コントラスト画像31とは異なり、被写体90に特定部位40が含まれる場合がある。
ステップ202cでは、教師データとして、病理検査結果61を取得する。病理検査結果61は、たとえば「特定部位あり/なし」といった2値情報でもよいし、検出した特定部位40が写る座標情報でもよいし、検出した特定部位40を識別可能に示す画像であってもよい。
ステップ202dでは、教師データとして、推定画像32と第2教師用位相コントラスト画像33とともに、病理検査結果61を用いて、被写体90の特定部位40を抽出することにより特定部位40が識別可能に表示された特定部位抽出画像34を生成するように第2学習モデル52を学習させる。具体的には、推定画像32と第2教師用位相コントラスト画像33とが入力データであり、特定部位抽出画像34が出力データである。なお、特定部位抽出画像34は、上記実施形態における画像処理部3によって、推定画像22と位相コントラスト画像21とを第1学習済みモデル51に入力することにより、生成された画像である。また、病理検査結果61は、ラベルとして特定部位40の検出結果が正しいかどうかの判定の際のラベルとして用いられる。これにより、第1学習モデル50の学習制度を向上させることができる。
第3変形例による第2学習モデル52の学習方法202では、上記ステップ202a〜ステップ202dを繰り返し行うことにより、第2学習済みモデル53を生成する。なお、第3変形例によるその他の構成は、上記実施形態による構成と同様である。
第3変形例では、上記のように、学習済みの第1学習モデル50を用いて吸収像20から位相コントラスト画像21を推定することにより推定画像22を生成するステップと、教師データとして、推定画像32と第2教師用位相コントラスト画像33とともに、病理検査結果61を用いて、被写体90の特定部位40を抽出するステップと、をさらに備える。これにより、推定画像32と、第2教師用位相コントラスト画像33と、病理検査結果61とを用いて、被写体90の特定部位40を推定することが可能となるので、第2学習モデル52によって特定部位40を検出する際の検出精度を向上させることができる。また、第2学習モデル52の特定部位40を検出する際の検出精度を向上させることが可能となるので、第2学習済みモデル53によって生成された特定部位抽出画像23において、特定部位40をより容易に識別することができる。
また、上記実施形態では、画像処理部3が、特定部位抽出画像23を生成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、画像処理部3は、特定部位40を抽出すれば、特定部位抽出画像23を生成しなくてもよい。
また、上記実施形態では、吸収像20から推定画像22を生成することを第1学習モデル50に学習させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、位相コントラスト画像21とから推定画像22を生成することを第1学習モデル50に学習させてもよい。
また、上記実施形態では、吸収像20および位相コントラスト画像21を用いて、第1学習モデル50を学習させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、吸収像20または位相コントラスト画像21を用いて、第1学習モデル50を学習させてもよい。
また、上記実施形態では、相対位置移動部6が、被写体90を移動させることにより、被写体90に対する第1検出領域76および第2検出領域77の相対位置を変更させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、相対位置移動部6は、X線源1と、複数の格子と、検出器2とを含む撮像系を、を移動させることにより、被写体90に対する第1検出領域76および第2検出領域77の相対位置を変更してもよい。
また、上記実施形態では、被写体90として被験者の乳房が写る画像を用いる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、被写体90として、被験者の乳房から生検などによって採取された組織(切片)が写る画像を用いてもよい。
また、上記実施形態では、複数の格子が、第1格子群および第2格子群の両方を含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、複数の格子は、第1格子群および第2格子群のいずれか一方のみを含む構成であってもよい。
