JP2021183635A - 胎盤細胞を使用した糖尿病性末梢神経障害の処置 - Google Patents

胎盤細胞を使用した糖尿病性末梢神経障害の処置 Download PDF

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Abstract

【課題】糖尿病性末梢神経障害(DPN)の処置における、組織培養プラスチック接着性胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞を使用する方法を提供する。【解決手段】糖尿病性末梢神経障害を有する対象を処置する方法であって、CD10+、CD34−、CD105+、CD200+胎盤幹細胞を含む組成物を前記対象に投与することを含む、方法である。【選択図】なし

Description

本出願は、2015年9月15日付けで出願された米国仮特許出願第62/218,885号の優先権の利益を主張するものであり、その内容は、その全体が本明細書に組み入れられる。
1.分野
糖尿病性末梢神経障害(DPN)の処置における、組織培養プラスチック接着性胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞を使用する方法が本明細書で提供される。
2.背景
胎盤は、特に魅力的な幹細胞源である。哺乳類胎盤は豊富であり、通常は医療廃棄物として廃棄されるため、これらは、かけがえのない医学的に有用な幹細胞源の代表である。
米国特許第7,311,904号 米国特許第7,311,905号 米国特許第7,468,276号 米国特許公開公報第2007/0275362号 米国特許公開公報第2007/0190042号 米国特許第5,372,581号 米国特許第5,415,665号 米国特許第7,147,626号 米国特許第7,045,148号 米国特許第7,255,729号 米国特許公開公報第2004/0048796号 特許出願第12/546,556号 米国特許出願第12/622,352号 米国特許出願公開第2004/0048796号 米国特許公開公報第2002/0022676号 米国特許第6,355,699号
ウェア(Ware)et al.,Medical Care 30(6):473−483) バン(Bann)et al.,Pharmacoeconomics,2003、21(17):1277−90) カンパー(Kamper)et al.,J.Man.Manip.Ther.,2009,17(3):163−170) ボスティアン(Bostian)およびベッツ(Betts),Biochem.J.,173,787,(1978) カマーチ(Kamarch),1987,Methods Enzymol,151:150−165 アリカメッツ(Allikmets)et al.,Cancer Res.58(23):5337−9(1998) アンセス(Anseth)et al.,J.Control Release,78(1−3):199−209(2002) ワン(Wang)et al.,Biomaterials,24(22):3969−80(2003)
3.概要
それを必要とする対象における糖尿病性末梢神経障害(DPN)を処置する方法であって、治療有効量の、組織培養プラスチック接着性胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞、例えば、CD34-、CD10+、CD105+、CD200+胎盤幹細胞を対象に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。具体的な実施形態において、前記胎盤細胞は、医薬組成物として製剤化される。
具体的な実施形態において、本明細書で提供される方法に従って処置されるDPNを有する対象は、I型糖尿病を有する。他の具体的な実施形態において、本明細書で提供される方法に従って処置されるDPNを有する対象は、II型糖尿病を有する。一実施形態において、本明細書で提供される方法に従って処置される対象は、腕、手、脚、または足の一または複数にDPNを有する。一実施形態において、本明細書で提供される方法に従って処置される対象は、腕、手、脚、および足のそれぞれにDPNを有する。
一実施形態において、本明細書で提供される方法に従って処置される対象は、DPNを有し、さらに対象の末梢血管系における血流の破壊を引き起こす状態も有する。具体的な実施形態において、対象は、末梢動脈疾患(PAD)を有する。具体的な実施形態において、対象は、末梢血管疾患を有する。
一実施形態において、本明細書で提供される方法は、本明細書で提供される方法に従って処置される対象においてDPNの一または複数の症状の検出可能な改善をもたらす。DPNの例示的な症状としては、これらに限定されないが、痛みもしくは温度変化に対する無感覚またはそれらを感じる能力の低下、肢のヒリヒリするまたは焼けるような感覚、鋭い痛みまたは痙攣、接触に対する感受性の増加、筋力低下、反射の損失(例えば、足首における)、平衡および/または協調の損失、足の問題(例えば潰瘍、感染、奇形、ならびに骨および関節の痛みなど)が挙げられる。
一実施形態において、本明細書で提供される方法は、一または複数の改善の兆候における改善が検出可能になるのに十分な量および時間で、胎盤幹細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)を、DPNを有する対象に投与することを含む。具体的な実施形態において、前記改善の兆候は、ベースラインと比較した場合の、処置後の表皮内神経線維密度における変化である。表皮内神経線維密度は、糖尿病性末梢神経障害の程度を評価するのに使用される尺度である。表皮内神経線維密度を評価するために、皮膚生検中の神経線維の数が決定される。神経線維の数/密度の増加は、神経障害の改善を示す。
一実施形態において、本明細書で提供される方法は、例えば、(i)36項目のショートフォーム健康調査(SF−36;36−item Short Form Health Survey)(例えば、非特許文献1参照);(ii)生活の質への糖尿病性末梢神経障害の影響を測定する糖尿病性末梢神経障害尺度ショートフォーム(DFS−SF;Diabetic peripheral neuropathy Scale Short Form)(例えば、非特許文献2参照);(iii)経時的な神経障害の変化を評価するための患者全般印象変化尺度(Patient Global Impression of Change Scale)(例えば、非特許文献3参照);および/または(iv)患者の健康状態に関する記述的なプロファイルおよび単一の指標値を得るのに使用される健康調査票であるEuroQol5D(EQ−5D(商標))尺度によって評価される場合に、対象の生活の質における改善が検出可能になるのに十分な量および時間で、胎盤幹細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)をDPNを有する対象に投与することを含む。
本明細書に記載されるDPNを処置する方法の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、注射によって投与される。本明細書に記載されるDPNを処置する方法の他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、処置される対象に胎盤細胞を含むマトリックスまたは足場を埋め込むことによって、前記対象に投与される。
本明細書に記載されるDPNを処置する方法の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、筋肉内投与される。他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、DPNの領域中(例えば、脚、足、腕、または手のうち1つまたは複数)で筋肉内投与される。他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、DPNの領域に隣接して筋肉内投与される。他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、DPNと診断されている対象のひざの下から足首の上の間に投与される。本明細書に記載されるDPNを処置する方法の他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、静脈内投与される。本明細書に記載されるDPNを処置する方法の他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、皮下投与される。本明細書に記載されるDPNを処置する方法の他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、局所投与される。本明細書に記載されるDPNを処置する方法の他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、全身投与される。
一実施形態において、本明細書に記載されるDPNを処置する方法は、約1×103個、3×103個、5×103個、1×104個、3×104個、5×104個、1×105個、3×105個、5×105個、1×106個、3×106個、5×106個、1×107個、3×107個、5×107個、1×108個、3×108個、5×108個、1×109個、5×109個、または1×1010個の胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物の一部として)の投与を含む。一実施形態において、本明細書に記載されるDPNを処置する方法は、約1×103個から3×103個、3×103個から5×103個、5×103個から1×104個、1×104個から3×104個、3×104個から5×104個、5×104個から1×105個、1×105個から3×105個、3×105個から5×105個、5×105個から1×106個、1×106個から3×106個、3×106個から5×106個、5×106個から1×107個、1×107個から3×107個、3×107個から5×107個、5×107個から1×108個、1×108個から3×108個、3×108個から5×108個、5×108個から1×109個、1×109個から5×109個、または5×109個から1×1010個の胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物の一部として)の投与を含む。具体的な実施形態において、本明細書に記載されるDPNを処置する方法は、約3×106個の胎盤細胞の投与を含む。他の具体的な実施形態において、本明細書に記載されるDPNを処置する方法は、約1×107個の胎盤細胞の投与を含む。他の具体的な実施形態において、本明細書に記載されるDPNを処置する方法は、約3×107個の胎盤細胞の投与を含む。
本明細書に記載されるDPNを処置する方法の具体的な実施形態において、胎盤幹細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、投与と投与の間の1週間に1回より多く対象に筋肉内投与され、例えば、胎盤細胞が、1日目に(投与の初日に)投与され、胎盤幹細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)の第2の用量が、1週間後に(すなわち8日目に)投与される。他の具体的な実施形態において、本方法は、それぞれの投与日に(すなわち1日目および8日目に)約3×106個の胎盤幹細胞を投与することを含む。他の具体的な実施形態において、本方法は、それぞれの投与日に(すなわち1日目および8日目に)約3×107個の胎盤細胞を投与することを含む。他の具体的な実施形態において、胎盤細胞は、投与と投与の間の約1週間に、少なくとも3つの異なる機会に対象に投与される。
本明細書に記載されるDPNを処置する方法の他の具体的な実施形態において、胎盤幹細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、投与と投与の間の1カ月に1回より多く対象に投与され、例えば、胎盤細胞が、1日目に(投与の初日に)投与され、胎盤幹細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)の第2の用量が、約1カ月後に(例えば、27日目に、28日目に、29日目に、30日目に、31日目に、32日目に、または33日目に)投与される。具体的な実施形態において、本方法は、それぞれの投与日に約3×106個の胎盤幹細胞を投与することを含む(例えば、3×106個の胎盤幹細胞が1日目に投与され、約3×106個の胎盤幹細胞が、1日目の後の約1カ月に、例えば27日目に、28日目に、29日目に、30日目に、31日目に、32日目に、または33日目に投与される)。他の具体的な実施形態において、本方法は、それぞれの投与日に約3×107個の胎盤細胞を投与することを含む(例えば、3×107個の胎盤幹細胞が1日目に投与され、約3×107個の胎盤幹細胞が、1日目の後の約1カ月に、例えば27日目に、28日目に、29日目に、30日目に、31日目に、32日目に、または33日目に投与される)。他の具体的な実施形態において、胎盤細胞は、投与と投与の間の約1カ月に、少なくとも3つの異なる機会に対象に投与される。
一実施形態において、胎盤細胞の用量(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、複数回の異なる注射を使用して投与され、例えば、胎盤細胞の単回用量(例えば、約3×106個の胎盤幹細胞を含む用量または約3×107個の胎盤幹細胞を含む用量)は、処置される対象に複数回注射することによって投与される。一実施形態において、胎盤細胞の用量(例えば、約3×106個の胎盤幹細胞を含む用量または約3×107個の胎盤幹細胞を含む用量)は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20回の注射で投与される。一実施形態において、胎盤細胞の単回用量の投与を構成する個々の注射は、0.1mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)、0.2mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)、0.3mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)、0.4mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)、または0.5mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)を含んでいてもよい。具体的な実施形態において、合計で胎盤細胞の単回用量(例えば、約3×106個の胎盤幹細胞を含む用量または約3×107個の胎盤幹細胞を含む用量)を構成する個々の注射は、0.3mlの胎盤細胞を含む。
具体的な実施形態において、胎盤細胞の用量(例えば、約3×106個の胎盤幹細胞を含む用量または約3×107個の胎盤幹細胞を含む用量)は、15回の別々の注射で投与され、各注射は、0.3mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)を含む溶液を含有する。具体的な実施形態において、前記投与は、筋肉内である。他の具体的な実施形態において、前記投与は、筋肉内であり、筋肉内注射は、DPNを有する対象のひざの下から足首の上の間に投与される。
具体的な実施形態において、対象におけるDPNを処置する方法であって、前記方法は、約3×106個の胎盤幹細胞の用量を前記対象に投与することを含み、(i)前記胎盤幹細胞は、少なくとも3カ月にわたり約1月単位で筋肉内投与され(例えば、胎盤幹細胞は、1日目に投与され;27日目に、28日目に、29日目に、30日目に、31日目に、または32日目に投与され;さらに56日目に、57日目に、58日目に、59日目に、60日目に、61日目に、62日目に、または63日目に投与される)、(ii)各用量は、15回の別々の注射で投与され、各注射は、0.3mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)を含む溶液を含有し、(iii)前記筋肉内注射は、DPNを有する対象のひざの下から足首の上の間に投与される、方法が本明細書で提供される。
具体的な実施形態において、対象におけるDPNを処置する方法であって、前記方法は、約3×107個の胎盤幹細胞の用量を前記対象に投与することを含み、(i)前記胎盤幹細胞は、少なくとも3カ月にわたり約1月単位で筋肉内投与され(例えば、胎盤幹細胞は、1日目に投与され;27日目に、28日目に、29日目に、30日目に、31日目に、または32日目に投与され;さらに56日目に、57日目に、58日目に、59日目に、60日目に、61日目に、62日目に、または63日目に投与される)、(ii)各用量は、15回の別々の注射で投与され、各注射は、0.3mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)を含む溶液を含有し、(iii)前記筋肉内注射は、DPNを有する対象のひざの下から足首の上の間に投与される、方法が本明細書で提供される。
本明細書に記載される方法で使用される胎盤細胞は、組織培養プラスチックに接着し、例えばフローサイトメトリーによって検出可能な、CD34-、CD10+、CD105+およびCD200+である。本明細書で提供される方法で使用される胎盤細胞のさらなる特徴は、4.1章に記載されている。本明細書で提供される方法に使用され得る胎盤幹細胞を含む組成物、例えば医薬組成物は、4.3章に記載されている。
3.1 定義
本明細書で使用される場合、用語「約」は、述べられた数値に対して言及される場合、述べられていた数値のプラスまたはマイナス10%以内の値を示す。
本明細書で使用される場合、用語「〜由来(の)」は、何かから単離されているかまたはそれ以外の方法で精製されていることを意味する。例えば、胎盤由来の接着細胞は、胎盤から単離されている。用語「〜由来(の)」は、組織、例えば胎盤から直接的に単離された細胞から培養される細胞、および初代単離物から培養または拡張された細胞を包含する。
本明細書で使用される場合、用語「単離された細胞」、例えば、「単離された胎盤細胞」、「単離された胎盤幹細胞」などは、幹細胞の由来となる組織、例えば胎盤の他の異なる細胞から実質的に分離されている細胞を意味する。幹細胞に天然に付随する細胞、例えば非幹細胞、または異なるマーカープロファイルを提示する幹細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、または少なくとも99%が、例えば幹細胞の収集および/または培養中に幹細胞から除去される場合、細胞は「単離されている」。
用語「単離された細胞の集団」は、本明細書で使用される場合、細胞の集団の由来となる組織、例えば胎盤の他の細胞から実質的に分離された細胞の集団を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「胎盤細胞」は、初代単離物か、または初代培養後の継代回数に関係なく培養細胞のいずれかとしての、例えば以下の4.1章に記載されるように哺乳類胎盤から単離された、または哺乳類胎盤から単離された細胞から培養された、幹細胞または前駆細胞を指す。しかしながら、一実施形態において、用語「胎盤細胞」は、本明細書で使用される場合、栄養膜、栄養膜細胞層、合胞体栄養細胞、血管芽細胞、血管芽細胞、胚性生殖細胞、胚幹細胞、胚盤胞の内部細胞塊から得られた細胞、または後期胚の生殖巣堤から得られた細胞、例えば胚性生殖細胞を指さない。
本明細書で使用される場合、特定のマーカーがバックグラウンドを超えて検出可能である場合、胎盤細胞はそのマーカーに関して「陽性」である。特定のマーカーの検出は、例えば、抗体の使用、またはマーカーをコードする遺伝子もしくはmRNAの配列に基づくオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーのいずれかによって達成することができる。例えば、CD73は胎盤細胞においてバックグラウンドより多い検出可能な量で(例えばアイソタイプ対照と比較して)検出可能であるため、胎盤細胞は、例えばCD73に関して陽性である。また、マーカーが、細胞を少なくとも1つの他の細胞型から区別するのに使用できる場合、または細胞によって提示または発現される場合に細胞を選択したりまたは単離したりするのに使用できる場合、細胞はそのマーカーに関して陽性でもある。例えば抗体媒介性検出の文脈において、「陽性」は、特定の細胞表面マーカーが存在することを示す場合、そのマーカーに特異的な抗体、例えば蛍光標識された抗体を使用してマーカーを検出できることを意味し、「陽性」はまた、例えば血球計算器において、バックグラウンドを超えて検出可能なシグナルを産生する量でマーカーを表示する細胞も指す。例えば、細胞がCD200に特異的な抗体で検出可能に標識されており、抗体からのシグナルが、対照(例えば、バックグラウンドまたはアイソタイプ対照)のシグナルより検出可能に高い場合、細胞は、「CD200+」である。逆に言えば、同じ文脈における「陰性」は、対照(例えば、バックグラウンドまたはアイソタイプ対照)と比較して、そのマーカーに特異的な抗体を使用しても細胞表面マーカーが検出可能ではないことを意味する。例えば、細胞が、対照(例えば、バックグラウンドまたはアイソタイプ対照)より大きい程度に、CD34に特異的な抗体で再現性よく検出可能に標識されていない場合、細胞は、「CD34-」である。抗体を使用して検出されない、または検出不可能なマーカーは、類似の方式で、適切な対照を使用して、陽性であるかまたは陰性であるかが決定される。例えばRT−PCR、スロットブロットなどのRNAを検出する方法によって決定される場合、細胞または細胞の集団からのRNAで検出されるOCT−4 RNAの量が、バックグラウンドより多く検出可能である場合、その細胞または細胞の集団は、OCT−4+であると決定することができる。本明細書において別段の規定がない限り、表面抗原分類(「CD」)マーカーは、抗体を使用して検出される。一実施形態において、RT−PCRを使用してOCT−4が検出可能である場合、OCT−4が存在すると決定され、細胞は「OCT−4+」である。
用語「対象」、「患者」、および「個体」は、本明細書で使用される場合、本明細書に記載される処置方法で処置される哺乳動物を指すのに同義的に使用することができる。具体的な実施形態において、処置しようとする対象は、ヒトである。
4.詳細な説明
それを必要とする対象における糖尿病性末梢神経障害(DPN)を処置する方法であって、治療有効量の、組織培養プラスチック接着性胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞、例えば、CD34-、CD10+、CD105+、CD200+胎盤幹細胞を対象に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。具体的な実施形態において、前記胎盤細胞は、医薬組成物として製剤化される。
具体的な実施形態において、本明細書で提供される方法に従って処置されるDPNを有する対象は、I型糖尿病を有する。他の具体的な実施形態において、本明細書で提供される方法に従って処置されるDPNを有する対象は、II型糖尿病を有する。一実施形態において、本明細書で提供される方法に従って処置される対象は、腕、手、脚、または足の一または複数にDPNを有する。一実施形態において、本明細書で提供される方法に従って処置される対象は、腕、手、脚、および足のそれぞれにDPNを有する。
一実施形態において、本明細書で提供される方法に従って処置される対象は、DPNを有し、さらに対象の末梢血管系における血流の破壊を引き起こす状態も有する。具体的な実施形態において、対象は、末梢動脈疾患(PAD)を有する。具体的な実施形態において、対象は、末梢血管疾患を有する。
一実施形態において、本明細書で提供される方法は、本明細書で提供される方法に従って処置される対象においてDPNの一または複数の症状の検出可能な改善をもたらす。DPNの例示的な症状としては、これらに限定されないが、痛みもしくは温度変化に対する無感覚またはそれらを感じる能力の低下、肢のヒリヒリするまたは焼けるような感覚、鋭い痛みまたは痙攣、接触に対する感受性の増加、筋力低下、反射の損失(例えば、足首における)、平衡および/または協調の損失、足の問題(例えば潰瘍、感染、奇形、ならびに骨および関節の痛みなど)が挙げられる。
一実施形態において、本明細書で提供される方法は、一または複数の改善の兆候における改善が検出可能になるのに十分な量および時間で、胎盤幹細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)をDPNを有する対象に投与することを含む。具体的な実施形態において、前記改善の兆候は、ベースラインと比較した場合の、処置後の表皮内神経線維密度における変化である。表皮内神経線維密度は、糖尿病性末梢神経障害の程度を評価するのに使用される尺度である。表皮内神経線維密度を評価するために、皮膚生検中の神経線維の数が決定される。神経線維の数/密度の増加は、神経障害の改善を示す。
一実施形態において、本明細書で提供される方法は、例えば、(i)36項目のショートフォーム健康調査(SF−36)(例えば、非特許文献1参照);(ii)生活の質への糖尿病性末梢神経障害の影響を測定する糖尿病性末梢神経障害尺度ショートフォーム(DFS−SF)(例えば、非特許文献2参照);(iii)経時的な神経障害の変化を評価するための患者全般印象変化尺度(例えば、非特許文献3参照);および/または(iv)患者の健康状態に関する記述的なプロファイルおよび単一の指標値を得るのに使用される健康調査票であるEuroQol5D(EQ−5D(商標))尺度によって評価される場合に、対象の生活の質における改善が検出可能になるのに十分な量および時間で、胎盤幹細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)をDPNを有する対象に投与することを含む。
本明細書に記載されるDPNを処置する方法の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、注射によって投与される。本明細書に記載されるDPNを処置する方法の他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、処置される対象に胎盤細胞を含むマトリックスまたは足場を埋め込むことによって、前記対象に投与される。
本明細書に記載されるDPNを処置する方法の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、筋肉内投与される。他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、DPNの領域中(例えば、脚、足、腕、または手の一または複数中)で筋肉内投与される。他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、DPNの領域に隣接して筋肉内投与される。他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、DPNと診断されている対象のひざの下から足首の上の間に投与される。本明細書に記載されるDPNを処置する方法の他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、静脈内投与される。本明細書に記載されるDPNを処置する方法の他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、皮下投与される。本明細書に記載されるDPNを処置する方法の他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、局所投与される。本明細書に記載されるDPNを処置する方法の他の具体的な実施形態において、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、全身投与される。
一実施形態において、本明細書に記載されるDPNを処置する方法は、約1×103個、3×103個、5×103個、1×104個、3×104個、5×104個、1×105個、3×105個、5×105個、1×106個、3×106個、5×106個、1×107個、3×107個、5×107個、1×108個、3×108個、5×108個、1×109個、5×109個、または1×1010個の胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物の一部として)の投与を含む。一実施形態において、本明細書に記載されるDPNを処置する方法は、約1×103個から3×103個、3×103個から5×103個、5×103個から1×104個、1×104個から3×104個、3×104個から5×104個、5×104個から1×105個、1×105個から3×105個、3×105個から5×105個、5×105個から1×106個、1×106個から3×106個、3×106個から5×106個、5×106個から1×107個、1×107個から3×107個、3×107個から5×107個、5×107個から1×108個、1×108個から3×108個、3×108個から5×108個、5×108個から1×109個、1×109個から5×109個、または5×109個から1×1010個の胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物の一部として)の投与を含む。具体的な実施形態において、本明細書に記載されるDPNを処置する方法は、約3×106個の胎盤細胞の投与を含む。他の具体的な実施形態において、本明細書に記載されるDPNを処置する方法は、約1×107個の胎盤細胞の投与を含む。他の具体的な実施形態において、本明細書に記載されるDPNを処置する方法は、約3×107個の胎盤細胞の投与を含む。
