(第1〜第3実施形態の概要)
以上のような効果を奏することができる飲食容器簡易電磁波転写装置(10)は、特に限定されないが、たとえば図1の実施形態全体図に示すように、対象飲食容器を固定載置し得る機能を備えた円形ステージ(10b)を有する角型本体ケース(10a)と、LED発振源(10f)およびその円形出射口(10C)を有する制御部(10d〜10e)との組み合わせ手段による構成を具えたものである。
以下、本発明の実施の形態の飲食容器簡易電磁波転写装置(10)につき、図1〜図6を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例を示す市販飲料簡易追熟装置の全体構成図で、図中の10aは飲食容器簡易電磁波転写装置の本体角型ケース部を、10bは固定載置用円形ステージを、10cは円形出射口を、10dは周波数の切り変わり間隔時間スイッチを、10eは周波数の自動切り替えモードスイッチを、10fは電源オン/オフ兼用周波数手動切り替えモードスイッチを、10gは4パターンのLED発振源を、10hは底面滑り止め円形パッド部を、10iは電池ボックス開口部を、10j−10kはウエイト用金属プレート設置部を示す。
図2は、飲食容器簡易電磁波転写装置(10)を側面操作部10d〜10fを右面としてカットした断面図を示し、20aはLED球を、20bはLED発振源制御基板部を、20cは電源オン/オフ兼周波数手動切り替えモードスイッチを、20dは電池設定スペース部を、20eはLED印加用(照射用)円形開口部を、20fは固定載置用円形ステージの凹型部を示す。
図3は、飲食容器簡易電磁波転写装置(10)のセッティング状態を斜上から見た斜視図で、30aは前記角型本体ケースの側面操作部10d〜10fを右側とした水平セッティングを、30bは前記側面操作部10d〜10fを上面とした垂直セッティングを、またLED4Aは上記角型本体ケースの水平セッティング時におけるLED球の4パターンのLED発振源の配列で、またLED4Bは前記垂直セッティング時における4パターンのLED発振源の配列で、Aは454THz〜491THzにおける15000mcd〜75000mcdを、Bは499THz〜545THzにおける15000mcd〜50000mcdを、Cは555THz〜593THzにおける17000mcd〜45000mcdを、Dは624THz〜681THzにおける7400mcd〜20000mcdを示す。
図4は、飲食容器簡易電磁波転写装置(10)の対象飲食容器毎への対応例を斜上から見た斜視図で、40aは薄型形状容器(皿状容器)への設定法を、40bは高さの有る容器(ビアジョッキ)への設定法を示す。
図5は、脚付き容器専用スティック型印加手段(照射手段)の実施形態の全体図で、50はスティック型印加手段と吸盤付きホルダーとの組み付け状態を、50aはスティック型印加手段用吸盤付きホルダーを、50a1は吸盤付きホルダーの吸盤部を、50a2は吸盤付きホルダーのホルダースリット部を、50bはスティック型印加手段を、5b1はLED発振源パターンAを、5b2はLED発振源パターンBを、5b3はスリット挿入部を、5b4は手動スライド切替えスイッチを、5b5はスティック型印加手段の本体部を、50cはスティック型印加手段の分解図を、5c1はボタン電池LR44×3個を、5c2はスティック型印加手段のボタン電池挿入キャップ部を示す。
図6は、脚付き容器専用スティック型印加手段と従来の角型タイプとの印加比較図で、61aは脚付き容器を、60bはスティック型印加手段によるダイレクト印加状態を、60cは従来の角型タイプによる遠隔間接的印加状態を示す。
図11Aおよび図11Bでは、耐荷重に考慮したプレート型形状による対象容器載置方式に対し、耐荷重を無視した軽量コンパクトのリング型形状とし、更にはその一部分をカットしたC型リング形状において、逆に本体を対象容器へ載せる又は組み付ける等により行わせる対象容器組み付け方式とされ、発振部は、そのC型形状部下面に配置している。また電源部を本体組込の充電バッテリー(300mA/h程度)とする事で本体をよりコンパクトに設定可能としている。
詳細には、特徴とするリング型形状は、飲料容器に共通する“ボトル本体部(直径90〜120mm程度)の中心に細くて長いノズル部(直径30〜40mm×80mm程度)が立ち上っている”ことを利用した、ボトル最上部からの電波発振と言う逆発想イメージによるものであり、その適正サイズとして、ノズル部取り込み用中心穴径35〜45mm、リング外径55〜85mm、厚さ10〜15mm程度に設定される。また、発振部反対面にはノズル上部への設置に対して、ノズル部通り抜け防止用の中心口閉鎖板(1〜2mm厚)が施される。
図11Aおよび図11Bでは、特徴とする一部分をカットしたC型形状は、脚付きグラス容器への対応においてカット部から脚部への割り込み設定を計らせると言うイメージによるもので、その適正サイズとして、10mm巾程度のカットがなされる。また、脚に共通する“中心部(直径6〜9mm程度)からグラス接続部(直径15mm程度)に向けて太くなっている”ことを利用した、割り込み設定における固定機能(脚の細い中心部から割り込ませて太くなる上方に向けスライドさせる)の付加において上記中心口閉鎖板の材質をゴムシート板とし、C型カットに準じた10mm巾カットが外周部から中心部にかけてU字状に施されている。
このメリットとして、a)コンパクト、b)軽量、c)ボトル容器へのバランスの良い均一発振、d)脚付きグラスへの固定が容易な点が挙げられる。
図11Aおよび図11Bでは、単波長の組み合わせ発振(440nm〜660nm中から特定した青赤黄緑の4波長)に対し、白色光による複合波長(465nm+560〜770nm)を追加した電波発振の採用により、広域均一発振と局所発振との組み合せを容易としている。この特徴は特にワインに求められる多種多様な風味の微調整に適応すると考えられる。
詳細には、複合波長による発振源が、指向角2θ1/2の50°〜145°における周波数465THz+560THz〜700THzの色温度が昼光色6500K〜7000K、光度7400mcd〜75000mcdにおける設置角度60°〜90°と、指向角2θ1/2の25〜30における454THz〜491THzの15000mcd〜75000mcdと、492THz〜545THzの15000mcd〜50000mcdと、546THz〜593THzの17000mcd〜45000mcdと、594THz〜681THzの7400mcd〜20000mcdにおける設置角度55°〜65°の4パターンとの組み合わせにおいて、C型形状の外側全周に複合波長LEDを6〜10個と、その間又は内側全周に特定単波長(青・赤・黄・緑)各1個との組み合わせ1列配置又は個別の2列配置とし、個別発振又は組み合わせ同時発振を可能としている。
このメリットとして、a)安定的な広域均一発振、b)安定的な局所発振、c)a)およびb)の組み合わせ調整を容易とする事で熟成促進に多彩な風味の微調整(甘い・甘酸っぱい・酸っぱい苦い等)付加を可能としている。
図11Aおよび図11Bでは、飲料充填容器への直接発振の回避(光照射の回避)に対し、発振口に遮光フィルター加工を施した透明スペーサー部を設けることにより光照射を回避した電波優位の発振を可能にしている。
詳細には、上記C型LED発振本体に準じた形状の透明樹脂スペーサー(厚さ15〜30mm程度)を配し、その1方の対象容器と接する面に遮光フィルター加工(テープ・フィルム・塗装など)を施す事で光照射を回避した電磁波発振を可能にすると伴に、透明スペーサー部にての発振確認(光の照射確認)及び視覚的にも楽しめる相乗効果を付加している。
このメリットとして、a)飲酒類へのLEDの直接照射時に伴う光の吸収による雑味の発生を抑制が挙げられる。
図11Aおよび図11Bでは、充電用の利用によるローリング防止チップを採用している。詳細には、背の低い容器等(水割りグラス・ロックグラス等)への垂直セッティングによる側面発振時におけるリング形状故のローリングの発生に対しストッパーとなる。
(第1実施形態)
すなわち、図1〜図4を用いて上述したように、本発明の第1実施形態に係る電磁波転写装置10は、飲食容器に電磁波を印加(照射)することで、電磁波の印加後に飲食容器に収容される飲食品を改質する、飲食容器用の電磁波転写装置である。以下に、本実施形態に係る飲食容器用の電磁波転写装置をより詳細に説明するが、以下の説明は、本発明に係る飲食容器用の電磁波転写装置の一実施形態であり、本発明に係る飲食容器用の電磁波転写装置は、以下の説明に限定されない。
電磁波転写装置10は、図1に示されるように、電磁波転写装置10の構成部品を収容し、電磁波転写装置10の外形をなす本体10aを有している。
本体10aは、電磁波転写装置10の機能を発揮させるための部品を収容している。本体10aは、電磁波を発振させる電磁波発振源10gと、電磁波を取り出す出射口10c(図2に示される符号20eも参照)とを備えている。本実施形態では、本体10aはさらに、飲食容器(図4の符号41a、41b、図6の符号61a参照)を載置し得る載置台10bと、電磁波発振源10gを操作する操作部10d〜10f(図2に示される符号20cも参照)と、操作部10d〜10fの操作に応じて電磁波発振源10gを制御する制御部20b(図2参照)と、電池20dを収容する電池収容部20g(図2参照)とを備えている。本体10aの形状は、特に限定されないが、本実施形態では、本体10aは、本体10aを水平面に載置し、かつ、飲食容器を載置台10bに載置したときに、飲食容器の下方から水平面に対して略垂直に電磁波を印加するために、載置台10bを水平面と略平行とする第1の姿勢となるように(図3の左図、図4の左図、図6参照。図3および図4では、本体は符号30a、40aでそれぞれ示されている。図6では、本体は符号60cで、水平面は符号60dで、飲食容器は符号61aでそれぞれ示されている。本明細書では、このような本体10aの配置を「水平セッティング」とも呼ぶ)、本体10aを水平面に載置可能とする略平坦な第1の面(図1では、底面11b)と、飲食容器を水平面に載置したときに、飲食容器の側方から水平面に対して略平行に電磁波を印加するために、載置台10bを水平面と略垂直とする第2の姿勢となるように(図3の右図、図4の右図参照。図3および図4では、本体は符号30b、40bでそれぞれ示されている。本明細書では、このような本体10aの配置を「垂直セッティング」とも呼ぶ)、本体10aを水平面に載置可能とする略平坦な第2の面(図1では、側面11c)とを有する。具体的には、本体10aは、載置台10bが設けられる面である略平坦な上面11aと、上面10aと反対面である略平坦な底面11bと、上面11aと底面11bとを繋ぐ4つの略平坦な側面11cを有する略直方体形状を有している。本実施形態において、側面11cのうちの1つは、操作部10d〜10fが設けられる操作面であり、操作面以外の残余の側面11cのそれぞれは、上述したような、載置台10bを水平面と略垂直として載置可能な平面となり得る。本体10aは、水平面に置いたときに、水平面に対する滑りを抑制するために、底面11bに滑り止め用パッド10hが設けられることが好ましい。本体の材料は、特に限定されないが、本実施形態では、本体10aの軽量化のため、ABS樹脂またはポリカーボネート(PC)樹脂などの樹脂材料から構成されている。しかしながら、本体10aは、載置台10bを水平面と略垂直として載置する場合に、その重みを増加させることにより、本体10aを倒れにくくするため、操作面以外の残余の側面11cに金属板10j、10kが取り付けられてもよい(図1では、残余の3つの側面のうちの2つの側面が示されており、残余の3つの側面のそれぞれに取り付けられる3つの金属板のうちの2つが示されている)。金属板10j、10kとして、重さが5g〜15g、縦が5mm〜15mm、横が75mm〜95mm、厚さが1mm〜3mmである、銅またはステンレス鋼などから構成される平板を用いることができる。なお、残余の側面11cは、いずれも、上述したような、載置台10bを水平面と略垂直として載置可能な平面となり得る。本体10aの大きさは、電磁波の転写対象となる飲食容器の大きさなどによって変更され得るが、本実施形態では、本体10aは、携帯可能な大きさに形成されている。本体10aは、たとえば、縦100mm×横100mm×高さ20mmの大きさの略直方体形状である。
