JP2021179155A - コンクリート打設用型枠及びコンクリート打設用型枠の構築方法 - Google Patents

コンクリート打設用型枠及びコンクリート打設用型枠の構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート打設用型枠の構築や盛替え作業を省力化する。【解決手段】コンクリート打設用型枠100は、コンクリートをせき止めるせき板10と、せき板10に沿って延在して設けられ、コンクリートの圧力に抗してせき板を支持する横桟30と、横桟30よりも短く形成され、横桟30に沿って配置された短材40と、横桟30と短材40とに渡って設けられ、横桟30及び短材40を支持する座金50と、せき板10と座金50とに渡って締結され、座金50をせき板10に向けて押圧する締結具60と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、コンクリートを打設する際に用いられるコンクリート打設用型枠、及びコンクリート打設用型枠を構築する方法に関する。
コンクリート構造体を構築する際には、コンクリートを所定の形に打設するためのコンクリート打設用型枠(以下、単に「型枠」とも称する)が構築される。特許文献1には、せき板に縦端太を当てると共に縦端太に横端太を当ててせき板を補強した型枠が開示されている。特許文献1に開示された型枠では、横端太に被せられた座金(リブ座)にフォームタイ(登録商標)を貫通させ、ナットで締め付けることで、横端太がせき板に締結される。
特開2001−262828号公報
特許文献1では、座金は、2本の横端太に渡って設けられるように形成されている。そのため、この座金を1本の横端太のみに設けて座金をせき板に向けて押圧した場合には、座金が安定性を欠き、横端太を安定して支持できないおそれがある。このような理由から、コンクリートの圧力が比較的小さく1本の横端太でせき板を補強すれば十分である場合においても、2本の横端太に渡って座金を設ける必要がある。その結果、せき板の補強に必要な本数以上の横端太を運搬し、保管し、せき板に設けることになり、型枠の構築作業に多大な労力を必要とする。
本発明は、コンクリート打設用型枠の構築や盛替え作業を省力化することを目的とする。
本発明は、コンクリートをせき止めるせき板と、せき板に沿って延在して設けられ、コンクリートの圧力に抗してせき板を支持する支持材と、支持材よりも短く形成され、支持材に沿って配置された短材と、支持材と短材とに渡って設けられ、支持材及び短材を支持する座金と、せき板と座金とに渡って締結され、座金をせき板に向けて押圧する押圧手段と、を備える。
また、本発明は、コンクリートをせき止めるせき板に、コンクリートの圧力に抗してせき板を支持する支持材をせき板に沿って延在して設けると共に、支持材よりも短く形成された短材を支持材に沿って配置し、支持材及び短材を支持する座金を支持材と短材とに渡って設け、せき板と座金とに渡って締結された押圧手段を用いて、座金をせき板に向けて押圧する。
本発明によれば、コンクリート打設用型枠の構築や盛替え作業を省力化することができる。
(a)は、本発明の実施形態に係るコンクリート打設用型枠の正面図(立面図)であり、(b)は、本発明の実施形態に係るコンクリート打設用型枠の平面図であり、(c)は、図1(a)におけるIC−IC線に沿う立断面図である。 (a)は、図1(a)に示すIIA部の拡大図であり、図2(b)は、図2(a)に示すIIB−IIB線に沿う立断面図である。 図2に示す支持材の小口の拡大断面図である。 図3に示される支持材を縦桟として用いたコンクリート打設用型枠の断面図である。 本発明の実施形態における変形例に係るコンクリート打設用型枠の拡大正面図(立面図)である。 本発明の実施形態における別の変形例に係るコンクリート打設用型枠の立断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る型枠(コンクリート打設用型枠)について、図面を参照して説明する。
