JP2021194289A - 視野検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】視野の中心付近に暗点があるユーザーであっても視野検査を行うことのできる視野検査装置を提供する。【解決手段】視野検査装置1は、ディスプレイ13と、ユーザーの視線を検出して視線の方向に関する視線情報を出力する視線検出部31と、視標の位置情報と視線情報とに基づき、ユーザーが視標を視認しているか否かを判定する視認判定部40と、視標として、注視用視標と測定用視標をセットとして順次ディスプレイ13上に表示する視標表示部33と、視標表示部33により注視用視標及び測定用視標を順次表示しながら視認判定部40により測定用視標の視認判定を行うことで視野検査を行う視野検査部50と、を備え、ディスプレイ13は、右眼用ディスプレイ13aと左眼用ディスプレイ13bとを有し、視野検査部50は、注視用視標を逆側の眼用のディスプレイ13に表示する中心暗点保持者用検査モードを備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、視野検査装置に関する。
視野を検査するための視野検査装置が従来から提供されており、例えば、下記特許文献1に開示されている。下記特許文献1に開示された視野検査装置では、ユーザーが視標を眼で視て認識しているか否かを、ボタン等の入力装置により入力させている。
しかし、ユーザーによっては、入力装置の操作に慣れていなかったり、緊張等によって上手く入力装置を操作できなかったりして、入力に失敗する場合があり、視野検査を正確に行えない場合があった。
これに対して、下記特許文献2には、視線検出装置によりユーザーが視ている方向である視線を自動的に検出し、ユーザーが視標を視認しているかどうかを自動的に判定する視野検査装置が開示されている。
ここで、一般的な視野検査では、視線を中心に戻して注視(固視)させるための注視用視標と、視野を測定する測定用視標との2つの視標が交互に使用される。したがって、視野の中心付近に暗点があるユーザーの場合には、注視用視標を視認することができず、視野検査を行うことができないケースが発生してしまう。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、視野の中心付近に暗点があるユーザーであっても視野検査を行うことのできる視野検査装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る視野検査装置は、ユーザーの視野範囲を検査する視野検査装置において、視標を表示するためのディスプレイと、前記ユーザーの視線を検出して前記視線の方向に関する視線情報を出力する視線検出部と、前記視標の位置情報と前記視線情報とに基づき、前記ユーザーが前記視標を視認しているか否かを判定する視認判定部と、前記視標として、注視用視標と測定用視標をセットとして順次前記ディスプレイ上に表示する視標表示部と、前記視標表示部により前記注視用視標及び前記測定用視標を順次表示しながら前記視標視認判定部により前記測定用視標の視認判定を行うことで視野検査を行う視野検査部と、を備え、前記ディスプレイは、右眼用ディスプレイと左眼用ディスプレイとを有し、前記視野検査部は、前記注視用視標を検査対象の眼と逆側の前記右眼用ディスプレイ又は左眼用ディスプレイに表示するよう前記視標表示部を制御する、中心暗点保持者用検査モードを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、視野検査部が中心暗点保持者用モードを備えており、視野の中心付近に暗点があるユーザーであっても適切に視野検査を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態である視野検査装置1について詳細に説明する。本実施形態では、視野検査装置1は、表示装置に表示されるターゲットである視標をユーザーが目で視て認識しているか、すなわち視認しているか否かを、ユーザーの眼が視ている方向である視線を自動的に検出して判定しながら視野検査を行う。
視野検査装置1は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)10と、制御装置30と、HMD10と制御装置30とを接続する通信用のケーブル70とを備えている。
