JP2021187552A - 3次元造形用粉体の梱包体 - Google Patents

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Abstract

【課題】3次元造形用の粉体材料の製造過程において造形用の粉体材料を均質性および均一性を保持した状態で3次元造形装置に供給する手段が望まれる。【解決手段】複数種類の粒子を含む3次元造形用粉体と、前記3次元造形用粉体を内部に圧縮された状態で収容する収納容器と、を備える3次元造形用粉体の梱包体により解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、粉体材料の所定箇所にレーザーを照射することにより粉体材料を溶融および凝固させて造形物を得る3次元造形に用いられる粉体(以下、3次元造形用粉体)および収納容器とを備える梱包体に関する。
3次元造形装置はCADデータを用いて物品を付加的に直接造形することが可能であるため、近年さまざまな分野への利用が進められている。その中でも粉末床溶融結合方式は高精度かつ緻密な部品を作製することができるため特に注目を集めている。
粉末床溶融結合方式は、特許文献1に示されるように、造形ステージ上に造形用の粉体を薄く敷き均し、敷き均した粉体に、造形対象である3次元データに応じてレーザー光を照射することにより粉体を焼結または溶融および凝固させることで造形を行う。
3次元造形用粉体は、造形物の素材となる粉末であり、その成分、粒径、粒子の形状が直接造形物の形状および性質に影響を与えるため、造形物に要求される特性に合わせて、適宜調製される。
特開2010−37599号公報
造形用粉体が複数種類の粉体の混合物からなる混合粉末である場合には、混合粉体の化学的な均質性及び物理的な均一性を保った状態で造形ステージ上に材料供給されることが極めて重要となる。造形ステージ上に敷かれた混合粉体に、組成および/または粒径の2次元的、3次元的なばらつきが発生した場合には、造形プロセスにおける材料の焼結または溶融および凝固の際の挙動に2次元的、3次元的なムラが生じる。これは、造形物の組成ムラ、寸法精度の悪化、品質ばらつきを引き起こす原因となる。
造形プロセス時に混合粉体の均質性および均一性を保つ手段としては、混合粉体を造形ステージに供給する直前に撹拌する機構を設けることが考えられる。しかし、混合粉体が比重の差、あるいは粒径の差が大きい複数種類の粉体の混合物である場合には製造装置内での撹拌によって混合粉体の均質性および均一性を保つことは困難であり、造形物を安定した品質に保つうえでの課題となっていた。
そこで3次元物体の製造に用いられる混合粉体である3次元造形用粉体の製造過程から3次元造形装置の造形ステージに3次元造形用粉体を供給するまでのプロセスを精査、検討した結果、混合粉体を製造した後の梱包、輸送、ハンドリングの過程に問題があることを見出した。良好な均一性を保って製造した混合粉体であっても、その後の保管、輸送、ハンドリングの際に加わる振動によって混合粉体の組成分布が変化するため、造形時の均質性および均一性が低下していたのである。
上記課題を解決するために、3次元造形用粉体の製造時の混合粉体の均質性および均一性を保持した状態で保管、輸送し、3次元造形装置に供給することのできる手段が望まれる。
複数種類の粒子を含む3次元造形用粉体と、前記3次元造形用粉体を内部に圧縮された状態で収容する収納容器と、を備える3次元造形用粉体の梱包体により解決する。
本発明によれば、製造時の組成および粒径の均一性を保った状態で混合粉体を3次元造形プロセスに提供することができるため、造形物の寸法精度、品質ばらつき、並びに信頼性を高めることができる。
本発明の粉体材料収納容器の第1の実施例である。 本発明の粉体材料収納容器の第2の実施例である。 本発明の粉体材料収納容器の第3の実施例を示す。 本発明の粉体材料収納容器の第4の実施例を示す。 粉末床溶融結合方式を用いた3次元造形装置の造形ステージと粉体供給ステージとを示す。 3次元造形装置の造形部と粉体供給部との動きを示した図である。 (a)は粉体供給ステージに切断刃を配置した場合に梱包体を載置する前の粉体供給ステージの状態を示し、(b)は粉体供給ステージに切断刃を配置した場合に梱包体を載置した状態の粉体供給ステージの状態を示す。 本発明の粉体材料収納容器の第5の実施例を示す。 (a)は第5の実施例に係る梱包体を設置する前の粉体供給部および造形部を示し、(b)は梱包体を設置した状態の粉体供給部および造形部を示す。
粉末床溶融結合方式に用いられる造形用の粉体が複数種類の粒子を含む混合粉体である場合に、本発明を適用する実施形態について説明する。ここでいう「複数種類の粒子を含む混合粉末」には、組成あるいは成分が互いに異なる粒子を含む粉末、粉体の平均粒子径を測定した場合に複数のピークを持つ粉末が含まれる。また、本明細書中では、造形用粉末の集合体を造形用粉体と、造形用粉体を収容することができる包装体を収納容器と、造形用粉体を内部に収容している状態の収納容器を梱包体と定義する。
粉末床溶融結合方式では、一般的なバルク材料を加工して製作した成形体などに比べて、造形物の容積中に占める材料の割合が低く、空隙率が高くなる傾向がある。そのため、機械的強度もバルク材料と比較して低下する場合が多かった。したがって、耐久性を要求されるような用途においては、より緻密性の高められた立体物を得ることが求められていた。
