JP2021182066A - 光ファイバ、ならびにその処理方法および製造方法 - Google Patents

光ファイバ、ならびにその処理方法および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のガラス光ファイバを含み、通信用の伝送路として好適な光ファイバを提供する。【解決手段】光ファイバは、4本以上のガラス光ファイバの外周を一括して取り囲む被覆部を備え、ガラス光ファイバは、接触部にて他のガラス光ファイバと接触するガラス光ファイバを含み、接触するガラス光ファイバは、接触部以外の外縁が、長手方向と垂直な断面において円弧の形状であり、接触部の外縁が、該接触部が円弧と同じ直径の円弧である場合よりも他のガラス光ファイバとの中心間距離が小さくなる形状であり、ガラス光ファイバは、中心コア部と、中間層と、トレンチ層と、クラッド部とを含み、中心コア部の平均の最大比屈折率差をΔ1、中間層の平均比屈折率差をΔ2、トレンチ層の平均比屈折率差をΔ3とすると、Δ1>Δ2>Δ3かつ0>Δ3が成り立ち、直径20mmで曲げた場合の波長1550nmにおける曲げ損失が0.75dB/turn以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ、ならびにその処理方法および製造方法に関する。
伝送路の空間多重度を高める光ファイバとして、1つのクラッド部の内部に複数のコア部が配列されたマルチコアファイバが知られている。一方、コア部の外周をクラッド部が取り囲む構成を有する、複数のガラス光ファイバが、一括して被覆された光ファイバが知られている。このような構成の光ファイバは、マルチエレメントファイバと呼ばれる場合がある(特許文献1、非特許文献1)。
米国特許第7221822号明細書
S.Jain et al.,"Multi-element fiber technology for space-division multiplexing applications", Optics Express, Vol.22, No.4, p3787, [2014]
しかしながら、上記した文献に記載の光ファイバは、通信用の伝送路として用いる場合には改善の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数のガラス光ファイバを含み、通信用の伝送路として好適な光ファイバを提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、4本以上である複数のガラス光ファイバと、前記複数のガラス光ファイバの外周を一括して取り囲む被覆部と、を備え、前記複数のガラス光ファイバは、接触部にて他のガラス光ファイバと接触するガラス光ファイバを含み、前記接触するガラス光ファイバは、長手方向と垂直な断面において、前記接触部以外の外縁が円弧の形状であり、前記接触部の外縁が、該接触部が前記円弧と同じ直径の円である場合よりも前記他のガラス光ファイバとの中心間距離が小さくなる形状であり、前記ガラス光ファイバは、中心コア部と、前記中心コア部の外周を取り囲む中間層と、前記中間層の外周を取り囲むトレンチ層と、前記トレンチ層の外周を取り囲むクラッド部とを含み、前記クラッド部に対する比屈折率差として、前記中心コア部の平均の最大比屈折率差をΔ1、前記中間層の平均比屈折率差をΔ2、前記トレンチ層の平均比屈折率差をΔ3とすると、Δ1>Δ2>Δ3かつ0>Δ3が成り立ち、直径20mmで曲げた場合の波長1550nmにおける曲げ損失が0.75dB/turn以下である光ファイバである。
Δ3は−0.3%以上であるものでもよい。
2つの隣り合う前記中心コア部のコア間ピッチが35μm以上65μm以下であり、長さ100kmにおいて2つの隣り合う前記ガラス光ファイバの間のクロストークが波長1550nmにおいて−10dB以下であるものでもよい。
波長1550nmにおけるリーケージ損失が0.01dB/km以下であるものでもよい。
前記接触部の中心角が90°以下であるものでもよい。
Δ1が0.35%以上0.39%以下であるものでもよい。
前記中心コア部のコア径を2a、前記トレンチ層の内径、外径をそれぞれ2b、2cとしたときに、b/aが1.9以上3.0以下であり、c/aが3.6以上4.4以下であるものでもよい。
Δ2が−0.05%以上0.04%以下であるものでもよい。
前記中心コア部のコア径が、ケーブルカットオフ波長が1260nm以下になるように設定されているものでもよい。
波長1310nmにおけるモードフィールド径が8.6μm以上であるものでもよい。
零分散波長が1300nm以上1324nm以下あり、前記零分散波長での分散スロープが0.092ps/nm/km以下であるものでもよい。
本発明の一態様は、前記光ファイバの前記被覆部の一部を除去し、露出した前記複数のガラス光ファイバを分離し、前記分離したガラス光ファイバを個別にまたは一括して処理する光ファイバの処理方法である。
本発明の一態様は、前記光ファイバを製造する方法であって、前記複数のガラス光ファイバのそれぞれの元材である複数の光ファイバ母材を準備する第1工程と、前記複数の光ファイバ母材を束ねる第2工程と、前記複数の光ファイバ母材のそれぞれから前記複数のガラス光ファイバを線引きする第3工程と、前記線引きした複数のガラス光ファイバを束ねる第4工程と、前記束ねた複数のガラス光ファイバの外周を囲むように前記被覆部を形成する第5工程と、を含む光ファイバの製造方法である。
前記第1工程において、前記複数の光ファイバ母材をVAD(Vapor-phase Axial Deposition)法、OVD(Outside Vapor Deposition)法、MCVD(Modified Chemical Vapor Deposition)法、またはプラズマCVD法によって形成するものでもよい。
前記第2工程において束ねた前記複数の光ファイバ母材に支持部材を接合する第6工程を含み、前記第3工程において前記支持部材を接合した前記複数の光ファイバ母材のそれぞれから前記複数のガラス光ファイバを線引きするものでもよい。
前記第2工程において前記複数の光ファイバ母材をパイプに挿入して束ねるものでもよい。
