JP2021180200A - インダクタ、複合インダクタ及びdc/dcコンバータ - Google Patents
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Abstract
【課題】コアに挿通する導体を巻形状にしない場合であっても必要なインダクタンスを確保することが可能なインダクタ、複合インダクタ及びDC/DCコンバータを提供する。【解決手段】インダクタ6は、磁性体を含み互いに突き合わせ可能な一対のコア63、64と、所定の電流源から外部へ流れる流出電流及び外部から前記電流源へ戻る戻り電流が流れる一対の導電体61、62とを備える。一対のコア63、64は、突き合わせた状態で突き合わせ面に沿って同一方向に貫通する少なくとも2つの貫通孔60a、60bを形成する。一対の導電体61、62は、流出電流及び戻り電流が貫通孔の貫通方向に対して互いに逆方向に流れるように隣り合う2つの貫通孔60a、60bに各別に挿通してある【選択図】図4
Description
本発明は、インダクタ、複合インダクタ及びDC/DCコンバータに関する。
直流電圧を昇降圧するDC/DCコンバータ(以下、単にコンバータともいう)が車載機器や産業用機器の電源として広く用いられている。コンバータの種類は、入出力間をトランスで絶縁するか否かによって絶縁型及び非絶縁型に分けられる。絶縁型のコンバータの制御方式としては、例えばトランスの一次巻線に直列に接続されたスイッチがオンしている間に二次側へエネルギーを伝達するか、又はスイッチがオンしている間にトランスに蓄えたエネルギーをスイッチがオフしている間に二次側へ伝達するかによって、フォワード方式及びフライバック方式に分けられる。
フォワード方式のコンバータには、トランスの一次側のスイッチの数が1つである1石式と、スイッチの数が複数である多石式とがある。多石式の例としては、プッシュプル方式、ハーフブリッジ方式及びフルブリッジ方式が挙げられる。フォワード方式のコンバータでは、トランスの一次側のスイッチがオンである期間に二次側に電力が伝達されてチョークコイル(インダクタ)にエネルギーが蓄積され、スイッチがオフである期間はチョークコイルからエネルギーが放出される。フライバック方式のコンバータでは、トランスの一次側のスイッチがオンである期間にトランスにエネルギーが蓄積され、スイッチがオフである期間はトランスからエネルギーが放出されるため、チョークコイルが不要である。
一般的に絶縁型のフォワード方式によるコンバータでは、出力電流が流れる二次側の回路の高電位側に、巻線をコアに巻回した1つのチョークコイル(インダクタ)が介装される(特許文献1参照)。このインダクタに必要とされるインダクタンスの大きさは、スイッチをオン/オフするスイッチング周波数に反比例するため、インダクタを小型化するにはスイッチング周波数を比較的高くしなければならない。
しかしながら、コンバータにおけるスイッチのスイッチング周波数を高くするほどスイッチングロスが増加したり、配線が難しくなったりするトレードオフがあり、インダクタの小型化に必要とされるところまでスイッチング周波数を高くするには課題が多い。特に、コアに挿通する導体部を巻形状にしない場合は、必要なインダクタンスを確保することが困難であった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コアに挿通する導体を巻形状にしない場合であっても必要なインダクタンスを確保することが可能なインダクタ、複合インダクタ及びDC/DCコンバータを提供することにある。
本発明の一態様に係るインダクタは、磁性体を含み互いに突き合わせ可能な一対のコアと、所定の電流源から外部へ流れる流出電流及び外部から前記電流源へ戻る戻り電流が流れる一対の導電体とを備えるインダクタであって、前記一対のコアは、突き合わせた状態で突き合わせ面に沿って同一方向に貫通する少なくとも2つの貫通孔を形成し、前記一対の導電体は、前記流出電流及び前記戻り電流が前記貫通孔の貫通方向に対して互いに逆方向に流れるように隣り合う2つの貫通孔に各別に挿通してある。
本発明の一態様に係る複合インダクタは、上述のインダクタを含む複合インダクタであって、前記一対の導電体が前記貫通孔に挿通された前記一対のコアを複数対備える。
本発明の一態様に係るDC/DCコンバータは、上述のインダクタ又は複合インダクタと、スイッチング素子と、一次巻線が前記スイッチング素子に直列に接続されたトランスとを備え、前記一対の導電体は、前記トランスの二次巻線から外部へ流出する流出電流及び外部から前記二次巻線に戻る戻り電流が流れるように接続されている。
なお、本願は、このような特徴的な構成を備えるインダクタ、複合インダクタ及びDC/DCコンバータとして実現することができるだけでなく、DC/DCコンバータの一部を半導体集積回路として実現したり、インダクタ、複合インダクタ又はDC/DCコンバータを含むその他のシステムとして実現したりすることができる。
上記によれば、コアに挿通する導体部を巻形状にしない場合であっても必要なインダクタンスを確保することが可能となる。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(1)本発明の一態様に係るインダクタは、磁性体を含み互いに突き合わせ可能な一対のコアと、所定の電流源から外部へ流れる流出電流及び外部から前記電流源へ戻る戻り電流が流れる一対の導電体とを備えるインダクタであって、前記一対のコアは、突き合わせた状態で突き合わせ面に沿って同一方向に貫通する少なくとも2つの貫通孔を形成し、前記一対の導電体は、前記流出電流及び前記戻り電流が前記貫通孔の貫通方向に対して互いに逆方向に流れるように隣り合う2つの貫通孔に各別に挿通してある。
本態様にあっては、磁性体を含む一対のコアを突き合わせた突き合わせ面に沿って同一方向に向くように少なくとも2つの貫通孔が形成されており、隣り合う2つの貫通孔に挿通された一対の導電体は、所定の電流源からの流出電流及び電流源への戻り電流が貫通孔の貫通方向に対して逆方向に流れるように外部と接続される。これにより、隣り合う貫通孔の間のコア内で磁束が打ち消し合うことがなく、他のコアにおける1つの貫通孔に1つの導電体を挿通する場合と比較して、貫通孔の数だけインダクタンスが増大する。
(2)前記一対の導電体は、前記流出電流及び前記戻り電流が前記貫通方向に対して同一方向に流れるように少なくとも1つの同一の貫通孔に挿通してあることが好ましい。
本態様にあっては、全ての貫通孔のうち、少なくとも1つの貫通孔に、その貫通方向に対して流出電流及び戻り電流が同一方向に流れるように、一対の導電体の双方が挿通されている。これにより、貫通孔に一対の導電体の双方が挿通された部位にて、起磁力F(F=NI:Nは巻数、Iは電流)が2倍に、インダクタンスが略4倍になる。
(3)前記一対の導電体の少なくとも一方は、隣り合う2つの貫通孔に挿通された部位を含んでU字状に形成されたU字状部を有することが好ましい。
本態様にあっては、一対の導電体の一方又は他方について、隣り合う2つの貫通孔に挿通された部位及びこれらの部位を接続する部位がU字状をなしている。これにより、一部がU字状をなしている導電体が、平面視にて点対称又は線対称に近い比較的単純な形状となる。
(4)前記一対の導電体の夫々は、前記U字状部を有し、前記貫通方向に対して前記U字状部が互いに逆向きになるようにしてあることが好ましい。
本態様にあっては、一対の導電体の一方及び他方におけるU字状部が互いに逆向きに構成されている。これにより、一対の導電体の一端同士及び他端同士が貫通孔の貫通方向の両側に離隔されるため、上記電流源及び外部との接続が容易となる。
(5)前記貫通孔の数は2であり、前記一対のコアは、EE型、EI型又はER型の何れかであることが好ましい。
本態様にあっては、突き合わせた状態で2つの貫通孔を有するEE型、EI型又はER型のコアを用いるため、広く普及しているコアが利用できる。
(6)前記一対の導電体の夫々は、断面が矩形状をなしていることが好ましい。
