JP2021184076A - 冷却装置、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

冷却装置、定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却装置の構成を簡略化する。【解決手段】長手方向を有する加熱部材(定着ベルト310)をエアで冷却する冷却装置である。この冷却装置は送風部材(送風ファン430)と、エアが通過するエアダクト410であって、送風部材によるエアが供給される第1の開口411と、加熱部材の一部に対向した第2の開口412と、加熱部材の他部に対向した第3の開口413を有するエアダクト410と、第2、第3の開口から排出されるエアの風量を可変にする風量可変機構(スライド部材450)とを有する。【選択図】図5A

Description

本発明は冷却装置、定着装置および画像形成装置に係り、特に長手方向を有する加熱部材を冷却する冷却装置と、当該冷却装置を備えた定着装置および画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置で使用される定着装置は種々の型式が知られており、その1つに省エネ性に優れウォームアップ時間も短いサーフ定着方式がある。このサーフ定着方式は低熱容量の薄肉定着ベルトを内側から面状ヒータで接触加熱し、定着ニップを通るシート部材を定着ベルトで加熱してシート部材に担持した未定着トナー画像を加熱定着する。
このような定着装置で小サイズ紙を連続印刷すると、定着ベルトの長手方向端部(非通紙部)が温度上昇する場合がある。端部温度が上昇すると、小サイズ紙の印刷から大サイズ紙の印刷に移行したときに、端部の定着熱供給量過多によって(高温)オフセットや定着ベルトへの用紙巻き付きによるジャムなどの不具合が発生することがある。端部温度上昇の抑制対策として、特許文献1(特許第5930779号公報)では定着ベルトの両端部にそれぞれ送風ファンを設け、当該送風ファンの送風口の一部を用紙サイズに応じてシャッタで覆うようにした冷却装置が開示されている。
このような冷却装置は定着ベルトの両端部の温度上昇を防止するのに有効であるが、送風ファンを定着ベルトの両端部にそれぞれ配設しなければならないので複雑な構成となる課題がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、冷却装置の構成を簡略化することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の冷却装置は、長手方向を有する加熱部材をエアで冷却する冷却装置において、送風部材と、前記エアが通過するエアダクトであって、前記送風部材によるエアが供給される第1の開口と、前記加熱部材の一部に対向した第2の開口と、前記加熱部材の他部に対向した第3の開口を有するエアダクトと、前記第2、第3の開口から排出されるエアの風量を可変にする風量可変機構と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、冷却装置の構成を簡略化することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の原理図である。 本発明の実施形態に係る第1の定着装置の断面図である。 本発明の実施形態に係る第2の定着装置の断面図である。 本発明の実施形態に係る第3の定着装置の断面図である。 本発明の実施形態に係る第4の定着装置の断面図である。 横からから送風する冷却装置付き定着装置の断面図である。 上からから送風する冷却装置付き定着装置の断面図である。 定着装置に使用する抵抗部材の平面図である。 定着装置に使用する抵抗部材の平面図である。 横からから送風する冷却装置付き定着装置の断面図である。 上からから送風する冷却装置付き定着装置の断面図である。 冷却装置の実施形態を示す断面図である。 冷却装置の実施形態を示す平面図である。 冷却装置の駆動用モータM1、M2を制御する制御部の構成図である。 冷却装置のスライド部材の変形実施形態を示す断面図である。 定着ベルトの温度とスライド部材の作動を示すグラフ図である。 定着ベルトの温度と送風ファン、スライド部材の作動を示すグラフ図である。 風量可変機構の変形例を示す断面図である。 風量可変機構の変形例を示す断面図である。 冷却装置付き定着装置の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る冷却装置と、当該冷却装置を使用した定着装置及び画像形成装置(レーザプリンタ)について図面を参照して説明する。レーザプリンタは画像形成装置の一例であり、当該画像形成装置はレーザプリンタに限定されないことは勿論である。すなわち、画像形成装置は複写機、ファクシミリ、プリンタ、印刷機、及びインクジェット記録装置のいずれか一つ、またはこれらの少なくとも2つ以上を組み合わせた複合機として構成することも可能である。
なお、各図中の同一または相当する部分には同一の符号を付し、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。また各構成部品の説明にある寸法、材質、形状、その相対配置などは例示であって、特に特定的な記載がない限りこの発明の範囲をそれらに限定する趣旨ではない。
以下の実施形態では「記録媒体」を「用紙」として説明するが、「記録媒体」は紙(用紙)に限定されない。「記録媒体」は紙(用紙)だけでなくOHPシートや布帛、金属シート、プラスチックフィルム、或いは炭素繊維にあらかじめ樹脂を含浸させたプリプレグシートなども含む。
現像剤やインクを付着させることができる媒体、記録紙、記録シートと称されるものも、すべて「記録媒体」に含まれる。また「用紙」には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ等も含まれる。
また、以下の説明で使用する「画像形成」とは、文字や図形等の画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の模様を媒体に付与することも意味する。
(レーザプリンタの構成)
図1Aは、本発明の冷却装置ないし定着装置300を備えた画像形成装置100の一実施形態としてのカラーレーザプリンタの構成を概略的に示す構成図である。また図1Bは当該カラーレーザプリンタの原理を単純化して図示する。
