JP2021191065A

JP2021191065A - スイッチドリラクタンスモータ

Info

Publication number: JP2021191065A
Application number: JP2020092893A
Authority: JP
Inventors: 武典橋本; Takenori Hashimoto
Original assignee: Hyundai Motor Co; Kia Corp
Current assignee: Hyundai Motor Co; Kia Corp
Priority date: 2020-05-28
Filing date: 2020-05-28
Publication date: 2021-12-13
Also published as: US20210376676A1; KR20210147828A; CN113746295A

Abstract

【課題】ロータの高速回転で、ロータに組付けたブリッジ部材が変形もしくは破損しないようにできるスイッチドリラクタンスモータを提供する。【解決手段】コイルが巻き付けられた複数の磁極突起（１０）を備えるステータ（１）と、複数の磁極突起（５）を備え、磁性部材からなるロータ（３）と、屋根部（４ａ）と脚部（４ｂ）と足部（４ｃ）とからなる略Ｔ字形の断面形状に形成され、ロータ（３）に足部（４ｃ）と屋根部（４ａ）の両端の３箇所で支持された状態で、ロータ（３）の磁極突起（５）の間の空隙（９）を埋めるブリッジ部材（４）と、ロータ（３）の軸方向の両端を閉じる側板（６）と、が備えられ、ブリッジ部材（４）の足部（４ｃ）が、ロータ（３）の足固定用溝（８）に嵌め込まれている。【選択図】図１

Description

本発明は、スイッチドリラクタンスモータ（ＳＲＭ）に係り、より詳細には、モータを高速に回転させても、遠心力でブリッジ部材が変形することがないスイッチドリラクタンスモータに関する。

図１２に、同期型モータであるパーマネントマグネットシンクロナスモータ（ＰＭＳＭ：ＰｅｒｍａｎｅｎｔＭａｇｎｅｔＳｙｎｃｈｒｏｎｏｕｓＭｏｔｏｒ）と、同じく同期型モータであるスイッチドリラクタンスモータ（ＳＲＭ：ＳｗｉｔｃｈｅｄＲｅｌｕｃｔａｎｃｅＭｏｔｏｒ）の内部構造図を示す。パーマネントマグネットシンクロナスモータ（ＰＭＳＭ）は、ロータに永久磁石が埋め込まれており、ステータから発生した回転磁界に同調してロータが回転する。一方、スイッチドリラクタンスモータ（ＳＲＭ）は、ロータに永久磁石が埋め込まれておらず、ロータは、例えば鉄に少量のケイ素を加えたケイ素鋼板で凸極を有するように形成される。パーマネントマグネットシンクロナスモータ（ＰＭＳＭ）よりスイッチドリラクタンスモータ（ＳＲＭ）の方が、ロータの構造が単純で高速回転に向いており、また、永久磁石にレアメタルを必要としないので、見直されている。

特許文献１には、図１３に示すように、スイッチドリラクタンスモータ（ＳＲＭ）である可変リラクタンスモータにおいて、ロータ（２０）の磁極突起の間の溝に橋絡（２６）が設けられ、ステータ（１０）内でのロータ（２０）の回転に伴なう風損を減少させることが記載されている。しかしながら、スイッチドリラクタンスモータ（ＳＲＭ）のロータを２〜３万（回転数／分）で高速回転させると、橋絡すなわちブリッジ部材が強い遠心力で変形もしくは破損する恐れがある。

特開平５−２２９１４号公報

本発明の目的は、スイッチドリラクタンスモータのロータが高速回転しても、ロータに組付けたブリッジ部材が変形もしくは破損しないようにできるブリッジ部材を提供することにある。

本発明によるスイッチドリラクタンスモータは、コイルが巻き付けられた複数の磁極突起（１０）を備えるステータ（１）と、複数の磁極突起（５）を備え、磁性部材からなるロータ（３）と、屋根部（４ａ）と脚部（４ｂ）と足部（４ｃ）とからなる略Ｔ字形の断面形状に形成され、前記ロータ（３）に前記足部（４ｃ）と前記屋根部（４ａ）の両端の３箇所で支持された状態で、前記ロータ（３）の磁極突起（５）の間の空隙（９）を埋めるブリッジ部材（４）と、前記ロータ（３）の軸方向の両端を閉じる側板（６）と、が備えられ、前記ブリッジ部材（４）の足部（４ｃ）が、前記ロータ（３）の足固定用溝（８）に嵌め込まれていることを特徴とする。

