JP2021182887A - 作業車両の監視制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】圃場において順次行う複数の工程を有する作業を円滑に行うよう複数の作業車両を監視して制御することができる作業車両の監視制御システムを提供する。【解決手段】監視制御システムは、第1の制御装置、測位装置および通信装置を有し、圃場で先行の工程の作業を行う自動走行可能な先行の作業車両と、第2の制御装置、測位装置および通信装置を有し、前記圃場で後続の工程の作業を行う自動走行可能な後続の作業車両と、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置に対する通信が可能な通信装置を有し、圃場情報、作業情報、位置情報、検知情報等の情報を通信して前記先行の作業車両の動作と前記後続の作業車両の動作を監視するとともに制御する監視制御装置と、を備え、前記監視制御装置は、前記先行の作業車両による前記圃場での作業が完了した作業情報を取得するまで、前記後続の作業車両を当該圃場の入口で待機させる制御を行う。【選択図】図5

Description

本発明は、圃場において順番に行う複数の工程を有する作業を行う複数の自動走行可能な作業車両を監視して制御する作業車両の監視制御システムに関するものである。
従来、無人で自律走行する作業車両と有人で随伴走行する作業車両が並走して作業を行うとき、互いに通信装置を介して、一方の作業車両における作業機の制御量を変更すると、他方の作業車両における作業機はその変更された制御量に合わせた制御量となるように変更できる並走作業システムが知られている(特許文献1)。
特開2016−13065号公報
この並走作業システムによれば、無人および有人の2台の作業車両が1つの圃場において左右又は前後に並走して作業を行うことで、例えば前工程と後工程を有する作業であっても同時に行うことが可能になり、その作業を効率よく行うことができる。
しかし、この並走作業システムでは、その2台の作業車両が1つの圃場において例えば作業幅の異なる作業機をそれぞれ装着して並走作業を行う場合や複雑な走行経路を走行して並走作業を行う場合、その作業を並走して同時に行うことが困難になる。
そこで、本発明は、圃場において順次行う複数の工程を有する作業を円滑に行うよう複数の作業車両を監視して制御することができる作業車両の監視制御システムを提供することを目的とする。
本発明の上記課題は、以下の手段により解決される。
すなわち、請求項1に記載の発明は、
第1の制御装置(2A)、測位装置(3A)および通信装置(4A)を有し、圃場(9)で先行の工程の作業を行う自動走行可能な先行の作業車両(1A)と、
第2の制御装置(2B)、測位装置(3B)および通信装置(4B)を有し、前記圃場(9)で後続の工程の作業を行う自動走行可能な後続の作業車両(1B)と、
前記第1の通信装置(4A)と前記第2の通信装置(4B)に対する通信が可能な通信装置(6)を有し、圃場情報、作業情報、位置情報、検知情報等の情報を通信して前記先行の作業車両(1A)の動作と前記後続の作業車両(1B)の動作を監視するとともに制御する監視制御装置(5)と、
を備え、
前記監視制御装置(5)は、前記先行の作業車両(1A)による前記圃場(9)での作業が完了した作業情報を取得するまで、前記後続の作業車両(1B)を当該圃場(9)の入口(91)で待機させる制御を行うことを特徴とする作業車両の監視制御システムである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両の監視制御システムにおいて、前記監視制御装置(5)は、前記後続の作業車両(1B)が圃場(9A)での作業を完了させた後に次の圃場(9B)に移動する場合、前記次の圃場(9B)に移動する経路上に他の作業車両(1X)がいる情報を取得したとき、当該後続の作業車両(1B)を前記圃場(9A)内に待機させる制御を行うことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両の監視制御システムにおいて、前記監視制御装置(5)は、前記先行の作業車両(1A)による前記圃場(9)での作業が完了した作業情報を取得したとき、前記後続の作業車両(1B)の前記待機を解除する制御を行うことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の作業車両の監視制御システムにおいて、前記監視制御装置(5)は、前記経路上に前記他の作業車両(1X)がいない情報を取得し
たとき、前記後続の作業車両(1B)の前記待機を解除する制御を行うことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の作業車両の監視制御システムにおいて、前記後続の作業車両(1B)は、当該作業車両(1B)が盗難されることを防止する機能を発揮する盗難防止装置(43)を有し、前記監視制御装置(5)は、前記後続の作業車両(1B)の前記待機を行うときに、前記盗難防止装置(43)を作動させる制御を行うことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の作業車両の監視制御システムにおいて、前記監視制御装置(5)は、前記後続の作業車両(1B)の前記待機が解除されたときに、前記盗難防止装置(43)の作動を解除する制御を行うことを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明では、監視制御装置(5)が、先行の作業車両(1A)による圃場(9)での先行の作業を完了した作業情報を取得するまで、後続の作業車両(1B)を当該圃場(9)の入口(91)で待機させる制御を行うので、同じ圃場(9)内において複数の作業車両の経路、動作等の調整や監視を行う必要がなく、また圃場(9)内で後続の作業車両(1B)が先行の作業車両(1A)の作業を妨げるおそれがない。
