JP2021192933A - ホルダおよび切削工具 - Google Patents

ホルダおよび切削工具 Download PDF

Info

Publication number
JP2021192933A
JP2021192933A JP2020099531A JP2020099531A JP2021192933A JP 2021192933 A JP2021192933 A JP 2021192933A JP 2020099531 A JP2020099531 A JP 2020099531A JP 2020099531 A JP2020099531 A JP 2020099531A JP 2021192933 A JP2021192933 A JP 2021192933A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting insert
clamp member
holder
cutting
recess
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020099531A
Other languages
English (en)
Inventor
斉 東海林
Hitoshi Shoji
麻里 永田
Mari Nagata
太希 麦生
Taiki Mugio
花七乃 遠藤
Hanano Endo
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Hardmetal Corp
Original Assignee
Sumitomo Electric Hardmetal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Hardmetal Corp filed Critical Sumitomo Electric Hardmetal Corp
Priority to JP2020099531A priority Critical patent/JP2021192933A/ja
Publication of JP2021192933A publication Critical patent/JP2021192933A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
  • Milling, Broaching, Filing, Reaming, And Others (AREA)

Abstract

【課題】すくい面をかこむ4方向に切刃が形成された切削インサートを用いることが可能なホルダおよび切削工具を提供する。【解決手段】ホルダ10は、すくい面を有し、すくい面を囲む4方向に切刃を有する切削インサート2を支持するホルダ10であって、ホルダ本体11とクランプ部材12と固定部材13とを備える。ホルダ本体11は、切削インサート2が配置される凹部が形成された上面と、当該上面に連なる側面とを含む。クランプ部材12は、側面に着脱可能に固定される。固定部材13は、クランプ部材12を側面に固定する。凹部は底面を含む。クランプ部材12は、固定部分と押圧部分とを含む。固定部分は、側面上に位置する。押圧部分は、固定部分に連なり、凹部の底面の一部と対向する位置にまで延在する。底面に垂直な方向から見た平面視において、押圧部分は底面の中央部から離れた位置に配置される。【選択図】図1

Description

本開示は、ホルダおよび切削工具に関する。
従来、切削インサートをホルダに固定した切削工具が知られている。たとえば、実開平5−39804号公報には、切削インサートにおける対向する2つの側面に溝を形成し、当該溝に押え金の一部を配置するとともに、当該押え金によりホルダに切削インサートを固定する切削工具が開示されている。
実開平5−39804号公報
上述した従来の切削工具では、切削インサートの側面に固定用の溝を形成するため、当該溝が形成される側面には切刃を形成することができない。つまり、すくい面を囲む4方向に切刃を形成したような切削インサートを用いることができなかった。
本開示の目的は、すくい面をかこむ4方向に切刃が形成された切削インサートを用いることが可能なホルダおよび切削工具を提供することである。
本開示に従ったホルダは、すくい面を有し、すくい面をかこむ4方向に切刃を有する切削インサートを支持するホルダであって、ホルダ本体とクランプ部材と固定部材とを備える。ホルダ本体は、切削インサートが配置される凹部が形成された上面と、当該上面に連なる側面とを含む。クランプ部材は、側面に着脱可能に固定される。固定部材は、クランプ部材を側面に固定する。凹部は底面を含む。クランプ部材は、固定部分と押圧部分とを含む。固定部分は、側面上に位置する。押圧部分は、固定部分に連なり、凹部の底面の一部と対向する位置にまで延在する。底面に垂直な方向から見た平面視において、押圧部分は底面の中央部から離れた位置に配置される。
本開示に従った切削工具は、上記ホルダと、切削インサートとを備える。切削インサートは、ホルダにおける凹部に配置される。切削インサートは、すくい面を有し、すくい面をかこむ4方向に切刃を有する。ホルダにおける押圧部材が、切削インサートにおいて凹部おける底面に接触する面と反対側に位置する上部表面を押圧することで、切削インサートがホルダに固定されている。
本開示によれば、すくい面をかこむ4方向に切刃が形成された切削インサートを用いることが可能なホルダおよび切削工具が得られる。
図1は、本実施形態に係る切削工具の斜視模式図である。 図2は、図1に示した切削工具の部分側面模式図である。 図3は、図1に示した切削工具の部分上面模式図である。 図4は、図1に示した切削工具の正面模式図である。 図5は、図1に示した切削工具に用いられる切削インサートの斜視模式図である。 図6は、図1に示した切削工具における切削インサートと補助部材との位置関係を示す模式図である。 図7は、本実施形態に係るホルダの斜視模式図である。 図8は、図7に示したホルダにおけるホルダ本体の斜視模式図である。 図9は、ホルダ本体の正面模式図である。 図10は、図7に示したホルダの第1クランプ部材の斜視模式図である。 図11は、図7に示したホルダの第2クランプ部材の斜視模式図である。 図12は、図7に示したホルダの補助部材の斜視模式図である。 図13は、図1に示した切削工具を用いた切削加工を説明するための模式図である。 図14は、図1に示した切削工具を用いた切削加工を説明するための模式図である。 図15は、本実施形態に係る切削工具の第1変形例を示す模式図である。 図16は、本実施形態に係る切削工具の第1変形例を示す模式図である。 図17は、本実施形態に係る切削工具の第2変形例を示す模式図である。 図18は、本実施形態に係る切削工具の第2変形例を示す模式図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1) 本開示に従ったホルダ10は、すくい面2eを有し、すくい面2eをかこむ4方向に切刃2a、2b、2c、2dを有する切削インサート2を支持するホルダ10であって、ホルダ本体11とクランプ部材12と固定部材13とを備える。ホルダ本体11は、切削インサート2が配置される凹部11a4が形成された上面11a1と、当該上面11a1に連なる側面15とを含む。クランプ部材12は、側面15に着脱可能に固定される。固定部材13は、クランプ部材12を側面15に固定する。凹部11a4は底面11a5を含む。クランプ部材12は、固定部分12aと押圧部分12bとを含む。固定部分12aは、側面15上に位置する。押圧部分12bは、固定部分12aに連なり、凹部11a4の底面11a5の一部と対向する位置にまで延在する。底面11a5に垂直な方向から見た平面視において、押圧部分12bは底面11a5の中央部から離れた位置に配置される。