本明細書に記載されるDPNを処置する方法の具体的な実施形態において、胎盤幹細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、投与と投与の間の1週間に1回より多く対象に筋肉内投与され、例えば、胎盤細胞が、1日目に(投与の初日に)投与され、胎盤幹細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)の第2の用量が、1週間後に(すなわち8日目に)投与される。他の具体的な実施形態において、本方法は、それぞれの投与日に(すなわち1日目および8日目に)約3×106個の胎盤幹細胞を投与することを含む。他の具体的な実施形態において、本方法は、それぞれの投与日に(すなわち1日目および8日目に)約3×107個の胎盤細胞を投与することを含む。他の具体的な実施形態において、胎盤細胞は、投与と投与の間の約1週間に、少なくとも3つの異なる機会に対象に投与される。
本明細書に記載されるDPNを処置する方法の他の具体的な実施形態において、胎盤幹細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、投与と投与の間の1カ月に1回より多く対象に投与され、例えば、胎盤細胞が、1日目に(投与の初日に)投与され、胎盤幹細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)の第2の用量が、約1カ月後に(例えば、27日目に、28日目に、29日目に、30日目に、31日目に、32日目に、または33日目に)投与される。具体的な実施形態において、本方法は、それぞれの投与日に約3×106個の胎盤幹細胞を投与することを含む(例えば、3×106個の胎盤幹細胞が1日目に投与され、約3×106個の胎盤幹細胞が、1日目の後の約1カ月に、例えば27日目に、28日目に、29日目に、30日目に、31日目に、32日目に、または33日目に投与される)。他の具体的な実施形態において、本方法は、それぞれの投与日に約3×107個の胎盤細胞を投与することを含む(例えば、3×107個の胎盤幹細胞が1日目に投与され、約3×107個の胎盤幹細胞が、1日目の後の約1カ月に、例えば27日目に、28日目に、29日目に、30日目に、31日目に、32日目に、または33日目に投与される)。他の具体的な実施形態において、胎盤細胞は、投与と投与の間の約1カ月に、少なくとも3つの異なる機会に対象に投与される。
一実施形態において、胎盤細胞の用量(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物)は、複数回の異なる注射を使用して投与され、例えば、胎盤細胞の単回用量(例えば、約3×106個の胎盤幹細胞を含む用量または約3×107個の胎盤幹細胞を含む用量)は、処置される対象に複数回注射することによって投与される。一実施形態において、胎盤細胞の用量(例えば、約3×106個の胎盤幹細胞を含む用量または約3×107個の胎盤幹細胞を含む用量)は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20回の注射で投与される。一実施形態において、胎盤細胞の単回用量の投与を構成する個々の注射は、0.1mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)、0.2mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)、0.3mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)、0.4mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)、または0.5mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)を含んでいてもよい。具体的な実施形態において、合計で胎盤細胞の単回用量(例えば、約3×106個の胎盤幹細胞を含む用量または約3×107個の胎盤幹細胞を含む用量)を構成する個々の注射は、0.3mlの胎盤細胞を含む。
具体的な実施形態において、胎盤細胞の用量(例えば、約3×106個の胎盤幹細胞を含む用量または約3×107個の胎盤幹細胞を含む用量)は、15回の別々の注射で投与され、各注射は、0.3mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)を含む溶液を含有する。具体的な実施形態において、前記投与は、筋肉内である。他の具体的な実施形態において、前記投与は、筋肉内であり、筋肉内注射は、DPNを有する対象のひざの下から足首の上の間に投与される。
具体的な実施形態において、対象におけるDPNを処置する方法であって、前記方法は、約3×106個の胎盤幹細胞の用量を前記対象に投与することを含み、(i)前記胎盤幹細胞は、少なくとも3カ月にわたり約1月単位で筋肉内投与され(例えば、胎盤幹細胞は、1日目に投与され;27日目に、28日目に、29日目に、30日目に、31日目に、または32日目に投与され;さらに56日目に、57日目に、58日目に、59日目に、60日目に、61日目に、62日目に、または63日目に投与される)、(ii)各用量は、15回の別々の注射で投与され、各注射は、0.3mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)を含む溶液を含有し、(iii)前記筋肉内注射は、DPNを有する対象のひざの下から足首の上の間に投与される、方法が本明細書で提供される。
具体的な実施形態において、対象におけるDPNを処置する方法であって、前記方法は、約3×107個の胎盤幹細胞の用量を前記対象に投与することを含み、(i)前記胎盤幹細胞は、少なくとも3カ月にわたり約1月単位で筋肉内投与され(例えば、胎盤幹細胞は、1日目に投与され;27日目に、28日目に、29日目に、30日目に、31日目に、または32日目に投与され;さらに56日目に、57日目に、58日目に、59日目に、60日目に、61日目に、62日目に、または63日目に投与される)、(ii)各用量は、15回の別々の注射で投与され、各注射は、0.3mlの胎盤細胞(またはその医薬組成物)を含む溶液を含有し、(iii)前記筋肉内注射は、DPNを有する対象のひざの下から足首の上の間に投与される、方法が本明細書で提供される。
本明細書に記載される方法で使用される胎盤細胞は、組織培養プラスチックに接着し、例えばフローサイトメトリーによって検出可能な、CD34-、CD10+、CD105+およびCD200+である。本明細書で提供される方法で使用される胎盤細胞のさらなる特徴は、4.1章に記載されている。本明細書で提供される方法に使用され得る胎盤幹細胞を含む組成物、例えば医薬組成物は、4.3章に記載されている。
4.1 単離された胎盤細胞および単離された胎盤細胞集団
単離された胎盤細胞は、本明細書において時にはPDACとも称され(さらに時には「PDA−002」とも表される)、本明細書で提供されるDPNを処置する方法において有用であり、胎盤またはその部分から入手することができ、組織培養基材に接着し、複能性細胞または幹細胞の特徴を有するが、栄養膜ではない。一実施形態において、本明細書で開示された方法において有用な単離された胎盤細胞は、非胎盤細胞型に分化する能力を有する。
本明細書で開示された方法において有用な単離された胎盤細胞は、胎児または母体起源のいずれでもよい(すなわち、それぞれ胎児または母親のいずれかの遺伝子型を有していてもよい)。好ましくは、単離された胎盤細胞および単離された胎盤細胞集団は、胎児起源である。成句「胎児起源」または「非母体起源」は、本明細書で使用される場合、単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞集団が、胎児に付随する、すなわち胎児の遺伝子型を有する臍帯または胎盤構造から得られることを示す。成句「母体起源」は、本明細書で使用される場合、細胞または細胞集団が、母親に付随する、例えば母体の遺伝子型を有する胎盤構造から得られることを示す。単離された胎盤細胞、例えばPDAC、または単離された胎盤細胞を含む細胞集団は、胎児起源のみまたは母体起源のみである単離された胎盤細胞を含んでいてもよいし、または胎児および母体起源両方の単離された胎盤細胞の混成集団を含んでいてもよい。単離された胎盤細胞および単離された胎盤細胞を含む細胞集団は、以下で論じられる形態学的な、マーカーの、および培養の特徴により同定および選択することができる。一実施形態において、胎盤細胞のいずれか、例えば本明細書に記載される胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞は、レシピエント、例えばDPNを有する個体にとって自己である。ある特定の他の実施形態において、胎盤細胞のいずれか、例えば本明細書に記載される胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞は、レシピエント、例えばDPNを有する個体にとって異種である。
4.1.1 物理的および形態学的な特徴
本明細書に記載される単離された胎盤細胞(PDAC)は、初代培養または細胞培養で培養される場合、組織培養基材、例えば、組織培養容器表面(例えば、組織培養プラスチック)に接着するか、または細胞外マトリックスまたはリガンド、例えばラミニン、コラーゲン(例えば、天然または変性)、ゼラチン、フィブロネクチン、オルニチン、ビトロネクチン、および細胞外膜タンパク質(例えば、MATRIGEL(登録商標)(BD Discovery Labware、Bedford、Mass.))などでコーティングされた組織培養表面に接着する。培養中の単離された胎盤細胞は、全体的に線維芽細胞様であり、中央の細胞本体から伸長する多数の細胞質内プロセスにより星のような外観を呈する。しかしながら、単離された胎盤細胞はこのようなプロセスを線維芽細胞より多く示すため、このような細胞は、同じ条件下で培養された線維芽細胞と形態学的に区別することができる。形態学的には、単離された胎盤細胞はさらに、造血幹細胞とも区別することができるが、これは、造血幹細胞は、培養中、より曲線的であるかまたは丸石のような形態を全体的に呈するためである。
一実施形態において、本明細書で開示された方法において有用な単離された胎盤細胞は、増殖培地で培養される場合、胚様体様体(embryoid−like body)を発生させる。胚様体様体は、増殖中の単離された胎盤細胞の接着層の上面で成長できる隣接していない細胞の凝集塊である。用語「胚様体様」は、細胞の凝集塊が、胚様体、すなわち胚幹細胞の培養物から成長する細胞の凝集塊に似ているために使用される。単離された胎盤細胞の増殖培養中に胚様体様体を発生させることができる増殖培地としては、例えば、DMEM−LG(例えば、Gibcoから);2%ウシ胎児血清(例えば、Hyclone Labs.から);1×インスリン−トランスフェリン−セレニウム(ITS);1×リノール酸−ウシ血清アルブミン(LA−BSA);10-9Mデキサメタゾン(例えば、Sigmaから);10-4Mアスコルビン酸2−ホスフェート(例えば、Sigmaから);上皮増殖因子10ng/mL(例えば、R&D Systemsから);および血小板由来増殖因子(PDGF−BB)10ng/mL(例えば、R&D Systemsから)を含む培地が挙げられる。
4.1.2 細胞表面、分子および遺伝子マーカー
本明細書で開示された方法、例えば対象のDPNを処置する方法において有用な、単離された胎盤細胞、例えば単離された複能性胎盤細胞または単離された胎盤幹細胞、およびこのような単離された胎盤細胞の集団は、複能性細胞または幹細胞の特徴を有し、幹細胞を含む細胞または細胞集団を同定および/または単離するのに使用できる複数のマーカーを発現する、組織培養プラスチック接着性のヒト胎盤細胞である。一実施形態において、PDACは、例えばin vitroまたはin vivoにおいて血管原性である。本明細書に記載される単離された胎盤細胞および胎盤細胞集団(すなわち、2つまたはそれより多くの単離された胎盤細胞)としては、胎盤またはそのあらゆる部分(例えば、柔毛膜、胎盤絨毛叢など)から直接得られた胎盤細胞および胎盤細胞を含有する細胞集団が挙げられる。また単離された胎盤細胞集団としては、培養中の(すなわち、2以上の)単離された胎盤細胞の集団、および容器、例えばバッグ中の集団も挙げられる。本明細書に記載される単離された胎盤細胞は、骨髄由来間葉細胞、脂肪由来間葉幹細胞、または臍帯血、胎盤血もしくは末梢血液から得られた間葉細胞ではない。本明細書に記載される方法および組成物において有用な胎盤細胞、例えば、複能性胎盤細胞および胎盤細胞が本明細書に記載されており、例えば、特許文献1;特許文献2;および特許文献3;ならびに特許文献4に記載されており、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
一実施形態において、単離された胎盤細胞は、単離された胎盤幹細胞である。ある特定の他の実施形態において、単離された胎盤細胞は、単離された複能性胎盤細胞である。一実施形態において、単離された胎盤細胞、例えばPDACは、フローサイトメトリーによって検出されるCD34-、CD10+およびCD105+である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞は、神経系の表現型を有する細胞、骨形成性の表現型を有する細胞、および/または軟骨形成性の表現型を有する細胞に分化する能力を有する。他の具体的な実施形態において、単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD200+である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD45-またはCD90+である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD45-およびCD90+である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD34-、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD90+またはCD45-である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD34-、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD90+およびCD45-であり、すなわち上記細胞は、CD34-、CD10+、CD45-、CD90+、CD105+およびCD200+である。他の具体的な実施形態において、前記CD34-、CD10+、CD45-、CD90+、CD105+、CD200+細胞は、加えて、CD80-およびCD86-である。
一実施形態において、前記胎盤細胞は、CD34-、CD10+、CD105+およびCD200+であり、フローサイトメトリーによって検出されるCD38-、CD45-、CD80-、CD86-、CD133-、HLA−DR,DP,DQ-、SSEA3-、SSEA4-、CD29+、CD44+、CD73+、CD90+、CD105+、HLA−A,B,C+、PDL1+、ABC−p+、および/またはOCT−4+の一または複数である。他の実施形態において、上述されるCD34-、CD10+、CD105+細胞のいずれかは、加えて、CD29+、CD38-、CD44+、CD54+、SH3+またはSH4+の一または複数である。他の具体的な実施形態において、細胞は、加えて、CD44+である。上記の単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞のいずれかの他の具体的な実施形態において、細胞は、加えて、CD117-、CD133-、KDR-(VEGFR2-)、HLA−A,B,C+、HLA−DP,DQ,DR-、またはプログラム死−1リガンド(PDL1)+、またはそれらのあらゆる組合せの一または複数である。
他の実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+細胞は、加えて、CD13+、CD29+、CD33+、CD38−、CD44+、CD45−、CD54+、CD62E−、CD62L−、CD62P−、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80−、CD86−、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117−、CD144/VE−カドヘリン低(cadherinlow)、CD184/CXCR4−、CD200+、CD133−、OCT−4+、SSEA3−、SSEA4−、ABC−p+、KDR−(VEGFR2−)、HLA−A,B,C+、HLA−DP,DQ,DR−、HLA−G−、またはプログラム死−1リガンド(PDL1)+、またはそれらのあらゆる組合せの一または複数である。他の実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+細胞は、加えて、CD13+、CD29+、CD33+、CD38−、CD44+、CD45−、CD54/ICAM+、CD62E−、CD62L−、CD62P−、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80−、CD86−、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117−、CD144/VE−カドヘリン低、CD184/CXCR4−、CD200+、CD133−、OCT−4+、SSEA3−、SSEA4−、ABC−p+、KDR−(VEGFR2−)、HLA−A,B,C+、HLA−DP,DQ,DR−、HLA−G−、およびプログラム死−1リガンド(PDL1)+である。
他の具体的な実施形態において、本明細書に記載される胎盤細胞のいずれかは、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるABC−p+であるか、またはRT−PCRにより決定されるようなOCT−4+(POU5F1+)であり、ここでABC−pは、胎盤特異的なABC輸送タンパク質(また、乳がん耐性タンパク質(BCRP)およびミトキサントロン耐性タンパク質(MXR)としても公知である)であり、OCT−4は、オクタマー−4タンパク質(POU5F1)である。他の具体的な実施形態において、本明細書に記載される胎盤細胞のいずれかは、加えて、フローサイトメトリーによって決定されるSSEA3−またはSSEA4−であり、SSEA3は、ステージ特異的胎児抗原3であり、SSEA4は、ステージ特異的胎児抗原4である。他の具体的な実施形態において、本明細書に記載される胎盤細胞のいずれかは、加えて、SSEA3−およびSSEA4−である。
他の具体的な実施形態において、本明細書に記載される胎盤細胞のいずれかは、加えて、MHC−I+(例えば、HLA−A,B,C+)、MHC−II−(例えば、HLA−DP,DQ,DR−)またはHLA−G−の一または複数である。他の具体的な実施形態において、本明細書に記載される胎盤細胞のいずれかは、加えて、MHC−I+(例えば、HLA−A,B,C+)、MHC−II−(例えば、HLA−DP,DQ,DR−)およびHLA−G−の一または複数である。
また、単離された胎盤細胞の集団、または本明細書で開示された方法および組成物において有用な、単離された胎盤細胞を含む、例えば単離された胎盤細胞が濃縮されている、細胞集団、例えば胎盤細胞集団も本明細書で提供される。好ましくは単離された胎盤細胞を含む細胞集団であり、ここで細胞集団は、例えば、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または98%の単離されたCD10+、CD105+およびCD34−胎盤細胞を含み、すなわち、前記集団中の少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または98%の細胞が、単離されたCD10+、CD105+およびCD34−胎盤細胞である。具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD200+である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD90+またはCD45−である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD90+およびCD45−である。他の具体的な実施形態において、上述される単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞のいずれかは、加えて、CD29+、CD38−、CD44+、CD54+、SH3+またはSH4+の一または複数である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞、または単離されたCD34−、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞は、加えて、CD44+である。上記の単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞を含む細胞集団のいずれかの具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、加えて、CD13+、CD29+、CD33+、CD38−、CD44+、CD45−、CD54+、CD62E−、CD62L−、CD62P−、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80−、CD86−、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117−、CD144/VE−カドヘリン低、CD184/CXCR4−、CD200+、CD133−、OCT−4+、SSEA3−、SSEA4−、ABC−p+、KDR−(VEGFR2−)、HLA−A,B,C+、HLA−DP,DQ,DR−、HLA−G−、またはプログラム死−1リガンド(PDL1)+、またはそれらのあらゆる組合せの一または複数である。他の具体的な実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+細胞は、加えて、CD13+、CD29+、CD33+、CD38−、CD44+、CD45−、CD54/ICAM+、CD62E−、CD62L−、CD62P−、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80−、CD86−、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117−、CD144/VE−カドヘリン低、CD184/CXCR4−、CD200+、CD133−、OCT−4+、SSEA3−、SSEA4−、ABC−p+、KDR−(VEGFR2−)、HLA−A,B,C+、HLA−DP,DQ,DR−、HLA−G−、およびプログラム死−1リガンド(PDL1)+である。
一実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD38−、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3−、SSEA4−、OCT−4+、およびABC−p+の1つもしくは複数または全てであり、前記単離された胎盤細胞は、胎盤組織を物理的におよび/または酵素により破壊することにより得られる。具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+およびABC−p+である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+およびCD34−であり、前記単離された胎盤細胞は、以下の特徴:CD10+、CD29+、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH3+、SH4+、SSEA3−、およびSSEA4−の少なくとも1つを有する。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+、CD34−、CD10+、CD29+、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH3+、SH4+、SSEA3−、およびSSEA4−である。他の実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+、CD34−、SSEA3−、およびSSEA4−である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+およびCD34−であり、SH2+またはSH3+のいずれかである。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+、CD34−、SH2+、およびSH3+である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+、CD34−、SSEA3−、およびSSEA4−であり、SH2+またはSH3+のいずれかである。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+およびCD34−である、SH2+またはSH3+のいずれかであり、CD10+、CD29+、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SSEA3−、またはSSEA4−の少なくとも1つである。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+、CD34−、CD10+、CD29+、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SSEA3−、およびSSEA4−であり、SH2+またはSH3+のいずれかである。
他の実施形態において、本明細書で開示された方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、SH2+、SH3+、SH4+およびOCT−4+である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD44+、CD54+、CD90+、CD34−、CD45−、SSEA3−、またはSSEA4−である。他の実施形態において、単離された胎盤細胞は、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3−およびSSEA4−である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3−およびSSEA4−、CD10+、CD29+、CD44+、CD54+、CD90+、OCT−4+、CD34−またはCD45−である。
他の実施形態において、本明細書で開示された方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、およびSH4+であり、前記単離された胎盤細胞は、加えて、OCT−4+、SSEA3−またはSSEA4−の一または複数である。
