JP2021183466A - 姿勢制御装置及び乗物用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】電動及び手動の双方で揺動可能なシートバックにおいて、電動による搖動機能の不具合を抑制できる姿勢制御装置を提供する。【解決手段】本開示の一態様は、シートの姿勢を制御する姿勢制御装置である。姿勢制御装置は、バックフレームの揺動を規制しない待機位置にある駆動体を駆動させることでバックフレームを格納位置まで倒す格納処理と、待機位置にある駆動体を駆動させることで格納位置にあるバックフレームを第1固定位置まで起こす復帰処理と、を実行する。姿勢制御装置は、復帰処理において、バックフレームを起こした後、待機位置にある駆動体が第1固定位置にあるバックフレームをシート前方へ揺動開始させるまでの駆動体の駆動量を確認する。【選択図】図6

Description

本開示は、姿勢制御装置及び乗物用シートに関する。
乗物用シートのシートバックを手動と電動との双方の手段で揺動可能とする揺動機構が知られている(特許文献1参照)。
特開2007−30537号公報
上述の揺動機構を備えた乗物用シートの中には、複数の固定位置でシートバックの揺動を規制するロック機構を備え、複数の固定位置間で段階的にシートバックがリクライニング可能とされたものがある。
このような段階的にリクライニングするシートバックでは、シートバックと揺動機構との相対位置が正確に把握されないと、シートバックの位置によっては電動によるシートバックの前倒し機能に不具合が発生するおそれがある。
本開示の一局面は、電動及び手動の双方で揺動可能なシートバックにおいて、電動による搖動機能の不具合を抑制できる姿勢制御装置を提供することを目的としている。
本開示の一態様は、シートクッション(2)と、シートクッション(2)に対してシート前後方向に揺動可能なシートバック(3)と、シートバック(3)を支持するバックフレーム(5)と、第1固定位置と、第1固定位置よりもシート後方の第2固定位置とを少なくとも含む複数の固定位置において、バックフレーム(5)のシート前後方向の揺動を規制するように構成されたロック機構(6)と、バックフレーム(5)の手動によるシート前後方向の揺動を許容しつつ、バックフレーム(5)をシート前後方向に揺動させるように構成された駆動体(71)を有する揺動機構(7)と、を備えるシート(11)の姿勢を制御するように構成された姿勢制御装置(8)である。
姿勢制御装置(8)は、バックフレーム(5)の揺動を規制しない待機位置にある駆動体(71)を駆動させることでバックフレーム(5)を格納位置まで倒す格納処理と、待機位置にある駆動体(71)を駆動させることで格納位置にあるバックフレーム(5)を第1固定位置まで起こす復帰処理と、を実行するように構成される。姿勢制御装置(8)は、復帰処理において、バックフレーム(5)を起こした後、待機位置にある駆動体(71)が第1固定位置にあるバックフレーム(5)をシート前方へ揺動開始させるまでの駆動体(71)の駆動量を確認する。
このような構成によれば、復帰処理が実行される際に、待機位置からバックフレーム(5)を揺動開始させるまでの駆動体(71)の駆動量が確認されることで、格納処理開始前のバックフレーム(5)と駆動体(71)との相対位置を把握できる。また、格納処理が実行されない(つまり手動でシートバック(3)が格納位置まで倒される)状態が続いても、バックフレーム(5)と駆動体(71)との相対位置が把握される。その結果、電動によるシートバック(3)の揺動機能の不具合を抑制できる。
本開示の一態様は、格納処理において、駆動体(71)の駆動状態を確認してもよい。このような構成によれば、復帰処理が実行されない(つまり手動でシートバック(3)が格納位置から起こされる)状態が続いても、格納処理時の駆動体(71)の駆動状態の確認により、バックフレーム(5)と駆動体(71)と相対位置を把握できる。
本開示の一態様では、揺動機構(7)は、駆動体(71)を回転させるように構成された動力部(72)を有してもよい。駆動体(71)は、バックフレーム(5)をシート前方に押すことでバックフレーム(5)をシート前方に揺動させるように構成された第1当接部(71A)と、バックフレーム(5)をシート後方に押すことでバックフレーム(5)をシート後方に揺動させるように構成された第2当接部(71B)とを有してもよい。姿勢制御装置(8)は、復帰処理において、第1固定位置にあるバックフレーム(5)に第1当接部(71A)がシート後方から当接する当接位置を確認してもよい。このような構成によれば、バックフレーム(5)と駆動体(71)との相対位置(つまり当接位置)を的確に検出することができる。