このようにすれば、切削インサート2の上面(たとえばすくい面2eを含む上面)をクランプ部材12の押圧部分12bによって押圧することで、切削インサート2をホルダ本体11の凹部11a4の内部に固定することができる。また、切削インサート2の上面をクランプ部材12の押圧部分12bによって押圧するので、従来のように切削インサート2の側面に固定用の溝など特別な構造を形成する必要が無い。そのため、たとえば上面を囲むすべての辺に切刃2a、2b、2c、2dが形成された切削インサート2を用いることができる。さらに、押圧部分12bが凹部11a4の底面11a5の中央部から離れた位置、すなわち凹部11a4の外周部に配置されているため、切削インサート2の上面の中央部にはクランプ部材12の押圧部分12bが存在しない。このため、切削インサート2の上面がすくい面2eを含む場合に、切削インサート2で加工対象材を切削したときに発生する切削屑が切削インサート2の上面の中央部を通って容易に加工領域から排出される。つまり、切削屑がクランプ部材12の押圧部分12bに衝突して当該切削屑の排出が阻害されるといった問題の発生を抑制できる。
(2) 上記(1)に係るホルダ10において、凹部11a4に配置される切削インサート2を押圧部分12bが押圧するように、固定部材13はクランプ部材12を側面15に固定してもよい。
この場合、固定部材13によってクランプ部材12を側面15に固定することで、自動的に切削インサート2をクランプ部材12の押圧部分12bによって凹部11a4の内部に固定できる。
(3) 上記(1)または(2)に係るホルダ10において、クランプ部材12は、固定部分12aにおいて側面15に面する内周面に形成された凸部17(第1凸部21dまたは第2凸部31d)を含んでもよい。ホルダ本体11の側面15には、凸部17(第1凸部21dまたは第2凸部31d)が嵌め込まれる溝16(第1溝11a21または第2溝11a31)が形成されてもよい。底面11a5に垂直な方向における、溝16の長さ(第1溝11a21の長さL8または第2溝11a31の長さL10)は凸部17の長さ(第1凸部21dの長さL7または第2凸部31dの長さL9)より大きくてもよい。凸部17が溝16に嵌め込まれた状態で、クランプ部材12はホルダ本体11に対して底面11a5に垂直な方向において移動可能であってもよい。
この場合、凸部17が溝16に嵌め込まれていることで、クランプ部材12のホルダ本体11に対する相対的な移動方向を規定することができる。
(4) 上記(1)から(3)のいずれかに係るホルダ10は、補助部材61をさらに備えてもよい。補助部材61は、凹部11a4の内部に、切削インサート2と接触するように着脱可能に固定されてもよい。
この場合、形状の互いに異なる複数種類の切削インサート2を用いる場合に、補助部材61の形状を変更すれば、ホルダ本体11の凹部11a4の形状を共通化することができる。つまり、1つのホルダ本体11において複数種類の切削インサート2を用いることができる。
(5) 上記(1)から(4)のいずれかに係るホルダ10において、ホルダ本体11は、上面11a1と側面15とに連なる先端側側面19を含んでもよい。押圧部分12bにおける先端側側面19に近い先端側角部12eの形状は曲面状であってもよい。
この場合、切削インサート2により加工対象材を切削加工するときの切削屑が押圧部分12bの先端側角部12eに接触しても、当該切削屑が先端側角部12eに絡まるといった問題の発生を抑制できる。
(6) 上記(5)に係るホルダ10では、平面視において、押圧部分12bにおける先端側角部12eと反対側に位置する後端側角部12fの形状は、先端側角部12eの曲率半径より小さい曲率半径を有してもよい。なお、後端側角部12fの形状は実質的に平面によって構成されてもよく、その平面形状は中心角が実質的に90°の角形状であってもよい。
この場合、後端側角部12fには上述した切削屑が直接的に接触する可能性が低い為、当該後端側角部12fの形状を先端側角部12eのように曲面状にする必要性は低い。したがって、切削インサート2の上面を押圧する押圧部分12bの面積を広くする観点から、上記のような後端側角部12fの形状としてもよい。
(7) 上記(1)から(4)のいずれかに係るホルダ10において、ホルダ本体11は、上面11a1と側面15とに連なる先端側側面19を含んでもよい。ホルダ本体11は、第1部分11aと第2部分11bとを含んでもよい。第1部分11aには凹部11a4が形成されてもよい。第2部分11bは、第1部分の先端側側面19と反対側において、第1部分11aに連なっていてもよい。第2部分11bは、第1部分11aから側面15の延在する方向に延びてもよい。第2部分11bは、第1部分11aにおいて凹部11a4が形成された上面11a1と連なる第2部分表面11b1を含んでもよい。第2部分表面11b1において第1部分11a側の領域11b2は、第1部分11aから離れるに従って底面11a5を含む仮想平面に近づくよう形成されていてもよい。
この場合、切削インサート2によって加工対象材を切削加工したときの切削屑が、ホルダ本体11の第2部分11bにおける第2部分表面11b1上を通って排出されるときに、第2部分11bは、第1部分11aから離れるほど切削屑の排出経路から遠ざかるような形状となっている。そのため、切削屑が第2部分11bに衝突する可能性を低減できる。したがって、切削屑が第2部分11bに衝突することで切削屑の排出が阻害されるといった問題の発生を抑制できる。
(8) 上記(1)から(7)のいずれかに係るホルダ10において、側面15は、上面11a1に連なる第1側面11a2と、第2側面11a3とを含んでいてもよい。第2側面11a3は、第1側面11a2と反対側に位置してもよい。クランプ部材12は、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31とを含んでもよい。第1クランプ部材21は、第1側面11a2に着脱可能に固定されてもよい。第2クランプ部材31は、第2側面11a3に着脱可能に固定されてもよい。固定部材13は、第1固定部材41と第2固定部材51とを含んでもよい。第1固定部材41は、第1クランプ部材21を第1側面11a2に固定してもよい。第2固定部材51は、第2クランプ部材31を第2側面11a3に固定してもよい。第1クランプ部材21は、第1固定部分21aと第1押圧部分21bとを含んでもよい。固定部分12aとしての第1固定部分21aは、第1側面11a2上に位置してもよい。押圧部分12bとしての第1押圧部分21bは、第1固定部分21aに連なり、凹部11a4の底面11a5と対向する位置にまで延在してもよい。第2クランプ部材31は、第2固定部分31aと、第2押圧部分31bとを含んでもよい。固定部分12aとしての第2固定部分31aは、第2側面11a3上に位置してもよい。押圧部分12bとしての第2押圧部分31bは、第2固定部分31aに連なり、凹部11a4の底面11a5と対向する位置にまで延在してもよい。第1押圧部分21bと第2押圧部分31bとは間隔を隔てて配置されてもよい。