このため、請求項1に記載の発明によれば、複数の作業車両を監視して制御することで、圃場において順次行う複数の工程を有する作業を円滑に行うことができる。
請求項2に記載の発明では、監視制御装置(5)が、後続の作業車両(1B)が圃場(9A)での作業を完了させた後に次の圃場(9B)に移動する場合、次の圃場(9B)に移動する経路上に他の作業車両(1X)がいる情報を取得したとき、その後続の作業車両(1B)を圃場(9A)内に待機させる制御を行うので、後続の作業車両(1B)が次の圃場(9B)に移動する経路上にいる予定外の他の作業車両(1X)との間で自動装置を別途調整するような余分な制御を行う必要がない。このため、請求項2に記載の発明によれば、複数の作業車両を監視して制御することで、圃場において順次行う複数の工程を有する作業をより円滑に行うことができる。
請求項3に記載の発明では、監視制御装置(5)が、先行の作業車両(1A)による上記圃場(9)での作業が完了した作業情報を取得したとき、後続の作業車両(1B)の上記待機を解除する制御を行うので、同じ圃場内において先行の作業車両(1A)が後続の作業車両(1B)の作業を妨げるおそれがない。このため、請求項3に記載の発明によれば、複数の作業車両を監視して制御することで、圃場において順次行う複数の工程を有する作業をより一層円滑に行うことができる。
請求項4に記載の発明では、監視制御装置(5)が、次の圃場(9B)に移動する経路上に他の作業車両(1X)がいない情報を取得したとき、その後続の作業車両(1B)の上記待機を解除する制御を行うので、後続の作業車両(1B)が他の作業車両(1X)の上記経路上の移動を邪魔することなく、予定の経路にそって次の圃場(9B)に円滑に移動する。このため、請求項4に記載の発明によれば、複数の作業車両を監視して制御することで、圃場において順次行う複数の工程を有する作業をより一層円滑に行うことができる。
請求項5に記載の発明では、監視制御装置(5)が、次の圃場(9B)に移動する経路上に他の作業車両(1X)がいない情報を取得したとき、後続の作業車両(1B)の上記待機を解除する制御を行うので、後続の作業車両(1B)が待機中に盗難されて無くなるおそれが減少する。このため、請求項5に記載の発明によれば、複数の作業車両を監視して制御することで、圃場において順次行う複数の工程を有する作業を予定通り確実かつ円滑に行うことができる。
請求項6に記載の発明では、監視制御装置(5)が、後続の作業車両(1B)の上記待機が解除されたときに、盗難防止装置(43)の作動を解除する制御を行うので、後続の作業車両(1B)が圃場(9)内に移動することや次の圃場(9B)に移動することが盗難防止装置(43)の作動で妨げられることなくスムーズに開始される。このため、請求項6に記載の発明によれば、複数の作業車両を監視して制御することで、圃場において順次行う複数の工程を有する作業を適切かつ円滑に行うことができる。
実施形態1、2に係る作業車両の監視制御システムを示す概要図である。 図1の監視制御システムの作動例を示す概要図である。 図1の監視制御システムを示す機能ブロック図である。 圃場の形状や入口等を特定する外周記憶点の構成を示す概要図である。 図1の監視制御システムの制御例を示すフローチャート図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1から図3には、本発明の実施形態1に係る作業車両の監視制御システムの一部又は全部が示されている。
本実施形態1に係る監視制御システムは、図1から図3に示されるように、圃場9で先行の工程の作業を行う自動走行可能な先行の作業車両1Aと、その圃場9で後続の工程の作業を行う自動走行可能な後続の作業車両1Bと、圃場情報、作業情報、位置情報、検知情報等の情報を通信して先行の作業車両1Aの動作と前記後続の作業車両1Bの動作を監視するとともに制御する監視制御装置5とを備えている。
ここで、先行の工程の作業と後続の工程の作業は、圃場において順番に行う複数の工程を有する作業において順番として先に行う工程の作業とそれよりも後に行う工程の作業になる。より詳しくは、先行の工程の作業と後続の工程の作業とは、例えば、順番に行う複数の工程を有する作業が2つの工程を有する作業であれば、前工程の作業と後工程の作業になる。また3つの工程を有する作業であれば、最初の工程の作業と中間の工程の作業か、又は中間の工程の作業と最終の工程の作業になる。
図2は、実線では、先行の作業車両1Aが圃場9Bでの先行の工程の作業を完了させた後に圃場9Bから次の圃場9Aに移動して先行の工程の作業を行っている状態と、後続の作業車両1Bが圃場9Aでの後続の工程の作業を完了させた後に圃場9Bに移動している途上の状態を示している。図2における符号9Cから9Fは他の圃場、符号91は車両進入の入口、符号92は車両退出の出口、符号95は農道、符号97は公道、をそれぞれ示している。
先行の作業車両1Aと後続の作業車両1Bは、その一例として、ISO 11783を元にした農業機用の通信規格であるISOBUSに対応可能であって自動走行機能を備えたトラクタ10A,10Bである。トラクタ10A,10Bは、自動走行機能(モード)に加えて運転者による手動走行機能(モード)も備えており、そのいずれかのモードに切り替える図示しないモード切替手段を有している。
先行の作業車両1Aであるトラクタ10Aは、図1に示されるように、その走行車体の後部に先行の工程の作業を行う作業機35Aが装着されている。一方、後続の作業車両1Bであるトラクタ10Bは、図1に示されるように、その走行車体の後部に後続の工程の作業を行う作業機35Bが装着されている。この作業機35A,35Bは、そのいずれもISOBUSに対応可能の作業機である。
