JP2021178491A - サンドイッチパネル及びサンドイッチパネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】幅広いサイズに対応でき、簡単な工程で製造できるサンドイッチパネル及びその製造方法を提供する。【解決手段】サンドイッチパネル100は、第1金属板11と、第1金属板11の板厚方向に重なって配置された第2金属板13と、第1金属板11と第2金属板13との間に配置されたアルミニウム鋳物層15とを備える。アルミニウム鋳物層15は、第1金属板11と第2金属板13の板面内の少なくとも一部に、板面方向に沿って連続する中空部17を画成して設けられている【選択図】図1

Description

本発明は、サンドイッチパネル及びサンドイッチパネルの製造方法に関する。
自動車のフロアパネル、ダッシュパネル、ループパネル、トランクリッド等の構造部材には、一対の板材の間に補強部材を配置して、軽量化を図りつつ剛性を向上させたサンドイッチパネルが知られている(特許文献1)。このようなサンドイッチパネルは、通常では、凹凸を付与した補強部材を一対の板材の板面間に配置して、各板材と補強部材とを、ろう付けや接着剤により一体的に接合している。
サンドイッチパネルは、自動車分野以外にも広く用いられ、例えば熱交換器や断熱部材等にも採用されている。特許文献2には、熱交換器に用いる押出多穴管構造の部材として、板材とリブに相当する部分とを押出加工することにより一体的に成形されたものが開示されている。
特表2003−508270号公報 特開2011−174649号公報
しかしながら、特許文献1のような構造部材では、板材の板面間の隙間が小さくなるにつれ、補強部材の成形に制約が生じる場合がある。また、補強部材の成形、配置、接合というように、工程が増えて煩雑化する問題がある。
また、特許文献2のような押出多穴管構造の部材では、押出プレスの能力によって部材のサイズが限られる。そのため、サイズの大きなサンドイッチパネルの製造には、相応の規模の設備が必要となり、簡便に製造することは難しい。
そこで本発明は、幅広いサイズに対応でき、簡単な工程で製造できるサンドイッチパネル及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は下記の構成からなる。
(1) 第1金属板と、
前記第1金属板の板厚方向に重なって配置された第2金属板と、
前記第1金属板と前記第2金属板との間に配置されたアルミニウム鋳物層と、
を備え、
前記アルミニウム鋳物層は、前記第1金属板と前記第2金属板の板面内の少なくとも一部に、板面方向に沿って連続する中空部を画成して設けられているサンドイッチパネル。
(2) 治具内に第1金属板と第2金属板との間に少なくとも1つ以上の中子を配置して、前記第1金属板と前記第2金属板との間に、板面方向に沿って連続する空間を形成する工程と、
前記空間にアルミニウム溶湯を流し込み、前記第1金属板と前記第2金属板とを金属接合したアルミニウム鋳物層を形成する工程と、
前記中子を除去する工程と、
をこの順で有するサンドイッチパネルの製造方法。
本発明によれば、幅広いサイズのサンドイッチパネルを、簡単な工程で製造できる。
図1は、サンドイッチパネルの一部を透視して示す概略斜視図である。 図2は、サンドイッチパネルを製造する治具の概略斜視図である 図3は、図2に示す治具のIII−III線断面図である。 図4は、図2に示す治具のIV−IV線断面図である。 図5は、図2に示す治具のV−V線断面図である。 図6の(A)〜(E)は、第1金属板と第2金属板との間に中子を配置して形成された空間にアルミニウム溶湯を充填して、アルミニウム溶湯が凝固するまでの様子を模式的に示す工程説明図である。 図7は、第1金属板と第2金属板に合金隆起部が形成されたサンドイッチパネルの概略断面図である。 図8は、金属板の表面に形成された合金隆起部を模式的に示す拡大断面図である。 図9は、レーザクラッディングによって金属板に合金隆起部を形成する様子を模式的に示す工程説明図である。
以下、本発明に係る一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<サンドイッチパネルの構造>
図1は、サンドイッチパネル100の一部を透視して示す概略斜視図である。