前記第4工程において束ねた複数のガラス光ファイバの外径を測定する第7工程を含み、前記第3工程において、前記測定した外径の値を演算処理して得られた数値に基づいて、前記複数のガラス光ファイバを線引きする条件を制御するものでもよい。
前記数値は、最大値、最小値および平均値の少なくとも一つであるものでもよい。
前記第1工程において、それぞれが前記複数のガラス光ファイバのそれぞれの長さに換算して100km以上となる体積を有する、前記複数の光ファイバ母材を準備するものでもよい。
本発明によれは、複数のガラス光ファイバを含み、通信用の伝送路として好適な光ファイバを実現できるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る光ファイバの模式的な構成図である。 図2は、図1に示すガラス光ファイバの屈折率プロファイルの模式図である。 図3は、図1に示すガラス光ファイバの接触角の説明図である。 図4は、図1に示す光ファイバの処理方法の説明図である。 図5は、図1に示す光ファイバの製造方法の説明図である。 図6は、Δ3と規格化非円率との関係を示す図である。 図7は、図1に示す光ファイバの製造方法の説明図である。 図8は、実施形態2に係る光ファイバの模式的な構成図である。 図9は、光ファイバの長手方向における位置と接触角の平均との関係を示す図である。 図10は、接触角と非円率との関係を示す図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する構成要素には適宜同一の符号を付している。また、本明細書においては、カットオフ波長または実効カットオフ波長とは、ITU−T(国際電気通信連合) G.650.1で定義するケーブルカットオフ波長をいう。また、その他、本明細書で特に定義しない用語についてはG.650.1およびG.650.2における定義、測定方法に従うものとする。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る光ファイバの模式的な構成図である。図1は光ファイバ10の長手方向に垂直な任意の面での切断面を示すが、ハッチングは省略している。光ファイバ10は、複数のガラス光ファイバである4本のガラス光ファイバ11、12、13、および14と、ガラス光ファイバ11、12、13、および14の外周を一括して取り囲む被覆部15、16とを備えている。
ガラス光ファイバ11、12、13、および14は、いずれも石英系ガラスからなり、長手方向に垂直な面において正方形の頂点に位置するように配列されている。ガラス光ファイバ11は、中心コア部11aと、中心コア部11aの外周を取り囲む中間層11bと、中間層11bの外周を取り囲むトレンチ層11cと、トレンチ層11cの外周を取り囲むクラッド部11dとを含む。中心コア部11aと中間層11bとトレンチ層11cとはコア部とも呼ばれる。
なお、ガラス光ファイバ12も、ガラス光ファイバ11と同様に、中心コア部12a、中間層12b、トレンチ層12c、およびクラッド部11dを含む。ガラス光ファイバ13も、中心コア部13a、中間層13b、トレンチ層13c、およびクラッド部13dを含む。ガラス光ファイバ14も、中心コア部14a、中間層14b、トレンチ層14c、およびクラッド部14dを含む。
図2は、図1に示すガラス光ファイバ11の屈折率プロファイルを示す図である。クラッド部11dの屈折率を基準として比屈折率差を規定すると、クラッド部11dについては、比屈折率差は零である。また、中心コア部11aの平均の最大比屈折率差はΔ1である。中間層11bの平均比屈折率差はΔ2である。トレンチ層11cの平均比屈折率差はΔ3である。このとき、Δ1>Δ2>Δ3かつ0>Δ3であり、ガラス光ファイバ11の屈折率プロファイルはトレンチ型である。
また、中心コア部11aのコア径は2aである。また、中間層11bの外径すなわちトレンチ層11cの内径は2bであり、トレンチ層11cの外径は2cである。したがって、トレンチ層11cの幅(トレンチ幅)は(c−b)である。
また、ガラス光ファイバ12、13、および14についても、ガラス光ファイバ11と同様にΔ1、Δ2、およびΔ3が規定され、Δ1>Δ2>Δ3かつ0>Δ3であり、屈折率プロファイルがトレンチ型である。また、中心コア部12a〜14aのコア径は2aであり、トレンチ層12c〜14cの内径は2bであり、トレンチ層12c〜14cの外径は2cである。したがって、トレンチ層12c〜14cのトレンチ幅は(c−b)である。ただし、Δ1、Δ2、Δ3、2a、2b、および2cは、ガラス光ファイバ12、13、および14の全てで同じ値であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
また、中心コア部11a、12a、13aおよび14aの屈折率プロファイルは、幾何学的に理想的な形状のステップ型である場合だけでなく、頂部の形状が平坦ではなく製造特性により凹凸が形成されたり、頂部から裾を引くような形状となっていたりする場合がある。この場合、製造設計上の中心コア部のコア径2aの範囲内における、屈折率プロファイルの頂部で略平坦である領域の屈折率が、Δ1を決定する指標となる。
ガラス光ファイバ11、12、13、および14の構成材料は、上記の屈折率プロファイルを実現するものあれば特に限定されないが、たとえば、中心コア部11a、12a、13a、および14aは、屈折率を高める屈折率調整用のドーパントとして通常使用されるゲルマニウム(Ge)を含む石英系ガラスからなる。たとえば、中間層11b、12b、13b、および14bは、純石英ガラスまたは屈折率調整用のドーパントを低濃度で含む石英系ガラスからなる。たとえば、トレンチ層11c、12c、13c、および14cは、屈折率を低くする屈折率調整用のドーパントとして通常使用されるフッ素(F)を含む石英系ガラスからなる。たとえば、クラッド部11d、12d、13d、および14dは、純石英ガラスからなる。ここで、純石英ガラスとは、屈折率を変化させるドーパントを実質的に含まず、波長1550nmにおける屈折率が約1.444である、きわめて高純度の石英ガラスである。また、クラッド部11d、12d、13d、および14dは、純石英ガラスに対する比屈折率差が±0.05%の範囲内の石英系ガラスで構成されていてもよい。
