JP2021184014A - 地図表示装置及び地図表示プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】表示領域に対応する地図を円滑に表示部に表示すること。【解決手段】地図表示装置は、データを一時的に保持するメモリと、プロセッサと、補助記憶装置と、を備える。補助記憶装置には、地図データが記憶されている。プロセッサは、メモリに保持された地図データに基づき、表示領域の地図を表示部に表示する。表示領域は、表示部に表示される地図の範囲を規定する領域である。プロセッサは、表示領域よりも広いバックグラウンド領域の地図を示す地図データをメモリに保持させる。プロセッサは、バックグラウンド領域よりも狭い切出領域の外に表示領域の基準点が位置している場合、基準点に追従してバックグラウンド領域を移動させて新たな地図データをメモリに保持させる。【選択図】図7
Description
本発明は、地図表示装置及び地図表示プログラムに関する。
メモリと、表示部と、プロセッサと、を備える地図表示装置としては、例えば、特許文献1に記載されている。この種の地図表示装置においては、プロセッサは、地図データをメモリに読み込み、メモリに保持された地図データに基づき表示部に地図を表示する。プロセッサは、表示部に表示を行う表示領域の地図データをメモリに保持する。表示領域とは、地図全体のうち表示部に表示される範囲を規定するための領域といえる。
表示領域は、例えば、地図表示装置のユーザによって異なる位置に変更される。表示領域の位置が変更されると、プロセッサは、変更された表示領域に対応する地図データをメモリに読み込み、表示部に地図の表示を行う。表示領域の位置が変更されてから地図データをメモリに読み込むため、表示領域の位置が変更されてから表示領域に対応する地図が表示部に表示されるまでの時間が長くなるおそれがある。
本発明の目的は、表示領域に対応する地図を円滑に表示部に表示することができる地図表示装置及び地図表示プログラムを提供することにある。
上記課題を解決する地図表示装置は、データを一時的に保持するメモリと、プロセッサと、自律移動体が用いられる環境の地図を示す地図データが記憶された不揮発性記憶装置と、前記自律移動体の位置を示す位置情報を受信可能に構成された受信部と、前記位置情報に基づいた前記自律移動体の位置、及び前記地図データに基づいた前記地図が表示される表示部と、を備え、前記プロセッサは、前記メモリに保持された前記地図データに基づき、前記表示部に表示される前記地図の範囲を規定する表示領域の前記地図を前記表示部に表示する表示制御部と、前記表示領域よりも広いバックグラウンド領域の前記地図を示す前記地図データを前記メモリに保持させる保持制御部と、を備え、前記保持制御部は、前記表示領域のうち予め定められた一点を基準点とすると、前記バックグラウンド領域よりも狭い切出領域の外に前記基準点が位置している場合、前記基準点に追従して前記バックグラウンド領域を移動させて新たな前記地図データを前記メモリに保持させる。
メモリには、バックグラウンド領域の地図データが保持される。バックグラウンド領域は、表示領域よりも広い領域である。従って、表示領域の位置が変更された場合であっても、バックグラウンド領域内の地図については、メモリに新たな地図データを保持することなく表示部に表示することができる。表示領域の基準点が切出領域の外に位置している場合には、バックグラウンド領域が基準点に追従して移動することで、新たな地図データがメモリに保持される。これにより、表示領域の位置が変更されると、これに伴いバックグラウンド領域も移動していく。表示領域の位置が変更された際に表示領域に対応する地図を円滑に表示部に表示することができる。
上記地図表示装置について、前記基準点は前記表示領域の中央に位置しており、前記保持制御部は、前記切出領域の外に前記基準点が位置している場合、前記基準点が前記バックグラウンド領域の中央に位置するように前記バックグラウンド領域を移動させてもよい。
上記地図表示装置について、前記不揮発性記憶装置に記憶された前記地図データは、前記自律移動体がマッピングを行うことで得られたものであってもよい。
上記地図表示装置について、前記プロセッサは、前記表示制御部により前記表示部に表示される前記地図よりも広い範囲を示す前記地図を、前記表示制御部により前記表示部に表示される前記地図よりも低い画面解像度で前記表示部に表示する広範囲表示部と、前記表示制御部による前記地図の表示と前記広範囲表示部による前記地図の表示とを切り替える切替制御部と、を備えていてもよい。
上記地図表示装置について、前記プロセッサは、前記表示制御部により前記表示部に表示される前記地図よりも広い範囲を示す前記地図を、前記表示制御部により前記表示部に表示される前記地図よりも低い画面解像度で前記表示部に表示する広範囲表示部と、前記表示制御部による前記地図の表示と前記広範囲表示部による前記地図の表示とを切り替える切替制御部と、を備えていてもよい。
上記課題を解決する地図表示プログラムは、データを一時的に保持するメモリと、プロセッサと、自律移動体が用いられる環境の地図を示す地図データが記憶された不揮発性記憶装置と、前記自律移動体の位置を示す位置情報を受信可能に構成された受信部と、前記位置情報に基づいた前記自律移動体の位置、及び前記地図データに基づいた前記地図が表示される表示部と、を備えた地図表示装置で実行される地図表示プログラムであって、前記地図表示プログラムは、前記メモリに保持された前記地図データに基づき、前記表示部に表示される前記地図の範囲を規定する表示領域の前記地図を前記表示部に表示する第1ステップと、前記表示領域よりも広いバックグラウンド領域の前記地図を示す前記地図データを前記メモリに保持させる第2ステップと、を前記プロセッサに実行させ、前記第2ステップは、前記表示領域のうち予め定められた一点を基準点とすると、前記バックグラウンド領域よりも狭い切出領域の外に前記基準点が位置している場合、前記基準点に追従して前記バックグラウンド領域を移動させて新たな前記地図データを前記メモリに保持させるステップを含む。
表示領域が変更された際に表示領域に対応する地図を円滑に表示部に表示することができる。
本発明によれば、表示領域に対応する地図を円滑に表示部に表示することができる。
以下、地図表示装置及び地図表示プログラムの一実施形態について説明する。
図1に示すように、表示システムMPは、自律移動体10と、地図表示装置40と、を備える。自律移動体10は、例えば、倉庫、工場、公共施設、商用施設などの場所のうち予め定められた区域A1で用いられる。本実施形態では、区域A1には、複数の自律移動体10が設けられている。区域A1には、自律移動体10の移動の障害となり得る構造物Sが存在している。構造物Sとしては、壁、柱、棚等を挙げることができる。自律移動体10は、荷の搬送を行うものや清掃を行うものなど、自律移動可能なものであればどのようなものであってもよい。
