JP2021185871A - 高発酵モルトエキス - Google Patents

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Takahiko Kannari
亮平 福本
Ryohei Fukumoto
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Sunao Kamata
陸仁 安藤
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Abstract

【課題】醸造酒の原料となる麦汁または麦芽エキスを製造するにあたり、醸造時に発酵されずに残留する非発酵性糖類の量を軽減するための、新規な麦汁または麦芽エキスの製造方法を提供すること。【解決手段】麦汁又は麦芽エキスの製造方法であって、(1)麦芽と水性溶媒を混合して仕込み液を得ること;及び(2)得られた仕込み液を、80℃〜120℃まで昇温および維持し、至適pHがpH3.0〜7.0の範囲内の耐熱性液化酵素で処理して麦芽の液化液を得ることを含む、前記麦汁又は麦芽エキスの製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、ビール等の醸造酒の製造等に用いられる麦汁もしくは麦芽エキスの製造方法、および当該製造方法によって製造された麦汁もしくは麦芽エキスを用いた醸造酒の製造方法に関する。
従来から、様々な食品や飲料品の分野において、低カロリーや低糖質といった機能性を付加した商品が市場で発売されてきた。従来の醸造酒においても、アルコールおよび糖類、とりわけ糖類が主要なカロリー源として含まれている。したがって、ビールや発泡酒等の醸造酒でも同様に、低カロリーや低糖質といった機能性の付与が利用者のニーズとして高まっている。醸造酒の製造過程で生成される糖類のうち、フラクトース、グルコース、マルトース等の発酵性糖類は発酵に用いられて最終的にアルコールに分解され、糖類として残らない。一方、アルコールに分解されず製品中に残留する希少糖、三糖類、四糖類、それ以上の多糖類等の非発酵性糖類は糖類として残り主要なカロリー源となるため、これら非発酵性糖類の生成を抑制することが重要であった。
ビールや発泡酒等の醸造酒では、発酵源として麦芽の代わりに蔗糖や異性化糖等のシロップが用いられることがある。このような蔗糖や異性化糖のシロップ中には非発酵性糖類が少ないため、発酵後に残る糖類が少なく、低カロリー、低糖質の醸造酒を製造することは可能である。しかし、そのようなシロップは、酵母発酵の際に栄養源となる窒素源、ミネラル源が乏しく、おいしい醸造酒を製造するのにあまり適していない。また発泡酒では、酒税法の関係から主原料における麦芽使用比率を低く保つ必要があるので、酵母の栄養源が足りなくなり、おいしい醸造酒を製造することは困難である。特許文献1には、麦芽使用比率を下げてもおいしい醸造酒を製造するために、窒素源としてとうもろこしタンパク分解物を一部補うことが記載されている。しかし、当該タンパク分解物はとうもろこし由来であるため、ビール酵母の栄養源としては適しておらず十分な効果が得られなかったのみならず、麦芽の使用量が低いため、麦芽に由来するビール本来の風味も足りなくなって、満足のいくものではなかった。
特許文献2には、発酵中に固定化グルコアミラーゼを作用させて残糖を分解し、醸造酒の糖類を抑制する方法が記載されている。本方法であれば、麦芽100%でも実施可能であり、理論的にはおいしい醸造酒を製造することができる。しかしながら、発酵液中には酵母が大量に浮遊しており、タンパク質も豊富に含まれているため、固定化グルコアミラーゼ担体中に通液させて反応させることは難しく、実際の醸造酒生産に使用することは困難であった。また、発酵度も87%が限界で、蔗糖や異性化糖を用いることなく、低カロリーや低糖質を謳う醸造酒を製造することは困難であった。
特許文献3には、麦芽の液化工程において、ジェットクッカーを利用した高温条件下で液化酵素を作用させることを含む、麦汁または麦芽エキスの製造方法が記載されている。そのような方法により、液化液中の非発酵性糖類の量を軽減することができるため、当該方法で得られた麦汁または麦芽エキスを発酵源として用いることで、低カロリーおよび/または低糖質の醸造酒を得ることができる。また、特許文献3には、各種の耐熱性の高い液化酵素を使用できることが記載されているが、特定の耐熱性液化酵素を選択して使用することの利点については記載されていない。
特開2006−325561号公報 特開平06−098749号公報 特開2019−062786号公報