サンドイッチパネル100は、第1金属板11と、第2金属板13と、第1金属板11と第2金属板13との間に配置されたアルミニウム鋳物層15とを備える。第2金属板13は、アルミニウム鋳物層15を挟んで第1金属板11の板厚方向に重なって配置される。アルミニウム鋳物層15は、第1金属板11と第2金属板13にそれぞれ金属接合される。そして、アルミニウム鋳物層15は、互いに平行に配置された第1金属板11と第2金属板13の板面内に、板面方向に沿って連続する中空部17を画成して設けられる。
具体的には、アルミニウム鋳物層15は、第1金属板11と第2金属板13の板面方向に沿って、短冊状に複数の鋳物リブ15A,15B,15C,15Dが設けられ、隣り合う鋳物リブ15A,15B,15C,15D同士の間にそれぞれ中空部17が画成される。各中空部17は、第1金属板11と第2金属板13の一対の互いに対向する対辺の一方から他方に連通して設けられる。
ここで、第1金属板11と第2金属板13の板厚方向をZ方向、Z方向に直交する板面をXY面とし、鋳物リブ15A,15B,15C,15D及び中空部17が延びる方向をY方向とする。
鋳物リブ15A,15B,15C,15Dは、第1金属板11に面接合される接合面15aと、第2金属板13に面接合される接合面15bとをそれぞれ有する。
第1金属板11と第2金属板13の互いに対向する内側面には、鋳物リブ15A,15B,15C,15Dと接合される領域に、内側に向けて突出する合金隆起部19が形成されていてもよい。合金隆起部19は、詳細を後述するが、金属粒子を板面上で溶融させて凝固させた溶融凝固体を含んで形成される。
第1金属板11、第2金属板13としては、6000系、5000系、7000系、3000系、2000系のアルミニウム合金材や1000系のアルミニウム材の圧延材、押出材、鋳物等が使用できる。また、使用用途に応じて無酸素銅(OFC)、りん脱酸銅等の純銅や銅合金を用いてもよい。
アルミニウム鋳物層15は、アルミニウム溶湯を鋳造して形成され、第1金属板11と第2金属板13とを一定間隔で保持し、板面間に空洞スペースとなる中空部17を形成する。中空部17の数、板面内における面積、体積等は、サンドイッチパネル100の使用用途に応じて適宜設定できる。
アルミニウム鋳物層15を形成するアルミニウム溶湯は、例えば、AC4C、AC4CH、AC2B(JIS H 5202)、又はADC12(JIS H 5302)等が使用できる。また、耐食性を得るために、適宜これらに犠牲陽極成分(例えば亜鉛)を添加してもよい。
<第1金属板及び第2金属板と、アルミニウム鋳物層との接合部>
アルミニウム鋳物層15は、第1金属板11と第2金属板13との間に後述する中子を配置し、これにより画成される空間に、アルミニウム溶湯を注入することで形成する。したがって、第1金属板11及び第2金属板13と、アルミニウム鋳物層15との接合部(鋳物リブ15A,15B,15C,15Dの各接合面15a,15b)は、アルミニウム溶湯が凝固して接合される金属接合面となる。接合部における接合強度は、サンドイッチパネル100の使用用途に応じて適宜に選定できる。例えば、特に大きな接合強度が必要でない場合には、第1金属板11及び第2金属板13と、鋳物リブ15A,15B,15C,15Dとを、互いの当接面の全体ではなく、当接面の一部分を接合に寄与させてもよい。
<サンドイッチパネルの製造方法>
次に、上記した構成のサンドイッチパネル100の製造方法について説明する。
図2は、サンドイッチパネルを製造する治具200の概略斜視図である。図3は、図2に示す治具200のIII−III線断面図、図4は、図2に示す治具200のIV−IV線断面図、図5は、図2に示す治具200のV−V線断面図である。
図2〜図5に示すように、治具200は、治具本体21と、治具本体21内に挿入される櫛歯型の中子23とを備える。中子23は、根元部23aから一方向(Y方向)に沿って延びる複数の櫛歯部23bを有する。櫛歯部23bは、長手方向の垂直断面が矩形状であり、第1金属板11と第2金属板13との間の隙間厚さと略等しい厚さに形成されている。
治具本体21は、前方枠部25と、後方枠部27と、一対の側方枠部29とを有する。前方枠部25は、アルミニウム溶湯を注入するゲート部31を有し、後方枠部27は、中子23の櫛歯部23bを治具本体21内に挿入する複数の開口部33を有する。