本態様にあっては、一対の導電体夫々の断面が矩形状であるため、断面の短辺方向の厚さを抑えることができる。また、一対の導電体夫々の断面積に対する表面積が大きいため、放熱性が良好である。
(7)前記一対の導電体は、印刷配線基板に含まれる導体パターンであることが好ましい。
本態様にあっては、印刷配線基板に含まれる導体パターンを一対の導電体として用いるため、周辺回路を含めて一対の導電体を容易に形成することができる。
(8)前記一対のコアの材料は、磁性体を焼結して形成したフェライト又は磁性体を含む粉末を加圧して形成した圧粉形成体であることが好ましい。
本態様にあっては、コアの材料にフェライト又は圧粉形成体を用いるため、高周波特性が良好である。
(9)前記一対の導電体及び前記コアの間に伝熱材料を含む伝熱層を更に備えることが好ましい。
本態様にあっては、一対の導電体及びコアの間に伝熱材料が介装されているため、導電体で発生した熱が貫通孔の外部に伝熱される。
(10)本発明の一態様に係る複合インダクタは、上述のインダクタを含む複合インダクタであって、前記一対の導電体が前記貫通孔に挿通された前記一対のコアを複数対備える。
本態様にあっては、複数対のコアによって全体のインダクタンスが複数のインダクタに分散されるため、各対のコアのサイズを小さくすることができる。
(11)各対のコアの前記貫通孔に前記一対の導電体が挿通されることによって形成されるインダクタによる2端子対回路が縦続接続となるようにしてあることが好ましい。
本態様にあっては、一対のコアの貫通孔に一対の導電体が挿通されて形成されるインダクタが2つのインダクタンス要素を含む2端子対回路と見なされ、各2端子対回路が縦続接続されている。これにより、各インダクタからの出力が後段のインダクタの入力に引き継がれる。
(12)少なくとも1つの前記2端子対回路における一方の端子対にキャパシタを接続してあることが好ましい。
本態様にあっては、縦続接続された複数の2端子対回路における少なくとも1つの端子対にキャパシタが接続されているため、低域通過フィルタが形成される。
(13)本発明の一態様に係るDC/DCコンバータは、上述のインダクタと、スイッチング素子と、一次巻線が前記スイッチング素子に直列に接続されたトランスとを備え、前記一対の導電体は、前記トランスの二次巻線から外部へ流出する流出電流及び外部から前記二次巻線に戻る戻り電流が流れるように接続されている。
本態様にあっては、トランスの一次巻線にスイッチング素子が直列に接続され、トランスの二次巻線に対する流出電流及び戻り電流がインダクタの一対の導電体に流れる。これにより、スイッチング素子がオン/オフしたときにトランスの二次巻線に電流が誘起し、この電流が上述のインダクタにおける一対の導電体に流れるため、出力電流が効果的に平滑される。
(14)本発明の一態様に係るDC/DCコンバータは、上述の複合インダクタと、スイッチング素子と、一次巻線が前記スイッチング素子に直列に接続されたトランスとを備え、前記一対の導電体は、前記トランスの二次巻線から外部へ流出する流出電流及び外部から前記二次巻線に戻る戻り電流が流れるように接続されている。
本態様にあっては、トランスの一次巻線にスイッチング素子が直列に接続され、トランスの二次巻線に対する流出電流及び戻り電流が複合インダクタの一対の導電体に流れる。これにより、スイッチング素子がオン/オフしたときにトランスの二次巻線に電流が誘起し、この電流が上述の複合インダクタにおける一対の導電体に流れるため、出力電流が効果的に平滑される。
(15)前記一対の導電体は、一方が前記二次巻線と一体的に形成されており、前記一方及び/又は他方が出力側の電路と一体的に形成されていることが好ましい。
本態様にあっては、一対の導電体の一方がトランスの二次巻線と一体的に形成され、一方及び他方の何れか又は両方が出力側の電路と一体的に形成されるため、部品間の接合箇所を削減することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係るインダクタ、複合インダクタ及びDC/DCコンバータの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施形態で記載されている技術的特徴は、お互いに組み合わせることが可能である。
本発明の実施形態に係るインダクタ、複合インダクタ及びDC/DCコンバータの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施形態で記載されている技術的特徴は、お互いに組み合わせることが可能である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るDC/DCコンバータ100の構成例を示すブロック図である。DC/DCコンバータ100は、トランス10を備え、入力側の端子A及びBの電位と出力側の端子C及びDの電位とがトランス10によって分離されている。入力側の端子A及びB間には、キャパシタ20が接続されており、外部の直流電源(不図示)から所定電圧が印加される。出力側の端子C及びD間には、キャパシタ21が接続されており、更に外部の負荷が接続される。端子Dは例えば接地電位に接続されている。
図1は、実施形態1に係るDC/DCコンバータ100の構成例を示すブロック図である。DC/DCコンバータ100は、トランス10を備え、入力側の端子A及びBの電位と出力側の端子C及びDの電位とがトランス10によって分離されている。入力側の端子A及びB間には、キャパシタ20が接続されており、外部の直流電源(不図示)から所定電圧が印加される。出力側の端子C及びD間には、キャパシタ21が接続されており、更に外部の負荷が接続される。端子Dは例えば接地電位に接続されている。
DC/DCコンバータ100は、また、トランス10の一次巻線11の一端及び端子B間に接続されたNch型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:以下、FETと言う)31(スイッチング素子に相当)と、一次巻線11の一端及び端子A間に接続されたFET32及びキャパシタ22の直列回路と、FET31及び32のオン/オフを制御する制御部4とを備える。一次巻線11は、他端が端子Aに接続されている。FET31及び32は、バイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の他のスイッチング素子であってもよい。
FET31は、ドレインが一次巻線11の一端に接続され、ソースが端子Bに接続され、ゲートが制御部4に接続されている。FET32は、ドレインがキャパシタ22の一端に接続され、ソースが一次巻線11の一端に接続され、ゲートが制御部4に接続されている。キャパシタ22の他端は、端子Aに接続されている。FET31及び32の夫々は、両端に逆並列に接続されたボディダイオードを有する。アクティブクランプ回路を構成するFET32及びキャパシタ22は、直列に接続する順序を入れ換えてもよい。
トランス10の二次巻線12は、一端にダイオード51のカソードが接続され、他端にダイオード52のカソードが接続されている。ダイオード52のカソードは、更に、チョークコイルとしてのインダクタ6に含まれる導電体61を介してキャパシタ21の一端及び端子Cに接続されている。ダイオード51及び52のアノードは、インダクタ6に含まれる導電体62を介してキャパシタ21の他端及び端子Dに接続されている。
インダクタ6は、一対のコア及び導電体61,62を含んで一体化されている。なお、回路図上は、インダクタ6はコアにコイルが巻回されたものであるかのように表されているが、本実施形態1では、導電体61,62がコイルに相当する。インダクタ6の詳細については後述する。
上述の構成を有するDC/DCコンバータ100は、いわゆる1石式のフォワードコンバータであり、端子A及びBから供給される所定電圧を{(FET31のデューティ比)/(トランス10の巻数比)}倍に変換した電圧を端子C及びDから出力する。DC/DCコンバータ100は、1石式に限定されず、多石式のプッシュプル方式、ハーフブリッジ方式及びフルブリッジ方式の何れかであってもよい。多石式の例については、方式そのものが公知であるため、記載を省略する。