被覆部15、16は、たとえば樹脂からなり、ガラス光ファイバ11、12、13、および14を一括して被覆して保護する機能を有する。被覆部15、16は、たとえばUV硬化樹脂等からなる。被覆部15、16に用いられるUV硬化樹脂としては、たとえばウレタンアクリレート系、ポリブタジエンアクリレート系、エポキシアクリレート系、シリコーンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系などがあるが、光ファイバのコーティングに使用されるものであれば特に限定されない。
被覆部15は、プライマリコーティング層とも呼ばれ、被覆部16は、セカンダリコーティングとも呼ばれる。被覆部15のヤング率は0.2〜1.5MPaの程度であり、本実施形態では0.5MPaである。被覆部16のヤング率は500〜2000MPaの程度であり、本実施形態では1000MPaである。
つづいて、ガラス光ファイバの構成についてより具体的に説明する。ガラス光ファイバ11、12、13、および14は、いずれも接触部を有する。接触部は、他のガラス光ファイバと接触する部分であり、具体的には接触部11e、11f、12e、12f、13e、13f、14e、14fである。ガラス光ファイバ11は、接触部11eにてガラス光ファイバ12の接触部12eと接触するとともに接触部11fにてガラス光ファイバ14の接触部14fと接触する。ガラス光ファイバ12は、接触部12fにてガラス光ファイバ13の接触部13eと接触する。ガラス光ファイバ13は、接触部13fにてガラス光ファイバ14の接触部14eと接触する。すなわち、ガラス光ファイバ11、12、13、および14は、接触部にて他のガラス光ファイバと接触するガラス光ファイバの一例である。また、ガラス光ファイバ11、12、13、および14は、いずれも、接触部11e、11f、12e、12f、13e、13f、14e、14f以外では、長手方向と垂直な断面において所定直径(クラッド径)の円弧の形状である。また、本実施形態では、接触部11e、11f、12e、12f、13e、13f、14e、14fは、長手方向と垂直な断面において略直線状である。
ここで、図3を参照し、ガラス光ファイバ11を例に接触角について説明する。接触角θ1、θ2は、それぞれガラス光ファイバ11の中心と接触部11e、11fとのなす角であるが、ガラス光ファイバ11の接触部11e、11f以外での円弧に相当する円に対して、接触角θ1、θ2はそれぞれ接触部11e、11fに対する中心角に相当する。また接触部11e、11fは弦に相当する。
本実施形態では、接触部11e、11f、12e、12f、13e、13f、14e、14fの接触角はいずれも等しいが、異なっていてもよい。
また、図1に示すように、ガラス光ファイバ11、12、13、および14の束のサイズを表す指標として、ガラス光ファイバ11、12、13、および14が外接する正方形の1辺の長さに相当する大きさの外径D1と、ガラス光ファイバ11、12、13、および14に外接する円の直径に相当する大きさの外径D2とを規定する。ガラス光ファイバ11、12、13、および14のクラッド径がいずれも80μmの場合、外径D1はたとえば約160μmであり、外径D2はたとえば約193μmである。
以上のように構成された光ファイバ10は、ガラス光ファイバ11、12、13、および14がいずれもトレンチ型の屈折率プロファイルを有するので、曲げ耐性が高い。たとえば光ファイバ10は、直径20mmで曲げた場合の波長1550nmにおける曲げ損失が0.75dB/turn以下、より好ましくは0.1dB/turn以下である。この場合、光ファイバ10はG.657.A1規格、より好ましくはG.657.A2規格を満たすことができるので、通信用の伝送路として好適である。以下では、直径20mmで曲げた場合の波長1550nmにおける曲げ損失を単に曲げ損失と略記する場合がある。
また、光ファイバ10は、ガラス光ファイバ11、12、13、および14は、接触部11e、11f、12e、12f、13e、13f、14e、14fを有する。ガラス光ファイバ11、12、13、および14は、接触部11e、11f、12e、12f、13e、13f、14e、14f以外の外縁が、長手方向と垂直な断面において円弧の形状であり、接触部11e、11f、12e、12f、13e、13f、14e、14fの外縁が、該接触部11e、11f、12e、12f、13e、13f、14e、14fが前記円弧と同じ直径の円である場合よりも、他のガラス光ファイバとの中心間距離が小さくなる形状である。すなわち、たとえばガラス光ファイバ11、12の間の中心間距離は、接触部11eと12eとが存在せずに円である場合よりも、接触部11eと12eの弦に対応する矢高の総和だけ、中心間距離が近くなる。その結果、光ファイバ10は外径が比較的小さくなり断面での空間密度が高くなる。
ガラス光ファイバ11、12、13、および14のクラッド径については、空間密度の向上の観点からは130μm以下程度であることが好ましいが、これに限定はされない。
被覆部16の外径については、250μmであれば、G.652規格の標準シングルモード光ファイバと同じ外径なので取り扱いが容易であり、250μm未満であれば標準シングルモード光ファイバよりも細径にできる。
ガラス光ファイバ12、13、および14の光学特性については、たとえば、波長1310nmにおけるモードフィールド径(MFD)が8.6μm以上であることが好ましく、零分散波長(λ0)が1300nm以上1324nm以下であることが好ましく、零分散波長での分散スロープ(Slope)が0.092ps/nm/km以下である。これらの光学特性は、G.657.A1規格に基づくものであり、Δ1、Δ2、Δ3、2a、2b、2cの組み合わせを適宜設定することによって実現できる。また、中心コア部11a、12a、13aおよび14aのコア径が、ケーブルカットオフ波長(λcc)が1260nm以下になるように設定されていることが好ましい。
