JP2021188646A - ダストカバー - Google Patents

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Abstract

【課題】ボールスタッドの揺動時においても安定な装着状態を保持できるダストカバーを提供する。【解決手段】ダストカバーは、開口を持つソケット胴体および開口の縁に設けられたソケットツバを有するソケットとソケットの開口に挿入されるボールスタッドとを備えるボールジョイントに装着される。ダストカバーは、ボールスタッドに装着されるスタッド側開口部と、ソケット胴体に装着されるソケット側開口部と、スタッド側開口部とソケット側開口部との間を覆うカバー膜と、カバー膜とソケット側開口部との間に設けられ、内径側に凸となった当接部と、を備える。ソケットツバは、外周端面と、外周端面と開口との間の面である開口周縁面とを持つ。ダストカバーは、開口周縁面と外周端面との少なくとも一方に当接部が接することで軸方向へのソケット側開口部の動きを妨げるように構築される。【選択図】図1

Description

本開示は、ダストカバーに関する。
例えば日本特開昭61−147929号公報に開示されているように、ボールジョイントに装着されるダストカバーが知られている。
特開昭61−147929号公報
ダストカバーは、ボールスタッド装着用のスタッド側開口部とソケット装着用のソケット側開口部とを有している。このソケット側開口部がソケット胴体の外周に装着される。ボールスタッドが揺動すると、その揺動に応じてダストカバーが縮む。ダストカバーの縮みに応じて、ソケット胴体の軸方向に沿って、ソケット側開口部をソケット胴体から脱落させる向きの力がはたらく。このような脱落方向の力が発生してもダストカバーの装着状態を安定的に保持するために、ダストカバーのさらなる改良が求められている。
本開示は、ボールスタッドの揺動時においても安定な装着状態を保持できるダストカバーを提供する。
ダストカバーの一態様は、
開口を持つソケット胴体および前記開口の縁に設けられたソケットツバを有するソケットと前記ソケットの前記開口に挿入されるボールスタッドとを備えるボールジョイントに装着されるダストカバーであって、
前記ボールスタッドに装着されるスタッド側開口部と、
前記ソケット胴体に装着されるソケット側開口部と、
前記スタッド側開口部とソケット側開口部との間を覆うカバー膜と、
前記カバー膜と前記ソケット側開口部との間に設けられ、内径側に凸となった当接部と、
を備え、
前記ソケットツバは、外周端面と、前記外周端面と前記開口との間の面である開口周縁面とを持ち、
前記開口周縁面と前記外周端面との少なくとも一方に前記当接部が接することで、軸方向への前記ソケット側開口部の動きを妨げるように構築される。
当接部が、ソケット側開口部の脱落方向への動きを抑制できる。したがって、ボールスタッドの揺動時においても安定な装着状態を保持できる。
実施の形態のダストカバーを備えるボールスタッドの構成を表す図である。 実施の形態のダストカバーの構成の一例を表す拡大断面図である。 実施の形態のダストカバーの構成の一例を表す拡大断面図である。 実施の形態のダストカバーの構成の一例を表す拡大断面図である。 実施の形態のダストカバーの構成の一例を表す拡大断面図である。 実施の形態のダストカバーの構成の一例を表す拡大断面図である。 実施の形態のダストカバーの構成の一例を表す拡大断面図である。 実施の形態のダストカバーの構成の一例を表す拡大断面図である。 実施の形態の変形例にかかるダストカバーを備えるボールスタッドの構成を表す図である。 実施の形態の変形例のダストカバーの構成の一例を表す拡大断面図である。 実施の形態の変形例のダストカバーの構成の一例を表す拡大断面図である。 実施の形態の変形例にかかるダストカバーを備えるボールスタッドの構成を表す図である。 実施の形態の変形例のダストカバーの構成の一例を表す拡大断面図である。 実施の形態のダストカバーの効果を説明するための比較例(関連技術)を表す図である。 実施の形態のダストカバーの効果を説明するための比較例(関連技術)を表す図である。 実施の形態のソケットツバの変形例を示す図である。
図1は、実施の形態のダストカバー14を備えるボールジョイント10の構成を表す図である。ダストカバー14は、ボールジョイント10に装着されるボールジョイント用ダストカバーである。ボールジョイント10は、ボールスタッド11とソケット12とダストカバー14とバンド15とナックル16とを備える。
