JP2021191722A - 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子 - Google Patents

光学ガラス、プリフォーム及び光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高屈折率高分散の光学特性を有し、粉末法耐酸性1〜3級であり、且つ、ヌープ硬さが6級以上であり、更に安価である光学ガラスを提供する。【解決手段】質量%で、ZrO2成分 0.0〜10.0%、B2O3成分 0.0%超〜20.0%、SiO2成分 0.0%超〜30.0%ZnO成分 0.0〜40.0%、La2O3成分 5.0〜35.0%、を含有し、質量和Ta2O5+Nb2O5+WO3+Gd2O3が5.0%以下、質量比SiO2/(SiO2+B2O3+TiO2)が0.15〜0.45以下、であり、日本光学硝子工業会規格(JOGIS06−2006)に定める粉末法による耐酸性の測定結果が1〜3級であり、日本光学硝子工業会規格(JOGIS09−1975)に定める測定方法によるヌープ硬さの測定結果が6級以上であることを特徴とする光学ガラス。【選択図】なし

Description

本発明は、光学ガラス、プリフォーム及び光学素子に関する。
光学ガラスはデジタルカメラ、プロジェクタ、及び監視カメラに加え、自動運転技術が進む中で車載カメラに搭載する撮像レンズ等の光学素子としての用途が増えている。車載カメラの中でも例えば屋外で用いられる用途において、外気に触れる前玉レンズは化学的耐久性が優れていることが必要となり、化学的耐久性が良好となることでレンズ表面の腐食によるクモリが発生し難く、長期的に使用が可能となる。また車載カメラは、大気中の粉塵やタイヤなどによって巻き込まれた小石との衝突によりレンズに傷が生じ、衝撃による傷が生じ難い光学ガラスが求められている。更に車載用光学機器に組み込まれる光学素子は安価であることが望まれる。
車載カメラ用レンズ硝材の材料として、高屈折率1.75000以上の屈折率(n)及び20.00以上40.00以下のアッベ数(ν)を有するいわゆる高屈折率高分散の光学特性と、優れた化学的耐久性並びにヌープ硬さなどの機械特性を兼ね備えた6級ガラス材料の需要が非常に高まっている。このような車載用光学機器に使用される材料として、例えば特許文献1〜2に代表されるようなガラス組成物が知られている。
特開2008−233547号公報 WO2017/175552号公報
しかし、特許文献1に示される光学ガラスは高屈折率を維持しながら、粉末法による化学的耐久性(耐酸性)が1〜3級であり、「JOGIS09−1975光学ガラスのヌープ硬さの測定方法」に準じた測定方法において、6級以上のヌープ硬さであるが、原料費が高いNbOやGdを含有しているためコストが高いという問題点がある。
また特許文献1および2に示されている光学ガラスは、高屈折率を有しかつ粉末法耐酸性1〜3級を得るためにZrO成分を多く含有している。しかしZrO成分は耐失透性を悪化させ、液相温度を高める成分であり、ガラスの熔解・成形歩留を低下させるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、高屈折率高分散の光学特性を有し、粉末法耐酸性1〜3級であり、且つ、ヌープ硬さが6級以上の値をとり、更に安価である光学ガラスを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意試験研究を重ねた結果、Nb成分、ZrO成分を可能な限り少なくし、B成分、SiO成分、ZnO成分、La成分をはじめとした各成分の含有量を調整することによって、安価で良好な化学的耐久性及び機械特性を兼ね備えるガラス材料を作成できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1)質量%で、
ZrO成分 0.0〜10.0%、
成分 0.0%超〜20.0%、
SiO成分 0.0%超〜30.0%
ZnO成分 0.0〜40.0%、
La成分 5.0〜35.0%、
を含有し、質量和Ta+Nb+WO3+Gdが5.0%以下、
質量比SiO/(SiO+B+TiO)が0.15〜0.45以下、
であり、
日本光学硝子工業会規格(JOGIS06−2006)に定める粉末法による耐酸性の測定結果が1〜3級であり、日本光学硝子工業会規格(JOGIS09−1975)に定める測定方法によるヌープ硬さの測定結果が6級以上であることを特徴とする光学ガラス。
(2)質量和CaO+ZnO+TiOが10.0〜50.0%以下、
質量比(BaO+ZnO)/Laが0.5〜2.1以下である(1)の光学ガラス。
(3)1.78000以上1.98000以下の屈折率(n)を有し、20.00以上40.00以下のアッベ数(ν)を有し、
質量比(CaO+ZnO+LiO)/BaOが0.022以上である(1)又は(2)の光学ガラス。
(4)(1)から(3)のいずれかの光学ガラスからなるプリフォーム。
(5)(1)から(3)のいずれかの光学ガラスからなる光学素子。
(6)(5)の光学素子を備える光学機器。