本発明は、醸造酒の製造等に用いられる麦汁または麦芽エキスを製造するにあたり、これらを発酵源として用いた場合に発酵されずに残留し得る非発酵性糖類の量をより軽減することが可能な製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、上記製造方法で製造された麦汁または麦芽エキスを用いて、非発酵性糖類の量を軽減した醸造酒の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、特定の耐熱性液化酵素を液化工程に使用して得られた麦汁または麦芽エキス中では、発酵されずに残留し得る非発酵性糖類の量が低減されていることを見出した。したがって、本発明の第1の態様は、
[1] 麦汁又は麦芽エキスの製造方法であって、以下の:
(1)麦芽と水性溶媒を混合して仕込み液を得ることを含む、仕込み工程;及び
(2)上記(1)で得られた仕込み液を、80℃〜120℃まで昇温および維持し、至適pHがpH3.0〜7.0の範囲内の耐熱性液化酵素で処理して麦芽の液化液を得ることを含む、液化工程;
を含む、前記麦汁又は麦芽エキスの製造方法、
である。
また、本発明の耐熱性液化酵素に関して、以下の実施形態が好ましいものとして含まれる。
[2] 上記(2)の耐熱性液化酵素の至適pHがpH4.0〜6.0の範囲内である、上記[1]の製造方法、
[3] 上記(2)の耐熱性液化酵素が耐熱性α−アミラーゼである、上記[1]または[2]の製造方法、および
[4] 前記耐熱性α−アミラーゼがLpHera(登録商標)である、上記[3]の製造方法。
また、本発明の液化工程に関して、以下の実施形態が好ましいものとして含まれる。
[5] 前記液化工程を90℃〜115℃の範囲内で実施する、上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法。
[6] 前記液化工程を95℃〜110℃の範囲内で実施する、上記[1]〜[5]のいずれかの製造方法。
[7] 前記液化工程をpH3.0〜7.0の範囲内で実施する、上記[1]〜[6]のいずれかの製造方法。
[8] 前記液化工程が、上記(1)の仕込み液のpHを調整せずに実施される、上記[1]〜[7]のいずれかの製造方法。
[9] 上記(2)の仕込み液の昇温および維持がジェットクッカーにより実施される、上記[1]〜[8]のいずれかの製造方法。
本発明の製造方法に関して、以下の実施形態が好ましいものとして含まれる。
[10] 更に、
(3)上記(2)で得られた液化液を糖化酵素で処理して糖化液を得ること含む、糖化工程;
を含む、上記[1]〜[9]のいずれかの製造方法。
[11] 上記(3)の糖化酵素が少なくともグルコアミラーゼを含む、上記[10]の製造方法。
[12] 前記糖化工程をpH3.0〜7.0の範囲内で実施する、上記[10]または[11]の製造方法。
[13] 前記糖化工程が、上記(2)で得られた液化液のpHを調整せずに実施される、上記[10]〜[12]のいずれかの製造方法。
[14] 更に、上記(3)で得られた糖化液を活性炭により処理する工程を含む、上記[10]〜[13]のいずれかの製造方法。
[15] 前記麦汁又は麦芽エキスが、含有する全糖質に対して90質量%以上の発酵性糖類を含む、上記[1]〜[14]のいずれかの製造方法。
また、本発明により得られた麦汁または麦芽エキスは、醸造酒製造の原料として利用でき、したがって、本発明の別の態様は以下のものを含む。
[16] 醸造酒の製造方法であって、上記[1]〜[15]のいずれかの製造方法により得られた麦汁又は麦芽エキスを酵母により発酵させる工程を含む、前記醸造酒の製造方法。
本発明により、醸造酒等の製造等に用いられる麦汁または麦芽エキスを製造するにあたり、これらを発酵源として用いた場合に発酵されずに残留し得る非発酵性糖類の量をより軽減することが可能になる。また、上記方法で製造された麦汁または麦芽エキスを用いて、非発酵性糖類の量を軽減した醸造酒を提供することができる。
以下で本発明の麦汁もしくは麦芽エキスの製造方法、または醸造酒の製造方法を実施する形態を詳細に説明する。ただし、以下の実施形態は、本発明を説明するための一例であり、本発明が当該実施形態のみに限定されるものではない。
<麦汁または麦芽エキスの製造方法>
本実施形態において、麦汁または麦芽エキスの製造は、麦類由来の麦芽を原材料として用い、概ね、仕込み工程、液化工程、および糖化工程を含み、場合によって活性炭処理工程を含む。
なお、原材料として用いる麦類由来の麦芽には、二条大麦、四条大麦、六条大麦、裸大麦等の大麦、小麦、エン麦、ライ麦、カラス麦、ハト麦、オート麦、およびそれらの組み合わせなどの種子を、公知の方法により発芽させたものを用いる。これらのうち、好ましくは大麦が用いられる。また、必要に応じて、発芽したものをさらに公知の方法により、乾燥処理および/または所定の粒度になるまで粉砕処理することも可能である。したがって、本実施形態において、原材料として用いる麦芽には、上記発芽したもののみならず、粉砕処理などの処理を施された後のものも含み得る。
1.仕込み工程
