JP2021179605A - 偏光フィルム積層体 - Google Patents

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汐海 八木
Shiomi Yagi
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Kaoru KUROHARA
勝則 高田
Katsunori Takada
卓哉 湯峯
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Abstract

【課題】高温環境下における単体透過率の低下の抑制効果に優れる偏光膜を有する偏光フィルム積層体を提供すること。【解決手段】第1基材と、偏光膜と、第2基材とがこの順に積層されている偏光フィルム積層体であって、前記第1基材および前記第2基材は、透湿度が300g/(m2・24h)以下であり、前記第1基材と前記第2基材との間に存在する少なくとも1つの層が、水溶性のラジカル捕捉剤を含む偏光フィルム積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、偏光フィルム積層体に関する。
従来、液晶表示装置や有機EL表示装置等の各種画像表示装置に用いる偏光膜としては、高透過率と高偏光度を兼ね備えていることから、染色処理された(ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を含有する)ポリビニルアルコール系フィルムが用いられている。当該偏光膜は、ポリビニルアルコール系フィルムに、浴中にて、例えば、膨潤、染色、架橋、延伸等の各処理を施した後に、洗浄処理を施してから、乾燥することにより製造される。
近年、このような各種画像表示装置は、携帯電話やタブレット端末等のモバイル機器に加えて、カーナビゲーション装置やバックモニター等の車載用の画像表示装置としても使用される等、その用途は広がっている。これに伴い、偏光膜を有する偏光フィルム積層体は、従来要求されてきたよりも、より過酷な環境下(例えば、高温環境下)における高い耐久性が求められており、そのような耐久性を確保することを目的とした偏光フィルム積層体が提案されている(特許文献2−3)。
特開2014−102353号公報 特表2012−516468号公報 特開2018−101117号公報
上記の車載用の画像表示装置では、近年の自動運転技術の発展により、ディスプレイデザインの異形化や大型化が進んでいる。このようなディスプレイデザインの変化に伴い、偏光フィルム積層体において、高温環境下における耐久性をさらに向上させる手段が求められている。
以上のような事情に鑑み、本発明は、高温環境下における単体透過率の低下の抑制効果に優れる偏光フィルム積層体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、第1基材と、偏光膜と、第2基材とがこの順に積層されている偏光フィルム積層体であって、前記第1基材および前記第2基材は、透湿度が300g/(m・24h)以下であり、前記第1基材と前記第2基材との間に存在する少なくとも1つの層が、水溶性のラジカル捕捉剤を含む偏光フィルム積層体に関する。
本発明の偏光フィルム積層体における効果の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推定される。ただし、本発明は、この作用メカニズムに限定して解釈されない。
本発明の偏光フィルム積層体は、第1基材と、偏光膜と、第2基材とがこの順に積層されている偏光フィルム積層体であって、前記第1基材および前記第2基材は、透湿度が300g/(m・24h)以下であり、前記第1基材と前記第2基材との間に存在する少なくとも1つの層が、水溶性のラジカル捕捉剤を含む。偏光膜は、高温環境下では、ポリビニルアルコールの劣化によるラジカル発生が伴うポリエン化が起こり、単体透過率が低下すると推定される。一方、本発明の偏光フィルム積層体は、高温環境下に曝された際、前記第1基材と前記第2基材との間に存在する少なくとも1つの層に含まれる水溶性のラジカル捕捉剤が、透湿度が300g/(m・24h)以下である前記第1基材と前記第2基材の間を、偏光膜に含まれる水分とともに滞留(移動)することにより、偏光膜に発生したラジカルを効率よく捕捉できるため、高温環境下における単体透過率の低下の抑制効果に優れる。
本発明の偏光フィルム積層体は、第1基材と、偏光膜と、第2基材とがこの順に積層されている偏光フィルム積層体であって、前記第1基材および前記第2基材は、透湿度が300g/(m・24h)以下であり、前記第1基材と前記第2基材との間に存在する少なくとも1つの層が、水溶性のラジカル捕捉剤を含む。
<水溶性のラジカル捕捉剤>
前記水溶性のラジカル捕捉剤は、偏光膜中の水分に移行し易い観点から、25℃の水100重量部に対して1重量部以上溶解できる化合物であることが好ましく、25℃の水100重量部に対して2重量部以上溶解できる化合物であることがより好ましく、25℃の水100重量部に対して5重量部以上溶解できる化合物であることがさらに好ましい。前記水溶性のラジカル捕捉剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記水溶性のラジカル捕捉剤は、高温環境下での偏光膜のポリエン化を抑制できると推定される。前記水溶性のラジカル捕捉剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、トリアジン系の化合物などのラジカル捕捉機能を有する化合物が挙げられる。前記水溶性のラジカル捕捉剤としては、偏光膜で発生するラジカル種の観点から、例えば、ニトロキシラジカル、またはニトロキシド基を有する化合物であることが好ましい。