一実施形態において、本明細書で開示された方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD200+またはHLA−G−である。具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD200+およびHLA−G−である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、加えて、CD73+およびCD105+である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−またはCD45−である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−およびCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記幹細胞は、CD34−、CD38−、CD45−、CD73+およびCD105+である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+またはHLA−G−胎盤細胞は、胚様体様体の形成を可能にする条件下での、単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞集団における胚様体様体の形成を容易にする。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、幹細胞または複能性細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、これらのマーカーを提示しない胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な細胞集団は、CD200+、HLA−G−幹細胞を含む、例えばそれらが濃縮されている細胞集団である。具体的な実施形態において、前記集団は、胎盤細胞集団である。様々な実施形態において、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも約60%は、単離されたCD200+、HLA−G−胎盤細胞である。好ましくは、前記細胞集団中の細胞の少なくとも約70%は、単離されたCD200+、HLA−G−胎盤細胞である。より好ましくは、前記細胞の少なくとも約90%、95%、または99%は、単離されたCD200+、HLA−G−胎盤細胞である。細胞集団の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、HLA−G−胎盤細胞はまた、CD73+およびCD105+でもある。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、HLA−G−胎盤細胞はまた、CD34−、CD38−またはCD45−でもある。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、HLA−G−胎盤細胞はまた、CD34−、CD38−、CD45−、CD73+およびCD105+でもある。他の実施形態において、前記細胞集団は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養される場合、一または複数の胚様体様体を産生する。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団は、幹細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、HLA−G−胎盤細胞は、これらのマーカーを提示しない胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD73+、CD105+、およびCD200+である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、HLA−G−である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD34−、CD38−またはCD45−である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD34−、CD38−およびCD45−である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD34−、CD38−、CD45−、およびHLA−G−である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD73+、CD105+、およびCD200+胎盤細胞は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で集団が培養される場合、単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞集団における一または複数の胚様体様体の形成を容易にする。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、単離された胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、これらのマーカーを提示しない胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な細胞集団は、単離されたCD73+、CD105+、CD200+胎盤細胞を含む、例えばそれらが濃縮されている細胞集団である。様々な実施形態において、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも約60%は、単離されたCD73+、CD105+、CD200+胎盤細胞である。他の実施形態において、前記細胞集団中の少なくとも約70%の前記細胞は、単離されたCD73+、CD105+、CD200+胎盤細胞である。他の実施形態において、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも約90%、95%または99%は、単離されたCD73+、CD105+、CD200+胎盤細胞である。前記集団の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、HLA−G−である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−またはCD45−である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−およびCD45−である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−、CD45−、およびHLA−G−である。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養される場合、一または複数の胚様体様体を産生する。他の具体的な実施形態において、前記胎盤細胞集団は、幹細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記胎盤細胞集団は、これらの特徴を提示しない胎盤細胞から単離される。
ある特定の他の実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD38−、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3−、SSEA4−、OCT−4+、HLA−G−またはABC−p+の一または複数である。具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD38−、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3−、SSEA4−、およびOCT−4+である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD38−、CD45−、CD54+、SH2+、SH3+、およびSH4+である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD38−、CD45−、CD54+、SH2+、SH3+、SH4+およびOCT−4+である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD38−、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、HLA−G−、SH2+、SH3+、SH4+である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+およびABC−p+である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、SH2+、SH3+、SH4+およびOCT−4+である。他の実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+、CD34−、SSEA3−、およびSSEA4−である。具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+、CD34−、SSEA3−、およびSSEA4−胎盤細胞は、加えて、CD10+、CD29+、CD34−、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、およびSH4+である。他の実施形態において、単離された胎盤細胞は、OCT−4+およびCD34−であり、SH3+またはSH4+のいずれかである。他の実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD34−であり、CD10+、CD29+、CD44+、CD54+、CD90+、またはOCT−4+のいずれかである。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD200+およびOCT−4+である。具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、CD73+およびCD105+である。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、HLA−G−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、CD34−、CD38−またはCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、CD34−、CD38−およびCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、CD34−、CD38−、CD45−、CD73+、CD105+およびHLA−G−である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で集団が培養される場合、単離された細胞を含む胎盤細胞集団によって、一または複数の胚様体様体の産生を容易にする。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、幹細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、これらの特徴を提示しない胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な細胞集団は、CD200+、OCT−4+胎盤細胞を含む、例えばそれらが濃縮されている細胞集団である。様々な実施形態において、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも約60%は、単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞である。他の実施形態において、前記細胞の少なくとも約70%は、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞である。他の実施形態において、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも約80%、90%、95%、または99%は、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞である。単離された集団の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD73+およびCD105+である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、加えて、HLA−G−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−およびCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−、CD45−、CD73+、CD105+およびHLA−G−である。他の具体的な実施形態において、細胞集団は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養される場合、一または複数の胚様体様体を産生する。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団は、単離されたCD200+、OCT−4+胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団は、これらのマーカーを提示しない胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD73+、CD105+およびHLA−G−である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD73+、CD105+およびHLA−G−胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−またはCD45−である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−およびCD45−である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、加えて、OCT−4+である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、加えて、CD200+である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−、CD45−、OCT−4+およびCD200+である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で集団が培養される場合、前記細胞を含む胎盤細胞集団における胚様体様体の形成を容易にする。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、これらのマーカーを提示しない胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な細胞集団は、単離されたCD73+、CD105+およびHLA−G−胎盤細胞を含む、例えばそれらが濃縮されている細胞集団である。様々な実施形態において、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも約60%は、単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞である。他の実施形態において、前記細胞集団中の細胞の少なくとも約70%は、単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞である。他の実施形態において、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも約90%、95%または99%は、単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞である。上記の集団の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−またはCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−およびCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、加えて、OCT−4+である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、加えて、CD200+である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−、CD45−、OCT−4+およびCD200+である。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団は、CD73+、CD105+、HLA−G−胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団は、これらのマーカーを提示しない胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD73+およびCD105+であり、胚様体様体の形成を可能にする条件下で集団が培養される場合、前記CD73+、CD105+細胞を含む単離された胎盤細胞集団における一または複数の胚様体様体の形成を容易にする。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−またはCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−およびCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、加えて、OCT−4+である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、加えて、OCT−4+、CD34−、CD38−およびCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、前記細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、これらの特徴を提示しない胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な細胞集団は、CD73+、CD105+である単離された胎盤細胞を含む、例えばそれらが濃縮されている細胞集団であり、胚様体様体の形成を可能にする条件下で集団が培養される場合、前記細胞を含む単離された胎盤細胞集団における一または複数の胚様体様体の形成を容易にする。様々な実施形態において、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも約60%は、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞である。他の実施形態において、前記細胞集団中の細胞の少なくとも約70%は、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞である。他の実施形態において、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも約90%、95%または99%は、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞である。上記の集団の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−またはCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−およびCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、加えて、OCT−4+である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD200+である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−、CD45−、OCT−4+およびCD200+である。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団は、前記単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団は、これらのマーカーを提示しない胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、OCT−4+であり、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養される場合、前記細胞を含む単離された胎盤細胞集団において一または複数の胚様体様体の形成を容易にする。具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD73+およびCD105+である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−、またはCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD200+である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD73+、CD105+、CD200+、CD34−、CD38−、およびCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、OCT−4+胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、これらの特徴を提示しない胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な細胞集団は、OCT−4+である単離された胎盤細胞を含む、例えばそれらが濃縮されている細胞集団であり、胚様体様体の形成を可能にする条件下で集団が培養される場合、前記細胞を含む単離された胎盤細胞集団における一または複数の胚様体様体の形成を容易にする。様々な実施形態において、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも約60%は、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞である。他の実施形態において、前記細胞集団中の細胞の少なくとも約70%は、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞である。他の実施形態において、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも約80%、90%、95%または99%は、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞である。上記の集団の具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−またはCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD34−、CD38−およびCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD73+およびCD105+である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD200+である。他の具体的な実施形態において、前記単離されたOCT−4+胎盤細胞は、加えて、CD73+、CD105+、CD200+、CD34−、CD38−、およびCD45−である。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団は、前記細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団は、これらのマーカーを提示しない胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、単離されたHLA−A,B,C+、CD45−、CD133−およびCD34−胎盤細胞である。他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な細胞集団は、単離された胎盤細胞を含む細胞集団であり、前記単離された細胞の集団中の細胞の少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%は、単離されたHLA−A,B,C+、CD45−、CD133−およびCD34−胎盤細胞である。具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、HLA−A,B,C+、CD45−、CD133−およびCD34−胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、非母体起源である。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞集団は、母体の要素を実質的に含まず、例えば、前記単離された胎盤細胞集団中の前記細胞の、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%または99%が非母体起源である。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、単離されたCD10+、CD13+、CD33+、CD45−、CD117−およびCD133−胎盤細胞である。他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な細胞集団は、単離された胎盤細胞を含む細胞集団であり、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%は、単離されたCD10+、CD13+、CD33+、CD45−、CD117−およびCD133−胎盤細胞である。具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、前記単離された胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記単離されたCD10+、CD13+、CD33+、CD45−、CD117−およびCD133−胎盤細胞は、非母体起源であり、すなわち胎児の遺伝子型を有する。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞集団の前記細胞の、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%または99%は、非母体起源である。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、これらの特徴を提示しない胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、単離されたCD10−、CD33−、CD44+、CD45−、およびCD117−胎盤細胞である。他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な細胞集団は、単離された胎盤細胞を含む、例えばそれが濃縮されている細胞集団であり、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%は、単離されたCD10−、CD33−、CD44+、CD45−、およびCD117−胎盤細胞である。具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、前記細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、非母体起源である。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団中の前記細胞の、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%または99%は、非母体起源である。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、これらのマーカーを提示しない胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、単離されたCD10−、CD13−、CD33−、CD45−、およびCD117−胎盤細胞である。他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な細胞集団は、単離されたCD10−、CD13−、CD33−、CD45−、およびCD117−胎盤細胞を含む、例えばそれらが濃縮されている細胞集団であり、前記集団中の細胞の、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%は、CD10−、CD13−、CD33−、CD45−、およびCD117−胎盤細胞である。具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、前記細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、非母体起源である。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団中の前記細胞の、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%または99%は、非母体起源である。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、これらの特徴を提示しない胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、HLA A、B、C+、CD45−、CD34−、およびCD133−であり、加えて、CD10+、CD13+、CD38+、CD44+、CD90+、CD105+、CD200+および/またはHLA−G−であり、および/またはCD117陰性である。他の実施形態において、本明細書に記載される方法において有用な細胞集団は、単離された胎盤細胞を含む細胞集団であり、前記集団中の細胞の、少なくとも約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または約99%は、HLA A、B、C−、CD45−、CD34−、CD133−であり、加えて、CD10、CD13、CD38、CD44、CD90、CD105、CD200陽性であり、および/またはCD117および/またはHLA−G陰性である単離された胎盤細胞である。具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、前記細胞ではない胎盤細胞から単離される。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、非母体起源である。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団中の前記細胞の、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%または99%は、非母体起源である。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団は、これらのマーカーを提示しない胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、抗体結合によって決定した場合、CD200+およびCD10+であり、抗体結合とRT−PCRの両方によって決定した場合、CD117−である、単離された胎盤細胞である。他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29−、CD54+、CD200+、HLA−G−、MHCクラスI+およびβ−2−ミクログロブリン+である、単離された胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞である。他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、少なくとも1つの細胞マーカーの発現が間充織幹細胞(例えば、骨髄由来間充織幹細胞)の場合より少なくとも2倍高い胎盤細胞である。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、非母体起源である。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団中の前記細胞の、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%または99%は、非母体起源である。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD44+、CD45−、CD54/ICAM+、CD62E−、CD62L−、CD62P−、CD80−、CD86−、CD103−、CD104−、CD105+、CD106/VCAM+、CD144/VE−カドヘリン低、CD184/CXCR4−、β2−ミクログロブリン低(microglobulinlow)、MHC−I低、MHC−II−、HLA−G低、および/またはPDL1低の一または複数である、単離された胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞である。具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、少なくともCD29+およびCD54+である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、少なくともCD44+およびCD106+である。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、少なくともCD29+である。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な細胞集団は、単離された胎盤細胞を含み、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%または99%は、CD10+、CD29+、CD44+、CD45−、CD54/ICAM+、CD62−E−、CD62−L−、CD62−P−、CD80−、CD86−、CD103−、CD104−、CD105+、CD106/VCAM+、CD144/VE−カドヘリン弱(cadherin弱)、CD184/CXCR4−、β2−ミクログロブリン弱(microglobulin弱)、HLA−I弱、HLA−II−、HLA−G弱、および/またはPDL1弱の一または複数である単離された胎盤細胞である。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団中の細胞の、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%または99%は、CD10+、CD29+、CD44+、CD45−、CD54/ICAM+、CD62−E−、CD62−L−、CD62−P−、CD80−、CD86−、CD103−、CD104−、CD105+、CD106/VCAM+、CD144/VE−カドヘリン弱、CD184/CXCR4−、β2−ミクログロブリン弱、MHC−I弱、MHC−II−、HLA−G弱、およびPDL1弱である。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34−、CD38−、CD44+、CD45−、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3−、SSEA4−、OCT−4+、およびABC−p+の1つもしくは複数または全てである単離された胎盤細胞であり、ABC−pは、胎盤特異的なABC輸送タンパク質(また、乳がん耐性タンパク質(BCRP)およびミトキサントロン耐性タンパク質(MXR)としても公知である)であり、前記単離された胎盤細胞は、臍帯血を引き出し、潅流して、残留した血液を除去した、哺乳類、例えばヒトの胎盤を潅流することにより得られる。