作業機35Aと作業機35Bは、先行の工程の作業と後続の工程の作業が異なる場合には互いに異なる種類の作業機になり、先行の工程の作業と後続の工程の作業が同じで作業条件のみが異なる場合には互いに同じ種類の作業機になる。後者の場合における作業条件は、その一部が異なる場合に限らず、その全部が異なる場合も含まれる。
異なる種類の作業機としては、例えば、圃場が牧草地であれば、牧草を刈る作業機(牧草モア等)、刈草を列状に集める作業機(牧草レーキ等)、列状に集めた刈草をロール状にまとめる作業機(牧草ロールベーラー等)等のうち作業が前後する作業機の組み合わせが挙げられる。この他にも、圃場が水田や畑であれば、耕うんを行う作業機(ロータリ作業機等)、肥料を散布する作業機(ブロードキャスタ等)等が挙げられる。
同じ種類の作業機としては、例えば、耕うんを行うロータリ作業機、プラウ等が挙げられる。
先行のトラクタ10Aと後続のトラクタ10Bはいずれも、図1に示されるように、走行車体の前後部に前輪11と後輪12を備えており、走行車体の前部のエンジンルーム内に搭載されたエンジン13の回転動力を主にトランスミションケース14内の変速装置により適宜減速させた後に前輪11と後輪12に伝え、その回転動力の一部をトランスミションケース14の後端部から突出するPTO軸15を介して作業機35A,35Bに伝えるよう構成されている。
また、トラクタ10Aとトラクタ10Bは、そのいずれも走行車体の上部にキャビン16が設けられている。キャビン16は、その内部に、運転座席16aが配置され、運転座席16aの前方にステアリングホイール16bが配置されている。運転座席16aやステアリングホイール16bの近傍には、図示しない各種の操作レバーやスイッチ、必要な情報を表示する表示パネル等が配置されている。またキャビン16は、その内部の下部に、クラッチペダル16c、ブレーキペダル16d、図示しないアクセルペダル等が配置されている。
先行の作業車両1Aは、図3に示されるように第1の制御装置2A、測位装置3Aおよび通信装置4Aを有している。また後続の作業車両1Bは、図3に示されるように第2の制御装置2B、測位装置3Bおよび通信装置4Bを有している。
第1の制御装置2Aは、先行のトラクタ10Aと作業機35Aの各動作に関する動作について総合的に制御する装置である。
この第1の制御装置2Aは、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置、ROM(Read only Memory),RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置、入力装置等からなるコンピュータ等で構成されており、その処理装置がROM又はHDDの記憶部21Aに格納されている制御用のプログラム、データおよび検知情報に基づいて情報処理することで必要な制御対象に制御情報を送信するようになっている。
また、第1の制御装置2Aは、より具体的には、先行のトラクタ10Aの車両本体における動作を制御する車両制御部22Aと、そのトラクタ10Aにおける作業機35Aの動作を制御する作業機制御部25Aを有している。
車両制御部22Aは、例えば、エンジン13の動作と走行動作を制御する車両ECU(Electronic Control Unit)等で構成されている。車両ECUは、エンジン13の動作を専用に制御するエンジンECUと、走行動作を専用に制御する走行ECUとに分けて構成されていてもよい。また、車両制御部22Aは、図3に示されるように、その制御対象となる車両制御駆動部42Aが第1の制御装置2Aに接続されている。車両制御駆動部42Aとしては、例えば、エンジン13、走行時の変速装置、操舵装置、クラッチ装置、ブレーキ装置等である。
車両制御部22Aは、車両制御駆動部42Aの動作について、その制御に必要な状態を検知する各種センサ41Aにより検知した検知情報を取得しながら必要に応じて制御する。このような制御に使用される各種センサ41Aは、例えば、エンジン13の回転数、走行速度、ステアリングホイール16bの切れ角、操作レバー、操作ペダル、走行車体の傾き、燃料タンクの残量、障害物の有無等の各状態をそれぞれ検知する複数のセンサである。
作業機制御部25Aは、例えば、作業機ECU等で構成されている。作業機ECUは、ISOBUSに適用可能な作業機35A,35Bに搭載されている。また、作業機制御部25Aは、図3に示されるように、その制御対象になる作業機制御駆動部45Aが第1の制御装置2Aに接続されている。作業機制御駆動部45Aとしては、例えば、PTO軸15の切替装置やその変速装置、作業機35Aの昇降用装置36、電動モータ等である。
作業機制御部25Aは、作業機制御駆動部45Aの動作について、その制御に必要な状態を検知する各種センサ41Aにより検知した検知情報を取得しながら必要に応じて制御する。このような制御に使用される各種センサ41Aは、例えば、PTO軸15の回転速度、作業機35Aの昇降位置、駆動速度等の各状態をそれぞれ検知する複数のセンサである。
第2の制御装置2Bは、後続のトラクタ10Bと作業機35Bの各動作に関する動作について総合的に制御する装置である。
第2の制御装置2Bは、第1の制御装置2Aと同様にコンピュータ等で構成されており、そのコンピュータ等における処理装置がROM又はHDDの記憶部21Bに格納されている制御用のプログラム、データおよび検知情報に基づいて情報処理することで必要な制御対象に制御情報を送信するようになっている。
また、第2の制御装置2Bは、より具体的には、後続のトラクタ10Bの車両本体における動作を制御する車両制御部22Bと、そのトラクタ10Bにおける作業機35Bの動作を制御する作業機制御部25Bを有している。