電磁波発振源10gは、飲食容器(図4の符号41a、41b、図6の符号61a参照)に印加すべき電磁波を発振させる装置である。電磁波発振源10gは、454THz〜700THz(好適には、454THz〜681THz)の周波数を有する。発せられる電磁波は、指向角2θ1/2の15°〜30°を有し(指向角2θ1/2が15°〜30°であり)、指向角内において7400mcd〜75000mcdの強度(光度)を有する。なお、本明細書において、「指向角」は、電磁波発振源10g(図2では、LED発振源20aとして示されている)から発せられる電磁波の印加方向(照射方向)ID(一般的には、印加方向IDの電磁波(光線)は、最大強度(最大光度)を示す)に対して、最大強度(最大光度)の半分となる方向HDがなす角度θ1/2の2倍の角度2θ1/2(印加方向IDに対して、一方側における最大強度(最大光度)の半分となる方向θ1/2と、他方側における最大強度(最大光度)の半分となる方向θ1/2とのなす角)を指す。このような周波数を有する電磁波を得るために、電磁波発振源10gは、図2に示されるように、LED発振源20aから構成されることが好ましい。このように、本実施形態では、テラヘルツ(THz)の周波数単位の電磁波のなかでも、高い周波数である454THz〜700THzの周波数(以下、「高テラヘルツ波」と呼ぶ。好適な高テラヘルツ波として、454THz〜681THz)を有する電磁波を飲食容器に印加することで、後述するように、飲食品または飲食容器に対して、テラヘルツ(THz)の周波数単位の電磁波のなかでも、低い周波数である超遠赤外線(以下、「低テラヘルツ波」と呼ぶ)である0.01〜100THzの周波数の電磁波を印加するよりも、速やかで、かつ、高い改質効果を得ることができる。本実施形態では、電磁波発振源10g(図2では、LED発振源20aとして示されている)は、図1に示されるように、本体10a内で、出射口10cから電磁波が取り出され得る位置に配置される。具体的には、電磁波発振源10gは、載置台10bに埋設されており、載置台10bに垂直な方向を中心として、指向角2θ1/2が15°〜30°であって、指向角2θ1/2である15°〜30°内において7400mcd〜75000mcdの強度を有する電磁波を発する。指向角2θ1/2が15°〜30°の電磁波を発するLED発振源として、いわゆる砲弾型LEDを用いることができる。
本実施形態では、電磁波発振源10gは、図3に示されるように、互いに周波数が異なる複数のLED発振源A〜Dから構成される。複数のLED発振源A〜Dは、具体的には、第1〜第4のLED発振源A〜Dを含んでいる。第1〜第4のLED発振源A〜Dはそれぞれ、電磁波の印加方向ID(図2参照。図2では、載置台10b(図1参照)に垂直な方向)から見た平面視で、出射口10c(図2に示される符号20eも参照)内において、略正方形の頂点の位置に配置することができる。図3の例では、第1〜第4のLED発振源A〜Dは、時計回りに第1のLED発振源A〜第4のLED発振源Dの順に配置されている。たとえば、第1のLED発振源A〜第4のLED発振源Dの中心間距離は、第1のLED発振源A〜第4のLED発振源Dが出射口10c内に納まるように、5mm〜8mmに設定される。第1のLED発振源Aは、具体的には、624THz〜681THzの周波数を有し、指向角2θ1/2である15°〜30°内において7400mcd〜20000mcdの強度(光度)を有する電磁波を発する。第1のLED発振源Aとして、波長が440nm〜480nmである青色光を発する砲弾型LEDを用いることができる。第2のLED発振源Bは、具体的には、454THz〜491THzの周波数を有し、指向角2θ1/2である15°〜30°内において15000mcd〜75000mcdの強度(光度)を有する電磁波を発する。第2のLED発振源Bとして、波長が610nm〜660nmである赤色光を発する砲弾型LEDを用いることができる。第3のLED発振源Cは、具体的には、499THz〜545THzの周波数を有し、指向角2θ1/2である15°〜30°内において15000mcd〜50000mcdの強度(光度)を有する電磁波を発する。第3のLED発振源Cとして、波長が550nm〜600nmである黄色光を発する砲弾型LEDを用いることができる。第4のLED発振源Dは、具体的には、555THz〜593THzの周波数を有し、指向角2θ1/2である15°〜30°内において17000mcd〜45000mcdの強度(光度)を有する電磁波を発する。第4のLED発振源Dとして、波長が505nm〜540nmである緑色光を発する砲弾型LEDを用いることができる。第1〜第4のLED発振源A〜Dの大きさは、収容される本体10aの大きさなどに応じて変更されるが、本実施形態では、砲弾型LEDの砲弾形状の直径は、3mm〜5mmである。
出射口10c(図1参照。図2に示される符号20eも参照)は、電磁波発振源10gから発振した電磁波を取り出す開口である。ここで、本明細書において、開口は、電磁波が透過可能な開口を指す。つまり、出射口10cは、電磁波が透過可能であれば、物理的に開口しているかどうかを問わない。したがって、電磁波が光である場合、出射口10cは、たとえば透明ガラスまたは透明樹脂などの光透過性材料から構成することもできる。出射口10cは、本体10aにおいて、電磁波を印加すべき飲食容器(図4の符号41a、41b、図6の符号61a参照)と向き合う位置に設けられている。本実施形態では、飲食容器に効率的に電磁波を印加し得るように、載置台10bが、出射口10cを有している。出射口10cは、より具体的には、載置台10bに垂直な方向から見た平面視で、載置台10bの中央部に設けられている。出射口10cの形状および大きさは、電磁波発振源10gから発振した電磁波を出射口10cから取り出すことができれば、特に限定されないが、本実施形態では、出射口10cは、図1〜図3に示されるように、電磁波の印加方向ID(図2参照。図2では、載置台10b(図1参照)に垂直な方向)から見た平面視で、略円形であり、略円形の直径は、20mm〜30mmである。
載置台10b(図1参照)は、飲食容器を載置し得る台座である。載置台10bは、図4に示されるように、平皿41aなど、様々な飲食容器を載置対象とし得る。本実施形態では、載置台10bは、図1に示されるように、本体10aの上面11aに設けられる。載置台10bは、飲食容器を載置することができれば、特に限定されないが、本実施形態では、飲食容器が載置台10bから脱落することを防止するために、電磁波の転写対象となる飲食容器を取り外し可能に嵌入することができる凹部20f(図2参照)を備えている。凹部20fは、電磁波の転写対象となる飲食容器を嵌入することができれば、その大きさは特に限定されない。たとえば、飲食容器が飲食容器を水平面に安定して載置し得る形状を有する高台を備える場合には、飲食容器が載置台10bから脱落することを防止し得るように、凹部20fは、高台を嵌入し得る大きさに形成される。高台は、典型的には、飲食容器が飲食品と接する内面(たとえば、図4示される平皿41aであれば、図面に現れている表面)と反対面である外面の側に、外面から突出して設けられる。
操作部10d〜10f(図2に示される符号20cも参照)は、電磁波発振源10gを操作する部分である。本実施形態では、操作部10d〜10fは、本体10aの4つの側面のうちの1つに設けられる。具体的には、操作部10d〜10fは、LED発振源20a(図2参照)の強度(光度)および/または発振時間を調整するためのスイッチである。操作部10d〜10fは、本実施形態では、電磁波発振源10g(LED発振源20a)をオンまたはオフさせる起動スイッチ10fと、電磁波発振源10g(LED発振源20a)から発振させる電磁波の周波数を調整する周波数調整スイッチ10eと、電磁波発振源10g(LED発振源20a)から発振させる電磁波の発振時間を調整する時間調整スイッチ10dとを備えている。起動スイッチ10f、周波数調整スイッチ10e、および時間調整スイッチ10dは、特に限定されないが、省スペース化の観点から、押圧する毎に電磁波発振源10g(LED発振源20a)の動作モードを切り替える押圧切り替り式スイッチとすることができる。
起動スイッチ10fは、本実施形態では、所定時間(たとえば2秒)以上で押圧すると、第1〜第4のLED発振源A〜D(図3参照)をオンまたはオフさせるように設定されている。
周波数調整スイッチ10eは、本実施形態では、第1〜第4のLED発振源A〜Dの電磁波の発振を切り替えるように設定されている。周波数調整スイッチ10eは、具体的には、押圧しない状態で、第1〜第4のLED発振源A〜Dのうちの第1および第2のLED発振源A、Bが電磁波を発振する第1の発振モード、1回目の押圧で、第2および第3のLED発振源B、Cが電磁波を発振する第2の発振モード、2回目の押圧で、第3および第4のLED発振源C、Dが電磁波を発振する第3の発振モード、3回目の押圧で、第4および第1のLED発振源D、Aが電磁波を発振する第4の発振モード、4回目の押圧で、第1〜第3のLED発振源A〜Cが電磁波を発振する第5の発振モード、5回目の押圧で、第2〜第4のLED発振源B〜Dが電磁波を発振する第6の発振モードの順に第1〜第4のLED発振源A〜Dの発振モードを切り替え、6回目の押圧で、もとの第1の発振モードに戻るように設定されている。第1の発振モードでは、たとえば、第1および第2のLED発振源A、Bが所定時間で交互に切り替わって発振する。第2の発振モードでは、たとえば、第2および第3のLED発振源B、Cが所定時間で交互に切り替わって発振する。第3の発振モードでは、たとえば、第3および第4のLED発振源C、Dが所定時間で交互に切り替わって発振する。第4の発振モードでは、たとえば、第4および第1のLED発振源D、Aが所定時間で交互に切り替わって発振する。第5の発振モードでは、たとえば、第1〜第3のLED発振源A〜Cが、第1のLED発振源A、第2のLED発振源B、第3のLED発振源Cの順に所定時間で交互に切り替わって発振する。第6の発振モードでは、たとえば、第2〜第4のLED発振源B〜Dが、第2のLED発振源B、第3のLED発振源C、第4のLED発振源Dの順に所定時間で切り替わって発振する。LED発振源A〜Dの発振の切り替わりにおいて、その前後で発振される電磁波を混合させないために、あるLED発振源が発振を停止すると同時に、次の順番のLED発振源が発振するように設定されていてもよい。このようにすれば、電磁波転写装置10の消費電力が抑制される。また、LED発振源A〜Dの発振の切り替わりにおいて、その前後で発振される電磁波を混合させるために、あるLED発振源が発振を停止する前に、次の順番のLED発振源が発振するように設定されていてもよい。この場合、電磁波転写装置10から発振される電磁波(光)の意匠性が増す。