図1には、ソケット12の中心軸線Oskと、ボールスタッド11の中心軸線Obsと、ボールスタッド11の揺動角Φとが図示されている。図1には軸線Zと軸線Xと回転方向矢印Rとが図示されていて、これらはソケット12の中心軸線Oskと対応付けられた3つの方向を定義する。以下、この3つの方向を、軸方向Zと径方向Xと周方向Rとも称する。軸方向Zは、中心軸線Oskと平行な方向である。径方向Xは、中心軸線Oskに対して垂直な方向である。周方向Rは、中心軸線Oskまわりに回転する方向である。
ボールスタッド11は、球頭111と、球頭111と接続した軸112とを備える。ソケット12は、ソケット胴体132とソケットツバ131とを有する。ソケット胴体132は、開口121と収納部122と底部123とを持っている。ボールスタッド11の球頭111が開口121に挿入される。
収納部122は、開口121を介して挿入された球頭111を収納する。軸112の揺動に応じて、開口121内で球頭111が回転する。球頭111は所定の角度範囲内で回転する。
底部123は、ソケット胴体132における開口121の反対側に設けられている。ソケットツバ131は、開口121の縁に設けられている。ソケットツバ131は、径方向Xの外側へと突き出た外向きフランジである。
ダストカバー14は、ソケット側開口部141と、カバー膜142と、スタッド側開口部143と、当接部144とを備える。ダストカバー14は、クランプ部100を持っている。クランプ部100は、ダストカバー14をソケット12に装着させるための部分である。クランプ部100は、ソケット側開口部141と当接部144とを含んでいる。
スタッド側開口部143は、ダストカバー14の一方の端に設けられている。スタッド側開口部143は、ボールスタッド11の軸112に装着されて、当該装着部位をシールする。スタッド側開口部143の径はソケット側開口部141よりも小さくされており、スタッド側開口部143はいわば「小径開口部」である。
ソケット側開口部141は、ダストカバー14におけるスタッド側開口部143の反対側の端に設けられている。ソケット側開口部141は、ソケット12のソケット胴体132に装着されて、当該装着部位をシールする。ソケット側開口部141の径はスタッド側開口部143よりも大きくされており、ソケット側開口部141はいわば「大径開口部」である。
カバー膜142は、スタッド側開口部143とソケット側開口部141との間を覆う。カバー膜142は、スタッド側開口部143およびソケット側開口部141に比べて薄くともよい。カバー膜142は、ボールスタッド11の揺動に応じて変形することができる。カバー膜142の変形の様子は図1にも表されている。ボールスタッド11の揺動角Φが増大した側、つまりボールスタッド11が倒された側において、カバー膜142は縮むことができる。その一方で、カバー膜142は、ボールスタッド11が倒された側の反対側において伸張することができる。
ダストカバー14は、ゴム状弾性材料によって成形されてもよい。ゴム状弾性材料は、ゴム材料であってもよく、ゴム状弾性を有する合成樹脂材料であってもよい。
ダストカバー14は、収納部122への異物の混入を防止する。異物は、例えば泥水又はダスト等である。収納部122は、球頭111が回転する空間である。収納部122には、グリースが設けられる。ダストカバー14による異物の混入を防止することで、グリースをダストカバー14の内側に保持することが可能である。
当接部144は、カバー膜142とソケット側開口部141との間に設けられる。当接部144は、内径側X1に凸となった部位である。当接部144の詳細構造は、図2以降を用いて後述する。
バンド15は、ボールジョイント用ダストカバー14に接してボールジョイント用ダストカバー14をこれの外周から締め付ける締結部材である。締結部材としては、バンド15に代えてサークリップまたは補強環が用いられていてもよい。
図1には、方向A1と方向A2とが更に図示されている。方向A2は、ダストカバー14のソケット側開口部141を軸方向Zに沿ってソケットツバ131から脱落させる方向である。以下、方向A2を「脱落方向A2」とも称す。方向A1は、軸方向Zと平行であり且つ方向A2と反対を向いている。