造形物の緻密性を高める手段として、粉末積層造形物を形成している粉体材料の隙間を埋めて、立体物の密度を向上させる方法がある。たとえば、造形用の粉体を平均粒子径が互いに異なる大小2種類の粒子を含む混合粉末とすることにより空間充填密度を上げることができる。粉体が球体の粒子の集合体であると仮定すると、1種類の大きさの球体による3次元空間充填の最高密度は面心立方格子充填の場合の約74%である。しかし、大小2種類の球体を用いてそれらの球の半径比を無限大にすると原理的には約93%まで充填密度を高めることができる。大小の球体の径の差を十分大きくすることで、相対的に大きな球体の隙間に相対的に小さい球体が入り込ませることが可能となる。
また、造形用粉体を組成あるいは成分が互いに異なる複数種類の粒子で構成し、それぞれの粒子に機能を持たせることによる造形物の物性、機械的精度、造形速度、等の改善を図る試みも行われている。
例えば、造形物の弾性率を改善するために樹脂粒子とガラス粒子とを混合する例や、造形物の靭性を改善するためにセラミックス粒子と金属粒子を混合する例が挙げられる。樹脂材料にガラス粒子を混入する例の場合、樹脂材料の比重が1から1.7程度であるのに対し、ガラスの比重は約2.5である。また、セラミックス材料に金属材料を混入する例では、セラミックス材料の比重が2.5から3.5程度であるのに対し、金属の比重はAl、Tiなどを除けば、ほとんどの場合約7以上である。これらの混合物は、粉体の輸送時、あるいはハンドリング時に比重の大きい粉体材料が下層に移動しやすくなるため、粉体内部での混合物の組成が変動しやすい。
さらに、セラミックスを主成分とする粉体を用いる造形において、造形速度や造形精度を高めるためには、造形時に照射するレーザー光の光吸収能が高い粉体を添加した混合粉体を用いるのが好ましい。たとえば、造形用粉体としてAl粉、Gd粉、Tb粉の混合粉を用いれば、Tb粉にレーザー光が吸収されて局所的な加熱が可能となり、良好な造形速度、造形精度を得ることができる。この場合、粉末床の形成に必要な流動性を得るため、Al、Gdの粒子径は20から30μmが好ましく、レーザー光を吸収する役割を担うTb粉の粒子径は3から4μmが好ましい。ここで、粒子径とは粉体の顕微鏡写真から、各種粒子1000個以上について投影像の面積から円相当径を求め、その中央値を採用した値である。
このような複数の成分からなる混合粉体は、化学工業、食品工業をはじめとして様々な分野での長年のノウハウの蓄積があるため、造形上許容される統計的な混合ばらつきの範囲内に混合した粉体を工業的に製造することは可能である。
ところが、粒子径が互いに異なる複数種類の粒子を含む混合粉体は、輸送、ハンドリングの際の振動により、小さな粒子が鉛直方向下部に沈み、大きな粒子が上部に集まる、いわゆるブラジルナッツ効果が生じ、均一な混合状態を保つことができない。比重が互いに異なる複数種類の粒子を含む混合粉体の場合も、振動により、比重の大きい粒子が鉛直方向の下方に沈み、小さな粒子が上方に集まるため、均一な混合状態を維持するのは困難である。
本発明は製造工程で所望の状態に混合された状態を維持して粉体次元造形装置に供給することが可能な、3次元造形用粉体の梱包体を提供するものである。本発明の梱包体を構成する3次元造形用粉体は、複数種類の粒子を含む混合粉体であって、それぞれの粒子の種類によって比重が異なるものである。また、本発明の梱包体を構成する3次元造形用粉体は、複数種類の粒子を含む混合粉体であって、互いに粒子径が異なるものである。
(第1の実施例)
以下、図1を参照して、第1の実施例にかかる梱包体100を説明する。梱包体100は3次元造形用粉体110と、3次元造形用粉体110を内部に収容する収納容器101とを備える。ここでは、収納容器101を用いて、複数種類の粒子を含む混合粉体である3次元造形用粉体110を製造工程で所望の状態に混合された状態を維持して3次元造形装置に供給する方法について説明する。図1は第1の実施例の収納容器101を示したものである。図1の(a)は3次元造形用粉体110を充填する前の収納容器101の状態を示している。図1の(b)は収納容器101の内部に3次元造形用粉体110を導入し、開口部104を熱融着などの方法により圧着して封入した梱包体の状態を示している。図1の(c)は収納容器101内部に3次元造形用粉体110を導入した後、収納容器101の内部を外部に対して減圧状態とし、3次元造形用粉体110が収納容器101の内部に圧縮された状態で収容された梱包体100の状態を示している。
収納容器101は内部に空間を画定する外郭部を備える。外郭部により収納容器101の内部に画定された空間に複数種類の粒子を含む3次元造形用の原料粉としての混合粉体である3次元造形用粉体110を収容する。収納容器101の外郭部の少なくとも一部(一部または全部)は変位可能である。たとえば、本実施例では収納容器101の外郭部は可撓性を有する材料でできていて、外郭部全部を変位可能な部分としている。収納容器101には排気管102とフィルター103とが設けられている。排気管102は排気装置(不図示)と接続可能である。収納容器101に封入される3次元造形用粉体110は不図示の粉体製造装置により、所望の状態に混合された状態で予め準備されている。
収納容器101の上部には開口部104が設けられている。3次元造形用粉体110は、図1(a)に示す開口部104から収納容器101の内部に導入される。開口部104から収納容器101の内部に3次元造形用粉体110が導入された後に開口部104は熱圧着、超音波圧着等の方法により封止されて封止部105が形成されて収納容器101の内部が密閉される(図1(b))。