画像形成装置100は、画像形成手段としての4つのプロセスユニット1K、1Y、1M、1Cを備える。これらプロセスユニットは、カラー画像の色分解成分に対応するブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の現像剤によって画像を形成する。
各プロセスユニット1K、1Y、1M、1Cは、互いに異なる色の未使用トナーを収容したトナーボトル6K、6Y、6M、6Cを有する以外は、同様の構成となっている。このため、1つのプロセスユニット1Kの構成を以下に説明し、他のプロセスユニット1Y、1M、1Cの説明を省略する。
プロセスユニット1Kは、像担持体2K(例えば感光体ドラム)と、ドラムクリーニング装置3Kと、除電装置を有している。プロセスユニット1Kはさらに、像担持体の表面を一様帯電する帯電手段としての帯電装置4Kと、像担持体上に形成された静電潜像の可視像処理を行う現像手段としての現像装置5K等を有している。そして、プロセスユニット1Kは、画像形成装置100の本体に対して着脱自在に装着され、消耗部品を同時に交換可能となっている。
露光器7は、この画像形成装置100に設置された各プロセスユニット1K、1Y、1M、1Cの上方に配設されている。そして、この露光器7は、画像情報に応じた書き込み走査、すなわち、画像データに基づいてレーザダイオードからレーザ光Lをミラー7aで反射して像担持体2Kに照射するように構成されている。
転写装置15は、この実施形態では各プロセスユニット1K、1Y、1M、1Cの下方に配設されている。この転写装置15は図1Bの転写手段TMに対応する。一次転写ローラ19K、19Y、19M、19Cは、各像担持体2K、2Y、2M、2Cに対向して中間転写ベルト16に当接して配置されている。
中間転写ベルト16は、各一次転写ローラ19K、19Y、19M、19C、駆動ローラ18、従動ローラ17に掛け渡された状態で循環走行するようになっている。二次転写ローラ20は、駆動ローラ18に対向し中間転写ベルト16に当接して配置されている。なお、像担持体2K、2Y、2M、2Cが各色の第1の像担持体とすれば、中間転写ベルト16はそれらの像を合成した第2の像担持体である。
ベルトクリーニング装置21は、中間転写ベルト16の走行方向において、二次転写ローラ20より下流側に設置されている。また、クリーニングバックアップローラが中間転写ベルト16に対してベルトクリーニング装置21と反対側に設置されている。
用紙Pを積載するトレイを有する用紙給送装置200は、画像形成装置100の下方に設置されている。この用紙給送装置200は記録媒体供給部を構成するもので、記録媒体としての多数枚の用紙Pを束状で収容可能であり、用紙Pの搬送手段としての給紙ローラ60やローラ対210と共にユニット化されている。
用紙給送装置200は用紙の補給等のために、画像形成装置100の本体に対して挿脱可能とされている。給紙ローラ60とローラ対210は用紙給送装置200の上方に配置され、用紙給送装置200の最上位の用紙Pを給紙路32に向けて搬送するようになっている。
分離搬送手段としてのレジストローラ対250は、二次転写ローラ20の搬送方向直近上流側に配置され、用紙給送装置200から給紙された用紙Pを一旦停止させることができる。この一旦停止により用紙Pの先端側に弛みが形成されて用紙Pの斜行(スキュー)が修正される。
レジストローラ対250の搬送方向直近上流側にはレジストセンサ31が配設され、このレジストセンサ31によって用紙先端部分の通過が検知されるようになっている。レジストセンサ31が用紙先端部分の通過を検知した後、所定時間が経過すると、当該用紙はレジストローラ対250に突き当てられて一旦停止する。
用紙給送装置200の下流端には、ローラ対210から右側に搬送された用紙を上方に向けて搬送するための搬送ローラ240が配設されている。図1Aに示すように、搬送ローラ240は用紙を上方のレジストローラ対250へ向けて搬送する。
ローラ対210は上下一対のローラで構成されている。当該ローラ対210はFRR分離方式またはFR分離方式とすることができる。
FRR分離方式は、駆動軸によりトルクリミッタを介して反給紙方向に一定量のトルクを印加された分離ローラ(戻しローラ)を給送ローラに圧接させてローラ間のニップで用紙を分離する。FR分離方式は、トルクリミッタを介して固定軸に支持された分離ローラ(摩擦ローラ)を給送ローラに圧接させてローラ間のニップで用紙を分離する。
この実施形態ではローラ対210をFRR分離方式で構成している。すなわち、ローラ対210は、用紙をマシン内部に搬送する上側の給送ローラ220と、この給送ローラ220と逆方向にトルクリミッタを介して駆動軸により駆動力を与えられる下側の分離ローラ230で構成されている。
分離ローラ230は給送ローラ220に向けてバネ等の付勢手段で付勢されている。なお、前記給紙ローラ60は、給送ローラ220の駆動力をクラッチ手段を介して伝達することで図1Aで左回転するようになっている。
レジストローラ対250に突き当てられて先端部に弛みが形成された用紙Pは、中間転写ベルト16上に形成されたトナー像が好適に転写されるタイミングに合わせ、二次転写ローラ20と駆動ローラ18との二次転写ニップ(図1Bでは転写ニップN)に送り出される。そして、送り出された用紙Pは、二次転写ニップにおいて印加されたバイアスによって、中間転写ベルト16上に形成されたトナー像が所望の転写位置に高精度に静電的に転写されるようになっている。
転写後搬送路33は、二次転写ローラ20と駆動ローラ18の二次転写ニップの上方に配設されている。定着装置300は、転写後搬送路33の上端近傍に設置されている。
定着装置300は、発熱部材を内包する加熱部材としての定着ベルト310と、この定着ベルト310に対して所定の圧力で当接しながら回転する加圧部材としての加圧ローラ320を備えている。定着装置300は後述する図2A〜図2Dのように各種の型式が可能であるが、まず図2Aの型式に沿って説明する。
定着後搬送路35は、定着装置300の上方に配設され、定着後搬送路35の上端で、排紙路36と反転搬送路41に分岐している。この分岐部に切り替え部材42が配置され、切り替え部材42はその揺動軸42aを軸として揺動するようになっている。また排紙路36の開口端近傍には排紙ローラ対37が配設されている。