図1に示すように、表示システムMPは、自律移動体10と、地図表示装置40と、を備える。自律移動体10は、例えば、倉庫、工場、公共施設、商用施設などの場所のうち予め定められた区域A1で用いられる。本実施形態では、区域A1には、複数の自律移動体10が設けられている。区域A1には、自律移動体10の移動の障害となり得る構造物Sが存在している。構造物Sとしては、壁、柱、棚等を挙げることができる。自律移動体10は、荷の搬送を行うものや清掃を行うものなど、自律移動可能なものであればどのようなものであってもよい。
図2及び図3に示すように、自律移動体10は、車両11と、車両11に搭載されたセンサ21と、車両11に搭載された制御装置22と、車両通信装置26と、を備える。車両11は、車体12と、複数の車輪13と、車両11を移動させるための駆動機構14と、を備える。なお、本実施形態において、区域A1に設けられる全ての自律移動体10は同一の構成を備える。
駆動機構14は、車輪13を回転させるためのモータ15と、モータ15を駆動させるモータドライバ16と、エンコーダ17と、を備える。なお、図示は省略するが、モータ15及びモータドライバ16は、車輪13の数と同数設けられる。これにより、各車輪13の回転数と回転方向を独立して制御することが可能である。エンコーダ17は、車輪13毎に個別に設けられている。
モータドライバ16には、指令回転数を示す情報と指令回転方向を示す情報を含む指令が制御装置22から入力される。モータドライバ16は、指令回転数に追従するようにモータ15の回転数を制御する。モータドライバ16は、指令回転方向とモータ15の回転方向が一致するようにモータ15を制御する。
エンコーダ17は、例えば、モータ15の回転軸の回転量に基づいたパルス信号を出力するインクリメンタル型のエンコーダである。エンコーダ17は、モータ15の回転軸の回転数を検出する。モータドライバ16は、エンコーダ17の検出結果から、モータ15の回転数、及び回転方向を認識可能である。車両11は、モータ15の駆動による車輪13の回転によって移動する。
センサ21としては、制御装置22に車両11の周辺に存在する構造物Sを認識させることができ、かつ、自律移動体10から構造物Sまでの距離を測定できるものが用いられる。本実施形態では、センサ21として、LIDAR:Laser Imaging Detection and Rangingを用いている。LIDARは、レーザーを周辺に照射し、レーザーが当たった部分によって反射された反射光を受光することで周辺環境を認識可能な距離計である。本実施形態のLIDARは、水平方向の照射角度を変更しながらレーザーを照射する二次元距離計である。
図3に示すように、センサ21は、水平方向への照射角度を角度分解能に応じた角度で変更しながらレーザーを照射する。レーザーが構造物Sに当たると、センサ21は構造物Sからの反射光を受光する。構造物Sにおいて、レーザーが当たった部分を測定点P1とすると、センサ21は、センサ21から測定点P1までの距離を算出する。センサ21は、測定点P1までの距離と照射角度とを対応付けた情報を距離情報として制御装置22に出力する。なお、照射角度と距離を用いることで、センサ21を原点とする直交座標系での測定点P1の座標を導出することができる。水平方向に互いに直交する軸の1つをX軸、X軸とは異なる軸をY軸とすると、照射角度を用いて、測定点P1までの距離をX軸方向への成分とY軸方向への成分に分解することができる。これにより、センサ21を原点とする直交座標系での測定点P1の座標を導出することができる。従って、距離情報とは、センサ21を原点とする直交座標系での測定点P1の座標と捉えることもできる。
図2に示すように、制御装置22は、プロセッサ23と、記憶部24と、車載補助記憶装置25と、を備える。プロセッサ23としては、例えば、CPU:Central Processing Unit、GPU:Graphics Processing Unit、DSP:Digital Signal Processor、MPU:Micro Processing Unitの少なくともいずれかを用いることができる。記憶部24は、RAM:Random access memory及びROM:Read Only Memoryを含む。車載補助記憶装置25としては、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read Only Memory等の、データを書き換え可能な不揮発性記憶装置が用いられる。
記憶部24及び車載補助記憶装置25には、自律移動体10を動作させるためのプログラムが記憶されている。記憶部24及び車載補助記憶装置25は、処理をプロセッサ23に実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納しているといえる。制御装置22は、ASIC:Application Specific Integrated CircuitやFPGA:Field Programmable Gate Array等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御装置22は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
車載補助記憶装置25には、自律移動体10の用いられる環境の地図、即ち、区域A1の地図を示す地図データM1が記憶されている。地図データM1とは、自律移動体10の用いられる環境に存在する構造物Sの形状、広さなど、自律移動体10の用いられる環境の物理的構造に関する情報である。地図データM1は、自律移動体10が用いられる環境を地図座標系での座標で表した情報である。本実施形態では、図1に示す区域A1を地図座標系での座標で表した情報が地図データM1といえる。地図座標系は、原点を基準とした座標で自律移動体10の用いられる区域A1に存在する構造物Sに関する位置を表現したものである。本実施形態の地図は水平方向に対する構造物Sの位置を示す二次元マップである。地図座標系は、水平方向に互いに直交する軸の1つをX軸、X軸とは異なる軸をY軸とする直交座標系である。以下の説明において、地図座標系での座標を地図座標と称する。
図4に示すように、本実施形態の地図データM1は、特徴点P2の地図座標で区域A1を表す点群地図である。地図データM1は、特徴点P2の存在する地図座標を示すデータといえる。特徴点P2とは、構造物Sの表面の一部を表したものである。特徴点P2をクラスタ化することで、構造物Sの表面の形状、及び大きさを把握できるといえる。なお、説明の便宜上、図4に示す点群地図では特徴点P2を疎としているが、実際には図4に示すよりも特徴点P2は密である。図4、図10及び図12に示す矢印Xは地図座標系のX軸を示し、矢印Yは地図座標系のY軸を示す。
制御装置22は、地図データM1を用いて自己位置及び姿勢を推定する自己位置推定を行うことができる。自己位置とは、区域A1を示す地図上での自律移動体10の位置である。言い換えれば、自己位置とは、自律移動体10の位置を示す地図座標である。姿勢とは、地図座標系での自律移動体10の向きである。自己位置推定は、少なくともセンサ21を用いたランドマークのマッチングにより行われる。制御装置22は、センサ21による測定点P1の座標から得られるランドマークと、地図データM1のランドマークとのマッチングを行うことで、自己位置を推定する。自己位置推定は、ランドマークを用いた手法に加えて、モータ15の回転数を用いて自己移動量を推定するオドメトリを組み合わせて行われてもよい。