収納容器101の内部に3次元造形用粉体110が導入された後に、排気管102を排気装置(図示せず)に接続して、排気管102を経由して収納容器101の内部の空気を排気する。収納容器101の壁面、排気管、逆止弁など、3次元造形用粉体110と外界を隔てる部材のガス透過率に応じて、収納容器の内部が1×10Pa未満を維持できるように排気する。この排気により、収納容器101の内部が脱気された状態で排気管102を熱融着により融着部106で切り離す。排気管102には逆止弁(図示せず)を設けてもよい。逆止弁を設けた場合には、排気管102内部での意図しない気体の逆流により収納容器101内に気体が流入することを防ぐことができる。収納容器101は可撓性を有するため、収納容器101の内部が脱気されたことにより、収納容器101の内部の圧力が収納容器101の外部の圧力より低くなり、減圧状態が保たれた梱包体100となる(図1(c))
収納容器101の内部の圧力が収納容器101の外部の圧力より低くなることで、容器内部の空気が混入していた部分は潰れて陥没し、可撓性を有する収納容器101の外郭部の変形(変位)が起こり、外郭部が3次元造形用粉体110に密着する。収納容器101の外郭部の変形(変位)により3次元造形用粉体110を押圧し、3次元造形用粉体110が圧縮される。ここで収納容器101の内部を減圧状態に保つために、本実施例では排気管102を熱融着させる方法を例示したが、排気管102にバルブを設け、収納容器101内部の排気が完了した後にバルブを閉じることによって減圧状態を保持してもよい。
脱気の際には、収納容器101の内部の空気は排気管102を経由して排出されるが、排気管102の周囲の収納容器101にはフィルター103が設けられているため、3次元造形用粉体110が排気管102内部に排出されることはない。ここで用いるフィルター103は、気体は透過するが3次元造形用粉体110の成分である複数種類の粒子のそれぞれが透過することのない不透過性のフィルターである。また、フィルター103は、排気管102の先端に設けられているだけでなく、収納容器101の一部をなすように、排気管102の周辺部にまで設けられているため、気体の排気経路がフィルター103の全面に分散される。
一般的に、粉粒体表面がある流速以上の気流に接すると、粉粒体が気流に流される。また、粉粒体が粒径、または/および密度分布を持つ場合には、粒径、または/および密度の異なる粒子が層状に分離して堆積する。このため、粉粒体の造粒工程、および混合工程で所望の混合状態が達成されている場合であっても、静置された粉粒体表面に流れる気流により、表面近傍の混合状態が変化する場合がある。
この現象による混合状態の変化を抑えるために、本実施例では気体の排気経路をフィルター面全面に分散させることにより、気体が排出される際に特定の流路を形成することを防止している。特定の流路が形成されないことにより、粉粒体の表面における気流の流速が低下し粉粒体が気流に流されることがなくなり、その結果として表面近傍の混合状態の変化を防止することができる。
収納容器101、少なくとも収納容器101の壁部は、ガス透過性が低く可撓性を有するフィルム状樹脂でできている。収納容器101には、その材料のフィルム状樹脂のガス透過性に応じて決定されるフィルムの膜厚が適用される。ガス透過性の低い樹脂製フィルムとしては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリルなどを使用することができる。代表的には、これらの材料のうちの少なくとも一つ使用することができる。また、上記材料よりガス透過性が高い樹脂の場合でも、樹脂膜厚の増加やフィルム状樹脂の表面にガスバリア性の膜をコートすることにより使用することができる。上記ガスバリア性の膜としては、金属膜、セラミックス膜、ガス透過性の低い樹脂膜などを使用することができる。また、上記の可撓性を有するフィルム状の樹脂は、複数の膜をラミネート加工した膜であってもよい。
続いて、収納容器101のガス透過性に関する要求値について説明する。フィルム状樹脂のガス透過率は(50cc/m)/day以下であることが望ましい。大気の組成は窒素約80%、酸素20%であるが、フィルム状樹脂のガス透過率は、窒素と比較して、酸素のほうが高いため、酸素透過率が(50cc/m)/day以下であることが望ましい。
この値は、10kg(嵩密度3g/cm)の粉体材料を収納容器101に密封した場合の粉体の隙間に存在する空間の容積に相当する気体が収納容器101の器壁を透過するために要する時間から算出することができる。3次元造形用粉体110の保管期間を6ヶ月と想定した場合に、収納容器101の内部を減圧状態に保つためにはフィルム状の樹脂の酸素透過率は(50cc/m)/day以下であればよい。
また、収納容器101には3次元造形用粉体110と共に酸素を吸収する脱酸素剤たる酸素吸収剤を封入してもよい。酸素吸収剤は、3次元造形用粉体と混ざって造形の妨げにならないよう、収納容器101の内面に密着させて配置するのが好ましい。酸素吸収剤を封入することで、粉体の隙間に存在する空間に残存する酸素、および容器の壁を透過した酸素を除去することができるため、収納容器101内部を減圧状態に保つことができる期間をさらに延長させることができる。
本実施例にかかる梱包体100は、3次元造形用粉体110を封入した収納容器101の内部を脱気して減圧状態に保つことにより、3次元造形用粉体110には収納容器101の壁面によって圧縮される。それにより、3次元造形用粉体110に含まれる粒子同士が互いに密着するため、3次元造形用粉体110の全体を製造時の混合状態に維持することができる。梱包体100の内部でごく局所的に粒子の移動がみられる場合でも、全体を見た場合には、粒子それぞれの相対的な位置関係はほぼ固定される。これにより、運搬時の収納容器101の内部での3次元造形用粉体110の流動が制限される。