本発明によれば、高屈折率高分散の光学特性を有し、且つ、日本光学硝子工業会規格に定める粉末法による耐酸性(JOGIS06−2006)の測定結果が1〜3級であること、日本光学硝子工業会規格に定める測定方法によるヌープ硬さ(JOGIS09−1975)の測定結果が6級以上の値をとり、化学的耐久性に優れ、衝撃などに強く、安価な光学ガラスと、これを用いたプリフォーム及び光学素子を得ることができる。
本発明の光学ガラスは、質量%で、ZrO成分0.0〜10.0%、B成分を0.0%超〜20.0%、SiO成分を0.0%超〜30.0%、ZnO成分を0.0〜40.0%、La成分を5.0〜35.0%含有し、ZrO成分、B成分、SiO成分、ZnO成分、La成分をはじめとした各成分の含有量を調整することによって、高屈折率および高分散の値をとり、粉末法の耐酸性が1〜3級であり、ヌープ硬さの測定結果が6級以上、安価で液相温度が低く、特に車載用硝材に適した光学ガラスを得ることができる。また質量和Ta+Nb+WO3+Gdを5.0%以下とすることで原料費を抑えられる。
質量比SiO/(SiO+B+TiO)を0.15〜0.45以下とすることでガラスの液相温度が低くなり、所望の屈折率及びアッベ数を満たしつつ安定したガラスを取得できる。
以下、本発明の光学ガラスの実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所について、適宜説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。
[ガラス成分]
本発明の光学ガラスを構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。本明細書中において、各成分の含有量は、特に断りがない場合、全て酸化物換算組成の全質量に対する質量%で表示されるものとする。ここで「酸化物換算組成」は、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が熔融時に全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総質量数を100質量%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
<必須成分、任意成分について>
成分は、希土類酸化物を多く含む本発明の光学ガラスでは、ガラス形成酸化物として必須成分である。特にB成分の含有量を0.0%超にすることで、ガラスの耐失透性を高め、且つガラスの熔融性を高められる。従って、B成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.5%以上、さらに好ましくは2.0%以上を下限とする。
一方、B成分の含有量を20.0%以下にすることで、より大きな屈折率を得やすくなり、且つ化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、B成分の含有量は、好ましくは20.0%以下、より好ましくは18.0%以下、さらに好ましくは15.0%以下を上限とする。
成分は、原料としてHBO、Na、Na・10HO、BPO等を用いることができる。
SiO成分は、0.0%超含有する場合に、熔融ガラスの粘度を高められ、ガラスの硬度を高める必須成分である。また、ガラスの安定性を高めて量産に耐えるガラスを得易くする成分でもある。従って、SiO成分の含有量は、好ましくは0.0%超、より好ましくは2.0%以上、より好ましくは4.0%以上を下限とする。
他方で、SiO成分の含有量を30.0%以下にすることでガラス成形に適した粘度となり、且つ屈折率の低下を抑えられる。従って、SiO成分の含有量は、好ましくは30.0%以下、より好ましくは27.0%以下、さらに好ましくは25.0%以下を上限とする。
SiO成分は、原料としてSiO、KSiF、NaSiF等を用いることができる。
TiO成分は、5.0%以上含有する場合に、ガラスの屈折率を高め、アッベ数を高め、ガラスの硬度を上げる成分である。従って、TiO成分の含有量は、好ましくは5.0%以上、より好ましくは6.5%以上、さらに好ましくは8.0%以上を下限とする。
他方で、TiO成分の含有量を40.0%以下にすることで、TiO成分の過剰な含有による失透を低減でき、ガラスの可視光(特に波長500nm以下)に対する透過率の低下を抑えられる。また、これによりアッベ数の低下を抑えられる。従って、TiO成分の含有量は、好ましくは40.0%以下、より好ましくは38.0%以下、さらに好ましくは35.0%以下を上限とする。
TiO成分は、原料としてTiO等を用いることができる。
ZnO成分は、0.0%超含有する場合に、原料の熔解性を高め、ガラスの硬度を高め、また、ガラスの安定性を高められる任意成分である。また、化学的耐久性を改善できる成分でもある。従って、ZnO成分の含有量は、好ましくは0.0%超、より好ましくは0.5%以上、更に好ましくは1.0%以上を下限とする。
他方で、ZnO成分の含有量を40.0%以下にすることで、ガラスの屈折率の低下を抑えられ、且つ、過剰な粘性の低下による失透を低減できる。従って、ZnO成分の含有量は、好ましくは40.0%以下、より好ましくは38.0%以下、より好ましくは35.0%以下を上限とする。
ZnO成分は、原料としてZnO、ZnF等を用いることができる。
La成分は、0.0%超含有する場合にガラスの屈折率及びアッベ数を高める任意成分である。