第1金属板11と第2金属板13は、板厚方向に隙間を空けて重ね合わされて、その外周部が治具本体21に支持される。治具本体21に支持された第1金属板11と第2金属板13との板面間には、後方枠部27の開口部33からそれぞれ挿入された中子23の櫛歯部23bが配置される。櫛歯部23bの長手方向長さは、治具本体21に挿入した際に、前方枠部25に突き当たらない長さに設定されている。
図3〜図5に示すように、開口部33から治具本体21内に櫛歯部23bを挿入すると、第1金属板11と第2金属板13の板面(XY面)においては、側方枠部29と櫛歯部23bとの間に空間35が画成され、隣り合う櫛歯部23b同士の間に空間37が画成される。また、櫛歯部23bの先端側には、空間35と空間37をゲート部31に連通させる空間39が画成される。
そして、ゲート部31からアルミニウム溶湯を注入して、空間35,37,39内にアルミニウム溶湯を充填する。このとき、空間35,37におけるアルミニウム溶湯の流路下流端となる後方枠部27の一部に、射出成形技術で用いられるオーバーフロー(不図示)を設けてもよい。その場合、ゲート部31から空間35,37,39を充填してオーバーフローに向かうアルミニウム溶湯の流れが更に円滑となり、溶湯の淀みや詰まりが生じにくくなる。これにより、例えば厚さが3mm以下の薄肉な鋳物リブであっても、欠肉やブローホール等を生じさせずに高品位に形成できる。
本構成のサンドイッチパネル100によれば、第1金属板11と第2金属板13とを、アルミニウム溶湯の流し込みによって形成されたアルミニウム鋳物層15で保持する。そのため、アルミニウム鋳物層15の形成と同時に中空部17も形成されるため、中空部17を有するサンドイッチパネル100の製造工程が簡単になる。
また、第1金属板11と第2金属板13との間が、鋳物リブ15A,15B,15C,15Dで接合されるため、サンドイッチパネル100の剛性が高められる。そして、鋳物リブ15A,15B,15C,15Dを鋳造で形成することで、そのサイズ、形状、配置数、等の設計自由度が高くなり、所望の特性が得られやすくなる。すなわち、本構成のサンドイッチパネル100は、鋳物リブ15A,15B,15C,15Dを補強用部材として用いれば、機械的強度を要する構造部材になり、鋳物リブ同士の間の中空部17を熱媒体流体の流路とすれば、熱交換用の部材になる。つまり、サンドイッチパネル100の使用用途に応じて、アルミニウム鋳物層15の上記した各設定条件を変更することで、所望の性能が簡単に得られるようになる。
また、上記構成のサンドイッチパネル100は、第1金属板11及び第2金属板13と、鋳物リブ15A,15B,15C,15Dとの材種を適宜に変更できる。さらに、鋳物リブ15A,15B,15C,15Dは、厚さ方向に凹凸を設けたり溝を設けたりして、接合強度を更に高めることができる。
上記構成のサンドイッチパネル100によれば、第1金属板11と第2金属板13との板厚方向の隙間が狭い場合でも、特別な加工を要することなく、アルミニウム溶湯を隙間に流し込むだけで双方を接合できる。また、アルミニウム鋳物層15が鋳造により形成されるため、図1に示すストライプ状の他、任意のパターンを簡単、かつ安定して形成できる。よって、設計自由度が高く、工程を煩雑化させることもなく、簡単にサンドイッチパネルの製造が可能となる。
また、サイズの大きいサンドイッチパネルを製造する場合には、アルミニウム鋳物層15を一度に鋳造することなく、第1金属板11と第2金属板13との一方の端部から他方の端部に向けて、順次にアルミニウム溶湯の流し込みを行えばよい。このように、部分的な鋳造を繰り返して製造することが可能となり、幅広いサイズに簡単に対応できる。
(接合部の固相拡散接合)
次に、図3〜図5に示す第1金属板11と第2金属板13との間の空間35,37,39内に、アルミニウム溶湯を充填する際に、固相拡散接合を生じさせることについて詳細に説明する。