制御装置22は、自己位置推定を行いながら駆動機構14を制御することで、自己位置を推定しながら移動することが可能である。例えば、制御装置22は、目標地点までの経路を生成し、自己位置を把握しながら車両11に経路を追従させることができる。また、制御装置22は、センサ21によって追尾対象を検出し、自己位置を把握しながら追尾対象を追従するように車両11を移動させてもよい。追尾対象としては、例えば、人を挙げることができる。このように、自律移動体10としては、経路を追従するものであってもよいし、追尾対象を追従するものであってもよい。また、経路を追従するか追尾対象を追従するかを切り替えられるものであってもよい。
上記した地図データM1は、SLAM:Simultaneous Localization and Mappingによるマッピングにより作成される。マッピングは、例えば、センサ21によって得られた座標から局所地図を作成し、この局所地図を自己位置に応じて組み合わせることによって行われる。以下、制御装置22により行われるマッピングの一例について説明するが、マッピングは任意の手法で行うことができる。
制御装置22は、初期位置でセンサ21によって得られる特徴点P2の座標を取得する。初期位置とは、マッピングを開始する位置である。初期位置でセンサ21によって得られる特徴点P2の座標は、区域A1の一部を表す地図である局所地図である。センサ21としてLIDARを用いる場合、レーザーの当たる測定点P1が特徴点P2となる。
制御装置22は、自己位置推定を行いながら車両11を移動させる。なお、マッピングを行っている過程では、区域A1の全体を示す地図データM1が存在しないため、ランドマークのマッチングは、センサ21により得られた座標と、局所地図の特徴点P2の座標から行われる。
制御装置22は、車両11を移動させつつ、センサ21によって得られる座標から局所地図を作成していく。制御装置22は、自己位置に応じて局所地図を組み合わせていく。なお、自律移動体10の姿勢によっては、センサ21の座標系と地図座標系とで座標軸が異なる。このため、制御装置22は、自律移動体10の姿勢に応じて、センサ21の座標系の座標を地図座標系の座標に変換したものを局所地図とする。
制御装置22は、局所地図を組み合わせていくことで、区域A1の全体を示す地図を得ることができる。制御装置22は、マッピングにより区域A1の全体を示す地図データM1が得られると、この地図データM1を車載補助記憶装置25に記憶する。
車両通信装置26は、無線LAN、Zigbee(登録商標)、LPWA:Low Power Wide Area、移動通信システムなどの無線通信方式で通信を行うことが可能な通信機器である。車両通信装置26は、受信した無線信号を復調したデータを制御装置22に出力したり、制御装置22から入力されたデータを変調して無線信号として送信することが可能である。
図5に示すように、地図表示装置40は、プロセッサ41と、ROM42と、メモリとしてのRAM43と、補助記憶装置44と、接続部45と、入力部46と、表示部47と、通信装置48と、通信I/F49と、これらを接続するバス50と、を備える。本実施形態の地図表示装置40としては、タブレット端末やスマートフォン等の携帯端末が用いられる。地図表示装置40は、区域A1に設けられていてもよいし、区域A1外に設けられていてもよい。
プロセッサ41としては、例えば、CPU、GPU、DSP、及びMPUの少なくともいずれかを用いることができる。ROM42には、プロセッサ41が実行可能なプログラムなどが記憶されている。RAM43は、読み込まれたデータを一時的に保持する。
補助記憶装置44は、記憶されたデータを書き換え可能な不揮発性記憶装置である。補助記憶装置44としては、例えば、ソリッドステートドライブやフラッシュメモリを用いることができる。フラッシュメモリは、eMMC:embedded Multi Media Card等のフラッシュメモリを利用した記憶媒体を含む。
接続部45は、可搬型記憶媒体51を接続可能な部材である。可搬型記憶媒体51は、接続部45に着脱可能なリムーバブルメディアであり、例えば、フラッシュメモリ、光ディスク、磁気ディスクを用いることができる。
入力部46は、ユーザの操作を受け付けて、入力信号として出力する部材である。本実施形態の入力部46は、タッチパネルである。入力部46は、ユーザの操作が入力された位置を検出し、位置を示す情報を入力信号として出力する。ユーザの操作は、例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、ピンチ操作である。
表示部47は、例えば、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のディスプレイである。表示部47には、入力部46が重ねて設けられており、入力部46と表示部47とでタッチスクリーンを構成している。
図6に示すように、表示部47は、区域A1の地図を表示する領域である地図表示領域DIと、ユーザにより操作されるシンボルが表示される操作領域Tと、を含む。操作領域Tに表示されるシンボルは、例えば、ユーザの操作により自律移動体10への指令を送信したり、地図表示領域DIに表示される内容を変更したりするのに用いられる。
図5に示すように、通信装置48は、無線LAN、Zigbee、LPWA、移動通信システムなどの無線通信方式で通信を行うことが可能な通信機器である。通信装置48は、受信した無線信号を復調したデータを出力したり、入力されたデータを変調して無線信号として送信することが可能である。
通信I/F49は、通信網52を通じて情報の送受信を行うことができる通信インターフェースである。通信I/F49は、通信網52を通じて、サーバー53と情報の送受信を行うことができる。サーバー53は、記憶装置54を備える。
補助記憶装置44には、地図データM1が記憶されている。地図データM1は、車載補助記憶装置25に記憶された地図データM1と同一のものである。即ち、補助記憶装置44に記憶された地図データM1は、自律移動体10のマッピングにより作成された点群地図である。複数の自律移動体10のそれぞれと、地図表示装置40とで地図データM1は共有されている。
複数の自律移動体10のそれぞれと、地図表示装置40とで地図データM1を共有する際には、区域A1で用いられる複数の自律移動体10のうち1つの自律移動体10に区域A1のマッピングを行わせる。これにより、区域A1の地図を示す地図データM1が得られる。マッピングにより得られた地図データM1を可搬型記憶媒体51に記憶し、可搬型記憶媒体51に記憶された地図データM1を各自律移動体10の車載補助記憶装置25及び補助記憶装置44に複製することで、地図データM1の共有が行われている。