従って、1.75以上の屈折率を有する光学ガラスを所望の場合は、La成分の含有量は、好ましくは5.0%以上、より好ましくは8.0%以上、さらに好ましくは10.0%以上を下限とする。
他方で、La成分の含有量を35.0%以下とすることで、ガラスの安定性を高めることで失透を低減でき、アッベ数の必要以上の上昇を抑えられるため、好ましくは35.0%以下、より好ましくは33.0%以下、さらに好ましくは30.0%以下を上限とする。
ZrO成分は、0.0%超含有する場合に耐酸性の低下が抑えられ、ガラスの屈折率及びアッベ数を高められる任意成分である。ZrO成分の含有量は、好ましくは0.0%超、より好ましくは0.5%以上、更に好ましくは1.0%以上を下限とする。
他方で、ZrO成分の含有量を10.0%以下にすることで、ZrO成分の過剰な含有による失透を低減できる。従って、ZrO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは8.0%以下、さらに好ましくは5.3%以下を上限とする。
ZrO成分は、原料としてZrO、ZrF等を用いることができる。
Nb成分は、0.0%超含有する場合にガラスの屈折率を高められる任意成分である。他方で、Nb成分の含有量を5.0%以下にすることで、ガラスの材料コストを抑えられる。また、Nb成分の過剰な含有による失透を低減でき、且つ、ガラスの可視光(特に波長500nm以下)に対する透過率の低下を抑えられる。また、これによりアッベ数の低下を抑えられる。従って、Nb成分の含有量は、好ましくは5.0%以下、より好ましくは4.0%以下、さらに好ましくは3.0%以下を上限とする。特に、材料コストを低減させる観点では、Nb成分を含有しないことが最も好ましい。
Nb成分は、原料としてNb等を用いることができる。
WO成分は、0.0%超含有する場合に他の高屈折率成分によるガラスの着色を低減しながら、屈折率を高め、耐失透性を高められる任意成分である。
他方で、WO成分の含有量を5.0%以下にすることで、ガラスの材料コストを抑えられる。また、WO成分によるガラスの着色を低減して可視光透過率を高められる。従って、WO成分の含有量は、好ましくは5.0%以下、より好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下を上限とする。特に、材料コストを低減させる観点では、WO成分を含有しないことが最も好ましい。
WO成分は、原料としてWO等を用いることができる。
成分は、0.0%超含有する場合に所望の屈折率及びアッベ数を維持しながらも、ガラスの材料コストを抑えられる任意成分である。
他方で、Y成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの屈折率の低下を抑えられ、且つガラスの安定性を高められる。また、ガラス原料の熔解性の悪化を抑えられる。従って、Y成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%以下、さらに好ましくは3.5%以下を上限とする。
成分は、原料としてY、YF等を用いることができる。
Gd成分及びYb成分は、0.0%超含有する場合にガラスの屈折率を高められる任意成分である。
しかしながら、Gd成分及びYb成分は原料価格が高く、その含有量が多いと生産コストが高くなるため、Nb成分やWO成分等を低減することによる効果が減殺される。また、Gd成分やYb成分の含有量を低減させることで、ガラスのアッベ数の上昇を抑えられる。従って、Gd成分及びYb成分の含有量は、それぞれ好ましくは4.0%以下、より好ましくは2.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下を上限とする。特に、材料コストを低減させる観点では、これらの成分を含有しないことが最も好ましい。
Gd成分及びYb成分は、原料としてGd、GdF、Yb等を用いることができる。
Ta成分は、0.0%超含有する場合にガラスの屈折率を高められ、且つ耐失透性を高められる任意成分である。
しかしながら、Ta成分は原料価格が高く、その含有量が多いと生産コストが高くなるため、Nb成分やWO成分等を低減することによる効果が減殺される。また、Ta成分の含有量を5.0%以下にすることで、原料の熔解温度が低くなり、原料の熔解に要するエネルギーが低減されるため、光学ガラスの製造コストも低減できる。従って、Ta成分の含有量は、好ましくは5.0%以下、より好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下を上限とする。特に、材料コストを低減させる観点では、Ta成分を含有しないことが最も好ましい。
Ta成分は、原料としてTa等を用いることができる。
MgO成分は、ガラス原料の熔融性やガラスの耐失透性を高められる任意成分である。
一方で、MgO成分の含有量を10.0%以下にすることで、これらの成分の過剰な含有に
よる、屈折率の低下や耐失透性の低下を抑えられる。従って、MgO成分の含有量は、好
ましくは10.0%以下、より好ましくは9.0%以下、より好ましくは8.0%以下を上限とする。
CaO成分は、ガラスの硬度を高め、ガラス原料の熔融性を高められる任意成分である。