アルミニウム溶湯を充填する工程では、図3〜図5に示すように、アルミニウム溶湯をゲート部31から空間41(図3に示す空間35,37,39)内に供給する。すると、空間41内で露出する第1金属板11と第2金属板13の表面(以下、接合面という。)がアルミニウム溶湯で覆われる。その後、アルミニウム溶湯が凝固してアルミニウム鋳物層15となり、第1金属板11と第2金属板13とが一体に接合された接合体となる。これにより得られたサンドイッチパネルの第1金属板11と第2金属板13の接合面と、アルミニウム鋳物層15との接合界面は、双方が互いに拡散接合された固相拡散接合面となっている。
このように、第1金属板11及び第2金属板13と、アルミニウム鋳物層15とが固相拡散接合されることについて、次のように推測できる。
図6の(A)〜(E)は、第1金属板11と第2金属板13との間に中子23を配置して形成された空間41にアルミニウム溶湯を充填して、アルミニウム溶湯が凝固するまでの様子を模式的に示す工程説明図である。
図6の(A)に示すように、アルミニウム溶湯の流路となる空間41には、第1金属板11と第2金属板13の接合面が露出している。一般に、金属材の表面は、金属材の母材がそのまま表出していることはなく、酸化膜や油分等の有機物、塵埃等の異物を含む表層43が形成されている。
まず、アルミニウム溶湯を、図3に示すゲート部31から空間41内に高圧で噴射する。すると、空間41には時系列的に2つの流れが発生する。すなわち、アルミニウム溶湯の液滴を含む噴霧状の先行流と、この先行流に続いて空間41内を流動するアルミニウム溶湯からなる後行流とが発生する。
図6の(B)に示すように、空間41内で第1金属板11と第2金属板13の接合面に沿って先行流が移動して来ると、溶滴45は、その移動途中で空間41の内壁面との接触や、流路内の周囲雰囲気によって抜熱される。これにより、溶滴45の少なくとも一部が凝固して微粒子47となる。
発生した微粒子47は、先行流の中で内壁面との衝突を繰り返し、図6の(C)に示すように、第1金属板11と第2金属板13の表層43を削り取る。これにより、第1金属板11と第2金属板13には、それぞれ表層43が除去された新生面49が露出する。
そして、図6の(D)に示すように、上記した先行流に次いで、後行流のアルミニウム溶湯51が到達すると、図6の(E)に示すように新生面49がアルミニウム溶湯51で覆われる。第1金属板11と第2金属板13に新生面49が露出してから、その新生面49がアルミニウム溶湯51で覆われるまでの時間は極めて短い。そのため、新生面49には、アルミニウム溶湯51が凝固したアルミニウム鋳物層15と新生面49との接合強度に影響する厚さの酸化膜が、形成されることはない。
そして、第1金属板11と第2金属板13の新生面49を、アルミニウム溶湯51で覆い、第1金属板11と第2金属板13の融点より低い固相接合温度にして、所定の圧力で所定の時間、保持する。この工程により、新生面49とアルミニウム溶湯51(アルミニウム鋳物層15)との間に固相拡散が生じ、双方の金属同士が固相拡散接合される。こうして、第1金属板11と第2金属板13の接合面(新生面49)では、アルミニウム鋳物層15と高強度に固相拡散接合された状態となる。
また、空間41内へのアルミニウム溶湯51の注入時に、ヒータにより第1金属板11と第2金属板13の少なくとも一方を加熱、保温することが好ましい。これにより、例えば、空間41の厚さが3mm以下であっても、アルミニウム溶湯51をスムーズに流動させて形成できる。よって、アルミニウム鋳物層15が薄肉であっても、欠肉やブローホール等の欠陥が殆どない、高品質な状態に形成できる。
(第1金属板及び第2金属板に形成する合金隆起部)
サンドイッチパネルの使用用途によっては、第1金属板11と第2金属板13とを、高い接合強度で接合することが要求される。その場合には、第1金属板11と第2金属板13の少なくとも一方に、前述した図1に示す合金隆起部19を形成し、合金隆起部19を介してアルミニウム鋳物層15と接合させることが好ましい。
図7は、第1金属板11と第2金属板13に合金隆起部19が形成されたサンドイッチパネル100の概略断面図である。また、図7は、図1に示すVII−VII線断面図に相当する。
第1金属板11と第2金属板13が合金隆起部19を介してアルミニウム鋳物層15と接合されると、合金隆起部19によるアンカー効果が発揮され、より大きな密着強度で接合された状態となる。
上記した合金隆起部19は、アルミニウム鋳物層15よりも融点の高い金属粒子と第1金属板11又は第2金属板13とを、レーザ光照射による加熱により溶融・合金化させて形成される。