上記の特徴のいずれかの他の具体的な実施形態において、細胞マーカー(例えば、表面抗原分類または免疫原性マーカー)の発現は、フローサイトメトリーによって決定され、他の具体的な実施形態において、マーカーの発現は、RT−PCRによって決定される。
遺伝子プロファイリングから、単離された胎盤細胞、および単離された胎盤細胞集団は、他の細胞、例えば間葉幹細胞、例えば骨髄由来間葉幹細胞と区別できることが確認される。本明細書に記載される単離された胎盤細胞は、一または複数の遺伝子の発現に基づき例えば間葉幹細胞と区別することができ、これらの遺伝子の発現は、単離された胎盤細胞、またはある特定の単離された臍帯幹細胞において、骨髄由来間葉幹細胞と比較してより有意に高い。特定には、本明細書で提供される処置の方法において有用な単離された胎盤細胞は、一または複数の遺伝子の発現に基づき間葉幹細胞からと区別することができ、これらの遺伝子の発現は、単離された胎盤細胞において、等しい数の骨髄由来間葉幹細胞の場合より有意に高く(すなわち、少なくとも2倍高く)、ここで一または複数の遺伝子は、等しい条件下で細胞を成長させる場合、ACTG2、ADARB1、AMIGO2、ARTS−1、B4GALT6、BCHE、C11orf9、CD200、COL4A1、COL4A2、CPA4、DMD、DSC3、DSG2、ELOVL2、F2RL1、FLJ10781、GATA6、GPR126、GPRC5B、HLA−G、ICAM1、IER3、IGFBP7、IL1A、IL6、IL18、KRT18、KRT8、LIPG、LRAP、MATN2、MEST、NFE2L3、NUAK1、PCDH7、PDLIM3、PKP2、RTN1、SERPINB9、ST3GAL6、ST6GALNAC5、SLC12A8、TCF21、TGFB2、VTN、ZC3H12A、または前述のもののいずれかの組合せである。例えば、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる特許文献4参照されたい。ある特定の具体的な実施形態において、前記一または複数の遺伝子の前記発現は、例えばRT−PCRまたはマイクロアレイ分析により、例えば、U133−Aマイクロアレイ(Affymetrix)を使用して決定される。他の具体的な実施形態において、DMEM−LG(例えば、Gibcoから);2%ウシ胎児血清(例えば、Hyclone Labs.から);1×インスリン−トランスフェリン−セレニウム(ITS);1×リノール酸−ウシ血清アルブミン(LA−BSA);10〜9Mのデキサメタゾン(例えば、Sigmaから);10〜4Mのアスコルビン酸2−ホスフェート(例えば、Sigmaから);10ng/mLの上皮増殖因子(例えば、R&D Systemsから);および10ng/mLの血小板由来増殖因子(PDGF−BB)(例えば、R&D Systemsから)を含む培地中で、数回の集団倍加、例えば約3から約35回の集団倍加で培養される場合、前記単離された胎盤細胞は、前記一または複数の遺伝子を発現する。他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞に特異的な、または単離された臍帯細胞特異的な遺伝子は、CD200である。
これらの遺伝子に特異的な配列は、GenBankにおいて、2008年3月現在、受託番号NM_001615(ACTG2)、BC065545(ADARB1)、(NM_181847(AMIGO2)、AY358590(ARTS−1)、BC074884(B4GALT6)、BC008396(BCHE)、BC020196(C11orf9)、BC031103(CD200)、NM_001845(COL4A1)、NM_001846(COL4A2)、BC052289(CPA4)、BC094758(DMD)、AF293359(DSC3)、NM_001943(DSG2)、AF338241(ELOVL2)、AY336105(F2RL1)、NM_018215(FLJ10781)、AY416799(GATA6)、BC075798(GPR126)、NM_016235(GPRC5B)、AF340038(ICAM1)、BC000844(IER3)、BC066339(IGFBP7)、BC013142(IL1A)、BT019749(IL6)、BC007461(IL18)、(BC072017) KRT18、BC075839(KRT8)、BC060825(LIPG)、BC065240(LRAP)、BC010444(MATN2)、BC011908(MEST)、BC068455(NFE2L3)、NM_014840(NUAK1)、AB006755(PCDH7)、NM_014476(PDLIM3)、BC126199(PKP−2)、BC090862(RTN1)、BC002538(SERPINB9)、BC023312(ST3GAL6)、BC001201(ST6GALNAC5)、BC126160またはBC065328(SLC12A8)、BC025697(TCF21)、BC096235(TGFB2)、BC005046(VTN)、およびBC005001(ZC3H12A)で見出すことができる。
ある特定の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、ACTG2、ADARB1、AMIGO2、ARTS−1、B4GALT6、BCHE、C11orf9、CD200、COL4A1、COL4A2、CPA4、DMD、DSC3、DSG2、ELOVL2、F2RL1、FLJ10781、GATA6、GPR126、GPRC5B、HLA−G、ICAM1、IER3、IGFBP7、IL1A、IL6、IL18、KRT18、KRT8、LIPG、LRAP、MATN2、MEST、NFE2L3、NUAK1、PCDH7、PDLIM3、PKP2、RTN1、SERPINB9、ST3GAL6、ST6GALNAC5、SLC12A8、TCF21、TGFB2、VTN、およびZC3H12Aのそれぞれを、等しい条件下で細胞を成長させる場合、等しい数の骨髄由来間葉幹細胞より検出できる程度に高いレベルで発現する。
具体的な実施形態において、胎盤細胞は、CD200およびARTS1(1型腫瘍壊死因子のアミノペプチダーゼレギュレーター);ARTS−1およびLRAP(白血球由来アルギニンアミノペプチダーゼ);IL6(インターロイキン−6)およびTGFB2(トランスフォーミング増殖因子、ベータ2);IL6およびKRT18(ケラチン18);IER3(前初期応答3)、MEST(中胚葉特異的転写物相同体)およびTGFB2;CD200およびIER3;CD200およびIL6;CD200およびKRT18;CD200およびLRAP;CD200およびMEST;CD200およびNFE2L3(核内因子(赤血球由来2)様3);またはCD200およびTGFB2を、等しい数の骨髄由来間葉幹細胞(BM−MSC)より検出できる程度に高いレベルで発現し、前記骨髄由来間葉幹細胞は、培養中、前記単離された胎盤細胞が受けた継代回数に等しい継代回数を受けている。他の具体的な実施形態において、胎盤細胞は、ARTS−1、CD200、IL6およびLRAP;ARTS−1、IL6、TGFB2、IER3、KRT18およびMEST;CD200、IER3、IL6、KRT18、LRAP、MEST、NFE2L3、およびTGFB2;ARTS−1、CD200、IER3、IL6、KRT18、LRAP、MEST、NFE2L3、およびTGFB2;またはIER3、MESTおよびTGFB2を、等しい数の骨髄由来間葉幹細胞BM−MSCより検出できる程度に高いレベルで発現し、前記骨髄由来間葉幹細胞は、培養中、前記単離された胎盤細胞が受けた継代回数に等しい継代回数を受けている。
上記で述べた遺伝子の発現は、標準的な技術により評価することができる。例えば、遺伝子の配列に基づくプローブを、従来の技術によって個々に選択して構築することができる。遺伝子の発現は、例えば、遺伝子の一または複数に対するプローブを含むマイクロアレイ、例えば、AffymetrixのGENECHIP(登録商標)ヒトゲノムU133A2.0アレイ、またはAffymetrixのGENECHIP(登録商標)ヒトゲノムU133プラス2.0(サンタクララ、カリフォルニア州)で評価することができる。これらの遺伝子の発現は、特定のGenBank受託番号の配列が修正されている場合でも、修正された配列に特異的なプローブは周知の標準的な技術を使用して容易に生成できるため、評価することができる。
これらの遺伝子の発現レベルは、単離された胎盤細胞集団の同一性を確認するのに使用すること、細胞集団を、少なくとも複数の単離された胎盤細胞を含むと同定するのに使用することなどが可能である。同一性が確認されている単離された胎盤細胞の集団は、クローン性であってもよく、例えば、単一の単離された胎盤細胞から拡張された単離された胎盤細胞集団、または幹細胞の混成集団、例えば、複数の単離された胎盤細胞から拡張された単離された胎盤細胞を単独で含む細胞集団、または本明細書に記載されるような単離された胎盤細胞と少なくとも1つの他のタイプの細胞とを含む細胞集団であってもよい。
これらの遺伝子の発現レベルは、単離された胎盤細胞集団を選択するのに使用することができる。例えば、細胞、例えば、クローン的に拡張した細胞の集団は、上記で列挙した遺伝子の一または複数の発現が、その細胞集団からのサンプル中で等価な間葉幹細胞集団より有意に高い場合に選択することができる。このような選択は、複数の単離された胎盤細胞集団からの集団の選択、その同一性が公知ではない複数の細胞集団からの集団などの選択であってもよい。
単離された胎盤細胞は、例えば間充織幹細胞対照における前記一または複数の遺伝子における発現レベル、例えば、等しい数の骨髄由来間葉幹細胞における前記一または複数の遺伝子の発現のレベルと比較した場合の、一または複数のこのような遺伝子の発現レベルに基づき選択することができる。一実施形態において、等しい数の間葉幹細胞を含むサンプル中の前記一または複数の遺伝子の発現レベルが、対照として使用される。他の実施形態において、対照は、ある特定の条件下で試験された単離された胎盤細胞の場合、前記条件下での間葉幹細胞における前記一または複数の遺伝子の発現レベルを表す数値である。
一実施形態において、本明細書で提供される方法において有用な胎盤細胞(例えば、PDAC)は、1から100ng/mLのVEGFに4から21日曝露した後、免疫学的局在法により検出した場合、CD34を発現しない。具体的な実施形態において、前記胎盤接着細胞は、組織培養プラスチックに接着性を有する。他の具体的な実施形態において、前記細胞集団は、例えばMATRIGEL(商標)などの基材上で、血管新生因子、例えば血管内皮増殖因子(VEGF)、上皮性増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)または塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)などの存在下で培養される場合、内皮細胞の芽または管状構造の形成を誘導する。
他の態様において、本明細書で提供されるPDAC、細胞集団、例えばPDAC集団、または前記単離された細胞の集団中の細胞の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%または98%がPDACである細胞の集団は、VEGF、HGF、IL−8、MCP−3、FGF2、フォリスタチン、G−CSF、EGF、ENA−78、GRO、IL−6、MCP−1、PDGF−BB、TIMP−2、uPAR、またはガレクチン−1の1つもしくは複数または全てを、例えば細胞または複数の細胞が成長している培養培地に分泌する。他の実施形態において、PDACは、酸素正常条件下(例えば、約20%または約21%O2)と比較して低い酸素条件下(例えば、約5%未満のO2)で、高いレベルのCD202b、IL−8および/またはVEGFを発現する。
他の実施形態において、本明細書に記載されるPDACまたはPDACを含む細胞集団のいずれかは、前記胎盤由来の接着細胞と接触する内皮細胞の集団において、芽または管状構造の形成を引き起こすことができる。具体的な実施形態において、PDACはヒト内皮細胞と共培養され、それにより、例えば、細胞外マトリックスタンパク質、例えばIおよびIV型コラーゲンなど、ならびに/または血管新生因子、例えば血管内皮増殖因子(VEGF)、上皮性増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)もしくは塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の存在下で、例えば胎盤のコラーゲンまたはMATRIGEL(商標)などの基材中またはその上で少なくとも4日培養される場合、芽もしくは管状構造が形成されるか、または内皮細胞の芽の形成が維持される。他の実施形態において、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞を含む細胞集団のいずれかは、血管新生因子、例えば血管内皮増殖因子(VEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、またはインターロイキン−8(IL−8)を分泌し、それによって、例えばIおよびIV型コラーゲンなどの細胞外マトリックスタンパク質の存在下で、例えば胎盤のコラーゲンまたはMATRIGEL(商標)などの基材中またはその上で培養される場合、ヒト内皮細胞の芽または管状構造の形成を誘導することができる。
他の実施形態において、上記の胎盤由来の接着細胞を含む細胞集団(PDAC)のいずれかは、血管新生因子を分泌する。具体的な実施形態において、細胞集団は、血管内皮増殖因子(VEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、および/またはインターロイキン−8(IL−8)を分泌する。他の具体的な実施形態において、PDACを含む細胞集団は、一または複数の血管新生因子を分泌し、それによってin vitroでの創傷治癒アッセイにおいてヒト内皮細胞の移動を誘導する。他の具体的な実施形態において、胎盤由来の接着細胞を含む細胞集団は、ヒト内皮細胞、内皮前駆細胞、筋細胞または筋原細胞の成熟、分化または増殖を誘導する。
本明細書に記載される単離された胎盤細胞は、初代培養で、または例えばDMEM−LG(Gibco)、2%ウシ胎児血清(FCS)(Hyclone Laboratories)、1×インスリン−トランスフェリン−セレニウム(ITS)、1×リノール酸(lenolenic−acid)−ウシ−血清−アルブミン(LA−BSA)、10〜9Mのデキサメタゾン(Sigma)、10〜4Mのアスコルビン酸2−ホスフェート(Sigma)、10ng/mlの上皮増殖因子(EGF)(R&D Systems)、10ng/mlの血小板由来増殖因子(PDGF−BB)(R&D Systems)、および100Uのペニシリン/1000Uのストレプトマイシンを含む培地中での増殖中に、上記の特徴(例えば、細胞表面マーカーおよび/または遺伝子発現プロファイルの組合せ)を提示する。
本明細書で開示された胎盤細胞のいずれかの一実施形態において、細胞は、ヒトである。本明細書で開示された胎盤細胞のいずれかの一実施形態において、細胞マーカーの特徴または遺伝子発現の特徴は、ヒトマーカーまたはヒト遺伝子である。
前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞を含む細胞集団の他の具体的な実施形態において、前記細胞または集団は、拡張されており、例えば、少なくとも、約、または最大で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20回、またはそれより多く継代されているか、または少なくとも、約、または最大で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50回の集団倍加で増殖されている。前記単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞を含む細胞集団の他の具体的な実施形態において、前記細胞または集団は、初代単離物である。本明細書で開示される単離された胎盤細胞、または単離された胎盤細胞を含む細胞集団の他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、胎児起源である(すなわち胎児の遺伝子型を有する)。
一実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、増殖培地中で、すなわち、例えば増殖培地中で培養される間に増殖を促進するように配合された培地中で培養される間、分化しない。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、増殖するためにフィーダー層を必要としない。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、培養中、フィーダー層の非存在下で、単にフィーダー細胞層の欠如のために分化しない。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法および組成物において有用な細胞は、単離された胎盤細胞であり、複数の前記単離された胎盤細胞は、アルデヒドデヒドロゲナーゼ活性アッセイにより評価された場合、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)陽性である。このようなアッセイは、当業界において公知である(例えば、非特許文献4参照)。具体的な実施形態において、前記ALDHアッセイは、アルデヒドデヒドロゲナーゼ活性のマーカーとしてAldefluor(登録商標)(Aldagen,Inc.、アシュランド、オレゴン州)を使用する。具体的な実施形態において、前記複数は、前記細胞集団中の細胞の約3%から約25%の間である。他の実施形態において、単離された臍帯細胞、例えば単離された複能性臍帯細胞の集団が本明細書で提供され、複数の前記単離された臍帯細胞は、アルデヒドデヒドロゲナーゼ活性のインジケーターとしてAldefluor(登録商標)を使用するアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性アッセイにより評価された場合、アルデヒドデヒドロゲナーゼ陽性である。具体的な実施形態において、前記複数は、前記細胞集団中の細胞の約3%から約25%の間である。他の実施形態において、前記単離された胎盤細胞または単離された臍帯細胞の集団は、ほぼ同じ数の細胞を有し、同じ条件下で培養された骨髄由来間葉幹細胞の集団より、少なくとも3倍、または少なくとも5倍高いALDH活性を示す。
本明細書に記載の単離された胎盤細胞を含む細胞の集団のいずれかの一実施形態において、前記細胞の集団中の胎盤細胞は、母体の遺伝子型を有する細胞を実質的に含まず、例えば、前記集団中の胎盤細胞の少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%が、胎児の遺伝子型を有する。本明細書に記載の単離された胎盤細胞を含む細胞の集団のいずれかのある特定の他の実施形態において、前記胎盤細胞を含む細胞の集団は、母体の遺伝子型を有する細胞を実質的に含まず、例えば、前記集団中の細胞の少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%が、胎児の遺伝子型を有する。
上記の単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞の細胞集団のいずれかの具体的な実施形態において、前記集団中の細胞、または少なくとも細胞の約95%または約99%の核型は、正常である。上記の胎盤細胞または細胞集団のいずれかの他の具体的な実施形態において、細胞、または細胞集団中の細胞は、非母体起源である。
上記のマーカーの組合せのいずれかを有する単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞集団は、あらゆる比率で組み合わせることができる。上記の単離された胎盤細胞集団のいずれか2つ以上を組み合わせて、単離された胎盤細胞集団を形成することができる。例えば、単離された胎盤細胞の集団は、上述したマーカーの組合せの1つによって定義された第1の単離された胎盤細胞集団、および上述したマーカーの組合せの他のものによって定義された第2の単離された胎盤細胞集団を含んでいてもよく、前記第1および第2の集団は、約1:99、2:98、3:97、4:96、5:95、10:90、20:80、30:70、40:60、50:50、60:40、70:30、80:20、90:10、95:5、96:4、97:3、98:2、または約99:1の比率で組み合わされる。同様の様式で、上述した単離された胎盤細胞または単離された胎盤細胞集団のいずれか3つ、4つ、5つまたはそれより多くを組み合わせることができる。
本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞は、例えば胎盤組織の破壊により得ることができ、この破壊は、酵素による消化(4.2.3章参照)または潅流(4.2.4章参照)を用いてもよいし、または用いなくてもよい。例えば、単離された胎盤細胞集団は、臍帯血を引き出し、潅流して、残留した血液を除去した哺乳類胎盤を潅流するステップ;前記胎盤を潅流溶液で潅流するステップ;および前記潅流溶液を収集するステップであって、潅流後の前記潅流溶液は、単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞集団を含む、ステップ;および前記細胞集団から複数の前記単離された胎盤細胞を単離するステップを含む方法に従って産生することができる。具体的な実施形態において、潅流溶液は、臍帯静脈と臍帯動脈の両方を通過して、それが胎盤から滲出した後に収集される。他の具体的な実施形態において、潅流溶液は、臍帯静脈を通過して臍帯動脈から収集されるか、または臍帯動脈を通過して臍帯静脈から収集される。
様々な実施形態において、胎盤の潅流から得られた細胞の集団内に含有される単離された胎盤細胞は、前記胎盤細胞の集団の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または少なくとも99.5%である。他の具体的な実施形態において、潅流によって収集された単離された胎盤細胞は、胎児の細胞および母体の細胞を含む。他の具体的な実施形態において、潅流によって収集された単離された胎盤細胞は、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または少なくとも99.5%が胎児細胞である。
他の具体的な実施形態において、本明細書に記載されるように、潅流により収集された単離された胎盤細胞集団を含む組成物であって、前記組成物は、単離された胎盤細胞を収集するのに使用される潅流溶液の少なくとも一部を含む、組成物が本明細書で提供される。
本明細書に記載される単離された胎盤細胞の単離された集団は、組織を破壊する酵素で胎盤組織を消化して、細胞を含む胎盤細胞集団を得ること、および前記胎盤細胞の残りから複数の胎盤細胞を単離すること、または実質的に単離することによって産生することができる。胎盤の全体またはそのいずれか一部を消化して、本明細書に記載される単離された胎盤細胞を得ることができる。具体的な実施形態において、例えば、前記胎盤組織は、胎盤全体、羊膜、柔毛膜、羊膜と柔毛膜の組合せ、または前述のもののいずれかの組合せであってもよい。他の具体的な実施形態において、組織を破壊する酵素は、トリプシンまたはコラゲナーゼである。様々な実施形態において、胎盤を消化することから得られた細胞の集団内に含有される単離された胎盤細胞は、前記胎盤細胞集団の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%または少なくとも99.5%である。
上述した単離された胎盤細胞集団、および単離された胎盤細胞集団は、一般的に、約、少なくとも、または最大で、1×103個、3×103個、5×103個、1×104個、3×104個、5×104個、1×105個、3×105個、5×105個、1×106個、3×106個、5×106個、1×107個、3×107個、5×107個、1×108個、3×108個、5×108個、1×109個、5×109個、または1×1010個の単離された胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物の一部として)を含んでいてもよいし、または約1×103個から3×103個の間、3×103個から5×103個の間、5×103個から1×104個の間、1×104個から3×104個の間、3×104個から5×104個の間、5×104個から1×105個の間、1×105個から3×105個の間、3×105個から5×105個の間、5×105個から1×106個の間、1×106個から3×106個の間、3×106個から5×106個の間、5×106個から1×107個の間、1×107個から3×107個の間、3×107個から5×107個の間、5×107個から1×108個の間、1×108個から3×108個の間、3×108個から5×108個の間、5×108個から1×109個の間、1×109個から5×109個の間、または5×109個から1×1010個の間の単離された胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞を含む医薬組成物の一部として)を含んでいてもよい。本明細書に記載される処置方法において有用な単離された胎盤細胞集団は、例えば、例えばトリパンブルー排除によって決定される場合、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%の生存可能な単離された胎盤細胞を含む。