なお、デジタルコヒーレント技術の進歩により、通信用伝送路の波長分散特性に起因する通信信号光の劣化の補償技術も進歩している。しかしながら、光ファイバ10のλ0やSlopeが上記特性を満たすものであれば、これを伝送路に用いた場合に、補償に必要な演算などの負荷が軽減されるので好ましい。
また、光ファイバ10は、同じコア数であり同じ光学特性であるマルチコアファイバよりも、ガラスの部分の体積が小さいので、より低コスト化が可能になる。
また、Δ3は−0.3%以上であれば、ガラス光ファイバ12、13、および14が接触していることによる変形を抑制することができる。これについては後に詳述する。
また、本発明者らの検討によれば、たとえば、Δ3が−0.3%以上の場合、Δ1が0.35%以上0.39%以下であり、b/aが1.9以上3.0以下であり、c/aが3.6以上4.4以下であり、Δ2が−0.05%以上0.04%以下であるように設定する。これにより、波長1310nmにおけるMFD、λcc、および曲げ損失について、G.657.A1規格、より好ましくはG.657.A2規格を満たすことができる。
また、本発明者らの検討によれば、ガラス光ファイバ12、13、および14における2つの隣り合う中心コア部の間の距離(コア間ピッチ)は、たとえば35μm以上65μm以下である。これにより、長さ100kmの光ファイバ10において2つの隣り合うガラス光ファイバの間のクロストークを波長1550nmにおいて−10dB以下、より好ましくは−15dB以下とできるとともに、光ファイバ10の外径を比較的細径にできる。
また、ガラス光ファイバ12、13、および14を細径にするために、クラッド部11d、12d、13d、および14dの厚さを薄肉にすると、クラッド部による光閉じ込め効果が低くなり、リーケージ損失の問題が生じ得る。しかしながら、本発明者らの検討によれば、クラッド部11d、12d、13d、および14dの厚さが35μm以上であれば、波長1550nmにおけるリーケージ損失が0.01dB/km以下と、無視できる程度の低さにすることができる。
(光ファイバの処理方法)
光ファイバ10は、被覆部15、16の一部を公知の被覆除去治具や薬剤で除去し、露出したガラス光ファイバ11、12、13、および14を分離し、分離したガラス光ファイバ11、12、13、および14を個別に処理することで、公知の方法で処理を行うことができる。ここで、処理とは、切断や他の光ファイバとの融着接続である。
たとえば、図4に示す例では、被覆部15、16の一部を除去し、露出したガラス光ファイバ11、12、13、および14の束からガラス光ファイバ12を分離している。これによりガラス光ファイバ12を個別に処理することができる。特に、接触部11e、11f、12e、12f、13e、13f、14e、14fの接触角が90°以下であれば、互いに接触する接触部の接触面積が比較的小さい。その結果、互いに接触しているガラス光ファイバを分離しやすくなるので、個別の処理が容易になる。なお、分離のために、専用の分離治具やアルコール洗浄などを用いてもよい。また、接触角が90°以下であれば、ガラス光ファイバ11、12、13、および14の断面が円形に近いので、公知の光ファイバの処理機器で処理しやすい。なお、切断や融着接続のための機器が、公知の多心光ファイバ用の機器であれば、分離したガラス光ファイバ11、12、13、および14を一列に並べて一括して処理することも可能である。たとえばガラス光ファイバ11、12、13、および14のクラッド径が約125μmの場合は125μm用処理機器を用いて、クラッド径が約80μmの場合は80μm用処理機器を用いて、個別または一括して処理することができる。
たとえば、マルチコアファイバであれば、マルチコアファイバ同士の融着接続の場合には、マルチコアファイバ同士を軸回りに回転調芯させてコア部同士を位置合わせする必要があるため煩雑であり、かつ回転調芯を有する融着接続機が必要になる。これに対して光ファイバ10同士の融着接続であれば、シングルコアの光ファイバを個別に融着接続すればよいので、回転調芯は不要である。また、マルチコアファイバの場合、処理のために特殊なFan-in/Fan-outデバイスが必要になる場合があるが、光ファイバ10であればそのような特殊なデバイスを用いずに処理を行うことができる。
なお、分離後のガラス光ファイバ11、12、13、および14の取り扱い容易性の観点からは、クラッド径はたとえば70μm以上が好ましい。
(製造方法)
光ファイバ10の製造方法の一例について説明する。本例の製造方法は、ガラス光ファイバ11、12、13、および14のそれぞれの元材である4本の光ファイバ母材を準備する第1工程と、4本の光ファイバ母材を束ねる第2工程と、4本の光ファイバ母材のそれぞれからガラス光ファイバ11、12、13、および14を線引きする第3工程と、線引きしたガラス光ファイバ11、12、13、および14を束ねる第4工程と、束ねたガラス光ファイバ11、12、13、および14の外周を囲むように被覆部15、16を形成する第5工程と、を含む。4本の光ファイバ母材は複数の光ファイバ母材の一例である。
各工程について説明する。第1工程においては、たとえば、4本の光ファイバ母材をVAD(Vapor-phase Axial Deposition)法、OVD(Outside Vapor Deposition)法、MCVD(Modified Chemical Vapor Deposition)法、またはプラズマCVD法によって形成する。光ファイバ母材は、中心コア部と中間層とトレンチ層とクラッド部とを含む構造を有するものである。
第1工程において、それぞれがガラス光ファイバ11、12、13、および14のそれぞれの長さに換算して100km以上となる体積を有する、4本の光ファイバ母材を準備することが好ましい。これにより1本の光ファイバ母材から長いガラス光ファイバを製造できるので、光ファイバ10の製造コストを低減できる。なお、光ファイバ母材のうち、所望の規格を満たすガラス光ファイバの製造に使用できる良品部分の体積が、そのままガラス光ファイバの体積となる。したがって、製造すべきガラス光ファイバの長さとクラッド径とから、光ファイバ母材の良品部分として必要な体積を算出できる。
