JP2021177444A - 二次電池の製造装置、及び二次電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池性能の良好な二次電池を製造することのできる二次電池の製造装置及び二次電池の製造方法を提供すること。【解決手段】正極又は負極のいずれか一方である第一の電極と、他方である第二の電極と、電解質シートとを含み構成される二次電池の製造装置であって、前記第一の電極及び前記第二の電極は、電極タブ部と電極合剤部とを有し、前記第一の電極及び前記第二の電極の少なくとも一方は、前記電極合剤部に接する前記電解質シートに形成された支持材を備えた支持材付き電極であって、前記支持材付き電極から前記支持材を剥離する支持材剥離部と、前記支持材の剥離された前記第一の電極及び前記第二の電極を重ねて捲回する巻取部と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池の製造装置、及び二次電池の製造方法に関する。
特許文献1には、「正極と負極とが電解質及びセパレータを介して対向配置され、前記電解質は高分子化合物を含む電池であって、前記負極と前記セパレータとのT字剥離試験における剥離強度が70N/m以上1200N/m以下であることを特徴とする電池」が記載されている。
特開2005−276598号公報
近年、リチウムイオン電池に代表される二次電池の電解質として、半固体状態の電解質が用いられている。例えば、微粒子等に電解液を担持させて絶縁層を形成し、絶縁層を電解質層として機能させることができる。シート状に形成した半固体状の電解質(以下、「電解質シート」と称することがある。)を正極層と負極層との間に設けることで、二次電池が形成される。
ところが、電解質シートは機械的強度が弱いため破損しやすく、製造上の取扱いが困難である。電解質シートが破損すると、正極層と負極層とが接触し、短絡等の電池性能の低下を引き起こす場合がある。例えば、正極と負極と電解質シートを捲回して形成する捲回型二次電池では、捲回するために電解質シートに張力を印加すると、製造時にかかる張力によって電解質シートが破損する場合がある。製造時の電解質シートの破損を防ぐ技術について、特許文献1にも開示されていない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、電池性能の良好な二次電池を製造することのできる二次電池の製造装置及び二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一形態は、正極又は負極のいずれか一方である第一の電極と、他方である第二の電極と、電解質シートとを含み構成される二次電池の製造装置であって、前記第一の電極及び前記第二の電極は、電極タブ部と電極合剤部とを有し、前記第一の電極及び前記第二の電極の少なくとも一方は、前記電極合剤部に接する前記電解質シートに形成された支持材を備えた支持材付き電極であって、前記支持材付き電極から前記支持材を剥離する支持材剥離部と、前記支持材の剥離された前記第一の電極及び前記第二の電極を重ねて捲回する巻取部と、を備えることを特徴とする。
本発明の別の形態は、正極又は負極のいずれか一方である第一の電極と、他方である第二の電極と、電解質シートとを含み構成される二次電池の製造方法であって、前記第一の電極及び前記第二の電極は、電極タブ部と電極合剤部とを有しており、前記第一の電極及び前記第二の電極の少なくとも一方の前記電極合剤部に接する前記電解質シートから支持材を剥離する支持材剥離手順と、前記支持材の剥離された前記第一の電極及び前記第二の電極を重ねて捲回する巻取手順と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、優れた機械的強度を有し、電池性能の良好な二次電池を製造する二次電池の製造装置及び二次電池の製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る電解質シート付き電極の構造例を示す模式図である。図1(a)は、本実施形態に係る電解質シート付き電極を上面からみた構造を示す模式図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A’線での断面構造を示す模式図である。 図2は、本実施形態に係る二次電池(捲回型二次電池)の模式図である。 図3は、本実施例における、正極合剤部の面積以上の面積を有する電解質シートを正極合剤部に接着させる方法を示す断面模式図である。図3(a)は、当該方法の積層工程を示す断面模式図であり、図3(b)は、当該方法のプレス圧縮工程を示す図であり、図3(c)は、当該方法の支持フィルムの剥離工程を示す断面模式図である。 図4は、本実施例における、負極合剤部の面積以上の面積を有する電解質シートを負極合剤部に接着させた状態を示す断面模式図である。 図5は、本実施例における、捲回前の電解質シート付き正極と負極の模式図である。図5(a)は、電解質シート付き正極の正極タブ部に正極端子を溶接し、絶縁テープを貼付けて、絶縁処理をした状態を示す模式図であり、図5(b)は、負極の負極タブ部に負極端子を溶接した状態を示す模式図である。 図6は、本実施例における、電解質シート付き正極と負極とを捲回する状態の断面模式図である。 図7は、本実施例における、捲回前の電解質シート付き負極と正極の模式図である。図7(a)は、電解質シート付き負極の負極タブ部に負極端子を溶接した状態を示す模式図であり、図7(b)は、正極の正極タブ部に正極端子を溶接した状態を示す模式図である。 図8は、本実施形態における、支持フィルムが密着した電解質シート付き第一の電極と、電解質シートを有しない第二の電極を用いて電池捲回体を製造する二次電池製造装置であって、第一の電極側に支持材剥離部を有する構造を示す模式図である。 図9は、本実施形態における支持材剥離部において、支持材剥離ロールに支持フィルムを吸着させ、電解質シート付き第一の電極から剥離する様子を示す断面模式図である。 図10は、本実施形態の支持材剥離部において、支持フィルムが密着した支持材付き電極を、支持材剥離ロールで挟み込む圧力を制御する方法を示す模式図である。図10(a)はバネで圧力制御する様子を示す模式図であり、図10(b)はエアシリンダで圧力制御する様子を示す模式図である。 図11は、本実施形態における、巻取部において、電解質シート付き正極と、電解質シートのない負極を重ねながら捲回する様子を示す断面模式図である。図11(a)は円筒状の軸心を用いた場合の模式図であり、図11(b)は偏平状の軸心を用いた場合の断面模式図である。 図12は、本実施形態における支持フィルムが密着した電解質シート付き電極を示す模式図である。図12(a)は支持フィルムが密着した電解質シート付き電極の上面模式図であり、図12(b)支持フィルムが密着した電解質シート付き電極の断面模式図である。 図13は、本実施形態における、電解質シートを有しない第一の電極と、支持フィルムが両面に密着した電解質シート付き第二の電極を用いて電池捲回体を製造する二次電池製造装置であって、第二の電極側に支持材剥離部を有する構造を示す模式図である。 図14は、本実施形態における支持フィルムが密着した電解質シート付き負極を示す模式図である。図14(a)は支持フィルムが密着した電解質シート付き負極の上面模式図であり、図14(b)支持フィルムが密着した電解質シート付き負極の断面模式図である。 図15は、本実施形態における、支持フィルムが密着した電解質シート付き第一の電極と、支持フィルムが密着した電解質シート付き第二の電極とを用いて電池捲回体を製造する二次電池製造装置であって、第一の電極側と第二の電極側に、それぞれ支持材剥離部を有する構造を示す模式図(その1)である。 図16は、本実施形態における、支持フィルムが密着した電解質シート付き第一の電極と、支持フィルムが密着した電解質シート付き第二の電極とを用いて電池捲回体を製造する二次電池製造装置であって、第一の電極側と第二の電極側に、それぞれ支持材剥離部を有する構造を示す模式図(その2)である。 図17は、本実施形態における、支持フィルムが密着した電解質シート付き第一の電極と、支持フィルムが密着した電解質シート付き第二の電極とを用いて電池捲回体を製造する二次電池製造装置であって、第一の電極側と第二の電極側に、それぞれ支持材剥離部を有する構造を示す模式図(その3)である。 図18は、本実施例における、支持フィルムが密着した電解質シート付き第一の電極と、電解質シートを有しない第二の電極とを用いて電池捲回体を製造する二次電池製造装置であって、第一の電極側に支持材回収ロールを有する支持材剥離部を有し、巻取部47と第一の電極側の支持材剥離部との間にスリッターを有し、巻取部と第二の電極側の搬送部との間にスリッターを有する構造を示す模式図である。 図19は、本実施形態における、第一の電極と、第二の電極と、電解質シートとを用いて捲回体を製造する二次電池製造装置であって、第一の電極側に、電解質シートを第一の電極に接着させるための電解質シートロールと、プレスロールとを有する構造を示す模式図である。 図20は、本実施形態における、第一の電極と、第二の電極と、電解質シートとを用いて捲回体を製造する二次電池製造装置であって、第一の電極側に、電解質シートを第一の電極に接着させるための電解質シートロールと、プレスロールと、支持材回収ロールを有する支持材剥離部を有し、巻取部と第一の電極側の支持材剥離部との間にスリッターを有し、巻取部と負極側の搬送部との間にスリッターを有する構造を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。また、以下の実施形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクション又は実施形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部又は全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む。)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む。)は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことはいうまでもない。
同様に、以下の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含むものとする。このことは、数値及び範囲についても同様である。
また、実施形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
<電解質シート付き電極>
本実施形態に係る電解質シート付き電極は、電極と、電解質シートとを含み構成される、電解質シート付き電極であり、電極は、電極タブ部と電極合剤部を有し、電極合剤部は、電極活物質と結着剤を含み構成され、電解質シートは、電解液と、電解液の担持材と、担持材同士を結着させる結着剤と、を含み構成され、電解質シートの面積は電極合剤部の面積以上であり、電解質シートと、電極合剤部とが接着されている、電解質シート付き電極である。以下、リチウムイオン電池に供する場合を例に、本実施形態に係る電解質シート付き電極の構成例について説明する。
図1は、本実施形態に係る電解質シート付き電極の構造例を示す模式図である。図1(a)は、本実施形態に係る電解質シート付き電極を上面からみた構造を示す模式図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A’線での断面構造を示す模式図である。
本実施形態に係る電解質シート付き電極1は、電極10と、電解質シート16とを有する。そして、電極10は、電極集電箔12と電極合剤部14とを有している。電極集電箔12は、電極合剤部14と重なりあっている電極集電箔本体部122と、電極合剤部14と重なりあっていない電極タブ部124と、を有している。すなわち、電極集電箔本体部122と電極タブ部124とは、電極合剤部14と重なっているかどうかで区別できるものであり、電極合剤部14と重なっている部分が電極集電箔本体部122であり、電極合剤部14と重なっていない部分が電極タブ部124である。
電解質シート16と電極10とは、電極合剤部14にて接着されており、電解質シート16の面積は、電極合剤部14の面積以上である。電解質シート16の面積は、電極合剤部14の面積と同じであってもよいが、電極合剤部14の面積より大きく電解質シート16が電極合剤部を覆っていることが好ましい。これにより、電解質シート16が電極合剤部14から露出した状態にすることが容易となる。このような関係をみたすように両部材を配置することで、電極端部等で電解質シートや電極合剤部がズレたり脱落したりして、対向する電極同士が接触して短絡する現象等を一層効果的に防止できる。
電極合剤部14は、電極集電箔12の両面に形成されていてもよい。電極合剤部14は、後述するように、活物質、結着剤等を含有するものである。電解質シート16は、後述するように、電解液、担持材、結着剤等を含有するものである。詳細は更に後述するが、電解質シート16と電極合剤部14とが対向するように積層してプレス圧縮することで、電解質シート16に含まれる結着剤が電極合剤部14に接着し、これによって電解質シート16を電極合剤部14に接着可能である。接着力をより高める目的で、熱プレス圧縮してもよい。
