JP2021187928A - グラフェンポリエステルチップ及びグラフェンダイヤフラムの製造方法 - Google Patents

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【課題】グラフェン粉末を含むグラフェンのポリエステルチップの製造方法及びダイヤフラムの製造方法を提供する。【解決手段】高分子材料と2重量%以下のグラフェン粉末とを溶融混合する工程と、順次に1重量%〜3重量%の粘着付与剤、1重量%〜3重量%の強靭化剤、及び1重量%〜4重量%の分散剤を溶融混合する工程と、最後に溶融原料を複数のグラフェンポリエステルチップに調製する工程と、を含む。発明は、グラフェンダイヤフラムの製造方法をさらに含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリエステルチップ及びダイヤフラム(diaphragm)の製造方法に関し、特に、グラフェン粉末を含むグラフェンのポリエステルチップ及びダイヤフラムの製造方法に関するものである。
現在、市場に出ている一般的なプラスチックフィルムは、剛性が不十分であるため適用範囲が限られ、用途に応じて、その剛性又はその他の物理的特性を別途強化する必要がある。ヘッドフォンやホーンのダイヤフラムへの適用分野において、従来の技術では、一般的なプラスチックフィルムの剛性が一般的に不十分であるため、通常、外形を紙製やプラスチック製のブラケットで支持して、成形されたプラスチックフィルムの表面に特殊コーティングを塗布して、剛性を高める必要がある。
しかしながら、塗布された特殊コーティングとプラスチックフィルムの材料特性や弾性特性が異なるため、コーティング後に延伸されると、各部位の特殊コーティングとプラスチックフィルムの変形量が不均一となり、プラスチックフィルムの成膜品質も不均一となり、プラスチックフィルムの最終製品の品質に影響を与えてしまう。そのため、一般的には、特殊コーティングは、プラスチックフィルムが成形された後にしか塗布することができない。また、上記ブラケットの組立や特殊コーティングの塗布は、製造難易度が高く、プロセス工程が複雑であるため、ダイヤフラム全体の製造コストを削減することは困難である。
そこで、グラフェンポリエステルチップ及びグラフェンダイヤフラムの製造方法をどのように設計して、特に、従来技術の製造難易度が高く、プロセス工程が複雑で、成形品の品質が不均一で、製造コストの削減が困難であるという技術的問題を解決するかが、本願発明者によって検討された重要な課題である。
本発明の目的は、従来技術の製造難易度が高く、プロセス工程が複雑であり、成形品の品質が不均一であり、製造コストの削減が困難であった技術的問題を解決し、低コストでの製造が容易であるグラフェンポリエステルチップの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るグラフェンポリエステルチップの製造方法は、高分子材料と2重量%以下のグラフェン粉末とを溶融混合し、それぞれ短円柱状の粒状にした複数のグラフェンマスターバッチを調製する工程と、複数のグラフェンマスターバッチに順次に1重量%〜3重量%の粘着付与剤、1重量%〜3重量%の強靭化剤、及び1重量%〜4重量%の分散剤を溶融混合する工程と、複数のグラフェンマスターバッチ、粘着付与剤、強靭化剤及び分散剤が溶融混合された溶融原料を複数のグラフェンポリエステルチップに調製する工程と、を含む。
さらに、前記グラフェンポリエステルチップの製造方法において、溶融原料におけるグラフェン粉末の濃度が100ppm〜5000ppmである。
さらに、前記グラフェンポリエステルチップの製造方法において、粘着付与剤は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸、メタクリル酸、アクリレート、スチレン、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ブタジエンビスアクリレート、ジアリルフタレート、ポリウレタン及びポリオキシエチレンの少なくとも一つを含む。
さらに、前記グラフェンポリエステルチップの製造方法において、強靭化剤は、ポリウレタン系、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン系、ポリアミド系及びフタル酸エステル系の少なくとも一つを含む。
さらに、前記グラフェンポリエステルチップの製造方法において、高分子材料は、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル及びポリ乳酸の少なくとも一つを含む。