つぎに、図5は、光ファイバ10の製造方法の一例であって、第2〜第5工程を説明する図である。光ファイバ母材110、120、130、および140は、それぞれ、ガラス光ファイバ11、12、13、および14の元材としての光ファイバ母材である。束ねた光ファイバ母材110、120、130、および140を、公知の線引炉1000にセットする。つづいて、光ファイバ母材110、120、130、および140を一括して回転降下させながらヒータ1001で下端部を加熱溶融し、ガラス光ファイバ11、12、13、および14を線引きする。そして、ガラス光ファイバ11、12、13、および14を束ねて被覆装置1002に通過させ、被覆部15、16を形成し、光ファイバ10とする。なお、本例では、第7工程として、束ねたガラス光ファイバ11、12、13、および14の外径をレーザ方式などの外径測定器1003にて測定する工程を含む。そして、測定した外径の値を演算処理して得られた数値に基づいて、ガラス光ファイバ11、12、13、および14を線引きする条件を制御する。外径の測定および線引き条件の制御については後述する。
本例の製造方法によれば、スタック法やドリル法を用いずに、複数のコア部を含む光ファイバを製造できる。これにより、光ファイバ母材の大型化が容易である。
ここで、ガラス光ファイバ11、12、13、および14を束ねる際にガラス光ファイバ同士が接触干渉するため、ガラス光ファイバ11、12、13、および14の断面が円から変形し、それに応じて中心コア部、中間層、トレンチ層も変形する場合がある。特に、トレンチ層はフッ素などを含んで粘度が低いので変形しやすい。その結果、ガラス光ファイバ11、12、13、および14の光学特性が設計値から変動するおそれがある。
そこで本発明者は、トレンチ層のΔ3を−0.7%から−0.1%まで変化させた様々な光ファイバ母材を準備して光ファイバ10を製造し、各ガラス光ファイバの変形の度合いを調べた。ガラス光ファイバの変形の度合いの指標として非円率を採用した。ガラス光ファイバの非円率は、ガラス光ファイバの断面の直径(クラッド径)の最大値と最小値との差を、最大値と最小値との平均値で除算した値として定義され、クラッド非円率とも呼ばれる。すなわち、ガラス光ファイバの断面が真円の場合は、非円率は0である。なお、非円率は、各ガラス光ファイバが、接触部以外の円弧の部分から算出した。また、非円率は光ファイバ母材を単独で線引きしたガラス光ファイバの非円率により規格化し、規格化非円率を算出した。また、Δ3以外の構造パラメータであるΔ1、Δ2、2a、2b、2cについては、所定のΔ3に対して、各ガラス光ファイバが、G.657.A1規格における以下の各特性を満たす様々な組み合わせを採用した。各特性は、λccが1260nm以下であり、波長1310nmにおけるMFDが8.6μm以上であり、λ0が1300nm以上1324nm以下あり、Slopeが0.092ps/nm/km以下であり、曲げ損失が0.75dB/turn以下である。なお、λccが1260nm以下になるために、中心コア部のコア径を適正に設定した。
図6は、Δ3と規格化非円率との関係を示す図である。データ点は、Δ3以外の構造パラメータの様々な組み合わせに対応するデータ点である。図6に示すように、Δ3が−0.3%以上であれば、G.657.A1規格における上記特性を維持しつつ、規格化非円率の急激な増大が抑制される、すなわちガラス光ファイバの変形が抑制される。
なお、図7に示すように、線引炉にセットする前に、パイプ150に、光ファイバ母材110、120、130、および140の束160を挿入して整列させてもよいし、束160に支持部材170を接合する第6工程を行ってもよい。支持部材170はたとえば石英系ガラスからなり、火炎で束160と接合できる。光ファイバ母材110、120、130、および140を整列させれば、支持部材170に接合し易い。また、支持部材170を接合すれば、光ファイバ母材110、120、130、および140のそれぞれからガラス光ファイバ11、12、13、および14を線引きする際に、公知の線引炉1000にて通常の光ファイバと同様に線引きをし易い。
また、パイプ150に、束160を挿入して整列させた状態で光ファイバ母材110、120、130、および140同士を火炎で接合してもよい。
(外径の測定および線引き条件の制御)
略円筒形状である通常の単一の光ファイバ母材からの光ファイバの線引きについては、線引きされた光ファイバの外径をオンラインにて測定し、その測定値に基づいて、たとえば外径が一定になるように線引き条件をフィードバック制御することが通常実施される。線引き条件とは、たとえば、昇降機構による光ファイバ母材の線引炉への送り速度や、巻き取り機による線引きした光ファイバの巻き取り速度などの条件である。
一方、図5に示す例では、束ねたガラス光ファイバ11、12、13、および14の外径を外径測定器1003にて測定すると、その外径は光ファイバ母材110、120、130、および140の回転速度に応じて時間的に周期的に変化する。たとえば、図1に示す外径D2に相当する値が測定される場合が測定値の最大値であり、光ファイバ母材110、120、130、および140が一回転するうちに4回測定される。
そこで、測定した外径の値を演算処理して得られた数値に基づいて、ガラス光ファイバ11、12、13、および14を線引きする条件を制御することが好ましい。演算処理して得る数値は、たとえば統計量である。統計量の例としては、最大値、最小値および平均値の少なくとも一つが考えられる。また、最大値と最小値との差でもよい。最小値は、たとえば図1に示す外径D1に相当し、最大値は、たとえば外径D2に相当する。そこで、たとえば、ガラス光ファイバ11、12、13、および14の外径を80μmに制御する場合には、測定した値の最大値が約193μmになるように線引き条件を制御したり、最小値が約160μmになるように線引き条件を制御したりすることができる。