4.2 単離された胎盤細胞を得る方法
4.2.1 幹細胞収集組成物
さらに、上記の4.1章に記載される胎盤細胞、例えば単離された胎盤細胞を収集および単離する方法が本明細書において提供される。一般的に、このような細胞は、哺乳類胎盤から、生理的に許容できる溶液、例えば細胞収集組成物を使用して得られる。例示的な細胞収集組成物は、「Improved Medium for Collecting Placental Stem Cells and Preserving Organs」という表題の関連する特許文献5で詳細に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
細胞収集組成物は、細胞、例えば本明細書に記載される単離された胎盤細胞の収集および/または培養に好適なあらゆる生理的に許容できる溶液、例えば、塩類溶液(例えば、リン酸緩衝塩類溶液、クレブス溶液、改変クレブス溶液、イーグル溶液、0.9%NaClなど)、培養培地(例えば、DMEM、H.DMEMなど)、および同種のものを含んでいてもよい。
細胞収集組成物は、収集時間から培養時間まで、単離された胎盤細胞を保存する傾向がある、すなわち、単離された胎盤細胞が乾燥しないようにする、または単離された胎盤細胞の死を遅延させる、細胞集団中の死亡する単離された胎盤細胞の数を低減する等の一または複数の要素を含んでいてもよい。このような要素は、例えば、アポトーシス阻害剤(例えば、カスパーゼ阻害剤またはJNK阻害剤);血管拡張剤(例えば、硫酸マグネシウム、抗高血圧薬、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、副腎皮質刺激ホルモン、コルチコトロピン放出ホルモン、ニトロプルシドナトリウム、ヒドララジン、アデノシン三リン酸、アデノシン、インドメタシンまたは硫酸マグネシウム、ホスホジエステラーゼ阻害剤など);壊死阻害剤(例えば、2−(1H−インドール−3−イル)−3−ペンチルアミノ−マレイミド、ピロリジンジチオカルバメート、またはクロナゼパム);TNF−α阻害剤;および/または酸素運搬ペルフルオロカーボン(例えば、ペルフルオロオクチルブロミド、ペルフルオロデシルブロミドなど)であり得る。
細胞収集組成物は、一または複数の組織分解酵素、例えば、メタロプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、中性プロテアーゼ、RNアーゼ、またはDNアーゼ、または同種のものを含んでいてもよい。このような酵素としては、これらに限定されないが、コラゲナーゼ(例えば、コラゲナーゼI、II、IIIまたはIV、クロストリジウム・ヒストリチカム(Clostridium histolyticum)由来のコラゲナーゼなど);ディスパーゼ、サーモリシン、エラスターゼ、トリプシン、LIBERASE、ヒアルロニダーゼ、および同種のものが挙げられる。
細胞収集組成物は、殺菌的または静菌的に有効な量の抗生物質を含んでいてもよい。ある特定の非限定的な実施形態において、抗生物質は、マクロライド(例えば、トブラマイシン)、セファロスポリン(例えば、セファレキシン、セフラジン、セフロキシム、セフプロジル、セファクロル、セフィキシムまたはセファドロキシル)、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ペニシリン(例えば、ペニシリンV)またはキノロン(例えば、オフロキサシン、シプロフロキサシンまたはノルフロキサシン)、テトラサイクリン、ストレプトマイシンなどで一実施形態において、抗生物質は、グラム(+)および/またはグラム(−)細菌、例えば、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)などに対して活性である。一実施形態において、抗生物質は、ゲンタマイシンであり、例えば、培養培地中約0.005%から約0.01%(w/v)である。
細胞収集組成物はまた、以下の化合物の一または複数:アデノシン(約1mMから約50mM);D−グルコース(約20mMから約100mM);マグネシウムイオン(約1mMから約50mM);20,000ダルトンより大きい分子量を有する巨大分子、一実施形態において、内皮の完全性および細胞の生存能を維持するのに十分な量で存在するもの(例えば、合成または天然に存在するコロイド、多糖類、例えば約25g/lから約100g/l、または約40g/lから約60g/lで存在するデキストランまたはポリエチレングリコールなど);抗酸化剤(例えば、約25μMから約100μMで存在する、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、グルタチオン、ビタミンCまたはビタミンE);還元剤(例えば、約0.1mMから約5mMで存在するN−アセチルシステイン);細胞へのカルシウム侵入を予防する薬剤(例えば、約2μMから約25μMで存在するベラパミル);ニトログリセリン(例えば、約0.05g/Lから約0.2g/L);抗凝血剤、一実施形態において、残留した血液の凝固の予防を助けるのに十分な量で存在する抗凝血剤(例えば、約1000ユニット/lから約100,000ユニット/lの濃度で存在するヘパリンまたはヒルジン);またはアミロライド含有化合物(例えば、約1.0μMから約5μMで存在する、アミロライド、エチルイソプロピルアミロライド、ヘキサメチレンアミロライド、ジメチルアミロライドまたはイソブチルアミロライド)を含んでいてもよい。
4.2.2 胎盤の収集および取り扱い
一般的に、ヒト胎盤は、出産後に排除された直後に回収される。好ましい実施形態において、胎盤は、インフォームドコンセントの後、および患者の完全な病歴を把握し、胎盤と関連付けた後に、患者から回収される。好ましくは、病歴は、分娩後も継続する。このような病歴は、それに続く胎盤または胎盤から回収された単離された胎盤細胞の使用と連携させるのに使用することができる。例えば、単離されたヒト胎盤細胞は、病歴を考慮して、胎盤に関連する乳児のための、または乳児の親、兄弟もしくは他の親族のための個別化薬に使用することができる。
単離された胎盤細胞の回収の前に、臍帯血および胎盤血は、好ましくは除去される。一実施形態において、分娩後、胎盤中の臍帯血が回収される。胎盤は、従来の臍帯血回収プロセスに供することができる。典型的には、針またはカニューレを使用して、重力の助けによって胎盤を放血させる(例えば、アンダーソン(Anderson)、特許文献6;ヘッセル(Hessel)ら、特許文献7参照)。通常、針またはカニューレを臍帯静脈中に置き、胎盤を穏やかに揉んで胎盤からの臍帯血の引き出しを助けることができる。このような臍帯血回収は商業的に実行することもでき、例えば、LifeBank USA、Cedar Knolls、N.J.である。好ましくは、臍帯血回収中の組織の破壊が最小化されるように、胎盤は、さらなる操作を用いずに重力により引き出される。
典型的には、胎盤は、例えば潅流または組織解離による臍帯血の回収および幹細胞の収集のために、分娩または出産室から他の場所、例えば実験室に輸送される。胎盤は、好ましくは、断熱された滅菌輸送デバイス(胎盤の温度を20〜28℃の間に維持する)で、例えば、滅菌ジップロックプラスチックバッグ中に近位の臍帯を固定して胎盤を置き、次いでこれを断熱容器中に置くことにより輸送される。他の実施形態において、胎盤は、その開示が参照により本明細書に組み入れられる係属中の特許文献8に実質的に記載されるような臍帯血収集キットで輸送される。好ましくは、胎盤は、分娩後4から24時間で実験室に届けられる。一実施形態において、近位の臍帯は、臍帯血回収の前に、盤状胎盤(placental disc)への挿入部の、好ましくは4〜5cm(センチメートル)以内に固定される。他の実施形態において、近位の臍帯は、臍帯血回収の後、ただしさらなる胎盤加工の前に固定される。
胎盤は、細胞収集の前に、滅菌条件下で、室温または5℃から25℃の温度のいずれかで貯蔵することができる。胎盤は、胎盤を潅流して全ての残留した臍帯血を除去する前の、4から24時間の期間にわたり、48時間まで、または48時間より長く、貯蔵してもよい。一実施形態において、胎盤は、排除後、約0時間から約2時間の間に収穫される。胎盤は、好ましくは、抗凝血剤溶液中で、5℃から25℃の温度で、貯蔵される。好適な抗凝血剤溶液は当業界において周知である。例えば、ヘパリンまたはワルファリンナトリウムの溶液を使用することができる。好ましい実施形態において、抗凝血剤溶液は、ヘパリンの溶液(例えば、1:1000溶液中、1%w/w)を含む。放血された胎盤は、好ましくは胎盤細胞を収集する前の36時間以下で貯蔵される。
哺乳類胎盤またはその部分は、上述したようにひとたび一般的に収集され調製されたら、あらゆる当業界公知の方式で処理することができ、例えば、潅流または破壊することにより、例えば一または複数の組織を破壊する酵素で消化することにより、単離された胎盤細胞を得ることができる。
4.2.3 胎盤組織の物理的な破壊および酵素消化
一実施形態において、幹細胞は、臓器の一部または全ての物理的な破壊によって、哺乳類胎盤から収集される。例えば、胎盤またはその部分を、例えば、粉砕する、剪断する、細かく刻む、さいの目に切る、切り刻む、ほぐす等することができる。次いで組織を培養して、単離された胎盤細胞の集団を得ることができる。典型的には、胎盤組織は、例えば、培養培地、塩類溶液、または幹細胞収集を使用して破壊される。
胎盤は、物理的な破壊および/または酵素消化ならびに幹細胞の回収の前に要素に切り分けることができる。単離された胎盤細胞は、羊膜、柔毛膜、臍帯、胎盤絨毛叢の全てまたは一部、または胎盤全体を含むそれらのいずれかの組合せから得ることができる。好ましくは、単離された胎盤細胞は、羊膜および柔毛膜を含む胎盤組織から得られる。典型的には、単離された胎盤細胞は、小さいブロックの胎盤組織の破壊、例えば、体積が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または約1000立方ミリメートルの胎盤組織のブロックの破壊により得ることができる。例えばトリパンブルー排除によって決定される場合、前記臓器中の複数の細胞、より好ましくは大多数の細胞、より好ましくは少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、または99%の細胞を生存可能なままにする破壊方法であれば、どのような物理的な破壊方法を使用してもよい。
単離された接着性胎盤細胞は、一般的に、排除後の最初の3日以内のいつでも、ただし好ましくは排除後約8時間から約18時間の間に、胎盤またはその一部から収集することができる。
具体的な実施形態において、破壊された組織は、単離された胎盤細胞の増殖に好適な組織培養培地中で培養される。
他の具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、物理的な胎盤組織の破壊によって収集され、物理的な破壊としては、一または複数の組織消化酵素の使用によって達成できる酵素消化が挙げられる。また胎盤またはその部分を物理的に破壊し、一または複数の酵素で消化してもよく、次いで得られた材料を細胞収集組成物中に浸すか、またはそれに混合してもよい。
好ましい細胞収集組成物は、一または複数の組織を破壊する酵素を含む。胎盤組織を破壊するのに使用できる酵素としては、パパイン、デオキシリボヌクレアーゼ、セリンプロテアーゼ、例えばトリプシン、キモトリプシン、コラゲナーゼ、ディスパーゼまたはエラスターゼなどが挙げられる。セリンプロテアーゼは、血清中のアルファ2ミクログロブリンによって阻害される場合があるため、消化に使用される培地は通常、無血清である。細胞回収効率を増加させるために、EDTAおよびDNアーゼが酵素消化手順において一般的に使用される。粘性の消化物中への細胞の捕獲が回避されるように、消化されるものを好ましくは希釈する。
組織消化酵素のあらゆる組合せを使用することができる。トリプシンを使用する消化のための典型的な濃度としては、0.1%から約2%のトリプシン、例えば約0.25%のトリプシンが挙げられる。プロテアーゼは、組み合わせて使用してもよく、すなわち2つ以上のプロテアーゼを同じ消化反応で使用してもよく、または胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞および複能性胎盤細胞を遊離させるために逐次的に使用してもよい。例えば、一実施形態において、胎盤またはその部分は、最初に、適切な量のコラゲナーゼIで、約1から約2mg/mlで、例えば30分間消化され、それに続いてトリプシンで、約0.25%の濃度で、例えば10分間、37℃で消化される。セリンプロテアーゼは、好ましくは、他の酵素の使用後に連続して使用することができる。
他の実施形態において、幹細胞収集組成物を用いて幹細胞を単離する前に、キレート化剤、例えば、エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’N’−四酢酸(EGTA)またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を、幹細胞を含む幹細胞収集組成物に、またはその中で組織が破壊および/または消化される溶液に添加することによって、組織をさらに破壊することもできる。
消化後、消化されたものを例えば培養培地で3回洗浄し、洗浄した細胞を培養フラスコに植え付ける。次いで細胞を示差的な接着により単離し、例えば生存能、細胞表面マーカー、分化、および同種のものに関して特徴付ける。
胎盤全体または胎盤の部分が胎児の細胞と母体の細胞の両方を含む(例えば、胎盤の部分が柔毛膜または絨毛叢を含む場合)単離された胎盤細胞は、胎児源と母体源の両方に由来する胎盤細胞の混合物を含むことができると理解されると予想される。胎盤の部分が母体の細胞(例えば、羊膜)を含まないかごく少数しか含まない場合、それから単離された胎盤細胞は、ほぼ胎児の胎盤細胞(すなわち、胎児の遺伝子型を有する胎盤細胞)のみを含むと予想される。
胎盤細胞、例えば、上記の4.1章に記載される胎盤細胞は、示差的なトリプシン処理(以下の4.2.5章参照)、それに続く一または複数の新しい培養容器中における新鮮な増殖培地中での培養、任意選択でそれに続く第2の示差的なトリプシン処理工程によって、破壊された胎盤組織から単離することができる。
4.2.4.胎盤の潅流
胎盤細胞、例えば、上記の4.1章に記載される胎盤細胞はまた、哺乳類胎盤の潅流によっても得ることができる。胎盤細胞を得るための哺乳類胎盤を潅流する方法は、例えば、ハリリ(Hariri)の特許文献9および特許文献10、特許文献4ならびに特許文献5で開示されており、これらそれぞれの開示は、この参照によりそれらの全体が開示に組み入れられる。
胎盤細胞は、潅流溶液として例えば細胞収集組成物を使用する、例えば胎盤の血管系を介した潅流によって収集することができる。一実施形態において、哺乳類胎盤は、臍帯動脈および臍帯静脈のいずれかまたはその両方に潅流溶液を通過させることによって潅流される。胎盤を通る潅流溶液の流動は、例えば胎盤への重力流を使用して達成することができる。好ましくは、ポンプ、例えば蠕動ポンプを使用して、潅流溶液を胎盤に押し通す。臍帯静脈に、例えば、滅菌接続器具、例えば滅菌管材料などに接続された、カニューレ、例えばTEFLON(登録商標)またはプラスチックカニューレを挿入することができる。滅菌接続器具は、潅流マニホールドに接続される。
潅流の準備において、胎盤は、好ましくは、胎盤の最も高い地点に臍帯動脈および臍帯静脈が配置されるような方式で方向付けられる(例えば、吊り下げられる)。潅流流体を胎盤の血管系および周囲の組織を通過させることによって、胎盤を潅流することができる。また、臍帯静脈への潅流流体の通過および臍帯動脈からの収集、または臍帯動脈への潅流流体の通過および臍帯静脈からの収集によっても、胎盤を潅流することができる。
一実施形態において、例えば、臍帯動脈および臍帯静脈は、例えばフレキシブルなコネクターを介して潅流溶液のリザーバに接続されているピペットに、同時に接続される。潅流溶液は、臍帯静脈および動脈に注入される。潅流溶液は、血管壁からおよび/またはそれを通過して胎盤の周囲組織に滲出し、妊娠中に母親の子宮に付着していた胎盤の表面から好適な開放血管に収集される。また潅流溶液を、臍帯の開口部を介して導入し、母体の子宮壁との境界面である胎盤の壁中の開口部から流動または浸透させてもよい。この方法は、「受け皿(pan)」方法と称することができ、それにより収集される胎盤細胞は、典型的には胎児の細胞と母体の細胞との混合物である。
他の実施形態において、潅流溶液は、臍帯静脈を通過し、臍帯動脈からから収集されるか、または臍帯動脈を通過し、臍帯静脈から収集される。この方法は、「閉回路」方法と称することができ、それにより収集される胎盤細胞は、典型的にはほぼ胎児のみである。
受け皿方法、すなわちそれによって潅流液が胎盤の母体側から滲出した後に収集される方法を使用する潅流は、胎児の細胞と母体の細胞との混合物を生じることが理解されると予想される。結果として、この方法によって収集された細胞は、胎児起源と母体起源の両方の、混成の胎盤細胞集団、例えば胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞を含み得る。対照的に、閉回路方法で胎盤の血管系のみを通る潅流、すなわちそれによって潅流流体が1または2つの胎盤の血管を通過して残りの血管のみを通って収集される潅流は、ほぼ胎児起源の胎盤細胞の集団のみの収集がもたらされる。
閉回路潅流方法は、一実施形態において、以下のように実行することができる。出産後約48時間以内に産後の胎盤を得る。臍帯を固定し、クランプ上で切断する。臍帯は、捨ててもよいし、または例えば臍帯幹細胞を回収するために加工したり、および/またはバイオマテリアル産生のために臍帯膜を加工したりすることもできる。羊膜は、潅流中に保持されていてもよいし、または例えば指での鈍的剥離を使用して柔毛膜から分離されてもよい。羊膜が潅流の前に柔毛膜から分離される場合、羊膜は、例えば、捨ててもよいし、または例えば、酵素消化によって幹細胞を得るために、または例えば羊膜バイオマテリアル、例えばその開示が参照によりその全体が本明細書に組み入れられる特許文献11に記載のバイオマテリアルを産生するために加工されてもよい。全ての目に見える血餅や残留した血液を例えば滅菌ガーゼを使用して胎盤からクリーニングした後、例えば臍帯膜を部分的に切断して臍帯の断面を露出させることによって、臍帯血管を露出させる。血管を確認して、例えば各血管の切断端部末端を通って閉じたワニ口クランプを進めることによって開く。次いで潅流デバイスまたは蠕動ポンプに接続された器具、例えばプラスチック管材料を、胎盤動脈のそれぞれに挿入する。ポンプは、目的に好適な、例えば蠕動ポンプであり得る。次いで、滅菌収集リザーバ、例えば血液バッグ、例えば250mL収集バッグなどに接続されたプラスチック管材料は、胎盤静脈に挿入される。代替として、ポンプに接続された管材料が胎盤静脈に挿入され、収集リザーバへの管は、胎盤動脈の一方または両方に挿入される。次いで胎盤を、所定体積の潅流溶液、例えば、約750mlの潅流溶液で潅流する。次いで潅流液中の細胞を、例えば遠心分離によって収集する。一実施形態において、胎盤を潅流溶液、例えば100〜300mLの潅流溶液で潅流して、潅流の前に残留した血液を除去し、胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞および/または複能性胎盤細胞を収集する。他の実施形態において、胎盤を潅流溶液で潅流せずに、潅流の前に残留した血液を除去し、胎盤細胞を収集する。
一実施形態において、近位の臍帯は、潅流中固定され、より好ましくは、盤状胎盤(placental disc)への臍帯の挿入部の4〜5cm(センチメートル)以内に固定される。
放血プロセス中における哺乳類胎盤からの潅流流体の第1の収集物は、一般的に、臍帯血および/または胎盤の血液の残留した赤血球で着色されている。潅流流体は、潅流が進むにつれてより無色になり、残留した臍帯血細胞は胎盤から洗い落とされる。一般的に30から100ml(ミリリットル)の潅流流体が、初期に胎盤を放血させるのに十分であるが、観察された結果に応じてそれより多いまたは少ない潅流流体を使用してもよい。
胎盤細胞を単離するのに使用される潅流液体の体積は、収集しようとする細胞の数、胎盤のサイズ、単一の胎盤から作製しようとする収集物の数などに応じて様々であり得る。様々な実施形態において、潅流液体の体積は、50mLから5000mL、50mLから4000mL、50mLから3000mL、100mLから2000mL、250mLから2000mL、500mLから2000mL、または750mLから2000mLであり得る。典型的には、胎盤は、放血後、700〜800mLの潅流液体で潅流される。
胎盤は、数時間または数日にわたり複数回潅流することができる。胎盤を複数回潅流しようとする場合、無菌条件下において容器または他の好適な入れ物中で維持または培養して、抗凝血剤(例えば、ヘパリン、ワルファリンナトリウム、クマリン、ビスヒドロキシクマリン)含有または非含有の、および/または抗微生物剤(例えば、β−メルカプトエタノール(0.1mM);抗生物質、例えばストレプトマイシン(例えば、40〜100μg/mlで)、ペニシリン(例えば、40U/mlで)、アンホテリシンB(例えば、0.5μg/mlで)など)含有または非含有の、細胞収集組成物、または標準的な潅流溶液(例えば、リン酸緩衝塩類溶液(「PBS」)などの通常の塩類溶液)で潅流してもよい。一実施形態において、潅流および潅流液の収集前の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24時間、または2もしくは3日間またはそれより多くの日数にわたり胎盤が維持または培養されるように、単離された胎盤は、所定期間にわたり潅流液を収集せずに維持または培養される。潅流された胎盤は、1または複数の追加の回、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間またはそれより長い時間維持して、2回目に、例えば700〜800mLの潅流流体で潅流してもよい。胎盤は、1、2、3、4、5回またはそれより多く、例えば1、2、3、4、5または6時間毎に1回潅流することができる。好ましい実施形態において、胎盤の潅流および潅流溶液、例えば細胞収集組成物の収集は、回収した有核細胞の数が細胞100個/ml未満に落ちるまで繰り返される。異なるタイムポイントでの潅流液はさらに、時間依存的な細胞、例えば幹細胞の集団を回収するために個々に加工することができる。異なるタイムポイントからの潅流液はまた、プールすることもできる。好ましい実施形態において、胎盤細胞は、排除後の約8時間から約18時間の間の1つの時点または複数の時点で収集される。
潅流は、好ましくは、前記溶液で潅流されておらず、胎盤細胞を得るための別段の処置(例えば、組織の破壊、例えば酵素消化による)がなされていない哺乳類胎盤から入手可能な数より有意に多くの胎盤細胞の収集をもたらす。この状況において、「より有意に多く」は、少なくとも10%より多いことを意味する。潅流は、例えば胎盤またはその一部を培養した培養培地から分離可能な胎盤細胞の数より有意に多くの胎盤細胞を生じる。
胎盤細胞は、一または複数のプロテアーゼまたは他の組織を破壊する酵素を含む溶液での潅流によって胎盤から単離することができる。具体的な実施形態において、胎盤またはその部分(例えば、羊膜、羊膜および柔毛膜、胎盤小葉もしくは絨毛叢、臍帯、または前述のもののいずれかの組合せ)を25〜37℃にして、200mLの培養培地中の一または複数の組織を破壊する酵素と共に30分インキュベートする。潅流液からの細胞を収集し、4℃にして、5mMのEDTA、2mMジチオスレイトールおよび2mMベータ−メルカプトエタノールを含む冷たい阻害剤混合物で洗浄する。数分後に冷たい(例えば、4℃の)幹細胞収集組成物で胎盤細胞を洗浄する。
4.2.5 胎盤細胞の単離、ソーティング、および特徴付け
単離された胎盤細胞、例えば上記の4.1章に記載される細胞は、潅流により得られたか、または物理的な破壊、例えば酵素消化により得られたかにかかわらず、最初に、Ficoll勾配遠心分離によって他の細胞から精製することができる(すなわち、それから単離することができる)。このような遠心分離は、遠心分離速度などに関してどのような標準的なプロトコールに従っていてもよい。一実施形態において、例えば、胎盤から収集された細胞を、5000×gで15分、室温での遠心分離によって潅流液から回収し、それにより例えば混入している死細胞片および血小板から細胞を分離する。他の実施形態において、胎盤潅流液を約200mlに濃縮し、穏やかにFicoll上に層化して、約1100×gで20分、22℃で遠心分離し、さらなる加工のために低密度の細胞の境界層を収集する。
細胞ペレットは、新鮮な幹細胞収集組成物、または細胞の維持、例えば、幹細胞の維持に好適な培地、例えば、2U/mlヘパリンおよび2mMのEDTA(GibcoBRL、NY)を含有するIMDM無血清培地に再懸濁することができる。総単核細胞画分は、例えば、Lymphoprep(Nycomed Pharma、Oslo、Norway)を製造元の推奨された手順に従って使用して単離することができる。
潅流または消化により得られた胎盤細胞は、例えば、さらに、または最初に、例えば0.2%EDTA(Sigma、St.Louis MO)を含む0.05%トリプシン溶液を使用する示差的なトリプシン処理によって単離することができる。単離された胎盤細胞は、組織培養プラスチック接着性であり、典型的には約5分以内にプラスチック表面から取り外されるため、示差的なトリプシン処理が可能であり、それに対して他の接着性集団は、典型的には20〜30分より長いインキュベーションを必要とする。取り外された胎盤細胞は、例えばトリプシン中和溶液(Trypsin Neutralizing Solution;TNS、Cambrex)を使用するトリプシン処理およびトリプシン中和後、収穫することができる。接着細胞単離の一実施形態において、例えば細胞約5〜10×106個のアリコートを、数々のT−75フラスコ、好ましくはフィブロネクチンでコーティングしたT75フラスコのそれぞれ中に入れる。このような実施形態において、細胞を市販の間充織幹細胞増殖培地(MSCGM)(Cambrex)で培養して、組織培養インキュベーター(37℃、5%CO2)中に入れることができる。10から15日後、PBSで洗浄することによって非接着細胞をフラスコから除去する。次いでPBSをMSCGMで交換する。様々な接着細胞タイプの存在について、特定には線維芽細胞様細胞のクラスターの同定および拡張について、フラスコを、好ましくは毎日検査することができる。
哺乳類胎盤から収集された細胞の数およびタイプは、例えば、例えばフローサイトメトリー、セルソーティング、免疫細胞化学(例えば、組織特異的なまたは細胞−マーカー特異的な抗体での染色)、蛍光活性化セルソーティング(FACS)、磁気活性化セルソーティング(MACS)などの標準的な細胞検出技術を使用して形態および細胞表面マーカーの変化を測定することによって、光学または共焦点顕微鏡法を使用する細胞の形態の検査によって、および/または例えばPCRおよび遺伝子発現プロファイリングなどの当業界において周知の技術を使用して遺伝子発現の変化を測定することによってモニターすることができる。これらの技術はまた、一または複数の特定のマーカーに関して陽性である細胞を同定するのにも使用することができる。例えば、CD34に対する抗体を使用して、上記技術を使用して、細胞が検出可能な量のCD34を含むのかどうかを決定することができ、含む場合、細胞はCD34+である。同様に、細胞が、RT−PCRによって検出するのに十分なOCT−4 RNAを産生するか、または成体細胞より有意に多くのOCT−4 RNAを産生する場合、その細胞は、細胞表面マーカー(例えば、CD34などのCDマーカー)に対するOCT−4+抗体であり、幹細胞特異的遺伝子、例えばOCT−4などの配列は当業界において周知である。
胎盤細胞、特にFicoll分離、示差的な接着、またはそれら両方の組合せによって単離された細胞は、蛍光活性化セルソーター(FACS)を使用してソートされてもよい。蛍光活性化セルソーティング(FACS)は、細胞などの粒子を、粒子の蛍光特性に基づいて分離するための周知の方法である(非特許文献5参照)。個々の粒子の蛍光性部分のレーザー励起は、混合物からの陽性および陰性粒子の電磁気分離を可能にする小さい電荷を生じる。一実施形態において、細胞表面マーカー特異的な抗体またはリガンドは、別個の蛍光標識で標識される。細胞をセルソーターを介して処理することにより、使用される抗体に結合するそれらの能力に基づいて細胞の分離が可能になる。FACSでソートされた粒子は、分離およびクローニングを容易にするために、96−ウェルまたは384−ウェルプレートの個々のウェルに直接堆積させることができる。
1つのソーティングスキームにおいて、胎盤、例えばPDACからの細胞は、マーカーCD34、CD38、CD44、CD45、CD73、CD105、OCT−4および/またはHLA−Gの一または複数の発現に基づきソートされる。これは、培養中のそれらの接着特性に基づきこのような細胞を選択するための手順と共に達成することができる。例えば、組織培養プラスチックへの接着の選択は、マーカー発現に基づきソーティングの前または後に達成することができる。一実施形態において、例えば、細胞はまず、それらのCD34発現に基づきソートされ、CD34−細胞が保持されて、加えてCD200+およびHLA−G−であるCD34−細胞が、全ての他のCD34−細胞から分離される。他の実施形態において、胎盤からの細胞は、それらのマーカーCD200および/またはHLA−Gの発現に基づきソートされ、例えば、CD200を提示しHLA−Gが欠如した細胞が、さらなる使用のために単離される。具体的な実施形態において、例えばCD200を発現し、および/または例えばHLA−Gがない細胞は、それらのCD73および/もしくはCD105、または抗体SH2、SH3もしくはSH4によって認識されるエピトープの発現、またはCD34、CD38もしくはCD45の発現の欠如に基づきさらにソートすることができる。例えば、他の実施形態において、胎盤細胞は、CD200、HLA−G、CD73、CD105、CD34、CD38およびCD45の発現またはそれらの欠如によってソートされ、CD200+、HLA−G−、CD73+、CD105+、CD34−、CD38−およびCD45−である胎盤細胞が、さらなる使用のために他の胎盤細胞から単離される。
