次に、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に本発明を適用した例を説明する。具体的には、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄が変動表示した後に停止表示する図柄変動遊技(単に「変動遊技」ともいう。)を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示される(変動遊技の結果が特定結果となる)ことで、遊技者に所定量の遊技利益(例えば賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機を例に説明する。
なお、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の正面(表面)側であって、遊技時に遊技者が位置する側(手前側)のことである。また、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の背面(裏面)側のことである。さらに、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、図1や図3における上側、下側、左側、右側を指す。
図1〜図3に示すように、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技機枠50から取り外した状態の遊技盤2を示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また、前面枠51には、遊技の進行に伴って行われる遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンの何れか一方又は両方を指して単に「演出ボタン63」ともいう。)や、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67等も設けられている。枠ランプ66はLEDによって構成されている。
演出ボタン63は、外部からの操作により入力を行うことが可能な入力手段として機能するものである。遊技者は、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。演出ボタン63(入力手段)のことを「操作手段」ともいい、第1演出ボタン63aのことを「第1入力手段」又は「第1操作手段」ともいい、第2演出ボタン63bことを「第2入力手段」又は「第2操作手段」ともいう。
なお、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。また、本実施例ではプッシュ式の操作手段(押しボタン)としているが、操作レバーや操作スティックなど前後方向や左右方向へ傾倒させることが可能な傾倒式の操作手段であってもよい。さらに、また、本実施例では第1演出ボタン63aと第2演出ボタン63bの2つの演出ボタンが設けられているが、演出ボタンの数は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(図5を参照)も設けられている。盤面ランプ5はLEDによって構成されている。
遊技領域3の中央付近には、演出用の表示装置(演出表示手段)として、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう。)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう。)が設けられている。演出図柄8L,8C,8Rは、その演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)にて、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。なお、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。
本実施例の演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ「1」〜「9」までの数字図柄(図柄種)からなるもので、これらの数字図柄が順に表示されるものとなっている。具体的に、演出図柄8の変動表示は、「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で数字図柄をスクロール表示させることによって行われるものとなっており、「9」まで到達したら「1」に戻って、スクロール表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。
演出図柄表示領域7bに表示(停止表示)される左、中、右の組み合わせ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう。)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している3つの演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する順序(停止順序)を、原則「左→右→中」としている。すなわち、停止順が1番目の停止図柄を左演出図柄8Lとし、停止順が2番目の停止図柄を右演出図柄8Rとし、停止順が3番目(最後)の停止図柄を中演出図柄8Cとしている。なお、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。
ここで、第1特別図柄、第2特別図柄及び演出図柄8の何れか又は全部を指して単に「図柄」や「識別情報」ともいう。また、普通図柄のことを「普図」や「普通識別情報」ともいい、特別図柄のことを「特図」ともいい、第1特別図柄のことを「特図1」や「第1特図」ともいい、第2特別図柄のことを「特図2」や「第2特図」ともいう。さらに、演出図柄8を表示する画像表示装置7、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示器41bの何れか又は全部を指して「識別情報表示手段」ともいう。
演出図柄8の停止表示態様は次のように定めることができる。例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が16R(ラウンド)大当りや6R大当り等となった場合には、「444」や「777」などの3桁同一のゾロ目で演出図柄を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が2R大当りとなった場合には、「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況(大当りが発生したか否か等)を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。
ここで、演出図柄8の停止表示態様(図柄組み合わせ)のうち、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に対応する停止表示態様のことを「大当り態様」、「特定態様」又は「特定表示結果」ともいい、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に対応する停止表示態様のことを「外れ態様」、「非特定態様」又は「非特定表示結果」ともいう。また、演出図柄8の停止表示態様は、演出図柄8の変動表示の結果を示すものであるといえることから、当該演出図柄8の停止表示態様のことを「結果表示態様」ともいう。
画像表示装置7の表示画面7aでは、前述のような演出図柄8を用いた遊技演出(「演出図柄遊技演出」ともいう。)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(「特別遊技演出」ともいう。)や、客待ち用のデモ演出など、遊技に関連する様々な演出(演出表示)が表示される。また、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出等の演出表示では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像など、演出図柄以外の様々な画像も表示される。なお、演出図柄遊技演出のことを「変動演出」ともいう。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている(図3を参照)。第1演出保留9aや第2演出保留9b(第1演出保留9a及び第2演出保留9bの何れか一方又は両方を指して「演出保留」ともいう。)の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。なお、演出保留のことを「保留図柄」ともいう。また、演出図柄や背景画像、キャラクタ画像、演出保留(保留図柄)等、表示画面7aに表示される画像及びその他情報のことを「演出画像」や「表示対象」ともいう。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)を取り囲むセンター装飾体10が設けられている。センター装飾体10は、プラスチック製(樹脂製)の成型物によって構成されるもので、中央が開口した枠状の部品(盤部品)として、遊技盤2の表面(前面)に取り付けられるものである。当該センター装飾体10の中央開口を介して画像表示装置7の表示画面7aが視認可能となる。
センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。また、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらに、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の左部であってワープ部12の手前には、遊技演出に伴って作動可能な可動演出部材14が設けられている。可動演出部材14は、表示画面7aの手前側(近傍)で作動可能な演出用の可動役物として機能するものである。本実施例の可動演出部材14は、人差し指を立てた手をモチーフとした造形物により構成されており、普段は、図3に示すように、ワープ部12の手前に位置して人差し指の指先が上を向いた状態となっている。そして、所定の作動条件が成立すると、センター装飾体10の中央開口の左側開口縁に沿って上昇したり、人差し指の指先がセンター装飾体10の右側(画面右側)を向くように右方向へ傾動(回動)したりする。すなわち、可動演出部材14の作動態様として、センター装飾体10の左側開口縁に沿って上昇する第1作動態様と、センター装飾体10の右側(画面右側)を向くように右方向へ傾動(回動)する第2作動態様とがあり、第1の作動条件が成立すると可動演出部材14が第1作動態様で作動し、第1の作動条件が成立すると可動演出部材14が第2作動態様で作動する。可動演出部材14が作動する演出についての詳細は後述する。可動演出部材14の作動は、可動演出部材14を上下動させたり回動させたりするためのスライドレール、ギヤ、モータ等を含む駆動機構(図示せず)によって実現される。なお、駆動機構の構成自体は本発明の要旨に関係しないため、駆動機構についての詳細な説明は省略する。
ここで、遊技状況に応じた種々の演出画像を表示することで表示演出を行うことが可能な画像表示装置7のことを「表示演出部」や「表示演出手段」ともいい、遊技演出中に作動することで可動演出を行うことが可能な可動演出部材14のことを「可動演出部」や「可動演出手段」ともいう。また、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することで音演出を行うことが可能なスピーカ67のことを「音演出部」や「音演出手段」ともいい、遊技の状況に応じて様々な光を発することで光演出を行うことが可能な盤面ランプ5、枠ランプ66及び装飾部材13のことを「光演出部」や「光演出手段」ともいう。盤面ランプ5等以外にも、例えば、演出ボタン63や発射ハンドル60が装飾部材13と同様にLED等の電飾部材を内蔵しており、電飾部材の作用により遊技の状況に応じて点灯・点滅等する場合、これら演出ボタン63や発射ハンドル60も「光演出手段」といえる。さらに、これら「表示演出手段」、「可動演出手段」、「音演出手段」及び「光演出手段」を総じて「演出手段」ともいう。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(「第1特別図柄当否判定」ともいう。)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう。)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(「第2特別図柄当否判定」ともいう。)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
なお、特別図柄当否判定の結果が「大当り」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「大当り変動」や「特定変動」ともいい、特別図柄当否判定の結果が「外れ」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「外れ変動」や「非特定変動」ともいう。
可変入賞装置22は可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は第2始動口ソレノイド24(図5を参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能とされる。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30(「第1可変入球口」ともいう。)を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31は開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は第1大入賞口ソレノイド33(図5を参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35(「第2可変入球口」ともいう。)を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5を参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた実行条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると、第2始動口21は開状態となる。
さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。本実施例では、一般入賞口27を4個設けてあり、そのうちの3個を第1始動口20の左方に設けられた左一般入賞口とし、1個を第1大入賞口30の右方に設けられた右一般入賞口としている。第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「5」、第2始動口21の賞球数は「3」、第1大入賞口20および第2大入賞口35の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1領域)3Aと右側の右遊技領域(第2領域)3Bとに分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように発射ハンドル60を操作して遊技球を発射する打方を「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように発射ハンドル60を操作して遊技球を発射する打方を「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および3個の左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。このため、本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、左打ちを行って第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が変化した際には、右打ちを行ってゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30又は第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。
図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が設けられている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また、主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに、主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りになった場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態か左打ちを行うべき状態かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は、後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。なお、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部ということがある。
特別図柄表示部では、特別図柄(識別情報)が所定の変動表示時間(「変動時間」ともいう。)にしたがって変動表示した後に停止表示し、停止表示した特別図柄(停止図柄)の表示態様(停止表示態様)によって、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果が報知される。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当りを示す特定態様(特定表示結果)である場合には、停止表示された大当り図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる大当り遊技(特別遊技)が実行される。なお、大当り遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
特別図柄の停止表示は、所定の停止表示時間(確定表示時間)が経過するまで行われる。そして、停止表示された特別図柄が外れ図柄(外れ態様、非特定態様)であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されている場合には、停止表示時間が経過すると、記憶順の最も古い(最先の)特図保留が消化され、これにより次の特別図柄の変動表示が開始される。また、停止表示された特別図柄が外れ図柄であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されていない場合には、停止表示時間が経過した後も、特別図柄の停止表示状態が維持される。一方、停止表示された特別図柄が大当り図柄である場合には、停止表示時間が経過すると、後述する大当り遊技のオープニング期間に移行し、当該オープニング期間を経て大当り遊技の1ラウンド目が開始される。なお、特別図柄の停止表示時間は「0.5秒〜1.0秒」とされるのが一般的で、本実施例では「0.6秒」としている。
図4に示すように、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「16R第1大当り」、「6R第2大当り」、「6R第3大当り」、「6R第4大当り」及び「6R第5大当り」の5種類の大当りが設けられており(図6、図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら5種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第1特別図柄当否判定の結果が16R第1大当りとなった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第1大当り図柄)、6R第2大当りとなった場合には「ino」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第2大当り図柄)、6R第3大当りとなった場合には「inp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第3大当り図柄)、6R第4大当りとなった場合には「ijo」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第4大当り図柄)、6R第5大当りとなった場合には「jno」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(6R第5大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「16R第6大当り」、「16第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」及び「2R第11大当り」の6種類の大当りが設けられており(図6、図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第2特別図柄当否判定の結果が16R第6大当りとなった場合には「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第6大当り図柄)、16R第7大当りとなった場合には「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第7大当り図柄)、12R第8大当りとなった場合には「abc」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(12R第8大当り図柄)、6R第9大当りとなった場合には「afg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第9大当り図柄)、2R第10大当りとなった場合には「abde」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(2R第10大当り図柄)、2R第11大当りとなった場合には「abdh」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(2R第11大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
なお、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう。)が取得され、この取得された各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数(本実施例では「4」)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には、図4に示す通り、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、普通図柄当否判定の結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また、普通図柄当否判定の結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。なお、外れ普通図柄は特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう。)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」、「メイン制御部」又は「遊技制御部」ともいう。)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う副制御基板90(「副制御部」、「サブ制御部」又は「演出制御部」ともいう。)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう。)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(「画像制御部」又は「表示制御部」ともいう。)等を備えている。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられている。この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上には副制御基板90を収納した副制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(「遊技制御用マイコン」ともいう。)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、センサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。これらセンサが遊技球を検知すると、その検知信号が主制御基板80に入力され、これを受けて遊技制御用マイコン81は副制御基板90に対し各入賞口に応じた入球コマンドを送信する。
また、ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33および第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
さらに、主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また、主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう。)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン(「払出制御用マイコン」ともいう。)116が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号やパチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。
遊技者による発射装置112の発射ハンドル60の操作があった場合、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。なお、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