HMD10は、被験者であるユーザーの頭に装着するためのベルトを含む筐体11と、ディスプレイ13と、凸レンズ14と、カメラ15と、ホットミラー16と、近赤外線の発光部18とを備えており、後述する視線検出部31と協働して、HMD10を装着するユーザーの眼が視ている方向である視線を自動的に検出する視線検出機能を備えている。
ディスプレイ13は、液晶ディスプレイであり、ユーザーの右眼用ディスプレイ13a、左眼用ディスプレイ13bが、それぞれ左右の眼の前に対向して設置されている。ディスプレイ13とユーザーの眼との間には、左右それぞれに右眼用凸レンズ14a、左眼用凸レンズ14bが設置されている。ディスプレイ13に表示される画像は、凸レンズ14を介して、ユーザーの眼に映る。
カメラ15は、ユーザーの眼を撮像する近赤外線カメラであり、非可視光である近赤外線に基づいて、ユーザーの左右の眼を撮影する。カメラ15も右眼用カメラ15aと左眼用カメラ15bが設置されている。
ディスプレイ13と凸レンズ14との間には、近赤外線を反射し、可視光を透過させる多層膜が施されたホットミラー16a,16bが左右それぞれに設置されている。ディスプレイ13から照射される映像の可視光はホットミラー16を透過し、発光部18から照射される近赤外線の非可視光はホットミラー16で反射される。
発光部18は、ユーザーの眼を撮影するための照明として近赤外線を照射するLED(IR−LED)である。発光部18a,18bは、凸レンズ14の周囲にユーザーの左右の眼に対向して、左右にそれぞれ設置されている。
カメラ15は、ホットミラー16に対して、ディスプレイ13と反対側の眼側に設置されている。発光部18から直接ユーザーの眼に照射される近赤外線は、ユーザーの眼で反射してから凸レンズ14を介してホットミラー16で反射され、カメラ15へと到達して撮像される。
制御装置30は、各種演算を行うためのCPU(Central Processing Unit)等の演算装置60と、各種情報を記憶するためのHDD(Hard Disc Drive)や演算処理のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)等の記憶装置65とを備えている。
記憶装置65は、後述する視線検出部31が検出する視線情報を記録する視線ログ記憶部66と、ディスプレイ13に表示する視標情報を記録する視標記憶部67とを備えている。
また、制御装置30は、機能的に、視線検出部31と、視標表示部33と、視認判定部40と、視野検査部50とを備えており、これらの機能は、演算装置60が記憶装置65に記憶されている所定のプログラムを実行することで実現される。
視線検出部31は、カメラ15の出力であるユーザーの眼の撮影画像に基づいてユーザーが視ている方向、すなわち、視線を検出する。具体的には、視線検出部31は、視線の方向を表す視線情報として、極座標(球座標)である2個の偏角(θ,φ)を視線情報(視線角)として出力する。
極座標系の設定は、視野計測開始前のキャリブレーションにおいて行われる。具体的には、予め指定する視標を凝視させ、その画像を極座標の原点(眼球中心)と対応させた後、指定した別の極座標となる点を凝視させた画像を記憶する。各々の画像に捉えた瞳の中心の位置と、それぞれを凝視させた極座標の相関を求めることで、画像から極座標における視線角を求めることができる。
この視線の検出は、右眼、左眼に対して独立して行われ、約15ms毎に視線情報が視線ログ記憶部66に時系列に記録される。視線ログ記憶部66に記録される視線情報には、上述した極座標(球座標)である2個の偏角(θ,φ)が含まれる。
視標表示部33は、視標記憶部67に記録されている視標情報に基づき、ディスプレイ13上に所定の大きさの視標を順次所定の場所に表示させる。ここで、本実施形態では、視標として、視線を中心付近に戻して注視(固視)させるための注視用視標と、視野を測定するための測定用視標との2つの視標が使用され、視標記憶部67には、1つの測定用視標と1つの注視用視標とが1つの視標セットとして記録されている。
なお、視標記憶部67に記憶される視標情報には、各視標の表示位置を示す位置情報として、上記極座標における2つの偏角(θ,φ)が用いられる。これら2つの偏角により、視標の位置を角度で表す視標角が定められる。