時間調整スイッチ10dは、本実施形態では、押圧すること毎に、起動している各発振モードにおける第1〜第4のLED発振源A〜Dの発振時間を切り替えるように設定されている。具体的には、時間調整スイッチ10dは、押圧しない状態で各LED発振源A〜Dの発振時間(電磁波の発振が切り替わる時間間隔)が10秒であり、1回の押圧で発振時間が1分となり、2回目の押圧で発振時間が3分となり、3回目の押圧で発振時間が5分となり、4回目の押圧で、発振時間を手動で設定する手動設定モードに切り替わり、5回目の押圧で、もとの発振時間が10秒となるように設定されている。手動設定モードでは、たとえば、起動スイッチ10fを所定時間(たとえば2秒)未満で押圧すると、各発振モードにおいて、LED発振源A〜Dの発振の切り替わりが生じるように設定されている。
制御部20b(図2参照)は、操作部20c(図1に示される符号10d〜10fも参照)の操作に応じて電磁波発振源10g(図1参照。図2では、LED発振源20aとして示されている)を制御する部分である。本実施形態では、制御部20bは、上述したように、操作部20cの操作に応じて複数のLED発振源A〜D(図3参照)の強度(光度)および/または発振時間を制御することで、飲食容器(図4の符号41a、41b、図6の符号61a参照)への電磁波の印加パターン(照射パターン)を制御する。制御部20bは、具体的には、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read−Only Memory)が搭載された制御基板である。制御部20bは、本体10a(図1参照)において、載置台10b(図1参照。図2では、載置台の凹部20fが示されている)と電池収容部20gとの間に配置することができる。制御部20bは、たとえば、ROMに格納されている制御プログラムを実行することができるように構成されている。制御プログラムは、操作部20c(図1に示される符号10d〜10fも参照)の操作に応じて、第1〜第4のLED発振源A〜Dを動作させるように記述されている。
制御部20bは、本実施形態では、操作部20c(図1に示される符号10d〜10fも参照)の操作に応じて、第1〜第4のLED発振源A〜D(図3参照)の発振順序および発振時間を制御する。たとえば、上述した第1〜第6の発振モードを実行するために、制御部20bは、操作部20cの操作に応じて、第1〜第4のLED発振源A〜D(図3参照)のうちの2つ〜4つが1つずつ交互または順次発振するように、電磁波発振源10g(図1参照。図2ではLED発振源20aとして示されている)を制御する。具体的には、制御部20bは、上述したように、周波数調整スイッチ10e(図1参照)の操作に応じて、第1〜第4のLED発振源A〜D(図3参照)のうちの2つ〜4つが第1の発振モード〜第6の発振モードで発振するように、電磁波発振源10g(図1参照)を制御する。たとえば、制御部20bは、操作部20cの操作に応じて、発振している1つのLED発振源が発振を停止するのと略同時に、他のLED発振源が発振するように、電磁波発振源10g(図1参照)を制御する。具体的には、制御部20bは、上述したように、周波数調整スイッチ10e(図1参照)の操作に応じて、第1〜第4のLED発振源A〜D(図3参照)のうちの2つ〜4つが第1の発振モード〜第6の発振モードで動作する際に、複数のLED発振源A〜Dのうち、発振している1つのLED発振源が発振を停止するのと略同時に他のLED発振源が発振するように、電磁波発振源10g(図1参照)を制御する。たとえば、制御部20bは、操作部20cの操作に応じて、複数のLED発振源A〜Dのそれぞれから発せられる電磁波の発振時間が10秒〜5分となるように、電磁波発振源10g(図1参照)を制御する。具体的には、制御部20bは、上述したように、時間調整スイッチ10d(図1参照)の操作に応じて、第1の発振モード〜第6の発振モードで動作している複数のLED発振源A〜D(図3参照)のそれぞれの発振時間が10秒〜5分となるように、電磁波発振源10g(図1参照)を制御する。
電池収容部20g(図2参照)は、電磁波転写装置10(図1参照)の電源となる電池20dを収容する部分である。電池収容部20gは、本実施形態では、電池20dを交換可能とするために、蓋部材10i(図1参照)により開閉可能に構成されている。電池収容部20gに収容される電池20dの種類および数は、特に限定されないが、本実施形態では、電池収容部20gは、電池20dとして、3本の単4型乾電池を収容するように構成されている。電池収容部20gは、屋内外を問わず、自由に電磁波転写装置10を用いることができるように本体10a(図1参照)に設けられているが、屋内のみで用いる場合などには、電池収容部20gに代えて、商用のAC(交流)電源と電気的に接続される外部接続端子が本体10a(図1参照)に設けられていてもよい。また、電池収容部20gおよび外部接続端子の両方が本体10a(図1参照)に設けられていてもよい。
本実施形態に係る電磁波転写装置が電磁波を転写する対象とする飲食容器は、飲食物を収容して摂取者に提供される、一般的に知られる飲食容器である。飲食容器は、飲食品を提供する際に飲食品と接する内面(飲食物を収容する側の面)と、内面と反対面である外面を有する。転写対象の飲食容器は、図4に示されるような、一般的な食物を提供するための平皿41aやビールを提供するためのビールジョッキ41bに限定されない。たとえば、図6に示されるようなワイングラス61aであってもよく、特に図示しないが、日本酒を提供するための徳利やお猪口、サラダを提供するための椀形状のサラダボールなどの比較的大きなサイズの深皿などであってもよい。すなわち、本明細書において、「飲食容器」は、飲食物を摂取者に直接提供するための提供用容器だけでなく、飲食物を貯蔵し、その後、別の容器に取り分ける貯蔵用容器を含む概念である。つまり、飲食物としてワインを例に挙げると、ワインを摂取者に直接提供するためのワイングラスだけでなく、ワインを貯蔵し、その後に、ワイングラスに取り分けるワインボトルも飲食容器に含まれる。また、本明細書において、「飲食容器」は、必ずしも、提供用容器や貯蔵用容器に限定されず、たとえば、ファストフードを提供する際に、飲食物が摂取者の手と接触しないように、飲食物を包みながら摂取するための包装紙などの包装材も含まれる。飲食容器の材料は、飲食容器を提供するのに適する材料であれば、特に限定されないが、たとえば、ガラス、金属、陶磁器、木材、樹脂、および紙から選択される材料から構成される。
以上のように構成される本実施形態に係る電磁波転写装置10(図1参照)によれば、454THz〜491THzの周波数の電磁波を印加することができるように構成されている。つまり、本実施形態に係る電磁波転写装置10を用いれば、454THz〜491THzの周波数を有する高テラヘルツ波を飲食容器に印加し、その後、高テラヘルツ波の印加により得られた高テラヘルツ波の転写体である飲食容器を用いて飲食品を提供することができる。本発明者らは、この手法を採用することで、転写体を用いて提供される飲食品が熟成するとともに、飲食品の抗酸化能が向上することを見出した。さらに、本発明者らは、この手法を採用することで、飲食品の摂取者の代謝能が向上することを見出した。従来から提案されている手法として、0.01〜100THzの周波数を有する、遠赤外線などの低テラヘルツ波を転写することにより得られる低テラヘルツ波の転写体である飲料容器を用いてアルコール飲料を提供する手法(たとえば特許文献8など)がある。この手法によれば、飲料容器は、印加された低テラヘルツ波に共鳴して低テラヘルツ波の放射体となることで、飲料容器に収容されるアルコール飲料が熟成することが報告されている。後述するように、本発明者らは、本実施形態に係る電磁波転写装置10を用いて飲食品を熟成させた場合、上述の従来の手法よりも数段短い時間でも、飲食品の熟成の度合いや機能性(抗酸化能など)の向上の効果が大きいことを見出した。この効果は、後述するように、抗酸化物質を多く含有する飲食品でより顕著であった。さらに、従来の手法では、低テラヘルツ波を発振させる際に、空気またはガス中に、フェムト秒レーザーの二倍波と基本波を同時に集光するなど、大掛かりな装置を必要としていた。本実施形態に係る電磁波転写装置10によれば、電磁波発振源10gとしてLED発振源20aを採用することで、小型で安価な電磁波転写装置を得ることができる。
なお、図4の左図に即して本体40aの水平セッティングで配置する場合も、図4の右図に即して本体40bの垂直セッティングで配置する場合も、飲食容器41a、41bの外面に電磁波を印加することになる。しかしながら、電磁波転写装置10(図1参照)の使用方法は、特に限定されず、飲食容器41a、41bの内面に電磁波を転写してもよい。たとえば、飲食容器が平皿41aの場合、図4の左図において、平皿41aを上下逆にし、平皿41aの内面と載置台10b(図1参照)が向き合うように、平皿41aを載置台10bに載置すれば、平皿41aの内面に電磁波を印加することができる。たとえば、飲食容器がビールジョッキ41bの場合、図4の左図において、載置台10b(図1参照)がビールジョッキ41bの開口と向き合うように、ビールジョッキ41bの開口に本体40bを載置すれば、ビールジョッキ41bの内面に電磁波を印加することができる。
(第2実施形態)
図5および図6を用いて上述したように、本発明の第2実施形態に係る電磁波転写装置50は、第1実施形態に係る電磁波転写装置10とは、本体が略直方体形状ではなく、載置台10bを有していない点が異なる。以下の説明では、第1実施形態に係る電磁波転写装置10と異なる部分を説明する。なお、以下の説明は、本発明に係る飲食容器用の電磁波転写装置の一実施形態であり、本発明に係る飲食容器用の電磁波転写装置は、以下の説明に限定されない。
本実施形態に係る電磁波転写装置50(図6に示される符号60も参照)では、図5に示されるように、本体50bは、長手方向を有する略円筒形状5b5を有している。具体的には、本体50b(図6に示される符号60bも参照)は、直径が12mm、長手方向の長さが65mmの略円筒形状を有し、第1実施形態に係る電磁波転写装置10よりコンパクトな大きさであり、吸着部材50aが飲食容器61a(図6参照)に吸着した際に、吸着部材50aが飲食容器61aに対する吸着を保持可能な重量に形成されている。吸着部材50aの詳細は、後述される。本実施形態において、本体50bは、第1実施形態と同様に、電磁波を発振させる電磁波発振源(LED発振源5b1、5b2)と、電磁波を取り出す出射口5b6とを備えている。
電磁波発振源(LED発振源5b1、5b2)は、具体的には、図5に示されるように、本体50bの長手方向の一端に設けられ、第1のLED発振源5b1および第2のLED発振源5b2を含んでいる。第1のLED発振源5b1および第2のLED発振源5b2は、たとえば、第1実施形態の電磁波転写装置10の第1のLED発振源Aおよび第2のLED発振源Bと同じLED発振源である。出射口5b6は、具体的には、電磁波の印加方向の周方向で、第1のLED発振源5b1および第2のLED発振源5b2をそれぞれ取り囲むように、本体50bの長手方向の一端に設けられている。本実施形態において、本体50bは、第1実施形態と同様に、電磁波発振源(LED発振源5b1、5b2)を操作する操作部5b4と、電池5c1を収容する電池収容部5c3をさらに備えている。操作部5b4は、具体的には、略円筒形状を有する本体50bの側面5b7に設けられ、長手方向にスライドさせることで、電磁波転写装置50のオン/オフを切り替えるスライド切り替え式スイッチによって構成され、電磁波転写装置50がオンすると、第1の発振モードが起動する。電池収容部5c3は、具体的には、本体50bの長手方向の他端に設けられている。本実施形態では、電池収容部5c3は、電池5c1を交換可能とするために、蓋部材5c2により開閉可能に構成され、本体50bをよりコンパクトに形成するために、電池5c1として、乾電池ではなく、ボタン電池(たとえば、LR44)を3個収容するように構成されている。