また、主制御基板80は、副制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80と副制御基板90との接続は、主制御基板80から副制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80と副制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、副制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(「演出制御用マイコン」ともいう。)91が実装されている。演出制御用マイコン91は、各種演出を実行するにあたっての演出制御全般を担うものであり、「演出制御手段」として機能するものである。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。なお、入出力回路95は演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。また、副制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
副制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。なお、副制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出(遊技に関連する演出)を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる演出実行手段として機能するものである。また、例えば、チャンス目予告や保留変化予告、ステップアップ予告等の各種予告演出を実行させる予告演出実行手段としても機能する。予告演出については後述する。
副制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン(「画像制御用マイコン」ともいう。)101のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示に合わせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動演出部材14を作動させて表示画面7aの一部を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種画像の一部または全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。なお、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等の出力を行う。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、副制御基板90のROMに格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。この場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動演出部材14を作動させる。前述したように、可動演出部材14は演出用の可動役物(可動部材)であり、可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動演出部材14を所定の作動態様で作動させるための作動パターンデータ(「駆動データ」ともいう。)を、副制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した作動パターンデータに基づいて可動演出部材14の作動を制御する。
なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動演出部材14の作動制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや作動パターンに関するデータを格納してもよい。また、可動演出部材14は複数の装飾LED(図示せず)を含んで構成されており、装飾LEDの発光態様(点灯/消灯/点滅や発光色等)を決める発光パターンデータも、可動演出部材14の作動パターンデータに含まれている。このため、可動演出部材14の作動には、可動演出部材14の上下動だけでなく、装飾LEDの発光(点灯/点滅等)も含まれることとなる。なお、可動演出部材14に装飾LEDを設けなくてもよい。
副制御基板90には、第1演出ボタン63aが操作されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cと、第2演出ボタン63bが操作されたことを検知する第2演出ボタン検知スイッチ63dと、が接続されている。第1演出ボタン63aが操作されると、第1演出ボタン検知スイッチ63cのスイッチ信号(「検知信号」ともいう。)がONとなって副制御基板90に入力され、第1演出ボタン63aの操作が解かれると、その検知信号がOFFとなって副制御基板90に入力される。第2演出ボタン63bが操作されると、第2演出ボタン検知スイッチ63cの検知信号がONとなって副制御基板90に入力され、第2演出ボタン63bの操作が解かれると、その検知信号がOFFとなって副制御基板90に入力される。なお、第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dの一方又は両方を指して「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。また、第1演出ボタン検知スイッチ63cのことを「第1操作検知手段」ともいい、第2演出ボタン検知スイッチ63dのことを「第2操作検知手段」ともいい、第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dの一方又は両方のことを「操作検知手段」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(当否判定手段)について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには特別図柄表示部に「大当り図柄」が表示(停止表示)され、「外れ」のときには特別図柄表示部に「外れ図柄」が表示(停止表示)される。特別図柄当否判定で大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類(大当り種別)に応じた開放パターンで大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)が開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」という。
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には、図6に示すように、大当りとして「16R第1大当り」、「6R第2〜第5大当り」、「16R第6大当り」、「16R第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」及び「2R第11大当り」の計11種類が設けられている。これらの大当りのうち、第1特別図柄に係る大当りである「16R第1大当り」及び「6R第2〜第5大当り」と、第2特別図柄に係る大当りである「16R第6大当り」は、何れも、第1大入賞口30(下アタッカー)を用いた大当り遊技に係る大当りである。具体的には、「16R第1大当り」及び「16R第6大当り」は、何れも、第1大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が16回で、開放時間が1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。また、「6R第2〜第5大当り」は、何れも、第1大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が6回で、開放時間が1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。なお、ラウンドを単に「R」と表記することがある。また、大当り遊技を構成するラウンドのことを「ラウンド遊技」ともいう。
一方、第2特別図柄に係る大当りである「16R第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」および「2R第11大当り」は、第2大入賞口35(上アタッカー)を用いた大当り遊技に係る大当りである。具体的には、「16R第7大当り」、「12R第8大当り」及び「6R第9大当り」は、第2大入賞口35の開放回数(ラウンド数)が夫々16回、12回、6回で、開放時間が何れも1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。また、「2R第10大当り」及び「2R第11大当り」は、何れも、第2大入賞口35の開放回数(ラウンド数)が2回、開放時間が何れも1回の開放(1ラウンド)につき0.1秒の大当りである。特別図柄表示部は、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。
ここで、16R第1大当り、16R第6大当り及び16R第7大当りのことを総じて「16R大当り」ともいい、6R第2〜第5大当り及び6R第9大当りのことを総じて「6R大当り」ともいい、2R第10大当り及び2R第11大当りのことを総じて「2R大当り」ともいう。また、12R第8大当りのことを単に「12R大当り」ともいう。
なお、本実施例では、ラウンド数の違いによる大当り種別を、2R大当り、6R大当り、12R大当り及び16R大当りの4種類としているが、例えば、5R大当りと10R大当りの2種類としたり、7R大当りの1種類としたりする等、種々の大当り種別を設けることが可能である。また本実施例では、大当り遊技の最大ラウンド数を16R(16R大当り)としているが、最大ラウンド数はこれに限られず、例えば、15R以下(例えば10R)とすることも可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1では、当選(発生)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態(変動遊技が実行されるときの遊技状態)を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に制御することが可能となっている。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当り及び2R第10大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」に制御される。また、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の6R第3〜第5大当り及び2R第11大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」に制御される。このことから、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りは「確変大当り」として捉えることができ、6R第3〜第5大当り及び2R第11大当りは「非確変大当り」(通常大当り、時短大当り)として捉えることができる。
また、2R大当り(2R第10大当り、2R第11大当り)は、前述したように第2大入賞口35を1ラウンドにつき0.1秒で開放(一瞬開閉)させる大当りであり、このように極短時間で開放する第2大入賞口35に遊技球が入球する可能性は低く、したがって、第2大入賞口35への入球の基づく賞球を獲得できる可能性も低い。このような2R大当りは、いわゆる「出球なし大当り」ともいい、そのうち2R第10大当りのことを「出球なし確変大当り」ともいい、2R第11大当りのことを「出球なし通常(時短)大当り」ともいう。
なお、本実施例では、2R第10大当り及び2R第11大当りについて、大当りの発生や大当り遊技の実行に際し、何れの大当りに係る大当り遊技が実行されるのかを、遊技者にとって分かり難いものとしている。すなわち、これらの大当りについては、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される変動演出の態様や演出図柄8の停止表示態様、大当り遊技演出の態様等を共通化することで、演出を通じて大当り種別を把握(判別)するのを困難にしている。このため、2R大当りが発生した場合、遊技者は、当該大当り遊技後の遊技状態が低確率状態なのか高確率状態なのかを、原則、大当り遊技後の高ベース状態の継続又は終了の分岐(図6を参照)に至るまでは判別できないものとなっている。
また、本実施例では、第2大入賞口35(上アタッカー)を開放させる大当りのうち、16R第7大当り、12R第8大当り及び6R第9大当りについては、大当りの発生や大当り遊技の実行に際し、何れのラウンド数の大当り遊技が実行されるのかを、遊技者にとって分かり難いものとしている。すなわち、これらの大当りについては、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される変動演出の態様や演出図柄8の停止表示態様、大当り遊技演出の態様等を共通化することで、演出を通じて大当り遊技の正確なラウンド数を把握(判別)するのを困難にしている。このため、これらの大当りは、ラウンドがどこまで続く分からない状況下でラウンドを消化しつつ、6ラウンドや12ラウンドの終了を迎えるタイミング(ラウンド分岐)で、ラウンドがさらに続くか否かに注目するといった遊技性となっている。このような大当りは、所謂「ランクアップボーナス」と呼ばれるもので、以下、この大当りのことを「RUB」と表記することがある。
さらに、本実施例では、第1大入賞口30(下アタッカー)を開放させる大当りのうち、6R第2〜第5大当りについては、大当りの発生や大当り遊技の実行に際し、何れの大当りに係る大当り遊技が実行されるのかを、遊技者にとって分かり難いものとしている。すなわち、これらの大当りについては、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される変動演出の態様や演出図柄8の停止表示態様、大当り遊技演出の態様等を共通化することで、演出を通じて大当り種別を把握(判別)するのを困難にしている。このため、6R第2〜第5大当りの何れかが発生した場合、遊技者は、当該大当り遊技後の遊技状態が低確率状態なのか高確率状態なのかを、原則、大当り遊技後の高ベース状態の継続又は終了の分岐(例えば、大当り遊技後100回目の変動表示)に至るまでは判別できないものとなっている。
第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第1大当りが5%、6R第2大当りが55%、6R第3大当りが5%、6R第4大当りが15%、6R第5大当りが20%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第6大当りが30%、16R第7大当りが7%、12R第8大当りが10%、6R第9大当りが8%(つまり、RUBが25%)、2R第10大当りが5%、2R第11大当りが40%となっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく当否判定(特図2当否判定)により大当りとなった場合には、第1始動口20への入球に基づく当否判定(特図1当否判定)により大当りとなった場合に比べ、16R大当りの出現率(振分確率)が高くなっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(特図1当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(特図2当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで、本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定(当否判定)は「特別図柄当否判定用乱数」(「当否判定用情報」ともいう。)に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数」(「図柄決定用乱数」又は「図柄決定用情報」ともいう。)に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数」(「変動パターン情報」ともいう。)がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例に係るパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄および普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態のことを「高確率状態」や「確変状態」ともいい、作動していない状態のことを「低確率状態」や「通常状態」ともいう。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。なお、確率変動機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄当否判定の当選確率(大当り確率)を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能な確率設定手段として機能する。
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄の一方又は両方)について変動時間短縮機能が作動している状態のことを「時短状態」ともいい、作動していない状態のことを「非時短状態」ともいう。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。なお、変動時間短縮機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄の変動時間が通常よりも短くなる短縮変動状態を設定可能な短縮変動状態設定手段として機能する。
特別図柄についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態と一緒に設定されたり解除されたりするように制御されるが、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」(高頻度状態発生手段)ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当り及び2R第10大当りの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数(所定回数)の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。つまり、高確高ベース状態での所定回数の変動表示や大当り当選(大当り遊技の実行)は、高確高ベース状態の終了条件であるといえる。高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態であり、遊技者にとってはいわゆる「確変状態」となる。
また、6R第3〜第5大当り及び2R第11大当りの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本例では100回又は20回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。つまり、低確高ベース状態での所定回数の変動表示や大当り当選(大当り遊技の実行)は、低確高ベース状態の終了条件であるといえる。
以上のように、本実施例のパチンコ遊技機1においては、大当り遊技が行われていない低確低ベース状態を基準とすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技(変動遊技)を「通常遊技」として捉えることができる。一方、高確高ベース状態や低確高ベース状態は、低確低ベース状態に比べ遊技者にとって有利な状態であることから、これら高確高ベース状態や低確高ベース状態を「有利状態」として捉えることができる。なお、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これら3つの遊技状態のうち、有利状態としての低確高ベース状態を「第1遊技状態」ともいい、同じく有利状態としての高確高ベース状態を「第2遊技状態」ともいい、非有利状態としての低確低ベース状態のことを「第3遊技状態」ともいう。また、それら3つの遊技状態に加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。この高確低ベース状態も低確低ベース状態に比べ遊技者にとって有利な状態であることから、「有利状態」として捉えることができる。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。このため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
ここで、発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図36に基づいて遊技制御用マイコン81の作動(メイン制御部80による制御処理)について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)ではまず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、副制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。なお、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a等)が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、保留球数処理(S208)および電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
その結果、普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはメイン制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算して(S307)、特図2関係乱数取得処理を行う(S308)。
特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部のうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはメイン制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算して(S311)、特図1関係乱数取得処理を行う(S312)。
特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、第2特図保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)に先立って行う事前判定(いわゆる「保留先読み」)に相当するものである。
なお、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルとに基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りであるか否かや大当り種別、大当り期待度(単に「期待度」ともいう。)の高い遊技演出が実行されるか否か等を識別可能とすることができる。
次いでS318では、S317による判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。なお、特図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特図2取得乱数の値の一部または全部を、そのまま副制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、メイン制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるか否か、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるか否かを特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
なお、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(いわゆる特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、第2特図保留の優先消化を利用して、任意のタイミングで第2特図保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S321〜S323の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。なお、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。なお、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、S502〜S505の処理を行うことなく本処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。
普通図柄変動パターン選択処理(S503)では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、副制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により当りであるか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により当りであるか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、普図当否判定(S603,S604)の結果が当り(普図当り)であるか否かを判定し(S605)、外れと判定した場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)であると判定した場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、本処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中であるか否かを判定する(S1002)。その結果、第2始動口21の開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、S1004の処理を行うことなく本処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、本処理を終える。