本発明の典型的な実施形態においては、大麦等の麦類種子を発芽させ、所定の粒度になるまで粉砕処理した麦芽を原材料として用い、当該麦芽の粉砕物を純水等の水性媒体と混合して仕込み液を得る。その際の麦芽と水性媒体の割合は、所望する糖質の割合に応じて適宜選択することが可能である。一例としては、麦芽が10質量%〜50質量%、好ましくは15質量%〜40質量%、より好ましくは20質量%〜30質量%となるように純水等の水性媒体の量が調整される。
2.液化工程
上記仕込み液中に含まれるデンプンの糖鎖を切断して、低分子化された糖類を含む液化液を得るために、液化工程を実施する。当該工程は、仕込み液に液化酵素を添加することで行われる。本発明においては、液化酵素として、至適pHがpH3.0〜7.0、好ましくはpH4.0〜6.0の範囲内の耐熱性液化酵素(以下、「本発明の耐熱性液化酵素」ともいう。)が用いられる。
したがって、本発明の一実施形態では、後述の糖化工程の前に液化液のpH調整を行わなくてもよい。すなわち、糖化工程で用いる糖化酵素の多くもpH3.0〜7.0の範囲内に至適pHを有するので、本発明の耐熱性液化酵素を選択すれば、液化工程と糖化工程のpH条件を同等の範囲に設定し得る。よって、本発明の耐熱性液化酵素を用いれば、得られた液化液のpHを糖化工程のために改めて調整し直さなくてもよいのである。
また、本発明の耐熱性液化酵素の至適pHがpH4.0〜6.0の範囲内にある場合、一般的な仕込み液もpH4.0〜6.0を示すので、当該仕込み液のpHを敢えて調整しなくても液化反応を進行させることができる。したがって、本発明の特に好適な実施形態では、前記の糖化工程も含めてpH調整を全く行わなくてもよいので、麦汁又は麦芽エキスの製造を更に簡素化ができる。
また、至適pHがpH4.0〜6.0の範囲内にある本発明の耐熱性液化酵素に関して、従来の液化工程に用いられていた耐熱性液化酵素の多くはpH6.0〜7.0のほぼ中性域に至適pHを有していた。理論に拘束されるわけではないが、デンプンの還元性末端は、中性pH域でアルカリ異性化を起こして、典型的にはフラクトース残基に変化することが想定されている。そして、そのように末端がアルカリ異性化したデンプンを後述の糖化酵素で処理すると、当該末端付近から希少糖であるマルチュロースが生成し、これは通常のビール酵母が発酵に利用できない。これに対して、耐熱性液化酵素の至適pHが酸性域、特にpH4.0〜6.0の範囲にあれば、その範囲内で液化工程を行うことでアルカリ異性化が回避され、その結果としてビール酵母等により発酵されずに残留してしまうもの、すなわち、非発酵性糖類の量が減少するのかもしれない。
したがって、本発明の耐熱性液化酵素は、前記至適pHを有し且つデンプン等の糖鎖を切断して低分子の糖類に分解することができるものであれば、いずれのものも利用できるが、耐熱性α−アミラーゼを使用することが好適である。また、そのような耐熱性α−アミラーゼは、商品名「LpHera(登録商標)」としてノボザイムズジャパン株式会社から市販されており、本発明に有利に用いることができる。
本発明の耐熱性液化酵素の使用量は、所望の反応が達成できるような適宜の量とすることができるが、前記の商品名「LpHera(登録商標)」を用いる場合、仕込み液中の固形分の質量に対して、通常は0.0005〜0.02質量%、好ましくは0.001〜0.01質量%、より好ましくは0.002〜0.005質量%とすることができる。0.0005質量%以上であれば、液化反応は十分に進み、0.02質量%以下であれば経済的である。
液化工程を実施する温度に関して、本発明の一実施形態では、少なくとも80℃〜120℃の範囲内、好ましくは90℃〜115℃の範囲内、より好ましくは95℃〜110℃の範囲内に仕込み液を昇温した後に、本発明の耐熱性液化酵素を加え、反応中も前記範囲内に温度を維持する。
すなわち、麦芽中には、デンプンに働いて液化するα−アミラーゼ、デキストリンに働いてオリゴ糖を生成するデキストリナーゼ、β−グルカン等の多糖類に作用する酵素等の内在性酵素が存在する。これら内在性酵素が働くと主として非発酵性糖類が生成される。また、その後添加する糖化酵素により糖化されフラクトース、グルコース等の発酵性単糖類やマルトース等の発酵性二糖類まで分解されるが、液化工程においてこれら内在性酵素が働いてデンプン等の分解度が高くなると、醸造酒として製造されたときに希少糖、三糖類や四糖類等の非発酵性糖類が残ってしまう。したがって、液化工程においては内在性酵素を働かせない工夫が必要である。
この目的のために、本発明の好適な一実施形態では、仕込み液を前記温度範囲に昇温した後に本発明の耐熱性液化酵素を加え、反応中も前記温度範囲内に維持される。そのような温度域で液化反応を行うことにより、発酵されずに残存しうる非発酵性糖類の生成を可能な限り抑制することができる。