一方で、CaO成分の含有量を20.0%以下にすることで、これらの成分の過剰な含有による、屈折率の低下や耐失透性の低下を抑えられる。従って、CaO成分の含有量は、好ましくは20.0%以下、より好ましくは18.0%以下、最も好ましくは15.0%以下を上限とする。
SrO成分は、ガラス原料の熔融性やガラスの耐失透性を高められる任意成分である。
一方で、SrO成分の含有量を10.0%以下にすることで、これらの成分の過剰な含有による、屈折率の低下や耐失透性の低下を抑えられる。従って、SrO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは9.0%以下、最も好ましくは8.0%以下を上限とする。
BaO成分は、0.0%超含有する場合にガラスの屈折率及びアッベ数を高められ、液相温度を低くする任意成分である。BaO成分の含有量は、好ましくは0.0%超、より好ましくは1.0%以上、更に好ましくは1.5%以上を下限とする。
BaO成分の含有量を40.0%以下にすることで、これらの成分の過剰な含有による、屈折率の低下や耐失透性の低下や化学的耐久性(耐酸性)の悪化を抑えられる。従って、BaO成分の含有量は、好ましくは40.0%以下、より好ましくは35.0%以下、最も好ましくは31.0%以下を上限とする。
LiO成分、NaO成分及びKO成分は、0.0%超含有する場合にガラスの熔融性を改善でき、ガラス転移点を低くできる任意成分である。
他方で、LiO成分、NaO成分及びKO成分をそれぞれ10.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、且つガラスの失透を低減できる。また、化学的耐久性(耐酸性)の悪化や硬度の低下を抑制できる。従って、LiO成分、NaO成分及びKO成分の含有量は、それぞれ好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%以下、さらに好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは1.5%以下を上限とする。
LiO成分、NaO成分及びKO成分は、原料としてLiCO、LiNO、LiCO、NaCO、NaNO、NaF、NaSiF、KCO、KNO、KF、KHF、KSiF等を用いることができる
成分は、0.0%超含有する場合にガラスの液相温度を下げて耐失透性を高められる任意成分である。
他方で、P成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの化学的耐久性、特に耐水性の低下を抑えられる。従って、P成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%以下、さらに好ましくは3.0%以下を上限とする。
成分は、原料としてAl(PO、Ca(PO、Ba(PO、BPO、HPO等を用いることができる。
GeO成分は、0.0%超含有する場合にガラスの屈折率を高められ、且つ耐失透性を向上できる任意成分である。
しかしながら、GeOは原料価格が高く、その含有量が多いと生産コストが高くなるため、Gd成分やTa成分等を低減することによる効果が減殺される。従って、GeO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%以下、さらに好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.1%以下を上限とする。材料コストを低減させる観点で、GeO成分を含有しなくてもよい。 GeO成分は、原料としてGeO等を用いることができる。
Al成分は、0.0%超含有する場合にガラスの化学的耐久性を向上でき、且つ熔融ガラスの耐失透性を向上できる任意成分である。従って、Al成分の含有量は、好ましくは0.0%超、より好ましくは0.5%以上を下限とする。
他方で、Al成分の含有量を15.0%以下にすることで、ガラスの液相温度を下げて耐失透性を高められる。従って、Al成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%以下、さらに好ましくは9.0%以下、さらに好ましくは8.0%以下を上限とする。
Al成分は、原料としてAl、Al(OH)、AlF等を用いることができる。
Ga成分は、0.0%超含有する場合にガラスの化学的耐久性を向上でき、且つ熔融ガラスの耐失透性を向上できる任意成分である。
他方で、Ga成分の含有量を15.0%以下にすることで、ガラスの液相温度を下げて耐失透性を高められる。従って、Ga成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%以下、さらに好ましくは5.0%以下、さらに好ましくは3.0%以下を上限とする。
Ga成分は、原料としてGa、Ga(OH)等を用いることができる。
Bi成分は、0.0%超含有する場合に屈折率を高められ、且つガラス転移点を下げられる任意成分である。
他方で、Bi成分の含有量を5.0%以下にすることで、ガラスの液相温度を下げて耐失透性を高められ、また原料価格が高いため、生産コストを抑えられる。従って、Bi成分の含有量は、好ましくは5.0%以下、より好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下を上限とする。特に、材料コストを低減させる観点では、Bi成分を含有しないことが最も好ましい。