補助記憶装置44には、地図表示プログラムPGが記憶されている。補助記憶装置44に記憶された地図表示プログラムPGは、RAM43に読み込まれ、プロセッサ41によって実行される。本実施形態において、地図表示プログラムPGは、通信網52を介してサーバー53から取得されている。詳細にいえば、サーバー53の記憶装置54には地図表示プログラムPGが記憶されており、プロセッサ41は、通信I/F49を介してサーバー53から地図表示プログラムPGを取得し、補助記憶装置44に記憶している。なお、地図表示プログラムPGは、プロセッサ41により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含み得る。
上記した地図表示装置40では、地図表示プログラムPGがプロセッサ41に実行されることによって表示部47の地図表示領域DIに区域A1の地図が表示される。以下では、プロセッサ41が地図表示プログラムPGを実行することで行われる地図表示制御について説明を行う。地図表示制御は、所定の制御周期で繰り返し行われる。
図7に示すように、ステップS1において、地図表示装置40は、各自律移動体10の自己位置を受信する。前述したように、各自律移動体10の制御装置22は、自己位置推定により自己位置を推定している。制御装置22は、自己位置を示す位置情報及び車両識別情報を含む車両情報を定期的に車両通信装置26から送信している。車両識別情報とは、各自律移動体10に個別に付与されたIDコードであり、車両情報がいずれの自律移動体10から送信されたものであるかを地図表示装置40で判別するための情報である。車両通信装置26から送信された車両情報は、通信装置48で受信される。通信装置48は、受信した車両情報をRAM43に出力する。これにより、プロセッサ41は、各自律移動体10の位置を把握することができる。通信装置48は、自律移動体の位置を示す位置情報を受信可能に構成された受信部といえる。
次に、ステップS2において、プロセッサ41は、ユーザにより指定されている地図サイズが大サイズ、中サイズ、小サイズのいずれであるかを判定する。地図サイズとは、地図表示領域DIに表示する地図の範囲を示すものである。地図表示装置40では、ユーザの操作によって、地図表示領域DIに表示される地図の範囲を変更することができる。地図表示装置40では、ピンチアウト操作で地図サイズを小さくすることができ、ピンチイン操作で地図サイズを大きくさせることができる。また、ダブルタップ操作で地図サイズを小さくするなど、地図サイズを変更する操作は、任意の操作とすることができる。
図8に示すように、大サイズとは、区域A1の全体を示す地図サイズである。ユーザの操作によって大サイズが指定されている場合、地図表示領域DIには区域A1の全体を示す地図として低解像度地図LRMが表示される。
中サイズとは、大サイズよりも小さい範囲の地図を示す地図サイズである。ユーザの操作によって中サイズが指定されている場合、地図表示領域DIには区域A1の一部を示す地図として中解像度地図MRMが表示される。中サイズが指定されている場合、大サイズが指定されているときよりも狭い範囲の地図が、大サイズが指定されているときよりも拡大されて地図表示領域DIに表示される。
小サイズとは、中サイズよりも小さい範囲を示す地図サイズである。ユーザの操作によって小サイズが指定されている場合、地図表示領域DIには区域A1の一部であって中サイズよりも狭い領域の地図が高解像度地図HRMとして表示される。小サイズが指定されている場合、中サイズが指定されているときよりも狭い範囲の地図が、中サイズが指定されているときよりも拡大されて地図表示領域DIに表示される。本実施形態において、大サイズ及び中サイズの大きさは固定である。小サイズの大きさは可変である。言い換えれば、小サイズは、中サイズよりも小さい複数のサイズを含む。大サイズが指定されている状態で、ユーザにより地図サイズを小さくする操作が行われると、中サイズが指定される。中サイズが指定されている状態で、ユーザにより地図サイズを小さくする操作が行われると、小サイズのうち最大サイズが指定される。この状態で、更に地図サイズを小さくする操作が行われると、小サイズのうち最大サイズよりも小さなサイズが指定される。地図サイズは、小サイズの最小サイズまで小さくすることができる。
図7に示すように、ステップS2の判定の結果、大サイズが指定されている場合、ステップS3の処理が行われる。中サイズが指定されている場合、ステップS4の処理が行われる。小サイズが指定されている場合、ステップS5の処理が行われる。
ステップS3において、プロセッサ41は、低解像度地図LRMを表示部47に表示する。低解像度地図LRMとは、点群地図よりも画面解像度の低い地図である。詳細にいえば、低解像度地図LRMは、特徴点P2の1つ1つを個別の画素として表示するよりも粗い画素で地図を表示したものである。
プロセッサ41は、地図データM1をRAM43に読み取り、低解像度地図LRMを表示部47に表示するための表示データを生成する。低解像度地図LRMとしては、例えば、グリッドマップ形式の画像を用いることができる。プロセッサ41は、特徴点P2の存在する地図座標に対応する画素(グリッド)と、特徴点P2の存在しない地図座標に対応する画素(グリッド)とを示すデータである表示データを生成する。また、特徴点P2に囲まれる画素については、構造物Sが存在しているとみなして、特徴点P2の存在する座標に対応する画素としてもよい。低解像度地図LRMは、点群地図よりも画面解像度が低いため、1つの画素には複数の特徴点P2が存在し得る。この場合、特徴点P2の数に閾値を設定して特徴点P2の有無を判定するなど、任意の方法で低解像度地図LRMを表示するための表示データを生成することができる。表示データは、RAM43に保持される。
図9に示すように、プロセッサ41は、特徴点P2の存在する画素と特徴点P2の存在しない画素とを異なる色彩で描写した低解像度地図LRMを表示部47の地図表示領域DIに表示する。これにより、地図表示領域DIには、構造物Sを示す画像SIが表示される。また、プロセッサ41は、低解像度地図LRMに自律移動体10を示すアイコン10Iを重畳して表示する。アイコン10Iは、ステップS1で受信した自己位置に対応する箇所に表示される。本実施形態では、表示部47に自律移動体10のアイコン10Iが複数表示されることになる。ステップS3の処理を終了すると、プロセッサ41は地図表示制御を終了する。プロセッサ41は、次回の制御周期で継続して大サイズが指定されている場合、低解像度地図LRMを継続して表示部47に表示する。また、プロセッサ41は、ステップS1で得られる自己位置に応じて、アイコン10Iの位置を更新する。アイコン10Iによって、表示部47の地図表示領域DIには、自律移動体10の位置が表示されているといえる。