本開示の一態様では、復帰処理において当接位置を確認するときの駆動体(71)の回転速度は、格納処理においてバックフレーム(5)をシート前方に押すときの駆動体(71)の回転速度よりも小さくてもよい。このような構成によれば、当接位置を確認する際のバックフレーム(5)のたわみが抑制される。その結果、着席者に対する質感の低下を抑制すると共に、当接位置の検出精度を高められる。
本開示の別の態様は、シートクッション(2)と、シートクッション(2)に対してシート前後方向に揺動可能なシートバック(3)と、シートバック(3)を支持するバックフレーム(5)と、第1固定位置と、第1固定位置よりもシート後方の第2固定位置とを少なくとも含む複数の固定位置において、バックフレーム(5)のシート前後方向の揺動を規制するように構成されたロック機構(6)と、バックフレーム(5)の手動によるシート前後方向の揺動を許容しつつ、バックフレーム(5)をシート前後方向に揺動させるように構成された駆動体(71)を有する揺動機構(7)と、上記姿勢制御装置(8)と、を備える乗物用シート(1)である。
このような構成によれば、格納処理開始前のバックフレーム(5)と駆動体(71)との相対位置を把握できる。その結果、電動によるシートバック(3)の揺動機能の不具合を抑制できる。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
図1A、図1B及び図1Cは、実施形態における乗物用シートの構成を示す模式図である。 図2は、図1の乗物用シートのバックフレームと、ロック機構と、揺動機構とを示す模式的な斜視図である。 図3Aは、ロック機構のスタンバイ状態を示す模式的な側面図であり、図3Bは、ロック機構の第1ロック状態を示す模式的な側面図であり、図3Cは、ロック機構の解除状態を示す模式的な側面図であり、図3Dは、ロック機構の第2ロック状態を示す模式的な側面図である。 図4は、揺動機構の模式的な分解斜視図である。 図5A、図5B、図5C、図5D、図5E、図5F及び図5Gは、格納処理時のバックフレームの被当接部と駆動体との関係を示す模式図である。 図6A、図6B、図6C、図6D、図6E、図6F、図6G及び図6Hは、復帰処理時のバックフレームの被当接部と駆動体との関係を示す模式図である。 図7は、姿勢制御装置が実行する格納処理を概略的に示すフロー図である。 図8は、姿勢制御装置が実行する復帰処理を概略的に示すフロー図である。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1A,1B,1Cに示す乗物用シート1は、シート11と、姿勢制御装置8とを備える。
本実施形態の乗物用シート1(つまりシート11)は、車両の運転席、助手席、又は後部座席のシートとして使用される。なお、以下の説明及び各図面における方向は、乗物用シート1(つまりシート11)を車両に組み付けた状態における方向を意味する。また、本実施形態では、シート幅方向は、車両の左右方向に一致し、シート前方は、車両の前方に一致する。
<シート>
シート11は、シートクッション2と、シートバック3と、クッションフレーム(図示省略)と、バックフレーム5(図2参照)と、ロック機構6と、揺動機構7と備える。
シートクッション2は、着席者の臀部等を支持するための部位である。シートバック3は、着席者の背部を支持するための部位であり、シートクッション2に対してシート前後方向に揺動可能である。
クッションフレームは、シートクッション2を支持する。バックフレーム5は、シートバック3を支持する。バックフレーム5は、クッションフレームに対してシート前後方向に揺動可能である。
バックフレーム5は、図2に示すように、右サイドフレーム5A及び左サイドフレーム5Bと、被当接部5Cと、支持ブラケット5Dとを有する。
右サイドフレーム5A及び左サイドフレーム5Bは、上下方向に延伸すると共に、シート幅方向に互いに離れて配置されている。
被当接部5Cは、支持ブラケット5Dを介して、右サイドフレーム5Aの下端部に連結されたピン状の部材である。被当接部5Cの中心軸はシート幅方向と平行である。つまり、被当接部5Cは、シート幅方向に延伸している。また、被当接部5Cは、右サイドフレーム5Aよりもシート前方に配置されている。被当接部5Cは、右サイドフレーム5Aに対し相対的に移動及び回転しない。
