JP2021184002A - インコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子、撮像装置およびその撮像素子の製造方法 - Google Patents

インコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子、撮像装置およびその撮像素子の製造方法 Download PDF

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輝吉 信川
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Abstract

【課題】 1回の撮影でホログラムの強度と位相の計算に必要な干渉縞情報を取得できるインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子、撮像装置、その撮像素子の製造方法を提供する。【解決手段】 物体1からの光が2系に分割され、一方が変調光、他方が参照光とされ、変調光と参照光が干渉することで得られた干渉縞画像を、撮像し、この干渉縞画像から、nステップ位相シフト法を用いて物体1のホログラムを得、このホログラムから物体1の再構成画像を得ることを可能とし得る撮像素子5において、撮像面5aが、前記nの数のサブ画素111等よりなる画素11をアレイ状に配列し、各画素11を構成する前記nの数のサブ画素111等は各々、入射光に対し、所定のサブ画素111等を基準とした場合、変調光と参照光の間に2π/n、4π/n…2(n−1)π/nの位相差を付与し得る厚みの波長板15が、対応するサブ画素111等の光入射側に配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、インコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子、撮像装置およびその撮像素子の製造方法に関し、特に、複数の干渉縞画像情報から位相シフト法を用いてホログラムの強度と位相を得る、3次元テレビシステム等に用いられるインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子、撮像装置およびその撮像素子の製造方法に関するものである。
自然光照明の下で立体映像を取得する手法として、インコヒーレントデジタルホログラフィ(Incoherent digital holography、以下、IDHと略記する)が知られている。
IDHの技術を用い、等光路長干渉計タイプの光学系を用いることにより、レーザ等のコヒーレンス性の高い光源を必要とせず、太陽光や蛍光等のコヒーレンス性が低い光源を用いて、物体のホログラムを記録することができる。このように、IDHは、従来のホログラフィで要求されていた光源のコヒーレンス性の条件を緩和できるため、ホログラフィの応用範囲を拡大することが可能である。
すなわち、IDHは、物体から同時に射出された光を2つの経路に分割し、変調光と参照光を形成し、これら変調光と参照光を重ね合わせて得られた干渉縞をイメージセンサで記録し、その干渉縞画像データに基づき、ホログラムの強度と位相の空間分布を算出し、この得られた、ホログラムの強度と位相の空間分布データに所定の演算を施して、物体の立体映像を再構成する手法である(下記非特許文献1を参照)。
IDHの具体的な光学系(ここでは、マイケルソン干渉計タイプの光学系を用いている)の一例を図8に示す。物体501からの光はビームスプリッタ502で2系の光に分割され、一方は凹面ミラー503aで反射されて変調光とされるとともに、他方は平面ミラー503bで反射されて参照光とされ、この後、変調光および参照光は再度ビームスプリッタ502により合成されて干渉し、撮像素子505の撮像面505a上に干渉縞を形成する。
この干渉縞から、物体501のホログラムの強度と位相の分布を算出する手法としては、変調光と参照光との位相差を変化させて干渉縞を複数回撮影し、得られた複数の干渉縞画像データに基づきホログラムの強度と位相を算出する位相シフト法が知られている。例えば、変調光と参照光の位相差が0、π/2、π、3π/2となるように凹面ミラー503aの光軸方向(矢印方向)の位置を設定する度に干渉縞の撮影を行い、それにより得られた干渉縞の強度分布をI、I、I、Iとし、下式(1)を用いて物体501のホログラムの強度I0と位相φ0を算出する(4ステップ位相シフト法)。
(数1)