図1(a)は、本実施形態に係る型枠100の正面図(立面図)であり、図1(b)は、型枠100の平面図(鉛直下方に、すなわち図1(a)における矢印IBの方向に見下げた図)であり、図1(c)は、図1(a)におけるIC−IC線に沿う立断面図である。
型枠100は、建築現場や工事現場においてコンクリート構造体を構築する際に、構築済みのコンクリート構造体の上に構築され、コンクリート打設領域1を画定する。型枠100は、地盤上に構築されてもよい。型枠100を用いて画定されたコンクリート打設領域1にコンクリートを打設することにより、コンクリート構造体がコンクリート打設領域1に対応した形状で構築される。
図1(a)〜(c)に示すように、型枠100は、コンクリートをせき止める複数のせき板10と、せき板10に沿って略鉛直に延在して設けられる縦桟20と、せき板10に沿って略水平に延在して設けられる横桟(支持材)30と、を備えている。コンクリート打設領域1を間に挟んで互いに対向するせき板10同士は、セパレータ11を用いて互いに連結されており、セパレータ11によって、互いに対向するせき板10同士の間隔が定められている。
縦桟20は、せき板10と横桟30との間に配置されている。横桟30は、コンクリートの圧力に抗して縦桟20を介してせき板10を支持する。このように、コンクリートの圧力は、縦桟20及び横桟30によって支持されたせき板10によって受け止められる。縦桟20及び横桟30によって、せき板10が補強され、せき板10の変形を軽減することができる。これにより、コンクリート構造体の寸法精度を向上させることができる。
図2(a)は、図1(a)に示すIIA部の拡大図であり、図2(b)は、図2(a)に示すIIB−IIB線に沿う立断面図である。図2(a)及び(b)に示すように、型枠100は、横桟30に沿って配置された短材40と、横桟30と短材40とに渡って設けられた座金50と、せき板10と座金50とに渡って締結された締結具(押圧手段)60と、を備えている。
短材40は、横桟30よりも短く形成されている。短材40の断面形状は、横桟30の断面形状と略同じである。短材40としては、横桟30を短く切断した端材を用いることができる。
短材40の長さL40は、隣り合う縦桟20の間隔Gよりも大きく、短材40は、隣り合う縦桟20に渡って設けられている。短材40の長さL40は、間隔Gに縦桟20の幅W20を2本分加算した値以上であることがより好ましい。この場合には、短材40を縦桟20に渡って容易かつ安定してかけ渡すことができる。
締結具60は、横桟30と短材40との間に配置されたロッド状部材61と、ロッド状部材61に螺合するナット62と、を有している。ロッド状部材61は、せき板10にコンクリートの圧力が作用するコンクリート圧方向に延在するように、セパレータ11を用いてせき板10に固定されている。具体的には、セパレータ11は雄ねじ部11aを有しており、ロッド状部材61には、セパレータ11の雄ねじ部11aに螺合する雌ねじ穴61aが形成されている。雄ねじ部11aをせき板10の貫通孔10aに挿通させた状態で雄ねじ部11aと雌ねじ穴61aとを螺合することにより、ロッド状部材61がせき板10に固定される。
座金50には貫通孔51が形成されており、座金50は、ロッド状部材61が貫通孔51を挿通した状態で横桟30及び短材40を支持する。ナット62をロッド状部材61に螺合すると、座金50は、せき板10に向けて押圧される。これにより、横桟30及び短材40がせき板10に向けて押圧され、縦桟20がせき板10に押圧される。
短材40の断面形状が横桟30の断面形状と略同じであるため、短材40が設けられている位置に短材40に代えて横桟30を設け、座金50を用いて2本の横桟30を支持することも可能である。つまり、座金50は、2本の横桟30を支持可能に形成されている。
1枚のせき板10に対する横桟30の数が多いほどせき板10がより強固に補強される。つまり、1つの座金50に対して2本の横桟30を設けた場合には、1つの座金50に対して1本の横桟30を設けた場合と比較してせき板10が強固に補強される。一方で、横桟30の数が多いほど、横桟30の運搬及び保管、並びにせき板10への横桟30の設置等に要する労力が大きくなる。そのため、せき板10が受けるコンクリートの圧力に応じて、1つの座金50に対して設けられる横桟30の数を1本とするか2本とするかを決定し、せき板10を適切に補強すると共に省力化することが好ましい。