支持ブラケット5Dは、右サイドフレーム5Aの下端部に固定された板状の部材である。支持ブラケット5Dには、被当接部5Cが固定されている。また、支持ブラケット5Dは、後述する駆動体71を回転可能に支持している。
シートバック3は、少なくとも、図1Aに示す第1固定位置と、図1Bに示す第2固定位置と、図1Cに示す格納位置との間で揺動可能に構成されている。第2固定位置は、第1固定位置よりもシート後方に位置する。格納位置では、シートバック3がシートクッション2と重なるように配置され、シート11が折りたたまれる。
<ロック機構>
ロック機構6は、第1固定位置と第2固定位置とを少なくとも含む複数の固定位置において、シートバック3のシート前後方向の揺動を規制するように構成されている。
本実施形態では、ロック機構6は、図2に示すようにバックフレーム5の右サイドフレーム5Aの上部に取り付けられている。ロック機構6は、図3Aに示すように、ベースプレート61と、フック62と、スタンバイプレート63と、解除リンク64とを有する。
フック62は、上下方向に揺動可能であり、第1ストライカ12A及び第2ストライカ12Bのいずれかに上方から係合する。第1ストライカ12A及び第2ストライカ12Bは、車両の本体又は他のシートからシートバック3に向かって延伸すると共に、互いにシート前後方向に離間して配置された棒状の部材である。
フック62は、第1固定位置において第1ストライカ12Aに係合する(図3B参照)。また、フック62は、第2固定位置において第2ストライカ12Bに係合する(図3D参照)。フック62は、図示しない弾性体によって、各ストライカから離間するように、上方に向かって付勢されている。
スタンバイプレート63は、シート前後方向に揺動可能である。スタンバイプレート63は、図示しない弾性体によって、第1ストライカ12Aに前方から押し付けられるように、シート後方に向かって付勢されている。
解除リンク64は、フック62の揺動を規制する規制位置(図3B,3D参照)と、規制を解除した解除位置(図3A,3C参照)とに移動可能な部材である。解除リンク64は、図示しないロック操作アクチュエータによって、規制位置と解除位置との間で移動する。
図3Aに示されるロック機構6がロックしていないスタンバイ状態では、解除リンク64は解除位置にあり、フック62は上述の付勢力によって第1ストライカ12Aよりも上方に押し上げられている。
スタンバイ状態からシートバック3のシート後方への揺動によりベースプレート61がシート後方へ移動した状態において、解除リンク64が規制位置に移動してフック62を下方に押圧することで、フック62が第1ストライカ12Aに係合する。その結果、第1ストライカ12Aがフック62とスタンバイプレート63とに挟持される。つまり、ロック機構6が、シートバック3を第1固定位置に固定する第1ロック状態(図3B参照)に移行する。
第1ロック状態から解除リンク64を解除位置に移動させることで、フック62の第1ストライカ12Aへの係合が解除され、ロック機構6が図3Cに示される解除状態となる。解除状態では、シートバック3がシート前後方向に搖動可能である。
図3Cの解除状態からシートバック3がさらにシート後方へ揺動した状態において、解除リンク64が規制位置に移動してフック62を下方に押圧することで、フック62が第2ストライカ12Bに係合する。その結果、第2ストライカ12Bがフック62とスタンバイプレート63とに挟持される。つまり、ロック機構6が、シートバック3を第2固定位置に固定する第2ロック状態(図3D参照)に移行する。
<揺動機構>
揺動機構7は、図4に示すように、駆動体71と、動力部72と、第1補助ブラケット73と、第2補助ブラケット74とを有する。
駆動体71は、バックフレーム5の手動によるシート前後方向の揺動を許容しつつ、バックフレーム5をシート前後方向に揺動させるように構成されている。駆動体71は、外周の一部に歯71Cが形成された円盤状の部材である。
具体的には、駆動体71は、後述する動力部72の出力が歯71Cを介して伝達される歯車(つまりセクションギア)である。駆動体71は、バックフレーム5の支持ブラケット5Dに固定されたピン5Eを中心として軸回転可能に、ピン5Eに支持されている。ピン5Eの中心軸(つまり、駆動体71の回転軸)は、シート幅方向と平行である。
駆動体71は、バックフレーム5の被当接部5Cをシート前方に押すことで、バックフレーム5をシート前方に揺動させるように構成された第1当接部71Aと、被当接部5Cをシート後方に押すことで、バックフレーム5をシート後方に揺動させるように構成された第2当接部71Bとを有する。