図7に示すように、ステップS4において、プロセッサ41は、中解像度地図MRMを表示部47に表示する。中解像度地図MRMとは、低解像度地図LRMよりも画面解像度の高い地図である。プロセッサ41は、地図データM1をRAM43に読み取り、中解像度地図MRMを生成するための表示データを生成する。中解像度地図MRMの表示データは、画素(グリッド)の大きさが異なる点を除いて、低解像度地図LRMと同様の手法で生成することができる。プロセッサ41は、区域A1全体を示す地図を複数のブロックに分割し、分割したブロック毎に中解像度地図MRMの表示データを生成する。中解像度地図MRMの表示データは、RAM43に保持される。プロセッサ41は、複数の中解像度地図MRMから地図表示領域DIに表示するものを選択し、地図表示領域DIに表示する。例えば、プロセッサ41は、ユーザのスワイプ操作等に応じて選択された中解像度地図MRMを地図表示領域DIに表示する。また、プロセッサ41は、地図表示領域DIに表示する中解像度地図MRMの範囲内に自律移動体10が存在している場合、中解像度地図MRMに重畳してアイコン10Iを表示する。ステップS4の処理を終えると、プロセッサ41は地図表示制御を終了する。
図7及び図10に示すように、ステップS5において、プロセッサ41は、表示領域DAを決定する。表示領域DAとは、地図データM1で示される区域A1全体の地図の一部であって、地図表示領域DIに表示される部分を規定するための領域である。
図10に示すように、表示領域DAは、地図座標系におけるX座標の範囲とY座標の範囲を規定する領域といえる。従って、表示領域DAは、地図座標系におけるX軸に沿って延びる辺X1と、Y軸に沿って延びる辺Y1とを備える長方形状の領域と捉えることができる。表示領域DAの大きさは、ステップS2における小サイズの大きさである。表示領域DAは、ユーザの操作によって拡大・縮小する領域であるといえる。表示領域DAが拡大・縮小する際には、表示領域DAの中央に位置する基準点CPを基準として表示領域DAが拡大・縮小する。表示領域DAが拡大・縮小した場合であっても表示領域DAの基準点CPは地図座標が変わらないといえる。表示領域DAの位置は、ユーザの操作によって変更される。ユーザは、スワイプ操作をすることで、表示領域DAの位置を変更可能である。また、ユーザは、表示部47に表示されるアイコン10Iをタップ操作することで、アイコン10Iが表示領域DAの中央に位置するように表示領域DAの位置を変更することが可能である。
図7に示すように、ステップS6において、プロセッサ41は、表示領域DA内の地図を高解像度地図HRMとして地図表示領域DIに表示する。図10に示すように、プロセッサ41は、表示領域DAよりも広い領域であるバックグラウンド領域BAの地図データM1をRAM43に保持している。RAM43には、地図全体を示す地図データM1が保持されず、RAM43に保持される地図データM1は、バックグラウンド領域BAの範囲内の地図データM1に制限されているといえる。
バックグラウンド領域BAとは、地図データM1で示される区域A1全体の地図の一部であってRAM43に保持する部分を規定するための領域である。バックグラウンド領域BAは、地図座標系におけるX座標の範囲とY座標の範囲を規定する領域といえる。従って、バックグラウンド領域BAは、地図座標系におけるX軸に沿って延びる辺X2と、Y軸に沿って延びる辺Y2とを備える長方形状の領域と捉えることができる。
バックグラウンド領域BAのX座標の範囲は、表示領域DAのX座標の範囲よりも広く、バックグラウンド領域BAのY座標の範囲は、表示領域DAのY座標の範囲よりも広い。言い換えれば、バックグラウンド領域BAのX軸に沿う辺X2の長さは、表示領域DAのX軸に沿う辺X1の長さよりも長く、バックグラウンド領域BAのY軸に沿う辺Y2の長さは、表示領域DAのY軸に沿う辺Y1の長さよりも長い。バックグラウンド領域BAは、表示領域DAよりも広い領域であるため、RAM43に保持されている地図データM1は、表示領域DAよりも広い範囲の地図を表示可能なデータといえる。
図11に示すように、プロセッサ41は、RAM43に保持されている地図データM1から高解像度地図HRMを地図表示領域DIに表示する。高解像度地図HRMとは、中解像度地図MRMよりも画面解像度の高い地図であり、かつ、表示領域DAで示される地図である。高解像度地図HRMは、点群地図と同一の画面解像度の地図である。高解像度地図HRMは、点群地図の一部を切り出した地図ともいえる。プロセッサ41は、特徴点P2の存在している画素と特徴点P2の存在していない画素とを異なる色彩で描写した高解像度地図HRMを地図表示領域DIに表示する。プロセッサ41は、地図表示領域DIに表示する高解像度地図HRMの範囲内に自律移動体10が存在している場合、高解像度地図HRMに重畳してアイコン10Iを表示する。プロセッサ41は、地図表示領域DIに、解除アイコンRIを表示する。解除アイコンRIは、高解像度地図HRMの表示を解除するためのものであって、解除アイコンRIが表示される位置にタッチ操作が行われると、地図表示領域DIには低解像度地図LRMが表示される。即ち、地図サイズとして大サイズが指定される。
バックグラウンド領域BA内に表示領域DAの全体が位置していれば、プロセッサ41は、表示領域DA全体を地図表示領域DIに表示することができる。一方で、表示領域DAのうちバックグラウンド領域BAの外に位置している部分については、非表示領域となり、地図が表示されない。ステップS6の処理を行うことで、プロセッサ41は、表示制御部を備えているといえる。ステップS6の処理が第1ステップに相当する。
図7及び図12に示すように、ステップS7において、プロセッサ41は、表示領域DAの中央に位置している基準点CPが切出領域CAの外に位置しているか否かを判定する。即ち、基準点CPの地図座標のうちX座標及びY座標の少なくともいずれかが切出領域CAの範囲から外れたか否かを判定する。基準点CPとは、表示領域DAのうち予め定められた一点である。切出領域CAとは、バックグラウンド領域BAを移動させるか否かを判定するための領域である。切出領域CAは、地図座標系におけるX座標の範囲とY座標の範囲を規定する領域といえる。従って、切出領域CAは、地図座標系におけるX軸に沿って延びる辺X3と、Y軸に沿って延びる辺Y3とを備える長方形状の領域と捉えることができる。本実施形態において、切出領域CAは、バックグラウンド領域BA内の領域である。切出領域CAは、バックグラウンド領域BAよりも狭い領域である。切出領域CAのX軸に沿う辺X3の長さは、バックグラウンド領域BAのX軸に沿う辺X2の長さよりも短く、切出領域CAのY軸に沿う辺Y3の長さは、バックグラウンド領域BAのY軸に沿う辺Y2の長さよりも短い。
本実施形態において、バックグラウンド領域BAの中央と、切出領域CAの中央とは同一位置である。地図座標系において、バックグラウンド領域BAの中央の座標と、切出領域CAの中央の座標とは同一座標といえる。切出領域CAとバックグラウンド領域BAとの位置関係は一定である。バックグラウンド領域BAが移動すれば、これに追従して切出領域CAも移動することで、バックグラウンド領域BAと切出領域CAとの位置関係は一定に保たれる。なお、図10及び図12に示す地図データM1は、特徴点P2を省略している。
図7に示すように、ステップS7の判定結果が否定の場合、プロセッサ41は地図表示制御を終了する。ステップS7の判定結果が肯定の場合、プロセッサ41は、ステップS8の処理を行う。