I・exp(iφ0)=A{(I-I)+i(I-I)} (1)
A:定数、i:虚数単位
M. K. Kim, "Incoherent digital holographic adaptive optics", APPLIED OPTICS, vol. 52, No. 1, A117-A130 (2013)
上述したように、干渉縞の位相解析に4ステップ位相シフト法を用いた場合、高精度な物体形状計測が行えるとともに位相計算を容易に行うことができるという長所を有するが、時分割で4回の撮影を行う必要があるため、動きのある物体を対象とする場合は正確な強度、位相を算出することができず、いわゆる被写体ブレを起こし、物体の正確な立体映像を再構成することが困難となってしまう。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、1回の撮影でホログラムの強度と位相の計算に必要な干渉縞情報を取得でき、動きのある物体を対象とする場合であっても物体の正確な立体映像を再構成することを可能とする、インコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子、撮像装置およびその撮像素子の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明のインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子は、
物体からの低コヒーレント光が2系に分割され、一方の光が変調光、他方の光が参照光とされ、これら変調光および参照光が重ね合わされ干渉することで得られた干渉縞画像を撮像し、
前記干渉縞画像から、nステップ位相シフト法(nは2以上の整数)を用いて前記物体のホログラムを得、このホログラムから前記物体の再構成画像を得ることを可能とし得るインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子において、
撮像面を、前記nの数に相当する種類のサブ画素よりなる画素を所定の周期で配列してなり、
各々の該画素を構成する前記nの数に相当する種類のサブ画素は各々、入射光に対し、所定のサブ画素を基準とした場合、前記変調光と前記参照光の間に2mπ+2π/n、2mπ+4π/n……2mπ+2(n−1)π/n(ただし、mは0以上の整数、nは2以上の整数)の位相差を付与し得る厚みの波長板が、対応する該サブ画素の光入射側に配置されるように構成されていることを特徴とするものである。
この場合において、前記所定のサブ画素の光入射側には、前記波長板が非配設とされ、前記所定のサブ画素以外のサブ画素には、前記波長板を配設されたものとすることができる。
あるいは、前記サブ画素の光入射側には、いずれも前記波長板が配設されたものとすることができる。
このような場合に、前記画素を構成する前記nの数に相当する種類のサブ画素の配置が、画素毎にランダムとされていることが好ましい。
また、本発明のインコヒーレントディジタルホログラム撮像装置は、
物体からの低コヒーレント光を2系に分割し、一方の光を変調光、他方の光を参照光とし、これら変調光および参照光を重ね合わせて干渉させる光学系と、
該変調光と該参照光とを干渉させて得られた干渉縞画像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子により撮像された該干渉縞画像から、nステップ位相シフト法(nは2以上の整数)を用いて前記物体のホログラムを得、このホログラムから前記物体の再構成画像を得る演算手段と、を備えたインコヒーレントディジタルホログラム撮像装置において、
前記撮像素子は、この素子の撮像面に、前記nの数に相当する種類のサブ画素よりなる画素を所定の周期で配列するように構成され、
各々の該画素を構成する前記nの数に相当する種類のサブ画素は各々、所定のサブ画素を基準とした場合、前記変調光と前記参照光の間に2mπ+2π/n、2mπ+4π/n……2mπ+2(n−1)π/n(ただし、mは0以上の整数、nは2以上の整数)の位相差を付与し得る厚みの波長板が、対応する該サブ画素の光入射側に配置されるように構成されていることを特徴とするものである。
また、本発明のインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子の製造方法は、
物体からの低コヒーレント光が2系に分割され、一方の光が変調光、他方の光が参照光とされ、これら変調光および参照光が重ね合わされ干渉することで得られた干渉縞画像を撮像し、