第1当接部71A及び第2当接部71Bは、それぞれ、駆動体71の径方向に突出している。第1当接部71A及び第2当接部71Bは、バックフレーム5の被当接部5Cを駆動体71の周方向に沿って挟むように配置されている。
第1当接部71Aは、第1固定位置又は第2固定位置にあるバックフレーム5をシート前方に揺動させるとき、例えば、バックフレーム5を格納位置に移動させるとき、駆動体71の回転によって被当接部5Cに後方から当接する。
第2当接部71Bは、バックフレーム5をシート後方に揺動させるとき、例えば、バックフレーム5を格納位置から第1固定位置又は第2固定位置に移動させるとき、駆動体71の回転によって被当接部5Cに前方から当接する。第2当接部71Bは、駆動体71の回転に伴って、第1当接部71Aと共に移動する。
被当接部5Cが第1当接部71A又は第2当接部71Bに押されることによって、バックフレーム5は、バックフレーム5の左サイドフレーム5Bの下部に取り付けられたヒンジ51(図2参照)を軸としてシート前後方向に搖動する。
動力部72は、駆動体71を軸回転させるように構成されている。図4に示すように、動力部72は、回転アクチュエータ72Aと、ギアボックス72Bとを有する。回転アクチュエータ72Aは、電気式及び空気式のいずれであってもよい。回転アクチュエータ72Aの動力は、駆動体71の歯71Cと噛み合ったギアボックス72Bを介して、駆動体71に伝達される。
本実施形態では、動力部72は、バックフレーム5の右サイドフレーム5Aの下部(つまり支持ブラケット5D)に、第1補助ブラケット73及び第2補助ブラケット74を介して取り付けられている。
第1補助ブラケット73は、支持ブラケット5Dに取り付けられている。動力部72が取り付けられた第2補助ブラケット74は、駆動体71を挟むように、第1補助ブラケット73に取り付けられている。
<姿勢制御装置>
姿勢制御装置8は、シート11の姿勢を制御するように構成されている。姿勢制御装置8は、ロック機構6及び揺動機構7を制御することで、シートバック3を電動で揺動させる。姿勢制御装置8は、格納処理と、復帰処理とを少なくとも実行する。
姿勢制御装置8は、例えば、プロセッサと、RAM、ROM等の記憶媒体と、入出力部とを備えるコンピュータにより構成される。姿勢制御装置8は、予め記憶されたプログラムを実行することで、ロック操作アクチュエータ及び動力部72を制御する。なお、姿勢制御装置8は、車両に搭載されるエレクトロニックコントロールユニット(ECU)に組み込まれてもよい。
(格納処理)
格納処理では、姿勢制御装置8は、シートバック3及びバックフレーム5を第1固定位置又は第2固定位置から、格納位置に揺動させる。格納処理では、姿勢制御装置8は、待機位置にある駆動体71を、第1当接部71Aがバックフレーム5をシート前方に押し倒すように回転駆動させる。
図5Aに示すように、駆動体71は、動力部72のギアボックス72Bが有するピニオン72Cによって回転される。ピニオン72Cは、駆動体71の歯71Cに噛み合っている。駆動体71とピニオン72Cとはラックアンドピニオンを構成している。
駆動体71の待機位置は、バックフレーム5の揺動を規制しない位置である。つまり、待機位置は、被当接部5Cが第2固定位置から格納位置までの間で自在に揺動できる位置に設定されている。
駆動体71が待機位置にあるとき、第1当接部71Aは、第2固定位置にある被当接部5Cよりもシート後方に位置し、第2当接部71Bは、第1固定位置又は第2固定位置にある被当接部5Cよりも下方に位置する。
シートバック3が第1固定位置(図5A参照)にあるとき、待機位置における第1当接部71Aは、被当接部5Cから離間している。また、シートバック3が第2固定位置にあるときの駆動体71の待機位置は、シートバック3が第1固定位置にあるときの待機位置と同じである。
格納処理では、姿勢制御装置8は、図5Aに示す待機位置にある駆動体71を予備回転させることによって、第1当接部71Aを第1固定位置又は第2固定位置にある被当接部5Cにシート後方から当接させる。
姿勢制御装置8は、図5Bに示す第1当接部71Aが被当接部5Cに当接した位置にて駆動体71を一時停止させる。なお、第2固定位置にある被当接部5Cと待機位置にある駆動体71とが当接する場合は、予備回転は行われない。姿勢制御装置8は、第1当接部71Aが被当接部5Cに当接した状態で(つまり予備回転の後)、ロック機構6を解除状態に切り替える。