さらに、前記グラフェンポリエステルチップの製造方法において、粘着付与剤、強靭化剤及び分散剤の合計が、溶融原料の10重量%未満である。
さらに、前記グラフェンポリエステルチップの製造方法において、グラフェンマスターバッチは、1dl/gより大きい固有粘度を有する。
また、本発明の他の目的は、従来技術の製造難易度が高く、プロセス工程が複雑であり、成形品の品質が不均一であり、製造コストの削減が困難であった技術的問題を解決し、低コストでの製造が容易であるグラフェンダイヤフラムの製造方法を提供することにある。
上記の他の目的を達成するために、本発明に係るグラフェンダイヤフラムの製造方法は、前記複数のグラフェンポリエステルチップを溶融する工程と、二軸延伸機により溶融した複数のグラフェンポリエステルチップを二軸延伸して、グラフェンダイヤフラムを形成する工程と、を含み、前記高分子材料は、ポリエチレンテレフタレートを含む。
さらに、前記グラフェンダイヤフラムの製造方法において、グラフェンダイヤフラムの厚さが10マイクロメートル〜25マイクロメートルである。
また、本発明の別の目的は、従来技術の製造難易度が高く、プロセス工程が複雑であり、成形品の品質が不均一であり、製造コストの削減が困難であった技術的問題を解決し、低コストでの製造が容易であるグラフェンダイヤフラムの製造方法を提供することにある。
上記の別の目的を達成するために、本発明に係るグラフェンダイヤフラムの製造方法は、前記複数のグラフェンポリエステルチップを溶融する工程と、射出成形機により溶融した複数のグラフェンポリエステルチップを放射状に延伸して、グラフェンダイヤフラムを形成する工程と、を含み、高分子材料は、ポリプロピレンを含む。
本発明の上記グラフェンポリエステルチップ及びグラフェンダイヤフラムの製造方法を用いる場合、本発明の第1のステップで用いられるグラフェン粉末の量がわずか2重量%以下であるため、高分子材料の原材料特性を完全に変化させることはない。グラフェンは、材料科学において優れた機械的特性を有し、剛性が高く、熱伝導率が高く、電子移動度が高いことから、高分子材料の理想的な充填材である。少量のグラフェンであれば、高分子材料の物理的特性を向上させることができる。しかしながら、粉末状の材料については、ファンデルワールス力(Van der Waals force)を克服することが依然として必要である。特に、グラフェンについては、グラファイト(graphite)の結晶構造は、単原子層のグラファイトシート(即ちグラフェン、graphene)を複数層積み重ねることによって形成され、各層のグラファイトシート間はファンデルワールス力により互いに結合される。そのため、グラフェンを用いた高分子材料の改質工程において、グラフェンの分子鎖が各層のグラファイトシート間のファンデルワールス力の影響を受けやすく、グラファイトシート間の均一かつ安定した結合を形成することができず、最終的には、グラフェンと高分子材料との溶融混合の不均一性が生じ、その後のダイヤフラム成形の均一性と品質に影響を及ぼす可能性がある。そこで、本発明の第2のステップでは、複数のグラフェンマスターバッチに順次に粘着付与剤、強靭化剤及び分散剤を溶融混合するが、その順序が意味を持つ。まず、粘着付与剤(tackifier)は、フェノール性水酸基、ヒドロキシメチル基、カルボキシル基、エステル結合、エーテル結合などを含む材料であってもよく、樹脂やゴムなどの高分子材料との間で水素結合(hydrogen bonds)のネットワーク構造を容易に生成する。これにより、メルトフローインデックス(melt flow index、MI)を高めることができ、その後の分解(例えば、溶融)の過程で材料の均等開裂(homolytic cleavage)を可能にする。次に、強靭化剤(toughener)の添加により、材料自体の固有粘度(intrinsic viscosity、IV)を変化させることができ、ダイヤフラムの延性及び耐衝撃性を改善することができる。上記固有粘度は、材料のその後の加工(例えば、射出成形、流延、カレンダー加工など)に応じて調整することができる。最後に、分散剤(dispersant)を添加することにより、材料分子の凝集現象や沈降現象を防止することができ、材料全体の物理的特性をより均一にすることができ、その後の分解過程において、グラフェンポリエステルチップ及びグラフェンダイヤフラムの物理的特性を均一にすることができる。
したがって、本発明のグラフェンポリエステルチップ及びグラフェンダイヤフラムの製造方法は、従来技術の製造難易度が高く、プロセス工程が複雑であり、成形品の品質が不均一であり、製造コストの削減が困難であった技術的問題を解決し、低コストでの製造を容易にすることができる。