ソートされた胎盤細胞の上記実施形態のいずれかの具体的な実施形態において、ソーティング後に残存する細胞集団中の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%または95%が、前記単離された胎盤細胞である。胎盤細胞は、上記の4.1章に記載されるマーカーのいずれかの一または複数によってソートすることができる。
具体的な実施形態において、例えば、(1)組織培養プラスチックに接着性であり、(2)CD10+、CD34−およびCD105+である胎盤細胞が、他の胎盤細胞からソートされる(すなわち、それから単離される)。他の具体的な実施形態において、(1)組織培養プラスチックに接着性であり、(2)CD10+、CD34−、CD105+およびCD200+である胎盤細胞が、他の胎盤細胞からソートされる(すなわち、それから単離される)。他の具体的な実施形態において、(1)組織培養プラスチックに接着性であり、(2)CD10+、CD34−、CD45−、CD90+、CD105+およびCD200+である胎盤細胞が、他の胎盤細胞からソートされる(すなわち、それから単離される)。
胎盤細胞のヌクレオチド配列ベースの検出に関して、本明細書に列挙したマーカーの配列は、例えばGenBankまたはEMBLなどの公開された形で利用可能なデータベースで容易に入手可能である。
胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞の抗体媒介性検出およびソーティングに関して、特定のマーカーに特異的なあらゆる抗体が、細胞の検出およびソーティング(例えば、蛍光活性化セルソーティング)に好適なあらゆるフルオロフォアまたは他の標識と組み合わせて使用することができる。特異的なマーカーに対する抗体/フルオロフォアの組合せとしては、これらに限定されないが、HLA−Gに対するフルオレセインイソチオシアネート(FITC)コンジュゲートモノクローナル抗体(Serotec、ローリー、ノースカロライナ州より入手可能)、CD10(BD Immunocytometry Systems、サンノゼ、カリフォルニア州より入手可能)、CD44(BD Biosciences Pharmingen、サンノゼ、カリフォルニア州より入手可能)、およびCD105(R&D Systems Inc.、ミネアポリス、ミネソタ州より入手可能);CD44、CD200、CD117、およびCD13に対するフィコエリトリン(PE)コンジュゲートモノクローナル抗体(BD Biosciences Pharmingen);CD33およびCD10に対するフィコエリトリン−Cy7(PE Cy7)コンジュゲートモノクローナル抗体(BD Biosciences Pharmingen);CD38に対するアロフィコシアニン(APC)コンジュゲートストレプトアビジンおよびモノクローナル抗体(BD Biosciences Pharmingen);およびビオチン化CD90(BD Biosciences Pharmingen)が挙げられる。使用できる他の抗体としては、これらに限定されないが、CD133−APC(Miltenyi)、KDR−ビオチン(CD309、Abcam)、サイトケラチンK−Fitc(SigmaまたはDako)、HLA ABC−Fitc(BD)、HLA DR、DQ、DP−PE(BD)、β−2−ミクログロブリン−PE(BD)、CD80−PE(BD)およびCD86−APC(BD)が挙げられる。使用できる他の抗体/標識の組合せとしては、これらに限定されないが、CD45−PerCP(ペリジニン(peridin)クロロフィルタンパク質);CD44−PE;CD19−PE;CD10−F(フルオレセイン);HLA−G−Fおよび7−アミノ−アクチノマイシン−D(7−AAD);HLA−ABC−F;および同種のものが挙げられる。この列挙は全てを網羅したわけではなく、他の供給元からの他の抗体も商業的に利用可能である。
本明細書で提供される単離された胎盤細胞は、CD117またはCD133に関して、例えば、フィコエリトリン−Cy5(PE Cy5)コンジュゲートストレプトアビジンと、CD117またはCD133に対するビオチンコンジュゲートモノクローナル抗体とを使用してアッセイすることができる。しかしながら、このシステムを使用して、細胞は、比較的高いバックグラウンドのために、CD117またはCD133それぞれに関して陽性のように見える可能性がある。
単離された胎盤細胞は、単一のマーカーに対する抗体で標識して、検出および/ソートすることができる。また胎盤細胞は、異なるマーカーに対する複数の抗体で同時に標識することもできる。
他の実施形態において、磁気ビーズを使用して、細胞を分離することができる。細胞は、磁気ビーズ(直径0.5〜100μm)と結合するそれらの能力に基づいて粒子を分離するための方法である磁気活性化セルソーティング(MACS)技術を使用してソートすることができる。磁気マイクロスフェアに、特定の細胞表面分子またはハプテンを特異的に認識する抗体の共有結合による付加などの様々な有用な改変を行ってもよい。次いでビーズを細胞と混合して、結合を可能にする。次いで細胞を磁場に通過させて、特異的な細胞表面マーカーを有する細胞を分離する。一実施形態において、次いでこれらの細胞を単離して、追加の細胞表面マーカーに対する抗体にカップリングされた磁気ビーズと再混合することができる。細胞を磁場に再度通過させて、両方の抗体に結合した細胞を単離する。次いでこのような細胞を希釈して、別々のプレート、例えばクローン単離のためのマイクロタイタープレートなどに移すことができる。
単離された胎盤細胞はまた、細胞形態学および増殖特徴に基づいて特徴付けおよび/またはソートすることもできる。例えば、単離された胎盤細胞は、培養中、例えば線維芽細胞様の外観を有するとして特徴付けることができ、および/または線維芽細胞様の外観に基づき選択することができる。単離された胎盤細胞はまた、胚様体を有するとして特徴付けることもでき、および/または胚様体を形成するそれらの能力に基づき選択することもできる。一実施形態において、例えば、培養中、形状が線維芽細胞様であり、CD73およびCD105を発現し、一または複数の胚様体を産生する胎盤細胞が、他の胎盤細胞から単離される。他の実施形態において、培養中一または複数の胚様体を産生するOCT−4+胎盤細胞が、他の胎盤細胞から単離される。
他の実施形態において、単離された胎盤細胞は、コロニー形成単位アッセイによって同定および特徴付けすることができる。コロニー形成単位アッセイは一般的に当業界で公知であり、例えばMesenCult(商標)培地(Stem Cell Technologies,Inc.、Vancouver、British Columbia)などである。
単離された胎盤細胞は、生存能、増殖可能性、および寿命に関して、例えばトリパンブルー排除アッセイ、フルオレセイン二酢酸取り込みアッセイ、ヨウ化プロピジウム取り込みアッセイ(生存能を評価するため);およびチミジン取り込みアッセイ、MTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)細胞増殖アッセイ(増殖を評価するため)などの当業界において公知の標準的な技術を使用して評価することができる。寿命は、当業界において周知の方法によって、例えば長期の培養で集団倍加の最大回数を決定することによって決定することができる。
単離された胎盤細胞、例えば上記の4.1章に記載される単離された胎盤細胞はまた、当業界において公知の他の技術、例えば、所望の細胞の選択的な成長(陽性選択)、不要な細胞の選択的な破壊(陰性選択);例えばダイズ凝集素を用いた場合のような混成の集団中の示差的な細胞の凝集力に基づく分離;凍結融解手順;濾過;従来のおよびゾーン遠心分離;遠心水簸(対向流遠心分離(counter−streaming centrifugation));単位重力分離;向流分配;電気泳動などを使用して、他の胎盤細胞から分離することもできる。
4.2.6 単離された胎盤細胞集団
また、本明細書に記載される方法および組成物において有用な、単離された胎盤細胞集団、例えば上記の4.1章に記載される単離された胎盤細胞集団も本明細書で提供される。単離された胎盤細胞の集団は、一または複数の胎盤から直接的に単離することができ、すなわち細胞集団は、単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞集団であってもよく、単離された胎盤細胞は、潅流液から得られるかもしくは潅流液中に含有され、または破壊された胎盤組織、例えば胎盤組織の消化されたもの(すなわち、胎盤またはその部分の酵素消化により得られた細胞の収集物)から得られるかもしくはその中に含有される。また本明細書に記載される単離された胎盤細胞を培養および拡張して、単離された胎盤細胞集団を産生することもできる。また単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞集団を培養および拡張して、胎盤細胞集団を産生することもできる。
本明細書で提供される処置の方法において有用な胎盤細胞集団は、単離された胎盤細胞、例えば本明細書の4.1章に記載されたような単離された胎盤細胞を含む。様々な実施形態において、胎盤細胞集団中の細胞の、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%は、単離された胎盤細胞である。すなわち単離された胎盤細胞集団は、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もの単離された胎盤細胞ではない細胞を含んでいてもよい。
本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞集団は、例えば、酵素消化から得たのかまたは潅流から得たのかにかかわらず、特定のマーカーおよび/または特定の培養のまたは形態学的な特徴を発現する単離された胎盤細胞を選択することによって産生することができる。一実施形態において、例えば、(a)基材に接着し、(b)CD200を発現し、HLA−Gの発現が欠如している胎盤細胞を選択すること;および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって細胞集団を産生する方法が本明細書で提供される。他の実施形態において、細胞集団は、CD200を発現し、HLA−Gの発現が欠如している胎盤細胞を選択すること、および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。他の実施形態において、細胞集団は、(a)基材に接着し、(b)CD73、CD105、およびCD200を発現する胎盤細胞を選択すること;および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。他の実施形態において、細胞集団は、CD73、CD105、およびCD200を発現する胎盤細胞を同定すること、および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。他の実施形態において、細胞集団は、(a)基材に接着し、(b)CD200およびOCT−4を発現する胎盤細胞を選択すること;および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。他の実施形態において、細胞集団は、CD200およびOCT−4を発現する胎盤細胞を選択すること、および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。他の実施形態において、細胞集団は、(a)基材に接着し、(b)CD73およびCD105を発現し、(c)前記集団が胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養される場合、前記幹細胞を含む胎盤細胞集団における一または複数の胚様体様体の形成を容易にする胎盤細胞を選択すること;および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。他の実施形態において、細胞集団は、CD73およびCD105を発現し、前記集団が胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養される場合、前記幹細胞を含む胎盤細胞集団における一または複数の胚様体様体の形成を容易にする胎盤細胞を選択すること、および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。他の実施形態において、細胞集団は、(a)基材に接着し、(b)CD73およびCD105を発現し、HLA−Gの発現が欠如している胎盤細胞を選択すること;および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。他の実施形態において、細胞集団は、CD73およびCD105を発現し、HLA−Gの発現が欠如している胎盤細胞を選択すること、および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。他の実施形態において、細胞集団を産生する方法は、(a)基材に接着し、(b)OCT−4を発現し、(c)前記集団が胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養される場合、前記幹細胞を含む胎盤細胞集団における一または複数の胚様体様体の形成を容易にする胎盤細胞を選択すること;および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することを含む。他の実施形態において、細胞集団は、OCT−4を発現し、前記集団が胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養される場合、前記幹細胞を含む胎盤細胞集団における一または複数の胚様体様体の形成を容易にする胎盤細胞を選択すること、および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。
他の実施形態において、細胞集団は、(a)基材に接着し、(b)CD10およびCD105を発現し、CD34を発現しない胎盤細胞を選択すること;および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。他の実施形態において、細胞集団は、CD10およびCD105を発現し、CD34を発現しない胎盤細胞を選択すること、および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。他の実施形態において、細胞集団は、(a)基材に接着し、(b)CD10、CD105、およびCD200を発現し、CD34を発現しない胎盤細胞を選択すること;および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。他の実施形態において、細胞集団は、CD10、CD105、およびCD200を発現し、CD34を発現しない胎盤細胞を選択すること、および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。他の具体的な実施形態において、細胞集団は、(a)基材に接着し、(b)CD10、CD90、CD105およびCD200を発現し、CD34およびCD45を発現しない胎盤細胞を選択すること;および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。他の具体的な実施形態において、細胞集団は、CD10、CD90、CD105およびCD200を発現し、CD34およびCD45を発現しない胎盤細胞を選択すること、および前記細胞を他の細胞から単離して、細胞集団を形成することによって産生される。
上記の4.1章に記載されるマーカーの組合せのいずれかを有する胎盤細胞を含む細胞集団の選択物は、類似の様式で単離してもよいし、または入手してもよい。
上記実施形態のいずれかにおいて、単離された細胞集団の選択は、加えて、ABC−p(胎盤特異的なABC輸送タンパク質;例えば非特許文献6参照)を発現する胎盤細胞を選択することを含んでいてもよい。本方法はまた、例えば間充織幹細胞に特異的な少なくとも1つの特徴、例えばCD44の発現、CD90の発現、または前述のものの組合せの発現を示す細胞を選択することを含んでいてもよい。
上記の実施形態において、基材は、その上で細胞、例えば単離された胎盤細胞の培養および/または選択を達成することができるあらゆる表面であり得る。典型的には、基材は、プラスチック、例えば、組織培養皿またはマルチウェルプレートプラスチックである。組織培養プラスチックは、生体分子、例えば、ラミニンまたはフィブロネクチンでコーティングされていてもよい。
細胞、例えば単離された胎盤細胞は、細胞選択の分野において公知のあらゆる手段によって、胎盤細胞集団に関して選択することができる。例えば、細胞は、一または複数の細胞表面マーカーに対する抗体または抗体(複数)を使用して、例えば、フローサイトメトリーまたはFACSで選択することができる。選択は、抗体を磁気ビーズと共に使用して達成することができる。ある特定の幹細胞関連のマーカーに特異的な抗体は、当業界において公知である。例えば、OCT−4(Abcam、ケンブリッジ、マサチューセッツ州)、CD200(Abcam)、HLA−G(Abcam)、CD73(BD Biosciences Pharmingen、サンディエゴ、カリフォルニア州)、CD105(Abcam;BioDesign International、サーコ、メイン州)に対する抗体など。他のマーカーに対する抗体も商業的に入手可能であり、例えばCD34、CD38およびCD45が、例えばStemCell TechnologiesまたはBioDesign Internationalから入手可能である。
単離された胎盤細胞集団は、幹細胞ではない胎盤細胞、または胎盤細胞ではない細胞を含んでいてもよい。
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞を含む単離された細胞集団は、第2の細胞型、例えば胎盤由来の接着細胞ではない胎盤細胞、または例えば胎盤細胞ではない細胞を含んでいてもよい。例えば、単離された胎盤由来の接着細胞の集団は、第2のタイプの細胞の集団を含んでいてもよく、例えば第2のタイプの細胞の集団と組み合わせてもよく、前記第2のタイプの細胞は、例えば、胚幹細胞、血液細胞(例えば、胎盤血、胎盤血細胞、臍帯血、臍帯血細胞、末梢血液、末梢血液細胞、胎盤血、臍帯血、または末梢血液由来の有核細胞など)、血液から単離された幹細胞(例えば、胎盤血、臍帯血または末梢血液から単離された幹細胞)、胎盤の潅流液由来の有核細胞、例えば、胎盤の潅流液由来の総有核細胞;臍帯幹細胞、血液由来有核細胞の集団、骨髄由来間葉系間質細胞、骨髄由来間葉幹細胞、骨髄由来造血幹細胞、未加工の骨髄、成体(体性)幹細胞、組織内に含有される幹細胞の集団、培養細胞、例えば培養された幹細胞、完全に分化した細胞(例えば、軟骨細胞、線維芽細胞、羊膜細胞、骨芽細胞、筋肉細胞、心細胞など)の集団、周皮細胞などである。具体的な実施形態において、胎盤由来の接着細胞を含む細胞集団は、臍帯由来の胎盤幹細胞または幹細胞を含む。第2のタイプの細胞が血液または血液細胞である一実施形態において、細胞集団から赤血球が除去されている。
具体的な実施形態において、第2のタイプの細胞は、造血幹細胞である。このような造血幹細胞は、例えば、未処理の胎盤血、臍帯血または末梢血液内;胎盤血、臍帯血または末梢血液由来の総有核細胞中;単離された胎盤血、臍帯血または末梢血液由来のCD34+細胞の集団中;未処理の骨髄中;骨髄由来の総有核細胞中;単離された骨髄由来のCD34+細胞の集団中などに含有されていてもよい。
他の実施形態において、単離された胎盤由来の接着細胞の集団は、血管系由来の複数の成体または前駆細胞と組み合わされる。様々な実施形態において、細胞は、内皮細胞、内皮前駆細胞、筋細胞、心筋細胞、周皮細胞、血管芽細胞、筋原細胞または心筋芽細胞である。
他の実施形態において、第2の細胞型は、胚幹細胞に関連する多能性および機能のマーカーを発現させるために培養中に操作された、非胚細胞タイプである。
上記の単離された胎盤由来の接着細胞の集団の具体的な実施形態において、胎盤由来の接着細胞および第2のタイプの細胞のいずれかまたは両方は、意図された細胞のレシピエントに対して、自己であるかまたは同種である。
他の具体的な実施形態において、組成物は、胎盤由来の接着細胞、および胚幹細胞を含む。他の具体的な実施形態において、組成物は、胎盤由来の接着細胞および間葉系間質または幹細胞、例えば、骨髄由来の間葉系間質または幹細胞を含む。他の具体的な実施形態において、組成物は、骨髄由来造血幹細胞を含む。他の具体的な実施形態において、組成物は、胎盤由来接着細胞および造血前駆細胞、例えば、骨髄、胎児血、臍帯血、胎盤血、および/または末梢血液由来の造血前駆細胞を含む。他の具体的な実施形態において、組成物は、胎盤由来の接着細胞および体性幹細胞を含む。より具体的な実施形態において、前記体性幹細胞は、神経幹細胞、肝幹細胞、膵臓の幹細胞、内皮の幹細胞、心臓の幹細胞、または筋肉の幹細胞である。
他の具体的な実施形態において、第2のタイプの細胞は、前記集団中の細胞の、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、もしくは50%、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、もしくは50%、または10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、もしくは50%以下を構成する。他の具体的な実施形態において、前記組成物中のPDACは、前記組成物中の細胞の、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%を構成する。他の具体的な実施形態において、胎盤由来の接着細胞は、前記集団中の細胞の、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、もしくは45%、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、もしくは45%、または10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、もしくは45%以下を構成する。
単離された胎盤由来の接着細胞の集団中の細胞は、他のタイプの複数の細胞と、例えば幹細胞集団と、各集団中の総有核細胞の数を比較して、約100,000,000:1、50,000,000:1、20,000,000:1、10,000,000:1、5,000,000:1、2,000,000:1、1,000,000:1、500,000:1、200,000:1、100,000:1、50,000:1、20,000:1、10,000:1、5,000:1、2,000:1、1,000:1、500:1、200:1、100:1、50:1、20:1、10:1、5:1、2:1、1:1、1:2、1:5、1:10、1:100、1:200、1:500、1:1,000、1:2,000、1:5,000、1:10,000、1:20,000、1:50,000、1:100,000、1:500,000、1:1,000,000、1:2,000,000、1:5,000,000、1:10,000,000、1:20,000,000、1:50,000,000、または約1:100,000,000の比率で組み合わせることができる。単離された胎盤由来の接着細胞の集団中の細胞は同様に、複数の細胞型の複数の細胞と組み合わせることができる。
他の実施形態において、本明細書に記載される胎盤細胞集団、例えば上述したPDACは、骨形成性の胎盤接着細胞(OPAC)、例えば、「Methods and Compositions for Treatment of Bone Defects With Placental Stem Cells」という表題の2009年8月24日付けで出願された特許文献12に記載されるOPACと組み合わされるか、または羊膜由来の血管新生細胞(AMDAC)、例えば、「Amnion Derived Angiogenic Cells」という表題の特許文献13に記載されるAMDACと組み合わされ、これらの開示は、その全体が参照により組み入れられる。
4.3 単離された胎盤細胞を含む組成物
本明細書に、例えば4.1章に記載される胎盤細胞は、本明細書に記載される方法および組成物で使用するための、あらゆる生理的に許容できるまたは医学的に許容できる化合物、組成物またはデバイスと組み合わせることができる。本明細書で提供される処置の方法において有用な組成物は、本明細書に記載される胎盤細胞のいずれか一または複数を含んでいてもよい。一実施形態において、組成物は、医薬的に許容できる担体中の、医薬的に許容できる組成物、例えば胎盤細胞を含む組成物である。
一実施形態において、単離された胎盤細胞を含む組成物は、加えて、マトリックス、例えば、脱細胞化したマトリックスまたは合成マトリックスを含む。他の具体的な実施形態において、前記マトリックスは、3次元の足場である。他の具体的な実施形態において、前記マトリックスは、コラーゲン、ゼラチン、ラミニン、フィブロネクチン、ペクチン、オルニチン、またはビトロネクチンを含む。他のまたは具体的な実施形態において、マトリックスは、羊膜または羊膜由来のバイオマテリアルである。他の具体的な実施形態において、前記マトリックスは、細胞外膜タンパク質を含む。他の具体的な実施形態において、前記マトリックスは、合成化合物を含む。他の具体的な実施形態において、前記マトリックスは、生物活性化合物を含む。他の具体的な実施形態において、前記生物活性化合物は、増殖因子、サイトカイン、抗体、または5,000ダルトン未満の有機分子である。
他の実施形態において、本明細書で提供される処置の方法において有用な組成物は、前述の胎盤細胞のいずれか、または前述の胎盤細胞集団のいずれかによって馴化した培地を含む。
4.3.1 低温保存した単離された胎盤細胞
本明細書に記載される方法および組成物において有用な単離された胎盤細胞集団は、その後の使用のために、保存することができ、例えば、低温保存することができる。細胞、例えば幹細胞などの低温保存方法は当業界において周知である。単離された胎盤細胞集団は、個体に容易に投与可能な形態で調製することができ、例えば、単離された胎盤細胞集団は、医学的用途に好適な容器内に含有される。このような容器は、例えば、シリンジ、滅菌プラスチックバッグ、フラスコ、ジャー、またはそれから単離された胎盤細胞集団を容易に分配することができる他の容器であり得る。例えば、容器は、血液バッグ、またはレシピエントへの液体の静脈内投与に好適な他のプラスチックの医学的に許容できるバッグであり得る。一実施形態において、容器は、組み合わされた細胞集団の低温保存を可能にするものである。
低温保存した単離された胎盤細胞集団は、単一のドナー由来の、または複数のドナー由来の単離された胎盤細胞を含んでいてもよい。単離された胎盤細胞集団は、意図したレシピエントに対して完全にHLA適合であってもよいし、または部分的にまたは完全にHLA不適合であってもよい。
したがって、一実施形態において、単離された胎盤細胞は、本明細書に記載される方法において、容器中の組織培養プラスチック接着性の胎盤細胞集団を含む組成物の形態で使用することができる。具体的な実施形態において、単離された胎盤細胞は、低温保存される。他の具体的な実施形態において、容器は、バッグ、フラスコ、またはジャーである。他の具体的な実施形態において、前記バッグは、滅菌プラスチックバッグである。他の具体的な実施形態において、前記バッグは、例えば静脈内注入による前記単離された胎盤細胞集団の静脈内投与に好適であるか、それを可能にするか、またはそれを容易にする。バッグは、単離された胎盤細胞と一または複数の他の溶液、例えば薬物とが投与の前または投与中に混合されるように相互連結された、複数の内腔または区画を含んでいてもよい。他の具体的な実施形態において、組成物は、組み合わされた細胞集団の低温保存を容易にする一または複数の化合物を含む。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞集団は、生理的に許容できる水溶液中に含有される。他の具体的な実施形態において、前記生理的に許容できる水溶液は、0.9%のNaCl溶液である。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞集団は、前記細胞集団のレシピエントに対してHLA適合の胎盤細胞を含む。他の具体的な実施形態において、前記組み合わされた細胞集団は、前記細胞集団のレシピエントに対して少なくとも部分的にHLA不適合の胎盤細胞を含む。他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、複数のドナー由来である。