本実施形態1では、FET31を所定の周期でPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより、電圧変換を行う。そこで、先ずDC/DCコンバータ100の電圧変換動作について説明する。以下の図2及び3では、キャパシタ20、制御部4、及び端子C,Dの図示を省略する。
図2は、トランス10の一次側から二次側に電力を伝達する期間での動作状態の一例を示す説明図である。この期間では、制御部4の制御によってFET31がオンとなり、FET32はオフとなる。そして、端子A及びBからトランス10の一次巻線11に所定電圧が印加されて二次巻線12に一定の電圧が誘起し、ダイオード51が導通してインダクタ6に直線的に増加する負荷電流が流れる。この間に、二次巻線12(所定の電流源に相当)から導電体61を介してキャパシタ21及び負荷に流れる電流(実質的な出力電流)を流出電流とし、キャパシタ21及び負荷から導電体62を介して二次巻線12に戻る電流(所謂リターンパスを流れる電流)を戻り電流とする。流出電流及び戻り電流の大きさは同じである。
一方、一次巻線11には、負荷電流(より正確には、二次側の負荷電流の大きさをトランス10の巻数比で除した大きさの電流)及び励磁電流を足し合わせた電流が直線的に増加するように流れる。一次巻線11及び二次巻線12夫々に流れる負荷電流による磁束はお互いに打消し合うのに対し、励磁電流はトランス10のコア内に磁束を作る。キャパシタ22には、現在のPWM周期に至るまでの間に、FET32のドレイン側を正とする電圧が充電されている。以下では、説明上、一次巻線11の一端に対して他端の電位が高い場合を正の電圧とする。また、一次巻線11の他端から一端に流れる電流を正の電流とする。
図3は、トランス10の二次側で負荷電流が還流する期間での動作状態の一例を示す説明図である。この期間の初めにFET31がオフとなり、FET31に負荷電流及び励磁電流が流れなくなって、FET32のボディダイオードに正の励磁電流が転流する(実線参照)。転流した励磁電流は直線的に減少するが、励磁電流の向きが正である間はキャパシタ22が充電される。一方の二次巻線12にダイオード51を介して流れていた負荷電流は、ダイオード52を介して流れるように還流する。
その後、制御部4の制御によってFET32がオンとなり、FET32のボディダイオードに流れていた励磁電流は、チャネル領域を流れるようになるが、励磁電流は依然として減少し続ける。図3に示す期間の全期間を通じてキャパシタ22から一次巻線11に負の電圧が印加されるため、励磁電流は、直線的に減少して上記全期間の中程で極性が正から負に反転する(破線参照)。この時にキャパシタ22が放電に転じる。そして、FET32がオンである期間の終了時点でトランス10に蓄えられたエネルギーの放出が終了する。トランス10の二次側の負荷電流は、依然としてダイオード52を介して還流し続ける。
次に、インダクタ6の詳細について説明する。図4は、実施形態1に係るインダクタ6を斜め上方から見た斜視図であり、図5は、実施形態1に係るインダクタ6の組み立て後の状態を模式的に示す縦断面図である。インダクタ6は、EI型のコア63,64の突き合わせ面X−Xに沿って貫通方向が同一方向に揃った貫通孔60a,60bが形成されており、該貫通孔60a,60b夫々に一対の導電体61,62が各別に挿通されている。一対のコア63,64は、例えばEE型、ER型等の他の形状を有するものであってもよい。
導電体61,62は、断面が矩形状の平角銅線又はバスバーであり、アスペクト比(長辺と短辺の比率)は、例えば2:1から20:1の範囲内であるが、これに限定されるものではない。このように断面を矩形状にしてアスペクト比を大きくすることにより、導電体61,62の放熱が容易となる。
コア63,64は、材料が、磁性体を焼結して形成したフェライト又は磁性体を含む粉末を加圧して形成した圧粉形成体であるため、高周波特性が良好である。コア63,64の材料はこれらに限定されず、例えば、軟質磁性体の粉末及び樹脂を含む複合材料であってもよいし、板状の磁性体を積層した積層体であってもよい。
導電体61,62とコア63,64との間には、絶縁層66が配されている。絶縁層65,66の材料が、例えばシリコンシート等の放熱材料である場合は、導電体61,62の放熱が良好となる。ここでは、導電体61,62と絶縁層66との間に、例えばカーボンシート等の伝熱材料を含む伝熱層67,67を更に設けてある。
インダクタ6の組み立て段階では、コア63,64を突き合わせる前に、コア64における貫通孔60a,60b夫々が形成されるべき位置に導電体61,62が載置され、その後、コア64にコア63が突き合わされて組み立てられる。インダクタ6を周辺回路と接続する場合は、導電体61に流れる流出電流及び導電体62に流れる戻り電流が、貫通孔60a,60bの貫通方向に対して互いに逆方向に流れるように考慮される。
次に、上記のように構成されたインダクタ6の適用範囲と性能について説明する。一般的にフォワード型のDC/DCコンバータのチョークコイルは、必要とされるインダクタンスがスイッチング周波数に反比例し、スイッチング周波数が低い場合はコイルを巻形状ではない導体に置き換えることができなくなる。このため、本実施形態1では、制御部4によるFET31,32のスイッチング周波数を300kHz〜3MHzの範囲内と想定し、インダクタ6に必要なインダクタンスを0.1μH〜3μHの範囲内と想定する。
導電体61,62夫々に流れる流出電流及び戻り電流の大きさは、30A〜250Aの範囲内と想定する。このような大電流が流れる場合であっても、インダクタ6の導電体61,62を巻形状にする必要がないため、放熱が比較的容易である。
図4に示すように、貫通孔60a,60b夫々に挿通された導電体61,62に流れる電流が互いに逆方向であり、貫通孔60a及び60bの間のコア内で磁束が打ち消し合うことがない。従って、一対のコア63,64の大きさが、1つの貫通孔を有する他のコアを2つ横に並べた大きさと略等しければ、インダクタ6のインダクタンスは、上記他のコアに1つの導電体を挿通させたインダクタのインダクタンスの略2倍となる。
なお、本実施形態1にあっては、貫通孔60a,60bの数が2つであったが、3つ以上であってもよい。例えば、2つのコアを突き合わせた状態で貫通孔60bに隣り合う第3の貫通孔が形成されるようにし、第3の貫通孔にも導電体61を挿通しておく。更に、貫通孔60aに隣り合う第4の貫通孔が形成されるようにした場合は、第4の貫通孔にも導電体62を挿通しておく。このように貫通孔の数を増やした場合、各貫通孔に1つの導電体が挿通されている状態に着目すれば、貫通孔の数に略比例してインダクタンスが増大する。
また、導電体61,62として平角銅線又はバスバーを用いたが、導電体61,62を、印刷配線基板における導体パターンで形成してもよい。この場合、エポキシ樹脂及びガラス繊維を含むプリプレグで絶縁層66の一部を置き換えたり、基板表面のレジスト層で絶縁層66の一部を置き換えたりすることができる。
以上のように本実施形態1によれば、磁性体を含む一対のコア63,64を突き合わせた突き合わせ面X−Xに沿って同一方向に向くように貫通孔60a,60bが形成されており、隣り合う2つの貫通孔60a,60b夫々に挿通された一対の導電体61,62には、トランス10の二次巻線12からの流出電流及び二次巻線12への戻り電流が、貫通孔60a,60bの貫通方向に対して逆方向に流れる。これにより、隣り合う貫通孔60a及び60bの間のコア内で磁束が打ち消し合うことがなく、他のコアにおける1つの貫通孔に1つの導電体を挿通する場合と比較して、貫通孔の数に略比例してインダクタンスが増大する。従って、コア63,64に挿通する導体を巻形状にしない場合であっても必要なインダクタンスを確保することが可能となる。
また、実施形態1によれば、一対の導電体61,62夫々の断面が矩形状であるため、断面の短辺方向の厚さを抑えることができ、インダクタ6の高さを抑えることができる。また、一対の導電体61,62夫々の断面積に対する表面積が大きいため、放熱性が良好となる。