図1で定義した上記の各々の中心軸線Osk、Obsおよび各々の方向Z、X、R、A1、A2は、以下の図でも同様であるものとする。
図2は、実施の形態のダストカバー14の構成の一例を表す拡大断面図である。図2は、カバー膜142におけるクランプ部100を拡大した図であり、ソケットツバ131の周辺部位を拡大した図でもある。
図2には、内径側を表す矢印X1と外径側を表す矢印X2とが図示されている。内径側X1は、中心軸線Oskに近づく方向である。外径側X2は、中心軸線Oskから遠ざかる方向である。
図2の断面図を参照しつつ、実施の形態のソケットツバ131の形状を説明する。図2に示すように、ソケットツバ131は、開口周縁面131aと外周端面131bとツバ裏面131cとを含む。開口周縁面131aは、外周端面131bと開口121との間に設けられた面である。実施の形態では、一例として、開口周縁面131aは、開口121の縁を起点として径方向Xと平行に外径側X2へとのびる平らな面とされている。開口周縁面131aは、周方向Rに連続してのびる環状平面でもある。
実施の形態では、一例として、外周端面131bは、開口周縁面131aとなめらかに交わる凸曲面をなしている。図2の断面視に表されるように、外周端面131bは、ボールスタッド11の側であって且つ外径側X2へと凸となった曲面である。外周端面131bは、周方向Rに連続してのびる環状曲面でもある。
外周端面131bの曲面の曲がり度合いを説明する。図2の断面視において、外径側X2へ向かうほど、外周端面131bの接線と中心軸線Oskとがなす角度がゼロに近づく。外周端面131bの外径側先端において、外周端面131bの接線と中心軸線Oskとがちょうど平行となる。この外周端面131bの外径側先端が、ツバ裏面131cと直角に交わっている。
ツバ裏面131cは、ソケット胴体132の側周面から外径側X2へむかって径方向Xと平行にのびた平面である。ツバ裏面131cは、ソケット胴体132の側周面と垂直に交わっている。ツバ裏面131cは、周方向Rに連続してのびる環状平面でもある。
実施の形態のソケット胴体132は、ソケットツバ131の根元からソケット12の底部にかけて段差のない側周面を持つ。この側周面にソケット側開口部141が装着されている。
図2には、実施の形態の当接部144の一例が図示されている。図2の当接部144は、内径側X1に突き出た突起状の当接部である。
当接部144は、ボールスタッド11の傾きに応じてカバー膜142が縮んだときに、傾き方向の側でソケットツバ131に接する。図2にはちょうどその様子が図示されている。当接部144はソケットツバ131の外周端面131bに沿ってたわんでいる。
実施の形態にかかる当接部144の作用を説明する。ボールスタッド11の傾きに応じてカバー膜142が縮んだときに、カバー膜142が縮んだ側(つまりボールスタッド11が傾いた方向の側)において、当接部144がソケットツバ131に接する。当接部144がソケットツバ131に接することで、脱落方向A2にダストカバー14がずれることを抑制することができる。
より具体的に述べると、当接部144が外周端面131bあるいは開口周縁面131aの少なくとも一方に接すると、当接部144に「軸方向反力」がはたらく。軸方向反力は、方向A1の向きにはたらく力である。軸方向反力は、ボールスタッド11の傾きに応じてカバー膜142が縮んだときにクランプ部100の脱落を阻止する程度の大きさを持つ。この軸方向反力が、当接部144およびソケット側開口部141の脱落方向A2への位置ズレを抑制することができる。クランプ部100の脱落阻止は当接部144の軸方向反力とバンド15の締結力との合計で実現されてもよい。或いは、バンド15の締結力によらずに、当接部144それ単体が、クランプ部100の脱落阻止を可能とするほどの軸方向反力を発揮してもよく、この場合にはバンド15が省略されてもよい。
以上説明したように、実施の形態の当接部144は、ソケット側開口部141の軸方向Zへの動きを妨げることができる。これによりソケット側開口部141の脱落方向A2への動きを当接部144が抑制するので、ボールスタッド11の揺動時においても安定な装着状態を保持できる。
なお、当接部144の表面がソケットツバ131の表面に対して摩擦力を発揮してもよく、この摩擦力が当接部144の軸方向反力に含まれてもよい。