この場合、クランプ部材12として第1クランプ部材21および第2クランプ部材31という2つのクランプ部材を用いて切削インサート2を固定できる。このため、切削インサート2を確実にホルダ10に固定することができる。また、切削インサート2の上面上において第1クランプ部材21の第1押圧部分21bと、第2クランプ部材31の第2押圧部分31bとが間隔を隔てて配置されているので、切削インサート2の上面中央部には第1押圧部分21bおよび第2押圧部分31bが存在しない。このため、切削屑が第1押圧部分21bまたは第2押圧部分31bに衝突して当該切削屑の排出が阻害される、といった問題の発生を抑制できる。
(9) 上記(8)に係るホルダ10では、平面視において、押圧部分12bが凹部11a4と重なる部分の、第1側面11a2から第2側面11a3に向かう第1方向DR1での幅(幅L12または幅L13)は、凹部11a4の第1方向DR1における幅L11の10%以上20%以下であってもよい。
この場合、押圧部分12bが切削インサート2の切刃2b、2cを覆うように配置されるので、切削インサート2によって加工対象材を切削加工するときの切削屑が切刃2b、2cに衝突することを防止できる。このため、切削屑によって切刃2b、2cが破損するといった問題の発生を抑制できる。
(10) 本開示に従った切削工具1は、上記ホルダ10と、切削インサート2とを備える。切削インサート2は、ホルダ10における凹部11a4に配置される。切削インサート2は、すくい面2eを有し、すくい面2eをかこむ4方向に切刃2a、2b、2c、2dを有する。ホルダ10におけるクランプ部材12の押圧部分12bが、切削インサート2において凹部11a4の底面11a5に接触する面と反対側に位置する上部表面であるすくい面2eを押圧することで、切削インサート2がホルダ10に固定されている。
このようにすれば、上面を囲むすべての辺に切刃2a、2b、2c、2dが形成された切削インサート2をホルダ10に確実に固定できるとともに、切削屑の排出が阻害されるといった問題の発生が抑制された切削工具1が得られる。
(11) 上記(10)に係る切削工具1は、補助部材61をさらに備える。補助部材61は、凹部11a4の内部に、切削インサート2と接触するように着脱可能に固定される。補助部材61は、切削インサート2において切刃2d以外の領域2fと接触するように配置されている。
この場合、補助部材61が切削インサート2の切刃2dと接触して当該切刃2dが破損するといった問題の発生を抑制できる。また、切削インサート2の厚さより補助部材61の厚さが薄くなっていてもよい。この場合、切削インサート2で加工対象材を切削加工したときの切削屑が補助部材61に接触して切削屑が詰まるといった問題の発生を抑制できる。
(12) 上記(10)または(11)に係る切削工具1では、クランプ部材12において切削インサート2に面する部分18は、切削インサート2の切刃2a、2b、2c、2dと接触しないように配置されていてもよい。この場合、クランプ部材12の当該部分18によって切削インサート2の切刃2a、2b、2c、2dが破損するといった問題の発生を抑制できる。
(13) 上記(10)から(12)のいずれかに係る切削工具1では、クランプ部材12の固定部分12aには貫通孔(第1貫通孔21cまたは第2貫通孔31c)が形成されていてもよい。側面15にはネジ穴(第1ネジ穴11a6または第2ネジ穴11a7)が形成されていてもよい。切削インサート2が凹部11a4に配置された状態において、押圧部分12bが接触する切削インサート2のすくい面2eから底面11a5までの距離(距離L1または距離L4)を切削インサート厚み(第1厚みまたは第2厚み)としてもよい。側面15側から見た場合において、押圧部分12bにおいて切削インサート2のすくい面2eに接触する部分から貫通孔(第1貫通孔21cまたは第2貫通孔31c)の中心3a、3cまでの距離(距離L2または距離L5)は、凹部11a4の底面11a5からネジ穴(第1ネジ穴11a6または第2ネジ穴11a7)の中心3b、3dまでの距離(距離L3または距離L6)と切削インサート厚み(第1厚みである距離L1または第2厚みである距離L4)との合計長さ(距離L1と距離L3との合計または距離L4と距離L6との合計)より小さくてもよい。
この場合、固定部材13を、クランプ部材12の貫通孔を通して第1部分11aのネジ穴にねじ込んで固定することで、クランプ部材12を第1部分11aに固定できる。このとき、クランプ部材12は、切削インサート2のすくい面2eから凹部11a4の底面11a5に向かう方向に押し下げられる。クランプ部材12がこのように押し下げられるのは、距離L2が、距離L1と距離L3の合計より小さいこと、または、距離L5が、距離L4と距離L6の合計より小さいことに起因する。クランプ部材12が、切削インサート2の上面であるすくい面2eから底面11a5に向かう方向に押し下げられることにより、切削インサート2を第1部分11aに固定できる。
[本開示の実施形態の詳細]
次に、図面に基づいて本開示の実施形態の詳細について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
<切削工具およびホルダの構成>
本実施形態に係る切削工具およびホルダの構成を、図1から図12を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る切削工具の斜視模式図である。図2は、図1に示した切削工具の部分側面模式図である。図3は、図1に示した切削工具の部分上面模式図である。図4は、図1に示した切削工具の正面模式図である。図5は、図1に示した切削工具に用いられる切削インサートの斜視模式図である。図6は、図1に示した切削工具における切削インサートと補助部材との位置関係を示す模式図である。図7は、本実施形態に係るホルダの斜視模式図である。図8は、図7に示したホルダにおけるホルダ本体の斜視模式図である。図9は、ホルダ本体の正面模式図である。図10は、図7に示したホルダの第1クランプ部材の斜視模式図である。図11は、図7に示したホルダの第2クランプ部材の斜視模式図である。図12は、図7に示したホルダの補助部材の斜視模式図である。
切削工具の構成:
図1から図12に示すように、本開示に従った切削工具1は、ホルダ10と、切削インサート2とを備える。切削インサート2は、ホルダ10における凹部11a4(図4参照)に配置される。
ホルダ10は、切削インサート2を支持する部材である。ホルダ10は、ホルダ本体11とクランプ部材12と固定部材13と補助部材61とを主に備える。ホルダ10の構成の詳細については後述する。
ホルダ10におけるクランプ部材12の押圧部分12b(図10および図11参照)が、切削インサート2において凹部11a4の底面11a5に接触する面と反対側に位置する上部表面(図5に示す、すくい面2e)を押圧することで、図1および図4に示すように切削インサート2がホルダ10に固定されている。