本発明の目的を達成するためになされた本発明の技術、手段、及び効果をより良く理解するために、本発明の目的及び特徴は、本発明の詳細な説明及び添付図面を参照することによってより良く理解されると考えられるが、添付図面は、参照及び説明のみを提供するものであり、本発明を限定するものではない。
本発明に係るグラフェンポリエステルチップの製造方法を示すフローチャートである。 本発明に係るグラフェンダイヤフラムの製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。 本発明に係るグラフェンダイヤフラムの製造方法の一実施形態を示す概略図である。 本発明に係るグラフェンダイヤフラムの製造方法の一実施形態を示す概略図である。 本発明に係るグラフェンダイヤフラムの製造方法の他の実施形態を示すフローチャートである。 本発明に係るグラフェンダイヤフラムの製造方法の他の実施形態を示す概略図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について説明するが、当業者であれば、本明細書に開示された内容から本発明の他の利点及び効果を容易に理解することができる。本発明は、他の異なる具体例によっても実施又は適用することができ、本明細書中の各詳細は、本発明の精神から逸脱することなく、異なる観点及び適用に基づいて、様々な修正や変更を行うこともできる。
なお、本明細書の図面に図示する構造、比率、サイズ、要素の数等は、いずれも明細書に開示する内容に合せて、当業者が読んで理解しやすくするためのものに過ぎず、本発明で実施可能な限定条件を限定するためのものではないため、技術上の実質的な意味を持たず、如何なる構造の付加、比率関係の変更又はサイズの調整も、本発明で発生する効果及び達成可能な目的に影響がないという目的の下で、いずれも本発明で開示する技術内容でカバーされ得る範囲内に収まるものである。
本発明の技術内容及び詳細な説明について、図面を参照しながら以下に説明する。
図1〜図3を参照する。図1は、本発明に係るグラフェンポリエステルチップの製造方法を示すフローチャートである。図2は、本発明に係るグラフェンダイヤフラムの製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。図3は、本発明に係るグラフェンダイヤフラムの製造方法の一実施形態を示す概略図である。
本発明の一実施形態において、グラフェンポリエステルチップ20の製造方法は、以下の3つのステップを含む。第1のステップでは、図1のステップS1及び図3に示すように、高分子材料と2重量%以下のグラフェン(graphene)粉末とを溶融混合し、それぞれ短円柱状の粒状にした複数のグラフェンマスターバッチ10を調製する。さらに、上記グラフェン粉末は複数のグラフェンマイクロチップ(図示せず)を含んでもよく、複数のグラフェンマイクロチップのうち95%以上は、最大チップ径が45マイクロメートル(μm)未満である。本発明の上記実施形態において、高分子材料は、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile、PAN)、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリアミド(polyamide、PA)、ナイロン(Nylon)、ポリスチレン(polystyrene、PS)、ポリメタクリル酸メチル(polymethyl methacrylate、PMMA)とポリ乳酸(polylactic acid/polylactoride、PLA)のうちの少なくとも一つを含む。ここで、グラフェンマスターバッチ10は、その後の加工・分解のために、1dl/gより大きい一定の範囲内である固有粘度(intrinsic viscosity、IV)を有することが求められている。板材、膜材又はシート材を形成するために、グラフェンマスターバッチ10は、単一押出の射出プロセスの場合、0.85dl/g以下の固有粘度(IV)を有することが必要であり、連続押出の流延プロセスの場合、0.7dl/g以下の固有粘度(IV)を有することが必要である。