なお、線引き条件の制御は上記の方法に限らず、たとえば外径測定器1003の位置を図5の位置からずらし、線引き後に束ねる前のガラス光ファイバ11、12、13、および14のうちのいずれか一つの外径を測定し、その測定値に基づいて線引き条件をフィードバック制御してもよい。また、外径測定器1003を4つ設け、線引き後に束ねる前のガラス光ファイバ11、12、13、および14のそれぞれの外径を個別に測定し、その測定値に基づいて線引き条件をフィードバック制御してもよい。
(実施形態2)
図8は、実施形態2に係る光ファイバの模式的な構成図である。図8は光ファイバ20の長手方向に垂直な任意の面での切断面を示すが、ハッチングは省略している。光ファイバ20は、7本のガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26および27と、ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26および27の外周を一括して取り囲む被覆部28、29とを備えている。
ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26および27はいずれも石英系ガラスからなり、長手方向に垂直な面において三角格子状に配列されている。ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26および27の構成材料は、ガラス光ファイバ11などと同様である。
また、ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26および27は、いずれも、ガラス光ファイバ11などと同様の中心コア部、中間層、トレンチ層、およびクラッド部を含み、トレンチ型の屈折率プロファイルを有する。ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26および27のいずれについても、ガラス光ファイバ11などと同様に、構造パラメータとしてΔ1、Δ2、Δ3、2a、2b、および2cが規定できる。Δ1、Δ2、Δ3、2a、2b、および2cは、ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26および27の全てで同じ値であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
被覆部28、29の構成は、被覆部15、16と同様である。
また、ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26および27は、いずれも接触部を有する。接触部は、接触部21a、21b、21c、21d、21e、21f、22a、22b、22c、23a、23b、23c、24a、24b、24c、25a、25b、25c、26a、26b、26c、27a、27b、および27cである。たとえば、ガラス光ファイバ21は、接触部21a、21b、21c、21d、21e、および21fのそれぞれにおいて、ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26および27のそれぞれと接触する。また、ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26および27は、いずれも、接触部21a、21b、21c、21d、21e、21f、22a、22b、22c、23a、23b、23c、24a、24b、24c、25a、25b、25c、26a、26b、26c、27a、27b、および27c以外では、長手方向と垂直な断面において所定直径(クラッド径)の円弧の形状である。また、本実施形態では、接触部21a、21b、21c、21d、21e、21f、22a、22b、22c、23a、23b、23c、24a、24b、24c、25a、25b、25c、26a、26b、26c、27a、27b、および27cは、長手方向と垂直な断面において略直線状である。また、接触部21a、21b、21c、21d、21e、21f、22a、22b、22c、23a、23b、23c、24a、24b、24c、25a、25b、25c、26a、26b、26c、27a、27b、および27cの接触角はいずれも90°以下でありいずれも等しいが、異なっていてもよい。
また、図8に示すように、ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26および27の束のサイズを表す指標として、ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26が外接する正六角形の辺のうち互いに対向する辺の間の距離に相当する大きさの外径D3を規定する。また、他の指標として、ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26に外接する円の直径に相当する大きさの外径D4を規定する。ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26のクラッド径がいずれも80μmの場合、外径D3はたとえば約219μm以下であり、外径D4はたとえば約240μm以下である。
以上のように構成された光ファイバ20は、ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26がいずれもトレンチ型の屈折率プロファイルを有するので、曲げ耐性が高く、たとえば曲げ損失が0.75dB/turn以下、より好ましくは0.1dB/turn以下である。この場合、光ファイバ20はG.657.A1規格、より好ましくはG.657.A2規格を満たすことができるので、通信用の伝送路として好適である。
また、光ファイバ20は、ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26および27が、接触部を有するので、光ファイバ10と同様に、外径が比較的小さくなり断面での空間密度が高くなる。
また、ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26および27のクラッド径については、70μm以上が好ましく、130μm以下程度であることが好ましいが、これには限定はされない。