しかしながら、座金50は、2本の横桟30を支持するように形成されている。そのため、仮に、1つの座金50に対して1本の横桟30のみを設けて座金50をせき板10に向けて押圧した場合には、座金50が安定性を欠き、横桟30を安定して支持できないおそれがある。
本実施形態に係る型枠100では、短材40が横桟30に沿って配置され、座金50が横桟30と短材40とに渡って設けられる。そのため、座金50は、2本の横桟30に渡って設けられた場合と同等に安定する。したがって、横桟30を安定して支持することができる。また、短材40は、横桟30よりも軽量であると共に横桟30よりも体積が小さい。そのため、2本の横桟30に渡って座金50を設ける場合と比較して、横桟30及び短材40の総重量及び総体積を減らすことができる。したがって、横桟30及び短材40の運搬、保管及びせき板10への設置を省力化することができる。これにより、型枠100の構築や盛替え作業を省力化することができる。
また、座金50は、1つの座金50に対して1本の横桟30及び1本の短材40を設ける場合と、1つの座金50に対して2本の横桟30を設ける場合と、の両方において適用可能である。したがって、1つの座金50に対して設けられる横桟30の数を1本とするか2本とするかで座金50の種類を変える必要がなく、せき板10を適切かつ簡易に補強するができる。
図3は、横桟30の小口の断面図である。図3に示すように、横桟30は、断面が略かまぼこ状に形成されたパイプである。具体的には、横桟30は、平坦部31と、平坦部31とは反対側に隆起するように略半円状に形成された湾曲部32と、平坦部31と湾曲部32とを連結する一対の連結部33,34と、を有している。一対の連結部33,34は、平坦部31と同様に、平坦に形成されている。
横桟30は、平坦部31が縦桟20(図2(b)参照)に接触して設けられる。そのため、縦桟20と横桟30との接触面の面積を(例えば断面が略円形の横桟と比較して)増やすことができ、横桟30が縦桟20に食い込むのを防止することができる。また、平坦部31を縦桟20に接触させることにより、上下に隣り合う横桟30同士の間隔を小さくして、せき板10を支持する間隔を密にすることができる。したがって、せき板10の変形をより軽減することができる。
湾曲部32の頂部32aは、平坦に形成されている。そのため、平坦部31を下にし湾曲部32を上にして複数の横桟30を安定して積み重ねることができる。また、連結部33、34を下にした場合も、複数の横桟30を安定して積み重ねることができる。したがって、横桟30の運搬及び保管時に荷崩れを防ぐことができる。
鉛直方向における横桟30の最大外寸W30は、JIS(日本工業規格)G 3444に規定されている外径及び寸法許容差と同等である48.6mm±0.5mmであることが好ましい。JISG 3444に規定されている炭素鋼鋼管は、せき板10を支持する部材として普及しており、当該炭素鋼鋼管用の座金50(図2(b)参照)も普及している。そのため、横桟30の最大外寸W30をJISG 3444と同等にすることにより、従来の座金50をそのまま用いることができる。
コンクリート圧方向における横桟30の最大外寸H30は、最大外寸W30よりも大きいことが好ましい。この場合には、コンクリートの圧力に対する横桟30の曲げ剛性(断面係数及び断面二次モーメント)を、横桟30の最大外寸H30が最大外寸W30以下である場合と比較して、1m当たりの重量である単位m重量を同一にする条件下において大きくすることができる。したがって、せき板10の変形をより軽減することができる。