前記干渉縞画像から、nステップ位相シフト法(nは2以上の整数)を用いて前記物体のホログラムを得、このホログラムから前記物体の再構成画像を得ることが可能なインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子の製造方法において、
前記nの数に相当する種類のサブ画素よりなる画素を所定の周期で配列し、
前記サブ画素の上方に波長板材料を積層し、
前記nの数に相当する種類のサブ画素各々に対応する前記波長板材料について、所定のサブ画素を基準とした場合、前記変調光と前記参照光の間に2mπ+2π/n、2mπ+4π/n……2mπ+2(n−1)π/n(ただし、mは0以上の整数、nは2以上の整数)の位相差を付与し得る厚みとなるように、フォトリソ処理およびエッチング処理を施すことを特徴とするものである。
本発明のインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子および撮像装置では、撮像素子の撮像面の光入射側に、n種のサブ画素からなる画素を配列し、各画素内で、所定のサブ画素に対して他のサブ画素は、受光する変調光と参照光との間の位相差が、2mπ+2π/n、2mπ+4π/n……2mπ+2(n−1)π/nとなるような波長板を配設している(mは0以上の整数、nは2以上の整数)。
これにより、撮像素子の1回の撮像によって、位相が互いに異なるn個の干渉縞画像が得られ、これらのn個の干渉縞画像に基づきnステップ位相シフト法を用いて、撮像対象である物体の再構成画像を得ることができる。すなわち、従来技術においては、変調光と参照光との間の位相差をn回設定してn個の干渉縞画像を得、これに基づいてnステップ位相シフト法を行うようにしていたが、これでは、位相シフト法に用いる複数枚の干渉縞画像の間で時間的な変化が生じてしまい、特に、移動物体の撮像を高精度で行うことはできなかった。
これに対し、本発明のものにおいては、位相シフト法に用いる複数枚の干渉縞画像の間で時間的な変化が生ぜず、移動物体を撮像対象とする場合にも、高精度のホログラムを得ることができ、ひいては、物体の再構成画像を高精度かつ高速で得ることができる。
また、本発明のインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子の製造方法においては、nの数に相当する種類のサブ画素各々に対応する波長板材料について、所定のサブ画素を基準とした場合、変調光と参照光の間に、2mπ+2π/n、2mπ+4π/n……2mπ+2(n−1)π/nの位相差を付与し得る厚みとなるように、フォトリソ処理およびエッチング処理を施している。
これにより、各画素内において、変調光と参照光の間に、nの数に相当する種類の位相差を有するサブ画素を、容易かつ高精度に得ることができる。
本発明の実施例に係るインコヒーレントディジタルホログラム撮像装置の光学系を示すものである。 本発明の実施例1に係るインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子の一部を示す概略平面図(a)および概略断面図(b)である。 本発明の実施例に係るインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子の製造方法を説明するための工程図1((a)〜(c))である。 本発明の実施例に係るインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子の製造方法を説明するための工程図2((d)〜(f))である。 本発明の実施例に係るインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子の製造方法を説明するための工程図3((g)〜(i))である。 本発明の実施例2に係るインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子の一部を示す概略平面図である。 本発明の実施例3に係るインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子の一部を示す概略平面図(a)および概略断面図(b)である。 従来技術のインコヒーレントディジタルホログラム撮像装置に係る光学系を示すものである。
以下、本発明の実施例に係るインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子および撮像装置を、図面を参照しながら説明する。