被覆部29の外径については、250μmであれば、G.652規格の標準シングルモード光ファイバと同じ外径なので取り扱いが容易であり、250μm未満であれば標準シングルモード光ファイバよりも細径にできる。
ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26および27の光学特性については、光ファイバ10と同様に、G.657.A1規格に基づく特性であることが好ましい。ガラス光ファイバ21、22、23、24、25、26および27におけるΔ1、Δ2、Δ3、2a、2b、および2cの好ましい値および組み合わせは、光ファイバ10の場合と同様である。また、コア間ピッチ、クロストーク、クラッド部の厚さ、およびリーケージ損失の好ましい値についても、光ファイバ10と同様である。
また、光ファイバ20は、光ファイバ10と同様な方法で処理でき、光ファイバ10と同様な方法で製造できる。
(実施例)
実施例として実施形態1、2に係る光ファイバを製造し、その特性を調査した。まず、構造パラメータを様々に変更しながらシュミレーション計算を行い、所定の光学特性を満たすような構造パラメータを求めた。具体的には、光学特性としてG.657 A2規格を満たし、長さ100kmのクロストークが波長1550nmにおいて−30dBであり、波長1625nmで0.001dB/km以下の閉じ込め損失であるような、構造パラメータとしてのΔ1、Δ2、Δ3、2a、b/a、c/a、クラッド部の厚さ(クラッド厚)、コア間ピッチを求めた。この場合、クロストークは隣接する2つのガラス光ファイバのクラッド径の総和に依存し、閉じ込め損失は個別のガラス光ファイバのクラッド厚に依存するので、実際には上記の閉じ込め損失の条件を満たせばクロストークの条件も満たされることとなる。
上記条件を満たす構造パラメータの組み合わせをサンプル番号1〜35として表1、2に示す。なお、4コアとは実施形態1のように4本のガラス光ファイバを備える光ファイバを意味し、7コアとは実施形態2のように7本のガラス光ファイバを備える光ファイバを意味する。また、必要クラッド厚は上記の閉じ込め損失の条件を満たすために必要なクラッド厚である。表1、2に示すように、クラッド径は74μm〜82μm程度と比較的に細径にすることができた。また、総外径@4コアとは、実施形態1における外径D1から外径D2の範囲を示し、総外径@7コアとは、実施形態2における外径D3から外径D4の範囲を示す。なお、クラッド径および総外径は、計算により求めた必要クラッド厚とコア間ピッチとから計算した。総外径@4コアはいずれのサンプルでも200μm以下であった。この場合、たとえばプライマリコーティング層としての被覆部の外径を200μm、セカンダリコーティング層としての被覆部の外径を250μmとすれば、標準シングルモード光ファイバと同等の外径である、実施例の光ファイバを実現することができる。この実施例の光ファイバは、コアの数が同じである4本の標準シングルモード光ファイバの束と比較して、空間密度が高く、かつガラスや被覆部の使用量を抑制して低コストで実現することができる。
その他、表1に示すように、いずれのサンプルについても、λ0は1300nm以上1324nm以下であり、Slopeは0.073ps/nm/km以上0.092ps/nm/km以下であった。また、MFDは8.6μm以上9.2μm以下であった。さらに、λccは1260nm以下であった。また、曲げ損失は1.57dB/m以下であり、0.1dB/turn以下であった。
Figure 2021182066
Figure 2021182066
また、図9は、サンプルNo.4の4コアの光ファイバを10km線引きした場合における、光ファイバの長手方向における位置と接触角の平均との関係を示す図である。なお、接触角の平均は4つのガラス光ファイバにおけるすべての接触部に対する接触角の平均である。図9に示すように、接触角の平均は長手方向のいずれの位置でも90°より十分小さく、具体的には30°以下であり、多くの位置では20°以下であった。
また、図10は、図9に対応する接触角と非円率との関係を示す図である。すなわち、横軸の接触角は、図9の各位置における4つのガラス光ファイバにおけるすべての接触部に対する接触角の平均である。図10に示すように、非円率は、接触角が25°以下のときに3%以下であり、20°以下のときに2.5%以下であり、15°以下のときに1.5%以下であり、10°以下のときに1%以下であった。
なお、上記実施形態ではガラス光ファイバが4本または7本であるが、複数であれば特に限定はされず、また配列の幾何学的形状も特に限定はされない。また、上記実施形態では被覆部が2層構造であるが、1層構造や3層以上の構造でもよい。
また、上記実施形態では、光ファイバに含まれる全てのガラス光ファイバが接触部を有しているが、光ファイバは接触部を有しないガラス光ファイバを含んでもよい。
また、上述した光ファイバを製造する方法、すなわち、複数のガラス光ファイバのそれぞれの元材である複数の光ファイバ母材を準備する第1工程と、複数の光ファイバ母材を束ねる第2工程と、複数の光ファイバ母材のそれぞれから複数のガラス光ファイバを線引きする第3工程と、線引きした複数のガラス光ファイバを束ねる第4工程と、束ねた複数のガラス光ファイバの外周を囲むように被覆部を形成する第5工程と、を含む製造方法は、上記実施形態に係る光ファイバ以外の光ファイバの製造にも適用できる。上記実施形態に係る光ファイバ以外の光ファイバとは、接触部を有さないガラス光ファイバからなる光ファイバや、トレンチ型の屈折率プロファイルを有さないガラス光ファイバを含む光ファイバや、曲げ損失が0.75dB/turn以下であるガラス光ファイバを含む光ファイバである。
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
10、20 :光ファイバ
11、12、13、14、21、22、23、24、25、26、27 :ガラス光ファイバ
11a、12a、13a、14a :中心コア部
11b、12b、13b、14b :中間層
11c、12c、13c、14c :トレンチ層
11d、12d、13d、14d :クラッド部