一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)、S1006〜S1010の処理を行うことなく本処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるべくそのまま本処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)、本処理を終える。なお、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであると判定した場合(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(S206)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。特図動作処理(S207)では、図21に示すように、特別図柄表示部及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、特図動作ステータスが「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、特図動作ステータスが「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、特図動作ステータスが「3」である場合には(S1101,S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101,S1103,S1105の全てがNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。なお、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、待機画面とする処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、待機画面とする処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201にて特図2保留球数が「0」でないと判定した場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B)を参照)。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、図8(A)に示す大当り判定テーブルのうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブルのうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」であると判定した場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、本処理を終える。一方、大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、本処理を終える。
第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定及び何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプ、6R用ランプ、12R用ランプ及び16R用ランプの4個のLEDで構成されている(図4を参照)。そして、例えば2R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R▲6△12△16R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、6R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、6R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6▲12△16R△」の様な表示態様となる。また、12R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、12R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6△12▲16R△」の様な表示態様となる。また、16R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、16R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6△12△16R▲」の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(S1102)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。特図2変動パターン選択処理(S1203)は、第2特別図柄の変動表示を実行する場合の当該変動表示に係る変動パターン(特図2変動パターン)を選択する処理である。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。その結果、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。その結果、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1〜P3の何れかが選択される。なお、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」〜「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4〜P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8〜P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401にて時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。その結果、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12〜P14の何れかが選択される。
一方、S1408で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。S1410で保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15〜P18の何れかが選択される。
一方、S1410で保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」〜「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19〜P22の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理を行い(S1404)、本処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、本処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でないと判定した場合(S1201でYES、S1206でNO)、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで、第1特別図柄の変動表示に係る変動パターン(特図1変動パターン)を選択する処理(S1701〜S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、本処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示す特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間、すなわち、前述のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間(図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、S1902〜S1912の処理を行うことなく本処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、S1901にて変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合(S1905でYES)、確変フラグをOFFにし(S1906)、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、そのままS1907の処理に移行する。
S1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算する(S1908)。そして、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、そのままS1911の処理に移行する。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
なお、前述の特図2変動開始処理(S1205)、特図1変動開始処理(S1210)及び特別図柄変動中処理(S1104)を実行する遊技制御用マイコン81は、「変動遊技実行手段」として機能するものである。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、次いで確定した大当りの種別が16R大当りであるか否かを判定し(S2002)、16R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「16」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。これに対し、S2002で大当りの種別が16R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、確定した大当りの種別が12R大当りであるか否かを判定し(S2004)、12R大当りであると判定した場合(S2004でYES)、ラウンドカウンタの値に「12」をセットし(S2005)、S2009の処理に移行する。また、S2004で大当り種別が12R大当りでないと判定した場合(S2004でNO)、確定した大当りの種別が6R大当りであるか否かを判定し(S2006)、6R大当りであると判定した場合(S2006でYES)、ラウンドカウンタの値に「6」をセットし(S2007)、S2009の処理に移行する。さらに、S2006で大当りの種別が6R大当りでないと判定した場合(S2006でNO)、確定した大当りの種別は2R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「2」をセットし(S2008)、S2009の処理に移行する。
S2009では、確定した大当りの種別(種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットする(S2009)。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められているので、今回確定した大当りに対応する大入賞口開放パターンをセットする(図6を参照)。そして、夫々の大当り遊技において、S2009でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放動作が実行される。
次いでS2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、オープニングコマンドとして、16R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、6R第2〜第5大当りに対応する第2オープニングコマンド、16R第6大当りに対応する第3オープニングコマンド、RUB(16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当り)に対応する第4オープニングコマンド及び2R大当り(2R第10大当り、2R第11大当り)に対応する第5オープニングコマンドの計5種類が設けられている。S2010では、今回確定した大当り(開始する大当り)の種別に応じたオープニングコマンドをセットする。そして、メイン制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定の遊技演出の実行処理を行う。
オープニングコマンドをセットしたら、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」において実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。本実施例では、確定した大当りの種別と、その大当りが確定したとき(つまり、大当り図柄が停止表示されたとき)の遊技状態とによって、オープニング期間(オープニング時間)が決まるものとなっており、前述のオープニングコマンドによってオープニング期間が特定可能となっている。よって、オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドにより特定される大当り種別およびオープニング期間に基づいて、オープニング演出を行うことが可能となっている。
これに対し、S2001にて大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、本処理を終える。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)では、まず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにして(S2102)、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにして(S2104)、S2105の処理に移行する。なお、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行し、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次いでS2105では、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放処理が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。
S2106にてラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。なお、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターン、すなわち、前述のS2009でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させるべく、開閉部材を動作(開動作)させる。
一方、S2106にてラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。
S2112では、大入賞口開放動作の実行中であるか否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。その結果、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2113〜S2115の処理を行うことなくS2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば25s)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば10個)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。
S2113でラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、S2114〜S2121の処理を行うことなく本処理を終える。一方、S2113でラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
次いでS2115では、大入賞口閉鎖処理を行い(S2115)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開閉部材を動作(閉動作)させて、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖状態とする。また、大入賞口閉鎖処理では、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖状態に保つ閉鎖時間、すなわちインターバル時間をセットする。
次いでS2116では、インターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、S2117〜S2121の処理を行うことなく本処理を終える。一方、S2116でインターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。その結果、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、S2119〜S2121の処理を行うことなく処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにして(S2121)、本処理を終える。なお、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技を終了すると「0」になる。
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や大当りの種別、大当り遊技後の遊技状態等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、第1大入賞口30および第2大入賞口35は閉鎖状態とされている。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。
メイン制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
前述のS2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングであるか否かを判定する(S2122)。その結果、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、S2123〜S2126の処理を行うことなく本処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにして(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにして(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、本処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図21)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。なお、以上の特別電動役物処理(S1108)を実行する遊技制御用マイコン81は、「特別遊技実行手段」として機能するものである。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)ではまず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当り及び2R第10大当りの7種類を確変大当りとしていることから、S2201では、それら7種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。その結果、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、本処理を終える。
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や遊技店の1日の営業時間、当該営業時間内に実行可能な特図当否判定の回数等を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。なお、本実施例の様に、確変カウンタおよび時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回大当りまで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグおよび時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
一方、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものでないと判定した場合(S2201でNO)、すなわち、今回終了した大当り遊技が非確変大当り(通常大当り)に係るものである場合、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」又は「20」をセットして(S2207)、処理を終える。本実施例では、前述したように、6R第3〜第5大当り及び2R第11大当りの4種類を非確変大当りとしているので、これら4種類のうちの何れかに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が、低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)となる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示(特別図柄当否判定)が100回又は20回行われること、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。本実施例では、低確高ベース状態の終了条件となる特別図柄の変動表示回数(規定変動回数)を、低確高ベース状態の設定契機となる大当りの種別に応じて設定するものとしている。具体的に、6R第3〜第5大当りを契機とする低確高ベース状態の規定変動回数を「100回」としており、2R第11大当りを契機とする低確高ベース状態の規定変動回数を「20回」としている(図6を参照)。したがって、今回終了した大当り遊技が6R第3〜第5大当りの何れかに係るものである場合、時短カウンタに「100」がセットされ、2R第11大当りに係るものである場合、時短カウンタに「20」がセットされる(S2207)。なお、時短カウンタおよび確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。以上の遊技状態設定処理(S2124)を実行する遊技制御用マイコン81は、「遊技状態制御手段」として機能するものである。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで、保留球数処理(S208)を行う。図35に示すように、保留球数処理(S208)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報を副制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。当該保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断した場合、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)の表示内容を更新する。例えば、特図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特図1保留球数「1」に対応する箇所、図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを変動保留表示領域9e(図3を参照)に移動するとともに、これに伴って第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側に1つ移動(シフト)する。
なお、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。図36に示すように、電源断監視処理(S209)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、本処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにして(S2603)、その後は割り込み処理(S105)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図37〜図42に基づいて、演出制御用マイコン91の作動(サブ制御部90による制御処理)について説明する。なお、演出制御用マイコン91の説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、副制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。副制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、副制御基板90のROMから図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
次いでS4002では、電源断信号がONでかつ副制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、副制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、この判定結果がYESであれば(S4002でYES)、副制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、副制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。