また、上記実施形態では、線源格子9および線源格子12を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、X線画像撮影装置100は、線源格子9および線源格子12を備えない構成としてもよい。その場合、線源格子9および線源格子12によるX線の微小焦点化ができないため、X線源1は、可干渉性の高いX線を照射することが可能な構成であることが好ましい。
また、上記実施形態では、第1格子7および第3格子10として、X線を回折する格子を用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1格子7および第3格子10として、X線を遮蔽する格子を用いてもよい。
また、上記実施形態では、位相コントラスト画像21を生成する際に、タルボ光効果を利用して生じる自己像と吸収格子とを干渉させる手法を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、微細な画素を有する検出器を用いて自己像を直接検知する手法を用いてもよいし、格子状のシンチレータを有する検出器を用いて自己像と干渉させる手法を用いてもよい。また、縞模様の放射線ビームと縞模様の吸収格子同士の干渉を利用するエッジイルミネーションによって、位相コントラスト画像を生成してもよい。
また、上記実施形態では、第1学習モデル50を学習させる際に、被写体90の表面形状の情報60を用いる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1学習モデル50を学習させる際に、被写体90の表面形状の情報60を用いなくてもよい。
また、上記実施形態では、画像処理部3が、複数の第2X線画像26として、4枚の画像を取得する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、画像処理部3は、8枚の第2X線画像26を取得するように構成されていてもよい。画像処理部3が取得する複数の第2X線画像26の枚数は、4枚以上であれば、どのような枚数であってもよい。
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(項目1)
X線源から照射されたX線を受ける複数の格子を通過したX線に基づくX線画像の生成方法であって、
検出されたX線に基づいて生成された吸収像を取得するステップと、
前記複数の格子を通過した後に検出されたX線に基づいて生成された位相コントラスト画像を取得するステップと、
学習済みモデルを用いて、前記吸収像および前記位相コントラスト画像のうちの一方画像から他方画像を推定することにより推定画像を生成するステップと、
前記他方画像と前記推定画像とに基づいて被写体の特定部位を抽出するステップと、を備える、X線画像の生成方法。
X線源から照射されたX線を受ける複数の格子を通過したX線に基づくX線画像の生成方法であって、
検出されたX線に基づいて生成された吸収像を取得するステップと、
前記複数の格子を通過した後に検出されたX線に基づいて生成された位相コントラスト画像を取得するステップと、
学習済みモデルを用いて、前記吸収像および前記位相コントラスト画像のうちの一方画像から他方画像を推定することにより推定画像を生成するステップと、
前記他方画像と前記推定画像とに基づいて被写体の特定部位を抽出するステップと、を備える、X線画像の生成方法。
(項目2)
学習モデルを教師用吸収像と教師用位相コントラスト画像とを教師データとして学習することにより、前記学習済みモデルを取得するステップを含む、項目1に記載のX線画像の生成方法。
学習モデルを教師用吸収像と教師用位相コントラスト画像とを教師データとして学習することにより、前記学習済みモデルを取得するステップを含む、項目1に記載のX線画像の生成方法。
(項目3)
前記特定部位を抽出するステップにおいて、前記他方画像と前記推定画像とにおける、前記特定部位のコントラストの差異に基づいて、前記特定部位を抽出する、項目1または2に記載のX線画像の生成方法。
前記特定部位を抽出するステップにおいて、前記他方画像と前記推定画像とにおける、前記特定部位のコントラストの差異に基づいて、前記特定部位を抽出する、項目1または2に記載のX線画像の生成方法。
(項目4)
前記推定画像を生成するステップにおいて、前記吸収像から前記位相コントラスト画像を推定することにより、前記推定画像を生成し、