また、本発明の一実施形態においては、仕込み液をできるだけ速やかに前記温度範囲に昇温することで、前記内在性酵素を失活させて、その働きを可能な限り抑制することが好ましい。例えば、仕込み液を速やかに昇温して、少なくとも5分以内、好ましくは1分以内、より好ましくは10秒以内に、前記内在性酵素が働く温度域を通過させることが好ましい。このような急速な昇温が可能な装置として、仕込み液に直接スチームジェットを当て、瞬時に加熱・ミキシングすることが可能なジェットクッカーを用いることができる。そのようなジェットクッカーとして、商品名「ノリタケクッカー・スチームミキサー」(ノリタケ社製)、商品名「ジェットクッカー」(ハイドロサーマル社)等が市販されており、本実施形態でも使用することができる。
具体的に、本発明の液化反応の一実施形態では、前記ジェットクッカーによって、80℃〜120℃、好ましくは90℃〜115℃、より好ましくは95℃〜110℃まで仕込み液を急速に昇温し、昇温後の温度にて0.1分間〜1時間、好ましくは1分間〜30分間、より好ましくは2分間〜10分間の反応時間で行う。そのような昇温により、内在性酵素は作用する前に瞬時に失活するため、麦芽に含まれるデンプンが内在性酵素により分解されることを最小化できる。また、高圧下でミキシングにより、添加した耐熱性液化酵素を十分に作用させることもできる。
なお、本発明の別の実施形態においては、上記ジェットクッカーによる液化反応後の液化液を、例えばバッチタンク内で、本発明の耐熱性液化酵素に最適な温度域に維持して、更に液化反応を熟成させることも可能である。当該熟成は、少なくとも80℃〜100℃、好ましくは90℃〜98℃、より好ましくは95℃〜97℃の熟成温度で、5分間〜4時間、好ましくは10分間〜2時間、より好ましくは20分間〜1時間の熟成時間で行う。
前記液化反応後の溶液は、適宜必要に応じて、珪藻土等を助剤とする濾過を行い、適宜不純物を除去してもよい。
3.糖化工程
上記液化液中の低分子化された糖類を更に分解して、フラクトース、グルコース等の発酵性単糖類やマルトース等の発酵性二糖類を含む糖化液を得るために、糖化工程を実施する。当該工程は、液化液に糖化酵素を添加することで行われる。
一般的な糖化酵素の例として、グルコアミラーゼ(EC3.2.1.3)、β−アミラーゼ(EC3.2.1.2)や糖化型α−アミラーゼ(EC3.2.1.1)等を挙げることができる。それらの酵素は単独でも使用できるが、プルラナーゼやイソアミラーゼ等の枝切り酵素と併用することも好ましい。プルラナーゼとしてはクレブシラ(Klebsiella)属、バチルス(Bacillus)属が、イソアミラーゼとしてはシュードモナス(Pseudomonas)属の酵素が用いられる。具体的に、本発明の一つの実施形態では、グルコアミラーゼが単独で使用される。すなわち、グルコアミラーゼは基質糖鎖の分岐部分(α−1,6−結合)にも作用するので、単独で使用しても十分な糖化を達成できる。しかしながら、グルコアミラーゼをプルラナーゼと併用してもよく、それにより若干ではあるが非発酵性糖類の生成を抑えることができる。また、本発明の別の実施形態では、β−アミラーゼを前記枝切り酵素(プルラナーゼおよび/またはイソアミラーゼ等)と併用する。そのような併用によって、β−アミラーゼ単独の場合に比べて非発酵性糖類の生成が大幅に抑えられる。同様に、本発明の他の実施形態においても、糖化型α−アミラーゼを前記枝切り酵素(プルラナーゼおよび/またはイソアミラーゼ等)と併用することで、非発酵性糖類の生成が大幅に抑えることができる。
前記の糖化酵素および枝切り酵素は、いずれも、遺伝子組換生産された酵素であっても天然型酵素であってもよい。前記グルコアミラーゼとしては、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)属またはクモノスカビ(Rhizopus)属由来のものが利用可能である。例えば、市販のグルコアミラーゼとしては、商品名「グルコチーム#20000」、商品名「デナチームGSA/R」(以上、長瀬産業社製);商品名「グルクザイムAF6」(天野エンザイム社製);商品名「スミチーム」(新日本化学工業社製);商品名「グルターゼAN」(エイチビィアイ社製);商品名「AMG」(ノボザイムズ社製);商品名「GODO−ANGH」(合同酒精社製);および商品名「ユニアーゼ30」(ヤクルト薬品工業社製)等が入手可能である。また、グルコアミラーゼはプルラナーゼと一緒に配合されたものも市販されており、例えば、商品名「OPTIMAX4060VHP」(長瀬産業社製);商品名「ダイザイムGPS」(天野エンザイム社製);商品名「スミチームAD」、商品名「スミチームADX」(以上、新日本化学工業社製);および商品名「Dextrozyme」、「Dextrozyme Peak」、「Dextrozyme Go」、「Extenda peak」(以上、ノボザイムズ社製)も本発明に利用可能である。また、前記β−アミラーゼとしては、「β−アミラーゼL/R」(長瀬産業社製)、β−アミラーゼFアマノ(天野エンザイム社製)、ハイマルトシンGL(エィチビィアイ社製)等が利用可能である。また、前記糖化型α−アミラーゼとしては、ファンガミル(ノボザイムズ社製)が挙げられる。これらの酵素は、概ね、pH3.0〜7.0で活性を示し、pH4.0〜6.0の至適pHを有している。