車両制御部22Bは、第1の制御装置2Aにおける車両制御駆動部42Aの場合と同様に、例えば車両ECU等で構成されている。また第2の制御装置2Bは、図3に示されるように、その制御対象になる車両制御駆動部42Bが第2の制御装置2Bに接続されている。車両制御駆動部42Bは、車両制御駆動部42Aの場合とほぼ同じもので構成されている。
そして車両制御部22Bは、車両制御駆動部42Bの動作について、その制御に必要な状態を検知する各種センサ41Bにより検知した検知情報を取得しながら必要に応じて制御する。このような制御に使用される各種センサ41Bは、車両制御駆動部42Aの制御に用いた上記各種センサ41Aの場合と同様である。
一方、作業機制御部25Bは、作業機制御部25Aの場合と同様に、作業機ECU等で構成されている。また作業機制御部25Bは、図3に示されるように、その制御対象になる作業機制御駆動部45Bが第2の制御装置2Bに接続されている。
そして、作業機制御部25Bは、その作業機制御駆動部45Bの動作について、その制御に必要な状態を検知する各種センサ41Bにより検知した検知情報を取得しながら必要に応じて制御する。このような制御に使用される各種センサ41Bは、作業機制御部25Aの制御に用いた上記各種センサ41Aの場合と同様である。
第1の測位装置3Aと第2の測位装置3Bは、先行の作業車両1Aの自己位置と後続の作業車両1Bの自己位置をそれぞれ示す位置情報として取得する装置である。
この各測位装置3A,3Bは、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)を利用した装置で構成され、受信アンテナ31A,31Bにより航法衛星からの電波をそれぞれ受信して所定時間ごとにGNSS座標を個別に取得して地球上での位置情報を取得するようになっている。受信アンテナ31A,31Bは、各作業車両1A,1Bの所定の部位に設けられるものであり、本実施の形態におけるトラクタ10A,10Bでは例えば各キャビン16の上面に設けられている。
第1の通信装置4Aと第2の通信装置4Bは、監視制御装置5の通信装置6とデータ通信が可能な装置であり、例えばクラウドコンピューティング(Cloud Computing)が可能な装置として構成されている。
クラウドコンピューティングは、インターネット等の通信ネットワーク40に接続されたコンピュータ(サーバー)やストレージを利用して情報の管理や必要な処理を行うよう構築されるシステムである。その接続先のコンピュータ(サーバー)やストレージとしては、例えば、遠隔監視センターに設置されるコンピュータ、外部記憶装置等が適用される。
次に、監視制御装置5は、図3に示されるように、先行の作業車両1A(作業機35Aを含む)の動作と後続の作業車両1B(作業機35Bを含む)の動作を監視するとともに制御する装置であり、第1の制御装置2Aと同様にコンピュータ等で構成されている。
監視制御装置5は、第1の通信装置4Aと第2の通信装置4Bに対する通信が可能な通信装置6や、キーボード、タッチパネル等の入力装置57や、液晶パネル、ランプ等の表示装置58を有している。また、監視制御装置5は、先行の作業車両1Aおよび後続の作業車両1Bとの間で、圃場情報、作業情報、位置情報、検知情報等の必要な情報を通信により受信して取得する情報取得部54を有している。
この監視制御装置5は、コンピュータにおける処理装置がROM又はHDDの記憶部55に格納されているプログラム、制御データと通信で得られる検知情報に基づいて情報処理をし、制御対象である先行の作業車両1Aおよび後続の作業車両1Bに必要な制御情報を送信するようになっている。また、監視制御装置5では、それを操作する操作者により、先行の作業車両1Aと後続の作業車両1Bにより行う作業に関する種々の条件について設定、変更等を行うことができるようになっている。
記憶部55には、圃場に関する圃場情報、作業機の作業に関する作業情報、自動走行や自動作業における経路に関する経路情報等が格納されている。
圃場情報は、作業対象になる圃場の場所を示す地図情報に関連付けて、圃場の形状や、圃場の入口91、出口92の位置に関する情報が含まれている。作業情報は、圃場ごとに行う作業の内容、条件、作業の開始、作業の完了等の情報である。経路情報は、予め定める監視制御エリア内で自動走行や自動作業で移動するときの経路に関する情報である。なお、これらの圃場情報、作業情報、経路情報等については、上記クラウドコンピューティング上に記憶させて管理するようにしてもよい。
また記憶部55には、監視制御する作業車両の作業経路を生成する経路生成プログラム等も格納されている。
このような監視制御装置5は、遠隔監視センターや圃場管理舎に設置される固定形式の監視制御装置50として構成される。しかし、監視制御装置5は、この他にも、先行の作業車両1A又は後続の作業車両1Bに搭載される車載形式の監視制御装置51や、作業従事者が携帯する携帯形式(例えばタブレット端末型)の監視制御装置52として構成してもよい。
そして、本実施形態1の監視制御システムは、次のように使用および作動する。
はじめに、先行の作業車両1Aと後続の作業車両1Bでは、作業機35A,35Bがそれぞれ装着されるとともにインプルメントバスと呼ばれる1組の配線の図示しないコネクタが接続される。この装着と接続が行われると、作業機35A,35Bの識別情報等の情報が作業機ECUからCAN(Controller Area Network)通信により作業車両1A,1Bの車両ECUに送信される。これにより、作業車両1A,1Bでは作業機35A,35Bの種類等に関する自動認識が行われる。
また、先行の作業車両1Aと後続の作業車両1Bからは、通信ネットワーク40を介して監視制御装置5に作業機35A,35Bの情報や、作業車両1A,1Bの識別情報、位置情報、検知情報等が送信される。これにより、監視制御装置5ではそれらの情報が情報取得部54に取得されるとともに必要により記憶部55に記憶される。