なお、S4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータが副制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、副制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
次いでS4004にて割り込みを禁止し(S4004)、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、副制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。なお、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたとき、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたとき、後述の変動演出パターンを決定するとき、等とすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、副制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、副制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう。)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106及びランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動演出部材14等)を用いて各種の演出(変動演出、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。
次いでS4007では、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や各種ランプの点灯制御、可動装飾部材の動作制御、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図38に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドを副制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、副制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。このスイッチデータは、第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bの夫々についての操作有無(ON、OFF)を示すもので、演出ボタン63の操作に基づく操作対応演出の実行に供されるものである。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ類を発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動演出部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。なお、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、副制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして副制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。
演出保留情報記憶処理(S4400)では、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等を特定可能な遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式で副制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。副制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、副制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」として機能するといえる。
次いでS4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S4401)。その結果、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。
S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4403で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4405の処理に移行する。なお、変動演出とは、演出図柄8の変動表示やリーチ演出など、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。以上の変動演出開始処理(S4402)及び変動演出終了処理(S4404)を実行する演出制御用マイコン91も「変動遊技実行手段」として機能するといえる。
次いでS4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4408)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。S4405では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出(大当り遊技関連演出)の実行に係る処理を行う(S4406)。
例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
次いでS4407にてその他の処理を行い、本処理を終える。その他の処理(S4407)としては、例えば、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図42に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理を行う(S4501)。本実施例では、メイン制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いでS4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。変動パターン指定コマンドには、図9に示す変動パターン情報(P1〜P22)や現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能である。なお、変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いでS4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される画像(演出表示)が演出モードによって異なるものとされる。また、変動演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の変動演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる変動演出を実行可能とすることができる。
本実施例では、演出モードA,Bは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは高確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードD,Eは低確高ベース状態および高確高ベース状態の何れかに制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Cの何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することができる。その意味において演出モードA〜Cは、確率報知モードといえる。演出モードA及びBのことを「通常モード」ともいい、演出モードCのことを「確変モード」ともいう。一方、演出モードがD又はEである場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することは困難である。その意味において演出モードD,Eは、確率非報知モードといえる。本実施例では、16R第1大当り、16R第6大当りおよびRUBの何れかに係る大当り遊技の終了後は演出モードCとなり、6R第2〜5大当りの何れかに係る大当り遊技の終了後は演出モードDとなり、2R大当りに係る大当り遊技の終了後は演出モードEとなる。
次いでS4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動演出部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)とメイン制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)が副制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いでS4505では、S4501で取得した変動演出決定用乱数およびS4504でセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、主に、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(変動演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する場合(リーチあり変動演出)やリーチ演出を実行しない場合(リーチなし変動演出)等が決定される。また、変動演出パターンには、演出図柄8の変動態様の他、演出図柄8の変動表示に付随して実行される表示演出や音演出、光演出、可動演出等の実行態様も含まれ、これら演出の実行有無についても決定される。
なお、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L,8C,8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L,8C,8Rのうちの2個(例えば第1停止図柄及び第2停止図柄)が大当り態様を構成する図柄(「リーチ図柄」又は「リーチ態様」ともいう。)で停止表示(仮停止)され、残り1個(例えば第3停止図柄)が変動表示を続けている状態で、その残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。このリーチ演出によれば、大当り発生を狙う遊技者の期待感を効果的に煽ることが可能となる。
またS4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。ここで、停止表示の種類には、仮停止表示(仮停止)と確定停止表示(確定停止)とがある。仮停止とは、演出図柄のスクロール表示(変動表示)が一旦停止(一時停止)され、演出図柄が表示画面上の所定の停止位置(例えば演出図柄表示領域7b)にて、その数字やキャラクタ等を認識できる程度に僅かに動いた状態で表示されることを意味する。僅かに動いた状態のことを「揺れ変動」ともいう。一方、確定停止とは、演出図柄のスクロール表示(変動表示)が終了して、演出図柄が表示画面上の所定の停止位置(例えば演出図柄表示領域7b)にて、その数字やキャラクタ等を認識できる状態で完全に停止して表示されることを意味する。演出図柄が変動表示を経て確定停止されると、その変動表示の表示結果(変動演出の結果)が確定的に表示(確定表示)されること(導出表示されること)となる。したがって、演出図柄の仮停止は、確定停止に至るまで1回または複数回行うことが可能である。
S4505において決定(選択)する停止演出図柄は、仮停止する図柄(以下「仮停止図柄」ともいう。)と、確定停止する図柄(以下「確定停止図柄」ともいう。)である。具体的に、変動演出の結果として停止表示(確定停止)される演出図柄8、すなわち確定停止図柄は、特別図柄当否判定の結果が外れであって、リーチあり外れの場合は「787」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目とされ、リーチなし外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目とされる。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りであって、16R第1大当り及び16R第6大当りの何れかの場合は「777」のゾロ目とされ、6R第2〜第5大当りの場合は「777」以外の奇数図柄のゾロ目または「666」等の偶数図柄のゾロ目とされ、RUBに相当する大当りの場合は「3★3」等のRUB専用出目(専用図柄)とされる。また、2R大当りの場合は、外れのときと同じ態様(バラケ目)で3個の演出図柄8L,8C,8Rを停止表示するものとしている。但し、2R大当りについては、「135」等の予め定めたチャンス目を停止表示してもよい。
また、確定停止に至る前の変動表示の途中で一旦仮停止される演出図柄8、すなわち仮停止図柄は、基本的には、前述のゾロ目(大当り態様)以外の出目(リーチ外れ目、完全外れ目等)とされる。但し、例えば、演出図柄8をゾロ目で停止した後に再度変動表示させる所謂「再抽選」を実行する変動演出パターンの場合には、仮停止図柄がゾロ目(大当り態様)とされる。この場合、仮停止図柄は、相対的に有利度合の低い大当り(例えば確変大当りよりも有利度合の低い通常大当り)に対応する出目とされる。また、再抽選後の確定停止図柄は、再度、相対的に有利度合の低い大当りに対応する出目としたり、相対的に有利度合の高い大当りに対応する出目としたりすることができる。さらに、演出図柄8は、変動表示が終了して確定停止する直前(間際)にも仮停止されることから、確定停止直前に仮停止する演出図柄8も仮停止図柄であるが、この場合の仮停止図柄は確定停止図柄と同じとなる。なお、前述した演出図柄8の停止表示態様はあくまでも一例であり、停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜設定可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう。)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC等が設定されている。S4505では、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、それらリーチ演出等のうち何れの演出を行うか、又はそれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう。)かが決定される。そして、例えば、リーチあり変動演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、スーパーリーチ演出(SPリーチA〜Cの何れか)が実行される場合には、ノーマルリーチ演出(リーチA〜Cの何れか)が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はノーマルリーチ演出と比較して大当りとなる可能性(大当り期待度)の高い遊技演出であるといえる。
本実施例では、主制御基板80からの変動パターン指定コマンドとして、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを副制御基板90が受信した場合に、当該コマンドに基づいてリーチ演出(リーチあり変動演出)が設定(実行)され得る。そのうち、変動時間が30000msの場合には、リーチ演出としてノーマルリーチ演出が設定(実行)され(ノーマルリーチ変動演出)、変動時間が45000ms以上の場合には、リーチ演出としてSPリーチ演出が設定(実行)される(SPリーチ変動演出)。なお、本実施例では、リーチ演出の種類としてリーチA〜Cの3種類のノーマルリーチと、SPリーチA〜Cの3種類のスーパーリーチを備えるものとしているが、リーチ演出の種類(数)はこれに限定されるものではなく、さらに多くのリーチ演出を備えることとしてもよい。
ここで、演出図柄8の変動表示は、基本的に次のようにして行われる。すなわち、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した後、全図柄の変動速度が高速で略一定となり、その後、所定時間(例えば9秒)が経過したタイミングで、第1停止図柄(本例では左演出図柄8L)の変動速度が低下して第1停止図柄が停止(仮停止)する。これに次いで第2停止図柄(本例では右演出図柄8R)の変動速度が低下して第2停止図柄が停止(仮停止)し、最後に第3停止図柄(本例では中演出図柄8C)の変動速度が低下して第3停止図柄が停止(仮停止)する。この後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが確定停止することで、変動表示の表示結果が導出表示され、これをもって1回の変動表示が終了する。このような変動表示の開始から終了までの流れをベースとして、ノーマル変動やリーチ演出等が行われる。
例えば、特図保留球数や遊技状態に応じた特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない場合(変動時間短縮機能非作動時)において、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した場合、当該変動開始から所定時間(例えば9秒)が経過したタイミングで左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)し、これに続いて右演出図柄8R(第2停止図柄)が停止(仮停止)する。このとき、左右の演出図柄8L,8Rが同じ数字の図柄(リーチ態様)で停止(仮停止)すればリーチ成立となり、その後、リーチ演出に発展する。一方、リーチ成立とならなければ(つまり、ノーマル変動であれば)、右演出図柄8R(第2停止図柄)の停止(仮停止)に続いて中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)する。本実施例では、ノーマル変動にて、演出図柄8の変動開始から第3停止図柄(本例では中演出図柄8C)が停止(仮停止)するまでにかかる時間は約11秒となっている。但し、特別図柄の変動時間短縮機能が作動している場合のノーマル変動では、変動表示の開始から左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間が通常(変動時間短縮機能非作動時)よりも短くなり、これに伴って、右演出図柄8R(第2停止図柄)および中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間も短くなる。
なお、S4505にて設定される変動演出パターンや、後述のS4506で設定される予告演出パターンによっては、例えば、演出図柄8の変動表示の開始後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが同時期に一斉に停止(仮停止)したり、第1停止図柄が停止するまでの所定時間(例えば9秒)を越えても全図柄が変動し続けたりする等、演出図柄の停止表示の順序やタイミング等が前述した態様と異なる場合がある。
次いでS4506では、予告演出の設定に係る処理(予告演出設定処理)を行う(S4506)。予告演出とは、現在実行中の変動表示の表示結果又は後に実行される変動表示の表示結果が大当り態様となる可能性(大当り期待度)を示唆する演出のことである。予告演出のことを「示唆演出」ともいう。本実施例では、S4400で記憶した演出保留情報(事前判定結果)に基づく予告演出(「保留先読み予告」ともいう。)や、現在の特図変動表示(変動演出)に係る予告演出(「当該変動予告」ともいう。)など、種々の予告演出が実行可能となっていることから、S4506では、各予告演出について実行するか否か(実行有無)を判定したり、実行する予告演出の実行パターン(予告演出パターン)を設定したりする。具体的には、S4501において取得した予告演出決定用乱数と、副制御基板90のROMに記憶された予告演出決定テーブル(図示せず)とに基づいて、予告演出の実行有無や予告演出パターンを決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する。予告演出(示唆演出)は、例えば、大当り期待度を示唆する画像(「予告画像」又は「示唆画像」ともいう。)を表示画面7aに表示すること(「予告表示」又は「示唆表示」ともいう。)により行われる。なお、予告演出は、そのような表示演出(予告表示、示唆表示)の他、音演出や光演出、可動演出によっても行うことが可能であり、これら各演出の組み合わせにより行うことも可能である。
S4400で記憶される演出保留情報の記憶内容(演出保留情報記憶領域の記憶内容)や、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄当否判定の結果(今回の特図変動表示に係る当否判定の結果)、同じく変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターン情報(今回の特図変動表示に係る変動パターンや停止図柄)によって、S4506で設定する予告演出パターン、すなわち、実行する予告演出の種類(予告種)や態様、予告演出の有無等は、異なるものとなる。予告演出を実行する場合、複数の予告演出のうち、一の予告演出(一種類の予告演出)を実行することもあれば、二以上の予告演出(複数種の予告演出)を実行すること、すなわち、一の変動表示中(変動演出中)に複数種の予告演出を各々の実行タイミングで実行することもある。
次いでS4507では、S4505で設定した変動演出パターン及びS4506で設定した予告演出パターンに基づいて変動演出等を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終える。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データ(演出図柄8の変動開始、変動中、変動停止等を構成する画像データ)と、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出や予告演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。さらに、当該変動演出の実行に合わせて、音声制御基板106及びランプ制御基板107を介して、音演出や光演出、可動演出等の各演出が実行される。
本実施例では、演出図柄8の変動表示中(変動演出中)に実行され得る演出として「段階煽り演出」が設けられている。段階煽り演出は、前述のS4505で段階煽り演出を含む変動演出パターン(「段階煽り演出パターン」又は「特定変動演出パターン」ともいう。)が設定された場合に実行されるものである。本実施例の段階煽り演出パターン(特定変動演出パターン)は、変動時間が45000ms以上の変動パターン(図9を参照)に対して設定され得る。このため、段階煽り演出は、変動時間が45000ms以上の変動表示(変動演出)で実行され得る。また、段階煽り演出パターンは、特別図柄当否判定の結果が外れの場合よりも大当りの場合に設定される可能性が高くなっている。このため、段階煽り演出は大当り期待度が高まる遊技演出であるといえる。以下、段階煽り演出について説明する。なお、段階煽り演出は本発明の「特定演出」の一例に相当する。
[段階煽り演出]
段階煽り演出(特定演出)は、第1段階から第4段階までの4つの段階を含んで構成される。具体的には、画像表示装置7の表示画面7aに所定の表示対象が表示されてその表示対象がストック(蓄積)される態様の第1段階と、そのストックされた表示対象が表示画面7a上に放出される態様の第2段階と、放出された表示対象が表示画面7a(表示領域)の略全体に表示されて画面全体(全領域)が覆われる態様の第3段階と、画面全体を覆う表示対象が消滅してそこに特定表示対象(本例では示唆画像)が出現する態様の第4段階とを含んで構成される。
第1段階で実行される演出は、表示画面7aに表示された表示対象がストック(蓄積)される態様の演出であることから「ストック演出」ということができ、第2段階で実行される演出は、ストックされた表示対象が放出される態様の演出であることから「放出演出」ということができ、第3段階で実行される演出は、放出された表示対象により表示画面7aが覆われる態様の演出であることから「遮蔽演出」ということができ、第4段階で実行される演出は、画面全体を覆う表示対象(放出された表示対象)が消えて特定表示対象(示唆画像)が出現する態様の演出であることから「出現演出」ということができる。なお、ストック演出のことを「第1段階演出」ともいい、放出演出のことを「第2段階演出」ともいい、遮蔽演出のことを「第3段階演出」ともいい、出現演出のことを「第4段階演出」ともいう。
このように段階的に展開される本実施例の段階煽り演出は、例えば、演出図柄8の変動表示の開始後、当該変動表示にてSPリーチ演出等の発展演出に移行するタイミング(「発展分岐タイミング」ともいう。)や、当該変動表示の結果(大当り又は外れ)が判明する演出(「当落演出」ともいう。)に移行するタイミング(「当落分岐タイミング」ともいう。)等、変動表示(変動演出)が重要な局面を迎えるタイミングに合わせて実行することができる。
次に、段階煽り演出の各段階について、図43及び図44を参照しながら説明する。まず、特別図柄の変動表示が開始されると、画像表示装置7の表示画面7aで演出図柄8の変動表示(変動演出)が開始されて、図43(A)に示すように3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示中となる。このとき、変動表示中の演出図柄8(変動表示画像)は表示画面7aにうっすらと(略透明で)表示され、表示画面7aには背景全体が視認可能となる。なお、図43及び図44では、説明の便宜上、背景画像や演出保留(保留図柄)等の図示を省略しているが、実際にはそれらも表示画面7aに表示される。