上記糖化酵素の添加量は、酵素力価をpH4.5で40℃、30分間、アミロースに添加して反応させた結果グルコースを1mg生産する酵素量を1unitとした場合に、原料(麦芽)1gに対して36units〜360units、好ましくは72units〜280units、より好ましくは100units〜210unitsである。360units以下であれば酵素に起因する不快な風味を抑制でき、36units以上であれば十分に糖化反応が進む。
糖化酵素の反応温度および反応時間は、添加する糖化酵素の種類によって適宜調整することが可能である。一例として、30℃〜65℃の反応温度、好ましくは40℃〜60℃の反応温度、より好ましくは50℃〜55℃の反応温度であって、1時間〜72時間の反応時間、好ましくは6時間〜48時間の反応時間、より好ましくは12時間〜36時間の反応時間とすることが可能である。当該糖化酵素による糖化が進行しすぎると、非発酵性糖類の一つであるイソマルトースが多量に生成されることになるため、反応温度および反応時間はイソマルトースの生成を抑制する観点で適宜調整してもよい。
なお、本発明の別の実施形態では、糖化工程の際に、所望に応じてプロテアーゼやリパーゼ等の他の酵素を一緒に添加してもよい。
上記糖化液は、適宜必要に応じて、珪藻土等を助剤とする濾過を行い、適宜不純物を除去してもよい。
4.活性炭処理工程
上記工程によって得られた糖化液に、所定量の活性炭を添加して、オリゴ糖の除去をするための活性炭処理工程を行うことができる。具体的には、上記糖化液に活性炭を添加して、所定の処理温度で所定期間振とうさせる。
添加される活性炭は、粉末状の木質系原料由来の活性炭であれば、市販の活性炭を適宜利用することが可能であるが、一例としては、商品名「太閤Sタイプ」(フタムラ化学社製)を用いることが可能である。
活性炭処理の処理温度および処理時間は、添加する活性炭の種類や濃度によって適宜調整することが可能である。一例として、50℃〜95℃の処理温度、好ましくは60℃〜90℃の処理温度、より好ましくは70℃〜80℃の処理温度であって、0.1時間〜12時間の処理時間、好ましくは0.5時間〜6時間の処理時間、より好ましくは1時間〜4時間の処理時間とすることが可能である。
なお、本実施形態においては糖化液に活性炭処理を行ったが、当該活性炭処理は最終的に得られる発酵性糖類の割合に応じて行わなくてもよい。
また、活性炭処理後の溶液は、適宜必要に応じて、珪藻土等を助剤とする濾過を行い、適宜不純物を除去してもよい。
5.後処理工程
上記活性炭処理工程によって得られた処理液は、麦汁として、各種食品または飲料に用いることが可能であるが、当該処理液を、所望のBrixとなるようにエバポレータなどを用いて濃縮して、シロップ状の麦芽エキスとすることも可能である。
当該麦芽エキスは、変敗菌による汚染リスク、醸造酒の原材料としての取扱いの容易さ、運搬の際の利便性等を考慮して、Brixとして10%〜80%、より好ましくは30%〜80%、より好ましくは60%〜75%に調製することが望ましい。
上記で得られた麦汁または麦芽エキスには、成分として、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類以上等の各種糖類が含まれる。このうち、本発明の一実施形態では、フラクトース、グルコース等の発酵性単糖類およびマルトース等の発酵性二糖類が、前記麦汁または麦芽エキス中の全糖類に対して、80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは93質量%以上の割合で含まれる。また、醸造酒として製造されたときに残存し得る三糖類や四糖類等の非発酵性糖類は、含まれる全糖類に対して、20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下の割合で含まれるのが良い。得られた麦汁または麦芽エキスを醸造酒の製造に用いた際、上記割合であれば好適な発酵度の醸造酒を得ることが可能となり、非発酵性糖類の量をより軽減することが可能となる。
なお、得られた麦汁または麦芽エキスは、必要に応じて、例えば着色料、pH調整剤、緩衝剤、安定化剤等を含んでもよい。
<醸造酒の製造方法>
上記製造方法によって得られた麦汁または麦芽エキスは、様々な食品および飲料品に用いることが可能である。一例としては、ビール、発泡酒等の醸造酒、ノンアルコールビールやいわゆる「こどもビール」と呼ばれるビールを模した清涼飲料、麦芽で風味を付ける飲料、またフランスパン等のパン類や焼き菓子等の菓子類が挙げられる。