図4は、測定用視標の表示位置を示している。本実施形態では、視野角度30°以内の視野を測定するため、格子状の交差点に配置された点が76箇所、盲点付近に集中的に配置された点が13箇所の合計89箇所に測定用視標が表示される(ハンフリー視野検査。中心30−2)。もちろん、視野検査の方法は適宜変更可能であり、視野検査方法に応じて、ディスプレイ13に表示される視標の位置等も適宜変更される。
なお、本実施形態では、全ての測定用視標が図4に示す座標位置に表示されるのではなく、全ての測定用視標がディスプレイ13の所定の視野角度(本実施形態では18°)内に表示されるように、適宜表示位置が調整される。これらの調整は、測定前に予め行われ、調整後の位置が視標情報として視標記憶部67に記録される。また、注視用視標は、ディスプレイ13の中心に固定されるのではなく、測定用視標の調整に合わせた位置(調整後の測定用視標に対して調整前と同じ視野角度の位置)に表示される。
これは、測定用視標がディスプレイ13の中心から離れた位置に表示され、視線のディスプレイ13の画面に対する視線角が大きくなるにつれて、視線検出部31による視線検出の精度が低下するため、測定用視標を光学系中心から所定の視野角度(本実施形態では18°)内に位置するようにディスプレイ13上に表示するためである。
具体的には、測定用視標がディスプレイ13上で光学系中心から視野角度18°の範囲よりも外側に位置する場合には、当該測定用視標を18°以内となる位置にスライド移動させてディスプレイ13上に表示するように調整する。このとき、同じセットの直前の注視用視標から当該測定用視標への視線移動角度が変わらないように、直前の注視用視標も当該測定用視標と同じ方向に同じ距離だけスライドさせる。
このように、測定用視標をディスプレイ13上に視野角度18°以内の位置に表示することで、視線検出部31の検出精度を低下させることなく、安定して高精度に視線を検出することがきる。
視認判定部40は、衝突判定部41を備えており、視線検出部31により検出した視線とディスプレイ13上に表示された測定用視標の座標とに基づいて、ユーザーが視標を視認しているか否かを判定する。
衝突判定部41は、所定の座標系上で視線検出部31が検出した視線ベクトル方向の延長線が対象となる視標と物理的に衝突するか否かで、ユーザーが視標を視認しているか否かを判定する。
本実施形態では、同じ極座標系において、視線検出部31が検出した視線角と、対象となる視標の位置を表す視標角とを対比し、角度差が2°以内であれば、衝突したとして視認したと判定する。
視野検査部50は、視標表示部33及び視認判定部40を制御し、視標表示部33により注視用視標と測定用視標とのセットを順次所定の位置に表示しながら、視認判定部40により各視標の視認判定を順次行うことで、ユーザーの視野検査を行う。
通常モードにおいて、右眼の視野検査を行う場合には、視標表示部33は、右眼用ディスプレイ13aのみに視標を表示し、左眼の視野検査を行う場合には、視標表示部33は、左眼用ディスプレイ13bのみに視標を表示する。
視野検査部50は、中心暗点保持者用検査部51を備える。中心暗点保持者用検査部51は、左右何れかの眼の中心付近に暗点を有する中心暗点保持ユーザーに対して、視野検査を行うための中心暗点保持者用モードによる視野検査を実行する。
視線を中心付近に戻すための注視用視標は、中心付近に表示されるため、中心暗点保持ユーザーは、注視用視標を視認できない場合があり、上述した通常モードによる視野検査では検査を行うことができない。
これに対して、中心暗点保持者用検査部51は、中心暗点保持者用モードでは、注視用視標と測定用視標の視標セットのうち、注視用視標を検査対象の眼と逆側の眼用のディスプレイ13に毎回表示する。
例えば、右眼の中心付近に暗点を有するユーザーに対して右眼の視野検査を行う場合には、視標表示部33は、注視用視標を全て左眼用ディスプレイ13bに表示し、測定用視標を全て右眼用ディスプレイ13aに表示するように、中心暗点保持者用検査部51により制御される。
人間の左右の眼は、一般的に左右の眼の視線が略平行であるとの知見に基づき、注視用視標を検査対象の眼と逆側の眼用のディスプレイ13に表示し、この逆側の眼で注視用視標を視認してもらうことで、検査対象の眼の視線も中心に戻される。よって、中心暗点保持ユーザーに対しては、通常モードではなく、中心暗点保持者用検査部51により中心暗点保持者用モードを提供することで、視野検査を行うことができる。