そして、演出図柄8の変動表示中の所定時期に、図43(B)に示すように、表示画面7aに複数の「ド」の文字画像500(表示対象)が表示される。なお、以下では、「ド」の文字画像を単に「ド」又は「『ド』の文字」と表記することがある。本実施例では、サイズ違いの「ド」を含めて5つの「ド」が表示される。その後、変動開始から約1秒が経過すると、図43(C)に示すように、5つの「ド」が所定のストック領域(蓄積領域)にストック(蓄積)される様子を描いた演出表示が表示画面7aに表示される。具体的には、図43(C)に示すように、表示画面7aの左部であって可動演出部材14の近傍(第1位置)がストック領域とされており、そのストック領域(第1位置)に5つの「ド」が吸い込まれる様子を描いた演出画像510(ストック画像)が表示される。つまり、可動演出部材14の側に向かって5つの「ド」が移動していく様子を描いた演出画像510(ストック画像)が表示される。また、表示画面7aの左部であって可動演出部材14の周りには、「ド」がストックされるのに合わせて光が発生する様子を描いた演出画像520(発光画像)が表示される。これら演出画像510,520の表示により、複数の「ド」(表示対象)がストック(蓄積)される態様(第1位置に向かって移動する態様)の演出表示が実現される。さらに、「ド」がストックされると、初期位置(初期状態)にある可動演出部材14が所定量上昇する可動演出(第1可動演出)が実行される。可動演出部材14が上昇した状態を図43(D)に示す。図43(A)〜(C)では可動演出部材14が初期位置にある状態を示しており、これに対して図43(D)では可動演出部材14が第1上昇位置まで上昇した状態を示している。このように、複数の「ド」の文字画像500が表示された後、演出画像510,520が表示されて可動演出部材14が所定量上昇する演出(図43(B)〜(D)に示す演出)が、ストック演出(第1段階演出)である。
なお、本実施例ではストックされる表示対象(「ストック対象」ともいう。)を「ド」の文字としているが、ストック対象はこれに限られず、例えば、表示画面7aに表示されるキャラクタやアイテムなど文字以外の表示対象をストック対象としてもよい。また、ストック対象の数(本例では「ド」の文字数)は5つより少なくしてもよく、あるいは5つより多くしてもよい。また、本実施例では、放出演出で放出される表示対象(「放出対象」ともいう。)である「ド」の数を、ストック演出でストックされる「ド」(ストック対象、表示対象)の数よりも多くしているが、放出対象の数をストック対象よりも少なくしてもよく、あるいはストック対象の数と同じとしてもよい。すなわち、ストック対象の数と放出対象の数とは、異なっていても同じであってもどちらでもよい。
本実施例では、図43(B)〜(C)までのストック演出の実行時間が約3秒となっており、このストック演出が最高3回実行可能とされている。つまり、図43(B)〜(C)までの演出が最高3回繰り返されることがある。そして、ストック演出が実行されるごとに可動演出部材14(及びストック領域)が所定量ずつ上昇する(第1位置が変化する)ようになっている。図43(D)は、1回目のストック演出で可動演出部材14が第1上昇位置まで上昇した状態であり、これに続いて2回目のストック演出が実行されれば、可動演出部材14が第2上昇位置まで上昇し、さらに続いて3回目のストック演出が実行されれば、可動演出部材14が第3上昇位置まで上昇する。また、可動演出部材14の上昇に伴って演出画像520の表示位置も上昇する。このとき、演出画像520の大きさ及び色が変化するようになっている。具体的に、可動演出部材14が第1上昇位置に上昇したときには演出画像520が小サイズ(図43(D)を参照)の青色で表示され、可動演出部材14が第2上昇位置に上昇したときには演出画像520が中サイズの緑色で表示され、可動演出部材14が第3上昇位置に上昇したときには演出画像520が大サイズ(図44(A)を参照)の赤色で表示される。このような可動演出部材14の位置や演出画像520の表示態様により、「ド」(ストック対象)のストック状況(ストック演出の進捗状況)が示される(報知される)。つまり、ストック演出が実行されるときの可動演出部材14及び演出画像520は、ストック対象(表示対象)のストック状況を報知する手段(状況報知手段)として機能する。なお、可動演出部材14が第3上昇位置に上昇したときに表示される演出画像520は、ストック演出の実行回数(繰り返し回数)が最高回数(上限回数)に達した旨を示す文字(例えば「パワーストック」や「ストックOK」等)を含むものとしてもよい。また、演出画像520の表示態様は変化しないものとしてもよい。
本実施例では、以上のようにしてストック演出が3回実行される(繰り返される)ことで、ストック対象である「ド」のストック量が上限に達して(満タンになって)、これにより段階煽り演出の2段階目以降の演出の実行条件が成立することとしている。すなわち、ストック演出が3回実行される(「ド」のストック量が満タンになる)と、その後に放出演出(第2段階演出)、遮蔽演出(第3段階演出)及び出現演出(第4段階演出)が順に実行される。この場合、段階煽り演出は最後まで実行されて終了する。一方、ストック演出が1回又は2回しか実行されない場合には、2段階目以降の演出は実行されず、段階煽り演出は最後まで実行されず不完全な状態で終了する。このように不完全な状態で終了するのは、いわゆる「ガセ演出」である。このような段階煽り演出のガセ演出を含む変動演出パターン(「ガセ段階煽り演出パターン」ともいう。)は、変動時間が45000ms以下の変動パターン(図9を参照)に対して設定され得る。ガセ段階煽り演出パターンは、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合よりも外れの場合に設定される可能性が高くなっている。このようなガセ段階煽り演出パターンを設けることで、段階煽り演出の趣向性を高めることが可能である。
なお、本実施例ではストック演出の繰り返し実行回数を最高3回としているが、その最高回数(上限回数)は3回より多い回数としてもよい。また、本実施例の段階煽り演出パターンは、3回目のストック演出後(ストック演出が3回繰り返された後)に2段階目以降の演出が実行されるものとなっているが、これに加えて、1回目のストック演出に続いて2段階目以降の演出が実行されるパターンや、2回目のストック演出に続いて2段階目以降の演出が実行されるパターンを設けてもよい。この場合、ストック演出の実行回数に応じて大当り期待度を定めることが可能であり、例えば、ストック演出の実行回数が多いほど大当り期待度が高くなるようにしたり、ストック演出の実行回数が少ないほど大当り期待度が高くなるようにしたりすることが可能である。
ストック演出が3回実行される(繰り返される)と、図44(A)に示すように、表示画面7aで演出図柄8の変動表示が続くなか、可動演出部材14が第3上昇位置まで上昇して、演出画像520が大サイズ(赤色)で表示された状態となる。この状態を通じて、遊技者は「ド」のストック量が上限に達した(満タンになった)ことを認識することができる。そして、その状態で所定時間(例えば「3秒」)が経過すると、図44(B)に示すように、先のストック演出でストックされた「ド」の文字が放出される様子を描いた演出表示が表示画面7aに表示される。具体的には、可動演出部材14の指先が右側を向いて、その指先から画面右側(可動演出部材14から離れる側、第2位置)に向かって閃光が放たれる様子を描いた演出画像530(閃光画像)が表示されるとともに、ストック領域から画面右側(可動演出部材14から離れる側、第2位置)に向かって多数の「ド」が移動していく様子を描いた演出画像550(放出画像)が表示される。このとき、3回のストック演出でストックされる「ド」の数よりも多くの「ド」が表示(放出)される。これら演出画像530,550の表示により、「ド」の文字(表示対象)が放出される態様の演出表示が実現される。また、演出画像530,550の表示開始に合わせて、可動演出部材14が右方向へ傾動(回動)する可動演出(第2可動演出)が実行されるとともに、「ドーン」の効果音がスピーカ67から出力される音演出が実行される。つまり、ストック演出でストックされて放出演出で放出される「ド」(表示対象)は、効果音「ドーン」の一部である「ド」を文字で表現(可視化)したものである。これにより、「ド」の文字が放出される際の演出効果(視覚的効果、聴覚的効果)を高めて、遊技者にインパクトを与えることができる。このように、可動演出部材14が右側へ傾動するとともに演出画像530,550が表示されて効果音が出力される演出(図44(B)に示す演出)が、放出演出(第2段階演出)である。放出演出の実行時間は約2秒である。
続いて、図44(C)に示すように、先の放出演出で放出された多数の「ド」により表示画面7aの全領域が覆われる様子を描いた演出表示が表示画面7aに表示される。具体的には、大小サイズが異なる多数の「ド」が表示画面7a(表示領域)の略全体を覆い尽くしていく様子を描いた演出画像560(遮蔽画像)が表示される。この演出画像560の表示により、先の放出演出で放出された表示対象(放出対象)により表示画面7aの全領域(所定の領域)が覆われる態様の演出表示が実現され、当該演出表示を含む演出(図44(C)に示す演出)が、遮蔽演出(第3段階演出)である。遮蔽演出の実行時間は約2秒である。
以上のように遮蔽演出が実行されると、表示画面7a(表示領域)の略全体が多数の「ド」で覆われた状態となる。この状態で、遮蔽演出の実行時間(約2秒)が経過すると、図44(D)に示すように、先の遮蔽演出で「ド」の文字により覆われた領域が出現する様子を描いた演出表示が表示画面7aに表示される。具体的には、表示画面7a(表示領域)の略全体を覆い尽くしていた「ド」の文字が画面上から消去され、これにより視認可能となった領域に、現在実行中の変動表示に係る大当り期待度の示唆が出現する様子を描いた演出画像が表示される。図44(D)では、その視認可能となった領域(出現した領域)に、キャラクタの笑顔を模した演出画像570(キャラクタ笑顔画像)と、第1演出ボタン63aの外観を模した演出画像590(演出ボタン画像)とが、大当り期待度を示唆する画像(示唆画像)として表示された場合を示している。演出画像570,590のことを「特定画像」ともいい、特定画像のことを「特定表示対象」ともいう。このような「ド」の文字の消去と演出画像570,590の表示により、先の遮蔽演出で覆われた領域に特定画像(特定表示対象)が出現する態様の演出表示が実現され、当該演出表示を含む演出(図44(D)に示す演出)が、出現演出(第4段階演出)である。出現演出の実行時間は約5秒であり、そのうちの約4秒が示唆画像の表示時間である。
ここで、本実施例では、出現演出で表示可能な示唆画像として、図45に示す4種類(4パターン)の示唆画像が設けられている。なお、図45における星(★)の数は、示唆画像が示唆する大当り期待度の高低を示しており、星(★)の数が多いほど大当り期待度が高く、少ないほど大当り期待度が低い旨を示している。
図45に示す示唆画像のうち、第1パターンの示唆画像Aは、キャラクタの笑顔を模した演出画像570と、第1演出ボタン63aの外観を模した演出画像590とにより構成される。図44(D)では、これら演出画像570,590(示唆画像A)が表示された場合を示している。また、第2パターンの示唆画像Bは、キャラクタの笑顔を模した演出画像570と、第1演出ボタン63aの外観を模した演出画像であって表示サイズ(画像サイズ)が演出画像590よりも小さい演出画像591とにより構成される。演出画像590及び591のうち、前者は演出ボタン画像(大)であり、後者は演出ボタン画像(小)である。また、第3パターンの示唆画像Cは、キャラクタの笑顔を模した演出画像570により構成され、第4パターンの示唆画像Dは、キャラクタの普通顔を模した演出画像571(キャラクタ普通顔画像)により構成される。
示唆画像Aは演出画像570及び演出画像590を含み、示唆画像Bは演出画像570及び演出画像591を含むことから、示唆画像Aと示唆画像Bとでは、演出ボタン画像が異なるものとなっている。そして、示唆画像Aは示唆画像Bよりも大当り期待度が高い(示唆画像Bは示唆画像Aよりも大当り期待度が低い)ことから、両示唆画像に含まれる演出ボタン画像の種類(大または小)により大当り期待度の高低が示唆されるといえる。
また、示唆画像C及びDは、いずれも演出ボタン画像を含まず、示唆画像Cは演出画像570(キャラクタ笑顔画像)により構成され、示唆画像Dは演出画像571(キャラクタ普通顔画像)により構成される。このことから、示唆画像Cと示唆画像Dとでは、キャラクタ画像が異なるものとなっている。そして、示唆画像Cは示唆画像Dよりも大当り期待度が高い(示唆画像Dは示唆画像Cよりも大当り期待度が低い)ことから、両示唆画像に含まれるキャラクタ画像の種類(笑顔または普通顔)により大当り期待度の高低が示唆されるといえる。
出現演出(第4段階演出)では、示唆画像A〜Dの何れかが出現する態様の演出表示が表示画面7aに表示される。出現演出で示唆画像A〜Dの何れが表示される(出現する)かは、前述のS4506により設定(決定)される。すなわち、前述のS4505で段階煽り演出パターンが設定された場合、これに対応する予告演出パターンとして、示唆画像A〜D(第1〜第4パターン)の何れかが選択されて設定される(S4506)。段階煽り演出パターンが設定された変動表示に係る特別図柄当否判定の結果が大当りである場合、示唆画像A(第1パターン)が設定される可能性が最も高く、以下、示唆画像B(第2パターン)、示唆画像C(第3パターン)、示唆画像D(第4パターン)の順で、その可能性が低くなるように、示唆画像の選択率が定められている。一方、段階煽り演出パターンが設定された変動表示に係る特別図柄当否判定の結果が外れである場合、示唆画像D(第4パターン)が設定される可能性が最も高く、以下、示唆画像C(第3パターン)、示唆画像B(第2パターン)、示唆画像A(第1パターン)の順で、その可能性が低くなるように、示唆画像の選択率が定められている。これにより、出現演出での大当り期待度の示唆は、示唆画像Aが表示された場合の大当り期待度が最も高く、以下、示唆画像B、示唆画像C、示唆画像Dの順で低くなる。
そして、出現演出で示唆画像A又はBが表示された場合、すなわち、演出ボタン画像を含む示唆画像が表示された場合、その示唆画像(演出ボタン画像)の表示中に第1演出ボタン63aが操作されたことに基づいて、当該操作に対応する演出(操作対応演出)が実行される。操作対応演出としては、例えば、第1演出ボタン63aの操作タイミングが発展分岐タイミングである場合(発展分岐タイミングに合わせて段階煽り演出が実行される場合)、この後に実行される発展演出の内容や期待度等を予告する演出が実行される。また、第1演出ボタン63aの操作タイミングが当落分岐タイミングである場合(当落分岐タイミングに合わせて段階煽り演出が実行される場合)、大当り又は外れの確定を示唆(報知)する当落演出が実行される。なお、出現演出で示唆画像A又はBが表示された後、第1演出ボタン63aが操作されなかった場合、前述の操作対応演出が実行されることなく、出現演出後(段階煽り演出後)の演出(例えば、発展演出や当落演出など)が実行される。示唆画像Aに含まれる演出画像590(演出ボタン画像(大))及び示唆画像Bに含まれる演出画像591(演出ボタン画像(小))は、第1演出ボタン63a(操作手段)の操作を遊技者に促す操作促進画像でもある。
また、出現演出で示唆画像C又はDが表示された場合、すなわち、演出ボタン画像を含まない示唆画像が表示された場合、示唆画像の表示時間(出現演出の実行時間)が経過すると、出現演出後(段階煽り演出後)の演出(例えば、発展演出や当落演出など)が実行される。
[実施例1の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1では、画像表示装置7の表示画面7aに表示された「ド」の文字(表示対象)が画面左側のストック領域にストックされた後(第1段階演出、図43(B),(C)を参照)、そのストックされた「ド」の文字(表示対象)が画面上に放出され(第2段階演出、図44(B)を参照)、その放出された「ド」の文字(表示対象)により表示画面7a(表示領域)の略全ての領域が覆われた後(第3段階演出、図44(C)を参照)、その覆われた領域が出現する(第4段階演出、図44(D)を参照)といった一連の演出表示を含む段階煽り演出(特定演出)が、演出図柄8の変動表示中に実行され得る。このような段階煽り演出により、視覚的に斬新な演出が実現される。特に、表示画面7aに表示された複数の「ド」の文字が複数回ストックされた後、そのストックされた「ド」の文字が一斉に放出され、その放出された多数の「ド」の文字により表示画面7aの略全体が覆われ、その後に、表示画面7aの略全体を覆う「ド」の文字が消滅して表示画面7a上にキャラクタ画像や演出ボタン画像が出現するといった演出は、従来にはない新しい見た目の演出を提供するものである。これにより、遊技者の興味を惹きつける趣向性の高い演出を実現して、遊技興趣を高めることが可能となる。
また本実施例のパチンコ遊技機1では、段階煽り演出(特定演出)の出現演出(第4段階演出)において、実行中の変動表示に係る大当り期待度を示唆する示唆画像(特定画像、特定表示対象)が出現する(図44(D)、図45を参照)。このため、段階煽り演出において最終的に(出現演出で)出現する示唆画像に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。これにより、出現演出が実行されるときの興趣を高めることが可能となる。
また本実施例のパチンコ遊技機1では、段階煽り演出の出現演出で表示される(出現する)示唆画像に、第1演出ボタン63aの操作を遊技者に促す演出ボタン画像(演出画像590,591)が含まれる場合がある(示唆画像A,B)。このため、段階煽り演出の出現演出で遊技者に第1演出ボタン63aの操作を促して、その操作に基づく操作対応演出の実行に繋げることが可能である。これにより、出現演出が実行された際の第1演出ボタン63aの操作やその操作に基づく操作対応演出に遊技者の興味を惹きつけて、興趣を高めることが可能となる。
また本実施例のパチンコ遊技機1では、段階煽り演出において、ストック演出(第1段階演出)が3回実行される(繰り返される)と、2段階目以降の演出、すなわち、放出演出(第2段階演出)、遮蔽演出(第3段階演出)及び出現演出(第4段階演出)が実行されるものとなっている。つまり、放出演出の実行前にストック演出が3回実行されるものとなっている。また、ストック演出が1回又は2回しか実行されない場合(ガセの場合)もある。これにより、ストック演出(「ド」のストック)の進捗に遊技者の興味を惹きつけて、段階煽り演出の初期段階から興趣を高めることが可能となる。
また本実施例のパチンコ遊技機1では、表示画面7aの周りを囲むセンター装飾体10の左部に、人差し指を立てた手を模した可動演出部材14が設けられており、この可動演出部材14が、センター装飾体10の左側開口縁に沿って上昇したり、人差し指の指先が表示画面7aの右側を向くように右方向へ傾動(回動)したりするように構成されている。そして、段階煽り演出のストック演出において、可動演出部材14の側(ストック領域)に向かって「ド」が移動表示される(ストックされる)ごとに可動演出部材14が上昇する可動演出(第1可動演出)が実行される。また、段階煽り演出の放出演出において、先のストック演出でストックされた「ド」が可動演出部材14から離れる側に向かって移動表示される(放出される)のに合わせて可動演出部材14が右方向へ傾動(回動)する可動演出(第2可動演出)が実行される。このため、ストック演出は、「ド」がストックされる態様の演出表示(表示演出)と可動演出部材14の上昇(第1作動態様による作動)とを連携させた演出として実行され、放出演出は、「ド」が放出される態様の演出表示(表示演出)と可動演出部材14の傾動(第2作動態様による作動)とを連携させた演出として実行される。これにより、ストック演出及び放出演出の演出効果を高めて、それら演出が実行されるときの興趣を高めることが可能となる。
また本実施例のパチンコ遊技機1では、段階煽り演出の放出演出において、先のストック演出でストックされた「ド」の放出に合わせて「ドーン」の効果音がスピーカ67から出力される音演出が実行される。この効果音「ドーン」に含まれる「ド」が、ストック演出でストックされて放出演出で放出される表示対象となっている。このため、放出演出は、「ド」が放出される演出表示(表示演出)と、放出される「ド」(視覚化された音)を含む効果音の出力(音演出)とを連携させた演出として実行される。これにより、放出演出の演出効果を高めて、放出演出が実行されるときの興趣を高めることが可能となる。
なお、前述の実施例1では、段階煽り演出においてストック演出が3回実行されて「ド」のストック量が上限に達する(満タンになる)と、2段階目以降の演出(放出演出、遮蔽演出及び出現演出)が実行されるものとしていたが、「ド」のストック量が上限に達した状態で更なるストックの上乗せを示す演出(「ストック上乗せ演出」ともいう。)が実行され、その後に2段階目以降の演出が実行されるパターンを設けてもよい。ストック上乗せ演出は、例えば、図44(A)に示すように可動演出部材14が第3上昇位置まで上昇し、演出画像520が大サイズ(赤色)で表示されている状態で、その可動演出部材14の近傍(ストック領域)に複数の「ド」の文字がストックされる様子を描いた演出画像を表示したり、ストックの上乗せを示す文字(例えば「ストック上乗せ中」)を含む演出画像を可動演出部材14の近傍に表示したりすることにより行うことができる。また、ストック上乗せ演出が実行された場合には、2段階目以降の演出(放出演出、遮蔽演出及び出現演出)が、ストック上乗せ演出が実行されない場合に比して期待度が高まる態様(例えば、演出画像が金色や虹色等の特別色で表示される態様)で実行され得るようにしてもよい。これらの構成によれば、段階煽り演出の趣向性をより高めることが可能である。
また前述の実施例1では、ストック演出(第1段階演出)が実行される(「ド」がストックされる)ごとに、可動演出部材14が上昇するとともに演出画像520の表示態様が変化するものとなっており、これによりストック状況を報知可能としていたが、ストック状況を報知する構成(状況報知手段)はこれに限定されるものではない。例えば、ストック演出が実行される際、ストックの進捗状況を表す数値情報(例えば、パーセント表示やポイント表示など)を表示画面7aに表示したり、ストックの進捗状況を表すレベルメーターを表示画面7aに表示したりすることにより、ストック状況を報知するようにしてもよい。また、遊技盤2やセンター装飾体10に設けられた電飾部材の発光態様(例えば、点滅回数、点滅スピード、発光色など)によりストック状況を報知したり、スピーカ67から出力される効果音や音声等によりストック状況を報知したりすることも可能である。これらの構成によっても、ストック状況を分かりやすく示してストック演出(第1段階演出)の演出効果を高めることが可能である。
また前述の実施例1では、演出図柄(特別図柄)の変動表示中に実行される段階煽り演出の出現演出で示唆画像を出現させる(表示する)ことにより、当該変動表示に係る大当り期待度を示唆するものとしていた。すなわち、実施例の段階煽り演出は、一の変動表示中に実行される当該変動予告として機能するものとしていた。これに対し、段階煽り演出が保留先読み予告として機能するものとしてもよい。例えば、特図1保留球数「2」に対応する変動表示(特図保留球数「2」の取得情報)が予告対象である場合、特図1保留球数「1」に対応する先の変動表示で段階煽り演出を実行し、該段階煽り演出の出現演出で、特図1保留球数「2」(予告対象保留)に対応する次の変動表示に係る大当り期待度を示唆するようにしてもよい。これにより、後の変動表示(変動演出)に対する遊技者の期待感を高めることが可能となり、予告演出を多様化して興趣を高めることが可能である。
また、連続する複数回の変動表示に跨って段階煽り演出を実行するようにしてもよい。例えば、特図1保留球数「4」に対応する変動表示(特図保留球数「4」の取得情報)が予告対象である場合、特図1保留球数「1」〜「3」に対応する変動表示で段階煽り演出のストック演出(第1段階演出)を実行し、特図1保留球数「4」(予告対象保留)に対応する変動表示で放出演出、遮蔽演出及び出現演出(第2〜第4段階演出)を実行して該出現演出で当該変動表示(特図1保留球数「4」)に係る大当り期待度を示唆するようにしてもよい。これにより、複数回の変動表示に跨って大当りに対する遊技者の期待感を高めることが可能となり、予告演出を多様化して興趣を高めることが可能である。
また、連続する複数回の変動表示に跨って段階煽り演出を実行する場合、予告対象保留に対応する変動表示より前(先)に実行される変動表示でストック演出を実行することとし、そのストック演出の実行回数により大当り期待度が変化するようにしてもよい。例えば、ストック演出の実行回数が最高回数(上限回数)に達した場合に大当り期待度が最も高くなることとし、以下、その回数が減るごとに大当り期待度が低くなるように構成することが可能である。これにより、ストック演出(第1段階演出)を多様化して興趣を高めることが可能である。
また前述の実施例1では、演出図柄(特別図柄)の変動表示中に段階煽り演出が実行されるものとしていた。すなわち、変動演出として段階煽り演出が実行されるものとしていた。これに対し、大当り遊技演出として段階煽り演出が実行されるようにしてもよい。例えば、前述の実施例において、大当り種別としてRUB(16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当り)が設けられている。このRUBに係る大当り遊技は、ラウンドがどこまで続く分からない状況下でラウンドを消化しつつ、6Rや12Rのラウンド分岐で、ラウンドがさらに続くか否かに注目するといった遊技性となっている。そのラウンド分岐タイミングに合わせて段階煽り演出を実行するように構成することも可能である。この場合、例えば、RUBの1R〜3Rでストック演出(第1段階演出)を実行し、4R〜5Rで放出演出(第2段階演出)及び遮蔽演出(第3段階演出)を実行し、6Rで出現演出(第4段階演出)を実行することが可能である。また、RUBの7R〜9Rでストック演出(第1段階演出)を実行し、10R〜11Rで放出演出(第2段階演出)及び遮蔽演出(第3段階演出)を実行し、12Rで出現演出(第4段階演出)を実行することが可能である。これにより、新しい見た目の大当り遊技演出を実現して、大当り遊技の興趣を高めることが可能である。
なお、大当り遊技演出として段階煽り演出を実行する場合、前述のRUBのような特殊な大当り遊技だけでなく、ラウンドの状況が明確な通常の大当り遊技においても実行することが可能である。この場合、例えば、大当り遊技中に当該大当り遊技後の遊技状態が有利状態になるか否かを示す演出(例えば昇格演出)として段階煽り演出を実行することが可能である。これによっても、新しい見た目の大当り遊技演出を実現して、大当り遊技の興趣を高めることが可能である。