前記ニトロキシラジカル、またはニトロキシド基を有する化合物としては、室温、空気中で比較的に安定なラジカルを有する観点から、N−オキシル化合物(官能基として、C−N(−C)−Oを有する化合物(Oはオキシラジカルを示す))が挙げられ、公知のものが使用できる。N−オキシル化合物としては、例えば、以下の構造の有機基を有する化合物などが挙げられる。
Figure 2021179605
(一般式(1)中、Rは、オキシラジカル表し、RからRは、独立して、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基を表し、nは0または1を表す。)なお、一般式(1)中の、点線部の左は任意の有機基を示す。
上記の有機基を有する化合物としては、例えば、以下の一般式(2)〜(5)で表わされる化合物などが挙げられる。
Figure 2021179605
(一般式(2)中、RからR、およびnは、上記と同様であり、Rは水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基、アシル基、もしくはアリール基を表し、nは0または1を表す。)
Figure 2021179605
(一般式(3)中、RからR、およびnは、上記と同様であり、RおよびRは、独立して、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基、アシル基、もしくはアリール基を表す。)
Figure 2021179605
(一般式(4)中、RからR、およびnは、上記と同様であり、RからR11は、独立して、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基、アシル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、もしくはアリール基を表す。)
Figure 2021179605
(一般式(5)中、RからR、およびnは、上記と同様であり、R12は、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、もしくはアリール基を表す。)
前記一般式(1)〜(5)中、RからRは、入手容易性の観点から、炭素原子数が1〜6のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数が1〜3のアルキル基であることがより好ましい。また、前記一般式(2)中、入手容易性の観点から、Rは水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。また、前記一般式(3)中、入手容易性の観点から、RおよびRは独立して水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。また、前記一般式(4)中、入手容易性の観点から、RからR11は、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基であることが好ましい。また、前記一般式(5)中、入手容易性の観点から、R12は、ヒドロキシ基、アミノ基、またはアルコキシ基であることが好ましい。前記一般式(1)〜(5)中、nは、入手容易性の観点から、1であることが好ましい。
また、前記N−オキシル化合物としては、例えば、特開2003−64022号公報、特開平11−222462号公報、特開2002−284737号公報、国際公開第2016/047655号などに記載されたN−オキシル化合物が挙げられる。
また、前記ニトロキシラジカル、またはニトロキシド基を有する化合物としては、例えば、以下の化合物などが挙げられる。
Figure 2021179605
(一般式(6)中、Rは、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基、アシル基、もしくはアリール基を表す。)
Figure 2021179605
Figure 2021179605
また、前記水溶性のラジカル捕捉剤は、高温環境下において、前記第1基材と前記第2基材との間に存在する少なくとも1つの層に含まれる水溶性のラジカル捕捉剤が、前記第1基材と前記第2基材の間を、偏光膜に含まれる水分とともに滞留(移動)することにより、偏光膜に発生したラジカルを効率よく捕捉できる観点から、分子量が、1000以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましく、300以下であることがさらに好ましい。
<偏光膜>
前記偏光膜は、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性物質が吸着配向して形成される。偏光膜の初期の偏光性能の観点から、前記二色性物質としてヨウ素を含む、ヨウ素系偏光膜が好ましい。