なお、本発明における接着とは、単に電解質シートが電極合剤部と接している(すなわち、接着強度が0N/mである)状態を意味するものではない。本発明における接着とは、電解質シートが電極合剤部にある接着強度以上で形成されている状態を意味するものである。ここでいうある接着強度とは、以下の文面により明らかとなる。
電解質シート16と電極合剤部14とが接着されている部分(接触部)の態様は特に限定されないが、電解質シート16と電極合剤部14とが接着されている接触部の接着強度は、2N/m以上であることが好ましく、3N/m以上であることがより好ましく、10N/m以上であることが更に好ましく、12N/m以上であることがより更に好ましい。かかる範囲とすることで、二次電池の製造時や使用時に、電解質シート16が破断したり、電極からの剥離を一層効果的に抑制でき、一層高い機械的強度を得ることができる。さらには、製造時に、電解質シート16を電極合剤部14に接着させたまま、後述する支持フィルム(支持材)を安定して剥離することができ、部材の剥離や破断等がおこることなく電解質シート付き電極1を得ることができる。
接着強度の上限は、67N/m以下であることが好ましく、50N/m以下であることがより好ましく、45N/m以下であることが更に好ましい。接着強度をかかる上限以下とすることで、製造時のプレス工程等で電解質シートが変形することを一層効果的に防止できる。
さらに、上述した観点から、接着強度の下限と上限の好適な組み合わせの一例としては、2N/m以上67N/m以下であることが好ましく、3N/m以上67N/m以下であることがより好ましく、10N/m以上67N/m以下であることが更に好ましく、10N/m以上50N/m以下であることがより更に好ましい。
ここでは、電極10の長手方向(紙面の左右方向)に電極タブ部124を設ける場合を一例として説明したが、電極タブ部124を設ける位置、その形状や数等は特に限定されない。例えば、電極10の短手方向(紙面の上下方向)に電極タブ部124が形成されるように両部材を重ね合わせてもよい。電極タブ部124の一辺は電極10の一辺より短くてもよい。電極10の同一辺内又は複数辺内に、電極タブ部124が複数個設けられるように重ね合わせてもよい。
本実施形態に係る電解質シート付き電極1は、正負極いずれの部材としても用いることができる。すなわち、電極10は正極(Positive)でもよいし、負極(Negative)でもよい。また、図1は電極10の両面に電解質シート16を接着させる場合を例に示したが(図1(b)参照)、電極10の片面のみに電解質シート16を接着させる態様であってもよい。
各部材について説明する。
(電解質シート)
電解質シートの材料について説明する。電解質シートは、電解液と、電解液の担持材と、担持材同士を結着させる結着剤と、を含み構成させることができる。
電解質シートは、例えば、電解液とその担持材で構成され、電解液が担持材の表面に吸着・担持されたものを使用できる。例えば、リチウムイオン電池の場合、電解質塩にLi塩を用いるが、リチウムは、強い還元剤であり、水と激しく反応して水素ガスを発生する。かかる観点から、リチウムイオン電池では、通常、電解液として非水電解液が使用される。
電解液は、上述した観点から、非水電解液であればよく、その種類は特に限定されない。非水電解液として、例えば、電解液塩と溶媒とを含有するものを使用できる。電解質塩の具体例としては、例えば、(CFSONLi、(SOF)NLi、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi等のリチウム塩や、これらの混合物等が挙げられる。
非水電解液の溶媒としては、特に限定されず、有機溶媒、イオン性液体、電解質塩の共存下においてイオン性液体に類似の性質を示す物質(本明細書内では、電解質塩の共存下においてイオン性液体に類似の性質を示す物質も「イオン性液体」と総称する。)等が挙げられる。
非水電解液の具体例としては、例えば、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等や、これらの混合液等が挙げられる。これらの中でも、安全性の観点から、イオン性液体が好ましく、難燃性のイオン性液体がより好ましい。
担持材としては、電解液を担持できる材料であればよく、その種類は特に限定されない。担持材の具体例としては、例えば、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、ポリプロピレン、ポリエチレンや、これらの混合物等が挙げられる。電解液の担持量を増やす観点から、単位体積当りの表面積が大きい粒子や繊維等が好ましく、微粒子であることがより好ましい。
結着剤としては、担持材を結着できる材料であればよく、その種類は特に限定されない。結着剤の具体例としては、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(P(VDF−HFP))、ポリイミド、スチレンブタジエンゴムや、これらの混合物等が挙げられる。
(正極・正極部材)
正極は、正極集電箔(正極集電箔本体及び正極タブ部)と正極合剤部とを有している。正極合剤部は、正極活物質と導電助剤と結着剤とを含む。正極合剤部は、正極活物質、結着剤、導電助剤を、正極集電箔に塗布することで形成可能である。
正極集電箔(正極集電箔本体及び正極タブ部)としては、例えば、ステンレス鋼やアルミ等の導電性金属から構成される金属箔や網状金属等が使用できる。正極集電箔の厚みは、特に限定されず、1〜20μmであることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましく、1〜10μmであることが更に好ましい。
正極活物質としては、特に限定されず、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウムの一部をニッケルとマンガンで置換したリチウム・マンガン・コバルト・ニッケル複合酸化物等が使用できる。正極活物質としては、リチウムを挿入・脱離可能な材料であり、予め充分な量のリチウムを挿入したリチウム含有遷移金属酸化物等が使用できる。遷移金属としては、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄等の単体や、2種類以上の遷移金属を主成分とする材料等を使用できる。
正極活物質の結晶構造については、特に限定されず、例えば、スピネル結晶構造や層状結晶構造等を採用することができる。これらの中でも、リチウムイオンを挿入・脱離可能な構造であることが好ましい。さらに、結晶中の遷移金属やリチウムの一部をFe、Co、Ni、Cr、Al、Mg等の元素で置換した材料や、結晶中にFe、Co、Ni、Cr、Al、Mg等の元素をドープした材料であってもよい。
結着剤としては、特に限定されず、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(P(VDF−HFP))や、これらの混合物等が挙げられる。
導電助剤としては、特に限定されず、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、人造黒鉛、カーボンナノチューブ等の炭素材料等が使用できる。
正極合剤は、上述した電解液(例えば、電解質等も含む。)を含んでもよい。
(負極・負極部材)
負極は、負極集電箔(負極集電箔本体及び負極電極タブ部)と負極合剤部を有しており、負極合剤部は、負極活物質と結着剤を含む。負極合剤部は、負極活物質と結着剤を、負極集電箔に塗布することで形成可能である。
負極集電箔としては、例えば、ステンレス鋼や銅等の導電性金属から構成される金属箔や網状金属等が使用される。負極集電箔の厚みは、特に限定されず、1〜20μmであることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましく、1〜10μmであることが更に好ましい。
負極活物質としては、特に限定されず、例えば、結晶質の炭素材料や非晶質の炭素材料等が使用できる。負極活物質としては、リチウムイオンを挿入・脱離可能な材料であることが好ましく、天然黒鉛や、人造の各種黒鉛剤、コークス等の炭素材料や、二酸化ケイ素、酸化ニオブ、酸化チタン等の酸化物、シリコン、スズ、ゲルマニウム、鉛、アルミニウム等に代表されるリチウムと合金を形成する材料や、これらの混合物等が使用できる。その粒子形状については、特に限定されず、例えば、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、様々な粒子形状のものが使用できる。
結着剤としては、特に限定されず、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(P(VDF−HFP)、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム等や、これらの混合物等が使用できる。
負極合剤はさらに導電助剤を含んでもよく、例えば、炭素材料等が使用できる。炭素材料の具体例としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、人造黒鉛、カーボンナノチューブ等が挙げられるが、これらに限定されない。
負極合剤は、上述した電解液(例えば、電解質等も含む。)を含んでもよい。
<二次電池>
本実施形態に係る二次電池としては、正極と、負極と、電解質シートから構成される二次電池であり、正極は、正極タブ部と正極合剤部を有し、正極合剤部は、正極活物質と導電助剤と結着剤とを含み、負極は、負極タブ部と負極合剤部を有し、負極合剤部は、負極活物質と結着剤とを含み、電解質シートの面積は、正極合剤部又は負極合剤部の少なくともいずれかの面積以上であり、かつ、電解質シートと、その正極合剤部又は負極合剤部の少なくともいずれかが接着している、二次電池が挙げられる。
本実施形態に係る二次電池は、後述する捲回型二次電池や積層型二次電池といった種々の態様に変形させることができる。また、本実施形態に係る二次電池は、上述した電解質シート付き電極(正極・負極)を用いて、作成することもできる。すなわち、本実施形態に係る二次電池は、かかる電解質シート付き電極を有する二次電池とすることも許容される。
電解質シートの面積は、電極合剤部の面積と同じであってもよいが、電極合剤部の面積より大きく電解質シートが電極合剤部を覆っていることが好ましい。これにより、電解質シートが電極合剤部から露出した状態を形成させることができる。このような関係となるよう両部材を配置することで、二次電池の製造時や使用時に、電極端部で電解質シートや電極合剤部がズレたり脱落したりして、対向する電極同士が接触して短絡する現象を一層効果的に防止できる。
さらに、正極又は負極のいずれか一方を第一の電極とし、他方を第二の電極とした場合に、電解質シートは、第一の電極の電極合剤部(第一の電極合剤部)の両面にのみ接着されており、第二の電極の電極合剤部(第二の電極合剤部)の両面には接着されていない態様とすることもできる。二次電池においては、正極と負極との物理接触を防ぐことができればよいため、正極と負極の間に電解質シートが配置されていればよい。すなわち、必ずしも電解質シートは正極と負極の双方に接着されている必要はなく、電解質シートは正極又は負極の少なくともいずれか一方に接着されていれば良い。かかる態様によって、正極と負極との物理接触を防止でき、二次電池としての電池性能の低下を防止できる。
(捲回型二次電池)
本実施形態に係る二次電池は、捲回型二次電池とすることができる。図2は、本実施形態に係る二次電池(捲回型二次電池)の模式図である。捲回型二次電池2Aは、捲回体20が、正極10pと負極10nのそれぞれの電極端子24とともに、外装体22に収納されている。捲回体20は、上述した電解質シート付き電極が、もう一方の電極とともに捲回されたものである。以下、上述した内容で共通する部分については説明を割愛する。
捲回型二次電池2Aは、電解質シート16が、正極合剤部14pの片面に接着し、かつ、電解質シート16が、正極合剤部14pのもう一方の片面に接着し、電解質シート16が、正極合剤部14pと負極合剤部14nの間に配置されるように、捲回して形成されることが好ましい。かかる態様によって、正極と負極との物理接触を防止でき、二次電池としての電池性能の低下を防止できる。
また、正極合剤部14pと負極合剤部14nの間に、電解質シート16が配置されていればよく、電解質シート16が、負極合剤部14nの片面に接着し、かつ、電解質シート16が、負極合剤部14nのもう一方の片面に接着してもよい。更にまた、正極合剤部14pと負極合剤部14nとの両方に電解質シート16を接着させてもよいし、正極合剤部14pの片面と負極合剤部14nの片面に電解質シートを接着させてもよい。かかる態様によっても、正極と負極との物理接触を防止でき、二次電池としての電池性能の低下を防止できる。
本実施形態に係る捲回型二次電池は、本実施形態の作用効果が得られる範囲内であれば、その形状や構造は特に限定されず、適宜最適なものを選択することができる。例えば、図2では円筒形状の捲回型二次電池を例に図示したが、楕円形状や偏平形状の捲回型二次電池であってもよい。