なお、本実施形態では、注視用視標を逆側の眼用のディスプレイ13に表示する際に、中心暗点保持者用検査部51は、通常よりも明るく輝度を上げると共に、通常よりも大きく注視用視標を表示するように、視標表示部33を制御する。
具体的には、通常の視標は、輝度413cd/m2、大きさ4mm2の円としてディスプレイ13に表示されるが、中心暗点保持者用検査モードの注視用視標は、輝度826cd/m2、大きさ16mm2と、輝度比で2倍、面積比で4倍(半径比で2倍)に表示される。なお、視標の大きさは、眼から30cm先のスクリーンに表示される際の大きさで表している。
片側の眼に中心暗点を有するユーザーは、逆側の眼の感度も低下している可能性もあるため、このように、中心暗点保持者用検査モードにおいて、逆側の眼に対して通常よりも明るく大きな注視用視標を表示することで、より適切に視野検査を行うことが可能となる。
もちろん、検査対象の眼と逆側の眼に表示される注視用視標の明るさや大きさは適宜変更可能であり、通常と同じでも良いが、中心暗点保持者の眼の感度の低下と、検査の信頼性等を考慮すれば、注視用視標の輝度及び大きさは、ともに通常よりも1.5〜3倍であることが望ましい。
以上、視野検査装置1の構成について説明したが、続いて、視野検査装置1による視野検査方法について説明する。視野検査装置1は、記憶装置65に格納された視野検査プログラムを実行することで、視野検査を実行する。まず、通常モードによる通常の視野検査について説明する。
視野検査においては、HMD10を被験者であるユーザーの頭にセットし、「ディスプレイ13上に順次視標が表示されるので、常に視標を見るように。」、と被験者に指示する。測定にあたっては、最初にキャリブレーションを行い、視線検出部31が被験者の視線を正しく検出できるように調整を行う。
初期調整後、視標表示部33が視標をディスプレイ13上に表示する。視標表示部33は、視標記憶部67に記録されている視標情報に基づいて、右眼検査用の視標と左眼検査用の視標とを合わせてランダムに順次ディスプレイ13上に表示する。すなわち、本実施形態では、右眼の視野検査と左眼の視野検査を同時に行う。
ここで、左眼用の視標は左眼用ディスプレイ13b上のみに、右眼用の視標は右眼用ディスプレイ13a上のみに表示されるため、検査中は、右眼用又は左眼用の一方の視標のみが右眼用ディスプレイ13a又は左眼用ディスプレイ13bに表示されることになる。
上述したように、注視用視標と測定用視標とは一組の視標セットとして記録されており、視標表示部33は、各測定用視標を表示する前に、その測定用視標と同じセットの注視用視標を表示し、その後、その測定用視標を表示する。すなわち、視標表示部33は、注視用視標と測定用視標とを交互にディスプレイ13上に表示する。
視標の切り換えに関しては、視標表示部33は、表示されている視標が視認判定部40により視認されていると判定されると、次の視標に切り換えて表示する。また、視標の表示後、2.5s経過しても視認されない場合には、タイムアウトとし、視認されていないと判定して次の視標セットを表示する。なお、タイムアウトと認定された視標が測定用視標の場合には、当該測定用視標は再計測対象となる。但し、検査パターン毎の終了条件によっては、再計測対象とならない場合もある。
このような態様で視標表示部33によりディスプレイ13上に視標を順次表示しながら、視線検出部31により被験者の視線を検出し、視認判定部40が、視線検出部31の出力である視線情報に基づき、視標毎に被験者が視認していたか否かを判定する。
視認判定部40は、順次交互に表示される注視用視標と測定用視標に対して、各視標の表示後に視線検出部31から順次出力される視線情報に基づいて、衝突判定部41により順次視認判定を行う。衝突判定部41により当該視標を認識していないと判定された場合には、当該視標が測定用視標の場合には、視認判定部40は、当該測定用視標を再計測対象とする。
但し、検査パターン毎の終了条件によっては、再計測対象とならない場合もある。全ての測定用視標について一通り視認判定を行うと、引き続き、再計測対象となった測定用視標について、再度、視認判定部40による視認判定を行う。