前記特定部位を抽出するステップにおいて、前記位相コントラスト画像と前記推定画像とに基づいて、前記特定部位抽出画像を生成する、項目1〜3のいずれか1項に記載のX線画像の生成方法。
前記推定画像を生成するステップにおいて、前記吸収像から前記位相コントラスト画像を推定することにより、前記推定画像を生成し、
前記特定部位を抽出するステップにおいて、前記位相コントラスト画像と前記推定画像とに基づいて、前記特定部位抽出画像を生成する、項目1〜3のいずれか1項に記載のX線画像の生成方法。
(項目5)
前記吸収像および前記位相コントラスト画像のノイズを除去するステップをさらに含み、
前記推定画像を生成するステップにおいて、ノイズを除去した後の前記吸収像に基づいて前記推定画像を生成し、
前記特定部位を抽出するステップにおいて、ノイズを除去した後の前記位相コントラスト画像と、ノイズを除去した後の前記吸収像に基づいて生成された前記推定画像とに基づいて前記特定部位を抽出する、項目4に記載のX線画像の生成方法。
前記吸収像および前記位相コントラスト画像のノイズを除去するステップをさらに含み、
前記推定画像を生成するステップにおいて、ノイズを除去した後の前記吸収像に基づいて前記推定画像を生成し、
前記特定部位を抽出するステップにおいて、ノイズを除去した後の前記位相コントラスト画像と、ノイズを除去した後の前記吸収像に基づいて生成された前記推定画像とに基づいて前記特定部位を抽出する、項目4に記載のX線画像の生成方法。
(項目6)
前記吸収像を取得するステップは、前記複数の格子を通過せずに検出されたX線に基づいて、前記吸収像を生成する、項目1〜4のいずれか1項に記載のX線画像の生成方法。
前記吸収像を取得するステップは、前記複数の格子を通過せずに検出されたX線に基づいて、前記吸収像を生成する、項目1〜4のいずれか1項に記載のX線画像の生成方法。
(項目7)
前記吸収像は、前記被写体と、X線を検出する検出器のうちの前記複数の格子を通過せずに到達したX線を検出する領域である第1検出領域との相対位置を変化させて取得された複数の第1X線画像に基づいて生成され、
前記位相コントラスト画像は、前記被写体と、前記検出器のうちの前記複数の格子を通過して到達したX線を検出する領域である第2検出領域との相対位置を変化させて取得された複数の第2X線画像に基づいて生成される、項目1〜6のいずれか1項に記載のX線画像の生成方法。
前記吸収像は、前記被写体と、X線を検出する検出器のうちの前記複数の格子を通過せずに到達したX線を検出する領域である第1検出領域との相対位置を変化させて取得された複数の第1X線画像に基づいて生成され、
前記位相コントラスト画像は、前記被写体と、前記検出器のうちの前記複数の格子を通過して到達したX線を検出する領域である第2検出領域との相対位置を変化させて取得された複数の第2X線画像に基づいて生成される、項目1〜6のいずれか1項に記載のX線画像の生成方法。
(項目8)
前記複数の第1X線画像に基づいて第1断層画像を取得するステップと、
前記複数の第1X線画像とは異なる相対位置において撮像された前記複数の第2X線画像に基づいて第2断層画像を取得するステップと、
前記第1断層画像および前記第2断層画像に基づいて、前記吸収像に写る被写体の形状と、前記位相コントラスト画像に写る被写体の形状とのうち、いずれかの画像に写る被写体の形状を、他方の画像に写る被写体の形状に整合させる補正を行うステップと、をさらに含み、
前記特定部位を抽出するステップにおいて、被写体の形状を整合させる補正を行った後の前記位相コントラスト画像と前記推定画像とに基づいて前記特定部位を抽出する、項目7に記載のX線画像の生成方法。
前記複数の第1X線画像に基づいて第1断層画像を取得するステップと、
前記複数の第1X線画像とは異なる相対位置において撮像された前記複数の第2X線画像に基づいて第2断層画像を取得するステップと、
前記第1断層画像および前記第2断層画像に基づいて、前記吸収像に写る被写体の形状と、前記位相コントラスト画像に写る被写体の形状とのうち、いずれかの画像に写る被写体の形状を、他方の画像に写る被写体の形状に整合させる補正を行うステップと、をさらに含み、
前記特定部位を抽出するステップにおいて、被写体の形状を整合させる補正を行った後の前記位相コントラスト画像と前記推定画像とに基づいて前記特定部位を抽出する、項目7に記載のX線画像の生成方法。
(項目9)
前記特定部位が識別可能に表示された特定部位抽出画像を生成するステップをさらに含む、項目1〜8のいずれか1項に記載のX線画像の生成方法。