金属粒子の粉体としては、例えば、チタン金属粉体、チタンアルミ合金等のチタン化合物粉体、第1金属板11や第2金属板13と同一材料のアルミニウム金属粉体、及びこれらを適宜混合した粉体、等が挙げられる。例えば、第1金属板11や第2金属板13と同一材料のアルミニウム金属粉体、炭化ホウ素粉体及びチタン金属粉体とを混合した粉体を用いることができる。粉体の粒径は、1〜100μmが好ましい。
粉体は、第1金属板11と第2金属板13(以下、金属板という)とのぬれ性が低く、接触角が大きいほど好ましい。粉体の溶着(加熱)方法としては、レーザ光照射による溶着がランニングコスト、金属板へのダメージ低減の観点から好ましい。その他にも、アークを熱源としたプラズマ粉体肉盛溶接の技術等を用いることも可能である。
粉体がチタンやチタン化合物である場合、合金隆起部19は、金属板との間にチタン系金属間化合物を介して金属材に強固に接合される。また、合金隆起部19は金属板とのぬれ性が低い場合には、合金隆起部19と金属板との接触角が鈍角となる。
図8は、金属板の表面に形成された合金隆起部19を模式的に示す拡大断面図である。
合金隆起部19の金属板(第1金属板11,第2金属板13)と接合される基端側には、オーバーハングした断面形状を有する食い込み部53が形成される。食い込み部53は、合金隆起部19の表面と金属板の表面との食い込み角β(β=180−α)が鋭角となる。図7に示すように、アルミニウム溶湯51が合金隆起部19の食い込み部53に入り込み、食い込み部53の外側を隙間なく覆う。これにより、合金隆起部19がアルミニウム鋳物層15を係止して、金属板とアルミニウム鋳物層15とが強固に接合される。
また、合金隆起部19は、多孔質体で形成されており、表面に多数の凹部が形成される。これら表面の凹部にアルミニウム溶湯が入り込むことで、接合に寄与する表面積が増加して、アルミニウム鋳物層15と合金隆起部19との接合がより強固となる。
このように、第1金属板11と第2金属板13の少なくとも一方に、合金隆起部19を形成してからアルミニウム溶湯51を流し込むことで、合金隆起部19とアルミニウム鋳物層15との密着強度が向上し、高い剛性のサンドイッチパネルが得られる。
(合金隆起部の形成方法)
次に、上記した合金隆起部19をレーザクラッディングにより形成する方法について説明する。
図9は、レーザクラッディングによって金属板に合金隆起部19を形成する様子を模式的に示す工程説明図である。
レーザクラッディングでは、まず、金属板(第1金属板11、第2金属板13)の表面に、合金隆起部19を形成するための粉体を配置する(粉体配置工程)。その後、金属板の表面に配置した粉体をレーザ光照射により金属板表層部と共に溶融させて、合金隆起部19を形成する(合金隆起部形成工程)。粉体が連続供給可能なレーザクラッディング装置では、上記の粉体配置工程と合金隆起部形成工程とを、場所を移動させながら同時に実施できる。
レーザクラッディング装置は、不図示のロボットにより位置や姿勢が変更可能なレーザ加工ヘッド61を備える。レーザ加工ヘッド61は、中心部に照射口63を有するノズル65と、レーザ光LBを出力する不図示のレーザ出力部と、粉体67をノズル65に供給する不図示の粉体供給部とを備える。
ノズル65には、粉体67をレーザ光LBの照射位置に供給する粉体供給路69が、照射口63の外周に形成されている。
上記構成のレーザクラッディング装置を用いて合金隆起部19を形成する場合、金属板(第1金属板11、第2金属板13)を、合金隆起部19の形成面を上側に向けて配置し、金属板の上方からノズル65を接近させる。そして、レーザ出力部が出力するレーザ光LBを、ノズル65の照射口63から集光させて金属板に照射する。また同時に、不図示の粉体供給部からノズル65の粉体供給路69に送り込まれた粉体67を、ノズル65の下端に開口する粉体供給口71からレーザ光LBの照射位置であるビームスポットBSに供給する。そして、予め設定した走査速度でノズル65を移動させる。
なお、図示はしないが、ノズル65にはガス供給路が設けられ、ガス供給路を通じてレーザ光LBのビームスポットBSへ向かって窒素等のアシストガスが吹き付けられるようになっている。