収納容器101に封じられた3次元造形用粉体110を3次元造形装置に供給する際には、封止部105を開封して装置の材料収容容器に投入する。この際、製造時の混合状態に若干の変化は生じる可能性があるが、運搬時に生じる振動による不均一性に比べると、造形への影響は小さい。
以上のように、3次元造形用粉体110を図1(c)に示す梱包体100として輸送、保管することで、製造工程において、3次元造形を行う上で許容される統計的なばらつきの範囲内に収まるように混合された状態で、3次元造形装置のユーザーに供給できる。そして、3次元造形装置のユーザーは、3次元造形用粉体110を、製造時の組成および粒径の均一性を保った状態で使用することができる。その結果、造形物の寸法精度、品質ばらつき、並びに品質の信頼性を高めることができる。
粉体材料メーカーは、3次元造形用粉体110を、3次元造形用粉体110が収納容器101に収納された梱包体100として扱うことで、複数の成分の混合状態の均一性を保った状態で3次元造形装置のユーザーに提供することができる。
(第2の実施例)
図2を参照して、第2の実施例である梱包体100について説明する。第2の実施例に用いる収納容器101は、排気管102、フィルター103を備えていない点を除いて、第1の実施例と同様の構成を有している。従って、第1の実施例と共通する点については説明を省略し、以下第1の実施例と異なる点について説明する。
本実施例の梱包体100の構成と第1の実施例の梱包体100の構成との違いは、3次元造形用粉体110を収納容器101の内部に収容する方法が異なる点である。本実施例では真空雰囲気で収納容器101内に3次元造形用粉体110を導入し、梱包する。図2(a)は3次元造形用粉体110を導入する前の収納容器の状態を示し、図2(b)は部に3次元造形用粉体110を導入した収納容器101を真空雰囲気に設置し、開口部104を封止した状態を示している。図2(c)は収納容器101内部に3次元造形用粉体110を導入した後、雰囲気内にクリーンドライエアーを導入して収納容器101の内部が大気圧に戻されたときの梱包体100の状態を示している。
3次元造形用粉体110は、粉体製造装置(図示せず)により所望の状態に混合された状態で準備されている。収納容器101の上部に設けられた開口部104から3次元造形用粉体110を収納容器101の内部に導入する点は第1の実施例と同様である。3次元造形用粉体110が入った収納容器101を真空チャンバー(図示せず)内に設置し、収納容器101の開口部104を開口した状態で真空チャンバー内を10Pa未満となるまで排気する(図2(a))。次いで、図2(b)に示すように真空チャンバー内で真空を保ったままで開口部104を封止して封止部105を形成し、収納容器101を密閉する。
図2の(c)は図2の(b)の後、真空チャンバー(図示せず)にクリーンドライエアーを導入しチャンバー内部を大気圧に戻した状態を示す。収納容器101の内部は真空排気されているため、開口部104を封止した後に真空チャンバーが大気解放されると、収納容器101の内部は減圧状態になる。このため可撓性の収納容器101が変形し、3次元造形用粉体110が収納容器101を介して外部圧力により圧縮される。これにより、3次元造形用粉体110に含まれる粒子同士を互いに密着させて相対位置が変動するのを抑制し、3次元造形用粉体110が製造時の混合状態に維持された梱包体100とすることができる。
すなわち、本実施例でも、収納容器101の内部の圧力を外部の圧力より低くすることにより収納容器101の壁部の変形が喚起されて、3次元造形用粉体110に含まれる粒子間の相対位置が固定される。
本実施例の梱包体の場合、ごく局所的に3次元造形用粉体110に含まれる粒子の移動がみられたとしても、全体を見た場合は、粒子間の相対的位置関係はほぼ固定される。
梱包体100内の3次元造形用粉体110を装置に供給する方法は、第一の実施例と同様である。
3次元造形用粉体110を本実施例にかかる梱包体で輸送や保管をすることで、製造工程において、3次元造形を行う上で許容される統計的ばらつきの範囲内に収まるように混合された状態で、3次元造形装置のユーザーに供給できる。そして、3次元造形装置のユーザーは3次元造形用粉体110の製造時の組成および粒径の均一性を保った状態で造形に使用することができる。その結果、造形物の寸法精度、品質ばらつき、並びに品質の信頼性を高めることができた。
(第3の実施例)
図3は第3の実施例にかかる梱包体を説明するものである。第3の実施例としての梱包体100は、第2の実施例と同様の収納容器101であるが、収納容器101の内部に酸素吸収剤120を備えている点で異なっている。第2の実施例と共通する点については説明を省略し、以下第2の実施例と異なる点について説明する。
図3(a)は収納容器101内部に酸素吸収剤120を入れた状態を示す。図3(b)は収納容器101内部に酸素吸収剤120と3次元造形用粉体110を入れた後に、収納容器101の内部の空気を外部に逃がしながら機械的に上部から圧縮したものである。そして、ほぼ空気を押し出した後、開口部104を封止した状態を示している。図3(b)の段階では、まだ収納容器101内部は大気圧とほぼ同等であり、減圧状態とはなっていない。機械的に収納容器101と3次元造形用粉体110が密着するように収納容器101内部の空気を追い出した状態では、粉体の隙間に存在する空間にはその体積の約1/5の酸素が残存してしまう。
図3(c)は収納容器101を密閉した後、酸素吸収剤120により収納容器101の内部の酸素を低減することにより、収納容器101の内部が減圧された状態の梱包体100を示している。この状態では、収納容器101の内部の圧力が外部の圧力より低くなるため、収納容器101が変形し、3次元造形用粉体110が押圧されて粒子の相対位置が固定される。