<二次電池の製造方法>
本実施形態に係る二次電池の好適な製造方法としては、正極と、負極と、電解質シートから構成される二次電池の製造方法であり、正極は、正極タブ部と正極合剤部を有し、正極合剤部は、正極活物質と導電助剤と結着剤とを含み構成され、負極は、負極タブ部と負極合剤部を有し、負極合剤部は、負極活物質と結着剤とを含み構成され、電解質シートは、電解液と、電解液の担持材と、結着剤と、を含み構成され、電解質シートは、正極合剤部又は負極合剤部のいずれか一方と接着させ、電解質シートが、正極合剤部と負極合剤部との間に位置するよう配置させる方法が挙げられる。
さらに、本実施形態に係る電解質シート付き電極を、本実施形態に係る製造方法で用いることもできる。
本実施形態に関わる製造方法では、電解質シートの面積は、電極合剤部の面積と同じであってもよいが、電極合剤部の面積より大きく電解質シートが電極合剤部を覆うように製造することが好ましい。これにより、電解質シートが電極合剤部から露出した状態を形成させることができる。このような関係となるよう両部材を配置することで、二次電池の製造時に、電極端部で電解質シートや電極合剤部がズレたり脱落したりして、対向する電極同士が接触して短絡する現象を一層効果的に防止できる。その結果、製造工程としての歩留まりの向上も可能となる。
さらに、正極又は負極のいずれか一方を第一の電極とし、他方を第二の電極とした場合に、電解質シートは、第一の電極の電極合剤部(第一の電極合剤部)の両面にのみ接着されており、第二の電極の電極合剤部(第二の電極合剤部)の両面には接着されていない態様となるように製造することもできる。二次電池においては、正極と負極との物理接触を防ぐことができればよいため、正極と負極の間に電解質シートが配置されていればよい。すなわち、必ずしも電解質シートは正極と負極の双方に接着されている必要はなく、電解質シートは正極又は負極の少なくともいずれか一方に接着されていれば良い。かかる態様によって、正極と負極との物理接触を防止でき、二次電池としての電池性能の低下を防止できる。その結果、製造工程としての歩留まりの向上も可能となる。
(捲回型二次電池の製造方法)
正極又は負極のいずれか一方を第一の電極とし、他方を第二の電極とし、電解質シートを、第一の電極の電極合剤部(第一の電極合剤部)の両面に接着し、電解質シートが接着された第一の電極と、電解質シートが接着されていない第二の電極とを捲回する方法を採用することが好ましい。かかる態様によって、製造工程において各部材を重ねあわせて軸心等に捲きつけて捲回する際に、正極と負極との物理接触を防止することができ、歩留まりを向上できる。
電解質シートを、正極合剤部の片面に接着し、かつ、電解質シートを、負極合剤部の片面に接着し、電解質シートが、正極合剤部と負極合剤部の間に配置されるように、捲回して製造する方法を採用することもできる。かかる態様によっても、製造工程において各部材を重ねあわせて軸心等に捲きつけて捲回する際に、正極と負極との物理接触を防止することができ、歩留まりを向上できる。
軸心等に捲きつけて捲回する際は、正極又は負極のいずれか、または双方に捲回張力を印加して捲回してもよい。
以上、リチウムイオン電池の場合を中心に本実施形態を説明したが、その技術的思想はこれらに限定されない。すなわち、本実施形態に係る電解質シート付き電極及び二次電池は、リチウムイオン電池をはじめとする種々の電池に応用することができる。例えば、正極、負極及び、正極と負極とを電気的に分離するセパレータとを備える蓄電デバイス(例えば、電池やキャパシタ等)等にも幅広く適用することができる。
[実施例]
以下の実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
1.電解質シート付き正極の作製及び評価
<実施例1>
(電解質シートの作製)
電解質材料として、電解質塩((CFSONLiを含んだテトラエチレングリコールジメチルエーテル)、担持材(二酸化ケイ素粒子)及び結着剤(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(P(VDF−HFP)))を混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させることで、電解質スラリーを作製した。電解質スラリーを、支持体であるポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム上に塗布し、100℃の熱風乾燥炉で乾燥させることで、PETフィルム上に電解質シートを形成させた。なお、本実施例1では、支持フィルム(支持材)としてPETを用いる場合を例に記載したが、その材質はこれに限定されない。支持フィルム(支持材)としては、100℃の熱風乾燥で溶融しなければよく、広くプラスチック製のフィルムを用いることができる。
(正極の作製)
正極活物質(リチウム・マンガン・コバルト・ニッケル複合酸化物)、導電助剤(黒鉛粉末)、結着剤(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(P(VDF−HFP)))、電解質塩((CFSONLiを含んだテトラエチレングリコールジメチルエーテル)を混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させることで、正極スラリーを作製した。正極スラリーを、集電箔(アルミ箔)上に間欠塗工し、100℃の熱風乾燥炉で乾燥させた。乾燥後、プレス圧縮し、正極を得た。その後、得られた正極をカットした。その際、正極集電箔のうち正極合剤を塗布していない部分を、正極タブ部として残した。これにより、正極合剤部と正極タブ部とを有する正極を得た。
(電解質シート付き正極の作製)
正極合剤部の面積以上の面積を有する電解質シートを、図3に示す方法によって、正極合剤部に接着させた。図3は、正極合剤部の面積以上の面積を有する電解質シートを正極合剤部に接着させる方法を示す断面模式図である。
まず、支持フィルム(PET)18上に形成した電解質シート16を正極合剤部14pの面積以上のサイズにカットした。支持フィルム(PET)18上に形成された電解質シート16と、正極10pとを、電解質シート16と正極合剤部14pとが対向するように積層した(図3(a))。その際、正極集電箔12pのうち、正極集電箔本体部122pが正極合剤部14pと重なるようにセットし、重ならない部分として正極タブ部124pが形成されるようにした。そして、これらを熱プレス圧縮した(図3(b))。プレス圧縮によって、電解質シート16に含まれる結着剤が正極合剤部14pに接着し、これによって電解質シート16を正極合剤部14pに接着させた。
(電解質シート付き負極の作製)
上述した正極の方法に準拠して、負極を作製した。負極材料として、負極活物質(黒鉛)、導電助剤(黒鉛粉末)及び結着剤(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(P(VDF−HFP)))を用いた。そして、負極合剤に含有させる電解液の電解質塩((CFSONLiを含んだテトラエチレングリコールジメチルエーテル)及び集電箔(銅箔)を用いた。
上述した正極の方法に準拠して、電解質シート付き負極も作製した。図4は、負極合剤部の面積以上の面積を有する電解質シートを負極合剤部に接着させた状態を示す断面模式図である。電解質シート付き負極1nは、電解質シート16と、負極10nとを、電解質シート16と負極合剤部14nとが対向するように積層したものである。そして、負極集電箔12nのうち、負極集電箔本体部122nが負極合剤部14nと重なり、負極タブ部124nが負極合剤部14nと重ならない。
なお、電解質シート16と正極合剤部14pとの接着強度、あるいは、電解質シート16と負極合剤部14nとの接着強度は、以下の方法に準拠して規定した。電解質シート付き電極1を10mm幅に裁断し、電極合剤部に対して、電解質シート16を50mm/minの速度で90°の方向に引っ張った。この際、電解質シート16が電極合剤部から剥がれるときの引張強度を、フォースゲージで測定し、接着強度とした把握した。プレス圧縮により電解質シート16を電極合剤部に接着させることができるが、この際のプレス圧力等のプレス圧縮条件を任意に制御することで所定の接着強度を得た。
そして、正極合剤部に電解質シートを接着させた場合には、正極合剤部14pが接着された電解質シート16から、支持フィルム(PET)18のみをはがすことで、電解質シート付き正極1pを得た(図3(c))。
また、負極合材部に電解質シートを接着させた場合には、負極合剤部14nが接着された電解質シート16から、支持フィルム(PET)18のみをはがすことで、電解質シート付き負極1nを得た。
<機械的物性の評価>
機械的物性として、上述した支持フィルム18をはがした後に、電解質シート16と正極合剤部14pの接着状態もしくは電解質シート16と負極合剤部14nの接着状態を、目視で判断した。すなわち、電解質シート16が正極合剤部14pもしくは負極合剤部14nから完全に剥離した場合は「×」、電解質シート16が正極合剤部14pもしくは負極合剤部14nから部分的に剥離し、他の部分は接着していた場合は「○」、電解質シート16が正極合剤部14pもしくは負極合剤部14nから剥離することなく、接触面全てにおいて接着できていた場合は「◎」と、評価した。
<実施例1A>
実施例1に記載の方法で作製した電解質シートと正極を用い、電解質シートと正極合剤部との接着強度が2N/mとなるように、プレス圧縮し、電解質シート付き正極を得た。
<実施例1B>
実施例1に記載の方法で作製した電解質シートと負極を用い、電解質シートと負極合剤部との接着強度が3N/mとなるように、プレス圧縮し、電解質シート付き負極を得た。
<実施例1C>
実施例1に記載の方法で作製した電解質シートと正極を用い、電解質シートと正極合剤部との接着強度が12N/mとなるように、プレス圧縮し、電解質シート付き正極を得た。
<実施例1D>
実施例1に記載の方法で作製した電解質シートと負極を用い、電解質シートと負極合剤部との接着強度が19N/mとなるように、プレス圧縮し、電解質シート付き負極を得た。
<実施例1E>
実施例1に記載の方法で作製した電解質シートと正極を用い、電解質シートと正極合剤部との接着強度が36N/mとなるように、プレス圧縮し、電解質シート付き正極を得た。
<実施例1F>
実施例1に記載の方法で作製した電解質シートと正極を用い、電解質シートと正極合剤部との接着強度が43N/mとなるように、プレス圧縮し、電解質シート付き正極を得た。
<実施例1G>
実施例1に記載の方法で作製した電解質シートと正極を用い、電解質シートと正極合剤部との接着強度が56N/mとなるように、プレス圧縮し、電解質シート付き正極を得た。
<実施例1H>
実施例1に記載の方法で作製した電解質シートと正極を用い、電解質シートと正極合剤部との接着強度が67N/mとなるように、プレス圧縮し、電解質シート付き正極を得た。
<比較例1>
電解質シートと電極合剤部とを接着させるためのプレス圧縮は実施しなかった点以外は、実施例1と同様にして電解質シート付き電極を作製した。すなわち、比較例1は、接着強度が0N/mになるよう制御したものである。
表1に、実施例1A〜1Hと比較例1の結果を示す。実施例1では、接着強度の値を表1に示す条件(2〜67N/m)となるよう制御した電解質シート付き電極をそれぞれ作製し、これらの機械的物性を評価した。比較例1は、実施例1と同様の条件で電解質シート付き電極の機械的物性を評価した。
Figure 2021177444
表1に示すように、実施例1の電解質シート付き電極は、支持フィルム18をはがした後にも、いずれも電解質シートが電極から完全剥離することなく、優れた機械的強度を有することが少なくとも確認された。
2.捲回型二次電池の作製及び評価
<実施例2>
図2に示す構造を有する捲回型二次電池2Aを作製した。実施例1で作製した電解質シート付き正極を用いた。そして、実施例1と同じ材料を用いた上で、実施例1の方法に準拠して、電解質シートを有しない負極を準備した。図5は、捲回前の電解質シート付き正極と負極の模式図である。電解質シート付き正極1pの正極タブ部124pに正極端子24pを溶接し、絶縁テープ(ポリイミドテープ)28を貼付けて、絶縁処理をした(図5(a))。そして、負極10nの負極タブ部124nに負極端子24nを溶接した(図5(b))。
図6は、電解質シート付き正極と負極とを捲回する状態の断面模式図である。電解質シート付き正極1pと負極10nとを重ねて、軸心(Axis)にセットした。そして、電解質シート付き正極1pと負極10nとが、4Nの張力条件(Tension)(捲回条件)となるよう制御した上で、これらを捲回して捲回体20を得た。得られた捲回体20を外装体22(電池缶)に挿入し、外装体22と電極端子24を溶接することで、捲回型二次電池2Aを得た。
<実施例3>