更に、実施形態1によれば、印刷配線基板に含まれる導体パターンを一対の導電体61,62として用いる場合は、周辺回路を含めて一対の導電体61,62を容易に形成することができる。
更に、実施形態1によれば、コア63,64の材料にフェライト又は圧粉形成体を用いるため、高周波特性が良好である。
更に、実施形態1によれば、一対の導電体61,62とコア63,64との間に伝熱層67,67が介装されているため、導電体61,62で発生した熱が貫通孔60a,60bの外部に好適に伝熱される。
更に、実施形態1によれば、トランス10の一次巻線11にFET31が直列に接続され、トランス10の二次巻線12に対する流出電流及び戻り電流夫々がインダクタ6の一対の導電体61,62に流れる。これにより、FET31がオン/オフしたときにトランス10の二次巻線12に電流が誘起し、この電流が上述のインダクタ6における一対の導電体61,62に流れるため、出力電流を効果的に平滑することができる。
(実施形態2)
実施形態1は、隣り合う2つの貫通孔60a,60b夫々に一対の導電体61,62が各別に挿通されている形態であるのに対し、実施形態2は、隣り合う2つの貫通孔601,602夫々に一対の導電体61b,62bの双方が挿通されている形態である。実施形態2に係るDC/DCコンバータのブロック構成は、実施形態1に係るDC/DCコンバータ100と同様であるため、図示を省略すると共に、実施形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
実施形態1は、隣り合う2つの貫通孔60a,60b夫々に一対の導電体61,62が各別に挿通されている形態であるのに対し、実施形態2は、隣り合う2つの貫通孔601,602夫々に一対の導電体61b,62bの双方が挿通されている形態である。実施形態2に係るDC/DCコンバータのブロック構成は、実施形態1に係るDC/DCコンバータ100と同様であるため、図示を省略すると共に、実施形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。
図6は、実施形態2に係るインダクタ6bを斜め上方から見た斜視図であり、図7は、インダクタ6bの組み立て後の状態を模式的に示す縦断面図である。また、図8は、実施形態2に係る貫通孔601,602の双方に挿通された導電体61b及び62bを各別に示す平面図である。図8Aは導電体61bを示し、図8Bは導電体62bを示す。インダクタ6bは、EE型のコア63b,64bの突き合わせ面Xb−Xbに沿って貫通方向が同一方向に揃った貫通孔601,602が形成されており、該貫通孔601,602夫々に一対の導電体61b,62bの双方が重なるように挿通されている。導電体61b,62bの上下関係は、図6及び7に示すものと逆であってもよい。一対のコア63b,64bは、例えばEI型、ER型等の他の形状を有するものであってもよい。
導電体61bは、貫通孔601,602に挿通された部位及びこれらの部位を接続する部位を含むU字状部61buを有する。同様に、導電体62bは、貫通孔601,602に挿通された部位及びこれらの部位を接続する部位を含むU字状部62buを有する。このため、導電体61b,62bは、平面視にて線対称の単純な形状となる。図6及び8に示す例では、導電体61b,62bの夫々について、電流が流れる方向の一端及び他端を含む部位同士が貫通孔601,602と交差する方向へ互いに逆向きに折り曲げられているが、このように折り曲げられていなくてもよい。以下では、このように折り曲げられた部位を一端部及び他端部と言う。
実施形態1の図4に示すインダクタ6と比較した場合、図8に示すように、貫通孔601には、貫通孔602に一部が挿通されているU字状部62buの他の一部が更に挿通されていると見ることができる。同様に、貫通孔602には、貫通孔601に一部が挿通されているU字状部61buの他の一部が更に挿通されていると見ることができる。
導電体61b,62bの間には、絶縁層65が配されている。導電体61b,62bとコア63b,64bとの間には、絶縁層66が配されている。ここでは、導電体61b,62bと絶縁層66との間に、伝熱層67,67を更に設けてある。導電体61b,62bの間に、伝熱層(不図示)を更に設けてもよい。
インダクタ6bの組み立て段階では、コア63b,64bを突き合わせる前に、コア64bにおける貫通孔601,602夫々が形成されるべき位置に導電体61b,62bが載置され、その後、コア64bにコア63bが突き合わされて組み立てられる。インダクタ6bを周辺回路と接続する場合は、導電体61bに流れる流出電流及び導電体62bに流れる戻り電流が、貫通孔601の貫通方向に対して同一方向に流れるように、且つ貫通孔602の貫通方向に対しても同一方向に流れるように考慮される。
この場合、図8に示すようにU字状部61bu,62buが互いに逆向きになるようにしてあるため、導電体61b,62bの一端同士、及び導電体61b,62bの他端同士が、貫通孔601,602の貫通方向の両側に離隔されることとなり、周辺回路との接続が容易となる。具体的に図1及び6に示す例では、二次巻線12の他端からの電路が、流出電流が流れ込む導電体61bの一端に接続され、戻り電流が流れ出す導電体62bの一端がダイオード51,52のアノードに接続される。また、流出電流が流れ出す導電体61bの他端が、端子Cへの電路に接続され、端子Dからの電路が、戻り電流が流れ込む導電体62bの他端に接続される。
ここで、一般的に漏れ磁束がない単層のソレノイドコイルのインダクタンスLは、以下の式(1)で表されることが知られている。
L=μSN2 /l・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
但し、
μ:透磁率
S:コイルの断面積
N:コイルの巻数
l:コイルの磁路長
但し、
μ:透磁率
S:コイルの断面積
N:コイルの巻数
l:コイルの磁路長
式(1)より、コア63b,64bの形状及び大きさが一定の場合、インダクタ6bのインダクタンスは、導電体61b,62bによる巻数、即ち、貫通孔601,602の夫々について挿通される導電体61b及び62bの数(=2)の二乗に比例する。従って、貫通孔60a,60b夫々に導電体61,62を各別に挿通する実施形態1の場合と比較して、インダクタ6bのインダクタンスは略4倍になり、導電体61b,62bを巻形状にせずに済むスイッチング周波数を1/4に引き下げることができる。
なお、本実施形態2にあっては、U字状部61bu,62buが貫通孔601,602の貫通方向に対して互いに逆向きなるようにしたが、これらが同一方向を向くようにした場合であっても、周辺回路との接続に多少の変更が必要になるものの、インダクタ6bとしては同様の効果を奏する。
また、実施形態2では、導電体61b,62bとコア63b,64bとの間に絶縁層66を配したが、貫通孔601,602夫々に挿通される筒状部と、貫通孔601,602夫々の両開口部の開口面に沿う鍔状の鍔部とを有する絶縁体からなる2つのボビンに導電体61b,62bを各別に挿通させてもよい。また、導電体61b,62bを、多層配線基板の異なる内層又は外層における導体パターンで形成してもよい。この場合、エポキシ樹脂及びガラス繊維を含むプリプレグで絶縁層66の一部及び絶縁層65を置き換えたり、基板表面のレジスト層で絶縁層66の一部を置き換えたりすることができる。
以上のように本実施形態2によれば、2つの貫通孔601,602の夫々について、その貫通方向に対して流出電流及び戻り電流が同一方向に流れるように、一対の導電体61b及び62bの双方が挿通されている。従って、一対の導電体61b,62bの双方が挿通された部位にて起磁力Fが2倍に、インダクタンスが略4倍になるため、実施形態1に係るインダクタ6との比較でインダクタンスが略4倍になる。