前記特定部位が識別可能に表示された特定部位抽出画像を生成するステップをさらに含む、項目1〜8のいずれか1項に記載のX線画像の生成方法。
(項目10)
前記被写体は、被験者の乳房であり、
前記特定部位は、乳がんである、項目1〜9のいずれか1項に記載のX線画像の生成方法。
前記被写体は、被験者の乳房であり、
前記特定部位は、乳がんである、項目1〜9のいずれか1項に記載のX線画像の生成方法。
(項目11)
X線源から照射されたX線を受ける複数の格子を通過したX線に基づいて生成されたX線画像を用いた学習モデルの学習方法であって、
X線を検出する検出器に到達したX線に基づいて生成された被写体の吸収像を取得するステップと、
前記複数の格子を通過した後に前記検出器に到達したX線に基づいて生成された前記被写体の位相コントラスト画像を取得するステップと、
前記吸収像と前記位相コントラスト画像とを教師データとして、前記吸収像から推定することにより位相コントラスト推定画像を生成するか、または、前記位相コントラスト画像から推定することにより吸収推定像を生成するように学習モデルを学習させるステップと、を含む、学習モデルの学習方法。
X線源から照射されたX線を受ける複数の格子を通過したX線に基づいて生成されたX線画像を用いた学習モデルの学習方法であって、
X線を検出する検出器に到達したX線に基づいて生成された被写体の吸収像を取得するステップと、
前記複数の格子を通過した後に前記検出器に到達したX線に基づいて生成された前記被写体の位相コントラスト画像を取得するステップと、
前記吸収像と前記位相コントラスト画像とを教師データとして、前記吸収像から推定することにより位相コントラスト推定画像を生成するか、または、前記位相コントラスト画像から推定することにより吸収推定像を生成するように学習モデルを学習させるステップと、を含む、学習モデルの学習方法。
(項目12)
前記学習モデルを学習させるステップにおいて、前記教師データとして、前記吸収像の一部であり、かつ、少なくとも被写体の検出部位が写る第1領域と、前記位相コントラスト画像の一部であり、かつ、前記第1領域と同様に前記検出部位が写る第2領域とを用いて、前記学習モデルを学習させる、項目11に記載の学習モデルの学習方法。
前記学習モデルを学習させるステップにおいて、前記教師データとして、前記吸収像の一部であり、かつ、少なくとも被写体の検出部位が写る第1領域と、前記位相コントラスト画像の一部であり、かつ、前記第1領域と同様に前記検出部位が写る第2領域とを用いて、前記学習モデルを学習させる、項目11に記載の学習モデルの学習方法。
(項目13)
前記学習モデルを学習させるステップにおいて、前記教師データとして、前記特定部位および/または前記特定部位の周辺部分を含む範囲を撮像した、前記吸収像および前記位相コントラスト画像を用いて、前記学習モデルを学習させる、項目12に記載の学習モデルの学習方法。
前記学習モデルを学習させるステップにおいて、前記教師データとして、前記特定部位および/または前記特定部位の周辺部分を含む範囲を撮像した、前記吸収像および前記位相コントラスト画像を用いて、前記学習モデルを学習させる、項目12に記載の学習モデルの学習方法。
(項目14)
前記学習モデルを学習させるステップにおいて、前記教師データとしての前記吸収像として、前記検出器の第1検出領域に到達したX線に基づいて画像化された第1吸収像と、前記第1検出領域とはX線の吸収感度が異なる第2検出領域に到達したX線に基づいて画像化された第2吸収像とを用いて、前記学習モデルを学習させる、項目11〜13のいずれか1項に記載の学習モデルの学習方法。
前記学習モデルを学習させるステップにおいて、前記教師データとしての前記吸収像として、前記検出器の第1検出領域に到達したX線に基づいて画像化された第1吸収像と、前記第1検出領域とはX線の吸収感度が異なる第2検出領域に到達したX線に基づいて画像化された第2吸収像とを用いて、前記学習モデルを学習させる、項目11〜13のいずれか1項に記載の学習モデルの学習方法。
(項目15)
前記学習モデルを学習させるステップにおいて、前記教師データとして、前記吸収像および前記位相コントラスト画像とともに、被写体の表面形状の情報を用いて、前記学習モデルを学習させる、項目11〜14のいずれか1項に記載の学習モデルの学習方法。
前記学習モデルを学習させるステップにおいて、前記教師データとして、前記吸収像および前記位相コントラスト画像とともに、被写体の表面形状の情報を用いて、前記学習モデルを学習させる、項目11〜14のいずれか1項に記載の学習モデルの学習方法。