ここで、ビール、発泡酒等の醸造酒は、原材料として用いる麦芽等の量に応じて法的に分類される。そのため、醸造酒中に含まれる非発酵性糖類を低減する目的で蔗糖や異性化糖を原材料として過剰に用いた場合に、麦芽の割合が減少し、ビールには分類されず発泡酒に分類され得る。一方、本発明の一実施形態により得られた麦汁または麦芽エキスを原材料として用いた場合には、麦芽の割合を減少させることなく摂取されるビール中の非発酵性糖類を低減させることが可能となる。したがって、本発明の一実施形態における麦汁または麦芽エキスは、醸造酒の中でも、特にビールの製造に用いるのが好ましい。
本発明の一実施形態においては、上記製造方法によって得られた麦汁等にホップを添加し、公知の醸造酒の製造方法によってビールを製造することが可能である。一例としては、添加したホップの香味や風味を煮出すために、煮沸する煮沸工程が行われる。当該煮沸工程は、0.5時間〜10時間、好ましくは1時間〜5時間行われる。
煮沸工程により得られた溶液は、その後冷却され発酵タンクに移され、酵母を加えてアルコール発酵をする発酵工程が行われる。当該発酵工程は、1日〜20日、好ましくは5日〜10日かけて行われる。その後、発酵液から酵母を分離して、貯酒タンクで所定期間貯蔵・熟成した後、所定の瓶・缶に封入してビールとして製造される。
発酵の進行に伴い、発酵前のエキスは減少し、アルコールと炭酸ガスに変換されるが、ビール製造後も発酵されずにエキスが残存する。発酵前の原麦汁エキスに対する消費されたエキスの比率を発酵度という。発酵度は、原麦汁エキス濃度、発酵後にアルコールに分解されず残存したエキス分のプラトー濃度、および生成したアルコールの質量%を測定しこれに基づいて算出される。低カロリーや低糖質とするためには、当該発酵度が90%以上、好ましくは100%以上、より好ましくは110%以上であることが好ましい。
本発明の一実施形態においては、醸造酒の製造に本発明の麦汁または麦芽エキスを用いているために、発酵度が高く、非発酵性糖類がより少ない醸造酒を得ることが可能となる。具体的には、本発明の麦汁または麦芽エキスは、上記の通り、発酵工程におけるアルコール発酵に用いられる発酵性糖類の割合が高く、アルコール発酵に用いられない非発酵性糖類の割合が非常に少ない。したがって、麦汁または麦芽エキス中に含まれる糖類の大部分はアルコール発酵によって分解されアルコールとなり、糖類の残存を限りなく抑制することが可能となる。したがって、上記の通り、発酵度が高く、非発酵性糖類がより少ない醸造酒を製造することが可能となる。
<各種測定方法>
1.糖組成の測定
本発明の麦汁または麦芽エキスに含まれる糖類の組成は、公知の測定法を適宜用いて測定することができる。一例としては、当該麦汁または麦芽エキスを純水で所定のBrixに希釈し、活性炭、イオン交換樹脂、固層抽出、メンブレンフィルター等により精製したのち、高速液体クロマトグラフィー(HPLC:例えば、商品名「Alliance(登録商標)HPLCシステム」(日本ウォーターズ社製))によって測定することができる。
2.Brixの測定
Brixとは、可溶性固形分濃度(%)のことであり、可溶性固形分が溶解した水溶液の20℃における屈折率を測定し、ICUMSA(International Commission for Uniform Methods of Sugar Analysis)提供の換算表に基づいて、純蔗糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値のことである。本発明の一実施形態では、麦汁または麦芽エキスを濃縮や希釈するときの濃度を調整するためにBrixが測定される。Brixは、ガラスビーカーに当該麦汁または麦芽エキスを投入し所定時間経過後の溶液を用いて、既に知られている公知の測定法を適宜用いて測定することができ、一般的には市販の糖度計(例えば、デジタル屈折計 商品名「RX−5000α」(アタゴ社製))を用いて測定することができる。
3.発酵度の測定
本発明における発酵度の測定は、まず所定のBrix(例えば、12%)に調整した麦汁または麦芽エキスを所定量(例えば、500mL)分取し、ホップペレットを分取後の麦汁または麦芽エキスに所定量(例えば、0.6g)投入することにより行われる。その後、麦汁または麦芽エキスをオートクレーブで処理(例えば、121℃で15分間)し、冷却した後にデカンテーションする。得られた所定量の上清(例えば、300mL)に、所定量の酵母(例えば、7.5g)を加えて静置(例えば、15℃で240時間)して、発酵試験を実施する。発酵試験後の溶液から遠心分離、フィルター濾過等により酵母を除去し、除去後の溶液をビール分析器(製品名「アルコライザー」(アントンパール社製))にかけ、アントンパール法により発酵度を測定する。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、特に断らないかぎり、本明細書中で「%」は質量(w/w)%を意味する。
[実施例1]