図2に示す構造を有する捲回型二次電池2Aを作製した。実施例1で作製した電解質シート付き負極1nを用いた。そして、実施例1と同じ材料を用いた上で、実施例1の方法に準拠して、電解質シートを有しない正極を準備した。図7は、捲回前の電解質シート付き負極と正極の模式図である。電解質シート付き負極1nの負極タブ部124nに負極端子24nを溶接した(図7(a))。正極10pの正極タブ部124pに正極端子24pを溶接した(図7(b))。続いて、実施例2の方法に準拠して、電解質シート付き負極1nと正極10pとを重ねて、軸心(Axis)にセットした(図6参照)。その際、電解質シート付き負極1nと正極10pとを、4Nの張力条件(捲回条件)となるよう制御した上で、これらを捲回して捲回体20を得た。得られた捲回体20を外装体22(電池缶)に挿入し、外装体22と電極端子24を溶接することで、図2の構造を有する捲回型二次電池2Aを作製した。
<比較例2>
電解質シートをいずれの電極にも接着させなかった点以外は実施例2の方法に準拠して、正極、負極、電解質シートを準備して、正極タブ部に正極端子を溶接し、負極タブ部に負極端子を溶接した。その後、正極、負極及び電解質シートを重ねて、軸心(Axis)にセットした。その際、4Nの張力条件(捲回条件)となるよう制御した上で、これらを捲回して捲回体を得ることを試みた。しかし、捲回張力を印加すると電解質シートが破断し、捲回体を得ることはできなかった。
<捲回工程の評価>
実施例2、3及び比較例2について、捲回型二次電池の捲回工程における破断発生の有無を目視で評価した。捲回中に電解質シートが破断した場合を「×」、電解質シートの破断なく捲回できた場合を「○」と評価した。
表2に、実施例2、3及び比較例2の評価結果を示す。
Figure 2021177444
表2に示すように、実施例2、3では破断なく捲回することができた。しかし、比較例2は、電極に電解質シートを接着させなかったために、電解質シートに直接張力が印加され、捲回中に電解質シートが破断し、捲回できなかった。したがって、電解質シートを電極に接着させることで、電解質シートの破断なく捲回型二次電池を作製できることが少なくとも確認された。
以上、二次電池に関する実施形態の例と、それに対応する実施例及び比較例を記載した。
以下では、さらに二次電池の製造装置に関する実施形態A〜Hとともに、それに対応する実施例を説明する。
<二次電池の製造装置>
[製造装置に関する実施形態A]
<二次電池製造装置4Aの装置構成>
図8は、本実施形態における、支持フィルム18が密着した電解質シート付き第一の電極と、電解質シートを有しない第二の電極を用いて電池捲回体を製造する二次電池製造装置4Aであって、第一の電極側に支持材剥離部を有する構造を示す模式図である。二次電池製造装置4Aは、第一の電極支持部41pと、第二の電極支持部41nと、搬送部45と、支持材剥離部46と、巻取部47と、を備える。
第一の電極支持部41pは、第一の電極を支持する捲回体である。第二の電極支持部41nは、第二の電極を支持する捲回体である。第一の電極の両面には、支持フィルム付き電解質シートが形成されている。第二の電極には、支持フィルム付き電解質シートは形成されていない。第一の電極は、両面に支持材が形成された支持材付き電極といえる。
第一の電極は正極又は負極の一方であって、第二の電極は他方である。本実施形態では、第一の電極が正極である例を用いて説明する。即ち、第一の電極支持部41pには、支持フィルム付き電解質シートが形成された正極の電極が捲回されている。また、第二の電極支持部41nには、電解質シートを有さない負極10nの電極が捲回されている。
搬送部45は、1又は複数の搬送ロール451を用いて、第一の電極を支持材剥離部46に搬送する機能を有する。また、搬送部45は、支持材剥離部46により支持フィルム18の剥離された第一の電極を巻取部47に搬送する機能を有する。また、搬送部45は、第二の電極を巻取部47に搬送する機能を有する。搬送部45の構造や材料は特に限定されない。
支持材剥離部46は、支持材付き電極から支持フィルム18を剥離する機能を有する。支持材剥離部46は、支持材剥離ロール461aと、支持材剥離ロール461bとを有する。支持材剥離部46の構造の詳細は後述するが、支持材剥離部46は、2つの支持材剥離ロール461a・461bで第一の電極を挟み込む構造を有しており、支持材剥離部46を通過することで、第一の電極の両面から支持材を剥離することができる。
巻取部47は、捲回ロール471を用いて、支持材の剥離された第一の電極と、第二の電極とを重ねて巻き取る。巻取部47の構造や材料は特に限定されない。
(支持材剥離部46の構成)
図9は、本実施形態における支持材剥離部46において、支持材剥離ロール461a・461bに支持フィルム18を吸着させ、電解質シート付き第一の電極から剥離する様子を示す断面模式図である。図9に示す支持材剥離ロール461a・461bは、図3に示す電解質シート付き第一の電極と同様の支持材付き電極を挟持している。支持材剥離ロール461a・461bは、各々支持フィルム18を吸着し、支持材付き電極から剥離する機能を有する。
支持材剥離ロール461aが回転することにより、第一の電極の片面から支持フィルム18を剥離し、支持材剥離ロール461bが回転することにより、第一の電極の反対側の片面から支持フィルム18を剥離する。なお、支持材剥離ロール461aと、支持材剥離ロール461bとの回転方向は異なる。
より具体的には、支持材剥離ロール461a・461bと支持フィルム18との吸着力(図11の界面A(INTERFACE A)の密着力)の方が、電解質シートと支持フィルム18との密着力(図11の界面B(INTERFACE B)の密着力)よりも大きくなるよう構成する。これにより、支持材付き電極が支持材剥離ロール461a・461bの間を通過することで、支持材付き電極から支持フィルム18のみが剥離される。
支持材付き電極の汚染防止のため、支持材剥離ロール461a・461bと支持フィルム18との間(INTERFACE A)には、接着剤を用いないことが好ましい。このような支持材剥離ロール461a・461bの材質としては、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、パラフィン系炭化水素や、それらの複合材を用いることができる。
支持フィルム18にPETを用いた場合において、上記材質の支持材剥離ロール461a・461bを支持フィルム18に押し当てると、支持材剥離ロール461a・461bと支持フィルム18との間から空気を押し出すことで、吸盤のように吸着力を発生させることができる。即ち、接着剤を用いない場合においても、支持フィルム18を支持材剥離ロール461a・461bに吸着させ、支持材付き電極から剥離することが可能となる。
なお、支持フィルム18に対する支持材剥離ロール461a・461bの吸着力は、支持フィルム18の電極からの剥離性能及び剥離後の取り扱い容易性の観点から、2N/m以上30kN/m以下であることが好ましい。なお、支持フィルム18に対する支持材剥離ロール461a・461bの吸着力は、電解質シート16と電極合剤部14とが接着されている接触部の接着強度を超えていることがより望ましい。本実施形態の二次電池製造装置4Aによれば、電池性能の良好な二次電池を製造することができる。
なお、支持材付き電極が正極であっても、負極であっても、同様の効果を発生させることができる。これは、上記の支持材剥離メカニズムを鑑みると明らかである。支持フィルム18の剥離に関するパラメーターは、「支持材剥離ロール461a・461bと支持フィルム18との吸着力(図11の界面A(INTERFACE A)の密着力)」と、「電解質シートと支持フィルム18との密着力(図11の界面B(INTERFACE B)の密着力)」であって、この値は電極が正極か負極かによって変化する値ではないと考えられる。
(挟み込み圧力)
2つで一組の支持材剥離ロール461a・461bの間を、支持材付き電極が通過する際は、挟み込み圧力を制御することが好ましい。これは、支持材剥離ロール461a・461bと支持フィルム18との吸着力を高めるだけでなく、支持材付き電極の製造時のばらつき等による膜厚の変動が生じた場合にも、支持フィルム18の剥離性を安定させる効果を生じる。
そのため、支持材剥離部46は、支持材剥離ロール461a・461bが支持材を加圧するよう付勢する圧力制御機構を有する。
例えば、支持材付き電極の膜厚が、支持材剥離ロール461a・461bの隙間よりも小さい場合、支持材剥離ロール461a・461bの少なくとも一方と支持材付き電極の支持材とが接触しないため、支持フィルム18を剥離することができない。一方で、支持材付き電極の膜厚が、支持材剥離ロール461a・461bの隙間よりも過度に大きい場合、支持材付き電極に過剰な圧力が加わり、支持材付き電極に膜変形やキズ等のダメージが発生する場合がある。従って、支持材付き電極を挟み込む圧力は、ある範囲内に制御することが好ましい。
具体的には、支持フィルム18の剥離容易性及び支持材剥離後の電極性能の維持の観点から、支持材付き電極を支持材剥離ロール461a・461bで挟み込む圧力(即ち、支持材剥離ロール461a・461bが支持材に加える圧力)は、2N/m以上30kN/m以下であることが好ましい。
挟み込み圧力の上限値が30kN/mである理由として、支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極を支持材剥離ロール461a・461bを用いてプレス圧縮する実験を実施し、圧縮後の電極の外観を評価した。支持材剥離ロール461a・461bの挟み込み圧力が30kN/mを超える場合には、支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極のうち、最も強度の低い電解質シートが変形したり、傷が発生したりすることを目視確認した。
一方、挟み込み圧力が30kN/m以下の場合では、膜変形やキズなどのダメージが発生しないことを目視確認した。
なお、支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極を用いた場合にも、同様の結果を得た。挟み込み圧力の上限値を30kN/mに規定した理由を鑑みると明らかであるが、30kN/mという値は、各部材のうち、最も強度の弱い電解質シートにダメージが入らない条件であって、電極が正極であるか負極であるかによって変わる値ではないと考えられる。
図10は、本実施形態の支持材剥離部46において、支持フィルム18が密着した支持材付き電極を、支持材剥離ロール461a・461bで挟み込む圧力を制御する方法を示す模式図である。図10(a)はバネ463aで圧力制御する様子を示す模式図であり、図10(b)はエアシリンダ462bで圧力制御する様子を示す模式図である。
即ち、図10(a)は、圧力制御機構として、バネ463aを用いた例を示している。バネ463aは、支持材剥離ロール461a・461bが、支持材付き電極に対して互いに向かい合う方向に加圧するよう付勢する。
また、図10(b)は、圧力制御機構として、エアシリンダ463bを用いた例を示している。エアシリンダ463bは、支持材剥離ロール461a・461bが、支持材付き電極に対して互いに向かい合う方向に加圧するよう付勢する。
なお、上述の支持材剥離部46について、第一の電極の両面に形成された支持フィルム18を剥離する例を用いて説明した。しかしながら、支持材剥離部46は、第一の電極の片面に形成された支持フィルム18を剥離するものであってもよい。この場合、例えば支持材剥離ロール461aが支持フィルム18への加圧により支持フィルム18を吸着し、回転して支持フィルム18を剥離する。支持材剥離ロール461bは回転により電極を巻取部47の方向へと搬送する。この場合、支持材剥離ロール461bは電極を搬送できればよいため、先述の材質に限定されない。
(巻取部47)
図11は、本実施形態における巻取部47において、電解質シート付き第一の電極と、電解質シートのない第二の電極とを重ねながら捲回する様子を示す断面模式図である。図11(a)は円筒状の軸心を用いた場合の模式図であり、図11(b)は偏平状の軸心を用いた場合の断面模式図である。
巻取部47の軸心の形状は特に限定されるものではない。例えば、図11(a)に示すように円筒状の軸心を用いる場合、円筒状の捲回型二次電池を製造することができる。また、図11(b)に示すように扁平上の軸心を用いる場合、扁平型の捲回型二次電池を製造することができる。
以上、二次電池製造装置4Aによれば、電解質シートを支持する支持材を効率的に除去することができ、製造工程の効率化に資する。また、製造工程において支持材を除去するタイミングを調節することにより、電解質シートの汚損及び破損を予防し、電池性能の良好な二次電池を得ることができる。
なお、図8及び図9に示す二次電池製造装置4Aの支持材剥離部46は、支持材剥離ロール461a・461bが支持材付き電極から同時に支持フィルム18を剥離するよう構成されている。しかしながら、支持材剥離部46の構成はこれに限られない。例えば、支持材剥離ロール461aが支持材付き電極の片面から支持フィルム18を剥離した後しばらくしてから、支持材剥離ロール461bが反対側の面から支持フィルム18を剥離するよう構成してもよい。その場合、支持材剥離ロール461a・461bは、同時に剥離する場合に比べ、互いに離れた位置に設置される。
[製造装置に関する実施形態B]
<二次電池製造装置4Bの装置構成>