(項目16)
学習済みの前記学習モデルを用いて前記吸収像から前記位相コントラスト画像を推定することにより推定画像を生成するステップと、
教師データとして、前記推定画像と前記位相コントラスト画像とともに、病理検査結果を用いて、被写体の特定部位を抽出するように第2学習モデルを学習させるステップと、をさらに備える、項目11〜15のいずれか1項に記載の学習モデルの学習方法。
学習済みの前記学習モデルを用いて前記吸収像から前記位相コントラスト画像を推定することにより推定画像を生成するステップと、
教師データとして、前記推定画像と前記位相コントラスト画像とともに、病理検査結果を用いて、被写体の特定部位を抽出するように第2学習モデルを学習させるステップと、をさらに備える、項目11〜15のいずれか1項に記載の学習モデルの学習方法。
(項目17)
X線源と、
前記X線源から照射されたX線を受ける複数の格子と、
前記X線源から照射されたX線を検出する検出器と、
前記検出器によって検出されたX線に基づいて被写体の吸収像を生成するとともに、前記複数の格子を通過した後に前記検出器によって検出されたX線に基づいて前記被写体の位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、を備え、
前記画像処理部は、教師用吸収像と教師用位相コントラスト画像とを教師データとして学習した学習済みモデルを用いて、前記吸収像および前記位相コントラスト画像の一方画像から他方画像を推定し推定画像を生成するとともに、前記他方画像と前記推定画像とに基づいて前記被写体の特定部位を抽出するように構成されている、X線位相画像撮影装置。
X線源と、
前記X線源から照射されたX線を受ける複数の格子と、
前記X線源から照射されたX線を検出する検出器と、
前記検出器によって検出されたX線に基づいて被写体の吸収像を生成するとともに、前記複数の格子を通過した後に前記検出器によって検出されたX線に基づいて前記被写体の位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、を備え、
前記画像処理部は、教師用吸収像と教師用位相コントラスト画像とを教師データとして学習した学習済みモデルを用いて、前記吸収像および前記位相コントラスト画像の一方画像から他方画像を推定し推定画像を生成するとともに、前記他方画像と前記推定画像とに基づいて前記被写体の特定部位を抽出するように構成されている、X線位相画像撮影装置。
1 X線源
2 検出器
2a 第1検出部
2b 第2検出部
3 画像処理部
4 画像処理部
20 吸収像
21 位相コントラスト画像
22 第1吸収像
23 特定部位抽出画像
24、24a、24b、24c、24d 第1X線吸収像
25 第1断層画像
26、26a、26b、26c、26d 第2X線吸収像
27 第2断層画像
30 教師用吸収像(教師用データとしての吸収像)
31 教師用位相コントラスト画像(教師用データとしての位相コントラスト画像)
32 推定画像
40 特定部位
42 検出部位
50 第1学習モデル
51 第1学習済みモデル
52 第2学習モデル
53 第2学習済みモデル
60 被写体の表面形状の情報
61 病理検査結果
76 第1検出領域
77 第2検出領域
80 第1領域
81 第2領域
90 被写体
100 X線画像撮影装置
2 検出器
2a 第1検出部
2b 第2検出部
3 画像処理部
4 画像処理部
20 吸収像
21 位相コントラスト画像
22 第1吸収像
23 特定部位抽出画像
24、24a、24b、24c、24d 第1X線吸収像
25 第1断層画像
26、26a、26b、26c、26d 第2X線吸収像
27 第2断層画像
30 教師用吸収像(教師用データとしての吸収像)
31 教師用位相コントラスト画像(教師用データとしての位相コントラスト画像)
32 推定画像
40 特定部位
42 検出部位
50 第1学習モデル
51 第1学習済みモデル
52 第2学習モデル
53 第2学習済みモデル
60 被写体の表面形状の情報
61 病理検査結果
76 第1検出領域
77 第2検出領域
80 第1領域
81 第2領域
90 被写体
100 X線画像撮影装置
Claims (17)
- X線源から照射されたX線を受ける複数の格子を通過したX線に基づくX線画像の生成方法であって、
検出されたX線に基づいて生成された吸収像を取得するステップと、