再計測対象の視標セットについてもランダムに順次ディスプレイ13上に表示し、視認判定を行う。再計測でも視認していると判定できなかった測定用視標については、視野検査部50が暗点であると認定し、再計測で視認していると判定された測定用視標については、さらにもう一度計測対象とする。3回目の計測でも視認していると判定された測定用視標は、視野検査部50が暗点ではないと認定し、3回目の計測で視認していないと判定された測定用視標は、視野検査部50が暗点であると認定する。
なお、衝突判定部41は、視認していると判定した場合に、当該測定用視標を表示してから、被験者が視認するまでの時間、すなわち、測定用視標を表示してから衝突した視線を検出するまでの時間を反応時間として記憶装置65に記録する。
衝突判定部41は、この反応時間が100ms以下の場合は、反応時間が早過ぎて、視標が切り替わった瞬間に偶然に次の視標を捉えてしまったり、前の視標と次の視標が近いために視標が切り替わった瞬間に視線と視標とが偶然衝突してしまったりといった理由が考えられるため、無効な視認判定として、当該測定用視標を再計測対象とする。
また、衝突判定部41は、反応時間が所定の時間以上かかると、反応に時間がかかりすぎたとして、当該測定用視標を再計測対象として扱う。ここで、再計測対象となるのは、測定用視標のみである。
以上、全ての視標のセットに対して再計測も含めて視認判定が終了すると、視野検査部50は、視認判定部40による視認結果に基づく視野検査結果を所定の表示装置(図示せず)に出力する。図5は、視野検査結果の出力画面の一例を示す図である。
図5(a)は、盲点部分を除く各測定用視標での反応時間を高さで示しており、再測定対象となった視標は複数回の測定結果が横に並んで表示されている。図5(b)は、暗点と認定された測定用視標の場所を示しており、暗点と認定された測定用視標を大きな丸で示している。
図5(c)は、各測定用視標との反応時間と暗点と認定された場所の双方を色と濃淡で示しており、反応時間の短い視標近傍は薄い緑色で表示し、反応時間が長くなるにつれて濃い緑色で表示すると共に、暗点近傍が赤く表示している。図5(d)は、測定用視標の反応時間を視野角度と関連付けて表示しており、横軸が視野角度、縦軸が反応時間である。
以上、通常モードによる視野検査について説明したが、続いて、中心暗点保持者用検査部51による中心暗点保持者用モードの視野検査方法について、通常モードと異なる部分を中心に説明する。片方の眼に中心暗点を有するユーザーに対する視野検査である中心暗点保持者用モードでは、注視用視標の表示方法が上記通常モードと異なる。
初期調整後、視標表示部33による視標のディスプレイ13への表示にあたって、視野検査部50の中心暗点保持者用検査部51は、ユーザーの中心暗点を有する側の眼の検査では、注視用視標を全て検査対象の眼と逆側の眼のディスプレイ13に表示するように視標表示部33を制御する。
これにより、例えば、右側の眼に中心暗点を有するユーザーは、右側の眼の視野検査にあたって、注視用視標が全て左眼用ディスプレイ13bに表示されるため、左眼で注視用視標を視認することで、右眼の視線を中心付近に戻すことができ、右眼用ディスプレイ13aに表示される測定用視標による視野検査を適切に行うことが可能となる。もちろん、中心暗点を有さない左眼の視野検査にあたっては、通常モードと同様に、注視用視標及び測定用視標の双方が左眼用ディスプレイ13bに表示される。
このような態様で視標表示部33によりディスプレイ13上に視標を順次表示しながら、視線検出部31により被験者の視線を検出し、視認判定部40が、視線検出部31の出力である視線情報に基づき、視標毎に被験者が視認していたか否かを判定することで、上記通常モードと同様に、視野検査部50が視認判定部40による視認結果に基づく視野検査結果を出力する。
以上、本実施形態に係る視野検査装置1について説明したが、本実施形態によれば、視野検査部50が注視暗点保持者用検査部51を備え、中心暗点保持者用モードを実行することで、片側の眼のみに中心暗点を有するユーザーに対して、視野検査を適切に行うことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、近赤外線の角膜反射パターンから眼の注視点を推定する非接触型の視線検出部を採用したが、ユーザーの視線を検出できるものであれば、接触式の視線検出部等、適宜他の方式の視線検出部を採用することができる。