前記ポリビニルアルコール(PVA)系フィルムは、可視光領域において透光性を有し、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を分散吸着するものを特に制限なく使用できる。前記ポリビニルアルコール系フィルムの材料としては、ポリビニルアルコールまたはその誘導体が挙げられる。前記ポリビニルアルコールの誘導体としては、例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール;エチレン、プロピレン等のオレフィン;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸、およびそのアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したもの等が挙げられる。前記ポリビニルアルコールは、平均重合度が100〜10,000程度であることが好ましく、1,000〜10,000程度であることがより好ましく、1,500〜4,500程度であることがさらに好ましい。また、前記ポリビニルアルコールは、ケン化度が80〜100モル%程度であることが好ましく、95モル%〜99.95モル程度であることがより好ましい。なお、前記平均重合度および前記ケン化度は、JIS K 6726に準じて求めることができる。
前記偏光膜は、従前の偏光膜の製造方法により得られ、例えば、前記ポリビニルアルコール系フィルムに、任意の膨潤工程および洗浄工程と、少なくとも、染色工程、架橋工程、および延伸工程を施して得られる。前記偏光膜が、前記水溶性のラジカル捕捉剤を含有する場合、前記膨潤工程、前記洗浄工程、前記染色工程、前記架橋工程、および前記延伸工程のいずれか1つ以上の処理工程における処理浴が、前記水溶性のラジカル捕捉剤を含んでいればよい。
前記偏光膜は、偏光膜の初期の偏光度を向上させる観点から、厚みが1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、そして、パネルの反りを防止する観点から、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましく、8μm以下であることがよりさらに好ましい。とくに、厚みが8μm程度以下の偏光膜を得るためには、前記ポリビニルアルコール系フィルムとして、熱可塑性樹脂基材上に製膜されたポリビニルアルコール系樹脂層を含む積層体を用いる、以下の薄型の偏光膜の製造方法が適用できる。
偏光膜(薄型の偏光膜)は、従前の偏光膜の製造方法により得られ、例えば、長尺状の熱可塑性樹脂基材の片側に、ポリビニルアルコール系樹脂(PVA系樹脂)を含むポリビニルアルコール系樹脂層(PVA系樹脂層)を形成して積層体を準備する工程と、得られた積層体を長手方向に搬送しながら、前記積層体に、任意の不溶化処理工程、架橋処理工程、および洗浄処理工程と、少なくとも、空中補助延伸処理工程、染色処理工程、および水中延伸処理工程を施して得られる。前記偏光膜が、前記水溶性のラジカル捕捉剤を含有する場合、前記不溶化処理工程、前記架橋処理工程、前記洗浄処理工程、前記染色処理工程、および前記水中延伸処理工程のいずれか1つ以上の処理工程における処理浴が、前記水溶性のラジカル捕捉剤を含んでいればよい。
<第1基材および第2基材>
前記第1基材および前記第2基材は、透湿度が300g/(m・24h)以下であれば、特に制限されず、例えば、偏光フィルムに用いられている透明保護フィルム、位相差フィルム等の有機基材等を用いることができる。前記第1基材および前記第2基材は、同じものであってもよく、異なっていてもよい。なお、透湿度は、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じ、直径60mmに切断したサンプルを約15gの塩化カルシウムを入れた透湿カップにセットし、温度40℃、湿度90%R.H.の恒温機に入れ、24時間放置した前後の塩化カルシウムの重量増加を測定することで算出できる。
前記透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば、セルロールエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。前記位相差フィルムとしては、例えば、高分子素材を一軸または二軸延伸処理してなる複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したもの等が挙げられる。また、前記透明保護フィルムおよび前記位相差フィルムには、ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層ないしアンチグレア層等の他の層;反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、視野角補償フィルム等の画像表示装置等の形成に用いられる光学層;が1層または2層以上設けられていてもよい。
前記第1基材および前記第2基材は、高温環境下において、前記第1基材と前記第2基材との間に存在する少なくとも1つの層に含まれる水溶性のラジカル捕捉剤が、前記第1基材と前記第2基材の間を、偏光膜に含まれる水分とともに滞留(移動)することにより、偏光膜に発生したラジカルを効率よく捕捉できる観点から、前記第1基材および前記第2基材の透湿度の合計が300g/(m・24h)以下であることが好ましく、200g/(m・24h)以下であることがより好ましく、100g/(m・24h)以下であることがさらに好ましい。とくに、第1基材および第2基材との間に存在する層として、後述する活性エネルギー線硬化型接着剤層が存在する場合、当該接着剤層に隣接する第1基材または第2基材は、透湿度が100g/(m・24h)以下であることが好ましく、50g/(m・24h)以下であることがより好ましく、20g/(m・24h)以下であることがさらに好ましい。