前記複数の格子を通過した後に検出されたX線に基づいて生成された位相コントラスト画像を取得するステップと、
学習済みモデルを用いて、前記吸収像および前記位相コントラスト画像のうちの一方画像から他方画像を推定することにより推定画像を生成するステップと、
前記他方画像と前記推定画像とに基づいて被写体の特定部位を抽出するステップと、を備える、X線画像の生成方法。 - 学習モデルを教師用吸収像と教師用位相コントラスト画像とを教師データとして学習することにより、前記学習済みモデルを取得するステップを含む、請求項1に記載のX線画像の生成方法。
- 前記特定部位を抽出するステップにおいて、前記他方画像と前記推定画像とにおける、前記特定部位のコントラストの差異に基づいて、前記特定部位を抽出する、請求項1または2に記載のX線画像の生成方法。
- 前記推定画像を生成するステップにおいて、前記吸収像から前記位相コントラスト画像を推定することにより、前記推定画像を生成し、
前記特定部位を抽出するステップにおいて、前記位相コントラスト画像と前記推定画像とに基づいて、前記特定部位を抽出する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のX線画像の生成方法。 - 前記吸収像および前記位相コントラスト画像のノイズを除去するステップをさらに含み、
前記推定画像を生成するステップにおいて、ノイズを除去した後の前記吸収像に基づいて前記推定画像を生成し、
前記特定部位を抽出するステップにおいて、ノイズを除去した後の前記位相コントラスト画像と、ノイズを除去した後の前記吸収像に基づいて生成された前記推定画像とに基づいて前記特定部位を抽出する、請求項4に記載のX線画像の生成方法。 - 前記吸収像を取得するステップは、前記複数の格子を通過せずに検出されたX線に基づいて、前記吸収像を生成する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のX線画像の生成方法。
- 前記吸収像は、前記被写体と、X線を検出する検出器のうちの前記複数の格子を通過せずに到達したX線を検出する領域である第1検出領域との相対位置を変化させて取得された複数の第1X線画像に基づいて生成され、
前記位相コントラスト画像は、前記被写体と、前記検出器のうちの前記複数の格子を通過して到達したX線を検出する領域である第2検出領域との相対位置を変化させて取得された複数の第2X線画像に基づいて生成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のX線画像の生成方法。 - 前記複数の第1X線画像に基づいて第1断層画像を取得するステップと、
前記複数の第1X線画像とは異なる相対位置において撮像された前記複数の第2X線画像に基づいて第2断層画像を取得するステップと、
前記第1断層画像および前記第2断層画像に基づいて、前記吸収像に写る被写体の形状と、前記位相コントラスト画像に写る被写体の形状とのうち、いずれかの画像に写る被写体の形状を、他方の画像に写る被写体の形状に整合させる補正を行うステップと、をさらに含み、
前記特定部位を抽出するステップにおいて、被写体の形状を整合させる補正を行った後の前記位相コントラスト画像と前記推定画像とに基づいて前記特定部位を抽出する、請求項7に記載のX線画像の生成方法。 - 前記特定部位が識別可能に表示された特定部位抽出画像を生成するステップをさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のX線画像の生成方法。
- 前記被写体は、被験者の乳房であり、
前記特定部位は、乳がんである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のX線画像の生成方法。 - X線源から照射されたX線を受ける複数の格子を通過したX線に基づいて生成されたX線画像を用いた学習モデルの学習方法であって、
X線を検出する検出器に到達したX線に基づいて生成された被写体の吸収像を取得するステップと、
前記複数の格子を通過した後に前記検出器に到達したX線に基づいて生成された前記被写体の位相コントラスト画像を取得するステップと、