本実施形態において、本体50b(図6に示される符号60bも参照)は、出射口5b6に飲食容器61a(図6参照)に吸着する吸着部材50a(図6に示される符号60aも参照)を装着可能に構成されている。具体的には、本体50bは、長手方向の一端側(LED発振源5b1、5b2および出射口5b6が設けられている側)に、出射口5b6を囲むように設けられ、吸着部材50aと嵌合可能な嵌合部5b5を備えている。嵌合部5b5の形状は、嵌合の相手となる吸着部材50aの被嵌合部5a1の形状に応じて、適宜変更され得るが、本実施形態では、本体50bの形状に応じて略円筒形状に形成されている。本実施形態では、嵌合部5b5は、長手方向の一端側の先端部に、嵌合の相手となる吸着部材50aの被嵌合部5a2への嵌合を案内する案内部5b3を有している。この場合、吸着部材50aを本体50bに装着するときに、本体50bは、案内部5b3によって吸着部材50aの被嵌合部5a2に案内されることで、本体50bの嵌合部5b5と吸着部材50aの被嵌合部5a2とが嵌合する。案内部5b3の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、本体50bにおいて、長手方向の一端側に向かって先細りする形状に形成されている。上述したLED発振源5b1、5b2は、嵌合部5b5に、具体的には案内部5b3に配置されている。案内部5b3は、電磁波の印加方向(本体50bの長手方向)から見た平面視で、並列に配置された第1のLED発振源5b1および第2のLED発振源5b2の両方を取り囲むことができるように、長尺形状を有している。しかしながら、案内部5b3の形状は、LED発振源5b1、5b2の個数および配置に応じて、適宜変更され得る。
吸着部材50a(図6に示される符号60aも参照)は、柔軟性を有する材料から構成されれば、特に限定されないが、たとえば、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂などの合成樹脂材料や、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴム材料などから構成されている。本実施形態では、吸着部材50aは、飲食容器61a(図6参照)と向き合う一方側に、飲食容器61aに吸着する吸盤部5a1を備え、一方側と反対側であって、本体50bと向き合う他方側に、本体50bの嵌合部5b5と嵌合可能な被嵌合部5a2を備えている。吸盤部5a1は、具体的には、皿形状を有し、飲食容器61a(図6参照)に押し付けることで、飲食容器61aを吸着可能に構成されている。被嵌合部5a2は、具体的には、凹形状を有し、被嵌合部5a2の凹形状部の内側壁が、本体50bの嵌合部5b5の凸形状部の外側壁と嵌合し得る構成されている。しかしながら、被嵌合部5a2の形状は、嵌合の相手となる本体50bの嵌合部5b5に応じて、適宜変更され得る。本実施形態では、被嵌合部5a2は、弾性変形することで嵌合部5b5と嵌合する。
本実施形態では、図6に示されるように、吸着部材60aが本体50bと嵌合し、かつ、飲食容器61aに吸着した状態で、吸着部材60a(図5に示される符号50aも参照)を介して電磁波を飲食容器61aに転写することができる。吸着部材60aを介して電磁波を飲食容器61aに印加することで、電磁波転写装置60が飲食容器61aに近接した状態で、電磁波がほとんど損失することなく飲食容器61aに転写される。さらに、電磁波を印加する際に、電磁波転写装置60と飲食容器61aとの間の距離が一定間隔に保たれるので、飲食容器61aに印加される電磁波の強度も一定に保たれる。これにより、その後に電磁波が転写された飲食容器61aを用いて飲食品を提供する際に、飲食品の改質効果がばらつくことなく安定化する。
(第3実施形態)
図11Aおよび図11Bを用いて上述したように、本発明の第3実施形態に係る電磁波転写装置11は、第1実施形態に係る電磁波転写装置10および第2実施形態に係る電磁波転写装置50とは、本体の形状および電磁波の印加方法が異なる。以下の説明では、第1実施形態に係る電磁波転写装置10および第2実施形態に係る電磁波転写装置50と異なる部分を説明する。なお、図11Aでは、説明の便宜のため、電磁波転写装置11の一部の部材(後述する遮光フィルター113)は示されていない。以下の説明は、本発明に係る飲食容器用の電磁波転写装置の一実施形態であり、本発明に係る飲食容器用の電磁波転写装置は、以下の説明に限定されない。
本実施形態では、図11Bに示されるように、電磁波転写装置11は、全体として、平面視で略C字形状を有する板状に形成されている。電磁波転写装置11は、具体的には、電磁波転写装置11の主要部をなす本体110と、電磁波を透過するスペーサー111とを含んでいる。電磁波転写装置11は、電磁波転写装置11を飲食容器に挟持させるための挟持具112を含んでいてもよく、可視光の透過を抑制する遮光フィルター113を含んでいてもよい。
本体110は、上述の第1実施形態および第2実施形態に係る電磁波転写装置10、50と同様に、電磁波転写装置11の機能を発揮させるための部品を収容している。本実施形態では、上述の第1実施形態および第2実施形態に係る電磁波転写装置10、50と同様に、本体110は、電磁波発振源(短波長LED発振源C1〜C4および複合波長LED発振源W1〜W8)と、電磁波発振源から発振される電磁波を取り出す出射口110cとを備えている。本実施形態では、図11Aおよび図11Bに示されるように、本体110は、出射口110cとなる正面110aと、正面110aと反対面である背面110bとを備え、正面110a側から見て、略C字形状を有している。本実施形態では、本体110は、図11Aおよび図11Bでは特に図示していないが、電磁波転写装置の電源となる電池と、および電池を収容する電池収容部に代えて、本体110に一体的に組み込まれた充電バッテリーを備えている。そうすることで、本体110をコンパクトに作製することができる。充電バッテリーとして、300mA/h程度のバッテリーを採用することができる。
本体110の大きさは、特に限定されないが、図11Aおよび図11Bの例では、内径が35mm〜45mmであり、外径が55mm〜85mmであり、開口部110dを有する略C字形状であり、10mm〜15mm程度の厚さ(正面110aと背面110bとの間隔)を有している。そうすることで、典型的なワインボトル(図12Aおよび図12B参照:胴部(ボディ:直径90mm〜120mm)、首部(ネック:直径30mm〜40mm))の首部の先端(トップ)に略C字形状の内部から本体110を挿入することができる。開口部110dの幅は、たとえば、10mm程度である。そうすることで、典型的なワイングラスの脚部(ステム:外径6mm〜9mm程度)を開口部110dから挿入することができる。
本体110は、本実施形態では、図11Aおよび図11Bに示されるように、出射口110cから電磁波を印加することができるように、正面110aに電磁波発振源C1〜C4、W1〜W8を有している。電磁波発振源C1〜C4、W1〜W8は、特に限定されないが、電磁波を単色の可視光として印可する短波長LED発振源C1〜C4と、電磁波を白色光として印可する複合波長LED発振源W1〜W8とを含んでいる。しかし、電磁波発振源C1〜C4、W1〜W8は、特に限定されず、短波長LED発振源C1〜C4のみから構成されてもよく、複合波長LED発振源W1〜W8のみから構成されてもよい。
短波長LED発振源C1〜C4および複合波長LED発振源W1〜W8の配置は、出射口110cから電磁波を印加することができれば、特に限定されない。本実施形態では、短波長LED発振源C1〜C4は、正面110aにおいて、略C字形状の径方向の内側に、周方向で所定の間隔で(具体的には、周方向で均等に)並ぶように配置されている。また、本実施形態では、複合波長LED発振源W1〜W8は、正面110aにおいて、略C字形状の径方向の外側側に、周方向で所定の間隔で(具体的には、周方向で均等に)並ぶように配置されている。短波長LED発振源C1〜C4は、たとえば、電磁波の印加方向(照射方向)が、正面110aに垂直な本体110の中心軸CXと交差するように、正面110aに対して55°〜60°の仰角をなしている。複合波長LED発振源W1〜W8は、たとえば、電磁波の印加方向(照射方向)が、正面110aに垂直な本体110の中心軸CXと交差するように、正面110aに対して60°〜90°の仰角をなしている。
短波長LED発振源C1は、具体的には、546THz〜593THの周波数、および25°〜30°の指向角2θ1/2を有し、指向角2θ1/2内において17000mcd〜45000mcdの強度を有する電磁波を発する。短波長LED発振源C1として、505〜550nmである緑色光を発する、砲弾型または表面実装型の緑色LEDを採用することができる。短波長LED発振源C2は、具体的には、594THz〜681THzの周波数、および25°〜30°の指向角2θ1/2を有し、指向角2θ1/2内において7400mcd〜20000mcdの強度を有する電磁波を発する。短波長LED発振源C2として、440〜505nmである青色光を発する、砲弾型または表面実装型の青色LEDC1を採用することができる。短波長LED発振源C3は、具体的には、492THz〜545THzの周波数、および25°〜30°の指向角2θ1/2を有し、指向角2θ1/2内において15000mcd〜50000mcdの強度を有する電磁波を発する。短波長LED発振源C3として、550〜610nmである黄色光を発する、砲弾型または表面実装型の黄色LEDを採用することができる。短波長LED発振源C4は、具体的には、454THz〜491THzの周波数、および25°〜30°の指向角2θ1/2を有し、指向角2θ1/2内において15000mcd〜75000mcdの強度を有する電磁波を発する。短波長LED発振源C4として、610〜660nmである赤色光を発する、砲弾型または表面実装型の赤色LEDを採用することができる。
このように、本実施形態では、短波長LED発振源C1〜C4は、青色LED、緑色LED、黄色LED、および赤色LEDから構成されているが、これらのうちのいずれか1つから構成されてもよく、これらのうちの複数個から構成されてもよい。また、短波長LED発振源C1〜C4は、青色、緑色、黄色、および赤色以外の光を発するLEDから選択されてもよい。さらに、短波長LED発振源C1〜C4は、図11Aおよび図11Bでは、青色LED、緑色LED、黄色LED、および赤色LEDをそれぞれ1つ設けているが、同じ光を発するLEDを複数設けてもよい。また、短波長電磁波発振源C1〜C4は、複合波長LED発振源W1〜W8が設けられる場合には、必ずしも設けらなくてもよい。
複合波長LED発振源W1〜W8は、たとえば、465THzおよび560THz〜700THzの周波数を含み、50°〜145°の指向角2θ1/2を有し、指向角2θ1/2内において7400mcd〜75000mcdの強度を有する電磁波を発する。換言すると、この場合、複合波長LED発振源W1〜W8は、645nmの波長を有する光、および430nm〜535nmの波長を有する光を含んでいる。複合波長LED発振源W1〜W8は、昼光色である白色光を発してもよく、この場合にも、複合波長LED発振源W1〜W8は、50°〜145°の指向角2θ1/2を有し、指向角2θ1/2内において7400mcd〜75000mcdの強度を有する電磁波を発してもよい。複合波長LEDとして、波長が465nmである青色LEDと、波長が560nm〜770nmである黄色蛍光体とを組み合わせることによって白色光を発する、砲弾型または表面実装型の白色LEDを用いることができる。