一方、監視制御装置5からは、先行の作業車両1Aと後続の作業車両1Bに対して圃場情報、作業情報、経路情報等の情報がそれぞれ送信される。これにより、作業車両1A,1Bでは車両制御部22A,22B(車両ECU)や作業機制御部25A,25B(作業機ECU)における記憶部21A,21Bにそれぞれ記憶される。
この際、圃場情報における圃場の形状については、例えば、図4に示されるように、圃場9Aに予め設定されている外周記憶点Paを結んで得られる形状の情報から把握される。また、圃場9Aの入口91および出口92については、例えば、外周記憶点Paのうち入口91と出口92にそれぞれ相当する位置にあると指定する複数の記憶点Pbおよび記憶点Pcでそれぞれ把握されるようにする。
続いて、監視制御装置5を操作する操作者(例えば遠隔監視者)は、取得された作業機35A,35Bの情報や、作業車両1A,1Bの位置情報や、圃場情報等についてクラウドコンピューティング上にも記憶させて管理する。
また、操作者は、監視制御装置5において、作業機35A,35Bの情報や位置情報等に基づき作業車両1A,1Bにより行う自動作業の手順、経路、条件等について経路生成プログラム等を利用しながら設定する。
ここでは、先行の作業車両1Aの作業機35Aによる先行の工程の作業と後続の作業車両1Bの作業機35Bによる後続の工程の作業を、図2に示されるように、圃場9Aから圃場9Bへとの順番でかつ予め設定した経路および条件で行う場合を想定して説明する。またこの作業を行う場合、先行の作業車両1Aと後続の作業車両1Bは、その作業の開始前において圃場9Bに隣接する農道95上に停止してスタンバイの状態におかれていると仮定する。
そして、監視制御システムでは、操作者が監視制御装置5において上記先行の工程の作業と後続の工程の作業を開始する指令を出す。これにより、その作業開始の指令情報が先行の作業車両1Aと後続の作業車両1Bに送信され、第1の制御装置2Aと第2の制御装置2Bとがそれぞれ起動する。
作業開始の指令が出ると、まず、先行の作業車両1Aが圃場9Aに自動走行して移動した後、その入口91から圃場9A内に進入して先行の工程の作業を開始する。このときの作業は、圃場9Aにおける先行の工程の作業に設定された経路R1(図2)に沿って自動走行する先行の作業車両1Aに装着された作業機35Aが駆動することで行われる。
監視制御システムでは、圃場9Aで先行の作業を開始した先行の作業車両1Aから、その作業する圃場9Aの情報(位置情報、圃場情報)や先行作業を開始した作業情報が、クラウドコンピューティングを経由して監視制御装置5に送信される。
続いて、監視制御装置5は、図5に示されるように、先行作業が行われる圃場9Aの情報や先行作業が開始された作業情報を受信すると(ステップ:S10)、後続の作業車両1Bに対して圃場9Aへの移動を許可するよう制御する(S11)。
この際、監視制御装置5では、例えば、後続の作業車両1Bが移動する先(移動先)の圃場9Aが最初の圃場であるか否かが確認される(S12)。
ステップS12において最初の圃場9Aであると判断されると、後続の作業車両1Bが最初の圃場9Aに自動走行して移動することが開始される(S13)。図2において符号1Btが付されて破線で表された後続の作業車両が、圃場9Aに移動する途上にある後続の作業車両1Bを示している。
また後続の作業車両1Bの最初の圃場9Aへの移動が開始されると、監視制御装置5では、先行の作業車両1Aから圃場9Aでの先行の工程の作業が完了したか否かの作業情報が情報取得部54で受信して取得されたか否かが判断される(S14)。
ステップS14において先行作業の完了した作業情報を取得しない場合は、先行の作業車両1Aが図2に符号1Adを付して示されるように圃場9A内での作業が残っていて依然として圃場9A内を走行する可能性があるため、図2において符号1Bsaが付されて破線で示されるように、圃場9Aに移動させた後続の作業車両1Bを圃場9Aの入口91で待機させるよう制御する(S15)。
この圃場9Aの入口91で待機させる場合、監視制御装置5では、先行作業の完了した作業情報を受信して取得することを判断し続け(S16)、その先行作業の完了した作業情報を取得したときに、後続の作業車両1Bの圃場9Aの入口91での待機を解除するよう制御する(S17)。先行の工程の作業を完了した先行の作業車両1Aは、例えば圃場9Aの出口92付近に停止して待機するように制御される。
この待機が解除されると、監視制御装置5では、後続の作業車両1Bを移動した最初の圃場9A内に入口91から進入させるよう制御する(S18)。
この場合は、後続の作業車両1Bが圃場9Aでの後続の工程の作業を開始する。このときの作業は、圃場9Aにおける後続の工程の作業に設定された経路R2(図2)に沿って自動走行する後続の作業車両1Bに装着された作業機35Bが駆動することで行われる。
このときの経路R2は、図2では先行の作業車両1Aの経路R1と同じ経路として示されているが、例えば後続の工程の作業内容や作業機35Bの作業幅の違い等の事情に応じて経路R1と異なる経路であっても勿論よい。
また後続の作業車両1Bが圃場9Aでの後続の工程の作業を開始するときは、圃場9Aの出口92付近で待機していた先行の作業車両1Aが出口92から退出して農道95上の経路にそって自動走行して次の圃場9Bに移動するように第1の制御装置2Aにより制御されるため、圃場9A内に先行の作業車両1Aが存在しないようになる。
一方、上記ステップS12において最初の圃場9Aでないと判断されると、後続の作業車両1Bは、先行の作業車両1Aが移動して作業する次の圃場9Bに移動することになる。