Bi成分は、原料としてBi等を用いることができる。
TeO成分は、0.0%超含有する場合に屈折率を高められ、且つガラス転移点を下げられる任意成分である。
他方で、TeOは白金製の坩堝や、熔融ガラスと接する部分が白金で形成されている熔融槽でガラス原料を熔融する際、白金と合金化しうる問題がある。従って、TeO成分の含有量は、好ましくは5.0%以下、より好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下を上限とする。特に、材料コストを低減させる観点では、TeO成分を含有しないことが最も好ましい。
TeO成分は、原料としてTeO等を用いることができる。
SnO成分は、0.0%超含有する場合に熔融ガラスの酸化を低減して清澄し、且つガラスの可視光透過率を高められる任意成分である。
他方で、SnO成分の含有量を3.0%以下にすることで、熔融ガラスの還元によるガラスの着色や、ガラスの失透を低減できる。また、SnO成分と熔解設備(特にPt等の貴金属)の合金化が低減されるため、熔解設備の長寿命化を図ることができる。従って、SnO成分の含有量は、好ましくは3.0%以下、より好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下を上限とする。
SnO成分は、原料としてSnO、SnO、SnF、SnF等を用いることができる。
Sb成分は、0.0%超含有する場合に熔融ガラスを脱泡できる任意成分である。
他方で、Sb量が多すぎると、可視光領域の短波長領域における透過率が悪くなる。従って、Sb成分の含有量は、好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.3%以下を上限とする。
Sb成分は、原料としてSb、Sb、NaSb・5HO等を用いることができる。
なお、ガラスを清澄し脱泡する成分は、上記のSb成分に限定されるものではなく、ガラス製造の分野における公知の清澄剤、脱泡剤或いはそれらの組み合わせを用いることができる。
F成分は、0.0%超含有する場合にガラスのアッベ数を高め、ガラス転移点を低くし、且つ耐失透性を向上できる任意成分である。
しかし、F成分の含有量、すなわち上述した各金属元素の1種又は2種以上の酸化物の一部又は全部と置換した弗化物のFとしての合計量が15.0%を超えると、F成分の揮発量が多くなるため、安定した光学恒数が得られ難くなり、均質なガラスが得られ難くなる。また、アッベ数が必要以上に上昇する。
従って、F成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%以下、さらに好ましくは5.0%以下、さらに好ましくは3.0%以下を上限とする。
F成分は、原料として例えばZrF、AlF、NaF、CaF等を用いることで、ガラス内に含有することができる。
質量比SiO/(SiO+B+ TiO)は、0.15〜0.45以下とすることでガラスの液相温度を低くし、安定したガラスを取得できる。
従って、質量比SiO/(SiO+B+TiO)は、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.16以上、さらに好ましくは0.17以上を下限とする。
他方で、質量比SiO/(SiO+B+TiO)を0.45以下とすることで所望の屈折率、アッベ数を取得できる。従って、質量比SiO/(SiO+B+TiO)は、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.44以下、さらに好ましくは0.43以下を上限とする。
Ta成分、Nb成分、WO成分及びGd成分の合計含有量は、5.0%以下が好ましい。特にこの合計含有量を5.0%以下とすることで、これら高価な成分の含有量が低減されるため原料費を抑えられる。
従って、質量和(Ta+Nb+WO3+Gd)は、好ましくは5.0%以下、より好ましくは4.5%以下、さらに好ましくは4.0%以下を上限とする。
CaO成分、ZnO成分及びTiO成分の合計含有量は、10.0〜50.0%が好ましい。合計含有量を10.0%以上とすることでヌープ硬さを大きくすることができる。従って、CaO成分、ZnO成分及びTiO成分の合計含有量は、好ましくは10.0%以上、より好ましくは、10.5%以上、さらに好ましくは11.0%以上を下限とする。
他方で、CaO成分、ZnO成分及びTiO成分の合計含有量を50.0%以下とすることで耐失透性の悪化を抑えることができる。従ってCaO成分、ZnO成分及びTiO成分の合計含有量は、好ましくは50.0%以下、さらに好ましくは49.0%以下、さらに好ましくは48.0%以下を上限とする。
La成分の含有量に対するBaO成分、ZnO成分の合計量の比率は、0.5〜2.1が好ましい。特にこの質量比(BaO+ZnO)/Laを0.5以上とすることでガラスの液相温度が低くなり、所望の屈折率、アッベ数を得られる。
従って、この質量比(BaO+ZnO)/Laは好ましくは0.5以上、より好ましくは0.55以上、さらに好ましくは0.6以上を下限とする。