姿勢制御装置8は、第1当接部71Aが被当接部5Cへ当接した状態で、駆動体71を回転させることで、図5Cに示すように第1当接部71Aをシート前方へ揺動させる。姿勢制御装置8は、ロック機構6の解除動作の開始と同時に駆動体71の回転を開始させてもよいし、ロック機構6の解除状態への移行が完了してから駆動体71の回転を開始させてもよい。
図5Dに示す回転限界位置まで駆動体71が回転すると、図5Eに示すように、シートバック3及びバックフレーム5が自重によってシート前方に倒れ、格納位置に移動する。回転限界位置は、ピニオン72Cが駆動体71の歯71Cの端部(つまり第2当接部71B)に到達する位置である。
姿勢制御装置8は、駆動体71が回転限界位置に到達した際のバックフレーム5(つまり被当接部5C)の位置を確認することで、駆動体71とバックフレーム5との相対位置を確認する。つまり、姿勢制御装置8は、格納処理において、ピニオン72Cによって駆動体71の駆動状態を確認している。
シートバック3が格納位置に移動した後、駆動体71は、図5Fに示すように、回転限界位置から逆回転し、図5Gに示す待機位置まで戻る。また、格納処理の完了後、第2当接部71Bは、被当接部5Cに下方から当接又は近接する。
(復帰処理)
復帰処理では、姿勢制御装置8は、シートバック3及びバックフレーム5を格納位置から、第1固定位置に揺動させる。復帰処理では、姿勢制御装置8は、待機位置にある駆動体71を、第2当接部71Bがバックフレーム5をシート後方に押し起こすように回転駆動させる。
復帰処理では、まず、図6Aに示すように、第2当接部71Bが格納位置にある被当接部5Cを第1固定位置まで押し上げるように駆動体71が回転する。図6Bに示すようにシートバック3及びバックフレーム5が第1固定位置に到達した時点で、ロック機構6が第1ロック状態に移行し、シートバック3の揺動がロックされる。
シートバック3及びバックフレーム5が第1固定位置に到達した後、姿勢制御装置8は、図6Cに示すように、駆動体71を待機位置に向けて逆回転させる。
駆動体71が図6Dに示す待機位置に移動した後、姿勢制御装置8は、図6Eに示すように第1当接部71Aを被当接部5Cに近づく向きに回転させ、図6Fに示すように第1当接部71Aを被当接部5Cにシート後方から当接させる。
このとき、姿勢制御装置8は、待機位置にある駆動体71が第1固定位置にあるバックフレーム5をシート前方へ揺動開始させるまでの駆動体71の駆動量を確認する。つまり、姿勢制御装置8は、第1固定位置にあるバックフレーム5に第1当接部71Aがシート後方から当接する当接位置を確認する。
第1当接部71Aの被当接部5Cへの当接後、姿勢制御装置8は、図6Gに示すように第1当接部71Aが被当接部5Cから離れるように駆動体71を回転させ、図6Hに示す待機位置に戻す。
復帰処理において当接位置を確認するときの駆動体71の回転速度は、格納処理においてバックフレーム5をシート前方に押すときの駆動体71の回転速度よりも小さい。つまり、復帰処理において姿勢制御装置8が駆動体71を図6Dの状態から図6Fの状態まで回転させるときの回転速度は、格納処理において姿勢制御装置8が駆動体71を図5Aの状態から図5Dの状態まで回転させるときの回転速度よりも小さい。
また、復帰処理における当接位置の確認は、毎回実行されなくてもよい。つまり、姿勢制御装置8は、復帰処理が予め定められた回数繰り返されたときのみに、復帰処理における当接位置の確認を行ってもよい。これにより、復帰処理の実行時間を短縮でき、着席者による姿勢制御装置8が操作不可能な時間が短縮される。
姿勢制御装置8は、格納処理で得た当接位置又は復帰処理で得た当接位置に基づいて、格納処理及び復帰処理における駆動体71の回転量及び駆動体71の待機位置の調整を行う。
[1−2.処理]
以下、図7及び図8のフロー図を参照しつつ、姿勢制御装置8が実行する処理について説明する。
図7は、シートバック3を格納する格納処理のフロー図である。本実施形態では、バックフレーム5が第2固定位置にあるときに待機位置にある駆動体71が被当接部5Cに当接する。そのため、格納処理のフローでは、姿勢制御装置8は、最初にバックフレーム5が第1固定位置にあるか否か判定する(ステップS110)。
バックフレーム5が第1固定位置にある場合(S110:YES)、姿勢制御装置8は、第1当接部71Aがシート前方に動く向きに駆動体71を予備回転させ、第1当接部71Aを被当接部5Cに当接させる(ステップS120)。姿勢制御装置8は、第1当接部71Aの被当接部5Cへの当接後、駆動体71を一時停止させる(ステップS130)。