一実施形態において、容器中の単離された胎盤細胞は、単離されたCD10+、CD34−、CD105+胎盤細胞であり、前記細胞は、低温保存されており、容器内に含有される。具体的な実施形態において、前記CD10+、CD34−、CD105+胎盤細胞はまた、CD200+でもある。他の具体的な実施形態において、前記CD10+、CD34−、CD105+、CD200+胎盤細胞はまた、CD45−またはCD90+でもある。他の具体的な実施形態において、前記CD10+、CD34−、CD105+、CD200+胎盤細胞はまた、CD45−およびCD90+でもある。他の具体的な実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD13+、CD29+、CD33+、CD38−、CD44+、CD45−、CD54+、CD62E−、CD62L−、CD62P−、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80−、CD86−、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117−、CD144/VE−カドヘリン弱、CD184/CXCR4−、CD200+、CD133−、OCT−4+、SSEA3−、SSEA4−、ABC−p+、KDR−(VEGFR2−)、HLA−A,B,C+、HLA−DP,DQ,DR−、HLA−G−、またはプログラム死−1リガンド(PDL1)+、またはそれらのあらゆる組合せの一または複数である。他の具体的な実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD13+、CD29+、CD33+、CD38−、CD44+、CD45−、CD54/ICAM+、CD62E−、CD62L−、CD62P−、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80−、CD86−、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117−、CD144/VE−カドヘリン弱、CD184/CXCR4−、CD200+、CD133−、OCT−4+、SSEA3−、SSEA4−、ABC−p+、KDR−(VEGFR2−)、HLA−A,B,C+、HLA−DP,DQ,DR−、HLA−G−、およびプログラム死−1リガンド(PDL1)+である。
ある特定の他の実施形態において、上記で述べた単離された胎盤細胞は、単離されたCD200+、HLA−G−胎盤細胞であり、前記細胞は、低温保存されており、容器内に含有される。他の実施形態において、単離された胎盤細胞は、低温保存されており、容器内に含有されるCD73+、CD105+、CD200+細胞である。他の実施形態において、単離された胎盤細胞は、低温保存されており、容器内に含有されるCD200+、OCT−4+幹細胞である。他の実施形態において、単離された胎盤細胞は、低温保存されており、容器内に含有されるCD73+、CD105+細胞であり、前記単離された胎盤細胞は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で胎盤細胞集団と共に培養される場合、一または複数の胚様体様体の形成を容易にする。他の実施形態において、単離された胎盤細胞は、低温保存されており、容器内に含有されるCD73+、CD105+、HLA−G−細胞である。他の実施形態において、単離された胎盤細胞は、低温保存されており、容器内に含有されるOCT−4+胎盤細胞であり、前記細胞は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で胎盤細胞集団と共に培養される場合、一または複数の胚様体様体の形成を容易にする。
他の具体的な実施形態において、上記で述べた単離された胎盤細胞は、フローサイトメトリーによって検出されるCD34−、CD10+およびCD105+(例えば、PDAC)である、胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、神経系の表現型を有する細胞、骨形成性の表現型を有する細胞、または軟骨形成性の表現型を有する細胞に分化する能力を有する。他の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、CD200+である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD90+またはCD45−である。他の具体的な実施形態において、単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD90+またはCD45−である。他の具体的な実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD90+またはCD45−である。他の具体的な実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+、CD200+細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD90+およびCD45−である。他の具体的な実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+、CD200+、CD90+、CD45−細胞は、加えて、フローサイトメトリーによって検出されるCD80−およびCD86−である。他の具体的な実施形態において、CD34−、CD10+、CD105+細胞は、加えて、CD29+、CD38−、CD44+、CD54+、CD80−、CD86−、SH3+またはSH4+の一または複数である。他の具体的な実施形態において、細胞は、加えて、CD44+である。上記の単離されたCD34−、CD10+、CD105+胎盤細胞のいずれかの具体的な実施形態において、細胞は、加えて、CD117−、CD133−、KDR−(VEGFR2−)、HLA−A,B,C+、HLA−DP,DQ,DR−、および/またはPDL1+のうち一または複数である。
前述の低温保存した単離された胎盤細胞のいずれかの具体的な実施形態において、前記容器は、バッグである。様々な具体的な実施形態において、前記容器は、約、少なくとも、または最大で、1×106個の前記単離された胎盤細胞、5×106個の前記単離された胎盤細胞、1×107個の前記単離された胎盤細胞、5×107個の前記単離された胎盤細胞、1×108個の前記単離された胎盤細胞、5×108個の前記単離された胎盤細胞、1×109個の前記単離された胎盤細胞、5×109個の前記単離された胎盤細胞、1×1010個の前記単離された胎盤細胞、または1×1010個の前記単離された胎盤細胞を含む。前述の低温保存した集団のいずれかの他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、約、少なくとも、または最大で5回、最大で10回、最大で15回、または最大で20回継代されている。前述の低温保存した単離された胎盤細胞のいずれかの他の具体的な実施形態において、前記単離された胎盤細胞は、前記容器内で拡張される。
一実施形態において、胎盤由来の接着細胞の単回分の単位用量は、様々な実施形態において、約、少なくとも、または最大で、1×103個、3×103個、5×103個、1×104個、3×104個、5×104個、1×105個、3×105個、5×105個、1×106個、3×106個、5×106個、1×107個、3×107個、5×107個、1×108個、3×108個、5×108個、1×109個、5×109個、または1×1010個の胎盤細胞を含んでいてもよい。一実施形態において、胎盤由来の接着細胞の単回分の単位用量は、1×103個から3×103個の間、3×103個から5×103個の間、5×103個から1×104個の間、1×104個から3×104個の間、3×104個から5×104個の間、5×104個から1×105個の間、1×105個から3×105個の間、3×105個から5×105個の間、5×105個から1×106個の間、1×106個から3×106個の間、3×106個から5×106個の間、5×106個から1×107個の間、1×107個から3×107個の間、3×107個から5×107個の間、5×107個から1×108個の間、1×108個から3×108個の間、3×108個から5×108個の間、5×108個から1×109個の間、1×109個から5×109個の間、または5×109個から1×1010個の間の胎盤細胞を含んでいてもよい。一実施形態において、本明細書で提供される医薬組成物は、50%またはそれより多くの生存可能な細胞を含む(すなわち、集団中の細胞の少なくとも50%が、機能的であるかまたは生きている)胎盤由来の接着細胞の集団を含む。好ましくは、集団中の細胞の少なくとも60%が、生存可能である。より好ましくは、医薬組成物中の集団中の細胞の少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%が、生存可能である。
4.3.2 医薬組成物
単離された胎盤細胞、例えばPDACの集団、または単離された胎盤細胞を含む細胞集団は、in vivoで、例えば本明細書で提供される処置の方法で使用するための医薬組成物に製剤化することができる。このような医薬組成物は、薬学的に許容される担体、例えば塩類溶液、またはin vivoでの投与のための他の容認された生理的に許容できる溶液中に、単離された胎盤細胞の集団、または単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を含む。本明細書に記載される単離された胎盤細胞を含む医薬組成物は、本明細書の他所に記載される単離された胎盤細胞集団または単離された胎盤細胞のいずれか、またはそれらのいずれかの組合せを含んでいてもよい。医薬組成物は、胎児の、母体の、または胎児および母体両方の単離された胎盤細胞を含んでいてもよい。本明細書で提供される医薬組成物は、単一の個体または胎盤から、または複数の個体または胎盤から得られた、単離された胎盤細胞をさらに含んでいてもよい。
本明細書で提供される医薬組成物は、あらゆる数の単離された胎盤細胞を含んでいてもよい。例えば、胎盤由来の接着細胞の単回分の単位用量は、約、少なくとも、または最大で、1×103個、3×103個、5×103個、1×104個、3×104個、5×104個、1×105個、3×105個、5×105個、1×106個、3×106個、5×106個、1×107個、3×107個、5×107個、1×108個、3×108個、5×108個、1×109個、5×109個、または1×1010個の胎盤細胞、または1×103個から3×103個の間、3×103個から5×103個の間、5×103個から1×104個の間、1×104個から3×104個の間、3×104個から5×104個の間、5×104個から1×105個の間、1×105個から3×105個の間、3×105個から5×105個の間、5×105個から1×106個の間、1×106個から3×106個の間、3×106個から5×106個の間、5×106個から1×107個の間、1×107個から3×107個の間、3×107個から5×107個の間、5×107個から1×108個の間、1×108個から3×108個の間、3×108個から5×108個の間、5×108個から1×109個の間、1×109個から5×109個の間、または5×109個から1×1010個の間の胎盤細胞を含んでいてもよい。
一実施形態において、本明細書で提供される医薬組成物は、1回で、糖尿病性末梢神経障害を有する対象に投与される。一実施形態において、本明細書で提供される医薬組成物は、複数の機会で、例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、または10回より多くの回数で、糖尿病性末梢神経障害を有する対象に投与される。投薬間の間隔は、毎週、隔週、毎月、隔月または毎年であり得る。間隔はまた、不規則であってもよい。このようなレジメンに従って投与される胎盤幹細胞の用量としては、これらに限定されないが、1×103個、3×103個、5×103個、1×104個、3×104個、5×104個、1×105個、3×105個、5×105個、1×106個、3×106個、5×106個、1×107個、3×107個、5×107個、1×108個、3×108個、5×108個、1×109個、5×109個、または1×1010個の胎盤細胞、または1×103個から3×103個の間、3×103個から5×103個の間、5×103個から1×104個の間、1×104個から3×104個の間、3×104個から5×104個の間、5×104個から1×105個の間、1×105個から3×105個の間、3×105個から5×105個の間、5×105個から1×106個の間、1×106個から3×106個の間、3×106個から5×106個の間、5×106個から1×107個の間、1×107個から3×107個の間、3×107個から5×107個の間、5×107個から1×108個の間、1×108個から3×108個の間、3×108個から5×108個の間、5×108個から1×109個の間、1×109個から5×109個の間、または5×109個から1×1010個の間の胎盤幹細胞が挙げられる。具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、1×103個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、3×103個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、3×104個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、3×105個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、1×106個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、3×106個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、3×107個の胎盤幹細胞である。
一実施形態において、胎盤幹細胞を含む医薬組成物(例えば、CD10+、CD105+、CD200+、CD34−胎盤幹細胞)は、単回用量として1回で、糖尿病性末梢神経障害を有する対象に投与される。一実施形態において、胎盤幹細胞を含む医薬組成物(例えば、CD10+、CD105+、CD200+、CD34−胎盤幹細胞)は、糖尿病性末梢神経障害を有する対象に単回用量として投与され、それに続いて約1週間後に第2の用量が投与される。一実施形態において、胎盤幹細胞を含む医薬組成物(例えば、CD10+、CD105+、CD200+、CD34−胎盤幹細胞)は、糖尿病性末梢神経障害を有する対象に単回用量として投与され、それに続いて約1週間後に第2の用量が投与され、その約1週間後(すなわち、最初の投与の約2週間後)に第3の用量が投与される。このようなレジメンに従って投与される胎盤幹細胞の用量としては、これらに限定されないが、1×103個、3×103個、5×103個、1×104個、3×104個、5×104個、1×105個、3×105個、5×105個、1×106個、3×106個、5×106個、1×107個、3×107個、5×107個、1×108個、3×108個、5×108個、1×109個、5×109個、または1×1010個の胎盤細胞、または1×103個から3×103個の間、3×103個から5×103個の間、5×103個から1×104個の間、1×104個から3×104個の間、3×104個から5×104個の間、5×104個から1×105個の間、1×105個から3×105個の間、3×105個から5×105個の間、5×105個から1×106個の間、1×106個から3×106個の間、3×106個から5×106個の間、5×106個から1×107個の間、1×107個から3×107個の間、3×107個から5×107個の間、5×107個から1×108個の間、1×108個から3×108個の間、3×108個から5×108個の間、5×108個から1×109個の間、1×109個から5×109個の間、または5×109個から1×1010個の間の胎盤幹細胞が挙げられる。具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、1×103個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、3×103個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、3×104個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、3×105個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、1×106個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、3×106個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、3×107個の胎盤幹細胞である。
一実施形態において、胎盤幹細胞を含む医薬組成物(例えば、CD10+、CD105+、CD200+、CD34−胎盤幹細胞)は、糖尿病性末梢神経障害を有する対象に単回用量として投与され、それに続いて約1カ月後(例えば、初回用量の約27、28、29、30、31、32、または33日後)に第2の用量が投与される。一実施形態において、胎盤幹細胞を含む医薬組成物(例えば、CD10+、CD105+、CD200+、CD34−胎盤幹細胞)は、糖尿病性末梢神経障害を有する対象に単回用量として投与され、それに続いて約1カ月後に第2の用量が投与され、第3の用量が、その約1カ月後(すなわち、最初の投与の約2カ月後、例えば、最初の投与から、55日目もしくは約55日目、56日目もしくは約56日目、57日目もしくは約57日目、58日目もしくは約58日目、59日目もしくは約59日目、60日目もしくは約60日目、61日目もしくは約61日目、62日目もしくは約62日目、63日目もしくは約63日目、または64日目もしくは約64日目)投与される。このようなレジメンに従って投与される胎盤幹細胞の用量としては、これらに限定されないが、1×103個、3×103個、5×103個、1×104個、3×104個、5×104個、1×105個、3×105個、5×105個、1×106個、3×106個、5×106個、1×107個、3×107個、5×107個、1×108個、3×108個、5×108個、1×109個、5×109個、または1×1010個の胎盤細胞、または1×103個から3×103個の間、3×103個から5×103個の間、5×103個から1×104個の間、1×104個から3×104個の間、3×104個から5×104個の間、5×104個から1×105個の間、1×105個から3×105個の間、3×105個から5×105個の間、5×105個から1×106個の間、1×106個から3×106個の間、3×106個から5×106個の間、5×106個から1×107個の間、1×107個から3×107個の間、3×107個から5×107個の間、5×107個から1×108個の間、1×108個から3×108個の間、3×108個から5×108個の間、5×108個から1×109個の間、1×109個から5×109個の間、または5×109個から1×1010個の間の胎盤幹細胞が挙げられる。具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、1×103個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、3×103個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、3×104個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、3×105個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、1×106個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、3×106個の胎盤幹細胞である。他の具体的な実施形態において、医薬組成物中の胎盤幹細胞の用量は、3×107個の胎盤幹細胞である。
本明細書で提供される医薬組成物は、50%またはそれより多くの生存可能な細胞を含む細胞の集団を含む(すなわち、集団中の細胞の少なくとも50%が、機能的であるかまたは生きている)。好ましくは、集団中の細胞の少なくとも60%が、生存可能である。より好ましくは、医薬組成物中の集団中の細胞の少なくとも70%、80%、90%、95%、または99%が、生存可能である。
本明細書で提供される医薬組成物は、例えば生着を促進する一または複数の化合物(例えば、抗T細胞受容体抗体、免疫抑制剤、または同種のもの);安定剤、例えばアルブミン、デキストラン40、ゼラチン、ヒドロキシエチルデンプン、プラズマライト(plasmalyte)、および同種のものを含んでいてもよい。
注射用溶液として製剤化される場合、一実施形態において、医薬組成物は、約1%から1.5%のHSAおよび約2.5%デキストランを含む。好ましい実施形態において、医薬組成物は、5%HSAおよび10%デキストランを含み、任意選択で免疫抑制剤、例えばサイクロスポリンAを例えば10mg/kgで含む溶液中、1ミリリットル当たり約5×106個の細胞から1ミリリットル当たり約2×107個の細胞を含む。
他の実施形態において、医薬組成物、例えば溶液は、複数の細胞、例えば単離された胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞を含み、前記医薬組成物は、1ミリリットル当たり約1.0±0.3×106個から1ミリリットル当たり約5.0±1.5×106個の間の細胞を含む。他の実施形態において、医薬組成物は、1ミリリットル当たり約1.5×106個から1ミリリットル当たり約3.75×106個の間の細胞を含む。他の実施形態において、医薬組成物は、1mL当たり約1×106個から1mL当たり約50×106個の間の細胞、1mL当たり約1×106個から1mL当たり約40×106個の間の細胞、1mL当たり約1×106個から1mL当たり約30×106個の間の細胞、1mL当たり約1×106個から1mL当たり約20×106個の間の細胞、1mL当たり約1×106個から約15×1mL当たり106個の間の細胞、または1mL当たり約1×106個から1mL当たり約10×106個の間の細胞を含む。一実施形態において、医薬組成物は、目に見える細胞凝集塊を含まない(すなわち、大きい細胞凝集塊を含まない)か、またはこのような目に見える凝集塊を実質的に含まない。本明細書で使用される場合、「大きい細胞凝集塊」は、拡大せずに目に見える、例えば肉眼で見える細胞の集合体を意味し、一般的に約150ミクロンより大きい細胞集合体を指す。一部の実施形態において、医薬組成物は、約2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、8.5%、9.0%、9.5%または10%のデキストラン、例えばデキストラン−40を含む。具体的な実施形態において、前記組成物は、約7.5%から約9%のデキストラン−40を含む。具体的な実施形態において、前記組成物は、約5.5%のデキストラン−40を含む。一実施形態において、医薬組成物は、約1%から約15%のヒト血清アルブミン(HSA)を含む。具体的な実施形態において、医薬組成物は、約1%、2%、3%、4%、5%、65、75、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%または15%のHSAを含む。具体的な実施形態において、前記細胞は、低温保存および融解されている。他の具体的な実施形態において、前記細胞は、70μMから100μMのフィルターに通過させて濾過されている。他の具体的な実施形態において、前記組成物は、目に見える細胞凝集塊を含まない。他の具体的な実施形態において、前記組成物は、細胞106個当たり約200個より少ない細胞凝集塊を含み、前記細胞凝集塊は、顕微鏡、例えば光学顕微鏡下でのみ目に見える。他の具体的な実施形態において、前記組成物は、細胞106個当たり約150個より少ない細胞凝集塊を含み、前記細胞凝集塊は、顕微鏡、例えば光学顕微鏡下でのみ目に見える。他の具体的な実施形態において、前記組成物は、細胞106個当たり約100個より少ない細胞凝集塊を含み、前記細胞凝集塊は、顕微鏡、例えば光学顕微鏡下でのみ目に見える。
具体的な実施形態において、医薬組成物は、1ミリリットル当たり約1.0±0.3×106個の細胞、約5.5%デキストラン−40(w/v)、約10%HSA(w/v)、および約5%DMSO(v/v)を含む。他の具体的な実施形態において、本明細書で提供される胎盤幹細胞を含む医薬組成物は、約5.75%デキストラン40、約10%ヒト血清アルブミン、および約2.5%DMSOを含む。
他の実施形態において、医薬組成物は、10%デキストラン−40を含む溶液中に、複数の細胞、例えば複数の単離された胎盤細胞を含み、医薬組成物は、1ミリリットル当たり約1.0±0.3×106個から1ミリリットル当たり約5.0±1.5×106個の間の細胞を含み、前記組成物は、肉眼で見える細胞凝集塊を含まない(すなわち、大きい細胞凝集塊を含まない)。一部の実施形態において、医薬組成物は、1ミリリットル当たり約1.5×106個から1ミリリットル当たり約3.75×106個の間の細胞を含む。具体的な実施形態において、前記細胞は、低温保存および融解されている。他の具体的な実施形態において、前記細胞は、70μMから100μMのフィルターを通過させて濾過されている。他の具体的な実施形態において、前記組成物は、細胞106個当たり約200個より少ない極小の細胞凝集塊(すなわち、拡大しないと目に見えない細胞凝集塊)を含む。他の具体的な実施形態において、医薬組成物は、細胞106個当たり約150個より少ない極小の細胞凝集塊を含む。他の具体的な実施形態において、医薬組成物は、細胞106個当たり約100個より少ない極小の細胞凝集塊を含む。他の具体的な実施形態において、医薬組成物は、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、もしくは2%未満のDMSO、または1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、もしくは0.1%未満のDMSOを含む。
さらに、細胞を含む組成物であって、前記組成物は、本明細書で開示された方法の1つによって産生される、組成物が本明細書において提供される。例えば、一実施形態において、医薬組成物は、細胞を含み、医薬組成物は、胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞を含む溶液を濾過して、濾過された細胞を含有する溶液を形成すること;例えば低温保存の前に、濾過された細胞を含有する溶液を第1の溶液で、1ミリリットル当たり約1から50×106、1から40×106、1から30×106、1から20×106、1から15×106、または1から10×106個の細胞に希釈すること;および得られた濾過された細胞を含有する溶液を、デキストランを含むがヒト血清アルブミン(HSA)を含まない第2の溶液で希釈して、前記組成物を産生することを含む方法によって産生される。一実施形態において、前記希釈は、1ミリリットル当たり約15×106個の細胞以下への希釈である。一実施形態において、前記希釈は、1ミリリットル当たり約10±3×106個の細胞以下への希釈である。一実施形態において、前記希釈は、1ミリリットル当たり約7.5×106個の細胞以下への希釈である。他の一実施形態において、濾過された細胞を含有する溶液が、希釈前に1ミリリットル当たり約15×106個未満の細胞を含む場合、濾過は、任意選択である。他の一実施形態において、濾過された細胞を含有する溶液が、希釈前に、1ミリリットル当たり約10±3×106個未満の細胞を含む場合、濾過は、任意選択である。他の一実施形態において、濾過された細胞を含有する溶液が、希釈前に、1ミリリットル当たり約7.5×106個未満の細胞を含む場合、濾過は、任意選択である。
具体的な実施形態において、細胞は、第1の希釈溶液での前記希釈から前記第2の希釈溶液での前記希釈の間、低温保存される。他の具体的な実施形態において、第1の希釈溶液は、デキストランおよびHSAを含む。第1の希釈溶液または第2の希釈溶液中のデキストランは、あらゆる分子量を有するデキストランであってもよく、例えば約10kDaから約150kDaの分子量を有するデキストランであってもよい。一部の実施形態において、前記第1の希釈溶液または前記第2の溶液中の前記デキストランは、約2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、8.5%、9.0%、9.5%または10%デキストランである。他の具体的な実施形態において、前記第1の希釈溶液または前記第2の希釈溶液中のデキストランは、デキストラン−40である。他の具体的な実施形態において、前記第1の希釈溶液および前記第2の希釈溶液中のデキストランは、デキストラン−40である。他の具体的な実施形態において、前記第1の希釈溶液中の前記デキストラン−40は、5.0%のデキストラン−40である。他の具体的な実施形態において、前記第1の希釈溶液中の前記デキストラン−40は、5.5%のデキストラン−40である。他の具体的な実施形態において、前記第2の希釈溶液中の前記デキストラン−40は、10%のデキストラン−40である。他の具体的な実施形態において、HSAを含む前記溶液中の前記HSAは、1から15%のHSAである。他の具体的な実施形態において、HSAを含む前記溶液中の前記HSAは、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%または15%のHSAである。他の具体的な実施形態において、HSAを含む前記溶液中の前記HSAは、10%のHSAである。他の具体的な実施形態において、前記第1の希釈溶液は、HSAを含む。他の具体的な実施形態において、前記第1の希釈溶液中の前記HSAは、10%のHSAである。他の具体的な実施形態において、前記第1の希釈溶液は、凍結防止剤を含む。他の具体的な実施形態において、前記凍結防止剤は、DMSOである。他の具体的な実施形態において、前記第2の希釈溶液中の前記デキストラン−40は、約10%のデキストラン−40である。他の具体的な実施形態において、前記細胞を含む組成物は、約7.5%から約9%のデキストランを含む。他の具体的な実施形態において、医薬組成物は、1ミリリットル当たり約1.0±0.3×106個の細胞から1ミリリットル当たり約5.0±1.5×106個の細胞を含む。他の具体的な実施形態において、医薬組成物は、1ミリリットル当たり約1.5×106個の細胞から1ミリリットル当たり約3.75×106個の細胞を含む。