第2のステップでは、図1のステップS2に示すように、複数のグラフェンマスターバッチ10に、順次に1重量%〜3重量%の粘着付与剤(tackifier)、1重量%〜3重量%の強靭化剤(toughener)、及び1重量%〜4重量%の分散剤(dispersant)を溶融混合するが、その順序が意味を持つ。まず、粘着付与剤は、樹脂やゴムなどの高分子材料との間で水素結合(hydrogen bonds)のネットワーク構造を容易に生成するフェノール性水酸基、ヒドロキシメチル基、カルボキシル基、エステル結合、エーテル結合などを含む材料であってもよい。これにより、メルトフローインデックス(melt flow index、MI)を高めることができ、その後の分解(例えば、溶融)の過程で材料の均等開裂(homolytic cleavage)を可能にする。本発明の実施形態において、粘着付与剤は、メチルセルロース(methyl cellulose、MC)、カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose、CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(hydroxyethyl cellulose、HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methyl cellulose、HPMC)、アクリル酸(Acrylic acid、AA)、マレイン酸又は無水マレイン酸(maleic acid/maleic anhydride、MA)、メタクリル酸(methacrylic acid、MAA)、アクリレート(acrylate)、スチレン(phenylethene)、N,N−メチレンビスアクリルアミド(N,N−methylene bis−acrylamide)、ブタジエンビスアクリレート(2−propenoic acid, butanedilester)、ジアリルフタレート(diallyl phthalate)、ポリウレタン(polyurethane、PU)及びポリオキシエチレン(polyoxyethylene)の少なくとも一つを含んでもよい。
次に、強靭化剤の添加により、材料自体の固有粘度(IV)を変化させることができ、ダイヤフラムの延性及び耐衝撃性を改善することができる。上記固有粘度(IV)は、材料のその後の加工(例えば、射出成形、流延、カレンダー加工など)に応じて調整することができる。本発明の実施形態において、強靭化剤は、ポリウレタン系(polyurethanes)、スチレン系(phenylethenes)、ポリオレフィン系(polyolefins)、ポリエステル系(polyesters)、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン系(syndiotactic 1,2−poly butadiene)、ポリアミド系(polyamide)及びフタル酸エステル系(technis)の少なくとも一つを含んでもよい。
最後に、分散剤を添加することにより、材料分子の凝集現象や沈降現象を防止することができ、材料全体の物理的特性をより均一にすることができ、その後の分解過程において、グラフェンポリエステルチップ20及びグラフェンダイヤフラムの物理的特性を均一にすることができる。本発明の実施形態において、調製されたグラフェンダイヤフラムは、二軸延伸ポリエステルフィルム(biaxially−oriented polyethylene terephthalate film、BOPET film)又は円弧状PPフィルムであってもよい。ここで、BOPETフィルムは、機械的強度が高く、剛性が高く、透明性が高く、表面光沢が高いなどの特徴を有している。本発明の実施形態において、粘着付与剤、強靭化剤及び分散剤の合計は、溶融原材料の10重量%未満である。
第3のステップでは、図1のステップS3及び図3に示すように、複数のグラフェンマスターバッチ10、粘着付与剤、強靭化剤及び分散剤を溶融混合した溶融原料を、それぞれ短円柱状の粒状にした複数のグラフェンポリエステルチップ20に調製する。さらに、溶融原料におけるグラフェン粉末の濃度は、100ppm〜5000ppmであってもよい。
ダイヤフラムの製造業者にとって、さらなる加工のために上述したグラフェンポリエステルチップ20を選択することができる。図2及び図3に示すように、複数のグラフェンポリエステルチップ20を溶融させ(ステップS4)、溶融した複数のグラフェンポリエステルチップ20を二軸延伸機(図示せず)によって二軸延伸して、グラフェンダイヤフラムを形成してもよい(ステップS5)。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)を高分子材料として使用する場合には、グラフェンダイヤフラムをBOPETフィルム30とすることができる。ダイヤフラムにグラフェンを均一に添加することにより、耐引張強度、耐衝撃性、耐冷性、耐熱性、耐貫通性や耐摩耗性などの物理的特性を向上させることができ、スピーカーやヘッドフォンなどの分野に適用することができる。図4に示すように、BOPETフィルム30は、移動方向(machine direction、MD)と垂直方向(transverse direction、TD)に双方向に延伸することができ、適切な冷却、熱処理又は表面加工(例えば、スラリー又はプラズマのコーティングなど)を経て、プロセス全体を完了することができる。BOPETフィルム30の厚さは、10マイクロメートル〜25マイクロメートルであってもよい。