複合波長LED発振源W1〜W8の数は、たとえば、6つ〜10つから選択され、図11Aおよび図11Bでは、8つである。しかし、複合波長LED発振源W1〜W8の数は、特に限定されず、1つ〜5つであってもよく、10つを超える数であってもよい。また、複合波長LED発振源W1〜W8は、短波長電磁波発振源C1〜C4が設けられる場合には、必ずしも設けらなくてもよい。
本体110は、短波長電磁波発振源C1〜C4および複合波長LED発振源W1〜W8の強度(光度)および/または発振時間を調整するための操作部(スイッチ)1101を備えていてもよく、本体110に回転防止具114を取り付けるための接続部(コネクタ)1102を備えていてもよい。
操作部(スイッチ)1101は、たとえば、押圧する毎に短波長電磁波発振源C1〜C4および複合波長LED発振源W1〜W8の動作モードを切り替える押圧切り替り式スイッチとすることができる。操作部(スイッチ)1101の位置は、電磁波転写装置11の飲食容器(図12A〜図12C参照)への取り付けや、操作部(スイッチ)1101への操作の妨げとならなければ、特に限定されないが、本実施形態では、操作部(スイッチ)1101は、本体110の外側面に配置されている。具体的には、操作部(スイッチ)1101は、押圧される毎に、複合波長LED発振源W1〜W8のみの発振(図12A〜図12C参照)、短波長LED発振源C1のみの発振(図12Bおよび図12C参照)、短波長LED発振源C2のみの発振(図12Bおよび図12C参照)、短波長LED発振源C3のみの発振(図12Bおよび図12C参照)、短波長LED発振源C4のみの発振(図12Bおよび図12C参照)、複合波長LED発振源W1〜W8と短波長LED発振源C1との発振、複合波長LED発振源W1〜W8と短波長LED発振源C2との発振、複合波長LED発振源W1〜W8と短波長LED発振源C3との発振、複合波長LED発振源W1〜W8と短波長LED発振源C4との発振、複合波長LED発振源W1〜W8と短波長LED発振源C1、C2との発振(図12A参照)、複合波長LED発振源W1〜W8と短波長LED発振源C1、C3との発振、複合波長LED発振源W1〜W8と短波長LED発振源C1、C4との発振、複合波長LED発振源W1〜W8と短波長LED発振源C2、C3との発振、複合波長LED発振源W1〜W8と短波長LED発振源C2、C4との発振、複合波長LED発振源W1〜W8と短波長LED発振源C3、C4との発振(図12A参照)、複合波長LED発振源W1〜W8と短波長LED発振源C1〜C3との発振、複合波長LED発振源W1〜W8と短波長LED発振源C1、C3、C4との発振、複合波長LED発振源W1〜W8と短波長LED発振源C1、C2、C4との発振、複合波長LED発振源W1〜W8と短波長LED発振源C2〜C4との発振、複合波長LED発振源W1〜W8と短波長LED発振源C1〜C4との発振(図12A参照)、短波長LED発振源C1、C2の発振、短波長LED発振源C1、C3の発振、短波長LED発振源C1、C4の発振、短波長LED発振源C2、C3の発振、短波長LED発振源C2、C4の発振、短波長LED発振源C3、C4の発振、短波長LED発振源C1〜C3の発振、短波長LED発振源C1、C2、C4の発振、短波長LED発振源C1、C3、C4の発振、短波長LED発振源C2〜C4の発振、短波長LED発振源C1〜C4の発振のうちのいずれか2以上の発振パターンを切り替えることができる。
接続部(コネクタ)1102は、たとえば、本体110に内蔵される電池(図11Aおよび図11Bでは、図示せず)を充電するための充電用コネクタである。接続部(コネクタ)1102の位置は、電磁波転写装置11の飲食容器(図12A〜図12C参照)への取り付けや、接続部(コネクタ)1102への回転防止具114の取り付けの妨げとならなければ、特に限定されないが、本実施形態では、接続部(コネクタ)1102は、本体110の外側面に配置されている。接続部(コネクタ)1102の種類は、特に限定されないが、たとえば、USB(Universal Serial Bus)コネクタである。
スペーサー111は、本体110に設けられる電磁波発振源C1〜C4、W1〜W8と、飲食容器(たとえば、図12A〜図12Bに図示されるワイングラスやワインボトル)とを離間させる部材である。図11Bに示されるように、スペーサー111は、具体的には、本体110の正面110a側から見て、本体110の略全体を覆うように、本体110に取り付けられている。本実施形態では、スペーサー111は、本体110の正面110a側から見て、本体110と略同じ形状で略同じ大きさの略C字形状を有する板状部材として形成されている。しかし、スペーサー111の形状は、電磁波転写装置11の飲食容器(図12A〜図12C参照)への取り付けの妨げとならなければ、特に限定されず、スペーサー111は、本体110より一回り大きいか、一回り小さい略C字形状など、その他の形状を有していてもよい。スペーサー111は、電磁波発振源C1〜C4、W1〜W8から印可される電磁波を透過可能であれば、特に限定されない。本実施形態では、スペーサー111は、光透過性材料(ガラスや樹脂などの透明材料)から構成されている。スペーサー111の厚さは、たとえば、15mm〜30mm程度である。
挟持具112は、本体110を開口110dから飲食容器に挿入することで、電磁波転写装置11を飲食容器に挟持させる(図12A〜図12C参照)。図11Bに示されるように、本実施形態では、挟持具112は、本体110の背面110b側から見て、本体110の略全体を覆うように、本体110に取り付けられている。挟持具112は、たとえば、図12A〜図12Cに示されるように、本体110がワイングラスの脚部(ステム:外径6mm〜9mm程度)と容器部(ボウル)との遷移部分(外径15mm程度)に挟持されるように構成されている。具体的には、挟持具112は、本体110およびワイングラスの遷移部分より一回り小さい幅の切欠部11dを有する略U字形状の板状部材から形成されており、弾性材料(たとえば、ゴム材料)から構成されている。そうすることで、本体110を開口110dから飲食容器に挿入したときに、挟持具112の略U字形状の内側壁が弾性変形しながらワイングラスの遷移部分と当接することで、電磁波転写装置11が飲食容器を挟持する。図11Aおよび図11Bでは、挟持具112は、外径が本体110と略同じ55mm〜85mmの略円形形状であり、切欠部11dの幅は、典型的なワインボトルの首部(ネック:直径30mm〜40mm)の直径より大きな10mm程度に形成されている。この場合、ワインボトルの首部(ネック:直径30mm〜40mm))が電磁波転写装置11の略C字形状の内部に位置するように、電磁波転写装置11を本体110の正面110a側からワインボトルの首部に挿入したときに、挟持具112がワインボトルの首部の先端面と当接することで、電磁波転写装置11をワインボトルの首部に載置することができる(図12Aなど参照)。
遮光フィルター113は、図11Bに示されるように、本体110の電磁波発振源C1〜C4、W1〜W8から印可される可視光の透過を抑制する(図13も参照)。遮光フィルター113は、たとえば、公知の遮光テープ、遮光フィルム、または遮光塗料から構成されている。図11Bに示されるように、本実施形態では、挟持具112は、具体的には、本体110の正面110a側から見て、スペーサー111の略全体を覆うように、スペーサー111に取り付けられている。挟持具112は、たとえば、図11Bに示されるように、本体110の正面110a側から見て、本体110(およびスペーサ111)と略同じ形状で略同じ大きさの略C字形状を有し、本体110(およびスペーサ111)より厚さが薄いフィルム状部材として形成されている。遮光フィルター113の厚さは、たとえば、0.5mm程度である。
回転防止具114は、外形が略円形形状の板状である電磁波転写装置11の外側面(電磁波転写装置11の板厚をなす板厚面であり、本体110の正面110aと背面110bとを繋ぐ面)を被載置面として、机などの載置面に載置したときに、電磁波転写装置11が回転により移動することを抑制するために(図13参照)、本体110に取り付けられる。具体的には、回転防止具114は、本体110の外側面に設けられる接続部(コネクタ)1102と接続されることで、電磁波転写装置11の外側面から突出し、電磁波転写装置11が回転しようとするときに、載置面と当接して電磁波転写装置11の回転を抑制する。回転防止具114は、接続部(コネクタ)1102と対をなすUSBコネクタなどから構成することができる。
本実施形態では、電磁波転写装置11を所定の大きさの略C字形状に形成し、挟持具112を所定の大きさの略U字形状に形成しているので、たとえば、電磁波転写装置11をワイングラスに取り付けたり、ワインボトルに載置したりすることができる。また、電磁波転写装置11がスペーサー111や遮光フィルター113を有する場合には、後述するように、飲食物の風味が、よりまろやかになることが確認されている。
このような飲食容器簡易電磁波転写装置の使用方法について、図1〜図6を参照してその一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態であり、本発は、以下の説明に限定されない。
薄型形状容器(皿容器)への対応においては、固定載置用円形ステージ(10b)上に対象飲食容器の底面を水平セッティング40aにてセットし、その材質が透明のガラス系であれば周波数自動切り替えモードスイッチ(10d)の2パターン自動交互切り替えの4バリエーション(DA・AB・BC・CD)の何れかと周波数の切り変わり間隔時間スイッチ(10d)の10秒間隔との組み合わせを操作し、また金属および陶磁器等の不透明系および肉厚容器等(皿・湯呑・マグカップ等)には同上における2パターンの自動交互切り替えの4バリエーション(DA・AB・BC・CD)の何れかと周波数の切り変わり間隔時間スイッチ(10d)の1分以上または手動による任意切替えとの組み合わせにおいて選択を行う様に操作する。
また、高さの有る容器(ビールジョッキ容器)への対応においては、目的とする対象飲食容器をtable等の平行な場所に置き、その側面に飲食容器簡易電磁波転写装置(10)を40b状に垂直セッティングにて沿わせる様にセットし、前記同様、その材質が透明のガラス系であれば周波数自動切り替えモードスタートの上にて2パターン交互切り替えの4バリエーション(DA・AB・BC・CD・DA)の何れかと周波数の切り変わり間隔時間スイッチ(10d)の10秒間隔との組み合わせを、また不透明の金属・陶磁器系および肉厚容器等であれば同上における2パターンの交互切り替えの4バリエーション(DA・AB・BC・CD)の何れかと周波数の切り変わり間隔時間スイッチ(10d)の1分以上または手動による任意切替えとの組み合わせにおいて行う様に操作する。
またさらに、対象容器が、その転写加工を困難(遠隔間接的印加を余儀なくされる)とする脚付き容器においては、吸盤付きホルダー(50a)のホルダースリット部(5a2)へスティック型印加手段(50b)のスリット挿入部(5b3)を合せて差し込み50状に組み合わせた後に吸盤部(5a1)を目的とする対象脚付き容器(61a)の容器部へ押し付ける事で60b状に貼り付け、手動型スライドスイッチ(5b4)にて印加を開始させる様に操作する。