前記吸収像と前記位相コントラスト画像とを教師データとして、前記吸収像から推定することにより位相コントラスト推定画像を生成するか、または、前記位相コントラスト画像から推定することにより吸収推定像を生成するように第1学習モデルを学習させるステップと、を含む、学習モデルの学習方法。 - 前記第1学習モデルを学習させるステップにおいて、前記教師データとして、前記吸収像の一部であり、かつ、少なくとも被写体の検出部位が写る第1領域と、前記位相コントラスト画像の一部であり、かつ、前記第1領域と同様に前記検出部位が写る第2領域とを用いて、前記第1学習モデルを学習させる、請求項11に記載の学習モデルの学習方法。
- 前記第1学習モデルを学習させるステップにおいて、前記教師データとして、前記検出部位および前記検出部位の周辺部分を含む範囲を撮像した、前記吸収像および/または前記位相コントラスト画像を用いて、前記第1学習モデルを学習させる、請求項12に記載の学習モデルの学習方法。
- 前記第1学習モデルを学習させるステップにおいて、前記教師データとしての前記吸収像として、前記検出器の第1検出領域に到達したX線に基づいて画像化された第1吸収像と、前記第1検出領域とはX線の吸収感度が異なる第2検出領域に到達したX線に基づいて画像化された第2吸収像とを用いて、前記第1学習モデルを学習させる、請求項11〜13のいずれか1項に記載の学習モデルの学習方法。
- 前記第1学習モデルを学習させるステップにおいて、前記教師データとして、前記吸収像および前記位相コントラスト画像とともに、被写体の表面形状の情報を用いて、前記第1学習モデルを学習させる、請求項11〜14のいずれか1項に記載の学習モデルの学習方法。
- 学習済みの前記第1学習モデルを用いて前記吸収像から前記位相コントラスト画像を推定することにより推定画像を生成するステップと、
教師データとして、前記推定画像と前記位相コントラスト画像とともに、病理検査結果を用いて、被写体の特定部位を抽出するように第2学習モデルを学習させるステップと、をさらに備える、請求項11〜15のいずれか1項に記載の学習モデルの学習方法。 - X線源と、
前記X線源から照射されたX線を受ける複数の格子と、
前記X線源から照射されたX線を検出する検出器と、
前記検出器によって検出されたX線に基づいて被写体の吸収像を生成するとともに、前記複数の格子を通過した後に前記検出器によって検出されたX線に基づいて前記被写体の位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、を備え、
前記画像処理部は、教師用吸収像と教師用位相コントラスト画像とを教師データとして学習した学習済みモデルを用いて、前記吸収像および前記位相コントラスト画像の一方画像から他方画像を推定し推定画像を生成するとともに、前記他方画像と前記推定画像とに基づいて前記被写体の特定部位を抽出するように構成されている、X線位相画像撮影装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020105222A JP2021194450A (ja) | 2020-06-18 | 2020-06-18 | X線画像の生成方法、学習モデルの学習方法、および、x線位相画像撮影装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020105222A JP2021194450A (ja) | 2020-06-18 | 2020-06-18 | X線画像の生成方法、学習モデルの学習方法、および、x線位相画像撮影装置 |
Publications (1)
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---|---|
JP2021194450A true JP2021194450A (ja) | 2021-12-27 |
Family
ID=79196644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020105222A Pending JP2021194450A (ja) | 2020-06-18 | 2020-06-18 | X線画像の生成方法、学習モデルの学習方法、および、x線位相画像撮影装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2021194450A (ja) |
-
2020
- 2020-06-18 JP JP2020105222A patent/JP2021194450A/ja active Pending
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