ステップS8において、プロセッサ41は、補助記憶装置44から新たな地図データM1をRAM43に読み込む。プロセッサ41は、表示領域DAの基準点CPが切出領域CAの外に位置している場合、バックグラウンド領域BAを移動させて新たな地図データM1をRAM43に保持することになる。以下、詳細に説明を行う。
プロセッサ41は、基準点CPが切出領域CAの外に位置している場合、基準点CPに追従してバックグラウンド領域BAを移動させる。図12に二点鎖線で示すように、プロセッサ41は、バックグラウンド領域BAが定まった時点での基準点CPの位置から、基準点CPが切出領域CAの外に位置した時点での基準点CPの位置までのずれの分だけ、バックグラウンド領域BAを移動させる。本実施形態のように、基準点CPが表示領域DAの中央に位置していれば、プロセッサ41は、切出領域CAの外に位置する基準点CPがバックグラウンド領域BAの中央に位置するようにバックグラウンド領域BAを移動させる。バックグラウンド領域BAは、表示領域DAの移動に伴い、表示領域DAの移動方向に移動していくといえる。前述したように、切出領域CAはバックグラウンド領域BAに追従して移動するため、バックグラウンド領域BAが移動した時点では、表示領域DAの中央、バックグラウンド領域BAの中央、及び切出領域CAの中央は一致する。バックグラウンド領域BAは、表示領域DAを囲むように設定されるため、表示領域DAの周囲全体に対して表示部47に表示可能な地図がRAM43に保持されることになる。即ち、表示領域DAの位置がいずれの方向に変更された場合であっても、その移動量が表示領域DAとバックグラウンド領域BAとの差分に収まっていれば、表示部47に地図を表示可能といえる。なお、「バックグラウンド領域BAの移動」とは、バックグラウンド領域BAによって規定される地図座標の範囲が変更されることを意味する。従って、基準点CPを中央とする新たなバックグラウンド領域BAの地図データM1を補助記憶装置44からRAM43に読み込むことで、バックグラウンド領域BAは移動するといえる。
プロセッサ41は、移動前のバックグラウンド領域BAの地図データM1を新たな地図データM1で上書きすることで、RAM43に保持される地図データM1の更新を行う。これにより、次回以降の制御周期では、新たなバックグラウンド領域BAの地図を表示部47に表示可能になる。プロセッサ41は、ステップS8の処理を終えると、地図表示制御を終了する。ステップS7及びステップS8の処理を行うことで、プロセッサ41は保持制御部を備えているといえる。ステップS7及びステップS8の処理が第2ステップに相当する。
上記したように、地図表示装置40では、ステップS2での判定結果に応じて、高解像度地図HRM、中解像度地図MRM又は低解像度地図LRMが地図表示領域DIに表示される。中解像度地図MRM及び低解像度地図LRMは高解像度地図HRMよりも画面解像度が低く、かつ、高解像度地図HRMよりも広い範囲を示す地図である。このため、プロセッサ41は、ステップS3及びステップS4を実行することで、広範囲表示部を備えているといえる。また、プロセッサ41は、ステップS2を実行することで、切替制御部を備えているといえる。表示制御部、保持制御部、広範囲表示部、及び切替制御部はプロセッサ41が地図表示プログラムPGを実行することで機能する機能要素といえる。
本実施形態の作用について説明する。
地図表示装置40の表示部47には、区域A1の地図と、自律移動体10の位置を示すアイコン10Iとが表示される。これにより、ユーザは、区域A1における自律移動体10の位置を把握することができる。また、表示部47に表示される操作領域Tを操作することで、ユーザは、自律移動体10に指令を送信することも可能である。指令としては、例えば、自律移動体10の目標地点を設定することが挙げられる。
地図表示装置40の表示部47には、区域A1の地図と、自律移動体10の位置を示すアイコン10Iとが表示される。これにより、ユーザは、区域A1における自律移動体10の位置を把握することができる。また、表示部47に表示される操作領域Tを操作することで、ユーザは、自律移動体10に指令を送信することも可能である。指令としては、例えば、自律移動体10の目標地点を設定することが挙げられる。
ユーザは、区域A1の全体を把握したい場合には、地図サイズとして大サイズを指定する。この場合、表示部47には低解像度地図LRMが表示される。区域A1全体を高解像度の地図で表示すると、RAM43に保持される地図データM1のデータ量が多く、RAM43の容量不足が生じるおそれがある。このため、地図サイズとして大サイズが指定されている場合には、低解像度地図LRMで区域A1全体を表示することで、RAM43の容量不足が生じることを抑制している。
ユーザは、区域A1の詳細な地図を把握したい場合には、地図サイズとして中サイズや小サイズを指定する。これにより、地図全体のうち一部が拡大して表示部47に表示される。また、低解像度地図LRMよりも画面解像度の高い地図が表示部47に表示されるため、ユーザは詳細な地図を把握することができる。
地図サイズとして小サイズが指定されている場合、表示領域DAの地図が地図表示領域DIに表示される。地図表示領域DIに表示される地図を表示領域DAに制限することで、RAM43の容量不足を抑制しつつ、低解像度地図LRMよりも画面解像度の高い地図を地図表示領域DIに表示することができる。前述したように、プロセッサ41は、バックグラウンド領域BAの地図データM1をRAM43に保持しているため、表示領域DAの位置が変更された場合であっても、バックグラウンド領域BA内の地図については、RAM43に新たな地図データM1を保持することなく地図表示領域DIに表示することができる。更に、表示領域DAの位置の変更により表示領域DAの基準点CPが切出領域CAの外に位置すると、バックグラウンド領域BAが移動することで、新たな地図データM1がRAM43に保持される。表示領域DAが移動する方向に対して新たな地図データM1がRAM43に保持されていく。
なお、切出領域CAを設定せず、表示領域DAがバックグラウンド領域BAを超えた場合にバックグラウンド領域BAを移動させることも考えられる。しかしながら、表示領域DAはユーザの操作によって拡大・縮小が可能であるため、表示領域DAがバックグラウンド領域BAを超えた場合にバックグラウンド領域BAを移動させる場合、表示領域DAの大きさによってバックグラウンド領域BAが移動するのに要する表示領域DAの移動量が異なる。表示領域DAが大きいほど、表示領域DAの移動量が少なくてもバックグラウンド領域BAが移動することになり、RAM43には頻繁に新たな地図データM1が読み込まれることになる。これに対し、基準点CPは、表示領域DAが拡大・縮小しても位置が変動しないため、バックグラウンド領域BAが移動するのに要する表示領域DAの移動量が表示領域DAの大きさによって変動しない。
本実施形態の効果について説明する。