図13は、本実施形態における、電解質シートを有しない第一の電極と、支持フィルム18が両面に密着した電解質シート付き第二の電極とを用いて電池捲回体を製造する二次電池製造装置4Bであって、第二の電極側に支持材剥離部46を有する構造を示す模式図である。二次電池製造装置4Bは、第一の電極支持部42pと、第二の電極支持部42nと、搬送部45と、支持材剥離部46と、巻取部47とを有する。二次電池製造装置4Bは、第二の電極支持部42nに支持フィルム18の密着した電解質シート付き第二の電極が支持され、第一の電極支持部42pに電解質シートのない第一の電極が支持され、第二の電極支持部42nの側に支持材剥離部46が設置されている点において、上述の二次電池製造装置4Aと異なる。
本実施形態における二次電池製造装置4Bにおいても、二次電池製造装置4Aと同様に、
支持材を効率的に除去することができ、効率的に電池性能のよい二次電池を製造することができる。
[製造装置に関する実施形態C]
<二次電池製造装置4Cの装置構成>
図15は、本実施形態における、支持フィルム18が密着した電解質シート付き第一の電極と、支持フィルム18が密着した電解質シート付き第二の電極とを用いて電池捲回体を製造する二次電池製造装置4Cであって、第一の電極側と第二の電極側に、それぞれ支持材剥離部46を有する構造を示す模式図(その1)である。
二次電池製造装置4Cは、第一の電極支持部43pと、第二の電極支持部43nと、搬送部45と、支持材剥離部46A・46Bと、巻取部47とを有する。第一の電極支持部43pには、少なくとも片面に支持フィルム18が密着した電解質シート付き第一の電極が支持される。第二の電極支持部43nには、少なくとも片面に支持フィルム18が密着した電解質シート付き第二の電極が支持される。
第一の電極及び第二の電極には、巻取部47にて重ね合わせて巻き取られる際に、正極合剤部14pと負極合剤部14nとが電解質シートを介して重なるよう、電解質シートが密着している。
支持材剥離部46Aは、支持材剥離ロール461Aaと、支持材剥離ロール461Abとを有し、第一の電極支持部43pに支持された、支持フィルム18が密着した電解質シート付き第一の電極から、支持フィルム18を剥離する。支持材剥離部46Bは、支持材剥離ロール461Baと、支持材剥離ロール461Bbとを有し、第二の電極支持部43nに支持された、支持フィルム18が密着した電解シート付き第二の電極から、支持フィルム18を剥離する。即ち、二次電池製造装置4Cの有する支持材剥離部は、第一の電極及び第二の電極に各々形成された支持材を剥離する。
[製造装置に関する実施形態D]
<二次電池製造装置4Dの装置構成>
図16は、本実施形態における、支持フィルム18が密着した電解質シート付き第一の電極と、支持フィルム18が密着した電解質シート付き第二の電極とを用いて電池捲回体を製造する二次電池製造装置4Dであって、第一の電極側と第二の電極側に、それぞれ支持材剥離部46を有する構造を示す模式図(その2)である。
二次電池製造装置4Dの支持材剥離部46は、第一の電極側と第二の電極側とのそれぞれに支持材剥離部46A・46Bを有する点において、上述の二次電池製造装置4Cと共通する。しかしながら、二次電池製造装置4Dの有する支持材剥離部46A及び支持材剥離部46Bは、各々1つの支持材剥離ロール46Aa及び支持材剥離ロール461Bbを有する点が、二次電池製造装置4Cと異なる。
第一の電極支持部43pには、片面に支持フィルム18が密着した電解質シート付き第一の電極が支持される。第二の電極支持部43nには、片面に支持フィルム18が密着した電解質シート付き第二の電極が支持される。
支持材剥離部46Aは、支持材剥離ロール461Aaを有し、第一の電極支持部43pに支持された、片面に支持フィルム18が密着した電解シート付き第一の電極から、支持フィルム18を剥離する。支持材剥離部46Bは、支持材剥離ロール461Baを有し、第二の電極支持部43nに支持された、片面に支持フィルム18が密着した電解シート付き第二の電極から、支持フィルム18を剥離する。
支持材剥離部46Aにおいて支持フィルム18が剥離された電解質シート付き第一の電極の有する電解質シートは、巻取部47にすでに巻き取られた電極の電極合剤部に重なるよう、巻取部47に捲回される。また、支持材剥離部46Bにおいて支持フィルム18が剥離された電解質シート付き第二の電極における電解質シートは、電解質シート付き第一の電極の有する電極合剤部に重なるよう、巻取部47に捲回される。
なお、支持材剥離部46A・46Bは、支持材剥離ロール461Aa・461Baを電極方向に向けて移動させるか、又は電極と反対方向に向けて移動させることにより、支持材に対して加圧、又は加えた圧力を減ずることが可能である。又は、支持材剥離部46A・46Bは、支持材剥離ロール461Aa・461Baを固定させ、電極を支持材剥離ロール461Aa・461Baに向かう方向又は逆方向に移動させることにより、支持材に対して加圧又は減圧を行ってもよい。
[製造装置に関する実施形態E]
<二次電池製造装置4Eの装置構成>
図17は、本実施形態における、支持フィルム18が密着した電解質シート付き第一の電極と、支持フィルム18が密着した電解質シート付き第二の電極とを用いて電池捲回体を製造する二次電池製造装置4Eであって、第一の電極側と第二の電極側に、それぞれ支持材剥離部46を有する構造を示す模式図(その3)である。
二次電池製造装置4Dは、第一の電極支持部43p及び第二の電極支持部43nに支持される電解質シート付き第一の電極及び電解質シート付き第二の電極について、支持フィルム18が捲回体の内側になるよう捲回されている。一方で、二次電池製造装置4Eは、支持フィルム18が捲回体の外側になるよう捲回されている。
支持材剥離部46Aの有する支持材剥離ロール461Aaに支持フィルム18を剥離された電解質シート付き第一の電極は、電解質シートが巻取部47の外側になるよう巻取部47に捲回される。換言すれば、電解質シート付き第一の電極は、電極合剤部が、巻取部47にすでに巻き取られた第二の電極の有する電解質シートに重なるよう、巻取部47に捲回される。
また、支持材剥離部46Bの有する支持材剥離ロール461Baに支持フィルム18を剥離された電解質シート付き第二の電極は、電解質シートが巻取部47の外側になるよう巻取部47に捲回される。換言すれば、電解質シート付き第二の電極は、その電極合剤部が、電解質シート付き第一の電極の有する電解質シートに重なるよう、巻取部47に捲回される。
なお、支持材剥離部46A・46Bは、支持材剥離ロール461Aa・461Baを電極方向に向けて移動させるか、又は電極と反対方向に向けて移動させることにより、支持材に対して加圧、又は加えた圧力を減ずることが可能であることは、二次電池製造装置4Dと同様である。また、支持材剥離ロール461Aa・461Baを固定させ、電極を移動させることにより加圧又は減圧を行ってもよい点についても、二次電池製造装置4Dと同様である。
[製造装置に関する実施形態F]
<二次電池製造装置4Fの装置構成>
図18は、本実施例における、支持フィルム18が密着した電解質シート付き第一の電極と、電解質シートを有しない第二の電極とを用いて電池捲回体を製造する二次電池製造装置であって、第一の電極側に支持材回収ロール462を有する支持材剥離部46を有し、巻取部47と第一の電極側の支持材剥離部46との間にスリッター48Aを有し、巻取部47と第二の電極側の搬送部45との間にスリッター48Bを有する構造を示す模式図である。
二次電池製造装置4Fは、第一の電極支持部43pと、第二の電極支持部43nと、搬送部45と、支持材剥離部46と、巻取部47とのほか、2つのスリッター48A・48Bを有する。また、二次電池製造装置4Fの支持材剥離部46は、支持材剥離ロール461a・461bのほか、支持材回収ロール462a及び支持材回収ロール462bを有する。
二次電池製造装置4Fの第一の電極支持部43pは、両面に支持フィルム18の密着する電解質シート付き第一の電極を支持する。第二の電極支持部43nは、電解質シートを有さない第二の電極を支持する。電解質シート付き第一の電極は、支持材剥離部46を通過することにより、両面から支持フィルム18が剥離される。
支持材回収ロール462a・462bは、支持材剥離ロール461a・461bにより剥離された支持フィルム18を各々捲回することにより回収する。一例として、支持材回収ロール462aは、第一の電極の搬送方向に向かって、第二の電極側(即ち、第一の電極と第二の電極との間)に設置される。一方、支持材回収ロール462bは、第一の電極の搬送方向に向かって、第二の電極側でない方向に設置される。
スリッター48Aは、支持材剥離部46を有する第一の電極側において、支持材剥離部46と巻取部47との間に設置され、支持フィルム18が剥離された電解質シート付き第一の電極を切断する。また、スリッター48Bは、支持材剥離部46を有さない第二の電極側において、搬送部45と巻取部47との間、又は搬送部45内部に設置され、電解質シートの形成されていない第二の電極を切断する。
二次電池製造装置4Fを用いることにより、支持フィルム18を切断することなく、複数の捲回体20を製造することが可能となる。支持材回収ロール462a・462bにより回収された支持フィルム18を再利用することにより、量産性の向上が可能となる。
なお、図18に示す二次電池製造装置4Fは、第一の電極に電解質シート及び支持フィルム18が形成され、支持材剥離部46を用いて第一の電極から剥離された支持フィルム18が支持材回収ロール462a・462bにより回収される。しかしながら、支持材剥離部46は第二の電極側に設置されていてもよい。その場合、第一の電極には電解質シートが形成されず、第二の電極に電解質シート及び支持フィルム18が形成され、支持材剥離部46を用いて第二の電極から剥離された支持フィルム18が支持材回収ロール462a・462bにより回収される。
なお、二次電池製造装置4Fは、図15、図16、及び図17に示すように、第一の電極側と第二の電極側の双方に支持材剥離部46を有していてもよい。その場合、各々の支持材剥離部46は、支持材剥離ロールと同じ数の支持材回収ロールを有するものであってよい。例えば図15に示す支持材剥離部46A及び支持材剥離部46Bと同様に、支持材剥離部46A・46Bが各々2つの支持材剥離ロール461を有する場合、支持材剥離部46A・46Bは、各々2つの支持材回収ロール462を有する。
また、図16及び図17に示す二次電池製造装置4D・4Eの支持材剥離部46A・46Bは、各々1つの支持材剥離ロール461Aa・461Baを有する。この場合と同様に、支持材剥離部46A及び支持材剥離部46Bが、各々1つの支持材剥離ロール461を有する場合、支持材剥離部46A・46Bは、各々1つの支持材回収ロール462を有するものであってよい。なお、支持材剥離部46A・46Bは、一方に1つの支持材剥離ロール及び1つの支持材回収ロール、他方に2つの支持材剥離ロール及び支持材回収ロールを有するものであってもよい。
付言すれば、二次電池製造装置4Fの支持材剥離部46は、複数の支持材剥離ロールと、複数の支持材回収ロールとを有するといえる。支持材剥離部46の数、支持材剥離ロール461の数、及び支持材回収ロール462の数は、電極の構成に応じて適宜変更が可能である。
なお、支持材回収ロール462a・462bは、回収した支持材を捲回する。一方で、第一の電極支持部43p及び第二の電極支持部43nは、電解質シートを有さない電極か、又は片面もしくは両面に支持フィルム18が密着した電解質シート付き電極を捲回する。そのため、第一の電極支持部43p及び第二の電極支持部43nに比べ、支持材回収ロール462a・462bの方が単位当たりの巻き取る重量や嵩が少ない。従って、支持材回収ロール462a・462bを支持する部分及び軸心は、第一の電極支持部43p及び第二の電極支持部43nを支持する部分及び軸心よりも負荷が軽いため、重量や径を小さくするなど、簡易な構成とすることができる。
付言すれば、二次電池製造装置4Fの有する支持材剥離ロール461a・461bの構成及び材質、巻取部47の構成等については、二次電池製造装置4A等と同様である。
[製造装置に関する実施形態G]
<二次電池製造装置4Gの装置構成>
図19は、本実施形態における、第一の電極と、第二の電極と、電解質シートとを用いて捲回体を製造する二次電池製造装置4Gであって、第一の電極側に、電解質シートを第一の電極に接着させるための電解質シートロール49と、プレスロール50とを有する構造を示す模式図である。
二次電池製造装置4Gは、第一の電極支持部44pと、第二の電極支持部44nと、搬送部45と、支持材剥離部46と、巻取部47とのほか、電解質シートロール49a・49bと、プレスロール50a・50bとを有する。
第一の電極支持部44pは、電解質シートの形成されていない第一の電極を支持する。第二の電極支持部44nは、電解質シートの形成されていない第二の電極を支持する。電解質シートロール49a・49bは、各々電解質シートの形成された支持フィルム18が捲回されている、支持材付き電解質シート保持部として機能する。