反転搬送路41は、分岐部と反対側の他端で給紙路32に合流している。そして、反転搬送路41の途中には、反転搬送ローラ対43が配設されている。排紙トレイ44は、画像形成装置100の上部に、画像形成装置100の内側方向に凹形状を形成して、設置されている。
粉体収容器10(例えばトナー収容器)は、転写装置15と用紙給送装置200の間に配置されている。そして、粉体収容器10は、画像形成装置100の本体に対して着脱自在に装着されている。
本実施形態の画像形成装置100は、転写紙搬送の関係により、給紙ローラ60から二次転写ローラ20までの所定の距離が必要である。そして、この距離に生じたデッドスペースに粉体収容器10を設置し、レーザプリンタ全体の小型化を図っている。
転写カバー8は、用紙給送装置200の上部で、用紙給送装置200の引出方向正面に設置されている。そして、この転写カバー8を開くことで、画像形成装置100の内部を点検可能にしている。転写カバー8には、手差し給紙用の手差し給紙ローラ45、及び手差し給紙用の手差しトレイ46が設置されている。
(レーザプリンタの作動)
次に、本実施形態に係るレーザプリンタの基本的動作について図1Aを参照して以下に説明する。最初に、片面印刷を行う場合について説明する。
給紙ローラ60は、図1Aに示すように、画像形成装置100の制御部からの給紙信号によって回転する。そして、給紙ローラ60は、用紙給送装置200に積載された束状用紙Pの最上位の用紙のみを分離し、給紙路32へ送り出す。
給紙ローラ60およびローラ対210によって送り出された用紙Pは、その先端がレジストローラ対250のニップに到達すると、弛みを形成し、その状態で待機する。そして、中間転写ベルト16上に形成されたトナー画像をこの用紙Pに転写する最適なタイミング(同期)を図ると共に、用紙Pの先端スキューを補正する。
手差しによる給紙の場合は、手差しトレイ46に積載された束状用紙が、最上位の用紙から一枚ずつ手差し給紙ローラ45によって反転搬送路41の一部を通り、レジストローラ対250のニップまで搬送される。以後の動作は用紙給送装置200からの給紙と同一である。
ここで、作像動作については、1つのプロセスユニット1Kを説明し、他のプロセスユニット1Y、1M、1Cについてのその説明を省略する。まず、帯電装置4Kは、像担持体2Kの表面を高電位に均一に帯電する。そして、露光器7は、画像データに基づいたレーザ光Lを像担持体2Kの表面に照射する。
レーザ光Lが照射された像担持体2Kの表面は、照射された部分の電位が低下して、静電潜像を形成する。現像装置5Kは、トナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体を有し、トナーボトル6Kから供給された未使用のブラックトナーを、現像剤担持体を介して、静電潜像が形成された像担持体2Kの表面部分に転移させる。
トナーが転移した像担持体2Kは、その表面にブラックトナー画像を形成(現像)する。そして、像担持体2K上に形成されたトナー画像を中間転写ベルト16に転写する。
ドラムクリーニング装置3Kは、中間転写行程を経た後の像担持体2Kの表面に付着している残留トナーを除去する。除去された残留トナーは、廃トナー搬送手段によって、プロセスユニット1K内にある廃トナー収容部へ送られ回収される。また、除電装置は、クリーニング装置3Kによって残留トナーが除去された像担持体2Kの残留電荷を除電する。
各色のプロセスユニット1Y、1M、1Cにおいても、同様にして像担持体2Y、2M、2C上にトナー画像を形成し、各色トナー画像が重なり合うように中間転写ベルト16に転写する。
各色トナー画像が重なり合うように転写された中間転写ベルト16は、二次転写ローラ20と駆動ローラ18の二次転写ニップまで走行する。一方、レジストローラ対250は、それに突き当てられた用紙を所定のタイミングで挟み込んで回転し、中間転写ベルト16上に重畳転写して形成されたトナー像が好適に転写されるタイミングに合わせて、二次転写ローラ20の二次転写ニップまで搬送する。このようにして、中間転写ベルト16上のトナー画像をレジストローラ対250によって送り出された用紙Pに転写する。
トナー画像が転写された用紙Pは、転写後搬送路33を通って定着装置300へと搬送される。そして、定着装置300に搬送された用紙Pは、定着ベルト310と加圧ローラ320によって挟まれ、加熱・加圧することで未定着トナー画像が用紙Pに定着される。トナー画像が定着された用紙Pは、定着装置300から定着後搬送路35へ送り出される。
切り替え部材42は、定着装置300から用紙Pが送り出されたタイミングでは、図1Aの実線で示すように定着後搬送路35の上端近傍を開放している位置にある。そして、定着装置300から送り出された用紙Pは、定着後搬送路35を経由して排紙路36へ送り出される。排紙ローラ対37は、排紙路36へ送り出された用紙Pを挟み込み、回転駆動することで排紙トレイ44に排出することで片面印刷を終了する。
次に、両面印刷を行う場合について説明する。片面印刷の場合と同様に、定着装置300は用紙Pを排紙路36へ送り出す。そして、両面印刷を行う場合、排紙ローラ対37は、回転駆動によって用紙Pの一部を画像形成装置100外に搬送する。
そして、用紙Pの後端が、排紙路36を通過すると、切り替え部材42は、図1Aの点線で示すように揺動軸42aを軸として揺動し、定着後搬送路35の上端を閉鎖する。この定着後搬送路35の上端の閉鎖とほぼ同時に、排紙ローラ対37は、用紙Pを画像形成装置100外へ搬送する方向と逆の方向に回転し、反転搬送路41へ用紙Pを送り出す。
反転搬送路41へ送り出された用紙Pは、反転搬送ローラ対43を経て、レジストローラ対250に至る。そして、レジストローラ対250は、中間転写ベルト16上に形成されたトナー画像を用紙Pのトナー画像未転写面に転写する最適なタイミング(同期)を図り、用紙Pを二次転写ニップへ送り出す。
そして、二次転写ローラ20と駆動ローラ18は、用紙Pが二次転写ニップを通過する際に用紙Pのトナー画像未転写面(裏面)にトナー画像を転写する。そして、トナー画像が転写された用紙Pは、転写後搬送路33を通って定着装置300へと搬送される。
定着装置300は、定着ベルト310と加圧ローラ320によって、搬送された用紙Pを挟み、加熱・加圧することで未定着トナー画像を用紙Pの裏面に定着する。このようにして、表裏両面にトナー画像が定着された用紙Pは、定着装置300から定着後搬送路35へ送り出される。