また、実施形態2によれば、一対の導電体61b,62bの夫々について、隣り合う2つの貫通孔601及び602に挿通された部位及びこれらの部位を接続する部位がU字状をなしている。従って、一対の導電体61b,62bの夫々を、平面視にて線対称の比較的単純な形状とすることができる。
更に、実施形態2によれば、一対の導電体61b,62b夫々おけるU字状部61bu,62buが互いに逆向きに構成されている。従って、一対の導電体61b,62bの一端同士及び他端同士が貫通孔601,602の貫通方向の両側に離隔されるため、二次巻線12及び端子C,Dとの接続を容易に行うことができる。
更に、実施形態2によれば、突き合わせた状態で2つの貫通孔601,602を有するEE型、EI型又はER型のコアを用いるため、広く普及しているコアを利用することができる。
更に、実施形態2によれば、多層配線基板の異なる内層又は外層に含まれる導体パターンを一対の導電体61b,62bとして用いる場合は、周辺回路を含めて一対の導電体61b,62bを容易に形成することができる。
(変形例1)
実施形態2は、一対のコア63b,64bを突き合わせた状態で2つの貫通孔601,602が形成される形態であるのに対し、変形例1は、一対のコア63c,64cを突き合わせた状態で3つの貫通孔601,602,603が形成される形態である。変形例1に係る一対のコア63c,64cの構成は、貫通方向が同一方向に揃った貫通孔601,602,603が形成される点を除いて実施形態2の場合と同様であるため、詳細な説明を省略する。一対のコアに形成される貫通孔の数が4以上の場合についても、実施形態2又は本変形例1の場合と同様である。
実施形態2は、一対のコア63b,64bを突き合わせた状態で2つの貫通孔601,602が形成される形態であるのに対し、変形例1は、一対のコア63c,64cを突き合わせた状態で3つの貫通孔601,602,603が形成される形態である。変形例1に係る一対のコア63c,64cの構成は、貫通方向が同一方向に揃った貫通孔601,602,603が形成される点を除いて実施形態2の場合と同様であるため、詳細な説明を省略する。一対のコアに形成される貫通孔の数が4以上の場合についても、実施形態2又は本変形例1の場合と同様である。
図9は、変形例1に係る貫通孔601,602,603の全てに挿通された導電体61c及び62cを各別に示す平面図である。図9Aは導電体61cを示し、図9Bは導電体62cを示す。導電体61cは、貫通孔601,602に挿通された部位及びこれらの部位を接続する部位を含むU字状部61cuと、貫通孔602,603に挿通された部位及びこれらの部位を接続する部位を含むU字状部61cuとを有する。2つのU字状部61cuは、一部が重複している。同様に、導電体62cは、貫通孔601,602に挿通された部位及びこれらの部位を接続する部位を含むU字状部62cuと、貫通孔602,603に挿通された部位及びこれらの部位を接続する部位を含むU字状部62cuとを有する。
このように、導電体61c,62cは、平面視にて点対称の単純な形状となる。更に、導電体61c,62cの夫々について、隣り合う貫通孔601及び602に挿通された部位に流れる電流が、必然的に互いに逆方向となり、貫通孔601及び602の間のコア内で磁束が打ち消し合うことがない。同様に、隣り合う貫通孔602及び603に挿通された部位に流れる電流が、必然的に互いに逆方向となり、貫通孔602及び603の間のコア内で磁束が打ち消し合うことがない。従って、一対のコア63c,64cの大きさが、実施形態2に係る一対のコア63b,64bを横に1.5倍だけ拡大した大きさと略等しければ、変形例1に係るインダクタのインダクタンスは、実施形態2に係るインダクタ6bのインダクタンスの略1.5倍となる。
更に、実施形態2の場合と同様に、対応するU字状部61cu,62cuが互いに逆向きになるようにしてあるため、導電体61c,62cの一端同士、及び導電体61c,62cの他端同士が、貫通孔601,602,603の貫通方向の両側に離隔されることとなり、周辺回路との接続が容易となる。具体的には、二次巻線12の他端からの電路が、導電体61cの一端に接続され、導電体62cの一端がダイオード51,52のアノードに接続される。また、導電体61cの他端が、端子Cへの電路に接続され、端子Dからの電路が、導電体62cの他端に接続される。
以上のように本変形例1によれば、3つの貫通孔601,602,603の夫々について、その貫通方向に対して流出電流及び戻り電流が同一方向に流れるように、一対の導電体61c,62cの双方が挿通されている。従って、一対の導電体61c,62cの双方が挿通された部位にて起磁力Fが2倍に、インダクタンスが略4倍になるため、実施形態1に係るインダクタ6との比較でインダクタンスが略6倍(4倍×1+4倍×1/2)になる。
また、変形例1によれば、一対の導電体61c,62cの一方及び他方の夫々について、隣り合う2つの貫通孔601及び602(又は貫通孔602及び603)に挿通された部位及びこれらの部位を接続する部位がU字状をなしている。従って、一対の導電体61c,62cの夫々を、平面視にて点対称の比較的単純な形状とすることができる。
更に、変形例1によれば、一対の導電体61c,62cの一方及び他方におけるU字状部61cu,62cuが互いに逆向きに構成されている。従って、一対の導電体61c,62cの一端同士及び他端同士が貫通孔601,602,603の貫通方向の両側に離隔されるため、二次巻線12及び端子C,Dとの接続を容易に行うことができる。
(変形例2)
実施形態2は、2つの貫通孔601,602夫々に一対の導電体61b,62bの双方が挿通されている形態であるのに対し、変形例2は、貫通孔601に一対の導電体61d,62bの双方が挿通され、貫通孔602に導電体62bのみが挿通されている形態である。変形例2に係る一対のコア63b,64bの構成は、実施形態2の場合と同様である。導電体62bは、実施形態2で用いたものと同じである。
実施形態2は、2つの貫通孔601,602夫々に一対の導電体61b,62bの双方が挿通されている形態であるのに対し、変形例2は、貫通孔601に一対の導電体61d,62bの双方が挿通され、貫通孔602に導電体62bのみが挿通されている形態である。変形例2に係る一対のコア63b,64bの構成は、実施形態2の場合と同様である。導電体62bは、実施形態2で用いたものと同じである。
図10は、変形例2に係る貫通孔601,602の一方及び両方に挿通された導電体61d及び62bを各別に示す平面図である。図10Aは導電体61dを示し、図10Bは導電体62bを示す。図10Bは図8Bを再掲したものである。実施形態1の図4に示すインダクタ6と比較した場合、貫通孔601には、貫通孔602に一部が挿通されているU字状部62buの他の一部が更に挿通されていると見ることができる。
このように、導電体61dは、平面視にて略点対称の単純な形状となる。更に、導電体62bについて、隣り合う貫通孔601及び602に挿通された部位に流れる電流が、必然的に互いに逆方向となり、貫通孔601及び602の間のコア内で磁束が打ち消し合うことがない。従って、導電体61d,62bの双方が挿通された部位に着目すれば、起磁力Fが2倍に、インダクタンスが4倍になる。
更に、導電体61d,62bの一端同士が、貫通孔601,602の貫通方向の両側に離隔されることとなり、周辺回路との接続が容易となる。具体的には、二次巻線12の他端からの電路が、導電体61dの一端に接続され、導電体62bの一端がダイオード51,52のアノードに接続される。導電体61d,62b夫々の他端は、端子C,Dへ接続される。
以上のように本変形例2によれば、一方の貫通孔601について、その貫通方向に対して流出電流及び戻り電流が同一方向に流れるように、一対の導電体61d,62bの双方が挿通されている。従って、一対の導電体61d,62bの双方が挿通された部位にて起磁力Fが2倍に、インダクタンスが略4倍になるため、実施形態1に係るインダクタ6との比較でインダクタンスが略2.5倍(4倍×1/2+1倍×1/2)になる。
(変形例3)