図3〜図8は、実施の形態のダストカバー14の構成の一例を表す拡大断面図である。図3〜図8を用いて、実施の形態にかかる当接部144の形状バリエーションを説明する。図2に記載した構造は、図3〜図8の任意の一つの構成に置換されてもよい。
下記のように、当接部144の各種形状・寸法は、様々に変形することができる。変形の対象となる各種形状・寸法は、当接部144の根元位置、突出長さ、および厚さなどのあらゆる設計値を含む。
当接部144の内径側への突出長さは、様々に変形できる。図1に示す当接部144は、ソケットツバ131の突出寸法よりも長く内径側X1へのびている。しかしながら、変形例として、図3に示す当接部144aのように、ソケットツバ131の突出寸法よりも短く内径側X1へのびてもよい。
当接部144の根元の位置は、様々に変形できる。図2によれば、ソケット側開口部141の直上に、突起状の当接部144の根元が設けられる。これに対し、変形例として、突起状の当接部144aが図3に示す根元位置を持っていてもよい。図3の場合には突起の根元とソケット側開口部141との間には間隔D1が設けられる。この間隔D1は、ソケットツバ131の厚さよりも小さくされている。ここでいうソケットツバ131の厚さとは、軸方向Zに沿うソケットツバ131の厚さである。
ソケット側開口部141の中心軸線を通る仮想平面で切断した断面形状は、次のようであってもよい。図2および図3の断面視のように、突起状の当接部144、144aは、内径側X1へ向かって一定の厚さ(言い換えると断面視で一定の太さ)を持ってもよい。
一方、変形例として、図4の断面視のように、突起状の当接部144bは、内径側X1の先端が丸みを帯びた突起でもよい。先端が丸みを帯びさせることで、当接部144bをソケットツバ131の表面に対して面接触させてもよい。また、他の変形例として、図5の断面視のように、突起状の当接部144cは、内径側X1へ行くほどその厚さが先細りとなる突起でもよい。
図6の断面視のように、複数の突起状の当接部144dが設けられてもよい。複数の当接部144dは、断面視において「軸方向Zに並ぶ複数の突起」として構築されているとともに、更に付加的な特徴として複数の突起各々が「薄い突起」として構築されたものである。この場合、複数の薄い突起それぞれは、内径側X1の方向へ同じ突出長さを持ってもよく、あるいは互いに異なる突出長さを持ってもよい。
図6では一例として、ソケット側開口部141の先端縁の側へいくほど(つまり脱落方向A2へ向かうほど)、薄い突起の突出長さが小さくされている。このような複数の薄い突起と一つの厚い突起とを比較すると、各々の薄い突起が比較的弾性変形しやすい利点がある。弾性変形がしやすければ、ソケットツバ131の形状ばらつきやサイズばらつきを吸収しやすいので、安定したダストカバー脱落抑制効果を発揮できる利点がある。
なお、変形例として、複数の突起状の当接部144dの各々が、図2〜図5に示した厚い突起として構築されてもよい。なお、製造上のメリットに着目すると、図2〜図5に例示された当接部144〜144cは、図6の当接部144dと比べて、良品質の製品を作りやすいという利点を有する。
当接部144〜144dの厚みは、様々に設計できる。当接部144〜144dの厚みは、カバー膜142の厚みよりも小さくされてもよく、カバー膜142の厚みよりも大きくされてもよく、カバー膜142の厚みと同じとされてもよい。当接部144〜144dの弾性変形の程度を考慮したり、脱落防止方向へはたらかせる軸方向反力の大きさを考慮したりして、当接部144〜144dの厚みを様々に設定してもよい。
周方向Rの形状について説明すると、各々の当接部144〜144dは、周方向Rに沿って内表面を連続にのびた環状突起でもよい。より具体的には、実施の形態では、一例として、当接部144〜144dそれぞれが、周方向Rに連続してのびる内向きフランジ形状を持っている。これにより、当接部144〜144dとソケットツバ131との接触による脱落防止用の反力を、周方向Rの全域において安定的につくりだすことができる。
しかしながら、変形例として、当接部144〜144dそれぞれが、互いに周方向Rに分離した「複数の突起片」であってもよい。この場合、複数の突起片は、内径側X1へのびており、具体的には図2〜図8のいずれか一つの断面視形状に構築されてもよい。それぞれの突起片は、周方向Rに沿って間隔を置きつつ互いに離れている。複数の突起片が、周方向Rに等間隔または非等間隔で配置されてもよい。