<第1基材および第2基材との間に存在する層>
前記第1基材と前記第2基材との間に存在する層の厚みの合計は、高温環境下において、前記第1基材と前記第2基材との間に存在する少なくとも1つの層に含まれる水溶性のラジカル捕捉剤が、前記第1基材と前記第2基材の間を、偏光膜に含まれる水分とともに滞留(移動)することにより、偏光膜に発生したラジカルを効率よく捕捉できる観点から、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。
前記第1基材と前記第2基材の間に存在する層の厚みの合計は、高温環境下において、前記第1基材と前記第2基材との間に存在する少なくとも1つの層に含まれる水溶性のラジカル捕捉剤が、前記第1基材と前記第2基材の間を、偏光膜に含まれる水分とともに滞留(移動)することにより、偏光膜に発生したラジカルを効率よく捕捉できる観点から、偏光膜の厚みに対して3倍以下であることが好ましく、2.5倍以下であることがより好ましく、2倍以下であることがさらに好ましい。
前記第1基材と前記第2基材との間に存在する層は、前記偏光膜のほか、粘着剤層、接着剤層、機能層等が挙げられる。
前記粘着剤層を形成する粘着剤としては、偏光フィルムに用いられている各種の粘着剤を適用でき、例えば、アクリル系粘着剤が挙げられる。また、前記接着剤層を形成する接着剤としては、偏光フィルムに用いられている各種の接着剤を適用でき、例えば、ポリビニルアルコール系接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤等が挙げられる。前記活性エネルギー線硬化型接着剤としては、例えば、(メタ)アクリレート系接着剤が挙げられる。前記(メタ)アクリレート系接着剤における硬化性成分としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物が挙げられる。(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、炭素数が1〜20の鎖状アルキル(メタ)アクリレート、脂環式アルキル(メタ)アクリレート、多環式アルキル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリレート系接着剤は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N‐メチロール(メタ)アクリルアミド、N‐メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N‐エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等の窒素含有モノマーを含んでいてもよい。(メタ)アクリレート系接着剤は、架橋成分として、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、EO変性ジグリセリンテトラアクリレート等の多官能モノマーを含んでいてもよい。また、カチオン重合硬化型接着剤としてエポキシ基やオキセタニル基を有する化合物も使用することができる。エポキシ基を有する化合物は、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するものであれば特に限定されず、一般に知られている各種の硬化性エポキシ化合物を用いることができる。
前記機能層としては、透明保護フィルム等から溶出されるオリゴマーやイオン等の不純物が偏光膜中に移行(侵入)することを防止するため機能を有するブロック層;透明保護フィルムと偏光膜等屈折率の異なる層間での反射に伴う透過率の低下を抑制するために設けられる屈折率調整層;偏光膜の折れを防止するための補強層;位相差機能を有する液晶コーティング層等が挙げられる。なお、水溶性ラジカル捕捉剤の添加する層として、高温環境下で偏光膜に発生したラジカルを効率よく捕捉できる観点から、偏光膜、水系接着剤や機能層(補強層)のようなPVA系樹脂を含む層に添加するのが好ましい。
前記第1基材、前記第2基材、前記第1基材と前記第2基材との間に存在する層は、表面改質処理、易接着処理されていてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されない。
<実施例1>
<偏光膜の作製>
吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)基材の片面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)を9:1の比で含む水溶液を25℃で塗布および乾燥して、厚み11μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。得られた積層体を、120℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.0倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸処理)。次いで、積層体を、液温30℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。次いで、液温30℃の染色浴に、偏光膜が所定の透過率となるようにヨウ素濃度、浸漬時間を調整しながら浸漬させた(染色処理)。次いで、液温30℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合し、ヨウ化カリウムを5重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理)。その後、積層体を液温30℃の洗浄浴(ヨウ化カリウム濃度3重量%、水溶性のラジカル捕捉剤として、下記一般式(9)で表される化合物濃度が1重量%である水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。その後、90℃に保たれたオーブン中で乾燥しながら、表面温度が75℃に保たれたSUS製の加熱ロールに約2秒接触させた(乾燥収縮処理)。以上により、厚み5.4μmの偏光膜を含む光学フィルム積層体を得た。以下の測定方法にて求めた、偏光膜中のラジカル捕捉剤の含有量の含有量は0.19重量%であった。
Figure 2021179605
[偏光膜中の水溶性のラジカル捕捉剤の含有量(重量%)の測定方法]
偏光膜約20mgを採取、定量し、水1mL中で加熱溶解させた後、メタノール4.5mLで希釈し、得られた抽出液をメンブレンフィルターでろ過し、ろ液をHPLC(Waters社製 ACQUITY UPLC H−class Bio)を用いて水溶性のラジカル捕捉剤の濃度を測定した。
<偏光フィルム積層体の作製>
接着剤として、アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール樹脂(平均重合度が1,200、ケン化度が98.5モル%、アセトアセチル化度が5モル%)とメチロールメラミンとを重量比3:1で含有する水溶液を用いた。上記で得られた光学フィルム積層体の偏光膜面に、第1基材として、(メタ)アクリル系樹脂(ラクトン環構造を有する変性アクリル系ポリマー)からなる厚み30μmの透明保護フィルム(透湿度が125g/(m・24h))を、上記の接着剤(乾燥膜厚0.1μm)を介して、ロール貼り合わせ機を使用し貼り合わせた後、引き続きオーブン内で加熱乾燥(温度が60℃、時間が4分間)させた。次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、剥離した面に第2基材として、厚み27μmのシクロオレフィン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製、ZF14、透湿度が10g/(m・24h))を、紫外線硬化型接着剤を介して接着させた。その後、UV光線を第2基材面から照射して接着剤を硬化させ、偏光フィルム積層体を作製した。紫外線硬化型接着剤の詳細は以下の通りである。N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)40重量部とアクリロイルモルホリン(ACMO)60重量部と光開始剤「IRGACURE 819」(BASF社製)3重量部を混合し、接着剤を調製した。硬化後の接着剤層の厚みが1.0μmとなるように偏光膜上に塗布し、活性エネルギー線として、紫外線を照射し、接着剤を硬化させた。紫外線照射は、ガリウム封入メタルハライドランプ、照射装置:Fusion UV Systems,Inc社製のLight HAMMER10、バルブ:Vバルブ、ピーク照度:1600mW/cm、積算照射量1000/mJ/cm(波長380〜440nm)を使用し、紫外線の照度は、Solatell社製のSola−Checkシステムを使用して測定した。
<アクリル系粘着剤の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート99部、4−ヒドロキシブチルアクリレート1部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。さらに、前記モノマー混合物(固形分)100部に対して、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を酢酸エチル100部と共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って8時間重合反応を行って、重量平均分子量(Mw)180万のアクリル系ポリマーの溶液を調製した。その後、得られたアクリル系ポリマーの溶液の固形分100部に対して、イソシアネート架橋剤(東ソー社製、商品名「タケネートD110N」、トリメチロールプロパン/キシリレンジイソシアネート付加物)0.02部、シランカップリング剤(信越化学工業社製、商品名「X−41−1056」)0.2部を配合して、アクリル系粘着剤組成物の溶液を調製した。
<粘着剤付き偏光フィルム積層体の作製>
上記で得られたアクリル系粘着剤組成物の溶液を、シリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム製、商品名「MRF38」、セパレータフィルム)の片面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが20μmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥を行い、セパレータフィルムの表面に粘着剤層を形成した。次いで、上記で作製した偏光フィルム積層体の一方の面に、セパレータフィルム上に形成した粘着剤層を転写して、粘着剤層付き偏光フィルム積層体を作製した。