また前述の実施例1では、段階煽り演出の遮蔽演出(第3段階演出)において、先の放出演出(第2段階演出)で放出された表示対象(「ド」の文字)により、表示画面7a(表示領域)の略全体(全領域)が覆われるものとしていた。これに対し、図46(A)に示すように、表示画面7a(表示領域)のうち一部の領域が表示対象X(「ド」の文字)により覆われるものとしてもよい。この場合、後の出現演出(第4段階演出)では、先の遮蔽演出で覆われた一部の領域が出現して、該領域にキャラクタ画像や演出ボタン画像、アイテム画像、文字画像等の特定画像Yが表示される(出現する)ように構成することが可能である(図46(B)を参照)。
また、遮蔽演出(第3段階演出)において表示画面7a(表示領域)の全領域又は一部領域を複数の表示対象(複数の「ド」)で覆うのではなく、一の表示対象で覆うようにしてもよい。この場合、遮蔽演出において覆われる領域の大きさ(範囲)に応じて、その領域を覆う表示対象の大きさ(表示サイズ)を設定すればよい。
また、出現演出(第4段階演出)で出現した領域に表示される画像(特定画像)は、前述の実施例のような示唆画像に限られず、大当り期待度の示唆とは無関係の画像(所謂「にぎやかし」の画像)が表示される(出現する)ようにしてもよい。
また前述の実施例1のような、表示画面7a(表示領域)の略全体(全領域)が表示対象により覆われる演出表示を表示する遮蔽演出を段階煽り演出(特定演出)が含む場合、その段階煽り演出(特定演出)を、表示画面7aの背景変化(背景切り替え)の契機として実行することも可能である。例えば、段階煽り演出の実行前に表示画面7aの背景として背景画像Aが表示されており、この背景のもとで段階煽り演出が実行されると、該段階煽り演出の遮蔽演出で表示画面7aの背景全体が表示対象により覆われ、これ続く出現演出で表示画面7aの背景全体が出現し、その背景として背景画像Bが表示されるように構成することが可能である。これにより、新しい見た目の背景変化を実現して、変動遊技中の興趣を高めることが可能である。なお、背景変化の契機として段階煽り演出を実行する場合、該段階煽り演出の出現演出で新たに出現する背景画像が「特定表示対象(特定画像)」の一例に相当する。
また前述の実施例1では、効果音「ドーン」の一部である「ド」の文字を表示画面7aに表示して(可視化して)、その「ド」の一文字(表示対象)をストック対象としていた。これに対し、「ドーン」のうち「ド」と「ン」の二文字をストック対象としたり、「ドーン」の全部(三文字)をストック対象としたりすることも可能である。すなわち、例えば、表示画面7aに「ド」と「ン」の二文字が表示され、その「ド」と「ン」がストックされた後に放出されて、これにより表示画面7aの全領域又は一部領域が覆われるようにすることが可能である。また、表示画面7aに「ドーン」の三文字が表示され、その「ドーン」がストックされた後に放出されて、これにより表示画面7aの全領域又は一部領域が覆われるようにしたりすることが可能である。なお、「ドーン」の三文字をストック対象とする場合、その三文字を一体でストック対象としてもよいし、その三文字を構成する個々の文字(「ド」、「ー」、「ン」)をそれぞれストック対象としてもよい。また、効果音と無関係の文字やキャラクタ、アイテム等(表示対象)をストック対象としてもよい。
また前述の実施例1では、遮蔽演出により表示画面7a(表示領域)の略全体を覆い尽くした「ド」の文字が、出現演出の際に画面上から消去され(消滅し)、これにより視認可能となった領域に演出画像590(演出ボタン画像)等が出現する(表示される)ものとしていた。これに対し、表示画面7a(表示領域)を覆う「ド」の文字を消去(消滅)させずに、その「ド」の文字上に演出画像590等を重ねて表示(重畳表示)することにより、特定画像(特定表示対象)が出現する態様の演出表示(出現演出)を実行するようにしてもよい。また、表示画面7a(表示領域)を覆う「ド」の文字を出現演出の際に段階的に透明化したり半透明化したりして、「ド」の文字を透過して特定画像(特定表示対象)が視認可能となるように表示することにより、特定画像(特定表示対象)が出現する態様の演出表示(出現演出)を実行するようにしてもよい。
また前述の実施例1では、段階煽り演出(特定演出)を4つの段階を含んで構成されるものとしていたが、その段階を4未満としたり、5以上としたりすることも可能である。例えば、前述の放出演出と遮蔽演出とをまとめて1つの段階とし、ストック演出(第1段階演出)と放出・遮蔽演出(第2段階演出)と出現演出(第3段階演出)との3つの段階により段階煽り演出(特定演出)を構成してもよい。あるいは、段階煽り演出のうち出現演出を、放出された表示対象により覆われた表示領域が出現する段階と、その出現した領域に特定画像が表示される段階とに分けてもよい。この場合、ストック演出(第1段階演出)と放出演出(第2段階演出)と遮蔽演出(第3段階演出)と領域出現演出(第4段階演出)と画像出現演出(第5段階演出)との5つの段階により段階煽り演出(特定演出)が構成される。つまり、段階煽り演出(特定演出)を構成する段階を実施例に比して細分又は大別することが可能である。
次に、本発明の実施例2について説明する。以下では、前述の実施例1と異なる点を中心に説明し、実施例1と共通する点については説明を省略する。また以下の説明では、実施例1と異なる(置き換わる)構成については実施例1と異なる符号、制御ステップ数等を用いることとし、共通する構成については実施例1と同じ符号、制御ステップ数等を用いることとする。
本実施例のパチンコ遊技機1は、高確率状態にて特別図柄の変動表示の開始ごとに高確率状態を終了させるか否かの抽選(所謂「転落抽選」)を行うタイプのパチンコ遊技機(所謂「転落抽選機」)である。本実施例は、大当り遊技終了後の高ベース状態(高確高ベース状態及び低確高ベース状態)に関連して特徴的な演出を実行可能としたものである。なお、本実施例においても前述の実施例1で説明した段階煽り演出(特定演出)を実行することが可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1は転落抽選機であることから、実施例1と比較して大当り図柄の種類が異なるものとなっている。具体的には、図47に示すように、第1特別図柄に係る「6R第1大当り」と、第2特別図柄に係る「10R第2大当り」、「10R第3大当り」、「8R第4大当り」及び「6R第5大当り」の計5種類の大当りが設けられている。これら5種類の大当りは全て、大当り遊技終了後の遊技状態が高確高ベース状態(確変遊技状態)に制御される確変大当り(全図柄確変)である。また、第2特別図柄に係る大当りのうち10R第3大当り、8R第4大当り及び6R第5大当りは「RUB」(ランクアップボーナス)である。
高確高ベース状態では、特別図柄の変動表示(特図保留)ごとに、当該変動表示に係る特別図柄当否判定に先立って、後述する確変終了判定(「転落判定」又は「転落抽選」ともいう。)が実行される。本実施例では、高確高ベース状態での特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)になるまでに確変終了の判定結果(「転落結果」ともいう。)が導出された場合、これを契機に大当りの確率状態が低確率状態となり、特別図柄の変動回数が所定回数になるまで低確高ベース状態に制御される。そして、特別図柄の変動回数が所定回数に到達すると、これを契機に低確高ベース状態は終了となり、以後、低確低ベース状態(通常遊技状態)に制御される。つまり、低確高ベース状態の終了条件が成立し、これに基づいて低確低ベース状態に制御される。
一方、高確高ベース状態での特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)になるまでに転落結果が導出されなかった場合、所定回数目を過ぎた後も、遊技状態は高確高ベース状態に制御される。そして、所定回数目を過ぎた後の当該高確高ベース状態で実行される確変終了判定(転落判定)で転落結果が導出された場合、これを契機に高確高ベース状態は終了となり、以後、低確低ベース状態(通常遊技状態)に制御される。つまり、高確高ベース状態の終了条件が成立し、これに基づいて低確低ベース状態に制御される。
このように本実施例では、大当り遊技終了後、高ベース状態で実行可能な特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)が所定回数保証されるものとなっており、その所定回数を超えても遊技状態が高確高ベース状態である場合には、確変終了判定で転落結果が導出されるまで、高ベース状態が維持される遊技性(遊技仕様)となっている。なお、大当り遊技中は低確低ベース状態となり、大当り遊技の終了後は必ず高確高ベース状態となる。
ここで、本実施例において、低確高ベース状態のことを「第1特定遊技状態」ともいい、高確高ベース状態のことを「第2特定遊技状態」ともいい、総じて(高ベース状態のことを)「特定遊技状態」ともいう。また、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)になるまでの期間のことを「所定期間」ともいい、その変動回数が所定回数になること(所定期間の経過)に基づいて低確高ベース状態が終了する場合の当該終了条件(所定回数)のことを「第1終了条件」ともいい、その変動回数が所定回数を超えた後(所定期間の経過後)の確変終了判定(転落判定)で転落結果が導出されたことに基づいて高確高ベース状態が終了する場合の当該終了条件(転落結果)のことを「第2終了条件」ともいい、第1終了条件及び第2終了条件のことを総じて「終了条件」ともいう。つまり、第1終了条件及び第2終了条件は、何れも高ベース状態を終了させるための終了条件であり、第1終了条件は第2終了条件よりも先に成立し得る条件であり、第2終了条件は第1終了条件が成立しない場合に成立し得る条件である。
本実施例において、始動口(第1始動口20又は第2始動口21)への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、主に図48に示す乱数がある。これは、実施例1において始動口への入球に基づいて取得される乱数(図7(A)を参照)に対して、確変終了判定用乱数(「確変終了判定情報」ともいう。)が追加されたものである。本実施例の確変終了判定用乱数は「0〜349」の範囲で値をとる。確変終了判定用乱数のことを「転落抽選用乱数」や「転落抽選用情報」ともいう。
また本実施例では、始動口への入球に基づいて取得される乱数の判定のうち、大当り種別決定用乱数の判定は、図49(1)に示す大当り種別判定テーブルを用いて行われる。図49(1)に示す大当り種別判定テーブルは、図8(B)に示した実施例1の大当り種別判定テーブルに置き換わるものである。また、確変終了判定用乱数の判定は、図49(2)に示す確変終了判定テーブルを用いて行われる。この確変終了判定テーブルでは、確変終了判定値が「7」、「127」、「271」とされており、それ以外の値が確変継続判定値とされている。
次に、遊技制御用マイコン81(主制御部80)による各種の制御処理のうち、本実施例に関連する制御処理について説明する。
[特図2当否判定処理]
本実施例の特図2当否判定処理(S1202a)を図50に示す。同図に示す特図2当否判定処理(S1202a)は、図23に示した実施例1の特図2当否判定処理(S1202)に置き換わるものである。本実施例の特図2当否判定処理(S1202a)は、実施例1の特図2当否判定処理(S1202)に対してS1311〜S1313の処理が追加されたものである。
図50に示すように、S1302で確変フラグがONである(高確率状態である)と判定した場合(S1302でYES)、確変終了判定(S1311)を行う。ここでは、第2特図保留記憶部の最下位の領域に記憶されている(最も古い記憶の)確変終了判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−K)を読み出し、確変終了判定テーブル(図49(2)を参照)に基づいて確変終了判定を行う(S1311)。このS1311の処理は、遊技制御用マイコン81(主制御部80)が「転落判定手段」として機能することによるものである。
確変終了判定(S1311)で、確変終了の判定結果、すなわち、大当り確率を高確率(第2確率)から低確率(第1確率)に転落させる転落結果が導出された(転落抽選に当選した)場合(S1312でYES)、確変フラグをOFFにする(S1313)。確変フラグは、後述する遊技状態設定処理(S2124a)でONにされるフラグである。S1313の処理により、特別図柄の高確率状態(確変状態)が終了して低確率状態となる。そして、通常状態用の大当り判定テーブル(図8(A)を参照)に基づいて当否判定を行う(S1303)。
一方、確変終了判定(S1311)で確変終了の判定結果(転落結果)が導出されなかった場合(S1312でNO)、すなわち、確変継続の判定結果(「継続結果」ともいう。)が導出された(転落抽選に落選した)場合、高確率状態用の大当り判定テーブル(図8(A)を参照)に基づいて当否判定を行う(S1304)。
[特図1当否判定処理]
本実施例の特図1当否判定処理(S1207a)を図51に示す。同図に示す特図1当否判定処理(S1207a)は、図27に示した実施例1の特図1当否判定処理(S1207)に置き換わるものである。本実施例の特図1当否判定処理(S1207a)は、実施例1の特図1当否判定処理(S1207)に対してS1611〜S1613の処理が追加されたものである。
特図1当否判定処理(S1207a)では、図50に示した特図2当否判定処理(S1202a)と同様の流れで処理を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1611では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域に記憶されている(最も古い記憶の)確変終了判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−K)を読み出し、確変終了判定テーブル(図49(2)を参照)に基づいて確変終了判定を行う(S1611)。
[特別図柄変動中処理]
本実施例の特別図柄変動中処理(S1104a)を図52に示す。同図に示す特別図柄変動中処理(S1104a)は、図31に示した実施例1の特別図柄変動中処理(S1104)に置き換わるものである。具体的に、本実施例の特別図柄変動中処理(S1104a)では、実施例1の特別図柄変動中処理(S1104)のS1903〜S1910の処理に換えて、S1903a〜S1908aの処理を行うものである。
図52に示すように、S1901で変動時間が経過したと判定し(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットすると(S1902)、時短フラグがONであるか否かを判定する(S1903a)。時短フラグは、大当り遊技が終了するときに、後述の遊技状態設定処理(S2124a)でONにされる。
S1903aで時短フラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S1903aでNO)、すなわち、現在の遊技状態が低確低ベース状態である場合、S1904a〜S1908aの処理を行うことなく、S1911の処理に移行する。
一方、S1903aで時短フラグがONであると判定した場合(S1903aでYES)、時短カウンタの値が「0」より大きいか否かを判定する(S1904a)。本実施例では、大当り遊技が終了するときに、後述する遊技状態設定処理(S2124a)で時短カウンタに「100」がセットされるので、S1904aでは、その時短カウンタの値が「1〜100」の範囲にあるか否かを判定する。
S1904aで時短カウンタの値が「0」より大きくないと判定した場合(S1904でNO)、すなわち、時短カウンタの値が「0」である場合、S1905a及びS1906aの処理を行うことなく、S1907aの処理に移行する。
一方、S1904aで時短カウンタの値が「0」より大きいと判定した場合(S1904でYES)、すなわち、時短カウンタの値が「1〜100」の範囲にある場合、時短カウンタの値を1減算し(S1905a)、減算後の時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1906a)。その結果、時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1906aでNO)、S1907a及びS1908aの処理を行うことなくS1911の処理に移行し、「0」であると判定した場合(S1906aでYES)、確変フラグがOFFであるか否かを判定する(S1907a)。確変フラグは、大当り遊技が終了するときに後述の遊技状態設定処理(S2124a)でONにされ、前述の確変終了判定(S1311,S1611)で転落結果が導出された場合にOFFにされる(S1313,S1613)。
S1907aで確変フラグがOFFでない(ONである)と判定した場合(S1907aでNO)、S1908aの処理を行うことなくS1911の処理に移行し、OFFであると判定した場合(S1907aでYES)、時短フラグをOFFにして(S1908a)、S1911の処理に進む。S1908aで時短フラグをOFFにした後の遊技状態は「低確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態」(低確低ベース状態)である。
以上のS1903a〜S1908aの処理により、大当り遊技の終了後、特別図柄の変動回数が100回になるまでは、大当り確率が低確率状態であるか高確率状態であるかにかかわらず「時短状態かつ高ベース状態」に制御される(S1904aでYES→S1905a→S1906でNO)。そして、100回目の変動表示の終了時点で低確率状態である場合、すなわち、100回目の変動表示までに確変終了判定で転落結果が導出された場合(低確率状態に転落した場合)、100回目の変動表示の終了をもって「時短状態かつ高ベース状態」が終了する(S1906aでYES→S1907aでYES→S1908a)。これが、第1終了条件の成立に基づいて特定遊技状態(第1特定遊技状態)が終了する場合である。
これに対し、100回目の変動表示の終了時点で未だ高確率状態である場合、すなわち、100回目の変動表示までに確変終了判定で転落結果が導出されなかった場合、101回目以降の遊技状態は「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」に制御される(S1904aでNO→S1907aでNO)。そして、101回目以降に確変終了判定で転落結果が導出された場合、当該落結果が導出された変動表示の終了をもって「時短状態かつ高ベース状態」が終了する(S1904aでNO→S1907aでYES→S1908a)。これが、第2終了条件の成立に基づいて特定遊技状態(第2特定遊技状態)が終了する場合である。
[遊技状態設定処理]
本実施例の遊技状態設定処理(S2124a)を図53に示す。同図に示す遊技状態設定処理(S2124a)は、図34に示した実施例1の遊技状態設定処理(S2124)に置き換わるものである。
本実施例の特別図柄変動中処理(S1104a)では、まず確変フラグをONにして(S2210)、次いで時短フラグをONにして(S2211)、最後に時短カウンタに「100」をセットして(S2212)、本処理を終える。これにより、大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当りの種類にかかわらず「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」(高確高ベース状態)に制御される。
以上が遊技制御用マイコン81(主制御部80)による本実施例に関連する制御処理である。こうした遊技制御用マイコン81による遊技制御のもとで進行する遊技に関連する演出(遊技演出)は、前述の実施例1で説明した演出制御用マイコン91(サブ制御部90)による演出制御のもとで実行される。
本実施例では、演出制御用マイコン91の制御下で管理される演出モードを指定するモードステータスが「1」〜「4」の何れかの値とされる。モードステータス「1」は演出モードAに対応し、モードステータス「2」は演出モードBに対応し、モードステータス「3」は演出モードCに対応し、モードステータス「4」は演出モードDに対応する。
演出モードA,B(モードステータス1,2)は、実施例1と同様、遊技状態が低確低ベース状態に制御されているときに設定される演出モードである。
演出モードC(モードステータス3)は、大当り遊技が終了して図柄変動遊技が実行可能な状態に移行したときに設定される、大当り遊技終了後の最初の演出モードである。すわち、大当り遊技の終了後、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われるまでの期間(所定期間)において設定される演出モードである。演出モードCが設定されるときの遊技状態は高確高ベース状態又は低確高ベース状態であり、当該演出モードCが設定されている間、遊技者は、現在の遊技状態が高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのか低確高ベース状態(時短状態)であるのかを把握することは困難(実質的に不可能)である。
演出モードD(モードステータス4)は、大当り遊技の終了後、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われた(所定期間が経過した)時点で、遊技状態が高確高ベース状態である場合、その所定回数に続く回以降(例えば101回目以降)に設定される演出モードである。演出モードDが設定されるときの遊技状態は高確高ベース状態であり、当該演出モードDが設定されている間、遊技者は、現在の遊技状態が高確高ベース状態(確変遊技状態)であることを把握することができる。演出モードDにて確変終了判定で転落結果となり、遊技状態が低確低ベース状態に移行すると、演出モードDから演出モードA又はBに演出モードが切り替わる。
本実施例では、演出モードA及びBのことを総じて「通常モード」ともいい、演出モードC及びDのことを総じて「天国モード」ともいう。天国モードのうち、大当り遊技終了から所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで(所定期間が経過するまで)は演出モードCであり、その間は、前述のように遊技状態が高確高ベース状態又は低確高ベース状態に制御され、何れの状態であるのかを遊技者は判別することが困難(実質的に不可能)なので、確率非報知モードといえる。
次に、本実施例で実行可能とされる遊技演出について説明する。本実施例では、大当り遊技が終了する際のエンディング期間(終了期間)及びその後の天国モードにおいて、それぞれ特徴的な演出を実行するものとしている。具体的には、大当り遊技後の遊技(天国モード)に関連する遊技条件を示唆する「条件示唆演出」をエンディング期間で実行する。また、天国モードが終了するのか継続するのか演出する「モード分岐演出」をモードの分岐点で実行する。以下、条件示唆演出及びモード分岐演出について順に説明する。
[条件示唆演出]
本実施例では、前述した5種類の大当りの何れに当選した場合にも、大当り遊技の最終ラウンドが終了した後に設定されるエンディング期間中に、エンディング演出として条件示唆演出を実行する。
演出制御用マイコン91は、前述の受信コマンド解析処理(S4302)で主制御部80からのエンディングコマンドを受信したと判定した場合(S4405でYES)、エンディング演出を指定するコマンド(エンディング演出コマンド)をサブ出力バッファにセットする。このセットしたエンディング演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、そのエンディング演出コマンドに基づいて、エンディング演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。このエンディング演出として、本実施例では、大当り遊技終了後、高ベース状態での図柄変動遊技が保証される遊技期間、すなわち、前述した高ベース状態の終了条件のうち先に成立し得る第1終了条件を示唆する演出(条件示唆演出)を実行するものとしている。その演出の一例を図54(A)に示す。
図54(A)に示すように、条件示唆演出(エンディング演出)では、例えば「あなたは100回転を超えてはいけません」という文字(忠告メッセージ)を含む演出画像710(忠告画像)が表示画面7aに表示される。このとき、演出画像710の表示に合わせて、その画像に含まれる文字を読み上げる音声(セリフ等)をスピーカ67から出力してもよい。また、演出画像710の表示に合わせて、ランプ類を所定の発光パターンで発光させたり、可動装飾部材(可動役物)を所定の作動パターンで作動させたりしてもよい。
演出画像710に含まれる「100回転」の文字は、高ベース状態(天国モード)での図柄変動遊技が保証される遊技期間(所定期間)を定める特別図柄の規定変動回数(第1終了条件)に相当する。このような演出画像710の表示により、大当り遊技終了後、少なくとも100回の特別図柄の変動表示が行われるまでは高ベース状態(天国モード)での遊技が可能であることを遊技者に認識させることができる。また、100回を超えると高ベース状態(天国モード)での遊技が不確定である(天国モードが終了し得る)ことを遊技者に認識させることができる。
このように本実施例では、大当り遊技のエンディング期間中に、その後に開始される高ベース状態(天国モード)において、特別図柄を100回変動させてはいけない旨、すなわち、第1終了条件を成立させてはならない(第1終了条件の成立を回避する)旨を遊技者に指示する態様で、条件示唆演出(エンディング演出)が実行される。
[モード分岐演出]
本実施例では、前述の条件示唆演出(エンディング演出)を経て遊技状態が高確高ベース状態に制御され、これにより天国モード(高ベース状態、特定遊技状態)での遊技が開始される。天国モードは右打ちで進行させる遊技であり、第2特別図柄の変動表示が主として実行される。
演出制御用マイコン91は、前述の受信コマンド解析処理(S4302)で主制御部80からの変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、その変動開始コマンドに基づいて特定される特別図柄の当否判定結果や変動パターン等に基づいて変動演出パターンを設定し(S4505)、変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットする(S4507)。このセットした変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、その変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターンによる変動演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。こうしたなか、天国モードにて大当りが発生することなく特別図柄(主に特図2)の変動表示が99回行われると、これに続く100回目の変動表示に係る変動演出でモード分岐演出を実行するものとしている。