レーザ光LBとしては、例えば、波長970nmの半導体レーザ光を用いることができる。ビームスポットBSでのビーム径は、1〜1.2mmとしてもよいが、特に合金隆起部の微細化を図るためには、0.5mm以下、好ましくは0.3mm以下、更に好ましくは0.2mm以下にするのが望ましい。また、加工時間や生産性の観点からは、ビームスポットBSでのビーム径を、0.1mm以上にするのが好ましい。
レーザ光LBの走査速度は、形成する合金隆起部19の形状と数に応じて、例えば、30〜100mm/sの範囲で適宜設定するのが好ましい。また、レーザ光LBの出力としては、例えば、100〜400W程度とするのが好ましい。なお、レーザ光LBとしては、粉体67を加熱して溶融できれば、半導体レーザに限らず、ファイバーレーザ、Nd:YAGレーザ、炭酸ガスレーザ等であってもよい。
図8に示すように、金属板の表面にレーザクラッディングを行うと、金属板の表面では、金属板と粉体がレーザ光LBによって溶融し合金化しながら合金隆起部19が形成される。合金隆起部19は一部に空洞を含んだ多孔質体状の塊となる場合もある。これにより、接触角αが鈍角となる合金隆起部19が形成される。
以上説明したように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
上記で示したサンドイッチパネル100では、直線状の中空部17を複数列、平行に配置しているが、中空部17は任意の形状にできる。例えば、サンドイッチパネルを高い強度が必要な構造部材として用いる場合には、中空部17の配列方向(X方向)に関して、鋳物リブの幅Waを中空部17の幅Wbより大きくすることが好ましい。また、サンドイッチパネルの板面(XY面)におけるアルミニウム鋳物層15の占める面積を、中空部17の占める面積より大きくすることが好ましい。
また、サンドイッチパネルを熱交換器に適用する場合には、中空部17に液体や気体の熱交換媒体を流動させる。その場合、中空部17は、熱交換媒体の流路となり、流路入口から流路出口まで繋がった一本又は複数本の流路として構成される。流路は、直線状に形成されていてもよく、曲線に沿って形成されていてもよい。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 第1金属板と、
前記第1金属板の板厚方向に重なって配置された第2金属板と、
前記第1金属板と前記第2金属板との間に配置されたアルミニウム鋳物層と、
を備え、
前記アルミニウム鋳物層は、前記第1金属板と前記第2金属板の板面内の少なくとも一部に、板面方向に沿って連続する中空部を画成して設けられているサンドイッチパネル。
このサンドイッチパネルによれば、第1金属板と第2金属板との間にアルミニウム鋳物層が形成されることで、第1金属板と第2金属板とを高強度に接合できる。また、アルミニウム鋳物層の形状を自在に変更できるため、使用目的に応じた設計変更が容易な構成となる。
(2) 前記第1金属板と前記第2金属板の少なくとも一方は、前記アルミニウム鋳物層よりも融点の高い金属粒子の溶融凝固体を含む合金隆起部が形成され、前記合金隆起部を介して前記アルミニウム鋳物層に接合されている(1)に記載のサンドイッチパネル。
このサンドイッチパネルによれば、合金隆起部を介してアルミニウム鋳物層が第1金属板や第2金属板に高い密着強度で接続されるため、接合面における接合強度が高められる。
(3) 前記第1金属板と前記第2金属板の接合面と、前記アルミニウム鋳物層との接合界面は、双方が互いに拡散接合された固相拡散接合面を含む(1)又は(2)に記載のサンドイッチパネル。
このサンドイッチパネルによれば、アルミニウム鋳物層を第1金属板や第2金属板と拡散接合させることで、より高強度な接合状態が得られる。
(4) 治具内に第1金属板と第2金属板との間に少なくとも1つ以上の中子を配置して、前記第1金属板と前記第2金属板との間に、板面方向に沿って連続する空間を形成する工程と、
前記空間にアルミニウム溶湯を流し込み、前記第1金属板と前記第2金属板とを金属接合したアルミニウム鋳物層を形成する工程と、
前記中子を除去する工程と、
をこの順で有するサンドイッチパネルの製造方法。
このサンドイッチパネルの製造方法によれば、第1金属板と第2金属板との間にアルミニウム鋳物層を形成することで、第1金属板と第2金属板とを簡単に接合できる。