[高温環境下における単体透過率の評価]
上記で得られた粘着剤層付き偏光フィルム積層体を、偏光膜の吸収軸が長辺と平行になるように45×40mmのサイズに切断し、粘着剤層を介してガラス板(平岡特殊硝子製作社製EG−XG、50×45mm、厚さ0.7mm)を貼り合わせ、50℃、0.5MPaで15分間オートクレーブ処理して、積層体を作製した。得られた積層体を、温度105℃の熱風オーブン内に500時間静置し、投入(加熱)前後の単体透過率(ΔTs)を測定した。単体透過率は、紫外可視分光光度計(大塚電子製、「LPF−200」)を用いて光学特性を測定し、単体透過率を得た。当該単体透過率は、JlS Z 8701−1982の2度視野(C光源)により、視感度補正を行ったY値である。なお、測定波長は、380〜780nm(5nm毎)である。
ΔTs(%)=Ts500−Ts
ここで、Tsは加熱前の積層体の単体透過率であり、Ts500は500時間加熱後の積層体の単体透過率である。結果を表1に示す。前記ΔTs(%)は、5≧ΔTs(%)≧0であることが好ましく、3≧ΔTs(%)≧0であることがより好ましい。
<実施例2>
偏光フィルム積層体の作製において、第1基材として、厚みが23μmのシクロオレフィン系フィルム(日本ゼオン社製、ZF12、透湿度が10g/(m・24h))を用い、接着剤として実施例1に記載の紫外線硬化型接着剤を使用し貼り合わせたこと以外は、実施例1と同様の操作により、粘着剤層付き偏光フィルム積層体を作製した。
<実施例3>
偏光膜の作製において、洗浄浴に一般式(9)で示される水溶性のラジカル捕捉剤を添加せずに、かつ偏光フィルム積層体の作製において、偏光膜と第1基材とを貼り合わせに使用する接着剤に一般式(9)で示される水溶性のラジカル捕捉剤をポリビニルアルコール樹脂との重量比で4:3となるように添加し、接着剤の硬化反応に影響を与えないように、水溶性のラジカル捕捉剤に対してモル比で1:1となるように水酸化カリウムを添加して、pHを調整したこと(中和したこと)以外は、実施例1と同様の操作により、粘着剤層付き偏光フィルム積層体を作製した。
<実施例4>
偏光膜の作製において、洗浄浴に一般式(9)で示される水溶性のラジカル捕捉剤を添加せずに、かつ、偏光フィルム積層体の作製において、偏光膜が露出した面にコロナ処理を施し、樹脂組成物(重合度2500、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール樹脂(日本酢ビ・ポバール社製、商品名:JC−25H)を純水に溶解したものと上記の一般式(9)で示される水溶性のラジカル捕捉剤を燥成膜後の重量比3:1で含有する水溶液(固形分25重量%))をワイヤーバーで乾燥後の厚みが0.8μmになるように塗布したのち、60℃で5分間乾燥して、偏光膜上に機能層(補強層)を成膜し、その後、水系接着剤を介して、第1基材を貼り合わせたこと以外は、実施例1と同様の操作により、粘着剤層付き偏光フィルム積層体を作製した。
<比較例1>
偏光膜の作製において、洗浄浴に一般式(9)で示される化合物を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作により、粘着剤層付き偏光フィルム積層体を作製した。
<比較例2>
偏光膜の作製において、洗浄浴に一般式(9)で示される化合物を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様の操作により、粘着剤層付き偏光フィルム積層体を作製した。
上記で得られた各実施例および比較例の粘着剤層付き偏光フィルム積層体を用い、上記の[高温環境下における単体透過率の評価]を行った。結果を表1に示す。
Figure 2021179605

Claims (5)

  1. 第1基材と、偏光膜と、第2基材とがこの順に積層されている偏光フィルム積層体であって、
    前記第1基材および前記第2基材は、透湿度が300g/(m・24h)以下であり、
    前記第1基材と前記第2基材との間に存在する少なくとも1つの層が、水溶性のラジカル捕捉剤を含むことを特徴とする偏光フィルム積層体。
  2. 前記第1基材と前記第2基材との間に存在する層の合計の厚みが50μm以下であることを特徴とする請求項1記載の偏光フィルム積層体。
  3. 前記第1基材と前記第2基材との間に存在する少なくとも1つの層が、前記偏光膜、粘着剤層、接着剤層、および機能層からなる群より選ばれる1つ以上であることを特徴とする請求項1または2記載の偏光フィルム積層体。
  4. 前記偏光膜の厚みが20μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏光フィルム積層体。
  5. 前記偏光膜は、ヨウ素が吸着配向してなるヨウ素系偏光膜であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光フィルム積層体。
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