切り替え部材42は、定着装置300から用紙Pが送り出されたタイミングでは、図1Aの実線で示すように定着後搬送路35の上端近傍を開放している位置にある。そして、定着装置300から送り出された用紙Pは、定着搬送路を経由して排紙路36へ送り出される。排紙ローラ対37は、排紙路36へ送り出された用紙Pを挟み、回転駆動し排紙トレイ44に排出することで両面印刷を終了する。
中間転写ベルト16上のトナー画像を用紙Pに転写した後、中間転写ベルト16上には残留トナーが付着している。ベルトクリーニング装置21は、この残留トナーを中間転写ベルト16から除去する。また、中間転写ベルト16から除去されたトナーは、廃トナー搬送手段によって、粉体収容器10へと搬送され、粉体収容器10内に回収される。
(定着装置)
次に、本発明の実施形態に係る冷却装置と第1〜第4の定着装置300について、以下さらに説明する。本実施形態の冷却装置は、定着装置300の定着ベルト310の両端部を冷却するためのものである。
第1の定着装置は図2Aに示すように、低熱容量の薄肉の定着ベルト310と加圧ローラ320で構成されている。定着ベルト310は、例えば外径が25mmで厚みが40〜120μmのポリイミド(PI)製の筒状基体を有している。
定着ベルト310の最表層には、耐久性を高めて離型性を確保するために、PFAやPTFE等のフッ素系樹脂による厚みが5〜50μmの離型層が形成される。基体と離型層の間に厚さ50〜500μmのゴム等からなる弾性層を設けてもよい。
また、定着ベルト310の基体はポリイミドに限らず、PEEKなどの耐熱性樹脂やニッケル(Ni)、SUSなどの金属基体であってもよい。定着ベルト310の内周面に摺動層としてポリイミドやPTFEなどをコートしてもよい。
加圧ローラ320は、例えば外径が25mmであり、中実の鉄製芯金321と、この芯金321の表面に形成された弾性層322と、弾性層322の外側に形成された離型層323とで構成されている。弾性層322はシリコーンゴムで形成されており、厚みは例えば3.5mmである。
弾性層322の表面は離型性を高めるために、厚みが例えば40μm程度のフッ素樹脂層による離型層323を形成するのが望ましい。定着ベルト310に対して加圧ローラ320が付勢手段により圧接している。
定着ベルト310の内側に、ステー350及びヒータホルダ340が軸線方向に配設されている。ステー350は金属製のチャンネル材で構成され、その両端部分が定着装置300の両側板に支持されている。ステー350は加圧ローラ320の押圧力を確実に受けとめて定着ニップSNを安定的に形成する。
ヒータホルダ340は定着装置300の基材341を保持するためのもので、ステー350によって支持されている。ヒータホルダ340は好ましくはLCPなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂で形成することができ、これによりヒータホルダ340への熱伝達が減って効率的に定着ベルト310を加熱することができる。
ヒータホルダ340の形状は、基材341の高温部との接触を回避するために、基材341の短手方向両端部付近の各2箇所のみを支持する形状にしている。これにより、ヒータホルダ340へ流れる熱量をさらに低減して効率的に定着ベルト310を加熱することができる。
定着装置300は各種の型式が可能であって、図2Aの第1の定着装置はその一例である。以下、図2B〜図2Dを参照して第2〜第4の定着装置300について説明する。第2の定着装置300は、図2Bに示すように、加圧ローラ320と反対側に押圧ローラ390を有し、当該押圧ローラ390と抵抗部材370との間で定着ベルト310を挟んで加熱する。
定着ベルト310の内側に前述した発熱部材が配設されている。ステー350の片側に補助ステー351が取り付けられ、反対側にニップ形成部材381が取り付けられている。発熱部材はこの補助ステー351に保持されている。ニップ形成部材381は定着ベルト310を介して加圧ローラ320と当接して定着ニップSNを形成している。
第3の定着装置300は、図2Cに示すように、定着ベルト310の内側に発熱部材が配設されてる。この発熱部材は、前述した押圧ローラ390を省略する代わりに、定着ベルト310との周方向接触長さを長くするため、定着ベルト310の曲率に合わせて基材341と絶縁層385の横断面を円弧状に形成している。抵抗部材370は円弧状の基材341の中央に配置されている。その他は図2Bの第2定着装置と同じである。
第4の定着装置300は、図2Dに示すように、加熱ニップHNと定着ニップSNに分けて構成している。すなわち、加圧ローラ320の定着ベルト310とは反対側に、ニップ形成部材381と、金属製のチャンネル材で構成されたステー352を配置し、これらニップ形成部材381とステー352を内包するように加圧ベルト334を周回可能に配設している。そして当該加圧ベルト334と加圧ローラ320との間の定着ニップSNに用紙Pを通紙して加熱・定着する。その他は図2Aの第1の定着装置と同じである。
図2A〜図2Dの定着装置300は、抵抗発熱体(面状ヒータ)で構成された抵抗部材370を有する。この抵抗部材370は、図3Cと図3Dに一例を示す抵抗部材330のように、複数のタイプで形成することができる。いずれのタイプでも、抵抗部材370、330は細長の金属製薄板部材を絶縁材料で被覆した基材341の上に形成される。面状ヒータによって定着ニップSNを加熱する定着方式では、発熱体である抵抗部材を紙幅方向に複数に分割して個別に加熱制御することで、複数種類の紙幅を均一に加熱することができる。
基材341の材料としては低コストなアルミやステンレスなどが好ましい。基材341は金属製に限定されたものではなく、アルミナや窒化アルミなどのセラミックや、ガラス、マイカなどの耐熱性と絶縁性に優れた非金属材料で構成することも可能である。
抵抗部材330、370の均熱性を向上し画像品位を高めるため、基材341を銅、グラファイト、グラフェンなどの高熱伝導率の材料で構成してもよい。本実施形態では、短手幅8mm、長手幅270mm、厚さ1.0mmのアルミナ基材を使用している。
図3C、図3Dの抵抗部材330は、PTC素子371〜378を電気的に並列接続したマルチタイプで構成することができる。なお、図3C、図3Dの両端の電極370c、370d間の抵抗値を10Ωとすると、各PTC素子371〜378の抵抗値は並列接続のため80Ωと大きくなる。