本実施例によれば、収納容器101の内部の脱気にかかわる設備や収納容器101への排気管、フィルターの取り付けなどが不要となるため、コスト面、工程数で有利であるうえに、第1の実施例や第2の実施例と同様の効果を得ることができる。
(第4の実施例)
以下、図4から6を参照して、第4の実施例としての梱包体400について説明する。梱包体400は3次元造形用粉体(不図示)と、3次元造形用粉体(不図示)を内部に収容する収納容器401とを備える。3次元造形用粉体(不図示)は第1の実施例から第3の実施例と同じである。図4は第4の実施例において梱包体400として粉体を封止する工程を示している。図5は粉末床溶融結合方式を用いた3次元造形装置の造形部301と粉体供給部305を示している。図6は3次元造形装置の造形部301と粉体供給部305との間での粉体の移送を示した図である。第4の実施例としての収納容器401も、内部に空間を画定して、その内部の空間に、3次元造形に用いられる複数種類の粒子を含む3次元造形用粉体(不図示)を収納する容器である。
収納容器401は、第1から第3の実施例と同様に、可撓性のある外郭部を備えている。第4の実施例の梱包体400は、さらに、外郭部の外側に、外郭部より高い剛性を有する外殻容器430を備えている。外殻容器430は、代表的には底部材と側壁部材とにより、一端に開口を有して、内部に空間が画定され、その開口を蓋部材431で閉鎖した際に四角柱となる形状を有している。外郭部は、特に粉体導入時に外殻容器430の内部に配置される。梱包体400の外殻容器430の内面は収納容器401の外郭部の外面と接する。外殻容器430は代表的には金属とすることができる。たとえばSUS304を代表とするステンレス材である。
図4では収納容器401の内部に収納した3次元造形用粉体(不図示)が外殻容器430に隠れて見えない状態となっている。しかし、第1の実施例から第3の実施例と同様に、図4の(a)においても、可撓性の収納容器401の内部には3次元造形用粉体(不図示)が収納されている。そして、図4(b)の状態では、開口部404が封止され、封止部405によって収納容器401は密閉されている。図4の(c)の状態では第1の実施例から第3の実施例のいずれかの方法で可撓性の収納容器401の内部を減圧して変位させることにより3次元造形用粉体(不図示)が圧縮される。この時、3次元造形用粉体(不図示)が収納された収納容器401の外形は、剛性が高い外殻容器430の内法形状の寸法によって規定される。外殻容器430の内部は外殻容器430の開口が蓋部材431により閉じられることで密閉される。
梱包体400において、収納容器401の3次元造形用粉体が納められる部分の外側に剛性の高い材質からなる外殻容器430を設ける目的は、3次元造形装置の粉体供給容器に、ジャミングされた状態で納入された粉体材料を直接供給するためである。以下、これについて説明する。
図5に示すように、粉体材料を準備する粉体供給部305の横に、レーザー光を照射して粉体材料を焼結または溶融および凝固させることにより造形物を形成する造形部301が併設して配置される。造形部301と粉体供給部305との上部にはローラー(粉末移送手段)304が配置され、ローラー304は造形部301と粉体供給部305との間を往復することが可能である。造形部301の内部には、造形物が形成される面を有する造形ステージ302が配置される。造形ステージ302には造形ステージ昇降機構のロッド303が接続され、昇降可能である。粉体供給部305は、粉体供給ユニット330と、その内部に粉体供給ユニット330に対して可動な粉体供給ステージ331とを備えている。粉体供給ステージ331は上面が平面であって梱包体400の収納容器401を載置することが可能である。粉体供給部305は粉体供給ステージ昇降機構を有し、粉体供給ステージ昇降機構は粉体供給ステージ昇降機構に接続されるロッド306を昇降させる。粉体供給ステージ331はロッド306に接続されてロッド306により昇降する。
図4において、外殻容器430の底部材に平行な断面における側壁部材の内法形状は、図5に示す粉体供給部305の粉体供給ユニット330の水平方向の断面における内法形状と相似形である。そして、外殻容器430の底部材に平行な断面における側壁部材の内法形状の寸法は、粉体供給ユニット330の水平方向の断面における内法形状よりも数ミリ程度小さくなるように設計されている。このため、図4の収納容器401を外殻容器430から取り出して、そのまま図5に示す粉体供給ユニット330内に収納することができる。後述するように、粉体供給ユニット330の底部にはフィルム状樹脂からなる収納容器401の底部の外周部分を切開する切断刃を設けることもできる。切断刃を設けることで、収納容器401が粉体供給ユニット330内に収納された際に、収納容器401の底部の外周部分を切開されて、収納容器401の側壁部と上部を上部方向に抜き取ることができる。本実施例は、粉体が粉体供給ユニット330内に残っていない状態で供給する場合に特に好適である。
造形プロセスのシーケンスは、以下の工程Iから工程IVを繰り返す。工程Iにおいて、造形ステージ302を粉体材料の一層分の厚さだけ下降させる。続く工程IIにおいて、粉体供給ステージ331の粉体供給ステージ昇降機構のロッド306を上昇させ、その一層分の粉体材料307を粉体供給ユニット330の上端より上に押し上げる(図6の(a)参照)。