また、上記実施形態では、視認判定部は、衝突判定部により、視線検出部が検出した視線方向の延長線が対象となる視標と物理的に衝突するか否かで、ユーザーが視標を視認しているか否かを判定しているが、視線情報のログから論理的な判定手法により視認判定するようにしても良い。
また、上記実施形態では、視線や視線の位置情報として、極座標系を採用したが、三次元直交座標系を採用しても良い。また、上記実施形態では、左眼用ディスプレイと右眼用ディスプレイとして独立したディスプレイを採用したが、1つの大型ディスプレイを右眼用と左眼用の領域に分けて使用するようにしても良い。
1 視野検査装置
10 HMD
11 筐体
13 ディスプレイ
14 凸レンズ
15 カメラ
16 ホットミラー
18 発光部
30 制御装置
31 視線検出部
33 視標表示部
40 視認判定部
41 衝突判定部
50 視野検査部
51 中心暗点保持者用検査部
60 演算装置
65 記憶装置
66 視線ログ記憶部
67 視標記憶部
70 ケーブル
10 HMD
11 筐体
13 ディスプレイ
14 凸レンズ
15 カメラ
16 ホットミラー
18 発光部
30 制御装置
31 視線検出部
33 視標表示部
40 視認判定部
41 衝突判定部
50 視野検査部
51 中心暗点保持者用検査部
60 演算装置
65 記憶装置
66 視線ログ記憶部
67 視標記憶部
70 ケーブル
Claims (6)
- ユーザーの視野範囲を検査する視野検査装置において、
視標を表示するためのディスプレイと、
前記ユーザーの視線を検出して前記視線の方向に関する視線情報を出力する視線検出部と、
前記視標の位置情報と前記視線情報とに基づき、前記ユーザーが前記視標を視認しているか否かを判定する視認判定部と、
前記視標として、注視用視標と測定用視標をセットとして順次前記ディスプレイ上に表示する視標表示部と、
前記視標表示部により前記注視用視標及び前記測定用視標を順次表示しながら前記視標視認判定部により前記測定用視標の視認判定を行うことで視野検査を行う視野検査部と、を備え、
前記ディスプレイは、右眼用ディスプレイと左眼用ディスプレイとを有し、
前記視野検査部は、前記注視用視標を検査対象の眼と逆側の前記右眼用ディスプレイ又は左眼用ディスプレイに表示するよう前記視標表示部を制御する、中心暗点保持者用検査モードを備えていることを特徴とする視野検査装置。 - 前記視野検査部は、前記中心暗点保持者用検査モードにおいて、前記ユーザーの左眼を検査する際に、前記注視用視標を前記右眼用ディスプレイに、前記測定用視標を前記左眼用ディスプレイに表示し、前記ユーザーの右眼を検査する際に、前記注視用視標を前記左眼用ディスプレイに、前記測定用視標を前記右眼用ディスプレイに表示するよう前記視標表示部を制御することを特徴とする請求項1記載の視野検査装置。
- 前記視野検査部は、前記中心暗点保持者用検査モードにおいて、前記注視用視標を検査対象の眼と逆側の前記右眼用ディスプレイ又は前記左眼用ディスプレイに表示する際には、前記注視用視標の輝度を上げて表示するように前記視標表示部を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の視野検査装置。
- 前記視野検査部は、前記中心暗点保持者用検査モードにおいて、前記注視用視標を検査対象の眼と逆側の前記右眼用ディスプレイ又は前記左眼用ディスプレイに表示する際には、前記注視用視標の大きさを大きくして表示するように前記視標表示部を制御することを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の視野検査装置。
- 前記視線検出部、前記視認判定部、前記視標表示部及び前記視野検査部は、極座標系を採用していることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の視野検査装置。
- 前記視認判定部は、前記極座標系において、前記視標の視標角と、前記視線情報の視線角との差が所定の角度以下の場合に視認していると判定することを特徴とする請求項5記載の視野検査装置。
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