このときも先行の作業車両1Aから次の圃場9Bの位置情報や先行の工程の作業を開始した作業情報が上記クラウドコンピューティングを介して監視制御装置5に送られる。また、このときの監視制御装置5は、先行の作業車両1Aが作業を行う次の圃場9Bの位置情報等を後続の作業車両1Bに送信する。
しかしこの後続の作業車両1Bが次の圃場9Bに移動することになる場合は、監視制御装置5では、まず後続の作業車両1Bが次の圃場9Bに移動する経路(本実施形態1では圃場9A,9Bと接する農道95)上に他の作業車両1Xがいる(主に移動している)情報を、情報取得部54が取得するか否かが判断される(S20)。
ここで、他の作業車両1Xとは、作業車両1A,1B以外の作業車両であってその位置情報を監視制御システムにおいても取得できる作業車両である。他の作業車両1Xは、自動走行可能な作業車両であるが、農道95等における存在および位置情報を知り得る手段を監視制御システム側で装備することができれば手動走行形式の作業車両であっても構わない。
また、他の作業車両1Xが移動経路上にあることは、その他の作業車両1Xの位置情報が上記クラウドコンピューティングに送信されて管理されている場合であれば、監視制御装置5では、その位置情報を取得して判定することになる。
ステップS20において移動経路上に他の作業車両1Xがないと判断された場合は、農道95を経由して圃場9Bへの移動が可能であるため、後続の作業車両1Bが圃場9Aの出口92から退出して農道95を自動走行して次の圃場9Bに移動することが開始される(S21)。
そしてこの場合、後続の作業車両1Bは、図5において(1)で示されるように上記ステップS14以降の動作が同様に実行される。
このうち特にステップS14における先行作業完了の作業情報とは、先行の作業車両1Aが次の圃場9Bで行う先行の工程の作業が完了したことを示す情報になる。また、ステップS15における移動先の圃場の入口で待機とは、後続の作業車両1Bが次の圃場9Bにおける入口91で待機することになる。さらに、ステップS18における移動先の圃場内へ進入とは、後続の作業車両1Bが自動走行で次の圃場9Bにおける入口91から圃場9B内に進入することになる。
これにより、最終的には、次の圃場9Bにおいて後続の作業車両1Bによる後続の工程の作業が開始されることになる。
次に、上記ステップS20において移動経路上に他の作業車両1Xがあると判断された場合は、例えば後続の作業車両1Bが農道95を使用して次の圃場9Bに移動するよう自動走行することが困難になるため、図2において符号1Bsbが付されて破線で示されるように、監視制御装置5では、次の圃場9Bに移動させることを許可した後続の作業車両1Bを現在の圃場9A内で待機させるよう制御する(S22)。
このときの圃場9A内での待機は、例えば後続の作業車両1Bを圃場9Aの出口92付近に停止させることで行われる。
そしてこの圃場9A内で待機させる場合、監視制御装置5では、移動経路上に他の作業車両1Xがないか否かを判断し続ける(S23)。この際、監視制御装置5では、その他の作業車両1Xがないと判定したときには、農道95を経由して圃場9Bへの移動が可能であるため、後続の作業車両1Bの圃場9A内での待機を解除するよう制御する(S24)。
ステップS24において移動経路上に他の作業車両1Xがないと判断された場合は、図5において(2)で示されるように上記ステップS21以降の動作が同様に実行される。すなわち、このときは、まず後続の作業車両1Bが圃場9Aの出口92から退出して農道95を自動走行して次の圃場9Bに移動することが開始される(S21)。
その後は、図5において(1)で示されるように上記ステップS14以降の動作が同様に実行される。この場合も、監視制御装置5では、先行の作業車両1Aが次の圃場9Bで行う先行の工程の作業が完了した作業情報を取得しないときには、後続の作業車両1Bを次の圃場9Bにおける入口91で待機させる制御を行い(S15)、その完了した作業情報を取得したときには、最終的に後続の作業車両1Bを次の圃場9B内に進入させる制御を行う(S18)。
このときも最終的には、次の圃場9Bにおいて後続の作業車両1Bによる後続の工程の作業が開始されることになる。
以上説明したように、本実施形態1の監視制御システムでは、監視制御装置5が、先行の作業車両1Aによる圃場9A又は次の圃場9Bでの先行の作業が完了した作業情報を取得するまで、後続の作業車両1Bを圃場9Aの入口91で待機させるか又は圃場9A内もしくは圃場9Bの入口91で待機させる制御を行う。
これにより、同じ圃場9A又は圃場9B内において複数の作業車両1A,1Bの経路、動作等の調整や監視を行う必要がない。また、圃場9A又は圃場9B内で後続の作業車両1Bが先行の作業車両1Aの作業を妨げるおそれがない。後続の作業車両1Bが圃場間を移動する際に他の作業車両1Xの存在により不要なトラブルが発生することや自動走行の余計な調整が必要になることもない。
したがって、この監視制御システムによれば、上記したように複数の作業車両1A,1Bを監視して制御することで、圃場9Aや圃場9Bに対して先行の工程と後続の工程を有する作業を複数の作業車両1A,1Bで行う場合であっても円滑に行うことができる。
また、本実施形態1の監視制御システムでは、監視制御装置5が、先行の作業車両1Aによる圃場A又は圃場9Bでの作業が完了した作業情報を取得したとき、後続の作業車両1Bの圃場9Aの入口91での待機又は圃場9A内もしくは圃場9Bの入口91での待機を解除する制御を行う。
これにより、同じ圃場9A又は圃場9B内において先行の作業車両1Aが後続の作業車両1Bの作業を妨げるおそれがない。
したがって、この監視制御システムによれば、圃場9Aや圃場9Bに対して先行の工程と後続の工程を有する作業を複数の作業車両1A,1Bで行う場合であってもより一層円滑に行うことができる。
実施の形態2.