図5は、本発明に係るグラフェンダイヤフラムの製造方法の他の実施形態を示すフローチャートである。図6は、本発明に係るグラフェンダイヤフラムの製造方法の他の実施形態を示す概略図である。本実施形態は、上記複数のグラフェンポリエステルチップ20を溶融した後(ステップS4)、溶融した複数のグラフェンポリエステルチップ20を射出成形機(図示せず)により放射状に延伸してグラフェンダイヤフラムを形成すること(ステップS6)を除き、上述した実施形態とほぼ同様である。また、ポリプロピレン(PP)を高分子材料として使用する場合には、グラフェンダイヤフラムをPPフィルム40とすることができる。なお、本実施形態では、PPフィルム40を車両用ホーンフィルムとしてもよいが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。
本発明の上記グラフェンポリエステルチップ20及びグラフェンダイヤフラムの製造方法を用いる場合、本発明の第1のステップで用いられるグラフェン粉末の量がわずか2重量%以下であるため、高分子材料の原材料特性を完全に変化させることはない。グラフェンは、材料科学において優れた機械的特性を有し、剛性が高く、熱伝導率が高く、電子移動度が高いことから、高分子材料の理想的な充填材である。少量のグラフェンであれば、高分子材料の物理的特性を向上させることができる。しかしながら、粉末状の材料については、ファンデルワールス力(Van der Waals force)を克服することが依然として必要である。特に、グラフェンについては、グラファイト(graphite)の結晶構造は、単原子層のグラファイトシート(即ちグラフェン、graphene)を複数層積み重ねることによって形成され、各層のグラファイトシート間はファンデルワールス力により互いに結合される。そのため、グラフェンを用いた高分子材料の改質工程において、グラフェンの分子鎖が各層のグラファイトシート間のファンデルワールス力の影響を受けやすく、グラファイトシート間の均一かつ安定した結合を形成することができず、最終的には、グラフェンと高分子材料との溶融混合の不均一性が生じ、その後のダイヤフラム成形の均一性と品質に影響を及ぼす可能性がある。そこで、本発明の第2のステップでは、複数のグラフェンマスターバッチ10に順次に粘着付与剤、強靭化剤及び分散剤を溶融混合するが、その順序が意味を持つ。まず、粘着付与剤は、樹脂やゴムなどの高分子材料との間で水素結合(hydrogen bonds)のネットワーク構造を容易に生成するフェノール性水酸基、ヒドロキシメチル基、カルボキシル基、エステル結合、エーテル結合などを含む材料であってもよい。これにより、メルトフローインデックス(MI)を高めることができ、その後の分解(例えば、溶融)の過程で材料の均等開裂(homolytic cleavage)を可能にする。次に、強靭化剤(toughener)の添加により、材料自体の固有粘度(IV)を変化させることができ、ダイヤフラムの延性及び耐衝撃性を改善することができる。上記固有粘度は、材料のその後の加工(例えば、射出成形、流延、カレンダー加工など)に応じて調整することができる。最後に、分散剤を添加することにより、材料分子の凝集現象や沈降現象を防止することができ、材料全体の物理的特性をより均一にすることができ、その後の分解過程において、グラフェンポリエステルチップ20及びグラフェンダイヤフラムの物理的特性を均一にすることができる。
このため、本発明のグラフェンポリエステルチップ20及びグラフェンダイヤフラムの製造方法は、従来技術の製造難易度が高く、プロセス工程が複雑であり、成形品の品質が不均一であり、製造コストの削減が困難であるという技術的問題を解決し、低コストでの製造を容易にすることができる。