一方、バックフレーム5が第2固定位置にある場合(S110:NO)、姿勢制御装置8は、駆動体71の予備回転(S120)及び一時停止(S130)を実行せず、次のステップに進む。
駆動体71の一時停止後、姿勢制御装置8は、ロック機構6の解除動作を行う(ステップS140)。ロックの解除動作後、姿勢制御装置8は、第1当接部71Aがシート前方に動く向きに駆動体71を回転させ、シートバック3を格納位置に向けて揺動させる(ステップS150)。
駆動体71の回転によってシートバック3が格納位置に揺動した後、姿勢制御装置8は、第1当接部71Aがシート後方に動く向きに駆動体71を回転させる(ステップS160)。
姿勢制御装置8は、駆動体71が待機位置に到達した後、駆動体71の回転を停止させ(ステップS170)、処理を終了する。なお、駆動体71の位置は、例えばリミットスイッチによって検出される。
図8は、シートバック3を格納状態から復帰させる復帰処理のフロー図である。このフローでは、姿勢制御装置8は、最初に第1当接部71Aがシート後方に動く向きに駆動体71を回転させ、シートバック3を第1固定位置に向けて揺動させる(ステップS210)。
駆動体71の回転によってシートバック3が第1固定位置に揺動した後、姿勢制御装置8は、第1当接部71Aがシート前方に動く向きに駆動体71を回転させる(ステップS220)。
姿勢制御装置8は、第1当接部71Aが被当接部5Cに当接するまで駆動体71を回転させ、第1当接部71Aが被当接部5Cに当接する位置を確認する(ステップS230)。その後、姿勢制御装置8は、第1当接部71Aがシート後方に動く向きに駆動体71を回転させる(ステップS240)。
姿勢制御装置8は、駆動体71が待機位置に到達した後、駆動体71の回転を停止させ(ステップS250)、処理を終了する。
[1−3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)復帰処理が実行される際に、待機位置からバックフレーム5を揺動開始させるまでの駆動体71の駆動量が確認されることで、格納処理開始前のバックフレーム5と駆動体71との相対位置を把握できる。また、格納処理が実行されない(つまり手動でシートバック3が格納位置まで倒される)状態が続いても、バックフレーム5と駆動体71との相対位置が把握される。その結果、電動によるシートバック3の揺動機能の不具合を抑制できる。
(1b)復帰処理が実行されない(つまり手動でシートバック3が格納位置から起こされる)状態が続いても、格納処理時の駆動体71の駆動状態の確認により、バックフレーム5と駆動体71と相対位置を把握できる。
(1c)第1固定位置にあるバックフレーム5に第1当接部71Aがシート後方から当接する当接位置を確認することで、バックフレーム5と駆動体71との相対位置(つまり当接位置)を的確に検出することができる。
(1d)復帰処理において当接位置を確認するときの駆動体71の回転速度が格納処理においてバックフレーム5をシート前方に押すときの駆動体71の回転速度よりも小さいことで、当接位置を確認する際のバックフレーム5のたわみが抑制される。その結果、着席者に対する質感の低下を抑制すると共に、当接位置の検出精度を高められる。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(2a)上記実施形態の乗物用シート1において、ロック機構6の構成は一例である。ロック機構6は、第1固定位置と第2固定位置とでシートバック3の揺動を規制できれば、上述の構成に限定されない。
また、ロック機構6は、3つ以上の固定位置においてシートバック3をロック可能であってもよい。例えば、第1固定位置よりもシート前方、第2固定位置よりもシート後方、又は第1固定位置と第2固定位置との間に第3固定位置が設けられてもよい。
(2b)上記実施形態の乗物用シート1において、駆動体71の形状は一例である。駆動体71は、必ずしも歯71Cを有する円盤状でなくてもよい。また、第1当接部71A及び第2当接部71Bは、バックフレーム5のうち被当接部5C以外の部分を押すように構成されてもよい。
(2c)上記実施形態の乗物用シート1において、復帰処理において当接位置を確認するときの駆動体71の回転速度は、格納処理においてバックフレーム5をシート前方に押すときの駆動体71の回転速度以上であってもよい。
(2d)上記実施形態の乗物用シート1において、姿勢制御装置8は、待機位置にある駆動体71が第1固定位置又は第2固定位置にあるバックフレーム5をシート前方へ揺動開始させるまでの駆動体71の駆動量を格納処理時に確認してもよい。つまり、姿勢制御装置8は、第1固定位置又は第2固定位置にあるバックフレーム5に第1当接部71Aがシート後方から当接する当接位置を、駆動体71の駆動状態として確認してもよい。