切削インサート2は、図5に示すように上部表面(すくい面2e)の平面形状が四角形状である。すくい面2eを囲む4辺には4つの切刃2a、2b、2c、2dが形成されている。
ホルダ10の構成:
図1、図7および図8に示すように、ホルダ10を構成するホルダ本体11は、第1部分11aと第2部分11bとを含む。図4および図7に示すように、第1部分11aには切削インサート2を保持するための凹部11a4が形成されている。ホルダ本体11の第1部分11aは、切削インサート2が配置される凹部11a4が形成された上面11a1(図2参照)と、当該上面11a1に連なる側面15(図4参照)とを含む。側面15は、上面11a1に連なる第1側面11a2と、第2側面11a3とを含む。第2側面11a3は、第1側面11a2と反対側に位置する。図4および図8などから分かるように、第1側面11a2と第2側面11a3とは、凹部11a4を挟むように配置されている。第1側面11a2と第2側面11a3とは、第1部分11aから第2部分11bに向かう方向に沿って延びる平面である。第1部分11aは、第2部分11bが接続された根元側と反対側に位置する先端側側面19を含む。先端側側面19は、第1側面11a2と第2側面11a3と上面11a1(より具体的には上面11a1に形成された凹部11a4の底面11a5)とを接続するように形成されている。また、第1側面11a2および第2側面11a3の第2部分11b側には、底面11a5に垂直で、かつ、第1側面11a2および第2側面11a3に垂直な方向に延びる壁面がそれぞれ形成されている。当該壁面は、第2部分11b側において、第1側面11a2および第2側面11a3に連なっている。当該壁面にはクランプ部材12が接触可能である。
図1および図2から分かるように、第2部分11bは、第1部分11aから側面15(第1側面11a2または第2側面11a3)の延在する方向に延びている。第2部分11bは、第1部分11aの先端側側面19と反対側において、第1部分11aに連なっている。第2部分11bは、第1部分11aにおいて凹部11a4が形成された上面11a1と連なる第2部分表面11b1を含む。第2部分表面11b1において第1部分11a側の領域11b2は、第1部分11aから離れるに従って凹部11a4の底面11a5を含む仮想平面に近づくよう形成される。つまり、切削インサート2のすくい面2eの延在方向と、第2部分11bの第2部分表面11b1の延在方向とは交差している。第2部分11bは、第1部分11aから離れるにしたがって、第1部分11aの底面(凹部11a4が形成された上面と反対側に位置する面)側に向かうように、形成されている。
クランプ部材12は、側面15(図1および図4参照)に着脱可能に固定される。クランプ部材12は、第1クランプ部材21と第2クランプ部材31とを含む。第1クランプ部材21は、第1側面11a2に着脱可能に固定される。第2クランプ部材31は、第2側面11a3に着脱可能に固定される。
固定部材13は、クランプ部材12を側面15に固定する。図1および図4に示すように、固定部材13は、第1固定部材41と第2固定部材51とを含む。第1固定部材41は、第1クランプ部材21を第1側面11a2に固定する。第2固定部材51は、第2クランプ部材31を第2側面11a3に固定する。凹部11a4に配置される切削インサート2を押圧部分12bが押圧するように、固定部材13はクランプ部材12を側面15に固定してもよい。言い換えれば、図4に示すように、上記ホルダ10において、凹部11a4に配置される切削インサート2を第1押圧部分21bが押圧するように、第1固定部材41は第1クランプ部材21を第1側面11a2に固定する。凹部11a4に配置される切削インサート2を第2押圧部分31bが押圧するように、第2固定部材51は第2クランプ部材31を第2側面11a3に固定する。以下、より具体的に説明する。
上記ホルダ10において、第1固定部材41および第2固定部材51はネジである。第1クランプ部材21の第1固定部分21aには貫通孔としての第1貫通孔21cが形成される。第1側面11a2にはネジ穴としての第1ネジ穴11a6が形成される。第2クランプ部材31の第2固定部分31aには貫通孔としての第2貫通孔31cが形成される。第2側面11a3にはネジ穴としての第2ネジ穴11a7が形成される。
切削インサート2が凹部11a4に配置された状態において、第1押圧部分21bが接触する切削インサート2の上部表面の部分から底面11a5までの距離L1を第1厚みとする。第1側面11a2側から見た場合において、第1押圧部分21bにおいて切削インサート2の上部表面に接触する部分から第1貫通孔21cの中心3aまでの距離L2は、凹部11a4の底面11a5から第1ネジ穴11a6の中心3bまでの距離L3と第1厚みとの合計長さ(距離L1と距離L3の合計)より小さい。距離L3と第1厚みとの合計長さと、距離L2との差は0.1mm以上2.0mm以下であってもよい。好ましくは、距離L3と第1厚みとの合計長さと、距離L2との差は0.5mmであってもよい。
切削インサート2が凹部11a4に配置された状態において、第2押圧部分31bが接触する切削インサート2の上部表面の部分から底面11a5までの距離L4を第2厚みとする。第2側面11a3側から見た場合において、第2押圧部分31bにおいて切削インサート2の上部表面に接触する部分から第2貫通孔31cの中心3cまでの距離L5は、凹部11a4の底面11a5から第2ネジ穴11a7の中心3dまでの距離L6と第2厚みとの合計長さ(距離L4と距離L6の合計)より小さい。距離L6と第2厚みとの合計長さと、距離L5との差は0.1mm以上2.0mm以下であってもよい。好ましくは、距離L6と第2厚みとの合計長さと、距離L5との差は0.5mmであってもよい。距離L1と距離L4とは等しくてもよい。距離L2と距離L5とは等しくてもよい。距離L3と距離L6とは等しくてもよい。
貫通孔(第1貫通孔21cおよび第2貫通孔31c)は、側面15に近づくにつれて幅が狭くなるように形成されている。つまり、貫通孔(第1貫通孔21cおよび第2貫通孔31c)の側壁は側面15に対して傾斜している。貫通孔は、円錐台の側面、即ち、円錐面の形状を有していてもよい。当該円錐面の頂角θ1(図4参照)は、5°以上100°以下であってもよい。頂角θ1は20°であってもよい。第1固定部材41および第2固定部材51のネジの頭の側面の形状は、貫通孔の形状と相似形でもよい。ネジの頭の側面の形状は、頂角θ1とする円錐面の形状を有していてもよい。
固定部材13(第1固定部材41または第2固定部材51)を回転させてクランプ部材12(第1クランプ部材21または第2クランプ部材31)を第1部分11aに固定する際、クランプ部材12は、切削インサートの上面(すくい面2e)から底面11a5に向かう方向に押し下げられる。クランプ部材12がこのように押し下げられるのは、距離L2が、距離L1と距離L3の合計より小さいこと、または、距離L5が、距離L4と距離L6の合計より小さいことに起因する。クランプ部材12が、切削インサートの上面(すくい面2e)から底面11a5に向かう方向に押し下げられることにより、切削インサート2が第1部分11aに固定される。頂角θ1が5°未満の場合には、切削インサート2を第1部分11aに固定する力が十分得られない可能性がある。頂角θ1が100°を超える場合には、切削インサート2を第1部分11aに固定する力が過剰となり、切削インサート2を破損する恐れがある。