また、グラフェンを異なる層数で積層した場合、赤外線及び紫外線に対して異なる反射率を有しており、本実施形態では平均層数2〜5層であることが好ましい。溶融原料に100ppm〜5000ppmの濃度でグラフェン粉末を添加することにより、赤外線及び紫外線に対する反射率を高め、断熱に使用することができる。そのため、グラフェンダイヤフラムは、高い透光率を有し、断熱効率の高い断熱紙とすることができる。グラフェンは、高い電子移動度特性を有するため、リチウム電池の電極セパレータとしても機能することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもなく、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の全ての範囲は以下の特許請求の範囲に基づくものであり、本発明の特許請求の範囲に合致する精神とその類似の変形例は、本発明の範囲に含まれるべきであり、当業者であれば、本発明の技術的範囲内において、容易に思いつくことができ、また、その変形例や修正例も、以下の特許請求の範囲に含まれる。
10 グラフェンマスターバッチ
20 グラフェンポリエステルチップ
30 BOPETフィルム
40 PPフィルム
MD 移動方向
TD 垂直方向

Claims (10)

  1. 高分子材料と2重量%以下のグラフェン粉末とを溶融混合し、それぞれ短円柱状の粒状にした複数のグラフェンマスターバッチを調製する工程と、
    前記複数のグラフェンマスターバッチに順次に1重量%〜3重量%の粘着付与剤、1重量%〜3重量%の強靭化剤、及び1重量%〜4重量%の分散剤を溶融混合する工程と、
    前記複数のグラフェンマスターバッチ、前記粘着付与剤、前記強靭化剤及び前記分散剤を溶融混合した溶融原料を、それぞれ短円柱状の粒状にした複数のグラフェンポリエステルチップに調製する工程と、を含むことを特徴とするグラフェンポリエステルチップの製造方法。
  2. 前記溶融原料における前記グラフェン粉末の濃度が100ppm〜5000ppmであることを特徴とする請求項1に記載のグラフェンポリエステルチップの製造方法。
  3. 前記粘着付与剤は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸、メタクリル酸、アクリレート、スチレン、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ブタジエンビスアクリレート、ジアリルフタレート、ポリウレタン及びポリオキシエチレンの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のグラフェンポリエステルチップの製造方法。
  4. 前記強靭化剤は、ポリウレタン系、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン系、ポリアミド系及びフタル酸エステル系の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のグラフェンポリエステルチップの製造方法。
  5. 前記高分子材料は、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル及びポリ乳酸の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のグラフェンポリエステルチップの製造方法。
  6. 前記粘着付与剤、前記強靭化剤及び前記分散剤の合計は、前記溶融原料の10重量%未満であることを特徴とする請求項1に記載のグラフェンポリエステルチップの製造方法。
  7. 前記グラフェンマスターバッチは、1dl/gより大きい固有粘度を有することを特徴とする請求項1に記載のグラフェンポリエステルチップの製造方法。
  8. グラフェンダイヤフラムの製造方法であって、
    請求項1に記載の前記複数のグラフェンポリエステルチップを溶融する工程と、
    溶融した前記複数のグラフェンポリエステルチップを二軸延伸機により二軸延伸して、グラフェンダイヤフラムを形成する工程と、を含み、
    請求項1に記載の前記高分子材料は、ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とするグラフェンダイヤフラムの製造方法。
  9. 前記グラフェンダイヤフラムの厚さが10マイクロメートル〜25マイクロメートルであることを特徴とする請求項8に記載のグラフェンダイヤフラムの製造方法。
  10. グラフェンダイヤフラムの製造方法であって、
    請求項1に記載の前記複数のグラフェンポリエステルチップを溶融する工程と、
    溶融した前記複数のグラフェンポリエステルチップを射出成形機により放射状に延伸して、グラフェンダイヤフラムを形成する工程と、を含み、
    請求項1に記載の前記高分子材料は、ポリプロピレンを含むことを特徴とするグラフェンダイヤフラムの製造方法。
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