他方で、この質量比(BaO+ZnO)/Laを2.1以下とすることで粉末法耐酸性の悪化を抑制できる。従って、(BaO+ZnO)/Laは、好ましくは2.1以下、より好ましくは2.06以下、さらに好ましくは2.02以下を上限とする。
BaO成分に対するCaO成分、ZnO成分及びLiO成分の合計量の比率は、0.022以上が好ましい。特にこの質量比(CaO+ZnO+LiO)/BaOを0.022以上にすることで粉末法耐酸性の悪化を抑え、ヌープ硬さが大きいガラスが取得できる。
従って、この質量比(CaO+ZnO+LiO)/BaOは好ましくは0.022以上、より好ましくは0.023以上、より好ましくは0.024以上を下限とする。
他方で、BaO成分に対するCaO成分、ZnO成分及びLiO成分の合計量の比率は、ガラスの安定性の悪化、低屈折率化を抑制するため20.0以下が好ましい。従って、質量比(CaO+ZnO+LiO)/BaOは、好ましくは20.0以下、より好ましくは18.0以下、さらに好ましくは16.0以下を上限とする。
<含有すべきでない成分について>
次に、本発明の光学ガラスに含有すべきでない成分、及び含有することが好ましくない成分について説明する。
他の成分を本願発明のガラスの特性を損なわない範囲で必要に応じ、添加することができる。ただし、Ti、Zr、Nb、W、La、Gd、Y、Yb、Luを除く、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びMo等の各遷移金属成分は、それぞれを単独又は複合して少量含有した場合でもガラスが着色し、可視域の特定の波長に吸収を生じる性質があるため、特に可視領域の波長を使用する光学ガラスにおいては、実質的に含まないことが好ましい。また、Rb、Csの各成分についても、ガラスの着色を抑制させる観点から、含有しないことが好ましい。
また、PbO等の鉛化合物及びAs等の砒素化合物は、環境負荷が高い成分であるため、実質的に含有しないこと、すなわち、不可避な混入を除いて一切含有しないことが望ましい。
さらに、Th、Cd、Tl、Os、Be、及びSeの各成分は、近年有害な化学物質として使用を控える傾向にあり、ガラスの製造工程のみならず、加工工程、及び製品化後の処分に至るまで環境対策上の措置が必要とされる。従って、環境上の影響を重視する場合には、これらを実質的に含有しないことが好ましい。
[製造方法]
本発明の光学ガラスは、例えば以下のように作製される。すなわち、上記各成分の原料として、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物、メタ燐酸化合物等の通常の光学ガラスに使用される高純度原料を、各成分が所定の含有量の範囲内になるように均一に混合し、作製した混合物を白金坩堝に投入し、ガラス原料の熔解難易度に応じて電気炉で1000〜1400℃の温度範囲で1〜10時間熔解させて攪拌均質化した後、適当な温度に下げてから金型に鋳込み、徐冷することにより作製される。
このとき、ガラス原料として熔解性の高いものを用いることが好ましい。これにより、より低温での熔解や、より短時間での熔解が可能になるため、ガラスの生産性を高め、生産コストを低減できる。また、成分の揮発や坩堝等との反応が低減されるため、着色の少ないガラスを得易くできる。
<物性>
本発明の光学ガラスは、高屈折率及び高分散を有する。
特に、本発明の光学ガラスの屈折率(n)は、好ましくは1.78000以上、より好ましくは1.78500以上、さらに好ましくは1.79000以上を下限とする。この屈折率(n)は、好ましくは1.98000以下、より好ましくは1.97000以下、より好ましくは1.96500以下を上限としてもよい。
また、本発明の光学ガラスのアッベ数(ν)は、好ましくは20.00以上、より好ましくは21.00以上、さらに好ましくは22.00以上を下限とする。このアッベ数(ν)は、好ましくは40.00以下、より好ましくは39.00以下とし、さらに好ましくは38.00以下を上限としてもよい。
本発明の光学ガラスは、可視光透過率、特に可視光のうち短波長側の光の透過率が高く、それにより着色が少ないことが好ましい。
特に、本発明の光学ガラスは、ガラスの透過率で表すと、厚み10mmのサンプルで分光透過率70%を示す波長(λ70)は、好ましくは480nm以下、好ましくは460nm以下、より好ましくは450nm以下、さらに好ましくは440nm以下を上限とする。
また、本発明の光学ガラスにおける、厚み10mmのサンプルで分光透過率5%を示す最も短い波長(λ)は、好ましくは400nm以下、より好ましくは385nm以下、さらに好ましくは370nm以下を上限とする。
本発明のガラスは、耐失透性が高いこと、より具体的には、低い液相温度を有すること
が好ましい。すなわち、本発明のガラスの液相温度は、好ましくは1300℃以下、より好ましくは1250℃以下、さらに好ましくは1200℃以下を上限とする。これにより、より低い温度で熔融ガラスを流出しても、作製されたガラスの結晶化が低減されるため、特に熔融状態からガラスを形成したときの失透を低減できる。また、ガラスの熔解温度を低くしてもガラスを成形できるため、ガラスの成形時に消費するエネルギーを抑えることで、ガラスの製造コストを低減できる。一方、本発明のガラスの液相温度の下限は特に限定しないが、本発明によって得られるガラスの液相温度は、好ましくは950℃以上、より好ましくは980℃以上、さらに好ましくは1000℃以上を下限としてもよい。