すなわち、図1〜図6、図11A〜図12Cを用いて上述したように、本発明の第3実施形態に係る飲食品の改質方法は、飲食容器に対して電磁波を印加(照射)する第1のステップと、飲食容器を用いて飲食品を提供する第2のステップと含んでいる。ここで、本改質方法では、第1のステップの後に第2のステップを行う。すなわち、本改質方法では、飲食品には、飲食品が電磁波(光線)を吸収する際の熱の発生(雑味の発生)を排除する為、直接電磁波を印加しない。本改質方法では、飲食品を提供するための飲食容器に電磁波を印加し、電磁波の印加を停止した後、電磁波が転写された飲食容器を用いて飲食品を提供する。以下に、本実施形態に係る飲食品の改質方法をより詳細に説明するが、以下の説明は、本発明に係る飲食品の改質方法の一実施形態であり、本発明に係る飲食品の改質方法は、以下の説明に限定されない。
まず、第1のステップにおいて、飲食容器(図4の符号41a、41b、図6の符号61a参照)に対して電磁波を転写する。本改質方法で用いられる電磁波は、454THz〜700THz(好適には、454THz〜681THz)の周波数および指向角2θ1/2の15°〜30°を有し(454THz〜700THz(好適には、454THz〜681THz)の周波数および15°〜30°の指向角2θ1/2を有し)、指向角2θ1/2内において7400mcd〜75000mcdの強度(光度)を有する。電磁波の転写は、特に限定されないが、たとえば第1実施形態または第2実施形態に係る電磁波転写装置10、50を用いて行なわれ、たとえば上述した第1〜第6の発振モードのいずれかで電磁波を印加することができる。電磁波の転写対象となる飲食容器が平皿41aやビールジョッキ41b(図4参照)などの場合には、たとえば、第1実施形態に係る電磁波転写装置10を用いて電磁波を転写する。他方、飲食容器がワイングラス61a(図6参照)などの場合には、電磁波転写装置50が飲食容器により近接した状態で電磁波を印加するために、たとえば、第2実施形態に係る電磁波転写装置50を用いて電磁波を転写する。飲食容器への電磁波の転写箇所は、飲食容器の内面はもちろん、飲食容器の外面であっても、飲食品の熟成、アルコール摂取者の代謝能や飲食品の抗酸化能の向上の効果が得られることが確認されている。飲食容器の内面であるか外面であるかを問わず、飲食品を載置し、飲食品が接することが予定される部分に向けて電磁波を転写することが好ましい。本実施形態では、衛生面の観点から、飲食容器の外面に電磁波を転写する。電磁波を転写する飲食容器は、特に限定されないが、たとえば、上述したように、ガラス、金属、陶磁器、木材、樹脂、および紙から選択される材料から構成される。電磁波の合計印加時間(照射時間)は、特に限定されないが、たとえば1分〜10分である。ここで、本明細書において、合計印加時間(合計照射時間)は、飲食容器に電磁波を印加(照射)する期間の合計時間である。たとえば、第1の期間において飲食容器に電磁波を印加し、その後に一旦電磁波の印加を停止し、第2の期間において飲食容器に電磁波を再度印加した場合、合計印加時間は、第1の期間と第2の期間との合計時間である。電磁波の合計印加時間は、電磁波の印加を短時間で行うために、電磁波の連続印加時間(連続照射時間)であることが好ましい。ここで、本明細書において、連続印加時間は、飲食容器に連続的に電磁波を印加(照射)する時間である。上述の例で言えば、連続印加時間は、第1の期間および第2の期間のうちのいずれかの時間である。なお、飲食容器の材質によって電磁波の合計印加時間を変更してもよく、飲食容器がガラスから構成される場合、たとえば合計印加時間が1分〜3分となるように、電磁波を飲食容器に印加し、飲食容器が金属、陶磁器、木材、樹脂、または紙から構成される場合、たとえば合計印加時間が5分〜8分となるように、電磁波を飲食容器に所定時間電磁波を印加することで電磁波を転写する。
その後、第の2ステップにおいて、飲食容器(図4の符号41a、41b、図6の符号61a参照)を用いて飲食品を提供する。本改質方法の改質対象となる飲食品は、特に限定されず、固定物であっても液体物であってもよい。本発明者らは、本改質方法において、特に好ましい飲食品を実験した結果、後述するように、抗酸化物質を多く含有する飲食品の場合には、特に味覚がまろやかになり、アルコール摂取者の代謝能や飲食品の抗酸化能が向上することを確認している。ここで、本明細書において、抗酸化物質は、体内における活性酸素による酸化を抑制する物質を指す。電磁波の転写対象となる飲食品に含まれる抗酸化物質は、特に限定されないが、飲食品の摂取者の健康面から、植物由来の抗酸化性物質であることが好ましい。植物由来の抗酸化性物質として、たとえばアスコルビン酸(ビタミンC)、ポリフェノールなどが挙げられる。ポリフェノールとしては、ワインなどに含有されるアントシアニン、日本酒などに含有されるフェルラ酸、米糠などに含まれるγ-オリザノール、緑茶などに含有されるカテキン、大豆などに含有されるイソフラボン、玉葱などに含まれるケルセチン、チョコレートなどに含有されるエピカテキンが挙げられる。
改質対象となる飲食品の抗酸化物質の含有量は、特に限定されないが、100g当たり10mg以上の抗酸化物質を含有することが好ましい。飲食品に含有される抗酸化物質の含有量は、飲食品を構成する成分の濃度によっても異なるが、たとえば以下のとおりである。
赤ワイン:100g当たり約300mg
コーヒー:100g当たり約200mg
緑茶:100g当たり約100mg
紅茶:100g当たり約100mg
トマトジュース:100g当たり約70mg
ココア:100g当たり約60mg
白ワイン:100g当たり約50mg
ウーロン茶:100g当たり約40mg
豆乳:100g当たり約40mg
第1のステップと第2のステップとの間の時間間隔、すなわち、飲食容器に対して電磁波を転写してから、飲食容器に飲食品を収容するまでの時間間隔は、飲食品に直接電磁波が印加されなければ、特に限定されないが、たとえば1分〜1か月である。
以上のように構成される本実施形態に係る飲食品の改質方法によれば、454THz〜700THz(好適には、454THz〜681THz)の周波数を有する高テラヘルツ波である電磁波を飲食容器に転写した後、転写により得られた飲食容器を用いて飲食品を提供する。これにより、後述するように、従来から提案されているような超遠赤外線である0.01〜100THzの周波数を有する低テラヘルツ波を転写する手法よりも数段短い時間でも、飲食品の熟成の度合いや機能性(抗酸化能)の向上などの効果が大きいことを本発明者は見出した。この効果は、後述するように、抗酸化物質を多く含有する飲食品でより顕著であった。また、超遠赤外線を転写する手法では、超遠赤外線を視認できないため、電磁波が印加されているか否かを視覚的に確認し難いが、本実施形態に係る飲食品の改質方法では、高テラヘルツ波である電磁波を印加するので、電磁波を印加しているか否かを視覚的に簡単に確認することができる。これにより、電磁波を印加し損なうといった人為的ミスが抑制される。さらに、低テラヘルツ波を転写する手法では、大掛かりな装置を必要としていたが、本実施形態に係る飲食品の改質方法では、小型で安価な電磁波転写装置を用いて飲食品を効率的に改質することができる。
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変則付加が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
[基礎実験例]
以下に、本発明の飲食容器簡易電磁波転写装置(10)の基盤となるLED球の強度(光度)の評価および風味の改善と代謝能(抗酸化能・代謝能)の向上に関する基礎実験例につき、図7〜図10、図13、および図14を用いて詳細に説明する。
図7は、本発明の基盤であるLED球の強度(光度)を本件開発品と同様のLED印加を行うデバイス(LEDコースター)2社との比較図で、70aは形態比較でA:LEDコースターA社、B:LEDコースターB社、C:本件開発製品(高光度LED)を、70bはグラス底部よりのLED印加における発光強度比較を、70cはLEDコースターA社におけるLED印加時の電磁波測定(磁場強度mG、電界強度V/m、高周波mW/m2)を、70dはLEDコースターB社におけるLED印加時の電磁波測定(磁場強度mG、電界強度V/m、高周波mW/m2)を、70eは件開発品におけるLED印加時の電磁波測定(磁場強度mG、電界強度V/m、高周波mW/m2)を示す。
実験方法
A.赤・緑・青を含む連続切り変わり発光(グラデーション発光)を可能とする低光度LEDデバイス2社(光のライトアップ効果を目的とするコースター用として市販されている物)を比較対象とした本件開発品との3種での発光強度比較において、3個の同一グラスの底面からの同時印加(ライトアップ)を計り、その発光状態を撮影して評価する方法による強度(光度)判定。
A−1 サンプル名称:LEDのライトアップ印加によるグラスの発光強度比較。
内訳
サンプル70b:3種類のLED印加デバイスによる同一グラスへの印加中における同時撮影。
A−2 試験方法
Canon デジタルカメラ IXY10Sを用いて撮影を行った。
A−3 試験条件
撮影画素数:2592×1944
実験方法
B.同一環境下にて各LED出射口へ電磁波測定装置を直接セットし、発生する電磁波の3点(磁場強度mG、電界強度V/m、高周波μW/m2)を測定して評価する方法による強度(光度)判定。
B−1 サンプル名称:LED出射口における電磁波の強度比較
内訳
サンプル70b:3種類のLED印加デバイスによる印加中における電磁波測定
B−2 試験方法
電磁波測定装置TM−190(TENMARS.ELECTRONICS社製)を用いて磁場強度mG、電界強度V/m、高周波μW/m2の3項目の測定を行った。
B−3 試験条件
検知方式:X/Y/Zの3軸センサーおよびELFセンサー
測定範囲:磁界強度0.01μT〜200μT
電界強度50V/m〜2000V/m
高周波 2.42mW/m2〜323.3mW/m2
判定方法
サンプル印加から評価までの時間的な影響を排除する為、各サンプルは評価の事前調整(ウォーミング調整)を行わせ、その時間はそれぞれ5分以内としてその後におけるグラス印加への撮影画像および出射口直接による電磁波測定により発光光度の強度を求める。
測定の結果
今回のLED球の強度(光度)における撮影画像および電磁波測定においては、色の波長的(赤・緑・青など)には本件開発製品Cと同等ながら強度(光度)においては顕著な変化があり、画像的には他社対象製品A、Bより跳びぬけて明るく、数値としては特に磁場強度が他社対象製品A、Bの0.06mGと0.64mGに対して1.61mGと強く計れている。
上記において、同等色(同等波長)によるLED印加を行ないながらも他社対象製品A、B(市販LEDコースター側)では、対象飲食成分へ何ら影響もなくライトアップ効果のみに止まるのに対し、本件開発製品Cでは顕著な改質効果を発生させていることから、発光光度の強度は本件電磁波転写加工にとって有効に働く大きな要因と考えられる。
以下の本実験において、高光度LEDとは、本件発明の条件を満たすLEDであって、周波数が454THz〜700THz(好適には、454THz〜681THz)であり、指向角が2θ1/2が15°〜30°であり、15°〜30°である指向角2θ1/2内において7400mcd〜75000mcdの強度(光度)を有する電磁波を発振するLEDを指す。低光度LEDとは、454THz〜700THz(好適には、454THz〜681THz)の周波数を有し、電磁波の印加方向に対する全角2θで15°〜30°以内において、7400mcd未満の強度(光度)を有する電磁波を発振するLEDを指す。また、低テラヘルツ波は、0.01〜100THzの周波数を有する電磁波(超遠赤外線)を指す。