本発明の実施形態2の監視制御システムは、図3に示されるように、本実施形態1の監視制御システムにおいて後続の作業車両1Bにその作業車両1Bが盗難されることを防止する機能を発揮する盗難防止装置43を設けるとともに、図5に示されるように、その盗難防止装置43を必要な時期に利用するように構成したものである。
盗難防止装置43としては、例えば、後続の作業車両1Bであるトラクタ10Bのトランスミションケース14内の図示しないクラッチ装置を一時的に無効化にして(切り状態にして)走行不能にする機能を発揮する装置が適用される。この盗難防止装置43は、作動させると、上記クラッチ装置を強制的に切り状態に保持するようになっている。また、盗難防止装置43の作動を手動で解除する場合は、例えば、予め設定されたパスワードを入力する等のセキュリティ手段のロック状態を解除することで、無効化されていたクラッチ装置が操作可能になる。
実施形態2の監視制御システムでは、図5に二点鎖線で示されるように、その盗難防止装置43を必要な時期に使用している。
すなわち、監視制御装置5では、後続の作業車両1Bを圃場9A又は圃場9Bの入口91で待機させるとき(ステップ:S15)や圃場9A内で待機させるときに(S22)、盗難防止装置43を作動させ始める制御を行う(S30,S32)。実施形態2では、盗難防止装置43の作動によりクラッチ装置が無効化されて(強制的に切り状態に保たれて)回転動力の伝達がなされず走行や作業が不能になる。これにより、待機中の後続の作業車両1Bが盗難されて無くなるおそれが低減又は解消される。
また、監視制御装置5では、後続の作業車両1Bを圃場9A又は圃場9Bの入口91での待機を解除するとき(S17)や圃場9A内での待機を解除するときに(S24)、盗難防止装置43の作業を解除する制御を行う(S31,S33)。これにより、後続の作業車両1Bが圃場9A又は圃場9B内に移動することや圃場9Aから次の圃場9Bに移動することが盗難防止装置43の作動で妨げられることなくスムーズに開始される。
したがって、実施形態2の監視制御システムによれば、圃場9Aや圃場9Bに対して先行の工程と後続の工程を有する作業を複数の作業車両1A,1Bで行う場合であってもより予定通り確実に、また適切かつ円滑に行うことができる。
変形例.
実施形態1,2の監視制御システムは、作業車両の圃場間の自動走行による移動が可能な規定エリア(ブロック)を設けた場合、少なくとも後続の工程の作業を行う後続の作業車両1Bを確実に監視して制御するという基本的な機能を有効に保つ観点から、その後続の作業車両1Bがその規定エリア内に存在していることが必要になる。
この場合、上記監視制御システムでは、例えば、後続の作業車両1Bがその規定エリア内に存在しないと、後続の作業車両1Bを監視して制御する基本的な機能が働かなくなる。この結果、上記監視制御システムでは、後続の作業車両1Bを後続の工程の作業を行うべき圃場に移動させることができず、その作業を行うこともできなくなる。
そこで、上記監視制御システムにおいては、その機能が働かなくなった場合、その事実を監視制御装置5における表示装置58等に表示して操作者に報知するよう構成するとよい。これにより、操作者は異常の発生を知り、その対応に素早くとりかかることが可能になる。
この場合、監視制御装置5は、上記規定エリア内に当初予定していなかった後続の工程の作業を行うことが可能な別の作業車両が存在していることを検索して、その存在している情報を取得できるときには、次のような制御を行うよう構成してもよい。
すなわち、監視制御装置5は、その別の作業車両が別の圃場(例えば圃場9C等)で後続の工程の作業を終了した後に、先行の作業車両1Aが先行の工程の作業を行った圃場の位置情報を取得した段階で、その別の作業車両を取得した位置情報の圃場(例えば圃場9A又は圃場9B)に自動走行して移動させる制御を行うようにする。
また、実施形態1,2の監視制御システムでは、圃場9内で作業中の先行の作業車両1Aにおいて図示しない燃料タンクの残量を検知する上記各種センサ41Aにおける該当するセンサが燃料補給を要するレベルになったことを検知した場合も、後続の作業車両1Bを移動先の圃場9の入口91で待機させるか又は後続の作業を行っている別の圃場9内で待機させる制御を行うように構成するとよい。
この場合、燃料補給が必要になった先行の作業車両1Aについては、作業を一時中断してその作業中の圃場9の入口91等に移動させて停止させるよう制御する。また、その先行の作業車両1Aについては、例えば現場作業者が入口91で燃料補給の作業を行った後、残る作業を再開するよう制御される。
また、実施形態1,2の監視制御システムでは、後続の作業車両1Bにおいて次の圃場に移動する前に燃料補給を要するレベルになったことが上記各種センサ41Bにおける該当するセンサで検知された場合、その後続の作業車両1Bをその作業が完了した又は継続中の圃場9の入口91に移動させるよう制御し、その燃料補給の作業を行わせるよう構成するとよい。
さらに、実施形態1,2の監視制御システムでは、後続の作業車両1Bが図5に示されるステップS21のように次の圃場9Bへの移動が許可されて移動し始めるときに、その移動を開始する前に移動を一度停止させ、その移動する目前に障害物がないか否かの判定を行い、障害物がなければ上記移動を開始するよう制御するとよい。
このときの障害物の検知は、監視制御装置5が、上記各種センサ41Bにおける障害物検知センサで得られる検知情報を取得して行えばよい。また、障害物の検知は、後続の作業車両1B等に搭載されているカメラ47B(図1、図3)で得られる映像をクラウドコンピューティング経由で監視制御装置5に送信して表示装置58に表示して作業者が肉眼で検知するか或いは画像処理により検知するようにしてもよい。カメラ47Bは、キャビン16の上面に限らず、それ以外の必要な場所にも設けられる。
また、実施形態1,2の監視制御システムでは、先行の作業車両1Aや後続の作業車両1Bが農道95を使用して圃場間を移動するときに、ブザー48A,48Bを鳴らして自動走行するよう制御するとよい。これにより、移動する先行の作業車両1Aや後続の作業車両1Bの周囲にいる人に注意喚起して安全性を保つことできる。