PTC素子は、正の温度抵抗係数を有する材料で構成され、温度Tが上昇すると抵抗値が上昇する特徴がある(電流Iが低下してヒータ出力が低下)。温度抵抗係数(TCR=Temperature Coefficient of Resistance)は、例えば1500PPM(parts per million)とすることができる。
図3C、図3DのPTC素子371〜378は、基材341の長手方向で直線状かつ等間隔に配置されている。各PTC素子371〜378の短手方向両側には小抵抗値の給電線370a、370bが直線状に互いに平行に配設され、この給電線370a、370bに各PTC素子371〜378の両端が接続されている。そして、給電線370a、370bの各一端部に形成された電極370c、370dに交流電源が供給される。
PTC素子371〜378と給電線370a、370bは薄い絶縁層385で覆われている。この絶縁層385は例えば厚さ75μmの耐熱性ガラスで構成することができる。絶縁層385によってPTC素子371〜378と給電線370a、370bを絶縁・保護すると共に、定着ベルト310との摺動性を維持する。
PTC素子371〜378は、例えば、銀パラジウム(AgPd)やガラス粉末などを調合したペーストをスクリーン印刷等により基材341に塗工し、その後、当該基材341を焼成することによって形成することができる。本実施形態では各PTC素子371〜378の抵抗値を常温で80Ωとした(総抵抗値は10Ω)。
PTC素子371〜378の材料は、前述したもの以外に、銀合金(AgPt)や酸化ルテニウム(RuO2)の抵抗材料を用いてもよい。給電線370a、370bや電極370c、370dの材料は、銀(Ag)もしくは銀パラジウム(AgPd)をスクリーン印刷等で形成することができる。
PTC素子371〜378の絶縁層385側が定着ベルト310と接触して加熱し、伝熱により定着ベルト310の温度を上昇させ、定着ニップSNに搬送される未定着画像を加熱して定着する。PTC素子371〜378を使用することで、小サイズ通紙などで非通紙領域のPTC素子の温度が上昇した際に、抵抗発熱体の温度抵抗依存性により、当該PTC素子の発熱量が低下し、温度上昇を抑制することができる。
この特徴により、例えばPTC素子371〜378の全幅よりも狭い紙(例えばPTC素子373〜376の幅内)を印刷した場合、紙幅より外側のPTC素子371、372、377、378は紙に熱を奪われないため温度が上昇する。するとそれらPTC素子371、372、377、378の抵抗値が上昇する。
PTC素子371〜378にかかる電圧は一定なので、用紙幅より外側のPTC素子371、372、377、378の出力が相対的に低下し、端部温度上昇が抑制される。PTC素子371〜378を電気的に直列に接続した場合、連続印刷において紙幅よりも外側の抵抗発熱体の温度上昇を抑制するには、印刷スピードを低下させる以外に方法がない。PTC素子371〜378を電気的に並列接続することで、印刷スピードを維持したまま非通紙部温度上昇を抑制することができる。
PTC素子371〜378の相互間に短手方向に続く隙間があると、当該隙間部分で発熱量低下が発生し、それによって定着ムラが発生しやすい。そこで、図3Cと図3DではPTC素子371〜378の端部同士を長手方向で互いにオーバーラップさせている。
図3CはPTC素子371〜378の端部にL字状の切り欠きによる段部を形成し、当該段部を隣接する抵抗発熱体の端部の段部とオーバーラップさせている。図3DはPTC素子371〜378の端部に斜めの切り欠きによる傾斜部を形成し、当該傾斜部を隣接する抵抗発熱体の端部の傾斜部とオーバーラップさせている。このようにPTC素子371〜378の端部同士を互いにオーバーラップさせることで、抵抗発熱体間の隙間での発熱量低下の影響を抑制することができる。
また電極370c、370dはPTC素子371〜378の両端に配置する他、PTC素子371〜378の片側に配置することも可能である。このように電極370c、370dを片側配置にすることで長手方向の省スペース化を図ることができる。
図3C、図3Dの各PTC素子371〜378は短冊状の面状発熱体で構成されているが、所望の出力(抵抗値)を得るために、線幅を細くして蛇行状に形成した複数のPTC素子を電気的に並列接続したもので構成することもできる。
(冷却装置)
定着装置300の定着ベルト310の両端部をエアで冷却する冷却装置400は、図3Aのように、エアダクト410と、送風部材としての送風ファン430と、スライド部材450を有する。エアダクト410は定着ベルト310の長手方向すなわち図3Aの紙面に垂直な方向に延びている。前記スライド部材450は、後述するように風量可変機構を構成する。なお、本稿において「風量」の用語を用いるときは、特に断りがない限り、単位時間あたりに流れる気体の体積(m3/sec)を表すものとする。
図5Aに示すように、エアダクト410の長手方向中央部に、上下方向の空気通路を有する第1の開口411が形成されている。またエアダクト410の長手方向両端部に、第2の開口412と第3の開口413が形成されている。第1の開口411は、エアダクト410の長手方向のちょうど中央部に限らず、当該中央部から左右いずれかに偏心した位置(中間部)に形成することも可能である。要するに、第1の開口411は第2の開口412と第3の開口413の間の中間部に形成することができる。
第1の開口411内に送風ファン430が配設されている。送風ファン430は図5Cのように、駆動用モータM1で駆動される。送風ファン430を第1の開口411内に配設することで、省スペース化と部品点数の削減が可能である。
送風ファン430は、第1の開口411の外側に配置してもよく、その場合は送風ファン430と第1の開口411を送風ダクトで接続する。図5Aではプロペラ式の送風ファン430を図示するが、送風ファン430はこれに限らずシロッコファン、ターボファン、エアホイルファン、プレートファンなど各種の送風ファンを使用可能である。
送風ファン430の直近下流側に、仕切板状のスライド部材450がエアダクト410の長手方向と直角に配設されている。そして、送風ファン430で第1の開口411に導入されたエアが、スライド部材450によって左右に所定割合で分配され、第2の開口412と第3の開口413から、定着ベルト310の両端部に向けて吹き出すように構成されている。