図10および図11に示すように、クランプ部材12(第1クランプ部材21および第2クランプ部材31)は、固定部分12aと押圧部分12bとを含む。図10、図11および図4から分かるように、固定部分12aは、側面15上に位置する。押圧部分12bは、固定部分12aに連なり、凹部11a4の底面11a5の一部と対向する位置にまで延在する。より具体的には、第1クランプ部材21は、第1固定部分21aと第1押圧部分21bとを含む。固定部分12aとしての第1固定部分21aは、第1側面11a2上に位置する。押圧部分12bとしての第1押圧部分21bは、第1固定部分21aに連なり、凹部11a4の底面11a5と対向する位置にまで延在する。
第2クランプ部材31は、第2固定部分31aと、第2押圧部分31bとを含む。固定部分12aとしての第2固定部分31aは、第2側面11a3上に位置する。押圧部分12bとしての第2押圧部分31bは、第2固定部分31aに連なり、凹部11a4の底面11a5と対向する位置にまで延在する。
図4および図10に示すように、第1クランプ部材21は、第1固定部分21aにおいて第1側面11a2に面する内周面に形成された第1凸部21dを含む。ホルダ本体11の第1側面11a2には、第1凸部21dが嵌め込まれる第1溝11a21が形成される。底面11a5に垂直な方向における、第1溝11a21の長さL8は第1凸部21dの長さL7より大きい。第1凸部21dが第1溝11a21に嵌め込まれた状態で、第1クランプ部材21はホルダ本体11に対して底面11a5に垂直な前記方向において移動可能である。
第2クランプ部材31は、第2固定部分31aにおいて第2側面11a3に面する内周面に形成された第2凸部31dを含む。ホルダ本体11の第2側面11a3には、第2凸部31dが嵌め込まれる第2溝11a31が形成される。底面11a5に垂直な方向における、第2溝11a31の長さL10は第2凸部31dの長さL9より大きい。第2凸部31dが第2溝11a31に嵌め込まれた状態で、第2クランプ部材31はホルダ本体11に対して底面11a5に垂直な方向において移動可能である。
上記溝16(第1溝11a21および第2溝11a31)は、底面11a5に垂直な前記方向に沿って延びている。上記溝16(第1溝11a21および第2溝11a31)は、底面11a5に垂直な上記方向に沿って延びる側壁を有する。当該側壁に凸部17(第1凸部21dまたは第2凸部31d)が接触した状態で、クランプ部材12(第1クランプ部材21および第2クランプ部材31)はホルダ本体11に対して移動可能である。
図4に示すように、第1クランプ部材21および第2クランプ部材31において切削インサート2に面する部分18は、切削インサート2の切刃2a、2b、2c、2d(図5参照)と接触しないように配置されている。具体的には、当該部分18は凹部となっている。
図3、図10および図11に示すように、底面11a5に対して垂直な方向から見た平面視において、押圧部分12bである第1押圧部分21bまたは第2押圧部分31bは底面11a5の中央部から離れた位置に配置される。つまり、第1押圧部分21bと第2押圧部分31bとは間隔を隔てて配置される。
平面視において、押圧部分12bが凹部11a4と重なる部分の、第1側面11a2から第2側面11a3に向かう第1方向DR1での幅(幅L12または幅L13)は、凹部11a4の第1方向DR1における幅L11の10%以上20%以下である。より具体的には、図3に示すように、上記ホルダ10では、平面視において、第1押圧部分21bが凹部11a4と重なる部分の、第1側面11a2から第2側面11a3に向かう(第1側面11a2側から底面11a5の中央部に向かう)第1方向DR1での幅L12は、凹部11a4の第1方向DR1における幅L11の10%以上20%以下である。上記幅L12は、幅L11の10%以上15%以下でもよい。平面視において、第2押圧部分31bが凹部11a4と重なる部分の、第1方向DR1での幅L13は、凹部11a4の第1方向DR1における幅L11の10%以上20%以下である。上記幅L13は、幅L11の10%以上15%以下でもよい。
図10に示すように、第1押圧部分21bにおける先端側側面19に近い先端側角部12eとしての第1先端側角部21eの形状は曲面状である。図11に示すように、第2押圧部分31bにおける先端側側面19に近い先端側角部12eとしての第2先端側角部31eの形状は曲面状である。第1押圧部分21bに対して垂直な方向から見た平面視において、第1押圧部分21bにおける第1先端側角部21eと反対側に位置する後端側角部12fとしての第1後端側角部21fの形状は、第1先端側角部21eの曲率半径より小さい曲率半径を有する。第2押圧部分31bに対して垂直な方向から見た平面視において、第2押圧部分31bにおける第2先端側角部31eと反対側に位置する後端側角部12fとしての第2後端側角部31fの形状は、第2先端側角部31eの曲率半径より小さい曲率半径を有する。なお、第1後端側角部21fおよび第2後端側角部31fの形状は実質的に平面によって構成されてもよく、その平面形状は中心角が実質的に90°の角形状であってもよい。
図1、図3、図12等に示すように、補助部材61は、凹部11a4の内部に、切削インサート2と接触するように着脱可能に固定される。補助部材61には貫通孔61bが形成されている。補助部材61は、貫通孔61bにネジなどの固定部材を挿通され、当該固定部材が凹部11a4の底面に形成されたネジ穴に固定されることでホルダ本体11に対して固定される。
補助部材61の1つの側面と上部表面との接続部である角部61aは、図6に示すように切削インサート2の切刃2dと離れた側面(逃げ面)の領域2fと接触してもよい。
上述したホルダ10の特徴的な構成を要約すれば、ホルダ10は、切削インサート2を支持する部材であって、ホルダ本体11と、第1クランプ部材21と、第2クランプ部材31と、第1固定部材41と、第2固定部材51とを備える。ホルダ本体11は、上面11a1と、第1側面11a2と、第2側面11a3とを含む。上面11a1には、切削インサート2が配置される凹部11a4が形成されている。第1側面11a2は上面11a1に連なる。第2側面11a3は、第1側面11a2と反対側に位置する。第1クランプ部材21は、第1側面11a2に着脱可能に固定される。第2クランプ部材31は、第2側面11a3に着脱可能に固定される。第1固定部材41は、第1クランプ部材21を第1側面11a2に固定する。第2固定部材51は、第2クランプ部材31を第2側面11a3に固定する。凹部11a4は底面11a5を含む。第1クランプ部材21は、第1固定部分21aと、第1押圧部分21bとを含む。第1固定部分21aは、第1側面11a2上に位置する。第1押圧部分21bは、第1固定部分21aに連なり、凹部11a4の底面11a5と対向する位置にまで延在する。第2クランプ部材31は、第2固定部分31aと、第2押圧部分31bとを含む。第2固定部分31aは、第2側面上11a3に位置する。第2押圧部分31bは、第2固定部分31aに連なり、凹部11a4の底面11a5と対向する位置にまで延在する。第1押圧部分21bと第2押圧部分31bとは間隔を隔てて配置されている。