前記ブリッジ部材（４）は、非磁性体の樹脂からなることを特徴とする。

前記屋根部（４ａ）の両端に段部（４ｅ、４ｅ）が設けられ、前記段部（４ｅ、４ｅ）が前記磁極突起（５）の段部（５ａ、５ａ）に係合可能となっていることを特徴とする。

前記屋根部（４ａ）の両端に凸部（４ｄ、４ｄ）が設けられ、前記凸部（４ｄ、４ｄ）が前記磁極突起（５）の凹部（５ｂ、５ｂ）に係合可能となっていることを特徴とする。

本発明のスイッチドリラクタンスモータによれば、断面形状が略Ｔ字形の屋根部（４ａ）と脚部（４ｂ）と足部（４ｃ）からなり、ロータ（３）に足部と屋根部の両端の３箇所で支持されるブリッジ部材（４）を設けたので、ロータの回転数を３万（回転数／分）と高速に回転しても、遠心力でブリッジ部材が変形もしくは破損しないようにできる。詳細には、ブリッジ部材（４）の足部（４ｃ）が、ロータ（３）の足固定用溝（８）に嵌め込まれているので、ブリッジ部材が遠心力で半径方向外側に押し出され破損することがない。また、ブリッジ部材（４）は、ロータ（３）の磁極突起間空隙（９）の外周部を埋めるので、風損も極めて小さくできる。

ブリッジ部材（４）は、非磁性体の樹脂からなるので、磁束の漏れがない。非磁性体の銅やアルミニウムに比較して加工がより容易である。

屋根部（４ａ）の両端に段部（４ｅ、４ｅ）を設け、磁極突起（５）の段部（５ａ、５ａ）に係合させたので、高速回転により強い遠心力が働いてもブリッジ部材（４）をロータ本体に堅固に支持できる。

屋根部（４ａ）の両端に凸部（４ｄ、４ｄ）を設け、磁極突起（５）の凹部（５ｂ、５ｂ）に係合させたので、高速回転により強い遠心力が働いてもブリッジ部材（４）をロータ本体に堅固に支持できる。

本発明によるスイッチドリラクタンスモータのステータとロータの構造図である。図１のロータを示す図（軸方向の正面図）である。図１のロータの本体部とブリッジ部材を示す斜視図である。図１のスイッチドリラクタンスモータの分解斜視図である。図１のロータの磁極突起付近の部分斜視図である。図１のブリッジ部材の部分斜視図である。図１のロータの正面図である。ブリッジ部材の屋根部を磁極突起に係合させる例である。ブリッジ部材の足部のロータの本体部に嵌め込む例である。ブリッジ部材を分割した例である。風損と回転数の関係を示すグラフである。一般的な同期型モータ（ＰＭＳＭとＳＲＭ）の構造図である。特許文献１に示される可変リラクタンスモータの例である。

以下、添付の図面を参照して、本発明によるスイッチドリラクタンスモータを詳しく説明する。

図１は、本発明によるスイッチドリラクタンスモータ１００のステータ１とロータ３の構造図である。ステータ１は、本実施例では、１２個の磁極突起１０を有し、各磁極突起１０にはコイル２が巻き付けられている。ロータ３は、回転軸に取り付けられ、ステータ１のコイル２で磁束を発生させると鉄が吸引されることを利用して高速回転させる。ロータ３は、複数（ここでは８個）の磁極突起５を備え、積層構造のケイ素鋼板からなる。磁極突起５と磁極突起５の間の磁極突起間空隙９には、ロータ３の外周部を埋めるようにブリッジ部材４が設けられる。ロータ３の外周部がブリッジ部材４で埋められるので、ロータ３が高速回転した時の風損が抑えられる。一般に、スイッチドリラクタンスモータは、高価な永久磁石を使用せず、高速回転が可能で、磁極突起１０にコイルを巻くだけの構造のため、大量生産に向き、低コストが実現できる。

図２は、図１のロータ３を示す図（軸方向の正面図）である。図３は、図３（Ａ）が、図１のロータ３の本体部３ａの斜視図で、図３（Ｂ）が図１のブリッジ部材４の斜視図である。ブリッジ部材４は、嵌め込まれているだけなので、本体部３ａから取り外すことができる。ブリッジ部材４は、非磁性体で形成され、銅、アルミニウム、セラミックなどを使用できるが、本実施例では樹脂で形成した。金型を形成しておき、樹脂を流し込んで成型する。

図４は、図１のスイッチドリラクタンスモータ１００の分解斜視図である。ロータ３の軸方向の両端を閉じるように側板６が設けられる。図４では、回転軸の図示は省略している。スイッチドリラクタンスモータ１００は、ステータ１と、ロータ３と、複数のブリッジ部材４と、側板６、６からなる。

図５は、図１のロータ３の磁極突起５付近の部分斜視図である。磁極突起５と磁極突起５の間は、磁極突起間の空隙９となっている。ロータ３の本体部３ａの空隙９の底部には、足固定用溝８が形成されている。磁極突起５は、両側の端部に、軸方向に沿って段部５ａが形成され、磁極突起間の空隙９に突き出ている。