このように、送風ファン430をエアダクト410の長手方向中央部に1つ配置することで、従来の特許文献1のように複数個配置する場合と比べて、格段に省スペース化と部品点数削減を図ることができる。また、熱容量の小さい定着ベルト310の端部過昇温を、温度上昇に応じて効率よく抑制することができる。
第2の開口412と第3の開口413からの冷却エアの吹き付け方向は、図3Aのように、定着ベルト310の水平横方向から吹き付けたり、図3Bのように定着ベルト310の上方から下向きに吹き付けたりすることができる。第2の開口412と第3の開口413を設けることで、定着ベルト310の冷却したい部分に効果的に冷却エアを供給することができる。また、加熱源として、図3A、図3Bのように抵抗部材370を使用した面状ヒータに代えて、図4A、図4Bのように、定着ベルト310の内側にハロゲンヒータ314を配設することができる。図4Aは図3Aと同じように定着ベルト310の水平横方向から冷却エアを吹き付け、図4Bは図3Bと同じように定着ベルト310の上方から下向きに冷却エアを吹き付ける例である。
(冷却装置の詳細)
次に、図5A〜図5Cを参照して、冷却装置の実施形態をさらに詳しく説明する。エアダクト410は、図5Aのように定着ベルト310の長手方向に延びている。図5Bがエアダクト410を上方から見た平面図であって、この平面図ではエアダクト410が定着ベルト310の長手方向に長い長方形である。
エアダクト410の左端の第2の開口412と右端の第3の開口413は、図5Bの平面視で同じ大きさのほぼ正方形であり、定着ベルト310の両端部の外周面に向かって開口している。定着ベルト310の両端部の外周面と、第2の開口412及び第3の開口413との間に形成される隙間は、定着ベルト310の回転を妨げない隙間であればよいが、この隙間が必要以上に大きいとエアが無駄に流出して冷却効果が低下する。したがって、隙間の大きさは大きくても例えば2mm〜3mm程度にするのが望ましい。
第2の開口412及び第3の開口413は、定着ベルト310の両端部の外周面を、円弧状に覆う形状が望ましい。これにより、定着ベルト310の両端部の外周面との間の隙間を周方向に一定にして冷却効果を高めることができる。
エアダクト410の長手方向中央部は、図5Aの側面視では定着ベルト310の外周から上方に離間し、全体として鈍角で逆V字状に屈曲した形状である。この形状により、長手方向中央の第1の開口411に供給された冷却エアが、矢印E2、E3方向でスムーズに第2の開口412と第3の開口413に流れ、定着ベルト310の両端部に効果的に吹き付けられる。
エアダクト410の長手方向中央部の底面に、スライド部材450がエアダクト410の長手方向と直角に配設されている。このスライド部材450は、図5Aでエアダクト410の長手方向すなわち左右方向に、図5Bのラック・アンド・ピニオンによって、スライド移動可能に配設されている。ラック・アンド・ピニオンは、駆動用モータM2で回転駆動されるピニオンギヤ471と、このピニオンギヤ471に噛み合ったラック473を有する。
ラック473はエアダクト410の長手方向に延び、ラック473の下縁に形成されたラック歯473aにピニオンギヤ471が噛み合っている。ラック473の左右2個所に左右方向に延びた長孔473bが形成され、この長孔473bに固定側から延びたガイドピン475が摺動可能に挿入されている。
ラック473の長手方向中央部が、固定部材473cを介してスライド部材450の側端と連結されている。そして図5Bでピニオンギヤ471が左回転すると、ラック473とスライド部材450がA2方向(左方向)にスライドし、ピニオンギヤ471が右回転すると、ラック473とスライド部材450がA3方向(右方向)にスライドするように構成されている。スライド部材450をラック・アンド・ピニオンのピニオンギヤ471の回転操作のみで移動させることが可能なため、簡単な機構で定着ベルト310の両端部の温度差分を無くすための冷却を行うことができる。
定着ベルト310の外周面に近接して、定着ベルト310の温度を検出する温度検出部材としてのサーミスタTH1〜TH3が配設されている。サーミスタTH1は定着ベルト310の長手方向中央部の外周面に近接して配設され、小サイズ紙の用紙幅小の中央にサーミスタTH1が位置する。サーミスタTH2とサーミスタTH3は、定着ベルト310の両端部の外周面に近接して配設され、大サイズ紙の用紙幅大の端部にサーミスタTH2、TH3が位置する。
サーミスタTH1〜TH3で検出された温度は、図5Cの制御部480に入力されるようになっている。制御部480は、サーミスタTH1〜TH3から得られた定着ベルト310の温度情報に基づいて、送風ファン430の駆動用モータM1と、スライド部材450のスライド駆動用モータM2を駆動制御する。したがって、制御部480は冷却装置400の一部を構成するものである。
スライド部材450は、図6(a)(b)のように左右に傾斜面451a、451bを設けた楔形状のスライド部材451にするのが望ましい。スライド部材451の左右に傾斜面451a、451bがあると、送風ファン430で第1の開口411に垂直方向に導入されたエアが、図6(b)のように傾斜面451a、451bで水平方向にスムーズにガイドされる。このため、スライド部材451における空気抵抗が減少し、第2の開口412と第3の開口413に対して十分な風量を安定供給することができる。
図7Aは、小サイズ紙を連続通紙するときのマシン稼働時間(横軸)の経過に伴って、サーミスタTH2、TH3で検出される定着ベルト310の両端部の温度上昇(縦軸)が生じたときに、スライド部材450(451)のスライド移動を制御部480で制御する状態を示す。図示例では右端のサーミスタTH3(点線)よりも左端のサーミスタTH2(実線)の方が温度上昇が急である。このため両サーミスタTH2、TH3で検出される温度の差ΔTがΔT1に増大する。
温度差ΔT1を閾値として、スライド部材450(451)が中央位置から図5A、図5BのA3方向に一定量だけスライド移動する。このスライド部材450(451)の移動により、移動側の第3の開口413から吹き出すエア量が減少するのに対し、移動側と反対側の第2の開口412から吹き出すエア量が増大する。この結果、定着ベルト310の左端部の冷却効果が増大し、温度差がΔT1→ΔT2と減少する。そして温度差ΔT2を閾値として、スライド部材450(451)がA3方向スライド位置から中央位置に復帰する。