<切削工具の使用方法>
図13は、図1に示した切削工具を用いた切削加工を説明するための模式図である。図14は、図1に示した切削工具を用いた切削加工を説明するための模式図である。図14は、図13に示した切削工具を切削インサート2側から見た模式図である。図13および図14に示した切削加工では、まず加工対象材70を準備する。加工対象材70は、例えば、円筒形状の部材であって、部材表面に長手方向に延びる溶接部(ビード)を有するパイプ状の鋼材であってもよい。次に、図13および図14に示すように、円筒形状の部材である加工対象材70を上記切削工具1により切削加工する。切削加工される部分は溶接部(ビード)の一部であってもよい。図13および図14に示した切削加工では、切削工具1を固定し、加工対象材70を、加工対象材の長手方向に沿って、図13の略右側から略左側に向けて移動させることで、加工対象材70の表面を切削している。
切削工具1における切削インサート2の上部表面はすくい面2eである。図13において、第2部分表面11b1に対して、すくい面2eが紙面垂直方向を回転軸として反時計回りに回転した方向に位置する場合に、第2部分表面11b1とすくい面2eとがなす角度θ2は負であると定義する。図13に示した切削工具1における角度θ2は負である。θ2は、正であってもよく、ゼロであってもよい。切削屑の第2部分表面11b1への衝突を回避する観点からは、θ2は負であることが好ましい。
図13において、加工対象材70の長手方向とすくい面2eとがなす角度をθ3とする。角度θ3は、例えば、70°以上120°以下であってもよい。図13および図14に示した切削加工では、θ3−90°がすくい角である。図13および図14に示した切削加工では、すくい角は正である。すくい角は、正であってもよく、ゼロであってもよく、負であってもよい。
<変形例>
図15は、本実施形態に係る切削工具の第1変形例を示す模式図である。図16は、本実施形態に係る切削工具の第1変形例を示す模式図である。図15は図13に対応し、図16は図14に対応する。図15および図16は、本実施形態に係る切削工具の第1変形例を用いた切削加工の状態を示している。
図15および図16に示した切削工具1は、基本的には図1から図12に示した切削工具1と同様の構成を備えるが、ホルダ本体の第2部分表面11b1の延在方向が切削インサート2のすくい面の延在方向と実質的に平行になっている点が、図1から図12に示した切削工具1と異なっている。また、図15および図16に示した切削加工では、加工対象材70の長手方向とすくい面2eとがなす角度θ4が実質的に90°となっている。図15および図16に示した切削加工では、θ4−90°がすくい角である。したがって、図15および図16に示した切削加工では、すくい角は、実質的にゼロである。
図17は、本実施形態に係る切削工具の第2変形例を示す模式図である。図18は、本実施形態に係る切削工具の第2変形例を示す模式図である。図17は図13に対応し、図18は図14に対応する。図17および図18は、本実施形態に係る切削工具の第2変形例を用いた切削加工の状態を示している。
図17および図18に示した切削工具1は、基本的には図1から図12に示した切削工具1と同様の構成を備えるが、ホルダ本体の第2部分表面11b1の延在方向が切削インサート2のすくい面の延在方向と交差する方向が、図1から図12に示した切削工具1と異なっている。図17および図18に示した切削工具1では、ホルダ本体の第2部分表面11b1が、切削インサート2から離れるに従って、切削インサート2の裏面からすくい面側に向かう方向に位置するように形成されている。異なる観点から言えば、第2部分表面11b1は、上記裏面からすくい面側に向かう方向に、すくい面を含む仮想平面から離れるように形成されている。また、図17および図18に示した切削加工では、第2部分表面11b1とすくい面2eとがなす角度角θ2が正となっている。図17および図18に示した切削加工では、θ3−90°がすくい角である。したがって、図17および図18に示した切削加工では、すくい角は正である。
<作用効果>
本開示に従った切削工具1またはホルダ10では、切削インサート2の上面(たとえばすくい面2eを含む上面)を第1クランプ部材21および第2クランプ部材31の押圧部分12bである第1押圧部分21bまたは第2押圧部分31bによって押圧することで、切削インサート2をホルダ本体11の凹部11a4の内部に固定できる。また、上記のような構成とすることで、従来のように切削インサート2の側面に固定用の溝など特別な構造を形成する必要が無い。そのため、上面を囲むすべての辺に切刃2a、2b、2c、2dが形成された切削インサート2を用いることができる。
さらに、切削インサート2のすくい面2eの中央部にはクランプ部材の押圧部分が存在しないので、切削インサート2で加工対象材70を切削したときに発生する切削屑が切削インサート2の上面の中央部を通って容易に排出される。
また、上記の構成では、第1クランプ部材21および第2クランプ部材31という2つのクランプ部材を用いるため、切削インサート2を確実にホルダ10に固定することができる。
上記切削工具1またはホルダ10では、凹部11a4に配置される切削インサート2を押圧部分12bが押圧するように、固定部材13としての第1固定部材41および第2固定部材51がクランプ部材12としての第1クランプ部材21および第2クランプ部材31を側面15としての第1側面11a2および第2側面11a3に固定する。この場合、第1固定部材41および第2固定部材51によって第1クランプ部材21および第2クランプ部材31を第1側面11a2および第2側面11a3に固定することで、自動的に切削インサート2を第1クランプ部材21および第2クランプ部材31によって凹部11a4の内部に固定できる。
上記切削工具1またはホルダ10において、固定部材13はネジであってもよい。クランプ部材12の固定部分12aには貫通孔(第1貫通孔21cまたは第2貫通孔31c)が形成されてもよい。側面15にはネジ穴(第1ネジ穴11a6または第2ネジ穴11a7)が形成されてもよい。切削インサート2が凹部11a4に配置された状態において、押圧部分12bが接触する切削インサート2の上部表面の部分から底面11a5までの距離(距離L1または距離L4)を第1厚みとする。側面15側から見た場合において、押圧部分12bにおいて切削インサート2の上部表面に接触する部分から貫通孔(第1貫通孔21cまたは第2貫通孔31c)の中心までの距離(距離L2または距離L5)は、凹部11a4の底面11a5からネジ穴(第1ネジ穴11a6または第2ネジ穴11a7)の中心までの距離(距離L3または距離L6)と第1厚みとの合計長さ(距離L1と距離L3の合計長さ、または距離L4と距離L6の合計長さ)より小さくてもよい。
上記切削工具1またはホルダ10において、第1クランプ部材21および第2クランプ部材31が、第1凸部21dまたは第2凸部31dを含み、ホルダ本体11の側面15に第1溝11a21または第2溝11a31が形成されている。そのため、クランプ部材12のホルダ本体11に対する相対的な移動方向を規定することができる。