麦汁または麦芽エキスの製造には、ビール原料として市販されている大麦麦芽の粉砕物を用いた。当該麦芽粉砕物に対して、麦芽粉砕物の濃度が25質量%となるように純水を加えた。この時の麦芽粉砕物と水の混合物(仕込み液)のpHは5.7であった。次いで、この仕込み液のpHを調整することなく、液化酵素として商品名「LpHera(登録商標)」(ノボザイムズジャパン株式会社)を、仕込み液の固形分に対して0.0025質量%の濃度で添加した。そして、液化酵素の添加後直ちに、酵素添加液が107℃になるまでジェットクッカーを用いて急速に加温し、15分間保持した。その後、酵素添加液の温度を95℃まで下げて15分間保持し、液化反応の熟成を行って液化液を得た。
次いで、上記液化液のpHを調整することなく、糖化酵素として商品名「ダイザイムGPS」(天野エンザイム社製)を、前記仕込み液の固形分に対して0.4質量%の濃度で添加した。そして、糖化反応のために、当該酵素添加液を55℃で24時間保持し、糖化液を得た。
次いで、上記糖化液に粉末活性炭(木質活性炭、商品名「太閤Sタイプ」(フタムラ化学社製))を、前記仕込み液の固形分に対して10質量%の割合で添加し、80℃で1時間撹拌した。その後、珪藻土(商品名「ラヂオライト#500S」(昭和化学工業社製))で被覆した濾紙(商品名「定性濾紙No.2」(東洋濾紙社製))を張ったヌッチェに吸引しながら上記糖化液を通液し、麦汁を得た。更に、その麦汁を孔径0.45μmのメンブレンフィルター(商品名「セルロース混合エステルタイプメンブランフィルター」(東洋濾紙社製))で濾過した後、エバポレータによってBrixが76%になるまで濃縮して、シロップ状の麦芽エキスを得た。当該麦芽エキスを以下の実験に使用した。
[比較例1]
実施例1で用いたものと同じ麦芽粉砕物に対して、麦芽粉砕物の濃度が25質量%となるように純水を加え、仕込み液とした。この仕込み液に消石灰を添加してpH6.9に調整した後、液化酵素として商品名「クライスターゼT10S」(天野エンザイム社製)を、仕込み液の固形分に対して0.01質量%の濃度で添加した。そして、液化酵素の添加後直ちに、酵素添加液が105℃になるまでジェットクッカーを用いて急速に加温し、15分間保持した。その後、酵素添加液の温度を95℃まで下げて15分間保持し、液化反応の熟成を行って液化液を得た。
次いで、上記液化液にリンゴ酸を添加してpH4.3に調整した後、糖化酵素として商品名「ダイザイムGPS」(天野エンザイム社製)を、前記仕込み液の固形分に対して0.4質量%の濃度で添加した。そして、糖化反応のために、当該酵素添加液を55℃で24時間保持し、糖化液を得た。
上記の液化液を、実施例1と同様にして、活性炭処理および珪藻土で被覆した濾紙で濾過処理して麦汁を得た。また、実施例1と同様にして、当該麦汁を孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過し、エバポレータでBrixが76%になるまで濃縮して、シロップ状の麦芽エキスを得た。当該麦芽エキスを以下の実験に使用した。
[実施例2]
実施例1では、糖化酵素(商品名「ダイザイムGPS」(天野エンザイム社製))で処理して得た糖化液に、粉末活性炭(木質活性炭、商品名「太閤Sタイプ」(フタムラ化学社製))を添加して活性炭処理を行ったが、実施例2では、当該活性炭処理を行わなかった。すなわち、実施例1と同様の方法で得た糖化液を、直ちに珪藻土で被覆した濾紙で濾過処理して麦汁を得た。当該麦汁を孔径5.0μmのメンブレンフィルター(商品名「セルロース混合エステルタイプメンブランフィルター」(東洋濾紙社製))で濾過し、エバポレータでBrixが76%になるまで濃縮して、シロップ状の麦芽エキスを得た。当該麦芽エキスを以下の実験に使用した。
[比較例2]
比較例2では、実施例2と同じく当該活性炭処理を行わなかった。すなわち、比較例1と同様の方法で得た糖化液を、直ちに珪藻土で被覆した濾紙で濾過処理して麦汁を得た。当該麦汁を孔径5.0μmのメンブレンフィルター(商品名「セルロース混合エステルタイプメンブランフィルター」(東洋濾紙社製))で濾過し、エバポレータでBrixが76%になるまで濃縮して、シロップ状の麦芽エキスを得た。当該麦芽エキスを以下の実験に使用した。
[糖組成の測定]
実施例1および2並びに比較例1および2のいずれについても、測定の前処理として、麦芽エキスを純水で固形分5%に希釈した後、希釈液10mLに対し10mg程度の木質系活性炭(商品名「太閤Sタイプ」(フタムラ化学社製))を加えて煮沸した。次に、その希釈液を濾紙(商品名「定性濾紙No.2」(東洋濾紙社製))に通液し、得られた濾液に対して強カチオン型イオン交換樹脂(商品名「ダイヤイオン」(三菱ケミカル社製))および強アニオン型イオン交換樹脂(商品名「ダイヤイオン」(三菱ケミカル社製))をそれぞれ1g程度加えて撹拌した。撹拌後、その溶液をオクタデシル型フィルター(商品名「Bond Elut Jr−C18」(アジレント・テクノロジー社製))、および0.45μメンブレンフィルター(商品名「MILLEX−HPフィルターユニット」(メルク社製))により精製した。得られた精製物をサンプルとして、商品名「Alliance(登録商標)HPLCシステム」(日本ウォーターズ社製)を用いて、以下の条件で分析した。そして、各糖類の糖類全体に占める比率%(質量%)を、面積100分率として算出した。