《撮像装置》
<光学系>
図1は本発明の実施例に係るインコヒーレントディジタルホログラム撮像装置の光学系の概略を示すものである。
この図1に示すインコヒーレントディジタルホログラム撮像装置は、物体1から伝搬してきた空間的にインコヒーレントな光波をレンズ4に通過させて平行光(レンズ4の焦点位置からの光に対して)とした後、偏光板6を通過させて直線偏光(紙面内に振動面を有する)とし、ビームスプリッタ2により分割して第1分割光と第2分割光を得る。第1分割光は凹面ミラー3aにより若干収束する球面波である変調光とされてビームスプリッタ2に戻り、一方、第2分割光は平面状のミラー3bにより正反射され、参照光としてビームスプリッタ2に戻る。
また、ビームスプリッタ2と凹面ミラー3aの間にはλ/4波長板7が配されており、第1分割光を往復で2回に亘って、このλ/4波長板7を通過させることによって、変調光を参照光に対して位相πのずれが生じるように形成される。このことは図1において撮像素子5に入射する変調光と参照光との間で直線偏光の振動方向が90度ずれた状態であることで表されている。
これにより、互いに直交する振動面を有する偏光である、変調光および参照光が重なり合って撮像素子5に照射される。
以下、この撮像素子5について、実施例1に係る撮像素子を用いて説明する。
<撮像素子(実施例1に係る撮像素子)>
実施例1に係る撮像素子は、図2に示すように、センサ21と波長板15を積層してなる。なお、図2(a)は、撮像素子の光入射面の一部概略平面図であり、図2(b)は、撮像素子の一部概略断面図(図2(a)のX-X´線断面図)である。
このセンサ21は、シリコン基板13、サブ画素111−114、偏光子12および波長板15を積層されてなる(ただし、サブ画素111の上方には波長板が配されていない)。
シリコン基板13には、A/D変換回路や走査回路等、撮像素子の信号処理や読取り処理に係る種々の回路が内蔵されており、また、シリコン基板13上には、4つのサブ画素111−114からなる画素11がアレイ状に配設されている。
また、サブ画素111−114は各々、フォトダイオード、トランジスタ、配線等により構成され、サブ画素111−114同士は、互いに分離されている。
また、これらのサブ画素111−114上には、変調光と参照光の各偏光の振動方向に対して、偏光軸が45度の角度となる偏光子12が配設され、入射光である変調光および参照光の各々において、この偏光軸方向の成分のみを通過させるようにしている。これにより、変調光と参照光の干渉光のみがサブ画素111−114に到達する。
さらに、偏光子12上には、波長板15が形成されるが、対応するサブ画素によって、厚みが相違している。すなわち、サブ画素112に対応する波長板(A)152は変調光が参照光に対してπ/2だけ位相遅れが生じる厚みとされ、サブ画素113に対応する波長板(B)153は変調光が参照光に対してπだけ位相遅れが生じる厚みとされ、サブ画素114に対応する波長板(C)154は変調光が参照光に対して3π/2だけ位相遅れが生じる厚みとされている。
本実施例においては、図1に示す光学系を用いることにより、前述したように、紙面に垂直な振動面を有する偏光である変調光と、紙面に平行な振動面を有する偏光である参照光が撮像素子に入射する。波長板(A)152、波長板(B)153、波長板(C)154を、水晶や雲母等の複屈折材料で形成し、この複屈折材料の光学軸が適切な方向となるように配置するとともに、波長板(A)152、波長板(B)153、波長板(C)154の各々の厚さが上述したような値となるように設定することにより、変調光を参照光に対して、π/2、π、3π/2だけ遅らせることができる。
なお、サブ画素111の上方には波長板が配されず、参照光と変調光の位相ずれは生じない。
具体的には、複屈折材料で構成される波長板15において、波長板の厚さdと位相遅れΔφは、波長をλとすると、下式(2)により表される。
(数2)
d={λ/(2π)}・{Δφ/(ne-no)} (2)
但し、nは常光線に対する屈折率、nは異常光線に対する屈折率である。
例えば、複屈折材料を水晶とすると、λ=546.1nmのとき、n=1.5553、n=1.5462となるから、変調光と参照光の間に位相差π/2を与える波長板(A)152の厚さd(A)は、上式(2)より、15.0μmと算出される。同様に、波長板(B)153は30.0μmと算出され、波長板(C)154は45.0μmと算出される。