プレスロール50a・50bは、支持フィルム付き電解質シートを、電解質シートを有さない第一の電極に圧着するために用いられる。搬送部45は、第一の電極支持部44pに保持された、電解質シートを有さない第一の電極を、プレスロール50a・50bまで導く。電解質シートロール49a・49bの各々から搬送される支持フィルム付き電解質シートは、電解質シート側が第一の電極の電極合剤部に接するよう、第一の電極の両面にセットされる。その後、搬送部45は電解質シートを有さない第一の電極をプレスロール50a・50bの間に通過させる。その結果、第一の電極の両面に、支持フィルム付き電解質シートが圧着される。
その後、両面に支持フィルム18が密着した電解質シート付き第一の電極は、搬送部45により支持材剥離部46まで搬送され、その両面から支持フィルム18が剥離される。支持フィルム18が剥離された電解質シート付き第一の電極と、電解質シートを有さない第二の電極とは、巻取部47において重ねて捲回され、捲回体20が形成される。
なお、搬送部45、支持材剥離部46、及び巻取部47の構成については、二次電池製造装置4Aと同様である。また、図19に示す二次電池製造装置4Gは、第一の電極側に電解質シートロール49a・49b、プレスロール50a・50b、及び支持材剥離部46が設置されているが、第二の電極側に設置されていてもよいし、第一の電極及び第二の電極の双方に設置されていてもよい。
また、図19に示す二次電池製造装置4Gは、第一の電極側に2つの電解質シートロール49a・49b及び支持材剥離ロール461a・461bを有しており、第一の電極の両面に電解質シートを形成する。しかしながら、二次電池製造装置4Gは、第一の電極及び第二の電極の片面に、電解質シートを形成するものであってもよい。
その場合、第一の電極側と第二の電極側の双方に、各々1つの電解質シートロール49が設置され、第一の電極及び第二の電極の片面に、支持フィルム付き電解質シートが圧着される。その後、図16又は図17に示す支持材剥離部46A・46Bと同様に、第一の電極及び第二の電極において、各々1つの支持材剥離ロールを用いて、片面から支持フィルム18が剥離される。なお、第一の電極側と第二の電極側の一方の両面に支持フィルム付き電解質シートが圧着され、他方の片面に支持フィルム付き電解質シートが圧着されるものであってもよい。
以上、二次電池製造装置4Gによれば、電解質シートの電極への形成と、支持フィルム18の剥離、及び捲回体の製造を連続して行うことができ、捲回体の製造効率が向上する。また、電解質シートの電極への形成後すぐに捲回体を製造するため、異物の混入等による電池性能の低下を効率的に予防することができる。
[製造装置に関する実施形態H]
<二次電池製造装置4Hの装置構成>
図20は、本実施形態における、第一の電極と、第二の電極と、電解質シートとを用いて捲回体を製造する二次電池製造装置4Hであって、第一の電極側に、電解質シートを第一の電極に接着させるための電解質シートロール49と、プレスロール50と、支持材回収ロール462を有する支持材剥離部46を有し、巻取部47と第一の電極側の支持材剥離部46との間にスリッター48Aを有し、巻取部47と負極側の搬送部45との間にスリッター48Bを有する構造を示す模式図である。
二次電池製造装置4Hは、第一の電極支持部44pと、第二の電極支持部44nと、搬送部45と、支持材剥離部46と、巻取部47とのほか、電解質シートロール49a・49bと、プレスロール50a・50bと、スリッター48A・48Bとを有する。
また、二次電池製造装置4Hの支持材剥離部46は、支持材剥離ロール461a・461bのほか、支持材回収ロール462a・462bを有する。搬送部45と、支持材剥離部46と、巻取部47と、電解質シートロール49a・49bと、プレスロール50a・50bとについては、図19に示す二次電池製造装置4Gと同様である。また、支持材回収ロール462a・462b及びスリッター48A・48Bについては、図18に示す二次電池製造装置4Fと同様である。
第一の電極支持部44pは、電解質シートの形成されていない第一の電極を支持する。第二の電極支持部44nは、電解質シートの形成されていない第二の電極を支持する。図19に示す二次電池製造装置4Gと同様に、電解質シートを有さない第一の電極は、プレスロール50a・50bの間を通過することにより、両面に支持フィルム付き電解質シートが形成される。
その後、図18に示す二次電池製造装置4Fと同様に、支持フィルム18が密着した電解質シート付き第一の電極が支持材剥離部46を通過すると、両面から支持フィルム18が剥離され、支持材回収ロール462a・462bに回収される。支持フィルム18が剥離された電解質シート付き第一の電極は、所望の長さの分だけ巻取部47に巻き取られた後、スリッター48Aにて切断される。また、電解質シートを有さない第二の電極についても、所望の長さの分だけ巻取部47に捲回され、スリッター48Bにて切断される。
なお、二次電池製造装置4Fは、第一の電極側ではなく、第二の電極側に、電解質シートロール49a・49bと、プレスロール50a・50bと、支持材剥離部46とを有していてもよい。また、第一の電極側と第二の電極側の双方に、これらを有していてもよい。
また、第一の電極と第二の電極の各々の片面に支持フィルム付き電解質シートを形成するよう、双方の電極の片面側に、1つの電解質シートロール49と、1つの支持材剥離ロール461と、1つの支持材回収ロール462を有するものであってもよい。また、第一の電極又は第二の電極の一方の片面に支持フィルム付き電解質シートを形成し、他方の両面に支持フィルム付き電解質シートを形成するよう構成してもよい。
以上、二次電池製造装置4Hによれば、電解質シートの電極への形成と、支持フィルム18の剥離、及び捲回体の製造を連続して行うことができるだけでなく、剥離した支持フィルム18を回収することができる。そのため、回収された支持フィルム18を再利用することができ、経済的である上に、捲回体の製造効率が向上する。
以下に、二次電池の製造装置に関する実施例を示して本発明の態様をより具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
<実施例4>
図8に示す二次電池製造装置4Aを用いて、捲回型二次電池を作製した。
図12は、本実施例における、支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極3pを示す模式図である。図12(a)は、支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極3pの上面模式図であり、図12(b)は、支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極3pの断面模式図である。
まず、実施例1の方法に準拠して、電解質シート、正極、及び負極を各々準備した。実施例1の方法に準拠して、電解質シートと正極とを熱プレス圧縮し、図12に示す構造の電解質シート付き正極3pを得た。この際、電解質シートの支持フィルム(PET)18は剥離せずに貼り付けた状態とした。なお、電解質シート付き正極3pは、電解質シート付き第一の電極といえる。この際、電解質シートと支持フィルム18との密着力を90度剥離試験によって測定した結果は、2N/mであった。
また、負極10nには電解質シートを密着させなかった。負極10nは、電解質シートを有さない第二の電極といえる。
次に、支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極3pをロール状に巻き、第一の電極支持部41pに設置した。また、電解質シートを有しない負極10nをロール状に巻き、第二の電極支持部41nに設置した。支持フィルム18の密着した電解質シート付き正極3pと、電解質シートを有しない負極10nとについて、各々搬送部45を通過させた。
その後、支持フィルム18の密着した電解質シート付き正極3pは、支持材剥離部46を通過した。電解質シート付き正極3pの両面から支持フィルム18のみが剥離され、巻取部47へと搬送された。一方、電解質シートを有しない負極10nは巻取部47に搬送された。巻取部47は、支持フィルム18の剥離された電解質シート付き正極3pと、電解質シートを有しない負極10nとを重ね合わせながら捲回し、捲回体20を得た。
得られた捲回体20を外装体(電池缶)22に挿入し、外装体22と電極端子24を溶接することで、捲回型二次電池2Aを得た。
以上、本実施形態における二次電池製造装置4Aを用いることにより、巻き取りの直前まで電解質シート付き正極3pに支持フィルム18を密着させることができた。支持フィルム18によって、電解質シート付き正極3pが保護されるため、製造雰囲気中の異物混入や、設備等との擦れによって生じる電解質シート付き正極3pの破損を効率的に抑制することができ、電池性能低下を抑制した捲回型二次電池を作製することができた。
<実施例5>
図13に示す二次電池製造装置4Bを用いて、捲回型二次電池を作製した。
図14は、本実施例における支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極3nを示す模式図である。図14(a)は支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極3nの上面模式図であり、図14(b)支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極3nの断面模式図である。
まず、実施例1の方法に準拠して、電解質シート、正極、及び負極を各々準備した。実施例1の方法に準拠して、電解質シートと負極とを熱プレス圧縮し、図14に示す構造の電解質シート付き負極3nを得た。この時、電解質シートの支持フィルム(PET)18は剥離せずに貼り付けた状態とした。なお、電解質シート付き負極3nは、電解質シート付き第二の電極といえる。
また、正極10pには電解質シートを密着させなかった。正極10pは、電解質シートを有さない第一の電極といえる。
次に、支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極3nと、電解質シートを有しない正極10pと、をそれぞれロール状に巻き、各々第二の電極支持部42nと、第一の電極支持部42pとに設置した。両面に支持フィルム18の密着した電解質シート付き負極3nと、電解質シートを有しない正極10pとについて、各々搬送部45を通過させた。
その後、支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極3nは、支持材剥離部46を通過した。支持材剥離部46の詳細は上述の通りであり、実施例4と同様に、支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極3nの両面から支持フィルム18のみを剥離することができた。その後、支持フィルム18の剥離された電解質シート付き負極3nは巻取部47へと搬送された。また、電解質シートを有しない正極10pは、搬送部45により、巻取部47へと搬送された。
巻取部47では、電解質シート付き負極3nと、電解質シートを有しない正極10pと、を重ね合わせながら捲回し、捲回体20を得た。得られた捲回体20を外装体(電池缶)22に挿入し、外装体22と電極端子24とを溶接することで、捲回型二次電池2Aを得た。
なお、本実施例における二次電池製造装置4Bについて、支持材剥離部46の構成、及び巻取部47の構成は、実施例4における二次電池の製造に用いた二次電池製造装置4Aの支持材剥離部46の構成、及び巻取部47の構成と同様であった。
以上、本実施形態における二次電池製造装置4Bを用いることにより、二次電池製造装置4Aを用いた場合と同様に、巻き取りの直前まで電解質シート付き負極3nに支持フィルム18を密着させることができた。支持フィルム18によって、電解質シート付き負極3nが保護されるため、製造雰囲気中の異物混入や、設備等との擦れによって生じる電解質シート付き負極3nの破損を効率的に抑制することができ、電池性能低下を抑制した捲回型二次電池を作製することができた。
<実施例6>
図15に示す二次電池製造装置4Cを用いて、捲回型二次電池を作製した。
まず、実施例1の方法に準拠して、電解質シート、正極、及び負極をそれぞれ準備した。次に、実施例1の方法に準拠して、電解質シートと正極とを熱プレス圧縮し、図12に示す構造の電解質シート付き正極3pを得た。この際、電解質シートの支持フィルム(PET)18は、剥離せずに貼り付けた状態とした。
また次に、実施例1の方法に準拠して、電解質シートと負極とを熱プレス圧縮し、図14に示す構造の電解質シート付き負極3nを得た。この際、電解質シートの支持フィルム(PET)18は剥離せずに貼り付けた状態とした。
次に、支持フィルム18の密着した電解質シート付き正極3pと、支持フィルム18の密着した電解質シート付き負極3nとを各々ロール状に捲回し、図15に示す二次電池製造装置4Cの第一の電極支持部43pと、第二の電極支持部43nとに設置した。支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極3pと、支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極3nとについて、各々搬送部45を通過させた。