本実施例では、天国モードで100回目の特別図柄の変動表示が行われる場合、当該変動表示に係る変動パターンとして変動時間が30000msの変動パターン(図9を参照)を選択するものとしており、当該変動パターンに基づいて100回目の変動表示に係る変動演出でモード分岐演出を実行するものとしている。つまり、天国モードの終了又は継続の分岐点である100回目の特別図柄の変動表示で選択(設定)される変動時間は一の変動時間に固定される。これにより、モード分岐演出の実行時間を固定化して演出内容の充実化を図りやすくなり、モード分岐点での興趣を高めることが可能となる。
モード分岐演出の一例を図54(B)及び図55(A)〜(C)に示す。本実施例のモード分岐演出は、分岐到達演出と操作指示演出と分岐先報知演出とに大別される。天国モードで100回目の特別図柄の変動表示が開始されると、当該変動表示に係る変動演出ではまず、図54(B)に示す分岐到達演出が実行される。分岐到達演出は、天国モードの第1終了条件(特定遊技状態の終了条件)が成立する可能性(虞)がある旨を示唆する演出である。
本実施例では、前述の条件示唆演出による指示(忠告)に反した旨を示唆する態様で分岐到達演出が実行される。具体的には、例えば「100回転を超えてはいけないと言ったのに・・・約束を破りましたね?」という文字(反故メッセージ)を含む演出画像720(反故画像)が表示画面7aに表示される。このとき、演出画像720の表示に合わせて、その画像に含まれる文字を読み上げる音声(セリフ等)をスピーカ67から出力してもよい。また、演出画像720の表示に合わせて、ランプ類を所定の発光パターンで発光させたり、可動装飾部材(可動役物)を所定の作動パターンで作動させたりしてもよい。
ここで、天国モードで100回目の特別図柄の変動表示(特図当否判定)が行われる場合、そのときの遊技状態は、それまでに実行された確変終了判定(S1311又はS1611)で転落結果が導出されたのであれば低確高ベース状態であり、未だ導出されていないのであれば高確高ベース状態である。そして、100回目の変動表示が低確高ベース状態での特図当否判定結果に基づく外れ変動である場合、当該変動表示の終了をもって低確高ベース状態が終了する。一方、100回目の変動表示が高確高ベース状態での特図当否判定結果に基づく外れ変動である場合、当該変動表示の終了をもって高確高ベース状態が終了することはない(継続する)。また、100回目の変動表示が大当り変動である場合、当該変動表示の終了後に大当り遊技が実行され、前述の条件示唆演出(エンディング演出)を経て大当り遊技終了後の遊技状態が高確高ベース状態に制御され、天国モードが開始される。
本実施例では、天国モード中、100回目の変動表示に係る変動演出パターンを設定する際、そのときの遊技状態を参照して、モード分岐演出(分岐到達演出、操作指示演出、分岐先報知演出)の演出パターン(実行パターン)を、図示しない演出パターン決定テーブルと所定の演出決定用乱数とに基づいて決定し、それを変動演出パターンに含めて設定する(S4505)。
本実施例では、分岐到達演出で表示する演出画像720の種類(表示態様)として、文字の色が通常色(例えば白色)とされる通常画像(「通常表示態様」又は「第1態様」ともいう。)と、文字の色が特別色(例えば赤色)とされる特別画像(「特別表示態様」又は「第2態様」ともいう。)との2種類を備えている。そして、モード分岐演出設定時の遊技状態が低確高ベース状態である場合には、特別色よりも通常色の選択(設定)可能性が高くなっており、高確高ベース状態である場合には、通常色よりも特別色の選択(設定)可能性が高くなっている。このため、天国モード中、100回目の変動表示でモード分岐演出が実行される場合、そのとき(当否判定時)の遊技状態が低確高ベース状態であれば、特別色の文字を含む演出画像720よりも通常色の文字を含む演出画像720の方が表示されやすくなり、高確高ベース状態であれば、通常色の文字を含む演出画像720よりも特別色の文字を含む演出画像720の方が表示されやすくなる。
つまり、分岐到達演出は、通常色(第1態様)で実行される場合と特別色(第2態様)で実行される場合とがあり、低確高ベース状態で実行される場合には特別色よりも通常色で実行される可能性が高くなり、高確高ベース状態で実行される場合には通常色よりも特別色で実行される可能性が高くなる。したがって、通常色(第1態様)で実行される分岐到達演出は、天国モードの第1終了条件(特定遊技状態の終了条件)の成立可能性が相対的に高い旨を示唆する演出であるといえる。一方、特別色(第2態様)で実行される分岐到達演出は、天国モードの第1終了条件(特定遊技状態の終了条件)の成立可能性が相対的に低い旨を示唆する演出であるといえる。
このように本実施例では、天国モードで100回目の変動表示が実行(開始)されると、特別図柄を100回変動させてしまった旨、すなわち、条件示唆演出による指示(特別図柄を100回変動させてはいけない旨の指示)に反した旨を示唆する態様で分岐到達演出が実行される。換言すると、天国モードの第1終了条件(特定遊技状態の終了条件)の成立を回避できない可能性がある旨を示唆する態様で分岐到達演出が実行される。
分岐到達演出に次いで、図55(A)に示す操作指示演出が実行される。操作指示演出は、第1演出ボタン63aの操作を遊技者に指示する演出である。操作指示演出では、「押せ!」の文字画像と、第1演出ボタン63aを模し演出ボタン画像と、第1演出ボタン63aの操作が有効とされる期間(残り時間)を示す操作有効期間画像と、を含んで構成される演出画像730(操作指示画像)が表示画面7aに表示される。第1演出ボタン63aの操作有効期間(例えば約5秒)が経過するまでに第1演出ボタン63aが1回操作(押下)されると、その操作に基づいて、図55(B)又は(C)に示す分岐先報知演出が実行される。なお、このときの第1演出ボタン63aの操作態様は、1回の押下(単押し)の他、第1演出ボタン63aを複数回連続して押下する連打や、第1演出ボタン63aを所定時間押し続ける長押しとしてもよく、モード分岐演出の演出パターンを決定する際に、単押し、連打、長押しの何れかを選択するようにしてもよい。
図55(B)に示す分岐先報知演出は、天国モードの継続を報知する演出(「継続報知演出」ともいう。)である。継続報知演出は、天国モードにおける100回目の変動表示が高確高ベース状態での特図当否判定結果に基づく外れ変動である場合に実行される。図55(B)に示すように、継続報知演出では、例えば「天国モード継続!」の文字を含む演出画像740(継続報知画像)が表示画面7aに表示される。このとき、演出画像740の表示に合わせて、所定の効果音をスピーカ67から出力させたり、ランプ類を所定の発光パターンで発光させたり、可動装飾部材(可動役物)を所定の作動パターンで作動させたりしてもよい。このような継続報知演出により、天国モード(高ベース状態、特定遊技状態)が継続すること(ここでは高確高ベース状態(第2特定遊技状態)が継続すること)を遊技者に認識させることができる。
図55(C)に示す分岐先報知演出は、天国モードの終了を報知する演出(「終了報知演出」ともいう。)である。終了報知演出は、天国モードにおける100回目の変動表示が低確高ベース状態での特図当否判定結果に基づく外れ変動である場合に実行される。図55(C)に示すように、終了報知演出では、例えば「天国モード終了」の文字を含む演出画像750(終了報知画像)が表示画面7aに表示される。また、天国モード突入契機となった所謂「初当り」の大当りを含めた天国モード終了までの大当り発生回数(所謂「連荘回数」)、天国モード終了までの獲得賞球数を示唆する獲得ポイント、称号など、天国モードの遊技結果を含む演出画像760(遊技結果画像)が表示画面7aに表示される(結果表示手段、リザルト表示手段)。称号とは、天国モードでの遊技結果のランクを示唆する情報(ランク表示)であり、例えば大当りの発生回数が1回〜3回の場合は「三流の人」、4回〜6回の場合は「二流の人」、7回〜9回の場合は「一流の人」、10回以上の場合は「超一流の人」など、天国モード終了までの大当りの発生回数(遊技結果)に応じてその内容が変化するものである。このような終了報知演出により、天国モード(高ベース状態、特定遊技状態)が終了すること(ここでは低確高ベース状態(第1特定遊技状態)が終了すること)を遊技者に認識させることができる。
なお、演出画像750,760の表示に合わせて、所定の効果音をスピーカ67から出力させたり、ランプ類を所定の発光パターンで発光させたりしてもよい。この場合、終了報知演出は、遊技者にとって不利な遊技展開(天国モード終了)を示唆する演出であるため、継続報知演出に比して控えめな態様で実行するように構成するのが望ましい。
また、図55(B)又は(C)に示す分岐先報知演出は、図55(A)に示す操作指示演出(操作有効期間画像)で示される操作有効期間内に第1演出ボタン63aが操作されたことに基づいて実行されるが、操作有効期間内に第1演出ボタン63aが操作されなかった場合、操作有効期間の経過に基づいて実行されるものとしている。
以上の分岐先報知演出によりモード分岐演出が完結し、この後、当該モード分岐演出を伴う変動表示(外れ変動)の結果に応じた態様(外れ態様)で演出図柄8が表示画面7a に停止表示される。そして、モード分岐演出で継続報知演出が実行された場合、天国モードの101回目以降の変動表示で確変終了判定により転落結果が導出される(低確率状態に転落する)まで天国モード(高確高ベース状態)が継続し、転落結果が導出されると、その転落結果が導出された変動表示の終了により天国モードが終了し、その後、通常モード(低確低ベース状態)になる。また、モード分岐演出で終了報知演出が実行された場合、その終了報知演出が実行された変動表示の終了により天国モードが終了し、その後、通常モード(低確低ベース状態)になる。
なお、天国モードの100回目の変動表示が大当り変動である場合、モード分岐演出の操作指示演出まで前述の外れ変動と同様に実行され、その操作指示演出(操作有効期間画像)で示される操作有効期間内に第1演出ボタン63aが操作されたことに基づいて、大当りが確定する旨を示唆する大当り示唆演出(図示せず)が実行される。
ここで、本実施例において、エンディング演出として実行される条件示唆演出(図54(A)を参照)のことを「第1演出」ともいい、モード分岐演出のうち分岐到達演出(図54(B)を参照)のことを「第2演出」ともいい、モード分岐演出のうち分岐先報知演出(図55(B)、(C)を参照)のことを「第3演出」ともいう。また、条件示唆演出(第1演出)、分岐到達演出(第2演出)及び分岐先報知演出(第3演出)を実行する演出制御用マイコン91(サブ制御部)や画像制御用マイコン101(画像制御部)等の演出系の制御部は、「第1演出実行手段」、「第2演出実行手段」及び「第3演出実行手段」として機能するものである。
[実施例2の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技の終了に際して設定されるエンディング期間(終了期間)において、この後に開始される天国モードの第1終了条件(特定遊技状態の終了条件)が示唆される(条件示唆演出)。その後、天国モード(特定遊技状態)中の所定時期に、先の条件示唆演出で示唆された第1終了条件の成立可能性がある旨が示唆され(分岐到達演出)、当該示唆に続いて、第1終了条件の成立により天国モード終了となるのか、第1終了条件の不成立により天国モード継続となるのかが報知される(分岐先報知演出)。
天国モードの終了は遊技者にとって不利な遊技展開であるところ、そうした不利な遊技展開に関連する示唆(条件示唆演出、分岐到達演出)を、天国モードの終了又は継続が報知される前(分岐先報知演出の実行前)に行うことで、天国モードの終了に対する遊技者の不安感を煽った上で、天国モードの終了又は継続の報知に繋げることが可能となる。これにより、天国モードの終了又は継続が報知されるときの緊張感を効果的に煽ることが可能となり、延いては遊技興趣を高めることが可能となる。
また本実施例のパチンコ遊技機1では、エンディング演出として条件示唆演出を実行するものとしており、エンディング期間において、その後に開始される天国モードの第1終了条件が示唆される。このため、天国モードの第1終了条件の示唆(条件示唆演出)に続いて天国モード(特定遊技状態)が開始されるようになる。これにより、大当り遊技の終了から天国モードの開始にかけての興趣を高めることが可能となる。
また本実施例のパチンコ遊技機1では、天国モードの第1終了条件を示唆する条件示唆演出が、その第1終了条件の成立回避を遊技者に指示する態様で実行される(図54(A)を参照)。このため、天国モードの第1終了条件を成立させてはならないといった印象を遊技者に与えることができる。これにより、天国モードの終了に対する不安感や緊張感を遊技者に抱かせやすくなる斬新な示唆が可能となり、従来とは趣の異なる新たな興趣を創出することが可能となる。
また本実施例のパチンコ遊技機1では、天国モードの第1終了条件の成立可能性がある旨を示唆する分岐到達演出が、先の条件示唆演出(エンディング演出)による指示に反した旨を示唆する態様で実行される(図54(B)を参照)。このため、先の条件示唆演出で出された指示(第1終了条件の成立回避)を守ることができない印象を遊技者に与えることができる。これにより、先の条件示唆演出と関連性を持たせた斬新な示唆が可能となる。また、後の分岐報知演出に向けて天国モードの終了又は継続に対する遊技者の不安と期待を効果的に煽ることが可能となる。
また本実施例のパチンコ遊技機1では、天国モードの第1終了条件の成立可能性がある旨を示唆する分岐到達演出が、その成立可能性が相対的に高い旨を示唆する第1態様で実行される場合と、その成立可能性が相対的に低い旨を示唆する第2態様で実行される場合とがある。このため、分岐到達演出が第1態様と第2態様との何れで実行されるかによって、天国モードの終了と継続の何れの可能性が高いかを遊技者に示唆することが可能となる。これにより、分岐到達演出が実行されるときの興趣を高めることが可能となる。
また本実施例のパチンコ遊技機1では、天国モードが開始されてから所定回数目(例えば100回目)の特別図柄の変動表示が実行される(所定期間が経過する)ときに分岐到達演出が実行され、第1終了条件の成立可能性がある旨が示唆される。また、天国モードの終了条件には第1終了条件と第2終了条件とがあり、そのうち第1終了条件は、天国モードの開始後、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示の実行(所定期間の経過)に基づいて成立し得るものとされている。一方、第2終了条件は、天国モードで所定回数の特別図柄の変動表示が実行されても(所定期間が経過しても)第1終了条件が成立しない場合に、それよりも後(所定期間の経過後)に成立し得るものとされている。そして、天国モードの開始前に実行される条件示唆演出(エンディング演出)では、第2終了条件よりも先に成立し得る第1終了条件が示唆される。このため、天国モードの開始後、所定回数目の特別図柄の変動表示が実行されるとき(所定期間が経過するとき)に分岐到達演出が実行された場合、当該分岐到達演出では第1終了条件の成立可能性がある旨が示唆されるが、その時点では第1終了条件が成立していない可能性もある。これにより、分岐到達演出が実行されても天国モードの継続に対する期待感を遊技者に抱かせることが可能となり、終了条件が段階的に成立し得る天国モードの遊技性による興趣を高めることが可能となる。
また本実施例のパチンコ遊技機1では、天国モードの開始後、所定回数目(例えば100回目)の特別図柄の変動表示にて第1終了条件が成立する場合、すなわち、分岐到達演出が実行されるときに第1終了条件が成立する場合、その後に実行される分岐報知演出では天国モードの終了が報知される(図55(C)を参照)。一方、天国モードの開始後、所定回数目の特別図柄の変動表示にて第1終了条件が成立しない場合、すなわち、分岐到達演出が実行されるときに第1終了条件が成立しない場合、その後に実行される分岐報知演出では天国モードの継続が報知される(図55(B)を参照)。このため、分岐到達演出による示唆の後、その示唆に合った内容で分岐先報知演出が実行されるのか、その示唆に反した内容で分岐先報知演出が実行されるのかに、遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。これにより、分岐到達演出から分岐先報知演出にかけての興趣を効果的に高めることが可能となる。
また本実施例のパチンコ遊技機1では、演出ボタンの操作を遊技者に指示する操作指示演出(図55(A)を参照)を分岐到達演出に続いて実行するものとしており、分岐到達演出の後、演出ボタンの操作に基づいて分岐先報知演出を実行可能としている。このため、天国モードの終了又は継続が報知されるとき(分岐先報知演出が実行されるとき)の興趣を効果的に高めることが可能となる。
また本実施例のパチンコ遊技機1は所謂「転落抽選機」であり、天国モード開始時点の遊技状態は高確高ベース状態(第2特定遊技状態)である。そして、天国モードの開始後、所定回数目(例えば100回目)の特別図柄の変動表示が実行されるまでに大当り確率が高確率(第2確率)から低確率(第1確率)に転落すると、この転落以降、所定回数目の変動表示が終了するまで遊技状態が低確高ベース状態(第1特定遊技状態)となり、所定回数目の変動表示の終了により低確高ベース状態が終了し、これをもって天国モード(特定遊技状態)が終了する。
一方、天国モードの開始後、所定回数目(例えば100回目)の特別図柄の変動表示が実行されるまでに大当り確率が高確率(第2確率)から低確率(第1確率)に転落しなければ、特別図柄の変動回数が所定回数を超えても高確高ベース状態が継続(維持)され、その後、大当り確率が低確率に転落すると高確高ベース状態が終了し、これをもって天国モード(特定遊技状態)が終了する。
こうした遊技状態の変遷をたどる遊技性を備えた転落抽選機において、前述の条件示唆演出、分岐到達演出及び分岐先報知演出(モード分岐演出)を実行することで、転落抽選機の遊技興趣を効果的に高めることが可能となる。
なお、前述の実施例2では、条件示唆演出、分岐到達演出及び分岐先報知演出(モード分岐演出)を転落抽選機で実行する場合を例示したが、それらの演出を転落抽選機以外の遊技機で実行することも可能である。例えば、実施例1のパチンコ遊技機1において、第1特別図柄に係る6R第2〜第5大当りは、大当り遊技後の遊技状態が低確高ベース状態(低確率状態)なのか高確高ベース状態(高確率状態)なのかを、大当り遊技の終了後、高ベース状態の終了又は継続の分岐(大当り遊技後100回目の変動表示)に至るまでは判別できないものとなっている。このような6R第2〜第5大当りに係るエンディング期間や高ベース状態の終了又は継続の分岐点(100回目の変動表示)において、実施例2と同じ要領で条件示唆演出、分岐到達演出及び分岐先報知演出(モード分岐演出)を実行することが可能である。これによっても、高ベース状態の終了又は継続が報知されるときの緊張感を効果的に煽ることが可能となる。なお、この場合、高ベース状態が「特定遊技状態」に相当し、大当り遊技後の高ベース状態(低確高ベース状態又は高確高ベース状態)における100回の変動表示が低確高ベース状態の「終了条件(第1終了条件)」に相当し、大当り遊技後101回目以降の変動表示で大当りとなって大当り遊技が実行されることが高確高ベース状態の「終了条件(第2終了条件)」に相当する。
また、大当りの種類(大当り図柄)に応じて時短機能及び開放延長機能が作動する期間(時短回数、電サポ回数)が異なるように構成された遊技機、すなわち、時短機能及び開放延長機能の作動(高ベース状態)が終了することとなる終了条件を複数備える遊技機において、前述の条件示唆演出、分岐到達演出及び分岐先報知演出を実行することが可能である。具体的には、例えば、大当り遊技の終了後、第1所定回数(例えば25回)の変動表示が実行されるまで高ベース状態とされる第1大当りと、第1所定回数よりも多い第2所定回数(例えば50回)の変動表示が実行されるまで高ベース状態とされる第2大当りと、第2所定回数よりも多い第3所定回数(例えば100回)の変動表示が実行されるまで高ベース状態とされる第3大当りと、を備えているとする。この場合、第3大当り又は第2大当りが発生したときには、大当り遊技後の高ベース状態で特別図柄の変動回数が第2所定回数(例えば50回)を超えてはならない旨を指示する態様の条件示唆演出を実行し、その条件示唆演出による指示に反した旨を示唆する態様の分岐到達演出を第2所定回数目の変動表示で実行し、その後に分岐先報知演出(第3大当りであれば継続報知演出、第2大当りであれば終了報知演出)を実行するように構成する。第2大当り又は第1大当りが発生したときについても同様である。これによっても、高ベース状態の終了又は継続が報知されるときの緊張感を効果的に煽ることが可能となる。なお、この場合、高ベース状態(低確高ベース状態又は高確高ベース状態)が「特定遊技状態」に相当し、第1〜第3所定回数が「終了条件」に相当し、第3大当り又は第2大当りが発生したときの第2所定回数が「第1終了条件」に相当し、第3所定回数が「第2終了条件」に相当し、また、第2大当り又は第1大当りが発生したときの第1所定回数が「第1終了条件」に相当し、第2所定回数が「第2終了条件」に相当する。
また、高確率状態の終了条件が特別図柄の変動表示回数(例えば100回)に基づいて定められるタイプのパチンコ遊技機(所謂「ST機」)において、前述の条件示唆演出、分岐到達演出及び分岐先報知演出を実行することも可能である。具体的には、例えば、大当り遊技の終了後、第1所定回数(例えば50回)の変動表示が実行されるまで高確高ベース状態となり、且つ、第1所定回数(例えば50回)よりも多い第2所定回数(例えば100回)の変動表示が実行されるまで高確低ベース状態となり、且つ、第2所定回数(例えば100回)までに大当りが発生しなければ低確低ベースとなる第1大当りと、大当り遊技の終了後、第2所定回数(例えば100回)の変動表示が実行されるまで高確高ベース状態となり、且つ、第2所定回数(例えば100回)までに大当りが発生しなければ低確低ベースとなる第2大当りと、を備えているとする。この場合、第1大当り又は第2大当りが発生したときには、大当り遊技後の高確高ベース状態で特別図柄の変動回数が第1所定回数(例えば50回)を超えてはならない旨を指示する態様の条件示唆演出を実行し、その条件示唆演出による指示に反した旨を示唆する態様の分岐到達演出を第1所定回数目の変動表示で実行し、その後に分岐先報知演出(第2大当りであれば継続報知演出、第1大当りであれば終了報知演出)を実行するように構成する。これによっても、高確高ベース状態の終了(第1大当り)又は継続(第2大当り)が報知されるときの緊張感を効果的に煽ることが可能となる。なお、この場合、高ベース状態(高確高ベース状態又は高確低ベース状態)が「特定遊技状態」に相当し、第1所定回数及び第2所定回数が「終了条件」に相当し、第1所定回数が「第1終了条件」に相当し、第2所定回数が「第2終了条件」に相当する。
また前述の実施例2では、条件示唆演出(第1演出)をエンディング期間で(エンディング演出として)実行するものとしていたが、条件示唆演出の実行時期はこれに限られない。例えば、大当り遊技が開始されるときのオープニング演出として条件示唆演出を実行したり、大当り遊技中のラウンド演出として条件示唆演出を実行したりすることが可能である。但し、条件示唆演出による示唆は、大当り遊技終了後の特定遊技状態に関する示唆であることから、大当り遊技の終了(特定遊技状態の開始)に近いタイミングで実行するのが望ましい。
また前述の実施例2では、天国モードの第1終了条件(特定遊技状態の終了条件)を示唆する条件示唆演出(第1演出)を、図54(A)に示す態様で実行するものとしていたが、条件示唆演出(第1演出)の態様は実施例に限定されるものない。例えば、「100回転を超えると危険です」や「外れを100回続けてはいけません」など、遊技展開が不利になる印象(ネガティブな印象)を遊技者に与えつつ終了条件を遊技者に認識させることができる態様とすることが可能である。
また前述の実施例2では、天国モードの第1終了条件(特定遊技状態の終了条件)の成立可能性がある旨を示唆する分岐到達演出(第2演出)を、図54(B)に示す態様で実行するものとしていたが、分岐到達演出(第2演出)の態様は実施例に限定されるものない。例えば、「残念ながら100回転まで来てしまいましたね」や「外れを99回も続けましたね」など、遊技展開が不利になる印象(ネガティブな印象)を遊技者に与えつつ終了条件の成立可能性がある旨を遊技者に認識させることができる態様とすることが可能である。
また前述の実施例2では、モード分岐演出において、分岐到達演出と分岐先報知演出との間に操作指示演出を実行するものとしていたが、その操作指示演出を、天国モードの第1終了条件の成立可能性の高低を示唆する態様で実行するようにしてもよい。例えば、実施例2の分岐到達演出で表示する演出画像720に含まれる文字の色の違いのように、操作指示演出で表示する操作指示画像の種類(例えば、演出ボタン画像の大きさや色、文字画像の大きさや色など)を複数設け、その種類に応じて終了条件の成立可能性の高低を示唆することが可能である。また、操作指示演出で指示する演出ボタンの操作態様(単押し、連打、長押しなど)に応じて終了条件の成立可能性の高低を示唆することも可能である。これにより、分岐先報知演出の実行に関連する操作指示演出や演出ボタン操作に遊技者の興味を惹きつけて、分岐到達演出から分岐先報知演出にかけての興趣をより高めることが可能となる。
なお、モード分岐演出において操作指示演出を実行しなくてもよい。この場合、分岐到達演出と分岐先報知演出との間に操作指示演出以外の所定のつなぎ演出を設けてもよい。つなぎ演出としては、分岐先報知演出が実行(開始)されるまでの残り時間を示すタイマ演出や、分岐先報知演出が実行(開始)されるまでをカウントダウンするカウントダウン演出等が例示できる。そして、タイマ演出やカウントダウン演出をつなぎ演出として実行する場合、タイマ演出により示される残り時間の長短や、カウントダウン演出によるカウントダウン回数の多少により、特定遊技状態の終了条件が成立する可能性の高低を示唆するようにしてもよい。これによっても、分岐到達演出から分岐先報知演出にかけての興趣を高めることが可能である。