11e、11f、12e、12f、13e、13f、14e、14f、21a、21b、21c、21d、21e、21f、22a、22b、22c、23a、23b、23c、24a、24b、24c、25a、25b、25c、26a、26b、26c、27a、27b、27c :接触部
15、16、28、29 :被覆部
110、120、130、140 :光ファイバ母材
150 :パイプ
160 :束
170 :支持部材
1000 :線引炉
1001 :ヒータ
1002 :被覆装置
1003 :外径測定器

Claims (19)

  1. 4本以上である複数のガラス光ファイバと、
    前記複数のガラス光ファイバの外周を一括して取り囲む被覆部と、
    を備え、
    前記複数のガラス光ファイバは、接触部にて他のガラス光ファイバと接触するガラス光ファイバを含み、前記接触するガラス光ファイバは、長手方向と垂直な断面において、前記接触部以外の外縁が円弧の形状であり、前記接触部の外縁が、該接触部が前記円弧と同じ直径の円である場合よりも前記他のガラス光ファイバとの中心間距離が小さくなる形状であり、
    前記ガラス光ファイバは、中心コア部と、前記中心コア部の外周を取り囲む中間層と、前記中間層の外周を取り囲むトレンチ層と、前記トレンチ層の外周を取り囲むクラッド部とを含み、前記クラッド部に対する比屈折率差として、前記中心コア部の平均の最大比屈折率差をΔ1、前記中間層の平均比屈折率差をΔ2、前記トレンチ層の平均比屈折率差をΔ3とすると、Δ1>Δ2>Δ3かつ0>Δ3が成り立ち、
    直径20mmで曲げた場合の波長1550nmにおける曲げ損失が0.75dB/turn以下である
    光ファイバ。
  2. Δ3は−0.3%以上である
    請求項1に記載の光ファイバ。
  3. 2つの隣り合う前記中心コア部のコア間ピッチが35μm以上65μm以下であり、長さ100kmにおいて2つの隣り合う前記ガラス光ファイバの間のクロストークが波長1550nmにおいて−10dB以下である
    請求項1または2に記載の光ファイバ。
  4. 波長1550nmにおけるリーケージ損失が0.01dB/km以下である
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の光ファイバ。
  5. 前記接触部の中心角が90°以下である
    請求項1〜4のいずれか一つに記載の光ファイバ。
  6. Δ1が0.35%以上0.39%以下である
    請求項1〜5のいずれか一つに記載の光ファイバ。
  7. 前記中心コア部のコア径を2a、前記トレンチ層の内径、外径をそれぞれ2b、2cとしたときに、b/aが1.9以上3.0以下であり、c/aが3.6以上4.4以下である
    請求項1〜6のいずれか一つに記載の光ファイバ。
  8. Δ2が−0.05%以上0.04%以下である
    請求項1〜7のいずれか一つに記載の光ファイバ。
  9. 前記中心コア部のコア径が、ケーブルカットオフ波長が1260nm以下になるように設定されている
    請求項1〜8のいずれか一つに記載の光ファイバ。
  10. 波長1310nmにおけるモードフィールド径が8.6μm以上である
    請求項1〜9のいずれか一つに記載の光ファイバ。
  11. 零分散波長が1300nm以上1324nm以下あり、前記零分散波長での分散スロープが0.092ps/nm/km以下である
    請求項1〜5のいずれか一つに記載の光ファイバ。
  12. 請求項1〜11のいずれか一つに記載の光ファイバの前記被覆部の一部を除去し、露出した前記複数のガラス光ファイバを分離し、前記分離したガラス光ファイバを個別にまたは一括して処理する
    光ファイバの処理方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか一つに記載の光ファイバを製造する方法であって、
    前記複数のガラス光ファイバのそれぞれの元材である複数の光ファイバ母材を準備する第1工程と、
    前記複数の光ファイバ母材を束ねる第2工程と、
    前記複数の光ファイバ母材のそれぞれから前記複数のガラス光ファイバを線引きする第3工程と、
    前記線引きした複数のガラス光ファイバを束ねる第4工程と、
    前記束ねた複数のガラス光ファイバの外周を囲むように前記被覆部を形成する第5工程と、
    を含む
    光ファイバの製造方法。
  14. 前記第1工程において、前記複数の光ファイバ母材をVAD(Vapor-phase Axial Deposition)法、OVD(Outside Vapor Deposition)法、MCVD(Modified Chemical Vapor Deposition)法、またはプラズマCVD法によって形成する
    請求項13に記載の光ファイバの製造方法。
  15. 前記第2工程において束ねた前記複数の光ファイバ母材に支持部材を接合する第6工程を含み、前記第3工程において前記支持部材を接合した前記複数の光ファイバ母材のそれぞれから前記複数のガラス光ファイバを線引きする
    請求項13または14に記載の光ファイバの製造方法。
  16. 前記第2工程において前記複数の光ファイバ母材をパイプに挿入して束ねる
    請求項13〜15のいずれか一つに記載の光ファイバの製造方法。
  17. 前記第4工程において束ねた複数のガラス光ファイバの外径を測定する第7工程を含み、前記第3工程において、前記測定した外径の値を演算処理して得られた数値に基づいて、前記複数のガラス光ファイバを線引きする条件を制御する
    請求項13〜16のいずれか一つに記載の光ファイバの製造方法。
  18. 前記数値は、最大値、最小値および平均値の少なくとも一つである
    請求項17に記載の光ファイバの製造方法。
  19. 前記第1工程において、それぞれが前記複数のガラス光ファイバのそれぞれの長さに換算して100km以上となる体積を有する、前記複数の光ファイバ母材を準備する
    請求項13〜18のいずれか一つに記載の光ファイバの製造方法。
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