図６は、図１のブリッジ部材４の部分斜視図である。ブリッジ部材４は、断面形状が略Ｔ字形で、屋根部４ａと脚部４ｂと足部４ｃからなる。屋根部４ａの両端には、段部４ｅが設けられる。ブリッジ部材４の段部４ｅ、４ｅが、磁極突起５の段部５ａ、５ａに係合する。ブリッジ部材４の足部４ｃが、図５の足固定用溝８に嵌め込まれる。

図７は、図１のロータ３の正面図である。ロータ３の軸方向両端には、側板６、６が設けられることにより、その両端が閉じている。ロータ３の円周方向は、磁極突起５とブリッジ部材４が交互に配置されている。

図８は、ブリッジ部材４の屋根部４ａを磁極突起５に係合させる例である。図８（Ａ）は、屋根部４ａの両端に設けた段部４ｅ、４ｅを、磁極突起５の段部５ａ、５ａに係合させている。図８（Ｂ）では、屋根部４ａの両端に設けた凸部４ｄ、４ｄを、磁極突起５の凹部５ｂ、５ｂに係合させている。図８の例によれば、ブリッジ部材４に遠心力が作用しても、半径方向外側へのブリッジ部材４の移動が押さえられる。

図９は、ブリッジ部材４の足部４ｃのロータ３の本体部３ａに嵌め込む例である。図９（Ａ）は、本体部３ａの膨出部に足固定用溝８を設け、ここに側面視が角形で軸方向に長尺な形状のブリッジ部材４の足部４ｃを嵌め込んでいる。図９（Ｂ）は、膨出部は設けず本体部３ａの内部に足固定用溝８を設け、ここにブリッジ部材４の足部４ｃを嵌め込んでいる。図９（Ｃ）は、本体部３ａの内部に足固定用溝８を設け、ここに側面視が円形で軸方向に長尺なブリッジ部材４の足部４ｃを嵌め込んでいる。図９の例によれば、ブリッジ部材４に遠心力が作用しても、半径方向外側へのブリッジ部材４の移動が押さえられる。

図１０は、ブリッジ部材４を分割した例である。ロータ３が軸方向に長い場合、ブリッジ部材４を複数の分割片７に分割し、これをロータ３に嵌め込むようにしてもよい。

図１１は、風損（ｗｉｎｄａｇｅ）と回転数の関係を示すグラフである。風損は、ブリッジ部材４を装着しない場合、ロータ３の回転数が２〜３万（回転数／分）となると著しく上昇する。一方、ブリッジ部材を装着すると、図１１に示すように、風損は低く押さえることができる。このような高速回転でも、ブリッジ部材４の変形や損傷がないことを確認できる。

本発明は、高速回転しても遠心力でブリッジ部材が変形することがないスイッチドリラクタンスモータとして好適である。

１ステータ
２コイル
３ロータ
３ａ本体
４ブリッジ部材
４ａ屋根部
４ｂ脚部
４ｃ足部
４ｄ凸部
４ｅ段部
５（ロータの）磁極突起
５ａ段部
５ｂ凹部
６側板
７分割片
８足固定用溝
９（磁極突起の間の）空隙
１０（ステータの）磁極突起
１００スイッチドリラクタンスモータ

Claims

コイルが巻き付けられた複数の磁極突起（１０）を備えるステータ（１）と、
複数の磁極突起（５）を備え、磁性部材からなるロータ（３）と、
屋根部（４ａ）と脚部（４ｂ）と足部（４ｃ）とからなる略Ｔ字形の断面形状に形成され、前記ロータ（３）に前記足部（４ｃ）と前記屋根部（４ａ）の両端の３箇所で支持された状態で、前記ロータ（３）の磁極突起（５）の間の空隙（９）を埋めるブリッジ部材（４）と、
前記ロータ（３）の軸方向の両端を閉じる側板（６）と、
が備えられ、
前記ブリッジ部材（４）の足部（４ｃ）が、前記ロータ（３）の足固定用溝（８）に嵌め込まれていることを特徴とするスイッチドリラクタンスモータ。
前記ブリッジ部材（４）は、非磁性体の樹脂からなることを特徴とする請求項１に記載のスイッチドリラクタンスモータ。
前記屋根部（４ａ）の両端に段部（４ｅ、４ｅ）が設けられ、前記段部（４ｅ、４ｅ）が前記磁極突起（５）の段部（５ａ、５ａ）に係合可能となっていることを特徴とする請求項１に記載のスイッチドリラクタンスモータ。
前記屋根部（４ａ）の両端に凸部（４ｄ、４ｄ）が設けられ、前記凸部（４ｄ、４ｄ）が前記磁極突起（５）の凹部（５ｂ、５ｂ）に係合可能となっていることを特徴とする請求項１に記載のスイッチドリラクタンスモータ。