横桟30の最大外寸H30は、59.6mm以上62.0mm以下であることが好ましく、60.0mmとすることがより好ましい。最大外寸H30を、既製品であり広く普及しているパイプの48.6mm〜50.0mmから60.0mmにすることで、その分、断面性能(強度及び剛性)を高めることができ、弾性範囲内の変形でおさまる断面性能を確保しつつ、せき板10を支持する際に用いる横桟30の本数を、従来の2本使いから1本使いへ減らすことができる。また、最大外寸H30の下限値を59.6mmにすることにより、最大外寸H30を60.0mmとしたときに比べて、最大外寸W30及び横桟30の肉厚T30を変えずに、1つの座金50に対して1本の横桟30を設ける場合に必要な曲げ剛性を横桟30に持たせることができる。また、最大外寸H30の上限値を62.0mm以下とすることにより、作業者が違和感なく横桟30を握ることができ、型枠100における構築作業の効率が低下するのを防ぐことができる。更に、横桟30の最大外寸H30を62.0mm以下とすることにより、JISG 3444に規定されている炭素鋼鋼管用に普及しているロッド状部材61(図2(b)参照)をそのまま用いることができて、ロッド状部材61に改造を加えたり、新たな形状のロッド状部材61を購入したりすることなく、本発明に係る型枠構造を採用することができる。
横桟30の肉厚T30は、コンクリートの打設時に座屈しない厚さが必要であり、具体的には、2.8mm以上3.6mm以下であることが好ましい。
横桟30は、例えばアルミニウム製、鋼製、樹脂製、木製である。アルミニウム製である場合には、鋼製である場合と比較して、曲げ剛性を維持しつつ横桟30を軽量化することができる。
図2(b)に示すように、短材40は、断面が略かまぼこ状に形成されたパイプである。短材40の断面形状は、横桟30の断面形状と略同じであるため、ここでは、短材40の形状についての説明を省略する。
横桟30として用意したパイプを、図4に示すように縦桟20として用いてもよい。図4は、横桟30として用意したパイプを縦桟20として用いた型枠100の拡大断面図である。この場合には、縦桟20として用いる略かまぼこ状に形成された当該パイプの一対の連結部33,34(図3参照)の一方がせき板10に接触するように設けることが好ましい。もともとのコンクリート圧方向における縦桟20の最大外寸が48.6mm±0.5mm(±0.5mmは誤差)であり当該パイプの最大外寸W30とほぼ同寸法になるため、略かまぼこ状に形成された当該パイプを縦桟20として用いても、JISG 3444に規定されている炭素鋼鋼管用に普及しているロッド状部材61(図2(b)参照)と同様の使い方を実現することができる。
縦桟20及び短材40には、横桟30と同様に例えばアルミニウム製、鋼製、樹脂製、又は木製の部材を用いることができる。
次に、型枠100の構築方法について、図1及び図2を参照して説明する。
まず、コンクリートをせき止めるせき板10に、コンクリートの圧力に抗してせき板10を支持する縦桟20及び横桟30をせき板10に沿って延在するように設ける。このとき、縦桟20を、せき板10と横桟30との間に配置する。また、横桟30よりも短く形成された短材40を、隣り合う縦桟20に渡るように横桟30に沿って配置する。
次に、締結具60のロッド状部材61を、横桟30と短材40との間をコンクリート圧方向に延在するように、セパレータ11を用いてせき板10に固定する。次に、座金50の貫通孔51にロッド状部材61を通し、座金50を横桟30と短材40とに渡って設ける。
次に、締結具60のナット62をロッド状部材61に螺合し、座金50をせき板10に向けて押圧する。これにより、横桟30及び短材40がせき板10に向けて押圧され、縦桟20がせき板10に押圧される。
以上により、型枠100の構築が完了する。
以上の実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