なお、本明細書中における「液相温度」は、50mlの容量の白金製坩堝に30ccの
カレット状のガラス試料を白金坩堝に入れて1350℃で完全に熔融状態にし、所定の温
度まで降温して12時間保持し、炉外に取り出して冷却した後直ちにガラス表面及びガラ
ス中の結晶の有無を観察し、結晶が認められない一番低い温度を表す。
実施例及び比較例のガラスの耐酸性は、日本光学硝子工業会規格「光学ガラスの化学的耐久性の測定方法」JOGIS06−2006に準じて測定する。すなわち、粒度425〜600μmに破砕したガラス試料を比重ビンにとり、白金かごの中に入れた。白金かごを0.01N硝酸水溶液の入った石英ガラス製丸底フラスコに入れて、沸騰水浴中で60分間処理した。処理後のガラス試料の減量率(質量%)を算出して、この減量率(質量%)が0.20未満の場合を1級、減量率が0.20〜0.35未満の場合を2級、減量率が0.35〜0.65未満の場合を3級、減量率が0.65〜1.20未満の場合を4級、減量率が1.20〜2.20未満の場合を5級、減量率が2.20以上の場合を6級とした。このとき、級の数が小さいほど、ガラスの耐酸性が優れていることを意味する。
本発明の光学ガラスにおいては、好ましくは1〜3級、より好ましくは1〜2級である。
本発明の光学ガラスは、「JOGIS09−1975光学ガラスのヌープ硬さの測定方法」に準じた測定方法おいて、6級以上であることが好ましい。これにより、ガラスの研磨時における傷や割れ、及び、ガラスの運搬時等における表面への傷が発生し難くなるため、所望の表面状態を有し、且つその表面状態を維持することが容易な光学ガラスを得ることができる。従って、本発明の光学ガラスのヌープ硬さは、好ましくは6級以上となる。
[プリフォーム及び光学素子]
作製された光学ガラスから、例えば研磨加工の手段、又は、リヒートプレス成形や精密プレス成形等のモールドプレス成形の手段を用いて、ガラス成形体を作製することができる。すなわち、光学ガラスに対して研削及び研磨等の機械加工を行ってガラス成形体を作製したり、光学ガラスからモールドプレス成形用のプリフォームを作製し、このプリフォームに対してリヒートプレス成形を行った後で研磨加工を行ってガラス成形体を作製したり、研磨加工を行って作製したプリフォームや、公知の浮上成形等により成形されたプリフォームに対して精密プレス成形を行ってガラス成形体を作製したりすることができる。なお、ガラス成形体を作製する手段は、これらの手段に限定されない。
このように、本発明の光学ガラスは、様々な光学素子及び光学設計に有用である。その中でも特に、本発明の光学ガラスからプリフォームを形成し、このプリフォームを用いてリヒートプレス成形や精密プレス成形等を行い、レンズやプリズム等の光学素子を作製することが好ましい。これにより、径の大きなプリフォームの形成が可能になるため、光学素子の大型化を図りながらも、光学機器に用いたときに高精細で高精度な結像特性及び投影特性を実現できる。
本発明の光学ガラスからなるガラス成形体は、例えばレンズ、プリズム、ミラー等の光学素子の用途に用いることができ、また車載カメラなどの車載用光学機器等の、硬度や化学的耐久性が良好であることが求められる用途に用いることができる。
本発明の実施例(No.1〜No.29)の組成、並びに、これらのガラスの屈折率(n)、アッベ数(ν)、粉末法による化学的耐久性(耐酸性)、ヌープ硬さ、透過率(λ、λ70)及び液相温度の結果を表1〜表4に示す。なお、以下の実施例はあくまで例示の目的であり、これらの実施例にのみ限定されるものではない。
本発明の実施例のガラスは、いずれも各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物、メタ燐酸化合物等の通常の光学ガラスに使用される高純度原料を選定し、表に示した各実施例の組成の割合になるように秤量して均一に混合した後、白金坩堝に投入し、ガラス原料の熔解難易度に応じて電気炉で1000〜1400℃の温度範囲で1〜10時間熔解させた後、攪拌均質化してから金型等に鋳込み、徐冷して作製した。
実施例及び比較例のガラスの屈折率(n)、アッベ数(ν)は、JIS B 7071−2:2018に規定されるVブロック法に準じて測定した。ここで、屈折率(n)は、ヘリウムランプのd線(587.56nm)に対する測定値で示した。また、アッベ数(ν)は、ヘリウムランプのd線に対する屈折率(n)と、水素ランプのF線(486.13nm)に対する屈折率(n)、C線(656.27nm)に対する屈折率(n)の値を用いて、アッベ数(ν)=[(n−1)/(n−n)]の式から算出した。これらの屈折率(n)、アッベ数(ν)は、徐冷降温速度を−25℃/hrにして得られたガラスについて測定を行うことで求めた。
実施例のガラスの透過率は、日本光学硝子工業会規格JOGIS02−2003に準じて測定した。なお、本発明においては、ガラスの透過率を測定することで、ガラスの着色の有無と程度を求めた。具体的には、厚さ10±0.1mmの対面平行研磨品をJISZ8722に準じ、200〜800nmの分光透過率を測定し、λ(透過率5%時の波長)、λ70(透過率70%時の波長)を求めた。