偏光子12は参照光と変調光の各偏光方向に対して45°の角度に配置されているため、参照光と変調光の偏光の振動方向がそろい、サブ画素111−114上に干渉縞が形成される。このとき、サブ画素111には参照光と変調光の位相差が0の場合における強度Iの干渉縞が形成される。同様に、サブ画素112には参照光と変調光の位相差がπ/2の場合における強度Iの干渉縞が、サブ画素113には参照光と変調光の位相差がπの場合における強度Iの干渉縞が、さらに、サブ画素114には参照光と変調光の位相差が3π/2の場合における強度Iの干渉縞が、各々形成される。これにより1回の撮影により、前述した4ステップシフト法を用いる場合に必要な、参照光と変調光の位相差をπ/2ずつずらして得られる、I、I、I、Iよりなる4つの干渉縞強度を得ることができる。
このようにして、得られた4つの干渉縞強度に基づき、以下に説明するように、演算装置9(図1を参照)において、物体1の再構成画像を得るための演算が行われる。
<演算装置>
この演算装置9は、まず、撮像素子5により得られた4つの干渉縞強度I、I、I、Iに基づき、下式(3)を用いて、物体1のホログラムの強度Iおよび位相φを演算する。
(数3)
I・exp(iφ)=A{(I-I)+i(I-I)} (3)
但し、Aは定数、iは虚数単位である。
さらに、この演算装置9は、上記のようにして得られた、物体1のホログラムの強度Iおよび位相φに基づき、物体1の再構成画像を、従来より周知の逆伝搬法等を用いて求める。物体1の再構成画像に係るデータは、演算装置9から外部のメモリや表示装置(図示せず)に出力される。
《撮像素子の製造方法》
以下、本発明の実施形態に係る撮像素子の製造方法を図3〜5を用いて説明する。
まず、偏光撮像素子を製造する周知技術を用いて、センサ21を作成する(図3(a))。
例えば、下記参考文献には、画素の直上に、ワイヤーグリッドを形成した偏光撮像素子が開示されており、本実施形態に係る撮像素子のセンサ21として好適に用いることができる。
(参考文献)
Y. Maruyama et al., “3.2-MP Back-Illuminated Polarization Image Sensor With Four-Directional Air-Gap Wire Grid and 2.5-μm Pixels”, IEEE Trans. ED, vol. 65, No. 6, pp. 2544-2551 (2018)
次に、センサ21の上面に波長板15を接合する(図3(b))。接合手法としては、センサ21と波長板15が接合される面を平坦化しておき、直接接合する手法(Direct bonding)が好適である。勿論、接着剤を用いて上記両面を接着するようにしてもよい。
次に、波長板15の片面(図中で上面)を研磨し、波長板(C)の厚さ(変調光と基準光の位相差がΔφ+3π/2となる厚み、本実施例ではΔφ=0)に調整する(図3(c))。なお、波長板15をセンサ21に接合してから研磨すれば製造が容易となり好ましいが、この接合前に、波長板15を所定厚みに研磨することも可能である。
次に、波長板15の上部全面に、マスクとしてのフォトレジスト16を塗布し、フォトリソグラフィの手法によりサブ画素111の上方に位置するフォトレジスト16に開口17を形成する(図4(d))。
次に、エッチングの手法でサブ画素111上の波長板を除去した後、フォトレジストを除去する(図4(e))。
次に、再度、波長板15の上部全面(サブ画素111上方の開口17を含む)にフォトレジスト16を塗布し、フォトリソグラフィの手法でサブ画素112の上方に位置するフォトレジスト16に開口17を形成する(図4(f))。
次に、サブ画素112上の波長板15をエッチングした後、フォトレジスト16を除去する(図5(g))。このとき、エッチング時間を適切に制御することで、波長板(A)の厚さを所望の値(変調光と基準光の位相差がΔφ+π/2となる厚み、本実施例ではΔφ=0)に制御する。
同様の工程を繰り返すことで、波長板(B)の厚さを所望の値(変調光と基準光の位相差がΔφ+πとなる厚み、本実施例ではΔφ=0)となるように形成し、フォトレジスト16を除去して撮像素子を完成させる(図5(h)、図5(i))。
このように、リソグラフィとエッチングの手法を用いることにより、変調光と参照光の間に、所定種類の位相差を有するサブ画素を備えた撮像素子を、容易かつ高精度に得ることができる。
<実施例2に係る撮像素子>
本発明の実施例2に係る撮像素子を図6に示す。本実施例に係る撮像素子では、上述した実施例1に係る撮像素子とは異なり、各画素11Aにおいて、波長板(A)、波長板(B)、波長板(C)がランダムに配列されている。