型枠100では、座金50が横桟30と短材40とに渡って設けられる。そのため、座金50は、2本の横桟30に渡って設けられた場合と同等に安定する。したがって、横桟30を安定して支持することができる。また、短材40は、横桟30よりも短く、横桟30よりも軽量であると共に横桟30よりも体積が小さい。そのため、2本の横桟30に渡って座金50を設ける場合と比較して、横桟30及び短材40の総重量及び総体積を減らすことができる。したがって、横桟30及び短材40の運搬、保管及びせき板10への設置を省力化することができる。これにより、型枠100の構築や盛替え作業を省力化することができる。
コンクリート圧方向における横桟30の最大外寸H30は、59.6mm以上62.0mm以下であることが好ましく、60.0mmとすることがより好ましい。最大外寸H30を、既製品であり広く普及しているパイプの48.6mm〜50.0mmから60.0mmにすることで、その分、断面性能(強度及び剛性)を高めることができ、せき板10を支持する際に用いる横桟30の本数を、従来の2本使いから1本使いへ減らすことができる。また、最大外寸H30の下限値を59.6mmにすることにより、最大外寸H30を60.0mmとしたときに比べて、最大外寸W30及び横桟30の肉厚T30を変えずに、1つの座金50に対して1本の横桟30を設ける場合に必要な曲げ剛性を横桟30に持たせることができる。また、最大外寸H30の上限値を62.0mm以下とすることにより、作業者が違和感なく横桟30を握ることができ、型枠100における構築作業の効率が低下するのを防ぐことができる。更に、横桟30の最大外寸H30を62.0mm以下とすることにより、JISG 3444に規定されている炭素鋼鋼管用に普及しているロッド状部材61(図2(b)参照)をそのまま用いることができて、ロッド状部材61を新たに購入することなく、本発明に係る型枠構造を採用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
型枠100では、横桟30及び短材40は、断面が略かまぼこ状に形成されたパイプであるが、本発明は、この形態に限られない。例えば、横桟30及び短材40の断面は、略円形又は略長方形状に形成されていてもよいし、横桟30及び短材40は、桟木のような中実の部材(不図示)であってもよい。また、縦桟20の断面は、略かまぼこ状、略円形又は略長方形状に形成されていてもよいし、縦桟20は、パイプであっても桟木のような中実の部材(不図示)であってもよい。
型枠100では、短材40の断面形状は、横桟30の断面形状と同じであるが、例えば横桟30がパイプで短材40が中実の部材(桟木等)である等、それぞれの断面形状が異なっていてもよい。また、短材40は、座金50によって安定して支持可能な寸法でありさえすれば、コンクリート圧方向における最大寸法が横桟30と異なっていてもよい。
基本の実施形態である図1乃至図2に示す型枠100では、横桟30とせき板10との間に縦桟20が配置されているが、施工対象の躯体形状等によっては、図5に示すように、縦桟20とせき板10との間に横桟30を配置してもよい。図5は、本実施形態の変形例に係る型枠101の拡大正面図(立面図)であり、図2(a)に対応して示す。図5に示すように、型枠101では、短材40は、縦桟20よりも短く形成され、隣り合う横桟30に渡るように縦桟20に沿って配置される。座金50は、縦桟20と短材40とに渡って設けられ、縦桟20及び短材40を支持する。型枠101においても、縦桟20及び短材40の運搬、保管及びせき板10への設置を省力化することができ、型枠101の構築や盛替え作業を省力化することができる。図5に示す型枠101において、せき板10に接する横桟30には通常の桟木のような中実の部材(不図示)を用い、縦桟20にのみ、断面が略かまぼこ状、略円形又は略長方形状のパイプを用いてもよい。また、せき板10に接する横桟30には横倒しにした断面が略かまぼこ状、略円形又は略長方形状のパイプを用い、縦桟20にも横桟30と同様のパイプを用いてもよい。
図2に示すように、型枠100では、縦桟20を備えているが、本発明は、縦桟20を備えていなくてもよい。この場合には、せき板10は、鉛直に延びる軸周りの曲げに対して補強される。例えば、せき板10と縦桟20を兼ねたリブにより構成される、プラスチック型枠等が考えられる。