図8は、本発明の第1の目的とする風味への要求の多様化および流通弊害に対する風味の改良改善における改質能を官能的に示した比較表で、T1はフルーツボウルの転写放射体容器における苺をサンプルとした評価表、T2は小皿の転写放射体容器における沢庵をサンプルとした評価表、T3・T4はグラスの高光度転写放射体容器および低光度転写体容器とにおけるワインをサンプルとした評価表を示す。
実験方法
A.官能評価
A−1 サンプル名称:苺・沢庵・ワイン
内訳
サンプルT1:(フルーツボウルへの高光度LED転写による苺の改質比較)
サンプルT2:(小皿への高光度LED転写による沢庵の改質比較)
サンプルT3:(ワイングラスへの高光度と、低光度LED転写による改質比較)
サンプルT4:(ボトルへの低テラヘルツ波と、本件開発によるワインの改質比較)
同一苺および同一沢庵または同一ワインに対し、条件を変えることによる風味への影響を確認する。サンプル調整から評価までの時間的な影響を排除する為、各サンプルは評価の直前に調整(カットまたは容器への注ぎ込み)を実施し、その時間はそれぞれ5分以内とした。
A−2 試験方法
ソムリエ・利き酒師・バーテンダーを含む5名のパネラーA〜Eを用いて官能試験を行った。
A−3 試験条件
元の飲料を基準として4段階での評価を行った。
評価方法
「苺」
1)同一型非転写フルーツボウル1個と同一型転写フルーツボウル(透明ガラス製)1個とを1組として5組用意する。
2)大き目の5個の苺(40×60程度)を用意し、風味の個体差に配慮してボウル1組毎に対して縦半分にカットした同一苺を半切毎入れる様にセットし3分放置する。
3)5名のパネラーに各1組を提供して評価を求める。
「沢庵」
1)同一型非転写小皿1個と同一型転写小皿(陶磁器製)1個とを1組として5組用意する。
2)大き目の5切れの沢庵(直径70mm程度)を用意し、風味の個体差に配慮してボウル1組毎に対して半分にカットした同一沢庵を半切毎入れる様にセットして3分放置する。
3)5名のパネラーに各1組を提供して評価を求める。
「ワインA」
1)同一型非転写ワイングラス1個と、同一型低光度LED転写ワイングラス1個と、同一型高光度LED転写ワイングラス1個とを1組として5組用意する。
2)同一ボトルから5組ワイングラスに各40mLを注ぎ入れて5分放置する。
3)5名のパネラーに各1組を提供して評価を求める。
「ワインB」
1)同一型非転写ワイングラス1個と、同一型低テラヘルツ波転写ワイングラスを1個と、同一型本件高周波転写ワイングラスとを1組として5組用意する。
2)同一ボトルから5組のワイングラスに各40mLを注ぎ入れて5分放置する。
3)5名のパネラーに各1組を提供して評価を求める。
なお、低テラヘルツ波の転写には特許文献8の0045および報道文献1に記載の市販低テラヘルツ波製品(5THzの周波数)を使用。
すなわち、本実験では、電磁波(高光度LEDから発せられる電磁波、低光度LEDから発せられる電磁波、または低テラヘルツ波)を転写した容器を用いる場合には、まず、電磁波を容器に5分間印加し、次に、電磁波を印加せずに容器を5分間放置し、その後、サンプル(苺、沢庵、またはワイン)を容器に収容した状態で3分または5分放置してから、パネラーA〜Eにサンプルを提供した。このような条件でサンプルを提供した場合と、電磁波を転写していない容器を用いてサンプルを提供した場合との相違について、パネラーA〜Eの意見を求めた。
評価の結果
結果は、高周波高光度LEDによる転写加工を加えた容器類に投入された飲食品(苺・沢庵・ワインA・B)の香味が有意に差別化された。官能的表現では、苺でのその差は、刺すような酸味の角が抑えられて甘味が強調され、沢庵でのその差は、強い塩味の角が取れて旨味が強調され、ワインでのその差は、ツーンとするアルコールの刺激臭とタンニンの苦味が抑えられて円やかさと深みが出たと言う結果であった。
図9は、本発明の第2の目的とするアルコール飲料への機能性(代謝能)の向上能を呼気ガスによるアルコール反応で示す比較データ(mg/L)で、9Aは銅製ジョッキの転写放射体容器によるビールでの女性の代謝改善比較を、9Bは同じく銅製ジョッキの転写放射体容器によるビールでの男性の代謝改善比較を示す。
(何れもビールを注いで3分放置後からスタートした測定値を示す)
実験方法
A.呼気ガス反応の変化をアルコールセンサーで計測し評価する方法による代謝能測定。
A−1 サンプル名称:ビール(5°)
内訳
サンプル◆:Control(ビール 生地)
サンプル▲:転写改質(ビール 3分)
同一ビールに対し、条件を変えることによって代謝能への影響を確認する。サンプル調整から測定までの時間的な影響を排除する為、各サンプルは測定の直前に調整(容器へのビールの注ぎ込み)を実施し、その時間は3分とした。
A−2 試験方法
アルコールセンサー プロフェッショナル HC−211(国産:(株)タニタ製)を用いて呼気ガスアルコール濃度測定を行った。
A−3 試験条件
検知方式:半導体ガスセンサー
測定範囲:0.00〜1.00mg/L
被験者A:(54kg 女性)
アルデヒド分解遺伝子ALDH2 *1/*2
アルコール分解遺伝子ADH1B *1/*2
被験者B:(75kg 男性)
アルデヒド分解遺伝子ALDH2 *1/*2
アルコール分解遺伝子ADH1B *1/*2
測定方法
同一被験者において2日に分けて行ない、同条件(同時刻空腹時)にて10分間で各180mLを飲み干し、呼気中のアルコール濃度を30分間隔にて測定し代謝能を求める。すなわち、本実験では、まず、高光度LEDから発せられる電磁波を銅製ビールジョッキに5分間印加し、次に、電磁波を印加せずに容器を5分間放置し、その後、ビールを銅製ビールジョッキに注いだ状態で3分放置してから、被験者A、Bにビールを提供した。このようなビールと、電磁波を転写していない銅製ビールジョッキを用いてビールを提供する場合との相違を、被験者A、Bの呼気中のアルコール濃度から求めた。
今回のビールにおける代謝能測定は、酔いの深度(A−B間)で0.08mg/L〜0.10mg/L、酔いの時間幅で30分〜60分の改善が得られた。
測定の結果
今回のビールの代謝能測定においては、アルコール飲料の種類、または性別(男女)および体重差、またはアルデヒド分解遺伝子(ALDH2)とアルコール分解遺伝子(ADH1B)との組み合わせ等によっても若干異なるものの、酔い深度幅で約60%〜70%、酔いの時間幅で約30%〜60%の間で有意に代謝能の改善が計れた。
なお、アルコールの代謝能の向上(アルコールおよびアルデヒド分解能の活性)については、報道文献2により熟成の向上に伴って増加する事が示されており、本件飲食容器簡易電磁波転写加工装置(10)による風味の改善効果は熟成効果へ通じる趣きを有することへの裏付けの一端となり得る。
図10は、本発明の第3の目的とする飲食成分の機能性(坑酸化能)の向上能を試薬との呈色反応で示す比較データ(μmol/mL)で、WW1はペットボトル茶、WW2はワイン、WW3は生野菜トマトを、WW4はバルサミコ酢の測定値を示す。
実験方法
A.呈色反応の変化を光度計で計測し、サンプルの還元力を評価する方法による抗酸化能測定。
A−1 サンプル名称:ペットボトル茶/ワイン/生トマト/バルサミコ酢
内訳
WW1
サンプル1:Control(ペットボトル茶 生地)
サンプル2:低テラヘルツ波(5分の転写体容器に注いで5分調整後)
サンプル3:本件高周波(5分の転写体容器に注いで5分調整後)
WW2
サンプル4:Control(ワイン 生地)
サンプル5:低テラヘルツ波(5分の転写体容器に注いで5分調整後)
サンプル6:本件高周波(5分の転写体容器に注いで5分調整後)
WW3
サンプル3:Control(生トマト 生地)
サンプル4:本件高周波(5分の転写体容器に載せて5分調整後)
WW4
サンプル4:Control(バルサミコ酢 生地)
サンプル5:本件高周波(5分の転写体容器に注いで5分調整後)
同一飲食成分に対し、条件を変えることによって抗酸化能への影響を確認する。サンプル調整から測定までの時間的な影響を排除する為、各サンプルは測定の直前に調整を実施し、その時間はそれぞれ5分とした。
なお、低テラヘルツ波の転写には特許文献8の0045および報道文献1に記載の市販低テラヘルツ波製品(5THzの周波数)を使用。
A−2 試験方法および試験条件
フリーラジカル解析装置FREE Carrio Duo(イタリア:Diacron Intemational社製)を用いて抗酸化能測定を行った。
A−3 試験条件
試薬:次亜塩素酸(HClO)
呈色液:(N,N−ジエチルパラフェニレンジアミン)
サンプル量:10μl
測定方法
1)次亜塩素酸(HClO)の試薬に測定サンプルを10μl混合する。
2)規定時間後、呈色液(N,N−ジエチルパラフェニレンジアミン)を混合する。
3)フリーラジカル解析装置FREE Carrio Duoに検体をセットする。
4)その後5分間で測定を完了する。
5)得られたプリントアウトデータから抗酸化能(μmol/mL)を求める。
すなわち、本実験では、高光度LEDから発せられる高テラヘルツ波または低テラヘルツ波を転写した容器を用いてサンプル(ペットボトル茶、ワイン、生トマト、またはバルサミコ酢)を提供する場合(高テラヘルツ波による処理は、WW1のサンプル3、WW2のサンプル6、WW3のサンプル4、WW4のサンプル5を参照。低テラヘルツ波による処理は、WW1のサンプル2、WW2のサンプル5を参照)には、まず、高テラヘルツ波または低テラヘルツ波を容器に5分間印加し、次に、電磁波を印加せずに容器を5分間放置し、その後、サンプルを容器に収容した状態で5分間放置した。このような転写処理を施したサンプルと、電磁波を転写していない容器を用いて提供される場合(WW1のサンプル1、WW2のサンプル4、WW3のサンプル3、WW4のサンプル4を参照)のサンプルとの相違を、サンプル中の抗酸化物質の濃度により比較した。
今回の抗酸化能測定は、ペットボトル茶がControl 62.5μmol/mLに対し低テラヘルツ波転写容器調整が66.8μmol/mL、本件高周波転写体容器調整が95.5μmol/mLとなり、ワインがControl 116.8μmol/mLに対し低テラヘルツ波転写容器調整が120.2μmol/mL、本件高周波転写体容器調整が149.7μmol/mLとなり、生野菜トマトがControl 39.9μmol/mLに対し本件高周波転写体容器調整が51.6μmol/mLとなり、バルサミコ酢がControl 138.3μmol/mLに対し本件高周波転写体容器調整が165.7μmol/mLとなる。
測定の結果
今回の抗酸化能測定におけるControlとの比較は、ペットボトル茶が低テラヘルツ波6%UPに対し本件高周波52%UP、ワインが低テラヘルツ波3%UPに対して本件高周波28%UP、生野菜トマトが本件高周波で29%、バルサミコ酢が本件高周波で20%UPの抗酸化能の向上が確認された。
このことにより市販低テラヘルツ波製品(5THzの周波数)との調整時間の差は歴然で、高周波帯が有利である事を抗酸化能測定により客観的に示した。
なお、ワインの抗酸化能の向上(活性酸素ラジカル消去活性)については、学術文献1により熟成の向上に伴って増加する事が示されており、本件飲食容器簡易電磁波転写加工装置(10)による風味の改善効果は熟成効果の趣きを有することへの裏付けの一端となり得る。
さらに特許文献8の実施例0046〜0047に準じて瓶入りワインに低テラヘルツ波24時間処理を加え、本件高周波の5分処理との比較官能試験を行った。その結果、本件高周波の5分処理に対する評価の方が有意に高かった。
大きな特徴として、遮光フィルターの採用による電磁波有利の照射(発振)を実現したことにより、対飲料封入容器への併用を可能としている。