他の実施形態において、医薬組成物は、(a)低温保存の前に、胎盤細胞を含む細胞を含有する溶液、例えば胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞を濾過して、濾過された細胞を含有する溶液を産生すること;(b)濾過された細胞を含有する溶液中の細胞を、1ミリリットル当たり約1から50×106個、1から40×106個、1から30×106個、1から20×106個、1から15×106個、または1から10×106個の細胞で低温保存すること;(c)細胞を融解すること;および(d)濾過された細胞を含有する溶液を、デキストラン−40溶液で約1:1から約1:11(v/v)に希釈することを含む方法によって作製される。一実施形態において、ステップ(a)の前に細胞の数が1ミリリットル当たり細胞約10±3×106個未満である場合、濾過は、任意選択である。他の具体的な実施形態において、ステップ(b)における細胞は、1ミリリットル当たり約10±3×106個の細胞で低温保存される。他の具体的な実施形態において、ステップ(b)における細胞は、約5%から約10%のデキストラン−40およびHSAを含む溶液中で低温保存される。一実施形態において、ステップ(b)における前記希釈は、1ミリリットル当たり約15×106個の細胞以下への希釈である。
他の実施形態において、医薬組成物は、(a)10%HSAを含む5.5%デキストラン−40溶液中に、胎盤細胞、例えば胎盤幹細胞または複能性胎盤細胞を懸濁して、細胞を含有する溶液を形成すること;(b)細胞を含有する溶液を、70μMフィルターを介して濾過すること;(c)細胞を含有する溶液を、5.5%デキストラン−40、10%HSA、および5%DMSOを含む溶液で、1ミリリットル当たり約1から50×106個、1から40×106個、1から30×106個、1から20×106個、1から15×106個、または1から10×106個の細胞に希釈すること;(d)細胞を低温保存すること;(e)細胞を融解すること;および(f)細胞を含有する溶液を10%デキストラン−40で1:1から1:11(v/v)に希釈することを含む方法によって作製される。一実施形態において、ステップ(c)における前記希釈は、1ミリリットル当たり約15×106個の細胞以下への希釈である。一実施形態において、ステップ(c)における前記希釈は、細胞約10±3×106個/mL以下への希釈である。一実施形態において、ステップ(c)における前記希釈は、細胞約7.5×106個/mL以下への希釈である。
他の実施形態において、細胞を含む組成物は、(a)複数の細胞を遠心分離して、細胞を収集するステップ;(b)5.5%デキストラン−40に細胞を再懸濁するステップ;(c)細胞を遠心分離して、細胞を収集するステップ;(d)10%HSAを含む5.5%デキストラン−40溶液に細胞を再懸濁するステップ;(e)細胞を、70μMフィルターを介して濾過するステップ;(f)細胞を、5.5%デキストラン−40、10%HSA、および5%DMSOで、細胞1ミリリットル当たり約1から50×106、1から40×106、1から30×106、1から20×106、1から15×106、または1から10×106個に希釈するステップ;(g)細胞を低温保存するステップ;(h)細胞を融解するステップ;および(i)細胞を10%のデキストラン−40で1:1から1:11(v/v)に希釈するステップを含む方法によって作製される。一実施形態において、ステップ(f)における前記希釈は、1ミリリットル当たり約15×106個の細胞以下への希釈である。一実施形態において、ステップ(f)における前記希釈は、約10±3×106個/mLの細胞以下への希釈である。一実施形態において、ステップ(f)における前記希釈は、約7.5×106個/mLの細胞以下への希釈である。他の一実施形態において、細胞の数が1ミリリットル当たり細胞約10±3×106個未満である場合、濾過は、任意選択である。
組成物、例えば、本明細書に記載される単離された胎盤細胞を含む医薬組成物は、本明細書に記載される単離された胎盤細胞のいずれかを含んでいてもよい。
細胞生成物の投与に好適な他の注射製剤が使用されてもよい。
一実施形態において、医薬組成物は、実質的または完全に非母体起源である、すなわち胎児の遺伝子型を有する、例えば、少なくとも約90%、95%、98%、99%または約100%が非母体起源である、単離された胎盤細胞を含む。例えば、一実施形態において、医薬組成物は、単離された胎盤細胞の集団を含み、該単離された胎盤細胞の集団は、CD200+およびHLA−G−;CD73+、CD105+、およびCD200+;CD200+およびOCT−4+;CD73+、CD105+およびHLA−G−;CD73+およびCD105+であり、前記胎盤細胞の集団が胚様体の形成を可能にする条件下で培養される場合、単離された胎盤細胞の前記集団を含む胎盤細胞の集団において一または複数の胚様体の形成を促進するか;またはOCT−4+であり、前記胎盤細胞の集団が胚様体の形成を可能にする条件下で培養される場合、単離された胎盤細胞の前記集団を含む胎盤細胞の集団において一または複数の胚様体の形成を促進するか;または前述の組合せであり、前記単離された胎盤細胞の少なくとも70%、80%、90%、95%または99%が、非母体起源である。他の実施形態において、医薬組成物は、単離された胎盤細胞の集団を含み、該単離された胎盤細胞の集団は、CD10+、CD105+およびCD34−;CD10+、CD105+、CD200+およびCD34−;CD10+、CD105+、CD200+、CD34−およびCD90+またはCD45−の少なくとも1つ;CD10+、CD90+、CD105+、CD200+、CD34−およびCD45−;CD10+、CD90+、CD105+、CD200+、CD34−およびCD45−;CD200+およびHLA−G−;CD73+、CD105+、およびCD200+;CD200+およびOCT−4+;CD73+、CD105+およびHLA−G−;CD73+およびCD105+であり、前記胎盤細胞の集団が胚様体の形成を可能にする条件下で培養される場合、前記単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞の集団において一または複数の胚様体の形成を促進するか;OCT−4+であり、前記胎盤細胞の集団が胚様体の形成を可能にする条件下で培養される場合、前記単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞の集団において一または複数の胚様体の形成を促進するか;またはCD117−、CD133−、KDR−、CD80−、CD86−、HLA−A,B,C+、HLA−DP、DQ、DR−、および/またはPDL1+の一または複数であるか;または前述の組合せであり、前記単離された胎盤細胞の少なくとも70%、80%、90%、95%または99%が、非母体起源である。具体的な実施形態において、医薬組成物は加えて、胎盤から得られたものではない幹細胞を含む。
本明細書で提供される組成物、例えば医薬組成物中の単離された胎盤細胞は、単一のドナー由来、または複数のドナー由来の胎盤細胞を含んでいてもよい。単離された胎盤細胞は、意図されたレシピエントに対して完全にHLA適合であってもよいし、または部分的または完全にHLA不適合であってもよい。
4.3.3 単離された胎盤細胞を含むマトリックス
さらに、胎盤細胞または単離された胎盤細胞の集団を含むマトリックス、ヒドロゲル、足場、および同種のものを含む組成物が本明細書において提供される。このような組成物は、液体懸濁液中の細胞の代わりに、またはそれに加えて使用することができる。
本明細書に記載される単離された胎盤細胞は、天然マトリックス、例えば羊膜材料などの胎盤のバイオマテリアル上に植え付けることができる。このような羊膜材料は、例えば、哺乳類胎盤から直接切り出された羊膜;固定または加熱処理された羊膜、実質的に乾燥した(すなわち、<20%H2O)羊膜、絨毛膜、実質的に乾燥した絨毛膜、実質的に乾燥した羊膜および絨毛膜、ならびに同種のものであり得る。その上に単離された胎盤細胞を植え付けることができる好ましい胎盤のバイオマテリアルは、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み入れられるハリリ(Hariri)、特許文献14に記載される。
本明細書に記載される単離された胎盤細胞は、例えば注射に好適なヒドロゲル溶液に懸濁することができる。このような組成物に好適なヒドロゲルとしては、自己集合ペプチド、例えばRAD16などが挙げられる。一実施形態において、細胞を含むヒドロゲル溶液は、例えばモールド中で硬化させて、埋め込みのための細胞を分散させたマトリックスを形成することができる。このようなマトリックス中の単離された胎盤細胞はまた、埋め込み前に細胞が有糸分裂によって拡張されるように培養することもできる。ヒドロゲルは、例えば、水分子を封じ込めてゲルを形成する3次元の開放格子構造を作り出すために、共有結合、イオン結合、または水素結合を介して架橋された有機ポリマー(天然または合成)である。ヒドロゲルを形成する材料としては、例えばアルギネートおよびそれらの塩などの多糖類、ペプチド、ポリホスファジン(polyphosphazine)、およびイオン架橋されたポリアクリレート、または例えばそれぞれ温度またはpHによって架橋されたポリエチレンオキシド−ポリプロピレングリコールブロックコポリマーなどのブロックポリマーが挙げられる。一部の実施形態において、ヒドロゲルまたはマトリックスは、生分解性である。
一部の実施形態において、製剤は、in situにおいて重合性のゲルを含む(例えば、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる特許文献15;非特許文献7;非特許文献8参照)。
一部の実施形態において、ポリマーは、例えば水、緩衝化された塩溶液、または電荷を有する側基またはその1価イオン性塩を有する水性アルコール溶液などの水溶液中で、少なくとも部分的に可溶性である。カチオンと反応できる酸性側基を有するポリマーの例は、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、アクリル酸とメタクリル酸とのコポリマー、ポリ(酢酸ビニル)、およびスルホン化ポリマー、例えばスルホン化ポリスチレンなどである。アクリル酸またはメタクリル酸とビニルエーテル単量体またはポリマーとの反応によって形成された酸性側基を有するコポリマーも、使用することができる。酸性基の例は、カルボン酸基、スルホン酸基、ハロゲン化(好ましくは、フッ素化)アルコール基、フェノール系OH基、および酸性OH基である。
具体的な実施形態において、マトリックスは、フェルトであり、これは、生体吸収性材料、例えばPGA、PLA、PCLコポリマーもしくはブレンド、またはヒアルロン酸から作製されるマルチフィラメントヤーンで構成することができる。ヤーンは、クリンピング、カッティング、カーディングおよびニードリングからなる標準的な繊維加工技術を使用してフェルトになる。他の好ましい実施形態において、本発明の細胞は、複合構造であり得る発泡体の足場上に植え付けられる。加えて3次元フレームワークを、例えば修復、置き換え、または増大させようとする体内の具体的な構造などの有用な形状に成形することができる。使用できる足場の他の例としては、不織布マット、多孔質発泡体、または自己集合ペプチドが挙げられる。不織布マットは、グリコール酸と乳酸との合成吸収性コポリマー(例えば、PGA/PLA)で構成される繊維(VICRYL、Ethicon,Inc.、Somerville、N.J.)を使用して形成することができる。例えばフリーズドライまたは凍結乾燥などのプロセスによって形成された例えばポリ(ε−カプロラクトン)/ポリ(グリコール酸)(PCL/PGA)コポリマーで構成される発泡体(例えば、特許文献16参照)も、足場として使用することができる。
本明細書に記載される単離された胎盤細胞またはそれらの共培養物は、3次元フレームワークまたは足場上に植え付けて、in vivoで埋め込むことができる。このようなフレームワークは、いずれか一または複数の増殖因子、細胞、薬物または例えば組織形成を刺激する他の要素と組み合わせて埋め込むことができる。
使用できる足場の例としては、不織布マット、多孔質発泡体、または自己集合ペプチドが挙げられる。不織布マットは、グリコール酸と乳酸との合成吸収性コポリマー(例えば、PGA/PLA)で構成される繊維(VICRYL、Ethicon,Inc.、Somerville、N.J.)を使用して形成することができる。例えばフリーズドライまたは凍結乾燥などのプロセスによって形成された例えばポリ(ε−カプロラクトン)/ポリ(グリコール酸)(PCL/PGA)コポリマーで構成される発泡体(例えば、特許文献16参照)も、足場として使用することができる。
他の実施形態において、単離された胎盤細胞は、フェルト上に植え付けてもよいし、またはフェルトと接触させてもよく、このようなフェルトは、例えばPGA、PLA、PCLコポリマーもしくはブレンド、またはヒアルロン酸などの生体吸収性材料から作製されるマルチフィラメントヤーンで構成することができる。
本明細書で提供される単離された胎盤細胞は、他の実施形態において、複合構造であり得る発泡体の足場上に植え付けることができる。このような発泡体の足場は、有用な形状、例えば修復、置き換えまたは増大させようとする体内の具体的な構造の部分の形状などに成形することができる。一部の実施形態において、フレームワークは、例えば0.1M酢酸で処理され、続いて細胞の付着を強化するために、細胞の植え付けの前にポリリシン、PBS、および/またはコラーゲン中でインキュベートされる。細胞の付着または増殖および組織の分化を向上させるために、マトリックスの外部表面を、例えば、マトリックスを血漿でコーティングすること、または一または複数のタンパク質(例えば、コラーゲン、弾性線維、細網線維)、糖タンパク質、グリコサミノグリカン(例えば、ヘパリン硫酸、コンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸、デルマタン硫酸、ケラチン硫酸など)、細胞マトリックス、ならびに/または例えば、これらに限定されないが、ゼラチン、アルギネート、寒天、アガロース、および植物ゴムなどの他の材料を付加することによって改変することができる。
一部の実施形態において、足場は、それを非血栓形成性にする材料を含むか、またはそれで処理される。これらの処理および材料も、内皮増殖、移動、および細胞外マトリックス堆積を促進および維持する可能性がある。これらの材料および処理の例としては、これらに限定されないが、天然材料、例えばラミニンおよびIV型コラーゲンなどの基底膜タンパク質、例えばEPTFEなどの合成材料、ならびにセグメント化ポリウレタン尿素シリコーン、例えばPURSPAN(商標)(The Polymer Technology Group,Inc.、Berkeley、Calif.)などが挙げられる。足場はまた、例えばヘパリンなどの抗血栓剤を含んでいてもよく、足場はまた、単離された胎盤細胞での植え付けの前に、表面電荷を変更するように処理することもできる(例えば、血漿でのコーティング)。
本明細書で提供される胎盤細胞(例えば、PDAC)はまた、生理的に許容できるセラミック材料上に植え付けてもよいし、またはそれと接触させてもよく、このような材料としては、これらに限定されないが、リン酸モノ、ジ、トリ、アルファ−トリ、ベータ−トリ、およびテトラカルシウム、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、硫酸カルシウム、フッ化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウムカルシウム、生物学的に活性なガラス、例えばバイオグラス(登録商標)など、およびそれらの混合物などが挙げられる。現在市販されている多孔質生体適合性セラミック材料としては、SURGIBONE(登録商標)(CanMedica Corp.、Canada)、ENDOBON(登録商標)(Merck Biomaterial France、France)、CEROS(登録商標)(Mathys,AG、Bettlach、Switzerland)、ならびに石灰化コラーゲン骨移植製品、例えばHEALOS(商標)(DePuy,Inc.、Raynham、MA)およびVITOSS(登録商標)、RHAKOSS(商標)、およびCORTOSS(登録商標)(Orthovita、Malvern、Pa.)などが挙げられる。フレームワークは、天然および/または合成材料の混合物、ブレンドまたは複合材料であってもよい。
一実施形態において、単離された胎盤細胞は、細胞約0.5×106から約8×106個/mLで、好適な足場上に植え付けてもよいし、または好適な足場と接触させてもよい。
5.実施例
5.1 実施例1:処置方法
5.1.1 胎盤幹細胞を使用したDPNの処置
I型糖尿病を有する52歳の男性が、左脚に無感覚と痛みを呈している。糖尿病性末梢神経障害の診断がなされる。診断後、対象を、以下のレジメンに従ってCD10+、CD34−、CD105+、CD200+胎盤幹細胞で処置する:3×107個のCD10+、CD34−、CD105+、CD200+胎盤幹細胞を、連続3カ月にわたり月1回、筋肉内投与する。次の24カ月にわたり、DPNのいずれかの症状における改善の徴候に関して個体をモニターする。皮膚生検中の表皮内神経線維の定量および定性によって測定された表皮内神経線維密度における改善など、DPNの症状のいずれかがモニター期間中に改善する場合、治療有効性が確立される。
5.2 実施例2:DPN処置プロトコール
少なくとも18歳の糖尿病性末梢神経障害(DPN)を有する対象を、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞で処置する。対象グループI:3×106個のCD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞を、1日目(処置の初日)、29日目、および57日目に筋肉内投与する。対象グループII:3×107個のCD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞を、1日目(処置の初日)、29日目、および57日目に筋肉内投与する。対象グループIII:プラセボを、1日目(処置の初日)、29日目、および57日目に筋肉内投与する。各胎盤幹細胞の用量は、15回の0.30mlの注射として投与され、投与は、対象のひざの下から足首の上の間である。
(臨床エンドポイント)
DPNを処置するためのCD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞の効能に関する主要臨床エンドポイントは、皮膚生検中の表皮内神経線維の定量および定性によって測定した場合の表皮内神経線維密度における改善であり得る。神経線維の数/密度の増加は、神経障害の改善を示す。
(対象の選択)
以下の適格基準は、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞での処置が適切であるとみなされる対象を選択するのに使用することができる。この処置プロトコールが特定の対象に好適であるかどうかを決定する場合、全ての関連する医学的および非医学的状態が考慮される。
対象は、処置プロトコールに適格であるためには、以下の条件を満たすと予想される:
・男性および女性、少なくとも18歳またはそれを超える。
・米国糖尿病学会(ADA)または世界保健機関(WHO)基準で定義されるような2型糖尿病(DM)。
・以下:(a)異常な症状(NTSS−6≧6ポイント(合計スコア)、または一または複数の症状につき≧2.0ポイント)、および(b)異常な徴候(2〜24のUENSスコアおよび/または2〜10のNIS−LLスコア)を含む、2型糖尿病による糖尿病性末梢神経障害(DPN)の確立された基準を満たす。
・妊娠の可能性がある女性は、スクリーニングで陰性の血清妊娠検査を示し、研究療法での処置の前に陰性の尿妊娠検査を示していなければならない。加えて、性的に活発な妊娠可能な女性(FCBP;Females of Child Bearing Potential)は、研究期間中、以下の適切な避妊方法の形態、例えば:経口、注射、または埋め込み型のホルモンによる避妊、卵管結紮、子宮内避妊具(IUD)、殺精子薬でのバリア避妊法または精管切除したパートナーなどのうち2つを同時に使用することに同意していなければならない。
・男性(精管切除術を受けた男性を包含する)は、研究期間中、FCBPとの性行為のときにバリア避妊(ラテックスコンドーム)を使用することに同意していなければならない。
以下の条件のうち一または複数を有する対象は、処置プロトコールから排除することができる:
・対象の研究への参加を妨げると予想されるあらゆる重大な病状、検査所見の異常、または精神病。
・糖尿病の対象における神経障害の他の原因:慢性炎症性脱髄性多発神経障害;ビタミンB12欠乏、甲状腺機能低下症、および尿毒症症候群による神経障害;または閉じ込めもしくは外傷による神経障害。
・急性有痛性糖尿病性神経障害症候群:迅速な血糖管理の状況で起こる治療誘発性糖尿病性神経障害の可逆的な経過;糖尿病性神経障害性悪液質;および意図的な体重の減少に伴いみられる糖尿病による食欲低下、糖尿病性神経障害。
・重症末梢動脈疾患(PAD)と診断される前の病歴。
・複数回の筋肉内(IM)注射による重度の皮下出血または出血を回避するための、血小板減少症および凝固障害。
・研究に参加しようとすれば対象を許容できないリスクにさらす検査所見の異常が存在するなどのあらゆる状態。
・研究からデータを解釈する能力を混乱させるあらゆる状態。
・DPN処置のためにオピオイドを摂取している対象。
・妊娠中または授乳の女性。
・スクリーニング時に>40kg/m2の肥満指数を有する対象。
・DM以外の状態および/もしくは重大な共存する神経疾患(例えば、パーキンソン病、てんかん、多発性硬化症、アルコール性末梢神経障害)、または神経障害の症状を引き起こす疑いのある薬剤(例えば、これらに限定されないが、メトロニダゾール、抗結核薬、および重金属など)への曝露により生じる神経障害。
・腓腹感覚神経の活動電位がないこと、またはUENS>24および/またはNIS−LL>10によって測定した場合の、進行中の神経障害。
・重症虚血肢と診断される前の病歴。
・糖尿病性足潰瘍の病歴(どのような時でも)および/または糖尿病(DM)による四肢の血管再建術および/または切断を受けていること。
・1型DMの診断、および/または以下:35歳より前のDMの診断;DM診断後の1年以内における、DMの処置に必要なインスリン;糖尿病性ケトアシドーシスの病歴のいずれか。
・スクリーニング時において、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、またはアルカリホスファターゼが、≧2.5×正常値上限(ULN)であること。
・スクリーニング時に、腎疾患における食物変更研究(Modification of Diet in Renal Disease Study)の式を使用して計算した場合、糸球体濾過率(eGFR)が<30mL/分/1.73m2と推測されること、または過去1年の間、60未満の異常なeGFRの病歴、および>15mL/分/1.73m2が正常値未満に低下すること。
・スクリーニング時に、ビリルビンレベルが>2mg/dLであること(対象が公知のジルベール病を有していない限り)。
・IP投与前の4週間以内における、未処置の慢性感染または全身性抗生物質でのあらゆる感染の処置。
・制御不能な高血圧(スクリーニング中、対象が少なくとも5分間座って安静にしている間に採られた2回の独立した測定で、拡張期血圧>100mmHgまたは収縮期血圧>180mmHgであることと定義される)。
・これらに限定されないが、悪性の心室性不整脈、CCS分類III〜IVの狭心症、インフォームドコンセントフォーム(ICF)に署名する6カ月前の心筋梗塞/経皮的冠動脈形成術(PCI)/冠状動脈バイパス移植(CABG)、その後の3カ月における保留中の冠動脈再建術、インフォームドコンセントフォームに署名する6カ月前の一過性虚血発作/脳血管発作、および/またはニューヨーク心臓協会[NYHA]のステージIIIまたはIVのうっ血性心不全などの重大な心臓障害の病歴。注釈:安定なカナダ心臓血管学会(CCS;Canadian Cardiovascular Society)分類I〜IIの狭心症は許容される。
・スクリーニング時における管理不良のDM(ヘモグロビンA1c>10%)。
・スクリーニング時における未処置の増殖性網膜症。
・付随する疾患に起因する2年間未満の期待寿命。
・5年以内の悪性腫瘍の病歴、ただし以下の環境を除く:皮膚の基底細胞または扁平上皮癌、現在治癒したとみなされるがんの既往歴、または陽性Papスメアとそれに続く陰性の経過観察。
・ウシまたはブタ生成物の要素のいずれか、デキストラン40、およびジメチルスルホキシド[DMSO])に対する過敏症の病歴。
・対象が、研究療法で処置する前の90日以内(または5倍半減期以内のどちらかより長いほう)に、治験薬剤、すなわちいずれの適応症においても市販用途に関して米国食品医薬品局(FDA)に承認されていない薬剤またはデバイスを受けていること、またはこの研究が終わる前に他の治療研究への参加を計画していること、またはこれまでのいずれかの時期に遺伝子または細胞療法を受けたことがあること。
(臨床転帰)
一または複数の臨床エンドポイントにおける改善が実証されれば、DPNの処置におけるCD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞の効能が確認される。
(均等物)
本発明の開示は、本明細書に記載される具体的な実施形態によって範囲が限定されないものとする。実際に、記載されたものに加えて、前述の説明から本明細書で提供される主題の様々な改変が当業者には明らかになると予想される。このような改変は、添付の特許請求の範囲内に含まれるものとする。
様々な刊行物、特許および特許出願が本明細書に引用されており、これらの開示は、参照によりそれらの全体が組み入れられる。

Claims (12)

  1. 糖尿病性末梢神経障害を有する対象を処置する方法であって、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞を含む組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  2. 前記糖尿病性末梢神経障害が、前記対象の手、足、腕または脚のうち一または複数に影響を与える、請求項1記載の方法。
  3. 前記糖尿病性末梢神経障害が、前記対象の手、足、腕、または脚のそれぞれに影響を与える、請求項1に記載方法。
  4. 前記胎盤幹細胞を含む組成物が、筋肉内投与される、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記組成物が、1×105個から1×106個、1×106個から3×106個、3×106個から5×106個、5×106個から1×107個、1×107個から3×107個、3×107個から5×107個、5×107個から1×108個、1×108個から3×108個、3×108個から5×108個、5×108個から1×109個、1×109個から5×109個、または5×109個から1×1010個の間の胎盤幹細胞を含む、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記組成物が、約1×105個、3×105個、5×105個、1×106個、3×106個、5×106個、1×107個、3×107個、5×107個、1×108個、3×108個、5×108個、1×109個、5×109個、または1×1010個の胎盤幹細胞を含む、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記組成物が、約3×106個の胎盤幹細胞を含む、請求項6記載の方法。
  8. 前記組成物が、約3×107個の胎盤幹細胞を含む、請求項6記載の方法。
  9. 前記処置が、前記対象における表皮内神経線維密度の増加をもたらす、請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記対象における前記表皮内神経線維密度の増加が、皮膚生検によって測定される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記処置が、前記糖尿病性末梢神経障害の一または複数の症状における改善をもたらす、請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記一または複数の症状が、痛みもしくは温度変化に対する無感覚またはそれらを感じる能力の低下、肢のヒリヒリするまたは焼けるような感覚、鋭い痛みまたは痙攣、接触に対する感受性の増加、筋力低下、反射の損失または足首における反射の損失、平衡および協調の損失のうち少なくとも一方、ならびに潰瘍、感染、奇形、ならびに骨および関節の痛みを含む足の問題のうち少なくとも1つである、請求項11記載の方法。
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