本実施例の撮像素子には、次のような利点がある。すなわち、撮像素子に入射する光の一部は波長板15の表面や偏光子12の表面で反射する。一般に、波長板の種類の配列が、図2(a)に示すように周期的とされていると、特定の方向への反射光が干渉を起こして強め合い、その光が光学系でさらに反射されて撮像素子に入射する等して、画面内に有害なゴーストを発生させる虞がある。
これに対し、図6に示す実施例2の撮像素子においては、波長板(A)、波長板(B)、波長板(C)が画素11A毎にランダムに配列するように構成されているので、特定の方向への反射光が強め合うことがなく、ゴーストの発生を抑制することが可能である。
<実施例3に係る撮像素子>
本発明の実施例3に係る撮像素子を図7に示す。本実施例に係る撮像素子では、上述した実施例1に係る撮像素子とは異なり、各画素11Bにおいて、すべてのサブ画素111−114上に波長板15(波長板(E)、波長板(F)、波長板(G)および波長板(H))が設けられている。
波長板(E)、波長板(F)、波長板(G)および波長板(H)を通過した後における、参照光と変調光の位相差は各々、Δφ、Δφ+π/2、Δφ+π、Δφ+3π/2となり、本実施例の撮像素子においても、上式(3)を用いることでホログラムの強度Iと位相φを算出することができる。
本実施例の撮像素子においては、すべてのサブ画素111−114の光入射側に波長板が形成されているため、すべてのサブ画素111−114における、入射光に対する反射率がほぼ同じになり、サブ画素111−114間の感度ばらつきが小さくなるとの利点を有する。
実施例3に係る撮像素子の製造方法は、図3−5を用いて説明した各工程と略同様の工程により構成される。ただし、図4(e)のエッチング工程において、サブ画素111上の波長板(E)が、所定の厚み(変調光と基準光の位相差がΔφとなる厚み)となるように設定される。
上記実施例3では、上記実施例2と同様に、各画素11Bにおいて、波長板(E)、波長板(F)、波長板(G)および波長板(H)をランダムに配列することも可能である。これにより、実施例2の場合と同様に、ゴーストの発生を抑制することが可能である。
本発明のインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子、撮像装置およびその撮像素子の製造方法としては、上記実施例のものに限られるものではなく、種々の態様の変更が可能である。
例えば、上記実施例においては、画素を4つのサブ画素に分割していたが、分割方法はこれに限られず、4以外の複数の数に分割してもよい。例えば、3分割あるいは5分割以上に分割するようにしてもよく、画素をn個のサブ画素に分割することで、nステップの位相シフト法を用いることが可能となる。
例えば、画素を3個のサブ画素に分割することで、3ステップの位相シフト法を用いることができる。その場合には、ホログラムの強度Iおよび位相φを求める式として、上式(3)に替えて下式(4)を用いる。
(数4)
I0・exp(iφ0)=A{(2I1-I2-I3)+√3i(I2-I3)} (4)
但し、Aは定数、iは虚数単位である。
また、各画素は、nステップ位相シフト法を採用する場合に、n種類の位相差に対応するサブ画素に分割すればよく、例えば、各種類毎にm個のサブ画素を有するように、画素内にm×n個のサブ画素を設けるようにしてもよい。
さらに、上記実施例においては、nステップの位相シフト法に対応させるために、異なる種類の波長板間で、2π/nずつ位相差が異なるように構成しているが、2mπ+2π/n(mは0以上の整数)ずつ位相差が異なるように構成することも可能である。
なお、上述した実施例においては、センサ21中に偏光子12が一体化されて設けられているが、偏光子12はセンサ21とは別体として光路中に適切に配設してもよい。
その他、撮像装置の光学系の態様としては、上記実施例に限られるものではなく、種々の態様に変更可能である。
1、501 物体
2、502 ビームスプリッタ
3a、503a 凹面ミラー
3b、503b ミラー
4、504 レンズ
5、505 撮像素子
5a、505a 撮像面
6 偏光板
7 λ/4波長板
9、509 演算装置
11、11A、11B 画素
12 偏光子
13 シリコン基板
15、15B、152、153、154、155、156、157、158 波長板
16 フォトレジスト
17 開口
21 センサ
111、112、113、114 サブ画素