図13は、遮光フィルターの有無での効果の違いを確認するために、用意した電磁波転写装置(図11Aおよび図11Bの電磁波転写装置11も参照)を示している。図13の上段左側の装置は、遮光フィルター無の電磁波転写装置であり、図13の上段左側の装置は、遮光フィルター有の電磁波転写装置である。遮光フィルター(図11Bの遮光フィルター113も参照)は、透明スペーサー(図11Bのスペーサー111も参照)と同じ平面形状であり、厚さは0.5mmとしている。図13の中断左側に示されるように、遮光フィルター無の場合、本体(図11Bの本体110も参照)からの光は、透明スペーサーを通過しているが、図13の中断左側に示されるように、遮光フィルター有の場合、本体からの光は、遮光フィルターを通過できていない。図13の下段に示されるように、白色LED(図11Aの複合波長LED発振源W1〜W8も参照)8個が発振している状態で、出射口の半分にセンサーを直に当てた電磁波測定を行った。その結果、遮光フィルター有の場合(図13の下段左側参照)においても、電磁波は、遮光フィルター有の場合(図13の下段右側参照)と同等に発振していることを確認した。EMF測定装置が示すように、遮光フィルター有の場合および遮光フィルター有の場合の両方とも、電界6V/m、高周波846.2μW/m2、磁場強度0.12mGを示している。このように、遮光フィルター有の場合でも、電磁波は、十分発振している。
図14は、遮光フィルターの有無での飲食物への電磁波照射の効果の違いを示す表である。
・表の上段(元味(Control)):元のワインボトルそのまま。
・表の中段(遮光filter無):ワインボトルへの遮光フィルター無によるLED照射。
・表の下段(遮光filter有):ワインボトルへの遮光フィルター有によるLED照射。
同一ワインに対し、条件を変えることによる風味への影響を確認する。サンプル調整から評価までの時間的な影響を廃除する為、各サンプルは評価の直前に調整(容器への注ぎ込み)を実施し、その時間はそれぞれ5分以内とした。
試験方法
ソムリエ・利き酒師・バーテンダーを含むパネラー5名を用いて官能試験を行った。
試験条件
元のワイン飲料を基準として5段階での評価を行った。
評価方法
1)同一ワインボトルを3本用意し1本をよけ、残り2本のボトルに対して、遮光フィルター有無で各2分間の照射を加える。
2)空の同一ワイングラス3個を1組として5組用意する。
3)3類のボトルから5組のワインおよびグラス毎に各50mlを注ぎ入れる。
4)5名のパネラーに各1組を提供して評価を求める。
評価の結果
結果は、遮光フィルター設置下にてLED照射を加えたワインボトルの風味が有意に差別化された。官能的表現でのその差は、元味と比べ遮光フィルター有無の何れもツーンとする刺激臭が抑えられて深みと伴に円やかさが出たが、遮光フィルター有の方がより雑味が少なく一層円やかさが際立ってバランスも良く、特に香りの開き方が圧倒的に優れている様に感じられた。この傾向はワインセラーで数日寝かせる事で更にハッキリと区別出来た。
いくつかの本発明の態様に関し、以下に付記する。
[1]飲食容器の固定載置用ステージを有する角型本体ケースと、その中心に数種類のLED球を発振源とした出射口とを有する制御手段との組み合わせにより、飲食容器外面からの電磁波照射により被写体容器自体を当該電磁波の転写体容器とさせ、再放出エネルギーによる風味の改善および機能性(抗酸化能・代謝能)の向上に働きかけることを特徴とする、飲食容器簡易電磁波転写装置。
[2]前記数種類のLED発振源が、少なくとも454THz〜700THz(好適には、454THz〜681THz)の周波数帯と、指向角2θ1/2の15〜30における強度(光度)7400mcd〜75000mcdとの組み合わせにおいて、例えば(A)454THz〜491THzにおける15000mcd〜75000mcdと、(B)492THz〜545THzにおける15000mcd〜50000mcdと、(C)546THz〜593THzにおける17000mcd〜45000mcdと、(D)594THz〜681THzにおける7400mcd〜20000mcdとの4パターンに設定されることを特徴とする、[1]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[3]前記電磁波の発振周波数が、市販低周波テラヘルス波製品(5THzの周波数)の90倍〜136倍高く設定されることにより、分単位での時短操作を可能とすることを特徴とする、[1]〜[2]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[4]また前記分単位での時短操作が、飲食容器外面よりの衛生的操作(間接的操作)との組み合わせにおいては、事前処理だけに止まらず食卓における食事中利用をも可能とする幅広い汎用性を発揮することを特徴とする、[1]・[3]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[5]前記4パターンのLED発振源が、直径3mm〜5mmの砲弾型において前記角型本体ケースの側面操作部を右側として左上が(D)、右上が(A)、右下が(B)、左下が(C)の正方形配列とされて前記出射口より発振される事を特徴とする、[1]・[2]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[6]前記砲弾型LED直径3mm〜5mmの正方形配列における出射口が、その間隔をLED球センター間で5mm〜8mmとした正方形配置を収容し得る円形にて直径20mm〜30mmに設定される事を特徴とする、[1]・[5]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[7]前記飲食容器の固定載置用ステージが、対象平型容器(皿容器)の高台径90mmを基準とした円形において、容器の安定と脱落防止を得る為の深さを加味したサイズの外径93mm×深さ3mmの凹状に設定されることを特徴とする、[1]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[8]前記飲食容器の固定載置用円形ステージを有する角型本体ケースが、前記高台径90mmを最大載置とする前記円形ステージ直径93mmと、垂直セッティングポジションを安定的に行わせる最小巾とを加味した最コンパクト化サイズの100mm×100mm×巾20mmに設定されることを特徴とする、[1]・[7]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[9]前記飲食容器外面からの電磁波印加が、対象飲食容器に合わせて水平セッティングにての底面印加または、垂直セッティングにての側面印加との2方向により行わせることを特徴とする、[1]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[10]前記角型本体ケースの垂直セッティングへの安定が、巾20mmサイズの設定に加え、角型本体ケース操作部設定面を除く側面3方向の内面に対し、重さ5g〜15gでサイズ5〜15mm×75〜95mm×厚さ1〜3mm程度のウエイト用金属プレートを設定し、その安定をより補強する様に働きかけることを特徴とする、[1]・[9]に記載の飲食容器簡易電磁波転写加工装置。
[11]前記LED発振源制御部が、電源オン/オフ兼用周波数手動切り替えモードスイッチ(10f)と、周波数自動切り替えモードスイッチ(10e)と、周波数の切り変わり間隔時間スイッチ(10d)との3系統において前記角型本体ケース側面部の1辺に設定される事を特徴とする、[1]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[12]前記電源オン/オフ兼用周波数手動切替えスイッチ(10f)の機能が、2秒以上の長押しでの電源オンまたはオフと、前記周波数の切り変わり間隔時間スイッチ(10d)が手動時における短押しでの、周波数の任意の切替えとを可能にすることを特徴とする、[1]・[11]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[13]また前記周波数の自動切り替えモードスイッチ(10e)の機能が、前記電源オンと伴に自動交互発振モードの4バリエーション中のDAが始動し、以後スイッチを1プッシュ毎にAB→BC→CDの順にサイクル発振を繰り返す様に行われる事を特徴とする、[1]・[11]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[14]またさらに、周波数の切り変わり間隔時間スイッチ(10d)の機能が、前記電源オンによる周波数交互発振モードの4バリエーション中のDAの始動と伴に10秒間隔が設定され、以後スイッチを1プッシュ毎に1分→3分→5分→手動→10秒のサイクルにおいて繰り返し行われる事を特徴とする、[1]・[11]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[15]前記周波数自動切り替えモードスイッチ(10e)の発振パターンの10秒間隔例が、自動交互発振モードの4バリエーション中のDAのDが最大強度(最大光度)で立ち上がり、10秒間維持して消失すると同時にAが最大強度(最大光度)で立ち上がり、同様に10秒間で消失すると伴に再度Dが立ち上がって同様に繰り返すcycleにおいて切り変わる事を特徴とする、[1]・[11]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[16]前記電磁波の転写加工における対象飲食容器の素材が、金属・陶磁器・木・ガラス・樹脂・紙またはこれ等の組み合わせとする現行市販容器の殆どに対応して行わせ得ることを特徴とする、[1]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[17]また、前記電磁波の転写加工における発振時間の選択が、前記対象容器の形状・材質・サイズ等の組み合わせによっても若干異なるものの、ガラス等で1分〜3分、金属・陶磁器・木・樹脂・紙等で5分〜8分程度と概ね一桁分単位での短時間操作を可能として行わせ得る事を特徴とする、[1]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[18]前記電磁波の転写加工を困難とする脚付き容器における印加が、前記直径3mm〜5mmの砲弾型LED発振源DAの2パターンとスライド式手動スイッチのみによるミニ−スティック型発振手段(50b)と吸盤付きホルダー(50a)の追加により、脚付き容器、容器部への貼り付け設定によるダイレクト印加(60b)を可能とさせ、角型ケースタイプとの組み合わせにおいて飲食容器全般形状への対応に働きかけることを特徴とする、[1]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[19]前記スティック型発振手段(50b)が、ボタン電池(LR44×3個)を駆動源とするLED発振源2パターンとスライド式手動スイッチ(前オン中オフ後オン)によるシンプル最小限仕様(直径12mm×長さ65mm×重さ15g)とされ、前記吸盤付きホルダー(50a)への耐吸着力に適応し得ることを特徴とする、[18]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。
[20]前記角型ケースタイプおよびミニ−スティックタイプのLED発振源が、乾電池(単4×3本)またはボタン電池(LR44×3個)を動力源として行われることではその使用箇所に一切の制限がなく、屋内外を問わず自由に取り回せる事を特徴とする、[1]・[18]に記載の飲食容器簡易電磁波転写装置。