その後、支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極3pは、支持材剥離部46Aを通過することにより、両面に密着した支持材フィルムが剥離された。同様に、支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極3nは、支持材剥離部46Bを通過することにより、両面に密着した支持材フィルムが剥離された。その後、支持フィルム18が剥離された電解質シート付き正極3p及び電解質シート付き負極3nは、巻取部47により重ね合わせて捲回され、捲回体20を得ることができた。
得られた捲回体20を外装体(電池缶)22に挿入し、外装体22と電極端子24とを溶接することで、捲回型二次電池2Aを得た。なお、二次電池製造装置4Cの支持材剥離部及び巻取部47の構成は、二次電池製造装置4A及び二次電池製造装置4Bと同様であった。
本実施例によれば、捲回の直前まで、電解質シート付き正極3p及び電解質シート付き負極3nに支持フィルム18を密着させておくことができたため、製造雰囲気中の異物混入や、設備等との擦れによって生じる電解質シート付き正極3p及び電解質シート付き負極3nの双方の破損を効率的に抑制することができ、電池性能低下を抑制した捲回型二次電池を作製することができた。
<実施例7>
図16に示す二次電池製造装置4Dを用いて、捲回型二次電池を作製した。
まず、実施例1の方法に準拠して、電解質シート、正極、及び負極をそれぞれ準備した。次に、実施例1の方法に準拠して、正極の片面に電解質シートを積層し、熱プレス圧縮して、片面に電解質シートが形成された電解質シート付き正極を得た。この際、電解質シートの支持フィルム(PET)18は、剥離せずに貼り付けた状態とした。
また、実施例1の方法に準拠して、負極の片面に電解質シートを積層し、熱プレス圧縮して、片面に電解質シートが形成された電解質シート付き負極を得た。この際、電解質シートの支持フィルム(PET)18は、剥離せずに貼り付けた状態とした。
次に、片面に支持フィルム18の密着した電解質シート付き正極と、片面に支持フィルム18の密着した電解質シート付き負極とをロール状に捲回した。捲回の際、電解質シート付き正極の有する支持フィルム18と、電解質シート付き負極の有する支持フィルム18とが、各々捲回体の内側になるよう捲回を行った。その後、図16に示す二次電池製造装置4Dの第一の電極支持部43pと、第二の電極支持部43nとに設置した。片面に支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極と、片面に支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極とについて、各々搬送部45を通過させた。
その後、支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極は、支持材剥離部46Aを通過することにより、片面に密着した支持材フィルムが剥離された。同様に、支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極は、支持材剥離部46Bを通過することにより、片面に密着した支持材フィルムが剥離された。その後、支持フィルム18が剥離された電解質シート付き正極及び電解質シート付き負極は、巻取部47により重ね合わせて捲回され、捲回体20を得ることができた。
得られた捲回体20を外装体(電池缶)22に挿入し、外装体22と電極端子24とを溶接することで、捲回型二次電池2Aを得た。なお、二次電池製造装置4Dの巻取部47の構成は、二次電池製造装置4A及び二次電池製造装置4Bと同様であった。
本実施例によれば、捲回の直前まで、電解質シート付き正極3p及び電解質シート付き負極3nに支持フィルム18を密着させておくことができたため、製造雰囲気中の異物混入や、設備等との擦れによって生じる電解質シート付き正極及び電解質シート付き負極の双方の破損を効率的に抑制することができ、電池性能低下を抑制した捲回型二次電池を作製することができた。また、支持材剥離部46の有する支持材剥離ロールは各々1つでよいため、より簡易な装置構成とすることができた。
<実施例8>
図17に示す二次電池製造装置4Eを用いて、捲回型二次電池を作製した。
まず、実施例7と同様に、実施例1の方法に準拠して、片面に電解質シートが形成された電解質シート付き正極と、片面に電解質シートが形成された電解質シート付き負極とを得た。この際、正極及び負極とも。電解質シートの支持フィルム(PET)18は、剥離せずに貼り付けた状態とした。
次に、片面に支持フィルム18の密着する電解質シート付き正極と、片面に支持フィルム18の密着する電解質シート付き負極とをロール状に捲回した。捲回の際、電解質シート付き正極の有する支持フィルム18と、電解質シート付き負極の有する支持フィルム18とが、各々捲回体の外側になるよう捲回を行った。その後、図17に示す二次電池製造装置4Eの第一の電極支持部43pと、第二の電極支持部43nとに設置した。片面に支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極と、片面に支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極とについて、各々搬送部45を通過させた。
その後、支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極は、支持材剥離部46Aを通過することにより、片面に密着した支持フィルム18が剥離された。同様に、支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極は、支持材剥離部46Bを通過することにより、片面に密着した支持フィルム18が剥離された。その後、支持フィルム18が剥離された電解質シート付き正極及び電解質シート付き負極は、巻取部47により重ね合わせて捲回され、捲回体20を得ることができた。
得られた捲回体20を外装体(電池缶)22に挿入し、外装体22と電極端子24とを溶接することで、捲回型二次電池2Aを得た。なお、二次電池製造装置4Eの支持材剥離部46及び巻取部47の構成は、二次電池製造装置4Dと同様であった。
本実施例によれば、捲回の直前まで、電解質シート付き正極及び電解質シート付き負極に支持フィルム18を密着させておくことができたため、製造雰囲気中の異物混入や、設備等との擦れによって生じる電解質シート付き正極及び電解質シート付き負極の双方の破損を効率的に抑制することができ、電池性能低下を抑制した捲回型二次電池を作製することができた。また、支持材剥離部46の有する支持材剥離ロールは各々1つでよいため、より簡易な装置構成とすることができた。
<実施例9>
図18に示す二次電池製造装置4Fを用いて、捲回型二次電池を作製した。
まず、実施例1の方法に準拠して、電解質シート、正極、及び負極をそれぞれ準備した。次に、実施例1の方法に準拠して、正極の両面に電解質シートを積層し、熱プレス圧縮して、両面に電解質シートが形成された電解質シート付き正極3pを得た。この際、電解質シートの支持フィルム(PET)18は、剥離せずに貼り付けた状態とした。また、負極10nには電解質シートを密着させなかった。
次に、両面に支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極3pと、電解質シートを有しない負極10nと、をそれぞれロール状に巻き、各々第一の電極支持部41pと第二の電極支持部41nとに設置した。両面に支持フィルム18の密着した電解質シート付き正極3pと、電解質シートを有しない負極10nとについて、各々搬送部45を通過させた。
その後、支持フィルム18の密着した電解質シート付き正極3pは、支持材剥離部46を通過した。電解質シート付き正極3pの片面から支持材剥離ロール461aにより剥離された支持フィルム18は、支持材回収ロール462aに回収された。また、電解質シート付き正極3pの反対側の面から支持材剥離ロール461bにより剥離された支持フィルム18は、支持材回収ロール462bに回収された。
両面から支持フィルム18が剥離された電解質シート付き正極3pと、負極10nとは、巻取部47に搬送された。巻取部47は、支持フィルム18の剥離された電解質シート付き正極3pと、電解質シートを有しない負極10nとを重ね合わせながら捲回し、捲回体20を得た。巻取部47で所望のサイズの捲回体20を得た後、スリッター48A・48Bは、電解質シート付き正極3pと、電解質シートを有しない負極10nとを切断した。
その後、支持フィルム18を切断せずに、支持フィルム18の剥離された電解質シート付き正極3pと、電解質シートを有しない負極10nとを新たに巻取部47にセットし、各々を重ね合わせて捲回することにより、2つ目の捲回体20を得た。
得られた捲回体20を外装体(電池缶)22に挿入し、外装体22と電極端子24を溶接することで、捲回型二次電池2Aを得た。
以上、本実施形態における二次電池製造装置4Fを用いることにより、支持フィルム18を切断することなく、複数の捲回体20を製造することができた。また、回収後の支持フィルム18を再利用することができ、量産性を向上させることができた。
<実施例10>
図18に示す二次電池製造装置4Fを用いて、捲回型二次電池を作製した。なお、第一の電極支持部41pに、実施例1の方法に準拠して得た支持フィルム18を密着させた電解質シート付き負極3nを支持させた。また、第二の電極支持部41nに、電解質シートを有さない正極10pを支持させた。その後、実施例9と同様に、支持フィルム18を密着させた電解質シート付き負極3nから支持フィルム18を剥離し、電解質シートを有さない正極10pと重ねて巻取部47で捲回した。その後の処理については、実施例9と同様である。
本実施例においても、実施例9と同様に、支持フィルム18を切断することなく、複数の捲回体を製造することができた。また、回収後の支持フィルム18を再利用することができた点も、実施例9と同様である。
<実施例11>
図18に示す二次電池製造装置4Fは、第一の電極側に2つの支持材回収ロール462a・462bを有する支持材剥離部46を設置している。本実施例では、第一の電極側及び第二の電極側の双方に、各々2つの支持材回収ロールを有する支持材剥離部46を設置した二次電池製造装置を用いて、捲回体を得た。
より詳細には、第一の電極支持部41pに、実施例1の方法に準拠して生成した、両面に支持フィルム18を密着させた電解質シート付き正極3pを支持させた。また、第二の電極支持部41nに、実施例1の方法に準拠して生成した、両面に支持フィルム18を密着させた電解質シート付き負極3nを支持させた。その後、第一の電極側に設置された支持材剥離部46は、2つの支持材剥離ロール461を用いて電解質シート付き正極3pの両面から支持材を剥離した。剥離した支持材は、2つの支持材回収ロール462に回収された。他方において、第二の電極側に設置された支持材剥離部46は、2つの支持材剥離ロール461を用いて電解質シート付き負極3nの両面から支持材を剥離した。剥離した支持材は、2つの支持材回収ロール462に回収された。その後の処理については、実施例9と同様である。
本実施例においても、実施例9と同様に、支持フィルム18を切断することなく、複数の捲回体を製造することができた。また、回収後の支持フィルム18を再利用することができた点も、実施例9と同様である。
<実施例12>
図19に示す二次電池製造装置4Gを用いて、捲回型二次電池を作製した。
まず、実施例1の方法に準拠して、電解質シート、正極、及び負極をそれぞれ準備した。次に、実施例1の方法に準拠して、正極の両面に電解質シートを積層し、熱プレス圧縮して、電解質シートを有さない正極10pを得た。同様に、電解質シートを有さない負極10nを得た。
次に、電解質シートを有さない正極10pと負極10nとをそれぞれロール状に巻き、各々第一の電極支持部44pと第二の電極支持部44nとに設置した。電解質シートを有しない正極10pと負極10nとを搬送部45を用いて搬送させた。
その後、電解質シートを有さない正極10pの両面に対して、電解質シートロール49a・49bに捲回されていた支持フィルム付き電解質シートの電解質シート側を接触させ、プレスロール50a・50bの間を通過させた。これにより、正極10pの両面に、支持フィルム付き電解質シートが密着し、支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極3pが得られた。
その後、図8に示す二次電池製造装置4Aを用いて実施した実施例4と同様に、支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極3pから支持フィルム18を剥離し、電解質シートを有さない負極10nと重ねて捲回することで、捲回体20を得た。
本実施例により、電解質シートの正極への接着と、支持フィルム18の剥離と、捲回体の製造とを連続して行うことが可能であることを確認した。
<実施例13>
図19に示す二次電池製造装置4Fを用いて、捲回型二次電池を作製した。なお、第一の電極支持部44pに、実施例1の方法に準拠して得た、電解質シートを有さない負極10nを支持させた。また、第二の電極支持部41nに、電解質シートを有さない正極10pを支持させた。その後、電解質シートを有さない負極10nの両面に対して、電解質シートロール49a・49bに支持されている支持フィルム付き電解質シートを接触させ、プレスロール50a・50bを用いて圧着した。その後、支持材剥離部46を用いて支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極3nから支持フィルム18を剥離した。その後の処理は、実施例4と同様である。