Figure 2021185871
[発酵度の測定]
実施例1および2並びに比較例1および2のいずれについても、まずは上記麦芽エキスをBrixが12%になるまで純水で希釈した。そして、それらの希釈液の500mLにホップペレット(0.6g)投入した後、オートクレーブ処理(121℃、15分間)した。オートクレーブした希釈液を冷却後にデカンテーションし、その上清300mLを得た。当該上清に市販のビール酵母(7.5g)を加えて静置(15℃、240時間)し、発酵させた。発酵後の溶液から遠心分離により酵母を除去し、その上清をカートリッジフィルター(商品名「アクロディスク4525」(日本ポール社製))に通液し、ビール分析器(製品名「アルコライザー」(アントンパール社製))を用いて、アントンパール法により発酵度を測定した。
表2は、実施例1および2並びに比較例1および2の麦芽エキスの糖組成および発酵結果を示す。
Figure 2021185871
表2から、従来の液化酵素を用いた比較例の麦芽エキスに対して、本発明の耐熱性液化酵素による実施例の麦芽エキスでは、発酵性糖類の割合が有意に増加することがわかった。また、本発明の麦芽エキスの発酵度も、比較例の麦芽エキスの発酵度より有意に高かった。

Claims (16)

  1. 麦汁または麦芽エキスの製造方法であって、以下の:
    (1)麦芽と水性溶媒を混合して仕込み液を得ることを含む、仕込み工程;および
    (2)上記(1)で得られた仕込み液を、80℃〜120℃まで昇温および維持し、至適pHがpH3.0〜7.0の範囲内の耐熱性液化酵素で処理して麦芽の液化液を得ることを含む、液化工程;
    を含む、前記麦汁または麦芽エキスの製造方法。
  2. 上記(2)の耐熱性液化酵素の至適pHがpH4.0〜6.0の範囲内である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記(2)の耐熱性液化酵素が耐熱性α−アミラーゼである、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記耐熱性α−アミラーゼがLpHera(登録商標)である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記液化工程を90℃〜115℃の範囲内で実施する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記液化工程を95℃〜110℃の範囲内で実施する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記液化工程をpH3.0〜7.0の範囲内で実施する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記液化工程が、上記(1)の仕込み液のpHを調整せずに実施される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 上記(2)の仕込み液の昇温および維持がジェットクッカーにより実施される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 更に、
    (3)上記(2)で得られた液化液を糖化酵素で処理して糖化液を得ること含む、糖化工程;
    を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 上記(3)の糖化酵素が少なくともグルコアミラーゼを含む、請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記糖化工程をpH3.0〜7.0の範囲内で実施する、請求項10または11に記載の製造方法。
  13. 前記糖化工程が、上記(2)で得られた液化液のpHを調整せずに実施される、請求項10〜12のいずれか一項に記載の製造方法。
  14. 更に、上記(3)で得られた糖化液を活性炭により処理する工程を含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載の製造方法。
  15. 前記麦汁または麦芽エキスが、含有する全糖質に対して90質量%以上の発酵性糖類を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
  16. 醸造酒の製造方法であって、請求項1〜15のいずれか一項に記載の製造方法により得られた麦汁または麦芽エキスを酵母により発酵させる工程を含む、前記醸造酒の製造方法。

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