変形例1は、3つの貫通孔601,602,603夫々に一対の導電体61c,62cの双方が挿通されている形態であるのに対し、変形例3は、貫通孔601,602の夫々に一対の導電体61e,62cの双方が挿通され、貫通孔603に導電体62cのみが挿通されている形態である。変形例3に係る一対のコア63c,64cの構成は、変形例1の場合と同様である。導電体62cは、変形例1で用いたものと同じである。
変形例1は、3つの貫通孔601,602,603夫々に一対の導電体61c,62cの双方が挿通されている形態であるのに対し、変形例3は、貫通孔601,602の夫々に一対の導電体61e,62cの双方が挿通され、貫通孔603に導電体62cのみが挿通されている形態である。変形例3に係る一対のコア63c,64cの構成は、変形例1の場合と同様である。導電体62cは、変形例1で用いたものと同じである。
図11は、変形例3に係る貫通孔601,602,603の一部及び全部に挿通された導電体61e及び62cを各別に示す平面図である。図11Aは導電体61eを示し、図11Bは導電体62cを示す。図11Bは図9Bを再掲したものである。実施形態1の図4に示すインダクタ6と比較した場合、貫通孔603には導電体62cが更に挿通されている。貫通孔601には、貫通孔602に一部が挿通されているU字状部61euの他の一部が更に挿通されており、貫通孔602には、貫通孔603に一部が挿通されているU字状部62cuの他の一部が更に挿通されていると見ることができる。
このように、導電体61eは、平面視にて略線対称の単純な形状となる。また、導電体61e,62cの夫々について、隣り合う貫通孔601及び602に挿通された部位に流れる電流が、必然的に互いに逆方向となり、貫通孔601及び602の間のコア内で磁束が打ち消し合うことがない。そして、導電体62cについて、隣り合う貫通孔602及び603に挿通された部位に流れる電流が、必然的に互いに逆方向となり、貫通孔602及び603の間のコア内で磁束が打ち消し合うことがない。従って、導電体61e,62cの双方が挿通された部位に着目すれば、起磁力Fが2倍に、インダクタンスが4倍になる。
更に、導電体61e,62cの一端同士が、貫通孔601,602の貫通方向の両側に離隔されることとなり、周辺回路との接続が容易となる。具体的には、二次巻線12の他端からの電路が、導電体61eの一端に接続され、導電体62cの一端がダイオード51,52のアノードに接続される。導電体61e,62c夫々の他端は、端子C,Dへ接続される。
以上のように本変形例3によれば、3つのうちの2つの貫通孔601,602について、その貫通方向に対して流出電流及び戻り電流が同一方向に流れるように、一対の導電体61e,62cの双方が挿通されている。従って、一対の導電体61e,62cの双方が挿通された部位にて起磁力Fが2倍に、インダクタンスが略4倍になるため、実施形態1に係るインダクタ6との比較でインダクタンスが略4.5倍(4倍×1+1倍×1/2)になる。
(変形例4)
実施形態2は、一対の導電体61b,62bを周辺回路とは別に形成する形態であるのに対し、変形例2は、一対の導電体61f,62fを周辺回路と一体的に形成する形態である。変形例4に係る一対のコア63b,64bの構成は、実施形態2の場合と全く同様である。
実施形態2は、一対の導電体61b,62bを周辺回路とは別に形成する形態であるのに対し、変形例2は、一対の導電体61f,62fを周辺回路と一体的に形成する形態である。変形例4に係る一対のコア63b,64bの構成は、実施形態2の場合と全く同様である。
図12は、変形例4に係る一対の導電体61f,62fを模式的に示す平面図である。導電体61fは、実施形態2に係る導電体61bと比較して、一端部がトランス10のワンターンの二次巻線12と一体的に形成され、更に他端部が端子Cと一体的に形成されている。導電体61fが端子Cと一体化されていなくてもよい。一方の導電体62fは、実施形態2に係る導電体62bと比較して、他端部が端子Dと一体的に形成されているが、必ずしもこのように一体化されていなくてもよい。
なお、本変形例4にあっては、実施形態2の図6に示す導電体61bを二次巻線12及び端子Cと一体化し、導電体62bを端子Dと一体化する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、実施形態1の図4に示す導電体61を二次巻線12及び端子Cと一体化し、導電体62を端子Dと一体化してもよいし、変形例1の図9に示す導電体61cを二次巻線12及び端子Cと一体化し、導電体62Cを端子Dと一体化してもよい。
以上のように本変形例4によれば、導電体61fがトランス10の二次巻線12及び端子Cと一体的に形成され、導電体62fが端子Dと一体的に形成されるため、部品間の接合箇所を削減することができる。
(変形例5)
実施形態2は、インダクタ6bの取り付け方法を明示しない形態であるのに対し、変形例5は、インダクタ6cを筐体7へ取り付ける形態である。変形例5に係る一対のコア63b,64bの構成は、実施形態2の場合と全く同様である。
実施形態2は、インダクタ6bの取り付け方法を明示しない形態であるのに対し、変形例5は、インダクタ6cを筐体7へ取り付ける形態である。変形例5に係る一対のコア63b,64bの構成は、実施形態2の場合と全く同様である。
図13は、変形例5に係るインダクタ6cを斜め上方から見た斜視図であり、図14は、筐体7に取り付けたインダクタ6cを模式的に示す側面図である。インダクタ6cは、実施形態2に係るインダクタ6bと比較して、導電体61bを導電体61gに置き換えたものであり、一対のコア63b,64b及び導電体62bは、実施形態2の場合と同じである。
仮に実施形態2に係るインダクタ6bを平面上に平置きした場合、導電体62bの下面よりも導電体61bの下面の方が高くなる(図6,7参照)。そこで、本変形例5では、図13に示すように、互いに逆向きに折り曲げられた導電体61gの一端部及び他端部を、導電体62bと重ならない位置で厚さ方向に階段状に折り曲げてある。これにより、コア64bを下側にしてインダクタ6cを筐体7に平置きした場合、導電体61gの一端部及び他端部の下面と、導電体62bの一端部及び他端部の下面とで、筐体7からの高さが一致するようになる。
図14に示すように、筐体7の上面には、高さが同じ突出部71,72が設けられている。突出部71は、導電体62bの一端部及び他端部と重なる位置に配されている。突出部72は、導電体61gの一端部及び他端部と重なる位置に配されている。突出部71の上面と、導電体62bの一端部及び他端部の下面との間には、絶縁層68が設けられている。突出部72の上面と、導電体61gの一端部及び他端部の下面との間には、絶縁層69が設けられている。導電体61gと導電体62bとが重なる部分の間には、絶縁層65が設けられている。
以上のように、本変形例5によれば、インダクタ6cを筐体7に容易に取り付けることができる。
(実施形態3)
実施形態1は、一対のコア63,64を一対のみ備える形態であるのに対し、実施形態3は、一対のコア63,64を複数対備える形態である。換言すれば、本実施形態3は、一対のコア63,64を突き合わせて形成される貫通孔60a,60b夫々に一対の導電体61,62が挿通されたインダクタ6を複数含む複合インダクタを備える形態である。図15は、実施形態3に係るDC/DCコンバータ100bの構成例を示すブロック図である。DC/DCコンバータ100bは、入力側の端子A及びBの電位と出力側の端子C及びDの電位とを分離するトランス10と、一対の導電体61,62と、端子C及びD間に接続されたキャパシタ21と、導電体61,62間に接続されたキャパシタ23とを備える。
実施形態1は、一対のコア63,64を一対のみ備える形態であるのに対し、実施形態3は、一対のコア63,64を複数対備える形態である。換言すれば、本実施形態3は、一対のコア63,64を突き合わせて形成される貫通孔60a,60b夫々に一対の導電体61,62が挿通されたインダクタ6を複数含む複合インダクタを備える形態である。図15は、実施形態3に係るDC/DCコンバータ100bの構成例を示すブロック図である。DC/DCコンバータ100bは、入力側の端子A及びBの電位と出力側の端子C及びDの電位とを分離するトランス10と、一対の導電体61,62と、端子C及びD間に接続されたキャパシタ21と、導電体61,62間に接続されたキャパシタ23とを備える。