このように、1つの送風ファン430で第1の開口411に供給されるエアの風量をスライド可能なスライド部材450(451)で左右に分配して第2の開口412と第3の開口413から吹き出すようにしたので、左右別々に送風ファンを備えた従来の冷却装置よりも格段に簡単な構成にできる。しかも、定着ベルト310の両端部の温度が異なるとスライド部材450(451)をスライド移動して両端部の温度偏差が小さくなるように両端部を冷却するから、高画質を可能にする定着装置を低コスト・省スペースで提供することができる。
図7Bは、前述したスライド部材450(451)のスライド移動制御に加えて送風ファン430の回転数を3段階で切換え制御する例を示したものである。すなわち、マシン稼働時間(横軸)の経過に伴ってサーミスタTH2とサーミスタTH3で検出される定着ベルト310の両端部の温度変化(縦軸)によって、スライド部材450(451)と送風ファン430の駆動を制御部480で制御する。図示例ではサーミスタTH2、TH3で検出された温度の差ΔTが、ΔT2→ΔT1→ΔT10と増大する(ΔT2<ΔT1<ΔT10)。
送風ファン430の回転数は、温度差ΔT2になるまでは低回転であるが、温度差ΔT2を越えると中回転に増速する。これにより、第2の開口412と第3の開口413から吹き出すエア量が増大し、定着ベルト310の両端部の温度を低下させる冷却効果が高まる。
また温度差ΔT2を越え温度差ΔT1になると、送風ファン430の回転数は中回転のままであるが、スライド部材450がA3方向に所定距離だけスライド移動する。このスライド移動により、A3方向のエア供給量は低減する一方、温度が急上昇するA2方向のエア供給量が増大する。
温度差がΔT1を越え温度差ΔT10になると、スライド部材450はA3方向寄り位置のままであるが、送風ファン430の回転数が、中回転から高回転に増速する。これにより、第2の開口412と第3の開口413から吹き出すエア量が増大し、定着ベルト310の両端部の温度を低下させる冷却効果が高まる。このとき、スライド部材450がA3方向寄り位置にあるので、エア吹き出しによる冷却効果は、第2の開口412からのエア吹き出しによる冷却効果の方が、第3の開口413からのエア吹き出しによる冷却効果よりも大きくなる。
このため、定着ベルト310の左端の温度の急上昇が温度差ΔT10をピークとして抑制され、次第に低下する。温度差がΔT1に戻ると、まず送風ファン430の回転数が高回転から中回転に低下する。温度差がさらに低下してΔT2まで下がると、送風ファン430の回転数が中回転から低回転に低下し、同時に、スライド部材450がA3方向寄り位置から中央位置に復帰する。これで、第2の開口412と第3の開口413からのエア吹き出し量が等しく低風量となる。
このように、第2の開口412と第3の開口413の吹き出し風量の変更は、サーミスタTH2、TH3の温度差に基づいて、風量可変機構としてのスライド部材450の位置を変更したり、送風ファン430の回転数を変更したりすることで行うことができる。したがって、送風ファン430の風量を常時上げることなく、必要な時に必要な時間だけ風量を上げれば済むので省エネ効果が得られる。なお、以上は送風ファン430の回転数を両端のサーミスタTH2、TH3の温度差に基づいて制御したものであるが、中央のサーミスタTH1と両端のいずれか一方のサーミスタTH2、TH3との温度差に基づいて制御してもよい。
前述したスライド部材450(451)を使用した風量可変機構は、他の変形実施形態に代替することが可能である。図8はそのような変形実施形態の一つであって、この変形実施形態では回動支点452aを中心として揺動可能な揺動部材452で風量可変機構を構成する。
回動支点452aはモータやカムによって図8で時計方向と反時計方向に回動可能であり、この回動によって揺動部材452がA2又はA3方向に回動する。この揺動部材452の回動によって、前述したスライド部材451のスライド移動と同じような風量分配割合を変更することができる。
図9はスライド移動しない固定型の仕切部材453と揺動可能な送風ファン430を組み合わせた風量可変機構の変形実施形態である。仕切部材453は断面三角形の楔状に構成することができ、当該楔状の先端が、第1の開口411の中央に向いた状態でエアダクト410の長手方向と直角に延びている。
送風ファン430は図9で左右方向に揺動可能なホルダ431に取り付けられ、ホルダ431がモータやカムを利用した揺動機構により図示するように右側に傾斜すると、左側に分配される風量が増加すると共に、反対側に供給される風量が減少する。このように、固定型の仕切部材452を使用しても送風ファン430を揺動させることで第2の開口512と第3の開口513に分配する風量を可変にすることができる。
また、定着装置300は図2A〜図2Dに限らず、図10(a)(b)のように定着ベルト310を3つのローラ311〜313に掛け回した構成も可能である。すなわち、図10(a)(b)の定着装置は、定着ベルト310、加熱ローラ311、ガイドローラ312、313、加圧ローラ320を使用する。
定着ベルト310は、加熱ローラ311とガイドローラ312、313に掛け回され、これらローラ310〜313を時計方向に周回する。加圧ローラ320を反時計方向に回転駆動して定着ベルト310を連れ回りで時計方向に周回させてもよいし、加熱ローラ311又はガイドローラ312、313のいずれかを時計方向に回転駆動して定着ベルト310を時計方向に周回してもよい。
エアダクト510は定着ベルト310の内側に配置し、図10(b)のようにエアダクト510の長手方向中央部の第1の開口511に送風ファン430を配置する。そして、エアダクト510の両端部に形成した第2の開口512と第3の開口513から吹き出すエアで、加熱ローラ311とガイドローラ313の間の定着ベルト310の下面を冷却する。
第1の開口511の内側にスライド可能に配置したスライド部材450(451)をエアダクト510の長手方向にスライド移動させることで、第2の開口512と第3の開口513から吹き出すエアの風量割合を変化させる。
定着ベルト310の外周の長手方向3箇所に配置したサーミスタTH1〜TH3によって、定着ベルト310の中央部と両端部の温度を検出する。検出した温度に基づいて、前述したようにスライド部材450(451)をスライド移動して、定着ベルト310の両端部の温度差が所定閾値を超えないようにする。