各々の当接部144〜144dは、ソケットツバ131における開口周縁面131aと外周端面131bとの少なくとも一方に接する。図2、図7および図8の当接部144のように、その先端がちょうど開口周縁面131aと外周端面131bとが交わる部位に接してもよい。図3〜図6の当接部144a〜144dのように、その先端が外周端面131bのみに接してもよい。
なお、図2および図8のように当接部144と外周端面131bとの間にすき間があってもよい。あるいは、図7のように当接部144が開口周縁面131aから外周端面131bにかけて隙間無く接してもよい。
図14および図15、実施の形態のダストカバー14の効果を説明するための比較例(関連技術)を表す図である。注意すべき点として、図14および図15を用いた開示は公知技術を自認するものではない。図14および図15は、実施の形態の効果を説明するための便宜上の比較例であり、本願出願時の技術水準に対して新規かつ独特の構成を含みうる。
図14に示す比較例は、ソケット12が座面付ソケット212に置換されており、さらにダストカバー14から当接部144が省略されている。座面付ソケット212は、座面213を備えている。座面213は、径方向Xの外側へ向かって垂直にのびる平らな面である。座面213は、例えば切削加工によって形成される。図14の第一の比較例では、クランプ部200が、座面213でダストカバー14の脱落を防止する仕組みを有している。
図15の第二の比較例は、ソケット12を備える点では図1と同様であるが、ダストカバー14から当接部144が省略されている。
ソケット12を鍛造のみで製作すると、切削加工を省略できる利点がある。切削加工の省略は、製造コスト低減につながる。しかしながら、仮にソケット12を鍛造のみで製作した場合、ソケット12に平らな座面213を付けることを断念せざるをえない。この場合、図15の第二の比較例のごとく座面213が無い形状のソケット12を使用せざるをえない。あるいは、平らな座面213の代わりに、テーパ状の座面を設けたテーパ付ソケットが用いられるにとどまる。
図15には、クランプ部201の脱落方向A2にはたらく力F1が図示されている。図15の力F1は、ボールジョイント10揺動時に、揺動縮み側ではたらく力である。力F1は、例えばダストカバー14の膜同士の接触で発生したり、あるいは低温でのゴム硬化による膜変形時の荷重増大により発生したりする。
図14の比較例は、軸方向Zと垂直向きの平らな座面213を持つ。この平らな座面213によって、脱落方向A2の力F1が発生しても座面213が力F1を受け止めることができる。その結果、力F1と反対向きの軸方向反力が得られるので、クランプ部200が軸方向下向きに動くことが阻止される。
しかし、図15のように座面213が無ければ、図14の座面213による軸方向反力を得ることができない。あるいは座面213がテーパ状であれば軸方向反力を得にくい。軸方向反力が無いか或いは不十分であれば、ダストカバー14及びバンド15が軸方向下向きにずれてしまう。
この点、図1〜図8で説明した実施の形態では、ソケットツバ131に接する当接部144〜144cが設けられている。当接部144〜144cが設けられることで、座面213の有無に関わらず、ダストカバー14の軸方向ズレを抑制できる利点がある。
図1および図2に記載されたように、ダストカバー14は、ソケット側開口部141の外表面に、周方向にのびるバンド装着溝140を備えてもよい。バンド装着溝140には、外縁端を内径側へと締め付ける締結部材(具体的には、バンド15)が装着されてもよい。
一方、図7および図8に示す変形例のように、ソケット側開口部141の外周に、テーパ底面付きのバンド装着溝140a、140bが設けられてもよい。図7に示すように、バンド装着溝140aの底面は、断面図において脱落方向A2の側にいくほど内径側X1に深くなるような傾斜面を有してもよい。その一方で、図8に示すように、図7とは底面の傾斜が逆のバンド装着溝140bが設けられてもよい。図8に示すバンド装着溝140bの底面は、断面図において脱落方向A2の側にいくほどその深さが浅くなるような傾斜面を有してもよい。
バンド装着溝140a、140bのテーパ底面について、参照文献としての特願2019−108516号を例示しつつ説明する。当該参照文献は、バンド装着面にテーパを付与することで、バンドに軸方向上向きの力(すなわち脱落方向と逆向きの力)を発生させる技術を開示している。これにより、揺動時に発生する脱落方向A2の力F1に対し、バンド15が軸方向下向きに外れるのを抑制することで、クランプ部201の脱落抑制を狙ったものである。