トランス10の二次巻線12は、一端にFET51bのドレインが接続され、他端にFET52bのドレインが接続されている。FET52bのドレインは、更に、一方のインダクタ(以下、第1のインダクタと言う)6に含まれる導電体61を介してキャパシタ23の一端に接続されている。キャパシタ23の一端は、更に、他方のインダクタ(以下、第2のインダクタと言う)6に含まれる導電体61を介してキャパシタ21の一端及び端子Cに接続されている。FET51b及び52bのソースは、第1のインダクタ6に含まれる導電体62を介してキャパシタ23の他端に接続されている。キャパシタ23の他端は、更に、第2のインダクタ6に含まれる導電体62を介してキャパシタ21の他端及び端子Dに接続されている。FET51b及び52bのゲートは、制御部4に接続されている。
その他、実施形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。なお、FET51b,52bは、実施形態1で用いたダイオード51,52に置き換えてもよい。インダクタ6の数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
上述のインダクタ6,6が複合インダクタ600に相当する。各インダクタ6は、2端子対回路と見なされ、これらの2端子対回路が縦続接続されている。複合インダクタ600に含まれる導電体61には流出電流が流れ、導電体62には戻り電流が流れる。第1のインダクタ6による2端子対回路の一方の端子対にはキャパシタが接続されていないが、ここにキャパシタを接続してもよい。キャパシタ23は、第1のインダクタ6による2端子対回路の他方の端子対に接続されていると見なしてもよいし、第2のインダクタ6による2端子対回路の一方の端子対に接続されていると見なしてもよい。キャパシタ21を削除して外部の負荷に含めるようにしてもよい。インダクタ6,6,・・による隣り合う2端子対回路の接続部位では、導電体61,62の間に必ずしもキャパシタを接続しなくてもよい。
次に、導体パターンを用いてインダクタ6,6を形成する例について説明する。図16は、印刷配線基板8上に形成されたトランス10及びインダクタ6,6を模式的に示す平面図である。印刷配線基板8には、内層が4層である6層の多層基板を用いているが、内層の数が3以下又は5以上であってもよい。トランス10には所謂PQ型のコアを、インダクタ6,6にはEI型のコア63,64を用いているが、これに限定されるものではない。
トランス10は、印刷配線基板8の長手方向の一端部にて長手方向と交差する方向に等間隔に設けられた3つの開口部にPQ型のコアの3つの脚部が各別に挿通されている。第1のインダクタ6は、印刷配線基板8の長手方向の略中央部にて長手方向と交差する方向に等間隔に設けられた3つの開口部にEI型のコア63,64の3つの脚部が各別に挿通されている。第2のインダクタ6は、印刷配線基板8の長手方向の他端部にて長手方向と交差する方向に等間隔に設けられた3つの開口部にEI型のコア63,64の3つの脚部が各別に挿通されている。印刷配線基板8の長手方向の一方の側縁部、且つインダクタ6,6の間に設けられた切り欠き部には、印刷配線基板8全体が固定される不図示の筐体から柱部91が延伸しており、該柱部91にはインダクタ6,6夫々のコア63,63を押圧して固定するL字状の板バネ9が螺子止めされている。各インダクタ6のコア63,64は、板バネ9を用いずに接着剤等によって固定してもよい。
印刷配線基板8の一方の外層には、インダクタ6,6夫々の貫通孔60a,60aに挿通する導電体61が導体パターンによって形成されている。この導体パターンは、トランス10の1ターンの二次巻線12及び端子Cと一体化されている。印刷配線基板8の一方の外層には、更に、インダクタ6,6夫々の貫通孔60b,60bに挿通する導電体62が導体パターンによって形成されている。この導体パターンは、端子Dと一体化されている。トランス10の一次巻線11は、印刷配線基板8の内層に形成されている。一次巻線11は、例えば任意の内層に形成された渦巻き状の導体パターンにより、ターン数(巻数)が2以上となるようにしてもよいし、1つの内層に形成された任意のターン数の巻線を、内層間を接続するビアホールによって直列に接続してもよい。なお、一次巻線11は、導電体61及び二次巻線12との重なり部位を除いて破線で示す。
トランス10及び第1のインダクタ6の間の部位における二次巻線12及び導電体62の間には、FET51bが表面実装されている。トランス10及び第1のインダクタ6の間の部位における導電体61,62の間には、FET52bが表面実装されている。インダクタ6,6の間の部位における導電体61,62の間には、キャパシタ23が表面実装されている。キャパシタ23は3つのキャパシタを並列に接続したものであるが、これに限定されず、例えば1つのキャパシタであってもよい。第2のインダクタ6よりも端子C及びD側の部位における導電体61,62の間には、キャパシタ21が表面実装されている。キャパシタ21は3つのキャパシタを並列に接続したものであるが、これに限定されず、例えば1つのキャパシタであってもよい。キャパシタ21,23は、積層セラミックコンデンサであるが、例えばリードタイプのセラミックコンデンサ又はフィルムコンデンサを用いてもよい。
次に、本実施形態3に係るDC/DCコンバータ100bによるノイズ低減の効果と、実施形態1に係るDC/DCコンバータ100によるノイズ低減の効果とを、シミュレーションによって比較検証した結果について説明する。図17のAは、実施形態1に係るDC/DCコンバータ100によるスイッチングノイズの周波数成分を示すグラフであり、Bは、実施形態3に係るDC/DCコンバータ100bによるスイッチングノイズの周波数成分を示すグラフである。図17A及び17Bの縦軸はノイズレベル(dBμV)を表し、横軸はスイッチング周波数(基本波)に対する相対的周波数を表す。図中に一点鎖線で示す折れ線は、ノイズの基本波及び高調波のピークを連ねたものである。
シミュレーションで用いたコア63,64の容積、インダクタ6のインダクタンス及びキャパシタ21,23のキャパシタンスは以下のとおりである。
(a)実施形態1に係るDC/DCコンバータ100
コア63,64の容積=Lml(Lは定数)
インダクタ6のインダクタンス=MμH(Mは定数)
キャパシタ21のキャパシタンス=NμF(Nは定数)
(b)実施形態3に係るDC/DCコンバータ100b
コア63b,64bの容積=0.2Lml
インダクタ6bのインダクタンス=0.2MμH
キャパシタ21,23のキャパシタンス=0.4NμF
(a)実施形態1に係るDC/DCコンバータ100
コア63,64の容積=Lml(Lは定数)
インダクタ6のインダクタンス=MμH(Mは定数)
キャパシタ21のキャパシタンス=NμF(Nは定数)
(b)実施形態3に係るDC/DCコンバータ100b
コア63b,64bの容積=0.2Lml
インダクタ6bのインダクタンス=0.2MμH
キャパシタ21,23のキャパシタンス=0.4NμF
図17Bに示すように、実施形態3に係るDC/DCコンバータ100bによれば、図17Aに示す実施形態1に係るDC/DCコンバータ100と比較して、スイッチング周波数の2倍波及び3倍波(2次高調波及び3次高調波)夫々に相当する周波数におけるノイズレベルが10dB及び20dB程度下回っている。即ち、実施形態3に係るDC/DCコンバータ100bによれば、実施形態1に係るコア63,64に対して容積比で1/4より小さいコア63,64を用いた場合であっても、高調波のノイズレベルを10dB〜20dB又はそれ以上低減することができる。このような効果は、インダクタ6,6を含む2つの2端子対回路が縦続接続されているため、第1のインダクタ6及びキャパシタ23と、第2のインダクタ6及びキャパシタ21とによって実現される2つの低域通過フィルタの減衰量が加算されることによるものと言える。