(2e)上記実施形態の乗物用シート1及び姿勢制御装置8は、乗用車以外の自動車や、自動車以外の例えば、鉄道車両、船舶、航空機等の乗物のシートに対しても使用することができる。
(2f)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
1…乗物用シート、2…シートクッション、3…シートバック、5…バックフレーム、
5A…右サイドフレーム、5B…左サイドフレーム、5C…被当接部、
5D…支持ブラケット、5E…ピン、6…ロック機構、7…揺動機構、
8…姿勢制御装置、11…シート、12A…第1ストライカ、
12B…第2ストライカ、51…ヒンジ、61…ベースプレート、62…フック、
63…スタンバイプレート、64…解除リンク、71…駆動体、71A…第1当接部、
71B…第2当接部、71C…歯、72…動力部、72A…回転アクチュエータ、
72B…ギアボックス、72C…ピニオン、73…第1補助ブラケット、
74…第2補助ブラケット。

Claims (5)

  1. シートクッションと、
    前記シートクッションに対してシート前後方向に揺動可能なシートバックと、
    前記シートバックを支持するバックフレームと、
    第1固定位置と、前記第1固定位置よりもシート後方の第2固定位置とを少なくとも含む複数の固定位置において、前記バックフレームのシート前後方向の揺動を規制するように構成されたロック機構と、
    前記バックフレームの手動によるシート前後方向の揺動を許容しつつ、前記バックフレームをシート前後方向に揺動させるように構成された駆動体を有する揺動機構と、
    を備えるシートの姿勢を制御するように構成された姿勢制御装置であって、
    前記バックフレームの揺動を規制しない待機位置にある前記駆動体を駆動させることで前記バックフレームを格納位置まで倒す格納処理と、
    前記待機位置にある前記駆動体を駆動させることで前記格納位置にある前記バックフレームを前記第1固定位置まで起こす復帰処理と、
    を実行するように構成され、
    前記復帰処理において、前記バックフレームを起こした後、前記待機位置にある前記駆動体が前記第1固定位置にある前記バックフレームをシート前方へ揺動開始させるまでの前記駆動体の駆動量を確認する、姿勢制御装置。
  2. 請求項1に記載の姿勢制御装置であって、
    前記格納処理において、前記駆動体の駆動状態を確認する、姿勢制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の姿勢制御装置であって、
    前記揺動機構は、前記駆動体を回転させるように構成された動力部を有し、
    前記駆動体は、前記バックフレームをシート前方に押すことで前記バックフレームをシート前方に揺動させるように構成された第1当接部と、前記バックフレームをシート後方に押すことで前記バックフレームをシート後方に揺動させるように構成された第2当接部とを有し、
    前記復帰処理において、前記第1固定位置にある前記バックフレームに前記第1当接部がシート後方から当接する当接位置を確認する、姿勢制御装置。
  4. 請求項3に記載の姿勢制御装置であって、
    前記復帰処理において前記当接位置を確認するときの前記駆動体の回転速度は、前記格納処理において前記バックフレームをシート前方に押すときの前記駆動体の回転速度よりも小さい、姿勢制御装置。
  5. シートクッションと、
    前記シートクッションに対してシート前後方向に揺動可能なシートバックと、
    前記シートバックを支持するバックフレームと、
    第1固定位置と、前記第1固定位置よりもシート後方の第2固定位置とを少なくとも含む複数の固定位置において、前記バックフレームのシート前後方向の揺動を規制するように構成されたロック機構と、
    前記バックフレームの手動によるシート前後方向の揺動を許容しつつ、前記バックフレームをシート前後方向に揺動させるように構成された駆動体を有する揺動機構と、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の姿勢制御装置と、
    を備える乗物用シート。
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