Claims (6)

  1. 物体からの低コヒーレント光が2系に分割され、一方の光が変調光、他方の光が参照光とされ、これら変調光および参照光が重ね合わされ干渉することで得られた干渉縞画像を撮像し、
    前記干渉縞画像から、nステップ位相シフト法(nは2以上の整数)を用いて前記物体のホログラムを得、このホログラムから前記物体の再構成画像を得ることを可能とし得るインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子において、
    撮像面を、前記nの数に相当する種類のサブ画素よりなる画素を所定の周期で配列してなり、
    各々の該画素を構成する前記nの数に相当する種類のサブ画素は各々、入射光に対し、所定のサブ画素を基準とした場合、前記変調光と前記参照光の間に2mπ+2π/n、2mπ+4π/n……2mπ+2(n−1)π/n(ただし、mは0以上の整数、nは2以上の整数)の位相差を付与し得る厚みの波長板が、対応する該サブ画素の光入射側に配置されるように構成されていることを特徴とするインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子。
  2. 前記所定のサブ画素の光入射側には、前記波長板が非配設とされ、前記所定のサブ画素以外のサブ画素には、前記波長板が配設されていることを特徴とする請求項1に記載のインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子。
  3. 前記サブ画素の光入射側には、いずれも前記波長板が配設されていることを特徴とする請求項1に記載のインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子。
  4. 前記画素を構成する前記nの数に相当する種類のサブ画素の配置が、画素毎にランダムとされていることを特徴とする請求項2または3に記載のインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子。
  5. 物体からの低コヒーレント光を2系に分割し、一方の光を変調光、他方の光を参照光とし、これら変調光および参照光を重ね合わせて干渉させる光学系と、
    該変調光と該参照光とを干渉させて得られた干渉縞画像を撮像する撮像素子と、
    前記撮像素子により撮像された該干渉縞画像から、nステップ位相シフト法(nは2以上の整数)を用いて前記物体のホログラムを得、このホログラムから前記物体の再構成画像を得る演算手段と、を備えたインコヒーレントディジタルホログラム撮像装置において、
    前記撮像素子は、この素子の撮像面に、前記nの数に相当する種類のサブ画素よりなる画素を所定の周期で配列するように構成され、
    各々の該画素を構成する前記nの数に相当する種類のサブ画素は各々、所定のサブ画素を基準とした場合、前記変調光と前記参照光の間に2mπ+2π/n、2mπ+4π/n……2mπ+2(n−1)π/n(ただし、mは0以上の整数、nは2以上の整数)の位相差を付与し得る厚みの波長板が、対応する該サブ画素の光入射側に配置されるように構成されていることを特徴とするインコヒーレントディジタルホログラム撮像装置。
  6. 物体からの低コヒーレント光が2系に分割され、一方の光が変調光、他方の光が参照光とされ、これら変調光および参照光が重ね合わされ干渉することで得られた干渉縞画像を撮像し、
    前記干渉縞画像から、nステップ位相シフト法(nは2以上の整数)を用いて前記物体のホログラムを得、このホログラムから前記物体の再構成画像を得ることが可能なインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子の製造方法において、
    前記nの数に相当する種類のサブ画素よりなる画素を所定の周期で配列し、
    前記サブ画素の上方に波長板材料を積層し、
    前記nの数に相当する種類のサブ画素各々に対応する前記波長板材料について、所定のサブ画素を基準とした場合、前記変調光と前記参照光の間に2mπ+2π/n、2mπ+4π/n……2mπ+2(n−1)π/n(ただし、mは0以上の整数、nは2以上の整数)の位相差を付与し得る厚みとなるように、フォトリソ処理およびエッチング処理を施すことを特徴とするインコヒーレントディジタルホログラム用撮像素子の製造方法。
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