(1)バックグラウンド領域BAの地図データM1をRAM43に保持している。表示領域DAの位置が変更された場合であっても、バックグラウンド領域BA内の地図については、RAM43に新たな地図データM1を保持することなく表示部47に表示することができる。更に、基準点CPに追従してバックグラウンド領域BAを移動させて新たな地図データM1をRAM43に保持することで、表示領域DAが移動する方向に対して新たな地図データM1がRAM43に保持されていく。これにより、表示領域DAが移動する方向の地図を示す地図データM1を予めRAM43に保持することができるため、表示領域DAの位置が変更された際に表示領域DAに対応する地図を円滑に表示部47に表示することができる。
(1)バックグラウンド領域BAの地図データM1をRAM43に保持している。表示領域DAの位置が変更された場合であっても、バックグラウンド領域BA内の地図については、RAM43に新たな地図データM1を保持することなく表示部47に表示することができる。更に、基準点CPに追従してバックグラウンド領域BAを移動させて新たな地図データM1をRAM43に保持することで、表示領域DAが移動する方向に対して新たな地図データM1がRAM43に保持されていく。これにより、表示領域DAが移動する方向の地図を示す地図データM1を予めRAM43に保持することができるため、表示領域DAの位置が変更された際に表示領域DAに対応する地図を円滑に表示部47に表示することができる。
(2)プロセッサ41は、基準点CPが切出領域CAの外に位置している場合にバックグラウンド領域BAを移動させて新たな地図データM1をRAM43に保持する。基準点CPは、表示領域DAが拡大・縮小しても位置が変動しないため、バックグラウンド領域BAが移動するのに要する表示領域DAの移動量が表示領域DAの大きさによって変動しない。従って、プロセッサ41は、基準点CPが切出領域CAの外に位置しているかを判定すればよく、バックグラウンド領域BAを移動させるか否かの判定を容易に行うことができる。
(3)地図データM1として、自律移動体10がマッピングにより作成した地図データM1を用いている。そして、この地図データM1を用いて表示部47に地図の表示を行っている。従って、表示部47に地図を表示するためのデータを地図データM1とは別に用意しなくてもよい。
(4)プロセッサ41は、地図サイズを切替可能である。プロセッサ41は、地図サイズが小サイズの場合には高解像度地図HRM、地図サイズが中サイズや大サイズの場合には高解像度地図HRMよりも画面解像度の低い地図を表示部47に表示する。これにより、用途に応じて地図サイズの変更が可能であり、かつ、RAM43の容量不足が生じることを抑制することができる。
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○地図表示装置40は、地図サイズの変更ができなくてもよく、実施形態における小サイズの地図のみを表示できればよい。また、地図サイズとして中サイズを省略して、小サイズと大サイズとを切り替えられるようにしてもよいし、地図サイズとして大サイズを省略して小サイズと中サイズとを切り替えられるようにしてもよい。
○地図表示装置40は、地図サイズの変更ができなくてもよく、実施形態における小サイズの地図のみを表示できればよい。また、地図サイズとして中サイズを省略して、小サイズと大サイズとを切り替えられるようにしてもよいし、地図サイズとして大サイズを省略して小サイズと中サイズとを切り替えられるようにしてもよい。
○表示領域DAの基準点CPは、表示領域DAの中央に限られず任意の位置に設定することができる。この場合であっても、表示領域DAが拡大・縮小するときに、基準点CPを中心として表示領域DAが拡大・縮小することが好ましい。なお、表示領域DAの中央以外を基準点CPとする場合、基準点CPの位置に合わせて切出領域CAの位置を変更してもよい。例えば、バックグラウンド領域BAに追従して切出領域CAの位置が変動した際に、切出領域CAの中央に基準点CPが位置するように切出領域CAを設定してもよい。この場合、切出領域CAは、バックグラウンド領域BA内に位置していなくてもよい。
○表示領域DAは、基準点CPを基準にして拡大・縮小しなくてもよい。即ち、表示領域DAは、基準点CP以外を基準にして拡大・縮小可能であってもよい。
○表示領域DAは、拡大・縮小できなくてもよい。即ち、表示領域DAの大きさは固定でもよい。
○表示領域DAは、拡大・縮小できなくてもよい。即ち、表示領域DAの大きさは固定でもよい。
○表示領域DAの位置は、自律移動体10に追従して移動してもよい。実施形態のように、区域A1に複数の自律移動体10が設置されている場合、プロセッサ41は、ユーザにより指定された自律移動体10の自己位置に応じて表示領域DAを移動する。例えば、プロセッサ41は、自律移動体10の自己位置が表示領域DAの中央に位置するように表示領域DAを設定する。なお、地図表示装置40は、ユーザの操作によって表示領域DAが移動するモードと、自律移動体10の移動によって表示領域DAが移動するモードとを切替可能であってもよい。
○バックグラウンド領域BAは、表示領域DAよりも広ければよく、大きさは適宜変更してもよい。例えば、バックグラウンド領域BAのX軸に沿う辺X2の長さが表示領域DAのX軸に沿う辺X1の長さよりも長ければ、バックグラウンド領域BAのY軸に沿う辺Y2の長さは表示領域DAのY軸に沿う辺Y1の長さと同一であってもよい。同様に、バックグラウンド領域BAのY軸に沿う辺Y2の長さが表示領域DAのY軸に沿う辺Y1の長さよりも長ければ、バックグラウンド領域BAのX軸に沿う辺X2の長さは表示領域DAのX軸に沿う辺X1の長さと同一であってもよい。この場合であっても、表示領域DAの移動方向がX軸方向、あるいは、Y軸方向であれば表示部47に円滑に地図を表示することができる。
○メモリは、仮想メモリであってもよい。即ち、地図表示装置40は、メモリとして、実メモリであるRAM43及び仮想メモリのうち少なくともいずれかを備えていればよい。
○地図表示プログラムPGは、ROM42に記憶されていてもよい。
○地図表示プログラムPGは、サーバー53から取得するのに限られず、どのような手法で地図表示装置40に取得されてもよい。例えば、地図表示装置40は、可搬型記憶媒体51を用いて地図表示プログラムPGを補助記憶装置44などの記憶媒体に記憶してもよい。地図表示プログラムPGをサーバー53から取得しない場合、地図表示装置40は、通信I/F49を備えていなくてもよい。
○地図表示プログラムPGは、サーバー53から取得するのに限られず、どのような手法で地図表示装置40に取得されてもよい。例えば、地図表示装置40は、可搬型記憶媒体51を用いて地図表示プログラムPGを補助記憶装置44などの記憶媒体に記憶してもよい。地図表示プログラムPGをサーバー53から取得しない場合、地図表示装置40は、通信I/F49を備えていなくてもよい。
○地図表示プログラムPGは、ステップS2〜ステップS8をプロセッサ41に実行させるプログラムであればよく、ステップS1は地図表示プログラムPGとは別のプログラムなどによって実行されてもよい。
○地図データM1は、無線信号によって各自律移動体10及び地図表示装置40で共有されてもよい。例えば、制御装置22は、マッピングにより得られた地図データM1を車両通信装置26から送信することで、地図データM1の共有を行ってもよい。
○表示部47の全体を地図表示領域DIとしてもよい。