また、実施例2のパチンコ遊技機1(転落抽選機)において、実施例1で説明した段階煽り演出(特定演出)を実行することは、もちろん可能である。
以上、本発明の実施形態として実施例1及び2を説明したが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述の実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機(実施例2は全図柄確変)に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域(V領域)を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過(V通過)したか否かに基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機(所謂「V確機」)にも本発明を適用することが可能である。なお、V確機において、大当り遊技中にV通過が予定される大当り(「V通過予定大当り」ともいう。)を備え、高確率状態(例えば高確高ベース状態)にてV通過予定大当りが発生して大当り遊技が実行されたにもかかわらず、その大当り遊技中に遊技球がV通過しないというイレギュラーな事象(「イレギュラーV非通過」ともいう。)が発生した場合、イレギュラーV非通過は、高確率状態の継続(連荘)を終了させることとなるので、高確率状態の終了条件であるといえる。
また、高確率状態への移行契機となる確変大当りやV通過予定大当りの発生回数が所定の制限回数になることで高確率状態(確変状態)を終了させるタイプのパチンコ遊技機(所謂「確変リミット機」)にも本発明を適用することが可能である。なお、確変リミット機において、確変大当りやV通過予定大当りの発生回数が所定の制限回数に到達することは、高確率状態の終了条件であるといえる。
また、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口内に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。
また前述の実施例では、第2特図保留(第2特別図柄の変動表示)を第1特図保留(第1特別図柄の変動表示)に優先して消化する制御処理(いわゆる特図2優先変動)を採用していたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理(いわゆる特図1優先変動)としてもよい。あるいは、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留および第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理(いわゆる入球順(記憶順)変動)の制御処理としてもよい。また、前述の実施例における特図2優先変動に代えて、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化と第2特図保留の消化)とを並行して実行する制御処理(いわゆる特図1,2同時変動)を採用してもよい。
また前述の実施例では、始動入球に基づく事前判定について、特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出して、当該読み出した取得乱数値(取得情報)を判定(事前判定)するものとしていたが(始動入球時処理(S205)、図11、図13等を参照)、事前判定の手法はこれに限定されるものではない。例えば、特図保留記憶部に加え、事前判定の対象となる取得情報(つまり、始動入球に基づいて取得された取得情報)を記憶する領域(取得情報記憶手段)を主制御部やサブ制御部のRAMに設け、当該記憶領域(事前判定用記憶部)に記憶した取得情報を判定(事前判定)するものとしてもよい。この場合、事前判定の結果を主制御部やサブ制御部のRAMに記憶することで、事前判定に用いた取得情報(別の記憶領域に記憶した取得情報)を消去することも可能である。あるいは、特図保留記憶部に記憶した取得情報について事前判定するのではなく、始動入球に基づいて取得された取得情報について事前判定するものとしてもよい。つまり、取得情報を特図保留記憶部に記憶する前に事前判定するようにしてもよい。この場合、特図保留記憶部と別に、事前判定の対象となる取得情報を記憶する領域を設ける必要はなく、また、特図保留記憶部に記憶した取得情報を事前判定のために読み出す必要もない。
また前述の実施例では、確率変動機能の非作動・作動により、大当り確率を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能としていたが、大当り確率の種類(数)はこれに限定されるものではなく、例えば、低確率(第1確率)よりも高く高確率(第2確率)よりも低い中確率(第3確率)等、3種類以上の確率を設定可能としてもよい。さらに、第1低確率と第1高確率(第1確率条件)、第2低確率と第2高確率(第2確率条件)、第3低確率と第3高確率(第3確率条件)など、低確率と高確率との関係を定めた複数種の確率条件を設け、当該複数種の確率条件のうちの何れかを、例えば、遊技機の電源投入時に任意に設定可能(選択可能)としてもよい。
また前述の実施例では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技に用いる遊技媒体が遊技メダルとされるスロットマシン(回胴式遊技機)に本発明を適用することも可能である。
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
(参考発明1)
従来、遊技球等の遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機が広く知られている。この種の遊技機では、遊技興趣を高めるべく遊技中に様々な演出が実行される。例えば、特別図柄等の識別情報を変動表示させる遊技(変動遊技)では、リーチ演出や予告演出等の変動表示(変動遊技)に関連する演出が実行される。また、大当り遊技等の特別遊技では、オープニング演出やラウンド演出等の特別遊技に関連する演出が実行される(例えば、特開2006−218197号公報を参照)。
しかしながら、遊技中に実行される演出は、機種によって内容(例えば、モチーフやコンテンツ、キャラクタ等)が異なるものの、演出手法(例えば、演出展開や演出パターン等)は画一的になりやすい。このため、演出を通じて遊技興趣を高めるには未だ改善の余地がある。
本参考発明1は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技者の興味を惹きつける趣向性の高い演出を実現して、遊技興趣を高めることにある。
参考発明1−1の遊技機は、
所定の遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機であって、
遊技に関連する演出を実行可能な演出実行手段と、
演出表示を表示可能な表示画面と、を備え、
前記演出実行手段は、前記演出として、
前記表示画面に表示された所定の表示対象が蓄積される態様の演出表示を前記表示画面に表示する第1段階演出と、
前記第1段階演出で蓄積された表示対象が放出される態様の演出表示を前記表示画面に表示する第2段階演出と、
前記第2段階演出で放出された表示対象により所定の領域が覆われる態様の演出表示を前記表示画面に表示する第3段階演出と、
前記第3段階演出で覆われた領域に特定表示対象が出現する態様の演出表示を前記表示画面に表示する第4段階演出と、を含む特定演出を実行可能である
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、表示画面に表示された所定の表示対象が蓄積(ストック)された後(第1段階演出)、その蓄積された表示対象が放出され(第2段階演出)、該放出された表示対象により所定の領域が覆われた後(第3段階演出)、その覆われた領域に特定表示対象が出現する(第4段階演出)、といった様な一連の演出表示を含む特定演出が表示画面上で実行され得る。このような特定演出(一連の演出表示)により、視覚的に斬新な演出が実現される。これにより、遊技者の興味を惹きつける演出を実現して、遊技興趣を高めることが可能となる。
参考発明1−2の遊技機は、前述した参考発明1−1の遊技機において、
識別情報の変動表示を実行可能な識別情報表示手段と、
前記変動表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて、遊技者に所定の利益が付与され得る特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、を備え、
前記特定演出は、前記変動表示の実行中に実行可能な演出であり、
前記特定表示対象は、実行中の変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる可能性を示唆する示唆画像を含む
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示中に特定演出が実行され得る。そして、特定演出のうち第4段階演出で出現する特定表示対象には、実行中の変動表示の表示結果が特定表示結果となる可能性(特別遊技の実行可能性)を示唆する示唆画像が含まれる。このため、特定演出の実行を伴う変動表示の表示結果が特定表示結果となる可能性を、特定演出の第4段階演出で遊技者に示唆することが可能となる。これにより、第4段階演出で出現する特定表示対象(示唆画像)に遊技者の興味を惹きつけて、第4段階演出が実行されるときの興趣を高めることが可能となる。
参考発明1−3の遊技機は、前述した参考発明1−1又は1−2の遊技機において、
遊技者が操作可能な操作手段を備え、
前記演出実行手段は、前記操作手段の操作に基づいて操作対応演出を実行可能であり、
前記特定表示対象は、前記操作手段の操作を遊技者に促す操作促進画像を含む
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技者が操作可能な操作手段の操作に基づいて操作対応演出が実行され得る。そして、特定演出のうち第4段階演出で出現する特定表示対象には、操作手段の操作を遊技者に促す操作促進画像が含まれる。このため、特定演出の第4段階演出で遊技者に操作手段の操作を促して、操作対応演出の実行に繋げることが可能となる。これにより、第4段階演出が実行された際の操作手段の操作やその操作に基づく操作対応演出に遊技者の興味を惹きつけて、興趣を高めることが可能となる。
参考発明1−4の遊技機は、前述した参考発明1−1から1−3の何れか一つの遊技機において、
前記特定演出において、前記第2段階演出の実行前に前記第1段階演出が複数回実行され得る
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、表示対象の放出前(第2段階演出の実行前)に、表示対象が蓄積(ストック)される態様の演出表示(第1段階演出)が複数回実行され得る。このため、第1段階演出(表示対象の蓄積)に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。これにより、特定演出(一連の演出表示)の初期段階から興趣を高めることが可能となる。
参考発明1−5の遊技機は、前述した参考発明1−1から1−4の何れか一つの遊技機において、
前記表示画面の近傍で作動可能な可動演出部材を備え、
前記第1段階演出は、前記可動演出部材が第1作動態様で作動する第1可動演出を含み、
前記第2段階演出は、前記可動演出部材が第2作動態様で作動する第2可動演出を含む
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、表示画面の近傍で可動演出部材が第1作動態様で作動する第1可動演出と、その可動演出部材が第2作動態様で作動する第2可動演出とがあり、第1段階演出には第1可動演出が含まれ、第2段階演出には第2可動演出が含まれる。このため、第1段階演出は、表示対象が蓄積される態様の演出表示(表示演出)と可動演出部材の第1作動態様による作動(第1可動演出)とを連携させた演出として実行することが可能となり、第2段階演出は、表示対象が放出される態様の演出表示(表示演出)と可動演出部材の第2作動態様による作動(第2可動演出)とを連携させた演出として実行することが可能となる。これにより、第1段階演出及び第2段階演出の演出効果を高めることが可能となる。
参考発明1−6の遊技機は、前述した参考発明1−5の遊技機において、
前記第1段階演出は、前記表示対象が前記可動演出部材の側に向かって移動する態様の演出表示を含み、
前記第2段階演出は、前記表示対象が前記可動演出部材から離れる側に向かって移動する態様の演出表示を含む
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、表示対象が蓄積される態様の演出表示が表示される第1段階演出には、その表示対象が可動演出部材の側に向かって移動する態様の演出表示が含まれ、表示対象が放出される態様の演出表示が表示される第2段階演出には、その表示対象が第2段階演出には、その表示対象が可動演出部材から離れる側に向かって移動する態様の演出表示が含まれる。このため、第1段階演出及び第2段階演出における表示演出と可動演出との連携を際立たせることが可能となる。これにより、第1段階演出及び第2段階演出の演出効果をより高めることが可能となる。
参考発明1−7の遊技機は、前述した参考発明1−1から1−6の何れか一つの遊技機において、
効果音を出力可能な音出力手段を備え、
前記表示対象は、所定の効果音の少なくとも一部を文字で表現した文字画像を含み、
前記第2段階演出は、前記所定の効果音を出力する音演出を含む
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1段階演出で蓄積されて第2段階演出で放出される表示対象には、所定の効果音の少なくとも一部を文字で表現(視覚化)した文字画像が含まれ、第2段階演出には、その所定の効果音(視覚化の対象とされた効果音)を出力する音演出が含まれる。このため、第2段階演出は、表示対象が放出される態様の演出表示(表示演出)と、放出される表示対象(視覚化された音)を含む効果音の出力(音演出)とを連携させた演出として実行することが可能となる。これにより、第2段階演出の演出効果を高めることが可能となる。
以上の本参考発明1によれば、遊技者の興味を惹きつける趣向性の高い演出を実現して、遊技興趣を高めることが可能である。
(参考発明2)
従来、大当り遊技等の特別遊技の終了後に、特別遊技とは別の遊技者に有利な特定遊技状態を付与する遊技機が知られている。この種の遊技機において、特別遊技終了後の遊技状態(特定遊技状態であるか否か)を報知せず、特別遊技終了後に所定回数の図柄変動が実行されると遊技状態を報知する演出が実行されるように構成されたものがある(例えば、特開2006−110080号公報を参照)。
しかしながら、特別遊技終了後の遊技状態を報知せず、特別遊技終了から所定期間経過後に遊技状態を報知する演出は既に周知化しており、遊技興趣を高めるには未だ改善の余地がある。
本参考発明2は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特別遊技終了後に遊技状態を報知する演出を通じて遊技興趣を高めることが可能な遊技機を提供することにある。
参考発明2−1の遊技機は、
識別情報の変動表示を実行可能な変動表示実行手段と、
前記変動表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて、遊技者に所定の利益が付与され得る特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
前記特別遊技の終了後、所定の終了条件が成立するまでの間、前記変動表示が実行可能とされる遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特定遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記特別遊技が開始されてから、該特別遊技終了後の前記遊技状態が前記特定遊技状態に制御されるまでの間に、前記終了条件を示唆する第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、
前記第1演出の実行後、前記遊技状態が前記特定遊技状態に制御された後に、前記終了条件が成立する可能性がある旨を示唆する第2演出を実行可能な第2演出実行手段と、
前記第2演出の実行後、前記特定遊技状態の終了又は継続を報知する第3演出を実行可能な第3演出実行手段と、を備える
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特別遊技が開始されてから当該特別遊技終了後の特定遊技状態が開始されるまでの間に第1演出が実行可能とされており、当該第1演出により、特定遊技状態の終了条件が示唆される。その後、特定遊技状態が開始された後に第2演出が実行可能とされており、当該第2演出により、特定遊技状態の終了条件の成立可能性がある旨が示唆される。そして、第2演出の実行後に第3演出が実行可能とされており、当該第3演出により、特定遊技状態の終了又は継続が報知される。特定遊技状態の終了は遊技者にとって不利な遊技展開であるところ、そうした不利な遊技展開に関連する示唆(第1演出、第2演出)を、特定遊技状態の終了又は継続が報知される前(第3演出の実行前)に行うことで、特定遊技状態の終了に対する遊技者の不安感を煽った上で、特定遊技状態の終了又は継続の報知に繋げることが可能となる。これにより、特定遊技状態の終了又は継続が報知されるときの緊張感を効果的に煽ることが可能となり、延いては遊技興趣を高めることが可能となる。
参考発明2−2の遊技機は、前述した参考発明2−1の遊技機において、
前記第1演出は、前記特別遊技の終了に際して設定される所定の終了期間に実行される
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特別遊技の終了に際して設定される所定の終了期間において、この後に開始される特定遊技状態の終了条件が示唆される。このため、特定遊技状態の終了条件の示唆(第1演出)に続いて特定遊技状態が開始されるようになる。これにより、特別遊技の終了から特定遊技状態の開始にかけての興趣を高めることが可能となる。
参考発明2−3の遊技機は、前述した参考発明2−1又は2−2の遊技機において、
前記第1演出は、前記終了条件の成立を回避することを遊技者に指示する態様で実行される
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定遊技状態の終了条件を示唆する第1演出が、その終了条件の成立回避を遊技者に指示する態様で実行される。このため、特定遊技状態の終了条件を成立させてはならないといった印象を遊技者に与えることが可能となる。これにより、特定遊技状態の終了に対する不安感を遊技者に抱かせやすくなる斬新な示唆が可能となる。
参考発明2−4の遊技機は、前述した参考発明2−3の遊技機において、
前記第2演出は、前記第1演出による指示に反した旨を示唆する態様で実行される
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定遊技状態の終了条件の成立可能性がある旨を示唆する第2演出が、先の第1演出による指示に反した旨を示唆する態様で実行される。このため、第1演出で出された指示(終了条件の成立回避)を守ることができない印象を遊技者に与えることが可能となる。これにより、先の第1演出と関連性を持たせた斬新な示唆が可能となる。また、後の第3演出に向けて特定遊技状態の終了又は継続に対する遊技者の不安と期待を効果的に煽ることが可能となる。
参考発明2−5の遊技機は、前述した参考発明2−1から2−4の何れか一つの遊技機において、
前記第2演出は、前記終了条件の成立可能性が相対的に高い旨を示唆する第1態様で実行される場合と、前記終了条件の成立可能性が相対的に低い旨を示唆する第2態様で実行される場合と、がある
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定遊技状態の終了条件の成立可能性がある旨を示唆する第2演出が、その成立可能性が相対的に高い旨を示唆する第1態様で実行される場合と、その成立可能性が相対的に低い旨を示唆する第2態様で実行される場合とがある。このため、第2演出が第1態様と第2態様との何れで実行されるかによって、特定遊技状態の終了と継続の何れの可能性が高いかを遊技者に示唆することが可能となる。これにより、第2演出が実行されるときの興趣を高めることが可能となる。
参考発明2−6の遊技機は、前述した参考発明2−1から2−5の何れか一つの遊技機において、
前記第2演出は、前記遊技状態が前記特定遊技状態に制御されてから所定期間が経過するときに実行可能とされており、
前記終了条件は、第1終了条件と第2終了条件とを含み、
前記第1終了条件は、前記所定期間の経過に基づいて成立し得る終了条件であり、
前記第2終了条件は、前記所定期間の経過に基づいて前記第1終了条件が成立しない場合、前記所定期間の経過後に成立し得る終了条件であり、
前記第1演出により示唆される前記終了条件は、前記第1終了条件である
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定遊技状態の終了条件の成立可能性がある旨を示唆する第2演出は、遊技状態が特定遊技状態に制御されてから所定期間が経過するときに実行可能とされている。また、特定遊技状態の終了条件には第1終了条件と第2終了条件とが含まれており、第1終了条件は、特定遊技状態の開始後、所定期間の経過に基づいて成立し得るものとされており、第1終了条件が成立しない場合、その所定期間の経過後に第2終了条件が成立し得るものとされている。そして、特定遊技状態の開始前に実行される第1演出では、第2終了条件よりも先に成立し得る第1終了条件が示唆される。このため、特定遊技状態の開始から所定期間が経過するときに第2演出が実行された場合、当該第2演出では第1終了条件の成立可能性がある旨が示唆されるが、その時点では前記第1終了条件が成立していない可能性もある。これにより、第2演出が実行されても特定遊技状態の継続に対する期待感を遊技者に抱かせることが可能となり、終了条件が段階的に成立し得る特定遊技状態の遊技性による興趣を高めることが可能となる。
参考発明2−7の遊技機は、前述した参考発明2−6の遊技機において、
前記第3演出は、前記所定期間の経過に基づいて前記第1終了条件が成立する場合、前記特定遊技状態の終了を報知する態様で実行され、前記所定期間の経過に基づいて前記第1終了条件が成立しない場合、前記特定遊技状態の継続を報知する態様で実行される
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定遊技状態の開始から所定期間が経過し、その経過に基づいて第1終了条件が成立する場合、すなわち、第2演出が実行されるときに第1終了条件成立となる場合、第2演出の後に実行される第3演出では特定遊技状態の終了が報知される。一方、特定遊技状態の開始から所定期間が経過し、その経過に基づいて第1終了条件が成立しない場合、すなわち、第2演出が実行されるときに第1終了条件成立とならない(不成立となる)場合、第2演出の後に実行される第3演出では特定遊技状態の継続が報知される。このため、第2演出による示唆の後、その示唆に合った内容で第3演出が実行されるのか、その示唆に反した内容で第3演出が実行されるのかに、遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。これにより、第2演出から第3演出にかけての興趣を効果的に高めることが可能となる。
参考発明2−8の遊技機は、前述した参考発明2−6又は2−7の遊技機において、
前記変動表示実行手段は、始動口への遊技球の入球に基づいて前記変動表示を実行可能であり、
前記始動口として、遊技球の入球可能性が変化し得る可変始動口を有し、
前記特定遊技状態は、前記可変始動口への遊技球の入球頻度が通常よりも高くなる高頻度状態を含み、
前記特定遊技状態として、前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が第1確率とされるとともに前記高頻度状態とされる第1特定遊技状態と、前記確率が前記第1確率よりも高い第2確率とされるとともに前記高頻度状態とされる第2特定遊技状態と、を有し、
前記第2特定遊技状態において前記確率を前記第2確率から前記第1確率に転落させるか否かの転落判定を実行する転落判定手段を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別遊技の終了後、前記遊技状態を前記第2特定遊技状態に制御し、その後、
前記所定期間が経過するまでに前記転落判定で前記確率を前記第1確率に転落させる旨の転落結果が導出された場合、該転落結果の導出から前記所定期間が経過するまでの間、前記遊技状態を前記第1特定遊技状態に制御するとともに、前記所定期間の経過に基づいて前記第1特定遊技状態を終了させ、
前記所定期間が経過するまでに前記転落判定で前記転落結果が導出されなかった場合、前記所定期間の経過後も前記第2特定遊技状態を継続させ、前記転落結果が導出されたことに基づいて前記第2特定遊技状態を終了させる
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特別遊技の終了後、先ず、第2特定遊技状態が開始され、その後、所定期間が経過するまでに、識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となる確率が第2確率から第1確率に転落すると、当該転落以降、所定期間が経過するまで遊技状態が第1特定遊技状態となり、所定期間の経過に基づいて第1特定遊技状態が終了し、これをもって特定遊技状態が終了する。一方、第2特定遊技状態の開始後、所定期間が経過するまでに、前記確率が第2確率から第1確率に転落しなければ、所定期間の経過後も第2特定遊技状態が継続(維持)され、その後、前記確率が第2確率から第1確率に転落すると第2特定遊技状態が終了し、これをもって特定遊技状態が終了する。こうした遊技状態の変遷をたどる遊技性を備えた遊技機で前述の第1演出、第2演出及び第3演出を実行することで、当該遊技機の遊技興趣を効果的に高めることが可能となる。
以上の本参考発明2によれば、特別遊技終了後に遊技状態を報知する演出を通じて遊技興趣を高めることが可能である。