本開示と当該参照文献(特願2019−108516号)は、異なる部位でクランプ部の脱落効果を発現させるもので、両開示を組み合わせてもよい。図7および図8はこのような観点から得られた変形例である。本開示と当該参照文献との組み合わせの場合、より一層のクランプ部の脱落を抑制する効果がある。
図9は、実施の形態の変形例にかかるダストカバー14を備えるボールスタッド11の構成を表す図である。図10および図11は、図9のダストカバー14におけるクランプ部101付近の拡大断面図である。
当接部144の代わりに、折返フランジ状の当接部244が設けられてもよい。折返フランジ状の当接部244は、カバー膜142が内径側X1に折り返されることで内径側へ凸となったものである。折返フランジ状の当接部244は、ボールスタッド11の傾きに応じてカバー膜142が縮んだときに傾き方向の側でソケットツバ131に接する。
図10に示すように、折返フランジ状の当接部244は、隙間無く折り返されてもよい。変形例として、図11に示す折返フランジ状の当接部244aが提供されてもよい。図11の変形例では、折返フランジの折返しの谷部244bが溝幅D2を持つ溝とされている。
図9〜図11の変形例にかかる当接部244、244aも、図2〜図8にかかる各々の当接部144〜144dと同様に、方向A1へ向かう軸方向反力をつくりだすことができる。
図12は、実施の形態の変形例にかかるダストカバー14を備えるボールスタッド11の構成を表す図である。図13は、図12のダストカバー14におけるクランプ部102付近の拡大断面図である。
当接部144の代わりに、環状段差膜で構築された段差状の当接部344が設けられてもよい。環状段差膜型の当接部344は、カバー膜142におけるソケット側開口部141の側の縁に沿って環状に設けられた段差である。当接部344は、カバー膜142の縁から外径側へひろがりその後にソケット側開口部141へ接続してもよい。当接部344は、ボールスタッド11の傾きに応じてカバー膜142が縮んだときに、その傾き方向の側でソケットツバ131に接する。
図12〜図13の変形例にかかる当接部344も、図1〜図11にかかる各々の当接部144〜244と同様に、方向A1を向く軸方向反力をつくりだすことができる。
上記図9〜図13の各変形例においても、各々の当接部244〜344は、開口周縁面131aと外周端面131bとの両方に接してもよく、これらのうち開口周縁面131aのみに接してもよく、或いはこれらのうち外周端面131bのみに接してもよい。
ボールスタッド11が傾いていなくとも常時ソケットツバ131に接するように当接部144〜344が構築されてもよいが、本開示はこれに限られない。ボールスタッド11が傾いていない場合にはソケットツバ131に接しておらず、揺動角Φが所定角度よりも大きくなるほどにボールスタッド11が傾いたときにソケットツバ131に接し始めるように当接部144〜344が構築されてもよい。ソケット12への未装着時のダストカバー14において当接部144〜344がいかなる角度で内径側X1へ凸となるかを設計時に調節することで、両者の接触関係が調節されてもよい。あるいは、当接部144〜144dの根元部の位置が調節されてもよい。あるいは当接部244、244aの折返し位置が調節されてもよいし、当接部344を設ける部位が軸方向Zに沿って調節されてもよい。
実施の形態において、ソケット胴体132の形状に限定はない。図1〜図14では一例としてソケット胴体132が垂直円柱面とされている。しかしながら、これに限られず、ソケット胴体132に代えて、例えば、底部123に向かって外径側X2へひろがる先太りテーパ面を持つソケット胴体132a(図7および図8を参照)が用いられてもよい。
実施の形態において、ソケット12の形状および製造方法に限定はない。ソケット12が鍛造のみで製造されてもよい。前述したように、ソケット12を鍛造のみで製作すると、切削加工の省略によってコスト低減につながる。ただし切削加工が省略されると、平らな座面213(図14参照)を設けることができないという制約も生ずる。この点、実施の形態のダストカバー14は当接部144〜344を備えるので、ダストカバー14の脱落を効果的に抑制できる。したがって、実施の形態によれば、ソケット12を鍛造のみで製造した場合であっても、ダストカバー14の脱落を効果的に抑制できる利点がある。