○地図データM1としては、点群地図に代えて、地図を画像で示した画像データを用いてもよい。この場合、プロセッサ41は、表示領域DAに応じて画像データをRAM43に読み込む。地図データM1として、点群地図を用いない場合、自律移動体10はマッピング機能を備えていなくてもよい。
○地図データM1としては、点群地図に代えて、地図を画像で示した画像データを用いてもよい。この場合、プロセッサ41は、表示領域DAに応じて画像データをRAM43に読み込む。地図データM1として、点群地図を用いない場合、自律移動体10はマッピング機能を備えていなくてもよい。
○低解像度地図LRMを表示するための表示データと、中解像度地図MRMを表示するための表示データは、任意のタイミングで生成することができる。例えば、自律移動体10の起動時などに生成されてもよい。
○地図表示装置40としては、表示部47と、地図データM1及び地図表示プログラムPGが記憶される補助記憶装置44と、RAM43と、地図表示プログラムPGを実行するプロセッサ41と、を備えていればどのような装置であってもよい。例えば、地図表示装置40は、パーソナルコンピュータなど携帯端末以外のものが用いられてもよい。地図表示装置40としてパーソナルコンピュータが用いられる場合、補助記憶装置44としては、実施形態で挙げたものに加えて、ハードディスクドライブが含まれる。
○地図表示装置40の入力部46としては、ユーザの操作を入力信号に変換できるものであればよく、キーボード、物理ボタン、マイク、マウスが含まれていてもよい。
○自律移動体10で行われる自己位置推定は、加速度センサやジャイロセンサを用いたデッドレコニングを用いて行われてもよいし、衛星測位システムを用いて行われてもよいし、区域A1に設けられたガイドをガイドセンサによって読み取ることで行われてもよい。また、これらを組み合わせて自己位置推定は行われてもよい。
○自律移動体10で行われる自己位置推定は、加速度センサやジャイロセンサを用いたデッドレコニングを用いて行われてもよいし、衛星測位システムを用いて行われてもよいし、区域A1に設けられたガイドをガイドセンサによって読み取ることで行われてもよい。また、これらを組み合わせて自己位置推定は行われてもよい。
○自律移動体10は、車輪13によって移動するものに限られず、多足歩行するものや飛行するものであってもよい。
○センサ21としては、Time of Flightカメラ、ステレオカメラ、ミリ波レーダー等を用いてもよい。また、センサ21としては、X座標及びY座標に加えて、鉛直方向に延びるZ軸の座標を測定する3次元のLIDARを用いてもよい。
○センサ21としては、Time of Flightカメラ、ステレオカメラ、ミリ波レーダー等を用いてもよい。また、センサ21としては、X座標及びY座標に加えて、鉛直方向に延びるZ軸の座標を測定する3次元のLIDARを用いてもよい。
○区域A1で用いられる自律移動体10は単数であってもよい。
○自律移動体10が用いられる環境は、区域A1に限られず、どのような環境であってもよい。
○自律移動体10が用いられる環境は、区域A1に限られず、どのような環境であってもよい。
○地図データM1は、構造物SのZ軸方向の座標を含む3次元マップであってもよい。
BA…バックグラウンド領域、CA…切出領域、CP…基準点、DA…表示領域、M1…地図データ、PG…地図表示プログラム、10…自律移動体、40…地図表示装置、41…表示制御部、保持制御部、広範囲表示部、及び切替制御部として機能するプロセッサ、43…メモリとしてのRAM、44…不揮発性記憶装置としての補助記憶装置、47…表示部、48…受信部としての通信装置。
Claims (5)
- データを一時的に保持するメモリと、
プロセッサと、
自律移動体が用いられる環境の地図を示す地図データが記憶された不揮発性記憶装置と、
前記自律移動体の位置を示す位置情報を受信可能に構成された受信部と、
前記位置情報に基づいた前記自律移動体の位置、及び前記地図データに基づいた前記地図が表示される表示部と、を備え、
前記プロセッサは、
前記メモリに保持された前記地図データに基づき、前記表示部に表示される前記地図の範囲を規定する表示領域の前記地図を前記表示部に表示する表示制御部と、
前記表示領域よりも広いバックグラウンド領域の前記地図を示す前記地図データを前記メモリに保持させる保持制御部と、を備え、
前記保持制御部は、
前記表示領域のうち予め定められた一点を基準点とすると、前記バックグラウンド領域よりも狭い切出領域の外に前記基準点が位置している場合、前記基準点に追従して前記バックグラウンド領域を移動させて新たな前記地図データを前記メモリに保持させる地図表示装置。 - 前記基準点は前記表示領域の中央に位置しており、
前記保持制御部は、前記切出領域の外に前記基準点が位置している場合、前記基準点が前記バックグラウンド領域の中央に位置するように前記バックグラウンド領域を移動させる請求項1に記載の地図表示装置。 - 前記不揮発性記憶装置に記憶された前記地図データは、前記自律移動体がマッピングを行うことで得られたものである請求項1又は請求項2に記載の地図表示装置。
- 前記プロセッサは、
前記表示制御部により前記表示部に表示される前記地図よりも広い範囲を示す前記地図を、前記表示制御部により前記表示部に表示される前記地図よりも低い画面解像度で前記表示部に表示する広範囲表示部と、
前記表示制御部による前記地図の表示と前記広範囲表示部による前記地図の表示とを切り替える切替制御部と、を備える請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の地図表示装置。 - データを一時的に保持するメモリと、プロセッサと、自律移動体が用いられる環境の地図を示す地図データが記憶された不揮発性記憶装置と、前記自律移動体の位置を示す位置情報を受信可能に構成された受信部と、前記位置情報に基づいた前記自律移動体の位置、及び前記地図データに基づいた前記地図が表示される表示部と、を備えた地図表示装置で実行される地図表示プログラムであって、
前記地図表示プログラムは、
前記メモリに保持された前記地図データに基づき、前記表示部に表示される前記地図の範囲を規定する表示領域の前記地図を前記表示部に表示する第1ステップと、
前記表示領域よりも広いバックグラウンド領域の前記地図を示す前記地図データを前記メモリに保持させる第2ステップと、を前記プロセッサに実行させ、
前記第2ステップは、
前記表示領域のうち予め定められた一点を基準点とすると、前記バックグラウンド領域よりも狭い切出領域の外に前記基準点が位置している場合、前記基準点に追従して前記バックグラウンド領域を移動させて新たな前記地図データを前記メモリに保持させるステップを含む地図表示プログラム。
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2020
- 2020-05-21 JP JP2020088837A patent/JP2021184014A/ja active Pending
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