(5) 前記治具内に前記第1金属板と前記第2金属板を配置する前に、前記第1金属板と前記第2金属板の少なくとも一方に、前記アルミニウム溶湯の流動部分に前記アルミニウム溶湯よりも融点の高い金属粒子の溶融凝固体を含む合金隆起部を形成する工程を有する(4)に記載のサンドイッチパネルの製造方法。
このサンドイッチパネルの製造方法によれば、合金隆起部を介してアルミニウム鋳物層が第1金属板や第2金属板に高い密着強度で接続されるため、接合面における接合強度が高められる。
(6) 前記アルミニウム溶湯を前記空間に加圧して流し込み、前記アルミニウム溶湯の液滴を生成する工程と、
前記液滴が前記空間内で冷却されて凝固した微粒子を前記第1金属板と前記第2金属板の少なくとも一方の接合面に衝突させ、前記接合面に新生面を形成する工程と、
前記新生面の形成後、酸化被膜が形成される前に、前記アルミニウム溶湯によって前記新生面を覆う工程と、
前記空間に流し込まれた前記アルミニウム溶湯を固相拡散接合温度に保持したまま加圧して、前記新生面と前記アルミニウム溶湯の凝固体とを固相拡散接合させる工程と、
を有する(4)又は(5)に記載のサンドイッチパネルの製造方法。
このサンドイッチパネルの製造方法によれば、第1金属板と前記第2金属板の少なくとも一方の接合面が新生面にされてアルミニウム溶湯で覆われるため、アルミニウム鋳物層との接合面が拡散接合面になり、密着強度を向上できる。
11 第1金属板
13 第2金属板
15 アルミニウム鋳物層
15a 接合面
15b 接合面
15A,15B,15C,15D 鋳物リブ
17 中空部
19 合金隆起部
23 中子
43 表層
45 溶滴
47 微粒子
49 新生面
51 アルミニウム溶湯
67 粉体
69 粉体供給路
100 サンドイッチパネル
200 治具

Claims (6)

  1. 第1金属板と、
    前記第1金属板の板厚方向に重なって配置された第2金属板と、
    前記第1金属板と前記第2金属板との間に配置されたアルミニウム鋳物層と、
    を備え、
    前記アルミニウム鋳物層は、前記第1金属板と前記第2金属板の板面内の少なくとも一部に、板面方向に沿って連続する中空部を画成して設けられているサンドイッチパネル。
  2. 前記第1金属板と前記第2金属板の少なくとも一方は、前記アルミニウム鋳物層よりも融点の高い金属粒子の溶融凝固体を含む合金隆起部が形成され、前記合金隆起部を介して前記アルミニウム鋳物層に接合されている請求項1に記載のサンドイッチパネル。
  3. 前記第1金属板と前記第2金属板の接合面と、前記アルミニウム鋳物層との接合界面は、双方が互いに拡散接合された固相拡散接合面を含む請求項1又は2に記載のサンドイッチパネル。
  4. 治具内に第1金属板と第2金属板との間に少なくとも1つ以上の中子を配置して、前記第1金属板と前記第2金属板との間に、板面方向に沿って連続する空間を形成する工程と、
    前記空間にアルミニウム溶湯を流し込み、前記第1金属板と前記第2金属板とを金属接合したアルミニウム鋳物層を形成する工程と、
    前記中子を除去する工程と、
    をこの順で有するサンドイッチパネルの製造方法。
  5. 前記治具内に前記第1金属板と前記第2金属板を配置する前に、前記第1金属板と前記第2金属板の少なくとも一方に、前記アルミニウム溶湯の流動部分に前記アルミニウム溶湯よりも融点の高い金属粒子の溶融凝固体を含む合金隆起部を形成する工程を有する請求項4に記載のサンドイッチパネルの製造方法。
  6. 前記アルミニウム溶湯を前記空間に加圧して流し込み、前記アルミニウム溶湯の液滴を生成する工程と、
    前記液滴が前記空間内で冷却されて凝固した微粒子を前記第1金属板と前記第2金属板の少なくとも一方の接合面に衝突させ、前記接合面に新生面を形成する工程と、
    前記新生面の形成後、酸化被膜が形成される前に、前記アルミニウム溶湯によって前記新生面を覆う工程と、
    前記空間に流し込まれた前記アルミニウム溶湯を固相拡散接合温度に保持したまま加圧して、前記新生面と前記アルミニウム溶湯の凝固体とを固相拡散接合させる工程と、
    を有する請求項4又は5に記載のサンドイッチパネルの製造方法。
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