上記切削工具1またはホルダ10では、図3に示すように、幅L12または幅L13が幅L11の10%以上20%以下である。この場合、押圧部分12bが切削インサート2の切刃2b、2cを覆うように配置されるので、切削インサート2によって加工対象材を切削加工するときの切削屑が切刃2b、2cに衝突することを防止できる。
上記切削工具1またはホルダ10において、図10および図11に示すように、押圧部分12bにおける先端側角部12eの形状は曲面状である。この場合、切削インサート2により加工対象材を切削加工するときの切削屑が押圧部分12bの先端側角部12eに接触しても、切削屑の進行方向を容易に変更できるため、当該切削屑が先端側角部12eに絡まるといった問題の発生を抑制できる。
上記切削工具1またはホルダ10では、押圧部分12bに対して垂直な方向から見た平面視において、押圧部分12bにおける後端側角部12fの形状が、先端側角部12eの曲率半径より小さい曲率半径を有する。この場合、切削インサート2の上面を押圧する押圧部分12bの面積を広くすることができる。
上記切削工具1またはホルダ10は、補助部材61をさらに備える。そのため、形状の互いに異なる複数種類の切削インサート2を用いる場合に、補助部材61の形状を変更すれば、ホルダ本体11の凹部11a4の形状を共通化することができる。
上記切削工具1またはホルダ10において、ホルダ本体11は、第1部分11aと第2部分11bとを含む。第1部分11aには凹部11a4が形成される。第2部分11bは、第1部分11aから側面15の延在する方向に延びる。第2部分11bは、第1部分11aの先端側側面19と反対側において、第1部分11aに連なっている。第2部分11bは、第1部分11aにおいて凹部11a4が形成された上面11a1と連なる第2部分表面11b1を含む。第2部分表面11b1において第1部分11a側の領域11b2は、第1部分11aから離れるに従って底面11a5を含む仮想平面に近づくよう形成される。この場合、切削屑が第2部分11bに衝突する可能性を低減できる。したがって、切削屑が第2部分11bに衝突することで切削屑の排出が阻害されるといった問題の発生を抑制できる。
上記切削工具1は、上記ホルダ10を用いているので、上面を囲むすべての辺に切刃2a、2b、2c、2dが形成された切削インサート2をホルダ10に確実に固定できるとともに、切削屑の排出が阻害されるといった問題の発生が抑制された切削工具1が得られる。
上記切削工具1またはホルダ10は、補助部材61を備える。補助部材61は、凹部11a4の内部に、切削インサート2と接触するように着脱可能に固定される。補助部材61は、切削インサート2において切刃2d以外の領域2fと接触するように配置されている。この場合、補助部材61が切削インサート2の切刃2dと接触して当該切刃2dが破損するといった問題の発生を抑制できる。また、切削インサート2で加工対象材を切削加工したときの切削屑が補助部材61に接触して切削屑が詰まるといった問題の発生を抑制できる。
上記切削工具1では、クランプ部材12において切削インサート2に面する部分18が、切削インサート2の切刃2a、2b、2c、2dと接触しないように配置されている。この場合、クランプ部材12によって切削インサート2の切刃2a、2b、2c、2dが破損するといった問題の発生を抑制できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 切削工具
2 切削インサート
2a,2b,2c,2d 切刃
2e すくい面
2f,11b2 領域
3a,3b,3c,3d 中心
10 ホルダ
11 ホルダ本体
11a 第1部分
11a1 上面
11a2 第1側面
11a3 第2側面
11a21 第1溝
11a31 第2溝
11a4 凹部
11a5 底面
11a6 第1ネジ穴
11a7 第2ネジ穴
11b 第2部分
11b1 第2部分表面
12 クランプ部材
12a 固定部分
12b 押圧部分
12e 先端側角部
12f 後端側角部
13 固定部材
15 側面
16 溝
17 凸部
18 部分
19 先端側側面
21 第1クランプ部材
21a 第1固定部分
21b 第1押圧部分
21c 第1貫通孔
21d 第1凸部
21e 第1先端側角部
21f 第1後端側角部
31 第2クランプ部材
31a 第2固定部分
31b 第2押圧部分
31c 第2貫通孔
31d 第2凸部
31e 第2先端側角部
31f 第2後端側角部
41 第1固定部材
51 第2固定部材
61 補助部材
61a 角部
61b 貫通孔
70 加工対象材

Claims (13)

  1. すくい面を有し、前記すくい面を囲む4方向に切刃を有する切削インサートを支持するホルダであって、
    前記切削インサートが配置される凹部が形成された上面と、前記上面に連なる側面とを含むホルダ本体と、
    前記側面に着脱可能に固定されるクランプ部材と、
    前記クランプ部材を前記側面に固定する固定部材と、を備え、
    前記凹部は底面を含み、
    前記クランプ部材は、前記側面上に位置する固定部分と、前記固定部分に連なり前記凹部の前記底面の一部と対向する位置にまで延在する押圧部分とを含み、
    前記底面に垂直な方向から見た平面視において、前記押圧部分は前記底面の中央部から離れた位置に配置される、ホルダ。
  2. 前記凹部に配置される前記切削インサートを前記押圧部分が押圧するように、前記固定部材は前記クランプ部材を前記側面に固定する、請求項1に記載のホルダ。
  3. 前記クランプ部材は、前記固定部分において前記側面に面する内周面に形成された凸部を含み、
    前記ホルダ本体の前記側面には、前記凸部が嵌め込まれる溝が形成され、
    前記底面に垂直な前記方向における、前記溝の長さは前記凸部の長さより大きく、
    前記凸部が前記溝に嵌め込まれた状態で、前記クランプ部材は前記ホルダ本体に対して前記底面に垂直な前記方向において移動可能である、請求項1または請求項2に記載のホルダ。
  4. 前記凹部の内部に、前記切削インサートと接触するように着脱可能に固定される補助部材をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のホルダ。
  5. 前記ホルダ本体は、前記上面と前記側面とに連なる先端側側面を含み、
    前記押圧部分における前記先端側側面に近い先端側角部の形状は曲面状である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のホルダ。
  6. 前記平面視において、前記押圧部分における前記先端側角部と反対側に位置する後端側角部の形状は、前記先端側角部の曲率半径より小さい曲率半径を有する、請求項5に記載のホルダ。
  7. 前記ホルダ本体は、前記上面と前記側面とに連なる先端側側面を含み、
    前記ホルダ本体は、前記凹部が形成された第1部分と、前記第1部分の前記先端側側面と反対側において、前記第1部分に連なり、前記第1部分から前記側面の延在する方向に延びる第2部分とを含み、