実施の形態において、ソケットツバ131の形状および製造方法に限定はない。例えば、ソケットツバ131の変形例として、断面視において、角型の外周端面を持つソケットツバが提供されてもよい。角型の外周端面は、外周端面131bを平らな円筒端面に変形した上で、この円筒端面を平らな開口周縁面131aと平らなツバ裏面131cとに互いに垂直に交わらせることで構築される。あるいは、当該角型の外周端面の角が断面視でC面取り又はR面取りされることで面取り外周端面を持つソケットツバが提供されてもよい。図16には、一例としてこのR面取りのソケットツバ131が図示されている。他の変形例にかかるソケットツバ131は、断面視において、外周端面131bとツバ裏面131cとが凸曲面で交わった形状を持ってもよく、この場合、外周端面131bの断面が円弧状凸曲面をなしてもよい。
これらの任意のソケットツバ形状においても、実施の形態の各々の当接部144〜344がダストカバー14の防止機能を発揮することができる。ソケットツバ131の各種形状に合わせて、上記の当接部144〜344それぞれの形状が変形されてもよい。
なお、上述の実施形態において、スタッド側開口部143に補強環が設けられていてもよい。以上説明した本開示のボールジョイント10は、例えば、自動車等のサスペンション及びステアリングのリンク間の結合部材として用いてもよいし、それ以外の他の用途に用いられてもよい。
10 ボールジョイント
11 ボールスタッド
111 球頭
112 ボールスタッドの軸
12 ソケット
121 開口
122 収納部
123 底部
14 ダストカバー(ボールジョイント用ダストカバー)
15 バンド(締結部材)
16 ナックル
100、101、102、200、201 クランプ部
131 ソケットツバ
131a 開口周縁面
131b 外周端面
131c ツバ裏面
132、132a ソケット胴体
140、140a、140b バンド装着溝
141 ソケット側開口部
142 カバー膜
143 スタッド側開口部
144、144a、144b、144c、144d 当接部(突起状の当接部)
244、244a 当接部(折返フランジ状の当接部)
344 当接部(環状段差膜型による当接部)
212 座面付ソケット
213 座面
244b 谷部
bs ボールスタッドの中心軸線
sk ソケットの中心軸線
軸方向
径方向
周方向
X1 内径側を向く矢印
X2 外径側を向く矢印
Φ 揺動角
A2 方向(脱落方向)
D1 間隔
D2 溝幅
F1 脱落方向にはたらく力

Claims (5)

  1. 開口を持つソケット胴体および前記開口の縁に設けられたソケットツバを有するソケットと前記ソケットの前記開口に挿入されるボールスタッドとを備えるボールジョイントに装着されるダストカバーであって、
    前記ボールスタッドに装着されるスタッド側開口部と、
    前記ソケット胴体に装着されるソケット側開口部と、
    前記スタッド側開口部とソケット側開口部との間を覆うカバー膜と、
    前記カバー膜と前記ソケット側開口部との間に設けられ、内径側に凸となった当接部と、
    を備え、
    前記ソケットツバは、外周端面と、前記外周端面と前記開口との間の面である開口周縁面とを持ち、
    前記開口周縁面と前記外周端面との少なくとも一方に前記当接部が接することで、軸方向への前記ソケット側開口部の動きを妨げるように構築されたダストカバー。
  2. 前記当接部は、内径側に突き出た突起である請求項1に記載のダストカバー。
  3. 前記当接部は、前記突起が周方向に連続してのびるように構築された内向きフランジ形状を持つ請求項2に記載のダストカバー。
  4. 前記外周端面は、凸曲面を含み、
    前記当接部は、前記開口周縁面と前記外周端面との前記少なくとも一方に接するときに前記凸曲面に沿ってたわむ請求項1〜3のいずれか1項に記載のダストカバー。
  5. 前記ソケット胴体は、前記ソケットツバの根元から前記ソケットの底部にかけて段差のない側周面を持ち、
    前記側周面に前記ソケット側開口部が装着される請求項1〜4のいずれか1項に記載のダストカバー。
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