本実施形態3にあっては、一対の導電体61,62を印刷配線基板8の導体パターンで形成したので、部品点数の増加、接続ポイントの増加、加工工程の増加等を抑制して、ノイズ低減効果の高いDC/DCコンバータを容易に作製できるという効果が得られる。例えば一対の導電体61,62にバスバーを用いることもできる。但し、この場合は、導電体61,62及びキャパシタ23の間と、導電体61,62及びキャパシタ21の間とを、印刷配線基板8上での接続によらずに、別途半田付け又は溶接を用いて接続しなければならず、接続ポイントの数や工数が増える。
以上のように本実施形態3によれば、1対のコア63,64の2対分によって複合インダクタ600のインダクタンスが2つのインダクタ6,6に分散されるため、各対のコア63,64の容積を低減することができる。
また、実施形態3によれば、一対のコア63,64の貫通孔60a,60b夫々に一対の導電体61,62が挿通されて形成される各インダクタ6が2つのインダクタンス要素を含む2端子対回路と見なされ、各2端子対回路が縦続接続されている。従って、第1のインダクタ6の出力を第2のインダクタ6の入力に引き継ぐことができる。
更に、実施形態3によれば、縦続接続された2つの2端子対回路の出力側の端子対夫々にキャパシタ23,21が接続されているため、2段の低域通過フィルタを形成することができる。
更に、実施形態3によれば、トランス10の一次巻線11にFET31が直列に接続され、トランス10の二次巻線12に対する流出電流及び戻り電流が複合インダクタ600の一対の導電体61,62に流れる。これにより、FET31がオン/オフしたときにトランス10の二次巻線12に電流が誘起し、この電流が上述の複合インダクタ600における一対の導電体61,62に流れるため、出力電流を効果的に平滑することができる。
更に、実施形態3によれば、導電体61がトランス10の二次巻線12及び端子Cと一体的に形成され、導電体62が端子Dと一体的に形成されるため、部品間の接合箇所を削減することができる。
100、100b DC/DCコンバータ
10 トランス
11 一次巻線
12 二次巻線
20、21、22、23 キャパシタ
31、32 FET
4 制御部
51、52 ダイオード
51b、52b FET
6、6b、6c インダクタ
60a、60b、601、602、603 貫通孔
61、61b、61c、61d、61e、61f、61g 導電体
62、62b、62c、62f 導電体
61bu、61cu、61eu、62bu、62cu U字状部
63、63b、63c、64、64b、64c コア
65、66、68、69 絶縁層
67 伝熱層
600 複合インダクタ
7 筐体
71、72 突出部
8 印刷配線基板
9 板バネ
A、B、C、D 端子
10 トランス
11 一次巻線
12 二次巻線
20、21、22、23 キャパシタ
31、32 FET
4 制御部
51、52 ダイオード
51b、52b FET
6、6b、6c インダクタ
60a、60b、601、602、603 貫通孔
61、61b、61c、61d、61e、61f、61g 導電体
62、62b、62c、62f 導電体
61bu、61cu、61eu、62bu、62cu U字状部
63、63b、63c、64、64b、64c コア
65、66、68、69 絶縁層
67 伝熱層
600 複合インダクタ
7 筐体
71、72 突出部
8 印刷配線基板
9 板バネ
A、B、C、D 端子
Claims (15)
- 磁性体を含み互いに突き合わせ可能な一対のコアと、所定の電流源から外部へ流れる流出電流及び外部から前記電流源へ戻る戻り電流が流れる一対の導電体とを備えるインダクタであって、
前記一対のコアは、突き合わせた状態で突き合わせ面に沿って同一方向に貫通する少なくとも2つの貫通孔を形成し、
前記一対の導電体は、前記流出電流及び前記戻り電流が前記貫通孔の貫通方向に対して互いに逆方向に流れるように隣り合う2つの貫通孔に各別に挿通してあるインダクタ。 - 前記一対の導電体は、前記流出電流及び前記戻り電流が前記貫通方向に対して同一方向に流れるように少なくとも1つの同一の貫通孔に挿通してある請求項1に記載のインダクタ。
- 前記一対の導電体の少なくとも一方は、隣り合う2つの貫通孔に挿通された部位を含んでU字状に形成されたU字状部を有する請求項2に記載のインダクタ。
- 前記一対の導電体の夫々は、前記U字状部を有し、前記貫通方向に対して前記U字状部が互いに逆向きになるようにしてある請求項3に記載のインダクタ。
- 前記貫通孔の数は2であり、
前記一対のコアは、EE型、EI型又はER型の何れかである請求項1から請求項4の何れか1項に記載のインダクタ。 - 前記一対の導電体の夫々は、断面が矩形状をなしている請求項1から請求項5の何れか1項に記載のインダクタ。
- 前記一対の導電体は、印刷配線基板に含まれる導体パターンである請求項6に記載のインダクタ。
- 前記一対のコアの材料は、磁性体を焼結して形成したフェライト又は磁性体を含む粉末を加圧して形成した圧粉形成体である請求項1から請求項7の何れか1項に記載のインダクタ。
- 前記一対の導電体及び前記コアの間に伝熱材料を含む伝熱層を更に備える請求項1から請求項8の何れか1項に記載のインダクタ。
- 請求項1から請求項9の何れか1項に記載のインダクタを含む複合インダクタであって、
前記一対の導電体が前記貫通孔に挿通された前記一対のコアを複数対備える複合インダクタ。 - 各対のコアの前記貫通孔に前記一対の導電体が挿通されることによって形成されるインダクタによる2端子対回路が縦続接続となるようにしてある請求項10に記載の複合インダクタ。
- 少なくとも1つの前記2端子対回路における一方の端子対にキャパシタを接続してある請求項11に記載の複合インダクタ。
- 請求項1から請求項9の何れか1項に記載のインダクタと、
スイッチング素子と、
一次巻線が前記スイッチング素子に直列に接続されたトランスと
を備え、
前記一対の導電体は、前記トランスの二次巻線から外部へ流出する流出電流及び外部から前記二次巻線に戻る戻り電流が流れるように接続されているDC/DCコンバータ。 - 請求項10から請求項12の何れか1項に記載の複合インダクタと、
スイッチング素子と、
一次巻線が前記スイッチング素子に直列に接続されたトランスと
を備え、
前記一対の導電体は、前記トランスの二次巻線から外部へ流出する流出電流及び外部から前記二次巻線に戻る戻り電流が流れるように接続されているDC/DCコンバータ。 - 前記一対の導電体は、
一方が前記二次巻線と一体的に形成されており、
前記一方及び/又は他方が出力側の電路と一体的に形成されている
請求項13又は請求項14に記載のDC/DCコンバータ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
PCT/JP2019/024705 WO2020026640A1 (ja) | 2018-07-30 | 2019-06-21 | インダクタ、複合インダクタ、dc/dcコンバータ及び回路 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP2018142503 | 2018-07-30 |
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JP2021180200A true JP2021180200A (ja) | 2021-11-18 |
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JP2018192846A Pending JP2021180200A (ja) | 2018-07-30 | 2018-10-11 | インダクタ、複合インダクタ及びdc/dcコンバータ |
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