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、前記風量可変機構は、スライド部材450、451と揺動部材452を組み合わせて構成することも可能であり、当該構成では図5A、図6のスライド部材450、451が図8のように左右方向に揺動可能とされる。また、送風ファン430をエアダクト510の長手方向に揺動させる図9の揺動機構を、図5A、図6のスライド部材450、451や、図8の揺動部材452に組み合わせることも可能である。また、本発明の冷却装置は、乾燥装置に使用される加熱部材の冷却用など、定着装置以外の用途にも使用可能である。また定着ベルト310を加熱する発熱体は、抵抗部材370やハロゲンヒータ314のほか、セラミックヒータなど他の発熱体も使用可能である。
1K、1Y、1M、1C:プロセスユニット 2K、2Y、2M、2C:像担持体
3K、3Y、3M、3C:ドラムクリーニング装置 4K、4Y、4M、4C:帯電装置
5K、5Y、5M、5C:現像装置 6K、6Y、6M、6C:トナーボトル
7:露光器 7a:ミラー
8:転写カバー 10:粉体収容器
15:転写装置 16:中間転写ベルト
17:従動ローラ 18:駆動ローラ
19K、19Y、19M、19C:一次転写ローラ 20:二次転写ローラ
21:ベルトクリーニング装置 31:レジストセンサ
32:給紙路 33:転写後搬送路
35:定着後搬送路 36:排紙路
37:排紙ローラ対 41:反転搬送路
42:切り替え部材 42a:揺動軸
43:反転搬送ローラ対 44:排紙トレイ
45:給紙ローラ 46:トレイ
60:給紙ローラ 100:画像形成装置
101:突起 102:孔部
103:画像形成装置本体 200:用紙給送装置
210:ローラ対 220:給送ローラ
230:分離ローラ 240:搬送ローラ
250:レジストローラ対 300:定着装置
310:定着ベルト 311:加熱ローラ
312、313:ガイドローラ 314:ハロゲンヒータ
320:加圧ローラ 321:芯金
322:弾性層 323:離型層
330:抵抗部材 334:加圧ベルト
340:ヒータホルダ 341:基材
350:ステー 351:補助ステー
352:ステー 360:装置フレーム
360c、360d:電極 370:抵抗部材
370−2:端部抵抗部材 370a、370b:給電線
370c〜370h:電極 371〜378:PTC素子
379a〜379h:給電線 381:ニップ形成部材
385:絶縁層 390:押圧ローラ
370a、370b:給電線 370c、370d:電極
400:冷却装置 410、510:エアダクト
411、511:第1の開口 412、512:第2の開口
413、513:第3の開口 430:送風ファン(送風部材)
431:ホルダ 450、451:スライド部材(風量可変機構)
452:揺動部材(風量可変機構) 453:仕切部材(風量可変機構)
451a、451b:傾斜面 452a:回動支点
471:ピニオンギヤ 473:ラック
473a:ラック歯 473b:長孔
473c:固定部材 475:ガイドピン
480:制御部 HN:加熱ニップ
L:レーザ光 M1、M2:駆動用モータ
N:転写ニップ P:用紙
SN:定着ニップ TH1〜TH3:サーミスタ
特許第5930779号公報

Claims (11)

  1. 長手方向を有する加熱部材をエアで冷却する冷却装置において、
    送風部材と、
    前記エアが通過するエアダクトであって、前記送風部材によるエアが供給される第1の開口と、前記加熱部材の一部に対向した第2の開口と、前記加熱部材の他部に対向した第3の開口を有するエアダクトと、
    前記第2、第3の開口から排出されるエアの風量を可変にする風量可変機構と、を有することを特徴とする冷却装置。
  2. 前記風量可変機構が、前記第1の開口の下流側で前記エアダクトの長手方向に移動可能なスライド部材を有することを特徴とする請求項1の冷却装置。
  3. 前記スライド部材がラック・アンド・ピニオンによって前記エアダクトの長手方向に移動することを特徴とする請求項2の冷却装置。
  4. 前記スライド部材が、前記送風部材から供給されるエアを前記エアダクトの長手方向に案内する傾斜面を有することを特徴とする請求項2又は3の冷却装置。
  5. 前記風量可変機構が、前記第1の開口の下流側で前記エアダクトの長手方向に揺動可能な揺動部材を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項の冷却装置。
  6. 前記風量可変機構が、前記送風部材を前記エアダクトの長手方向に揺動させる揺動機構を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項の冷却装置。
  7. 前記加熱部材の長手方向両端部の温度を検出する温度検出部材を有し、当該温度検出部材が検出した温度に基づいて、前記加熱部材の長手方向両端部の温度が高い方の端部に分配供給される風量の割合を増大するように前記風量可変機構が作動することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項の冷却装置。
  8. 前記加熱部材の長手方向両端部の温度を検出する温度検出部材を有し、当該温度検出部材が検出した温度に基づいて、前記送風部材の送風量が変化することを特徴とする冷却装置。
  9. 前記加熱部材を備え、
    シート部材に担持したトナー画像を前記加熱部材で加熱定着すると共に、当該加熱部材が請求項1から8のいずれか1項の冷却装置で冷却されることを特徴とする定着装置。
  10. 長手方向を有する加熱部材をエアで冷却する冷却装置において、
    送風部材と、
    前記エアが通過するエアダクトであって、前記送風部材によるエアが供給される第1の開口と、前記加熱部材の一部に対向した第2の開口と、前記加熱部材の他部に対向した第3の開口を有するエアダクトと、を有することを特徴とする冷却装置。
  11. 請求項1−8、10のいずれか1項の冷却装置又は請求項9の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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