そして、工程IIIにおいて、ローラー304を用いて、その一層分の粉体材料307を、粉体供給部305から造形部301の造形ステージ302上に、移送された粉体材料308として移送して敷き詰める(図6の(b)参照)。工程IVでは敷き詰められた移送された粉体材料308の表面に、収束させたレーザー光を照射して、移送された粉体材料308を溶融して凝固させることにより、立体物が造形される。
上記の通り、内側に位置する収納容器401を外殻容器430から取り出して粉体供給ユニット330内に収納する方式について説明した。この場合、粉体の形状は収納容器401によって保たれるため、搬送や保存の際には外殻容器430は必須ではない。しかし、外殻容器430を粉体供給ユニット330と共通化した仕様とすることで、外殻容器430を直接粉体供給ユニット330の一部として3次元造形装置内部に組み込む構成とすることも可能である。この場合、外殻容器430は粉体供給ユニット330として適した素材選定を行い、必要にして十分な機械的精度を持って製作される。
外殻容器430を粉体供給ユニット330と共通化した場合には、たとえば図7に示すように、外殻容器430の底部にはフィルム状樹脂からなる収納容器401の底部の外周部分を切開する機構を設けることができる。すなわち、外殻容器430の内部に昇降可能な粉体供給ステージ331を配置し、粉体供給ステージ331が切断刃350を備えるように構成する。図7(a)は粉体供給ステージ331に切断刃350を配置した場合に梱包体400を載置する前の粉体供給ステージ331の状態を示している。図7(b)は粉体供給ステージ331に切断刃350を配置した場合に梱包体400を載置した状態の粉体供給ステージ331の状態を示している。粉体供給ステージ331に切断刃350を設けると、外殻容器430が粉体供給ユニット330内に収納された際に、収納容器401の底部の外周部分が切断刃350により切開されて、収納容器401の側壁部と上部を上部方向に抜き取ることができる。外殻容器430を粉体供給ユニット330として機能させる場合には、具体的には、以下のように構成する。
外殻容器430の内部の底部に、側面板に固定されてはおらず、上下方向に可動な粉体供給ステージ331を配置する。粉体供給ステージ331は外殻容器430の底板の役割をする。粉体供給ステージ331は外殻容器430の内部の底部に穿設される孔を通して粉体供給ステージ昇降機構のロッド306の上部に接続可能である。粉体供給ステージ331がロッド306に接続されると、粉体供給ステージ331はロッド306の昇降に合わせて昇降する。粉体供給ステージ昇降機構のロッド306が上昇すれば粉体供給ステージ331も上部に移動し、3次元造形用粉体110を粉体供給ステージ331が押し上げる。
粉体供給ステージ331は、粉体供給ステージ331上で梱包体400が載置される領域内の縁部に切断刃350を備えている。切断刃350は、梱包体400が粉体供給ステージ331に接している面を周状に刳り貫けるような形状に、一枚または複数枚が配置される。たとえば、梱包体400の底部を四角形に刳り貫く場合には、4枚の切断刃350が刳り貫く四角形の各辺となるように配置する。切断刃350の刃は、ロッド306の上昇方向に向かって延在するように配置される。切断刃350は、たとえば、ばねのような付勢部材351により、ロッド306の下降方向に向かって付勢されている(図7(a)の拡大部)。また、粉体供給ステージ331が外殻容器430の内部の底部に無い状態では、図7(a)に示すように、粉体供給ステージ331の梱包体400が載置される面の上に切断刃350の刃は出ないように設定される。そして、粉体供給ステージ331が外殻容器430の内部の底部に位置した状態で、粉体供給ステージ331の梱包体400が載置される面の上に切断刃350の刃が突き出るように設定される。たとえば、図7(b)に示すように、粉体供給ステージ331は、外殻容器430の内部の底部に位置した状態で、切断刃350が外殻容器430の底部に押し上げられる。そして、粉体供給ステージ331の梱包体400が載置される面の上に切断刃350の刃が突き出るようにできる。これにより、粉体供給ステージ331上に梱包体400を設置する際に、同時に収納容器401の底面が切断刃350により切開させることができる。その後、収納容器101の上部を切開して収納容器101内部を大気圧に戻して収納容器101の側面および上面の部分を上部に引き抜く。この工程により、外殻容器430である粉体供給ユニット330の内部に、製造時の組成および粒径の均一性を保った状態で3次元造形用粉体110を供給することができる。
一般的な3次元造形装置への造形用の粉体材料の供給は、納入された粉体材料を直接粉体供給ユニット330内に投入することによって行われる。このとき、造形用の粉体材料が比重の差、あるいは粒径の差が大きい複数の材料の混合物である場合には輸送中に粉体材料の内部で成分の不均一化が起こる。
さらに、粉体供給ユニット330内への粉体材料の投入時に生じ得る成分の不均一化を抑制することができ、第1から3の実施例に比べて、より粉体材料製造時の組成および粒径の均一性を保った状態で3次元造形装置に造形用粉体を供給することが可能となる。
このように、本発明による粉体供給装置を用いることにより、造形物の寸法精度、品質ばらつき、並びに信頼性をより高めることができる。
(第5の実施例)
続いて、以下、第5の実施例としての梱包体500について説明する。図8は第5の実施例である梱包体500を示している。梱包体500は、内部に空間を画定する収納容器501を有し、その内部の空間に複数種類の粒子を混合してなる3次元造形用粉体110が圧縮された状態で収納されている。