本実施例により、電解質シートの負極への接着と、支持フィルム18の剥離と、捲回体の製造とを連続して行うことが可能であることを確認した。
<実施例14>
図19に示す二次電池製造装置4Gは、第一の電極側に電解質シートロール49a・49b、プレスロール50a・50b、及び支持材剥離部46を有している。本実施例では、第一の電極側と、第二の電極側との双方に、各々2つの電解質シートロール49と、プレスロール50と、2つの支持材剥離ロールを有する1つの支持材剥離部46と、を有する二次電池製造装置を用いて、捲回型二次電池2Aを得た。
より詳細には、実施例1の方法に準拠して生成した、電解質シートを有さない正極10pと、電解質シートを有さない負極10nとを、各々第一の電極支持部44pと、第二の電極支持部44nとに支持させた。その後、実施例12と同様に、電解質シートを有さない正極10pの両面に、電解質シートロール49a・49bに捲回されていた支持フィルム付き電解質シートが圧着された。同様に、電解質シートを有さない負極10nの両面に対しても、支持フィルム付き電解質シートが圧着された。
その後、図15に示す二次電池製造装置4Cを用いた実施例6と同様に、両面に支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極3p、及び両面に支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極3nから支持フィルム18が剥離され、巻取部47により捲回体20が生成された、その後の処理は、実施例4と同様である。
本実施例により、電解質シートの正極及び負極への接着と、支持フィルム18の剥離と、捲回体の製造とを連続して行うことが可能であることが確認された。
<実施例15>
図20に示す二次電池製造装置4Hを用いて、捲回型二次電池を作製した。電解質シートを有さない負極10nを巻取部47に搬送する点、電解質シートを有さない正極10pの両面に、電解質シートロール49a・49bに捲回されていた支持フィルム付き電解質シートを圧着する点は、実施例12と同様である。
その後、両面に支持フィルム18が密着した電解質シート付き正極3pが、支持材剥離部46に搬送される。その後、電解質シート付き正極3pの両面から支持フィルム18が剥離され、支持材回収ロール462a・462bに回収される点、及びそれ以降の処理は、図18に示す二次電池製造装置4Fを用いて行われる実施例9と同様である。
本実施例により、電解質シートの正極への接着と、支持フィルム18の剥離と、捲回体の製造とを連続して行うことが可能であることを確認した。また、支持フィルム18を切断することなく、複数の捲回体を製造することができ、回収後の支持フィルム18を再利用することができた。
<実施例16>
図20に示す二次電池製造装置4Hを用いて、捲回型二次電池を作製した。なお、第一の電極支持部44pに、実施例1の方法に準拠して得た、電解質シートを有さない負極10nを支持させた。また、第二の電極支持部41nに、電解質シートを有さない正極10pを支持させた。その後、電解質シートを有さない負極10nの両面に対して支持フィルム付き電解質シートを圧着し、支持材剥離部46を用いて支持フィルム18が密着した電解質シート付き負極3nから支持フィルム18を剥離した。その後の処理は、実施例15と同様である。
本実施例により、電解質シートの負極への接着と、支持フィルム18の剥離と、捲回体の製造とを連続して行うことが可能であることを確認した。また、支持フィルム18を切断することなく、複数の捲回体を製造することができ、回収後の支持フィルム18を再利用することができた。
<実施例17>
図20に示す二次電池製造装置4Hは、第一の電極側に電解質シートロール49a・49b、プレスロール50a・50b、及び支持材剥離部46を有している。本実施例では、第一の電極側と、第二の電極側との双方に、各々2つの電解質シートロール49と、プレスロール50と、2つの支持材剥離ロール461及び支持材回収ロール462を有する1つの支持材剥離部46と、を有する二次電池製造装置を用いて、捲回型二次電池2Aを得た。
より詳細には、実施例1の方法に準拠して生成した、電解質シートを有さない正極10pと、電解質シートを有さない負極10nとを、各々第一の電極支持部44pと、第二の電極支持部44nとに支持させた。その後、実施例15と同様に、電解質シートを有さない正極10pの両面に、支持フィルム付き電解質シートを圧着し、支持材剥離部46で支持フィルム18を剥離し、支持材回収ロール462を用いて支持フィルム18を回収した。同様に、電解質シートを有さない負極10nの両面に対しても、支持フィルム付き電解質シートを圧着し、支持材剥離部46で支持フィルム18を剥離して支持材回収ロール462を用いて回収した。その後の処理は、実施例15と同様である。
本実施例により、電解質シートの正極又は負極への接着と、支持フィルム18の剥離と、捲回体の製造とを連続して行うことが可能であることを確認した。また、支持フィルム18を切断することなく、複数の捲回体を製造することができ、回収後の支持フィルム18を再利用することができた。
以上、本発明に係る各実施形態及び変形例の説明を行ってきたが、本発明は、上記した実施形態の一例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態の一例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。
1…電解質シート付き電極、1p・3p…電解質シート付き正極、1n・3n…電解質シート付き負極、10…電極、10p…正極、10n…負極、12…電極集電箔、12p…正極集電箔、12n…負極集電箔、45…搬送部、46・46A・46B…支持材剥離部、47…巻取部、48・48A・48B…スリッター、49・49a・49b…電解質シートロール、50・50a・50b…プレスロール、122…電極集電箔本体部、122p…正極集電箔本体部、122n…負極集電箔本体部、124…電極タブ部、124p…正極タブ部、124n…負極タブ部、14…電極合剤部、14p…正極合剤部、14n…負極合剤部、16…電解質シート、18…支持フィルム、2A、2B…二次電池(捲回型二次電池、積層型二次電池)、20…捲回体、22…外装体、24…電極端子、24p…正極端子、24n…負極端子、26…積層体、28…絶縁テープ、451…搬送ロール、461a・461b・461Aa・461Ab・461Ba・461Bb…支持材剥離ロール、462・462a・462b…支持材回収ロール、463a…バネ、463b…エアシリンダ、471…捲回ロール

Claims (15)

  1. 正極又は負極のいずれか一方である第一の電極と、他方である第二の電極と、電解質シートとを含み構成される二次電池の製造装置であって、
    前記第一の電極及び前記第二の電極は、電極タブ部と電極合剤部とを有し、
    前記第一の電極及び前記第二の電極の少なくとも一方は、前記電極合剤部に接する前記電解質シートに形成された支持材を備えた支持材付き電極であって、
    前記支持材付き電極から前記支持材を剥離する支持材剥離部と、
    前記支持材の剥離された前記第一の電極及び前記第二の電極を重ねて捲回する巻取部と、を備えることを特徴とする、二次電池の製造装置。
  2. 請求項1に記載の二次電池の製造装置であって、
    前記支持材剥離部は、1つの前記支持材付き電極の片面から前記支持材を剥離する1つの支持材剥離ロールと、前記支持材付き電極の反対の面から前記支持材を剥離する1つの支持材剥離ロールと、の少なくとも2つの支持材剥離ロールとを有することを特徴とする、二次電池の製造装置。
  3. 請求項1に記載の二次電池の製造装置であって、
    前記第一の電極及び前記第二の電極は、各々少なくとも片面に前記支持材が形成され、
    前記支持材剥離部は、前記第一の電極及び前記第二の電極に各々形成された前記支持材を剥離することを特徴とする、二次電池の製造装置。
  4. 請求項1に記載の二次電池の製造装置であって、
    前記第一の電極及び前記第二の電極は、各々片面に前記支持材が形成され、
    前記支持材剥離部は、前記第一の電極の片面から前記支持材を剥離する1つの支持材剥離ロールと、前記第二の電極の片面から前記支持材を剥離する1つの支持材剥離ロールと、の少なくとも2つの支持材剥離ロールを有することを特徴とする、二次電池の製造装置。
  5. 請求項1に記載の二次電池の製造装置であって、
    前記支持材剥離部は、少なくとも1つの支持材剥離ロールが前記支持材を吸着して前記支持材を剥離し、
    前記支持材に対する前記支持材剥離ロールの吸着力は、2N/m以上30kN/m以下であることを特徴とする、二次電池の製造装置。
  6. 請求項1に記載の二次電池の製造装置であって、
    前記支持材は、ポリエチレンテレフタラートを含み、
    前記支持材剥離部は、少なくとも1つの支持材剥離ロールが前記支持材を吸着して前記支持材を剥離し、
    前記支持材に対する前記支持材剥離ロールの吸着力は、2N/m以上30kN/m以下であることを特徴とする、二次電池の製造装置。
  7. 請求項1に記載の二次電池の製造装置であって、
    前記支持材剥離部は、少なくとも1つの支持材剥離ロールが前記支持材を吸着して前記支持材を剥離し、
    前記支持材剥離ロールは、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、及びパラフィン系炭化水素、の少なくとも1つを含有することを特徴とする、二次電池の製造装置。
  8. 請求項1に記載の二次電池の製造装置であって、
    前記支持材剥離部は、前記支持材付き電極を挟み込むよう設置される2つの支持材剥離ロールと、前記支持材剥離ロールが前記支持材を加圧するよう付勢する圧力制御機構と、を備え、
    前記圧力制御機構は、2N/m以上30kN/m以下で前記支持材剥離ロールが前記支持材に加圧するよう制御することを特徴とする、二次電池の製造装置。
  9. 請求項1に記載の二次電池の製造装置であって、
    前記支持材剥離部は、前記支持材付き電極を挟み込むよう設置される2つの支持材剥離ロールと、前記支持材剥離ロールが前記支持材を加圧するよう付勢するバネと、を備えることを特徴とする、二次電池の製造装置。
  10. 請求項1に記載の二次電池の製造装置であって、
    前記支持材剥離部は、前記支持材付き電極を挟み込むよう設置される2つの支持材剥離ロールと、前記支持材剥離ロールが前記支持材を加圧するよう付勢するエアシリンダと、を備えることを特徴とする、二次電池の製造装置。
  11. 請求項1に記載の二次電池の製造装置であって、
    前記支持材剥離部は、複数の支持材剥離ロールと、前記支持材剥離ロールに剥離された前記支持材を回収する複数の支持材回収ロールと、を有することを特徴とする、二次電池の製造装置。
  12. 請求項1に記載の二次電池の製造装置であって、
    前記支持材剥離部と、前記巻取部と、の間に、前記支持材の剥離された前記第一の電極又は前記第二の電極を切断するスリッターを備えることを特徴とする、二次電池の製造装置。
  13. 請求項1に記載の二次電池の製造装置であって、
    前記支持材が形成された前記電解質シートを保持する支持材付き電解質シート保持部と、
    支持材付き電解質シートの有する前記電解質シートを前記電極合剤部に圧着するプレスロールと、
    前記支持材付き電解質シートが圧着された前記支持材付き電極を前記支持材剥離部まで搬送する搬送部と、を備え、
    前記搬送部は、前記電解質シートを有さない前記第一の電極及び前記第二の電極の少なくとも一方を前記プレスロールに搬送し、
    前記プレスロールは、搬送された前記電解質シートを有さない前記第一の電極及び前記第二の電極の少なくとも一方に対して前記支持材付き電解質シートを圧着することを特徴とする、二次電池の製造装置。
  14. 請求項13に記載の二次電池の製造装置であって、
    前記支持材剥離部は、複数の支持材剥離ロールと、前記支持材剥離ロールに剥離された前記支持材を回収する複数の支持材回収ロールと、を有することを特徴とする、二次電池の製造装置。
  15. 正極又は負極のいずれか一方である第一の電極と、他方である第二の電極と、電解質シートとを含み構成される二次電池の製造方法であって、
    前記第一の電極及び前記第二の電極は、電極タブ部と電極合剤部とを有しており、
    前記第一の電極及び前記第二の電極の少なくとも一方の前記電極合剤部に接する前記電解質シートから支持材を剥離する支持材剥離手順と、
    前記支持材の剥離された前記第一の電極及び前記第二の電極を重ねて捲回する巻取手順と、を備えることを特徴とする、二次電池の製造方法。
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