実施例の液相温度は、50mlの容量の白金製坩堝に30ccのカレット状のガラス試料を白金坩堝に入れて1350℃で完全に熔融状態にし、所定の温度まで降温して12時間保持し、炉外に取り出して冷却した後直ちにガラス表面及びガラス中の結晶の有無を観察し、結晶が認められない一番低い温度を求めた。
実施例及び比較例のガラスの化学的耐久性は、日本光学硝子工業会規格「光学ガラスの化学的耐久性の測定方法」JOGIS06−2006に準じて測定した。すなわち、粒度425〜600μmに破砕したガラス試料を比重ビンにとり、白金かごの中に入れた。白金かごを0.01N硝酸水溶液の入った石英ガラス製丸底フラスコに入れて、沸騰水浴中で60分間処理した。処理後のガラス試料の減量率(質量%)を算出して、この減量率(質量%)が0.20未満の場合を1級、減量率が0.20〜0.35未満の場合を2級、減量率が0.35〜0.65未満の場合を3級、減量率が0.65〜1.20未満の場合を4級、減量率が1.20〜2.20未満の場合を5級、減量率が2.20以上の場合を6級とした。このとき、級の数が小さいほど、ガラスの耐酸性が優れていることを意味する。
また、実施例(No.1〜No.29)及び比較例(A)のガラスのヌープ硬さ(Hk)は、日本光学硝子工業会規格(JOGIS09−1975)に基づいて測定した。具体的には、試料の平面研磨面ダイヤモンド菱形圧子(対稜角172°30´と130°)を0.98N(0.1kgf)の荷重をかけ15秒間押しつけくぼみをつけ、くぼみの長い方の対角線の長さを測定し、式(1)により求めた。
ヌープ硬さ=1.451F/l(1)
F:荷重(N)
l:長い方の対角線の長さ(mm)
ヌープ硬さが150未満の場合を1級、150以上250未満を2級、250以上350未満を3級、350以上450未満を4級、450以上550未満を5級、550以上650未満を6級、650以上を7級として、級が大きいほどガラスが硬いことを意味する。
Figure 2021191722
Figure 2021191722
Figure 2021191722
Figure 2021191722
表に表されるように、実施例の光学ガラスは、粉末法による化学的耐久性(耐酸性)が3級以上であり、所望の範囲内であった。一方で、比較例の光学ガラスは4級であった。
また、実施例の光学ガラスは、いずれも屈折率(n)が1.80000以上であり、所望の範囲内であった。また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれもアッベ数(ν)が、20.00以上40.00以下の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、液相温度が1200℃以下であった。このため、本発明の実施例の光学ガラスは、耐失透に優れた安定なガラスであることが明らかとなった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、ヌープ硬さが6級以上であった。このため、本発明の実施例の光学ガラスは、硬いガラスであることが明らかとなった。
さらに、本発明の実施例の光学ガラスを用いて、ガラスブロックを形成し、このガラスブロックに対して研削及び研磨を行い、レンズ及びプリズムの形状に加工した。その結果、安定的に様々なレンズ及びプリズムの形状に加工することができた。
以上、本発明を例示の目的で詳細に説明したが、本実施例はあくまで例示の目的のみであって、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく多くの改変を当業者により成し得ることが理解されよう。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    ZrO成分 0.0〜10.0%、
    成分 0.0%超〜20.0%、
    SiO成分 0.0%超〜30.0%
    ZnO成分 0.0〜40.0%、
    La成分 5.0〜35.0%、
    を含有し、質量和Ta+Nb+WO3+Gdが5.0%以下、
    質量比SiO/(SiO+B+TiO)が0.15〜0.45以下、
    であり、
    日本光学硝子工業会規格(JOGIS06−2006)に定める粉末法による耐酸性の測定結果が1〜3級であり、日本光学硝子工業会規格(JOGIS09−1975)に定める測定方法によるヌープ硬さの測定結果が6級以上であることを特徴とする光学ガラス。
  2. 質量和CaO+ZnO+TiOが10.0〜50.0%以下、
    質量比(BaO+ZnO)/Laが0.5〜2.1以下である
    請求項1記載の光学ガラス。
  3. 1.78000以上1.98000以下の屈折率(n)を有し、20.00以上40.00以下のアッベ数(ν)を有し、
    質量比(CaO+ZnO+LiO)/BaOが0.022以上である請求項1又は2記載の光学ガラス。
  4. 請求項1から3のいずれか記載の光学ガラスからなるプリフォーム。
  5. 請求項1から3のいずれか記載の光学ガラスからなる光学素子。
  6. 請求項5に記載の光学素子を備える光学機器。
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