収納容器501は、外郭部と、弾性体からなるシール部材530、550を備える。外郭部は、側壁部材510および底部材520および蓋部材540を含む。収納容器501は、側壁部材510および底部材520および蓋部材540と、弾性体からなるシール部材530、550によって、加圧可能な密閉容器となっている。外郭部のうち、側壁部材510は、内部に空間を有するように側面が壁として画定され、両端が四角形の開口となっている部材である。外郭部の少なくとも一部は変位可能である。本実施例では、外郭部のうち、底部材520および蓋部材540の一部が、相対位置の調整が可能な変位可能な部材となっている。変位可能な底部材520および蓋部材540との距離を調整することで、底部材520および蓋部材540との相対位置によって内部の3次元造形用粉体110を圧縮することが可能である。
側壁部材510の一方の開口には、シール部材530を介して底部材520を支持する支持部511を有している。支持部511は側壁部材510から収納容器501の内部に向かって張り出す構造であり、底部材520が側壁部材510の内側から外部に抜けないようなストッパとして機能する。蓋部材540は、第1の蓋部541と第2の蓋部542とからなっている。第1の蓋部541が側壁部材510に対して固定された際に、第2の蓋部542が側壁部材510に対して変位可能である。
側壁部材510の他方の開口の周部には、蓋部材540のうち第1の蓋部541を固定部材560で固定するための固定部512を有している。たとえば、固定部材560は螺子構造であって、固定部512に螺嵌可能な構造となっている。第2の蓋部542は、一端が弾性部材543によって第1の蓋部541に接続されている。弾性部材543の例としては、ばね部材、またはゴムなどを用いることができる。ばね部材としては図8のつるまきばねの例に限らず、板ばねなど、種々のばねを用いることができる。
このように、収納容器501は、側壁部材510と、底部材520と第2の蓋部542とにより、底部材520と第2の蓋部542との距離が可変であって、内部に空間が画定される構造となっている。
続いて、収納容器501がどのように作用するかについて説明する。まず、上記の構造において、側壁部材510の一方の開口を閉じるように、収納容器501の内部に底部材520を、支持部511と底部材520とでシール部材530を挟持するように取り付ける。そして、側壁部材510と底部材520とで囲まれる空間に3次元造形用粉体110を入れて、第2の蓋部542が側壁部材510の他方の開口を閉じる。
このとき、第2の蓋部542が、側壁部材510の内面を摺動可能なように側壁部材510の内部に設置される。第1の蓋部541と側壁部材510の固定部512とを、固定部材560を用いて固定する。そうすると、弾性部材543の弾性力によって、第2の蓋部542の側壁部材510の内部での側壁部材510に対する移動が喚起される。
第2の蓋部542の変位により第2の蓋部542が収納容器501内部の3次元造形用粉体110を押圧して、3次元造形用粉体110は第2の蓋部542によって加圧される。それぞれの部材を、3次元造形用粉体110に加えられた圧力に耐えうる強度で構成しておくことにより、3次元造形用粉体110に圧力が加えられた状態が維持され、3次元造形用粉体110を構成する粒子のそれぞれの相互の相対的位置関係はほぼ固定される。また、第2の蓋部542の下面には、弾力性を有するスポンジ状のパッド(図示せず)を設けてもよい。このパッドを設けることにより、収納容器501内に導入された3次元造形用粉体110の表面に凹凸がある場合でも、3次元造形用粉体110の表面全体に押圧することが可能となる。さらに、側壁部材510、底部材520、第2の蓋部542のいずれかの一部に収納容器内部に閉じ込められた気体を外部に逃がしたり、外部の空気を導入して開封したりするための機構544を設けておくとよい。例えば、機構544として、内部の気体を外部に排出することが可能で、かつ外部の気体が収納容器501の内部に流入することを防止するための逆止弁と、外部から空気を導入するための弁とを設ける構成が挙げられる。
側壁部材510と底部材520のサイズは、3次元造形用粉体110を用いる3次元造形装置の粉体供給ユニット(図5の330)に設置可能な大きさに設計される。具体的には、側壁部材510の底部に平行な断面における内法形状が、粉体供給ユニット330の水平方向の断面形状と相似形である。そして、側壁部材510の底部に平行な断面における内法形状の寸法は、粉体供給ユニット330の水平方向の断面における内法形状とほぼ同等であるが実際には小さいことが好ましい。
図9に本実施例の梱包体500を3次元造形装置に設置する三次元造形装置システムの例を示す。図9(a)は梱包体500を設置する前の粉体供給部305と造形部301を表し、図9(b)は梱包体500を設置した状態の粉体供給部305と造形部301を表している。粉体供給部305は、粉体供給ユニット330の内部に側壁部材510が嵌まり込むように形状が設定されている。粉体供給ステージ331は、側壁部材510から収納容器501の内部に向かって張り出す支持部511と干渉せずに底部材520を支持できるような大きさとして設定されている。粉体供給ステージ331は、ロッド306により、支持部511が底部材520を支持している位置から、粉体供給ステージ331が底部材520を上昇させることができる。
粉体供給ユニット330の内部に蓋部材540を取り外して開封し、3次元造形用粉体の圧縮状態が解除された梱包体500を設置することにより、粉体を上部に押上げて、造形部に供給することが可能となる。従って、収納容器501を用いて3次元造形用粉体110を梱包、輸送、保管した後、造形に用いる際にはそのまま造形に用いられる。