この他、実施形態1,2の監視制御システムでは、監視制御装置5において例えば後続の作業車両1Bの次の圃場9へ移動するタイミングを任意に変更設定できるように構成してもよい。この変更設定は、監視制御装置5における入力装置57、表示装置58等を使用して行うよう構成すればよい。この変更設定を可能にすることにより、後続の作業車両1Bの次の圃場9へ移動を、先行の作業車両1Aの作業進捗状況に適合させて調節することが可能になる。
また、実施形態1,2の監視制御システムでは、後続の作業車両1Bが図5に示されるステップS13,S21のように圃場9への移動が許可されて移動可能になったときに、その後続の作業車両1Bを一時停止の状態にするとともに、後続の作業車両1Bが圃場9への移動可能になったことを監視制御装置5の表示装置58等に表示して報知するよう制御するとよい。この構成は、監視制御装置5が携帯形式の監視制御装置52である場合に、その監視制御装置52を携帯している操作者に上記移動可能な事実を明確に伝えることができて有効である。
さらに、監視制御システムで監視して制御する作業車両は、3台以上適用するようにしてもよい。
盗難防止装置43については、上記した構成の機能以外の防止機能を発揮するものであってもよい。また、盗難防止装置43は、先行する作業車両1Aに設けて使用するようにしてもよい。
圃場9の種類や形状等については前記例示したものに限定されない。圃場9の入口91と出口92は、兼用方の出入口であってもよく、また、その入口91と出口92と出入口は、複数あってもよい。
なお、本発明の監視制御システムは、作業車両そのものを必須の構成とせずに、例えば以下のように捉えることも可能である。
圃場(9)で先行の工程の作業を行う自動走行が可能な先行の作業車両(1A)に設けられる第1の制御装置(2A)、測位装置(3A)および通信装置(4A)と、
前記圃場(9)で後続の工程の作業を行う自動走行が可能な後続の作業車両(1B)に設けられる第2の制御装置(2B)、測位装置(3B)および通信装置(4B)と、
前記第1の通信装置(4A)と前記第2の通信装置(4B)に対する通信が可能な通信装置(6)を有し、圃場情報、作業情報、位置情報、検知情報等の情報を通信して前記先行の作業車両(1A)の動作と前記後続の作業車両(1B)の動作を監視するとともに制御する監視制御装置(5)と、
を備え、
前記監視制御装置(6)は、前記先行の作業車両(1A)が前記圃場(9)での作業を完了させるまで、前記後続の作業車両(1B)を当該圃場(9)の入口(91)で待機させる制御を行うことを特徴とする作業車両の監視制御システム。
本発明は、トラクタ等の農作業用の車両に限られず、それ以外の各種作業用の車両にも適用することができる。
1A…先行の作業車両
1B…後続の作業車両
1X…他の作業車両
2A…第1の制御装置
2B…第2の制御装置
3A…第1の測位装置
3B…第2の測位装置
4A…第1の通信装置
4B…第2の通信装置
5 …監視制御装置
9 …圃場
43…盗難防止装置
91…入口

Claims (6)

  1. 第1の制御装置(2A)、第1の測位装置(3A)および通信装置(4A)を有し、圃場(9)で先行の工程の作業を行う自動走行可能な先行の作業車両(1A)と、
    第2の制御装置(2B)、第2の測位装置(3B)および通信装置(4B)を有し、前記圃場(9)で後続の工程の作業を行う自動走行可能な後続の作業車両(1B)と、
    前記第1の通信装置(4A)と前記第2の通信装置(4B)に対する通信が可能な通信装置(6)を有し、圃場情報、作業情報、位置情報、検知情報等の情報を通信して前記先行の作業車両(1A)の動作と前記後続の作業車両(1B)の動作を監視するとともに制御する監視制御装置(5)と、
    を備え、
    前記監視制御装置(5)は、前記先行の作業車両(1A)による前記圃場(9)での作業が完了した作業情報を取得するまで、前記後続の作業車両(1B)を当該圃場(9)の入口(91)で待機させる制御を行うことを特徴とする作業車両の監視制御システム。
  2. 前記監視制御装置(5)は、前記後続の作業車両(1B)が圃場(9A)での作業を完了させた後に次の圃場(9B)に移動する場合、前記次の圃場(9B)に移動する経路上に他の作業車両(1X)がいる情報を取得したとき、当該後続の作業車両(1B)を前記圃場(9A)内に待機させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の作業車両の監視制御システム。
  3. 前記監視制御装置(5)は、前記先行の作業車両(1A)による前記圃場(9)での作業が完了した作業情報を取得したとき、前記後続の作業車両(1B)の前記待機を解除する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の作業車両の監視制御システム。
  4. 前記監視制御装置(5)は、前記経路上に前記他の作業車両(1X)がいない情報を取得したとき、前記後続の作業車両(1B)の前記待機を解除する制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の作業車両の監視制御システム。
  5. 前記後続の作業車両(1B)は、当該作業車両(1B)が盗難されることを防止する機能を発揮する盗難防止装置(43)を有し、
    前記監視制御装置(5)は、前記後続の作業車両(1B)の前記待機を行うときに、前記盗難防止装置(43)を作動させる制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の作業車両の監視制御システム。
  6. 前記監視制御装置(5)は、前記後続の作業車両(1B)の前記待機が解除されたときに、前記盗難防止装置(43)の作動を解除する制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の作業車両の監視制御システム。
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