また、本発明は、横桟30を備えておらず、短材40が縦桟20に沿って設けられ、座金50が縦桟20と短材40とに渡って設けられた形態であってもよい。この場合には、せき板10は、水平に延びる軸周りの曲げに対して補強される。
型枠100では、コンクリート圧方向における横桟30の最大外寸は、鉛直方向における位置に関わらず略等しいが、図6に示すように、鉛直方向下方に配置される横桟30は、鉛直方向上方に配置される横桟30と比較して、最大外寸が大きくてもよい。
図6は、別の変形例に係る型枠102の立断面図であり、図2(b)に対応して示す。図6に示す4本の横桟30のうち、下2本の第1横桟30aは、上2本の第2横桟30bと比較して、コンクリート圧方向における最大外寸が大きい。そのため、せき板10は、鉛直下方に位置するほど強固に補強される。コンクリートの圧力は、鉛直下方に位置するほど大きくなるため、型枠102では、より適切にせき板10を補強することができる。また、第2横桟30bは、第1横桟30aよりも軽量であると共に第1横桟30aよりも体積が小さい。そのため、4本すべての横桟30を第1横桟30aとした場合と比較して、横桟30及び短材40の総重量及び総体積を減らすことができる。したがって、型枠100の構築や盛替え作業をより省力化することができる。また、図6に示す4本の短材40のうち、下2本の第1短材40aは、第1横桟30aの断面形状と略同じ断面形状を有しており、上2本の第2短材40bは、第2横桟30bの断面形状と略同じ断面形状を有している。これにより、コンクリート圧方向における外寸が同じ部材を2本1組で座金50に設置することによりそれぞれの座金50が安定する。したがって、横桟30を安定して支持することができる。
第1横桟30aと第2横桟30bを用いる場合には、外観で第1横桟30aと第2横桟30bとを識別可能にしておくことが好ましい。例えば、第1横桟30aの側面に線状のケガキを入れる、第1横桟30aの端部には所定の色のキャップを設け第2横桟30bの端部には別の色のキャップを設ける、第1横桟30aと第2横桟30bの側面又は小口の色を塗装等により変える等して、第1横桟30aと第2横桟30bとを識別可能にしておくことが好ましい。同様に、外観で第1短材40aと第2短材40bとを識別可能にしておくことが好ましい。これにより、微妙な寸法差異がある第1横桟30aと第2横桟30bや、第1短材40aと第2短材40bを、各々取り違えて使用する等の人為的なミスを防止することができて、型枠構築における安全性を高めることができる。
100,101,102・・・型枠(コンクリート打設用型枠)
10・・・せき板
30・・・横桟(支持材)
40・・・短材
50・・・座金
60・・・締結具(押圧手段)

Claims (3)

  1. コンクリートをせき止めるせき板と、
    前記せき板に沿って延在して設けられ、前記コンクリートの圧力に抗して前記せき板を支持する支持材と、
    前記支持材よりも短く形成され、前記支持材に沿って配置された短材と、
    前記支持材と前記短材とに渡って設けられ、前記支持材及び前記短材を支持する座金と、
    前記せき板と前記座金とに渡って締結され、前記座金を前記せき板に向けて押圧する押圧手段と、を備える、
    コンクリート打設用型枠。
  2. 前記せき板に前記コンクリートの圧力が作用する方向における前記支持材の寸法は、59.6mm以上62.0mm以下である、
    請求項1に記載のコンクリート打設用型枠。
  3. コンクリートをせき止めるせき板に、前記コンクリートの圧力に抗して前記せき板を支持する支持材を前記せき板に沿って延在して設けると共に、前記支持材よりも短く形成された短材を前記支持材に沿って配置し、
    前記支持材及び前記短材を支持する座金を前記支持材と前記短材とに渡って設け、
    前記せき板と前記座金とに渡って締結された押圧手段を用いて、前記座金を前記せき板に向けて押圧する、
    コンクリート打設用型枠の構築方法。
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