造形に用いる際、固定部材560を緩めて3次元造形用粉体110に加えられた圧力を解除し、蓋部材540を取り除いた後、側壁部材510と底部材520を3次元造形装置の粉体供給ユニット330に設置する。底部材520の位置を3次元造形装置の粉体供給ステージ昇降機構によって制御することで、必要な量の3次元造形用粉体110を、造形ステージ302の上へ供給することができる。収納容器501を設置した際に、材料供給ユニットと造形部との間に隙間ができる場合は、隙間を埋めるユニットをさらに設置するとよい。
3次元造形用粉体110に加圧できる構造であれば、底部材520と蓋部材540の構造は、図8に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
本実施例によれば、梱包された状態をそのまま維持して3次元造形用粉体110を3次元造形装置に設置することができるため、造形物の寸法精度、品質ばらつき、並びに信頼性を高めることが可能となる。
このように、複数種類の粒子を含む三次造形用粉体を本実施例にかかる梱包体500とすることにより、3次元造形用粉体110を製造時の均一な混合状態を保った状態で3次元造形装置のユーザーに提供することができる。
本発明は、3次元造形装置の3次元造形用粉体に対する適用例を説明したが、粉体材料が比重の差、あるいは粒径の差が大きい複数の材料の混合物である場合には本明細書に記載された以外の用途にも広く適用可能である。
本発明によれば、粉体材料を粉体材料製造時の組成および粒径の均一性を保った状態でユーザーにおける使用環境に提供できるため、産業上の利用可能性は広範に亘る。
100、400、500 梱包体
101、401、501 収納容器
105、405 封止部
110 3次元造形用粉体
301 造形部
302 造形ステージ
303 ロッド(造形ステージ昇降機構)
304 ローラー
305 粉体供給部
306 ロッド(粉体供給ステージ昇降機構)
307 粉体材料(造形ステージ一層分に相当する粉体)
308 粉体材料(造形ステージに敷かれた粉体)
330 粉体供給ユニット
331 粉体供給ステージ
350 切断刃
351 付勢部材
430 外殻容器
510 側壁部材
520 底部材
530 シール部材
540 蓋部材

Claims (14)

  1. 複数種類の粒子を含む3次元造形用粉体と、
    前記3次元造形用粉体を内部に圧縮された状態で収容する収納容器と、を備える3次元造形用粉体の梱包体。
  2. 前記収納容器は空間を画定する外郭部を有し、
    前記外郭部の少なくとも一部は変位可能であって前記3次元造形用粉体を圧縮している請求項1に記載の3次元造形用粉体の梱包体。
  3. 前記外郭部は可撓性を有し、
    前記収納容器の前記内部の圧力は前記収納容器の外部の圧力より低く、前記外郭部が前記3次元造形用粉体を圧縮している請求項2に記載の3次元造形用粉体の梱包体。
  4. 前記梱包体は、前記収納容器の前記外郭部の外側に前記外郭部より剛性が高い外殻容器を有し、前記外殻容器は前記外郭部と接触している請求項3に記載の3次元造形用粉体の梱包体。
  5. 前記収納容器の前記外郭部はフィルム状樹脂でできている請求項3または4に記載の3次元造形用粉体の梱包体。
  6. 前記フィルム状樹脂はエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、およびポリアクリロニトリルの少なくとも一つである請求項5に記載の3次元造形用粉体の梱包体。
  7. 前記フィルム状樹脂の表面はガスバリア性の膜でコートされている請求項5または6に記載の3次元造形用粉体の梱包体。
  8. 前記外郭部の酸素透過率は(50cc/m)/day以下である請求項5から7のいずれか一項に記載の3次元造形用粉体の梱包体。
  9. 前記収納容器の前記内部には脱酸素剤が封入されている請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の3次元造形用粉体の梱包体。
  10. 前記外郭部は側壁部材と底部材と蓋部材とであって、
    前記底部材と前記蓋部材との相対位置によって前記3次元造形用粉体を圧縮する請求項2に記載の3次元造形用粉体の梱包体。
  11. 前記底部材に平行な断面における前記側壁部材の内法形状は、前記3次元造形用粉体を供給する3次元造形装置の粉体供給ユニットの水平方向の断面の内法形状と相似形であり、かつ前記粉体供給ユニットの前記水平方向の前記断面の前記内法形状よりも小さい請求項10に記載の3次元造形用粉体の梱包体。
  12. 前記複数種類の粒子は、それぞれの種類によって比重が異なる請求項1から11のいずれか一項に記載の3次元造形用粉体の梱包体。
  13. 前記複数種類の粒子は、互いに粒子径が異なる請求項1から12のいずれか一項に記載の3次元造形用粉体の梱包体。
  14. 3次元造形用粉体を収容する粉末供給部と、
    前記3次元造形用粉体を焼結または溶融および凝固させて立体物を造形する造形部と、
    前記粉末供給部から前記造形部に前記3次元造形用粉体を供給する粉末移送手段と、
    を備える3次元造形装置と、
    前記3次元造形用粉体が複数種類の粒子を含み、前記3次元造形用粉体を内部に圧縮された状態で収容されている収納容器と、を備える3次元造形用粉体の梱包体と、を備える三次元造形装置システムであって、
    前記梱包体は、前記3次元造形用粉体の前記圧縮が解除された状態で前記粉末供給部に設置されていることを特徴とする三次元造形装置システム。
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