    前記第2部分は、前記第1部分において前記凹部が形成された前記上面と連なる第2部分表面を含み、
    前記第2部分表面において前記第1部分側の領域は、前記第1部分から離れるに従って前記底面を含む仮想平面に近づくよう形成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のホルダ。
  8. 前記側面は、前記上面に連なる第1側面と、前記第1側面と反対側に位置する第2側面とを含み、
    前記クランプ部材は、前記第1側面に着脱可能に固定される第1クランプ部材と、前記第2側面に着脱可能に固定される第2クランプ部材と、を含み、
    前記固定部材は、前記第1クランプ部材を前記第1側面に固定する第1固定部材と、前記第2クランプ部材を前記第2側面に固定する第2固定部材と、を含み、
    前記第1クランプ部材は、前記第1側面上に位置する前記固定部分としての第1固定部分と、前記第1固定部分に連なり前記凹部の前記底面と対向する位置にまで延在する前記押圧部分としての第1押圧部分とを含み、
    前記第2クランプ部材は、前記第2側面上に位置する前記固定部分としての第2固定部分と、前記第2固定部分に連なり前記凹部の前記底面と対向する位置にまで延在する前記押圧部分としての第2押圧部分とを含み、
    前記第1押圧部分と前記第2押圧部分とは間隔を隔てて配置されている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のホルダ。
  9. 前記平面視において、前記押圧部分が前記凹部と重なる部分の、前記第1側面から前記第2側面に向かう第1方向での幅は、前記凹部の前記第1方向における幅の10%以上20%以下である、請求項8に記載のホルダ。
  10. 請求項1に記載のホルダと、
    前記ホルダにおける前記凹部に配置され、前記すくい面を有し、前記すくい面を囲む前記4方向に前記切刃を有する前記切削インサートとを備え、
    前記クランプ部材の前記押圧部分が、前記切削インサートにおいて前記凹部の前記底面に接触する面と反対側に位置する上部表面である前記すくい面を押圧することで、前記切削インサートが前記ホルダに固定されている、切削工具。
  11. 前記凹部の内部に、前記切削インサートと接触するように着脱可能に固定される補助部材をさらに備え、
    前記補助部材は、前記切削インサートにおいて前記切刃以外の領域と接触するように配置されている、請求項10に記載の切削工具。
  12. 前記クランプ部材において前記切削インサートに面する部分は、前記切削インサートの前記切刃と接触しないように配置されている、請求項10または請求項11に記載の切削工具。
  13. 前記クランプ部材の前記固定部分には貫通孔が形成されており、
    前記側面にはネジ穴が形成されており、
    前記切削インサートが前記凹部に配置された状態において、前記押圧部分が接触する前記切削インサートの前記すくい面から前記底面までの距離を切削インサート厚みとし、
    前記側面側から見た場合において、前記押圧部分において前記切削インサートの前記すくい面に接触する部分から前記貫通孔の中心までの距離は、前記凹部の前記底面から前記ネジ穴の中心までの距離と前記切削インサート厚みとの合計長さより小さい、請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の切削工具。
JP2020099531A 2020-06-08 2020-06-08 ホルダおよび切削工具 Pending JP2021192933A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020099531A JP2021192933A (ja) 2020-06-08 2020-06-08 ホルダおよび切削工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020099531A JP2021192933A (ja) 2020-06-08 2020-06-08 ホルダおよび切削工具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021192933A true JP2021192933A (ja) 2021-12-23

Family

ID=79168589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020099531A Pending JP2021192933A (ja) 2020-06-08 2020-06-08 ホルダおよび切削工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021192933A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4814890B2 (ja) 切削インサート、ミーリング工具および切削方法
JP4578577B2 (ja) 切削インサート、切削工具、およびそれらを用いる切削方法
JP6133401B2 (ja) 切削インサートの切り屑制御構造
JP5350383B2 (ja) 切削挿入体
JP5740007B2 (ja) 切削インサートおよび切削工具、並びにそれを用いた切削加工物の製造方法
JP3803549B2 (ja) 溝加工用の切削インサート
KR101323558B1 (ko) 장착 구멍을 갖는 인서트 및 절삭 인서트를 포함하는공구홀더
JPH04261707A (ja) 切削インサート
JP2015520035A (ja) 切り屑制御構造を備える切削インサート
EP2305416B1 (en) Cutting insert
JP6621044B1 (ja) 切削インサートおよびフライス工具
JP5592954B2 (ja) 切削インサートおよび切削工具、並びにそれを用いた切削加工物の製造方法
US20120294686A1 (en) Cutting insert, cutting tool, and method of manufacturing machined product using the same
JP6052455B1 (ja) 切削インサートおよび切削工具
KR102197363B1 (ko) 절삭 인서트
JP6066005B1 (ja) 切削インサートおよび切削工具
JP5295271B2 (ja) 切削インサートおよび切削工具、並びにそれを用いた被削材の切削方法
JP2021192933A (ja) ホルダおよび切削工具
JP4859815B2 (ja) スローアウェイインサートおよびそれを装着した転削工具
CN114951721B (zh) 切削工具以及切削刀片
JP2022135489A (ja) 切削インサート
JP2003291003A (ja) 切削工具
WO2020245878A1 (ja) ボールエンドミル及び切削インサート
JP5243396B2 (ja) 隅削り用刃先交換式チップとミーリングカッタ
JP2017154235A (ja) 切削インサートおよび刃先交換式切削工具

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20200615